(仝ω仝)一日目
雨の中の帰り道で毛並みの茶色い猫を拾った。
わざわざ自転車なのに立ち止まってしまったことだし、あまりにもずたぼろなのでとりあえずは拾って帰る。
オレは飼うつもりはなかったがなぜか家族全員に非道!と押されて明日から世話をすることになった。
名前はミハシと名付けた。
チームのエースに、怯えた目でオレを見るところが、よく似ていたから。
(仝ω仝)二日目
猫のミハシは昨日よりも元気だ。
世話の仕方はよくわからなかったが少しずつオレにも慣れてきてくれたらしい。
時々擦り寄ってくるような仕草が案外可愛い。
オレは犬派だったけど猫も案外いいかもな。
あと、今日三橋が学校を休んでいた。
あれほど言ったのに昨日の雨で風邪をひいたらしい。
あんまり長引くようだったら皆で見舞いに行こうという話になった。
(仝ω仝)三日目
猫のミハシに今日玩具を買ってきてやった。
じゃれついて遊んでいる姿を見て親がこのまま飼っちゃえば?などと言っていた。
正直それも悪くないとは思う。
けど今はオフシーズンだからいいけど、季節が変わればオレは野球にかまけてばかりでこいつの世話をきちんとできなくなるような気がする。
それを言ったらなんとも言えない渋い顔をされた。
あとやっぱり今日も三橋は学校を休んでいた。
明日も休みだったら見舞いに行くぞ、ということで結論が出る。
野球部の面子全員でおしかけたら迷惑だから主将の花井と、副主将のオレ、同じく副主将の栄口とで行くことになった。
三橋、大丈夫かな。
三橋に似た猫のミハシはこんなに元気なのに。