【短編】DQのギャルゲを本気でプレイしるスレ4【種編】

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1種 ◆GM/x/EtttA
1 :天沼 ◆GM/KlEM2 :02/05/14 01:54 ID:???
本気ですか?

>プレイしる
 プレイしない

これが全ての始まりだった・・・


前スレ
【短編】DQのギャルゲを本気でプレイしるスレ3【種編】
http://sakura02.bbspink.com/test/read.cgi/erochara/1123775409/

関連スレ
DQのギャルゲーを本気でプレイしるスレッド12
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1121473630/

【派生】DQのギャルゲを本気でプレイしるスレ【一時間編】
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1123080281/


過去スレ
【短編】DQのギャルゲを本気でプレイしるスレ【種編】
http://sakura02.bbspink.com/test/read.cgi/erochara/1121492706/
【短編】DQのギャルゲを本気でプレイしるスレ2【種編】
http://sakura02.bbspink.com/test/read.cgi/erochara/1122743935/



ログ保管所(過去ログはこちらにあります。どーみ氏お疲れ様ですっ!m(_ _)m)
http://members.at.infoseek.co.jp/dqgg/index.html

詳細は>>2-15辺りまでを参照してください。
2種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/04(日) 00:52:58 ID:???
このスレは、「DQのギャルゲーを本気で作る会」「さんかく」とは、一切関連はありません。
(新作ガンガテクダサイ!(`・ω・´))
また、このスレの内容が実際のコンピューターゲームになることは、私がGMの間は(自分で作る気は無いので多分)無いと思います。


-参加者規約-
とても言えないことにより、参加者は以下の3つを遵守できる方のみとさせていただきます。
・常時sage進行
・他の参加者を罵倒しない
・各GMが決めたシステムルールを守る



本スレはGM・場つなぎ ◆Gp/A555JhQ氏の、複数参加者による多数決制の長編です。

対して当スレは、プレイヤーを1人選んで1(〜2)時間リアルタイムで話を進めるという形式の短編物を
やりたいGM&プレイヤーの為に作られました。
細かいルールやシステムは、其々のGMに従ってください。

また、サロン板ですので21禁でつ。イウマデモネー
よって、エロとかHとかEROとかセクースとか(´д`*) ハァハァし放題でつ。
思う存分ギャルゲって下さい。ムシロエロゲッテクダサイ。



このテンプレは、元スレのGM・場つなぎ ◆Gp/A555JhQ氏の物を勝手に参考にさせていただきました
ありがとうございますm(_ _)m
3種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/04(日) 00:55:07 ID:???
■□■種変GMのゲーム概要■□■

≪今までに決められたルール≫
【プレイヤー決定方法】
基本は開始時間30分前にプレイヤー募集のあげレスするので、
その後一番最初にプレイヤー希望したトリップ付きの希望者が
その回のプレイヤー。
(その時々によって、変則の場合があります)

一日1〜2回程開催で、2回目の回はsageレス募集。
深夜組はプレイヤーが決まり次第開始。
(種変GMのゲームを既プレイのプレイヤー希望者は、
 3人のインターバルを置いたら再エントリー可。
 インターバルは原則開始5分前に解除。

>【新柚】【1柚】【懐柚】
新人さんに譲ってもいいという人→【新柚】
1回しかプレイした事が無い人なら譲ってもいい→【1柚】
1週間以上プレイしていない人なら譲ってもいい→【懐柚】

【柚】装備の挙手があってから、10分以内に対象者の挙手があった場合、
装備者の【柚】使用となり、対象者はプレイヤーに、譲る側は【柚ボーナス】
がつき、プレイ権を対象者に引継ぎます。
【柚ボーナス】がつくと、番外編等が 優先的に出来るようになります。

 楽しみは皆で分かち合おう!


【長文に関しての規制】
・前提として、自由リク選択肢は既存に含まれない行動・台詞を思いついた
 時のみ使用可。

・『その他()』表記の時は、原則として行動のみ指定可能。
 その時出ている選択肢に「台詞」が含まれている場合は、短台詞のみ指定可。
 また行動は、既存選択肢の最高アクション数まで指定可能。
 ただし、無理な内容指定の場合は、最悪GMがランダムで選択肢を選ぶ。
 また、回数オーバーした分のアクションは、原則としてロールしない。
 ただ、行動全般に渡っての「〜という感じで」という雰囲気指定に関しては、
 無茶なものでなければ、アクション数外であってもGMの気分次第で反映。

・『「」(台詞任意)』表記の時は台詞のみ指定可能。
 長文は、1プレイにつき1回まで。
 台詞に伴う行動指定は、原則として1つまで指定可。
 行動はカッコ書きで、反映されないことを前提に考えること。
 また雰囲気については、『その他()』と同じく無茶なものでなければ
 GMの気分次第で反映。

・NPC(ノン・プレイヤーキャラ)への確定ロールは如何なる場合もNG。
 相手が反応を決め付けるor相手の反応を無視したロールは×。

【AAについて】
プレイ中のAA使用は、GMが後でまとめる際の邪魔になるので、極力使用を控えてください。
(顔文字に関しては可)

【トリップについて】
プレイヤーの意見とプレイヤー以外の意見とを区別する為に必要です。
プレイ中は、必ずつけてください。
4名無しさん@ピンキー:2005/09/04(日) 00:55:40 ID:???
♪HでEROいからHEROなんやで〜
♪おとうちゃんのもんやないんやで〜

>>1乙!
5種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/04(日) 00:56:57 ID:???
≪システム≫

【特性一覧】
A地位:お嬢様・幼馴染・妹・妾・???
B性格:クール・温和・勝気・元気・しっかり・おっとり・エロ・??
C基盤:一途・気丈・薄幸・???
※特性によって、好感度のUPの仕方が違います。


【好感度】
友達  =0〜20
親友  =21〜50
気になる=51〜69
片思い =70〜89
相思相愛=90〜100

【隷属度】
セフレ=0〜20
メイド=21〜50
肉奴隷=51〜69
ペット=70〜89
パートナー=90〜100

【好感度隷属度100over後】
100overボーナスとしてSSがUPになる。
100到達しても、時期が来るか、ED迎えようと動かない限り、EDにはならない。
(EDを見ないままゲーム続行可能)
鬼畜ルートの場合、ゲーム続行しても3回性交すると自動的にEDに移行


【不信感レベル】
10になると秘密が一つバレる


【クリア条件】
<純愛ルート>
・ヒロインの好感度を100にし、告白する(通常ED)
 (複数人数の場合、一人を選択)
・文化祭のダンスパーティで恋人になる(文化祭ED)
 (ダンスパーティに誘うには好感度70以上、告白には90以上)
<鬼畜ルート>
・ヒロインの隷属度を100にし、3回性交する(鬼畜ED)
 (複数人数の場合、対象キャラ全員でのED。
  クリアキャラは別途に特別ED有り)
・文化祭のダンスパーティで恋人になる(純愛ED移行)
 (ダンスパーティに誘うには隷属度80以上、告白には95以上)

※クリア条件は、ゲームが進むに連れて増える可能性があります。


【ED後】
(続きがある場合は)
現主人公とEDを迎えたキャラが交際中設定に。
ED迎えたキャラは攻略不可になる。
2回目は上げた好感度と隷属度は、半分になった状態でスタートする。
(上限を100とした状態で半分になるので、100以上のキャラでも、
初期値50からになります)
6種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/04(日) 01:03:27 ID:???
【番外編について】
番外編をプレイしる為には、

・優待権を手に入れる
・10回毎の番外編回に挙手
・GMが気まぐれで番外編を起こすのを待つ

の3パターンがあり、一番確実なのは優待権を手に入れることです。

優待権は、
・柚を成功させる
・自分がプレイの時に、キリ番(100単位)、ゾロ番をゲトする
(他人のプレイ時は無効)
・1000を取る
で、手に入れられます。

プレイするには、普通に挙手して、プレイ時に番外をプレイすると、GMに一言声を掛けてください。



※ヒント※
・属性って大事
・エロ→Hまでのプロセスが早い。
・お嬢様→地雷を踏まなければ、好感度上がりやすい
・勝気→(ロザリーヒル関連じゃない限り)好感度が無いと自由台詞での強姦は難しい。

・パラメーター変動は、
 @【特性補正値】
 A【一定条件選択肢によるボーナス】
 Bプレイヤーの自由入力による【想定外GJ選択へのボーナス】
 によって決まる
・アリーナ→既出ヒロインの中で1、2番目に難易度低。
・フォズ→既出ヒロインの中で1番難易度低。

・隷属度は、しばらく構ってあげないと下がっていく。(ロザリーヒルは別枠)
・鬼畜ルートでは、隷属度100以上のキャラクターを揃えることで、ハーレムが可能。上限5人。
 (クリアキャラは、その中から選ぶことになります)

・ルビス様が出たら、気をつけれ。

・コピペミスったら、判明した時点で何はともあれ「コピペミスった!」と叫べ
・ゲームオーバーになると、次回は直前のセーブポイントからの開始。
(だからといってワザとゲームオーバーになるように動くと、GMも消失する可能性
があるのでやめませう)


Q&A
Q.フェラはセクース回数に入りますか?

A.はい、入ります。
 セクースというより、性交全般がカウント内になります。
 ただ、フェラで止めようが挿れて中でだそうが
 始めて終わるまでが1回のカウントなので、
 ヤルなら最後までイッた方が得でつ。
7種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/04(日) 01:05:44 ID:???
Q.今まで登場したヒロイン達のバストサイズは?
 揺れるか揺れないか、
 ぷるんかゆさりか、
 挟めるか挟めないか←これ重要(ぉ
 オッパイ星人からのお願いですた(・ω・)

A.わかりますた。これが今まで登場したキャラのバスト分析でつ!
 
 【ゼシカ】
 Fカップ。揺れまくりでつ。「ゆさり」でせう。
 挟めないわけがないでせう。
 【ミーティア】
 Cカップ。少し揺れまつ。「ぷるんっ」でせう。
 頑張れば挟めまつ。
 【テイア(女4勇)】
 Dカップ。揺れまつ。「ゆさり」でせう。
 挟むに丁度いいでせう。
 【アリーナ】
 Bカップ。それほど揺れません。「ぷるぷる」でせう。
 挟むには少し足りないでせう。
 【ビアンカ】
 Dカップ。揺れまつ。「ゆさり」でせう。
 挟むのは可能でつが、顔はむりでせう。
 【フォズ】
 Aカップ。揺れません。でも触ると「ふにふに」でせう。
 挟むにはかなり足りないでせう。
 【シンシア】
 Cカップ。少し揺れまつ。「ゆさっ」でせう。
 挟むことはできまつ。
 【マリベル】
 Bカップ。揺れるか揺れないか微妙なところでつが、柔らかいでせう。
 挟むには足りないでつが、頑張ってみませう。
 【女3勇】
 Dカップ。揺れまつ。「ぷるん」でせう。
 ぱふぱふも出来る上に美乳でせう。
 【マリア】
 Eカップ。揺れまつ。「ゆさり」でせう。
 顔を挟むのも得意でつ。 
 【ロザリー】
 Dカップ。揺れまつ。「ゆさり」でせう。
 使い込まれていない美乳でつ。
 【バーバラ】
 Dカップ。揺れまつ。「ぷるりん」でせう。
 まだ芯に硬さの残る、青い果実でつ。
※ロザリーヒルの従業員は、最低でもDはありまつ。 
8種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/04(日) 01:08:51 ID:???
以上!種変GMですた!
このスレからは、新本編が開始になるんで、キャラ表と今までのあらすじは
なしでつ。
9 ◆OJZzSer1g6 :2005/09/04(日) 01:11:09 ID:???
モツ〜ノシ
新スレ立ちましたなw
10種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/04(日) 01:11:42 ID:???
>>4
dノシ
HでEROなHEROといえば旧主人公…。
旧主人公といえば、ミーティアの調教回数を3回丸々残したままクリアした
猛者…
…ミーたん調教番外とか、いつか書きてぇなぁ…3回分
11種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/04(日) 01:14:28 ID:???
>>9
dノシ
立ったなwとりあえず、前スレ消火が先なんで、続きはあっち投下で。
……その前に埋まらなければナ。
12 ◆vnMt3fk8bc :2005/09/04(日) 01:16:15 ID:???
猛者とは私の事かねワトスン君?

それにしても、もう4スレ目ですか・・・
思えば遠くへ来たものですね(←しみじみと呟いてみましょう
13 ◆OJZzSer1g6 :2005/09/04(日) 01:21:17 ID:???
>>12
おもえば〜とぉーくへ〜きたもんだぁ〜♪
君くらいしかいないだろう、ホーム…旧主人公さ〜んノシw
ま、これからもガンガリましょう(・∀・)
14 ◆WlWX/U.ZeY :2005/09/04(日) 01:30:37 ID:???
いや〜、ついに新スレですね、いいかげんさんかしようかな・・・
15 ◆OJZzSer1g6 :2005/09/04(日) 02:06:13 ID:???
いつの間にやら向こうが終わってたので…
GMさんも乙〜ノシ
さ、これからどのような物語を描くのか、楽しみで砂w
16種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/04(日) 02:06:31 ID:???
はいよ前スレ終わりますた〜!
前スレ1000ゲトは ◆vnMt3fk8bc 氏!
おめっと〜〜!
17 ◆vnMt3fk8bc :2005/09/04(日) 02:07:28 ID:???
ダンだった自分が1000を頂きました。
権利獲得、で良いのでしょうか?
時間が合えば今度、双子メイドとの続きをやりたいものです・・・

>>13
ええ、頑張りましょう!

>>14
思い切りは大事ですよ。
18 ◆vnMt3fk8bc :2005/09/04(日) 02:09:30 ID:???
>>16
どうも〜。
4スレ目突入、オメデトウゴザイマス。

もう「ダン」は名乗れないんですね(←しみじみと
ノマイェイの名前を本編でも使っちゃいましょうか(マテ
19種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/04(日) 02:10:16 ID:???
>>12
ふふふ…その通りだホームz(ry

4スレ目かぁ…夏だったとはいえ、早いもんだなぁ…

>>14
そうだ〜参加しとくれよろ〜らや〜

>>15
dノシ(w
漏れも楽しみでつヨw
20種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/04(日) 02:23:41 ID:???
>>17-18
アリガトウゴザイマス。m(_ _)m

いや…むしろ、ノマイェイも出したいなぁとか考えてるんだが、本編に。
まぁ、ノマイェイは基本が◆vnMt3fk8bc氏の番外なんだけどな。
キャラとしても登場させたい。
番外が本編にリンクする形で。

あと、今までの番外編に出てきた主人公キャラも、何人かキャラとして登場
させたいなぁと考えておりまつよ。
他に、登場させたいキャラとしては、

ネオロマDQ学園 ダガー◆dY.GZB.J4w からダガー
猟奇?肝試し  カイル ◆PL.VPi2.PE からカイル

なんだが、どうだろう?
もしプレイヤーさんからのおkが出なければ見合わせるが。
21 ◆OJZzSer1g6 :2005/09/04(日) 02:25:53 ID:???
>>20
番外編のリンクネタは面白そうw
漏れならおk出したいけどね
22種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/04(日) 02:26:27 ID:???
あ、あと、ノマイェイ・ダガー・カイルの、名前変更したい場合は言ってくれな。
ではヤシミーノシ
23種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/04(日) 02:27:52 ID:???
>>20
dノシ(w
24 ◆vnMt3fk8bc :2005/09/04(日) 02:36:45 ID:???
>>20
マーニャ・ミネアの代わりに別のメイドを従えてるって設定ならおkですよw
無論、そのメイドなら攻略対象にされても構いません。
あと、本編に出すときはノマイェイじゃなくノマウェイで。
番外は番外として区切っておきたいので、番外を名前や設定などそのまま出すのはご勘弁願いたいですね、自分の場合は。
25 ◆PL.VPi2.PE :2005/09/04(日) 11:02:48 ID:???
>>20
ウホッ!?(・∀・)
もちろんOKです!韋駄天カイルをモブシーンにでも使ってやって下さい
新章スタートで、心機一転「韋駄天」を返上して新たなる称号を目指します!
(でもニュータイプは8秒以下かぁ・・・or2)
26種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/04(日) 21:31:19 ID:???
>>24
了解でつノシ
これは本編と番外をリンクしてこその企画なんで、今回は見合わせってことで。
番外は番外として楽しんで下しい(`・ω・´)ノシ

>>25
了解でつノシ
ありがたく使わせていただきまつ(`・ω・´)シャキーン
ニュータイプ目指してガンガレ!ノシ


さて、今夜の開始は22時から。
でも、挙手があれば今からでも即開始で。
柚はまだ発動なし。(回数全リセ)
5回目あたりから柚発動の見込み。
では挙手待ちでつノシ
27 ◆vnMt3fk8bc :2005/09/04(日) 21:34:27 ID:???
( ・∀・)つ∩ピコーン
28種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/04(日) 21:39:18 ID:???
>>27
お(・∀・)
勇者◆vnMt3fk8bc いらはいヽ( ・∀・)ノ

さて、初回はここから…



┌――――――――――┐
|               |
| 冒険の書をつくる   |
|               |
|   >はい       |
|    いいえ       |
|               |
└――――――――――┘




これから始まる物語は、まるつぃえんでんぐでつ▽

純愛ルートと鬼畜ルートがあります。
どちらを選んでも、ハッピーエンドは用意されています。
もちろん、どちらにもバッドエンドも用意されています。
………多分ね。

ゲームですし、気楽に気をつけて下さい。



それはさておき…

貴方のお名前は?
(名前入力レスの秒数で、所属校と幼馴染が決まります
0秒ならプレイヤーが指定できます。)

【所属校(左桁)】
   偶数>DQ学園
   奇数>DQ学院

【幼馴染(右桁)】
   1〜3>ビアンカ
   4〜6>ムーン
   7〜9>マリベル
   0→3人の中から選ぶ
※マリベルは既に『お隣さん』です
29 ◆vnMt3fk8bc :2005/09/04(日) 21:43:39 ID:???
>>28
学院に決まると、前回プレイで出たヒロインたちは他校の女子生徒って扱いになるのですね?

名前:バン
番外編権利を使おうかとも思いましたが、折角幼馴染を決められるのですから乗らせて貰います(w
30 ◆vnMt3fk8bc :2005/09/04(日) 21:48:37 ID:???
お隣さんで幼馴染!?

いわゆる、「昔と全然違うから気付かなかった」ということなのでしょうか。
31 ◆vnMt3fk8bc :2005/09/04(日) 21:58:27 ID:???
雷が多いですね。停電が怖いです。
GMさんの方はどうでしょうか?
32種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/04(日) 22:01:57 ID:???
バンは【DQ学院】の生徒になった!

バンは【マリベル】の幼馴染になった!
【マリベル 幼馴染ボーナス 好感度+10】

【セカンドプレイボーナス 前回の好感・隷属度より100以下の半分を繰越】


☆☆☆☆☆

バン  「うわぁ〜〜ん、マリベルちゃんがぶったぁ〜〜っ」
マリベル「なさけないわね、これくらいで!なくんじゃないの、おとこでしょ!」
バン  「だって…ボクわるくないもん」
マリベル「バンがかってに、とおくにいくとか いうからじゃない!」
バン  「だって…おとーさんについてくんだもん」
マリベル「じゃあ、あたしが ないてもいいのね バンは!!」
バン  「………よくない〜〜〜」
マリベル「またなく!!」
バン  「だって…マリベルちゃんが なくってゆーから…」
マリベル「ふんだ!いいわよ、あたし、おとなだからバンがカッコよくなって
     かえってくるまで まっててあげるわよ」
バン  「ほんとぉ?」
マリベル「だから、バンがカッコいいオトナになったら、あたしをむかえに
     くるのよ。ぜったいよ!」
バン  「……カッコいいオトナになれなかったら?」
マリベル「そのときは、あたしもほかにカッコいいダンナさんをみつけるわ」
バン  「そーかぁ」
マリベル「なにノンキにホッとしてんのよ!そしたらもう、バンとあそんで
     あげられないんだからね!」
バン  「えええ〜〜〜〜〜」
マリベル「それがいやなら、カッコいいオトナになってあたしをむかえにくる
     のね!」
バン  「う〜〜〜……わかったぁ〜〜」

☆☆☆☆☆

と、いうところで、バンは目が覚めた。
起き上がると、朝食を作る。
マーガリンを塗ったパンを焼いて、目玉焼きを乗せただけのものに、コーヒー
という、何とも簡単なものだが、朝はこれくらいが丁度いい。
バンは、今度から通うDQ学院の制服を身にまとうと、まだ眠たい頭で考えた。


1.先程の夢のこと
2.これからの学園生活のこと
3.昨日のぱふぱふ娘の事
4.新しい街での生活の事
5.その他()
33名無しさん@ピンキー:2005/09/04(日) 22:02:17 ID:???
>>31
おとっつあん…名前入れてないよー
え?晩ご飯はさっき食べたでしょ…
34種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/04(日) 22:03:15 ID:???
>>31
こっちはまだそれ程でも。
中華、静かなもんです(w
35 ◆vnMt3fk8bc :2005/09/04(日) 22:07:07 ID:???
>>32
2番でお願いします。

何だかマリベルが幼馴染のツンデレヒロインで、凄くツボなのですが敢えて1番を外してみましょう。
夢は、起きたばかりの時はさして気にならないものだというのが自分の場合なので(w

>>34
凄いです、こっちは。
番外編のゴーユさんの絶倫ぶりぐらい凄いです。
36 ◆vnMt3fk8bc :2005/09/04(日) 22:08:47 ID:???
>>33
ちゃんと「バン」と名乗っていますよ、ローラさんや。
まったく息子の嫁はワシを年寄りだと馬鹿にしよって、ちっとも面倒見ようともせん。
どうせ(以下、小一時間ほど盆栽に向かって愚痴を零すおじいちゃん)
37種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/04(日) 22:16:33 ID:???
バン  「DQ学院かぁ…可愛い子いるかな?」

白を貴重にしたブレザーという、なんとも風変わりな…そこそこデザインの
いい制服に身を包んだバンは、これから通う高校のことを思い描いた。
DQ学院は、偏差値も高いが支払う授業料もバカ高いという、俗に言うお坊ちゃま・
お嬢様学校である。
何でも、仕事の関係で親が理事長に恩があるらしく、今回そこに奨学生として
編入できることになったのだ。

バン  「気後れしないといいけどなぁ…」

そんなことを考えながら、バンは鞄を持って家を出た。

☆☆☆☆☆

家のドアを開け、鍵を閉める。
と、

マリベル「行ってきま〜すッ!!」
マリ母 「慌てて事故らないようにね!」

隣の部屋からマリベルが出てきた。


1.声を掛ける
2.声を掛けない
3.後ろからどつく
4.その他()
38 ◆vnMt3fk8bc :2005/09/04(日) 22:18:01 ID:???
>>37
3番でお願いします。
39種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/04(日) 22:18:19 ID:???
>>35
>番外ゴーユさんの絶倫くらい
………そりゃぁ凄いわ。いや、分かりやすい(w
40種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/04(日) 22:23:59 ID:???
バン 「………。」

バンは、今朝見た夢を思い出し、何故かイライラしてきた。

ドンッ!
マリベル「キャアッ!!」
バン  「…うるさー」

バンはマリベルに、背後から軽く体当たりした。
マリベルは振り返ってキッ!とバンを睨む。

マリベル「ちょっと!何すんのよ!」
バン  「………別に」

バンはそのまま通りすぎようとするが、すれ違い際、マリベルに腕を掴まれた。

マリベル「ちょっと。…アナタ私に何か言うことがあるんじゃない?」

マリベルはこめかみをピクピクさせながら言う。


1.「……別に」
2.「……薄情モン」
3.「……ああ、スミマセンデシター」
4.「……。ない。」
5.「」(台詞任意)
41 ◆vnMt3fk8bc :2005/09/04(日) 22:27:17 ID:???
>>40
2番でお願いします。
ああ、何は無くともツンデレ幼馴染が欲しいです、神様・・・。
42名無しさん@ピンキー:2005/09/04(日) 22:27:46 ID:???
流れ読まないですまんです。別に出してもいいですよw
ダガーに新しい命を吹き込んでやってくだせえ。
マリベルはいじりがいがありそうでいいなぁw
43 ◆dY.GZB.J4w :2005/09/04(日) 22:28:42 ID:???
トリップ入れ忘れた(⊃д;)
44種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/04(日) 22:34:16 ID:???
バンはマリベルの言葉にチラリと彼女を見て、すぐに、その少し拗ねたような
瞳を逸らした。

バン  「……薄情モン」
マリベル「は?」

マリベルは訳が分からないという顔をしているが、それに構わず掴まれた腕を
強引に外させると、バンはマンションを後にした。

マリベル「なっ…何なのよアイツ〜〜〜〜!!!」


☆☆☆☆☆

バンは手にした地図を頼りに徒歩で学院へと向かった。


1.寄り道せずに登校
2.公園に寄って行く
3.途中で昼食を買う
4.学校をサボって他の場所へ(任意入力)
5.その他()
45種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/04(日) 22:35:26 ID:???
>>42-43
了解でつノシ
ちなみに、登場するダガーはテリー×ダガーのダガーになりますでつ
46 ◆vnMt3fk8bc :2005/09/04(日) 22:36:31 ID:???
>>44
2番でお願いします。
昔ここにいたなら、公園にも思い出があるでしょうし。
誰か他のヒロインに逢えるかもしれませんしね。
47 ◆dY.GZB.J4w :2005/09/04(日) 22:38:40 ID:???
ちなみに攻略できるようにしても構いませんが、中の人は(ry
48種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/04(日) 22:53:54 ID:???
バン  「そうか…ここ、あの街だったんだ」

歩きながらポツリと呟く。
バンは、今朝の夢を思い出した。
いや、正確には、夢の元になった幼い頃の記憶を。

バンは昔、この街に住んでいた。この街の、あのマンションに。
しかし父の転勤で引っ越す事になって、幼馴染の…そう、今のお隣さんである
マリベルと『約束』をして別れたのだ。

「カッコいいオトナになって、迎えに来る」

半分はマリベルに丸め込まれたようなものだが、それ以来、自分なりにカッコよさを
上げる為に日々努力してきたのだ。
…当のマリベルは、全く覚えていなさそうだが。

バン  「ま、保育園児だったしな、俺も」

仕方ないといえば、確かに仕方ないか。
溜息を吐きながら歩いていると、公園の横を通りかかった。
そういえば、この公園で小さい頃よく遊んだ覚えがある。
懐かしさも手伝って、番は公園に足を踏み入れた。

古いブランコと滑り台、それにジャングルジムと砂場。
後は、ただベンチと木があるだけの小さな公園。
バンは懐かしさに頬を緩ませた。

バンは、しばらくボーッと辺りを見ていた。
すると、


1.向こうから、犬が走ってきた。
2.向こうから、女の子が走ってきた。
3.ベンチに横たわる女の子を発見した。
4.時計が今から走らないと間に合わないという時刻を示していた。
49 ◆vnMt3fk8bc :2005/09/04(日) 22:55:06 ID:???
>>48
3番でお願いします。
寝ていたら襲っちゃいましょうか・・・
50種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/04(日) 23:00:48 ID:???
ベンチに横たわる女の子を発見した。

バン  「無用心だな…」

バンがその女の子を覗き込むと、その女の子は、バンと同じDQ学院の制服を
着ていた。

バン  「学院の子か…。もう行かないと遅刻するぞ」
女の子?「ん…ん〜……」

どうやら、そんなに深い眠りでは無さそうだ。声を掛ければ起きるだろう。


1.女の子を起こす
2.女の子を運ぶ
3.女の子を襲う
4.その他()
51名無しさん@ピンキー:2005/09/04(日) 23:00:53 ID:???
(  ̄▽ ̄)ノオソッチャエ
52 ◆vnMt3fk8bc :2005/09/04(日) 23:03:48 ID:???
>>50
ここは紳士的に、2番で行きましょう(w
ベンチで眠るなど、余程の事情があっての事でしょうからお姫様抱っこで運んで差し上げます。
53種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/04(日) 23:18:39 ID:???
バン  「お嬢様学校にも、お嬢様じゃない奴ってのは居るんだな」

バンは呆れた調子で呟くと、鞄を女の子の腹部にポンと置き、彼女の物らしい
鞄も同じように彼女の体の上に乗せると、女の子をヒョイとお姫様抱っこした。
幼い頃から「カッコいいオトナ」を目指していたバンは、「カッコよく」なる為、
体も鍛えていた。そのお陰で女の子を抱いたまま運ぶ位、全く苦ではない。
むしろ、柔らかな女の子の体を正々堂々と満喫できて、内心ガッツポーズな
位だ。

バン  「…とりあえず、学校行くか。」

保健室にでも連れて行って、寝かせておけばいいだろうと考えたバンは、
先程とほぼ変わらぬ足取りで学校に向かう。
段々と登校中の生徒が増えてくる中、明らかに奇異の目で二人を見る生徒も
いたし、周りからヒソヒソと話す声も絶えなかったが、バンは堂々と道を
歩いた。
そして学校が目前となった時…

女の子?「ん……ん〜〜……ぅ…?」

腕の中で女の子が身じろぎする。
起きたのか?と彼女の顔を見下ろすが、女の子は眠そうに目を擦っただけで、
バンの胸に擦りつくようにして、また寝入ってしまった。
黒いツンツンした髪が歩く度にふよふよ揺れる。
バンはこっそりと溜息を漏らした。

そして気持ちよさそうに眠る女の子を保健室に届けると、バンは職員室へと
向かった。


一日目、朝 終了……とぅびぃこんてにぅ。。。。

バン◆vnMt3fk8bc さん、お疲れ様でした。。。。。
54 ◆vnMt3fk8bc :2005/09/04(日) 23:20:47 ID:???
>>53
起きませんでしたか。
黒いツンツンした髪・・・誰でしょう。
55 ◆vnMt3fk8bc :2005/09/04(日) 23:38:55 ID:???
やっと雷も止みました。
では、自分はこの辺で失礼しますノシ
56種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/04(日) 23:48:49 ID:???
データまとめに手間取ったorz
>>55
乙&ヤシミー(´・ω・`) ノシ


前回&今回の好感度、その他
==================================
≪序章分≫
第一街人ボーナス 
【アッシュはマリベルと知り合った!】 好感度+5

緊張の理由
【カレンの好感度がUPした!】+6

カレンの胸を…
【カレンの好感度が少しUPした!】+3

確かめる方法
【カレンの好感度が大きくUPした!】+10


≪今回分≫
幼馴染ボーナス 
【バンはマリベルの幼馴染になった!】好感度+10

朝の挨拶
【マリベルの好感度が少しdownした!】−3

マリベルに言う事
【マリベルの好感度がdownした!】−5
【マリベルは『薄情モン』という言葉を心に刻んだ】

ベンチで眠る女の子
【????の好感度がUPした!】+6



結果(◆→パラメーター変化)
===========================
好感度/隷属度

 マリベル  +16/±0  友達
 カレン   +19/±0  友達 【指名可】
 ????  +9 /╋3  友達
 
===========================


今夜は深夜組はなしでつ。
漏れも落ちるでつ。では〜ノシ
57名無しさん@ピンキー:2005/09/05(月) 17:43:35 ID:???
保守
58名無しさん@ピンキー:2005/09/05(月) 20:01:02 ID:???
いや保守いらないからまだw

ところで、リセットされたのって
・インターバル規制のカウント
・番外編権利の保持数
のどっち?
59種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/05(月) 22:03:54 ID:???
>リセ
前本編インターバル規制のカウントの方でつ。
番外優待保持数は以下の通り

1回分
リュカ◆ozOtJW9BFA  
鬼畜勇者スルト◆y5Nlx7iW06
バン◆vnMt3fk8bc

2回分
アッシュ◆OJZzSer1g6


とまぁ、時間ですんで募集age!
柚はまだ要りませんヨ〜ノシ
60 ◆lnWmmDoCR. :2005/09/05(月) 22:14:31 ID:???
挙手してみる
61種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/05(月) 22:18:52 ID:???
>>60
お(`・ω・´)シャキーン
勇者◆lnWmmDoCR.いらはいヽ( ・∀・)ノ

そういえば、前回までのヒロイン一覧出してなかったorz

【既出ヒロイン】
ヒロイン   |特性       |好感度/隷属度|関係・特記
=====|====== |======= |======
 カレン   |クール・気丈  |+19/±0   |友達|【指名可】
 マリベル  |勝気・幼馴染  |+16/±0   |友達|【お隣さん】園生
 ???? |???・???  |+9 /╋3   |友達|院生
(DQ学園生→園生、DQ学院生→院生)


命名神マリナン様が告げる…
マリナン「◆lnWmmDoCR.よ、名前を変えてからプレイしますか?」
    (前回の名前はバン)

 1.はい
 2.いいえ
62 ◆lnWmmDoCR. :2005/09/05(月) 22:22:38 ID:???
>>61
何かクッキーが全部消えてたんで、鳥キー思い出すのに時間掛かったですたい

あと何故か「つよきす」がうごかねえ(´・ω・`)
SP2との相性不良かもしれんって事で、調査結果でるまで待つ気分

→1.はい
やっぱり名前はユーゴでおながいしまつ
63種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/05(月) 22:22:38 ID:???
>>61
…シパーイ&カレンの特性違ってる…&~゜

【既出ヒロイン】
ヒロイン   |特性       |好感度/隷属度|関係・特記
=====|====== |======= |======
 カレン   |純情・エロ  |+19/±0   |友達|【指名可】
 マリベル |勝気・幼馴染 |+16/±0   |友達|【お隣さん】園生
 ???? |???・???|+9 /╋3   |友達|院生
(DQ学園生→園生、DQ学院生→院生)
64 ◆lnWmmDoCR. :2005/09/05(月) 22:24:12 ID:???
おおっ
園と院とで分かれちまってるぜマリベルちゅわーん

これで気兼ねなく院では悪行三昧できるな( ̄ー ̄)ニヤリ
65種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/05(月) 22:32:22 ID:???
マリナン「勇者ユーゴに精霊の加護がありますように」



ユーゴが職員室の扉を開けると…

????「きゃぁっ!」

職員室から出てきた女性とぶつかってしまった。

ユーゴ 「すみません、大丈夫ですか?」

手を差し伸べるユーゴ。床に倒れた女性は…


1.毛先がクルンと巻いた、長い金髪の女の子
2.毛先がクルンと巻いた、肩までの青髪の女性
3.サラサラストレートの、長い紫の髪の女の子
4.毛先がクルンと巻いた、長い赤毛の女の子
66 ◆lnWmmDoCR. :2005/09/05(月) 22:36:07 ID:???
>>65
→3.サラサラストレートの、長い紫の髪の女の子
漏れの想像が当たっていれば、きっと占い師のあの人の筈……ッ!!(クワッ
67種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/05(月) 22:43:40 ID:???
ミネア 「え、ええ、ありがとう」

額に手を当てながら、女の子はユーゴの手に長く細い指を重ねる。
ユーゴの手を借りて立ち上がると、彼女はユーゴを見た。

ミネア 「あら……貴方、女難の相が出てるわね」
ユーゴ 「え?」
ミネア 「この位なら、上手くすれば回避できるかもしれないわ。頑張って」

女の子はそう言うと、立ち去ろうとする。


1.呼び止める
2.後姿を見送る
3.後をつける
4.職員室に入る
5.その他()
68 ◆lnWmmDoCR. :2005/09/05(月) 22:46:42 ID:???
>>67
→1.呼び止める
やっぱり気になる占い言われたら詳細聞きたくなるのが人情ですよ旦那!
細木数子みたいなのだったらスルーだがなー

ついでに色々聞いちゃえ
69 ◆lnWmmDoCR. :2005/09/05(月) 22:47:18 ID:???
雷ガクガク(((( ;゜Д゜)))ブルブル
70種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/05(月) 23:05:09 ID:???
ユーゴ 「ちょ、ちょっと待ってくださいッ!」
ミネア 「?…何か?」

ユーゴは、女の子を呼び止めると問い詰めた。

ユーゴ 「女難の相って、俺、何か悪い事が起きるんでしょうか!?」

ユーゴの言葉に、女の子はユーゴの顔をもう一度ジ〜ッと見る。

ミネア 「…悪い事ばかりじゃないようだけど、良い事ばかりでも無さそう
     ね。特に…近くにいる女の子には気をつけなさい」
ユーゴ 「ほ、他には?」
ミネア 「これ以上は有料です。それに、もうすぐHRも始まるし…。また
     占って欲しかったらココにいらっしゃい」

ユーゴは、女の子から名刺を受け取った。
それには、『タロット占い ミネア』と書かれている。

ミネア 「裏に、私がいる占いの館への地図が書いてあります。よかったら
     来て下さい」

そう言って、ミネアは微笑み、その場から去った。

【ミネアの好感度が少しUPした!】


☆☆☆☆☆

職員室に戻ると、担任のサンチョ先生が迎えてくれた。

サンチョ「おはようございます、ユーゴ君。君が来るのを待ってたんですよ。
     これからよろしくお願いしますね」
ユーゴ 「はい、こちらこそよろしくお願いします、サンチョ先生」
サンチョ「さぁ早速クラスに案内しましょう。君のクラスは2年B組です」

ユーゴはサンチョと共に自分のクラスに行った。

☆☆☆☆☆

サンチョ「今日は、このクラスに新しいお友達が加わる事になりました。
     ユーゴ君、入っていいですよ」

サンチョの声で、ユーゴがクラスに入る。
さて、転校生の運命は第一声で決まるといっても過言ではない。


1.「初めまして!ユーゴです!誕生日は!月#日で、好きな女の子のタイプは、
   可愛い子です!よろしくおねがいしま〜す!」
2.「ユーゴ、です。よろしく」
3.「ユーゴといいます。初めまして。これからよろしく」
4.「………ッす。」
5.「」(任意入力)
71 ◆lnWmmDoCR. :2005/09/05(月) 23:12:23 ID:???
>>70
→3.「ユーゴといいます。初めまして。これからよろしく」

1番を選ぶ勇気はなかったとです旦那
72種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/05(月) 23:22:37 ID:???
ユーゴ「ユーゴといいます。初めまして。これからよろしく」

笑顔で無難に自己紹介をすると、ユーゴはペコリと頭を下げた。

【????の好感度が少しUPした!】
【????の好感度がUPした!】
【????の好感度が少しUPした!】

サンチョ「席はどこが空いていますかねぇ?ああ、真中の一番後ろですね。
     ではユーゴ君の席はあそこでお願いします」

ユーゴが席に着くと、隣の席の生徒がユーゴに微笑んだ。

????「よろしく、私


1.…ムーンといいますわ。判らないことがあったら、何でも聞いて?」
2.…フローラといいます。学級委員をしていますから、何かあったら言ってくださいね」
3.…バーバラっていうんだ!私もこの間転校してきたばっかりなの」
4.…はデールといいます。勉強等、一緒に頑張りましょうね」
73 ◆lnWmmDoCR. :2005/09/05(月) 23:25:23 ID:???
>>72
やはり学級委員は外せませんぜ!

→2.…フローラといいます。学級委員をしていますから、何かあったら言ってくださいね」
74種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/05(月) 23:31:02 ID:???
フローラ「フローラといいます。学級委員をしていますから、何かあったら
     言ってくださいね」

フローラはニッコリ微笑んで小首を傾げた。ストレートの長い青髪がサラリ
と揺れた。

ユーゴ 「ああ、ありがとう。多分、何かと世話になると思う」
フローラ「慣れない場所で大変でしょうが、頑張ってくださいね」
ユーゴ 「親の転勤が多かったから、そういう状況には慣れてるけどね」
フローラ「そうなのですか?」
ユーゴ 「うん。とりあえず、最初は『教科書、まだ用意できてないから
     一緒に見せてくれるかな?』って言う事になるとかね」
フローラ「ウフフ、じゃ、一緒に見ましょう」
ユーゴ 「ありがとう、助かるよ」

【フローラの好感度がUPした!】


一日目、朝HR 終了……とぅびぃこんてにぅ。。。。

ユーゴ◆lnWmmDoCR. さん、お疲れ様でした。。。。。
75 ◆lnWmmDoCR. :2005/09/05(月) 23:33:36 ID:???
>>74
番外編のネットリぬるぬるっぷりに比べるとだいぶ清潔な展開じゃったのう(w

じゃ、ワシは落ちるぞなノシ
76種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/05(月) 23:46:55 ID:???
>>75
乙ノシ

さて今回の結果ハピョーウヽ( ・∀・)ノ

今回の好感度、その他
==================================

職員室前(ぶつかった時)
【ミネアの好感度がUPした!】+6
職員室前(呼びとめ)
【ミネアの好感度が少しUPした!】 +2

自己紹介
【????の好感度が少しUPした!】 +4
【フローラの好感度がUPした!】 +5
【????の好感度が少しUPした!】 +3

隣の席…
【フローラの好感度がUPした!】 +5
【フローラが隣の席になった!】


結果(◆→パラメーター変化)
===========================
好感度/隷属度

 カレン   +19/±0  友達 【指名可】
 マリベル  +16/±0  友達
◆フローラ  +10/±0  友達
◆ミネア   +8 /±0  友達

◆????  +4 /±0  友達
 ????  +9 /╋3  友達
◆????  +3 /±0  友達

===========================
77種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/05(月) 23:54:42 ID:???
………今更だが、ageっぱなしだった事に気付いたGMorz
酒飲みつつやることの恐ろしさが判ったぜ...( = =)

ってことで、今日も深夜は無しで。
ただし、明日は0:00開始でつ。ノシヤシミー
78種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/07(水) 00:08:07 ID:???
ちょいと遅くなりましたスマソorz

≪好感度・隷属度表≫
【既出ヒロイン】
ヒロイン   |特性       |好感度/隷属度|関係|特記
=====|====== |======= |==|====  
 カレン   |純情・エロ    |+19/±0    |友達|【RH:指名可】 
 ミネア   |しっかり・苦労症|+8 /±0   |友達|【占いの館】院生 
 フローラ |お嬢様・温和  |+10/±0   |友達|【学級委員】院生 
 マリベル |勝気・幼馴染  |+16/±0   |友達|【お隣さん】園生 
 
 ???? |???・??? |+4 /±0   |友達|院生 
 ???? |???・??? |+9 /╋3   |友達|院生 
 ???? |???・??? |+3 /±0   |友達|院生 
(DQ学園生→園生、DQ学院生→院生、ロザリーヒル→RH) 


というわけで、今から募集ノシ
柚はまだ発動無しで
79 ◆WlWX/U.ZeY :2005/09/07(水) 00:40:56 ID:???
誰もいませんねえ、俺は明日用事だし。
いっそのこと今日は休みにしては?
80種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/07(水) 00:43:58 ID:???
>>79
そですな〜。30分待ったし、今日は休みってことで。
81種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/07(水) 22:19:43 ID:???
今日の開始は22:30からで募集しまノシ
柚はまだ無しで。
(番外じゃないんで、基本は1プレイ1時間でつ)

あと、深夜プレイに関しては今のところ不明。
無い可能性高い。
82種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/07(水) 22:20:43 ID:???
今の内にsageに切り替えておこう(´・ω・)カー
83 ◆ozOtJW9BFA :2005/09/07(水) 22:55:43 ID:???
>>81
桶か?
84種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/07(水) 23:01:06 ID:???
>>83
お!(`・ω・´)シャキーン おk(・∀・)
勇者リュカいらはいヽ( ・∀・)ノ

さて、どれで逝く?

1.本編へGO!
2.番外(女の子達相手)へGO!
3.番外(ショタッ子相手)へGO!
4.何を血迷ったかGSってみる(女性用落としゲーver.)
85 ◆ozOtJW9BFA :2005/09/07(水) 23:02:21 ID:???
>>84
最近忙しくて参加出来なかったので番外を楽しみたいでつ。
2.で田ノン増す
86種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/07(水) 23:04:23 ID:???
>>85
了解ノシ


ゲームの種類を選んでください

1.学園物
2.獣耳しっぽ物
3.イベント物
4.その他()
87 ◆ozOtJW9BFA :2005/09/07(水) 23:06:37 ID:???
>>86
制服(´д`*) ハァハァな漏れにとっては1以外ありえないw
88種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/07(水) 23:07:40 ID:???
出演ヒロインを選んでください(複数人可。上限3人)

DQ1
 ローラ
DQ2
 ムーン
DQ3
 女3勇(アヴィ)
 女3賢(カレン)
DQ4
 女4勇(テイア)
 シンシア
 ロザリー
 マーニャ
 ミネア
 アリーナ
DQ5
 ビアンカ
 フローラ
 マリア
 タバサ
DQ6
 バーバラ
 ターニア
DQ7
 マリベル
 フォズ
DQ8
 ゼシカ
 ミーティア
89 ◆ozOtJW9BFA :2005/09/07(水) 23:08:50 ID:???
>>88
これは悩むな…

カレン、ビアンカ、バーバラで。
90種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/07(水) 23:12:45 ID:???
竜王「フフフ、名を名乗るがよい。お主に機会を与えてやろう」

名前を入力してください
「    」
91名無しさん@ピンキー:2005/09/07(水) 23:13:53 ID:???
>>90
まぁ変わらずに「リュカ」でw
92種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/07(水) 23:23:41 ID:???
竜王「フハハハハ!リュカよ!存分に暴れてくるがよい!!」



リュカは大きな揺れで目が覚めた!

リュカ 「うわぁ!」

ドサッ!
リュカは大きな音を立てて床に落っこちた!

ビアンカ「リュカ!もう、またハンモックで寝て!どうしてベッドがあるのに
     そっちで寝ないのよ」

目を開けると、ビアンカが腰に手を当てて口を尖らせている。
どうやら起こしに来てくれたようだ。

リュカ 「おはようビアンカ。だって、揺れる感じが船の中と似てるから、
     つい懐かしくて…」
ビアンカ「…まぁ、リュカはパパスおじ様について小さい頃から船旅生活
     が長かったものね。気持ちは分かるけど…ベッドメイクのしがいが
     無いじゃない」
リュカ 「?何?ビアンカ?」
ビアンカ「…練習代が少なくて困るってこと!」

リュカはビアンカの家に居候しているのだ。

ビアンカ「早く着替えて起きてらっしゃい。朝ごはん出来てるから」
リュカ 「うん、分かった」

ビアンカが出て行くと、リュカは…


1.DQ学院の制服を身につけた。(DQ学院生徒)
2.スーツを身につけた。(DQ学院教師)
93 ◆ozOtJW9BFA :2005/09/07(水) 23:25:00 ID:???
>>92
1で。
94種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/07(水) 23:38:45 ID:???
DQ学院の制服を身につけた。

☆☆☆☆☆

ビアンカ「お弁当持った?」
リュカ 「ああ、今日の中身は?」
ビアンカ「それはお昼のお楽しみ♥それより、今日の放課後買い物に
     付き合ってもらえないかしら?」
リュカ 「う〜ん、特進の補習がなければ付き合えるけど…何?夕飯の買出し?」
ビアンカ「もぉ、違うわよ!じゃ、放課後空いてたらメールして?」
リュカ 「わかった。」

まるで新婚夫婦のような会話をしつつ、学校へ向かう二人。
途中まで来ると、ビアンカはリュカに手を振った。

ビアンカ「じゃ、また放課後にね」

ビアンカはDQ学園の生徒で、リュカとは学校が違うのだ。
リュカは笑顔でビアンカに手を振った。

リュカ 「ああ、じゃあな」

学校に行くビアンカの後姿を見送ると、リュカは別方向に歩き出し…

バーバラ「リュ〜カっ!おっはよ〜っ!!」
リュカ 「うわぁ!」

後ろから急に飛びつかれた。
慌てて踏みとどまり、どうにかバランスを持ち直し倒れなかったが、リュカ
は苦笑しながら、首にぶら下がっているバーバラを振り向いた。


1.「危ないじゃないかバーバラ!やめろよこういうこと!」
2.「おはようバーバラ。朝から元気だね」
3.「この胸の感触は……バーバラだな!」
4.「く、くるし……ッ!」
5.「」(任意入力)
95名無しさん@ピンキー:2005/09/07(水) 23:39:52 ID:???
>>94
3で
96種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/07(水) 23:50:12 ID:???
リュカ 「この胸の感触は……バーバラだな!」
バーバラ「何よそれっ!セクハラだよ〜ッ!」
リュカ 「難しい言葉を知ってるんだな、ほーら飴をあげよう」
バーバラ「わ〜、イチゴ味ねっありがと〜リュカ〜……ッて、私が言うと
     でも思ったの!?」
リュカ 「ノリが悪いよ、バーバラ」
バーバラ「も〜!私をからかうと怖いんだからね〜ッ!」


1.「はいはい怖い怖い」
2.「どう怖いのかな?お兄さんに教えてくれる?」(路地裏に追い詰め)
3.「どうせ『先生に言ってやる』とかだろ?バーバラって、発想が小学生
   だよなぁ」
4.「」(任意入力)
97 ◆ozOtJW9BFA :2005/09/07(水) 23:51:41 ID:???
>>96
バーバラは今まで誰も手を加えてないので
2で
98種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/07(水) 23:59:25 ID:???
リュカ 「どう怖いのかな?お兄さんに教えてくれる?」

リュカはそう言いながら、路地裏にバーバラを追い詰めていく。

バーバラ「さっきの女の子に、さっきのこと言っちゃうからっ!」
リュカ 「…さっきの?」
バーバラ「金髪の、DQ学園の制服の子!私の妹がDQ学園通ってるんだから!」
リュカ 「…ああ、ビアンカのことか」
バーバラ「……恋人?」
リュカ 「う〜ん…」


【数字と英字、両方一つずつ選んでください】
「恋人?」に対して
1.「まぁそんなところ」
2.「バーバラには関係ないだろ」
3.「どうだと思う?」
4.「だったら?」
5.「」(台詞任意)

「さっきの女の子に言っちゃうから!」に対して
A.「言えば?」
B.「それはマズいな…」(バーバラをからかうのをやめる)
C.「それはマズいな…」(言えない体にする)
D.「ビアンカは関係ないと思うけど?」
E.「」(台詞任意)
99 ◆ozOtJW9BFA :2005/09/08(木) 00:00:46 ID:???
>>98
1とCでw
100名無しさん@ピンキー:2005/09/08(木) 00:06:32 ID:0whzVH10
◆ozOtJW9BFA氏グッジョブb(・∀・)d
101 ◆ozOtJW9BFA :2005/09/08(木) 00:07:17 ID:???
>>100
番外故にw
102名無しさん@ピンキー:2005/09/08(木) 00:13:05 ID:???
番外だとビアンカ人気?
103 ◆ozOtJW9BFA :2005/09/08(木) 00:14:23 ID:???
>>102
ってか俺の場合は
派生スレでビアンカに萌えたからw
104名無しさん@ピンキー:2005/09/08(木) 00:16:46 ID:???
>>103
どこのスレ?
ビアンカスキーな同志としては是非とも教えを請いたいところでおじゃるよ麻呂は
105種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/08(木) 00:17:16 ID:???
リュカ 「まぁそんなところ」
バーバラ「やっぱり?雰囲気がどうもそんな感じだと思ったのよね〜」
リュカ 「ビアンカに言うのか?」
バーバラ「あったりまえでしょっ!変な事言う人にはお仕置きだよ〜っだ!」
リュカ 「それはマズいな…」

バンッ!

耳元で鳴った音にバーバラがビクッ!と体を震わせる。
リュカは、人目につかない暗い路地裏で、バーバラの顔の横の壁に手をつき、
ニッコリ笑った。

リュカ 「こう見えても、俺ってビアンカが大事なんだ。色んな所を転々と
     してた俺の、数少ない小さい頃からの仲良しさんだし、昔から
     心配かけてたし。」
バーバラ「だ、だったら…」
リュカ 「君に、変な事言われるのって、凄く困るんだよな。知ってる?
     人間て、大事なものを守るために、色んな汚い事をして発展して
     来た生き物なんだよ」
バーバラ「な、何よそれ…」
リュカ 「ああ、安心して。ただ俺に逆らう気をなくさせてあげるだけだから」
バーバラ「な、何すんのよ!」

リュカはバーバラの両手を掴み上げ、一まとめにすると壁に押し付けた。

バーバラ「こんな事して…ただじゃおかないんだから!」

バーバラが自由な足で、リュカに蹴りを繰り出してくる。
リュカは


1.さっと避けた
2.その足を掴んだ
3.「あ、パンツ丸見え」と言った
4.素早くスカートを捲った
5.その他()
106名無しさん@ピンキー:2005/09/08(木) 00:17:46 ID:???
|∀゚).。oO(今夜は新境地のアナルセクースに期待
107 ◆ozOtJW9BFA :2005/09/08(木) 00:18:57 ID:???
>>104
同士よ…。
ttp://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1123080281/
ビアンカ狙いたいがそのスレで狙われてるから今回はバーバラを
選んでみたYO。
108 ◆ozOtJW9BFA :2005/09/08(木) 00:20:02 ID:???
>>105
4で
109名無しさん@ピンキー:2005/09/08(木) 00:25:02 ID:???
>>107
麻呂は汝に激しく感謝してるでおじゃるよマロマロマロー(←高貴な笑い声
110 ◆ozOtJW9BFA :2005/09/08(木) 00:26:44 ID:???
>>109
気にしないでくれ。
ビアンカマンセーな人には悪い人はいないのだから…
111種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/08(木) 00:32:03 ID:???
>>107
一時間GMさんのとこでつな(w
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~^
リュカは素早くスカートを捲った!

バーバラ「きゃぁああッ!何すんのよぉ〜ッ!!」

バーバラは、顔を真っ赤にして勢いよく足を振り上げた!
ドゴッ!

リュカ 「うぐっ!」

リュカは股間にXXXXXXXXXのダメージを負った!

バーバラ「最ッ低!!」

蹲るリュカにバーバラは、涙目になりながらそう言うと、その場から逃げ去った。

☆☆☆☆☆

リュカ 「くそぉ…酷い目に遭った…」

リュカは朝からグッタリしつつ、学校に向かった。

カレン 「あら?リュカ君おはよ〜」
リュカ 「あ、カレンさん」

廊下を歩いていると、司書のカレンさんに出会った。

カレン 「どうしたの?何だか疲れてるみたいだけど…」


1.「ハハ、何でもないデス」
2.「ちょっと最近忙しくて…」
3.「それが…女の子をからかったら、酷い目に遭わされて」
4.「」(任意入力)
112名無しさん@ピンキー:2005/09/08(木) 00:33:35 ID:???
何この神展開w

キンタマキューッってなっちまったよおっかさんw
113 ◆ozOtJW9BFA :2005/09/08(木) 00:33:43 ID:???
>>111
3で。
114種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/08(木) 00:39:55 ID:???
リュカ 「それが…女の子をからかったら、酷い目に遭わされて」
カレン 「あら、ダメよ〜?女の子には優しくしてあげなきゃっ!」

カレンはニッコリと笑った。

リュカ 「先生慰めてくれないんですか?」
カレン 「だって、リュカ君がからかったんでしょう?なら、先生が慰める
     と、からかわれた女の子が可哀想じゃない?」


1.「先生にとって、俺はその程度の生徒なんですかっ?!」
2.「酷いなぁカレン先生まで、ハハハ」
3.「ちょっとくらい、慰めてくれてもいいじゃないですか〜」
4.「そんなこと言って…本当はその子が羨ましいんじゃないんですか?」
5.「」(台詞任意)
115 ◆ozOtJW9BFA :2005/09/08(木) 00:42:20 ID:???
>>114
2で。

GM氏、ちょっと落ちなきゃ不味いんですが現時点でのセーブは可能ですか?
116種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/08(木) 00:44:13 ID:???
おkでつ(・∀・)
では、次のうpしたら自動セーブで。
それと、この書は番外単品扱いにするか?それとも本編リンク作品で逝く?
117 ◆ozOtJW9BFA :2005/09/08(木) 00:46:15 ID:???
>>116
ん〜これは迷いますね。
え…と、じゃあリンクさせちゃうと不味そうなんで単品扱いにさせてもらいます。

GM氏、ありがとうございました。
118名無しさん@ピンキー:2005/09/08(木) 00:47:16 ID:???
>>117
お疲れじゃ、同志よマロマロマロー
119種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/08(木) 00:49:45 ID:???
リュカ 「酷いなぁカレン先生まで、ハハハ」
カレン 「あんまり女の子を困らせないようにね、リュカ君」
リュカ 「はい、今日ので肝に銘じましたよ」
カレン 「よろしいwあ、もうHRが始まるわよ」
リュカ 「いっけね!じゃ、カレン先生、昼休みに寄らせてもらいますから」
カレン 「は〜い、待ってるわね〜」

リュカは、ニコニコしながら手を振るカレンと分かれると、自分の教室へと
走りこんだ。


番外編:リュカの××日記 END。。。


恋愛の書に記録しました。

リュカ◆ozOtJW9BFA さん、お疲れ様でした。。。。
120種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/08(木) 00:51:09 ID:???
>>117
おk(・∀・)&乙〜ノシ

>>118
観戦乙dですた〜ノシ
121名無しさん@ピンキー:2005/09/08(木) 00:51:48 ID:???
深夜の部は時間的に厳しいですかね?
122種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/08(木) 00:53:00 ID:???
漏れも落ちるでつ。
(´・ω・`) ノシ サシミー
123名無しさん@ピンキー:2005/09/08(木) 00:54:04 ID:???
(´・ω・`)ノシ
124種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/08(木) 00:54:17 ID:???
>>121
おお!?深夜狙いイタ━━━━(゚Д゚≡゚Д゚)━━━━!!!!?
スマソorz 漏れが限界だ(´・ω・`)
125名無しさん@ピンキー:2005/09/08(木) 00:56:27 ID:???
>>124
それじゃあ明日の晩、じっくりたっぷりねっとり可愛がってあげるよハニー

モツカレーノシ
126種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/08(木) 00:56:52 ID:???
>>123
(´・ω・`)ノシ<あ、ゾロおめ
127種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/08(木) 00:58:00 ID:???
>>125
可愛がられる埴輪はどこの埴輪か…

モツ〜ノシ
128名無しさん@ピンキー:2005/09/08(木) 01:04:18 ID:???
GMさんはアリスユーザーでしたかハニホー
129種携帯 ◆GM/x/EtttA :2005/09/08(木) 13:48:19 ID:???
スマソ、今日のプレイは無しでたのむm(_ _)m
用件のみスマソ
130種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/09(金) 21:53:30 ID:???
>>128
大悪○と、ランス関係の戦略ゲーじゃ無い奴だけしかやった事無いけどな(w
呑み比べハニホー


今夜も22:00から開始でつ。
どっかの、社長が逃げ出した会社の祭りで忙しい人もおるだろうが、息抜き
にプレイしてってくれるとありがたい。
今まで出てきた女の子たちの好感・隷属度は>>78参照

では、募集開始でつよノシ
131種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/09(金) 22:17:29 ID:???
やはり9月に入ってから、プレイヤーが現れにくいな…。
とりあえず30分までは待つか

始まり時間が早いのか?
漏れも始める前までは、10時だと普通にTV見てたしなぁ
とすると、一日1回プレイでもいい気がしてきた。
どないでせう?プレイヤーと共に意見も求むノシ
132 ◆OJZzSer1g6 :2005/09/09(金) 22:23:25 ID:???
早寝早起きな漏れにとっては非常に参加し難い状態なのだ…orz
あ、書き逃げ〜λ==3
133通りすがりの町娘:2005/09/09(金) 22:30:06 ID:???
やってみたいんですけど、まだまだROMらないと勝手が分からないので、
ROMらせて頂いています。
134種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/09(金) 22:31:22 ID:???
>>132
勇者アッシュ意見d(´・ω・`) ノシ

そうか、むしろ早めた方がいいのか…
なら、一日1回プレイに切り替えた上で、
20時開始(1回目募集)で30分待ち。
プレイヤーが来なかったら23時再度開始(2回目募集)。
それでも参加がなければその日は休み、の方がいいのかもな。
よし、異論がでなかったら明日からこれでいきまつよ(`・ω・´)
135種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/09(金) 22:33:37 ID:???
>>133
d(`・ω・´) ノシ
プレイヤーがやることは、単に好きな選択肢を選んでいくだけですたい。
十分ROMったな〜と思ったら是非参加してくだしい(*・∀・)(・∀・*)ネー
136種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/09(金) 22:34:59 ID:???
30分過ぎたんで、今日は休みで。
(´・ω・`) ノシデハナー
137 ◆OJZzSer1g6 :2005/09/09(金) 22:35:16 ID:???
>>134
まだ居たりw
個人的には大助かりでつよ(つд`)
他の勇者達がどうなのかが分からぬのでつが(´・ω・`)

>>133
町娘さんや、良ければ番外編で慣れてみるのは如何でつか?
何事も体験でつよ?
つ【番外優待券】
138 ◆OJZzSer1g6 :2005/09/09(金) 22:37:54 ID:???
>>136
モヤス〜ノシ
漏れも寝る〜ノシ
139通りすがりの町娘:2005/09/09(金) 22:41:45 ID:???
>>137
ええっ!?優待券ってキリ番やゾロ目をGETしないと、いただけないものじゃないですか!
袖とか、各女の子の特性とか、まだまだ分からない事ばかりなので、もう少しお勉強しますです。
でも、心遣い嬉しいです。有難うございます。
それでは、ノシ!
140 ◆lnWmmDoCR. :2005/09/09(金) 22:46:28 ID:???
絵を描いてたら時間過ぎてたのね……(´・ω・`)

アレ?
そういや漏れはインターバル規制中だったか?
141 ◆lnWmmDoCR. :2005/09/09(金) 22:48:46 ID:???
って一日一回に減ってる!?Σ(゚Д゚;

8時からだと漏れは参加きつくなるな(´・ω・`)ノシ
142名無しさん@ピンキー:2005/09/09(金) 22:54:01 ID:???
>>139ちょw 
柚はともかく、プレイヤーで各女の子の特性を正確に理解してる奴は多分いないぞw
つか知らん方がおもしろいこともある。

>>140
何書いてるか知らんがとりあえずうp!
143名無しさん@そうだ選挙に行こう:2005/09/10(土) 18:27:57 ID:???
仕事持ってる人間は、逆に時間早いと参加しづらいかな

一回目:20時募集開始→20時半本編開始→21時半本編終了(目安)
二回目:22時半募集開始→23時本編開始→24時本編終了(目安)

*一回目の終了時刻と二回目の開始時刻・終了時刻は状況次第で多少前後する

というのはどうだろう
あくまで目安ね
144種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/10(土) 20:02:23 ID:???
>>143
時間的にはそれでおkの気がする。
ただ、一日二回開催するには、そろそろスタミナが切れてきたorz

んなわけで、20時開始プレイをした翌日は、22時開始って形にしようと
思いまつ。


時間なんで、とりあえず募集ノシ
既存女の子パラは>>78
145 ◆y5Nlx7iW06 :2005/09/10(土) 20:13:11 ID:???
ノシ
146種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/10(土) 20:17:46 ID:???
>>145
お(`・ω・´)
勇者スルトいらはいヽ( ・∀・)ノ

さて、どれで逝く?

1.本編へGO!
2.番外(女の子達相手)へGO!
3.番外(ショタッ子相手)へGO!
4.何を血迷ったかGSってみる(女性用落としゲーver.)
147種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/10(土) 20:19:11 ID:???
>>144
訂正
×22時開始
○23時開始(22時半募集開始)
148 ◆y5Nlx7iW06 :2005/09/10(土) 20:19:24 ID:???
>>146
いい加減番外編をしなければなw
なので3…げふげふ、2を希望する也
149種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/10(土) 20:22:42 ID:???
ゲームの種類を選んでください
1.学園物
2.獣耳しっぽ物
3.イベント物
4.出会い系サイト編
5.その他()
150 ◆y5Nlx7iW06 :2005/09/10(土) 20:26:15 ID:???
では、4.出会い系サイト編を選択する也
151種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/10(土) 20:28:09 ID:???
出演ヒロインを選んでください(複数人可。上限3人)

DQ1
 ローラ
DQ2
 ムーン
DQ3
 女3勇(アヴィ)
 女3賢(カレン)
DQ4
 女4勇(テイア)
 シンシア
 ロザリー
 マーニャ
 ミネア
 アリーナ
DQ5
 ビアンカ
 フローラ
 マリア
 タバサ
DQ6
 バーバラ
 ターニア
DQ7
 マリベル
 フォズ
DQ8
 ゼシカ
 ミーティア
152 ◆y5Nlx7iW06 :2005/09/10(土) 20:30:55 ID:???
フォズ、ターニア、女3勇(アヴィ)でお願いします也
153種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/10(土) 20:31:40 ID:???
竜王「フフフ、名を名乗るがよい。お主に機会を与えてやろう」

名前を入力してください
「    」
154鬼畜勇者スルト ◆y5Nlx7iW06 :2005/09/10(土) 20:35:10 ID:???
では、スルトで…
155種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/10(土) 20:58:23 ID:???
竜王「フハハハハ!スルトよ!存分に暴れてくるがよい!!」



出会い系サイト、『DQメール』。
最近スルトがハマっているサイトである。
気になる女の子の書き込みにメールを送り、何人か雑談まで持っていくこと
が出来た。

スルト 「さーてと、今日もメールをチェック……あれ?3人から来てるな」

一人目:【青うさぎ】ちゃん(自称・女子高校生、18歳)
『スルトさ〜んっ!今日、友達とカラオケに行こうって約束してたんですけど、
彼氏とデートとか言われてすっぽかされちゃいました(>_<。)カナシ〜っ!
もし、今日暇だったら、カラオケつきあってもらえません?
今スッゴク歌いたい気分なんです〜!お願い(>人<)~☆』

二人目:【444】ちゃん(自称・女子高校生、16歳)
『スルトさん、この間お話したお店、今日行きたいなと思っていたんですが、
お約束していたお友達が、急に行けなくなってしまったそうなんです。
よろしければ、今日一緒にあのお店に行きませんか?
お暇なら、ですけど。お返事、お待ちしてますね♪』

三人目:【ヴィア】ちゃん(自称・風俗店勤務、19歳)
『おっはよ〜☆
あのさ、今日急にお店出なくてよくなっちゃって、暇してるんだよね〜!
よかったら会わない?前からスルト君と会ってみたいな〜って思ってたんだ!
返事待ってるよ〜♪』


さて、どう返事を返そう?

1.【青うさぎ】ちゃんにおkメールを送る
2.【444】ちゃんにおkメールを送る
3.【ヴィア】ちゃんにおkメールを送る
4.3人ともおkメールを送って、待ち合わせ時間をずらす
5.その他()
(※それぞれ、どんな文面を送りたいかも添えてください)
156種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/10(土) 21:00:46 ID:???
>>154
レス遅くなりスマソorz
157鬼畜勇者スルト ◆y5Nlx7iW06 :2005/09/10(土) 21:10:59 ID:???
>>155-156
丼米〜ノシ

冒険してみるか・・・4を選択、
【青うさぎ】には『一緒にはしゃごう』など常に明るめなノリで、
【444】には優しいお兄さん風なノリで、
【ヴィア】には相手を癒してあげる様なノリで接する…てか、分かりづらorz
158種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/10(土) 21:28:34 ID:???
スルト 「一気に来たな〜…ここは全員におkしとくか!」

TO【青うさぎ】ちゃん
『いいよ!俺も暇してたところだったんだ!
青うさぎちゃんの歌、楽しみにしてるゼ。一緒にはしゃごうな!』

TO【444】ちゃん
『それは災難だったな。俺でよければ一緒に行ってあげるよ。前に俺が話した
店でいいんだよな?アソコのオススメも教えてあげるから、楽しみにしてて
くれよ』

TO【ヴィア】ちゃん
『いいぜ。いい店知ってるから、一緒に行かないか?お洒落な店だから、絶対
ヴィアちゃんも気に入ると思うんだ。いつもはお客に尽くしてるだろうけど、
今日はそんなの忘れて一緒に楽しもう』

スルト 「こんなもんか。さぁて、待ち合わせはいつ頃にするかなぁ…」


1.朝10時【444】、
   −A.昼2時【青うさぎ】、夜7時【ヴィア】
   −B.昼2時【ヴィア】、夜7時【青うさぎ】
2.朝10時【青うさぎ】、
   −A.昼2時【444】、夜7時【ヴィア】
   −B.昼2時【ヴィア】、夜7時【444】
3.朝10時【ヴィア】、
   −A.昼2時【444】、夜7時【青うさぎ】
   −B.昼2時【青うさぎ】、夜7時【444】
159鬼畜勇者スルト ◆y5Nlx7iW06 :2005/09/10(土) 21:37:29 ID:???
>>158
ここは1−Aを選択する也
160種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/10(土) 21:57:36 ID:???
スルト 「やっぱヴィアちゃん以外は自称高校生だし、昼間の方がいいか。
     あと、カラオケはどうせ普通12時始まりだし…」

TO【444】ちゃん続き
『待ち合わせは10時に駅前のドラゴン銅像前でいいかな?』

TO【青うさぎ】ちゃん続き
『待ち合わせは2時に駅前のドラゴン銅像前でどうだ?』

TO【ヴィア】ちゃん続き
『待ち合わせは夜7時に駅前のドラゴン銅像前でいいか?』


スルト 「で、送信…っと。」


☆☆☆ 待つことしばし… ☆☆☆

ピロピロピロピロ…
スルト 「お、メールが帰ってきたな。…あれ、また3人一気にか。
     …メーラー詰まってた訳じゃないよな?」

From【青うさぎ】ちゃん
『わ〜い!スルトさんありがと〜ッ!
じゃ、2時に約束ね!私、青い髪で、ジャンバースカートだから。
待ってるね〜♪(^∀^)♪』

From【444】ちゃん
『ありがとうございますっ!嬉しいです、エヘヘ♪
じゃ、その時間にお待ちしてます。私、青い髪で、腰の辺りで縛ってて…
あ!帽子被っていきますっ!大きい帽子!楽しみにしてますね♪』

From【ヴィア】ちゃん
『いいわね〜☆もちろんそっちの奢りよね?…なぁんてウソウソ☆
正直、ありがとね。最近変な客が多くてさ。愚痴聞いてくれる人が欲しかった
んだ。じゃ、7時に駅前で。私、黒髪で、大きめな金色のサークレット
つけてるから♪XXX』

スルト 「どうやら、上手くいったみたいだな。さぁてと、じゃ、出かけます
     か!」

スルトは家を出た。


1.【444】に会う前に店を下見しておく
2.駅前に向かい、【444】をまつ
3.【青うさぎ】といくカラオケを下見しておく
4.【ヴィア】といく店を下見しておく
5.その他()
161名無しさん@ピンキー:2005/09/10(土) 22:03:12 ID:???
3発もできんのかよー
162鬼畜勇者スルト ◆y5Nlx7iW06 :2005/09/10(土) 22:05:29 ID:???
>>160
ここは1を選択する也よ

>>161
それはどうだろうか・・・w
163種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/10(土) 22:14:27 ID:???
>>161
それがフィクションクォリティ…今回だけってのは難しいかと。
それと、会う=ヤれるとは限らない罠orz
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
スルト 「念のため、店を見に行ってみるか」

スルトは、【444】に勧めた店を下見に行く事にした。

スルト 「お、ちゃんとやってるな」

店は既に開店して、営業しているようだ。


1.そこは喫茶店『ルイーダ』という店だ。軽食などが美味しくて有名だ。
2.そこは『ネッドの宿屋』という店だ。一階のレストランが安くて美味い。
3.そこは『モンバーバラ劇場』という店だ。料理は元より、舞台やカジノが
  有名だ。
4.その他()
164鬼畜勇者スルト ◆y5Nlx7iW06 :2005/09/10(土) 22:19:05 ID:???
>>163
ここは無難に2を選択・・・也
165種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/10(土) 22:30:19 ID:???
そこは『ネッドの宿屋』という店だ。一階のレストランが安くて美味い。

ネッド 「おや?スルト君、どうしたんだい?」
スルト 「あ、ネッドさん。ちょっとしたらここのレストランに来ようと
     思ってるんですけど、今日のオススメって何ですか?」
ネッド 「今日のオススメは大王イカシチューとブチスラ定食だな!何だい?
     デートかい?」
スルト 「まぁ、そんなところです」
ネッド 「くぅ〜!もてる男は辛いなぁオイ!」
スルト 「そんなんじゃないですって〜。ココの事紹介したら、来て見たい
     って言った子がいて…それで案内するだけですよw」
ネッド 「なんなら、上も空いてるぞ?」

上というのは、宿屋の事である。部屋を使えということだろうか?商魂逞しい
ジジイである。

スルト 「考えておきますよ」

スルトはネッドに軽く手を振って、店を後にした。

☆☆☆☆☆

スルトが駅前に着くと、10時少し前だった。

スルト 「【444】ちゃん、来てるかな?」

スルトは辺りを見回した。


1.お!金髪美人発見!声を掛けてみよう!
2.青い髪で…長いようなこと言ってたな。ミニスカートのあのコかも…
3.青い髪に…大きな帽子って、あのこか?
4.青い髪に…髪飾りのコがいるな。あのコかも…
5.その他()
166鬼畜勇者スルト ◆y5Nlx7iW06 :2005/09/10(土) 22:34:51 ID:???
>>165
間違えるのも面白そうだが・・・w
普通に3を選択する那智よ
167種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/10(土) 22:41:40 ID:???
すまn、GM急に体調がおかしくなってきた。
ここでセーブにさせてもらえまいか?
168鬼畜勇者スルト ◆y5Nlx7iW06 :2005/09/10(土) 22:47:11 ID:???
>>167
おk(・∀・)也よ
また別の機会にさせてもらうで候
なのでからだをたいせつにbΣ
169種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/10(土) 22:52:28 ID:???
>>168
すまnorz
今回の優待権消費はなしなんで、また好きなときに続きをプレイしてくれ。
ノシ
170鬼畜勇者スルト ◆y5Nlx7iW06 :2005/09/10(土) 22:57:18 ID:???
>>169
了解した也、奇天烈ノシ
お大事にする也〜
171名無しさん@そうだ選挙に行こう:2005/09/11(日) 01:14:36 ID:???
つ薬
172名無しさん@そうだ選挙に行こう:2005/09/11(日) 17:48:00 ID:???
GMさんの体調は大丈夫でしょうか?
無理はされぬよう、努々ご自愛を・・・
173名無しさん@そうだ選挙に行こう:2005/09/11(日) 22:26:37 ID:???
GM緊急入院とかだったらイヤン。しっかり体回復させなせえ
174種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/11(日) 23:13:09 ID:???
一寝入りしたらこんな時間orz

>>170-173
激しくdでつ!
入院は無さそうですんで、ご安心下しい。
夏の疲れが出たのか、ぐたっとしとりますが、明日には再開出来そ
うでつ。
ご心配おかけしますたm(_ _)m
今日は大事を取って休ませて貰いまつ(´・ω・`)

明日は22:30募集開始、23時プレイ開始予定でつ!
(´・ω・`)ノシ
175通りすがりの町娘:2005/09/12(月) 00:42:49 ID:???
だ、大丈夫でしょうか…
コレ、使ってください。
つ薬草
いつも楽しませてもらっています。
176 ◆PL.VPi2.PE :2005/09/12(月) 22:40:42 ID:???
今夜もGMさんは体調不良ですか?
お体は大切に(=゚ω゚)ノ
ノシ
177名無しさん@ピンキー:2005/09/12(月) 22:57:03 ID:???
体が資本だからね。英気を養ったらまた来てくださいな。
178名無しさん@ピンキー:2005/09/13(火) 18:06:08 ID:???
あれまGM最近体調不良なんですか。お大事にしてください。
179通りすがりの町娘:2005/09/14(水) 00:55:16 ID:???
…あの、これ差し入れです。
つ世界樹のしずく

ルビス様にお祈りいたします、私。
180名無しさん@ピンキー:2005/09/14(水) 23:05:34 ID:???
マジで何かあったんだろうか
181通りすがりのべビル:2005/09/14(水) 23:42:39 ID:E1CYfs6o
けけけ、差し入れだ。これでも着けてゆっくり休め。
悪魔の尻尾
182名無しさん@ピンキー:2005/09/15(木) 14:11:31 ID:???
つ アモールの水
183名無しさん@ピンキー:2005/09/15(木) 17:25:58 ID:???
がんがれ
184通りすがりの勇者:2005/09/16(金) 00:03:31 ID:Q1HnFd0Q
種氏、これでも装備して英気を養ってくれ。
つ地獄の鎧
185名無しさん@ピンキー:2005/09/16(金) 00:54:46 ID:???
ちょwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
186名無しさん@ピンキー:2005/09/16(金) 01:22:33 ID:???
つ【みずのはごろも】
187名無しさん@ピンキー:2005/09/16(金) 14:18:30 ID:???
そろそろ本編を進めれ
188名無しさん@ピンキー:2005/09/16(金) 16:17:39 ID:???
あの律儀なGMさんが延期の書き込みすらしないのは
できない理由があるのでしょう(体調不良やマシントラブル)
保守しつつまったりお帰りを待ちましょう(・∀・)つ目 オチャノメ!
189リビング種ッド ◆GM/x/EtttA :2005/09/16(金) 20:19:49 ID:???
黄泉の淵からふっか〜〜〜〜〜〜津!!デスヨ!!!。・゚・(ノ∀`)・゚・。

レディースエンドジェントルメン長らくおまたせ致しましたッ!!
(…マシントラブルッ中華、体調治ったら激務が待っていた。連日MP0orz)
マジデゴ心配カケマシタm(_ _;)m
長い休みを頂きスマソorz

かえ〜ってきたぞッかえ〜ってきたぞッ!はウルトラ○ンなんで、
漏れはリビング種ッドでつよ。
(帰ってこれてハイになってまつヨこのGM)

差し入れdどすヽ( ・∀・)ノ
>>175-188
温かい(一部生温かい)ご支援&ご声援dでつ!

>>175>>179>>182
dノシノシ どうにか戻ってこられたYO!(`・ω・´)シャキーン

>>181>>184
ト(・∀・)ノ………ちょwwwwwwwwwwwwww

>>186
………。
賄賂ですな…賄賂でつな!!
コレをムーンたんに着せて、すけすけなのに見えそで見えない萌を体感しろ
とぉおおおおッ!!!
(※GM注:只今120%の割合で脳内スーパー・ハイ・テンションでつ)
190くさった死種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/16(金) 20:28:13 ID:???
復活出来たことだし、今日は2回プレイ予定!
プレイヤー募集〜!ノシ

なお、今後のプレイ時間帯でつが、GMのぷらいべぃとな都合上、平日開催は
難しくなるやもしれませぬ。
やるとしたら、
・金曜夜22時以降
・土曜昼間〜夜まで。
・日曜昼間〜夜まで。(23時終了予定)
(土日の昼は、GMの用がなければの開催になりまつ。)
191通りすがり:2005/09/16(金) 20:36:35 ID:???
復活オメ!
漏れは仕事で参加出来ないけど、機会があったらお相手ヨロシコノシ

あ、コレは腐ったGMへの差し入れでつ
っ【聖水】
192ガイコツ種士 ◆GM/x/EtttA :2005/09/16(金) 20:43:20 ID:???
>>191
d!ノシ 都合の合うときに参加してくれな(´・ω・`) ノシ

【聖水】を飲んだら腐った肉がスッキリしたらしいな!
洗うだけで漂白した白!ボー○○♪(ヲイ)
193さまようヨ種イ ◆GM/x/EtttA :2005/09/16(金) 20:54:55 ID:???
とりあえず21時迄待機。
その後、22:30に、また来まつノシ
194通りすがりの町娘:2005/09/16(金) 21:06:20 ID:???
御復活おめでとうございます!
もし、いらしたらPLAYしてみたいのですが…いらっしゃいますか?
195さまようヨ種イ ◆GM/x/EtttA :2005/09/16(金) 21:10:58 ID:???
>>194
お!(`・ω・´)
町娘たんいらはいヽ( ・∀・)ノギリギリデイタヨ!
196通りすがりの町娘:2005/09/16(金) 21:11:24 ID:???
一歩遅かったようですね…。
なにはともあれ、またこちらを楽しめるのが嬉しいです。
197通りすがりの町娘:2005/09/16(金) 21:12:04 ID:???
とりあえず、挙手!
198 ◆f.5IBJ6osQ :2005/09/16(金) 21:13:24 ID:???
ギリギリだったので、慌ててしまいました。
間に合いましたかね…?
199名無しさん@ピンキー:2005/09/16(金) 21:14:08 ID:???
いや、みずのはごろもはGMが着るべきではないかと
200 ◆f.5IBJ6osQ :2005/09/16(金) 21:15:01 ID:???
慌ててる慌ててる。町娘ってはいってないよ、私…。
通りすがりの町娘改め、 ◆f.5IBJ6osQ です。宜しくお願いいたします。
201種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/16(金) 21:15:19 ID:???
挙手はトリプつきで願いまつm(_ _)m

メール欄に“#適当な文字・記号・数字等”でつきまつヨ
202種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/16(金) 21:17:18 ID:???
>>200
おお、早ッ!おk(・∀・)

>>199
………( ゚д゚)

((((((;゚д゚))))))モ、モレハヒエショ…
203 ◆f.5IBJ6osQ :2005/09/16(金) 21:17:30 ID:???
改めまして、挙手!です。
204種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/16(金) 21:18:25 ID:???
命名神マリナン様が告げる…
マリナン「◆f.5IBJ6osQ よ、名前を変えてからプレイしますか?」
    (前回の名前はユーゴ)

 1.はい
 2.いいえ
205名無しさん@ピンキー:2005/09/16(金) 21:18:40 ID:???
GMアニキ復活ッ! GMアニキ復活ッ! GMアニキ復活ッ!
GMアニキ復活ッ! GMアニキ復活ッ! GMアニキ復活ッ!

AQUA読んでたら出遅れた(´・ω・`)
206種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/16(金) 21:20:51 ID:???
>>205
dッ! dッ! dッ!
dッ! dッ! dッ!

…祭囃子の様だな(w
207通りすがりの勇者:2005/09/16(金) 21:22:36 ID:Q1HnFd0Q
おっ、どうやら俺の差し入れた地獄の鎧が効いたみたいだな。
復活おめでとう種氏。
バキ風に言えば、
黄泉の淵からGM種氏が帰ってきたッ
よくぞ戻ったッ ゲームマスターーーーーー
俺達は君を待っていたッッッ【短編】DQのギャルゲを本気でプレイしるスレ
ゲームマスター種氏ッッッッ満を期しての登場だッッッッッッッ
だな。
>186
スケスケで赤面するサマル(・∀・)ハァハァハァ
208 ◆f.5IBJ6osQ :2005/09/16(金) 21:22:37 ID:???
では…名前を変えさせていただいて
【ウェリル】で!
>>205
私もAQUA大好きです。特に藍華…v
209名無しさん@ピンキー:2005/09/16(金) 21:27:21 ID:???
>>208
漏れは社長1択。
210種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/16(金) 21:30:08 ID:???
>>205>>208
まぁくんが好きだ…

>>207
dッ!地獄の底から舞い戻ってきたぜッ!
中華、イパネマ風に言うと不幸のどん底から這い上がってきただな。

……って、
そっちかぁああああ!!!(w


>>208
マリナン「勇者ウェリルに精霊の加護がありますように」



朝のHRが終わった。
ウェリルは…


1.フローラに校内の案内をお願いした
2.他の子に話しかけた。
 −1.金髪の女の子 −2.赤毛の女の子 −3.茶髪の男の子
3.職員室に行ってみる事にした。
4.体育館裏に行ってみることにした。
5.その他()
211 ◆f.5IBJ6osQ :2005/09/16(金) 21:32:23 ID:???
>>210

では2.他の子に話しかけた。
 −1.金髪の女の子 
 で、お願いします。
212種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/16(金) 21:37:15 ID:???
ウェリルは、フローラとは反対側隣の、金髪の女の子に話しかけた。

ウェリル「これからよろしく」
ムーン 「こちらこそ、よろしくお願いするわね。
     私はムーン・ムーンブルクよ。あ、貴方の名前は聞いてたからいいわ」

ムーンは、ウェリルにニッコリと笑いかけた。

【ムーンの好感度が少しUPした!】


1.ムーンともう少し話す
2.フローラに校内案内をお願いする
3.ムーンに校内案内をお願いする
4.とりあえず授業をサボる
5.その他()
213ウェリル ◆f.5IBJ6osQ :2005/09/16(金) 21:38:39 ID:???
>>212
3.ムーンに校内案内をお願いする
で!

ああ〜緊張してドキドキする〜
214名無しさん@ピンキー:2005/09/16(金) 21:42:20 ID:Q1HnFd0Q
紫髪(FC版風)ムーンタソも出まつか。
215種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/16(金) 21:47:45 ID:???
ウェリルもムーンに微笑むと、そのままムーンの瞳を覗き込んだ。

ウェリル「じゃあさ、よろしくついでに…学校の中案内してくれないか?」
ムーン 「私が?」

ムーンはキョトンとして首を傾げた。

ウェリル「ダメかな?」
ムーン 「ダメじゃないけど、委員長に案内してもらわなくていいの?」
ウェリル「委員長は、俺の事だけじゃなくクラスの事で忙しそうだし…」

ウェリルが教室の入り口の方に目をやると、真面目な顔で他の生徒と何かを
話し合っているフローラが居た。
ムーンも、納得したように頷いた。

ムーン 「そうみたいね。じゃ、私が案内するわ。ついて来て」

ムーンが席を立ち、ウェリルもそれに従って教室を出た。


☆☆☆☆☆


ムーン 「何処から見るの?」


1.特別教室(音楽室・理科室・美術室)
2.部室棟
3.トイレ
4.非常口
5.体育倉庫
6.職員室
7.保健室
8.プール
9.その他()
216種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/16(金) 21:48:52 ID:???
>>214
それは進んで見ないとわからないでつな(w
217ウェリル ◆f.5IBJ6osQ :2005/09/16(金) 21:56:01 ID:???
>>215
9.その他(ムーンが一番よく行く所)
218名無しさん@ピンキー:2005/09/16(金) 21:58:38 ID:???
2回目は11時から募集?
219種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/16(金) 22:09:30 ID:???
ウェリル「……ムーンのオススメは?」
ムーン 「私の、オススメ?」
ウェリル「ムーンの、良く行く場所」

ウェリルの言葉に、ムーンはちょっと迷ったような顔を見せると、クスッと
悪戯を考えた少女のように笑ってくるんっとスカートを翻した。

ムーン 「変な人ね。でも、その変さに免じて連れて行ってあげる。
     ……秘密の場所よ?」
ウェリル「そこでの昼寝は気持ちいいか?」
ムーン 「クスクス、どうかしらね?私、授業をサボった事ないから」

ウェリルはムーンについて校舎の外へと歩き出した。


☆☆☆☆☆


学院の敷地は広い。
休み時間に端まで行くと、授業までに帰って来れないほど、広い。

ムーン 「本当は、ここ生徒会の人しか入っちゃいけないのよ」

ムーンがそう言ってウェリルを連れてきてくれたのは、植物園になっている
温室だった。
辺りには、色んな花が咲き、木や葉が茂っている。
芝生になっている場所があり、そこには寝転がれるようになっていた。
ウェリルとムーンはそこに座った。

ムーン 「素敵でしょ?ここには、世界中のお花が咲いてるのよ」



1.「ムーンて、生徒会に入ってるのか?」
2.「いい昼寝場所だ」
3.「綺麗だな」(花を見つつ)
4.「綺麗だな」(ムーンを見つつ)
5.「ここって、外に音漏れなさそうだな」(ムーンの手を引き抱き寄せ)
6.「ここって、外に音漏れなさそうだな」(ムーンを押し倒し)
7.「」(任意台詞)
220ウェリル ◆f.5IBJ6osQ :2005/09/16(金) 22:12:25 ID:???
>>219
4.「綺麗だな」(ムーンを見つつ)

イイ!イイです!選択肢に迷います!
221名無しさん@ピンキー:2005/09/16(金) 22:24:14 ID:Q1HnFd0Q
>>220
もっとはじけた選択でもイイのでないかい。
222種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/16(金) 22:26:31 ID:???
ウェリル「綺麗だな」

ウェリルは、楽しそうに笑い、日の光に金の髪を煌かせるムーンを見つめながら
呟いた。

ムーン 「そうよね、もう少しすると、あっちの花も咲く……の………」

笑顔で振り向いたムーンは、自分を見つめるウェリルの視線に気付き、頬を
染めた。

ムーン 「わ、私…そんな、変な顔してた?」
ウェリル「…変な顔?」
ムーン 「だって、貴方笑ってるじゃない」

ムーンはぷぅっと頬を膨らませ、そっぽを向いた。



1.「別に…。ムーンが楽しそうだから」
2.「スッゲー変。ここにこんなイイ男がいるってのに、花ばっか見てんだもんな」
3.「変じゃない。……可愛いぜ?」
4.「エロっぽいなぁ…ってさ(ニヤリ)」
5.「」(台詞任意)
223種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/16(金) 22:27:53 ID:???
>>221
まぁまぁ(w
純愛も鬼畜も紙一重ということで…(ぇ
224ウェリル ◆f.5IBJ6osQ :2005/09/16(金) 22:28:26 ID:???
>>222

3.「変じゃない。……可愛いぜ?」
で!

>>221
すいません、乙女回路が作動してて…orz
225名無しさん@ピンキー:2005/09/16(金) 22:32:09 ID:???
純愛マンセー
鬼畜分禁断症状はゴーユ御大のログで耐えるんだ!
226種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/16(金) 22:34:51 ID:???
ウェリルは立てた片膝に肘をつき、頬杖をつくと、ムーンの瞳を覗き込んだ。

ウェリル「変じゃない。……可愛いぜ?」
ムーン 「っ!!な、何言ってるのよウェリル君ったら」

ムーンは真っ赤になり俯いた。

ムーン 「…ウェリル君、相当遊んでるでしょう?」
ウェリル「さぁな」

ウェリルはムーンの言葉にクスクスと笑いながら肩を竦めた。


一日目、HR後休み時間 終了……とぅびぃこんてにぅ。。。。

ウェリル ◆f.5IBJ6osQさん、お疲れ様でした。。。。。
227ウェリル ◆f.5IBJ6osQ :2005/09/16(金) 22:37:33 ID:???
>>226
くぅ〜有難うございました!
初PLAYでっかいドキドキしました。
228名無しさん@ピンキー:2005/09/16(金) 22:39:47 ID:???
嗚呼、そんな台詞を言われる男になりたひ……あと種変兄貴復活オメ。
健康そうで安心したナリよ。
11時募集開始と勝手に判断して、来てすぐだが落ちるぞなもし。

ってか漏れってインターバル規制中だっけ?

>>225
陵辱ではあっても鬼畜ではないと思うんだが如何に。
229種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/16(金) 22:46:23 ID:???
>>227
まぁっ!
d&乙カレーしたノシ

今回の好感度、その他
==================================

HR後
【ムーンの好感度が少しUPした!】 +4

どこに誰と?
【ムーンの好感度が少しUPした!】+4

どこに行く?
【ムーンの好感度が少しUPした!】+4

温室植物園で…
【ムーンの好感度がUPした!】+7

変?
【ムーンの好感度が大きくUPした!】+10


結果(◆→パラメーター変化)
===========================
好感度/隷属度

◆ムーン   +33/±0  親友 院生
 カレン   +19/±0  友達 【指名可】
 マリベル  +16/±0  友達 園生
 フローラ  +10/±0  友達 院生
 ミネア   +8 /±0  友達 院生

 ????  +9 /╋3  友達 院生
 ????  +3 /±0  友達 院生

===========================
230種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/16(金) 22:49:03 ID:???
>>228
dノシ
中華、今日は2回開催な罠。そして最速候はまだ規制内な罠(w


ってことで、今から2回目プレイヤー募集ノシ
23:00開始予定。ちょいとトウガラシ梅茶煎れてくる。ノシ
231ウェリル ◆f.5IBJ6osQ :2005/09/16(金) 22:51:14 ID:???
>>227
うっしゃあ!なのです。ムーンちゃん反応可愛い〜v
すっごくドキドキして面白いですね〜。実際PLAYするとまた面白く…。
またお邪魔させて頂きます。
232竜水:2005/09/16(金) 22:54:27 ID:Q1HnFd0Q
のし
233種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/16(金) 23:00:56 ID:???
>>232
お?挙手か?
挙手ならトリつけとくれやす
234種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/16(金) 23:02:21 ID:???
>>231
dでつ!マタ(´・ω・`) ノシネー
235 ◆vnMt3fk8bc :2005/09/16(金) 23:02:33 ID:???
自分、規制対象だったでしょうか?
過去ログがすっ飛んでしまったのでどうにも確認できないのですが・・・

違うなら、挙手します
236竜水 ◆DlyW/s8ibQ :2005/09/16(金) 23:04:49 ID:Q1HnFd0Q
挙手
237種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/16(金) 23:07:51 ID:???
>>235
規制内でつヨ。今回やっと3回目故(w

>>236
命名神マリナン様が告げる…
マリナン「竜水 ◆DlyW/s8ibQよ、…名前はそのままでいいですか?」
    

 1.はい (竜水のまま始める)
 2.いいえ(名前を変える)
238竜水 ◆DlyW/s8ibQ :2005/09/16(金) 23:08:48 ID:Q1HnFd0Q
>1.はい
 2.いいえ
239名無しさん@ピンキー:2005/09/16(金) 23:13:42 ID:???
ん? 元ダン氏は最速候、リュカ、ウェリルと3人挟んでる筈ジャマイカ?
240名無しさん@ピンキー:2005/09/16(金) 23:14:33 ID:???
ひとまずメール欄にsageと入れよう
241種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/16(金) 23:14:57 ID:???
>>238
ageっぱなしプレイもいいが、鬼畜るならメル欄にsage入れる方が無難だぞ
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
マリナン「勇者竜水に精霊の加護がありますように」



ムーン「誤魔化す所なんて、妖しすぎよ竜水君」
竜水 「別に…いいだろ。それとも」


1.「俺のこと、そんなに知りたいのか?」(行動任意)
2.「そんなに自分に自信がないのか?」(行動任意)
3.「やけに突っかかってくるのはアノ日だからか?」
4.「ここで時間潰して、授業に出ない気か?」
5.「」(台詞行動任意)
242種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/16(金) 23:16:44 ID:???
>>239
あ、スマソ、番外別にしとったorz
243竜水 ◆DlyW/s8ibQ :2005/09/16(金) 23:20:14 ID:Q1HnFd0Q
5.肩を竦めて「困ったな。」と言う
244某鬼畜:2005/09/16(金) 23:20:34 ID:???
>>238
ボウヤ初めてか?
安心しろ、優しくしてやるから。
さっ、ケツをこっちに向けな
245 ◆vnMt3fk8bc :2005/09/16(金) 23:21:26 ID:???
>>239 >>242
今回は新人さんがいらっしゃってるようですし、名無しに戻っておきます
明日の午後辺りにGMさんの都合が良い事を願って顔を出してみますね

都合が良い場合は、何時から開始見込みかをお教え願えれば幸いです

では、以降名無しモードで・・・
246名無しさん@ピンキー:2005/09/16(金) 23:22:19 ID:???
だからメール欄にsageと入れろと小一時間(ry
247竜水 ◆DlyW/s8ibQ :2005/09/16(金) 23:23:04 ID:???
こうか
248名無しさん@ピンキー:2005/09/16(金) 23:25:13 ID:???
どうやらキャラサロン初めてどころか2ちゃん初めてのリア厨かリア工とみた!
249名無しさん@ピンキー:2005/09/16(金) 23:28:12 ID:???
いやリア厨は来ちゃダメだろw
俺だってちゃんとした歳になるまで我慢してたんだぞ(ぉ
250竜水 ◆DlyW/s8ibQ :2005/09/16(金) 23:29:39 ID:???
工房だからギリギリOK
251種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/16(金) 23:29:58 ID:???
続きを口に出そうとして、竜水はムーンを見る。
ムーンは頬を染めながら、拗ねたような瞳で竜水を見つめていた。
竜水は苦笑して肩を竦めた。

竜水 「困ったな。」
ムーン「?何が?」
竜水 「ムーンが、想像以上に可愛いから」

竜水は、照れもせずにムーンの耳元でそう囁くと、光を柔らかくムーンの髪
を一房指に絡め、それにキスを落とした。

ムーン「りゅ、竜水くんっ…?!」
竜水 「…何?」


1.「誘ってるのか?」とムーンを押し倒す
2.何も言えなくなっているムーンを笑い、「冗談だ」と温室を出る
3.「無防備だな」と、ムーンの手を捕らえ、逃げられないように制服を引き裂く
4.「金髪って、綺麗だよな」と、ムーンの髪を撫でながら芝生に横になる
5.その他()
252名無しさん@ピンキー:2005/09/16(金) 23:30:53 ID:???
高3か……一番性欲を持て余す時期(・∀・)ダナ!
253名無しさん@ピンキー:2005/09/16(金) 23:31:09 ID:???
>>250
っ【ピンク板は21歳以上になってから!】
254竜水 ◆DlyW/s8ibQ :2005/09/16(金) 23:32:50 ID:???
3.
弾けます。
255名無しさん@ピンキー:2005/09/16(金) 23:33:12 ID:???
彼は大人の時間の基本ルールが判ってらっしゃらない様子
256名無しさん@ピンキー:2005/09/16(金) 23:33:43 ID:???
明かさねば良かったものを…('A`)
257名無しさん@ピンキー:2005/09/16(金) 23:35:26 ID:???
なんたってリア工だからな!
258竜水 ◆DlyW/s8ibQ :2005/09/16(金) 23:35:28 ID:???
ダブって何が悪い
259種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/16(金) 23:35:45 ID:???
>>250
工房でも3牢はしとらんとダメだぞorz
18禁ではなく、21禁だからなこの板わ。
まぁ、折角だし今日のところはプレイ続行するが…
土産モッテカエレ(´・ω・)

>>245
あー、とりあえず、明日は起きたら上るつもりだ。
午後なら13時〜とかでもおkだ。
260竜水 ◆DlyW/s8ibQ :2005/09/16(金) 23:36:52 ID:???
そうします・・・
261名無しさん@ピンキー:2005/09/16(金) 23:38:04 ID:???
ダブるどころかトリプらなければ無理
てか威張るなw
262名無しさん@ピンキー:2005/09/16(金) 23:41:29 ID:???
>GMさん
了解しました
明日の午後一時半頃に、スレを覗いてみますね

では、オヤスミなさいませノシ
263竜水 ◆DlyW/s8ibQ :2005/09/16(金) 23:41:43 ID:???
ここに来るのは1年早かった。
来年度はよろしくお願いします。
264名無しさん@ピンキー :2005/09/16(金) 23:43:22 ID:???
再来年度だろ。
265名無しさん@ピンキー:2005/09/16(金) 23:43:43 ID:???
ボウズ、どうこう言う前にちゃんと周りの人の言葉に目を向けよう
266竜水 ◆DlyW/s8ibQ :2005/09/16(金) 23:44:06 ID:???
選挙権あるのさ・・・
267名無しさん@ピンキー:2005/09/16(金) 23:46:40 ID:???
選挙権あるのなら、>>とかを使いこなしなさいね
268名無しさん@ピンキー:2005/09/16(金) 23:47:37 ID:???
サロンとは社交場という意味もあるぞ。
要するにコミュニケーションを楽しむ為の場所なんだから、もう少しその辺りに気を配るべき。
269種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/16(金) 23:50:11 ID:???
>>260
あと何年かは知らんが、21過ぎたらまた来い(´・ω・`) ノシ
漏れの妄想力が衰えてなければ多分どっかにいるからヨ
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
赤くなって固まっているムーンに苦笑すると、竜水はその髪に手を梳き入れた。

竜水 「無防備だな…」
ムーン「え…?」

戸惑った声を上げてムーンが問いかける声を、竜水は自らの唇で飲み込んだ。
急に近づいた顔にか、自分の唇にいきなり触れた感触にか、それとも抱き寄せ
られた力強い腕にか、ムーンは驚きに目を見開いてビクンッと震えた。
次の瞬間ギュッと閉じられる瞳。
それを竜水は、やけに冷静な瞳で見つめていた。
柔らかなムーンの髪に指を通しながら、ゆっくりと横たえ手を捕らえる。
捕らえた両手を片手で掴みあげると、ムーンのブレザーのボタンを外し、ブラウス
を掴み、力任せに引きちぎった。
ボタンが、木漏れ日の中に舞う。

ムーン「ん〜〜〜〜〜〜〜ッ!!」

その光景に、ムーンがやっと正気を取り戻したのか、竜水の下でもがくが、
男の力にか弱いムーンが敵うはずもない。
足を開かせ、容易く組み敷くと、竜水は


1.ムーンの唇に舌を入れ、胸を愛撫し始めた
2.ムーンの服を全部剥き、全裸にすると、ブラウスの残骸で手を戒めた
3.唇を離し、ムーンの瞳を見つめて笑いかけた。
 −1.「綺麗だ、ムーン」 −2.「いい格好だな、ムーン」
4.とりあえず挿入しておこうと、スカートを穿かせたままムーンのパンツを下ろした
5.その他()
270竜水 ◆DlyW/s8ibQ :2005/09/16(金) 23:53:10 ID:???
2.で
271名無しさん@ピンキー:2005/09/16(金) 23:53:11 ID:???
まぁまぁ皆の衆、ここは一つどのようになるのかを見てみようじゃないか( ・∀・)y―~
272種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/16(金) 23:55:33 ID:???
>>262
おk(・∀・)
(´・ω・`) ノシヤシミー

>>261-268
ま、まったり行こうや(*´・ω・)(・ω・`*)ネー

>>266
漏れの同級にもいたなぁ、選挙権ある工房。。。
ま、トリは覚えとけ〜。ちゃんと来年度以降に来たら、お土産で番外つけとくからヨ
273種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/16(金) 23:56:05 ID:???
>>271
dノシ
274竜水 ◆DlyW/s8ibQ :2005/09/16(金) 23:58:08 ID:???
>>271
三楠です。
275名無しさん@ピンキー:2005/09/17(土) 00:01:15 ID:???
懐かしいな……。
漏れの高校では2連続で留年だと退学だったなぁ。
1・2・3と一回ずつ留年で「イーペイコー」とか言われてたw

んじゃ漏れも落ちるでなー。
復帰初日から波乱の展開だが種変兄貴、ガンガレー(・∀・)ノシ
276種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/17(土) 00:08:51 ID:???
ムーンの服を脱がせだした。

ムーン「や、やめ…やめてっ!」

ムーンは震えながらもキッと竜水を睨む。
しかし、その両腕は抵抗空しく引き裂かれたブラウスによって戒められた。

竜水 「少し大人しくしてろ」

冷たい竜水の声に、ムーンは涙を堪えながら身を硬くした。
白いブラジャーが露わになる。慣れた仕草でそのホックを外す。スカートも
取り去り、ブラジャーと同じ白のショーツも取り去った。

柔らかな白い肢体が木漏れ日の下露わになる。
手にどうにか収まるサイズのお椀型の乳房の頂点はピンク色で、外気に晒され
ツンと上を向いていた。
手を戒められ、足の間に竜水の体を挟ませられている為、その金色の茂みも
明るい朝の光の中、丸見えだ。

ムーン「や、み、見ないでよぉ…っ」

その頬には堪え切れなかった透明な雫が伝わっていた。
背けた顔を伝い、芝生を濡らす。


1.竜水は濡れた芝を見て、ムーンの茂みを濡らすように顔を近づけて舐め始めた
2.「綺麗な肌だな。初めてか?」クスクスと笑いながら乳首を捻り上げる
3.足を持ち、大きく広げさせ、隠された陰部をも日の光の下に曝け出した
4.その他()
277種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/17(土) 00:09:42 ID:???
>>275
ヤシミー(´・ω・`) ノシ
278名無しさん@ピンキー:2005/09/17(土) 00:10:42 ID:???
あ。
何か前に「描いた絵うp汁」とか名無しさん1名に言われたんで、気長に描いてるぞなもし。
多分その名無しさん1名はそん時描いてた絵をうpれと言ったつもりだったンだろうがそれは無理w

兄貴復活祝いぐらいのつもりで、仕上がったらどっかのうpろだに上げるんで探せ(ぉ
あとその絵で正体分かっても黙っとけ(ぉ

ノシ
279竜水 ◆DlyW/s8ibQ :2005/09/17(土) 00:12:47 ID:???
少し変則で
犬の様に四つん這いにさせてから1.
280種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/17(土) 00:14:30 ID:???
>>278
おお(`・ω・´)
探すのか…探してみようホトトギス
了解したぞなもし(´・ω・`) ノシ
281種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/17(土) 00:34:25 ID:???
竜水はムーンの腰を掴むと、グルンッ!とムーンの反転させて膝立ちに
させた。

ムーン「きゃぁッ!」

慌てて芝に手をついて竜水を振り向くムーン。

ムーン「な、何するのッ!?」
竜水 「何って、決まってるだろ」

竜水の手がムーンの白くまろやかな曲線を描く尻を撫でる。
手が滑る感覚に感じるのか、ムーンはヒクンッと背筋を震わせた。

竜水 「“相当遊んでる”って言ったのはムーンだろ。
    じゃ、それが分かるムーンは、遊んでないのか、確かめてやるよ」
ムーン「わ、私は遊んでなんか…ッ!」
竜水 「ああ。こっちは綺麗なピンク色してる…いや、こっちも、か。
    乳首もピンクだもんな」
ムーン「なな、なに言ってるのよぉぉ!!」

恥ずかしそうに身を捩って逃げようとするムーンの腰に腕を回し、引き
寄せると、竜水はそのピンクの肉襞に舌を這わせた。

ムーン「きゃひぅッ!」

大事な場所に初めて触れた濡れた感触に、ムーンはビクンッ!と震える。
暴れる柔らかい肢体を押さえながら、竜水は更に舌を中へと進めた。
ピチャピチャと濡れた音が辺りに響く。
たっぷりと舌に唾液を乗せると、肉襞を舌先で割り開き、筒の中に舌を
伸ばす。抜き差しし、返す刀で肉芽を尖らせた舌先でなぞる。
膣が、竜水の唾液でないモノで濡れてきたのは、それからすぐのこと
だった。


1.「やっぱ遊んでたんだ?」クスクス笑いながら指を入れて中を見る
2.「気分はどうだ、メスイヌ?」囁きながら乳房を揉み、指で中を愛撫する
3.「体は正直だな、淫乱」頭を芝に押しつけ、自身を取り出して陰部に擦り付ける
4.手近にあった大き目の葉っぱを折り、茎をムーンのアナルに差し
  「ほら、尻尾が生えたな。立派なワンちゃんの誕生だ」
5.その他()
282竜水 ◆DlyW/s8ibQ :2005/09/17(土) 00:38:26 ID:???
5.こっちは経験済みかなと、アナルを手近にあった大きめの葉っぱの茎で責める
283名無しさん@ピンキー:2005/09/17(土) 00:38:47 ID:???
やっぱムーンと言えば犬だよなw
284種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/17(土) 00:40:52 ID:???
>>282
…せめて規約読んでくれorz 

・前提として、自由リク選択肢は既存に含まれない行動・台詞を思いついた
 時のみ使用可。
285種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/17(土) 00:41:57 ID:???
ちゅうことで、今のだと、4がそのまま適用になるけどよろしいか?
286竜水 ◆DlyW/s8ibQ :2005/09/17(土) 00:42:31 ID:???
スマソ。
2.でお願いします
287種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/17(土) 01:03:58 ID:???
竜水 「気分はどうだ、メスイヌ?」

後ろからムーンに覆いかぶさり、マシュマロのような乳房に手を這わす。
あくまで優しく揉みしだくその手つきは、嫌がるムーンの体の奥から、隠された
官能というものを呼び覚ましていた。

ムーン「わ、たし、犬なんかじゃ…ひぁっ!」

異論を唱える声も甘い。その声が裏返った。
竜水が、ムーンの割れ目に指を入れたのだ。
指はキツク締め付けるムーンの内部をグチグチとかき回し、中を擦る。
そのキツさは、正に処女のものだった。

竜水 「へぇ…意外だな。ムーンなら、もうとっくに誰かに犯されてておかしく
    ないと思ってたのに」
ムーン「どういう…」
竜水 「文字通り、“何にも知らないお嬢様”ってやつか」

クスクスと笑うと、竜水は探るようにムーンの内壁を指で擦った。

ムーン「やぁ…っやめ……ひぁぅっ!」
竜水 「ムーンはここが感じるんだ?」
ムーン「ち、違うわっ!やだ、もょ助け…っ」
竜水 「助けなんか来ないぜ?とっくに授業中だ」
ムーン「いやぁああッダメッだめなのぉっ!」

竜水は

1.泣きじゃくるムーンの口を、脱がせたパンツで塞ぐと、ムーンの体を反転させ、
  自身を取り出し、正常位で一気に奥まで貫いた。
2.泣きじゃくるムーンに「ムーンは俺のメスイヌだ」と囁き、そのままバックから
  奥まで挿入した
3.指で膣や肉芽を弄りながら、親指でムーンのアナルを開かせ、自身を押し当て
  一気に貫いた
4.その他
288竜水 ◆DlyW/s8ibQ :2005/09/17(土) 01:13:26 ID:???
2.
でお願いします。
フィニッシュは後ろで
289名無しさん@ピンキー:2005/09/17(土) 01:20:52 ID:???
き、鬼畜だ!鬼畜がココにいるぞ!
290種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/17(土) 01:23:00 ID:???
泣きじゃくるムーンの耳元に唇を寄せた。

竜水 「ムーンは俺のメスイヌだ」

低い声と言葉、そして柔らかな白い桃丘に当たる硬い肉棒の感触に、ムーン
は「ひぅっ!」と小さく声を上げて息を飲んだ。
再び「やめて」と騒ぐ間を与えず、竜水は、そのままバックからムーンの膣
に、使い込まれた名刀を奥まで挿入した。

ムーン「〜〜〜〜〜〜〜ッ……!!!」

声にならない声を上げて、ムーンは仰け反り、頬を伝う涙と共に、膣から赤い
涙を一筋溢したのだった。


一日目、一時間目 終了……とぅびぃこんてにぅ。。。。

竜水 ◆DlyW/s8ibQさん、お疲れ様でした。。。。。
291竜水 ◆DlyW/s8ibQ :2005/09/17(土) 01:24:21 ID:???
大変お世話になりましたGM種氏。
292種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/17(土) 01:27:21 ID:???
プレイ&観戦乙&dですた〜(´・ω・`) ノシ
ポイント集計は明日で。
明日は〜…起きたら来て開始になると思いまつ。
下手すると午前中から開始になるやもしれん。
ヒトガイレバネ(´・ω・`) ノシヤシミー
293種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/17(土) 01:31:18 ID:???
>>291
いやいや、楽しんでもらえたなら何より。後は年齢と、マナーを守る心さえ
装備すれば何ら怖れる物はない。
ではな〜ノシ
294名無しさん@ピンキー:2005/09/17(土) 11:43:22 ID:???
おっ種氏復活ですね。病気とかではなく安心しました。

昨日のハイテンションっぷりわかるぞぉ!
漏れも、先週ありえない激務をこなしての3連休。うきゃほほおぉぉぉぉい!
いま起きたばっかりなのにハイテンションだお!
295種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/17(土) 12:47:56 ID:???
>>294
dでつ!ノシ

午前に副業こなしつつ、漏れもとってもハイテンションだお!(`・ω・´)シャキーン
296名無しさん@ピンキー:2005/09/17(土) 12:52:59 ID:???
>>295
うはwwwwww
種ポンwwwww
297種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/17(土) 13:04:39 ID:???
>>296
あ、それロンwwwwww

まぁそんな訳で、ちょいと待機な訳ダヨ小林君
何もせずに待機するのも退屈なものだ。
さぁて募集してしまうべきか待つべきか…
298 ◆vnMt3fk8bc :2005/09/17(土) 13:07:35 ID:???
|ー゚)
|⊂
299種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/17(土) 13:12:16 ID:???
>>298
お!(`・ω・´)来たな!事前予約者ッ!ノシ

早速始めるか?
300 ◆vnMt3fk8bc :2005/09/17(土) 13:20:03 ID:???
>>299
宜しくお願いします
できれば番外編を消化しておきたいのですが、OKでしょうか?
301種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/17(土) 13:24:17 ID:???
うぃ(・∀・)bおk!


竜王「フフフ、来たな。 よ、名前を変えてからプレイするか?」

 1.はい →名前を新しくする
 2.いいえ → で始める

竜王「おお、そうだ!どの書を選ぶんだ?」

 A.恋愛の書:ノマ家の一日
 B.新しく恋愛の書を作る
302 ◆vnMt3fk8bc :2005/09/17(土) 13:26:03 ID:???
>>301
2.いいえ
名前はやっぱりノマイェイで行きます

もちろんAで、双子メイドとラブコメを致したいと思います、竜王さま
303種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/17(土) 13:32:50 ID:???
竜王「フハハハハ!いいだろう!ノマイェイよ!存分に暴れてくるがよい!!」



ノマイェイが登校すると、クラスメイトの女子がノマイェイにニッコリと笑い
かけた。

????「おはよう、ノマイェイ君」
ノマイェイ「あぁ、おはよう○○○○ちゃん」


【○○○○の名前を選んでください】
DQ1
 ローラ
DQ2
 ムーン
DQ3
 女3勇(アヴィ)
 女3賢(カレン)
DQ4
 女4勇(テイア)
 シンシア
 ロザリー
 アリーナ
DQ5
 ビアンカ
 フローラ
 マリア
 タバサ
DQ6
 バーバラ
 ターニア
DQ7
 マリベル
 フォズ
DQ8
 ゼシカ
 ミーティア
304 ◆vnMt3fk8bc :2005/09/17(土) 13:35:48 ID:???
>>303
ここは悩みどころですね・・・

女3賢(カレン)でお願いします
305種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/17(土) 13:54:24 ID:???
ノマイェイ「ああ、おはようカレンちゃん」

話しかけてきたクラスメイトはカレンだった。
カレンは生徒会に入っている所為で、普通の生徒と制服が違う。
白を基調にしたデザインは同じなのだが、ブレザーにプリーツスカートの一般
生徒と違い、胸を強調したカットのブレザーにタイトスカートという、魅惑的
な装いだ。

カレン 「聞いた?今日、先生がたくさんお休みだから、殆どの授業が自習
     だって」
ノマイェイ「いや、聞いてない」
カレン 「午前中の授業は全部自習だって言ってたわよ」

カレンは、のほほんとした調子で微笑んだ。


1.「何かあったのかな?カレンちゃん知ってる?」
2.「じゃ、図書室に行って一緒に勉強しないか?」
3.「じゃ、体育館で体動かさないか?」
4.「そういえば、最近生徒会業務が忙しいんだって?今から手伝うよ」
5.「じゃ、ちょっと忘れもの取りに帰ろうかな…」
6.その他()
306 ◆vnMt3fk8bc :2005/09/17(土) 13:59:00 ID:???
>>305
ここは4番でお願いします
生徒会室で二人っきりというシチュエーションに色々と期待しましょうw
307種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/17(土) 14:13:07 ID:???
ノマイェイ「そういえば、最近生徒会業務が忙しいんだって?」

カレンは、見かけはボンヤリしているが、かなり有能な生徒会長だ。
その所為で、色んな用が生徒会に回されるようになり、業務は多忙を極めて
いるらしい。
カレンは苦笑しながら頷いた。

カレン 「うん。だけど、中間テストが近いから、皆なかなか集まれなくて
     困ってるの」
ノマイェイ「ちょうどいいから、今から手伝うよ」
カレン 「え、いいの?」
ノマイェイ「うん。急な事だし、どうせ自習のプリントも用意されてないん
     でしょ?その方が有意義だし」
カレン 「助かっちゃうな、ありがとうノマイェイ君」

ニッコリ微笑むカレンと共に、ノマイェイは生徒会室に向かった。


☆☆☆☆☆


ほぼ全てのクラスが自習とはいえ、授業中な所為か、生徒会室がある部室棟
には、二人の他に人影はなかった。
図書資料別館に向かう人影が、窓からチラホラと見えるだけだ。
カレンは生徒会室の鍵を開けると中に入る。
ノマイェイは


1.カレンに気付かれないように、後ろ手に鍵を閉めた
2.物珍しそうに辺りを見回した。高そうな家具やカーペットと応接セット
  が当たり前のように置かれている。
3.カレンの机の上に積み上げられた書類の山を見て、苦笑した。
4.後ろ手にドアを閉めると、カレンを背後から抱きしめた
5.後ろ手にドアを閉めると、カレンを背後から乱暴に抱き寄せた
6.その他()
308 ◆vnMt3fk8bc :2005/09/17(土) 14:15:45 ID:???
>>307
やけに魅力的な選択肢がたくさんありますが・・・

ここは3番でお願いします
309種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/17(土) 14:35:35 ID:???
ノマイェイは、カレンの机の上に積み上げられた書類の山を見て、苦笑した。

ノマイェイ「凄い量だね」
カレン 「頑張って1日で全部終わらせても、次の日には山積みになってるの」

カレンも「いつものことよ」と言いながら苦笑した。

ノマイェイ「分かった。じゃ、判子押すだけの書類は俺がやるよ。指定が必要
     なのはカレンちゃんじゃないと判らなそうだし」
カレン 「うん、お願いするわね」

ノマイェイは、応接用のテーブルとソファを借りると、判子と書類を受け取り
作業を始めた…


☆☆☆☆☆

キーンコーンカーンコーン……

チャイムが鳴る。どうやら一時間目が終わったらしい。

カレン 「私たちも休憩にしましょ?」

カレンが生徒会長の机から、ノマイェイに声を掛けた。
ノマイェイは軽く頷くと、グ〜ッと伸びをする。
ずっと同じ体勢でいた所為か、バキボキと背骨や節々がなった。

ノマイェイ「あ〜…」
カレン 「うふふ、お疲れ様」

カレンがコーヒーを手にこちらにやってくる。
書類が濡れないように机の脇に除けると、やけに可愛らしいカップがノマ
イェイの前に置かれる。

カレン 「お客様用のカップをこの前割っちゃって、私の予備カップなんだけど、
     ごめんね」


1.「俺はいいけど…カレンちゃんはいいの?俺と間接キス」
2.「小さいな。女の子って感じだよね」
3.「カレンちゃんのカップ!?(どうやって持って帰ろう?)」
4.「ありがとう、頂くよ」
5.「それより、カレンちゃんの唇から直接飲みたいな」
6.「」(台詞任意)
310 ◆vnMt3fk8bc :2005/09/17(土) 14:43:25 ID:???
>>309
6番
「カレンちゃんに淹れて貰えたってだけで感無量だよ」
311種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/17(土) 15:01:54 ID:???
ノマイェイ「カレンちゃんに淹れて貰えたってだけで感無量だよ」
カレン 「ノマイェイ君てば、お上手ね」

カレンはノマイェイの言葉に、少し頬を染めながら自分のカップに口をつけた。
カレンはミルクと砂糖を入れているようだ。カフェオレ色の液体は、カレンの
艶やかな唇を湿し、小さく動く喉に吸い込まれていく。
ノマイェイも、ブラックのコーヒーに口をつけた。
ほろ苦い酸味と芳しい香りが口の中に広がる。同時に、ノマイェイの心の中に
もフワリと温かいものが広がった。

ノマイェイ「うん、美味しい」
カレン 「本当?よかった」

温かい雰囲気が二人きりの生徒会室に広がる。

キーンコーンカーンコーン

どうやら、2時間目が始まるようだ。

ノマイェイ「さて、俺たちも作業再開しますか」
カレン 「うん。追加の書類持ってくるね」

カレンが、ノマイェイに渡す書類を取りに行こうと立ち上がった。
と、テーブルに体がぶつかって、グラリとその上体が揺れる。

カレン 「きゃぁッ!」
ノマイェイ「危ないッ!」

ノマイェイは咄嗟に手を差し出し、グイッ!と抱き寄せて、抱きとめると、
カレンの体が何処にもぶつからず怪我をした様子がないことにホッと息を
ついた。

カレン 「あ、ありがとう、ノマイェイ君」

咄嗟の事とはいえ、強く抱きしめられ、カレンは頬を染めた。


1.「気をつけて」ニッコリ笑って作業再開
2.「大丈夫?」心配そうに顔を覗き込んで、怪我がないかカレンの体に
  触ってみる
3.「あ、ご、ごめんっ」顔を赤くしながらパッと手を離す
4.「ビックリした…」呟きながらギュッとカレンを抱きしめる
5.「ダメだろ?気をつけないと…」クスクス笑いながらカレンの太股を撫でる
6.その他()
312 ◆PL.VPi2.PE :2005/09/17(土) 15:02:44 ID:???
種GM、お帰りだす(`・ω・´)
1週間のアク禁が解除された!と思った途端、GMが行方不明になって
寂しかっただすよ

では、まったり練金でもしながら観戦させていただきやすノシ
313 ◆vnMt3fk8bc :2005/09/17(土) 15:05:28 ID:???
>>311
ここは無意識のセクハラである2番でお願いしますw

>>312
ラブコメ展開で宜しければごゆっくりどうぞw
314種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/17(土) 15:25:08 ID:???
>>312
タダイマッ(`・ω・´)ノシ
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ノマイェイ「大丈夫?」

ノマイェイは心配そうにカレンの顔を覗き込むと、カレンをソファに座らせ
太股から足首に掛けてを、キュッキュッと手で押さえるようにして押してみた。

ノマイェイ「痛いところ無い?」
カレン 「う、うん、無いみたい」

カレンが恥ずかしさに頬を染めて、俯きながら答える。
ミニのタイトスカートから覗く足は、絹のニーハイソックスに包まれている。
単に怪我をしていないか確認する為にやっていたのだが、絹の滑らかな手触り
と、その下の柔らかな弾力に、ノマイェイも遅ればせながら少し赤くなった。

ノマイェイ「け、怪我は無いみたいだね」

照れながらもニッコリとカレンに笑いかける。
カレンも、下心の薄いノマイェイの様子にホッとしながらも照れたように
微笑んだ。

カレン 「うん、ありがとノマイェイくん」

ほんわかした中にも、ちょっぴりドキドキした空気が生徒会室に広がった。


…と、その時。

ピンポンパンポン♪
『授業中、失礼いたします…』

ノマイェイ「ん?」

こんな授業中に放送?


1.しかも、何だか聞き覚えのある声だなぁ…
2.午後休校にでもなるのかな?
3.先生方が復帰したのかな?
4.何だか、放送の端から変な声も聞こえるなぁ…?
5.煩いなぁ…(生徒会室の放送用スピーカーの電源をoffにする)
6.その他()
315 ◆vnMt3fk8bc :2005/09/17(土) 15:28:05 ID:???
>>314
甘い空気をぶち壊す、ここは1番しかないでしょう!w
316種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/17(土) 15:46:53 ID:???
しかも、何だか聞き覚えのある声だなぁ…

ノマイェイ「誰の声だっけ?」
カレン 「え?先生の声じゃないと思うけど、ノマイェイくん心当たり…」

あるの?とカレンが口に出す直前に、その答えはスピーカーから叫ばれた。

マーニャ『ご主人様〜っ♪ア・ナ・タ・の♪マーニャちゃんが、お忘れ物を
     お届けに来ましたよ〜♪何処に』
姉さんッ!何やってるの!
え?だから放送♪この方が早く見つかるでしょ〜がっ♪
いくら何でもやり過ぎよッ!
え〜?だって、クラスに言ったのに居ないんだもん
ご主人様に迷惑が掛かるんだから止めなさいッ!
一回やってみたかったのよ〜電波ジャック♪

ノマイェイ「………」
カレン 「…知ってる人?」


1.聞かなかった事にしよう「いや、気のせいだった…ってことにしたい」
2.マーニャ…(泣)「ウチの、メイドさん……」
3.他人のフリ他人のフリ「ん?人違いだったみたい(ニッコリ)」
4.忘れ物?急いで取りに行かなきゃ!「うん!俺、ちょっと行って来る」
5.………後でお仕置きだな「うん、カレンに紹介するから、連れてくるね」
6.その他()
317 ◆vnMt3fk8bc :2005/09/17(土) 15:50:23 ID:???
>>316
マーニャさんが某ゲームの腹黒割烹着に被って見えますw

更なるコメディ展開を呼び込めそうな3番でお願いします
318種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/17(土) 16:01:11 ID:???
キョトンとした顔で首を傾げるカレンに、ノマイェイはニッコリ笑いかけた

ノマイェイ「ん?人違いだったみたい(爽笑)」

他人のフリ他人のフリ

ノマイェイの脳内ではその単語がエンドレスで繰り返されていた。
しかし、その言葉もスピーカーから漏れる雑談の所為でピタリと止まった。


姉さん…授業妨害になるから止めなさい
いいじゃな〜い、どうせ何処も自習みたいだし。
マーニャ『ほ〜らさっさと出てこないと、昨日の夜のことと今朝の事、
     たぁっぷり語っちゃうわよ〜ゴ・シュ・ジ・ン・サ・マ♥』

昨日の事と、今朝の事?
昨日…は、耳掻きをしてもらって、気持ちよくてそのまま寝ちゃっただけだし、
今朝の事は…………ハッ!!
け、今朝のことってまさかアノ着替えの…!?


1.急いでマーニャを止めに放送室に駆けつける
2.生徒会室の放送用マイクを使い、マーニャ達に生徒会室に来るように指示する
3.まさか……主人の不利になる事を、メイドがするはずはないよな!
  引き続き他人のフリ
4.とりあえず、カレンと一緒に逃避行
5.その他()
319 ◆vnMt3fk8bc :2005/09/17(土) 16:05:03 ID:???
>>318
マーニャさんがどこまで暴走してくれるか楽しみなので、3番でお願いしますw
320種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/17(土) 16:37:12 ID:???
いやでも……いくらマーニャとはいえ、まさか……主人の不利になる事を、
メイドがするはずはないよな!
それに、ミネアだって止めてくれる筈…
ノマイェイは、頬に一筋冷や汗を垂らしながらも他人のフリを続行した。


ちょ、ちょっと姉さん!?
何よ、ミネアも聞きたくない?昨日の夜、あのカッワイイご主人様がどんな風に私の膝の上で身悶えたのか…(ンッフフフフ♥)
え…(ドキッ)……ハッ!き、…聞きだなんて思ってませんッ!
まぁたまたぁ!無理しちゃって♪


スピーカーから漏れてくる雑談に、思わず固唾を呑んでしまうノマイェイ。

ノマイェイ(そうだミネア!頑張れミネア!負けるなミネア!)

ノマイェイの人権は今、ミネアの手に委ねられているんだ!


いいのよぉ〜、ミネア?ご主人様が、どんな風に私の上で鳴いたのか、聞いてみたいでしょう?
ね、姉さんッ!!


1.……もう耐えられないッ!マーニャのところに駆け出す
2.ミネア頑張れッ!心の中で拳に汗しつつエールを送る
3.「そんな…俺鳴いてないもん」真っ赤になって俯く
4.その他()
321 ◆vnMt3fk8bc :2005/09/17(土) 16:39:43 ID:???
>>320
4番
「耳掻きして貰っただけだろうが!」生徒会室のマイクで叫ぶ
322種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/17(土) 16:54:53 ID:???
まるで中年エロオヤジのようなマーニャの言葉に、ノマイェイは顔を真っ赤
にして生徒会室のマイクに駆け寄った。

カレン 「あ、ノマイェイく…」
ノマイェイ『耳掻きして貰っただけだろうが!』

スイッチを思いっ切り押して、ノマイェイはマイクに叫んだ。
スピーカーから大音量のノマイェイの声が学校中に響き渡った。

マーニャ『ご主人様み〜つけた♪』

どうやら放送室の中にあるオンマイクランプで、ノマイェイが生徒会室にいる
ことが分かったらしい。
ニ〜ッコリしているだろうマーニャの顔が、頭に思い浮かび、ノマイェイは
頭を抱えた。


見つけたじゃないでしょう!
まぁまぁ、それより居場所が分かったらこんな所に長居は無用よ!
(ガラッ!)
貴方たち何をしてるんですかッ!
逃げるわよミネア!
姉さんッ!!


マーニャがマイクのスイッチを切ったのか、その後の言葉はスピーカーから
流れてこなかった。
ノマイェイは溜息を吐くと、思い切り脱力してその場にへたり込んだ。

カレン 「…大丈夫?ノマイェイくん?」

心配そうに覗き込んでくるカレンにも、疲れたような笑顔しか返せない。

ノマイェイ「うん…ごめんね、カレンちゃん」
カレン 「いいの。それより、コーヒー淹れなおそっか。冷めちゃったしね」
ノマイェイ「うん」

ノマイェイは、マーニャとミネアが生徒会室に来る時までの少しの平穏を、
この際存分に味わっておくことにして、ソファに腰掛けた。



番外編:ノマ家の一日 2ndstage END。。。


恋愛の書に記録しますか?
1.記録する
2.記録しない
323 ◆vnMt3fk8bc :2005/09/17(土) 16:58:26 ID:???
>>322
もちろん1番で、記録します

何だか随分長く時間を頂いてしまってw
終始ニヤニヤしっぱなしでした、マーニャさん最高ですw

では、こちらはこれで失礼しますね
GMさんも長時間お疲れ様でした

|ー゚)ノシ
324種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/17(土) 17:04:21 ID:???
恋愛の書に記録しました。

ノマイェイ◆vnMt3fk8bc さん、長時間 お疲れ様でした。。。。


>>323
d&乙ノシ
時間的にはそんなことも無かったり(w
番外はいつもこの位でつよw……多分。

マタ(´・ω・`) ノシネー
325種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/17(土) 18:26:38 ID:???
さて、昨日のプレイ結果をハピョーウヽ( ・∀・)ノ
ムーンは初っ端から上がり下がりが激しいな(w
ちなみに、パラメータは255が最高値でつ(w

今回の好感度、その他
==================================

それとも…
【ムーンの好感度が少しUPした!】 +4

髪にキスして…
【ムーンの好感度がdownした!】−7
【ムーンの隷属度がUPした!】+12

組み敷いた後
【ムーンの好感度がdownした!】−7
【ムーンの隷属度がUPした!】+12

泣きじゃくるムーンを…
【ムーンの好感度がdownした!】−7
【ムーンの隷属度がUPした!】+12

濡れるムーンに…
【ムーンの好感度がdownした!】−7
【ムーンの隷属度がUPした!】+12

助けを呼ぶムーンに…
【ムーンの好感度が大きくdownした!】−10
【ムーンの隷属度が大きくUPした!】+15
【ムーンの特性判定に『裏切』発動】
【以降の特性判定が、『裏切』時の物に変更になりました】


結果(◆→パラメーター変化)
===========================
好感度/隷属度

◆ムーン   −1 /╋63 肉奴隷 院生 【裏切】
 カレン   +19/±0  友達 【指名可】
 マリベル  +16/±0  友達  園生
 フローラ  +10/±0  友達  院生
 ミネア   +8 /±0  友達  院生

 ????  +9 /╋3  友達  院生
 ????  +3 /±0  友達  院生

===========================

登場2回目で【裏切】点灯…好感度が上がりにくくなってしまった!
これからどうなるムーンたん!
純愛路線には戻れるのか!?それとも鬼畜調教路線を突っ走るのか!?
(ちなみに、好感度=主人公への想い、隷属度=体の反応と考えて良し)
326種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/17(土) 20:43:34 ID:???
今夜は22:00開始予定で、21:30から募集。
んで、明日早いんで1:00までには終わらせる予定。
327種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/17(土) 21:33:37 ID:???
募集あげ!
多分すぐには人が来ないと見当をつけ、属性関係の表はこれからうp。
328 ◆PL.VPi2.PE :2005/09/17(土) 21:33:56 ID:???
観戦希望ノシ
329名無しさん@ピンキー:2005/09/17(土) 21:36:14 ID:???
19秒差・・・
おらの挑戦は先は長いだす
( ´・ω・`)_且~~ イカガ?
330種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/17(土) 21:40:02 ID:???
>>329
dノシ ~~且_(・ω・`*)
とりあえず、20秒は切ってるから、2ndSTAGEポールポストにしとく。

ってことで、初期ポールポスト:“高速の勇者カイル”で。
331名無しさん@ピンキー:2005/09/17(土) 21:40:16 ID:???
おや……久しぶりに来てみれば昨日から再起動したようじゃのう
どれ、わしも負けておれんな…よっせっ!……グギィッ!!

おわぁっ!腰が…こしがぁぁっ!

トイウワケデカンセンシマス
332種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/17(土) 21:40:57 ID:???
…中華、前に居たか?2nd入ってからのポールポスト。
休みが多かった所為かうろ覚えだ…
333種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/17(土) 21:42:53 ID:???
>>331
観戦ガンガレ。・゚・(ノ∀`)・゚・。
334 ◆PL.VPi2.PE :2005/09/17(土) 21:46:42 ID:???
>>332
ポールを取った本人が覚えてるかもしれないだすよ
次はプレイヤー応募本番で頑張りやす(`・ω・´)シャキーン

>>331
お腰をお揉みするだすよ
335名無しさん@ピンキー:2005/09/17(土) 21:49:07 ID:???
>>333
あっ、GMゾロ目だすよ・・・(*^ー゚)b オメデトン
336種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/17(土) 21:56:15 ID:???
どうやら2nd入ってからのポールポストは居らんかったようだ…。
中古とで、2nd初期ポールポストは

19秒 “高速の勇者”カイル◆PL.VPi2.PE氏!

18秒以内からのスタートだな。

【既出ヒロイン】
ヒロイン   |特性       |好感度/隷属度|関係  |特記
=====|====== |======= |===|====  
 ムーン  |お嬢様・気丈  |−1 /╋63   |肉奴隷|院生【裏切】
 カレン   |純情・エロ    |+19/±0    |友達  |【RH:指名可】 
 ミネア   |しっかり・苦労症|+8 /±0   |友達  |【占いの館】院生
 フローラ |お嬢様・温和  |+10/±0   |友達  |【学級委員】院生
 マリベル |勝気・幼馴染  |+16/±0   |友達  |【お隣さん】園生
 
 ???? |???・??? |+9 /╋3   |友達|院生
 ???? |???・??? |+3 /±0   |友達|院生
(DQ学園生→園生、DQ学院生→院生、ロザリーヒル→RH) 
【裏切】→主人公が一定の属性を持つ女の子を傷つけると、発動。
     女の子の好感度が上がりにくくなります。
337種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/17(土) 21:58:09 ID:???
>>334
ログ確認してきたが、居らんかった(・∀・)

>>335
ありがd(゚∀゚)ノシ
338種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/17(土) 21:59:22 ID:???
>>336訂正
×【裏切】→主人公が一定の属性を持つ女の子を傷つけると、発動。
     女の子の好感度が上がりにくくなります。
○【裏切】→主人公が一定の属性を持つ女の子を傷つけると、発動。
     指定のついた女の子の好感度が、上がりにくくなります。
339種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/17(土) 22:06:22 ID:???
希望者無しか…

次の募集は22:30でつノシ
340 ◆OJZzSer1g6 :2005/09/17(土) 22:16:29 ID:???
おや、もしかして誰も参加表明無かったの?
てっきり締め切ったと思ってたorz
341種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/17(土) 22:19:41 ID:???
>>340
おぁ?いやいや、参加表明無しダターヨ。
観戦表明は2件あり申したが(w

参加しるか?
342 ◆OJZzSer1g6 :2005/09/17(土) 22:21:56 ID:???
>>341
おkなら参加しまっせ(・∀・)!!
343名無しさん@ピンキー:2005/09/17(土) 22:22:47 ID:???
観戦なら鳥を付けない方がいいな。まぎらわしいから
漏れも勘違いしてたし
344名無しさん@ピンキー:2005/09/17(土) 22:24:26 ID:???
>>340
紛らわしくてすまんかっただす(´・ω・`)

まだ観戦待ちしてるだす
参加表明なら、お礼にキッスをあげ・・・いや、何でもないだすΣ(´Д`lll)
345名無しさん@ピンキー:2005/09/17(土) 22:26:11 ID:???
>>343
本当にすまんだす。・゚・(ノ∀`)・゚・。
346 ◆OJZzSer1g6 :2005/09/17(土) 22:26:52 ID:???
>>343
漏れも同意〜

>>344
だ が 断 る !
女性なら話は別ダスがw
347種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/17(土) 22:27:55 ID:???
早称号取りは鳥つきが原則だからな〜(w
称号取りのみの観戦希望は、今度から名前欄に「観戦希望」入りでにしてもらおうか


>>342
おk(・∀・)

さてどれで逝く?

1.本編へGO!
2.番外(女の子達相手)へGO!
3.番外(ショタッ子相手)へGO!
4.何を血迷ったかGSってみる(女性用落としゲーver.)
5.恋愛の書をロードする(修学旅行編 【テイア・アリーナ・フォズ】)
348 ◆OJZzSer1g6 :2005/09/17(土) 22:30:49 ID:???
>>347
総入れ歯…じゃなくてそういえば番外編まだ残ってたんだったな。
覚えている人はいるのだろかw

でも今回は本編へGO!…してもいい?(´・ω・`)
349名無しさん@ピンキー:2005/09/17(土) 22:33:11 ID:???
>>346
女なら誰でもいいだすかw
ならチュッ(´ 3`)-☆

>>347
了解だす(’◇’)ゞラジャ


以後、おとなしく観戦するだすノシ
350種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/17(土) 22:35:23 ID:???
>>348
むしろ、昔のログをサイト作ってうpしようかと思ってるところナリよ

おk(・∀・) ナリよキテレツ



命名神マリナン様が告げる…
マリナン「◆OJZzSer1g6よ、名前を変えてからプレイしますか?
     貴方の名前をロードしますか?」
    (前回の名前は竜水。ロードする名前はアッシュ)

 1.はい →名前を新しくする
 2.いいえ →竜水で始める
 3.ロードする→アッシュで始める
351種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/17(土) 22:37:30 ID:???
>>346>>349
このスレ、乙女回路搭載者は中々に居そうな気配よな…(w
352 ◆OJZzSer1g6 :2005/09/17(土) 22:38:06 ID:???
>>349
女だったダスか!?(;゜д゜)Σ
生まれる前から好きだったダス――――!!

ε==ヽ(*´∀`)ノ [酒池肉林]


>>350
おkダスか、頃助(・∀・)

それでは…どうせだから心機一転で新たな名前でも考えるダス(*´∀`)

1で逝くダス!つ凸 ポチッ
353種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/17(土) 22:41:17 ID:???
マリナン「新しき名前をお言いなさい」

名前を入力してください
「  」
354 ◆OJZzSer1g6 :2005/09/17(土) 22:43:18 ID:???
>>353
ヒビk…いやいやw
「リック」で つ凸ポチッ
355種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/17(土) 22:52:58 ID:???
マリナン「勇者リックに精霊の加護がありますように」



リックは、キツく息子を締め付けながらしゃくりあげるムーンを、どこか冷めた
瞳で見つめていた。
しゃくりあげられる度に、ムーンの体が震え、それがダイレクトに股間に伝わる。
キュッ、キュッ、と震えながら締め付けられる動きに、リックは肉欲を感じていた。


1.しかし、それに反して頭はムーンの涙が零れる度に冷めていく。
  「…どうして泣くんだ、ムーン?」リックはムーンの頬を撫でた。
2.「泣くほどいいのか?処女の癖に淫乱な奴だな」クスクスと笑うと、リックは
  奥を突き上げる。ムーンに、犯されているという事実を突きつけるように。
3.「つまらないな。もう抵抗は止めたのか」リックは、ムーンを煽るように
  耳元に囁いた。
4.その他()
356リック ◆OJZzSer1g6 :2005/09/17(土) 22:57:33 ID:???
>>355
今更優しい言葉を掛けてもどうせいとw
それでもチャレンジするのが俺のジャs(ry

そんなんで1を選択〜つ凸ポチッ
357種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/17(土) 23:09:32 ID:???
しかし、それに反して頭はムーンの涙が零れる度に冷めていく。

リック「…どうして泣くんだ、ムーン?」

リックはムーンの頬を撫でた。
今まで、リックに近づいて来た女というモノは、自分の体や金を目当てに擦り
寄って来るような人種しか居なかった。
それに唯一当てはまらないのは、幼馴染であった(ことは彼女は忘れている)
マリベルだけ。
マリベル以外は、抱かれれば喜ぶ。
そう認識していたリックは、止まらないムーンの涙に軽く眉を顰めると、
濡れた頬を指で撫でた。

頬に触れる指に、ムーンがビクンッと震える。
しかし、その指は優しく頬を撫で、雫を拭い取った。
その動きに、浅く息を吐きながらムーンはリックを見上げた。

ムーン「好きでもない、ヒトに、穢され、て…喜ぶと、思ったの…?」

戸惑いを隠せないリックをキッ!と睨むと、ムーンはグッと奥歯を噛み締め
た。


1.「お前もその気があったから、人気の無い場所を選んだんだろ」
2.「………好きな奴でもいるのか?」
3.「…こうすれば、喜ぶんじゃないのか?」
4.「喜ぶ体にしてやるよ。俺が、躾けてやる」
5.「」(台詞任意)
358名無しさん@ピンキー:2005/09/17(土) 23:13:02 ID:???
前の主人公より数倍歪んだ人生送ってきてるなw
359リック ◆OJZzSer1g6 :2005/09/17(土) 23:15:01 ID:???
>>357
なんだか外道に走りそうな状態ダス(;´д`)
それでもチャr(ry

4にするだす つ凸ポチッ
360種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/17(土) 23:31:01 ID:???
反抗的なムーンの瞳を、リックはしばしジッと見つめていた。
頭の芯は冷めていく。しかし、原因は判らない。
不快な頭の冴えに眉を顰めながらも、リックはクッと笑った。

………確かめればいい。俺が正しいのか、コイツが正しいのか。

リック「…嫌なら、感じないよな。」
ムーン「え…?」
リック「本当に嫌なら、濡れないんだ、女の体ってのは」

そう呟きながら、リックは自分の指を舐めて濡らすと、ムーンのクリトリス
に滑らせた。
快楽に免疫の無いムーンは、軽くそこを擦られただけで、ヒクンッと体を
震わせる。

ムーン「ンンッ!」
リック「好きでもない奴にされるのが嫌なら、感じない」

感じてるなら、嫌じゃないってことだ。

そう言外にいいながら、リックはニヤリと笑った。

リック「喜ぶ体にしてやるよ。俺が、躾けてやる」
ムーン「そんな体になるわけ…っ」
リック「なったら、俺が正しい。ならなかったらムーンが正しい。
    ……賭けようぜ。俺が勝ったらムーンは俺の犬」
ムーン「勝手なこと言わないでッ!」
リック「俺が負けたら、お前が好きなようにしろよ。慰謝料でもなんでも
    払ってやる。」
ムーン「そういう問題じゃ…はぁんっ!」


1.クリトリスと乳首を優しく愛撫する
2.クリトリスを葉っぱで擽りながら、唇にディープキス
3.乳房を揉みながら、ゆっくりと腰を動かし始める
4.その他()
361リック ◆OJZzSer1g6 :2005/09/17(土) 23:34:49 ID:???
>>360
ヤバイ!この主人公ヤバイよ(lll゜д゜)Σ
こうなったら逝くとこまで逝くしか

2にするダス つ凸ポチッ
362種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/17(土) 23:59:43 ID:???
手近にあった柔らかな葉っぱを手折り、クリトリスを擽るリックの責めに、
ムーンは甘い声を上げて再びヒクヒクと体を震わせた。

リック「指でされるのと、どっちがいいんだ?」
ムーン「やぁ…っ、も、ょぉ…っ」
リック「中…濡れてきてるぜ?」

葉っぱの先でクリトリスを苛めながら、リックはムーンの中を軽く突いた。

グチュン…ッ

水音がして、ムーンは衝撃に仰け反る。
そこから聞こえたのは確かに濡れた音で、そこから伝わるのは確かに快感だ
った。
ムーンの瞳に暗い影が差す。

自分の体は、好きでもない相手に反応している。
嫌なのに…感じている。

嫌ならば感じないと言ったリックの言葉を否定できる知識は、お嬢様育ちの
ムーンの中には存在しない。
自分より慣れているであろう相手の言葉を、鵜呑みにしてしまえる程には、
ムーンは世間知らずだった。

本当は…私は嫌じゃないのだろうか?
そんなことは無い。現に、好きなヒトだっている。
でも、好きじゃないヒトに犯されて、感じているコレは…紛れも無い快楽。

ムーン「ぁ…ぁあぁぁ……っ」

ムーンの瞳から涙が零れ落ちる。
頬を伝い、ムーンの壊れた心の欠片のように、芝生に滴り、散った。
リックは、その頬を優しい手で撫でた。

ほら、自分は正しかった。こうすれば喜ぶんだ、女というモノは。

リックはムーンの柔らかな唇を自分の唇で塞ぐと、舌を絡める。
ムーンは、一度ビクンッと全身を痙攣させたが、全てを諦めたかのように
瞳を閉じた。


―――――突き刺さるような胸の鈍い痛みを無視しながら、リックはその甘い唇を堪能した。



1.そのまま四つん這いで後ろから攻めて、背中に
2.ムーンの体を引っ繰り返して正常位で胸に
3.ムーンの体を引っ張り起こして、背面座位で中田氏
4.ムーンの体を横に寝かせて、燕返し(横臥交差位)後、顔射
363リック ◆OJZzSer1g6 :2005/09/18(日) 00:05:24 ID:???
>>362
やはり最後は……

3でお願いするダス つ凸ポチッ
364種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/18(日) 00:43:58 ID:???
唇が離れる頃には、ムーンは抵抗するのを忘れていた。
いや、リックに忘れさせられていた。
芝生に四つん這いになりながら、はらはらと涙を溢すムーンを、リックは後ろ
から抱き起こし、胡坐をかいた自分の膝に据わらせた。
当然深くなる挿入に、ムーンの中がグチュゥッ、とはしたない音を立てる。

ムーン「はぅん…っ」

奥を貫く肉棒にムーンが甘く喘ぐ。その太股を掴み、引き上げると、リック
は手を離した。
自重でムーンの体は下へと落ち、内壁はリックの剛棒と擦れながら奥まで貫か
れる。それに合わせてリックも腰を突き上げた。

ムーン「ぁああっ!」

ジュパンッ!と淫らな音が明るい周囲に響く。ムーンの体は仰け反り跳ねた。
リックは柔らかい胸を揉みながら、何度もそれを繰り返した。
亀頭ギリギリまで引き抜いたかと思えば、ムーンの体が落ちてくるのを待たずに
最奥まで突き上げたり、先程クリトリスを苛めていた葉っぱの茎で、ムーンの
尿道を苛めたり、濡れるムーンの頬や戦慄く唇に舌を這わせたり…しかし、
絶頂を迎えそうになると突き上げをやめ、はぐらかされ、永遠かとも思える
快楽地獄。
リックからすれば甘い…ムーンにすれば初めてにしては濃すぎる内容の交わりを。
365名無しさん@ピンキー:2005/09/18(日) 00:44:15 ID:???
GMさーん、寝落ちでやすか?

観戦の最速ものは眠気が限界でつ
すみませんが、先に逝きやす⊂⌒〜⊃*。Д。)-з


リック ◆OJZzSer1g6 たん、おやすみだすノシ
366種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/18(日) 00:45:09 ID:???

10分も経たずに、ムーンの理性は限界に来ていた。

ムーン「もう……ゆるして……」

無意識に呟かれた言葉は、ムーンの心がリックに屈服した事を伝えていた。
リックはムーンを「綺麗だ」と言った時と同じように、優しい笑顔を浮かべた。

リック「イカせて欲しいか?」
ムーン「イカ……せて……も、…やぁ……」

続きすぎた快楽に理性が飛んでいるのか、ムーンはゆっくりと頷いた。
秘部からは、収まりきらない愛液が太股を伝い、彼女の茂みやリックの股間を
濡らしている。
先程の抵抗からは考えられないムーンの変化に、リックはニッコリと笑いかけた。

リック「分かった、イカせてやる」

途端にリックの動きは、先程の猫が獲物をいたぶる様な攻めではなく、
自分の快楽を追及するかのような激しいものに変わった。
ムーンは奥を2、3度擦られただけで初めての絶頂を迎えた。

ムーン「ひぁうっ!」

ビクンッとムーンの体が痙攣して硬直する。
しかしそれに構わずリックが肉棒を引き抜き、ズヌ、と奥まで突き上げる。

ムーン「ぁあああッ!」

先程より大きな声が辺りに響いた。強すぎる快楽に、ムーンが2度目の絶頂を
迎えたのだ。こうなると、女の体というモノは何度も絶頂を迎えることが出来る。
リックが達するまでの間、ムーンは引っ切り無しに淫らな声を上げ、二人の股間は
ムーンの愛液で洪水のように濡れた。

リック「中に、出すぞ」
ムーン「はぁあっ!きゃぅッ!あァアアアッ!」

リックの声が聞こえていたのか、居なかったのか…
ドクドクと中に注ぎ込まれた熱い粘液を、ムーンはピクンッ、ピクンッ…と
爪先を震わせ、荒い息をつきながら中へと受け入れ、気を失った。


1.引き抜いて、そのまま放置。
2.抜かないまま、頬を軽く叩いて起こす。
3.後処理をし、保健室に連れて行く
4.自分のブレザーを羽織らせ、起きるまでそのまま抱きしめている
5.その他()
367種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/18(日) 00:47:01 ID:???
>>365
す、スマソ(汗)orz
選択肢は今日はこれで終了ナリ
選んでいって欲しいナリ(w;
368名無しさん@ピンキー:2005/09/18(日) 00:47:52 ID:???
>>364
いっらしゃっただよ、失礼しまつたでつ
おやすなさいだす〜ノシ
369種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/18(日) 00:49:52 ID:???
>>368
遅くなっちまってスマソナ(´・ω・`) ノシヤシミー
370名無しさん@ピンキー:2005/09/18(日) 00:50:39 ID:???
漏れならここでもう一戦うわなにをするやめr
371リック ◆OJZzSer1g6 :2005/09/18(日) 00:54:39 ID:???
>>365
モツカレダスノシ

>>366
モツカレ様ダス、種GMノシ

ここで優しさ(?)発動
4を選択するダス つ凸ポチッな
372種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/18(日) 01:10:48 ID:???
>>370
それもまた一興うわなにおするやめr
>>371
モツカレーノシ
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
くったりと自分に凭れかかるムーンの体を抱き寄せると、リックはその体に
自分のブレザーを羽織らせた。
汗ばんだ額に張り付いた前髪を掻き上げてやり、頬を伝う涙の後に舌を這わ
せる。

その瞳は、どこか寂しげだった。
何かが満たされないまま、リックはムーンの体を緩く抱きしめる。

ジッとムーンの顔を見つめる。

リック「マリベルは……ソバカスがあるんだよな。それに髪も、金色でも、
    もう少し蜂蜜みたいな色してたし…いや、今もそうだったっけ」

女の子を抱いた後にはいつも、自分を特別扱いしなかった少女を思い出すのが
リックの癖になっていた。
そしてリックは、まるで自分を忘れていた少女の今朝の様子を思い出して、
溜息を吐いた。

リック「………アイツだけは、違うと思ってたのに………」

優しく抱きしめたその少女はどうなのだろう?
壊した後になって、リックは初めて彼女の事を気にし始めた……


一日目、ニ時間目 終了……とぅびぃこんてにぅ。。。。

リック ◆OJZzSer1g6さん、お疲れ様でした。。。。。
373リック ◆OJZzSer1g6 :2005/09/18(日) 01:13:19 ID:???
>>372
改めてモツダスノシ
今日はご苦労さまダスた(`・ω・´)
374種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/18(日) 01:13:52 ID:???
遅くなっちまって申し訳なくm(_ _;)m
結果はまた明日でノシ
375種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/18(日) 01:15:19 ID:???
>>373
d&モツノシ
こっちこそ、待たせちまってスマソカタ(´・ω・`;)
376リック ◆OJZzSer1g6 :2005/09/18(日) 01:19:45 ID:???
>>375
いやいや、幾らでも待てますからのぉ
種さんこそゆっくり休んでら〜ノシ
377種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/18(日) 01:23:10 ID:???
>>376
dでつ(`・ω・´)
ヤシミー(´・ω・`) ノシ
378名無しさん@ピンキー:2005/09/18(日) 22:02:49 ID:???
舌の上で種変GMがシャッキリポンと踊りよるわ!
379名無しさん@ピンキー:2005/09/18(日) 22:25:03 ID:???
GMを食ったら話が続かんだすよw
ほらすぐにペーして吐き出すんだす
380名無しさん@ピンキー:2005/09/19(月) 01:06:00 ID:???
GMはこくまろ絶品だぜよ
381名無しさん@ピンキー:2005/09/19(月) 02:34:34 ID:???
でましゅっこくまろみるくでましゅっ
382名無しさん@ピンキー:2005/09/19(月) 09:58:19 ID:???
ガ━━ΣΣ(゚Д゚;)━━ン!!
喰われたのか種GM
383名無しさん@ピンキー:2005/09/19(月) 12:33:28 ID:???
※お願い 
このコピペをみたら違う板の違うスレに5つ貼り付けてください。

今、モナー、モララーに酷似したキャラ「のまねこ」はエイベックスに著作権を奪われています。
一応「のまねこ」ですが、ただたんなるモナー、モララーです。このままでは危ないです。危険です。
モナーを助けるには、今のままではいけません。どうかおまいら、今だけ力を貸してくれ。 頼んだぞ!!

【avex】モナーを救え@キャラサロン【のまネコ】
http://sakura02.bbspink.com/test/read.cgi/erochara/1126675102/l50

エーベッ糞の不買に協力を!
384名無しさん@ピンキー:2005/09/20(火) 14:23:17 ID:???
Feel Good Inc.
385名無しさん@ピンキー:2005/09/21(水) 07:22:00 ID:???
hosyuhosyu
386名無しさん@ピンキー:2005/09/22(木) 23:01:00 ID:???
保守
且⊂(゚∀゚*)ウマー
387名無しさん@ピンキー:2005/09/23(金) 11:31:42 ID:???
ねえ…おとっつあん!GM食われちまっただよ!
388名無しさん@ピンキー:2005/09/23(金) 14:22:01 ID:???
ローラや落ち着くだす
まだ消化されてなければ復活できるだすよ(´Д⊂グスン
389 ◆GM/x/EtttA :2005/09/23(金) 21:17:22 ID:???
消化されずに復活!
……でも開始は23時過ぎな罠。
とりあえず風呂に行って来るだ
390名無しさん@ピンキー:2005/09/23(金) 21:22:31 ID:???
>>389
これでも飲め!
つ【ロボビタンD】
391名無しさん@ピンキー:2005/09/23(金) 21:35:40 ID:???
じゃあオラはGMの風呂覗いてくるだよ

(=゚ω゚)ノ■<ボクハ、ハンディカム
392名無しさん@ピンキー:2005/09/23(金) 21:36:29 ID:???
>>391
タシーロタイーホ ノ∞
393名無しさん@ピンキー:2005/09/23(金) 22:29:15 ID:???
>>392
ペ・ヨンジュンスマイルで回避
394 ◆GM/x/EtttA :2005/09/23(金) 23:06:23 ID:???
4様スマイルでか…だがそれが通用するのは、世の奥様方にのみ!(ピシャーン!

ということで募集でつよノシ
395 ◆dY.GZB.J4w :2005/09/23(金) 23:08:01 ID:???
ノシっとな
396名無しさん@ピンキー:2005/09/23(金) 23:09:43 ID:???
く、遅かったか。ガンガレ
397 ◆dY.GZB.J4w :2005/09/23(金) 23:10:24 ID:???
別にやりたいなら変わってもおk
398 ◆dY.GZB.J4w :2005/09/23(金) 23:28:30 ID:???
って柚って書くの忘れてた。スマソ
でも誰もいないかな?
399 ◆GM/x/EtttA :2005/09/23(金) 23:29:09 ID:???
で、そのままでいいのか?


ログ編集に少し手間取った。
もすこしまってけろ
400 ◆dY.GZB.J4w :2005/09/23(金) 23:31:15 ID:???
とりあえずGMが書き込むまでは柚でいます
401種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/23(金) 23:51:31 ID:???
前回の好感度、その他
==================================

しゃくりあげるムーンに
【ムーンの好感度が少しUPした!】 +1
【ムーンの隷属度が少しdownした!】−6

「喜ぶと思ったの? 」
【ムーンの好感度が少しdownした!】−3
【ムーンの隷属度が少しUPした!】+6

賭けの開始
【ムーンの隷属度がUPした!】+12

愛撫1
【ムーンの隷属度が大きくUPした!】+15

事後
【ムーンの好感度が大きくUPした!】+10
【ムーンの隷属度が大きくdownした!】−15



結果(◆→パラメーター変化)
===========================
好感度/隷属度

◆ムーン   −7 /╋75 ペット  院生 【裏切】
 カレン   +19/±0  友達 【指名可】
 マリベル  +16/±0  友達  園生
 フローラ  +10/±0  友達  院生
 ミネア   +8 /±0  友達  院生

 ????  +9 /╋3  友達  院生
 ????  +3 /±0  友達  院生

===========================


【既出ヒロイン】
ヒロイン   |特性       |好感度/隷属度|関係  |特記
=====|====== |======= |===|====  
 ムーン  |お嬢様・気丈  |−7 /╋75   |肉奴隷|院生【裏切】
 カレン   |純情・エロ    |+19/±0    |友達  |【RH:指名可】 
 ミネア   |しっかり・苦労症|+8 /±0   |友達  |【占いの館】院生
 フローラ |お嬢様・温和  |+10/±0   |友達  |【学級委員】院生
 マリベル |勝気・幼馴染  |+16/±0   |友達  |【お隣さん】園生
 
 ???? |???・??? |+9 /╋3   |友達|院生
 ???? |???・??? |+3 /±0   |友達|院生
(DQ学園生→園生、DQ学院生→院生、ロザリーヒル→RH) 
【裏切】→主人公が一定の属性を持つ女の子を傷つけると、発動。
     女の子の好感度が上がりにくくなります。
402種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/23(金) 23:53:13 ID:???
……違うorz間違った(汗)

ムーン好感度
 × −7
 ○ +7
403種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/23(金) 23:55:58 ID:???
さぁて開始でつよ!(おまたせしましたm(_ _)m)

命名神マリナン様が告げる…
マリナン「◆dY.GZB.J4wよ、名前を変えてからプレイしますか?
     貴方の名前をロードしますか?」
    (前回の名前は 。ロードする名前は )

 1.はい →名前を新しくする
 2.いいえ →リックで始める
 3.ロードする→ほうちょうで始める
404 ◆dY.GZB.J4w :2005/09/23(金) 23:58:50 ID:???
新章でも変えないで3で行きます!
405名無しさん@ピンキー:2005/09/24(土) 00:03:51 ID:???
ほうちょうか、懐かしいな、ガンガレ!w
406種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/24(土) 00:04:11 ID:???
マリナン「勇者ほうちょうに精霊の加護がありますように」



しばらくして。


そろそろムーンが目を覚ましそうだ。



1.もっとよく躾ける
2.その場に放置
3.ブレザーをかけたまま寝かせておく
4.保健室に連れて行く
5.その他()
407 ◆dY.GZB.J4w :2005/09/24(土) 00:06:55 ID:???
>405
thx!
>>406
保健室には誰が?って事で4
408種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/24(土) 00:17:46 ID:???
ほうちょうは、ムーンから息子を引き抜くと、慣れた手つきで服を着せ、
ボタンの飛んだムーンのブラウスを自分のブレザーで隠し、抱き上げた。

ほうちょう「…今日は、よく人を運ぶ日だな」

そんなことを呟きつつ、ほうちょうは保健室に向かった。


☆☆☆☆☆


保健室のドアを開ける。先生は不在のようだ。
そういえば、朝も先生が不在だった気がする。

ほうちょう「職務怠慢だな…」

そのお陰で、こんな様子の女の子も気兼ねなく運び込めたが。
ほうちょうは、ムーンを空いているベッドに寝かせた。


1.ムーンの寝顔をジッと見つめる
2.ムーンを再び犯す
3.朝の女の子の様子を見に行く
4.昼寝する
5.その他()
409 ◆dY.GZB.J4w :2005/09/24(土) 00:20:21 ID:???
マターリと1で
410種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/24(土) 00:32:50 ID:???
その寝顔をジッと見つめる。
透き通るような細く柔らかい金色の髪が、枕やシーツに広がっている。
その顔色は、先程の強姦の所為か、頬を上気させながらもどこか苦しげだ。
先程まで淫蕩な顔で喘いでいたのが嘘のように、気品のある愛らしい顔立ち
をしている。
睫毛は長く、頬は薄紅。
正に美少女を絵に描いたかのような女の子だ。


ジーッとほうちょうがムーンの寝顔を見つめていると


1.ムーンの瞼がピクンッと動き、ゆっくりと目が開いた。
2.「ふぁあ〜〜っふ」隣のベッドから欠伸が聞こえてきた。
3.ムーンの体がピクンッと動き、内股をほうちょうの白濁が伝い落ちた。
4.その他()
411 ◆dY.GZB.J4w :2005/09/24(土) 00:35:04 ID:???
先生居ないのか(´・ω・`)
新しい出会いを求め2!
412名無しさん@ピンキー:2005/09/24(土) 00:51:04 ID:???
多分朝の女の子じゃないかと思うんだ
413種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/24(土) 00:56:44 ID:???
????「ふぁあ〜〜っふ」

隣のベッドから欠伸が聞こえてきた。
どうやら、今朝ベンチに寝ていた(ほうちょうが保健室にお姫様抱っこで
運び込んだ)女の子が目を覚ましたらしい。

????「ん〜…ぁれぇ?ここ……」
ほうちょう「…DQ学院の保健室だ」

ほうちょうはムーンを起こさないようにそっと席を立つと、声のする方の
ベッドのカーテンの中へと入った。

ほうちょう「君が公園のベンチで寝ていたから、ついでに運び込んだ」
????「アンタが?」
ほうちょう「ああ」
????「へ〜、見かけによらず、力あるんだね」

ツンツンに立った黒髪を揺らしながら、少女は意外そうにほうちょうを見、
小首を傾げた。

????「じゃ、アタシ遅刻になってないって事?」
ほうちょう「…………………まぁ、そうなんじゃないか?」

ほうちょうも小首を傾げながら答えた。

????「ラッキー!ありがとね、アタシ出席日数ヤバくてさぁ!」

少女はニッコリ笑いながらほうちょうの手を取ると、上下にブンブン振った。
……凄い力だ。


1.「それで、君の名前は?」
2.「何であんなところで寝てたんだ?」
3.「もう少し静かにしてくれないか?寝てる子がいるんだ」
4.「や ら な い か ?」
5.「」(台詞任意)
414 ◆dY.GZB.J4w :2005/09/24(土) 00:58:50 ID:???
いや、行き倒れの正体判るじゃん
415種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/24(土) 01:04:47 ID:???
ほうちょう「それで、君の名前は?」

ほうちょうは、振られる手に痺れを感じながらも気になっていた事を聞いた。

アベル 「アタシ?アタシはアベル。ベルたんっって呼んで♪」

少女はニッコリ笑うと顔の横で斜めにピースをして見せた。
明るい仕草はいかにも女子高生だが、どこかオトナっぽい感じもする。


1.「分かった。よろしくな、安部。」
2.「俺は、今日転校してきたほうちょうだ。よろしく頼む」
3.「……………たん?」
4.「分かった。よろしくな、ベルたん」
5.「」(台詞任意)
416 ◆dY.GZB.J4w :2005/09/24(土) 01:06:03 ID:???
阿部、ルなんだw
417名無しさん@ピンキー:2005/09/24(土) 01:08:32 ID:???
>>416
ウホッ!阿部は止めて、阿部はw
418 ◆dY.GZB.J4w :2005/09/24(土) 01:12:31 ID:???
うはw間違えてるw
まあベルたんはいい男!って事で
419種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/24(土) 01:15:36 ID:???
ほうちょう「分かった。よろしくな、安部。」
アベル 「安部じゃないっ!!アベル!苗字じゃなくて、なーまーえッ!」
ほうちょう「分かったから静かにしろ、安部。」
アベル 「安部じゃないっていってるでしょ〜っ!」

アベルは頬を膨らませて怒っている。

ほうちょう「俺がどう呼ぼうと俺の勝手だろう」
アベル 「アタシにも呼び名を選ぶ権利があるわよ!他のにしてよ他のに!」
ほうちょう「他、ねぇ?」


1.「ベティちゃんとか、どうだ?」
2.「アベッちとかならいいだろ」
3.「……やっぱベルでいいか」
4.「アヴィってのはどうかな?」
5.「アーノルド・シュワルツネガーとか…」
6.「」(任意台詞)
420 ◆dY.GZB.J4w :2005/09/24(土) 01:18:32 ID:???
やっぱ安部はだめなのか
421種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/24(土) 01:27:14 ID:???
他、と言われても、そんなにすぐいいニックネームが浮かぶ頭をしている訳
ではない。

ほうちょう「……やっぱベルでいいか」

ほうちょうは、最初のアベル…ベルの案を採用する事にした。

アベル 「ベルの後ろには『たん』を付ける♪」
ほうちょう「………ベルたん」
アベル 「ンフフフフ♪よくできました〜」

ベルは上機嫌でクスクス笑った。

ほうちょう「それにしても…あんなところで寝ていると危ないぞ」
アベル 「あんなところ?」
ほうちょう「公園のベンチで寝ていたんだ。…覚えてないのか?」
アベル 「………あ〜、そういえば…」
ほうちょう「覚えてないのかよ」
アベル 「昨日はちょっと……寝不足だったのよ。だから〜」
ほうちょう「………ふ〜ん」

ほうちょうは、アベルの取り繕うような説明に曖昧に返事を返した。


一日目、三時間目 終了……とぅびぃこんてにぅ。。。。

ほうちょう◆dY.GZB.J4wさん、お疲れ様でした。。。。。
422 ◆dY.GZB.J4w :2005/09/24(土) 01:31:09 ID:???
GMさんも乙カレ〜!
久々だったけど楽しかったです(・∀・)
423種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/24(土) 01:34:02 ID:???
ふむ、イマイチ尻切れトンボ。
平日休むようになって妄想力と速度が落ちたか…orz
結果はまた後日。明日が早いので今日はこれにて。

ノシ
424種 ◆GM/x/EtttA :2005/09/24(土) 01:35:09 ID:???
>>422
d。・゚・(ノ∀`)・゚・。
そう言ってもらえると明日への活力になるサね
425名無しさん@ピンキー:2005/09/24(土) 01:37:50 ID:???
アベルはアヴィなのか?
公園で襲ってたらいつの間にか攻守逆転してたのか?

そう考えるとムッハァ(*´Д`*)
426 ◆dY.GZB.J4w :2005/09/24(土) 01:38:23 ID:???
>>423
じゃあ今度の時は妄想力が付くようにぶっ飛んだ展開にしますねw
427名無しさん@ピンキー:2005/09/24(土) 17:13:28 ID:???
>>426
というとショタっ子か
428名無しさん@ピンキー:2005/09/24(土) 17:52:27 ID:???
むしろハードゲイでフゥーッ!
429名無しさん@ピンキー:2005/09/26(月) 01:36:42 ID:???
保守などいかが?
430名無しさん@ピンキー:2005/09/26(月) 18:00:25 ID:???
板炊き
431名無しさん@ピンキー:2005/09/26(月) 20:15:33 ID:???
>>430
なぜか飯炊きに見えてしまった( ・д⊂ヽ゛
432名無しさん@ピンキー:2005/09/27(火) 21:57:31 ID:???0
>>431
夜更かしは時々にして翁よ(違っていたらスマソ)
433名無しさん@ピンキー:2005/09/30(金) 02:03:21 ID:???
んあーほしゅ
434 ◆lnWmmDoCR. :2005/09/30(金) 22:09:34 ID:???
アニキ復活記念に描いてた絵が消えた(´・ω・`)

描き直すよ、うん……ガンガル
435名無しさん@ピンキー:2005/10/01(土) 23:02:57 ID:???
きっとキミは来ない……独りきりの週末
436名無しさん@ピンキー:2005/10/01(土) 23:05:39 ID:???
待っているあなたへこの言葉を送りましょう

『信じなさい。そうすれば奇跡は怒ります』
437名無しさん@ピンキー:2005/10/01(土) 23:29:58 ID:???
怒られちゃうのか(´・ω・`)
438種 ◆GM/x/EtttA :2005/10/04(火) 21:36:19 ID:???
むしろ漏れが怒られそうだorz

9月末から、何故か多忙を極めとるでつ、種変でつ。
今週の土曜は仕事、日曜も用事が入りますた。
…やっとマターリ妄想週末だったのに…orz
今週開催出来たら、きっとGMが奇跡に怒られたんだと思ってくだしい。
439名無しさん@ピンキー:2005/10/05(水) 01:55:05 ID:???
>>438
GM復活キター━━━━ヽ(=゚ω゚)人(゚ω゚=)ノ━━━━!!
多忙な毎日、ご苦労様です
季節の変わり目で体調をくずさんように気をつけて下さぇ
440 ◆f.5IBJ6osQ :2005/10/05(水) 21:06:24 ID:???
>>438

毎日大変そうですね…。
私は既に季節の変わり目で風邪引きました。げふん。

つ【薬草】
つ【世界樹のしずく】

体調だけは崩さないようにお気をつけ下さいませ〜。
(ぺこり)
441ホイミスライム:2005/10/06(木) 08:50:46 ID:???
休日出勤ですか、大変ですねマスター。
これを食べて力を付けて下さい。
つ【力の種】
もう一つ、ハーゴンと言う人からの差し入れです。
つ【悪魔の鎧】
442名無しさん@ピンキー:2005/10/09(日) 13:09:57 ID:???
保守などいかが?
443DQ4勇者:2005/10/09(日) 18:39:29 ID:???
ぼくちゃんスライム・・・うふふふ
これをあげるよマスター
つカジノのコイン(838861枚)
444名無しさん@ピンキー:2005/10/13(木) 00:19:10 ID:???
ここは保守るべきだろう
445もょもと:2005/10/14(金) 19:33:27 ID:???
土日出勤ご苦労様。サマルに使うはずだったこれをやるよ。
つ【世界樹の葉】
これを使って元気になってくれよ。
446種 ◆GM/x/EtttA :2005/10/15(土) 00:09:15 ID:???
皆差し入れd!ノシ

そして多分、この時間に急に募集してもプレイヤーは居ないと分かっちゃいるが、
それでも募集するGM

募集age!



あ、今週末も幼児なんで、今週のプレイは今日オンリーでつヨ
とりあえず1時まで松手見る
447名無しさん@ピンキー:2005/10/15(土) 00:56:05 ID:???
唐突っぽいから誰も気付いてない悪寒?
漏れも出来ないけど(´・ω・`)
448種 ◆GM/x/EtttA :2005/10/15(土) 01:05:26 ID:???
かなり久々だからna
まぁこんな紐あるさ!

普通に打ってみたんだが、手袋しつつキー叩いてル性でおかしなことに。
手袋してキーを打つってのはむぼうなんだらうか?
449名無しさん@ピンキー:2005/10/15(土) 01:21:03 ID:???
それ漏れもやったことありまつが無理でつ
指先出る手袋も、指冷たくなって結局同じですた・・・
発熱するキーボード使うか(単なる古いノーパソでつが)、おとなしく部屋全体を暖めたほうがいいと思いまつ
お忙しいでせうががんがってくださ〜い
450名無しさん@ピンキー:2005/10/15(土) 02:28:20 ID:???
おおGMよ、こんな時間にやるとはなにごとじゃw
復活おめ!
451 ◆f.5IBJ6osQ :2005/10/15(土) 03:07:10 ID:???
>>446
ああ、復活されて良かった〜!
でもあまり無理はなさらないように…。
もう流石にいらっしゃらないと思いますが。 
452種 ◆GM/x/EtttA :2005/10/15(土) 03:29:45 ID:???
>>449
いや、単に指に湿布しとるもんだから、取れん様に保護手袋な罠
キーボード自体は発熱するキーボード(あすろn積みノーパソ)だもんでw
dくす!ガンガルヨ!ノシ

>>450
思いついた時間がオソカタなwdノシ

>>451
実は居たりw無理はしとらんよって安心して名〜ノシ
453 ◆f.5IBJ6osQ :2005/10/15(土) 03:40:55 ID:???
>>452
あら、いらっしゃいましたかw
次回の再回の時は名乗り出られるよう、PCの前でスタンばっておきます〜。 
454 ◆PL.VPi2.PE :2005/10/15(土) 09:40:47 ID:???
おはようございまつ
GMおひさだすー!
お忙しそうですが、仕事頑張って下せぇ(=゚ω゚)ノ
455 ◆cNa4SQsw0Q :2005/10/16(日) 01:23:10 ID:???
そろそろ俺も復活して今度のゲームに備えるとするか…
GM仕事ガンガレー
456名無しさん@ピンキー:2005/10/18(火) 00:49:18 ID:???
本日の保守
457名無しさん@ピンキー:2005/10/21(金) 23:46:04 ID:???
ふぁしゅ
458名無しさん@ピンキー:2005/10/23(日) 00:47:04 ID:???
保守
459名無しさん@ピンキー:2005/10/23(日) 22:59:59 ID:???
忙しいと思いまつが折りをみてがんがってくださいです。。。
460名無しさん@ピンキー:2005/10/26(水) 00:46:49 ID:???
保守
461キングマーマン:2005/10/26(水) 23:50:25 ID:???
これ ヤる 装備してがんがレ。
つ【魔法のビキニ】
462名無しさん@ピンキー:2005/10/29(土) 23:49:18 ID:???
ノシ
463スカルナイト:2005/10/31(月) 18:53:22 ID:ThWnhqj/
「カタカタカタカタカタ(訳:指湿布かまあ、これでも装備してリハビリしてくれ)。」
つ【死神の盾】
464名無しさん@ピンキー:2005/11/04(金) 10:55:37 ID:???
ほし
465名無しさん@ピンキー:2005/11/06(日) 23:44:59 ID:???
ひゅうま
466名無しさん@ピンキー:2005/11/07(月) 17:58:50 ID:ZGl0elAJ
いってつ
467名無しさん@ピンキー:2005/11/11(金) 15:20:14 ID:???
GMさん復帰までここで・・・
468名無しさん@ピンキー:2005/11/14(月) 17:05:57 ID:???
保守
469名無しさん@ピンキー:2005/11/17(木) 22:34:48 ID:???
470名無しさん@ピンキー:2005/11/17(木) 22:59:07 ID:???
471名無しさん@ピンキー:2005/11/18(金) 23:22:11 ID:0AxzgqMW
472名無しさん@ピンキー:2005/11/18(金) 23:22:51 ID:???
473名無しさん@ピンキー:2005/11/18(金) 23:33:44 ID:???
474名無しさん@ピンキー:2005/11/18(金) 23:39:10 ID:???
475名無しさん@ピンキー:2005/11/18(金) 23:45:31 ID:???
476名無しさん@ピンキー:2005/11/21(月) 16:53:38 ID:???
三(っ゚∀゚)っヒャッホー 【ホセ・メンドウサ】
477名無しさん@ピンキー:2005/11/22(火) 01:36:42 ID:vXxHVvt5
478名無しさん@ピンキー:2005/11/22(火) 01:42:08 ID:???
479名無しさん@ピンキー:2005/11/22(火) 01:47:21 ID:???
480名無しさん@ピンキー:2005/11/22(火) 08:09:37 ID:???
481名無しさん@ピンキー:2005/11/24(木) 15:49:33 ID:???
482名無しさん@ピンキー:2005/11/24(木) 16:07:48 ID:???
483名無しさん@ピンキー:2005/11/24(木) 20:22:42 ID:???
日輪の力を借りて!
484名無しさん@ピンキー:2005/11/24(木) 20:29:01 ID:???
今、必殺の!
485名無しさん@ピンキー:2005/11/25(金) 21:34:18 ID:???
ライダァァァァ
486名無しさん@ピンキー:2005/11/25(金) 21:35:13 ID:???
きりもみ
487名無しさん@ピンキー:2005/11/26(土) 01:42:08 ID:???
乳揉み!
488場 ◆Gp/A555JhQ :2005/11/29(火) 18:43:33 ID:???
いっそここで・・・
489名無しさん@ピンキー:2005/12/01(木) 18:21:45 ID:???
車田落ち
490名無しさん@ピンキー:2005/12/03(土) 00:03:46 ID:???
>>488
生きてたか!ぜひ!
491一時間GM ◆32GMDQAUTk :2005/12/05(月) 21:36:51 ID:???
俺も次はどこでやったらいいだろうか悩み中
492場 ◆Gp/A555JhQ :2005/12/05(月) 23:15:16 ID:???
>491
笛編でつね!早く読んでみたいでつ!

種さんは年末年始になったら戻ってきてくれるんでせうかね・・・
493種 ◆GM/x/EtttA :2005/12/05(月) 23:53:22 ID:???
>488、491
良ければここ使ったって下しい


年末年始には帰還できそうッス。
その前に、25日に暇しとる香具士がいるならX'mas番外を…とか考え中。
一人2時間位のプレイで先着3名前後予定…


>待機上げしててくれた方々
マジで感謝!m(_ _)mあざーっす!
今はパワーを温存中でつが、年末年始終わったら、3月頃に復帰でつ。

……それまでは土曜休みがないそうな…orz
も、萌えと時間が欲しい…
494場 ◆Gp/A555JhQ :2005/12/06(火) 00:56:01 ID:???
>>493
お忙しいなかレス乙でつ。ここんとこ仕事日照りの漏れの時間を種さんに分けてさしあげたひ・・・
上半身だけ正装してお待ちしておりますです。。。

すなはち、2週間後の天皇誕生日あたりまではこのスレ空いてるというわけでつね
折角でつのでそれならば一時間さんの前回番外編あるいは笛編オープニングをぜひとも読んでみたいなあと一ファンとして書いてみまつ

今や一更新に2週間がデフォの漏れにはこの場つなぎはどう見ても無理でつ。本当にありがとうございますた
495名無しさん@ピンキー:2005/12/06(火) 04:47:35 ID:???
お前ら生きてたんだなヽ(;ー;)ノ
496名無しさん@ピンキー:2005/12/08(木) 22:04:17 ID:???
本家板に新しくスレが立ってるが、あれは何だ?
「派性」っていうスレタイからして、一時間GMさんのスレですかね?
497:2005/12/08(木) 23:04:31 ID:???
一時間GMさん用に「DQキャラで笛をやろう」編建てました。
498一時間GM ◆32GMDQAUTk :2005/12/09(金) 01:14:36 ID:???
>>497
アリスの新作終わるまでは……
と、思っていたけど、立ってしまったからには、重い腰を上げるとします。
まあきっかけが無いとやらなかった可能性が高いんで、スレ立て感謝します。
499名無しさん@ピンキー:2005/12/12(月) 02:27:12 ID:???
おまえら、またやってくれるのか
500場 ◆Gp/A555JhQ :2005/12/14(水) 23:45:34 ID:???
おおっ!年末休業に向けてお二方復活でつね!
待っていた甲斐があったというものでつ

でわここは来週の金曜まで漏れが!
501名無しさん@ピンキー:2005/12/17(土) 04:52:13 ID:???
保守する
502場 ◆Gp/A555JhQ :2005/12/17(土) 08:07:27 ID:???
なわけで、明日から連休前まで場つなぎやってもよろしいでせうか?
FFDQ板でやってた譚の第2部の体験版みたいなやつになりまつ
相変わらずリアルタイムはできませんですので、多数決投票、不定期更新で

今年はもう仕事入ってこないの確定で、2日まで閉鎖するとさ・・・_| ̄|○ ヨロコンデ イイノ?
503名無しさん@ピンキー:2005/12/17(土) 23:24:51 ID:???
つかFFDQ板でやってた話を再開してほしい。
俺は一月くらい更新無くても平気だから。
504名無しさん@ピンキー:2005/12/19(月) 14:00:35 ID:UylpiWxC
505場 ◆Gp/A555JhQ :2005/12/23(金) 00:46:04 ID:???
石橋叩いてるうちにけっきょく連休になってしまいますた
けど誘い受けなんてせず問答無用でGMやれる元気、漏れには無ひ・・・(嘘
ともあれ種さん復帰に期待して保守!

>503 (;´Д⊂)ありがたいお言葉・・・でつがさすがにここでは
 やはり漏れがスレ立てなきゃ駄目なんでつかね?
 しかし立ててもまた1月そして3月に新作祭りが待ちかまえていまつ。ああ遅筆がふがいなひ・・・
506種 ◆GM/x/EtttA :2005/12/25(日) 17:24:15 ID:???
予告の25日でつヨ!
シングルベールを過ごした香具師はどのくらいいるのでせうな…
開始は2,3時間後を予定。
前述の通り、今日は3人×2時間くらいを予定しとりますんで、時間のある方は
待機願いまつ

>505
年始が終わったら、3月末までまた来れんので、よければその時に是非!
漏れも続きが木になっとりますんで
507種 ◆GM/x/EtttA :2005/12/25(日) 19:33:13 ID:???

前回の好感度、その他
==================================

目を覚ましそうなムーンを
【ムーンの好感度がUPした!】 +6


ベッドに寝かせ…
【ムーンの好感度がUPした!】+3


まったりとした保健室で
【アベルの好感度がUPした!】+6


黒髪の少女
【アベルの好感度がUPした!】+2


呼び名1
【アベルの好感度がUPした!】+2


呼び名2
【アベルの好感度がUPした!】+2




結果(◆→パラメーター変化)
===========================
好感度/隷属度

◆ムーン   +16/╋75 ペット  院生 【裏切】
◆アベル   +21/╋3  親友  院生
 カレン   +19/±0  友達 【指名可】
 マリベル  +16/±0  友達  園生
 フローラ  +10/±0  友達  院生
 ミネア   +8 /±0  友達  院生

 ????  +3 /±0  友達  院生

===========================
508種 ◆GM/x/EtttA :2005/12/25(日) 19:37:54 ID:???
【既出ヒロイン】
ヒロイン   |特性       |好感度/隷属度|関係  |特記
=====|====== |======= |===|====  
 ムーン  |お嬢様・気丈  |+16/╋75   |ペット|院生【裏切】
 アベル   |勝気・エロ    |+21/╋3   |親友|院生
 カレン   |純情・エロ    |+19/±0    |友達  |【RH:指名可】 
 ミネア   |しっかり・苦労症|+8 /±0   |友達  |【占いの館】院生
 フローラ |お嬢様・温和  |+10/±0   |友達  |【学級委員・隣席】院生
 マリベル |勝気・幼馴染  |+16/±0   |友達  |【お隣さん】園生
 
 ???? |???・??? |+3 /±0   |友達|院生 (バーバラ)
(DQ学園生→園生、DQ学院生→院生、ロザリーヒル→RH) 
【裏切】→主人公が一定の属性を持つ女の子を傷つけると、発動。
     指定のついた女の子の好感度が、上がりにくくなります。
509種 ◆GM/x/EtttA :2005/12/25(日) 19:44:35 ID:???
…とりあえず本編の点数をまとめてみた。

今回はクリスマス番外ってことなんで、あんまり関係はないが、本編ヤりたい
猛者が居ればそっちもおkってことで。


さて、今から募集でつよ〜
プレイヤ希望者はトリつきで挙手願いまつノシ

チェックは10分置きくらいでしてまつんで、気軽にお手上げ願い<(_ _)>
510 ◆OJZzSer1g6 :2005/12/25(日) 19:51:14 ID:???
なにやら懐かしいのをハケーンノシ
511種 ◆GM/x/EtttA :2005/12/25(日) 20:03:16 ID:???
>>510
おお!メリクリ(`・ω・´)シャキーン!
懐かしい人ハケーンノシ

久しぶりでつな!
イッてみまふか?

1.番外
2.本編
512種 ◆GM/x/EtttA :2005/12/25(日) 20:04:41 ID:???
そしてまた下げ忘れる漏れ…orz
513 ◆OJZzSer1g6 :2005/12/25(日) 20:05:35 ID:???
>>511
メリクリ(´・ω・`)ノシ
どうせなら本編逝ってみまつか
514 ◆OJZzSer1g6 :2005/12/25(日) 20:06:18 ID:???
>>512
ドンマイ( `・ω・)ノシorz
515種 ◆GM/x/EtttA :2005/12/25(日) 20:09:19 ID:???
>>514
d(ノ∀`)・゚・。

んでは…

命名神マリナン様が告げる…
マリナン「◆OJZzSer1g6 よ、名前を変えてからプレイしますか?
     貴方の名前をロードしますか?」
    (前回の名前はほうちょう。ロードする名前はリック)

 1.はい →名前を新しくする
 2.いいえ →ほうちょうで始める
 3.ロードする→リックで始める
516 ◆OJZzSer1g6 :2005/12/25(日) 20:11:45 ID:???
>>515
どうせだったら名前も新しくしちゃえ〜
1で名前はグイードにしまつw
517種 ◆GM/x/EtttA :2005/12/25(日) 20:25:46 ID:???
マリナン「勇者グイードに精霊の加護がありますように」



前回までのあらすじ

DQ市に引っ越してきた主人公。
引っ越したマンションのお隣さんは幼馴染のマリベルだったが、
マリベルは主人公の事を忘れているようだった。

チンピラに絡まれていたミーティアちゃんは可愛かった。
ミーティアちゃんの名刺を頼りに行ったロザリーヒルの、カレンちゃんも可愛かった。

職員室前でぶつかったミネアさんは美人だった。
学級委員長で隣の席のフローラさんは優しげだった。
金髪美人のムーンたんは可愛かったから強姦した。
公園から保健室に運んできた女の子は、アベルという名前らしい。

こんな感じの話である。




☆☆☆☆☆

キーンコーンカーンコーン…


アベル 「あ、授業が終わったみたいね〜」
グイード「もう3時間目が終わりか」
アベル 「やだ、そんなに寝てたんだアタシッたら」

アベルは慌ててベッドから立ち上がると、グイードに笑いかけた。

アベル 「じゃ、アタシは行くけど、アンタはどうするの?」
グイード「俺は…」

1.「授業にでるさ」ムーンを置いて自分の教室に戻る
2.「病人がいるんでな」ムーンが起きるまで保健室にいる
3.「サボるに決まってるだろ?」ムーンを置いて他の場所へ行く
4.「君が気になる…」ニヤリと笑ってアベルをベッドに押し倒す
5.「お楽しみがあるからな。君も混ざるか?」アベルを誘ってムーンを犯す
518種 ◆GM/x/EtttA :2005/12/25(日) 20:27:24 ID:???
6.その他

を忘れてたorz
519グイード ◆OJZzSer1g6 :2005/12/25(日) 20:30:28 ID:???
>>517
無問題ノシ
だって選択肢は5だからさw
520種 ◆GM/x/EtttA :2005/12/25(日) 20:46:45 ID:???
d猛者w
☆☆☆☆☆☆☆

グイード「…お楽しみがあるからな」

グイードはニヤリと笑うとムーンの眠るベッドのカーテンを開けた。
未だに目を覚まさない彼女は、しどけなく足を開き眠って居る。
その股間を隠す布はなく、先程グイードが中に放った白濁色の液体が
白いシーツを濡らしていた。

グイード「君も混ざるか?」

グイードが問いかけると、アベルは目を丸くして立ち尽くしていた。
しかし、その瞳は驚きを通り越すとキラキラと輝きだした。

アベル 「…お…っどろいた、このコ生徒会の…ムーンブルクの王女様じゃない。
      何?混ぜてくれるの?」
グイード「楽しい事は、平等に機会を与えられるべきだろう?」

クスクスと笑いながらグイードはドアの鍵を閉めた。

アベル 「そういう考え方、アタシ好きだよ」

アベルは妖艶に微笑むと、眠るムーンのベッドに近づき、足を大きく開かせた。

アベル 「わぁ〜、処女だったんでしょこのコ?可愛い〜」

指を突っ込みグチグチと中をかき混ぜれば、その刺激にムーンの体がビクリと
跳ねた。

ムーン 「う…っ…んん…や…、な……に……?」

その刺激に気付いたのか、ムーンが目を覚ます。
グイードは…

1.「おはよう、ムーン」ムーンの唇にディープキスをした
2.「目が覚めたのか」ニヤリと笑って包帯でムーンの手首をベッドに縛りつけた
3.「さぁ、第二ラウンドをはじめようか」傷薬を取り出し、ムーンのアナルに指を這わせた
4.「ご主人様より先にイったお仕置きだ」ニヤニヤ笑いながら、アベルの行動を見守る
5.台詞行動任意
521グイード ◆OJZzSer1g6 :2005/12/25(日) 20:51:20 ID:???
>>520
(。д。)アヒャw

やはりここは2でイかねば
522種 ◆GM/x/EtttA :2005/12/25(日) 21:07:50 ID:???

グイード「目が覚めたのか」

ニヤリと笑うと、引き出しから包帯を取りだしムーンの両腕を一まとめにして
掴んだ。

ムーン 「やっ!やめて、グイードく…ひぅんっ!」
アベル 「あ、ここ気持ちいいんだ?敏感ね〜♪」
グイード「ムーンも楽しめよ?気持ち良かったろ…無理矢理犯されるの」

快楽に身を捩りながらもサッと顔を恐怖に歪めるムーンの手首にキスを落とすと、
グイードは包帯でグルグル巻きにし、その端をベッドに縛り付けた。

アベル 「わぁお鬼畜〜♪」
グイード「保健室でヤるなら、定番だろ?」
ムーン 「やだ…も……やめてぇ…っ」

ポロポロと涙を流すムーンの頬をアベルがペロッと舐める。
その瞳は淫蕩に輝いていた。

アベル 「だーめ♪アタシとも遊んでよ、淫乱王女様」
ムーン 「私は淫乱なんかじゃないわっ!」
グイード「嘘をつけ」
ムーン 「きゃぁッ!」

グイードは、アベルの指が刺さったままのムーンの膣に、自分の太い指をグチッ!
と突っ込み乱暴に掻き回し始めた。

グイード「ここで俺のザーメンを美味しそうに飲んだくせに」
ムーン 「や、やぁぁ…っ」
アベル 「いいなぁ〜、アタシにも楽しませてよ」
グイード「いいぜ…?」

グイードはクスッと笑うと、

1.ムーンの膣から指を引き抜き、濡れた指をアベルのヴァギナに突っ込んだ
2.アベルの服を優しい手つきで脱がせると、ムーンに見せ付けるようにアベルにキスをした
3.ムーンにアベルのクリトリスを舐めるように命じ、アベルにフェラを頼んだ
4.ムーンの口にペニスを突っ込み、アベルのクリトリスに舌を這わせた
5.その他()
523グイード ◆OJZzSer1g6 :2005/12/25(日) 21:10:55 ID:???
>>522
2を選択〜
おあずけも必要と言う事でw
524種 ◆GM/x/EtttA :2005/12/25(日) 21:31:34 ID:???
アベルの服を優しい手つきで脱がせ始める。
ブレザーを脱がせ、後ろから抱きしめるようにしてワイシャツのボタンを
外しつつスカートに手を入れる。
ショーツの中へ手を進めると、ムーンの中に放った白濁で濡れた指でアベルの
割れ目をなぞり、蜜壷をグチグチとかき回し始めた。

アベル 「ぁんっはぁ…ッ…ん…グイードってば、ふぁ、慣れてんじゃない」
グイード「まぁな。そういうベルたんも濡れてるぜ?」

まるで恋人同士の睦言のように、顔を近づけたまま囁きあい、クスクスと笑いあう。
ムーンはその様子を戸惑うような瞳で見上げていた。

指を引き抜かれた蜜壷は、白濁を溢しながら刺激を求めてヒクヒクと震えている。
アベルがアンアン鳴く度に、ムーンの足はピクピクと震え、蜜壷は白濁でない透明な
液体を分泌し始めた。

そんなムーンを見てニヤリと笑うと、グイードは彼女に見せ付けるようにアベルに
口付け、舌を絡ませる。


チュプ、チュクッチュクッ…ピチャ、チュッ

アベル「ンッ…ふ、ぁ…ンンゥ…」

濡れた音が保健室を満たす。
ムーンは瞳を閉じると目を逸らした。しかし音は耳からムーンの脳を冒していく。
耳を塞ぎたくとも腕は縛り付けられ、ムーンはただただ白濁と蜜と涙とを垂れ流していた。

1.ムーンに見せ付けながらアベルに挿入
2.アベルにムーンの膣を舐めてキレイにしてもらい、自分はムーンにフェラをさせる
3.アベルにムーンの膣を舐めてキレイにしてもらい、自分は泣いているムーンの頭を撫でる
4.ムーンに挿入し、アベルのクリトリスをムーンに舐めさせながら、アベルとキス
525グイード ◆OJZzSer1g6 :2005/12/25(日) 21:41:30 ID:???
>>524
ただただ鬼畜を目指し1でGO!
526種 ◆GM/x/EtttA :2005/12/25(日) 22:04:07 ID:???
唇が離れる頃には、アベルの服は全て脱がされていた。

グイード「これだけ濡れてれば、すぐに入れても平気そうだな」
アベル 「立ったままするの?それもいいけど…」

アベルはクスリと笑うと、グイードから離れ、ムーンに69の体勢で圧し掛かる。

ムーン 「な、やだっやめ…何するのッ!?」
アベル 「目なんか瞑って抵抗してる王女様に、見せ付けてあげようと思って♪」
グイード「それもよさそうだな」
ムーン 「何を言って…ッ!?や、離してッ!!」
アベル 「他人がSEXしてるトコなんか、そうそう見られないよぉ?運が良かったね〜」
ムーン 「やめてッ!お願い、離してェッ!!」

アベルは足をジタバタとさせて抵抗するムーンの足をM字に大きく開かせると、
ムーンのクリトリスに舌を這わせた。

ムーン 「ひぁあッ!」
アベル 「気持ちいいでしょ?何で抵抗すんのよ〜」
グイード「ベルたん、入れるぞ?」
アベル 「あ、いつでもいーよぉ♪」
ムーン 「や、ァァッ!」

目を開いたムーンが見たものは、赤黒く長大なグイードのペニスが、赤く濡れた
アベルのヴァギナにピタリと当てられたところだった。
瞳を閉じたいのに、目を逸らす事すら出来ずムーンは呆然とアベルの膣に納まっていく
肉棒を見つめていた。

アベル 「ぁああんッ!ふぁ…っおっきぃ……♪」

嬉しそうなアベルの声がムーンの耳に届く。
グイードが突き上げを始めると、ムーンの知らなかった世界が目の前で繰り広げ
られていった。

ジュプッジュプッジュプッジュプッ!
アベル 「あぁッ!はぅん、そこぉっ…いい、イイのぉッ!」

上で悶えるアベルの嬉しそうな声。
上から頬に滴ってくる愛液と先走りの混ざり合ったもの。
その上にある、快楽を耐える様なグイードの顔。

これが男女の性交…


ムーンは、知らず知らずの内にコクン、と唾を飲み込んでいた。


1.アベルに中田氏
2.ムーンに顔射
3.ムーンに飲ませる
4.アベルの背中にぶっかけ
5.その他
527グイード ◆OJZzSer1g6 :2005/12/25(日) 22:06:10 ID:???
>>526
1で逝くアルヨ
GMタン、時間的に無問題アルカ?
528種 ◆GM/x/EtttA :2005/12/25(日) 22:23:58 ID:???
時間的に…これで今日は終了アルナ(´Д`;)
明日も出勤故にorz
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

グイード「ッ…ベル、中に出すぞ」
アベル 「はぁんッあぅっき、キてェッ!いっぱい、ちょぉだぁいっ!!」
ムーン 「ゃ…ぁ……ゃめて…っ」

ジュプッジュプッジュプッジュプッ!

グイード「…くぅッ!」
アベル 「あぁあああ〜〜〜〜〜ッ!!」
ムーン 「や、いやぁぁああっ!」

快楽と享楽と絶望の声が同時に上がり、白濁は蜜壷に注ぎ込まれた。
しゃくりあげるムーンの上に、クタリと力の抜けたアベルの体が重なり、
グイードがその体からペニスを引き抜くと、ヴァギナからムーンの顔へと
白濁が滴り始めた。

ムーン 「ど、して…?私…何もしてない…のに…」

白濁と涙にムーンの頬は濡れ、グイードは首を傾げた。

グイード「ムーンは…違うのか?」
ムーン 「…え……?」
グイード「……ムーンは………嬉しくないのか?」


一日目、四時間目 終了……とぅびぃこんてにぅ。。。。

グイード ◆OJZzSer1g6 さん、お疲れ様でした。。。。。
529グイード ◆OJZzSer1g6 :2005/12/25(日) 22:25:45 ID:???
>>528
モツカレアルヨGMタンノシ
仕事ガンガってアルヨ・・・漏れも仕事だがやw
530種 ◆GM/x/EtttA :2005/12/25(日) 22:28:57 ID:???
>>529
dノシお互いガンガろアルヨw
3人予定とか抜かしてたのに、1人しか出来んでスマソかたorz

ではヤシミ〜ノシ
531場 ◆Gp/A555JhQ :2005/12/25(日) 22:59:57 ID:???
復帰戦、乙ですた〜
532名無しさん@ピンキー:2005/12/28(水) 19:47:25 ID:???
年末保守
533名無しさん@ピンキー:2005/12/29(木) 19:05:04 ID:???
新年3日前保守
534 ◆PL.VPi2.PE :2006/01/01(日) 17:14:03 ID:???
新年保守
今年もよろしくだす(・∀・)
535場 ◆Gp/A555JhQ :2006/01/04(水) 00:10:29 ID:???
種さんと住人様に、あけおめことよろでつ!
536名無しさん@ピンキー:2006/01/07(土) 02:20:52 ID:???
・・・あれ?
537名無しさん@ピンキー:2006/01/08(日) 05:21:33 ID:???
来ぬのなら
春まで待とう
GMさん
538名無しさん@ピンキー:2006/01/14(土) 00:19:01 ID:???
落ちるべよ
539場 ◆Gp/A555JhQ :2006/01/15(日) 17:21:49 ID:???
やはりここは漏れが!
540名無しさん@ピンキー:2006/01/16(月) 11:51:18 ID:???
保守
541名無しさん@ピンキー:2006/01/17(火) 01:34:30 ID:???
番外編のまとめってないよな。
542名無しさん@ピンキー:2006/01/19(木) 01:01:25 ID:???
ほしゅ
543名無しさん@ピンキー:2006/01/21(土) 14:57:38 ID:???
544名無しさん@ピンキー:2006/01/23(月) 02:26:04 ID:???
545名無しさん@ピンキー:2006/01/23(月) 19:18:05 ID:???
エモンタイーホ?
546名無しさん@ピンキー:2006/01/26(木) 22:29:54 ID:???
保守
547名無しさん@ピンキー:2006/01/27(金) 21:29:26 ID:???
エモンタイーホは耐震基準偽装問題で揉めている今の時期だとかなり勘繰れる物がある。
548名無しさん@ピンキー:2006/01/31(火) 00:07:32 ID:???
しかし凡夫には関わりのないことだよ
549名無しさん@ピンキー:2006/02/03(金) 18:20:07 ID:???
550名無しさん@ピンキー:2006/02/03(金) 20:50:00 ID:???
551名無しさん@ピンキー:2006/02/06(月) 00:32:46 ID:???
552名無しさん@ピンキー:2006/02/06(月) 08:32:06 ID:???
553名無しさん@ピンキー:2006/02/09(木) 00:08:40 ID:???
554名無しさん@ピンキー:2006/02/11(土) 02:40:36 ID:???
555名無しさん@ピンキー:2006/02/14(火) 00:59:46 ID:???
556名無しさん@ピンキー:2006/02/16(木) 11:14:27 ID:???
はいはい保守保守
557名無しさん@ピンキー:2006/02/18(土) 17:00:47 ID:???
ho
558名無しさん@ピンキー:2006/02/18(土) 17:20:16 ID:???
chan
559名無しさん@ピンキー:2006/02/21(火) 19:59:41 ID:???
戌年記念に、ムーンたんにもっと出番を種氏!!!!!
560名無しさん@ピンキー:2006/02/24(金) 05:06:09 ID:???
ho
561場 ◆Gp/A555JhQ :2006/02/25(土) 15:21:53 ID:???
一時間GMさんの笛スレが落ちてまつ・・・
本家板はこれからスレッド回転率がヤバげになりそうでつね
562名無しさん@ピンキー:2006/02/25(土) 15:23:11 ID:???
むむむ
563名無しさん@ピンキー:2006/02/27(月) 15:50:20 ID:???
うーん
564名無しさん@ピンキー:2006/03/04(土) 00:21:46 ID:???
んんー・・・ブリッ
565名無しさん@ピンキー:2006/03/05(日) 00:59:50 ID:???
ふ・・・・む
566名無しさん@ピンキー:2006/03/07(火) 03:02:48 ID:???
うむ
567名無しさん@ピンキー:2006/03/09(木) 22:02:47 ID:???
うほっ
568場 ◆Gp/A555JhQ :2006/03/11(土) 08:35:52 ID:???
種さん・・・
569名無しさん@ピンキー:2006/03/14(火) 23:52:54 ID:???
ふおお・・・
570名無しさん@ピンキー:2006/03/16(木) 20:11:41 ID:OiNOiOxl
保管
571名無しさん@ピンキー:2006/03/19(日) 23:43:09 ID:???
ふぃー
572名無しさん@ピンキー:2006/03/22(水) 15:18:03 ID:???
よっと
573名無しさん@ピンキー:2006/03/27(月) 02:28:15 ID:???
ほしゆ
574場 ◆Gp/A555JhQ :2006/03/32(土) 00:22:28 ID:???
そろそろここの乗っ取り計画を実行に
575名無しさん@ピンキー:2006/03/32(土) 02:58:31 ID:???
>>574
エイプリルフール乙
576名無しさん@ピンキー:2006/04/07(金) 17:12:09 ID:bfEqSWz+
577名無しさん@ピンキー:2006/04/13(木) 00:41:02 ID:???
保守
578名無しさん@ピンキー:2006/04/16(日) 22:40:44 ID:???
学校はじまってしまった保守
579名無しさん@ピンキー:2006/04/20(木) 00:11:42 ID:???
保守
580名無しさん@ピンキー:2006/04/20(木) 00:42:46 ID:GryAVeSx
hoshu
581名無しさん@ピンキー:2006/04/22(土) 12:39:47 ID:1bH/5KZK
ほす
582名無しさん@ピンキー:2006/04/27(木) 20:59:23 ID:bXMR2C5/
そろそろ・・・
583名無しさん@ピンキー:2006/05/03(水) 01:01:45 ID:???
保守
584名無しさん@ピンキー:2006/05/07(日) 23:35:50 ID:???
ほっしゅん
585名無しさん@ピンキー:2006/05/11(木) 20:44:32 ID:???
今更だけど最新50レスが保守ばかりですな
586場 ◆Gp/A555JhQ :2006/05/13(土) 22:03:24 ID:???
もしかして夏まで・・・
587一時間GM ◆32GMDQAUTk :2006/05/14(日) 01:20:30 ID:???
それじゃあ、俺がまた始めるお
588名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 01:30:33 ID:???
釣り?それともマジ?
589名無しさん@ピンキー:2006/05/14(日) 12:18:20 ID:???
一時間の人が始めてくれるの嬉しいんだけどとりあえず種さんには生存表明くらいはしてほしいとおもた
590一時間GM ◆32GMDQAUTk :2006/05/15(月) 23:32:56 ID:???
問題はここで始めるかFFDQ板で始めるかだお
今度はみんなの期待を裏切ってすまないんだけど、あんまりエロくならないんだお
591名無しさん@ピンキー:2006/05/15(月) 23:39:49 ID:???
許すからここで始めよう
592場 ◆Gp/A555JhQ :2006/05/15(月) 23:55:27 ID:???
>>590
本家板はちょっとしたことでお祭りになって落ちやすくなりまつし、
種さんが>>493>>506で許可なさってまつし、よろしいのではと思いますです
この機会に種さんに顔を出していただければこの上なしでつが
593一時間GM ◆32GMDQAUTk :2006/05/16(火) 01:03:31 ID:???
>>591-592

物は試しにFFDQ板でスレ立てしてみたら、立っちゃいましたw

FFとDQのギャルゲーを本気でプレイするスレ
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1147708561/

というわけで、良かったら見にに来てくらはい
594名無しさん@ピンキー:2006/05/18(木) 21:51:22 ID:???
結局こっちのスレは過疎のままなのな
595名無しさん@ピンキー:2006/05/18(木) 23:28:52 ID:???
場さんはウィル君の続きをここでやってみる気はないかい?
596一時間GM ◆32GMDQAUTk :2006/05/19(金) 20:14:43 ID:???
悪夢〜青い果実のDQ〜
とかいうタイトルとそのまんまの内容で
ここでやる事も考えていたんだけど、更新めっさ遅くなるけど、それでもいいならw

まあ、場つなぎ氏が復活するのが一番いいと思うんだお
597名無しさん@ピンキー:2006/05/19(金) 20:21:39 ID:???
これは懐かしいメビウスの作品ですねw
598場 ◆Gp/A555JhQ :2006/05/20(土) 05:40:12 ID:???
>>595>>596
うう・・・ありがたきお言葉。・゚・(ノД`)・゚・。
何度も復帰を考えていたのでつが、そのたび浮気したりしてますて・・・
今が決心つける最後の機会かもしれませんです!

漏れがやらせていただくとして、前の続きからと、第三部(構想だけは大きかった)あたりから新しく始めるのと、どちらがいいでつかね?
続きといっても8ヶ月も前の話(スミマセソ)を覚えてらっしゃる方がどれだけおられるかが心配で、それにここは別の板でつし・・・
けれど新しく始めると、覚えていて期待してくださってる方々に失礼でつし・・・
続きでつと、アリーナ中心の話がしばらくずーっと続きますて、
第三部でつと、ヒロイン全員出てきまつ・・・たぶん

文体は諦めますた。もはや漏れはあの無駄に長い文章しか書けないようでつ
どちらをやるにしても、次の更新は20kb超えてきまつのでお覚悟をw
でも、やるとしたら、できれば種さんの許可をいただきたいと思いますです。。。
599名無しさん@ピンキー:2006/05/20(土) 11:40:05 ID:???
前の続きがいいなぁ
ちゃんと覚えてるよ。
600名無しさん@ピンキー:2006/05/25(木) 10:54:19 ID:???
601名無しさん@ピンキー:2006/05/26(金) 17:22:22 ID:TvWFbjds
ビアンカファンの皆様、ビアンカを助けてください!!

最萌三回戦です。ビアンカとレナに投票をお願いします!!
ビアンカの支援できる人はぜひお願いします!相手はかなりの強敵です!!
RPG最萌トーナメント本部
http://www.geocities.jp/rpgsaimoe/index.html

RPG最萌コード発行所
http://saimoecode.sakura.ne.jp/RPG/
上へアクセスしてコード発行予約をする (携帯なら即時発行)
ネットに接続した状態で一時間待って再アクセスすると発行されます。
           ↓
コードと下記のキャラリストを<<>>ごとコピペして投票スレに書き込む
RPG最萌トーナメント投票スレ Round35
http://etc4.2ch.net/test/read.cgi/vote/1148466832/l50

●5月26日 金曜日 00:30:00〜23:00:59
<<ビアンカ@ドラゴンクエスト5>>
<<レナ@ファイナルファンタジー5>> VSKOS−MOS(ゼノサーガ)
602場 ◆Gp/A555JhQ :2006/05/27(土) 22:51:37 ID:???
ひょっとしましてここ今3人しか田舎ったり・・・?
603名無しさん@ピンキー:2006/05/27(土) 22:58:37 ID:???
甘い!

たぶん
604名無しさん@ピンキー:2006/05/27(土) 23:03:33 ID:???
ヌガーのように甘…かったらいいな〜
605名無しさん@ピンキー:2006/05/28(日) 01:10:56 ID:???
おらもいるでよ
606名無しさん@ピンキー:2006/05/28(日) 10:50:44 ID:???
よし、おねしょとおもらしが中心のゲームをこの俺が作ってやるぜ。
ムーンたんは犬しっこさせないとな
607名無しさん@ピンキー:2006/05/29(月) 08:06:45 ID:???
wktk
608場 ◆Gp/A555JhQ :2006/05/31(水) 00:12:20 ID:???
今のところとりたてて反対もないようでつので、
種GMさんの復帰まで、本家板での続きをここで臨時再開させていただいてもよろしいでせうか
認可いただけるのであれば、あらすじの書き上がり次第、開始しまつ・・・
609名無しさん@ピンキー:2006/05/31(水) 08:16:33 ID:???
じゃあ全裸で待ってるからできるだけ早く頼む
610名無しさん@ピンキー:2006/06/03(土) 23:18:59 ID:???
じゃあ俺も包皮剥きながら待ってる
611場GM ◆Gp/A555JhQ :2006/06/05(月) 00:30:54 ID:???
〜ストーリー〜
 ウィルは、レイドック王国の山村ライフコッドの少年。誕生日の夜に魔族ゲマによって村からさらわれてしまい、
妹のターニアの身柄と引き替えに伝説の勇者を探して来るよう命じられた。ラインハット王国の街サラボナに
放り出されたウィルは、介抱してくれたサラボナの白薔薇フローラに愛の告白をしたり、魔女バーバラと出会ったり
いろいろあったのち、占い師ミネア、踊り娘マーニャの妹姉と知り合った。ミネアを助けるためサラボナの川港で
彼女らの父親エドガンの仇バルザックと戦ったウィルは、次に現われた謎の女性ミレーユの案内で、ミネアらと
ともに夢占い師グランマーズの島へ飛んだ。そこでムーンブルク王国の危機、天、地、人の3人の勇者の伝説、
そして勇者は体のどこかに特徴あるアザがあること、また地の勇者ロトの血をひくのは5つの王家の王子王女5人
のうちの誰か一人だということを聞いた。翌日ウィルは勇者を捜すため、ミネア、マーニャの街、サントハイム王国
モンバーバラへ。月に一度の祭りの最中、以前レイドック城で出会ったことのあるサントハイム王女アリーナに
会うことができた。しかしその経緯からアリーナはウィルを疑い、走り去ってしまった。追っていったウィルは偶然、
男に襲われていたミネアを助け、アリーナの指南役だった元女兵士フレアに無事送り届けるが、その夜、再び
バルザックと遭遇し、叩きのめされた。翌朝、恐ろしい夢から目を覚ましたウィルは、フレアの家でバーバラと再会し、
手紙を預かる。そして、アリーナの従者であり神官のクリフトの頼みで、ミネアらの故郷コーミズ村に行き、うまく
アリーナと合流するが、誤解は解けないままだった。
 そのコーミズ村に、魔族ベレスの一党が襲ってくる。ミネアが精神力を使い果たして倒れたりと苦戦するものの、
アリーナの活躍とバーバラの加勢で撃退し、捕らえた魔物を尋問したウィルたちは、ベレスの目的がアリーナの
生命であり、かつて魔族らが滅ぼした隠れ里を住処としていることを知り、討伐を決意。その晩ウィルは、レイドック
出身で今はコーミズ村で働くサンディに、彼女の夫で今は父に幽閉されているジョセフを救うことを請け負った後、
回復したミネアにフローラとの運命を占ってもらい、フローラとの仲むつまじく過ごす自分の姿、マーニャとミネアの
幼少時代の一場面、さらに思い出すのも痛々しいマリベルとのいさかいなどの光景を目撃し、冷水の中で気を失う。
思いがけずアリーナに助けられたウィルだったが、占いの最中に見た光景の一つをミネアに告げたところ、ミネアは
昏倒してしまう。さらに、あくまでウィルを無視するアリーナと話し合いをするため非常手段に出たウィルは、思い
がけずアリーナを泣かせてしまい、拳の一撃を食らってしまう。その翌朝、村にやってきたマーニャに連れられて
モンバーバラに戻ったウィルは、フテ寝していたアリーナをたたき起こして説得を試みる。ところが、ターニアが人質に
なっていることをマーニャから聞いていたアリーナは、自らローブを脱ぎ捨て、ウィルの前に裸体をさらけ出す。
その幼く可愛らしい肉体を前に呆然とするウィルだったが、今はまだアリーナが勇者かどうかを確認する時では
ないと判断、服を着るよう告げ、いぶかるアリーナをどうにか諭して、ベレス退治に同行することを認めさせる。しかし
あくまでターニアを心配するアリーナに、ウィルは言う。「そんならターニアに聞いてみるか?」と―――
612場GM ◆Gp/A555JhQ :2006/06/05(月) 00:51:00 ID:???
〜登場キャラクター〜

-主人公-

◎ウィル(村の少年)
 経歴:レイドック王国ライフコッドの村人。妹のターニアが唯一の身内。
     ヘンリー王子とホルス王子の親友および従者として、レイドック城に通っていた。
     剣を使い、ブーメランも得意。ルカニとホイミの呪文を勉強中。
     その場にないものを不意に思い出したりする。
 職業:商人2+盗賊2
 強さ:打撃3 防御2 敏捷3 魔力0 (各MAX15、装備による補正は含まない)
 体調:良好
 精神:好調
 武器:破邪の剣(モンバーバラの防具屋より高値で購入。炎の魔法が封じ込められているが、ベレスには効かなかった)、
    ブーメラン(モンバーバラの防具屋より購入。複数の敵や空中の敵にダメージを与える)
 防具:旅人の服(モンバーバラの防具屋より購入)
    旅人の服(ミレーユから。現在びしょ濡れ)
 道具:薬草x4(モンバーバラの防具屋より購入)、
   キメラの翼(グランマーズから。マーズの島行き)
   爆弾石(バーバラから。投げるとイオラが発動する。バーバラに居場所を知らせることができる)
   青紫色の玉([ふくろ]に入っていた石。謎のアイテム)
   マーズの手紙(サントハイム王へ太陽の石の安否を訊ねる手紙)、
   グレーテの手紙(バーバラから。アリーナへの私信?)、
   ターニアの風鈴(ゲマから。幽閉されている妹ターニアと会話ができるが、使用中は聴覚が閉ざされる)
 呪文:インパス(アイテム鑑定の魔法)
 特技:砂煙(一時的に敵の視界を遮る)、力ため(一時的に攻撃力を上げる)

行程:レイドック王国ライフコッド→???→ラインハット王国サラボナ→グランマーズの館
    →サントハイム王国モンバーバラ→同国コーミズ村→同国モンバーバラ

状況:6日目・朝2   現在地:サントハイム王国モンバーバラ
所持金:40819G
現在の作戦:ガンガンいこうぜ(速攻)


-メインヒロイン-

◎現在同行 ○現在パーティ仲間 △限定的に会話可能 カッコ()内は現在の好感度

△ターニア(80):ウィルの妹。ゲマにさらわれて人質になっているが[風鈴]で会話できる(現在使用回数2)。
  ビアンカ(65):ウィルの幼馴染みでお隣さん。宿屋の娘。ウィルより2歳年上のお姉さん。炎系の呪文を会得。
           ライフコッドでウィルの婚約者扱いされているが、双方とも気にしていない。
  マリベル(55):ウィルの幼馴染み。ライフコッド村長の娘。何かとウィルに絡む。炎系の呪文を習得中。
           幼い頃、ウィルとちょっとした行き違いがあったらしい。
  フローラ(124):サラボナの白薔薇と呼ばれているお嬢様。父はサラボナの大商人ルドマン。元シスター。
             いろいろあってウィルから告白され、回答を保留している。ウィルの所持金はすべて彼女からの借金。
  バーバラ(93):魔女。マーディラス王国魔法研究所の所長。最高ランクの魔法の使い手であり、鞭使いでもある。
            アリーナ宛の手紙をウィルに預ける。使者としてアリーナやクリフトとも顔見知り。
○マーニャ(119):錬金術師エドガンの娘。モンバーバラ劇場の売れっ子踊り娘。自称世界一の炎術士。
            ウィルを「ビル」、アリーナを「アルト」と渾名で呼んでいる。何かとウィルを惑わすが、キレると怖い。
            現在、アリーナの説得をウィルに任せ、階下で待機中。
○ミネア(A156):マーニャの妹。名占い師で、治療師。ウィルとフローラの仲を最初に占い、何かとそのことを気にかける。
            何度かウィルに助けられ、またウィルの前でよく気絶している。
            現在、コーミズ村の自宅で朝食の準備中。
  ミレーユ(44):夢占い師グランマーズの弟子。グランマーズの館に居住。昔ムーンブルクにいたことがある。
◎アリーナ(A18):サントハイム王国のお姫様。腕力と身軽さは天才的。いろいろあってウィルと喧嘩している。
            ウィルと決闘の約束を2つしている。母は亡くし、父のサントハイム王は病気らしい。

他、未知のヒロインx?
613場GM ◆Gp/A555JhQ :2006/06/05(月) 01:03:15 ID:???
-サブキャラクター-

○クリフト:サントハイムの神官でアリーナの従者。アリーナを城へ連れ戻そうと躍起で、ウィルとは険悪。
       僧侶系呪文の使い手。剣を使うが、腕はたいしたことはない。
       現在、コーミズ村の宿屋で、魔物を見張り中。
  ヘンリー:未登場。ラインハット王子。ウィルの親友。悪友としてのエピソードが多い。
  ホルス:未登場。レイドック王子。ウィルの主君であり親友。
  ランド:未登場。ライフコッド村の狩人の息子。ウィルの喧嘩友達。ブーメランが得意。姉グロリアがいる。

ゲマ:魔族。ターニアをさらい、勇者を探し出してくるようウィルに脅迫している。
グランマーズ:ミレーユの先生。元ムーンブルク王国の宮廷占い師で、今は孤島で隠居中。
         ウィルをムーンブルク王国に関わりのある者と見立て、館へと呼び寄せた。
         ウィルが見たはずの夢が見られなかったことが気がかりなようだが……?
ルドマン:未登場。世界的な大商人で大金持ち。フローラの父。ウィルとはまだ会っていない。
リリアン:フローラの愛犬。ペット犬らしくない行動力を見せた。
チェリ:ルドマン家のメイド。ウィルが滞在中、いろいろ気遣いをしてくれた。
ユルル・キッカ・エッコ:サラボナの3人娘。チェリの知り合い。ウィルにミネアの行き先を教えてくれた。
エドガン:故人。サントハイム王国宮廷錬金術師。マーニャ、ミネアの父。5年前、バルザックに殺害された。
バルザック:エドガンの弟子。師匠を殺し研究成果を奪う。ゲマの部下として2度ウィルの前に現れている。
オーリン:エドガンの愛弟子。ミントスという街の出身らしい。3年間行方不明。
ラゴス:サントハイムの大臣の息子。レストランでミネアにちょっかいを出してウィルと一悶着を起こした。
     ルナと関係していた現場をウィルとアリーナに発見された。サントハイムに帰ったらしい。
シンシア:未登場。ターニアの世話係らしい。
ルナ:モンバーバラの見習い踊り娘。元サントハイム城の小間使いだが、アリーナに反抗。キャストミント山脈隠れ村出身。
キピン:未登場。ルナの弟。行方不明らしい。
フレア:モンバーバラで暮らす、コーミズ村出身の未亡人。元サントハイム城近衛兵で、アリーナの先生だった。
シロン:サントハイム王の側近で、ウィルの知り合い。ラゴスを迎えにモンバーバラに来ていた。
グレーテ:未登場。マーディラスの王女様らしい。
マゴット:モンバーバラ教会の僧侶見習い。クロービスという神父についての言づてをウィルに頼むも、急にウィルを避けた。
キレス:マーニャとミネアのモンバーバラでの下宿の女家主。果物屋。サンディとジョセフの仲立ちをした。
サンディ:コーミズ村の宿屋のウエイトレス。レイドックの街サンマリーノのメイドをしていたが、売り飛ばされた。
      再会したジョセフと結婚し、一人息子ジョンをもうける。ウィルに、ジョセフ救出を懇願する。
ジョセフ:サンマリーノの町長の息子。ウィルの友人。サンディを追って家出し、結婚したが、父親に連れ戻された。
      地下牢に監禁されているらしい。
ノルザス:コーミズ村の宿屋の主人。村の人々と同じく、ウィルとミネアの仲を誤解している。
ベレス:魔族。部下を引き連れアリーナの命を狙ってコーミズ村を襲う。キャストミント山脈の隠れ村がねぐららしい。
ファーズ:故人。レイドックの侯爵。レイドックでのウィルの滞在先の主人で、ウィル兄妹を養子に迎えようとした。
リリカ:レイドック城の小間使い。サンマリーノのパン屋の娘。ウィルと一緒にホルスを仕付けている。
ギンドロ:昔モンバーバラを仕切っていた偉い人。


-現在の同行メンバー-

アリーナ(王女) 職業:−
 打撃6 防御1 敏捷6 魔力?
 体調:軽傷 精神:不調
 装備:(なし)
 道具:絹のローブ
 呪文:?
 特技:疾風突き、正拳突き、?
614場GM ◆Gp/A555JhQ :2006/06/05(月) 01:04:32 ID:???
〜作戦〜

G.ガンガンいこうぜ (全体攻撃重視・攻撃呪文&特技多用・速攻系)
V.バッチリがんばれ (攻撃呪文&特技&道具多用・連携系)
L.いのちだいじに  (防御重視・回復&防御系呪文多用・慎重系)
 <<パーティ全体で庇護する仲間を1人入力。指定しなくともよい>>
S.じゅもんせつやく (直接攻撃重視・間接攻撃系呪文&特技多用・慎重系)
M.おれたちにまかせろ (攻撃人数限定・攻撃支援系&防御系呪文多用・連携系)
 <<攻撃担当者を2人まで入力。残りの仲間は支援に専念。指定のない場合は主人公だけで攻撃担当>>
T.じゅもんつかうな (直接攻撃重視・精神力絶対維持・特技&道具多用・速攻系)

*速攻系:敵の先手をとり、戦闘を早めに終わらせる。敵の攻撃を受けやすい。
*連携系:仲間どうしが協力しあい、攻撃と防御に無駄がなくなる。ただし仲が悪いときは逆効果。
*慎重系:敵の攻撃を見極めやすく、フィールドで不意打ちされることが少なくなる。敵の後手に回りやすい。
615名無しさん@ピンキー:2006/06/05(月) 23:31:17 ID:???
キター*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(゚∀゚)゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*-
616名無しさん@ピンキー:2006/06/05(月) 23:43:15 ID:???
おおっついにやる気になったか。ずっと待っていたかいがあった。

ところで好感度の中のAはなに?
617名無しさん@ピンキー:2006/06/08(木) 23:45:41 ID:???
どうした?
618場GM ◆Gp/A555JhQ :2006/06/09(金) 20:00:21 ID:???
もう1選択追加したら大変な容量になってしまいますた上に修正箇所3つ・・・
区切りのいいところまで更新しておきまつ
619 :2006/06/09(金) 20:01:24 ID:???
「……?」アリーナが顔を上げ、目を細めた。「聞いて、みる?」
『もう起きてるはずだ』言いながらマントを羽織る。『俺より早起きだからな、ターニアは』
この王女様は、ターニアのためか俺のためか自分のワガママのためだかはともかく、裸にまでなってくれたんだ。
[風鈴]のこと教えて、安心させてやろう。
「なっ……何を言ってるんだ!」アリーナが怒鳴るように叫んでくる。「まさかおまえの妹、この街にいるのか?
 また嘘なのか?マーニャの言ったことも、最初からぜんぶ、嘘だってのか!?」
とんでもない曲解。ほらみろ、やっぱり俺は嘘つきなんだろ。
『話だけならできるんだよ。そのための道具をもらってある』
[ふくろ]から[風鈴]を取り出してみせる。アリーナが眉を上げた。「それ、あのときの道具じゃないか」
『ああ。実はあのとき、これでターニアと話をしてたんだ』
「そんなもので……」
アリーナがローブを抱えたまま、歩いてくる。ちょっ……ちょっと待てっ!
『その前にまずそれ着ろ!』顔を背け、手を振って止める。『んなカッコでそば寄られたんじゃ、落ち着いて話も
 できないだろ』
アリーナは立ち止まった。が、動く様子――ローブを着る様子は、ない。
『どうした?』
「ウィル」目を戻した俺に、アリーナは両眉を下げ、情けなさげな顔で俺を見つめた。「頼めないか?」
『何を?』
「着かたがわからない」
『……………』少々、脱力。『……じゃ、どうやって巻いたんだよ?』
「ミネアにやってもらった」
……だろうな。自分で着たんなら、着たとおりに脱げたはずだからな。
『そういうの着るのは初めてだったのか?それでよく……』
呆れて言うと、「初めてじゃないぞ」アリーナがむっとした声で言い返してくる。「前は、マーニャによく着せてもらって
たんだ」
マーニャさんに……そういや子供の頃からの付き合いだって言ってたっけ。うっ。この少年っぽいお姫様にいろんな
もの着せて面白がってるマーニャさんの姿が思い浮かぶ。
で、着せてもらっただけで、お姫様のほうは着方も脱ぎ方も覚えなかったわけか……らしいというかなんというか。
「できないか?」
アリーナが俺の顔を見つめてくる。鎖骨が……っと!『な、何をだよ?』あわてて横を向く。頼む、近づくな!俺の自制
にも限度がある!
「だから、これを」アリーナが怪訝そうな目をしてローブを差し出してきて、その下のピンクの小粒……ああっもう!!
唯一の着衣を差し出すなっての!!下半身もうかなりギンギンしてきてんだぞ!
『な、なんとか、自分でできないのかよ?』
「できないから頼んでるんじゃないか」再び、むっとした声。「そんじゃ、おまえも、できないのか?」
『あのな……』額に手をあてる。女の身体にローブ巻いてやることができないわけじゃない。『それやったら、君の
 身体、嫌でも見ちまうだろうが』
「それの何がいけないんだ?」
『だから、もしアザがあって、それ見えちまったら……』
待てよ。アリーナはおそらく、アザのことまではマーニャさんから聞いてない。もし聞いていたら俺に見せる前に
自分で確認してるはずだからな。
今教えちまって自己確認されたら、やっと説得した意味がなくなる。アザのことを話すのは、今度のコトが終わって、
いよいよ調べさせてもらうってときにしたほうがいい。
「アザ?何のことだ?」
『その、なんだ』言い訳、言い訳、何かないか。『そんな、アザとか包帯だらけのとこに巻いて、加減わからなくて
 痛がらせるの、嫌だってこと』
最後で言葉が小さくなる。くだらね……もう少しましなやつ考えろよ。
「つまんない心配するな。ボクがこんな怪我を……」
『それにだ』聞かなくてもわかるアリーナの言葉を遮る。『サントハイムの王女様のお召し替えを手伝ったってこと、
 君んとこやレイドックのお偉いさんに聞こえたら、面倒なことになるだろ?』
「面倒なこと?」
『だから、レイドック側の人間の俺が……』って、なんで俺、裸の女そのままにしてくどくど言ってんだよ。『ああもう、
 いいからとにかくそれ巻いとけ!風邪ひくぞ』
「だから、巻けないから頼んでるんじゃないか」
『タオルみたいに身体に巻いとくだけでいい。とにかく肌を見せるな』
「わかった」
すぐに視界の端の赤い髪が動き始める。素直で結構、だが後ろ向く暇くらいはよこせ。
620 :2006/06/09(金) 20:03:01 ID:???
『……君、普段もそういうふうに平気で裸になってんのか?』
女の子に聞くまでもない質問なのだが、この王女様には、聞いてみたくなる。
「ん?ああ。ドレス着せられるときなんか下からみんな着替えさせられるから、ボクのほうでいったん全部脱いじまっ
 たほうが、やりやすいからな」
そんなこと聞きたいんじゃないんだが……。しっかし全部脱ぐってガキかよ。誰だよこのお姫さんにシツケしたのは。
『そういうことじゃなく、普通に、裸になったりするのかってこと』
「どういう意味だ?……うっ」ハサリ、布が落ちる音。舌打ち。「……普通にって」
『男とか、城の人間が、見てる前でってこと』
「みんなの前で、すっ裸ってことか?んなことやるわけないだろ。何ふざけたこと言ってんだ」
『水浴びのときなんかは……』
「ミズギってモンがあるじゃないか。ウィルは、人見ててもすっ裸で水浴びしてんのか?」ごもっとも。
『で、クリフトは?』
「クリフト?……っと!」再び布の落ちる音。「ああちくしょっ!どうやりゃいいんだよ!」足を踏みならす響き。
なんつーお姫様だ。こいつの躾係の人、二、三人、腹切ってたりして。
『タオルくらい巻けるんだろ。巻いたら端を折り込んで留めときゃいいんだよ』
「わかってるっ!これがへなへなしてやがるからっ!」
額に手をやる。なんでそんなことに手間どってんだ……。
『首の後ろから前に掛けて、横に巻いて、帯で縛っときゃいいだろうが』
「ああ、そうか。縛りゃいいんだ」
気付けよ……。こっちは待ってんだから。
手の[風鈴]を顔の前に引き上げる。元気なターニアの声を早いとこ聞きたいし、ターニアにも、俺の元気な声、
聞かせてやりたいんだが。
『まだか?』
「ん。これでいいか?」
振り向く。う……。麻布を身体に巻いたというより、胴にぐるぐる巻きにして顔と手足を出したって格好。肩や脇腹の
余った布がぶくぶくに膨らんでて着ていて気持ち悪いはずだが、それ以上何もする様子なく俺を見てるとこをみると、
本人は直す気がないらしい。不器用にもほどってものが……言ってもしょうがないか。ま、見なくていいところは
ちゃんと隠れてるし、どうせ今だけだ。
『……そんなんでいいだろ』すくめた肩を戻すと『それで、だ……』まだむすっとしているアリーナにあらためて[風鈴]
を見せる。
『これなんだが……まあ、座ろう』
ふかふかの絨毯に腰を落とす。アリーナも[風鈴]を覗き込むようにしながら、自然にしゃがんできた。ふむ、裾の
払い方とか脚そろえた座り方はかなりお姫様っぽい。こういうとこは子供の頃からちゃんとしつけられたのか。
「それを、どうすればいいんだ?」
『うん。ターニアと話をするには、まずはこの羽根みたいのを揺らせば……』[風鈴]の羽根に指先で触れる。あ!
待てよ。俺一人で話しても仕方ないんだ。アリーナにも聞こえなけきゃ意味がない。どうしよう?
「どうした?」
『ん、ああ……』この[風鈴]を二人で使うにはどうすりゃいいんだ。そもそも二人でも使えるのか?あの野郎にその
へんくらい聞いとけば良かったかな。
『これを、こう持って、羽根を回せばいいんだが』アリーナに説明する。『一人でしか使ったことないんだ。君まで
 含めて話ができるかわからないし、できたとしても、どうすればいいのかわからない』
「でも、話してる声が聞こえるだろ」
『たぶん聞こえない。君、この前俺がこれ使ってる最中、近くにいたろ。話してる声、聞こえたか?』
「ぜんぜん」アリーナが眉を寄せ、「なんだそりゃ。めんどっちい道具だな」前髪をかく。
『なんとかすれば二人で話せるかもしれないんだが、俺も実のとこ、これの使い方よくわかってないんだ。いきなり
 渡されたもんでな。だから』少し口を切る。『交代で、話すしかない』
「じゃ、まずウィルが、その……妹サンと話して、その後でボクにそれ貸して話させろ」
む……。それしかないか。まずアリーナを紹介して……でもそうすると、ターニアに、初対面の相手とサシで話させる
ことになるんだよな。それが少々心配……。
『アリーナ。くれぐれも余計なことは聞くなよ』釘をさしておく。『ターニアは、人見知りはしないけど、傷つきやすいんだ』
「わかったわかった」アリーナがうるさそうに手を振る。「いいから、早くしろ」
その態度にムッときたが、こらえる。ターニアを心配してくれての態度なんだろうからな。
621 :2006/06/09(金) 20:04:23 ID:???
『それじゃ……そうだ』注意しとかんと。『これ使ってる間は、外の音が、全然まったく聞こえなくなる』
「んなの、今言ったじゃないか」言ってから、アリーナがまた考えるように眉をしかめる。「ん?ええと待てよ。話してる
 声は外へ聞こえなくて、話してると外の音が聞こえない、ってわけか?」
『そういうことだ』
「じゃ、めちゃくちゃあぶないじゃないか」そのとおり。「匂いとか痛みとかは、わかるのか?」
どうだったっけっか?昨日と一昨日に使ったときは……。
『匂いについては知らない』気をつけてなかったからな。『ただ、痛みとか、触るようなのは、感じると思う』
風を感じたし、[風鈴]を持ってるという感覚は、あったはずだ。
「ふうん。じゃ、そうだな、使ってるとき何かあったら、向こうずね蹴っ飛ばしてくれ」
何かあったら……そういうのにすぐ気が回るのは、さすが武闘王女のアリーナってとこか。
『それじゃ、使うぞ』
前を向き、背を伸ばす。[風鈴]を顔の前に持ち上げ、アリーナの視線を感じつつ、羽根を指で弾く。くるくると羽根が
回り、頭の中で何かが開いて光りだす。今回も特に痛みはない。あれはきっと最初の一回だけなんだろう。まもなく
耳から(確かに耳からだ)ゆったりとした呼吸の音が聞こえてきた。
『ターニア、おはよう。起きてるか?』
「え?……わー!おはようおにいちゃん!」いつもながら、俺を安心させてくれる明るい声。毎朝浴びる陽の光。
「おにいちゃんだよね?今日は早いね!」
『ターニアもな』ほれみろ、元気なこと。『そんなとこにいても朝ちゃんと起きてるなんて、偉いぞターニア』
「えへへ……あっ。でも、違うの。お話してくる時間のこと言ったの」
『時間?』
「昨日もおとといも、お兄ちゃん、お昼過ぎてからお話してくれたでしょ?」
『そうだったな』言われてみれば。『あーそうそう。昨日は変なふうに話やめちゃってごめんな。お兄ちゃん、あれから
 大変だったんだ。魔物に襲われて』
「ええっ!!」裏返った叫び。いつもながら驚きすぎだ。「魔物?お、おにいちゃん、無事なの?怪我とかしてない?」
『無事だからこうして話してるんだろ。怪我はしたけどちゃんと治してもらったよ。お兄ちゃん大活躍だったんだぞ。
 知らない魔物が何十匹もいたけど、剣と[ブーメラン]で、みんなやっつけてやった』
一部誇張を入れたが、別にこのくらいは。アリーナに聞こえてるわけもなし。
「ほんと?何十匹も?すごーい!さすがおにいちゃん!」一転して明るい声。さすが俺の妹。「そうだよね、おにい
 ちゃんて村でいちばん強いんだもん。悪い魔物さんたちなんてぜんぜん怖くないんだもんね!」
『まあな』ミネアさんがいなかったらどうなってたかわからなかった、なんてことは言えないな。『だからターニア、
 お兄ちゃんの心配はしないでいいから、もう少し我慢していてくれな』
「うん。わたしはね、大丈夫。お友達もいっぱいできたもん。おにいちゃんのほうこそ無理しないでね……あ、ねえ、
 おにいちゃん。朝ご飯食べた?」
『まだだ。ターニアは?』
「食べてないの?ちゃんと食べなきゃだめよ、おにいちゃん」お小言モード。はいはい。「朝食べないと、一日ぶんの
 栄養を損しちゃうんだから」
『これから食べるとこなんだよ。そんなことより……』早々に切り上げる。ターニアのお小言はマリベルの自慢話並み
に長い。『今さ、隣に』俺の口元あたりをじいっと観察しているアリーナを、横目で見る。『ターニアと話をしたいって
 いう人がいるんだ』
「え?……わたしと?」
『ああ。その……ターニアのこと話したら、ずいぶん心配してくれて。いろいろ、聞きたいことがあるってさ』
「男のひと?」
『違う』お。まずそれを心配するか。お兄ちゃん感心。だが安心しろターニア。サシでターニアと話をしたいなんて
 頼んでくるような男がいたら、その瞬間にそいつとは縁切ってやる。『女の子だよ。ターニアと同じくらいの歳』
「わたしと同じ?じゃあ……」ほっとしたらしい息。「あ、でも、どんな人?もし変なこと言っちゃっても、怒らない?」
『んー……』アリーナを見る。どんな人、か。王女様だなんて教えたらきっと怯えちまうな。『ま、けっこう怒りっぽい娘
 かもだが……遠慮する必要は、ないぞ。ちょっと言葉遣い変わってて、ぶしつけで乱暴だけど、心寛くて優しい
 女の子だよ。ビアンカに話すときみたいに普通に喋ればいい』
「………」
返事がない。余計な紹介付け加えすぎたか。まずいな。ターニアがここで“ご遠慮させて”なんて拒否ったら、話が
最初に戻っちまう。
622 :2006/06/09(金) 20:06:04 ID:???
『心配するな。いい奴だよ。だからさ……話、してみてやってくれないか』
「……おにいちゃんが、そう言うなら」
『そ、そうか……』そんなに気乗りしないのか。そりゃあ、朝っぱらいきなり初対面でしかも顔のわからない相手と話を
しろなんて頼まれれば、俺だって戸惑うだろうけど。
『無理言って、ごめんな。それじゃ、代わるから』
「あっ!おにいちゃん!ちゃんとそこにいてね!」
『あ……ああ、もちろん』いてやれることはいてやれるんだが、果たしている意味があるかどうか。
俺はアリーナに目配せし、[風鈴]を差し出した。アリーナは眉を寄せた顔で受け取り、顔の前に持っていく。大丈夫
だろうか。この前のルナさんのときみたいに、突然キレたりしないだろうな?
心配は募るが、何を話すか俺には聞こえないんだから、どうしようもな―――。
「ボクは……アリーナという」あれ?「ウィルの妹、聞こえているのなら、答えてくれ」なんだよ。おいアリーナ。外に
聞こえちまってるぞ。
が……おかしいな。アリーナはしっかり[風鈴]の紐を持っているし、羽根もちゃんと回っている。何でだろう。もしか
してこの[風鈴]て、俺にしか使え……。
「は、はい。聞こえてます。ウィルの妹のターニアです」うっ?「ご心配していただき、ありがとうございます」
ターニアの声![風鈴]持ってないのに聞こえるじゃないか!?どういうことだ?
「その、そなた、悪い奴らに捕まってるそうだな」
アリーナは[風鈴]を見つめたきり、唇を動かしていない。これはつまり……。俺が始めに使ってそのまま羽根を
止めずに渡したせいなのか、それとも羽根が回ってるのを一緒に見てるせいなのか、とにかく、こうすれば二人でも
使えるんだ、この[風鈴]は!
と、いうことはだ、今俺が声を出せば、それも二人に……?
「いま、そいつらに酷いことされたりしてないか?」
話に加われるか確認してみたいが……今は、割って入らないほうがいいな。俺も一緒に話ができるってことを
アリーナが知れば、ターニアの“証言”を簡単には信じてくれないかもしれない。
「殴られたり縛り付けられたりは、されてないのか?」
あのな。ターニアがそんなことされてんのなら俺はとっくにお前の服むりやりひん剥いてるぞ。可能かどうかは別として。
「そんなことされてません」緊張しながらも、きっぱり答える声。
「ほんとうか?」アリーナが俺を横目で見た。「正直に言ってくれていいんだ。今喋ってること、ウィルには、聞こえ
 ないそうだからな」
腹の立つより早く唇の端が引きつる。聞こえてるよあいにく。ターニアに何言わそうとしてんだよ。
「ほんとうです!」さらにきっぱりとした、鋭い声。怒ったときにしか聞けない声だ。嫌な予感がしてきた。「わたし、
 正直に言ってます」
「それなら食事は?ちゃんとしたもの食べているのか?それに、ちゃんと陽のあたるとこにいるのか?」
「はい!ちゃんともらってます。今日の朝ご飯だって、パンとお野菜とお肉食べきれないくらいもらって、お腹ぱんぱん
 なんですから!お日様だってちゃんとあたって、洗濯物バンバン乾いちゃうんですよ!」
「なぜそう大きな声を出すんだ」アリーナの眉とまぶたが震えた。まずい雰囲気だぞ。「ひょっとして、そばに誰かが
 いて、そう言えって脅されてんじゃないだろうな?」
「なっ、違いますっ!今は誰もいません!」ますます大きく、悲鳴に近くなったターニアの声。おいターニア、この
お姫さんにそんな言い方したらまずいって!「アリーナさんですよね?わたしがウソついてるって思ってるんですか?」
「何をムキになってんだ。ボクは心配して聞いてやってんだぞ!」案の定、アリーナが頬をぴくつかせている。怒鳴り
あいになったら、人見知りなターニアは泣き出しちまう。止めてやったほうがいいか?だが……。「そなたは今いっ
 たい、どこにいるんだ?教えてくれたら、今すぐ助けに行ってやる」
なんつーか……俺の意図とまるで逆の方向行ってるな。ベレスどうすんだよおい?
「そんなのわかりません。広いお部屋で、かまどがあって、窓があって」ターニアが必死で説明する声、いっぱい
いっぱいの声を聞きながら、俺は奥歯をかみ締め、アリーナから顔を隠した。「昨日シンシアさんが箪笥持って来て
 くれて、その中にお着替えがいっぱい入ってたんですよ。それで今、その中でいちばん可愛いのを着させてもらっ
 て……」
「んなことは聞いてない!」
アリーナの怒鳴り声に思わず手を握る。おい、俺をはともかく、人の妹を脅かすな!
623 :2006/06/09(金) 20:07:52 ID:???
「び、びっ、びっくりするじゃないですかっ!大声出さないでください!」
「そこに窓はあるんだよな?何か見えないか?山や建物なんかは?」
「な、なんなんですか!?」喉に詰まったターニアの声。すっかり焦りきり、おびえきってる。「お、おにいちゃんの
 お友達だって言うから、心配してくれてるって言うから……なのに……。ひっ……お、おにいちゃあん……」
『………』
もう駄目だ。いい加減切り上げ。ターニア、無理させちゃったな。お兄ちゃんが悪かった。『タ……』
「……泣かないでくれ。すまなかった」
へ!?
「安心してほしい。そなたの兄は、ボクのすぐ隣にいて、見守ってる」抑えた声でアリーナが話し出した。「ボクが言い
 すぎた。詫びよう。だがボクはそなたが心配なんだ。もし苦しんでいるのなら、助けてやりたいんだ」
ぽかーん。なんてこった。アリーナが謝ってる……。
「そなたに、ひとつだけ確かめたい。ウィルは、そなたは今は安全だと言っていたが、その通りなんだな?」
アリーナの表情には、さっきまでの不機嫌さはまったくなく、真顔になっている。
「……はい」涙まじりの、か細い返事。胸が痛くなり、思わず声が出かかったが、
「そうか……良かった」アリーナの眉が緩むのがわかった。「無事なのなら、ボクも嬉しい」
安心して胸の奥から吐く息に乗せたような、優しい口調。ったく……こういう素直な話し方できるんなら、最初から
やってくれよ……。
二人の会話が途切れる。この変わりようにターニアも戸惑ってるんだろう。
「あ、あの……」そして、おそるおそるな声。「ありがとうございます。あの、アリーナさんは、どういう方なんですか?」
「ウィルに聞いてるんだろ?」アリーナの目が横の俺を探る。
「はい。おにいちゃんの、お友達って……」
「友達……」アリーナがあからさまに顔をしかめる。俺はそう思ってるからな。「ま、一度はそう認めた仲だな」変な
言い方するなよ。
「あのう、えっと、もしかしたらですけど、ヘンリー王子様のお知り合いでしょうか?」
「何?……なんでそう思う?ウィルがそう言ったのか?」
「いいえ。でも、しゃべり方が、ヘンリー王子様みたいに、偉い人っぽいので……」
アリーナの表情が一瞬固まった。言われてみれば話し方はどっちも尊大だな。もっともヘンリーは、女を“そなた”
なんて回りくどく呼ばないけども。
「その、違う。ボクはヘンリー王子は知らないし、ボクのことなんていいんだ。そなた、ひどいことはされてないと
 言ったが、一人で寂しくはないか?」
「一人じゃありません。シンシアさんが来てくれますし、マーちゃんにラーちゃんに、クーちゃん……あっ、鳥さんです
 けど、今も遊びにきてくれてますから!」
「そ、そうか」アリーナが戸惑ったように早口で答えた。ターニアの逆襲開始か。「しかしそなた、ウィルと二人きりの
 兄妹なのだろう?ウィルがいなくて、心細くはないか」
「えっ、と……。はい、寂しいです、とても」う。胸にチクリ。「朝起きて、おにいちゃん起こさなきゃって思って、それで、
 いないんだって思うと泣きそうになっちゃったり、昨日の夕ご飯にお豆入りピーマン作ったて、せっかくおにいちゃん
 が好きな料理なのにって。これおにいちゃんに出してあげたら、ほっぺなでなでしてくれるのにって。それから、
 お風呂から出て髪拭いてるとき、おにいちゃん、よく拭かなきゃ駄目だぞって、タオルで頭ごしごししてくれるのにっ
 て……」チクチクチク。それは俺もさびしいぞターニア……。
「そうだろう?それならウィルに、すぐそなたを助けに行くよう言う。こいつ実は、ボクと一緒に魔物退治に行くと言って
 きかないんだ。そなたがさびしがってるってこと言って、腕ずくでもやめさせてやる」
だ、おい、アリーナ。約束が違うぞ!ターニアと話をさせたら山に連れてくって……て、しまった、そんな約束なんかしてなかった!
これじゃやっぱり振り出しに戻っちまう……どうする。
「やめてください!」
ターニアがまた大きな声を出した。今度は怒ってはいない。「おにいちゃんがそう言ってるなら、そうしてあげてくれ
 ませんか」
「何?だが、今……」
「さびしいのは本当です。でも私、そんなにさびしくはないんです」
自己矛盾。はっきり無理してますって言い方だな……。
624 :2006/06/09(金) 20:08:58 ID:???
「私、一人でお留守番するの、慣れてます。おにいちゃんて、お城行って、一月も帰ってこないことありますから。
 それに、お城行ってるときみたいに一人ぼっちじゃなくて、こうやって、おにいちゃんとも、アリーナさんとも、お話
 できちゃうんですから、さびしくないんです。あと……」声が少し途切れた。「……私、おにいちゃんと離れ離れに
 なって、ちゃんと考えてみたいこと、あるんです」
ちゃんと考えてみたい……??
ターニアらしからぬ物言いだ。何なんだ、いったい。
来年の精霊祭にも精霊様をやってくれって頼まれてることか?いやそんなレベルじゃないだろ。ひょっとして、この前
言った、二人でレイドックで暮らすってことか?いつもどおり無言で拒絶されたが……。
ま、まさか……ランドのことか!?
「し、しかし……そなたを捕らえてる奴らが、いつまでもそなたを……」アリーナが未練がましく言う。
「時間かかってもいいんだそうです。シンシアさんが言ってました。そんなに簡単に見つかるものじゃないって。何年
 もかけて探しているのに、見つからなかったって」
「見つからなかった?いったいどこに目をつけて探してたんだ、そいつらは」アリーナが呆れた声を出す。「ボクなら
 ……」
「ですから、おにいちゃんに、あんまり無理しないように言ってください。毎日ちゃんとご飯食べて、ちゃんと寝てって。
 私のこと、そんなに心配しなくていいって。急いだりしないで、おにいちゃんのしたいように、してって」
ターニア……なんてお兄ちゃん孝行な妹を持ったんだ俺。もう二つくらいお願い聞いてやりたくなったぞ。
「し、しかし……そんなこと言ったら、絶対こいつボクについて来ちまうぞ。危険なんだぞ」
「えっと、それ、勇者様と関係があるんじゃないでしょうか」
あちゃー……言ってしまったか、ターニア。頼むからそれ以上のことは絶対話してくれるなよ……。
「勇者?」アリーナが眉を寄せた。「なんだ、勇者って。ベレスと勇者と、どういう関係があるんだ」
「わかんないですけど……アリーナさんについてくのは、ちゃんとした わけがあるんだと思います。おにいちゃんて
 意地悪で、いろんなこと私に秘密にしてて、ぜんぜん教えてくれませんから」
秘密……わざともったいぶって、ターニアがすねるのを見たいだけなんだが。
「………」アリーナが俺を見た。唇を持ち上げて、困った顔になっている。「それなら……連れていってやってもいい
 んだが……」
「連れていってあげてください。私からもお願いします!」
ターニアに聞いてやるお願いの数、プラス1。
「そう、か」アリーナが真顔に戻る。「では、ちょっとの間だが、そなたの大事な兄を借りうける。もちろんボクが守る。
 いいか?」
「はい!ありがとうございます」ターニア、お前が礼言うことないぞ。お兄ちゃんがお礼言わなきゃ。
「わかった。そえじゃ、そうしよう……」アリーナが[風鈴]に触れようとし、俺を見たり、下からのぞきこんだりし始めた。「これ、話をやめて、話せるようにするには、どうするんだ?」
「え?何がですか」
「そなた、この道具をどうやって止めるのか知らないか?そなたはこれを使っていないのか?」
「この道具って……わかりません。今、別に何も、使ったりしてませんけど」
「そうなのか?」アリーナがまた俺を見た。目で、どうすればいい、と訴えてくる。俺は不思議そうなふりをして首を
かしげ、[風鈴]を指さした。アリーナがうなずく。手を伸ばして羽根を止めた。頭の中で開いていたものが風呂桶の
穴に吸い込まれる水のように消えていく。鳥のさえずりが外から聞こえはじめる。あ、まともな話の終わり方、今度も
ターニアにできなかったな……。
『どうだった?』ぼんやりした顔のアリーナに声をかけてやる。『話せたんだよな?』俺にとっても、聞こえるかどうか
の確認。
「あ……ああ」はっと俺を見たアリーナに、
『どうだった?』重ねて聞く。内容はもうわかってるが。
「な、なんて言うか、その……お前の妹、ずいぶんと兄思いだな」アリーナが顔をしかめながら言い、絨毯から立ち
あがって腕と脚を伸ばす。「お前を連れていってくれと、頼まれた」
『そうか』何気なく言ってから、あわてて、知らぬふりして『どこへ?』聞き返した。
「ベレスんとこに決まってるだろ。まったく、お前も妹もそろって変な奴だな」ま、否定はしない。
『それじゃ、ターニアの許可ももらったところで』俺も床から立ちあがる。『村へ戻るか』
予想していたとはいえ、ずいぶん手間がかかった。ミネアさん、待ちくたびれてるだろうな。
625 :2006/06/09(金) 20:09:39 ID:???
「あっ、待て、ウィル」[風鈴]をしまおうとした俺の目の前に、アリーナが横顔をひょいと突き出してきた。「それ、よく
 見せてくれないか。あ、お前が持ったままでいい。ボクが持って、壊すといけない」
『あ、ああ』こういうものを壊した前科があるらしい……。
[風鈴]を目の高さまで上げてやると、アリーナは俺にぴったり寄り添うようにして、いろんな角度から見るため、顔を
傾け、指を伸ばして鈴の部分をつついたりし始めた。「不思議だな。まるで頭にじかに聞こえて、頭でしゃべってる
 みたいな感じだった」髪が俺の胸に当たっても、肩や腕が触れても気にする様子なし。お前、俺のこと嫌いじゃ
なかったのか?少しは警戒しろよ、そんな無防備な薄着なんだから。
くっ。ローブがずれて現れた肩骨の白い素肌が、吸い付けと言わんばかりに眼前で輝いて……。
「それで、ウィル。勇者って、何のことなんだ」
『あ、勇者?』あわてて俺は顔を前に戻す。えーと。『なんで知ってるんだ。ターニアから聞いたのか?』
「ああ。勇者と、ボクのカラダと、どういう関係がある?」
『ベレスのこと片付いたら話す、って言っただろ。もういいか?』[風鈴]を[ふくろ]に入れる。『ほら、さっさと下行くぞ。
 マーニャさんがお待ちかねだ』
促したが、アリーナは動こうとしなかった。『……おい?』
「なんで……」俺をじっとにらみつけてくる。ちょ、勘弁してくれ。もう喧嘩してるヒマはないんだ。「お前、マーニャたち
 には話したんだろ?この国に来たのも、ボクに会ったのも、そのためなんだろ?」
『ああ』俺はさも面倒そうに答える。
「なんで、ボクに、最初に話してくれなかった」非難しながらも泣き出しそうな目で、俺を見上げてくる。「話してくれて
 たら……そのう、その場で見せてやったのに」
あそこで、か?アリーナならやりかねな……いや、しかし、いくらなんでも。
『そ、そりゃあ、会ったばっかりの相手にいきなり打ち明けられないだろ』とはいえ実のところ、マーニャさんたちとも
会ったばっかりだったが。『まさか、探してた王女だとは思わなかったからな。もしあのときに知ってたら、手ついて
 頭下げて頼んでたよ』
知らなくて良かったかもな、と、いろんな意味で思った。
「そんなことしなくてもボクは……」言いかけてから、探るような目つきに変わった。「待て。本当に、お前、知らなかっ
 たのか?」
『だから何度も言っただろ。君は信じてくれなかったが』
「……ウソだ」アリーナが一歩下がった。「じゃあなんで、あの屋根にわざわざ登ってきた。なんでボクと仲良くなろう
 とした」
『それも、何度も言ってる』俺は顔を上に向ける。あー面倒くさい。『君が、可愛い女の子だったからだろ』
「………」アリーナの顔が引きつり、キッと俺を見つめた。「う、ウィル、お前っ、この期におよんで、ボクをバカにする
 のか!?」
なんでこの美少女は可愛いって言葉に拒絶反応するのかね。『バカになんてしてないだろ』事実は曲げられない。
『本当に君は……』
「黙れ!」アリーナが拳を握り締めている。「弱いくせに!」
今となっては腹も立たない。『……あのな。弱いんじゃなく、お前が強すぎ……』ん?アリーナが可愛いって言葉を
拒絶する理由がひらめいた……気がした。『とにかく。俺が君と友達になりたかったのは、そういうことだ。身体は
 細くて俺より小さくて、歳だって妹と同じくらいなんだからな』
「………」アリーナの目つきがさらに険しくなる。が、急にその怒り顔が緩んだ。「……妹、か」肩を下げ、息を吐く。
ほっとしたような息だった。「そうか」そして、気を取り直したように、伸びをした。
急にどうしたんだ?妹……ターニア?さっきのターニアとの話を思い出して、怒りを引っ込めた……のか?
「んじゃ、ウィル、さっさとマーニャに頼んでコーミズに戻って、キャストミントだ。今のうち言っとくけど、ボクについて
 来れなきゃ、置いてくからな」
そう言ってアリーナがドアへと歩き出す。最前からずっとそうしたがってたのは、俺のほうなんだが……。
《アリーナの状態が変わった》
《アリーナの評価が上がった!》
《ターニアの評価が上がった!》
626 :2006/06/09(金) 20:14:14 ID:???
階下に降りた俺たちは、待ちかねていたらしいマーニャさんに出迎えられた。
「あら……ふふっ、ビルくん、やっと目的果たしたみたいね」アリーナの不恰好な姿を見るなり、マーニャさんが
笑って俺に言った。マーニャさんのほうは、初めて会ったときに着てたのと似たような、薄手のローブを羽織っている。
「どうだった?ちゃんと印……」
『それなんですが、今の用を片付けた後ってことにしたんです』
「は?何それ?」マーニャさんはいったんアリーナに目を振ってから、俺を見なおした。「じゃ、なんでアルトがあんな
 カッコしてんのよ。脱がせたんじゃないの?」
『それは……』どう話したらいいんだ。マーニャさんとやりあったら、どうしても勇者とかアザとかが話題に出てきて
しまう。
「んなこと、どうだっていいだろ」アリーナが苛立ちを声と顔で示す。「早く、連れてってくれないか」
「あら。あんたたち急いでるんだっけ?それにしちゃずいぶん時間かかってたけど……アザ探してたんじゃないん
 なら、いったい何してたわけ?まさか……」
『ま、マーニャさん!』あわてて俺は口に指を立ててみせる。『アリーナには、あの化け物を何とかした後で全部話す
 つもりなんです。今は秘密にしておいてください』
「秘密、って……ビルくん、話してないの?」
俺がうなずいてみせると、マーニャさんは、信じられないというような大きな目で俺をじっと見た後、額に手を当てて
考え込んだ。「……あたしにはよくわかんないわね。なんで今は内緒にしとかなきゃいけないの?話しちゃえばいい
 じゃない。それで仲直りできるかもしれないんだから」
『………』正直、俺にもうまく説明できない。いろんな事情が絡みすぎてる。『なんて言いますか……』たとえば、俺は
アリーナに借りがいくつかあって、それを返すためには今のところベレス退治に付き合うのが一番良く、だがアリーナ
から見れば俺(たち)がついてくる必要はまったくなくて、俺がアリーナに同行する理由を無理やり作るためには……
というのもあるし、アリーナがもし勇者だったら……という覚悟がちゃんとついてないってのもある。元気そうなターニア
より、命を狙われているアリーナのほうが切羽詰ってるってこともある。『今、アリーナ、それにコーミズ村が危なくて
 それどころじゃないですし、アリーナにはその、落ち着いてから、改めて俺から頼んだ上で、確認させてもらいたい
 な、と……』
ほとんど説明になってないな、と、俺当人はしゃべりながら思っていたのだが、
「ははーん……ビルくん、そういうことね」マーニャさんは納得したようにうなずき、クスクス笑って俺の前に寄った。
「そうよね。せっかくアルトの身体を見られるんだから、ゆっくり時間かけて、じっくり見たいわけね。それに……」顔を
俺の耳に近づけてくる。「見るだけじゃ、嫌なんでしょ?」
『ま、マーニャさん、俺はそんな!』
「むきにならなくていいの。男の子なら、女のカラダに触ってみたいって思うのが当たり前じゃない。特にアルトみた
 いな娘には」マーニャさんが人差し指の腹で軽く俺の頬をつつく。き、決め付けないでくださいよ。「アルトなら、
 どーしてもって頼めば触らせてくれるかもよ。どこでもね。アルトってそういうの全然なんだから」
どこでも……。俺は思わずアリーナを横目で見、とたんに白くて薄いふくらみや男と完全に違う個所が思い出され、
唾を飲み込んでしまう。「あははは、偉い偉い、ビルくん」マーニャさんがさも楽しそうに笑い、俺の髪に手をかけた。
「アルトのぜんぶ、見るには見たわけね。でも何にもしなかったのね。よくガマンできました」
ぐっ……今たぶん俺は相当悔しそうかつスケベな目でアリーナを見ちまってたんだろうな。
「ビルくんたち下りてくるの遅いからキレスさんが心配しちゃってたのよ、もしマチガイでもあったらって。あたしは
 そのほうがずっと面白そうだったんだけどね、もしそれでビルくんと王女様に逢引きの場になったなんて知れたら、
 大変なことになっちゃうってこともあるのよ。だからビルくん、アルトともし本気でそういうことするなら誰にも迷惑
 かかんないとこでやんなきゃ駄目よ。コーミズの家なら、大丈夫だけど」
『………』さすがに辟易する俺。マーニャさんて、ただからかってるだけなのか、それとも、俺とアリーナがそうなる
ことを期待してるんだろうか?昨日はミネアさんを薦めてたような気もするんだけどな……。
「二人して、何を長いこと話してんだ!」
アリーナが足を踏み鳴らした。「ごめんごめん、アルト」マーニャさんが笑顔でごまかした。「んじゃ、ビルくん、アルト、
 上に来て」
627 :2006/06/09(金) 20:19:57 ID:???
階段を上がりかけるマーニャさんに、『え?』俺とアリーナは顔を見合わせる。二階からルーラ?『あの、マーニャ
 さん、すぐコーミズへ……』
「ビルくん。アルトをその格好で村の中歩かせる気?」
そう言って、マーニャさんが呆れたように眉を寄せた。「芸術的ってくらいくつろいだ個性的な服装だけど、あの村の
 人たちがわかってくれると思えないわ」
なんだ、アリーナのローブを着つけ直してくれるつもりなのか。『だったら俺、ここで待ってますよ』
「何言ってんのよ。ビルくんが選んであげるのよ」へ?選ぶ?「ミネアったら、よりによってなんでそんなのアルトに
 着せるのかしら。それさ、あたしが掃除とかするとき用に余ったの縫い合わせたやつなのよ。ほら、そこんとこ、
 ツギしてあるでしょ」
アリーナの腰の後ろを見ると、なるほど、同じ色の布が同じ色の糸でうまくあててある。俺は言われるまで気付か
なかったが、着せたミネアさんと着せられたアリーナは知っているはずだ。
「別にこんなのいいじゃないか。気になるようなもんじゃない」アリーナがそのツギを引っ張りながら言う。うむ、その
通りだ、アリーナ。王女様だろうと、ツギの当たった服を着ることは全然恥ずかしいことじゃないぞ。ツギの服着るの
を拒否して元召使いの家へ家出するお嬢様とか、せっかく縫い合わせてもらったマントを自分で城の窓から放り
捨てといておろおろする王子も中にはいるけど。
「あたしが困るのよ。王女様にツギ付きの服着せてたなんてバレたら、あたしは実は貧乏性だなんて思われちゃうで
 しょ」あ、なるほど、そういう事情ですか……。「どうせだからビルくん。アルトにもっとましなの着せてあげなさいよ。
 そんなの論外だけど、あんな誰でも着るよーな[皮のドレス]でもないやつ。アルトに合うサイズのちゃんとあるから」
『は?』俺はまたもアリーナを振り返る。もっとマシなのって、[皮のドレス]は、うちの村にとっちゃかなりの高級品な
んですけど。『アレで別に構わないんじゃないですか。アリーナだって、着なれてるでしょうし』
「あのねえ、ビルくん」マーニャさんが上から俺の額を指でつついた。「女の子に今よりもっといいカッコをさせたいっ
 て、男はいつも考えてなきゃいけないの。黙ってついて来なさい」
言い放って階段を上がっていくマーニャさんに、俺は納得できないながらも仕方なくついていった。アリーナも、わけ
の分からなそうなしかめ顔で後ろから登ってくる。廊下の窓の外は完全に明るくなってるから一刻も早くミネアさんの
待つコーミズ村に帰りたいのだけど、何しろもし足で行ったら、ミネアさんがせっかく作ってくれてる朝食が昼食に
なってしまう道のりだ。マーニャさんに従うほかない。
ミネアさん……こっちの家でもずっと、マーニャさんのこういう気まぐれに付き合わされてきたんだろうな。
《マーニャの評価がわずかに上がった!》

というわけで再びマーニャさんの部屋。すっきりした空気が鼻に入って溶けていく。
『このいい匂い、なんですか?』
「ふふ、これはね……下のミネアが焚くお香がここまでのぼってきて、それにあたしの汗の匂いが混ざって、こういう
 匂いになってるの。あたしキレスさんとこで果物ばっかり食べてるから、こういう匂いの汗かいちゃうのよ……
 あはは、ビルくん、そんな怒った顔しない。冗談なんだから笑って笑って」
つまらない冗談だと思いつつも俺は、しなだれかかられるたびに香ったマーニャさんの初夏の潮風みたいな汗の
匂いを思い出していたのだった。そんな俺の両頬をマーニャさんはぴちぴち叩くと、壁際を覆うカーテンへ歩いて
いった。
「ビルくん。さっきこれ開けた?」
『いいえ?』俺は首を振る。『何があるんです、それ。水槽になってて魚を飼ってるとか』
「そんなすごいものじゃないわよ」マーニャさんがカーテンを横に払うようにして開けた。
『わ……』
そこにあったのは、渡し木に引っ掛けられて並ぶ、数々の服、ローブ、ドレス、舞台衣装だった。覗いてみると奥の
壁に突き当たるまでずっと続いている。反対側もこのカーテンだから、つまりこの広い部屋の壁沿いすべてが衣装
のためのスペースになっているのだ。さらに床にも衣装箱が置かれているから……いったい何着あるんだろう?
マリベルが持ってる服(寝間着下着まで含めても)の数の20倍はありそうだぞ。
628 :2006/06/09(金) 20:23:57 ID:???
「どう?」マーニャさんが笑った。「なかなかのもんじゃない?」
『すごい、ですね……この街じゅうの人に一着ずつ配っても、まだ余るんじゃないですか?』
「何でもあるわよ。わざと地味なカッコするための[布の服]から、ちょっとビルくんには言えないようなのまでよりどり
 みどり。さあそこの素敵なお兄さん、可愛いお姫様のためにお好きなの選んでちょうだい!」
つられて笑いながら俺はアリーナを振り向いた。俺のすぐ後ろにいたアリーナが、大して驚いた顔もせず、うんざり
したように唇を曲げて横を向いている。これもう既にアリーナは見たんだろうか。
「だけどビルくん。小さいサイズがある服にしてね。アルトって、あたしよりずっと……アレでしょ?」
『あ、そうですね』すぐ了解した俺に、マーニャさんがニヤリとする。しまった。いや、身長の話ですよ、身長!
「それで……まず、あたしのオススメはね」マーニャさんがドレスの並ぶ中に手を入れた。「これなんかどう?可愛い
 でしょ」
ぶっ!青に染めた綿糸を透かし編んだレースアップの下着、フリル付き。
『マーニャさん……それ、下着じゃないですか』
「見せる下着よ。これだけで外歩いたっていいの。ぴったりしてて動きやすいんだけど、どう?」
どう、って……。明らかに嫌そうな顔のアリーナと青いビスチェとを交互に見る。ま、似合わないってわけじゃない
けどな。『マーニャさんみたいに、着て歩いても恥ずかしくないくらいのスタイルの女性なら、いいと思いますが……』
声をひそめて言った。悪口じゃないぞ。事実だからな。
「あはは。言うわね、ビルくん。えーっと、じゃあ……」
ドレス類をあさり出すマーニャさんに、俺はあわてて言った。『そういうのじゃなくて、[皮の鎧]とか[鎖帷子]みたいな
 のは、ないんですか?』
「そんなごっついの、あたしが着るって思ってるの?ミネアだって着ないわよ」
『………』指で頬をかく。何でもあるんじゃなかったんですか。『俺たち、これから魔物と戦うんですけど』
「わかってるわよ。だからいいのを選んでるんでしょ」
『ですから、防御力のある鎧とか、魔法が通りにくい法衣なんかは……』
「そうねえ……これなんかどう?」
俺の言を無視してマーニャさんが取り出したものに、『……!!』俺はぎょっとして思わずすくんだ。光沢を放つ
ピンク色のレオタード。しかも極力覆う部分を少なくしてある。こ、こんなのを、アリーナに着せたら……。
『そ、そんな布地少ないので化け物と戦えって言うんですか?』
「あら。これ、けっこう丈夫なのよ。ナイフなんかじゃ絶対切れないの。それに動きやすいから、普通の服なんかより
 ずっと怪我しなくて済むわ」マーニャさんがレオタードの肩の部分を引っ張る。本当だ、伸び縮みの幅がすごい。
「ただこれ、けっこう高いのよね。貸し出し料払ってもらわなきゃ貸せないわ。500ゴールドくらい」高っ!
『それ、誰が払うんですか?』
「今ここにいて、お金持ってる人に決まってるでしょ」
やっぱり俺?『あの、後払いっていうのは』
「ビルくん……」じろり。駄目ですか。後でクリフトに立て返させるか……でもなあ。
「これいいと思うんだけど、高すぎるって言うなら……」マーニャさんがレオタードを名残惜しそうに置く。「はい、これ
 もあるわよ」
と見せてくれたのは、マーニャさんの普段着、じゃなくて、ステージ衣装。すなわち[踊り娘の服]。
『それ……動きやすいかもしれませんけど、そんなの、アリーナに着せてもいいんですか』
王宮に知られたら首斬られるかもだぞ……俺が。
「別にいいんじゃない?アルト、これ、一度着てみたいって言ってたわよね」
「ん?ああ」アリーナは恥ずかしがる様子もないが目を輝かせることもなく、うなずいた。やめとけ。絶対スカスカで
自信なくすと思うぞ……こいつの場合まったく気にしなさそうだが。「けどな……」アリーナが面倒くさそうに髪をかく。
「あいつと戦うときはそれでもいいけど」いいのかよ?「そんな薄着で山に行くのは……ちょっと嫌だ」
なるほど、その通り。
629 :2006/06/09(金) 20:31:23 ID:???
『そうですよマーニャさん。まず山登るんですから、暖かいカッコしないと』俺は手近にあった緑色のローブを手に
とった。『こういうののほうが、いいと思います』でもアリーナよりミネアさんに似合いそうだな、こういうローブ……
あれ?この布、触り心地が変だ……ぜんぜん重さを感じない?
「あら、ビルくん、見る目あるじゃない」マーニャさんが寄ってくる。「それ、[みかわしの服]よ。信じられないくらい軽い
 し、殴られたり蹴られたりされそうになったとき、自然に避けられるの。それも貸すとしたら高いわよ。でもビルくん
 だし、300ゴールドにまけといちゃう」
にこにこしながらマーニャさんが[みかわしの服]、それに[踊り娘の服]を長いすに置く。「こっちのは、辞めちゃった子
 のをかっぱらって来ただけだから、50ゴールドでいいわ。持ってけドロボー」本当にまけたんですか、その値。なん
だかマーニャさんの小遣い稼ぎのような気がしてきた。今度はできるだけ安そうなのを……。
『えーと、これ……普通の、[旅人の服]ですか』並ぶ衣装の下に投げ捨てられるように落ちていた服とマント一式を
拾い上げる。見事に普通の麻布、普通のマント。今着てる俺のよりちょっと小さいから、アリーナにはぴったりだ。
男物っぽいが、幸いというか残念というか、アリーナなら問題ないだろう。
「それ?見たまんまよ。タンスにいつの間にか紛れこんでたの。どうせあたしは着ないから、そんなの、タダであげる
 けど」知らない間に盗んできたとかじゃないですよね……。「なに、ビルくん。アルトに男のカッコさせたいの?」
『いえ、山に登るにはいいかと……。アリーナ、こういうのはどうだ?』
横のアリーナに示すと「……そういうのでいい。早く決めてくれないか」アリーナが髪に手をやりながら言った。なんだ
そのやる気ない態度は。真剣に選べ。
『あのな。俺じゃなくて、君が着るんだぞ。これとこれとこれ……』
「ちょっと、ビルくん」後ろでマーニャさんが言った。「ビルくんが選んであげるんじゃないの」
『……はい?』俺はマーニャさんを振り返った。『な、なんで俺が?』
「なんでって、ビルくん。アルトにこういうの選ばせる気?」
呆れたように両腰に手をあてるマーニャさん。男はともかく、女性の服は女性本人が選ぶものじゃ……。けどそれは
服装に興味があって、見る目のある女性の場合か。『それなら、マーニャさんが選……』言いかけてあわててやめる。
そうしたらさっきの[ピンクのレオタード]一択だろうし、金払うのは俺だ。それに考えてみれば、アリーナに選ばせると
いうのはすなわちマーニャさんに選ばせるのも同じ。マーニャさんが薦めれば、何でも“じゃあそれでいい”で決め
ちまうだろうから。
『わかりました……』俺はしぶしぶうなずく。『アリーナ。俺が選んでもいいか?』
委任許可を求めると、「早くしろ」返事はそれだけ。本当に何でも着そうだな、こいつ。プリンセスのくせにファッション
に関心ないってのは、かなり問題だぞ。
『それじゃえっと、この4枚の中から、どれかってことになりますよね……』
見比べようとすると、「あ、それと、アクセサリーね」マーニャさんが鏡台へとかけて行った。「アルトに合いそうなのは、
 と……」
アクセサリーまでつけさせるんですか?
『マーニャさん。そんなの、いらないと思いますよ。魔物と戦うんですから』ベレスがファッション見て手加減したりして
くれるとは、とても思えないからな。
「ビルくーん。あのね、女の子には、服選んであげるだけじゃぜんぜん足りないの。それに合う小物をつけて、初めて
一つの身だしなみになるんだから。そうねえ、アルトがつけてカワイイのは……」俺の抗議にも構わず、マーニャさん
は小箱をいくつか持ち出してくると、長いすの上に並べた。
「これが、金のブレスレッド。ただしメッキで、安物で重い。デザインもダサい。頑丈なだけが取り柄ってとこね。それ
 から、可愛いスライムのピアス。穴開けなくてもいいやつね。あと、ルビーの指輪。ただこれも宝石大きすぎて、
 見た感じイマイチ。それから……ふふ、こういうのもあるわよ」
いきなり黒いものが放ってよこされる。両手の指に引っかけるように受け取ったそれは……わわわわわ!?こ、これ
は……!!
630名無しさん@ピンキー:2006/06/09(金) 20:36:47 ID:???
流石に読み難いよ兄者
631 :2006/06/09(金) 20:39:43 ID:???
『ま、マーニャさんっ!』どこを持っていいのかわからずに思わずもう一度宙に飛ばし、あわてて受け止め直す。
黒絹をレースに編んで輪にした下着……いや下着の上につけるから下着じゃないか……つまり、ガーターベルト!
『こ、こんなのマーニャさん、つけてんですか?』
「つけないわよ。それ、あたしには小さすぎちゃって」あの、聞きたいことはそういうことでなくて。「普通は売っちゃう
 けど、アルトにならぴったりだと思って、とっといたの。あらビルくん、あたしのつけたやつが欲しかった?」
マーニャさんがさも楽しそうにニヤニヤ笑う。うう、やっぱり遊ばれてる。昨日から健康な一青年にとって刺激があり
すぎるイベントが続いてんですから、勘弁してくださいよマーニャさん!
「何なんだ、そりゃ?」アリーナが俺の手元をのぞきこむ。「ああ、何だ。下に巻くやつか」
な、なんでアリーナが知って……るだろうな、そりゃ。って!『君、つけたことあるのか、これ?』
この顔プラスあの裸プラスこれイコール……う、絶対合わねー!
「最近、着替えのときにつけますかって聞かれるけど、つけたことはない。気持ち悪そうだからな」
安心したほうがいいのか、残念というか……ま、アリーナにはまだ早すぎだな、こんなのの以前に、黒系が。
『マーニャさん。真剣に選んでます?戦いに行くっていうのに、こんな、その……』
「んー、ビルくん。わかってないわね」
『はい?』
「女の子が人前で戦ったり運動したりするとき、何が大事だって思う?安心して飛んだり跳ねたりできることよ。
 つまりね……」マーニャさんはローブの裾を持つと……うわっ!?いきなりめくり上げた!褐色の脚線美が橙色の
腰巻まで切れあがって……あ、そういうの巻いてんですね、しっかり。「こういうこと。わかった?」
『えーと……見られてもいいようなのを、あらかじめ着ておくってことですか?』
「ま、そういうこと。いざってときに見られちゃうからって上品ぶって動けなかったら、大変なことになるでしょ。これ、
 聞いた話だけど、下着はく女の人がまだあまりいなかったどっかの国で、高い建物が火事になっちゃって、飛び降
 りれば助かるのにそうしたら全部見えちゃうって言って飛び降りなくて、女の人がたくさん焼け死んじゃったって。
 その後その国じゃ、下着がバカ売れしたみたいよ」
『へー……本当ですか、それ?』笑い話にも聞こえるけどな、下着がない国なんて。いったいどうしてるんだろう。
行ってみたい気もする。見たくないものまで見ちまいそうだけど。
「さあ。本当だって言う人もいるし、ただの伝説って言う人もいるわね。でも、ま、ありそうなことでしょ?男は別に、
 見られたってあんまり気にしないけど」いえ、男だってそれなりに気にします。[踊り娘の服]で街中歩けるマーニャ
さんに言われたくないです。……でも最後まで見せちゃうほどの露出狂って、たいてい男だよな……。
見られてもいいように、か。でもアリーナの場合そんなに気にしなさそ……って、そうだこいつ、いつもはタイツ履いて
るんだ。だから気にすることなくスカートはいて大ジャンプもできるってわけだ。アリーナが自発的に履いてるのか、
クリフトあたりが考えて着させてるのかは知らないが。
『マーニャさん。タイツみたいなのってあります?』
「タイツ?」マーニャさんがニッコリと笑う。「へえ。ビルくんて、そういう趣味あったのね」絶対言われると思いました。
『マーニャさんの話の応用です。お姫様のお御足を、見せないようにですよ』
「そうね。アルトの足ってキレイだもんね……ああ、あたしよりぴちぴちしてて、羨ましい」言いながらマーニャさんが
探してくれる。「んー……アルトに合うかどうかわからないけど、これでどう?」
持ってきてくれたのは、そのものずばり、網タイツ。マーニャさんてこんなのも履いてるんだろうか?
「あ、それの出所は聞かないでね、ビルくん。誰にでも下積みの頃っていうのはあるんだから」
何となく想像がついた。マーニャさんて、そういうこともやってたんですね……。
632 :2006/06/09(金) 20:40:15 ID:???
長いすに広げられた服その他を眺める。これで一応、出揃ったかな。
何がいいだろう?アリーナの身軽さを生かすには、勝負服……じゃない、戦闘服は、[ピンクのレオタード]と[踊り娘
の服]ってことになるが、こんな際物をお姫様に着せたらクリフトが卒倒しそうだな。無難なのが[みかわしの服]で、
これは防寒具にもなる。ただイマイチ、アリーナらしくない。俺も着てるこの[旅人の服]は防寒具として使えるが、
布なので守備力は[皮のドレス]に劣る。ま、ミネアさんのお屋敷までつなぎで着て、それから元の[皮のドレス]に
着替えさせるって手もあるな。アクセサリーは……謁見するのでも舞踏会出るのでもなし、テキトーでいいだろ。
さあて?―――

1.俺が選ぶ(A、Bそれぞれ選択)
 A.服(6以外、複数可。ただし貸し出し料金消費)
  A−1.[旅人の服](ゼロG) A−2.[踊り娘の服](50G) A−3.[みかわしの服](300G)
  A−4.[ピンクのレオタード](500G) A−5.[???](?G) A−6.借りない
 B.装飾品(カ以外、複数可。ただし貸し出し料金消費)
  B−ア.金のブレスレッド(50G) B−イ.スライムピアス(50G) B−ウ.ルビーの指輪(100G)
  B−エ.網タイツ(100G) B−オ.ガーターベルト(200G) B−カ.借りない(ゼロG)
2.アリーナに選ばせる
3.マーニャさんに選んでもらう
4.試着させてから決める
5.とにかく村へ急ぐ
633場 ◆Gp/A555JhQ :2006/06/09(金) 20:45:10 ID:???
更新以上でつ
選択の決定は、多数決でも、みなさまの合議制でも

>630 す、すみませんです。。。
 読みやすく改行入れるか前のスタイルのままか迷ったのでつが、結局前のままにしますた・・・
634名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 00:08:00 ID:???
多数ケツに一票。
てことで1.A−4

>>630
クリック&ドラックで2〜3行色を変えて見る読むんだ。
635名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 03:29:04 ID:???
多数決でも合議制でもどっちでもいい

A-3とB-イで
636名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 14:53:30 ID:???
俺も多数でも合議でもおk

A−3.B−エ.
637名無しさん@ピンキー:2006/06/10(土) 19:50:11 ID:???
合議制って誰が話しまとめるのよwww2chぢゃミリ。
オケツ&同点の場合は早いほうでイイとオモ。

A−3、B−イ
638名無しさん@ピンキー:2006/06/15(木) 23:19:47 ID:???
人いねぇ
639名無しさん@ピンキー:2006/06/17(土) 10:13:09 ID:???
A−3、B−イで確定かな?
640名無しさん@ピンキー:2006/06/20(火) 23:40:14 ID:???
やっぱり2週間がデフォですか?
641場 ◆Gp/A555JhQ :2006/06/22(木) 00:11:49 ID:???
念のため打ち切っておきますです。。。

>640 うぃ
642:2006/06/23(金) 18:55:38 ID:???
今日明日短い旅なので明後日
643名無しさん@ピンキー:2006/06/26(月) 23:11:52 ID:???
うおおおおおいい!
644場 ◆Gp/A555JhQ :2006/06/30(金) 19:51:51 ID:???
『それじゃ、これと、これにします』
俺は、[みかわしの服]と[スライムピアス]を指さした。これが一番妥当なセンだろ。
「………」が、マーニャさんはじろりと俺を見た。非難の眼差し。なんか俺、間違った……らしい。
『だ、駄目なんですか?』
聞くと、マーニャさんは俺から目をそらして、ふうっとため息をついた。「別に。これでいいのね?」
『ええ……でも、あの』なおも聞く。気になる。『やっぱり、アリーナには……おとなしすぎでしょうか?』
「ビルくん」マーニャさんが[みかわしの服]を手に取り、憂鬱そうなゆっくりとした口調で言う。「それわかってて、
 じゃ、なんで、これにするの?」
『それは……だって今は、アリーナに似合うとか似合わないとかで、選んでいられませんから』
「だったら、それでいいんじゃない?」マーニャさんが、諦めたような気のない発音で言う。「これだって意外性
 があって可愛いと思うわよ。それにピアスっていうのもね。ただ……ビルくんわかってるとおり、どうしたって
 地味なのよ。この中でいちばんね」地味……そりゃあ、[踊り娘の服]やレオタードに比べればですが、むしろ
比較の対象が極端過ぎると思います。
「……やっぱりさ、ビルくん」マーニャさんは思い直したようにいつもの早口に戻り、[ガーターベルト]と[網タイツ]
を指さした。「もう少し勇気出さない?下にこれつけるとか、せめてこっち履かせてお色気つけるとか。地味な
 よーで、地味じゃなくなるじゃん」
言われてみれば。すねまで覆うローブの裾がちらっとめくれて黒い下着が見えたりしたら……。アリーナには
黒は早すぎるがしかし早すぎるからこそ……。
「マーニャ!」突然アリーナが叫んで進み出、マーニャさんから[みかわしの服]をむしりとるように奪った。
「ウィルがこいつだって決めたんだから、いろいろ言わずに、早くしてくれないか」
にらみつけられて、マーニャさんはびっくりしたように俺と目線を合わせ、「あら、ごめんなさい。急いでるの
 よね」誤魔化すように笑った。「けど、アルト。下に履くものくらい、気を遣わなきゃ駄目よ。あなただって、
 お色気を武器にすること覚えなくちゃいけないお年頃なんだから」
「ボクにはそんなもの、いらない!」
アリーナが拳を握りしめ、怒鳴った。「そーお?残念」マーニャさんがつまらなそうに口を尖らせる。俺も残念。
でも、ま、今のこいつの体型じゃ、まだまだ早いですよ。
「じゃ、本当にそれにしちゃうわけね。あーあ、これ、アルトなんて今しか着られないのになー」
マーニャさんが、[ピンクのレオタード]をアリーナに合わせて名残惜しそうに言い、元の場所へ戻す。今しか、
って、レオタードなら何歳まででもピンクでもいいんじゃないですか?同じピンクでもこれがシエーナの人参
喫茶のウェイトレスが着るようなフリフリスカートで、マーニャさんくらいの歳の女性の方が履いて見せびら
かしてきたら、そりゃあ引きますけど。
そういや、あのピンクのフリフリを一度くらい着てみたいって、ビアンカがはるか昔に言ってたけど、ビアンカで
も厳しいだろうなあ。今、店員やってるエイミちゃんが、ちょうど俺らと同じだからな。境界線は何歳くらいだろ。
ターニアは可愛いと思う。マリベルは……アリーナと同じく、接客業って意味で不可。ミネアさんは……引くと
いうより、想像つかない。マーニャさんは絶対無理。お姐様にはやっぱり歳相応の……。
「ビルくん」
マーニャさんの抑揚のない呼びかけに、『は、はい?』俺はぎょっとして背を伸ばした。見透かされたはずは
ないよな、まさか。『何ですか?』
「何ですか、って、ビルくん」服をしまいながら、マーニャさんは冷ややかな目を俺に向けた。「そこに居たいの?
 あたしは全然構わないけど」
『え?』ここに居ちゃいけないんだろうかと思いながらアリーナを見て、あわてて理解する。『じ、じゃ、下で待っ
 てますね』
そそくさと退去。ついさっき裸見てるけど(しかも着替え手伝えとまで言われたんだが)、それとこれは別だからな。
《マーニャの評価が下がった》
645 :2006/06/30(金) 19:54:45 ID:???
外で待っていようかと迷ったが、勝手口に突っ立ってるのも変に思われるので、廊下で待たせてもらうことに
した。
[みかわしの服]……うーん、地味か。マーニャさんの言うとおり少しは冒険したほうが良かったかもな。あの
レオタードはかなり高級そうだったし、攻撃をかいくぐって必殺の一撃を叩き込むには、ああいうぴっちりした
無駄がない装束のほうがいい。ただ……アリーナは気にしないかもしれないが、あれだと俺やクリフトが落ち
着かないんだよなあ。腕と脚それに腹の素肌がまる出しで胸や腰のラインもまるわかりだし(いくら谷間の作り
ようのないほどのぺたんこだとしても!)、それに戦ってる最中もし破れたらとハラハラするし。それを考えると
地味でも安全な……といっても[みかわしの服]はマーニャさんが強調したほど地味じゃない気もする。だいたい
マーニャさんの候補が極端過ぎなんだ。露出し過ぎずおとなし過ぎずのがなかったからな。例えば……やっぱ、
[皮のドレス]か。あれがいちばんアリーナに合う気がする。クリフトが着替え持ってるくらいだから着慣れてん
だろう。そういや色違いだがバーバラも同じ[皮のドレス]だったな。あいつは……地味なのはまず絶対着そうに
ない。それに、あんなちんまりしてて意外と出てるとこ出てんだよなあいつ。ターニアやアリーナよりも頭ひとつ
は小さいバーバラのが胸にくっきり山できてるってのはどうよ?
女性の人格および身体活動による栄養分の主たる浸透箇所の差について考察しようと思ったものの、母屋から
キレスさんがやってきたので中断。
「おや。アリーナ様はどうしたんだい?」
俺だけなのが気になったみたいだ。『今、着替えてます』上を指さしてみせると、キレスさんはほっとしたように
笑った。
「そうかい。心配してたんだけど……見たところケガもなさそうだし、仲直りはできたようだねえ。はい、これ一つ
 どうだい?朝食まだなんだろう?」
キレスさんが皿に盛ったパイを差し出してくれる。ちょっと迷ったが、『お言葉に甘えて、いただきます』一切れ
を手に取り、いただく。リンゴパイだった。空っぽの腹に、甘酸っぱい生地の味が染みこんでいく。
「もう少しどうだい?どうせ余り物だからさ」
『いえ、もうこれで』まだ全然足りないけど、ミネアさんに悪いからな。『あ……そういえば』俺はふと、サンディ
のことを思い出した。昨日のあの商人の話じゃ、キレスさんが仲入って、サンディを非道な男たちから助け出し
たんだよな。『昨日、会いましたよ、サンディに』
俺が言うと、キレスさんは目を丸くし、「ああ」すぐにうなずいた。「ノルザスさんの宿に行ったんだね。素直だし、
 何をやるのも丁寧だし、今じゃあの宿屋の看板娘みたいなもんさ。それで、詳しい話は、聞いたのかい?」
『ええ……だいたいのことは』サンディの身の上話を思い出し、少し心が痛む。『サンディって、キレスさんの
 おかげで、助かったんじゃないですか』
「いやあ、あたしだけじゃないよ」キレスさんが笑った。「あの連中がサンディちゃんをどんなに酷く扱ってるかっ
 てこと、街に来たときから噂になってたからね、みんなが協力してくれたのさ。カンニガムさんが――前に
 お城の兵士してて、今は街の警備してもらってる人なんだけどね――お前らのしてることは今のこの国の
 法では牢屋に5年間の重罪だー…って言ったら、すっかりぶるっちゃって、サンディちゃん置いて逃げ出し
 ちゃったんだよ」
『そうだったんですか』雑然としてて夜中はニワカ強盗がうろつくような街だけど、いい人もちゃんとそろってるっ
てことか。
「それにしてもなんて人たちだったんだろうね!」キレスさんが急に声を張り上げた。「宝石探しのキャラバン
 だとか言ってたけど、あんな意気地ない男どものくせにサンディちゃんみたいなちゃんとした娘をあんなに
 しちまって、しかも酒場女に売り飛ばそうとしたんだからね。サンディちゃん、口もほとんどきけなくて、
 あたしらが何言っても、はい、はい、って肯くだけだったんだよ。しじゅう震えててねえ。ジョセフさんが追い
 かけて来て言い聞かせてやらなかったら、今でもあのまんまだったんじゃないかって思うと、ぞっとするよ」
やっぱり、か……。そんなにサンディと仲良かったわけじゃなかった俺でも、サンディがもう手を出せない人妻
だとしても、昨日のあの健気な様子を見てるだけに、さすがに怒りが湧いてくる。
646 :2006/06/30(金) 19:56:29 ID:???
『その連中、それから、どうしたんですか?』
「この街追い出されて、この国にはとてもいられなくなって南の大陸へ逃げてったって話だけど……南の大陸
 っていうと、ムーンブルクだろ?あの後しばらくしてムーンブルク行きの船は出なくなったし、向こうからも
 来なくなって、噂もそれっきりさ。ムーンブルクでも悪さしてないといいんだけど、まああんな悪い奴ら、神様
 が許すはずもないよ」
『そうですか……』
ムーンブルク。マーズさんとミレーユのいた国。月のかけらを護る国。アリーナが勇者でなかったら、いずれ
行かなきゃならないんだよな。そういう奴らがのうのうと暮らしてるような国でないことを祈るばかり。
「ああ、悪い奴らって言えばさ」キレスさんが表情を戻した。「夜歩くときは気をつけたほうがいいよ。一昨日
 の夜中、とんでもない奴が出たっていうんだよ」
『え?一昨日の夜中……』激しく俺に関係ある話のような気がするぞ。『何か、あったんですか?』
「ついさっき聞いた話だし、どこまで本当なのかわからないんだけどね。東の小路で、この街の不良どもが、
 わけわかんない大男に火で焼き殺されたらしいのさ。影しか残らなかったそうだよ」
やっぱり……。『火で、っていうと……魔法か何かで、ですか?』
「おや、どっかで聞いたのかい?どうやらそうらしいんだよ」ドキ。いや、このくらいで怪しまれるはずはない。
「まあ、その不良って言うのが毛皮屋や宝石商のドラ息子で、悪いことしちゃ罰金払ってお目こぼしされてた
 ような奴らなんだけど、そんな馬鹿な連中でも、殺された、それも魔法でって言えば、オオゴトだからね。
 今日、そのことでお城から兵士が来るんだそうだよ」
王宮が直々に調査か。面倒くさいことになりそうだ。『えー……っと、その、どんな奴なのかとかは、わかってる
 んですか?』しらばっくれて聞く。
「どんな奴も何も、大男ってだけさ。何しろ夜中のことだし、あの小路は灯りが全然ないからねえ。それに、
 見たっていうのもその不良どもの仲間で、帰ってくるなりすっかりおびえちまって部屋に閉じこもってたのを
 親が心配して、昨日の晩にやっと話し始めたってんだよ。あんなところで何してたんだって聞いても何にも
 言わないってから、また何か悪いことしようとしてたんじゃないかって、スコットさんが言ってたよ」その通り。
「結局、わかってるのは、大男で、火の魔法を使うってだけさ。でも、大男も火の魔法使えるのも、この街には
 たくさんいるからね。ましてお祭りで人が多いときだし、捕まるかどうか。もう一つくらい、どうだい?」
『いえ、あ、すみません……』
パイを片手に考えてみる。俺を襲った辻強盗は4、5人で、バルザックが焼き殺したのはそのうち3人。余りが
警備兵に通報したってことだろう。暗かったから俺の顔はたいして見てないはずだ。俺だってすぐ近くまで来た
2人しか顔は見てないしその2人は死亡者に入ってる。あいつらの断末魔の表情を思い出すと嫌な気分にも
なるが……いくらバルザックが極悪な奴でも、殺された連中だって俺に刃を向けたんだ。ああいった辻強盗
まがいのことは今まで何度もやっていたに違いない。同情する気にはなれん。
『でもそれって、俺の考えですけど、その不良たちに絡まれて思わず魔法を使っちゃったんじゃないですか』
「そうなのかもしれないねえ。でも、これが変な噂になって街に来る人が減ったら、たまったもんじゃないよ。
 この街に元からいる人がやったんじゃなけりゃいいんだけど」
キレスさんが肩をすくめる。それはその通り……かな?あいつはエドガンさんの弟子で、この街にも来てた
かもしれない。でも、モンバーバラの住人じゃないことは確かだし、とっくにこの街にはいないだろう。
『気をつけます』俺が言ったとき、上でドアが開く音、話し声がした。『あ、終わったみたいですね』
足音がドカドカと降りてきた。アリーナだな。そう思って階段を見上げた俺の目の前に「……ったく!」当人が
い……た?
647 :2006/06/30(金) 19:58:17 ID:???
『ほー……』
だいぶ印象の変わったお姫様のお姿に、思わず頬がゆるむ。裾の長いゆったりした若草色のローブに身を包み、
整えなおした赤い巻き髪からのぞく小さな耳たぶに青いスライムを揺らすアリーナは――あくまで見た目と
して――じっとしていそうにない活発さやこちらまで勢いに呑まれそうな血の気の多さなんかがかなり薄まり、
代わりに対照の性質、落ち着きとかおとなしさとかが感じられるようになって、変な言い方だが、普通の女の子に
一歩近づいたように見える。会って最初からの[皮のドレス]や、ついさっきの麻のローブ姿は女の子らしく
なかったのかというとそんなことはないとは思うのだけど……。布地の緑と、イヤリングの青のせいだろうか。
「何突っ立ってんだ。さっさと行くぞ、ウィル」
表情だけはむすっとしたまま、アリーナが俺の横を通り過ぎる。続いて降りてきたマーニャさんが「逃げられ
 ちゃった」悔しそうに笑った。「ビルくん好みの顔にしてあげようと思ったのに」化粧でもしようとしたらしい。
そりゃあアリーナなら逃げちゃうでしょう。
「それで、どう思う?ビルくん」マーニャさんが目線でアリーナを示す。
『ええ。これでもけっこう可愛い……』っと、アリーナに“可愛い”は禁句だった。『似合ってるじゃないですか、
 これはこれで』
「似合うとは言えないんだけどね、アルトっぽさをまるで消しちゃうから。でも、これはこれで、いい感じでしょ。
 あたしたちと初めて会ったときのアルト、こんな感じだったのよ。元気なお人形さんみたいで」
「マーニャ!」アリーナがにらみつける。「余計な話するな!なんでウィルに、ボクのことそんなべらべら話すん
 だよ!」
「あら、これも話しちゃいけないの?つまんない」
頬を膨らませてみせるマーニャさん。そのマーニャさんは外套を羽織っていた。朝着ていたのとは違う、薄手で
一見ドレスにも見えるようなお上品なコート。うーん、マーニャさんは何を着ても似合うよな。それとも似合う
ようにお化粧とか振舞いを自分で合わせてるのか。
「ほら、さっさと来い!」
怒鳴って、ドアを蹴るように開けたアリーナに、「あ、お待ちを、アリーナ様」キレスさんが苦笑しながら声をかけた。
「お口に合うかどうかわかりませんが……」
「ん」差し出されたリンゴパイをアリーナはためらいもせず口に運び、あっという間に平らげてもう一つに手を
つける。なるほど。このアリーナらしい態度に、服装が似合ってない。
「ごっそさん。……おい、何じろじろ見て笑ってんだ。先に外行ってりゃあいいじゃないか」
豪快な態度とおとなしい服装との不一致にトドメ刺すような台詞に、「ね?」マーニャさんと俺は目線を合わせ
て苦笑した。
《キレスの評価が上がった》
648 :2006/06/30(金) 20:00:51 ID:???

コーミズ村へ登る街道に降り立ってすぐ、俺は村の様子をうかがった。
大騒ぎが起きている気配はない。畑で人が土を耕し牛が農具を引いている。昨日来たときとほとんど同じ、
ありきたりの田舎。昨日の今日なのに働き者だよなあ。何かあったらいつでも逃げ出す心構えはして働いてる
んだろうけど。
もちろん昨日と違っているところもある。村の入り口の木が何本か痛々しく焼き払われているし、よく見ると
道端にあった桶や板切れなんかがあちこちで散らばっている。片付けるのが大変だろうけど、あれだけで済ん
だんだから、よしとすべきだ。
「村のみんな、無事で良かったわ」同じように村を眺めていたマーニャさんが言った。「それにしたって、アルト
 にこんな怪我をさせちゃうんだから、ずいぶん手強い奴なのね」
『ええ……』思い出すとぞっとする。あのでかい鎌がもし俺たちに向けられたら、一撃で真っ二つになっていた
はずだ。バーバラが来てくれなかったら、本当にどうなっていたか。
「それで、今度は勝てそうなの?」
『え……っと』
俺はどもった。真剣に考えなけりゃならないがしかし敢えてそうしたくはなかったこと。
「あんな奴、今度こそ、ぼこぼこに伸してやる」
アリーナが拳を握り締めて言う。そう言うってことは、勝算があると考えていいのか?
だけど、昨日あれだけ苦戦しといて次は楽勝、ってことはまずないだろう。俺とクリフトは正直今度も大した
戦力になりそうにない。使えそうなのはミネアさんの呪文だが、ミネアさんには治療もしてもらわなきゃならない
から、あまり無理をさせたくないんだよな。それに、ベレスが子分たちをどれだけ残しているか、わからない。
昨日みたいな雑魚ばっかりなら俺たちで何とかなるかもしれないが、まさかベレスがもう一匹……あってほしく
ないが、その可能性がなくもない。だから、ほとんどぶっつけ本番。こっちに有利な材料が多いことを祈るのみ
ってことになる。またバーバラが来てくれるとか、昨日のベレスの傷が実はかなり重いとか。
「ビルくん。怖いの?」マーニャさんが俺を覗き込んできた。「なんだか難しい顔してるけど」
『怖いんじゃないんですけど……』怖い、か。怖いはずなんだよな俺。命かかってんだから。
命……。俺は目の前のマーニャさんを見つめた。さっきから考えていたこと。
マーニャさん。世界一の炎術士。
本当はこれ以上誰も巻きこみたくない。けれど……負けたら終わりなんだ。勝つための確率は、これ以上
ないってくらいに、上げとかなけりゃ。
『あのう、マーニャさん―――』

1.『助っ人お願いできませんか?力、貸してください』
2.『俺に魔法、教えてもらえませんか?こんなときに何ですが』
3.『何か、お守りみたいなもの、もらえませんか?実はちょっとブルッちゃってて……』
4.『………いえ。何でもありません』
5.『ベレスやっつけて無事帰って来れたら、結婚してもらえませんか?』
649場 ◆Gp/A555JhQ :2006/06/30(金) 20:04:02 ID:???
3週間もお待たせしてしまってスミマセン。。。
650名無しさん@ピンキー:2006/06/30(金) 23:39:42 ID:???
4.
おくゆかしく
651名無しさん@ピンキー:2006/07/01(土) 08:15:30 ID:???

1や5も捨てがたいがここは3で
652名無しさん@ピンキー:2006/07/01(土) 20:06:41 ID:???
2で
653名無しさん@ピンキー:2006/07/05(水) 02:03:37 ID:???

主人公なのに貧弱だから困る
654場 ◆Gp/A555JhQ :2006/07/06(木) 12:10:38 ID:???
「魔法ぉ?今から?」マーニャさんが目と口を大きく開け、とたんに笑い出す。「本気で言ってるのビルくん?」
『もちろん、本気ですよ』俺は真面目に言った。『今のままだと、俺、ただの役立たずなんで』
「ビルくんが?そんなことないと思うけど……」マーニャさんは眉を寄せると、アリーナに目線をやった。
「言っとくけど、この娘と比べたり対抗したりするなんて無駄だからね、ビルくん。アリーナって、超とバカが
 いっしょにつくくらいの天才武闘家なんだから」
ふん、とアリーナが息を鳴らす。俺も天才って呼ばれてんだけどな……村では。
『その天才武闘家に、こんな怪我させる相手ですからね。援護しようにも俺の剣の腕じゃかえって足手まとい
 なんですよ……だから、魔法で、サポートできるようになりたくて』
「ウィル!」とたんにアリーナが俺をにらむ。「余計なことしないと言っただろ!あんな奴の相手、ボク一人で
 充分だっ!ボクを信じてないのか?」
信じてないわけじゃないが、それと、準備万端整えておくっていうのは別の問題だろ。とはいっても、こいつに
勝つ可能性だの何だの説明したって、拒絶されるだけか……。
『それに俺、これから先もありますからね』構わず俺は進めた。『今、せっかく世界一の炎術士に巡り会えたん
 ですから、魔法教わっておかなきゃ、もったいないじゃないですか』
「ふふ、そういうことですか」マーニャさんが得意そうに微笑んだ。「でもどんな呪文がいいのかしら。あたしが
 教えてあげられるのはやっぱり炎系ってことになるんだけど……ビルくん、今、何使える?[メラ]くらいは
 使えるんでしょ」
うっ……。マーニャさん、それは俺を過大評価しすぎてますよ……。
『[インパス]です』
「へー、なーに、べんりなの使えんじゃない」マーニャさんが感心したように瞳を見開く。「ビルくんにいろいろ
 調べてもらっちゃえば良かったわ。インパスと、あと何?」
『ですから、[インパス]です』開き直って胸を張る。
「……あ、そ」マーニャさんがあっという間に冷めた顔になり、腕組みする。やはりウケなかったか……。「まっ、
 そんな感じがしたわ。ビルくんて、魔法とか精霊の力みたいなの、あんまり、持ってないし」
うう、それ、マーリンさんにも言われてんだよなあ……。“これだけ修練しても上達がないのは五精霊がお前を
見放しているに違いない”ってサジ投げられてる始末。しかもそのたび、すでに[ギラ]をマスターしてるビアンカが
“ウィルは他でがんばってるんだからいいじゃない”って励ましてくれるのがかえって苦痛な今日この頃……。
『そうなんですよ俺。勉強はずっとしてるつもりなんですけど、ぜんぜん限界超えたりしてくれなくて……』
「覚えようって努力はしてるのね?」
『はい、それは。[ルカニ]を勉強してて、それはあとちょっとだって言われてます』といっても、ここんとこサボり
気味。『あと、ちょっと[ホイミ]もかじったことあるんですけど、そっちはまだまだで』
「[ホイミ]はあたし無理ね、ミネアにでも聞いて」マーニャさんが手を振る。「んー、[ルカニ]だったらあたしも
 使えるから、教えてあげられなくもないけど……じゃ、炎は全然ダメってことね?」
『[メラ]と[ギラ]でしたら、魔法書読んだことはあるんですけど……』
「読んだだけ?」
じろり。うっ……そんな目されたら、ビアンカが練習してるからどんなもんなんだろうって流し読みしただけなんて、
言えなくなるじゃないですか。
『はあ、その、ちゃんと勉強したことはないんですけど……あ、炎の印くらいなら、できますよ』
[ギラ]の印をかざしてみせる俺に、「そんなの、人がやるの見てればできるでしょ」マーニャさんはそっけなく
言う。「だいいちビルくん、それちょっと間違ってる。親指はギラなのに、小指はメラよ」げっ?うわ、恥ずかしー。
『……やっぱ、こんなとこでいきなりは、無理ですか』
しょげて聞く俺に、「場所はあんまり関係ないのよね……」マーニャさんは景色を見渡したりして考えていたが、
急に、パン!と手を叩き、ニッコリ笑った。「ま、やってみよっか、ビルくん。ビルくんてこういうのはけっこう要領
 いいかもしれないし、あたしが手取り足取り教えてあげて、炎の精霊サマのご機嫌が良ければ、簡単なの
 なら、できるようになっちゃうかもね」
おおやった!『ありがとうございます!』頼んでみるもんだな。
655 :2006/07/06(木) 12:16:52 ID:???
「でも、1つだけね。覚えられなくてもそれで終わりにしてね。せっかくのビルくんからのお願いだから、もっと
 付き合って、じっくりやってあげたいんだけど……あたし今、眠たくってしょうがないの。朝早く、急に変なふうに
 起こされちゃったから、帰って寝なおさなきゃ」
マーニャさんが手で口を隠してひとあくびする。今まで眠気を押し殺していたらしい。「フン」横のアリーナから
かすかな息音。お前のせいだろ、お前の。1割くらいは俺にも責任あるかもしれんけど。
「だから、ちゃっちゃって教えちゃうわよ。ハイ、何の呪文がいい?」
『ええと……最初は、何がいいでしょうね?』
「んー……とね。炎系覚えたいんなら、とにかくまず最初に[メラ]、ね。それ覚えなきゃ[ギラ]とか[イオ]も全然
 ……ま、でも、やってやれないこともないんだけど。何しろあたし一発で[ギラ]覚えちゃったし。けどそれって、
 あたしが天才だからだから、ドーテー君にはオススメできないわね。その上の呪文なんか……[ベギラマ]
 なんかは、いきなりなんて全然まったく絶対無理。あとはさっき言った[ルカニ]。ビルくんなら……今んとこ
 そのくらいかしら」
『えと、[ルーラ]、は……無理ですか?』もし覚えられたら最高に便利な呪文を、一応、聞いてみる。
「ビルくん。いきなり高飛びしようとしても駄目よ」マーニャさんが子供をなだめるような口調で言い、指先を
俺の胸にあててくる。「今のあたしなら軽々使えるけど、本当は[ルーラ]って古代魔法なの。世界一な、この
 マーニャちゃんでも、イヤイヤお城の臭いくらあい魔法研究所で何十日もみーっちりおべんきょして、やっと
 使えるようになったんだから。ビルくんはそんな時間なんてないでしょ」ハイ、ごもっともです。「どーしても
 覚えたいって言うんなら、[リレミト]から始めないと」
『はあ、やっぱそうですか……』
[リレミト]……迷宮から脱出できる、瞬間移動魔法。使えれば便利だろうけど、あれって魔力を相当消耗するって
聞いたことある。[インパス]がやっとの俺の精神力じゃ、おそらく1回使っただけで昨日のミネアさんみたいに
ぶっ倒れるかもしれん。
何がいいんだろ。これから呪文覚えていくこと考えて一番ベストなのは[メラ]なんだろうけど、ホント今更なんだ
よな……マリベルですら子供の頃から使えてんだから。だいたい俺の場合、剣で斬りつけたほうが断然ダメージ
でかいし、ブーメランだってある。その点、[ルカニ]は今すぐアリーナの援護にも、これから強い魔物と戦う上で
重宝するはず。ただ……とにかく地味。[みかわしの服]なんかより。どっちかっていうと俺は先頭きって戦って、
そういう補助系は後ろの誰かに任せたい。
って……こんなこと考えてるから俺、何にも覚えられないんだろうな、たぶん。
「おい。お前たち」アリーナが、ふてくされたように唇を持ち上げている。「ここで、これから何かやるってんなら、
 ボクは先行くからな」
主役のはずの王女様をさっきから放っておきっぱなしにしてるからな。先に村に戻らせておくか?チト不安だが。
どうしよう―――

1.教えてもらう(カッコ内は習得成功確率、最大採用人数、失敗時の獲得経験値)
 1−a.メラ(12/60、x4、+15) :火炎系の攻撃呪文。敵1体に火傷。精神消耗極少
 1−b.ルカニ(42/60、x1、+3) :攻撃補助呪文。敵1体の守備力大幅減。精神消耗極少
 1−c.ギラ(2/60、x2、+6) :閃光系の攻撃呪文。敵複数に火傷。精神消耗少
 1−d.イオ(1/60、x2、+3) :爆発系の攻撃呪文。敵全体に火傷と衝撃。精神消耗少
 1−e.リレミト(0/60、x1、+1) :移動補助呪文。迷宮から脱出。移動中のみ使用可。精神消耗中

2.やめておく
3.アリーナに覚えさせる
656場 ◆Gp/A555JhQ :2006/07/06(木) 12:20:43 ID:???
- 呪文および特技の習得確率について -

 GM側の乱数(0〜59)と、選 択 参 加 者 様 の レ ス の 秒 数 が一致すれば習得となります。
 たとえば、1−a(12/60)ならば、乱数を12個(重複なし)発生させ、それを選択者の書き込み時間の秒数とチェックし、
同じ数値があれば習得となります。

 [最大採用人数]とは、チェックに採用する秒数の最大選択個数です。
 たとえば、1−a(x4)を選択した参加者様が5人いれば、そのうち4人の数字を無作為に選んで、GM側の12個の乱数と比較します。
当然、[習得確率]は事実上それだけ上昇することになります。
 なお、[最大採用人数]が1以上で、参加者様の秒数が重なった場合、抽選される秒数はその一つだけになりますが、
重なった人数の分だけ(ただし[最大採用人数]まで)確率を +1/60 します(具体的には乱数の個数を1個多くします)。

 確率判定に失敗した場合は習得失敗となります。その場合は [獲得経験値]/60 のぶんだけ、次回に挑戦する際の確率に
加算されます。
 たとえば、1−aを失敗したなら、次回は(12+15)/60、すなわち27/60となります。
 ただし[習得確率]は、教えてくれる師匠、習得済みの魔法や特技などによって修正されますので、実際に次回その確率になるとは
限りません。
657場 ◆Gp/A555JhQ :2006/07/06(木) 12:38:42 ID:???
時間あるうちに更新、選択が二転三転しないうちにとっとと更新w
夏に種さんが復帰なさると信じて、その前に一区切りつけねば
乱数発生にJavaScript使うGMは漏れくらいなものでせうな・・・

>650 一番乗りありでつ。あのまま4ですたらすんなり進んで、その代わりまたもや数週間待ちになったでせうか(無責任)
>651 ども。3だとピンク鯖らしい話になった・・・かもしれませんでつ
>653 レベル1のドラクエ主人公とギャルゲーの主人公は軟弱非力なのが世界標準でつ!
658名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 16:43:55 ID:???
1-aで
659名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 23:30:00 ID:???
1−b
主人公は剣で戦わなきゃ。
660名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 01:18:44 ID:???
1-a
661名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 16:41:41 ID:???
つ1-a
662名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 11:51:46 ID:???
1−a
663場 ◆Gp/A555JhQ :2006/07/13(木) 23:30:13 ID:???
一応締め切っておきますです。。。
664名無しさん@ピンキー:2006/07/19(水) 01:19:05 ID:???
とりあえず保守かな
665名無しさん@ピンキー:2006/07/21(金) 04:47:48 ID:???
666場 ◆Gp/A555JhQ :2006/07/24(月) 21:12:08 ID:???
あちゃああまたも3週間目・・・
どなたか新しいノーパソ買ってくださひ
667名無しさん@ピンキー:2006/07/31(月) 23:54:31 ID:???
おいいいぃぃぃぃ!
668場 ◆Gp/A555JhQ :2006/08/05(土) 17:55:34 ID:???
ウイルス踏んでしまいますた
なんてこったい
ノーパソと繋げるのが怖いので月曜まで待ってくださひませ
669名無しさん@ピンキー:2006/08/05(土) 19:10:35 ID:???
半年位なら普通に待てる件
670名無しさん@ピンキー:2006/08/06(日) 20:11:06 ID:???
俺は一年待てるね
671名無しさん@ピンキー:2006/08/10(木) 22:01:19 ID:???
俺はチソチソが勝手におっきするまでしか待てんぞ
672名無しさん@ピンキー:2006/08/14(月) 15:42:21 ID:???
一時間の人のがおちたな。
673名無しさん@ピンキー:2006/08/15(火) 12:15:40 ID:KCSp4SGm
2ちゃんねる使用料
■閲覧
1スレッド 25円
■書きこみ
1レス 10
スレ立て 500円(大人の時間、ニュース速報は1000円)

■書きこみ放題
 プラチナプラン 4800円 閲覧無料 スレ立て200円、通常3スレ/月、実況5スレ/週の無料サービス
 ゴールドプラン 3500円 閲覧無料 スレ立て半額
674場 ◆Gp/A555JhQ :2006/08/19(土) 19:54:32 ID:???
お待たせして申し訳ありませんでつ
まだカナリ怪しいらしいのでつがこれ以上待つてられないので明日更新いたしまつ
他人のノーパソ借りて使ってるとこういうときに困りまつ

尚、無駄に書き足してたので50KB程ぶっとばす予定。覚悟してお読みくださいです。。。
675名無しさん@ピンキー:2006/08/22(火) 23:03:51 ID:???
来るはずの更新が来てないがな
676名無しさん@ピンキー:2006/08/22(火) 23:40:27 ID:???
アク禁かい?
677名無しさん@ピンキー:2006/08/25(金) 22:35:07 ID:???
もう一週間・・・
せっかくした覚悟も覚めてしまう罠
678場 ◆Gp/A555JhQ :2006/08/26(土) 01:00:09 ID:???
『[メラ]を教えてください』
「あら」マーニャさんがぴくりと眉を持ち上げる。「[メラ]でいいの?」
『はい。[メラ]で』
繰り返す俺に「ふふっ。良かった」マーニャさんは、ご満悦といったようにニンマリと笑った。「ビルくんのこと
 だから、[ギラ]とか[イオ]とか教えてって言い出すかと思ったわ」
『まずは基本から、って言ったのはマーニャさんじゃないですか』
「だから嬉しいんじゃない。ビルくんがこれから本格的に炎の呪文、あたしから教わるつもりになってくれたっ
 てことなんだから。そうでしょ?」
『え、ええまあ……』そこまでの決心はしたわけじゃないけど、でも、どうせ教わるなら。『魔法使えるように
 なりたかったですし、それなら、その道の世界一って人に教わるのが、一番ですから』
「ふふっ。よろしい」
マーニャさんがくすくす楽しそうに笑った。「じゃあ、さっそく始めましょ。その[ふくろ]、そのへんに下ろして」
俺は言うとおりに[ふくろ]を地面に置く。俺たちに呪文教えてくれるマーリンさんには悪いけど、マーニャさん
のが教わり甲斐ありそうだからな。優しく教えてくれそうだし……。
「ビルくん。覚悟はいいわね?」腕組みしたマーニャさんが、俺のすぐ前に立つ。
『え?ええ……』
覚悟……?首を傾げた瞬間、「はい!しゃんと立つ!」いきなり腕を叩かれ怒鳴られて、身体が自然に直立。
驚く間もなく、マーニャさんの紫の付け爪の指が眉間に突きつけられる。「いーい?ビルくん」低い声で言う
マーニャさんの顔は、まるでヘマをした召使いを詰問するかのような形相に変わっていた。「[メラ]はね、炎系
 とか言う前に、あたしたちみたいな魔法使いの道を選んだヒトにとって、基本中の基本なのよ。けど、炎の
 魔法、炎の精霊様のおチカラを借りる魔法なの。お気軽に覚えられるなんて思ってちゃ駄目よ」
『は、はい……真剣にやります』マーニャさんにこの顔で睨まれると、素直にうなずくしかできなくなる。いつ
指から火が噴き出すかわからんからな。
「炎の精霊様っていうのはね、ビルくん。強い人が大好きな精霊様で、あんがい短気で気むずかしいのよ。
 魔力持ってる人じゃなきゃチカラ貸してくれないのは当たり前だけど、、ほんっとーに炎の精霊様を信じて
 チカラを求めてくる人じゃないと気に入ってくれないの。でも、だからって、どうかお願いします助けてください
 なんて頭下げるよーな軟弱な子には見向きもしてくれないのよ。つまりね」マーニャさんがあらためて俺の
鼻先をびしっと指さしてくる。「大事なのは、気合いと自信。炎の精霊様のチカラも自分の魔力もフツーに
 信じて、信じ込むの。呪文使うときだけじゃなくて普段こうしてるときも一瞬たりとも疑っちゃ駄目。わかった?」
『は、はい。厳しいんですね……』
「それが駄目なのよ!」小さくなってみせる俺を、またマーニャさんが睨む。「キビシイんじゃないの。この
 キビシサが当たり前なの。なんにもないとこで炎を燃やすなんて、人間のチカラじゃ絶対できっこないこと
 精霊様のおチカラを借りてやるのが魔法なんだから。どんな無理難題ふっかけられても、できます!って
 言えるくらいの自信、いっつも持ってなきゃ。炎の精霊様って特にそういうとこウルサイのよ」
『はあ……』なんだか大仰になってきたぞ。そんな自信持てる人なんてそうざらにいるとは思えないんだけど。
だいたいビアンカやマリベルも……マリベルはともかくとしてビアンカも、そういう過信って言えるほどの自信を
持ってんだろうか?
「納得いかない?ビルくん」
『あの、ですけど、俺の隣の娘が……』
「許嫁さんね?」
『違……そうですけど違います!』俺は必死で否定する。ああ、寝ぼけて変なこと言わなきゃ良かった。『まあ、
 ビアンカなんですけど、けっこう前から[メラ]も[ギラ]使ってるんですよ。子供の頃くらいから。気は強かった
 ですけど、マーニャさんが今言ったふうな自信とかそういうの、その頃からあったとは思えないんですけど……』
「それ、しょうがないわよ。炎の精霊様って、男だもの」マーニャさんがくすりと表情を崩す。「女には甘くて、
 男にはウルサイの」
『あ……』
納得。だから炎系得意な魔法使いに女が多いわけだ。男で炎系使う奴ってのは、屈強でいかにも自信の
カタマリみたいな奴とか、年取って世間のことをたいていわかってきたような爺さんばっかりだもんな。女性に
哀願されると拒絶できないってのは、人間の男も精霊の男も同じらしい。
えーと、確か、炎の精霊が男、水と風の精霊は女。土と光はどっちだっけ?魔法研の彫像かなんかで見た
はず……ああ、サボってたせいで思い出せん。
679場 ◆Gp/A555JhQ :2006/08/26(土) 01:01:45 ID:???
「おい。マーニャ、ウィル。いい加減にしろ」横を向くと、アリーナが眉間をぴくつかせている。イライラが限度に
来たらしい。「先に行ってるからな!」
ま、仕方ないか。腹も空いてるだろうし、こんな山の中の草っ原で待たせるってことも……。
「あ、待って、アルト」マーニャさんが止めた。「悪いけど、腕立て伏せでもして、待っててほしいんだけど。
 あとで、ビルくんの魔法の、マトになってもらうから」
へ?『的?』俺が聞くのとアリーナが眉をしかめるのがほぼ同時。
「初めての子が魔法の練習するには目標になるモノが必要なの。けど、木とか草じゃ、危なくてしょうがない
 でしょ。[メラ]なんだから。だからね、お願い」
人間をマトにするほうがはるかに危ないと思いますけど……。バレたら罰金払わなきゃなりませんよ。
「なんでボクがそんなの……」
「いいじゃない。あなただってビルくんには強くなってもらいたいでしょ?それに、避ける訓練にもなるし」
「………」アリーナは黙りこみ、俺を睨む。“余計なこと言いだしやがって”ハイハイ、俺が悪いです。
『あの、マーニャさん。それは……』
「ま、アルト、そんなに先行きたいなら行ってもいいけど」俺を無視してマーニャさんが言う。「あなた行っちゃっ
 たら、そうね、ビルくんにあのこと話しちゃうかもしれないわね。あなたが7歳くらいの頃、王様たちと夏テンペ
 にピクニックに行って、ドレスが急に脱げなくて……」
「!!や、や、やめろマーニャっ!」血相変わったアリーナがマーニャさんの口に手を当てようとし、マーニャ
さんによけられる。「マーニャ!な、なんでそう、べらべらべらべら話しちまうんだよっ!」ん?こいつ涙目っぽく
なってるぞ。相当イヤーな過去なんだな。想像つく気もするけどさ。
「別に。ただビルくんと二人になったら話しちゃうかもしれないってだけよ。アルトがちゃんと待ってるって言う
 なら、しゃべんない」
「………」アリーナは俺とマーニャさんを交互に見ながら下唇を持ち上げ、思いっきりイマイマしいって顔した
が、「早く終わらせろ!」言い放って横を向いた。あちゃー、俺としては、的になってもらうよりもマーニャさんの
話を聞きたかったのに。まあでも、聞く機会はこれから何度でもある、な。
「用あったら呼べ」そう言うと、アリーナは街道を横に外れて森のほうへ歩き出した。何か見つけたのか?と
思って見ていれば、灌木を相手に身構え、右の拳を繰り出す。続けて左そして蹴り。木に当ててはいない。
暇つぶしに鍛錬始めたらしい。草むらなんだから魔物に注意しろ……とあいつに言ってやるのはバカバカしい
ので、やめ。
「ふふ。アルトったら、あれでけっこう、ビルくんのこと気になってるのよ」
マーニャさんがおかしそうに笑う。『はあ……』気になってると言うか、信用されてないと言うか……けど、人前
でも俺を無視せず、名前呼んでくれるようにはなったな。
「で、ビルくん。どこまで話したっけ?」
『炎の精霊様は男、ってとこまです』
「んー……まだ言っときたいことあるんだけど、アルトが待ってるし、まずとにかくやってみましょ。はい、気を
 つけ!」
マーニャさんが再び俺の両腕を叩く。
「あご上げて、顔は真正面。そのままちょっと腰落として。足開いていいから……そんな、座るみたいにじゃなく
 て、斜めに!……はい、そのまま、鼻で深呼吸」
言われたとおり、吸う、吐く。何だかマーリンさん以上に指示が細かいなあ。マーニャさんて大ざっぱな性格
だと思ってたけど。
「はい、よろしい。じゃあ手、顔の前で組んで。さっきの、間違ったのでいいから」
う……間違ってると思ってるのを敢えてやって、恥の二度かきしたくないんですけど……。
「どうしたの?早くやる!」マーニャさんが睨んでくる。仕方ない。肘を上げ、メラとギラが配合した印を組む。
小指がメラなんだよな。えーっと……マリベルの奴、どうやって組んでたっけ?
「あ、そのまんまね。いじんないで」そう言ってマーニャさんが俺の背後に回る。このまま魔法使ったらどっち
が発動するんだろう?まあ何も起きないだろうけ……ど!?
680場 ◆Gp/A555JhQ :2006/08/26(土) 01:07:14 ID:???
顔のすぐ横で気配がした。俺の両肘の上に細い鷲羽色のマーニャさんの手が伸びてきて、印を組む俺の手を
包む。右肩に固いものが乗り、背中にも何かが押し当たる。「右手の親指は、こう。人差し指は伸ばして。あと
 は重ねといて」耳元、肩の上から、ささやくようなマーニャさんの声。ちょうど後ろからのしかかられている
格好……てことは、背中に押し当たってるこれ、これはもしや……!?二つあるような感じもするし!?
「ビルくん、ちゃんと聞いてる?」
『あ、え、き、聞いてます……』
どぎまぎしながらあわてて俺は指を直したが、「違うってば!右の親指がこう!こっちは曲げとくのよ!」
マーニャさんの長い指が俺の指をねじ曲げる。
『す、すみません……』痛みなんて気にならない。これが、背中のこれが、姿勢から考えてマーニャさんの
おっぱいであることは確実。そう思うと心なしか、丸くて大きくて柔らかい……気がする。ああ、こういうときに
限ってマーニャさんなんでマントなんて着てるんだ……。
「いい?ビルくん。これが[メラ]の印。覚えた?」
『は、は、はい……』
「なら、もう一度、吸って、吐く」
すうー、はぁー。すうー、はぁー……ああ駄目だ、どうも息苦しい。胸もばくばく言ってるし。マーニャさんに
バレてないよな、この異常な鼓動?
「それじゃ、目閉じて。ビルくん」
え?と思ったが、言われた通りにする。陽の光で目を閉じても赤く明るい。いったい何をするんだろマーニャ
さん?アリーナがそこにいるんですからあまり変なことは……。
「いい?今からあたしの言うコトを、そのまま繰り返して言って」息があたるほど耳のすぐ近くでの声。「私は、
 炎の精霊様を」
『私は炎の精霊様を』
「信じます」
『信じます』
なるほど。催眠術みたいな感じで心構えをつけてくれるんだ。ああ、だけども、視覚を消したせいで、マーニャ
さんの身体の感触が気になって、気を抜くと腰が落ちてしまいそうで、とても集中なんて……。
「私は、炎の魔法を使って、えーっと、アルトを……アリーナを、助けてみせます」
『ほ、炎の魔法を使って、アリーナを、助けてみせます』
「私には、このマーニャちゃんが、ついてます」
『私には……マーニャさんが、ついてます』
「はい、今言ったの全部、もう一度」
げ。『私は、炎の魔法を使って……何でしたっけ?』
「精霊様!」鋭い声が耳の中に響く。スミマセンよく聞いてませんでした……。
『私は、炎の精霊様を信じます。炎の魔法を使ってアリーナを助けてみせます。私には、マーニャさんが、
 ついてます』
「よろしい」クスッという息。「んじゃ、いよいよ詠唱だけど、その前に[炎との誓い]しとかないと。ビルくん、
 やったことないわよね?」
『ええ、まだです』[光との誓い]なら当然やってあるんだけど……“世の全てを照らし守る光の精霊様。どうか
俺の願いを聞き届けその裁きの力をお貸し下さい……(以下略)”なんていうやつ。言われたまま読み上げる
だけなんだけど、精霊様どうぞ俺の魔力を自由にお使いくださいっていう契約で、死ぬまで撤回はできないっ
ていう厳しい誓いだったりする。もっとも、呪文唱えない限りその契約は発動しないから、魔法使いすぎさえ
しなければ、どうってことはない。
「それじゃ今から言うから、ゆっくり心の中で言ってね。いい?」
そうしてマーニャさんは、[炎との誓い]を教えてくれ、それを俺は心の中で復唱した。
“炎の精霊よ。貴殿を称える者の言に耳を傾けよ。地上の物すべてを食い尽くす炎の力を我に貸し給え。
我が望み叶えんがための供物として我が魔力を捧ぐ。その供物を薪炭としてそなたの子たる炎を産じ、
我が思念に忠実なるしもべとして遣わせ。我が名はウィルなり”
光の精霊に比べてずいぶんと堅っ苦しいな。さすが気むずかし屋な精霊様……そんなこと思っちゃマズイ。
「じゃ次は肝心の、[メラ]の詠唱ね。これは短くて簡単よ。印知ってるなら聞いたことあるんでしょ?あたしが
 合図したら唱えて」
そう言ってマーニャさんが詠唱をささやいてくれる。ついさっきのキビシサはどこへやら、マーニャさんやたらに
楽しそうな声だけど……でも一瞬で豹変しちゃう人だから、気を付けないと。
「覚えた?」
『ええ、はい』[メラ]の詠唱は、マーニャさんが言ったとおり何度も聞いたことがある。ビアンカもだけど特に
マリベルが、俺らに威嚇がてらに唱えてっからな。
681場 ◆Gp/A555JhQ :2006/08/26(土) 01:10:57 ID:???
「じゃ、いきなり本番いっちゃうわよ」肩に乗っていたものがなくなる。「アルトー!」後頭部で大きな声。左を
向くとマーニャさんの二の腕のつやつやした裏側が見える。その向こうにアリーナの赤い髪。「ちょっと来て
 くれる?」
4本目の立ち木を蹴りの餌食にしたばかりのアリーナがこっちを振り向き、むすっとした顔で歩いてくる。
あのローブ、ちょうど草むらに保護色になってるな。もっともあいつの髪の赤が強烈すぎるから、身を隠す
のは無理だが。
「んー、いくらあんたでもあまり近いと危ないし、その石のへんに立って」
アリーナが俺たちから10歩ほど離れて立つ。だるそうにまぶたを半分落とし、口は低山型のまま。付き合わ
せて悪いな、アリーナ。でもお前のためでもあるんだ。
「よし。ビルくん」マーニャさんの手が俺の印を組む両手に添えられてくる。そして背中へ、男それにターニアや
マリベルにはないものが押しつけられてくる。「頭の中で炎の玉を思い浮かべて、それをアルトにぶっつけて。
 手加減しようとしちゃ駄目よ、本気でぶつけるの。心配しなくて大丈夫よ、アルトなら簡単に避けちゃうから。
 アルトー、わかってんでしょうけど、ちゃんと避けなさいよ」
「ああ」アリーナが顔を斜め横に向け、面倒くさそうに言った。
「はい、ビルくん、はじめ!」
『は、はい』
目を閉じる。炎の球、炎の球……ビアンカが出すような、蝋燭の火をでかくしたようなやつ。それをアリーナに
……マーニャさんの息づかい、背中のぷにぷに。これアリーナにもないよな……じゃない!炎だ炎!
「ビルくん、目を閉じちゃ駄目でしょ。ぶっつける相手、見てないと」
言われて目を開けた。明るくなった街道に腕組みして立つ赤と緑の的。そういうものなのか。確かに開けてた
ほうが集中できそうだ、今の状況だと。
炎の精霊様……炎の精霊様……俺はあなたを信じます……信じます……俺はアリーナを助けなきゃなら
ないんです。
マーニャさんの手が俺の腕を持ち上げる。「手が下がってきてるわよビルくん。それと、もっとしっかりアルトを
 見なさい!」
頭の中で想像を描きながら目の前の物を見るのは大変……でもそれができてこそ、魔法が使えるのか。
炎の力、魔法の力が欲しい。アリーナを助けたい。魔法。呪文。アリーナに認めてもらいたい。だからこそ
炎の力を。炎で敵を焼く力を……しっかし今は敵というか的がそのアリーナなんで、考えにくいことこの上ない
……いや。これでいいんだ。これはアリーナの……お前のためなんだから。俺の初[メラ]の実験台になって
もらうにはいちばん相応しいんだ!
炎よ、炎の精霊よ……目の前のこの王女を黒焦げに……ビアンカの[メラ]を直撃食らったマンドラゴラのよう
に。マリベルを幼児体型と言って[メラ]の餌食になったランドのように……この前の夜のバルザックに焼かれ
た奴……あれはやりすぎ。とにかく炎、炎。炎で……燃やせ、燃え上がらせ、焼き尽くせ!
「きてるわよビルくん!」マーニャさんが耳元で叫ぶように言う。「もっとがんばって!」
炎。アリーナ。燃え上がるアリーナ。炎。ビアンカの炎。マリベルの炎。アリーナ。戦うアリーナ。火。マーニャ
さんの華麗な炎。火。炎の精霊様。炎、炎、炎……っ!
「あっ、いけるかもしんない!」マーニャさんが早口で言った。「ビルくん、いって!」
『は、はい!』
さあ詠唱だ詠唱……何だっけ。ついさっき教えてもらったばかりなんだぞ。えーと……。
‘炎よ……宙を飛ぶ一箭となりて我が敵を焦がせ!’
『メラ!』
叫んだ。が……何も。と思った瞬間に指の上で小さな炎が燃え上がった。やった、できた!!よし、行けっ!
念じるより早くヒュッと空気を裂く音とともに炎はアリーナ目がけて飛んでいく。あ、と息を呑んだ俺だが、
アリーナは表情を変えず――いや何故か不機嫌そうな顔で、危なげなくすっと横へ退いた。的をなくした
炎が道にぶつかり、焦げ目も残さずに蒸発した。
できた……?
できた……!?
できたーーーーーー!!!俺に、俺にも、[メラ]ができた!!!
682場 ◆Gp/A555JhQ :2006/08/26(土) 01:22:18 ID:???
『で、できましたよ!マーニャさん!!』
俺はマーニャさんを振り返って叫んだ。「できたわね」マーニャさんは俺から手をほどき、ニッコリ笑ってくれる。
『はい!』俺は腰を低くしてマーニャさんの手をとり『ありがとうございます!』握りしめた。正直才能ないって
諦めかけてた俺が、新しく呪文を覚えられた。飛び上がるような心持ち、感謝感激って今の気分だ。たかが
[メラ]なんだけど……そのたかが[メラ]を使えないおかげで、ビアンカにもマリベルにも引け目感じてたから
な。よし、レイドック帰ったら魔法の勉強やり直しだ。[ホイミ]だろうが[ルカニ]だろうが[スカラ]だろうが、どん
どん覚えてやる!
「おめでとう、ビルくん」マーニャさんが笑ったまま首を横に小さく傾けた。「はい、じゃ、もう一回」
『え?』もう一回……?
「だって、一度だけじゃ、偶然かもしれないでしょ」言いながら俺の手を取り、もう一度印を組ませてくる。
「はいっ、今度こそ本番のつもりで、やってみて。アルトー、もう一回ね!」
マーニャさんに背中を押され、回れ右。アリーナと相対する。そのアリーナは目を細め唇を結んでいて、
喜んでくれるどころか不機嫌通り越してなぜか呆れ顔で俺を見ている。“何やってんだ”あのな……協力して
くれたのはありがたいけど、お前のためになるんだから、少しは笑顔くらい見せろよ。
「一回できたんだから自信ついたでしょ。今度はあたし何も言わないから、ビルくん、自分の呼吸でやって」
なるほど。サポートなしでもう一回か。マーニャさんて手堅い教え方してくれるなあ。
ただ俺、あまり魔力ないから、朝に2度も呪文使ったら後々で大変だったりする。[インパス]覚えたての頃、
村長さんが拾ってきた自称骨董品を調子に乗って鑑定しまくってて、小さい錆びたメダルみたいなもの調べ
ようと詠唱半分しかけたところできれいな白目剥いて引っくり返って(というのはマリベルの証言)気がついたら
ベッドに寝かされていて、そのまま10年ぶりくらいで村長さんのお屋敷に泊めてもらう羽目になったからな。
でも[メラ]に吸い取られる魔力ってたいしたことないらしいから、2発撃ったところで影響ないだろ。
俺は印を組み、その先のアリーナを見つめる。集中!
炎、炎、炎の力。今の今できたんだ。一度っきりのお情けだなんて言わず、今後とも仲良くしてくださいよ、
炎の精霊様!
『………!』
印が勝手に震え出し、同時に俺の頭の中で炎が燃え上がった。見える。炎が見える。これだ!今だ、いける!
炎よ……詠唱し、叫んだ。『メラ!』
《0,1,4,11,20,28,36,38,43,47,51,54》
組んだ印の前に小さな炎が燃え上がり――ほらできた!さっきよりだいぶ小さいけど――橙色の尾を引いて
アリーナへ向かって、って?おい?アリーナはびっくりしたように目を見開いてる。何やってんだ、よけろ!と。
アリーナが身体をひねる。火球はローブの端をかすめて地面にぶつかって跳ね、消えた。ほっ。危ねーなー
……ギリギリでかわす練習のつもりか?
「お前……」アリーナが、身体を横へ向けたまま、両眉と睫毛を平らにして怪訝そうな顔で俺を見る。「なんだ。
 できんじゃないか」
『は?』
俺は口を開けた。あのな。二度はできないとでも思……。
「ビルくん、おめでとー!やったじゃない!!」
わわっ!?マーニャさんに横から抱きつかれ、何とか踏ん張る。『ど、どうも……』
「ビルくんて案外センスいいかもよ?一回でできるようになったんだから。もちろん一番は、あたしの教え方が
 いいからなんだけど。とにかく、おめでと!」
頬に温かいものが触れた。チュッ!……て!まさか?もしかして、キスしてもらえた!?
反射的に振り向いた俺の、今度は口の端近くにマーニャさんが唇を押し当ててきて、片目をつむって満面の
笑み。
『あ………』わ……マジだ………。マーニャさんから、キス……。
予期せぬご褒美に俺がぽうっとしていると、マーニャさんは「えらいえらい。ホント良かったわね」俺の首に回
していた腕を離し、髪を撫でてくれる。「ほらアルトー、あなたもビルくんに、お祝いのキス、してあげたら?」
「だ、誰がやるかっ!」アリーナが怒鳴り、ぷいと背を向ける。「終わったんなら、さっさと行くぞっ!」
683場 ◆Gp/A555JhQ :2006/08/26(土) 01:30:29 ID:???
『マーニャさん。ありがとうございました』アリーナを見て苦笑しているマーニャさんに、俺はもう一度お礼を
言った。『これで、何とか、戦えそうです』
「ビルくんの役に立って嬉しいわ。ノってるとこでついでにもう一つ、[ギラ]か何か教えたげたいんだけど、
 アルト急いでるみたいだし、あたしも帰んなきゃ。また今度教えてあげるね」
『ぜひ、お願いします』俺は言ってから、『せっかくですし、朝食ご一緒に……』期待こめて、聞いてみた。
「そうしたいけど、もー、眠くって」マーニャさんが息を吸い込みながら口に手をあてる。「ごめんねビルくん。
 そんなにあたしと別れたくない?」
『いえ、あ、ええまあ……マーニャさんとは、これで何日か、お別れになっちゃいますから……』
俺が肩をすくめてみせると、「そっか。そうね」マーニャさんは顔を上げて西の山脈を仰ぎ見た。
「この山登るんじゃ、ね。まー、だけど、ミネアはともかくさ、ビルくんといいアルトといい、ホントお人よしよね。
 魔物退治するためにここの峠まで登ろうって言うんだから。感心しちゃうわ」
『お人好しってわけじゃ……』ん?ミネアさんに聞いてるとばかり思ってたけど、ひょっとしてマーニャさん、
知らないのかな?
そうか。ミネアさんが話してないのかも。あいつらがアリーナの命だけを狙ってこの村を襲ってことまでは。
まして、黒幕がサントハイムの誰かなんて重大事実、ついでにルナさんの村の謎も。知らないのなら、この
まま知らせないほうがいいな。
『俺、住んでる村が山の上で、しょっちゅう麓の街行ってますから、山の登り下りには慣れてるんですよ』
好きってわけじゃないけど。『それにこう見えても、レイドックの軍の遠征に参加したことあるんです。街道筋
 に出る魔物の掃討で、東海岸のほこらまでの、単なる訓練だったんですけどね。誰かの役に立つことって
 いうのはそんなじゃないですけど、みんなで一緒にスリルあることやるのが好きなんです』こっちは本当だ。
「ふーん。そうなの。まっ、ミネアなら道も知ってるし、子供の頃のあたしたちでも歩いてけたから、ビルくん
 たちなら平気だと思うわよ。あとは魔物退治がんばってだけど。それで、魔物やっつけたら、こっち戻って
 くるの?」
『あ、いえ。その後のことまでは考えてませんけど……』ベレスを倒せるかどうかだからな。
ただ、首尾よくベレスを仕留めて、ベレスにアリーナ暗殺を依頼した奴がわかれば、おそらくサントハイムの
城へ直行だろう。ちょうど城の近くに下るらしいし。
『そのまま、サントハイムの城に行っちゃうと思います』
「じゃ、本当にしばらく会えなくなっちゃうのね」
『そうですね……』
なんとなくマーニャさんを見つめてしまう。もしかしたらこれがマーニャさんとの最後の……なに勝手に俺は
ネガティブセンチメンになってんだ。
「だったら、ビルくん……」と。マーニャさんの手が頬に触れてきた。「今この場で、済ましときましょ」頭を斜め
にし、半分閉じた、とろりと酔ったような瞳で、俺を見上げながら顔を近づけてくる。
な、な?済ますって何をだろう。わわ、アリーナ、子供はあっち向いてろ!
『あの、何を、です?』
「決まってるじゃない」すぐ目の前で赤い口唇が小さく開く。温かい息が俺の唇にかかる。「お勘定」
へ?と思ううちに、顔の前へ手のひらが上向きに差し出される。お勘定……あ!
『すみません、忘れてました』
俺は財布を取り出し、アリーナの衣装代ぶんをその手に乗せた。「ふふ、まいどありっ」マーニャさんがニコ
ニコしてゴールドをしまいこむ。俺はすっかり忘れてたのに……このタイミングでなんて、さすがマーニャさん、
お金にはしっかりしてるというか、がめついというか。
「それから、[メラ]伝授してあげた料金だけど」
『え!?とるんですか?』
思わず声が裏返る俺に、「とらないとらない」マーニャさんが笑う。「初めての子からいきなり教授料もらう
 なんて、あたしもそこまで鬼じゃないわ。今回はサービスしといちゃう」
てことは、次からはきっちり徴収するんですね。いろんな意味でお手柔らかにお願いします。
「いったい何をごちゃごちゃやってんだよっ!」
アリーナが大股で寄ってくる。先に行ってりゃいいのに……そんなにマーニャさんに昔の話を喋られるのが
怖いのか。
684場 ◆Gp/A555JhQ :2006/08/26(土) 01:33:03 ID:???
「アルト」
すっとマーニャさんがアリーナの前に立った。「なんだよ?」見上げるアリーナに手を差し出し……わ?外套で
包み込むように抱えこんだ。
「ま、マーニャ?」
さすがに強ばった声を出すアリーナを、マーニャさんはしっかり両腕におさめ「いい?アルト」言った。「無茶
 しちゃ駄目よ。もし勝てそうになかったら逃げて来るの。アルトがいなくなっちゃったら、マーニャちゃん、
 一生、泣いて暮らしちゃうんだから」
「な、な、何言ってんだっ」アリーナが手をじたばたさせる。「ぼ、ボクは、勝つっ!」
「どっちだっていいわ」アリーナの髪を撫でるマーニャさん。「とにかくまたモンバーバラに遊びに来て、アルト。
 今度はもっと遊びましょ」
「ああ!!だから、放せって」マーニャさんに頬をすりつけられ、アリーナがわめく。マーニャさんてこっちの
趣味もあったのか……それとも反応を楽しんでるのかな。
「ふふ」マーニャさんは腕をほどいてアリーナを解放した。そして、「ビルくん」今度は俺のほうを向いて、両手を
とって重ねてくる。「ビルくんも、絶対、無事に帰って来るのよ。ビルくんはあたしの弟子になったんだから。
 まだまだいろんなコト教えてあげたいんだから、イキナリ不肖の弟子でしたなんてのは、ナシにしてよね」
『は、はい。もちろんです』マーニャさんの手を握りかえす。
「よろしい。それと、アルトとミネアのこと、お願いね。女の子二人のお世話なんて大変でしょーけど、ビルくん、
 パーティリーダーなんだから」
リーダー……今も俺なんだっけ?事実上、アリーナが引っ張ってるんだけど。
『ミネアさんのほうは任せてください。で、俺のことをアリーナにお願いしといてもらえます?』
「ふふっ」笑ってマーニャさんが俺の手を放す。「そういうこと言える余裕があるなら、きっと大丈夫かしら。
 そんじゃね、ビルくん、アルト」
言って、マーニャさんが数歩下がる。『いろいろ、お手数かけました』軽く頭を下げた俺に笑顔を返してくれる。
本当なら一緒に来てほしいけど……やめよう。甘えちゃいけない。
「あ、ビルくん」詠唱に入ったかと思ったマーニャさんが、急に目を開けて声を出した。「行く前に、その[ふくろ]
 の中、一度ちゃんと確認しといたほうがいいわよ」
『あ、はい。そうします』
わざわざ、しかもマーニャさんらしからぬご忠告だな。でも、部屋はきちんと片付いてたし、ガサツなようで
キッチリしてるのかな、金銭感覚と同じで。
「じゃねー♪」
風とともに青空へ消えていくマーニャさんを見送る俺の胸に、未練がタラタラ湧く。やっぱり、一緒に来てくだ
さいってお願いしたほうが良かったかなあ……。
だが。俺は出かけた二度目のため息を吸い込み直す。俺にはまだこれからしなきゃならないことがたくさん
ありすぎる。今回のこれは、そのうちの簡単なほうかもしれない。ベレスは、ゲマほど恐ろしい相手じゃない。
こんなことに他人の助力をアテにするようじゃ、ターニアを助け出すのはおぼつかない。
マーニャさん待っててください。マーニャさんが授けてくれたこの[メラ]で、ベレスを片づけてきます!
「……何やってんだ、お前」
空に向かって印を結んだ俺を、アリーナが眉を平らにしてのぞきこんできた。
《ウィルが[メラ]の呪文を覚えた!》
《ウィルの盗賊レベルが上がった!》
《マーニャの評価が上がった!》
《アリーナの評価が上がった!》
《所持金が350G減った》
685名無しさん@ピンキー:2006/08/26(土) 01:35:00 ID:???
「ミネアは、もう起きてるのか?元気なのか?」
村に歩き出そうとしたとたん、アリーナが聞いてきた。
『ああ。見たとこ元気だったよ。少なくとも朝食作れるくらいに』
「そうか……なら、いい」言ってから、「ウィル。いったいお前、ミネアに何したんだ?」下半月型の目で見据えて
きた。
『ナニしたも何も……君だってあの場にいただろ。あれ以上のことは、俺だって知らん』
「あんなミネア、初めて見た。じゃあ、お前が変なこと言ったんじゃないか?」
『だから、君も聞いてただろ』少々腹が立ち語気荒くなる。『ミネアさんを気絶させちまうような文句を、俺が
 吐いたか?』
「よく聞いてなかった」なんだよそりゃ。「親父さんがどうとかって話だろ?」
『そんなところだ。もしかしたらだが……』一つ思いついた。『俺がエドガンさんの話なんてして、昔ショックを
 受けた出来事を思い出したのかもしれない。例えば、親父さんが殺される瞬間とか』
「………」
『何か心当たり……ん?』聞こうとして、アリーナがうつむいているのに気付く。『どうした?』
「なんでもない」アリーナはすぐに顔を上げた。「そうかもな。だけど、気を失うほどか?今までだって何度も
 思い出したことあるはずだし、ミネアとあの親父さん、そんなに仲が良いってほどじゃなかったぞ」
『え?そうなのか?』
「ああ。子供の頃はマーニャと二人して親父さんとふざけあってたけどさ。いつの間にか、なんっか……そう
 だな、いつも親父さんの間合いの外にいるって言うか……親父さんに話しかけられても返事するだけで、
 目を合わせようともしないんだよ。初めてそんなミネア見たとき、マーニャに言ったんだ、親子喧嘩でもした
 のかって。そしたらマーニャも不思議がってた。ミネアに聞いてみても、気のせいって言われるだけだってさ」
『へえ……』意外だな。ミネアさんて孝行娘って感じなのに。
ん?けどそれって単に……フツーの家によくあることなんじゃないか?お年頃の女が父親とか兄貴を毛嫌い
しはじめるって……まあ俺はよく知らないけど……でも、それがミネアさんに起きたっていうのも、なんだか
意外だ。
『ミネアさん本人に聞くしかないな……』俺は結論づけた。
街道沿いの畑では、既に農夫やおばさんたちが野良仕事をしている。時折顔を上げて俺たちを見、挨拶を
返してくれる。俺のほうは昨日と同じ姿だからすぐ俺だとわかるだろうけど、今のアリーナが、昨日魔物と
戦ってた娘だと気付く人は少ないはずだ。印象がえらく違うからな。
『あ、そうだ。ひとつ話し合っておきたいんだが』俺は切り出した。『パーティのリーダー、どうする?ミネアさんと
クリフトと俺の間じゃ、一応、俺ってことになってるけど……』
「だったら、それでいいんじゃないか」アリーナが事も無げに言う。
『君がやりたいってんなら、君のがいいと思ってさ。たぶん、クリフトも、そのほうがやりやすいだろ』
「ボクはそういうのは苦手だ」アリーナは言い捨てるように早口で言った。「お前がやりゃいい。それとも、やり
 たくないのか?」
『いや。ただ……俺がリーダーってことは、いざってときは、俺の命令を聞くってことになるんだぞ』
「………」アリーナは少し黙った。「……あいつと戦うのは、ボクだ。それさえわかってりゃ、いい」
『それって……』確認しようとして、やめた。ベレスと一騎打ちさせろ。ほかは、リーダーの俺の言うことを聞くっ
てことだろう。すんなり聞いてくれるとは思えないが、まあ言ったことは守るのがアリーナだ。これで俺が、
パーティリーダーに確定。
山に伸びていく街道から逸れ、村に入る。黒こげになった立ち木や踏みにじられた草むら、無惨に壊れて
使い物にならなくなった椅子や水桶なんかが固めて捨てられている様子が、のどかな農村という印象を
一変させている。そんな襲撃の爪あとを見て恐怖を思い出すのか、人が集まりやすいはずの宿屋の前の
広場を、村の人たちは小走りで通り過ぎていく。
一度、宿屋へ寄……るような用はないか。まっすぐミネアさんのお屋敷に行こう。
686名無しさん@ピンキー:2006/08/26(土) 01:37:47 ID:???
『俺はミネアさんとこ行くけど、君はどうする?』横、やや前方を歩くアリーナに聞く。
「そんなことまで、なんでお前にいちいち言わなきゃなんないんだ」アリーナは、俺を見ず、前を向いたまま
言った。別にリーダー権限で聞いたんじゃないんだけどな。俺は笑って、
『朝飯の話だ。ミネアさんに作ってもらってるんだ。君も一緒に食べるか、そっちで食べるか』
宿屋を目で示してやると、「………」アリーナは顔をしかめ、黙った。迷っているらしい。俺と一緒というのが
嫌なのか、それとも……。
『その……』俺は決まり悪く、頭に手をやった。『ミネアさんとこじゃ、昨日のアレ、思い出しちまうってんなら……』
「忘れろ、と言っただろ!」とたんに振り向いたアリーナが俺をキッとにらみ、叫んだ。「今度言ったら、その舌
 引っこ抜いてやるからな。ツチワラシみたいに!」
『悪かった』ツチワラシって何だ?『そんなら、ミネアさんとこでいいよな』
「………」
返事はなかったが、宿屋の前を通り過ぎてもアリーナは東へ道を進んでいく。ま、食事は人数多い方がいい
し、ミネアさんも、俺がアリーナを連れてくるつもりで食事作ってるだろうからな。
小川の丸太橋を渡る。昨日、ここで一人で魔物と戦って、夜はサンディと話をしたんだっけ。ずいぶん前の
ような気もする。
と、丸太橋を渡ったところで、アリーナが立ち止まった。俺も足を止め、前を見やれば……。
「姫さまーっ!!」
大騒動を引き起こしかねないセリフを吐きつつ向こうから突っ走ってくる、緑色のバカがいる。
『……アレ、どうする?』前を向いたまま、聞く。
「何とかなるのか?」額に手をやっているアリーナが、俺を振り向かずに言う。
『君が、やれと言うなら』
「……なら、やってみろ」
『了解』
両手の指を組み合わせて柔軟体操。よし、[メラ]覚えられたついでだ、試してみるか。
「姫様!心配いたしましたよ!よくご無事で……」
走り寄って来るクリフトとアリーナの間に飛び出し、腰を少々落とす。気取られると打撃にすらならないからな。
着弾予定地点確認、方向よし仰角よし距離よーし!構え!
『うおりゃあああああ!!』
敵の呼吸のタイミングを計って……せーのっ!どーーーーーーーん!!!
「へ?うっ!?」
一瞬、瞳が転げ落ちるほど目を見開いたクリフトの身体が、円軌道にも似た放物線を描いて吹っ飛んでいき
……見事に目標の草むらの中へ、仰向けに、どすん。
ヒューゥ!!大成功!あとは、ちゃんと息してるかどうかだ。
両手を前に繰り出したままの姿勢でアリーナを振り向き、どんなもんだ、と笑……おうとしたが、アリーナは
そんな俺の横をすたすたと通り過ぎていく。
『お、おい見てたか?うまくいっただろ』急いで追いながら言うと、
「たいしたことないじゃないか。胸突いて気絶させて、そのまま突き飛ばしただけだろ」
『………』さすが格闘系王女様、よくわかってらっしゃる。
胸部がガラ空きで油断しきってる相手にしか通用しない、まあつまり実戦じゃ使えない技だ。いくらなんでも
女性にゃやれない技でもある。
クリフトは白詰草の真ん中で大の字に伸びていた。呼吸チェック。よし、まだ生きてる。
『どうする?起こすか?』
アリーナを見上げて聞くと、「うるさいから、しばらく寝かせとけ」アリーナは言い、歩き出そうとする。おいおい、
ここでか?従者に優しくない王女様だな……。
『なら、ちょっと待て』アリーナを呼び止め、『脚ひねらないように見ててくれ』言っておいて、クリフトの左肩を
持ち上げ、横へ転がす。こいつ、神官戦士って言うわりに、そんなに筋肉ついてねーな。
身体全体が稲妻形になるように膝を曲げ、手が顔の前に来るように肘を丸めてやる。おし、“緑に溶ける
夢見の青年僧”完成!
『こうすりゃ、普通に寝てるように見えるだろ』
「……ぷっ」アリーナが口元を緩ませた。「もしブライが見たら、ぶっとばされるな」
『ブライ?』初めて出た名前だな。『どちらさんだ?クリフトの親か誰かか?』
「何でもない」アリーナが不機嫌な顔に戻り、俺に背を向けた。「ほら、行くぞ」
すぐ俺も続く。こいつ、単純な王女様のようで謎が多いな。ブライ、ブライねえ……聞いたことあるようなない
ような。クリフトが起きたら聞いてみるか。復讐とばかり斬りかかられなけりゃだけど。
途中、後ろを振り返ってみると、鍬クワをかついだ農夫がクリフトの姿を見つけ驚き顔をしたものの、さも気付か
なかったように素面で通り過ぎていった。
《ウィルが[突き飛ばし]の特技を覚えた!》
《アリーナの評価が上がった!》
《クリフトの評価が下がった!》
687場 ◆Gp/A555JhQ :2006/08/26(土) 01:39:12 ID:???
「ウィルさん、おかえりなさい」
ミネアさんは、眉を緩めた優しい笑顔で、出迎えてくれた。
『遅くなってすみません』まず謝ってから『連れてきましたよ、アリーナ』後ろのアリーナを示す。
「ああ良かった。仲直りできたんですね」
にこにこするミネアさんに、『そんなとこです』俺は笑った。良かった、ミネアさん怒ってなくて。
「朝ご飯できてますよ。もちろん、アリーナさんの分も。あっ、その前に……」
ミネアさんがアリーナの顔に手をかざす。「アリーナさん、目を閉じて…………ホイミ!」
アリーナの顔の傷がふさがり、みるみる普通の肌色に隠れていく。「よしっ!」アリーナが気持ちよさそうに
上に伸びをした。「ありがとな、ミネア」
「どうしたしまして。さ、どうぞ」
居間には、やはりというか、すでに朝の食卓が出来上がっていた。オリーブ油で焼いたパン、かき卵にトマト
ソース、キャベツとコーンのスープ、豆と芋と玉葱のグラタン、キュウリとピーマンのピクルス、それに露の光る
緑野菜が山盛り。うーむ、多少の食材は村の人に分けてもらったりはしたんだろうけど、昨日久しぶりにここに
帰って来たんだからありあわせのものしかなかったはずだ。ミネアさんの料理のレパートリーの多さがわかる。
『へえー、これはまたゴーセーですね。宿屋さんのよりいい朝飯じゃないですか?』
「え。そんな、ノルザスさんのところのほうが、きっと、もっと美味しい料理ですよ」言いながらもミネアさんは
嬉しそうに笑っている。「急いで作ってしまったんで、冷めてしまってると思います。温めなおします?」
『いえ。遅かった俺たちが悪いんですよ。すっかり腹空いちゃってますから、このままで』
遠慮して席につく。む、待てよ、このテーブル、昨日の夜アリーナが……大丈夫かな。テーブルの下に手を
入れて板のヒビを探ってみる。あれ?え?変だな。ちゃんと合わさってるぞ。
「アリーナさんはそっちの席へ。……どうかしました、ウィルさん」
『いや、えーっと、このテーブル……』
「テーブル?……ああ。大丈夫ですよ。添え木を打ちつけておきましたから」
言われて見てみると、なるほど、側面に細い板をあててある。『これ、ミネアさんが打ったんですか?』
村の人にやってもらったんだろうなと思って冗談で聞いたのだが、「ええ。さっき」ミネアさんがにこやかに
答える。うえ、マジか?ミネアさんが?
「どうかしました?」
『あ、その、早く帰って来たら俺がやったのに、と思ったもので』
「そういうの、けっこうよく私やるんです。ほら、そこの壁の板のところとか。姉さんはそういうの全然やりません
 けどね」
そりゃマーニャさんはやらんでしょう。しっかし、カナヅチ持って手ぬぐい巻いてテーブルに釘を打ってるミネア
さん……まったく想像つかん。蝋燭巻いて人形に釘を打ってる姿ならぴったり……いやいやいやいや。
「もらうぞ、ミネア」
言うが早いか、アリーナがグラタンを食べはじめた。腹減ってるのはこいつも同じか。キレスさんのパイ、
あんなに食べてたくせに。
「どうぞ。ウィルさんも」
『じゃ、いただかせてもらいます』
ソースを乗せ、パンにかじりつく。うん、うまい、焼きたての味だ。もう少し早く来れば、本当に焼いたばかりの
アツアツのところを食べられたのに。でも、充分美味しい。
『いけますね、これ。ミネアさんが焼いたんですか?』
「ええ。良かった。時間少なすぎたかもしれないって思ってたんです」ミネアさんが微笑む。なんだか本当に
嬉しそうな顔だ。「焼き直そうかとも思ったんですけど……」
『ぜんぜん。美味しいですよ、これ』喋りながら二枚目。パンを焼き直すだなんて、客商売ならともかく、そんな
本気で朝飯作ってくれなくても良かったんですけど……。
688場 ◆Gp/A555JhQ :2006/08/26(土) 01:40:51 ID:???
「あ、そういえば、途中でクリフトさんに会いませんでした?」
パンにソースを塗り始めたミネアさんが、笑顔のまま、聞いてきた。『へえ、会ひま……』おっとと。いったん
パンを喉に飲み込む。『会いましたよ。どうせ、アリーナがいないって怒鳴り込んで来たんでしょう?』
「ええ。ついさっき……じゃ、クリフトさん、ノルザスさんのところへ行ったんですか?」
『今、そこの家の庭先で寝てます。うるさいんで眠らせときました』
「そ、そう、ですか」ミネアさんが口元は笑ったまま、眉は困ったような、複雑な顔をする。笑っていいのか
心配すればいいのか、量りかねてるんだろう。
『心配しないでください。本当に眠ってるだけですから』んー、このグラタンの豆、若干固め。でも、飲み物
みたいな年寄り用の豆より、このくらいのがむしろ俺は好きだな。
『それで、マーニャさんに、どこまで話したんですか?』ちょい薄めのスープで口を整えてから、聞いてみる。
『マーニャさん、アリーナが狙われてることまでは知らなかったみたいですけど』
「ええ。あの魔物たちの目的は私にもわからない、と言っておきました。本当に知らないのって疑ってきたけど、
姉さんには教えないほうがいいと思って。大騒ぎする人ですし、一緒に行くと言い出すかもしれませんから」
ミネアさんが、淡々と、でもなんとなくミネアさんにしては得意げに説明してくれた。賢明な判断ですよ。
『俺もそれで良かったと思います。マーニャさんまで巻き込みたくないですから。アリーナ、お前もそう思う
 だろ?』
トマトをしゃりしゃりかじっていたアリーナが「ん?」目だけこちらに向ける。“何か用か?”いんや。聞いてなかっ
たんなら、用はない。
『何でもない。……その服、あまり汚すなよ』
俺が言うと、アリーナは“余計なお世話だ”とばかり睨むように目を細めてから、視線をそらした。あれ、返さ
ないといけないんだよな。マーニャさん、洗濯代までとったり……しそうな気がする。とはいえ、こいつに汚す
なって言う方が無理だからなあ。
マーニャさんか……。レタスの葉を俺もしゃきしゃきかじりつつ、考える。魔物の目的がアリーナだったって
ことは、そのうちマーニャさんにもバレるかもしれないし、そうなったら何を言われるかわからない。けど今、
ミネアさん、マーニャさんと一緒には行きたくないってキッパリ言ったな。マーニャさんて気まぐれだし後先
考えない性格だから、振り回される慎重派のミネアさんの苦労はサラボナでのやり取りでも想像つく。しかも
今回、マーニャさん以上に後先考えない娘が同行するわけだから……そういう意味でも、手を貸してください
なんてお願いしなくて良かったかもしれん。
しっかしそれにしてもよく食べるなあこの王女様。育ち盛りだから当然とは思うけど、これがほとんど筋肉に
変わっちゃうのはもったいない。マーニャさんやミネアさんまでもとは言わないが、どうせなら別な場所を
膨らますのに使……。
689場 ◆Gp/A555JhQ :2006/08/26(土) 01:45:28 ID:???
うん?左手側から何やら異様な気配。『!?』振り向いたすぐ目の前にはミネアさん。責めるようなじろりとした
紫の瞳と結んでぴくぴくしてる唇。ミネアさん怒ってる!?何で?『な、何ですか、ミネアさん?』
「それ……」ミネアさんは席から乗り出して俺をじっと見つめたまま、「姉さんの、ですね?」抑揚のない声で
聞いてきた。マーニャさん、の……?何だっけ。あ。
『ああ、あれですか?』俺はアリーナを目で示し、笑った。『ええ。あの服、マーニャさんに借りたんです。前の
 ローブはマーニャさんが部屋着にするつもりで作ったものだそうで……』
「違います」身体を引いたミネアさんが、目を伏せるように下を向いた。「……アリーナさんもいたんですし、
 姉さんのいつもの悪ふざけでしょうから、何かあったなんて疑ってるわけじゃないんです。ですが……」
落ち着いてるような一語一語に力のこもった話し方、けど怒ってますオーラが顔から髪から肩から思いっきり
漂ってる。さっきまでニコニコしてたはずなのに。
『あのミネアさん。何の話ですか?』
「……とにかく、それ、拭いてください」ミネアさんがそっけなくテーブルのナプキンを俺に押しやる。
『?……どうも』そういえば置いてあったのにやるの忘れてた。頬にトマトソースでもついたのかな、そんなら
お借りして、と。
丁寧に口回りを拭う。ミネアさんの家のナフキン。これでミネアさんやマーニャさんも口元拭いたりしてきたの
かも。それなら間接キスに……。
『……!』キス!?そうか!あわててマーニャさんにキスしてもらった部分をこする。しまった、浮かれてて
口紅のことなんて気づかなかった!今朝のマーニャさんの口紅の色は……塗ってあるのかわからないくらい
自然な唇だった。つまりは赤。ナフキンを見てみると案の定。これを頬に2つくっつけたまま俺は村の中歩いて
ここまで……。
『あのー……ははは』俺は頭をかきながら笑ってみせた。『実はさっきマーニャさんに呪文教えてもらいまして、
 これ、そのときに……』
説明を試みようとしたが、「……ウィルさん」ミネアさんはそんな俺と目を合わさず、言った。「話さなくて結構
 です。聞きたくないですから」そうして、すました顔で、パンをちぎり始めた。
『えーと、とにかく、やましいことがあるわけじゃないんですが……』これだけは言っておきたい。
「ええ。わかってます」ミネアさん、それ全然、わかってるって顔じゃありません。「……やっぱりウィルさんも」
ごく小さい声でミネアさんがつぶやいた。「おんなじなんじゃないですか」
『……?』何が同じなんだろう。でももう聞ける雰囲気じゃないか……あーあ、ミネアさんに幻滅されちゃった。
来る途中に宿屋に寄らなくて良かった。村の人に出会ってたらどんなウワサ立てられてたか。なんせ俺、この
村じゃミネアさんの婚約者扱いだからな。しかも横にアリーナを連れてたんだ!口紅の相手はこの王女様
なんてことになって……ぶるぶるぶる。
……てか、アリーナは俺に口紅ついてるのに気づいてたはずだよな。ま、注意するような、というか人の頬の
口紅なんて気にするような女じゃないか……。
「これうまいな。ミネア、これのおかわりないか?」
空気読めないのか聞いてなかったのか、そのアリーナがグラタンを平らげて催促する。
「……お皿、貸してください」
「ん。どーしたんだよミネア?何怒ってんだ」
「なんでもありません!」早口で言ったミネアさんが皿を持って早足で台所へ。まだ怒ってる。口紅の一つや
二つ、どってことないじゃないですか。相手もマーニャさんてわかってるんですし。
そういや一度、いつの間にかシャツの胸についてたキスマークで小一刻時間問い詰められたことあったな、
ビアンカマリベルそれにターニアおまけにランドに。あれって結局誰のだったんだろ?レイドックの誰かだとは
思うけど。
「どうぞ」ミネアさんが豆を大きく盛った皿をアリーナの前に置き、俺の後ろをサッと通り過ぎて席に戻る。
アリーナが眉をしかめて俺を見た。“またお前何かやったな?”一割くらいはお前のせいだ。
《ミネアの評価が下がった》
690場 ◆Gp/A555JhQ :2006/08/26(土) 01:47:11 ID:???
冷たい朝食が終わり、片付けを始めたミネアさんに、手伝いますよ、と申し出た俺だが「結構です」あっさり
拒否され、「今のうちにヤザッカさんのお店で買い物して来てください。本当はできるだけ早めに出発した
かったんですけど、だいぶ遅れてしまってますから」チクリと言われてしまい、俺は屋敷を出て、村の南側に
あるという道具屋へ急いでいた。
「なんで、お前、ミネアを怒らすんだよ」隣を歩くアリーナが、呆れたような目で見上げてくる。「ミネアって
 けっこう根に持つ奴なんだぞ」
『怒らせるつもりで怒らせたんじゃない。そんなことよりだ、なんで君もついてくる?』俺は当然の疑問を言った。
『待ってればいいだろ、ミネアさんの手伝いして』
「お前、ボクがついてきちゃマズイことでもあるのか?」
『そんなもんはないが……』あるっちゃあるんだけどな。ミネアさんとウワサになってる俺が、別の女連れて
歩いてるのを見られたら、さらに変なウワサを立てられる。『君が俺についてくる理由だって、ないだろうが』
「ボクの勝手だ」
アリーナがそっぽを向く。勝手、か……。ついさっきまで喧嘩状態、もしかしたら今も続いてるのかもしれんが、
その相手となんで一緒に行動したがる?それもマリベルみたく常に三歩離れてでなく、間合いの中、つまず
けばすぐ支えられるくらいの近さで。国家的美少女をエスコートしてるって気分だから、俺としては構わない
んだけれど。
道具屋は、南へ折れる道との三叉路に、あっさり見つかった。
『すみませーん。開いてますか?』
店内に声をかけると、「はいはい。朝早くに誰だい?おや!あんたは!!」顔を出したのは、昨日の騒動の
とき一度会った、初老のおじさんだった。「おーいお前、今話してたミネアちゃんのお友達がいらっしゃったよ。
 お茶、すぐお茶をお出ししてくれ。昨日ちゃんと見てたよ。剣もブーメランもいい腕じゃないか。あんたなら
 きっと、エドガンさんも喜んで認めてくれると思うよ」
何を認めてくれるんだろ、って聞くだけ野暮か。『あの、今日は買い物に……』
言ってるところへ、「おやおや、この子がミネアちゃんのいい人かい」割烹着姿のお婆さんが現れる。「強いん
 だってねえあんた。男っぷりもいいじゃないか。あんたみたいな人がミネアちゃんと一緒になってくれるん
 なら、あたしらも心強いよ」
なにやら既定路線になってきてるぞ。さっさと済ませて逃げよう。『すみませんが、急いでるんで……』
「おー?昨日の!」横から豪快な声をかけられて振り向くと……うえ。昨日の夜サンディと話してるとこに酔っ
払って絡んできた、商人ふうのおっさん。「これはこれは、噂の色男が朝からお出ましか。どうだい、よく眠れた
 かい?」
『ええまあ……』
「そうだろ。あれだけの活躍だ、あんたもミネアちゃんも昨日の夜は……うん?ミネアちゃんは一緒じゃない
 のかい?んじゃ、そっちの娘は……」
おっさんがアリーナの顔を見つめ、次いで俺を見る。う、昨日と同じ誤解されそうな予感。
「まさかあんた、ミネアちゃんだけじゃなくて、こっちの娘とも変なことになってるんじゃないだろうね?」
ほらまたきた。田舎の自称潔癖症なおっさんて、こういう話題に飢えてるからな。
『いえ、こいつとは……』俺が否定しようとしたとき、
「どういう意味だ」アリーナがおっさんを睨みつける。「ウィルと変なことだと?」
「な、なんだ、その目は」おっさんがたじろぐ。「よく見りゃ子供じゃないか。あんた、こんな子供とチチクリ合っ
 てるんじゃないだろうね?」
『………』さすがに閉口。何を言うかと思えば……。スケベオヤジめ。だいたい、チチクリ合えるほどの物体が
こいつについてるように見えるのか。
「な、な……なにっ?」アリーナが顔色を赤くしこぶしを握り締めている。こんな俗語知ってんのか王女様、
そっちに驚きだ。「ぶ、ぶっ、無礼者っ!」げ、やべっ!「ボクと、ウィルが、だって?おまえ、ボクを誰だと
 思っ……んぐっ!」
あわてて手を伸ばしてアリーナの口を塞ぎ、じたばたするのをどうにか押さえこむ。まったく。クリフトと
同レベルの間違い、やらかす気かよ!
「まさか……あんたたち、本当に……」
おっさん、それにおまけに道具屋の夫婦まで俺たちを疑わしげに見ている。まずいなこの状況。俺とアリーナ
の仲もだが、アリーナの身分まで怪しんでるに違いない。アリーナ王女とはっきりバレたら、大騒ぎになって、
とても山へ行くどころじゃない。
しょうがない……いつものやつ、やるか。
691場 ◆Gp/A555JhQ :2006/08/26(土) 01:49:12 ID:???
『黙ってろよ』アリーナに小声で言い、口に指を立てるようにして手を離す。そして『お嬢様、お言葉を慎まれ
 下さいませ』わざと大きな声で言った。『よろしいですか、レイドックへ戻るまではアルトお嬢様ではなく、
 庶民の娘、恐れながらこの私の妹としてお振舞いくださいと幾度も申したではないですか』顔をしかめた
 アリーナが何か言いかけるのを、もう一度口に指をあてて黙らせる。『ここは、私にお任せを』
そして俺は、きょとんとしている道具屋三人へ、マントをひるがえして向き直り、騎士の作法で深々とお辞儀
してみせた。『これから申し上げること、レイドックはクリアベル公爵家、ひいてはレイドックサントハイム両王家
 のため、どうかご内聞にお頼み申します』
「はあ?いったい何なんだ……」
おっさんが何か言いかけたが構わず俺は『こちらは』アリーナを横手で指し示す。『レイドック王国で長く書庫
 大臣を務められたクリアベル公ファーズ卿(こんなウソにお名前使ってしまってすみません、ファーズ様)
 のご縁戚であり王室とも血で繋がっておられる、レディ・アルタニアであられます。そして私はファーズ卿に
 お仕えする者。お嬢様はミネアさんとご親交があり、ファーズ様の許可を得てモンバーバラ次いでこの
 コーミズをはるばる訪ねて来られた次第。私的な旅ゆえお気遣いは無用ですが、先々で歓待されもてなし
 を受けるはお嬢様のご本意にあらず。よって公言は控えてくださりますよう、お願いいたします』
「は、はあ……」道具屋の主人とその弟が、半信半疑、目を白黒させている。どのみちバレる嘘だが、この村に
いる間に大騒ぎされなければ、それでいい。
『そこで、これは……』俺は財布を取り出して中のラルス一世プレートやバーンズ二十六世銀板(一万ゴー
ルド紙幣と七千ゴールド紙幣)といった札片をわざと見せびらかしつつ、五十ゴールド銅貨を取り出し、『この
 ことを内密にしていただけることへの感謝でございます』目の色が変わったままボーゼンとしているおっさん
の手に、握らせた。
「あ……」おっさんがうめくような声を出し、俺を見つめる。「こ、これはこれは……ど、どなたでしたっけ?レイ
 ドックの……クリーム何とかの、レディ・アルテンシアお嬢様でしたっけ?まさかそのような大金持ち……
 いやその、偉い御方とは気づきませんで。失礼をどうかお許しを……」
「こ、こんな、山奥の道具屋に、ご来店、ありがたき幸せに存じます」夢から覚めたような顔の道具屋の夫婦
が、そろって頭を下げてくる。
『此度は店の客として参りました。それ以上のお気使いはいりません。お品を拝見できますでしょうか?』
「は、はい、ただいま、今すぐに!」あたふたと主人が店内に引っ込むと、青ざめたお婆さんとおっさんも、
逃げるように中へ戻っていった。
うーむ、関係と身分を誤魔化す手段とはいえ、大げさすぎたか。さっさとこの村から出ないと、夕方にはどんな
噂になってるか、わかりゃしない。
「……アルタニア?」
眉をひそめているアリーナに、苦笑を返す。みろ、ついて来ないほうが良かっただろ。
692場 ◆Gp/A555JhQ :2006/08/26(土) 02:00:28 ID:???
「うちの品物はたったこれだけでして。申し訳ありません」
では、ご主人が転びかけながら持ってきてくれたお品書きを見てみれば……。
えー、いつもの[薬草]、[毒消し草]、[キメラの翼]の三点セット。それになぜか女性用の旅装束の[皮のドレス]
と[羽帽子]。二つとも昨日までのアリーナの標準装備だ。ミネアさんは何着てくつもりなんだろ。いつも着てる
麻のローブかな?あれよりは[皮のドレス]のがダメージ通りにくいはずだけど……村で売ってる[皮のドレス]
くらい、持ってるかもしれない。
お?珍しい。[鎖鎌]なんてのが書いてある。見たことあるけどカッコいいんだよなあ、あれ。鎖をビュンビュン
振り回して剣の間合いの外から攻撃できるし、鎖で剣をからめ取って得物をなくした相手を引き寄せ鎌で切り
つけたり。ま、俺やクリフトは自分用の剣のほうがはるかに攻撃力高いから必要ないが、そんなに重い武器
じゃないからミネアさんでも持てるはずだ。実際使うのは大変だろうけど。
『何か、買っておくものは?』
アリーナに見せると、一瞥して「ない。薬草買っといてくれ」とだけ言って、俺に突っ返してきた。[鎖鎌]には
魅力を感じなかったらしい。まあこいつにはあの[鉄の爪]があるからな。
[薬草]なら[ふくろ]の中に4つあるはず。でも買い足しといたほうがいいか。どうせ安いし。
さあて?―――

選択肢A(複数可) 所持金:40419G
 A−0.買わない  A−1.薬草(8G。3個まで)  A−2.毒消し草(10G。3個まで)
 A−3.キメラの翼(コーミズ行き)(50G。1個まで)
 A−4.皮のドレス(250G)  A−5.羽帽子(280G)  A−6.鎖鎌(550G)


ウィル(村の少年) 職業:商人2+盗賊3 作戦:ガンガンいこうぜ(速攻)
 打撃3 防御2 敏捷3 魔力0
 体調:良好 精神:普通
 装備:破邪の剣〈ブーメラン〉+旅人の服(旅人の服)
 道具:薬草x4、キメラの翼、爆弾石、青紫色の玉、(マーズの手紙)(グレーテの手紙)(ターニアの風鈴)
 呪文:メラ、インパス  特技:砂煙、力ため、突飛ばし

ミネア(占い師) 職業:−
 打撃? 防御2 敏捷1 魔力4
 体調:良好 精神:普通
 装備:ブロンズナイフ+絹のローブ
 道具:キメラの翼、星のかけら、?
 呪文:ホイミ、ラリホー、?  特技:(占い)

アリーナ(王女) 職業:−               クリフト(神官戦士) 職業:−
 打撃6 防御1 敏捷6 魔力?            打撃? 防御2 敏捷2 魔力3
 体調:良好 精神:好調                 体調:良好 精神:好調
 装備:身かわしの服                   装備:鋼鉄の剣+旅人の服+皮の帽子
 道具:皮のドレス、三角帽子、?           道具:鉄の爪、皮のドレス、?
 呪文:?  特技:疾風突き、正拳突き、?     呪文:ホイミ、マヌーサ、マホトーン、? 特技:?
693場 ◆Gp/A555JhQ :2006/08/26(土) 02:05:55 ID:???

「えー、どうか、またのご来店を、お待ち申しております、です……」
店の前に整列した夫婦とその弟がそろって頭を下げる道具屋をもはや振り返りもせず、俺とアリーナは店を
後にした。ますます俺たちに村人の視線が集中するようなことやっちまった以上、サッサと出発したほうが
いいな。
「んーとにお前って嘘つくのうまいな」お嬢様、お褒めの言葉をありがとうございます。「あの莫迦もお前くらい、
 嘘がうまけりゃなあ」無理だと思うぞ、性格的に。
お屋敷に戻ると「あら、早かったですね」ミネアさんはまだ食事の後片付けをしていた。あと皿を5枚拭けば
終わりってとこだけど、これから身支度もあるし、旅立つにはまだ少し時間かかりそうだな。
「アリーナさん。お召し物そこに乾いてますけど、どうします?」
ミネアさんが暖炉の近くの壁に寄せて置かれた椅子を指さす。そこにアリーナの[皮のドレス]なんかが
きちんとたたまれて置かれていた。「あ。ウィルさんのは、あっちです。本棚のところ」言われて見てみると、
なるほど本棚の前のカーペットの上に、俺の[旅人の服]、発見。
「どうするか」アリーナが自分の服を前にして、考え込んだ。「こいつがけっこう動きやすいからな。自然に
 身体が動くんだ」と[身かわしの服]の袖を持って言い、「いいや。これはクリフトに持たせよう。このまま
 置いといていいか?」とミネアさんに確認する。当然だろ。それ、せっかく選んでやったんだから。
「それはいいんですけど……」ミネアさんがちらっと俺を見、うつむき加減になった。「アリーナさん、下着は
 ……?」
「ああ。着なきゃな。気持ち悪くてしょうがないや」アリーナがドレスを横に除け、その下の白い布を……あわ
てて俺は回れ右。これはぼうっと見てた俺が悪い。
ん??てことは……今も、つけてもいないし、穿いてもいなかったのか?
考えてみりゃマーニャさんのプライベートランジェリーがアリーナに合うわけがないから、マーニャさんは
下までは貸せなかったはずだ。一応ローブだから何もつけずに着ても家ん中なら問題ないんだが……この
王女様はノーノーで村を歩いて、しかも俺たちを待ってる間に突き蹴りの鍛錬までやってたのかよ……。
マーニャさんは当然知ってたんだよな。言ってくれれば、俺も見ないように見せないように注意したのに。
万一のことあったらどうする気だったんだろ。マーニャさんと俺、それにミネアさんの首まで飛んだかもしれ
ないぞ。
「ウィル」鼻筋を押さえている俺に、アリーナが近寄ってきた。「着替えるから、手伝え」
『は?』まあたこの王女様は、赤の他人で健康で多感な青少年の俺に目の保養をさせたがるのか。『あのなあ
 ……』
「アリーナさんっ!」声に振り向くと、ミネアさんが顔色を真っ赤にしている。「ウィルさんに何を言ってんです!
 着替えならあとで私がお手伝いしますから、寝室で待っててください!」表情は大げさだけど、正常な人間の
 反応だ。
「ん。ミネアでもいいけど、早くしてくれ」
アリーナが平気な顔をして言う。“ミネアさんでも”って、この状況、ミネアさんしか頼める相手いないだろ。
ひょっとして一度裸見せた相手には何度見せても同じって思考か?それにしたって相手の性別選べよ……。
呆れながら俺は『良かった。乾いてますね』旅人の服を回収。こっちはミレーユにもらったほうだ。大事に
しないとな。
さてと。二人とも用があるようだから、俺はちょっくらクリフトの様子でも見に行ってみるか。あいつがアリーナ
を探しに来ないってのは変だ、とっくに目覚めてておかしくないのに。あのままくたばってるなんてことは、
まずないはずなんだが。
『じゃ、俺、クリフトに声かけてきます』
そう言って俺は戸口へ歩き出す。邪魔くさいザコ敵をその場から放り出すってだけのワザなんだけどな、
あれは。アリーナの本当の身分を連呼しながらまたどこかへ探しに行ったのか?勘弁してくれよ……。
「待て、ウィル!」立ち止まって振り返ると、開きかけた寝室のドアをそのままにアリーナがこちらへ歩いてくる。
何なんだよ?「すぐ済むからそこで待ってろ。ミネア、さっさと頼む」
694場 ◆Gp/A555JhQ :2006/08/26(土) 02:10:08 ID:???
言うが早いかアリーナはローブを脱ぎ始めた。居間の真ん中、もちろん俺の目の前で。
俺にとっちゃつい今日の朝に経験した景色だが……いや、今はミネアさんいるんだからやめろ!裸見せ合っ
ても恥じない仲だって思われちまう!
「アリーナさん!!」ミネアさんが飛んできて止めてくれる。「何考えてんですか、ウィルさんの前ですよ!あと
 少しで終わりますから、待っていてください」
「別にいいだろ。ミネアとウィルしかいないんだから」アリーナがミネアさんをじろりと見た。だから俺とミネアさん
の両方がいることが問題だっての。「そんなら後でいい。ウィル、行くぞ」
そう言って俺を通りすぎて行こうとするアリーナを『待て待て』肩に手をかけて止める。この服一枚の下は、
あのぞぞっとする裸か……。『別に君まで行くことはないだろ。そんなカッコで、もし何かあったらどうする』
「何かあるかもしれないからボクが一緒に行ってやるんじゃないか」アリーナが両腰に手をあてる。いや、
俺が言う‘何か’と、お前の考えてる“何か”は、だいぶ違ってると思うぞ。
『すぐ戻るから心配するな。そんなカッコで……』って言って聞かせてわかる女じゃないんだよな。『そうだ、
ミネアさんについててやってくれ。今回の山登りはミネアさんの案内が頼りだからな。これはリーダー命令だ』
「………」アリーナはまだ文句を言いたげに口を開けたが、「……ちぇっ。何がリーダーだよ」下唇を突き出した
顔を横を向けた。
『そういうことで、頼んだぞ』再び戸口へ歩き出す俺。アリーナの左をすんなり通り越す。ほっ、おわかりいた
だけたよう……だ!?って、こら!?後ろから[ふくろ]引っ張られ、とっさに後ろ足で身体を支える。アリーナが
手を伸ばして[ふくろ]の紐をつかんでいた。
『あぶねーな!まだなんか文句あるのかよ?』
「そんなら」アリーナは横を向いたまま、言った。「この[ふくろ]、置いてけ。ウィル」
『あ?何で?』思わず[ふくろ]を手元に引き寄せる。『君、こン中、見たいのか?』
「お前といっしょにするな」一緒じゃないぞ別に。「お前らだけで勝手にあの山行かないように、だ」
『はあ?』なんだそりゃ、と口を開けた俺、次に笑いがこみ上げてくる。ああ、それでさっきも、用がないくせに
ついてきたわけか。『あのなアリーナ。誰がそうするって、君がそうするんじゃないかもしれないって、ずーっと
 俺は心配してたんだぞ』
指さして笑ってみせると、「………」アリーナはさすがに鼻白んだように目をそらした。
『安心しろ。俺は、俺だけであいつをやっつけられると思っちゃいない。だからそもそも一人で行く気はない。
 君と違って』
「いちいちうるさいぞ!」はいはい。皮肉が過ぎた。
『ああ、それと』思いついてアリーナに向き直る。『ついでに宿も引き払って来る。君の部屋の鍵は?それと
 荷物、部屋ん中のどこに置いた?』
「鍵なんてかけてない。荷物はクリフトんとこだ」
そういやこいつの服一式から武器まで全部クリフトが持ってたっけ。従者任せにすんなよ。もっとも、荷物全部
主君に持たせてその前を手ぶらで歩いたりするような従者は、俺くらいなもんか。
「あっ、ウィルさん」ミネアさんが近寄ってきて、「それなら私の荷物もお願いできませんか?」宿の鍵を差し
出してきた。「あれから置きっぱなしに してきてしまって。たいした物は入ってないんですけど……」
『テーブルの下のあの道具袋ですね。持って来ます』
「……開けたり、しないでくださいね」真面目な瞳で見つめられる。そういや前科があるんだな俺。
『はは。言われると覗きたく……』じろっ。『じょ、冗談です。見ません』そんな、本気で怒った目することない
じゃないですかミネアさん。信じてくださいよ……。
『……それじゃ、急いで行ってきます』
肩をすくめ、みたび戸口に踏み出した俺に、「ウィル」またもアリーナの声。「ちゃんと、あいつも連れて来いよ」
『あいつ?』俺はそのために行くんだが。『俺がわざわざ連れて来なくたって、君がここにいると知れば、黙っ
 てても来るだろ』
「クリフトのことじゃない」アリーナがいらだたしげに首を振った。「あのちんちくりんの魔物だ」
『ああ……』そういやそんなのもいたな。クリフトが見張ってるんだからと特に考えもしなかっ……『!?』げ?
てことは、じゃ今、誰があの魔物を見張ってんだ!?クリフトじゃなければ宿の人?まさか。
アリーナ、ミネアさんを頼んだぞ!!』
言い放つより早く俺は玄関から駆け出した。人間、忙しいはずなのに本気で急がなきゃならない理由が見つ
かるまで急がないのは、仕方ことだがしかし、情けない。
695場 ◆Gp/A555JhQ :2006/08/26(土) 02:15:53 ID:???
クリフトは場所も姿勢もさっきのままで横たわっていた。打ち所が悪かったのかと心配して近づいてみれば
グーグー、俗に言う就寝中。おそらく単なる寝不足の帳尻。よほど黒焦げか濡れ鼠にしてやろうかと思ったが
人目があるのでやめ、近くにあった角材二本を耳元で思い切り打ち合わせるだけにした。それでも見事に
「わぁっ!」子供みたいな悲鳴を上げ、神官様は跳ね起きた。
「な、な、なんだなんだっ?何がありました?神よあなたですか?」舌のもつれた声で叫んだクリフトが、
「ウィル殿?」俺を見て一瞬止まり、はっと顔色を変えて飛び退いた。「い、いったい、何をなさるんですか
 急に!」
剣に手をかけまでするクリフトに、『悪かった。レイドック流の朝の挨拶だ』両手を上げてなだめる。『ところで、
 あいつは?』
「あいつ?」クリフトはきょとんとし、「ウィル殿とご一緒だったではないですか!今まで姫様といったい、何を
 されていたのですか!?」声を荒げて詰め寄ってくる。
『アリーナのことじゃない』同じような誤解をするな。『魔物だよ魔物。[つかいま]って言ったっけか』
「あ、ああ、あれですか。夜中じゅうさんざん悪態つきましてね。何度刺し殺そうかと思いましたが、姫様の
 ご命令ですので、どうにか堪え……」
『今まだ、宿の部屋か?』
「ええ。いびきかいて眠ってましたよ。まだ寝てるんじゃないですか?それより姫さ……」
『いいから一緒に来い!』クリフトの鞘帯を掴み、引きずるようにして走り出す。きっちり縛ってあるとはいえ
不安だ。それに誰かに見つかったら大騒ぎになっちまう。サンディは知ってるからいいとしても。
「わ、わ、ウィル殿!どうしたんですか。姫様は?」
『ミネアさんとこにいるから安心しろ。これから荷物と魔物を取りに行くんだ』
「しかし私は、お怪我のお怪我を治して差し上げなければ……」
『とっくにミネアさんが治してくれた』
「そ、そうですか……」何がっかりしてんだよ。
途中、何人も村人と行き違い、見知った顔もあったものの、幸い挨拶だけで済み、呼び止めようとする人は
いなかった。急いでるのがわかるせいかな、と思ったが、クリフトに軽く頭を下げてはすぐ目をそらす村人の
様子に気付く。ああなるほど。王宮に仕える尊き神官戦士を敬して遠ざけてるってわけだ。
街の人からこういう態度されるの、俺もヒトゴトじゃないんだよなあ……。ま、面倒がなくて、いいんだけどさ。
神官殿にほんの少しの同情を覚えたりしながら、俺は宿屋に急いだ。


カウンターのご主人(ノルザスさん)に朝食およびチェックアウトその他の事情を説明し、二階に上がって
ほっと息をつく。良かった、騒ぎにはなってなかった。
クリフトの部屋に行くと、魔物は目を覚ましていた。昨日俺がやった縛り目のまま簡易机の前に転がされて
いて、いかにも寝たふりをしていたが、呼吸の音と、チラチラこちらに顔を向けるせいですぐにわかった。
その魔物を、どうやってミネアさんのお屋敷まで連れて行くかをクリフトと相談。村の人を驚かさないように
シーツで丸めて担いで行く、と方法についての意見はすぐ一致したが、どっちが運ぶかでお互いが遠慮。
何せ肩や手に食いつかれるかもしれないし、途中で何か垂れ流されたらかなわないからな。
「それじゃ、持っていく荷物の量で決めましょう」
というわけでいったんクリフトはアリーナの部屋へ。俺は、俺の部屋に忘れ物がないのを確かめてから、
ミネアさんの部屋へ。
『失礼します』一応。あ、ちゃんと布団たたんである。ミネアさん、夜中、急に部屋を出たはずなのに。まあ、
サンディが片付けたのかもな。
道具袋は簡単に見つかった。う……なんだか思いっきり厳重に口元を縛ってあるのが気になる。俺が取りに
来るのを予知してた、なんてことはないよな、まさか。
たいしたものは入っていないってミネアさんは言ってたが、なるほど軽い。水晶玉なんかもここには入って
ないっぽい。
うーん、地味だけど一応女性物だし、このまま俺が持って出るのは変に思われるな。俺の[ふくろ]の中に
入れて持ってくか。でもこれだけだと、あの魔物担ぐのは俺になりそ……。
696場 ◆Gp/A555JhQ :2006/08/26(土) 02:23:18 ID:???
「うわあああ!!」
『!?』男の……クリフトの悲鳴。続いて、人が倒れる響き。
な、何だ何だ?あの魔物が暴れ出したのか?
すぐさまミネアさんの道具袋を[ふくろ]に放り込んでクリフトの部屋に走る。ドアは開いたまま。キッキッと
魔物の鳴き声。風。開いた窓。ぺしゃり潰れた帽子を押さえたクリフトが床に足を投げ出すように座り込んで
いる。そして『……!!』その前には、捕まえた奴とそっくり同じ、フォークを持った青いチビの[つかいま]が
2匹!一匹はその得物でクリフトを威嚇して動きを止め、もう一匹は俺たちの魔物に……縛っている紐に
噛み付き、食いちぎろうとしている!!
「ウィル殿!」
クリフトが俺に気づき、魔物に蹴飛ばすように足を上げて牽制してから、仰向けのまま床を這うようにこちらへ
逃げてくる。きっと窓を開けたとたんそこにいた魔物に殴られたんだろう。油断しやがって。
「キッ!キッ!人間どもメ、よくもやってくれたナ!」
クリフトの前にいた一匹が跳ねながらわめく。あの魔物を助けに来たのか。たぶん夜の間に屋根にでも
隠れていて、窓が開けられるのを待っていたってわけだ。ちっ。だが、逃がしてなるか!
俺は[破邪の剣]を抜きながら踏み込み、手前の一匹に斬りかかった。こんなザコ、まとめて一刀両断だ!
さっと魔物が椅子に隠れる。魔物の動きにつられて横へ返した俺の剣はその椅子を派手に転がしただけ。
しまった、大振りしすぎた!その俺の隙を見逃さず魔物がフォークを振りかぶりテーブルに飛び乗ってくる。
ひ!剣が間に合わず身体をひねる。間一髪フォークの一撃をかわせたが『でっ!』足がもつれ、まともに
尻餅をついてしまう。いてーなちくしょう!魔物がテーブルの上で舌をぶらさげて(元からだが)ケラケラ
笑った。こいつ……なめんなっ!左足を伸ばしテーブルの脚を蹴飛ばす。ぐらつくテーブルから魔物が
あわてて飛び立とうとし空中に静止。その喉元へ腹筋と右手で跳ね起きながら剣を繰り出した。「………!」
悲鳴を上げる間もなく絶命した魔物の胴から緑色の血が噴き出し剣と剣を握る腕を汚す。あとはっ!魔物が
転がっていたはずの場所には細切れにされた紐だけ。魔物は二匹とも窓辺。逃げる気だ。させるか。俺は
剣を死体に突き刺したままブーメランを取り出そうと[ふくろ]に手を突っ込む。そのとき「……マヌーサ!」
クリフトが呪文を唱え、魔物どもを青白い霧が包んだ。……『莫迦!』思わず叫ぶ。ちったあ学習しろよ
神官様、その呪文は防御魔法であって逃げ出そうって敵には意味がないっての!呆れながらも俺はブーメ
ランの狙いを定め……っと!魔物がこちらを向くなり――防御魔法としてさえ効かなかったのかよ!――俺に
フォークを投げつけてくる。なんで俺なんだあっちの莫迦を狙え!俺の胸めがけて飛んできたフォークは
叩き落そうとしてとっさに出したブーメランとぶつかって二つとも弾き飛ぶ。フォークは足元に落ちたが軽い
ブーメランはベッド脇に。『そいつら逃がすなよ!』言いながら走り、ブーメランを拾って俺が向き直ったとき、
「やあっ!」クリフトが斬りかかっていた。が、『莫迦!』二度目。剣は、観念して首をすくめた魔物ではなく
その上のカーテンレールに食い込む。ただでさえ長剣なんだから室内じゃ長さを考えて振れっての!
「キッ!」そのクリフトのがら空きの胴に魔物が頭突きを食らわす。「ぐはっ!」クリフトが腹を抱えて座り込む。
ったく役立たず!しかも変なとこにしゃがむな!ブーメランの邪魔だ!舌打ちした俺がせっかくの飛び道具を
持ったまま窓へ駆け寄るより早く二匹の魔物は背中を見せるなり外へ飛び立ってしまった。
『くそっ!』
俺はクリフトを蹴飛ばすように窓枠に駆け寄った。しめた。小さい翼を必死でパタパタやってるが、一つ目たち
より飛行速度が遅い。まだまだ充分ブーメランの攻撃範囲内!
っと待てよ。この距離だと、第一撃の当たる一匹は確実に仕留める自信はあるけど、もう一匹は傷を負わす
だけで逃がしてしまうかもしれない。それじゃと未だ魔物から突き立ったままの破邪の剣を振りかえる。あの剣
の炎なら2匹とも致命傷……でもあの剣て肝心なとき効かないんだよな。そうだ、[メラ]を……いや、覚えたて
の俺の威力じゃ良くてせいぜい一匹撃ち落せるかどうか。ブーメランのがマシだ。
考えている間にも魔物は遠ざかっていく。どうする?―――

選択肢B
 B−1.攻撃する
  B−1−ア.[ブーメラン] B−1−イ.[破邪の剣] B−1−ウ.[メラ] B−1−エ.[爆弾石]
 B−2.見逃す
 B−3.とりあえず踊る
697場 ◆Gp/A555JhQ :2006/08/26(土) 02:35:54 ID:???
今回の選択肢はA、B2つでつので、忘れず選択を願いいたしますです
なおもちろんA、Bは別個独立で多数決集計とりまつ

みなさま、お待たせして申し訳ありませんですた
引き延ばしてる間に夏が過ぎ・・・本当すみませんでつ
クリーンするからディスク持って行くまで待つよう言われてたのでつが・・・やばいでせうか?
おかげでさらに10KB増えてたり

種さん・・・(´・ω・`)
698名無しさん@ピンキー:2006/08/26(土) 22:51:20 ID:???
A−1(3)+A−2(3)+A−6
B−1−イ
鎖鎌は練習はするけどしばらく使わない方向で。
699名無しさん@ピンキー:2006/08/29(火) 22:22:24 ID:???
乙!読み応えアリアリw
A−1×3とA−3
B−1−イ
700名無しさん@ピンキー:2006/09/03(日) 09:15:29 ID:???
(ヽ´ω`)「>>700ゲト・・・・・・・」
701名無しさん@ピンキー:2006/09/07(木) 01:26:06 ID:???
保守
702場 ◆Gp/A555JhQ :2006/09/07(木) 22:16:51 ID:???
一応締め切りっておきますです。。。
703名無しさん@ピンキー:2006/09/12(火) 23:36:29 ID:???
フォッシュ!
704場 ◆Gp/A555JhQ :2006/09/19(火) 00:22:59 ID:???
自己ほす
705名無しさん@ピンキー:2006/09/24(日) 01:51:38 ID:???
保守
706名無しさん@ピンキー:2006/09/24(日) 23:47:06 ID:???
マダー?
707名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 01:47:15 ID:???
保守
708ま。:2006/10/02(月) 02:29:38 ID:???
大昔にGMやってた者ですが、久しぶりに探してみたら、まだ続いてらしたんですね〜。
ログ読むのがめちゃ大変ですw
現GMさん、これからも頑張ってくださいね!
709名無しさん@ピンキー:2006/10/02(月) 03:24:05 ID:???
こりゃ
懐かしい人が
やってきた
710名無しさん@ピンキー:2006/10/06(金) 20:37:56 ID:???
なつかしす
711名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 22:31:09 ID:???
すでに一月以上経ってますぞ
712名無しさん@ピンキー:2006/10/09(月) 20:58:42 ID:???
このスレでは良くあること
713名無しさん@ピンキー:2006/10/11(水) 00:01:09 ID:???
俺は黙って保守するだけだ
714場 ◆Gp/A555JhQ :2006/10/13(金) 18:54:36 ID:???
自己ほす
スミマセソ・・・
715名無しさん@ピンキー:2006/10/15(日) 06:25:05 ID:???
いえいえ。気長に待ってます
716名無しさん@ピンキー:2006/10/20(金) 01:59:20 ID:???
保守
717場 ◆Gp/A555JhQ :2006/10/26(木) 00:02:42 ID:???
自己ほす
頼むから日シリはよ終われ〜!
718名無しさん@ピンキー:2006/10/27(金) 23:33:30 ID:???
もうおわったお!
道産子うれしいお!
719名無しさん@ピンキー:2006/10/31(火) 06:10:20 ID:???
保守
720名無しさん@ピンキー:2006/11/04(土) 01:16:09 ID:???
3連休ですぞ〜
721場 ◆Gp/A555JhQ :2006/11/06(月) 22:10:43 ID:???
連休もないほど忙しいのはいいことなのか・・・
今週中
722名無しさん@ピンキー:2006/11/07(火) 15:47:15 ID:???
働きたくとも働けない人もいる、
俺が言うことはそれだけだ
723名無しさん@ピンキー:2006/11/12(日) 00:24:07 ID:???
保守、それだけ
724名無しさん@ピンキー:2006/11/16(木) 01:53:30 ID:???
俺は地道に保守するだけだ
725場 ◆Gp/A555JhQ :2006/11/17(金) 16:24:47 ID:???
俺は構えていたブーメランを放り捨て、部屋の中にとって返した。
二匹とも逃がすわけにはいかない。ここは、イマイチ頼りないけど火力充分な[破邪の剣]でないと!
まだ舌を出したままの魔物の顔を踏んづけて剣を抜くと、再び窓に走る。よし、まだ射程内だ!
「ウィル殿!」後ろで役立たずが叫んだ。うるさいな。今一刻を争うんだ後にしろ!
『炎よ!宙を飛ぶ一せ……』あっと、詠唱いらないんだこれは。『炎!!』
ほおっと剣が温かくなる。次の瞬間刀身から噴き出した炎がまるで転がり敷かれる赤絨毯のように魔物を追って
行き……「グエエエッ!」魔物の青い身体を包み込む。翼と尾がまず燃え尽き、身についた炎を必死で払い落と
そうとあがく魔物二体ともがすとんと落ち、花火の燃え残りのように地面で跳ねた。
効いたみたいだな。念のためもう一発、と剣を握りなおしたものの、下の黒焦げの魔物はしゅうしゅうと灰になって
いく。これでベレスの手下を2匹減らせたわけだ。
息をつき、剣をおさめる。何人かの驚いた顔の農夫が、風に散り消える灰を、そしてこちらを見ている。噂の俺の
武勇伝が、また増えたな。
「あああ……ウィル殿」横を見ると、クリフトがへこんだ帽子の頭に両手をやっていた。「どうなさるおつもりですか?」
『何が?』非難じみた目のクリフトに、聞き返す。どうなさるって、俺は、なさった後なんだが。
「何がじゃありませんよ。姫様です。約束した以上、あの魔物は殺してはならないとおっしゃったでしょう?だから
 こそ私は、今朝まで生かしたまま見張ってきたのですよ」
『………』俺は地面に残る焦げ跡を見つめた。そういやそんな約束だったんだよな。
「姫様は、一度なさったお約束は何があっても必ず守らねばならないというご気性の御方。このことを知れば、
 ウィル殿とて、ただでは済みませんよ!」
『じゃ、どうすりゃ良かったんだ?』俺はクリフトをにらむ。『あのまま見逃して、今から伺いますヨロシクって、
 ベレス閣下にわざわざ知らせてやったほうが良かったってのか?』
「そ、そうはお申しませんが……姫様なら、お見逃しになったと思いますので」
『つまり。お前も見逃したってわけだ』
「………」クリフトが黙る。まさかさっきの空振りはワザと……?そんな器用な芸当をこいつができるわけないか。
『逃げようとしたから仕方なく殺した。それでいいだろ。さっさと行くぞ』
床のブーメランを拾い、比べる必要もなくなった荷物を背負う。殺しちまったものはしょうがないし、そうするのが
当然だった。と、俺のほうでは別に後悔はない。
しかし……あの融通きかないお嬢様がそれで納得するかどうか。あれだけ約束にこだわってたんだ。まず、
しないだろう。食ってかかってくるに違いない。
ああ、まあたあいつを説得しなきゃならんのか。今朝早くも二度目。うまい言い訳考えとかないと……やれやれ。


「殺したのか!?」
魔物を葬ったことを告げると、予想通り、「なんで!?」アリーナは目をむいて俺に詰め寄ってきた。荷物を
並べて整理を始めていたミネアさんが、びっくりした顔をこっちへ向ける。すみません、できればすぐ済ませ
ます。
『しょうがないだろ。逃げようとしたんだから』俺は顔をそむけ、頭をかく。まずは常識的言い訳。『あのまま逃が
 したら、俺たちがこれから殴り込みかけるってのが敵さんにバレちまう。もしそれで、途中待ち伏せかけられ
 でもしたら……』
「んなことどうでもいい!」やっぱ常識には聞く耳持たずか。「約束しただろ、殺さないって!」
『あの状況じゃ殺すしかなかったんだ。ほかにも2匹いたんだぞ。どれがあいつなのか、見分けながら戦えって
 のは無理だった』
「だったら全部逃がしゃ良かったじゃないか!」
『そうはいかないだろうが』俺は顔をしかめてみせる。『逃がしたって、山登ってベレスんとこ行ったら、どうせ
 戦わなきゃなんないんだぞ。今のうち一匹でも二匹でも減らしとかいて、いざってときの手間をできったけ
 減らさないと。あいつらにまた変な踊りをやられて、ミネアさんが気を失ったら、どうすんだよ』
「そんなのどうだっていいって言ってるだろ!約束は約束なんだ!」アリーナは俺をにらみつけて怒鳴ると、
眉間とまぶたの震える顔を斜め横へ向けた。うん、そのスライムピアス、やっぱ合うな。「こんなことになるなら、
 昨日のうちに、さっさと逃がせば良かったんだ!」
726 ◆Gp/A555JhQ :2006/11/17(金) 16:25:51 ID:???
『昨日逃がさなかったのはちゃんとしたワケがあったからだろうが。それでこういうことになったんだから今更
 言ったってしょうがないだろ。それなら最初から、魔物とあんな約束しなきゃ良かったってことになる』
「そ……」アリーナは一瞬瞳を見開くと、「そういうもんじゃないだろうっ!?」その目で再び俺をにらんできた。
「ウィル、お前っ!やっぱりそういう奴だったのか?約束破っても平気な奴なんだな!?」
『あのな……』誰がだ。俺はレイドックじゃ義理堅いウィルで通ってんのに。
『俺は約束破ったつもりはないぞ。いいか』言い聞かせるよう、慎重に話す。次、理論的言い訳。『悪さしないよう
 にって夜の間だけ捕まえといたんだろ。今日逃がしてやるつもりで。なのにあの魔物はそれを待たずに逃げ
 出そうとした。ということはだ、約束を破ったのはあの魔物のほうだぞ。だからこっちも、約束なんて忘れて攻撃
 したまでだ』
「リクツだ!そんなの!」その通り、理屈だ。「殺さないって約束したのに殺したんだから、約束破ったってこと
 じゃないか!」
『だからその約束は、あいつがこっちの許可なく逃げ出そうとしたときにだな……』
「黙れ!」アリーナが噛み付くように叫んだ。両腰で拳を震わせている。「何かあるたんびにごちゃごちゃごちゃ
ごちゃ。お前の長ったらしくて訳わかんないリクツ、もうウンザリだ!」
『………』駄目か。俺がウンザリだよ、ちゃんとした理屈出して“訳わからない”言われたんじゃ。
「あーっ、だからボクも一緒に行けば良かったんだ!ウィルなんかに頼むんじゃなかった!」口を閉ざした俺に、
アリーナが言い捨て、歯がみする。「クリフト!お前もいたんだろ。なんで止めなかったんだ!」
『その……』クリフトがちらりと俺を見る。“ほら見なさい”というような、非難と同情が混じった、イラつく視線。
「お止めする間もなかったのです。もちろん、あの魔物に手出ししないという姫様のおつもりはわかっておりま
 したが……なにしろ、不覚にも窓を開けたとたんに襲われ、動転してしまいましたので」
「もういい!」ふん、とアリーナが息を鳴らす。「お前らって、そろいもそろって、どーしよーもないな」
そろいもそろってって、そろえるには二人しかいないぞ。ミネアさんも含めてるのか?
「おい、クリフト。あれを出せ」
不意に言われたクリフトがきょとんとするが、アリーナがじれったそうに手の甲を叩いたを見て、「あ、はい」急い
で荷物袋を開けた。取り出したのは……昨日の拷問で大活躍した[鉄の爪]。
お、おい、何する気だ。まさか、それで俺たちにお仕置きするつもりじゃないだろうな?
アリーナは[鉄の爪]を受け取って、ごとり、テーブルの上に放り出す。ほっ。
『どうするんだ。それ』
アリーナは一瞬憎々しげな目で俺を見た。「置いていくんだ」
『何?』なんだそりゃ。せっかくの武器を?
「ボクは、あのちんちくの命の保証をこいつにかけて誓った。だからもう、こいつは使えない」
『ちょっ……』冗談じゃない。なに余裕ぶっこいてんだ。『それ無しで、次もあいつと戦うつもりなのか、君?』
「黙れウィル!」アリーナは俺を見もせず怒鳴った。「お前にごちゃごちゃ言われる筋合いはない!」
説得は無駄か。『代わりの武器は?』横のクリフトに聞く。青ざめているクリフトが、首を左右に振った。おいおい、
いくらなんでも次も武器なしっていうんじゃ、勝てるものも勝てない。こいつに使える武器……剣やブーメランは
無理だろうし……そうだ!『アリーナ。じゃあ、さっき買った[鎖鎌]……』いや。無理だ。鎌持った手じゃ横に切り
裂くことはできても正拳で突き貫くことはできなくなる。鎖投げつけても振り回されるだけ。こういう奇抜な武器っ
てのは自分より格下の相手にだけ役立つ。つまり。
『やっぱ、そうだとしても、その[鉄の爪]でなきゃヤバいだろ』説得再開。『君は絶対勝たなきゃならないんだぞ。
 素直に持っていけよ』
「………」
『君が持っていかないんなら、俺が持っていく』
[鉄の爪]を手に取ろうとした俺を「余計なことするな!」アリーナが一喝してくる。「黙れって言っただろ!ボクの
 決めたことだ。口を出すな!」叫ぶと、[鉄の爪]を引ったくって今度は背後の本棚へ後ろ手に置き、「ミネア!」
とミネアさんに呼びかけ、「こいつの話なんか聞いてられない。さっさと出発するぞ!」
「あの……」ミネアさんが眉を寄せ困った顔で俺とアリーナを見比べる。このままの状況で強引に出発して自分
を通しちまう気か。そうはさせるか、させられん!
727 ◆Gp/A555JhQ :2006/11/17(金) 16:26:58 ID:???
『待てアリーナ。君が勝手に、相談なしに決めたことだろ。君一人の問題じゃない!』アリーナとミネアさんの間に
入る。俺もいいかげん頭ン中が煮えてきた。『そんな、小さいコトにこだわったせいで肝心の勝負に負けちまったら
 話にならねえだろうが。それに、その負けるってのは、死ぬってことなんだぞ!』
「うるさい!ウィル、お前のせいじゃないか!それ以上何か言ったら、もうついて来させないからな!」
『………』
勝手にしろ、言いかけて飲み込む。アリーナの勝手にさすわけにはいかない。そもそも莫迦げてる。ベレスに
勝てる確率を少しでも上げなきゃと思って俺は即席で呪文覚えたってのに。あんな雑魚との約束のせいで、
勝利の可能性を一気に落とさなきゃならないなんて。
そして勝利の可能性を落とすってのは、イコール、殺される可能性を自分で上げちまうことになる。アリーナ
ばかりじゃない、俺も、ミネアさんもだ(クリフトもいるが、こいつはそもそもアリーナが死ねば自動的に責任とっ
て後追いしなきゃならん因果なお役目だから、問題外)。俺は必要があってこいつに着いて行かなきゃならない
んだが、道案内役のミネアさんは、好奇心も多少だろうけど、まず友達としてだろう。この莫迦げたお姫様は、
そのありがたいお友達まで危険にさらす気か。
莫迦げたことをしようとしてる莫迦を止めるには……こっちも莫迦になるしか、ない。
『わかったわかった。全部、俺のせいだ』俺は両手を上げて振ってみせる。ラスト、責任論的言い訳。『あいつとの
 約束を破ったのは俺。そのことに君は関係ない。それでいいだろ』
「………?」
『だから、君はそれを持って行っていい。その代わり』俺は腰帯から[破邪の剣]を外し、テーブルに置く。『こういう
 ことだ』
「な、何言ってやがんだっ!」アリーナが怒気を荒げ、叫んだ。「何が、こういうことだ!ボクが決めた約束なんだ、
 ウィルに関係あるか!」
『あの魔物と約束したのは君だけじゃない、俺と、クリフトもだ。あの場にいたんだからな。で、今日、あの魔物を
 殺したのは俺だよな。だから、ケジメつけるのは俺だけでいい。文句ないだろ?』
「う………」アリーナが歯を食いしばり拳を握り締めて俺をにらんでくる。黙っているが、納得したって顔じゃない。
文句はたっぷりあっても反論が思いつかないだけだろう。まだわかっちゃいないな。トドメ刺すか。
『あ、そうか。俺だけじゃ駄目だよな。おーい』俺はシレッとしてクリフトに顔を向けた。『クリフト。お前もその剣
 置いてけ。連帯責任だ。一応お前も、俺とあそこにいたんだからな』
「え……」クリフトがさらに青ざめ、視線が泳ぐ。「し、しかし、私は……」
『あのな。あンときお前がやられそうになってなきゃ、俺だっていきなり斬りかかったりはしなかったぞ。何とか
 生け捕りにできたかもしれん。お前にも多少は責任がある。剣外せ』
「………」クリフトが、困りきったような目線を俺に合わせる。“これしかないんですか?”――ナイ。俺が小さく
うなずいてやると「……わかりました」天井に向かって息をつき、長剣を肩から外した。さすが同業者、莫迦の
扱いを心得てる。「ミネアさん、どこか鍵のかかる棚をお借りできませんか?この剣は陛下が手ずから私に賜っ
 て下された……」
「ちくしょうっ!!ふざけるなっっ!!!」
お屋敷を震わすような声でアリーナが叫び、クリフトに椅子を蹴り飛ばした。「わっ!?」受け止めそこねたクリ
フトが後ろへすっ転んだが、アリーナはそれを確かめもせず、ぎろり、と今度は俺を見据えてくる。おい、口じゃ
勝てないからって暴力はやめろ。一歩下がりたいのを堪えて見つめ返してやると、アリーナは顔をそらし、急に
両目をつぶった。口が開く。
「お前ら、もうウンザリだ!ボクの勝手だって言ってるだろっ!?どうして何とかかんとかそーやって、ボクを
 いちいちかばおうとするんだ!」
728 ◆Gp/A555JhQ :2006/11/17(金) 16:28:56 ID:???
『別にかばってるわけじゃないぞ』とぼけてみせる。『なあ、クリフト?』
「殴ってやんなきゃわかんないかっ!」アリーナが俺を見上げ、拳を突きつけるように持ち上げる。マズ。本気で
キレちまってる?「やっぱりお前もそうなんだ!お前らってなんでそうなんだよ!?どいつもこいつも、ボクが
 王女だからって、特別扱いしやがって!!」
ん?『……王女?誰がそんなこと言った?』
「わかってるんだ!ボクが王女だから、国のためとか何とかで、簡単に死なせるわけにいかないってんだろ?」
アリーナが蔑むような目でじろりと俺をクリフトを見る。なんだかよくわからんが突然イキナリ誤解し始めたぞ、
この不良お姫様。「だからボクが何したって責任ぜんぶ自分たちだけでかぶってボクを守るつもりなんだろ!
 くそっ、そんなの、クソくらえだっ!」
『あのな。王女なんて関係ないだろうが』こんな言葉遣いする女を王女だなんて思えるか。『こいつはどうだか
 知らないが、俺は、君が誰であってもこうしてる。ヘンリーだろうがランドだろうが……』
「嘘つけ、しらばっくれるなっ!お前、さっきだって、ボクのことを何とかっていう奴の親戚のレディとか何とかって
 言ってたじゃないか!」
『あれは誤魔化そうとしただけだろ。お姫様だなんて一度でも言ったか?俺が』
「おんなじことだ!お前やっぱりボクを最初から王女だって思ってたんだろ!?王女だから、いろいろ余計な
 世話焼いたり、ごちゃごちゃ言って、ついて来ようとしてるんだ!ちくしょうっ!!」
『………』頭の中の血が一瞬止まった。なんだよそりゃ。またそっちの話に戻るのか。こいつと少しは分かり合え
たかもしれない、と思ってたが、俺の思い過ごしだったのか。このお姫さんの俺を見る目は、最初の誤解以来、
何も変わってない。王女だと知っていながらとぼけて近づいてきた、野心ミエミエの知能犯っていう……。
―――“王子様ってわかってて手当てしてやったんだろ?本当のこと言えよウィル、みんなには黙っててやる
 からさ”
マーチル……!ちっ。今更、嫌な奴を思い出しちまった。
―――“そうやってホルス様のお相手して気に入られていりゃあ将来間違いないもんな。前からの友達となんか
 遊んでる暇ないってわけか。そんな奴だったんだなお前って”
やめろ。俺はテメエとは違う。人ってのは、テメーのような何もかも損得考えるような奴ばかりじゃねえ!
「何黙ってんだ!本当にそうなのか?そうなんだな。くそっ、手の込んだことしやがって!わかったっ、もう全部
 わかったぞ。友達面してボクの気をひこうってコンタンだったんだろう!今までいろんな嫌な奴に会ったけど、
 お前ほどズルイ奴、初めてだ!」どこか必死な顔でアリーナは叫ぶと、「妹のためにボクのカラダは見せて
 やる。それで二度とボクの前に現れるな!」腰帯に手をかけ、勢い良く解いた。
「ひ、姫様、何を?」「アリーナさん!」アリーナが袖の中に手を引っ込めてローブを脱ぎかかるのを、クリフトと
ミネアさんが飛びかかるようにしてそれを止めるのを、俺は、朝と同じように呆然と見守っていた。
ふりだしに戻る。なんなんだ。なんなんだよ。なんでこの王女様はここまで俺を拒絶す――
729 ◆Gp/A555JhQ :2006/11/17(金) 16:31:41 ID:???
―――“じゃあ今度、オレのこともホルス様に紹介しろよ。おっと待てよ。紹介じゃ駄目だな、あのワガママ王子
 にはお前とおんなじ手使わないと。そうだなあ、悪ガキに王子様とお前と絡まれてるとこにオレがさっそうと出て
 きて追い払うってのは――”
ふざけんな!!俺はアイツとは違うと言ってんだろうが!!!!
『……いい加減にしろ!!』
ミネアさんたちがびっくりして俺を振り向く。そのミネアさんたちに抗っていた莫迦を見下ろせるまで俺は足を
踏み出し、『おい、お姫サマ!』その耳のすぐ横の壁へ左手を叩きつける。『莫迦莫迦しくてもう二度と言いたく
 ないからよく聞け!』驚いた目で俺の腕を横に見、にらんでくる王女を、俺はにらみ返す。そっちが俺を侮蔑
するんなら、俺も遠慮なく言いたいことを言うまでだ!『俺は最初から知らなかったんだ。だいたい、もし君の顔
 知ってたとしたって王女だなんてわかるか!重っ苦しいドレスも着てなくて髪も下ろしてて、ティアラもイヤリ
 ングどころか化粧の一つだってしてない、気品も色気も可愛げもない娘を見て王女サマだなんて気付ける奴
 がいるか!しかも祭りの中でお供も連れてない、あんな俺でさえやっと登れるようなとこにいて、その言葉遣い
 されたら、もしそこで王女だって言われたって信じられると思うのか!あんなカッコで平気で顔出して歩いてて
 王女様だってバレたこと、どのくらいあるんだ?ないんだろうが』
「んなことはない!ちゃんとある……」
『クリフトとかフレアさんとか、近衛隊なんかだろ。城でのお前しか知らん奴がそんなカッコのお前に気付くか!』
すばやく息継ぎし、アリーナが抗弁する暇を与えず続ける。『それに、いつ俺が、君を王女様扱いなんてした?
 そりゃあ王女だって知ってからは少しは腰低くしてたけどな、お前に友達になってくれって言われたときは本当
 嬉しかったし、そう言うならこれから遠慮なく友達になってやろうと決めたんだ俺は。あれから今までずっとそう
 思ってるんだぞ。よく考えてみろ、王女様だと思ってたら魔族のいる山になんか誰が行かせるか。クリフトが
 言ったとおり無理にでも城にお帰り願って、俺たちだけで何とかしようとしてるぞ。王女とか関係なくて、お前が
 そういう言い出したら聞かない、自分で解決したがるヤツだって思うから、好きにさせてやる代わりに俺たちも
 ついて行くんだ。友達、というか仲間としてな。なのにお前は』なんでわかってくれな――
“友達?対等?ヒャハッ、夢見んなよウィル。偉い人たちってのはな、口ではそう言うんだ。けどな、オレたちが
 少しでも気に障るようなことすりゃ、無礼だ、育ちが悪い、すぐそれだ。あの王子様たちだってそうさ。心の中
 じゃいつも、自分は王子でこいつらは庶民てアタマで、オレたちを見下してんだよ。対等や平等なんて言って
 たら王子様じゃなくなっちまうんだからな。王子様と対等だって言うんなら、今やったみてえにあの王子様も
 一発殴ってみろよ。それでお前の首が胴につながってたら信じてやるぜ”
そうか。俺はこの王女様も殴らなきゃならないのか。友達として対等になるか平民として手討ちになるかを賭けて。
『……俺たちは友達だって思ってんのに、お前には、王女だから気を遣ってもらってるようにしか聞こえないって
 わけだ』あのときと同じ言葉。すんなり出てくる。『つまり、お前が一番、自分は王女だってのにこだわってん
 じゃないか。ボクは王女だ、ボクは王女だ、ほかの奴らとは違うって、いつも思ってんのは、お前じゃないか!』
「なっ……何を莫迦な!!」敵をにらみ殺そうとするようにアリーナが眉間に力をこめる。「んなことあるわけない
 だろ!ふざけたこと言うと……」
『ほーぉ?』
俺は右手をゆっくりと持ち上げ、ふにゅ、アリーナの頬をつかんだ。そしてその親指と人差し指に挟んだ、やたら
熱くて柔らかい頬肉をぐいと引き寄せる。耳のスライムが振れて指に当たった。ぎょっとしたまま固まったアリーナ
の顔が、額で熱を計るビアンカの顔ほどに眼前へくる。見開いたガーネットの瞳、わずかに横に開いて白歯と
きれいな歯茎の見える小さな唇が、わななくようにひくひく震えている。
「………」
そのアリーナの顔が、一瞬でゆがんだ。とたん、『ぐ……?』何かが腹に突き刺さり、『……っく!』涙の向こうに
ローブの腰帯の結び目とその上で握られた堅い拳を見ながら、俺は床に膝をつく。ミネアさんの声がした気が
するが聞きとれなかった。『は、はっ……』腹筋のおかげで呼吸は確保。だが……想定済みとはいえっ……
痛えーなちくしょ!!
730 ◆Gp/A555JhQ :2006/11/17(金) 16:37:17 ID:???
「な、何しやがんだっ!」アリーナの声が上から響く。「このっ、ぶれ………」
『ぶ、無礼者、って、言う気か?』鈍痛の響く腹を押さえたままアリーナを見上げ、笑いを作ってやる。『普通の女
なら、そんなこと言わねーぞ。それに、我が友ヘンリー王子殿下も、こんなマネしたって無礼がどうとは、絶対、
言わねー奴だ』
「な……!?」
『自分は王女だってのが前にあるからだ、無礼だなんて思うのはな!』
「………!」半端に口を開けたまま、アリーナが瞳を大きく見開く。膝を上げ……かけて、戻した。目線が斜め下
を向き、唇、肩が震え出し、そのまま黙ってしまう。気付いたらしい。てことは今度も俺は賭けに勝ったのか、
それとも。
「ウィル殿!何ということを。いくらウィル殿とはいえ、無礼です!」
クリフトが割って入ってきた。へっ、そうだクリフト、それを俺に言うのはお前の役目だ。アリーナじゃなくてな。今、
こいつに即座に斬られてないんだから、勝ったうちなのかな、たぶん。
痛ててて……まだ効いてきやがる。立とうとした俺に、「ウィルさん、大丈夫ですか?」ミネアさんが寄ってきて、
前にしゃがみこんだ。「治しますから、座っていてください」
『平気ですよ。手加減していただきましたから、王女様に』
笑って、起き上がる。心配してくれるミネアさんの顔見たら、多少痛みがひいてきた、多少。アザくらいできるかも
しれないが、この程度のことでミネアさんに魔力を使ってほしくない……本当言うと使ってもらいたいくらい痛む
けど。
立ってみて、うなだれたままのアリーナの左の床に、長剣が落ちているのに気付いた。クリフトの剣……うーん、
俺だけでいいよな。男二人が丸腰で戦いに行くのはさすがに無謀だ。
『おい。クリフト。やっぱりお前、その剣持ってけ。丸腰じゃ、いざとなったら魔物を素手でやらなきゃならないが、
 それってのは、神官殿としちゃまずいんだろ?』
「……そう、ですね」クリフトは、ちらりとアリーナを振り返ってから「それなら」床から剣を拾い上げた。「そんな
 ことはともかく、ウィル殿!姫様に何という無礼を。このような狼藉、あなたや私の身のみならずサントハイム
 とレイドック両家の……」
『わかったわかった』いつものお小言。俺は肩をすくめてみせ、『ミネアさん、そういうことですので、どうか黙ってて
 くださいね』ミネアさんに振った。微笑んだミネアさんが、はい、とうなずいてくれる。クリフトはまだ何か言い
たげだったが、苦々しそうに口を閉ざす。
「ウィルさん、ではこの剣は」ミネアさんがテーブルの[破邪の剣]を手に取る。「私がお預かりしておきますわ」
『え……?』ぽかんとした俺にミネアさんは目配せしてきた。あ!『は、はい、お願いします!』
「アリーナさん、これでよろしいですよね?」ミネアさんは俺の剣を両手に抱えると、言った。「私が勝手に持って
 いくのは、構わないのでしょう?」
さすが、機転利かせてくれるなあ。ミネアさんのこういう、こっちの意を悟ってニッコリしたときの、意味ありげに
瞳細めておかしそうに口元を緩めた、頼もしくて少々イジワルな表情、なんかいいな。
「………」呼びかけられたアリーナは、忌々しそうに顔を引きつらせてまだ横を向いたまま。肩から先を震わせて、
今にも壁でも俺でも殴りつけそうな殺気を放っている。
「アリーナさん」
重ねて聞いたミネアさんに、「………」アリーナはギロッとした目を向けて舌打ちし、「好きにしろ!」甲高い声で
吐き捨てるように叫ぶと、ふいと戸口へ大またで歩き出し、扉を勢いよく開けた。おい、また勝手に行くつもりか?
と危ぶんだが、「外にいる」小さく投げやりな声が聞こえ、そのまま歩いて出ていった。クリフトが急いで外に追っ
たが、その足音はすぐ近くで止まる。王女様、玄関脇あたりでスネてるらしい。物に当たらなきゃいいが。
『ちょっと俺、言いすぎましたかね?』
「そう……ですね、ほんの少し」ミネアさんはにこにこして答えた。「でも。アリーナさん、びっくりしてるだけだと
思います。同じ歳くらいの男の人に頬をつねられるなんて、アリーナさん、初めてでしょうから」
『あ、そうですか、そうでしょうね』そっちのほうか。けどそれでまた悩むことになるだろ。無礼なのかどうなのかで。
悩ませたんだから今は成功としとこう。今後どうなるかはわからんが。感情前提だからな、あの王女様は。
731 ◆Gp/A555JhQ :2006/11/17(金) 16:39:11 ID:???
「ウィルさん、これはどうします?」ミネアさんが[破邪の剣]を示してくる。「いざというときにウィルさんに渡すつもり
 ですけど……私、忘れっぽいので、もし忘れてたら言ってください」
『そうしてもらえると。……あの山、強い魔物いませんよね?あいつらの他には』
「ええ、いません。子供の頃の私たちでも通りましたから。父さんがとオーリンが少し脅かしただけで、逃げていく
 ような魔物ばかりでした。土わらしに、大鶏、エアラット……ウィルさんとアリーナさんがいてくれれば、問題あり
 ません」
『そ、そうっすか……』頼りにしてますと言いたげなミネアさんの瞳に見つめられ、後頭に手がいってしまう。『じゃあ
 大丈夫ですね。俺には[ブーメラン]ありますし。そうだ。それなら、そういう魔物が出てきたら、ミネアさんがその
 剣使ったらどうですか?気持ちいいですよ、魔物が並んでるとこをなぎ払うの』
「私が、ですか」ミネアさんが眉を下げて困った顔になる。「……私は、使えません」
『いいえ。持って振りまわすんじゃなくて、剣の、炎の力を使うんですよ』
「ウィルさん」ミネアさんが急に声を落とす。「アリーナさんに、この剣は使わないと約束なさったのでしょう?
 でしたら私も使えません。代わりに私が使うというのは、約束になりませんから」
『で、ですね。はい』そっちか。また頭をかく。ミネアさんが使うなら別にいいとは思うが……確かに、ズルすぎ
かもな。『それでミネアさん』そうだこれ聞いとかないと。『ご自分で武器とか、あるんですか?』
「ええ……これ」そう言って、ローブの腰のあたりから昨日の[ブロンズナイフ]を抜き出す。「ありますけど」
護身用のそれだけか……やっぱり[破邪の剣]使ってほしいけどなあ。『その、ミネアさん』俺は[ふくろ]を置き、
さっき買った[鎖鎌]を取り出して見せた。『こいつ、武器になりませんか?』
ミネアさんがまた眉を下げた。「……ヤザッカさんのお店で買ったんですね」
『ええ。ミネアさんにって。そのナイフだけじゃ心配で。もしあのチビたちに囲まれたら、奴ら案外すばしっこい
 ですから、追い払うのも大変だと思うんで……これなら、身を守るにも、反撃するにも便利ですから。その……
 ミネアさんがこれ、扱えるんならですけど』
「………」ミネアさんは額が広がるくらいさらに眉を下げた情けなさそうな顔で、うつむいた。「その……私それ、
 扱えないわけじゃないんですけど……その、ウィルさんの前では……あ!違います、そうじゃなくて」あわてた
ように口元に手をやるミネアさん。何がそうじゃないんだろ。
『あのー……使えないんでしたら、別に』
俺が言ったとたん、「いえ、ええっと、使えます!」ミネアさんはいきなり顔を上げた。え、怒ってます?「せ、せっ
 かくウィルさんが買ってきてくれたんですから。使わなきゃすみませんよねっ!」一人で叫ぶと、俺から鎖を
もぎ取るようにして奪った。「この長さならちょうどです、これ、いただいておきますねウィルさん!」
にらみつけるかのように俺を見つめ宣言したミネアさんに、『え、ええ……どうぞどうぞ』俺は背を引きながら、
手振りしてうなずく。ミネアさん、怒ってるのかと思ったが慌ててるのか。『えっと……もし自信ないんでしたら、
 途中どこかで練習していきませんか?』
「いいえ平気です、ご心配なく!」
妙な剣幕で叫んでくるミネアさん。聞かないでくださいみたいな目してるけど、使える……んですよね?
テーブルの板打ちを自分でやっちゃえる人だから、こういう若干重い得物もやろうと思えば扱えるのかもしれ
ない。この村で売ってるいちばん強い武器なんだから使い慣れてる可能性も……ないか、それは。ミネアさん
みたいな女性が荒っぽい武器振り回してるところなんて、見たいような見たくないようなだ。
ミネアさんが武器……。
あれ?ちょっと待てよ。ミネアさんてどうして俺たちと山行くんだっけ!?ベレス倒しに行くなんてミネアさんには
話してないよな、あのときミネアさん寝てて、いなかったんだから。ついて来てくれるのを当然みたいに思ってた
けど、ということはミネアさん、勇者の隠し村を訪ねるつもりで俺たちと……いや、でも、事情を全部知ってるような
口ぶりだったよな、今までの俺とアリーナのやりとり聞いてて何の疑問も感じてないようだし。
『あのう、一応、ミネアさん……俺たちがキャストミントへ行く目的、わかってますよね?』
ミネアさんが、まだ赤い顔を少し傾ける。「昨日の魔族たちと戦うためでしょう。違うんですか?」
『その通りです』ほっ、知ってた。『それ、ミネアさん、誰から聞いたのかと思って』
732 ◆Gp/A555JhQ :2006/11/17(金) 16:43:41 ID:???
「アリーナさんが昨日の夜、話してくれたんです。ウィルさんが眠っている間に」あ、何だ、あのときか。「アリーナ
 さん、いろいろと隠そうとしてたから、無理に聞き出しましたけど。アリーナさんの命を狙う人がいるなんて、
 お城で何が起きているのかしら……」
『は、はい。そのためにもベレスをやっつけなきゃならないんです』
道案内役のミネアさんが一緒に行くのは決定事項だと考えてたけど、それってつまり、ベレスと戦う場に連れて
行って一緒にまたあいつと戦ってもらうってことなんだよな。そう思うと気が引ける。マーニャさんを巻き込みたく
なかったが本当はミネアさんもだ。もしクリフトが道知ってさえいれば留守番してもらってるところ……いや、それ
でもミネアさんはついて来るか。俺がアリーナについていくのと同じ理由で。
死地に連れて行く……その覚悟を、ミネアさんに確かめておきたい。
『……ミネアさん』俺は姿勢を正し、真面目な顔を作って、ミネアさんを見下ろした。『一緒に、行ってもらえます
 よね?』
ミネアさんが少し身を引いてたじろぎ、まぶたを瞬かせた。「魔族を退治しに行くことでしたらもちろんですけど
 ……あの、まだ何か、あるんですか?」
『確認しておきたいんです』俺はミネアさんを見つめて言った。『俺、今度もリーダーなんですよ。本当なら、あんな
化け物の待ってるような場所にミネアさんを連れて行きたくないんです。けど今、事情を知ってるのはミネアさん
だけで、ミネアさんの力を次もぜひお借りしたい。命を失うおそれのある戦いに、敢えてあなたを連れて行きたい
 パーティのリーダーとして、改めて、同行の意志を聞いておかなきゃと思いまして』
ミネアさんはくすりと笑った。「そんなことですか。もちろん、私もご一緒させてもらいます。あの魔族とアリーナ
 さんのことが気になりますし、勇者様の村のこともありますもの。それに、私が案内するんですよ。ウィルさん
 たちを連れて行くのは私です」
『ははっ、そうですね』俺も笑ってみせる。『お仕事のほう、大丈夫ですか?ミネアさん目当てで来るお客さんとか
いるみたいでしたが。それに、お金のこととか』
「いいえ、そんなことウィルさんはお気遣いなく。むしろ心配なのは姉さんですわ。今度のこと、姉さんには知ら
 れないようにしないと」
ため息をつくミネアさん。うーん、待たせたり気を損ねたりすると怖いもんなあ、マーニャさんて。楽しかったり
色っぽかったり怒りっぽかったり……いろんな意味で、一緒にいて退屈させてくれない人だったな。次に会える
のはいつだろう……。
『あ、それと、もう一つありまして……』頭に手をやりながら言う。『これでしばらくマーニャさんとは会えなくなり
 ますよね。しかもこの上ミネアさんとも、っていうのは俺、心細いし寂しいので……サントハイムの案内して
 もらうのにも、もう少しお付き合い願いたいかな、と』
「ええ、私は構いません。アリーナさんの話を聞いて、お城にも行かなければと思いましたから。お城までご一緒
 します」
『そ、そうですか……』そのこと言ったんじゃないんですけどね。『では、ミネアさん、ご苦労ですけれど、アリーナ
 のため、サントハイムのため、お互いがんばりましょう』
言って、手を差し出す。「……ええ」ミネアさんは持っていた荷物をテーブルにわざわざ置き、「すべては運命の
 ままに」左手で何かを描きながらつぶやくと、右手で軽く、俺の手を握ってくれた。
「がんばりましょうね、ウィルさん」
《ミネアの評価が上がった》
《アリーナの評価が下がった》
《クリフトの評価が下がった》
《アリーナの意識に変化が起きた》
《所持金:40419→39765G》
《薬草x3、毒消し草x3、キメラの翼(コーミズ行き)入手》
《ミネアの武器:ブロンズナイフ→鎖鎌》
733 ◆Gp/A555JhQ :2006/11/17(金) 16:44:23 ID:???

「もう少し待っていてもらえませんか。いろいろとまだ片付けないといけません」
そう言われて俺は外で待つことにした。村側でなく、池のほうで。
行程は、まず村を通って街道まで出、道なりに峠へ向かうのかと思っていたのだが、ミネアさんの言うには、この
池のほとりから生垣を抜けて北の森に入り、それから街道に出たほうがいいのだそうだ。“街道を通ってはいけ
 ません。街道を通ったら、村の人に見つかって止められてしまいます。街道の両側はずっと畑で、昼間は
 どなたかが必ずいますから”とミネアさんは厳しい目つきで話してくれた。もし見咎められてもこの村の出の
ミネアさんがいれば、と軽く思っていたのだが、峠を越える旅人は案内人を2人は雇わなければならない決まり
になっており、その案内人はミネアさんでは駄目で、王家から認められてそれを生業にしてる村人がちゃんと
いて、その人たちに頼まなきゃならないんだとか。面倒な決まりだが、そのくらい険しくて迷いやすい山ってこと
なんだろう。初めての人でも、とにかく道を歩いていれば村に着く(雨の日や夜中は別だが)ライフコッドの山とは
だいぶ違う。
陽は山の峰からだいぶ上っている。これがシエーナ行くときなら、昼飯済ませてから出かけようか迷うところだ。
青い池に目を落とすと小波が星空のようにきらきら光っている。そして、その池に黒々と浮かぶ、錬金術師エド
ガンさんの研究所だったという小屋。
池を回りながら観察してみることにした。すすけた煙突が並んで3本突き出た屋根は黒く錆びた鉄板、壁は窓が
ない石造りで、ちょっとした砦みたいに頑丈そうだ。屋根も壁も焼け焦げているのかところどころが黒っぽい。
南側へ回り込んでみると石壁に鉄の扉がはまっているのが見えた。かなり大きな小屋だけど出入り口はそこ
だけらしい。小屋が立っている島に草は一本もなく、ただ赤土――赤砂が敷き詰められている。北側の垣根に
ぶつかるまで池を半周してみたが、やはり橋はなかった。この冷たい水を泳いで渡ってたんだろうか?夏はとも
かく、冬も?いくら錬金術師が変な……普通じゃない人だとしても、まさかなあ。
お屋敷まで戻ってくると、クリフトがいた。一人だがあわてた様子はない。すでに俺に気付いていて、こちらを
向いている。
『アリーナは?』
「向こう側の屋根の上にいらっしゃいます。行く支度が整ったら、呼べと」
屋根かよ。そんなとこでスネてるのか。ま、わからんでもない。屋根ってのは、寝そべれて、風が気持ち良くて、
何より手っ取り早く一人になれる場所だ。しかし高いところが好きなお姫様だな。
しっかしあいつ、そこまで落ち込むほどなのか。いきなりやりすぎたかな。余計こじらせたような気もしてきた。
アリーナもむきになってたが、俺はそれ以上に頭に血がのぼってたかもしれん。
「ウィル殿」
クリフトが俺に相対するすような姿勢で、にらむがごとく見つめてきた。あーはいはい、言いたいことはわかった。
「今回は切迫した折の事故として大目に見ましょう。しかしこの次あのような真似を姫様になさったときには、
 ウィル殿とて容赦はいたしませんよ。姫様に触れた指、いえ腕ごと、切り落とされるものと覚悟してください」
『そりゃあ恐ろしいな』俺は大げさに肩をすくめてみせる。『けどな、あれで無礼討ちに指落とされるのなら、俺は
 あのお祭りのうちに、とっくに四肢どころか頭だって無くしてるぞ』
「昨日はともかく、先ほど姫様は嫌がっておいででした。今の姫様に、ウィル殿に気安く触れられるをお許しに
 なるお心はないでしょう。現に……」
『なあ、クリフト』俺はわざと声をひそめた。『正直なとこを聞きたいんだが、お前、アリーナに俺って友達ができる
 のが嫌なのか、それとも構わないのか?』
「それは……その、姫様がご交友をひろげられるのは良いことだと思いますし、それがレイドックラインハット
 二王家の王太子殿とご親友であられるウィル殿のような方なら、王家間の関係についても非常に良いことと」
『本気でそう思ってるか?』
「も、もちろん、ですよ」むきになったようにクリフトは声を荒げる。本当か?まあいい。
『だったら、俺とアリーナについては黙っててくれ。アリーナはどうか知らないが、俺としちゃあいつ……アリーナ
 と友達になる段階を踏んでるつもりなんだ。もちろん目に余るようなやり過ぎがあったらお前が出てくるのも
 仕方ないが、そうでなかったら、お前の一存で、見なかったことにしてもらえないか』
734 ◆Gp/A555JhQ :2006/11/17(金) 16:45:39 ID:???
「………」クリフトが顔をしかめる。「お聞きしておきますが、やり過ぎ、とは、例えばどのような?」
『そうだな……アリーナが王女だってことを完璧に忘れて突っ走りそうなとき、マジに外交問題になりそうなとき。
 あとは、まあないだろうが、本気で命の奪い合い始めたときかな。ただの殴り合いまでは見逃してもらうとして』
「ということは」クリフトが驚いたように眉を上げた。「ウィル殿は、姫様をやはり王女としてみなしておられるの
 ですか?先ほどは、あのようなおっしゃりようでしたが」
『当たり前だろ。俺は王女様に会いにこの国に来たんだからな。あい……アリーナが王女でなかったら、こんな、
 命がけで山行こうなんて羽目には、なってないだろ』王女だから命狙われてるんだろうからな。俺にとっちゃ、
あいつが王女だってことは、あいつが女だってこととくらい、ヒジョーに重大ながらどうでもいいことなんだが。
「ウィル殿……」顔をしかめたままクリフトがうなずく。「それでようやくわかりました。先ほどのことも、すべて承知
 の上で、なさったのですね」
『はあ?買いかぶりすぎだ。さっきは何にも考えてなかった』嫌な奴を思い出してカッときたからなんて言えないな。
「またそんな。さすがウィル殿は二カ国の王太子殿下のご親友であられるだけあって、深慮遠謀、私などには
 本心を掴み得ない御方ですね」
『……誉め言葉か、そりゃ?』皮肉で言ってるな、こいつ。目をそらしたからすぐにわかった。
「もちろんですよ」クリフトがその冷めた目のまま、そっけなく言う。「ところで、ウィル殿。このベレス退治につき、
 ご相談があるのですが」
『相談?取りやめられないかってのは無理だぞ』
「いえ、それはやむを得ませんし、昨日ウィル殿がおっしゃったことに道理があると思います。ただ……あのような
 凶悪な魔族を、私たちだけで討伐しようというのは、どう考えても、その、無茶ではないかと」
良識派なら当然心配になるよな。『それで?』
「はい。いったん私が城へ帰りまして、ひそかに陛下そして兵士長殿に報告し、一隊をお借りして討伐隊を組織し、
 山脈の東側から助勢として向かうのはどうかと」
『やめとけ』俺は即座に言った。『かえって危険が大きい。ベレスと戦うだけってんならそれでもいいんだけどな』
「なぜです?」
『ひそかにって言ったが、お前、他に誰にも会わずに王様に会えるのか?いくらお前が王の信任篤い神官だって
 2、3人には必ず目通りの許可をとらなきゃならないだろ』俺だってホルスに会うにはいったん正装しなきゃなら
 ないんだからな。『忍び込むかして王様に直接会えるのなら別だが、王様は病気で臥せってるんだろ。だったら
 寝室にも人はいる。アリーナの暗殺なんて大それたことを頼むような大物ならお前が帰ってきたことなんて
 すぐ耳に入るだろうし、そのお前が一隊を借りて山に行くとなれば、目的にすぐ気付くはずだ。息のかかった
 奴を兵卒の中に紛れ込ませるかもしれないし、直接、ベレスに連絡する手段がないとも言い切れないだろ』
「まさか……近衛兵の中にも、姫様暗殺に荷担する者がいるとおっしゃるのですか?」
『そのくらいの力があるはずなんだろ、魔族に依頼したって奴は。お前の話じゃ』
「………」クリフトが黙り込む。確かに王室に助勢を頼めるのなら頼みたいが……今はそれができない。誰が
敵で誰が味方か、わからないからな。
「しかし、ウィル殿は……」クリフトが言いにくそうにたどたどしく口を開く。「姫様と、私たちだけで、あの魔族に
 勝てるとお思いなのですか」
『俺もわからん。だが、アリーナは自信あるらしい』
「姫様は強がっておいでなのですよ。それに、もうご承知でしょうが、ご自分へ振りかざされた刃はご自分で折ら
 ねば気が済まない御方。たとえ勝てる見こみがないというお考えであろうと、どなたかにご助力を頼もうという
 おつもりはありますまい」
『そうでもないと思うが』俺は思いついて言った。『あいつはあれでも武道家だからな。昨日、フレアさんにはまだ
 かなわないと正直に言ってた。自分じゃ勝てない相手には勝てないってハッキリ言うはずだ』
「そうでしょうか……?」
『今のところ他に手はない。あいつの力と自信、俺たちも信じてみるしかないだろ。ま、あいつを連れて逃げる
 準備は、いつでもしておくつもりだけどもな』
735 ◆Gp/A555JhQ :2006/11/17(金) 16:48:13 ID:???
俺が笑ってみせると、クリフトは微笑し、小さく息をついた。
「落ち着いておられる。きっと、いざというときは魔女殿を呼び出されるおつもりなのでしょうね」
『………』バーバラ、か。あいつを呼べると思って期待してるのか。
呼び出す、と言っても、危ないから来てくれと頼める手段があって来てくれたわけじゃない。あいつは自分の
魔法が発動したときにその場所を特定できるってだけだ。
あいつの魔法のこもった道具は、今も持っている。ホンモノの[爆弾石]。
あれを使えば、あいつはまた、来てくれるのだろうか?
研究所の所長だそうだから、それなりに仕事があって忙しいはずだ。面接もやるとか言ってたからな。おいそれ
とは……と思うが、何しろあいつはマーニャさん以上にテンション高くてビアンカ並みのお節介ときてるから、
仕事中でも喜んで飛んで来るかもしれない。いや、あいつならきっと来る。あっちの城も魔物に襲われてそれ
どころじゃないとか悪ガキにスカートめくられて追いかけっこの最中とかっていう、よほどのことがなければ。
来てくれるとして、だ。
俺としちゃあ、あまりバーバラに世話になって弱みを握られたくない。ああいう女に借り作ったら、その引き換え
にたいていのワガママ聞いてやらなきゃならない。マリベルみたくサンマリーノで買い物付き合う程度じゃ済ま
ないだろうな。そんなのはアリーナやミネアさんを助けると思えば俺一人我慢すりゃいいだけにしても、あいつを
戦場に呼ぶってのは、あいつまで危険に巻き込むことになる。それはやっぱり気が引ける。あいつの強さ考える
と余計な心配になるのかもだが。
悩む余裕はない。ベレスが俺たちの手に負えなけりゃ迷わず助っ人頼まなきゃならないだろ、俺は、リーダーと
して。
あーあ、あいつが、あの扱いに困るちびっちゃい女が、俺たちの切り札なのか……。
『……ま、ヤバくなったら、あいつも呼ぶ』
そうなるまで呼ばずに何とか済ませる、というつもりで言ったのだが、「良かった。魔女殿がいらっしゃるのなら、
 百人力です」クリフトが安心したようにうなずく。こいつには安心しててもらったほうが、大騒ぎしなくていい。
この良識派の神官と何か打ち合わせしておくことはないか考えはじめたとき、戸口が開いて、荷物を背負った
ミネアさんが、続いてアリーナが出てきた。俺と目が合った瞬間アリーナが口元をこわばらせ、横を向く。飽きずに
また無視モードか。
「お待たせしました。出発しましょう」
にっこり笑うミネアさんは、いつもの黄と橙のローブの上に手織りのケープを巻いて肩を覆っただけの格好だった。
《クリフトの評価が上がった》
736 ◆Gp/A555JhQ :2006/11/17(金) 16:49:42 ID:???

“――どこ行くの!ウィル”
‘げっ……!な、なんで、姉ちゃんがここに?’
“なんかコソコソしてて、その袋持ち出してきたから、村の外行くって思って先回りしたの。どこ行く気?”
‘今は言えないよ。明日の朝には帰ってくるから、そんとき話す。じゃ!’
“待ちなさい!”
‘ぐえっ!何すんだよ、放せよ姉ちゃん!’
“今、ちゃんと話しなさい!でなきゃ放さないわよ”
‘……ちぇっ、わかったよ。言うから、首掴むのやめてくれ’
“その前にまず、そこに座る!はい、よろしい。で?どこ行くつもりだったの?”
‘……おじさん、パデキアっていう薬草があれば、治るんだろ?’
“ええ、薬師さんはそう言ってたけど。ウィル、もしかして、知ってるの?”
‘……知ってる。今もあるかわかんないけど。もしあったら、取ってくる’
“本当?知ってるなら、どうしてさっき言わなかったのよ?”
‘だめなんだ、ヒミツの場所なんだよ。父さんに、他の人には決して教えるなって言われてるから。だから俺一人
 で行かないと’
“じゃ、私も一緒に行く!”
‘ええっ?だから、他の人に教えちゃ……”
‘私はウィルのお姉さんなんだから、いいの。ウィルのこと頼むよって、パパスさんに言われてるんだから’
“だ、だけど……ビアンカ姉ちゃん、おじさんについててあげないとダメだろ’
“お母さんがいるもの。お父さん見てられないの。私もお父さんに、何かしてあげたい”
‘けど、今あるかどうかわかんないよ。それにけっこう遠いんだ。やっぱり、俺一人で行ってくるよ!’
“だめ!私はあなたよりお姉さんなのよ。お姉さんの言うことは聞きなさい!”
‘ちぇっ……またそれだよ’
“じゃいいわね。まず!そんな薄いの一枚だけじゃ、夜凍えて死んじゃうわ。それに遠いんなら食べる物くらい
 持ってかなきゃ。いい?すぐ支度してくるからここで待ってなさい。来て、もしいなかったら、村の人みんなに
 言って探し出してもらうからね”
‘………’
“ウィル、返事は?!”
‘ラジャーりょうかい……’
「――の果物がとれるんですけど、昨日のこともありますし、今の時期はこの森には誰も来ないと思います。
 それにこの道は村の人は滅多に使いませんから、もし誰かいたとしても出会うことはないと思いま……す?
 ウィルさん?」
『え?あ、はい。何でしたっけ?』
あわてて振り返ると、ミネアさんが眉を平らにしている。「聞いていなかったんですか?」
『あ……いえ、ちょっとぼうっとしてただけです。えーと、この森には村の方誰もいないはずなんですよね。それ
 なら安心だ』
最後に聞こえた言葉で繕うと、「そういうことです」ミネアさんは眉根を和らげて機嫌を直した。「村が近いせいか
 魔物もいないとは思いますけど、頭の上からエアラットが襲ってくるかもしれませんから、注意してください」
『はい、了解しました』
“返事は、はい!でしょ。何なのその返事は!”
さっき垣根をくぐって出たせいで、嫌なこと思い出しちまった。マーチルといいパデキアといい、今日は思い出し
たくもないことを思い出す日だ。さっさと忘れちまおう。
俺たちはミネアさんの行ったとおりにこっそりと村を出、森の中の上り坂を歩いていた。
北の森と言っても木はまばらで、林と言ったほうがいい。山の森とつながってるから森と呼んでいるだけだそうで、
モンバーバラの森のほうがよほど深くて暗い印象。上は枝と葉の間から白雲を追えるほどの隙間があり、前は
何十歩四方まで見とおせる。魔物に注意するにも、それほど太くも高くもない木の影や、ときどき花壇のように
ある藪や茂みに気をつければいいだけ。道も、通る人も手入れする人も少ないはずなのに、草むらになること
なく拓けている。土も落ち葉も乾いているから、このところ雨は降っていないらしい。雨の少ない地方なんだろう。
鳥にとってここは巣作りの森らしくさえずりの声があちこちからうるさいほど聞こえる。進んで行く俺たちの近くの
さえずりがいったん中断し、通りすぎると再び始まる。邪魔して悪いな、と見上げた枝をリスのような小動物が
横切っていった。
その小さな動物の影がまだ枝に見えている気がして、隣のミネアさんに声をかけようとしたとき、
「姫様!お待ちください。先は長いんですよ!」
俺たちの前を歩いていたクリフトが叫んだ。そういや王女様がいないなと気付いてハッと前を向くと、十数歩も
前方に、小さい荷を背負ったアリーナの背中が見える。あいつ、まだ……。
737 ◆Gp/A555JhQ :2006/11/17(金) 16:51:52 ID:???
『アリーナ、あまり急ぐな。ミネアさんに合わせろ』
ミネアさんの足は普段これほど遅くはない。これからの山登りにそなえて体力配分してるはずだ。
『アリーナ、待てって。迷ったらどうするんだよ!?』
アリーナがうるさそうに顔をしかめてこちらを振り返った。「ミネア!この道まっすぐ行きゃあいいんだろ?」
「え、ええ、しばらくは……」
ミネアさんがうなずくのを見て、アリーナが息を鳴らす。「そんなら、どこ歩いてようといいじゃないか」言い捨てる
が早いか、脚を伸ばした大またでずんずん歩いて行ってしまう。俺とミネアさんは顔を見合わせ、肩をすくめた。
このへんの魔物は俺たちなら軽くあしらえるみたいなことをミネアさんは言ってたが、ベレスの部下の一つ目とか
フォーク野郎なんかが偵察でうろついてるかもしれない。どっちにしたってアリーナの相手にゃならんだろうが、
命狙われてる本人をこのまま一人で先行させるのはなあ……。
やれやれ。リーダーの俺はどうすりゃいいんだ?―――

1.ミネアさんにペースを合わせる
2.アリーナに追いつく
3.二人の中間を歩く

※作戦変更可能。>>614参照


ウィル(村の少年) 職業:商人2+盗賊3 現作戦:G.ガンガンいこうぜ(速攻)
 打撃3 防御2 敏捷3 魔力0
 体調:良好 精神:普通
 装備:破邪の剣〈ブーメラン〉+旅人の服(旅人の服)
 道具:薬草x7、毒消し草x3、キメラの翼(マーズ館行き)、キメラの翼(コーミズ行き)、爆弾石、青紫色の玉、(マーズの手紙)(グレーテの手紙)(ターニアの風鈴)
 呪文:メラ、インパス  特技:砂煙、力ため、突飛ばし
738場 ◆Gp/A555JhQ :2006/11/17(金) 17:03:51 ID:???
2ヶ月半のご無沙汰ですた。。。m(_ _)m
やっとのこと出発でつ
目ざせ、年内更新!(ぉ
739名無しさん@ピンキー:2006/11/18(土) 00:46:32 ID:???
1.
作戦変更:命を大事に>アリーナ

しかしアリーナムカつく。いつかデレになる日が来るんだろうか・・・
740名無しさん@ピンキー:2006/11/18(土) 03:29:29 ID:???
1で
741名無しさん@ピンキー:2006/11/18(土) 10:02:14 ID:???
1
742名無しさん@ピンキー:2006/11/21(火) 23:49:03 ID:???
プレイヤーは3人?
743名無しさん@ピンキー:2006/11/22(水) 19:36:08 ID:???
場つなぎさんのは場つなぎさんが締め切りというまでは何人でも、ちなみに多数決制
744名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 22:38:44 ID:???
ほするんです
745名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 22:42:26 ID:???
1
746場 ◆Gp/A555JhQ :2006/12/01(金) 22:47:24 ID:???
一応締め切っておきますです。。。
みなさまはこの分量読むのに何日ほどかかるものなんでつかね?
747名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 22:37:57 ID:???
日じゃなくて10〜20分。
流し読みじゃないよ
748名無しさん@ピンキー:2006/12/05(火) 03:38:23 ID:???
せいぜい10分
流しで5分
749名無しさん@ピンキー:2006/12/05(火) 23:55:20 ID:???
20分とかそれ以上だと思います。
750名無しさん@ピンキー:2006/12/09(土) 13:44:55 ID:???
ho
751名無しさん@ピンキー:2006/12/15(金) 02:00:48 ID:???
752名無しさん@ピンキー:2006/12/19(火) 03:32:18 ID:???
age
753名無しさん@ピンキー:2006/12/24(日) 12:13:36 ID:???
クリスマスホシュ
754名無しさん@ピンキー:2006/12/28(木) 22:30:20 ID:???
旅立ちの保守
755場 ◆Gp/A555JhQ :2006/12/29(金) 20:34:04 ID:???
いいや、ほっとこう。山登りってのは体力なくなったらそれまでで、無理が利かない。あいつに付き合ってたら
こっちが先にへばっちまう。
……その代わりと言うわけではないが、こほん。
『作戦変更!いのちだいじに、アリーナを守れ!』
宣言したとたん、前のクリフト、そのまたずっと前のアリーナの足が止まり、ともにこっちを振り向いた。「わか
 りました!」クリフトのほうは目を輝かせたが、アリーナは“余計なことしやがって!”俺を憎々しげににらみ
つけると、背を向けるやさっきよりも歩幅広く歩き出す。クリフトが急いで追うが………差はほとんど縮まらない。
一人になりたがってんだから放っときゃいいのに、従者ってのは辛い、なんて同情してる間に、二人の背中は
ずんずん離れていく。
やれやれ。このパーティ、目的の山を登りかけもしていないのに、すでにバラバラだな。リーダーはアリーナに
やらしたほうが良かったか。そうすりゃ、俺たちは嫌でもあいつを中心に固まんきゃならないからな。
『やっぱり、俺さっき、アリーナに言いすぎたみたいですね』
ため息をついてみせた俺に、「気になさることはありません」ミネアさんが微笑む。「しばらくは違う道に入って
 しまうことはありませんし、魔物もそんなにはいませんから。今は、アリーナさんの気の済むようにしてあげ
 ましょう」
『そうですね』気が合うなあ、ミネアさん。さすがマイパーティの良識派ナンバー2。『けど、このまま嫌われっ
 ぱなしってわけにも……。アリーナには、これが終わったら、協力してもらいたいことがありますから』
「………」ミネアさんが急に口元を引き締めて俺の顔を見上げ、「あの、そのことですが………」何か言いか
けたところで、目を伏せた。
『どうか、しました?』ミネアさんの顔をのぞきこむようにして、聞いてみる。
「よかった、と言ったほうがいいのでしょうか、けれど、ウィルさんにとっては、残念かもしれません」
きょとん。何をおっしゃるミネアさん。『何の話、です?』
「アリーナさんは、たぶん、勇者様ではないと思います。おからだには、とくに何も、ありませんでしたから」
『え……?』
俺は口を開ける。アリーナは勇者様ではない……勇者じゃない!?
ちょっと待った、唐突に重大なことおっしゃらないでください。こっちにだって心の準備ってものがあるんです
から!
えーっと。アリーナは勇者じゃない、なぜなら、カラダに何もなかったから。ということは、『それって、つまり
 ……?』混乱中の頭がそのまま声になってしまう。落ち着け。まずは、ミネアさんに話を聞かないと。
『なんでそれ、わかったんですか?』
「……今日、あと昨日もですけど、アリーナさんの着替えを手伝ったときに、それとなく拝見したんです。
 先生がおっしゃったようなアザは、どこにも、ありませんでした」
『た、確かですか?』思わず、問い詰めるような声になる。
「ええ、確かですわ。ちゃんと隅々まで、拝見しましたから」
頬を染めながらもキッとした目で言いきるミネアさん。それ、全然“それとなく拝見”じゃないような……鈍い
 アリーナだから良かったものの、普通の娘のカラダをじろじろ見たら、女どうしでも誤解されかねませんよ。
いや、今はそんなことを心配してる場合じゃなく。
『そう、ですか……』ふうっと息をつく。アリーナは違うのか。アリーナを、ゲマへの生贄にしなくていいわけか。
それなら、俺も残念じゃなく、『よかった……』だな。
良かっただなはいいんだけど……。
ミネアさんは、俺(とターニア)を助けるつもりで、親切に調べてくれて、親切に教えてくれたんだろうけどさ。
はるか前を行くアリーナの背を見やる。今、あいつが勇者でないってわかっちまったら、あいつとこうして山に
行く理由が……。
756 ◆Gp/A555JhQ :2006/12/29(金) 20:35:04 ID:???
「ええ、よかったですわ」前髪に手をやる俺に、ミネアさんが笑顔で言った。「ウィルさんのこと、私たちのことに
 アリーナさんを巻き込むわけにはいきませんもの」
『……そうっすね』それはその通りです。だからこそ、良かったって言ったんです。でも、今はそれ、まだ知り
たくなかったんです。自分が該当者でないとあの王女様が知れば、俺は即、パーティから外されちまいます
から。『もう一度聞きますけど、アリーナには、本当に、なかったんですね?』
アリーナのハダカを見る機会が、俺は今朝のただ1度だったが、ミネアさんには2度もあった。昨日の夜、濡れ
た服の代わりにローブを着せてやったときと、今日、下着つけてローブを着せなおしてやったとき。きっと、昨日
は蝋燭の灯りの下だけで自信持てなかったのが、今日昼間の光で改めて調べて確信したんだろう。ご親切に。
アリーナがよく不審がらなかったもんだ。
「間違いないと思います」ミネアさんはきっぱりと言った。「きちんと拝見したつもりですけど、あともう一度くらい
 アリーナさんにおからだを見せてもらって、念を入れて確かめてみるつもりです。そう、アリーナさん、あの
 ローブは一人で着られないようですから、今晩と、明日の朝にでも」
『……それはどうも』ミネアさんの親切な言葉に、どうも苛立ってしまう。『でも、無理はしなくていいですよ』
「無理だなんて。簡単です」ミネアさんは笑った。「昨日の夜に拝見させてもらったときは、だいぶ緊張してしまい
 ましたけど。もしもアリーナさんが勇者様だったら、と心配してましたから。でも、ないとわかっていれば、もう
 平気です。それに、私、アリーナさんではないはずだって、最初から思ってました。アリーナさんが勇者様だと
 気付かなかったとしたら、占い師、失格ですから」
『………』ミネアさんを見下ろす。『ミネアさん。それわかってて、なんで……』言いかけ、ミネアさんが目を丸く
するのを見て、あわてて口をつぐむ。ミネアさんは純粋に親切で言ってくれてるんだ。苛立ってどうする。
「すみません。あらかじめ、言っておいたほうが良かったですね」ミネアさんが、うつむき、肩を縮こめる。「けど、
 もしかしたら私の感覚が間違っているかもしれないですし……ほら、私、まだ占い師として未熟者でしょう。
 ウィルさんに予見を与えてしまうのは、その……」
『その、そういう意味で言ったんじゃないんです。ただ……』言い訳、言い訳。あった。『ほら、ミネアさんたち
 だって、勇者を探してたでしょう?それではるばる、サラボナまで行ったんですよね。なのに、俺とサントハ
 イムに戻って来ちゃって……アリーナが勇者じゃないってだいたいわかってたのなら、勇者探しは、どうした
 のかって』
「あ、それは……お祭りの舞台が、姉さんにありますから」ミネアさんが顔を上げる。気を取り直したらしい。
「姉さん、毎月ですけど、精霊の娘という主役が決まっていて、お祭りの前の日には必ず帰ってくるようにと座長
 さんに言われてましたし。それに、私も、私に占ってもらいたくて街まで来てくれる方がいらっしゃいますから、
 お祭りの日には戻って来るつもりだったんです」
うまいこと話をすり替えられた。『あ、そういうことですか。これからどうするんです?』
757 ◆Gp/A555JhQ :2006/12/29(金) 20:35:36 ID:???
「もちろん、これからも勇者様を探すつもりです。けれど、蓄えをほとんど使ってしまいましたから、しばらくは
 街にいて、お金を貯めないと」
おっ?『ゴールドの問題だけなんですか?』それなら……。
「ええ、お金もですけれど、姉さんが、しばらくもうお休みをもらえないでしょうから」そこまで言って、急にミネア
 さんは顔をしかめた。「まったく姉さんときたら!やっと貯めた1万ゴールドだったのに、本当に全部使っちゃっ
 たんですよ。街に着くたびに酒場で大騒ぎして、高いお酒ばっかり飲んで。ハバリアの酒場からそう!途中で
 引きずって帰らなかったら、そこでラインハットに行く船賃まで消えちゃうところだったわ」
『はは。マーニャさんらしいですね』
「何がですか!」ミネアさんがキッと俺を見上げる。「おかげで、サラボナに着いたときにはお財布は空っぽ。
 宿代にも困って、おかげで私は辻占いしなくちゃならなくて……あのままじゃ、お祭りがなくたって、帰らなく
 ちゃならなかったんだわ」
『でも、それで』俺は笑った。ぷんぷんするミネアさん、案外可愛いな。『俺と会ったんですから、俺としては良かっ
 たですよ。それも運命ってものじゃないですか?』
「それは、まあ、そうかもしれません……でも、姉さんには本当に呆れてしまいますわ。私が稼ぐよりずっと高い
 お給料をもらってるのに、もらったとたん全部使ってしまう人なんですから。姉さんの部屋、見ました?あの部屋
 にあるドレス、一番高いので2万ゴールドもするんですよ!変なことして稼いだんじゃないのって問い詰めたら、
 1年分のお給料を前借りしたって……もうそれ聞いたときは口きくのも嫌んなったわ。いったい私たち何のために
 モンバーバラに出てお金稼いでると思ってるのかしら。そんなお金があったら、お父さんのお墓をもう少しきれい
 にしてあげて……」
聞き取りにくいくらいの早口で、紅潮した顔で愚痴るミネアさん。マーニャさんのことだからとはいえ、俺相手にも
地で喋ってくれるのは、何となく嬉しい。俺より年上なんだから、普段もタメ口でいいのに。
それにしても。ミネアさんに適当に相槌を打ちながら、いちおう周囲に気を配りながら、前を見る。木立の陰に見え
隠れしている、緑色の王女様。あいつは王女様だが、勇者じゃない。良かった。もう一度、息をつく。そうだよ、あいつ
の命狙ってる魔族をやっつけられたとしても、もしあいつが勇者だとしたら、別の魔族にあいつの命を引き渡すこと
になる。意味がないじゃないか。そう考えると、勇者かどうか今朝確かめておくべき……いいや、確かめなくて良かっ
たんだ。あいつは、勇者じゃなかったんだから。
でも、こんな早くわかるなんて、な。一国の王女様のカラダを見るなんて機会、一般男性庶民じゃ、百人に1人が
一生の間に一度あるかないか、それも、次の日にはその一生が終わる可能性きわめて大、ってとこだろう。もっとも、
俺は今朝、その機会に恵まれたわけだけど。
さあてどうしたもんか。カラダを調べさせてもらうのは、つまり俺のアリーナへの‘用事’を果たすのは、ベレス退治の
後で改めて――っていう、あいつとの約束。ま、でも、俺が自分の目で確かめたわけじゃないから、いいのか。そもそも、
あの約束自体、あいつの中じゃ半分以上死んでるっぽいし。黙ってりゃ、わかりゃしないな。
「……私、絶対に無理だって、ちゃんと言ったんです。だってそうじゃないですか。私が人前じゃあがってしまって
 何にもできなくなるのがわかってるくせに、お金になるからって、お客さんのリクエストだからって、無理に舞台に
 上げさせて、恥ずかしくて真っ赤になるようなこと言って紹介して。ただでさえ占いってすごい集中力が必要で、
 ちょっとの雑念や邪心が入らないようにしなくちゃいけないのに……ああ、もう!失敗したのは私なんですけど、
 半分、半分よりもっと、姉さんのせいだわ!」
『はは、お気の毒に……』まだ愚痴ってたんですね、ミネアさん。
《ミネアの評価が上がった》
758 ◆Gp/A555JhQ :2006/12/29(金) 20:36:35 ID:???

平らだった道にだんだん傾斜がつき、まばらだった木々の間隔も狭まってきて、山道らしくなってきたなと思いながら
進んで行くと、アリーナとクリフトが、道の左右に分かれて立っていた。待っていたらしい。歩いてきた小さな道が、
東からきた別の道に合流していた。村からの街道です、とミネアさんが教えてくれたが、もう街道とは呼べないくらいに
細く、目立たなかった。
「こっから、どう行くんだ。この道でいいんだろ?」
西を指差すアリーナに、「ええ。まだしばらく、真っ直ぐです」ミネアさんがうなずく。アリーナは、ほらみろ、という一瞥を
クリフトに向け、荷物を背負ってさっさと歩き出す。それを例によってクリフトが追っていく。何かもめてたな。きっと、先に
行こうとするアリーナを、クリフトが引きとめてたんだろう。良識派は辛い。
「アリーナさん」ミネアさんが声をかける。「もうここから先は、村の人はほとんど来ませんから、魔物に気をつけてください。
それと、岩が多いですから、足元にも注意してください」
アリーナがじろりと振り返る。“わかってる、うるさいな”おい、せっかく忠告してくれた人に、その目はないだろ、その目は。
「しばらく登ると、昔使っていた炭焼き小屋があります。そこでお昼にしましょう」
ミネアさんの言葉に、アリーナは黙って前を向き、「わかりました」答えたのはクリフトだった。俺を見てはいちいち目を
そらしてるから、俺がいるせいでこんな邪険な態度とってんだろうが、ミネアさんにまでそっけなくする必要はないだろ、
ミネアさんがおおらかだからいいようなものの。
街道に入ってそれほど歩かないうちに、本格的に上り坂になり、道も狭くなったので、俺はミネアさんを先にして黙って
進んだ。膝をしっかり上げなければ進めないほどの斜面なうえ、地肌から剥き出しの石がごろごろしていて、ミネアさん
の言った通りに足元を確かめながら歩かなければ、運良く木にぶつかってくれるまで転がり落ちてしまうだろう。しかも
背の高く枝振りの広い木ばかりの森になって、草むらや茂みも多く、さっきの林とは違い上下左右に気を配らなければ
ならない。ライフコッドの山もこんな感じだが、山道も棲む魔物も勝手知ったる山と、初めてで未知の山とじゃ、緊張の
度合いが違いすぎる。
『これって、もう、キャストミントの峠の、登山道に入ったんですかね?』
ミネアさんに聞くと、「まず、マッケナ峠を越えるんです。キャストミントは、2つ峠を越えた先です」とのお答え。そういえば、
行くだけで2日かかるんでしたっけ。着くまで二日ずっと気を張り詰めさせた後で、ベレスと命の張り合いか。帰りたく
なってきたな……。
先を行くアリーナたちもこの坂道にはさすがに足が遅くなり、顔を上げれば青い三角帽と長い神官帽を必ず見つけられた。
魔物に襲われればすぐに駆けつけられる距離なので安心していたが、ふと、もしかしたら――いや間違いなく、俺たちと
離れすぎないようアリーナがペースを調整しているんじゃないかと気付いた。もちろんあいつのことだから、自分の身では
なく、俺たちを心配してだ。余計な気を使うな、お節介王女め、と言ってやりたいが、そのお節介のおかげで緊急時には
パーティとしての助け合いができるという態勢にかろうじてなっているんだから、リーダーとしては複雑な心境だ。
759 ◆Gp/A555JhQ :2006/12/29(金) 20:37:40 ID:???
一刻ほど歩くと、川の音がしてきた。やがて森が開け、というより深く幅広い峡谷に道が遮られ、釣り橋が対岸の森まで
かけられていた。しっかりと編まれた綱で張られ、防腐液の塗られた板を敷いた、頑丈そうな釣り橋だ。
その釣り橋の真ん中あたりにクリフトがいた。腰を落とし、おそるおそる、少しずつ進んでいる。アリーナはすでに渡りきっ
ていて、向こう岸で、いらいらしたように木に手をついている。
これ、一人ずつ渡らなきゃならない釣り橋か?それなら立て看板くらいありそうなもんだが……と思いながら近づいて
いくと、風でほんの少し橋が揺れたとたん、クリフトは何か叫んで綱にしがみつき、揺れが収まるまでじっとしている。
なんだ、一人でないと渡れないのは釣り橋じゃなくて通行人のほうか。なっさけない姿だな、王室の信のあついサント
ハイム神官戦士が、高所恐怖症かよ。
呆れながらミネアさんと目を合わせると、ミネアさんは、店内で無邪気なガキが暴れ回ってるのを見たらマリベルなら
ともかくミネアさんならこんな表情するんじゃないかっていう顔をした。「待っていてあげましょう」優しいですねミネアさん。
俺だけなら、構わず渡ってやるとこですけど。
どんなもんなのか、釣り橋の袂まで行って下を覗き込んでみる。う……汗が引いた。想像したよりずっと深い。底まで
続いてると思った森が途中で終わって、岩の崖がほとんど垂直に切り立ち、そのずっと下に、白いしぶきをあげながら
緑がかった河水が流れ、岩だらけの川岸には木彫りの削り屑のように見える流木がいくつも転がっていた。
『この下の川って……ユルミール川でしたっけ、村の近くを流れてる川、あの川に繋がってるんですか?』
荷物を下ろして近くの木に寄りかかっているミネアさんに、俺もそうしながら聞いてみた。
「ええ。繋がっているというよりも、これが本当のユルミールです。あちらの」ミネアさんが北を指さす。「マッケナ湖という
 大きな湖から、コーミズ村の近くを通って、東の海へ流れていくんです。海に近くなると、とても広い川になるんですよ。
 帆船が5艘、並んで通れるくらいに」
『へえ……この川が』谷を覗きこむ。うえ、怖っ。『ここから東っていうと、モンバーバラの近くまでいってるんですか?』
「いいえ。コーミズの山を下ったところでいったん北に向きが変わって、それからキングレオ平原の真ん中を東へ流れて
 いくんです」ミネアさんが指で宙に階段状の折れ線を描く。クリフトはまだ四分の三。「リバーサイドという街が途中に
 あって、モンバーバラからハバリアの街やテンペに行くときは、その街で渡し舟を使うんです。モンバーバラから歩いて
 二日はかかるくらい、離れてます」
『なるほど……』サントハイムの地図を想像してみる。左向いて床に座ったどら猫みたいな形の、東西が長い大陸で、
モンバーバラはその大陸の南東の端、後ろ足のあたりだったはずだ。一方、港町ハバリアは、大陸の北西端。えーと、
つまり、モンバーバラの西、大陸中央に南北にそびえる山脈のふもとに、コーミズの村。その村の脇を下って、北に
曲がって、また東に行って海に至るのがユルミール川。その川の途中にリバーサイドの街があって、そこで川を渡る
……ってことは、ハバリアとモンバーバラをつなぐ南北の街道と、西から流れてきたユルミール川がぶつかる地点に
あるのが、リバーサイドって街か。『テンペっていう街は、どこらへんなんですか?』
「テンペは、大きな街ではありません。ハバリアからサントハイムのお城に行くときに通る村です。キャストミント山脈と
 アッテムト山脈との間にあるテンペ峠をサントハイムのほうに下りる途中にある、宿場町なんです。山あいの、静かで
 落ち着いた、すてきな村ですよ」
要は、コーミズ村やライフコッドみたいに、何にもない村なんだろう。『もう一つ街がありましたよね。ミント……何とか。
 オーリンさんの話のときに』
「ミントスですか。ええと……行ったことないんですけれど、サラン(サントハイムの城下町で、外港。俺でも知ってる)
 から北へ四日ほど歩いたところにある街です。サントハイムの西の端っこの、ソレッタ山の麓のところ。その途中に
 アネイルという、温泉で有名な街もあります。行ったことないですけど」
西の端か。辺鄙な街だな。行かなきゃならない用でもなきゃ行く気も起きない。でも温泉はいいな。ベレス退治が終わって
ほとぼりが冷めたらミネアさんと一緒に……。
760 ◆Gp/A555JhQ :2006/12/29(金) 20:39:47 ID:???
ミネアさんが荷物を担ぎ出したので、見ると、向こう岸にクリフトが膝から座り込んでいた。やっと渡りきったか。アリーナ
の姿は、もうない。俺も[ふくろ]を背負い直す。今は、他の街を構ってる余裕は、ないんだったな。
丈夫な釣り橋で、二人で渡ってもそれほど揺れなかった。臆病な神官と違ってミネアさんはまったく平気らしく、足下を
見ながらすたすた歩いていく。残念。怖がってたらエスコートしてあげようと思ってたのに。考えてみればミネアさんは
地元の人で、こんな橋は何度も通ってるはずなんだからな。
それにしても……底板の隙間から見える下の谷川は、かなり遠い。もし落ちたら、人間だろうと生卵だろうと同じ状態に
なるに違いない。これだけの高さと長さ、綱一本渡すだけでも大変だろう。きっと人の手だけじゃ無理で、魔法使いを
呼んでかけたんじゃないだろうか。ライフコッドの釣り橋かけ直すところを二度ほど見たことあるけど、泳ぐ蛇みたいに
ロープを魔法で操って向こう岸まで渡してくれて。あの魔法使いさん、綺麗な人だったなあ……赤髪で、少し目がきつく
て近寄りがたい雰囲気だったけど、たまたま目が合うと微笑んでくれて。マリベルを10歳ほど成長させて顔を10倍
スタイルを100倍良くして性格をプラスマイナス逆転させたって感じのお姉さん。名前はベティさんで、お師匠さんの
遺言で何かの杖を探して世界中を旅してるって、レイドック魔法研のベネット爺さんが教えてくれたっけ。もう3年は
前だけど、今も旅してるんだろうか……。
ぱふっ。「きゃ!?」
うわっと!立ち止まっていたミネアさんにぶつかりかけ、反射的に両腕を抱き支える格好になって、あわてて手を放す。
『す、すみません。考え事してて』
頭をかいてみせる俺に、ミネアさんは黙って俺の肩越しへ目をやった。『……?』口元を厳しく引き締め、右手を胸の
前に持ってきている……それって魔法の印ですか?ということは!?
ミネアさんの目線の先、渡って来た後の森の木々を、目を凝らして見つめた。枝と葉が風に揺れるだけで、鳥のさえ
ずりすらもなく、静まりかえっている。別に何も……待て、おかしいぞ、鳥の声が少しもしないってのは。
『ミネアさん』何も見えないが、嫌な予感がした。『急いで、渡っちゃいましょう』
「……ええ、そのほうがいいですね」
緊張した面持ちのミネアさんがうなずき、対岸へ足を急がせる。俺も続こうとして、あぶねっ、ミネアさんの早足で揺れる
釣り橋に足を合わすのが難しい。だめだな、ミネアさんが渡り終えるまでは走れない。やむなく両手で綱をたぐって進み
ながら何度も後ろを確認。森、道、空、特に何もいない。気のせい……ん?張り出した枝の数本が大きく揺れた。何だ
ありゃ、その枝に大きな青黒い果実がいくつも……。
げっ!
ネズミだ。全身青い体毛で、やたらに大きい耳をぶら下げ、子猫を逆に餌にしそうなくらい丸く太ったネズミが3匹。
いや、おい、3匹どころじゃない!!釣り橋の近くの木々のあちこちの葉の陰から、同じネズミどもが、十数匹、頭をぬっと
突き出している。俺たちを追って来たのか近くに巣があるのか、とにかく集団で襲ってくる性質のネズミの魔物らしい。
俺が気付いたのがわかったらしく、キューッという鳴き声らしき音が聞こえ、3、4本の木が全体で揺れ始めた。襲って
くる気か、単なる威嚇か。とにかく俺も渡ってしまわないと!
ミネアさんは向こうに着いた!すぐさま駆け出す。小さな魔物を狭い橋で迎え撃つには不利だ。俺たちには二人並ぶのも
苦しい釣り橋だが、ネズミどもにとっては狭くはない。ここで戦ったんじゃ、どうしても一対四くらいの戦いになる。大した
魔物じゃないとは思うが、ベレス退治のまだまだ出だし、できるだけ安全策をとりたい。ネズミより足は速いつもりだ。今
一斉に襲ってこられたとしても、向こう岸から一気にブーメランの餌食にできる。
「ウィルさん!後ろっ!」
ミネアさんが叫んだ。きたか。振り向いた俺は『!?』目を見張った。
ネズミが、飛んできた。耳を団扇のように広げ、凶悪に細長い目とカンナのような前歯をむき出しにして、二匹が空中から
俺目がけて突っ込んでくる。とっさに俺は向き直って一匹を拳で谷底に叩き落し、もう一匹を腕を横に振ってはねのけ……
なっ!?かわされた。一匹は耳を鳥の翼のようにはためかせて俺の拳の上を通過し、反射的に右に避けた俺の髪をかす
めて対岸の森へ消えた。
飛ぶのかこいつらは!釣り橋でなんてぐずぐずしてるんじゃなかった、空中から襲われれば一対十にも二十にもなっちまう!
761 ◆Gp/A555JhQ :2006/12/29(金) 20:41:02 ID:???
すばやく[ブーメラン]を取り出し、枝に集まるネズミどもに投げつけるそぶりをしてみせる。牽制。これだけで驚いたのか
1、2匹が枝の真下に落ちた。所詮は獣。俺はくるりと一回転し、もう一度空振り、すぐに踵を返して走り出す。枝のざわめき、
続いて、群れた鳥が飛び立つような音が後ろで聞こえる。やばい。ほとんど距離を稼げなかった。逃げ切れるか?
「ウィルさん、伏せて!」
ミネアさんが息を詰めたような顔の前にかかげる、真空の印。とっさに俺は首をすくめてしゃがみこむ。ああ、こんなとこで
魔力使って欲しくないんですけど。髪の上を疾風が吹き抜け「キー!」背後でネズミの悲鳴が続けざまに上がった。振り返ると、
耳、腹、足をすっぱりと切り刻まれた青ネズミどもが、ばらばらになって谷川へ落ちていく。一群で俺に飛びかかったところを
[バギ]でなぎ払われたのだ。釣り橋にべったりと飛び散った赤い鮮血の上を、片方の耳を半分なくしたネズミが血を噴き出して
のたうち回っている。残念ながらトドメを刺してやる慈悲も時間もない。立ち上がりざま俺はやっとミネアさんの待つ対岸に駆け
込んだ。
『すみません。ありがとうございます』
「ウィルさん、後ろ、きてます!」
『わかってます!』
やっと揺れない土を踏みしめ、振り向きざまブーメランを投げつける。俺の寸前であわてて制動をかけた青ネズミの腹を切り
裂き、並んで飛んできたもう一匹の耳もついでに切り取って谷川へ落っことした。ナイスヒット!戻ってきたブーメランを構えた
が、もう一匹も飛んでこない。木々からのぞいていた青い頭がすっかり消えている。怖じ気づいて逃げ出したらしい。なんだ、
これで終わりか。つまらん。
息をつこうとして、気配にはっと木を見上げる。頭上の枝にも青ネズミが鈴なり。元からいたのか飛んできたのか。ミネアさんも
既に気付いていて、頭を低くし、手に印を結んでいる。十匹はいそうだな。一気に来られたら怪我覚悟で攻撃か、いったん避ける
のに専念したほうがいいか。けれどミネアさんは呪文をまた使っちゃうつもりだろう。できるならそうして欲しくない。先制で、枝の
間をブーメランを通して攻撃……ってのは、さすがに自信ないな。ちっ、[破邪の剣]あればな……。
と、道の向こうからアリーナが駆け戻ってくるのが見えた。もちろんおまけの神官も。やはり、見える範囲にいたらしい。お優しい
ことで。これでミネアさんの呪文に頼らなくても片付けられるかな。
ん?上のネズミたちがほぼ同時にアリーナに頭を向けた。キューキュー鳴き声を交わしながら、走ってくるアリーナを観察して
いるような……まさか?このネズミどもまでベレスの手下なのか??
冷や汗を感じたとき一匹のネズミが耳を広げそれを合図のように枝にしがみついていたネズミどもがまるで花の咲くように一斉に
耳を大きく広げた。『アリーナ、気をつけろ!』だがアリーナの目は俺とミネアさんにしか向いていない。あいつ気付いてねえ!
俺は[ブーメラン]を握り締め、アリーナの走ってくる先に腕を広げて飛び出した。『来るな、アリーナ!』俺の十歩前で足を止めた
アリーナが眉をひそめて身構え「………?」辺りを見まわす。『上だ上!』俺が指さしアリーナが上を向いたその瞬間、「!?」
ネズミの雨が俺にアリーナに降り注いできた。こうなりゃ仕方ない!青い一団のど真ん中めがけてブーメランを投げこんだが
『……く!』その俺の腕をネズミの爪が切り裂く。俺の喉元を狙ってきたネズミの歯を間一髪でかわし、ブーメランを捕らえた
その手で地面に叩き伏せる。クリフトが悲鳴のように何かの呪文を唱え、ミネアさんのラリホーが聞こえた。何匹かは落ちたが
思ってたより数が多く十数匹が枝と枝を飛び移っては攻撃を仕掛けてくる。前から横からまとわりついてくるネズミをブーメランで
殴りつけ、地面に落ちたのを蹴り飛ばす。アリーナはと見ると、帽子を飛ばされて髪を乱しながら、一匹のネズミを手掴みにし
武器にも盾にも使ってネズミどもを叩き落している。その姿がぼんやりした緑の光に包まれているのはクリフトの魔法か。だっ
たら安心!
第一波攻撃に失敗した以上、ネズミどもはもう群れていてももうただの雑魚だった。ブーメランを手持ち武器としても飛び道具
としても使い、一匹一匹、あるいはまとめて仕留めていく。やがて、道が青ネズミなのか赤ネズミなのかわからない死体で埋まり、
飛んでいるネズミはもはや一匹も……おっと、まだいた!『アリーナ、伏せろ!』アリーナの真上を襲おうとした二匹をブーメラン
の軌道にとらえて片付ける。よし、やっと終わった。木の上にも背中にもいないのを確かめ、ブーメランをしまう。意外性だけで、
見かけ通りの弱っちい奴らだった。
762 ◆Gp/A555JhQ :2006/12/29(金) 20:43:44 ID:???
「姫様、お怪我を!」アリーナの左の袖を赤く染めて滴っている血は、返り血だけではないようだ。頬にも三本の爪傷がある。
ま、あれだけの魔物に飛びかかられてあれだけで済んだんだから、さすがと言っとくべきだろう。クリフトがアリーナに手をかざし、
ホイミを唱えた。そのクリフトのほうは無傷らしい。いったい何してたんだか。
「ウィルさん、まだ動かないでください」
いつの間にかミネアさんが隣にいて、俺の腕の傷に手をかざしてくれていた。「ホイミ!」白い光にすっと痛みが消えていく。
「ほかにお怪我は?」
『い、いいえ、ありませんよ』心配してくれるのは嬉しいですがそんな王様に謁見する前のチェックみたいにじっと観察しないで
ください。『ミネアさんは?』
「私は、大丈夫です」そうみたいだ、ほっ。「さっき、もう少し早く呪文をかければ良かったのですけど、バギにしようかラリホーに
 しようか迷ってしまって……すみません」
『え、そんな、ミネアさん』うつむくミネアさんに、俺は手を振る。『さっきもその前も俺、ミネアさんのおかげで助かったのに。俺の
 ほうが謝って、お礼言わなくちゃ。ありがとうございました』
後頭に手をやった俺に、少し頬を染めた顔を上げ、「そ、そう、ですね……」つぶやくミネアさん。あっさり肯定されちゃうと何も
言えなくなるんですけど。せめて、疑問形をください。
「ウィル殿。血の匂いが別の魔物を呼ぶかもしれません。出立しましょう」
クリフトが横から声をかけてきて、俺もミネアさんもはっと背を伸ばして振り向く。『あ、ああ』何が、出立しましょう、だ。そうだ、
こいつがのんびり橋を渡ってる姿がネズミたちに丸見えだったんで、これだけ集まって来たんじゃないのか?
俺たちが荷物を背負い直したとき、アリーナはすでに背を向け、先を歩いていた。うーん、肩の張り方からいって、あいつの
苛つきはさらに増したようだ。今、不意をつかれたばかりなのだが、あれじゃ離れて歩くなと注意したって聞くはずないな。
《ミネアの評価が上がった》
《アリーナの評価が下がった》
《クリフトの評価が上がった》


すっかり蔓草に埋もれた炭焼き小屋の周りに切り株が何本かあり、そこに腰掛けて昼食をとることにした。
ミネアさんからパンと魚を無言で受け取ったアリーナは、俺たちからかなり離れた切り株にそっぽを向いて陣取り、クリフトも
その近くに座った。だから、俺の話しかける相手は、やっぱり隣のミネアさんになる。
『あの青いネズミって、このへんに住んでる魔物なんですか?』
「エアラットと言って、よく見かける魔物です。村の近くの森に飛んでくることもあります。ああやって群れを作ってかかってくるん
 ですけど……あんなたくさんのは、初めて見ました」
『あいつらがベレスの手下ってことは?アリーナを狙って攻撃してきた気もしましたが』
「そこまではわかりません」ミネアさんがパンを持った手を膝に置く。「ただ、いつも見かけるよりも数が多くて、それに、敵意が
 はっきりしてると思いました。普段からそんなにおとなしい魔物ではないんですけど……」
「違うと思いますよ、ウィル殿」クリフトが叫ぶように言ってきた。聞こえてるのかよ。「ああした魔物が、食欲以外の具体的な
 目標をもって攻撃してくるような脳を持っているとは思えません。あの中で、姫様だけが気付いていらっしゃらなかったので、
 攻撃しやすいと感じたからではないでしょうか」
アリーナが忌々しげな目線をクリフトに向けたが、こっちを向いているクリフトは気付かない。
『ま、そうかもな』どうせ聞こえるだろうと思って、俺は普通に話す。『大勢で襲って来たのも、橋を渡るのに時間がかかり過ぎた
 せい、ってことになるな』
「そう考えるのがもっともでしょうね」クリフトがうなずく。アリーナが息を鳴らす音がし、ミネアさんも口元を下に曲げて困った顔
をした。皮肉がわからなかったのは当人だけ。
763 ◆Gp/A555JhQ :2006/12/29(金) 20:46:18 ID:???
「けれど、やっぱり、どこかおかしかったと思います」ミネアさんがつぶやくように言い出す。「エアラットたちが、最後の一匹まで、
 逃げずに私たちに襲いかかってくるなんて。自分たちより強くて、かなわないと感じたら、逃げ出すはずです」
『確かに、おかしいですね』でも、いくら相手が強くても逃げない魔物ってのもいるからな。『あのネズミたちを怒らせたり引き寄せ
 たりするような物を俺たちが持ってたのか、何か刺激させるようなことを俺たちがしたのか……それとも」俺は干し魚を持ち上げ
てみせる。「よほど腹が空いてたのか。この美味しいお弁当の匂いにひかれて』
「わかりません。でも」気付かなかったのか露骨過ぎて引いたのか、ミネアさんは真顔のまま。「アリーナさんを狙ったのではない、
 というのは本当だと思います。ウィルさんにいちばん集まってましたから」
『あ、そうなんですか』そうだったっけか?夢中で気付かなかった。じゃ、俺が狙われてたのか?いや。単に、道の真ん中にいた
のが俺だったってだけか。しかも、この[旅人の服]の青と白は、森の中じゃ目立つからな。
『ところで、クリフト。さっきアリーナに使った魔法って、何だ?』
「さっき?[スカラ]のことですか。あれなら……」
『ああ、[スカラ]か』その魔法なら知ってる。人を光の泡で覆って一時的に防御力を上げる呪文。『いい呪文使えるんじゃないか』
俺にもかけてほしかったけどな。
「ええ、神官の初歩の呪文ですからね。姫様をお守りするには最も相応しく便利な呪文です」
得意げに話したクリフトの向こうで、アリーナが肩をぴくっとさせた。今の台詞に驚いたわけはないから、苛立ったらしい。そんな
暇があったらまず自分の身を守れ、とでも言いたいんだろう。守り甲斐のないお姫様だ。いや、そういうお姫様だからこそ、守り
甲斐があるのか。何かあると従者(俺)の陰に隠れるホルスみたいな奴よりは、アリーナのほうを守りたくなる……か、どうだろう?
ホルスがあれで王女だったら守ってやりたくも……うぇ、気味悪いことを考えてしまった。
とにかく、アリーナみたいに自分より他人を心配する奴だろうと、ホルスみたいに自分を心配する奴だろうと、選ぶ自由も拒む
権利もなく守らなきゃならないというのが従者という因果な身分なわけだ。まあ中には、“ホイミ覚えたら真っ先に親分のオレに
 かけろよ”って言っときながら[スクルト]を必死で勉強してるような言行不一致の王子様もいるが。
あいつ、けっきょく覚えたのかな……まずいな、それより先にホイミを覚えてやるって言ってあるのに。ラインハットにも行く羽目に
なったら……今のうち、ミネアさんに教わっとこうかな。
王子のことで悩んでいると、王女様が立ち上がるのが見えた。皿をクリフトの前の切り株に置き、さっさと荷を担ぎ上げる。って、
おい、俺たちはまだ食べてんだぞ!
「姫様、もう少し休んで行かれたほうが……」
言いかけたクリフトをじろりと睨みつけて有無を言わさず、お姫様が歩き出す。可哀想な従者は半分残ったパンを無理に口に突っ
込み、荷物を肩にかけながら「ひょれおにぎゃひひます」とアリーナと自分の皿を持って来、急いで駆け出していく。あのお姫様の
従者でなくて良かった。ホルスのがましだ、やっぱ。
「ずっと登っていくと道が途中で消えてしまうところがあります。そこで待っていてください」
「あかいまひたー!」ミネアさんの言葉に返事をしたのは今度もクリフト。アリーナは何の反応もせず歩いていくだけ。またネズミに
襲われても知らねーぞ、ったく。どうせ何とかしちまうんだろうけど。
仕方なく、俺とミネアさんも急いで食事を済ませ、後始末にかかる。
『この先、道がなくなっちゃうんですか?』棒でゴミ用の穴を掘りながら、俺。
「なくなるわけじゃありません。竹が生えていて、わかりにくいところがあるんです」皿を布で拭きながら、ミネアさん。
『おとなしく待ってりゃいいんですけど……』
「クリフトさんがいますから、大丈夫でしょう。ちゃんとここで待っていてくれましたもの」
『……なんであいつ、あ、いえ、アリーナと、こんな仲間割れみたいになっちゃったんでしょうね。今のまま2組で進むのはまずい
 でしょう。……俺が謝れば済むのなら、そうするんですけど』
素直に謝れる自信はないがな。だいたい、何を何と言って謝ればいいのかも考えつかない。
「アリーナさんに悪いことをしてないのなら、謝ることはないと思います」ミネアさんがくすりと笑った。「アリーナさんならかえって
 怒るでしょうし……それに、アリーナさん本当は、ウィルさんと仲良くしたいって思ってるんですよ」
『あれで、ですか?』俺は土を掘る手を止め、ミネアさんを見つめた。
764 ◆Gp/A555JhQ :2006/12/29(金) 20:48:03 ID:???
「私は、そう思います。昨日の夜ウィルさんを引き上げてくれたとき、それに、私が眠っている間にあったことを聞かせてくれたときの
アリーナさんの様子は、ウィルさんを心配しているのに、無理に嫌おうとしているみたいでしたから。一度ウィルさんと喧嘩して、
ずっと引っ込みがつかなくなってるんじゃないかしら」
『へえ……』無理に、ねえ。意地張ってるだけか。言われてみればそんな気もするが、本当に嫌われてるって気もするな。『それは、
 占い師としてのご意見ですか?』
ミネアさんは眉をぴくりとさせると、「いいえ。お二人の、お友達としてです」真面目な顔になった。「お話したかもしれませんが……
 占い師が自分の家族、友人、恋人、夫や妻について正確に占うのは、修行を積んだ者であっても難しいのです」ミネアさんが背を
伸ばし、俺をじっと見つめる。ご講義始まるんですね?「占い師も運命の糸には縛られますし、その運命の糸が占う人と重なり合い
 よじれあい、互いへの影響が大きい場合、占いにより占い師本人が運命を知ることによって、その糸がほどけてしまったり、また
 逆にさらに絡まってしまったりするのです」
『えーとつまり、身内は占えないんですね』割り込んで中断。ついでにゴミ捨て。『でも、この前、人の心の揺れ動きを水晶玉に映し
 出すのは簡単にできるって、言ってませんでしたっけ?』
「えっ……ああ私、そんなことまで話してしまったのですね。ええ、決して簡単ではありませんが、その通りです。でもそれは、たとえば、
 ウィルさんとフローラさんの相性を占ったとき……あ、そうでした、それであのときウィルさんにお話ししたのでしたわ。ええとつまり、
 辻占いのように、関わりというものがほとんどない他人を占うときなら、何にも迷いも邪心もなく占うことができます。けれど、いったん
 深く関わってしまった人の心を細かく知ろうとすることは、やはり難しいのです。どうしても期待や怖れが邪魔をし、映し出すものを、
 またそれを読み取る目を曇らせてしまうものなので。ですから私は、アリーナさんや姉さん、父さんのことについては……」ミネアさんが
少し口ごもる。「占ったことはあっても、当たったことは、少ないんです」
『なるほど』じゃ、アリーナが生きのこるかや俺が生きのこるかは占えないのか。使えないな……。『けど昨日、俺とフローラさんについて
 占ってくれましたよね。俺については、まだ占えるってことですか?』
「……いいえ、もう、そう簡単には。ですから、ああして身につけたものを外し、清流に入り、月の光の助けを借りたのです」言ってから、
ミネアさんははっとしたように唇をすぼめ、うつむいた。「大失敗、してしまいましたけど」
『あんなの気にしなくていいですよ。俺が余計なことしたせいなんですから』
俺は手を振ってみせたが、ミネアさんはうつむいたまま。「いいえ、そのことではなく、もちろんそのこともですが、ウィルさんの未来どころか
よりによって私の心の内をウィルさんに……あっ!」
ミネアさんは体を震わせて言葉を止め、今度は蒼白になった。皿を拭いていた布が指から落ちる。『ミネアさん?』思わず駆け寄る準備を
する。今倒れないでくださいよ。大変ですから。
と。「ウィルさん……どうか」ミネアさんがまぶたと唇を震わせ、すがるような瞳で見上げてきた。「あのことは、忘れていただけませんか?
 決してどなたにも……姉さんにも話さないように、どうか、お願いします……っ!」
泣きそうな顔をして頭を下げてくるミネアさん。何もかもがイキナリな人だな。
えーっと、許すも何も―――

1.『もう、忘れました』
2.『とにかく、説明してください』
3.『それは、ミネアさん次第、ですよ』
765場 ◆Gp/A555JhQ :2006/12/29(金) 20:53:45 ID:???
なんとか年内更新達成!石投げられそうでつがw
人様の文体を借りたほうが筆は進みまつね・・・はぁ
3年も経って未だにサントハイム・・・来年こそはッ・・・!!

では良いお年を!
新年またこのスレでお会いしませう!!
766名無しさん@ピンキー:2006/12/30(土) 13:47:46 ID:???
1で
久しぶりの更新乙
ところで種さんはどこ行ったんだろう…
767名無しさん@ピンキー:2006/12/30(土) 15:57:15 ID:???
ここで敢えて3を推す俺外道
そろそろガツンとエロスが欲しい
768名無しさん@ピンキー:2006/12/31(日) 10:07:07 ID:???
3といきたいが1で
よいお年を
769名無しさん@ピンキー:2007/01/03(水) 11:21:03 ID:???
まだ有効か? 3で。
770場 ◆Gp/A555JhQ :2007/01/07(日) 21:20:34 ID:???
あけおめことよろございまつ
誤字脱字多くてスミマセヌ
いちおう締め切っておきますです。。。

種さん、どーみ氏は今年もお元気なのでせうか
リアルでご活躍ならば良いのでつが
771名無しさん@ピンキー:2007/01/11(木) 22:32:15 ID:???
ひょす
772種 ◆GM/x/EtttA :2007/01/11(木) 23:45:37 ID:???
壁|・)ノシ
773名無しさん@ピンキー:2007/01/13(土) 01:53:29 ID:???
久しぶりにその鳥見た
774名無しさん@ピンキー:2007/01/14(日) 14:56:51 ID:???
おーい
775場 ◆Gp/A555JhQ :2007/01/17(水) 22:15:13 ID:???
種さんキタワァ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。..。.:*・゜゚・* !!!!!
お元気そうでなによりでつ
お暇ができますたら是非再開おながいしますです!
ここは種さんのスレでつから
776名無しさん@ピンキー:2007/01/21(日) 03:57:26 ID:???
777名無しさん@ピンキー:2007/01/24(水) 23:31:38 ID:???
778名無しさん@ピンキー:2007/01/29(月) 01:25:40 ID:???
>>775
もうひと月ですぞ
779場 ◆Gp/A555JhQ :2007/01/29(月) 23:31:55 ID:???
今月中てことでおながいしますです。。。
780名無しさん@ピンキー:2007/01/30(火) 10:08:55 ID:???
+   +
  ∧_∧  +
 (0゜・∀・)   ワクワクテカテカ
 (0゜∪ ∪ +        
 と__)__) +
781場 ◆Gp/A555JhQ :2007/01/31(水) 23:44:02 ID:???
かつてながら今週中に延期。。。
782名無しさん@ピンキー:2007/02/05(月) 23:14:34 ID:???
すぎました
783名無しさん@ピンキー:2007/02/06(火) 18:54:28 ID:???
よくあること
784名無しさん@ピンキー:2007/02/13(火) 04:19:44 ID:???
落としはせん
落としはせんぞ!
785場 ◆Gp/A555JhQ :2007/02/13(火) 21:00:15 ID:???
最終期限:2007/02/15(木) 23:59:59

あらかじめ言っておきまつ
バレンタインなんて大きらひ
786場 ◆Gp/A555JhQ :2007/02/15(木) 23:58:55 ID:???
かさねがさねスミマセヌ
朝までお待ち下さひ・・・
787名無しさん@ピンキー:2007/02/17(土) 05:35:41 ID:???
LIMIT BREAK!!
788名無しさん@ピンキー:2007/02/17(土) 14:04:37 ID:???
すぎました
789名無しさん@ピンキー:2007/02/20(火) 22:16:07 ID:???
790名無しさん@ピンキー:2007/02/23(金) 22:15:05 ID:???
ひーん
791場 ◆Gp/A555JhQ :2007/02/24(土) 09:10:36 ID:???
どーにもいい案が浮かびませぬためこの際聞いてしまいまつ・・・

60KB以上あるのでつが、どうしたらよいのでせう?
792名無しさん@ピンキー:2007/02/24(土) 09:21:11 ID:???
容量切れる直前まで貼って次スレへ誘導で良いんじゃないでしょうか?
793名無しさん@ピンキー:2007/02/24(土) 10:11:32 ID:???
443kbだし、立ててから貼るというのも手だね
794名無しさん@ピンキー:2007/02/24(土) 18:02:32 ID:???
えーと
443たす60は・・・


わかりません!
795名無しさん@ピンキー:2007/02/27(火) 23:50:16 ID:???
>>793に賛成。
でも俺スレ立て出来ない。
796場 ◆Gp/A555JhQ :2007/03/02(金) 06:03:10 ID:???
新スレでつ!
【種編】DQのギャルゲを本気でプレイしるスレ5【間借中】
http://sakura02.bbspink.com/test/read.cgi/erochara/1172780858/

ある程度こちらに貼り、残りは新スレに貼ることにしまつ
お手間とらせますです。。。
797 ◆Gp/A555JhQ :2007/03/02(金) 06:04:59 ID:???
俺は笑ってみせながら両の手のひらを上に向けた。『あれっ?何の話、してたんでしたっけ』
「ウィルさん……」ミネアさんの目元が、ほっと緩む。「ありがとうございます」
『早いとこ片付けて、アリーナを追っかけましょう』
「ええ……」
俺は掘った穴を埋め始める。なんとなく得意げな気分。これでミネアさんの“ウィルさん頼りにしてます”ポイ
ント、アップ……。
『……?』ちら、とミネアさんを見た俺の目が、俺を見ていたミネアさんの目と合った。「……!」さっと顔を
そらしたミネアさんが、食器をしまいかけて止めていた手を動かし始める。変だな。首を傾げながら俺も
穴埋め再開。ミネアさんの今の表情、俺がとっ捕まえてきたお化けなめくじを怖々のぞき込むマリベルの
それだった。念のため顔を拭ってみたが、ナメクジどころか泥だってついちゃいない。服、マントにも異常
なし。さっきの戦闘でちょっとばかし血がついてるけど、このくらいで今更ミネアさんが怖がるはずもない。
何なんだろう?
ま、いいや。ミネアさんの挙動不審は今に始まったことじゃない。むしろ俺がいちいち気にしすぎるんだ。
こういうところがマリベルやリリカに“変に勘ぐるんじゃないわよ、スケベ!”なんて言われるモトなんだな。
仕方ないだろ。俺みたいな田舎モンが王宮で無難にやっていくためには“人の表情の機微というものに
とにかく気を付けなさい。本気で怒らせたり、嫌われるようなことは決してしてはならんぞ。ああいう偉い
方々に一度恨まれたら、どんな目に遭わされるかわからない”と村長に口酸っぱく言われてきたせいだ。
村長、そういうことは娘に言やあいいのに。
「あのう……そのくらいでいいと思います。ウィルさん」
既に荷物を背負ったミネアさんが、ためらいがちな口調で、埋めた穴を家の盛り土並みに踏み固めて
いる俺に声をかけてきた。『そ、そうですね』笑って誤魔化し棒を捨てる。あちゃー、早いとこ片づけようっ
て言ったのは誰だよ。
急いで[ふくろ]を担いだ俺を「………」ミネアさんは再確認して、歩き出す。さっきも今も、見たくないが
見なければいけないので見たというような、申し訳程度の目線。うーむ、単なるミネアさんの挙動不審癖
じゃなく、普通に俺に責任があるのだろうか?
もしや、あからさまに物分りいい男を決めた俺の態度が見え見えすぎて、呆れてしまったのかな。少々
芝居くさかったかな。そんなつもりじゃなかったんだが……。
《ミネアの評価が上がった》


ミネアさんの背負う荷を眼前に見ながら山道を黙々と登っていくうち、俺は、物分りのいい男を決めてみた
ことを後悔し始めた。
さっそうとカッコつけたはいいが、人間、忘れてくださいって頼まれたって、すんなり忘れられるものじゃ
ない。かえって気になって仕方がない。
いったい、あの情景に何の意味があるんだろう?何度思い返してもごく当たり前なご家庭の一場面だ。
あれが、今では思い出すのも苦痛で人に絶対に知られたくないようなガキ時代の失敗や事件、そういうの
だったらわかる。男の子の服がないからって濡れた服の代わりにマリベルのワンピース着せられてた
俺を(未だに話題にするキク婆さん、もう勘弁してくれ)、ミネアさんに占いで透視されでもしたら、どうか
忘れてくださいって伏して願うところなんだが。
思い出すのも苦痛……マリベルを殴っちまったこと、ファーズ様をがっかりさせちまったこと。ミネアさん
たちの後に見えたあの二つが、俺にとってはそれだ。人に知られるのが苦痛ってわけじゃないけどな。
だけどそもそも、あの占いは、フローラさんと俺の未来図を見せてくれるってものだったはずだ。実際、
それっぽいのは見せてもらった。あのイチャつきぶりこそ誰にも見せたくないんだが、それはともかく、
あの次に出てきたのがミネアさんたちなんだから、フローラさんと俺の未来に子供の頃のミネアさんと
マーニャさんが関係……してるとは思えない。もし関係あるとしても、ミネアさんが必死になって俺に忘
れてくださいと頼んでくる理由にはならない。俺が知ってしまうと運命の糸がどうたらでフローラさんと
俺の未来が変わってしまうというだけなら、マーニャさんにも話さないように、ってわざわざ言い添えた
のは何でだ?あれをマーニャさんに知られるとまずいわけだ。でも、どこが?
駄目だ。いくら考えてみたところで、わからんものはわからん。やっぱりミネアさんに説明してもらえば
良かったかな。フローラさんに関係あるなら、知っておきたいし。
798 ◆Gp/A555JhQ :2007/03/02(金) 06:06:45 ID:???
小屋を過ぎてからは斜面を横切るように登っていた道が、北に転じたところで急に平坦になった。尾根に
しては広すぎるし風も弱いから、段丘のような地形らしい。木々の密度がさらに増し、しかも草の代わりに
腰ほどの高さの笹の茂みが両側に増え、じわじわと道に迫ってくる。よく道が笹で埋まらないなと思って
いるうち、こちらに向いて立ち止まっているアリーナたちの姿が見えた。“どうするんだ”とミネアさんに
目で聞いている。道はそこで見事に一面の笹藪の中に消えていた。
「途中、どこかに別の道があったんでしょうか?」クリフトが聞く。「こう書いてありますが」指さすのを見る
と、カシの木の幹に金属板が打ち込まれていて、太く大きなブロック字で“ここより先に道なし。コーミズの
村の者に聞くべし”とあった。
「いいえ。この道でいいんです」言いながらミネアさんが荷を下ろした。「村の人を連れずに登ってきた
 旅の人が引き返してくれるようになんです。この笹も、わざと生やしてあるんですよ。ここから先の道は
 知っている人でないとわかりにくいですから」
なるほど、と俺は感心する。道をわざと消してあるんだ。山に登ったことのある人間なら、道のない山の
峠越えがどれほど無謀かを知っている。十年くらい前は俺も身をもって知ったし、ヘンリーとホルスは
その無謀を強行したがために一介の村人だった俺と知り合った。もっともあそこで俺と知り合わなければ
二国から皇太子がおかくれあそばすという世界的な大事件が発生していたはずだ。
『じゃ、ここを突っ切って行くんですか?』笹藪を見渡しながら聞く。俺は構いませんけど、あとでホイミ
してくださいね。
「このまま行くんではないんです。怪我をします」じゃ、どうやって?
ミネアさんは道から外れたところに突き立っているカシの大木に近づき、幹に目をこらして何かを探しは
じめ、その何かを見つけて右手に掴むと、独楽コマでも投げるように腕を鋭く往復させた。と、上で金棒が
ぶつかるような音がし、滑車の響きとともにカシの大木がゆっくりと倒れ始め―――いや、幹がパカリと
半分に割れてその半分が笹藪の上に横倒しになっていく。
『あ……』
呆然と見守っていた俺たちの前に、笹藪を渡る木橋ができあがった。「こんな仕掛けが……」クリフトも
感嘆の声を漏らす。跳ね橋か。確かにこれなら誰でも怪我せず笹藪を抜けられる。上をよく見ると空に
黒い線がある。ロープか鎖、それと滑車を使ったカラクリらしい。
「渡ってください。一人ずつ、なるべく真ん中を通って」
「ふうん……」楽しそうな笑みを浮かべていたアリーナが待ってましたとばかりに飛び乗り、あちこち
よそ見しながら特にバランスをとる様子もなくすたすたと平らな木の面を歩いていく。んな余裕かましてる
とまたネズミどもが集まってくるぞ。おっと、武器を用意しとかないと。
続いて橋によじ登ったのは、先ほどその青ネズミどもを呼び寄せた原因候補筆頭の神官。さすがにこの
程度の高さなら恐怖症は発動しまい……と思っていたが、釣り橋ほどではないもののそろそろとおっかな
びっくりな歩調。こいつって単に、世間知らずで食わず嫌いなものが多すぎるんじゃないか?王宮にゃ
そういう貴族の方々があまたいらっしゃるからな。
さて次。ミネアさんと俺が目配せ合い、お互い遠慮しあってから、けっきょく俺が木橋に立つ。ミネアさん
一人をこちらに残したくなかったけれど、仕方ない。草に埋もれた小川を思わせる眼下を時折のぞきこみ
ながら、防腐液を一面に塗られた年輪の縦線の中央を言われたとおりに歩く。一本木(の半分)を使った
わりには意外に長く、多少中心線から外れてもまったく揺れない。しっかりと固定してあるらしい。便利は
便利だが、小さい笹藪を越える、たったそれだけのたことにしちゃ大仰な仕掛けだな。こんなもん作る
手間ヒマより毎回突っ切ったほうが総合した労力ははるかに小さいはず。こういう物作りが趣味な人が
いるんだろう。
笹薮の中に隠れていた切り株が終点。そこからは切れ目が入ったように笹薮が両側に分かれ、土の
露出した道が再び森の奥へ続いていた。アリーナはきっちり周囲に眼を配っていたが、クリフトのほうは、
はるか上の枝から下りてきて橋の先端に結ばれている二本の鎖や、木の洞ウロに見つけ出したレバーを、
防具屋でドレスを選ぶときのビアンカのような目と口元をしてしみじみ眺めている。こういう奴だろうな、
ほんの少し便利にするためだけの仕掛けに、知恵と労力をいとわないのは。俺はむろんアリーナのほう
に協力する。
799 ◆Gp/A555JhQ :2007/03/02(金) 06:09:33 ID:???
間もなくミネアさんも渡ってきた。何事もなかったか。安心しつつミネアさんに下から手をさしのべると、
ミネアさんはその俺の手、顔を見、一瞬目をそらしてから、なんだか予想外の質問をされた秘書官が
現在調査中ですとか何か言うときのような笑みを浮かべて俺の手をとり、体重を預けて道に降りる。下
がっていてください、と言って最前クリフトが見つけた洞に手を入れ、レバーを回転させ始めた。カラカラと
滑車の音がし、世話になった木橋が徐々に上がっていく。ほんと、ご立派な仕掛けだ。
『それ廻すだけですよね?俺にやらせてください』
俺が申し出てみると、ミネアさんは回転速度を一瞬緩めたもののまるで無視するようにレバーを廻し続け、
二呼吸ほどしてようやく俺の言葉を理解したらしく手を止めて俺を見、「じゃ、お願いします……」つぶやく
ような声で言い、横に退いてくれた。
ミネアさんの体温がほんのり残るレバーは、金属製だがまったく錆びていない。単なる鉄ではなく合金
らしい。別の用途で使ってたものを流用したのではなく、この仕掛け用に作ったものってことか。案外
ゴールドがかかってるぞ、これ。
ミネアさんがしていたとおりに、銅の剣より高価であろうそのレバーを廻す。木橋が持ち上がっていく。長く
太い大木を引っ張り上げているというのに、織機の糸巻きよりも軽い。これほど簡単なら、ターニアでさえ
この橋を自力で使えるだろう。ただし50回廻してやっと人1人分の身長まで上がるという時間のかかり
ようだから、途中で俺が手を貸してやる羽目になりそうだが。
橋が上がりきるとミネアさんはすかさず洞に手を伸ばしてレバーに掛け金をし、もう一つ別のレバーを
いじって何度か確認した後、「では、行きましょう」俺を促した。
今もそうだったが、あれからミネアさん、俺と目を合わせると、どっか嫌そーな顔をする、そんな気がする。
アリーナみたいに露骨でわかりやすい態度はとらないし変に冷めた目で見つめ返して来ることもない
ので、たぶん本気で嫌われたわけじゃなさそうだけど何で……。ま、俺の気のせい、気のせい。
俺たちの仕事が終わるまで警戒していてくれたお優しい姫君が、俺の顔を見るなり横を向き、歩き出す。
ううむ、わかりやすい。
《ミネアの評価が上がった》


関所代わりの笹薮を渡った後も、しばらくは道の左右には笹の茂みが続いていた。両肩に葉が触れる
ほどに道が狭まっている場所もあり、坂ではあったができるだけ早足で進む。今は俺が先頭で、アリーナ
はミネアさんの後ろ、最後尾がクリフトだった。道がわかりにくくなるというミネアさんの言葉を理由にして
団体行動を納得させ、さらに案内役とはいえミネアさんを先頭にするのは危険なため、俺が先頭を買って
出ていた。この山に入ってから初めて、まともなパーティらしい行軍となっている。
俺が先頭に立たなければならない理由は特にない。リーダーは俺だが、このパーティでの最強は考える
までもなくアリーナであり、また俺の今の武器は近距離の敵には不利なブーメランなのだから、本来なら
先頭はアリーナに任せて俺は2番目あたりがベストだろう。だがアリーナに先導を任すわけには行くまい。
願わくば王女様には、このパーティ在籍中に他人のペースに合わせるってことを覚えてほしいものだ。
ミネアさんの指示通りに道を選びながら、それにしても、と俺は後ろを振り返る。豪華なメンバーだ。サント
ハイムきっての占い師に、王女様、その従者。かくいう俺も一応レイドック王室の関係者。その世界に
とっても重要人物な4人が余計に兵士も連れず魔族退治に向かっている。成功すれば後世に伝えられる
英雄物語になり、失敗すれば……その結果はあまり考えたくはない。世界の人口が4人減るってだけ
では済まないだろう。おそらく責任をかぶらされるのは唯一レイドックから参戦の俺だろうと予想はつく。
レイドックとサントハイムの友好がこじれ、しかもサントハイムは唯一の正統な後継者を失い……。
バカバカしい。俺がそんな高度な天下国家のことまで心配してどうすんだ。失敗したらすなわち死、俺に
とっちゃ何もかも終わりじゃないか。今考えるのは、失敗しない、ベレスに殺されないための良策だろう。
思い出してみる。ベレスの攻撃は、とにかくあのばかでかい鎌によるパワフルで素早い斬りつけだ。あの
鎌攻撃にまともな対処ができるのはアリーナだけで、俺たち三人には厳しい。俺かクリフトなら第一撃
くらいは回避できなくもないだろうが、ミネアさんが狙われたら。アリーナの足手まといにならないよう、
俺たちはどこかに隠れてたほうがいいか……。
800 ◆Gp/A555JhQ :2007/03/02(金) 06:12:22 ID:???
「ウィルさん」
不意に、ミネアさんが俺の背をつついてきた。考え事中断。と同時に俺にもわかった。ブーメランを取り
出してミネアさんとうなずきあう。両側から笹の葉の擦れる音。小さい魔物だと思うが、けっこうな数だ。
また青ネズミか?
何気なく歩きながら戦場にふさわしい場所を前方に探す。二十歩ほど先に他と比べて藪が拓けた空き地、
あそこがいい。振り返ってミネアさんもアリーナも緊張の面持ちをしているのを確かめ、走るぞ、と手で
合図する。「何ですか?」と間抜けな声を発した神官の襟首をアリーナが引っつかみ“早く行け”と俺を
見る。だったら俺もミネアさんの手を引……きたかったがさすがにそんな余裕はなく次回に期待し、
「だわわわ!」引きずられる神官の悲鳴を背後に聞きながら空き地へ飛び込んだ。笹藪の揺れに取り
囲まれるより早く全員が戦闘配置完了。さて、どんな奴らだ?この国家的超重要人物を襲おうなんて
連中は。
笹がぴょいと一本、藪の中から伸びた。いや、魔物だ。笹の葉とほぼ同じ緑色のひょろ長い体、長細い頭
のわりにでかい眼をぎょろつかせたバッタが、ぴょこぴょこ次々に顔を出す。その数、10匹ほど。こんな
でかい虫に畑襲われたら商売上がったりだな。レイドックには棲んでなくて良かった。
バッタどもとにらみ合いをしていると、別の魔物が笹藪の下をごそごそいわせて這いだして来た。人間の
頭ほどもある大きさの胴に鮫の下顎のような二本の長い角を生やした巨大な鍬形虫。捕まえてシエーナ
のバザーで売ればいい値がつきそうだ。こいつらはだいたい5、6匹というところ。
『ミネアさん、この魔物は?』
「キリキリバッタと、はさみくわがたです」
『毒は持ってませんね?』
「ありません」
安心した。見たところ青ネズミと同じで数が頼みなだけの連中。ブーメランの腕の見せどころだ。
「来ますよ!」
剣を握り締めているクリフトに、『アリーナの背中、任す!』言い置き、一歩下がって虫群の動きに目を
こらす。動いたのはバッタどもが先。マントのような羽根を広げ、キリキリ!と鳴き声を出し俺たちめが
けて飛び立ったバッタたちは、しかし俺がすかさず投げたブーメランに半数が真っ二つに切って落とさ
れた。とはいえそこは脳の少ない虫、目の前の同僚が無惨に戦死してもひるむことなく飛びかかかって
くる。中にはその今まで仲間だった物体に食いついて兵糧の足しにし始める浅ましい奴もいる。それなら
最初から人間なんて襲わず食い合いしてりゃいいものを。
アリーナが狭い空き地をさらに狭しと跳び回って地面にバッタどもをたたき落とし、脚に食いつこうとした
クワガタを着地のついでに踏みつぶす。地面にひっくり返って六肢をばたつかせる虫どもにクリフトが
とどめとばかり剣を突き立てる。俺はもっぱらバッタを薙ぎ払い、ミネアさんはブロンズナイフを逆手に
ふるって虫たちを追い払っている。せっかく買ってあげた[鎖鎌]を使って欲しいけど、やっぱり使えない
のかな。ま、今は固まって戦ってるからか。
レイドックの魔物たち、それにさっきの青ネズミと比べても、この魔物どもはまったくもって歯ごたえが
なかった。クリフトが[マヌーサ]を使ったおかげもあるが、それでなくても攻撃力は大したことがなく、
しかも虫のくせにほとんど小回りがきかないときている。さらに打たれ強さのほうも、
『ミネアさん、足元!』
「きゃあっ!」
羨ましくもミネアさんに蹴られて土の上に転がり、そのまま動かなくなってしまうほどの軟弱さ。こういう
雑魚を得意げな顔してバタバタ倒したところで自慢にはならんので、俺は粛々とブーメランを投げていた。
あらかた片づいたかなと状況を見回したとき、右手の藪からキリキリという例の鳴き声と唸るような羽音が
聞こえた。笹藪の上を同じバッタとクワガタの合計十数匹がこちらに向かって飛んでくる。新手か。騒ぎを
聞きつけたか匂いをかぎつけたらしい。飛んでナントカ夏の虫、ってやつだ。『任せろ!』いったん藪を
背に退き、ブーメランを振りかぶって……。
『おい!?』
「姫様!?」
アリーナが真っ向からその群れに飛び込んでいった。たちまち数匹を殴りつけ蹴り飛ばす。だが隙の
できた細い脇腹へ低く飛んできたクワガタが襲いかかる。クリフトが悲鳴を上げた。食らいついた虫を
肘で頭部ごと潰し落としたアリーナの頭上に、バッタどもがまとまって飛びついていく。めちゃくちゃだ、
何やってんだあいつは!
801 ◆Gp/A555JhQ :2007/03/02(金) 06:14:41 ID:???
アリーナを覆って飛び交う虫をクリフトが叫びながら払いのけ、俺がブーメランで、ミネアさんがラリホー
で援護し、虫に埋まったアリーナを助け出す。手当てをクリフトに任せ俺とミネアさんは残党処理。もと
より雑魚どもな上、無駄に必死で戦ったおかげで、追加分はあっという間に片づいてしまった。
援軍の援軍がいないのを確認し、各自が武器を収める。負傷と言うほどの傷を負ったのはアリーナだけ
で、そのアリーナも既に[ホイミ]の治療を受け、けろりとした顔で立っている。まったく。威嚇のきかない
虫どもにわざわざ囲まれに行ってどうするんだ。集団との戦闘の原則として、どんな雑魚相手でもとに
かく一斉にかかって来られないようにしなきゃならない。お前だってそれわきまえてたはずだろ、今まで、
そうやって戦ってたんだから。なのに……と説教してやりたいが、どうせ聞きやしないだろう。
「姫様、二度とこのような無茶はなさいませぬよう……」
クリフトのたしなめが終わらないうちに、アリーナは腕に引っかかってぶらさがっている虫の足をむしり
取り、手近の木の幹目がけて投げつけた。案の定、ってとこだ。何がそんなに気に入らないのか。
「姫様……」クリフトがお手上げと言ったように肩をすくめると俺に目線を向けた。眉をしかめた物言い
たげなその目は、ウィル殿も何か言ってください、と頼んでいるようであり、ウィル殿のせいですよ!と
責めているようにも見える。俺に何しろってんだよ。アリーナに適切な忠告をしてもらいたいなら、俺より
ミネアさんに頼……と思ったらそのミネアさんまで似たような何か言いたげな目を俺に向けている。あのう、
俺に何を期待してくれてるんですか?
あ、そうか。俺個人としてでなく、リーダーとしてちゃんと言ってあげてください、ってことか。
『アリーナ』俺は額に手をやり、アリーナの後ろ髪に呼びかけた。『ミネアさんとクリフトに、余計な魔法
 使わせるなよ。これから何があるか、わからないんだからな』
チッ、という舌打ちだけが返ってきた。『行きましょう』構わず俺はミネアさんに促すと、アリーナを一瞥も
せずに追い抜いた。
舌打ちしたいのはこっちだ。俺をお嫌いならそれでもいい、せめて俺以外の二人には手間かけさすなよな。
《ミネアの評価が上がった》
《アリーナの評価が下がった》
《クリフトの評価が上がった》


笹藪地帯を抜けると、再び、木の間を登る曲がりくねった道。しっかりと踏ん張らなければ進めないほど
の急坂で、魔物の気配を探りながらでは後ろのミネアさんを気遣う余裕はなく、ペースを乱して離れすぎ
ることのないよう気を付けるのみだった。
そのミネアさんの後ろには、誰もいない。アリーナたちは例によってまたはるか前方だ。
『この道をこのまま行けばいいんですね。途中、分かれ道ってあります?』
聞いてしまった俺も悪かったが、たぶんその俺を安心させるつもりだった、「ありません。道の通りに登っ
ていけば、マッケナ峠です」というミネアさんの答えも悪かった。道を知らないがためにそれまではおとな
しくついてきたアリーナが、俺を押しのけて前に出、先行してしまったのだ。ミネアさんの引き止めにも
振り返りもせず、急な山道をひょいひょい登っていき、ついでのクリフトまでも引き離して行ってしまった。
せっかくパーティになってたのにな。ちょっとしたきっかけですぐ分裂してしまうのは、というより、何か
理由がないとまとまっていられないのは、無駄に意地を張るアリーナが悪いのか、それともリーダーの
俺に統率力が足りないのか。
裁判にかけりゃ(あくまで公平に行われるという条件付きで)3対1くらいでアリーナが悪いとなりそうだが、
判決や勅命ごときじゃ統率されてくれそうにないのがアリーナだ。一国の世嗣たる王女様が今こうして
王宮を離れてしかも魔族退治に向かってること自体が法典的にあり得ないんだからな。
802 ◆Gp/A555JhQ :2007/03/02(金) 06:17:42 ID:???
あいつに言うことを聞かすには、あいつにとって信頼のおける大親友か、あいつよりも腕っ節が強い戦士
……または、他人の扱いに長けたカリスマリーダー。思いつくのはそれぞれ、マーニャさん、フレアさん、
それに……ヘンリー。ヘンリーなら、アリーナとは性格が似すぎてて磁石の同じ極みたいにケンカどころ
か顔を合わすこともロクにしなさそうだが、それでもうまくあしらいそうな気がする。なんだかんだであいつ
はちゃんと王子様やってるからな。何、ホルス?知らん。
王子ではない俺がその親友か戦士かカリスマになるには、あいつと仲直りするか、腕上げるか、修道院
に入って聖人にでもなるかしかない。いちばん手っ取り早くて簡単なのはどれかと聞かれりゃ、当然、
仲直りなんだが……いいかげん俺も仲直りしてやる気が失せてきている。何しろ朝に関係修復したと
思えば昼には再び国交断絶だからな。今度あいつにキレられたらカウンター覚悟で本気で殴りつけちま
いそうだ。なのになんでここまでついて来てるかと言えば……やはり心配だからであり、それから借りが
2回と決闘の約束が2回あるから、だ。
冷静に考えると実にバカバカしい。そんなことのためにじゃじゃ馬姫に気を配り命を張るだけの意味が
あるのか?俺がすべきなのはまずターニアのために……。
「ウィル殿ーっ!ミネアさーん!」
クリフトの悲鳴に顔を上げる。なんだ?えらく悲鳴らしい悲鳴だったぞ?
目の前の道を見上げる。思ったより低いところに空があり、道はそこで見えなくなっている。つまり、尾根
を越え下りになっているらしい。アリーナたちはその先だ。「早く来てくださいウィルどのーっ!!」今度は
はっきりと救援を求める悲鳴。これはさっさと行ってやらないとマズいか。俺は[ブーメラン]を取り出し、
斜面を駆け上がった。
下に見えたのは赤茶色の地面が露出し拓けた窪地。数匹の小さな魔物に囲まれたクリフトが必死で剣を
振るっていた。アリーナの姿は見えない。
『アリーナは?何だそいつらは!?』
走り下りながら魔物を観察する。こりゃまた面倒そうな魔物どもだ。黄土色の身体、丸い頭に切れ上がっ
た細い目と尖った長い耳をし、大きく割れた口から赤い革ベルトのような長い舌を垂らした、エルフと
ホビットを足して五で割って泥を塗りたくったらこうなるかもしれないという醜悪な土鬼。背丈は子供より
低く手足も細いものの、数の力で神官戦士を後退させている。その様子を見れば、凶悪そうな面構えの
わりに、手足の爪、それから体当たりといった、肉体を武器にする攻撃しか知らないらしい。なら、体力と
守備力のほうはどうだ?
「ウィル殿!」ブーメランを構える俺に、クリフトは「私のことより、姫様を!」窪地の奥を指さした。
アリーナが、別の魔物二匹と闘っていた。二匹とも、クリフトを囲むチビどもと姿形は同じだが体色が
紫蘇の葉のように赤黒く、体も一回り大きい。あいつらがこの土鬼どもの親玉か。見た感じそんなに
強い魔物じゃない。アリーナを相手にしたのが運の尽きか、とむしろ哀れみさえ覚えた、のだが。
あれ?なんであいつ、あんな息あがってんだ?しかも泥だらけで……。
アリーナは明らかにおかしかった。動きこそさすがに俊敏だが、あらぬ方向に跳び蹴りしてバランスを
崩し、『危ねえぞ!』隙だらけの背中を狙われて地面に転がった。すぐに飛び起きるも、目前に魔物が
いるというのに瞳は左右に動き、脚の開きはじりじりと魔物からずれていく。背後から伸びてきた魔物の
腕を、今度は飛びすさってかわした。だが次に繰り出した拳は完全な宙を切った。それも、魔物がよけた
のではなく、完全に的はずれな方向を突いたせいだ。『何やってんだ!』ベレスと互角にわたり合える
はずのあの最強王女様が、あんなツーランクは下っぽい魔物になんで苦戦するんだ、しかも自分から、
わざわざ。
「幻惑の呪文です!姫様にはあの魔物の姿が見えていらっしゃらないのです!」クリフトが叫ぶ。
『[マヌーサ]か?お前が使ったのか?』
「莫迦な!あの魔物ですよ。あの魔法を使う魔物が、あろうことかキャストミントにいるとは!」
そうか。マヌーサの呪文を敵に使われたってわけだ。それであんな大苦戦なのか。さしもの天才武闘家
だろうと、幻影に包まれて攻撃が当たらなきゃ、誰かが助けてでもやらん限り敗北必至だろう。
『………』
その誰かとはどうも俺になりそうだと確信。クリフトはチビ土鬼相手に手が放せないし、ミネアさんに頼む
わけにはいくまい。
では、ここで俺があいつをあっさり助けてやってもいいものか?
803 ◆Gp/A555JhQ :2007/03/02(金) 06:20:22 ID:???
私情として、聞く耳持たず独断専行のあのお姫サンには、誤解をかけられた側の俺もかなり腹が立って
いて、そのアリーナを助けるなんて不愉快な真似はできればやりたくない。しかも、あいつは他人に
かばわれたり守られたりが大嫌いなご性分のようだから、助けてやったところで怨みこそすれ感謝する
とは思えない。それに、教育的措置として、多少あいつには苦労させてやったほうがいい薬に……ならん
だろうな。普段はどうだか知らないが今は、“ごめんなさい反省してます……”と“うるさいわね、ほっと
いて!”が同義というマリベルと似たような精神状態のお嬢様なのだから、ますます意固地になるのは
予想がつく。俺のほうの不愉快は俺が我慢すりゃいいし、アリーナのほうの不愉快は、あいつが我慢する
にしろ文句をつけてくるにしろ、もはやあいつの俺への不信が底を打っている以上、俺にとってはどうと
いうこともない。
逆に考えてみよう。ここで俺があいつを助けなかったら?
「ウィル殿!何をしておられるのですか!?早く、早く、姫様をっ!」
うるせえな。俺には俺の事情があるんだ。
アリーナは、戦っているというより遊ばれている状態だった。立木に殴りつけ、足をかけられて転がり、
起きあがったところを背中から突き飛ばされ……それでも眉をゆがめ歯を食いしばって悔しさをはっきり
表わした、涙すら浮かべていそうな表情で身構え、敵を探している。頭と身体が熱くなった。何やってん
だ俺は。強くて潔癖で頑固で女の子なあいつが苦しんでるあんな姿を見て、何もしてやらないなんて。
しょうがないここは黙って助けてやるぜアリーナ。ただし、これで借り1つチャラだからな。
っつっても、[ブーメラン]を投げるにはちょっとばっか遠い。どうするかと考えるまでもない。魔法だ!
両手をかざす。今朝教わったばかりの炎の印。マーニャさん直伝の魔法、初の実戦!
炎よ宙を飛ぶ一箭となりて我が敵を焦がせ、『メラ!』
火の玉、と言うにはあまりに小さい炎が、「キケッ!?」アリーナに爪を振り上げていた赤黒の一匹の頭に
直撃する。よっし!「キケケッ!」……あら?頭の焦げ跡を押さえたそいつは飛び退きながらこっちを振り
向く。あちゃー、ぴんぴんしてる。ほとんどダメージ無しかよ。それならもう一発……。
と、その赤黒の顔に尖った鼻が生え、次には身体と同じ色の液体が噴き出した。何だ?何かの魔法か?
だが赤黒は前のめりにばったり倒れただけ。その後ろには、手刀を赤黒い液体にまみらせたアリーナ。
何だよ、けっきょくあいつが片をつけたのか。俺の魔法のショックで幻惑魔法が解けたのか?
「キケケケッ!」もう一匹の赤黒ボスが怒りの声を出し、両手の爪を振り回した。さっとアリーナが身構えた
先は、しかしやはり虚空。魔法解除されてねえのか?じゃあさっきのは単に当てずっぽうが命中……。
『!』そうか、はは、あいつ……。理解し思わず頬が笑む。熱だ。俺の[メラ]の炎の熱を感じ取って、そこを
狙ったんだ。さすがは天才女武闘家、やるじゃないか!それなら、もう一匹にもやってやる!
赤黒に二発目の炎の印を向けたとき、視界の下部に異様な物体があることに気付いた。土鬼。クリフトを
囲んでいる奴らの仲間がすぐ目の前、握手も殴り合いもできる距離で両の爪を振り上げていた。やばい!
とっさに炎の印を下のそいつに向ける。メラ!至近距離で放った火の玉がすぐに炎となって燃え上がる。
「キキキッ!」土鬼がわめいてよろけるのを視認しもう一度印を結び直した俺は、『いつっ!?』脚に走った
痛みにあわてて再度下方を見た。炎に顔を焼かれたはずの土鬼が爪で俺の膝にざっくりと赤い筋を三本
刻み、六本にもしようとしている。あわててそいつの腹を蹴り飛ばし防御。なんてこった。まともに食らわ
せたのに俺の[メラ]は手傷にしかならなかったのか。こいつらがタフなのか俺の炎の威力がダメダメな
のか。せっかく覚えたんだ、前者であってほしい。
804 ◆Gp/A555JhQ :2007/03/02(金) 06:23:16 ID:???
『う!?』
急いでブーメランを構えた俺は、数匹の土鬼にすっかり取り囲まれているのにやっと気付いた。どうやら
俺も余裕かましてる場合ではなく、自分の安全を確保せねばならん状況だったらしい。前に二匹、左右に
二匹、後ろに一匹。さっきの前者後者の話は修正。後者であってくれ、でなきゃ困る!
囲まれた場合の基本戦術、とにかく主導権を握って各個撃破。すかさず前の二匹を狙ってブーメランを
投げた。前の一匹の首を刈り飛ばし、戻ってきてその隣のお仲間の腕も、っと危ね!手をいっぱいに
伸ばしてブーメランをキャッチしながら、飛びすさって横からの土鬼の攻撃をかわす。ビアンカんとこの
宿屋で手伝いさせられるからってわけじゃないが、団体客ってのはいつも嫌いだ。用事が一つ片づく間に
別の用事が三つも四つも容赦なく襲ってくるんだからな。
ここまで接近して囲まれるとブーメランは使いにくい。投げても当たるのはせいぜい運が良くて二匹、
しかも投げて戻ってくる間は無防備になっちまうし、戻ってきたのを受け取れなかったら徒手空拳で戦わ
なきゃならない。アリーナならともかく、俺は自慢じゃないが人間魔物問わず集団相手での素手のケンカ
で勝てた試しがない。
おっと、きた。右から一匹が体当たりしてくるのをブーメランで殴りつけ、返す手で、ジャンプして飛び
かかってきた後ろの一匹を吹っ飛ばす。続いて襲って来ようとした魔物にブーメランを突き上げて脅す。
蹴飛ばした奴、地面に叩きつけた奴が、難なく起きあがってくる。ひえー。こいつら、タフというより、痛みっ
てものを知らんらしい。
ん?ぼこり、と近くの赤土が盛り上がるのが見えた。『なに!?』土を払って顔を出したのは土鬼。穴から
這い出てくるなりひょこひょこと歩いて俺への包囲網に加わる。おい、こんなのありか!
こんな奴らに俺は手間取っちゃいられないんだぞ。ピンチなのは俺だけじゃない、アリーナには早いとこ
炎で援護してやらなきゃならない。クリフトも俺以上の数に囲まれて……悪いがあいつは後回し。いざと
なりゃ自力で治療できるんだからな。
現状打開には、一撃でできるだけ多くの敵戦力を削ること。今の場合、なるべく多くの奴にブーメランを
ヒットさせることだ。そのためにはある程度距離をとる必要があるが、前後左右は塞がってる。こいつらの
丈夫さを考えると強行突破は難しい。
となれば……上だ!
目の前で爪を振り上げた土鬼をブーメランで殴りつけておき、そいつの頭へジャンプして蹴り上がる。
こいつを踏み台にして飛び越え……うおっ?足場にしようとした土鬼の頭がぐにゃりと落ち込み、バランス
を崩してまともに地面に胸を打ち、息が詰まる。痛えな!こいつらには骨格という姿勢を正すためのもの
すらないのか。ぎゅうぎゅうに丸めて壁当てゲームのボールに使っても、平気な顔して起きあがって来ん
じゃないか?
ん、顔と首に、なにやら濡れたもんが……。
『!?』
ぎ、ぎ……ぎえええええぇ!!
顔と首を這い回る軟体と襟の内側に流れ込む液体を理解したとたん、俺は絶叫し硬直した。それこそは
土鬼どもが垂らしていた舌であり、唾液!ナメクジと川虫まみれの雑巾で顔を拭われるような感触、さらに
野菜と青虫を腐らせておいて煮込んだような悪臭。鳥肌が全身に沸立ち吐き気が腹を締め付ける。意識
が消えてなくなりかけたが次の瞬間に俺は跳ね起きていてブーメランを振り回し、土鬼どもを追い払って
いた。あまりに気色悪すぎたがために身体のほうが拒否反応を示してくれたらしい。
引き続きブーメランで威嚇しつつ、マントで粘液を拭う。うっげぇ。シエーナの近くでリップスに襲われて
顔にへばりつかれたの思い出しちまった。ちょうどこんな感じだ。あんとき俺、昼飯に食ったビアンカの
弁当をみんな吐いちまった上、晩飯まで戻しちまったんだっけ。
そうしている間に目の前の土が盛り上がり、同じやつがのそのそと這い出してくる。またかよ!これで前に
二匹、後ろに三匹の、一対五に逆戻り。こいつらは土さえあれば湧いてくるらしい。城下町の道という道に
やたらと石畳を敷きたがる大臣の気持ちがようやくわかった。
前後に目を配りながらブーメランを構える。投げる前に何とかこいつらの注意をそらさねえと。誰かに
援護を……と見回す。アリーナとクリフトともに援護を頼めるどころか、援護が必要な状況。こっちが
片づくまで生きていろと言うほかない。じゃ、ミネアさんだ。今、唯一自由に動けるのは、最後尾にいて
戦闘参加が遅れてるミネアさんだけ。
805 ◆Gp/A555JhQ :2007/03/02(金) 06:25:10 ID:???
そのミネアさんは……いた!やっとこの窪地に駆け下りてくるところ。「待っててくださいウィルさん!」
肩で息をし膝に手をつきながらも、その手は[ラリホー]の印の形になっている。ハイ待ってます。すみま
せんね、また魔力を使わせてしま……あ!?
『み、ミネアさん、後ろっ!』
え、と振り返りかけたミネアさんに、背後から忍び寄っていた土鬼が飛びかかった。「きゃああっ!」背中
にしがみつかれ、ミネアさんが必死でもがく。「いやあっ、放して、放してぇっ!」
あのチビ!ミネアさんに何てことを!!
奥歯を噛む。こうなりゃ俺が肉弾戦になろうとどうでもいい。ミネアさんだ。地面に引きずり倒される前に
助けてあげなきゃ。
攻撃目標、ミネアさんの背中の土鬼。ミネアさんに当てないように、横から。そのための軌道は、ミネア
さんの真横、あるいは後ろで旋回させて……ちっ、どっちも無理だ。軌道が低すぎて、まず目の前の三匹
のどれかに当たっちまう。邪魔だお前ら、道を開けろ!!
横反復に跳んで揺さぶってみるも、後ろの二匹が気になって思い切ったフェイントがかけられず、引き
離せない。ええい、鬱陶しいなちくしょう!ベレスを倒しに行く俺たちが、なんでこんなホビットのできそこ
ないみたいな雑魚に手こずらなきゃなんねーんだよ!
「やめてぇ!放して、放してぇっ!」通じないとわかってるはずの悲鳴をひっきりなしに上げるミネアさんの
目前に、いつの間にか土鬼が一匹湧いているのが見えた。やば。ブーメランの握り手が湿ってくる。早く
前の三匹をどかさねえと……くそっ、どうせなら、この目の前のも一緒に片づけてやろうか?
『!!』しめた、見えた!眼前にいる土鬼のうち二匹の頭を潰し、その勢いのままでミネアさんの前のあの
一匹にぶつけ、直後に旋回させて背中にしがみついてる不届き物の横っ腹へ直撃させる。いける!この
軌道だ!
すぐさま[ブーメラン]を振り上げ……かけた手を止める。駄目だ。当てりゃいいもんじゃないんだぞ。
こいつらの丈夫さを考えると、前の三匹にぶつかって勢いの弱まったブーメランじゃ、最後の一匹、最優先
目標に動きを止めるほどのダメージは与えられない。すでにミネアさんの背後をとって急所にも爪が届く
魔物を、ヘタに刺激して凶暴化させてしまったら……。
ミネアさんはまだ倒れることなく持ちこたえている。無茶苦茶に暴れてるせいか、前にいる土鬼は攻撃を
躊躇し様子を見ているようだが、時間の問題だろう。どうする?どうしたらいい?[メラ]?同じことだ。ああ、
[破邪の剣]の炎なら、ブーメランみたいな弱点なんかないってのに!
……待てよ。そのブーメランの弱点を補える技、教わってたはず。そう、[クロスカッター]!
ブーメランの末勢の減衰を逆に利用し、すべての的に命中した瞬間に刃面を起こしてもう一つ楕円軌道
を作る……早い話、最後の的に二度当てる、中級技。あれならミネアさんの背の奴にも致命傷を与え
られる!
ところが実のところ、クロスカッターは何度も練習してきた俺だが、成功率がぜんぜん良くない。ランドの
親父さんかランドなら百発百中なんだが、俺だと百発十中がいいとこだ。しかも失敗すれば、今の俺の
唯一の得物であるブーメランは、戻ってこない。俺は確実に肉弾戦突入、後はミネアさん含め各自で
何とかしてくれになる。
他にないのか、もっと確実性がある技とか、手段とかは……。
「いやーっ!やめて、やめてやめて……ぇ………」
ミネアさんの悲鳴が一つ大きくなり、消えるように途切れた。うわ、土鬼の数がまた増えてやがる!『ミネア
 さ……』呼びかけようとして俺は息を止めた。全身が強ばり熱い汗が噴き出した。
ミネアさんは瞳を見開いた驚愕の表情も暴れる手足も固まったように止めていた。その胸部に土鬼が
一匹しがみついている。両手両脚でミネアさんの胴をがっちりと抱え込んだ姿勢で、しきりに頭を動かして
いる。あの土鬼の攻撃は、爪での引っ掻きのほかに、噛みつきと、舌の舐め回し。つまり……。
な、な、なんてことしてやがんだ、あのエロ鬼ども!!
ミネアさんが首に巻いているケープが外れ、魔物の頭にかぶさった。露わになったミネアさんの喉には、
背後から伸びた赤い舌が絡みついていた。その舌がくるりと上に巻き、ミネアさんの顔に、頬に耳に、這う
ように伸びていく。
「い、いっ、いやああぁあぁーーー!!」
思い出したような悲鳴。悪寒。吐き気。既視感。ふっ――と意識が遠のいた。
舌。涙。陵辱。拘束。絶望。なんだっけ。夢?バルザック?
違う。
鎖。暗闇。ゲマ。牛の魔物。―――ターニア!!
806 ◆Gp/A555JhQ :2007/03/02(金) 06:27:28 ID:???
思い出したくない光景を思い出した瞬間、俺は、投げていた。
怒る投げ棍棒が目の前の魔物のにやけ顔を粉砕しミネアさんの手前にいた土鬼の頭半分をえぐり取る。
回転しながら予定通り横へ空路を変え……『ぐぁ!?』腰に何かがぶつかってきた。次いで膝に重みと
激痛。我に返る。背後にいた土鬼が脚に噛みついていた。この野郎!そいつの顔を掴んで引っぺがそう
とした俺の手にもう一匹が飛びかかり、痛えっ!爪と歯ぁ立てやがった。右の拳をそいつの頭に叩きつけ
ておいて地面へ振り落とし、膝に全身で(しかも舌まで使いやがって!)しがみついている魔物の首を
掴んで顔面に拳をめり込ませる。っつー!遠慮無く噛みつかれた脚と腕から、ヒビの入ったコップに
垂れるジュースのように血が湧き出してつたい落ちる。こんな傷治せば治る。それよりミネアさんは?
懲りずに爪を振りかざしてきた土鬼二匹を蹴り飛ばしておいてミネアさんに視線を戻した俺は、『?!』
ぎょっとした。
まなじりを決し髪を逆立たさんばかりの形相のミネアさんが、鎖をぶん回していた。頭上で側面で鎖を
びゅんびゅん回転させ、近寄ってきた魔物には分銅を顔のど真ん中へほとんど突き刺すように叩き込み、
逃げようとした魔物には横に振った鎖を首に絡めて引き寄せてから鎌の刃でためらいなくかっさばく。
胴と背にいたエロ鬼どもは真っ先に始末されたらしく既にいない。すげえ、ミネアさん、鎖鎌を見事に使い
こなしてる。今の俺よりもはるかに攻撃力あるんじゃないか?
そうだ、見とれてばかりはいられない。俺と同じくミネアさんを呆然と眺めてる土鬼を単語の意味通り一蹴。
アリーナは?未だシャドウファイト中。よくもってたと言うべきだろう。どうやったか敵に多少の傷は負わ
せたようだが、あいつの消耗のほうが激しい。動きと表情に疲れがはっきり表れている。ようし待ってろ!
『アリーナ!』俺は血のしたたる手で印を結び、叫ぶ。『悪い、遅くなった。もう一発やる、ちゃんと感じろ!』
アリーナの動きが止める。詠唱。炎。メラ!
「ケケーッ!?」アリーナに後ろから接近しようとした赤黒の背中に、ぱあっと火が上がる。アリーナが
そこへピンポイントで手刀を突き刺すのを、今度はばっちり見ることができた。うーむ、感嘆を禁じえない。
改めて思うまでもないが、やはりあいつこそ化けモンだ。今の泥まみれの姿形も含めてだけどな。
次にクリフトを助け出しに行こうとしたが、既にミネアさんが救援に成功していた。美女はキレると恐ろしいの
法則を体現しているミネアさんは、もはや普段の落ち着きも慈悲のカケラもなく、呆然としているクリフト
をも無視して、土鬼と見れば鎖か刃を叩き込んでいる。まるでミネアさんのほうが鬼だ。あんな女性を
助けよう守ろうと思ってたのか俺は。
鬼女と化したミネアさんに圧倒され、ボスも倒され、土鬼の群れはすっかり怖じ気づいたらしい。ミネア
さんどころか俺やクリフトにも立ち向かおうとはせず、うろたえた奇声を上げてめちゃくちゃに走り回る奴、
地面に潜ろうととする奴、死んだふりをして転がってる奴までいる。まとめて処理すべくブーメランを拾い
に行った俺だが、戻ってくる間に、生きている土鬼はすっかりいなくなっていた。
『大丈夫ですか?ミネアさん』
散らかった土鬼の死体の中心で、鎖を右手に垂らしたままのミネアさんが、鬼女の面のままギロリと俺を
振り向く。は、早まらないでください、俺は、あなたのお友達にして許婚の、ウィルですよ?
「……ウィルさん?」
数回のまばたきの後、ミネアさんは目を丸くし、手にしている鎖鎌を見て「ひっ!?」地面に放り出した。
「わ、私……?あ、あああああああ!?」
間違えて男湯に入ってしまったかのように仰天して頬を染めるミネアさん。ほっ。いつものミネアさんだ。
『やるじゃないですか、ミネアさん』俺は笑った。『ミネアさんがいなかったら、危ないとこでしたよ』
「あ、あの、こ、これは……」手話にしてはデタラメな手振りをしながら、泣きそうな瞳でミネアさんが俺を
見上げる。「わ、私、昔から足手まといで、姉さんやオーリンに迷惑かけてて、その頃は[バギ]はまだ使え
 なくて、それでこっそりヤザッカさんからこれを買って練習して、み、みんなには私には無理で危ないっ
 て言われたんですがっ、でもやっぱりほら、女でも、何か武器を一つは使えないとダメじゃないですか?
 それで頑張って練習して、すごい腕前になって、で、でも、女らしくないって、まるで死神みたいだって
 言われてしまって……その、だからですね……」
807 ◆Gp/A555JhQ :2007/03/02(金) 06:29:21 ID:???
半分も理解できない話でしたが、なにやら鎖鎌にトラウマがあったらしいのはわかりました。ところで
“死神”ってのはケナし文句で言ったのではないと俺は思います、あまりに似合ってますから。
『何言ってんですかミネアさん。カッコ良かったですよ。惚れ直しました』
「え……っ?」
笑いかけた俺を、ミネアさんは赤い顔のままぽかんと見上げる。変な誤解させたかな。まあいいや。
『それより……と』俺はマントを外し、ミネアさんの肩にかぶせた。ミネアさんが怪訝そうに唇を開け、マント
と俺とを見た。『ミネアさん。それ、着替えがあるんなら、着替えたほうがいいんじゃないかと……』
「は、はい?何を、ですか?」
『ですから、それ……』俺はミネアさんの胸元を指す。魔物に吸いつかれたそこは、麻のローブがべったり
と濡れて変色し、しかも覗こうと思えば覗けるまでに隙間が広がっていた。つーか見えてるし!桃色の
端っこ!
「え?あ、あ……」ミネアさんは青ざめて肩を震わせ、「きゃああああぁ!」すぐに血色をさっきの何層倍にし
今日幾度目かの悲鳴を上げて俺のマントで胸元を隠すと、「き、着替えてきますからっ!」走り出し、途中
転びそうになりながら木陰に飛び込む。もし魔物がいたらちゃんと叫んでくださいね。ご自分で処理しても
構いませんけど。
……それにしても。先ほど見えたものを反芻する。たわわで触りごこちよさそうな褐色につやつやした
球体と、ほのかに桃色に光るような……うう。あれに土鬼は飛びつきあげくにしゃぶりついて……くうぅ、
そいつは俺の手で私刑にしたかった!俺でさえ見たことはあっても触ったことはまだないってのに!
深呼吸を一つ。安心したせいかテンション高すぎる。落ち着かねば。
ミネアさんのいる木陰をそっと見守りつつ、辺りの土鬼の骸を眺めてみる。思いがけず厳しい戦いだった
ものの、そのおかげでミネアさんの驚くべき攻撃力、呪文がなくても十分強いってことが発見できた。
ま、あのパワーを出してくれるには、羞恥を忘れるようなよほどのショックがなきゃ、無理っぽいけど。
ついでに今更ながら驚くべきは、俺に攻撃呪文を3連発できる魔力があったってこと。そのまたついでは、
その攻撃呪文は、せっかく炎術士マーニャさんに教わったのに、灯火程度にしかならないってことだ。
雑魚一匹も片づけられないんじゃ、注意をそらすくらいしか使い道ないだろうな。
戦場だった窪地の端に、ブナの幹に寄りかかって荒い息を吐いているアリーナがいた。生傷は癒えて
いるものの、すっかり泥まみれになった髪やローブのところどころが濡れて黒く染みているのを見ると、
あの唾液攻撃も少なからず浴びたらしい。王女様の御身体が魔物の舌に舐め回されたなんて話、王宮
の方々が聞けば卒倒するだろうな。
「………」俺が近寄っていくと、アリーナが上目でじろりと見てきた。感謝の目ではない、泳ぎに慣れて
いたのに足がつってしまって溺れた奴が助けられたときのような、悔しさと苛立ちを誰かにぶつけようと
する目。たぶん助けてやってもやらなくても、アリーナはこの目を俺に向けただろう。はっ、予想通り。
それに俺にとっても感謝される筋合いはない。借りの一つを返しただけだからな。
『悪かったな。手出しして』俺は、そっけなく言ってやった。『マーニャさんに教わった魔法、使ってみた
 かっただけだ』
「………」アリーナは顔を背ける。何か言うように口を動かしたが聞こえなかった。きっと“余計なお世話
だ”の類だろう。そのまま突っ立ってて余分に文句を言われる前に俺はきびすを返し、赤黒の死体に
しゃがみこんで調べているクリフトを覗き込んだ。
『何なんだ、こいつらは。普通の魔物じゃないようだが』
「ええ……」クリフトが顔を上げ、俺の腕と脚の傷を見て、あ、と声を上げ、「申し訳ありません。ミネアさん
 が治療なさったものとばかり……お待ちください」と手をかざし、[ホイミ]を唱えてくれた。
『ありがとよ』
「いいえ、このくらいのこと。先ほどは姫様をお救いいただき、サントハイムに仕える者を代表して感謝を
 申し上げます」
お前にそんな権限があるのか。臣下代表や国民全員に感謝されるより、本人にアリガトウしてもらった
ほうがはるかに嬉しい。今回とあと一回は、感謝する必要はないがな。
808 ◆Gp/A555JhQ :2007/03/02(金) 06:32:03 ID:???
「それで、この魔物ですが」クリフトがあらためて赤黒を指す。「まず、あちらの小さいのは[土わらし]と
 言って、サントハイム大陸の各所に棲息する魔物、屍食鬼の種族です。そしてこちらですが……おそ
 らく[ベロベロ]。あの土わらしが魔界の力を受けて変性した魔物です。私も、見るのは初めてですが」
『それじゃ、魔族なのか?』
「いいえ。元々棲んでいた魔物が進化したというだけで、魔界との結びつきはないはずです、が……」
『ですが、何だ?』
「このキャストミント山に棲息しているなどという話を、私はついぞ聞いたことがありません。キャストミント
 山脈はそのほとんどが未踏査の原生林ですから、そうした魔物が棲んでいてもおかしくはないとは思い
 ます、しかし……」クリフトが真面目な表情をいっそう真面目にする。「その魔物が、私たちを襲って来た
 というのは、どうも……」
『なるほどな』俺が続きを引き取る。『今の今まで見つからず、森の奥でおとなしくしてた魔物に、俺たちが
 襲われたというのは、偶然にしちゃできすぎだな』
「その通りです」
『こいつらはベレスと繋がりがある、って考えといたほうがいいか』
「そうですね。私としては認めたくはありませんが」
ということは、やはり、この魔物どもは俺たちを待ち伏せていたのか。もしかしたら青ネズミも虫たちもそう
かもしれない。まずい。俺たちの動きはもう敵さんにバレてるのか。でも、だとすればどうしてベレスたちが
襲って来ない。もしかして罠か?向こうから飛び込んでくる相手には、作戦も罠も仕掛けやすいからな。
まず考えられるのは、こういう下級の魔物をけしかけ、俺たちが消耗しきったところを主力が襲うって手だ。
ただでさえ山登りで体力を削られるところに雑魚だろうと断続的に魔物に襲われれば、アリーナ以外は
ほぼ普通の人間の俺たちにはたまったもんじゃない。しかも思わぬ苦戦で今はアリーナさえもバテてる
状態。ここで襲って来られたら、相当にまずいぞ。
モノサシまで取り出して魔物の死体を調べだ始めたクリフトをそのままに、俺は何気なく辺りを見回す。
もしこの推測が正しければ、いつ俺たちがへばるかを常に監視する役、一つ目かフォーク悪魔がその
へんから観察してるはずだ。あの魔族どもは斥候の基本を守って複数で行動してるようだから、一匹が
報告に戻ったとしても一匹くらいは残ってるはずだが……いないな。もしいたら俺の推測適中でまさに
窮地という証明になるのだから、いなくて善しだが。
「ウィルさん」
ぎょっとなって飛びすさる。ミネアさんがたぶん俺と同じくらい驚いた顔をして立っていた。『あ、すみま
 せん。魔物でも飛んでないか見てたもので』気配に気付かなかっただけです。決してさっきの暴れぶり
を思い出したんじゃありません。
「これ、ありがとうございました……」ミネアさんが、律儀にたたまれた俺のマントを差し出してくる。「どこか
 お洗濯できる場所に着いたら、また、貸してください。洗いますから」
『どうも……でも、それには及びませんよ』土まみれのマントを羽織り直す。『自分で洗います。ミネアさんが
 汚したわけじゃありませんから』考えてみりゃ、わざわざこれ貸す必要はなかった気もする。俺しか見て
なかったんだから。ま、男のマナーというやつさ。
「ウィルさん。お怪我は?」
『クリフトにやってもらいました』
「そ、そうですか」ミネアさんの両眉がほんのわずかながらにらむような谷型になる。俺、何かまずいこと
言いました?
『ミネアさんこそ、怪我は?と言っても、俺は[薬草]塗るくらいしかできませんけどね』
「いいえ。ありません」表情を強ばらせたミネアさんが、少しうつむく。まずいこと言ったと今度は自覚。
怪我したとすれば替えたローブの中、胸の奥だろうからな。そこに薬草を塗りこむなんて……。
まあた変な想像に落ちてしまった。深呼吸深呼吸っと。
809 ◆Gp/A555JhQ :2007/03/02(金) 06:33:51 ID:???
これが罠にしろ、そうでないにしろ、長いことこの場にとどまるのは危険だな。死肉を食う奴ら、ここが
レイドックなら[どくろあらい]が、そろそろひょこひょこやって来る頃。それに土鬼どもに共食いや復讐の
習慣があれば、またいつ湧いて出てくるかもわからない。
『ミネアさん。出発できます?』
「ええ。平気ですよ」
『じゃ、すみませんが、アリーナの様子見て来てくれませんか。俺が行くとアレなんで……。歩けそうなら、
 出発してもいいか聞いてみてください。無理そうなら、しばらく俺が休みたがってると伝えてください』
「はい、わかりました」うなずいて歩いていきかけたミネアさんが、振り向き「ウィルさんこそ疲れてませんか。
 もしそうなら、無理せず言ってください」気遣ってくれた。
『俺も、平気ですよ』ミネアさんが平気なら。今の戦闘で体力的にいちばん楽してたのは、俺だろうからな。
「それならいいですけど……本当に無理はしないでくださいね。この先は風が強くなりますし、石がごろ
 ごろして険しい道になりますから」ますます疲れるようなことをおっしゃると、頼んだ用事をしに行って
くれる。
今のミネアさんには、俺と顔を合わせたくないような素振りはない。俺の知らない間に解決されたのか、
騒ぎですっかり忘れてるだけなのか。だからつまんないことを気にしてどうすんだっての!
俺は指先でブーメランを回しながらミネアさんが戻ってくるのを待つ。すぐに話はつくと思っていたが、
なにやら二人で言い合っている。たまに二人して俺を見るから俺関連の話。断片的に聞こえてくるミネア
さんの台詞からして、俺と仲良くしろと説得してくれてるらしい。お気持ちは嬉しいですけど……。
あ、そういえば。ブーメランを握る。あのクロスカッターはどこまで成功したんかな。戻って来なかったって
ことは技自体は失敗だが、最後尾への二回攻撃まではやれたのか。けっこう重要だぞ。俺がミネアさんを
助けたか、ミネアさんがキレて自力で何とかしちゃったかなんだから。
ミネアさんに聞いてみたいが、あの状態じゃ見てる余裕はなかっただろうし、思い出させちゃうのは可哀想だ。
うまくいった、ということにしておこう、うん。
《ウィルが[クロスカッター](ブーメランレベル1)習得に失敗》
《ミネアの評価が上がった》
《アリーナの評価が上がった》
《クリフトの評価が上がった》
810場 ◆Gp/A555JhQ :2007/03/02(金) 06:34:46 ID:???
続きは次スレで。。。
811名無しさん@ピンキー:2007/03/02(金) 06:56:43 ID:???
了解。。。
812名無しさん@ピンキー
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