好きに使うスレ 予備31

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645日向まひる ◆tyvFKoLzIyGz :2011/09/22(木) 22:56:47.50 ID:???
【…このまま使って良いのかしら?】
【匡平様と借りるわよ】

>>643
【お・ま・た・せっ、匡平様♥】
【レスは急がなくて良いわ、待ってるから】
【今夜もよろしくね?】
646枸雅匡平 ◆I.ANu8FjtI :2011/09/22(木) 23:10:52.37 ID:???
>>645
んむ、ちゅ…!
んんっ、まひる…っ?
(唇を重ねても尚、攻めの姿勢を崩さないまひるに翻弄され)
(好きなように口の中を奉仕されながら舌先に絡んだ唾液をごくりと飲み込み)

た、確かに…昔に比べたら成長したよな…。
(胸板に押し付けられた発育途中の胸に、自分の意思に関わらず手が向かい)
お、おいまひるっ!
お前もう少し……んっ…!
(あまりに大胆過ぎる行為にいまだ自分を捨てきれずにいたが)
(口の端に唾液が伝いそうになるのもお構いなく、更に唇を押し付けられ)

む、まひ……っ…。
(だんだんと吹っ切れてきたのか、今度はまひるの口内に舌を押し込み)
(歯茎にまでしっかりと舌を這わせながら、胸に当てられた手をほぐすように動かして)
(邪魔だといわんばかりにブラを強引にずり下げて、露出された胸を生で揉み始めた)

【ちょっと遅れたけど、ここからでいいよな】
【ああ、俺の方こそよろしくな…】
647枸雅匡平 ◆I.ANu8FjtI :2011/09/23(金) 00:10:51.79 ID:???
【寝ちゃった…みたいだな。返しとくぞ?】

【スレを返します】
648アル・アジフ ◆RlUVX8aC.E :2011/09/23(金) 21:24:54.79 ID:???
【無貌の邪な神とこの場を借りる】
649ナイア ◆yjy.U5e/W3tI :2011/09/23(金) 21:26:10.28 ID:???
【最も新しき旧き神と場所をお借りするよ】
【さて、こちらからの書き出しで、よかったんだよね】
【しばらく待っていてもらえるかな?】
650アル・アジフ ◆RlUVX8aC.E :2011/09/23(金) 21:30:38.50 ID:???
【うむ、汝に任せたぞ。好きに妾の側も描写して問題ない】
【待っているので好きにやってくれ】
651ナイア ◆yjy.U5e/W3tI :2011/09/23(金) 21:46:50.87 ID:???
あーあー、随分とハデにやったもんだねぇ…
今回はちょっと早すぎやしないかい、大導師サマ?
(瓦礫の山となったアーカムシティ。そしてばらばらになり、無様な屍の様相で地面に転がるデモンベインの機体眺めながら呆れたようにそう言って)
ボクとしてはちょっと困ってしまうんだけどな、こういうのは。
もっと計画的にというか…たいした手間でもないけどさ。
(興味なさそうに残骸に背を向けている金髪の少年にブツブツといいながら)
(華奢に見える腕でデモンベインのコクピットをこじ開けると……目を背けたくなる惨状のなか、小さく動く身体を見つけて)
(不機嫌そうだった顔に笑みを浮かべると、それを乱暴に引っ張りあげて)
――コレ、もういらないだろうからもらってもかまわないだろう、大導師サマ?

(腕の中の少女、アル・アジフを人形のようにゆすって見せると、金髪の魔獣はつまらなそうに返事の変わりに視線をそらした)


さーて、早く目覚めないかな?お姫様は。
どんな夢を見ているのか知らないけれど……いい夢でも見てるといいねぇ。
現実はこんなにも過酷なんだからサ。
(傷ひとつない身体に「復元」され、寝息を立てるアルの寝るベッドに腰掛け彼女の顔を見守る)
(両手は頭の上で束ねられ、デスペルの呪文の施された手錠でベッドにパイプに繋がれていて)
(あいもかわらずの演劇めいた口調で独り言を呟きながら、つっ、と頬に指を滑らせていき)


【上のほうは…ちょっとした演出で入れてみたよ】
【そこは返さなくても大丈夫だから…と、それじゃ、よろしくね、アル・アジフ】
652アル・アジフ ◆RlUVX8aC.E :2011/09/23(金) 22:01:49.60 ID:???
>>651
(「今回も」デモンベインは敗れ、大十字九郎は力尽き、アル・アジフはマスターを失った)
(全身に走る体中の骨が砕けた痛みと、主を喪った悲しみに最強の魔導書も息絶え絶えで)
(九郎に手を伸ばしても届かず、ぐったりとそこで果てようとしていた)
…う、ううっ…すまない、デモンベイン…九郎…妾が不甲斐ないせいで…
(かろうじてナイアの腕の中で呟いたのはそんな言葉だった)

(強襲するリベル・レギスを前にかわす事が出来ず大破するデモンベインと九郎)
(悪夢のせいかうっすらと寝汗をかいて苦しそうに顔が歪み、繋がれた手がガシャガシャと音を立て)
…九郎っ!九郎―――ッ!!
(最期を前に目を開いて叫ぶと、目の前には頬を撫でる絶世の美女がいた)
…な、汝!?何故!?何をしておる!?これはどういうことだ!
(正体を知っている故に、すぐさま警戒して身を捩ろうとするが魔術で捕らえられては動けず)
(頬を伝う指に噛みつかんばかりの勢いで叫ぶ)
…もしや、あれはやはり…夢ではなかったのか…。
(邪神に繋がれている状態を思うと、絶望的な予想は簡単に出来て呆然とし)

【中々趣向を凝らすものだな。短いながらも乗らせて貰った】
【こちらこそ宜しく…いや、宜しくしてやるとしよう、ナイア】
653ナイア ◆yjy.U5e/W3tI :2011/09/23(金) 22:21:54.11 ID:???
>>652
やあ、お目覚めかな、ネクロノミコン。
九郎くんじゃなくて、残念だったね。
彼だったら優しく抱きしめながら慰めてくれるところかな?
(悲痛なアルの叫びを心地よい音楽でも聞くかのように目を細めながら聞き入り)
(手袋に包まれた指先でいやらしく頬の辺りを撫でさすり続け、彼女の最悪の目覚めを歓迎し)
どういうこともこういうことも…覚えていないのかい。
鉄くずのなかのキミを腕が太くなるのも構わずに助けてあげたのに。
お礼のひとつくらいあってもいいんじゃないかなぁ?
(指先に噛み付くほどの勢いで怒声を浴びせるアルに怖い怖い、と軽く肩をすくめながら手を引き)
(かわりに自分の身体をアルの身体にぐっと、押し付け、豊満な乳房を彼女の胸でひしゃげさせ)
夢かどうか、自分の中にきいてみたらどうかな?
…キミの中に大十字九郎の存在は…残っているのか…ね。
(あえてこちらからは答えは呈さず、彼女自身で調べさせるように促していき)

【ああ、乗ってくれてありがとう…フフ、これからが楽しみだよ、ネクロノミコン?】
【と、すまないけれど、今夜は長居が難しいんだ。日付が変わる前後で一旦閉幕になってしまうかもしれない…】
【良ければ次の話を先に、してもいいかな?】
【こちらは来週の月曜日なら空いているんだけど、どう?】
654ナイア ◆yjy.U5e/W3tI :2011/09/23(金) 23:21:11.73 ID:???
【何かあったか、ボクとあまり合わなかったかな…?】
【後者だとしたら申し訳ないことをしたね…】

【とりあえず、一週間ほど待っているから良ければ返事をくれるかな?】
【そろそろ込み合う時間だし、ひとまずスレをお返しします】
655名無しさん@ピンキー:2011/09/24(土) 15:52:23.14 ID:???
逃げただけ
656セイバー ◆3Bp/9v56Kc :2011/09/27(火) 23:12:19.60 ID:???
【アーチャー ◆axtcq0RYLEとお借りします。】

もう少しで昨日の返答が書き上がりますので、少々時間を下さい。
この遅筆を直せれば良いのですが――…精進します。
657アーチャー ◆axtcq0RYLE :2011/09/27(火) 23:17:02.31 ID:???
【セイバー ◆3Bp/9v56Kcとお借りする】

>>656
私の方もゆっくりと待たせてもらう事にしよう。
気にせず、君のペースでやってくれたまえ。私も人の事は言えないのでね。
658セイバー ◆3Bp/9v56Kc :2011/09/27(火) 23:29:35.95 ID:???
該当スレ>147

(硝子戸が引かれる拍子に立てる錆付いた音を鼓膜に拾い上げながら、相手の表情の変化を眺める)
(苦い笑みと共に寄せられた言葉には持ち前の負けず嫌いが首を擡げ、思わず眉根を寄せた)
(緊迫感の一つも纏わず対峙する青年と対比的に、思いの外余裕の無い声音が空気を振るわせる)
私が足を掬われる――…。有り得ない事だ、貴方の技量は十分に認めていますが、故に確信がある。私は、貴方には負けない。
(流麗とも取れる動作で背を向く相手に放ちながら、半ば歯痒い思いだった)
(心持ちだけ見れば、今の自分は違うことなく敗者だ。)
(思えばこの青年の前ではいつでもそうだ、常に何処かで冷静を欠きがちになる)
(冷静を求むべく深呼吸を一つした。踏み出した足を律するように整え、流される視線を受け止める。身長の差が幾分悔しい)
シロウの元へ向かう様ならば、私は貴方を斬らねばならないので――、…喉、ですか。
……珍しい事もあるものだ。貴方は飲食に執着していないと思っていた。
(日頃の相手と比較し随分と人間味のある返答に、数度緩く瞬いた後に)
(自然とその背を追いたくなる心地を必死に押さえ込みながら、冗談とも取れない調子で返す)
(青年と同様の雰囲気を以って場を凌ごうと試みたものの、次いで届けられた言葉に思わず表情が崩れた)
(緩み掛ける唇を無理矢理に引き締めた後に一つ頷きを返し、既に歩みを始める青年の背に返答を紡ぐ)
すぐに向かいます、が……アーチャー。その物言いでは、まるで私が食い意地でも張っているようではありませんか。

(虚しく響いた言葉が静寂に呑まれ幾分、自分だけとなった縁側で深く全身を脱力させる)
(満ちた月の光彩がやけに眩しい。青年の姿を思い起こしながら、吐息を長々と零した。らしくない。)
(縁側の柱に一度背を預け片腕を額に宛がっては、思考を冷やす様に十数分の時間をその場で過ごした)


>>657 その様に言って頂けると気が楽です、……お待たせしました。】
【再会が叶って嬉しかった、それだけ伝えさせて下さい。改めて、今晩も宜しくお願いします。】
659アーチャー ◆axtcq0RYLE :2011/09/28(水) 00:13:23.13 ID:???
>>658
(静かに、冷たい空気の中……緊迫した雰囲気が包む。それは刃のように鋭く肌を刺す)
(対峙した者同士の間に生まれる緊迫感か。少し心を震わされる。半ば武者震いにもにたそれを感じながら)
(しかし、決定的に欠落した何かを感じていた。その正体は彼女のその様子にあると感じてふっと息を吐き、彼女を見据え)
ならば、ここで試してみるか。私は一向に構わんがね。――と言いたい所だが…
マスターに止められている以上、手は出せんか。
(貴方には負けない。その台詞に強がりとも取れるそんな言葉を紡いだ)
(マスターの命令がなくとも、今はその時ではないと悟っていた)
(その瞬間が訪れれば、そんな言葉など吐き出す隙すら与えない、与えられない)
(与えられるのは一閃。鉄と鉄がぶつかり合うその音のみなのだから。震える心を落ち着かせるように視線を外す)
(緊迫した空気もどこか薄れていく。彼女とそんな中で対峙するだけで精神はすり減る。溜息のように息を吐き)
ふん、今はあの男に用は無い。
(気に入らない。その思いの全てを乗せるかのように吐き捨てて、気持ちを切り替えるようにサイドの髪を撫で付けて)
…執着しているわけではない。そんな気分になったというだけにすぎん。
(彼女を一瞥。その後視線を外し、横を向いたままで告げた。逆光で表情は恐らく彼女には伺い知れないだろうが)
(努めて平静を保ちながら。懐古の念など、悟られても面倒なだけだと)
――ふっ、違ったのか。アーチャーのサーヴァントは情報を集める事に長けていると自負していたつもりなのだがね。
(冗談めかしてそんな軽口を交わした。その後冷たい廊下に、ただ金音の残響を残して)

(勝手知ったる、とは言え、このキッチンに立つのにも随分違和感を感じる)
(もう、あの頃とは違う。そう、ここに立つべき主は自身ではないと告げられているかのように)
(そんな違和感を感じながらも、手慣れた様子で湯を沸かしながら、お茶の入った缶を眺めて)


【私も君と会えて一安心と言った所だよ。では今晩も宜しく頼む】
【ネットトラブルで遅くなった。すまない。騙し騙しと言った所なので様子を見るが、もしも繋がらなくなったら】
【携帯から連絡を入れさせてもらうので安心してくれたまえ。多分平気だとは思うのだが…】
660セイバー ◆3Bp/9v56Kc :2011/09/28(水) 00:41:01.23 ID:???
>>659
(戦闘を予感させる類の言葉に密か五体を張り詰めさせながらも、遠く思う)
(例えば今この場で、初めて相手を切り伏せた時と同等の無心さで剣を振るう事が出来るだろうか)
(――不可能だ、と直感が告げる。何故か、この弓兵は己が主の敵であるはずなのに)
(剣を躊躇う己が確かに居る。どうかしている、と静かに首を左右に振った)
(そもそも、敵を前にして武装もせずにいる事自体が可笑しいのだ。相手が、本当に敵であるのなら。)
――今はその言葉、信じましょう。
(微かな安堵に双眸を僅か和らげる。次ぐ言葉に疑いの余地も無く、ただ肩を竦ませながら)
(月を背負う様な青年の姿に、知らず見惚れていた)
(翳る姿は一流の騎士と形容する外無く、己の主と随分違うようで何故か、その少年を思い出していた)
(残された言葉に気付けば既にその姿は見えず、遠ざかる気配のみを手繰り寄せた)

(一人縁側に残り幾分、本格的に身が冷え込む自覚を覚えはっとする)
(既にサーヴァントと成り下がった身に風邪の心配は恐らくいらないものの、好ましくない環境では魔力も消費しがちになる)
(指摘された通り、魔力は温存すべきだ。冷えた腕を摩りながら、やおら柱から背を離し廊下を裸足に捉え始めた)
(相手の行く先を目指す。静まり返った邸宅から、相手の動く気配を窺い知るのは然程困難な事ではなかった)
(――果たして慣れた居間に辿り着く。台所を向くと、茶の用意を進める背を確認し)
(躊躇い無く歩み寄っては背後から静かに唇を開く)
なにか、手伝うことは。

【大変な状態の様で――無理はしないで下さい。】
【時間はどうか気にせずに、気楽にして頂けると幸いに思う。何度も言いますが、無理はなさらずに。】
661アーチャー ◆axtcq0RYLE :2011/09/28(水) 01:03:40.84 ID:???
>>660
(湯気が立ち上る様を見つめながら、小気味よい乾いた木の軋む音が聞こえる)
(来たのか。そう思いながら、口元に少しの笑み。それに気がつき引き締めるように堅く閉ざす)
(懐かしい思い。懐かしい感覚。あぁ、やはりこんな真似をすべきではない)
(遙か昔に忘れた筈だった。傷つき摩耗して絶望し、彼女の影すら、もう――思い出す事は無かったかも知れないのに)
(幾らか湯気により、廊下よりは暖かいその空間に凛とした声が響く。心が擽られるようだ。その声に振り返る事なく)
もう終わる。君は居間で待っていたまえ。いや……ではこれを先に持って行ってくれ。
君には少ないかもしれないがね。不満は君のマスターにでも言ってくれたまえ。
(戸棚にしまわれていたクッキーを載せた皿を彼女に差し出し)
私が戻った時には無くなっていそうだがね。
(く、と笑いながら揶揄の言葉を彼女に向けた。そこに緊迫した空気は感じられず)
(暖かい空間に絆されでもしたか、頬を緩ませた)
紅茶はカモミールを用意した。君には丁度いいだろう。大人しく寝てもらわねば困るのでね。
なに、他意はない。君を慮っての事だ。
(何かと注文をつけられそうな予感を感じながら、その本意は隠して当たり障り無く告げて)

【君の気遣いに感謝するよ。そうさせてもらう】
【わかった。君は君で無理をしないように。眠くなったら言ってくれたまえ】
662セイバー ◆3Bp/9v56Kc :2011/09/28(水) 01:27:49.93 ID:???
>>661
(言葉を放ち数秒、返答までの間が随分長く感じられる。普段ならば気にしないはずの間なのに)
(何か可笑しな事を言っただろうか、煩わしかっただろうかと――そんな事を考える)
(これでは年端いかない子供の様だ。調子が狂う、思えば青年とこうして二人きりになる機会はそうなかった――そのせいに違いない)
(混線する思考を諌める様に暖かな香りが鼻腔を掠める。冷やした頭を和らげるような。)
む……貴方は私を大食らいだとでも思っているのですか。
(差し出された皿を口調とは裏腹、両手で大切そうに受け取るも)
(背中越しに届けられる相手らしい物言いに正しく対抗心が燻る。反論をぶつけるべく)
(つかつかと相手と距離を詰めた所で、青年の横顔に穏やかさを見た。言葉を失う)
(理由も分からぬまま、切なさだの情感だのが心に走ってゆく)
(手を伸べたい衝動に駆られるも、手元の皿の存在にふと我に返り、慌てて平常を取り繕った)
お茶請けをお茶なしで食すほど飢えてなどいません。
カモミール、ですか。新鮮な心地です、シロウは紅茶よりも緑茶を好んで淹れるので――
……他意がないと言われれば、勘繰ってしまう。
(努めて淡々と返した後、静かに踵を返し居間へと向かう)
(綻んだ弓兵の表情が焼き付いている。いけない、と呟きながら机の中心に皿を置いた)

【気遣いはお互い様です、いつも貴方の言葉には助けられている。】
【有難うございます。今晩はまだ大丈夫かと思いますが、眠気が来たらその様に】
【それでは、こちら返事は不要で――何かあればまた、お気軽に。】
663アーチャー ◆axtcq0RYLE :2011/09/28(水) 02:00:09.00 ID:???
>>662
ほう、大食らいでは無いとでも言いたげだな。ではそれは必要無かったか。それならば無理に食べる必要もなかろう。
(テーブルへと向かう彼女の後ろ姿に言葉を投げかけてから、紅茶の用意を進めると)
(距離を縮めるべく詰め寄る彼女の姿を視界の端に捉えた。ふと顔を上げて、視線を重ね)
(何か物言いたげな彼女の表情。しかし、一向に言葉を投げかけてくる様子がなく、ただ沈黙を重ねた)
……く、そうか。まあいい。今出来た所だ。そう急かす事もあるまい。
(沈黙を重ねた挙げ句にでた言葉がそれか、と思えば笑わずにはいられない)
(その表情を隠すように、彼女に背を向けながらカップを用意してトレーに乗せていき)
ふむ……偶然だな。いや、たまたま紅茶の缶がそこにあったのでね。それを淹れたまでの事だよ。勘繰られる理由はないな。
(適当に理由をつけて彼女の言葉に返して、トレーを持って彼女の後に続いた)
(テーブルについてカップに紅茶を淹れれば、例えるなら甘い林檎の香りが広がって)
カモミールの香りには沈静効果がある。これから眠りにつくには丁度いいな。うむ、中々良い香りだ。
(満足気に紅茶を注いだカップを彼女の前に差し出し)
そういえば、外の空気を吸って気分は落ち着いたのかね?
なぜそんな気分になったかは知らないが、随分と冷えたのではないかと思ってね。のんびりして温まりたまえ。
(自身の紅茶をカップに注ぎながら、軽口にも似た言葉を投げかけた)
664セイバー ◆3Bp/9v56Kc :2011/09/28(水) 02:28:20.40 ID:???
私の時代は食物も満足に得られなかった。
いいですか、アーチャー。このクッキーを今食べなければ、その内腐ってしまうかも知れない。
これは食物に対する騎士の礼です、大食らいなどでは……!!
(机に置いた皿を一瞥した後、半ば殺意にも似た厳しい視線を台所へと向ける)
(大人気無い、と無理矢理言葉尻を飲み込んでは、座布団の上に両膝を折った)
(下ろしたままの髪を耳に掛け、背筋を正し青年を待つ事幾分)
(トレーを手に此方へ歩み寄る姿を、期待を隠し切れない目で見上げた。乱れた思考も随分落ち着いた様に思う)
意外でした、茶を淹れられる弓兵が存在するだなんて。
(仄かに肌寒さを覚える程度の室内に立ち上る暖かな湯気を視界に納めながら、)
(口許が自然と和らいでゆく。瑞々しい香りが随分と好ましく感じられた)
ええ、不思議と今は心穏やかです。貴方には、ひとつ借りが出来てしまった。
(差し出されたカップを丁寧に手元へと引き寄せ、その水面を眺める)
(表面の揺らぎが収まるまでなんとなしにカップを両手で包み、その温度を肌に伝達させた)
(カモミールの香りゆえか、或いは別の理由からか、心中は随分と無防備かもしれない。現状を得難く捉えている)
(カップを指に引っ掛け、茶に口を付けようとした所で何気ない音が聴覚を満たす)
(紅茶を一口味わう。形容し様の無い美味だった。)
ええ、落ち着いたものと自負しています。
なぜ―――そんな気分になったのでしょう、自分でも分からないのです。
(貴方が気になった、と――喉元まで出掛かった言葉を茶と共に飲み込む)
(落ち着かなければと、返答には見合わぬ逡巡を巡らせながら、素直な感想を紡いだ)
大変に美味です。これを毎日飲める貴方のマスターが、少し羨ましい。
665アーチャー ◆axtcq0RYLE :2011/09/28(水) 03:08:53.26 ID:???
>>664
ふむ、確かに食物を無駄にするのは良くないな。
では君は、その無駄が出ないように食しているだけと言いたいのか。
わかった、ではそう認識を改めよう。
(半ば強引に、殺意すら感じるその視線に気圧されるかのように苦笑いして)
(言いたい事全てをはき出せなかったのか、若干の憤慨を感じれば肩を竦めた)
(座布団の上に座り、髪を下ろしたままの姿からは、最強のサーヴァントと言う肩書きなど感じさせない、ただの少女にすら思える)
(数瞬、その姿に目を奪われながらも、彼女の視線を感じれば、誤魔化すように)
そんなに期待を込められた目で見られてもな。今にも飛び掛かってきそうな危機感すら覚えるぞ。
(そんな事を言いながら、優しい香りの中でいくらか気持ちも解きほぐされていく)
なに、マスターが紅茶好きでね。淹れているうちに覚えただけに過ぎんよ。
(今の自身には、少しこのテーブルは小さく感じられる。自然と目元が緩み、こうして彼女と茶を共にしている事が未だに信じられずにいた)
(自身はまだ衛宮邸の庭先にいて、白昼夢でも見ているのではないか。そんな気さえする)
(これが夢ならば、かつて言えなかった事を、彼女に――セイバーに言えるのだろうか。だが、それを言うにも、自身は変わり果ててしまった)
(彼女の知る、衛宮士郎ではないのだ。そう思考した所で、思考した事、その全てを自身の中で箱に詰めて堅く閉ざし心の深海へと沈めた)
借りか。ではそれは戦いで返してもらうとしよう。マスターもその方が喜ぶだろうしな。随分と高くついたな、セイバー。
(それは口の端に笑みを浮かべながら。彼女もきっと察するだろう、自身のマスターであればこの借りの返済はきっと想像すら超えると)
(紅茶を一口、嚥下する様を見届けてから、自身も香りを楽しみながら一口喉へと流した)
(気がつかない内に自身も冷えていたのか、下っていくその様子がありありとわかる。体の芯が温まるような気持ちになりながら)
く、落ち着いた事を自負するのか。ふむ、それならば良いのだがね。
ほう……君でもそういう事があろうとはね。事、自分の事に関しては他の者よりも自覚していると思ったが。
(そのまま彼女の表情を見つめてから、伏し目がちに紅茶を飲んだ)
(この夜が明ければまた日常と変わらない時間が訪れる。そう思えば、どこか心がざわめいた)
(理由など、とうにわかりきった事。どれだけ堅く閉ざそうとも、引き付けられるものが、かつて自身の中には在ったのだから)
そんな事を言えば、君のマスターが躍起になって毎日飲ませてくれる事だろうよ。私には及ばぬだろうがね。
666セイバー ◆3Bp/9v56Kc :2011/09/28(水) 03:41:42.50 ID:???
>>665
(紅茶は淹れる者の性格が良く出るといつか雑誌で読んだ様に思う)
(ならば、目の前の青年は見掛けに因らず優しさを持ち合わせているのかも知れない)
(それを指摘しては返り討ちに合うと予想し、口には出さない。ただ愉しげな視線だけを密かに向ける)
(酷く満たされた心地だった。例えば己が主の淹れる茶を飲んでいる時に似た、穏やかさで――)
ああ、貴方の茶の淹れ方はシロウに似ているのかも知れない。
(独り言染みた調子で零す。自らの言葉に異様なほど納得がいった)
戦いで、ですか。……良いだろう、ならばいつか、貴方を守り借りを返しましょう。
もちろん、我が主の安全が確保されていることが前提条件ですが。
(少なくとも、弓兵を守らねばならぬ状況などそう無いと知っている。その技量は誰より評価しているつもりで)
(故にささやかな喜びに似たものが燻っていた。借りを返すという、他愛のない契約を知らず喜んでいた。)
(カップの中身が半分ほど無くなった所で、クッキーに手を伸ばす)
(一般の女性と違い、食事に時間を気にする必要もない。さくさくと噛み締める度口内に広がる甘味に視界を狭めた)
普段ならば、自分の思考も体調も、己で管理出来るのですが――今晩は勝手が違った。
今までこんな事はなかったのに、……いけませんね。貴方を見ていると、何故か。
(特段自分の発言を気に留める事もなく、白磁の中の液体で喉を潤す)
(掠め見る様に青年の方を向くと、何処かいつもの余裕がないようにも思え数度瞬いた)
(何か葛藤しているようにも思え、思い違いにも感じられる。声を掛けようにも適切な言葉が思い付かない)
む――シロウの技量を侮るな、アーチャー。貴方の淹れる茶も大変美味ですが、シロウの茶の技術も相当なものです。
(徐に放たれた言葉に負けじと返しながら、思う。彼には及ばない――確かに、現時点では及ばないかも知れないと、理由も分からずに)
667アーチャー ◆axtcq0RYLE :2011/09/28(水) 04:13:06.24 ID:???
>>666
私を守る必要はないだろうが……まぁいい。そのような場面があればそうしてもらうとしよう。
それは当然の権利だ。私に兎や角言う権利は無いだろうよ。
(彼女は何がそんなに嬉しいのだろうかと、何気なく感じるその雰囲気から感じ取って思う)
(やはりいけない。彼女と話すべきではなかった。話せば、より彼女を近くに感じてしまう)
(それは自身にとって喜ばしくはない。わかっていたつもりだった。絆される。思い出の中にある彼女を重ねてしまう)
(この穏やかな時間。荒みきった自身の過去の中で、彼女と過ごしたこの時を時間を越えて再び得ようとは思いもしなかった)
(どうにか心を落ち着かせて、クッキーを取る彼女に視線を移した)
随分ペースが早いな。別に構わんがね。君に食べすぎと言う言葉は存在しないだろう。
……いや、大食らいと言う意味での事では無い。……好きに食べたまえ。
(否定に続く言葉を見つけられずに視線を逸らして、あたかも自分の家で振る舞っているかのような口調)
(それを悟って紅茶で口を塞いだ。何を口走るかわからない。下手を言えば彼女は気付くだろうと)
(いつの間にか、この空気の中で気が緩んでいた事に気がつく。饒舌に語るべきでは無いとわかっているのに)
季節の変わり目は色々と不安定になるものなのかもしれないな。
そんな君を見のも一興と言う事にしておこう。私をかね?ほう……それはどういう意味か聞いても良いのか?
(真っ直ぐにその鷹の目とも称される銀色の瞳を向けた)
では、いつか飲み比べでもしてみるか。あの男の敗北は目に見えているがね。
あぁ、そのような余興を楽しむのもたまには良かろう。私が敗北した暁には、そうだな、君の言う事を一日何でも聞こう。
(彼女の言葉に涼しい表情で言い返し、あまつさえそんな提案すらしてみせた)
668セイバー ◆3Bp/9v56Kc :2011/09/28(水) 04:39:16.22 ID:???
>>667
(時折視界の端に映す彼は、何か随分葛藤している様に思える。或いは、怯えている様にも)
(何がこの青年をそうさせるのか、全く想像が付かなかった。だが、勘違いと片付けるには)
(彼は隠し切れていない。日頃の弓兵と比較すれば尚の事)
(抱え込む人なのだろうか。自らの主に似たその根底を放っておくのは厳しい事だった)
(……等と逡巡していたせいか、知らず相手を言葉なく暫し眺めていて)
――…食べ過ぎるくらいで丁度良いのです。
微々たるものではありますが、食事は貴重な魔力源――魔力が枯渇して消滅し掛ける様な事態になっては、笑えもしません。
(それらしい理由をつらつらと並べ立てる。気付くべき違和感に気付く事も出来ず、あまつさえしっくりと聞き流していた)
(ただ一つ、異常は自覚している。誰と会話するよりも――彼との時間に安堵している自分)
(最も注意すべき敵とも言える相手に心を許し掛け、軽口さえ叩く自分は、異常だ)
確かに、この季節は感傷に浸ってしまっていけない。
アーチャー。私を眺めても、面白いものなど何一つありませんが――、……。
(射抜く様な目だ。真っ直ぐな、濁りない目をしている)
(それを真っ向に受けると、自然に唇が引き締められた。明瞭な答えも自分の中に存在していない)
(性分故にはぐらかす事も叶わず、数十秒を視線を重ね合わせただけの状態で過ごした後)
(静かに視線を伏せた。これから口にする言葉は、きっと良くないもので)
貴方を見ていると、切なくなる。平常では、いられなくなる。
(ぽつり、と零しては、自らの発言を諌める様に首を左右に振り、ぬるくなった紅茶を一口飲み込んだ)
(変わらずに優しい味がする。どうしようもなく、それが切ない。この感情は隠さなければならないだろうに)
私の言う事を、なんでも――ほう、それは良い提案だ。…シロウには申し訳ないですが。
―――では、シロウが敗北したのなら貴方は何を要求しますか?
(努めて普段通りを装い返す。上手くいっている自信はなかった。)
669アーチャー ◆axtcq0RYLE :2011/09/28(水) 05:26:52.98 ID:???
>>668
ふん、それもそうだな。やれやれ、マスターが未熟だと苦労が絶えないな。
君を見ていると同じサーヴァントとして同情する気持ちすら湧いてくる。
本来ならば喜ぶべき所だがね。手を組んでいる以上、そうも言ってはいられまい。
精々枯渇しないようにする事だな。目に余るようならばその場で君を全力をもって切り伏せよう。
(箍が外れるのを恐れてか、虚勢とも思える悪態をつく。精一杯のそれは、彼女には見え透いたものに映るだろうか)
(その時、それを迷いなく行動に移せるのか。わからない。が、言葉の上ではいくらでも言えるのだ)
(ならば言葉で制するだけ。たとえそれが薄っぺらいものであったとしても)
(だが、どこかに諦めもあった。いつまでも隠し通せる訳でも無いと、囁きかけてくるかのようだった)
感傷に、か……ふっ、そうだな。思い出したくも無い過去の一つや二つあるだろう。
忌むべき過去なら尚更だな。思い出してしまえば、自分を見失う。そんなものは忘れておけばいい。
(彼女の言葉から、過去というものを感じるものは一切なかった。が、何故かそう思った)
(それは、自身がそうだったから、等と、今の自身には気がつくはずもなく、何でも無い事のように)
(あたかも助言すらするかのような言葉に乗せて)
君が何を言い出すのかと、興味があってね。何も無いのなら構わんよ。
(わからない。何かを期待していたのか、それとも、その逆か。思考の鎖に捕らわれて)
(正常な判断すらままならない。何が言いたい?何を求めている?いや。何も。そうでなければならないと)
(強迫観念にすら襲われるような気分だった。本来ならば、そんな事すら考えない、思考の断片にすら挙がらないような事)
(深淵に落ち、目的地を見失ったような心許なさを感じながら、清んだ声が耳朶を打った)
何故そう思うのかは私にはわからないが――……
(彼女の切なげな表情に思わず、瞳を奪われて手を伸ばかけた。こんな彼女を自身は以前に――)
あ……
(とくん、と鼓動が跳ねる。一瞬、何を見たのか。言葉にならない声が漏れる)
(我に返り、息を吐いた。そして、テーブルに肘をついて、表情を隠して)
私が、君に要求?
(少しだけ顔を上げて、彼女に視線を向ける。何の話だったか。会話を遡り、その言葉を見つけた)
(本来ならばそんな事は決まりきっている。聖杯戦争から降りろ、または彼女のマスターを要求するだろう)
(しかし、その時、そんな事は要求案にはのぼりもしなかった)
ふむ……まさかそのような返事が来るとは予想していなかった。
(少し時間が欲しい。そう思い、言葉を濁して)
670アーチャー ◆axtcq0RYLE :2011/09/28(水) 05:30:27.81 ID:???
【すまない、長考して時間がかかりすぎているな。大丈夫かね?】
【時間も時間だ。一言声をかけさせてもらう事としよう】
671セイバー ◆3Bp/9v56Kc :2011/09/28(水) 05:44:01.90 ID:???
>>670
【すみません、更新が遅れてしまいました。】
【お気遣いに感謝を、長考は気にしないで欲しい、お互い様です。】
【時間は、もう少しならば持つかとは思いますが――気付けば日が昇り始めていますね。】
【貴方の方は大丈夫でしょうか?】
672アーチャー ◆axtcq0RYLE :2011/09/28(水) 05:56:05.93 ID:???
>>671
【いや、それは構わんよ。ふ、そう言って貰えると助かる。だが、つい言いたくなってしまうな。気をつけよう】
【私の方は問題無いので大丈夫だ。君が良ければ続けよう。これに返答は不要だ。引き続き宜しく頼む】
673セイバー ◆3Bp/9v56Kc :2011/09/28(水) 06:12:07.41 ID:???
>>669
(例えば崩れ去る様な加速度で、彼の脆さが浮き彫りになってゆく)
(疑念は確信に変わる。何が、そんなにも辛いのか)
(何故、そんなにも強がってしまうのか――まるで、あの少年の様に)
……っ。
(自分は今何を思った。何を、馬鹿げた事を。この様な勘ならば、いらない)
(有り得ない――有り得て欲しくない可能性が掠めて視界が揺らいだ。落ち着かなければいけない)
(白磁に触れていた手を膝上に置き、それを強く握り締める。落ち着かなければ)
……いいえ、アーチャー。置き去りにしたものの為にも、過去を無かった事に――忘れてはいけない。
(いつか教会の地下で、同じ言葉で自分は救われた。大切に記憶していた言葉を、唇で静かになぞる)
(彼が自らの過去を否定する様にも思える物言いは聞くに堪えなかった。自分に否定する権利は無いと、自らに言い聞かせても)
(告げずには居られなかった。苦しげな色を表情に浮かべる青年を、これ以上見て居たくない)
ええ。白状をすれば、私にも分からないのです。……アーチャー?
(声が掠れた。聴覚は確かにその音を拾い、音は確実に違和感を己に植え付ける)
(何をそんなにも苦しむのか。先刻言い放った通り過去を思い出したのか――英霊の過去は、大抵辛いものと合点も付く)
(それでも、その姿を双眸に焼き付ける毎に責任感が身を苛んだ)
(いつもの様に皮肉で切り替えしてくれれば、或いはそれこそ刃を交えた方が、どれだけ痛くなかっただろう)
アーチャー、様子が可笑しい。具合が優れないのならば横に―――
(のうのうと座っている事さえ叶わず、搾り出す様に室内を震わせた返答を交わして咄嗟に立ち上がる)
(駆ける様にして相手の元へと寄り添う。傍らから確認すると、顔色が優れないようにも見える)
(彼の狂戦士と対峙した時にも勝る焦りが心中に擡げていた)
(こんな彼を見たくはない。この人は安らかでなければ嘘だ――そんな言葉ばかりが巡る)
(一瞬の躊躇いの後、意を決して片手をその背に添えて介抱を試みた。魔力で補助をすれば、最悪私室まで彼を運ぶことも出来ると)
(今後の筋を機械的に立てながら、改めて相手の様子を探るべく)
(自覚は無いものの、半ば涙を堪える類の視線をその表情に向けて)
674アーチャー ◆axtcq0RYLE :2011/09/28(水) 06:58:45.51 ID:???
>>673
(銀色の瞳で、彼女の様子を窺い知る。酷く何かに動揺したかのような、気丈を保とうとしている様は)
(その瞳にありありと映し出された。前髪で彼女の表情までは見てとれはしなかったが)
(その様子だけで充分過ぎる程に。彼女らしからぬ動揺ぶりに、眉根を寄せる)
(ある種の疑惑。彼女の勘は侮れない。悟られたのか、と焦りが浮かび上がる。だが、確信を得てはいない)
(自身も、彼女も。言わば腹の探り合いだ。何故、そのような行為を繰り返すのか)
(効率的では無い。見えない刃で自分自身を切り刻むかのような行為だ。もうこんな事はやめるべきだと思う)
(が、まるでド壷に嵌まったかのように、今言葉を切れば、無言による確信を与えるのではないかと感じてしまう)
―――!ならば、このまま見過ごせとでも言うのか!あれは……!
(彼女の言葉に苛立ちを隠せず、思わず声を上げていた。そんな自身の声に自身で気がついて口を閉ざす)
(このまま口を開けばその全てを話していまいかねなかった。落ち着けと言い聞かせるかのように)
(冷めた紅茶を喉に流した。もう香りは損なわれ、色褪せ、枯れ行く華を見たような気分にさせられる)
わからない?奇な事を言う。君自身の事だろう。
(力なくそう返して、一息つきながら双眸を閉じた。暗闇の中で、耳朶に触れる彼女の声だけが響き)
構う事は無い。私は――
(微かな衣擦れの音を聞き、言葉は途切れる。同時に、薄く瞼を上げれば、目の前に居るはずの彼女の姿はなく)
(寄り添われる感触、そして伺うように自身の顔を見つめてくる視線を感じた)
(そして、細い腕から伸びる手が介抱するかのように背中に触れ)
何を――相変わらず君は甘いな。私は君の敵だぞ。
そのようなものに手を差し伸べるなどセイバーのサーヴァントらしからぬ事だとは思わないか。
(普通ならば、その手を払いのけている所だろう。しかし、今はそんな気すら起きずに肩を竦め、そんな自身に苦笑いすら浮かべた)
そんな顔をするな、セイバー。何を気にしたのかはしらないが、君がそんな顔をする理由は無かろう。
(涙を堪えるような表情を浮かべる彼女に悪態すらつく事も出来ず、ただ無意識に瞳を細めた)
まいったな、君にそんな顔をされるのは……
(いつかの頼り無い少年のような笑みを向けながら、彼女の頬に掌を重ねた)
675セイバー ◆3Bp/9v56Kc :2011/09/28(水) 07:36:02.15 ID:???
>>674
(声量のある言葉を一身に受け、否定も紡がずただ息を呑む)
(彼の言う”あれ”という言葉が何を指しているのか、相手に対して無知である――否)
(無知であろうとしている自分には理解出来ない。ただ圧倒的な切なさが身を焦がしてゆくような)
(もどかしいものばかりが募ってゆく。彼が白磁を机に置く音が硬質に響いた)
……答えを得るのが、怖いのかも知れない。
(分からないなど嘘だと囁く自分が居る――わからないふりをしているだけだろう、と)
(答えから逃げるのは止めたはずだったのに、どうして未だに自分は弱く)
(瞼を閉ざし辛苦に声音を掠れさせる彼を、きっと追い詰めている)
(英雄になり、英霊に成り果ててまで身を削り続けてきたであろう彼を、知らぬふりで傷付けている)
ああ―――……
(傍らで背を擦る内、情けない音を伴った息が零れ室内の空気に溶け消えた)
(認めよう。認めなければ。彼は、私の――)
敵である前に、私が貴方を守らないと。
(手の平が微かに震えるものだから、気付かれぬようそれを背から引き離した)
(鍛錬を重ねたのだろう、随分と広くなった背の名残が残る手を緩く握り締め)
(深く酸素を肺へと取り込む。願わくば、この先まともな声が出れば良いと願いながら)
どれだけ大きくなっても、鈍感なのですね。
こんな―――表情を見せるのは、貴方だけなのです……、……
(顔を上げれば、その笑みが酷くあどけなく少年のそれに重なり、愛おしさや心切なさで視界が霞んだ)
(名前を呼ぼうと唇が震えるものの上手く声が出ず、その事実に情けなく眉根を垂らす)
(頬を包む温もりに救われるような心地だった。これでは本末転倒だと、可笑しげに肩を揺らし)
(尚欲深にその温度を知りたいと、同じ様に片手を伸ばし彼の片耳の辺りを覆った)
(指先に掛かる髪の感触さえも大切に記憶しながら、せめてもの意思表示にと表情を僅かに和らげる)
(敵には向け得ない表情を、あらゆる感情を織り交ぜながら)
676アーチャー ◆axtcq0RYLE :2011/09/28(水) 08:36:32.36 ID:???
>>675
答えを得るのが怖い―――か。
(ふっ、と笑いながら、言葉にしてしまえば、もどかしさは消えるだろう)
(だが、同時に守りたいもの、大切にしたいものを壊してしまうかもしれない)
(知れば、それは確定したものとなる。拭いようの無い事実として突きつけられる)
(それは―――残酷な事でもあるのではないか。と、若干疲弊した頭で考える)
知る事、その全てが良い事とは限らない。あぁ、君の言う事も尤もだ。
真実は、時として残酷かもしれないのだからな。――私の事では無い。勘違いするな。
(ただの一般論。そう伝えるかのように付け足して、彼女に視線を落とした)
(別に、知って欲しかったわけではないのだろう?自問する。答えは是だった)
(彼女を傷つけるつもりは無いのだ。何より――彼女のそんな姿を見たくは無い)
(彼女が傷を負うなら、自分がその分負えばいい。懐かしい思い。まるで羊皮紙に書かれた掠れた文字を見るような)
(長い、気の長くなるような年月を感じさせる。そんな事もあった。そう思ってしまう程に遙か遠い過去の思い――)
(それが、静かに時を刻み始める音が聞こえた。視線を落とした先――彼女の吐息が聞こえる)
(随分と、彼女を傷つけてしまったな。そう思えば、心が痛む。郷愁に何かを堪えるかのように)
まだそのような事を言っているのか。強情だな、君は。何も変わりはしないのだから困る。
(聞く者が聞かなければただの言葉。しかし、気がついたものが聞けば、また意味が変わってくる言葉)
(そんな曖昧な意味を持つ言葉を投げかけながら、手が背中から離れた後の冷たさを感じた)
(気がつけば、彼女はこんなにもか細かったかと思いながら、柔らかい眼差しを落とす)
鈍感か。これでも少しはましになったと思うのだがね。―――。
(貴方だけなのです、そう紡ぐ彼女に双眸を閉じて)
そうか――そうだな。君であれば、気がつかない方が嘘だ。
(穏やかな声で肯定の意を示す。わざわざ宣言する必要も最早無い)
(再び視界に色が戻り、飛び込んでくるのは彼女の姿。いつか感じた想いが溢れ胸を締め付けられるような思いだった)
なんだ、何がおかしい。君の事だ、またつまらん事でも考えていたのではあるまいな。
(貴方を守ると言い張る彼女の事だ。それにちなんだ事でも考えているのだろうと中りをつけて呆れ気味に)
(そして触れる手。自身の片耳に彼女の温もりが伝わる。その温かさに心が落ち着くのを感じながら)
(久しく自身の中に在る記憶の彼女の表情が重なる。敵ではなかった頃のその表情に柔らかな笑みを落として)
久しぶりに見たな。君のそんな表情を。あぁ、私の知る君だ。
(そう言葉にしながら、彼女の腰に無意識に腕を回して引き寄せる)
(かつての自身ではなく、今のあの男とも違う今の自身。その瞳に映る彼女をあの頃と変わらぬ眼差しで見つめ)
(頬を撫でた掌を顎へと添えて顔を寄せた)
677セイバー ◆3Bp/9v56Kc :2011/09/28(水) 08:47:51.47 ID:???
【【】で失礼します、アーチャー。……良い所なのに申し訳ありません、そろそろ出掛ける仕度をしないといけなくって。】
【こんなにも名残惜しいのは初めてかもしれません。素敵な時間に感謝を。】

【もし宜しければ、また会えればと思うのですが――いかがでしょうか。】
678アーチャー ◆axtcq0RYLE :2011/09/28(水) 08:53:02.20 ID:???
>>677
【ではここまでにしておく事にしよう。休めたのかと心配ではあるがね】
【いや、私も良い時間を過ごせたと思っているよ。感謝せねばなるまい】

【それは光栄だな。次の予定は伝言でとしようか。私の方は先日言ったように22時からは空いているのでね】
【君の都合の良い日を指定してくれたまえ】
679セイバー ◆3Bp/9v56Kc :2011/09/28(水) 09:01:10.59 ID:???
>>678
【時間が過ぎ去るのは本当にあっという間だ。…貴方こそ、一晩中付き合って頂いて――この後、出来れば少しでも休んで下さい。】
【心から、楽しかったです。……面と向かって言うのは、少々照れくさいですが。】

【ありがとう、次の日が待ち遠しいです。それでは都合が分かり次第、伝言に書き込みます】
【暇な時にでも確認して頂ければと。】

【さて、この場は私が返しておきますので、良ければ先に落ちてしまって下さい】
【改めて、感謝を。貴方と話せて良かった】
680アーチャー ◆axtcq0RYLE :2011/09/28(水) 09:09:11.05 ID:???
>>679
【あぁ、私もそう感じている。今日は長時間の付き合い感謝するよ。君も休めるのなら休んでくれたまえ】
【私も楽しかった。ありがとう】

【では私もその日を楽しみに待たせてもらうとしよう。また伝言で】

【わかった。ではお言葉に甘えることにしよう】
【話が出来て良かったと心から言わせてくれたまえ。では先に失礼するよ】

【スレをお借りした。お返しする】
681セイバー ◆3Bp/9v56Kc :2011/09/28(水) 09:13:34.85 ID:???
>>680
【寝不足で倒れた、などと言う事にならないように、どうか。】
【サーヴァントの寝不足を心配するのも、可笑しな話ではありますが】

【早く次の日が来れば良いのにと思う。本当に、素晴らしい時間でした。】
【ありがとう。貴方に見合う言葉を書けるよう、努力しないと。】
【おやすみなさい、良い夢を――】

【お借りしました。感謝を。】
682アーチャー ◆axtcq0RYLE :2011/09/30(金) 22:10:59.54 ID:???
【セイバー ◆3Bp/9v56Kcと場所をお借りする】
683セイバー ◆3Bp/9v56Kc :2011/09/30(金) 22:13:00.73 ID:???
【引き続きアーチャー ◆axtcq0RYLEと場をお借りします。】

>>682
お待たせしました。
丁度先ほど返事の方が書き上がりましたので、この後に書き込みます。
もう少々お待ち下さい。
684アーチャー ◆axtcq0RYLE :2011/09/30(金) 22:20:41.66 ID:???
>>683
それでは楽しみに待たせてもらうぞ、セイバー。
特に急ぐ理由もない。君との時間を楽しむ事にしよう。
それとだ、努力されたら私は君についていけるかわからないのだがね
寧ろ君に見合う言葉を書けるように背伸びをしているのは私の方だよ。
では今日も宜しく頼む。
685セイバー ◆3Bp/9v56Kc :2011/09/30(金) 22:21:48.11 ID:???
>>676
(言の葉全ての重量が、一般論のそれとは違う。見え透いた誤魔化しに、場違いにも救われた)
(その言葉は、疑念を確信に変えるに足るものだ。相変わらずにこの青年は、不器用なのかもしれない)
(怖気るな、惑うな。静かに瞼を閉ざし、自らに言い聞かせる)
(知っている。青年が”彼”であるのなら、自分は誰よりしっかりしないと。彼はこんな従僕の分まで頑張ってしまうのだろうから)
(改めて瞳を仄明かりの元に晒す。色素の抜け落ちた髪を、焼け付いた肌を映す)
(彼が少年であった頃に出会ったであろう「自分」は、彼に救われるだけ救われて、彼を守れなかったのかも知れない)
(ごめんなさい、と、唇の動きだけで紡いだ。今の自分は、少しでもその失態を取り返すことが出来るだろうか)
……これは私の誓いですから。貴方の剣であると、誓ったはずでしょう。
(穏やかに降る視線に己がそれを合わせる。彼の表情に彼の痛みを垣間見ては情けなく笑んだ)
(彼の背の温もりが残る手を緩く握りしめ、柔らかに声帯を震わせる)
――……今まで気付けなかった私も、大概鈍感です。
(相手の耳元を覆うようにしていた手の親指のみをそっと動かし、丁度綻ぶその目尻の辺りを撫でる)
(指先に伝う温もりを愛しげに覚える。今は彼が笑むだけで、随分と満たされる心地で)
いえ、つまらない事では。貴方はやはり、変わらないのだと思って。
(図星めいた言葉に僅か言葉尻を弱め返す。なるほど、確かに鋭くなってしまった所もあるらしい、と)
(何処か遠くで思考しながら、自らの手を彼の肌から引き離そうと力を込めた)
貴方も。私の知る、貴方だ――……、っ。
(刹那、パジャマの薄い布地越しに相手の手が添えられ、弱いとも強いとも付かない確実な力加減で引き寄せられる)
(崩し掛けるバランスを保つ為、相手の頬の体温が残る手をその胸板へと置く。咄嗟に顔を上げると)
(誰より大切に思う少年と変わらない眼差しの中に映る自分を見て)
(暫し時間を忘れた。エーテルで編まれた虚空の心臓が跳ね上がるのを他人事のように感じながら)
(顎先に指を添えられると、ふと視界を見開いた後にやおら身体の力を抜いた)
―――シロウ。
(ただ一度、あらゆる全ての情感を込めてその名を紡ぐ。受け入れの意思と、慶福を伝えるために)
(互いの呼吸が交わる直前に瞳を閉じた。残光が瞼の裏に幾らか淡い)
(ささやかな緊張に呼吸を止めながら、来るであろうその瞬間を静かに待ち)

【お待たせしました、……随分長くなってしまい申し訳ありません。】
【不要な箇所は遠慮なく削ってしまって下さいね】
【今晩も宜しくお願い致します、アーチャー。】
686セイバー ◆3Bp/9v56Kc :2011/09/30(金) 22:25:30.12 ID:???
>>684
貴方の言葉はいつも暖かい。……ありがとうございます。
私も、貴方と言葉を交わしていられるだけで幸せなのです。

む、謙遜だ。私は貴方の言葉をとても美麗に思う、努力の一つでもしないと――格好が付かないではないですか。
ですが、そうですね。肩の力を抜いて、楽しもうと思います。
では、お手柔らかにお願いします。アーチャー。
687アーチャー ◆axtcq0RYLE :2011/09/30(金) 23:13:15.08 ID:???
>>685
(彼女が何を思い、何を感じたのか、それを知るには至らなかった)
(だが、責任感の強い彼女の事だ。知るには至らずとも感じる事は出来る)
(だからこそ、その唇の動きに胸を痛めた。彼女のせいではない。いや、誰のせいでもないだろう)
(全ては自分自身の愚かさ故。だからこそ、首を横に振る。君のせいではない。と伝えるように)
そう…だったな。そして、私は君を守るのは私の方だ。と伝えるだろう。
(いつか繰り返したそのやりとり。それを情けなく笑む彼女に万感の思いを持って投げかけた)
君の事を良く知る私だ。気がつかないように気を配る事くらいは出来るだろう。
だが、君と話せばそれすら危ぶまれる。勘の鋭い君の事だからな。
(極力接触を抑え、隠し続けてきた。それなら彼女が気がつかないのも道理)
(物理的距離はそのまま相手を知る事に繋がる。ならば離れていればいい。そう考えて)
(目尻の辺りに触れる指が擽ったくも心地良く感じられる。こんな風に触れ合う事などあっただろうかと)
(そう思いながら、絹糸のような彼女の髪に指を通していく。その手触りと彼女の温もりに愛しさを感じながら)

(見上げてくる彼女の眼差しに自身のそれを重ね、それまで強張っていた彼女の体から力が抜けるのを感じた)
(その一瞬、耳朶に響く。鼓動が跳ねて彼女の発音するその名が自身にとって何より驚きに変わった)
(再び、彼女にその名で呼ばれ、その声を聞く事になるとは思わなかったから)
懐かしい…響きだな。
(それは息を吐くかのように、自然と言葉になって一度彼女を強く抱き締めた)
(その声を、どれだけ聞きたかっただろう。無くしてしまったその音は、枯渇した心に潤いを与えるかのようだった)
(もう、思い出してしまった。彼女へ向けた想い、感情その全てを。それを止める事など出来ようはずも無く)
俺は、セイバーを離したくない。
(好きなんだ、と曽て告げられなかった言葉を、大切にしてきた想いと共に唇を重ね合わせた)
(それは様々な感情を乗せるだけの、何の飾り気も無い不器用なものだった)

>>686
【お待たせした。上の方は切れるようにしたつもりだ】
【あまり自覚の無い事だが…君がそう感じてくれているのは嬉しい事だな】
【謙遜では無い。事実を言っているまでだよ。力を抜いて楽しんでくれたまえ】
【私もそうさせてもらうのでね。私も君と話せて幸せだと思う】
【こちらこそ宜しく頼む】
688セイバー ◆3Bp/9v56Kc :2011/09/30(金) 23:54:10.86 ID:???
>>687
(左右に揺らぐ白髪を視界に、幾秒――随分長く感じられた時間を経て、頷きを返す)
(同情でも、叱咤でもない純粋な優しさが、身体を暖かに満たしてゆくばかりで)
(仄かに燻った後悔を、決意染みたものに変えようと密か心に誓う。せめてこの時間だけは、彼にとっても幸福なものになればと)
以前の貴方に言われたのなら、頼りなく感じたでしょうが――今なら、心強い。
守られるような事態になる前に、事は終わらせられるつもりですが。
(鼓膜を撫でる声を、言葉を大切に受け取り、浮かべていた表情を穏やかなものに変え紡いだ)
(相手への賛辞と、負けず嫌いが起因の言葉。素直になれないのは悪癖だと、内心悔しさが残った)
それでもやはり―――後悔は残る。
(真っ先に彼の名を呼べなかった事が、ぽつりと心に黒点を残していた)
(せめて今までの時間を埋められるようにと、手の平の感触を確実に知り続けながら)
(髪を梳かれる心地の良い感触に、瞳を細め吐息に笑み声を混ぜる。自分をこのように扱ってくれる彼が、愛しかった)

(懐かしい、と言う声音の調子に、もの切ないものが込み上げる)
(彼にとって自分は、酷く昔に失われたものなのだと実感させられる。不意に喉の奥が焼け付くような錯覚を覚えた)
これから何度でも、……呼ばせて下さい。
(視界が揺らぎ、全身が彼の温度に包まれる。鞘に収まるような安らぎばかりを感じて)
(吐息を震わせながら、両手を彼の背に回す。己の存在を主張するように、或いは彼を安堵させるように)
(広い胸板の中でもう一度、自分に言い聞かせるように彼の名をなぞった。世界で最も大切な響きだった)
………私を、離さないで下さい。
(王でも従者としてでもない、ただ一人の少女としての懇願を掠れる声音で告げた)
(その後に言葉を続ける術は無い。言葉は必要なかった、合わさった唇の感触があるだけで十分で)
(確かに伝わる彼の心を受け取ると、塞き止めていた涙が一つ目頭を湿らせる)
(彼の背に回した手の力をより強めながら、触れ合うだけの口付けを何より尊く受け止めた)

【こちらこそ、お待たせしています。切るのが勿体なく思えてしまい、このような結果に……ああ、精進しないと。】
【貴方の言葉にはとても惹き付けられるものがあるのです。ですが、そうですね。力まないようにします。】
【ありがとう。貴方に会えて良かった。】
【以降、こちらへの返信は不要です。今夜もなにとぞ宜しくお願いします。】
689アーチャー ◆axtcq0RYLE :2011/10/01(土) 00:55:59.07 ID:???
>>688
(叶えたい夢があった。多くの人を守りたい。正義の味方になる。たとえそれが、自分を傷つける事になろうとも)
(そう、かつての自身はそう思っていた。だが、本当にそれだけだったのか)
(金色の光の中に消えて行った彼女に、自身は何も出来なかったのでは無かったか)
(無力だった。多くの人を守りたい。そう願っていた自身は、彼女を守る事が出来なかった)
(思えば、あの時既に、自身の願望は破綻していたのかもしれない)
(不器用な言葉で、傷つけた事もあった。それでも、自身の傍を離れる事が無かった彼女を)
(自身は、守りたかったのだ。その手で――)
確かに、君の目には頼りなくうつった事だろうな。そして、身の程知らずで愚かな――。
(彼女との距離は、少しは縮まっただろう。今の自身ならば、それを叶える事が……)
(ふっ、と笑みを浮かべながら、彼女と視線を絡ませる)
本当に君は……。
(それが彼女なのだと知っている。が故にやはり呆れてしまう)
(あぁ、本当に彼女を今、目の前にしているのだと、切に感じて)

困ったな、そんな事を言われては、私は私を保てる自信が無い。
(現界している意味、理由。それを思えば、首を横に振る所だ)
(彼女から呼ばれたその名が、木精するように滲透し、そして何度でも。その言葉に胸を詰まらせる)
(が、その表情は穏やかに微笑みを浮かべて)
だが、悪くはない……か。
(らしくない事を言っている、と自覚して少し首を振って自嘲した)

(吐息を震わせる彼女の息吹を感じながら、不思議と心は穏やかだった)
(背中に、優しく自身を包み込むように回される腕に安堵の表情を見せる。彼女の想い、その存在の確かさを)
(感じる事が出来る。それが何より嬉しく、幸せだった)
……離しはしない。
(ただ一言。抜き身の剣を包むように彼女を腕の中に収めて抱き締める)
(鼓膜を震わせる彼女の声が狂おしく愛おしい。重ね合わされた唇――その感触から伝わる彼女の熱)
(それを感じながら、力を込めれば折れてしまうのではないかと思う彼女を強く抱き締めながら)
(遙か遠い時を越えて今こうして在る喜びに鼓動は高なる。守りたかった者が、今この腕の中にあるのだと)
……っ…
(重ね合わせ、触れ合っただけ。それでも、充分過ぎる程に。しかし、その残滓を感じれば物足りなさすら覚える)
(頬をつたう涙……頬にキスをしながらそれを拭えば、彼女の涙の味を感じて)
セイバー。
(彼女を呼んで、顎に添えたその手をゆっくりと首筋に這わせていく)
(彼女の気を紛らわせるかのように頬にもう一度キスをして、君を私のものにしたいと囁いて)
690セイバー ◆3Bp/9v56Kc :2011/10/01(土) 01:44:18.92 ID:???
>>689
(人の手には余りに辛い祈りを掲げた彼に降り注いだ絶望は、どれ程のものだったのだろう)
(間近から見上げる彼の成長を受ければ、その生涯を想像する事さえ躊躇われる)
(――多くの人が笑えば良いと、いつか選定の剣を抜いた日を思い出していた)
(祈りは犠牲の上に成り立つものだった。彼も、それを痛いほど身に刻んだのだろう)
(それを説けなかった事は、己の罪のように思う。それでも、少年の夢が余りに美しかったから)
(自分は少年の夢が叶う事を願った。それを悔いるとも付かない声音が、傍らから伝えられる)
(首を振った。凡そ推察し得る彼の後悔は、違う。自分はこんなにも守られている)
頼りないに決まっています、人の身で、奇跡に挑むようなものだったのですから。
(吊られる様にして口許を和らげる。身の程を知らない少年が、いつも眩しかった)
(言いよどむ言葉の先を思考しては、なんとなしに和らげたばかりの口を尖らせ無言の抗議をする)
(こんなに人らしい感情も、思えばこの街で知ったのだ)

私の前でなら、自制しなくても。他者の前でそのような事を言うのなら、…嫉妬くらいしますが。
(自分の前で彼が肩の力を抜けたのなら、それはなにより幸いな事に思える)
(だが、自分は随分貪欲になってしまったらしい。彼のそんな言葉さえ独占出来ればと)
(そんな事を考えている。いけない、と一度深々と呼吸をし)
ああ、貴方のせいです。
(自嘲気味に表情を変える青年に対し、ぽつりと独り言を零した)
(彼の前では、自分は騎士でなくなってしまう――その幸福にまだ、一抹の恐れもあるのかもしれない。)

(室内に掛けられた時計の音が、やけに鮮明に脳裏へと木霊する)
(秒針が一つ進む度、騎士として、王としての自分が剥ぎ取られてゆくような実感が生じ、鼓動を逸らせる)
(それで良かった。騎士ではなく、ただ少女として、自分も―――)
私も――貴方を、離しません。
(吐露した後に圧倒的な安堵を覚えた。ようやく、帰って来られたと感じる)
(唇が少し震えてしまったかも知れない。時折零れる吐息が熱っぽくなってしまったのは、自覚している)
(強く抱き寄せられる度に込み上げる愛しさに、どうにかなってしまいそうになる)
(唇と体温、全身で知る彼が――それでも、まだ足りない。これ以上を知りたくなる)
………、あ……。
(彼の唇が離れると、触れる空気が随分と冷たく感じられる。彼の熱がほんの遠くなっただけで、今は酷く心細い)
(頬に再びそれを受けると、穏やかになった。ようやく涙を自覚しては、誤魔化すように数度瞬き)
(短く呼ばれた名に、彼を向く。首筋を撫でられると、その曖昧な感覚に思わず呼吸を呑み込みながら)
(彼の背に回した手の平に力を込め、彼の衣服ごと握り締める。心臓の音が鼓膜を打つ)
(甘い夢を見ているようだった。身を溶かすような唇の感触を知り、彼の囁きを断れるはずもなく)
(静かに頷いた後、ふと視線を伏せ言いよどむ。数秒後、消え入りそうな声音を零し)
ですが、その………この場所では、誰かに見られてしまうかも……しれません。
691アーチャー ◆axtcq0RYLE :2011/10/01(土) 02:46:10.65 ID:???
>>690
(口を尖らせ抗議をしてくる彼女に、あの頃のように苦笑いを浮かべた)
(そして、それがどこか嬉しかった。そんな人らしい感情をぶつけてくる彼女を見れば)
(心を擽られるような、どこか温かさを覚えてそれは自然と笑みへと変わった)
(こんな彼女を見ていたかったのだと)

他の者の前で言う事などありはしないだろう。何より、その必要が無い。
故に――嫉妬など覚える必要も無いだろう。
(く、と笑いながら彼女の頭を、かつてより大きくなった掌で撫でていく)
(サラサラと砂金のように自身の手から零れていくそれを大切に、傷つけないように優しく)
(そして、彼女の言葉に首を傾げるように)
私のせいか……その言葉の意図はわからないが、それならば――
どう責任をとったら良いだろうな。
(彼女を抱き寄せて、瞳を覗き込みながらそう呟いて)

(それは静寂に包まれた夜。それを明確に伝えてくる)
(無限の時。しかし、ほんの数秒だったかもしれない。ただわかるのは)
(彼女との時は夢のように。しかし、確かな現実を伴っていると言う事)
(本当に呆気ないものだとすら感じる。隠し続けてきたものを、彼女はものの数分で露わにしてしまう)
(それだけ、彼女が特別だと言う事なのだろうと感じて)
(そんな彼女の声は、どこか切羽詰まったようにすら感じられる。告げた後のその様子からそう思えたのか)
(やっと告げる事が出来たと、言葉が無くてもそう感じる事が出来る)
足りないな。
(ぽつり、そう零す。どれだけ抱き締めても、言葉を綴っても尚足りない)
(もっと、知りたい。もっと、彼女を感じたいと、溢れる愛しさに迫られる)
君をもっと知りたい。こんなにも貪欲になるとは想いもしなかったよ。
(想いを告げたその時から、まるで急かされるかのように、それ以上を知りたくなる)
(一瞬の時でも手放す事すら躇われる感覚。今、この時。彼女の温もりを失ったらどうなるのだろう)
(想像だにしたくない。だからこそ――抱き締めれば抱き締め返してくる彼女に募らせる。切望を)
(重なる鼓動を感じながら、離れないようにと抱き締め、彼女の言葉が静寂を割いた)
(だがそれすらまどろっこしいと感じる。今すぐに。そう感じる気持ちを押さえつけて)
そうだな……では君の…部屋に場所を移そうか。
(言葉にしてもどこか言い淀む。それでも何とか告て。しかしすぐに移そうとはせずに)
(少しの間、その空気の中で彼女の温もりを感じていた)

(彼女が介抱のつもりで自身の傍に来てどれだけの時が過ぎただろう)
(ようやくその腰を上げて、彼女を抱き上げる。こんな時でもテーブルの食器が気になった事に苦笑いして)
(彼女に視線を落としてから、居間を出た。廊下を静かに歩く。それでも乾いた小気味よい音が響いて)
開けるぞ、セイバー。
(一声かけてから彼女の部屋の戸を開け、縫うようにその部屋に入り戸を閉めた)
(先程まで横になっていた布団に再び彼女を横たわらせて)
(微かに月の光が差し込んでいる。薄暗い中でそれだけが唯一の灯りとなって)
692アーチャー ◆axtcq0RYLE :2011/10/01(土) 02:57:47.83 ID:???
【セイバー、気がつけば容量がもう無いな】
【立てられるか試してみよう】
693アーチャー ◆axtcq0RYLE :2011/10/01(土) 03:12:58.39 ID:???
【次スレはこちらだ。宜しく頼む】

好きに使うスレ 予備32
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/erochara/1317406324/
694セイバー ◆3Bp/9v56Kc
>>691
(当て付け染みた呟きにも律儀に返してくる彼に微かな申し訳なさを覚えたのも束の間)
(程よい力加減に抱き寄せられ、余裕のある瞳を確認すると驚いたように言葉を失った)
(嘗てこのような扱われ方をされた記憶は無く、故に免疫のひとつも持ち合わせていない)
(口をぱくぱくさせながら、辛うじて微かに息衝く冷静な箇所で思考した)
(どこでこんな所作を覚えたのですか、と。見ぬ敵に嫉妬を少し、擡げさせながら)

(身の程も知らずに更なる温もりを求めたくなる。唇に体温を、肌に手を、もっと言葉を、と)
(求めて止まない自分が居る。口にしたら困らせるかも知れない、と)
(彼を抱き返す手へ静かに力を込め、それで満足するよう努めていた)
(足りない、と。自分の頭を占める言葉が、己のそれとは違い随分低い音に変えられた時)
(信じられないと言うように、彼の方へと視線を向けた)
(そこには、偽りを話していないと解る銀色の眼があり、彼も自分と同じなのかもしれないと考えた刹那)
(心の臓が酷く高鳴った。自らの中で消化するべく、額を彼の胸板に沿え表情を隠し、何度も瞬いた)
……私も。私もです、シロウ。どうしようもなく愛しくて、もう―――。
(可笑しくなってしまいそうだ、と、隠した唇だけが象る。音にするには理性が邪魔をした)
(理屈ではなく、恐らく偶然でもなく、焦がれ始めている。圧倒的な加速度で、彼を欲しがっている自分が居る)
(彼の名に気付くまでは、彼を敵と認識していた自分が憎らしい。大切なものは、ここにあったというのに)
ええ、そうして頂けると――…助かります。
(自分の”その姿”を見せていいのは、恋しい人だけだと感じる)
(故に理性を手繰り寄せ告げた言葉に肯定が得られると、安堵の息を途切れ途切れに零した)

(ふと彼が動く気配を知ると、己も立ち上がろうと名残惜しくその背から手を離し)
(電燈の光を受け眩しげに片目を細めた所で、浮遊感に襲われた)
(一拍遅れ、朧に理解する。抱き上げられているらしい。軽々と持ち上げる腕に関心をしながら、同時に)
(重たくないだろうかと、微かな不安を抱いては、私室への道のり中身を縮こまらせていた)
(開ける、という言葉には首だけを動かし肯定をする。声を発する余裕すらないまま)
(蒼白い月の光彩のみを光源とする室内の空気を吸い込んだ。緊張に声帯が覚束ない。)
(几帳面に畳まれた掛け布団が下方の一部を陣取る敷き布団上に身を横たえると)
(髪は枕の上に散り、背中は外気と同調した布団の冷たさを知るばかり)
(これからを想像すると、途端に身を走る緊張に喉を鳴らしながら、何処か不安げに彼を見上げた)
(もしも満足してもらえなければ、幻滅されたらと――巡る思考に急かされるまま、ぽつりと投げ掛ける)
自信が、ないかもしれない―――。
(免罪符のように告げる。彼の主と比べ肉付きも悪く、あまつさえ筋肉質な身が恥ずかしい)
(こんなことなら日頃から努力の一つでもするべきだったと、密かに後悔をしながら)
(月明かりに映える青年の姿をぼんやりと見詰めていた)