【統合スレ】あれって地震雲だよね?38【画像必須】

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6M7.74
和歌山地方気象台

http://www.osaka-jma.go.jp/wakayama/hakkoubutu/jishin_katsudouzu/0506.pdf

地震雲は存在するのか?
最近「地震雲を見たが、大きな地震が発生するのか?」とか、「地震が発生する前に地震雲が現れる
というが本当か?」という問い合わせが気象台に寄せられるようになりました。
地震が発生する前に電磁気的な異常が現れる事があるのは事実で、それが動物などの異常行動の原因
ではないかとも言われていますが、雲を発生させるためには空気をイオン化させるような相当に高い電
圧と湿度100%に近い空気が必要であり、もしそのような状況が生じれば電磁波の異常など他の観測
装置にも検出されると考えられます。
また世界気象機関(WMO)では、国際雲図帳というものを作成し、世界共通の基準で雲の観測を行
うことを決めており、日本の気象台でもこれに準じて雲の観測を行っています。これは唯一国際的な雲
の分類基準ですが、このなかには「地震雲」という分類はありません。つまり地震雲自体の定義も明確
なものがないため、よく現れる飛行機雲を見て地震雲だと言ってくる人もいます。
では、なぜ雲と地震が関係あるかのように思われるのでしょうか?実は、昨年1年間で有感地震(震
度1以上の地震)は全国で2234回(下図参照)も発生しており、比較的大きな震度4以上の地震も
93回発生しています。つまり平均すると毎日6回くらい有感地震が発生し、4日に1度くらいは震度
4以上の地震が発生しているため、誰かが「もうじき地震が発生する」と言えば、その予想はほぼ確実
に当たることになります。
ちょっと変わった形の雲を見て、その後数日して比較的大きな地震があった場合、あれが地震雲だっ
たんだというふうに結びつけてしまうケースが圧倒的に多いと考えられます。
7M7.74:2006/01/09(月) 00:37:17.21 ID:KPPPo+Qr
- 地震学会広報委員会に寄せられた質問と回答より -

http://wwwsoc.nii.ac.jp/ssj/FAQ/FAQ.htm#QA014

質問14
 地震前に地震雲が現れるという話をよく聞きます。本当でしょうか。

回答14(2005年10月追加・修正)
 地震研究者の間では一般に、雲と地震との関係はないと考えられています。
地震の前兆としての「雲」に関する研究は,過去に何度か発表されたことが
あるのは事実で,雲と地震の関係が皆無であると断言はできません。
しかしながら,過去の報告例は大地震の前にたまたま特異な雲の形態をみたことで,
地震と特異な雲の形態を結びつけてしまうケースが圧倒的に多いのでは
ないかと考えられています(その一方,地震が起きなかった場合には雲のことを
忘れてしまいます)。
 雲はその場の大気の状態や付近の山岳などの地形次第で、人間の目には
ときに無気味な姿や謎めいた形となって、さまざまに現れます。従って、例えば
竜巻状や放射状や断層状に見えたとしても、それが地震前兆なのかどうかを
疑う前に、低気圧が接近中だったり近くに存在していないか、前線はないか、
気圧の谷が上空を通過していないか、高さによって風向が食い違っていないかなど、
まず気象の面から十分に検証することが大切です。質問29とその回答もご覧下さい(S,K)。
経路が交差すれば、飛行機雲が交差して「交差する筋上の雲」ができあがります(S,K).
8M7.74:2006/01/09(月) 00:37:44.04 ID:KPPPo+Qr
補足1(2005年10月追加)
 一般の地震研究者が,雲と地震との関係はないと考える理由
1.地下の現象である地震と、大気中の現象である雲とを直接・間接に
関連付けるメカニズムが考えられていないことです。地震雲を説明する際に、
地震の前  の岩石の微小破壊による電磁波の発生が用いられることが
ありますが,微小破壊で電磁波が発生することはありえるとしても,
地下深くで発生した電磁波が 地表に伝わるしくみを十分に説明した
学説はありません。さらに,地表に電磁波が伝わったとしても,
その電磁波によって地震雲が生じるしくみを十分に説明し
た学説もありません。
2.メカニズムが不明でも、「地震雲」の定義が明瞭で,一定の基準で
認定された「地震雲」と大地震との対応例が多数報告されていれば、
経験的あるいは統計 的に「雲」を地震の前兆と捉えることが可能ですが、
実際には,報告されている「地震雲」のほとんどは,その定義が補足2にも
示すように不十分・不明瞭で  統計的な検討が困難です(N,K)。
9M7.74:2006/01/09(月) 00:38:13.08 ID:KPPPo+Qr
補足2(2005年10月追加)
 一般の気象研究者も「地震雲」には否定的です。その理由は,
報告されている「地震雲」のほとんどが,飛行機雲,あるいは,
巻雲・巻積雲や層積雲の変異パターンとして(つまり,「通常の雲」として)
説明可能だからです。たとえば,「くものてびき―十種雲形について」
(著者:湯山生 (著), 日本気象協会気象情報部)や「雲・空」
 (著者:田 中 達也 (著),山と渓谷社)という本に,(通常の気象条件で説明できる)
種々の雲の形がのっており,その中には,過去に「地震雲」とされてきた雲
に酷似した「普通の雲」が載っています(S,K)。

補足3(2005年10月追加)
 「飛行機雲は成層圏あたりの高層に出る。中層に現れるそれは地震雲である」
という説もあるようですが、特に夕方などは太陽光線の具合による上層の雲の
コントラストなどで、実際より低く見える場合が多くあります。首都圏では、
羽田・成田・横田基地等の飛行場があるので、離着陸する多数の航空機があり、
飛行機雲に出合いやすく、その分高度の見誤りの可能性も高まります。
従って、首都圏は、地震雲とされる飛行機雲を発見する可能性の高い場所ともいえます。
 3-2.「交差する筋上の雲が地震雲である」という説もあるようですが、
当然 のことながら飛行経路が交差すれば、飛行機雲が交差して
「交差する筋上の雲」ができあがります(S,K).