強震動総合

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51 ◆QuakerATNI
【マグニチュード】
マグニチュードは、断層運動の量(エネルギー)を表す指標値で、断層運動の量は
主に震源域の広さと地震の時に断層がスリップする量(変位量)の大きさで決まります。

最初にマグニチュード(リヒター・スケールML)を考案した人
リヒター(1900-1985) http://wwweprc.eri.u-tokyo.ac.jp/CSS/FigX/richter.jpg
(以前、この画像のAA作成依頼出して放置された事ありorz)

# マグニチュードにはいろいろな種類があります。代表的なのは
 モーメントマグニチュード(Mw) 気象庁マグニチュード(Mj)
 表面波マグニチュード(Ms) 実体波マグニチュード(Mb)などです。

マグニチュードは、1大きくなると規模が10√10倍(約32倍)になります。
なので小さい地震が何度も続いても、大地震のエネルギーは消費されません。
例えば、M 7.0の地震のエネルギーを消費するには
M 5.0の地震が1000回起きなくてはいけないんですね。

それともう一つ、「マグニチュードが1大きくなると、地震の発生数は約1/10になる。
M 8.0以上の地震はさらに極端に少なくなる」ため、ふつう規模の小さい地震が
多数発生する事で大地震のエネルギーを消費するような現象自体が起きないんです。
従って「小さい地震がいっぱい発生すれば大地震はこない」というのは誤りです。

規模の大きい地震リスト
Mw9.5  1950年 チリ地震
Mw9.4  2004年 スマトラ島北西部沖地震(スマトラ沖地震)
Mw9.2  1964年 アラスカ地震
Mw9.1  1957年 アリューシャン地震
Mw9.0  1952年 カムチャッカ地震
Mw8.8  1906年 エクアドル地震
Mw8.7  2005年 スマトラ島西部沖地震(スマトラ沖地震)
Mw8.6  1950年 アッサム地方の地震

【規模の限界】
過去1000年間のうち、日本周辺で発生した最も規模の大きい地震が宝永地震(M 8.6)で
あるように、日本周辺はM 9.0のような「超巨大地震」が発生しにくいところです。
マグニチュード(Mw)は震源域の広さ、最大変位量などで決まるため、M 9.0のような地震は
広い震源域を必要としますが、日本周辺はプレート境界が複雑なためこれが確保できないんです。

M 9.0を越える地震は主にプレート沈み込み境界で、境界がシンプルな
アリューシャン海溝(アラスカ地震M9.2)、アタカマ海溝(チリ地震M9.5)
スマトラ島西部周辺(スマトラ沖地震M9.4)などで発生し、このような地震は
断層破壊がゆっくり起こる津波地震となるケースが多いため激烈な揺れはありません。

日本周辺のプレート境界
http://www.hinet.bosai.go.jp/about_earthquake/PNG/fig4.9.png