【宏観】そういえば?不思議な現象【1読んで】199

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Arts & crafts CitaCita-A/C Magazine34-地球の東端から−第二回 Ant's Life - 佐々木和郎
ttp://www.shigotosoken.com/citacita/ac/magazine/no36.html

象のインターネット網

2004年12月26日のスマトラ沖地震で、津波がタイ南部の町カオラックを襲った。この町で飼われていた象8頭は、
地震が起きたころに、突然鳴き始めたそうだ。そしてその約1時間後には、客を乗せていた複数の象が突然丘に
向かって、猛ダッシュをはじめた。当時ビーチにいた3800人もの人々が、逃げ遅れて津波にのみ込まれたというのに、
この象とともにいた人々は、奇跡的に命拾いをした。

アフリカでは、象の雄と雌が、5年ごとに遠く離れたお互いを難なく見つけ出し、数マイルも離れた所にいる象たちは、
正確に動きを合わせているという。ボツワナの象たちがチョベ川に向かう足跡を調べると、それは定規で引いたような
直線であるだけでなく、それぞれ等間隔の平行線になっている。また、象たちは、何週間も会わずにいた相手と
同じタイミングで、別々の方向から泉にやってくる。

象たちには、どうしてこんな不思議な芸当が可能なのか? 象に関する物語「エレファントム」( ライアル・ワトソン著、
福岡伸一/高橋紀子訳)は、象たちが持っている信じられないような知覚や通信能力、そして太古へ通じる記憶など
について、魅力たっぷりに教えてくれる。そしてその謎を、科学的な仮説に基づいて、説明してくれる。

おそらく象たちは、超低周波の音波を使ったコミュニケーションによって、それを実現しているのではないか。
超低周波はその性質上、どれほど密集した木々にも邪魔されず、深い森の中でも減衰せずに何マイルも進む。
自然界の象たちは、超低周波数の音波によるコミュニケーション能力を使い、なんとある種の「無線インターネット網」
を形成しているのだ。

「象のネットワークはとても広い範囲に及んでいる。(中略)各個体を結び目として繋がりの糸が四方八方へと
伸びている。そうして生み出された網が数百、数千平方マイルに広がり、あるいは国全体を覆い尽くしている。
(中略)象の群れというものは、生態系全体の象をすべて含む」のかもしれない 。