>>129 (休日の朝、前日まで仕事に追われ、すっかり疲れた体を癒すため)
(日は昇り、鳥が囀る時間になってもたっぷりと惰眠を貪っていた)
(穏やかに寝息を立てながらも、誰かがベッドに上がってくる気配を感じつつ)
(それでもなお、目を覚ましてなるものか、と意識を深いところへ沈めていくのだが)
……っ…すぅ……ん……
(跨られる感覚、目の前にいる相手――晴れて妻となったカレン)
(命を狙いに来た輩ではない。そう分かっているからこそ、あえて眠りを追い求めるのだが)
(胸板でむにゅむにゅと形を変えるやわらかい感触が、自身の意識をがっしり掴んで離さない)
……ランスロット……か……ふっ……
………随分懐かしい……な
(耳に残る懐かしい異名、寝たふりを決め込もうと思っていたが)
(寝ぼけた口調のまま思わず呟きつつ、薄ら目を開いてみれば)
…そして、また随分と懐かしい格好をしているんだな、カレン……
(かつて黒の騎士団にいた頃の彼女を象徴する格好)
(活発な彼女に似合いの動きやすそうなコスチュームではあったが)
(同時に邪な欲求も抱きかねない程の露出)
(スタイルのいい彼女の身体と相まって、当時から破壊力抜群の格好ではあったと専ら評判ではあったが)
(あの頃の自身にそこまでの余裕はなく、今になって目の当たりにすればなるほど)
(眠気も軽く飛び、数度瞬いて目を丸くしながら、自身に跨るカレンを見つめて)
【こちらこそよろしく頼む、カレン】
【…そしてなんだかんだでこんな時間だが、ここで凍結にしてしまおうか?】