阿部「三橋、オレは…三年間お前に大根おろす!」

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148一つ屋根の下の・・
※微妙にティッシュっていうマンガをパロってる注意


最近オレに一つ年下の弟ができた。
なんでも遠い親戚の子で、お父さんとお母さんが揃って海外転勤になるから、その間うちで過ごしてもらうことになったんだって。
だから正確には弟じゃないんだけど、オレのことお兄ちゃんって呼んでくれるから、弟なんだ。
オレも、中学の時お父さんとお母さんと離れて暮らして寂しかったから、きっとこの子も今、すごく寂しいと思う。
でも、オレみたいに泣いたりしないで、礼儀正しくしっかりしていてスゴイんだ。
ゴハンを食べるときも、オレのお父さんやお母さんとハキハキ楽しそうに喋っている。
中学生なのに、オレより難しい言葉もいっぱい知っていて、お父さんもお母さんも感心していた。
オレは初対面の人となかなか打ち解けられないから、実はまだあんまり話したことないんだけど・・。
これから少しずつ仲良くなれるといいな。
オレは一人っ子だから、兄弟が出来て嬉しい。しかもオレがお兄さんだ。
お兄ちゃん、って頼りがいがありそうでちょっとカッコイイ。

こうして、新しい生活の始まりにちょっとだけわくわくしていたんだけど、
最近ちょっとおかしなことが起きるようになってしまった。

「廉!ちゃんとパンツも洗濯籠に入れなさいよー。洗えないでしょ。汚いわねえ。」
お母さんが怒ってる。オレちゃんとお風呂でた後、パンツは洗濯籠の中に入れたのに。
「い、入れたよ!ちゃんと、パンツ、入れた!」
そう言うとお母さんは変ねえ、と言ってもう一度洗濯籠の中を見た。
「ないわよ?どっかほったらかしにしてるんじゃないの。
お兄ちゃんなのに、パンツ散らかしてるの見られたらみっともないわよ。」
「う、うう・・」
本当に入れたのに・・。どっかに落としちゃったのかな。
お父さんとお母さんに見られても恥ずかしくないけど、弟に見られたら恥ずかしい。
どうしよう。
オレは慌ててパンツを探しに行った。お風呂場の脱衣所はもちろん、自分の部屋とか階段の辺りとか隅々まで捜したけど見つからない。
ふと、廊下で視線を感じて振り返ると、弟がこっちを向いて立っていた。
手の中には白い、オレのパンツ。
「あっ、そ、それ・・。」
「お兄ちゃん、落としてたよ。オレが洗濯機に入れてくるよ。」
「え、う・・あ・・」
そう言って弟はオレのパンツを持っていってしまった。
オレは恥ずかしいから返して欲しかったんだけど、まだあんまり話した事なかったから、
緊張しちゃってうまく言葉が出なかった。
お、オレお兄ちゃんなのに・・・。
パンツ落としちゃったのを発見されるなんて情けなかった。
今度から気をつけよう。
そう思っていたのに、それから三日ぐらいした日、またオレはお母さんに「洗濯籠にパンツがない」って怒られてしまった。