MISUHA ver.4

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3M7.74
地震被害想定
 地震被害想定支援ツール
 http://www.bousai.go.jp/manual/tool/tool.html
 地震被害想定支援マニュアル
 http://www.bousai.go.jp/manual/index.htm
 地震ハザードステーション
 http://www.j-map.bosai.go.jp/

 地震ハザードステーションの「簡便法」による想定と震度推定CGIは
 司・翠川 (1999)の最短距離式が使われています。
 地震被害想定支援ツールを使う時は基本的にこの式を選択してください。

 上手く想定できないときに…(・∀・)

 ・プレート内地震→最短距離式が有効(上3つの式)
 ・プレート間地震→等価震源距離式が有効(下2つの式)
 ・「震源リスト」は参考程度に。
 ・「深さ」というのは断層上端の深さなので、気象庁が発表する「深さ」とは別。
  例えば兵庫県南部地震の震源の深さは16km程度ですが、
  地震断層が地表に出ているので深さ0kmと入力します。

 ・普通は、司/翠川の最短距離式(上から2番目)を使います。
  デフォルトの式(一番上)だと、震度感覚が狂ってしまうかもしれません。
 ・規模の大きいプレート間地震や、スラブ内地震のときに等価震源距離式を使ってみる。
 ・プレート間地震であえて最短距離式を使う時、震源断層は小さめにする。

 ・震度7の領域をあまり広く出さないようにする。
  震度7は、いくら規模が大きい地震でも軟弱地盤の地域に限られます。
  (広く塗りつぶされているようだったら、式をかえてみるとか)

 断層パラメータが欠落しているときに…(・∀・)

 ・断層長は分かるけど、断層幅がわからない
  断層長L、断層幅Wとしたとき、L=2Wです。(実際は結構ばらつきがあります)
  断層幅を断層長の半分にしてみてください。

 ・傾斜角がわからない
  一般に、活断層によるプレート内地震は高角で、普通60-70°くらい。
  プレート間地震は低角逆断層で、30°くらいを入力すれば上手くいきます。

震度
 日本では、1996年以降、揺れの度合いを10階級( 0 1 2 3 4 5弱 5強 6弱 6強 7 )に分けた
 気象庁震度階級(JSI)が使われています。この震度階級は日本独自のもので、欧米では12階級の
 改正メルカリ震度階級(MMI)、中国やロシア、一部ヨーロッパでは12階級のMSK震度階級、
 台湾では中央気象局による震度階級(6階級から7階級に改訂)が使われています。
 ちなみに、MMI12、MSK12は気象庁震度6強と7の境界より遙に強い揺れに適用されます。

 日本では、1996年の階級数の改正までは震度は8階級で、気象台職員の体感や
 建造物の被害状況など主観的な方法で震度を決めていました。
 しかし改正以降は、震度計で計測された計測震度から決められるようになっています。
 計測震度と震度階級の対応 http://www.kishou.go.jp/know/shindo/keisoku.html

 余談ですが、地震動の強さの指標は震度の他にもあります。
 これらは、例えば地動最大速度(PGV、単位Kine)や地動最大加速度(PGA、単位Gal)などで、
 震度が1大きくなるごとにPGVとPGAの積の値が10倍になっています。

 震度が大きくなると地震動は急激に強くなり、
 震度には5強と6弱で大きな境界があります。
 ・震度5強までの揺れではふつう家屋倒壊が発生せず、また避難行動がとれる。
 ・震度6弱以上の揺れでは家屋倒壊が発生する場合があり、揺れでまともに動けなくなる。
4M7.74:2006/04/28(金) 21:11:27.85 ID:q3ipvelx
気象庁震度階級

 計測 震度  境界速度 境界加速度(目安)
 震度 階級  震度階級関連解説要約

 0.00 震度0  0.13kine未満 1Gal未満
          無感。人は揺れを感じない。
 0.50 -----

 1.00 震度1 0.13-0.4kine  1-3Gal
          微震。屋内にいる人の一部が僅かな揺れを感じる。
 1.50 -----

 2.00 震度2 0.4-1.3kine  3-10Gal
          軽震。屋内にいる人の多くが揺れを感じ、眠っている人の一部が目を覚ます。
 2.50 -----
          1.3-3.7kine  10-25Gal
 3.00 震度3 弱震。屋内にいる人のほとんどが揺れを感じる。恐怖感を覚える人もいる。
          棚にある食器類が音を立てることがある。電線が少し揺れる。
 3.50 -----
          3.7-12.5kine  25-80Gal
 4.00 震度4 中震。つり下げ物は大きく揺れ、棚にある食器類は音を立てる。
          座りの悪い置物が倒れることがある。歩いている人も揺れを感じる。
 4.50 ----- -------
                  12.5-22.8kine  80-140Gal
          震度5弱   強震。棚にある食器類、書棚の本が落ちたり、家具が移動すること
                  がある。耐震性の低い住宅では壁や柱が破損するものがある。
 5.00 震度5 -------
                  22.8-41.6kine  140-250Gal
          震度5強   強震。テレビが台から落ちたり、重い家具が倒れることがある。
                  耐震性の高い建物でも壁などに亀裂が生じるものがある。
 5.50 ----- -------
                  41.6-75.8kine  250-450Gal
                  烈震。立っている事が困難。耐震性の低い住宅では倒壊するものがある。
          震度6弱   耐震性の高い建物でも壁、梁、柱などに大亀裂が生じるものがある。
                  多くの建物で、壁のタイルや窓ガラスが破損、落下する。
          1971年以前に建築された木造建物   全損率8-40%   全壊率1-10%
          1972-1981年に建築された木造建物  全損率1-20%   全壊率0- 5%
          1982年以降に建築された木造建物   全損率0- 5%   全壊率0- 1%
          1981年以前に建築された非木造建物  全損率1-8%    全壊率0-1%
          1982年以降に建築された非木造建物  全損率1-2%    全壊率0%
 6.00 震度6 -------
                  75.8-138.1kine  450-800Gal
                  烈震。立っている事が不可能。固定していない重い家具が移動、転倒する。
          震度6強   耐震性の低い住宅は倒壊するものが多い。
                  耐震性の高い住宅でも、壁や柱がかなり破損するものがある。
          1971年以前に建築された木造建物   全損率40-90%   全壊率10-40%
          1972-1981年に建築された木造建物  全損率20-70%   全壊率 5-25%
          1982年以降に建築された木造建物   全損率 5-35%   全壊率 1- 7%
          1981年以前に建築された非木造建物  全損率8-30%    全壊率1-9%
          1982年以降に建築された非木造建物  全損率2- 9%    全壊率0- 3%
 6.50 ----- -------
          138.1kine以上  800Gal以上
          劇震(激震)。人は揺れに翻弄され、何もできない。家具は飛ぶ。倒壊家屋多数。
          大きな地割れ、地すべりや山崩れが発生し、地形が変わることもある。
     震度7 1971年以前に建築された木造建物   全損率90%以上   全壊率40%以上
          1972-1981年に建築された木造建物  全損率70%以上   全壊率 25%以上
          1982年以降に建築された木造建物   全損率35%以上   全壊率 7%以上
          1981年以前に建築された非木造建物  全損率30%以上   全壊率10%以上
          1982年以降に建築された非木造建物  全損率10%以上   全壊率 3%以上
5M7.74:2006/04/28(金) 21:11:45.00 ID:q3ipvelx
震度階級の変遷 (機種依存文字使用)

 相当震度  1884 1898     1908 1936  1949  1996
    ↓   制定 改訂     改訂  改訂  改訂  改訂

  震度0.       微(無感)   零  無感.   0    0
  震度1.    微  微       一   T   T   1
  震度2.    弱  弱(弱き方).  二   U   U   2
  震度3.    弱  弱       三   V   V   3
  震度4.    強  強(弱き方).  四   W   W   4
  震度5-   烈  強       五   X   X   5-
  震度5+   烈  強       五   X   X   5+
  震度6-   烈  烈       六   Y   Y   6-
  震度6+   烈  烈       六   Y   Y   6+
  震度7.                         Z   7

         4階 7階      7階   7階  8階  10階
                            ↑   ↑
                      福井地震┘ 兵庫県南部地震
 福井地震
 福井平野直下で発生したMj7.3(Mj7.1としている資料あり)地震。福井平野では全壊率が
 60%を超えるなど被害は甚大だった。福井市中心部では人口が密集しており、
 戦後復興期だったため建物はバラックが多く不安定な構造だったためかなりの建物が
 倒壊している。発生時刻が午後4時過ぎで夕食の支度をしている家庭が多かったため、
 福井市中心部では火災が発生し、地震により道路障害や水道の破損などにより消火が
 困難だった。また、農業地区ではほぼ全ての家屋が倒壊したものの、住民が屋外で
 農作業をしていたためか、規模や震度の割に死者は少なかった。
 福井地震を契機に、気象庁は震度階級に震度7「激震」を新たに設定した。

マグニチュード
 マグニチュードは、断層運動の量(エネルギー)を表す指標値で、断層運動の量は
 主に震源域の広さと地震の時に断層がスリップする量(変位量)の大きさで決まります。

 最初にマグニチュード(リヒター・スケールML)を考案した人
 リヒター(1900-1985) ttp://wwweprc.eri.u-tokyo.ac.jp/CSS/FigX/richter.jpg

 マグニチュードにはいろいろな種類があります。代表的なのは
 モーメントマグニチュード(Mw) 気象庁マグニチュード(Mj)
 表面波マグニチュード(Ms) 実体波マグニチュード(Mb)など。

 マグニチュードは、1大きくなると断層運動の規模(地震のエネルギー)が10√10倍(約32倍)
 になるように決められています。なので小さい地震が何度も続いても、
 より大きい地震のエネルギーは消費されません。例えば、Mw 7.0のエネルギーを消費するには
 Mw 5.0の地震が1000回起きなくてはいけないです。
 それともう一つ、「マグニチュードが1大きくなると、地震の発生数は約1/10になる。
 また、Mw 8.0以上の地震はさらに極端に少なくなる」ため、ふつう規模の小さい地震が
 多数発生する事で大地震のエネルギーを消費するような現象自体が起きません。
 従って「小さい地震がいっぱい発生すれば大地震はこない」というのはとんでもない誤りです。

 規模の大きい地震リスト
 Mw 9.5  1950年 チリ地震
 Mw 9.4  2004年 スマトラ島北西部沖地震(スマトラ沖地震)
 Mw 9.2  1964年 アラスカ地震
 Mw 9.1  1957年 アリューシャン地震
 Mw 9.0  1952年 カムチャッカ地震
 Mw 8.8  1906年 エクアドル地震
 Mw 8.7  2005年 スマトラ島西部沖地震(スマトラ沖地震)
 Mw 8.6  1950年 アッサム地方の地震