置きレスでロールをする人のためのスレ 12

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297“魔術師” ◆Magier.e/w
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/erochara/1328740947/112への置きレスにお借り致します

ああ、おはよう、ディートリッヒ。待っていたよ。次の仕事で君に少し手伝って貰いたい事があってね。
取り合えず、コーヒーでも飲んで話をしよう。まあ、突っ立っていないで掛け給え。

(ディートリッヒと呼んだノックの主が不機嫌な面持ちでドアを閉じ、つかつかと歩み寄って)
(目前で仁王立ちしているのを確認するかのように、やっと視線を相手に向けて新聞をテーブルに置きなおし、)
(ゆっくり立ち上がると、にこやかに手招きする。)

(目前の青年は、我が騎士団に所属する誰よりも美しく凛々しい『天使』のようだと言われる外見とは裏腹に)
(その実、中身は『悪魔』だと噂されている野心家で気まぐれで非常に危険な人物でもある。)
(彼の外見に騙され、彼の放つ「糸」に絡め取られ、自ら破滅する事だけは遠慮したいと思いながらも、)

先日の仕事で非常に良いモノが手に入ったのだよ。
本当はワインが目当てだったのだが生憎、既に入手困難になっていてね。
実に残念だったが、替わりにちょっと手間は掛かったものの、とても貴重な豆に出会えた。
“我が君”もいたくお気に入りでね。是非、君にも御馳走してあげようかと。

(普段と変わらず饒舌に言葉を並べながら、ソファ横に設置されている棚からミルとドリッパーを取り出し、)
(話の種になっているコーヒー豆を適量、ミルで粉砕し、ドリッパーに設置する。)
(エスプレッソ好きの彼の為、微粉末状に細かく挽かれた豆に沸騰した湯を注ぐと、)
(独特の香ばしい香りが室内を漂い、その場に居る者の鼻を擽る。)

素晴らしい香りだろう? 
ほら、入ったよ。冷めないうちに飲みたまえ。

(渡したソーサーに乗ったカップはアルビオン製の高価な陶磁器で一客が何百ディナールもする貴重なもの。)
(だが、それは芳しいコーヒーの香りに隠され、ある種の粉が混入されている事を青年に気づかせないよう、)
(努めて普段どおり、このラボに似使わない優雅なティータイムを楽しむように仕掛けた罠。)
(光らない死魚の瞳を笑ませ、天使の容貌の青年に自慢の一品を勧める。)