300年前の北米巨大地震、規模はM9クラス
約300年前に北米西海岸で起きた巨大地震の規模は、マグニチュード(M)9クラス
であることが、産業技術総合研究所(茨城県つくば市)とカナダ、米国の共同研究チーム
のシミュレーションでわかった。米地球物理学会誌(電子版)に21日発表する。
この地震については、旧通産省地質調査所が、日本各地の古文書の津波の記録など
から、元禄時代にあたる1700年1月26日に北米西海岸で起きたことを突き止めており、
どの程度の規模だったか研究していた。
宮城県や茨城県、静岡県など国内7か所に残る古文書や、1960年のチリ津波の記録
から、研究チームは日本に到達した津波の高さを2―5メートルとみており、その7か所に
ついて高さを3通り想定した。一方、北米西海岸の地殻変動は、断層の長さや幅、位置
などを変えた6タイプ想定し、さまざまなシミュレーションで規模を推定した。
その結果、マグニチュードは8・7から9・2と推計。各地の津波の記録と最も合う断層は、
長さが南北1100キロ・メートルに及び、ずれの大きさは平均14メートルとわかった。
M9の地震のエネルギーは阪神大震災の約900倍とされる。
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20031121ic05.htm