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No293◆道化


王(時折多少目の力を強めねば見えぬ打撃があるな)
(同じ角度からのものでも拳の質は均一でない)
(ねじ込む様な剛拳)
(今度は宥めるかの如き圧力の塊)
(…刀剣の鋭さ)
(思考が大分具体化しつつある)
(何時の間にやら奴との距離も縮まっているが)
王｢…成ったな｣

【王、尻尾を振り回しネテロの腕を攻撃する】

ネテロ(百式観音)
(零の掌)

ネテロの操る観音は、昔彼の荒らした道場に煤けて佇む守り神を彼が具現化した姿である
百式観音はその拳とネテロのイメージが連動する形で作動しているが
彼本来の得意系統は強化系
即ち観音の掌打は自身の拳よりずっと軽くなる
それを逆手にとったうえで敢えて複雑怪奇な無数の打撃を繰り出しそちらを本領だと刷り込ませるのが百式観音
そしてネテロ自身の拳は…

【床に倒れて折れた右腕を見つめている王】
王(…右…か)
王(逆手を…)

ネテロ｢呆けているなよ？｣

【観音の猛攻、王ガードしながら考える】

王(腕をもいだと思ったのも束の間)
(時が)
(飛んだ)

王｢老兵｣
｢褒美だ｣

【王の全身から凄まじいオーラが出て辺りの床、柱等が崩れ始める】

ネテロ(零の掌!!)
終わり