【基本ルール】
全員で殺し合いをしてもらい、最後まで生き残った一人が勝者となる。
生き残った一人だけが、元の世界に帰ること及び望んだ願いを叶えることができる。
ゲームに参加するプレイヤー間でのやりとりに反則はない。
ゲーム開始時、プレイヤーはスタート地点からテレポートさせられMAP上にバラバラに配置される。
プレイヤー全員が死亡した場合、ゲームオーバー(勝者なし)となる
【スタート時の持ち物】
プレイヤーがあらかじめ所有していた武器、装備品、所持品は全て没収。
但し義手など体と一体化している武器、装置はその限りではない。
支給品として地図、コンパス、筆記用具、水、食料、時計、懐中電灯、
及び各作品や現実からランダムに選ばれたもの1〜3個が渡される。
【主催者】
・進行役
右上@ニコニコ動画
左上@ニコニコ動画
・黒幕
運営長@ニコニコ動画
【ステータス】
投下の最後に、その話に登場したキャラクターの状態・持ち物・行動指針などを表すステータスを書いてください。
テンプレはこちら。
【地名/○○日目・時間(深夜・早朝・昼間など)】
【キャラクター名@出典作品】
[状態]:(ダメージの具合・動揺、激怒等精神的なこともここ)
[装備]:(武器・あるいは防具として扱えるものはここ)
[道具]:(ランタンやパソコン、治療道具・食料といった武器ではないが便利なものはここ)
[思考・状況](ゲームを脱出・ゲームに乗る・○○を殺す・○○を探す・○○と合流など。
複数可、書くときは優先順位の高い順に)
現在の予約
◆BRxsUzTn5A みさお、アポロ
◆sh/9YAh26Q アカギ、アレックス、ハク
◆/mnV9HOTlc 逢坂大河、伯方の塩
◆HgjKaHgn2g 海原雄山、スネーク
>>4に追加です。忘れてました、申し訳ない。
◆ra6PN0VFoc 文、グラハム
6 :
Classical名無しさん:09/02/25 22:01 ID:PDZydW92
乙
┌───┗━━━┓
┌─┴─┐ ┏━┛─┐
┌┴┐ ┌┴┐ ┌┗┓ ┌┴┐
>>1
>>1乙
またスレ終了間際にでたか
他の板だったら完全に規制レベルなのにsports2鯖がはがゆい
一乙です
前スレ容量オーバーか
埋めてくれて終了直前の投下の混乱を回避してくれたと好意的に考えとこう
10 :
Classical名無しさん:09/02/25 22:14 ID:uU0lFJo6
a
仮投下してきました。
問題がなかったらこれでお願いします。
投下乙です。問題ないと思います
いちもつ
トリプルステルスVSプレミアムマーダーについて。
状態表にて、ベジータに渡ったはずの爆破ヅラが何処かに消え失せています。
モツ
>>14 投下直後に書き手さんが入れ忘れたから訂正するって言ってたよ
ベジータに爆破ヅラ持たせときました
指摘有難う御座います
仮投下しました。
問題点などあればいってください。
まず最初に
>すでにスピード・ウゾーリアーは12時間使えなくなってしまった。
という誤字でふいたw
ハクが少し簡単に立ち直りすぎかなぁ、とは思います
全スレの111…て書いてる奴規制できないのですか?あいつのせいで携帯から見られない(泣)
クラウンにいる限り無理
この板は規制がない、裏を返すと荒らしへの規制も何もない板だから
運営の手から離れてるせいでシステムのアップデートがないから掲示板システムも旧式のまんま
荒らしも含めてのニコニコってのは……無茶かな
でもここのロワじゃこんな荒らしはかわいいものだよ
某ロワの序盤なんて荒らしがネガキャンしまくりで。
もう見てられなかった。
どうしても気になるのなら移転する手もあるけど
他のロワだと規制されているロワが多いからな
あんまりここを動きたくないのが本音。
仮投下スレに修正を投下しました。
問題があるか確認お願いします。
少し見難いです。すみません。
>>18 展開はいい。
ハクの口調に違和感あるような気がしたんだけど
前からこんな感じだったっけ?
>>23 修正乙
この方が無難なのかもしれないね
ハクの口調は…前の話見ると、もう少し弱気でなんか敬語っぽい気がする
ブロリー話修正されてるね。これでいいと思うよ
イージスって意思持ちだよな?
参考:sm3590851
見たけど意思持ちか?
神聖な防具なのはわかった。
ゲーム中に喋ったりチャットに割り込むなら意思持ちだろうけど。
なら修正だな。ブロントさん涙目ww
そもそも持ってるの?
゛の盾゛をつけて出展をFFの他シリーズからにすれば問題はないか
今回はイージス自体を削らなきゃならんって訳でもないがね
イージスは自力で動けやしないだろうし
ただ、出典からすると意思持ちなのに意思の無いものとして扱って
後から意思持ちだろと突っ込まれるのは困る
意思持ちであると明記すれば構わないと思われ
33 :
Classical名無しさん:09/02/26 14:33 ID:2aIF53E2
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黎明で止まっている人たちで予約が入ってないキャラ
B-2
○ブロントさん ○野々原渚
○七夜志貴
E-5
○サンレッド
E-6
○松岡修造 ○星井美希
35 :
Classical名無しさん:09/02/26 18:29 ID:WmALwwhY
問題がなさそうだったので本投下します。
逢坂大河と伯方の塩はこのくらい森の中を酒場目指して歩いていた。
「オレサマが死ぬまでさ………守ってやるよ。……お前の事。」
正直ああいう死体を見たのは初めてだった。
最初の白髪の男の首が爆破された時だって怖いと思ったのだから、それを見たときは本当に怖かったのだ。
それを見て、死への恐怖を間近に感じた自分にかけてくれた塩の言葉がそれだった。
うれしかった。
まさか塩にこんなことを言われるとは思わなかったのだったからだ。
いつもはやけにうるさくて、ついてって良いかどうか不安だったその塩がそのときばかりはかっこよく見えた。
…顔とかないんだけどね。
「ティガー! あれが酒場じゃないのか?」
あいかわらず元気な声で私に話しかけてくる。
「そんなに言わなくても見ればわかるわよ。」
川のすぐそばにあったその酒場はいたってシンプルな建物であった。
「しかし今の時代にしては随分ぼろい酒場…。」
「ティガー! これをちょっと読んでみてくれ。」
「なになに…Bar Nico Nico。 バー ニコニコ って書いてある。」
「言っちゃあいけないような気もするが、名前のセンスがまったく感じられないな。」
「同感。」
木造であるBar Nico Nicoのドアには鍵がかかっていなかった。
「Closed」と書かれた看板がドアにぶら下がっているのにだ。
「おじゃまするぜ!!!」
「うるさい! そして黙れ!」
塩が元気よくドアを開けて入るものの、中からは物音一つも聞こえず、誰かが入った形跡も見た感じなさそうだった。
だが油断はできない。
なぜならさっきの場所に死体があったからだ。
もしかしたらあれを殺した犯人がこの酒場に潜んでいて、私たちを殺そうとしているかもしれない。
だからここは慎重に行かなければならない。
「ティガー! 誰かいるか調べてみるか?」
「そう…ね。」
調べる場所はキッチンと倉庫とバーにある酒類。
だが、倉庫は鍵がかかっていては入れなかったので、後の二つを調べることにした。
まずはキッチンを調べてみる。
「やっぱり誰かが入った形跡もないみたいね。」
彼女は必死になって調べている。
「は! か! た! の! し! お! がないぞ!」
一方塩は伯方の塩を探していた。
自分から調べるといったくせに…。
「でも冷蔵庫には食べ物があるみたい。」
塩が望んでいる物はなかったが、かわりに食料がそこにはあった。
あったのはおつまみという付箋が張ってあった「ハロー大豆」というパックともやしがそれぞれ3パックあった。
「ちょうどパンだけじゃあ物足りなかったところだ! せっかくだし持ってくか!」
「え…でも…。」
「どーせここのオーナーとかが忘れてったんだろ! なら持っていっても別にOKなんじゃないのか!?」
そう言うと塩はそれを自分のデイパックに詰め込んだ。
「ちょ…おい塩! 元に戻せ!」
「まあ、冷蔵庫に鍵をかけてなかったオーナーが悪いって事で。 はい決定。」
「はい決定、じゃない! いいから戻せ!」
結局塩は元に戻すことを拒否し、大河のほうが疲れてきたのでもっていいことになった。
その後、キッチンをくまなく探したが、武器になりそうな包丁とかを得ることはできなかった。
「しかしいろんな酒があるんだな…。 ティガーが飲めそうなものってないのかな!?」
「あるわけないでしょ。 私まだ高校生なんだし…。」
お酒があるところに戻ってきた二人。
彼らはゲームの最初に言っていた「放送」を聞くまで、ここで待機することに決めた。
全部探しても誰もいなかったからである。
それなら帰って外に出るよりかは、ここにいるほうが安全だと思ったからだ。
「よく見たらさ、これ全部鳥取産のワインじゃねえかよ! なんか日本以外のワインはないのかよ!?」
「ワインじゃないけど外国産っぽいもの見つけたよ〜。」
彼女が見つけたのは白いドロッとした液体。
ワインと同じく瓶詰めにされていた。
「これもしかしてヨーグルトじゃないか!? 飲むヨーグルトみたいな感じの。」
「うん。 私もきっとそう思う。」
支援
「なら持っていこうぜ!」
塩がそのビンをデイパックに入れる。
彼らが見つけたのは本当にヨーグルトだったのだろうか?
いいえ。 それはケフィアです。
大河も塩もそんなものを見た事がある分けないのだから、ヨーグルトって思ってもおかしくない。
そんなことも知らない二人は少し喜んでいた。
「ティガー…」
「なに?」
「オレサマが人間ならさ…お前のかわりに戦って、命がけで守ってやれるんだけどな。 見ての通り、こんな小さい袋だ。 守ってはやれるが、闘うことなんてできやしないだろう。 だからな…」
塩は(多分)真剣な表情でこっちを見て、一言言った。
「強くなれ。 オレサマがいなくなったとしてもだ。」
「…!!」
そうだ…私には今、塩っていう仲間がいるんだ。
塩は出会ったときからそうだった。
まったく殺し合いになんておじけないで、いつでも私を元気づけようとしていた。
そんな自分が怖いなんていってる場合じゃない。
豆食え!豆!
いいえ、支援です
だから今度は…私の番だ。
「なーんてな! オレサマにこんな言葉なんて似合うはずがないもんな!」
「塩!」
「なんだティガー?」
「私がんばるよ! だからあんたも信じて私についてきて。」
塩は何かわかったような感じになり、そして言った。
「…やっぱりな。」
「なにがよ?」
「そりゃあティガーは笑顔のほうが素敵だって言うことだ。」
「なっ…」
大河の顔が赤くなる。
「おお、ディガーがてれたぞ! そんなに言われてうれしかったのか?」
しつこくからかってくる伯方の塩。
「こ…この塩野郎!!」
そして当然のごとく大河は怒り、塩は逃げる。
「止まんないと痛い目にあうわよ?」
「そこで素直に止まる は! か! た! の! し! お! じゃないぜ!」
こうして放送までの時間が過ぎていった。
【C-1 酒場/一日目・早朝】
【逢坂大河@とらドラ!】
[状態]:健康、死への恐怖
[装備]:バスタードチルノソード@東方project派生
[道具]:支給品一式、ランダム支給品(0〜2)
[思考・状況]
0:殺し合いをせずに脱出する。
1:とにかく頑張る。
2:伯方の塩と同行。
3:地図に載っている施設を回って仲間を探す。
※塩の言葉により死への恐怖を克服したわけではありませんが、だいぶ感じなくなりました。 また、吐き気はおさまりました。
【伯方の塩@伯方の塩】
[状態]:は!か!た!の!し!お!
[装備]:なし
[道具]:支給品一式×2 バンパーx3@大乱闘スマッシュブラザーズX 、しじみ@松岡修造、ハロー大豆3パック@かんなぎ、もやし3パック@THE IDOLM@STER、ケフィア(瓶)@現実、ランダム支給品(0〜1)
[思考・状況]
基本:は!か!た!の!し!お!
0:AIBO☆を増やして殺し合いを打破。
1:地図に載っている施設を回って仲間を探す。
2:それにしても人間になりたい。
※首輪は胴輪のようになっています
※体内の塩が大量に抜けると危険なようです。
また、身体である袋の強度は人間の皮膚と大差ないようです。
【ハロー大豆@かんなぎ】
豆食え! 豆!
【もやし@THE IDOL M@STER】
高槻やよいがよく好んで食べているもの。
なおCD1枚分の金があると、高槻家ではもやし祭りができちゃいます。
【ケフィア@現実】
ヨーグルト?
いいえ、ケフィアです。
投下終了です。
そして支援感謝です。
今見つけましたが、伯方の塩の支給品一式×2を支給品一式に変更します。
投下乙です。この二人イチャイチャしすぎww
塩の道具がほとんど食い物な件www
ここは相変わらずほのぼのだなぁw
51 :
Classical名無しさん:09/02/26 22:23 ID:2aIF53E2
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イージスが意思持ちである記述を加えました。
もしよろしければ投下したいと思うのですが大丈夫でしょうか
バッチこい!
「レスリング? なにそれ、面白いの?」
「おう、面白いぜ! 俺のオススメはパンツを奪い合うスタイルだ!
それ以外でも肉体と肉体が、魂と魂がくんずほぐれつ!
特に兄貴たちのレスリングは特に最高だ。俺の体じゃできねーがな!」
「「ゆっくりほつれてってね!!」」
フランとラガナーは、いっしょに行動してから、ずっとこの調子だった。
「ところでフランちゃんよ。弾幕ごっこしてるとき以外は、なにしてんだい?」
「? ご飯は咲夜が持ってきてくれるよ?」
「いや、そうじゃなくてよ。暇つぶしに遊ぶとき、何してんだ?」
「? 弾幕ごっこよ?」
こんな会話があって、ラガナーは自分の知ってる遊びをいくつか話していた。
一番面白い遊び以外なら教えられるぜ、と。
現在、SUMOUが終わりレスリングのターン。
「アンタの知ってる遊びって裸体でぶつかるものだけなの?」
「なんだよテト。なら、お前は何を知ってるってんだ?」
「そうよ、テトの知ってる遊びも教えてよ」
「「ゆっくり教えていってねー!」」
話を振られてもと、テトは困る。
正直趣味などフランスパンの味比べだとか、新作のDVDのチェックくらいしかない。
本職を遊びというのもなんだが、やはりこれしかなかった。
「そうねぇ、やっぱり歌かしらね」
「「歌?」」
とにかく、実践した方が早いとテトから立ち上がる。
「おいおい、どこに誰が潜んでるかもわからねぇんだぜ?」
「大丈夫よ、そのときは私がぎゅーって壊してあげるから」
「「ゆっくり歌っていってねー!!」」
何にしようかと考え、歌いなれた歌がいいだろうと歌いだす。
「では歌います。重音テトで「鳥の詩」――」
しえんのじかん
そして、歌い終わった結果。
「下手」
「ゆっくりしね!」
「わかっちゃいたけどねー……あァァァんまりだァァアァ!!!」
これでも上手くなったのだが、残念ながら音楽に事欠かない幻想郷出身者は、求めるレベルが高すぎた。
「まぁそう言ってやるなよ。なかなかいい歌だったぜ!!」
「あ、赤さん!」
「あくまで「鳥の詩」って曲がな!!」
ま さ に 外 道
完全にノックアウトされたテト。
その姿に、みんなが笑っていた。
「(まぁいいか……赤さんとゆっくりの笑い声はうざいけど)
歌が下手なのは自覚している。
それでも、みんなに喜んでもらえるならテトは本望だった。
「あはははは!……あー」
笑い出してからしばらくして。
フランは思い出したかのように呟いた。
「おう、どうしたフランちゃん」
「あんまり外に出ないから忘れてたんだけど」
ぽりぽりと頭を掻きながら。
「太陽に当たると死んじゃうのよねぇ」
「「なっ、なんだってーーっ!!」」
「「ゆっ、ゆっくりしていってねー!!」」
やはり吸血鬼。太陽光には弱いらしい。
一瞬で死ぬことはなくとも、徐々に気化して死んでしまうという。
支援ちゃんうふふ
支援
「おいおい、マズイだろ。たぶん、あと何時間かで日の出だぜ?」
空は、まだ闇に包まれている。
ラガナーの言うとおり、日の出まで時間はあまりないだろう。
「どうするのよ、草原の真っ只中じゃ隠れられないわよ?」
「意外と平気かもしれないよー?」
灰になる当人が一番どうでも良さそうだった。
「とりあえず、大丈夫じゃなくても平気なように日光を遮れる場所に行こうぜ」
「と、なると……」
テトは地図を見て、どこに行くべきか考える。
「図書館なんてどう?」
「本なんて見飽きてつまらないわ」
一蹴されたテトの額に青筋が浮かびそうになる。
が、怒ればぎゅーどかーん。ここは堪え、別の場所を示した。
「なら、ホテルにするわよ。ここなら広くて動きやすいし」
「ホテルねぇ。いいわ、行きましょ」
そういうとフランは、なぜ飛べるのかわからない羽で飛んでいく。
「ちょっと待ってよ、私たちは飛べないのよ!」
「そうなの? 変わった人間ね」
不満そうに、フランは降りてきた。
「すまねぇな、フランちゃん。俺も兄貴くらい鍛えてたら走って追いかけるんだがな」
テトは想像してしまった。
空を飛ぶのと同じ速度で走る赤ん坊……しかも笑顔で。
「おぇっぷ」
「おいテトてめー、かわいらしい赤子見て吐きそうになるたぁどういうことだ?」
「「ゆっくり戻してってね!!」」
「(ミクさん、胃に穴開きそうです。)」
そんな会話にも混じらず、フランはごそごそと荷物を弄っている。
「だったら、このオモチャでも使う?」
フランは、二つに折りたたまれた小さな紙を取り出す。
「オモチャってその紙のこ――トォォォォ!!?」
フランが紙を開くと同時に。
「えっ、何、手品?」
魔導アーマーと呼ばれる、紛れもない兵器が現れた。
呂布は、メタナイトと戦っていた場所で悩んでいた。
「次はどこに向かうとするか」
結局、北に向かっていたらしい自分。
次にどこに行くにしても、迷わずつけるだろうか。
「考えても無駄か……よし!」
斬馬刀を持つ。
それをまっすぐ立てて。
パッと離して、倒れた先を見る。
「こっちにするか……」
斬馬刀の倒れた先には大きな建物があった。
「むっ!?」
その方角に、呂布は何かを感じた。
「なんだ、誰かいるというのか?」
斬馬刀を拾い、ホテルへと向かい歩き出す呂布。
「(この感じ……ふふふ、なるほどな)」
一歩近づくたびに感じる高揚感とも違う感覚。
それは、呂布がこの会場に呼ばれなければ、訪れていたこと。
「いるというわけだ。俺に死を覚悟させるほどの何かが」
呂布は歩みを進める。―――文字通りの『死地』へと。
支援支援
ブロリーは睡眠をとっていた。
体力を回復させ、また破壊を繰り返すために。
だが、まどろみの中見た夢はブロリーを覚醒させる。
――おぎゃあ、おぎゃあ、おぎゃあ!!
――おい、見ろよ。パラガスの息子が、バーダックの息子に泣かされ―――
「カカロットォォォォ!!!」
目覚め、目の前のカズヤを潰れるまで蹴り続け、その血を身に浴びる。
「ぐおおおおお!!!」
ブロリーは激怒した。
ただの人間が自分を傷つけたこと。ただの人間に傷つけられた自分。
そのどちらも、ブロリーは激しく気に入らなかった。
死体を嬲るのにも飽き、ブロリーは立ち上がった。
「へぇあ!!?」
折れた足が痛み、顔をしかめる。
「どうする……?」
骨折などしたことのないブロリー。
だが、父パラガスはブロリーが小突くだけで重傷を負っていた。
彼が自分の怪我を治療している姿は何度か見ていたことがあった。
「たしか、固定するんだったなぁ」
いいものがないかと、初めてディパックを開く。
「これだぁぁぁ!!!」
ブロリーは包帯を見つけた。
足首を固定し、再び立ち上がる。
先ほどより、痛みを感じなかった。
「あのクズでも追うかぁ?」
藤崎瑞希と名乗り自分をコケにしてくれた男。
あいつをどう嬲って殺してやろうかと考え、ブロリーは歩く。
「まていッ!!」
自分を呼び止める声に、ブロリーは笑う。
動かずとも、勝手に近づいてくる獲物が多いことに。
「なんだきさ「俺の名は呂布奉先!!」へぇあ!?」
いつもと逆のパターンに面食らうブロリー。
「やはり強者……血が高ぶ「ブロリーです!」……行くぞ!!」
呂布が駆ける。
その手にした斬馬刀を、渾身の力でブロリーへと振りぬいた。
「ぬっ!? お、おお……ッ!!」
「ガッ!? ヌアアアアア!!」
神速の一閃をブロリーは掴み止める。
だが、それでも勢いは止まらない。
「この呂布奉先の一撃を、片手で受け止めるだと!!」
男――呂布は斬馬刀に一層力を混める。
「ヌウウウウウ……!」
地面に亀裂が入り、僅かにブロリーの体が沈む。
「この……ゴキブリがぁぁぁ!!!」
「ぐ、ごおおおおお!!!??」
折れていない足で、ブロリーは呂布を蹴り上げる。
その拍子にバランスを崩して転んでしまうが、そのままの体勢で手から弾を放つ。
「はぁ!!」
「ぐぅあああああ!!?」
その直撃を受け呂布は平原の彼方まで飛んでいった。
「俺を本気で殺せるとでも、思っていたのか?」
汗を拭いながら、ニヤリと笑うブロリー。
「さぁて……次は誰だぁ?」
気配を感じ取り、ブロリーはその方角に歩きだした。
そして、テトたちは
「見せてもらおうか。帝国の魔導アーマーの性能とやらを!」
「おい! カッコつけてんのもいいが、ちゃんと操縦しろよ!!」
「「運転していってね!!」」
空を飛ぶフランの後を、魔導アーマーで追っていた。
「にしても、動かせるもんね」
魔導アーマーに付属していた『凡骨にもわかる!魔導アーマー完全大喝采マニュアル』。
タイトルはアレだが、少し読んだだけで基本動作を理解し、実際に動かすことができた。
「おっ、どうしたんだフランちゃん?」
魔導アーマーと同じ高度まで、フランが降りてくる。
そのまま、何も言わずに魔導アーマーの肩に座ってしまった。
「どうかしたの?」
「わかんない。なんだか疲れちゃって……」
暗闇の中よく見ると、息荒く呼吸し額に汗が浮かんでいた。
「んー、運動不足かなぁ」
「ま、せっかく乗り物があるんだ。無理に飛ぶ必要もないだろ」
「「ゆっくりしていってねー!!」」
フランを肩に乗せたまま、魔導アーマーはホテルに直進する。
ようやく見えてきたホテルに、一向は距離を詰める。
そして、その距離がゼロに近づくにつれて。
その無残な姿を理解していくのだった。
「なによ、これ……?」
半壊したホテルを見て、テトが発した最初の言葉だった。
「へぇ、すごいじゃない。前衛的ね」
「そういうレベルじゃねえぞ? 爆弾でも使ったのか?」
フランを除く全員の顔色が悪い。
「ね、ねぇ、ここはボロボロだし、別の場所に行「けると思っているのか?」ッ!?」
テトの言葉を遮った、ここにいる誰でもない声に振り向く。
そこには、足を引きずりながら歩く大男の姿があった。
男は血まみれだった。怪我をしているのか、返り血なのかは判別できない。
「あなたは「ブロリーです」……どうも、私は「軍人ですかぁ?」いや、これは趣味で……」
なんとも不気味な男に、誰もがどう接したらいいか分からない。
そんな中、会話を始めたのはラガナーだった。
「なぁなぁガタイのいい兄ちゃんよ! ブロッコリーだったっけ?」
最終鬼畜全部支援
支援
「ブロリーです……っ!」
「おお、悪いな! んで、ブロリーはよ、あの主催者に文句とかねぇのか?」
「文句だとぉ……あるっ!」
ブロリーは自身の状態について大きく不満を持っている。
それを仕組んだあの二人を
「生かしておくわけにはいかぬぅう!!」
「おお! だったらどうだい、俺たちと組「むとでも思ったのかぁ?」っておい、人の台詞に被「ヌゥゥゥ、カカロットォォォォォォ!!!」あー、ダメだこりゃ」
さすがのラガナーも話を聞かない相手に交渉はできなかった。
「ねぇねぇ。だったらこいつ、壊しちゃってもいいの?」
「ああ〜、そっそうね、でもアイツ怪我人みたいだし……」
というより、ここは何も見なかったことにして逃げるべきなのではとテトは思っていた。
だが。
「フン」
「えっ?」
ブロリーの無造作に放った弾は、そんな会話を断ち切った。
「ぎゅー」
フランはいつものように手を握ると、弾はテトたちに届く前に爆発した。
「すごいのね、人間なのにあんな大きな弾幕を……えっ?」
爆発によって起きた土煙。
それを撒き散らすほどの速さで、ブロリーが突進してきた。
超低空で、空を飛びながら。
「ぎゃぶっ」
次に知覚できたのは、悲鳴とも形容できない声を上げ吹き飛ばされるフラン。
そしてフランを吹き飛ばし、魔導アーマーの真横にいるブロリーの姿だった。
「あ、あ……」
正確には、テトにはフランが吹き飛んだ瞬間がわからなかった。
テトの顔と魔導アーマーに飛び散ったフランの鮮血が、そういう結末を迎えたことを―――
「テトォォォォ!!!!」
「「ゆっくりしないでねーーー!!!」」
ラガナーとゆっくりの声に反応し、魔導アーマーの腕を振り上げる。
その先端についた大爪がブロリーを捉え
それより「遅く出した」ブロリーのパンチが、魔導アーマーの腕を直撃した。
やはり、テトには何が起きたか分からなかった
気づけば、魔導アーマーの片腕が吹っ飛び、交通事故のような衝撃が襲っていた。
「(なに……よ、あのバ ケ モ ノ)」
あれに比べれば、見た目がカワイイ分フランの方がマシ――
そんなことを考えながら、テトの意識は闇に飲まれた。
「……弱い」
あまりにも弱すぎる敵に、ブロリーのイライラが募る。
彼を除く全員が、吹き飛んだか動けない状態にある。
その中で、すぐ足元に転がっていた赤ん坊を摘みあげた。
「……よぅ、やるじゃねえか」
「なんなんだぁ、お前は?」
赤ん坊が喋る光景は、ブロリーから見ても異様なものだった。
「へっ、俺の名前はラガナー。人呼んで赤さん……世界一歪みねぇ赤子よ!」
「歪みねぇ、だとぉ? フ、フハハハハハハ!!!!」
歪みねぇ。その言葉に反応したブロリーを見て、赤さんの表情が変わる。
「な、何がおかしいってんだ?」
「お前、パンツレスラーとかいう奴の仲間かぁ?」
「なぁ……ッ!?」
やはり、この会場に来ていたのか。
赤さんの表情は、一瞬喜び、しかしすぐに怒りへと変わる。
「まさか、てめぇ兄貴を!?」
「アニキィ? あのカズヤとかいうクズのことかぁ?」
「カ、カズヤだと……?」
ビリー・ヘリントンではなかった。
その好敵手の名前……兄貴が再選をいつも楽しみにしていた、あのカズヤが。
「向こうにゴミが残ってるぞ? 俺に逆らわなければ、楽に死ねたのになぁ?」
「この……外道がぁぁ!!」
ぶんぶんと手足を振って暴れる赤さん。
だが、いくらがんばろうと彼は赤ちゃん。
ブロリーの体に触れることもできない。
「お前もバカですかぁ? 歪みねぇ意思とやらはどうしたぁ!」
「ガッ!?」
まるでボールのように、赤さんは地面に叩きつけられる。
二、三度跳ねて、赤い染みが広がる中で、赤さんは動かなかった。
「うっ……?」
テトは、意識が混濁する中状況を整理した。
一瞬目の前が真っ暗になって、気絶していた。
その前に、何があったか。
『テトォォォォ!!!!』
『『ゆっくりしないでねーーー!!!』』
――自分以外の声が聞こえない。
「赤さん!? ゆっくり!?」
倒れた魔導アーマーを建て直し、周囲を見回す。
すぐに白目を向いたゆっくり二匹が近くに転がっているのを発見できた。
だが、ラガナーは違った。
ブロリーのいる場所から数歩の位置に、転がっている。
真っ赤に地面を ソ メ ナ ガ ラ 。
支援
「アンタ……赤ん坊になにしてくれてのよぉぉ!!!」
ブロリーに向き直り、魔導アーマーの攻撃スイッチを押す。
赤い、高い熱量を誇るビーム。
「ぬぅぅぅぅぅぅぅ……ハッーーー!!」
ブロリーの雄たけびが、空気を歪ませる。
赤い熱線……ファイアビームは、まるで空気の壁に阻まれるようにブロリーの手前で霧散していく。
「そ、そんな……き、気合だけでファイアビームを、か、掻き消「へぁぁ!?」あ……」
霧散しきらず一部が直撃し、よろめいた。
「い、今のうちに……!」
テトは赤さんの元に急「げると思っているのか?」
ブロリーはすぐに立ち直り、赤さんを掴みにかかる。
「フレイムシューーット!!」
「ぬああ!?」
今まさに赤さんを掴む寸前だったブロリーに、二発の炎が命中する。
炎に包まれ転がるブロリーに驚きつつ、炎の飛んできた先を見た。
そこには、炎そのものが君臨していた。
周囲の草を焼き払いながら、そこに立つは赤き悪魔の妹。
自らの流す血で、赤く染まった吸血鬼の末裔。
「――ごめんね、ラガナー。油断しちゃった」
フランドール・スカーレットが、そこにいた。
「その髪……お前、サイヤ人かぁ!」
「訳が分からないから、壊れてちょうだい?」
右手を突き出し、しかしフランの動きは止まる。
「目が、見えない?」
「どうした、俺を壊すんじゃあなかったのかぁ!?」
先ほどの焼き直しのように、ブロリーが飛びながら迫る。
「――舐めないで。 ファイアボール!!」
吹き飛ばされる前には持っていなかった炎のように赤い柄の剣。
そこから赤い火球が生み出され、ブロリーめがけて飛んで行く。
「ぬぁ!!」
ブロリーの腹部を狙った火球は、片手で弾かれた。
『フランの力は効かないようだな』
「――ええ、そうね。どういうわけか、生き物の目は見難いみたい。
右手に持ってくることも出来ないしね」
「んん〜? お前ぇ、今のは誰の声だぁ!?」
「あなたの壊し方の相談よ。私もあなたも残機は1。
私たちは、コンテニューなんて出来ないんだから!!」
二人が激突する中、テトは赤さんを回収した。
「うっ……酷い」
あの豪腕で叩きつけられた赤さんは、見るも無残な姿だった。
「ごめん、赤さん……痛かったでしょうに。キモイ赤子だったけど、アンタは頑張ったわ。
今度はまともな人間に生まれ変わるのよ」
薄く開いた赤さんの目を閉じさせようと、手をかざす。
クワッ
−- , -'"  ̄ ` 丶、 /
─-- / \| 無
/ | 事
─── i _ _ _ _ ヽ_ だ
 ̄ ̄ | /二` "二ヽ、 | 〉 よ
_| _,ィiュミ r_,ィiュミ レ-| !
二二二 ヾ! - ' r `ヽ  ̄´ | ∧
── ___ ゙! 〃 ^ ^ ヽ l-/ 〉
ま i { ='"三二T冫 /´_ノ/\__
さ 二ニ _,ィヘ ヽ ヾ== 彳 /:::/`ー- 、
に _, ィ´:::::/ l\ ト、 ー一 / /::/ \
外 / |::::::::: ̄ ̄ ̄::`ー=彳_∠ _ ヽ
道 / |::::::::::::::::::::::::::::(‥):::〈_ \ l
r'"`丶、 |:::::::::/:::/::::´:::::::::::::::::(_ ト、 |
,.-’”: : : : : : : : : : :`ヽ、
/: : : : : : : : : : : :U\: : \
,-/: : : : : :|: : : \: : : : : : ヽ: : \
|: :|:,U: ー’ : :-─’ヽ: : i: `ヽ、: : :───、
|、: |: :/\: : : :| \: \:|: : : :,-、; : : : : : : >
,==/イf:ハヾ!/ ,=、\! i: : /:/ハ: : : : :ニK
|= : : !| 弋:! |! f:::::ハ;-Tヽ//::|::|: : : : : :/ ━━┓┃┃
K二/|! `ー”Uリ: : /|:::|::|二: : :ト、 ┃ ━━━━━━━━
トKヾゝ'゚ ≦ 三Uイリ/ヽ|:::ヽ!: : r’” ┃ ┃┃┃
|/ 。≧ 三 | く: ミ{ ┛
`ァ, ≧_,.-’”`\ (( `
レ,、 >三/::::|: : : : : :,.-、
≦`Vヾ ≧|:::○:|: :_,.=”‘_,.-`ヽ
。゚ /。・イハ 、、 `ミ。 ・: :::/|_,.-’”/ _,.-”ヽ
| |ニ!|:::::|: : : : : : :/ 04 /
正に外道!支援
「げぇぇぇぇ、赤さんーーーーー!?」
「勝手に殺すなよ! ゲフッ……おい、俺の荷物を空けろ」
「赤さん!? やっぱり無事なんかじゃ……」
「うるせぇ、俺はやらなきゃなんねーんだ! 歪みねぇ意思をアイツにみせてやるんだよ!」
一言喋るたびに、赤さんの顔色は蒼にも白にも変わっていく。
「わ、わかったわ! 私に任せて、何をすればいいの?」
ブロリーとフランの戦いは、一方的な防戦になっていた。
「なんなんだぁ? もしかして手加減してくれてるのかぁ?」
「ッ……当たったら、ちょっとは痛がってくれないとつまらないよ!」
フランの攻撃は何発か確実に当たっている。
だが、僅かに傷つくだけでまるで堪えている様子は見えない。
対するフランは、直撃こそ避けているが、傷が増える一方だった。
「(あの場所を、うまく攻撃できればなぁ)」
フランの能力である、ありとあらゆるものを破壊する能力。
それは、この世全てのものに存在する「目」をつぶすことで破壊を起こす能力。
その「目」を、フランは手の中に移動させ潰すことができる。
相手を見るだけで、その手を握り締めるだけで相手を破壊する、恐るべき能力だ。
もちろんその能力は制限されてしまっている。
首輪の「目」はもちろん、生物の目もほとんど見えない。
できるのは、虚空や、無機物の「目」を潰すことだけ。
しかも、フランには自分の持っている剣の「目」も見えない。
支給品本体もまた、「目」を見れない制限の対象なのだ。
更に言えば、その使用の際に消費する体力も激増している。
数回「目」を破壊し、同様に体力の消費を激しくされた飛行能力の行使。
ブロリーの弾を破壊した時点で、かなりの疲労が気づかぬうちに蓄積していたのだ。
隙を疲れたとはいえ、初めにブロリーの攻撃を受けたのも体が思うように動かなかったためである。
そんな制限された能力だというのに、フランには一箇所だけ「目」が見えていた。
ブロリーの腹部の僅か一点。
「(私の調子が悪くても「目」が見えるくらいに壊れやすいってことよね?)」
その目を、手に移動させることまでは制限によって出来ない。
だが、そこを直接攻撃して壊すことは出来るのだ。
それを、ブロリーはけして許さない。
出血と疲労の激しいフランに、チャンスはやってこない。
「(こういうとき、お姉さまならなんていうのかな)」
どうせ、フランは負ける運命にある、とか言うのだろう。
「(バカだよねぇ。それじゃあ面白くないじゃない)」
勝敗が分かってて、楽しいことなんてない。
弾幕ごっこだって、勝ち負けが分からないから面白いのだ。
「ちょこまかとウルサイコウモリめ!」
攻撃する隙など、ブロリーにはない。
無いならば、それで決まってしまうのか。
「無いなら、壊して作ればいい!!」
フランは手を握り、潰す―――ブロリーの足元の地面の「目」を。
「ぬぁ!?」
足元が砕け、バランスを崩したブロリーの腹部にめがけ、剣を突き入れる!
「やった――ぐぅ!」
その刃の「先端」が腹部に刺さったのとまったく同時に。
ブロリーのハンマーのように振り下ろされた拳がフランを潰した。
「グゥゥゥゥ!! キッサマーーー!!」
僅かに出血した腹部は、ブロリーの怒りを増幅させただけだった。
呼吸さえままならないフランを何度も踏みつける。
「うっぐ……吸血鬼より、人間のが速いなんて、ルール違反、じゃない?」
「人間……? 違う、俺はアクマだ」
「(もーダメかなぁ。でも、ちょっとだけ……面白かったなぁ)」
支援
ゆっくりしえんし…「するとでも思っているのか?」
支援?いいえ、ケフィアです
「ま、待ちなさい! これ以上フランちゃんに近づくなら死んでもらうわよ!」
諦めたフランの耳に、無謀すぎる声が届いた。
「なにやって、テト、ラガナーを逃がしたんじゃ……あう!」
「お前に俺が殺せると思っているのか?」
馬鹿にしたように笑い、ブロリーはフランを更に踏みつける。
「そう、仕方ないわね。だったら押させてもらうわ……首輪を爆破するスイッチをね」
「なんだと……!?」
ブロリーの足が止まり、今度はテトが笑う。
その手には、リモコンのようなものが握られている。
「私の支給品のひとつ、首輪の強制爆破装置よ。
何度も使えるわけじゃないけど、あんたみたいなバケモノを殺せるな「お前、バカですかぁ?」えっ……?」
止まったブロリーは、踏む力を強める。
「やめなさいよ!」
「どうした、首輪を爆破するんじゃなかったのかぁ?」
笑うブロリーに、テトの表情から恐怖が滲み出る。
それを見て、ブロリーは確信した。
「首輪を爆破する……そんなの嘘だッ!!!」
あの藤崎瑞希と同じ。
いや、完全なハッタリなのだからそれ以下だとブロリーは蔑む。
それが真実であることを証明するように、テトはただ震えて
「しょうがないね。ごめん、フランちゃん」
スイッチを、押した。
――ピピピピピ!!
「え゛!?」
『起爆スイッチ、稼動確認。カウントダウンに入る』
胸から聞こえる音声。そして、規則的な電子音。
「へあぁ!? ……爆発するの!?」
「な、なんで胸から……じゃない、初めに言ったでしょ!
もう私にも止められない……違うエリアに移動しなければ、あと25秒くらいの命よ!」
音がする場所に驚きつつ、テトはブロリーに死の宣告をする。
バカな、ハッタリのはず……そう思うブロリーの耳に、別の電子音が聞こえた。
「こいつからも!?」
足元のフランからも首輪の電子音が聞こえる。
「アンタが騙されて離れてくれれば……フランちゃんを巻き込まずに済んだのに!」
悔しそうに涙を流すテト。つまり、これは紛れもない……
「マジで!? 死ぬのイヤァ!!!」
叫びながら全力で、ブロリーはテトから逃げ出した。
徐々に遠ざかる電子音。
そして、もう一つの電子音だけが残った。
「フランちゃん、大丈夫!?」
「あんまり、大丈夫じゃないけど。それにもうすぐ大丈夫じゃなくなるし」
「フ、フランちゃん……」
『15秒くらい、14秒くらい、13秒くらい……』
渋い親父声の適当なカウントが進む。
「別に怒ってないわ、負けそうだったし。本当はあいつを壊さないと気が済まないけど」
「ねぇ、フランちゃん。その、ね……」
『8秒くらい、7秒くらい、6秒くらい』
カウントは10を切り、最後の時が近づいていく。
「でもねぇ、最後はちょっと楽しかったよ。
勝って終われれば、一番良かったんだけどなー」
特に何の悔いもなく、フランは終わりを迎える。
ブロリーは低空を全力で飛んでいた。
どこまでがエリア内なのか分からず、それでも爆弾のカウントを止められるように。
『3秒くらい。2秒くらい。1秒くらい……』
止まらない、止まらない、止まらない、止まらない、止まらない、止まらない。
「まだ死にたくないんだけどおぉぉぉぉぉ!!!!!」
多くの悔いを残し、ブロリーは終わりを迎える。
『爆破』
【フランドール・スカーレット@東方project 死七確認】
【ブロリー@ドラゴンボール 死七確認】
死亡確認……死、七?
m9(^Д^)やあ
ようこそ、バーボンハウスへ。
この水はサービスだから、まず飲んで落ち着いて欲しい。
うん、「また」なんだ。済まない。
仏の顔もって言うしね、謝って許してもらおうとも思っていない。
でも、この死亡表記を見たとき、君は、きっと言葉では言い表せない
「ときめき」みたいなものを感じてくれたと思う。
殺伐とした世の中で、そういう気持ちを忘れないで欲しい、そう思ってこの表記を出したんだ。
じゃあ、注文を聞こうか。
「別にね、怒ってるわけじゃないの。とりあえず燃やしていい?」
「言おうとしたじゃない、言おうとしたじゃない!」
ホテル前には、土下座するテトの姿があった。
その前にいるのはもちろん、首輪が爆発した「はず」のフランドール・スカーレットである。
「じゃあ、それは偽者なの?」
「偽者というか、首輪のカウント機能だけを起動させるリモコンなのよ……」
偽起爆リモコン。射程距離は10m。
機能は、使用した方向にいる全参加者の首輪の起爆音声だけを作動させること。
爆発することはなく、一回使うと6時間使用不能になる。
そう。全てはテトのブラフだった。
離れろと言っても、ブロリーが離れないことも分かっていた。
だから、苦渋の決断かのようにリモコンを使い、ブロリーを騙したのだった。
あとは、ここから逃げ出すように誘導するだけだった。
「まぁリモコンも作戦も、全部赤さんの発案なんだけどね」
「ラガナー……そうだ、ラガナーは!?」
その心配する声に、テトは笑顔で返す。
なんという釣り支援
「大丈夫、手は打ってるわ。
あの魔導アーマーには、ヒールフォースっていう回復機能がついててね。
今、ゆっくりたちに赤さんの治療をしてもらって……」
「ゆ、ゆー、ゆーーー!!」
会話に割り込むように、ゆっくり魔理沙が跳ねてくる。
「どうしたの? もう治療は終わったの?」
「ゆー、ゆー、ゆぅぅ……」
ゆ、しか言わないゆっくりの言葉など、テトには分からない。
「も、もう……ア、アンタが何言ってるか、わかんないわよ」
テトには分からない。フランが青い顔をしている。
「や、やあね、どうしたのよ。フランちゃんだって言葉はわかんないでしょ?」
分からない。分からないはずなのに。
「―――、赤さん!!」
テトは駆け出した。
「よぉ……テト。う、まく……行ったじゃねぇか」
そこには、赤さんがいた。
何も変わらぬ姿で、青白い顔色となった赤さんがいた。
「ゆっくり、何やってたの!」
魔導アーマーの席にはゆっくり霊夢がいた。
「ゆー、ゆう、ゆうーーー!!」
カチカチとヒールフォースのボタンを押し続けるゆっくり霊夢。
「まさか……!」
マニュアルを取り出し、読む。
『ファイアビーム、サンダービーム、ブリザービーム、ヒールフォースは強力な兵器です。
連射回数を総合2発までと制限させていただきます。
6時間ごとに1発チャージされますので、計画的にご利用ください』
(´・ω・`)バーボン支援
「ほ、ほら。二発まで撃てるって……なのにどうして?」
「おお、撃ってもらったぜ……おかげで呼吸が楽になった」
赤さんの返事に、テトは愕然とする。つまり、回復してこの程度なのだ。
「なにが無事だよ、よ! 全然無事じゃないじゃない!」
「……無事だよ。まだ、カズヤの意思を伝えることができる」
まったく知らない名前に二人は困惑する。
「兄貴の一人さ。あのブロリーと戦って死んだらしい」
「そんな……」
「まったくよぉ……ホントに歪みねぇ。アイツ、足引きずってたろ? きっと、カズヤがやってくれたのさ」
それに反応したのはフランだった。
「でも、人間なんでしょう? 無理よ、あれ……人間じゃないのよ」
「そうだなぁ。確かにカズヤはフランちゃんより力も弱い、特殊な能力もないパンツレスラーだ。
だがなぁ、それを補って余りある……「歪みねぇ意思」を持っていた」
歪みねぇ意思。それが何なのか聞こうとしたとき、赤さんは激しく咳き込む。
「「赤さん!!!」」「「ゆー、ゆー!!」」
「……すまん。教えてやりてぇんだが、時間がねぇみたいだな」
すでに、赤さんの顔色は白を通り越して土気を帯び始めている。
「フランちゃんよぅ……思うように頑張ってみな。いろんな奴と出会えば分かる、さ。
『歪みある生き方』と『歪みねぇ生き方』……どっちが楽しいかが、さ」
フランと話す赤さんを、テトはただ見つめていた。
自分と同じ、嘘とはったりだけで生きるやつだと思っていた。
だけど、赤さんの本質は自分とは違いすぎる。
彼の言葉を借りるなら、まさに歪みねぇ男だった。
「赤さん、私はどうすればいいの?」
思わずテトは赤さんに語りかける。
フランは赤さんに従い着いてきた。
おまけに過ぎない自分はこれから……
「……よく聞けよ」
何を語ろうというのか。
一字一句逃さず聞き漏らしのないよう耳を傾ける。
赤さんは、大きく大きく息を吸い込み―――
−- , -'"  ̄ ` 丶、 /
─-- / \| 知
/ | る
─── i _ _ _ _ ヽ_ か
 ̄ ̄ | /二` "二ヽ、 | 〉 よ
_| _,ィiュミ r_,ィiュミ レ-| !
二二二 ヾ! - ' r `ヽ  ̄´ | ∧
── ___ ゙! 〃 ^ ^ ヽ l-/ 〉
ま i { ='"三二T冫 /´_ノ/\__
さ 二ニ _,ィヘ ヽ ヾ== 彳 /:::/`ー- 、
に _, ィ´:::::/ l\ ト、 ー一 / /::/ \
外 / |::::::::: ̄ ̄ ̄::`ー=彳_∠ _ ヽ
道 / |::::::::::::::::::::::::::::(‥):::〈_ \ l
r'"`丶、 |:::::::::/:::/::::´:::::::::::::::::(_ ト、 |
【赤さん@ガチムチパンツレスリング 死亡確認】
これでパンツレスラーズが兄貴一人に・・・
……赤さんは、それきり二度と動かなかった。
最後の最後まで、赤さんは自分を貫いて生きたのだ。
「私は実にばかだなあ……」
死に体の赤ん坊に何をすがり付こうとしていたのか。
これからのことなど、赤さんには知ったことではない。
まだ生きている、自分が決めることなのだ。
「フランちゃん、私はここで別れるわ」
テトの心は決まっていた。
今すべきことは、フランを懐柔することでも、赤さんの死を悲しむことでもない。
恩人を、一秒でも早く探すことだ。
「私、探したい恩人がいるの。朝になったら出歩けないフランちゃんと行動することは、できない」
「……そう」
何を言われるか、殺られるかとすら思った想像とは違い、フランは一言呟いただけだった。
「あのオモチャはあげるわ。急いでるんだよねぇ?」
「……ありがと。じゃあ、フランちゃん……無理しないでね?」
魔導アーマーに乗り込み、テトはホテルを離れた。
「……」
これで、良かったのかもしれない。
そう思ってしまう自分がいて、テトは心底嫌になった。
結局フランは、赤さんの嘘を信じたまま、真相に至ることは無い。
嘘を引き継ぎ、フランを利用することもできたかもしれない。
救いはないんですか!?
救いねえな
だがそれも……バトロワ
だが、テトは「命の恩人」を騙すことができない。
ブロリーに殺されるはずだった自分は、赤さんという犠牲を払い、今も生きている。
フランの奮戦があったからこそ、その話術でブロリーを騙し助かったのだ。
あの二人のどちらかが欠けていても、テトは死んでいた。
これ以上、恩人を利用できない。
怪我をしたフランを置いていったことに罪悪感はあった。
だが、テトが探す彼女は、フラン以上に儚い存在なのだ。
「大丈夫よ、きっと守って見せる。だから、無事でいて、ミクちゃん――!」
ミクちゃんを守って見せる。それが、テトの歪みない決意。
その決意をひんそーな胸に、テトは二匹のゆっくりを乗せ草原を突き進む。
―――空は、僅かに太陽が昇り始めていた。
【B-2/一日目・早朝】
【重音テト@VOCALOID(亜種)】
【状態】:健康、悲しみ、強い決意
【装備】:魔導アーマー(左腕欠損、武装チャージ中0/2)@FF6、ゆっくり霊夢、ゆっくり魔理沙@ゆっくりしていってね!、偽起爆リモコン(6時間使用不可)
【持物】:基本支給品、ランダム支給品(0〜2)
【思考】
1、ミクを探して守る。
2、フランが大丈夫か少し心配。
3、自分に害のある人物は詐欺してバーボンして切り抜ける
4、ブロリーに注意
5、「歪みねぇ意思」……か
蟹になりたい支援
「んっ……はぁっ、んぐ……」
テトが去ったあと、草原には小さな乱れた呼吸音と、何かを飲み干す音が響いていた。
その音の主は、もちろんフランドール・スカーレット。
―――彼女が、ラガナーの遺体を啜る音だった。
目の前で「食料」へと変わった赤さんを見て、フランは堪えられなかった。
激しい怪我と疲労は、フランに食事を必要としていた。
テトが、すぐに離れなければ――彼女の目の前でも、噛り付いていただろう。
初めの一噛みで、赤さんの遺体は鈍い音と共に一部が砕けた。
「ア――ダ、メ。そう、ニンゲンはすぐ壊れ、るんだった」
まともに吸血したことなど「まったく」ないフランドールは、可能な限り優しく、噛み直す。
フランの喉を血液が潤すたびに、フランの外傷が見る見るうちに塞がっていく。
赤ん坊の血など、吸血鬼にとって極上のヴィンテージ・ワインと同じ。
495年を生きたフランにとっても、究極にして至高の味。
美味しくないはずがない、というのに。
「……おいしく、ないよ」
「……」
「どうしてだろ。おいしいけど……おいしく、食べれないよ、ラガナー……」
フランドール・スカーレットは、495年の生涯で人間を見たことがほとんど無い。
咲夜、魔理沙、霊夢を除いた人間を、フランはあまり知らない。
あとは宴会にやってくる人間を遠巻きに見ることくらいだ。
それ以外の人間は、全て「ケーキや紅茶」に加工されていた。
だから、その人間がどんな人間だったのかなど知る由も無い。
会話をしたことのある人間を、フランは食べたことがなかった。
「魔理沙や霊夢の血も、美味しいのに美味しくないのかなぁ」
『――さぁな。ただ、二度と話せないということが理由かもしれん』
「今のは独り言よー。質問なんてしてないわ」
左右を見て、空を見上げ、そこにはフランを除いて誰もいない。
まさに支援
「結局、また一人になったのか」
『ふむ、我は完全に無視か?』
「アンタは『人』じゃなくて『個』か『振り』じゃない」
さて、ここにはフランの言葉どおり一人しかいない。
かといって、けして一人芝居にしてはやたらと渋い声である。
『そこまで細かいことを言うな。それを言えば、君とて「人」ではあるまい』
剣である。
赤い柄の剣が、どこからか声を出していた。
「うるさいなー。またしまっちゃうわよ、ディムロス」
その名をディムロス。意思を持つ剣、ソーディアンである。
テトと赤さんと出会うより前。
フランは支給品を確認していた。
「まどうあーまー? こういうの、河童が好きなんだっけ? 私はいらないなぁ」
『む……なんだ、ここは?』
「あら、なにかいるの?」
ディパックから引き抜いてみると、それは赤い柄の剣だった。
『いったいどういうことだ……たしか、神の目を破壊して……』
「神の目?」
『なっ!? 君は、我の声が聞こえるのか!?』
「私、耳は聞こえるよ?」
何かズレた返答に、ディムロスは説明を始める。
自分はソーディアンと呼ばれる兵器であること。
ソーディアン・マスターと呼ばれる素質のある人間にしか声は聞こえないことを。
「ふーん、魔剣なのね」
『魔剣などではない! ええい、それより君は何者だ、そしてここはどこだ?』
「うるさいねぇ。静かにしてなさい」
『なぁ!? ちょ、おまっ』
ディパックにディムロスを戻されてしまったディムロスは抗議の声を上げる。
「結局、また一人になったのか」
『ふむ、我は完全に無視か?』
「アンタは『人』じゃなくて『個』か『振り』じゃない」
さて、ここにはフランの言葉どおり一人しかいない。
かといって、一人芝居にしてはやたらと渋い声である。
『そこまで細かいことを言うな。それを言えば、君とて「人」ではあるまい』
剣である。
赤い柄の剣が、どこからか声を出していた。
「うるさいなー。またしまっちゃうわよ、ディムロス」
その名をディムロス。意思を持つ剣、ソーディアンである。
テトと赤さんと出会うより前。
フランは支給品を確認していた。
「まどうあーまー? こういうの、河童が好きなんだっけ? 私はいらないなぁ」
『む……なんだ、ここは?』
「あら、なにかいるの?」
ディパックから引き抜いてみると、それは赤い柄の剣だった。
『いったいどういうことだ……たしか、神の目を破壊して……』
「神の目?」
『なっ!? 君は、我の声が聞こえるのか!?』
「私、耳は聞こえるよ?」
何かズレた返答に、ディムロスは説明を始める。
自分はソーディアンと呼ばれる兵器であること。
ソーディアンの声は、資質のある人間にしか聞こえないこと。
「ふーん、魔剣なのね」
『魔剣などではない! ええい、それより君は何者だ、そしてここはどこだ?』
「うるさいねぇ。静かにしてなさい」
『なぁ!? ちょ、おまっ』
ディパックに戻されてしまったディムロスは、抗議の声を上げる。
100 :
Classical名無しさん:09/02/27 00:28 ID:rX5u/x3s
支援
『ええい、なぜしまう! 声が聞こえるということは、我を扱える素質がだな』
「いらない。あと、勝手に喋ったら捨てるからね」
『(我はどうなるんだ……)』
『まぁ、意外と早く使って貰えて何よりだ』
「炎の剣だからねぇ。私も得意だから使ってあげるよ。
ところで、ブロリーにもディムロスの声、聞こえてなかった?」
『そのようだな。素質に関係なく聞こえるわけということか……』
クスクスと、フランが笑う。
「テトたちにも教えてあげればよかったねぇ」
『黙っていろと言ったのはフランだぞ? 流石に首輪が鳴り出したときはどうするかと思ったがな』
「決めた、もう喋っていいよ。口うるさくしなければね」
『ふむ、それは助かる。正直、他者を驚かせてしまうことも危惧していたのだが……
ブロリーのような奴がいるのだ、喋る剣ぐらいどうということもあるまい』
ブロリーのせいで、ちょっとした異常など大した問題ではなくなっていた。
「ねぇ、ディムロス。ラガナーはどうすればいい?」
干からびてミイラのようになったラガナーを片手に、フランが尋ねる。
『埋めてやれ。血を吸ったことも含めて、彼の安息を守る義務がフランにはある』
「うん、わかっ……っ!?」
突然、フランは走り出した。
ディムロスも、ラガナーさえも置いたままに。
『どうした!? ……そうか!』
ディムロスも、理由に気がつく。
空に、日が昇る。
吸血鬼にとって忌むべき時間がやってきたのだ。
『フランは……ホテルに逃げ込めたようだな』
それには安心したが、ディムロスはこれからどうすればいいか悩む。
『誰か来るまでこのままか……短い付き合いのマスターだったな』
フランが戻ってくる頃には、誰かに拾われているだろう。
さすがに夜まで放置されなければ良いなと内心祈る。
その祈りが通じたのか、すぐに人は来た。
全身黒いタイツに黒いマント、さらに漆黒のヘルメットを被った人間だった。
『そこの黒ずくめの人間よ。我を拾ってくれないか?』
「何言ってんの、ディムロス?」
人間じゃなくて吸血鬼だった。
『うおお!? フランなのか、なんだその姿は?』
「いいでしょー。ラガナーの荷物に入ってたのよ」
その服は、「ゼロの衣装セット」という支給品らしい。
ゼロというのが何者かは知らないが、フランにとって全身を覆う服は都合がよかった。
「意外と平気かもしれないよー?」
この言葉に、実は嘘偽りは無い。
幻想郷の吸血鬼は、太陽に弱く、雨に弱く、豆にも弱い。
だが、太陽に当たれば即死するわけではなく、日傘で十分だったりする。
用は、直射日光に当たり続けなければ大丈夫という、結構いい加減な体の作りだった。
「ちょっとブカブカだけどね―――さ、ラガナーを埋めるわよ」
ホテルの脇に、ラガナーの遺体を埋めた。
ディムロスはスコップ代わりに使われ不機嫌だったが、特に道具も無いので仕方が無い。
「ごめんね、ラガナー」
『……しかし、残念だったな』
「ん、なにが?」
しまった、とディムロスは失言を悔いた。
忘れていたことを思い出させれば、彼女の感情を波立ててしまうのではと。
「なによ、言わないとまたしまっちゃうよ?」
『……ラガナーの言っていた、楽しいことだ。聞くことができなかっただろう?』
「えっ、そんなことないよ?」
予想外の一言に、思わず聞き返す。
ディムロスいきなりw
支援
『なに?』
「弾幕ごっこよりも面白いことは聞けなかったけど……
ラガナーやテトとお話ししたことは、弾幕ごっこと同じくらいには楽しかったわ」
その言葉は、ディムロスを安堵させた。
フランにも、いくらでも可能性がある。血塗られた運命だけではないのだと。
種族が違うために、人の命を軽視する面が多く不安は残るが。
『……そうか。良い経験を積んだな』
「でもブロリーと戦ったのも同じくらい楽しかったなー!」
前言撤回。
やはり血や争いからは切り離せないようだ。
「今度も、もっと楽しかったらいいなあ」
『そうだな。フランが出会い頭に吹き飛ばさなければ、面白い出会いもあるだろう』
「あら、弾幕から始まる交友もあるのよ?」
『死んだら交友は始まらん!』
別れを経て、フランは太陽の下を進む。
これから彼女の行く道が歪みある道にとなるのか、歪みねぇ道となるのか。
それは……
−- , -'"  ̄ ` 丶、 /
─-- / \| 知
/ | る
─── i _ _ _ _ ヽ_ か
 ̄ ̄ | /二` "二ヽ、 | 〉 よ
_| _,ィiュミ r_,ィiュミ レ-| !
二二二 ヾ! - ' r `ヽ  ̄´ | ∧
── ___ ゙! 〃 ^ ^ ヽ l-/ 〉
ま i { ='"三二T冫 /´_ノ/\__
さ 二ニ _,ィヘ ヽ ヾ== 彳 /:::/`ー- 、
に _, ィ´:::::/ l\ ト、 ー一 / /::/ \
外 / |::::::::: ̄ ̄ ̄::`ー=彳_∠ _ ヽ
道 / |::::::::::::::::::::::::::::(‥):::〈_ \ l
r'"`丶、 |:::::::::/:::/::::´:::::::::::::::::(_ ト、 |
【フランドール・スカーレット@東方project 生存確認】
まさに歪無道!
【D-3 道/一日目・早朝】
【フランドール・スカーレット@東方project】
【状態】:全身に怪我 (再生中)、中度の疲労
【装備】:ディムロス@テイルズオブデスティニー、ゼロの衣装セット@コードギアス
【持物】:基本支給品×2
【思考】
1、面白いことを探す
2、ラガナーを守れなかったけど、右上・左上を殺す
3、歪みねぇ生き方?
※ディムロスの声は、誰にでも聞こえるようです。
※ディムロスの使用により、術が使えるようになりました。
※「ゼロの衣装セット」を着ているため、朝でも活動できます。翼も服の中なので飛べないかもしれません。
※服が破れると太陽に晒される危険があります。
※フランの能力は大幅に制限されています
・空を飛ぶと大きく疲労します。
・首輪、支給品、参加者の「目」は見えません。
・よほどの弱点がある場合、見ることだけはできますが、手に移動させることはできません。
・地面などの「目」は、手を握り締めると破壊できますが、大きく疲労します。
「な……なんだぁ?」
ブロリーは、何が起きたのか理解できなかった。
首輪が爆発して死んだと思ったら生きていた。
なぜ爆発しなかったのか考え、一つの結論を出す。
「フハハハハ! 間に合ったのかぁ?」
ブロリーは、走り続け別のエリアに抜けれたのだと思った。
実際、違うエリアにいたため、間違いではない。
「ところで、俺はどこにいるんだぁ?」
森の中のようだが、いったいどこの森なのかブロリーにはわからなかった。
「ここがどこだかわからなければ、俺は……寝るだけだぁ……」
ブロリーは木に腰掛け、眠りについた。
もうすぐ始まる放送を、彼は聞くことができるのだろうか?
【ブロリー@ドラゴンボール 生存確認】
【B-3 森/一日目・早朝】
【ブロリー@ドラゴンボールZ】
[状態]疲労(大)、全身に軽い怪我、右足首骨折
[装備]なし
[道具]支給品一式、不明支給品1〜3
[思考・状況]
1:ZZZ……
2:全てを破壊しつくすだけだ!
3:腹を庇う必要があるか……
※首輪が爆発しなかったのは、エリア脱出に成功したためだと思っています。
「無用心な男だ」
そのすぐ近くに、呂布は潜んでいた。
ブロリーの気弾を受け、呂布は森の近くまで飛ばされていたのだ。
「斬馬刀がなければ、危うかったかもしれんな」
呂布は、ブロリーの気弾を斬馬刀で受け止めた。
そのため、呂布自身は地面に叩きつけられたこそしたが、怪我にはいたらなかった。
「だが、そのために斬馬刀を……!」
呂布の持つ斬馬刀は、半分に折れていた。
ブロリーの気弾の威力に、耐え切れなかったのだ。
「すまぬ、俺が未熟ゆえに……」
呂布といえども、術師との戦い方など知らない。
慢心していたチルノにこそ勝てたが、メタナイトと共にいた女、そしてブロリーの攻撃に対処できなかった。
「……アレを使うとするか」
荷物から、何かを取り出す呂布。
取り出されたのは、盾であった。
またトキ達に近づいてきたかw
イージスと呼ばれるそれが、素晴らしい防具であることは呂布の目にも確定的に明らか。
呂布の支給品であったが、斬馬刀を使うために盾を装備することはできなかったのだ。
折れた斬馬刀の重さなら、十分に片手でも使える。
「これならば、術を防ぎつつ戦えるはずだが……」
呂布にとってもあまり慣れぬ、剣と盾を装備しての戦い。
それだけではなく、呂布はイージスが生きているかのような錯覚を覚える。
「本来の持ち主にしか、完璧に性能を出し切ることはできんか……」
当然か、と呂布は思う。
自らの武器、方天画戟も真に使いこなせるのは自分のみ。
たとえ、関羽のような武人であれ性能を全て出し切ることはできないのだ。
「殺しあえというならば、最良の得物を渡せばよいものを……」
文句を言っても仕方なく、現状の武器に慣れるしかない。
慣れぬままブロリーに挑んだところで、結果は同じだろう。
「まずは適当な相手で肩慣らしと行くか……」
ブロリーから離れ、森を進む呂布。
自らの力を使いこなし、強者を打ち倒すために。
【A−3 館付近/1日目・早朝】
【呂布@iM@S演義】
[状態]腹部に打撲
[装備]折れた斬馬刀@るろうに剣心、イージス@FF11
[道具]支給品一式
[思考・状況]
基本思考:強そうな奴には片っ端から喧嘩を売る。優勝狙い
1:術師にも負けない。
2:チルノとはまた会ったら決着を着ける。
3:メタナイトと全力の決闘をしたい。
4:ブロリーとも決着をつけたい。
5:主催者も殺す。
※イージスは意思を持っていますが、封印されているのか本来の持ち主でないためか言葉を発しません。
※盾の性能を全て引き出すことはできませんが、使用することに問題はありません。
支給品解説
魔導アーマー@FF6
ガストラ帝国の標準的な魔導兵器。チョコボ程度の速度と強力な魔導兵器を持つ。
これには、ファイアビーム、ブリザービーム、サンダービーム、ヒールフォースが標準装備されている。
制限により最大連射2発。チャージには1発6時間を要する。
参考動画:
【FF6】20代後半の叔母さんが頑張ります【実況プレイ】
ディムロス@テイルズオブデスティニー
天地戦争の際に作られた決戦兵器。
中央部にあるコアクリスタルに人格や記憶、術を使うエネルギーが詰まっている。
刀身に炎を纏うことができ、使える術も炎の属性である。
性格は熱血漢で正義感が強く、面倒見がいい。
また、ディムロスのオリジナルはバルバトスを処刑した張本人である。
声優は置鮎龍太郎。
参考動画:
お話が分かるだけのテイルズオブデスティニー
ゼロの衣装セット@コードギアス
合衆国ニッポンポン!
参考動画:
【手描き】「スーパーニッポンデラックス!\(●)/」に絵をつけてみた
イージス@FF11
盾レリック最終。ナイト最強の盾。
魔法の威力を軽減する効果もあるメイン盾。
ナイトの三種の神器の一つであることは確定的に明らか。
意思を持っているが、何らかの理由で喋らない。
ただし元々喋る機会も少ない。
偽起爆リモコン
使用した方向にいる全参加者の首輪の起爆音声だけを作動させる。
リモコンの有効距離は10m。
25秒くらいのカウントダウンを立木文彦の声で行うが、爆発は絶対しない。
本来の首輪爆破時と同一のカウントダウンかは不明。
一度スイッチを押すと、6時間使用不能になる。
支援
以上、投下終了です。
長い支援、および何度も修正を受けてしまい申し訳ありませんでした。
>>98は文章を直す前のをコピーしてしまいました。
>>99が正しいものです。
投下乙です
赤さん歪みねぇぇぇぇ!最後まで素晴らしい外道だった
テト、フランもこれからどうなるか気になるな
そしてブロリーさん相変わらずパネェっす
あ、もしwikiに載せる際に分ける必要がある場合
>>82までを前編、
>>84からを後編でお願いします。
それと、タイトルが文字数オーバーでした。
正式なタイトルは「おまいら、バトロワどの敵まで勝てる?(ブロリー編) 」です。
リモコンは立木ちゃんかよwww
おもしろい支給品だ
赤さん最期までサイコーでした
テトの騙しはさすが!
121 :
Classical名無しさん:09/02/27 21:14 ID:M6dlQHwY
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ヽ -./ ., lliヽ .|
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ビクビクッ : /.._ / ヽ \\.`゙~''''''"./
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遅れに遅れて申し訳ございません。
したらばの方に仮投下しました。
すいません、少し延長させて下さい
明日には出来上がると思います
125 :
Classical名無しさん:09/02/27 23:45 ID:M6dlQHwY
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ガチムチ勢かっこいいけど死ぬの早いな・・・。やはりここは兄貴に頑張ってもらわないと!
投下いきます。
夜闇の中、草原を走る白い車輪がひとつ。
グラハム・エーカーが操るD−ホイール、ホイール・オブ・フォーチュンである。
彼が目指しているのは東。一見するとブロリーがいたホテルに近づく危険な進路であるが…
その場から離れるという目的上、西へは行けない。
北は行き止まり、となると彼らの行き先は南か東しかなかった。
…要するに、どちらもブロリーと戦ったあの場所に近づくことは変わらない。
ならば、一回通ってある程度地理を把握している東の方がいいと判断したのだ。
D−ホイールをまだ残る夜闇の中で走らせつつ、ふと彼は思い出したように口を開いた。
その隣にいる妖怪へと。
「そう言えば…6時間ごとに放送があると言っていたな」
「…そうですね」
「動き回るよりは塔に留まり聞き逃さないようにしたほうがいいと思うが、君はどうだ?」
「…いいんじゃないですか」
文はずっと口も利きたくない、と言わんばかりの態度を取っている。
ちなみに彼女はD−ホイールに乗らずに脇を併走中だ。当然、それについていけるだけのスピードで。
グラハムにまた抱き抱えられて運ばれるよりは、多少疲労してでも自力で走ったほうがマシだと思ったらしい。
「飛ぶ」ことと違って「跳ぶ」ことは大して疲労しないことに、既に文は勘付いている。
そうである以上、文の能力ならD−ホイールについていくのは造作もないことだ。
もっとも、グラハムはグラハムでD−ホイールのスピードを大分緩めているのだが。
「…やれやれ」
軽く肩を竦めつつ、塔の目の前にD−ホイールを停車させた。
片やD−ホイールに搭乗、片や幻想郷最速の彼らにとって、一エリアを移動するのは大した手間ではない。
放送までは、まだそれなりに時間がある。
どうしたものか、と考えを巡らせるグラハムの隣で、
「じゃあまずは私一人で中を見てくるので、待っててもらえますか?」
一時的でもいいからなんとか一人になる口実を作りたい、と言外に見え見えなことを文は言った。
当然、その程度であっさり諦めるグラハムではない。
「内部がどれほど複雑かも分からないのに一人で探索というのは無策だ。
どれほど時間が掛かるかまだ分からない以上はな」
「だってそれを室内で乗り回すわけにはいかないじゃないですか。
なら私一人で見てきたほうが早いですし、安全です」
「それは問題ない。これは階段も平気で上れるらしい」
「…いや、どう見ても無理だと思うんですけど」
「そう言われても、解説書にそう書いてあった以上は真実だろう?
それに」
その瞬間、くきゅるるるるる、と音がした。文のお腹から。
「まずは食事の時間だな。
私はともかく、二度も戦ってきた君はそれなりに消耗していると思うがね」
「………」
事実なので反論しようがない。
結局文はグラハムと仲良く塔へお邪魔し、テーブルを見つけて共に食事をする羽目になった。
だが二人が手ごろな椅子に座り込んで、食事を始める寸前。
「失礼。
ところで、テングとやらは食事の前に何かやるのかな?」
グラハムが、妙なこと言い出した。
「ハァ?」
「経済特区日本では、郷に入っては郷に従えという諺があるらしい。
君が食事に何らかのマナーや規律を持っているのなら、付き合おうと思ってね」
「ありませんし、あったとしてもやりませんよ。
あなたが礼儀正しい人だとは思えませんから、無駄です」
「成程。それはごもっともだな」
それだけ言うと、コッペパンを食べ始めた。厭味を軽く受け流して。
言うまでもなく文の支給品のそれではなく、普通の何の変哲もないコッペパンである。
(相変わらずどこからが本気でどこからがふざけてるのかよくわかんないわね…)
心の中でそう愚痴りつつ、文もコッペパンを口へと運び出した。
さて、文にああ言ったグラハムではあるが、彼自身も腹が空いてきていた頃合だ。
そのため半分近くを食べきるまでは、無駄口を叩かずに食事に集中していた。
小休止を兼ねてペットボトルの水を飲んだところで、ふとグラハムが文を見ると…
一口欠けたパンと睨み合いをしているばかりで二口目を口に運ぶ様子はない。
「…パンは不慣れなのか?」
「まぁ、これはあんまり好きじゃない、かなぁ、とは…」
こくこくと頷く文。
幻想郷にも洋風文化が存在しないわけでもないが、ほとんどは米食中心。
魔理沙なんて13枚しかパンを食べたことがないくらいである。
ましてや妖怪の山という東洋妖怪中心の場所に住んでいる文は、基本的に米食派だ。
が、この場合問題なのはそんなことではなく。
「食べ方が分からないというなら、手取り足取り教えt」
「それくらい分かります!」
そうピシャリと言って文は二口目を口に運び…露骨に顔を顰めた。
…要するに、このコッペパンはまずい。美食家でなくともそう思えるくらいまずい。
なるほどな、と呟きながらグラハムはコッペパンを口に運ぶ。
「あくまで餓死しない程度の食料、ということだろう。味は考慮外なのも当然だ。
でなければチョコレートが特別なものとして入っていたりはしない」
「…だったら私のチョコレート食べないで下さいよ」
ジト目で抗議する文を無視してコッペパンを飲み込むグラハム。
はぁ、とため息を吐きつつ、文は話題を変えた。
「グラハムさんは平気なんですか?」
「軍人だからな。いつでも美味いものが食べられる身分ではないさ。
AEUの糧食は異様に凝った物らしいが…酒場でも行くか?」
「は?」
「いや、あまりにもパンが嫌そうな顔をしているからな。
ここから北にある酒場なら、何か他に料理があると思うが」
「別にパンが嫌いってワケじゃないです、けど…」
「だが、このパンは食べたくない、と」
「亡霊姫じゃないんだし、そんな贅沢いいません!」
そう言ってコッペパンを口に運ぶ文に、再びグラハムは肩を竦めていた。
一応、彼自身は「今回は」純粋な善意から言ったつもりだったのだが。
(やれやれ、からかい過ぎも考え物だな)
心の中で、グラハムはそう呟いた。
もっとも少しは自重する気になったかというと、まったくそんな気はないが。
グラハムの視界に、新たな光が入る。外では既に日が昇りはじめていた。
夜が終わる。影は隠れ、この殺し合いは新たなる局面へ移る。
それを気にすることもなく、穏やかでない仲の二人は極めて穏やかな朝を迎えた。
あややや支援
【C-2・塔/1日目・早朝】
【グラハム・エーカー@機動戦士ガンダム00】
[状態]:ほっぺたにビンタ痕
[装備]:ハネクリボー@遊戯王GX(使用可能まで8時間)、言葉のノコギリ(レザーソー)@school days
[道具]:支給品一式(一食分食糧と水消費)、ホイールオブフォーチュン@遊戯王5D's
[思考・状況]
1.フラッグ(文)に惚れた
2.フラッグを守る
3.フラッグはツンデレらしいな
※参戦時期は一期終了後(刹那のエクシアと相討ちになった後)。
【C-2・塔/1日目・早朝】
【射命丸文@東方project】
[状態]:精神的疲労(小)
[装備]:七星宝剣@三国志\
[道具]:支給品一式(一食分食糧と水消費)、究極のコッペパン@ニコニコRPG
[思考・状況]
1.情報収集。自己保身を優先する。特に究極のコッペパンは絶対に自分で食べる。
2.主催者の方が強そうだったら優勝狙い、脱出できそうなら脱出狙い。それまでは1に徹する。
少なくとも人数が半分以下になるまでは立場を確定させない。
3.優勝狙いが確定しない限りグラハムと一緒にいてやる(ただし優勝狙いに決めたら速攻で殺す)。
4.もしチルノさんとかがいたら……手元に置いておこうっと。
5.ブロリーと出会ったら何を犠牲にしても全力で逃げる。
らららコッペパン〜らららコッペパン〜
投下終了です。
おや支援でおくれてしまった
138 :
Classical名無しさん:09/02/28 01:26 ID:5gAbhzlA
きれたぞw
まったく知らないキャラ1人と、中途半端に知っているキャラ3人、どっちが動かせるかなぁ……。
いやぁ、サンレッドか、ブロントさんたちかどっちか予約したいんだが、正直決められない。
どなたか優柔不断な俺に勇気を下さいorz
あ、アイマス把握してないし、修造さんの暑さは俺の凍えた手じゃ表現できないから無理っすorz
……、これで予約入ってますよとか言われたら、俺涙目。
しらないキャラの方が資料とか使って書けばキャラ崩壊は起こりにくいって俺が
書けないというのなら無理に書く必要ないと思うよぉ
思ったんだが死亡者11人中4人が一人枠というのもおかしくないか
そろそろボカロ・東方のキャラ一人ぐらい・・・
参加者の半数近くが一人枠なんだから死亡者の割合としては別におかしくなくね?
東方ボカロは良くも悪くも個性が光ってるからなー
何よりこいつら、友達以上の関係を結んでる奴らが多すぎる(東方は50%が紅魔館メンバー!! ボカロ勢もほとんどミクを意識してる!!)
殺しても殺さなくても次の放送でおいしくなること請け合い。加えて住民の人気も一手に集めてる。
書き手も慎重になってるんじゃないか?
ガチムチも赤さんが光ってたが……ビリー以外は早死にか。
まあ、
>>143のとおり単独枠の多さは凄まじいし、しがらみが少ない関係からどうしてもここに死亡者が集中するのは仕方ないな。
この流れを見てるとアニロワのローゼン・ひぐらし大虐殺を思い出すぜ。
>>145 あれは感情論に近いメタな領域から死亡フラグが立ったからな……
類似ケースは某氏への報復に端を発した某キャラの凄まじいキャラ崩壊か。
これを上手く捌いた書き手はマジで凄いと思う……
まあなんだ。良くも悪くもアニロワは凄まじかったな。
話の流れの中でキャラが「死ぬ」のはいい
しかし先に特定のキャラを「殺す」と決めて、そのための展開を考える・・・
という形になっているな、と感じた場合ひどく萎える
特定キャラを殺す事を目的とした話でも、キャラに愛があれば良い。
キャラに愛が無くても、その死に様に強烈な印象や格好良さがあれば良い。
嫌い・無関心なキャラを、ただ殺すだけな話はご勘弁w
>>147 自己主張が強い書き手だとあるんだよな、それ。
極まるととりあえず自分のやりたいことだけを先に決めて、そのためにキャラの思考や行動、能力、前話のフラグを自分勝手に解釈するなどして強引にこじつけちゃう。
例え作品内、作品の前後で矛盾が無くとも、さすがに受け入れがたいよな。
書き手分析するやつらってえらそうな発言が目立つし、
発言に根拠がないケースがほとんど
LSロワで実際にあったんだがな……
でも確かに発言か上から目線過ぎたな。しばらく布団にこもってくる。
どのキャラを生かし殺すかってことはキャラの組み合わせ見た瞬間に考えることじゃない?
リレーSSなんだから他人の意図とは違う解釈もするし。
153 :
Classical名無しさん:09/02/28 18:19 ID:b.DAf52E
それにしても兄貴強いw
トップクラスじゃないか?
そんな事より、次の投下が来るまで今まで出た話で好きなのでもあげてこうぜ
俺は朝霧の殺人機械とかトリプルステルスVSステルスマーダー、熱き血潮に、アレックスに主人公をさせてみたあたりが好きだ
トリプルステルスは俺も好きだな
あそこまでの話はなかなか読めない
俺は最近投下された赤さん死亡話とカズヤ死亡話。
コンビならツンデレコンビとトリプルマーダー、グラ文が好きかな
第一回放送終わったらアンケートしたいな。
俺も朝霧の殺人機械好きだw単純に面白かった
好きなキャラは今のところカイトだな。ヘタレで卑怯なところが凄くいいw
俺がバトロワに参加させられたら多分カイトみたいになる
俺が参加したらてっぺい☆みたいになるのは確実
俺はどこかに厳重に隠れるなー
民家とかのベットの下で震えてるだろう
支給品に核鉄クラスのがあったら…
俺の支給品:枕、眼鏡、手袋
…とかだったら泣くよな
俺は遅かれ早かれ死にそうだな。人殺せそうにないし
なんか自暴自棄になってサラマンダー化しそうだな、俺
初級ズガン=HA☆GA
中級ズガン=ドラえもん
上級ズガン=てっぺい☆
LUNATIC=白石
オレはきっと最後の一人になるまで隠れ続けるだろうな・・・。
流れ斬りますが
リアル世界が予想以上に忙しく
予約を破棄させて貰います
長い間キャラを拘束させてしまい申し訳有りませんでした
じゃあ雄山予約しますかね…
修正投下しました。遅くなって申し訳ございません。修正部分はハクの口調と後半部分です。
ハクの心変わりが早いとのことで、後半はかなり変わってしまったので、また何か問題があるかもしれませんが、
二週間近くパソコンに触れられないと思いますので、他に予約したい方がいたら破棄してもらってもかまいません。
問題ない場合はどなたか仮投下お願いします。
170 :
Classical名無しさん:09/02/28 22:52 ID:h5Qs1sss
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投下します
「ふぇ〜!やっと山から下りられたぜ」
「無事に下山できてなりよりです。少しでも足を踏み外したら大変なことになりますからね」
朝の陽射しがこの殺し合いの場を照らそうと顔を出す山のふもと。
普通の女子高生日下部みさおと豹のミュータント戦士アポロは
やっとの思いで山を下りることに成功した。
「確かにな〜怪我じゃすまないところだったな」
「怪我ならまだいいですよ、私は段差を落ちるだけでも致命傷ですから」
アポロは背にある山の頂を見て、少しだけ身震いする。
みさおは目を丸くし、そうなのか!と驚きのまなざしでアポロを見る。
「おそらく、ミュータント改造の副作用なのかもしれません」
「へぇ〜。豹人間も大変なんだなぁ〜」
「次はデパートの方へ向かいましょう。建物がある所に人が集まっているかもしれませんし」
「それのことなんだけどさ、アポロ」
「何ですか?」
「ちょっとここで休憩しないか?」
「さっき山の途中で休んだんじゃないんですか?」
「あんな山道歩くの結構大変だったんだぜ。ちょっとだけだから、な?」
「仕方ありませんね」
手を合わせながら休憩をねだるみさおを見て
アポロはしぶしぶ承諾する。
「サンキュー、アポロ。あ、そういえば、私の支給品見てないな……何が入ってんだろ?」
その場に腰をおろしたみさおは、今まで見ていなかったデイバッグの中を開け
中身を物色し始めた。
「みさおさん、バッグの中に武器はありますか?」
「武器か?」
「弓矢やボウガンのようなものは入ってませんかね?私の得意とする武器があればいいのですが」
「ん〜……ちょっと待ってな……武器になりそうなものは……こんなものしかねぇな」
みさおが最初に取り出したのは薄い赤の染みがところどころ付着しているスコップだった。
「……何だか気味わりぃなこれ」
「しまっておいた方がいいかもしれませんね」
「そうだな。私にはバットもあるし、これはバッグの中に入れておいた方が無難だな」
みさおはバッグの中にスコップを押し込む。
あんなに長いスコップがバッグの中にするすると入っていき、みさおは思わずおおっ!と驚きの声をあげた。
「それ以外のものは何が入ってたんですか?」
「後は、こんなものが入ってったんだってヴぁ!」
みさおのバッグから黒いカーブのかかった帽子が現れた。
「何かの帽子ですか?」
「海賊がよくかぶってる帽子だと思うな。何かかっこよさそうだから、せっかくだしかぶってみるか」
みさおは海賊帽子を頭にかぶった。
少し大きめの帽子だが、思ったよりもぴったりかぶることができた。
「どうだ?何か普通と違う感じに見えてこねぇか?」
「普通と違う感じかどうかはわかりませんが、似合ってると思いますよ」
「あとはこれだな……」
最後にみさおは白い箱をバッグの中から取り出す。
「これは?」
「クーラーボックスっていうんだ。冷やして保存できるスグレモンだぜ!何か入ってるかもしれねえな」
みさおはデイバッグから取り出したクーラーボックスの上蓋を両手で取り外す。
「お!アポロ、クーラーボックスの中にアイスがあったぞ!食べるか?」
「あいす…?」
「アポロ、お前アイス知らねーのか?」
「私が生まれ育った所はサバンナと研究所の生活でしたから、あまり食生活に詳しくなくて」
「じゃあ、食べてみたらどうだ?冷たいけどとってもウマいんだぜ」
みさおはクーラーボックスの蓋を開け、中から水色のアイスをアポロに向けて差し出す
「では、お言葉に甘えて……」
アポロは受け取った水色のアイスをかじる。
口の中で冷たい氷のようなものがとろけ、ほんのりと甘酸っぱい味が広がっていった。
「どうだ?ガリガリくんうまいか?」
「……今までに食べたことのない味ですね。おいしいです」
「良かった〜!口に合わなかったどうしようかと思ってたぜ、じゃあ私も……ん?」
みさおはクーラーボックスの中からアイスを取り出すと、
何故か彼女はそれをまじまじと見つめ始めた。
「あずきバー……そういや夏だっけなあ、柊ん家でアイス買ってきてみんなで食べたなぁ……」
「柊……何してるんだろ……あやの、私のこと心配してるのかなぁ……」
みさおは天を仰ぎ、残された級友たちのことを思う。
「みさおさん……」
「あ!わりぃ、わりぃ……いらない心配かけちまったな」
「誰だってこんな所に来たら知り合いのことを気にかけるのは当然です。私だって、2人の兄弟を残しています。その気持ち、わかります。」
「アポロに兄弟がいたのか!」
「はい、ヘラクレスとアリエスと言います。もしかしたら、ここに連れてこられているのかもしれません。
私と同じミュータントですし、」
「そうだったら、なおさらだな。アポロの弟たちもいるかもしれないんじゃこんなところで休んでる時間はないな」
腰を降ろしていたみさおはすっくと立ち上がる。
「アポロ、行こうぜ。近くの建物に行ってそこで」
「あの、みさおさん……」
「心配すんなって、私は大丈夫だぜ。くよくよして落ち込んでてもしょーがねーしなー」
「手に持ってるアイス、溶けてますよ?」
みさおが手に持っているアイスを見ると、ドロドロになったアイスから
薄紫色の汁が自分の手に雨漏りをしている天井から落ちる水滴のように滴っていた。
「あっ……やっちゃったぜ☆」
「やれやれ……」
みさおはぺろっと舌を出しながら、頭を軽く小突く。
アポロは少しこの先のことを不安に思いながら、小さくため息をつくのであった。
携帯からでしか支援できないよアポロ
177 :
Classical名無しさん:09/02/28 23:19 ID:h5Qs1sss
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【E-1 山のふもと/1日目 早朝】
【日下部みさお@らき☆すた】
[状態]:健康
[装備]:ゴブリンバット@ニコニコRPG、海賊帽子@ミュージカル・テニスの王子様
[道具]:共通支給品、キッチリスコップ@さよなら絶望先生、アイス詰め合わせ@VOCALOID
[思考・状況]
基本思考:人なんて殺せね〜けど生き残りて〜な〜…
1:アイスのことすっかり忘れてたぜ……
2:デパートに行くか〜!
3:新堂探すか、ついでにアポロの弟たちがいたらそいつらも捜すぜ
4:柊…あやの…あいつら心配してんだろうな…
※ゴブリンバットは新堂の支給品です
【アポロ@チーターマン2】
[状態]:健康
[装備]:ガリィ@FF11 FFW、
[道具]:カレーセット@るろうに剣心、共通支給品、不明支給品0〜1
[思考・状況]
基本思考:ゲームの転覆
1:とりあえずデパートに行ってみましょう
2:どうやら新堂さんという少年も戦力になってくれそうです
3:首輪の解除についても考えるべきですね…人材を探しましょう
4:もしかしたら、弟たちもいるかもしれませんね。
5:自分の得意とする武器(弓矢・ボウガン)がほしいです。
【支給品解説】
【キッチリスコップ@さよなら絶望先生】
糸色望の生徒である木津千里が使用するスコップ。
赤く薄汚れているけど、たぶん気のせい。
死体を埋めたり、これを使って撲殺してたりしてそうだけど
それも気のせい。
【海賊帽子@ミュージカル・テニスの王子様】
沖縄比嘉中の甲斐族王こと、甲斐裕次郎が
青学との対戦中にかぶった普通と違う帽子。
どこが普通と違うかというと帽子をかぶってても
帽子ごとかぶることができる何もかも普通と違う帽子。
【アイス詰め合わせ@VOCALOID】
KAITO兄さんが大好物のアイスがクーラーボックスに詰められているもの。
ガリガリくんやスイカバー等の棒状アイスはもちろん。ハーゲンダッツも入っている。
クーラーボックスはアイス以外のものも保存できるかも
支 援する ぞ
投下終了です。
SSに関しての疑問点・問題等があったらレスお願いします。
投下乙です。
みさおいいやつだなぁ。
アポロはやっぱり原作仕様なのかw
>>181 問題ないと思います。
>>169 日本語がおかしかったです
一行目の投下→仮投下
四行目の仮投下→投下です。
184 :
Classical名無しさん:09/02/28 23:55 ID:h5Qs1sss
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もし脱出するとしたらミク、美鈴、メタナイト、左之助、大河あたりかね。
>>185 現時点では何とも。
正直、脱出できるかどうかすら怪しいんだ。
そういうのは参加者が首輪の枷から解き放たれたときに考えるものだよ。
展開予想イクナイ
誰が優勝するか賭けるのは原作でもある要素じゃないか
ぶっちゃけ今回の参加者で脱出は怪しいと思う
まぁメタ的なことになるのだがその予想を意識してその展開と真反対の展開が
書かれてしまう可能性が無きにもあらずなわけでして
でもその展開と反対の展開を期待していると読んで予想通りの内容が投下される可能性もある
展開予想とに少しはいるけどβは危険対主催とマーダーの頭脳戦とか騙し合いに期待してる
対主催はなんか頭脳戦を演じられそうなキャラがいないような印象、行けるのはスネークぐらいかな?
>>169 修正お疲れ様です
問題はないと思います
>>191 文もいける。グラハムも(性格に問題こそあれ)賢い。
というより今回の参加者は脳筋が少ない印象を受ける。
頭脳戦なんて無理ゲーってキャラを数えた方が早いと思う。
羽入は色々と脱出できそうな雰囲気がある
ルル山に参加してほしかった。月を洗脳するルル山とか
純正脳筋って本能100%なスプーくらいじゃね?
左之助ですらかなり賢いからなぁ。
アニメじゃ省略されてたけど、剣心と喧嘩する前に、わざわざ京都まで行って素性を徹底的に調べ上げるという入念さを見せていた。
脳筋は……、アレックスくらいしか思い浮かばない……。
ルルーシュは存在がチート
ルル山は某ロワでロワ中ありえる全ての事象をやりつくした感がある
神(笑)だって無理だったというのにな。
メタな話だが対主催、マーダー限らず序盤から大活躍してるキャラは死にやすいから
好きなキャラが活躍するのを素直に喜べなくなってしまう
>>197 ブロリー……は脳筋というよりカカロット脳か
アニロワ2の脱出メンツは最初から最後まで結構目立ってたし、例外もあるだろ
でも、今回はマーダーの方に好きな面子固まったから優勝目指して頑張ってほしい
逆に考えるんだ
「ルイージよりましさ」と考えるんだ
KASさんやレナだって最初から最後まで目立ってたじゃないか
>>197 城之内は……脳筋というよりは熱血なだけか
00本編でもグラハムが自分は死んであの世に逝ったのかと勘違いした件
サンレッド、星井美希、松岡修造予約します。
>>206 そのグラハムなんだが、俺知らなかったからググってみたら、イケメンなんだな。
何かオッサンのイメージがあったんだが、普通にかっこ良くてフイタwww
>>207 最後の予約きた!
おお!予約きた!
んじゃあ投下行きまーす!
この支援を試そうというのか!
ダメだこの面子・・・、早く核シェルターに逃げ込まないと・・・!
月が全てを照らす夜。
空には満面の星空が広がり、夜という真っ暗なキャンバスを彩る。
そしてその夜空の下で歩く男が一人。
男―――海原雄山は砂利混じりの夜道を歩きながらふと呟いた。
「…そういえば人に会わないな」
ふと思った事だが考えたらおかしな事である。
考えてみて欲しい。あの右上と左上という男女がこの殺し合いの趣旨を説明した時、かなりの人数が居た。例えるならば、野球チームが三〜六つくらいの人数。
仮に先程開いた地図に書いてあったエリアに一人ずつ配置されたとしよう。
それならば最低一人に会うはずなのだが、何故か誰にも会えないのだ。
(ええい、この雄山を試そうというのか…!)
雄山の至高の思考には様々な考えが交差を始める。
まず、ただの偶然だという事。
間違いなくNO。
偶然にしては余りに出来すぎる。
次に思いついたのは自分の夢だという事。
…これもNO。
今更現実逃避をする訳にはいかない。
それでは一体何故―――
と雄山が考えていたその時。
◇◇◇
「初音ミクか…」
そう。雄山はたまたま僧侶のネガキャンを聞いていたのだ。
丁寧に僧侶の言葉も声もはっきりと良く聞こえていたので全内容を把握出来た。
そしてそれから「初音ミクという髪の長い少女が殺人鬼」という事だけは把握出来た。
危険を顧みず、危険人物を知らせてくれたのだから、これはラッキー…なのだが、またしても雄山の至高の思考で考える。
―――あれは、本当なのだろうかと。
(その初音ミクという少女が殺人鬼だ、というのを信用していない訳では無い…だが、裏を返せば、喋っている人物がその初音ミクを恨んで言っている事も考えられる。
ましてや自ら言っているのも『危険人物と知らせる為』というのを『少女を参加者達に殺させる為』という理由にも出来る。
…あてつけかも知れぬが、あまり信用せぬ方が良いかもな…)
雄山の至高の思考のは『信用すべきでは無い』という結論を出した。
…むしろ、喋っている人物の声は薄らながら覚えているのでその人物を危険人物としておく事にしておいた。
雄山の至高の思考タイム、終了。
と、いつの間にか夜空から徐々に太陽が顔を出し始めた。
「む、放送の時間か」
禁止エリアや死んだ者の名前を聞くのはこれからの行動にも重要であり、ましてや歩きながら聞くのは余りにも聞きずらい。
仕方なく雄山はその場に止まり、放送が流れるのを待つ為に、近くにあった大きな石に座った。
「…そういえば支給品とやらを完璧に確認していなかったな…よっと」
雄山はふと気付くと、ディパックを漁る。
そして中に入っていたのは―――
「桑の実だ!そうだろ!?」
桑の実が10個位袋に詰めてあるもの。
そして雄山は誰も居ない所で一人桑の実に叫んだのだった…
【A-4 草地/1日目・黎明】
【海原雄山@美味しんぼ】
[状態]:主催者に対しさらに激しい怒り、士郎のことがかなり気になる。
[装備]:無し
[道具]:支給品一式、桑の実(10/10)@現実、至高のコッペパン×10@ニコニコRPG、A-10のマニュアル(英語)@現実?(おじいちゃんのエースコンバット6)
[思考・行動]
基本思考:主催者に文句を付け、真の至高のメニューを味あわせてやる。
1:士郎なぞしらんが、探してやらんことも無い。
2:人を探しに東へと向かう…だが今は放送とやらを聞くか
3:初音ミクという少女の事を言っていた男に対しての疑い
4:…人に会いたい
至高の思考ってw
投下終了。
桑の実がやりたかっただ(ry
タイトルは…「雄山☆革命」で
投下乙
雄山、さすが至高の思考だ。
美味しんぼでもそういうノリだっけか
>>205 凡骨は賢いぞ。でなけりゃATMや社長に一目を置かれるようなデュエリストにはなってない。
ハイリスクハイリターンな策が好きではあるが、これをどう評価するかはまた別だろう。
少なくとも勝算のない無茶苦茶な行動は取らないよ。
……もの凄い熱血だから自己犠牲ぐらいはいとわないかも知れんがね。
投下乙。ところで早朝じゃないか?
投下乙
雄山まだ誰にも会ってないのかw
他の参加者に会ったら山の幸でも振る舞うんだろうか
桑の実料理か
雄山が周囲から浮いてる気がしてならない
至高の思考タイムwww
226 :
Classical名無しさん:09/03/01 23:14 ID:uajRD4/c
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カミーユは浮いていると思ったな
キワミやらブロリロイドの様なネタ人気が無かったし
ネタどころか普通のニコニコ人気すら無いだろ
その辺空気を読んだのか、こいつなら殺しても大丈夫だろうと思ったのか
結構アッサリと殺されたけどなw
前回のデジモンやフシギダネみたいな作者の趣味じゃない?
残りの予約は?
>>207 ◆CMd1jz6iP2氏の
サンレッド、星井美希、松岡修造
カミーユのSGGK帽子への反応が見たかったなぁ
とあるMADの「愛犬ロボ若林源三のかませ犬」ってのが頭に残りすぎてね
生きてたら生きてたでニュータイプ能力で煽動ステルスマーダー涙目だな
ニュータイプ能力は読心能力じゃないだろ
黎明で止まっている人たちで予約が入ってないキャラ
B-2
○ブロントさん ○野々原渚
○七夜志貴
まあこいつら書かなくても放送入れるかな
放送は誰が書くのかな
書きたいけど
話の過程で必要な支給品がアウトかもしれない
あ、ブロントさんのことね
そういう時はとりあえず書いてみて仮投下すればいいのさ!
ともだちの覆面支給されて藤崎に被ってほしい
>>241 実は没ネタであったりする
そのうち没ネタスレに投下するから期待しないでまってて
死ぬまで待ってね
ゆっくり待ってるよ!!
支給品でスペカっていかんの?
いいけどアレ普通の紙だよ?
スペルカードは東方のそれぞれキャラたちが持ってる必殺技みたいなもん
そのカードで攻撃をしますよっていう合図みたいなもの
遊戯王カードみたいな召喚するようなものじゃないから
持ち運びできるようなものじゃないと思う
DMカードだって本当はただの
…おっと、誰か来たようだ
×必殺技
↓
○必殺技宣言
まぁ
>>246のようにスペルカードを使っても何も起こらないよってことだ
東方の世界で闇の弾幕勝負みたいなものがあれば
カードを使って弾幕再現ができるかもしれないねw
確かにスペカは集めて楽しいただのカードなんだよな…
魔法カードありならこれもいいんじゃね?と思ったのだが割り切るべきなのだな…ありがとう
そもそも弾幕にしたって、人を殺せるようなもんじゃないんじゃなかったか?
弾幕ごっこって人と妖怪の争いを解決する為の手段だから、殺傷能力があると本末転倒だし
間違って死ぬことはありえる威力らしい
まぁ、あくまで男が体液撒き散らしながらプロレスやってるのを、女にして美化して二次元化したのが弾幕ごっこみたいな
サンレッドは原作中で板東英二とか蛯原友里みたいな
実在の著名人のネタもあるから
レッドさん、修造知ってそうだな。
そういえばこの中であのニコロワ検定やった人っている?
ノシ
H問正解だった
俺は当然全問正解だったぜ。
俺はH門だったな
俺も9問だった。
ところでそろそろ本格的に放送のこと考えないか?
放送も予約して書くのかな?
いい機会だし相談所で書き手の合議で決めたらどうだろうか?
いちいち決めるのは面倒だから書きたい人が予約して書けばよいかと
出来たら書きましょうか?
いや、他の方で書きたい方が居れば譲りますが…
今予約してる分が終わったら、その日か翌日の0時に予約合戦でいいんじゃないか
楽しみだな
七夜志貴予約。
放送が近いため繋ぎに留めるので、遅くとも明後日までには投下できると思います。
そういやアレックスとハクのは結局アレでいいのか?
問題無いなら本投下して欲しいんだが…作者さんは投下出来ないんだっけ?
小沢終了のお知らせktkr
271 :
Classical名無しさん:09/03/03 19:46 ID:DZPs.H8U
ところで名簿見ててバクラの件について思ったんだが SS読む限りバクラの方だけがロワ参加だし
「獏良了」より「バクラ」の名義の方がいいんじゃないか?
名簿って?
現在地地図じゃなくてか
いつの間にかβが始まっていて、もう7スレ目なのか…忙しくて気づかなかった。
今から読み始めるんだけど、ブロントさんは前作のKASみたいなポジションなのかな。
あと、参加者にエア本さんがいないけれど、頭がパーンネタはNGって事?
>>275 現実キャラってだけでもやばいのに宗教が絡むと…
まぁ察してくれ
創価的な意味でNGなんじゃないか
279 :
275:09/03/03 23:45 ID:wx0cUMA2
>>276 >>277 成程。あくまでも創価に絡ませないよう、小ネタとしてSSの中に出すのなら大丈夫かな?
「わずかな時間を見つけて」とか、「〜〜できるじゃない!」の台詞をちょこっと出す…みたいに。
書き手として参加するかもしれないから、一応聞いておきたい。
一概には言えないでしょう。
ただし、宗教関係のネタは普段以上に繊細に扱うことを心がけること
281 :
275:09/03/04 00:00 ID:ILv0876I
>>280 ありがとう。気を付けるよ。
今回はあまり知らないキャラがちらほらいるから(実況系とアイマス)、ある程度把握して、話の流れを掴んだ後につなぎとかで参加するかもしれない。
ところで、開始約1ヶ月で7スレ目、SS数も80以上ってかなりのハイペースなのだけれど、やっぱ少し荒れていたりするのね…
パーン\(^o^)/ はもう既出だとだけ言っておこう
パーンしたのはエア本さんじゃないが
できたので投下しますね
「しゅーぞーさん、どこに行くの?」
「今度こそ富ッ士山だっ!! 俺について来い!!」
「違う山だと思うな。 それにミキ、山登りは疲れるから嫌なの」
少し休憩した二人は、山に向かうことにした。
具体的に言えば、地図上のE-1に書かれている洞窟らしき場所。
そこまでにある施設を確認しながら、仲間になってくれる人を探そうということらしい。
「山まで行けば、登る必要もないよねぇ〜」
「そうなの? じゃあ行くの」
そうして歩き始めた二人。
しばらく進むと橋が見え、二人は一旦止まる。
「どーするの? 渡る?」
「どっちでも行ける行ける! よし、俺に……ん?」
松岡がふと、橋を見ると人影があった。
戦隊ヒーローのような赤いマスクを装着した男。
しかし、首から下は派手な上着に短パンであり、その中途半端さに松岡は怒る。
「どうしてマスクで諦めたんだよ! 他も着ろよぉぉぉ!!」
松岡の大声に、マスクの男も二人に気がつく。
「んだよ、お前。てか、どっかで見たことある顔だな?」
「頑張れよ! スーツも着れるって、マスクだけで満足すんなよ!」
「うるせぇよ! 俺だってあったら着てぇんだよ!」
松岡の言動に、荒い口調で迫るマスクの男。
今にも一触即発の両者。
「ダメなのっ!」
その間に、美希が割り込んだ。
「まず自己紹介しないとダメなの!
ミキは星井美希、しゅーぞーさんは松岡修三さんなの。終わり。
おじさんも、俳優さんなら殺し合いなんてしちゃダメなの!」
「おじさっ……俺にはサンレッドって名前があんだよ!
それに、殺し合いなんかに乗ってねーよ!」
すんでのところで核融合事故を防いだ美希。
殺し合いに乗っていない人がいたことに、美希も喜ぶ。
「それより、お前らカマっぽい男見てねーか?
こっちに逃げてきたはずなんだけどよ」
「見てないの」
美希と松岡は首を振ると、サンレッドは舌打ちする。
「チッ……まぁ会ってたら無事じゃ済まねぇか。くそっ、逃げられちまったか……!」
「ちょっと待って……逃げられたって何だよ」
サンレッドの言葉を聞いた松岡が問いただす。
「ああ、殺し合いに乗ってる奴がいたんだよ。
言っても聞かねぇからよ、ぶっ殺してやろうと思ったら逃げやがった」
ぶっ殺す。その言葉に美希の表情が凍りつく。
「殺し合いに乗ってないって、嘘だったの?」
「嘘じゃねぇよ。だけど言っても駄目なら、誰かが殺られる前に殺らねぇとな」
誰かが殺される前に殺す。
あの少年も、誰かをすでに殺したといっていたことを美希は思い出す。
「(……そうなの。あの子は言っても駄目だったの。だったら……)」
「諦めんなよぉぉ!!」
サンレッドの言葉に、決意を揺さぶられる美希。
その様子を見た松岡は、再び熱意をサンレッドへ叩きつける。
「どうして諦めるんだよ!!
相手に言葉が伝わらなくて、だったらと殺して誰かを守る?
違うだろ! いくら馬耳東風だって思っても相手は馬じゃないんだよ!
ちゃんと言えよ! 昔を思い出せよ!!」
スーパーヴァーム支援
「昔を……?」
サンレッドの脳裏に、若き日の光景がよみがえる。
「おら、てめぇ! なーに寝てんだよぉ!!」
「も、もうカンベンしてくださ、い。あばらが折れてるみたいで……」
「なーんだ、まだ元気じゃねーか。お前怪人なんだから、まだかすり傷みたいなもんだろ?」
「そ、そんな……こ、呼吸も苦しくて……ゆ、許して」
「待ってろ、今ウェザーブルーとウェザーイエローも来る。全員でボコボコにしてやっからなぁ?」
「……お前のいうこともわかるよ。本当に反省したなら、俺だって命を奪おうとは思わねぇよ」
少しやり過ぎだった昔を思い出し、今の自分を省みるサンレッド。
残虐非道なレッドだが、これでも丸くなっているのだ。
「だけどな、俺はヒーローだ。「正義の味方」なんだよ」
「正義の味方なら、みんなを守らないと駄目なの!」
「違うな。俺は「正義」の味方なんだよ。
お前らは正義だろ? だから俺はお前らに何もしねー。どっちかというと守る。
だが、あいつ……DIOとかいう奴は違う。
あいつは「悪」だ。そうなった理由も背景も俺は知らねぇが、紛れも無い「悪」だ。
説教して、それでも殺し合いに乗るってんなら……俺は「正義」のために「悪」を狩る」
正義の味方として、悪と戦い続けてきたサンレッドは知っていた。
悪にも、悪としての信念があることを。
レッドの知る悪の組織「フロシャイム」は、たしかに悪とは思えない人情味のある組織だ。
「あんたの方が悪党みたいだ」と、かよ子に言われるほどに、ご近所付き合いも良い。
ぶっちゃけ、世界があいつらのモノになっても一般人に悪い影響などないだろう。
だが、それでも「フロシャイム」は「世界征服」を企んでいるのだ。
何度も何度もサンレッドに倒され、怪我を負い、説教され続けても。
踏んづけても踏んづけても、彼らはその「悪の信念」をけっして曲げない。
残虐性もろもろ、多くが異なるが……DIOもまた「悪の信念」を持っているのだ。
殺し合いという、この状況に流されて人を襲うのとはわけが違う。
支援
「お前たちが殺し合いをしないと決めてるのと同じくらい……殺してやるって思ってる、どうしようもねぇ奴もいるんだよ」
その言葉に、松岡すら口を閉ざす。
松岡と美希は、自分たちの想いが正しいと信じている。
だが、相手も自身の想いを同じぐらい、もしかしたらそれ以上に信じているとしたら。
何の力も無い自分たちに、その凶行を止められるだろうか、と。
「……あー、でも、まぁよ」
重くなった空気の中、サンレッドが口を開く。
「お前らみたいなのが増えたら、殺し合いに乗る奴は減ると思うぜ。
全員が全員、殺したくて人殺しやってるはずなんてないんだからよ」
「でも、どうやって増やせばいいの?」
自分たちと同じくらい自分を信じてる人の気持ちを変える方法。
美希は3秒間考えたが分からなかった。
「諦めんなよ……」
一瞬弱まった熱。しかし、それで消えてしまうほど松岡の熱は弱くは無かった。
「この殺し合いをする理由が無くなったら、人殺しなんて何の意味も無いよね〜」
「あん?」「どういう意味なの?」『なるほど……』
三者三様の反応。それを聞いて、松岡は先を続けようとして
「ちょっと待って……一人多くなかった?」
その事実に気がついた。
『申し訳ありません。あまり驚かせるつもりは無かったのですが』
美希でも、サンレッドでも、ましてや松岡でもないその声は、サンレッドの手から発せられていた。
「ミキ、ナマっぽいお魚は苦手かな」
「タコのことは思っちゃ駄目だよ。シジミのことだけ考えなきゃ」
『え、何ですこの予想外の反応』
予想以上に同様も少なく、というか誰も関心を示してくれなくて、たこルカは落ち込んだ。
「おい、わかったなら教えろ。こいつは何が言いたいんだよ」
支援がトゥルル
俺の支援だって火を噴いていいはずだ
『……つまり、あなた方が殺し合理由をなくそうと言っているのです』
そこまで言って、たこルカはサンレッドの顔を足で差す。
「あっ?……ああ、そういうことかよ」
顔ではなく、首。
サンレッドは自身の首についた首輪を軽く触った。
「首輪が取れたら絶対やめる!! 殺し合いなんてしないって気持ちも伝わるッ!!」
「……で、この首輪をどうにかできんのかよ?
悪いが、たぶん俺は無理だぞ。設計図でも落ちてりゃ……まぁ無理だな」
電気の配線程度なら直せるサンレッドだが、爆弾の解体など専門外だ。
「あは〜ん、それがわかったら苦労しないよね〜?
でも頑張ればチャンスは来る!! 目標は必ず達成できる!!」
根拠の無い自信。それを信じて疑わない男。
サンレッドは鬱陶しいと思いつつも、殺し合いに乗ってる馬鹿しかいないわけではないことを嬉しく思った。
「ったく、熱いってか暑い奴だな。……つーか、お前らもしかして丸腰か?」
「おにぽんがいるの。終わり」
モンスターボールの説明をなんとか聞きだすレッド。
「こっちのルカより使えそうだな」
『……どーせ食料にもならないタコですよー、Octopusデスヨー』
しかし、とレッドは考える。
ボールを投げて呼び出す間に、俺なら持ち主をボコす。
トレーナーへの攻撃は禁止。進化中、変身中の攻撃もお約束で禁止。
そんな常識は太陽の戦士には通用しない。
「しょうがねぇな……俺の支給品、ルカしか見てねーからよ。なんか良い武器あったら貸してやるよ」
「ありがとうなの! レッドさんは良い人なの。」
ディパックごと、美希に渡すレッド。
それを手に取ろうと手を伸ばす美希。
ブロロロロロロロロ……
ルッカルッカ支援フィーバー
そこに。
「はあ!?」
「えっ、きゃああああああ!!!」
構わん、行け。
そんな幻聴が聞こえるほどに容赦なく、一台の車が突入してきた。
「オオオオオオ……しゅぅぅぅぅぅぅぅぅ……ゾウッ!!!!」
デデーン!!
ではなく、ドンッ、と鈍い音。
それも車のエンジン音に掻き消され、車は何事も無かったかのように直進した。
「あっぶねぇ! てか、今のは……!」
サンレッドは、突っ込んできた車の運転席を見た。
そこにいたのは、間違いなくあの男……DIO。
「ふっざけやがって、絶対にぶっ「しゅーぞーさん!!」なに?」
サンレッドの言葉を遮る悲鳴。
ここで、そんな声を上げる人物は一人しかいない。
「しゅーぞーさん! しっかりしてなの!」
「嘘だろ、おい!」
そこに映る光景は、泣きじゃくる美希。
そして、頭から血を流し倒れた、松岡の姿。
駆け寄ろうとするサンレッド。
「話し……かけんなぁ!」
それを、他ならぬ松岡が止めた。
「俺なんかより、あいつを止めろよぉ! あいつを殺すって意見、俺はなっとくいかない!
だけど、あいつを放っておくのが駄目だってのはわかる、わ、かる……!」
苦しそうに、しかし熱く、松岡は語った。
半径85cmは俺の支援のとどく距離
「行けよぉ!」
「くっそ……ッ!」
サンレッドは全力で駆ける。
とうに見えなくなった車……タクシーを追いかけ、サンレッドもまた、次第に見えなくなっていった。
「あの野郎……絶対ぶっ殺す!」
サンレッドは走った。いくらバイクが無くとも、ヒーローである自分ならタクシーぐらい追いつける。
そう、信じていた。
「ちっくしょおおおぉぉぉぉ!!!」
だが、サンレッドはタクシーを見失った。
地面にあった車のタイヤ跡も、途中で途切れたようで、再び見つけることはできなかった。
「なんでだ! いくらタバコ吸いまくってたからって、こんなに体力落ちちまってたのかよ!」
『……サンレッド。あなたは間違いなく強者なのですね。
先ほどの二人のような一般人が、どう足掻いても勝てないほどに』
「当然だ! ヒーローがそう簡単に……待てよ?」
ならば、その圧倒的な力を持つヒーローを、なぜ殺し合いに呼んだのか。
DIOとの戦いを思い出す。
「(あいつに腹やられたとき、全然見えなかったな。だけど、その後はこっちのペースだったぞ?)」
まるで、先ほどできたことが、いつもと違って続けてできなかったように。
「……力が、抑えられてんのか!?」
『おそらくは。一方的な虐殺ではなく、殺し合いを所望している彼らの都合でしょう』
「ふっさげやがって……!!」
地面を拳で叩き、ひとまずこの怒りは置いておく。
「あのカマ野郎のが専決だな。もう全殺しにしても許さねぇ」
『そうですね。あのDIOは、たとえ首輪が取れようと殺し合いをやめない可能性が高い』
美希と松岡の目標。それが達せられても、殺し合いをやめない奴はいる。
それはサンレッドとルカの共通見解だった。
「DIOみてーなクズはいいけどよ。かよ子みてぇな一般人もいるんだろうなぁ」
『美希と松岡は納得しないでしょうが、まずは前者のタイプを掃討しましょう。
後者も、説得に応じなければやむなしです』
「ほんとに、俺は正義の味方だったよなぁ……?」
『見方にもよりますが……「悪」の敵には違いありません』
たこルカの返答に舌打ちし、レッドは歩き出した。
その足取りは軽く……軽く?
「あ゛っ! 荷物あいつに渡したまんまじゃねーか!」
『水も食料も持たず、ただ悪を倒すため突き進むサンレッド。
正義の味方にして悪の敵、天体戦士サンレッドの戦いは続く。』
「変なナレーションしてんじゃねぇ!!」
【D-5/道路/早朝】
【サンレッド@天体戦士サンレッド】
[状態]:脇腹に怪我(応急処置済み)、上半身に打撲、やや失血
[装備]:DIOの上着、たこルカ@VOCALOID
[道具]:なし
[思考・状況]
1、DIOを追いかけて殺す。
2、ヒーローとして行動する
3、でも面倒臭いのは嫌だ
4、たこルカを信頼
※制限について気がつきました。
サンレッドが走り去ったのを見て、松岡はほっと一息吐いた。
「できれば、殺し……てほしくないけど……今の俺にはどうしようもないよね〜」
「しゅーぞうさん! しっかりしてなの! お、お医者さん……だれかぁ……!」
「よかったぁ……無事だったなぁ美希ぃ」
松岡は、車と接触してしまった。
飛び出してきた車の進路上にいた美希を庇ったために。
だが、目的を果たせたことに松岡は満足の笑みを浮かべる。
「あぁぁ……しゅーぞーさん。ミキを、かばって……ご、ごめんなさい」
「美希は悪くない! でも、ごめんなぁ……殺し合いを止めるって、約束したのに、な」
「うん、止めよう! 誰も殺さずに、誰も死なないで! だから、しゅーぞーさん……!」
「そうだ、諦めんなよ……お米食べて、しっかり、な」
ギュッと、美希の手を、松岡は強く強く握り締める。
「うん、絶対に諦めないの! だから、だから……あ、」
スッと、松岡の手の力が抜け……地面に落ちた。
「イヤアアアアアアァァァァァ!!!」
美希は悲鳴を上げ、涙をボロボロとこぼす。
「うっ、うぅぅ……いか、なきゃなの……」
涙も拭かず、それでも美希は立ち上がる。
「追い、かけるの。それで……絶対に謝ってもらうの!」
彼の決意を無駄にしないために。
殺し合いを終わらせる約束を果たすため、美希は走る。
とうに見えなくなったサンレッドに追いつくため、全力をかけて草原へと消えていった。
二つの太陽に照らされ、ついに金色の獅子は闘志は燃え上がった。
「疲れたの」
その10分後、そこにはフラフラ歩く美希の姿が!
決意や想いは、もちろんスタミナに影響しない。
生まれたばかりの闘志は、今まさに燃え尽きんとしていた。
「そうだ、レッドさんに貰った支給品を確認するの」
人を殺したくない気持ちは変わらないが、サンレッドの言うとおり襲われたとき逃げるにも武器が必要だった。
「でも、武器は何も入ってないの」
あったのは、奇妙な果実と、チップのような物だけだった。
支援
「ええと……新型萌えもんパッチ。
これを着けると…………………萌えるの」
説明書を読み飛ばし、その機能だけは覚えた。
「頭を使ったから、おやつにするの」
疲れた美希は、甘いもの欲しさに果実を食べる。
「うっ〜〜〜!!?!?」
シャリッと一口かじった美希が悶えだす。
「マ ズ イ ぞー、なの! シェフを呼べなの!」
妙な果実を捨て、美希は立ち上がる。
「ゆっくりした結果がこれなの。早く探さなきゃ!」
美希は立ち上がり、疲れているので走らず歩く。
「レッドさん、どこに行ったのかな? 役になりきり過ぎてて心配なの」
あれほどヒーローらしいレッドを見て、美希の至った結論は特撮の俳優だった。
ゆとりといえどアイドル。ヒーローが特撮だと知っている。
でも、ゆとりなのでおにぽんとかたこルカについては深く考えない。
それでも、サンレッドの行動と言葉は、松岡同様に美希に力を与えた。
「(見ててね、しゅーぞーさん! 絶対絶対、美希は頑張るの!)
とりあえず、DIOとサンレッドを探しつつ、向かうのはE-1の洞窟マーク。
松岡の意思を継ぎ、美希は行く。
自身の身に起きた、大きな異変にも気がつくこともなく。
美希が口にしたものの説明書が、荷物の中にあった。
彼女が食べた果実は、ただマズイだけの果物ではない。
『ひとつなぎの大秘宝』を目指す海賊たちが集う世界。
その世界で、金銀財宝よりも価値があるとされる呪われた果実。
一口でもかじった人間を、炎人間に変える悪魔の実。「メラメラの実」であった。
【E-4 平原/一日目・早朝】
【星井美希@THE IDOLM@STER】
[状態]:ファイアーゆとり・熱くなるの!
[装備]:なし
[道具]:支給品一式×2、モンスターボール(おにぽん)@いかなるバグにも動じずポケモン赤を実況、新型萌えもんパッチ@ポケットモンスターで擬人化してみた、ねるねるね3種セット@ねるねるね、
[思考・状況]
1.人は殺したくないの。
2.プロデューサーを探すの。
3.でぃおとレッドさんを探しながら山(E-1)に向かうの。
3.ゲームに乗らず、人を殺さずゲームを終わらせるために、首輪を外すの。
4.レッドさんの言うこともわかるの。悪い人とあったら説得できるの?
5.しゅーぞーさんの遺志を継ぐの。
6.でぃおさんに謝ってもらうの。もし襲ってきたら……
※メラメラの実@ワンピースを食べました。能力者になったことに気がついていません。
※サンレッドをヒーロー役の俳優だと思っています。
※どこかに美希の捨てたメラメラの実が落ちていますが、残りを食べても能力は手に入りません。
そして、まぁ当然ではあるが。
「んー……あはぁ〜ん」
松岡は車に当たっても生きていた。
というより、別に車にはディパックが当たっただけで直撃はしていない。
倒れたとき、運悪く頭をぶつけてしまい、ちょっと切ってしまっただけだった。
軽く切った頭の出血も、すでに止まっていったりする。
それでも、いまだ松岡の意識は戻らない。
2つ、否、3つとなった異なる太陽の行く末は、まだ誰にもわからない。
【E-5 橋付近/一日目・早朝】
【松岡修造@現実】
[状態]:頭部に怪我、気絶
[装備]:なし
[道具]:支給品一式(おにぎり1個(食料)消費)、鏡@ドナルド
[思考・状況]
0.気絶中
1.ゲームに乗らず、人を殺さずゲームを終わらせるために、首輪を外す。
2.目指すのは富士ッ山だ!
3.だけど死んじゃったからどうしようもないよね〜
※美希もサンレッドも本人も松岡が死んだと思っています。
そして、その頃。
「♪ロイヤルストレートフラッシュ! YEAH♪」
タクシーの運転手、DIO様は外の様子にも気がつかず、ノリノリだったとさ。
支給品解説
新型萌えもんパッチ@ポケットモンスターで擬人化してみた
ポケモンを萌えもんにするバッチ。
人間以外に有効であり、意思があるなら何でも幼女に変えてしまう。
変化前の機能は全て備わっている。
1stで不可能だったカービィの吸い込みなど、物理的に無理だろJKな技にも対応。
メラメラの実@ワンピース
ルフィの兄、ポートガス・D・エースの食べた悪魔の実。体を炎に変えて攻撃できる。
炎であるため物理攻撃を無効化するが、制限により効果は弱まっている。
悪魔の実の能力者は例外なくカナヅチとなり、海、川などに落ちると力を失い溺れてしまう。
シャワーや雨は対象外だが能力の性質上、炎の使用が難しくなる。
それと、服も能力で炎になるから燃えて脱げたりはしな、あっ、なにをするきさm
ちょww
以上、投下終了です。
支援ありがとうございました。
>本人も
いやいやいやw
しゅーぞー吹いたw
乙ー
てかDIO様は自分の知らんところで何をやってるんだw
投下乙です。
修造、死んだかと思いきや生存かww
美希もなんか色々大変なことになってるし、今後が気になる展開だw
投下乙です
修造死んだかと思ったw
サンレッド、そっち行くと危ないぞー
それと疑問
悪魔の実……ってありなのか?ニコ動でそんなに有名なイメージないんだけど
しかも「メラメラの実の能力者」はいるけど「メラメラの実」自体は原作に出てないし
ワンピってニコでそんなにネタにされてたっけ……?
個人的にはこれはどうなんだと思うんだが……
悪魔の実はいいとしてもロギア系のメラメラの実は強すぎるんじゃなかろうか……。せめて動物に変化するタイプかルフィやバギーみたいな身体強化型にしたほうが……
修正来てるよ
寝ようと思ったら修正要望出てて急いで直しました。
話の流れで美希を燃やす(物理的に)といいなと思ったので、深くは考えませんでした。
設定に、悪魔の実の性能は能力者の鍛え方しだいというものがあったので、バランスは取れていると思った次第です。
ワンピのMAD見たばっかで人気あると勘違いしてたのかもしれません。
ブロリーの把握してたから、感覚おかしくなってるのかもしれんね。
一応仮投下スレに投下してあります。ちょっと流れが微妙な気もしますが。
毎回修正していて申し訳ありません。
自分に問題あると思うので、しばらく読み手に戻ろうと思います。
個人的にはメラメラの実でも問題はないかと
物理無効に制限を設けること前提ですが
メラメラなら制限をつければいいんじゃね?
>>312の最後の一行は余計だな
正直、イラっと来た
連続修正で鬱になってんじゃね?
ふと思ったんだが制限に関しては後続の書き手が空気読めばいいから
メラメラの能力議論は別に今する必要ないんじゃない?
空気読めなくて最初こけたのを忘れたか?
メラメラは制限の他に知名度の問題もあるからなぁ
じゃあ間をとって代わりの支給品はアルパカにしようよ
前衛的すぎる
新型萌えもんパッチ@ポケットモンスターで擬人化してみた
ポケモンを萌えもんにするバッチ。
人間以外に有効であり、意思があるなら何でも幼女に変えてしまう。
伯方の塩喜べ!
人間になれるものがあったぞ!
後の伯方シオである
>人間以外に有効
翠星石はアリスになれるのだろうか…変化が無くてもったいない使い方だが
アニロワでは黒天の書で人間化した水銀燈の例があるし
そんな感じじゃない?
悪魔の実で知名度があるっていうと
ゴムゴム(ルフィ) ヒトヒト(チョッパー) ハナハナ(ロビン)
スナスナ(クロコダイル) ぐらいのもんかね
ワンピースの知名度は低いので悪魔の実は誰にも把握できません。
破棄するか無関係な支給品に変更してください。
!?
…まぁ修正版のやつでいいんじゃね?
ところでアレックスとハクのはあれで大丈夫なの?
問題ないのなら本投下したほうがいいと思うけど
エラーIDだな
007キター!
まあ、炎系の適当なアイテムがあればいいのだけど
ほのおのいし@改造ポケモン
フシギバナをフレイバナに進化させたアイテム
でもこれも微妙だなぁ
カービィ出展でファイアの帽子とかじゃダメかねぇ
カービィのコピーの元なら前回もあったよな
ワンピースが知名度低いとかwww寝言は寝て言えwwww
ファイヤーフラワーは前回出たからダメか
ワンピースで知名度がどうとか言うなら、もっとマイナーなものが他にも(ry
>>338少なくともワンピースをランキングで見かけたことがない。
スマブラ出展でカレーとか?
支給品なんだからいいじゃん…
検索してみたら結構動画あるもんだね
投下します。
「――アンパンを食す」
家の中。七夜志貴はそう言って口の中のものを咀嚼した。
偉そうに言っているが何のことはない、支給されたコッペパンに餡子を塗って食べているだけだ。
台所に行った七夜が見つけたのは、包丁を数本に果物ナイフパンナイフ、それと調味料や添え物の類。
ジャムやマーガリン、胡麻塩などの類は大量にあったが、主食はない。
キッチンとしては不自然なほどに食料が欠けていた。まぁ当然か、と七夜は思う。
殺しあわずにいればやがて餓死するぞ、そう脅す意味でも置いてある食料は限られているだろう。
あるいは奪い合いに発展させるために、特定の場所にしかないか。
もっとも、七夜にはそんなことを考える気はないし、関係もない。
余計なことは考えずさっさと果物ナイフと包丁を一本ずつ頂戴し、
あとは餡子を取り出して食事を取ることにしたというわけだ。
七夜に食事を楽しむ趣味はない。ないが、食事を取らなくては動けなくなる。
のんびりと寛ぎながら食事を取っていた七夜は、ふとあることを思い出した。
「……食事と言えば、我侭なご主人様が蟹を食べたいとか言っていたな」
何に触発されたのか分からないが、北海道の記憶を持っている人間を探しにいくとか。
七夜と同じく使われていない部分を具現化した割には、随分とまぁ余分な機能を持つご主人様だ。
元になった黒猫も、食事を楽しむ機能は使っているだろうに。
もっともあれ以後蟹のカの字も口に出さないので、UMAにでも奪われたんだろうと七夜は推測している。
「ま、どうでもいいさ」
そう呟いて、七夜はペットボトルの水を流し込んだ。
七夜に食事を楽しむ趣味はない。大切なことなので二回言いました。
果物をナイフを左のポケットに、サバイバルナイフを右のポケットに入れて立ち上がる。包丁はデイパック行きだ。
元々、七夜はあまりナイフを投擲しない。使うのは子供騙しな奥義を使う時くらいである。
投擲用のナイフは一本準備しておけば十分だろう。
支給品に風を起こす団扇とやらがあったが、大して興味はないし使う気もない。
風を起こしている暇があったらナイフを振るっているし、何より。
「団扇なんかじゃ、肉を解体する感覚は伝わらないよな。
あの剣といい大仰なものばかり入れるくらいなら、おとなしく七つ夜を入れればいいだろうに」
ナナヤシキ
殺人鬼は、ナイフさえあればすべて事足りる。
勝手に弱点を突くだの風を起こすだの、七夜にとってはふざけているとしか思えない武器だ。
自分の意思で自分の腕を振り、肉を解体するからこそ愉しいのだと言うのに。
期待して立派な武器を入れたのかもしれないが、彼には冗談もいいところにしか見えない。
……いや、それともそれを分かっているからこそわざとそんなものを入れたのかもしれないが。
「ハ――だとしたら、いい趣味してる」
言葉と同時に、七夜は跳んだ。
壁を蹴り、天井を蜘蛛のように少しばかり走り――体を半回転させて着地。
静から動。一瞬でトップスピードに、あるいはゼロに。
最高速が売りなのではない。激しい速度変化で相手の裏をかき、視認させない。
それによって忽然と消えたかのように思わせる、七夜の体術の真骨頂。
ぶん、と自分の体を確かめるように七夜は腕を振った。
「ちょっと体が重いような気がしたが、ま、違和感のレベルか。
あの街を離れて異常が出来てないか少し不安だったが……
これならいつも通りの動きをしても問題なさそうだ」
そう呟くとともに、七夜は椅子に座わりこんで電気を消した。
この言葉は正しい。一応彼にも制限は掛かっているが、それは極めて微弱だ。
理由は単純、彼の戦闘能力は能力よりむしろ技術に依存するところが多いからである。
純粋な身体能力ならば、この場にいる中でも低くはないが最強でもない。
あくまで彼の身体能力は、普通の人間の限界ラインでしかない。
魔術や気、異能力で身体能力を高める相手に、身体能力だけでは七夜は勝てない。
彼が弱いのではない。これは七夜の一族全般に言えることである。
「志貴」ですら、能力――特にその眼――だけならば一族の中では優秀な部類だ。
だが――七夜という一族は、魔の血を引く混血共を容易く狩る。遥か上の身体能力を持つ鬼を。
それを成すのが一族が代々極限まで高めてきた、暗殺者としての技術である。
だからこそ、七夜は窓から入ってくる朝の光を見てぽつりと呟いていた。
「……しかし、朝はまずいねどうも。地形も悪い。
ここは基本的に平地や道路ばかりで、障害物も少ないと来た」
気だるげに首を振る七夜。
彼の技術は建物や森林などの障害物を最大限に活かし、夜に紛れて不意を突くことこそが本義。
壁や天井、木といった何かがあるだけで七夜という一族の行動範囲は広がる。
逆に言えば、太陽に照らされた平原は得意なフィールドではないのだ。
彼の父親、一族最強とされた七夜黄理がもっとも得意としたのも室内の仕事。
それも相手に視る隙さえ与えず絶殺する、文字通りの暗殺だった。
七夜志貴が望むことは強い相手と「戦う」ことではない。
殺しがいがある相手を斬殺すること――「殺す」ことである。
「ああ――その意味じゃ、咲夜さんは非常に俺好みの存在だった」
そう呟いて、七夜は思考の対象を最初に出会った彼女に移した。
どうせまだ休憩中だ、頭の中で解体のイメージトレーニングでもしておこうと思い立ったのだ。
何も考えなかったり律儀に作戦を立てているより、殺しについて考えているほうが愉しいに決まっている。
さて、七夜は咲夜が気に入っている。そうでなければわざわざ名前を聞いたりしない。
翡翠といい、案外メイドに縁があるのかもしれない。翡翠と咲夜はまったく違うが。
凛々しく毅然とした態度に、迷いのない殺意。間違いなく、翡翠と違って咲夜はこちら側の人間だ。
見栄えもいい。特に二の腕。適度に肉が付きながら太すぎるわけでもない、均整の取れた太さ。
格好からして表向きの彼女はメイドなのだろう。翡翠と違うのは、荒事にも対応することか。
しなやかで柔らかさを感じさせる筋肉は、ただのメイド以上の運動をしていることをよく示している。
丁寧に家事を行うイメージと、殺人という暴力のイメージ。
日常と非日常、一見背反する両者のイメージを彼女の二の腕は上手く持ち合わせていた。
だからこそ、それは芸術だ。その腕を解体すれば、どんな中身が見えるか想像するだけで愉しい。
首もいい。もしその頚動脈を切断し血を噴水のように流させれば。
もしその首を脊髄ごと引き抜けば。そんな想像をするだけで心が躍る。
外見も中身も整ったこれ以上ない素材だからこそ、解体しがいがあるというもの。
想像するだけでこれなのだから、実際に解体した時の快感は素晴らしいだろう。
胸は秋葉並みに足りなかったが何、そのくらいは愛嬌というものだと七夜は思う。
さすがに紅赤朱などをバラした時の快感には及ぶまいが、代わりのレシピとしては十分過ぎる。
また彼女と出会ったのならば、彼は手間と労力を尽くし丹精に愛情表現するに違いない。
コ ロ
斬刑に処す、という愛情表現を。
「――チ」
……そこまで考えたところで、七夜は舌打ちした。
魅力的な相手のことを考えたところで、思考にあるものが混じってしまったのだ。
――見ようによっては、今の自分は女にうつつを抜かしていると言えるな。
そう思った七夜の頭の中に、
『ちょ、ちょっと! いい、あなたは私のマスターなの! 分かる!?
私を守るのが義務でしょう! だから、私だけを見てなさい!』
などと夏の白雪のような少女がまくし立てている光景が連鎖的に現れていた。
だからこその舌打ち――愉しい殺しのイメージを浮かべていたところで、
こんな考えを混じらせるようになった自分に。
「やれやれ、紅赤朱ならともかく女相手だとご主人様に文句を言われそうだ。
ま、それはここで口うるさいご主人様と出会っちまった場合に考えればいい。
俺がこういったモノだってことは呼び出した当人がよく分かって……
いや、分かっていたらあんな言動はしないか?」
白いレンのことを思い出しつつ、今度は肩を竦める。このことも、無駄と言えば無駄な考えだろう。
未練というか義理というか、どうも厄介なモノを持たされてしまっているようだ。
自分は殺すだけのモノだってのに、と述懐しながら歩き出す。
こういう時はなんでもいいからバラすに限る。それも生き物を。
素直にやりたいことをやっていれば、余分な考えも消えるだろう。
そう考えて立ち上がる。休憩タイムは終わりだ。睡眠はまだ必要あるまい。
まるで自分の家にいるかのようにのんびりと玄関まで歩き、その扉を大仰に開ける。
夜は、とうの昔に終わっていた。もっとも、だからといって家に戻ったりしないが。
「朝だからといって引き篭っているのは勿体無さ過ぎる。
ご馳走が出回っているのに傍観するなんて、そんな馬鹿な真似をするほど気は長くない。
森にせよ住宅地にせよ、いろいろと邪魔なものが多い場所を動き回るか。
どこからか逃げ出した子羊が隠れようと逃げ込んでくる可能性もあるだろうさ。
ああ――そういう意味じゃ、ホテルや病院も悪くないか」
トオノシキ
殺人貴と殺人鬼は違う。
殺人貴が殺しを機械のように行うモノなら、殺人鬼は殺しを愉しむモノだ。
殺すことだけが七夜志貴というモノの存在意義なのだから、愉しくないはずがない。
そしていつ消える身か分からない以上、七夜は愉しくないことなどしたくはない。
だからこそ、殺し合いの場を歩き始めた七夜の表情には――笑みが張り付いている。
【B−2 西部 住宅街/一日目 早朝】
【七夜志貴@MUGEN】
[状態]:普通
[装備]:サバイバルナイフ@現実、果物ナイフ
[道具]:基本支給品、三国志大戦カード(UC董白)@三国志大戦、葉団扇@東方project、包丁
[思考・状況]基本思考:殺し合いをする
1:障害物がある場所を優先的に探索。
2:『殺し合い』をする。
3:死んでも構わない。
4:白いの(ときちく)が気になるが後回し。
5:あの女(渚)はどうでもいいが鎧の男(ブロントさん)とは殺し合ってみたい。
【葉団扇@東方project】
射命丸文がいつも持っている団扇。振ると風を起こす。
緋想天では必殺技・スペルカードを問わず、風を起こす技では多用している。
投下終了。
あ、題名忘れた。
「一里四辻・一鹿六兎」で。
うわはっええ
支援しようと思ったらもう投下終わってた
投下乙!
七夜は相変わらずだなぁ。うん。
…と、これで予約\(^O^)/から、0時から予約開始するかい?
うん七夜はぶれないなw
ブロントさん&渚がまだだけど…そこはいいかな
修正まだ来てない。
悪魔の実はダメだってば!
おちつけよ
一人で騒いでるのは何なの?
スルーしてほしいの?
修正は別にあれで良くね?
というか議論か毒吐きでやろうぜ
じゃあ、議論スレで議論する?
悪魔の実に怨みでもあるのか?
ワンピース嫌いなんじゃない?
何で駄目なのか明確に指摘してない以上、わざわざ反応する事ない
少し荒れているようで、申し訳ありません。
先日の発言も配慮に欠けるものでした。謝罪します。
今回の修正で通していただければ幸いなのですが。
ニコロワ好きなので、今後も進行の助力したいです。
修正いいと思うよ
話自体が面白かったし
ワンピースはニコニコっぽくないと思った
だけどレス見る限りほとんどの人が問題無いって言ってるから俺もいいと思う
>>367 修正問題ないと思います。
これにめげずにこれからも頑張って下さい
316 名前: Classical名無しさん [sage] 投稿日: 09/03/04 13:09 ID:0omm37ek
連続修正で鬱になってんじゃね?
327 名前: Classical名無しさん [sage] 投稿日: 09/03/04 19:27 ID:0omm37ek
ワンピースの知名度は低いので悪魔の実は誰にも把握できません。
破棄するか無関係な支給品に変更してください。
359 名前: Classical名無しさん [sage] 投稿日: 09/03/04 21:22 ID:0omm37ek
修正まだ来てない。
悪魔の実はダメだってば!
>>367 修正問題は無いと思いますよ。
勿論話も面白かったですよー。
んで、二次放送の予約解禁が明日(今日)の0時からでおK?
その前に、誰かが仮投下のやつをここに投下するなり何なりした方がいいんじゃないか?
……俺? 携帯からです。サーセンw
仮投下のやつって、傷心融解かな?
なんなら投下するけど
ありゃあ、wiki内を直すだけで事足りると思うんだけどそうでもないの?
ん?放送自体の投下ってまだされてないよね?
解禁ってのは放送の予約ってこと?
377 :
Classical名無しさん:09/03/04 23:53 ID:nuXv9YIM
放送の予約は誰もしないのかね?
いや、していいのかなって思って
していいと思いますよ
じゃあ予約しますけど、禁止エリアは自分で決めていいですかね?
予約キター!
決めていいと思います!
いや、それは一応議論スレ行きの方が好ましいと思う
禁止エリアは前回も話し合いで決めてたし、今回も話し合いで決めた方がいいと思う
なにか重要な建物があったり駅とか電車の進路妨害をしないなら問題ないと思います
少しばかり気が早いが、放送後の予約はどうする?
放送が投下された日の0時にするか、少し間を開けるか
まぁ、間を開ける。長くて一日くらいは開けた方がいいと思うよ
キャラ位置とかで把握して確実に書いた方がいいしね
ほほう。そうだね。
誰も何もつっこまなかったけど「アンパンを食す」で吹いたのは俺だけじゃあないと信じる
安心しろ、俺もだ。
つうか今回の作品に限らず最近感想少なくね?
もう少し感想書いたほうが書き手は喜ぶと思う。
クレームも一種の感想
それは悲しすぎていやでござる……
したらばに書き込めないので、こちらに。
議論スレ
>>441のエリアを禁止エリアにして良いでしょうか?
もう放送は出来上がっているので、あとはエリア書くだけなので。
議論スレを参考に自分で決めればいいじゃない
あれ書いたのが自分で言うのもなんですけど
>>395に同意します
でも俺はそれでいいと思うぞ。
理由もあったし。
いいと思います
んじゃあ自分が言ったエリアで、今から投下します。
夜空の月が徐々に降り始め、太陽が顔を出し始める時間、早朝。
その空に突如、何も前触れの無くモニターが現れる。
そのモニターに映っているのはこの狂った遊びの道化の一人―――右上。
そして右上はまたモニターと同じように、突如自分の声を会場に響かせた。
◇◇◇
夜空の月が徐々に身を潜め、太陽が顔を出し始める時間、早朝。
その空に突如、何も前触れの無くモニターが現れる。
そのモニターに映っているのはこの狂った遊びの道化の一人―――右上。
そして右上はまたモニターと同じように、突如自分の声を会場に響かせた。
◇◇◇
―――ようお前等!存分に殺し合ってるか?
支給品は役に立つ物だったか?
もしあまり強くなくて支給品もハズレばっかりだったら…
…ま、それでも別に勝ち目が無いわけじゃ無いんだからな。
例えばこう後ろから…え?あぁ、はいはい…
…うるさい左上が言ってるから、そろそろ内容に移るぞ。
まず禁止エリアは、八時から-、十時から-だ。
もし時間内に居たら首輪がボーン…だから気を付けろよ。
俺もそういうのは嫌なんだからな。
んじゃ、この六時間の間に脱落―――つまり、死んじまった奴を言うぜ。
脱落者は、
北条鉄平
はっぱ隊員
木吉カズヤ
囲炉裏
秋月律子
ローゼン閣下
やる夫
ドアラ
カミーユ・ビダン
ルイージ
赤さん
だ。もしかして知り合いが呼ばれた奴は気の毒だがこれがバトルロワイアル…殺し合いなんだ、って自覚して殺し合いに励んでくれよ。
あぁあとなんか真っ白で何も書けない紙、あったろ?
あれはこの放送が終わった後、お前等以外の参加者の名前が載るようになってるんだ。驚いたろ?
…この放送で知る前に自分の知り合いとかが連れて来られてるか否か知る事が出来るんだから、俺等の技術に感謝しろよ。
あ、そうだ。次の放送は左上がやってくれるから、また六時間後に、この放送を聞けるように頑張ってくれよ。
それじゃあ、次の放送が聞けるように存分に殺し合ってくれ…
◇◇◇
「はー…結構疲れるな、放送ってのは…」
ふぅ、と右上は大きい溜め息をつく。
そしてその後、後ろに座っている女性、左上に気が付いたかのように問いかける。
「左上、お前はあんな喋るの下手だろ?次はあんただぜ?噛んだりしないだろうな」
右上の問いに左上は、
「…そういう貴方も無駄話が多いんですよ。放送は禁止エリアと死亡者を簡潔に伝える為にあるんですから」
と、まるでニュース原稿のような喋り方と口調で右上に返す。
それを聞いた右上は少しばつの悪い顔をした後、立ち上がり、左上の横を通り過ぎ、部屋のドアを開ける。
「どこ行くんですか?仕事中ですよ」
「休みも必要だっつーの。左上、放送忘れんなよ」
そう注意するように言うと右上はドアを開ける。
と、右上は何か忘れていたかのようにドアのドアノブを手から離すと、先程まで居た椅子にまで走る。
「…どうしたんですか?」
ふと気になった左上が右上に聞く。
右上は「ちょっとな」とその忘れ物らしき紙を取ると、何も言わずにその部屋を出た。
乙です
ところで予約はいつからにするよ?
今日の0時から?それとも明日の0時?
別に今日でもいいが…
おお!放送乙です
相変わらず右上と左上いいキャラw
今日の0時でも良いと思う。
いや、無理だったらいいけどさ
じゃあ金曜23時かな
ちょうど予約が土日にかぶるから勤め人でも書きやすいし
金曜23時把握
さて、今から書き始めるか
見える……予約がかぶって没投下スレに細々と投下する俺の姿が見えるぞ……
>見える……予約がかぶって没投下スレに細々と投下する俺の姿が見えるぞ……
あれ?俺が居る
>見える……予約がかぶって没投下スレに細々と投下する俺の姿が見えるぞ……
あれおかしいな…俺書き込んだっけ?しかも2回も
初回の予約合戦に負けて没にプロットが出てきたからついでにこいつも没スレに落として供養するか・・・
今下書きができて、うってる最中だけど・・・。
かぶるの怖いな・・・。
被ると怖いから書かない…これは参加が危ぶまれたドナルドの時の状況と酷似しているな
419 :
Classical名無しさん:09/03/06 00:46 ID:.Yi6JCkE
久しぶりにこのスレ見たんだが、過疎って見えるのは気のせい?
予約もそんなに多くないみたいだし…
それともこれが普通で落ち着いたってのが正しい見方?
>>420 ただ単に放送またぎのせい
明日の予約合戦でまた戻るよ
心配しすぎるのも、楽観しすぎるのもよくないな
もうすぐ予約時間か
ドキドキ
あと2時間か
あと1時間
ドキドキ
かぶらないでくれ・・・
今言う事ではないが、剣崎が第一放送生き残ったのって
これが初めてなんじゃなかろうか?
もうすぐか
テスト
そろそろ待機してじりじりしつつある気配がする
怖いな…
ふぅ…
くるか?
予約する人は自分も含めて5〜6人くらいか…
そろそろか
漢は黙って待つものだ。
ときちく, 萩原雪歩 ,馬岱 ,呂布で予約します。
フランドール・スカーレット予約します
僧侶 ミク 馬岱
予約するよ、被っちゃ……やだよ?
没投下スレが賑わうのかな?かな?
射命丸文、グラハム、バルバトス、キョン子、スプー、大河、塩予約
スネーク,因幡てぬを予約します
雪歩、ときちく予約します。
なお、即投下可能です。
射命丸文,グラハム・エーカー,ブロントさん,野々原渚を予約します。
修造、キークラ、リン予約します
大河、塩、グラハム、文
予約いけるかな?かな?
チルノ ビリー ドナルド レン タケモト フラン予約します。
スプー予約します
KAITO予約
松岡修造 を 予約するッ!
因幡てゐ、ソリッド・スネーク予約します。
勝利は蜜の味
文ハム人気杉だろう常識的に考えて……危ない……
フランが被ったので
チルノ ビリー ドナルド レン タケモトで予約します。
かぶった・・・
ショックだ・・・
では美希を予約します。
負けたー\(^O^)/
僧侶 ミク テト
敗れたか……この3人に変更します
くそ…負けた…
うわ…かぶりが結構
ちょっと目を離したらすごいことになっててワロタ
誰埋まって誰残ってるんだ・・・w
被った……
ブロントさんと渚を予約で……
病院組と墓場組とかがまだっぽいね
orz
しかも全く同じ面子で…
/(^o^)\
では海原雄山を予約します
没投下スレに投下しに行くか・・・
予約まとめ
◆hmPkMQW2u6 ときちく, 萩原雪歩 ,馬岱 ,呂布
◆WDKcDkBO8c フランドール・スカーレット
◆CqqH18E08c 僧侶 ミク 馬岱
◆F.EmGSxYug 射命丸文、グラハム、バルバトス、キョン子、スプー、大河、塩
◆SHdRN8Jh8U スネーク,因幡てぬ
◆jVERyrq1dU 修造、キークラ、リン
◆BRxsUzTn5A KAITO
◆HgjKaHgn2g 松岡修造
◆xHiHmARgxY チルノ ビリー ドナルド レン タケモト
◆/mnV9HOTlc 美希
◆CqqH18E08c 僧侶 ミク テト
◆/4zBz3jiVQ ブロントさん、渚
◆HgjKaHgn2g 海原雄山
じゃあ
凡骨、羽生、社長、森乃進、みさお、アポロ
予約
ほんとだwwww俺お馬鹿さぁんw
夜だから仕方ないね
予約まとめ
◆hmPkMQW2u6 ときちく, 萩原雪歩 ,馬岱 ,呂布
◆WDKcDkBO8c フランドール・スカーレット
◆F.EmGSxYug 射命丸文、グラハム、バルバトス、キョン子、スプー、大河、塩
◆SHdRN8Jh8U スネーク,因幡てぬ
◆jVERyrq1dU 修造、キークラ、リン
◆BRxsUzTn5A KAITO
◆xHiHmARgxY チルノ ビリー ドナルド レン タケモト
◆/mnV9HOTlc 美希
◆CqqH18E08c 僧侶 ミク テト
◆/4zBz3jiVQ ブロントさん、渚
◆HgjKaHgn2g 海原雄山
◆KX.Hw4puWg凡骨、羽生、社長、森乃進、みさお、アポロ
これが正しい予約票かな?
これであってる?
予約まとめ
◆hmPkMQW2u6 ときちく, 萩原雪歩 ,馬岱 ,呂布
◆WDKcDkBO8c フランドール・スカーレット
◆F.EmGSxYug 射命丸文、グラハム、バルバトス、キョン子、スプー、大河、塩
◆SHdRN8Jh8U スネーク,因幡てぬ
◆jVERyrq1dU 修造、キークラ、リン
◆BRxsUzTn5A KAITO
◆xHiHmARgxY チルノ ビリー ドナルド レン タケモト
◆/mnV9HOTlc 美希
◆CqqH18E08c 僧侶 ミク テト
◆/4zBz3jiVQ ブロントさん、渚
◆HgjKaHgn2g 海原雄山
◆KX.Hw4puWg 凡骨、羽生、社長、森乃進、みさお、アポロ
かぶったwww
俺も予約まとめ投下しようと思ってたところだぜ…危ねぇ危ねぇ。
かぶりを消しても本体がかぶってどうするw
バルバトスが暴れだしそうでwktk
ハッ!
今まだ予約がないキャラリストを作ろうとしてたがまさかこっちもかぶってる!?
俺は作ってないぜ。やってくれ旦那。
構わん、やれ。
いや、やってください
あ、そういえば質問
首輪探知機以外のルイージの支給品も全部ときちくが回収したってことでいいのかな?
デイパックはときちくが回収済みと会ったけど所持品には他のが無かったから
それともルイージの死体と一緒に放置?
まだ予約がないキャラリスト
【VOCALOID】
○弱音ハク
【東方project】
○十六夜咲夜 / ○紅美鈴
【三国志プレイ動画】
○賀斉
【MUGEN】
○アレックス / ○七夜志貴
【ドラゴンボールZ】
○ブロリー / ○べジータ
【るろうに剣心(フタエノキワミ、アッー!)】
○志々雄真実 / ○相楽左之助
○サンレッド ○DIO ○コンバット越前
○剣崎一真 ○糸色望 ○赤木しげる
○トキ ○新堂誠 ○夜神月
○メタナイト ○桂言葉 ○獏良了
>>483 回収したんじゃないか?
デイバックだけ回収して中身持ってかないとか考えられん。
俺間違いすぎだろwwww
一つ良いですかね?
地図上でデパートは塚モールで良いんですか?
デパートは崩壊したやつのこと?
塚モールとデパートは別じゃないかな?
C-4にあるのが塚モールでF-3にあるのがデパートで
塚モールって、商店街みたいな感じでいいのか?
そこんところよく分かんないんだが
492 :
Classical名無しさん:09/03/07 00:25 ID:TiuI5jP.
お、助かりました。
それじゃあ別物と考えますね
Q:塚モールとは?
A1:デッドライジングのショッピングモール級
A2:摩訶不思議アドベンチャー
A3:ニコニコ市場
A4:あなたの心の思うがままに
>>491 ニコニコ大百科によると百貨店だそうな
百貨店つうことはデパートに近いな
前のレス間違ってた。ごめんなさい
塚モールって実在するんじゃなかったっけ?
つーか雄山またハブられるのかw
このまま誰にも出会わずに死亡、もしくは脱出したら凄いよな
誰にも会わずに死亡って事故死かw
500 :
Classical名無しさん:09/03/07 01:44 ID:TiuI5jP.
至高のボッチか
まだ誰にも会ってないのって雄山だけだよな
左之助も参加者に会ってないな
意思持ちのマッキャリがいるけど
503 :
Classical名無しさん:09/03/07 02:03 ID:TiuI5jP.
書きなおしたらなんか僧侶がなんか微妙にかっこいい悪役になった。
主に一名まずいかも?っていう状況になった子がいるので仮投下スレに投下します
仕事はええぜ。そういうとこ好きよん
仮投下乙です!
自分は全然問題ないと思いますよ
「普通の拳銃」は何かに特定すべきじゃないかね?
楽太郎の銃なり、松田の銃なり、現実出展なり
仮投下乙
話の内容ですが自分が見たところ大丈夫だと思いますよ
無事に生き残れるほどバトロワは甘くはないのだよ
>>510 お願いしました
ところで銃を奪う途中、僧侶の足が折れそうになったり、足が簡単に潰れたり
こんなに人の体は脆い物なのかい?それともテトってが剛力なのか、僧侶がカルシウム不足なのか
骨は結構簡単に折れるぞ?
あと携帯からじゃしたらば書き込めないのね
そりゃあテトが何回も何回も何回も足をふんづけた結果さ
女の執念、いやきゅうきょくキメラの執念は恐ろしいのよ
おっさんはきゅうきょくキマイラの踏み付けで足が折れる・・・
おぉ、確かに納得できるな!
潰すというのは表現で実際に潰れたわけじゃないです、あとで表現を変えておきます
痛みの度合いは車とかのドアに挟まれて病院で5日ぐらい糞いてええええええええとか言ってすませられるぐらいのレベルです
(実際に経験してみるととてもじゃないけど済ませられないです。無茶苦茶痛いです)
でも丸一日はまともに動かせないぐらい痛いので殺し合いだと致命的です
足の骨は結構楽に折れちゃいますね、ポキっと
こちらも殺し合いだと致命的です
この二つを僧侶は悟り自殺に至ったという感じです
初音ミクを苦しめるという目的を果たした後というのもそれに影響したみたいな
テトって魔導アーマーに乗ってたんじゃなかったっけ?
あと細かいが、ミクはマスターのことを「ご主人様」って呼んでたはずだが。
アーマーはゆっくりに預けて、10分遅れて来るように言ったんだぜ?
没投下スレのSS見て思ったんだが、名簿ってグループの名前も書いてあるのか?
思い切りメタ的な臭いがしてあまりよくない気がするんだが
ケツの骨なんてイスから床に落ちただけで砕けるぜ?
てめーらもうちょいカルシウム摂れ。
>>521 カルシウム?摂ってるさ!
二年前に車にはねられて足にヒビが入っただけで済んだからな!
ランニングしていてこけて大腿骨骨折した奴なら見たことある
>>522 車に横からはねられて全治2週間の打ち身で済んだことがある俺が通ります
525 :
Classical名無しさん:09/03/07 14:50 ID:TiuI5jP.
車にはねられて右足骨折と言われた2日後には何事も無かったように歩いていたのは私の兄です
廊下を全力疾走して階段で転んで骨折したのは俺です
なぜ大怪我漫談になってんだww
家で足首グキッってなったら折れてた俺で終了な
>>519 多分駄目ですね
どこかのロワで見たのを前回のニコロワと勘違いしてたみたいです。
学校の二階から背中から落ちて怪我一つ無かった俺に隙は無かった
書き手紹介にコメがついてるって、結構嬉しいです
やっとこさネタが浮かんだんで、またマジカルコミカルな話を書いてもいいよね?
志々雄真実予約します
少し不安がよぎるが…まぁよかろう
ここはねぇ……
さて、フランちゃん投下しますー
バイザー越しに見える世界は少し薄暗く、けれども新鮮ななにかをフランドール・スカーレットに感じさせた。
夜明け。495年という年月を生きてきてなお夜明けというものを見た事がなかったフランにとってそれは一種の感動だった。たとえフィルター越しの世界であろうと、初めて目にするものは、おもしろい。
そもそもフランにとっては殺し合いという状況でさえも新しい発見の前には霞む程度のものだった。
たくさんのへんてこな建物。不思議な形の木々に、紅魔館では見たこともないような道具の数々。
……そして、たくさんの人。
この風景をみんなで見たかったなと過去を思い返しながら、フランは近くにあった木陰へと腰を下ろす。
『どうした、休憩か』
少しエコーの掛かった低い声で尋ねてくるのは喋る剣、ディムロスというらしい名前の剣だった。
どうして喋るのかも分からないし、その原理も知るわけもないフランだったが、まあいいかの一言で片付けて普通に会話している。もっともフランの方から話しかけることは殆どなく、もっぱらディムロスが尋ねてくるのに答えて終わりという形が大体だったが。
「違うよ。太陽の光が当たらないところまで来たかったの」
完全に陽光が当たっていないことを確認してヘルメットを外す。バイザー越しでさえ色とりどりに見えたのだから、直に見るとどんな感じなのだろうという誘惑に負けて、日の当たらないところなら大丈夫と思った結果だった。
メットを外して平気なのかという声が飛んでくるが、平気だと思ったから外したんじゃないと至極当たり前の反論を言ってのける。
『それもそうか』とあっさり納得したディムロスにお節介だなあという感想を抱きながら、フランは視線を上げた。
「わあ……」
キター!支援
投下してもいいでしょうか?
流石に太陽の光を直に見ることは叶わなかったが、先程よりも鮮明な色の数々が感嘆の息を漏らさせた。
何よりも、突き抜けるような空の透き通った青色がフランの目を釘付けにする。
紅魔館の窓越しでしか見られなかった空の青。いつか姉のレミリアと一緒に飛んでみたい、お散歩してみたいと思った世界が無限に広がっている。
自分の飛んできた世界はこんなに綺麗だったということか。
いつも見てきた、しかし色がないと思っていたはずの空が、今はこんなにも輝かしく見える。
その事実が自分でも覚えのない感情を持ち上げ、何と表現していいかも分からないものがフランの胸を満たした。
誰ならこの気持ちを教えてくれるのだろうか。
教えてくれるはずだった人たちはもう、いない。
『フラン?』
空を見つめたまま石のように動かぬフランにディムロスがまたしても声をかけてきたのを切欠にして、気持ちは霧散した。
きっとこういうのを台無しというのだろうと解釈したフランは「何でもないよ」とメットを被り直して木陰から出る。
とりあえず夜明けまでぶらぶら散策してみたが誰とも出会える気配がない。
これまで適当にやってきたが、もう簡単に外で遭遇するような時間ではなくなったのかもしれない。妥当に考えてどこかの建物の中にいるというのがフランの推測だった。家の中だったら食べ物もあるし、玩具もいっぱいあるだろうし。
自分も行ってみようかと思ったフランは地図を広げる。どこなら遊べるだろう?
『地図なんか取り出して、どうした』
「んー、どこに行こうかなって思って」
『……まだ考えていなかったのか。暢気な……今まで適当に歩いていたということか?』
「いちいちうっさいなあ。あんた、口うるさいとか言われるでしょ」
支援しようかガンダム
呆れた様子のディムロスにそう返すと、『む……』と唸って押し黙ってしまった。どうやら的外れでもないらしい。
しかしどうやって地図を出すのを見ていたのだろうか。目がついているわけでもないのに……
パチュリーならこの不思議でやかましい剣のことも知っているのかなと思いつつ地図と睨めっこしていると、またしてもそれを遮るかのようなうるさい声が聞こえてきた。
「――ようお前等! 存分に殺し合ってるか?」
「もう、今度は誰よ」
『静かに聴いておいたほうがいいぞ。どうやら主催者のお出ましのようだ』
「あんたも黙れ」
『……』
我がこんなひどい扱いを受けたのは初めてだ……とかいう泣き言が聞こえてきたような気がしたフランだったが、そもそも剣にいい扱いも悪い扱いもあるかというのがフランの考えだったし、人権だとか倫理だとかにイマイチ疎いのもフランだった。
とにかく主催者の声らしいとのことなので一応は聞いておくことにする。放っておいても良かったが、別に今することもなかったからだ。
さて、聞くところによると地図におけるエリアの一部が禁止にされるらしい。そこに入ってしまうとぎゅっとしてどっかーんされてしまうそうだ。
私と似た能力を持ってるのかなあとフランは寧ろ興味津々に思っていたが、続けて死者を発表するという声に、フランの意識がざわと粟立った。
わざわざ言わなくてもいいのに。目の前でいなくなったのをもう一度確認しろというのか。
眉根を寄せ、目を細めたが声だけの放送がそんなものを気に咎めるはずはなく、放送は続けられる。
「脱落者は――」
次々と名も知らぬ連中の名前が挙げられていく。
そして最後の最後、全く平坦に、何の感慨もなく、その名前が呼ばれる。
おっとお先にどうぞ支援
「――赤さん」
名前を聞いたとき、ああやっぱりいなくなってしまったのだという実感が巻き起こり、同時に美味しくない血の味が蘇る。
必要だと思ってやったことなのに、体が求めていたことだったのに、何故だかやらなければよかったという思いが渦巻いている。
そしてまた、ひとつの言葉がフランの脳裏を過ぎった。
『歪みある生き方』と『歪みねぇ生き方』、どっちが楽しいか確かめてみろ。
『歪みある』ことも、『歪みねぇ』ことも、どちらも自分には分からない。あるのかどうかすら知らない。
だが赤さんは、確かにそれはあると言っていた。
パンツレスラー。新日暮里の戦士達は皆『歪みねぇ意思』を持っていて、それがあのブロリーにも立ち向かえる力があると言っていた。
土気色の顔で、憎たらしい、でも憎みきれない笑みを浮かべながら。
だからフランは『歪みねぇ』ことが楽しいことなのか、知りたくなった。
まだ自分は何も知らない。赤さんの言ったとっておきの遊びも、新日暮里のパンツレスラーの連中のことも、ゆっくりや、テトのことも……
無知であるのが恥ずかしいことだとは微塵も思っていない。ただ知らずにいるよりは、知っていることの方が楽しそうだと思った。
やっぱりテトについていけば良かったかなという気持ちがいまさらのように駆け巡り、ひとつの苦笑を浮かべさせた。
「うん。きーめた! テト達を探そうっと。それと赤さんが言ってたパンツレスラーの人間にも会いたいなぁ。楽しそうだったら私もパンツレスラーっていうのやりたいし。どんなのか知らないけど。新日暮里ってどんなところなのかなぁ。幻想郷にもあるかな」
子供そのものの調子で無邪気に笑いながら、フランは自分のしたいことを並べ立てていく。
もちろん強い連中と遊びたいという気持ちもあるし、右上と左上を殺しにいくことも忘れてない。
ただ、最優先事項が変わった。それだけのことだった。
『……おい』
「この服のおかげで太陽にも悩まされずに済みそうだし。ふふ、お姉様も羨ましがるだろうなぁ。格好いいとか言われたりしてね。まぁ私のものなんだけど」
『フラン、聞いているのか』
「うっさいなぁ。また小言? 私は今忙しいの。テトとパンツレスラーを探すんだから」
『いや、放送だが……最後まで聞いていたのか?』
「知らない」
『……誰か助けてくれ……ええいこの際だから話すぞ。いいかよく聞け、デイパックに入っている白い紙はだな――』
「さぁしゅっぱーつ! あははは、テト達、そんなに離れてないよね。んー、そうだ、なんかおばさんっぽかったからお酒でも飲んでるかも! あそこの酒場へ行ってみようっと!」
『聞けー! 我はソーディアンの……』
「ディムロスで、私はマスター、でしょ? ってことはディムロスは私の下僕ってことよね。下僕は大人しくマスターの言う事を聞くんだよ?」
『いやお前は未熟なところが多すぎる……ってそうじゃない! いいかフラン、あの白い紙には――』
「あ、服が邪魔で飛べないなぁ。まあいいや、飛んでも疲れるし。たまにはこういうのも楽しいよね」
『前略母上、我のマスターは今までにないほど横暴でございます……何故かくもこのような者がマスターに』
「で、何言いたいことって? 早く言わないとしまっちゃうよ」
『いきなり話を戻すな! って仕舞うな、仕舞うな! いいか、最初に配られた白い紙だが、あれは名簿のようだ。今から名簿に参加者の名前が浮かび上がるらしいのだ。知り合いがいるかもしれんぞ、とりあえず見ておくといい』
「ふーん。まあ後でいいや。ありがと」
『おいふーんてなんだその言い草は! 聞いているのかフラン? フラーン!?』
ディムロスの叫びを完璧に無視しつつ我が道を邁進するフランドール・スカーレット。
初めて出歩く日の差す世界。歪みねぇ青色の空の下で、彼女は知るために進み続ける。
【D-3 北東部・道/一日目・朝】
【フランドール・スカーレット@東方project】
【状態】:全身に怪我 (再生中。少し良くなった)、疲労(小)
【装備】:ディムロス@テイルズオブデスティニー、ゼロの衣装セット@コードギアス
【持物】:基本支給品×2
【思考】
1、テト達と再び合流して『歪みねぇ生き方』が楽しいか確かめる。テト達はお酒のあるところ(C-1の酒場)にいると思っている。
2、パンツレスラーになりたい!
3、右上・左上を殺す。
4、もっと色々なことを知りたい。
※ディムロスの声は、誰にでも聞こえるようです。
※ディムロスの使用により、術が使えるようになりました。
※「ゼロの衣装セット」を着ているため、朝でも活動できます。翼は服の中なので飛べない。
※服が破れると太陽に晒される危険があります。
投下終了です
タイトルは『歪みねぇ世界』で。支援してくださった方もありがとうございますー
投下乙!
だめだこのフラン…早く何とかしないと
次に投下させていただきますがいいでしょうか?
いいですとも!
「やる夫…ドアラ…すまん」
俺は誰に言うわけでもなく、一人呟く。
その時放送が流れた。
あの右上と言う男がまるで挑発をするかのような放送だった。
俺はやる夫とドアラに心の中で謝りながらも真っ白で何も書けない紙を再びバッグから取り出す。
あいつ等の言う他の参加者の名前を見るためだ。もしかしたら大佐達が居るかもしれない。
俺の傍らには愛犬てつともう一人気絶したウサ耳の少女?がいた。
なぜウサ耳の少女も居るのだろうか?
事の発端は放送前に遡る……
俺は駅を離れて南に向かっていた。
特に目的地があるわけでもないが…兎に角駅から離れればよかった。
その時俺の視界に人が見えた。ウサ耳の少女だった。俺は姿を隠そうとするが一歩遅かった。
その少女は俺を見るなり、こちらへ走ってきたのだ。
こうなったら仕方ない…話し合うかと思っていると
「死ね!!!!!!!!!!!!!!」
目を充血させて、恐らく応急処置をしただろに、激しく動いていたため頭から血が流れつつある種のグロテスクの状態の少女が襲いかかって来たのだ。
なんだか見慣れない攻撃をしてくる。それは弾幕と呼ばれるものだったがスネークには知る由もない。
「お前は殺し合いに乗ってるのか?」
俺は少女に聞くが、彼女は殺さないと駄目だ、など呟いていて答えてくれはしなかった。
俺はその姿を見て推測する。たぶん殺し合いに乗ってるのではなく、恐怖に駆られているのだろうと。
目が充血しているし、頭から血がダラ流しだからだ。
もちろん騙している可能性も有る。だが俺の頭にはやる夫とドアラ浮かぶ。
おそらく目の前の少女もそう有って欲しかったのかもしれない。兎に角俺がこの少女を殺すと言う考えは無かった。
戦局はウサ耳の少女に有利だった。
彼はてつを腋に挟んでいたし、相手の攻撃方法がよく分からないため、対処ができなかった。
何よりも俺には少女を殺す気は無いが、向こうはその気である事が一番大きい。
ウサ耳の少女はそんな俺を見て一気に止めを刺すためにこちらへ接近してくる。
支援
脇じゃなくて腋かよwww
支援を持て余す
俺はがとった戦法は肉弾戦だった。
俺はてつとバッグを下ろす。俺は冷静に状況を見ていた。
恐らく彼女は長距離の攻撃しかできない事、しかし銃で撃ち合えば相殺される事に。
さらに彼女は冷静さを欠けているように見えた。
それにこの少女を傷つけず、抵抗させないためにはCQCを使うしかなかった。本当は使いたくないが仕方ない。
それゆえに俺はあえてこの戦法をとった。
結果として彼の判断は正しかった。
彼女は本来の慎重さと冷静さを欠いていた。それに弾幕に制限を掛けられて居る事も知らなかった。
あの十六夜咲夜ですらスネークの事を警戒していた。彼女はスネークの力たがが人間と見くびっていた。
確かに彼は人間ではあったが、一般人ではない。彼は世界を救った英雄とまで呼ばれた存在である。
所詮同じ5面ボスでも中ボスとボスでは格が違ったのか。
結局彼女の焦りが勝負の分け目となった。
俺はもう一回未知の攻撃を避けながら、一気にローリングを彼女に向かってする。
「うっ!」
彼女が転ぶ。その隙を見逃すスネークでは無い。
後ろに回って首を絞めながら問う。
「言え!俺をどうして襲った?」
「………………………………」
返事が無いただの屍のようだ。
もう一回問う。
「言え!!」
しかし返事は返ってこない。俺は不思議に思って、首を絞めながら少女の顔を見る。
完璧に気絶している。どうやら首を絞めすぎたらしかった…
戦車もブッ壊した男だからなあw
手加減しろよスネークww
こうして俺は放送を迎えたわけだ。
さすがに少女を放置するのもおかしいので、頭を応急処置をして、一緒にいる。
起きたら色々聞くべきだろう。
あの腹の立つ内容を聞いて怒りを覚えながらも名簿を見る。
所でなんだこの名簿は…
それに順番がアイウエオ順に並んでいる。それはいいのだが…
明らかに人では無さそうな名前が有る。
伯方の塩とか伯方の塩とか伯方の塩とか…
まあ俺と同じ様にコードネームなのかもしれない。
ドナルド・マクドナルドなんか聞いたことが有る様な無いような…発音が違う気がする。
俺は十六夜咲夜の名前を見た瞬間、これを怒りに任せて捨てそうになったが、抑える。
兎も角も俺は死んだ奴らには赤線を引き、地図にも禁止エリアを書き込む。
知り合いは居なかった。それは良い事だが、だが同時に11人も死んでいるのだ。
あの十六夜咲夜のやつが何人もいるのだ。
「くそっ!」
拳に力を入れてしまう。何が英雄だ。これではピエロと一緒だ。
十六夜咲夜のような奴らを倒さなければならない。
どんな手を使ってもだ。
例えば仲間になって裏切って倒すとか…も有りだ。俺は潜入任務で変装をして数々の兵士を葬ってきた。
今更ためらうことも無かった。
方針は決まった。
情報集めは勿論大優先だ。
だがもし次に明らかに十六夜咲夜のような奴が居れば仲間になろうと持ちかけて、情報を手に入れて倒そうと…
俺はふと少女の方を見る。
「なかなか可愛いじゃないか…」
十六夜咲夜もそうだったが、なかなか俺好みでそう…
「性欲を持て余す」
何を考えているんだ。
COOLになるんだ俺……逃げちゃだめだ逃げちゃだめだ逃げちゃだめだ。
こうしてしばらく理性と性欲の葛藤が続いた俺だが、
数十分後には何とか性欲を沈静化させて、違うところを見る。
首輪だ。
だめだこの変態傭兵ww
何故か俺達と違う首輪が掛けられていた。
先ほど少女のバッグの中を見たが何も無かったので詳細は分からない。
白色の首輪は一体どういう意味なのか…
俺は考え込む。第一この首輪は一体どうなってるんだ。
まず思いつくのは盗聴機能と監視。
監視は兎も角盗聴機能は付いてるだろう。俺ならそうする。
それに何処に居るのかも、分かるように成っているはずだ。
ここまでは当たり前だ。
問題はどうやって首輪を爆発させるのか?である。
方法は恐らく電波で送るのか。もしくは首輪その物にそういう機能が付いているかのどちらかである。
電波で送るのが今のところ一番可能性が高い。あいつらは最初に集めたところでリモコンらしき物で爆発させていたからだ。
ならば電波を無効にするか、もしくは電波を発する物を破壊すれば首輪は外せる。
チャフグレネードを用意するか、おそらくあのリモコンではこんなに広いのに爆発はできないだろう。
恐らく電波を発生させる装置があるはず…オフィスビルなんかは怪しい。後で行って見るべきか…
後者の場合はどうだろう?可能性は低いがあのリモコンはフェイクで首輪そのものに機能が有るかもしれない。
例えばあいつ等が言っていた行為に該当する行為をすれば、爆発するようになっているかもしれない。
そうてつのように意思を持っているかもしれないのだ。
勿論首輪はうんともすんとも言わない。だが分からないあいつ等の技術力ならば有りえるかもしれない…
兎に角これを一度専門の奴らに渡して、見てもらった方がいい。
俺も一応心得はあるが、専門の奴のほうがいい。
俺はそう思いながらもてつに話す。
「俺は英雄だろうか…?てつ」
「ウンスネークツヨイ」
「そうか……」
俺は太陽が上がった空をずっと見続けた………
変態支援
【B-5 平原/1日目・朝】
【ソリッド・スネーク@メタルギアソリッド】
[状態]:疲労度中
[装備]:コルトパイソン(弾数4/6、予備弾36/36)@現実、TDNスーツ@ガチムチパンツレスリング
[道具]:支給品一式、馬鹿の世界地図@【バカ世界地図】〜全世界のバカが考えた脳内ワールドマップ〜
愛犬ロボ「てつ」@日本直販テレフォンショッピング、やる夫の首輪、ドアラの不明支給品(0〜2)
[思考・状況]
0:情報集めを優先
1:英雄か………
2:自分からは攻撃はしない。見つかった場合も出来れば攻撃はしたくないが
明らかに十六夜咲夜のような奴居れば、仲間になろうと呼びかけ、情報を手に入れたら倒す。
3:てつを使って、偵察、囮を通じて情報を手に入れる。
4:まともな服が欲しい。
5:オフィスビルに行ってみるか…
6:専門の奴に首輪を見てもらう必要があるな。
※参戦時期はオセロットに拷問された直後からです。
※馬鹿の世界地図の裏に何か書いてあります。
※初音ミクが危険人物であるという情報を得ましたが、その情報を完全には信用はしていません。
※盗聴されてる可能性に気づきました。また首輪に電波が送られてるか、意思が有ると考えています
※チャフグレネードを作るか、電波塔のようなものを破壊すれば首輪を安全に外せると思っています。
【因幡てゐ@東方Project】
[状態]:気絶、頭から出血(スネークが再び応急処置をしました。)、目が充血
[装備]:プレミアム会員専用首輪(白色)
[道具]:なし
[思考・状況]
0:…………………………
1:兎に角この男を殺す。
2:手段は何でもいいので第一放送までに誰か一人殺す。命がかかっているので絶対に!
3:バクラ、言葉、月を強く憎悪。特にバクラは絶対に許さない
4:何をしてでも生き残る
5:ベジータを警戒
※リュークが見えました。ただしはっきりとは見えず、声も聞こえません。
※月を、死神に憑かれて死が近い人間だと思っています。
※桂言葉に伊藤誠を蘇生させてと頼まれました。
※弾幕に制限を掛けられているのを知りません。
投下完了です。
支援していただいて有難うございます。
てゐまた気絶した……w
しかもスネークいるし、余程上手くやらなかったら詰んじゃうぞw
投下乙です
よく気絶するなぁてゐ…だまされた事に気付くのか?
そしてスネークwまともに考察するかと思ったらww
投下乙
てゐのやること全然成功しないなwww
ここからどうなるのかwkwkしてきたぞー
いつの間にか2つも投下来てたのかー!
お2方とも乙です!
フランは本当に化けたなぁ。名前が上がった時はマーダー一択だと思ったのに。
赤さん大金星じゃないか。死後の思われ方も含めて。
そしてスネークはさすが伝説の傭兵というか、自重しろwというか……。
わからんよ?歪みある生き方の方が面白く感じる可能性が残されてる…
お二方投下乙
>◆WDKcDkBO8c
フラン、フリーダムやなぁ
でもどちらにも転びそうな感じ
> ◆SHdRN8Jh8U
てゐ、散々だなあw
しかし妖怪に勝っちゃうスネークすげえ
さすが核兵器を何度も破壊する男
二人とも投下乙。今後どう動いていくか楽しみだ
フランは誰と会うかでも化けると思う。そしてディムロス涙目ww
いることも知らないけどバルバトスとはいつ出会うのか
てゐは騙されたことには気付くけど結局殺しあわなきゃいけないしな
そういや英語圏ではドナルドじゃなくて"ロ"ナルドだったな。
お二方投下乙です。
では、美鈴、メタナイト、新堂誠、フランドールを予約します。
フランフリーダムすぎるwwwww
スネークも真面目とみせかけて実はてゐ狙ってるしw
だめだこいつら…早くなんとかしないと
日本が韓国に勝ってテンション上がったんで本投下します
◆◆◆◆◆◆
「ようお前等!存分に殺し合ってるか? 」
空にあの道化、右上が現れた。
この殺し合いの元凶。こいつのせいで赤さんは死んだ。
しかし恩人を殺す元凶となったこいつを見ても大した感慨はない。
私はこんなに薄情だったっけ……?いや、きっと誰でもこうなんだろう。
死ぬということは忘れると言うことと同じ。
動かなくなったものは忘れることしかできない、新しい思い出は動かないものからは生まれないのだから。
悲しい、悔しい。そんな風に思うのは一時。動かなくなった”モノ”を見て悲しむ。
でもその”モノ”が見えなくなるとそういった感情は忘れて全て消え去ってしまう。
その”モノ”の残した品を見てあぁそういえばこういう人がいたな、死んでしまって悲しいな。
そう思うだけ。やがて全てを忘れる。現に私はあれだけ衝撃を受けた赤さんの死を忘れ始めている。
この右上を見ても憎しみも憤りもわかない。ただ妙に非現実的な感覚があるだけだ。
ミクちゃんが死んでもしまっても私はこんな風に思うのだろう。ならばミクちゃんが死ぬ前に助けないければならない。
私が忘れてしまう前に。
「禁止エリアは、八時からA-4、十時からB-6だ」
おっと。こんな大切なことを忘れるわけにはいかない。騙して詐欺して生き延びるのだ。
禁止エリアなんていう重要なことを忘れていて自分が嵌められたりしたら目も当てられない。
おそらくいないだろうがこの放送を聞いていない奴もいるかもしれない。
そういう相手を騙して嘘の情報を流す。そのためにこれは絶対に覚えなくてはならない。
いや、普通に書き留めた方がいい。確か支給品の中に筆記用具があったはず……あった。
A-4とB-6……狙い澄ましたように端……参加者をいぶり出そうとする匂いがプンプンする。
これは偽の情報を流しても意味がないわね。おそらく私も端に行く機会はないでしょうから問題なし。
いや、偽の情報を流しても効果がない分問題ありとみるべきかもしれない。
ん……次は死亡者ね、これも重要な情報となるかもしれないからちゃんと書きとめておきましょう。
「脱落者は、”北条鉄平””はっぱ隊員””木吉カズヤ””囲炉裏””秋月律子””ローゼン閣下””やる夫””ドアラ””カミーユ・ビダン””ルイージ”」
北条鉄平、しらないわ、そんな名前。はっぱ隊員、隊員って名前じゃないじゃないの……
木吉カズヤ、しらない。囲炉裏、なにかあったかそうね、でも知らない。
秋月律子、しらない。ローゼン閣下、また名前じゃないのが……どう聞いてもあだ名
やる夫、なにか聞いたような名前ね、でも知らない。ドアラ、知らない。てか名字だかミドルネームは?
カミーユ・ビダン、こいつも知らない。 ルイージ……緑の人気者?知るはずないじゃない
まったく知らない人ばっかりね……。ミクちゃんは呼ばれなかったし私の知っている人は今のところ一人も呼ばれていない。
なら私の知っている人はミクちゃん以外だれ一人としてきていないのかもしれないわ。それならよし。気兼ねなくバーボンにかけて……
「”赤さん”」
その言葉に忘れたはずの怒りが込み上げる。恩人に対する感謝とその恩人が死ぬ原因を作ったこの右上に対する怒り。
既に私の中で忘れたものとして処理された赤さんを思い出す。
脱落者というカテゴリに属してしまった赤さん。私に「歪みねぇ意志」を伝えた赤さん。
さっき忘れたと思っていたことを思い出させた主催者。許せない。
でもこの想いも一瞬。私からすぐにその想いは消え去る。
所詮それは過去のことで今を生きている私からは忘れるものでしかないからだ。
「あれはこの放送が終わった後、お前等以外の参加者の名前が載るようになってるんだ」
白い紙……?白い紙!?これだ!!
この紙に参加者が浮き上がる……情報。必要な情報!!
他の参加者の血縁関係や友人関係が分かればそれは重要なものになる。
「それじゃあ、次の放送が聞けるように存分に殺し合ってくれ…」
放送が終わると同時に白い紙に文字が浮き出る。
う……初音ミク……その後も私の知っている名前が続々と見える。
リン、KAITO、ハク、レン、フランドール・スカーレットそして私、重音テト。私の知っている人が生き残ったのは運が良かったから。
たまたま。次も生き残れるとは限らない。私の知っている人がまだ死んでいなくて本当によかった……早くミクちゃん見つけないと。
知っている人はこれだけ、なにかどこかで見たような名前は所々にあるけれどどこかで見た程度だから知っているうちには入らない。
えぇと……そうだ、死亡者となにか関係がありそうな人……もしくはなにか生存している人でなにか親族がいそうな人……
そうよね、いないわよね。この参加者名前全部から見てもなにか繋がりがありそうなのは鏡音兄弟だけ
友人という間柄ならいるかもしれないけれどそんなのこの名簿から分かるはずがない。
それよりも伯方の塩とかキーボードクラッシャーとか明らかに人外だったりあだ名だったりする奴があるのが不自然
なにか意図はあるのかしら?意図があるすればなにが?
そんなことを私は全て歩きながらこなした。
字とかは大分雑だけど良くコケなかったものだと感心する。足もとも見ずになれない道で自分ながらによくやった。
さてちょっと考えたことだし少しゆっくりして……ぶぼらばぁっ!!
『ゆっくりしたけっかがこれだよ!!』
ゆっくりしようとした結果がこれだね!!私は実に馬鹿だな!!気を抜いた途端にずっこけるとかどうかしてるよ!!
しかしこの顔面お化けよく今まで黙ってたわね。あの右上を見てビビってたのかしら?
◆◆◆時間は少しさかのぼる◆◆◆
「初音ミク……死ね」
私は銃を放つ。
当てるつもりはない。当ててしまえば可愛がることもできない。
というよりも私が銃を打ったところでどうせ当たるはずがない。私は銃を扱うのなんて初めてなのだ。
所詮威嚇がいいところだろう、だが恐怖心を与え苦しめるという意味ではこちらの方が都合がいい。
なにか青い蠢くなかなか大きな植物がいるが大した問題ではない。移動はそこまで早くなさそうだから私に襲いかかってきたら逃げればよいだけなのだ。
「どうして……?」
か細い声を上げて初音ミクが森へ逃げ出す。実に滑稽。実に愉快。
ははっ!ミクがゴミのようだ!!
私はそれを追う。だが植物の動きが思ったよりも早い。
あの植物が私に対して攻撃の意志をもったならば私は死ぬかもしれない。
だが死んで結構。初音ミクを苦しめることができたのだから。
右へ左へ初音ミクは蛇行しながらしばらく走り続ける。
すでに追跡する側の私でも方向を見失っているのだ。恐らく初音ミクも方向などとうに見失っているだろう。
しかしあの植物はいったい何がしたいのだ?初音ミクを守ろうともしなければ私を攻撃しようともしない。
まさか首輪が見当たらない部位にあるだけで初音ミクを利用しようとする参加者……?
初音ミクを利用しようとする参加者ならばこのまま放置し襤褸切れの様に利用され捨てられるのを待った方が結果的に初音ミクに与える苦しみが大きくなるのでは……
いや、あれが参加者だと決まったわけではない。それよりもここに自生するただの摩訶不思議な植物だと考えた方が合点が行く。
このまま追跡すればするだけ苦しむ姿を見ることができる。
ただ付き従うだけで私に攻撃してこない植物など怖くもなんともない。
私も初音ミクも走ることなどとうにやめている。初音ミクはただ私から逃げだし。私は初音ミクを追う。
ただそれを歩き延々と続けているのだ。
「あっ!!」
草の根にでも気を取られたのか初音ミクが広場のようなところで転ぶ。
ふはははは、天は私に完全に味方したようだな!!
殺すつもりなどない、ただ脅すだけだ。
脅すだけ。初音ミクの無様な姿。醜態を私の子の目に焼き付けるだけだ。
私は初音ミクが立ち上がる前に銃口を突き付ける。ここまでしても植物は動かない。
ここに自生する植物は不思議なものだ。
「どうして……どうして……!!」
地に倒れ銃口を突き付けられ未だに泣き続けるのを見る。それだけで私の心は満たされる。
素晴らしい……なんと簡単なことなのだろう?私が望んでいたことがこうもたやすく果たされるとは。
さぁ、今から私の時間が始まるのだ!!
――ようお前等!存分に殺し合ってるか?
一瞬初音ミクが震える。空にはあの右上とかいう道化。
私はこの右上には感謝せざるを得ない。この私の望みを果たす舞台を作ってくれたのだから。
私はもうお前らの望むとおりに殺し合い死んでも構わん。初音ミクがこれほど苦しむ姿を見れるのだから。
――禁止エリアは、八時からA-4、十時からB-6
禁止エリアなどもう私にとってはどうでもいい話。
私の望みはただ初音ミクが苦しむ姿をもっと。もっとみること。
そのような禁止エリアなんてなんの関係もない。
――脱落者は北条鉄平、はっぱ隊員、木吉カズヤ、囲炉裏、秋月律子、ローゼン閣下、やる夫、ドアラ、カミーユ・ビダン。
初音ミクはただ泣き続けるだけ。恐らくまともに放送を聞けていないだろう。
あぁ、いい気分だ。これほどまでに心が満たされるのは久しぶりだ。
――『ルイージ』、赤さん
さきほどまでと同じように脱落者の一つの名前が呼ばれる。それと同時に初音ミクがピクリと反応する。
初音ミクの泣き声が止まる。そして力なく地に伏したまま砂を握る、握りしめる。呟く。
「嘘だ……」
どうして……?以外の言葉を一切発しなかった初音ミクが新しい反応を見せる。
これは悲しみか?苦しみか?どちらにせよ私にとっては嬉しい限りだ。
ただ泣き続けられるよりも新しい反応があったほうがもっと楽しめる!
――
あれはこの放送が終わっ
「嘘だあああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!」
,
悲鳴……叫び声が周囲に響き渡る。もっとも既に声は枯れていて声自体は小さなものだ。
ただのかすれた無様な叫び声。私の心はそれでさらに満たされる。
私は狂っているだろうか?いや狂っていない。
もともと生物とはこういうものなのだ。人の苦しみを見て笑い。人の無様な姿を見て笑う。
それが性ぶちとしてのあるべき姿。善などそのようなことなど存在しない。
善など自らを満足させるための行為でしかない。無様な姿を見て笑う自分の姿。
その姿を認めたくないものが偽善に逃げるのだ。
「はっはっはっは、大事な人の名前が呼ばれたのかね?はっはっはっは」
私は笑いながら話しかける。
私はもう死んでもいいよ、何度も言うがね。これほどコイツが苦しむ姿を見れたのだ。悔いはない。
「なんでそんなに笑っていられるんですか……?なんで……」
「嬉しいからだよ」
初音ミクからの問に軽く答えてやる。
実際そうとしか言えないのだ。嬉しい。嬉しくてたまらない。
これだけ苦しみ悶える姿を見るのが楽しくてたまらない。
「人が死んでいるのになんで嬉しいんですか……見ず知らずとは言え人が……死んでいるんですよ……?なのになんで……?」
「見ず知らずの人が死んで悲しい……?ははは、冗談はやめたまえ。私は知っている人は一人も死んでいない。
自分が死んでいない。そしてお前の大事な人が死んだ。だから嬉しいのさ」
「人が死んで嬉しいはずがないじゃないですか……なんで……」
はははははははははははは、ふはははははははははは
これだけ苦しみも悶え思うことがそれか!!
だからお前は偽善者なのだ!呪われる対象!自分がなぜ悲しんでいるかすら気が付けない偽善者!
教えてやろう、お前がなぜ悲しんでいるのか、なぜ人の死という現実を受け入れているのか!!
私も僧のはしくれ、仏門に入った者、私がお前にしてやる最初で最後の説法だ!!
「はっ。君は思い違いをしているようだね。初音ミク。お前が悲しいのは人が死んだからではない。
知っている人が死んだから悲しいのだ。偽善者ぶるのはやめたまえ!!」
「っ!!」
「知らない人が死んでも悲しみなどわかなければ実感もわかない。だがキミは悲しんでいる。これはなぜか、教えてやろう。
お前が今現在私に銃口を突き付けられ死に直面しており死の実感が沸いている。そして知人の名前が呼ばれた。だからこそキミは悲しんでいるのだよ
決して見ず知らずの人が死んだから悲しんでいる。そんなことはないのだ。
最も、私が嬉しいのはそれが理由だがね。お前が苦しんでいるのを見るのが私の喜び。
もしお前がこのような状態に陥らず誰かといたら生き残れて良かった。知りあいの名前が呼ばれなくてよかったと感謝しているのだろうな
その時は私が悲しんでいただろうが。口先だけではなんとでも言えるさ、この”偽善者”め」
僧侶としてはこんなことをいうのは間違いなのだろうな。
だが構わない。私は僧侶であるより初音ミクを苦しめ喜びを得ることを優先させる。
偽善者ぶるこの憎まれるべき女を苦しめる。それが喜び。
見てみろこの無様な女を歌姫などどこにもいないただ無様で滑稽な雌がいるだけだ
「違う……違う……あなたは狂っている……私は……私は……」
「お前は多くの人に恨まれた。狙われた。そして私に殺される。全ての人に嫌われて殺される、ざまあみろ」
私が止めとなる言葉を放つ。
女はこの一言で完全に精神的に限界に来たらしい。
銃口を突き付けているというのに這って逃げだそうと言うのだ。無様に這ってね。
ここまで生に執着するとはな、呆れる。
「いや……いや……助けて……誰か……誰でもいいから助けて……」
お前を助けるものなど誰もいない。そう誰も人にはいないのごうべぇっ!!
なんだ!?いきなりあの植物が襲いかかってきただと!?どういうことだ!!
私はあの植物に向かい銃を放つ。だが植物はまったくダメージを受けた様子はない。あの植物は化け物か!?
『せーのっ!!』
距離をとった私に対し植物は人間のような声をあげ弾のような物を放つ。
咄嗟に法力でカバーしたがいつものように力が出せない。多少勢いを弱められ弾は私の腕に命中する。
利き腕でないのは不幸中の幸いと言ったところだろうか?だがしばらくは動かせないだろう。
私が初音ミクから距離を取ると植物もまた動きを止めた。
一分……二分……膠着の時間は続く。
私が痺れを切らし一歩踏み出すとそれを牽制するように植物が弾を放ちそれを私が法力でカバーしかわす。
そんなことを何度も続けているうちに私はある事実に気が付いた。
支援
私が近づく距離で植物が使う技が変わっているということと初音ミクから離れようとしないこと。
そして初音ミクを助ける以上のこと――つまり私を撃退するということまではしないということ。
あの植物が私を殺しにかかったならばいつものように法力を扱えない私は長く持たないだろう。
おそらく初音ミクの誰でもいいから助けてという言葉に反応しようやく動いたということだろうか?
つまり先ほどまでずっと動かなかったのは初音ミクから何の指示も出されていなかったのが原因。
頭は植物だけあってさほど良くないのだろうか?いや、動きから見るにある程度の知能はあるはず。
おそらくはロボットのように命令は絶対厳守。命令以上のことはしないといった制限が課せられているのだろう。
ならば私がここにこれ以上とどまる理由はない。
命令以上のことはしない植物と延々と睨み合っていてもしょうがない、この場から速やかに立ち去り再び初音ミクのネガティブキャンペーンを行うだけだ。
私はもう満足するほどに苦しみを与えた。あとはさらなる苦しみを初音ミクに与えるために動くだけだ。
自分の手で殺せなかったのは少し残念だが精神崩壊寸前まで追い詰めたのだ。もう初音ミクは死んだも同然。
あとは死体とこの老体に鞭打つのみさ。
◆◆◆◆◆◆
『ルイージ』
嘘だ、嘘だ。ルイージさんが死ぬはずない。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。死ぬはずないよ。嘘だよ。
人殺しなんかになる人がいるはずな嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。ルイージさんは生きてる。嘘だ。そう嘘。
今私が殺されそうになったのも嘘。嘘。そう嘘だ。嘘なの。嘘じゃないと。嘘じゃないとこんなことありえない。
そうだよ。ね?嘘だと言って?ご主人様?
『知らない人が死んでも悲しみなどわかなければ実感もわかない。だがキミは悲しんでいる。これはなぜか、教えてやろう。
お前が今現在私に銃口を突き付けられ死に直面しており死の実感が沸いている。そして知人の名前が呼ばれた。だからこそキミは悲しんでいるのだよ
決して見ず知らずの人が死んだから悲しんでいる。そんなことはないのだ。
最も、私が嬉しいのはそれが理由だがね。お前が苦しんでいるのを見るのが私の喜び。
もしお前がこのような状態に陥らず誰かといたら生き残れて良かった。知りあいの名前が呼ばれなくてよかったと感謝しているのだろうな
その時は私が悲しんでいただろうが。口先だけではなんとでも言えるさ、この”偽善者”め』
違う。そんなことない。私は誰が死んでも悲しんだ。そう嘘だ。こんなことば嘘。私を苦しめるための嘘。
自分で言ってた。私が苦しむのを見るのが喜びだって。そう嘘。嘘じゃないとこんなこと言わない。
嘘じゃないとこんな人を気づつけるようなことは言わない。嘘。嘘じゃないならあの人は狂ってる。
私は偽善者ではない。だれがしんでも悲しむんだから。そう嘘なの。
嘘だよね?マスター。うん。嘘だよミク。ミクは優しい子だから。ほらご主人様も嘘だって言ってくれた。
嘘じゃないよ。この言葉は嘘じゃない。だって私は優しいもの。
『お前は多くの人に恨まれた。狙われた。そして私に殺される。全ての人に嫌われて殺される、ざまあみろ』
恨まれた?違う。そんなの勘違い。誰かが流した嘘に騙されてるだけ。そう嘘なの。
だから私がそれは嘘だよ。正しいよ。って真実を教えれば嘘から抜け出せるの。
この人の言ってることは嘘ばかり。私に殺されるとか言っといて私を殺してないもの。そう嘘。
マスターは私のことが好きなの。だか全ての人に嫌われるなんてありえない。嘘ばかり。
嘘。嘘。嘘。でも心配だから確かめてみる。ご主人様は私のこと好き?うん好きだよ。ほらね。やっぱり嘘
『ルイージ』
ルイージさんは死んでない。嘘ばっかり。
『知らない人が死んでも悲しみなどわかなければ実感もわかない。だがキミは悲しんでいる。これはなぜか、教えてやろう。
お前が今現在私に銃口を突き付けられ死に直面しており死の実感が沸いている。そして知人の名前が呼ばれた。だからこそキミは悲しんでいるのだよ
決して見ず知らずの人が死んだから悲しんでいる。そんなことはないのだ。
最も、私が嬉しいのはそれが理由だがね。お前が苦しんでいるのを見るのが私の喜び。
もしお前がこのような状態に陥らず誰かといたら生き残れて良かった。知りあいの名前が呼ばれなくてよかったと感謝しているのだろうな
その時は私が悲しんでいただろうが。口先だけではなんとでも言えるさ、この”偽善者”め』
嘘ばっかり。だれがこんな妄言信じるんだろう?嘘ばっかり。
『お前は多くの人に恨まれた。狙われた。そして私に殺される。全ての人に嫌われて殺される、ざまあみろ』
もう私は騙されないよ私は嘘だって見破ったから。嘘嘘嘘うるさいよね。うるさいなぁ。
『ルイージ』
そう、ルイージさんが死ぬはずないじゃない。そうほら、あっちの方に緑色の服みたいなのが見える。
あれはきっとルイージさん。やっぱり生きててくれたんだ。
ねぇルイージさん?なんで寝てるの?ほら起きてよ?……ルイージさん?嘘でしょ?
早く起きてよ?生きてるんでしょ?
『ルイージ』
ねぇ……生きてるんだよね?この赤いのもトマトジュースで嘘なんだよね?
嘘だよね?ね……?うん、そうさ!僕が死ぬはずないじゃないか!
あ、やっぱり生きててくれたんだ!そうだよ、ちょっと驚かせちゃったかな?ごめんね、ミクちゃん。
酷い、私本当に……。ごめんね。僕が悪かったよ。茸王国の英雄マリオの弟のルイージが死ぬはずないじゃないか!!
『ルイージ』
嘘嘘!!そう嘘!だってルイージさんは私と会話してくれてるんだもの!!死んでなんかいない!!
生きてるの!!そうさミクちゃん、僕が死ぬはずないよ!
ほら、嘘ばっかり。信用できるのは私とルイージさんとしげるだけね。しげるは私を助けてくれたもの!
え?ルイージさん?渡すものがあるって?帽子?いいの?ごめんね?あぁ、もう全然気にしてないから大丈夫!
ルイージさんの帽子ちょっと大きいな!でも大事にする!
「……」
「あ、そうだ。さっきはありがとね、しげる。これからもうそつきから私を守ってね」
「……」
ルイージさんも嘘付きから私を守ってくれるよね!
もちろん!!
しえんしえんにしてやんよ
【A-3 森/一日目・朝】
【初音ミク@VOCALOID2】
[状態]:混乱、恐怖、精神疲労(限界突破)身体疲労(限界寸前)
[装備]:ルイージの帽子
[道具]:基本支給品、あおばシゲル@MF2死ぬ気シリーズ
[思考・状況]
0.嘘。嘘。嘘。
【オボロゲソウ「あおばシゲル」の思考】
思考・状況]
1:嘘付きからミクを守る
2:ミク……
※指定された命令以上のことはできない。しかし殺傷力の高い技も存在する。
※ルイージの死体(帽子無)が放置されています
※初音ミクは今現在正常な判断ができません。精神に多大なショックを受けたようです。
支援の歌姫
◆◆◆◆◆◆
『皆、聞いてくれ!参加者の中に、初音ミクという女がいる!青い髪をおさげにした、10代後半の少女だ!
その女は殺人鬼だ!我々はこの殺し合いが始まる以前に、その女に形容し難いほど無残な目にあわされた!
あの女は、可憐な容姿で無力を装い、油断した人間をいたぶり殺す外道、魔女、悪魔、化け物だ!
だから初音ミクを絶対に信用するな!いいか、絶対にだ!信用した瞬間、すでにあの女の罠にかかっているんだ!
私は、あの魔女の被害者をもう出したくない!誰かあの悪魔を止めてくれ!』
「ミクちゃんが……?」
近くで聞こえた叫び声は信じられないものだった。
私の知る初音ミクがそのようなことをするはずがない。
叫び声はそう遠くない。私は声の主に会うべく声のする方向へ一時ゆっくりを置いて向かい始めた。
ゆっくりには10分遅れてくるように厳命してある。10分であればこの魔導アーマーもある今ゆっくりだけでも耐えることはできるはず。
むしろ相手の警戒心を無くすためとはいえ魔導アーマーのない私の方が危険なくらいだ。危ない相手に出会ったら速攻で殺されるだろう。
絶対に嘘だ。ありえない。私は忘れない。ミクちゃんに助けられたという事実を。
叫び声の主のもとへはすぐにたどり着けた。
叫んでいたのは僧侶。森から出てきたばかりのようで息を切らしており腕を負傷していた。
接触してどうするか……?とりあえず真偽を確かめるために騙す。それが一番。
今の私に武器はない。やらなければ。
「ど……どうしたんですか!?」
私は全ての演技力を総動員して僧侶のもとへ駆け寄る。
「や……やられたんだ。さっき私が言っていた初音ミクと遭遇した時にやられた。
なにか変な植物を使役していて、その植物に私を攻撃するように命じたんだ、そのせいで腕が……」
支援
耳のない支援の歌
僧侶の言葉に偽りはないようだ。腕は負傷しているし息を切らしているのも確か。
逃げてきてここで叫んだと考えればなんの問題もない。
でも、私にはその言葉が嘘だとわかる理由があった。
別に私の中のミクちゃんはそんなことしないという主観的証拠ではない。
客観的な証拠だ。しかしここでその証拠を突き付けるのはまだ明らかに速い。
この僧侶がミクちゃんと接触したのは遭遇した時の状況説明に矛盾がないことは確か。
つまりこの僧侶は確実にミクちゃんと接触したのだ。しかもこの少し前に。
「なんと酷いことを……あの初音ミクはまた……」
「あなたもあの女の被害にあわれたことがあるのですか!?」
喰いついた。
さぁ、情報収集の始まりよ。
「私もあの女には酷い目にあわされました、同じボーカロイド仲間であるのにもかかわらず私のことを不人気だとか音痴だとかさんざん会うたび会うたび言われました」
「それは本当なのか!?」
あら?やけに驚いてるわね。嘘ね。証拠がボロボロ出てくる。
さっきまで魔性の女だとか言ってたくせにこの程度のことで驚くなんて。
その後も私は短時間で情報を集めて行く。
こいつがネガキャンをずっとエリアごとにし続けてきたこととか支給品に銃があることとかとにかく色々。
エリアごとにネガキャンとは……信じていない人もいるでしょうけど信じてしまった人もいるはず。これはとても厄介ね。
銃は……警戒心が薄れてもう下げているわね。ならこのタイミングで急所打ちをすれば間違いなくこいつを戦闘(先頭)不能にできるわ
でも私は優しいから一度だけチャンスをこの僧侶にあげるわ、贖罪のね
「あなたが言っている初音ミクについて嘘偽りありませんか?」
「ない」
支援は実に馬鹿だなぁ
m9(^Д^)やあ
ようこそ、バーボンハウスへ。
この金的蹴りはサービスだから、まず飲んで落ち喰らって欲しい。
うん、「また」なんだ。済まない。
仏の顔もって言うしね、謝って許してもらおうとも思っていない。
でも、この金的蹴りを受けたとき、君は、きっと言葉では言い表せない
「ときめき」みたいなものを感じてくれたと思う(性的な意味で)。
殺伐とした世の中で、そういう気持ちを忘れないで欲しい、そう思ってこの急所打ちを選んだんだ。
じゃあ、いいわけを聞かないよ。
「嘘付きはこうしないとね」
金的蹴りで僧侶の戦闘力を失わせた私は自分にできる最大限の速さで拳銃とデイパックを奪う。
恐らくはたから見ると遅遅とした行動だっただろうが私には荒事の経験のないのだからしょうがない。
途中で僧侶の足の骨を折ってしまったりもしたが、それは荒事になれていないせいで揉み合いになったからだ。
今後ネガキャンをさせないためにもこの程度はしょうがないと割り切るべき。ごめんなさいね。
女の身で現在優勢で運べるのはとても幸運、状況が少しでも違えば私は拳銃で撃ち殺されていただろう。
「あああああああああああああああああ!!」
「あなたの行為は嘘だって始めっから分かってるの情報ありがとうね、お坊さん。
嘘だとわかった理由について説明しておこうかしら?」
ごろごろと足を抱え無様に転がる僧侶。
おそらく今私の声なんかは聞こえていないでしょうけど一応説明をしておくのだ。
バーボンにはめて行動力を奪ったのだからネタばらしをしてもなんの問題はない。
「一つ、あなたはミクから逃げているはずなのにメガホンを使用した。
逃げている側の人間がわざわざ自分の居場所を教えるようなことをするはずがないでしょう?」
僧侶の右腕を押しつぶすようになんども何度も踏みつける。
全体重を掛けて何度も。ここまでしなければ非力な私では相手の無力化はできない。
紐とかがあれば縛ったりして楽なのでしょうけど無いものねだりはできない。
「二つ、あなたは大声で叫んだ。
全力で逃げて走って息切れした人間が大声で叫べると思う?叫べるはずないじゃない
貴方の息が切れていたのはメガホンで叫んでいたからそうでしょ?」
左腕も同様に潰すように踏みつける
すでに僧侶の声は掠れ。対した声は出ていない。
「三つ、あなたは初音ミクの悪行をペラペラ喋っていたわりには私の言葉に驚いていた。
あんなに悪行を知ってるわりには悪口くらいで驚くのね、不思議だわ」
残った足もまた同じように踏みつける何度も。
僧侶はもう声を出す気力もないようで僅かにうめいている。
>>603微妙に修正
ごろごろと足を抱え無様に転がる僧侶。
おそらく今私の声なんかは聞こえていないでしょうけど一応説明をしておくのだ。
バーボンにはめて行動力を奪ったのだからネタばらしをしてもなんの問題はない。
「一つ、あなたはミクから逃げているはずなのにメガホンを使用した。
逃げている側の人間がわざわざ自分の居場所を教えるようなことをするはずがないでしょう?」
僧侶の右腕を押しつぶすようになんども何度も踏みつける。
全体重を掛けて何度も。ここまでしなければ非力な私では相手の無力化はできない。
紐とかがあれば縛ったりして楽なのでしょうけど無いものねだりはできない。
「二つ、あなたは大声で叫んだ。
全力で逃げて走って息切れした人間が大声で叫べると思う?叫べるはずないじゃない
貴方の息が切れていたのはメガホンで叫んでいたから……そうでしょ?」
左腕も同様に潰すように踏みつける
すでに僧侶の声は掠れ。対した声は出ていない。
「三つ、あなたは初音ミクの悪行をペラペラ喋っていたわりには私の言葉に驚いていた。
あんなに悪行を知ってるわりには悪口くらいで驚くのね、不思議だわ」
残った足もまた同じように踏みつける何度も。
僧侶はもう声を出す気力もないようで僅かにうめいている。
「以上が理由ね。運が良ければあなたもまだ生き残れるでしょ、頑張ってね。お坊さん」
私は僧侶をしばらくの間行動不能にしその場を立ち去る。
支給品もメガホン以外は全て奪った。
流石にミクちゃんの嘘の悪行を並びたてていたメガホンを持って行く気には私はなれなかったけどね。
ゆっくりが魔導アーマーとともに私のもとにたどり着いたのは10分どころか30分後であった。
一体途中で何をしていたのだろうか?おそらくゆっくりしていたのでしょうけど10分遅れでって言っておいたじゃない
【B-2森/一日目・朝】
【重音テト@VOCALOID(亜種)】
【状態】:健康、決意
【装備】:魔導アーマー(左腕欠損、武装チャージ中1/2)@FF6、拳銃(1/6 予備弾24)@デスノート
【持物】:基本支給品、ランダム支給品(0〜3)ゆっくり霊夢、ゆっくり魔理沙@ゆっくりしていってね!、偽起爆リモコン(4-5時間使用不可)
【思考】
1、ミクを探して守る。
2、フランが大丈夫か少し心配。
3、自分に害のある人物は詐欺してバーボンして切り抜ける
4、ブロリーに注意
5、「歪みねぇ意思」……か
※B2左下周辺に僧侶のネガキャンが響き渡りました
607 :
Classical名無しさん:09/03/07 22:49 ID:TiuI5jP.
◆◆◆◆◆◆
私の負けだ。
初音ミクと出会い。いたぶったことで気が抜けていた。完全に。
言われてみれば先ほどの私の行動は不自然なことだらけだ
だが悔いはない。最後にへまをしたが初音ミクを苦しめるという目的は果たした。
私は勝者だ。初音ミクが今後も苦しむ姿は見れないのは残念だがいいだろう。
初音ミクの精神はすでにずたぼろだ、さてあいつに初音ミクが救えるかな?
足は折れ他の四肢も医者に見せなければ動かすこともできないだろう。
ならこの場で生き残りネガキャンをすることはもう無理。ならば死のう。
僧侶として間違いなくありえない行為だろう。自殺など、今更死んだ後に天国に行けるように仏に祈っているなど。
さて、私が行くのは天国か地獄か?
死を選ぶ前に一曲歌うとするか
そしてその後に舌を噛み切ろう、さらば現世。
「地獄に音楽は絶えない……」
【僧侶@ニコニコRPG】 死亡確認 死亡理由:舌を噛み切り自殺
※テトは僧侶が自殺したことを知りません
【ルイージの帽子@マリオ】
ただのルイージの帽子。別に前回のように空気になるとかルイージの身体能力が手に入るとかはない。
以上です。
タイトルが読めないのは仕様。
追記
※メガホンは僧侶の死体のそばに転がっています
おあおあい〜支援
ちょっとしたらばにアンケートのやつかいてみたんだけど・・・
どう思う?
投下乙!
ミク…大丈夫だろうか
テトがなんとかしてくれるといいんだけど
予約まとめ
◆hmPkMQW2u6 ときちく, 萩原雪歩 ,馬岱 ,呂布
◆F.EmGSxYug 射命丸文、グラハム、バルバトス、キョン子、スプー、大河、塩
◆jVERyrq1dU 修造、キークラ、リン
◆BRxsUzTn5A KAITO
◆xHiHmARgxY チルノ ビリー ドナルド レン タケモト
◆/mnV9HOTlc 美希
◆/4zBz3jiVQ ブロントさん、渚
◆HgjKaHgn2g 海原雄山
◆KX.Hw4puWg 凡骨、羽生、社長、森乃進、みさお、アポロ
◆1SKekTLbsk 志々雄真実
◆0RbUzIT0To 美鈴、メタナイト、新堂誠、フランドール
投下乙!
最後の僧聖のアクエリオンがとても良かった・・・
本当に細かい突っ込みだけど茸王国じゃなくてキノコ王国ですよ
617 :
Classical名無しさん:09/03/07 23:28 ID:TiuI5jP.
なぁ
>>617みたいなのアク禁にできんの?
めちゃくちゃうざいんだけど
>>610 投下乙!
ミクが狂っちまったーー!
テトいい仕事するなあ
>>618 アク禁無理そうだと思う
専用ブラウザ導入してNGにするしかねえんじゃね?
sports2鯖にいるかぎり無理
この鯖はひろゆき個人所有で2ch運営が手をだせんから
手をだせるのはひろゆきだけだけどひろゆき自身も何年も完全放置だし
投下乙
ミクの狂気っぷりが怖いな
テトに早く会わなければ
投下乙
ミクの精神が危なくなってきたな。
テトはミクを救えるのだろうか。
623 :
Classical名無しさん:09/03/08 00:45 ID:duBNdBkA
Wikiの編集をしたんだけど、僧侶の殺害者は僧侶自身でいいの?
いいんじゃね?テトは僧侶を殺す気までは無かったようだし
銃は松田の銃かww
戻ってきたら代理投下されずにwikiにぶちこまれてた…コンナハズデハー
というのはともかくサンレッド、ベジータ、剣崎、賀斉予約します
ベジータが言葉達に渡したのって首輪だけで良いんだよね?
OPのSSが29個も投下されて勢いに乗っているニコロワβ。
書き手のモチベーションうpのためにも投票をしてみたいと思います。
予定スケジュール
【投票期限】3/8(日)0:00時ー3/14(土)24:00まで
【投票対象】0話の『オープニング』から85話の『一里四辻・一鹿六兎』までの作品への投票
投票会場はしたらば内の「なんでもあり」です。
投票形式
上位5作まで選出可能(必ず5作選出しないと駄目、という訳では無い。一位のみへの投票なども可)
1位を5P、2位を4P、3位を3P、4位を2P、5位を1pとして計算する
・SS部門(作品名で投票)
・セリフ部門(キャラの言ったセリフで投票)
・死者部門(キャラ名で投票)
・キャラ部門(キャラ名で投票)
ご協力お願いします。
実際には舌噛みきっても死なないらしい。
今朝ディケイドを見ていたのだが、来週はブレイドが出てくる。
中の人は違うとはいえ、変身後のスペックはディケイド絡み以外は同じはずだから、見てみるといいと思うよ!
俺宣伝乙。
630 :
Classical名無しさん:09/03/08 12:31 ID:duBNdBkA
投下します。
放送が終わって、数分が経った。
グラハムさんにとりあえず知り合いが誰かを説明した私は、頭を抱えていた。
幻想郷からここに連れて来られた面子は、正直あんまり嬉しくない面子だったから。
(……ひょっとしたらと思ってたら、チルノさんが本当にいた)
まったくもう、と愚痴る。
幸い、今ここにグラハムはいない。外を見て見張りの真っ最中だ。だからリラックスできる。
冗談で首輪引っ張って弄繰り回したいなー、とか思ってたら本当にいた。
とは言っても、妖精は死なない。自然そのものの具現である妖精は、寿命以外で死ぬことはない。
龍神様の落雷が直撃しようが、放っておけば生き返る。
だからチルノさんがいても、心配する必要はないし特段保護しにいく必要性はない……
「――わけないわね」
はぁ、とため息。
それは幻想が当たり前の物として存在する、博麗大結界の中の話。
幻想郷の外で同じ法則が適用されてくれるかは微妙だと思う。
むしろ、こんなことをさせる以上はそんな法則を適用させないはずだ、右上とかが。
「チルノさんは確実にここまで考えないだろうし、ああもう!
正直、ブロリーの存在を考えれば私が生き残るだけでも手一杯なのよねぇ……」
はっきり言って、幻想郷から来てる面子で殺し合いに乗らない面子は少数派だと思う。
あのメイドは絶対に乗るし、妹吸血鬼も確実に乗るし、兎は何考えてるか分かったものじゃないし。
メイドと吸血鬼が来ている以上、出会い頭に飛び蹴りかまして来る門番も怪しいところ。
そしてチルノさんはまだ生きてることが奇跡のレベルの考えなし。その辺が可愛いんだけど。
(……殺し合いに乗るかどうかについては、そういう私も他人のことは言えないけど)
心の中で呟きながら、名簿に記された名前を追う。
ベストなのは私とチルノさんが一緒に主催者を倒すか、
あるいは私が優勝してチルノさんを生き返らせるか。どっちにせよ前途多難だ。
ブロリーをなんとか倒して優勝するか、あるいはチルノさんがブロリーに喧嘩売る前に脱出するか。
凄いルナティックで無理ゲーのような気がする。
そんなことを考えつつだらけていると、ふと名簿の一点に目が留まった。
「……げ」
思わず唸る。そこには、呂布と書いてあった。
私だって、伊達に1000年以上生きてるわけじゃない。三国志演義くらい読んだことはある。
幻想郷だって、昔からあったわけじゃない……いや、正確には「結界が」昔からあったわけじゃない。
要するに、神様だの妖怪だのは昔普通に人間の前に現れていた。
白虎みたいな神獣が普通に人の前に現れて勝負を挑み、魔法使いどころか仙人が当たり前に存在し、
やがて神として扱われるような人間が当然のものとして存在する。
それが呂布の生きていた時代であり、私ですら知らない古い時代だ。
「……普段だったら、是非とも取材してみたいんだけど」
ため息を吐いてテーブルの上に倒れこんだ。
要するにそんな時代で最強と謳われているってことは、
やがて神として扱われる連中を差し置いて最強とされているってこと。
私の推論が正しければ、主催者連中が過去から連れてきた間違いようのない本物なんだ。
それにチルノさん並みのバカだし、絶対に参加者を殺して回ってるんだろうなぁ。
絶対に負ける、とは思ってない。
神と言ってもピンからキリまであるし、神より強いからって私より強いとは限らない。
……だけど、楽に勝つのは確実に無理だろうとは思う。
ただの人間でないことは、疑いようがないし。
「あああああ、もう勘弁して……」
いくら私が事件大好きだからって、自分の命に関わるのはごめんだ。
この調子だと、ここは人外オンパレードのまさに人外魔境だったりするんだろうか。
まさか幻想郷以上に何でも受け入れる混沌な場所なんじゃ……
最悪、チルノさんのことは諦めるしかないのかも。
そんなことを考えていると、突然グラハムさんが話しかけてきた。
「外に二つ人影が見えるな。それも近い。巨漢の男性が少女を追いかけているようだが」
「放っておきましょうよ。
私達が襲われなければ関係ありませんし」
「……いや、残念ながら進路を変えてこちらへ向かってきているようだ。
このままでは確実に塔の中に入ってくる」
もう何度目か分からないため息。
私はよっぽど、危険人物に縁があるらしい。
■
「ぶるああああああああああああああああ!!!
逃げ回るだと? 男に後退の二文字はねぇぇえええええ!
絶望のシリングフォォォォォオオオオル!!!」
バルバトスが叫ぶとともに、岩が虚空から現れ落下する。
(私は女だってば……!)
心の中でキョン子は律儀に突っ込みを入れたものの、口には出さない。出している暇もない。
喋って余計な酸素を消費することさえ惜しかった。
少しでも走る速度を緩めれば、降って来る岩が直撃するのだから。
放送が始まる以前から既に、バルバトスはホテルを目指して走っていた。
図書館を出た時点で彼の目にも見えるほど、ホテルの惨状は明らかだったのだ。
だからこそ、そこに闘争の匂いを嗅ぎ取ったバルバトスが走り始めたのは至極当然のこと。
目的は言うまでもない。そこで行われているであろう戦いへの乱入である。
元々、図書館とホテルはそれほど離れていない。彼なら大して時間も掛からずに着く範囲だった。
もっとも既に一歩遅く、彼が到着した頃には戦いは終わっていたのだが。
またもご馳走を目の前でお預けされ、バルバトスが怒りで吼えようとした瞬間――放送は始まった。
結果から言えば放送はバルバトスに幸運を与え、キョン子に不幸を齎した。
バルバトスが吼えていれば、キョン子はもっと早くバルバトスを発見し鼠のように逃げていただろう。
だが、アレックスが生きていることを知ったバルバトスの怒りは、喜びによって塗り替えられた。
故に、吼えない。地図を少しばかり見た後、高笑いをしながら歩き出す。
名簿など確認しない。誰がいようと彼のすることは変わらないからだ。
しかし、キョン子は違う。彼女は律儀に放送の内容と名簿をしっかり確認していた。
仲間が一人もいないことに安堵したり不安になったり、禁止エリアの部分を塗りつぶしたり。
基本的に細かいところのある彼女は、律儀に内容をメモしてから北西を目指し始め……
そして、しばらく後。
「縮こまってんじゃねえぇぇぇえええええ!」
命がけの鬼ごっこが、始まったのだ。
次々に繰り出される昌術が、彼女の近くで炸裂していく。
キョン子には命がけで全力疾走するしか手はなかった。
『これはなかなか恐ろしい相手だねぇ。ほらほら、頑張って走らないと死んじゃうよ?』
まるで他人事のようにユベルが茶化す。
実際、ユベルにとっては他人事だ。キョン子が死のうとユベルが死ぬわけではない。
もっとも、一応これは助言にもなっている。キョン子は知らないが、昌術にも射程距離はあるのだ。
バルバトスの存在にいち早く気付いたユベルが逃げるよう指示した事で、
昌術の射程距離に入る前に走り始めることが出来た。
そしてユベルの言うとおり頑張って走っているから、今まで昌術は射程外となり外れている。
しかし……バルバトスとキョン子、どちらの足が速いかと言えばそれは考えるまでもない。
このままなら確実に追いつかれる。そんなことは、彼女にだって分かっている。
「あと……あと少し……!」
だからこそ、自分を叱咤しながら必死にキョン子は走る。目指しているのは塔。
まともに追いかけっこをしていれば捕まるだけ。
なら、ちょうど目に付いた建造物――塔のどこかに隠れようとするのは当然と言える。
この状況下で冷静に判断が出来るだけでも、彼女は十分奮闘している部類だ。
ハルヒコに振り回されている経験が活きているのだろう。だが。
「灼熱のォ! バァンストライクゥ!」
それを許す、バルバトスではない。
炎を纏った隕石が落下する。そのうちの一つは、キョン子のすぐ傍に。
直撃はしていない。だがその威力は、当たらずともその余波だけで彼女を転倒させていた。
その姿を見たバルバトスは、走るのをやめてゆっくりと歩み寄る。観察するような表情で。
「今朝の俺は紳士的だ。運がよかったな……
殺す前に見せてもらおうか、貴様のもがきを!」
「は、はぁ……!?」
バルバトスの言葉に盛大に疑問符を浮かべながらも、なんとかキョン子は立ち上がった。
彼はその本能でユベルの存在を嗅ぎ取っていた。故に、期待していたのである。
しかし、そんなことはキョン子に分からない。分かるはずもない。
かといって背を向けるわけにも行かず……彼女は僅かに後ずさった。逃げる機会を探るように。
ユベルはまだ使えないのだから当然の判断だが……それを見たバルバトスの顔に浮かんだのは、失望。
「ふん、アレックスとは違いただの小娘か。
何か妙な気配を感じ取っていたのだが、気のせいだったようだなぁ……」
「え……」
理不尽極まりない言葉と共に、バルバトスが構える。
自分から襲撃しておいて逆ギレするのだから、
紳士的どころかハルヒコに勝るとも劣らない横暴っぷりだ。
しかしその横暴を通すだけの力が彼にはあり、それを咎める力はキョン子にはない。
「ならば、貴様に俺と戦う資格はぬぇぇぇぇぇえい! チープエミリネイトォォォオオオ!!!」
言葉と共に、バルバトスは極太レーザーを撃ち出した。
キョン子にそれを防ぐ手段はない。ユベルなら防げただろうか、まだ使えない。
いきなりの急展開に、走馬灯を見る暇もなくキョン子はその光に飲まれようとし――
絶望のシリングフォールきたね〜w
飛んできた文に、首根っこを捕まれていた。
「む?」
「え、ちょっと!?」
そのまま、キョン子ごと文は空へと舞い上がる。
宙に浮かんだキョン子の下を、レーザーが通り過ぎていく。
事態を確認としようとキョン子は上を向いたが、文はキョン子を見ていない。
面倒くさそうに、バルバトスを見つめている。
「先に聞いておきますけど。
この人に恨みがあるとか、そういうわけじゃないですよね?」
「当然……俺の本能が叫ぶのさ、貴様らを殺せとぉ!」
その言葉にまったくもう、と文は呟いて、キョン子から手を離した。
レーザーを避けられるくらいの高さだ。怪我こそしないが、地面にぶつかれば痛い。
「なにす……」
「塔の中に私の……ストーカーがいますから、その人と一緒にいて下さい。
危険になったらその人と一緒に逃げるように」
文句を言おうとしたキョン子の言葉を、文はあっさりと封殺した。
とん、とキョン子の前に降り立って。
楽しめそうな獲物の登場に、バルバトスはにやりと笑う。
「我が名はバルバトス・ゲーティア! 貴様の名は!?」
「射命丸文。
――本気で戦ってあげるから、かかってきなさい」
■
名乗りを上げるとともに、私をさんざん追い掛け回した男――バルバトスは地を蹴った。
その突進を見て、思わず想った。まるでダンプカーのようだと。
「あ……」
だから震えた。
文さんごと吹き飛ばされるんじゃないか。そう錯覚するほど、バルバトスの迫力は凄い。
そして突進する勢いがダンプカーなら、武器を振り下ろす勢いはショベルカーだ。
『神人』たちを思い出させるような、そんなのを防ぐなんて無理だ。
古泉だって、神人の攻撃を真っ向から受け止めたわけじゃない。
逃げ回って、機を見て反撃するしかない。
――けれど。文さんはそれを、手に持った剣で受け止めていた。
「ほぅ……!!!」
「…………」
バルバトスの表情に喜色が浮かぶ。
なぜそんな表情をするのか、考えるよりも早く。
「何をしている! さっさと走れ!」
金髪の外人さんが、私に向かって叫んでいる。
ということは、彼が文さんの言っていたストーカーだろうか。
……ストーカーを信用していいのかとは思ったけど、今はそんな場合じゃない。
慌てて走り出す私の背後で、キーボードと剣が火花を散らしていた。
持っているのがキーボードとは思えないほどの威圧感がそこにある。
まともに受ければ致命傷だって、理性より本能が理解させて足を走らせる。
それを文さんは、正面から受け止めて弾き返していく。
そこから風が巻き起こっているような気がしたのは、決して気のせいなんかじゃなかった。
ハッピーエンドの条件はハンサムが支援することさ
「……ッ、はぁ、はぁ、はぁ」
「無事で何よりだな」
なんとか息を切らせつつ塔の中に滑り込む。ストーカーは声こそ掛けてきたけど、私を見てない。
見ているのは、文さんだけ。最初こそ疑問に思ったけど、そりゃそうだとすぐに納得した。
出会ったばかりの相手より、今まで一緒に行動してきた相手の方が気になるのは当然だと思う。
……ストーカーという表現の意味は、今は考えないことにしよう。
「ッハァ!!!」
「く……!」
慌てて見る対象を戻した。戦いはまだ続いてる。どっちが強そうかなんて言うまでもない。
明らかに見た目からして大きいバルバトスと、普通の女の人にしか見えない文さん。
間合いが違うし、力も違う。
文さんに出来ることは、渾身の力を込めてバルバトスの攻撃を弾くことだけで――
「ぶるあああああああああああああああ!」
「きゃっ……!」
思わず、見ている私が悲鳴を上げていた。
怯んだ文さんへ、バルバトスが物凄い大声とともに腕を振り上げている。
やられたと思った。だから、その先に待つ光景に目を覆いたくなって。
「――いや」
けれど、それは間違いだった。
脇のストーカーが落ち着いた声を出すと共に、今度はバルバトスが吹き飛んでいたんだから。
私にはさっぱりだ。長門なら何をしたのか見えたんだろうけど。
まさか……文さんが相手に反応させないくらいの速さで反撃を叩き込んだ、ということなんだろうか。
肩から血を流しながら、それでもバルバトスは笑っている。
また、キーボードかww
「いいぞ……お前は最高の玩具だ……!」
「……もしかして貴方、戦いがこれ以上なく好きってタイプですか?」
「とぉぉおおおぜんだろうがよぉぉおお!」
狂気を露呈させながら、バルバトスが突進した。舌打ちしつつ文さんはそれをいなす。
切り結ぶこと二十数回、単純な力でこそ押されているけど、彼女はそれを速さで補っていた。
――見惚れるしかない。
古泉や長門の例もあるし、人の形をしたものがすごい力を発揮するのは見慣れている。
けれど、二人の場合は超能力だとかそんな感じの、よくわかんないものだった。
文さんは違う。人の形をしたまま、見る限りただの剣で人間離れした神業を見せている。
巨大な暴力に剣で立ち向かう彼女の姿は、古泉達の凄さとはベクトルが違う。
あの二人がSF的な何かとすれば、文さんは神話とかそういった幻想的な何かだ。
『……人間じゃないね、彼女』
「あ、ユベル……人間じゃないって?」
『言った通りの意味さ。恐らく彼女は精霊か魔物か……
ともかく、そういった類の者だ。ある意味では僕のお仲間だね』
その言葉に、ごくりと喉を飲む。
ユベルの言葉が正しいとすれば……彼女は本当に、神話の住人なのかもしれない。
「これぞ我が奥義ぃ! 三連さぁつ!」
バルバトスが叫ぶ。
その声と共に炎を纏い、振り下ろされるキーボード。
文さんは受け止めたけど、明らかに苦しげな表情を浮かべている。
「今死ね! すぐ死ね!」
だからそれは、明らかに隙だったんだろう。
見ている私がびくりとするほどの迫力で、バルバトスは追撃を叩き込もうとして――
それは、とっさに低い姿勢になった文さんに避けられていた。
「チィ、骨まで――!」
「……甘い」
バルバトスが三撃目を叩き込むより先に、文さんの蹴りが奔る。
とっさにキーボードで受け止めたらしいけど、それでもバルバトスは2m近く吹き飛ばされていた。
「よし、命中だな」
ストーカーが指を鳴らす。向こうでは、蹴りに続いて斬撃がキーボードに叩き込まれていた。
再び吹き飛んだバルバトスを、文さんは追わない。ただ、左手を掲げている。
そこに集まっているのは、私でも見えるくらいに凝縮された大気の流れだった。
それでおしまい。目に見えるほどの風なんだ、それが当たればバルバトスはきっと吹き飛ぶ。
「 術 に 頼 る か ザ コ が !」
マイソロジー2でも若本によく全滅させられたなぁ…
その瞬間。
そんな私の判断を打ち砕くように、声が響いた。
いや、違った。砕けたのは私の判断じゃなくて――大地。
「え……!?」
「は、ぐ……!」
文さんの周囲の大地が、まるで見えない錘に潰されたように潰れていた。
そして、それは文さんも例外じゃない。まるで錘に耐えるかのように、文さんは踏ん張っている。
だけど、それも数秒のこと。だって――バルバトスが、キーボードで彼女を殴りつけていたのだから。
吹き飛んだ文さんに思わず声を漏らした私の肩に、手が置かれた。
その瞬間。
そんな私の判断を打ち砕くように、声が響いた。
いや、違った。砕けたのは私の判断じゃなくて――大地。
「え……!?」
「は、ぐ……!」
文さんの周囲の大地が、まるで見えない錘に潰されたように潰れていた。
そして、それは文さんも例外じゃない。まるで錘に耐えるかのように、文さんは踏ん張っている。
だけど、それも数秒のこと。だって――バルバトスが、キーボードで彼女を殴りつけていたのだから。
吹き飛んだ文さんに思わず声を漏らした私の肩に、手が置かれた。
「退くぞ。私達は邪魔になっている。
――私としても、射命丸を無駄死にさせるのは本意ではないからな」
「いったいどういう……」
「彼女の本分は、機動性を活かした戦闘だ。
つまり今回のように私達を後ろに庇う防衛戦は得意な部類ではない、ということさ。
君、名前は?」
要するに、飛んだり跳ねたりするのが得意分野ってことかな。
確かに、妙にバルバトスの攻撃を受け止めることが多かったけど。
「キョ、キョン子。でもこれじゃ文さんと逸れちゃうんじゃないですか?」
「私はグラハム・エーカー。
撤退する場合の合流地点はあらかじめ決めてある。君も問題はないな?」
「ええ、まぁ」
目的地と合ってるかどうか分からないけど、この際文句は言わない。
助けてくれただけでもありがたく思わないと。
そうして、グラハムは明らかに一人しか入れなさそうな車輪の中に入って、言った。
「さぁ、乗るがいい!」
「え……?」
いや、ど こ に?
どう考えても途中で私が振り落とされる情景しか思い浮かばない。
仮に乗れるとして、知らない男の人と肌を密着させろと?
思わず混乱して固まる私に、グラハムは言う。
「運転の実力なら安心したまえ。
これでも私はフラッグファイターだ。この程度の操縦など問題はない」
いやだから、フラッグファイターって何。
グラハムの言葉は、より一層私を混乱させただけ。更に。
「は! か! た! の! し! お!」
もっと私を混乱させる、謎の物体が現れていた。
■
ダメだこのハム…早く何とかしないと
放送を聴き終えた大河達は、予定通り地図に載っている施設を回って仲間を探すことにした。
彼が最初に目指したのは、最寄りの施設である塔。
塔には入り口が二つ存在する。キョン子が入ってきた南口と、東口だ。
当然、大河たちが入ってきたのは東口からである。
結果から言えば……それは最悪のタイミングだった。
そこではちょうど、グラハムとキョン子が逃げ出すところだったのだから。
「つまり南にある入り口の前で、文っていう子がそいつを食い止めてるんだな、AIBO」
「そういうことだ、ソルトファイター」
「く……情けねぇな。女に戦わせて俺らは逃げるしかねぇとは!」
「ああ、私もそう思うが……あいにく武器がない。
このノコギリ一本でなんとかなる相手ではないのだ」
「別に責めてるわけじゃねえさ。あんたのその女を想う気持ち、オレサマにはよく分かる!」
なぜか異様に相性ばっちりな塩とグラハムと、
「いや……塩が動いていることに突っ込もうよ……」
「私も最初そう思ったけど、考えるだけ無駄よきっと」
常識的に考えるしか出来ない女性二人。
とはいえこの場においてもっとも統率力があるのは、オーバーフラッグス隊隊長であるグラハムだ。
当然、話を進めるのは彼の役割となる。
「ともかく、現状は先ほどまでに述べた通り。そちら側に何か武器はないか?」
「さっき言った通り、オレサマにある武器はバンパーだけだな」
「剣と弓なら……」
ち、とグラハムが舌打ちする。
今ここにいる人間は全員一般人だし、塩に関しては人間ですらない。
そんな面子が剣や弓でバルバトスに立ち向かえば、文の足を引っ張るだけだ。
「やはり退くしかなさそうだな。
とはいえ、このD−ホイールに乗れるのは二人が限界だ。
残りは走ってもらうことになるが……」
「いや、だから、二人乗りも無理じゃないんですか?」
「それに関しては経験済みだ、問題はない」
グラハムの言葉に、キョン子は黙り込んだ。もっとも、彼女を黙らせたのはその言葉ではない。
南口から響く、大きな音。それを聞いて、贅沢を言っていられる場合ではないと実感したのである。
「悪いがキョン子は疲労している。D−ホイールに乗せるのは彼女だ。
塩とタイガは、徒歩で私達を追ってもらうことになるが」
「ちゃんと徐行してよ」
「善処しよう」
キョン子が抱っこされる形で乗ると共に、D−ホイールが走り出した。
そのあとを追う形で大河と塩が走る。
室内でよく走らせられるなぁと大河とキョン子は感心したり呆れたりしたが、口には出さない。
まもなく東口が見えてくるというところで……突如、D−ホイールが止まった。
急停止であわや事故りかけた大河が吼えて、
「ちょ、ちょっと! いきなり止まったら危な……」
「……前だ」
「え、前?」
グラハムの言葉に釣られて、前を見る。キョン子が唾を飲む音を聞きながら。
東口に立ちふさがっていたのは、怪物。
片目は潰れて血に塗れ、全身には謎の粉がかかっている、スプーの姿だった。
「きゃああああああああああああ!?」
「チィッ!」
「トラップ発動!」
大河の悲鳴に反応して襲い掛かってきたスプーに対し、グラハムと塩は同時に反応した。
素早くD−ホイールを反転させて後退し、その攻撃を回避したグラハム。
バンパーを投擲……いやもうどうやったのかは分からないが飛ばしてスプーに命中させた塩。
ぶつかったバンパーはその場に留まって防護壁の役割を果たし、スプーの進行を食い止める。
……だが、それも少しの間だけ。そして、バンパーが与えるダメージはごく少量だ。
「キョン子、Dホイールから降りろ!
タイガ、私に弓を貸せ!」
「え? あんた、弓使ったことが」
「ない。だが訓練を受けている分、君たちに使わせるよりは当たるはずだ。早く渡せ!」
「は、はい!」
真剣極まりないグラハムの声の調子に、慌てて大河は弓を引っ張り出して手渡した。
付属の矢は20本。それなりには撃てるが、無限と言うわけでもない。
脇では伯方の塩が、再びバンパーを飛ばす機会を窺っている。
入り口は南口と東口の二つだけ。そして、それは両方とも塞がっている。
三つのバンパーだけが、退路のない彼らを守る唯一の物体だった。
■
キーボードが振るわれる。
それを紙一重で避けて、私は相手の懐へと潜り込んだ。
「……いっけぇっ!」
柄にもなく気合を入れて、剣を振るう。
大岩だって豆腐みたいに切断できる勢いで振るった剣は、だけど。
「ポイゾニック・フィールドォォォオオオオウ!」
「ッ……!」
止まる。いや、止めるしかなかった。
声と共に相手の足元に広がった魔法陣を見て、とっさに私は下がる。
相手の魔法は知らないものばっかりだ。
未知の魔法陣に無闇に飛び込むなんて、それこそ自殺行為。
しかもこれ、いかにも毒っぽい名前だし……なにが術に頼るな、だ。
当の本人が頼りまくってるんじゃない!
「……ハァ、ハァ」
追い詰めた敵から一足で間合いを外して、呼吸を整える。
それに対して、バルバトスは慌てた風もなく泳いでいた体勢を戻した。
そこに疲労はない……否、あったとしてもたぶん感じないんだろう。
本物の鬼だってここまでじゃないと思えるくらいのバトルマニアだ。
しかも、その耐久力は明らかに私より上だった。
さっきみたいに追い詰めたことも一度や二度じゃない。
バルバトスの体にはもう無数の傷がついている。それなのに、こいつはそれを意に介していない。
人間とは思えない、異様な耐久力。
それこそ剣が真っ向から突き刺さっても、すぐ復帰してきそうだと思えるくらいに。
そして――決して怯まないバルバトスは、追い詰めてもその旅に魔法を駆使して窮地を脱してきた。
闇の波動、重力操作、炎の隕石……それらに阻まれ、好機は全てとどめを刺せずに終わっている。
術に頼るなと言いたいのは私のほうだ。私が風で攻撃しようとすると速攻で妨害してくる癖に……
「くくく……後ろが気になるか?」
バルバトスの言葉に舌打ちした。
塔の中から派手に響いてきた悲鳴。私達にも聴こえるくらいに。
それは明らかに、グラハムさん達も襲われていることを意味する。
だから、足を止めて戦う不得意な戦い方を選んだ。けどそれも限界。
正直なところさっさと逃げ出したいけど……それにしたって、相手の隙を探さないと。
「別に。
他人の心配より、貴方自身の命の心配をしたらどうですか?」
「減らず口を叩く余力は残っていたか……それでこそ、それでこそだ!」
安い挑発程度じゃ、隙は作れないか。
そう思う私を余所にバルバトスは左手を掲げ、そして。
「破滅のォ……グラァンバニッシュ!!!」
「ッ……!」
とっさに魔力の流れを感知して、飛ぶ。
さっきまで私がいた地面が、噴火した。
それを避けたからって安心している暇はない。目前では、更に。
「ヘルヒートォ、シリングフォオオオル、ネガティブゲイトォ、バァアアンストライク!!」
その隙に、叫び声と共に更に放たれる魔法――!
左から追尾してくる炎弾、
右に凝縮される闇の魔力、
上から降って来る岩の塊、
更に目前から降って来る隕石群!
「くっ……!」
風で炎弾を相殺し、急降下して闇の魔力を回避、更に岩の塊を剣でいなして、
隕石が当たる直前で塔の南口へバックステップ、そのまま廊下に転がり込んで避ける。
自分でも信じられないくらいの超反応……それでも、逃げ出すことなんてできなかった。
位置が最悪だった。後ろに塔がなかったら、そのまま飛んで逃げ切れていたはずだ。
だけど……さっきまでいた位置で後ろに下がるということは、塔の中に入るってこと。
もう、飛んで逃げることはできない――!
「は――くぅ!」
呼吸を乱しながらも、なんとか無理をした体勢を立て直す。
――そこで、最悪の展開が、見えた。
「さぁ、貴様に死をくれてやる! 骨まで砕けろォ――」
バルバトスが、塔の南口に立って構えている。
そこにあるのは、あの女の子にレーザーを放った時とよく似た濃密の魔力の流れ。
塔の入り口ごと吹き飛ばしてやると言わんばかりの、大技の準備――!
「この……!」
破滅のグランバニッシュきたwww
何かを考える暇もなく、宝剣に霊力を流し込む。流し込んでから、思いついた。
私が使うスペルカードに、天狗道の開風というスペルがある。
だけどスペルカードルールが作られる前は、風を操る能力を使ってこなかったわけじゃない。
基本的に得意とする能力使用のカタチをスペルカード用に調節して、名前を付けただけだ。
運命だの死だのを操るのよりは、私の能力は簡単に転用できるものだったし……だから。
「……天狗道の」
今ここで――スペルカードを逆に実戦用の技として転用する!
実戦用の調整なんて簡単だ。弾幕の芸術性を排して、相手が死ぬよう手加減しないだけでいい。
何より……この極限状況下で、とっさに思いついた攻撃手段はこれしかない――!
「開風――!!!」
「――ジェノサイドブレイブルァァアアアアアアア!!!」
全速で霊力を満たして振り下ろす。
相手が放ったレーザーに、できる限りの最大出力で対抗し――
■
658 :
Classical名無しさん:09/03/08 14:11 ID:duBNdBkA
熱いwww
「コロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロス」
呪詛を撒き散らしながら怪物が突進する。同時に、三個目となるバンパーがその目前に飛んできた。
最早何度目か分からない弾き返し。吹き飛んだスプーへ、グラハムは弓を構え……
それは皮を掠めるだけに終わった。
「ちょ、ちょっと、ちゃんと当ててよ!」
「……無茶だと思うわ」
半分パニックを起こしかけている大河へ、キョン子が冷静に言葉を掛ける。
消費した矢の数は既に十本。だが、その命中率は5割を切っている。致命傷に至ってはゼロだ。
もっとも数本当たっただけでも、十分褒められていいだろうが。
「悪いがこれでバンパーは最後だぜ! どうするよAIBO!」
「タイガ、キョン子、二人とも武器を構えてくれ。
どうやら接近戦を避けられる状況ではないようだ」
「わ、分かりました」
「…………」
震えながらもなんとかノコギリを構えるキョン子と、言葉を返す余裕もない大河。
なんだかんだで色んな体験をしているキョン子と、
普通の学生生活を送っていた大河の差が如実に出ている。
同時に……文とバルバトスの放った攻撃のぶつかり合いが、塔を振るわせ始めた。
「え、なに、なにこれ、地震!?」
「……援軍が頼める状況でもないようだな」
苦々しい顔でグラハムが弓を放つ。それはスプーの顎に刺さったが……それでもスプーは退かない。
ろくに視界のないスプーは突進を繰り返し、その度にバンパーに弾かれる。
そして、最後のバンパーが点滅し始める。それを見て、塩は決断した。
「バンパーが消えたら、オレサマが隙を作る。
その隙に奴を攻撃してくれ――オレサマがどんなことになろうとも、だ」
■
竜巻とレーザーが爆ぜる。風と熱が荒れ狂う。
塔の外と中から撃ち出されたそれらは、容易く塔の南口を埋め尽くすほどの規模だった。
その均衡から生まれる余波が、塔を揺るがすほどに。
――だが。
「くっ……!」
「フハハハハハハハハハハハハハ!」
均衡が崩れ始める。当然だ。
文の手元に、普段使っている葉団扇はない。
ならば、その風を起こす力が弱まるのは自然。
今放った天狗道の開風がスペルカードとしての「天狗道の開風」を遥かに上回るものだとしても。
バルバトスの切り札たるジェノサイドブレイバーには及ばない。
少し考えれば、文にも分かることだ。
大河だって木刀があればきっと…無理か
「お前は俺の最高の玩具だったぜぇぇぇぇえええ!!!」
バルバトスに容赦はない。もはや、十分すぎるほどに文には楽しませてもらった。
あとは相手を消滅させるだけ。
その言葉から数秒後、死をくれてやるとの言葉通りジェノサイドブレイバーは竜巻をねじ伏せ――
竜巻が作った隙を突いて回避した文が、光線と天井の僅かな境界を飛行していた。
「なにいいいいいいいいいいいいいい!?」
「疾走――」
天狗道の開風でジェノサイドブレイバーには敵わない。文にもそんなことは分かっている。
だが相殺とはいかないまでも、天狗道の開風でジェノサイドブレイバーは弱まった。
細くなったレーザーと天井の間に生まれた、僅かな隙間。
そこを文はグレイズしながら、バルバトスへと突進する!
「ち、ちくしょおおおおおおおおおおおお!!!」
「――風靡ッ!!!」
相手に回避させる暇さえ与えず。
強烈な体当たりを、文はバルバトスへ叩き込んだ。
■
塩の言葉に対する、三人の対応はバラバラだった。
ただでさえパニック寸前の大河はろくに理解できていない。
怯えているが、なんとか気持ちを落ち着けているキョン子はこれがいわゆる死亡フラグだと理解し。
冷静なグラハムは、その覚悟を読み取った。
「相棒――ティガーのことを頼みたいんだが。
同じ愛に生きる男としてな」
だからこそ、塩はグラハムに声を掛けた。この状況でもっとも頼れる男として。
「あいにくだが、私には先着がいる。愛を捧げる相手がな。
命を懸ける相手が他にいる以上、この殺し合いにおいて最後まで守り通すというのは約束できん。
――だが、この塔から彼女を無事に脱出させることは宣誓しよう。
タイガ、剣を借りるぞ」
「え――二人とも、何を……」
「へ……十分だ!」
状況を把握できていない大河を余所に、塩が身構えグラハムはD−ホイールに再搭乗する。
そして、彼らの後方をレーザーが走り抜けた瞬間――バンパーが消え。
「コロス!」
「うらああああああああああああ!」
スプーが突進するより先に、塩が進み出た。
「な、アンタ何やって……」
「危ない!」
665 :
Classical名無しさん:09/03/08 14:16 ID:duBNdBkA
666 :
Classical名無しさん:09/03/08 14:16 ID:duBNdBkA
塩…お前…時間稼ぎになるのか?
668 :
Classical名無しさん:09/03/08 14:17 ID:duBNdBkA
制止しようとした大河を、慌ててキョン子が止める。
大幅に減った視界で、スプーは塩の存在を視認した。
腕が振るわれる。
文に遠く及ばないとは言え、一般人には反応もできない速度のそれを避けられるはずもない。
引き裂かれた塩の袋から、中身が漏れ出した。だが、彼は臆さずに。
「は! か! た! の! し! お! とくと味わいなぁ!」
自分から、スプーの口内へと飛び込んだ。
「バ、バカ――!」
「だから、危ないってば……!」
再び飛び出そうとした大河を、キョン子は引きずられながらもなんとか押さえ込む。
スプーの口の中で、大量に撒き散らされる塩。いきなり広がった塩味にスプーは混乱し……
知らず知らずのうちに噛み砕いてしまった首輪が、その口の中で爆発した。
「!!!!!!?????」
「もらった!」
スプーが表現しようのない叫び声を上げるとともに、同時にスプー目掛けて走り出すD−ホイール。
潰れた片目。そして、粉が入ったもう片方の目。それがスプーの反応を遅らせる!
「人呼んで――グラハム・スペシャル!!!」
スプーの真正面から、速度を緩めずにD−ホイールはぶつかった。
容易く轢き潰されるスプー。
だがそれでも怪物としての生命力ゆえなのか、潰されながらもスプーは腕を伸ばそうとし……
グラハムが振り下ろした剣に残りの目を貫かれ、その命を終えていた。
670 :
Classical名無しさん:09/03/08 14:17 ID:duBNdBkA
671 :
Classical名無しさん:09/03/08 14:17 ID:duBNdBkA
「いたっ……!」
自分でも疾走風靡の勢いを殺しきれず、床に衝突する。
慌てて顔を上げると……バルバトスが塔の外へ盛大に吹き飛んでいるのが私にも見えた。
……教訓。弾幕はともかく突進系の技は自分も痛くなるから、転用する時もある程度加減しよう。
とは言っても、それだけの威力で打ち込んだんだからさすがにバルバトスにも効いたと思う。
だけどそれを確認しようとする先に……天井からパラパラと埃が落ちてきているのに気付いた。
「…………やば!!」
慌てて後ろ……つまり塔の中へ跳ぶ。
同時に入り口と周辺廊下の天井が派手に崩落し始めた。瓦礫を避けながら慌てて走る。
なんとか安全地帯まで逃げ込む頃には、入り口は完全に塞がってしまった。
まああれだけ派手に撃ち合ったんだから当然だけど……
いくら私でも、これを吹き飛ばすのはかなり手間が掛かりそうだ。
とはいえ、これで戦いは終わり……じゃなかった。まだグラハムさんたちが戦っているかも。
色んな意味でため息を吐きかけて……
「――ぶるあああああああああああああああ!」
「冗談でしょ……」
崩れた入り口の向こうで、バルバトスが吼えているのを聞いた。
本当に、冗談としか思えない。気絶すらしてない。
それどころか崩落した入り口を吹き飛ばして再突入しかねないくらいの勢いだ。
ブロリーよりはマシだけど、こいつもだいぶおかしい。
「……さっさと逃げよっと」
そう決めて180°ターン。このままならなんとか勝てそうだけど、これ以上力を使うのは御免だし。
呂布あたりと相打ちになってくれれば嬉しいことこの上ない。
そう思って気を抜いた瞬間――ふらりと来た。
「つ……ちょっとまずいわね。
お腹は痛いし霊力は消費し過ぎたし。休まないと……」
バルバトスの馬鹿力を受け止めすぎて、腕は結構負担が来ている。
直撃を貰った脇腹は痛むし、服も結構ボロボロだし。胸はまだ隠れてるけど。
究極のコッペパンで回復しないと危険な重傷ってわけでもないけど、すぐ治るような軽傷でもない。
なんとか気を張ってきっちり歩くこと数分、東口でなにやら諍いが起きているのが目に入った。
■
「く、くくくく……はははははははは!!!」
崩れた入り口の前に座り込み、バルバトスは笑っていた。
血まみれになったその左腕は、だらりとぶら下げられている。
文の疾走風靡を受ける際、とっさに盾にして受け止めたのだ。
故に体そのものへのダメージは抑えられたが……代償として、左腕が終わっていた。
診断するまでもなく分かる粉砕骨折。
素早く右腕でキーボードのコードを引きちぎり、左腕に巻きつける。
これで止血はできるだろうが……恐らく、二度と左腕は動くまい。
しかし、バルバトスにとってそんなことはどうでもいいことだ。
「アレックスは生きていた……ならば! あの女も確実に生きている……」
そう呟くと共に、高笑いを上げる。痛みを興奮が凌駕している。
この場にはどれほどの数の強者が、英雄が集まっているというのか。主催者には本当に感謝したい。
この会場は、まさしくバルバトスにとって最高のおもちゃなのだ。
ひとしきり笑った後、バルバトスはその場に大の字となった。
恐ろしいほどの耐久力を持つ彼でも、この戦いのダメージは大きい。
少しばかり休む必要があるだろう。
「くく、そろそろタミフルの出番かもしれんな……」
あの薬を思い出し、バルバトスはにやりと笑っていた。
【C-2 塔南口前/一日目 朝】
【バルバトス・ゲーティア@テイルズシリーズ】
[状態]重度の疲労、全身に中度の打撲と切り傷、左腕粉砕骨折
[装備]キーボード(コードなし)@キーボードクラッシャー
[道具]基本支給品、メロン(1/2)@現実、タミフル@現実
[思考・状況]
1:少し休憩。
2:強い相手を探し出し、殺す。
その邪魔をするやつも殺す。
3:文やアレックスとは是非ケリをつけたい。
■
「あんた分かってたんでしょ! 何で止めなかったのよ!!!」
「分かっていたから止めなかった。彼の意思を尊重してな」
戦いは終わった。犠牲を遺して。
納得できない大河が虎のごとき威勢でグラハムに詰め寄る。
グラハムに納得できていないわけではない。納得できないのは、現実。
はっきり言って、八つ当たりができればそれでよかった。
それが分かっているから、グラハムは彼女の勢いをいなすことに留めている。
「あんたなんかにあいつの何が分かるの……!?」
「分かるとも、だから漢として認め宣誓した」
「……いや、そもそも塩に性別ってあるの?」
キョン子の極めてまともな突っ込みはスルーされた。
文が戻ってきたのは、そんな時だ。
676 :
Classical名無しさん:09/03/08 14:19 ID:duBNdBkA
677 :
Classical名無しさん:09/03/08 14:19 ID:duBNdBkA
「何かあったんですか? というか、その子誰?」
「タイガだ。漢の誓いによりこの塔から無事に脱出させることになった」
「……はぁ」
グラハムの言葉を適当に聞く文。もう彼女にグラハム語は慣れっこである。
「それより、そちらはどうだ? 倒せたのか?」
「足止めは出来たけど、いつ入ってくるか分からないわ。
すぐここから離れたほうがいいと思う」
「分かった、すぐ出発を……」
「ちょっと待ってよ!」
まだ暴れている大河に、文は冷たい目を向けた。
彼女はこの場でもっとも理性的に考えている。考えているから、大河がバカにしか見えない。
「別に死にたいって言うんなら残ればいいんじゃないですか? 放っておきましょうよ」
「断る。私は伯方の塩に宣誓したのだよ」
「……状況がよく分からないけど、塩なんかで命に関わる議論してる暇ないんじゃないかしら」
「塩なんかって言うなぁ!!!」
文の言葉を聞いて、逆ギレした大河が殴りかかる。
普段の文ならあっさりかわせたそれは――綺麗に額に直撃し、彼女をダウンさせた。
「あ、文さん!?」
「え、え、う、嘘……!」
ぶっ倒れた文を見て、キョン子と大河が混乱する。
特に殴った本人である大河は、完全にパニック状態だった。
まさか、自分が人を殺したのではないか、そんな不安に駆られて。
素早くグラハムが駆け寄り、その体を調べる。セクハラではない。
キョン子wじじゅうしろww
680 :
Classical名無しさん:09/03/08 14:20 ID:duBNdBkA
681 :
Classical名無しさん:09/03/08 14:20 ID:duBNdBkA
682 :
Classical名無しさん:09/03/08 14:20 ID:duBNdBkA
「……どうやら、君の拳でダウンするほど消耗していたらしいな。
呼吸もしているし脈も問題ない。気絶……というよりは、疲れて眠っているだけのようだ。
行くぞ」
文を抱えて、D−ホイールに乗り込むグラハム。
まだ文句を言おうとする大河を、彼はいつになく厳しい目で睨みつけた。
「塔を出た後君が私たちと別れるというならば、私には関係のないことだ。
もともと私が同行していたのは、射命丸だけなのだからな。
だがこの塔内で君が死ぬのは、君は満足しようともあの塩と私が許さん」
そう言うと、塩のデイパックと剣をグラハムは大河に投げてD−ホイールを走らせ始める。
女性でも走れば追いつける程度の緩いスピードだ。
キョン子は多少迷ったものの、大河を一度見つめた後それを追い始めた。
大河はしばらくスプーの遺体から零れている塩を見つめていたが……
南口から聞こえてくるバルバトスの笑い声に急かされるように、涙をぬぐって走り出す。
「……ありがと、相棒」
最後に一言だけ、そう残して。
【C-2 塔東口/一日目・朝】
【キョン子@涼宮ハルヒコの憂鬱】
[状態]:健康
[装備]:DMカード【ユベル】@遊戯王デュエルモンスターズ (使用可能まで8時間)、
言葉のノコギリ(レザーソー)@school days
[道具]:支給品一式、長門有希のギター、Ipod(少佐の演説の音声入り)@HELLSING
[思考・状況]
1:殺し合いには乗らない
2:とりあえず文さんたちと一緒に行く
3:町へ行きたいけど贅沢は言わない。
4:異世界という確信を得るため情報を得る。
5:生きて帰りたい
6:ユベルはなんで放送のこと知ってるの?
【ユベルの思考・状況】
1:大好きだよ、十代……
2:十代に会うためこの世界を『愛』(苦しみと悲しみ)で満たす。
3:そのために女(キョン子)を利用し、痛みと苦しみを味あわせる。
4:彼女も誰かを愛しているのかな……?フフフ……
[備考]
※ 制限によりユベルは参加者の体を乗っ取ることができません。
※ 参加者との会話はできますが、自分からの実体化はできません。
※ バトルロワイアルの会場を異世界の一つだと思っています。
※ 自身の効果以外で破壊された時、第2形態、第3形態に進化できるかは不明
【逢坂大河@とらドラ!】
[状態]:健康、死への恐怖
[装備]:バスタードチルノソード@東方project派生
[道具]:支給品一式×2、しじみ@松岡修造、ハロー大豆3パック@かんなぎ、
もやし3パック@THE IDOLM@STER、ケフィア(瓶)@現実、ランダム支給品(0〜2)
[思考・状況]
0:殺し合いをせずに脱出する。
1:とにかく頑張る。
2:塩……
3:とりあえずグラハムを追う。
※塩の言葉により死への恐怖を克服したわけではありませんが、だいぶ感じなくなりました。 また、吐き気はおさまりました。
【グラハム・エーカー@機動戦士ガンダム00】
[状態]:ほっぺたにビンタ痕
[装備]:ハネクリボー@遊戯王GX(使用可能まで6時間)、養由基の弓@三国志\(矢残り8本)
[道具]:支給品一式(一食分食糧と水消費)、ホイールオブフォーチュン@遊戯王5D's
[思考・状況]
1.フラッグ(文)に惚れた
2.フラッグを守る
3.ひとまずここから離れる
※参戦時期は一期終了後(刹那のエクシアと相討ちになった後)。
686 :
Classical名無しさん:09/03/08 14:21 ID:duBNdBkA
【射命丸文@東方project】
[状態]:睡眠中、疲労大、脇腹に中程度のダメージ、両腕に軽い負担、服がボロボロ
[装備]:七星宝剣@三国志\
[道具]:支給品一式(一食分食糧と水消費)、究極のコッペパン@ニコニコRPG
[思考・状況]基本:一番大事なのは自分の命、次がチルノさん。後はどうでもいい。
1.情報収集。自己保身を優先する。特に究極のコッペパンは絶対に自分で食べる。
2.主催者の方が強そうだったら優勝狙い、脱出できそうなら脱出狙い。それまでは1に徹する。
少なくとも人数が半分以下になるまでは立場を確定させない。
3.優勝狙いが確定しない限りグラハムと一緒にいてやる(ただし優勝狙いに決めたら速攻で殺す)。
4.ブロリーと出会ったら何を犠牲にしても全力で逃げる。
5.呂布、バルバトスを警戒。
【伯方の塩@伯方の塩 死亡】
【スプー@おかあさんといっしょ 死亡】
688 :
Classical名無しさん:09/03/08 14:22 ID:duBNdBkA
689 :
Classical名無しさん:09/03/08 14:22 ID:duBNdBkA
690 :
Classical名無しさん:09/03/08 14:22 ID:duBNdBkA
691 :
Classical名無しさん:09/03/08 14:22 ID:duBNdBkA
692 :
Classical名無しさん:09/03/08 14:22 ID:duBNdBkA
693 :
Classical名無しさん:09/03/08 14:22 ID:duBNdBkA
694 :
Classical名無しさん:09/03/08 14:22 ID:duBNdBkA
696 :
Classical名無しさん:09/03/08 14:22 ID:duBNdBkA
697 :
Classical名無しさん:09/03/08 14:23 ID:duBNdBkA
おつおつ
いいバトルだった
塩も最期に見せ場があってよかったな……
699 :
Classical名無しさん:09/03/08 14:26 ID:duBNdBkA
投下乙!
伯方…格好良すぎるだろ常識的に考えて
若本VS文も燃えた!大河とキョン子もこれからに期待するし、グラハムは相変わらずだw
…スプー?誰ですそいつは?
701 :
Classical名無しさん:09/03/08 14:31 ID:duBNdBkA
702 :
Classical名無しさん:09/03/08 14:31 ID:duBNdBkA
703 :
Classical名無しさん:09/03/08 14:32 ID:duBNdBkA
704 :
Classical名無しさん:09/03/08 14:35 ID:duBNdBkA
705 :
Classical名無しさん:09/03/08 14:35 ID:duBNdBkA
706 :
Classical名無しさん:09/03/08 14:35 ID:duBNdBkA
707 :
Classical名無しさん:09/03/08 14:36 ID:duBNdBkA
投下乙です
なんつー熱いバトルだ…バルバトスの声が完璧に若本で再生されるw
そして塩…男前だったよ…
ハムもキョン子もいい味だしてました
しかしスプー……死んじゃったか……
ひそかに救済プロットを考えてた自分は涙目なのでした
709 :
Classical名無しさん:09/03/08 14:42 ID:duBNdBkA
710 :
Classical名無しさん:09/03/08 14:42 ID:duBNdBkA
711 :
Classical名無しさん:09/03/08 14:42 ID:duBNdBkA
712 :
Classical名無しさん:09/03/08 14:42 ID:duBNdBkA
次スレの時期か
714 :
Classical名無しさん:09/03/08 14:47 ID:duBNdBkA
715 :
Classical名無しさん:09/03/08 14:47 ID:duBNdBkA
716 :
Classical名無しさん:09/03/08 14:47 ID:duBNdBkA
717 :
Classical名無しさん:09/03/08 14:48 ID:duBNdBkA
718 :
Classical名無しさん:09/03/08 14:48 ID:duBNdBkA
719 :
Classical名無しさん:09/03/08 14:48 ID:duBNdBkA
720 :
Classical名無しさん:09/03/08 14:48 ID:duBNdBkA
721 :
Classical名無しさん:09/03/08 14:49 ID:duBNdBkA
722 :
Classical名無しさん:09/03/08 14:49 ID:duBNdBkA
724 :
Classical名無しさん:09/03/08 14:53 ID:duBNdBkA
725 :
Classical名無しさん:09/03/08 14:53 ID:duBNdBkA
726 :
Classical名無しさん:09/03/08 14:53 ID:duBNdBkA
727 :
Classical名無しさん:09/03/08 14:53 ID:duBNdBkA
728 :
Classical名無しさん:09/03/08 14:53 ID:duBNdBkA
729 :
Classical名無しさん:09/03/08 14:53 ID:duBNdBkA
730 :
Classical名無しさん:09/03/08 14:57 ID:duBNdBkA
731 :
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Classical名無しさん:09/03/08 14:59 ID:duBNdBkA
なんじゃこりゃ!!??
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Classical名無しさん:09/03/08 15:03 ID:duBNdBkA
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Classical名無しさん: