>>228-229 うん、それはわかっているのだが…。
時々余計なものをだな………その……、…し、下着…とか……。
そ、そうだろうか…でも、今までみんなそれで離れて……。
…こんな僕なんかにも、友達ができるのだろうか……。
(御狐神くんの微笑は、かつて刺さったトゲが癒されるようで)
(けど、この虚勢張り癖は自分への自信の無さが原因の一つでもあり)
(そう簡単に治るものではなく…、御狐神くんを見上げた紫の瞳はそんな自信の無さが現れていた)
誰が僕の一番を取ると…――っ!?
…………き、君以外に…僕を好きになる人なんて、いないと思う…。
それに、僕が好きなのは、その………み、みけ……っ…み…………っ!!
(細いけれどふにふにと柔らかい腰に彼の手が回ると、その感触にぞくっと駆け上るものを感じ)
(触れた唇は優しくて、暖かくて、やっぱり御狐神くん以外に好きな人なんて出来るわけがないと改めて感じた)
(だから…と、言葉を口にするが、恥ずかしくてどうしても続きが紡げず)
(向けられた微笑にドキドキしつつ、真っ赤になりながら顔を俯かせてしまった)
えっと……、僕だって君に救ってもらったのだから
そこはおあいこ…というものだ。
お互いがいないと駄目だっていうところも…な、似ているのかもしれない。
……もう淋しくないというのも…、同じだといいなと…思う…。
僕は、御狐神くんがいるから淋しくない。もう、淋しくない…。
って――君はよく泣くな!?
………大の大人が…仕方のない奴だ。
(感情を顕にして涙を流す御狐神くんにちょっと動揺しながら)
(すぐにふっと笑って、言葉こそ悪態混じりだったが、その声は暖かく慈愛に満ち)
(こんな時、御狐神くんをすっぽりと抱きしめることが出来たら…と思い、自分の身体の小ささが少し残念で)
(精一杯身体を伸ばして彼の腕から逃れ、今度は御狐神くんの頭をぎゅっと胸に抱えるように抱きしめる)
(そのままよしよし…と、柔らかい銀髪を撫で、指の間を流れる髪にそっと口付けて)
(もう淋しくない…もう、大丈夫だから…と、伝えるかのように)
な――っ!ぼ、僕だって君に負けるつもりはない!
……………御狐神くんに負けないくらい、君が……す、す……き………。
(「好き」という言葉を言うのにも、かなりの羞恥心を抑えこまなければいけなくて)
(彼の微笑に羞恥で早くなった鼓動が更に早くなるようで)
(固まったようにどうしようどうしようと視線を彷徨わせていると、ぎゅっと抱きしめられてしまい)
(なんで突然!?と慌てながら、もしかして御狐神君も照れたりするのだろうか…?と…)
(そう思うと、そんな彼が可愛く思えて)
ふ、フン、君の道標は随分と役に立たないようだな、一緒にいるだけで…いいなんて…。
…離すわけないだろう…全く…。
こちらこそ、末永く……宜しくお願い致します…。
う…っ…、こ、このドS!鬼畜!ヘンタイ!
い、言わなくたって……伝わることはあるだろう…。
わざわざ言わせるところが御狐神くんの性質の悪いところだ。
………の、ノーコメント!!
僕がそう簡単に君の言う通りに言ってやると思うな!
(全てを見透かすような御狐神くんを拗ねたように睨みながら)
(つい意地になって虚勢を張り、突っ張って、プイとそっぽを向いた)