3連動巨大地震に匹敵する津波痕跡、6000年に15回程度確認/神奈川 2013年1月30日
http://news.kanaloco.jp/localnews/article/1301300010/ http://news.kanaloco.jp/common/user/news/photo/1/130130/7_172335.jpeg 池の津波堆積物を調査する高知大の岡村真特任教授(左から2人目)のチーム
=2012年11月、高知県土佐市(同大提供)
東海、東南海、南海地震の3連動で起きたとされる宝永地震(1707年)に匹敵する巨大地震が、
過去約六千数百年の間に15回程度起きていたことを示す津波堆積物を高知県土佐市の池で
確認したと、高知大の岡村真特任教授のチームが29日、明らかにした。
チームによると、東海沖から四国沖にかけての海底にある溝状の地形「南海トラフ」付近の津波
痕跡は約2千年前までのデータしかなく、津波痕跡としては最古級としている。
岡村氏は「300年から400年程度の幅で1回、宝永級の地震が起きるとのこれまでの研究結果
の裏付けになった」とした上で、次の地震が宝永地震のような連動型になる可能性が高いとして
「逃げるための対策の整備が急務」と強調した。
チームがこれまで土佐市の蟹ケ池で実施した約2千年前までの地層調査で、巨大地震による
津波痕跡を確認したのは(1)1707年の宝永地震(2)1361年の正平地震(3)684年の白鳳
地震(4)300〜600年ごろの地震(5)約2千年前の地震−の5層。
昨年10月から11月に調査した結果、今回さらに約2千年前から六千数百年前ごろの間に、
10層程度の堆積物を発見した。
約2千年前の巨大地震による津波堆積物はこれまで、同チームが徳島県阿南市や高知県須崎市
、大分県佐伯市、三重県尾鷲市の池でも発見。
堆積物が東西の広範囲で見つかったことや、宝永地震の堆積物よりも約2千年前の堆積物の量が
多い地点があることから岡村氏は「約2千年前の地震は宝永地震を超え、過去最大級だったとの
研究結果を補強する」としている。