後天性免疫不全症候群。人はそれをAIDSと呼ぶ。
免疫細胞を破壊して後天的に免疫不全を起こすもので、平たく言えば病気に対する防御力がゼロになる
大変恐ろしい死の病である。現在は医学の発達である程度はカバーできるようにはなったものの、
完治の方法は未だに未確立なので、対策は感染を避ける他はない。
代表的な感染ルートは性行為だ。血液や精液、微量ながら唾液や尿に混入して微細な傷に侵入するが、
長い潜伏期間のせいで発覚した頃には手遅れだった、なんてことも珍しくない…
20XX年元旦。某県某市のドヤ街。
不況で日雇い仕事が激減し、明日の飯にも困る人々でごった返していた。
豚汁を振舞うボランティア団体を中心に長い行列が作られている。
ここにいる人間は例外なく脛に傷を持っている。ゆえに詮索するのはご法度というものだが、
そんな彼らでも相手にしたがらない女性がその列に並んでいた。
彼女の名は水上という。本人も口にしないので下の名前はわからない。
ここにいるのには明らかに不釣合な美貌を持つ彼女がいるのは理由がある。
…エコペットの国事件だ。
エコペットの国事件の事後処理として、警察は被害者の拉致ルートを調査を行っていた。
だが被害者の1人だったカスガミワコを調査していくうちに●葉女子大学にエコペットの遺伝子研究を行う
彼女が捜査線上に浮かび上がってきた。ミワコは水上教授にムーちゃんの相談をしていたのだが、
彼女には不審な噂が立っていた。
「目につけた生徒を強引に研究室に入れて、卒業するまで奴隷獣のようにコキ使い、エッチを強要している」
「没収したエコペットを解剖している」
不審に思った警察は捜査を行ったところ、薮蛇のように思わぬ事件が発覚した。
大学の男性職員らが学生をほぼ恒常的に強姦をしていたのだ…!
警察は男性職員らを強姦容疑で逮捕、それを口実に水上研究室に令状を取り強制捜査に踏み切り、
押収した証拠から噂がほぼ真実であることが実証されたため逮捕に踏み切った。
容疑は窃盗、強制わいせつ、脅迫、公文書偽造、さらにムーちゃんの危険性を知らせなかった
「未必の故意」による傷害罪および誘拐幇助と、一部言いがかりが混じったものだったのだが…
<「ムーちゃんとの関係」大学中にバラしますよ…>
水上教授はエコペット研究の専門家だ。
そんな彼女が危険な夜型エコペットであることを知っていながらも、その危険性を知らせず口止めをして
問題を放置していたのは理由があった。それは彼女の首のリボンがムーちゃんのものと一致、
つまり誘拐の一翼を担っていた事実が明らかとなったのだ…!
飛びついたのがマスコミだ。大学の体質も含めて水上のバッシング報道を連日流し続け、
精神衰弱した彼女は自殺を図ったが失敗に終わり「責任逃れだ」と更に叩かれた。
さらに大学も問題解決と称してトカゲの尻尾切り…彼女を除籍処分にしたのだ。
全てを失った水上に課せられた刑は懲役12年、執行猶予9年であった。
彼女の悪行に目をつけて便乗しただけだった男性職員らは懲役18年ときつく絞られたことを考えると、
女性であったことが幸いしたのだが、「ムーちゃんの手先」のレッテルを貼られたせいで就職や世話のあても全くなく
親族からも見捨てられ、彷徨った末にドヤ街に流れたが、そこでもハブられる日々を送っていた…
「ムッムム〜」
見捨てられた水上を相手にしたのは没落の一翼を担った夜型エコペット「ムーちゃん」だった。
ここにいるには不釣合な美貌をもちながら、働いている様子もない彼女が
今日に至るまで生活してきたのは、ムーちゃんに頼ってきたからだ。
エコペット研究家の彼女にとってムーちゃんを手玉に取る事など朝飯前、
彼らがどこからか盗んできた金品と引換に彼女は股を開いていたのだ。
ムーちゃんも水上のことを尿の供給源&肉便器として見做しておりWin-Winの関係が成り立っていた。
「ムムゥ♪」
今日もムーちゃんは性欲を満たせたことに喜んでいた。
捨てる神あれば拾う神あり!オシッコはイマイチだが美人だし、金目の物を渡せばすぐに股を開いてくれる。
安全確実飢えの心配はない!金品なら通行人を襲うよりもリスクの少ない空き巣で事が足りる。
いつしか水上を中心に集まってきたムーちゃんは200匹を超え、周辺に集落も作られた。
交代でオシッコを飲む協定が仲間同士で結ばれ、いっその事彼女を女王に仕立てようか…
という壮大な見通しも立つ有様だった。
…だが2月に入ると毎年恒例のインフルエンザがピークを迎え始めた。
エコペットにも無縁ではない。元は植物なので清潔を怠ればカビが生えてくるのだが
そのカビにウイルスが侵入し、変異したエコペットエンザなる新型ウイルスが近年登場してきたのだ。
ただし人間には感染しないことと、家畜と違って人間の生活に直結しておらず、さらに1週間程度で
死滅してしまうので何の対策も取られていなかったのが事態の悪化を招いた。
ゲホッ!ゲホッ!
ここに1匹のムーちゃんが感染していた。高熱、鼻水、咳は小さな彼らには重病だったが、
愛玩用ならともかく強靭な夜型なら寝れば回復する。そう思って甘く見ていたのだが…
『あいつ2週間寝ても治ってないぞ!』
『一体どうなっているんだ!?』
『おいおいおいヤバイぞ!早くあいつを追い出さないと全滅だぞ!』
気付いた時には既に手遅れだった。ドヤ街に集落を作っていたムーちゃん達200匹全員は
既に感染していたのだ。その上治る気配はない…一体どうなっている?
彼らの理解を越える非常事態が彼らの間で起こっていた。
…冒頭の前フリからしてお分かり頂いたであろう。ムーちゃん達はエイズに感染していたのだ。
感染源は水上教授だった。彼女はエイズに感染しており、性行為を通じて1匹のムーちゃんに伝染し
彼のカビに混入、エコペットエンザと同じ経緯で変異した「エコペットエイズ」が誕生していた…
エイズは感染力は低く性行為以外ではまず感染しない上、数年単位の潜伏期間なので発症せぬまま
エコペットが寿命を迎えると思われたが甘かった。このエコペットエイズは誕生経緯からして
カビの胞子で広がるという脅威の感染力をもっており、さらにエコペットの寿命に合わせて
感染わずか1週間で発病するという恐怖の殺人ウイルスだった。
故に付近にいた全てのムーちゃんに感染し、彼らの知らぬ間に爆発的に広がっていた…
ムゲホッ!ムゲホオッ!
3月に入ったのに、病気のムーちゃんは一向に治らない。既に病気に対する抵抗力が失われ、
そこにエコペットエンザが発症、病気が進行して体力が失われオシッコも飲めずに体が干からびていく…
『やめてぇ!見捨てないでェ!』
『バイキンは追い出せェッ!』
ムーちゃんの間で疑心暗鬼が芽生え魔女狩りが横行したのは間もなくだった。
小を切り捨て大を生かす、どこの世界でも恒常的に行われている生存術を彼らは行使したのだが、
その方法は悲惨なものだった。発病したと見做された者が群れから追い出されるのだが…
「ムギャアアア!」
今日も縛り上げた1匹がドヤ街を流れるドブ川に捨てられた。毛皮が水を吸って沈んでいき、
そのまま溺死、体はアンモニアの泡と化してドブ川の一部となっていく…
「「「ムギイイイイイッ!」」」
やがて明日は我が身だと恐れた1匹が切欠で仲間割れが発生した。
規模は瞬く間に拡大し仲間同士の凄惨な殺し合いに発達したが、わずか3日で収束した。
なぜなら体力を消耗したせいでエコペットエンザが発症、ほぼ自滅に近い形で次々と倒れていったからである…
『何…で、治ら…ない……助…け』
それはまるで「巣に持ち帰って全滅させるゴキブリ駆除薬」のようだった。
わずか1週間で200匹いたムーちゃんは1匹残して全滅、残された彼もまた意識が薄れていく―――
「警察だ!開けろ!」
3月末、ドヤ街のボロアパートに警察官が乗り込んできた。
ムーちゃんによる窃盗事件の捜査の結果、水上が関与していたことが明らかになったのだ。
執行猶予中なのでふん捕まえようと意気込んで乗り込んだのだが…
「…うわああああ!」
警官が見たのは水上の腐乱死体だった…ムーちゃんがエコペットエンザで全滅して金品が得られなくなり、
更にインフルエンザを患っていた水上はエイズで抵抗力を失っていたせいで布団から動くことも
できぬまま命を落としていた。餓死?病死?死因を知りたがる者など誰もおらず捜査はそのまま打ち切られ、
遺体の引き取り手もいないので集合墓地に葬られ、社会から忘れ去られていった。
…水上には謎が多かった。赤いリボンを付けながら何故攫われなかったのだろうか?
彼女とムーちゃんとの間にはどういう関係だったのだろうか?
利用?復讐?道連れ?贖罪?真のエコペット女王?
だがその真相は水上の遺骨と共に集合墓地の一角に葬られて謎のままであり、暴こうとする者も誰もいなかった…
(終わり)
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lllllllllllll!lly ヽ ,l%:
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:" : タ、i、 ,il゙ ゙li, : : リ`..丶 ゙k
以上でございます。
この人ムーちゃんと同じリボン付けてるんですよね…ムーちゃんの手先?
乙でした。いつも凄いお話をありがとうございます
898 :
Classical名無しさん:11/01/08 11:21 ID:iE.iXAYg
残虐性がないからつまらん
899 :
Classical名無しさん:11/01/08 11:28 ID:d0.xqU4M
まだあったのかこのス(ry
職人さんがんばってるな、乙です
おつです
いつもながら設定重視で頭が下がる
罪の重さにワロタ
作者がマザコン認めたぞ
902 :
Classical名無しさん:11/01/12 19:15 ID:SK8Z2q3A
ww
903 :
Classical名無しさん:11/01/12 20:40 ID:mYomAqkk
黒い椅子黒い椅子黒い椅子黒い椅子黒い椅子黒い椅子黒い椅子黒い椅子
最近またバナー見るようになってきた
906 :
Classical名無しさん:11/01/14 08:57 ID:.l1dD22E
えっ?
バナー他のエロ漫画しか見ないけど
思わぬところで見るんよ、いろんなとこに貼られてるみたい
908 :
Classical名無しさん:11/01/14 19:00 ID:mpYhxsAc
909 :
Classical名無しさん:11/01/17 13:00 ID:YAJv3ALI
ムーちゃんのバナー見ないお
910 :
Classical名無しさん:11/01/19 08:32 ID:crgxOty2
似たようなヤツは見かけた。
「公園で預かった犬が...スカートの中に...」とか言うヤツ。
アレタイトル何だったっけ?
911 :
Classical名無しさん:11/01/20 11:04 ID:nkTsrc3Q
去年の夏のスレまだ続いてんだ
ムーちゃん人気だな
もうこのスレは終わっていい
今年に入って新作が途絶えてしまったね寂しい
>>884の人が出来るまで待っていますが…スレが落っこちそうな雰囲気なので
投下しようと考えてます。クリ●ゾンネタです。
次スレは望めなくてもせめて1000までもってくれれば…
お願いします!楽しみにしてますので
新作クルー
投下します…
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,,ll″ .=@ .,, .s, .゙゙f%ッじ手は食うかよボケwww
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勝者の賞金は高額、賭博は日常茶飯事、敗者は徹底的に蹂躙される…
それがアンダーグラウンドで行われている格闘大会「アビス」のルールだった。
そこでは男と女の試合も頻繁に行われていた。
高額なファイトマネーに目がくらみ男に挑戦する女ファイター…
しかし男の力の前に圧倒され、無残にもリング上で痴態を晒す…!
ほとんどの場合はそう―――勝敗は決まっていた。
だがかつて…男相手にも負けたことのない女ファイター…「女王」泉マヤがいた。
過去形で表現されているのは、彼女がある男格闘家によって性的な意味でフルボッコにされたからであった。
敗戦後は引退し、所属ジムのトレーナーをしていたのだが、所属選手がやられて経営危機に陥ってしまい
当座しのぎとしてやむなく復活を果たしたのであった…
<只今より本日のメインイベントを始めます…赤コーナー女子総合格闘技団体「Jeanne」のエース 泉マヤああああ!>
(ウオオオオオオッ!)
かつての女王が復活を果たしたということで湧き上がる観客達。
どんなやられぶりを見せてくれる?相手はまだ分からないのだが…
<青コーナー…>
「………へ?」
花道を歩む選手は異形の巨躯だった…人間ですらない。短い手足と黄色い毛皮、
赤いリボンをつけたファンシーな顔立ち、目視で体長2m,体重100kgはありそうだ。
足元には同じ風貌の体長40cm程度にスケールダウンした生物がつきまとう…
<恐怖の夜型エコペット!ムーちゃああぁぁんっ!>
「ムオオオオオオオォ!!」
雄叫びをあげながらリングに上がる巨大ムーちゃん。
彼らがアビスの世界に乗り込んだのは合法的に女を犯せるというものであり、
この日のために101匹共食い合体して巨体になってまでだから呆れたものである。
「ムヘヘヘヘ…」
「こんなケダモノが相手だなんて…」
相まみえる両者…ムーちゃんは目の前の美女を舐めきっている。対するマヤはすっかり調子が狂っていた。
<ファイッ!>
第1ラウンドの火蓋が切って下ろされた。早速ムーちゃんは突進しマヤを押し倒そうとしたその時、
ドゴアアアアッ!
「ム…グアアア―――ッ!」
「あ…あれ?」
マヤのキックが脇腹に炸裂。血反吐吐きながら崩れ落ちるムーちゃん…この事態に双方ともに困惑した。
マヤは挨拶がわりの蹴りがなぜか効いている事実、ムーちゃんはただの女の蹴りの威力が想像以上に強烈だった事実に…
…双方の戦力を以下に示そう。
泉マヤは相手は男相手に10戦9勝を誇り、「女王」の異名まで誇った格闘技チャンピオンだ。
厳しいトレーニングを経て戦いに備えた体は心技体が完璧なバランスで整えられていた。
一方のムーちゃんは無駄だけな脂肪の塊、どこぞの拳法殺しと違って防御の役目も果たせない。
格闘経験?何それ?美味しいの?無理して合体して巨大化したせいで身のこなしもなっておらず、
そもそも短い手足は戦いに向いていない。機敏な動きの出来る合体前の小さい体の方が善戦していたであろう。
この時の両者にはジャネンバとヤムチャ程の実力格差があったことなど、性欲の権化が知る由もなかった…
「ムムー!ムムー!(立てー!立つんだぁ!)
「むぐおおおお…」
セコンドのノーマルムーちゃん達の叱咤で立ち上がる巨大ムーちゃん…今回のルールは気絶KOのみだ。
ハナから女性の陵辱に重点をおいたアビスらしいものであった。
「ムオオオオ――――ッ!」
ムーちゃんは猛ラッシュ!パンチ!キック!パンチ!チョップ!キック!
だがマヤの体はおろか髪の毛にすら触れない。短い手足はリーチがなく動きも鈍く完全に見切られていた。
「ゼエッ、ゼエッゼエッ…」
猛攻は30秒で終わった…慣れない巨体での運動はスタミナを浪費するだけだった。
「もう終わり…オデブちゃん?」
「ム…ムギイイイッ!」
怒ったムーちゃんは突進…だが右手を捕まれ勢いを生かした、美しい弧を描いた一本背負いが炸裂!
ドガアッ!
「むぐあああああっ!」
自らの運動エネルギー+体重をモロに食らったムーちゃんはマットに叩きつけられた。
繰り返すがムーちゃんは格闘経験ゼロなので受身も取れず、後頭部を打って軽い脳震盪を起こしている。
同時にリボンが解けたその時、ボタッと赤い物体がリングに転がった。
「あらあら…」
転がったカッターナイフを拾い上げるマヤ。ルール無用のアビスで凶器は禁止されていない。
ただし使用時には殺されても異論は許されないので、互いの良識に委ねられている。
自分のコスチュームを切り刻もうという魂胆だろうから教訓を与えてやろう…
「む…ムオオッ!」
ムーちゃんが見たのはコスチュームのブラをずらすアヤの姿。ホレしたのか!?
痛みとは独立してイチモツが膨れる…長さ50cmという弩級クラスだ。
だがそれを狙ったかのようにアヤはブラを戻し、カッターを尿道口に突き刺したッ!
グザア"ッ!ビクンビクンッ!
「むっぎょあああああああああああ!」
観客の声援をかき消す勢いでムーちゃんの大悲鳴が会場を包み込んだ。
イチモツからおびただしい量の精液と血液が壊れた水道管のごとく吹き出しリングを赤く染め上げていく…
その光景に思わず股間を押さえる観客たちとは裏腹に、マヤは前回の屈辱の鬱憤を晴らした満足気な表情を見せていた。
<カアンッ!>
第1ラウンドが終了。余裕で戻るマヤと、イチモツ抑えて泣きながら戻るムーちゃんだった。
ハーフタイム…返り血を拭くマヤ。
一方でイチモツを刺されたムーちゃんはセコンドのノーマルムーちゃん達の手によって、
ズボアッ!
「むぎゃああああっ!」
カッターが引きぬかれて出血が広がる…リングを洗っているスタッフは仕事増やすなよと
言いたげな表情だ。休むどころかダメージを増やしている、何のためのハーフタイムだと
マヤが笑っていたその時、彼女の目に信じがたい光景が飛び込んできた。
バリボリムシャムシャ!
「ヒイッ!?」
なんとセコンドの1匹を共食いしている!思わず声を上げてしまったが、
見るとイチモツの傷がみるみるうちに塞がっていく…どうやら相手は想像以上の回復力のお持ちのようだ。
…マヤは短期決戦への転換を余儀なくされた。定石戦法でスタミナが尽きたところを絞め技で落とそうと思ったが、
残りラウンドは6回、セコンドは11匹…あの回復力ではクリムゾン的に考えて寝技をひっくり返されて
性的な意味でフルボッコにされるのがオチなので打撃技のみで早くケリを付けなければならない。
意外に厄介な相手かもしれない…舌打ちするマヤだった。
<ファイトッ!>
第2ラウンドが開始された。距離を取るマヤとムーちゃん。
おのれあのアマ…よくも大事なち●ち●を!怒りのオーラを見せるムーちゃんだが、どうやって仕返しをする?
前ラウンドでは1発も当てられなかった。スピードもテクニックも相手が上…こちらが優っているのはパワーのみ。
そういえばこちらが受けた一本背負いはカウンターだったな…よし!
「ベロベロム〜ッ」
ムーちゃんは挑発している…明らかにこちらに手を出させるつもりだ。見え透いた策なので敢えて乗るマヤ。
タックルをするつもりだ!パンチをお見舞いしてやる!だが身構えたムーちゃんの意図とは裏腹にマヤは素通り、
すれ違い様にリボンに手をつけて首根っこごとムーちゃんを転ばせた。
ドタタッ!
「ムオオオッ」
立ち上がるムーちゃんだが、挑発に乗せるつもりが乗せられてしまった…ヤケだ!
このまま相手の股間にタックルしてやる!そしてあの旨そうなお股をナメナメチュッチュしてやるっ!
腰をかがめて突進するムーちゃん。マヤはロープに追い詰めた…逃げられないはずだ、くらえっ!
「ムオオオオ―――ッ!」
ゴキエッ!
「ムゴ………エッ」
飛び膝蹴りが人(?)体急所の首に直撃。鈍い音、脳が揺さぶられ、首の関節が外れたムーちゃんは力なく倒れた…
カンカンカンカンッ!
ゴングが鳴った…泉マヤの勝利だ。2倍以上の体重差を押し返した完全勝利だった。
ブザマな!タックルに膝を合わせられるなぞ…入るとき最も留意すべき事を怠るとは…!
善戦すらできず倒されたムーちゃん。クリムゾンといえどもケダモノに勝たせることはできなかった。
性的フルボッコされるのを楽しみにしていたのに!賭けはムーちゃんが有利だったのに…大損だ!
激怒した観客たちは暴徒と化し、巨大ムーちゃんを神輿のように担いで逃げるノーマルムーちゃん達めがけて
罵声とゴミ投げの十字砲火を放つが…
ガチャンッ!ボワワッ!
「「「むぎゃああああああ!」」」
誰かが投げた火炎瓶がムーちゃん達に引火、火達磨となってパニくった彼らが走りまわって会場が火の海に包まれていくが、
既にマヤはベルトとカップ、賞金を手にして会場を後にしていた。二度とアビスに出るのはやめようと心に誓いながら…
<おわり>
以上でございます…自演乙ネタは使いたかったのでつい…
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,,ll″ .=@ .,, .s, .゙゙f=@ ムギイッ!
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.,,#″ ! fV/':::::/ ´`ヽ _ , ― 、三ー \ <二v‐::v‐::v‐:、
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ll` _,:ヘr--‐‐'´} \;;::::/ 三 ー l |´...}
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乙!面白かったです。マヤ姐さんカッコいい!
クソワロタ
自演の試合はエキサイトしたからねぇ主にマサトが
929 :
Classical名無しさん:11/01/28 00:45 ID:.FaP.tHk
930 :
ドライブ 1/8:11/01/28 00:47 ID:.FaP.tHk
時は冬休みの平日。
とある住宅街のど真ん中、一匹のエコペットが突き進んでいた。
「ムオオ...ムゥゥ...」ムーちゃんである。寒さが厳しく、また、夜型エコペットの活動時間帯である深夜を通り越して時刻はすでに午前8時を回っていたので、
やや元気が無くなっているようにも見えたが、実は単に歩き疲れて眠くなってしまっただけでこの個体は比較的、夜型エコペットとしては健康な方だった。
そう、コイツは公園や駅のトイレに忍び込んでは天井裏に身を潜め、誰かが入ってきたところを奇襲する忍者戦法を得意とする曲者だったのだ。
そんな彼が朝焼けの中をしばらく歩いていると、ふと話し声が聴こえてきた。気になったムーちゃんは陰から覗き込む。
「ムオォ!?」 ムーちゃんの目に見えたのは、これまたキレイな女性が一人。ん、もう一人いる。子供だ。どうやら歳の離れた姉妹のようだ。
ガレージに止めてあるクルマのドアが開いている。さては、どこか出掛けるつもりだな。荷物も結構たくさん持っている。見た感じあのクルマじゃ室内は狭い。荷物を積めるのにトランクを開けるはずだ。と、ムーちゃんはクルマに忍び込むチャンスをうかがっていた。
931 :
ドライブ 2/8:11/01/28 00:47 ID:.FaP.tHk
カチャ
案の定トランクを開けた。次々と荷物を詰め込んでいく。しかし今飛び込んでも、あっさり見つかってしまうだけだ。トランクを開けたまま、車から離れてくれないだろうか...。
「あ、そうだそうだ。」
荷物を積めていた妹が家へと戻る。忘れ物に気がついたようだ。「ムオオ!!」
ここぞとばかりにトランクの中に忍び込む。一緒に入っていた荷物に紛れ込み、姿を隠した。数分と経たないうちに妹が戻り、荷物をさらに詰め込む。ムーちゃんの存在には気づいていない。
そして2人はムーちゃんに全く気づかないまま、クルマに乗り込んでしまった。エンジンがかけられ、自宅脇のガレージから走り出していった。
ムーちゃんは早速彼女らの荷物を漁り始めた。人間から逃げ回っていることもあり、安定した食事を摂れていなかったので、なんとか口に出来そうな物を探したが、見つかることはなかった。途中で買い出すつもりか。
しかしムーちゃん自身もそれほど落胆はしていなかった。ここに忍び込むまでに歩き疲れてちょうど脚が突っ張ってきたところだったので行き先が分からない不安もあったが、乗せていってもらえるのは非常に好都合だった。
932 :
ドライブ 3/8:11/01/28 00:48 ID:.FaP.tHk
「ムギャ!!」
姉がアクセルを踏み込んだのか、ムーちゃんはトランクの壁に顔をぶつけた。
「(く、くそう。なんて荒っぽい女だ。オマケにうるせぇクルマだな。)」
その頃、クルマは高速道路を走っていた。姉が4速から5速シフトアップし、更にスピードが高まっていく。
「(とんでもないところに忍び込んじまったなぁ、まぁタダで乗せてってもらってるからいいか。)」
と、楽観視するムーちゃん。カバンを枕にごろ寝を始めた。
-1時間後-
「ムオ?」ムーちゃんが目を覚ました。クルマのエンジンは掛かったままだ。まだ走っているのか? それにしてもさっきよりはかなり静かになっている。低速で走っているため、どうやら回転数が上がっていないようだ。
話し声が聞こえる。
「あ〜あ...、結構長いな〜渋滞。」「も〜、半クラッチ切ってなきゃいけないから、足が疲れるじゃないの〜。これだからMTは困るのよねぇ。」
当分は動きそうにもないな。またしばらく休んでよう。ムーちゃんはまた眠り始めた。と思ったら、今度は数分も経たないうちに目を覚ました。この時、ムーちゃんの身には、ある異変が起きていたのだった。
933 :
ドライブ 4/8:11/01/28 00:48 ID:.FaP.tHk
「ゼェ..ッ、ゼェ..ッ」先程から呼吸が乱れている。ムーちゃんは貧血を起こし始めていた。トランクの中が酸欠になっていたのである。しかしなぜ?
この時トランクの中は50度の高温となっていたのだ。眠っている間に暑さで呼吸を乱してしまったようだ。
そもそもなぜトランクの中がこんなにも高温に晒されることになったのか、実は彼女達が運転しているこのクルマはミッドシップ車だったのだ。
エンジンがボンネットではなく、後部座席部分に位置するため、熱がトランクにまで伝わってしまっていたのだ。トランクに食料を積まなかったのもそのためである。ちなみに以上のような設計により定員も2人乗りとなっている。
「ムァァ...」ムーちゃんの疲労はピークに達していた。渋滞から抜け出してクルマは進みだしたが、再加速し始めたことで、エンジンが更に暑くなる。
高温で且つ常にエンジンの騒音に晒されてきたムーちゃんは心身ともに完全に窶れきっていた。アンモニア臭の汗が身体から滲み出てくる。真冬の季節にも関わらず、ムーちゃんは車内で脱水症状にかかってしまったのだ。
このままでは命を落とすのも時間の問題である。
934 :
ドライブ 5/8:11/01/28 00:50 ID:.FaP.tHk
「ムオォォ...」もうダメだ。ムーちゃん自身も死を覚悟した。その時である。
カチャ
「あーーーーっ!! ムーちゃん!? なんでよりにもよってこんなトコ入ってんのよ!?」
姉が突如待避所にクルマを停めてトランクを開けた。ムーちゃんにとっては難を逃れた格好になったが、なぜこんなタイミングでいきなりムーちゃんの存在に気がついたのか?
実は彼女はムーちゃんに気がついた訳ではなく、アンモニアの異臭を単にマシントラブルと勘違いしていただけだったのだ。
彼女のクルマはかれこれ16年落ち。加えてハイレベルなパワーアップを施しているとなれば、当然トラブルを避けるのは容易ではないからである。
しかし姉の入念な手入れのおかげで、自らのミスでバンパーを何度か割ってしまった事以外は、抜群のコンディションを誇っていた。フレームやエンジン等にダメージはほとんどない。
それだけに彼女はムーちゃんにクルマを汚されたことにかなりショックを受けていた。
935 :
ドライブ 6/8:11/01/28 00:51 ID:.FaP.tHk
クルマだけではない。トランクに入っていた鞄の中の、ヘルメットやレーシングスーツまで当然ながらやられてしまっていた。彼女達はジムカーナに出掛けていたのである。
クルマに比重を置いていたため、スーツ類は割合安価な物を揃えていたのだったが、それでも軽く10万円近くは吹き飛んでしまった。更にクルマのクリーニング代も加えるとなると、更なる打撃となるだろう。
半開きのトランクの中でゼェゼェと呼吸を乱すムーちゃん。見かねた姉はムーちゃんの頭を引っ張り上げ、そのまま思いっ切り地面に叩きつけた。小汚い悲鳴を上げる。
「アンタのせいで...、アンタのせいで...!!」 彼女は言葉にもならないような涙声でムーちゃんの頭を何度も何度も力一杯踏み付けた。
「このぉ..っ、このぉ..っ」 もはや容赦はしない。自分の足元がアンモニア臭くなろうが、血で汚れようが関係ない。今の彼女にはムーちゃんしか見えていない。ムーちゃんを全力で叩きのめすことしか考えていなかったのだ。
姉が持てる全ての力を使い果たし、我を取り戻した時、目の前には顔面青アザだらけのムーちゃんが血まみれで横たわっていた。
936 :
ドライブ 7/8:11/01/28 00:52 ID:.FaP.tHk
「ム..、ブフォッ、ムァァ...」 わずかに息が残っていたムーちゃん。しかし、体内から上ってきた生暖かい血がムーちゃんの気管を詰まらせ、呼吸が乱れている。
痙攣を起こし、ピクピクと身体を震わせているだけである。手足の骨は粉々、首も折れてしまい、顔が酷く腫れ上がっているせいで視界も遮られ、耳も失明していた。聴こえたのは、地獄への錆び付いた扉が開く音と死神の高笑いだろうか。
「クソォ..、この女...、今に覚えておけよ..、我等が同胞が...、そして...楽園を...」
怨念だけを遺し、ムーちゃんは泡と消えていった。腫れ上がった顔がまるでムーちゃんの最期の心情をそのまま映し出しているようだった。
937 :
ドライブ 8/8:
しかし、またしてもムーちゃんは神に見捨てられることになった。姉の呼びかけにより、ジムカーナ仲間が一念発起。ハンターを結成。
仲間のクルマを傷つけた借りももちろんだが、自分達のクルマの維持費やチューニングの資金にするため、ムーちゃんを狩ることにしたのだった。
その日を境にメンバーのクルマには、皆で集まる度に撃墜マークが貼られていくのが見受けられるようになった。
春、桜の季節、すっかり暖かくなったとある日曜日。今日も姉は歳の離れた妹とサーキットへ行く。ムーちゃんと出くわすまでルンルン気分でドライブしていたまるであの日のあの時間と同じように...。
あの日と唯一異なっていたのはトランクの中にはムーちゃんではなく返り血を浴びてドス黒く染まりきったスパナが入っていることだった。
-終-