サマル「ん?あれ?」
ムーン「気が付いた?」
サマル「僕寝てた?」
ムーン「死んでたの」
サマル「またか、僕は死にやすいなあ」
ムーン「本当勘弁して欲しいわ」
サマル「ところでなんで王女そっぽ向いてるの?」
ムーン「ちょっとね、今はあんたの顔を正視できそうにないから」
サマル「ひょっとして今の僕の顔、ギガンテスに凹られてグロい?」
ムーン「あんた自分がどうやって死んだか覚えてないの?あんたの死因はギガンテスじゃなくてブリザード」
サマル「そうだったそうだった。不意打ち突かれて王子と一緒にいきなり死んじゃったんだった」
ムーン「あの急に画面が赤くなる恐怖を久々に味わったわよ」
サマル「じゃあ早速もょもと王子にザオリクしないとね」
ムーン「生き返らせたらルーラで撤退よ」
サマル「OKOK。ところで何で僕の顔見れないの?」
ムーン「じゃあクイズにしましょう。何で私はサマル君の顔を見れないのでしょうか」
サマル「よ〜し、がんばるぞ〜」
ムーン「第1問、私はどうやってサマル君を生き返らせたのでしょうか」
サマル「それは簡単。王女はザオリク使えないんだから答えは世界樹の葉」
ムーン「正解。第2問。ではどうやって世界樹の葉をサマル君に与えたのでしょうか」
サマル「世界樹の葉は煎じてからじゃないと飲ませられない。でも雪原のど真ん中に煎じる道具は無い」
サマル「という事は他に考えられる方法は噛み砕いて飲み込ませやすくしてから口移し…あっ!」
ムーン「………」
サマル「そうだったんだ」
ムーン「まともに顔見れない理由、分かったでしょ?」
サマル「ザラキで死ぬと凄い苦悶の表情で死ぬから、あれを間近で見ちゃった後は確かに正視できないよね」
サマル「ってあれ?王女雪に頭突っ込んで何してるの?」
ムーン「…半分答えが出てるのにナイスボケをかます浅田美代子イズムを身近に感じて」
サマル「だって口移しするって事は僕の顔を間近で見たって事でしょ?ザラキ喰らった顔って凄いもんね」
ムーン「足元のこいつの顔が異常なだけでしょ。あんたは普通の死に顔だったわよ」
サマル「王女の死に顔は寝顔そっくりだしね。正直色っぽくてドキッとするもん」
ムーン「あんたいつ私の寝顔を覗いたのよ。夜這いでもかけた?」
サマル「話の流れから普通ラリホーとか甘い息って考えの方が先に浮かぶような」
ムーン「悪かったわね」
サマル「でも甘い息対策もロンダルキアでは真剣に考えないとね。眠ったら命取りだし」
ムーン「古代呪文のザメハの研究でもしようかしら」
サマル「王女が眠った場合は対策があるんだけどね」
ムーン「へぇ〜初耳。どんなの?」
サマル「昔から決まってるじゃん。眠れるお姫様には」
ムーン「キスなんてしたら殺すわよ」
サマル「め、目が怖い。冗談だったのに」
ムーン「たとえ冗談でも恋人でもない男とキスしたくないわ」
サマル「さっき僕に口移ししたばっかじゃん」
ムーン「蘇生行為はキスにカウントしないの。だから私のファーストキスはまだ」
サマル「物は言いようだね」
ムーン「じゃあさっきのをキスにカウントしてもいいわ。その代わり私のファーストキス奪った責任とってよ?」
サマル「責任?(どちらかと言うとファーストキスを奪われたのは僕の方な気が)」
ムーン「そうね、ミンクのコートで手を打ってあげるわ」
サマル「やっぱり蘇生行為をキスと同列に扱うのは良くないよね」
ムーン「分かれば宜しい」
サマル「ファーストキスはお互い好きな人とするべきだよね」
ムーン「そう。だから今のは無かった事にするけどいいわね?」
サマル「無かった事?」
ムーン「ザラキで死んだのはもょもと1人だけ。貴方は死ななかった」
サマル「記憶の改竄までするの?」
ムーン「覆面パンツ男をナイスミドルに脳内変換したご先祖様を見習うのよ」
サマル「何かそこまですると僕とのキスが嫌みたいで傷つくなあ」
ムーン「じゃあキスした責任とってミンクの」
サマル「今日は僕まだ死んでないぞ。絶好調だなあ」
ムーン「(ゴメンね、貴方とキスした事が嫌な訳じゃないのよ。それは本当よ)」