419 :
名無しさん@ピンキー:
うどんは小麦粉で
出来てるんだよね
∧,,∧ lヽ⌒ヽフ
( ´・ω・) (・ω・ ) うん
(っ=|||o) (っ=||| o)
 ̄ ̄ `――´ ̄ `――´ ̄\
じゃあ米から作った
これは…?
∧,,∧ lヽ⌒ヽフ
( ´・ω・) (・ω・ ) ベトナムのフォーかな?
(っ=|||o) (っ=||| o)
 ̄ ̄ `――´ ̄ `――´ ̄\
フォッフォッフォーなんちて
∧,,∧ lヽ⌒ヽフ
(V) `・ω・(V) ( ・ω・)
ヽ ノ (っ=||| o) ズルズル
 ̄ ̄ `――´ ̄ `――´ ̄\
∧,,∧ lヽ⌒ヽフ
( ´・ω・) ( ・ω・)
ズー(っ=|||o) (っ=||| o) モグモグ
 ̄ ̄ `――´ ̄ `――´ ̄\
ミf;;"-{いv、_
_,ゞ;;,;,;fll|};.;;:.:.'',;:;ゞ,、
〔;;;,, ゞ;;/'-vー{`ヾ|ll;;{
フlr'l;' 、 } ,`f;.l
}|il,'::lli ,`”7 {”ll|:;l _.. -─- 、
イll|i;:::!li: ; -"▼'Y ; !'"- "~_ ヽ.
/l|ll'i;:::!l; X ,,__.人_メ ;:.. . l;;ヽ l
{l{l|l|li:::'l|iゞ;;/v/!{l|: l::. } :;/:. ト、 ぐヽ
_ _ /l;|llllli';l|lli|K.._)li|: 'l;._ :. _ :' ト .ヽ._ノ ノ
{ y`" ヽ.\ {llill||lll|lll:lll|ll||lill||lll:/ n.j :' ノ;;.| l ` ー "
__ l"'>--<"} -=>ヾ〉 {llll;l||lil{lll{llll}liノlllll,:| {:.:.:.:r-'−-r'{. l
,,;.':.:. ,;.: Y 。 。Y;ヽ _/ ┯l l 7tv/!l,lr!,lノ!!!r! >┴ーV 。 。Y:. :
,,.';;.;.:.:. . :.: lヽ ♀イ;;. ,'X二{` f= : ;" ;' l:: {;;. ': :.;. ゝ.♀'.:.: i
! "".,.. .;i|l;. l ;.'' ''" ) f= :. / !::. |;; ;i; "〕! ;.:.. ;
ゝ i:.:./;l;;l|f;. Y,,.イ ! _/ / ̄ !;. |/ |:.:. 〉./'"~l"'l v//
vV |l;:ll ! l. | ヾ:.:." - ..,,.l :{ ヾ !://‘/ l;{
ヾ V /, ヽvV / /"",../ V/ ''-'' v└-''
夏はミネラル麦茶です
. /\ /ヽ
/ ヽ\ /, i
ゝ \ \ / / く ___
ミ \ \ / / ミ / \
ミ. \ \ / / ミ / 選 早 ヽ
/ ̄ ̄ヽ 7 \ \ / / / / べ く |
\ヽ \ ヽ / / / | // 死 |
死 貴 ヽ\ ヽ i l / / .| ・・ に |
ぬ 様 l \ ) ヽ―-―ノ ! / | 場 |
べ は | ヽ、w'V `w / .| 所 |
き | ) ( ヽ を /
人 | / ヽ \ / , ヽ \ /
間 \ / \ \,. 、ノ / ヽ // ̄ ̄´
だ l⌒ l /⌒ト、 ,イ⌒ヽ !
// |. ,ゝ 弋ゝ くり 〈
・・ l. / `ー´ `"´ |
/ .ミ __, ミ
ヽ、 / ミ、 `'''´ ,ミ ___
 ̄ ̄´ /\ , ――-v' / / `ーヽ
/i \ /!| ,イ 、__ノ
,. -―- 、__/ ヽ ` ‐- -‐ ´ 八 / 、_/⌒く⌒く`ヽ
> ヽ / \/ ヽ ヽ ヽ ヽ
フ / Y / / / /
ゝ | ` ̄ ̄7⌒/ / /
Z ヽ、 __ゝ-'^ー^ーヘ
/  ̄ヽ ヽ
フ ) \
ちょっとズレチェックの為にAA貼らして貰うで。
,
_, -ー"´ |
\フノリハリル
イ从"ヮ"ノiト
/" )⌒Y⌒( ゛ヽ
(_ノ´ヲ((i))ξ`ヽ_)
ゝ_,`*'、_ノ
ι;;.. ; ,) 。゜
し´⌒ー'
423 :
名無しさん@ピンキー:2007/06/01(金) 16:11:29 ID:1bdTzckD0
PJ開始 PG中 仕様変更 PG終了 テスト完了 仕様変更 納期
. ∧∧∩:::::::::::::::::: /,_ ┴─/ ヽ ∧∧ ∧∧ ┃:::::::::::::::::::::::::::::∧||∧
. (・∀・)/:::::::::::::::::::::(・_.,》.'(・_,》)ミ ヽ::∩・∀・) (・∀・)∩..┃::: ∧∧:::::::::::( ⌒ヽ
⊂ ノ::::∧ ∧::::::::/ ,,__,ニ、、 | ヽ ⊃ノ /⊃ / ...┃:::('д` )::::::::::∪ ノ
(つノ :::('д` )::::::::| Y~~/~y} `, | ヽ )つ〜( ヽノ ....┃:::と ヽ:::::::::::::∪∪
(ノ ::::(∩∩ ):::::: | .,k.,.,!,.,.,r| ,!く (/ し^ J ..┃:::⊂,,_UO〜::::::::::::::::::
ヽ、
ハ i ヽ
i i i :i
i ヽ / .:i
i ヽ、 __ / .:i
ヽ ヽ/ /  ̄/ .:/
ヽ// / ヽ_,,,;ノ
/ / / :ヽ
/__|__|__ _,,;;i
<_____>ヘ :ヽ
< ` ヽ 、 // .::::::::::::.:: ヽ_ノヽ (ひこにゃん人気沸騰・・・っと)
/`ヽ、 ` ヽ、 ::::::: i ::ヽ
/ `ヽ、/ i= ● ニ .:i___ノヽ
`ヽ、 / i i、 ー'ー' ....::::/ ..::>
! `ヽ、i i i ヽ、,,,,,,,,,,,,,,,,,;;;;;;;;;;;/:\ .::/
{`ヽ、 i i i#`ヽ<⌒ヽ、/ ...:::ノi ヽ/
| `ヽi i i####>`ゞ_、_,,,;;;/ ::::i
`ヽ、 i i/ヽ//:::::::::` ヽ、 ::::i
425 :
名無しさん@ピンキー:2007/06/27(水) 17:21:53 ID:weATZUrN0
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◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎
◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎
◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎
◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎
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◎◎◎◎◎◎◎●●●●●●◎●◎◎◎◎◎◎◎●◎◎◎◎◎◎◎◎●◎◎◎◎●◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎
◎◎◎◎◎◎●◎◎◎◎◎●◎◎●◎◎◎◎◎◎●◎◎◎◎◎◎◎◎●◎◎◎◎●◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎
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.._ .......、._ _ /:/l! :::::::::::::::::...... ....:::::::゜::::::::::::::::::::::::::::... ..
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゙、'、::::::ノ:::::::_,.-=. _〜:、 ::::::::::゜::::::::::/_.}' : ... :: :::::::::::::::::: :
``、/:::::::::__....,._ `゙'Y' _.ェ-、....._ /_゙''i゙ノ、ノ :::::::::::.... .... .. .:::
,.--l‐''"~..-_'.x-='"゙ー 、`'-、 ,:' ノ゙ノブ. .::::::::::::........ ..::::
" .!-'",/ `'-‐'') /\ `/ でノ-〈 :.... .... .. .:....
.-''~ >'゙:: ‐'"゙./ ヽ.,' ~ /
//::::: ', / ,:'゙
:.... .... ..:.... .... ..... .... .. .:.... .... .. ..... .... .. ..... ............. .. . ........ ......
:.... . ∧∧ ∧∧ ∧∧ ∧∧ .... .... .. .:.... .... ..... .... .. .
... ..:( )ゝ ( )ゝ( )ゝ( )ゝ無茶しやがって..........
.... i⌒ / i⌒ / i⌒ / i⌒ / .. ..... ................... .. . ...
.. 三 | 三 | 三 | 三 | ... ............. ........... . .....
... ∪ ∪ ∪ ∪ ∪ ∪ ∪ ∪ ............. ............. .. ........ ...
三三 三三 三三 三三
三三 三三 三三 三三
,
、/ L _
. ,、 < ,、 ここテストに出ま〜す
`\ _ _/ハ よく覚えておくように!
\ 冫´ _ `ズ
\ i"__, .: .:,>
{´(ヽ ,ゝ、.. : :.:.:,Z
ヽ::::\/ :7 .:.." `ス
\::::.く: .. . :::,ゞ7 ___
___________`⌒!'^ "'`,:-':::/__{三三三lj_
________,r===i==,′ ., `i::rノ________
└―┴/ : . . . : :`:ヽ
r:、 ,!: : : : : : : : : : : :! __
|: :「\ l : : : : :._: : : : : : :'、 | l l |
_|: : : : :ヽ. | :..:...:../ :ヽ...:.. .:..:.:l | l l |
〈: : : : : : : :`: ‐:ヘ::::::::/: : : :.\::::::::|  ̄
____\: : : : : : : : : : `7:'〉: : : : : ハ::::;!_______
――――‐ _>-: : : : : : :./:::;!: : : :/―}:::| ----- ―――
ニニ二二二 三`^⌒´三└‐'⌒^´ 二└‐'三二二二二ニニ
 ̄ ̄ ̄ ――――― --------- ―――――‐  ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄  ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄  ̄ ̄
________________________
,;''';,
,;' ';, ,.,.,,.,., ,,
,;' -‐ `"' ;' ';,
;' ● 、',
; ( _ , ● .;
,'、 `ー' ;' のんびりやろうや。
;' , .,; '
,; '' ;, ,;', ' " "';
;' " :; . . . . .
;: , '" " ;' :;:. :. :. :. :.
' 、,.;' 、,.,. (i) ; "''''".: .: .: .:.....
.: .: .: .:`"'' - 、,.,. ,,.,.,;' ;'.: .: .: .: .: .....
...: .: .: .: .: .: .: .: 、,.,.;'.: .: .: .: .:.....
....: .: .: .: .: .: .: .: .: .:.....
/ヽ /ハ
| >---─--</ |
|/ `ヘ |
/ ヾヽ
/ ,r;ッ、 ,r;ュ、 l |、
| / ヽ 、レ | | ヽ
/ _ ,ヘ 'l` / ノ ヾ
Ξ Y Ξ /,/ />' ヾ
`ー´l`ー‐´/,/ /‐‐<_/ , ミ
ヾ///‐´/ ̄ ̄´ ミ | / ミ
((( ̄´彡 ミ | /´ ̄`ヽ
`´ /彡 ミ | / 、 \
/´ ̄ヽ / 彡 ミ | / /\ ヽ
/ , \/ i i | ' / ミ ヽノノノ
/ /\ ` | ヽ、__ノ ミ
ヾヾヾソ \ /| 彡 ミ /´ ̄`\
` ー' | 彡 ミ / ヽ/゙`)`)`)
|彡 r;:. / | (__)/
| r;:. r;:. / | |
| r;:. r;:./ | |
| r;:. r;:/ | |
| r;:. ( |
| ノ、 、 ヽ |
| 、 (ヽ ヽ ヽ、_ノ
/ ! |l´!ヽ l |
/ ヽ ヾ、ヽl i l
/ ` 、 ヾヽ ノ /
/ ヽ._`ヽ' /
/ ゞ', /
/ ´` ゝー´ミ
/ /彡 ミ
l ヾ , --─----─‐ ´ 彡 ミ
!、 ´`ヽ 彡 ミ
\ / ノ 彡 ミ
` ーシ / 彡 ミ
/ / 彡 ミ
/ ,‐‐、 / 彡 ,,ミ゙
(_,ノ ,ヽノ/ 彡彡ミ゙
`‐'、ノ
38 名前: ◆Null..QJiQ [sage] 投稿日: 05/01/04 12:48:46 ID:tn2wjid5
∧∧
>>31どうもです。
ヽミ=゚ω゚彡
>>32.2ch検索で自分の酉を本文検索することはありますが
ミ,, っφ 書き込んではいません。好き嫌いはとりあえずは伏せておきます。
257 名前: 最低人類0号 [sage] 投稿日: 05/01/04 21:10:54 ID:tn2wjid5
>>255 セルフで飲んだら甘かったけど飲んだ後の喉の違和感で
絶望的になった
433 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:21:47 ID:BlxUFnwz0
「雪さんのおかげだよ。それで、どうしたの?」
434 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:21:47 ID:BlxUFnwz0
鈴蘭ちゃんが、いつもと変わらない調子で言った。
435 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:21:47 ID:BlxUFnwz0
弓道ができるはずだからと弓道をして、その過程で花梨と仲良くなっていった。
436 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:21:48 ID:BlxUFnwz0
実力だってあるんだ…次の試合では結果が残せるといいけど。
437 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:21:48 ID:BlxUFnwz0
「はわっ!?」
438 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:21:48 ID:BlxUFnwz0
腕にあたる胸の感触と、下腹部に当たるお尻の感触が…毒だ。
439 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:21:48 ID:BlxUFnwz0
…違う。
440 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:21:48 ID:BlxUFnwz0
「あー、こんなところで難しい話、しないでよ」
441 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:21:48 ID:BlxUFnwz0
「マリアちゃん…おはよ」
442 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:21:48 ID:BlxUFnwz0
瞳が、濡れていた。
443 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:21:48 ID:BlxUFnwz0
「透矢くん、あの子たちでいいの?」
444 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:21:50 ID:BlxUFnwz0
“どさっ”
445 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:21:50 ID:BlxUFnwz0
「馬鹿で悪かったですねー。ふん、きのうその馬鹿に、べったりだったのはどこの誰ですか」
446 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:21:50 ID:BlxUFnwz0
「…ん」
447 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:21:50 ID:BlxUFnwz0
「きのう、テレビでそういうのをやってたんですよぅ…」
448 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:21:50 ID:BlxUFnwz0
「暇な時は、私も手伝うよ」
449 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:21:50 ID:BlxUFnwz0
「ううん、悪くない。良かった」
450 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:21:50 ID:BlxUFnwz0
「あと、一万三千年と…さらに九千年で、二万二千年か…どっちにしても、僕らには縁のない話だなぁ」
451 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:21:50 ID:BlxUFnwz0
「けちー。嘘ついたら針千本ー」
452 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:21:50 ID:BlxUFnwz0
「透矢ー、この前ってなんの話だよ」
453 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:21:50 ID:BlxUFnwz0
「和泉の次に速いよ。なんなんだろうね、この差は」
454 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:21:50 ID:BlxUFnwz0
「花梨の口ぶりからして、構わないと思うよ。話は僕のほうからしておくから。だけど、どうするの…?」
455 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:21:51 ID:BlxUFnwz0
「ぅぅ…そ、そっか…そうですよね」
456 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:21:51 ID:BlxUFnwz0
「うわあ…」
457 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:21:51 ID:BlxUFnwz0
「…はは、なんか、雪さんはどうしても僕に、その事を信じさせたいみたいだ」
458 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:21:52 ID:BlxUFnwz0
わからない――
459 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:21:53 ID:BlxUFnwz0
「優しいね、鈴蘭ちゃんは」
460 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:21:53 ID:BlxUFnwz0
離れようとする僕の顔をかかえるようにつかんで、
461 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:21:53 ID:BlxUFnwz0
確かに見事な夜空だ。
462 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:21:53 ID:BlxUFnwz0
「和泉ちゃん、大丈夫なのかな?」
463 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:21:53 ID:BlxUFnwz0
あの場では、夢が覚める覚めないより、女の子を射抜くという結末に対する恐怖が先に立っていた。
464 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:21:54 ID:BlxUFnwz0
誰かを嫌いだと思う気持ち、好きだと思う気持ちさえも。
465 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:21:53 ID:BlxUFnwz0
「うん…そういうこと」
466 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:21:53 ID:BlxUFnwz0
「うん。あれね、落ちついて考えてみると仕方ないのかなぁって思う」
467 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:21:54 ID:BlxUFnwz0
げんこつで、こめかみをぐりぐり。
468 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:21:54 ID:BlxUFnwz0
「そろそろ、お風呂、いただいてしまいますね」
469 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:21:53 ID:BlxUFnwz0
本当は、もっと声を聞いていたかったけど、僕はきつく、唇をふさいだ。
470 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:21:54 ID:BlxUFnwz0
「ごめん、また今度よろしく」
471 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:21:54 ID:BlxUFnwz0
びくっと、和泉ちゃんがのけぞった。
472 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:21:54 ID:BlxUFnwz0
ようやく頭が入ったところで、花梨は、動きを止めてしまった。
473 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:21:54 ID:BlxUFnwz0
「い、和泉…?」
474 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:21:54 ID:BlxUFnwz0
「実は、そうなんだけど」
475 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:21:54 ID:BlxUFnwz0
取り立てて何、っていう話題があったわけでもなかったのに、楽しい時間が過ぎるのって、本当に早い。
476 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:21:54 ID:BlxUFnwz0
和泉ちゃんは『ああ〜』と、怪しい相づちを何度も打って、胸をなでおろした。
477 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:21:54 ID:BlxUFnwz0
「専門の方にお金を払っていらっしゃるようですわ。出資者の方の意向ですの」
478 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:21:54 ID:BlxUFnwz0
「ごめん、花梨」
479 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:21:54 ID:BlxUFnwz0
「ああ…さっき言ってたキツネか。でも、こんなところまで下りてくるんだ?」
480 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:21:54 ID:BlxUFnwz0
「透矢が来るまでの間、ずっとやってたんだから…」
481 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:21:54 ID:BlxUFnwz0
「っ! んむぅぅ…」
482 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:21:54 ID:BlxUFnwz0
「私は力になれないかも。二人と違って、昔からこの町に住んでいるわけじゃないの」
483 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:21:54 ID:BlxUFnwz0
「私のせいなの。私たちが引っ越してきたから、水が汚くなっちゃったんだよ」
484 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:21:54 ID:BlxUFnwz0
それでも、僕はもういちど弓を引こう。
485 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:21:54 ID:BlxUFnwz0
なでなで――簡単に流される僕。
486 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:21:54 ID:BlxUFnwz0
ふうっと息をはいて、牧野さんは、大げさに胸をなでおろす仕草を見せた。
487 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:21:54 ID:BlxUFnwz0
「今日は、マリアちゃんと縁があるみたいだ」
488 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:21:54 ID:BlxUFnwz0
「雪さん、ちょっと…ごめん」
489 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:21:55 ID:BlxUFnwz0
「ちょっと待ってて、タオルか何か…」
490 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:21:56 ID:BlxUFnwz0
「キツネが、あの人に怯えて? どうしてそんなふうに思うの?」
491 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:21:58 ID:BlxUFnwz0
ピンポイントで体型って言葉が出てくるあたり、花梨も正直だ。
492 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:21:58 ID:BlxUFnwz0
「女の子だっておんなじだよ、たぶん」
493 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:21:58 ID:BlxUFnwz0
しばらく、何かぶつぶつ言っていたけど結局、和泉ちゃんは何も言わず、がくっと頭を垂れた。
494 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:21:58 ID:BlxUFnwz0
少し、ぼうっとしてしまったか。
495 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:21:58 ID:BlxUFnwz0
僕なんかの入る余地がないほど、きつくきつく。
496 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:21:58 ID:BlxUFnwz0
僕はそんなに、ひどい顔をしているんだろうか。
497 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:21:58 ID:BlxUFnwz0
「夢を見るのは、好きなんだね」
498 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:21:58 ID:BlxUFnwz0
「っ〜〜〜、っ〜〜〜」
499 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:21:58 ID:BlxUFnwz0
「うれしくないよ…頑張れなんて、いくら言われたって、うれしくない…」
500 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:21:58 ID:BlxUFnwz0
同じ夢を見ていたとしたら、彼女は、どうなったんだ?
501 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:00 ID:BlxUFnwz0
「また、夢を見たんですか?」
502 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:00 ID:BlxUFnwz0
僕だって、記憶喪失や夢っていう恐怖から逃れるために、いろいろな人に甘えている。
503 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:00 ID:BlxUFnwz0
僕のものにその手を触れさせて、うるんだ瞳で、言ったんだぞ。
504 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:00 ID:BlxUFnwz0
「…確かに、那波も、むごたらしい死に方はしたくありませんわ」
505 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:00 ID:BlxUFnwz0
でも、大丈夫だ。
506 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:00 ID:BlxUFnwz0
和泉ちゃんがいて、花梨がいて、庄一がいて、
507 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:00 ID:BlxUFnwz0
「ふふ、もう少し力を抜いて下さいな」
508 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:00 ID:BlxUFnwz0
道場の反対側から、花梨の声と、それに応える女の子たちの声が聞こえた。
509 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:00 ID:BlxUFnwz0
もし、僕が彼女のことが好きで、夢に出てきてるのも彼女なら、夢の半分には、納得がいく。
510 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:00 ID:BlxUFnwz0
「んー、そうなんだよねぇ、人の話とか聞いてると」
511 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:00 ID:BlxUFnwz0
だけど、乱暴な運転は、それだけ焦っていたって見方もできる。
512 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:00 ID:BlxUFnwz0
「やっぱりって、何が…」
513 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:00 ID:BlxUFnwz0
「ええと――ナナミ様、ナナミ様、どうか透矢さんの記憶が戻りますように、のほうですか?」
514 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:00 ID:BlxUFnwz0
男女合わせて三十人くらいはいる。
515 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:00 ID:BlxUFnwz0
「たまに燃えるね。でも、紙じゃないと、独特のぼんやりした光が出ないんだよ」
516 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:00 ID:BlxUFnwz0
「負けって…」
517 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:00 ID:BlxUFnwz0
「大ありだわ。記憶をなくす前のあなたが魔法なんて信じたと思う?」
518 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:00 ID:BlxUFnwz0
この海には、僕の知らない和泉ちゃんがいた。
519 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:00 ID:BlxUFnwz0
「おっ、読み終わったらしいな。理解できたか?」
520 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:00 ID:BlxUFnwz0
「わはー、花梨ひゃぶ!」
521 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:00 ID:BlxUFnwz0
彼女に失礼だっていう言い訳と、自分の欲望とに後押しされて、僕は彼女の体に手を伸ばした。
522 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:00 ID:BlxUFnwz0
「だから、おまえは練習に戻れって。まだまだ時間はあんだからさ」
523 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:00 ID:BlxUFnwz0
死んだということだけ漠然と伝わっているけど…この後の夢を…僕は見ていない。
524 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:00 ID:BlxUFnwz0
「いろんなところを探検してたんです。このあとは海に行って、お買い物して…」
525 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:02 ID:BlxUFnwz0
「考えすぎだよ。ところで、花梨は間違いじゃないよね。どうしたの?」
526 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:02 ID:BlxUFnwz0
「お気持ちだけで…」
527 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:02 ID:BlxUFnwz0
僕は、そんな女性の、一挙一動に心を奪われていた。
528 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:02 ID:BlxUFnwz0
「僕、探してくるよ」
529 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:02 ID:BlxUFnwz0
「透矢ちゃん」
530 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:02 ID:BlxUFnwz0
辺りを見回せば、延々と田舎道が続くか山が見えるか。
531 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:02 ID:BlxUFnwz0
神隠しに、あったのではないかと。
532 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:02 ID:BlxUFnwz0
人の世ではないと言うだけあって、道はほとんど獣道。
533 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:02 ID:BlxUFnwz0
「じゃあ、お願いします。お話をしている間に、ずいぶん楽になりましたから」
534 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:02 ID:BlxUFnwz0
「心配したんですよ。苦しそうな顔でうなされていて、いくら呼んでも起きて下さらないんですから」
535 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:02 ID:BlxUFnwz0
自分の記憶もおぼつかない男が、誰かを救うことなんて、できるものか――
536 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:03 ID:BlxUFnwz0
「じゃあ、いたんじゃない」
537 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:02 ID:BlxUFnwz0
彼は、僕と目が合うと、一瞬、どこか不気味な笑いを浮かべて立ち去った。
538 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:03 ID:BlxUFnwz0
遊び盛りの子供の事とはいえ、普段は暗くなる前に戻っていたものが戻らぬのだから心配になる。
539 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:02 ID:BlxUFnwz0
「あっ、えっ?」
540 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:03 ID:BlxUFnwz0
「本当に、大丈夫だね?」
541 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:03 ID:BlxUFnwz0
「ご、ごめんなさぁぁい」
542 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:03 ID:BlxUFnwz0
しかも、くんくんと匂いをかぐ、僕を見る、顔を背ける、となかなかに侮辱的な態度を取ってくれる。
543 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:04 ID:BlxUFnwz0
「こんなお話、信じられませんか? でも雪の知っているお月様はそうなんです」
544 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:05 ID:BlxUFnwz0
垂れ下がった、長い黒髪がほほをくすぐる。
545 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:05 ID:BlxUFnwz0
これは、マリアちゃんがキツネを自分の中に呼び込んだんじゃないか?
546 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:05 ID:BlxUFnwz0
「うん。そんなことよりどうしよう。少し休んでから帰る?」
547 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:05 ID:BlxUFnwz0
「…ホントだ。和泉、また後でねー」
548 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:05 ID:BlxUFnwz0
なのに、彼女の声は、幸せなんていうものとは縁遠い、悲しみに打ちひしがれたようなものだった。
549 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:05 ID:BlxUFnwz0
雪さんも牧野さんも、みんながみんな、どこかおかしかった。
550 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:05 ID:BlxUFnwz0
七夕の夜から、こうだった。
551 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:05 ID:BlxUFnwz0
「…今日、もう少し、大丈夫?」
552 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:05 ID:BlxUFnwz0
「わかんないよ。だから『何か違う』って言ったんじゃない」
553 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:05 ID:BlxUFnwz0
和泉ちゃんが、またおかしそうに笑う。
554 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:05 ID:BlxUFnwz0
「まあ、確かに…」
555 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:02 ID:BlxUFnwz0
「まあ、静かでいいけ、ど?」
556 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:07 ID:BlxUFnwz0
「嫌われてるから気まずいんだよ」
557 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:07 ID:BlxUFnwz0
「あ、あたりまえじゃないか!」
558 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:07 ID:BlxUFnwz0
「気にしないで。それに、めずらしくお父さんのほうから言ってきたことだし」
559 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:07 ID:BlxUFnwz0
「……花梨、ごめん」
560 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:07 ID:BlxUFnwz0
くすくす――これは、冗談。
561 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:02 ID:BlxUFnwz0
「試合の時は大将の役目なんだよ。おまえがやれ」
562 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:07 ID:BlxUFnwz0
「孕ませ、て…っく…くだっ…」
563 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:07 ID:BlxUFnwz0
「勘弁してよ…」
564 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:07 ID:BlxUFnwz0
「透矢は幸せだよね?」
565 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:07 ID:BlxUFnwz0
…真実を伝えてやりたい気分だ。
566 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:07 ID:BlxUFnwz0
「んー、飲んでるかも」
567 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:02 ID:BlxUFnwz0
この匂いがどうして懐かしいのか?
568 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:07 ID:BlxUFnwz0
初体験じゃないからできる芸当だ。
569 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:07 ID:BlxUFnwz0
花梨は、初めてみるおだやかな笑顔を、僕の胸にうずめた。
570 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:08 ID:BlxUFnwz0
そうして、じっとしたまま、何分が過ぎただろう。
571 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:08 ID:BlxUFnwz0
「え? あ…うん…」
572 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:08 ID:BlxUFnwz0
「進歩ないわよね」
573 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:08 ID:BlxUFnwz0
「そんな昔か…って、それじゃあ、ナナミ様の話って、その時代に、実際に起こったことなのかな?」
574 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:08 ID:BlxUFnwz0
「中で、いいから…思いっきり、動いて」
575 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:08 ID:BlxUFnwz0
「心配なら早く帰ってやれよ。にしても、透矢と牧野か…」
576 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:08 ID:BlxUFnwz0
「変わった方ですのね」
577 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:08 ID:BlxUFnwz0
「何か変わったことは?」
578 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:08 ID:BlxUFnwz0
「あの人が…そう…」
579 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:08 ID:BlxUFnwz0
というか――
580 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:08 ID:BlxUFnwz0
足を開く時に痛そうにしてるから、まあなんとなくわかるけど。
581 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:08 ID:BlxUFnwz0
「アリス、もう…限界…」
582 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:08 ID:BlxUFnwz0
そう考えて、ふと、七夕の夜のことは、やっぱり夢だったのかな、と思った。
583 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:08 ID:BlxUFnwz0
「あーあ、惜しかったねー。次は牧野さんだっけ」
584 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:08 ID:BlxUFnwz0
しかも弓道と違って過去に成功しているという強みがある。
585 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:08 ID:BlxUFnwz0
とてもとても、悲しそうな顔だった。
586 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:08 ID:BlxUFnwz0
要望に応えて、さらに刺激を与えてみることにした。
587 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:09 ID:BlxUFnwz0
そして目覚めた時には、自分の部屋の、ベッドの上だった。
588 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:09 ID:BlxUFnwz0
「アリス?」
589 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:09 ID:BlxUFnwz0
「あの、あのぅ」
590 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:09 ID:BlxUFnwz0
「気が進まないようですね」
591 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:09 ID:BlxUFnwz0
「透矢さんは、あの夢が本物かどうか確かめたくはありませんか?」
592 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:09 ID:BlxUFnwz0
でも、僕がいま、一番何かをしてあげたい人は手の届かないところにいるんだ。
593 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:11 ID:BlxUFnwz0
「わからないから、見えた?」
594 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:11 ID:BlxUFnwz0
「雪さん…ちょっと乱暴になっちゃったけど、おかげでぜんぶ入ったよ」
595 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:11 ID:BlxUFnwz0
「ぼうっとして、どうしたの?」
596 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:11 ID:BlxUFnwz0
「ひどいなぁ。僕だけ嫌われてるような言い方してたのに、普通なんじゃないか」
597 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:11 ID:BlxUFnwz0
マヨイガ、神隠し――あれも夢や幻の一部だったのか…?
598 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:11 ID:BlxUFnwz0
「みんなで、行ってみようか?」
599 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:11 ID:BlxUFnwz0
見た目にはおとなしい波も、泳ぐとなると、ずいぶん大きな障害になる。
600 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:11 ID:BlxUFnwz0
「いやー、それはどうだろうね」
601 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:11 ID:BlxUFnwz0
「失礼します。コーヒーのほうが入りましたので、お持ちしました」
602 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:11 ID:BlxUFnwz0
「なんでもない」
603 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:11 ID:BlxUFnwz0
「そうなんですの。次はもっと早く来てくださいね」
604 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:12 ID:BlxUFnwz0
「急におっかない顔しちゃって。気分でも悪いんじゃない?」
605 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:12 ID:BlxUFnwz0
態度まで、いつもより女の子らしくなっているし、なんだか、ただ話しているだけなのに照れてしまう。
606 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:12 ID:BlxUFnwz0
人と違う、ただその一点だけで注目を集めてしまった。
607 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:12 ID:BlxUFnwz0
――おかあさん?
608 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:12 ID:BlxUFnwz0
「う、ぁあんっ!」
609 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:12 ID:BlxUFnwz0
「お、出てきた出てきた」
610 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:12 ID:BlxUFnwz0
わずかに、声色が変わる。
611 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:12 ID:BlxUFnwz0
「汚いって何が?」
612 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:12 ID:BlxUFnwz0
「恥ずかしいこと、平気な顔で言うんだもん…」
613 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:12 ID:BlxUFnwz0
牧野さんの手が、僕の下着の中にすべりこんで、
614 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:12 ID:BlxUFnwz0
「たまにあるんだよ。こういうときは何もしないで、そっとしといてやれ」
615 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:12 ID:BlxUFnwz0
何を見ているの?
616 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:12 ID:BlxUFnwz0
「あれば聞かないわ」
617 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:12 ID:BlxUFnwz0
改めて見れば、部屋には柔らかくなった陽の光が差し込んでいて、雪さんの白い肌をうすく染めていた。
618 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:12 ID:BlxUFnwz0
「少し、気持ち良くなってきちゃった」
619 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:12 ID:BlxUFnwz0
「いいえ、こう見えて全自動ですよ」
620 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:12 ID:BlxUFnwz0
どこかぎこちない態度の雪さんに手を引かれ、坂を下っていくと…
621 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:12 ID:BlxUFnwz0
「…はあ」
622 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:12 ID:BlxUFnwz0
『石を力いっぱい握って、ナナミさまナナミさま…ってお願いするの』
623 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:12 ID:BlxUFnwz0
そんな僕の気持ちを読みとったのか、アリスは僕のほうを見ると、ふふんと笑い、
624 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:12 ID:BlxUFnwz0
「…大丈夫、僕だって目が覚めた。花梨も目を覚ますよ」
625 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:12 ID:BlxUFnwz0
雪さんは、笑い返すばかりで何も答えてくれなかった。
626 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:13 ID:BlxUFnwz0
「わかった、誘ってみる」
627 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:13 ID:BlxUFnwz0
あの時、すぐに和泉ちゃんを追いかけていれば、公園で追いつくことができたんだろうに…
628 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:13 ID:BlxUFnwz0
「花梨、和泉ちゃんの体いじるの好きだよね…」
629 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:13 ID:BlxUFnwz0
「雪さんは、大丈夫なの?」
630 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:13 ID:BlxUFnwz0
マリアちゃん曰く、一生懸命かみ切ろうとしているところが可愛くてお気に入り…らしい。
631 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:13 ID:BlxUFnwz0
「男ふたりで連れだって祭りってのも華がねえよなぁ…雪さん、駄目なのか?」
632 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:13 ID:BlxUFnwz0
「っぁ〜」
633 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:11 ID:BlxUFnwz0
「マリアにはお姉ちゃんがしてあげる」
634 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:13 ID:BlxUFnwz0
『石を力いっぱい握って、ナナミさまナナミさま…ってお願いするの』
635 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:13 ID:BlxUFnwz0
そのくせ、中途半端にキスしたり胸に触らせてくれたりするから、どうにも我慢ができない。
636 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:13 ID:BlxUFnwz0
そんな事を考えていると、立ち上る陽炎の向こうに、花梨の姿を確認することができた。
637 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:13 ID:BlxUFnwz0
ものすごく怒ってるじゃないか。
638 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:13 ID:BlxUFnwz0
「はい。雪は、透矢さん専属のメイドなんです。ですから、透矢さんは私のご主人様ですよ」
639 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:13 ID:BlxUFnwz0
「和泉、今日はやめとく?」
640 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:13 ID:BlxUFnwz0
役割は様々だが、口寄せを行う者、占いを行う者、薬草の知識により人々の病気を治す者などがいた。
641 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:13 ID:BlxUFnwz0
「気色悪い。せめてアリスって呼んで」
642 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:13 ID:BlxUFnwz0
それだけ、気がかりだった。
643 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:13 ID:BlxUFnwz0
「ぅぅ、私、茶化してないのに」
644 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:13 ID:BlxUFnwz0
「…依存させすぎたようだな」
645 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:15 ID:BlxUFnwz0
「口説くってねぇ」
646 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:15 ID:BlxUFnwz0
そして、彼の手から解放されると、悲しそうな顔で僕を見て、頭を下げた。
647 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:15 ID:BlxUFnwz0
「え…ゃっ、ぁ」
648 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:15 ID:BlxUFnwz0
みんなの視線も、気まずい空気も、後ろでわめきちらされる声も、
649 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:15 ID:BlxUFnwz0
「ちょっと信じられんな…」
650 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:15 ID:BlxUFnwz0
「…ひゃむ…ぅ…んぅ…」
651 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:15 ID:BlxUFnwz0
「透矢くんも花梨ちゃんも、けっきょくおんなじじゃない…みんな、私がいないほうがいいんでしょう!?」
652 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:15 ID:BlxUFnwz0
「あ、あの…」
653 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:15 ID:BlxUFnwz0
「私たちにだってわかんないわよ。勘だもの…」
654 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:16 ID:BlxUFnwz0
「やー、もう、ひざまくらまでされちゃって、可愛いのなんのって」
655 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:16 ID:BlxUFnwz0
「透矢くぅん、見つからないよぉ」
656 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:16 ID:BlxUFnwz0
僕の気持ちを察してか、彼女はうなだれていた頭を持ち上げると、優しくほほえみかけてくれた。
657 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:16 ID:BlxUFnwz0
漫画などは一冊も置かれていない…まあ目のことを考えたら当たり前だけど。
658 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:16 ID:BlxUFnwz0
「ぁ、ぅ…うん」
659 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:16 ID:BlxUFnwz0
「今日は偶然こんなことになっちゃったけど、良かったら、また来てね」
660 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:16 ID:BlxUFnwz0
マリアちゃんは明るい声で紹介してくれたけど、アリスちゃんはというと、あいかわらずの態度だった。
661 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:16 ID:BlxUFnwz0
「少しは、元気になってくれたかな」
662 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:16 ID:BlxUFnwz0
「はーい、わかりませーん、ごめんなさーい」
663 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:17 ID:BlxUFnwz0
あの日、とつぜん、僕の周りにあったはずの世界が、ぷつりと、消えてしまったように。
664 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:16 ID:BlxUFnwz0
「いや、あの、ハイキングって」
665 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:17 ID:BlxUFnwz0
ほっぺたとはいえ、お互いに何度もキスしておいて、それもないか…。
666 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:17 ID:BlxUFnwz0
「、透矢さんっ…まだぁ…っぁぁ」
667 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:17 ID:BlxUFnwz0
冷蔵庫の麦茶でのどをうるおし、忍び足で部屋に戻ろうとすると、
668 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:17 ID:BlxUFnwz0
「今日はどんな夢でしたの?」
669 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:17 ID:BlxUFnwz0
彼女のお母さんのように優しくはなれないだろう。
670 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:17 ID:BlxUFnwz0
背中越しにも、花梨の頭に血が昇っていくのがわかった。
671 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:17 ID:BlxUFnwz0
「は? いや…誰と比べなくても、きれいだとは思うけどね…」
672 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:17 ID:BlxUFnwz0
花梨が本当に病気なら見舞ってあげてもいい。
673 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:17 ID:BlxUFnwz0
「おかげさまで。あの、失礼ですけど、あなたは…」
674 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:18 ID:BlxUFnwz0
夢の中にいた。
675 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:18 ID:BlxUFnwz0
雪さんらしい。
676 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:18 ID:BlxUFnwz0
僕は、和泉ちゃんと接触するための手段を、みずから絶ってしまったのかもしれない。
677 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:18 ID:BlxUFnwz0
「あ…何かな?」
678 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:18 ID:BlxUFnwz0
女がいた。
679 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:18 ID:BlxUFnwz0
拝殿の前で、ぶんぶんと手を振る花梨、ぽやっとした顔でたたずむ和泉ちゃん。
680 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:18 ID:BlxUFnwz0
社交辞令じゃないのはすぐにわかった。
681 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:18 ID:BlxUFnwz0
問題は、この先に何があるか、である。
682 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:18 ID:BlxUFnwz0
「先生に相談されてみては?」
683 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:19 ID:BlxUFnwz0
「…投げたりするんですもの、せっかくの贈り物が、壊れてしまいましたわ」
684 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:19 ID:BlxUFnwz0
「…生理現象だもの。恥ずかしいことなんて、ないよ?」
685 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:19 ID:BlxUFnwz0
「へ? あ、ちょっ、や、ぁ…」
686 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:19 ID:BlxUFnwz0
僕は、その入り口と、たくさんの液でベタベタになった下の穴をも塞ぐように、開いた唇を押しつけた。
687 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:19 ID:BlxUFnwz0
きのうの今日だけあって、目当ての写真自体は、すぐに見つかった。
688 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:20 ID:BlxUFnwz0
「花梨ちゃんと、どっちが好き? 雪ちゃんとは?」
689 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:19 ID:BlxUFnwz0
体も軽い――拳をにぎると、ちゃんと力が入った。
690 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:19 ID:BlxUFnwz0
「ふたりとも、いろいろ騒がせちゃってごめんね。やっぱりダメだったみたい」
691 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:20 ID:BlxUFnwz0
「変なの…好きにさせるようにがんばるって言えばいいの?」
692 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:20 ID:BlxUFnwz0
それが、どうして旦那様なんて言うんだろう。
693 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:20 ID:BlxUFnwz0
(なんか、だんだん、ついていけなくなっ てきたなぁ…)
694 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:20 ID:BlxUFnwz0
しかし、やはりというべきか、少女の姿はおろか集落すらも見つけることはできなかった。
695 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:20 ID:BlxUFnwz0
「透矢くっ…透矢くぅん!」
696 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:20 ID:BlxUFnwz0
「うん。じゃあ、またあとで」
697 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:20 ID:BlxUFnwz0
しばらくの間、ぴちゃぴちゃという音が室内にこだました。
698 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:20 ID:BlxUFnwz0
「みっともないところ、見せちゃったね」
699 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:20 ID:BlxUFnwz0
「牧野って、七夕の夜に会った女?」
700 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:20 ID:BlxUFnwz0
にこー。
701 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:20 ID:BlxUFnwz0
「マリアちゃん、僕、お姉ちゃんとは違うと思うよ。大丈夫?」
702 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:20 ID:BlxUFnwz0
「わかりますわ。だって、透矢さんをあそこに連れて行くのは那波の役目なんですもの」
703 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:20 ID:BlxUFnwz0
「…別に」
704 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:20 ID:BlxUFnwz0
「おいっ!」
705 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:20 ID:BlxUFnwz0
観念したのか、花梨は素直に答えた。
706 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:20 ID:BlxUFnwz0
(それにしても、思いっきり踏んでくれた なぁ)
707 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:20 ID:BlxUFnwz0
「で、マリアは何を見たの?」
708 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:20 ID:BlxUFnwz0
「別の言語の点字、もしくは…現在主流になっているものとは、対応の違う点字ということになりますわ」
709 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:20 ID:BlxUFnwz0
「これが、雪さんの…」
710 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:20 ID:BlxUFnwz0
「ぁ…あー、もちろん、そんなこと考えてなかったよ?」
711 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:20 ID:BlxUFnwz0
べっと舌を出すと、花梨は波打ちぎわを駆けだした。
712 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:20 ID:BlxUFnwz0
「一分は六十秒?」
713 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:20 ID:BlxUFnwz0
「…肝心なとこで使えないんだから」
714 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:20 ID:BlxUFnwz0
ただ、少し忘れているだけなんだ。
715 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:20 ID:BlxUFnwz0
「いいの。透矢と一緒が、いちばん落ちつくんだもん」
716 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:20 ID:BlxUFnwz0
「そんなんじゃないけど…」
717 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:20 ID:BlxUFnwz0
「なに言ってんの。キミ、悪いことなんてひとつもしてないじゃない」
718 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:20 ID:BlxUFnwz0
「納得」
719 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:20 ID:BlxUFnwz0
「そうでしょうね。キミはお姉ちゃんに気に入られてたし…」
720 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:21 ID:BlxUFnwz0
「じゃあ、お願いします。お話をしている間に、ずいぶん楽になりましたから」
721 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:20 ID:BlxUFnwz0
「庄一、真面目に見てやってよね」
722 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:21 ID:BlxUFnwz0
「花梨ー、終わったー」
723 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:22 ID:BlxUFnwz0
「だったら呼んでよ。夢になんかしなくてもいい」
724 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:23 ID:BlxUFnwz0
「でも、そんな毛嫌いしていたものを、どうしてだろうね?」
725 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:23 ID:BlxUFnwz0
「花梨、そろそろ、おしまいだから」
726 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:23 ID:BlxUFnwz0
「いいんですか?」
727 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:23 ID:BlxUFnwz0
「ふふ、那波ですの?」
728 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:23 ID:BlxUFnwz0
「無理なもんはしょうがないよ。私も行って事情を説明してあげるから。ケガってことにしとけばいいよ」
729 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:23 ID:BlxUFnwz0
「それもあるし…」
730 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:23 ID:BlxUFnwz0
だけど、どうやら僕の取り越し苦労だったか。
731 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:23 ID:BlxUFnwz0
「瀬能、透矢」
732 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:23 ID:BlxUFnwz0
「僕が昔…っていうことかな?」
733 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:23 ID:BlxUFnwz0
こうして座っている間も、緑の匂いを含んだ風が、汗ばんだ首筋をなでてくれて、気持ちがいい。
734 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:23 ID:BlxUFnwz0
日が差さないことに加えて、何かに見られているような感覚がつきまとう。
735 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:23 ID:BlxUFnwz0
「孕ませ、て…っく…くだっ…」
736 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:23 ID:BlxUFnwz0
それが功を奏したのか、多少は楽になったらしい。
737 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:23 ID:BlxUFnwz0
「誰に向かって言ってんの、馬鹿」
738 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:23 ID:BlxUFnwz0
「一生だよ。雪さんは僕の専属だから」
739 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:23 ID:BlxUFnwz0
「ピーターは、いつも、一人ぼっちじゃないですか」
740 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:23 ID:BlxUFnwz0
「い…ずみ、このままするよ?」
741 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:23 ID:BlxUFnwz0
『じゃあ、絶対に忘れない』
742 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:24 ID:BlxUFnwz0
「茶化すんじゃないのー」
743 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:23 ID:BlxUFnwz0
「犯すよ。花梨が怖いんなら、僕が、むりやり犯してやる」
744 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:23 ID:BlxUFnwz0
目を細めて、雪さんは、僕の望む通りの動きをしてくれた。
745 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:24 ID:BlxUFnwz0
「でも、これってアリスが言うほど一般的な知識かな?」
746 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:23 ID:BlxUFnwz0
透矢くんという言葉に、みんなの視線が集まる。
747 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:23 ID:BlxUFnwz0
僕が記憶喪失だっていうことに気づいたのは、過去や時間っていう概念を本能的に記憶していたからだ。
748 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:24 ID:BlxUFnwz0
「は、はいぃ…」
749 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:24 ID:BlxUFnwz0
「何座かわかると、どうなりますの?」
750 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:24 ID:BlxUFnwz0
ずっ、ずっ、と窮屈な中から、痛々しい色を含んだ、それが頭を覗かせた。
751 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:24 ID:BlxUFnwz0
「…花梨」
752 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:24 ID:BlxUFnwz0
誘われるように音をたどっていくと、果たして彼女はそこにいた。
753 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:24 ID:BlxUFnwz0
「…私、悲しい気持ちのまま、別れたくないよ」
754 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:24 ID:BlxUFnwz0
「ふたりとも、いろいろ騒がせちゃってごめんね。やっぱりダメだったみたい」
755 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:24 ID:BlxUFnwz0
怪だの、妖怪だの、本気で論じるには、あまりにもバカげた内容だ。
756 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:25 ID:BlxUFnwz0
「夢、ですか?」
757 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:25 ID:BlxUFnwz0
「誓いの口づけ…したいな」
758 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:25 ID:BlxUFnwz0
「神隠しだって…?」
759 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:25 ID:BlxUFnwz0
水音が、静かな礼拝堂にこだまして、僕の正常な思考までも飲み込んでいく。
760 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:25 ID:BlxUFnwz0
「あ、いや、大丈夫だから。行こうか」
761 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:25 ID:BlxUFnwz0
「あら…だって、悪い夢なんですよ。どうせ夢なら、そのほうが幸せだと思いませんか?」
762 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:25 ID:BlxUFnwz0
でも、いいんだ。
763 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:25 ID:BlxUFnwz0
言っていることはよくわからないけど、とにかく、僕をはげましてくれているらしい。
764 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:25 ID:BlxUFnwz0
「あは。あのぅ…」
765 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:25 ID:BlxUFnwz0
『雪さん、今度は絶対に忘れないから』
766 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:26 ID:BlxUFnwz0
牧野那波、ナナミ――
767 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:26 ID:BlxUFnwz0
和泉ちゃんは、あくまで終わりにする気なんだ。
768 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:26 ID:BlxUFnwz0
「やっ…はぁ…」
769 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:26 ID:BlxUFnwz0
「透矢さん…っ…ぁぁ…ぅぁぁ…」
770 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:26 ID:BlxUFnwz0
だけど、
771 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:27 ID:BlxUFnwz0
「痛いけど、大丈夫だと思う…」
772 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:27 ID:BlxUFnwz0
「やだな。別に、透矢が謝る必要なんてないでしょ。事故なんだから」
773 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:27 ID:BlxUFnwz0
困惑に、恐れ――おおよそ、この状況で見せてはいけない感情すべて。
774 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:27 ID:BlxUFnwz0
「これが、雪さんの…」
775 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:27 ID:BlxUFnwz0
「そうだね。牧野さん、あれくらい気楽にしてくれても構わないんだよ?」
776 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:27 ID:BlxUFnwz0
結合部から流れ落ちる赤い血が、やけに痛々しかった。
777 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:27 ID:BlxUFnwz0
「冗談というより悪夢だな。しかも、そういうのに限って正夢だったりするから困るんだ」
778 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:27 ID:BlxUFnwz0
そんな、バカげたことを研究する過程で現れた、雪さんの両親って?
779 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:28 ID:BlxUFnwz0
みんなは、ホタルに見とれているせいか僕たちの動きに、まったく気づく様子がない。
780 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:28 ID:BlxUFnwz0
親切な友人に恵まれていたこと、記憶は失ったけど怪我一つしなかったこと、
781 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:29 ID:BlxUFnwz0
「僕の勘違い。本当にごめんね」
782 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:29 ID:BlxUFnwz0
「ふーん、そうなんだ。じゃあ、私も立候補しちゃおっかな」
783 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:29 ID:BlxUFnwz0
だからこそ問題になるんじゃないかって気はしたけど、マリアちゃんの笑顔には勝てなかった。
784 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:29 ID:BlxUFnwz0
「那波、たぶん、これで最後だ」
785 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:29 ID:BlxUFnwz0
「キミたちぃ、なんの話をしてたかな?」
786 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:29 ID:BlxUFnwz0
『つまらない想像を働かせることもできる が、あくまで想像の域を出ない』
787 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:29 ID:BlxUFnwz0
視線に気づいた花梨が、ぱたぱたと手を振る。
788 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:29 ID:BlxUFnwz0
白い世界、蒸した風、セミの声――
789 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:29 ID:BlxUFnwz0
照れているのか、彼女の小さい体では、それが精一杯だったのか。
790 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:29 ID:BlxUFnwz0
(おかあさん?)
791 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:29 ID:BlxUFnwz0
しかし、そこに至るまでに、容易ではない道のりがあったのは、まず間違いない。
792 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:29 ID:BlxUFnwz0
「うん、ありがと」
793 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:29 ID:BlxUFnwz0
でも、あれは本当に夢だったのか…
794 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:29 ID:BlxUFnwz0
「いろいろな声を、聞きました…ですけど誰も…那波を呼んでくださらなくて…」
795 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:29 ID:BlxUFnwz0
「花梨が、僕と?」
796 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:29 ID:BlxUFnwz0
言われて気づいた、僕の顔を包み込む柔らかくてあったかい感触は…
797 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:29 ID:BlxUFnwz0
振り向いた先では、マリアちゃんが不安げな顔で僕を見下ろしていた。
798 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:29 ID:BlxUFnwz0
なにより、すぐにまた、笑顔で会えると言った彼女の事を、僕は信じていたいと思うから。
799 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:30 ID:BlxUFnwz0
僕と雪さんがいたら、雪さんにじゃれつくくらいだし…。
800 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:30 ID:BlxUFnwz0
ノドまで言葉が出かかっているのに出ない、そんな感じだ。
801 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:30 ID:BlxUFnwz0
「テストとセミでイラつかれてもぉ」
802 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:30 ID:BlxUFnwz0
「は、はいぃ…」
803 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:30 ID:BlxUFnwz0
「痛いんでしょう?」
804 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:30 ID:BlxUFnwz0
開きかかった唇をふさぐ。
805 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:30 ID:BlxUFnwz0
「んー、まあ、ちょっと…」
806 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:30 ID:BlxUFnwz0
あれは、まっとうな人間の目じゃない。
807 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:30 ID:BlxUFnwz0
「はい。ですけど、それは透矢さんも一緒だと思います」
808 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:30 ID:BlxUFnwz0
「怖い? うーん、確かに怖いかもね。いつも同じような夢を見るのも変だし」
809 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:30 ID:BlxUFnwz0
「おまえに言われてもね。どうせなら、雪さんか和泉ちゃんあたりに言われたい」
810 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:30 ID:BlxUFnwz0
うかんでいたのは、ただ一面の青。
811 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:30 ID:BlxUFnwz0
(やっぱり、彼女は…!)
812 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:30 ID:BlxUFnwz0
夢が覚めた時。
813 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:30 ID:BlxUFnwz0
「そういう問題じゃないって」
814 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:30 ID:BlxUFnwz0
「体調、悪いの?」
815 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:30 ID:BlxUFnwz0
「でも、牧野さんは…そういうの、わかるんだよね?」
816 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:30 ID:BlxUFnwz0
手を引かれてしまった。
817 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:30 ID:BlxUFnwz0
「透矢くっ…ぃぃっ…よぉ…」
818 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:30 ID:BlxUFnwz0
というか、どうせわからないし考えるだけ無駄だろう。
819 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:30 ID:BlxUFnwz0
「…まあ、言われてみれば、そういうところはあったかもしれないけど」
820 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:30 ID:BlxUFnwz0
その代わりに、声に甘いものが混じり始める。
821 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:30 ID:BlxUFnwz0
マリアちゃんは強引に上体を起こし、僕の胸に顔を寄せてきた。
822 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:31 ID:BlxUFnwz0
でも、実際に弓を取ってみれば、あのザマだ。
823 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:31 ID:BlxUFnwz0
「…不思議だね」
824 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:31 ID:BlxUFnwz0
「ホントに決まってんでしょ!」
825 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:31 ID:BlxUFnwz0
つまり、居場所に選ばれた僕は家の中心で…要するにあれは、彼女にしてみたらプロポーズだった、と。
826 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:31 ID:BlxUFnwz0
我に返ると、目の前に雪さんの心配そうな顔があった。
827 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:31 ID:BlxUFnwz0
別になんのことはない、休み時間か何かの光景だった。
828 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:31 ID:BlxUFnwz0
「花梨、まさか…駄目だったのか?」
829 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:31 ID:BlxUFnwz0
だから、この人も消えてしまうって言うのか。
830 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:32 ID:BlxUFnwz0
「たまにあるんだよ。こういうときは何もしないで、そっとしといてやれ」
831 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:32 ID:BlxUFnwz0
「嘘だー。花梨ちゃんバカなんだから、病気になるわけないじゃん」
832 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:32 ID:BlxUFnwz0
(どこかで聞いたような父親だな…)
833 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:33 ID:BlxUFnwz0
花梨の表情が曇った。
834 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:33 ID:BlxUFnwz0
勉強そっちのけで、弓道に打ち込みすぎたか…。
835 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:33 ID:BlxUFnwz0
粘られれば不利になるだけだと思い、話をそらしてしまうことにした。
836 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:33 ID:BlxUFnwz0
「そうは言うけど…」
837 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:33 ID:BlxUFnwz0
「アリスちゃんも遊んでるじゃん」
838 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:33 ID:BlxUFnwz0
「怖い夢を、見られたんですか?」
839 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:33 ID:BlxUFnwz0
まるで物語の中の出来事のような事が彼女と一緒にいる時に起こった。
840 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:33 ID:BlxUFnwz0
私は、あの日から、少女の美しさに魅入られたままなのかもしれない。
841 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:33 ID:BlxUFnwz0
「あんまり、寝られなかったかな」
842 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:33 ID:BlxUFnwz0
「キミ、勘違いしちゃ駄目。牧野さんも、いれば来てたはずだよ」
843 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:33 ID:BlxUFnwz0
「透矢くん…大丈夫?」
844 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:33 ID:BlxUFnwz0
和泉ちゃんは誤魔化すように笑い返し、
845 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:34 ID:BlxUFnwz0
「いいも悪いも…マリアちゃん、無理してるんじゃ…」
846 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:34 ID:BlxUFnwz0
「放射性物質には必ず半減期というものがありますの。放射線の放出量が半減してしまうんですわ」
847 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:34 ID:BlxUFnwz0
「思い出したっていうのとは、少し違うんだけど」
848 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:34 ID:BlxUFnwz0
「…そうですか。そうですね。ふふ、透矢さんとふたりでハイキングなんて、初めてですよ」
849 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:34 ID:BlxUFnwz0
「あの人が? 勘っていうやつ?」
850 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:34 ID:BlxUFnwz0
すぐに折り返しが来るかと思い受話器の前で待っていると、今度は、三分くらい待たされた。
851 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:34 ID:BlxUFnwz0
「落ちついてるんだね」
852 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:35 ID:BlxUFnwz0
「…っく」
853 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:35 ID:BlxUFnwz0
雪さん、どうやら僕に何かしたくて、仕方がないらしい。
854 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:36 ID:BlxUFnwz0
考えながら、僕は、まぶたを下ろした。
855 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:36 ID:BlxUFnwz0
雪さんが眠ってしまうと、手持ちぶさたになる。
856 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:36 ID:BlxUFnwz0
「す、鈴蘭ちゃん?」
857 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:36 ID:BlxUFnwz0
和泉ちゃんは悲しそうな顔をした。
858 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:36 ID:BlxUFnwz0
那波村の歴史、と背表紙には書かれていた。
859 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:36 ID:BlxUFnwz0
「意味もなく謝るから。練習始めるよ」
860 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:36 ID:BlxUFnwz0
とりあえず、ひと安心。
861 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:36 ID:BlxUFnwz0
笑顔の牧野さんに、自分でも、かぁっ、と赤面していくのがわかった。
862 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:36 ID:BlxUFnwz0
情けなくて、ごめん。
863 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:36 ID:BlxUFnwz0
「花梨のことを好きになったのは僕だよ」
864 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:36 ID:BlxUFnwz0
「僕は、大きくても小さくてもいいと思うけど」
865 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:36 ID:BlxUFnwz0
「落ちついた、かな」
866 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:36 ID:BlxUFnwz0
「…ばーか」
867 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:36 ID:BlxUFnwz0
「服、脱いでもいいですか? このままだと、べたべたになっちゃいそうで…お気に入りなんです、これ」
868 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:36 ID:BlxUFnwz0
「自分が醜くなっていくことが。透矢さんが離れていってしまうことが」
869 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:36 ID:BlxUFnwz0
アリスが、得意の、人を馬鹿にしたような笑みをうかべて言った。
870 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:36 ID:BlxUFnwz0
なんてことを考えたりもした。
871 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:36 ID:BlxUFnwz0
「もう遅いからね。よいしょ、っと」
872 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:36 ID:BlxUFnwz0
「うん。わかってるつもり」
873 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:36 ID:BlxUFnwz0
「まさか、ねぇ」
874 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:36 ID:BlxUFnwz0
「僕は、そんなの後悔すると思う。絶対に言わなきゃ駄目だ」
875 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:36 ID:BlxUFnwz0
問題はこの先、あの、廃村のような場所が本当に存在しているのか。
876 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:36 ID:BlxUFnwz0
夕陽が邪魔してよく見えないけど、彼の自転車の後ろに見える影は…
877 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:36 ID:BlxUFnwz0
「誘ったのは僕だからね」
878 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:36 ID:BlxUFnwz0
「透矢ちゃーん、今のだぁれ?」
879 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:36 ID:BlxUFnwz0
「んっ…ぅ…」
880 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:36 ID:BlxUFnwz0
「まあまあ、そう言わずに」
881 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:36 ID:BlxUFnwz0
「っ、っぁ、はぁぁ」
882 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:36 ID:BlxUFnwz0
言いながら、事故っていう可能性が浮かんできて、ドキっとした。
883 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:36 ID:BlxUFnwz0
試技を終えた花梨が戻ってきた。
884 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:36 ID:BlxUFnwz0
「あれはあれでいいよ。服とか靴は買ったの? 今までとはだいぶ違う気がするんだけど」
885 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:36 ID:BlxUFnwz0
「大好き…」
886 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:37 ID:BlxUFnwz0
「だって、濡れてしまいますもの」
887 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:37 ID:BlxUFnwz0
好きになってくれて、ありがとう。
888 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:37 ID:BlxUFnwz0
「わかんないわよ…あの子は…違うんだもん」
889 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:38 ID:BlxUFnwz0
「…たまーにひどいのな、おまえ」
890 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:38 ID:BlxUFnwz0
「一ヶ月のハンデがあるやつと比べんな。それで負けたら笑い事だぜ」
891 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:38 ID:BlxUFnwz0
「一時的に、光と記憶を無くしていたからでしょう」
892 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:38 ID:BlxUFnwz0
翌日、翌々日と、花梨は体調が悪いのを理由に、僕らの誘いを断った。
893 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:38 ID:BlxUFnwz0
「それとこれとは別だよ。私、あの子みたいに色白じゃないし、足も筋肉って感じだし…」
894 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:38 ID:BlxUFnwz0
「外っつらはそうでも、この歳で好きな人がいないなんてこと、普通はないと思うよ」
895 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:38 ID:BlxUFnwz0
あわてて両手を見比べる。
896 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:38 ID:BlxUFnwz0
「大丈夫です。雪、透矢さんのこと、愛していますから」
897 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:38 ID:BlxUFnwz0
「…まあ、なんとなくわかったよ」
898 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:39 ID:BlxUFnwz0
僕自身は、目の前の牧野那波さんをどう思っているのか。
899 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:39 ID:BlxUFnwz0
「透矢くぅ…ん…お願いだから…」
900 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:39 ID:BlxUFnwz0
いかにも渋々といった感じで引き下がった。
901 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:39 ID:BlxUFnwz0
「んのガキ!」
902 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:39 ID:BlxUFnwz0
「にーぃ」
903 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:40 ID:BlxUFnwz0
まあ、夢と大差もないけど。
904 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:40 ID:BlxUFnwz0
「…からかわないで」
905 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:41 ID:BlxUFnwz0
「聞かせてくれる?」
906 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:41 ID:BlxUFnwz0
「あのあのっ…私、変なこと言っちゃいましたか?」
907 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:41 ID:BlxUFnwz0
「でも、なんていうのか、そのほうが絆が深まる気がしませんか? 一緒に頑張ったんだぞ、っていう」
908 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:41 ID:BlxUFnwz0
期待してたとか、そういうことじゃないんじゃないか。
909 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:41 ID:BlxUFnwz0
僕は木陰に腰を下ろした。
910 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:41 ID:BlxUFnwz0
庄一は、出来の悪い教え子に何かを教えるみたいに、ゆっくり、かみ砕いた物言いをする。
911 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:41 ID:BlxUFnwz0
波間にゆれる月みたいに不確かな、その世界の中で出会った僕たち。
912 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:41 ID:BlxUFnwz0
恐る恐る下ろしてみると、真っ白な肌の上に綺麗な縦線が一本。
913 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:41 ID:BlxUFnwz0
「正義の味方じゃないのは確かよね。要するに、人とは違う、嫌われ者のことよ」
914 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:41 ID:BlxUFnwz0
でも、僕はここにいる。
915 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:41 ID:BlxUFnwz0
「しょうがない。初心者だと思って、一から教えてあげますか」
916 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:41 ID:BlxUFnwz0
「はぁ、わかったよ、僕の負け」
917 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:41 ID:BlxUFnwz0
「先生も言ってたよ。その調子で弓道を続けるといい、って」
918 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:41 ID:BlxUFnwz0
幸い、誰も気にかけていないようなので平静を装った。
919 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:41 ID:BlxUFnwz0
「あっ、いいこと言う時の顔だ」
920 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:41 ID:BlxUFnwz0
でも、泣き出しそうな顔の彼女を見ていると、あまり無下にもできない。
921 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:41 ID:BlxUFnwz0
そして、お互いの顔を再び舐め始めた。
922 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:41 ID:BlxUFnwz0
「…気をつけます」
923 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:41 ID:BlxUFnwz0
調子を取り戻したらしい花梨が、口もとを拭った。
924 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:41 ID:BlxUFnwz0
子供の頃なら、ケンカもするだろう、心ない事も言うだろう。
925 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:41 ID:BlxUFnwz0
「ちょっとマリア、なんのつもり?」
926 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:41 ID:BlxUFnwz0
迎えに来てくれるのは、雪さんだけでいいのにな…
927 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:41 ID:BlxUFnwz0
「ふふ。これで那波は、透矢さんのものですわね」
928 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:41 ID:BlxUFnwz0
(逃げたか…)
929 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:41 ID:BlxUFnwz0
「良かった…ありがとう、透矢くん」
930 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:42 ID:BlxUFnwz0
「ちぇー…」
931 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:42 ID:BlxUFnwz0
「僕たち、そんなに喋ってたっけ?」
932 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:42 ID:BlxUFnwz0
僕は下腹部に力を入れて、どうにかそれをこらえた。
933 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:42 ID:BlxUFnwz0
庄一とのやりとりを見ていたせいか、まるで信用できないけど…とりあえず乗ってみることにする。
934 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:42 ID:BlxUFnwz0
「透矢くん、おはよ」
935 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:42 ID:BlxUFnwz0
「うん。それでも、花梨がいちばん大事だから」
936 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:42 ID:BlxUFnwz0
呼び方も、透矢さんに戻っている。
937 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:42 ID:BlxUFnwz0
「怪(あやかし)…」
938 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:42 ID:BlxUFnwz0
「いや…」
939 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:42 ID:BlxUFnwz0
「あ…はい」
940 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:42 ID:BlxUFnwz0
「っ…むぅ…っ…ん」
941 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:42 ID:BlxUFnwz0
心の底から嫌悪している、っていうわけでもないようだ。
942 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:42 ID:BlxUFnwz0
「期待されてて結果が出せないっていう点ではな」
943 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:42 ID:BlxUFnwz0
「ええと、那波さんのお父さんですか?」
944 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:42 ID:BlxUFnwz0
「へ? 大丈夫だってば、子供じゃないんだから」
945 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:42 ID:BlxUFnwz0
僕は彼女のぬくもりに、溶け込んでいった。
946 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:43 ID:BlxUFnwz0
そもそも、何が悲しくて、宮代神社で無償奉仕をしなくちゃいけないのやら。
947 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:45 ID:BlxUFnwz0
笑顔でエロ本なんて言われたものだからいっぺんに毒気を抜かれてしまった。
948 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:45 ID:BlxUFnwz0
会と呼ばれる状態――弓を引き絞り、離す直前の構えが、異常に長かった。
949 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:45 ID:BlxUFnwz0
「すぅ、すぅ…」
950 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:45 ID:BlxUFnwz0
でも、勢い余ってのことだったらしく、彼女はあわてて手を引っ込めた。
951 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:45 ID:BlxUFnwz0
「それ、神様っていうか、単なる幻覚なんじゃ…」
952 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:45 ID:BlxUFnwz0
この子は、僕なんかの事で、こんなにも喜んでくれる。
953 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:45 ID:BlxUFnwz0
「大将役って、楽でおいしいの?」
954 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:45 ID:BlxUFnwz0
僕は、泣きじゃくる彼女に、内心おろおろしながら、必死で頭を撫でた。
955 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:45 ID:BlxUFnwz0
「雑念の多い人間は、憑き物も敬遠するから大丈夫よ」
956 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:45 ID:BlxUFnwz0
「いつまでも夢からお帰りにならないようでしたら、雪が、起こしてさしあげますけど」
957 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:45 ID:BlxUFnwz0
「自我が、薄い?」
958 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:45 ID:BlxUFnwz0
でも、確かに気になる。
959 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:45 ID:BlxUFnwz0
頑張って作ったおじや…雪さんには、まだ食べてもらっていない。
960 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:45 ID:BlxUFnwz0
「うん…でも、そんな顔しなくても大丈夫だよ。こっちに来て、ずいぶん良くなっているみたいだから」
961 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:45 ID:BlxUFnwz0
月光すらまぶしく感じられて、僕は思わず光から顔を背け、目をつぶった。
962 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:45 ID:BlxUFnwz0
「着きました」
963 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:45 ID:BlxUFnwz0
「あれ?」
964 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:45 ID:BlxUFnwz0
何か、紙切れのようなものを、波の接点と、右側の波紋の中心に置いた。
965 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:45 ID:BlxUFnwz0
「お互いさまじゃないか。それじゃあ、外すよ?」
966 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:45 ID:BlxUFnwz0
「…旦那さま」
967 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:45 ID:BlxUFnwz0
そういえば、今朝の夢について聞いておかなくちゃいけない。
968 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:45 ID:BlxUFnwz0
「自分の好きな人がわからないって、変だと思うんだけど…」
969 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:46 ID:BlxUFnwz0
不思議そうな顔をされてしまった。
970 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:46 ID:BlxUFnwz0
和泉ちゃんがいる、この世界に。
971 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:46 ID:BlxUFnwz0
でも、そうされると具合がいいのか、彼女の奥からは、どんどん温かいものがあふれてくる。
972 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:46 ID:BlxUFnwz0
「んー、花梨ちゃんね、お姉ちゃんのところに転がり込むかもしれないって」
973 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:46 ID:BlxUFnwz0
「そっか。じゃあ、行こう」
974 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:46 ID:BlxUFnwz0
「和泉ちゃん…やめてよ」
975 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:46 ID:BlxUFnwz0
「だったら、那波がずっと元気でいられる可能性を選ぶことにしよう」
976 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:46 ID:BlxUFnwz0
「ちゃんとしたら、いい?」
977 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:46 ID:BlxUFnwz0
「ひっ…」
978 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:46 ID:BlxUFnwz0
牧野さんが、その『あやかし』だとでも言うのか?
979 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:46 ID:BlxUFnwz0
紙切れと、彼の想いだけを残して――自分の想いは、僕に伝えて――彼女は行ってしまった。
980 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:46 ID:BlxUFnwz0
「アリス、あのさ」
981 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:46 ID:BlxUFnwz0
「そうなの? でもほら、僕も検査で疲れてるし」
982 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:46 ID:BlxUFnwz0
言いながら、新たにあふれ出た透明な液体を、雪さんは残さず舌ですくった。
983 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:46 ID:BlxUFnwz0
「そうかも。まあ、僕の誕生日なんて、すぐにわかることだよ。牧野さんは、欲しいもの考えておいてね」
984 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:46 ID:BlxUFnwz0
「んぁ…っぁ…ぁ…」
985 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:46 ID:BlxUFnwz0
「あ、いえ…きのうは本当に、ありがとうございました」
986 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:46 ID:BlxUFnwz0
多少、口うるさいところはあるかもしれないけど。
987 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:46 ID:BlxUFnwz0
開発は、自然環境の破壊、文化や風習の変容や消失を急速にうながした。
988 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:46 ID:BlxUFnwz0
「透矢さん…もっと…」
989 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:46 ID:BlxUFnwz0
ひとりで逃げ出して…
990 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:46 ID:BlxUFnwz0
「あ、見てください、きれいなお花…」
991 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:46 ID:BlxUFnwz0
「事実だから」
992 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:46 ID:BlxUFnwz0
「ほら、熱いですよ、やっぱり」
993 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:46 ID:BlxUFnwz0
「それでも!」
994 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:46 ID:BlxUFnwz0
「本当は、大嫌いなんかじゃ…ない…っ」
995 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:46 ID:BlxUFnwz0
「? だって、私、ずーっと透矢くんのほうを見てたから〜…ぁぁぁ!?」
996 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:46 ID:BlxUFnwz0
「え、えぇ…?」
997 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:46 ID:BlxUFnwz0
父さんはいたけど…彼女の拠り所は、いつでも僕だった。
998 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:46 ID:BlxUFnwz0
局部との間に伸びる糸が確認できた。
999 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:48 ID:BlxUFnwz0
「雪さんは恰好だけじゃないよ」
1000 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:47 ID:BlxUFnwz0
「でも、私たちには、最初からなついてたよ?」
1001 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :2007/12/26(水) 12:22:47 ID:BlxUFnwz0
「せめて半分ずつにしませんか…?」
1002 :
1001:Over 1000 Thread
このスレッドは1000を超えました。
もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。
1003 :
ALiCEMATiC ◆eVGODMARiA :
「花梨ちゃん、そんなすぐには…」