「11時55分発の妖聖界行きです。まもなく発車いたします。」
その後、金属製の発車ベルが鳴り響き、列車はゆっくり動き出す。
そして、機関車の甲高い警笛を吹鳴。
「お待たせいたしました。11時55分発の妖聖界行きです。次は綾野です。
綾野、無浜、美缶、土村、大土間、上長の順に止まります。上長からは、
東喜山、喜山、商浜、石松、骨喰いの井戸、終点妖聖界の順に止まります。
次は綾野です。」
車内放送が終わった後、列車は60キロ程度の速度で走っており、線路の継目を
通過するときの音が聞こえます。蓬莱本線がまだ単線で、鬼蜘蛛線と呼ばれていた
時代で、ディーゼル機関車牽引の客車だった時代です。