もし桂のような地球人の中でも相当に美しい者が、邪な考えを持つ者に捕らえられればどうなるか。
幕府に捕らえられるのとはまた別に、悲惨な目にあうことは想像に難くない。
坂本はそういったことを桂にこれまでも再三伝えてきたのだが
命令を下すばかりで自らは安全な場所にいることができるかと、桂はどうしても譲らなかった。
そうこうしているうちに、互いの口調も荒くなり過激な言葉が飛び交うようになった中で桂が言った。
もしそのような目に合うとしても、とうに覚悟はできている。自分はその手の拷問に屈することはない。それに。
「どうせ、慣れている」そう自嘲気味に言い放った桂に、坂本がとうとうキレた。