((゚)Å(゚))東海アマチュアすげー!?その98

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928M7.74(長野県)
 ● 毎日カラスが騒がしい

 大きな地震の前にカラスが騒ぐことを知ったのは、もう30年以上前のことだ。当時、
地震雲による予知を研究していたが、大型発生前に、妙に騒がしい印象があり、それがカ
ラスや犬の騒ぎ声であることに気づくことが、たびたびあった。
 M4前後の規模だと、カーカーと大騒ぎするだけだが、被害の出るような地震が近づく
と、ギャーギャーと、それは薄気味悪い声で激しく騒ぐ。これで、筆者は「カラスギャー
鳴き」を大切な予知要素にしているのである。

 カラスに超能力があるという話は、小説や随筆などに、たくさん取り上げられている。
記憶にあるところでは、吉村昭の名作「羆嵐」の終章に、アイヌ猟師の銀四郎(山本兵
吉)が三毛別の人食い熊を射止めるとき、射殺に成功する前から解体の肉片にありつこう
と多数のカラスが集まってきているのを見て、熊が殺されることが分かったという下りが
あった。

 カラスには予知能力がある。「人が死ぬ家の屋根にはカラスが止まる」という言い伝え
も有名だ。これは筆者も何回か確認している。棺桶に両足を入れたような老人のいる家で
葬式が出る数日前に、カラスが屋根の上で騒ぐのだ。これも羆嵐の描写に共通している。

 それを、はっきりと確認したのは、20年ほど前に、東山公園で恐ろしいほどのカラス
の大騒ぎを聞き、「ひょっとしたら大地震か事故が起きるのでは ?」と考えていたら、
正門の前のビルで大きなガス爆発が起きた。
 このとき「言い伝えは本当だったのだ」と確信したものだ。

 もちろんカラスだけではない。筆者の飼育しているニワトリ、(最大130羽いたが、
近所からの苦情による処分や、オオタカ・アライグマなどの襲撃で、今では、とうとう三
羽になってしまった)も、カラスに負けずに大騒ぎする。
 M5を超すような地震が日本列島周辺で起きる前には、早朝から鳴きやまず、うるさく
てかなわない。M6を超すような大型、超大型の前になると、今度は、彫像のように屹立
して身動きもしないし、怯えてしまい鶏舎から出ようとしない。おおむね、震源地の方を
向いているような気がしている。

 一番うるさいのはキジだ。M7クラスの超大型が近づくと、未明から数時間も鳴き騒ぐ
あれは単発型ながらボリュームが大きいので、目覚まし時計を鳴らされたようなもので、
安眠できずに本当に困る。
 鷹類やアライグマなどは、地震の前に攻撃性が増すのか、あるいは繁殖本能を刺激され
るのか、ニワトリを襲いにくることが多く、これもオチオチ寝ていられない。

 挙げればキリがないが、牛や豚、犬も騒ぐし、冬場なのに蛇が這い出てきたり、轢死が
増えたり、ナマズや金魚などの魚類も。暴れたり、整列して凍結状態になったりの異常行
動を起こすことが知られている。ミミズや虫のことまで挙げれば本当にキリがなくなるの
で、ここらにしておく。