http://chikyuza.net/n/archives/8340 原発事故による癌患者の増大は40万人以上――ECCR予測
2011年 4月 5日
福島第一原発事故の事態収拾のめどが全く立たず、放射性物質を放出し
続けている現状では、この事故による健康被害の予測をするのは時期尚早
の感もあるが、欧州の放射線リスク委員会は早くも、この事故による癌発
症リスクの増大予測を発表した。
http://www.llrc.org/ 放射線リスクに関する欧州委員会(ECRR)のクリス・バズビー科学部
長は3月30日、福島第一原発事故による癌発症の予測を発表した。この予
測は、国際原子力機関(IAEA)と日本の公式サイトの発表したデータに
基づき、2つのモデルを使用して計算したものである。
第1の「トンデル」モデルは、チェルノブイリ事故から10年間のスウ
ェーデン北部における癌の発症率を検証したマーティン・トンデルの慎重
な研究に基づいている。このモデルによれば、今後も人々が避難せず住み
続けたと仮定すれば、福島第一原発から100キロ圏内(人口330万人)では、
今後10年間に事故前よりも66%癌の発症率が増大し、10万3329人が余分に
癌を発症すると予測されている。また、事故現場から100キロから200キロ
の圏内(人口780万人)では、今後10年間に12万894人が事故が起きなかっ
た場合よりも余分に癌を発症すると予測されている。つまり、福島第一原
発から200キロ圏内では、今後10年間で22万4223人が余分に癌を発症する
と予測されている。
第2のモデルは、様々な放射性核種の生体系における様々な行動様式
に基づき、ECRRが助言した様々な要因を考慮に入れたものである。
このモデルによれば、今後50年間に、100キロ圏内では19万1986人、
100キロ〜200キロ圏内では22万4623人、合計で41万6619人(計算が1
0人合わないが、元の記事の数値をそのまま示す)が余分に癌を発症
し、そのうち約半数の20万8310人は今後10年間で癌を発症すると予測
されている。つまり、2つのモデルの間には今後10年間の癌発症予測
について大まかな一致が見られる。
以上、次の記事を参考にしました。
417,000 cancers forecast for Fukushima 200 km contamination zone by 2061
http://www.llrc.org/ ただし、これはあくまでも3月下旬までにIAEAと日本が公表した
数値を基にした数値であり、放出される放射線量は現在も今後も増
大し続けるわけだから、最終的な予測値はこれを大幅に上回ること
は確実である。