('A` )・・・* タオチンチン
( 殺) ミミミ
< ノωヽゝ ミミミミミ
/ ̄ヽ二二二二ーー、
ヽ_ノ三三二二ニニ′三二ニゴ――
パシャッ パシャッ
パシャッ
∧_∧ パシャッ
パシャッ ( )】Σ
. / /┘ パシャッ
ノ ̄ゝ
\ /
\ 丶 i. | / ./ /
\ ヽ i. .| / / /
\ ヽ i | / / /
\
-‐
ー
__ ヽ('A`)ノ Flash a-ah --
二 ( ) = 二
 ̄ ノω|  ̄
-‐ ‐-
/
/ ヽ \
/ 丶 \
/ / / | i, 丶 \
/ / / | i, 丶 \
ヽ('A`)ノ ホットケナイヨ〜
( )
ノω|
('A`)トンデモナイオサセガヤッテキタ!
ヽ('A`)ノ ジダイハ スーケーベー
( )
ノω|
ω
ヽ('-`)ノ ロップロップロップーー
只
('A` ) セツコ ソレドロップチャウ ワイノωヤ
( )
| |
ω
ヽ( :.´.:ж:.`)ノ そしたら、ωほおばりながら歩こう
( )ヘ
>
('-`)オナカヘルヤン
∩
(*゚∀゚)彡
⊂彡
ヽ('A`)ノ あーりゃりゃこりゃりゃ
( )
ノω|
570 :
名無しさん@ピンキー:2007/06/30(土) 17:41:57 ID:oWZg0S+F0
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::人:::::::::::ヽ
/:::::::::|:::::::::::::::::::::::::::::::::/ ヽ、::::::ヽ
|:::::::::::@ヽ-------‐‐'′、 , ヽ:::::::|
|::::::::::/■■■■u ■■■■ .|:::::::::|
|:::::::::/ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ===/ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ|::::::::|
|::::::=ロ -=・=- |, | -=・=- ロ=:::| 童貞じゃないお〜
|::::::::/ヽ /ノ ヽ /ヽ::|
|::::/ `── ''''' '''''─── 丶:| 空気嫁とやったお…
|::ノ (●), (●)、 U |:|
|:| ,,ノ(、_, )ヽ、,, .|:| +
| u ´トェェェイ` |. +
|. |,r-r-| |
\ ー `ニニ´‐ / +
\ _- ̄ ̄-_ /
\ /
/|\______/|\
/ \ / \
/ \ / \
名前 丼だけ〜
ニックネーム 豊丸フゥー
年齢 4○才
職業 3D検査員
好きなAV女優 豊丸
特徴 キモオタ変態童貞でお茶飲んでフゥーと言う
空気嫁に豊丸と名前を付けている
571 :
名無しさん@ピンキー:2007/06/30(土) 18:47:55 ID:hGhijEYc0
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::人:::::::::::ヽ
/:::::::::|:::::::::::::::::::::::::::::::::/ ヽ、::::::ヽ
|:::::::::::@ヽ-------‐‐'′、 , ヽ:::::::|
|::::::::::/■■■■u ■■■■ .|:::::::::|
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|::::::=ロ -=・=- |, | -=・=- ロ=:::| 童貞じゃないお〜
|::::::::/ヽ /ノ ヽ /ヽ::|
|::::/ `── ''''' '''''─── 丶:| 空気嫁とやったお…
|::ノ (●), (●)、 U |:|
|:| ,,ノ(、_, )ヽ、,, .|:| +
| u ´トェェェイ` |. +
|. |,r-r-| |
\ ー `ニニ´‐ / +
\ _- ̄ ̄-_ /
\ /
/|\______/|\
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名前 丼だけ〜
ニックネーム 豊丸フゥー
年齢 4○才
職業 3D検査員
好きなAV女優 豊丸
/ 〃 ヽ
l l _.ィ,≠-、 ',
. ハヽ 、! 〃 l
| ヽヽヽ /イ! l
|ヽ、_..ヽニ、、._||_ /,ニ. |
l、ヽィ_foトヽ〃`l/ィエ:エヽ、- |イ!
lヽlヽ、 _ ィ〃 lヽ`ー l〈
|. ト 、 ̄ 〃,.、 l-、 l !〉|
l.〈\ \ |! lュ、 ,=ヘ / /!/
ヽ\ヽー-ヽ ヽ l l_ノ
ヽ」\` ーニ二ニ二ニ ‐ l |
. ト、 `` ー‐―一 ´ l | かくいう私も童貞でね
ヽ\\,. -―‐- 、∠ /!
|\\ // .|、
rl\`ヽ _ _,ノ _l/:::l
|:::::::::\_  ̄ /::::::::::::::l
_ノ::::::::::::::::;:>:<::::::::::::::::::::::l、__
/:::|:::::::::::::::/::::::::::::::ヽ::::::::::::::::/::::::::::::`丶、
('A`) アイガズットヒトリボッチヨットー
( )
|ω|
('A`)ノ ヘイ!カール
( )
|ω|
?
__[警] 久々に逮捕だ
( ) ('A`)
( )Vノ )
| | | |
-=≡ω
ヽ('A`)ノ
( )
ノω|
__[警]
( ) ('A`)
( )Vノ )←
>>579 | | | |
__[警]
( ) ('A`) トモダチンコ
( )Vノ )
| | |ω|
582 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/25(火) 20:17:49 ID:PX424A9L0
ヽ('A`)ノ オナヌーマンドクセ
( )
ノω|
( ゚Д゚)σピンポーン・・・・・・・・ ダッシュ!ε≡≡ヘ( ´Д`)ノ
_____ ____ ___
|___ | |___ | |__| __ | ̄|_ ロロ .____
| | __ / / | | | \ |___|
___| | |_ / __/ / | |\/
|______| \  ̄| |__/ |_|
ヽ(´・ω・)ノ
| /
UU
_____ ____ ___
|___ | .____ |___ | |__| __ | ̄|_ ロロ
| | |___| __ / / | | | \
___| | |_ / __/ / | |\/
|______| \  ̄| |__/ |_|
ヽ( 'A`)ノ
| /
ノω|
▂▃▃▃ ▃▃▃ _▂
▐:. ░▌ ▌. .▐ ▐:: ▌
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r" ̄ ̄ ゙̄`ー.、
/,、 放つ ,.i
i ,!ヽ\___/ i
「゙ー― ◇"―‐"^l l
ヽ <▼),ニ(▼> ノ r、
rト、_/」\__/Vノ
/\ ヽ __ /,'
\/\ \ ー /^
\ \ 」,ー―''"-jー、
. \ \__」  ̄二三/ ト―――r.、
___>''" iトヌヌヌヌヌヌ/ i i /ヌヌヌヌ、
rイ≧‐-、___ヽ_:ヌヌヌ_/__. l l_/ドヌヌヌヌヌヌ)
fヌ/  ̄ ̄ ̄} },...>―/ヌヌヌヌヌヌノ
/ヌヌ、\ _/゙" ./riヌヌヌヌヌヌタ
トAAAA\____/___//ヌヌヌヌヌヌダ
゙、AAAAA! _/  ̄ \\ヌヌヌヌヌダ
 ̄ └┬‐''" ヽ______\>ヌヌヌダ
l l ゙ l ̄ ̄ l
l / ! ゙! l! l\
! .ノ !. l! ,! \
!、 __,.、,..-..、r‐! l!―‐'" \ \
「 ̄ l/ :Y.ヽ / ゙i \ \
l .l!、 :j―i!、 ./――┤ \ \
____
/__.))ノヽ
.|ミ.l _ ._ i.)
(^'ミ/.´・ .〈・ リ
.しi r、_) | >>わしが育てた
| `ニニ' /
ヽ( 'A`)ノ
| /
ノω|
( 'A`) わしが育てた
/ 丶' ヽ:::::
/ ヽ / /::::
/ /へ ヘ/ /:::::
/ \ ヾミ /|:::
(__/| \___ノ/::::::
/ /::::::::
/ y ):::
/ / /:::
/ /::::
/ /:::::
( く::::::::
|\ ヽ:::::
| .|\ \ :::::
\ .| .i::: \ ⌒i::
\ | /:::: ヽ 〈::
\ | i:::::: (__ノ:
__ノ ):::::
(_,,/\
ヽ('A`)ノ
( )
ノω|
, -─── 、
/##二二__ヽ、 置 こ よ
/##/ 、 ヽ ヽ
,'## / /_/」_ハ `、 `、 い こ く
|ヘ、#_lノ ;≠、'ノ 刈 l l!
{ (( ッ'ト-リ ゙ ,、リソハ |' と に 分
ヽヽ o゚ ´ /ソ}'ノ ノノ
Y ° - ' `゚イイ´ き テ か
/⌒ ( Y)` ;‐‐ ' ゚( i )
|:::::::::::〉i/^^ゝ-、 (y ) ま ィ り
l++::::(/\ ,ミ}::ハ:ヽ〉i(
l+┘ /::::::::::ソ:::::}:( y) す ッ ま
l::::::/:::::::::::/::::::/::::)i〈
l:::::;++、::/:::::::::!::::{l|ll} ね シ せ
ハ(___ ノ:::::;++:|l::::::::ハ
/ ̄キ:::::::::メ メ::|ヽ、:::::::::ゝ、 ュ ん
,'+++':::::::::::++'::::::\ヽ、::::::キ ヽ
l::::::::::::::::::::::::_rァ⌒`ヽ、:::└++ヽ_____ が
l:::::::::::::::_/ヽノ ヽ::::::::/_っー’ _,,..i'"':,
ノ_へ∧/ `、__ \ |\`、: i'、
(_ \ `、 `丶、 `; .\\`_',..-i
`‐‐--\ `、 ノ .\|_,..-┘
, '⌒ヽ._____\ `、─---‐'
/  ̄`ヽ ;ファビョ
ヽ( 'A`)ノ タマノリシコミタイネ
| /
ノω|
('('A` )∩ イインダヨ!
ヽ 〈
ヽω_)
_____
/::::::::::::::::::::::::/. 二二二ニニ、
/:::::::::::::::::::::::::::/ ・/ :::ゝ、
l::::::::::::::::::::::::::::i : ! :::::::,!
──i^'i──┼''┴┬┬┬─--─''
i ヽ、 __! '゙i;:;:;;!/ /
ヾ、  ̄`⌒゙ ` ,ノ <ハイパーオチンチンタイム
''ー-、,, ,;. 、,f
|,、 !, !
f, ,y |
| |∧_∧ / /´ ,ノ ,!、
|_|´・ω【◎】 パシャッ ,/ ,;-'' `ヽ ゙;
|鬱| っ 9 \ .,,-=二二i__i 二二二ヽ ヽ、二ニゝ
| ̄|―u' l::::::::::::::::::::::::::::i : !、  ̄ ̄ :::::::,!
ヽ::::::::::::::::::::::::::゙、;ヽ :::/
\::::::::::::::::::::::::\ :゙''- ,,,__ _.. '"
` ──----−`'''ー---- ''"
599 :
名無しさん@ピンキー:2007/12/24(月) 23:50:23 ID:d6R7tpQr0
ヽ('A`)ノ トキハナツ!
( )
ノω|
600 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:54 ID:BlxUFnwz0
「かぐや姫を、つれ戻すため」
601 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:56 ID:BlxUFnwz0
熱射病だと言われた。
602 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:56 ID:BlxUFnwz0
でも、やっぱり目の前にいるのは牧野那波さんなわけで…
603 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:57 ID:BlxUFnwz0
言うだけあって、自信があるんだろう。
604 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:57 ID:BlxUFnwz0
「それって、花梨とのこと?」
605 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:57 ID:BlxUFnwz0
「まあ、あまり考えすぎないほうがいいと思うよ。あとは花梨が成功するって信じてあげよう」
606 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:57 ID:BlxUFnwz0
「よけいなこと、しちゃったみたいだ。人の世話なんて焼いてる場合じゃないっていうことかな」
607 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:57 ID:BlxUFnwz0
「でも、それじゃあ!」
608 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:58 ID:BlxUFnwz0
「大丈夫ですよ。雪、透矢さんの嫌がることなんて、しませんから」
609 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:58 ID:BlxUFnwz0
「ガキね。いちおう忠告はしたから。それじゃあね」
610 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:58 ID:BlxUFnwz0
「あ、おねーちゃん、見て見て」
611 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:58 ID:BlxUFnwz0
「ねえ、もしかして、知ってた?」
612 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:58 ID:BlxUFnwz0
「まあ、そうだけど」
613 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:58 ID:BlxUFnwz0
きのうは、けっきょくあれっきりになっちゃったからなぁ。
614 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:58 ID:BlxUFnwz0
胸に下げた涙石も、ごくわずかにではあるけど青白い光を放っているようだった。
615 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:58 ID:BlxUFnwz0
「っそ…入れちゃ…ら、めぇ…」
616 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:59 ID:BlxUFnwz0
闇に染まっていく世界の中で、彼女の瞳だけが、獲物を狙う獣のような、鋭い輝きを発していた。
617 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:59 ID:BlxUFnwz0
彼女の言う、マヨイガを目指して。
618 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:59 ID:BlxUFnwz0
「? あ、うん…」
619 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:59 ID:BlxUFnwz0
「んーとね、虫とか取る」
620 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:59 ID:BlxUFnwz0
僕は、誰かを捜しているのか。
621 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:59 ID:BlxUFnwz0
「寂しかったですか?」
622 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:59 ID:BlxUFnwz0
おどろくくらい大量の海水を吐き出すと少女はまた動かなくなった。
623 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:59 ID:BlxUFnwz0
弓道と聞いて、僕はさっき見た夢のことを思い出していた。
624 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:59 ID:BlxUFnwz0
「っっ…」
625 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:59 ID:BlxUFnwz0
「花梨さん、怒っていませんか?」
626 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:00 ID:BlxUFnwz0
「あー、いや、鈴蘭ちゃんはそっちを向いたままでいいから」
627 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:00 ID:BlxUFnwz0
幼い父さんには帰ることが出来なかったという道。
628 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:00 ID:BlxUFnwz0
「かもね…」
629 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:00 ID:BlxUFnwz0
「確かに、自分の名前っていう気がするかも。それで、事故についてなんだけど」
630 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:00 ID:BlxUFnwz0
「冗談に決まってるでしょ」
631 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:00 ID:BlxUFnwz0
意外にも、彼女はすんなりと室内に通してくれた。
632 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:00 ID:BlxUFnwz0
息が荒くなり始めていた。
633 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:00 ID:BlxUFnwz0
「先生に相談されてみては?」
634 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:00 ID:BlxUFnwz0
「そう言っていただけるとうれしいです。ところで、雪に何か?」
635 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:00 ID:BlxUFnwz0
食事中の話題は、まんまと、僕たちふたりのことになってしまった。
636 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:01 ID:BlxUFnwz0
彼女が人間ではないことの証。
637 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:01 ID:BlxUFnwz0
どうして僕は大切なものを、すぐに手放してしまうんだ。
638 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:02 ID:BlxUFnwz0
「神社に、何が…」
639 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:02 ID:BlxUFnwz0
勢いよく飛び出したそれが、僕のもの目がけてふりそそぐ。
640 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:03 ID:BlxUFnwz0
「見ての通りだ。至急、病院に行かなきゃならんのだが、どうしてもと聞かないのでね」
641 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:03 ID:BlxUFnwz0
「っが!」
642 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:03 ID:BlxUFnwz0
ぺろっと舌を出して笑う。
643 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:03 ID:BlxUFnwz0
彼女の体が僕に向かい倒れ込んできた。
644 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:03 ID:BlxUFnwz0
「ええ。ですけど大丈夫ですわ。あんな事にはさせませんから」
645 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:03 ID:BlxUFnwz0
おかげで、この集落は大きく発展した。
646 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:03 ID:BlxUFnwz0
「…おねえちゃん、どうして鍵なんか買ったの?」
647 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:03 ID:BlxUFnwz0
夢のことも、記憶のことも、ぜんぶ忘れて、
648 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:03 ID:BlxUFnwz0
「同じものを、見たのかな?」
649 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:03 ID:BlxUFnwz0
僕のため、一生懸命、痛みにたえてくれた花梨。
650 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:03 ID:BlxUFnwz0
「んっ…ぐ…」
651 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:03 ID:BlxUFnwz0
「だって、せっかく二人で外に出たのに、牧野さん、ずっと本を読んでるから」
652 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:03 ID:BlxUFnwz0
「そんなに言いづらいことなの?」
653 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:03 ID:BlxUFnwz0
「ぅ…ごめん」
654 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:03 ID:BlxUFnwz0
僕は、気持ちいいな、なんて馬鹿な事を考えながら、行為の余韻に浸っていた。
655 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:03 ID:BlxUFnwz0
身振り手振りをまじえ、大げさなくらいの元気さで僕を紹介してくれた。
656 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:03 ID:BlxUFnwz0
「あら、早かったんですね?」
657 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:03 ID:BlxUFnwz0
「あー、うるさい。透矢、都合が悪いなら悪いって言ったほうがいいわよ」
658 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:03 ID:BlxUFnwz0
好きだって、言った直後なのに…
659 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:03 ID:BlxUFnwz0
「ホントに、大丈夫だから」
660 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:03 ID:BlxUFnwz0
「徐福という人が、秦の始皇帝に命じられて、不老不死の法を探して回った、というお話なんですの」
661 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:03 ID:BlxUFnwz0
「んじゃ行こうか」
662 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:03 ID:BlxUFnwz0
「んー、本当に個人的なことなんだ。夢の謎がちょっとだけ解けたかも」
663 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:03 ID:BlxUFnwz0
「ぁ…ぅ…」
664 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:03 ID:BlxUFnwz0
「っくふ…透矢ちゃんぁぁぁん…」
665 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:03 ID:BlxUFnwz0
「透矢ちゃんの部屋、きれー」
666 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:03 ID:BlxUFnwz0
「じゃあ、指切り…」
667 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:03 ID:BlxUFnwz0
「僕の分も頑張って…。いくぞ!」
668 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:03 ID:BlxUFnwz0
「ティンカーベルですね。ここからは、雪のおかしな解釈になりますから聞き流してください」
669 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:03 ID:BlxUFnwz0
なんだろう?
670 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:04 ID:BlxUFnwz0
張りつめた空気の中で、花梨はそう言った。
671 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:04 ID:BlxUFnwz0
「あれで?」
672 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:04 ID:BlxUFnwz0
お互いに顔を伏せていると、庄一が笑い出した。
673 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:04 ID:BlxUFnwz0
「無理に出なくても良かったのに」
674 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:04 ID:BlxUFnwz0
「やっぱり…キミが、牧野那波さん」
675 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:04 ID:BlxUFnwz0
たぶん、僕は今、いろいろなことを漠然と理解した。
676 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:04 ID:BlxUFnwz0
僕の意図が伝わらなかったらしく、雪さんは不思議そうな顔で問い返してきた。
677 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:04 ID:BlxUFnwz0
話をするうちに、表面に浮かんだ傷はほとんど消えて、キツネの体は、見違えるほど綺麗になった。
678 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:04 ID:BlxUFnwz0
普段なら、どちらかが掃除か何かで、出て来そうな時間だけど…?
679 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:04 ID:BlxUFnwz0
「雪さ…ん?」
680 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:04 ID:BlxUFnwz0
マリアちゃんが、不安げに身を寄せる。
681 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:04 ID:BlxUFnwz0
「ふぅ」
682 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:04 ID:BlxUFnwz0
「あはっ。じゃあ、透矢さん、そういうことで。今日はそろそろ失礼します」
683 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:04 ID:BlxUFnwz0
「せめて、きれいにしてあげる…」
684 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:04 ID:BlxUFnwz0
「それなんだけど…」
685 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:04 ID:BlxUFnwz0
「雪の顔に何かついていますか?」
686 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:04 ID:BlxUFnwz0
「僕が…?」
687 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:04 ID:BlxUFnwz0
十秒、二十秒――もっと長かったのかもしれないし、短かったのかもしれない。
688 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:04 ID:BlxUFnwz0
「大丈夫なんかじゃない。舞に失敗して…ああ、もう何やっても駄目だって。気づいたらここにいた」
689 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:04 ID:BlxUFnwz0
優しく、ほほを撫でた。
690 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:04 ID:BlxUFnwz0
肩を抱いた。
691 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:06 ID:BlxUFnwz0
乳首をつまんだ指先が動くたびに、雪さんは苦しげに顔をつき出し、
692 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:06 ID:BlxUFnwz0
「うん。ばいばい、透矢くん」
693 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:06 ID:BlxUFnwz0
どうやら、僕のことを待ってくれているらしい。
694 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:06 ID:BlxUFnwz0
「ああ…ぁぁ…」
695 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:06 ID:BlxUFnwz0
遠い昔のひとしずくが、少女の祈りを聞き届けた結果として。
696 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:06 ID:BlxUFnwz0
もっとも、こんなこと今さらだ。
697 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:06 ID:BlxUFnwz0
梓の木で作った弓――梓弓。
698 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:06 ID:BlxUFnwz0
「な…っ…まぁ」
699 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:06 ID:BlxUFnwz0
「常世の門だと? ふん…あの男、噂以上にいかれてやがる」
700 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:06 ID:BlxUFnwz0
「あの時から…」
701 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:06 ID:BlxUFnwz0
「くすくす…」
702 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:06 ID:BlxUFnwz0
くちゃくちゃ、くちゃくちゃ――
703 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:06 ID:BlxUFnwz0
「あは…おねえちゃんがいない間だけ…。透矢さんの妹にしてください」
704 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:06 ID:BlxUFnwz0
「また変なこと考えてるー。きっと卒業した人とかが来るんだよ。行きましょう、透矢さん」
705 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:07 ID:BlxUFnwz0
元来た道を引き返し、僕らは海に向かっていた。
706 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:07 ID:BlxUFnwz0
「綺麗だね…」
707 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:07 ID:BlxUFnwz0
アリスは不機嫌そうにほっぺたをふくらませ、足を踏みならしながら歩き出した。
708 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:07 ID:BlxUFnwz0
「仕方ないのかもしれないけど、いちおう様子くらい見ておきたいから」
709 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:07 ID:BlxUFnwz0
入れているだけで、達してしまいそうになる。
710 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:07 ID:BlxUFnwz0
もごもごと、何か言いよどむ花梨を横目に見ると、彼女はあわてた様子で顔をそむけてしまった。
711 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:07 ID:BlxUFnwz0
二羽のウサギは絡み合い、寄り添うようにして、夕焼け空の彼方へ消えていく。
712 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:07 ID:BlxUFnwz0
「うん。あ、そうだ、お母さんにあいさつしておきたいんだけど…あれ?」
713 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:08 ID:BlxUFnwz0
(もう嫌だよ、花梨)
714 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:08 ID:BlxUFnwz0
「課題って言っても、いつも通りでしょ」
715 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:08 ID:BlxUFnwz0
「…!」
716 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:08 ID:BlxUFnwz0
「送るからね」
717 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:08 ID:BlxUFnwz0
「うん。ねえアリス、最悪の手段ってなんなの?」
718 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:08 ID:BlxUFnwz0
「手ごとかみつかれたりして」
719 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:08 ID:BlxUFnwz0
「明後日から補習だし、部活もキツくなるから、とりあえず最初にパーって遊ぶことにしてるんだよ」
720 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:08 ID:BlxUFnwz0
どうして、あんな目で僕を見る?
721 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:08 ID:BlxUFnwz0
鉛筆のすべる音、ひそやかにおこなわれている談笑の声も、ここまでは届かない。
722 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:09 ID:BlxUFnwz0
「いいえ。雪も、ずっと夢を見ていましたよ」
723 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:09 ID:BlxUFnwz0
立場的に、牧野さんよりもまず、雪さんを気にかけてあげなきゃいけない。
724 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:09 ID:BlxUFnwz0
「おまえは…。しかしまあ、ちょい時間あるし、屋台でも見て回るか」
725 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:09 ID:BlxUFnwz0
「今日だけ、特別サービス」
726 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:09 ID:BlxUFnwz0
「ふっ、ぅん…」
727 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:10 ID:BlxUFnwz0
和泉ちゃんがすっかり元気になったことで、僕らの足取りはずいぶんと軽くなっていた。
728 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:10 ID:BlxUFnwz0
「根本的な解決にはなってないけどね」
729 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:10 ID:BlxUFnwz0
…たぶん、貴重な体験だ、これは。
730 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:10 ID:BlxUFnwz0
「ありがとうございます。では、お言葉に甘えさせていただきますね」
731 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:10 ID:BlxUFnwz0
「そ、そっか…」
732 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:10 ID:BlxUFnwz0
僕も花梨も、和泉ちゃんのこと、こんなに好きなんだから。
733 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:10 ID:BlxUFnwz0
「うん、実は、僕…」
734 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:10 ID:BlxUFnwz0
表情はちょっと固いものの、きのうの雰囲気は引きずっていないようだ。
735 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:10 ID:BlxUFnwz0
起きたばかりだからか、その光はやけにまぶしく感じられて、僕は反射的に顔をそむけていた。
736 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:10 ID:BlxUFnwz0
逆じゃあ、ないだろうか?
737 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:10 ID:BlxUFnwz0
まさに彼女の言う通り。
738 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:10 ID:BlxUFnwz0
じぃっと僕の顔をのぞきこむ花梨。
739 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:10 ID:BlxUFnwz0
「…はい、どうぞ」
740 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:10 ID:BlxUFnwz0
「ううん、みんなには悪いけど、助かったよ。だけど…」
741 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:10 ID:BlxUFnwz0
僕の動きに反応して、彼女の腸内がざわめく。
742 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:10 ID:BlxUFnwz0
「和泉さんは、那波と一緒で、読書がお好きでしたから…」
743 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:10 ID:BlxUFnwz0
「ね、透矢」
744 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:10 ID:BlxUFnwz0
「いいの、これくらいで死にゃしないんだから、この男は!」
745 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:10 ID:BlxUFnwz0
「ですから、もっとさせてください」
746 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:10 ID:BlxUFnwz0
「明日、私とデートして。部活の後でいいから」
747 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:10 ID:BlxUFnwz0
「…多少はなの?」
748 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:10 ID:BlxUFnwz0
「庄一には、花梨ちゃんに、ちゃんと教えるように言っておく」
749 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:10 ID:BlxUFnwz0
「はい。なんか邪魔になるからって」
750 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:10 ID:BlxUFnwz0
夢の中で、そんな夢を見た。
751 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:10 ID:BlxUFnwz0
「それは、なんとなくわかるけど…」
752 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:10 ID:BlxUFnwz0
「寝ぼけてる?」
753 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:10 ID:BlxUFnwz0
「ごちそうさま」
754 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:11 ID:BlxUFnwz0
「誰にでも、手を伸ばしちゃ駄目だよ」
755 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:11 ID:BlxUFnwz0
今という名の、世界で唯一確かな場所、
756 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:11 ID:BlxUFnwz0
「そうかもしれないけど…」
757 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:11 ID:BlxUFnwz0
「そうですね。それに、雪は」
758 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:11 ID:BlxUFnwz0
とにかく、気を抜くと体が押し返されてしまう。
759 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:11 ID:BlxUFnwz0
「透矢っ…透矢…」
760 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:11 ID:BlxUFnwz0
「そういえば、今回は同じ夢を見なかったんだね」
761 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:11 ID:BlxUFnwz0
「ちゅっ…んんぅっ! まり、ぁぁ…」
762 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:11 ID:BlxUFnwz0
だから、駄目だ。
763 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:11 ID:BlxUFnwz0
僕がここにいる以上、そういうことなんだと思う。
764 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:12 ID:BlxUFnwz0
「んー、そっか」
765 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:12 ID:BlxUFnwz0
「透矢…ぁん…うまく、なってる」
766 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:12 ID:BlxUFnwz0
抱け、ってことだ。
767 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:12 ID:BlxUFnwz0
今度は、和泉ちゃんがへろへろ駆け寄ってきて、もはや当然の流れで、砂浜に顔面を叩きつけていた。
768 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:12 ID:BlxUFnwz0
「勘って言ったって…」
769 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:12 ID:BlxUFnwz0
にこり、と雪さんの口元に小さな笑みが浮かんだ。
770 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:12 ID:BlxUFnwz0
外に出ると、真夏の青空の、強烈な洗礼を受けた。
771 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:12 ID:BlxUFnwz0
「…でも、彼女、今日は来てないんじゃ」
772 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:12 ID:BlxUFnwz0
「夢というのは、可能性ですわ。本当にありえないことは、夢にだって見ることができませんの」
773 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:12 ID:BlxUFnwz0
雪さんは雪さんで、ちょっとうれしそうだし。
774 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:12 ID:BlxUFnwz0
「いや、これくらい自分で行くけど」
775 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:12 ID:BlxUFnwz0
意識はしっかりしている…意外と大丈夫そうだ。
776 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:12 ID:BlxUFnwz0
つがえた矢の、鋭い切っ先の向こうには少女が一人。
777 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:12 ID:BlxUFnwz0
意識してしまったせいか、そこがびくりと反応する。
778 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:12 ID:BlxUFnwz0
「透矢さんがしっかりしていないと、誰が困るんですか?」
779 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:12 ID:BlxUFnwz0
冷たい手、白い肌、赤い瞳…
780 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:12 ID:BlxUFnwz0
立ち上がろうとした瞬間、転びかかった和泉ちゃんを、僕は危ういところで抱きとめた。
781 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:12 ID:BlxUFnwz0
「近づか――」
782 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:13 ID:BlxUFnwz0
「じゃあ、私も練習してるから。何かあったら声かけて」
783 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:13 ID:BlxUFnwz0
「いい香りだね」
784 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:13 ID:BlxUFnwz0
当然、触れても痛みはない。
785 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:13 ID:BlxUFnwz0
それじゃあ、当の父は、それだけのものを放棄して何をしているのかといえば、
786 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:13 ID:BlxUFnwz0
「はは、らしくないな」
787 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:13 ID:BlxUFnwz0
「知るか!」
788 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:13 ID:BlxUFnwz0
彼女を射抜けば、すべてが無に帰る。
789 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:13 ID:BlxUFnwz0
「ええっ!?」
790 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:13 ID:BlxUFnwz0
「うるさい! 和泉が手配してくれたって言ったでしょ。おとなしく待ってられないわけ?」
791 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:14 ID:BlxUFnwz0
「ごめん。普段はお賽銭とか取ってるくせに、本当に神様の力が欲しい時はこうなんだよね」
792 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:14 ID:BlxUFnwz0
いつもいつも同じようで、けれども、その動きはいつも不確かで、あいまい。
793 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:14 ID:BlxUFnwz0
真っ白な世界。
794 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:14 ID:BlxUFnwz0
雪さんが、ハンカチで首筋を拭ってくれた。
795 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:14 ID:BlxUFnwz0
「…優しいよね。みんな、あなたみたいなら、さぞかし平和な世の中になるのに」
796 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:14 ID:BlxUFnwz0
(なんか、だんだん、ついていけなくなっ てきたなぁ…)
797 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:14 ID:BlxUFnwz0
こんなふうに見てくれていたなんて…うれしい。
798 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:14 ID:BlxUFnwz0
「僕は、いったい…」
799 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:14 ID:BlxUFnwz0
「図星…っと、あらら?」
800 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:14 ID:BlxUFnwz0
ぼんやりした瞳で見上げる和泉ちゃん。
801 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:14 ID:BlxUFnwz0
糸を引いて垂れ下がるマリアちゃんの愛液が、アリスの局部にそそがれていた。
802 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:14 ID:BlxUFnwz0
「だよね。じゃ、そういうことで」
803 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:14 ID:BlxUFnwz0
「冷たいって」
804 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:14 ID:BlxUFnwz0
「ふーん。キミ、私とキスする想像なんかしたことあるんだ?」
805 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:14 ID:BlxUFnwz0
「まだ…気持ちいい…っ…」
806 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:15 ID:BlxUFnwz0
「だろうね。でも、あのキツネは例外になるでしょう?」
807 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:15 ID:BlxUFnwz0
「マリアちゃん、それは違うよ。アリスはそんなつもりじゃない」
808 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:15 ID:BlxUFnwz0
僕のそんな行為にも、彼女は優しくほほえみ、頭を撫でてくれた。
809 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:15 ID:BlxUFnwz0
笑った。
810 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:15 ID:BlxUFnwz0
「うーん、どうなんだろう」
811 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:15 ID:BlxUFnwz0
「すみません、ちょっと…」
812 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:15 ID:BlxUFnwz0
最初はきれいに正座していた足も、だらしなくあぐらに組み替えられている。
813 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:16 ID:BlxUFnwz0
「…でしたら、今度は、おっぱいも出るようにしていただけませんか?」
814 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:16 ID:BlxUFnwz0
こちらも、几帳面だったのか、使っていなかったのか、きれいに片づいている。
815 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:16 ID:BlxUFnwz0
「透矢さん、少々よろしいですか?」
816 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:16 ID:BlxUFnwz0
彼女は腕をほどき、切なそうな目で僕を見つめた。
817 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:16 ID:BlxUFnwz0
落ちた雪は、雫へと変わり、また新たな雪を生み出すため、天に帰る。
818 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:16 ID:BlxUFnwz0
「庄一、和泉のことが好きなんだけど」
819 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:16 ID:BlxUFnwz0
「ん…ぁ、ぁぁ…」
820 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:16 ID:BlxUFnwz0
「二人そろってタチの悪い。いいわよ、後でも先でも。どうせ、見せるつもりだったんだから」
821 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:16 ID:BlxUFnwz0
「単にうす暗いだけでしょ」
822 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:16 ID:BlxUFnwz0
「殺すって…」
823 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:16 ID:BlxUFnwz0
「ふふ、眠れませんの?」
824 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:17 ID:BlxUFnwz0
「そんなところ…」
825 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:17 ID:BlxUFnwz0
「那波が、殺されてしまう夢ですわ」
826 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:17 ID:BlxUFnwz0
和泉ちゃんが、花梨を外してふたりきりで話したいだなんて、きっと大切な話があるんだろうし…
827 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:17 ID:BlxUFnwz0
「うん、バカ庄ちゃん」
828 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:17 ID:BlxUFnwz0
「良かった…あ、でも…」
829 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:17 ID:BlxUFnwz0
「当たり前でしょ。ほら」
830 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:17 ID:BlxUFnwz0
儀式を終え、子供みたいに泣きじゃくった花梨。
831 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:17 ID:BlxUFnwz0
まあ、実際のところはわからないけど、とにかく、次の一歩がどうなっているかくらいは確認できる。
832 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:17 ID:BlxUFnwz0
頭をなでてあげると、ちらっと、熱を持ったやわらかいほっぺたと、うかがうような瞳がのぞいた。
833 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:17 ID:BlxUFnwz0
「お尻…?」
834 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:17 ID:BlxUFnwz0
「雪さん、手は大丈夫?」
835 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:17 ID:BlxUFnwz0
「勝手に話を進めてるなぁ」
836 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:17 ID:BlxUFnwz0
「花梨、今年は何をお願いしたんだ?」
837 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:18 ID:BlxUFnwz0
「どんなだったの?」
838 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:18 ID:BlxUFnwz0
「こっちは大丈夫。和泉ちゃん、怒られたりしない?」
839 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:18 ID:BlxUFnwz0
「いつものことでしょ。それとも、私のマズイ弁当なんか、いらないって?」
840 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:18 ID:BlxUFnwz0
「透矢くぅん、見つからないよぉ」
841 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:18 ID:BlxUFnwz0
「あ…いえ、雪はけっこうですから」
842 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:18 ID:BlxUFnwz0
「あ、おはよー、和泉…とその連れ」
843 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:18 ID:BlxUFnwz0
本当にそうなのか?
844 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:18 ID:BlxUFnwz0
「ふぇ?」
845 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:18 ID:BlxUFnwz0
「急に変えるのも、おかしいじゃない。いかにもっていう感じだし」
846 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:18 ID:BlxUFnwz0
「つかないよね。庄一くんじゃないもん」
847 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:18 ID:BlxUFnwz0
「約束だよ」
848 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:18 ID:BlxUFnwz0
「…ホント、何度もごめんなさい。馬鹿だよね、私」
849 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:19 ID:BlxUFnwz0
彼女は、ただゆっくりと顔をつきだし、最後には根本まで飲み込んでしまった。
850 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:19 ID:BlxUFnwz0
「っ…透矢さん…」
851 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:19 ID:BlxUFnwz0
「いいけど…何?」
852 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:19 ID:BlxUFnwz0
「きのうの事」
853 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:19 ID:BlxUFnwz0
「普段お世話になってるんだし、僕がおごるよ」
854 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:19 ID:BlxUFnwz0
「むっか! ボクもう子供じゃないーっ」
855 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:19 ID:BlxUFnwz0
「どうも。それで、風船はどうしたの?」
856 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:19 ID:BlxUFnwz0
「どうしても、やるの?」
857 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:19 ID:BlxUFnwz0
「夢なのに、片思い…」
858 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:19 ID:BlxUFnwz0
「去年はこんな感じだったけど?」
859 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:19 ID:BlxUFnwz0
それだけで、充分だろう。
860 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:19 ID:BlxUFnwz0
大好きだった人なのに、周りからは否定されて…
861 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:19 ID:BlxUFnwz0
どこかぎこちない態度の雪さんに手を引かれ、坂を下っていくと…
862 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:19 ID:BlxUFnwz0
雪さんが、なんだか嬉しそうに口のまわりを拭いてくれた。
863 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:20 ID:BlxUFnwz0
僕はきっと、和泉ちゃんが好きだ。
864 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:20 ID:BlxUFnwz0
「どうして言えないんですか?」
865 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:20 ID:BlxUFnwz0
悪気がないのなんてわかってる。
866 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:20 ID:BlxUFnwz0
「比較的この近くですよ。教会の脇道をしばらく行って…」
867 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:20 ID:BlxUFnwz0
「雪は、甘やかしてなんかいませんよ。庄一さんこそ、透矢さんをいじめないで下さいね」
868 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:20 ID:BlxUFnwz0
「あ、わざわざすみません」
869 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:20 ID:BlxUFnwz0
「透矢…四人だぞ、四人」
870 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:20 ID:BlxUFnwz0
「え? ぁ…」
871 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:21 ID:BlxUFnwz0
吸い込んだ空気は、僕の口内にあふれた血液の臭いと、どこからか漂う、腐臭とに満ちていた。
872 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:21 ID:BlxUFnwz0
「どうするもこうするも、こりゃ全滅だ。ここにいたって仕方ないぜ」
873 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:21 ID:BlxUFnwz0
「はいはい、マリアちゃん、ばんざーい」
874 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:21 ID:BlxUFnwz0
「きれいなんでしょうね、打ち上げ花火」
875 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:21 ID:BlxUFnwz0
「っぁ、っぁ…透矢さん…」
876 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:21 ID:BlxUFnwz0
「ふーん…こんなところにねぇ。少なくとも、私じゃないね」
877 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:21 ID:BlxUFnwz0
「雪さん、僕…」
878 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:21 ID:BlxUFnwz0
平行線だ。
879 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:21 ID:BlxUFnwz0
「あ…ううん」
880 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:21 ID:BlxUFnwz0
「それじゃあ、僕がなんのためにいるのかわからないよ…」
881 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:21 ID:BlxUFnwz0
「ピーターパン?」
882 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:22 ID:BlxUFnwz0
「キミが、そんなだから…」
883 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:22 ID:BlxUFnwz0
「ぁ…」
884 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:22 ID:BlxUFnwz0
弓を引く。
885 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:22 ID:BlxUFnwz0
「そう。じゃあ…うん、良かったね」
886 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:22 ID:BlxUFnwz0
「だーって、アリスちゃんとマリアちゃんが教えてくれる約束だったのに」
887 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:22 ID:BlxUFnwz0
弓引きには神への願いも込められておりこれもまた、よく神の耳に届く。
888 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:22 ID:BlxUFnwz0
「庄ちゃん」
889 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:22 ID:BlxUFnwz0
山の中の、普通の人に入ることのできない場所、マヨイガ。
890 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:22 ID:BlxUFnwz0
「雲絶えて、光さし添う、白珠の――」
891 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:22 ID:BlxUFnwz0
「あ、やっぱり嫌?」
892 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:22 ID:BlxUFnwz0
「だから、本当にぜんぜん何も…」
893 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:22 ID:BlxUFnwz0
「じゃあ、いっせーの…」
894 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:22 ID:BlxUFnwz0
考えすぎだろうか。
895 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:22 ID:BlxUFnwz0
雪さんは、ぱたぱたと、手にしたうちわであおぎ始めた。
896 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:22 ID:BlxUFnwz0
「和泉は…」
897 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:23 ID:BlxUFnwz0
「花梨、ごめん…」
898 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:23 ID:BlxUFnwz0
「うるさいなぁ。あんたいちいち生意気すぎ。ちょっとはマリアちゃんを見習いなさいっての」
899 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:23 ID:BlxUFnwz0
とにかくうっそうとした中を歩いたように思う。
900 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:23 ID:BlxUFnwz0
「なあ…女の子ってのは、いつもそんなことやってんのか?」
901 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:23 ID:BlxUFnwz0
なにげに手配とか言ってるけど、僕らがいない間に、何をどうしたんだろう…
902 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:23 ID:BlxUFnwz0
「応援というか様子見というか…。とにかく、明日はいよいよ本番だからね…ごちそうさまでした」
903 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:23 ID:BlxUFnwz0
「はは、さっきまで元気だったのに」
904 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:23 ID:BlxUFnwz0
道場には、まだ誰もいなかった。
905 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:24 ID:BlxUFnwz0
「だって、仕方ないじゃないか。あの時はホント…」
906 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:24 ID:BlxUFnwz0
「それも違う」
907 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:24 ID:BlxUFnwz0
ぎこちない手つきで受け渡しがされた。
908 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:24 ID:BlxUFnwz0
雪さんの魔法は、まだ、解けない。
909 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:24 ID:BlxUFnwz0
口に出すたび、自分の中で彼女への想いが深まっていく。
910 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:24 ID:BlxUFnwz0
「ごめんなさい。せっかく、何か思い出せそうなのにね」
911 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:24 ID:BlxUFnwz0
「あ、でも待って。もう時間みたい」
912 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:24 ID:BlxUFnwz0
僕はまた、大切なものを手放した。
913 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:24 ID:BlxUFnwz0
悪い夢をひとつ見たからって、女の子に泣き言を言っていたらキリがない。
914 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:25 ID:BlxUFnwz0
「あら…ふふ…」
915 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:25 ID:BlxUFnwz0
早くこの手を離さなきゃ、僕は…
916 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:25 ID:BlxUFnwz0
「人のせいにしないでよ。大声をあげたのは、私じゃなくて和泉でしょ」
917 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:25 ID:BlxUFnwz0
「そうですよね。じゃあ、私は、そうなるように頑張ります」
918 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:25 ID:BlxUFnwz0
「本当に、もう我慢できないから」
919 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:25 ID:BlxUFnwz0
「新城…うれしいのはわかるけど、最後のあいさつくらいはしっかりなさい」
920 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:25 ID:BlxUFnwz0
僕も負けじと彼女の名を呼ぶ。
921 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:25 ID:BlxUFnwz0
手慣れた動作でポケットから鍵を取り出す雪さん。
922 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:25 ID:BlxUFnwz0
「俺、好きだったんだよな、和泉ちゃんのこと…」
923 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:25 ID:BlxUFnwz0
「そーだよー、照れることないじゃん」
924 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:25 ID:BlxUFnwz0
「本当にね。それにしても…キミ、また夢見たの?」
925 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:25 ID:BlxUFnwz0
「…いや。花梨、これから祭りの準備なんだろう? 行けよ」
926 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:25 ID:BlxUFnwz0
「夢に見ましたの…」
927 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:25 ID:BlxUFnwz0
牧野さんが、照れくさそうに笑った。
928 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:25 ID:BlxUFnwz0
「最後に正しいのは、いつも、おねえちゃんなんです」
929 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:25 ID:BlxUFnwz0
「あ、それはいいよ。でも、和泉ちゃんが僕に用事って、いったい何事かな?」
930 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:25 ID:BlxUFnwz0
「頼りにしていますわ」
931 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:25 ID:BlxUFnwz0
「あの、透矢くん」
932 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:25 ID:BlxUFnwz0
がくり、動かなくなった。
933 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:25 ID:BlxUFnwz0
「僕と庄一がいると、どうなの?」
934 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:25 ID:BlxUFnwz0
夢の不吉な印象も、全部吹き飛ばしてくれそうな真夏の日射しが清々しい。
935 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:25 ID:BlxUFnwz0
「じゃあ、ただいま」
936 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:25 ID:BlxUFnwz0
「父さんも母さんも、なんだって裸の写真ばかり撮ってるんだ?」
937 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:26 ID:BlxUFnwz0
その他の人は、まるでそれが義務であるように、無感動な目を僕に向けていた。
938 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:26 ID:BlxUFnwz0
「僕じゃなくて、花梨が? 何を?」
939 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:26 ID:BlxUFnwz0
「庄一は、常世の門って、知ってるの?」
940 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:26 ID:BlxUFnwz0
「いいけど…ちょっと、やりすぎちゃったかな…」
941 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:26 ID:BlxUFnwz0
「辛気くさいかな。この町だって、開発が進んでるみたいだし」
942 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:27 ID:BlxUFnwz0
大好きだった人なのに、周りからは否定されて…
943 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:27 ID:BlxUFnwz0
「宮代さん…」
944 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:27 ID:BlxUFnwz0
「きのうのお礼。嫌だったら、早く顔を洗いに行きなさい」
945 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:27 ID:BlxUFnwz0
「ふーん。あの子のイメージがあって、雪なのかなぁ、なんて思ったんだけど…」
946 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:27 ID:BlxUFnwz0
「あんたらねぇ、人の病室で、程度の低い兄妹ケンカ始めんじゃないの」
947 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:27 ID:BlxUFnwz0
「寝言、ですか?」
948 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:27 ID:BlxUFnwz0
でも、こういうときって、何を話したらいいのか、わからない。
949 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:27 ID:BlxUFnwz0
彼女の中は、まるで、僕のものに合わせるように伸縮し、すべてを包み込んだ。
950 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:27 ID:BlxUFnwz0
「花梨、でも、あれは」
951 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:27 ID:BlxUFnwz0
「朝から…悪いわね」
952 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:27 ID:BlxUFnwz0
しかも、触ると逃げるものを相手にどうしろと?
953 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:27 ID:BlxUFnwz0
「それは、まあ…」
954 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:27 ID:BlxUFnwz0
「妙なことを言ってしまって、申しわけありませんでした。懐かしかったもので」
955 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:27 ID:BlxUFnwz0
同じことをしようとすると、また防がれた。
956 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:27 ID:BlxUFnwz0
「あら…それでしたら、雪がいないほうが透矢さんのためには良いのかもしれませんね」
957 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:27 ID:BlxUFnwz0
色素のうすい瞳が、星の輝きを帯びて赤くゆれる。
958 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:27 ID:BlxUFnwz0
何か考え事でもしているのか、難しい顔をしてうつむいている。
959 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:27 ID:BlxUFnwz0
「あたりまえじゃないか」
960 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:27 ID:BlxUFnwz0
アリスのほうは、当たり前というか、照れと不安の入り交じったような顔をしている。
961 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:27 ID:BlxUFnwz0
なにしろ、一度は済ませた後だし、彼女の中はびしょぬれを通り越して泉みたいになっている。
962 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:28 ID:BlxUFnwz0
なんか、やわらかくて、あったかい。
963 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:28 ID:BlxUFnwz0
「そうか…? ところで、ぼちぼち始まるみたいだ。行こうぜ」
964 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:28 ID:BlxUFnwz0
「まったくだよ…」
965 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:29 ID:BlxUFnwz0
「あ…おはよう、ございます」
966 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:29 ID:BlxUFnwz0
「…あの、どうですか?」
967 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:29 ID:BlxUFnwz0
「でも、周りに家もないみたいだし、物騒な気がするなぁ」
968 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:29 ID:BlxUFnwz0
「あ…ちょっと、待って」
969 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:29 ID:BlxUFnwz0
(やっぱり、怖いんだろうな)
970 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:29 ID:BlxUFnwz0
「…花梨ならなんでもいい」
971 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:29 ID:BlxUFnwz0
こんなの、病院のとき以来だ。
972 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:29 ID:BlxUFnwz0
庄一がいなかったら、僕は、泣きだしていたかもしれない。
973 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:29 ID:BlxUFnwz0
死ぬって…
974 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:29 ID:BlxUFnwz0
「もーいいかい?」
975 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:29 ID:BlxUFnwz0
手に、温かいものがひっかかる。
976 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:30 ID:BlxUFnwz0
「ねえ、知っていますか。雪ってひとつも同じ形をしていないんですよ」
977 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:30 ID:BlxUFnwz0
「ぅぅ…す、すみません」
978 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:30 ID:BlxUFnwz0
「どうして一緒にお風呂に入ったり、寝たりできなくなったんだろう」
979 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:30 ID:BlxUFnwz0
「そ、そうかなぁ…」
980 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:30 ID:BlxUFnwz0
「ひゃぅ…っ…」
981 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:30 ID:BlxUFnwz0
「…いい子だね」
982 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:30 ID:BlxUFnwz0
アリスは、おねえちゃんの顔で僕を見つめて言った。
983 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:30 ID:BlxUFnwz0
「やっ…透矢くん…えっちだよぉ…」
984 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:31 ID:BlxUFnwz0
「うぉっ…」
985 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:30 ID:BlxUFnwz0
「えー、ボクと庄ちゃんはケンカなんかしないよぉ」
986 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:31 ID:BlxUFnwz0
「ほれ、彼女は頑張ってるぞ」
987 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:30 ID:BlxUFnwz0
「わかってる。要するに生活リズムとか、そういうもの」
988 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:31 ID:BlxUFnwz0
「…大きくなるって、本当かなぁ?」
989 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:31 ID:BlxUFnwz0
「あらあら、仕方がないですね」
990 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:31 ID:BlxUFnwz0
「ほら、お姉ちゃんも透矢さんが一緒のほうが楽しいって言ってます」
991 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:31 ID:BlxUFnwz0
「わたくしは大歓迎ですけど、宮代さんがお待ちなのでは?」
992 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:31 ID:BlxUFnwz0
嫌な役を押しつけることになっちゃうけど、那波ちゃんに、このことを伝えてあげてください。
993 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:31 ID:BlxUFnwz0
「ついさっき。集中してたから、声、かけづらくて」
994 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:31 ID:BlxUFnwz0
これまでの夢に比べたら、ずいぶん意識がはっきりしている。
995 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:32 ID:BlxUFnwz0
「さらに九千年後、二万二千年後の僕たちは、同じ空を見つめているのかな?」
996 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:32 ID:BlxUFnwz0
「まあ、この調子だと、テスト前には退院できちゃいそうだからね」
997 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:32 ID:BlxUFnwz0
「ぁんっ」
998 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:32 ID:BlxUFnwz0
「庄一、無責任なことを…」
999 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:32 ID:BlxUFnwz0
「思い知った。次からは気をつける」
1000 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:23:32 ID:BlxUFnwz0
「つめた…」
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