■いろいろなマグニチュード
●表面波マグニチュード
地震計で観測した地震波の周期が20秒程度の表面波の最大の揺れと、
地震計と震央(震源ではない)との距離からマグニチュードを求める方法。
浅いところで発生した地震について用いるが、地震計の限界によりM8.5以上の値を表せなく、
巨大地震の規模を比較するのには向いていない。
日本の気象庁が発表している「気象庁マグニチュード」も表面波マグニチュードの一種である。
●実体波マグニチュード
地震計で観測した地震波の実体波(P波とS波)の最大の揺れと周期、
震源の深さなどからマグニチュードを求める方法。
深発地震の規模を表すために用いられているが、M7以上の値は表現できない。
●モーメントマグニチュード(Mw)
震源となった断層のずれの量、断層の面積、断層付近の 岩盤の性質などの、
断層運動からマグニチュード求める方法。これらの値は、地震波を長い時間観測しなければ求められないので、
モーメントマグニチュードは地震速報には用いられない
しかし、どんな大きな地震でも表せるので、巨大地震の規模はモーメントマグニチュードで表されることが多い
ちなみに観測史上最大の地震は、1960年のチリ地震で、この地震のモーメントマグニチュードは9.5だった。
ちなみにM8の地震のエネルギーは7億トンのおもりを10km持ち上げるエネルギーに相当。
また、出力175万kWの発電所が1年間に発電する電力に等しいエネルギーです(1550EW/h)
★小さい地震が何度も続いても、大地震のエネルギーは解放されません。
マグニチュードが1大きいと、エネルギーは32倍になります。
つまり、M7の地震のエネルギーを解放するには、M5の地震が1000回起きなくてはいけません。
したがって、「小さい地震でゆがみが解消されてれば、大地震はこない」ということはありません。
■震源から離れた場所の方が震度が大きいことがあるのはなぜですか?
太平洋プレート内部のかなり深い地震や、日本海溝そばの地震では、
震央の近くよりも、北海道〜関東の太平洋側で大きな揺れが発生することがあります。
これは、太平洋プレートのほうが、マントルよりも地震波を伝えやすいために、
太平洋プレートが地表から近い部分に存在している北海道〜関東の太平洋側で揺れが大きくなるためと考えられています。
また、九州南方のやや深い地震でも宮崎や延岡など太平洋側の地域に異常震域が見られることもあり、
これはフィリピン海プレートによるものです。
なゐふる(日本地震学会広報紙) 用語解説:異常震域
ttp://wwwsoc.nii.ac.jp/ssj/naifuru/vol19/v19p6.html 事例:2003年11月12日 紀伊半島沖 深さ390Km M6.5 気象庁見解
ttp://www.jma.go.jp/JMA_HP/jma/press/0311/12b/kiihantou.pdf(3ページ目左下の図など)