微流血注意
>>574 「廉、俺の味分かる?」
交じり合った俺と廉の血は格別においしかった。
廉にももっと味わってほしくて深く深く口付けた。
逃げる舌を追いかけて
絡めて
唇に滲む赤い液体を吸い上げて
それを更に廉の舌に絡めた。
交じり合ってもう判別などできない俺と廉の血と唾液。
「これでいつでも一緒。」
「ど、どうして こんな 事する の?」
「廉が俺から離れてくから。」
「お れと、修ちゃんは、ずっと 幼馴染だ よ!」
ちょっと前の俺ならこんな廉の言葉にでも喜んだだろう。
でも今はこの言葉が信じられない。
「嘘つくなよ!」
ぱしぃっ、と乾いた音が響いた。
掌が熱い。
「高校だって俺に何の相談もなしで決めて、それから連絡だって一切寄越さない。今も廉は阿部って奴のこと考えてる。お前の言う幼馴染って何だよ!」
「お おれ、今でも し、修ちゃんが、大事だっ。」
「しんじらんねーよ!」
また掌に熱が走った。
廉の頬には真っ赤な跡。
俺がつけた跡。
廉の口端から赤いものが流れた。
口の中を切ったみたいだ。
勿体無い。
俺はそれを急いで舐めとって口の中で幾度となく転がした。