日付入り予言はロシアに期待
衛星でVLF帯の電磁放射を計って、高い確率で広範囲の地震前兆を捉えるのはロシアのお家芸。
−−参考引用−−
【 地震に関連する自然電磁放射の衛星観測 】
1988年にロシアのグループが地震に先行する電磁現象が衛星でも受信されたと報告している。
ここでは,Molchanov et al.(1993)の報告を紹介する。
研究に用いた衛星は,Intercosmos-24衛星で,この衛星は1989年9月28日に打ち上げられ,その近地点は約500km,遠地点は2500km,傾斜角は83°である。
この衛星はもともとスペースプラズマ波動研究のためのものであり,観測周波数は8Hz〜20kHzであり,結果として地震前兆観測としての研究にも使い得るものであった。
衛星観測の特徴は数箇月という短期間でも,そのカバレージ領域の広さからきわめて多くの世界中の地震を対象とすることができることである。
実際に,1989年11月16日〜12月31日までの1.5箇月間の観測期間中に5.2<Ms<6.1の28個の対象地震が発生した。
その結果,ある領域で発生した地震に関係すると思われる電磁放射が,発生する2時間前に通過したパスで震央の緯度より少々離れた場所でのみ受信されていた。
また,低緯度領域での地震関連電磁波の受信妨害のおもなものは,自然雑音(雷からの空電,ホイッスラ,磁気圏放射)であるが,
このノイズとの分離を試みた結果,電磁放射は地震の12〜24時間前に50%以上の確率でピークがあることが確認された。
また,観測した周波数のうちVLF帯の自然放射だけは,震央から遠く離れていても同緯度帯であれば観測されたとのことである。
−−引用元−−
大気電気学概論 日本大気電気学会編(2003.3.18初版、コロナ社)p.207
その頁の執筆者
http://www-es.s.chiba-u.ac.jp/geoph/ulf/