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106クルーソー ◆1RBseismic
ジャワ中部地震(Mw6.46) まとめ2

概要

 ジャワ中部地震の規模はMw6.46と、兵庫県南部地震(Mw6.7)の半分程度、
 新潟県中越地震(Mw6.5)と同規模の地震で、複雑な震源過程をとるマルチプルショックだったと考えられます。

 震央付近に位置するバントゥール(Bantul)、クラテン(Klaten)からは
 改正メルカリ震度階級(MMI)9の報告がStatistics for event neb6(NEIC)に掲載されていて、
 気象庁震度に換算すると、この辺りでは気象庁震度6強から7に相当する揺れがあったことになります。

 また、起震断層は南西-北東方向に伸び、南西端を震央として断層破壊が北東方向に伝播したため、
 震央の北東側へ強いディレクティビティ効果が働き、ジョグジャカルタ方面が強く揺れたと考察できます。

 # ディレクティビティ効果とは、いわば地震波のドップラー効果のようなもので、
  断層が破壊していく方向の先に振幅の大きい地震波が伝わる現象です。
  断層の片端を震央として破壊する場合は、震央よりもう一端の方が遙に強く揺れます。

  兵庫県南部地震の時も、震央が明石海峡にあったのにかかわらず破壊方向先の神戸港が
  最も強く揺れました。また福岡市の中心部を北西端として南東方向に走る警固断層も、南東端、北西端
  のどちらが震央になるかで福岡市中心部の震度は2階級異なるといったシミュレーションがあります。
  (市中心部が震央となった場合、そこは5弱-5強、南東端が震央となった場合、市中心部は震度7)

 大震災となった原因は耐震性の低い建物が多かった事のほかに、
 極めて強い揺れが襲った事もやはり大きな要素となったのでしょう。

詳細

 発生時刻 2006-5/27 07時53分 58秒頃 (JST)
        2006-5/27 05時53分 58秒頃 (Local time at epicenter)

 地震規模 Mw 6.46     (地震モーメント Mo 0.612x10^19 Nm)

 震源位置 南緯7.955度  東経110.430度 深さ10km
        震央:インドネシア・ジャワ島/ ジョグジャカルタから20km バントゥールから14km

 起震断層 断層長L=20km 断層幅W=10km (横ズレ断層・多重震源)
        破壊時間40秒 破壊速度Vr=1.2km/s  

        STRIKE=56°DIP=70°RAKE=11°

 最大震度 MMI 9 (気象庁震度6強-7)

 震度分布 地名       震央距離 メルカリ震度 気象庁震度(目安)  レポート数
        バントゥール.    14km   MMI 9       6強-7         .2
        クラテン.       32km   MMI 9       6強-7          2
        ジョグジャカルタ  20km   MMI 8       6弱          13
        スレマン       29km   MMI 8       6弱           6
        ゴデアン       25km   MMI 8       6弱           1
        スコハルツオ.    55km   MMI 7       5強           2
        セウォン       12km   MMI 6       5弱           1
        マグラン       58km   MMI 6       5弱           1
        カランガニャール. 101km   MMI 6       5弱           1
 # 改正メルカリ震度階級はNEIC-USGSの発表によるものです。
 # 改正メルカリ震度階級を気象庁震度階級に対応させるときには>>89を用いました。
 # 地震規模と起震断層の情報は2006年5月26日ジャワ島中部で発生した地震の震源過程、
  その他の情報はNEIC-USGSによります。あと概要は私が適当に書いた。

震源過程http://www.geo.tsukuba.ac.jp/press_HP/yagi/EQ/2006Jawa/
View Map http://pasadena.wr.usgs.gov/shake/ous/STORE/Xneb6_06/ciim_display.html