>>726 いや、あの文才無しの馬鹿に即興は無理だ
お嬢様と執事のぬる〜いエッチ話。
理名はソファーでふんぞると、口をとがらせて傍らの芝村を睨んだ。
「…おや、ご機嫌が悪いのですか」
あくまで紳士らしく、芝村は理名の可愛いらしい焼きもちも優雅にかわしてしまう。
(面白くない!)理名はますます頬を膨れさせる。
(何よ!あのメイドとは仲良くおしゃべりなんかしちゃってさ!私の前ではいつもすまして、あんな楽しそうな顔しないくせに…)
「お嬢様…」
「っ!」
すぐ側で屈みこまれ、顔を近付ける芝村に胸がドキリとはね上がった。
囁く芝村の低い声は甘く熱く理名の耳を溶かす。
「…もしかして、焼いてくださったのですか?」
意地悪く微笑む芝村に、恥ずかしさと怒りで真っ赤になった理名がとっさに手を上げるが、素早く芝村に手を掴まれてしまう。
「いけませんねぇ…レディがこんな乱暴な真似を…」
「いやっ…はなし…なさいよっ!キャッ…」
腕を頭の上に吊りあげられ、ソファー押し倒されてしまう。覆い被さってくる芝村に理名はパニックになって暴れる。
「いやぁっ!無礼者っ、な、何をするのよ…ムグッ」
目の前に芝村の顔のドアップがあって、唇はしっかり重なっている。
>>728の続きです。途中で寝落ちしながら送信してました。すんません。
(…え、なに…これ、キス…してる?)
唖然として動けない理名の唇に芝村の人差し指が優しく入れられる。
「っ?…ふっ…んぐ!」
指で歯をこじ開けられると、今度は舌までが理名の口内に押し入れられる。
初めて味わう男の舌は熱く、そんなはずなどないのに濃いシロップを垂らされたように甘い。
両手を拘束された上にのしかかられて抵抗もできず、自らの執事にいいように舌を絡められる。
(…やだ!こんなの嫌…嫌なのに…っ)
クチュクチュと上顎をくすぐられ、理名は尿意をもよおしたような感覚に下半身をうずかせた。
芝村の下で無意識に腰をねじり、割れ目を自ら擦る。
「おや、お嬢様。おしっこでもしたいのですか?そんなにモジモジなさってはしたないですよ」
ようやく口を離した芝村の馬鹿にした笑い声に、理名は怒りと羞恥で真っ赤に染まった。
「うるさいっ!うるさいうるさいっ!馬鹿っ、変態っ!あんた自分が何やってるかわかってるの?」
理名はソファーから身を起こしながら喚き散らす。罵る内に涙がこみあげる。
芝村は理名の言葉に、一瞬情けなく顔を歪めた。
「わかっていますよ…」
「わかってないわよ!あんたこんなことして…っ」
「タガが、外れたんですよ」
悲しそうに芝村は笑った。その穏やかで寂しい笑みに、理名は罵倒の言葉を飲む。
そっと割れ物に触れるように、芝村の手が理名の頬をなぞった。
その手を背中にまわし、優しく理名を抱きしめながら独り言のように呟く。
「壊れてしまったんです…。理性の壁が…。もう、何年も何年も…耐えてきたのに…」
何に対して悔しいか自分でも分からない。理名はボロボロと泣きながら芝村の広い背をだだっこのように叩いた。
「知らない…わよ…そんなの馬鹿っ!ば…か…!」
こんなに最低で、こんなにムカついて、自分のことを愛してくれてるのに、自分も大好きなのに。
「だいっ嫌い…」
破瓜の激痛に歯を食いしばりながら、理名は泣いた。
完