>>417 (学校が終わり教室を出る)
(校門を出て長い坂を下り)
(教室を出てから俺はずっと一人の女の子を気にしている)
(その女の子は俺のクラスの委員長をしている)
(勉強も出来、誰にでも優しいクラスのマドンナ的存在だ)
(学校から離れるにつれて、彼女との距離がつまって行く)
(彼女が俺の隣まで来た。ちょっとドキドキしてる)
(あ……、彼女の手が触れた。すぐ引っ込められたけど)
(また、指が触れる。今度は指が絡み合う)
(何だろう。彼女とこうして触れ合うだけでこころが踊り出すような気分になるのは…)
(駅前の分譲マンションの一室の前に俺と彼女は立っていた)
(そこはもともと彼女の部屋だったのだが、わけあって今は俺も住んでいる)
(扉を開き、一緒に玄関に入る)
(靴を脱ぐ彼女の仕草を見ていた)
ああ、ただいま朝倉。まずはご飯だな。
朝倉の作るご飯はうまいから、楽しみだよ。
お風呂はその後、ゆっくりと、な。
(俺も玄関で靴を脱ぎながら可愛い新妻にそう言った)
(きっと、顔が自然にゆるんでいただろうが、そのことを咎める権利は誰にもない)