>>552 ふふ……それはよかった。
お……おおっ……
(自分よりずっと頭の良い濃姫様が何を考えているのかは定かではなかったが)
(暖かそうに表情を緩めた濃姫様の様子から無事が伝わり、自然と渋く微笑み返す)
(だが濃姫様にああ尋ねておいて自分がやや濡れまま走る肌寒さのせいで、馬の背で踏ん張った下半身がブルッと震える)
ふぅっ……
(幸せを感じている濃姫様にわからぬよう、馬上の揺れとなるべく合わせて相殺して誤魔化して)
うう……濃姫様、すみませぬ……!
人目のある場所へ出る前に、ここで一度、止まりまする……!
はっ―――どう、どうどう……!
(端正ではないが、父性を感じさせる隆々とした体つきが濃姫様を後ろから包む)
(だがあぜ道を抜け出そうなところで手綱を引き、急遽、駆けていた馬の足を止めて)
(物思いに耽っている濃姫様を大きな揺れが襲い、どうどうと諌めると馬は荒気を鎮めてその場に収まった)
(それまで流れる景色の中でよく見えなかったが、留まれば足元は小石が転がり、脇には叢がぼうぼうと生えた荒れた道端だとよく解る)
濃姫様、共に一度馬から降りましょう……
………………、
(二人一緒で地面を踏みしめることをお願いする)
(あとは意図を伝えぬ無言で馬背に踏ん張ったまま、濃姫から尋ねられるのを待っているよう)
【このように…】
【ちょっと上手くできたか心配ですが】
【濃姫様なら上手く合わせてくれると思っております】
>>554 【次回のご予定はどうでしょう】
【自分は明日の夜でも大丈夫ですが……】