南関東大地震に備えよう 114

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井戸水、突然50度超す/焼津の港小
地震予知のてがかりに?スロースリップ関連か 浜松の教諭ら学会で発表へ

 東海地震の想定震源域にある焼津市立港小学校の井戸で今年8月、井戸水の温度が突然50度を超すなど水温が
急上昇する現象が起きていたことが、浜松市立神久呂中学校の上久保広信教諭と東京大学地震研究所の
佃為成・助教授の調査でわかった。
プレートの「ゆっくり滑り(スロースリップ)」との関連が考えられるという。
地震発生前後に地下水温が急変したとの報告例もあり、地震予知に生かせる可能性があるとして、19日から北海道大学で始まる
日本地震学会で発表する。
 港小の井戸は、校庭の散水設備として使われていたもので、直径約1メートル、深さ約4メートル。上久保教諭らは、
10分間隔で水温を記録できる装置を昨年9月に備え付け、観測を続けてきた。
 結果を分析したところ、今年8月5日午後2時50分に52・6度を記録した。
7月31日朝までは26度ほどで推移していたが、同日午前10時の26・7度から急上昇し、5日間ほどで25・9度上がった。
ピーク後は徐々に元に戻った。
 このような現象は、昨年12月から今年8月までの8カ月間に、目立った上昇だけでも12回あった。
昨年12月26日に35・1度(幅16・6度)、5月1日には25・4度(幅7・3度)などだ。
 上久保教諭らが02年12月から観測している焼津市立大富小学校の井戸水も04年2月に突然33・4度に上がった例がある。
 水温上昇の原因や仕組みは解明されていないが、次のように推測できるという。
(1)プレート運動で岩盤に無数の小さな亀裂が入る
(2)元々あった亀裂とつながって亀裂群ができる
(3)地下数キロの高温の場所にある亀裂や岩盤鉱物のすき間に潜む熱水が、亀裂群をパイプのように伝わって
  圧力の小さい地表に向かって上昇する――という見方だ。
 そのうえで一連の水温上昇は時期的にみて、東海地方で00年から続く「ゆっくり滑り」との関連が考えられるという。
 地下水の温度変化については、佃助教授の調査で、阪神大震災直後に震源から約50キロ離れた地下水の温度が上昇し、
3年ほど元に戻らなかった例などがある。
 佃助教授らは国内約30カ所の井戸で観測を続けている。「地下を通って地表に出る水やガスなどの信号をとらえることは、
地下で何が起きているかを探る基本だ。観測井戸を増やし、監視態勢を整え、地下の状態が刻々とわかれば、大地震が
予測できるかもしれない」と期待する。
 上久保教諭も「地面の下はだれも見えない。井戸水の温度上昇は地下からのメッセージと受け止め、何を意味するのか、
さらにデータを蓄積したい」と話している。
http://mytown.asahi.com/shizuoka/news01.asp?kiji=12657