【基本ルール】
全員で殺し合いをしてもらい、最後まで生き残った一人が勝者となる
生き残った一人だけが、
元の世界に帰ることができるのと、
望んだ願いを叶えることができる
ゲームに参加するプレイヤー間でのやりとりに反則はない
ゲーム開始時、プレイヤーはスタート地点からテレポートさせられMAP上にバラバラに配置される
【主催者】
マルク@星のカービィシリーズ
ピエモン@デジモンアドベンチャー
その他に部下としてイビルモン、レッドベジーモン、ハグルモン他多数のデジモン勢と
パタ、ダクーガ、ボルムがいる
プレイヤー全員が死亡した場合、ゲームオーバー(勝者なし)となる
【スタート時の持ち物】
プレイヤーがあらかじめ所有していた武器、装備品、所持品は全て没収
(義手など体と一体化している武器、装置はその限りではない)
【ステータス】
投下の最後にその話しに登場したキャラクターの状態・持ち物・行動指針などを表す
ステータスを書いてください。
テンプレはこちら。
【地名/○○日目・時間(深夜・早朝・昼間など)】
【キャラクター名@出典作品】
[状態]:(ダメージの具合・動揺、激怒等精神的なこともここ)
[装備]:(武器・あるいは防具として扱えるものはここ)
[道具]:(ランタンやパソコン、治療道具・食料といった武器ではないが便利なものはここ)
[思考・状況](ゲームを脱出・ゲームに乗る・○○を殺す・○○を探す・○○と合流など。
複数可、書くときは優先順位の高い順に)
【予約について】
キャラの予約は基本的には3日
申請があれば2日くらいは延長するかもです
【作中での時間表記】
深夜:0〜2
黎明:2〜4
早朝:4〜6
朝:6〜8
午前:8〜10
昼:10〜12
日中:12〜14
午後:14〜16
夕方:16〜18
夜:18〜20
夜中:20〜22
真夜中:22〜24
参加者リスト 11/75
1/7【涼宮ハルヒの憂鬱】●キョン/●谷口/●朝倉涼子/●暗黒長門(長門有希)/●キョンの妹/○涼宮ハルヒ/●古泉一樹
1/5【東方project】○博麗霊夢/●アリス・マーガトロイド/●鈴仙・優曇華院・イナバ/●伊吹萃香/●霧雨魔理沙
0/5【THE IDOLM@STER】 ●天海春香/●高槻やよい/●菊地真/●如月千早/●双海亜美
1/5【ひぐらしのなく頃に】●前原圭一/●園崎詩音/●園崎魅音/●富竹ジロウ/○竜宮レナ
0/4【ポケットモンスター】 ●ピカチュウ/●フシギダネ/●サトシ/●ピッピ(ゆびをふる)
1/4【らき☆すた】●白石みのる/○柊つかさ/●泉こなた/●柊かがみ
0/3【現実】 ●いさじ/●福山芳樹/●外山恒一
0/3【永井先生】 ●永井浩二/●永井けいこ/●永井博之
1/3【遊☆戯☆王デュエルモンスターズ】●海馬瀬人/●インセクター羽蛾/○武藤遊戯
0/3【ロックマンシリーズ】 ●ロールちゃん/●ロックマン/●エアーマン
1/2【TAS動画シリーズ】●TAS/○KAS
0/2【くそみそテクニック】 ●阿部高和/●道下正樹
0/2【新・豪血寺一族シリーズ】 ●矢部野彦麿/●琴姫
1/2【新世紀 東方三国志〜ひぐらしの憂鬱〜】●八意永琳/●ニート
0/3【デジモンアドベンチャー】 ●ゴマモン/●オメガモン/●チューモン
1/2【星のカービィ】○カービィ/●ワドルドゥ
0/2【魔法少女リリカルなのはStrikers】 ●ティアナ=ランスター/●高町なのは
1/2【ミュージカル・テニスの王子様】○日吉若/●越前リョーマ
0/1【イチローのレーザービームで地球滅亡】 ●イチロー
0/1【陰陽ファンタジーZ】 ●削除番長
0/1【自作の改造マリオを友人にプレイさせるシリーズ】 ●友人
0/1【スーパーマリオシリーズ】 ●ヨッシー
0/1【世界最強の国技SUMOU】 ●YOKODUNA
0/1【地球防衛軍3 おじいちゃんの防衛軍】 ●ストーム1
0/1【天空の城ラピュタ】 ●ムスカ
0/1【東映版スパイダーマン】 ●スパイダーマン
0/1【ドラえもんのび太のバイオハザード】 ●ドラえもん
0/1【覇王翔吼拳を使わざるをえない】 ●リョウ・サカザキ
0/1【マリア様がみてる&俺ヴォイス】 ●小笠原祥子
0/1【ローゼンメイデン】 ●水銀燈
0/4【ニコロワ運営】●マルク/●ピエモン/●コイヅカ/●アイスデビモン
一乙!支援
【死亡確認者・場所一覧表】
見せしめ 海馬モクバ
見せしめ 双海真美
午前 ???? ゆめにっき 阿部高和、伊吹萃香
深夜 A-1 祠のトイレ キョン
早朝 A-4 森(埋葬済み) ワドルドゥ、琴姫、キョンの妹
朝 B-1 草原 鈴仙・優曇華院・イナバ(消滅)、高町なのは
昼 B-2 橋の手前 柊かがみ
午後 B-2 橋の手前 菊地真
真夜中 B-2 橋の手前 ストーム1
真夜中 B-2 橋の手前 ゴマモン
深夜 B-3 山頂(埋葬済み) 白石みのる
深夜 C-1 湿原 ドラえもん
朝 C-3 北部・山の麓(埋葬済み) 福山芳樹
朝 C-3 山道脇. 暗黒長門(消滅)、朝倉涼子
夕方 C-3 北西部.洞窟 いさじ
夕方 C-3 山道東部 スパイダーマン
夜中 C-3 山道中央部・高台. ロックマン
深夜 C-3 南部 ムスカ
深夜 C-3 山・麓付近 園崎魅音
朝 D-1 城内(埋葬済み) 永井けいこ、削除番長
深夜 D-1 城内(埋葬済み) 高槻やよい、泉こなた、天海春香
早朝 D-1 城 エアーマン
深夜 D-2 草原 道下正樹
深夜 D-2 橋・付近 友人
深夜 D-2 橋・付近(埋葬) TAS、ピッピ
日中 D-2 アンダーグラウンド・サーチライト 双海亜美
日中 D-2 平地 チューモン
夕方 D-2 焼け野原 八意永琳
真夜中 クッパ城 マルク ピエモン アイスデビモン
スレ立て乙乙乙乙乙支援!
【確定参加者・場所・時間別一覧表】
真夜中 ??? 柊つかさ、竜宮レナ、日吉若、武藤遊戯
クッパ城 カービィ、博麗霊夢
夜中 クッパ城 KAS
真夜中 クッパ城外 結界内部 涼宮ハルヒ
12 :
Classical名無しさん:08/10/12 00:37 ID:3d0JhyZg
焦って少々ミスったが、興奮でミスったと解釈頼む!
そして支援だぁぁぁぁぁ
前1000がんばってね!!!
ここが最後のスレか…
いいだろう、支援だ!
前スレの最後のSS……ちょっとハルヒがかわいそうに思えてきたな……
と言うとでも思ったか?(伝説のサイヤ人風に)
がんがれ前スレ1000支援
前1000頑張れwww
ニコロワは一般参加も活躍できたからいけるかもなwww
ニコロワの思い出は億千万支援!
>>前スレ1000がβのラスボスになるとは誰が予想したのだろうか……
◆ ◆ ◆
ぼくの体は、もう今にもばらばらになりそうだった。
ドラグーンを操縦するのも片手では難しいし、目の調子も全然良くない。
ノヴァの攻撃を、どれだけ避けたかも分からない。
でも、まわりに誰も居なくなって、ぼくを待ってる声がふいに聞こえた。
ちらとハルバードの方向を見て、ぼくはノヴァの正面へと向き直った。
そして、勢いよくノヴァの中へ入った。
ノヴァの中の防衛システムが襲ってくるが、そんなものに構ってはいられなかった。
もう、その身が朽ち果ててしまわないかが心配で、操縦なんて出来やしなかった。
ぼくの視界がますます狭まる。ノヴァの心臓は見えない。
ぼくの足の感覚が無くなる、やっとノヴァの心臓が見えた。
ぼくの最後の腕がふきとぶ、ノヴァのハートへとまっすぐに飛ぶドラグーンが見えた。
ぼくに最後見えたのは、まぶしいまぶしい光だけ。
そこになにかひらひらとしたものが見えたような気がしたが、あれはいったいなんだったんだろう?
◆ ◆ ◆
前スレ
>>1000に吹いたww頑張れww
俺には後支援しか残されていない
ニコ厨参加か?それともあれか赤ベジでくるか
前スレ>>1000のニコロワβ参加が決定しました。
カービィ特攻支援
カービィ・・!支援
39 :
Classical名無しさん:08/10/12 00:44 ID:uiHHb9eE
深夜 Aブロック橋の袂にて サトシ と インセクター羽蛾が合流
ああ、β始まったら前スレ
>>1000を出してやるよ
俺は本気だぜ……
支援はまだ続く!
ノヴァがラストの障害になるとは……支援
「レナさん! もうだめです、ノヴァのエネルギーがやばいペースで増大しています。
自爆です、自爆ですよおおおおお!!!!」
「う、うわぁぁあああああああ!」
レナは、執行した。
みんなを救うためにはそれしかないと分かっていても。
カービィを見捨てて、ハルバードは飛び立った。
コックピットの光景が暗転し、強い衝撃がハルバードを襲う。
「うっ……うっ…………」
レナは泣いていた。自分の無力さを呪い、泣いた。
最高のハッピーエンド目指して最後まで打開を諦めなかった。
でも、
――私は、カービィを救えなかった。
「ちょ、レナさん、医療室もピンチです!
霊夢さんが、マジで死にそうなんです、やばいんですよおおおおお!!!」
悲しみの余韻を付く暇も無くゆとり達がコックピットルームに殺到する。
聞けば霊夢がやばいらしく、とにかく来てくれの一点張り。
「分かった、すぐ行くよ!」
涙を拭いて、レナは医療室へとすぐさま駆けつける。
だが、そこから聞こえる怒声は、仲間の命が新たに失わせようとする何かがいるとしか思えなかった。
それは、HALの残した呪いなのか。
しっかしスレの勢いマジパネェw
組曲『ニコロワ支援』
こんな展開予想してなかった
支援
カァァァァビィィィィィィィィ
なんだか前スレ
>>1000が羨ましくなってきた…ていうか嫉妬
俺も参戦させてぇぇぇぇぇ!
支援!
「おいレムー、レムー、しっかりしろおおお!!!」
「慢性的に血液が足りてません! 誰か輸血できる方はいらっしゃいませんかあああ!」
「俺の血を使え!俺の血でレムーを助けてくれ!」
「KASさん、あんたも貧血で死にそうなのに血を抜けるわけが無いでしょうがぁ!」
「頼むよ、頼むからレムーを救ってくれぇええええ!!!!!」
「呼吸に続いて再び心臓も停止しました、もうやばい、やばいです!」
「早く電気ショックをかけろ! なんとしても死なすんじゃないッ!」
壮絶な戦場医療の現場がそこにはあった。
霊夢だけではない、KASもふんじばられて医療班の手当てを受けざるを得ない。
手足を失い、KIだけで保ってきた日吉も命に関わる重傷で今は無理やり眠らされている。
手足の骨をズタズタにされ、爪を失った激痛が響くつかさも危険だ。
比較的傷の浅い遊戯も頭骨から失われた血量はかなりのものにのぼり、立っているのが精一杯だ。
医療室へとやってきたレナも、すぐさまその傷を見て入院決定といわんばかりに医療班の間を盥回しだ。
圧倒的に人手が足りないため、満足な治療を施すことが出来ない。
それでも今は、みなの善意で霊夢に医療班のスタッフほぼすべてが回されている。
みんなは霊夢の生を願った、しかしそこへ訪れるのは何もかもが絶望ばかり。
「電気ショック完了しました、反応ありません」
「馬鹿野郎! 一回で駄目なら二度でも三度でもやれぇ!」
「やってます、でも駄目です」
「駄目なんていうんじゃねぇええええ!!!」
「不味い不味い、もう本当に不味いですよぉ!?」
「日吉さんの容態が急変しています、主治医はこっちも見てやってください」
「今それどころじゃねえんだよおおお!」
「レムー、レムー! 死ぬなぁああああ! 俺を置いて死ぬなぁぁああああ!!!」
ピンクの悪魔が心配です支援
β版の前1000は特に名前をつけず名前はそのまま前1000でやろうね支援
霊夢頑張れ支援
社長の残してくれたものに
全力で期待支援
カオスwwwww
ひらひら……マント?まさかな……
カービィのターンはまだ支援してないぜ
俺らは参戦と支援を希望する!
諦めたくなかった。
でも、諦めを望む声も上がる。
救いは一つで終わらない、救うべき命はまだまだある。
だから、見捨てなきゃいけない、でも、だからって……。
焦燥する現場に何かが現れたことに、しばらくは誰も気が付かなかった。
そこから大声で注意を呼びかける声がして、ようやく皆が振り返った。
「ちょっと! ……ああ、ようやく気が付いてもらえた」
そこに現れたのは紫と白を中心としたドレスに身を包み、暢気にふよふよと浮かびながら日傘を差す少女だった。
「今忙しいんだ、後にしろ!」
「だから、本当に危なかったけど一命は取り留めたってば」
「……くどいな! ……え?」
「レムー、助かったのか。ババア教えてくれ!」
「あら嫌だ、かわいい少女に向かってババアは酷いと思わない?
でも大丈夫、霊夢はもう安心だわ、他のみんなもね」
「先生! 霊夢さんの心臓が動き出しました! 更に呼吸まで復活してます!」
「……あんた誰だ? なんでどうやって霊夢を助けた?」
「私は八雲紫、ただのスキマ妖怪ですわ。
魂が半分出ていたからそれを無理やり体に戻して生と死の境界を変更、それから再生と劣化の境界を操っただけですわ。
霊夢だけじゃなくて、そこの失礼なニコニコ男や周りにいた連中の傷もついでに直してあげたわ」
「おお、体が妙に軽い! 助かったぜばb」
「少しは学習しなさい」
突如空中から現れた墓石がKASのベッドを押しつぶし、KASは目を回して気絶してしまった。
このコマンド入力によりニコレンジャーを支☆援!
ひらひらだと?
ギャラティックノヴァの心臓部で逆回転したときぜってーかわせない所があるよね支援
カアアアアビイイイイイイイイイイ
前スレ
>>1000で笑った直後にうわああああああああん支援
ニコロワからゲスト出演枠を入れざるを得ない
ババア登場wwwwww
ゆかりんktkr!!支援!!!
「そこの医療機器の進化と退化の境界も弄っておいたし、手足と体の境界を操ってちぎれた腕も元通りにしておいたわ。
だから、後の治療はそこの偉い先生方に任せるわね」
紫は空中から優雅に身を下ろすと、スタスタとコックピットの方へと向かっていった。
何にせよ自分の体の欠損が元通りになっていることを確認したレナは、再びコックピットの元へと戻る。
コックピットでは、紫が何やら計器を弄り、当ても無く巡航していたハルバードの方向転換を行っていた。
そこへレナが近寄り、紫に言葉をぽつぽつと漏らした。
「……あなたは一体何者ですか?」
「あそこにいた霊夢の知り合いといえばいいかしら?」
「どうして、どうやって助けてくれたんです?」
「私は元々この異変を解決するべく虱潰しに世界という世界を探索していた。
そこへたまたま貴方達がやってきて、私はそこへ当ても無く乗り込んだに過ぎませんわ
最も、あっちの世界にもちょっと必要な忘れ物があって、その回収を先にしていたから治療が遅れて冷や冷やとしたのですけれどね。
あんなに焦ったのは、本当に何百年ぶりかでびっくりしましたわ」
「……向こうの世界で、ピンクの丸い生き物は居ませんでしたか?」
「駄目ね、全てが木っ端微塵に破壊されてて、私の探し物と幾つかの残骸以外は何もありませんでしたわ。
残骸でしたら、ここにあるのですけれどね。」
コックピットの天上に穴が開き、そこから黒く灰を被った、山が現れた。
レナは一縷の希望に賭け、その山の中にある何かを探していた。
そして、あるものを手にとって、レナの手が止まった。
「おいレナ、それにゆかりん!」
KASを先頭に、日吉、遊戯、つかさがコックピットへと到着した。
残骸の山で停滞していたレナは、キラキラと光る何かを皆に見せる。
ゆかりんktkr支援
ちょwwwwwwwwwwゆかりんwwwwwwwwwwwwww
流れを壊すようだがKASって入れられたKIが切れたら死ぬのか?支援
ババア結婚してくれ!支援
カービィィィィ!!良かった…
GJ!!ばb(スキマ
ババアきたああああ!!!
「ドラグーンのパーツ?」
「おいレナ、まさか……」
「そうカービィは……」
「もう言わないでくれっていう、レナ……」
カービィは死んだ、もう二度と戻らない。
ボロボロに割れ、欠けてしまい、色あせてなお残るドラグーンの欠片が、それを残酷に示していた。
希望はあった、誰もカービィの死に目を見ていない。
もしかしたら、ドラグーンの力でカービィが助かったかもしれないと夢想することも出来たもしれなかった。
レナが見つけたそれがある限り、助かる可能性は、一つも無いのだ。
「……悲しんでいる所で悪いんだけど、火急のようだからまずは貴方達の世界より先に幻想郷へと戻らせてもらうわね」
「どうぞ、好きにしてください」
「あらあら、幻想郷についてもそんな顔をしていたら笑われますわよ。
幻想郷は、喜びも悲しみも、生人も死者も、人間も妖怪さえも、全てを受け入れるのよ。
貴方達が望んでも適える事が出来ない幻想も、残酷にもそこにあるのですわ」
もしも死後の世界があるとしたら、そこでカービィやみんなに会う事は出来るだろうか。
レナは思った、もしかしたら会いたかったみんなに、会えるかもしれないと。
巡航中のハルバードは、つつがなく幻想郷に到達した。
ハルバードから見下ろす景色は、青く茂る木々と、悠々とした山々、キラキラと光る清流、澄み渡る雲ひとつ無い青空。
残酷にも失われた日本の原風景が、見渡す限りに広がっていた。
レナが、日吉が、つかさが、遊戯が、KASが、遅れてようやく目を覚ました霊夢が、幻想郷の博霊神社跡に到着した。
スキマ妖怪来たー!支援
ババアwww
スキマ様!!
(罪)<ゆかりん!ゆかりんじゃないか!
ゆかりんきたあああああ支援
紫ババアがすべて解決とはwwww支援
ババアwww支援
( 罪)<ゆかりんときいて支援
「カービィに、それにみんなッ! 私達はちゃんと運命を打開したよ!」
幻想郷に昇る太陽は、辛く悲しい運命を乗り越えた少数派達に、ニコニコと笑いかけていた。
【涼宮ハルヒ@涼宮ハルヒの憂鬱 死亡】
【カービィ@星のカービィ 死亡】
【ヲタチ@ポケットモンスター 死亡】
【ノヴァ@星のカービィ 完全破壊】
※レイジングハートのAIは完全に破壊されました。
※ハルヒのディパックはレナが回収しました。
【博霊霊夢@東方Project】
【竜宮レナ@ひぐらしのなく頃に】
【柊つかさ@らき☆すた】
【武藤遊戯@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ】
【KAS@KAS動画シリーズ】
【日吉若@ミュージカル・テニスの王子様】
【以上六名、ニコニコ動画バトルロワイヤルより生還】
【――To be continued】
かっわいいよかっわいいよ、しえ支援!
もうだめだww腹筋が崩壊するww支援
カービィ……
ゆかーりんりーんかわいいゆーかりん
ゆかりんは少女臭だって言ってんだろダラズ!!
続くだと…?
カービィ生還メンバーからハブられちゃった…
なんという超展開w支援
遊戯影薄くね?支援
続く・・・だと・・・?
終わった・・・・・・の、か?
>【――To be continued】
なん・・・だと・・・?
続きはエピローグで、ってことか?
カービィが・・・支援
終わった……何もかもが…
え?終わり?本当に?
ピンクの悪魔ああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
生還6名か……
エピローグ……か?
幸せは〜失って〜気づいて初めて〜♪
ってなわけでニコニコ動画バトルロワイヤルはこれにて完結です。
と言いたい所ですが、もうちょっとだけ続きます。
色々ありましたが、たくさんの温かい支援、感謝感激雨霰でございます。
疑問点や修正点などは、本筋に影響ない範囲で補足したり修正したいと思います。
まだニコロワのたーんはしししし支援
エピもブッとおしか?
まぁ、宴会あるしねぇ
カービィが・・・ちょっとスマブラやってくるかな・・・
ニコロワ\(^o^)/オワタ
ちょっとファルコンパーン見てくる・・・
ED曲
smile/Aice5
支援
112 :
Classical名無しさん:08/10/12 00:53 ID:x/LP1P8c
終わったのか・・
まさかレナとつかさが生還するとは思いませんでした
やったぜ!エピもあるようだ支援
投下乙!!
いやぁ、こんなに盛況で始まって完結したロワは初めてだ
ああ、俺は今、モーレツに感動している!!
お疲れ様でした、と言ってもいいのかな?かな?
投下GJ!!!!!
最後はスキマ妖怪が美味しい所を全部持っていったなw
カービィとレイハさんは合掌。
ついにHALとの決戦もロワも終わったんだな。
熱かったぜGJ!!!!
カービィ・・・・・・
ちょっとカービィボウル見てくるふぁ・・・・・・
ちょっとスパデラしてくる
おおお……おおおおお……乙ぅぅぅっぅぅぅぅぅぅぅ!!!!
全書き手に敬礼!全読み手に敬礼!!
カオスに始まりカオスに終わったニコロワ、ここに極まれり!!!!
あああああおおおお……なんかもう、なんていうか言葉にできんぜ。感慨深いなあ。てかスキマwwww
カービィ、無念だった。そしてヲタチもレイハ姉さんも乙であります。あとHALざまああああwwwww
ところでエピローグの予約はいつになるんかな?
何勘違いしているんだ、まだカービィの冒険は終了してないぜ!
ウルトラスーパーデラックスがあるからな!
カービーは多分途中で1upを取ったから大丈夫なはずだ!
>>105 投下乙!マジで投下乙!!
もうそれ以外に何ていっていいかわからんねぇよ…
このロワを見ていて本当によかった!!
ありがとう!
>>112 確かになw
超乙でした
何かもういろんな想いが溢れ出てるせいで感想を言葉に出来ないぜ・・・
投下おつです!超乙!GJ!
俺は、これから発売するウルトラデラックスを10個買おう…
>>115 あぁこんなところでラムネス伝説を知っているものに出会えるとは……
これから先はエピローグか
ああ、支援MAD作りたくなってきたぜ
投下乙!
最終回の支援参加するのは3回目だけど、何度やってもこの興奮は素晴らしいぜ
最後まで支援するぜ
社長の残してくれたものが
無駄にならない事を信じたい
投下乙!!!
ホント、このロワに最初から最後まで参加できてよかった!
ありがとう、みんな!!!
超絶乙でした……何回か、目から汗が出たような気がする
俺は今でもハルヒは可哀想なやつだと思っている
投下乙!
ぶっちゃけ死ぬんだったらKASかレムーだと思ってたぜw
>>105 投下乙!
いやはやいやはや、テスト板の頃から見てたが、まさか完結するとは……
最終戦といい、HALの最後といい、これぞ最終回という感じでした。
カオスのようでそうでない、このロワは最高だぜ……
あ、でもゆかりん万能すぎるかもね。なんでも出来るような感じがしていけない。
スキマから輸血パックとか、治療機材とか、そのての物量支援のほうが説得力があるんじゃね?
あるいは知識あるだろうから、治療指示とか。
春の陽気 夏の暑さ 秋の風 冬の雪
君と廻る四季と宇宙を 星と風に乗って・・・
カービィ・・・本当に、しんじまったのか?
投下超乙!!
あれ、目から何か透明なものが・・・?
乙
あれ?目からヤニが…
遅れたけど投下乙!
ここはいいロワだったぜ!
投下乙!
なんか泣きそうだ・・・
投下乙!
HALとのバトルは本当に熱かったw
あまりにラスボスなHALはやっぱり最高だ
死に方も醜くていい!
もうほんっとにね投下乙でした!!!!
何で言い表せば良いのかわからないくらい、熱い。とてもよかった。
なんとなく目から塩水が出ているような気もするが、全身全霊で言う。
このロワ見れて本当によかった。
まだエピローグがあるって事か!?
投下お疲れさまでした。きちんとした感想は書けそうにありませんが、
とにかくGJです。ありがとうございました!
今までの書き手さんも参加者もありがとう!
まぁ能力的に万能なのがゆかりんだけどな。
生と死の境界で生死さえどうとでもなる奴だし
なんて言えばいいか分からないけど、一言で言うなら
乙。
アツくって感動で、パーン!ってなりましたねハートが
俺はまだHALが何らかの形で出てくるのではないかとビクビクしている。
今までがあまりにしつこかったので。
亜流ロワを見るのは初めてだったがとても熱くなれました・・・
いやぁ〜ほんともう乙です!
>>139 寝ろwww
カービィが最後に見たひらひらマントってのがHALに思えて本気でビビったw
>>135 ナカーマw
あの二人は魂燃やしつくす気がして最後までびくびくした
あとぶっちゃけピヨシも死ぬと思ったぜ、新技会得は死亡フラグだしw
うえええwwwwww前1000羨ましいよぉwwwwwwwwwwww俺も出てえよぉwwwwww
最終話、感動した!乙!
147 本日は──動画にごアクセス頂き ◆mOSbCFXXGI sage 07/08/30 16:02 ID:Z4BqRUEY
そう、あれから1年と1ヶ月ほど……
そうか・・・終わってしまったんだな・・・
とりあえず服を着たあと、またいろいろと読み返してくるよ
みんなお疲れ様
お?支援
あーやべえ、エピローグ予約したくてたまらんwwww
いつからになるんだい?
なんだなんだ?支援
まさか本当に
全 裸 だ っ た の か ?
>>154はいつ始まったか書いてるだけじゃないか?w
おまいら落ち着けw
>>155 もしかして今回出演されてた葉っぱ隊の方ですか?
お疲れ様です
カービィがノヴァ破壊したわけだが、これは撃破数にカウントされるのかな?
と言うか、華々しく散ったピンク玉に数字で残る花を持たせてあげてくれ…
あと、HALは誰がトドメ刺した事になるのかな。
>>162 実質とどめは遊戯だが・・・なんとも言えん
歴史に残るパロロワ
キョンww
ここは遊戯にしとこうぜ、影薄かったし
ニコレンジャー全員に一票
>>136 ゆっかゆかはその気になれば世界を崩壊させるほどのチートだからいいんだぜ。
このお話はゆっかゆかのチート前提で書いてますから。
>>162 遊戯がマインドクラッシュして、つかさのポイ捨てで物理的にクラッシュです。
キルカウント的にはつかさ入りです。
ちょ、wikiwwwwwwww
ちょwwやったの誰だww
ほとぼりさめるまで待ったら忘れそうだから今言っておくぜ。
マルクの死体って観客席にあったんじゃないのか?
>>169 今見た・・・・なんと・・・エピはやはり後日か
wiki仕事はええwww
まぁ、チートなしだと腕がーとか足がーな人が何人もいるから特に問題ではないっすね
wiki見てきたww
遊戯ww
マルクたんの死体は観客席でゆとりに抱っこされてたと思うぜ
>>171 あ、確かに前話読み直したら観客席に置かれてるな
wikiwwwwwwwwwwwwww
>>171 KASが抱いていたとこまでは覚えていましたが・・・はて?記憶にありません
あー、感慨深いなあ…
HAL様は最高のラスボスだな。ニコレンジャーが順番にやられていく時はマジでHALエンドかと思った
>>179 抜粋してきました
「ははは……」
遊戯は呆然としながらもゆとり達の声援を喜んだ。
客席の真ん中あたりには、マルクの死体と、ピエモンの首が丁寧に置かれている。
ゆとり達は自分達の主君二人に見せてやりたいのだ。奴の死を……対主催の勝利を!
>>180 やべ、なんかちょっと涙出てきたじゃねーか
wikiまてwwwwwwww
絵板に行こうと通過しようとしたらwikiの文微妙に変わってるwwww
>>180 昔どこかで見た事があるような・・・誰だっけ?
まさかのラスボスキラー、つかさ…5人ヌッコロして生還した対主催って今までいただろうか…?
生還メンバーの合計撃破数がかなり高いなw
あ、それと今気づいたんだけど、クラモンDが消滅した事によってKASの撃破数にカウントされてるわけだけど、
同じ理屈で言うとクラモンBとCはそれぞれ閣下とレナが撃破したはずなんだが(間違ってたらスマン)、こっちはカウントしないの?
>>182 悪いねぇ・・・ってことは!まさかのマルクたん捕食取り消し?
生還者はレムー、KAS、遊戯、つかさ、レナ、ピヨシ、エイプマンでいいよな?
ああ、カービィ…レイハさん……
wikiの文うまいな。
つーかエイプマン忘れてたwww
>>180 おいおいそれはハルヒじゃないか。あいつはデーモンにあったあたりで死んだろ、たしか
>>171 読み直してみた。
>マルクの死体とピエモンの首も消えている。奴らは墓でも作りに行ったのだろうか。
ここが最後の記述だと思ってた。
>客席の真ん中あたりには、マルクの死体と、ピエモンの首が丁寧に置かれている。
この記述を見逃してたorz
矛盾は不味いと思うで、修正する予定です。
とりあえず拷問対象がマルクからBちゃんに変わるだけの予定です。
>>192 SO☆RE☆DA
俺の記憶がリアルタイムで書き換えられていくのを感じる
最後ら辺で沸いたオールスターたちはどこに行ったんだろうかw
>とりあえず拷問対象がマルクからBちゃんに変わるだけの予定です。
ええええええ!?wwww
そっか、さっきまでのはハルヒなんかじゃないんだ・・・
あれはただの神(笑)だもんな・・・
はあ・・・
>>192 うまいこといいやがって・・・そうだな、ラスボスは究極超暗黒聖天(ry
>>195 GENKI-DAMAのエネルギーになりました。
修正作業は早めに済ませまる予定ですが、最後のラッシュで寝不足なんでとりあえず寝ます。
……ああ、最後の最後にやっちまったなぁ…………。
投下GJ!
◆cpYAzLvx8.氏(親しみを感じている)
貴公の最終回は素晴らしい!(+99)
B…お前さんは最後まであれだったな…
>>193 >とりあえず拷問対象がマルクからBちゃんに変わるだけの予定です。
B・・・・マルクたんの代わりに頑張れよな☆
最後の未登場キャラオールスターって誰の思い出?
ハルヒは同情の意味で「可哀想」とは思わないけど、侮蔑の意味を含む憐れって意味では十分可哀想な奴だった
うまく言葉で説明できないけど
>>204 唯一ニコ動を知ってるKASだと勝手に考えてみる
>>203 つー助教授って……よもや、(゚∀゚*)←この人ではあるまいな?
関連性が分からないけど
ところでなんかうやむやにされまくりだから再度訊くが、
エピローグの予約っていつごろがいいんだろうか?
209 :
Classical名無しさん:08/10/12 01:28 ID:x/LP1P8c
>>205 仮にも一度アニロワで生還したからまさかのラスボスには驚いた
>>204ゆとり達じゃないか?
>>204 億千万の思い出
お覇王に支給された。現在はYOKODUNAが所有
参加者・非参加者の億千万の思い出が詰まっている (wiki抜粋)
最後に沸いたオールスターは全世界のニコ厨による質量のある残像だったということか・・・
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\ /'|:;イ:::l:::∧:::ト:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!
. /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::, -‐'´ \ |' !:::,ヘ! ヽ|ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
,' ::::::::::::::::::_::: :::::::/_ , -─-、 ',:|l, / ヽ::::::::::::::!:::::::::::::::::::::::::::::::、!
l......::::::::::::::::::::::::::l´ r-/......./... :::::::l:::::::ヽ ! } Tj'ソ .|::ィ::::::::|/ヽ:::::::::::::::::::::::||'
|::::::::::::::::::::::::::::::::::フ//::::::/:::::::::::/|:イ:::::l:l:.', / ´ l/|::::::/rヘヽ}:::::::::::::::::iヽ!
. l::::::::::::::::::::::::::::::;〃ヽ':::::::::!::::::/ヽ //!::::,':|::::i r ´ |:::/ r-'ノ:::::::::::::::::::l !
j::::::::::::::::::::::::::::〃i {r./::::::::|/ Fテ、X /:::/:/!::l ヽ, |/ r イ::::::::::::::::::::::i
/::::::::::::::::::::::::::/ !::', (/::::::::::i { i;/ /:/j::/ i:/ 、__,.. / |/ヽ::::::::::::l:ヘ
/:::::::::::::::::::::::::::::!、l ,' ト'|:::::::::::| `' { / |' '. \|X::i\
/::/:::::::::::::::::::::::::::::::::l_ |:::l::::::|::::| ヽ i // \_
/:::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`i:ハ::::::',:::| \, '´ 丶---ー、 // ヽ
. |::〃:::::::::::::::::::::::::i::::::::::::::|'| l:::::::ト;:| r 'l ヽ、// , -‐'´ \
!' |:::::::::::::::::::: :/ヽ:::::::::::l. rl::::::!_!|._ /イ::! / , ' , ‐'´
| i::::::::::::, -‐'´ ̄` ヽ、::',::!' !::::| j:::::/|;' i. /, '
こっちみんなw
__ __ _
. _ , '"´ ,. _ ___`丶、
/ ` / /´-‐ァー-ヽ \ ミシッ・・・
. / /下7 ..///.:.::/ .:.:ト、 ヽ -‐''´'´ ,、
/ └イ_j/ .://;へ、/!.:.::/:.} ,__-‐'''´-‐'''-‐''´
,' ///!l .::j f --,ノ_-γ--''´ ̄ / /
, '〈/f`| l ::l!(◎弋 / /// `
| l:l :!:{、| l ::|リ ゞノ"} l l | |
| l:l::i个| l ::lヽ//ノ"}| l | 丶
| lハ:l::{::', ::::{、 '| ,. -'´ - -'
l !:|:::',::',::ヽ:::ヽ\.`//) / \ :_
. ',::{:{、:::ヽ\:\;ゝ `「丶、__ ./ ̄>-'⌒ー‐r;┬' \
. ヾハj>''´ ヽ ト、_..上くイ::::{ {::{/
/⌒ヽ、\ ` \-ー ̄\ヾ
/ ヽ \\ \´ ̄`ヽ、
. l ', \\ \ __| \
. | ', \`ヽ、 ∨n| } ト、
ところで何気にクロミラも生還してるよね
レイハさんも黙ってりゃよかったのに…
とりあえず霊夢はなくなってるレイハさんのことを誰かに聞くべき
レイハもデバイスながら最期までいい奴だったな・・・
はたしてこの先レイハさんが生還できるロワはあるのだろうか
>>220 むしろ今までのロワで活躍しすぎなので(ry
ニコのレイハさんはむしろおとなしかった方だ
作者様を始めとする皆様、お疲れ様でした。
エピローグも楽しみです!
そして次ロワで頑張れ俺…
死者スレに神(笑)のBADENDとハルヒのGOODENDが二つ投下されとる……
>>222 お前かwww
まぁマジで参戦許可が出ても中盤あたりまでは活躍できるはずだ、
一般参加も活躍させてくれたこのロワなら・・・
>>222 頑張れよ! 参戦したら全力で応援するぜ!
これはロワ内で狂って1000(笑)になるフラグ
むしろそこまでなれたら一般参加としては本望だろうw
>>223 まさかの山田出演・・・
それにしても死者スレは漫画のオマケページみたいで癒されるな・・・
>>223 どうでもいいがGOODENDがGODENDに見えた
>>222 ゆとりだろうが見せしめだろうが支給品だろうが壁の中にいようが参加は参加だ、がんばって
>>223 まぁ、山田SSは罪を償い、長い年月をかければいつか必ずやり直せる
一応は救いのある話にしたんですが、それでも救われてない面が多すぎなのかもしれないな…
皆さん…ありがとう。じゃあ今日は寝ます。
?誰か来たみたいです…すいません、少し出てきます。
うわなんだおまえやめ(ry
>>232 次回作で会えることを楽しみにしてるぞwwww
とうとうニコロワも終わったか…乙…!!
読んでる途中、興奮のあまり何度失禁しそうになったかわからないぜ。
今だってまだドキドキしてるし感想なのに何書いてるかわからないくらい気が昂ってる。
ここまで執筆し続けてきてくださった書き手さん方と最高の支援をしてきた読み手達。
そしてニコロワのキャラ達一人一人に魂の底から感謝だぜ…ほんと楽しかった!ありがとう。
こんな感想でスマン。今日は許してくれぃ…
…ううう、なんか涙と尿が止まらないよ…。エピローグが終わるまで泣かないって決めてたのによお…
くうう、エピローグ楽しみにしてるんだぜ!
最後にどうでもいいことだが…
あぁあああああああああッ作品の人気投票俺がやり始めたくせに結局最後まで出来なくてごめんよおおおおおおおお
問題ない、俺はいつでも待ってるぜ
まぁ、ゆっくりとやろうではないか
Bが本文の改変に影響したことを考えると・・・前1000マジで出るのか・・・
>>238 改変っていうか呼称の変更だな・・・orz
◆qwglOGQwIk氏あらため ◆cpYAzLvx8. 氏お疲れ様でした
とうとうこの日が来てしまったか……としみじみ思っています。
相変わらずすばらしかったです。ハルヒには同情しませんが……
ここで一度書き手同士の最後の会議をしようかと思います。
まぁちょっとしたアンケート程度の会議なのですぐに終わると思いますが……
不要と思ったらスルーなどで……
時刻は明日の20時頃でどうでしょうか?
この時刻に不満があるなら変更しますのでよろしくお願いします。
明日ってのは13日?
13日の20時だとエピローグの予約戦争のあとって事になるけど、それで大丈夫なのか?
242 :
Classical名無しさん:08/10/12 03:29 ID:RaEBygFE
>>240 勘違いがおきやすいので、一応聞いておくよ。
13日の20時だよね?
sage忘れた・・・
。・゚・(ノД`)・゚・。
>>241 ナカーマ ( ・∀・)人(・∀・ )
大丈夫、ピンクの悪魔はきっと青いストーカーさんがさっそうと救出してるさ!!
……そんな風に思ってた時期が、俺にもありまし(ry
大丈夫だよね?
>>242 すみません もう日が変わってたんですね
12日(日曜日)
と言うことにしたいのですが……
>>245 エピの予約とか絡むならプロットとか担当で
ちょっと時間おいた方がいいと思うけど、
アンケートとかならやっちゃっていいかもね。
>>246 と言うか明日のいつなんですかね?予約合戦とやらは……
せっかくだからしたらばのアンケートもう1回やらない?
22時じゃだめかな?かな?
その時間帯は飯とか風呂とか…はともかく結構用事多そうな時間帯だけど
>>244 銀様は死んでもRMを誰かがお父様に渡せばすべて解決wwwうはwww
・・・そう思ってた時期が、俺にもありました
HAL・・・まさかRM完全消化とは・・・
あれだ、没投下なら彼らの生還もありなんじゃね?と思った
てか予約合戦で決めるの?
前書きたいキャラ聞いたときは半分くらいのキャラが余ってたんだが…
どうせ前スレ1000なんて即ズガンに決まって…おや?誰か来たようだ
今更だが最終回乙!
最後の最後でゆかりん登場は予想GUYですたww
あー、でも…
HALに腕を喰われてしまった霊夢が個人的に気になる。
ちゃんと腕は戻ってるのだろうか…教えてエロい人!
ゆかりんの能力をもってすれば腕のあるなしの境界も操作することができるんで
ちゃんと元通りになると思われる
じゃぁ変更で今夜の22時にしましょうか。
予約合戦は少し書き手の話し合いをしてから決めましょうよ……
書くのは自由ですが書き手たちにしても当初から用意していたシナリオがあるわけでして
うまくつながるように設定を決めないといけないわけですし
259 :
Classical名無しさん:08/10/12 14:33 ID:vT0CTz8U
アッコにおまかせ見た?観賞用エビが1万円だって
どうでもいいわ
エビ…つまりAB……
きっと
>>259は社長がコマンド入力していることを知らせたかったんだよ!!!
な なんだってー!(AA略
βの話はエピローグが終わってからかな
ほとぼりが収まるまで待つってのは「また今度ね」と同じくらい曖昧だからやめた方がいいと思うが、さて
チャットってどこでやるの?
時に、レムーはまだ博霊の巫女なのかね?
戦闘中に夢想封印使えなくなってたわけだが
東方儚月抄では霊夢は修行している描写がある
つまり、愛を知った霊夢は新たな夢想封印である無想転生を覚えるフラグなのさ
まさかハクレイム化フラグだったとは……予想GUYです
てか、使えなくなってたの夢想天生の方だったな
鳥頭過ぎだろ私
人気投票、再開してみました。
長いこと放置しててすみません。
気が向いたらしたらばまでどうぞ。
もうそろそろだな
wktkするぜ
投票ってSS189までって書いてるってことは、当然超がつくほど序盤のSSに投票してもいいって事ですよね?
・・・皆さんSS189付近に投票ばかりしているのでちょっと不安になりまして・・・
ところで、誰かチャットのアドレスを教えてくれないか
サンクス!
あー 荒らしわいちゃったね
どうします?
コードぶち込まれたか。前も某所でやられたやつだな
で、どうするべきなんだ
それでいいんじゃね?
せっかく完結後だからチャット覗いてみようと思ったのになあ…
まさかこんな事態が起こるなんて。
闖入してROM専したいぜ…
ROM可でもいい気がするけど どうしますかね
>>276のロム不可1あたり使おうぜ
おあつらえむきじゃないか
ROM不可でも入室すれば見れる(よな?)
しかし書き手以外でその度胸はなかなかないが
書き手さん達でログとっといて後でパロロワのうpろだにでもうpしてくれれば、誰も入らなくてもいいんじゃないだろうか?
>>282 その手もあるな。そういえばどの書き手さんかド忘れしたけどログとるっていってたし
書き手氏たちの打ち合わせが見たい……
聞きたい…。オギオギしてきた…。ログ待つしかないか。
>>285 俺もだっぜ!
ログに期待するしかないな。 くやしいなあ。
お前たち……ありがとう
私がログとっているのでうpろだを用意してくれると私はうれしい
ktkr!
ありがたや、ありがたや……
>>289 軍曹殿ではなく、中尉…いえ妖怪殿であられましたか!
ご無礼ひらにご容赦いただきたく存じます!
……ひゃっほーい! じっくり読ませていただきますぜ!
色々と乙でした!
>>289 サンクスです、中尉殿!
さぁ、阿修羅を凌駕する勢いで読んっじゃるわぁー!
やべ、なんか支援動画見てまわってただけなのになんか涙出てきてしまった
スクリプト張られたチャットでゆっくりしてたjUです
昨日はあの後議論に混ざれず、すみませんでした
なのに予約取れてるらしくてこんな者に気遣いありがとうございます
あーうー自分の携帯めっ…。携帯対応のチャットだけ見られんとは……
ええと、では少し質問いいでしょうか?
予約期限問わないとのことだけど、いつ頃目安に投下すればいいかということと、
社長の出展は一体DMとGXどっちが正しいのかを知りたいです。
どちらの出展でも少しおかしくなるような気がするんだが……
DMED後からの参戦とかじゃ駄目か?
おっと、鳥忘れてた
>>295 死者の社長だけど王様見ても何も反応無かったのがな…
なのにカイバーマンやE・HEROは知ってるしミックス加減が絶妙すぎる
今更時期を勝手に決めてもいいのかな…
βの投票の話を見て思ったけど、最近のロワって
投票や議論をガチガチにしてるロワほどずっこけて
その辺をフリーダムにしてるロワほど上手くいってる気がする。
ガチガチがガチムチに見えた
う〜ん
そこは難しい所だな
フリーダムにしてキャプテンみたいな輩が沸いてこなければ成功だろうね
>>297 投票や議論は読み手の意見が中心になるからね。
フリーダムな方が書き手が付きやすい。
>>294 自分は勝手に決めていいと思うよ
特に困ることはない…よな
>>296 オープニングでキョンが「俺と同じくらいの少年」って言ってるし
少なくとも高校生なんじゃないか?
久々にニコロワ見たら完結していた!
カービィ……最後の最後で死んでしまうなんて……「ひらひら」が生存フラグだと思いたいです
おくればせながら今まで書き手の皆さんご苦労様でした
俺は、「ひらひら」ってカービィが死に際に見た、ゆかりんの姿なんだと解釈してたや。
やつは勇者だったよ…!
答:チュチュ
レナのその後が一番予測不能だな。
罪滅ぼしからの参戦だから帰ってきたら雛見沢滅んでました〜になりかねない
俺は山狗VSレナでレナ無双があると信じているw
ひらひら=青いストーカーのマン……おや? こんな時間に誰か来たようだ
>>296 社長なら時間軸がずれて王様がいても今の状況を思えば適当に理解するのでは
王様を見たのは死人になってからだし無言で悟ってる可能性がある。
モクバがまだ幼い事と(じゃないとダブル遊戯が気づく)DMにはないE・HEROを
知ってることからDM終了〜GX開始の間でおkだと思う。
おっくせんまんの思い出から出てきた死者たちは幻影だと思っていたんだけど違うのか
の割にはすげえナチュラルに会話してたがなwww
死者たちは生存者達の思い出から出現したものだろうから、本人とは微妙に違ってると思う。
あの海馬はDM時代の遊戯の記憶や他の生存者の記憶に無い要素は持ってない。
だから、王様を見てもDM海馬とほぼ同じ反応。
>>305 ひぐらしキャラは生還するとそこが一番の問題なんだよな。
完結ロワで生還キャラが元の世界に戻ったら死ぬパターンは見たことないが…
313 :
Classical名無しさん:08/10/14 20:48 ID:83Jqli9s
ギャルゲロワみたいの梨花ちゃまみたいに現代組の誰かの世界に行くとか。
いっそ幻想郷にいつけば(ry
>>315 とっくに正気に戻ってるのにその能力とはw
そういや、ひぐらし勢は圭一や魅音、詩音、トミーが死んでるんだよなあ…
本格的にレナさんが戻らないとマズいw
そういや、結局ロワ内でのピエモンPとマルクPって誰だったんだろう?
あれかな、HAL厨にされたエリートかな、それともカロリー?
あ、エリートって洗脳とけてないよね・・・
レスありがとうございました。
ログ見なければ危うく遊戯と同時間軸として書くところでした…
ではDM終了〜GX開始間の社長、
エピローグ的に言えば遊戯の時間軸で普通にロード進んでる社長ということにしてみます
完成遅くなるかもしれん……、その時はすみません
wktkして待ってる
テストスレにBちゃん涙目の修正版を投下したのです。
これで矛盾が無ければ、そのままwikiを修正版に変更する予定なのです。
修正乙!
矛盾はないと思うぜ!
ただ…だいぶBちゃんがカワイソスな事になってるなあ
最期がピエメンAだっただけに
なんか可哀相だった(-.-;)
その顔文字がなんか腹立つな
素直な気持ちでピエメエェェェェェン。
……ごめん、調子に乗りすぎた。
塵は塵にピエメェェェェェェェェェェェン!!!
息抜きがてら何でもランキング。前の方とは別人です。
書き手作品数
全体のはwiki見れば分かるので細切れにしてみた
〜100話
◆0RbUzIT0To氏 17話
◆qwglOGQwIk氏 16話
◆CMd1jz6iP2氏、◆OZbjG1JuJM氏 14話
〜200話
◆CMd1jz6iP2氏 14話
◆jVERyrq1dU氏 13話
200話〜233話
◆jU59Fli6bM氏 7話
◆OZbjG1JuJM氏、◆jVERyrq1dU氏 6話
書き手殺害ランキング(合計)
1位 ◆qwglOGQwIk氏(17人)
2位 ◆CMd1jz6iP2氏(9人)
2位 ◆OZbjG1JuJM氏(9人)
4位 ◆0RbUzIT0To氏(7人)
5位 ◆wC9C3Zbq2k氏(6人)
5位 ◆jVERyrq1dU氏(6人)
書き手別R-18ランキング(合計)
男女問わず、裸、パンチラ、ハッテン、その他エロい描写をカウント。
1話中何度描写があっても1カウントです。
ずっと裸状態のHALは転生後と脱ぐ描写がある話のみカウント。
このランキングは独断と偏見なので信用性は薄いですがご了承ください。
1位 ◆qwglOGQwIk氏(15回)
2位 ◆CMd1jz6iP2氏(7回)
3位 ◆irB6rw04uk氏(3回)
3位 ◆jVERyrq1dU氏(3回)
5位 ◆OZbjG1JuJM氏(2回)
5位 ◆lbhhgwAtQE氏(2回)
5位 ◆0RbUzIT0To氏(2回)
5位 ◆IU4EWEf33I氏(2回)
書き手別パッチ付けランキング
なんとなく気になったのでカウント。萌えもんだけじゃなく北米版パッチも。
1位 ◆OZbjG1JuJM氏(4回)
2位 ◆jVERyrq1dU氏(2回)
2位 ◆jU59Fli6bM氏(2回)
2位 ◆wC9C3Zbq2k氏(2回)
5位 ◆qwglOGQwIk氏(1回)
5位 ◆DqlYDkDrwY氏(1回)
不動の2冠。回数間違っていたらスマソ
キャラ別登場回数
1位 ハルヒ 30回
2位 KAS 29回
3位 霊夢 27回
4位 レナ・つかさ・遊戯 26回
エピローグ加えたら多少変動あり。
キャラ別食人回数
一部でも食っていればカウント。支給品込み。
名無しの下っ端デジモンは抜いてあります。それも込みならきっと数字が意味不明。
1位 クラモンA 14人
2位 ハルヒ 6人
3位 クラモンC 5匹
4位 ゴマモン 3人
5位 YOKODUNA 2人
神とカービィはこれでもたくさん食べてるんだ。ゆとりとロリコンを。
おお、乙です。
OZ氏パッチ付けすぎだw
キャラ別登場回数で、
あれ、カービィは?って思ったけど
最終回含めて全部で23回しか出てきてなかったのか…
そしてピヨシは25回か
ひろ君でも24回出てるのに…。
そしてHAL様の人気に嫉妬
>>328 ゴマモンって、いさじとお爺ちゃん以外に誰か食ってたっけ?
>>329 憎まれ度や活躍っぷりと言い、素晴らしい悪役だったと思う。
TASさんはそこそこ外道だったがカリスマが割とあったからこう言うラスボスには向かなかっただろうな。
ひろくんは死んだタイミングの割にはいっぱい出てるよな。
そしてエピローグwktkしながら待ってるぜ
面白おかしい兄貴みたいな扱いが多い阿部さんが凶悪で吹いた
>>331 ひろくんもなぁ・・・最初死んだときは「はいはいパワーアップフラグワロスワロス」・・・と思っていたのに・・・マジであそこで限界とは・・・
最近wikiのおまけに色々書き足してる俺が通りますよ
用語集を結構いじくったから、何かまずい要素あったら言ってほすぃ
あと残りの書き手紹介文を入れてみたら、四天王のように最初にアオリ文が欲しくなった
でも一言ってなると難しいぜ……。神、その素晴らしい命名力を俺に分けてくれー
書き手ロワの方に通り名みたいなものなかったっけ
むしろ四天王と五人囃子にあだ名みたいなのつけようぜ
次回書き手ロワに参加した時の名前になりそうな奴
キョンが即死に近い扱いだったのがワロチ
ウホられて死亡ってのも意外すぎて
みんなHAL様は極悪非道って言うけど、クラモンAの方がよっぽどだと思うんだが
まぁあいつはなのはさんの極悪リンカーコア食わなきゃTASさん側のクラモンみたいな感じに
なっていたかもしれんし、何よりも元キャラとのギャップがあるからなハルヒには。
なんかHAL様が元気に暴れ始めた辺りから、Aが大人しくなったよね
バルヒに限らずロワでヒロイン系のキャラが狂うとウザくなりやすい気がするんだ・・・。
>>343 まあ確かに、面倒なことにはなりやすいな
パロロワをいくつか見た感じ正気を失って狂うマーダーと誰かの為に戦うマーダーは嫌われやすいが
闘争や殺し合いを目的に楽しむマーダーは嫌われにくい傾向があるんだろう
迷いがなく、本当に純粋に自分のためだけにゲームに乗ってるやつだからじゃない?
大抵そういうやつって死ぬ時も「自分で乗ったから自分に責任がある」的な考えで
文句も未練も後悔も残さないし、助けも求めない。
アニロワのアーカードや漫画の四天王やロボのキカイダーなんかがそんな印象。
変な言い方だけど見てて清々しいし、バトルはハラハラするし、死んだ後で後味がいい
>>332 ニコロワの阿部さんは個人的にハルヒや色んなマーダーに次ぐ悪党だったと思う。
自分の道を行き、例え仲間でも邪魔するならば始末するとか…そんな感じ。
結果、自分の武器で自分の首を絞めることとなったけど。
時間があれば他ロワみたいに、参加者個別紹介ページのとこにページ追加でロワ内での他キャラとの簡単な関係も書いてみたいな。
今はちょっと無理だが…
友情など本当に失ってはいけないものを守るために脱出を
目指す人は多いけど、単に死にたくないから脱出を目指す
人は少ないんだな
>>349 だが生き残るため(優勝・脱出どちらでもよし)なら他者を平気で利用し、切り捨てるってスタンスはよく見かける。
しかも決まって大暴れするんだよな。ラ○ロワの折原○也とかすごかった。
まあ、ニコロワでは見かけなかったが。
351 :
Classical名無しさん:08/10/18 13:48 ID:zM13z8h2
あげ
いやいやいや、なんでageんの?
エピローグまだかなー
おお、久々に来たら完結しとる
最近は完結ロワが増えて何よりだな、皆さん乙!
2ndやるなら気をつけてね
人気ロワの2ndには変な奴が集まりやすいから、特に参加キャラを決める時なんかに・・・
参加者の決め方がガチガチしても崩壊するのがネックなんだよなー
コードギアスとガンダム種の参加はNGで
357 :
Classical名無しさん:08/10/18 19:17 ID:XzoxuVHU
エピローグくるまで完全に終わったわけじゃないから、そういうのは今は自重しとけ
>>355 制限や参加者の選定、作品の評価がガチガチになると書き手離れが起きるからな。
現にそれで壊滅したロワがある。それは極端だとしても書き手が居心地の悪さを感じて別のロワに移籍することもよくある。
ロワ進行において重要な立ち位置にある書き手に厳しくなるのは仕方ないが、度が過ぎるとアウト。
360 :
Classical名無しさん:08/10/18 20:18 ID:Xxg6twQc
流石に永井一家みたいなのはもうやめて欲しいな。
マッ!は何だかんだでリザレクションしまくってたからわかりやすかったけど。
次ロワは東方アイマスロワになりそうだなぁ…
とりあえず、脱出もしくは終盤まで活躍してたキャラは参加不能にするべきか?
レナは絶対に無理だろうな。主人公ポジションだったし、動画ももう出てこないし。
何気にえーりんは問題なく出れるんだよな。
>>360 というより今回のロワの参加者はズガン役含め自重しておいた方がいい。
参加枠余ったとか動かしやすいとか見せ場無かったとかそういう理由がないとちょっと納得できない。
理由があっても"イクさんの能力"は必須な。
でないと荒れる。
ニコロワの醍醐味は意外性のあるキャラの参戦もあるんだけどなー
あまりにお馴染みすぎるキャラだけが揃ってもでっていうって感じ
エピローグですが、ゆっくりと書いてます。
チャットログ見てないとエピローグの予約についてはよく分からないようになってるので、レナを予約と宣言しておきます。
エピローグはゆっくりのがいいよ
そっちのが余韻に浸れる
>>363 おお乙です。エピローグ待ってます。
ところでそういう話はしたらばでやろうぜ!
えー、エピローグ第一弾なのにいきなり変則的でなんかすいません。
神(笑)の死後をしたらばに仮投下しました。仮投下した理由は、まあ、色々。
毒とか何でも遠慮なくどうぞ
投下乙なのだぜ
ハルヒは相変わらずっすなぁ。この期に及んであきらめないとはどんどん格が下がっていくw
ハルヒはいろんなエンドがあっていいな
メインキャラ以外のエピローグはいろんな人が作ってもいいと思うんです
神(笑)は実際◆JVER氏が育ての親だからねぇ
自分の娘(?)の最期はしっかり自分で見届けたいって思う気持ちがあるっつうことですかねw
正直ハルヒがかわいそうでしょうがないと思ってるんだけど、
どう思えばいいんだ。書き手さんを責める気はないけど
あれはHALであってハルヒに非ず、そう思っている
もう一人の男って誰だろう?
多分本編で出たキャラとかそういうのではないと思うが
しかしなんだ、前に言われた「デーモンと会った時ハルヒは死んでた」が普通に書かれてて吹いたw
「デーモンと会った時ハルヒは死んでた」ってのはセミファイナルの時にHAL自身が言った台詞
ここで言われてたのが初めてなわけじゃないよ
おっとそうだったか。読み込みが足りんな、俺
ハルヒも、最初は悪気があったわけじゃないんだよな
全て元通りにするために・・・ってさ
それを思い出すと可哀想になってくる
こんなことになったのって、富竹もそうだけど、
えーりんや古泉も原因の一つだろ?
だから、ハルヒだけ叩かれるのが納得いかないと思ってしまう俺
そう?
原作のハルヒだって世界征服くらいやりかねない設定してるよ
原作って小説の話だよな
原作なら、そんなことは絶対にしないと思うが。
というか、学生生活をただ全力で楽しんでるだけだろ…
>>374 たぶんキョンが生きてたらここまで狂うことは無かったかもな
アニロワとかラノベロワ見る限りキョンが死ぬとSOS団はろくなことにならん
でもHALはHALでいい味だしてたと思うぞロワ的には
個人的にアニロワのハルヒは良いキャラだったと思う。
ニコロワのハルヒを見てしまうとなんか妙に違和感が…。
マーダー強化に打って付けの設定があったからこそああなったんだよ
狂わせてしまえば元の性格はほとんど関係ない
つかさが元に戻って、改心展開が使えなくなったのも原因の一つ
>>376 特にニコロワでは朝倉以外の参加者がキョンにきゅんきゅん♪だったからな。
しぬだけでそりゃ修羅場がおきるわw
しかも死んだ理由が阿部さんにウホられたからとあっちゃなww
そういえば男同士とはいえセックス展開ってパロロワでは初めてじゃないか?
殺人チソコと普通にウホやれる道下って以外とすごいんじゃねーか
初代ハカロワでセックスが三回ほどあったような気が…
ところで、携帯からこのスレ見ようとすると250あたりから先が見れない…どういうことなの
他のスレは問題無く見れる。
もし道下がズカンしなかったら、どう活躍したかな?
>>385 どちらにせよ早死にだろう。
阿部さんとちがって特筆すべき点が無くて動かしにくい。
ちょっと男に興味がある男子学生だから
特徴もなにもないよなー
388 :
Classical名無しさん:08/10/19 19:16 ID:l.HX0CvE
>>384 それで何かアドバイスをしようにも、読めないんじゃ答えようないと思うが……
一応、アドレスがどうなってるか確認して -250とかになってたりしねーかとか、
キャッシュ設定も確認したりとか……
>>385 基本的に活躍はしなかっただろうが、阿部さんが多少は自重してくれたかも、
その結果によっては序盤から中盤にかけての展開が変っていたかもしれん
そういう意味では間接的に役立ったと思われる。
いや、個人的な妄想だから実際はどうなるか分からないけどw
>>389 道中、阿部さんがムラムラしてきたら道下を生け贄にしてハッテンさせたりして
周りの男達に被害さえ出させなければ
たいへんへんたいな、ヤる時はヤる、いい漢な対主催もあったのかもしれんなw
ああ…TASクラスを倒せる対主催だったかもな。
マーダー側の男は食わせるわけですね分かります。
>>390 >>391 IDの最後がTASとKASに見えそうで見えなかった、残念
うん、何を残念がっているんだろうな俺はw
>>392 言われてみて、急に気になりだしてきてしまったジャマイカw
そういやTASKAS。
めちゃくちゃ因縁の仲な感じするが、ライバル心は終始KASの一方通行だったんだよな
一回しか顔合わせてないし。
TASはある意味、KASの存在証明みたいな口ぶりなのに。
哀れ、KASはせっかく生還できたのに、TASという生き甲斐が減ってしまったという。
第二第三のTASが…
一回しか出会った事はないんだよな、TASKAS
二人の対比は面白かったから、TASさんが死んだ時は悲しかったぜ
なんかカズマとりゅーほーみたいだった
てっきり序盤あたりまではKASはTASさんと相打ちになるもんだと思ってたよ。
感想とかありがとう
色々考えた結果、あのエピローグは本投下しない事にします
仮投下に留めておきます。まあ、長い死者スレネタとして考えて貰えると嬉しいです
そうか…作者がそういうんなら尊重するが残念だ
>>393 TASさんが、KASや友人との戦闘の後にライバル心というか、意識するようになったのも良かったな。
TASKAS友人のマリオ達は殆どオリキャラなのにそれぞれ個性強かったし大好きだったなー
>>397 人それぞれの考えがあるからなあ…
仮投下にせよ、楽しんで読ませて頂きましたー、乙
他キャラ達のエピも楽しみだなあ。
誰がどのキャラをどう書くのだろうw
そういや確かまたKAS動画うpし始めたよな
失踪したかと思ってたんだが、帰ってきたみたいでよかった
まさかいなかった間は本当にバトロワに……
待て、今エピローグをKASで書いてる人はいるか?
決まってるけど、言っていいのかな?
あと書き手はqw氏のように予約宣言したほうがいいんだろうか
>>403 チャットのログ見てる人は読み手でも、どの書き手さんが誰を書くか知ってるんだっけ。
まあ、エピローグ後の楽しみにしようかな、ということであえて読まないでいるの俺みたいなのもいるがw
予約宣言については書き手さんにお任せでいいんじゃないかな?
おまいら自重www
412 :
Classical名無しさん:08/10/20 22:06 ID:IrTy/B26
うがあああああああああああああああああああああああああああ!!!!
やはり誰でもいい、KASを!!KASを殺せぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!
ageちまった、ごめんなさい。くっ、KOOLになれ、俺!
KASが俺たちに合わせて動画のうpを再開した――――
つまりKASは読み手、違うか?
>>412 ゆかりんをバ○ア呼ばわりしたんだ…
俺たちが何もせずとも、ヤツはこれから満足に眠ることも出来まい…!
顔を合わせるたびに墓石プレスw
むしろ電車で轢き逃げだろうw
>>417>>418 ゆかりん根に持ちすぎ吹いたw
レムーにもことあるごとに陰陽玉喰らいそうだしなw
まあ、ヤツにデリカシー云々を求めるのは酷な話だが。
でもよく考えたらシルバースキン持ちだから効かなくてレムー涙目とかなるんじゃね?w
>>420 そこでスキマを使って本体に弾幕でダイレクトアタックですよ…
…って、なんだこのKAS生還したのにフルボッコ確定な流れはw
しかし…つかさやレナはマジで精神的にフルボッコになりそうで怖い…
レナは精神強度パネェからまだいいとして(確定ってわけでもないし)、つかさなぁ…
姉いない、親友もいない、だけならまだしも黒時に殺した人も背負わなきゃならんから重いわなぁ
ここはみwikiに期待しようじゃまいか!
一年生の人たち(ゆーちゃん&みなみ他二名)とみさおとあやのを忘れていないか
本当に今更だがつかさやレナが生き残るとは思いませんでした。
ピンク玉がボッチになるとは思いませんでした
レナは他ロワでの分活躍した感じだな
罪悪感、苦悩。その他色々etc…
つかさマジカワイソス(´・ω・`)
アンサイクロペディアの遊戯王の記事がニコ厨に占領されてやがるwww
正直、つかさは生き残りフラグ立ってた気がした
でも、ピヨシと霊夢はラスボス辺りで死にそうだと思ってたよ
俺はKASは死亡フラグ立てまくりだった気がするなあ
レムーと帽子とリボン交換した時はもう…。その後アイスソード手に入れるは人質になるわでだいぶハラハラした気が。
あとカービィはマルクやノヴァに因縁あったから、マズいなとか思ってたや
ロワの最中は考えもしなかったけど、つかさが生還後は他の女子高生と
変わらず暮らすとして、女子高生が人を殺して普通に暮らすって、よく
考えたらすごいよな。
いくら精神的に成長したとはいえ、さすがになぁ…
自分の親にもこなたの親にも報告しなきゃならん、到底信じられる内容じゃないことを…
下手すりゃ精神病患者扱いされかねん
1人では無理だと思う。絶対苦しい
かといって同じ世界にいそうな仲間はいないんだよなぁ
KASは?
居てもダメかw
遊戯はなんだかんだでひょっこり生き残るだろうと俺は思ってたぜ
俺はレナやつかさは生存フラグ強かったように感じてたけどな
日吉が予想外だったw
あと遊戯王勢は遊戯か社長かって感じだったからどきどきしたなあ
>>433 逆効果にしかなりそうにねぇwww
つーかKASなんてそもそも死亡フラグの塊じゃないかw
どうしても無理なら最終避難場所がないというわけでもないが、一般人には色々厳しいな
俺なんて、未だになんでピヨシが参加してたのかわからねえw
べ、別に悪いとかそーゆーことじゃないんだからねっ!?
俺としてはピヨシの登場話がもし修正されてなかったらどうなってたかが気になるな
もし修正されてなかったら、猫限定マーダーとして戦ってただろうからこんな結末には…
ピヨシートは空気のまま死ぬんじゃないかと考えていた時期が
俺にもありました。
実際は死ぬどころかレムーと並んで対主催主戦力とは…世の中わからんものよw
こんばんは。
第五回人気投票の結果発表しました。
また現在、第六回人気投票受付中です。
気になる方はしたらばの投票スレまでどうぞ。
エピローグがセミファイナル並に時間かかってるが、それほど長くなるってことだろうか…ゴクリ
>>443 長いかどうかはわからんが、やっぱり最後だし色々時間かけたいのかも。
作品の設定やらロワ内でのフラグやらを確認し直すのも時間かかりそうだし。
個人のエピ→全体のエピでENDみたいな形なら
個人全員分を待つ必要があるし。 …ああ、ニコロワで投下に待ち焦がれるのもそろそろ終わりなのかぁ…
0:15ぐらいからレナさんのエピローグを投下したいです。
ひぐらしのネタバレまみれなので、最低でも祭囃しまで知っておく事を推奨しますのです。
おー!ついに来るか!
俺はいつでも支援するぜ!
エピローグの最初はレナか
平成3年 初夏
濡れた砂利道を一台の車が走る。
朝露に濡れた木々が、6月にしては珍しい太陽に照らされてキラキラと輝いていた。
ろくに整備もされないまま放置され、そこかしこに水溜りだらけの道路は、車にとってすこぶる環境が悪い。
その道路を一台の車が走る。
その村にはもう誰も居なかった。誰も居ない家、しかし痕跡として残る生活の後だけが痛々しい。
誰も居ない村をひた走る車は、やがて村にあるたった一つの神社の前で止まる。
そこから現れたのは公安のベテラン捜査官、赤坂衛だった。
続いて興宮署の元ベテラン刑事、大石蔵人がそれに続く。
「それにしても、早いもので10年ですか」
「長かったですよ、ここまで来るのにどれだけの回り道をしたか……」
神社へと続く長い階段の先には、古手神社の本殿があった。
そこには一人の女性と、一つの過ぎ去った惨劇の遺恨だけがあった。
「おやおやレナさん、早いですね。もう到着していたんですか?」
「ええ、梨花ちゃんを早く楽にしてあげたかったから……」
政治的意図から消された村、雛見沢。
これは、ある一人の少女と、雛見沢の名誉回復の物語……。
◆ ◆ ◆
支援、まずは罪滅ぼしEDからかー
「レナ、幻想郷に残る気は無い?」
「え?」
レナ達ニコレンジャーがバトルロワイヤルから脱出し、火急の用ということで幻想郷に到着してから数日が経過していた。
バトルロワイヤルから脱出したメンバーは皆疲れきっており、霊夢と紫の提案で人里に滞在し疲れを癒した。
3日ぶりにぐっすりと眠り、誰からも殺されたり、殺したりといったことはない穏やかな環境で、焦燥しきった心と、体を癒した。
そうするうちに数日が過ぎ、ニコレンジャーやゆとり達も紫のスキマを通って元の世界へ戻り始めていたため、レナも同じ様に戻ろうとしたのだ。
しかしスキマを開く前に、紫は意外な提案をレナに吹っかけてきたのだ。
「……よく、分からないんですけど」
「そうね、貴方は幻想郷に残った方が幸せになれると思う、これでいいかしら?」
「……詳しく話してください」
紫はレナに、幻想郷への定住を勧めている。
それは紫がレナを気に入って幻想郷へ残って欲しいと頼むのではなく、元の世界へ戻らない方がいいという忠告。
そしてそれはレナが知らない、暗に気が付いているが未だに底が知れない、雛見沢の暗部。
「貴方の世界、昭和58年の雛見沢だったかしら?
そこにあるのは災厄と死の運命、どれだけもがいた所で、あなたは幸せな未来は掴むことはできない。
運命を乗り越えても全ては失われている、手に入るものはたった一つの真実だけ。
竜宮レナ、それでも貴方は試練を望み、元の世界を求めるか?」
「…………はい」
少し迷ったが、レナは紫の言葉を理解し、それを肯定する。
それが紫にとっては意外だったようで、再び言葉を続ける。
支援
「……貴方が望むなら、私が幸せな雛見沢を提供することも出来るわよ。
そこには貴方の欲しかったものがすべてある、真実の扉も開くことが出来る。
まぁその場合は元の世界に戻れないと言う意味で、幻想郷に残るのと余り変わらないけど」
「それでも私は、私のいた雛見沢に戻りたいんです」
「竜宮レナ、あなたは3つの選択肢のうち、最も過酷な未来を選ぶ。
そういう意味でいいのですね?」
レナは再び紫の言葉を受け、再び考え込む。
それでも、レナの意思は変わらない。
その瞳中は、青い炎で染まっている。
「それが、私にとっての罪滅しです」
「そうね、そこまで言うならもう私は止めないわ。
ところで、そこの変態式神さんはどうするの? 竜宮レナについて行くつもり?」
レナの意思が固いと知り、紫は諦めの意思を示す。
それで話は終わったと思ったが、レナの手に持つデバイスの方へと言葉の矛先を曲げる。
『最初はミッドチルダに戻ろうかとも思ったけどさ、俺の嫁ティアナが居ないのに戻ってもつまんないしなー。
だったら新しい愛人のレナちゃんに、あーんなことやこーんなことをして遊ぶ方が楽しそうだからさ、フヒヒヒ……』
「あらあら、愛されてるのねレナさん」
『……まぁそういうわけだからさ、起動六課の面子とスバルにはよろしく伝えて欲しいんだ。
辛い話だがよろしく頼むぜ、パツキンねーちゃん!』
「分かりましたわ、この好色一代男」
『フヒヒヒ……サーセンwwww』
支援・オブ・支援
更に続くクロスミラージュのセクハラを華麗にスルーし、紫はスキマを開く。
「最後に一つ、私からアドバイスをあげるわ。
雛見沢で最善を尽くせば、貴方は必ず全ての真実にたどり着くことが出来るわ」
「ありがとうございます、紫さん」
「うふふ、お礼なんて無用ですわ」
「最後に一つだけ教えてください、どうしてもあのバトルロワイヤルを無かった事には出来ないんですか?」
「それは私にはできるけどできない。切れてしまった糸をつなぎ合わせてたとしても、それは繋がっているけど元通りではない。
歴史の糸と言うのは常にそう。バトルロワイヤルが必然の出来事なら、どうやっても歴史の糸は元通り切れてしまうのですわ」
「わかりました、今までありがとうございました」
レナは紫にぺこりとお辞儀を下後、深呼吸を一度してからスキマへと飛び込んだ。
スキマの奥に消えたレナを見送り、紫はその亜空間を閉じる。
そしてレナに聞こえるはずは無いのに、一言呟いた。
「竜宮レナ、貴方はベルンカステル卿の賽に打ち勝てるかしら?」
◆ ◆ ◆
支援
昭和58年 6月27日
うぉぉおおおおおおお!!!もっと支援しに来いよぉおおおおおおお!!!
私の視界がブラックアウトしてから数秒立っただろうか。
茂みがガサガサと揺れる音と、私が地面に降り立った音がして、光景が移り変わった。
木々の奥から見える光景から、そこが古手神社の裏だと言うことに気が付いた。
ただ少し違うのは、雛見沢の村からの明かりはとても不規則で、普段と違うこと。
それは酷く異質で、さっきから鼻を突く硫黄の香りが、私に明らかな異常を伝えていた。
周りをキョロキョロと確認し、人の気配が無いことを確認してから、クロスミラージュにバリアジャケットの展開をお願いする。
エリアサーチも頼もうと思ったが、貴重な魔力を浪費するわけには行かないので、今はまだ我慢する。
とはいえ私の視覚も聴覚も以前と違って格段に鋭い、エリアサーチをしなくとも、地の利がある雛見沢ではそれほど索敵に苦労することはないだろう。
だが、これから目指す目的地、入江診療所は違うだろう。
デジモン達からなんとか聞き出せた雛見沢症候群、入江診療所の研究を考慮するなら、この異常な環境はそのせいだとさえ考えられる。
『それにしてもくせぇなぁ……これじゃあ萎えるぜ』
「お願い、後でいくらでもコスプレとエッチな事には付き合ってあげるから、今は黙って私に従って」
『当然です、レナ様』
クロスミラージュを適当に黙らせた後、私は古手神社の本殿の方をキョロキョロと覗く。
そこには相変わらず誰も居ないし、気配もしない。
だから私は本殿の方へと向かった。
そして見てしまった。
梨花ちゃんの、死体を。
支援
『貴重なようj……!!』
クロスミラージュが煩いので石畳にぶつけて再び黙らせる。
そこには全裸の梨花ちゃんが、腸を引き裂かれて死んでいた。
「ごめんね、ごめんね……」
私は梨花ちゃんの死体に手を付けなかった。
埋葬をしたくても、状況が分からない。
そしてその状況は、恐らく危険であると分かっている。
私は泣けなかった。泣いてはいけなかった。
茂みに戻った私は泣きそうになるその衝動を押さえ、立ち上がる。
――仲間のために泣くのは、梨花ちゃんの敵を討ってからだ。
そう誓って、私は入江診療所を目指す。
そして私は見た。
ガスマスクを付け、ライフルで武装をする異質な存在を。
その言葉尻からは日本人である事が分かり、軍人であろう事も。
茂みに隠れてその軍人、恐らく自衛隊を避けながら、掻い摘んで雛見沢の異質さを知る。
突如鬼ヶ淵から火山性ガスが噴出した事、村人は誰も助ける事ができなかった事。
どれも私の理解の範疇を超えていた。何故? 何故雛見沢がこんなことに?
紫が言っていた言葉を思い出す、"全ては失われている"と。
それでもレナは挫けない、諦めない。
きっと、入江診療所にはまだ何かがある。梨花ちゃんやみんなの仇を討つ、真実の扉が……。
もひとつ支援
支援だッ!!!
もっと支援
『……それにしても厳重な警備だな、軽くサーチしてみたがあの中には村ですれ違った人間よりもっといっぱいいやがるぜ』
「ありがとう、クロスミラージュ」
入江診療所の茂みから、入江診療所周辺を観察する。
そこだけ警戒レベルが一段階違う事が見て取れる。
診療所の表にも裏にも大量の軍人が居る、しかもそれはすれ違った自衛隊員よりさらに重武装だ。
「クロスミラージュ、幻影は何分ぐらいいける?」
『持って五分……かな?』
「……最悪、脱出は強行突破かもね」
『レナさん、やっぱ今日は諦めませんか?』
「駄目、今諦めたら全ての証拠が消されてしまう、それだけは絶対に認められない」
『分かりましたよ、もう』
「そうね、もう少し時間が経過してから行きましょ、まだ少し早いから」
私は星光る月夜が欠け始める早朝、厳戒態勢の軍人達でさえ警戒が緩むその時間を使って行動を開始する。
『Optic hide』
私の姿はそれで掻き消える。
激しく動くと周りの光景が多少ブレちゃうけど、それでも正面を突破するには十分すぎるほどの迷彩だった。
余りにも簡単に、入江診療所の内部へと侵入する。
中に居た人間の殆どは仮眠を取っていたり、書類や薬品を整理しているのが殆どであった。
その中には、あのバトルロワイヤルで見つけた、C-120さえも見られる。
急がないと、本当に必要な証拠さえも消えてしまう。
そこでは整理中と見られる書類や薬品の山がどっさりと積まれていたため、証拠品となるべきC-120や書類を掻い摘んでディパックに詰め込む。
支援!こっちも支援しすぎると二十カキコになるという罠
あまり拝借しすぎると異常に気が付かれる為、気のせいで済む程度の量しか掠められない。
誰もおらず、誰も近寄らないであろう女子トイレの個室でオプティックハイドを解除し、証拠品の薬品を検品する。
掻い摘んで読んだ書類からは、雛見沢症候群の諸症状、滅菌作戦、女王感染者と言った謎の内容の書類もある。
掠め取った薬品の殆どはレナには理解できなかったが、C-120だけは確実に確保することができた。
雛見沢症候群とこの雛見沢の真実を解き明かす上で、これは強力な証拠になる。
だが、まだ足りない、これでは証拠にならないのだ。
私は入江先生の部屋へと向かった。
これだけの秘密を抱えた診療所だ、きっと院長の入江先生の部屋には何かが確実にある。
そう信じて向かった、それは間違っては居なかった。
「ふぅ、やっと開いたぜ」
「それにしてもなんでわざわざ鍵を探して机を開けるんだ? ぶっ壊せば早いだろう」
「お上の指示でな、20年ぐらいしたて全ての証拠を隠蔽したらここを開放するから、不審な証拠隠滅は止めろって言われたのさ」
入江先生の机が開かれた瞬間、私は二人の軍人に拳を叩き込んだ。
右手と左手から同時に放たれた一撃で、二人とも私の姿を拝む事は無くその場に気絶した。
意外と大きな物音がしたし、気が付かれるのは時間の問題だろう。
机の中身を一通りぶちまけ、中身を少しだけ検品する。
それは入江先生の手記らしかった、私の心が衝撃に揺れる。
もはや物音など構わず、手記のページを捲って中身を確認する。
あった、そこにはあった。
雛見沢症候群、連続怪死事件、鬼隠しで消えたはずだった悟史君の行方さえも。
もはやここに用は無い、だがこのまま証拠を掻っ攫って消えるのはリスクが大きすぎる。
私という存在を認知し、そして始末したと誤認してくれるのが望ましい。
よって、私は入江診療所のホールで行動を起こす。
ざわざわとざわめくそこで、私はオプティックハイドを再び解除し、大量の未整理薬品や書類をぶちまける。
再びオプティックハイドを展開し、混乱でざわめく診療所ホールから回収できるだけの資料を回収し、適当な所で再びオプティックハイドを解除する。
支援
支援支援
支援支援支援
支援者による支援の支援!
変態という名の支援
「生き残りがまだいやがった、交代先の部隊に見つかる前に追い詰めて殺せ!」
「クロスミラージュ、後どれぐらい持つ?」
『もうホントギリギリよ? 10秒持てばいいんじゃないってレベル』
私は必死に村を流れる川のほうへと向かう。だが別に必死にならずとも良かったようだ。
地の利を生かした走りを生かす私の前では、後ろを追いかける軍人達も追いかけるので精一杯と言った感じだった。
やがて予定通りに私は川へとたどり着く、追い詰められるのも計算のうち。
軍人達が私に一斉射撃を仕掛けた後、私は川へと勢いよく飛び込む。
被弾した銃撃で血飛沫が飛び散ったのも良かった。これで偽造がよりやりやすい。
無事着水し、バリアジャケットのお陰で何とか衝撃にも耐える。
後は川に流されるまま、雛見沢を脱出できればいい。
最後にフェイクシルエットを展開して私の死体の姿を残った魔力で偽造し、死亡を誤認させればいい。
顔は見られていないし服装はバリアジャケットで偽造している、そこから私の身元を確認するのはまず無理だろう。
いずれは追手が来るかもしれないが、それまで騙しきれればそれでいい。
ここからが、私の勝負だ。
◆ ◆ ◆
川に流され、はるか下流からはるばる興宮へと戻ってこれたのは6月29日の事だ。
興宮署には事前に連絡を入れており、大石さんとは無事コンタクトを取る事ができた。
内容はやはり大災害、そして三四さんのスクラップ帳と園崎家、雛見沢のことだった。
私は狙われてるから雛見沢を離れていたということにして、後は全て話すと連絡をしておいた。
さて、大石蔵人という人間は信用できるのか。
私が手に入れた入江先生の手記、そして証拠のC-120やその他の試作薬品、それを裏付ける数々の書類。
この明白な証拠を、大石に渡してもいいのだろうか。
もし、大石があの軍人達とグルであったら?
想像しただけで恐ろしかった。
だが、それしか道は無い。雛見沢の人間、大切な仲間や父も含めた私の知り合いは、もうどこにも居ない。
この界隈で頼れる人間は、残念ながら大石しか居ないのが現状だ。
園崎分家の方は興宮にあったため大災害の被害は逃れたのだが、大石の話のよると園崎組にも暴対法関連で大規模査察が入っているとの事。
いずれにせよ、選択肢は無い。
今大石を信頼するか、当ての無い先を、一人で戦い抜くか。
答えは最初から決まっていた。
大石に、全てを話して、協力してもらう。
それがあのバトルロワイヤルで学んだ、圭一君に教えてもらった大切な教訓。
絶対に無駄にしない。そう、絶対に。
「やぁやぁレナさん、ってどうしたんですかその格好は?」
「……逃亡中に突然大災害なんてあったから、ろくに家にも帰れなくて」
「いやはや災難でしたねぇ、でもあなたが生き残ってくださって本当に良かった。
さぁ、一緒にあなたが掴んだ証拠で、お魎のババァの陰謀を解き明かしまっしょう」
支援
大石の言葉に相槌を適当に打ち、誰にも話を聞かれない個室へと案内してもらう。
私はそこでブラインドを下ろし、監視、盗聴を隅々まで確認、さらにクロスミラージュにこっそりとサーチをしてもらった。
(……大丈夫だ、何もないしこのエリアに特別人が集まってたりとかはしてないよ)
(……ありがと)
「さぁさぁレナさん、お茶でも飲んで落ち着いて……」
「一つ、大石さんに聞きたい事があります」
「何ですかぁ?」
「大石さんは、どうしてこの雛見沢怪死事件を解決したいと思っているんですか?」
「そりゃレナさん、5年連続で祟り染みた事件で警察がコケにされちゃ……」
「そうじゃないです。大石さん個人が、……ですよ」
「……」
私は大石さんの目をじっと見つめる。
大石さんの情熱は他の刑事と比較できないほどだ。それは異常とも取れるほど。
だからこそ私は、どうしてこの事件を解き明かしたいのか、それが知りたかった。
それが、大石さんを信じる上で、どうしても避けられない謎。
「……ふぅ、どうしてもお話しないといけないですかぁ?」
「どうしても、です」
「……わかりました、でも一つこちらからも教えてください。
あなたの手に入れた証拠ってのは、この怪死事件を確実に解決できるほどの有力な証拠なんでしょうね?」
「そうです、だから私は大石さんがどうして解決したいのかを知りたい。
それを見極めないと、私は大石さんを信頼できない」
「……なら、話すしかないか」
支援
支援フラッシュ!
大石さんからの話は、意外なものだった。
ダム戦争に反対した現場監督と言うのが大石さんの古い知り合いで、大変な恩人だったらしい。
そのおやっさんと言う人物は若い頃の大石さんの死んだ父親の変わりみたいで、また、人生の兄貴だったそうだ。
おやっさんが一年目の事件で殺されて、犯人も、おやっさんの右手も見つからない。
それが大石さんにとってはたまらなく悔しい、だから怪死事件を解決する事は、おやっさんの敵討ちでもあるとのこと。
「……これで全部ですよ、ちっぽけなものでしょう。
でもね、私はおやっさんの敵が取れるなら、何だってしますよ」
「……分かりました」
大石さんの話に嘘はない。目でわかった、言葉で分かった。
大石さんがどれだけおやっさんを慕っていたのかという言葉に、嘘偽りは無い。
だから言える。
大石さんは、シロだ。
この人は、信頼してもいいんだ。
私は入江先生の手記をまず取り出し、その内容を大石さんに見せる。
そして驚愕の表情に包まれる大石さんに、時系列順に整理した書類を見せる。
その内容に関する考察を逐次伝え、そして最大の証拠品であるC-120も一つテーブルに置く。
全ての真実を知った大石さんは、その場でわなわなと震えて、何も言葉をしゃべらなかった。
「……信じられない」
「ですが、それは真実です。
それだけじゃなくて、私は更に大石さんに言っていない事があります。
きっと信じてもらえないし、それは雛見沢と関係ないから話さなかったのですが、聞きますか?」
「……お願いします」
『支援』 有効です!
支援
私はバトルロワイヤルの事も話した。
そこで私が雛見沢症候群の末期に発祥した事、そこから生還した事も伝えた。
バトルロワイヤルに参加する前の私が、雛見沢症候群の妄想に取り付かれていて、三四さんのスクラップ帳についても雛見沢症候群で生まれた妄想であり、中身は殆どがトンデモだったこと。
そして、バトルロワイヤルで生還した私が、入江診療所から決死の覚悟でこの資料を盗み出した事も。
「……悪いですが、そっちの話は信じられないですね。
さっきから衝撃の話が怒涛のように続いて、まるで理解が出来ません。
オヤシロ様の祟りの方が、よっぽど信頼性があるようにさえ感じますわ」
「それは私も思ってます、信じてもらえないと思ったし、今は信じなくてもいいです」
「……でも、この資料に関しては信じて欲しいと」
「はい」
「……」
大石さんがタバコの煙をふぅと吐く。
それから何の言葉も無かったけど、きっと大石さんは余りに突拍子も無い話についていけないだけだと思った。
しばらく無言の状態が続き、タバコが灰皿に積まれ、そこへ涙がこぼれたと同時に大石さんは口を開いた。
「……信じられないですよ、おやっさんがこんなくだらないことで死ぬなんてさ……。
しかも、血眼になって探していた馬鹿野郎は、今頃ミンチになって地面の底かよ……。
加えて園崎の鬼どもも関係ないと来たもんだ、まったく信じられない……」
「……大石さん」
「大丈夫ですよレナさん、私はおやっさんを弄んだやつらを、絶対に許す気はありません。
もう敵は討てないけど、この真実を解き明かすまでは、おやっさんに顔向けできないですからね
約束します、私は必ずこの糞ッタレな奴らを表に引きずりだし、正義の鉄槌を浴びせてやりますよ」
「大石さん、ありがとうございます」
「それじゃレナさん、一つ聞いて欲しい事があります」
「何ですか」
「信頼できる人間に、この資料と薬品の事を伝えたい。
ええ、資料の方はコピーで構いません、でもそのC-120と言う薬品は、一つサンプルをいただけないでしょうか?」
「……その人に会わせてください、それから考えます」
「おやおや、しょうがないですねぇ」
おまえら支援じゃねえ!
支援支援ッ!!
支援だっていう!
支援支援支援支援
私は大石さんに案内され、鑑識の爺様、熊谷勝也こと熊ちゃんと呼ばれる人を紹介してもらった。
大石さんとは事前に打ち合わせており、雛見沢の真実を掻い摘んで話す。
そこで反応を見て、恐らくシロだと判断する。
熊谷さんと鑑識の爺様に全てを話した後、C-120を手渡す。
「……お願いします」
「ああ任せとけ! これでワシの心残りが無事晴れるワイ」
「寒村に訪れた悲しい死の裏で暗躍する秘密の組織。くぅ〜、正義の血が騒ぐッス!」
正直見知ったばかりの二人に話すのは抵抗があったけど、結果として協力が増えたと言うのはありがたかった。
「これで富竹殺しの謎が解けるわい」
「え、富竹さんが……?」
「なんじゃ、知らんのかい、5年目の祟りは富竹の奴が首を掻き毟って死んだんじゃぞ」
「……大石さん」
「ええ、まぁ後で話しますよ、ええ」
私は鑑識の爺様にC-120を手渡し、熊谷さんに資料の一部を手渡した。
その間は大石さんに、先ほど告げられた富竹殺しについて聞く。
富竹さんは私と同じ様にバトルロワイヤルに参加させられたはずであり、この雛見沢で発見されるはずがないのだ。
ところがそうではなかった、富竹さんはやはり6月19日に死んでいる。
私は大石さんに仲間の消息を尋ねる。すると不思議な事に私と圭一君だけが6月21日に行方不明になっているのだ。
そう、私と圭一君だけが、バトルロワイヤルに参加させられた可能性が高い事。
雛見沢大災害の行方不明者の消息だけでも手に負えないのに、おまけに死んだはずの富竹さんがバトルロワイヤルに参加していた。
そんなおかしな話は、大石さんだけじゃなくて私さえも信じる事はできない。
でも、私が出会った、見聞きした情報を考えるなら、平行世界という存在を認めるのが最も妥当だと思った。
さすがの大石さんでも、スケールが大きすぎて付いていけないと言った感じだった。
「……なんだか凄いことに巻き込まれてたんですねぇレナさん。
ひょっとして、巻き込まれ体質でもあるんですかぁ?」
「さぁ……それは」
「まぁ何にしても、一つ言っておく事があります。
この資料がどれだけ真実を付いていようと、このままでは公表する事は絶対に出来ません。
あくまで資料だけですよ? バトルロワイヤルなんて言ってもそっちは誰も信じるわけが無いですよ」
「そんな!」
「レナさん、あんたが会った軍人や自衛隊らしき人影が雛見沢で活動している。
すなわちそれは雛見沢に何らかの政治的圧力がかかっていると見ていい。
そんな状況で資料をどっかのマスコミにリークしても、お上に握りつぶされて終わりですよ、終わり」
そんな、何で……。
せっかく、みんなの敵を討てると……。
「…………」
「ああでも諦めないでくださいレナさん。大丈夫です。
私の知り合いに東京で勤めるエリートさんがいましてね、その人に相談すればこの資料を公に晒す事ができるかもしれません」
「……大石さん」
「礼には及びませんよ、んっふっふ」
大石さんによると、警視庁公安部に勤める赤坂衛という人が6年ほど前にこの雛見沢を訪れたらしい。
どうやらダム戦争における建設大臣の誘拐された孫を捜索しに、はるばる雛見沢まで調査した時に知り合ったらしい。
公安の赤坂さんというのは警察では調査し辛い秘密調査をメインに捜査していて、このような政治絡みの事件を扱うなら、避けて通れないとのこと。
さらに、大石さんは言葉を続ける。
しえん
支援神HAL
支援はまだ終わっちゃいないぜ!
俺より書き手の方がSHIENN!
「もう一つ聞いて欲しいことがあります、レナさんには戸籍を変更してもらいます」
「……調べられたら危険だから?」
「まぁそういうことになりますね、とりあえず一番近い身内の方に戸籍変更してもらいますが、どこか希望は?」
「……母が居ます、でも」
「ああ分かっています、一応レナさんの身辺は調査させてもらいましたからね。
そこらへんの事情は簡単には把握してます、レナさん抜きで戸籍変更はこっちで勝手にやっておきますよ」
それで大石さんの話は終わった。
当面の住宅についてだが、大石さんの部屋に居候をさせてもらう事にした。
それからは特に何もなく、興宮で大石さんからの朗報を待つ日々が続いた。
大石さんたちに渡したC-120だが、残念ながら富竹さんを殺した雛見沢症候群には辿り着けなかったとのこと。
ただ、私達の言う雛見沢症候群と違う、テレビで頻繁に報道される雛見沢症候群に対しては効果があったとのこと。
たまたま興宮周辺で正気を失った雛見沢出身者が暴れていたと聞き、興宮署の人間がその人を逮捕したらしい。
その時に極秘でC-120を投与した所、雛見沢症候群の症状が劇的に緩和したらしい。
それは雛見沢症候群が実在する確かな証拠だった。
だが残念ながら入江先生がかつて手記に記した、非道な実験は行えない。
故に、雛見沢症候群の存在は証明する事ができなかった。とはいえC-120という雛見沢症候群の特効薬は実在する。
それはすなわち、雛見沢症候群と、それにまつわる陰謀が真実だと言う確かな証拠を示していた。
それからは特に滞りも無く時は過ぎ、戸籍変更と一緒に興宮の学校へと転校する事が正式に決まった。
戸籍変更は大石さんを通じて、滞りなく済んだ。
かつて母だった人間にもう一度出会い、そして話をした。そこには何の感慨も沸かなかった。
母だった人間もニュースを見たせいか知らないが、雛見沢のこと、そして出身者である私のことを忌引しているようで、大石さんへの親権委託は何のトラブルも無く済んだ。
そして、私は竜宮と言う苗字と、レナと言う名前を失った。
支援尽くし編
まだ支援が足りぬ!
支援詰め合わせ
○×礼奈、それが私に与えられた新しい名前。
竜宮レナと言う名前は、私から奪われた。
それが、私への罪。
私は、私の名前を取り戻すために戦う。
興宮の学校は楽しくなかった。
転校時には暗にぼかしたとはいえ、私が雛見沢出身である事が第一の理由だろう。
ここ興宮でさえ、雛見沢という名前は狂人の代名詞になっている。
それだけ大災害で現れた雛見沢出身者の凶行が有名だと言う事でもあるのだ。
故に私は常にそのレッテルを貼られ、生きなければならない。
でも、それよりもっともっと大事な理由があった。
もう、私の罪を許してくれた大切な仲間達、部活メンバーは誰一人居ない。
転校して始めて興宮に居ながら大災害、滅菌作戦に巻き込まれた詩ぃちゃんの死を知り、更に私は悲しんだ。
でも、悲しんでばかりはいられない、なんとしても皆の仇を、汚名を晴らさなければいけない。
私の学校生活は当たり障り無く進んだ。
私からクラスメイトに関わろうとも知らなかったし、関わってこようともしなかった。
あの軍人達に見つかる訳にも行かないため、体育などでは極力手を抜いて目立たないようにした。
まるで個性の無い中の中である生徒を演出したその生活は、まるで学校というよりも演劇の舞台のようだった。
大石さんの家に居候して一ヶ月程が経過し、私の身辺に変わった事はほぼ何も無かった。
ただ、確実に監視されているという視線だけは感じ取る事は出来た。
疑ってはいるものの、決め手となる証拠が無いからだろうか。
支援。
やがて夏休みが訪れ、私は大石さんと一緒に東京へと向かった。
入江先生の手記に書かれていた謎の組織「東京」
それは日本の首都、東京と何か関わりがあるのだろうか。
赤坂さんと言う人は、それを知っているのだろうか。
「大石さん!」
「ああ、赤坂さぁん。お久しぶりですねぇ、んっふっふ」
「大石さんもお変わり無いようで」
「赤坂さんは随分と立派になられましたなぁ、興宮のほうに来た頃のひよっこっぷりが懐かしいですよ」
「あれからもう6年ですか、……雛見沢の事は聞きました」
「赤坂さん、私は赤坂さんに雛見沢の事で伝えたい事があってここまで来ました」
「大石さん、そこのかわいらしいお嬢さんは?」
「ああ、ちょっと訳ありで今は○×礼奈さんと名乗ってるんですが、元々は竜宮レナって名前があったんですよ」
「……随分と込み入った事情になりそうですね」
赤坂さんとのコンタクトは問題なく取れた。
私からの意向もあり、指定どおりの誰にも監視、盗聴されない個室で話をすることにした。
赤坂さんに雛見沢のことをどうやって伝えればいいか迷っていたが、意外なことに赤坂さんの方から話を切り出してくれた。
赤坂さんはかつて雛見沢で一人の少女、梨花ちゃんに会い、雛見沢連続怪死事件について予言をされたということだ。
私にとってそれはとても意外だった、何故梨花ちゃんがそのことを知っているのか、死を悟っていたのか。
梨花ちゃんには、オヤシロ様に通じる予言の力が備わっていたのだろうか、こればかりはまるで分からない。
「梨花ちゃんにはとてもお世話になりましてね。私の妻を救ってくれたのも梨花ちゃんなんですよ。
あの大災害までついぞ雛見沢のことなんて思い出せなくて、大災害に巻き込まれて死ぬと言うことを知っていた梨花ちゃんを救えなかったんだ……」
「いいえ、梨花ちゃんは大災害で死んだわけじゃないです、殺されたんです」
「なんだって!」
餡子入りティラミス支援
みなぎる支援
赤坂さんの声が粗ぐ。
そこで私は全てを伝えるべきだと判断し、梨花ちゃんがどうして殺されたのかを資料と推察を含めて説明する。
梨花ちゃんが誰に、どうして殺されたのかは分からない。でも滅菌作戦を発動するためだけに入江診療所、東京の誰かに殺された。
それだけは、私はこの証拠から確信を持って言えると信じていた。
「くそっ……私はッ……! 救えなかったのかッ……!!!」
「そうです、赤坂さんは梨花ちゃんを救えなかった、そして私も」
「……」
「でも赤坂さんには私達には無い、梨花ちゃんの無念を晴らす力がある。
だからお願いします、私達の仲間の敵を一緒に討って下さい!」
「……わかりました、私は間に合わなかったけど、レナさんが命賭けで掴んだこの巨悪の証拠は、絶対に無駄にはしませんよ、ええ」
「赤坂さん、ありがとうございます」
「赤坂さぁん、私もこの事件に関しては色々思いがありましてね、私からもお願いします、おやっさんの、皆の無念を晴らしてやってください」
「当然ですよ、レナさん、大石さん!」
私はその言葉を聞いて、全ては終わったと感じた。
これで全て終わり、私は真実を手にする……。
ところが、何ヶ月たっても吉報は決して訪れなかった。
やがて冬になり、私は赤坂さんと再びコンタクトを取った。
赤坂さんによると、私が手に入れた資料を公表するのは余りに危険すぎる、消したほうがいいと指示された事だ。
何者かが、恐らく東京が関わっているために、公表する事はできない。
日本という国を揺るがすのは、今は絶対にできないと言うかららしい。
結局、私の執念は、梨花ちゃんを殺した政治闘争に翻弄され、消え行くのだろうか。
支援。支援。
興宮の学校を卒業した私はそのまま働いて自立をしようと思ったのだが、大石さんの善意で高校にも通わせてもらうことになった。
余り勉強は得意ではないし、雛見沢出身者への謂れの無い差別はますます酷くなった。
今や精神病、狂人、犯罪者と言えば雛見沢。この世の罪を全て飲み込む、悲しい悲しい私の故郷。
高校を卒業し、大石さんのツテを頼って興宮署で働き始め、西ドイツと東ドイツが一つになり、平成と言う新しい時代がやってきても、昭和58年の遺恨は晴れない。
かつては園崎家に期待もした。園崎家の権力ならば国家権力に対しても一定の影響を誇示できるのではないかと。
だが党首と時期党首を失い、園崎組が活動停止になり、身内同士で内紛に明け暮れる園崎家に、かつての力は無かった。
雛見沢の名家でさえも、力を失う時は一瞬だ。
葛西さんに会うことはできなかったし、園崎家をまとめていて、魅ぃちゃんの母親である茜さんという人もすっかり疲れきり、気力を失っていた。
茜さんには必ず魅ぃちゃん、詩ぃちゃんの仇は討つと、茜さんの前で誓った。
赤坂さんからは定期的に連絡が入ってくる。
そのたびにこの事件の真相が少しずつ明らかになっていた。
それだけが今の私を支えていた。
雛見沢症候群は元々核兵器に変わる戦略兵器開発プロジェクトの一環として研究が始まったらしい。
その代表者は入江先生と、鷹野さんらしい事も知った。
雛見沢大災害を偽造したのは間違いなく「東京」で、雛見沢関係者だということがわかった。
「東京」の大派閥である小泉派が仕掛けた、一大スキャンダルらしい。
私には派閥抗争なんてどうでもよかったけど、そんなくだらない事で私達の雛見沢が消されたかと思うと、悲しかった。
梨花ちゃんを殺した犯人は想像がついた。
十中八九、鷹野三四だ。
でもその鷹野三四の行方は、今だ知れず。
昭和58年を境に、鷹野三四が「東京」に現れる事はなくなったと言う事は知った。
何故、どうして鷹野さんがこのような凶行に至ったか。
それは予想こそついているものの、確証は無い。
真実は、今だ闇の中に横たわっていた。
さて支援支援
私が東京に再び訪れ、赤坂さんの信頼できる上司という人と話を直接行った。
でも結局暖簾に腕押しと言った様子で、資料は公表なんて出来ないの一点張り。
何よりその上司の人が言っていたのは、たとえ公表しても政府によって揉み消され、反例を捏造されて終わりだということ。
そうなれば、この資料が本当だろうと、嘘として決着が付き、何もかもは闇に消える。
だからその資料が大切なら、機会を待てと言っていた。
近いうちに政権交代や政界再編が起こり、その時こそ手持ちの資料を公表できる団体が付くかもしれないということらしい。
何度やっても、私の願いは政治の道具に利用されるばかり。
利用されていてもそれでよかった、みんなの無念が晴れるなら。
辛抱強く待つと誓ったその帰り道、まさか私達が襲われるとは思わなかった。
「……すまない、レナさん」
「いいんです、慣れてますから」
「本当に、やってられないな」
「でも、いつか必ずチャンスが訪れるなら、私はいつまでも待ちます」
「チャンスが来れば、ね。
まぁ疲れているだろうし、折角だから雪絵と美雪に顔を見せて……」
「危ないッ!?」
クロスミラージュから不意に念波が伝えられた。
私達が囲まれて、追い詰められていると。
たまたま一通りの少ない路地を通っていた所、何者かが襲撃してきたのだ。
支援
「クロスミラージュ、バリアジャケットをお願い!」
『ほいきた!』
まずバリアジャケットを展開し、防御を固める。
エリアサーチを行ったところ20人程度に囲まれているらしい。
その謎の襲撃者達は深夜とはいえ銃火器でフル武装し、人二人を始末するには明らかに過剰な装備で現れた。
一撃で倒せないと判断した襲撃者達は、即座に発砲を行う。
『Protection』
シールドを展開して銃撃の被害を最小限に抑える。
7年間の訓練でかなりシールドの防御力を向上させたとはいえ、一斉射撃を受けてシールドは崩れ去った。
しかし初撃が防げればそれで十分だった、私の拳が正面に居た襲撃者達の急所を捉え、一撃でその場に崩し落とす。
「赤坂さん、後ろは任せました」
「レナさん、ここは逃げるべきです!」
「私のことは気にしないで! それよりはまずこの襲撃の謎を掴む方が重要です!」
逃げると言う選択肢は不思議と無かった。
ここで逃げるのはたやすい。シールドを展開しながら少し走り、明るい路地で大声を上げればそれで終わりだ。
でもそれはしない、この襲撃者達は何かを知っている。雛見沢の秘密に連なる何かを。
だから、捕獲して尋問して、全てを探る。
二撃目もプロテクションで防ぎ、右翼を取り囲む襲撃者達を叩き潰す。
赤坂さんは防戦一方といった感じだが、それでもうまく敵をひきつけて、強烈なカウンターパンチをかましていた。
三撃目は無かった。私達を制圧しきれないと悟るや否や、気絶した仲間を連れてすぐさま近くの車に撤退してしまった。
そのまま黙って逃がすほどお人よしではない私は、気絶していた一人を事前に逃げられないようにきっちりと確保していた。
こいつらから話を聞けば、何が一体分かるのだろうか。
「……それにしても何故?」
「私の持ってる秘密、雛見沢の事だと思います。
たとえそうでないとしても、何があるかはこの男に吐かせます」
完全支援マニュアル
全力で支援
尋問を明るい場所でやるわけには行かないため、より暗い路地裏で男の目覚めを待った。
だが男は目覚めた瞬間、その場で舌を噛み切って死んだ。
私が止めようとしたときには、全てがもう遅かった。
殺人の罪で起訴されては仕方が無いため、警察に通報して処理を任せる事にした。
恐れていた私への罪のでっち上げは無かったが、その代わり男の素性も決して明らかにならなかった。
結局その死はヤクザの派閥抗争と名を変えて処理された。
それからしばらく私は更なる暗殺者の登場を警戒したが、以後襲撃者が現れる事は無かった。
襲撃事件からさらに1年が経過し、ソビエト連邦が崩壊してもまだ資料は公表できなかった。
もはや半分諦めていた私達の元に、野村と名乗る謎の女が接触してきたのは、平成2年の事だ。
「礼奈さん、こちらが野村さんです」
「始めまして竜宮礼奈、いやレナさん。私は野村と言う、しがない連絡員ですわ」
「……」
何で知っているのか、と言う事はあえて問わなかった。
それでも、得体の知れない何かを、その野村と言う人物から感じた。
「今日貴方に会えて嬉しいわぁ。
話と言うのはね、ちょっとした取引を行いたいの」
「……続けてください」
「あなたに雛見沢大災害の真実を教えてあげる。それだけじゃなくて特別サービスでその資料の公開についても保証してあげるわ。
その代わりレナさんに、私達のクライアントの意向を聞いて欲しいの」
「随分と私に都合のいい取引ですね」
「あなたの持つ資料が使えるようになったのよ。私のクライアントは中国の方にあるんだけどね。
何せソ連は崩壊、中国も民主化圧力がかかったり、色々して大変なのよ。
だから日本の政権を交代させて、以前より中国に忠実な政権を打ち立てて当面を凌ぎたいって訳。
そこで貴方を利用して与党に大スキャンダルをばら撒く、これなら政権交代確実ってわけ」
赤坂はもう知ってるのかww
支援!
支援
乳酸菌的支援
支援 on 乗馬マシン
それでも都合のいい話だった。
この野村と言う人物は私の知らない全てを隅から隅まで知っている。
なら、最初から自分達でスキャンダルをばら撒けばいいのにと思う。
野村のクライアントとやらは、私に何をさせたいのだろうか。
「……それで、あなたのクライアントの意向と言うのは」
「単刀直入に言えば、レナさんの戦闘力が欲しいのよね。
2年前の番犬部隊壊滅はクライアントやアメリカのほうでも話題になってね、あなたは余りにも人間離れしすぎているの。
あなたのその戦闘力の秘密を知りたいのよ。レナさん、あなたは本当に人間なんですかね?」
「……その秘密を話せば、取引は成立することができるんですか?
秘密だけ知って、裏切ったりはしないですか?」
「裏切ったりはしないわよぉ、貴方を敵に回したら怖いもの。
レナさん、貴方はクライアントだけじゃなくて、世界の要人から恐れられているのよ。
日本の特殊部隊を圧倒的劣勢下にも関わらず瞬殺、そしてそこで観測された魔法のような事象。
貴方がその気になれば、世界中の誰でさえ暗殺する事ができてしまう、それが恐ろしくてたまらないのよ。
だから貴方を怒らせてその気にさせてしまったら、私もどんな目にあうか……」
「秘密はいくらでも教えてあげます。信じられないでしょうけどね。
でも、私は貴方達みたいな悪には絶対協力しません」
「別にそれでいいわ、。貴方が私達のクライアント、まぁ中国なんだけど、中国に絶対に敵対しない。
そう誓えるなら、契約成立よ」
私はすべてを洗いざらい話した。
バトルロワイヤルに参加し、そこで雛見沢症候群末期発祥をした事。
雛見沢症候群を克服し、以前よりも格段に優れた身体能力を手に入れた事。
クロスミラージュというデバイスを手に入れ、魔法の力を手にした事も。
支援…?
ティラミス支援
レナすげぇ支援
クロミラ大活躍
「なるほど、信じられないって言うのも納得の話ね。
でもいいわ、それだけ聞ければ満足よ」
「でも、本当に、本当に雛見沢大災害の真実を報道できるんですか? 揉み消されたりしないんですか?」
「大丈夫よ、マスコミなんて私達の靴を舐めろと言ったら喜んで靴を舐める卑しい連中の集まりよ。
日本の政府が何を言おうと、遺憾の意を示せばマスコミは公表を差し控えなくてもいい、好きなように報道していい。
私達の勢力と言うのは、そういうことには慣れているのです。安心してください」
「……分かりました」
「ああ、最後に一つ。これからクライアントの意向で貴方の元をたびたび訪れることになりますが、その時はよろしくお願いしますね」
言いたい事だけ言い終わった野村と言う女性は、あっという間に消えてしまった。
そこに、雛見沢の真実と言うレポートを残して。
そして次の日、マスコミ各社はいっせいに雛見沢大災害の真実と言う特集を組み始めたらしいのだ。
その出演者として私や赤坂さんにも声が掛かり、私は始めてテレビに出演した。
そこですべての資料を洗いざらいぶちまけ、野村さんから頂いた資料も含めて全て白昼の元に晒した。
テレビの中でしか見たことの無いキャスター達や、コメンテーター、芸能人たちが驚いていた。
しかし野村さんの作成した資料は非常によく出来ていて、資料も完全に揃っていた。
だから私の事をペテン師だと疑う人間は極少数で、大多数の人間は雛見沢に起きた悲劇を信じた。
それから一ヶ月もしないうちに、政府はその事実を認めた。
内閣と衆議院はその場で即解散となり、野村さんの予定通りかつての野党が政権を握った。
その野党の党首はすっかり有名人となった私に謝罪し、雛見沢について出来る限りの保障をすると誓ってくれた。
雛見沢の封鎖はすぐにでも解除される事になったため、私の意向で平成三年の6月にしてもらうことにした。
あまりにもトントン拍子に進みすぎて、まるで信じられなかった。
それは野村さんから告げられたミッシングリンクの補完でさえ、風化するほどの衝撃だった。
10年頑張ってどうしてもかなわなかった願いは、突如やってきた悪魔が一ヶ月で叶えてしまったのだ。
524 :
Classical名無しさん:08/10/22 01:00 ID:h38LrSs6
7年って、もうレナ21,22じゃねぇかwww
こりゃすげぇwww支援。
あ、sage忘れた……すまね。
ほいほい支援支援
それでも魔法「少女」……あれ、これってなの
◆ ◆ ◆
10年ぶりに再開した梨花ちゃんの死体に、生前の面影はもう無かった。
私達はスコップで古手神社の高台に穴を掘り、骨だけになって風化しかかっている梨花ちゃんを埋めてあげた。
「さようなら、梨花ちゃん……」
「ふぅ……これで全部終わりですか、信じられませんねぇ」
「ええ、本当に」
「看護婦の鷹野さんが全ての黒幕だとは、本当に信じられませんねぇ」
「正確には、あの野村って女ですけどね」
野村さんの資料は、私の推察を完璧に補完するものだった。
雛見沢症候群の研究が打ち切られ、自暴自棄になっていた鷹野三四を野村さんが捕まえ、あらぬ事を吹き込む。
そして滅菌作戦の偽造が始まり、雛見沢は滅ぼされた。
雛見沢を滅ぼしたのは、ただ祖父である高野一二三を神の座に押し上げるためだけ。
それが済んだ後の鷹野三四は、都合が悪いので東京傘下の山狗部隊によって消されたらしい。
鷹野は不思議とそのことを悟っていたそうで、無抵抗で死んだらしい。
最後の言葉は、"ジロウさん"だったらしい。
私には神も、寄生虫も、人類史への偉業もどうでもいい。
でも一つだけ納得がいかなかったのは、どうして愛する富竹さんを殺してまで、自分の死を知っていてさえ凶行に及んだのか。
鷹野三四は高野一二三に大変な恩があり、それ以前は悲惨な生活を送っていた事も聞いた。
でも高野一二三さんは、大切な孫娘に、こんなことをして欲しいとは思わなかったと思う。
やりきれない気分は、全ての真実が明らかになって一年がたっても、未だ覚める事はない。
あー眠。支援
しえん
梨花ちゃんの埋葬を終え、古手神社の本殿に戻ってきた時、私は少女を見た。
今ならそれが何なのか、何を言っているのかも良く分かる。
それは、オヤシロ様だ。あの時私を訪れた、オヤシロ様だ。
「オヤシロ様……」
「レナさん、オヤシロ様ですって?」
「でもその方向には、誰も居ませんね」
大石さんと赤坂さんには見えない、でも私には見える。
たとえそれが妄想だとしても、その角の生えた鬼の少女はオヤシロ様だ。
それが私には、分かる。
「レナ、ありがとうなのです。
みんなの無念を、梨花の無念を、ボクの無念を晴らしてくれて」
「ごめんなさい、梨花ちゃんや皆を救えなくて」
「いいえ、いいのですよ。レナは最善を尽くしました。
だから自信を持ってください、そして次に梨花やボクと会うときは、必ず助けになってあげてください。
そして、あなたが学んだ悔しさを、真実を決して忘れないで、もう一度やり直してください……」
「……オヤシロ様」
「レナ、あなたを許してくれた圭一やみんなとはきっとまた会えます。必ずです。
ここでは無い雛見沢で、もう一度会えます。
だからその時は、ボク達のことを助けてあげてください」
「はい……」
「ありがとうなのです……あぅ…あぅ…………」
それで、オヤシロ様は消えた。
支援
「レナさん、一体何が見えたんです?」
「オヤシロ様は言ってました、皆を助けてくれてありがとうって」
「……オヤシロ様ですか、もうそれぐらいじゃ驚きませんねぇ。
ところで一体何て言ってたんです」
「私達はきっとまた会える、そして罪を滅ぼす機会を与えられる。
ここではない雛見沢で、もう一度皆に会えるって」
「……生まれ変わりか何かかい?」
「赤坂さん、大石さん、聞いてください」
「……」
「……」
「梨花ちゃんを救えなかった悔しさを、おやっさんを救えなかった悔しさを、絶対に忘れないでください。
あなた達にはまたどこかで必ず助ける機会が訪れます、だから絶対に忘れないで、次は間違えないでください」
「……もし次が本当にあるって言うなら、次は絶対梨花ちゃんを救ってみせる、絶対にッ!」
「当然ですよ、死んで生まれ変わっても怪死事件の真実は絶対に忘れませんよ、ええ、絶対にッ!」
私達は未来を誓い合った。
次は間違えない、絶対この悔しさを忘れないと。
そして、もしもう一度圭一君と会えるなら。
普通に笑いあって、普通に遊んで、普通に恋をしよう。
それまで私は、この世界で一生を費やして、罪を滅ぼそう。
はぬー支援
もう終盤かな? 支援
支援?終わりかな
レナいいよレナ支援
◆ ◆ ◆
……これでレナの物語はおしまい。
え、これじゃ物足りないから続きが知りたいって?
じゃあサービスで教えてあげるわ。
レナは羽入でも桜花でもない新しいオヤシロ様の血族として、新しい雛見沢の母として新しい神として祭られることになるの。
これでこのお話はおしまいよ。
え、そっちじゃないって?
あらあら、貴方は随分と物知りなのね、じゃあ教えてあげるわ。
梨花は決定していた死の運命を覆し、一度だけ早く最高の未来を手にするのよ。
もちろんその奇跡を起こしたのはサイコロの7、青い炎のお陰よ。
これで満足かしら? 閉じた世界の物語は、これで本当の本当におしまい。
ふぅ……
終わり…かな?
投下終了
元々7レスぐらい→12レスぐらいに増えた→31レス/(^o^)\
と言うわけで別に分割する気は無いのに前後編になってしまいました。
1-18までを前編、19-31までを後編でお願いします。
設定とか一応確認しましたが、またまた間違ってたら修正しますのです。
乙でした!
乙!
そして
レナーえがっだよぅ・゚・(ノД`)・゚・。
投下乙なんだぜ
ああ、やっぱりひぐらしには悲劇がつきものだがこれはこれでいいな!
元の罪滅ぼしの世界よりもとてもいい結果になったと思うね
ひぐらしとレナの一世一代のがんばり物語。とてもよかった
そして、ラストは皆殺し編で一足早く、梨花ちゃまは助かったみたいだなぁ
よかtったよかった
投下乙でした!!
レナ頑張ったなぁ…
投下乙でした!
10年間の戦い……長いなぁ。というか、クロミラは10年もレナの隣にいたんかいwww
なんつーか「罪滅し編裏・打開き編」ってな感じかな?
うん!いいエピローグでした!
投下乙!
決して明るい話ではないけど、すごくよかった。
それと原作で描写不足だった部分の補完も驚くほど丁寧だった。
投下乙!
ええ話や…やや暗いながらも救いのある話です
罪滅しの次の編が皆殺しだから、多分梨花と同じような転生をしたんだろうなぁ…
ってあれ、じゃあクロミラ涙目…いやいや、奴のエロパワーなら次元すら越えると脳内補完しておきましょうw
投下乙
レナの頑張り物語ここに完…!そしてご褒美のエクストラステージへ、って感じですね
やや鬱ながらも明るさを感じさせるお話、とてもgjでした
>>549 隙間から除いてたゆかりんが選別代わりに輸送した、とかありそうだw
投下乙!
レナの頑張り物語にただただ涙!よく頑張ったよおおおお…!
丁寧に書かれているし、話の雰囲気も好きなぶん、心にズンッときたぜ…!
脱出後もレナを支え続けたエロミラは支給品の鑑だなー
ああ…本当にお疲れ様…!レナ…エロミラ。 そして氏にも…今まで良い作品をありがとー!乙ッ!
すごい雰囲気が伝わりやすくて読みながら光景が思い浮かぶ様だった
罪滅ぼし編よりも良いエンディングにたどり着けて本当レナお疲れ様って感じだ
感動した、乙でした!
次は来ないかな〜
そういやさ、KASの世界ってどうなんだろ?
現実?でもマリオ混ざってるしなぁ…
MINTIAとかもブーン顔なのかなぁ
KASはブーンというよりはやる夫
TASをやる夫顔でイメージしてた。
そういや詩音って普通に大災害で死んだのかな?
とある幽体混入編だと生きてて党首になりましたって設定だっだが。
罪滅し編は本当にチョイ役だからなあ。
宵越し編はK1が学校の爆破事件を止められなかった世界だからな
罪滅ぼしとはびみょーに違う
そっか、でも大災害の時興宮の方にいた可能性とかあるんじゃない?
>>561 そうだとしても祟殺し編では自殺してるからなぁ
(・ε・ )ですが、大災害の日にたまたま雛見沢に居たので死にました。
その辺はアニメの厄醒し編みたいな感じです。
そして平成の数え方を間違えてたorz
平成3年って1991年だからまだソ連残ってるじゃない……。
というわけで25の平成2年→平成4年、1と27の平成3年は平成5年に修正です。
わざわざありがとうございます。それなら問題ナッシングですね。
レナがババァになってしまった!(2年分)
最大計算しても23、4程度だろw
文中の10年間という部分は変わらないし
10年か…その間一度くらいはバトロワ生き残りの仲間が訪ねてくることもあったのかな
霊夢あたりなら紫を通して現状把握くらいは出来そう…
ん?その場合は霊夢も10年分、年とってるのか?
様々な世界、時間からよばれたのだから同じ時を過ごしているとは限らない
>>566 ぶっちゃけ紫視点からだと送り返した直後に十年後を見ることすらできるからなんとも言えない
ふと思ったがKASが現実世界の人間だったら、還ってきたら、永井一家や外山さんとかの行方不明事件がニュースになるような。
何気に現実は参加者多かったから、そうだとしたらすごいことに…
>>562 原作者いわく、祟殺し製作中に大災害思いついたから、
その時点で名前のあるキャラを全員殺すことにしたんで、予定になかった詩音(多分葛西も)まで殺したらしい。
蔵出し1でそれ読んで、当時ちょっと怒った詩音好きの自分がいる。
宵越しで生きてたのは、それのお詫びだと思った。
>>563 ロワ内で死んいるからそれは仕方がないだろうね。
ギャルゲでもロワ内で死んだメンバーは復活しなかったし。
>>569 フィクションと現実の違いがそこだよね。
葛西は確か肺がんで死んでた気がする
>>571 それは目明しの方で平成14年に肝臓ガンで死去。これは理解できるんだけどね。
祟殺しは58年の8月に病院で死亡。何故死んだのかすら不明という適当さ。
同じ大災害ありの宵越しだと平成18年でも健在。
もうこのロワでいろんなキャラが死んでから、10年ほど経ってるのか
遊戯、ピヨシも社会人ですね
それでも俺より若いのか…
でもKASやつかさよりは若いぜ、
ん!?生き残り最年長がこいつらだと!?
時間に関しては、それぞれの世界で違うんじゃないかとか勝手に考えてたや。
だから、幻想郷での数日間が実質みんなで過ごす最後なんじゃないかとか妄想してた俺ガイル。
みんなそれぞれの時間に帰っただろ
もし仮に、レナとKASの世界が同じだとしたら
KASはバトロワ参加時の年齢のまま40代くらいのレナと逢うことになるわけだ
このロワの最年長って誰?
おじいちゃん?
それとも東方勢の誰か?
えーりんの○億歳?
八雲紫だろ常識的に考えて。
間違いなくえーりんが最年長。
少なくとも永夜抄紅魔組の6A会話で
「貴方(レミリア)の積み重ねてきた紅い歴史、私の歴史で割れば、ゼロよ。永久から見れば貴方は須臾」
と言っている事から万は軽いはず。
というか多分億超えてるみたいだし。 精々他の東方キャラは多くても万行くか行かないかだろうしな。
他参加組で言えば萃香>うどんげ・アリス>霊夢・魔理沙 だろうなー
なんか永琳に関しては神主が億いってるとか言ってるのよね。
ただし酒の席だったみたいだから公式かというと……
でも神主だしなぁ……
カービィは設定次第で相当なもんだったはずだが、
さすがに億まではいかんな
モデルがかぐや姫っつーから千年かそこらだと思ってた
>>584 永琳は輝夜(かぐや姫)の従者ですぜ
しかも永遠と須臾を操る輝夜より強いという設定
作品が進むにつれてインフレした結果だしなぁw
名前やスペル名から八意思兼神と関係があるとかないとか言われてるし
そういや唐突に現れていつの間にかフェードアウトしてたミクはどこに行った?
>>583 カービィの記憶が並行世界だの何だのからだったら0〜1才で最年少かも知れないと言ってみる
ニコニコ流星群は大変なオペレータールームで(ryでは平面時空がどうとか言ってるしありえなくはない・・・かも
>>587 バグってそのまま死にました。
八意思兼神って一番賢い神様だよなぁ。
そりゃ永夜抄で主人公も負けるわけだ。
つまりその永林を追いつめたフシギダネは神をも越える存在だったんだよ!
ニコロワって、どのロワよりキャラの年齢差あるのな
─┐ |: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :./
__ノ |: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :./
─┐ |: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :./
__ノ |: : :,レ-゙´!|ト.,_: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : /
.レ´ l| ↑: : : : : : : : : : : : : : : : : /`丶、_
¨ノ | ∧ |: : : : : : : : : : : : : : : : / /`丶、_
/ ミ、 ∧.σ,l!: : : : : : : : : : : : : : ./ / `ヽ、
/´ 、ヾミミ _γ´: : : : : : : : : : : : : : ./ / /丶ニ、
__/´ 、 ミ ∠ニ.y_: : : : : : : : : : : ,/ / //ヽ 、`丶ニ_、
__ , l `¨゙゙゙`'冖ー-┘ / //::::::::::::::::`'-、 `丶-
`'-、_ |゙i .`、 / //:::::::::::::::::::::::::::::::`'-、_ `
,/´ | ', \ / //::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〉 /
/ ヽ,y'゙,、_/´゙゙¨ ̄ / //:::::::::::: 仮投下 ::::::::::::::::// /
/ ,/´ _,.--'´ ̄`'冖--し..,、 / / ヽ、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::// /
/ ,/∠_,..-冖´ ¨゙'''------┘ト''' ソ. `'-、:::::::::::::::::::::::::::// /
_へ___,/ヘ ̄\ ______,,...----'' ̄_y,┘, `'-、::::::::::::// /
,./::::::::::| i ,i.l l ,.. -冖´丶_,ニ' -、_ `'-// /
/;;;;;;;;;;; | `´,ト | 冖' ̄ _,.-'´ l、 `'-、 / /
--冖'¨¨´フ¨`-、 _,..--<´イ'''-t--v、 `'-、y´/
\ /_イ .Y´`丶、 .入 ,. i |;;;::: `'-、_ '-、
社長の参戦時期をDM後〜GX前で書いたけれど、確認のため誕生日記念に冒頭を仮投下。
変だったら指摘下さい
俺の誕生日は明日だぜ!
投下乙
社長とモクバはこれでいいと思う
でも、磯野は……別に生存してもいいんじゃないかなと俺は思う
別のロワでは死者スレを行き来したり、登場してもいないのに登場しているキャラがいるから
そういうカオスなノリ
みたいな
いいんじゃない?
本投下待ってますよ
なんかしたらば避難所にヘンなのが2つほどできてんだけど……
冒頭の段階なのでこれから何かあるのかもしれないけど、
幻想郷での霊夢の知り合いは死んでた、とあるが、えーりんはどうなのだろうかとか思った。
まあ、幻想郷→ニートと三国志→ニコロワ→打開後の幻想郷と考えたらなんら不思議な事ではないんだけど。
・そんなに長居していなかったため幻想郷のえーりんの生存を知らない
・霊夢の知り合いというほどの仲でもない
さぁ、どっち!
>>598 それはそれで霊夢がニート知らないのはおかしいってことにならね?
名簿的にもえーりんの真上にあるし、えーりんの掲載位置が妙ということには言及してたし
えーりんだけ並行世界(東方三国)の出展だから、えーりんは普通にいたハズ。
つか紫の番外編でうどんげを心配している描写があった。
でも番外編だし、なかったことにされてる可能性もあるな。
医者だし、全員の治療には携わったんだろうけど、全員寝てたんだろうなぁ…
東方の連中は山田経由で冥界で会えるかもね。
そもそもニート三国志はまだ未完だったはずだし、その間の出来事が分からないんじゃどうしようもないと思うんだけどねぇ
ニコロワで死亡したのはニートの三国志統一を目指した並行世界のえーりん。
霊夢の居た幻想郷から、ニコロワに呼ばれて死亡したのは魔理沙、萃香、うどんげ、アリス。
だから、生還組が訪れた霊夢の居た幻想郷でのえーりんは死んでないということかー
これで魔理沙達も並行世界(別動画)からの参戦とかだったら、ややこしかっただろうなー
まぁ、幻想郷のうどんげは死んだんだから、
死んだえーりんが幻想郷のえーりんだったら蓬莱ニートは永遠亭でてゐと二人暮らしになっちまうしな・・・
一応永遠亭にはイナバがたくさんいるんです
>>605 そんな基本的な設定を忘れるとは・・・同人誌の読みすぎか・・・俺・・・
指摘ありがとうございましたー
磯野はまあ、死者スレ繋がりもありますが基本は無関係ということで。
永琳は……すみません、見落としてました。
霊夢が掲載位置について言及してたので、知っている永琳とは違うと気付いているものかと勘違いしてました
ちょいと修正しておきます
本投下ですが、リアルがファーイなのと遅筆がたたってまだ完成していませぬ
そのままゆっくりでよろしくお願いします
>>603 東方勢の死者は4人なんだな…
そういえばポケモンに出てくるレジ系もあわせてy…(ry
何気につかさのその後が気になりまくてる俺ガイル
それはもうさんざん言われてるからいちいち言わなくてもいいと思うが
志村ー、思いっきりてゐ書かれてるぞー
鈴仙がいないとてゐは遊び相手がいなくて可哀相だな……何となく
しかも残ってるのが蓬莱ニートだけとか
うさぎは淋しいと死んじゃうんだぞ
出来ない自分が言うのもおこがましいが
誰かwikiの地図をコチョコチョっと更新しては く れ な い か
KASエピローグ投下します
長いので支援をお願いしたいです
「ええいHA☆NA☆SE!!俺は画面の向こうのみんなに愛と平和をプレゼンしないとだめなのだ!!」
「駄目だよKASくん!この時期に勉強しないと大変なんだから!!ね?私と勉強しよ!!」
「うわぁあああああああああAITIA自重AITIA自重!!MINTIA助けろバカ!!」
「助けを求めるのに『バカ』はないだろ……常識的に考えて」
AITIAという女の子に手を握られ、図書館へと無理やり引っ張られるKAS少年。
MINTIAはそんな二人を冷めた目で観察している。今日は気持ちいいくらいに晴天な日曜日。
KAS少年は待ってましたとばかりにマリオ64をプレイするつもりだったのだが、彼も一応受験生である。
彼を取り巻く人たちが、ゲームする事を許してはくれない。
「MINTIAくん手伝って!!KASくんはゲームしないで今から私と勉強するの!!」
AITIAに言われ、渋々手伝うMINTIA。
今日はKASに誘われ、久々にKAS動画の手伝いをするはずだったのだが、AITIAにこう言われては仕方ない。
2人でKASを引っ張り、近くの図書館へと向かう。KASがあんまり駄々をこねるのでAITIAとMINTIAは大きな声で叱った。
なんでもない、普段の光景。平和すぎる光景である。
友人と彼女がKASを引っ張る、そんな光景を物影からこっそりと観察する男が一人いた。
その男は常に笑顔で、配管工ルックに身を包んでいる。頭に着けているリボンが恐ろしいくらい似合っていない。
KASやMINTIAに比べると明らかに、不自然なほどにチビだ。
さて、その人物とは……
「なん……だと……!?」
みんなご存じ、バトルロワイアルの打倒、そして邪神HAL打倒に成功し、殺し合いを生き延びた『KAS』である。
紫に元の世界に戻して貰って、まず最初に見た光景がこれである。
「俺は勉強なんてしたくないんだよぉおおおおおおお!!」
「大丈夫だって!!私が教えてあげるって!!」
KASは足りない脳みそで必死に考える。
あのバカっぽい男は何者だ。どうして俺の代わりにMINTIAやAITIAとよろしくやってんだあのやろぉおおぉおぉおぉお
折角無茶苦茶なクソゲークリアしてやっとKASの愉快な仲間達と再会できると思ったってのににに!!
よくも俺に成りすましやがったていうな!!
AITIAとMINTIAはまるで本物のKASを相手にしているように、普段と変わらない様子であの男に接している。
KASに比べて冷静だが馬鹿なMINTIA、何かとKASの世話を焼きたがるAITIA。普段と変わらない二人だ。
それをあの男に奪われた。訳の分からないあの男が、いつの間にかKASの座を奪っていたのである。
KASは大いに怒り、意を決して、3人の前に躍り出た。あのよくわからんバカっぽい男を追い払わなければならない。
自分の存在に関わる。
「やいこのバカス野郎!!俺がいない間にAITIAとバカを騙しやがったな!!おまえ何者だっていう!!」
「「「…………………」」」
3人はポカーンとした顔で怒っているニコニコ男を凝視した。
誰も口を開こうとはしない。当然である。ゲームの中のキャラが突然自分達の前に現れたのだから。
「あ……あれ?」
折角カッコよく叫んだKAS自身も、3人の反応を見て、戸惑いを隠せない。
KASはなんとなく恥ずかしくなり、カッコよく決めていたポーズを崩し、3人の前で所在なさげにもじもじした。
なんなんだこの沈黙は……俺は全然おかしな事言ってないのサ。
「おい……こいつ……VIPマリオのブーン……じゃね?」
「いいいいい言われてみればそうだな。なんというハイパーミラクル未知との遭遇宇宙の奇跡」
「お前焦り過ぎだろ……常識的に考えて」
支援オブナイツ
漸くMINTIAが口を開き、人間のKASが焦りながらもそれに答える。
KASを見ながら、ひそひそと二人は話す。明らかに不審そうな態度が、KASの癪に障る。
AITIAはというと、マスコットのように小さく、いつでもニコニコしているゲームKASを……
「なにこの子可愛いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!」
思い切り抱きしめた。人間KASの顔が青くなり、ショックを受けている。
漸く沈黙が掻き消え、念願のAITIAに抱擁してもらったKASは、ほっと一息吐く。
そしてなんだか日常に戻ったよな気がしてきたKASは、これを切欠に増長し、叫んだ。
「うぉおおおおおおおおおおおおおおAITIA会いたかったってヴぁあああああああああ!!1」
KASはどんどん調子に乗り、AITIAを……
「てめえ何やってんだぁあッッ!!KASKASパンチ!!」
「パンチじゃなくてキックだろ」
MINTIAの言うとおり、人間KASはパンチではなくキックをゲームKASに向けて放ち、寸前のところでセクハラ妨害に成功する。
ふごっとか言いながら苦しむゲームKAS。セクハラされそうになったAITIAは苦しむゲームKASを見て慌てふためく。
「ちょっとこのバKAS!!こんなちっさい子に蹴りいれることないでしょ!?」
「黙れこのAITIA野郎!お前なんか変な事されそうになったてヴぁああああああ!!」
「私は野郎じゃないわよ!!」
「論点はそこじゃねーだろ!!」
MINTIAがツッコミを入れ、今にも喧嘩に発展しそうなAITIAと人間KASの間に入る。
「初対面で痴漢してくるような奴なんているわけないでしょ!いたとしてもあんたぐらいよバKAS!!」
「思いっきりなんかしようとしてたじゃねえかあのブーン!!なんで気づかないっていう!!それに俺はそんな失礼な事しませんッ!!」
「はいはいはいはい分かったから……」
支☆援☆王
睨みあう二人。真中に居るMINTIAが実に邪魔である。
「MINTIAのバカや私がいないとあんた何しでかすか分からないじゃない!!」
「そんな事ねえッ!!MINTIAのバカなんか全く必要ないぜ!!むしろMINTIAの方が俺を必要としてるみたいな?
こいつ俺なしじゃ何も出来ないっていうwwww」
「MINTIAのバカは元々、あんたがいても私がいても何も出来ないわよ!!このバKAS!!」
「お前ら……標的変わってるだろ……常識的に考えて……」
2人の仲裁に入っただけなのに、迸るイライラの吐きどころにされたMINTIA。
冷静な彼もさすがに少しがっかりする。
「とにもかくにもお前は誰なんだぁああああああああああああああああああああ!!!」
苦しみから復活したゲームKASが人間KASをびしりと指差し吠える。
「知るかぁぁああああああああああああああ!!!お前こそ誰だぁぁああああああああああああああ!!!」
「俺はKASだぁああああああああああああああああああ!!!」
「KASは俺じゃぁぁああああああああああああああああああああああ!!!お前ブーンだろぉおおおおおおおおおおおお!!!」
「ブーンって誰じゃぁああああああああああああああああああああああああ!!!」
2人のKASは詰め寄り、至近距離で睨みあう。
身長に大きな開きがあるので、ゲームKASは見上げ、人間KASは見下し、睨みあい叫びあう。
明らかに近所迷惑である。それを見たAITIAの瞳は鋭く光り、睨みあう二人の後方に立ち、
「うるさいッッ!!静かにしなさい!!」
「ぶごっ!!」
人間KASの頭を殴り付け、ひとまず騒動に区切りをつけた。
バカを一瞬にして、簡単に黙らせたAITIAを見て、MINTIAは冷や汗を流した。
人間KASは頭を痛そうに擦りながら、AITIAに向かって汚い口調で悪態を吐く。
AITIAはそれを華麗に無視している。
「えーっと……小さい方のKASくん?ちょっと、色々聞かせてくれないかな?」
AITIAは、悔しそうにしている人間KASを嘲笑うゲームKASに、にこりと笑顔を投げかける。
ゲームKASは頷く。こちらとしても色々話したい気分だ。自分がどんな騒動に巻き込まれていたのか二人に伝えたい。
KASは全てを話し始める。
殺し合いの事、仲間達の事、デジモン達の事、そしてみんなで力を合わせて倒した邪神の事────
色んな事を話すつもりだ。
「こ、殺し合い!?」
「めちゃくちゃな話だな……」
MINTIAとAITIAは驚いている。無理もない。
KASはぽつぽつと、順を追って話していく。日本語のおかしさゆえに、二人は度々混乱したが、
なんとか噛み砕いて理解していく。TASの事を話し始めた時、人間KASの瞳の色が変わった。
「TASに会ったのか……」
人間KASは驚きを隠せない。ゲームKASの話が真実なら、【KAS】の宿敵はもうこの世にいないという事になる。
越えるべきライバルがいない。人間KASはほんの少しだけ、さみしいな、と思った。
ゆっくり支援していってね!!
「TASよりも俺はレナやつかさ、遊戯達アニメキャラに会ったってのに驚いたぜ」
MINTIAが割り込むように口を開く。
「それで、KAS1号くんはみんなで力を合わせて殺し合いを破壊したんだね」
「そうっていう」
MINTIAとAITIA、そして人間KASはゲームKASの話を咀嚼し、それぞれ考える。
あまりに突飛な話だが、何よりも突飛な存在が目の前に居るのだから、もしかするとこの話は本当に真実なのかもしれない。
ふと、人間KASは何かに気づいた。なんともげんなりとした表情でAITIAに問う。
「こいつが1号って事は……俺は2号なわけ……?」
「うん。そう。別にいいじゃない。KAS2号くんは明らかに1号くんよりも大人なんだから構わないでしょ?」
「いや……こいつ体が小さいだけで別に俺より子供ってわけじゃ……」
ぶつくさ言う人間KASに対して、AITIAが睨みを利かす。
鋭く冷たい視線が人間KASを怯えさせる。
「おk。私はKAS2号。了解しました」
「分かればよし」
「しかし……」
MINTIAが顎に手をあて、思索を巡らせながら口を開く。
「信じられないな……本当なのか?アニメキャラとかがこの世にいるわけないだろ常識的に考えて」
ゲームKASはそれを聞いてあー、と声を出し落胆する。
「これだからMINTIAはバカっていう。このリボン見ろ」
KASの頭に着けられたリボン。霊夢の存在を示す証拠である。
続いてKASは、武装連金を発動させる。銀色の防護服が構築されていくのを見て、3人は腰が抜けるほど驚いた。
スパイラル支援
支援するっていう
「すげえ!!これシルバースキンって言うんだぜAITIA」
シルバースキンを見て、大はしゃぎする人間KAS。
「へー……凄い。カッコいいねーKAS1号くん」
「それほどでもないっさ!!信じたかMINTIAこのやろー」
MINTIAは驚愕しながら、うんうんと頷き、納得した事を示す。
「で、どうしてKASくんが二人になっちゃったんだろ」
「それだよな。1番の疑問はそれだ」
疑問であるし、そして何よりも、KASが二人に増えては困る。色んな意味で本当に困る。
ほぼ同じ人物が二人もいれば、様々な場面で困るだろう。本人達が一番困るはずだ。
口にこそ出さないが、この時、MINTIAとAITIAは奇しくも全く同じ事を考えていた。
「俺はこんな奴がKASなんて信じないっていう!」
「俺だって認めねーよ!!」
またまた喧嘩しそうになるKAS2人をMINTIAが抑える。
「でも私達から見たら、KAS1号くんとKAS2号くんは外見以外ほとんど同一人物だよね」
「ああそうだな。1号の方が若干テンション高くて日本語おかしい気がするが……」
「1号くんの方が可愛いしね」
妙に納得している2人を恨めしそうに見て、KAS1号は問うた。
三人と出会ってから一番気になっている事である。
「一つ聞かせてくれなのサ。俺は今まで三日間殺し合いの中で戦いまくってたけど、
AITIAやMINTIAや、そこの俺もどきは、三日間普通に生活してたのか?」
シャイニングスパイラル支援
1号の問いかけに、3人は顔を合わせて考え会い、1号に向かって揃って頷いた。
殺し合いなど一切関係なく、普通に三日間を過ごしていたようである。
やっぱり、そうだったのか……。半ば予想していた事ではあったが、この時、1号の方のKASはたまらない虚無感を覚えた。
日常に戻るために、殺し合いの中奮闘してきた。レナ達と共に神を打開し、クソゲーをぶっ壊し、漸く日常に戻る事が出来ると思っていた。
そのためだけに、日常を取り戻すためだけに命を賭けて戦ってきたのだ。
それなのに、帰った世界では別のKASがいて、普通に生活を送っていて。
KASの席はどこにも開いていなかったのだ。
「じゃあ……という事は、AITIAとMINTIAにとってのKASは俺じゃなく……そこにいる奴なのかっていう?」
AITIAとMINTIAは顔を突き合わせ、お互い苦い顔をした。
『三日間普通に生活していたのか?』という問いに対して、簡単に頷いてしまったのは明らかに失敗だった。
KASの問いにどうしても答える事が出来ず、沈黙しか出来なかった。
確かに、確かにAITIAとMINTIAにとっての本物の『KAS』は、1号ではなく2号、つまり今までずっと友達だった人間のKASの方である。
だがしかし、KAS1号は殺し合いを強いられ、何とかしてこの世界に戻るために奮闘してきた。
そんなKAS1号に対して、本音を言えるわけがない。故に、沈黙を貫くしか出来なかった。
言葉を発せずとも、伝わる気持ちも勿論ある。AITIAとMINTIAの沈黙は、下手の言葉よりも遥かに彼らの『本音』をKASに伝えた。
2人から滲み出る本音は、KASの心を何よりも抉り取った。
AITIAとMINTIAにとっての『KAS』は、俺ではなくそこのバカっぽい人間……
KAS1号は沈黙から二人の本音を読み取り、そしてこれ以上ないほど傷ついた。
『KAS』はもういる。本物のKASは三日間普通に日常を謳歌していた。
偽物のKASには入りこむ隙などかけらもないような日常がそこには存在していた。
KAS…
ゲームKASは人間KASを睨みつける。
今、KASは二人いるが、AITIAとMINTIA、弓道部の友人達、そして家族はそれぞれ一人ずつしかいない。
『KAS』の椅子は、すでに目の前の男がキープしている。ゲームKASには元々、戻るべき日常など用意されていなかったようだ。
KASは不自然に、爽やかな声を出す。AITIAとMINTIAに自らの悲しみを悟られないように。
「なるほど。俺には帰る日常なんて元々なかったというわけか!!」
「KASくん……」
自分は偽KAS。そう認識すると、KASの頭は今までにないほどクリアになり、謎だった事に気付き始める。
そうか……そう言う事だったのか……!!
「そりゃそうだ!!」
KASは大きな声で叫んだ。両目には涙が溜まっている。
「ニコニコで人気なのはKAS本人じゃなくKASが動かしていたキャラ、つまり俺の方ってことか!!
ノヴァとかマルクとかピエモンとかが、KAS動画からキャラクターを無理やり召喚したんだってヴぁ!!
KAS本人じゃなくキャラクターを!!!だから俺はこんなに運動神経いいし!!ニコ動知識もたっぷりある!!」
「おい……KAS……」
様子がおかしいKAS1号を、AITIAとMINTIAが心配そうに見つめる。
人間KASはというと、よく分からない複雑な表情をしている。
「折角頑張ったのに俺の帰る場所はない!!居場所はどこにもない!!わはははははははははははははは!!!
もしかして俺の行動は全部全部無駄だったってことなのか!!みんなで頑張った打開したのも無駄だったてか!!」
「おい……そんな事言うなよ」
MINTIAがKAS1号に手を伸ばす。
「触るなっていう!!」
KASはMINTIAの手を振り払い、泣くように叫ぶ。
「他人の人間関係を無理やり乱すほどこのKASは野暮じゃないのサ!!
俺は、俺はAITIAとMINTIAと本物KASの前から潔く消えるってヴぁああああああああああああああああああああ!!!」
何?更新?支援したいが追いつくまで間に合うかッ・・・
MINTIA、そしてAITIAの制止を振り払い、KASは無理やり笑いながら、物凄い勢いでどこかへ駆けて行った。
「追いかけよう!!KASくん!MINTIAくん」
「おう、わかってる!」
「…………」
AITIAが一番に駆け出し、続いてMINTIA、最後に未だ微妙な表情の人間KASがゲームKASを追いかけ始める。
しかし、追いつけはしない。バトルロワイアルを乗り越えたKAS1号は、紛れもない『最速の男』へと変貌していた。
だがしかし2人は諦めない。何が何でもゲームKASを捕まえなければならない。
捕まえて何をするかはまだ分からないが、今はとにかく、悲しんでいるKASを捕まえて、話を聞いてやらなければならないのだ。
ここでゲームKASを逃せば、きっと彼は駄目になる。
「無理だ!だってあいつブーンだぜ!?AITIAは知らないかもだけどあいつゲームの中で凄い動きするんだぜ!?」
「やかましいバKAS!!それでもあの子をほっとけるわけないでしょ!!」
早くも諦めかけている人間KASをAITIAは一喝する。
そう言ってる間にも、どんどんどんどんゲームKASとの差は開いていく。
完全に見失い、3人はぜいぜい言いながら足を止める。
「どうする……!?見失ったぞ……!あいつ早すぎるだろ常識的に考えて……!」
息を整えながらMINTIAが二人に向かって尋ねる。
「先回りするしか……ないよ……!あの子はほとんどKASくんだから……!
KASくんがこういう時に行きそうな場所を考えれば……!」
「KASどこだ!?あのブーンはどこ行くんだよ!」
ぜいぜい喘ぎながらも、KAS1号捕獲作戦を組み立てていくAITIAとMINTIA。
しかし人間KASだけはいまいち乗り気ではない。喘ぎながら、暗い顔をしている。
さっさと言えよ、と迫るMINTIAに対していつまでも口を開こうとはしない。
支援ッ
「お前らなあ……」
漸く口を開き、発した声はどこか悲しげな色を帯びていた。
ゲームKASにとって、人間KASの存在は鬱陶しくて仕方がないだろう。
KASは二人いるが、AITIAやMINTIAはたった一人しかいないのだ。『KAS』の椅子は一つしかない。
だからこそ、人間KASには分かる。ゲームKASを追いかけ、捕まえたところで、何も解決しない事を。
ゲームKASは人間KASに気を使っているのだ。だからこそ、AITIAとMINTIAを振り払いどこかへ逃げて行った。
自分が自分に気を使っている。自分のためを思い、自分は自重している。
文にしてみれば変な感じだが、実際このような事が起こっている。
「KASは俺だぞ……あいつはKASじゃないんだ……あいつをどうするつもりなんだよ
KASは……KASは俺だ……これは紛れもない事実。あいつは俺がいる限り『KAS』じゃない!!捕まえてどうする気なんだよ!!」
KASの主張に、AITIAとMINTIAは猛然と食ってかかる。
「そういう問題じゃないでしょうがバKAS!!」
「あいつは今まで殺し合いに参加させられてたんだぞ!?相変わらず馬鹿だなお前!!」
KASは本当に悔しそうに2人を睨みつけ、ある方向を指差した。
「向こうだよ!!向こうのスーパーの辺りを探せばいると思うって!!」
「分かった!じゃあ行くぞ!」
「俺は探さないからな!」
はっきりと、KASはそう言った。
KASの言葉にAITIAは呆れ果てる。
支援ッ!
「あんたねえ……あの子は殺し合いに参加させられて、やっと日常に戻って来たのよ?
なんであの子をそんなに毛嫌いするのよ。あの子とあんたは同一人物でしょ!?」
「お前らは全然分かってない。同一人物だからこそ、捕まえても無駄っていうのが分かるんだよバカAITIA!!」
睨みあうKASとAITIA。
「もうそいつに何言っても同じだよ。バカだから」
MINTIAが乾いた声で言い放ち、AITIAに早く追いかけようと詰め寄る。
AITIAは、バKAS、と一言だけ言い捨て、MINTIAと共に再び駆け出す。
必死になって自分の分身を救おうとする二人を乾いた眼で眺め、人間KASはどこかへ歩いて行った。
▼ ▼ ▼
3人を振りきったゲームKASはあまり整備されていないあぜ道をとぼとぼと歩いていた。
人間KASの存在は本当に予想外だった。日常に戻るために奮闘したはずなのに、まさかその日常が元々存在していなかったとは……
自分はノヴァか何かによって生み出された『KAS』であり、本物の『KAS』ではない。
MINTIAやAITIAと遊んだ記憶も、今まで生まれてきてから経験した全ての記憶も、全部作りモノなのだ。
死にたくなるくらいひどい事実である。
これからどうしようか……
ここには自分の居場所はない。となると、新たな居場所を見つけるしかないだろう。
いったいどうやって……。今思えばこんな配管工スタイルではただの浮いた奴じゃないか。
AITIAやMINTIAはもはや他人だ。偽物ではなく本物のKASがいるのだから。
KASの椅子は残念ながら一つしかない。二人に頼る事は出来ない。
頼りたいけど……またMINTIAとゲームしたり、AITIAと遊んだりしたいけれど、それも出来ない……
自分には資格がない。自分には2人と仲良くしていい資格がない。
本物のKASは自分ではなく、あの男なのだ。『KAS』の日常を、KASが奪っていいはずがない。
バトルロワイアルに参加して、日常の大切さを何よりも理解したKASには、人間KASの生活を脅かす事など出来ない。
したくもない。
「うう……ううう…………くぅ」
KASは溢れそうになった涙を袖で拭き取る。
けれど涙は次から次へと噴き出してくる。
散々泣いた後、ある人がKASに声をかけてくる。
「あんた……どうかした?」
泣いているニコニコ少年が気になったのか、前から自転車で迫って来た中年女が、
KASの傍で立ち止まり、声をかける。KASは袖で涙を拭きながら、俯いたまま「何でもないっていう」と答えた。
どうみても何でもなくはない少年を、中年女は困ったように見つめる。
中年女は仕方なく自転車を道の脇に止め、KASの頭を撫でてあげる。
何故ここまでこの少年が気になるのか、中年女には分からない。
理由は不明だが、何故か放っておけないものがこの少年からは感じられる。
「げっ……」
「あ、KAS」
MINTIAとAITIAを騙し、一人だけ先周りに成功した人間KASは、中年女がゲームKASの頭を撫でているのを見て苦悶の声を上げる。
追いついた!支援するしかない!
スーパー支援デラックス
支援だッ!
「母親に向かってげっ、とはなによ」
「あ……いや……。それよりそいつ、もしかして」
「あ、知ってるの?この変な子」
人間KASは中年女を引っぺがし、ゲームKASを凝視する。
ゲームKASは相変わらず俯いたままだ。
「おい、顔上げろよ」
人間KASは半ば無理やり、ゲームKASの頭を上げさせ、中年女を彼に見せる。
涙と鼻水でぐしゃぐしゃになったゲームKASは、人間KASと同じように「げっ」と言い、中年女を凝視する。
「こ、こんなところでママンかよ……」
「は? ママン?」
中年女は困惑している。
「ちょ、ちょっと母さんごめん」
人間KASはゲームKASを抱き抱え、母親から離れる。
「なんだよ。なんのようだっていう」
1号は2号の腕の中で問いかける。
「あー……えっとなあ…………俺だって鬼畜じゃねえんだ……」
KAS2号はしばらく言い難そうにしていたが、やがてぽつぽつと言葉を紡ぎ始める。
「俺、今日は弓道部の友達の家に泊まろうかなあ……だから別に今日くらいなら……
誰かが俺の家でAITIA達と仲良くしても、誰も困らないなあー……俺も困らないなー
適当な友達の家行って、俺は俺で遊ぶからな……」
「…………? そ、それはどういうことなのサ!」
「誰もお前の邪魔をしないって事。お前はなんにも自重しなくていいって事……
俺の心配もしなくていい……本物とか偽物とか、今日だけは考えなくていいって事……だよ」
支援!
人間KASはゲームKASを下ろし、母親にゲームKASを家に泊めるよう交渉を始める。
驚き、困惑する母親を、人間KASは根気強く説き伏せていく。
「あんた何にも知らないような子を泊められるわけないでしょうが」
「頼む!しばらくゲームもパソコンも触らないからお願い!あ、あとAITIAとMINTIAも泊めさせてやってくれ!
俺は今日友達の家に泊まるからよろしく」
母親はげんなりした様子でKASに向かって口を開く。
「あんた言ってること無茶苦茶でしょ……」
「だからお願いだって」
「お願いしますぅうううううううううう!!ママン!!!」
ゲームKASは土下座し、訴える。それを見た母親はうろたえる。
「お願いだって母さん。あいつは母親いない可哀想な奴だぜ!母さんの事を実の母親と間違えてるぜ!?
どーする!?どーすんの母さん!?!?!?」
「分かった分かった!!やかましい!!」
これくらいですぐ折れるのはどうかと思うが、やはりそこはKASの母親、彼女も細かい事をとやかく言う方ではないようだ。
それに人間KASが友達の家に泊まるというのは、母親にとってなかなか嬉しい事である。
人間KASがいると、家の中が煩くて煩くて仕方がないからだ。
「MINTIAとAITIAちゃんはこの子知ってるの?」
「当たり前だのクラッシャー!知り過ぎてるくらいだぜ」
凄い支援だ……
KAS共存シエンドだと? ―――落ち着け、これは書き手の罠だ
それを聞いて母親は安心する。MINTIAとAITIAなら安心できる。
二人に任せておけば何の問題もない。たったこれだけの事でKASが今晩いなくなるのはなかなかの好条件である。
「そう。なら、まあいいわ」
「ありがとぉおおおおおおおおおおおカーチャン!!」
ゲームKASは母親に飛びつく。ぐはっ、とか言って母親はバランスを崩し、地面にぶっ倒れた。
「バカッ!いきなり飛びついて来るんじゃないよッ!!」
ゲームKASをほどほどに叱り、埃を落としながらカーチャンは立ち上がる。
「俺はバトロワから復帰したんだぜカーチャン!!見事大活躍した俺の雄姿を教えてやりたいぜカーチャン!!」
「分かったわよやかましい!!何なの、KAS並みに騒々しい子だねぇ!!」
カーチャンの口調は荒っぽいが、どことなく漂う優しさが言葉の毒を抜いている。
「KAS並みじゃねえ!!俺はKASだ!!」
「はあ?」
カーチャンは困惑する。それを見て人間KASが口を開く。
「そいつの名前はKASだ。あだ名じゃなく本名がだぜ。
ま、今日は俺は友達の家で泊まるから、そいつをKASとして扱ってやってくれ」
「…………なんで?」
ちっ、物分かりの悪いババアだ。人間KASは心の中で毒を吐く。
「何でもいいから!そいつは色々とカワイソーな目に会ってるからな!
KASとして扱えって言ったらKASとして扱えってんだ!!」
「母親に向かって偉そうな口きくんじゃないよ!!何だか知らないけど、
この子供は外見以外あんたに瓜二つだから嫌がおうでもKAS扱いしちゃうんじゃないの?」
「さすがだババア!!すげえいい加減なババアだぜ!!」
「ババアとはなんだ!!!二度と帰って来るな!!!」
怒り狂う母親から人間KASは全速力で逃げ出した。
母親はやれやれといった風に溜息を吐き、ゲームKASの方に向き直る。
「あんた名前は?MINTIAとAITIAちゃんの事知ってるの?」
「さっきも言ったが俺はKASだ!!MINTIAとAITIAは知りすぎて困るくらいだぜ!!
俺を見くびるなクソババア!!!」
「クソババアとはなんだ!!!」
母親はつい脊髄反射で、ゲームKASの頭をぶん殴った。
KASは痛くて痛くて死にそうだったが、漸く日常に戻れたことを実感した。
母親は、じゃあ行こうか、と言い、KASはそれに元気よく頷く。
母親の乗る自転車の荷台にKASはちょこんと座り、二人乗りで我が家へと帰る。
邪魔者は、人間KASはもういない。ゲームKASはとうとう日常に戻れた。
「あのバカ!今日は友達の家でずっと遊ぶんだってあのバカ!!1号くんほったらかしで!!
身勝手すぎるわあのバカ!!最低すぎるわあのバカ!!」
「バカバカ言い過ぎだろ……常識的に考えて」
AITIAは人間KASから送られてきたメールを読み、怒り狂う。
結局、スーパーの近くにはゲームKASはいなかった。
ゲームKASがもしかしたら家に戻っているかもしれないと思い、MINTIAとAITIAはKAS家に引き返したのだ。
しかし、ゲームKASはいない。人間の方も勿論いない。
「あ、またバKASからメール来た」
AITIAは携帯を開き、確認する。
罠です!後ろからも支援が!
『お前ら今日は俺んちで泊まっていけ。これは命令っていう。MINTIAは俺のAITIAに指一本触れないようにくれぐれも注意しとけ
お前らの他に、特別ゲストが泊まると思うから、くれぐれも『いつものように』対応する事。あとは頼んだ』
「どういうことだこれ?」
MINTIAが疑問符を浮かべる。
「……勝手な奴ね。MINTIAくん。しばらくの間、最低な方のKASは忘れようか」
「え? は?」
「おーいMINTIA、AITIAーーーーーーッッ!!わははははははははは!!」
小さい方のKASと、その母親が自転車二人乗りでMINTIAとAITIAの方へ向かってくる。
KASは馬鹿笑いしながら手をぶんぶん振っていた。
力いっぱい手を振る。どっちみち、いつかはみんなの前から消えなければならない。
KASの椅子は一つしかない。突然現れたゲームKASが人間KASの立場を奪ってはならない。
ゲームKAS自身、そんなのは嫌だ。
だから、今日、今日だけは精一杯日常を満喫する。
真のKASがくれた一瞬の日常。真のKASがくれた気配り。無駄にしてはならない。
たった1日しかないゲームKASの日常。ゲームKASは、明日にはどこかへ消えるつもりだ。
そうしなければ今度は人間KASの日常を自分が奪ってしまう事になる。
KASは、この時間を大切に使おうと思った。2度と手に入らない、かけがえのない時間だから……
霊夢、レナ、日吉、つかさ、遊戯、カービィと共に死に物狂いで勝ち取った、一瞬の日常を──KASは大事にしようと思った。
「KASくーーん!!」
AITIAがKASに答えてぶんぶん手を振り返す。
それを見てMINTIAも手を千切れんばかりに振る。
KASは自転車から飛び降り、二人の元へ超特急で突っ走った。
「フライングボディアタック!!」
「ゲバっ!!」
KASはMINTIAにタックルをかまし、それから馬鹿笑いした。
この日、KASは幸せだった。KASの体、そしてKASの記憶はノヴァに作られたものなのだが、それは些細な事に過ぎない。
とにかく、KASにとって最後の日常であるこの1日は、人生最高の1日となった。
例え一瞬で終わろうとも、そしてKASが『作られたKAS』であっても、楽しい事に変わりはなかった。
この日KASは────
凄惨な殺し合いを乗り越え、大切な人たちと日常を過ごす事にした。
KASはMINTIAとAITIAの3人で色々な場所を巡ってみる事にした。
通い慣れた学校、よくみんなで遊んだ所、弓道部の部室、MINTIAの家、そしてAITIAの家。
KASにとって全てがきらきらと輝いて見えた。この場所に戻るために、KASは今まで戦ってきたのだ。
右を見ると、AITIAが優しく笑っていた。
左を見ると、MINTIAがKASのボケにツッコミを入れていた。
弓道部の部室で偶然出会った後輩は、戸惑いながらもKASに挨拶した。
KASは笑顔で後輩にぶんぶんと手を振る。後輩はぎこちない笑顔で手を振り返してくれた。
支援
日曜日のため、学校は鍵が閉められている。
なので、MINTIAとKASは無理やり扉をこじ開け、3人で学校内に侵入する。
久々に見た通い慣れた学校は、なんだかいつもより魅力的に見えた。
KAS達3人はKASの教室へと向かう。
教室に入るや否や、KASは自分の机に飛びつき、なんとも言えぬ懐かしさを騒がしくしながら楽しんだ。
机の中身を確認してみたり、自分の汚いロッカーを3人で漁ってみたりと、懐かしき教室内を探索しまくった。
沢山の机に、KASは親しい友人達宛のメッセージを落書きした。
『俺はちょっとばかし消えるけど寂しがるなよ』色々なメッセージを残した。
運動場や体育館も3人で歩き回った。体力が余りあるKASに負けないくらい、MINTIAとAITIAも楽しく笑い合った。
学校を出てMINTIAの家に向かう途中、KASは同じクラスの親しい友達に偶然出会う事が出来た。
友人達は最初こそは戸惑っていたものの、すぐにこのニコニコ少年はKASだとなんとなく理解し、談笑した。
KASはずっと話していたいなと思ったが、残念ながら時間は限られている。もっと色々な所を回って歩きたい。
笑顔で友人達に別れを告げ、3人でMINTIAの家を目指す。
MINTIAの家はKASの記憶と寸分違わぬ様子で建っていた。
KASは玄関を蹴り開け、中に飛びこむと、速攻でMINTIAの母親にしばかれた。
痛かったが、とにかく懐かしいのでKASは馬鹿笑いする。心配そうに見ていたMINTIAとAITIAもKASに釣られて馬鹿笑いした。
あまりにも懐かしいMINTIAの部屋を見た時、KASはまたまた大きな声で爆笑した。
嬉しい。とにかく嬉しい。自分は日常に戻ってきたんだと再び実感した。例え一日だけだとしても、日常に戻れて嬉しい。
AITIAの部屋はいつも通りの、女の子っぽい可愛らしい部屋だった。
KASはにやりと笑い、AITIAを嘲り笑いながら部屋に悪戯しまくった。AITIAに「このバKAS!死ね!」と罵られ、KASは日常を実感した。
「だからこのバカを部屋に入れるのは嫌なのよ」などとAITIAは悪態を吐きながら、三人で次の場所へ向かう。
F、現在のボスカードアタックレベル
G、残機(ストーリーモードのみ)
H、支援
投下が!終わるまで!支援を止めないッ!
一通り、KASの思い出深い場所を巡った頃には、もうお昼の時間になっていた。
3人は、彼らにとって馴染み深い飲食店に入り、それぞれの大好物を注文した。
美味しい料理を頂きながら、3人は今までの思い出を楽しく喋り合った。
KASがゲームばかりやっているのでAITIAが心配した事。KASがMINTIAにとんでもない悪戯を仕掛けた事。
MINTIAとAITIAは、まるで本物のKASを相手にしているように、あくまで自然に話した。
KASがあまりに調子に乗った時は勿論、しばくのを忘れない。手加減は一切なしだ。
お金を1円も持っていないKASの代わりに、AITIAが支払い、飲食店を後にした。
「いやあ、色々回ったわ」
「ははっ!どこも懐かしいっていう!殺し合いから脱出出来たって感じだぜ!!」
「KAS、他にどっか行きたいところあるか?」
MINTIAの質問にKASは考え込む。やっぱり、あれをしたい。何だかんだであれをしたい。
「よし。俺んちでゲームしようぜ」
「「おk」」
ノリよくMINTIAとAITIAは応え、3人はKAS家を目指した。
KASは自分の部屋に入るや否や、あまりの汚さに驚いた。
MINTIAやAITIAも呆れている。とりあえず3人で適当に掃除し、マリオカート64を楽しんだ。
MINTIAの執拗な妨害にKASがぶち切れ、危うくリアルファイトに発展しかけたが、だいたいは平和に、楽しく、そして熱く3人はプレイした。
「おっ」
「おおおおおパパス!!」
いつの間にかもう夕方だった。仕事から帰って来たKASの父親が、いつもよりさらに騒がしいKASの部屋を覗きに来たのである。
父親の反応が自然なのは、人間KASがあらかじめ事の詳細を伝えておいたからだろう。
KASは母親にしたのと同じように、父親に向かってタックルし、懐かしんだ。
悲しいぜ……支援
夕食は母親の手料理だ。みんなで食卓を囲んで食べる事になった。
がつがつと行儀悪く食べるKAS、それを叱るAITIA。
食卓には美味しい料理と、笑顔がこれでもかというほど溢れていた。
パシャ────
「あら、雷?」
フラッシュのような光が、食卓を一瞬照らした。
「雷なんかどうでもいいっていう!」
「それもそうね……。あんたちゃんと野菜も食べなさい」
KASはもりもりと食べ、最後の晩餐を大いに楽しんだ。
夕飯の後は3人でスマブラに興じ、またまた熱く盛り上がった。
AITIAの執拗な攻撃にKASがぶち切れかけたが、今までの人生で一番楽しいスマブラをする事が出来た。
「MINTIA!やっぱり俺はバトロワをクリア出来て最高なのっサ!」
「TASでもクリア出来なかったんだろ?」
「モチのロン!!やっぱ日常ってのが一番いいわぁあ」
「もらった!!」
KASが油断している一瞬の隙を突き、AITIAがKAS操るカービィを場外へ叩き落した。
「てめええええええええええええええ俺のカィービを!!!俺達のヒーローをを!!!」
「ふふん♪油断してる方が悪いんでしょKASくん?」
支援支援
深夜になってもスマブラは続いた。昼間はひたすらKAS所縁の地を巡り歩いたため、疲れが溜まっている。
人間以上の体力を持つKASはこれくらいなんて事なかったが、やはり二人にはきついらしい。
うつらうつらと眠そうにしている。馬鹿みたいに元気なKASとするゲームはことさら体力を消費するため、本当にきつい。
まずはAITIA、次にMINTIAがこてんと横になり、「まだ全然眠くないから」とか言いながら眠ってしまった。
部屋の中で起きているのはKASだけ。
一人だけスマブラをしながらKASは思った。
────ここが引き際というものだろう。
「ありがとう。お前らの事忘れない」
KASは二人にタオルケットをかけてやり、そっと部屋を出る。
出る際に、KASのパソコンがちらりと目に入る。
俺は……俺はあそこで生まれたんだなあ…………
ノヴァに命を与えられて、殺し合いに参加させられて、TASや閣下やでっていうやレムーに会ってHALをやっつけて……
でも俺には帰る場所がなくて……
でもみんなは俺に優しくしてくれて…………
KASは顔を上げ、溜まった涙を拭き、家の外に出る。
深夜の空気はひんやりとして気持ちがいい。
『日常』は思ったより最高だったぜ。でも俺にはこれ以上楽しむ事が出来ないって言う。
本物のKASがいるからな。突然現れたKASが本物のKASの日常を奪うわけにはいかんのサ。
本物KASが可哀想だからな。
「ヒャッホー!!!」
KASは走り出す。どこか遠くへ行こう。まだ誰も行った事のない所でもっともっとスピードを磨くんだ。
『最速の男』に俺はなる!!TASなんかよりも、誰よりも速い男になる!!
「「KAS!!」」
KAS家の窓から、MINTIAとAITIAが声を張り上げた。
KASは涙をいっぱいにして、大きく飛びあがり、千切れんばかりに手を振る。
それに応えて2人も笑顔でめいいっぱい手を振る。
ううう支援!!
切ないな…
実は自分の脳内でKASに「駆け抜ける嵐」とあだ名つけてたけどそれがどうということもない支援
たった1日だが、KASは大切な日常を取り戻す事が出来た。
大切な人達に再開する事が出来た。これからどこへ行っていいのか分からないけれど、
元気よく、前を向いて歩く事だけは絶対に忘れないようにしよう。
「バイバーイ!!MINTIA、VIPマリオとかする時は俺を思い出してくれ!!
AITIA、『KAS』と末長くお幸せにィィーーーーーーーーーーーーーーーーッッ!!
俺は俺で元気に、幸せにやってくぜえええぇぇーーーーーーーーーーーー!!!」
最後にこう叫び、KASは振り返らずに深夜の闇に消えて行った。
▼ ▼ ▼
うう……寂しいよう寂しいよう……だけど頑張らなきゃいかんっていう……
KASは泣きながら数か月間各地を彷徨った。
珍獣扱いされて危うく捕まえられそうになった時もあった。
凄まじい運動神経のため、化け物か何かに間違えられて殺されそうになった時もあった。
漸く見つけたKASの仮の居場所。それは山だった。
ここなら珍獣扱いされないし、人もいないから好き勝手出来る。
しかし、しかし何より寂しかった。夜など特に寂しい。毎晩泣いた。
人恋しさに駆られ、たまに町に降りる事もあったが、明らかに不審なニコニコ男を受け入れてくれる人間なんてなかなかいなかった。
しかしある日──KASが渓流で今日の食べ物を調達するべく、釣りをしていた時────
珍獣www支援
さよならは言わない支援
「あ、なんだババア。なんか用か?」
「久々に会ってもその口草?それよりあなたひどい匂いがするわ」
「あー、臭いな。ここ何日か風呂に入ってないからなあ」
「……ずいぶんと原始的な事をしてるわね」
手作りの釣り竿で釣りをしているKASを見て、八雲紫はそう言った。
言ってる意味が分からないKASは、キョトンとしている。
「ババアなんか用か?」
KASがそう言うと頭上から大量の墓石が降って来た。
機敏な動きでKASはそれを避けるので、紫はますますイライラして……
「もういい……!はあ……話が進まないからもういいわ。
単刀直入に言うと、あなたを迎えに来ました」
「……は?」
「宴会よ」
「あー、あーあーあーなるほど」
霊夢といつかやろうと約束した宴会、今聞いてみると、ずいぶん懐かしく聞こえる。
あの凄惨な殺し合いもずいぶん昔の事のように思える。
「今すぐか?」
「ええ」
今すぐなのか……、どうも気が乗らない。結局自分は何のためにこの世界に戻って来たのやら。
楽しかったのは最初の1日だけだ。あとは悲しい事の方が多かった。心地よい居場所を見つけるというのは、なかなか難しいものである。
どうなっちゃうの支援
KASが幻想に!?
「んじゃ行くか」
「あら、霊夢のお気に入りだから、別に今すぐが都合悪いのなら、待ってあげてもいいのよ?」
「お、お気に入り?レムーの?…………誰が?」
KASは目をぱちぱちさせる。
「あら、気づいていないのかしら?」
KASには紫の言っている意味がよく分からない。
「あなたよ。まさか気づいてないとは……鈍感ね」
「???????」
「霊夢はあなたの事を本当に気に入ってるみたいよ?」
「………は……どんな風に?」
ハトが豆鉄砲を食らったような間抜け面で、KASは聞き返す。
すると紫は、そも何でもなさそうに、こう言った。
「馬鹿で元気なペットとして。まあ、私の推測だから本気にしないでね」
「ズコーーーーーーーーーーーーーー!!」
KASは盛大にずっこけた。あまりのリアクションの大きさに紫は驚く。
KASはがっかりしたような拍子抜けしたような、なんとも気の抜けた表情で立ち上がる。
「は……ははははは」
なんとなく照れくさそうに、KASは自分の頭をぼりぼりと掻く。
不自然に笑う。
「突拍子のない事言うんじゃない!ビビるってレベルじゃねーぞ」
「……………」
紫はKASの言葉を聞き、少しだけ口角を吊り上げた。
その曖昧な微笑みが何を意味しているのかKASには分からない。
フラグ?これフラグ?
悪魔の燻製支援
うっひょおおおお!支援!
「さあ、さっさと宴会に連れてってくれなのサ」
「本当に今すぐでいいの?あなたには一時の別れを惜しむ、友達のような人はいないのかしら?」
その言葉を聞くと、KASは苦い表情に変わる。
「……痛いところつくなあババア。いないっていうよ」
紫は不思議そうにKASを見ている。
「あなたに似ている少年をこの近くで見たわ。あなたの兄弟じゃなくて?」
「…………へ?」
「ようKAS1号。ん?なんだこのババアは」
KASは腰が抜けるほど驚いた。なんと人間KASが茂みから突然現れたのである。
「おおおおお、お前どうしてこんな所に」
「探し回ったんだよ!お前は外見に特徴があるから、1か月かけて噂を辿って漸くここまで辿り着いたんだ!
ったく、もうちょっと俺の家にいたらこんなに探し回らずに済んだのに」
「ど、どうして……」
KASは慌てている。人間KASはそんなKASを見てにやりと笑い、1枚の封筒を差し出した。
「これは???」
「開けてみな。これ渡すために探し回ってたんだ」
「う、うん」
KASは川の水で汚れきった両手を洗い、封筒を受け取る。
そして慎重に中身を取り出す。中に入っていたのは────写真だった。
KAS
最速の存在になる程度の能力
支援
今なら言える!幻想郷最速はKASだ!
「お前の日常は一瞬だったが、記録は永遠だぜ」
その後、うはww俺今いい事言ったwwなどと人間KASは楽しそうに喋り、ババアに絡む。
紫はとてつもなく不機嫌そうな顔をしているが、人間KASはそんな事などお構いなしである。
KASは涙をいっぱいにしながら、写真を凝視する。
MINTIA、AITIAと一緒に昼食を食べている写真────
級友たちと談笑している写真────
自分の教室でMINTIA、AITIAと共に色々探索している写真────
みんなで食卓を囲み、笑顔いっぱいで夕飯を食べている写真────
他にもたくさんある。全てが一瞬の日常を切り取った、KASにとってかけがえのない記録だった。
そうか。夕食の時の不自然な光は、カメラのフラッシュによるものだったのか。
「お前だけの『日常』だぜ。KAS1号!」
笑顔で人間KASは声を上げる。手には安っぽいカメラが握りしめられている。
あの日、人間KASは友達の家で泊まったりしなかったのだ。影からこっそりとKAS達を追い、写真を撮りまくっていたのだ。
KASは溜まった涙を汚い服で拭き取り、笑顔で人間KASの方をむく。
「さっすが『俺』だぜ!!空気読めてるぜ!!」
「さっすが『俺』だぜ!!立ち直るの早い!!」
KAS2人は笑顔でハイタッチを交わす。
「お前これからどうするつもりだ?」
「俺はとりあえずレムーの世界に宴会に行くっていう。今から」
「そうか。また会えるか?」
KASは首を振る。
「さすがにもう会わんw俺はどっかに消えるっていう!!自分が二人いるなんてどう考えても気持ち悪いからなw」
支援
そうか、と人間KASは言う。KASは紫にさあ連れて行ってくれとせがんだ。
「写真ありがとなの!死ぬほど大事にするっていう!!俺はなるべく早く自分の本当の居場所を見つける!!
お前はこれからもKAS動画をうpしていけってのサ!!!」
「おう!!モチロンだ!!お前を探す間はうp出来なかったけど、THE END.60%って書いてKAS動画視聴者に伝えといたから無問題だぜ!!」
「うはww意味不明のメッセージktkrwww」
「伝わる奴には伝わっているはず!!!!」
紫は能力を使い、KASを幻想郷へと飛ばそうとする。
「おい『俺』!!AITIA泣かせるなよ!!MINTIA調子に乗らせるなよ!!」
「言われなくても分かってるぜ!!お前こそ寂しいからって泣くなよ!!」
「俺には沢山仲間がいるってヴぁ。お前に伝えられないのが悔しいくらいにな!!
俺は俺でこれから楽しい事いっぱい経験してやるから!お前の方も頑張れよな!!」
二人のKASは爽やかに笑い合う。ゲームKASは人間KASに向かってピースし、人間KASはそれに応えるため、敬礼した。
「『KAS』は明るく、楽しい奴じゃないといかん!!お前と俺はこれからもずっとハッピーだ!!
友達いっぱい幸せ者だ!!俺達は『KAS』だもんな!!」
「…………だな!!俺達は『KAS』だ!!」
人間KASがそう言った瞬間、KASは人間KASの前から消えた。跡形も残らず、幻想郷へと飛んだ。
>>684 今は亡き魔理沙の意思を継いで・・・
行っちまったか支援
ゲームの中の人物が、今まで誰よりも一緒に頑張って来たあいつが、『KAS』のところに尋ねてくる。
なんて素敵な事だろう。夢のような出来事が実際に起きたのだ。
『KAS』は『KAS』に会えた事を心の底から喜び、ふっ、と微笑んだ。
「やれやれ……これからもKAS動画頑張らないとな」
そう言うと、彼はKAS探しのための大量の荷物を背負い、山を降りて行った。
爽やかな秋の風が彼の頬を撫でる。帰ったらすぐにKAS動画をうpしよう。
これからも頑張らなければ……
▼ ▼ ▼
「お、KAS1号」
久々にKAS動画を手伝いに来たMINTIAが、画面の中で元気に跳ねまわるブーンを見て言った。
俺の指に合わせて、KAS1号は元気に跳ねまわっている。俺は誇らしい気分でMINTIAに向かって言ってやった。
「おう!俺の相棒だぜ!!」
それを聞いてMINTIAはにやりと笑顔になる。
突然俺の日常に飛び込んできた相棒は、今日も画面の中で元気に跳ねまわっている。
なんだかやる気出るぜ。これからもKAS動画を────
「あっ!スパイラル自殺!……お前いつまで経ってもそんなんだな……」
MINTIAの呆れた声が聞こえてきた。
す、すまないっていう相棒!!でもこれがKAS動画なんだ!!って事で一つ勘弁してくれ!!
今日は気持ちいいぐらい晴天な日曜日。二人の少年は画面を見つめ、これからのKAS動画について話し合っている。
少年達が画面から目を離した時、画面内のKASがこちらを見つめ、ピースした。
二人ともそれに気づいていない。二人が視線を画面に戻すと、ゲームの中のKASはさっと素早く元の状態に戻る。
「よし!んじゃ交替でやるぞ。MINTIA、お前クオリティ低い事したら怒るからな」
そう言うと、少年はコントローラーを握りしめ、ゲームに没頭する。
画面の中で、『KAS』は今日も元気に跳ねまわる。
さて、問題はこれがレムーエピにどう関係してくるかだが・・・
うああ……支援
しえん
幻想郷から・・・ゲームの中に戻った・・・のか?支援
し・え・ん
投下終了。個人的にKASは書いてて本当に楽しいキャラだったね
>>656からが後編って事でお願いします
支援感謝です
乙でした!
KASいいキャラだなぁ…
霊夢エピに関係してくると言わざるを得ない
まあ実際どうかは分からんけどね
乙、KASはホント見てて楽しかったな・・・
で、結局KASはゲームの中に戻ったって事でおk?
それとも「不明、だがそれがいい」ってことかい?
>>694 あー…最後の描写はですね
人間KASとゲームKASは離ればなれになってもいつでも繋がってるよっていうのを強調したかっただけです
ゲームKASが最終的にゲームの中に戻るかどうかはまだ不明ってことで
>>700 あの現象は不明、だがそれがいいのですね
乙です
投下乙
KASは現実世界に戻ったのか
MINTIAやAITTIAとのたった一日だけの日常、ちょっと切なかった
KAS1号と2号、お互いいい奴だなあ〜〜!!
元の世界に戻ったKAS一号の悲しさが伝ってきた。
本物や偽物なんてそんなのは関係ない、一号も二号もどちらもKASなんだよ
そして、宴会へとおいしいとこで続くのか
とてもいいエンドだ
投下乙!
まさかこんな珍獣ENDになるとは想像もしてなかったwww
もの哀しい、KASじゃなかったら自殺したくなるぐらい哀しいENDだw
幻想郷で幸せになって欲しいな
いろいろあって落ち込み気味だったけど、何となしに元気もらった。
感動したよ。心の中があったかいものが染みた。ありがとKAS、感謝する。
乙!感動した!!
そしてタイトルにも愛を感じたwこのネタをここで使うとは…すげぇ
凄惨な殺し合いからようやく日常に還ったのに居場所がなかったKAS…。
たった一日だけの、最後の日常は胸にぐぐっときたぜ
めちゃくちゃ切ないはずなのに、めちゃくちゃ温かい気持ちにもなれたよ…
最後までニコロワの清涼剤として頑張ったKASに、乙!
幻想郷が最高の「居場所」になる事を祈るぜ…向こうではレムーと一緒に異変解決するぐらいな元気でもって暴れ回ってくれい!!
実は、読み始めてすぐに、最終戦では大きくなったのになんでチビマリオに戻ってんだwとか思ったけど
向こうでレムーかゆかりんにでもピチューンされて、小さくなったんだと自己完結しといたぜ!
>>706 あえていうなら最終話のババア発言で墓石の下敷きになってたぜ!
そういやそうだったなー
でもアレで数ヶ月以上チビマリオ状態とすると、さすがゆかりんは手厳しいw
ふと、一生あのままかとも思ったが、まあ幻想郷になら、怪しげなキノコぐらいあるだろうなー
レナのエピを考えると、皆、様々な時期から宴会に参加することになりそうな…
まあ、今から宴会にwktkだっぜ!
乙!目から間欠線がとまんねぇ・・・。
投下乙
心優しいKAS2号や周りの人たちに涙。
幻想卿からでもニコニコは見れるよな?
コメントもできるよな?
そうだと言ってくれババア!!
やる夫でこのKASエピ再現したくなったわwww
KASがスマブラでカービィを仕様してるのにもホロリと来たのは俺だけかな…
倍支援だ…!
>>713 俺もだ。 KASならマリオだと思っていたから不意うちだった。
カィービ
人間の構造上不可能な気がw
アッー!よりは簡単そうだな
>>718 まさにKAS語ということか!
しっかし、こいつが幻想郷に定住することになるとは…
文々。新聞の見出しは珍獣現る!で決まりだなw
幻想郷に行ったら射命丸と最速レースですね
しかしあれで殺伐としてる幻想郷で果たして生き延びられるのかKAS!
妹様「一つ分けてあげる 甘くて美味しいチョコレート♪
美味しかったでしょう、さあまた歌いましょう〜♪」
KAS「ギィィィィィィィィヤァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!」
って、いくらドライといっても魔理沙達の訃報はありそうかな…
少し寂しくなっただけに幻想郷では貴重な男キャラ兼珍獣として元気にやってほしいもんだ
>>722 魔理沙が死んだだけに珍獣KASは、妹様の良い玩具兼遊び相手になりそうだもんなー
マルクと外見一緒だったし、危ないしKASもまずビビるw
私もビビる!
外山乙w
727 :
Classical名無しさん:08/10/31 00:17 ID:grT6zkSY
うおおおおおお!!
泣ける!!
KASの存在はそういうことになったのか・・・
きっぱりと別れたKAS男前すぐる…
俺なら絶対に未練らたらたっていうww
あそこで世界を呪って云々って展開にも…それなんてHAL?
ヴィクター化とかあるからできそうでいやだw
まぁ、そんなグチグチするのはKASらしくないとは思うが
>>729 次の幻想郷の異変の原因になりそうだな、ヴィクター化で周りの花が枯れるとかでw
ノヴァに造られた存在だったKAS…。種族、人間…なのか?
まあ、すっかり人間と珍獣の境界線上って感じが似合うんだがw
寿命もなさそうだし博麗神社の居候として、
霊夢以降の巫女のサポートでもするのかw
逆に面倒かけて叱られる光景しか見えんがなw
霊夢とKASがイチャイチャしてると怖いのはフランちゃんじゃなくて
おぜうさまなんじゃないだろうか。パルスィ的な意味で
あの二人じゃイチャイチャというか「どう見ても漫才です。本当に(ry」な気がするんだがw
東方をやったことがない人は、このロワを見て紫が善人に見えなくも
ないんじゃないか
誰も書く人居ないから、ピヨシートのエピローグを書こうと思っています。
レムーも誰も居なかったし、他に書きたい人や宴会のすりあわせ関係で何か無ければ書くかも。
別に原作でも悪人ではないよ。善人でもない、ってか人ですらないが
一言で表すなら胡散臭い、というべきか
チャットログ見てたけどレムーもピヨシも「じゃあ俺が」って感じで決まってなかったっけ?
見てきたけど、レムーはいないしだれもいなければ日吉書くっていってるのは旧qwg氏=現cpY氏だから問題ないと思うが
>>735 おお!
確かにレムーのエピも気になってきたところだし、wktkして待ってますぜ
横からサーセン
レムーに関しては思うところがあるんで自分に書かせていただけないでしょうか
・・・ってよく考えたらレムーエピ書かなくても自分の考えてた展開出来そうです
↑のは無視しちゃって下さいサーセンww
どっちも乙です!
がんばってください
744 :
Classical名無しさん:08/11/01 14:06 ID:rhQmjiy.
wkwkktk
エピローグ待ちの余韻がたまんないね
最後までつっぱしれたこのスレに改めて乙!!
ひろ君が結婚したって風の噂で聞いたんだけど本当?
>>745 マジでか?
本当だったらショックだ…
まさかひろ君に先越されるなんて(´・ω・` )
>>745 風の噂なんて言葉はないから安心しろ!そんなものは誤報だ誤報!
誰か事実確認頼む
ジーコカワイソスw
ニコロワで最初にひろくんが出たときは彼女が居たって設定だったけど、
その彼女とはキスまでしかせずに別れたんだよな確か
もしかしてより戻したか?
…エピローグって一ヶ月もかかるもんだったのか…?
最終話より時間がかかるものとは思わなんだ
そうせかすな。
書き手の方だって生活があるんだ。エピローグは自由だから反対に書きにくい部分だってあるだろう。
ヒトは締め切りから解放されたとき、いつまでも仕事に手をつけない。
まあ別に焦る必要もないけどね
でも、出来れば完結した勢いのままでエピローグも来て欲しかったな
いやどっちにしても待つだけだしいいんだけど
誰かが投下した瞬間にラッシュが続く予感がするんだけどなあ…
それに、宴会は各キャラの辻褄合わせのために最後になると思うし。
しかし宴会なんてやって…えーんかい?
なんだただの黄色か
残念ながら俺は白人なんだ
ああ、カービィ……ちゃんとウルトラスーパーデラックス買ってやったぞ……
そういえばエイプマン……いや、どうでもいい事か
ゆとり達もどうしてるかな・・・
いや、それよりもエリートが…
764 :
SAGE:08/11/07 12:07 ID:pqLFeIas
そんな、書き手は能力持ちだったなんて
なんて紹介欄だ…
エリートとかすっかり忘れてたぜ…
デジモン達は流石に元の世界に還ってそうだなあ。
まさかあいつらまで幻想郷いったら、珍獣の楽園になってしまうw
HAL厨・・・やっぱ狂気と正気の境界で解決なのかねぇ・・・
ババア便利だうわなんだやめr
耳は千切られ、鼻は落とされ、口は大きく裂かれている。
3人のうち2人は両目をくり抜かれている。残り一人も片目をくり抜かれている。
おそらく片目を残されたデジモンは残り二人の目になってやるため、ハルヒにあえて残されたのだろう。
顔だけではない。身体も悲惨だ。爪は全て剥がされ、指を何本か落とされた者もいる。
3人のうち2人は隻腕だ。片腕はハルヒに食われたのだろう。3人のうち1人は片足しかない。
……これプラス精神がアレだろ?ババアのチート能力使わにゃまともな生活すら無理だろうな
それでもHAL厨はたとえダルマにされたって
「我々の業界ではご褒美です」と平然と言ってのけそうだがなw
っていうかエリートデジモンって
バケモン、エビドラモン、ウッドモンあたりだったよね?
こいつら爪あったっけ
なければ生やせばいいじゃない
デジモンだもの
バケモンと海老銅鑼門は有ったはず
ウッドモンは…枝?
774 :
神、タナカ ◆GJTANAKAb. :08/11/08 09:55 ID:VPySTFko
パロロワって映像化したら原作よりもグロくなりそうだよな
アメコミっぽく想像するとまた違う
動画作成した事が無いからよくわからないが映像化するなら
アニメ最強GPみたく複数のアニメシーンを繋ぎ合わせて戦ってるように見せればつくれるんじゃね?
批評は多そうだがアニロワは現実的に出来そうな気がする
カービィUSDXに強化版マルクいるらしいね
出る時期がもう少し早ければニコロワに反映できたかもなあ
諸君、いい夜をお過ごしかな?
申し訳ないと思っている。まさかこんなに連続で模擬戦があるとはおとめ座の私も予想がつかなかった。
これから投下しようかと思う。支援は出来ればほしい。
以上、待っていたぞ!
かっ……すす……
ぱらっ……
ごちゃごちゃとさまざま物が散らかしてある。
いや、失敬。これでもキチンと整理整頓して置いてある。
しかし、傍から見ればここは倉庫なのだろうか? そう疑問に思わざるを得ないくらい物であふれている。
ただ物が多いだけ。品揃えはばっちりってことさ。
現に香霖堂の看板は水平を保っている。
まぁ、誰がどう僕の店を思おうが知ったことではない。
要は買うか買わざるか? それだけだ。
とは言っても、今日はもう店じまいだ。詳しく説明するまでも無いだろう。
もう店の中は真っ暗だし、窓から覗く空にはきれいな満月が夕闇に浮かんでいる。
すばらしい名月だ。ここに焼酎でもあったら最高の目の肥しになってさぞや美味しいだろう。あとは美味しい御摘みがほしい。そんなことを思えるだろう。
しかし、今の僕はそんな気分になれそうに無い。
かっ……
僕は「えんぴつ」を走らせるのをやめた。
「――――――1週間か……」
きぃっとイスのばねがしなった。
これも詳しく話す必要はなさそうだね。そう、霊夢がバトルロワイアルという奇妙なゲームから生還して……だ。
この話を聞いたのは今から3日前。
霊夢から直接話を聞いた。
そう……3日前。
〆
明日オーディションの俺が支援
sien
――カランカラン
僕は読んでいた本から目線をあげて、来店した人物を見定める。
「いらっしゃい」
なんて言わない。なぜなら買い物客でないことのほうが多いからである。
買わない客……すでに客ではないな。に「いらっしゃい」なんて言うだけ無駄だ。
僕は「いらっしゃい」とは言わなかった。つまり買わない客のほうだった。
「久しぶりだね。霊夢」
「ええ。お久しぶり……霖之助さん」
店内に入ってきた人物は霊夢だった。
霊夢は返事もそこそこに売り物のつぼの上に座った。
僕は不審に思う。
いつもの霊夢と行動パターンが違うからだ。
そして霊夢とは違う人物のパターンと重なった。
「座り心地、悪いわね」
そうつぼの座り心地を一蹴すると霊夢はずこずこと店の奥に進んで茶棚から勝手にお茶を取り出した。
この行動こそ霊夢の行動パターンである。
僕は最初に行った行動に疑問符を浮かべつつも
「だから、勝手にあがるなって言っているだろう」
僕もいつもの行動を行った。
〆
「………まさか……」
「全部本当よ」
最初に切り出したのは霊夢だった。
お茶を僕の横において彼女もその横に腰掛けた。
今思えば口を湿らせるためだったのかもしれない……。霊夢はお茶を一口飲んだ。
幻想郷から霊夢が姿を消してからの数日間の間に起こった出来事。
バトルロワイアル。
人間、動物、妖怪……最後の一人になるまで殺しあうゲーム。
まるで作り話や童話のようなうつつ離れした内容だった。
無論、霊夢がこんな冗談を言うわけもない、むしろ霊夢がこんな趣味の悪い冗談を言うほうが冗談だ。
だからよりいっそう僕は混乱する。
混乱の最中でも霊夢は話し続けた。そう、まるで壊れた道具のように……
すべてを聞き終わったときには、僕は何を考えているかわからなかった。
驚くも、悲しむも、怒るのも……すべてを通り越して無になっていた。
俺は……支援するっ!
チルノのパーフェクト支援教室
霊夢は「話を聞いてくれてありがとう」と言ってすっかり冷めてしまったお茶を一口……
僕は霊夢に問う。
「これからどうするんだい?」
霊夢はさも当然のごとく
「これからって何が?」
と聞き返した。
「魔理沙は死んでしまったのだろう?」
核心に近い問いだ。それでも霊夢は
「お葬式を……挙げないとね」
そう……答えた。僕は
「そうか……」
と、答えるしかなかった。
その後霊夢は何をすると言うわけでもなく店内をぶらぶらと見回った後。
「お邪魔したわ」
「帰るのかい?」
「ええ。もうすぐ日が暮れるわ」
店の扉を開く。
――カランカラン
扉につけられたベルが鳴り響き店内に一筋の波長の長い赤色の夕日が差し込んだ。
霊夢は外に出て扉から手を離す。
ゆっくりしまる扉……
―――さびしくなるわ
閉じられる扉。
僕は大きなため息をつく。
まだ閉店時間には少々早かったが、店じまいの準備をして自室に入った。
〆
初音ミクの支援
支援
次の日僕は人里まで来ていた。
理由は一つだけ。なんて言おうか考えつつ、霧雨家を訪れた。
霧雨の親父さんは僕を見るとすぐに客間に通してくれた。
一度姿を消し、お茶を持って再び現れた霧雨の親父さんは僕の正面に腰を下ろした。
「どうした? 随分と早いじゃないか」
霧雨の親父さんが疑問に思うのも無理はない。
僕は10年以上もの間会っていなかったことがあった。しかし、今度は1、2年である。周期的には外れすぎている。
僕は一口お茶を飲むと……本題に入ることにした。
〆
支援
「――そうか」
霧雨の親父さんは目頭を押さえて搾り出すように言った。
「馬鹿娘め……親より先に行く親不孝者め……」
僕はどうして魔理沙が勘当されたかは知らない。
だが例え勘当されたとしても実の娘であることは変えようのない事実だ。
霧雨の親父さんはぼぉっと空を見ながら言葉をこぼした。
「最後の最後まで魔法に人生を尽くしたのか……」
「はい。博麗の巫女の話によると……」
「そうか……」
それから霧雨の親父さんは無言で部屋を出て行った。
しばらくして霧雨店の店員が来て「今日は店をしめるそうです」と言った。
僕はその店員さんに「そうか。だったら僕も帰ることにするよ。霧雨の親父さんによろしく」と告げて霧雨家を後にした。
〆
うさぎの食事風景に支援をつけてみた
忙しい人のための支援
その後、霧雨家で何があったか僕には知る由もなかった。
今日も太陽は東から昇った。そして西に沈んだ。月が太陽が隠れたのを見計らったかのように東から顔を出す。
太陽が居ないことをいいことにあたかも自分が太陽になったかのように空を照らす月。
月はさんさんと輝き、夜空を明るく照らす。
今日の夜を歩くに灯りは必要なさそうだ。
10年、20年……50年……
変わること無い月だ。
――いや、2回くらいは変わったかもしれない。
でも、アベレージの視点から見れば変わらない月だ。
変化は唐突に起こるものだ……
一番近くの机を眺める。机の上に一つの8角形の塊が置かれ、月明かりに照らされている。
僕が作ったマジックアイテム、緋々色金製の火炉だ。
数々の殺し合いの中を渡り歩いてきたらしい。目立たない程度だが、希少金属「緋々色金」に無数の細かい傷がついている。
これだけでどれだけ激しい戦いがあったのか容易に想像ができた。想像を絶する戦いだったのだろう。
魔理沙はその戦いに敗れてしまった。
霊夢にいつも負けていた魔理沙のことだ。
好戦的な魔理沙のことだ……
ずいぶんと損をする立ち回りをしていたのだろう。
逃げればよかったものを、あくどい手を使えば勝てたものを……
支援組曲
いや、それは魔理沙ではないな。
YOKODUNAという者に敗れたらしいが、きっと正面突破、正々堂々の戦いだったのだろう。
そのほうがよっぽど魔理沙だ。
「天晴れ、だよ。 魔理沙……」
天を仰ぐ、雲ひとつ無い満月の夜空だ。
「しかし、星の光はどうしてこうも弱い?」
満月、月の光が最大の日だ。星と月は仲がいいように見えるが実はとても仲が悪い。
月の光は星の光をすべて隠してしまう。
満月の日に夜空を眺めても殆ど星の光は目に入らない。
「天の光は……すべて月……か……」
僕はもう一つ、机の上に置かれたものを持って外に出る。
僕の能力と紫が連れて来た妖怪たちのおかげで使い方はわかる。
教えてもらった記憶を探りながら抱え大筒に弾をつめた。
アリス・マーガトロイドが残した品、「RPG-7」だ。
〆
ザ・地球支援軍
僕は霊夢にこの品のメンテナンスを頼まれている。
そのほかにも「拳銃」とかバトルロワイアルで使用された道具とかの大半を押し付けられた。
何でも、「拳銃」は異世界人たちの世界に持って帰ると「銃砲刀剣類所持等取締法」という決まりに違反して御用になってしまうらしい。異世界人たちはどうやって武器もなしに己のみを守るのだろうか?
そんなことはさておき、僕はそれらの道具に興味があったので快くOKを出した。
その中の2つ「RPG-7」と「M1911A1」は霊夢が保管したいと言ってきた。
理由を聞いてみても、「この二つは特別なの」と言って、詳しいことは分からなかった。
僕はそれ以上の詮索もほどほどにして、霊夢の要望に応えた。
ただし、条件があった。
「この道具の点検をさせてほしい。壊れた道具を無理やり使おうとすると怪我をすることがあるからね」
こう霊夢に言うと納得した顔だったが、「だけど、点検の方法なんて分かるの?」と疑問を口にした。
もちろん銃なんて武器は幻想郷でそんなに簡単に見られるものじゃないし、僕も実際に見たのはこれが初めてだった。
だけど問題ない。霊夢と僕とでは「道の道具を扱う」と言う点に関しては僕のほうが優れている。
その後すぐに店に帰って二つの道具を調べた。
事前にどんなことができるのかを霊夢に聞いていたので、道具の点検はスムーズに進む。
「うぉおお!!! すげぇ! こーりんだ」
「すげぇ! ふんどしじゃねぇぞ!! どうなってるんだ!」
「掘られるぞ! アッー!」
とか言いながら店に来た妖怪「でじもん」に道具の詳細を聞いたりもした。
彼らは意外と素直に教えてくれた。ついでにわけの分からない物を「こーりん市場www」とか言いながら買っていった。いい客である。
「M1911A1」(えむいちきゅういちいちえーいち)と言う銃。「でじもん」が言うにはコルト・ガバメントらしいが、こちらの作業はあっさりと終了した。
名前は……かす……だったか? 彼はあまり使うことが無かったらしく傷が一つもなかった。「まがじん」と言う部分に弾薬がぎっしり詰まっていたので、「でじもん」に言われるまま試射してみると、普通に動いてくれた。
これならメンテナンスの必要はなさそうだ。
ただ、この銃の言うものは困った道具だ。強い反動と耳をふさぎたくなるような轟音。
何より弾幕の美しさのかけらも無い。
まぁその分、誰の弾幕よりも弾速が速いのは認める……
銃を使えば幻想郷最強になるのも夢ではなさそうだ。
し・えん
遅れた支援
反対に「RPG-7」は曲者だった。
銃身のいたるところにへこみがあったり、傷があったり……
相当ひどい使われようだったみたいだ。
でじもんたちも「あんまり使わないほうがいい」とコメントするほどだ。
それで?
使えないなら修理をするしかないな。
錆があるなら磨けばいい。
へこみがあるなら戻そう。
部品が無いなら補えばいい。
僕は「RPG-7」の修理に狂ったように没頭した。
〆
支援と投下と支援と投下と支援と投下と元気を与えて
支援・ザ・クラッシャー
メタルグレイモンとメタルマメモンじゃんか支援
月を見上げる。
いい「的」だ。
僕がメンテナンスをした「RPG-7」は生まれ変わっていた。
もうどうせ殆ど使うことがないんだ。
でじもんたちが「もういらないだろう」と言う店にあったすべての金属と緋々色金。
これを惜しみなく使った新しい「RPG-7」だ。
銃身が冷たい緋色で月の光を威嚇気味に反射している。
弾まで緋々色金で作ることはできなかったけれど、十分な存在感をあらわしている。
レチクルを覗き、照準を【月】にあわせた。
これが最初の試射で、メンテナンスの終了を告げる。
ドッ――――!!
闇を切り裂く爆音。RPG-7が光の矢を放った。
例えまがい物であったとしても、本物は世界の柱の人形であったジアース。それを葬ったこのRPG-7はただのRPG-7ではなかった。
さらに伝説の金属、緋々色金で出来たRPG-7だ。
支援をする程度の能力
なんだその幻想近代兵器wwww支援
発射音に負けないくらいの轟音を発しながら榴弾は炸裂した。
月の光すらも覆い隠さんばかりの閃光が天を照らす。
榴弾の爆破エネルギーとプラスして何かの不可思議な力が月を襲う。
次の瞬間、月は大爆発を起こした。
月の光を含んだ霧のような粒子が空を舞う。
まるで……星、
そう―――――――星だ!
満月が破壊されたことによって隠されていた星が姿を現す。
砕け散って空間を漂う星、そして本来の光の星。
星の光が夜空と幻想郷のすべてを多い尽くした。
「月は壊した……今日の光はすべて星だ。魔理沙……」
僕はRPG-7を調子をチェックすると店に戻った。
そういえば霊夢と紫が宴会をすると言っていた。
いつもは妖怪が出席する宴会に顔は出さないが……RPG-7を渡すついでに宴会に出向いてもいいかもしれない……
数え切れない星の夜空――
――月が壊れた跡地を一閃の流れ星が輝いた。
以上です
支援感謝する。
タイトルは【星の光はすべて君】でいいかな
GJ!実にしんみりこーりん。いい感じの哀愁がなんとも言えない
って月がwwwRPG-7がトンデモ過ぎるwww
読みながらしんみりしつつもデジモンの馴染みっぶりに笑ってしまった
こーりんの魔理沙へはなむけに目頭が熱くなっちたい
投下乙!ゆとりの一部は幻想郷に来てたのかwwww
って月を爆破ってあんたは亀仙人か。
ちょw月爆破とか
えーりん涙目w
地球に映る月は月人の張った偽物じゃなかったか?
萃香も一度破壊したし
乙、しんみり感がなんともなエピだった
・・・最後の月破壊から描写から、いつかRPG-7が九十九神になって地獄烏みたいな弾幕を張る予感がしたが気のせいだぜ!
821 :
Classical名無しさん:08/11/09 20:17 ID:NthidmZY
乙!!!!
特殊な経歴を経て神秘を持った武器になったんですね
宴会に行くと普通に死んだ魔理沙がいたりしたら面白いのに…とか考えてしまいます
早く生まれ変わってくれ!!こーりんが生きている間に!!
投下乙
しんみりとした雰囲気がいい感じだった
デジモン達のその後を知れてなんか嬉しかった
そういや、死んだ連中の魂とかはバトロワの世界から元の世界に戻れるのか?
戻ってないと生まれ変わりとか無いよな…
ババア達がいろいろがんばって、なんたらかんたらで解決しそうな問題でもあるが
おお、投下乙!
ってかこーりんなにやってるww
流石にヒヒイロカネ製のRPGなら天蓋の月も砕かれざるを得まいて。
>>823 あのバb……じゃなかった。賢者たちはそのあたりシビアだと思うんだがね。
干渉はあまりしないというか。
>>823 生き返りはないにしても魂はきちんと元の世界には返してる(もしくは帰ってる)と思うが
その辺は想像におまかせってことでもよろしいじゃまいか
メインのエピは、つかさ、遊戯、ピヨ、レムーが残ってるし、最後に宴会なら
次スレが最後かな…
遊戯の人は完成まだかなー。つかさは二人書くことになって今一人目が書いてるんだよな
いくらなんでも時間かかりすぎじゃ……
せめて連絡くらいは欲しいところだな
ピヨ君のエピローグを投下します。
本当は3日でさくっと書こうと思ったのに、主にリアルがやばくて大分遅れました、すいません。
別に深い意味は無かったが、一人で歩きたい気分だった。
ロンドンのホテルを出た俺が歩いた先は、いつも夢見ていた上天に存在するそれ。
ウィンブルドン選手権のオールイングランド・ローンテニス・アンド・クローケー・クラブがそこにはあった。
下克上を続けてきたロードの果てがそこには見える。
テニス界の天下、グランドスラムはもう手の届く所にあった。
「あれから7年か……」
ふとした感傷に襲われた俺は、目を瞑って頭の奥の奥へとその意識をめぐらせる。
今でも昨日の事のように鮮明に思い出せる、あの糞ッタレな殺し合いのこと。
無力感、高揚感、喪失感、色々な出会いと別れがあそこにはあった。
今ではそんな出来事があったことなど、信じられないほど世界は穏やかだ。
幻想郷から氷帝学園に帰ってきたときもそうだった。
一週間ほど俺は行方不明として捜索され、不思議な事にひょっこりとテニスコートに帰ってきたということになった。
氷帝のみんなや監督からはどこへ行ってたんだとしつこく言われたが、説明して分かってもらえる話ではないため、適当に誤魔化した。
ただ、青学の越前リョーマの失踪はあの時も、今でも解決したりはしなかった。
越前リョーマの失踪と、その結末は誰にも話してはいない。
それでも、越前の関係者は日吉若の不思議な失踪と関係があるのではないか、と噂された事はあった。
この世界に返ってきてからも、やることはいつもと同じ下克上だった。
少しだけ違うのは、氷帝の皆とのチームワークを意識し始めた事だ。
殺し合いに参加する前の氷帝は、下を見れば虎視眈々と突き上げを狙う弱者、上を見れば倒してぶっ潰す強者にしか見えなかった。
でも上から下を目指す事、仲間と力を合わせることに矛盾は無いと気が付かされたのは、もうこの世界には居ない仲間達のお陰だ。
きたあああ!?
支援だ!
6年前の全国大会優勝を掴みとる事が出来たのは、あの仲間達から教えてもらった絆があるからだった。
跡部さんから受け継いだ氷帝の名に恥じない男に、俺は成れたのだろうか。
この7年間ひたすら下克上を続け、青学や立海大学附属中、激闘を繰り広げたかつてのライバルを追い越し、今俺はここにいる。
ここまで来るのに長い時間が掛かった、何度も負けて悔しい思いをした。
沢山の勝負と敗北があった。
悔しさが今でも募るのは、デブ助野郎、TASの野郎との戦いだった。
どうやっても勝てなかったあいつらはもういない。勝負を挑む事さえできない。
それがとても悔しい、永遠に奴らには勝てないと言われているようで。
やよいも、亜美も救えなかった。
この世界に765プロという芸能プロダクションは無かった、だから俺は懺悔する事さえできないのだ。
そんな不甲斐ない俺に手向けの下克上が出来るとしたら、テニスの世界で頂点に立つことだけ。
昔の事を思い出すのはそれきりで止めた。
感傷に浸るのはまだまだ早い。
ウィンブルドンに勝ったからといって終わりではない。ここはあくまで四大大会の一角に過ぎないのだ。
あの時持ち帰ったTENINU-RAKETTOの感触を確かめながら、体を温めるべくウォーミングアップをすることにした。
ウォーミングアップ専用のコートに到着した俺はラケットを取り出し、いつものフォームを構える。
世界各国からやってきた強豪、最強のライバル達もそこにいた。
日本からは俺一人だけがシングルスで参加するため、知り合いは他には居ないはずだ。
なのだが、他の選手の繰り出す素振りの音でよく聞こえなかったせいか、俺の周りに人だかりが出来ている事に気が付いた。
支援だってばよ!
「ん……?」
『おやおや珍しい、日本人が居るぜ』
『本当だ、日本人がいるとは珍しい事があるもんだぜ』
『坊主、ここはウィンブルドン参加者専用だぜ。もしあんたが練習したいならあっちに行くといい』
ドイツのフリードリヒ・クライチェク、ロシアのボリス・フェデラー、フランスのジャン・コシェだ。
『へっ、日本人がそんなに珍しいのかよ』
『中々お目にかかれないからな、よろしく日本人』
『……俺は日本代表の日吉若だ』
『よろしくな、日本人』
『いい勝負が出来る事を祈ってるぜ、日本人』
こいつら、名乗ったのにあえてそう呼ぶつもりか……。
『へっ、人のことを舐めてると痛い目にあうぜ』
『言うだけなら何とでもいえるさ、そこまで言うなら昔のサムライナンジロウだっけか? 当然そいつより上なんだろうな』
『当然だ』
ぴしゃりと言い放つ。
奴らの反応は冷淡だ、できっこないと、そう言っている様に見える。
『おやおや、紳士ならば人のコートで絡むのは止めて欲しいね』
『日本人の次は万年二位のミカエルかよ、こいつは愉快だぜ』
俺の後ろから現れたのはイギリスからの代表選手、ミカエル・ドハティーだった。
二位というキーワードを耳にしたミカエルの体が一瞬ぴくりと震える。
『……いくら珍しいからといって、同じ代表選手を苛めるのは紳士として見過ごせないね』
『ふん、俺達はサムライの国のライバルをちょっと拝みに来ただけだぜ、心外だな』
『そうだぜミカエルさん、優勝しないあんたと違って、日本人は優勝する可能性があるからな』
『言うだけ言えばいいさ、ウィンブルドン現象? そんな呪いはこの僕が打ち破ってやるさ』
『ハハハ、楽しみにしてるよ』
『決勝戦で会えるといいな』
『もちろん、優勝は私ジャンが頂くつもりですよ』
小競り合いにミカエルが介入してきて少しの時間がたち、アナウンスが聞こえ始めた。
男子シングルスの一回戦第一試合が始まるので、指定の場所に集まるようにといっていた。
『それじゃあ俺は第一試合があるから行かせて貰うぜ』
『僕も試合があるので行きますか。それとせいぜい頑張りなさいな、熊五郎さん』
『決勝戦で会えるといいな、カエル野郎』
そういってボリスとジャンの野郎は試合会場へと向かった。
フリードリヒの野郎もウォーミングアップした体が冷めちゃ困るといった事をいい、再びウォーミングアップに戻った。
『それじゃあ僕らも試合だし準備するか』
『そうだな』
『決勝で会えることを祈ってるよ、日本人』
『へっ、日吉若って名前を覚えとけ、覚えられなくても一生忘れられないようにしてやるぜ』
俺はミカエルの奴に一瞥すると、試合に向かった。
支援キラッ
◆ ◆ ◆
『ゲームセット! ウォンバイ、ワカシ・ヒヨシ!』
『嘘だろ……、俺のグランドクロススマッシュが負けた……?』
『パワーだけじゃ勝てないんだよ、クマ助野郎』
一回戦を突破し、二回戦で当たったボリスの野郎をぶちのめした。
さすがに大口叩くだけあってボリスは強かったが、それで負けるほど俺も弱くなかったのだ。
あの地獄の戦いで獲得した天衣無縫、それを更に磨き上げた俺に負けなんて無い。
『ワカシ・ヒヨシ! 次は負けないからなッ!!!』
『へっ……』
TENINU-RAKETTOを肩に、流した汗をクールダウンしながらボリスに言い直る。
『次も、次の次だって俺は負けるつもりはねぇ!』
三回戦、四回戦、準々決勝も順調に突破する。
準決勝でフリードリヒを打ち破り、ついに決勝まで駒を進める。
準決勝を突破した俺は、決勝で当たる相手の顔を拝む事にした。
準決勝のコートはジャンとミカエルの奴が居た。
スコアは最終セットのタイブレーク、このセットで勝負が決まる。
『くらえ、スーパーノヴァ!』
ジャンの野郎が天空に打ち上げられたテニスボールの上空に飛びかかり、ほぼ直滑降でスマッシュを打ち出す。
打ち出されたテニスボールは青白く光り、まるで流星のようにコートへと突き刺さる。
ミカエルがボールを迎撃するも、テニスラケットにぶち当たったテニスボールは唸りを上げ、世界を閃光で支配する。
観客席側にはバリアが張られているため、KIを展開して防御する必要は無い。
ミカエルはその場から消えてなくなったかと思ったが、辛うじて残っていたライトスタンドに捕まっており、テニスコートに無事戻る事ができた。
『40-40!』
テニスコートの整備が行われ、審判が現在のスコアを宣誓する。
どうやらデュースに持ち込まれたようだ。
リードしていたミカエルとしては、苦しい展開になった。
『これでもう一本取れば私の勝ちだ』
『……やるね』
コートへと戻ってきたミカエルが不敵に呟く。
『……あの技を出すしかないか』
審判に促され、ミカエルはサーブの体勢に入る。
『……パックス・ブリタニカ』
支援
ミカエルがサーブを打ち出した。
スピードはあるものの、それ自体は大したことはない。
だが、何かがおかしい。
『ふん、何も起こらないではないとはハッタリか。
これで止めを刺してやる、メギドフレイム!』
ジャンがサーブを打ち返す、球威はあるが特筆するような威力ではない。
何かおかしいのは当事者のジャンも気が付いていて、ミカエルは何かを確実にやった。
『ロイヤル・フリート』
ミカエルの後ろに、いやコートに海が見えた。
その後ろにはありとあらゆる種類の船が見えた。
博物館に展示されているような帆船から、最新型の原子力空母までそこには揃っていた。
それは大英帝国の栄光を支えた、ロイヤルネイビーの艦船達だった。
ミカエルの打ち返しに合わせて、船たちは一斉砲撃を行う。
大量の砲弾、ミサイル、空母艦載機の爆撃が一斉に襲い掛かる。
『畜生おおおおおおおおお!』
それで全ての決着は付いた。
ジャンは立ってこそいたが、勝負は既についていた。
『ゲームセット! ウォンバイ、ミカエル・ドハティー!』
優雅にその場から去るミカエルに、声をかける。
私怨で支援
『最後の最後に、面白いもん見せてくれるじゃないか』
『君には勿体無い代物さ、あれは出すつもりの無かった技だ』
『あの技がどんなものだろうが、俺は優勝を譲る気は無い』
『当然、僕も譲る気は無いよ、日本人』
それで会話は終わった。
久々にワクワクした。正体も見えない、まるで勝てる気のしない相手。
そんな相手と勝負が出来る、勝てる。それを考えるだけで気分が高揚する。
下克上の頂点に相応しい相手が、そこにいた。
◆ ◆ ◆
『男子シングルス決勝、日本のワカシ・ヒヨシ対イギリスのミカエル・ドハティー。
スリーセットオブマッチ。サービスプレイ、ワカシ・ヒヨシ!』
『これが俺の下克上だッ!』
俺は天衣無縫を全開にし、全力でサーブを打ち出す。
超高速サーブをミカエルはギリギリラケットの端で捕らえるが、俺のサーブの威力に流されてラケットを落とす。
『15-0!』
『やるな……、ワカシ・ヒヨシ』
『人のことを舐めてるからこういう目に会うんだよ』
『さすがに決勝にだけ残ってきただけはある。……だがこれでどうだ、パックス・ブリタニカ!』
嫌な感じが俺の周りにまとわり付く。
その正体はまったく掴めない。だが考えても分からない、俺はもう一度サーブを打ち出した。
だが、そこで始めて俺は異変に気が付いた。
天衣無縫が、消えた……?
『ロイヤル・フリート』
ジャンとの試合で繰り出されたあの大艦隊が襲い掛かる。
その一撃を捕らえる事さえできず、俺は天空に打ち上げられる。
ロンドンの市街地が真下に広がったかと思えば、その瞬間がくんと体が下へ向かって降下し始めた。
飛び上がったものは、必ず地面へと戻る。
俺は思い切り地面に叩きつけられ、体中に痛みを感じながらもコートへと戻る。
『15-15!』
『まぁ、これが実力の差という奴さ』
『ふん、種は分かったぜ。俺の天衣無縫をこれで封じたと思ってるのか?』
『テンイムホウ? まぁいい、君のギフトはもう効果を及ぼさない、それで勝てると思っているのかな』
『勝てるさ』
ミカエルは一切手を抜かない。
俺は必死に玉を追う、しかしそれは届かない。
天衣無縫も、KIも封じられた俺とミカエルの差は圧倒的。
奴のロイヤルフリート無しでも、勝負にならない。
おまけに奴は技を沢山繰り出しているのにも関わらず、まったく疲弊していない。
結局2セット目まで手も足も出ない完封、3セット目も0-5と完全に追い詰められていた。
おお
海鮮炒めじゃない支援
『それにしてもしぶといね、そろそろ負けを認めたらどうだい』
「認めねえ、絶対認めねぇ……」
『何を言ってるんだい?』
「あいつらが残してくれた、あいつらが教えてくれた天衣無縫が、下克上がここで負けたりはしねぇえええええええッッッ!!!」
今一度ありったけのKIも完全に全開にして、天衣無縫の極みへ!
『何だと!?』
『うぉおおおおお!!!!!』
無駄ではないと感づいていた。
ミカエルのパックス・ブリタニカとはミカエル自身のKIをコート全体に展開し、相手のKIさえも包み込んで吸収する技。
そこでKIを全開にしても、パックス・ブリタニカにKIを吸い取られるというわけだ。
だが、そのKIをいつまでも込め続ければどうなる? 答えは簡単、耐え切れなくなったミカエルのパックス・ブリタニカは風船のように弾けるッ!
パックス・ブリタニカが解除された事に驚いたミカエルは俺の一撃に耐え切れず、再び得点を許してしまう。
『15-40!』
『どうだッ!』
『ゲコクジョーのワカシ・ヒヨシか。その名前、覚えておこう。
だが僕も、ここで負けるわけには絶対にいかないんだッ!』
『俺も、絶対負けないぜ、ミカエル』
ミカエルと俺が、同時に笑みを漏らす。
今ここで俺とあいつは勝負を純粋に楽しんでいた。
あの時チビ助から教えて貰った、譲り受けて貰ったテニスの楽しさを噛み締めている。
『ヒヨシ、今一度僕の全力で勝負させてもらうッ!
いくぞ……』
『毎度毎度、芸が足りないね。いくぜ、これが俺の……』
『ロイヤル・フリートッ!!!』
「下克上!」
――かつてサムライという男が居た。世界のテニス界に名を残した越前南次郎という男が。
その越前南次郎という男に続き、"下克上のヒヨシ"という男が世界を騒がせた。
これは日吉若がグランドスラムを達成する、その始めの一歩。
『ゲームセット! ウォンバイ、ワカシ・ヒヨシ!』
投下終了、トリ割れしたので再びトリ変更orz
※このSSはフィクションです、実際のテニス、テニス選手や団体等は一切関係がありません。
松岡修造を絡めたかったけど、無理でした。
このSSの執筆時間の90%は必殺技に費やされています。
湯浅支援
終わりか……
タイミング悪かったか・・・
しかしテニヌwww
なんでもありすぎて吹いたwww
ピヨはピヨの戦いを続けてたんだなあ
765プロがなかったの下りは胸が締め付けられたぜ・・・
GJでした!
テニヌ選手恐ろしすぎるwwwww
寝ようとしたらなんというものを見てしまった・・・・寝れないじゃないか
855 :
Classical名無しさん:08/11/12 14:08 ID:UXI1GGhA
投下乙
それがテニヌクオリティ
テニヌすげーww
乙、どこまでも上を目指すピヨシらしいエピだと思った
正直、元の世界に戻ったらKIを使えるピヨシに勝てる奴はいないと思っていたが・・・テニヌってすげぇ・・・
でもピヨシって原作の扱いは(ry
>>831 >でも上から下を目指す事
この表現合ってますか?余計でしたらすいません
今まで ひよしわか だと思ってた。
さて、そろそろ遊戯やつかさの人の報告が欲しいわけだが…
今更だけど、◆0RbUzIT0To氏の作品ってすごいなって思ったw
完結するまでにもう一度くらい書いて欲しかったな
今更だけど、◆0RbUzIT0To氏の作品ってすごいなって思ったw
完結するまでにもう一度くらい書いて欲しかったな
IDが違う…だと…?
>>863 驚くこたぁない、全く同じ時間に全く同じ内容のレスを違う人が書き込んだだけだ
>>858 >でも上から下を目指す事
上から下じゃなくて下から上ですね、またまたミスってすいません……。
修正はwiki収録時を予定しています。
馬鹿やろぉぉぉ、まっつだぁぁぁぁ!
なーにをしている、報告するんだぁぁぁ!!
ああ 報告しよう スッ
報告がないと心配というかなんというか……
確かに報告ぐらいはして欲しい…
遊戯とつかさエピの作者、応答しろ、応答してくれー!!
★ wc9c > 報告もなにも、つかさの前半なしで後半を全部書くのは無謀さー (11/15-00:24:41)
★ jU59 > 詰まって全然進まんから一種の愚痴ですね……。削ったり足したりでなんかもう王様うぜぇww 遅くなって凄く……申し訳ないです…… (11/9-18:02:13)
★ jU59 > 締め切りってやっぱり俺には必要みたいだ…とりあえず来週の休みまでには必ず完成させよう。と宣言してみる (11/9-18:06:09)
つかさ前半の人が近況報告なしで心配
その他の担当の人達もまだだろうか
つかさって前半後半に分かれて書いていたのか…!
誰かしろ投下されれば、進展があるかもしれんのね。
えーっと、つかさエピの半分を担当してる俺が言おう。
俺、後半担当だと思ってずっと待ってました。
俺のエピは前半を継ぐ形で繋げることになったと思ってたんだけど、俺の記憶違いだったんだろうか……
ま、まさかお互いが後半を担当と思っていた、とか…?
ありえんwwwwwwwwww
ありえん(驚)
頑張ってください〜
結局どっちが後半なのだ!?えっとログどこだっけ
なんという意思疎通のまずさ
ログは持っていないけれど
前半プロットで宴会への招待はさすがに時間軸がおかしい
誰か手持ちのチャットログでどちらが後半を選んだかの裁定を頼む
見てきたが、合作で書こうぜというのは確認できるがそこまで具体的な要因が見当たらない
見落としの可能性も十分ありえるからだれか確認頼む
<ネタバレっぽいの注意>
観察してみたが、wc9氏が「マスゴミを出す」→OZ氏「そのマスゴミならドッキングおk」
って言ってるからOZ氏が後半担当になると考えた可能性がある。
また、OZ氏のプロットは某タルワールドに行くっぽい引きで、
wc氏のはつかさがバトロワのこと話してかわいそうな子扱いされるって話なので
繋げるならwc氏が前半、OZ氏が後半というのが自然な気がするのですよ。
wc氏のが後半として繋げるのは違和感バリバリって感じがするですぅ。
あ、追記。OZ氏のプロットに帰還から数ヵ月後って表記があった。
数ヶ月間も経ってからやっとバトロワのことを話し始めるのってちょっと違和感あるな。
私のプロットに「紫が宴会に誘いに来る」という部分があったのに
そこから宴会話ではなく後半に繋がるなんてのは正直想像がつきません
今夜打ち合わせが可能なら火曜深夜には前半として落とせるはずです
紫「宴会の日取り決まったからこの日に宴会誘いに来るから」つかさ「把握」
これで万事解決
883 :
sage:08/11/16 18:37 ID:BOlLPZ1E
打ち合せ、十時半からなら可能です。
携帯からとはいえ凡ミスするとはwww
私は今回はケータイかな…ログを取れぬな……
まぁ私は半ニートですのでいつでも
凄まじい遅刻すまぬ
あることを忘れていて一旦最初から書き直していました
今日完成できそうですが、かなりのgdgd感があって不安すぎる……
時間置いてまた少し削ったりしたいと思うので投下は明日にします
最後までこんなんで本当にすみませんでした
感謝します。29日の発言が今となっては虚しいw
お二方乙
まだちょっとgdgdかもしれん。遅れてすみませんでした
遊戯エピ投下します。
]V 死神
正位置:別離、終末、死
童実野町は、いつもどおりの朝を迎えていた。
僕達2人は、光の中にいた。
殺し合いで3日、幻想郷で3日くらい過ぎて、僕達は6日ぶりに自分の部屋に戻った。
でもちょっと、帰ってからが面倒だった。皆僕に言い寄ってくるんだもの。
そりゃあ、じいちゃんやママには会えて嬉しいけど。
捜索を進めていた警察に『決闘王狙いの誘拐事件』をでっちあげて話したりして、あっという間にもう一日。
明日には、また学校に行けるようになる。また皆と会える。
一週間前が、もう、遠い昔のようだった。
そして日も傾きかけてきた頃。
何て言っていいんだろう、とにかく驚いた。僕達にとってまるで予想だにしなかった出来事が起こった。
海馬君と
モクバ君が
家に来た
みたいな
★
「遊戯、貴様に話がある」
腕を組み、試すような目でこちらを睨む白コートの男。
その脇で、大きなジェラルミンケースを持って立っている男の子。
いつもどおりの風貌、いつもどおりの海馬兄弟が目の前にいた。
僕達はというと、しばらく目を丸くして2人をまじまじと眺めていた。
「お前、どこぞの馬の骨に拉致されていたそうだな」
「……うん」
「お前が消えた日に、我が海馬コーポレーションの社員である磯野が、何者かに殺された」
「他の社員も変な奴を見たって言うんだ。遊戯、何か知ってるか?」
海馬君の後に続いて、モクバ君が言葉を継ぐ。
磯野が死んでいた? 僕らが連れて行かれたのと同じ日に?
……どうやら2人とも、あの殺し合いを踏まえて話をしていない。知らないみたいだった。
「ごめん、僕は知らない」
「……知らないか、まあいい。では、もう一ついいか――
神のカードは無事なのだろうな。奴らに負けたとは言わせんぞ」
思わず、ちらと隣を見る。もう一人の僕と目が合った。
「……負けてないよ。もう一人の僕は」
「本当か?」
「本当だよ」
「……ふぅん。なら、話は以上だ。邪魔したな」
そう言うと、海馬君はもう用はないとばかりに踵を返した。モクバ君もその後に続く。
僕はまだ夢を見ているかのような錯覚を感じながら、2人を見送った。
「遊戯、またな!」
「う、うん……」
そして、2人が部屋を出ていく。後には扉が閉まる無機質な音が、バタン、と辺りに響いた。
しばらく僕らは外に出た二人の後ろ姿を追うように、その扉を凝視する。
そして無音となった部屋で、もう一人の僕が話しかけてきた。
『……相棒。何故、海馬がいるんだ? 生き返った……というわけでは無さそうだが……』
そんなことはまずあり得ないだろう。
主催だって死んだ。幻想郷にも霊夢の死んだ知り合いはいなかったんだから。
これが夢オチっていうなら別だろうけど、残念ながらそうでもないみたいだし。
「もう一人の僕。生き返ったんじゃないなら、他に考えられるのは……何だと思う?」
『……別の世界の海馬ってことか?』
「うん、それもあり得る……。でも、僕は……今より未来の海馬君じゃないかな、と思ってる」
もう一人の僕がはっとしたように顔を上げる。
『……俺達が連れていかれるのと、磯野が殺された日は同じなんだよな。
それは……主催が海馬のところにもやってきた、ということなのか?』
僕は頷く。その日は失敗している、という仮定が必要になるけれど、そうとしか考えられない。
ピエモンあたりがドジやったと思えば納得できるかもしれない。
「まあ、憶測でしかないけど……。海馬コーポレーションは大きな会社だからね。
主催がKCの社員に見つかるなりして、海馬君達の誘拐に失敗したとする。そうなれば、別の機会を狙うんじゃないかな。
それが平行世界なのか、未来の世界なのかは分からないけど」
でも、近い未来だろうなと思った。あの会場で見た二人は今と全然変わっていなかったから。
もう一人の僕は先ほどから思案顔だ。僕の言いたいことに気付いたのだろうか。
「だから、海馬君は来月消えるかもしれないし、来年消えるかもしれない。もしかしたら消えないかもしれない」
『なら、相棒。そこまで推測しているなら、海馬に磯野について聞かれた時、話すべきじゃなかったのか?
近い未来にいなくなるというなら、今……』
「それは駄目」
『え?』
そう、それがさっきついた嘘の一つ。
僕は殺し合いのことを誰にも話していない。この後巻き込まれるであろう海馬君も例外ではなかった。
そして、それが最善だと思ってる。
「まあ、死神の遊戯を実証したいなら、またとない機会かもしれないけどね。
僕らが進んであの世界のことを話しても、きっと信じてもらえないよ?
時空を越える主催の力も結局よく分からなかったし、防ぐにも説明しようがない」
もう一人の僕も、そのことは分かっているのだろう。
……それでも、諦めきれないのだろう。釈然としない表情で僕の言葉を聞いていた。
その気持ちは、僕にも分かるのだけれど。
『……だが、だからといって俺達は何もしないのか? 海馬達が死ぬと分かっているのに』
「うん、僕は何もしない。君もそうして欲しい」
『相棒……』
「もし僕達が警告することで、海馬君が話を信じて、運良く主催を諦めさせたとしても……駄目なんだ。
そうすると、今度は僕達が消えるかもしれない。僕らだけじゃない、生き残った皆もだ。
……それほどのことを海馬君はやりとげた」
支援
今の僕達は、"あの会場にいた海馬君"から見て過去の人物だ。
でも、そうでありながら、"未来の海馬君の運命"を知っている人物でもある。
そして、気付いた。主催でもない僕達が、自分の意思で殺し合いの結果を変えられるのでは、と。
と言っても、悪い方向へだ。
「変えられる」、というより「変えてしまう」。それに気をつけないといけなかった。
海馬君にあのことを伝えて、仮に信じなくても、僕達は預言者となる。それを海馬君がどう思うだろうか?
伝えた言葉がどのように影響するか分からない以上、僕達は何もできない。
最後まで会えなかった海馬君のことは、レナや霊夢から教えてもらった。
つかさ以外の4人は、一時、海馬君と行動を共にしていた。だから、皆色々と話してくれた。
一見不審者で、ロリコンで、ハイテンションで、常に皆の先頭に立っていたと。
そして、持ち前の技術力を駆使し、主催側を混乱させ、首輪を外し、……打開への希望をくれた、と。
霊夢や日吉は褒めているのかけなしているのか分からなかったけれど、皆に信頼されていたようだった。
もし海馬君がいなくなれば、呼ばれなかったら、『打開』は途端に難解になる。
そんな中の奇跡を信じて、海馬君を助けるくらいなら。
……何もしないほうがいい。
僕は、皆を失いたくない。
『……分かった』
理由を説明する。すると、もう一人の僕も納得してくれた。
そして、再び訪れる沈黙。僕達の心の中では、何かやりきれない思いが渦巻いていた。
「……なるね」
「ん? 何か言ったか?」
「いや、ああいう騒がしい人らがいなくなったらさ――」
――寂しくなるね。
「……そうだな」
なんかさ、他人事だよね。君もいつかはそっち側になるのに。
★
その夜、テレビで海馬コーポレーションの特集を見た。
KCグランプリで海外での評価を取り戻した海馬コーポレーションは、世界海馬ランド計画を進める為に、
アメリカでの「海馬ランド」建設の企画を始めるらしい。
磯野のことについては触れなかったけど、やっぱり昼間の出来事は現実だったんだなあ、となんとなく思った。
テレビの中の海馬君が高笑いし、プ○ジェクトXの司会達がドン引きしている。
もう一人の僕でさえ呆れたようにテレビを見ていた。
何だか今日見た海馬君が、違う世界にいるかのような感覚に襲われた。
部屋へ戻ると、じーちゃんがやってきて話しかけられた。
神のカードを見せて欲しい、と。
僕らが決闘王になってから毎日恒例の頼みだったけれど、とても懐かしい感覚だった。
3枚の神をなめまわすように見て、Gちゃんは満足して帰っていく。
ここまでは何も問題はなかった。少なくともじーちゃんにとっては。
会場から持ち帰ったカードの束、僕らはその中から神のカードを取る際に、色々な非常識に気づいたのだった。
まあ、帰ってきてから持ち物のこと気にする暇無かったからなあ。
「……もう一人の僕、ラーが一枚増えているんだけど……。なぁにこれぇ」
『あ、それはマリクのデッキが勝手に……』
「それだけじゃない、知らないおかしなカードもあるよ」
『カードは皆からまとめてもらったからな、まだ確認していないのも多いかもしれない』
「……へぇ、だから僕のカードの中に、こんなものが混じってるんだ……。オレイカルコスの結界」
『……え!?』
オレイカルコスを見るなり顔色が変わるもう一人の僕。
僕はそれを無視しながら、その薄汚いカードを墓地に送った。
まだ確認していないのもある、か。
皆の持ち物も全ては把握してなかったし、特にデイパックの物は紫やゆとりが適当に配ってたから尚更かも。
それにハルヒのデイパックのものも混じっていた気がする。
でも、適当に配ったと言っても、適して当たりな物をくれたのが意外だった。
おかげでカードの他にも色々手に入れた。
中でも一番ありがた迷惑なのが……もう一人の僕の"本当の名前"。
時々KASがもう一人の僕をAMTと呼ぶのが気になって、聞いてみたのが事の始まりだった。
直後、その場にいた自重しないゆとり達がKASを押し退け、一斉に語りだしたのは忘れもしない。
「何言ってんだよww王様の名前に決まってんだろwwそれにAMTじゃなくてATM!」
「ばっか、このAIBOはそこまで行ってないんだよ! 遊戯王厨の俺が詳しく言うとアニメ200話AGO作画の前あたりだ」
「ATM!ATM!我が名はATM!」
「……い、言っておくが俺は隠すつもりだったからな! ゆとりの近くで聞いたのが尽きの運だっていぐふっ!?」
「ネタバレ死ねよ!!」
『こんのぉ〜!』
……今思えば、ニコ厨というものをもっとよく知っておくべきだったんだろう。
あそこで黙らせなければ結末までネタバレされていたかと思うとぞっとした。
あいつらの言うとおりに事が運んでいくなんて気分のいいものじゃない。というかきもい。
僕はそのままアテムと呼ぶのは癪なので、あえて聞かなかったことにした。
もう一人の僕はそれから某自動現金預け払い機に反応するから困る。
「……そういえば、君は本当の名前を知って何か思いあたることは無いの?」
『いや、記憶が戻るということはないが……あいつらの言うことは信じてみることにした。
俺の記憶をあいつらが知っているのは奇妙だが』
「今度また幻想郷に行くんだし、ゆとりに変なこと吹き込まれないようにね」
『宴会か?迎えがいつ来るか知っているのか?』
宴会。おそらくこれが皆と会える最後の機会になる。
でも、皆それがいつなのかは知らない。霊夢の頼みで紫が動くことになっていたから。
あの神出鬼没な妖怪のことだ。細かい日時は紫の気分次第だろうなと思ったので、
僕はあらかじめ日を選べるように相談しておいた。
「もう一人の僕、美術館へ行くのは3日後。それで良かったんだよね?」
『ああ、帰ってきて5日、だったな。あまり遅いとエジプト展が終わってしまう』
「紫に言ってあるんだ。出来れば僕らの、……君の物語の続きが始まる前に、って。
だから、近いうち――それこそ明日か明後日あたり――に来ると思う」
自分で言ってなんだけど、これ帰る意味あったかな? あの時はとにかくこっちの世界が気になってたからなあ。
『ああ、記憶を探している途中で宴会の迎えに来られても困るからな』
……君がいなくなった後で宴会の迎えが来たら、君だけ皆と会えないしね。
そんなことを口に出そうとする自分に気づいて、僕は顔をしかめた。
『相棒?』
咄嗟にその言葉を頭の隅に追いやり、先ほどの話を繋ぐ。
「別れた皆も、それぞれの物語があるんだろうな。皆一段落して来るだろうし――」
一段落。僕らの物語に当てはめると、その言葉は適切であり不適切でもあった。
『……ということは、皆ばらばらの歳になってたりするのか?』
「あり得るね。全く時間の経っていない僕らの横で、おばさんたちが話していたりするわけだ」
『ああ、俺も楽しみだぜ、更に成長した皆の姿を見るのが!』
もう一人の僕は実に生真面目に言葉を返してくる。
いつもの調子だ。そのはずなのに、なんだかこの話題を続けるのが嫌になった。
僕は机の椅子にもたれ掛かって天井を見上げる。
張り替えたばかりだという窓から見える星空が、前よりも透き通って見えた。
そういえば、僕らがいない間に泥棒が入ったらしい。犯人はいつかのダイナソー竜崎。
神のカードが狙いだったようだけれど、当然それは僕ら同様消えていたわけだから探すうちにそのまま御用だったとか。
だから目立った被害は部屋荒らしとガラスを割られたことくらい。
そういえば、何であいつ一人だったんだろう?
こう言うのもアレだけど、羽蛾君がいた方が悪知恵が効いてもっとマシな結果になったと思うんだけれど。
『相棒……、羽蛾はあの殺し合いに呼ばれていただろう』
あれ、そうだっけ。
じゃあ、ちょっと、変わっていたんだね。
とはいえ、ちょっととは言っても、これだけこの世界で変化の積み重ねがあるって不味くないかな。
ゆとりたちの知ってるあらすじと少しずれそうな気がする。
……僕の嫌な予感だから、当たらないことを祈ろう。
★
そして、それからはデッキの再構築に時間を費やした。
明日持っていって、久々に城之内君とデュエルをするためだ。
持ち帰ったカードの束を全て確認して、レッドアイズのカードが僕の手にあることを思い出した。
確かこれは最初に琴姫さんからもらって、ずっと持ち歩いていたんだっけ。
2回くらい使った気がするけど、どこでどんな風に使ったかははっきりと覚えていない。
事実、あの殺し合いの記憶は、少し日が過ぎただけだというのに薄れ始めている。
例えば、初めて会った時のハルヒを思い出せと言われても、どんな姿だったか、あの時何を話したか。
その記憶は曖昧だ。
生き残った皆と、もう一人の僕と会えなくなっても、一緒に過ごした時間を昨日のことのように思い出せるだろうか。
――なんて、機械じゃないしそれは無理だろうな。
でも、薄れることはあっても忘れるということは絶対にない。
僕はそう確認するように呟いた。
「もう一人の僕……、宴会までの時間はすぐ終わるけどさ、僕はあの3日間を忘れないよ」
『ああ、俺もだ。あの殺し合いのことは絶対に忘れない。皆のことも、主催達、その部下達のことも」
「乗ってた変な人達のこともね」
『ま、まあな』
もう一人の僕は自然に話題にのってくれる。二人で思い出を語り合うなんて珍しいかなと思ったけど、
たまにはこれくらいいいよね。
レッドアイズのカードをデッキと一緒にカードホルダーへ入れる。
そうだ、確か初めて使った時は、一日目の夜だった。
あの時、僕は負けたんだ。何でかあまり覚えてないけど……、僕は絆を信じきれなかった。
皆に見捨てられる幻覚さえ見た気がする。何であんなものを見たんだろう。
薬のせいだったのかもしれない。全部まわりのせいにして楽になりたかったのかもしれない。
もう限界だった僕は、それ以上絆を信じ続けることができなかった。
そして、近くにあった他の「可能性」に頼った。
「その後は全然覚えてないんだけど……必死だったのかな。どうなったんだっけ?」
それを聞いてもう一人の僕は飛び上がった。顔に動揺の色がありありと出ている。
『お、覚えてない!? それは……だな……。……相棒は大分グロッキーというか……、いや、どうってことないぜ!』
うーん、そこまでヤバかったのかなぁ。もう一人の僕が隠すくらいのグロッキーだったんだろうな。
次に気付いたときには暴走つかさに襲われてたっけ。
熱が下がったら、ようやく感情が戻った気がしたけど、僕自身はそのまま元に戻る気はなかった。
いつの間にか、僕はだんだんと冷笑的な目で見るようになっていた。
力で威圧する奴らを馬鹿馬鹿しいとしか思わなくなる程度に。
そのときはムスカ、ハルヒ、古泉に永琳と敵ばかりに遭遇していたし、変な感情にまとわりつかれない方が楽だったし。
『だが、非道な行いをする奴らを許さない気持ちは本当だっただろう?』
「非道?外道とは言われた時あるけど」
『いや、相棒のことじゃなくて……』
だから、しばらく気付かなかった。ずっと綱渡りの状況で気を張ってたせいかもしれないけど……
僕は再び、少しずつ絆を信じるようになっていた。
レナ、つかさ、日吉、そしてもう一人の僕。少数派の皆と一緒に行動するようになってから。
「僕、皆が大好きだよ。力を合わせて障害を乗り越えていくうちに、僕に思い出させてくれたんだ」
いつの間に忘れていたんだろう、あんなに大切なことを。もう一人の僕がたどり着いた答えを。
言葉を継ぐ。自分でも声に力が入ったことに気が付いた。
「『結束』の力――。絆を信じれば、必ず光は見えてくるって」
絆は、出合った人達と記憶を共有して生まれる。
人の都合も考えず、あちこちくっついて自分や他人をふりまわすこともあるけれど。
皆と共有する思いの大きさ、それが『結束』の力になる。
それを、理解するだけじゃない……。この殺し合いの中で、身をもって知った。
あと、それは憎みあった他人とも出来てしまうものだってこともね。
永琳やハルヒや主催たちも、死んだからといって許す気はない。今でも嫌いだ。
でも、少数派の仲間たち同様、いつまでも忘れないでいたいと思った。
そう思うのは、悪いこと?
『何だかんだ言って、あいつらにも助けられた時があったからな』
まあ、それもあるけどさ……。
「やっぱり、相棒は強いな」
もう一人の僕が満足げに頷いたかと思うと、僕を見てぽつりと言った。
なんかこういうこと、前にも言われた気がする。またヘタレをアピールでもするんだろうか。
「当然だよ、――って言いたいところだけど、僕はまだまだ弱いよ。あの殺し合いでたくさん学ぶことがあったしね」
『だが、俺がいなくても平気だったじゃあないか。俺はあの会場で、相棒は既に俺を越えていると確信したんだぜ』
俺がいなくても――。
なぜかその言葉で、僕の体に電流にも似た衝撃が走るのが分かった。
「……どういう意味?」
『あの3日間、俺は相棒に助けられてばかりだった。人質にまでなって、足を引っ張ってばかりですまないと
思っている』
違う。二人で足りないところを補いあったから、僕らはあの3日を乗りきれたんだ。
今だからそう言える。
どちらかが欠けていては生き残れなかっただろう。
そして別々に行動していた時の僕は、仕方ないとはいえ、許されない事をしている。
それを強いと誉められているのかと思うと、何だかショックだった。
「……どうしてそんなこと言うの?」
『相棒?』
「そうさ、平気だった。僕は一人でいたあの時、君を見捨てたんだ。でも、それは強いって言うの?」
気づくと、僕は爪が食い込むほど強く手を握りしめていた。
だんだんと記憶が蘇る。そう、確かに他の皆の事を考えると、他の選択は選べなかった。
でも。
『あの時は、仕方なかったんだろう? 結局俺も無事だったし、お前を恨んではいない。気にすることはないぜ』
もう一人の僕もそれを理解して、許してくれている。
まあ前科があったから責める気は元々無かったと思うけどね、それはお互い様だ。
それは分かっているんだ。
けれど、僕が気にしているのはそれとは違う。
僕はあの時。
人質として再開したもう一人の僕を見て、見捨てようと決断した時――
……何も思わなかった。
あの後すぐ殺されてもいい状況だった。なのに罪悪感はなく、後悔する気も欠片も無かった。
ハルヒ達ゴミ蟲野郎共を倒すことの方が大事で、ぶっちゃけもう一人の僕は邪魔だった。
あいつらの驚愕した顔、今でも覚えてる。そんなことを僕は平気でやった。
今でも時々、ヘタレな王様にいらっと来ることがある。
あの時とはもう違うと、そうは言ったけど。
僕は焦点の定まらない目を元に戻し、もう一人の僕を真っ直ぐに見つめる。
不安そうにこっちを見ていた目とぶつかった。僕は慎重に息を吸い、口を開く。
「もう一人の僕、明日の学校さ……、家で留守番してもらっていいかな?」
『どうした? いきなり……』
不安だった。
もう一人の僕が還っても、僕はあの時のように何も感じないのだろうか。
思い出しても、「ああ、そんな奴もいたな」と笑い種にするのだろうか。
そんなわけがない。そう言い切れないのが恐かった。
だからもう一度、離れてみたくなった。
それが僕のわがままだと分かっていても、確かめたい。どうしてもその気持ちを抑えられなかった。
「紫が来るかもしれないんだ。学校まで追ってきて神隠しされちゃ困るでしょ」
『…………』
我ながら不自然な理由付けだ。
もう一人の僕にはいらない日なんてない。明日だって残された貴重な時間だ。
不審に思うか、拒否するのが自然だろうなと思った。
でも、その答えを聞いて驚いたのは僕だった。
『分かった。いいぜ』
もう一人の僕は、いつもの調子で軽く言った。
「え?」
『そのほうが相棒にとっていいのなら、明日は相棒に譲る。あまり気に病むなよ』
適当に答えたのではない。僕が裏で何か隠しているのに気付いているんだろうと思った。
……参ったな。そうだよね、もう一人の僕に隠し事は無駄だよね。
僕はそっと目を逸らした。
「ごめん、……ありがとう」
☆
幻想郷にいる時だったか。
相棒の心の部屋を覗いたことがあった。
心の整理をするとは、文字通りああいうことなのだろう。
目につくような乱れがなく、薄暗く感じる部屋に置かれたデッキが目立って見えた。
俺達の心は、闇と隣合わせだった。
「というわけで」
「え?」
出した声が甲高く響き、思わず口を手で覆う。
目の前、いや、頭上に相棒の顔があった。それだけで今の状況を把握するには十分だった。
萌えもんパッチ。まさか持ち帰っていたなんて。
……そういえば幻想郷で、帰ったら2人でデュエルしたいと言っていたような……。
「帰ってくるまで、留守番よろしくね」
「いや、これは見つかったらやばいって!」
「何で? 昨日はいいって言ったじゃん」
「ここまで考えてなかったんだ……」
「大丈夫、今みたいに騒がなきゃ来ないって」
今みたいに……?
俺は咄嗟に下の物音に耳を傾ける。すると、相棒が俺を見て愉快そうに笑った。
「冗談、冗談」
昨日のすれ違いが嘘のような笑顔だった。でも、千年パズルを置いていく約束は嘘ではない。
首に何も提げていない相棒の姿が、昨夜の出来事を鮮明に思い出させる。
そして、俺は目をベッドの脇のデイパックへと向けた。
「それじゃ、またね。イテキマー――」
「相棒」
相棒が動きを止め、こちらに振り返る。
俺はその怪訝な表情の前に、デイパックから取り出した物を突きつけた。
「これ……いいの?」
「持っていったほうが、皆怪しまないだろう」
偽の千年パズル。
元はマルクが相棒を引き込む為の餌として作り出した物だった。
これを持たされ城で待ちぼうけしていたゆとりが生き残っていたので、幻想郷にいた時に渡されていたのだ。
ただ、相棒はマルクの誘いを一蹴するのと一緒に、パズルのことを諦める覚悟も決めた。
今まで取り出さなかったのは、俺のことを気にしていたからなのかもしれない。
「――俺からも一ついいか」
一つ、というのはパズルだけのことではない。
それに気付いた相棒は、偽パズルに注いでいた視線を、俺の目の位置までもってくる。
「明日一日は、いつも通りに皆と過ごそう。これであいこだ」
支援
相棒は正面から俺の言葉を受け止める。そして、頷く代わりに偽のパズルを首に掛けた。
再び前を向いた相棒の顔には、影の無い笑顔が浮かんでいた。
「勿論だよ……相棒!」
☆
俺が皆といられるのは、あとどのくらいなのだろう。
相棒が出て行って少しの間、そんなことを考えていた。
この生活が名残惜しくないと言えば嘘だ。だが、俺は自分自身を見つけ、あるべき場所へ還らなくてはいけない。
でも、それを皆は受け入れてくれるだろうか。
もちろん答えはすぐに出るわけではない。こんなことを考えていても仕方が無いと思い、しばらくして一人で考える
のも止めた。
朝の光で満たされた部屋。その中にいる俺の心は、何か物足りなかった。
デイパックを覗いた時に感じた違和感。あれは何だったんだろうか――。
何か、嫌な予感がした。
「あら、そんなに思いつめているようなら幻想郷はいかが? 黄泉路はすぐそこにありますわ」
そこまで考えた時、突如、余裕を含むゆったりとした声が部屋の空間に混じった。
「それとも私が勝手に境界を弄くっておきましょうか?」
「心配いらない。これは俺の問題だ」
「あら、それは残念」
「……お前、いつからここに?」
くすっ、と吹き出す声が後ろから聞こえた。
振り返って見えたのは、薄暗い部屋の奥に佇む、和と洋を混ぜ合わせたようなあの妖怪の姿。
「もう、お前とは失礼ね。せっかくお迎えに来てあげたのに」
「……宴会か?悪いが、相棒がいないんだ。今は行くことはできない」
「それは知ってるわ。……まあ、少しばかり遅れて出て来たのは事実だけれどね。あなたが留守番じゃなかったら
朝イチで神隠しの予定だったのに」
そう言って、紫はつまらなそうに目を伏せて窓の向こうを眺める。
俺の頭に、家を出る前に宴会するはめになって紫に不平をぶつける相棒の姿が浮かんだ。
……ん?それがしたかったのか?
「嫌ね、霊夢の頼みが面倒だから少しくらい遊ぼうだなんて思っていませんわ」
目を合わせると、心を読んでいるかのように答えを返される。
「でもまあ、丁度いいわ。話してほしいことがあるから、神隠しされるかスキマ送りにされるか選びなさい」
いきなり何なんだ。しかもどっちも言っていることが同じだ。
「拒否権は無いのか?」
「言い方が悪かったわね。殺し合いに呼ばれていた八意永琳について教えてほしいの」
「意味☆不明……って、え、永琳?」
そういえば話には聞いていた。俺たちが会った永琳は違う世界の永琳だったらしい、ということ。
幻想郷の永琳は、普通に暮らしていたということも。
「別の世界の永琳をよく知ってて、今暇そうなのは貴方くらいなのよ。永琳も詳細を知りたがっていたけれど、
私も貴方たちが脱出してくるまで知らなかったことだし。調べるのも骨が折れるから貴方に任せたいの」
俺が幻想郷に送られて代わりに答えるってことなのか?
思わず頭を横に振った。ふと、永琳の死に顔が俺の脳裏に浮かぶ。
俺の知っている永琳は死んでいる。だから、出来ることなら会いたくないと思った。
「任せたいって言われてもな。幻想郷に行かなければいけないのか?」
「ここに連れてきてもいいわよ?ほら、出てきました」
「な!?」
「嘘、嘘」
紫がスキマから出した看護帽を手でもてあそびながら笑う。心臓に悪い。
「まあ無理にとは言わないわ、そんな重大なことでも無いようなら。ただ、どこの世界から来ていたのか気になってね」
「……古代の中国、だったと思うが……。多分、幻想郷に影響は無い。永琳が殺し合いに乗っていたのは
その世界の主君の為だったからだ」
それを聞いて少しの間思案顔になる紫。一瞬俺を見る目が鋭くなったような気がした。
紫はスキマを出現させ、看護帽を放ってから再び口を開く。
「真面目ね。そこは素直にかくかくしかじかでいいのよ」
「かくかくしかじかで伝わるのか?」
「そう、伝えておくわ。じゃあ話はここまでにしておきましょう」
一方的に話は終わり、紫は出てきたスキマに乗ってふよふよと浮かぶ。
「来客よ」
流れるような視線は再び窓の外へと注がれ、紫はふっと微笑む口元を手で覆った。
俺もつられるように朝日の差す窓へと顔を動かす。すると。
それと同時に聞こえてきたのは、間違えるはずはない……久しぶりに聞く友の声だった。
――皆来てくれたのか!
そう思うが早いか、俺は窓へと駆けた。
……はずだった。
「あらあら、せっかちねぇ」
のんびりとした声が聞こえたかと思うと、俺の体は宙にあった。
「え?」
手のようなものに掴まれ、放り出される。瞼を開くと、窓の下に置かれている机の卓上が目の前にあった。
状況が掴めず、辺りを見渡そうとしてマントにつまづき、机に頭から倒れこむ。
「あぶっ!」
「うふふ、ほら、落ち着きなさいな」
これで慌てない方が無理だ、と思った。ゴールドな装飾が額に食い込んでズキズキする頭を上げる。
紫のほうを向くと、黒い隙間のようなものに腰掛けながら笑っていた。
「あまり一人で盛り上がって見つかっちゃ駄目よ。誰かさんみたいな扱いになったら色々面倒なの」
誰かさんが誰かは分からないが、どうやら今のは忠告の為にやったらしい。
確かにこの姿で堂々と出かねなかったが……。言い返せない俺に誰か迷惑と親切の境界を教えて欲しい。
「では、今日の夕方、改めてお迎えに上がりますわ。あの子にも伝えておいて」
「……ああ」
――そして、早く気付きなさい。そのために、私からも今日一日時間をあげる。
「……紫?」
手をひらひらと振ったかと思うと、もう紫の姿はそこにはなかった。
そして静まりかえった部屋。そこには外から僅かに入る話し声だけが響いていた。
その声で今何をしていたのか思い出し、俺はうつ伏せとなっていた体を慌て起こす。
「ええ、遊戯の奴もう出て行ったのか!?せっかく皆で揃って迎えに来てやったのによー!」
「もう!大体、城之内が遅れて来たのが悪いんでしょ!」
窓を通して不鮮明となった声が耳に届く。
下を覗こうとしたが、屋根が斜めになっているために真下が見れなかった。
「ほっほ、すまんのう。遊戯も今日は張りきってたみたいだからのー」
境界を作る窓の存在を歯痒く思った。聞こえる声が俺を急き立てる。ついに耐えきれずに、開けた。
城之内君、杏子、本田君、獏良君、御伽君。
いつも通りの皆がそこにいた。
「仕方ねーだろ、久しぶりに遊戯とデュエルするためにデッキ調整してたんだからよ!」
「ああもういいから、 早く学校行くぜ! 走るぞ!」
「え、じゃあ失礼しました!」
「ホホ、行ってらっしゃい」
「ま、待ってよ〜!」
「明日……、楽しみだな」
皆の後姿を見ながら、誰に話す訳でもなく俺は呟いた。
殺し合いで途切れていた俺の物語も、再び動き出すまで、あと2日。
俺はあるべき場所へと還る時、俺の物語が終わる。
だが、その終わりは始まりでもある。相棒は相棒自身の物語へと進むんだ。
支援ッ
俺達は美術館へ行き、言われたとおり神のカードを使って記憶を見つける。
そして、千年アイテムを……全て揃え――
揃え、て……?
――一瞬、俺の脳裏に、紅く染まったHALの姿が映った。
顔から血の気が引いていくのが分かった。しばらく呼吸することも忘れていた。
気付くと、俺はその名前を呼んでいた。
「……紫、紫っ!」
★
「そうだ、遊戯! 俺のレッドアイズ知らないか? 前々からどこにもねぇんだ!」
「あ、それなら僕持ってるよ。なぜか僕の手元にあってさー。変だよね?」
「もしかして、レッドアイズも遊戯を守ってくれてたのかもね!」
「ねぇ、それより僕の千年リング、ずっと身に付けてたのに無いんだ。また黙って隠してない?」
「いや、あれはヤバいから探さなくていい。というか身につけるな!」
「うう〜……角のバカ!」
「……え?」
]V 死神
逆位置:再出発
★
その後、凄くなぁにこれぇな記憶戦争を繰り広げたり、本当は見れない予定だった忠実の記憶を見たり、
どこぞの墓守達が困り果てたり、私が睡眠不足になったりするのはまた別の話。
そして、一人のファラオの物語の結末は――うふふ、ご想像にお任せしますわ。
どの道を選ぶかはあの人達次第。
どのような結果になっても……、それがこの世界での遊戯の物語となる。
ここからはもう、ニコ厨なあなたの知っている物語ではないわ、これからじっくり楽しみなさいな。
いずれは、光の中で終わるのだから。
さあ、今は……晩餐を共にしましょう。
終わりかな?乙!
投下終了です。
最後にこんな大遅刻で迷惑かけてすみませんでした。
皆空気空気言うから本気でエピでも空気にしようかと思ったのは秘密
自分が補完したいところを全部入れたら全然家から動かなかったという
投下乙でした
白→黒→限りなく白に近い黒と遊戯も某驚きの黒さ並に変異しましたね
後何気に宴会で時差バラバラフラグ立ってみたりといい感じ
そしてオチはやっぱりそれかwwwパズルが無ぇwwwまさしく助けてゆかりんwww
投下乙!
千年リング無いからなぁ〜。
ゾークも消滅してしまったしどうあがいてももう一回ゲットすることはできなさそうだな
まぁ、ずっと一緒にいられるんだからそれはそれでいいんじゃねw
遊戯とATMの物語、とてもいい話だった
乙でした!
某自動現金預け払い機に反応するATMワロスwww
乙でした
パラレル設定が際立つエピで面白かったww
次スレに行く前に更新。テキストファイル紛失したら困るし
残すところ、霊夢とつかさかあ…
宴会、時間軸どうなるやら
ほんとどうなるだろうね
930 :
木菟咆哮:08/11/19 00:45 ID:Zf7Bbf.A
事件から数週間後の夜。
今やつかさの避難場所となりつつある姉の自室で、彼女は明かりもつけずにうなだれる。
親友や姉の死を嘘で飾りたくないという強く決心したというのに、体は疲れきっていた。
確かに決意は貫き通した。
両親。家族よりも帰還後数日は拘束時間が遥かに長かった警察。不本意ながら長期間通わされることになった国立病院の医師。未解決事件でありまた未成年でもあることから報道規制がかかっていたはずのマスコミの突撃取材。
誰に聞かれても女子高生三人が失踪した事件の、真実だけを語った。
ただし要約すると、こういうことになる。
「宇宙人によって、異世界から集められた人々と、殺し合いをさせられました」
ほとんどの人にすぐには信じてもらえないだろうなという漠然とした予感はあった。
だがその結果は覚悟していたよりもずっと苦い、憐憫と嘲笑にあふれるものだった。
好意的な人々でさえ「親友と姉を失ったショックで記憶を閉ざしてしまった少女」と彼女を労わり、そうでない人々は「記憶もおかしくなるほど輪姦され、姉すら見殺しにして一人だけ逃げ延びた中古品」としてはやしたてた。
世間の見方では、悲惨な殺し合いの宴などどこにも起こっておらず……女子高生三人が誘拐され一人がボロボロになって戻ってきて残りは行方不明。ただそれだけの事件なのだ。
つかさの見てきた限りでは、精神科医ですら―――信じるフリしかしてくれなかった。
この人ならもしかしてという期待が消えていくのは何度経験しても慣れられるものではない。くじけそうになるたびに自分を励まし続けた。
(私は生き残ったんだからこんなところで負けちゃダメ。でも……)
蔑みの視線どころか、哀れみの視線すら、痛かった。
931 :
木菟咆哮:08/11/19 00:46 ID:Zf7Bbf.A
両親も反応を見る限りつかさの言うことを全く信じないというわけではないが、絵空事であるという前提で話を聞く。
それどころか、普通に通学できるようになった今でも追求すればそれだけ苦しめることになると思っているのかもう触れないようにしている。
もう一人の娘がどこかで殺されたという事実を実感したくないという思いもあるのかもしれないが、実の親からすらそんな態度を見せられ続けるのはとても寂しいものだった。
こなたの父、惣二郎おじさんを最後に見たときのことを思い出す。
たった一人の家族を失った悲しみでつかさに暴言を吐き続けたあの姿。
そんな夢みたいな話で娘が死んだといわれて納得できるかと言って泣きながらつかさに掴みかかろうとして、周囲に羽交い絞めにされながら連れて行かれたおじさん。
あれが本当におじさんなのかと思うほど、その髭は濃く、眼は血走っていた。
「あれが『親』としての本音だよね……」
かがみがいない辛さを両親はつかさにだけは見せまいと懸命に抑えている。鈍感といわれるつかさでもはっきりわかるほどそれは空気に現れていた。かといって何ができるのか。
「おじさんと会っても傷つけることにしかならないってのいうのは難しいよね。どうしようかこなちゃん」
返事などどこからもこない、ただの独り言。
本当のことを告げても、こなた父の「そんなはずはない」という理性と「そうあってほしくない」という感情が全てを覆い隠してしまい、自分の声は彼の心をズタズタに切り裂くだけで何の良い結果ももたらせそうにない。
だからといってどうすればいいというのか。彼の常識に合わせた嘘の死因を語るか? そんな優しさは余計に残酷なだけだとつかさは思った。
父子家庭で育てた一人娘。どれほど愛されて育ったかはこなたと過ごしてきた時間がグループ四人の中で一番長いつもりなだけに良く知っている。
そんな彼女の本当の最期を、父親である彼にだけは否定したままでいてほしくないと思っている。
時が過ぎ、お互いが冷静に話し合える。そんな時が早く来てほしかった。
932 :
木菟咆哮:08/11/19 00:46 ID:Zf7Bbf.A
そのほかにも、白石なんとかという家族が社務所へ来たと記憶している。全然関心のなかったクラスメイトの男子も一人、同時期に失踪していたということらしい。
名簿が残っていれば確認もできたろうけれど、荷物はいらないと言ってしまっていた。
魔法のアイテムや超技術の結晶。そして各種現実兵器。
持ち帰れば世界の常識を激変させ、科学の世界から経済界まで全てに影響を与えてしまうかもしれない代物だってあると念を押されたせいもあるが……
単純にそれが、そこにあるだけで自身の罪と強制的に向かい合い続けさせられる拷問道具に見えて、積極的になれなかったこともまた事実だ。
結局火事場泥棒的なことをしていたデジモンが持っていた、姉の形見になるものだけをもらって帰った。
「ちゃんとしたものを持って帰ってたら、私の話もちゃんと聞いてもらえたのかな?」
すでにわかっている。答えは否。
地雷や拳銃を扱った跡が僅かだとしてもこの身に残っていたはずなのに、警察はそれでもつかさの話を実際にあったことと決して認めようとはしなかった。
Fooさんの笛か何かが手元にあり、それを証拠として実演してみせたとしても押収され「似た形のもの」を返却されるのが関の山だろう。
人々の理解を遥かに超えるものは、混乱を招くもととされなかったことにされる。そうすることで今の平和な世界が維持されているのだと気付くことができた。
だから手元に名簿はないし、つかさの記憶を辿ってもあの場にそんな男子がいた覚えはない。
一挙手一投足を心配そうに見つめる白石夫妻に、たぶん彼はあの場にいなかったと伝えた。
二人は私が語る世界観に当惑しながらも理解できた部分だけを受け止め、だとしたら無関係なただの家出かもしれないと少し安堵した様子でそのまま帰っていった。
彼らの話では、芸能界に所属していると数日間ふっといなくなることもそう珍しくない、たまにあることらしい。
それはそれで怖いなと、少しだけ思った。
933 :
木菟咆哮:08/11/19 00:47 ID:Zf7Bbf.A
不意に寒気がしたので、学校でも使っているミニ毛布を膝にかける。
「学校って、昔は遊んでられる場所だと勝手に思ってたのに」
警察や病院と家を往復する毎日がしばらく続き、戻ってきた学校でも皆がそれを知っているため教室内はいつも少し居辛い雰囲気が漂っていた。
けれど、転校したらどうかという両親のそこはかとない示唆は頑として断った。
まだ、二人がいた証を残すことの一歩目しか踏み出せていない。
電波な人になってしまった思われてしまったのか、まだ基本的に周りは遠巻きに心配そうな態度を取るだけ。例えるなら人間扱いだけはしてもらえる珍獣。
全部聞こえてるんだよと言ってしまいたくなるほど、復学当初から耳に入り続けていたひそひそ声の内容は醜悪な好奇心に溢れていた。
もちろん本当にただ心配してくれた人も大勢いるだろう。
だが、そんな人は逆に傷つけることを怖れ、躊躇い、その声が正面からつかさに届くことはまずない。
結果届くことがあるのは無自覚な悪意と、勘違い気味な独りよがりの善意のどちらかだけ。
こなたと姉はノヴァに作られたあの世界で死んだ。けれど、確かにそうであるとつかさが提示できる証拠など何もない。つまりどんな推測でも成り立つ。
的外れな糾弾や不謹慎な推理は当然あるものとして我慢するつもりだったし、できるつもりだった。
けれど、二人を見捨てて逃げ出したと思われることまでは許せても、全て狂言で二人を殺したのはつかさではないかという説まで囁かれていたときには歯を食いしばり続けても涙を止められず、顔を伏せるしかなかった。
その逆も当然あった。現実逃避なんてやめて本当のことを思い出せるようもっと頑張ればいいのにという間接的な声援。うんざりするほど多かった。
それを優しいのだ、善意で言っているのだと強く頭で念じても、実際に経験してきたこと全てを無駄だと言われているようで、どちらにしても物悲しさは増すばかりだった。
934 :
木菟咆哮:08/11/19 00:49 ID:Zf7Bbf.A
はっと気付いて背筋を伸ばす。姉の部屋で落ち込んでばかりでどうするというのだ。
悪いことだけではなかったはずだ。
「うん。お姉ちゃんも私も、友達には恵まれてたかもしれない」
表立っては話しかけにくそうに一定の距離を置いていたのに、久々に開いたパソコンの中には親身なメールが毎日のように届いていた黒井先生。
さすがにネットゲームにまで繋いで話しかけてみようとは思わなかったが、先生の接し方への迷いや優しさは充分感じることができた。
さらに、異世界の話を妄想扱いこそすれど、興味深く聞いた上で毎日のように「柊妹〜」とそこにおかしな点がないか探して質問しに来る日下部さん。
正直邪魔だと思うことのほうが多かったけれど、その更にお友達の峰岸さんがあの行動にもちゃんと意味があることを教えてくれた。
「ごめんねつかささん。あの子がお姉さんがもういないということをちゃんと理解できるよう、長引かせないようにするから付き合ってあげてくれないかな?」
「そっか、そうだよね。『はいそうですか』で納得できるものじゃないもんね」
骨もないお葬式。行方不明扱いなのに執り行ったのは、たぶんつかさの精神がこれ以上不安定にならないよう考慮した結果。親族の中にも死亡したと信じられずにいる者は間違いなくいる。
「ま、それだけじゃないけど」
そのときすぐ追求できたのは、上出来だったと今でも思う
「他にも……理由があるの? 教えてほしいなー」
「あ、あらら。どうしましょ。みさおには絶対言っちゃダメですよ?」
よっこい支援
936 :
木菟咆哮:08/11/19 00:50 ID:Zf7Bbf.A
峰岸さんことあやのが言うには、みさおは親友のかがみがいないだけでなくその妹のつかさまでもが、今にもいなくなりそうな雰囲気を纏っていることが不安でしょうがなかったのだという。
周囲から孤立気味で、積極的に話す事があるとすればそれは常識とはかけ離れた異世界でのことが殆ど。どこかへ行ってしまった柊姉のためにやれることがあるとすれば、そんな少女を妄想から現実に引き戻すこと。
それだけなら不愉快な善意の押し付けだったのだろうが、彼女はつかさの体験をおかしいと思ったところ以外は全て肯定した。逆に言えば、矛盾探しに全力を注いでいた。
妄想なら必ず綻びが出るし、そうでないなら真実として受け止めるつもりでいたという。
「あいつにいま一番しちゃいけないのは放っておくことだじぇ! あたしはあいつの言うことを信じたくないからできるだけ常識的な話に収めたいけど、違う結果になっても必ず納得してやるんだ!」
あやのの話をそこまで聞いて、つかさは姉がどれだけ好かれていたか再確認できたことが嬉しくて、彼女の目の前で泣きそうになった。
日下部みさおが柊かがみの死を受け入れるにはまだ時間がかかるかもしれない。
けれど、時間くらいかかったっていいと思った。否定したい気持ちの強さは、それだけ深い友情があったということでもあるとあのとき理解できたから。
両親もその点では同じだ。かがみの死を信じ切れない気持ちと生き残った妹の必死の訴えを否定したくないという二つの気持ちで揺れ、まだ憔悴し回復しきれていないままだ。
今なら一緒にDVDを見るためにみゆきを家に連れてきたときの母の異常な態度もわかる。友達付き合いできる子がちゃんといてくれたことを喜んでいたのだ。
そう、心配され通しだがつかさは決して孤立していたつもりはない。
特に校内では、いつも目に届く位置に彼女がいてくれた。
四人グループの中で唯一向こうに連れて行かれなかった、高良みゆきが。
937 :
木菟咆哮:08/11/19 00:51 ID:Zf7Bbf.A
「あー。ゆきちゃんには悪いことしちゃったなあ……」
話を真面目に聞いてくれたのは精神科医を始めとして何人もいるが、みゆきだけが一切の疑いを捨ててつかさの話が全て本当であることを検証しようとしてくれた。
逆に言えば孤立無援ではないだけでそれとたいして変わらない状態なのだが、これはきっと気が沈みかねないので深く考えるべきではないだろう。
なんでもみゆきは『レイジングハート』や『セイバー』に聞き覚えがあり、深夜アニメなど一切興味のないつかさがどうしてその魔法の杖を語ることができるのかという点を知りたくなったのだそうだ。
「非常に興味深いといえます。桐箪笥の文化的な重みよりも上かもしれません」
なのに、つかさの話を仔細に聞いて彼女が最初にレンタルビデオ屋で借りてきたアニメを見て、
吐いた。
最初の五分で限界だった。
タイトルは『涼宮ハルヒの憂鬱』。
つかさは基本的に興味のないことを聞き流すので覚えていなかったが、こなたも観ていて学校で朝にこのアニメについて話していたことが何度もあったという。
そんなことまで逐一記憶しているこの完璧超人は何者なのかという疑問がそのときつかさにもよぎったが、自分のことで精一杯で追求はできなかった。
吐いたあともしばらくは激しく咳込み、ようやくそれが収まってからつかさはみゆきに訊ねた。
「こなちゃんは知ってたのかな。ハルヒのこと」
「いいえ、おそらく気付くことはできなかったでしょう」
たとえ相手がアニメ風に描かれていたとしても、それを見るのはあまりに苦痛で―――
見かねたみゆきが一時停止で谷口が出てくるシーンだけ見せ、それをつかさが谷口であると断定したところでこのDVDは返却されることになった。
「急ぎすぎてはいけませんね。つかささんはまだ決して回復してはいません」
「そんなことない……なんて言えないよね。強くなくてごめんなさい」
「それがいけないって言ってるんですよ」
直後。髪の香りが広がって、そのまま四半刻黙って抱きかかえられることになった。
柔らかい。というか後頭部に当たる感覚が、でかい。同い年でこれは絶対反則。
けれど、それも心地良い。その優しさについ甘えてしまう。
938 :
木菟咆哮:08/11/19 00:52 ID:Zf7Bbf.A
「人殺しのあたしが言っちゃいけないことなんだろうけど、ハルヒ……だけは許せそうにないや。どうすればいいのかな?」
「つかささんは伝説の聖女などではなく人間です。許したくなければ憎み続けたっていいじゃないですか。誰もそれを止めはしません」
「そんなこと言われたの、初めてだよ」
呆気に取られるつかさに、みゆきはこう告げた。
「人の心はとても脆く弱いものだと言われています。お医者様たちがつかささんのことを、知覚障害を起こしたと誤認したのも至極まっとうなことなんですよ。
そんな目に遭っていれば心も壊れかけて、あんな立派な態度は到底示せないのが普通なんですから」
「でも私、まだ強くない。弱いままでいいっていうのは、甘えじゃないの?」
「強くないといけないなんて強迫観念のほうがよほど害悪です。理想を追うことは決して悪いことではありませんが、人はそんなに都合のいいようにはできていません」
ましてやつかささんなんですからと最後に言われた気もしたけれど、気にならなかった。
何週間もずっと張り詰めたままだった緊張の糸が、裂ける寸前でようやく緩んだとでも形容すべきなのだろうか。身体じゅうの力が抜けていった気がした。
「ありがとゆきちゃん。それから……ごめん」
謝罪は折角持ってきてもらった映像記録を直視できずに吐いたことに。あれはどうみても好意を無駄にする行為。
「いいんですよ。もっと刺激の少ないものを用意しなかった私の責任です」
本当は一緒に見るなら、天海春香という名前だけれど特徴が少しかみ合わない実在のアイドルの登場するネット配信番組「なんでもたべます」を先にするべきなのかなと思っていたらしい。
けれど、まず確証が得たいと思っていたから一番効果的なはずのハルヒを選んでしまったとひどく後悔していた。悪いのはつかさだというのに。
そのあとその春香ちゃんを今からでも見たいと言ったらまた気ばかりが急きすぎだと窘められ、来週見る約束をしてみゆきは帰っていった。
天海春香。この世界に生きている別の彼女がいるのかもしれないと思うと、胸が熱くなる。
深夜の静けさの中、つかさは机に肘を立てて記憶の中の彼女を想った。
この世界の春香は、つかさのことなんて知らないだろう。それでも応援したいと。
あと、せめてあれよりは歌が上手いだろうかと。
939 :
木菟咆哮:08/11/19 00:53 ID:Zf7Bbf.A
もう両親も寝静まった頃だろう。これ以上夜更かしをすると明日に差し支えるので自分の部屋へ戻ろうとする。その時。
「ごきげんよう。貴女にとっては数週間ぶりかしら?」
机の影。薄闇の中から、女の子の声がした。
「……紫ちゃん?」
「ちゃん付けされると嬉しいものですわね」
長身の少女がスキマからせり上がり、つかさを見下ろす。元から背が高いのにその上床から数センチ浮いているのはちょっとずるいとつかさは思った。
彼女は八雲紫。あのとき霊夢を探しにやってきた、妖怪の賢者。
「おひさしぶりです……なのかな。あんまりそんな気がしないや」
「時の流れは己の生き方次第で緩やかにもなれば激しくもなるもの。慌しい日々を過ごしてきたようね」
「うん、自分でもそう思う」
つかさが本当のことしか言わなかったせいで、逆にこなたや姉の死を中々みんなに信じてもらえなくなった。あのときのことは反省点も多いが、あれくらい頑張っていなければお葬式すらまだだったかもしれない。
家族に警察にマスコミに病院の先生。その全てに妥協せずに自分の体験を伝えてきた。
言ったことの半分も届かない相手なら、三倍伝える。信じてもらえたかどうかという基準で考えれば決してそれは成功とはいえないが、それでもつかさなりに精一杯やったつもりだ。
「そうだ、霊夢ちゃんは元気?」
「あれは患いに敬遠される規格外の人間。昨日はどこで覚えたのか『升符:森羅万焼』なんてスペルカードを使っていたわ。話を聞かない者同士は相性がいいのね。待っていれば子供も生まれるのかしら」
誰となのかが少し気になったけれど、元気ならばそれでいい。
霊夢も魔理沙という人を始め多くの知人を喪っている。それをあとになって実感しだしたときに立ち直れなくならないかどうか。それが心配だったのだ。
それぞれの世界。それぞれが、悩み、傷つき、それでも希望を見つけて生きていく。元気でさえあればきっと少しずつでも歩んでいける。
940 :
木菟咆哮:08/11/19 00:54 ID:Zf7Bbf.A
「そうそう、本題がまだだったわね。少しは落ち着いたようだし迎えに来たの。あなたもおとなしく招待されなさい」
「宴会……だったっけ。あたし未成年だしお酒はちょっと」
「酔うための資格に年齢など無関係。必要なのは和みの精神よ」
普通の人ならお酒以外もあるよとかウーロン茶でいいじゃないと言いそうなところなのに、あきらかに飲ませるつもりの発言。住んでる世界が違うと常識も違うものなのかとつかさは苦笑する。
けれど、未成年だからとかアルコールが苦手とかなんてことは関係ない。
稚拙な言い訳が通じそうにない相手な以上、きっと彼女たちの世界……幻想郷そのものに行きたくないと伝えなければいけないのだから。
慎重に、大妖怪らしい彼女の機嫌を損ねないよう、言葉を選びながら告げる。
「それとね? 行くの、不安なんだ。別の世界から戻ってくる方法って私知らないし。紫ちゃんが交通事故に遭ったり神隠しに遭ったりしたら帰れない気がして。えっとね……」
宇宙旅行なども例に出して、帰れなければ困ること、交通手段が彼女そのものしかないことのリスクを説明したが、彼女はそれを一笑に付す。
そこで認識のズレを感じた。自由に境界を行き来する彼女に、違う世界へとり残される恐怖はわからないのかもしれないと思わせるほどの。
「神隠し? ……ふふっ。ごめんなさいね笑ってしまって」
彼女は微笑みを隠さない。神隠しはする側であってされる側ではないという余裕だろうか。
けれど、それは傲慢。それがわかったなら、もう遠慮しない。そうつかさは決断する。
「だめだよ」
「?」
「紫ちゃんはあたしを幻想郷から帰したくないと思ってる可能性があるもの。その疑念が消えない限り、紫ちゃんに同行することはできないな」
確証はなかったけれど、たぶん間違いない。
霊夢が話していたことが全部本当なら、目の前の妖怪は幻想郷の守り部であり、大結界の要である彼女を隔絶した世界である幻想郷に閉じ込める役割であるはずの人。
だから、霊夢がさらわれたことに気付くのが遅れたことに焦りを覚えていないとおかしい。
「不安なんだよね? 結界維持のために霊夢ちゃんは絶対離さないつもりでいたのに、あんなに簡単にさらわれちゃったんだもん。当然だよね」
目の前の彼女が、初めて辛そうな顔をした。
941 :
木菟咆哮:08/11/19 00:55 ID:Zf7Bbf.A
「ごめんなさい、貴女の言っていることがよくわからないの。何が言いたいのかしら」
「霊夢ちゃんがいなくなったときのための予備が紫ちゃんには必要で、それがあたしかもしれないから嫌だって言ってるんだよ」
博麗大結界というもので秩序が保たれていて、当代の巫女である霊夢がいなくなればそれを維持できる跡継ぎはもういない。
できるかどうかは定かではないが、代役として結界破壊の経験のある巫女に控えとして白羽の矢が立てられることは想像に難くなかった。
「そんな……ひどいですわ」
「えっとね。最初に幻想郷に着いたとき霊夢ちゃんみんなにこう言ったの。『いつものと間違えて妖怪に喰われるかもしれないから一人では出歩くな』って。しばらく考えたよ」
これを言っていいのだろうか。そんな逡巡は即座に切り捨てた。
「いつも紫ちゃんが『たべもの』を連れてきてるってことじゃない」
奴隷貿易どころではない差別を幻想郷の中の妖怪だけでなくそこに住む霊夢のような人間も当たり前のこととして受け入れているという仮定には頭がクラクラしたが、それ以外に解釈のしようがなかった。
外の世界の人間なら妖怪の餌になっても仕方がないという異常が、あちらの常識。
「樹海を彷徨っているようなのばかり連れて来ているつもりだけれど、潔癖症なのね。人食い妖怪には生きる資格がないから餓死しろとでも言いたいのかしら」
「違うよ。あなたがあなたの箱庭をどうしたいと思ってようと、関わる気がないって言ってる。信用できない人にはついていかないって、小学生でも習うよね?」
帰さないと言われてしまれば帰る手段はないのだ。ここで自分までいなくなれば父や母をどれほど悲しませることになるだろうか。
家族や友達に愛されている自覚はあるし、もちろん自分だってそんな皆が大好きだ。甘い判断で一生を棒に振るようなことはできない。
霊夢が仲間だったからといってその近しい人物まで無条件に仲間だと思えるほど、つかさは朴訥にはなれそうになかった。
最後まで仲間である自分を信じようとしてくれたおじいちゃんの姿を見てきただけに尚更だ。
942 :
木菟咆哮:08/11/19 00:56 ID:Zf7Bbf.A
あきれたような顔をして頬を指でなぞりながら紫は告げる。
「ただの人間にそこまで虚仮にされるなんて、まさか本当に歳なのかしら……」
よそでも何か言われたのか、年齢に不安があるようだ。
だがそんなことはつかさには関係ない。力で敵う筈のない大妖怪にノーを突きつけたプレッシャーに潰されないよう、笑顔を常に意識しながら返事をする。
大物だからこそ弱者である自分にここで実力行使はまずないと信じてはいるが、それでも気を緩めるわけにはいかない。
「あなたにはあなたの、あたしにはあたしの常識があるってこと。住んでる世界が違うんだもん、しょうがないよ」
「信じてはもらえないでしょうけれど……貴女に移住してもらいたいと思ったことは確かだけれど、無理矢理そんなことをしようとは思っていませんよ」
「うん。それもわかってる。でも万が一気が変わるようなことがあったら、必ず紫……さんは幻想郷を優先するだろうから。霊夢ちゃんにすら文句を言わせないほど強引に」
少しだけ嘘をついた。
帰ってきたばかりの頃の周囲の冷たさも、つかさにこの世界での居場所を失わせるために彼女が何かしたのではないかと思ってしまうほど異常だった。
現れたとき、この場で即移住を勧めてきてもおかしくないと思っていたのだ。
「そうね。でも少しだけ違うところがあるわ。あの子は決して他人には流されない。ただそのうち興味をなくすだけ。たとえそれが親友であっても」
「……そっか。じゃあなんにせよ、みんなによろしくって」
何の逡巡も見せずそう言ったつかさを見て、諦めたように紫も返事をする。
「承りましたわ。あなたも息災でね」
そう言うと、見る間に両端にピンクのリボンがついた空間の裂け目が紫の全身を呑み込んでゆく。
そして、実にあっさりと、その姿は闇へと消えた。
943 :
木菟咆哮:08/11/19 00:57 ID:Zf7Bbf.A
夜の静寂が再びつかさを包み、つかさは深いため息をつく。
「うん。よかったんだよね、これで」
別世界への接点を失っても、つかさには戻ってくることのできたこの大切な世界がある。
姉と親友を失い、自身も直接的・間接的に優しかった人々も含めた命を奪ってきた、あの非日常を忘れることなど決してできはしないだろう。
けれど、完全に記憶の外に押し出すことなどできなくとも、少しづつ楽しい思い出を積み重ねて塗り替えていかなければならない。
それが、未来に向かって生きるということのはずだから。
机に置いてある唯一持ち帰った姉の形見であり、己の愚行の象徴でもあるデジヴァイスにつかさは優しく声をかける。
持ち主を変えるたびに浮かび上がった鳶色の紋章、誠実・優しさ・勇気。この世界に戻ってきた今、もうその画面に黒き光が宿ることはない。
「あたし、強くなれたかな……お姉ちゃん。ゆきちゃんはああ言うけど、あたしはもっともっと強い自分になりたいよ。みんなの苦しみも引き受けられるほどに」
あのバトルロワイアルが実際にあったことだと亡くなった姉たちを知る多くの人に理解してもらうためにも。そして、自分のために心を痛めてくれる家族や親友に負担をかけないためにも。
「それじゃあ、今日もおやすみ……」
自分は生き残った。だからせめてあの二人を悲しませない生き方をしよう。
この町で、この国で、この星で。
精一杯楽しく生きよう、恋をしよう、そして時にはだらーっとだらけよう。
不安だって山積みだ。危険だって生きている以上いくらでもある。
けれど、ともすれば逃げ場所にもなりかねない「異世界」と決別する覚悟は示せた。やってできないことなんてきっとない。
都会になりきれていない街だからか、深夜には虫の音やほうほうという鳥の声が響く。
賑やかというには足りないその奏での中、つかさは自分の部屋へ戻り床へついた。
現実は寝逃げしようとリセットできない。いつまでも続くからこそやりがいもやりようもある。
だから、のんびり頑張ろう。今ならそう思うことができた。
ここまでです。
シリアスぶってもタイトルはちんちんだー(非道
本当に宴会に欠席が出るのかどうか、リレー結果をお楽しみにzzz
乙ですぜ。
投下乙!
ありのまま隠さずに真実から逃げないつかさが素敵でした。
そして宴会、全員集合危うし!?まぁ打ち上げでも休む人いるようなもんか?
そして白石wwwやっぱこうでないと。
投下乙ー
なんかレナも生還後キツそうだったが、つかさも中古品扱いされたりとだいぶキツいな
確かに「涼宮ハルヒの憂鬱」はトラウマもんだよね…他の作品もトラウマになってそうだし
特別な力もない一般の女子高生、マスコミやら周囲の反応が一番の苦痛か…
つかさの今後はどうなるかwktkだー
乙
宴会は逃げ場所か……
なんかこの流れだとつかさ欠席だろうなあ
全員揃って欲しいけどあんな強く断ったら前言撤回は無さそうだ
投下乙!
>>949 全員揃って欲しいけどつかさは幻想郷に行きたくないんだろう?ならば……
発想を逆転させるのよ、ナルホド君!
そ の 手 が あ っ た か !
腋露出して空飛ぶ巫女やら、大きくなったり小さくなったりな半人半珍獣や星一つ破壊しかねんテニヌプレイヤーやらが
やってきたら、マスコミもビビりますがなw
…そういやつかさの家も神社……だと……!?
>>953 ちょうど「全員集合して神社で宴会」の条件を満たしているわけですね!
らきすたの世界か、
東方やVIPマリオはどうかしらんが、ジャンプ作品は知れ渡っているだろうから…
これは素晴らしい展開になりそうだ!
この流れにもっていった書き手の方々には恐れいったぜ
一方俺はそうじろうの漢字での書き方を初めて知った
公式には平仮名だよ
かなたにあの声優持ってきたせいでほぼ確定してるだけ
乙でした
・・・あえて言うなら、峰岸がみさおを呼ぶ時は「みさちゃん」、つかさを呼ぶときは「妹ちゃん」なんだぜ!
いや、「妹ちゃん」に関しては実の姉が死んだのに「妹」と呼ぶのは酷だと気を利かせたという解釈も可能だな・・・
あやのは真剣じゃないと引き締まらないのでちゃん付け修正はしない方向で
妹ちゃんと気安く呼んだあとに絶句する流れを思いつけなくて悔しいZE!
>>959 >妹ちゃんと気安く呼んだあとに絶句する流れを思いつけなくて悔しいZE!
・・・・恐ろしい子!
久々にお絵かき掲示板見てたら最初の方の絵が流れてるのに気付いた
絵置き場作ったほうがいいかな? それと1〜8の絵のログ持ってる人いますかね?
6 ひろ君のローゼン☆テンセイ
7 ヒゲドルとかち
9 戦ったら負けかなと思っている
・・・六番から取り始めて八番が抜けてる・・・・何があったんだ俺・・・・・orz
絵板か・・・未だにあの真・驚きの黒さにはビビるな
個人的に思う事。
TFJ氏、早く戻ってきて〜〜!!
昔のネタを発掘
__ _,,,,........,,,_ ,.へ __ __
/ \,. '" 〉〉 `y' /| ./ \
|/ ̄| iヽ〈 、 __ __, Lヽγ⌒ヽ ( .| ̄Y^|
ヽ/ 'r-'、._r'-、ノ⌒ヽ、_r-、Yi ', ゝ \//
ゝ , -`γ´ /,.!ニ、!ヘノ,.ニ:;、 ハ| l | ___/ ,-‐、 く
/´ / くi !ハ i ヒ_〉 ヒ_,ア!イ | / .,--' ̄,-、,─、|/ \ \
/ / レイ | l." ー "",!/Y イ / | | | | \ ヽ
_'´ /_ く ̄ヽ ノ、i |ゝ、.,_ ,.イン| |/-'´ __ゝ-'´ヽ/ ヽ |_
ヽ / ヽ 〉 |ハノ |`,く.|ノ _,>ヽ,レ゙| ,-'" /フゝ く /
ヽ/ ヽ/ 〈 ム゙ 〈__,イ |ノ / ,‐-、 〈 / / \_/
.i i__,/ /ヽ, / /\ \/
,..| |'/ /'"´ハ ヽ / ゝ
r/ ノ J( / ゝ、 ヽく_/
__ くゝ>_ 'ー' 'ー´ ヽ、λ
r'-、` く、_/゙ー'=-=-=-r/⌒ヽイン
ヽ、 ゙ヽノ !`ー ノ
`"´ !、__,/
誰も書かない脇巫女のエピローグを書くのです、あぅぁぅwwwww
予定投下時刻は明日の23:00と宣言しておくのです。
wktkして待ってるぜ
脇がついにキター!
殿、乙でございまする!
wktkしながら待っておりまするぞ!
本当次々投下されて嬉しいぜ!
次スレの準備は明日でいいのかな?
wktkだーい!
ktkr
明日は早めにPCの前に座らねば・・・
アルェー?書けば書くほど当初より短くなるってのはどういう個っ体?
こんな昼からですが、つかさ後半投下しちゃうんだからね!!
姉からの頼まれごとで遠くの本屋に出向いたその帰り。
車の通りも少ない道路の端っこから、その向こう側に立ち並ぶ住宅。
その風景を見て私は何とも言い表しにくい感覚を覚えた。こういうのって、確かデジャブって言うんだっけ。
でもほんの数秒立ち止まっている間にそれがデジャブではないことに気づいた。
確かデジャブって「見たことないはずの風景が見たことあるように感じる」って現象だったよね。
目の前のこの風景は何度も見たことあるから見覚えがあって当然だ。
泉家とその周辺。ううん、性格には「前は泉家だった家とその周辺」なのだから。
表札には全く知らない名前が刻まれていた。門にひしめいている電球のついたモールは夜には色とりどりの光で家を彩るのだろう。
私は暫くその風景をじっと見つめ続け、見たこともない男の子が白い犬と一緒に家から出てきたのを見て逃げるようにその場を去った。
……そうだよね、あそこはもう「こなちゃんたちの家」じゃないんだから。
私が帰ってきてから半年は経過して、季節は冬。
紫ちゃんに意志を示して、それから数ヶ月後に泉家最後のひとり――そうじろうおじさんは亡くなった。
死因は交通事故だって聞いてる。けれど単に車に撥ねられてそのまま帰らぬ人となってしまったわけじゃなかった。
だった一人の愛娘を亡くしたショックに加え、おじさんは随分前からマスコミの格好のおもちゃにされていたらしい。
同じマスコミの標的としても私はまだ恵まれている方だった。庇ってくれる家族がいたし、信じてくれる友達がいたから。
それに本当に死にたくなるほどつらいこともあったけれど、それでも死ぬわけにもいかないと思えるだけの、思わなきゃならないだけの経験があったこともある。
だけどおじさんの方は事情が違っていた。
最初は懸命におじさんをかばっていたゆたかちゃんも精神的疲労から体調を崩してしまってからはそのことを気に病んでからかマスコミを追い返す気力さえ失っていたと聞く。
それでも周囲の人達が庇おうとしていたけど、追い詰められ続けたおじさん自信も身体を悪くしてしまった。
そして外に出て道路を横断しようとした時にバイクが暴走して来た。
バイクがかなりの爆音を撒き散らしていたにも関わらず、おじさんはその音にも気付かなかったという様子でふらふらと道路を横断した所を撥ねられたのだそうだ。
そして、皮肉なことにおじさんの死がきっかけになり、今までにもあったマスコミの行き過ぎへの抗議がさらに激しさを増し、とうとう彼らが謝罪したことであの事件からようやく熱が引き始めたのだった。
ゆたかちゃんが元の家に引き取られる時、おじさんは私が伝えた事実を疑いたくないと言っていたこと。
私がこなちゃんの最期についておじさんに嘘をつきたくなかったという意図を、僅かでも理解してくれていたことを教えてくれた。
もしおじさんがまだ生きていたなら、改めて自分の口から本当のことを話して、それで理解を示してくれていたのかもしれなかった。
だけどそれはもう仮定の話だから。
家主がいなくなって、あの家はもう泉家でなくなってしまったから。
だから、そんな機会はもう二度と来ないのだ。
「そういえば、来週でクリスマスだっけ……」
もちろん彼氏なんていない私には夜に恋人と過ごす予定なんてないけれど、別にクリスマスは恋人達の行事ってわけじゃないから気にしないことにする。
雪は降ってない。きっとイブにも降ることは無いと思う。
埼玉だからとはいえ雪が積もることはあれど、それはもっと寒くなる一月以降の話だ。私の覚えてる範囲内では十二月に降る雪は殆ど見た事が無い。
たぶん記憶に残らないくらい稀なことなんだと思う。
ドラマみたいにタイミングよくホワイトクリスマスになるのって、関東じゃきっとそうそうありえないことなんだろうな。
ゆきちゃんに聞いてみたらホワイトクリスマスになる確立を教えてくれるかもしれない。
家の中の暖かさはやっぱり落ち着ける。日ごとに増す寒さは何だかわずらわしくて、これなら夏がまだ続いていれば良かったとも思ってしまう。
でも夏の猛暑にあたってはやっぱり早く冬になってほしいなどと思ってしまうかもしれない。
だというなら春と秋だけが続くのが一番良いのかといえば、それはそれで物足りない気もした。
珍しいことに家に居る家族はいない。ただいまの一言は欠かさなかったけど、それ以上の言葉は口に出さなかった。
こんな時、前だったらこなちゃんに電話したのかなあとなどとか思って自室に入った。
「……あれ?」
着替えを済ませ、パソコンのメールをチェックしようかと動かした足に、思いもよらぬ固い感触が走った。
正体は足元を乾いた音をたてて転がる、あの世界から唯一持ち帰ったアイテム――デジヴァイス。
机の上に置いてあったはずなのだが、いつの間に落としたのだろう。
それでも大して気にもとめず、きっと何かの拍子に落としてしまったのだと考えて拾おうと手を伸ばした、その瞬間。
「えっ?」
今まで何の反応も見せなかったデジヴァイスが突如、携帯のバイブモードのように振動し始める。ややあって、目覚ましのアラームのような電子音を部屋に響かせたのだ。
「わわ、なんじゃこりゃー! もしかして落としたときに壊しちゃったのかな……」
確かにこのデジヴァイスには時計機能がついていたが、アラームは既に切ってあるしこんな時間に設定もしていない。
やはり誤作動だろうか。だとしてもこれは異世界の産物だ、異常をきたしたら直せる術がない。
「……あれ?」
何とかボタンをでたらめに押して事態の収拾を試みようとして――ふと、横目に映った変化に気づいた。
パソコンがいつの間にか起動してデスクトップ画面になっている。
また何かの拍子で電源を? ……いや、有り得ない。確かにデジヴァイスの突然の起動で慌てはしたけれど、パソコンには近づいてないはずだ。
じゃあ何故――疑問に答えを出す暇もなく、パソコンが自分の接触で作動したわけではないことを裏付けるように、新しいウィンドウが一人でに開いた。
バーにはファイルの名前と思わしきものが記されているが、妙に画面が明るくて読み取れない。
そしてウィンドウの中には何かのゲームのようなものが映っていた。
少し前時代的なドット絵で描かれたジャングル。
その中央に小さなドットのキャラクターが蠢いているのに気付く。
「………」
そのキャラクターを見た瞬間に言い知れない、暖かいような哀しいような既視感が訪れた
こなちゃんの家だったところを見た時とは違う。何なのか、すぐに分かることができない。
でも私はこれを、どこか大切なときに見た気がする――
「うわっ!」
刹那。パソコンの画面が眩く光始め、そこから飛び出した魔法のような光に包まれた。
最早ただの誤作動とかじゃないって断定できた時にはもう光が視界を覆い尽くして――
「あ……れ……?」
目が覚めたら、そこはジャングルだった。
それを認識した瞬間、ばっと跳ね起きる。あのときの悪夢の始まりが、鮮やかに蘇ってきた。
周りには誰もいない。あの時みたいな、恐ろしい人達も。でも、自分の知り合いはいな……
「あ……つかさおねえちゃん!」
いや、いた。元の家に戻っていたはずのゆたかちゃん。
ここには……いや、正確にはあそこにはいないはずの彼女が安心したように駆け寄ってきた。
「ゆたかちゃん? なんで、ここに……」
「わ、私も分からないの……身体がすこしよくなったから、テレビを見ようと思って部屋に入ったら知らない時計があって……そしたらテレビが……」
「……そう、なの」
やっぱり、まさか。
あの決別をあっさりひっくり返すような事が、こんなに早く起きるなんて。
いつまでたってもルールを説明しようとする黒幕が来ないからもしかしてあれとは違うのかもしれないとは思い始めていたが、油断は出来なかった。
一応、紫ちゃんの顔が頭に浮かんだ。だけどそれならゆたかちゃんまで呼ぶ必要がないよ。
だったら、これは一体……
「ひゃあああ!?」
すぐ隣で悲鳴が上がって、私の心臓がはね跳んだ気がした。咄嗟に何かを構えようとして手持ちにデジヴァイスしかないことに気づいた。
だけどすぐに装備などが必要な――少なくとも、悪意ある人物が襲ってきたようなことじゃない、ってことは理解できた。
代わりに襲ってきたのは、悪意とか人どころか……
「VVVVVVVVVVVVVVAAAAAAAAA!!!!」
「く、く、く、くわがた……むし……!!」
巨大な赤いクワガタ。そう形容せざるを得ない。
そして断言してもいい、あんな生物は私達がいた日本にいるはずがない。
じゃあ、あの悪夢や霊夢ちゃん達の世界でないとしてもここは、異世界……
「危ない!」
上空を飛び去ったクワガタが、急旋回して私達を狙い突進を仕掛けた。
あんな巨体にぶつかれば人間としては溜まったものではない。紙一重でゆたかちゃんごと地面に伏せて難を逃れる。
勢いづいたクワガタはそのままジャングルの木々を切り倒し森の向こうに消える。
しかし安心したのも束の間、再び森がら戻ってきたクワガタは今度は逃すまいと上空から地面に向けて突進をする姿勢を見せた。
「ゆたかちゃん!」
「ひ……あ……足が、すくんで……!」
急いで抱き起こすけど、女子高生の力ではいくら小さい子とはいえ人を担いで逃げるのは難しい。
このままでは二人もろとも突進を喰らうだろう。かといってゆたかちゃんを見捨てるなんてもってのほかだ。
(……こんなの、理不尽だよ!)
それでも何もしないで立ち止まるわけにもいかないから必死に足を動かす。だけどクワガタの羽音は一気に近くなって、私達を……
「ぷぅっ!」
「ぷぁっ!」
「VGGGGYYY!?」
子供のような声がデュエットで聞こえたと思ったら、頭上を泡のようなものが飛び去っていく。
直後にクワガタが呻くような鳴き声を出した。振り返ると先程の泡を目にでもくらったのか、体勢を崩して地に転げている。
「上手くいったぜ! ほれ、ついてきな嬢ちゃんズ!」
「こっちだよ!」
「わ、わ!」
「花が喋ってる……」
泡を出した張本人らしい二人……というか二匹が私達の背中を押す。
されるがままに茂みに飛び込んだのと、クワガタが体勢を立て直すも私達を見失った事に気づいたのはほぼ同時のことだった。
吐き捨てるような短い鳴き声とともにクワガタは上空に飛びさってゆく。
「行ったみてーだな。ったくあのチンピラ野郎め」
助けてくれた二匹のうちの片割れである球根みたいな生き物が、可愛い外見に似合わないセリフを吐いた。
「……あの、助けてくれてありがとうございます…………お花、さん?」
「ああ、ソウルブラザーを助けるのは俺の正義〈ジャスティス〉だからな!
あと俺のことはピョコモンって呼んでくれよ、ツインテの嬢ちゃん」
ピョコモンと名乗った球根は腕(触手?)の一本をぐっと立てた。
その名前の響きに、何か懐かしいものを感じたような気がした私は焦ったように記憶を漁ろうとする。
「そうるぶらざー……?」
「なーんかアンタとはビビってくるもんがあるんだ。とくればこれは友情っきゃないっしょ!
会ったばかりだが仲良くやろうぜ、えーっと」
「あ、私……小早川ゆたか、です」
「そうかゆたかか! まま、カロリーメイトでも食えよ。拾ったんだけど」
かなり強引な性格らしいピョコモンはお菓子の箱をゆたかちゃんに押し付けていた。
それをゆたかちゃんは困ったような顔でおずおずと受け取る。
……あの凶暴なクワガタから助けてくれたんだから、悪い生物ではないとは思うけど……
「おいっ、オイラのことも忘れてくれちゃ困るよ!」
「あっ……ご、ごめんね」
助けてくれたもう一匹、タツノオトシゴのような生物に抱きつかれ咄嗟に謝ってしまう。
「……あれ」
あれ?
どうしてだろう。
私、この子とどこかで見てる……それどころか長く一緒に行動して、傷つけてしまった気がする――
何なのか、記憶が施錠されたようにつっかえてる感覚。なんでだろう――
「何だよ、頭でもいたいのかー?」
「あ、何でもないよ。……その、ところでキミ達は? それと、ここって……」
「俺はプカモンっていうんだ、ぱっ!
それと俺達はだな、よく聞けよ。 ……『 』」
「……えっ?」
☆
それから彼女達がどうなったのか。
すごく……wikipediaなあの娘も、ひょっとしたらあの場所にいるのか。
やけにつかさの記憶が曖昧なのは、いつかのように記憶を制限されれいるからなのか。
そしてつかさ出会ったあの生物が、あの生物の…………なのか。それとも全く別の存在なのか。
色々な疑問がありましたが、今はまだ答えを出せる時期ではありませんの。
いつかどこかで語られ始める、その時まで自分で想像してみるのも一興かもしれませんわよ。
あら、それでも続きが気になるのかしら。
本当はネタバレはタブーなのだけれど……仕方ありませんわね、それならほんの少しだけ。
これから始まる物語はあの冒険の物語とは似て異なる、新しい冒険の旅ですわ。
……え、余りにも短すぎる? あら、まだ始まったりの物語なのよ。
これから先に何がどう関わって、どうなってしまうのか。それはまだまだ内緒、というよりまだ誰にも分からないお話。
それじゃあ、この子のお話はこの辺にしておきましょう。
そうそう、この件に関しては私の手は一切関わっておりませんから安心して下さいな。
投下終了です。タイトル忘れてましたが「新たな世界」で。
異世界への決別をして早々に異世界に呼ばれるつかささんでした。
ゆたかはまきぞえ。
投下乙
まさかの超展開!
つかさ、ゆかたまさかの選ばれし子ども達化!
ところどころニコロワの影響が出ているのか?ゆとりどもがこっちに帰ったやつがいるのか?
ブランクワード超気になる。なんだか分からない俺はデジモンに疎い…?
あと、マスゴミ死ね
投下乙ー
受験勉強もしなきゃいけないのに導かれちゃったかwww
今度は「たーんとおたべ」なんてしなくていい関係が作れるといいね
投下乙
カロリーとゴマモン…(´;ω;`)
投下乙っす
定番の悪役のクワガーモンに懐かしさが
この世界では時間の流れが現実世界より激しく遅いので受験も安心か?
>>982 無印1話を観ることをおすすめ
後は霊夢と宴会かー本当に祭の後って気がして寂しくなった・・・
投下乙です
今度はゴマモンと仲良くやるんだぞ…
>>985 ぶっちゃけ一年くらい旅したって現実世界では一日も過ぎてないからなw
しかも選ばれし子供達の八人分の枠がらきすたの残りのメインキャラで丁度埋まる辺りに運命を感じるし
投下乙
ゴマモンの生まれ変わりじゃない方はレバ剣?お爺ちゃん?それともいさじ??
カロリーだろwjk
投下乙です。
そろそろ次スレ立てないとやばいな……
立て方知らないけど
イチロー世界とSUMOU世界のある人物を書いていいでしょうか?
すでに森近霖之助氏を描いている私なので申請とか苦情があればいってください
いやいや まだ無関係の人は早いだろって言うのなら指摘してください
いいと思うよ
でもこういう話はアニロワでは没スレか一時投下の方に投下して
本編には載せなかったけど、こっちはどうなんだろ
既にこーりんの話は乗ってるし、別にいいんじゃない?
ほいで次スレ立てれたら立てようと思うだけど、テンプレ変えるべきなかな?
位置票はもちろんだけど、
>>1のテンプレはどうしようか
wikiの奴に変えるのか、それともそのままか
乙した
クワガーモンの前世は若本。←結論
異論は認める。なんとなくそんな気がしただけ
>>992そのままでいいと思うよ スレ立てガンガッテ
>>989 書くのはおkですが、できれば私の後にして欲しいかも。
ちょっとした理由があり、書き直しになったら鬱だから……。
テンプレ終了しました。生存者の方は生還者にしたのですが、これでいいですかね?
乙。本当に乙。
そうだ、生還者あと1人居たっけ。
つエイプマン
エ イ プ マ ンw w w
すっかり忘れてたや
これはエイプマンエンドも書かにゃあかんわなw
/ ,. -─- 、
\/ // ̄, -‐`ヽ.
/\ .// // ̄`ヽ \
\ / ./__,/ ./-‐┐ \\. /´〉
//'´:::|∠_ ト.、 (ヽ/ 〈_
× 「 ̄´ヽ、_rァ─--' 、,7_ハ i `ヽ!_)
/_,.>''"´:::::::::::_;;::;;__::`ヽ/´ゝ-‐イ
r‐''"´::::_;;:: - '' "´ `∨ / \ /
__人__ ` T 「´ !. /、 ! / _|_ ! / ./ ×
`Y´ |八 |/-‐∨|/レ'_」_./| ./| / ./ \
/「>\!. ァ‐、 '´ ,.,.7!/| { ,.' 1000だからフィーバー!
r' / |/,ハ" _ -、 / | } | /|ヽ、
r' / / , |、 ヽ .ノ,/ ,' 「 { /| {\\
|_」 ,' /|//_`>,-rァ´! / |__|' }_| ヽ >,
ヽ| レ' /´ `/|_ム_」レ' 、| {. | { ∨!
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