【愛は】ベルサイユのばら【永遠に】part1

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952名無しさん@ピンキー:2008/12/24(水) 23:11:38 ID:xiNLZBpB
しかし辻馬車はなかなか来ず、焦るアラン。
暴徒の足音がどんどん近づいてくる。
「おや、アランじゃないか。ご無沙汰だね。」
馴染みの娼婦が声をかけてきた。
「なんだい、ずいぶんキレイな人と一緒だね」
「おお、マダム。あなたは神が使わした天使に違いない。
追われる私達を、悪者の手からお救いくださらぬか」
跪いて娼婦の手に接吻する隊長をボーゼンと見つめるアランを尻目に
その気になった娼婦は、
「とにかくそのブロンドは目立っちまうから隠さないと」
オスカルに自分の着ていたケープを渡す。
「これではあなたが凍えてしまう、マダム」
「後であんたにゆっくり暖めてもらうからいいさ」
粋に片目をつぶると
「アラン、知ってるだろ、この裏の路地を抜ければあたしのいる店に出られる。
おかみさんには客が二人来ると言っておくから安心しな」
走り去っていく娼婦を「機転も利いて勇気もある。すばらしい人だ」
そう感動して見送るオスカル。
娼婦のケープを被った隊長は、生々しいくらい女に見える。
「俺とあんたが今から飛び込むのは娼館だぜ。何するところかわかってんだろうな」
わざとイジワルを言うアラン。
953名無しさん@ピンキー:2008/12/24(水) 23:26:37 ID:???
「フフフ・・・言うじゃないか、アラン。
だがな、先ほどのご夫人は私を男だと思い込んでいる。」
オスカルがニヤリと笑う。
「隊長さんよ、俺の家もここからさほど遠くは無い。」
パリはそろそろ夜を迎えようとしていた。
954名無しさん@ピンキー:2008/12/24(水) 23:44:54 ID:???
「お兄様、それにオスカル様まで。」
ドアを開けたアランの妹、ディアンヌは嬉しい悲鳴を上げた。
「馬車が暴漢に襲われてな。突然で驚かしちまった。」
オスカルとアランは急いで家の中へ入った。
「ディアンヌ嬢、申し訳無い。」
オスカルはケープを取るとディアンヌに優しく微笑みかけた。
「いいえ、何のおもてなしも出来ませんけれど、どうかごゆっくりなさってください。」
ディアンヌは嬉しそうにオスカルからケープを受け取った。
「すぐに食事をご用意いたしますわ。それから着替えを・・・どうしましょう。
私の服か、兄の物しかございませんわ・・・」
アランはギクリとした。ディアンヌの服を着た隊長・・・女の姿をした隊長・・・
俺の服を隊長が・・・どっちにしてもこれは平静を保てやしない。
高鳴る胸を止めようとアランは言った。
「俺は酒でも買ってくるよ。」
955名無しさん@ピンキー:2008/12/25(木) 01:33:32 ID:???
安酒の瓶を抱え、ディアンヌの服を着たオスカルを期待して戻ったが、
豪華とは言えないがディアンヌが腕をふるった食事と
アランの服を着たオスカルが待っていた。
「ディアンヌの奴、俺の大切な一張羅のシャツを・・・」
そんな事は、久しぶりの暖かい手料理で胃袋を満たすことで忘れた。
「あの・・・オスカル様、失礼な事とは分かっているのですが、
その美しいブロンドの髪を触ってもよろしいでしょうか。」
「構わないが。」
ディアンヌの指先がオスカルの美しいブロンドに触れる。
「柔らかく、なんて美しい豪華なブロンドなんでしょう。
とても良い香りがしますわ。」
「ディアンヌ嬢、あなたの黒髪も美しい。」
オスカルの指先がディアンヌの髪に振れる。
その指先は大きさの違いはあるものの、ディアンヌの指と
何ら変りの無い、しなやかな女の指先。
オスカルが動くたびにシャツを通して体の線が浮き出る。
衛兵内では決して見ることのない曲線。
コルセットはしているのだろうか。
アランの頭の中はシャツの下に隠されるものを想像させる。
「オスカル様が女性でなかったら、私、恋してしまいそうですわ。」
ディアンヌの言葉がアランの心を掻き回す。
男だったら、大切な妹に触れる目の前の奴を殴っているだろう。
女なのだ。男の服を着ていても、その中にあるのは女なのだ。
そう考えるとアランの胸は苦しくなってくる。
「ディアンヌ、隊長が休める部屋を用意してやれよ。
皿は俺が洗ってやるから。」
いたたまれなくなったアランが言った。
皿を洗い終わり、戻ってみるとオスカルの姿は無く、
ディアンヌがオスカルの軍服にブラシをかけていた。
「お兄様、オスカル様にはお兄様のお部屋で休んでいただくよう、
用意しましたわ。」
「なにぃ?!」
アランは大声を上げて驚いた。
オスカルと同じ部屋で一夜を・・・などと考える以前に、
ベッドの下には、オルガン、ジャンヌバロア回想録全巻、
裏・ジャンヌバロア回想録、図解・女への攻撃法、
オスカルに見られたら人間性を疑われるような本が隠されているからだ。
956名無しさん@ピンキー:2008/12/25(木) 03:15:16 ID:???
アランは一目散に走り、自分の部屋のドアを開けた。
もしもオスカルが着替え中だったら・・・
そんな事など考える余裕は無かった。
きなり開いたドアに目を見開いて驚くオスカルがベッドの前に立っていた。
ベッドの上、狭い部屋を見回して最後にオスカルの手元を見る。
大丈夫だ。見つかってはいない。
ほっと胸をなでおろすも、ベッドの下に隠されたものが発見されるのも
時間の問題だ。一刻も早く、何とかしなくてはならない。
しかしオスカルが立っている足元の奥にそれらは隠されている。
「どうした?アラン。」
不思議そうにオスカルが尋ねる。
「ベッドの下にエロい本を沢山隠しているので取りに来ました。」
なとどは口が裂けても言えない。来た理由も言えない。
アンドレならここで、シャツをビリビリと裂き、愛している死んでしまいそうだ。
などという行為に出れるのだが、
不器用なアランはベッドの下ばかりが気になり、そこまで辿りつけない。
アランの視線がオスカルの足元ばかり気にしているのにオスカルは気付いた。
「どうした?アラン。私の足元に何かあるのか?」
アランは惚けて視線を窓に向けた。
「いい月夜ですね、隊長。」
「何を言っているのだ。今夜は新月だぞ。おかしな奴だな。」
アランの視線がまたオスカルの足元に向かう。
オスカルはその視線を辿ると足元では無く、ベッドの下であることに気付いた。
「ここに何かあるのか?」
オスカルは膝をついてベッドの下を除き込んだ。絶体絶命である。
「こんなところに本が沢山あるぞ。これを取りに来たのか。」
オスカルが手を伸ばし、一冊の本を取り出した。
最も危険である「図解・女への攻撃法」である。
「ほぉ、お前も仕事熱心だな。これは何かの兵法か?」
オスカルが本を開こうとした。
もうダメだ。
アランはオスカルに飛びかかる。その拍子に二人はベッドに倒れ込んだ。

 ごめん・・・ダメです。エロにしようと思えば思うほどギャグになってしまいます。
 限界です。さようなら・・・
957名無しさん@ピンキー:2008/12/25(木) 09:20:44 ID:???
神君臨!!
毎日楽しみです。
色々な妄想 期待してるお。ガンバレ!!
958名無しさん@ピンキー:2008/12/25(木) 10:28:24 ID:???
オスカルが帰ってこない
なぜだ?
なにがあった?
またフェルゼンに会ってるのか?
それともジェローデルか?
まさか衛兵隊の狂犬アランと何か?
ジャルジェのお屋敷で悶々とするアンドレ。
959名無しさん@ピンキー:2008/12/25(木) 21:32:09 ID:???
アランがオスカルの手を掴みベッドへ倒れ込む。
オスカルの手から離れた本は押し倒された勢いに乗って宙を舞う。
バサリと本が床に落ちる音が響く。
今、アランの目の前にあるのは美しい女隊長の白い顔。
このまま自分の顔を落とせばバラ色の唇を奪うことも容易い。
アンドレならこんなチャンスは絶対に逃さないだろう。
しかし、アランの頭の中はそれどころでは無かった。
音の様子からして、本は開かれた状態で落ちたであろう。
落ちた本が上か下かで状況は変わる。
アランは恐る恐る床に視線を向けると神の御加護であろうか、
本は伏せた状態で落ちていた。
この神の御加護を無駄には出来ない。
アランは素早くオスカルから離れると床の本を拾い、
ベッドの下にもぐり込むと全ての本をかき集め、一気に暖炉の中へ投げた。
「俺の・・・俺の青春が・・・燃えて行く・・・」
960名無しさん@ピンキー:2008/12/25(木) 22:09:02 ID:???
オスカルはベッドから上半身を起した。
暖炉の前でオスカルに背を向けたアランが立っている。
広く大きな背中が微かに震えている。
あのアランが・・・泣いているのか・・・?
ベッドに押し倒された瞬間、アランの腕なら太刀打出来ないと感じた。
剣の勝負をした時、一瞬でもこの私に負けるかもしれないと
そう思わせるほどの腕を持った男だ。
思い返せば幾度と無く、アランは私を襲うチャンスはあったはずだ。
路地裏へ逃げ込んだ時、私の唇を奪うことも抱きしめることもできた。
優しいご夫人の恩恵を受け、娼館へ逃げ込み、
そこで私を襲うことだって出来た。
馬車が暴漢に襲われながらも、私を無傷の状態で助け出し、
決して裕福では無いにも関わらずこの私を真心でもてなし、
その上、大切な本を暖炉に投げ入れてまで
この私を暖めてくれようというのか。
こんな男が、近衛隊にいただろうか。私の回りにいただろうか。
オスカルの胸の中に何か熱い感情が沸き始めていた。
961名無しさん@ピンキー:2008/12/25(木) 22:44:08 ID:???
暖炉の火はパチパチと音を上げ、容赦無くアランの青春を灰にして行く。
この本には数々の思い出があった。
娼館にも通い、たわいも無い恋愛を繰り返し、
それなりに女の経験も積んで来た頃に出版された
ジャンヌ・バロア回想録は衝撃的だった。
毎日見慣れてはいるものの、決して中へなど入ったことのない
ベルサイユの王宮で、日夜このような事が起きていたとは。
きらびやかな軍服にすました顔をして形だけの警備をする近衛隊。
家柄だけでは無い、「容姿」まで問われる王宮の飾り人形近衛隊。
その連隊長が女で、しかも王妃の恋人であり、王妃を慰めるために男装している。
これだけでご飯を何杯食べたことだろうか。
実物の近衛連隊長を見てやろうと近衛隊に忍び込み、
逮捕されかけたこともある。
結局、近衛連隊長は王宮の中、お目にかかることは出来なかった。
娼婦に軍服を着せ、連隊長プレーをしたこもある。あれは失敗だった。
ご飯を頂くたびに、俺の中で近衛連隊長の姿が作り出され、
どれだけ萌えたことか。
ある日突然、その近衛連隊長が近衛隊をやめ、
俺たちフランス衛兵隊隊長になってやって来た。
ドキドキしたさ、わくわくしたさ。
だが、本当に隊長だった。俺の萌えはガラガラ崩れたさ。
けれどもすごい美人で・・・強くて・・・俺は・・・
バカなことをしたと思っている。
拉致してちょっと虐めてみたのは、本当のところ、
ジャンヌ・バロア回想録の真実を聞いてみたかっただけだ。
アンドレの野郎が来なければ聞けたものの。
俺はこの気丈で気の強い女隊長を落としてやりたいと思ったさ。
けれども剣で負け、事あるごとに殴られる度に
俺は落としてやりたいから、落とされたい・・・に変って行った。
やっぱり落としてやりたい・・・いや、落とされたい・・・
ああ、燃えて行く、俺のジャンヌ・バロア回想録・・・俺の青春。
962名無しさん@ピンキー:2008/12/26(金) 01:46:13 ID:???
アランは暖炉の前に座り込み、灰になっていく青春を見ていた。
「アラン、どうしたのだ?」
振り帰るとそこにはオスカルが立っていた。
「おまえの大切な本を灰にしてまで私に暖を取らせてくれるなとどは。
そこまでしなくとも、おまえの優しさだけで、
私は心の中までも暖められている。」
オスカルの白い両手がアランの右手を優しく包む。
その感触、思い出す、あの時の感触。
剣で負けた後、俺のこの右手を取り、優しく応急処置してくれた
あの時の柔らかく美しい手。
男の上官だったらそんな事は部下に任せ、
自ら処置してやろうなどとは思いもしないだろう。
これが女の優しさ、男には無い母性というやつなのだろうか。
あの時の包帯で飯を5杯食べたことは墓場まで持って行く。
オスカルの澄んだ青い瞳がじっとアランを見つめる。
お互いの瞳を見詰め合い、同時にその瞳に思うものがあった。
963名無しさん@ピンキー:2008/12/26(金) 03:02:08 ID:???
なぜか小林まことの絵柄で脳内でマンガになったわ。
おもしれー。
964名無しさん@ピンキー:2008/12/26(金) 05:25:12 ID:???
そうだ。この琥珀色の瞳だった。
フランス衛兵隊、近衛隊とは違い、荒くれ兵士の集まりだと覚悟はしていた。
閲兵式をボイコットされるぐらいの予想は出来ていた。
それぐらいの方がいい。何もかも忘れさせてくれる。
真正面から飛び込み、荒くれ兵士たちと向き合うのも悪くは無い。
その中でも取り分け、狂犬のような男がいた。黒髪で琥珀色の瞳を持つ男。
最初から私に噛みついて来た。そして私に牙を、剣を向けた男だ。
私は甘く見ていた、軍隊というものを。
王宮の飾り人形と言われながらも、いざとなったら戦える軍力も
それなりの腕を持った兵士たちが揃っている。
皆、士官学校を出て訓練を受け、より分けられた兵士たちだ。
だが、やはり王宮の飾り人形、いや、磨き上げられ細工をされた宝石だ。
首飾り、耳飾と細工された物をただ選べば良い。
腕は確かだった。だが剣を交えて私が一瞬たりとも負けるかもしれないと
そう感じさせたのはあの目だった。生まれながらの軍人の目。
吸い込まれそうになるあのような目を持った男が近衛にいただろうか。
965名無しさん@ピンキー:2008/12/26(金) 05:29:07 ID:???
不思議な男だ。
乱暴で無礼な男だが、決して下品な男ではない。
衛兵隊では裏隊長と言っても過言では無いほど兵士たちの信頼を受けている。
そう、筋の通らないことが嫌いなだけなのだ。
自分の心に正直で、言葉より行動が先に出てしまう。
面白いほどにバカ正直な男だと。こちらから仕掛ければ
すぐに答えが行動となって返って来る。
アラン・ド・ソワソン、一番最初に覚えた名前だ。
名前を覚えるだけでは無く、一番興味を持った。
アンドレが良く言う。
「君は光、僕は影。」
私が光なら、アンドレはその影だと言う。
ならば、アンドレが「静」ならアランは「動」だろう。
だが、アンドレは静なるゆえに、切れると何を仕出かすか
分からないところがある。
私だって完全に女を捨てたわけでは無い。弾けてみたいと思う。
だが、あの黒曜石の瞳は常に私の事を監視している。どこからでも。
おまえはエスパーかっ!と突っ込みを入れたくなるほどに
私のことは何でも知っている。こわい、うざいと思ったこともある。
しかし、アンドレ無しでは何も出来ないところが本音だ。
今はアンドレのことなど良い。私はアランの話しをしているのだ。
966名無しさん@ピンキー:2008/12/26(金) 05:33:29 ID:???
そのアランだ。
私にとって、アランは男カルチャーショックだったのだろう。
かつてフェルゼンに恋をした。
フェルゼンは危機に至ると、突然現れて助けてくれる
白馬に乗った、強く素敵な王子様だったのだろう。確かに白馬に乗っていた。
正式には葦毛と言い、グレーの馬が歳と共に白くなって行く。
つまり、私やフェルゼンが乗っている馬は高齢であるのだ。
たまに白毛馬というのが存在する。生まれた時から白毛なのだ。
白毛と葦毛の違いは毛の下にある肌の色だ。
馬の肌は黒いのが通常だが、白毛は肌もピンクである。この違いなのだ。
私は何を言っているのだ。こんな時にオスカルの豆知識などどうでも良い。
詳しくはユキチャンでぐぐれ。
私はフェルゼンに何を与えたのであろう。求めるだけだった。
フェルゼンを落としてみたいなどとは考えたことすらなかった。
しかし、この興味深いアラン・ド・ソワソンという男は
私に「落としてみたい」と感じさせた男だった。
この私のどこから、そんな気持ちが涌き出るのか可笑しかった。
しかし、あの琥珀色の瞳を見つめると
この荒っぽい男に落とされてみるのも悪くは無いと思うこともある。
男と女の恋愛は剣の勝負のようなものだ。落とすか落とされるか。
男の経験どころか、恋愛経験の無い私が言うのは説得力に欠けるか?
女を捨て、男として生きようと決心した衛兵隊で
より女を楽しむことになるとは皮肉なものだ。
本当に不思議だ、あの琥珀色の瞳は。
967名無しさん@ピンキー:2008/12/26(金) 05:37:40 ID:???
そうだ、この深く澄んだ青い瞳だ。
衛生室へ様子を見に来た隊長と目が合い、
俺は思わず反らしてしまった。
ベッドに寝ている俺のところへ、軍服を着た隊長が来る。
俺はあの連隊長プレーを思い出してしまったんだ。
あれは隊長を初めて見た時、大失敗だったと既に後悔していた。
俺が想像していた連隊長はブロンドの髪でも青い瞳でもない。
あの時の隊長の姿は神々しく、女神にさえ見えた。
澄んだ青い瞳がジャンヌ・バロアの連隊長を全て否定した。
それほどの女なら、ベッドで寝ている俺を誘惑し、
女の武器で衛兵隊を統率しようとしただろう。
だが、あの青い瞳は何なんだ。なぜそれほど澄んだ瞳で俺を見る。
俺の連隊長様はもっと妖しい目をして俺を誘惑するんだ。
思わず、「俺が悪かった。ごめんなさい。二度とそんな事はいたしません」
と両手をついて謝りたくなる澄んだ青い瞳で俺を見るんだ。
このアラン様を舐めているのかと、だから俺は刺し殺してやるなど
美しい隊長に毒づいてしまった。
暖炉の中に、もう本の姿は無い。全てが灰になってしまった。
俺の連隊長は炎と共に消えた。
今、目の前に居る本物の連隊長、フランス衛兵隊隊長だけを残して。
968名無しさん@ピンキー:2008/12/26(金) 20:10:34 ID:5MRIGc5Q
>拉致してちょっと虐めてみたのは、本当のところ、
ジャンヌ・バロア回想録の真実を聞いてみたかっただけだ。
アンドレの野郎が来なければ聞けたものの。

ハライテ〜
969名無しさん@ピンキー:2008/12/27(土) 02:26:03 ID:???
「大きな手だな。」
オスカルは両手で握り締めたアランの手に頬を寄せた。
バラ色の柔らかい唇の感触がアランの手に伝わる。
隊長が俺の手にキスをしたのか?それとも妄想か?
アランは自由な左手をオスカルの美しいブロンドの髪に伸ばした。
柔らかく、絹糸のようにしなやにアランの指に滑り落ちて行く。
サファイアの瞳が真っ直ぐに見つめる。
金色の髪にサファイアの瞳。これだけで生きた宝石だ。
細工をされた宝石など、この美しい女の髪に、耳に飾ったところで
ただの石ころとくず鉄だ。
宝石などに、この優しい心があるのか?
アランの左手がブロンドの髪の奥深くに滑り込み白い顔を引き寄せる。
握っていたオスカルの手が離れ、自由になった右手をオスカルの背中に回す。
閉じられた青い瞳と琥珀色の瞳。お互いの唇が近付いて行く。
「お茶をおもちしましたわ。」
突然の声に二人は慌てて離れた。
ディアンヌが春風のような微笑を浮かべて立っていた。
春風のようなかわいい大切な妹、ディアンヌが
この時のアランには厳しい北風に感じた。
「おまえはアンドレかっ!」
かわいい大切な妹に毒づくわけには行かない。
「私、お兄様とオスカル様が結婚したらって、そう思いましたの。
だって、お兄様とオスカル様が結婚したら、私、毎日オスカル様が見れますもの。」
アランは顔を赤らめオスカルに背を向けた。
オスカルは空気を変えるように、ディアンヌの側へ行き、
「お茶をいただこう。」
暖かいお茶が注がれたカップに手を伸ばした。
970名無しさん@ピンキー:2008/12/27(土) 04:22:21 ID:???
畜生。書き手のやつ、なんだってこうもヘタレなんだ。
アンドレが現れる状況でも無し、
せっかくイイところまで来たってのになんだよこの展開。
ディアンヌか?ディアンヌ登場か?
ふざけるなってんだ。そうだろ?ここの住人たち。
俺は知ってるんだぜ、このヘタレ書き手にエロが書けないってことを。
だったら最初から書くなってんだ。それも長々引っ張りやがって。
ネタ切れなら犬の散歩にでも行って考えるんだな。

代筆:アラン・ド・ソワソン 依頼人:ヘタレ書き手
971名無しさん@ピンキー:2008/12/27(土) 10:31:47 ID:???
とりあえずGJ!!!!!!!!
972名無しさん@ピンキー:2008/12/27(土) 20:59:31 ID:???
ああ〜っおもしろいっ!
GJです!!!
973名無しさん@ピンキー:2008/12/27(土) 22:27:38 ID:???
「それではオスカル様、失礼いたします。
お兄様も失礼の無いよ、オスカル様のお相手をして下さいね。」
意味ありげな言葉を残し、ディアンヌは部屋を出て扉を閉めた。
お相手ということは、俺に隊長と一緒にこの部屋で
一夜を明かせということか?
今更、隊長をディアンヌの部屋へ押し込むわけにも行かない。
まして、俺が妹であるディアンヌの部屋ですごすなど、
神の怒りに触れる行いだ。
この狭い家に他にどの部屋があるというのだ?
自問しながらも、心の中はこの部屋でオスカルと
一夜を過ごす気は満万のアランである。
「ディアンヌの奴、何を言い出すんだ。
そんなに毎日隊長の姿が見たければ、衛兵隊へ入隊しろ。」
誰に向けるでも無く、動揺する自分の心を落ちつかせようと
アランは独り言を呟くように言葉を吐き捨てた。
974名無しさん@ピンキー:2008/12/27(土) 22:29:11 ID:???
「ディアンヌ嬢が衛兵隊へ入隊したら、一番困るのはおまえだろう、アラン。」
オスカルが笑った。
カップを置く手が動く。その自分の動作を見るかのように
うつむき加減になった顔に絹糸のブロンドが落ち、隠す。
カップを置いた手が顔にかかった髪を掻き揚げる。
その手が動くたびに大きなシャツの中に隠れた
背中のラインが美しく描き出される。
しなやかな細い腰から美しい曲線を作りだし、長い足へと続く。
「アラン、おまえはお茶を頂かないのか?そうだな、おまえなら、お茶より酒だろう。」
お茶に酒?隊長、何を言っているんだ。
目の前にはもっと素晴らしいご馳走があるってのに。
アランの気持ちは飽和状態になり、もう溜め込める隙間など
存在しなかった。
それから何が起きたのだろう。俺は何をしたのだろう。
何を言ったのだろうか。
975名無しさん@ピンキー:2008/12/27(土) 22:30:20 ID:???
気付いた時、自分のベッドの上で美しい裸婦と体を重ねていた。
「隊長にこんなことして、俺は銃殺かな。」
オスカルの腕がアランの背中に回る。
「銃殺になるのは私だろう。それからアラン、
こんな状況でこんなことを言うのもアレなんだがな、
隊長、アラン、では新手の801に聞こえる。」
聞こえたのか聞こえないのか、アランの唇が
オスカルの全身に注がれる。
アランの唇が、アランの手がオスカルの体に触れるごとに
オスカルの全身に巻きついていた茨のつるが解き放たれ
開放される安堵と新たに感じる麗しい感触で
胸の奥深くから茨の根が吐き出されるように口から吐息が漏れる。
「アラン、私の体に巻きつく茨のつるを全て取り去ってくれ。」
求めるアランの唇はオスカルに巻きつく茨のつるを、
ローズヒップを摘み取って行く。
新たななる美しい花を咲かせるバラの根が
オスカルの体の中に広がって行った時、
全身に美しく大きなバラの花が咲き乱れた。

「お前たち、また喧嘩をしているのか。」
軍服に身を固め、大声を張り上げる衛兵隊隊長がいた。
だがその姿は、常に縛りつけていた何かから解き放たれた
美しい女の顔、美しい女性の姿となってアランの目に映っていた。

------------- 完 -------------
976名無しさん@ピンキー:2008/12/27(土) 22:32:18 ID:???
犬の散歩をしながら、なんとか考えました。
こんなヘタレにご声援、ありがとうございます。
977名無しさん@ピンキー:2008/12/27(土) 23:52:00 ID:???
アランとオスカルの顛末を知った人たちの反応
アンドレ:パリのアランの家に火をつけ、一家を惨殺する。
ロザリー:「私のオスカル様をよくも」とディアンヌを待ち伏せて殴る。
ジェロ:アラン=ジャンクフードの後は口直しに私をどうぞと迫る。
フェルゼン:とりあえず、脱童貞オメデトウ、と本気で祝う。
アントワネット:オスカルの相手がとりあえず貴族なのでほっとする。
国王陛下:ニコニコしながら、臣下の職場恋愛の成就を喜ぶ。
978名無しさん@ピンキー:2008/12/28(日) 00:57:55 ID:???
オスカルが無事に帰って来たのは良かった。
しかし、帰って来てからというもの
暖炉の火を見つめて、深いため息をついては
何かを思い出したように頬を染めて微笑む。
いったい何があったんだ?俺のオスカル。
妄想モードに入るアンドレ
979名無しさん@ピンキー:2008/12/28(日) 01:13:50 ID:???
そろそろ次スレの頃だけど、
このままパート2にいく?
それともエロパロに移動する?
980名無しさん@ピンキー:2008/12/28(日) 03:31:35 ID:???
私はこの男と結婚する。
なんて、オスカルがアランをジャルジェ家に連れて来たら、
アンドレ、ジャルジェ邸を爆破するだろうか。
981名無しさん@ピンキー:2008/12/28(日) 06:32:29 ID:???
俺は今日から衛兵隊に出る。
鼻息を荒くして兵舎へ向かうアンドレ。
982名無しさん@ピンキー:2008/12/28(日) 21:35:26 ID:???
暖炉の火をみつめながら含み笑いするオスカルに
「アランと何かあったんだな。」
再びブラウスビリビリモードに入るアンドレ
983名無しさん@ピンキー:2008/12/28(日) 21:42:55 ID:???
「放せアンドレ」
もみ合っていると、オスカルの首に
赤い痕がいくつか見え、アンドレに火をつけた。
984名無しさん@ピンキー:2008/12/28(日) 23:14:01 ID:???
ここまでの関係になっても
まだオスカルを名前で呼べないアラン
985名無しさん@ピンキー:2008/12/28(日) 23:23:59 ID:???
>>979
今だかつてないほどのマターリ進行だったので
このままのほうがいい気がする
986名無しさん@ピンキー:2008/12/29(月) 00:24:54 ID:???
新スレ、立てました。
テンプレとかあったら、あとはよろしく。
http://babiru.bbspink.com/test/read.cgi/erochara/1230477722/
987名無しさん@ピンキー:2008/12/29(月) 14:44:08 ID:???
>>986
乙です
988名無しさん@ピンキー:2008/12/29(月) 21:09:43 ID:???
珍しく、荒れないスレだったよね。
次スレもこの勢いで行くといいな。
989名無しさん@ピンキー:2008/12/29(月) 22:51:13 ID:???
「隊長さん、あの日以来、どんどん綺麗になってるぜ。
得にこの唇なんて・・・」
「やめ・・・ろ、アラン。他の兵士たちの前で
おまえにそ知らぬ顔をするのが難しくなってくる・・・」
司令官室に男女の小さな声が響くたびに、
なぜか練兵所の雑草が綺麗にむしられて行く。
990名無しさん@ピンキー:2008/12/29(月) 22:51:28 ID:???
うん、そうだね。職人さんたちGJ!
楽しいスレにしてくれてありがとう。
991名無しさん@ピンキー:2008/12/30(火) 06:24:27 ID:???
兵士の報告を受ける前で
ときおり顔を赤らめたり
「あっ」
と短い悲鳴をあげるオスカル
座っていた机の下にはアランが潜んでいた

すでに下半身は一糸纏わぬ状態で
舌や指であらわになっている秘所を刺激しては
反応を楽しむ

兵士たちにばれないように
オスカルがこらえればこれえるほど
アランの独占欲と支配欲は満たされていった
992名無しさん@ピンキー:2008/12/30(火) 06:39:09 ID:???
>>991

仕事しろよ〜


と山済みの仕事を抱えた私が野暮な突っ込みを入れてみる
スルーして続けてケロ
993名無しさん@ピンキー:2008/12/30(火) 06:56:14 ID:???
>>991
状況が良く分からないが、おもしろい。
これをネタに何か書いてもいいですか?

アンドレとオスカルはもう原作で定着しちゃってるから、
アランの方がいろいろと浮かぶんですよね。
994名無しさん@ピンキー:2008/12/30(火) 07:00:32 ID:???
剣の持ち手に赤いリボンがついてる。
後で司令官室へ来いか。
おっと、今日は馬の手綱に青いリボンだ。
ブイエの奴が来るか注意しろだな。
衛兵隊内では何かしらのサインを送り合う
オスカルとアラン。
995名無しさん@ピンキー:2008/12/30(火) 07:04:34 ID:???
アラン部屋でろくでも無いもの書いてしまった
ヘタレ書き手ですが、
衛兵内でのできごとみたいの書いても良いですか?
996名無しさん@ピンキー:2008/12/30(火) 11:28:22 ID:???
書いてー
ほんとベルスレにありえないほどマターリ良スレだったなー
あとアランエロについて語れたのが良かった
997名無しさん@ピンキー:2008/12/30(火) 20:10:02 ID:???
ソワソン邸での一夜はオスカルにとって「なかったこと」にされてしまい
元の隊長と班長に戻ってしまった日常に
焦り、苦悩するアランは、怒りの導火線をドルー・ブルゼに引いてもらい
「ぶった斬ってやる」と激高。
その後を追いかけたオスカルを捕らえて
「おい、なぜ何もなかったフリをする!焦らして楽しんでるのか!!」
そう叫んで、百合背負ってキス。
998名無しさん@ピンキー:2008/12/30(火) 21:11:19 ID:???
うめ
999名無しさん@ピンキー:2008/12/30(火) 21:15:06 ID:???
埋め
1000名無しさん@ピンキー:2008/12/31(水) 00:19:44 ID:???
10011001

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