置きレスでロールをする人のためのスレ 9

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182浅野 真弓 ◆nZhKGkSNSA
>>181
(距離が段々と近付く、運命の糸に引き寄せられるよう、ゆっくりと着実に)
(まじまじと成長した彼の顔を見詰める。内気そうだった幼い面影は、妙に陰のある青年に変化していた)
(そういうのが魅力的に思える人はたくさんいるのだろうか、と少し考える。少なくとも、自分はそんな彼がやっぱり好きだった)
(小さい頃の彼は、自分と話すときだけ妙に心を開くようで、それが何故か嬉しかった)
(今、目の前の彼はあの時と同じで、とても嬉しそうに笑って)
……うん、有難う。じゃあ、こっちの重い方をお願いしようかな。
(どっさり入った本が重い紙袋をひとつ渡すと、少しは肩も楽になった)

さよならは言わない約束だよ――なんて言ったのは私だっけ、それとも行人くんかな?
だってまた逢えるんだから、きっと――って続けたよね。確か、あの時は。それが現実になるからやっぱり凄いよね……。
(昔のことを思い出すと、キリがないほど恥ずかしい記憶が蘇ってくる)
「俺、真弓と結婚する!」なんて言ってくれたのも懐かしいな……。
行人くん、そう言ったのはいいんだけど、すごく恥ずかしそうにしてたから……嬉しかったな。

(あの時の彼と今の彼、彼が世に言うオシャレなんてものに無関心なのはよく分かる)
(みすぼらしい訳ではないが、地味。でも、彼の良さはそれのような気がしなくもない)
(ちょっと内気で静かな子だったけど、私とはよく話してくれて、とても優しかった)
(たぶん、それは今でも変わらないだろう。そして、ずっとずっと先の未来でも――)

……あ、うん。そうなんだ。付き合って一年ちょっとかな。向こうから告白されたし、プロポーズもされたんだ。
このまま順当に進めば、私の名字が浅野じゃなくなっちゃうね。
(幼なじみと逢えたことは嬉しい、でもこの報告は何故か悲しかった)
(朗報であるはずなのに、何も気兼ねなく報告できるはずであるのに――)
辻浦 真弓、っていう響きじゃないのは、私としても残念かな……なんてね。
行人くんは優しいしカッコいいから、私なんかより、もっともっと素敵な人がきっと見つかると思うよ……。

……あっ、荷物有難う。やっぱり自分で持って帰るね。
……じゃあ、また、機会が……あれば……。
(結婚相手が嫌いな訳じゃない、でもここで目の前の彼と別れないと)
(婚約者よりもっともっと好きだった人に気付いてしまいそうで、今にも泣き出しそうになる)