>>328 (暗い室内から廊下の明かりを背負い、スザクを前にする直前、何度か向かい合った事のある鋭い視線に)
(懐かしくも歯痒い複雑な気持ちになりつつも、面に出さないように無愛想な表情で近付いていき)
私が会長やジノに見えるわけ?…ええ、私。久し振りね、スザク。
(言い方は昔に近くつんけんしたものでも、雰囲気はあの頃よりずっと優しく問い掛けて)
(緊張の糸を解いていくスザクの姿を面白そうに見遣る)
ゼロの正体を知りたがる奴なんて、その気を起こす前にシュナイゼルとやらが排除してるんじゃない?
ふふ、咲世子さんならニーナの手を借りずに入れちゃいそうだけどね。
明けましておめでとう、スザク。
…そうね。――護るものの為なら何だってしてみせるような奴だったし。
全然似てないのに、そういうところはアンタもそっくりよ。
新年だし、ブリタニアにEUに中華連邦に、挨拶回りで忙しいのは皆知ってるから。
ナナリーも代表として忙しくて来れなかったのは残念だけど…仕方ないわよね。
せめてお土産だけでも届けてくれって頼まれて…ああ、これ?
今年は凄かったわ、鯛の尾頭付きにアプリコットジャムが塗られてて…ゼロもきっと食べたいだろうからって、
セシルさんがとにかく頑張ってくれて…。
(許可もなくさっさとスザクの隣に腰掛けると膝上に置いた風呂敷を解いて重箱を出し)
(スザクの問い掛けにニヤッと笑って蓋を取る)
(重箱の中身は、昔ながらのきちんとしたおせちの中身で、超アレンジの代物は一つもなく)
…んだけど、さすがにアレンジのモノは日持ちしないからって断ってきた。
アプリコット鯛はジノのお腹の中に納まったわ。
【ありがとう、ええっと…時間がまだ大丈夫ならこれ以降移動を頼んでもいい?】
【構わないなら場所を探してくる】