平安もの
俺は三橋のちっちゃな鼻をぎゅ〜とつまんでからパッと離した。
「ふぇっ」
鼻頭がまっかっかだ。
「いくぞ」
涙を溜めて上目使いで見てくる三橋にもう一度唇を押しつけた。
「ンッ…」
とたんにかすれた甘ったるい声を出してくる。俺は身体が熱くなって三橋の舌を何度も吸い上げた。
「フ…ふ…」
言われた通りにがんばって鼻で息してくるから鼻息が俺の顔にばんばん当たってくる。
…鼻息荒いんだよ。おもしろくなって上からまた三橋の鼻をつまんでみた。
「んー…!」
三橋の顔が膨らんだようになる。真っ赤になって苦しそうだ。
「ンッー!」
あんまりやるとホントに窒息しそうだから、しょうがないから鼻は離してやった。
「ふ…あゎ…」
今度は息使いが荒くなった三橋の腰を引き寄せて横抱きにした。思ったより細い腰だ。それにうすい身体に胸板。
でもなんかむっちりしていて抱きごこちがかなりいい。コイツの正体が男だとわかってから、最初は引くに引けず
ムキになって犯ってやるとか思ってたけど、今でも俺なにやってんだよって思うけど、これならけっこうイけそうだ。
まったくない胸を綿のようにジグザグと指でたどるとビクビクッと反応を示した。
「いい反応するじゃねえか。男のくせに男に触られて感じてるのか?」
俺は口づけの合い間に悪態をささやく。三橋はそうするたびに恥ずかしそうに身をよじるからやめられない。
「んっ…」
舌で歯ぐきの裏をつついた。唾液をくちゅくちゅと交換する。もうどっちのものかわからないくらいだ。
三橋のあごにはよだれが垂れていた。唇を押しつけるたびに三橋の唇はぷるんと揺れた。
ずいぶん長いこと口づけてんな…そう思って銀色に光る糸を引きながら唇を離した。
三橋の唇はすっかり紅く腫れあがって俺の唾液で濡れまくって光っていた。
「お、おっぱいって すごい んだ ね」
なんてわけわかんないことをぶつくさ言ってる三橋の身体もずいぶん熱くなっている。
三橋の頬骨あたりの匂いを嗅ぐように顔を埋めた。肌、白いんだよな。腰を掴む手に力をこめた。
襦袢に手を入れグイッと脱がし、俺も脱ぎかけの直衣をさらにずり下した。
力の抜けきった足の間に自分の足を割り込ませる。
…このままの体勢で抱こうか。
とぼーっと思うともなく思ったところでハッとなった。なに考えてんだ俺は。相手男だぞ。