【総合】東海地震【雑談】

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487M7.74(三重県)
 東海地震の発生予想地域で、地震を引き起こす地殻の「ひずみエネルギー」は、従来考えられて
いたよりもたまっていない可能性が高いことを、名古屋大学の鷺谷威・助教授らの研究グループが
突き止めた。

 測量結果の分析から、安政東海地震(1854年)以後の約50年間、プレート(板状の岩盤)が強く
くっつかずに、滑る現象が起きたと推測されるためで、31日から名古屋市で始まる日本地震学会で
発表する。

 東海地震の震源と予想される駿河湾沖では、陸側のプレートと海側のプレートの一部が強く固着、
一緒に沈み込むことでひずみエネルギーをためる。これに伴い、地表では静岡付近が沈降し、
浜名湖付近が隆起する地殻変動が観測される。

 鷺谷助教授らは、名古屋〜沼津間約240キロでの国土地理院による測量結果を
〈1〉1884〜1901年、〈2〉1895〜1931年、〈3〉1977〜2001年の3つの期間で分析した。

 〈2〉と〈3〉の測量では、この地殻変動が確認される一方、〈1〉では、静岡付近はほとんど変動せずに、
逆に名古屋付近が沈降する現象が起きていたことがわかった。

 安政東海地震後の50年程度は、海と陸のプレートの固着が回復せずに、海側のプレートだけが
ずるずると沈み込む「余効すべり」と呼ばれる現象が起きていたと推測されるという。

 東海地震を巡っては、150年以上の空白期間があり、1940年代に東南海、南海地震が起きた際にも
駿河湾沖の岩盤が破壊されていないことなどから、切迫性が高いとされてきた。

 今回の研究は従来の議論に一石を投じそうで、鷺谷助教授は「この地域のプレートの沈み込み速度は
元々、紀伊半島沖や四国沖などと比べて半分以下。余効すべりが長期間起きていたとすると、ひずみの
蓄積は思ったより少なく、東海地震が単独で発生するとは考えにくい」と話している。

読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20061021it06.htm