TIGER&BUNNYバーナビー・ブルックスJr.受スレ241
ピンズ先輩の人生を妄想してみた 長文 虎兎前提
前にちょっと書いたやつをアレンジししてみたけどうろ覚えなんで適当に
…俺は土産物ピンズ
数々の恋人たちの思い出を作り、時には「何だっけコレ?」と言われる
その場で付けるにはいいが後で付けるとなると恥ずかしいアイテムの定番だ
最近ではこの手のアイテムも昔ほど売れなくて俺は売り場の隅で埃をかぶっていた
「ねぇ先輩」呼ばれた声に振り向くとまだロットの新しいキラキラしたピンズがいた
どうせこいつも中古展示品よろしくいずれは埃をかぶって行く…そう思っていたのだが
「あの男性が僕達を見てますよ?もしかして買われるんでしょうか」
見ると思い出の品には円遠いヒゲの中年がお土産物を1つ1つ手にとって選んでいた
「あー…たぶん俺らじゃねぇよ。せいぜい子供へのお土産だろうからカップルの定番ピンズなんて買わねぇって」
「そうですか…確かに1つだけ買うには寂しいですもんね。僕達」
天気もいいし昼寝でもしようかと目を閉じたその時、本体が宙に持ち上げられる
「先輩!やっぱり僕達買われるみたいですよ。もう一人はどんな人でしょうね」
「…いい歳したおっさんの相手はJKとかじゃないだろうな」
以外にもかなりの美形で、なんというか清楚という言葉がぴったりくる…男?だった
だがおっさんが勝手に恋慕してるだけなのか装着拒否
新人ピンズは寝てる隙にポケットの中にしまわれた
「…せっかく買ってもらえたのにポケットの中なんて寂しいです」
「そう言うなよ。着けてもらえりゃいいってもんじゃないぞ?俺なんかおっさんの胸だし」
それでもお互いにペアで買われた事で親近感もあり、俺達は精一杯二人の思い出として輝こうと誓った
「先輩助けて!持ち主さんが危ない…僕は彼になんの思い出も与えられず終わってしまうのか?そんなのダメだ」
俺が居眠りしておっさんの胸から転がり落ちた頃、新人ピンズは持ち主に迫る魔の手を知らせようと必死だった
ポケットを転がり落ち俺に知らせようと思ったのだろう
だがピンズは歩けない…転がり落ちたらその場に放置されるしかないのだ
「先輩…助けて、ピンズ先輩!」
その声が届いた時にはもう遅い、俺はおっさんの足元で居眠りした事を悔やんだ
「くそ!新人ピンズが助けを求めてんのにっ」
だがそこは思い出アイテムの意地。俺たちの思い出波動はおっさんに何かを気付かせた
「僕の持ち主がっ…お願い、助けて下さいっ」
「だっ!それはお前のじゃなくて俺はここだっつーの!」
やっと俺達が別物だと気付いたおっさんは持ち主の危機を少しは感じ取ったようだ
おっさんのポケットで何も出来なかったと無く新人を俺は慰めた
「いいか俺達はあくまで思い出アイテムなんだ。ここから俺達をいい思い出にするか、海に捨てるかは持ち主次第なんだ」
「先輩…持ち主は強い絆で苦難を乗り越えて、そしたら僕達きっといい思い出になれますよね?」
揺れるポケットの中で俺達はおっさんの恋を見守る事にした