水谷「三橋ー、挿入してごめんなー」

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66ゴキブリの子
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※ゴキブリ苦手な人注意。マジスマン。

胃の中が空っぽになるまで吐いて、ようやくベンチの場所に戻ってくると、三橋はいなくなっていた。
きっと、すげえショックを受けたんだろうな。ズキッと胸が痛んだ。
「ごめんな・・三橋・・。」
三橋がいなくなった公園で俺はそう呟いていた。
今夜電話で・・いや、明日直接会って謝ろう。でも、なんていうべきか。
あの時は、具合が悪くて気持ち悪くなった、とか?そんなの言い訳くせえな。
素直に、言っちまうべきなのか。
・・・・そういえば、俺の他のヤツらは三橋がゴキブリに見えないらしいけど、三橋自身はどうなんだろう。
いまいちよくわからねえ。その辺のことも、聞くべきなのかもしれない。
明日、全部話そう。
三橋がゴキブリに見えてしまうこと。それでも好きだっていうこと。
いっそちゃんと話したほうが傷つけずにすむと思う。俺はこれからも三橋と付き合っていきたいって思ってるし。
ゴキブリでもゆっくり時間をかければきっと慣れるはずだ。中身は三橋なんだからな。


そう決意して次の日、早速三橋に話しかけようとしたんだが、すごい勢いで逃げられてしまった。
その動きが、マジで捕まえられる寸前のゴキブリのカサカサカサ、っていう動きで軽く鬱。
その後の朝練注も三橋は、自分の体を隠すみたいにして田島や栄口の影に隠れていて、俺と一切目を合わせなかった。
投球練習中も、サインは見るけど俺の顔は絶対見ない。
実際のところ目がどこにあるのか分からないから、よくわかんねえけど、なんとなくそんな気がする。
くそ、話したいことが山ほどあるのに、一切の隙を与えてこねえ。
だが、俺はキャッチャーだぞ。こうなったら、意地でも捕まえてやる。
そう思い、カサカサと逃げ回る三橋を追い回して、放課後ようやく理科室の中に追い込んで閉じ込めた。
後ろ手にそっと鍵を締める。追い詰められたゴキブリは教室の隅まで這っていき、ぶるぶる震えていた。
俺はそこにジリジリと近寄っていく。
「もう逃げられねーぞ。」
「う・・うう・・」
「あのな、別にお前を叱りに来たんじゃねえんだから、お前がそんなにビビる必要ねえんだよ。
・・・・・・・俺は謝りに来たんだよ。」
ゴキブリがちょっとだけ顔を上げた。
「昨日は、マジでごめん。ちょっと訳があって・・話さなきゃいけないことがあるんだ。」