>>741 それがフクザツな男心っていうヤツなのかしら……――。
精神的には女の方がタフだってよく言うものね。
(自分自身は女の身である為に、姫呼ばわりを嫌がるアルトの心に配慮をしない)
(実際フクザツな心境そのものは理解しているのだが、揶揄の意図も込めて笑うのみ)
歌? ――ぷっ……!
(鸚鵡返しと同時思わず吹き出してしまったのは、悪意があったからではなく)
(純粋すぎる相手の答えに寧ろ機嫌をよくしたため)
ええ、そうね。……歌って欲しいって言うのなら、歌ってあげるわ。
でも、滅多にしないんだからね――。
フフ――…素直でよろしい。
(上機嫌に瞳を細めて笑うと、片隅に置かれてあった木製の椅子を片手で引っ張って)
(それに座るようにと肩を叩いて促し)
そんな事ないわよ?奇麗な物には男女なんて関係ないもの。
(私には叶わないでしょうけど、と付け足す事も忘れずに)
(ポニーテールに一つに結われた髪の束を掌に掬い上げ、ためしに指を通して梳いてみる)
(紅い紐で結われた場所まで指先を滑らせると、紐の先を軽く引いて)
…アルト、解いてもいい?
【……ごめんなさい、アルト、そんな事言ってる内に眠気が……】
【もし、あなたさえ良ければ…私はこのまま続けたいって思ってるけど】
【勿論無理は言わないわ、……って、このシェリルにこんな事まで言わせるなんて】