好きに使うスレ 19

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214早乙女アルト ◆KyUpmG9.1.
>>213
失礼なのはお互い様だろ?
……それに、じゃじゃ馬なのは本当だし。嫁の貰い手があったら……俺が困る。
(胸に鬱積していたうやむやな気持ちが爆ぜるように霧散して、心底晴れやかな気持ちでシェリルと向き合うのだが交わす言葉は嫌味と大差ないものだ)
(出会った時には思いもしなかった。想いに気づいた頃には気持ちを遮ろうと立ちはだかる大きな苦難が邪魔をした)
(虚構の関係だった過去とは違う……バジュラとの過酷な戦いのないこの世界で彼女と幸せを紡いでいける、夢でしかなかった妄想が現実と取って代わるなんて)
だから、いつかは俺と……。
(さすがにプロポーズまで口にしてしまっては笑い話にしかならない。これから恋人としての日々が始まろうとしてるのだから)
(頬を赤く染めて見つめてみれば、刹那の幸福を一片たりとも零さず噛み締めていた悲哀な感情の裏返しだった笑顔はもう消えた。出会ったばかりに焼き付けられた彼女本来の微笑みがある)

……なんだよ、もっと喜んだらどうだ? 俺を逃したらお前の貰い手なんて他にいないんだぜ?
(生意気な口を利いているのは自覚の上。気兼ねなく接した場合、これが二人の自然体なのでは……とも思えるのだ)
(初めて会った頃とは変わってしまった点もある……お互いを好きになれたこと、意地っ張りだが実は寂しがりやなのを知ったこと)
(それは時間と絆の積み重ねが育んだもので、二人が惹かれ合ったことに運命染みたものを感じてしまうのは感慨深い気持ちが胸に張り詰めているせいかもしれない)
あの時に――――
お前言ってたよな、絶対に諦めないって。ふふっ……まさか感染症まで克服しちまうなんてな。正直恐れ入ったぜ。
(思い当たる節はあるが、シェリルの病状が完治しているとまでは考えていなかった。それがランカの力なのか他の要因も重なってのことか、いまいち把握できないのだが)
(彼女はこれからも生きる……その事実さえあるのならそれに至る経過なんて些細なことだ)
(一つ腑に落ちないのはそれをいち早く伝えて欲しかったこと。決戦の日からはそれなりの日数を費やしているのだ、昨日今日に判明したことではないだろうに)
(確証を得るまで言い出せなかったのかもしれない……治ったかもしれない、と不確かなまま伝えられても不安にさせられるだけだ。這い寄る死の瞬間に恐怖したのかと)
(慎重に検査を重ね、それが確実なものとなったからこそ知らせてくれたのだと思う)
――――んんっ……
(躊躇いのないキスで疑いを晴らしたつもりでいるが、ちゃんと口にして伝えないといけない)
(繋がった唇から彼女の息遣いを感じ、送り返す吐息は彼女の元へ届いただろうか。預けられる体重を片手で支え、円を描くように背を撫でていく)
(絡ませていた指先を解き、頬を撫でてみれば目に見えない涙の跡が僅かな湿り気から感じることができた)
シェリル、俺達には躊躇う理由なんてどこにもないんだ。
(頂点を過ぎ折り返しに入ったゴンドラはおよそ十分未満で乗り場へと戻るだろうか……それまでの時間一杯、キスしていたかった)
(離されたはずの唇は、そこが定位置といわんばかりにすぐさま彼女の唇に押し当てられる)
(唇だけでは物足りないと頬に添えられていたはずの手は肩に置かれ、強く彼女の身体を引き寄せる)
(閉塞感を感じるほどの抱擁……今は片時も彼女から離れたくなかった――)


【……ありがとう、という言葉は気持ちを伝えるのに適当じゃないかもしれない。本当に嬉しい、大好きだ……シェリル】
【次はいつ会える? 俺としては水曜、木曜、どちらかの夜は空いている】