【ドラクエ8】ヤンガス萌えスレ【オッサン】

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708506=例の>>400
>>506で厚かましく名乗り出たヤンガスヤンパー親子調教のヤンパー版ビギニングとエンディングが書きあがりました。
安価職人様のような文体には仕上がりませんでしたが、それでもお目汚し程度には何とか。


◆ビギニング(>>165のヤンパー視点)
今日も今日とて、俺はふたりの子分をひき連れ、稼業に繰り出した。
息子が戸口で手を振って見送る。まだ10歳を過ぎたばかりのガキンチョで、連れ回すわけには行かないから、留守番係に任命してある。
俺たちが留守だからって、調子付いておかしな事するんじゃねーぞ?
そうそう、俺の名はヤンパー。盗賊団「ヤングライオン団」の頭領だ。
ヤングライオン団と言やあ、マイエラやアスカンタでもちっとは名の知れた存在だ。もちろんここパルミドでは知らぬ者はいない。
そんな盗賊団なのに、ここ数日間めぼしい獲物が手にはいらねえんだ。おかげでおれはここんところ虫の居所が悪い。
「親分、なんでも南の浜辺に洞窟があるらしいですぜ。駄目もとで潜ってみやしょうかい。」
子分の提案に俺は賭けてみた。
だが、骨折り損のなんとやらとはこのことかも知れねえ、と気づいたときには、俺たちはその洞窟で迷っちまってたんだ。
「すまねえです、親分。」
謝るのは後ででいい。まずはここから出ることだ。
むしゃくしゃしていた俺は、子分たちをほったらかして、暗い洞窟の中をどたどた歩き回った。それが悪かった。
不意に足元の岩が崩れた。しまったと思ったときにはもう手遅れだった。大音響とともに俺は奈落の底へ落ちていった。

「ぐうっ…ここは、どこだよ……ちくしょう」
俺はしばらく気絶していたらしい。そうとうな高さから落下したのをうすぼんやりと覚えてる。それにしては体の痛みが少ねえんだがな…?
息子の面がちらちらと脳裏に浮かんだ。そうだ、こんなところでぶっ倒れて、あいつをみなしごにしちゃならねえぞ。
どうやらうっすらと明るいようだ。もしかしたら外に出られるかもしれねえ。
そう思って俺は目を開けた。
目に入ったのは変てこな場所だった。部屋のようだが、窓もドアもないときてる。
そしてもうひとつ気づいたのは、俺の体が鎖でつながれていて、ほとんど動けないってことだった。
なんてこったい…!俺は鎖を外そうとしてもがいた。
そのとき、部屋の向こう側から声がかかった。
「あんたっ!起きてるかっ!」
目を向けたそこには、男の影法師がひとつ。俺と同じように拘束されているらしかった。その男が再び声を掛けてきた。
「あんた、誰でやす?」
「あんたこそ誰だよ?俺は……ヤンパーってもんだ。」
虫の居所の悪いのはまだ収まってなかったから、俺はそうとうぶっきらぼうに口を利いたに違いねえ。向こうはびっくりしたように声を上げた。
「で、あんたは?」
今度は俺が問う番だ。
「あ、あっしはヤンガスってもんで…」
「なにぃっ?俺の息子と同じ名前じゃねえかっ!?」
ヤンガスなんて名前のやからはほとんどいたためしがない。まさか息子と同じ名前の奴に出会うとは思ってもみなかったぜ。しかもこんな状況でな。
そういやこいつ、俺が名前を告げたときに驚いてやがったな…
「まさか、親父なのかっ!?」
「いや、俺の息子はまだ10歳位のはずだが……」
「俺の親父だって、もう死んでらぁっ!」
俺が死んでる、だと?いや待ってくれ、あの男が俺の息子のはずがねえ、とすると俺と同じ名前の親父をあいつは持ってたわけだ…
胸の奥にむらむらっとわだかまりのようなものが湧いてきた。親近感とひがみが混ざったような、そんな感情だ。
俺は言葉につっかえてしまった。
709506=例の>>400:2009/05/24(日) 18:16:42 ID:???
◆ビギニング続き(>>165のヤンパー視点)

『あー、聞こえるか?』
そのとき、どこからともなく声がした。
「だ、誰でぇっ!姿を見せやがれっ!」
俺は、どこにいるかも分からない相手に向かって怒鳴り散らしてやった。いつも子分や息子に怒鳴りつけているのとおんなじ口調でな。
『まぁ、話を聞け。ここはな、プログラムの中だ。』
声の主は全然ひるむ様子も見せない。冷静そのもので、俺は変な気味の悪さを感じた。
向かいのヤンガスと名乗る男もキツネにつままれた様子だ。
「ぷろぐらむぅ?」
この部屋の名前が「ぷろぐらむ」とかいうのか?それに、窓も戸もないのに、俺たちはどうやって入ってきたんだ。
だいたい、どういう理由で俺たちはこんなにがんじがらめに縛られてるんだ?
声は続ける。
『お前らはゲームの中の登場人物だ。我々は、それをこうしてプログラムとして抽出することに成功した』
「何言ってるのか、ぜんっぜん分かんねぇっ!もっと分かりやすく、俺らがこうして縛られてる理由を説明しやがれっ!」
俺はもういちど怒鳴り散らしてやった。向かいの男がびくっびくっと震える。まるで本当に俺の息子みてえだよ……。
こう俺が思ったとき、声が俺の心中を察したかのように答えやがった。
『いいだろう。君の向かいにいる男、彼はきみの息子の数十年後の姿だ。』
「なにぃっ!」
なんで数十年も後の息子が、いまここに俺と一緒にいるんだよっ!辻褄があわねえ!
だが、声の主が嘘をついているようには感じられなかった。なんてこった!
『そしてヤンガス、君はわかっているだろうが、向かいにいるのは数十年前のきみの父親だ。』
ヤンガスがきょとんとしているのが俺にも伝わってきた。おおかた、昔の自分の父親がいま自分と一緒にいることが奇妙だと考えてるんだろう。
ちょっと黙っていたヤンガスだが、声の主に説明を求めるように口を開いた。
「それで、この状態はどういう意味でぇ?」
『これはね、君らの為に我々が用意した舞台だよ』
舞台って、俺たちに芸でもさせる気か?
「舞台?」
言葉が思わず俺の口から出てしまった。
『我々は君らが好きなんだ。愛していると言っても過言ではない。だからね、こうして君らをここに連れてきたのさ。』
我々ってことは、少なくとも二人はいるんだな。どこに隠れてるんだかしらねえが、さっさと姿を現せってんだ!
俺様が何者か知ったうえで、こんな不埒なことを働いてるんだろうな?
「い、いったい何のためにでやすかっ!」
ヤンガスの奴がどなる。動かせない体の力を振り絞っているのが俺には分かった。
声は冷ややかに答えた。その口調はよく耳にするやつだ。
仕事に入った先の屋敷なんかで、宝をごっそり隠しているくせに「無い」とかほざいてる連中の口調にそっくりなんだ。
『ここで、ゆっくり君らの様子を楽しむためだよ。じゃあ、また後でな』
「「待てえっ!!」」
思わず声を合わせて怒鳴る俺とヤンガス。そんな声で立ち止まる奴じゃねえってことは分かっていたが、それでも叫んでしまった。
ブツンという変てこな音がして、声は消えうせた。
どうしようもねえ。俺は部屋の向こう側の男に声を掛けた。
「ヤンガスなんだよな……?」
自分の息子なのかどうかいまいちまだ信じかねていた。せめて顔が見えればな…。
だが、その男が息子かどうかなんてことより、ここから出るにはあの男を相棒としなくちゃ無理だろうってことが、今の俺の心のうちの大半を占めていた。
「ああ、そっちも確かに親父みてぇでやすね……」
ヤンガスが答える。どうやら、あいつは俺のことを自分の親父(の昔の姿)だと信じることにしたらしい。
俺たちはこれからどうなるんだ、どうすりゃよいんだ。考えても無駄なことは分かっているのに、俺は薄闇の中で頭をひねり続けていた。