ニコニコ動画バトルロワイアル sm10

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1Classical名無しさん
鬱です。

本日はニコニコ動画バトルロワイアルに 御アクセス頂き、 ありがとうございます。

ここはニコニコ動画の人気キャラを用いてバトルロワイヤルをするというリレー小説のスレッドです。
大変申し訳ありませんが、 この企画はフィクションであり実在の団体・人物等とはまったく関係ありません。
ルールさえ守っていただければ誰でも参加可能です。

マルクさんが小学生以来、 バトロワ主催に挑戦しました。

またの御アクセスをお待ちしております。


前スレ:http://sports2.2ch.net/test/read.cgi/entrance2/1201342360/

Wiki:http://www39.atwiki.jp/niko2/pages/1.html
したらば:http://jbbs.livedoor.jp/otaku/9990/
2Classical名無しさん:08/02/22 19:58 ID:lLId8/PY
【基本ルール】

全員で殺し合いをしてもらい、最後まで生き残った一人が勝者となる
生き残った一人だけが、
元の世界に帰ることができるのと、
望んだ願いを叶えることができる

ゲームに参加するプレイヤー間でのやりとりに反則はない
ゲーム開始時、プレイヤーはスタート地点からテレポートさせられMAP上にバラバラに配置される

【主催者】
マルク@星のカービィシリーズ
ピエモン@デジモンアドベンチャー

その他に部下としてイビルモン、レッドベジーモン、ハグルモン他多数のデジモン勢と
パタ、ダクーガ、ボルムがいる

プレイヤー全員が死亡した場合、ゲームオーバー(勝者なし)となる
【スタート時の持ち物】
プレイヤーがあらかじめ所有していた武器、装備品、所持品は全て没収
(義手など体と一体化している武器、装置はその限りではない)
3Classical名無しさん:08/02/22 19:58 ID:lLId8/PY
【ステータス】
投下の最後にその話しに登場したキャラクターの状態・持ち物・行動指針などを表す
ステータスを書いてください。
テンプレはこちら。
【地名/○○日目・時間(深夜・早朝・昼間など)】
【キャラクター名@出典作品】
[状態]:(ダメージの具合・動揺、激怒等精神的なこともここ)
[装備]:(武器・あるいは防具として扱えるものはここ)
[道具]:(ランタンやパソコン、治療道具・食料といった武器ではないが便利なものはここ)
[思考・状況](ゲームを脱出・ゲームに乗る・○○を殺す・○○を探す・○○と合流など。
      複数可、書くときは優先順位の高い順に)

【予約について】
キャラの予約は基本的には3日
申請があれば2日くらいは延長するかもです


【作中での時間表記】
深夜:0〜2  
黎明:2〜4
早朝:4〜6
朝:6〜8
午前:8〜10
昼:10〜12
日中:12〜14
午後:14〜16
夕方:16〜18
夜:18〜20
夜中:20〜22
真夜中:22〜24
4Classical名無しさん:08/02/22 20:01 ID:lLId8/PY
参加者リスト(現時点)
32/70
3/7【涼宮ハルヒの憂鬱】●キョン/●谷口/●朝倉涼子/●暗黒長門(長門有希)/○キョンの妹/○涼宮ハルヒ/○古泉一樹
3/5【東方project】○博麗霊夢/○アリス・マーガトロイド/●鈴仙・優曇華院・イナバ/○伊吹萃香/●霧雨魔理沙
3/5【THE IDOLM@STER】○天海春香/○高槻やよい/●菊地真/●如月千早/○双海亜美
3/5【ひぐらしのなく頃に】●前原圭一/●園崎詩音/○園崎魅音/○富竹ジロウ/○竜宮レナ
1/4【ポケットモンスター】●ピカチュウ/●フシギダネ/●サトシ/○ピッピ(ゆびをふる)
2/4【らき☆すた】●白石みのる/○柊つかさ/○泉こなた/●柊かがみ
0/3【現実】●いさじ/●福山芳樹/●外山恒一
1/3【永井先生】●永井浩二/●永井けいこ/○永井博之
2/3【遊☆戯☆王デュエルモンスターズ】○海馬瀬人/●インセクター羽蛾/○武藤遊戯
2/3【ロックマンシリーズ】○ロールちゃん/●ロックマン/○エアーマン
2/2【TAS動画シリーズ】○TAS/○KAS
1/2【くそみそテクニック】○阿部高和/●道下正樹
1/2【新・豪血寺一族シリーズ】○矢部野彦麿/●琴姫
2/2【新世紀 東方三国志〜ひぐらしの憂鬱〜】○八意永琳/○ニート
0/2【デジモンアドベンチャー】●ゴマモン/●オメガモン
1/2【星のカービィ】○カービィ/●ワドルドゥ
0/2【魔法少女リリカルなのはStrikers】●ティアナ=ランスター/●高町なのは
1/2【ミュージカル・テニスの王子様】○日吉若/●越前リョーマ
0/1【イチローのレーザービームで地球滅亡】●イチロー
0/1【陰陽ファンタジーZ】●削除番長
1/1【自作の改造マリオを友人にプレイさせるシリーズ】○友人
1/1【スーパーマリオシリーズ】○ヨッシー
0/1【世界最強の国技SUMOU】●YOKODUNA
0/1【地球防衛軍3 おじいちゃんの防衛軍】●ストーム1
1/1【天空の城ラピュタ】○ムスカ
0/1【東映版スパイダーマン】●スパイダーマン
0/1【ドラえもんのび太のバイオハザード】●ドラえもん
0/1【覇王翔吼拳を使わざるをえない】●リョウ・サカザキ
0/1【マリア様がみてる&俺ヴォイス】●小笠原祥子
1/1【ローゼンメイデン】○水銀燈
5Classical名無しさん:08/02/22 20:20 ID:lLId8/PY
【確定参加者・場所・時間別一覧表】
       
夜中  C-2 滝周辺.         阿部高和
夜中  C-3 洞窟前.         柊つかさ
夜中  C-3 山道.          ムスカ 
真夜中 C-3 山道中央部.       園崎魅音、武藤遊戯(闇遊戯)、
真夜中 D-2 橋の下          エアーマン、TASさん、クラモン(クリサリモン)C*2
真夜中 D-2 西橋.          カービィ、矢部野彦麿、アリス・マーガトロイド、(アサクーラ)
真夜中 D-1 城・大広間.       海馬瀬人、高槻やよい
真夜中 D-1 城・寝室.        双海亜美、日吉若
真夜中 D-1 城・食料庫.       クラモンD(ケラモン)*3
真夜中 D-3 草原.          永井博之、竜宮レナ、友人、キョンの妹、ピッピ、水銀燈、泉こなた、涼宮ハルヒ
真夜中 D-4 塔内部.         ニート、KAS
真夜中 E-1 橋近く.         天海春香
真夜中 E-3 町.           富竹ジロウ、博麗霊夢、ヨッシー
真夜中 E-3 草原、橋の近く.     八意永琳、古泉一樹
真夜中 E-3 民家.          チューモン(元クラモンA)
真夜中 E-4 塔前.          ロールちゃん
真夜中 E-5 草原.          伊吹萃香
6Classical名無しさん:08/02/22 20:23 ID:lLId8/PY
【死亡確認者・場所一覧表】
見せしめ                   海馬モクバ
見せしめ                   双海真美
深夜 A-1  祠のトイレ           キョン
早朝 A-4  森(埋葬済み)         ワドルドゥ、琴姫
朝   B-1  草原               鈴仙・優曇華院・イナバ(消滅)、高町なのは
昼   B-2  橋の手前           柊かがみ
午後 B-2  橋の手前          菊地真
真夜中 B-2 橋の手前         ストーム1
真夜中 B-2 橋の手前         ゴマモン
深夜 B-3  山頂(埋葬済み)       白石みのる
深夜 C-1  湿原               ドラえもん
朝   C-3  北部・山の麓(埋葬済み) 福山芳樹
朝   C-3  山道脇.             暗黒長門(消滅)、朝倉涼子
夕方 C-3  北西部.洞窟         いさじ
夕方 C-3  山道東部           スパイダーマン
夜中 C-3  山道中央部・高台.      ロックマン
朝   D-1  城内(埋葬済み)       永井けいこ、削除番長
深夜 D-2  草原               道下正樹
夜中 D-3  塔前(伊吹萃香が所持)  ティアナ=ランスター
黎明 D-4  草原               如月千早、越前リョーマ
昼   D-4  草原              ピカチュウ
夕方 E-2  河原              お覇王、霧雨魔理沙
深夜 E-3  町                 インセクター羽蛾(消滅)
昼   E-3  町                オメガモン
深夜 E-3  町・薬局前.          YOKODUNA
黎明 E-4  塔内部             小笠原祥子
午後 E-4  塔屋上            外山恒一
午後 E-4  塔の下            前原圭一
昼   E-5  草原(埋葬済み)       サトシ(闇サトシ)、永井浩二
午後 E-5  草原              フシギダネ
早朝 E-5  草原              園崎詩音(消滅)
7Classical名無しさん:08/02/22 20:23 ID:lLId8/PY
朝   E-5  草原              イチロー
【残り32人】
8青い炎vs月の頭脳 ◆0RbUzIT0To :08/02/22 20:51 ID:yzITKRqw
「でもその可能性は高い……でしょう?
 あの女が逃げたのだって、私達を離散させる為でしょうしねぇ」
「うん……多分、ハルヒちゃんは自分を追って妹ちゃん達が来る事を予想してたんだと思う。
 だから逃げて私に説明する機会を与えなかった……」
「……って、ちょい待て! それやったらキバらぁが危ないん違うんか!?
 あいつが乗っとるいうんなら襲われるかもしれんが! はよ追わんと!!」
「そんな事言ってもあんたは走れないでしょうが……それに、その心配は無いわぁ」
「私達は七人……ハルヒちゃんは一人。
 誰か一人にでも刃を向ければ、それだけでハルヒちゃんは袋叩きにされちゃうからね。
 だから、キバさん達が襲われている可能性は低い」
「……なるほどのぅ」

レナと水銀燈の間で交わされる言葉に博之は息を深く吐いて感心する。
二人の言葉は頭を使うのが今ひとつ苦手な博之にとって難しい事ばかりだが……。
博之の心中にあった不安を取り除かせる分には十分な効果があったらしい。

「でも、ハルヒはいいとしても他の奴らが襲ってくるかもしれないわぁ。
 レナ……博之はこの通り走れないし、私もこいつの面倒見なきゃいけないから後から行くわ。
 あんたは先にキバ達の所に行ってなさぁい?」
「……そうだね、それがいいかもしれない。
 銀ちゃんも博之さんも、今ここで話した事はハルヒちゃんの前では絶対に言わないでね?」
「お、おう。 わかっとるが」
「それじゃあ……二人とも、気をつけてね」

それだけを言い残すと、レナもこなた達から大幅に遅れて走り出した。
辺りは闇に包まれており、しばらく走ると水銀燈達も見えなくなる。

そして、一人になった事により頭が静かになり――また、何事かを考え込みはじめた。

ハルヒは逃げ出した――それは当然、レナの説明をキョンの妹達に聞かせない為だ。
だが……ただ逃げ出しただけというのなら、しばらく捜索すればそれで終わりだ。
ここは平原……特に隠れられるような場所も無いし、あるとしても少ない。
9青い炎vs月の頭脳 ◆0RbUzIT0To :08/02/22 20:52 ID:yzITKRqw
レナは、走りながら思考を深めてゆく。

……自分達をニート達と合流させたくない、それがハルヒの目的に違いない。
だが、だとすると一つ矛盾が生じる。
それは、何故自分達と萃香とが『知り合い』なのだと知っていたのか――そこに謎が残る。
知り合いなのだと知らなければ、態々仲違いさせるような事はしないはずだ。
元々合流するつもりなのだと知らなければ、ハルヒが接触するはずがない。
もしかしたら……とレナは先ごろに感知した違和感を思い出した。
ハルヒと出会う直前に誰かに監視されていると感じたあの感覚……。
あれがもしハルヒによるものなのだとしたら……。

いや、とレナは首を振る。
あれはハルヒなどよりもっと強大な力を持っている者の視線に違いない。
証拠は無いが……レナは自分の直感を信じる。
だとするならば、あの時覗いていた者がハルヒに教えた?
……それなら在り得る線だ、自分でも納得が出来る。
そうすると、その者はハルヒを使って自分達を内部から撹乱しようとしているのだろう。
実際に、今現在自分達は散り散りになっているのだから相手の策は功をなしたと言っていい。

「でも……そう簡単に、策に乗ってあげるもんか」

レナがあえてキョンの妹達を追わなかったのは、その策に陥ってしまったと相手に思い込ませる為だ。
冷たくハルヒにあたったのも、あえてそう見えるようにしたからだ。

きっとハルヒはこう思っているだろう。
これで、レナはキョンの妹達からの信用を失った……情に疎い人間だと思われたと。
それでいい、思わせるだけ思わせておけばいいのだ。
10青い炎vs月の頭脳 ◆0RbUzIT0To :08/02/22 20:53 ID:yzITKRqw
今、ハルヒは逃げ去っている……しばらくは隠れているはずだ。
その隙に妹、キバ、こなた、ピッピにどうにか真実を伝える。
その前にハルヒが見つかってしまっても……何の事はない、二人きりになった時に手短に伝えればいいのだ。
ハルヒだって七人全員を監視出来ている訳ではない、隙なら幾らでもある。

「だから利用する、私達を離間させようとしたその策を……逆に利用して欺いてやる」

あえて仲違いをしているように見せかけ、ハルヒに計は為ったと錯覚させる。

「本当ならハルヒちゃんに言う前に、ハルヒちゃんが殺し合いに乗ってる可能性が高いと判断出来れば良かったんだけど……。
 でも、今更言っても仕方ない……かな」

それならば、単に全員が萃香を否定すると同調したように見せかければいいだけなのだから苦労はしない。
しかし、それが今更言っても仕方ない事なのは重々承知だ。
むしろ今から出来る事を探して挽回しなければならない。
……今から離間の計を逆用するなら、勿論それは皆の反感がレナに向けられている事を利用するより他ない。
つまりは、レナを中心として仲間の心がバラバラになったと――そう思い込ませる。
ハルヒに自分達の存在を教えた者――仲間がいるというのならばハルヒは何れそれを仲間に伝えるだろう。
或いは、その前にハルヒの仲間が接触を図り、ハルヒと同じように内部から分裂工作をしてくるかもしれない。
自分達を見て即効で襲ってこないという事は、相手も慎重派である事に違いない。
だから、少なくとも中途半端な時期に自分達をいきなり襲ってくる事は無い、必ずこちらの内部の情報を手に入れてから動く――レナはそう予想する。

「なら、その人にも私達は仲違いされていると伝えられるはず……。
 相手の心には油断が生まれ、慢心が生まれ、隙が生まれる……そこを突く」
11青い炎vs月の頭脳 ◆0RbUzIT0To :08/02/22 20:54 ID:yzITKRqw
大丈夫、必ず上手くいくとレナは自分に言い聞かせる。
本来作戦立案などは自分の役目ではなく魅音の役目だ……だから、自分の計が敵の知恵者相手にどこまで通用するのかわからない。
だが、それでも自分は自分に出来るだけの事はしたと思う。
その為に、キバ達を危険に晒してまでわざとすぐに追いかけず冷血な人間だと思わせるようにしたのだから。

「大丈夫……私は竜宮レナ。 どんな敵だって必ず打ち倒して、このゲームをスクラップ&スクラップしてみせる……」

ふと、レナは夜空を見上げる。
そこにはたった一つ、仄かな明かりをくれている満月が存在するだけだった。
12D-2ブリッヂの死々闘 ◆0RbUzIT0To :08/02/22 20:55 ID:yzITKRqw
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

橋の下、一人の男と一体のロボットは静かにその作業に没頭していた。
放送が聞こえた、突如出現した新たな参加者の情報も得た。
だが、そんな事は今の二人にとってさして重要なものではなかった。
禁止エリアは今自分達がいる場所とは遠く離れた場所、新たな参加者というのもたった一人だ。
それよりも二人に多大なショックを与えたのは、先ほどの放送までにたった五人しか死亡していないというものだ。

「……やはり、雑魚どもが徒党を組み無駄な足掻きをしているようだな」

ロックマンの残骸を使いエアーマンのボディの修復作業をしながら、TASがぽつりと漏らす。
その言葉にエアーマンは頷くかのように体を動かし、しかし何も言わずにされるがままにしていた。
エアーマンにしてみれば、その五人の中にロックマンの名が入っていただけでも自身の誇りは保てたのだ。
勿論、五人しか死亡していないというショックは大きいがそれよりも主人の憎き宿敵にしてこのゲーム最大級の強者を倒せた事が嬉しい。

「ロックマンを倒した以上、残った者の中に脅威となりそうなものはいない。
 我らがしばらく手を組めば、そう遠くない未来に雑魚は淘汰出来るだろう」
「そう遠くない未来か……それでは、遅すぎる」

最後の部品を交換し終え、TASはため息をついた。
最速クリアを目指すからには、そう遠くない未来ではなく限りなく近い未来にそうならなければならない。

「それよりどうだ、調子は?」
「……問題無い。 完璧ではないが部品も道具もろくに無いこの状況では上出来と言っていいだろう」

立ち上がり、修復されたボディのチェックを開始するエアーマンを見やる。
TASはその自立稼動するロボットの性格を、紳士的な男だと認識していた。
残忍性もあるし、人を殺す覚悟も十分にある。
だが、その本質は殺戮者というよりも決闘者と呼ぶに相応しい。
一対一の争いなどではその力を発揮出来はするだろうものの、このゲームにおいては勝ち残るのは難しいと思っていた。
しかし、その彼も要は使いようである。
強大な力を持っているというのなら利用すればいい、流石のTASも一人だけで残り30人近くを相手するのは手間隙が掛かる。
13Classical名無しさん:08/02/22 20:56 ID:lLId8/PY
支援をするのに理由がいるかい?
14D-2ブリッヂの死々闘 ◆0RbUzIT0To :08/02/22 20:57 ID:yzITKRqw
「言っていた城での行動……お前に任せていいな?」
「……無論だ、城の連中は俺の正体には気付いていないはず。
 ならば俺が行くのは道理というものだ」

その言葉に頷きつつ、TASも立ち上がった。
城には今、少なくとも二人の人物――いや、あの場を守ろうとしていた二人の行動から考えて、二人以上の人間がいる可能性が高い。
もしエアーマンの計画が成功し、その全てを死に至らしめる事が出来たならばこのゲームの最速クリアに一層近づく。

「俺は邪魔が入らんようにこの橋を通らんとする者を抹殺する。
 お前は気兼ねなく暴れまわって来い」
「ふ……言われずとも、そのつもりだ」

その言葉を残し、城の方へと歩き行くエアーマンを見送る。
踵を返し、今一度橋の下でこのゲームの参加者を待とうと戻ったその時。
自分がずっと待機していた橋の下の定位置に、一人の少女が立っているのが目に映った。
少女は不敵に笑いながらこちらを見ている。そして、その後ろには自分が監視を命じた二体の『仲間』の姿。

だからこそ、TASはその少女の正体にすぐさま気付いた。
にやつく自身の表情を抑えようとしないまま、TASは言った。

「何用だ?」

少女も、更に笑みを増しながら返す。

「あなたに益がある話を持ってきたわ」
15D-2ブリッヂの死々闘 ◆0RbUzIT0To :08/02/22 20:58 ID:yzITKRqw
【D-2 平原/二日目・深夜】
【エアーマン@ロックマンシリーズ】
[状態]:疲労困憊、全身ボロボロ(ほぼ修復)
[装備]:サテライト30@真赤な誓い
[道具]:支給品一式*2(水一本消費)、ねこ鍋@ねこ鍋 、テニスボール、XBOX360、ピーピーマックス
[思考・状況]
1.テニスボールを利用して城組を混乱させる。失敗したらケラモンと協力して皆殺しにする
2.他の獲物を捜しながら、元の世界にはなかったデータを集める
3.ロール。そして俺の邪魔をした者たちは必ず倒す
4.しばらくはTASと同盟を組み、協力する。ムスカは生きていれば協力してもいい。
5.優勝して元の世界に帰り、ワイリー様の世界制服計画を再開する
6.春香の支給品。特に核鉄が欲しい。
【備考】:首輪の代わりに動力源に爆弾が埋め込まれていることに気付きました
※:ロックマンの残骸はボディ修復の為に全て使いました。
16D-2ブリッヂの死々闘 ◆0RbUzIT0To :08/02/22 20:59 ID:yzITKRqw
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

ハルヒ達の後を追っていた妹達は、いつまで経っても追いつけないままついに橋の近くまで来てしまった。
二人はひとまずその手前で立ち止まり、ハルヒの行方を探す。

「どっちに行ったんだろ!?」
「さて……橋を渡っちまったのか、それとも川沿いにどっちかに向かってるか……」

妹はまだ小学生であるのだから、高校生であるハルヒに引き離されてしまうのは致し方ない。
しかし、それでもここに来るまでは背中が見えていたというのに、忽然と姿を消されたのである。
運の悪い事に、妹とキバはここに来てハルヒの姿を見失ってしまったのだ。
もう少し足が速ければ……と落ち込む妹を慰めながら、キバは辺りを見回す。
月の明かりがあるとはいえ、流石に遠くまでは見渡せずハルヒの姿は見当たらない。

「どうしたもんかな……ハルヒも、そこまで遠くには行ってないとは思うけど」
「……ハルにゃん、やっぱり怒ったのかな。
 レナちゃんがあんな事言ったから……怒っちゃったのかな」
「まぁ……そりゃ、怒ったろうな。 あいつは必死に言ってたみたいだし、それを否定されちまったんだから。
 ったく、レナもなんだってあんな事言ったんだか……」

眉間に皺を寄せてキバは呆れたような口調でそう呟く。
レナが考え無しにただ漠然とあの場でハルヒを信じないと言い切ったとは考え難いが、それでもこれはまずいとキバは心を痛める。

「……なぁ妹ちゃん、レナの事、許してやれないか?
 あいつにもあいつの考えがあってあんな事言ったんだろうさ……そりゃ、兄貴の友達をあんな風に言われて怒る気持ちもあるかもしれないけど」
「私は平気……レナちゃんが言った言葉も何か考えがあっての事だっていうのはわかる。
 それを疑ったりしない、だって疑心暗鬼になったりしないって……誓ったから」

でも……と妹は言葉を続ける。
問題はハルヒだ……ハルヒはまだ仲間になったばかりで、レナの性格を知らない。塔での誓いも知らない。
レナの言葉の裏に何かが潜んでいるなんて考えもつかない。
17D-2ブリッヂの死々闘 ◆0RbUzIT0To :08/02/22 21:00 ID:yzITKRqw
「私はそれが心配なの……ハルにゃんがレナちゃんの事を完全に見限っちゃわないか」
「……大丈夫さ、説明すればきっとハルヒだってわかってくれる。
 レナはきっとハルヒを本当に疑ってない、だけどああ言わざるを得ない理由があったんだ。
 それをちゃんと説明すれば……」

優しく諭すように頭を撫でるキバに、妹ははにかむような笑顔で応える。
二人は……少なくとも、今はハルヒの言った言葉を信じていた。
そして、レナの言葉の裏に何かがあるのだという事も信じていた。
レナはハルヒの事を本当は信頼していて……しかし、何かの考えがあってああいった心無い事を言ったのだと、そう思っていた。

「おぅ〜い、キバく〜ん、妹ちゃ〜ん」

後ろから間延びした声が聞こえ、キバと妹は瞬時に振り向いた。
その声は探し人のそれと余りに似すぎていたから。
だが、その希望は近づけども近づけども一向に大きくならないその影の様子から簡単に打ち砕かれた。
よく考えればその声質は相似しているものの、声色は似ても似つかない。

「こなた、お前も追ってきたのかよ」

キバは若干苦笑気味に言葉を追ってきたこなたに向けて呟く。
こなたは肩で息をしながら、抱えていたピッピを地面へと下ろししばらく息切れの回復に努めていた。
全力疾走をした直後に、返答する余裕なんてあるはずがない。
別に無理に喋らせるつもりも無いらしくキバはピッピへと視線を向けた。
ピッピはしきりに後ろを振り返り誰かが来るのを待っているようだ。

「……レナ達は?」
「うん……まだ来ないかな。 もちょっとしたら来ると思うけど」
18D-2ブリッヂの死々闘 ◆0RbUzIT0To :08/02/22 21:01 ID:yzITKRqw
ようやく普通の呼吸が出来るようになったらしいこなたに問いかけると、こなたも同じように後ろを振り向いた。
暗闇の向こう側から誰かが走り来る様子は見られない。
だが、それでも彼らはレナ達が必ず追ってくると信じていた。
先ほどのいざこざで崩れるほど、彼らが結んだ契りは軽いものではない。

「それはまぁさて置いて。 ハルヒはまだ見つかってないの?」
「この橋の方まで走ってきたのは確かなんだが……見失っちまった。
 どっちの方向に行ったのか皆目見当がつかないんだ」

こなたの言葉を受けてキバは橋の向こう側と川岸の両方向へと指を向ける。

「いつまでもここで立ち止まってても解決しないし、こうなりゃ適当な方面を捜索するか?」
「うーん、確かにそうだねぇ……それじゃとりあえず橋でも渡っとく?」
「なんで橋?」
「そこに橋があるからさ!」

無い胸を精一杯張ってこなたが主張する。
理屈はよくわからないが、ハルヒがどこに向かったのかわからない以上向かう先はどこでも構わない。
キバを先頭に、ピッピを再び抱えたこなたと妹が続けて橋の上を渡っていく。
橋の下は中々の大きさを持つ川が流れており、水が流れる音を四人は無言のまま聞き歩いていた。

ふと、先頭を歩くキバは橋の上に人影があるのを見つけた。
辺りは暗がりの上、遠くの場所にいる為にそれが誰なのかはわからない。
ただ、その背格好から見てハルヒでない事だけはわかった。
キバは何故か、自分の体が震えている事に気付いた。
――接触を図ってはいけない、その者に話しかけてはいけない。
頭でもなく、心でもなく、体がそうキバに告げていた。
その橋に立つ者から放たれている目には見えない気配が、知らずの内にキバを恐怖に陥れていた。
19D-2ブリッヂの死々闘 ◆0RbUzIT0To :08/02/22 21:02 ID:yzITKRqw
「……キバくん?」

突然立ち止まったキバを怪しむように妹が声をかける。
妹も行く先にいる人影に気付いてはいるようだが、その人影の気配までは気付いていないようだ。
キバは妹の手を取り……一歩、後ろへ下がろうとした。
逃げるつもりだった、妹を連れて……こなた達と一緒に一目散に逃げ出すつもりだった。
ハルヒは心配だが、それよりも目の前の恐怖が勝っていた。

「……逃げられるつもりか?」

氷のように冷たい声が聞こえた。
その瞬間、キバは金縛りにでもあったかのように動けなくなった。
妹もその声にようやく目の前の人物が只者ではないとわかったようで、咄嗟にキバの影に隠れた。
ただ、その中で一人悠然と二人の前に立った者がいた。

目の前に仇がいる。大事な仲間を屠った仇がいる。
見間違えるか、聞き間違えるか――! その姿、その声!
幾ら暗がりだからってそれくらいわかる!

「――TAS!!」
「……いつかの女か、まだ生きていたとはな」

こなたはピッピを下ろし、声が張り裂けんばかりに叫んだ。
ピッピもまた、叫びこそしなかったものの普段は愛くるしい顔に怒りの表情を浮かべて目の前の人物を睨む。
しかし、その男はただ静かにこなた達を一瞥し、苦笑交じりに呟いただけだった。
その馬鹿にした態度に、こなたは更に怒りを募らせる。

「ここで会ったが百年目って奴だよ!」
「それはこちらの台詞だ、貴様らのように最速クリアを否定する者は一人たりとも生かしてはおかん」
20Classical名無しさん:08/02/22 21:02 ID:lLId8/PY
忙しい人のための支援
21D-2ブリッヂの死々闘 ◆0RbUzIT0To :08/02/22 21:03 ID:yzITKRqw
そう言い張ると、TASは靴音を響かせて徐々に近づいてくる。
咄嗟にこなたとピッピは構えを取り、キバも慌ててロールバスターの照準をTASに合わせた。
怖いだなんて、言ってられる状況じゃない……キバの後ろには、妹がいる。
彼女を守らなければならないと誓ったばかりだというのに、怖がってただ震えている訳にはいかない。
……キバにはわかっていた、TASのスピードが――だからこそ、もう逃げる素振りは見せなかった。
震える体に渇を入れ、思うように動かない口を動かしてどうにか目の前にいる男に言葉を投げかける。

「お、お前……やっぱり、乗っちまってるの、か?」

何を今更……と言った様子でTASはキバを見る。
先ごろ会った時にはいなかった青年だ、銃口をこちらに向けてはいるもののその先端は震えている。
自分に恐怖をしているのだろうが……とすると、青年は自分を知っているのだろうか。
自分の力を青い髪の女から聞いただけではここまで恐怖する事はあるまい。

「貴様……一体、誰だ? 俺を知っているのか?」

言葉を受け、キバは一瞬体を硬くした……が、すぐに口を開く。

「あ、ああ、知っているさ、よく知ってる……俺はキバ――友人マリオのキバだ」
「友、人……?」

それはTASも聞いた覚えのある言葉だった。
一体なんだったか、思い出すようにTASは瞳を閉じて考え込んだ。
勿論、その際にも隙は一切見せない――瞳を閉じていようと周囲に気を配る。
友人……友人マリオ……そんなマリオのシリーズがあっただろうか?
初代FC時代から数多くのマリオシリーズをやったが、そのようなタイトルのゲームはとんと記憶にない。
しかし、妙に気にかかる……そこでTASは考え方を変えた。
ゲームは何も正規に作られたものばかりとは限らない、世には多くの改造ROMというものがある。
もしかしたら、彼の言う友人マリオというものもその中の一つなのではと考え――思い出した。
22D-2ブリッヂの死々闘 ◆0RbUzIT0To :08/02/22 21:05 ID:yzITKRqw
「なるほど……あの容易く温い改造ROMのプレイヤーか」
「ッ! 容易く……?」
「あれほど短いステージばかりのものも珍しいからな、俺としても中々満足のいくタイムでクリアが出来た」

含み笑いを浮かべたまま近づくTASに、キバは狼狽しながら先ほど放たれた言葉を理解しようと努める。
TASは言った、友人マリオが容易い改造ROMだと。
キバはTASの実力を知っている、彼が最高のゲームプレイヤーだという事も知っている。
だが、それでもそれは嘘だと思った……いや、思いたかった。
自分が苦労し、何度も死に、クリア出来ずに涙したその改造ROMを簡単だと言ったTASを否定したかった。

「そんな訳ねーだろ!? お前だって苦労したはずだ、あの鬼畜改造マリオに!
 あんなの簡単にクリア出来る訳が――!!」

そう言い、即座にメタルブレードを射出しようとした瞬間。

目の前にTASがいた。

回避する暇など無い、キバは無防備な姿のまま拳を腹に受けて吹き飛ばされ、後ろに立っていた妹もそれに巻き込まれる。
背後に殺気――と感じた瞬間、TASは振り向いてこなたの突き出していた拳を腕の部分を掴んで塞いだ。
拳と拳をかち合わせては危険だと、瞬時に判断したのである。
腕を掴まれてもがくこなたの背後からピッピが躍り出る。
指を振りながらTASを睨みつけているが特に何をするでもなく、ただそれだけのようだ。
こなたを突き飛ばしてピッピもろとも吹き飛ばし、その場から飛び去り吹き飛ばされたキバの方へと即座に脚を向ける。
しかし、その行く道を醜悪な姿の丸い昆虫が阻んだ。
その昆虫――ゴキボールは飛び跳ねながらTASへと向かっているがTASは一跳びするだけでゴキボールの遥か上空を行き、それを踏みつける。
TASにとってただ飛び跳ねるだけの存在など障害物ではなく踏み台だ。
23Classical名無しさん:08/02/22 21:05 ID:lLId8/PY
一応友人マリオをTASさんやったことあるけど
まぁ、プレイ前の時間軸なのかな
24D-2ブリッヂの死々闘 ◆0RbUzIT0To :08/02/22 21:06 ID:yzITKRqw
ゴキボールはその瞬間消えうせ、TASは下降する。
その間にもキバと共に吹き飛ばされた妹はカードを手に取り、使えるカードは無いかと思案する。
だが、間に合わない――TASの速さの前ではその行動の速さなど加速テッカニンの前のロリーパーの如し。
TASの足があと数秒で妹へと直撃する――その刹那、こなたの繰り出したコロネがTASの横っ腹目掛けて思い切り体当たりした。

「むっ!?」

咄嗟の事態にややうろたえるものの、TASはその体当たりを受けながらコロネを叩き落とし自身も体勢を立て直して着地する。
背後を見ればまだ諦めていない様子のこなたとピッピが走り近寄ってきている。
叩き落としたコロネもふらふらと飛び回り、主人の指示を待っている。
軽く舌打ちをしながらTASは再度目の前の倒れている男達に目を向けた。

「キバくん! キバくん!!」

妹は倒れたキバを必死に起こそうと揺するが、キバは一向に起きる様子は無い。
当然だ、とTASは笑みを浮かべる。
TASの拳をまともに受けて気絶しない方がおかしい、正常な一般人なら昏倒してもおかしくない。
倒れこんだ男は放って置き、まずは目の前の少女から抹殺する。
即急、即座、即時、即効でそう決め、TASはその拳を少女の方へと伸ばした。
妹はそれに気づく……が、気づくだけで反応は出来ない。
目の前の男は自分を殺そうとしている、しかもそれからは決して逃げる事が出来ない。
それがわかった瞬間、妹はただ叫んだ。
恐怖に駆られ、絶望に駆られ、何を望むでもなく悲鳴を上げた。
今からではこなたもピッピもコロネも間に合わない。
まずは一人――慢心でもなんでもなく、ただ事実だけを確信したTASは拳を妹へと差し向け。

その拳の前に回転刃が突如出現した。
25D-2ブリッヂの死々闘 ◆0RbUzIT0To :08/02/22 21:07 ID:yzITKRqw
「ッ!?」

TASは咄嗟に拳を引き戻して傷を負うのを避ける。
だが、回転刃はまだTAS目掛けて迫っているこのままでは拳だけではなく全身を切り刻まれる。
そう判断し、TASはおもむろに飛び上がり回転しながらその刃をやり過ごした。
城ステージなどで出現する回転鋸を日夜乗り物代わりにしているTASにとってこの程度は造作もない事だ。

再び地面に着地し、TASはその回転刃を放ったと思しき人物を見る。
その人物はよろよろと立ち上がりながらも、銃口を確実にこちらに向けていた。
TASはその目を疑う、何故ならその男はつい先ほど自分が気絶させたばかりのはずなのだ。
だとしたら気絶などしていなかったというのか? ただの一般人ではなく、超人の部類に入る者なのか?
思わず口を開き、疑問をぶつける。

「貴様……! 気絶したフリをしていたか!?」
「いや、気絶してたさ……さっき起きた」

怒気を含んだTASの言葉に、その起き上がった人物――キバは血に濡れた唇を拭いながら答えた。
馬鹿な、と今度は耳を疑う。
気絶をしていたのならこんなに早く復活を果たすはずがない……それに、そもそも立てるはずがない。
ならばこの中で一番危険な人物はキバかもしれない、とTASは心の奥底で思う。
自分の拳を受けて立ち上がれる人物などそうそういない。

「キバと言ったな……少なくともあのKASとかいう奴と同程度にはやるらしい。
 いいだろう、次は一撃で屠ってやる」
「!? お前、KASとも会ったのか?」
「ああ、やたらとやかましい男だったな……次に会う時は必ず奴もこの手で殺してやろう」
「そいつは無理だぜ、TAS」
「……ほう、何故だ?」

ロールバスターを構え、メタルブレードを射出しながらキバは叫ぶ。

「お前はここで、俺達に倒されるからさ!」
26Classical名無しさん:08/02/22 21:07 ID:lLId8/PY
支援戦隊うろたんだー
27D-2ブリッヂの死々闘 ◆0RbUzIT0To :08/02/22 21:08 ID:yzITKRqw
「よくある台詞だ……このゲームの主役にでもなったつもりか?
 だが残念だがお前は主役ではない、主役はこのTASだ……このゲームのエンディング画面を見るのはこの俺だ!」

射出されたメタルブレードを見ながらTASは叫び、飛び上がる。
メタルブレードは三つ、その全てをスピンジャンプで乗り継いで着地する。
キバはその隙にチップを外して今度はロールバスターを三連射した。
だが、これも軽々とTASに回避される。
舌打ちをしながらキバは更にロールバスターを連射するが全て回避された――一発も当たらない。

「遅いな……欠伸が出るほどだ」

にやりと笑みを浮かべながらキバへと接近するTAS。
と、背後から何かが接近しているのに気づき振り向いた。
そこには再び指を振っているピッピと、そこから生まれ自分目掛けてかなりのスピードで接近してくる星型の物体の群れ。
しかし、とTASは再び回避行動を取ろうとする。
かなりのスピードではあるものの、自分を当てようとするにはまだ速さが足りない。
そう思い、足を動かしてその星の射線上から離れようとした瞬間。
星が速度を増し、TASの全身に降り注いだ。

「がっ……!?」

一瞬、TASは何が起きたのか理解が出来なかった。
その速さに驚いた訳ではない、何故急に加速をしたのかに驚いた訳でもない。
自分の体に受けたそのダメージが、予想外に大きかったのだ。
拙い、とTASは反射的に一歩後ろへと下がる。
しかし、まだ残っている――敵はピッピとキバだけではない。

「まだ終わっちゃいないんだよぉ〜!」

その少女は大きく振りかぶり、その拳を力いっぱいTAS目掛けて振り下ろした。

「コナタノキワミ、アッー!!」
28D-2ブリッヂの死々闘 ◆0RbUzIT0To :08/02/22 21:09 ID:yzITKRqw
その拳をまともに受ける訳にはいかなかった、だからこそ、TASは腕を伸ばす。

「ファアアアアアアアアアアイ!」
「うあああああああっ……はぁん」

よくわからない叫び声を上げて突き出した腕は、こなたの腕よりも長い。
リーチの差を生かし、TASはどうにかその一撃を阻止した。
TASの拳を受けたこなたは盛大に吹き飛び、これまたよくわからない呻き声を上げて倒れこむ。

「ピッ!?」

一瞬、ピッピはそちらの方に気を取られた……故に、TASの速攻に気づくわけがない。
TASは速さを重視し己の体勢も整わぬままその足でピッピを大きく蹴り飛ばす。
ピッピはこなたと同様、同じ場所に吹き飛び倒れこむ。

「俺はTASだ……TASに奇策や奇襲が通じようと、それはあくまで奇だ……冷静に対処すれば問題は何も無い」

痛む全身を叱咤しながら、TASはそう呟く。
その間にも浴びせられるロールバスターの雨を回避しながら、TASは少しずつこなた達に近づいていく。
こなた達は、それでもどうにか起きて戦おうと必死にもがいていた。
TASの攻撃は完全ではなかった、無理な体勢から攻撃をした為に彼女達の意識までは奪えなかった。
だが、それでもまともに立てないレベルにダメージを与えるには十分だった。

「これで終わりだ……一人と一匹!」

その腕を伸ばし、よろよろと立ち上がろうとしていたこなた達に向けてとどめを刺そうとした瞬間。

無数にも思える拳の雨が、TASの体を襲った。
29Classical名無しさん:08/02/22 21:09 ID:lLId8/PY
テクテク支援
30D-2ブリッヂの死々闘 ◆0RbUzIT0To :08/02/22 21:10 ID:yzITKRqw
TASはその拳の雨を感知していた、感知していたからこそその拳を止めようと再び腕を引き戻しそちらへと動かした。
だが……雨の全てを掌一つで受け止めきれる訳が無い。
その雨のほぼ全てを体に受け、TASは吹き飛ぶ。
吹き飛ばされながら、TASはその雨の正体を見た。
少女だ――まだ若い、恐らくは中学生くらいだろうか弱い少女が拳を構えてこちらを睨みつけている。
思わず、嘘だッ!と叫びたくなった。
ただの少女に吹き飛ばされるなど、恥辱の極みだと泣き叫びたくなった。

しかし、それでもTASは叫ばなかった……その少女の瞳にかつてどこかで見た事のあるようなナニカを見つけたからだ。
それはいつの日か、TASは決して自分達には勝てないと豪語した少年のものだったか。
その少年の瞳の色は赤だったし、少女の瞳の色は青だ。
似ても似つかない瞳の色だ……が、何か同じものを感じる。
それが何かまでは、今のTASにはわからないが。

「こなちゃん、ピッピちゃん、大丈夫!?」
「おぉ〜、レナちゃん遅いよぉ〜……いくら真打登場が遅い方が燃えるって言っても、ちょとやりすぎ。
 でもまぁ、ギリギリの所でヒロインを助けるのはお約束だから仕方ないかなぁ〜」

よろよろとしながら軽口を叩くこなたを見て、レナは少しだけ安堵する。
足元のピッピも、どうやらそれ程大きな怪我は負っていないようで既に起き上がっている。
後ろを振り向くと、レナの遅れた到着に怒る様子など微塵にも見せず、むしろ来てくれた事を喜んでいる風な顔をしたキバと妹と目が合った。

「博之さんと水銀燈は?」
「遅れて来るはず……多分、ずっと後だと思うけどね」
「それってまずいんじゃない? 水銀燈はともかく、博之さんがここに来たら……」
「ううん、むしろそっちの方が守りやすい……離れ離れになった方が危険だよ」

こなた達の疑問に答えながら、レナは目の前の男を見ていた。
男は立ち上がっている――己の全力の拳を受けても、起き上がっている。
ほぼ全てとはいえ、一部防がれたものは防がれたのだ。
その分、まともには入らず完全に倒すには至らなかったのだろう。
31D-2ブリッヂの死々闘 ◆0RbUzIT0To :08/02/22 21:11 ID:yzITKRqw
レナが、こなたが、コロネが、ピッピが、キバが、妹さえもが身構えていた。
レナとこなたは空手となり、肉弾戦ならば任せておけとばかりにTASを睨みつける。
コロネとピッピはその後ろに位置し、コロネはこなたの指示を……ピッピは指を振るタイミングを見計らっていた。
キバはなおもロールバスターを構え、妹もカードを手に取りいつでも召還が出来るよう待機する。

TASが動いた――即座にレナとこなたが二人がかりで飛び掛り、その必殺の技を見舞う。
レナの無数の拳が左方より、こなたの二重の拳が右方よりTASに襲い掛かる。
だが、TASは慌てなかった。彼はあくまでも冷静になるよう努めていた。
最速クリアに必要なのは圧倒的な力ではない、冷静な思考回路と客観的に物事を見る事が出来る洞察力だ。
常に最速ルートを見つけ出す為にはその二つが何よりも不可欠。
故にTASは冷静になり――その二つの力の回避ルートを即座に見つけた。

右腕を使い、レナの拳を受け止める。
確かにレナの拳を繰り出す速度は速い、それは驚異的だ。
しかし、それでもTASの目には辛うじてだがその全てが見えていた。
無数の拳といっても、元はただの一本の腕。
その威力が高い所以はただ、その一本一本の腕を乱打する事によってのみ生まれ出ている。
ならば一本の腕に込められた力は大した事が無い、比較的楽に己の掌一つで受け止める事が出来る。

左腕を使い、こなたの拳を受け流す。
確かにこなたの拳が持つ破壊力は高い、それは圧倒的だ。
しかし、それでもTASの目にはそれがまるでスローモーションかのように見えていた。
破壊力を持っていようと、当たらなければ意味が無い。
TASはその拳を横からの力を加え、受け流す事に成功した。

「貴様らの温さには心底呆れさせられる……その程度の力の持ち主が徒党を組もうが、俺は負けはせん」

己の全力の拳が――しかも、二人がかりで挑んだというのに、あまりにも簡単に受け流され、受け止められて二人は狼狽する。
TASはその隙を逃さず、二人を叩き伏せた。
だが、こなたはなおも戦い続けようと後ろに待機していた己の使途する相棒に指示を出す。

「っ、コロネッ! たいあたり!!」
32Classical名無しさん:08/02/22 21:11 ID:lLId8/PY
君を、助けに来た!的な展開支援
33D-2ブリッヂの死々闘 ◆0RbUzIT0To :08/02/22 21:13 ID:yzITKRqw
その言葉を待ってましたとばかりに、コロネはTAS目掛けて猛スピードで体当たりを敢行する。
しかし、その程度のスピードではTASを捕らえる事が出来ない。呆気なくTASはそれを叩き落すが、まだ後ろにはピッピがいる。
指を振りながら突撃してきたピッピは、そのまま捨て身のタックルを放つ。だが、逆に返り討ちに合いピッピもまたレナやこなた達と同様に倒れ伏す。
こなたは慌ててコロネをモンスターボールへと戻し、レナは再び拳をTASへと向ける。
拳を往なしながら、TASは半歩後ろへと引いた。
その瞬間、それまでTASがいた場所をロールバスターの弾丸が通り過ぎてゆく。
背後から迫っていた、妹の呼び出したコカローチナイトを鉄拳一つで粉砕し、飛び上がる。

TASは矢張り、圧倒的だった。四人と二匹の一斉攻撃を受けてなお、息一つ切らさずに立っている。

しかし、とピッピは痛む体を無理やり起こして上空にいるTASを見た。一度戦った経験則上、TASの能力は相応に把握している。
彼はスピードは速い、その速さは自分の知っているどのポケモンよりも速いだろう。
だが、そんなTASにも弱点はある……それは単純に、防御力の低さだ。
あの時、ピカチュウが犠牲となったあの戦いで放った破壊光線は、TASを吹き飛ばしていた。
ダメージだって相当なものを与えたはずだ。

「ピッ……!」

今日はいつにも増して調子がいいとピッピは思っていた。
最初に出た技はにらみつける――これでTASの防御力を低下させる事が出来た。
次に出た技はスピードスター――必ず当たるその技のお陰で、TASに付け入る隙を作る事が出来た。
最後に出た技は捨て身タックル――外れこそしたものの、当たっていれば大ダメージを与えられたに違いない。
だから今度もまた、何かしら意味のある技を出せるとピッピは強く自分を信じた。
ヲタチとも約束をした、ピカチュウのように勇気を持つと決めた。

「ピッピッピ!」

レナとこなたの倒れる横で、ピッピは本日四度目のゆびをふるを使った。
何が起こるかわからないランダムな選択の中から、強力な攻撃技が出ると信じて指を振るった。
その直後、ピッピとこなたとレナは眩い光に包まれ――。

消えた。
34D-2ブリッヂの死々闘 ◆0RbUzIT0To :08/02/22 21:14 ID:yzITKRqw
「何!?」

上空に位置していたTASはその様子を見て焦った。
それが何かの攻撃手段かと思ったのだ。
だが、その認識をすぐさま改める。
キバや妹も口を開けてピッピ達が居たはずの場所を見ているのだ。
これは攻撃手段ではない、恐らくは何かの技に失敗して消えうせたのだろう。
でなければ、キバや妹がその様子を見てうろたえている事に説明がつかない。
そう確信をするとTASは不敵な笑みを浮かべてキバ達を睨みつける。

「逃がしたのは痛いが、これでより確実に貴様らを殺せるというもの!」

不可思議なカードを使う幼い少女と豆鉄砲を飛ばすだけの男。
たった二人ならそれほど時間をかけずとも、容易に始末する事が出来る。
そう判断するとTASはキバの方目掛けて急降下をする。

「妹ちゃん下がって! それと、あの盾のカード!」
「う、うん!」

妹がその名を叫ぶと同時に、手の中にあるカードが光を放ち再びコカローチナイトがTASの行く手を阻む。
だが、矢張りTASはそれを一撃で屠った。
たかだか攻撃力800程度のモンスターではTASの相手になるはずがない。
続けて、キバがロールバスターを乱射するもののTASは空中で巧みに体を動かして回避する。
キバは咄嗟にロールバスターを取り付けている方とは逆の手で鋸――ゼットソーハードインパルスを持ち、薙いだ。
接近戦ならばこちらの方が使い勝手がいいと、そう判断したからだ。
しかし、その判断はすぐに間違いだったと気付く。
何故ならば、回転刃どころか鋸でさえも――。

「TASにとっては、乗り物でしかない!」

TASがそう叫んだ次の瞬間。
何かが壊れるような、鈍い音が響き……次いで、大きな音を立てて何かが倒れる音が聞こえた。
35Classical名無しさん:08/02/22 21:15 ID:lLId8/PY
ずっと俺の支援!
36D-2ブリッヂの死々闘 ◆0RbUzIT0To :08/02/22 21:15 ID:yzITKRqw
「いやああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

それはきっと、少女が目の前の現実を受け入れるのに相応の時間が必要だったからだろう。
その者が倒れてからしばらくしてから、ようやく少女は何が起こったかを理解し叫んだ。信じられなかった、信じたくはなかった。
ずっと一緒にいて欲しかった彼が、ずっと守ってくれると言ってくれた彼が頭から血を流しながら倒れているなんて。
だから少女は叫んだ、力いっぱい、その者が再び起きてくれる事を願って。

「キバくうううううううううううううううううううん!!!」

しかし、返事はない。

「い、やぁっ! どうしてぇっ!!」

その者の体に飛びつき、その大きな瞳から大粒の涙を流しながら揺すり動かす。
動かない、起きる気配もない、血は流れている。
血が手につき、服につき、顔につこうが妹は気にしない。ただ揺する、揺すり続ける。
取り出したカード――ホーリーエルフの祝福を使おうと試みる、だがカードは何も答えない。
キバは動かない――瞳を開けない、答えない。

「当然だ……俺のスピンジャンプを脳天に受けて生きているはずがない」

TASが残酷な言葉を吐いても、妹はキバの側から離れなかった。
故に、TASは妹を蹴り飛ばしまずキバから引き離した。
妹はそれでも尚、キバの名前を呟き続けている。それがキバに届くと信じて。

「キバく……ん……! やだぁ……!」
「安心しろ、すぐにお前も同じ場所へ送ってやる……最速でな」

そう呟き、TASは大地を蹴――ろうとした瞬間、その足に違和感を感じた。
足を何者かが掴んでいる感触……足が動かない。
誰に? レナもこなたもピッピも、光に包まれ消えこの場にはいない。 ならば今、その足を掴んでいるのは誰だ?
TASはその疑問を解消すべく、足元を見下ろす。
37D-2ブリッヂの死々闘 ◆0RbUzIT0To :08/02/22 21:17 ID:yzITKRqw
血まみれの男が、荒々しい息を吐きながら己の足を強く握り締めていた。

「ッ!?」

瞬時に、TASはその手を振り解こうとキバを逆の足で蹴る。
しかし、キバはその手を決して解こうとはしない。
歯を食いしばりながら、ただTASの足首を強く握り締める。

「ッ……貴様、ゾンビか!?」

そうでなければ説明がつかない、とばかりにTASは声を荒立てて問いかける。
あの高高度から仕掛けたスピンジャンプを頭に受けて生きていられるはずがない。
例え生きていたとしても、ろくに動けないはずだ。
だというのに、足元の男は自身の足首を強く握り締めて離さない。
TASが全力でそれを振りほどこうとしても、決して離さない。

「何がゾンビなもんか……俺はどこにでもいる、平々凡々とした一般人さ」

TASの問いに、キバは震えもせず恐れもせず、静かに返す。
視線の先には泣きじゃくる妹の姿――その無事の姿を見て、キバは血に染まった顔に安堵の表情を浮かべた。
妹の叫びは届いた、キバはその瞳を再び開けて……立ち上がりこそしなかったものの、息を吹き返した。
しかし、その姿はどう見ても無事なようには見えない。
目はカッと見開かれ、いつもの優しそうな表情は欠片も見当たらない。
頭から流れた血はキバの顔を赤く染めており、すぐに手当てをしなければ致命傷になるだろう事が素人の目から見てもわかった。
だが、TASはそんな事はお構いなしとでも言うようにキバを蹴り続ける。
それでもキバは決してその足を掴んだまま離さない。
離してしまえば、自分の大切なものが傷つけられるとわかっているからだ。

「離せッ、死に損ない!!」
「離したら、お前は、妹ちゃんを、殺す……だろ?
 なら、離せない……絶対に離せない!」
38Classical名無しさん:08/02/22 21:18 ID:lLId8/PY
組曲ニコニコ支援
39D-2ブリッヂの死々闘 ◆0RbUzIT0To :08/02/22 21:18 ID:yzITKRqw
舌打ちをし、TASはこのままではキバは腕を離さないと判断して攻め手を変える事にした。
キバはTASの足を掴んでいる、ならばその手に持っていた鋸はどこへやったのか?
デイパックに戻す暇などなかった……故に、それはキバの倒れていた場所の近くに転がっている。
――離さないのならば、その腕を切断すればいい。
TASが腕を精一杯伸ばし、その鋸を掴もうとしたところで――横から、強い衝撃が襲ってきた。

「ぐっ!?」

咄嗟に体勢を整えようとするが、足が掴まれている為に上手くいかない。
仕方なく受身を取って地面に倒れこみ、衝撃の正体を見ようと目線を上に向ける。

――妹が、涙を流しながらその場に立ち、落ちていた鋸を拾ってTAS目掛けて振り下ろそうとしていた。

「うわああああああああああああああああっ!!」
「ッ!」

キバの危機に、妹の体は自然と動いていた。
絶対に勝てないであろう男の体にその身一つで体当たりをし、即座に鋸を拾い上げて斬りかかったのだ。
しかし、それでもTASは雄叫びと共に振り下ろされた鋸を間一髪、体を仰け反らせて避ける。
そして、それと同時に妹の胸へと拳を叩き込んで突き飛ばした。
いつの間にか、TASは肩で息をしていた。簡単に殺せたと思っていた男が、まだ幼い小さき少女が予想外の抵抗を見せていたからだ。
このままではいけない、とTASはまだ掴んでいたキバの腕目掛けて思い切り拳を叩き込んだ。
キバが悲鳴を上げる――が、それでもなお手を離さない。
二度、三度、四度、五度、叩き込む。キバは決して離さない。

「ぐっ……貴様、いい加減に――!!」

六度目の拳を振りかぶったその時、黒い羽がTASの視界を一瞬にして染め。

「いい加減にするのは、あんたの方よ」

冷たさの中に怒気を含んだ特徴的なその声が静かに響いた。
40Classical名無しさん:08/02/22 21:19 ID:lLId8/PY
しえんのじかん
41D-2ブリッヂの死々闘 ◆0RbUzIT0To :08/02/22 21:19 ID:yzITKRqw
声がTASの耳に届くと同時に羽と暴風がTASを襲い、キバはようやくその腕を離した。
TASはその羽に大きく吹き飛ばされ、地面へとへたり込む。
キバは倒れていた……倒れたまま、その声がした方へと目を向ける。

「よくやった方じゃなぁい? 少なくとも、あんたにしてはね」
「……それで、褒めてる、つもりかよ」

キバは苦笑しながらも、待ち焦がれていた助けが来た事に安堵しながら立ち上がろうと努めていた。
急いで走り寄ってきた妹がそのキバの体を支え、僅か先で浮遊をしているその人形を見つめる。

彼女は、怒っていた。
いや、彼女も勿論怒る事はある――というよりも、怒るスタイルがデフォルトと言っても過言ではないほど短気だ。
とある言葉に関しては特にその傾向が顕著である。
しかし、この時彼女が怒っていた理由は彼女にしては珍しいものだった。

己の仲間が傷つけられた、己が仲間の危機に間に合わなかった――。
それらの事実が、心中を渦巻き煮え繰り返らせ、彼女を激怒させていた。
それは珍しいどころか初めて経験する怒りの理由だったかもしれない。

「レナ達は? まさか、あなた達だけを置いて逃げた訳でもないでしょう?」
「多分、ピッピちゃんの技で……ここから消えちゃったの」
「ふぅ、ん……消えたとはいえ、このフィールドからは出てないんでしょう?
 なら、合流しようと思えば合流できるわねぇ」
「それより、水銀燈……博之さんは?」
「置いてきたわ。 だって戦いの音が橋の手前から聞こえていたんだもの、連れて来る訳にはいかないわぁ。
 あんた達も早く行きなさい、しばらく時間を稼いで戻るから……そうしたら例のカードを使って逃げればいいわぁ」

そう言い、水銀燈は剣を作り出す。
言われた二人も、自分達がただの足手まといにしかならないだろうと判断し、橋の東側へと足を進めていった。
その姿を見やりながら、水銀燈はその腕一本に剣を持ち構えを取った。
すると、その瞬間へたり込んでいた男が起き上がりこちらを睨む。背格好を見れば、恐らくは博之と同じ程度の身長。
中肉中背……特に特筆すべき点は無いが、放つ気配が尋常ではない。内心厄介な相手だと毒を吐きながら、相対する。
42D-2ブリッヂの死々闘 ◆0RbUzIT0To :08/02/22 21:20 ID:yzITKRqw
「また奴らの仲間か……うじゃうじゃと、雑魚ばかりが徒党を組んでもこのTASは倒せん」
「あらぁ? その雑魚に吹き飛ばされたのは誰かしらぁ?」
「流石の俺も移動が不可能では回避は出来ん……だが、それももう終わり。
 あのキバという男もあれだけの傷ではもう助からん。
 そして、腕が一本だけのそのような不恰好な構えしか見せれん貴様程度では俺の足止めすら出来ん。
 後は逃げたあの女を追えばいいだけ……それで終わりだ」

肩を揺らしながら近づいてくるTASに睨みを効かせながら、水銀燈は歯噛みをした。
確かに、男の言う通りキバの傷は軽視出来るようなものではない。
妹の持っているカード――ホーリーエルフの祝福を使ったところでもはや回復出来る域を超えているだろう。
いや、そもそもまだホーリーエルフの祝福が使えるかどうかさえわからない。
――それはさておき、と水銀燈はその剣を構えた片腕を突き伸ばす。

「生憎ねぇ、腕が一本だけの不完全な人形だろうと――」

すると、その剣先から薔薇の花弁が咲き乱れ。

「――あんたを足止めするには十分すぎる体よ!」

それらが一斉にTASへと襲い掛かった。
回避しようにも薔薇の花弁は拡散しておりその合間を抜ける事は出来ない。
やむを得ず全身を腕で包み込み、防御の体勢を取る。
しかし、その隙にも水銀燈は接近しており追撃とばかりに背中の黒い翼を巨大化させてTASを殴りつける。
衝撃によりTASは吹き飛ぶが、即座に立て直すと空中に飛び上がり必殺の蹴りを水銀燈目掛けて見舞う。
それを剣で受け流しながら、水銀燈は落ちてゆくTASに向け更に黒い羽根を撃ち飛ばす。

「防戦一方みたいねぇ!」

落下しながら黒い羽根に悪戦苦闘しているTASに、更に剣を振りかぶって襲い掛かる。
辛うじてTASはその剣の腹を足で蹴り、矛先を自分の方へ向く事を避け地上へと着地した。
43D-2ブリッヂの死々闘 ◆0RbUzIT0To :08/02/22 21:21 ID:yzITKRqw
水銀燈の言う通り、TASは防戦一方だった。
それもそのはず、TASは水銀燈に比べて攻撃手段が圧倒的に少ない。
水銀燈が遠距離・中距離・更に近距離戦までと幅広く戦えるのに対し、TASは武器も何も持たずに肉弾戦しか挑めないのだ。

しかし……と、水銀燈は決して油断はしない。
キバは確かに一般人ではあるが、それでも弱い人物とは思わない。
聞いた話では蛙のような植物のようなよくわからない生物を撃退したらしいし、それなりに戦える男のはずだ。
だというのに、キバはこの男に完膚なきまでにやられた。
ならば、そう簡単に倒せるはずはないと一層身体に込める力を強める。

TASは距離を取り、水銀燈の様子を伺う。
水銀燈も、TASの様子を伺っていた――動く気配はない。
ただ無駄に時間が過ぎてゆく。

「どうしたのかしらぁ? 敵わないと思って動けなぁい?
 まぁ、私としてはキバ達の逃げる時間が稼げていいんだけどねぇ?」

水銀燈の挑発にもTASは応じない、ただ水銀燈を睨みつけるだけだ。
だが……その瞳には焦りの色が全く滲んでなどいない。
それを見て、水銀燈は不安を少しだけ覚えた。

TASは決して動かない――こうしている間にも、キバ達はどんどんと橋を渡っている。
もうしばらくすれば渡りきり、博之と合流する事が出来るだろう。
そうして、例のカード――強制脱出装置を使えばこの苦境からは逃げ出せる。
そう、もう少しすれば自分達は無事にとは言い難いもののこの男の目の前からは脱せるのだ。
安心してしかるべき……なのに、不安ばかりが募る。

「時間を稼ぐ……なるほどな」

不意に、TASがその口を開いた。
44Classical名無しさん:08/02/22 21:22 ID:lLId8/PY
亡国支援カタルシス
45D-2ブリッヂの死々闘 ◆0RbUzIT0To :08/02/22 21:22 ID:yzITKRqw
「貴様の言う通り、あの男達はそろそろ橋を通過してしまうだろう。
 このままでは俺は奴らを殺せん……確かにその通りだ」
「あらぁ……中々物分りがいいみたいね」

TASの言葉に水銀燈は返答するものの、やはり不安は消せない。
むしろ、それは大きくなる一方だ。
TASは事実だけを淡々と述べるだけで、どこか余裕の表情も見える。
何故、目の前の男はこんなにも飄々としているのだろうか。
本当にもう諦めてしまったというのか?いや、それならば今こうして自分と戦わずに逃げてもいいはずだ。

「……何を企んでいるの?」
「……お前は、時間を稼いでいると言ったな?」

焦燥に駆られ思わず問いかけた水銀燈に、TASは嫌らしい笑みを浮かべながら問い返す。
水銀燈はその言葉を訝しがりながら考える。
そうだ、自分は時間を稼いでいる……キバ達が橋を渡りきるだけの時間を。
TASをここで足止めし、どうにかしてこの窮地を脱する為に……。

「その認識が間違いだ、お前は時間を稼いでいるんじゃない……稼がれているのだ。
 俺は確かに奴らを殺せんだろう……俺は今、ここでお前と戦っているからな――『俺は』」

その声が聞こえた時、水銀燈は何かに気付いたように振り返った。
TASの言う通り、TASがここにいる以上彼は橋の向こう側へと渡れないだろう。
しかし、それはあくまでTASがという話だ。

――もし彼に、共闘する『仲間』がいたなら?
仲間がいたなら――その者は、何故ここにいない?

自身の不安の答えがわかった瞬間、水銀燈は既にその場から飛び去っていた。
その速さは尋常ではないほどに速く――しかし、TASはそれを見ながら少しだけ哀れむようにぽつりと呟き、その後を追う。

「その速度では、間に合わん……」
46あばよ、ダチ公 ◆0RbUzIT0To :08/02/22 21:23 ID:yzITKRqw
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

キバと妹は、ようやく橋を渡り終え一息をついていた。
しかし、安心は出来ない。
TASのスピードの前にはこの程度の距離、すぐに詰められてしまうだろう。
もっと遠くへと逃げなければならない、と痛む体を無理やり動かす。

「キバくん……大丈夫?」
「血が出てるし、あんまり大丈夫とは言い難いかな……割かとマジで」

苦笑交じりにキバが言葉を放つ。
キバの頭部から垂れた血はぽたりぽたりと地に落ちており、彼らの歩いてきた道のりを示している。
目が霞む、頭に靄がかかる、意識がはっきりとしない。 身体は上手く動いてくれないし、喉はカラカラだ、水が飲みたい。
そういえば水銀燈は大丈夫だろうか……そう簡単に負けるとは思いたくないが、TASを相手にしてただで済むとは思えない。
それに、レナ達はどうしただろうか? ピッピの技でどこかに移動してしまったのだろうが、無事だろうか?
出来る事なら早めに合流をしたいが――などと考えていると、歩く先に一人の男が座り込んでいるのが見えた。
妹もそれに気付いていたようで、ようやく顔を綻ばせる。

「博之さん……」
「っ! びっくしたぁ、その声はキバか……急に声かけなぁや……。
 なぁ、水銀燈どないしたん?
 ようわからんけど、ここでじっとしとけ言われてずーっと待ちよったんやが」

恐らくは水銀燈は橋の上で戦いが起こっているなどと話さなかったのだろう。
それでいい、とキバは思考が定まらない頭を揺すり頷く。
もしも戦いがあったなど言ってしまっていたなら博之は無理を承知で水銀燈についてきていただろう。
目の見えない博之がまともに戦えるとは思えない。
それならここで待機していた方が正解、水銀燈の判断は正しいものだ。
しかし、もう真実を話していいだろうとも思いキバは博之に橋で起こった一連の出来事を話しはじめる。
案の定、博之は自分も水銀燈の助太刀に行くと立ち上がろうとしたが慌ててキバと妹がそれを止める。
今、博之が行っても足手まといにしかならない。
それよりはここでじっとして水銀燈の帰りを待ち、帰ってきたら皆で強制脱出装置を使いこの場を逃れればいいと説得する。
47あばよ、ダチ公 ◆0RbUzIT0To :08/02/22 21:25 ID:yzITKRqw
博之は渋々とそれを受け入れ、続いてキバの容態を心配してきた。
目が見えないながらもキバの雰囲気や言葉の節々に滲み出ている苦しさでそれとなく察知していたらしい。
キバが苦笑いしながらそれを軽くはぐらかすと、妹が何かを思い出したかのように大きく手を叩いた。

「そういえば! 確か傷の回復が出来るカードがあったよ!
 キバくんにそれ使ってあげる!」

そう言うと妹は即座にポケットから複数のカードを取り出した。
その中から目当てのものを探し当て、意気揚々とその名を叫ぶ。
――しかし、何も起こらない。

「えっ、えっ、どうして!?」
「……そーいや、こなたの話じゃそれ使ったの最後って言ってたからなぁ。
 もしかしたらまだ24時間経ってないのかも……」
「そんなぁ……」

落ち込む妹の頭を血に濡れた手で優しく撫でながらキバは感謝の意を述べる。
今はまだ使えないかもしれないが、もうしばらくすれば使えるようになるだろう。
もっとも、その時までに意識が保てているかどうかは少し不安だが。
……それにしても、とキバは後ろを振り返る。
まだ水銀燈とTASの戦いは続いているのだろうか……。
恐らく水銀燈が予想以上に奮闘をして時間を稼いでくれているのだろうが、それにしてもよくもっていると思う。

「とにかく……水銀燈が戻ってきたらすぐに逃げれるよう、あのカードを用意しとこう」
「あ、うん、そうだね」

キバが言うと妹はその手に持っていたカードの束から強制脱出装置を探し出す。
ティアナの話によればこのカードはここに連れてこられてすぐに使用したらしいし、使用制限に関しては問題無いだろう。
いつでもその効果を発動する事が出来るよう、そのカードをしっかりと握り締めたその時。
妹はそれを見た。

――笑いかけるキバの背後から、六本の触手が襲い掛かっているのを。
48あばよ、ダチ公 ◆0RbUzIT0To :08/02/22 21:26 ID:yzITKRqw
妹が叫ぶより早く、キバは妹の表情の強張りから何があったのかを瞬時に察した。
キバは振り向き、その方向に向けて銃口を構え――ようとする。
しかし、身体がついていかない……言う事をきかない!
必死に腕を動かそうとしても、その腕は激しく痛んで動く事を拒否する。
眼前に六本の触手が迫り、これまでかと目を閉じようとしたその時――キバの目の前に妹が立ち塞がった。
逃げの為の切り札ではなく、攻めの為の切り札。
キバが止める暇もなく、妹はその手に持っていたカードを掲げてその名を叫ぶ。

「ブラック・マジシャン・ガール召還!」

妹の呼ぶ声に答え、やけに可愛らしい魔法使いがカードから出現する。
だが、可愛らしいと言ってもその攻撃力は決して軽視が出来るレベルではない。
何せゴキボールやコカローチナイトの攻撃力が1200や800程度なのに比べ、ブラック・マジシャン・ガールの攻撃力は2000だ。
……所詮蟲野郎のカードと比べてしまってはマジシャン・ガールに失礼かもしれないが、それでも相応の攻撃力を誇っている。

「黒・魔・導・爆・裂・破(ブラック・バーニング)!!!」

ブラック・マジシャン・ガールの持つ杖からピンクの光弾が放たれ、サナギを襲う。
強大な爆砕音とその衝撃に押されながらも、妹は退かなかった。
まだその生物が生きているのを確認するや、更にマジシャン・ガールに攻撃命令を送る。
キバもただ呆然とするのみではなく、痛みを感じながらも腕を伸ばしてロールバスターで援護。
ようやく、事態に気付いた博之もヲタチを呼び出して三色パンチを浴びせる。
サナギのような生物を三人がそれぞれの手段で攻撃する。
もし、この光景を第三者が見ていたらきっとこう言っただろう。

『それなんてフルボッコ?』……と。
49あばよ、ダチ公 ◆0RbUzIT0To :08/02/22 21:28 ID:yzITKRqw
実際、妹の操るブラック・マジシャン・ガールは休む間もなく光弾を放ち続け、爆音を引き起こすし。
キバのロールバスターは地味ながらも徐々にサナギの硬そうな装甲を剥がしてゆく。
博之の使途するヲタチは三色パンチをやたらと連発し。
サナギは火傷なんだか麻痺なんだか凍結した状態なんだか、もうよくわからない状態になっていた。

「効いてる! ちゃんと攻撃効いてるよ!」
「敵涙目やが」
「涙目にはなってないけど、確かにそんな心境だろうな……」

キバは少しだけその敵を哀れんだが、これも因果応報というものだ。
仕掛けてきたのが向こうである以上この程度の仕打ちはされて当然だろう。
相手が人間でないとはいえ、殺してしまうのはやはり忍びないが。
しかし、生かしておいてはまたいつ襲ってくるかわからない。
ならばここで完膚なきまでに叩きのめすのが良策だろう。
そんな事を考えながらひたすらロールバスターを連射していると、いよいよ相手の動きが幾分か弱々しくなってきた。
このまま押し切り、その息の根を止めてやると腕に力を込める。

――その瞬間、キバの全身に激痛が走った。

やはり、負傷した身で腕を動かし続けた事が原因だろうか?
キバは思わず自身の腕に目を向ける――腕は……確かに痛むが、ここまでの激痛は感じていない。
それにしても、何だこの気持ちの悪さは? 吐き気と頭痛と胸焼けとが一斉に襲ってくる。
いつの日か例の悪友と一緒に酒盛りした次の日の二日酔いよりもタチが悪い。
50あばよ、ダチ公 ◆0RbUzIT0To :08/02/22 21:29 ID:yzITKRqw
ああ、そういやあの時もあいつは悪戯してやがったな。
いつだったか、自分の携帯が授業中に今は廃れきってしまった芸人の叫び声の着信音が響いたのも多分あいつのせいだろう。
証拠は無いけど、絶対そうだ。あいつは俺を欺いたり陥れたり絶望のどん底に落とす事が好きみたいだからな。
でもまあ、いいさ。なんだかんだ言って、友人だしな。あれ?俺があいつの友人なんだっけ?
……まあいいや。どっちにしたって俺はあいつから逃げられないんだ、逃げるつもりもないけど。
だってそうだろ? 俺はキバくんだ。 キバくんはいつだって逃げずに立ち向かうんだ。
孔明の罠だろうが、ブラックパックンだろうが、野球ブルだろうが、ボブル地獄だろうが、連装キラーだろうが敵じゃない。
キバくんは何度死んだって最後にはゴール画面を見せてくれるんだ。
早く帰って、あいつが新しく作ったROMやらなきゃな……。

それにしても気分が悪いな……それに、目がよく見えない。
どうしちまったんだろ、ゲームのやりすぎで目が悪くなるのって迷信じゃなかったのか?
あ、でもよーく注意したら何だか見えてきたぞ、なんか凄くブレてるけど。
妹ちゃん……どうしてそんなに叫んで泣いてるんだ?
誰だよ泣かした奴、表出ろ。フルボッコにしてやんよ。
博之さんもなんか上に向かって叫んでる……一体どうしちまったんだ?
この人配信とかじゃ凄い温厚な方じゃなかったか? ああ、でもなんか一回めちゃめちゃキレてた時あったな。
確か兄貴に配信中、酒買って来いとか言われたんだっけ? そりゃキレるわなぁ。

にしてもどうしたんだ、目に映るもん全部が赤く見えるぞ?
おいおい、もしかして俺色盲になっちまったのか……勘弁してくれよ、まだ色々見たいもんとかあるのに。
51Classical名無しさん:08/02/22 21:30 ID:NuoE9oH2
支援物語
52あばよ、ダチ公 ◆0RbUzIT0To :08/02/22 21:30 ID:yzITKRqw
あれ? 水銀燈まで戻ってきてんのか? ……ああ、さっき博之さんが叫んでたのは水銀燈が帰ってきてくれてたからなのか。
うわ、しかもTASと戦ってるし……つーかよく戦えるよな、あいつと。
でも水銀燈が帰ってきてくれりゃ一安心……ん? そういや、逃げるんじゃなかったか?
……そうだよ、確かカード使って逃げるんだ。
ほら、妹ちゃん、早くカード……泣いてないで、話聞いてよ。
話? ……俺の声、妹ちゃんに届いてんのかな?
そういや、みんながなんて叫んでるのかよく聞き取れないなぁ……耳まで悪くなっちまったのかな、俺。
こんなにみんなが叫んでるのに、目の前で妹ちゃんが叫んでるのに……。

……ああ、なんか急に眠くなってきた。
気分悪いのによく眠気なんて出てくるなぁ、俺。
でも眠いもんはしょうがないよな……だって丸一日不眠不休だったし。
……つーか、腹から出てるこの赤いのは何だ?
まぁ、いいか。
後はみんながうまくやってくれるさ……もう眠いし、悪いけど寝かせてもらおう。
ごめんな、みんな……。

「おやす、み……」
53Classical名無しさん:08/02/22 21:31 ID:lLId8/PY
俺の改造マリオを友人に支援させてみた
54あばよ、ダチ公 ◆0RbUzIT0To :08/02/22 21:32 ID:yzITKRqw
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

その言葉が聞こえた瞬間、水銀燈はその手に握る剣に込めた力をより一層増した。
間に合わなかったのか――目の前の男の算段に乗ってしまい、みすみす殺させてしまったのか。
自分がついていながら!?

「ああああああああああああああああああああっ!!」

叫び声を上げながら水銀燈は突撃する。
それを片手で受け止め、逆に腹を蹴り上げてTASは更に飛翔する。
吹き飛ばされた水銀燈に追撃――重ねた拳で下に叩き落し、落ちてゆく水銀燈へ更に六本の触手が押し寄せる。

「があああああああっ!!」

それを辛うじて剣戟を用い防ぎ、しかし水銀燈は攻撃の手を緩めない。
その触手の持ち主に薔薇の花弁を撃ち放ち、TASへ向けて翼から生まれた黒竜を振るう。

TASの計画は、上手くいっていた。わざとキバ達を逃がし――そこに『仲間』であるクリサリモンを差し向けた。
クリサリモンは成熟期、成長期であるケラモンよりも何倍もの力を持っている。
それだけでも恐らくはキバ達を殺すには十分過ぎる戦力だろうが……TASは更にそこに奇策を見つけた。
それは、あえて最初一体だけのクリサリモンを差し向け――もう一体のクリサリモンを待機させておくというもの。
最初の一体だけで全滅させる事が出来ればそれでよし。
仮に、キバ達が思いのほか抵抗したのならば――その時は、もう一体のクリサリモンが隙を見計らって殺す。
この計略は、上手く功を成した。最初のクリサリモンは襲撃に失敗し、消え失せたが跡詰めのクリサリモンはその任を果たしてくれた。

暴れ回る黒竜を巧みにかわし、水銀燈へと接近する。
逃げるでもなく、むしろ果敢に立ち向かってくる水銀燈を一蹴し肘鉄を入れる。
くぐもった呻き声が漏れるが、それでも水銀燈は剣を振るった。しかし、その腕を触手に掴まれ、そのまま放り投げられる。

水銀燈は、先ほどの戦いとは打って変わって苦戦を強いられていた。
まず、敵に対する数が違う。こちらは一人なのに対し、相手はTASとキバを襲ったクリサリモンの二人だ。
腕が一本で……しかも博之や妹達を守りながら戦うのは、想像以上に苦しい。
55Classical名無しさん:08/02/22 21:34 ID:lLId8/PY
うおおおおおおSSとまんねえええ
ORくん、しゅごーい
創価、ORのやt(ry
56あばよ、ダチ公 ◆0RbUzIT0To :08/02/22 21:34 ID:yzITKRqw
おまけに、TASのスピードは先ほど戦った時よりも更に増しておりついていくだけで精一杯だ。
ならば先の戦いにおいてTASが手を抜いていたのかというとそれは違う。
あの戦いにおいて、TASは時間を稼ぐという仕事に全神経を注いでいた。
つまりその戦いにおいてのTASは本来最速クリアを目指す、独特の戦闘スタイルを上手く発揮できない状態にあったのだ。
しかし、今は違う。クリサリモンと共にそのスピードを生かした高機動戦闘をこなしている。

クリサリモンの触手とTASの拳を剣でどうにか防ぎながら、水銀燈は舞う。
このままでは何れ捕まる――そうなってしまっては、キバだけではなく自分達まで殺されてしまうだろう。
目の前の仇は憎い、殺しても殺し足りないほどまでに憎い。
だが――だからといって、このままではいけないという事も痛いほどわかっている。

「妹! いつまでも泣いてないで早くカードを使いなさい!!」

もはや余裕などなく、黒い羽根でTASらを霍乱をしながら怒声を上げ振り返る。
駄目だ……妹はまだ泣き叫んでいるのみで、一向に正気に戻る素振りを見せない。
ブラック・マジシャン・ガールに命令を送るも、主人の命令にしか従えないその女魔術師は困った顔をしたまままごつく。

「っ、博之! 妹からカードを奪って!!」
「ちょっ、何が起こっとるんど!? 水銀燈なんでおるんな、妹なんで泣いとる!?」
「ごちゃごちゃ言わずに動きなさい! 死にたいの!?」
57あばよ、ダチ公 ◆0RbUzIT0To :08/02/22 21:35 ID:yzITKRqw
そもそも目の見えない博之にしてみれば、全てが急展開故についていけないのだろう。
突然敵に襲われ、その者を辛くも撃退したと思った瞬間、キバが貫かれ、遅れてきた水銀燈とTASが戦闘を開始した――。
混乱しているようだが、事情を説明している暇などない。
水銀燈が怒鳴りつけると博之は事の重大さに気付いたらしく、手探りで妹の手からカードを引き離そうとする。
しかし、そのカードは妹の手に張り付いたかのように動かない。
妹は力一杯泣き叫ぶ内無意識にその手を硬く握り締めているのだ。

だが、それでも博之は懸命に目が見えないながらも妹の手を解こうと両手に力を入れた。
幾ら妹が力一杯握り締めているとはいえ、博之は成人男性だ。
その手はゆっくりとだが、確実に開いてゆく。
このままならばどうにか強制脱出装置のカードを使う事が出来そうだ――一瞬、水銀燈は安堵する。
博之は、あまりにも力を入れすぎていた……だからこそ、当然のように妹の手は完全に開き。

カードの束が、四散して宙に舞った。

「バッ――!」
「馬鹿は貴様だッ!」

思わず水銀燈は叫びそうになったが、その顔をTASに激しく殴打されて続きの句を言えぬまま吹き飛ばされる。
背後に注意しすぎた為に、TASの攻撃に反応出来なかったのだ。
飛ばされながらも水銀燈は必死に体勢を整え、カードの行方を見やる。
宙に舞ったカードは重力に従い地に落ち、ばらばらに散らばっている。
即座にそれを拾い上げようと近づくも、クリサリモンに行く手を阻まれる。

「博之! 拾いなさい!!」
「拾えゆわれてもどれがどれかわからんがぁ!!」
58あばよ、ダチ公 ◆0RbUzIT0To :08/02/22 21:36 ID:yzITKRqw
目の見えない博之にはカードがどこに散らばってしまったのかがわからないし、運良く指先に触れたとしてもそのカードの絵柄まではわからない。
水銀燈はクリサリモンを翼から作り出した青い炎で跳ね除けつつ、それでも何でもいいから拾うよう指示する。
しかし、妹の持っていたカードの数は多い。
博之が運良く目当てのカードを拾ってくれるとは思えない。
地面にカードが落ちた瞬間からブラック・マジシャン・ガールは消え失せており、妹も未だに泣き叫んでいる。
まともに動けるのは、自分だけだ。

「世話が焼けるわねぇッ!!」

漆黒の翼をはためかせ、水銀燈は自身に出せる最高速度でカードの元へと急ぐ。
あれさえ手に入れば、この危機を脱する事が出来る。
誰にも知覚出来ないほどの速度を出し急ぎ、水銀燈はそのカードへと手を伸ばした。
しかし――その速度を唯一知覚した者、TASがその手を無慈悲に踏みつける。

「がああああっ!?」
「そう簡単にやらせはせん……ッ!」

水銀燈を一蹴し、更に近くを這いずっている博之と妹を蹴り上げてTASは散らばっていたカードを拾い上げる。
竜の絵柄、剣の絵柄、先ほどまでいた女魔術師の絵柄、醜悪な蟲の絵柄。
やたらと数はあるが、何れも同じ種類のものらしい。
何枚もあるカードとその説明文を高速で流し読みしながら、TASはある一枚のカードを見つけ出した。

「……なるほどな」

強制脱出装置と書かれているそれは、文字通り敵・味方どちらかを強制的にその場から離脱させるというもの。
満身創痍の彼らにとっては、この場から逃げ出す唯一の手段という訳だ。
TASはその頬に笑みを浮かべて勝利を確信する。
そのカードがこちらの手にある限り、奴らは逃げる事は出来ない。
59あばよ、ダチ公 ◆0RbUzIT0To :08/02/22 21:38 ID:yzITKRqw
「ぐっ……あああああああっ!!」

再び起き上がった水銀燈の奇襲をさらりと避けて殴りつける。
更に、博之の咄嗟の命令を受けたヲタチが襲い掛かってくるがリーチの差を生かして逆に返り討ちとする。
もはや誰もまともに戦える人間はいない。
博之は目が見えないし、妹は倒れながらもまだ泣きじゃくっている。
ヲタチと水銀燈は尚も立ち上がり戦おうという姿勢を見せていたが、その身体には疲労の様子がありありと見えている。
誰もTASの邪魔をするものはいない――勝利だ。

TASはまず水銀燈に接近し、その腹部に正拳を浴びせ回し蹴りを放つ。
水銀燈はその動きを察知しながらも、動く事が出来ない。
呻き声を上げながら悶絶する水銀燈に、しかしTASは容赦などしない。
顔面に拳を叩き込み、大きく蹴り上げた後地面に叩きつける。

「ッ! ヲタチ! でんこうせっか!!」

博之の命を受け、韋駄天とも言うべき俊足で飛来したヲタチ――。
しかし、その速度はTASにとって回避出来て当然のレベル、その腹に当たる部分に蹴りをお見舞いする。
ヲタチが『電光石火』ならばTASの速度は『神速』――比べ物になるはずもない。

「そうだ、俺はTAS――TASが負けるはずもない、TASが獲物を失うはずもない!
 TASこそが最速の代名詞! 貴様らのようなゴミクズが束になろうと、TASの前ではただの踏み台に過ぎん!!」

叫び、勝利を確信したTASは高らかに笑い声を上げる。
その叫びを聞きながら誰もが、既に全てを諦めかけていた。
どうしようもない……脱出の切り札はTASの手の中にあり、打開の糸口など何一つ見つからない。
それがわかっているからこそTASの笑い声だけがただ、その場に響き渡り――。

――TASの身体を、ロールバスターが直撃した。
60Classical名無しさん:08/02/22 21:38 ID:lLId8/PY
TASさんは大変なカードを盗んでいきました
61あばよ、ダチ公 ◆0RbUzIT0To :08/02/22 21:39 ID:yzITKRqw
その突然の事態に、水銀燈も博之もクリサリモンも――直撃を受けたTASでさえも何が起きたのか理解が出来なかった。
何故、TASをロールバスターが襲った?
この場には戦える者などもう一人もいない。
水銀燈も博之も妹もヲタチも、戦うどころか動く事すらままならないというのに。
他にこの場にいるのはたった一人――だが、その人が動く事はまずあり得ないはずだ。
何故ならば……その者は既に死んでいるのだから。
だからこそ、TASは必死にその事実を否定しようと努めていた。
有り得ない――命が一つしかないこの世界において、生き返る事など有り得ないのだ。

その者は、静かに立っていた。
怒りと、安堵と、焦燥と、希望とを混ぜたような複雑な表情を浮かべ。
腹部と頭部からは夥しい量の血を流し。
腹部はどう考えても生きているはずのない傷を受けており。
誰も――博之を除いた全ての人物が目の錯覚かと疑った。
それほどまでに、その光景は有り得ないものだった。

だが、その者はそれでも立っていた。
それは確かな事実であり――だからこそ、妹はその者の名を叫ぶ。
いつものように明るく、笑顔で言葉を返してくれる事に期待して。
その人がそこに立っているのが本当なのだと信じて。
自分の――もう一度、起き上がって欲しいという願いが通じたのだと確信して。
その者の名を、声の限り叫ぶ。

「キバくん!!」

――ゆっくりと、立っていた男は振り向く。

「……なぁに、妹ちゃん」

――願いは、届いた。
62あばよ、ダチ公 ◆0RbUzIT0To :08/02/22 21:40 ID:yzITKRqw
妹は、その言葉を聞いた瞬間流していた涙の量を更に増した。
それは絶望によるものではなく、歓喜の涙。
妹のそんな様子を見ながらキバは微笑を浮かべ――すぐに視線を戻す。
ロールバスターを受けた部分に手を当て、怒りと困惑の表情を浮かべたTAS。
相対するようにキバとTASは立ち……TASが叫び声を上げる。

「貴様ッ……死んだはずじゃないのか!?」
「ああ、死んださ……でも、生き返った」

狼狽の色が込められたTASの言葉を、キバは冗談交じりの言葉で返した。
生き返る? そんな事があっていいはずがない、これはゲームだが現実だ。
傷を負えば痛いし、怪我が大きければ死に至る。
或いは人を生き返らせるようなアイテムがあるのかもしれないが、それだって有り得ない。
水銀燈や妹達は明らかにキバの死を感じていたはずだ。
復活する事が出来るアイテムがあるのならあんなにうろたえ、激昂するはずがない。

「馬鹿な……馬鹿な馬鹿な馬鹿なッ!!
 人が生き返るはずが無い!! しかも、それがただの一般人ならば尚更だ!!」
「ごもっとも、だな……でもさっき気付いた。
 俺、一般人だけど一般人じゃなかったんだわ……」

どこか自嘲するような口調でキバは言う。
TASはその姿を見ながら、必死に考えていた。
最初に違和感を覚えたのはこの男を殴り飛ばした時だった。
拳は確実にこの男の腹に入り、気絶させたはずだった――だというのに、この男はすぐさま意識を取り戻した。
次に違和感を覚えたのはこの男の脳天をスピンジャンプで攻撃した時だった。
骨が折れるような男がした、尋常ではない量の血が吹き出ていた――だというのに、この男はTASの腕を掴んで離さなかった。
そして、この男は三度起き上がった。
誰が見ても死んでいると――そう思える程の血を出し、動かなくなっていたはずだ。
有り得ない――有り得ない!!

目の前の事象を否定しようと頭を振るTASを見ながら、キバは言葉を続ける。
63Classical名無しさん:08/02/22 21:40 ID:lLId8/PY
地獄から来た男!支援
64あばよ、ダチ公 ◆0RbUzIT0To :08/02/22 21:42 ID:yzITKRqw
「お前は悲鳴だらけのコメントを見た事があるか?」
「何……?」

悲鳴だらけのコメント? 馬鹿な……そんなものがあるはずがない。TASの動画に押し寄せるコメントは、いつも賛美の声ばかりだった。
時折、訳のわからない人物がTASを否定するような事を言っても、それはすぐTASを賞賛する言葉でかき消される。
TASにとって最速動画を投稿するのは、その視聴者を喜ばせる為の義務である。
そして、それを見た視聴者は賛美と感嘆の言葉を挙げる。それは当然であり必然であった。何故ならばTASの動画はそれほどまでに美しく、完璧なのだから。
だからこそ、TASにはわからない。悲鳴だらけのコメントなど、彼は見た事が無かったのだ。

「そうさ、お前はいつだってそうやって賛美の声しか聞かなかった!
 だからお前にはわからない! 俺が生き返った意味を!」
「生き返った……意味?」
「ああそうさッ!!」

叫び、キバはTASへ飛び掛った。
その身体で何故それだけの動きが出来るのか――TASにはそれがわからない。
故に、反応が遅れる――キバに身体を捕まれる。
咄嗟に振りほどこうとしても振りほどけない――半死人のような身体の一般人に、掴まれ動けない。
ならばと拳を叩き込んでも、キバは一歩も退かずそれどころか更に力を込める。

キバは血反吐を吐き、眼を血走らせ、全身を震えさせ……。
しかし、叫ぶ。 吐いた血がTASの顔面を赤く染めるが、関係ない。
全身全霊をその言葉一つ一つに込めて、叫び続ける。

「俺はお前を倒す為に生き返ったんだ! 目の前に敵がいるのに倒れてる訳にはいかない!
 俺はキバくんだ――!」

ロールバスターをTASの腹部に押し当て――。

「友人マリオのキバくんだあああああああああああああああああああああ!!!!!」

――撃ち放つ!
65あばよ、ダチ公 ◆0RbUzIT0To :08/02/22 21:43 ID:yzITKRqw
途端に、辺りにTASの絶叫が響き渡る。
一発一発はただの豆鉄砲とはいえ、それが蓄積すれば巨大なボスさえも倒す威力を秘めた弾丸だ。
幾ら常人離れした速度を持つTASといえど、その肉体は決して強固なものとは言えない。
肩を掴まれ動けない状態でまともにその弾丸を食らえば、当然ながらその激痛に悲鳴を挙げる。
しかし、それでもキバは止まらない――血反吐を吐きながら、ロールバスターを撃ち続ける。

彼は何故立っていられるのだろうか?
どう考えても動く事が出来ないその身体で、どうして意識を保てているのだろうか?

――もう一度、彼が起き上がった三度の時を思い出して欲しい。

一度目の気絶をした時――彼が気絶してしまった事で、妹が悲鳴を挙げていた。
二度目の気絶をした時――血を噴出しながら倒れた彼を見て、妹が悲鳴を挙げていた。
三度目の気絶をした時――その絶望的な傷を見て、妹のみならず水銀燈達までが悲鳴を挙げていた。

――彼は、悲鳴がある時のみ立ち上がったのだ。

「ああそうだ、俺は友人マリオのキバだ!
 友人マリオのキバは最後まで諦めない、どんなに絶望的な状況だろうと必ず突破する!!」

更にロールバスターを撃ちながら、キバは叫び続ける。
TASがその衝撃により奇妙なダンスを踊りはじめても、構わず、ただ撃ち続ける。
彼の目には絶望も悲観も映っていない。

「倒れようと、死のうと、必ず立ち上がる!
 ――大切な皆がくれる悲鳴が、俺を再び立たせる勇気をくれて感動のゴールに導いてくれる!」

そう、彼の目に映るものはたった一つ――全てを乗り越えた先にあるゴール。
それがあるからこそ、彼は何度だって立ち上がる。
彼を応援する声が、彼を見守る目が、彼を祝福する者がいる限り。
絶望の淵にいようと、何度でも勇気を与える。
66あばよ、ダチ公 ◆0RbUzIT0To :08/02/22 21:44 ID:yzITKRqw
「『ああああああああ』って一緒に悲しんでくれる奴のコメントがッ!」

撃つ。

「『孔明w』って動画を楽しんでくれてる奴のコメントがァッ!!」

更に、撃つ。

「『いけたあああああああ』って難所突破を喜んでくれるコメントがァァッ!!!」

何度だって、撃つ。

「『おめでとおおおおおおおお』ってゴールを祝ってくれるコメントがァァァァァアアアアッッッ!!!!!!!!
 いつだって俺を蘇らせるんだあああああああああああああああああああ!!!!!!!」

キバが絶叫すると同時、TASは連射されたロールバスターの衝撃によってその手に持っていたカードを手放し大きく吹き飛び倒れ伏す。
そして、よろよろと起きだすと僅かにその足を後ろへと下げ――逃げ出した。
だが、それでもキバは決して止まらない。
目の前の敵は倒す――目の前の障害は、必ず乗り越える。
それこそが、友人マリオのキバがやるべき事なのだから。

それがわかっていたからこそ、TASを追おうとするキバを誰も止められなかった。
彼の持っていたその意地が、気迫が、使命が。
水銀燈を、博之を黙らせていた――しかし。
67あばよ、ダチ公 ◆0RbUzIT0To :08/02/22 21:45 ID:yzITKRqw
「キバくんッ!」

妹の叫びだけは誰にも止められなかった、止められるはずもない。
キバはどう見ても重傷を追っている――立っているだけでも、歩いているだけでも、死にどんどん近づいていく。
それが、TASに戦いを挑むなど――どう考えても、無事でいられるはずがない。
だからこそ、妹は願った。
行くなと、一緒にこの場から逃れようと。
目だけでそう訴え……そして、それはキバに伝わった。

キバはその身体に鞭打ち、走りながらも振り返りつつ妹の目を見る。
自分が守りたいもの、守ると誓ったもの――そして、守りたかったもの。
その瞳は彼のプレイを見続けた何万人もの視聴者のそれと重なり――一致する。
キバの先行きを心配する瞳、大丈夫なのか、本当にクリア出来るのかと語りかける瞳。
無事でいられるのか、友人涙目、孔明の罠、数々の言葉が脳裏を過ぎる。

ああそうだ、これは改造ROMの友人マリオじゃない――現実だ。
だからこそ妹の心配もわかるし、そうしたい気持ちだって僅かながら自分の心にある。

でも、だからって、退いてどうする!?

友人マリオのキバは決して退かない、最後までやり遂げる。
自分に与えられたステージは必ずクリアする。
何度倒れても、tktkしても、絶望してもやり遂げなければ自分はキバではいられなくなる。
故に、キバは妹に最期の言葉を投げかけた。

「じゃあね」

まるで、長電話を終わらせるかのような台詞――たった一言だけ残し。
キバはもう二度と振り返らずに、TASの元へと急ぎ走った。
68あばよ、ダチ公 ◆0RbUzIT0To :08/02/22 21:46 ID:yzITKRqw
それを聞いて、すぐさま妹はキバを追いかけようとしたが博之に抑えられ、再び涙を流し始めた。
しかし――と水銀燈はその様子を見ながら冷静に考える。
もう、キバはどちらにしろ助からない。
ならば、酷な言い方のようだが彼を囮にして自分達はこの場から脱出をした方がいいだろう。
恐らくは、キバもそれを望んでいるに違いない。
詭弁でも何でもなく、水銀燈はそれを信じていた。

やけにふらつく体を起こし、自分自身を叱る。
何を弱音を吐いているのだろうか……この程度のふらつきがどうした。
キバはあれだけの傷を受けて、尚果敢にTASに挑んでいるのだ。
それに比べればこの程度の傷、傷の内に入らない。

「博之……そのまま、妹を掴んでおきなさい。
 今から、カードを使うから……」

頷く博之を見やりながら、水銀燈はカードを拾ってゆく。
妹はまだ泣いている――が、泣きこそしているものの叫びはしていない。
キバの心境が、想いが伝わったのか……それとも、もはや叫ぶ力すらなくしてしまったのか。
博之も、珍しく黙りこくって俯いている。

「さ……行くわよ。 こんな所からは、早く逃げないと……」

呟き、そのままふらふらと安定しないまま浮遊し、博之達の元まで行こうとした時だった。

――水銀燈の足に、触手が巻きついた。
69あばよ、ダチ公 ◆0RbUzIT0To :08/02/22 21:47 ID:yzITKRqw
しまった、と水銀燈は己の軽率さと認識の甘さを一瞬にして悔いた。
TASが退いた事で、完全に安心していた。
だが、敵はTASだけではなかった――キバに致命傷を負わせた張本人。
六本の触手と硬い皮膚を持った、クリサリモンがまだその場には残っていたのだ。

「ぐっ!」

クリサリモンの触手は水銀燈の両足に絡みつき、束縛する。
力を込め、引き剥がそうとしてもその触手は更に力を増すのみでむしろ強く食い込む。
本来ならば――怪我さえしていなければ、この程度の相手など水銀燈の敵ではない。
すぐさまその皮膚に風穴を開け、触手から逃れる事が出来ただろう。
しかし、今の水銀燈はキバほどではないものの重傷を負っていた。
クリサリモンを倒すほどの余力は、もはや残ってなどいない。

拙い――と、水銀燈はクリサリモンを見る。
その生物は無表情ながらも、どこか笑みを浮かべているように見えた。
触手はどんどん締め付けられ、足が悲鳴を挙げ始める。
更にその触手はどんどん短くなり、水銀燈の身体はクリサリモンの方へと近づき始めている――博之達のいる場所からどんどん離れる。
このままではまずい、と咄嗟に水銀燈はその手に持っていたカードの束を口に銜え、余力で剣を作り出しその手に取る。
これが正真正銘最後の力だ、これが通じなければ自分はここでこの化け物に捕食されて終わってしまう。

「―――ッ!!」

声にならない声を挙げながら、水銀燈はその身体に残された力全てを使って触手へ斬りかかる。
――しかし、触手は斬れない。
同じ箇所を二度、三度と斬りつける。
その度にクリサリモンは痛そうな顔をするものの、触手は斬れない。
まるでゴムのように伸縮性に富んでいるその触手は、仮に全力だったとしても斬るのには苦労するものだろう。
思わず舌打ちしそうになるが、口にカードを銜えているのを思い出して慌てて止める。
――拙い、このままでは自分どころか妹達にまで危険は及ぶ。
70あばよ、ダチ公 ◆0RbUzIT0To :08/02/22 21:48 ID:yzITKRqw
その時――不意に水銀燈の脳裏に一つの打開案が思い浮かんだ。
確実にとは言わないまでも、決して断ち切れそうにないこの触手を切り刻むというよりはよっぽど現実的な案。
恐らくはその案を使うならば、この窮地を脱する事が出来るだろう。
だが――と、水銀燈はその案を思い浮かんだ瞬間、即座に否定する。
その案を使うには、それと同時に犠牲にしなければならないものがある。

今更、死が恐ろしいなどというつもりもない。
このままならばどちらにしろ自分を待つのは死だし、キバのあの雄姿を見てそんな事を思う程冷血ではない。
ならば何故否定するのか、と問われれば……それは即ち、死よりも恐ろしいものが待っているからだ。
勿論、自分でもそれが我侭だという事がわかっている。
もし仮に今この状況で、自分の仲間が自分の立場にいるとしたならその案を迷わず使っただろう。
だからこそ、水銀燈は悩む……悩み続ける。

いや、もう悩む暇などない。
クリサリモンはその口を大きく開け、水銀燈を待ち構えている。
水銀燈は決断を迫られていた――この大一番、自分の大切なものを捨てるか、それとも自分を受け入れてくれた仲間を捨てるか。
故に――必然的に、水銀燈は見た。
その受け入れてくれた仲間――己に大切な事を教えてくれた媒介を。
思い起こされたのは、同じく大事なものを失ったあの時の言葉。
あの時、彼は何と言った――何が大切かを自分に説いてくれた!?

「ッ!!」

それがわかった瞬間、水銀燈は既に迷いを振り払っていた。
だからこそ、今まで犠牲にしたくなかった『ソレ』はただの『枷』となり。

――水銀燈は、それを己の手で断ち切った。
71Classical名無しさん:08/02/22 21:49 ID:9lKO2VsM
支援ですよ〜
72あばよ、ダチ公 ◆0RbUzIT0To :08/02/22 21:49 ID:yzITKRqw
枷が外れた瞬間水銀燈は飛び発つ、傷ついたその身体に出せる全力の速度で。
妹が息をのんだのがわかる――当然だろう、自分を知るものならば有り得ないと思うはずだ。

「――ッ!」

触手が伸び、水銀燈の身体を刺し貫き全身に激痛が走る。
しかし、決して叫び声は挙げない――挙げてしまえば、口に銜えたカードは零れ落ちる。
キバが繋いだ、絶体絶命の危機を脱する事が出来る切り札を手放す事になる。
だから、激痛が水銀燈を襲おうと決して怯まず――ただ前へ進んだ。

「――ッッ!!」

効果が無いと踏んだか、クリサリモンはその触手を鞭のように撓らせて水銀燈の背部を叩きつける。
自慢の美しい漆黒の翼が飛び散り、翼は見るも無残な姿となる。
だが、決して叫び声は挙げない――この程度の痛みで叫び声を挙げていたならばキバに対して合わせる顔が無い。
力の無いキバがあれだけの奮闘をしていて、自分が弱音を吐く訳にはいかない。

その手に持っていた剣をクリサリモンへと投げ、隙を見計らい水銀燈はようやく大切な媒介の元へと辿り着いた。
それはまるで最初に出会った時の如く、弱々しい調子で媒介の腕の中へと。
媒介はその瞬間、少しだけ疑問を持った。
――あの時に比べて、幾らか軽くなっていないか? と。

媒介がその疑問を言葉にしようとする前に、水銀燈は行動を起こしていた。
口に銜えていたカードを手に取り、その名を呼ぶ。
奇しくもそのカードは丁度二十四時間前、大切な媒介の兄がそのパートナーと共にTASから逃げるのに使ったもの。
それを今、自分達が再びTASに襲われ、それから逃げる為に使うとは――これが運命というものだろうか?

「魔法カード、発動――強制、脱出装置!!」

名が草原に響いた瞬間、水銀燈達は光に包まれ――。

そして、消えた。
73あばよ、ダチ公 ◆0RbUzIT0To :08/02/22 21:50 ID:yzITKRqw
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

キバの猛攻から逃げ去ったTASは橋の上でへたり込んでいた。
有り得ない事だ、と呟きながらTASは痛む腹部を押さえながら橋の手すりにもたれ掛かる。
そう、有り得ない――あのような凡人にここまで被害を受けるのが有り得ない。
あのような凡人が生き返るのも有り得ない、有り得ない事だ!

「俺はTASだ! TASは凡人などに負けはしない!! 凡人は生き返りはしない!!!」

そうだ、と冷静になって考える――奴は生き返ったんじゃない、生きていたんだ。
致命傷ではあるものの、その息の根は完全に止まっていた訳ではなく微かに生き長らえていただけの事。
つまり――奴はただの半死人、軽く小突いただけですぐに昇天するような状態なのだ。
ならば何を恐れる事があろう。

「TASウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウッ!!」
「ッ!?」

声がした方へと顔を向ける――鬼のような形相をした凡人、キバだ。
一瞬たじろくものの、すぐに問題はないと思い直す。
相手が凡人ならば負ける訳がない、逆に返り討ちにしてくれると意気込み飛び上がる。
傷は負っていてもそこはTAS、驚異的なスピードで橋の手すりを足がかりに高速でキバの上空を行こうとし――。
しかし、その身体にロールバスターの直撃を受けた。

馬鹿な――と受けた衝撃で吹き飛びながら歯噛みする。
TASの速度は誰にも知覚が出来ない、相手が凡人ならば尚更だ。
その攻撃に反応する事などもっての他だし、ましてやその無防備な姿を狙い撃つなど不可能。
キバの行動に理解が出来ぬまま、TASはそれでも空中で体勢を取り直そうとする。
だが、その寸前にキバがTASに掴みかかり二人は揉み合ったまま手すりの外側へと投げ出される。
74あばよ、ダチ公 ◆0RbUzIT0To :08/02/22 21:51 ID:yzITKRqw
キバにはTASの動きが読めていた訳ではない。
ただ単純に、考えただけだ。
TASは最速で動く――それはつまり、最速でしか動けない、最短の道しか歩かないという事。
つまり、キバはTASの動きを読んだのではなく自分を殺すのに最短の道を読んだのである。
そして、その最短の道目掛けてロールバスターを射出した――それだけの事。
勿論そのタイミングを計る事は難しいが、友人マリオにて数々の鬼畜地帯を通り抜ける事の出来るタイミングを知り抜いてキバにはそれが当然のように出来たのだ。

キバとTASは、互いに掴み合いながら橋から落下してゆく。
下は川――この高さから落ちたとなれば、キバはもとよりTASとて生命の危機に晒されるだろう。
打ち所が悪ければ死に至るやもしれない。

「ぐっ……HA☆NA☆SE!!!」
「離すわきゃねえだろうが!! さぁ行こうぜ、お前の大好きな最速って奴で……地獄へな!!!」

水面が近づく、キバはその腕に力を更に込めて目を瞑る。
この馬鹿のような殺し合いに呼ばれて、最初は絶望した。
月の頭脳とかいう電波なお姉さんに襲われて、外山さん達と出会って、圭一達と出会って、見殺しにしてしまって。
皆で脱出をすると堅く誓い合って、ティアナが犠牲になって――そして。

「ああそうさ、悔いがある訳ねぇ! 俺は守ったんだ!!
 妹ちゃんを守った、約束どおり、守ったんだ!!」

脳裏に過ぎったのは、常に自分を励まし、心配し、懐いてくれていた大切な人。
出会ってからまだそれほど時間は経っていないというのに、その人はキバにとって何よりもかけがえの無いものになっていた。
自分は一般人だ、ただの人間だ、魔法が使える訳でも頭の回転が速い訳でも腕っ節が強い訳でもない。
しかし、それでもキバは守れた――絶対に敵わないと思った超人の魔の手から、大切な人を守れた。
――悔いがあるはずがない。

ゴールが近づく……それは望んで切りたいと思うようなゴールテープではなかったが、キバにはそれが何よりも輝かしいものに見えた。
75あばよ、ダチ公 ◆0RbUzIT0To :08/02/22 21:52 ID:yzITKRqw
もう、いいよな……ここまで辿り着いたなら、ゴールしていいよな?
俺のゴールは常に幸せと一緒だ、俺を見守ってくれる沢山の人の声が支えてくれていた、一人きりじゃなかったからここまで戦えた。
死に至るほどの怪我を負っても、皆の叫びがもう一度だけ立ち上がる力をくれた。
……どうせ死に逝くこの身体、生を望む誰かの糧になれば――それだけでいい。
胸を張れキバ、自分は自分に出来る事を、精一杯やりきった……やり遂げたんだ。
もうゴールしたって……誰にも文句は言わせない、むしろ祝ってくれよ。
いつものように……祝いの言葉を。
ゴールを迎える俺に、幸せの言葉を。

……。
76あばよ、ダチ公 ◆0RbUzIT0To :08/02/22 21:53 ID:yzITKRqw











「ゴールっ……」












【友人@自作の改造マリオを友人にプレイさせるシリーズ 死亡】
【残り32人】
77Classical名無しさん:08/02/22 21:54 ID:0p.hJ9kU
 
78人はそれを―― ◆0RbUzIT0To :08/02/22 21:55 ID:yzITKRqw
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

橋の下でずっと潜伏をしていた少女は、その大きな音を立てて起こった水飛沫を見て酷く驚愕した。
まさかあいつがやられたのだろうか?喧騒の音は潜伏している間も常に聞こえていたが、それでも負ける事は無いだろうと思っていた。
幾ら相手が七人もの大人数とはいえ、自分が原因でばらばらになっていたのだ。
一人一人を確実に仕留めれば、例え七人もの戦士がいようとも彼が負けるとは思えない。
彼には付き従う二匹の化け物がいたし、彼自身も相当な強さを持っていると豪語していたのだから。
それほどまでに言うのだから、彼を送り出したのだ。

「……冗談じゃないわよ」

もしも、七人を殺せてないのだとしたら計画はおじゃんだ。
仲間に合わせる顔が無い。爪を噛みながら少女は立ち上がり、川辺を見渡す。
――見つけた、彼が息も絶え絶えになりながら岸に上がり呼吸を整えている。

「ちょっと! 何やってんのよ、早く殺してきなさい!!」

思わずその彼の元まで駆けてゆき、ヒステリックに叫ぶ。
しかし、彼は少女には一瞥しただけで何も言わず、立ち上がってその水を吸った服を脱ぎ始めた。
慌てて少女は後ろを向くも、怒りはまだ収まらない。
何を悠長に服を乾かそうとしているのか、こうしている間にあの七人が逃げたらどうする?
そう問いかけようとした瞬間、彼の冷たい声が聞こえた。

「――無駄だ、もう遅い」
「……え?」
「一人は消した……だが、他の奴には逃げられた」
「逃げられた……? ッ、何やってんのよ!! 私は全員殺せって言ったはずよ!!!」

彼の生まれたままの姿が目に入ったが、そんなの気にしている場合ではない。
肩に掴みかかり、激昂する。
しかし、彼は何も言わずただ冷ややかな目を少女に向け。
その平手で、頬を叩いた。
79人はそれを―― ◆0RbUzIT0To :08/02/22 21:56 ID:yzITKRqw
「なっ!?」
「うるさい、黙れ……俺がお前の指示を聞く義務は無い。
 お前に文句を言われる道理も無い。
 お前はただ俺に情報を提供しただけだ、そして俺はそれに乗ったまでだ……違うか?」

頬を押さえながら後ずさりする少女に、彼は冷淡に告げる。
それはその通りだ、彼が少女の命令を聞く必要性は無い。

「でも……っ、話したと思うけれど、あいつらを逃がしたら大変な事になるのよ!?
 あんたが確実に殺せるっていうから私は……」
「問題無い……奴らはばらばらに逃げた、はずだ。
 再び合流する事は絶望的だろう」
「でも……」
「でももさっても無い、事実だ。 わかったならば喚くな、叫ぼうと事態はよくならん」

冷静な彼の言葉に、更に憤りを感じながらも少女はその口を噤んだ。
あまり彼には逆らえない……彼もまた、ゲームに乗った人物。
自分の言葉が度が過ぎたなら、彼は容赦なく切り捨てるだろう。

彼は脱いだ服を手ごろな大きさの岩にかけ、その横に座り込む。
すると、その時橋の上からサナギの化け物が帰ってきた。
片方はやたらと傷だらけで同情しそうになるが、彼はそんな素振りは全く見せずに化け物の言葉に耳を傾ける。

「……喜べ、どうやらもう一人消せたそうだ。
 虫の息のままここを逃げたらしいが、時間の問題らしい」
「……そう」

素直には喜べない。
二人を殺したところで、まだ五人も残っている。
その何れかがもしも萃香と合流してしまっては計画が破綻してしまう。

少女――涼宮ハルヒは、再び爪を噛みながら思案をしていた。
80人はそれを―― ◆0RbUzIT0To :08/02/22 21:57 ID:yzITKRqw
ハルヒはレナ達の下を逃げ出してから、橋の方向へと走っていた。
勿論、橋を渡ろうとした訳ではない――わざわざ城方向へと出向く訳がない。
ハルヒが目をつけたのは橋の下……この何も無い平原では唯一隠れる事の出来る場所だ。
もしも見つかりそうになっても、川の中に忍び込めば夜の帳は下りている――見つかる可能性は低い。
そう思い、しばらくの間橋の下で様子を見ようとした時――橋の下には先客がいた。

ハルヒはそれを隠れながら聞き、彼らが殺し合いに乗り気だという事を知った。
そして、中々の知能犯であり自分達と同じく乗ってない連中の団結を危険視しているという事も。

しかし、声をかけようとした瞬間にハルヒは見張りをしていたクリサリモンに見つかった。
すぐさま殺しに掛かろうとした二体のクリサリモンを――ハルヒは言葉巧みに説得して、自分もTASの仲間だと言い張った。
その後、エアーマンを見送ったTASにお目通りし、自分達の持っている情報を提供した。
塔にいる人間、橋に向かっている人間、その特徴と戦闘力の大まかな情報。
自分の知るものは全て語り――そして、TASの信用を得た。
TASにとって、ハルヒはいつでも殺せる事が出来るが手数にはなる希少な仲間。
向こうから接触をしてきたのを断る理由も特に無い。

ハルヒにとっては、レナ達を萃香達と合流させないようにするのが第一目的である。
だが、もし仮に彼女達を殺せるというのならばそれに越した事はない。
TASにはレナ達を殺せるという絶対的な自信があったようだし、それに加えてクリサリモンの力もあった。
だからこそ、ハルヒはTASに全てを任せてレナ達を襲うのを影ながら見守っていたのである。

しかし、最悪の事態になってしまった。
TASは五人もの人間を逃がしてしまい、その彼女達の行方は知れない。

「最悪よ……」

ハルヒは頭を抱えて蹲る。
彼女達が萃香のいる場所から離れた場所にいるのかもしれないが、その逆もまた在り得るのだ。
もしも合流されてしまえば、全ては終わってしまう。
81人はそれを―― ◆0RbUzIT0To :08/02/22 21:58 ID:yzITKRqw
蹲るハルヒの横で、TASは静かに呼吸を整えていた。
その手にあるのはキバが持っていた支給品。
ロールバスターをその腕に装着して試し撃ちをしてみる……中々の威力だ。
ふと、これを使われ攻撃された己の腹を見てみる……酷い火傷になっていた。

水面へとぶつかろうとしたあの時、TASは咄嗟にキバの束縛から逃れた。
ゴールを確信したキバが、直前になってようやくその戒めの力を緩めたのだ。
それを察知したTASは即座にキバを踏み台にして高く飛び、水面との正面衝突を避ける事に成功した。
しかし――とTASは考える。

もしもキバが、あのまま力を緩めていなかったなら?
もしもキバが、あのように傷だらけではなく万全の体勢であったなら?
恐らくは自身も水に叩きつけられ息絶えていたに違いない。

「認識を……改める必要性がある」

TASはあの瞬間、一瞬だけだがキバに恐怖心を覚えた。
ただの凡人であるキバに、超人であるTASがである。

「このゲームは凡人、超人は関係ない……油断した奴から死んでいくゲームだ」

もう二度と油断をする訳にはいかない。
死が間際に迫った事で、ようやくTASはその慢心に似た過信を捨てた。

「どれだけ弱い人物だろうと、徹底的に叩きのめす」

獅子搏兎――獅子は兎を狩るのにも、その全力を尽くす。
その冷たい瞳に静かな闘志を燃やし、TASは静かに支給品を見てゆく。
82人はそれを―― ◆0RbUzIT0To :08/02/22 21:59 ID:yzITKRqw
【D-2 橋の下/二日目・深夜】
【涼宮ハルヒ@涼宮ハルヒの憂鬱】
[状態]:富竹への憎しみ、精神錯乱、左肩に銃創、左脇腹と顔面と首に殴られた傷、腕から出血、脇腹に弾丸がかすった傷、古泉達を信頼、鎮痛剤服用、理性を失いかけています
[装備]:陵桜学園の制服@らき☆すた、包丁、 DCS-8sp
[道具]:支給品一式*2、びしょ濡れの北高の制服@涼宮ハルヒの憂鬱、テニスボール、
アニマルマスク・サラブレット@現実、ゾンビマスク@現実(ゾンビーズ)、毒入りパン
[思考・状況]
1.塔組(レナ達)に入り込み、萃香のネタや毒入りパンを使って掻き回す……つもりだったけど、どうしたものかしら。
2. 塔組の足をとにかく引っ張り、行動し難くする。
3.どんな手段を使ってでも絶対に富竹を殺す
4.皆を蘇らせるために協力者を探す
5.優勝して全てを元通りにする
※第三回定時放送をほとんど聞いていません。死亡者の人数のみ把握しました。
※自分の服装が、かがみを勘違いさせたことを知りました
※自分が狂い掛けている事に薄々気づいています
※喋れる様になりました。
※自分の能力を信じました。
83Classical名無しさん:08/02/22 21:59 ID:0p.hJ9kU
 
84Classical名無しさん:08/02/22 22:00 ID:NuoE9oH2
支援ッつってんだろ!!
85Classical名無しさん:08/02/22 22:00 ID:lLId8/PY
聖少女支援
86人はそれを―― ◆0RbUzIT0To :08/02/22 22:00 ID:yzITKRqw
【TASさん@TAS動画シリーズ】
[状態]:右手親指以外欠損、左拳骨にヒビ、腹部大火傷、全身打撲、全裸、弱者にも相手にも油断しない覚悟
[装備]:五寸釘1本@現実(ポケットの中に入っています)、ロールバスター@ロックマンシリーズ
[道具]:支給品一式*5(食料五食分・水四食分消費)、桃太郎印のきびだんご(24/25)、
ウルトラスーパー電池(残り30%)@ドラえもん、メタルブレードのチップ、ゼットソーハードインパルス@現実
[思考・状況]
1:橋を渡る参加者を排除する
2:エアーマンと一時協力。ハルヒは邪魔にならない程度に利用。
3:生きて、ケラモンとの連携で最速を目指す。ケラモンは生き残るための駒
4:ゲームに乗っていない単独の人間は殺し、武器を貰う。
5:ゲームに乗っている人間とはなるべく戦いたくない。
6:武器の調達。出来れば食料も
7:殺戮ゲームの最速クリア。
8:ケラモンが死体と支給品を持ち帰るのを待つ。
※KASのことを、自分の二番煎じ、偽者だと思っています。
※ケラモンの名前、増殖限界、進化することを知りました。 クリサリモンの名前を知りません。
※増殖限界については、最大数が二倍になるのか一体増えるだけのなのかで迷っています。
※ハルヒの持っている情報を一方的に知りました。

【クラモン(クリサリモン)C】
[状態]:現在1体
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考・状況]
1:TAS、おなか大丈夫かな。
2:とにかく数で勝負……進化しちゃった。
3:TASを利用してうまく遊びたい
4:イタズラしたい
※クラモンBの全滅により、クラモンCとDに増殖限界が集中します。
87人はそれを―― ◆0RbUzIT0To :08/02/22 22:01 ID:yzITKRqw
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

その光景を見て、こなたとレナは何が起こったのかまるで理解が出来ていない様子だった。
自分達は、橋の上にいた――橋の上で、TASと戦っていたはずだ。
だというのに、何故……どうして自分達は。

花畑の中心で、倒れこんでいるのか?

辺りを見回してみても、TASどころかキバや妹の姿も見えない。
そこにあるのはありとあらゆる花だけ。
南国に咲いているようなのから、誰でも名前を知ってるような身近なものまで――無国籍な花の数々があるだけだ。
……花だけ?
いや、違う――その花に埋もれるようにして、一匹の妖精が頭を抱えて震えている。

「ピッピ……?」

こなたがその妖精の名を呼ぶ。
しかし、妖精は答えない――ただその瞳から涙を流して、呟く。
ごめんなさい、ごめんなさい、と……許しを乞うようにひたすらに呟き続ける。

あの時……TAS目掛けて攻撃系のものが出ればいいと思い、ピッピはその指を振った。
そして、その瞬間ピッピは光に包まれて消え失せた。
いや、ピッピだけではない……近くにいたこなたやレナ達すらも巻き込んで、ピッピ達は消えた。
碌に戦えないキバ達だけを残して、"テレポート"をしてしまった。

本来ならば最後に立ち寄ったポケモンセンターへと移動させるその技は、この世界では自分が最初に立っていた場所に飛ばされるらしい。
辺りの風景にだって見覚えがある、ここはピッピがあの凶暴なミニスカートに襲われた場所だ。
だからこそ、わかる。
ここに移動したのは自分の責任だと、戦えないキバ達を置いて逃げ出してしまったのだと。

戦うと、勇気を持つと誓ったのに、結局逃げ出してしまったのだと。
88人はそれを―― ◆0RbUzIT0To :08/02/22 22:02 ID:yzITKRqw
震えるピッピを見て……こなたとレナは、すぐさま事の次第を理解した。
あの光に包まれた原因が、ピッピの技によるものだと。
あの橋からは大きく離れたこの場所に飛ばされたのはその技の効果だと。
だが、しかし、こうして震えるピッピをどうして叱る事が出来よう?
そもそも、三人は仲間だ……種族も、生きてきた年代もまるで違うが、それでも仲間だ。
二人は示し合わせたように無言で頷くと、立ち上がる。

「行くよ、ピッピ!!」

その声に振り向いたピッピが見たものは、西の方角へと真っ直ぐに瞳を向ける二人の少女。
瞳には絶望の色はない、ピッピを疎ましく思う色も無い。

「まだ間に合うよ、急いで走れば……私とこなちゃんの足ならきっと間に合う!」
「それに、キバくんがそんなに簡単に負ける訳が無い!
 ほら、立ってピッピ……まだ諦めるには早いよ」

尚も震えるピッピを強引に腕の中に持ち、こなたとレナは走り出す。
確かに二人の足は速い。 しかし、それはあくまでも人間レベルでの速さだ。
その程度の速さでは――TASには届かないという事を、二人はまだ知らない。

こなたの腕の中、ピッピはまだ泣き腫らしていた。
自分が情けなかった、キバ達の心配をするよりも謝罪して許しを乞う事を優先した自分が。
すぐに立ち上がらず、ただ震えるだけだった自分が。

自分は本当に何かの役に立てているのか、本当に彼女達の仲間の資格があるのか。
何も出来ずに足を引っ張るだけの自分に、存在価値はあるのか?

空を見上げて満月に問いかけても、答えは何も返ってこなかった。
89人はそれを―― ◆0RbUzIT0To :08/02/22 22:03 ID:yzITKRqw
【D-4 花畑/二日目・深夜】
【泉こなた@らき☆すた】
[状態]:顔面強打、右腕打撲(これらの痛みはひきました)、強い決意、腹部強打
[装備]:くうき砲@ドラえもん、団長腕章@涼宮ハルヒの憂鬱、フタエノ極意書@ニコニコRPG
[道具]:支給品一式*2(食料一食分・水一食分消費)、暗視ゴーグル@現実、デジヴァイス@デジモンアドベンチャー、コロネ(バタフリー)@キャタピーだけでクリアに挑戦(残り100%)、
テニスボール、初音ミク@現実、モモンの実*3@ポケットモンスター、オボンの実*3@ポケットモンスター、ポケモンフーズ一日分(二食分消費)@ポケットモンスター
[思考・状況]
1. D-2の橋に戻り、キバ達に加勢する。
2.つかさを助けたい。 ゴマモンを見つけて説得したい。
3.圭一、ティアナの思いを継いで、対主催思考の仲間を探す。
4.城まで行き、首輪を解体出来る者を探す。
5.バトルロワイアルから脱出する
※フタエノキワミを習得しました。攻撃力が二倍になり、急所に当たりやすくなります。
※他アニメについての知識が徐々に戻りつつあります。
 「ひぐらしのなく頃に」「魔法少女リリカルなのは」の他にも、何か思い出すかもしれません。

【ピッピ@ポケットモンスター(ピッピのゆびをふるのみで殿堂入りを目指す)】
[状態]:強い決意…だけど、自信喪失、腹部強打
[装備]:リーフシールド@ロックマン2(技マシン的な使い方でポケモンは使える)
[道具]:支給品一式(水一食分消費)、ほんやくコンニャク(1/4)(半分で八時間)@ドラえもん、
テレパしい@ドラえもん(残り3粒、五寸釘@現実、モモンの実@ポケットモンスター、
オボンの実@ポケットモンスター、ポケモンフーズ一日分(二食分消費)@ポケットモンスター
[思考・状況]
1.少数派による運命の打開
2.D-2の橋に戻り、キバ達に加勢する。
3.城まで行き、首輪を解体出来る者を探す。
4.ティアナのような犠牲は二度と出さない。
5.あの怪しいポケモンとトレーナーを倒し脱出
※首輪は頭の巻き髪についてます
※ピッピは、はたく、うたう、おうふくビンタを使えることを思い出しました。ただし、まったく使ってこなかったため、かなり信用に欠けます。
90人はそれを―― ◆0RbUzIT0To :08/02/22 22:04 ID:yzITKRqw
【竜宮レナ@ひぐらしのなく頃に】
[状態]:悲しみ、右手に切り傷、右腕銃傷、腹部強打
[装備]:リアルメガバスター(240/300)@デッドライジング、サイレンサー付き拳銃(1/6)@サイレンサーを付けた時とry、鉈@ひぐらしのなく頃に
[道具]:支給品一式*2(食料一食分・水一食分消費)、雛見沢症候群治療セット1日分(C-120、注射器、注射針)@ひぐらしのなく頃に、日本酒(残り半分)
テニスボール、オミトロン@現実? モモンの実@ポケットモンスター、鉄パイプ、本『弾幕講座』、アイテム2号のチップ@ロックマン2
[思考・状況]
1.少数派による運命の打開
2.D-2の橋に戻り、キバ達に加勢する。
3.城まで行き、首輪を解体出来る者を探す。
4.圭一、ティアナの思いを継いで、対主催思考の仲間を探す。
5.富竹を発見できたら、薬を打ってあげたい。
6.ハルヒはしばらく泳がしておき、計略を為ったと見せかけておく。
6.罪滅しをする
※八意永琳が何か知っているのだと思っています。
※時期は大体罪滅し編後半、学校占領直前です。
※雛見沢症候群は完治しました。
※身体能力が向上しています。それによってレナパンが使えるようになりました。
※158話で感じた違和感の正体が、ハルヒに自分達の情報を教えたと推理しました。
また、ハルヒ達の計画を大まかながら把握しています。
91Classical名無しさん:08/02/22 22:05 ID:lLId8/PY
P.R.シーエンはニコロワを盛り上げるのか?
92人はそれを―― ◆0RbUzIT0To :08/02/22 22:05 ID:yzITKRqw
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

傷ついた三人は、光に包まれた後草原に辿り着いていた。
しかし、その草原は先ほどまでいた場所とは違う……目の前に聳え立つ塔が、何よりの証拠。

「よ、かった……逃げれた、みたいねぇ」

安堵の溜息を吐きながら、水銀燈は見上げる。
そこには、何が起こったのか今ひとつ理解をしていないような表情の媒介。
その横を見れば、再び涙を瞳に溜めている少女。
水銀燈は苦笑をしながらも、少女の瞳に溜まった水滴をその指で拭い去る。

「やぁねぇ、なんで泣くのよぉ……お馬鹿さぁん」
「だ、って、キバ、くっ……それ、に、すいぎ、と、ちゃ、まで……。
 わ、たし、弱いから、いつも、守ら、れて、ティア、ちゃ、も……」

拭っても拭っても、少女の瞳には涙が溜まってゆく。
語る言葉は嗚咽交じりで聞き取りづらい、しかし、それでもその心は水銀燈へと伝わる。
水銀燈は、ゆっくりと頭を振って少女の言葉を否定する。
そして、赤子を諭すような優しい口調で諭した。

「弱い、からじゃ、無いわぁ……あな、た、は、強さ、を……持ってる」

少女の頬に触れながら、水銀燈は続ける。

「弱い、から、守られたんじゃ、無い……あな、た、は、愛されている、だけ……。
 ティアナも、キバも、私ですら、あなたを、守らざるを得なかった……それだけ……。
 それ、は、きっ、と、何よりも、大切な、事……だか、ら、恥じる事は、何も無い。
 むしろ、誇るべき、あなたの強さ……」
93Classical名無しさん:08/02/22 22:05 ID:NuoE9oH2
支援はどこだあああああああ!!
94人はそれを―― ◆0RbUzIT0To :08/02/22 22:06 ID:yzITKRqw
視線の先を変え、媒介へと言葉の先を向ける。

「そ、それ、は、あな、たも、お、同じ……あな、た、は、いつの時か、言ってくれた……。
 あ、愛されるのに、か、完全で、い、いる必要は、無い、と。
 だか、ら、私は、え、選んだ……私の、意志で、あ、あなた達を、ま、守った……。
 あ、あな、たは、愛される、べき、人だから……あ、愛されて、いる、人だから……」

「水銀燈…?」

ようやく、媒介は水銀燈の異常に気付いた。
言葉が途切れ途切れであるし、いつになく真剣な口調だという事に。
その様子を微笑を浮かべて見ながら、水銀燈は手に持っていたカードの一枚を見る。

「つ、つか、えるかしら、ねぇ……も、もう、二十四時間、経ってると、い、いんだけ、ど……」

そうやって、水銀燈が掲げたカードは聖なるエルフが描かれているもの。
震える口を無理やり動かして、その名を呼ぶ。

「魔法、カード……発動。 ホーリーエルフの、祝福。
 対象は――」

そこまで言って、水銀燈は少しだけ考えた。
もしもこの状況を、ずっと憎んでいた彼女や他の姉妹達が見たならどう思うだろうか。
恐らく、目を疑うだろう……或いは、それもまた水銀燈の罠か何かと思うかもしれない。
思えば、自分は変わった。 よくも悪くも、この媒介を中心とした人物に影響されて。
でも、悪くない気分だった。 こういうのも悪くは無いと思いながら、その名を――自分の最期を看取って欲しいからこそ、呟く。
95人はそれを―― ◆0RbUzIT0To :08/02/22 22:07 ID:yzITKRqw
「対象は――永井、博之」

呟くと同時に、媒介の身体を暖かな光が包み込んだ。
それは身体の各所の傷を次々と癒してゆき……その顔さえも治す。
そう、その顔にある――瞳さえも。

「目を、開けて、みなさぁい……み、見えるように、なってる、かも」
「お、おお……」

言われるがまま、媒介は見えないはずの目を開ける。
見える、光が――夜なので光は少ないが、それでも何がそこにあるか把握が出来る。
その瞳は再び役目を果たせるようになったのだ。
感謝の意を述べようと、媒介は下を向き助けてくれたその者を見る――。

――ジャンクがいた。
96Classical名無しさん:08/02/22 22:08 ID:qdn4QwlY
生み出されてから3年間、私はそうやって支援してきた
97人はそれを―― ◆0RbUzIT0To :08/02/22 22:08 ID:yzITKRqw
「……ぇ?」
「あら、その様子、だと……み、見えてる、みたい、ねぇ? よ、よかったわぁ……」

水銀燈がぎこちなく喋る、微笑みを浮かべながら喋っている。
横を向く、妹は泣いている、水銀燈を見て泣いている。
もう一度、水銀燈を見る。
水銀燈は心の底から、自分の目が見えるようになったのを喜んでいるようだった。
――何故?

「水銀、燈?」
「なぁにぃ、情け、ない顔ぉ……も、っと、シャンと、しなさいよね……」

顔は悪漢の拳により皹が入っており、全身は傷だらけだった。
背中の翼は多量の羽根が抜け落ちており、非情に不恰好である。
そして――その下半身にあるべき足が一本足りない。
綺麗に、斬ってしまったかのように失われている。

「な、なんでど……なぁ! なんでど、水銀燈!!」
「怒鳴ら、ない、でよぉ……つ、唾、飛ぶじゃなぁい……」

その足――お父様から頂いた大切な身体の一部である足は、先ほどの戦いでサナギに掴まれていた部分。
あの時、水銀燈の脳裏に過ぎった打開案とは、その足を断つというものだった。
触手は斬れなかったが、所詮は人形である水銀燈のボディには骨というものがない。
故に、一太刀で断ち切る勇気さえあるのならば、あの状況は打開出来たのである。
だが、水銀燈はそれを迷った――お父様から貰った大切な身体を、自分から断つなど出来ない――。

そんな時だった、目の前の媒介の言葉が浮かんだのは。

――完全じゃなくても、愛される奴は沢山いる。
 ――完全な奴しか愛さないなんて、そんなものは父ではない。
98Classical名無しさん:08/02/22 22:08 ID:0p.hJ9kU
 
99Classical名無しさん:08/02/22 22:09 ID:lLId8/PY
ディープスロートからの最後の支援だ!!
100Classical名無しさん:08/02/22 22:09 ID:qdn4QwlY
恋のシエン伝説
101人はそれを―― ◆0RbUzIT0To :08/02/22 22:09 ID:yzITKRqw
「か、完全、じゃ、なく、ても……お、お父、様、には……あ、愛して、頂ける、もの……。
 そ、そうよね、博之?」
「ッッッ!! あッ、たり前やがァ!!」

泣き叫ぶ博之を見ながら、水銀燈は少しずつだが何かがわかったような気がした。
いつの日か、例の憎い妹が言っていた甘い言葉。
人の思いが活力を与え、人の思いが人を動かすその本質を。

「い、いい、事、博之? さ、さっきも言ったけど、あ、あなた、は、弱くなんて、無い……。
 だか、ら、悔いては、駄目……むしろ、誇りな、さい、その、誰にで、も、愛され、る、強さ……」
「っ! でもっ……それでも、俺はッ! 誰かを守れる強さが欲しいわぁ!!」
「……そ、う」

水銀燈がどれほど言葉を並べても、博之はやはり悔しがっていた。
目が見えないから、力が無いから、キバもティアナも、誰一人守れない。
大の大人が、守られるしか出来ない歯痒さを感じていた。

「な、なら、望みな、さい……ち、力を、え、得る事を……」

既に思うように動かなくなってきた頭を持ち上げて、水銀燈は呟き続ける。
もう残っている時間は少ない。
ならば、最後に何かをこの媒介に残さなくてはならない。
無力を嘆いている強い媒介に、戦う事の出来る力と自分の想いを与えなければならない。

水銀燈が博之の肩に手をかけると同時に、水銀燈の胸から二種の宝石が飛び出してきた。
それに思わず驚愕している博之に、水銀燈は呟く。
102人はそれを―― ◆0RbUzIT0To :08/02/22 22:10 ID:yzITKRqw
「ロ、ローザ、ミス、ティカ……わ、私の、もの、あ、あなた、に、受け取って、欲しい……。
 にん、げんが、ち、力の、無い、人間、が、つ、使えるか……。
 ど、どんな、副、作用、が、あるか、わか、らない……で、でも……ち、力を望む、なら……」

水銀燈の言葉に、博之は歯を食いしばり無言で頷いた。
それと同時に、ローザミスティカが博之の身体に触れ――情報が一気に押し寄せた。

水銀燈が生きてきた世界、生きてきた道のり、争い、記憶の全て。
そして、それと同じくして溢れてくる感情。
愛おしさ、友情、憎しみ、怒り、安らぎ、ありとあらゆる水銀燈の魂全て。
それらが媒介の脳裏を過ぎ、去ってゆく。

同時に、博之の身体に変化が起こる。
それは人間が服用した副作用なのだろうか……全身に激痛が走ったかと思うと、黒い帯状のマークが腕や胸を走る。
次第にその黒い帯は淵に光り輝く紫色を漂わせる。
一体どれほど経ったろうか、博之にとっては無限とも思える時を過ごしたが水銀燈達にとっては一瞬の出来事だったらしい。
だから、水銀燈も妹も――博之本人ですらその姿に驚きを隠せなかった。
まるでその姿はいつの日か自分がプレイした、主人公である魔人にそっくりのものだったのだから。
103人はそれを―― ◆0RbUzIT0To :08/02/22 22:12 ID:yzITKRqw
「……なんどこれえ!?」
「ふ、ふく、さよう、かしら、ねぇ……つ、伝わっ、た?」

涙はもう、流さなかった。 水銀燈の言葉に頷き、博之は胸に手を当てる。
水銀燈の全てはここに受け継いだ、力も心も記憶も……魂すらも。

「水銀燈の言うとる事が、頭ではのう心で理解出来たッ!!」
「そ、そう、なら、よか、った……」

もうすぐ、水銀燈は止まってしまう。
ローザミスティカを失ってしまった今、残されている時間は毛ほどもないだろう。
だからこそ、最後の言葉を博之に残そうと口を開く。

「お、覚えて、おき、なさい……わ、私は、水銀燈。
 誇り高い、ローゼンメイデンの第一ドール――そして」

そう呟くなり、水銀燈は博之の頬へとその唇を近づけ――。

「幸せな……本当に幸せな、あなたのお人形」

その頬へ口付けを交わし――動かなくなった。
104Classical名無しさん:08/02/22 22:12 ID:lLId8/PY
女神転生支援
105人はそれを―― ◆0RbUzIT0To :08/02/22 22:13 ID:yzITKRqw
「〜〜ッ!!」

妹は、その様を見て更に声なくその涙を流し始めた。
媒介――いや、既に指輪を消失し媒介でなくなった彼……魔人博之は、涙を流さない。
博之の胸の中には、彼女の魂が眠っている。
その想いを受け止めた今、涙を流す理由は見当たらない。

「……水銀燈。 絶対に、お前を直したるから、それまで寝とれ」

彼女は人ではない、人の形をしたものだ。
神の指先を持つ父が作り出した彼女は、人でないからして生の受け方も人とは違う。
――彼女は、父を思うが余りに突如独りでに動き出したというのだ。
そうして、ローザミスティカを得、アリスゲームに参加した。
その後、何度か戦いがあり――一度はその生を絶たれた時もあった。
だが、その時も彼女は生き返った。
その身体を父親に完全に修復してもらい、再び生を受けたのだ。

「俺、絶対生きて帰ってお前のおとうとかに頼み込んで、直してもらうから。
 やから……また、会える」

博之は着ていた肌着を脱ぎ、いつか拾った右腕と水銀燈の胴体とを結びつける。
これで完全に上半身は裸になってしまったが、文句は言わない。
右腕部分はなんとか直せた水銀燈を己のデイパックに入れ、水銀燈のデイパックの整理を始める。

「……妹、いつまでも泣くな」
「っ、でもぉ……」
「でもやない……キバも死んだ、水銀燈も死んだ、もうおらん。
 やけど……やからって、泣いとるだけやったらどうにもならん、やから立て」
106人はそれを―― ◆0RbUzIT0To :08/02/22 22:14 ID:yzITKRqw
尚も泣きながら、ゆっくりと立ち上がった少女に博之はカードの束と一つの刃物を渡す。

「……え?」
「持っとれ、水銀燈がお前につこうて欲しいゆうとぅ」

そう言う博之の顔には、どこか不思議と水銀燈の面影があり。
少女は、静かにその刃物とカードを受け取った。

――その刃物は、自分が人を殺めてしまった時に使ったもの。

「それを使って、今度は人を殺すんやのうて……守れゆうとぅ。
 自分を、仲間を、皆を……」
「水銀燈ちゃん……ッ!」

少女はその刃物――庭師の鋏を両手で抱きしめ、再び泣き出した。
しかし、今度の涙はただ親しい者の死を嘆くもののそれではない。
キバと水銀燈とティアナに救われた命をどう使うのか、それを悟った故に出てきた涙。
そして、それを必ず成し遂げると誓う涙。

博之は少女をそのまま泣かせておき――再び整理作業へと移った。
第三者が見れば、二人を冷たいと思うかもしれない。
しかし、彼らには――少なくとも、彼にはそれが理解出来たのだ。
彼らを守っていった者達の想いが、心で理解出来ているのだ。
だからこそ、博之は決して涙を見せず、ただ前を向き続けるのである。
その胸に熱い想いを――愛媛の打開を見せてやるという、意地を抱いて。
ローゼンメイデンの第一ドール――水銀燈の媒介であるという、誇りを抱いて。

悲しくないと言えば嘘になる。

しかし、だからこそ、前へ。
107Classical名無しさん:08/02/22 22:14 ID:0p.hJ9kU
 
108人はそれを―― ◆0RbUzIT0To :08/02/22 22:15 ID:yzITKRqw
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

――少女は、誰からも愛される兄を持っていた。
だからという訳ではないが、少女は愛される素質を持っていた。

――魔人は、誰からも愛される兄を持っていた。
だからという訳ではないが、魔人は愛される資格を持っていた。

ならば――少女と魔人を守った三人は、その素質と資格に引かれたのみで守り抜いたのかと言えば、それは違う。
三人と、少女と魔人の間には常人には無いナニカがあった。

男女間の愛か、と聞かれれば違うだろう。
では、兄弟愛かとなると、それも違う。
家族愛でもないし、しかし、ただの仲間意識でも無い。

その間にあったものは言葉にするのは難しいが――しかし、あえて言葉にするなら。










――人はそれを、絆と呼ぶだろう。

【水銀燈@ローゼンメイデン 死亡】
【残り31人】
109Classical名無しさん:08/02/22 22:15 ID:qdn4QwlY
聖支援領域
110人はそれを―― ◆0RbUzIT0To :08/02/22 22:16 ID:yzITKRqw
【E-5 草原/二日目・深夜】
【永井博之@永井先生】
[状態]:深い悲しみとそれを超える脱出への誓い、魔人ピロ(紫)、上半身裸、萃香を少しだけ疑っています
[装備]:薬草(3/99)@勇者の代わりにry 、包丁@フタエノキワミ アッー!(るろうに剣心 英語版)
[道具]:支給品一式*3(食料三食分・水一食分消費)、座薬@東方project、ヲタチ(残りHP80%)@ポケットモンスター
ゴム@思い出はおくせんまん、自動ぶんなぐりガス(残り1/5)@ドラえもん、ヴェルタースオリジナル*3@ヴェル☆オリ
真紅のローザミスティカ@ローゼンメイデン、ぬいぐるみ沢山、くんくん人形@ローゼンメイデン、ヤクルト(残り4本)@乳酸菌推進委員会
銀コイン@スーパーマリオワールド、薬草の軟膏(3/4)、右足が欠けたジャンク
[思考・状況]
1.少数派による運命の打開
2.城まで行き、首輪を解体出来る者を探す。
3.水銀燈の分、詩音の姉へ償いをする。
4.水銀燈の右足を見つけたい
5.必ず生還し、水銀燈を直して再開する。
※ローザミスティカの力を得て魔人覚醒をしましたが、魔人の能力を行使出来るか・水銀燈の力を行使出来るかは不明です。
※ただの人間がローザミスティカの力を得た為に、副作用を受ける可能性があります。
※水銀燈の見てきた全ての記憶・感情を得ました。
※博之はハルヒの正体をレナから聞きましたが、あまりよく理解していません。
111人はそれを―― ◆0RbUzIT0To :08/02/22 22:17 ID:yzITKRqw
【キョンの妹@涼宮ハルヒの憂鬱&愛しの兄が振り向かない】
[状態]:深い悲しみとそれを超える脱出への誓い、阿部への怒り、頬に軽い切り傷、頭部に打撲&出欠 、軽い頭痛(痛みは和らぎました)
[装備]:おたま@TOD、 カワサキのフライパン@星のカービィ
[道具]:支給品一式(食料一食分・水一食分消費)、DMカード(オレイカルコスの結界 (次の早朝まで使用不可) 三幻神(ラーのみ使用可だが遊戯、海馬などのみ、他は次の早朝まで使用不可)、
ブラック・マジシャン・ガール(次の深夜まで使用不可)、ホーリーエルフの祝福(次の深夜まで使用不可)、青眼の白龍*2(次の午前まで使用不可)、強制脱出装置(次の深夜まで使用不可)、
死者蘇生(次の昼まで使用不可)、黒騎士の魔剣少女、セイバー(次の昼まで使用不可)
コカローチ・ナイト(深夜に二度使用)、進化の繭、ゴキボール(次の深夜まで使用不可)@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ、ダンボール@メタルギアシリーズ
ヴェルタースオリジナル@ヴェル☆オリ、携帯電話@現実、庭師の鋏@ローゼンメイデン
[思考・状況]
1.少数派による運命の打開
2.城まで行き、首輪を解体出来る者を探す。
3.ティアナ・キバ・水銀燈の行動を無駄にしないためにも、生きる。
4.もう誰も殺さない、罪滅しをする。(阿部に関しては、どうするか分かりません)
5.古泉くんの間違いを正す。
※萃香への憎しみは、萃香をこちら側に協力させるための嘘です。
112Classical名無しさん:08/02/22 22:17 ID:lLId8/PY
全力で支援だ!
113 ◆0RbUzIT0To :08/02/22 22:18 ID:yzITKRqw
長時間にわたる支援、ありがとうございました。
投下終了です。
114Classical名無しさん:08/02/22 22:20 ID:qdn4QwlY
投下乙です。
キバと銀様が……( ´・ω・`)

あと、>>89のこなたの第2思考、
「ゴマモンを見つけて説得したい。」ってのはもう無理じゃないか?
115 ◆0RbUzIT0To :08/02/22 22:21 ID:yzITKRqw
>>114
/(^o^)\ ごめんなさい、修正忘れてましたorz
wiki編集時に修正します。
116Classical名無しさん:08/02/22 22:21 ID:idzNV8nY
投下乙!
友人、水銀燈の意志は確実にこの二人に受け継がれていくだろうな…
117Classical名無しさん:08/02/22 22:23 ID:NiHCG/EE
投下乙!
グレンラガン+AIRチックなキバ君のラスト、見届けさせてもらったぜ!
水銀燈も泥臭く、でも美しく散ったなあ…って魔人博之ってちょwww

全体的にハルヒの暗躍光り、ピッピの失策もあってチームが実質解散状態にまで追い込まれたか…。
今後が楽しみな展開ですね、GJ!

あ、一つ目に付いたものを指摘。
「強制脱出装置」は魔法カードじゃなくて罠カードです。
118Classical名無しさん:08/02/22 22:23 ID:4xFrKYK.
投下乙!
あれ、残り人数間違ってないか?
119 ◆0RbUzIT0To :08/02/22 22:26 ID:yzITKRqw
>>117
/(^o^)\ 遊戯王詳しくないからマチガエチャッタヨ
ごめんなさい、それもwiki修正しておきます
>>118
チューモン入れたら31人……じゃないですかね?
一応そのつもりで書いたんですけど。
120Classical名無しさん:08/02/22 22:29 ID:4xFrKYK.
>>119
あ、そうだ1人増えたんだった。スマソ

ピッピまじで役に立たないなw
121Classical名無しさん:08/02/22 22:31 ID:NuoE9oH2
投下乙
やべぇ……ガチで面白かった。
レナとハルヒの知略戦、TASさんのビビるほどの強さ、キバと水銀燈の覚醒
最初から最後までずっと先が気になりっぱなしでした。
ひろくんと水銀燈のコンビが好きな俺にとっては……もうたまらん。
しかし、塔組が次第に『少数派』になっていくなあ。
マジで乙でした。
122Classical名無しさん:08/02/22 22:52 ID:CDxn0CCQ
投下乙
ロワも二日目とあってだんだん燃える展開となってくなぁ…
そしてキバ、銀様、乙でありますっ!

>>120
一応原作の最終決戦では目立たなかったけど
レアコイルは倒したしパルシェンに毒の置き土産を残したんだぞ!
123Classical名無しさん:08/02/22 22:53 ID:kW8LeCdA
投下乙
塔組もついに解体か
だがキバくんの不死鳥っぷりに燃えた
TASとの戦いはドラゴンボールでいうフリーザみたいな感じだったマジGJ!!
銀様も完全なジャンクになってしまったが、ひろくんにその力を受け継いだか
魔神になる発想はなかったわw
124Classical名無しさん:08/02/22 22:56 ID:VlJTtVLU
投下乙
TASさんはやっぱり強いと再確認 
しかし友人かっこよかったぜ
二人の意志を受け継ぐひろくんと妹には頑張ってほしいな
125Classical名無しさん:08/02/22 23:29 ID:XWb955B2
投下乙。
これは熱い! 熱いすぎる!
ハルヒの暗躍とTASの鬼畜のような強さで、一時は全滅かとも思った塔組だが、そんなことは無かったぜ。
このSSの主役は間違いなく友人だと思う。キバくん最高!
銀様も良い散り様だった……。
残された五人も、何にも負けずに頑張ってほしいな。特にひろくんと妹。
しかし、TASのしぶとさは本ロワ一じゃないだろうかw
126Classical名無しさん:08/02/22 23:37 ID:g78gfsjc
GJだぜっ!めちゃくちゃ熱いぜ!
友人もきっちりニコ補正を受けてたかw
こんな銀様が見れて、ニコロワにいてよかったと心から思うぜ……

>>125
毎回返り討ちにあいながらも生き延びて、確実に相手の戦力削ってるもんなぁw
127Classical名無しさん:08/02/22 23:37 ID:2kZOlSCI
投下乙!
これはピッピの気まずさがただごとじゃない
ロールバスター入手+油断しない決意でTASさん優勝がネタで済まなくなってきた
128Classical名無しさん:08/02/22 23:38 ID:idzNV8nY
そういえば、これでTASさんが殺害数単独トップか…
129Classical名無しさん:08/02/22 23:45 ID:xEMEVONA
しかしロールバスター役に立たないなw
今までの戦果から見るとまるで中学生を痛めつける程度の殺傷力しかないようだ
130Classical名無しさん:08/02/22 23:51 ID:XWb955B2
>>128
3人だからつかさと同率じゃね?
友人はいいとしても、銀はあくまでクラモンCの撃墜に入るだろうし。
131Classical名無しさん:08/02/22 23:52 ID:NuoE9oH2
>>128
水銀燈を殺したのはクリサリモンじゃね?
いや、まあどっちでもいいんだが
132Classical名無しさん:08/02/22 23:55 ID:4xFrKYK.
>>125
TASさんは参加者内でのラスボスになりそうだな…アニロワのセ○○ーみたいに。
友人が相討ちになりながらもトドメを刺すと予想していたが…
友人が逝った今、TASさんを倒すのはあの男しかいない…っ
133Classical名無しさん:08/02/23 00:02 ID:6/MiwEGY
すげー熱かった!GJとしかいいようがない!
塔組好きなのでちょっと泣いちゃったじゃねーか・・・!
愛媛の凡人博之が魔人になったことによって戦闘力など如何程になるかが楽しみ。
現実世界の参加者代表として頑張ってほしい
134Classical名無しさん:08/02/23 00:11 ID:DFsT2jDY
>>132
でっていうの出番か……!
135 ◆jVERyrq1dU :08/02/23 00:13 ID:SSv4WMn.
投下乙
解体フラグを仕込んだ俺だが、塔組自体は大好きだ!
キバ君と水銀燈の死にっぷりに泣けた。ひろくんと妹頑張れえ!
あと……やっぱ強いマーダーってのはいい。バトルが熱すぎる

大作の後に投下するのは気が引けますが、今から阿部さん投下します。
支援が必要ないくらい短いです。
136 ◆jVERyrq1dU :08/02/23 00:14 ID:SSv4WMn.
空が発光するのを見て、俺は目覚めた。

『久しぶりだなみんな。マルクよりも私の方がいいだろう?』

主催者の声が聞こえてくる。どうやら放送のようだ。
俺の不良息子のためにたくさん死んでくれていると嬉しいんだが……。
禁止エリアは自分とは特に関係のないエリアのようだ。

『YOKODUNA
ティアナ=ランスター
ロックマン
ストーム1
ゴマモン』

う……ロックマンが死んじまったか……。いつかおいしく頂こうと思っていたのになあ。
ロックマンの他にも、横綱とかいう、いかにもおいしそうな奴が死んでいるではないか。
やれやれ、さっさと元に戻らないかねぇ。俺は不貞腐れた息子を見て落胆した。

主催者の話は続く。チューモンという奴が飛び入り参加するらしい。
主催側でいざこざがあったかららしい。チューモン自体は別にどうでもいいんだが、優勝が一歩遠のいたじゃねぇか……。
しっかりと管理して欲しいもんだ。息子のためになんとしても優勝しないといけないってのに……。

放送が終わった。

それにしても五人か……少ないな。
くそみそな事はひとまず脇に置いて、これからの事を考えるとするか。
俺は横になっていた体を起こし、地面に座った。暗さで見えないが、ごうごうという音で滝が傍にある事が分かる。
まず、怪我を治療する事が大事だよな。それと萃香ちゃんと合流する事……だな。
だったらやはり町に行くべきだ。町には病院みたいな所もあるだろう。
萃香ちゃんとも会えるかもしれない。殺すべき奴らもたくさんいるはずだ。
よし町に行こう。
137 ◆jVERyrq1dU :08/02/23 00:16 ID:SSv4WMn.

俺は立ち上がる。全身に負った傷のせいで、体が悲鳴を上げる。

俺は一応、確認のため、デカチチ女の脂肪を揉んだ時の感触を脳裏に描いてみる。
死ぬほど気持ち悪く、吐きそうになったが、俺の息子は礼儀正しく直立していた。

「ふふ、ふふふふ……うわあああああ!!」
やっぱり治ってないかぁあああ!寝て起きたら治ってるかな、とか考えた自分が馬鹿だった。
「クソ、やっぱりなんとしてでも優勝して、ピエロ共から最強の息子をプレゼントしてもらわないと」

デカチチの感触を思い出してしまったので気持ち悪くなってきた。
口直しに彦麿のムンムンした雄っ気たっぷりのたくましい尻を思い描く。
ふう、やっぱいいもんだぜ。なんかテンション上がってきた。

俺はあえて息子を見なかった。女なんかに夢中になる不良息子なんて知りません。
お父さんがお前を更生させてやるからな。

「やれやれ……普段なら今頃、ガチムチと一発ヤリあってる頃かな……。こんなど深夜だけど頑張らねえとな」
俺は歩き出す。目指す場所は町。探すものは病院、萃香ちゃん。最終目標は息子を元に戻す事。
息子の事を思えば優勝なんて軽いもんだぜ。

初めは山を通り、町へ向かおうと思った俺だったが、考え直し、川を泳いで西側から町へ向かう事に決めた。
理由は、俺が今までずっといた山に萃香ちゃんがいるとは思えないからだ。
この沼みたいな所を通れば萃香ちゃんがいるかもしれないし、いなかったとしても何か新しい発見があるはずだ。
山にはもう用はない。

それに、息子を水につければ何かが変わるかもしれないしな……。
俺は川に入り泳ぎ始める。冷たい水が傷に沁みて中々痛い。
気晴らしにキョン君、イッカクモン君にゲイボルグをぶち込んだ時の事を思い出す。
あの頃は良かったなぁ。
138せがれいじり ◆jVERyrq1dU :08/02/23 00:17 ID:SSv4WMn.

鯨みたいになったイッカクモン君は生きているのだろうか……。
名簿によると、イッカクモンという名は偽名のようなので、生死が分からない。

【C-2 川/二日目・深夜】
【阿部高和@くそみそテクニック】
[状態]:右腕骨折、左手裂傷、頭部打撲、全身打撲、全身に軽い火傷、服が焼け焦げてボロボロ
[装備]:時計型麻酔銃(現在針は装着されていません。予備針残り1本)@名探偵コナン
[道具]:萌えもんパッチ@ポケモン言えるかなで擬人化してみた
[思考・状況]
1.町へ行き、病院と息子を治せそうな参加者を探す。そのためにまず泳いで沼を目指す。
2.ソウルフレンド萃香を探して、息子が直るか掛け合ってみる。
基本.優勝して息子を復活させる。相手が息子の治療手段を持っていなければ男女関係無く殺す。

※息子は生きていました。ただし阿部さんの脳内と性癖が完全に逆転しています。
  そのため阿部さんが萎えるシチュエーションで勃ちます。
  逆に興奮するシチュエーションでは勃つどころか萎えます。
※リヴァイアモンからのダメージ(主に頭部)の影響で、息子の性癖が逆転しました。
 脳にダメージがある可能性があるせいか、暴走しやすくなっているようです。
 もう一度、同等の衝撃を与えれば息子の性癖が元に戻るかもしれませんが、死ぬかもしれません。
139 ◆jVERyrq1dU :08/02/23 00:19 ID:SSv4WMn.
投下終了。つなぎです。
140Classical名無しさん:08/02/23 00:33 ID:cWK007Rg
投下乙
町に向かった阿部さん!
今後もヤってくれるのだろうか
141Classical名無しさん:08/02/23 04:20 ID:ZZ0zfKu6
妹の支給品欄が完璧にデュエリストだ
142Classical名無しさん:08/02/23 07:26 ID:MvmHp52Q
しかし一応武器になるハサミはあるけど使えるDMカードが殆どない今、妹は戦力にはなれないな
おたまが原作仕様なら凶器になるかも知れんがww
143Classical名無しさん:08/02/23 10:46 ID:i4UKkqII
TASがますます強くなるのか・・・
もう弱点がGC・PS2・DS以降のゲームしか見当たらない・・・。
144Classical名無しさん:08/02/23 10:54 ID:qjwVHaC.
>>143
なるほど!オプーナか!
145Classical名無しさん:08/02/23 11:29 ID:XoFNgP2U
     |┃三        / ̄\
     |┃         |     |
     |┃          \_/
 ガラッ. |┃            |
     |┃  ノ//   ./ ̄ ̄ ̄ \    
     |┃三    /  ::\:::/:::: \
     |┃     /  <●>::::::<●>  \ 最強のマーダーハンター参上!!
     |┃     |    (__人__)     |
     |┃三   \    ` ⌒´    / 
     |┃三   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ \
146Classical名無しさん:08/02/23 11:43 ID:DFsT2jDY
>>145
元支給品にでも食われてろwww
147Classical名無しさん:08/02/23 12:08 ID:zkY7Kx/I
ニコ動でニコニコンビというコメントを見つけてwikiにたどり着いて
一週間かけて追いつきました。
書き手のみなさんには、号泣させてもらい、爆笑もさせてもらいました。

書き手のみなさん、健康には十分注意して無理せずにこれからも頑張ってください

新参の一ファンのレスですた。
148Classical名無しさん:08/02/23 13:06 ID:c0TXsH1M
どうも、今wiki編集してたところ「黒より暗い人物」が容量オーバー食らったのですが、どこで区切ったらいいですかね?
149[email protected]:08/02/23 13:16 ID:BoU7DpoI
[email protected]
調教して
150 ◆CMd1jz6iP2 :08/02/23 13:38 ID:.i6iZpOc
>>148

川を南下する、二体……否、たった今三体に増えた生物。
橋を見張っていたはずのクラモンであった。

ここから後編にしてください。
151Classical名無しさん:08/02/23 13:50 ID:c0TXsH1M
>>150了解です
152 ◆wC9C3Zbq2k :08/02/23 15:43 ID:pdUP9mps
城組とクラモンDの部分をしたらばに仮投下
いかにも矛盾が隠れていそうな雰囲気なのでチェックお願いします
153Classical名無しさん:08/02/23 16:13 ID:c0TXsH1M
>>152
俺が見る限りでは問題は特に見当たらなかった、GJ。
ただこれだけは言わせてくれ。

またお前か!
154Classical名無しさん:08/02/23 16:42 ID:oV1NfmM6
世界樹の葉が本来の効果より弱いのはわかる。
でも、ああなるのは効果そのものが変わってないかな?
他はGJ
155Classical名無しさん:08/02/23 17:30 ID:3KW/ZxQk
投下乙
自分も世界樹の葉の効力が気になった
イメージ的には
遊戯王のリビングデッドの呼び声と言うより死者蘇生じゃないかな?
156 ◆CMd1jz6iP2 :08/02/23 17:43 ID:.i6iZpOc
完成したのでしたらばに投下しました。
おかしなところとか問題あったらバシバシと指摘お願いします
157Classical名無しさん:08/02/23 18:01 ID:kklTrna2
投下乙
個人的には問題ないかな。毒電波がちと強すぎるように思えるが
そして完全体だというのにピエモンなんかより絶大なカリスマと恐怖を持つあの御方がとうとう参戦か!
158Classical名無しさん:08/02/23 18:01 ID:9KZh.MFo
仮投下乙!第四放送後、かなりのペースだなぁ…

ふと思ったけど、自殺・自爆・自滅で死んだ参加者の場合、自分を殺したわけだから殺害数にカウントされたりはしないのかな?
159Classical名無しさん:08/02/23 18:06 ID:kklTrna2
ここはスマブラ式で死ぬ前に攻撃した人のカウントに(ry
160Classical名無しさん:08/02/23 18:25 ID:9KZh.MFo
>>159
だとすると、シオンとフシギダネはそれぞれ銀様と古泉のポイントに?古泉についにポイントが!
161Classical名無しさん:08/02/23 19:12 ID:x4IJeqx6
>>152
ことのはいなくね?
162Classical名無しさん:08/02/23 19:56 ID:2c6CGjqg
放送直後はずっとマーダーのターン!だな
これが属に言うバランス調整という奴か
っていうかマーダー対主催問わずみんな傷付いている中いまだにほとんど消耗の無い社長www
163Classical名無しさん:08/02/23 20:00 ID:3KW/ZxQk
霊夢と同じ補正だ
とはいっても霊夢はだいぶ消耗してるけどな
164Classical名無しさん:08/02/23 20:17 ID:Yc1pVGgg
この時期無傷は死亡フラグ
165Classical名無しさん:08/02/23 20:23 ID:BZ5zkeew
霊夢と海馬が居なくなると脱出エンドが構成しにくくなるな
個人的なんだが洗脳系の能力は少し自重してもらいたい。
例え失敗する確立があったとしても洗脳のせいでそのキャラの個性が活かせなくなるからな
166Classical名無しさん:08/02/23 20:52 ID:9KZh.MFo
霊夢がいなくなったら、誰がゆかりんを呼ぶんだ!
167Classical名無しさん:08/02/23 20:53 ID:Mljo5.SE
仮投下をいれると対主催17 マーダー9 暴走1か。
まだ両方に強い奴が残っているし激しい戦いが続きそうだな。
168Classical名無しさん:08/02/23 21:12 ID:mrDZs6MU
遂にやよいにもニコニコ補正が入ったか。よかったよかった
ってソッチかよwwww
169Classical名無しさん:08/02/23 21:24 ID:/1fyRZSQ
残りの3分の1以上がマーダーって結構多いよな。
優勝、全滅エンドの可能性も大いに有り得る。
やはり社長と霊夢がキーキャラか……。
170Classical名無しさん:08/02/23 21:53 ID:3KW/ZxQk
なぁにマーダー同士で潰しあえばいいだけのこと
でも同盟を組むのを拒絶するやつがいなさそうなふいんきだ……
171Classical名無しさん:08/02/23 21:57 ID:Mljo5.SE
関係なく襲いそうなのは阿部さんぐらいだなw
172Classical名無しさん:08/02/23 21:59 ID:XdQ1R6NI
>>169
つ魔人博之

これ能力どうなるんだろ?
水銀燈の能力が備わるのか
またはRPG最凶のボス、人修羅の能力が備わるのか
後者なら対主催にとって大きな力になると思うが・・・
173Classical名無しさん:08/02/23 22:01 ID:DlmQ2jYA
>>171
まぁその分帰ってくるツケは大きそうだなw

最悪阿部さん自身の息子が大変なことに…
174Classical名無しさん:08/02/23 22:08 ID:oV1NfmM6
魔人、閣下、鬼、カイバーマン
対主催も相当だな。
175Classical名無しさん:08/02/23 22:14 ID:2c6CGjqg
>>172
もし人修羅の能力ならTASさんの手に渡るとヤバすぎるな
まあ体内に埋まってるから人喰いのチューモンならまだしもTASさんの心配はないか
実はパトりまくって学ぶか攻略本やサイト見て戦略練るかしないとプレイヤー的にはそこまで強くないのもミソだな
ヒロ君が3マニアクスをプレイしてて良かった
176Classical名無しさん:08/02/23 22:16 ID:r4xbu6Os
他ロワと比べてみると、ニコロワマーダー勢の協力体制は凄いよ、比率がw
たいていのロワでは足の引っ張り合いや、同士討ちもけっこう多いのにな

強いマーダーも、終盤には徒党を組んだ脱出派に潰されることが多いし…
その点、TASみたいに力を過信せずに、チームを組む強キャラは心底恐ろしいな
元から強いくせに、成長していくマーダーってのも珍しいw

成長するのは脱出派一般人キャラだと相場が決まっているのにw
177Classical名無しさん:08/02/23 22:19 ID:Mljo5.SE
強マーダーが組んでいるから強い対主催が一人いたところでやられるだけだしなw
178Classical名無しさん:08/02/23 22:22 ID:XoFNgP2U
マーガリンも恐ろしく強いからな…
力では遠く及ばないYOKODUNAをどうにかしただけはある。

そして神・驚きの黒さと、吐き気を催す邪悪がコンビ組むフラグwwww
179Classical名無しさん:08/02/23 22:22 ID:4DgSkGPE
>>172
魔人博之は元のゲームが元のゲームなので死亡フラグも…
つパト
180Classical名無しさん:08/02/23 22:23 ID:XoFNgP2U
ぐぎゃ! またsage忘れた…
ぐげげげげげげげげげげげげげげ
181Classical名無しさん:08/02/23 22:24 ID:c0TXsH1M
>>174
ちょっと待てwあくまでカイバーマンは一般人だwww
182Classical名無しさん:08/02/23 22:38 ID:mrDZs6MU
阿部さんは、そのうちテイルズロワのカイルみたいな事になるんじゃないかと心配になってきた
183Classical名無しさん:08/02/23 22:47 ID:r4xbu6Os
強マーダーに対して結束して立ち向かっていくのが他ロワの王道的な流れだが
ニコロワではまるで逆になってきている件w

まぁ、それというのも 序盤から脱出派が大人数のチームを組んできた為でもある訳だがな
ロワにおいては早いうちに大人数脱出派チームが幾つも出来ると、こういう流れになるわけか…
ひとつ勉強になったな、今後他ロワでの展開に利用させてもらおうw
184 ◆CMd1jz6iP2 :08/02/23 22:48 ID:Y2ehbO0A
洗脳系は駄目だろ、という意見を受けまして修正案を出しました。
これでどうでしょうか。まだありましたら指摘をお願いします。
185Classical名無しさん:08/02/23 22:49 ID:c0TXsH1M
対主催で単独行動してたのなんておじいちゃん・KAS・スパイダーマンくらいだしな
186Classical名無しさん:08/02/23 22:52 ID:Mljo5.SE
>>179
そういえば博之はロワが始まってかなり経っているのに、生きていて顔を知っているのがキョンの妹と古泉しかいないのか……
187Classical名無しさん:08/02/23 22:55 ID:MvmHp52Q
>>182
恐ろしいww
阿部さんの場合痛みによるショック死を免れたとしても精神的な意味でショック死しちゃうんじゃね?
188Classical名無しさん:08/02/23 22:57 ID:kklTrna2
ところでロールの中の人ってパタモンもやってたの?
189Classical名無しさん:08/02/23 22:58 ID:kklTrna2
あ、パタモンじゃなくてタケルか
190Classical名無しさん:08/02/23 23:04 ID:kklTrna2
>>184
修正乙。問題ないと思うぜ。
クロスミラージュ熱いなwww
191Classical名無しさん:08/02/23 23:09 ID:Mljo5.SE
>>184
修正投下乙
問題ないと思うし、ロールの悲惨さが伝わってくる……
192Classical名無しさん:08/02/23 23:11 ID:XdQ1R6NI
>>179
くそひろ補正かw
しかし、兄の方がニコニコ補正かかって永井浩二Pになってたらと思うと怖いなw
終始やよいにセクハラしてそうw
殺されても「いや、普通に2週目ある件について」とか言って生き返りそうだし
193Classical名無しさん:08/02/23 23:21 ID:DlmQ2jYA
>>184
修正おつかれ様です。だいぶよくなりました。
それにしてもこのクロスミラージュ、変態でも良い性格のデバイスと見たw


これは霊夢がスタイリッシュになってヴァンデモンと戦うするフラグでつか?
194 ◆IU4EWEf33I :08/02/23 23:33 ID:epvJjsz.
プゲラァァァァァ!!
予想が外れたァ!
多分ニート達は塔から離れるんだろうなぁ〜と思って書いていたら一番大切なヤツがしんで(ry
ごめんなさい、予約延長しますorz
195 ◆CMd1jz6iP2 :08/02/23 23:52 ID:Y2ehbO0A
>>194
うん、なんというか……ごめん。

で、では、問題なさそうなので投下しようと思います。
27レス予定なので、誰かいましたら支援お願いします。
196東方萃夢竜 1/27 ◆CMd1jz6iP2 :08/02/23 23:54 ID:Y2ehbO0A
チューモンの進化が終わる。
進化した先……それは。

「うわあああああ!!」
ヌメモンだった。
残ってる体を喰らう、喰らう。しかし、かなり食ったというのに進化の兆しが無い。

「終わった……欝だし死のうか」
「同意」
「ぐぎゃー! 絶望した! あまりのお約束さに絶望した!」
ネガティブ思考に支配されたヌメモンは、その人生をまさに終えようと……

「ちょっと待ってください」
「アレ……封印したはずの思考がなんで?」
うどんげの思考だった。
進化の際に封印が解除されてしまったらしい。
「先ほどはご迷惑をおかけしました。ちょっと欲求を抑え切れなかったもので」
「あれが師匠なの?」
「はい……それに関する知識が残っていました」

彼女達は、自分の元になった人物の「知識」を効率よく使うために用意された擬似人格。
食べた魔力や肉体に残された「情報」から魔法や情報改変の「能力」と「知識」を得たように。
なのは達はどのように喋ったか、どんな性格だったかを知っている。
「記憶」がなくとも「知識」があるからこそ「真似」が出来る。
蜜柑を食べたことがなくても、蜜柑が甘いと知っているから食べようと思うように。
師匠のことも、どういった外見か、声だったかの知識が残っていたのだろう。

「殺したいなぁ……早く殺したい、殺したい」
「だから……こんな姿でどうするの? 排泄物を飛ばすキモイ生き物として生きてくつもりなの?」
「まだ、食べ残しがあるじゃないですか」
YOKODUNAの死体を見る。四肢も食らい、腹の一部しか残っていない。
197東方萃夢竜 2/27 ◆CMd1jz6iP2 :08/02/23 23:56 ID:Y2ehbO0A
「こんな量じゃ、進化には程遠い。どうするつもり?」
「もう、みんなせっかちですね。まだあるじゃないですか」
体が動く。YOKODUNAの体の中の、まだ傷ついていない臓器……胃袋を破る。
「これは……!」
「こんなにパンパンなのに、ちゃんと気づかないと」
破れた胃袋の中から、人の残骸が姿を見せた。
「こいつも人食い仲間だったんですねぇ……もしかしたら、仲良くなれたかもしれないですね」
「そうだね……親愛の証に、その全てを食さないと失礼だね。ちょっと頭冷やそうか」
緑のナメクジのような体が、その大口を開く。

「いただきまぁす」

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「しかし、なんという惨状。どう見ても激戦の後だな」
寝てるニートを放置して、搭の散策をしていたKAS。
破壊された部屋。通路の夥しい血液。
「こんな血が出たってことは死んだのかもな……」
少ししんみりするが、すぐに元に戻るKAS。
「ビー玉とかはどうでもいいが、ノコノコの甲羅ゲットだぜ!」
博之が投げた二つの甲羅を拾っていたKAS。ビー玉も一応貰っておいた。
青と黄色の甲羅。KASにとって重要なアイテムだった。
「投げてもでっでいうに食わせても使える甲羅だが、このKASにかかれば更なる進化を遂げる!」
そういうと、青甲羅の中に突っ込むKAS。

ボウン
と煙が上がり……そこには新たなKASが存在していた。
「ほこりが目に入った……フハハハハ、甲羅KAS誕生! Newスーパーマリオ的パワーアップ完了!」
ノコノコのような姿になったKASは、ニートの部屋に戻った。

「うはwwwww亀wwwwきめえwwwww」
「無職に俺のTAS以上の発想がわかってたまるか!」
甲羅KASになったKASが「やっはっほう!」と準備体操をしている声で起きたニート。
198Classical名無しさん:08/02/23 23:57 ID:3KW/ZxQk
Classical名無しさんがニコロワを見て支援を購入しました
199Classical名無しさん:08/02/23 23:57 ID:c0TXsH1M
少し…支援しようか
200東方萃夢竜 3/27 ◆CMd1jz6iP2 :08/02/23 23:57 ID:Y2ehbO0A
目覚めたニートとくだらない言い争いをしていると、足音が近づいてきた。
「ちょwww敵だったらやっつけてwwww」
構えるKASだったが、入ってきたのはロールであったため安堵する。

「おかえりwwww萃香はwwwww?というか腹減ったからグルメテーブルかけ頂戴wwww」
「勝手に取ってください!!」
ニートにディパックを投げつけるロール。その手には、アサルトライフルが握られている。
その様子に、さすがのニートも驚く。
「どうしたロールちゃんwwww敵に襲われたのかwwww」
「萃香さんが……人を、殺して……私達も、殺しに……」
「何言ってんだロルーちゃん。西瓜ってお前らの仲間なんだろ?」
ほとんど取り合わず、窓から誰か来ないかを確認するロール。

「騙されてたんです! 私達から離れてる間に、五人、六人……もっと殺してたんです!」
その言葉に、ニートすら違和感を覚えた。
「いや、もちつけwwwwロールちゃん、俺にも分かるぞwwwwどんだけ高速で人を」
その言葉の途中で……放送が始まった。

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
富竹はヨッシーに乗って街中へと逃げていた。
「まあちなさあいいっぃぃぃ!!!」
ボロボロになったジープから、車の走行音より大きな声が聞こえてくる。
「くそぉ……速く走れ、このトカゲ!」
放送が始まっているが、聞いている余裕なんか無い!
スタンガンで脅そうと、視線を恐竜に向ける。
「なっ、これは……RPG-7!?」
ヨッシーのディパックから見える支給品は、強力な武器だった。
なんてついてるんだ。こんな武器をこのトカゲが持っていたなんて。

「ああ、それは駄目ですよ!」
長い舌で、ヨッシーがRPG−7を使わせまいと邪魔をする。
「ええい、邪魔だ!」
201Classical名無しさん:08/02/23 23:58 ID:3KW/ZxQk
支援しなかったら負けかなと思っている
202東方萃夢竜 4/27 ◆CMd1jz6iP2 :08/02/23 23:59 ID:Y2ehbO0A
スタンガンを、ヨッシーの脳天に浴びせてやる。
軽く呻くとバタンと倒れた。
「もう逃げる必要もない。これで終わりさ!」
ジープが近づいてくる。
右や左に蛇行しながら近づく車に狙いをつける。
300m……200m……今だ!

「富竹ロケット!!」
噴射音と共に、弾頭が砲身から飛び出す。
激しい爆発が起きる。直後、ジープは転がりながら炎上し、民家に激突して沈黙した。
「ハハハハハハ!! やった、悪は滅んだ! 第三部完!」
思わずガッツポーズをしてしまう。
まだ生きているかもしれない。二発目を装填してトドメを……!

「それは止めてもらいましょうか、オ・ジ・サ・マ?」
「誰だ!」
僕は後ろを振り向き―――


富竹は、巨大な鉈で峰打ちされて倒れた。
『てめぇぇぇ!! 何をするだァ―――ッ 許さん!』
富竹を倒したヴァンデモンは、怒声を張り上げる、カードらしき物を掴む。

『カマ野朗! よくも富竹を……ちょっと変な奴だが、同じ趣向で結ばれた仲間を!』
「あれ、その声……ううん、どこかで聞いたことがあるよ?」
『なっ――どういうことだ! このカマ野朗から……なぜ、なのはさんの声が!?』
「ナ、ノハ……ああ、そうか。この人格の名前はなのは……ハハハ! そう、なのは、なのはだったねぇ」
一人で、やりましたねーと喜び合うように口を開くその姿に、クロミラは恐怖を覚える。

『カマ野朗、てめえは一体……!』
「そんな呼び名は止めてもらおうか。私の名前はヴァンデモン。夜の支配者に向かって無礼だよ?」
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
203Classical名無しさん:08/02/23 23:59 ID:c0TXsH1M
書き手が投下なら、俺は支援人になる!!
204東方萃夢竜 5/27 ◆CMd1jz6iP2 :08/02/24 00:00 ID:3NwNixNE
放送が終わった塔の中で、悲鳴が上がる。
「嘘、嘘嘘嘘嘘!! ロックが、ロックが死んだなんて嘘よぉぉぉおぉ!!」
絶叫し、焦点が合わないまま震えるロールに、ニートが近づく。
「お、落ち着けロールwwwなんというか、そのだなwwww」
「ロックが、ロックがエアーマンなんかに負けるわけない。他の誰かが、卑怯な手で……」
そこまで言って、はっと顔を上げるロール。

「萃香……あいつだ。あいつが殺したんだ。きっと私達に会う前にロックを騙して殺したんだ!
だって、あんなに殺したんだもん。ロックも殺してる。きっと殺してる!」
「落ち着けってwww そもそもさっき、6人以上殺したとか言ってたが5人しか死んでないぞwwww」
だが、その声はロールに届かない。手に持ったアサルトライフルの引き金に指をかける。

「殺される前に、殺してやる。ロックの仇をとってやる!!」
「ちょwwwwまるで雛見沢症候群wwwww」
「ど、どうなんだよ無職。ロルーちゃんの言ってることはマジなのか?」
「そんなわけあるかwwwwロールちゃんはちょっと疲れてるみたいだなwwww」
ニートは、グルメテーブルかけを広げる。
「でっかいパフェ出て来いwwwww」
ガラスの容器に入った大きなパフェをが現れる。

「萃香は俺の部下になってピエロやっつけるって約束したwwwww嘘つくの嫌いって言ってたしwwwww
だから、多分ロールちゃんの勘違いだろwwwwwこういうときはスイーツ(笑)食べれば落ち着くってwwww」
「すげーなお前」
「疲れてるのかもしれないなwwwwちょっとは休まないと身が持たないぞwwww」
「お前が言うのかYO!」
ニートは、パフェを持って窓際で銃を握っているロールに近づく。

「あwwwwやべぇwwwww」

そのパフェを……ニートは手を滑らせて落とした。
ガシャンと、パフェの入ったガラス容器が砕ける。
「ひっ!?」
205東方萃夢竜 6/27 ◆CMd1jz6iP2 :08/02/24 00:01 ID:3NwNixNE
ロールは振り向き、その反動で

パララララッ
引き金を、引いた。引いてしまった。
血しぶきをあげ、崩れ落ちる……ニート。

その光景を……降りかかる赤い雨を。ロールの弱った精神は、受け止められなかった。
「え――エ? ナニコレ、ウソ、チガウ。コレ――ダメ、ダメダメダメ」
「ちょ……おま……ロルーちゃん!!」
「イ、イヤアアアアアアアアア!!」
KASに向かって引き金を弾くロール。
その結果を見ることもなく、ロールは塔から逃げ出した。

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「ロック、マン?」
萃香が塔に向かいながら聞いた放送で、呼ばれた死亡者。
ゴマモンなど、他にも気になる名前はあったが、それ以上に衝撃的な名前……ロールの言っていた、兄の名前。
嫌な予感が萃香の胸をよぎる。
「なんなの、このタイミングは!」
萃香は走り、塔に向かう。

塔の入り口に立つ萃香。
(今、私が顔を見せて平気なのか?)
兄の死でショックに陥っているだろうロールに、自分の言葉が届くのか。
「……いや、行くしかないか」
嘘が嫌いな萃香でも、ちょっとした詭弁で誤魔化す時はある。
だが、今はそんな時じゃない。嘘偽りない言葉を、ロールに伝えよう。
塔を駆ける萃香。

「ニート、ロール、KAS!」
その声に、反応するものはいない。
もう塔にはいないのか? そう思い始めたとき、萃香の鼻に……絶対嗅ぎたくない臭いが漂ってきた。
206Classical名無しさん:08/02/24 00:02 ID:5csqnEQ6
スパイラル支援
207Classical名無しさん:08/02/24 00:02 ID:d5CUsHrQ
愛媛の支援配信
208東方萃夢竜 7/27 ◆CMd1jz6iP2 :08/02/24 00:03 ID:3NwNixNE
「血? 血の臭いって、何で、どうして!?」
その臭いが、間違いであって欲しいと。ニートがエロイ事を考えて出した鼻血でも何でもと、願い走る萃香の眼に。
「ニー……ト」
事切れたニートの死体が、その願いを完膚なきまでに打ち砕いた。
「ニート……嘘だろ、なんで……うはwwwとか、冗談だよwwwwとか何とか言ってよ!」
銃弾に体を貫かれ、おそらくは即死だったろうニートは、眠ったように死んでいた。
ゲームに乗った奴が襲ってきて……せめて、そう思いたかったが、この弾が出る銃を持っていたのは……ロールだ。
「私のせいなのか……私が、ロールを勘違いさせたから、こんなことに……」

「そんなこと言うな、西瓜。ニートが報われないだろうが」
部屋の中から、声がする。
この部屋にいるのは、萃香とニートの死体だけ。あとは、妙な甲羅が……
ニュッと、その甲羅から手足が生えてきた。
「うわっ!?」
更に頭が出てくる。それで、そいつがKASだと分かった。

「KAS……無事だったのか?」
「一つだけ聞くぞ、西瓜。―――お前、ロルーちゃんが言ったように人を殺したのか」
「……殺したよ、ロールたちと会う前に。でも、ニートとロールと出会ってからは、誰も殺してなんかない!」
萃香は出会ったレナたちのことを話した。死んだティアナのことも……その死体を、仲間が眠る場所に埋めて欲しいと頼まれたことを。

途中、友人という言葉にKASは思うところがあったようだ。
「友人……おお、思い出した! 成長する男、友人! MINTIA以上の悪魔が作ったステージを越えた姿には、俺すらスライディングオベーションしたくらいだ!」
スタンディングオベーションじゃないのか? ……駄目だ、このままだと脱線するから戻そう。
……でも、そこは誰かに荒らされていて……死体を埋めなおしたところを、ロールに見られたことを話す。

「そうか。それでロルーちゃんが勘違いしたんだな」
「……疑わないのか、お前」
「ぶっちゃけると、ちょっと怪しい。だが、このKASに間違いはない! 俺はニートが正しいと信じたからそれが真実!」
KAS理論に唖然とする萃香だが、少しだけ嬉しかった。
「ニートが、私を信じたって……いや、それよりここで何があったんだ?」
209東方萃夢竜 8/27 ◆CMd1jz6iP2 :08/02/24 00:04 ID:3NwNixNE
KASは、放送で死亡者を聞いた後のロールの異変について語った。

「俺は、なんとか甲羅に身を縮めて助かったんだが……手足の出し方が、今までよくわからなかった」
なんという失態、と頭を抱えるKAS。
「ニートのこと、気に入らなかったけどな。ふざけていても、仲間のことを信じてた。俺は、ニートの信じたものを信じるぜ!」
「……ロールを、追いかける」
萃香は、ロールの荷物がそのまま置いてある事に気が付いた。
「ロール、銃だけ持って出て行ったのか」
急いで追いかけようと、ニートの荷物を纏め始める。
その中に、綺麗な字で書かれたメモ用紙が目に止まる。
それには、KASとニートの塔内部で集めた情報が書かれていた。
「ロール……お前は、一人でこの面子を纏めて、真面目に考えてたんだな」
そういえば、とレナから貰ったメモにも目を通し……た。

「なに……これ」
異世界程度なら理解してた。アニメと似た世界? 宇宙人? ニコニコ動画? あれ、これってノーパソに入ってるよな。
ルールXYZΩ、盗聴に、監視員!? 憶測が多いけど、これだけの情報を、どうやって集めたんだ?
頭を使うのは専門じゃないことは、わかっていた。だが、丸一日自分が何をしていたかを考えると……やめよう、阿部に失礼だ。
今もなお男狩りをしているだろう阿部が、正しくないわけじゃない。自分に正直なだけだ。
私が集めようとした誰もが、祭りに歯向かおうとしていたから……私が道を違えただけのこと。

「俺も行くぞ、西瓜」
「KAS、私はロールと戦うつもりは……」
「わかってる。だが俺もニートを助けられなかった責任を感じまくりだ。俺に何が出来るともわからないが、手伝うぜ!」
KASの頭に、助けられなかったあいつ(谷口)が浮かんでいた。ロールも同じ目にはあわせたくない。
その真剣さは、顔が顔のせいで伝わってこない。だが、萃香は頷いた。
「うん、わかった。……ニートを埋める時間がない。悪いけど、これで我慢してもらおう」
ニートの上にシーツをかぶせて、二人は部屋を出る。

―――ロールちゃんのこと、よろしくなwwwww―――
「「……ああ、任された」」
疲れているのだろう。聞こえるはずのない声に、二人して応えた。
210東方萃夢竜 9/27 ◆CMd1jz6iP2 :08/02/24 00:06 ID:3NwNixNE
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「ううん……?」
目が覚めたヨッシーは、自分の体が宙に浮いている感覚に戸惑った。
家の中のようで……誰かに掴まれている。
「うわっ、あなた誰ですか?」
「あれぇ、起きちゃったんだ」
キモイ。正直にヨッシーはそう思った。
なんかオカマっぽい生き物から女の声。キャサリンの方が何倍かかわいいくらいだ。

「ちょっと待っててね。あなたのご主人様を壊す前に、向こうから誰か来たみたいだから」
ご主人様? 少し考えるが霊夢のことだとわかった。
それを、壊す。どう考えても危ない奴だ。富竹より危ないかもしれない。
「あの……富竹さんは?」
「そこで寝てるよ。後で食べるつもり」
「ええ!?」
食べる……人間を? 美味しいとは思えない。いくらお腹が空いてても……どうだろう。

「YOKODUNAも食べてたし……美味しいのかなぁ」
「うん、興味があるの?……っと、ちょっと静かにね」
誰かが走ってくる足音。
その人物が、隠れた民家の脇を走り抜けようとした際……捕らえた。
「ヒャ、ああああああ!?」
恐怖が伝わってくるような悲鳴。
小さな少女らしい、その子の首筋にオカマが噛み付く。

「むぅ……? 人間じゃあ、ない?」
「そうみたいですね。ロボットですよ、こいつ」
一人で会話してる。イカレテル、としか思えなかった。
「ア、アアアアア……殺さないで、殺さないでええッ……!」
ガタガタと震える少女。その体に付着したものにヨッシーは驚く。

「わわっ、血!?」
211東方萃夢竜 10/27 ◆CMd1jz6iP2 :08/02/24 00:08 ID:3NwNixNE
「……へぇ。なんだ、人を殺してきたばっかりなんだ」
殺してきた。その単語に少女は目の焦点も不確かになる。
「コロシタ……私が殺した。ニートさんを……ア、ア、アアアアア!!」
「うわぁ……危ない人みたいですね」
「これは……使えるかもね」

怪しい笑みを浮かべるオカマ。
笑みを浮かべたまま、そっと少女の頭に手を置く。
「安心していい。優勝すれば生き返らせることが出来る」
「ひっ……ゆう、しょうって……!」
つまり、他の参加者を皆殺しにするということ。
そんなことを平然と言うこいつは、何者なのだろう。
「私はヴァンデモン。その様子だと、ちょっとした間違いで人殺しをしてしまったようだけど」
「わた、わたしは……殺す気なんか!」
「わかっている。だから、優勝して全員生き返らせる。それが最良の選択」
とんでもないことを言うヴァンデモンとかいうオカマ。

ヨッシーは、それは違うよと言いたかったが、ヴァンデモンに睨まれてやめた。
「殺す……殺す……そうよ、きっと今生きてる人なんて、みんな人殺しだけ。こ、殺したって……」
殺す、と何度もつぶやくロール。だが、やはり迷いが見て取れる。
そこに
「うおおおおおおお!!!!」
「きゃあああ!?」
目覚めた富竹が、スタンガン片手に襲い掛かってきた。

「ふん」
無造作に、馬鹿みたいに大きな鉈をヴァンデモンが振るう。
「ア……グアアアアアア!!!」
富竹の、咽が真一文字に切り裂かれる。
「ギ……ぐぞぉ……だがの、ざん……は、るひちゃ……」
血の噴水の中、富竹は二度と動かなくなった。
212Classical名無しさん:08/02/24 00:08 ID:5csqnEQ6
愛しの支援が倒せない
213東方萃夢竜 11/27 ◆CMd1jz6iP2 :08/02/24 00:08 ID:3NwNixNE
「あわ、あわわわわ……!」
怯えるヨッシーの脇で、ぐるんと白目を剥いて少女が倒れた。
「アハハハハ! 刺激が強すぎたかなぁ!?」
ぐぎゃぎゃ、と笑うヴァンデモンはヨッシーと少女を掴み、移動する。
「うわっ、ど、どこに行くんです?」
「あなたのご主人様を迎えに。……ご主人様は、あなたを助けてくれるかな?」
当然のように、ヨッシーを交渉に使うと、ヴァンデモンは言った。

民家につっこんだジープから、何かが這い出る。
『大丈夫ですか、レイム』
「なんとかね……いたた」
全力の防御魔法を展開したことで、霊夢は無事だった。
全身を強く打ったが、特に後に残るような外傷はない。
「早くヨッシーを助けないと……エリアサーチ」
近くに動くものがあるかを確認する。

『……近くに三名ほど固まっているようです』
「三人……? 一人多いわね」
家から慎重に出る。
『近づいてきます、レイ、ム……!?』
レイジングハートの念話が、乱れる。
『そんな……そんなはずが……』
「れ、レイジングハート? どうしたのよ」

『誰か、近づいてきます。……先ほどの、3名かと思いますが……この、魔力は?』
明らかにおかしい様子のレイジングハート。
霊夢は詳しく聞こうと思ったが……近づいてくる異質な何かに気がつき、そちらに集中した。
「へぇ、無傷とは驚いたなあ。ちょっと驚いちゃった」
「吸血鬼? 随分と古典的な姿ね。レミリア辺りが鼻で笑いそうよ?」
暗闇に立つ闇。典型的な吸血鬼を思わせる風貌に似合わない、明るい女性のような声。
その手に、握られた二つの影。
「ヨッシー!」
214東方萃夢竜 12/27 ◆CMd1jz6iP2 :08/02/24 00:10 ID:3NwNixNE
「うう……霊夢さん……」
その片方が、ぐったりしているヨッシーだった。
もう一人は、小さな女の子の様だが暗くて顔までは見えない。

『なぜです……なぜ、あなたは……高町なのはの声で話すのですか。高町なのはの魔力を持っているのですか!』
「なんですって!?」
高町なのは。レイジングハートの本来の持ち主で、放送で呼ばれた死亡者。
その魔力と、声を持つ……霊夢にはどういう意味かわからない。
「お初にお目にかかります。私の名前はヴァンデモン……放送じゃチューモンなんて呼ばれたけどね。
それって、たかまちなのはの武器……れーじんぐはあと、だっけ? 「知ってる」よ、あなたのこと。
それにしても、体を食べたわけじゃないのに、こんなに覚えてるなんて……凄く絆が深かったんだね、あなたたち」

食べた。また、それ?
霊夢の表情が怒りに染まる。
『どういうことです……吐きなさい、この化物!』
「怒らないでよ。死体はちゃんと殺した人が埋めてたから、食べてないよ? 私は魔力の塊を食べただけ。
ああ、でも惜しいなぁ……それだけで、こんな力を得たんだもの。体も全部食べちゃえばよかった」
「レイジングハート!! 行くわよ!」
『Yes My master!!』
これ以上聞くだけ無駄だと、魔力を高める霊夢。

「馬鹿ですか、あなた? 今の状況、理解してないんですかぁ?」
今度は違う声で、吸血鬼は足でヨッシーを踏みつける。
「あうっ!」
「ヨッシー!」
つぶれたような悲鳴をあげるヨッシー
「あんまり私を怒らせないほうがいいですよ。こんな恐竜、いつ殺してもいいんですから」
「その声……うどんげまで食べたのね、あなた……!」
「やったー、私も名前がわかりましたー!」
「私だけ名前が分からない……愛しいあの人を殺すまでに思い出さないと」
異様な独り言。
それに嫌気がさしたように、霊夢がレイジングハートを構える。
215Classical名無しさん:08/02/24 00:10 ID:5csqnEQ6
支援っていう
216東方萃夢竜 13/27 ◆CMd1jz6iP2 :08/02/24 00:11 ID:3NwNixNE
「ヨ、ヨッシーが、人質になると、思ってるら、ら大間違いよ!」
あれ、と霊夢は自分の声に驚く。

「ぐぎゃぎゃぎゃぎゃ! そんな震えた声で、何言ってんですかぁ?」
そんなこと言われても、霊夢自身どうなってるのかわからない。
『レイム……あなた、友人が人質に取られた経験はありますか?』
「……ない、けど。これって、そういうことなのかしら?」
自分の手で仲間……ヨッシーの命を奪うかもしれないこの状況。
どんなピンチも、なんとなく乗り越えてきた霊夢。
どんな敵にも、なんとなく勝ってきた霊夢。
何の努力をせずとも、全て才能だけで乗り越えてきた霊夢。
才能も能力も制限された今、初めて本当の窮地にたたされていた。
やよいのときとは違う。ちょっと腹が立つことがあっても、丸一日を共にした仲間であるヨッシー。
こんな状況でも冷徹に対処できると思っていた霊夢は、戸惑いを隠せない。

「無理しないで。ちょっとお願いを聞いてもらいたいだけだよ」
「お願い?」
「そう。その武器の譲渡、及びこのゲームに乗らない参加者の殺害」
「そんな要求、聞くと思ってるの?」
ヴァンデモンは答えない。
ぐちっ
「ぎゃああああああああ!!!」
「ヨッシー!!」
何かがつぶれる音と、ヨッシーの悲鳴。

その声に、霊夢の中の、非情さも冷静さも砕け散った。
「待って! わかった……わかったから!」
『レイム!』
霊夢の悲痛な声に、満足げに笑うヴァンデモン。
「さぁ、早くこちらに」
霊夢は、近づくために一歩踏み出す。
「れいむ、さん……」
217Classical名無しさん:08/02/24 00:11 ID:GvP8MW.I
ニコニコバトルロワイアル
書き手VS支援兵団
218東方萃夢竜 14/27 ◆CMd1jz6iP2 :08/02/24 00:11 ID:3NwNixNE
今にも絶えそうなヨッシーの声。
「ヨッシー、待ってて。今助けるから……」
「れいむさん……こいつは、僕をたすけるきなんか、ないです」
ヨッシーは知っていた。こいつは、一人残らず殺す気だと。
「こいつは、みんな殺す気です。僕の事だって……!」
「五月蝿いトカゲだなぁ。永遠に黙らせてあげようか?」
「ど、どうせ……今踏まれたので、もう……ううう」
ヨッシーは、霊夢を見る。

「霊夢さん。僕には、ヨースター島やヨッシーアイランドに、同じ種族の仲間がたくさんいるんです。
みんな、僕と同じで食いしん坊な奴らですけど……悪い奴らじゃないですから、遊びに行ったら仲良くしてやってください」
「ヨッシー?」
「このトカゲ、なにを!?」
ヨッシーの舌が、ヴァンデモンの足を絡めとる。
「ッ……こいつ!」
その舌と足の間に――粘土のようなものがあった。それをヴァンデモンがとってしまわないように、舌で固定しているのだ。

霊夢の鋭すぎる勘は、ヨッシーが何をする気かを漠然と理解してしまう。
「ヨッシー……やめなさい!」
「あれ、これって結構甘くて美味しいかも――」
ヨッシーの言葉を掻き消す大爆発と土煙が巻き起こった。
ヨッシーの持っていたC4プラスチック爆弾による爆発が、ヨッシーの姿を飲み込む。
「ヨッシィィィーーー!」
霊夢の悲鳴も、何もかもを、爆音が消し去った。

爆心地に、霊夢は立つ。
「ヨッシー……」
何か。赤黒い何かが、緑色の何かを、集め終わったばかり。
あんなにたくさんの物を食べたスーパードラゴンは、両手で抱えられる程度しか、残らなかった。

「……もっと、好きなだけ食べさせてあげればよかった」
ボロボロと涙をこぼす霊夢に、レイジングハートもかける言葉が見つからない。
219東方萃夢竜 15/27 ◆CMd1jz6iP2 :08/02/24 00:13 ID:3NwNixNE
「本当にしょうがない馬鹿なんだから……くッ……うっ……うわぁああああああん……!」
自分らしくないと、わかっていても。こんなことをしている場合じゃないとわかっていても。
涙が、どうしても止まらなかった。

「お前――霊夢、か?」
はっとして、レイジングハートを構える。
月に照らされる、人影。否、人影ならばあるはずのない、双角。

「萃香……?」
幻想郷に住む、唯一の鬼。
宴会好きでバトル狂。いつも酒臭いつるぺた幼女。
ロールを探している途中、爆発を聴いてやってきたのだった。

『レイム、離れなさい! 彼女からも、なのはの魔力が……先ほどの吸血鬼の仲間です!』
「ッ――やっぱり、あんたも殺し合いに乗ってるのね!」
萃香の性格ならむしろ当然だ。鬼なんだから、人食いくらいするだろうと距離を取る。

「いいいいやっふううううううう!!」

その場の空気を全て破壊するブレイカー、KASが現れて全部台無しになった。
「もちつけぺったんつるぺったん! レムー、ここで何が……!!」
だが、そのKASですら、集まった肉片に顔面を蒼白にさせる。

「ウワアアアアああッ!? でっでいう!? 嘘だろぉぉぉ!!」
KASまでもが崩れ落ちる。
「KAS、そこの鬼から離れて! ヨッシーを殺した奴の仲間よ、そいつ!」
「うぐっ……ま、待てレムー。状況は掴めないがそれは違う。西瓜は俺と一緒にいた仲間だ!」
「いや、いいよKAS。なんとなく敵視されてる理由はわかってるから」

KASの前に出る萃香。
「高町なのは、でしょ? 私が殺したよ、嘘はつかない。ただ、私は、もう祭りに乗ってない。
今の状況だって、何がなんだかさっぱりだ。だから、私とこの状況の関係を教えてよ」
220東方萃夢竜 16/27 ◆CMd1jz6iP2 :08/02/24 00:15 ID:3NwNixNE
『何を言って……あの吸血鬼と同じ、高町なのはの魔力を持ったあなたが知らぬ存ぜぬとは……』
「おおーい、ちょっと待ってくれ! 俺たちはロルーちゃんを探さないといけない! シリアスな話はポーズかけようぜ!」
KASが空気を読まない。レイジングハートもプッツンしかける。
霊夢だって同じだ。ヨッシーの死より大事なことなんて今はない。

「何よ、ロルーちゃんって」
「いや、ロールっていう私達の仲間だ。向こうはそう思ってないかもしれないけどね。
こっちに来たはずなんだけど……私みたいな幼女見てないか?」
「何が幼……あ、れ?」
辺りを見回す霊夢。いくら見回しても、ヨッシーの肉片しかない。
――ヴァンデモンの肉片も、あの少女の姿も、ない。
「レイジングハート、エリアサーチ!」
何故気が付かなかった。何故、今まで呆けていたのかと、歯噛みする。
ヨッシーが命を賭したのに、逃げられた。その事実が、霊夢の萃香への疑念が灯る。

「萃香、私はあんたのことが信じられない。あのヴァンデモンとかいう吸血鬼の仲間じゃないの?」
「私が嫌いな吸血「鬼」なんかと組むと、思ってるんだね。私は嘘を吐かないって知っていても」
「あなた、前に言ったじゃない。「少しなら吐くかも」って。だから、証明なさい」
レイジングハートを、萃香に突きつける。
「頭の固い、四季映姫の真似事じゃないけれど……私が「白黒」つけてあげる!」
泣いて、赤く腫れた目で睨みつける霊夢。

「証拠を見せろって事? そう言われても、ね。霊夢はいつも、証拠無しで犯人扱いするくせに」
「……そうね。でも、いつものように叩きのめして……あんたを殺さない自信が、ないわ」
「自信がない? 霊夢には似合わない言葉だね。さて、吸血鬼が何のことかもわからないし、特に証拠なんてないんだけど……」
萃香は、頭を抱えだす。
「そんな悩むな西瓜。無いなら裏技を使うのがセオリーだぜ!」
「裏技か。それなら……」

両手で……角を握る。
「―――これで、信じてもらえないかな」
221Classical名無しさん:08/02/24 00:15 ID:d5CUsHrQ
支援な誓い
222東方萃夢竜 17/27 ◆CMd1jz6iP2 :08/02/24 00:16 ID:3NwNixNE
そのまま、根元から……萃香は自分の双角を叩き折った。

「なっ―――!」
「私は、駄目な鬼だ。友との約束を破って、主を守れなかった。自分の欲望のままに動いて、気づいたら守るものも、失いかけてる。
この角は、私の誇り。折ったのは、何も守れなかった私への戒めだ。証拠の代わりに、これで信じてもらう――ってわけにはいかない?」
「それ……私が駄目って言ったら折損よね」
角の無くなった頭を抱える萃香。

「うわあ、やっちゃった!? KAS、角戻らないかな。具体的にはガムテープとかで!」
「お前、物理的に無理すぎるぞ! ここはアロンアルファだろ、常考」
「その発想はなかったわ」

「アホが二人に増えたわ……」
黙っていたレイジングハートが、言葉を発する。
『レイム』
「レイジングハート……ごめん、私は……」
『あなたは……良い友人を持っている。道具に過ぎない私が口出しすることは、何もありません。
……まぁ、あなたが彼女を吹き飛ばしたいと願うなら、それはもう喜んで力を貸しますが』
「……ありがとう」
騒ぐ二人に、霊夢が声をかける。

「その角は、私が預かるわ。……その決意を信じるかわりに、ね」
「ホントに? いや、悪いね。……さっそくなんだけど、私の仲間を知らない?」
「萃香、あなたの仲間だけど……ヨッシーを殺した奴に、攫われたんだと思う。……行方は、魔法で捜してる最中よ」
その答えに、萃香は失意を隠せないようだった。
「ちょっと待ってて」
レイジングハートの一撃で、軽く地面を吹き飛ばす。
その中に、ヨッシーを埋めた。

「――さようなら、ヨッシー。三途の川で魂とか、食べたらダメよ?」
『――レイム、クロスミラージュの魔力を探知しました。薬局の方角です』
見つけた。霊夢は、レイジングハートを強く握り締める。
223東方萃夢竜 18/27 ◆CMd1jz6iP2 :08/02/24 00:18 ID:3NwNixNE
「霊夢、どうしてそんな奴と、私が仲間だって思ったか……聞いてなかったね」
「それはこっちが聞きたいわ。時間がないから、向かいながら話しましょう。
あいつが何者か知らないけど……逃がすわけにはいかない」
仲間を失った三人の目には、決意が宿る。
ふざけた殺し合いを止める決意。残った仲間を守る決意。
―――戦い抜く、決意が。

【E-4 街中/二日目・深夜】
【博麗霊夢@東方project】
[状態]:精神的疲労、悲しみ、全身を打って痛い、バリアジャケットの腋部分破損、魔力消費中、すこし眠い、血霧の巫女
[装備]:レイジングハート@魔法少女リリカルなのはシリーズ、巫女風バリアジャケット@巫女みこナース、ワルサー カンプピストル@現実(1/1)(26.6mm信号弾残り6発)
[道具]:支給品一式(パンは一個だけ)、YOKODUNAの支給品一式*4(水食料全消費)、フリップフラップ@ニコニコキッチン、
首輪、ドリル@ミスタードリラー、 博麗アミュレット(130/200)、メモ用紙(10/10)、魔理沙の帽子、
ドリルアーム、気合の鉢巻き@ポケットモンスター、クマ吉の手錠@ギャグマンガ日和、ドアラの着ぐるみ@ドアラ動画シリーズ、
全自動卵割機@サザエさん、億千万の思い出@現実、マント羽根*2@スーパーマリオワールド、
キーボードクラッシャーの音声(の入ったiPod)@キーボードクラッシャー、萃香の角*2
[思考・状況]
1.ヴァンデモンを殺す。ロールを探す。
2.とりあえず萃香を信用。わからないことが多いので聞けるだけ聞きたい。
3.城に帰って寝る。お風呂にも入りたいな
4. Niceboat.の探索
5.怪しい人には無理のない程度に接触、無害なら適当に交渉
6.今回の事件の解決(主催者の打倒)
7.クロスミラージュを調べたい。
※ジープ@ヤンマーニは大破しました。民家に突っ込んでいます。
※ヨッシー、富竹、クロミラの事を変態だと認識しました。
※船橋前の通路には霊夢の張った結界があります。
 物理的な効果はありませんが、船内でのみ、霊夢はそこを何かが通ったことを知ることができます。
※霊夢はカイバーマンたちと情報交換をしました。霊夢は大方把握しています。
※Niceboat.後方甲板にはまだ何かがあるみたいです。
※第四回の放送を聞いていません。
224Classical名無しさん:08/02/24 00:18 ID:d5CUsHrQ
支援めくれぇぇぇ!!
225Classical名無しさん:08/02/24 00:19 ID:eOwe3Fj6
支援せざるを得ない!
226東方萃夢竜 19/27 ◆CMd1jz6iP2 :08/02/24 00:20 ID:3NwNixNE
【伊吹萃香@東方Project(つるぺったん)】
[状態]:精神的疲労、軽い怪我、角がない、体力中回復、妖力小回復、魔力中回復、機動六課代行
[装備]:ミニ八卦炉@東方project
[道具]:支給品一式*3(食料1食分、水2食分消費)、秘密の鍵@スーパーマリオワールド、ワイン、マネキンの腕、傘@現実
A.C.E.3@現実(少し詩音の血がついている)、DMカード(エネミーコントローラー、融合)、塔組の推理メモ、塔の『バグ』について纏めた紙
バルサミコ酢@らき☆すた、グルメテーブルかけ(残り19回)@ドラえもん、ノートパソコン(バッテリーほぼ消耗)@現実
[思考・状況]
1.ロールを探して説得する。(城へは必ず向かいたい)
2.霊夢に信じてもらえたけど、角を折るのは、やりすぎたかなぁ
3.機動六課の意地とやらを、自分なりに考えて主催者にぶつける。
4.つるぺた保護。
5.阿部のことは・・・あいつなら無事だろうから保留。
6.巨乳死すべし?
7.せっかくなので腕試し。主催者と戦いたい
8.貧乳はステータスだ!希少価値だ!
※巨乳に対する絶対的悪意が薄れつつあります。
※自分の心境の変化は、なのはのリンカーコアを取り込んだ影響だと思っています。真偽はわかりません。
※リンカーコアの黒い部分によって、なのはの性格が変わっていたのではと推測しました。真偽はわかりません。
※塔組と情報交換しました。 KASの情報は、海馬の名前しか知りません。
※二枚のメモの内容を把握しました。搭組のメモには、予想も含む情報が書き連ねてあります。
227Classical名無しさん:08/02/24 00:20 ID:b3AKq1sI
支援があるから投下は楽しい、そうだろ?
228東方萃夢竜 20/27 ◆CMd1jz6iP2 :08/02/24 00:21 ID:3NwNixNE
【KAS@KAS動画】
[状態]:甲羅マリオ、右拳骨にヒビ、お尻に火傷、やっぱりハイテンション、 強い決意と熱い闘志(?)
[装備]:スパイダーブレスレット@東映版スパイダーマン、バーサーカーソウル@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ
[道具]:支給品一式*2(水全消費、食料はニートのもの)、ケンジのカメラ@ポケットモンスター、塊@塊魂、黄色甲羅@スーパーマリオシリーズ
うまい棒、津田英治ブロマイド(音声付き)@大変な途中下車シリーズ、ビー玉(30個ほど)@ピタゴラスイッチ
[思考・状況]
1.ロールを見つける。でも早く海馬達の所に行ってバグの事を色々教えてやりたい
2.でっでいうがああああああ!! 殺した大馬鹿野朗を倒す!
3.主催者をぶっ飛ばす前にTASと決着をつけたい
4.あいつ(谷口)の死の責任を取る!!
5.このカード、あいつの仲間に渡したいけどどいつが仲間なんだろ?
6.このクソゲーをぶち壊してボスのスットコドッコイを倒して土下座させて
悪い奴以外全員生き返らせるぜ!!!!
※第三放送を禁止エリア、死亡者共に聞き逃しました。一応禁止エリアの方は最後の−4というところだけは聞こえました。
※青甲羅を着ました。実はただ着ただけで身長は戻っていません。
マント、フラワー、キノコの何らかを手に入れれば元の大きさに戻ります。
※放送により、ニコニコ動画に関する記憶が徐々に戻ってきています。

※塔の一室に、シーツがかけられたニートの死体があります。

【ニート@新世紀 東方三国志〜ひぐらしの憂鬱〜 死亡】
【富竹ジロウ@ひぐらしのなく頃に 死亡】
【ヨッシー@スーパーマリオシリーズ 死亡】


薬局の近くに潜む、二人。
「……あの緑の恐竜を、侮り放置したのが失策。この怪我で済んでよかった」
その一人……ヴァンデモンの右足……そこには何もなかった。
あの時、ヨッシーの舌で絡めとられた足を、鉄塊鉈で自ら切り落とした。
近くのロールを担ぎ、魔法で飛行しながら富竹の死体を回収し、ここまで逃げてきていたのだ。
229Classical名無しさん:08/02/24 00:21 ID:5csqnEQ6
支援支支援支援
230東方萃夢竜 21/27 ◆CMd1jz6iP2 :08/02/24 00:22 ID:3NwNixNE
「町は激戦区だとわかっていたのに……完全体に進化して、調子に乗っちゃったかな?」
ヴァンデモンとなったことで、自らを過信した結果がこれだ。
慎重さと姑息さを忘れたゆえの敗北。まだ次があることに感謝する。

「さて……やってみるかな」
富竹の死体から、脚を切り取った。
それを、自らの失った足にあてがう。
「情報改変、最大出力……!」
神経と神経を、細胞と細胞を無理矢理つなげ合わせる。
繋がった足の指を動かそうとするが、ほとんど感覚もない。

「徐々に「馴染む、馴染むぞー」って、なっていけばいいんだけど」
その前に、この町を離れる必要がある。
あの巫女が、自分を探しているのは明白。ここは逃げることにしたのだ。

「さて、準備は済んだかな?」
振り向くと、そこにはロールがいた。
その姿は、野良猫のようなコスプレに変わっていた。
手には銃……クロスミラージュが握られている。

ロールの動力部には、ローゼンメイデンの魂の結晶であるローザミスティカが収められている。
「これで……魔法というのが使えるんですか?」
このロボットの声を聞いていると、何故だかイライラしてくる。
しばらく考えて。かつて、同じ声の持ち主に……いや、その仲間に敗れた記憶が蘇るからだと気がついた。
(そうかそうか。タカイシタケル……パタモン、パタモンと泣いていた、あの選ばれし子供と声が似ているんだ)
ああ、これで存分に使い捨てることができる。実に楽しい。
「ああ、そうだよ……さて、これはおまけだよ」

「えっ……ぐ、ああああああ!?」
情報改変で、ロールのリミッターを完全に解除する。
これで、力も運動性能も格段に上がった。もちろん、その後のことなんて知ったことではない。
「んああッ……こ、こんあ……む、無理したら、ひんじゃいます……!」
231Classical名無しさん:08/02/24 00:23 ID:d5CUsHrQ
支援&支援
232東方萃夢竜 22/27 ◆CMd1jz6iP2 :08/02/24 00:24 ID:3NwNixNE
「死ねばいいじゃない。どうせあなたは優勝できない。代わりに私が優勝してあげるから、それの手助けをしてよ」
自分の為に死ね。そう言い渡され、ロールは震える。
「本当に……本当にみんな生き返らせてくれるんですか?」
「安心して。私も大事な愛しい人を生き返らせたい。そのついでだから」
その後、殺すんだけど。
「ひっ……うぅ……わ、わかりました」
ロールの心の中には、ニートを殺した罪悪感が渦巻いている。
ロックとニート。そしてKASを生き返らせるためなら何でもすると、悪魔との取引をしたのだ。
「町中の参加者を殺すんだよ……そう簡単には死なないでね。強力なクロスミラージュを渡したんだから」

クロスミラージュは、強い武器だ。それを何故渡したのか。
ヴァンデモンも装備してみたが……えらいことになった。
「四つの思考の混ざった混沌としたコスチューム。しかもヴァンデモンには致命的に似合わない」
どうやっても変えられなかった。マーダーや対主催に関係なく、視力を守るために殺されそうな姿だったので使用を断念した。
AIを改造して使おうかとも思ったのだが、厳重なプロテクトが施されていて、情報改変でも破ることができなかった。

「AIはバグを起こしてるのに……どうしてなのかな?」
それっきり、クロスミラージュは黙ってる。
仕方ないので、ローザミスティカごとロールに使わせることにした。
その魔力で銃を使え、更に操ることが出来るという、まさに一石二鳥。
少し勿体無い気もするが、自分をカマ野朗呼ばわりする道具など、スクラップになっても問題ない。

「それに、私にはこれがある」
ヴァンデモンに支給された残りのアイテム。

それが後頭部に刺さった、CPU「インテル」。これが正しい使い方なのが、未だに信じられない。
説明書には「あなたを進化させるテクノロジー」と書いていたので、文字通り進化を期待したのだが、それはなかった。
だが、頭の巡りが良くなり、二つの能力を同時に使えるようになったことは事実だ。
233東方萃夢竜 23/27 ◆CMd1jz6iP2 :08/02/24 00:26 ID:3NwNixNE
もう一つの支給品は、インテルよりも胡散臭い。
やはりCPUで、ジェバンニというらしい。
説明書には「ジェバンニみたいにやれるようになる」としか書いていない。
インテルとの併用はできないようで、ジェバンニが何かわからないため、使う気が起きなかった。

「もし、死なずに参加者を殺せたら……D-2の橋に支給品を持ってきなさい。日が昇るまでは待っててあげる。
特に、デジヴァイス……時計みたいな妙な機械を見つけたら、町の掃討を中止してでも届けにきなさい。」

ヴァンデモンはある重大な事実に気が付いていた。
それは、これ以上の進化が出来ないこと。
ロールが目覚める前に、富竹の首だけ残し、残った体の血を啜った
だが、進化するという感覚がまったく感じられない。これは、データが足りないのとは違う気がした。
「ロールちゃんの声のおかげで、その理由が思いついたよ。……きっと、デジヴァイスが必要なんだね」
選ばれし子供が、デジモンを進化させるために使っていたデジヴァイス。
あの、山にいた七大魔王も同様の方法で進化したに違いない。
このゲームに乗った、デジヴァイスを扱える参加者を利用して究極体に進化しようと考えたのだ。

ヴァンデモンは、ベレッタM92Fにマガジンを装填する。
自分の能力ばかり使っていては疲労が溜まるばかり。
常人を殺すには、これで十分だと詩音の人格が言う。

(銃の扱いに関しては、知識がありますから。魔法や情報改変ほどじゃありませんが、役に立てそうですよ)
しかし、様々な弾薬の中には詩音の知識のないものもある。
(これは……デバイスのカートリッジだね。……ロールちゃんに渡すのは勿体無いか)
所詮は捨て駒の域を出ない。町の参加者を減らし、支給品を自分に届ける。それまで持てば御の字だ。
リミッター解除にデバイスにローザミスティカ。これだけでも大盤振る舞なのだから。

富竹の首を、ディパックにしまってある。
首を残した理由は簡単だ。
最期に、たかのだか、はるひだか、言葉を残して死んだ。仲間の名前に違いない。
ハルヒ、という参加者は居た。この首を見せれば、怒り、絶望するだろう。
それがデジヴァイスを持つ者なら、私を進化させられるかもしれない。そうでなくとも、霊夢に殺されたとでも言えば、疑心暗鬼に陥る。
234東方萃夢竜 24/27 ◆CMd1jz6iP2 :08/02/24 00:28 ID:3NwNixNE
「じゃあ、任せたよ。絶対に命令は守ってね。じゃないと……なんだっけ、ロック? 生き返らないよ?」
「わ、わかって、ます。たくさん、たくさん殺しますから……みんなを生き返らせて!」
あまり期待しないでヴァンデモンは橋に向かった。
ヴァンデモンは、足を引きずりながら移動を始める、
その足に、僅かな痛み。うまく繋がり始めたらしい。
これは、夜であるため、ヴァンデモンの能力が最大に発揮されていることも回復を助けていた。
「日が昇れば、能力が半減しちゃうからね。それまでに進化しないと」
ヴァンデモンは、本物の吸血鬼ほど日に弱くはないが、太陽下では、その能力が激減してしまう。
それまでに、究極体に進化したい。それが無理ならば城などに隠れるしかない。
デジヴァイスとそれを扱える参加者を得るために、ヴァンデモンは橋に急いだ。

【E-3 草原/二日目・深夜】

【ヴァンデモン【チューモン】】
[状態]:自我放棄、姑息さ上昇、右足切断(富竹の足移植済み。障害有り)
魔力使用可能、目が赤い、情報改変可能、弾幕使用可能、ヤドリギの種(弱)使用可能
[装備]:鉄塊鉈@ひぐらしデイブレイク 、ベレッタM92F(15/15)@現実、予備弾薬各100発@現実(ベレッタM92F用15発消費)、インテル@intelシリーズ
[道具]:支給品一式*3、RPG-7(残弾4)@GTASA富竹のカメラ@ひぐらしのなく頃に、AK74(17/30)@現実
スタンガン@ひぐらしのなく頃に ピッキング用針金、フィルム、富竹の首
[思考・状況]
基本1:デジヴァイスと、それを使える参加者を手に入れる。
基本2:山と城から来る参加者を待ち伏せできる橋まで移動する。
基本3:日が昇るまで橋で待ち伏せし、ロールが支給品を持ってくるのを待つ。
基本4:参加者を混乱させる。
基本5:二人組みマーダーのパソコンのデータを食べたい
基本6:ハルヒという参加者に富竹の首を見せ、疑心暗鬼に陥らせる。
基本7: ソノザキシオンに名前の近い人を拷問にかける
基本8: あの女が、師匠。見つけたら殺す。
基本9:主催者に復讐したい。
総意:派手な争いをせずに、計略的に進化して、全参加者と主催者を拷問してから残虐に壊す。
あと、愛しの彼を蘇らせて、同様に壊す。
235東方萃夢竜 25/27 ◆CMd1jz6iP2 :08/02/24 00:29 ID:3NwNixNE
※予備弾薬各100発@現実の中には、デバイスのカートリッジも入っていました。
※チューモンの中の詩音は、自分が『ソノザキシオン』であると認知しています。
※ヴァンデモンになったことで、全能力が増大しました。夜だけならインフェルモン以上ですが、朝になると成熟期クラスに落ちます。
※能力の制限について大分理解しました。
※長門以外の人格は名前を知りました。切っ掛けがあれば各人格の「知識」を思い出す場合があります。
ただし、それが原因で本人そのもののようになることはありません。
※これ以上の進化には、デジヴァイスが必要です。

【ヴァンデモン解説】
完全体:アンデッド型:ウィルス
吸血鬼のような姿のデジモン。夜の間は凄まじい力を誇るが、太陽下では半分程度しか力が出せない。
必殺技は無数のコウモリを操って、敵に奇襲をかける、ナイトレイド。
……『ゲゲゲ!コウモリだ 何か宝石のみたいな物をあてれば』
血のように赤い電撃のムチで攻撃する、ブラッディーストリーム

【インテル@intelシリーズ】
あなたを進化させるテクノロジー
どうしようもないヘタレ男も、お金がない腋巫女も、さらには修復不可能と謳われたキーボードの破壊神もインテルが入っていれば大丈夫。
装着すると頭の回転が早くなり、その思考に負け劣らない才能を手に入れられる。
デュアルコアなので、ヴァンデモンは能力を二つ同時に使えるようになった。

【ジェバンニ@デスノート?】
あなたをジェバンニにするテクノロジー。インテルと同じ形状。インテルとの併用は不可能。
デスノート本編で、ジェバンニが一晩でデスノートの外見、内容、筆跡をそのままコピーした偽ノートを作り上げたことから。
ニコニコ動画でも、ジェバンニが一晩でMADを作ってくれたり、作者に舞い降りたり、協力しているという話も多い。
時間の問題等を無視して、一晩以内に何でも作れるようになる。ただし、材料、道具は必要で、装着者の知識や能力が及ぶ範囲に限る。
基本的に、インテルは駄目な子用。ジェバンニは才能溢れる人用。
236Classical名無しさん:08/02/24 00:29 ID:d5CUsHrQ
これが支援というものだ
237東方萃夢竜 26/27 ◆CMd1jz6iP2 :08/02/24 00:30 ID:3NwNixNE
ヴァンデモンが去った後、ロールは同じ言葉を繰り返す。
「殺す、殺す……みんなを生き返らせるために、みんなを殺す……」
『ロールちゃん、本当に人を殺すのか?』
「あたり、まえです。ニートさんを、ロックを生き返らせる……私が死んでも!」
自分に言い聞かせるように叫ぶロール。
『でも、あんなに怪しい奴の言うこと……富竹だって、あいつが殺したんだぞ』
近くに落ちている、富竹の死体に息を呑むロール。

「ッ……富竹さんも生き返らせます。病気も治して、きっと……きっと……」
クロスミラージュの言葉は、ロールに届かない。
「わ、わかったよ……俺はロールちゃんのすべすべのお肌を堪能できればいいのさ」
「……変態……ぅ…っく……うぁぁぁん……!」
泣かれた。こういう反応されるとクロスミラージュでも罪悪感を感じる。
「わ、悪かった! あまりにもかわいいから冗談言っただけだよwwww」
「やめて……その話し方も、変態なのも……ニートさんを思い出すから、やめてぇぇぇ……」
クロスミラージュの感情が、凍る。
ニート。彼女が誤って殺してしまった仲間。彼も、自分と同じ趣向の持ち主だったのかと。

(あの……くそカマ野朗がああああぁぁぁ!!)
過ちに苦しむ、こんな幼女の心のスキマに漬け込んだ、生まれついての悪への怒り。
ヨッシーが死んだ。富竹が死んだ。
俺に、無理矢理ではあるが協力してくれたヨッシー。
少し異常ではあったが、同じソウルを胸に秘めていた富竹。
その死の原因は、あのカマ野朗だというのに何も出来ない。
自分を壊そうという情報改変から身を守ることだけで精一杯だった。

(許せねえ! 幼女を弄び、ソウルブラザーを殺したあいつを、俺は、俺はッ!!)
だが、所詮俺はデバイス。道具に過ぎない。
クロスミラージュをニートと重ねているロールには、どんな言葉も届かない……下手をすれば、精神を壊してしまう。
ヴァンデモンに逆らえば壊される。そう思い、いなくなるまで黙っていた自分が情けない。
幼女の、体のリミッターを戻してやることも、俺には出来ない。
どうにかしなければ、この幼女の体も、心も完全に壊れてしまう。
238Classical名無しさん:08/02/24 00:30 ID:5csqnEQ6
支援野郎ニコチーム
239Classical名無しさん:08/02/24 00:31 ID:Tx6J7ijc
こいつら本当に支援する気があるのか?
240東方萃夢竜 27/27 ◆CMd1jz6iP2 :08/02/24 00:31 ID:3NwNixNE
(誰か、この幼女を助けてくれ……なのはさんの力を悪用する悪魔を殺してくれよ……)
出来れば、俺はその力になりたい。
もう幼女の裸最高とか、巨乳に密着したいとか言わないから。
俺に、あのカマ野朗を蜂の巣にさせてくれよ……

「熱い……体が、熱いよ……」
苦しさに耐えて、ロールは歩く。
身体能力は上がっている。たしかにこれなら、萃香とも戦える。
「萃香……せめて、ロックの仇……あいつだけは殺してやる……!」
誤った選択、誤った怒り。
兄を、仲間を失った少女は、未来のない道を選んでしまった。

【E-3 薬局付近/二日目・深夜】
【ロールちゃん@ロックマンシリーズ】
[状態]:健康、精神衰弱(極大)、リミッター解除、のらねこバリアジャケット
[装備]:クロスミラージュ(8/8)@リリカルなのはStrikerS、蒼星石のローザミスティカ
[道具]: なし
[思考・状況]
1. 町中の参加者を殺す。
2. ヴァンデモン優勝のために命を賭して、みんなを生き返らせてもらう。
3. ロックを殺した萃香を殺す。
4. 日が昇るまでにD-2の橋に支給品を届ける。デジヴァイスがあったら何よりも優先。
5. ……どうして、こんなことに。
※動力部分にある蒼星石のローザミスティカのおかげで、魔法はそれなりに使えます。
※身体機能のリミッターが解除されました。身体能力が大幅に増加しますが、負荷が酷いため、どれだけ持つかわかりません。
※KASも殺したと思っています。
※クロスミラージュは、ヴァンデモンを恨んでいます。

薬局付近に、首と片足のない干からびた富竹の死体と首輪が落ちています。
241Classical名無しさん:08/02/24 00:31 ID:d5CUsHrQ
ソードマスター支援
242 ◆CMd1jz6iP2 :08/02/24 00:35 ID:3NwNixNE
投下終了です。支援ありがとうございました。
ジェバンニに誰か突っ込むかと思ったのに、これがニコロワなんだろうか。

wikiに載せる際に容量オーバーしそうなら、14/27の

爆心地に、霊夢は立つ。 から後編にしてください。



243Classical名無しさん:08/02/24 00:36 ID:5csqnEQ6
投下乙!
一気に三人の死者が出ちまったか…後半だし、かなりハイペースだな。
それと、霊夢と萃香が合流して勘違い戦闘かとも思ったが和解出来てよかったな。
なんという綺麗な萃香……序盤のつるぺた至上主義が嘘みたいだ。
KASも半分覚醒兆候があるし、期待大だぜ!!

そして、ロールちゃんテラカワイソス……
244Classical名無しさん:08/02/24 00:46 ID:d5CUsHrQ
投下乙です。
ニート……お前のおかげで三人がチームを組むことができたんだぜ。
でっていうもよく頑張って抵抗したな。
富竹は(ry
クロスミラージュも熱くなって先が楽しみです。
245Classical名無しさん:08/02/24 01:10 ID:Tx6J7ijc
投下乙
時報、鳴りました
ニートあっけなかったが、これがバトロワというものか
チューモンがデジモン一期で大ボス的な役割を果たしたヴァンデモンになったし
ロールも壊れちまったし、町がまた大きな戦場となってしまうんだろうか


>>242
ジェバンニ本編でも地味な扱いだしニコニコでこれといって話題に上るキャラじゃないんじゃない
作者はジェバンニくらいの登録タグはあるけどな
246Classical名無しさん:08/02/24 01:23 ID:0KAbZ362
投下乙。
終盤、一話で三人死亡とは予想外だった。
ニート……あっけない最期だったけど、お前の遺したものは大きいぜ。
そしてヨッシー、捨て身の攻撃は当たらなかったが、結果的に霊夢を救ったお前は漢だ。
富竹……お前って奴はw

予想はしていたが、ロールちゃん……やはりそうなってしまったか。
元支給品のくせに凶悪すぎるぜヴァンデモン。
霊夢、すいか、KASと、対主催でもトップクラスの実力者が揃った今、今度こそ奴を打ち倒すことができるのか。
まだまだ目が離せないな。
247Classical名無しさん:08/02/24 01:41 ID:YgKYOlfQ
ジェバンニで検索したら百超えてて吹いたww
オノヅカセブンにもジェバンニが関与してたのか。
248Classical名無しさん:08/02/24 01:43 ID:BTw.FN2E
そういや、KASは身体能力はTASと同等だったんだっけw
すっかり忘れていたぜw
249Classical名無しさん:08/02/24 02:07 ID:eOwe3Fj6
>>248
ジェバンニがついてるかついてないかの違いだけどな。
250Classical名無しさん:08/02/24 02:10 ID:CzTgBYMg
>>248 昨日の見た後だとにわかには信じられんww
251Classical名無しさん:08/02/24 02:10 ID:CzTgBYMg
>>248 昨日の見た後だとにわかには信じられんww
252Classical名無しさん:08/02/24 02:11 ID:CzTgBYMg
やべ。age+連投しちまった、すまん
253Classical名無しさん:08/02/24 02:16 ID:DHnpJ9Uk
そういやレムーってマント羽根持ってんだな。
チビマリオから脱却したいKASはそのことに気付くのだろうか?
254Classical名無しさん:08/02/24 03:18 ID:j1LO.2JM
投下乙です。
おお にーと しんでしまうとはなさけない・・・ってあっけねええええええ!!
ニート軍、まさかの結末!
簡単に死ぬとは思ってたけどロールちゃんに殺されるとは予想外だったぜ・・・。
そしてヨッシー、ニートとは逆に大活躍だったな、乙だぜ!
255 ◆wC9C3Zbq2k :08/02/24 04:33 ID:lW/vidUs
世界樹の葉の微修正。勇気を出してそのまま本投下ー
 城内の大広間に完全装備で立ち尽くす男が一人。その名はゴッドカイバーマン。
何故もっと気の休まる格好をしていないのかというと、彼だって少しは眠いのだ。
ただの徹夜なら大企業の社長として忙しい日々を過ごす中で何度か経験してきているが
ここまで静かな環境であまりリラックスしていては睡魔に負けかねない。
未だに霊夢たちが戻ってこないことを心配しながら、彼は思索にふける。

(よくできた仕掛けだ……本来なら出会う者全てが敵でもおかしくない)
 人を殺し続けて最後まで生き残った一人だけがこの狂った世界から抜け出せる。
逆らった場合、首にはめられた首輪が爆発し何もできぬままに殺されてしまう。
これだけ進んだ科学や魔法の力を持つ奇術師どもが何のためにこんな事をしたかといえば
ローマ帝国期の剣闘士奴隷と類似点が多いことからしておそらくはただ娯楽のため。
集団で戦わない意思を見せているだけで処刑の対象にされることも十分考えうるのだ。

「だが、俺は負けん」
 奴等はモクバを殺した。やよいのような年端もいかぬ少女まで参加させた。
必ずその報いは受けさせてみせる。例えこのブルーアイズが応えてくれなくとも。
そのためにも最低限首輪だけはなんとかして無力化しないといけない。
(データが必要だが……かといって船に戻るのも危険だな)
快楽殺人者がいなかったという前提に立ってもやはりあの船には近づきにくい。
接続が長時間に及んだため偽装が見破られている可能性がある。行くなら単身でだ。
ただ、そうすると残ったやよいたちが怪我人だけの集団になってしまいこれも不安だ。
せめてあと一人頼れる人物がいてほしかったと海馬は強く思った。

 今まで戻ってこなかったことから霊夢の生存は絶望的だと海馬は判断している。
彼女の気迫に止めきれなかったが、あれは到底巫女が勝てるような相手には見えなかった。
と、城の外から放送前特有のノイズが聞こえてきた。午前零時になってしまったようだ。
「―――それじゃあまた12時間後に」
 道化師の癇に障る低い声がゆっくりとフェードアウトしていく。
放送が始まればあの音量で誰かは起きてくるかと思っていたが皆眠ったままのようだ。
子供たちは疲労ゆえの熟睡、日吉は休めるときにしっかり休んでおく主義なのだろう。
走り書きしたメモの写しを取りながら海馬は霊夢が生きていたことに安堵する。
彼女はおそらく勝ったのだろう。あれを殺すとはおそろしい女だとも思う。
仇討ちでの殺人を嫌悪するつもりはないが、あの外見でそこまで強いのは正直異常だ。

 そしてすべきことを済ませてから海馬は悩む。
『やよいを起こすべきか否か』
 この身体はもう少しなら無理がきく。できれば自然に目覚めるまで眠らせてやりたい。
だがそうやって起きたときやよいは俺を叱責することだろう。よくできた妹だ。
兄妹ならば頼ってやるのも優しさと結論付けて、海馬はやよいを起こすことにした。
 
「うぅー。お兄ちゃんのイヂワル」
「そう拗ねるな。骨折している以上揺らすわけにはいかん」
 やよいは  頬をふにふにされ続けて  目を覚ました。
霊夢が仇討ちを成功させたようだと伝えると喜び、そのあと悲しい顔をするやよい。
そのわかりやすい態度が海馬には少々気になった。
(いかんな。死んで当然の殺人鬼にまで情けをかけるようでは)
 戦場で正当防衛をためらうようなタイプの優しさはここでは命取りになりかねない。
海馬とて他人を守りながら戦えるほど強くはない。自分の身は自分で守るしかないのだ。
だが懸命に生き延びてきた妹に今以上の覚悟をここで要求するのは酷だろう。
海馬が取れる休息の時間も2時までと短い。何も言わないことにしてスーツを脱ぎ捨てる。
「二時間だけ眠いのを我慢しろ。霊夢が戻ってきた場合も俺を起こせ」
「はいっ!」
 何かする事があったほうが眠くならないだろうと考えて指示も出しておく。
「手がすいたなら放送内容のメモを眠っている二人の分も清書しておいてくれ」
 やよいの字の下手さを知っていれば決して海馬もこんなことは言わなかっただろう。
それから亜美の火傷の経過を起こしてしまって構わないから後で見ておくようにと頼む。
「その……なんだ、帽子を外せばわかりやすいだろう。これはお前にしかできん」
「あ、なるほどー」
 横たわって毛布をかぶった途端、息すらしていないかのように動かなくなる海馬。
それを見届けてからやよいは放送内容のメモを一読し、寝室へと向かった。

 ダブルベッドの二人の寝相の悪さは惨澹たるものだったが、それも元気な証拠。
熟睡しているようなのでできればこのまま起こさないよう静かに処置してみようと決め、
念のために日吉の顔面に枕でブロックをかけてからやよいは眠る亜美の脚の布を解く。
ここまでしても起きる気配は一切ない。
「ん……ううっ。むにゃむにゃ」
「このままだと痕は残っちゃいます……せめて薬があれば……」
 直に火傷部分に触れていた分の布地だけ予備に替えて丁寧に巻き直す。
一瞬だけ帽子を取って火傷の悪化箇所がないと確認したところで部屋から出ようとすると、
床に無造作に落ちているディパックが目に入った。

(袋が破れて何か出ちゃってます。乱暴だなーもうっ)
 寝室から出ようとする直前に散らかった床を見てしまった。気になってしまう。
いつも部屋を散らかす弟を叱ってきたからやよいだからこそ、見過ごせなかった。
少し前までケラモンの潜んでいたそのディパックを外にこぼれた品と共に拾い上げる。
その小さな部品をやよいはどこかで見た覚えがあった。部屋の外にまとめて持ち出す。
(どうしかして繕えないかな。なにか思い出せそうな気のするこれも気になるし……)
「ケラケラ……」
 ケラモンは海馬が眠りに落ちたことを確認したあとやよいの隙を待っていた。
できるだけ他の仲間が気付きにくい場所で、ことのはを出されるより前に殺す。
彼女は手駒を友達として扱っている節があるから深夜には呼び出さないかもしれない。
それなら隙を待たなくともいつだって殺せそうだが、ケラモンには不安材料があった。

 3匹まで増殖できた仲間が、何かおかしい。
意思疎通ができないわけではないのだがうまく連携が取れない。妙にぼーっとしている。
眠っている連中を起こしてしまえばイタズラを続けられないのにまるで気にもしていない。
あの一番弱そうな少女を密かに始末できればあいつらの混乱する様が拝めるというのに。
そのさまを安全な場所でケラケラ笑いながら見たい。そのためにもうまく暗殺しないと。
誰にも気配を悟られぬよう、ゆっくりと、それでいて確実に、尾行を続ける。

 寝室で用事を済ませたやよいがディパックを持って広間側に姿を見せる。
「北米版パッチ……? なんでこんなものに見覚えがあるんでしょうか?」
 ケラモンは思う。この位置なら大声を出されない限りどちらの男も起きはしない。
ことのはを出していない今が最大のチャンスかもしれない。あとは隙さえできれば……。
そうケラモンが苛立ちを感じ始めたとき、
「説明書は中?」
 やよいが破れたディパックの中を覗き込んだ。まさに好機。
「っ!」
 直後、側面の壁から降ってきた複数のケラモンの触手がやよいに襲いかかった。

(何? 首が絞められて……!)
 やよいは焦る。声が出せない。腕も太い何かが絡められていて動かせない。
首も動かせないから何が起こっているのかも見えず、ゆっくり視界が暗転を始めていく。
(いや……こんなの……)
 やよいの意識は、そこで途絶えた。

【高槻やよい@THE IDOLM@STER 死亡】
【残り30人】
 ケラモンは安堵する。静かに事を終えられた。
完全に死んでもらえるよう首や両手を締め付けたまま、彼女の持っていたカバンを漁る。
あとはこの死体を見つけさせるだけ。でもその前にオモチャが入っていないか物色だ。
よりイタズラを楽しむために、面白そうなオモチャは全部貰っておかなければ。

 まず見つけたのが小さな紙。さっき彼女が持っていた物の説明書らしい。
しかし読んでみて強くなるのはわかったがエキプロ化というのが何なのかよくわからない。
ウィルス種であるケラモンにとって詳細不明なパッチの適用はリスクが高すぎる。
融合可能な距離にいるときには仲間の意識もある程度共有するのだ。最悪全滅もありうる。
よって、まず自分以外に付けてみる。できたての死体である傍の高槻やよいに。

 鬱血し顔を濃い紫色にまで変色させた少女の首筋に小さなパッチを挿し入れる。
すると突然その少女の体躯が質量を増し、服は破れ、奇怪な姿へと変貌していく。
―――その外見は、もはやヒトではない。腹の出た紫色の怪物。
「ケラッ」
 生理的嫌悪感を覚えたケラモンがすぐさまパッチを引き抜く。だが姿は元に戻らない。

(バグった? 細胞自体の死が中途半端だったからか? きめぇw)
 近接戦闘に特化できる強化パッチという説明は正しそうだが、装着は危険すぎる。 
考えても結論は出ないので考察は諦めて持ち物の物色を続行することにした。
つい声をあげてしまったが眠っている他のニンゲンが起きてくる気配はないようだ。
別のケラモンが破れ落ちた服のポケットを探り、ただの木の葉しか出てこず投げ捨てる。
ひらひらと落ちた葉が変わり果てたやよいの死体に触れたとき、僅かに輝きを帯びた。

 世界樹の葉。生命を司るその樹の一葉は死した者を完全に蘇らせるといわれている。
そう、完全な姿で。人間であることを捨てたバルザックであればその姿は魔物として。
ではこの怪物はやよいとして蘇るか。否。これは人ではなく屍が姿を変えた新しき存在。
命を与えられる対象は一度も生きたことのない怪物のほうであった。
 ケラモンたちはまだ、静かに進行しつつあるその異変を知らない。
「ふぅん」
 遠くのソファーで海馬が寝返りをうつ。そろそろ潮時だとケラモンは判断する。
外に出してしまった道具をディパックに詰め直し、意思の弱い2匹に1袋ずつ持たせる。
あとは天井裏にでも隠れて仲間の死体(少々異形だが)を奴らが見つけるのを待とう。
どれだけ驚くだろう。どれだけ嘆くだろう。ワクワクが止まらない。

 そうケラモンが思っていると、不意に背後から脳天を掴まれた。
振り返るとそこには、確かに死んでいたはずの、紫色の怪物が―――笑っていた。

「ケラケラケラ!!」
 誰を起こしてしまおうが構わない。緊急事態だ。
両手に一匹ずつ自分たちを掴み、即頭部から齧りつこうとしている。捕食する気だ。
無事なのは意志の弱い1匹のみ。急いでここから逃げろと指示を出す。
なのに動かない。何が起こったのか急すぎて理解できていないのか。

 ガブッ
 ヌチュッ クチャッ

 左手の1匹が喰われている。次は間違いなく自分だ。
なんとかしてまだ何も知らないTASに伝えなくてはいけない。
自分たちが城の連中にイタズラしようとして、変な怪物を造り出してしまった事を。
武器のないTASならあの微妙に思える道具袋もうまく使いこなしてくれるだろう。
優しい彼は全滅寸前だった俺たちの命を助け、その上遊び相手になってくれた。
速すぎる彼は俺たちの移動を先で待つ間、大抵アクロバティックな妙技で楽しませてくれた。
今報いなければどこで報いろというのか。持てる意思の全てを注いで仲間に命令する。

(お前は逃げろ! 逃げてその荷物を届けろ!)
 高速で逃げ去る仲間の姿を最後に目にし、満足げにケラモンはその生涯を終えた。

 グチャッ ハムッ 「ペッ」
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

「ようやく城が見えてきたか。着れるものがあるとよいな」
 先導する彦麿が暗闇の中、正面だけを見据えながらアリスに話しかける。
今のアリスは彼の胴衣“だけ”を着ている。気まずい治療の後でもあり振り向き辛い。
「本当ね。こんな真夜中にわざわざ歩いてきたのだからあってほしいものね」
 対してこちらはそんなもの全然気にしていない。偽りの星空をただ分析している。

「やっぱり色々と変ね。彦麿もあの空の先を見てみて?」
 アリスの言葉に彦麿とその背中にいるカービィが夜空を見上げる。
すると城から飛び出してきた何かが、低速で星空の下を飛び去っていった。

「あれか? 悪しき気配を感じたが何であろう」
「そのつもりはなかったんだけど……城で誰かに撃退されて逃げて行ったのかしら」
「すると城には味方になってくれそうな者がいるということになるが」
 彦麿の言葉にカービィが顔をほころばせるが、アリスは真剣な顔で言った。
「もしくは、より悪しき者が巣くっているか」
「ドッチガイイトオモウ?」
 朝倉に突っ込む者はいない。誰だって悪しき者がいないほうがいいに決まっている。
放送でストーム1の死は聞いた。つかさの連れている魔獣もまだきっと暴れている。
誰かがこの凶行の連鎖を止めなくてはいけない。そのための力がなにより欲しい。
少しでも希望があるならばそれに賭けたい。それが全員の願いだった。

「行きましょう。中に誰がいようと城へ向かうことに変わりはないわ」
 アリスの一言でまた歩みを速める。彼らが行く先に待つのは、敵か味方か。
【D-1 城外/二日目・深夜】
【矢部野彦麿@新・豪血寺一族 -煩悩解放 - レッツゴー!陰陽師】
[状態]:全身に打撲によるダメージ(痛みは引きました)、半裸
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、ネギ@ロイツマ、孔明ブロック(大)@スーパーマリオワールド(友人マリオ) 、長門の首輪
    コイン*2@スーパーマリオワールド
[思考・状況]
基本.主催を含む悪霊退散
1.戦略的撤退、城に向かう
2.アリスを必ず守る。
3.つかさを心の闇から連れ戻す
4.琴姫の意思を継いで、悪霊を退散させる。
5.悪霊退散の為の修行を積む
6.猿の物の怪を改めて退散する

【カービィ@星のカービィ】
[状態]:左腕爆破、全身にダメージ、胸部から腹部にかけて切り傷
[装備]:なし
[道具]:支給品一式(食料全消費)
[思考・状況]
1.アリスと彦麿についていく
2.魔獣を倒すために一時撤退。
3.魅音お姉さんの人探しを手伝う。スマブラ経由の知り合いには会いたくない
4.でも、ヨッシーとか、知らないヨッシーかも
5.マルクを倒して殺し合いを止める

※様々な記憶が内包しています。パッチをつけることで思い出しやすくなります。
※ミックスコピーを思い出しました。
※彦麿に背負われて移動しています。城に着いたら降りるつもりです
【アリス・マーガトロイド@東方Project】
[状態]:全身打撲に切り傷(包帯による治療済)、魔力中消費
[装備]:朝倉涼子、炎道イフリナのフィギュア@ふぃぎゅ@メイト、彦麿の道着
[道具]:支給品一式(水全消費)、プラスパワー*5@ポケットモンスター
[思考・状況]
基本.しょうがないので異変解決。魔理沙の意思を継ぐ
1.できればまともな服がほしい。
2.涼子のため……じゃない、生き残るために少しやる気を出す
3.涼子の力でブレインな弾幕を作る方法を考える
4.お気に入りの人形とグリモワールオブアリスを探す

【朝倉涼子@涼宮ハルヒの憂鬱】
[状態]:綺麗な人形
[装備]:レヴァンティン@くらっとけ!スターライトブレイカー(魔法少女リリカルなのはシリーズ)
白黒魔法使い風バリアジャケット
[道具]:支給品一式
[思考・状況]
1:アサクーラダヨー
2:マユゲダヨー
3:コーセーノーバックアーップダヨー
※朝倉涼子
死亡扱いです。首輪はついています。 命令がなければアリスを自動で守ります。
アリスの魔力が尽きない限り、表情もあり、人間と区別がつきません。
魔力が尽きた状態で数時間放置すると死体になり、二度と操れません。
朝倉涼子の情報改変能力は、暗黒長門の半分以下まで落ちています。
※アリスの魔力を消費して、シグナムの魔法が使えるかもしれません。
演算処理のバックアップをさせることで、情報改変能力が上がっている可能性があります。
服装がどうみても魔理沙です、本当にありがとうございました。

※つかさの連れていた魔獣の名を知らないため、死亡済だと気付かず危険視しています
※アリスは、ここから脱出するにはこの世界の核となる何かの停止が必要だという仮説を立てました。
「ケラケラケラケラ」
 ケラモンはひたすら逃げた。残り1体であれと一戦まみえるつもりなど元からない。
ただ、逃げて何をすればいいのか思い出せなくて、それが不安をかきたてていた。

 イタズラすればいいんだっけ? たぶん違うしそんな相手もどこにもいない。
頼るべき誰かがいた気がするが名前を思い出せない。はがゆくてケラケラと咆える。
手を見ると増殖中に自分たちが隠れていたはずのディパックをしっかと抱えていた。

 そう、これを渡すのだ。……誰に? 思考がまとまらない。
思い切ってまとめることを諦める。もういいや、遊んでくれそうな誰かに渡そう。
低速で夜空を駆けるケラモンを止める者は、誰もいなかった。 

【D-2 平原/二日目・深夜】
【クラモン(ケラモン)D】
[状態]:現在1体 意思薄弱
[装備]:なし
[道具]:破れかけた道下のディパック
(支給品一式・ハイポーション×2・北米版パッチ・不明支給品0〜1)
[思考・状況]
1:とにかく逃げ切って、敵じゃなさそうな参加者がいたら荷物をプレゼント

※6匹を超えて生まれたケラモンに相当するためとても自我が弱いです。
※ディパックの中身は日吉が確認済。何かあったとしても武器ではないようです。

※【北米版パッチ@エキサイティングプロレス7?】
萌えもんパッチと対をなす存在。使用後の姿はエキプロタグ参照。
このパッチを装着するとエキプロ化し、近接戦闘に特化したレスラーの肉体に早変わり。
筋力を大幅強化するかわりに魔力・知力などは大幅減。そしてなにより「キモくなる」。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

「ケラケラケラ!!」 

 ついてねえなと日吉は思った。夢でまであんな化物の声を聞くなんて。
それだけ自分が怖れている証拠だ。下克上を遂げて頂点を目指すはずのこの自分が。
肩の傷までまた痛みやが……痛む?
 ゆっくりと目を開いた。城の寝室だ。じゃあ今の声は?

「くそっ!」
 無理やり跳ね起きる。日吉の大声で亜美も目を覚ましたのか呻いて寝返りをうつ。
「起きとけヒゲっ! さっきの奴等がもう一度来たみたいだぜ」
「んんー。亜美って呼んでよ……って、またTASって人!?」

 TASが襲ってきているのならもう怪我の具合がどうなどと言っていられない。
激痛を無視しながらディパックから使えるものを取り出し臨戦態勢を整える。
「あれ? 拾ったほうのディパックが見つかんないよー」
「こんなに急じゃ寝ぼけて記憶違いしてても仕方ないな。後で探せ」

 ばたばたと準備を済ませ、死角を作らないよう警戒しながら移動する。
起きてから数分で大広間まで辿り着いた二人がその先で見た光景は―――

 四本足で這う紫色の怪物と対峙し、無言で立ち尽くしている海馬だった。
【D-1 大広間/二日目・深夜】
【日吉若@ミュージカル・テニスの王子様】
[状態]:疲労大、肋骨損傷・左の腕と肩にごっすんくぎ(共に治療済み)、寝不足
[装備]:カワサキのフライパン@星のカービィ
[道具]:支給品一式 食料2人分、水2人分
ヒラリマント@ドラえもん 、ことのはの鋸
[思考・状況]
1.あの化け物はなんだ? あいつが戦わないようなら俺がやるしか
2.霊夢が帰ってくるまで休み……たかったぜ
3.手段を問わず、主催に下克上する。
4.亜美にボブ術の基本を教える。
5.下克上の障害は駆除する

【双海亜美@THE IDOLM@STER】
[状態]:右足に大きな火傷・肩と左足に火傷(共に治療済み、徐々に回復中)、ルイージ(HI☆GE)、寝不足
[装備]:ホーリーリング@デジモンアドベンチャー、ルイージの帽子@スーパーマリオワールド
[道具]:支給品一式(食料1消費)、弾幕の作り方@東方project
[思考・状況]
1:まずは目の前の気持ち悪い怪物をみんなで撃退し……何だろこの違和感?
2:やよいっちドコ? 亜美が守ってあげなくちゃ  
3:霊夢って人がが帰ってくるまでお休みしたかったなぁ
4:殺し合いには乗らない。みんなで脱出する方法を探したい
5:ヒゲドルとして生きていきまーす、んっふっふー
6:無事に帰れたら、オメガモン感謝祭を開く。

※日吉たちはTASとケラモンが城内に侵入していると推測しています
 海馬はケラケラという叫び声を聞いた途端飛び起きていた。
(俺としたことが、不覚!)
 横になって体を休めるだけで本当に眠るつもりはなかったのに、完全に寝ていた。
普段なら簡単にできるはずのことなのだが、想像以上に疲れがたまっていたのだろう。
そう、たった一日で色々ありすぎた。

 わけもわからぬ場所へ連れてこられ、マルクとかいう魔術士に弟モクバを殺され……
疲れていたのも当然かもしれない。今でもこれが夢であってほしいと思うほどだ。
だが夢でない以上急がねばならない。海馬はカイバーマンの衣装を着直すのを諦める。
あれがやよいやことのはの声ではない以上、何者かが侵入してきたということ。
敵ならばやよいが危ない。すぐにでも駆けつけてやるのが兄の務めだ。

 そうして駆けつけた先で彼が見たものは、化物の内臓を貪る紫色の怪物。
ペチャペチャと不快な音をたてながらケラケラ鳴く奴の死体を喰らっている。
敵の同士討ちかと思った海馬だが、こちらを振り返ったその姿を見て気付いてしまう。

 その怪物が、首輪をしていることに。
 その怪物の周囲に、見覚えのある破れた衣服が散らばっていることに。
 そしてその怪物が、特徴的な髪形の栗色の髪をしていることに。
 あれは……やよいだ。

「ゾンビ……いや、何にせよ俺が遅すぎたということか……」
 理性など欠片も残っていそうにないその凶暴な視線に海馬は続く言葉を失う。
あきらかにこの怪物化したやよいは次の捕食すべき獲物としてこちらを睨んでいる。
海馬は見張りを頼む少し前にやよいの甘さに不安を感じていたことを思い出した。
『戦場で正当防衛をためらうようなタイプの優しさはここでは命取りになりかねない』
その不安を己自身に問いかける日が来ようとは。海馬は自嘲する。
自らの手で愛しく思った妹を殺さなければいけない。でなければこちらが殺されるだけ。
 ゴッドクラッシュを持つ手が汗ばむ。果たして自分にそれができるのか。
海馬は今、冷徹な人物だと自分を評していたのが馬鹿らしく思えるほど動揺していた。
(これが神の与えた試練だというのなら、俺は神を絶対に許さん!)

 靴音が聞こえ、向こうから怪我人の日吉と亜美が完全装備でやってくる。
二人に全力で逃げろと言いたい。妹を鈍器で撲殺する様など誰であろうと見せる気はない。
けれど声は出せなかった。
 頭の片隅で、今伏兵が潜んでいたら全滅しかねんなと少しだけ海馬は思った。

【D-1 城・大広間/二日目・深夜】
【海馬瀬人@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ】
[状態]:断固たる対主催の決意、カイバーマンじゃないからただのゴッド
[装備]:ゴッドクラッシュ@ゴッドマン
盗賊の棺桶@勇者の代わりにバラモス倒しに行くことになった DMカード(青眼の白龍、マジックシリンダー)@遊戯王DM(現在使用不可) 、首輪
[道具]:支給品一式×2(食料1消費)、十得ナイフ@現実、正義の味方カイバーマンのコスプレ@遊戯王DM
毒針@ドラゴンクエストシリーズ、ナイフとフォーク×2、包丁
[思考・状況]
1:怪物化したやよいを……倒すしかないのか?
2:霊夢の帰りを待つ
3:首輪の解析を進める
4:自分と同じ境遇、そうなりそうな人を救いたい(ただし仲間の安全が優先)
5:船に積んであったコンピュータを利用したい。船内の探索もできればしたかった
6:エアーマンなど高度なロボットを解体して、自分の技術力が通用するか知りたい
7:殺しあいには絶対に乗らない
※ブルーアイズが使えないのは、自分が主として認められていないためだと思っています

※キーボードは船の艦橋にあるコンピュータに刺さったままです
【やよいクリーチャー@ちんこうP動画】
[状態]:成体。常に空腹
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考・状況]
1.モツクワセロ
2.ウッウー

※やよいのディパックはケラモンの食べかすと一緒にそばに落ちています

※やよいクリーチャー(成体)
ニコニコでは幼体ばかりがもてはやされる、やよいに似た謎の生物。もちろん非公式
成長するととんでもない大きさになるが今回誕生したのはまがいものなので
強さも大きさもバイオハザードのゾンビ程度しかないヒトの内臓を好むだけの怪物です
やよいの記憶は持ち合わせていないので呼びかけ等に効果はありません
271 ◆wC9C3Zbq2k :08/02/24 05:04 ID:RI6Zs.Uk
投下終了。
タイトルが「バラモスの代わりに臓物喰らい尽くすことになった」だと長すぎるそうです

仮投下分のチェックありがとうございました
この解釈ならきっと普通の復活アイテムに見えるはず……
272 ◆IU4EWEf33I :08/02/24 08:30 ID:WD/uFvgM
>>195
いえ、こっちがそういう可能性もある事を考えてなかったのがダメでした。
CMd1jz6iP2氏の方が予約早かったしクオリティも高いし、謝るのはこちらです。
すみませんorz

ただいま8割方出来ているので夜には投下できそうです。
273Classical名無しさん:08/02/24 08:42 ID:vfPdHPNc
(゜∀゜)アハハ八八ノヽノヽノヽノ
274Classical名無しさん:08/02/24 11:14 ID:5csqnEQ6
>>271
投下乙! やよクリktkr……って成体かよ!?
このピンチを祓えるのはあの胡散臭い人しかいねぇ!
これは先が気になる展開だぜ。
275Classical名無しさん:08/02/24 12:15 ID:5csqnEQ6
今気付いたけど>>242残り人数の記入が無いです。
で、>>272は残り27人のはず。
276Classical名無しさん:08/02/24 12:22 ID:d5CUsHrQ
対主催
キョンの妹 博麗霊夢 アリス・マーガトロイド
伊吹萃香 天海春香 双海亜美
園崎魅音 竜宮レナ ピッピ
泉こなた 永井博之 海馬瀬人
武藤遊戯 KAS 矢部野彦麿
カービィ 日吉若

マーダー
涼宮ハルヒ 古泉一樹 ロールちゃん 
エアーマン TAS 阿部高和 
八意永琳 ヴァンデモン ムスカ

暴走
柊つかさ

対主催17 マーダー9 暴走1 やよクリ クラモン軍団

盛り上がってきたな。
277Classical名無しさん:08/02/24 12:52 ID:HBcOCgfc
投下乙
いよいよ城組ピンチだな。エアマン来るし近くに阿部さんも迫ってきているわで
閣下、ニコニコンビ、ボブ術使いとか超人も結構揃ってくるからどうなる事やら

マーダー間の繋がりかせ凄いとのレスがあったので纏めてみた

ムスカ     古泉━━━
 ┃      ┃   ┃
エアマン━TAS━ハルヒ━えーりん

阿部
ヴァンデモン
ロールちゃん
278Classical名無しさん:08/02/24 12:53 ID:HBcOCgfc
ずれてた
ムスカ       古泉━━━
 ┃        ┃   ┃
エアマン━TAS━ハルヒ━えーりん
279Classical名無しさん:08/02/24 13:01 ID:5csqnEQ6
町周辺も霊夢・KAS・萃香の列強対主催と知略マーダーマーガリン、
魔人ピロとHA☆SA☆MI持ちの妹もいるんだよな。

山の方もみおんwとATM、真・驚きの黒さ…あとついでに楽太郎。
飛ばされたこなた達が近いし説得イベント起きるかもしれないけど…。


纏めると殆どの場所で激しい動きが出そうだな。
クライマックスに近づきすぎだぜ!
280Classical名無しさん:08/02/24 13:45 ID:YgKYOlfQ
書き手殺害ランキング(合計)
1位 ◆qwglOGQwIk氏(12人)
2位 ◆CMd1jz6iP2氏(9人)
3位 ◆0RbUzIT0To氏(7人)
4位 ◆OZbjG1JuJM氏(4人)
5位 ◆wC9C3Zbq2k氏(3人)
6位 ◆KJJLTUDBrA氏(2人)
6位 ◆LXe12sNRSs氏(2人)
8位 ◆irB6rw04uk氏(1人)
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8位 ◆2VgTRcP6n6氏(1人)
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書き手別R-18ランキング(合計)
男女問わず、裸、パンチラ、ハッテン、その他エロい描写をカウント。
1話中何度描写があっても1カウントです。
このランキングは独断と偏見なので信用性は薄いですがご了承ください。
1位 ◆qwglOGQwIk氏(12回)
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3位 ◆lbhhgwAtQE氏(2回)
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3位 ◆IU4EWEf33I氏(2回)
3位 ◆irB6rw04uk氏(2回)
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8位 ◆jVERyrq1dU氏(1回)
詳しい内容の問い合わせは受け付けておりませんのでご了承ください。

1位、2位はどちらも変わらず。
特に2冠の方は、犯すも殺すも自由自在のようです。
281Classical名無しさん:08/02/24 14:08 ID:KVSKq8DA
投下乙!
平和な印象があった城がついに…
282Classical名無しさん:08/02/24 14:18 ID:eOwe3Fj6
やばい、俺まだ誰も殺せてない…!
283Classical名無しさん:08/02/24 15:08 ID:mRPrjZ4c
キャテム・・・もといKYとATMが空気寸前だな
284Classical名無しさん:08/02/24 15:16 ID:E9Iv4zq6
エアマンダーが最近まともな活躍をしてる気がするのに
やっぱ空気の気がするのは何故だ
285Classical名無しさん:08/02/24 16:37 ID:Tx6J7ijc
投下乙
だがゾンビになるのはちょっと納得いかないとこがあるな
復活の玉だってちゃんと瀕死の底から完全復活したし
不平等さを感じざるを得ない
286Classical名無しさん:08/02/24 17:01 ID:TGGdG7ts
>>285
くさった死体に世界樹の葉を使ってもあの日のスミスは帰ってこない
とは言えくさった死体の死体は死体から生まれた「くさった死体」という新生物の死体な気もするな
ルイーダの酒場で棺桶どれだけ放置しようが世界樹の葉使えば元気に復活するし
でもやっぱ気にしなければ大丈夫な範囲じゃね?
287Classical名無しさん:08/02/24 17:04 ID:E9Iv4zq6
プロット書いてから予約ってのは当たり前?
288Classical名無しさん:08/02/24 17:46 ID:eOwe3Fj6
>>287
自信なければそっちのがいいと思う。
複雑な家庭の事情で(ry よりはずっといいよ。

ただし、他の人が予約入れたらヤッダバァ!
289Classical名無しさん:08/02/24 18:13 ID:mpiccOPQ
ゾンビじゃない!やよクリだ!
290 ◆IU4EWEf33I :08/02/24 18:42 ID:WD/uFvgM
したらばの方に投下しておきました。
危険なネタ満載です、流石にやりすぎた。
修正できれば修正し、ダメなら破棄します。
本当はニートとの絡みを書こうと思ったのですが、テンポが微妙なのでよしました。
あのゲームは大好きなんだけどなぁ〜
291Classical名無しさん:08/02/24 18:48 ID:E9Iv4zq6
とりあえずなんか窓付きがパチェっぽいと思ったのは俺だけ?
292Classical名無しさん:08/02/24 19:44 ID:CJadjGBs
おまいがそう言うからパッチェさんにしか思えなくなったじゃないか
293Classical名無しさん:08/02/24 19:48 ID:b3AKq1sI
すごい、俺も本当にパチェに見えてきたぜ…
294Classical名無しさん:08/02/24 19:53 ID:E9Iv4zq6
つまりあそこにいたのは窓付きではなく、
巻き込まれていたパチュリーだったのだよ!!
295Classical名無しさん:08/02/24 19:54 ID:5csqnEQ6
>>294
ΩΩΩ<な、なんだってー!?
296Classical名無しさん:08/02/24 20:30 ID:pDDXMNbM
窓付きはちょっとなぁ……
前も色々言われたし

あと、本の転移機能は開いた時じゃなかったっけ?
で、内部で色々あると
297Classical名無しさん:08/02/24 20:40 ID:a50KBSo2
動画を見ようとしたら最新のfulash(ryにアップデートしてくださいっていわれて動画が見れません・・・
解決方法を教えていただけませんか?
298Classical名無しさん:08/02/24 21:37 ID:E9Iv4zq6
スレ違いじゃね?
っていうかアップデートして下さいって言うならアップデートしろってことじゃね?
299Classical名無しさん:08/02/24 21:42 ID:Tx6J7ijc
またまたややこしい展開に・・・・・・
窓付き出られなさそうだけどこのフラグ回収できるのかな?
いろいろ動かしにくそうだし
300 ◆IU4EWEf33I :08/02/24 21:58 ID:WD/uFvgM
どうでしょう?
窓付きがいればゆめにっきフラグは全て窓付きが回収してくれるだろうと思って出したのですが……
ダメなら窓付き抜いたものに修正いたします
301Classical名無しさん:08/02/24 22:04 ID:Tx6J7ijc
どうだろうな……エピローグか何かでも回収できそうな感じもするがね
新たにキャラ予約をせざるを得ない状況にあるかもしれない気がするんだ
ちゃんとフラグの回収を書いてくれるのなら別にこのままいってもいいんだけど
302Classical名無しさん:08/02/24 22:05 ID:BTw.FN2E
>>297
赤字でflash(ry って書いてあるとこクリックして
あとは飛んだ先でインストールしる!
それから、スレ違ぇw

まぁ、せっかくだから、ここのニコロワ小説でも読んでいきんさいw
303Classical名無しさん:08/02/24 22:09 ID:.Sh7wnUM
一応、ゆめにっき関係を回収する用意はあるぜ?
本来存在しない『本』があるということから、展開するつもり。
まあ、他の人はどう考えてるか知らんが。
304 ◆OZbjG1JuJM :08/02/24 22:10 ID:E9Iv4zq6
久々にネタが思いついたのでやっちまうZE!
TAS、クラモンC、ハルヒ、こなた、レナ、ピッピ、クラモンD予約ぞなもし。
305 ◆IU4EWEf33I :08/02/24 22:14 ID:WD/uFvgM
解りました、窓付きを登場させない方向で修正してみます。
もし修正できなければこのSSは破棄します。
306Classical名無しさん:08/02/24 22:28 ID:eOwe3Fj6
>>304
これはひどい死亡フラグの嵐
307 ◆IU4EWEf33I :08/02/25 01:25 ID:sJd9cuPo
修正案をしたらばへ投下しました。
話の流れがまったく変わってしまった………
多少やっつけ気味な所があると思うので何かあれば突っ込んでください。
『ここはこうした方がいい』、『これはNGだな』、『消えろゆとり!』等の意見があれば仰って下さい。
308 ◆KJJLTUDBrA :08/02/25 02:27 ID:G8JsC81s
>>307
良いと思いますよ。窓付きはキャラが増えるという点で、非常に危険ですから。

それと、山の人たちのが出来上がりましたが、推敲校正不足なので、投下は朝以降となります。
遅れてすみません。
309Classical名無しさん:08/02/25 03:30 ID:SkmI2S7.
>>◆wC9C3Zbq2k様
とりあえず気になったのは、世界樹の葉は、触れただけでは効果が無く、
「すりつぶして与える」必要がある、って所かな。
DQプレイ者ならわかると思うけど、戦闘中でも律儀に毎回すりつぶして、と出るし。

出展の勇者の変わりに〜の盗賊も、口に含む、としっかり描写があるし。
310Classical名無しさん:08/02/25 03:35 ID:eCWir6SE
保存の壺から出してさえいればOKのシリーズもあるんだZE
311Classical名無しさん:08/02/25 03:37 ID:GzddrXcw
>>307
少し気になるところが。
ゆめにっきを破壊した場合中の空間はどうなるのでしょうか?
312Classical名無しさん:08/02/25 05:47 ID:SkmI2S7.
>>310
トルネコはDQ正史では無いし
そもそも今回の世界樹の葉は勇者の代わりに〜≒DQ3出展だぜ?

そして、まかり間違ってトルネコの世界樹だとしたら
道具袋に入れてても効果発動するからやよい死んだ瞬間生き返るぞw
313 ◆IU4EWEf33I :08/02/25 08:02 ID:sJd9cuPo
>>311
あ!!!
………どうしよう、そんなの全く考えて無かった………
そうか、人がいるときに破壊したら最悪そいつカーズになっちゃうな………

元々これ塔組(もうバラバラになってるけど)とかのような大人数で固まった対主催者と戦うときを想定して考えたんで……
………『破壊できない』とか?大分苦しい……
でもこれも抜いたら
『ただお話しました、完』
って話になっちゃうしな………
ってかそれしたら話題に出てこないゆめにっきが不憫だし………
えーりん助けて………

……修正考えますorz
314Classical名無しさん:08/02/25 08:41 ID:e0Gidiow
カイバーマン 天海春香 双海亜美 ピヨシ エアーマン
ニコニコンビ カービィ やよクリ予約します。

大人数に挑戦してみる。さばききれるか不安だ
315 ◆jVERyrq1dU :08/02/25 08:42 ID:e0Gidiow
鳥忘れてた。
改めてカイバーマン 天海春香 双海亜美 ピヨシ エアーマン
ニコニコンビ カービィ やよクリ予約します。
316Classical名無しさん:08/02/25 09:20 ID:3j1TnSWw
>>315
一応>>309への返答待った方がいいんじゃ?
317 ◆jVERyrq1dU :08/02/25 10:00 ID:e0Gidiow
あっそうですね。レス読んでいませんでした…すいません。
では一旦予約を破棄しておきます。
318 ◆0RbUzIT0To :08/02/25 11:34 ID:1Vi935UE
霊夢、KAS、萃香予約します。
319Classical名無しさん:08/02/25 12:13 ID:eXCxraeE
今回のロワ内ですりつぶした前例がある、という訳でもないし
同じ物を持つ人が他にいてその人の行動に影響してしまう、という訳でもないから
そこまでこだわる事でもない気がするかな

使用方法が本来と違ったり、効果に若干ズレがあったりするアイテムが
今までにも沢山出てきた事を考えると
この世界樹の葉も改変された物、という見方もできなくはない
320Classical名無しさん:08/02/25 12:34 ID:FLmMKbZA
ヒント1:ニコニコ学校
ヒント2:中国産
321Classical名無しさん:08/02/25 12:51 ID:YPdo3LpY
そういえばでっていうとやよいも亜美フラグの憂き目にあってるんだなw
322 ◆wC9C3Zbq2k :08/02/25 13:42 ID:L0XZxqKk
指摘ありがとうございます。修正案あげてきました

DQ3準拠の場合、誰にも使えそうにないアイテムなんですよね
(説明書がなく、外見でそれを世界樹の葉と判断できる参加者もいないため)
そんなつもりで出したわけでもないだろうと勝手に変えたのは確かに軽率でした
323Classical名無しさん:08/02/25 13:46 ID:SkmI2S7.
>>322
問題ないと思います。

こちらこそ、細かい点を指摘したことでかえって迷惑をお掛けしてしまった様で
申し訳ありませんでした。
324 ◆KJJLTUDBrA :08/02/25 15:11 ID:G8JsC81s
魅音遊戯つかさムスカ投下します。
325されど奈落に花は咲く ◆KJJLTUDBrA :08/02/25 15:13 ID:G8JsC81s
「大丈夫? 遊戯君」
「……ああ」
春香が去ってから、大分時間がたった。しかし彼女は、未だ帰ってこない。
遊戯は熱の所為で口数が少なく、あたりは沈黙で満ちていた。
「春香、おそいなぁ」
何かあったのでは、という何度目かの不安を、魅音は首を振って打ち消す。
(そんなはずない。春香はすごく強いんだもの)
そんなとき、時報が鳴った。

(よかった。春香もつかさも無事だ。でも、ストーム1さん……。
 まさか春香に聞いた人が死んじゃったなんて……)
「ゴマモン……それに、ロックマン……だと」
「え?」
魅音が遊戯の方に目を向けると、そこには目を見開いて、ぶつぶつと呟く遊戯の姿があった。
「えっと、今呼ばれた人は、遊戯君の友達?」
「ああそうだ。俺が……ここに来て、知り合った。くそ、俺が……不甲斐ないばかりに……!」
荒い息を吐きながら、遊戯は立ち上がろうとする。
326されど奈落に花は咲く ◆KJJLTUDBrA :08/02/25 15:14 ID:G8JsC81s
「だ、だめだよ! あんたは安静にしてないと!」
「……何勘違いしている。この程度で……俺が……」
呼吸をするたびに、ぜぇぜぇと音がする。その瞳は虚ろで、今にも倒れそうだった。
「この程度って……すごい熱なんだよ! このまま無理をしたら倒れちゃ……」
「黙れぇッ!」
遊戯が叫んだ。思わず魅音は押し黙る。
「……琴姫さんも、かがみも死んだ! それに、それに……」
無理やり、彼は一歩を踏み出す。
「俺は、いやだ。……まだ生きている仲間を、同じように失うなんて! 俺は……仲間の元に、戻らなきゃ……!」
「お、お、落ち着きなよ、遊戯君! そんな体でどうしようって……」
「さっきの放送を聞いただろう! 俺がダウンしている間にゴマモンもロックマンも死んだんだ! だから、早く……」
ふらふらと、一歩、また一歩と彼は歩き出す。
そんな彼をはらはらしながら見つめている魅音の耳朶に、聞き覚えのある声が響いた。

「ふぅん。遊戯君は、ゴマちゃんの仲間なんだね」

はっ、として魅音が振り返ると、少しだけ離れたところにつかさがいた。
327されど奈落に花は咲く ◆KJJLTUDBrA :08/02/25 15:15 ID:G8JsC81s
□ □ □ □ □ □
「つかさ!」
魅音が手を振ると、つかさも振りかえしてきた。
こちらに彼女が歩いてくるので、徐々に距離が詰まる。
「よかった、無事だったんだね!」
「当たり前じゃない、魅音ちゃん。だって私は放送で呼ばれてないんだもの」
クスクスと彼女は笑う。魅音はそれに若干の違和感を感じた。
「あれ? そういえば春香は……」
「その前に魅音ちゃん。やることがあるの」
え、と魅音が思うと同時につかさが立ち止まり、その腕が上がる。
そこにあるのはトカレフと呼ばれる拳銃。
それが遊戯にまっすぐ向けられていた。
「ちょっ……」
魅音が静止する暇はなかった。あっという間に引き金が引かれる。
乾いた音が響く。
それは遊戯の頬を掠っていった。
つ、と血が垂れる。
「あれぇ、おかしいなぁ。ちゃんと狙ったんだけど」
「な、に、を」
328されど奈落に花は咲く ◆KJJLTUDBrA :08/02/25 15:17 ID:G8JsC81s
「ちょ、ちょ、ちょ、ちょっと待ってつかさ! あぶないよ! それはおもちゃじゃないんだよ!」
「そうだよ。これは拳銃。何当たり前のことをいってるの? 魅音ちゃん」
微笑むつかさを見て、魅音が感じた違和感は、寒気へと変わる。
コレに近づいてはいけないと、体が、脳が、本能が警鐘を鳴らす。
それでも彼女は、どうにか踏みとどまり、つかさに話しかけた。
「え、ええっと、どうして遊戯君を狙うのか、おじさんに説明してくれないかな?」
「なんでって、お姉ちゃんを殺したゴマモンの仲間だからじゃない」
それを聞いて、遊戯が顔色を変える。
「馬鹿な! よりによってゴマモンだと!」
「本当だよ。本人から直接聞いたもん」
「何……?」
クスクスと彼女は笑った。
「だからぁ、おねえちゃんを殺したのはゴマちゃんなんだってば。だから、そんな奴の仲間と一緒にいるのは危険でしょう?」
再び、引き金が引かれようとする。
「あ、あ、ああもう!」
少し混乱しながら、魅音は遊戯の手を掴んで走り出す。
「おい、あの子は……」
「とりあえず、今は逃げるよ! いくらトカレフだからって、危なすぎる!」
乾いた銃声を背中で聞きながら、二人は走り出した。
329されど奈落に花は咲く ◆KJJLTUDBrA :08/02/25 15:19 ID:G8JsC81s
□ □ □ □ □ □
「ふぅ、とりあえず撒いた、かな?」
直線を避け、山道をジグザグに移動した結果、魅音と遊戯は、さっきまでいた場所より、高度の高いところに来てしまっていた。
少ししくじったかな、と顔をしかめる魅音に、遊戯が尋ねた。
「魅音、さっきの彼女は一体?」
「ああ、あの子はつかさ。私たちの仲間だったんだけど、お姉ちゃんが放送で呼ばれて、飛び出して行っちゃって……」
「姉?」
うん、と魅音は頷く。
「柊かがみ、って言うらしいよ。私は会ったことないけど……って、かがみって子と、あんたは仲間だったんだっけ」
「ああ。そうか、彼女の妹か……。では、姉を失ったショックであんな風に?」
「うん、多分そう……」
そこで、彼女はマジマジと遊戯を見つめた。
「あれ、大分良くなった?」
尋ねたのは発熱などの症状についてである。
「ああ。どうやら峠は越えたらしい。まだ視界が霞むし頭が重いが、大分ましになった」
「そりゃあよかった! いやぁ、一時はどうなることかと思っておじさんびびっちゃったよ〜」
安堵で口が緩む魅音を、遊戯が諌める。
「まて、まだあの子が近くにいるかもしれない」
「おっと、そうだったね。うっかりうっかり」
330されど奈落に花は咲く ◆KJJLTUDBrA :08/02/25 15:21 ID:G8JsC81s
たはは、と魅音は頭をかいて苦笑する。だが、すぐに顔を引き締める。
「じゃあ、ひとまずこれからどうするか決めたいんだけど、何かある?」
「そうだな。確か街に集まる約束と言うのがあった。ひとまずは街に向かおう」
「うん、そうだね。でも……」
彼女は少し口ごもる。
「でも私は、つかさを正気に戻したい」
「それこそ正気か。相手は銃を持ってるんだぞ。ひとまずここは引いて……」
「わかってるよ。でも、あの子は銃なんて使ったことないだろうし、それにアレはトカレフ。上手くやれば十分勝機は……」
そのときだった。


「みつけた」


二人の顔がさっ、と青くなる。そのまま声が聞こえた方向、すなわち上を見る。
ふわふわと、ゆっくり落ちてくる人影は、間違いなく柊つかさ、その人だった。
331されど奈落に花は咲く ◆KJJLTUDBrA :08/02/25 15:22 ID:G8JsC81s
□ □ □ □ □ □
「くっ!」
魅音が再び遊戯の手を取って走り出す。
しかし。
「しまった! こっちは行き止まり!」
周囲の地理をよく把握していなかったことが彼女の誤算だった。
ジグザグと曲がりながら行き着いた先は、崖だった。遠くに小さく建物が見える。
だが、彼女らにそれをじっくり見るような暇はなかった。
もと来た道を引き返そうと振り返ると、そこには角を曲がってこちらにやってくるつかさの姿があった。
(私としたことが……どうすれば、どうすればいい)
慌てて近くの岩の陰に身を潜める。そこから、魅音はつかさの方を覗き見る。
ゆっくりと、彼女の手がこちらに向けられる。当然握手を求めているわけではなく、そこには黒光りする鉄の塊があった。
「魅音ちゃん、そこをどいて。そいつを殺せないでしょ? 危ないんだよ?」
魅音は少しだけ考え、一つの可能性に賭けてみることにした。
(分が悪いどころの話じゃないけど……今の私にはこれぐらいしか思いつかない)
彼女は岩陰からでると、トカレフの射線を遮るように立ち上がった。。
彼女は腰の銃に手を伸ばすと、ゆっくりと拳銃を引き抜き、つかさに向ける。
「お、おい」
彼女の後ろで遊戯が驚いたような声を上げる。
それはつかさの方も同じだったようで、目を丸くしている。だが、すぐにクスリ、と笑った。
「なるほどね。魅音ちゃんも人殺しだったんだ。だったらいいよ、まとめて……」
「私はね、つかさ。あんたと話をするためにコレを向けてるんだ」
魅音は、ぴたりとSIG P210をつかさに向けながら、遊戯に小声で言う。
(万一私が撃たれたら、どうにかしてあの子の動きを止めるから、その隙に逃げて)
(魅音、君は馬鹿か! そんな相手を挑発するようなことを。俺が撃たれれば済む話なのに、そんな体を張って!)
(いいから! 私も簡単にやられるつもりはない)
一方で、クスクス、と我慢できないようにつかさは笑う。
「話? そんなものを突きつけて?」
「なんでもいいよ。まずは私の話を聞いて」
「……いいよ。聞いてあげる」
笑いながら、しかしその銃口はまっすぐ魅音のほうを向いている。
それを見ながら、魅音は口を開いた。
332されど奈落に花は咲く ◆KJJLTUDBrA :08/02/25 15:24 ID:G8JsC81s
「まず、春香とは会ったの?」
「あったよ? 滝つぼに突き落としてやった。でもまさか生きているとはねぇ」
あっけらかんとつかさは言う。
「……っ、それはどうして?」
「だって、春ちゃんは私を裏切ったもの。人殺しの肩を持つ奴と一緒にいられないでしょ?」
魅音は反論しようとして、それを飲み込んだ。
(今は冷静に。COOLにならないと……)
そして、次の言葉を紡ぐ。
「それと、これは私からあんたへの忠告だ」
「忠告?」
「そのトカレフ、どういう発想から作られたか知ってる?」
つかさは、知らない、と首を振った。
「ヒントその一、トカレフはもともとソ連で作られた拳銃だった」
「?」
つかさが眉をひそめる。困惑の表情だ。
それは遊戯も同じようで、怪訝に魅音を見つめている。
「わからないかい? じゃあ次だ。気温が低いと、機械は凍り付いて動きが悪くなる」
「……時間稼ぎは無駄だよ。アレだけ走り回ったんだもの。近くに人がいないってことはわかってるでしょ」
「おーけー、なら手短に言おう。その銃は凍り付いても確実に使えるように作られた拳銃なのさ」
不敵な笑いを浮かべながら、魅音は言う。
「何が言いたいの」
「これでもまだわからない? まあ、あんたは素人だからね、わからなくてもしょうがないか」
「だから何が!」
つかさの言葉に、少しばかり苛立ちが混じる。
「いいかい? その銃は命中精度なんてほとんど考えちゃいないんだ。だから、素人が撃ったって、当たるものも当たらないよ」
それを聞いて、つかさはため息をついた。
「残念だな。面白い話でも聞けるかと思ってたのに」
無造作に引き金が引かれた。
333Classical名無しさん:08/02/25 15:25 ID:1Vi935UE
 
334されど奈落に花は咲く ◆KJJLTUDBrA :08/02/25 15:27 ID:G8JsC81s
魅音はその瞬間を待っていた。

たった一度。逃したらそれっきりの大博打。

引き金が引かれた、その瞬間に地を蹴る。

銃声。

しかしそれは地面の砂利を弾き飛ばすだけに終わる。

彼女はそれに見向きもしない。

ただ、銃声におびえて縮こまろうとする体を無理やり叱咤し、つかさの元へ駆ける。

慌てて次弾を発射しようとするつかさ。

しかし、彼女が引き金を引くより、魅音の足が伸びるのが速かった。

つま先が、つかさの持つ銃を打つ。

「きゃっ!」

弾き飛ばされた拳銃は宙を舞い、

そのまま、どこかへ飛んでいった。
335されど奈落に花は咲く ◆KJJLTUDBrA :08/02/25 15:29 ID:G8JsC81s
□ □ □ □ □ □
「ふぅ……」
自分の銃をベルトにさしながら、魅音は自分の胸を抑えていた。
トカレフは、確かに命中率の低い銃である。だが、それも距離が離れているときの話。
仮に一発目が外れても、近づく間に二発目をを撃たれてしまうと、それを回避するのは難しい。
だから彼女は、ひとまず時間を稼ぐことにしたのである。
拳銃は、それなりの重量がある。そのため、それを長時間水平に持ち続ければ、多少なりとも筋肉に疲労が生じる。
ましてや、射撃訓練もしたことのない女子高校生の腕力では、それが顕著に現れるだろう。
筋肉に疲労が生じれば、それは引き金を引く握力に影響する。
握力が下がれば、引き金を引く速度が遅くなり、結果として二発目を撃つのに時間がかかることとなる。
(危機一髪、ってやつか。ふぅ、危ない危ない。心臓がバクバクいってるよ)
もっとも、彼女はそこまで考えていたわけではない。
素人が銃を撃っても、まず当たらない予感があったのと、長時間持ちっぱなしなら、腕が疲れるだろうという、
ただその二つの可能性に賭けたのである。
どこに飛ぶかわからない銃弾を相手にするには、分の悪すぎる賭け。だが、彼女は無傷でそれを乗り切ることができた。
336Classical名無しさん:08/02/25 15:29 ID:1Vi935UE
  
337されど奈落に花は咲く ◆KJJLTUDBrA :08/02/25 15:30 ID:G8JsC81s
「終わったの……か?」
「ああ、無事にね。それじゃあ、つかさの説得に……!」
岩陰から出てきた遊戯に、ひらひらと手をふって無事をアピールする魅音だったが、つかさの方を見て、また顔色を変えた。
つかさは、魅音に蹴られるときに、とっさに避けようとしたので、数メートル離れたところでしりもちをついていた。
そして彼女は、しりもちをついたまま自分の前に、四角い金属製の箱をゴトンと置いたのである。
「できればこれは使いたくなかったけど……しかたないよね。ピストル飛んでったし」
魅音はそれがなんなのか知らなかった。だが、それはとても危険なもののように思えた。
なにやらリモコンのようなものを操作しているのを見て、魅音は遊戯を振り返った。
しかし、彼は魅音の陰でつかさの方が見えないらしく、気付いたそぶりはない。
(どうしよう、あれは何か……やばい)
つかさの元に駆け寄り、リモコンを取り上げることも考えたが、近づく前にボタンを押されてしまうだろう。
彼女の横を通り抜けるのも同様の理由で不可能だ。
だから彼女は、最後の手段に出た。
338Classical名無しさん:08/02/25 15:31 ID:7iANov3E
支援
339されど奈落に花は咲く ◆KJJLTUDBrA :08/02/25 15:32 ID:G8JsC81s
「にげてぇ!」
「な……ッ!」
彼女は遊戯を突き飛ばした。
驚いた顔をして、魅音を見る遊戯。それはすぐに崖下へと消える。
そして。
クレイモアこと、Y11対空インパルスが火を噴いた。

「逃がしちゃったか。残念」
つかさは崖下を覗き込み、そう呟いた。
崖下は小さな茂みとなっており、それに遮られて地面が見えない。
「春ちゃんのときも、死んだと思ってたら生きてたし、どうしようかな」
うーん、と考え込むも、埒が明かないと気づき、ひとまず支給品を回収しようと、魅音に近づいた。
魅音の背中はズタズタに切り裂かれたようになっており、所々骨が覗いているような状態だ。
つかさはベルトからSIG P210を引き抜き、傍らのデイパックを拾った。
何か使えるものはないかと、その場で物色する。
「あ、iPodだ」
いそいそと取り出してイヤホンを耳に押し込む。知らない曲も多かったので、とりあえずランダム再生にしてみる。
「『愛してるー』かあ。こなちゃんなら知ってるかなぁ」
まあいいや、とつかさは立ち上がる。あたりの状況をわかる程度に音量を下げ、魅音に背を向け、その場を去った。
340Classical名無しさん:08/02/25 15:33 ID:1Vi935UE
 
341されど奈落に花は咲く ◆KJJLTUDBrA :08/02/25 15:34 ID:G8JsC81s
否、去ろうとした。


「はいだらあああああああああああ!!」


「!?」
びりびりと、山が、空気が、そしてつかさの体が震える。
恐る恐るつかさは振り返ると、鬼気迫る表情でつかさを睨みつける魅音がそこにいた。
「う……そ……」
つかさには、魅音は確かに死体に見えた。骨が見えるほどの重傷である。それが爆弾によるものなら、即死だっただろう。
しかし、クレイモアもといインパルスは違う。
あの武器は指向性の散弾地雷だ。つまり、爆風ではなくその無数の弾丸が敵を引き裂くのである。
あの時、鉛玉の嵐は魅音を蹂躙した。
しかし。
しかし本当に奇跡的に、魅音は即死を免れていたのである。
ザ、ザ、と魅音はつかさに近づく。それをつかさはただ見ていることしかできなかった。
決して彼女は、恐怖を感じていたわけではない。
ただ、魅音の放つ気配、それに呑まれていた。
やがて、魅音がつかさの前に立つ。
そしてパシンと、つかさの頬を打った。
「っ!」
つかさの脳裏に、ストーム1のことが過ぎる。だから、魅音も彼と同じように自分を叱るのだと、思った。
「痛いなぁ、魅音ちゃん。どうせ魅音ちゃんもいさじさん達と同じように、私を叱るんでしょ? 殺し合いはいけないって」
「……いいや。私はそんなことは言わない。それじゃあ、あんたに届かない」
思わずつかさは魅音を見上げた。魅音はすぅ、と息を吸うと叫んだ。
342Classical名無しさん:08/02/25 15:36 ID:7iANov3E
  
343されど奈落に花は咲く ◆KJJLTUDBrA :08/02/25 15:36 ID:G8JsC81s
「いいかよく聞けぇ! つかさ、私はあんたが人を殺そうが、どうしようが! そんなものに興味はないッ!」
「ひっ!」
声が上がる。
「私も! そういう気持ちもわからないわけじゃない! だから、私が言うのはあんたのことだ!」
歯を食いしばり、息を吐き出す。目はぎらつき、鼻息は荒く、しかししっかりと足を踏みしめて。
「あんたは! あの時! 泣くべきだったんだ!」
「……え?」
「嬉しければ笑う! 悲しければ泣く! 何もおかしなことなんてないっ!
 でも! あの時あんたは逃げた! それが! それこそがあんたの最大の失敗だよ!」
血まみれの手が、つかさの頬をなでる。つかさはなされるがままだった。
「あんたはねぇ、……泣いてよかったんだ。悲しくて、悲しくて、だから精一杯……泣けばよかったんだ。
 逃げる必要なんて、これっぽっちも……なかったんだよ」
ふわりと、つかさを抱きしめる。
「み、魅音……ちゃん?」
「だからね、つかさ。 あんたは、泣いても……泣いても……いい……んだ……よ?」
魅音の体から力が抜ける。つかさは思わずそれを抱きとめた。
「魅音、ちゃん? ねぇ、魅音ちゃん!」
344Classical名無しさん:08/02/25 15:37 ID:1Vi935UE
  
345されど奈落に花は咲く ◆KJJLTUDBrA :08/02/25 15:38 ID:G8JsC81s
つかさは魅音を道の脇に寝かせた。
その顔は、何かをやり遂げたように安らかだ。
今度こそ物言わぬそれを見つめながら、つかさは呟いた。
「そういえば私、泣いてないや」
思えば自分は、姉が死んだと聞いて、あの洞窟を飛び出してから、泣いていない。
悲しかったはずなのに。身が裂かれるような思いだったのに。
「何でだろう。何で私は泣かなかったのかな」
だから、呟いてみた。
「お姉ちゃんは死んだ」
だから。
「もう会えない」

声に出した途端、視界が歪んだ。魅音の死体が見えなくなる。
「ひっく……ひっく……」
つかさは思った。
多分自分は、姉が死んだということをどうしても信じたくなかったんだろう。
だから、逃げたのだ。みんなの前では泣いてしまいそうだったから。
泣いてしまえば、姉の死を認めたことだから、と。
そこまで考えたのが、彼女の限界だった。
朝から強行軍だった体は、睡眠を要求していた。
そして、彼女を保っていた歪んだ意思は、今折れてしまった。
だから、彼女のまぶたは自然と閉じた。
崩れ落ちるように倒れ、彼女は眠りに着く。
346されど奈落に花は咲く ◆KJJLTUDBrA :08/02/25 15:39 ID:G8JsC81s
【C-3 山・五合目付近/二日目・深夜】
【柊つかさ@らき☆すた】
[状態]:全身に軽い打撲、手のひらを怪我、精神的に不安定、睡眠中
[装備]:飛行石のペンダント@天空の城ラピュタ、琴姫の髪、SIG P210(残弾5)@MADLAX、iPod@現実(再生中)
[道具]:支給品一式*4(食事三食分消費)、ピーピーマックス*2@ポケットモンスター、Fooさんの笛@ニコニコ動画(γ)
デジヴァイス@デジモンアドベンチャー、光の護封剣@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ(現在使用不可)、
宝石みたいな物@呪いの館、ウィンチェスター M1895/Winchester M1895 (狙撃銃、残弾1)@現実
クレイモア地雷@おじいちゃんの地球防衛軍(残り3)、無限刃@るろうに剣心(フタエノキワミ アッー!)、
きしめん@Nursery Rhyme、たいやき(残りHP50%)@ポケモン金コイキングだけでクリアに挑戦
鬼狩柳桜@ひぐらしのなく頃に、10円玉@現実?、札束(1円札百枚)
[思考・状況]
第一行動方針:お姉ちゃん……私、どうすればいいの……?

※琴姫の髪をかがみのものだと思っています。
※iPodの連続再生時間は、約20時間です。
□ □ □ □ □ □
魅音は決して強い少女ではなかった。
誰にも負けないほど力が強かったわけではなく、誰にも負けないほど頭が良かったわけではなかった。
ただ彼女は、仲間を守りたかった。ただ、それだけだった。
(まったく、あんなに熱くなるなんて、おじさんらしくもない。どっちかというと圭ちゃんの仕事だよね……)
彼女の目はもう見えない。耳ももう聞こえない。
ひたひたと、闇だけが近づいてくる。
だが、彼女は満足だった。自分の言葉が、きっとつかさに届いたと確信していたから。
(圭ちゃん……わたし、がんばったよね……)
そして、彼女の意識は暗闇へと落ちていった。

【園崎魅音@ひぐらしのなく頃に 死亡】
【残り26人】

※魅音の死体は、つかさのとなりに横たえられています。
※洩矢諏訪子の帽子@東方project(左目部分が穴空き)は、つかさの近くに落ちています。
347されど奈落に花は咲く ◆KJJLTUDBrA :08/02/25 15:39 ID:G8JsC81s
□ □ □ □ □ □

崖から突き落とされた遊戯は、やはり生きていた。
落ちる途中の潅木や茂みにより、落下速度が大幅に削がれたからだ。
もっとも、完全に無傷とまでは行かず、いたるところに擦り傷を負ってしまっていた。
「くそっ、ここはどこだ?」
体についた葉や泥を落としながら、遊戯は呟く。
上を見上げると、木々の隙間から、落ちた場所らしい崖が小さく見えた。
「魅音は……どうなったんだ?」
あの時の彼女は恐ろしく焦っていたように思えた。だからこそ、仲間を崖から突き落とすという暴挙に出たのだろう。
(ならば彼女はどうなった? 彼女は一体何を見た?)
無意識に道を探す彼に、話しかける声があった。
『今はやめた方がいいと思うよ、もう一人のボク』
「相棒……だが彼女はあれほど焦っていたんだ。何かあったに違いない」
『そうかもしれない。でも、だからこそ僕たちは彼女の元に戻ってはいけないんだと思う』
彼は怪訝な表情をする。
「どういうことだ?」
『今僕たちの手元にあってほとんど唯一使えるのは、ミラーフォースだけ。確かにこれは強力なカードだけど、
 逆に言えば、これしか方法がないということでもある』
「だが、それでは魅音はどうなる。俺には彼女を見捨てていくことはできない……」
『でも、今の装備であの子に挑んで、僕たちは勝てるのか。それは難しいと思うよ。魅音ちゃんがあれほど焦っていたのだもの』
「くっ、仕方ない。一度街に行って、誰かの助力を借りよう。それでいいよな、相棒」
崖を背に、遊戯は歩き出す。後ろ髪を引かれる思いで彼はその場から歩み去った。
ただ、相棒のことに関して、少しだけ気になったことがある。
(まるで魅音やつかさのことを気に掛けていなかったようだが……いや、考えすぎか)
彼は頭を振って、その考えを追い出した。
348されど奈落に花は咲く ◆KJJLTUDBrA :08/02/25 15:40 ID:G8JsC81s
【C-3 南部/二日目・深夜】
【武藤遊戯@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ】
[状態]:発熱、発疹、瞳孔の拡大、中度の精神疲労、頬に傷、全身いたるとことに擦過傷、SOS団名誉団員、闇AIBO
[装備]:千年パズル(初期装備)、テニスのラケット、DMカード(真紅眼の黒竜(次の夜まで仕様不可)、プチモス、カタパルト・タートル

(次の朝まで使用不可)、ブラックマジシャン(次の夕方まで使用不可)、
魔導戦士ブレイカー(次の午後まで使用不可)、聖なるバリアミラーフォース@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ
[道具]:−
[思考・状況]
1:AIBOを表に出したくない。
2:AIBOを元に戻したい。
3:海馬と、仲間の友達を見つけたい。
4:このくだらないゲームを破壊し、主催者に闇の罰ゲームをかける。
5:春香と魅音に感謝。
※闇のゲームは行えますが、罰ゲームに制限がかかっています。(再起不能には出来ない程度)
※今のAIBOとカタパルトタートルに何か同じものを感じました。

【表遊戯の思考】
基本行動方針.自分に危害を加える者は容赦なく殺す
1.−
2.もう一人の僕…?
3.エアーマン、阿部は許さない
4.海馬と仲間の友達を見つけたい
5.ゲームを終わらせ、主催者を倒す
6.エアーマンを倒したらE-4の塔で仲間達と合流する
7.あの夢についての情報を得る。
※闇AIBO
ニコニコの闇AIBOタグで見られる、腹黒AIBO。
AIBOの持ち味である優しさが欠損して、笑顔で毒舌を言ってくれます。
ルールとマナーを守らずに楽しくデュエルしますが、過度の僕ルールは制限されるかも。
※C-120を打たれました。薬が切れる半日ほど全身の発疹、発熱、瞳孔の拡大、妄想が起こります。
 峠は越したようですが、詳細は不明です。
349されど奈落に花は咲く ◆KJJLTUDBrA :08/02/25 15:41 ID:G8JsC81s
□ □ □ □ □ □
閃光が目を焼く。崩れ落ちる床。そして自分は奈落の底へと……。

「っは!」
ムスカは目を覚ました。
意識が混乱し、自分がどこにいるかわからなくなる。
「……ああそうだ。私はあの小僧にやられて……」
闇遊戯の方を思い出し、ムスカは身震いする。
「あ、あの化け物め。次にあったら、ただではす、済まさんぞ!」
そのとき、視界の隅を動くものがあった。ムスカがそちらを見ると、月明かりの中、南へ歩いている人の影がある。
とてもではないが、人の顔を見分けられる距離ではない。しかし、その特徴的な髪の毛は、個人を特定するには十分だった。
「あの小僧か」
静かに怒りながら、彼は一歩を踏み出す。すると、何かを蹴り飛ばすような音が響いた。
「なんだ?」
月明かりの中、黒光りする金属塊がある。それが何か理解し、ムスカは笑い出した。
「ハハハ、これは幸先がいい。まさかこんなところにピストルが落ちているとは」
ひょいとそれを拾うと、彼は拳銃の各部位をチェックする。
「ん? 少しばかり歪みがあるか? それに残弾も少ない。使うときには注意が必要だな」
それを腰のベルトに指し、ムスカは遠くの人影を、こっそりと追いかけることにした。

【C-3 山・麓付近/二日目・深夜】
【ムスカ@天空の城ラピュタ】
[状態]:ひどく顔が腫れている、右足負傷、全身に打撲
[装備]:トカレフTT-33(3/8)
[道具]:なし
[思考・状況]
1.遊戯を追う
2.小僧他(ニート、ロールちゃん、富竹、ハルヒ、ロックマン、ゴマモン、遊戯)は必ず殺す
3.しばらくはエアーマンと同盟を組み、協力する……だが、あいつはどこへ行った?
4.優勝してラピュタ帝国の盛大なる復活を

※第四回放送を聞き逃しました。
350 ◆KJJLTUDBrA :08/02/25 15:43 ID:G8JsC81s
以上で投下終了です。
マーダーががんばるから、白くなっちゃった……。

支援ありがとうございました。
では、何かありましたらどうぞ。
351Classical名無しさん:08/02/25 15:51 ID:1Vi935UE
投下乙です。
魅音も逝っちゃったか…でも、その死は無駄じゃない。
そしてつかさも半浄化かな?

どうでもいいけど、閣下とつかさは片方が黒くなると片方が白くなるなぁ。
352Classical名無しさん:08/02/25 16:47 ID:zxonsn8k
投下乙。
魅音……最近空気気味だったが、最後の最後で誰もできなかったことをやってくれたぜ。
これはつかさの今後が気になるな。
そして何気に遊戯がピンチ。
でも楽太郎ネタキャラだしなぁw
どうなることやら。
353Classical名無しさん:08/02/25 18:24 ID:g4WTweFI
投下乙
おじさんが原作以上の活躍っぷりをみせたッ!
誰にも届かなかったつかさとの魂のぶつかりあいはよかった
そして遊戯は1人でピンチなうえに、楽太郎復活!
これからどうなるか期待だな
354 ◆OZbjG1JuJM :08/02/25 19:13 ID:YPdo3LpY
上手いこと今日が休みだったので一日中執筆してたら思いのほか
良いスペースで書きあがりそうです。推敲が終わり次第、今夜投下できるかも。

あれ、なんか頭が痛いような
355Classical名無しさん:08/02/25 20:02 ID:GzddrXcw
投下乙
魅音……空気返上の代償はおおきかったな。しかし、つかさ説得はよくやった。
そして、遊戯いろいろな意味でピンチだが、相手はムスカだしどうとでも(ry それより相棒がやばいな。
356 ◆0RbUzIT0To :08/02/25 20:03 ID:1Vi935UE
それではちょっとした考察&情報整理SSをば投下しますですよ。
大体12〜13レス分くらいです。
357ファンKASティック! ◆0RbUzIT0To :08/02/25 20:04 ID:1Vi935UE
薬局を目指し、三人は全力で町を駆け抜けていた。
霊夢は久しぶりに自力で(とはいえ、レイジングハートの力を借りているのだが)飛び、KASと萃香はその下を高速で走る。
もう二度とあのスーパードラゴンの背中には乗れないのかと思うと、あの吸血鬼に対する怒りの感情が再び湧き上がってくる。
だが、と頭を振ってどうにか冷静さを取り戻そうと努めた。
YOKODUNAと戦う直前、レイジングハートに言われた言葉を思い出す。
YOKODUNAと戦う直前、ヨッシーに腕を掴まれ引き止められた事を思い出す。
冷静さを欠いては勝てる相手にも勝てない……と霊夢は気分を紛らわす為に下を走る二人を見た。

「そういや、お前凄い速いな……私と同じ速度で走れるなんて考えられないぞ」
「今頃気付いたか西瓜!! このKASはTASをも超える男!!
 ならばこの程度の速さは当然だってう!!」

相変わらずハイテンションなKAS……だが、その様子は先ごろ会った時とはまるで違う。
まず、KASはクラモンを追っていた時のように無駄な動きは何一つしていない。
それはKAS自身の心に芽生えた怒りと覚悟の為のものだろうか……顔はいつもの通りなので判断に困る。
それに加え、KASは何を考えているのか青い甲羅を着ている。
そんな格好でよく走れるなと驚きを隠せないが、それが凄いとは思わない。
その格好はどう考えても馬鹿丸出しでまさしくカスに相応しい装備だったからだ。
ただ、それとは別に何か外見的に変わっているような気がした。
一体なんだろうか、と飛ぶ速度は変えずにその外見の変化について考え……ようやく気付いた。

「……あんた小さくなってない?」
「おおう!? 今更だなレムー!!」

以前見た時よりも、KASの身長はかなり下がっている。
というか、どうして今まで気付かなかったのだろうと思えるほどのサイズだ。
やはり、それだけ冷静さを失っていたという事だろうか。

「何をどうしたらそんなサイズになるわけ?」
「それを問われればブラックパックンに触れちまったからと答えざるを得ない!
 まったく、このKASとした事がとんだ失態! でも大丈夫、キノコかフラワーかマントがありゃすぐ戻る!!」
358ファンKASティック! ◆0RbUzIT0To :08/02/25 20:05 ID:1Vi935UE
呆れ半分、問いかけた霊夢に返ってきたのはいつものハイテンションなKAS節。
額を押さえつつ、霊夢はKASの言葉に少しだけ耳を傾ける。
曰く、ブラックパックンはKASのみならず友人達マリオプレイヤーの天敵でありその魔の手から逃れる事は不可能だとか。

(いや、友人って誰の?)

曰く、ブラックパックンに触れたマリオはチビマリオになってしまうだとか。

(どういう原理で?)

その後もその独特の世界観を独特の言語で話すKAS。
スイッチを踏めば敵がコインに変わるだの、赤・青・黄色のスイッチを踏めば足場が出来るだの、溶岩の塊は乗り物だのまるで意味がわからない。
しかし、ふと霊夢は思い出す。
先ほどのKASの台詞の中にあった単語――キノコかフラワーかマントがあればすぐ戻る?
マントというのは……。

「KASが言ってるマントって、これ?」
「!?!?!? そ、それはマント羽根! レムー、プリーズ!!
 プリーズギブミー羽根!!」

霊夢がデイパックから取り出した二つの羽根を見せると、KASは更にテンションを上げて羽根を求める。
既にチビマリオになってからかなりの時間が経過してはいるが、それでもスーパーマリオの体型が恋しい。
話によるとマント羽根空を飛ぶ為の道具らしいので、霊夢にとっては不要なものではあるのだが……。

「……どうしたものかしら、レイジングハート」
『判断に困ります……』

問題は、このマント羽根の時間制限だ。
2時間しか使用出来ない貴重品故に、そう簡単にあげたり出来るものではない。
与えるべきか与えざるべきか悩んでいる内に、下で騒ぐちびっ子は一人から二人に増えていた。
359ファンKASティック! ◆0RbUzIT0To :08/02/25 20:06 ID:1Vi935UE
「こんなに欲しがってんだからあげりゃいいだろ、別に自分じゃ使わない癖に!」
「そうだそうだ、このケチンボ! マントを使わせれば右に出るものは左にもいないこのKASに早くギブプリーズミー!!」
「……随分と好き勝手言ってくれるわね」

流石に少し堪忍袋の緒が綻びかけたが、冷静になるよう努める。
KASはこんなだが、一応は貴重な戦力だ。
馬鹿ではあるが身体能力は高いし、馬鹿ではあるがこの土壇場で殺し合いに乗るような人間ではない……と思う。
そのKASの戦力が更に増すというのなら与えてもいいだろうか。
貴重だ貴重だと言い張って本当に使うべき場を失ってしまうのも間抜けだ。

「……そうね、あんたにならあげてもいいかもね」
「!? マジかレムー!! 感謝感激雨こなああああああああああゆきいいいいいいいいいいいいい!!!!」
「ただし、二時間しか使用出来ないらしいから……もう一枚はよく考えて使うように」
「当たり前田のグロッキー!」

よくわからない返答をするKASに向けて二枚のマント羽根を投げ渡す。
すると、KASは走ったままそのマント羽根目掛けてジャンプして羽根を掴んだ。
その直後、KASを中心にして白い煙が発生する。

「YAHOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!!」

白い煙の中から雄叫びを挙げながら飛び出すKAS。
ぷいーん、ぷいーん、というなんとも拍子抜けする音を立てながら調子よく飛び回っている。
その高さは霊夢のそれよりも高く、そして速度も走っている時と然程変わりがない。
よくもそんな布切れで空を飛べるな、と一瞬だけ霊夢と萃香は関心をする。

「ィィィィヤッハアアアアアアアアア! 空飛ぶのはちょっと反則っぽいけど、でもそんなの関係ねぇ!! はい、おっぴっぱー!」
「それにしても、本当に体型が元に戻ってるわ……」
『ありえませんね……常識的に考えて』
360ファンKASティック! ◆0RbUzIT0To :08/02/25 20:07 ID:1Vi935UE
「ああ、感謝感激ついでにレムー! もひとつお願いがある!!」
「何よ、言っとくけど花も茸も持ってないからね?」
「実は三回目の放送聞いてねーんだ、俺! だから教えてくり!!」

なんだそんな事か、と霊夢はデイパックの中に入れておいた名簿と地図を取り出し……気付く。
そういえば、自分も先ほどの放送を聞いていない。

「わかったわ、でもその代わりにさっきの四回目の放送の内容を教えて――」
「止まれ、霊夢、KAS」

KASに提案をしようとしたところで、萃香に止められた。
訝しがりながらも、霊夢とKASはその速度を緩めて停止し地上に降り立つ。
どちらにしろ、放送内容を聞くのなら一度立ち止まるつもりだったので降りる事は別に構わない。
ただ、気になるのは何故萃香が止めたのかという事だ。

「地図と名簿を出せ。 私は三回目も四回目も聞いてる、だからその分を書いてやる」
「おおっ、そりゃまたサンクユー! 感謝感激雨ふたあああああああああありのおおおおおおおおおおおお!!」
「……まあ別にいいんだけど、なんだってあんたが?」
「……私が書いてる間、お前達に読んで欲しいもんがある」

霊夢の怪しむ視線を感じたのか、萃香は二枚のメモを霊夢に手渡した。
それと同時に名簿と地図を受け取り、地面に座り込み禁止区域と死亡者を書いていく。

一体何が書いているのか、と霊夢とKASはその二枚のメモをひとまず読む事にした。
すると、ものの数十秒で霊夢が目を見開く。

「……何、これ?」
361Classical名無しさん:08/02/25 20:09 ID:GzddrXcw
支援
362ファンKASティック! ◆0RbUzIT0To :08/02/25 20:09 ID:1Vi935UE
奇しくも先ほど、萃香がした反応と全く同じものを霊夢がする。
それも当然と言えば当然、そこには自分が知りえなかった情報がかなりの数書かれているのだ。
宇宙人、ニコニコ動画という意味不明な単語から首輪、フィールドに関する考察。
思いも付かなかった発想やこのゲームの根本まで深く切り込んでいる推察。
そして、もう一枚には脱出の鍵になるやもしれない駅に関しての情報。
これだけのものを、この小さな鬼はどこで手に入れたのだろうか?

「萃香、あんたこれをどこで……」
「驚いたろ? ……私も最初は驚いた」

書き終わった二組の地図と名簿を二人に返しながら、萃香は静かに言う。
ひとまずそれに礼を言いながら、霊夢とKASは名簿へと目を向ける。

「こんなに死んじまってたのかよ……!」
「……チューモン、ね」
『…………』

珍しくシリアスモードのKASと、黒く塗りつぶされた一人の名前を見つけて沈黙するレイジングハート。
そして、チューモンの名前を見つけて苦虫を潰したような表情を浮かべる霊夢。
その様子を見ながら、萃香は言葉を続ける。

「そのメモはティアナ・ランスターの仲間がくれたもんだ」
「……詳しく聞かせて」
「言われなくても、そのつもりだ……お前は私の事をまだ完全に信用してないみたいだからな。
 私が持ってる情報、全てを話す。 その代わり、それで納得をしたならお前の知ってる情報を全部話せ。
 ロールの事を含めて、全部だ」

頷くと、萃香は先ごろKASにした説明とほぼ同じものをしはじめた。
つるぺた幼女を保護しようとした事、竜宮レナとの戦い、その果てに出会った一人のStriker。
その少女から機動六課の意地とやらを受け継いだ事、仲間の墓と同じ場所に埋めるように願われそこに行った時には既に墓荒らしがされていた事。
そして、最悪な場面を一番見られたくない人に見られた事。
363ファンKASティック! ◆0RbUzIT0To :08/02/25 20:12 ID:1Vi935UE
「……どう思う、レイジングハート?」
『このメモに書いてある……転移魔法の項ですが』

レイジングハートの言葉と共に、霊夢はメモに目を走らせる。
転移魔法――あの広間からこのフィールドまで連れてこられた方法として、この魔法を使われたのが濃厚であるとそこには書かれてある。

『転移魔法というものを知っているのは、私やクロスミラージュのようなデバイスを除けば……。
 恐らく、この場ではティアナしか残っていなかったでしょう』
「つまり、このメモを書いた仲間にティアナがいた可能性が高い?」
『クロスミラージュはヒヨシやYOKODUNA以外の人物と出会っていないまま私達と合流したはずです。 ならば、そう考えるのが自然かと……』
「なるほどね……」

レイジングハートの言う通り、高町なのはが亡くなっている以上転移魔法という存在を知っていたのはティアナ・ランスターしかいないはずだ。
このメモを書いた人間達がティアナと共に考察をしていたという可能性は非常に高い。
そこから察するに、この鬼は多分、嘘はついていないだろう。
もし鬼が嘘をついているとするならば、どうしてティアナの事情を事細かに知っているのか。
どうやってこのメモを手に入れたのかという疑問も出てくる。
仮にこのメモを誰かを殺して手に入れたところで、このメモを書いた内の一人にティアナがいるなど把握する事は不可能だ。
このメモをティアナの仲間に受け取ったという所を含めて、萃香の話は恐らくは真実。
少なくとも辻褄はあっているし、ならば信用してもいいかもしれない。
目の前の、機動六課の意地を受け継いだ小さな"Striker"を。

『ティアナ……彼女もまた、彼女のやり方で戦っていたんですね』

感慨深げに呟くレイジングハートに頷きながら、霊夢は再びメモに目を通す。

「それにしても、これだけの情報をどこでどうやって得たのかしらね」
364ファンKASティック! ◆0RbUzIT0To :08/02/25 20:14 ID:1Vi935UE
殆どが推察ばかりだが、書かれている事は理にかなっていて何故か人を納得させる力を持っているものばかりだ。
このメモが脱出の鍵となる可能性は高い。それがわかっているのかどうか、KASも必死に文字に目を走らせる。
勘違いされるかもしれないが、KASは決して人の言葉に耳を傾けない人間でもなければ何も読まないような人間でもない。
ゲームをプレイする上での説明などはちゃんと熟読するタイプだ。

「ふむふむ、ほまほま、なるほどなるほど……こりゃ凄いぜ! よくわかんないけど!!」

それが彼に理解出来ているかどうかは別であるが……。

「でもこれ、首輪に関しての考察は殆ど為されていないわね……。
 まあ、そこまで求めるのは酷かもしれないけれど」

メモに書いてある事項は、脱出方法やこのゲームの本質等多岐に渡っている。
だが、その中には肝心な首輪の解除法は書かれていなかった。
それもまた、仕方がないといえば仕方がないだろう。首輪を解除するには技術もまた必要となる。
考察をした者達の中には、首輪の解除法を考察出来る技術者がいなかったのだろう。

「首輪に関する情報が無けりゃ、考察なんて到底出来ないものね……」

霊夢とKASは二枚のメモを萃香に返した。
このメモは役に立つ。
今頃、城で首輪の解体作業をしているはずの海馬に渡す事が出来れば脱出は更に近づくものになるだろう。
萃香がそのメモをデイパックに入れ込もうとした瞬間。

「あっ……」

ごとり、という鈍い音が聞こえ何かが地面に落ちた。
恐らくはメモを入れる時に誤って触れてしまったのであろうそれは、やけに大きい……人の顔の大きさほどはある。
形状からすると鍵にしか見えないのだが、こんなに大きな鍵があるとは思えない。
365ファンKASティック! ◆0RbUzIT0To :08/02/25 20:16 ID:1Vi935UE
「萃香、それ……」
「うわあああああああああ、鍵DAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!」

不思議に思った霊夢の疑問の声を掻き消したのは、やはりテンションMAXなKASだった。

「西瓜ー!! こ、こここ、このかぎぎぎぎ!!」
「お、落ち着けKAS! なんだよ、この鍵がどうしたんだよ!?」

落ちた大きな鍵を拾い、やたらと興奮するKAS。
それをどうにか諌めながら、萃香と霊夢は事情を聞く。
これまた意味不明なKAS語でその事情は語られたが、二人で頭を捻らせながらなんとか解読をすすめる。
どうやらKASにとってこの鍵は切っても切れない縁で結ばれているらしく。
曰く、この鍵さえあれば足場に困らない、らしい。

「足場って何よ……大体、鍵と切っても切れない縁って……」
「そこまで疑うならば見せてしんぜよう! 見よ、このKASの鍵さばきっぷり!!」

霊夢の呆れ声を聞いて、KASはすぐさまその手に鍵を持ちその上に足を乗せた。
重力と共に地面に落ちようとする瞬間、更にKASはその鍵を高い位置へと上げ、再び足を乗せる。
それを何度も何度も繰り返し、KASは上空へと舞い上がる。
それは常人では有り得ない事、この光景を見た者がいたなら思わず『ファンKASティック!』と叫んだだろう。
しかし……。

「……空飛ぶだけなら、マント使えばいいじゃない」
「言うな、霊夢。 多分あいつはそんな事考えちゃいない」
『正しく、才能の無駄遣いと言うべきですね……』

『鍵、蝶・サイコー!』とか言いながら更に上へ上へと昇っていくKASは置いておいて、霊夢は萃香に自分側の状況を大まかながら話し始める。
それは、霊夢が萃香の言葉とメモに納得をしたという証。
萃香は霊夢の言葉をただ静かに、爪が食い込むほど拳を握ってきいていた。
ロールは、霊夢の話によればその吸血鬼に連れ去られたらしい。
だとしたら、早く追わなければ危険だ。
366Classical名無しさん:08/02/25 20:16 ID:H6RavhnU
支援
367ファンKASティック! ◆0RbUzIT0To :08/02/25 20:17 ID:1Vi935UE
ようやく降りてきたKASに鍵を正式に譲渡すると三人は再び道を急ぎだした。
マントと鍵ありがとう!と何度も礼を言うKASにはいはい、と二人は軽く返答をする。
馬鹿ではあるが、一応礼は言えるらしい。
霊夢は一瞬その素直さと純情さがスーパードラゴンのそれと重なり、霊夢は慌てて頭を振って別の事を考え始める。

先ほどのメモを見た限り、脱出手段はほぼ整いつつあるかもしれない。
だが、その脱出手段を行使する前段階――彼女達の言葉を借りるなら、ルールYがまだ解けていない。
もしかしたら海馬が既に解いているかもしれないが、それはありえないだろうと霊夢は否定する。
主催者が首輪をつけたのはそれに絶対的自信があるからに違いない。
もし首輪が海馬が一人だけで解除出来るものだとしたならば、海馬を参加させているはずがないのだ。
だから、首輪は間違いなく海馬だけでは解けないもの。

(あのプライドの高い海馬が、絶対に解除してみせると意気込んでいたのには自分の技術力に絶対の自信があるから。
 でも、多分それだけでは首輪は解除出来ない……海馬の技術力以外にも、何かが必要なはず)

ふと、霊夢は下を走る小さな鬼を見た。
彼女の能力を使えば、この程度の首輪を消すなど造作も無い事のはずだ。
……が、彼女もまた首輪をつけているのを見た限りでは、その能力を制限されているに違いない。
制限されていなければ……。

(……そういえば、どうやって私達の能力を封じているのかしら?)

首輪を使ってだろうか、それとも自分達を呼び出した時にその能力を封じた?
……駄目だ、思考が纏まらない。

(……別の観点からアプローチすれば、この首輪もどうにかなるかもしれない。
 でも、今はそんな事を考えている場合じゃないわね……)

KASがマントをはためかせ、霊夢がその足に桃色の羽根を生やして飛ぶ。
萃香が地上を、全力で駆け抜ける。

目的地――薬局まで、もうすぐ。
368Classical名無しさん:08/02/25 20:18 ID:GzddrXcw
支援
369ファンKASティック! ◆0RbUzIT0To :08/02/25 20:18 ID:1Vi935UE
【E-3 街中/二日目・深夜】
【博麗霊夢@東方project】
[状態]:精神的疲労、悲しみ、全身を打って痛い、バリアジャケットの腋部分破損、魔力消費中、すこし眠い、血霧の巫女
[装備]:レイジングハート@魔法少女リリカルなのはシリーズ、巫女風バリアジャケット@巫女みこナース、ワルサー カンプピストル@現実(1/1)(26.6mm信号弾残り6発)
[道具]:支給品一式(パンは一個だけ)、YOKODUNAの支給品一式*4(水食料全消費)、フリップフラップ@ニコニコキッチン、
首輪、ドリル@ミスタードリラー、 博麗アミュレット(130/200)、メモ用紙(10/10)、魔理沙の帽子、
ドリルアーム、気合の鉢巻き@ポケットモンスター、クマ吉の手錠@ギャグマンガ日和、ドアラの着ぐるみ@ドアラ動画シリーズ、
全自動卵割機@サザエさん、億千万の思い出@現実、キーボードクラッシャーの音声(の入ったiPod)@キーボードクラッシャー、萃香の角*2
[思考・状況]
1.ヴァンデモンを殺す。ロールを探す。
2.とりあえず萃香を信用。
3.城に帰って寝る。お風呂にも入りたいな
4. Niceboat.の探索
5.怪しい人には無理のない程度に接触、無害なら適当に交渉
6.今回の事件の解決(主催者の打倒)
7.クロスミラージュを調べたい。
※ジープ@ヤンマーニは大破しました。民家に突っ込んでいます。
※ヨッシー、富竹、クロミラの事を変態だと認識しました。
※船橋前の通路には霊夢の張った結界があります。
 物理的な効果はありませんが、船内でのみ、霊夢はそこを何かが通ったことを知ることができます。
※霊夢はカイバーマンたちと情報交換をしました。霊夢は大方把握しています。
※Niceboat.後方甲板にはまだ何かがあるみたいです。
※二枚のメモの内容を把握しました。搭組のメモには、予想も含む情報が書き連ねてあります。
※萃香側の情報を大まかに把握しました。
370ファンKASティック! ◆0RbUzIT0To :08/02/25 20:19 ID:1Vi935UE
【伊吹萃香@東方Project(つるぺったん)】
[状態]:精神的疲労、軽い怪我、角がない、体力中回復、妖力小回復、魔力中回復、機動六課代行
[装備]:ミニ八卦炉@東方project
[道具]:支給品一式*3(食料1食分、水2食分消費)、ワイン、マネキンの腕、傘@現実
A.C.E.3@現実(少し詩音の血がついている)、DMカード(エネミーコントローラー、融合)、塔組の推理メモ、塔の『バグ』について纏めた紙
バルサミコ酢@らき☆すた、グルメテーブルかけ(残り19回)@ドラえもん、ノートパソコン(バッテリーほぼ消耗)@現実
[思考・状況]
1.ロールを探して説得する。(城へは必ず向かいたい)
2.霊夢に信じてもらえたけど、角を折るのは、やりすぎたかなぁ
3.機動六課の意地とやらを、自分なりに考えて主催者にぶつける。
4.つるぺた保護。
5.阿部のことは・・・あいつなら無事だろうから保留。
6.巨乳死すべし?
7.せっかくなので腕試し。主催者と戦いたい
8.貧乳はステータスだ!希少価値だ!
※巨乳に対する絶対的悪意が薄れつつあります。
※自分の心境の変化は、なのはのリンカーコアを取り込んだ影響だと思っています。真偽はわかりません。
※リンカーコアの黒い部分によって、なのはの性格が変わっていたのではと推測しました。真偽はわかりません。
※塔組と情報交換しました。 KASの情報は、海馬の名前しか知りません。
※二枚のメモの内容を把握しました。搭組のメモには、予想も含む情報が書き連ねてあります。
※霊夢側の情報を大まかに把握しました。
371ファンKASティック! ◆0RbUzIT0To :08/02/25 20:20 ID:1Vi935UE
【KAS@KAS動画】
[状態]:甲羅マントマリオ(残り1時間30分)、右拳骨にヒビ、お尻に火傷、鍵とマントでハイテンション、 強い決意と熱い闘志(?)
[装備]:スパイダーブレスレット@東映版スパイダーマン、バーサーカーソウル@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ
[道具]:支給品一式*2(水全消費、食料はニートのもの)、ケンジのカメラ@ポケットモンスター、塊@塊魂、黄色甲羅@スーパーマリオシリーズ
うまい棒、津田英治ブロマイド(音声付き)@大変な途中下車シリーズ、ビー玉(30個ほど)@ピタゴラスイッチ、
秘密の鍵@スーパーマリオワールド、マント羽根*1@スーパーマリオワールド
[思考・状況]
1.ロールを見つける。でも早く海馬達の所に行ってバグの事を色々教えてやりたい
2.でっでいうがああああああ!! 殺した大馬鹿野朗を倒す!
3.主催者をぶっ飛ばす前にTASと決着をつけたい
4.あいつ(谷口)の死の責任を取る!!
5.このカード、あいつの仲間に渡したいけどどいつが仲間なんだろ?
6.このクソゲーをぶち壊してボスのスットコドッコイを倒して土下座させて
悪い奴以外全員生き返らせるぜ!!!!
※青甲羅を着ました。体型はスーパーマリオに戻っています。
※放送により、ニコニコ動画に関する記憶が徐々に戻ってきています。
※二枚のメモの内容を把握しましたが、よくわかってません。搭組のメモには、予想も含む情報が書き連ねてあります。
372 ◆0RbUzIT0To :08/02/25 20:21 ID:1Vi935UE
投下終了です、支援ありがとうございました。
何か問題あればお願いします。
373Classical名無しさん:08/02/25 20:30 ID:UhjMmjBc
投下乙!問題無いのでは?
霊夢は城に帰るのは後回しなのかな。

ああ、近くにまたマーダーが…でも、この3人だと戦力的に全チームでトップだったり?
374Classical名無しさん:08/02/25 20:33 ID:UhjMmjBc
お、つかさのSSも投下されてたんだね。
wikiの方でTASさんの殺害数が訂正されてたから、つかさが単独トップか…マーダーってわけじゃあないのにwww
LSロワのあの人を思い出すな
375Classical名無しさん:08/02/25 20:41 ID:H6RavhnU
投下乙です。
また、街が盛り上がりそうですな。
なかなか城に戻れない霊夢。焦らすねぇ。
376 ◆OZbjG1JuJM :08/02/25 22:05 ID:YPdo3LpY
さいでは書きあがったのでレナこなピッTASクラクラハルヒをと、投下しちゃいますぜ!?
377両手には飛び立つ希望 ◆OZbjG1JuJM :08/02/25 22:07 ID:YPdo3LpY
あれから、どのくらいが経過しただろうか。

今のところ橋を通った参加者はいない。先ほどの連中以外の集団が山、城、あるいは街で留まるつもりなのかもしれない。
城の方へは既にエアーマンとクラモンがいるからそこは彼らに任せて置いておく。
街は特に人の目につき易い場所だ。禁止エリアの数、及びそれらによる隔離エリアが増えてマップが狭まった今なら自然と人集まる。放っておいても少なからずの戦闘は起きるだろう。

山はこの闇では視界に難がある。その所為で動かないというより動けない参加者もいるかもしれない。だが、狙うにしては月が出てるとはいえ足場が不安定だ。
仮にここを離れることにしたとしても、今の所行き先として選ぶべき場所ではないだろう。

「となるとすればやはり今のところはここで待機するのが無難、だな」
TASとて待ち伏せするからに一時間で獲物がHOI☆HOIやってくるとは思ってはいなかった。
蜘蛛は自分の罠にかかる獲物を何時間でもじっと待つ。それにこの狭くなったマップだ。街同様に目立つシンボルである城を目指す参加者も少なくないだろう。

「やっぱり……でも……」
またか。TASは横から声がした方を見もせずに少し呆れの表情を作った。
あれから涼宮ハルヒは長いこと唸ったままである。何か計略でも立てているのかもしれなかったが、この様子ではろくに進展もしてないのだろう。

正直鬱陶しかったのでサナギクラモンと見張りに行かせようかと考えたが、それはそれで向こうで面倒を起こされそうな気がしたので、動く気配もなさそうだし放置しておくことにしたのだ。
時たま何かを考えてるかのようにぶつくさ喋るのがまた五月蝿かったが。
戦闘になったら盾に使おうかとも考えたが気付いたら突撃を仕掛けてそうな盾など盾ではなくむしろ枷だと考え直し、やめておくことにした。

その内にサナギクラモンが帰ってきた。見つけたという参加者の詳細を聞き、TASは軽く笑みを浮かべる。
「そうか……奴らが戻ってくる可能性もあったな」
三体とも致命傷ではないにしろ、攻撃を加えてある。その戦闘力は侮れないが油断と己の過信さえしなければ遅れを取るような相手ではない。
冷静に事を勧めさえすればデュオンもポーキーもタブーもノーダメージで倒せるのだ。
378両手には飛び立つ希望 ◆OZbjG1JuJM :08/02/25 22:08 ID:YPdo3LpY
「小娘。これから俺とサナギで参加者の排除に向かう。貴様はここで待機していろ」
TASはハルヒにそう残して立ち去ろうとしたが、当のハルヒは計略に夢中になってるのか上の空の返事を返すのみであった。やはりこいつも殺しておくべきか?

仕方ないので放っておくことにしよう。帰って来ても未だに悩み続けてるようならそれはそれで良し。いなくなっていても余り問題はないだろう。どうせあの様子で連れ歩いても足手まといだ。
奴がゲームに反逆するグループの差し金であれば危険だが、始めて逢った時、そして友人という男を殺してから戻った時のことを考えるとその可能性は捨てても良い。

片手にロールバスター、もう片方の手にゼットソーハードインパルスとかいう鋸を装備する。
どこかで見覚えがある光景だと一瞬思い、すぐにあの友人の装備そのままだったということを思い出した。
「ふん、俺もいい加減疲れているのか……橋で休息を兼ねたのは間違いではなかったな」
自嘲気味にそう呟くと、TASはサナギクラモンもといクリサリモンを引きつれ東へと歩き始めた。

ハルヒはそれでも呻き続けていた。





月が昨日と変わらぬ明りを放っている。そのお陰か、大して迷わずに橋に戻ってくることができた。
よく見てみれば月が昨日と比べて全く欠けていなかったのが気になったが、今はそれどころじゃない。

あの戦闘が嘘のように静かだ。あの後、彼らはどうなってしまったのか。
見事TASを倒すことに成功して、今は橋で休んでいるのか。
それとも──もう片方のパターンは、考えるべきではないだろう。

レナが先頭に、橋に踏み入ろうとした──その瞬間、ピッピは言いようのない悪寒を覚えた。
「フリィッ!」
「わっ! コロネ?」
その直後、予めボールから出しておいたコロネが突如威嚇するような鳴き声を出した。
レナも驚きはしたが、コロネの尋常でない様子と前方からする覚えのある気配を察知し、拳を固めこなたに向かって叫んだ。
379両手には飛び立つ希望 ◆OZbjG1JuJM :08/02/25 22:09 ID:YPdo3LpY
「……分かる。私も分かるよ。こなちゃん、構えて!」
「……! まさか、あいつ!」
こなたも右拳を固める。次第に二つの影がゆっくり大きくなり、奇怪な姿をしたサナギを連れたTASが姿を現した。


「どうしたのかな、かな? 確実に人数を減らそうなんて考えてる人が奇襲をかけてこないなんてね」
「それも考えてはいたが貴様らはあの距離で俺の存在を感知していた。それで直奇襲をかけようのものなら俺が自爆していただろう」
淡々と答えるTASの後ろでサナギが笑うように触手をくねらせている。あれもまた、コロネのように支給されたモンスターなのだろうか。

「あんた……キバ君や妹ちゃんを、皆をどうしたんだよ!」
怒りの形相を貼り付けたこなたが半歩歩み出ながら怒鳴る。こなたの腕の中でなおも震えが止まっていなかったピッピも、恐怖しているのか怒っているのかどっちともつかないいような顔でこなたの前に歩み出た。
「声が震えているな。この血を状況を見ても分からないというなら教えてやる。
 キバと呼ばれていた男なら俺が殺した。少女と男の二人はワープのカードか何かで逃げたようだが、水銀燈、とかいう人形なら後ろのサナギが仕留めてくれたようだ」
 終わった仕事の成果を報告するかのように述べるTASの言葉を皆まで聞かず、こなたが走り出した。

「コナタノキワミッ!! アッ────!!!!」
繰り出される拳をいとも容易く避け、ロールバスターの一撃を加えようとしたがTASは更にもう一回バックステップを取る。
上空から目の前にコロネが飛び込んで来ている。こなたの拳の方はフェイントのつもりだったらしい。
だがその作戦をあっさりと看破したTASはロールバスターをコロネの方に放った。コロネは既に上空に逃げていく所だったが、いくつかの弾を避け切れずに羽に被弾した。
380両手には飛び立つ希望 ◆OZbjG1JuJM :08/02/25 22:09 ID:YPdo3LpY
間髪入れずに前に出たレナが振り回してきた鉈のスピードに驚いたがTASの対応出来ないスピードではない。ゼットソーインパルスで軽く受け止め、背後のクリサリモンの触手がレナの腕を切り裂き思わずレナが後方に下がる。
さらにクリサリモンが追撃を加えようとした瞬間、再び前に出ていたこなたの拳がクリサリモンの固い殻を襲った。
思わず後方に下がるクリサリモン。しかし今度は横から回り込んでいたピッピが出した青い炎で更にダメージを受けてしまう。

(やはり、ここまで来るまでの間に戦法や陣形を練っていたようだな)
侮れない相手だ、とTASは改めて敵の実力を認める。細かい攻撃が飛んでくるためにこちらも指示を出しにくい。
終盤まで生き残る程の相手だ、クリサリモン一体程度では最早捨て駒にしかならない。だが。

(だが……その捨て駒も、有効活用さえすれば強力な武器となる!)


拳の雨による追撃を受け、クリサリモンがとうとう地に伏した。そのスキとつかれTASの蹴りを喰らい吹っ飛ぶも、それでもまだ起き上がってきている。
「次はお前だぁぁっ!」
背後から小さい方の少女の声がした。だが、振り向きもせず攻撃を読んでいたTASはこなたの一撃をかわし、ロールバスターで弾き返さんと構えて、
しかし一瞬自分の体に違和感を感じ──

それに僅かに気を取られた頃にはこなたのニ撃目がTASの腹を捉えていた。

「ぐっ……馬鹿な!」
「え? あ、ウソ……上手くいった!?」
尻もちをつき腹を押えるTASに、攻撃を放ったこなたも、こなたの攻撃を回避した所に突っ込もうと構えていたレナ達までもが驚いていた。
「……こなちゃん! 今の内に一気に畳み掛けるよ!」

(奴の攻撃が早くなった……いや……俺の方が低下していたというのか!)
連戦に次ぐ連戦、その上その戦い毎に幾度となくダメージを受け続けていた。それでなお動き続けていたのだ。積もりに積もったそれらは僅かながらもTASの運動能力を鈍らせ始めていたのだ。
(ふん、慢心を捨て切れていなかったようだな……。自らの体調を信じすぎていたのか)
全く、この場での戦いで幾度学んだことかと自嘲気味に立ち上がる。迫るレナの鉈と拳の連撃を、ゼットソーハードインパルスの耐久を考えで受け止めずに最小限の動きで回避してロールバスターを放った。
381両手には飛び立つ希望 ◆OZbjG1JuJM :08/02/25 22:12 ID:YPdo3LpY
(だが引き返すことはできない……ならば、この不調が響く前に事を済ませるのみだ)
言葉の通り畳かけるように突っ込んでくるコロネにロールバスターを浴びせる。本体には当たらなかったが、羽がボロボロになり始めている。まともに動くことも出来なかろう。
続けて指を振りながら突っ込んできたピッピに蹴りを喰らわせる……だが、ピッピは吹っ飛ぶどころか怯みさえせずにもう一度指を振った。
刹那、ピッピがTASにさえ劣らぬかという勢いで体当りを仕掛ける。TASは咄嗟に膝で受け止めたが、かなりのダメージを受けてしまった。

「ピィッ!」
必死の形相でピッピは続けざまに指を振った。最初「りゅうのいぶき」、そして「まもる」「しんそく」。しかし今ので出た「あわ」は届かず、さらに「もろはのずつき」は大きなスキを見抜かれロールバスターで吹き飛ばされてしまう。
TASはそれに気を取られて思わず無防備になったこなたを狙おうとしたが、ピッピが再び起き上がって「かえんぐるま」で炎を纏い突進してきたため足を止めざるを得なくなってしまう。
さらに指を振ってから今度ははねるような動きをしているピッピにロールバスターを再度食らわせてもなおピッピは立ち向かうことをやめなかった。

テレポートで逃げてしまったこと、ひたすら自分の保身ばかり考えてしまったこと。そして自分の情けなさ。
それらがピッピが何度も立ち上がる原力となっていたのだ。そして、それゆえに彼は極端になっていた。
自分がどうなってもいいから、この男を絶対に倒すのだと。

TASはそんなピッピの様子を薄々感づいていた。
そして、だからこそ彼はあえて、わざと嘲るような笑みを浮かべる。
「小動物……威勢は買ってやる。だが、一つ教えておいてやろう。人がその行為を何と呼ぶかをだ」
「ピィィッ!」
お前の言葉何か聞くものかと指を振って出た「みだれひっかき」、さらに「マッドショット」を回避しながらTASはピッピではなくその後ろを見ていた。
加勢しようとしているレナでも、こなたでもない。もっと前に、そこにいたもの。

「『蛮勇』を振るうのは、程ほどにしておいた方が良いな」
TASしか見えていないピッピは気付かなかった。
その言葉を合図にしたかのように、後ろから一直線に『何か』が飛んで来ているのも。
382両手には飛び立つ希望 ◆OZbjG1JuJM :08/02/25 22:12 ID:YPdo3LpY
それに気付いたレナが拳を振りかぶって阻止せんと走り始めているのも。


それより先に、こなたが『何か』とピッピの間に踊り出ていたのも。

TASの異様な笑みに反射的に振り向いたピッピの目には、赤い何かと青い何かが踊っているように見えた。
赤い何かは飛沫を上げる液体。青い何かは流れる水のような長い髪。


(あ、)
「こなちゃん!!!」
そのまま崩れ落ちているのは自分ではないのに、回りの様子がスローモーションになってるように見えた気がした。





刺されたのは……こりゃまた見事に胸、ど真ん中……か。というか貫かれてるから胸じゃなくても致命傷だろうね。
……これ、もう助からないかも。これで私がサイヤ人だったらパワーアップフラグなのになあ。
ほとんど無意識で駆け出しちゃったけど。でも、仕方ないよね。目の前で仲間が刺されようとしてるってのにボーっとつったってるわけにもいかんざきさ。

……あー、胸、痛いっていうか熱い、なぁ……
やっぱり死んじゃうんだな、私。さっきまであんなに真っ赤なこなたしてたのに何ゆえ死に際に限って素に戻っちゃうかな?
かかがみんが見てたら『それじゃあんたらしくないからよ』とか言ったり……なんちって。

だんだん眠くなってきた。ネトゲで連日徹夜した時よりもひどい眠気だ。
たぶん……このまま目を閉じたらきっとかがみんがいる所に私も行くのかもしれない。
そこに、お母さんもいるのかな。……お母さんといえば、お父さんにごめんなさいって言わなくちゃだね……あとゆーちゃんに、お父さんをよろしくともさ。
383両手には飛び立つ希望 ◆OZbjG1JuJM :08/02/25 22:14 ID:YPdo3LpY
それと、レナちゃんにピッピにも何か言いたいんだけど……TASが攻撃してるもんだからその余裕もなさそうだなあ。
全く変身シーンに攻撃する敵キャラぐらい空気読めない奴だね。

直接何か言えないなら……うーん……
……よし。こう、言い残しておこう。
きっとこういうのは、心で伝えるもの、だよね。
だから。

「わたし……は……みん、なを……しんじ、て……る、か……ら……」

もう、眠気に勝てそうもないかな。
私の意志はさっき言った通り。だから……後は、任せたからね。
それじゃ。





「よくも……こな、ちゃんを……!」
「どうした、激昂した頭では当たる攻撃も当たらんぞ。それにあれを殺したのは正確には俺ではなくあのサナギだが」
涙を滲ませながらレナが放つ拳の雨を容易く避けつつ、TASは内心ほくそえんでいた。

(面白いほど上手くいってくれたな。サナギを失ったのが惜しいが、それは致し方あるまい)
TASはレナ達が作戦を立てていたように、クリサリモンに予めある程度ダメージを受けたら死んだフリをするよう指示しておいたのだ。
そして頃合いを見計らい、誰かがクリサリモンの前に立ったら奇襲を仕掛けさせる。
上手くいけばそいつを殺せるし、そうでなくても他の誰かが庇うだろう。それで一人でも死ねば、奴らの性格からどんな冷静な奴でも思考が乱れるという者だ。
あの少年の言っていた仲間を信じる心。それを、利用してやったまでのこと。サナギクラモンはその後鉈の一撃を受け沈黙してしまったが、駒が駒なりの活躍をしただけだ。
それについては後で褒めてやらんとな。

続けざまにレナにロールバスターを浴びせようとすると、左右から蝶と小動物が向かってくる。
死ぬ寸前に指示でも出したのか。成る程、いいセンスだ。だが……
384両手には飛び立つ希望 ◆OZbjG1JuJM :08/02/25 22:15 ID:YPdo3LpY
「下僕でさえ主人を殺され怒ってるのか。こちらとしては好都合だな」
TASがレナを蹴りでいなした後、即座に照準をコロネに変え、さらにメタルブレードのチップを装着し弾を発射する。
チップを取り出す隙、その性能から考え集団戦であればロールバスターの方が良いと考えていたが、そろそろこっちも使って良い頃合いだろう。

放たれた鉄の刃は蝶の胴体を真っ二つに引き裂く。それを見て僅かに小動物がブレーキをかけた所を狙ってこちらにもメタルブレードを放った。勘が良いのがすぐに横っ飛びで避けられたがそれでもいくつかが命中する。さらに止めを刺そうとしたが、少女の邪魔が入った。

「あなたは絶対に許さないっ……!」
「陳腐な台詞だ。少し、頭を冷やしてやろうか」





体中が痛い。当然だ。あのTASの攻撃を何度も受けて、キバ君が持ってたメタルブレードの攻撃をも喰らったんだ。

自分のことばかり考えてて、一人で突っ走ってて。それでコナタもコロネをも死なせて……自分は無様に倒れながら、レナを助けにも行けない。
なんて情けない最期なんだと、僕は静かにその生涯を終え……




「てたまるかってんだよ!!」
実際にはピィとしか言えてないけど、とにかく僕はそんな感じで自嘲を始めようとしていた自分に叫んでいた。
ボロボロなのにこんなでかい声を出せたなんて自分でも驚ける。でも、その訳だってすぐに分かったんだ。

なあ、僕。コナタとコロネが死んで、自分の所為だってうじうじしながら死んでいくつもりだったのか?
あれだけたくさんの人が死んで後悔し続けたってのに、まだ弱虫が直らないのか?

ケーイチに、ピカチュウに、カガミに、ゴマモンに、マコトに、コナタに、
コーイチに、コージに、ヒロユキに、スイギントーに、ティアナに、イモートに、レナに。
こんなにたくさんの人から勇気を貰ったのに。
TASの奴が言ったように、蛮勇だけで終わらすつもりなんて、僕には、さらさらありゃしない。
385両手には飛び立つ希望 ◆OZbjG1JuJM :08/02/25 22:16 ID:YPdo3LpY
こんな姿、みんなに見られたら一回失敗しといて何を今更なんて叱られるかもしれない。
そしたら、全てが終わった後でいっぱい謝ろう。それで、絶対にこのゲームを僕らで壊すってもう一度、勇気を示そう。

コナタとコロネが命を張って助けてくれた。
レナがまだ頑張っている。

だから、僕はそれに答える。

たったそれだけのこと。



ゆっくりと指を構える。何でだか、次に出る技がなんとなく分かった気がして、「こうそくいどう」での移動経路を定めた。
TASにメタルブレードで狙われてるレナを抱え、さらに上手く遠くに逃がす。それから「とんぼがえり」を利用して戻ってくる。
途中でメタルブレードを少し喰らったけど、それが何だと言うんだろう。

そして「こわいかお」でTASの動きを鈍らせた。元々動きが鈍りつつあるから、目を逸らされたとはいえ多少効果はあったらしい。
まるで全部の技を使えるミュウのように滑らかに動ける。
ケーイチが、自分は運が強いとか言ってたっけ。だったら彼に「きょううん」や「てんのめぐみ」のとくせいでも貰ったのかな。


もう一度、指を振る。これで何か出るか、今度はハッキリと分かる。
そういえば、ポケモンリーグの最後の戦いもペッペがこれで締めたんだっけとか思い出しながら。

僕が光に包まれた。



「だいばくはつ」


386両手には飛び立つ希望 ◆OZbjG1JuJM :08/02/25 22:17 ID:YPdo3LpY
強烈な爆発が周囲を包んだ。橋を壊してしまったかもしれない。
それが全部止んでから、だんだんと意識がなくなっていくのが分かった。
今の僕の状態は「ひんし」。だから、別に死んだわけじゃない。ポケモンセンターに行けばまだ治る領域だけど、ここにはそんなものはないからつまるところ時間の問題ってわけだ。

そういえば考えたことはなかったっけ。この状態でひでんワザではなく普通のワザを使ったらどうなるんだろうって。
「ひっかく」や「にらみつける」ぐらいならちょっとは使えるかもしれない。でも、プップが言うにはそんな無理したら死んじゃうだろうってさ。

だけど、それでも。
レナが爆風に飛ばされ、ケガをしてるかもしれない。レナが一番攻撃を受けてたからひょっとしたら危ないんだ。だからこそ、次に指を振って出る技がぴったりなんだ。
ひょっとして、さっきから次の出るワザがことごとく分かっていたのはあれかなあ……死ぬ前の、超感覚みたいなものだったのかな。

今までに何度このワザを繰り返したっけ。でも、僕の出すワザってことごとく微妙だったんだよね。
ここにきてこのワザが出るのは、それが今に来て運が向いてきたのもあるのかもしれない。


「ピッ……ピッ………」


さ、これが僕の。


「ピッ!!」


最後の「ゆびをふる」だ。





大爆発の跡地に、一人の男が倒れてる。
結論から言うと、TASは辛うじて生きていた。
387Classical名無しさん:08/02/25 22:17 ID:1Vi935UE
支援
388両手には飛び立つ希望 ◆OZbjG1JuJM :08/02/25 22:18 ID:YPdo3LpY
「くそ……今更になって……あの指の効果が分かる……とは……」
爆発を感じ取ったTASは即座に全力でその場を離れようとした。だが一歩間に合わず巻き込まれ、こちらもまた瀕死であった。
「だが、まだだ……俺はまだ、死なぬ……! あの人形の回復のカードさえあれば……それに……それがなくてもまだ、動くことなら出来る!」
ボロボロの体に鞭を打ち、無理矢理立ち上がる。まだ、彼は死のうとはしていない。確実にあの全員の死を確認するまでは。

「小娘……次は、ないぞ……「何、勘違いしてるのかな、かな?」!?」

振り向くと、冷たい表情であの少女が鉈を片手に立っている。
あれだけ攻撃を喰らい、爆風の余波を受けたであろうにもかかわらず、全くの無傷で、だ。

「あんたがコンティニューできないのさ!!」

ブォン、という何かの音を最後に、

TASのめのまえが まっくらになった
ざんねん かれのたたかいは ここでおわってしまった



      GAME  OVER



……BGM「スーパーマリオワールド ゲームオーバーのテーマ」

【泉こなた@らき☆すた 死亡】
【ピッピ@ポケットモンスター(ピッピのゆびをふるのみで殿堂入りを目指す) 死亡】
【TASさん@TAS動画シリーズ 死亡】
【クラモン(クリサリモン)C 死亡】
【コロネ(バタフリー)@キャタピーだけでクリアに挑戦 死亡】

【残り23人】
389両手には飛び立つ希望 ◆OZbjG1JuJM :08/02/25 22:18 ID:YPdo3LpY



橋が少し、崩れている。

その前で、一人の少女と一匹の妖精、少し離れて遂に永遠の挫折を経験した最速の男が眠る墓。
それら全てを作ったのは、「みかづきのまい」で回復したレナ一人だった。

「こなちゃん、ピッピちゃん」

全ての荷物を傍らに佇むレナが、静かに口を開いた。
それから何かを口にしようとするが、その先が続かない。


ずっと行動を共にしていた仲間が目の前で二人。知らないところで二人、死んでしまった。

「……ごめん……ごめんね……ちょっとでいいから、時間をくれないかな……かな」


真夜中の橋の騒ぎは終わりを告げる。
もう、一人の少女の嗚咽しか聞こえることはない。



ほんの数分泣きはらして、それからレナは立ち上がった。
立ち止まる暇はない。妹ちゃんと博之さんはまだ生きてる。早く探さなきゃならない。

あの二人はワープのカードで逃げたと言っていた。ピッピのテレポートと同じくらいの距離で、かつ人が目印にしそうな所……やっぱり、城だ。
どちらにしても闇雲に探すわけにもいかない。先ずは城を目指すことにしよう。
390両手には飛び立つ希望 ◆OZbjG1JuJM :08/02/25 22:20 ID:YPdo3LpY

「……じゃあ、ね。こなちゃん……ピッピちゃん。少数派による運命の打開……私たちで絶対に成し遂げて見せる」
それだけを墓に向けて言い残し城に向けて歩き始めようとして……

橋の方から小さい何かが飛び込んで来た。
「きゃあっ!?」
「ケラッ!」

思わず尻もちをついてしまった。だが、飛び込んできた何か……紫色のクラゲっぽい生物は人を見つけて一瞬嬉しそうにした後、切羽詰ったような様子で抱えていた荷物をレナに必死で渡そうとしていた。

「え、わ、ちょっと待って? とりあえず落ち着いて……」
何がなんだか分からなかったが、レナは一先ずクラゲを宥めることにした。



それからなんとか落ち着いたクラゲことクラモンは事の次第をジェスチャーと鳴き声で伝え始めた。
城になんかやべぇの襲ってきた。
気付いたら俺はこれ持って逃げてた。
なんだかよくわからないけどなんとかするため仲間にこれを渡さなきゃならないって思った。

「……もしかして、城にあなたの持ち主がいるの?」
聞かれてクラモンは頭を抱えた。だって殆ど記憶がないのだ。
それでも必死に考えて……途中でなんだか偉そうな茶髪マントの男を見た気がして、多分そいつが自分が頼ってた存在だろうと推測した。
そのことを伝えると、レナは少し考えた後喜んで協力すると言ってくれた。
391Classical名無しさん:08/02/25 22:21 ID:GzddrXcw
ゆびをふる支援
392両手には飛び立つ希望 ◆OZbjG1JuJM :08/02/25 22:21 ID:YPdo3LpY

「今ならまだ間に合うかもしれない。急いで城にいる人を助けるよ!」
拳をぐっと握りクラモンに語りかけるレナ。クラモンは一度見ただけのあの偉そうな男よりこっちの娘のが頼れる気がしていた。
「それと、少し頼みがあるんだ。……少しこの荷物の中に隠れててくれないかな?」
罠である可能性がないこともない。ひょっとしたら城は殺人者の居城となっている可能性もある。
だが、レナは飛び込んできた時のクラモンの目をしっかりと観察し、その上で一応今のところは信頼することにした。
もちろん全く警戒しない訳でもなく、またクラモンの話が本当だとしてこのクラモンを化け物と錯覚してしまわないかという可能性も考慮し、最終的にデイ荷物の中に篭って貰い監視も兼ねることにしたのだ。
クラモンはその意図に気付かず、とりあえずイタズラっぽいということで了承した。

「ありがとね。えーと……」

「……クラゲの、クラちゃん!」
クラモンは少しげんなりした。
393両手には飛び立つ希望 ◆OZbjG1JuJM :08/02/25 22:21 ID:YPdo3LpY
【D-2 橋の前/二日目・真夜中】
【竜宮レナ@ひぐらしのなく頃に】
[状態]:悲しみ、健康
[装備]:リアルメガバスター(240/300)@デッドライジング、サイレンサー付き拳銃(1/6)@サイレンサーを付けた時とry、鉈@ひぐらしのなく頃に
[道具]:支給品一式*4(食料一食分・水一食分消費)、雛見沢症候群治療セット1日分(C-120、注射器、注射針)@ひぐらしのなく頃に、日本酒(残り半分)
テニスボール*2、オミトロン@現実? モモンの実@ポケットモンスター、鉄パイプ、本『弾幕講座』、アイテム2号のチップ@ロックマン2
暗視ゴーグル@現実、デジヴァイス@デジモンアドベンチャー、 、初音ミク@現実、モモンの実*3@ポケットモンスター、
オボンの実*3@ポケットモンスター、ポケモンフーズ一日分(二食分消費)@ポケットモンスター、クラモンD、ハイポーション×2、北米版パッチ、
不明支給品0〜1
[思考・状況]
1.少数派による運命の打開
2.城に行って襲われてる参加者を助ける。クラモンは一応信用するが警戒は怠らない。
3.城の方にキョンの妹と博之がいないか探す。
3.城まで行き、首輪を解体出来る者を探す。
4.圭一、ティアナの思いを継いで、対主催思考の仲間を探す。
5.富竹を発見できたら、薬を打ってあげたい。
6.ハルヒはしばらく泳がしておき、計略を為ったと見せかけておく。
7.罪滅しをする
※八意永琳が何か知っているのだと思っています。
※時期は大体罪滅し編後半、学校占領直前です。
※雛見沢症候群は完治しました。
※身体能力が向上しています。それによってレナパンが使えるようになりました。
※158話で感じた違和感の正体が、ハルヒに自分達の情報を教えたと推理しました。
また、ハルヒ達の計画を大まかながら把握しています。
※ピッピの支給品とTASの支給品はだいばくはつで消し飛びました。
※橋が少し損傷しています。またその付近に爆発跡があります。

※D-2の草原にこなたとピッピ(コロネ)の墓とTASの墓があります。
394両手には飛び立つ希望 ◆OZbjG1JuJM :08/02/25 22:22 ID:YPdo3LpY

【クラモン(ケラモン)D】
[状態]:現在1体 ニックネーム/クラちゃん、レナのデイパックの中
[装備]:なし
[道具]:
[思考・状況]
1:レナ頼りになるー
2:あの茶髪の偉そうなのが俺のリーダーなんだったっけ? まあレナでいいや。
3:PASだかJASだか言うのがいたような気がしたが、別にそんなことはなかったぜ!
4:レナに協力して城にいる化け物に上手いことイタズラする

※クラモンCの全滅により少しずつ自我が回復しつつありますが、記憶は大分落としてるようです。今はレナを心の拠り所にしています。
※ディパックの中身は日吉とレナが確認済。何かあったとしても武器ではないようです。



「状況は……まあ、妥協してぼちぼち、ってとこかしらね」
その頃、橋の下で考え事をしていたはずのハルヒはいつの間にかレナ達がいた場所を通り抜け、街へと向かっていた。
彼女がぶつぶつ思索にふけっていたのは、実は途中までのこと。ハルヒはTASがまた獲物を逃すのではないかと心配し、もし逃がしたら自分が止めを刺すつもりで後をつけていたのだ。
結局のところ一人と一匹が死んだもののTASまでもが死に、レナは完全回復してしまったためレナを襲撃するのは見送ったのだが。

とにかくあの七人のうち四人もが死んだ。残った三人も二つに分断された。大方あの集団は壊せたとしても差し支えないだろう。
このまま城へ行き城にも集団がいたら壊してやろうかと思ったが、どうやらエアーマンとかいうTASの仲間のロボットが向かっているらしい。
TASと接触する前に盗み聞きした所では自分のネタと毒よりも有効な手段があるようだ。戦闘力だってあるらしいから任せておいて差し支えない。
というわけでハルヒはまずあのグループを大方壊したことを古泉達に報告することにしたのだ。TASの手柄は全部自分がTASを利用して何とかしたと捏造して、逃げられた奴はレナも含め、ワープアイテムを使われたとでも言い訳する。それで次の指示を仰ぐ。

「ふん、最後に笑うのは正義の味方……私だって、決まってるんだから」
395Classical名無しさん:08/02/25 22:23 ID:1Vi935UE
支援
396両手には飛び立つ希望 ◆OZbjG1JuJM :08/02/25 22:23 ID:YPdo3LpY
【涼宮ハルヒ@涼宮ハルヒの憂鬱】
[状態]:富竹への憎しみ、精神錯乱、左肩に銃創、左脇腹と顔面と首に殴られた傷、腕から出血、脇腹に弾丸がかすった傷、古泉達を信頼、鎮痛剤服用、理性を失いかけています
[装備]:陵桜学園の制服@らき☆すた、包丁、 DCS-8sp
[道具]:支給品一式*2、びしょ濡れの北高の制服@涼宮ハルヒの憂鬱、テニスボール、
アニマルマスク・サラブレット@現実、ゾンビマスク@現実(ゾンビーズ)、毒入りパン
[思考・状況]
1.今回の顛末を捏造を混ぜつつ古泉達に報告して次の指示を仰ぐ。
2..とりあえず塔組(レナ達)は保留。見つけたら出切れば始末する。レナが回復した件は……どうしようかしら。
3.回復したレナは相手にしたくない。
4.どんな手段を使ってでも絶対に富竹を殺す
5.皆を蘇らせるために協力者を探す
6.優勝して全てを元通りにする
※第三回定時放送をほとんど聞いていません。死亡者の人数のみ把握しました。
※自分の服装が、かがみを勘違いさせたことを知りました
※自分が狂い掛けている事に薄々気づいています
※喋れる様になりました。
※自分の能力を信じました。
397Classical名無しさん:08/02/25 22:25 ID:YPdo3LpY
投下終了です。誰を殺すかで一日悩んだのは内緒。
398Classical名無しさん:08/02/25 22:35 ID:1Vi935UE
投下乙です。
スピード感溢れるバトルで、手に汗握りました。
こなた…一般人ながらよく頑張った、TASさん相手に大健闘だ。
ピッピ…序盤のヘタレっぷりからは考えられない覚醒っぷりだ。そして、やっぱり〆は大爆発なんだなぁ…。
TASさんもここで退場か…しかし、塔組の奴を四人も削ったし流石はTASさんと言わざるを得ない。
レナの今後の行く末とハルヒの今後の暗躍ぶりが気に掛かるぜ! GJ!!
399Classical名無しさん:08/02/25 22:37 ID:g4WTweFI
投下乙
ここでTAS、こなた、ピッピが死亡で残り23人か……ホント終盤になってきたな
マーダーを一人撃破したが、犠牲は大きい
さらに誤解フラグも満載だし、これはわからなくなってきた

ピッピのがんばりがとてもよかった
今までのふがいない自分がここまで成長するとは
400Classical名無しさん:08/02/25 22:39 ID:GzddrXcw
投下乙です。
すごい戦闘だった。
こなたは一般人ながらもここまですごかった。
ピッピはよくやったな、あのTASさんとほとんど相打ち、大健闘だぜ。
レナ、みんなの分まで頑張ってくれ!
401Classical名無しさん:08/02/25 23:02 ID:P/KZhalU
投下乙
時間が真夜中になってるのは間違いかな


ハルヒ、今すぐ移動しないと死ぬぞー
402 ◆OZbjG1JuJM :08/02/25 23:11 ID:YPdo3LpY
ぬが、間違えました。黎明でした。
403Classical名無しさん:08/02/25 23:47 ID:KcTl2ueQ
投下乙

内容はまさにGJ
だけど、支給品が消し飛んだのか。
膨大な数の可能性が消し飛んだのは悲しい。
今後の展開が狭まった感が否めない。

だいばくはつで消し飛ばないのは違和感あるから仕方ないのか。
404Classical名無しさん:08/02/26 00:03 ID:elJ.hHe2
投下乙っす。
しかしやっぱ、マーダーの強化は死亡フラグなのなw
405Classical名無しさん:08/02/26 00:09 ID:/oOwo3.E
投下乙!
ああ、TASよ。死んでしまうとはなさけ……なくないや。
流石は最速の男。よくがんばった。

だが、支給品が消し飛んだのはちょっとなぁ。
あんまりはやく収束させるのはまずいかと。
406Classical名無しさん:08/02/26 00:19 ID:skgkIYY.
投下乙!意外な展開の速さにも、戦闘のスピード感もびっくりだ。
こなたもピッピもよく頑張ったなぁ…こなたはつかさの改心フラグ持ちかと思ってたけど、代わりについさっきおじさんが頑張ってくれたし、上手く噛み合ってるね。

あと、>>392で「デイ荷物」ってのは誤字かな?
407Classical名無しさん:08/02/26 00:21 ID:rxmnO32I
しかし、最近の死亡者ラッシュは凄いな。
あっという間に十人も死んだし……。
あれだけしぶとかったTASが堕ちた今、マーダーのラスボスは誰になるかなぁ。
408Classical名無しさん:08/02/26 00:25 ID:skgkIYY.
あと、今wiki見て思ったんだけど、クラモンBって閣下が全滅させてたけど、
非参加者だから死亡者リストには加えないのかな?
409 ◆IU4EWEf33I :08/02/26 00:33 ID:hIumN0Ew
空気読まないですみません。
修正の修正をしたらばに(ry

さっぱりアイディアが湧かない私にジョージ・ジョースター1世が現れ、
「なに◆IU4EWEf33I?
ゆめにっきが破壊されたらどうなるかわからない?
◆IU4EWEf33I それは無理矢理破壊された時の言い訳を考えているからだよ
逆に考えるんだ『破壊されない様な状況』を作れば良いと考えるんだ」
と助言してくれたのでやってみたんですが、ダメダメでした。
『お前空気嫁』『これはヒドイww』『ここも直せ』等意見があればお願いします、罵って下さい。
410Classical名無しさん:08/02/26 00:56 ID:lrRqampc
>>408
斬っても斬っても増えるしなぁ
411Classical名無しさん:08/02/26 01:02 ID:diDdFgqQ
まさにTASさんとクラモンは切っても切れない関係にあったというわけか
412Classical名無しさん:08/02/26 01:11 ID:/oOwo3.E
>>409
燃えにくいと書いてあると燃やしたくなる不思議。

それはともかく。
個人的には以前のも今回のも可。
というか大樹の方は機能してるから、閉じこめられることってなくね?

あと今更だけど、この設定だと、大樹にいけなくね?
扉開けたらつながるのかな。
まあ、向こうに出たら吹っ飛ぶが。
413Classical名無しさん:08/02/26 01:14 ID:/oOwo3.E
あ、でもこの手のオリジナルアイテムは、設定は緩い方がいいかも。
あんまり細かくしちゃうと、具体的なものがないぶん、書き手同士の認識がズレかねない。
414Classical名無しさん:08/02/26 01:23 ID:KkDeH45c
>>409
修正乙です
個人的には元々オリジナル展開の多いロワだから考察の末「分からない」なら十分だと思います
あと何の問題も無かったけど罵ってとか書かれると罵らずにはいられないじゃないかこのマゾ豚!
415Classical名無しさん:08/02/26 01:26 ID:skgkIYY.
>>410
じゃあ最後の1匹が死んだ時に初めてクラモン死亡というわけね。なるほろ
416Classical名無しさん:08/02/26 01:31 ID:rx0wZqNc
一言 言いたいのだが
みんな薬、薬って何でも使ってるけどどんな薬かできるだけ正確に表記して欲しい
何でもできる薬はないんだからさ
417Classical名無しさん:08/02/26 01:34 ID:rxmnO32I
>>408
載せるとしても、おまけと言うか別枠で載せた方がいいんじゃないかな。
ヴァンデモン、もといチューモンは死んだら普通に載せてもいいと思うけど。

それより思ったのは、自爆や自殺などで死んだ参加者は殺害数にカウントしないのかってことなんだが……。
詩音は銀との戦闘で死ぬほど戦わざるを得なかったわけだし、ヨッシーとピッピも同様。
フシギダネは古泉の攻撃が原因で自殺したようなものだから、間接的に殺してる。
何と言うか、これだけの参加者を殺害数にカウントしないのは勿体ない気が……。
正直今更だし、細かいことだけどね。
418Classical名無しさん:08/02/26 01:58 ID:3hRJqviI
自殺はよくわからないけど自爆は戦っていた相手の殺害人数に入れて欲しいかな。
419Classical名無しさん:08/02/26 02:16 ID:XVzpcxiI
同じページでいいから、自爆は自爆として自爆情報を載せて欲しいかな
420Classical名無しさん:08/02/26 07:24 ID:skgkIYY.
>>419
上のレスでもあった通り、自分で自分を殺したって事で、自爆・自殺した参加者の殺害数にカウントするのはどうかな?
アニロワ2ndではそうしてるみたい。参考だけど
421 ◆IU4EWEf33I :08/02/26 09:58 ID:hIumN0Ew
>>416
いや、でも永琳の能力自体が『あらゆる薬を作る程度の能力』ですし、そこはこだわらない方がいいかも知れません。
まあ問題があればそこも直します。
じゃあ今回こそあまり反対意見等もない様なので投下します。
422The Book ◆IU4EWEf33I :08/02/26 09:59 ID:hIumN0Ew
僕達参加者はもうこの会場に連れて来られてそろそろ24時間――1日が経過しようとしている。
深夜、そろそろ化け物共が活発に働き出す頃だ。
辺りは暗い―が、星の光だけは届いている。
とても幻想的だ、都市の灯りが無いからこうも美しく見えるのだろう。キョン君がもし傍らに居たら、この空はなお映えたのだが。

「じゃあU.N.オーエンは彼女じゃあないんですか?」
僕たちは塔へ向かう予定だったがそろそろ放送が近いという理由で今、適当な家の中で雑談している。
「ええ、確か判事のウォーグレイヴよ」
彼女は伊達に永く生きているわけじゃなく色々な事を知っていた。そしてそれを一層引き立てる話術と心地よい滑舌。
僕もキョン君と話す時はこういう感じでありたいと思う。
「まあ、あれは大作だから貴方も読んでみた方がいいわよ」
「ええ、暇が出来たらそうします」
もし彼女とこんな場所でなく普通に出会っていたのなら、きっと良い友人になれただろう―――キョン君に興味も無いようだしww
「ところで―――」

ピ、
ピ、
ピ、
ポーン。

突然、上方から大音量のチャイムが聞こえた。
恐らく空にはまたあの立体映像が映し出されているだろう。しかし、どういう科学技術なのだろうか、後で八意さんに聞いてみよう。
「あら、始まったようね。メモの準備はいい?」
「ええ、大丈夫です」
しかしどうでもいいが――もう少し空気を読むことは出来ないのかな、この放送は。
423The Book ◆IU4EWEf33I :08/02/26 10:02 ID:hIumN0Ew
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
特に今回の放送内容に気になるものは無かった。
禁止エリアもココから遠く、死者もYOKODUNA――名前から考えてあの相撲取りの事だろう――が死亡していたという事だけで他の人は知らなかった。
解った事は古泉の字の汚さってとこね。
まあ、そんな事はさておき―――
「古泉、今から1つ話があるわ」
「なんでしょう、これからの対策とかですか?」
古泉は爽やかな笑顔をこちらに向けている。
「そんなに大切な事じゃあないわ」
「はて、僕にはちょっと解りませんね。もったいぶらずに教えて下さい」
私はディパックを漁る、あの忌々しき本を取る為に。
「これよ。題は『ゆめにっき』、絵本らしいわ」
正直これを彼に見せるかどうかは迷った。彼が使い物にならなくなったら私はそこで終わる。
でも、もう気になって気になって仕方がない。私をあそこまでグロッキーにさせたこれの正体が知りたい。
まあ別に今の、このタイミングでないと駄目だと言うわけではないが。
「『らしい』……?よんでないんですか?それに糸で縫われてますし……血の……手跡?」
それでも古泉なら…古泉ならきっと何とかしてくれる…!!彼の精神は私より強い。
「一応は読んだわ……いえ、『読んでみたけど読めなかった』が正しいわ」
「どうなったんです、読んでみて」
私はこの本の中を思い出す。
思い出そうとした、まさに一瞬で脳内に奇怪な映像が広がっていく。
脳内が、ペンキをぶちまけられたような色になっていく。
その中で踊る何か、無表情に包丁を振りかざす女の子、鳥の様な人間、目が出ている腕がおかしい白黒の女の子、ウボァ………
頭がパンクしそうだ。
私は自分の頭を強く掻く。
思い出しただけなのに、吐き気と頭痛が酷くなってきた、あとで頭痛薬でも飲もう。
「大丈夫ですか?」
古泉は心配そうに私を見ている。
424The Book ◆IU4EWEf33I :08/02/26 10:05 ID:hIumN0Ew
「まあ、見ての通りよ。想像しただけでも、頭痛と吐き気がヒドイ、薬を……」
私は再びディパックを漁る。
「…その中には貴女も理解できない様な内容が広がっているわけですね」
「ええ、理解と言うものは超越しているわ……考えて読まないほうが良い」
目当ての薬が見つかった。あとは水を………
「解りました、じゃあ糸を解きます」
「お願い……………ちょっとトイレにいってくる」
ギチギチに封をした糸を頑張って解いている古泉を一瞥した後、私はトイレへ直行した。

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
八意さんがあそこまで………果たして八意さんがこんなになった本を僕は読むことが出来るのか、僕は糸を解きながら考える。
そんなグロテスクな物なのか?しかし多少の事ならば耐えられるだろう。第一彼女は医者だ、臓物などは見慣れているだろうし……
糸は思っていたよりギッチリと編まれていて、何か細い棒状のものが必要となったが、生憎何も持っていなかったので解くのに困難した。
というかいくらグロテスクでもあそこまで症状が酷くはならないだろう。そういう類のものではないのかもしれないな。
大体1分くらいで糸は解けたが、指の先が痛い。爪が……
そしてまだ八意さんは帰ってこない、まああの様子じゃあしょうがないか。
「先に読むとしましょう」
僕は一人、呟く。
表紙を開く。

1日目
異様な風景の場所を、少女が歩いていた。
ポコポコと気味の悪い音が聞こえてくる気がする
黒、それに気味の悪い絵が背景
女の子は自転車を漕いでいる
確かにこれは精神にきますね……
425The Book ◆IU4EWEf33I :08/02/26 10:06 ID:hIumN0Ew
2日目
扉の先は妙な立体
平衡覚がどうかなりそうだ
帽子に飲み込まれ変な門をくぐる
門をくぐると白黒の怒った歯のようなものから自分が出てきた
手は地面から生え、目はブロックになっている
意味は理解できない
鳥肌が立ってきた

3日目
盾を持つカラフルな怪物
雨が降るから傘を差す
――いや、傘を差すから雨が降る?
森の先には潰れた屍骸
背筋が凍りそうだ
そして僕はこの女の子と感覚がリンクしている錯覚に陥る
いや、錯覚じゃあない、多分

4日目
タンスの中にもう一人の自分
部屋いっぱいの化け物を包丁でぶつ切りにしていく。
僕はこれにのめり込んでいる
彼女の様に頭痛がくる訳でもなく、吐き気がするわけでもなく
背中に走る悪寒に快感すら覚えている
ただ、耐性が彼女はなかった、僕にはあった
それだけ
426The Book ◆IU4EWEf33I :08/02/26 10:08 ID:hIumN0Ew

僕は夢中になって読み進める
5日目
6日目
7日目
……………
………




もう日記は、残り僅か
13日目
これで最後みたいだ。
広い部屋で少女は卵を生み出す
ベランダに戻るとさっきまで無かった台が出ている
夜は明けていた
そして彼女は台から飛ぶ、迷いを振り捨てて
気付けば僕も飛んでいた、真っ逆さまに下に落ちている
――地面、ぶつかる。
僕の時間がゆっくりとなっていく
横にはいつか見た玉ネギの様な生物
………
……




「「「「え!?」」」」


427Classical名無しさん:08/02/26 10:09 ID:amGqvN8.
支援っていう
428The Book ◆IU4EWEf33I :08/02/26 10:10 ID:hIumN0Ew
あ…ありのまま今起こった事を話すぜ!
『僕は地面に激突するかと思ったらいつの間にか変な空間に居た』
な…何を言ってるのかわからねーと思うが僕も何をされたのかわからなかった…
 頭がどうにかなりそうだった…
催眠術だとか超スピードだとかそんなチャチなもんじゃあ断じてねえ
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…
僕は周囲を見わたす。
周りには13もの扉があり、そしてそれらは全て違った形をしている。
地面ではオリエンタルで、そして壁画のようなカラフルな化け物が書かれている。
ここは最後、彼女が卵を産み出したあの場所。

「「つまりッ!ここはあの『ゆめにっき』の世界!!」」

どういう事だ!僕は、何をした!?
冷や汗は滝の様に流れ、心臓はバクバク脈打ち、足は震えている。
この会場につれて来られた時の事を思い出す。確か、その時の僕もこんな感じだった。
突然つれて来られ、急に殺し合いをする様言われ、僕は心底ブルっていた。
僕が今、正気を保てているのは彼と再会できるかもしれないという希望があるからだ。もしそれが無ければ僕はここまで生き残れてなかっただろう。
しかしここはどうだ?もしこのままここから出る事が出来なかったら、僕は彼を生き返らせる事なんて到底できない。
僕はあの『ゆめにっき』を読んだ。
そして今、僕はあの世界に対してたった一つ、理解していたという事が解った。
この世界には希望なんて無い。

もしかして僕は………ここで、終わるのか?
キョン君も生き返らせる事が出来ず、八意さんとももう合えず……
ここで独りで……あの少女の様に………
………
429The Book ◆IU4EWEf33I :08/02/26 10:13 ID:hIumN0Ew
――――急に、背後から音が聞こえた気がする。
低く、唸る様な、威圧的な音、その音は僕の心臓を圧迫する。
僕は耐え切れず素早く後ろを振り向く。

―――バッ

誰も居ない、そこにはただ、扉だけがあった。
「気の………せい?」
僕は弱々しい、まるで女の子の様な声を出してしまった。
やっぱりもうココは嫌だ、何とかしてココから出たいッ!
僕は頭を抱え蹲る。
気が付くと気配だけが僕の周囲に纏わり付いている。
掃っても、掃っても、気配は消える様子が無い。
もう嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌
だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!
出たい!生きて、ここから出たい!

「「「「ここから出してくれ!!」」」」

誰も居ない空間で一人、僕は叫ぶ。
これだけ大きな声で僕は叫んでいるのにも関わらず、僕の声は跳ね返ってこない。
それが意味することは解る。
鼻が垂れてきた。
圧倒的なまでの恐怖が、僕を包み込む。
どうして自分はあの本を読んだのか!
どうして自分は途中であの本を読むのをやめなかったのか!
どうして自分はこんなヒドイ目に遭うんだッ!
どうして………
「嘆いていても………何も始まらない………」
僕は自分に言い聞かす。
430The Book ◆IU4EWEf33I :08/02/26 10:17 ID:hIumN0Ew
「何か……方法があったはずだ………」
あの少女は夢と現実を行き来していた。確か、何か方法があった。
落ち着こう……冷静に……冷静に………
「助けてくれ……キョン君…八意さん……」
僕はガリガリと爪を齧る。その間も尚、気配は僕と共にある。
………
……


ダメだ、思い出せない!怖くて僕は手を自分の顔にもって……ん?

――――思い出した!!

『頬を抓る』!簡単な事だった!彼女は頬を抓って自分の部屋に戻っていた。僕は思い出せた!
浮かれた僕は勢いよく自分の頬を抓る。
イテッ!少し力が強すぎた、痛い……
「あ…れ……?」
モザイクをかけられたようにうっすらと視界がぼやける。
いや、視界だけでなく聴覚も、嗅覚も、感覚全てがぼ や  け   て
………
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
段々と感覚が元に戻る。
ぼやけた聴覚で最初に聞いた音は、八意さんの呼ぶ声だった。
「こ…………み!……泉ッ!」

僕は戻って来られた!!

431The Book ◆IU4EWEf33I :08/02/26 10:18 ID:hIumN0Ew
急に激しい安堵感が僕を襲ってきた。やった、あの悪夢から僕は戻った。
「古泉ッ!」
八意さんの叫び。
なんで彼女は僕を呼んでいるんだ?
………そうか、彼女から見れば僕は勝手に消えたように見えるな。無事を報せないと……
僕はまだ感覚の戻っていない身体を酷使し、八意さんのところへ向かう。声の感じから、彼女は外かな。
「八意さん……ここです。心配かけて…申し訳ございません」
体がだるい、声が上手く出せない。
「古泉!貴方何処いっていたの!!」
彼女はやはり怒っている。
「今から説明します……全て」

僕は一部始終を彼女に話した。僕の感じた恐怖も、孤独も。
「なるほど……」
彼女は何か考え込んでいるようだ。
「ええ、大変でした。もう二度と行きたい所じゃあないですね」
僕は『じゃあない』の部分を豪く強調して話す。もう嫌だ、もうあそこには行きたくないね。
「そうね………これ、武器に使えそうじゃない?」
432The Book ◆IU4EWEf33I :08/02/26 10:20 ID:hIumN0Ew
――え!?
「どういう意味ですか?」
「貴方の言う通りならば、この本を読んだ者はこの本の世界に飛ばされてしまうんでしょう?」
「ええ、あれは催眠術だとか超スピードだとかそんなチャチなもんじゃあ断じてないです。もっと恐ろしいものの片鱗を―――」
「もうポルナレフネタはいいわ」
うっ!言葉を遮られてしまった。ってかポルナレフを知っていたのか………意外ッ!それは――
「さて、ここで問題よ」
さらに彼女は僕のボケを潰す。少し悲しくなりました………
「敵にこの本を見せたらどうなると思う?」
敵に…これを?
―――その発想は無かった!
「あの恐怖をッ!敵にも浴びせる事ができるッ!」
「それだけじゃあないわ、たとえば集団を相手にしたとき、このにっきを見せれば敵を分断させる事も出来る。
そして逃走用としても使えるわ、あの世界はとても広いし……」
「……なるほど」
僕は水を口に含む。
確かにこれは強力な武器だ、応用も利く。僕があんな思いをしたのも無駄じゃ無かったって事か。
「じゃあ少し実験しましょうか」
……へ?
「聞こえなかった?実験よ、実験。今はこの本を実戦で使えるほどのデータは無いでしょう?」
ええ、無いですね、無いですけど!『誰が』実験体になるんですか?
「勿論、実験体は貴方。私はデータを取らないと」
ナルホド、地獄は終わってなかったって事ですね。
「いいでしょう?戻り方は解っているし」
まあ確かに解っていますが………


「「「「「「納得いかねぇ!!!」」」」」」
433The Book ◆IU4EWEf33I :08/02/26 10:22 ID:hIumN0Ew
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「取り敢えずデータは取れたわ。ご苦労様、古泉」
「………お……お世話様です」
もう駄目だ……グロッキーと言う言葉の域を超えている。もう僕は一生分以上の恐怖を体験したと思う。いや、全然これは過言じゃあなく。
貴方にさっきやられた事の全てを教えましょうか?――――いや、思い出したくない、やっぱやめておきます。
僕はもう、このにっきの事よりも彼女がサディストという事しか解らない。
まあ、もしも彼女じゃあなくサトシにこれをやられていたら、僕はプッツンしていただろう。
「はい、酔い止め」
彼女は僕に酔い止めを渡してくれた。
僕は即行でそれを飲み干す。
「そういえば、一つ疑問なんですが……」
ああ〜、でも苦いだけあって少しは効いてきたかな?良薬は口に苦しともいいますし。
といってもまだ大分気持ち悪いけど………
「何?」
彼女は半笑いで返事をしてきた。何か凄い楽しそうな顔をしてる、気のせい?
「このにっきを、例えば燃やす等して破壊した時、中にいる人はどうなるんでしょうね?」
「あら、どうしてそんな事を聞くの?」
「いえ、もし破壊すれば二度と出られない様な仕様だったら使えると思いません?」
「まあ…そうかも知れないわね………」
あれ?八意さんはどこか宙を見ている、興味ないはず無いと思うけど。
2、3秒ほどの沈黙の後、彼女は軽く溜息をつき、面倒くさそうに言葉を放つ。
「さっきの実験で解ったと思うけど、この本は『開いていれば中から出られる』」
ええ、その実験で僕の心は深ーーく傷つきましたから、空で言えるほど熟知しています。
「しかしこれは『閉じていると中から出られない』とも言い換えられる、私達のデータだけでは」
まあそうですね、同じ事を言っているように思えます。
「でもこれは言っている事が大分違う。前者の場合は『開いていないと出られない』と言い換えられ、
後者の場合は『閉じてさえなければ出られる』と言える」
あれ?ちょww頭がこんがらがってきた。理解しようとしても気持ち悪さが邪魔をして考えられない。
しかし彼女は気にせず話を続ける。
434The Book ◆IU4EWEf33I :08/02/26 10:25 ID:hIumN0Ew
「はい、また問題。『壊す』というのは開いている状態?閉じている状態?」
展開早っ!何か某チャレンジなゼミのダイレクトメールに付いている漫画の主人公の気分だ。
「あ……え……ど、どちらでも無いですね………多分」
または居眠り中に先生に指名されたってとこですかね。
「そう、正しいわ。まあ数学の補集合とかと考え方は同じね。
で、話を戻すと前者では『壊したら出てこられない』、後者では『壊したら出てこられる』。
あら、全く別の答えが出たわね。さて、これはどちらが正しいか?この回答を出すのには誰かいる状態で実際にこの本を壊して確かめるより道はない。
貴方が実験体になってくれるなら私はやってもいいけど、どうする?」
「いえ、結構です!!」
僕は即答する。
「それにこのゲームのルールを忘れたの?24時間以内に死者が誰も出なければ皆ゲームオーバーなのよ。
飲まず喰わずでも人間24時間は生きていけるわ、閉じ込めたって絶対に倒さなくてはいけない時がくるの。
もし『壊したら出られない』という方だったら壊して永久に監禁した所で自殺もいいとこよ」
「なるほど……ご教授ありがとうございます」
「いえ、どういたしまして。……とは言え燃えないようにする位の注意は必要かも………確かディパックにアレが………」
僕の言った事を受けて何やら彼女はディパックの中を漁っている。
そのうちに僕は休んでおこ―――
「古泉!」
うっ!何か嫌な予感………
「これをにっきに満遍なく塗って頂戴」
八意さんは薬品のビンを持って僕の前に立っていた、笑顔で。
「へぇ!?何ですかそれは?」
思い切り僕は間の抜けた声を上げる、これは演技でなく素で出た声だ。
「これを紙に塗れば大抵の事では燃えなくなるの。ほら、私それ見れないし。何度も貴方はあそこに行っているから大丈夫でしょ?」
「え!?ちょっと待って――――ハッ!」
バ……バカなッ!僕が『ちょっと待って』と言った瞬間、彼女の目はキュピィィンと光ったぞ!
あの貧乳腹黒女もそうだが何でもありなのか?宇宙人って。
「……喜んでやらせていただきます」
「それでよろしいっ!」
435The Book ◆IU4EWEf33I :08/02/26 10:27 ID:hIumN0Ew
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
あ……危なかった。
誤って……何度かあの世界に行きかけた………
もう無理!今度こそ本当に勘弁していただきたい。
「それじゃあこれからの方針の確認をするわよ」
うう〜、気持ち悪い。
「私たちはこれから塔へ行く。そこに居るニート、KAS達を私たちに協力させるよう促す。もし駄目だったら――」
「解っています………貴女は強い女性です……きっと…大丈夫」
気分が悪くてうまい事話せなかったが、僕は彼女にその言葉の先を言わせなかった。彼女に変な気負いをさせたくなかった。
「ええ……それじゃあ行きましょうか」
「はい……休ませてはくれないんですね」
「ん?何か言った?」
どうやら素で聞こえてなかったらしい。っていうかネタキャラになってないか、僕。
僕らは塔へ向かうため外へ出る。
吹く風は夜なので少しひんやりしていた。汗もかいたし、風邪ひかないようにしないとな。

【E-4 町、塔の近く/二日目・深夜】
【八意永琳@東方シリーズ&新世紀 東方三国志〜ひぐらしの憂鬱〜】
[状態]:肩に怪我(手当て済み)、体力消耗・中、背中に火傷(手当て済み)、古泉一樹を信頼、全身に軽い打撲(ほとんど回復)強い決意
[装備]:王者の剣@DQ3(刃毀れ)、小型爆弾*2、DCS-8sp*5
[道具]:なし
[思考・状況]
1.ニート達を待ち伏せして、ニートやロール、KASを勧誘する。断られたら殺すなどして、萃香を孤立させる
2.塔組(レナ達)を崩壊させる。影からハルヒに協力し、ハルヒが塔組をばらばらにしたら襲撃する予定。
 彼らと萃香が戦い合ってくれればいいんだけど……
3.古泉一樹と協力して優勝を目指す、すごく信頼。
4.参加者を何らかの方法で誘導し、互いに潰しあってくれる状況を作る。
5.レナ達のゲーム破壊を防ぐためにも、他のマーダー達に協力を呼びかける
6.薬を作りたいが、無理はしない。
7.ゲームに優勝し、悪魔と取引をして皆が元通りになれることを願う。
※もしレナ達が脱出に成功したなら仕方ないので優勝を諦め、それに便乗しようと考えています。
※ハルヒの能力については半信半疑です。
436The Book ◆IU4EWEf33I :08/02/26 10:29 ID:hIumN0Ew
【古泉一樹@涼宮ハルヒの憂鬱】
[状態]:頭部強打、八意永琳を信頼、 グロッキー
[装備]:ゆめにっき@ゆめにっき(手の形に血が付着)
[道具]:支給品一式*2(食料一食、水二本消費)、
逆刃刀@フタエノキワミ アッー!(るろうに剣心 英語版)、赤甲羅@スーパーマリオシリーズ、
鎮痛剤一包み、睡眠薬一包み、糸(あと二メートルほど)、裁縫針、ワンカップ一本(あと半分)、
武器になりそうな薬物、小型爆弾、DCS-8sp(乾燥中のものも)、退魔の剣@怪〜ayakashi〜化猫
[思考・状況]
1.ニート達を待ち伏せして、ニートやロール、KASを勧誘する。断られたら殺害などして、萃香を孤立させる
2.塔組(レナ達)を崩壊させる。影からハルヒに協力し、ハルヒが塔組をばらばらにしたら襲撃する予定。
 塔組と萃香が戦い合ってくれればいいんだけど……
3.ゆめにっきを上手く使って闘う
4.キョン君(´Д`;)ハァハァ…ウッ……
5.殺し合いにのっていない参加者を優先的に始末。相手が強い場合は撤退や交渉も考える。
 レナ達のゲーム破壊を防ぐためにも、他のマーダー達に協力を呼びかける
6.八意永琳、涼宮ハルヒと協力する。八意方はかなり信頼。
7.優勝して「合法的に愛しの彼とニャンニャンできる世界」を願う(ただし、生き返らせることを優先)
※古泉は絶対に脱出なんて出来ないと考えています。が、万が一、レナ達が脱出に成功したならそれに便乗しようと考えています。
※ゆめにっき@ゆめにっき
 本編には出てこない日記、絵本の形式で書かれています。
 2m以内で最後のページを見た人は強制的にゆめにっきの世界に飛ばされます。出てくるには日記が開いている状態で頬を抓れば出てこられます。
 一部監視が行き届いていない所がありますが2人は知りません。
 あと薬が塗られているので並大抵の事じゃあ燃えません。
437 ◆IU4EWEf33I :08/02/26 10:30 ID:hIumN0Ew
投下終了です。
また見返してみて何か問題点があるようならば仰って下さい。
438Classical名無しさん:08/02/26 10:36 ID:amGqvN8.
投下乙〜
古泉かわいそうにw

ここまでされて仲間割れフラグがちっとも立たないほど信頼しあっている
マーダーチームってのも珍しいw
こんなチームはこいつらぐらいじゃないだろうか、他ロワにはいたっけ?
439Classical名無しさん:08/02/26 11:19 ID:BdFT3If2
大爆発で吹き飛んだ支給品

支給品一式×6、リーフシールド、ほんやくコンニャク(1/4)
テレパしい残り3粒、五寸釘2本、モモンの実、オボンの実、
ポケモンフーズ一日分(二食分消費)ロールバスター、
桃太郎印のきびだんご(24/25)、ウルトラスーパー電池(残り30%)
メタルブレードのチップ、ゼットソーハードインパルス

人はそれを――でKASとピッピが持っていた物をまとめてみました。
440Classical名無しさん:08/02/26 11:36 ID:gj7UpTu.
リーフシールドと電池がもったいないな…
441Classical名無しさん:08/02/26 11:42 ID:rS1ufRdo
                         神・驚きの黒さ?


                             楽太郎
                           AIBO
  ハルヒ
      ヴァンデ       るるるのロール KASぺったん's       マーガリン      魔人+妹




真・町包囲網。
442Classical名無しさん:08/02/26 12:41 ID:XVzpcxiI
リーフシールドって使われた事あったっけ?
443只今の時間の予約状況:08/02/26 12:46 ID:BdFT3If2
書き手のみなさんおつかれさまです。
勝手にまとめてみたので参考までにどうぞ。

対主催者
海馬瀬人、双海亜美、日吉若(D-1城内部)バラモス→現在予約無し
矢部野彦麿、アリス・マーガトロイド、カービィ(D-1)バラモス→現在予約無し
天海春香(E-1)黒より→現在予約無し
竜宮レナ(D-2)両手には→現在予約無し
博麗霊夢、伊吹萃香、KAS(E-3)ファンKAS→現在予約無し
永井博之、キョンの妹(E-5)人はそれを→現在予約無し
武藤遊戯(C-3)されど奈落→現在予約無し
柊つかさ(C-3)されど奈落→現在予約無し

Marder
チューモン、ロールちゃん(E-3)萃夢竜→現在予約無し
八意永琳、古泉一樹(E-4)The Book→現在予約無し
涼宮ハルヒ(D-2)両手には→現在予約無し
ムスカ(C-3)されど奈落→現在予約無し
エアーマン(D-2)死々闘→現在予約無し
阿部高和(C-2)せがれ→現在予約無し

たぶんこれであってるはず。見逃してたらゴメン。
444Classical名無しさん:08/02/26 12:50 ID:gj7UpTu.
使われてない。
ピッピも安定性の高いリーフシールド使えばよかったのに…

ハルヒ大健闘により5人死亡か。
やっぱレナに憎まれた人はロクな目に遭わない。
445Classical名無しさん:08/02/26 13:16 ID:XVzpcxiI
そっか。まぁリーフシールド勿体ないけど
凄い重要って訳でもないから別にいいか

ところで城組や閣下には予約入ってなかったっけ?
446Classical名無しさん:08/02/26 13:17 ID:x95pvNOg
ピッピでリーフシールドを使いこなせるとは思わんなw
447 ◆OZbjG1JuJM :08/02/26 13:25 ID:x95pvNOg
やはり支給品全滅はアウトっぽいですね…
とりあえず何とか生かそうと修正をかけてみます。
448Classical名無しさん:08/02/26 13:50 ID:BdFT3If2
315 : ◆jVERyrq1dU :08/02/25 08:42 ID:e0Gidiow
鳥忘れてた。
改めてカイバーマン 天海春香 双海亜美 ピヨシ エアーマン
ニコニコンビ カービィ やよクリ予約します。


316 :Classical名無しさん :08/02/25 09:20 ID:3j1TnSWw
>>315
一応>>309への返答待った方がいいんじゃ?


317 : ◆jVERyrq1dU :08/02/25 10:00 ID:e0Gidiow
あっそうですね。レス読んでいませんでした…すいません。
では一旦予約を破棄しておきます。


以降、予約の宣言がなされてないのでどうなんでしょうか?
私では判断できないので皆さんで判断をお願いします。
449 ◆jVERyrq1dU :08/02/26 15:44 ID:3HvfdW5A
一応書き進めてはいますが、風邪気味のうえ、かなり長めになる予定なので、もう少し書いてから予約するつもりです。
もし書きたい人がいるなら遠慮なく予約しちゃって下さい。
大人数はやっぱり難しい。
450Classical名無しさん:08/02/26 16:37 ID:yFuk6cFw
>>447
後レナの道具欄ですが、こなたが装備していたくうき砲、団長の腕章、フタエノ極意書が欠けてますね。
そのまま埋葬しちゃったんでしょうか。
451 ◆OZbjG1JuJM :08/02/26 16:57 ID:x95pvNOg
なんといううっかり<(^o^)>
修正しておきます。
452 ◆jVERyrq1dU :08/02/26 18:26 ID:3HvfdW5A
城組の予約を蹴った上で早々に別の予約をするなんて物凄い気が引ける…
だけどどうしても書いてみたいネタがある。

遊戯、ムスカ、つかさ予約します。
城組難しいです、すいません…
453Classical名無しさん:08/02/26 19:00 ID:gj7UpTu.
正式に予約してるワケじゃないし、別にいいと思うけど…
ああ考えてたネタがどんどんボツになっていく\(^o^)/
454Classical名無しさん:08/02/26 19:02 ID:Qturn/nI
山の3人予約しようとしたがやっぱり被るもんだよな/(^o^)\
まあそれはいいとして対主催15、マーダー8か
最近の死亡ラッシュは凄いな。夜にあまり死んでない反動がこんなに来るとはw
てかこんなに結束強いマーダー勢ってニコくらいだよな

455Classical名無しさん:08/02/26 19:11 ID:31LPm/IY
たぶん住人がカブってるような気もするが一応


パロロワ毒吐き別館にニコロワスレ立てたいね、って話が出てる
理由は、毒吐きとは名ばかりのID非表示雑談所が欲しい事と(そうでない時もあるだろうけど)
頻繁に同板の誤爆スレがニコの話題で乗っ取られて迷惑が掛かってる時もあるから


どうですか
456Classical名無しさん:08/02/26 19:43 ID:rS1ufRdo
>>455
迷惑をかけているんなら、立てざるを得ないんじゃないかな?
頻繁に話題になるってことは需要があるんだろうし。
457Classical名無しさん:08/02/26 20:05 ID:RjHTDB1M
まだ様子見でいいんじゃね?
頻繁につっても話題独占クラスだったのは昨日と今日で、それは死亡ラッシュがあまりに衝撃的だったからだと
458Classical名無しさん:08/02/26 20:46 ID:RjHTDB1M
クラモンってどうなってたっけ?
Aがチューモン化して城のやつらとクリサリモンが死んだからもうレナのDしか残ってないんだっけ?
459Classical名無しさん:08/02/26 20:51 ID:3HvfdW5A
そうだなDしか残ってない。
思い返せばクラモン軍団もチューモン並とはいわないまでも結構活躍してるよな
460Classical名無しさん:08/02/26 20:53 ID:RjHTDB1M
ふむ、そしてクラモンDは記憶を無くしてレナが心の拠り所
ほかに残ってないから増殖限界も集中してる

あれ、これ対主催の戦力にならね?
461Classical名無しさん:08/02/26 21:00 ID:rS1ufRdo
>>460
よく考えろ、今レナがどこへ向かっているのかと、そこにいる連中がクラモンをどう思っているかを……。

って、よく考えたら幼年期1のクラモンを知ってるのは霊夢とKASくらいなのか。
462Classical名無しさん:08/02/26 21:22 ID:RjHTDB1M
でも日吉確認済みの支給品持ってたな
…まぁどうにかなるだろ、たぶん
463Classical名無しさん:08/02/26 21:52 ID:RjHTDB1M
みんな、パロロワ総合毒吐きにニコニコの毒吐きが立ったぞ
ttp://jbbs.livedoor.jp/otaku/8882/
464Classical名無しさん:08/02/26 22:25 ID:17RvrqME
TASさんの死でライバル?補正のKAS生存フラグも消滅だなw
465Classical名無しさん:08/02/26 22:30 ID:rS1ufRdo
>>464
KASはそもそも歩く死亡フラグだろwwww
むしろここまで生きてる事の方が不思議でならない
466Classical名無しさん:08/02/26 22:32 ID:amGqvN8.
確かにw
因縁の対決も大爆発で消し飛んじゃったしな
まぁ、TASさんは敵を作りまくってたからなぁ…

これで、社長へのバグ報告を済ませたら、いよいよもってフラグが無くなるなw
467Classical名無しさん:08/02/26 22:41 ID:diDdFgqQ
3枚目のようなキャラは生き残りやすい、ある種のメディアの法則じゃないかな、と思っている
468Classical名無しさん:08/02/26 22:50 ID:UxuZbuT6
>>467
ニート死んだぞwwwww


あ、4枚目だからか
469 ◆IU4EWEf33I :08/02/26 23:44 ID:JUJ7lqTE
今のいい感じの流れを止めたくないし、そして何より学校春休みになって暇を持て余しているので
ひろきゅん、キョンの妹、ロールを予約します。
470Classical名無しさん:08/02/26 23:45 ID:skgkIYY.
>>467
散るにしても、素晴らしい活躍を見せてくれるはず…っ

そういや、移動距離が一番長いのって誰だろ?チューモン(クラモンA)か、A−1からE−5まで移動したすいか?
471Classical名無しさん:08/02/27 00:02 ID:Nxmi1L4w
>>470
ハルヒも結構動いてるぞww
まあ逆に、今生存している中で一番短いのは永琳だと思うw
472Classical名無しさん:08/02/27 00:04 ID:FPTY0zJM
KASにはまだ若本さんとの対決フラグがあるぜ!
一緒に宣戦布告したニートはあっさり死んじゃったけど…
473Classical名無しさん:08/02/27 00:10 ID:pxVXtSBw
KASソリダス食べてたしKASネークになればえーりんと……
474Classical名無しさん:08/02/27 02:00 ID:ri9dFyU2
皆、実はKASすきだろw
俺もKASにはwktkしてる

まぁ、こういうコメは死亡フラグに直結しかねないので今まで自重してたがw
475Classical名無しさん:08/02/27 04:26 ID:o9ZTc0Jw
そしてKASは星になった
476Classical名無しさん:08/02/27 08:52 ID:FPTY0zJM
KASに限らず、今となっては誰が死んでもおかしくない
477Classical名無しさん:08/02/27 09:54 ID:Nxmi1L4w
逆にここまで褒められたらKAS生存フラグだろww
478Classical名無しさん:08/02/27 17:45 ID:80Jo.SJA
KASの基本能力はTASと同じだから、生存率は高くてもおかしくないかもね
しかし、キャラがそれを打ち消してしまってるんだよね
まさに才能の無駄遣いww
479Classical名無しさん:08/02/27 18:54 ID:wGBn1x9k
友人も脱落した今、KASは唯一のニコニコを知っている人間だよな。
もしかしたら考察の要になり得るかもしれないが・・・・

・・・・いかんせんKASだからなぁ・・・。
480Classical名無しさん:08/02/27 19:23 ID:qGl/4ckQ
>>479
博之も知っているな。
481Classical名無しさん:08/02/27 20:43 ID:cfILGPE6
KASはプレミア会員な上に日頃からMAD作ってるニコ厨らしいから、一応役に立つかもしれんな。
482Classical名無しさん:08/02/27 21:00 ID:cfILGPE6
今気付いたがwiki編集してくれた人乙。
483Classical名無しさん:08/02/27 21:02 ID:wGBn1x9k
>>480
あ、そうだった・・・。
でも彼は友人ほどニコニコを知らなかったし・・(141話)

KASがそんなにニコ厨かどうかは知らないが。
時報に既視感を感じていたみたいだし。
484Classical名無しさん:08/02/27 21:04 ID:ri9dFyU2
そういや、KASのもってるバーサーカーソウルって元はキョンのだよな?
文字が書かれてるらしいが、今更ハルヒにわたしてもな…既にマーダー側だし……

どうしたもんか…
考えてみたら、最初から最後までまともだったハルヒキャラはキョンだけだったなw
485Classical名無しさん:08/02/28 00:41 ID:JpfA3GuI
>>483
実はリアルだとひろくんも結構ニコ厨だぞ
ニコ動を見るためだけにジーコからPC譲ってもらったしw
486Classical名無しさん:08/02/28 01:31 ID:5F5Dadoo
>>484
一応古泉が近くにいるが…うーん。

そういえば、えーりんと古泉、2人とも深い関係のある人物(うどんげ、キョン)を阿部さんに殺されてるんだよなw
でもえーりんはうどんげの仇を取ろうとするだろうか?大切な弟子ではあるんだろうけど…
487Classical名無しさん:08/02/28 01:38 ID:xqXgjbdc
>484
文面を読んでもKASには意味が通じないわけだから、ポニテに渡すんじゃね?
ロールとキョンの妹以外にいたっけかな
488Classical名無しさん:08/02/28 01:50 ID:enUdxd.I
霊夢も絵によってはポニテだったりする
489Classical名無しさん:08/02/28 09:14 ID:JpfA3GuI
>>488
俺ウボァの事かと思ったww
490 ◆jU59Fli6bM :08/02/28 16:08 ID:11eBtl6c
霊夢、萃香、KAS、ヴァンデ予約します。
戦闘が絶望的だったら繋ぎになります。
491Classical名無しさん:08/02/28 19:11 ID:j8LVt06g
>>486
えーりんだと敵討ちは「おまけ」みたいなものじゃね?
492Classical名無しさん:08/02/28 19:13 ID:RDc0JBWg
>>490
なんだその不安極まりない二行目のセリフはw
493Classical名無しさん:08/02/28 19:17 ID:3gx9uRCM
>>492
あれだ、戦闘が絶望的(に書くことが困難)だったら繋ぎになります。
ってことだ。そう思っとけ
494Classical名無しさん:08/02/28 22:32 ID:5F5Dadoo
>>491
黙祷しただけだもんなw
よくよく考えたら、えーりんは不老不死だったから知り合いが死んじゃうのは慣れっこだしなぁ。
495 ◆jVERyrq1dU :08/02/28 23:48 ID:biU9NAI6
他ロワだと確実にNGになる内容なのでしたらばに投下しました。
読んでください。ニコロワでなかったらこんなの書けない
496Classical名無しさん:08/02/29 00:03 ID:ILVPgXh6
と、とうkぁ乙
さ、さすがにこれは……書き手ロワの次元でわ
497Classical名無しさん:08/02/29 00:11 ID:5FD.SHpw
投下乙
相棒酷すぎwww王様とムスカは退場か…
俺ルール自体はコストも考えてありだと思うので構わないと(個人的には)思いますが…
498Classical名無しさん:08/02/29 00:15 ID:pG2RAw3A
とりあえず投下乙
ニコ見沢症候群を思い出した……
499Classical名無しさん:08/02/29 00:18 ID:XkRaRzjo
仮投下乙。
闇AIBO全開で吹いたwww
ついにやっちゃったか。
ムスカ悲惨すぎるw
500Classical名無しさん:08/02/29 00:23 ID:YgaMv.2I
これはちょっとアウトくせぇwww
射出はいつかやって欲しいと思ってたけど
501Classical名無しさん:08/02/29 00:24 ID:I2cBoYY2
仮投下乙
王様情けないw
ムスカも情けないなw
闇AIBO覚醒、そして闇つかさとのバトルと今後の展開も気になる。

そして、他人を生贄に召喚はどうかと思います……

502Classical名無しさん:08/02/29 00:32 ID:BMYfaOcM
仮投下乙
だが少し待ってほしい
射出するならカタパルトタートルだろ!?

それはともかく、つかさは睡眠+五合目なのに、遊戯たちに追いつくのはおかしくないだろうか?
他にも色々あるが、とりあえず俺からはこれだけ
503Classical名無しさん:08/02/29 00:46 ID:NUPtXTcE
いくらなんでも他人を生贄召喚はまずくない?
宣言すればいくらだって殺害できるし
そしてAIBOキャラニコニコ仕様にしすぎだろ、いくらなんでも
オリキャラってのはホント苦労すんだぞ
504 ◆IU4EWEf33I :08/02/29 01:02 ID:ZhThtxdI
仮投下乙!
まあ誰彼構わず生贄にできるって事じゃあなければ(自分的には)良いと思います。

で、今書いているSSですが大体6〜7割ほど出来ています。
それで皆さんに一つ聞きたいのですがクロミラは具体的にどんな事ができるんですか?
なのは動画はあってもティアナの動画ってのはあまり見つからなくて(特に戦闘)……
情報お願いします。
505Classical名無しさん:08/02/29 01:06 ID:ILVPgXh6
ttp://nanoha.julynet.jp/
ここのインテリジェンスデバイスの項からクロミラを見ると良い。

ティアナの使えた魔法もいくつか使えると思う。
506Classical名無しさん:08/02/29 01:14 ID:cca7F7ck
カードの時間制限は会場にいる限りは絶対だろうから
このAIBOの俺ルールを適用させるって事は
主催者の干渉になってしまうんだよな
それは流石にイクナイ
507 ◆IU4EWEf33I :08/02/29 01:24 ID:ZhThtxdI
>>505
有難うございます。
多分今日中に投下できると思います。
まあ軽く危険なので投下はしたらばにしておきます、完成したらの話ですが。
508 ◆KJJLTUDBrA :08/02/29 01:55 ID:5iiS6Q4I
なんとなく、
カイバーマン 天海春香 双海亜美 ピヨシ エアーマン、アリス、彦麿、カービィ
を予約。
やよクリについては参加者じゃないので上には含めてません。
まあ、書きますけどね。
509Classical名無しさん:08/02/29 03:37 ID:O33dSoKM
>>495仮投下乙です。
反応に困る内容でした。NGにしておくのが無難だと思います。
510Classical名無しさん:08/02/29 03:54 ID:3GmEMChI
>>495
仮投下乙。だけど、流石にこれはやりすぎだと思う。
幾ら俺ルールと言っても、主催者側のルールを逸脱するのはマズイだろ……
511 ◆jVERyrq1dU :08/02/29 16:40 ID:BCYHl6rA
>>509
展開の無茶っぷりは自覚しているけどそんなあっさりNGとか言わないでくれ……頑張って書いたんだからさ…
つらい…

えー、俺ルール無しの苦し紛れの代案はいくつか思いついているんですが、そんなもん書くよりは、
他の書き手さんに書いてもらった方が遥かにイイと思うので
今回は破棄しておきます。色々騒がせたようですいませんでした。
512Classical名無しさん:08/02/29 16:43 ID:bBum4cJs
>>511
お疲れ。
結果的にNGになっちゃったけど、話自体は面白かったと思う。
挫けずにがんばって欲しい。
513 ◆irB6rw04uk :08/02/29 17:14 ID:k9dZDVyA
じゃぁ暇人な私がiVE氏の後に続きます
ゲゲ、ニコ見沢症候群のにおいがするぜ

ムスカとATMを予約します
つかさはまだ寝ているだろうし今回は予約しませんね〜
514Classical名無しさん:08/02/29 19:08 ID:fkXOn0Hc
そんなにニコ見沢引きずらなくてもいいじゃないか
結果的に克服してロワに貢献してるんだし
515Classical名無しさん:08/02/29 19:24 ID:x9SXVE6g
>>513
惨劇を…打ち破れ!
516Classical名無しさん:08/02/29 19:34 ID:/5B0SZvg
そんな事言ってると終盤に大災害が起こるぞ
517Classical名無しさん:08/02/29 19:53 ID:xK.mFY16
ピエモンB「し、城がぁー!! あ、マルク! どこへ行った!!」
518Classical名無しさん:08/02/29 22:16 ID:xK.mFY16
予約状況

対主催者
海馬瀬人、双海亜美、日吉若(D-1城内部)バラモス→◆KJJLTUDBrA氏
矢部野彦麿、アリス・マーガトロイド、カービィ(D-1)バラモス→◆KJJLTUDBrA氏
天海春香(E-1)黒より→◆KJJLTUDBrA氏
竜宮レナ(D-2)両手には→現在予約無し
博麗霊夢、伊吹萃香、KAS(E-3)ファンKAS→◆jU59Fli6bM氏
永井博之、キョンの妹(E-5)人はそれを→◆IU4EWEf33I氏
武藤遊戯(C-3)されど奈落→◆irB6rw04uk氏
柊つかさ(C-3)されど奈落→現在予約無し

Marder
チューモン(E-3)萃夢竜→◆jU59Fli6bM氏氏
ロールちゃん(E-3)萃夢竜→◆IU4EWEf33I氏
八意永琳、古泉一樹(E-4)The Book→現在予約無し
涼宮ハルヒ(D-2)両手には→現在予約無し
ムスカ(C-3)されど奈落→◆irB6rw04uk氏
エアーマン(D-2)死々闘→◆KJJLTUDBrA氏
阿部高和(C-2)せがれ→現在予約無し
519Classical名無しさん:08/02/29 22:18 ID:xK.mFY16
まだ予約がない方々

対主催者
[黎明]竜宮レナ(D-2)両手には→現在予約無し
[深夜]柊つかさ(C-3)されど奈落→現在予約無し

Marder
[深夜]八意永琳、古泉一樹(E-4)The Book
[黎明]涼宮ハルヒ(D-2)両手には
[深夜]阿部高和(C-2)せがれ
520Classical名無しさん:08/02/29 22:37 ID:xK.mFY16
よく見れば四人も予約してるんだな。
終盤になって加速が始まっているwwwwwwww
展開次第では3月中に完結するやもしれん。
521Classical名無しさん:08/02/29 22:51 ID:k7du3UP2
>>520
アニロワ並のスピードだぞそれじゃw
俺は4〜5月くらいだと予想。春先になると忙しくなる書き手さんも出てくるだろうし…
522Classical名無しさん:08/02/29 22:57 ID:bBum4cJs
何にしろ、初代スレが立ってから数えて一年以内には終わりそうだなw
これってかなり早いペースだよな?
523Classical名無しさん:08/02/29 23:03 ID:xK.mFY16
しかもその場のノリで以外とHOI☆HOI 2nd開催出来そうだよなw
524Classical名無しさん:08/03/01 00:16 ID:NtQb1jh.
2nd…?いやいや

ニコニコ動画バトルロワイアル(β)

に決まっているだろう!
525Classical名無しさん:08/03/01 00:29 ID:9G.pIbL6
つまりRC2までいけばおしばらく休み?
526 ◆IU4EWEf33I :08/03/01 01:11 ID:Vnrvjvo6
すみません。
一応完成はしましたがまだ推敲不足なので投下は今日の昼頃にします。
昨日中に仕上げると言っておきながらこんなことになって、本当にすみませんでした。
527Classical名無しさん:08/03/01 01:37 ID://CzCSBY
2ndの話は流石にまだ早いぜ…
1stが完結する前に、早まって2ndを始めたせいで過疎ッたロワもあるんだぞw恐ろしい…
ちゃんと完結した後に皆で話し合って始めないと2ndはこけやすいんだぞw

しかも、ニコニコの特に有名なキャラは今回でほとんど出尽くしてるしな、
ボーカロイドとか新しくブームになったキャラが居る事はいるが…
それでも、1stほど多くの有名キャラを揃えられるかどうかは…

その場のノリと言っても次はちゃんと参戦作品やキャラを投票とかで決めないと
書くのに困るキャラが増える可能性があるんだぜ!
書き手泣かせのキャラが多いロワは過疎フラグだからなw
528Classical名無しさん:08/03/01 01:47 ID:WD2WOO5o
>>527
お前は自重させたいのか話し合いたいのかどっちだwww
529Classical名無しさん:08/03/01 01:51 ID:HMWxJotU
>>527
参加キャラも厳選する必要があるからなぁ。アニロワでは1stで一定以上の登場SSがあったキャラは2ndには出してない…とかね。
ニコロワでそれやっちゃうとニコロワらしさが無くなってしまうかも…ピコ麻呂がいないとニコ動じゃあない。

2ndの話は1stが完結してからにしよう。な!
530Classical名無しさん:08/03/01 02:04 ID:ilotGJu6
あまり続けるとやめろっつってんだろと凡骨の拳が飛んで来るぞ
531Classical名無しさん:08/03/01 02:06 ID:YDke8so.
そして王様がとばっちりをうけるわけか
532Classical名無しさん:08/03/01 02:08 ID:MBsS8752
むしろとばっちりをうけるのは羽蛾だな
533 ◆IU4EWEf33I :08/03/01 10:54 ID:Vnrvjvo6
したらばの方に投下しておきました。
あと後半は書いてる途中で睡魔が襲ってきたので何か矛盾、文法ミス等があるかもしれません。
何か問題があるようでしたら容赦なくぶつけてください。
534Classical名無しさん:08/03/01 12:09 ID:yNx6Hp6U
愛媛言葉を知らんのでなんとも…
535Classical名無しさん:08/03/01 14:24 ID:bBzP0Pxs
仮投下乙!
特にミスや矛盾は無いと思う。
536Classical名無しさん:08/03/01 14:31 ID:EbYmBGHE
仮投下乙カジャ。
あくまで個人的にだが気になった点。
・かなり錯乱気味なロールちゃんの台詞で半信半疑だったひろくんが萃香を悪と確定させた点。
・ある程度萃香を信用していたはずの妹が何の意見も言わず、萃香を疑ってる点。

これだけ気になった。
537Classical名無しさん:08/03/01 14:43 ID:NtQb1jh.
たしかに、西瓜の事は気に留めておく程度の方が良いかも
あとは問題ない…かと思う
538Classical名無しさん:08/03/01 15:24 ID:zKsQvvEo
仮投下乙
そうだな。問題は萃香関連か。
ロールちゃんの言葉を受けて、半信半疑程度だった博之が、いきなり針をそっちに振るというのには違和感がある。
せいぜい疑念を強めるとか三信七疑ぐらいに留めるべきかと。
あとは妹かねぇ。

他はいいんでね?
539Classical名無しさん:08/03/01 15:47 ID:RVZWJ3Gc
仮投下乙です
おもしろかった。今後が楽しみな展開ですな。
私も萃香関連で引っかかりました。
青い炎VS月の頭脳(後編)でレナと水銀燈の推察を博之は聞いているので、
そこまで簡単に"悪"確定はしないんじゃないかな?

540 ◆IU4EWEf33I :08/03/01 19:46 ID:Vnrvjvo6
修正案をしたらばへ投下しました。
ひろくんは愛媛弁喋っているからとても思考がむずかしい(自分関東の人間なんで……)ですね。
愛媛弁のサイト見ながら書いたのですがかなりエセ愛媛弁になってます。愛媛県民助けて下さい……
そして早速その修正ですww
『確かあの女、名前なんやったっ』
を『なんやったっけ』にして、且つそのエンターを除いてください。
修正多くてすみませんorz
541Classical名無しさん:08/03/01 20:23 ID:Kg0KpnCE
修正乙
まぁ、疑いのレベルとしてはこれくらいがちょうどいいかな
542Classical名無しさん:08/03/01 21:23 ID:moZQg4/c
【確定参加者・場所・時間別一覧表】
       
深夜  C-2 川.            阿部高和
深夜  C-3 山・五合目付近    柊つかさ
深夜  C-3 山・麓付近       ムスカ 
深夜  C-3 南部.           武藤遊戯(闇遊戯)
深夜  D-1 城外.           カービィ、矢部野彦麿、アリス・マーガトロイド、(アサクーラ)
深夜  D-1 城・大広間.       海馬瀬人
深夜  D-1 城・大広間.       双海亜美、日吉若
深夜  D-2 平原            エアーマン
黎明  D-2 橋の前          竜宮レナ、クラモンD(ケラモン)、涼宮ハルヒ
真夜中 E-1 橋近く.          天海春香
深夜  E-3 街中           博麗霊夢、KAS、伊吹萃香
深夜  E-3 草原           チューモン(元クラモンA)
深夜  E-3 薬局付近        ロールちゃん
深夜  E-4 町、塔の近く      八意永琳、古泉一樹
深夜  E-5 草原           永井博之、キョンの妹
543Classical名無しさん:08/03/01 21:24 ID:moZQg4/c
【死亡確認者・場所一覧表 一日目】


見せしめ                     海馬モクバ
見せしめ                     双海真美
深夜   A-1  祠のトイレ           キョン
早朝   A-4  森(埋葬済み)         ワドルドゥ、琴姫
朝    B-1  草原               鈴仙・優曇華院・イナバ(消滅)、高町なのは
昼    B-2  橋の手前           柊かがみ
午後   B-2  橋の手前          菊地真
真夜中 B-2  橋の手前          ストーム1
真夜中 B-2  橋の手前          ゴマモン
深夜   B-3  山頂(埋葬済み)       白石みのる
深夜   C-1  湿原               ドラえもん
朝     C-3  北部・山の麓(埋葬済み) 福山芳樹
朝    C-3  山道脇.             暗黒長門(消滅)、朝倉涼子
夕方   C-3  北西部.洞窟         いさじ
夕方   C-3  山道東部           スパイダーマン
夜中   C-3  山道中央部・高台.      ロックマン
544Classical名無しさん:08/03/01 21:25 ID:moZQg4/c
朝   D-1  城内(埋葬済み)       永井けいこ、削除番長
深夜 D-2  草原               道下正樹
夜中 D-3  塔前(伊吹萃香が所持)  ティアナ=ランスター
黎明 D-4  草原               如月千早、越前リョーマ
昼   D-4  草原              ピカチュウ
夕方 E-2  河原              お覇王、霧雨魔理沙
深夜 E-3  町                 インセクター羽蛾(消滅)
昼   E-3  町                オメガモン
深夜 E-3  町・薬局前.          YOKODUNA
黎明 E-4  塔内部             小笠原祥子
午後 E-4  塔屋上            外山恒一
午後 E-4  塔の下            前原圭一
昼   E-5  草原(埋葬済み)       サトシ(闇サトシ)、永井浩二
午後 E-5  草原              フシギダネ
早朝 E-5  草原              園崎詩音(消滅)
朝   E-5  草原              イチロー
545Classical名無しさん:08/03/01 21:26 ID:moZQg4/c
【死亡確認者・場所一覧表 二日目】

深夜  D-2 橋の下       友人
深夜  E-5 草原         水銀燈
深夜  D-4 塔内部       ニート
深夜  E-4 街中         富竹ジロウ、ヨッシー(消滅)
深夜  D-1 城・大広間     高槻やよい
深夜  C-3 山・五合目付近  園崎魅音
黎明  D-2 橋の前       ピッピ(埋葬済み)、泉こなた(埋葬済み)、TASさん(埋葬済み)


【残り23人】
546Classical名無しさん:08/03/01 22:08 ID:l/9uTlMA
しかしこれ参戦作品のネタのほとんどが、二次裏とアニメとゲームで
ニコオリジナルのネタが友人しかないってのがなんとも
547Classical名無しさん:08/03/01 22:20 ID:yNx6Hp6U
イチローと外山さんは一応オリジナルだと思うけど…違うのか?
友人がオリジナルならTASKASもだと思うけど。

クラモンAが原型留めてないというのは置いといて。
548 ◆IU4EWEf33I :08/03/01 23:16 ID:Vnrvjvo6
じゃあ大丈夫そうなので投下します。
月の位置からして、今は夜の3時位だろう。
しかし緊急時だからか、俺はさっぱり眠ない、妹はどうだか知らんが格別眠くは無いようだ。
まあ俺にとってはいつも起きている時間帯なんだがな。
それにしても人間の体いうのはようできとんのう。

「これからどうしよう?妹、お前はどう考えとる?」
「はぐれっちゃったし……とりあえず塔へ行ってみる?」
そう、俺達は逸れた場合、塔に向かおうと言った。
しかしだ、俺達がバラバラになった所はD-2、塔へは物凄く遠い訳だ。
「だが襲われた場所が場所よ、城まであと一歩って所ぞ。多分皆逃げるんだったら城の方行かへん?」
「う〜ん、そうかもね……」
妹はかわいらしく相槌を打つ。
「それにあのTAS、キバの話しやったらむちゃくちゃ強いんやろ?俺はあいつが死んどるとは思えん
もし生きてたらあいつは次城へ向かうと思う」
「確かに、じゃあ好きにしていいよ。私は判断できないっ」
なんかりりむを思い出すなぁ。
「じゃあ城に向かおう、もしかしたら城の奴らもこっち来とるかもしれんし」
「うんっ!」
よし!と俺が意気込んだ後、俺達は西に足を向けた。

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「うっ……うっ………」
やれやれだぜ。あ〜あ、こんな事なら富竹に協力するんじゃあ無かったな、今はレイハが羨まし過ぎる。
「ひっく………」
ってかそもそも何で俺が連れてこられるんだ、もっと適役いるだろう?俺の人生にこんな刺激は必要としてなぁい!
「うう……ズルッ………」
まあせめてもの救いは俺を所持しているのが女の子って所かな。これで富竹の様なムキムキマッチョだったら目も当てられない。
俺は「勘弁してくれーー」って大声上げるね、ホント。
「……グズッ………」
ふう、まだ泣いているのか、夜中にこんな啜り泣きは怖すぎるww

………ふざけるのもここまでにするか。
このままだと確実にロールちゃんはまた人を殺しちまう、そうしたらもう精神的に無理だろう。
それだけは何としても避けなければ。
……とは言ってもどうするかな?ニートって野朗と俺を重ね合わせている彼女に、俺の声が届くのか?
しかもただ単純に『殺すのはいけない』なんて熱血漢染みた事を言ってもどうせ効果ないし、俺のキャラじゃあない。
そもそもゴールが何かが解らないと説得のしようが無い。
まあまず人を殺させないってのは一つの目的だな、これは絶対だろ。これを防ぐための説得だしな。
後はあのオカマ野朗を俺の手でぶち殺すってのもあるな、しかしこいつはロールちゃんにやらせる事はできない、誰か他の奴を利用するしかないか。
しかし俺が誰かの手に渡るとき、それはロールちゃんが負ける時だ。人を殺させないようにしても、死んじまっちゃあ意味が無い。
つまり、まとめると
@、ロールちゃんに人を殺させない。
A、あのカマ野朗を直々にブチのめす、ただしそれをするのは彼女以外。
B、Aの遂行のために俺が誰かの手に渡る状況を作る。
C、彼女を死なせない。
の4つ、優先順位はC>@>B>Aかな?
これらを全て遂行する……正直メチャクチャキツイ。あとは実行する順番も考えないとだめだな。
例えば最初に@を成功させたとしたらA、Bは不可能になる、参加者を襲わなくなるからな。そして何よりCが難しくなる。
彼女には戻る仲間も居なければ時間が無い、あのオカマが出力を最大まで上げちまったからだ。
工学博士か誰かいれば解除できると思うんだが……参加者に居るかな?
まあいい、居ると仮定しなくては始まらん、居るとしよう。
じゃあ実行に移すべき順番は何か?
もちろんBだ、BをやらなくてはAはできない。しかしBを行う最中――俺は全力で@とCをしなくてはならない。
@は簡単、俺は武器だ。武器が使用者を裏切れば、人を殺させない事なんて余裕でできる。
しかしだ、問題はそれが同時にCの手助けをしているという事だ。
大事なのはそのバランス、そんなの俺にできんのか?
そしてまだ最大の問題が残っている。Aを決行するのには仲間が必要だ。
だが問題は『彼女が襲った相手』しか、仲間にできるチャンスが無いという所だ。
急に自分を襲ってきた相手を信用するか?いや、俺なら絶対にしない。
「自分、関係ないっす」で俺なら即行で逃げる。そんなお人好しで、且つ強い奴が居るのか?
……はぁ、マジでこれはメチャメチャありえねぇよなぁ。最初の段階ですら、成功する可能性は10%も満たないと思う。
だが――あのド外道を、俺は野放しにはできねぇ、それだけは確かな事だ。理由はそれでいいかな。

……さて、俺の考えた大まかなシナリオはこうだ。
1、このままロールちゃんを俺の口車に乗せて、俺がゲームに乗ってなさそうだと判断した参加者のみを襲わせ、彼女が死なない様に負ける。
2、そしてその俺達を倒した相手と共に人殺しを止めるよう彼女を説得する。
3、そのままカマ野朗をぶっ殺しに行く。
完璧……とまではいかないが、一応は大丈夫なはずだ。
あとは1をするために話の筋を考えておかないと……おっと、真面目な口調で行かないといけないんだったな。
なるべくニートを思い出させないように手短に。
「お嬢さん、ちょっと俺の話を聞いちゃあくれないかい?」
……真面目って言うよりキザなだけだよな、これ。
「ヒッ…………な……何!?」
いきなり過ぎて驚かせちまった様だ。
「これからの話だ。いいか、襲う相手の指示を俺にやらせてくれないか?」
俺はできるだけ落ち着いた、やさしい声を出す。
「…ウッ……どうして?」
泣いてる顔もカワイイなぁ、おい!
「いいや、例えばあんたが間違えてゲームに乗った参加者を襲っちまった場合、優勝するためには効率が悪いだろ。
それに今、ロールちゃんは疲れている、一人で何でもする必要はない。あんたには、俺がついているだろ?」
よっ!俺カッコいい!!これをもしバーか何かで言っていたら相手の女の子は即オチだな!
だんだんと言葉を囁いていくのがポイントだぜ!
「………」
「こう見えても人を見る目はあるんだぜ?心配要らない、信じてくれよ。俺は道具だ、使わないと損だぜ」
ああ、どんどんキザなキャラになっていく。でも今から急に口調を変えんのもアレだなぁ………
「………まあ……い…いわよ…お願い………」
「信じてくれて有難う、俺は全力を尽くすぜ!」
ああ、自分で言うのも難だが言っていることが痛すぎる。気持ち悪い!
こんなの俺じゃあねぇ!早いとこ正気に戻して二人でアンアンしてぇ………

彼女も少しは落ち着いてきたようだ。ただしまだ平常には程遠い、気を付けないと彼女はすぐ壊れる。
「じゃあ…あれは?二人組みたいだけど……」
ん?おっホントだ!100m位前方に二人組がいる、しかも相手は気づいてないな。
「よし!じゃあもう少し近づいて尾行――」
『尾行』という言葉を発した瞬間、彼女の俺を持つ手がビクッとなった。ああ、くそメンドクセェ。
別に尾行って変な意味だけじゃあないだろ。
「――観察しよう」
「………うん」
これならOKなの?わっかんねー。
まあいいか、観察しよう。
一人は痩せ型の男か、体に変な線が入っているな……強そうだ。もう一人は幼女――もとい少女、どう見たって小学生だ。
まあ普通に考えて、こいつらはゲームに乗ってないだろう。
談笑しながら歩く奴がゲームに乗っているとは思えない、会話内容もまるで平和。
しかし……こいつらがあのカマ野朗に勝てるか?確かに男の方は強そうだ、しかしこの女の子は……ロールちゃんよりも弱いだろう。
ってか実際今のロールちゃんは結構強い。大抵の相手だったら勝っちまう、俺抜きで。
まあしかし子供も居ることだ、相手が強くても調子こかなきゃぶっ殺される事は無いとは思うが……
それならあのオカマも殺そうとはしないだろうし………悩み所ってヤツだ。
「どう?あいつらは乗ってないの?乗ってるの?」
まあ贅沢言ってられない、時間も無いことだし、こいつ等に賭けるしかないだろうな。
「ああ、あいつらは乗っていない……大丈夫だ。それと狙撃だったら俺を一丁にしておいたほうが良い、そのほうがやり易いハズだ」
ロールちゃんは頷くと無言で銃を構える、狙うのはあの男みたいだ。
照準は、かなり正確だ。これには流石に驚いた。しかも距離は30m位離れている、どんな良い拳銃使ったって素人が何とかできる距離じゃあない。
ここに来る前から何かやっていたな?
彼女は息を止める。

彼女の指は迷いながらも引き金を引いた。

弾は逸らす、なんとしても。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
今、俺達は小声で談笑しながらどこに敵がいるとも知らん暗い夜の街を歩っとる。
たしかSIRENにこんな面があったな、二人で進んで女のほうがすぐ狙撃されるっていう………縁起悪いなぁ、そういうのは自重せんと……
で、何で敵がいるかも解らんのに話しとるかと言うと、妹のヤツが話を振ってくるわけで、どうやら怖いらしい。
まあそこは小学五年生の女の子、ホラー映画見て夜トイレに行なくなったり、お化けをまだ信じていても不思議じゃあない位の年やけん、しゃあないな。
さっきまで俺たちは7人の大所帯やったわけやし、急に2人だけんなってこわなるってのも解る。
それに今は丑三つ時やし、お化けの1匹や2匹でるかも解らんからな。
「妹ちゃんも今度俺の配信見てみるか?面白いかは解らんが……」
で、今話していたのは俺がしている配信について。
「まあ気が向いたら」
「気が向いたらってヒド―――」


―――ヒュン―――


突然、俺の1m位横を光が通りすぎる。
心臓で小型爆弾でも爆発したかのような驚駭。
―――敵だ、あんな事言っとったらホントに狙撃されよった。
「キャッ!!」
妹が叫ぶ。
「妹!建物の影に隠れるぞッ!!」
これはベストな判断のはず、俺は自分の体で妹をガードしながら民家の影に隠れる。
冷静に……そう、冷静にならなくては………
「一体誰ぞ!姿見んかい!!」
と言っても出てこないよな。やったら俺の方から仕掛けるしかない。
「妹、お前はここに隠れとけ」
俺は自分のディパックを渡す。
「水銀燈を……頼んだ」
それだけ言うと俺は物陰から出て行った。
「これは鬼門やな………」
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「かなりはずしちゃった………結構自信あったのに……」
「暗いしあまり銃は撃たない方が良いかもな、ダガーモードでいった方がいい」
「……わかった」
俺は両端から魔力刃を伸ばす。ダガーにさせた理由は2つ、弾を温存するため、相手に射撃させないため。
なぜ相手に射撃させないか、それはロールちゃんはなるべく被害の少ないように負けなければならないからだ。
接近戦での手加減は簡単だが遠距離では難しい。拳銃撃つのに力加減を調節なんて出来ないだろ?魔法でも使ってない限り。
「ロック、ニート………頑張るから見ていて……」
ロールちゃんは相手の男の前に姿を現した、互いの距離は10m前後。
「オドレ何しよったかわかっとんのか!!」
男は激昂する。しかしイントネーションがおかしい、相手の男はどっかの方言を話しているようだ。関西の方かな?
「解ってるよ……私はあなたを殺して………」
ロールちゃんは俺をギュッと握る。

「ロックを生き返らせる!」

ロールちゃんはジャンプしながら相手に突っ込んでいく。
リミッターを解除された彼女は軽く民家を飛び越えられるくらい高く飛んでいた。
着地地点はその男の少し後方。
しかし男は寸前でかわす。
「じゃあ、覚悟しとけよ!」
男はそう叫ぶと振り向きざまに彼女に強烈なパンチを放つ。が、その前に彼女は後方に飛んでいたようで直撃にはならない。
ブオンと男のパンチの風を切る音が聞こえた。
彼女は4m位離れた所に着地すると、またさっきと同じように男の方へ飛びかかる、今回は高さがあまり無い。そして男もこっちに向かっている。
彼女は男へ俺で切りかかろうとするが、男は回避しようとせず俺を持っている彼女の手を掴む。
「オラァ!」
男はまた彼女に殴りかかる、腕を掴れていたので今度は後ろに飛べず男のフックはジャストミートした。
彼女は数mすっ飛び、民家の壁にぶち当たる。
ロールちゃんは蹲る、こいつは強い。無手でこれだけの力、もしかしたらあのカマ野朗に勝てるかもしれない。
……どれくらいか試してやる。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
俺は襲ってきた女の脇に立つ。
「お前、なんでこんなゲームに乗っているんぞ?さっき言ってたやつを生き返らせるためか?」
女は答えん――いや、答えられんはずだ。俺は今、格段にパワーアップしとる。
あのフックは自分にも物凄い反動がきた、本気で今の俺は魔人になっとる。
「だんまりけ?まあええ、そんな事はどうでもいい。それよりまだ戦うんか?
俺はお前を殺しとうない。このままやればお前は死ぬ、それもわからんほど足らん訳無いやろ」
これも彼女は答えない、しかも動こうともせん。
襲い掛かるなら動こうとするやろうし、命乞いをするにしても声を出す努力位はするはず。
「おい!」
俺は軽く女を蹴る事にした。
つま先を女の肩に乗せ、押した――――ハズだった。


「「「「何ィィィ!!??」」」」


バッ、バカな!!蹴った瞬間『女が消えた』!
女だけやない、その後ろにあった壁も消え―――代わりにその1m位後ろに本物の壁とピンクの女が現れた、俺に銃口を向けて。
「さっきのは………幻覚よ……」

――本気でマズい、もう回避なんか間に合わん。ガードを――

「死ね!」
女が叫ぶ。
引き金を引く指を視認できた、銃口から弾が発射される。思わず俺は目をつぶってしもうた。
アドレナリン、俺の時間がゆっくりになっていく。
走馬灯ってやつやったっけ?今までの思い出が蘇ってきた。
ここに来る前の出来事、ここに来た後の出来事。いままでそんな思わんかったが、案外今までの人生幸せやった。

衝撃が、俺の体を襲う。

でも、もう駄目みたいだ。水銀燈、すまんかった、俺……は…………
…………
………
……







…………あれ?何も起こらん、痛くも痒くもない。もう結構時間が経ったはずやが
………ひょっとして俺もう死んどんの?

恐る恐る、俺は目を開ける。
―――信じられん。


「「「何ぞこれぇぇ!!!」」」


黒い翼が生えていた。
それは紛れも無く、水銀燈のものやった。
しかも何故か片方だけ、俺は無意識にこいつでガードしとったって事か。また水銀燈に助けられたようだ、ほんまあいつには会わす顔も無い。
敵もかわされるはずも無い攻撃をまずありえない方法でかわされた事によってキョトンとしている。
今がチャンスだ!おいっしいのぅー!
俺はピンク女の銃を持っているほうの手を蹴り上げる。衝撃で女は我に返り抵抗しようとしたがもう遅い、先に俺の腕が女の首を掴んだ。
俺はそのまま女を壁に押し付ける。
「油断しよったなぁ!」
こういうセリフだよ、言いたかったのはぁ!いきなりの超展開で俺の心は躍る。
女はガムシャラに俺の手を解こうとしているが俺は意地で手を放さない。
しかしなかなか強かったな、この女。
このまま説得して仲魔………もとい仲間にできれば良いんだが………
ちょっとやってみるか……
「お前、仲間にならんか?」
女は俺の言葉を完全に無視し、まだ抵抗を続けている。
「お前、誰かを生き返らせるためにゲームに乗ったんやろ?
生き返らせる事はできんかもしれんが、もしかしたらゲームに乗らんでも脱出できるかもしれん」
爪を立てて俺の腕を握ってきた、血が出ている。
「今俺たちは脱出するためにがんばっとる、もしかしたら本当にできるかも知れんとこまできとる。
お前は強い、手を貸してほしいんよ」
ここまで言って初めて、彼女は口を開いた。
「私は……取り返しのつかない事をした……ニートを……もう、全て遅いの………
だから皆殺すの……ロックを殺した……萃香も………殺さなきゃ……」
――萃香!?
想定外の言葉に俺は考え込んでしまった。
萃香の事についてレナ達と話していた事を思い出そうとする。
確かあの女、名前なんやったっけ――そう、涼宮ハルヒがゲームに乗っているかどうかに論点が移ったけん、
結局信じられる、信じられないの結論はハッキリとはでなかったんやったな。
頭がこんがらがっとるから順を追っていこう。
あの話、『涼宮ハルヒはゲームに乗っとる』ゆうのはわかった。
そしてあいつは『ゲームに乗っとらん連中を一つに集めたくない』ゆうのもわかった。
だから『萃香は信じられる』ゆう事になったんやったよな。
だが――あれはレナが中心になって話しよったからこうなったって可能性もあるわけだ。
ん、言っとる事わからんか?
つまり最初に『萃香は信じられる』という結論があったけん、その結論に枝をつけてこうゆう話になったかもしれんゆう事や。
レナは頭がいいけん、この結論からあそこまで伸ばす事だってできるハズ。
ってか俺の意見としてはまだあいつは信じられん。
―――まあ結論としてはまたこれであいつを信じるのは難しくなったっちゅう事やな。
もしホンマにあいつが『ロック』ゆうやつを殺しとったらあいつは人を一人『ゲームに乗らせた』ことになるけん、
方針は『信じる』事よりも『疑う』という事にしとこう。
「ゲホッ………クッ……」

――ハッ!
マズイ、力を強くしすぎた。俺は急いで力を弱める。
「すまん、強くしすぎた。やがとにかく―――」
「もうやめて博之さん!」
ディパックを2つ持った妹が抱きついてきた、突然なのでビビった。一体何ぞ!
「その女の人のライフはとっくにゼロよ!これ以上やったら死んじゃう」
どっかで聞いたセリフな気ぃするが……まあその通りだな、思えば乱暴にやりすぎた気がせんでもない。
これ以上はマジ死ぬかも知れん。俺は首を掴んでいた手を放す。
「そうやな、すまんかった」
妹は俺が手を放したのを確認すると俺から離れた。まああれだけ首絞めた事だし暫くは動けんハズだ。
「で、どうするんだ。まあ仲間にならないって言っても気絶させて連れて行くだけやが………」
畜生、だまっとらんで喋れや!何もわからんやろ!
そう心の中で言いかけたそのとき、そんな俺の心中を察したのか女は立ち上がり、喋りだした。
「わかったわ………」
ん、わかったって言いよったんか?もしかしてナンパ成功?
「よかったぁ〜〜」
そう言いながら妹は女に歩み寄る。ふう、一時は万事休すかとも思ったが何とかなったな。
そういえば名前聞いてなかったな、ピンク女じゃあれだし聞いてみるか。
「じゃあ名前は何て―――」

バキィィィイイ!!

「なっ!!」
女のミドルキックが妹の顔面に命中する。
蹴られた衝撃で妹はディパックを一つその場に落とし、小さく悲鳴をあげながらバウンドして飛んでいく。
だましよった!ああ、こんな事もあるというのもメガテンでしっとったハズなのに、俺のせいで妹が!
「そうやって私をだまそうとしているんでしょ?それに脱出なんてしたってロックやニートが生きてなきゃ、意味ないじゃない!」
――――1手遅かった!それよりも、今度の攻撃対象は俺だろう。マズイ、ガードせんと!
俺は翼で体を覆い、手を顔の前に持っていく。
くるであろう衝撃を想定して俺は足を開き、恐怖で目を閉じる。
しかしいつまで経ってもさっきと同じ様に、いや、今度は衝撃すら来ない。
俺が目を開けると、目の前に女の姿は無かった。
急いで振り向く、女は俺の後ろ10m位を走っていた。俺の――水銀燈が眠っとるディパックを持って。
逃げられた!


「「「「このクソアマがぁぁぁぁぁ!!!」」」」


違う、俺のはきたいセリフはこんなんじゃない!
追いつくには、絶望的な早さだった。しかもこっちには妹がおる、放置できん。
俺は妹の傍に駆け寄る、妹は泣いとった。
「ゴメン……支給品盗られちゃった………」
「それより大丈夫か!?」
「頭が……凄く痛い…………」
それもそのはず、妹の頭はパックリと切れ、血がダクダク流れていた。。
何か布で止血せんとマズイが今の俺は上半身裸、下まで脱ぐわけにはいかん、違う意味でそれはマズイ。
……でもこの際しょうがない。
というか別に全部脱がんでもええ、必要最低限で抑えれば何とかなる。

………よし!
俺のズボンは半ズボンになったが一応止血はできた。
「もう痛いとこないか?」
「うん……大丈夫」
「そうか、ならええが…しかしこの先どないしよう……女も見失なったけん……」

『彼女はD-2だぜ』

なるほどD-2か………って

「「銃が喋りよったぁぁ!!」」
561Classical名無しさん:08/03/01 23:33 ID:c7tSt.rw
支援
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
突然銃が喋りよるゆう恐怖イベントを何とかこなし、今俺はこいつ――クロスミラージュから訳を聞いていた。
「……で、要約するとさっきの女は悪なくて、お前の言うオカマ野朗が悪いってわけか………」
『ああ、そうだ。で、今お前にあいつの討伐を頼み込んでいるわけだ』
妹を蹴ったのは許せんが、あの女にもあの女なりの事情があった。そしてそれは同情に値する理由だ。
「………わかった。水銀燈も取り戻さなきゃならんし、俺で何とかなるかはわからんがやれるだけの事はやってみせよう」
『よろしく頼むぞ』
「ああ、まかせろ」
しかし、このクロスミラージュってヤツ、何か熱いな。熱血漢タイプってヤツか?
戦隊ヒーローモノには必ず一人はこういうやつがおるよな。
『で、ものは相談なんだが』
――ん?何よ
『アイツと戦うまでの間はあの少女に俺を持たせてくれ!』
「それはまたなんでぞ?」
『大きな声では言えんが………俺を使って変身すると一瞬裸になるんだよwwww
で、俺はお前の裸なんか見たくないからあの少女に持たせてくれって事。
お前も裸見れるし、悪い話じゃないだろ?』
――前言撤回、こいつはジーコ並に変態だ!
「よし、わかった。お前は妹には渡さん!」
俺は笑顔でクロスミラージュに告げた
『はぁ?何ぞそれ!俺の言った事聞いてなかったのか!?』
「うっせ!俺はお前みたいな変態とは違うんよ!」
『嘘乙!!くそひろだって興味あんだろうが!!』
「ああ?くそひろゆーなや!!」
「二人とも……早くしないと追いつかなく―――」
「『ちょっとだまっとれ!』」
「……はぁい……」

………5分後。
「『はあ……はあ………』」

「よし、わかった。D-2に着くまで妹に持たせてやるが変身はさせん。それでええな!」
『ああ、それでいいぜ。ああ、無駄に時間くっちまった〜』
「ホント、勘弁してほしいわ」
喉が渇いたが俺の支給品は全部盗られている、あとで妹から水を貰おう。
「博之さん、終わったの?」
無理やりクロスミラージュを持たされた妹が冷たく話しかけてきた。
そういえば議論してる間はほっといちまったな、スマン。
「ああ、終わった。しかしお前の貞操だけは守ったけん……」
「……何のことかわからないけど、本気で追いつけなくなっても知らないよ?」
――え!?追いつけなくなっても知らないって………

「「「「ああ、忘れとった!」」」」

「すぐ行くぞ!俺におぶされ!」
「えっ!ちょっと早――キャッ!」
『計画的でないと言わざるを得ないぜ』
悪態をつくクロスミラージュは無視し妹を強引に背負う。
妹は軽く、魔人化した今なら余裕で走れる重さだった。

「「全速前進DA!!」」

俺はそう声をあげると全力でD-2へ向かって走った。
564Classical名無しさん:08/03/01 23:37 ID:wuUSPvQA
【E-4 町/二日目・黎明】
【永井博之@永井先生】
[状態]:深い悲しみとそれを超える脱出への誓い、魔人ピロ(紫)、上半身裸、萃香の事を大分疑っている 、翼が生えた
[装備]:薬草(3/99)@勇者の代わりにry 、包丁@フタエノキワミ アッー!(るろうに剣心 英語版)
[道具]:なし
[思考・状況]
1.少数派による運命の打開
2.D-2へ行ってオカマ野朗を倒し、水銀燈の入ったディパックを取り戻す
3.その後城まで行き、首輪を解体出来る者を探す。
4.水銀燈の分、詩音の姉へ償いをする。
5.水銀燈の右足を見つけたい
6.必ず生還し、水銀燈を直して再開する。
7.萃香は信じられない奴だ。
※ローザミスティカの力を得て魔人覚醒をしました。身体能力は遥かに向上、そしてどうやら水銀燈の力は行使出来る様です。
しかし、まだ魔人の能力を行使出来るか不明です。
※ただの人間がローザミスティカの力を得た為に、副作用を受ける可能性があります。
※水銀燈の見てきた全ての記憶・感情を得ました。
※博之はハルヒの正体をレナから聞きましたが、あまりよく理解していません。
※水銀燈の能力のおかげで翼が生えています。
イメージ的にはローゼンメイデン2期、アニメ本編の最終回の真紅みたいな感じです。
片側だけですので飛ぶことはできないようです。
※ディパックごと道具を全てロールに盗まれました。
【キョンの妹@涼宮ハルヒの憂鬱&愛しの兄が振り向かない】
[状態]:深い悲しみとそれを超える脱出への誓い、阿部への怒り、頬に軽い切り傷、頭部に打撲&出血、軽い頭痛(痛みは和らぎました)
[装備]:おたま@TOD、 カワサキのフライパン@星のカービィ、クロスミラージュ@リリカルなのは
[道具]:支給品一式(食料一食分・水一食分消費)、DMカード(オレイカルコスの結界 (次の早朝まで使用不可) 三幻神(ラーのみ使用可だが遊戯、海馬などのみ、他は次の早朝まで使用不可)、
ブラック・マジシャン・ガール(次の深夜まで使用不可)、ホーリーエルフの祝福(次の深夜まで使用不可)、青眼の白龍*2(次の午前まで使用不可)、強制脱出装置(次の深夜まで使用不可)、
死者蘇生(次の昼まで使用不可)、黒騎士の魔剣少女、セイバー(次の昼まで使用不可)
コカローチ・ナイト(深夜に二度使用)、進化の繭、ゴキボール(次の深夜まで使用不可)@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ、ダンボール@メタルギアシリーズ
ヴェルタースオリジナル@ヴェル☆オリ、携帯電話@現実、庭師の鋏@ローゼンメイデン

[思考・状況]
1.少数派による運命の打開
2.博之について行く。
3.城まで行き、首輪を解体出来る者を探す。
4.ティアナ・キバ・水銀燈の行動を無駄にしないためにも、生きる。
5.もう誰も殺さない、罪滅しをする。(阿部に関しては、どうするか分かりません)
6.古泉くんの間違いを正す。
※萃香への憎しみは、萃香をこちら側に協力させるための嘘です。
※クロスミラージュは装備していますが戦闘に入ったら博之に渡す予定です。
「フゥ……フゥ………」
ここまでくれば、きっと大丈夫なはず。
しかし、あいつは強すぎる。危うく私が殺されるとこだった。
でも殺さないと……誰も生き返らない………
脱出したって…ロックが死んでいたら、何もならない………
あの悪魔はそう言っていた、殺せば、皆生き返るって。

でも取り敢えずディパックはゲットできた。
あの悪魔に届けて、たくさん……たくさんお手伝いしたら―――

―――皆は戻ってくるんだよね?

【D-4 草原 /二日目・黎明】
【ロールちゃん@ロックマンシリーズ】
[状態]:健康、精神衰弱(極大)、リミッター解除
[装備]:蒼星石のローザミスティカ
[道具]: 支給品一式*3(食料三食分・水一食分消費)、座薬@東方project、ヲタチ(残りHP80%)@ポケットモンスター
ゴム@思い出はおくせんまん、自動ぶんなぐりガス(残り1/5)@ドラえもん、ヴェルタースオリジナル*3@ヴェル☆オリ
真紅のローザミスティカ@ローゼンメイデン、ぬいぐるみ沢山、くんくん人形@ローゼンメイデン、ヤクルト(残り4本)@乳酸菌推進委員会)、
[思考・状況]
1. D-2の橋へ支給品を届ける。
2. ヴァンデモン優勝のために命を賭して、みんなを生き返らせてもらう。
3. ロックを殺した萃香を殺す。
4. 皆生き返るんでしょ?
※動力部分にある蒼星石のローザミスティカのおかげで、魔法はそれなりに使えます。
※身体機能のリミッターが解除されました。身体能力が大幅に増加しますが、負荷が酷いため、どれだけ持つかわかりません。
※KASも殺したと思っています。
※博之のディパックを盗みました、中はまだ確認していません。
投下終了です。
タイトルが長すぎて省略せざるを得なかったので省略しましたが、
タイトルは「☆ニコロワ住民のネット小説☆クロミラテクニック隔離」でお願いします。
矛盾、誤字、脱字、生理的に無理などございましたらご指摘お願いします。
569Classical名無しさん:08/03/02 00:31 ID:zmAANUAQ
投下乙です。
楽しく読ませていただきました。
570Classical名無しさん:08/03/02 00:37 ID:iW3Q8OQ2
投下乙
クロミラとひろくんのやりとりが面白かった
571Classical名無しさん:08/03/02 02:09 ID:LlaMNG3g
投下乙
クロミラとひろくんのコンビいいなぁ、変態と常識人って感じがw
ロールちゃんは暴走中だし、先が気になりますね。
572Classical名無しさん:08/03/02 16:00 ID:Z5APV6sk
現在生存している参加者の、最新話までの実際登場回数をまとめてみた。
前後編など複数ページで掲載されているSSについても1回とカウントしているので、
wikiの追跡表と大分数字が違います。

14回……海馬、博之、妹、ハルヒ
13回……亜美、霊夢、すいか、KAS
12回……彦麿、アリス、レナ、ロール、阿部、つかさ、古泉
11回……日吉、春香、えーりん
10回……カービィ、エアーマン、遊戯
9回……ムスカ
8回……チューモン

間違いあったらごめん。
573Classical名無しさん:08/03/02 18:39 ID:uExTG55g
分割の為か元搭組が飛び抜けていたが、やっぱりカイバーマン多かったのか
wikiも、こっちの集計表記にして欲しいなぁ・・・なんて
574Classical名無しさん:08/03/02 18:47 ID:FZk3WxW6
>>573
言いだしっぺの法則
575Classical名無しさん:08/03/02 18:53 ID:93jYRDW2
法則は覆されるためにある
576Classical名無しさん:08/03/02 19:03 ID:uExTG55g
変えてもいいなら、勝手に変えちゃうよ?
反対意見あるならやらないけど
577Classical名無しさん:08/03/02 19:08 ID:93jYRDW2
今更だが、三問目の「気にしない」は「痛くない」でも良かったな。
578Classical名無しさん:08/03/02 19:08 ID:93jYRDW2
誤爆
579 ◆jU59Fli6bM :08/03/02 21:47 ID:J6vEa0IM
すみません、例の如く延長します。明日の朝に投下しようと思います。
昨日爆睡してナンテコッタイ
580Classical名無しさん:08/03/02 21:56 ID:tEiNZA5E
気にスンナ!
応援してるぞ、頑張ってくれい
581 ◆irB6rw04uk :08/03/03 00:41 ID:Tt/mbnzs
一応書き終えました。
まぁトカレフの部分が少しあれですが……
撃てるってことにしといてください
無理なら破棄しますが
582 ◆irB6rw04uk :08/03/03 00:42 ID:Tt/mbnzs
すみません 言い忘れてました。
したらばに投下しておきました
583Classical名無しさん:08/03/03 01:02 ID:qlR38bio
投下乙
おお!久々な展開だなこれは
こっちの方が無難かなぁ
584Classical名無しさん:08/03/03 01:10 ID:njOIjVhI
仮投下おつです。
遊戯王の初期を思い出すような感じですね。おもしろかったです。
決定稿にしてもいいんじゃないでしょうか?
585Classical名無しさん:08/03/03 03:58 ID:hlp/Hw4o
仮投下乙
遊戯らしい決着のつけ方でよかったです。
これでいいと思いますよ。
586Classical名無しさん:08/03/03 09:07 ID:lBlkocOw
結局死ぬムスカ
遊戯はムスカキラーだなw
587 ◆jU59Fli6bM :08/03/03 10:00 ID:DmuxSbiw
遅れてすみません。
霊夢、萃香、KAS、ヴァンデ投下しようと思います。
町を全速力で駆け抜ける3つの影。
それらはしばらくすると薬局の前で止まり、1本の杖とその周りの魔方陣を囲むようにして立った。

『レイム、ヴァンデモンとロールと思われる反応がそれぞれ違う方向に移動したようです』
「何!ロールは無事なのか!?」
「レイジングハート。どっちがどっちへ行ったか分かる?」
『はい。ヴァンデモンは町の外へ出て北西へ向かっています。橋を渡って城に行くものかと思われます。
そして、もう片方にロールと、複数の魔力…。クロスミラージュもロールの手に渡っているようです』

それを聞いた霊夢の表情が険しくなる。

「橋ねぇ……城に行くつもりだったらまずいわ。このままじゃ海馬達も犠牲になってしまう」
「でもロルーちゃんはどうするんだぜ!二兎追うものは一歩も追えずってか!」
「移動してるなら無事ってことだけど…、何故あいつはロールを解放したんだ?」
『2人の移動速度は速くはないようです。ヴァンデモンはD-3の川沿い、ロールはE-4の町の中……今からでも追いつけます。どうしますか?』

3人の動きが止まり、お互いに顔を見合わせる。

「距離はヴァンデモンのほうが近いわ。私はそのまま退治に行くつもりだけど…あんたたちは?」
霊夢が2人の顔を見る。KASも珍しく思案顔…に見える。
「私はロールを見つけたい、けど…」
「ああ〜!俺はどっちに行くべきなんだ?あいつをぶっ飛ばしたいが、ロルーちゃんも見つけんと!」
「けど…私もヴァンデモンのところへ行こうと思う。色々聞きたいことがあるし、霊夢だけでは不安だ」
それを聞いてKASが飛び上がる。
「何!西瓜もそっちなら仕方ない、俺も行こう!このKAS様がいる限り無事だからな!」
「あんたは単純でいいよなぁ」
「…そう、分かったわ。そうと決まったらあいつがまた何かやらないうちに追いつかないと。急ぎましょ」
そう言って、霊夢はいつもよりも淡々と切り上げて飛び立つ。

「霊夢、もっと頼ってくれてもいいのに」
萃香が頭上を飛ぶ霊夢を見つめて言った。




「あ〜あ、やっぱり追いつかれちゃったか」

川に沿って歩く影が呟く。
その影――ヴァンデモンは、周りで騒ぎ立てるコウモリを払い、後ろからやってくる人物に目を向けた。
「…足が完全に身体に馴染むまで、あと少しだった」
「でも、これは好都合ですよ。いずれ殺す参加者が自ら出向いてくれたんですから。それも、夜に」
「ですよねー。さっさと壊して進みましょ」
いかにもらしい格好の吸血鬼から少女達の声が聞こえる様は、混沌としているようで満月の狂気に馴染んでいる。
その元に辿り着いた3人を笑い声が迎えた。
「あはははは!どうしたの、さっきの巫女さん?仲間もお揃いで復讐かな?」
「うるさいわね。ただの妖怪退治よ。私はいつもの仕事をしに来ただけ…」
「その割には殺気立ってますねぇ。そんなにあの恐竜が惜しかったんですか?」
その言葉を聞いて霊夢は強く拳を握りしめる。
「ぐぎゃぎゃ!ああ、可哀想に…、涙を誘いますねぇ!」
「ッ…!少し、黙れ…!」
ヴァンデモンは怒りを隠しきれない霊夢を見て楽しむかのように泣くふりをする。
辺りに広がる、複数の甲高い嘲笑。

「そんなことより」

それを見ていた萃香が霊夢を隠すように前に進み出た。

「あら、あなた、初めまし…て…?」
「お前…、兎となのはを食ったんだってな」
「ナノハは体じゃなくてあの黒い塊だけだよ。そう、あなたが食べてた塊の片割れをね」
はて?と萃香は首を傾げる。
「何でそれを知ってるんだ?」
「あぁ!そうですそうです!これで私達があなたを見るのは2回目ですね。あの頃は隠れて過ごしてたんです!」
「なるほどね。そして巨乳との関係は死んでも深く繋がっていると…って嫌だそんなの!」
あの悪魔の顔が脳内で甦り、頭を振る。
591Classical名無しさん:08/03/03 10:08 ID:HqDYh5EA
 
「つるぺた女、質問は終わり?」
さっきまでとは別の淡白な声。
「…つるぺたって……!ん?そういえば、あんたとも前会ったな。声をどこかで聞いたような…」
「それはどんな名前なんだ!言え!」
萃香の言葉が言い終わらないうちに、長門の人格が激昂した。
「いや…正直、忘れた。長…なんとか」
「貴様ァ!」
「西瓜お前知り合い多いのな!」
「私が殺した奴をまた殺す羽目になるのは気分悪いけどね。じゃあ、本題といこうか」

改めてヴァンデモンを正面から見据える。

「お前に聞きたい事がある」
「何か?」
「何かもキノコもねえ!ロルーちゃんはどうしたんだ!」
腕を組みながらKASも言葉を投げる。

「あのロボットの子?それなら心配ないよ、まだ生かすつもり。だって…ふふ、私達の協力者になったんだもの」
「…何だって?」
「意気揚々と町の参加者を殺しに行きましたよ。言いつけを守れる子ならいいんですけど」

萃香も霊夢も、表情こそ同じのKASも、その言葉を理解して顔を凍張らせる。

「くそっ、嘘だろ…!」
「嘘じゃあないよ、優勝すればあいつの大切な人とやらを生き返らせるって言ったら、すぐだったね」
「ロルーちゃんの心を弄びやがって!お前は俺を怒らせた!!」
ヴァンデモンのある人格がくすくすと笑い、別の人格は憤り、また別の人格は目の前の人物の対処法を考える。
悪魔は外見だけでなく、ただいるだけで吐き気がする邪悪を兼ね備えていた。
「私の名前を忘れるような奴…、跡形無く消してやりたい」
「ぐぎゃぎゃぎゃ!名前を思い出すまで私が拷問してあげてもいいですよぉ!」
「どっちにしろ全員壊すつもりですし…」
「私達は夜の支配者。あなた達程度じゃ、止められないよ」

お互いもう話す必要は無くなった。あとはぶつけ合うのみ。

「いいわ、こっちも跡形も無く"壊して"あげる。…いくわよ」

対極の位置にいる両者の、思いを。

ヴァンデモンが頭上に伸ばした腕、その周りにコウモリが次々と集まる。
そしてそれは姿を変え、段幕となって3人に降り注ぐ。
「この座薬の形…うどんげの弾!?」
「あいつは気味悪い人格の能力も使えると見た!気をつけるぜおまいら!」
不規則に飛ぶコウモリは一つ一つが捉えにくく、3人を吸血鬼に近づかせない。
現れたコウモリ全てが段幕となり降り注ぎ、その後ろでヴァンデモンは魔力を集中させる。
いち早く反撃に出たのは霊夢。
弾幕を見切り、最小限の動きで弾幕を避けながら前に進む。
「式神を無限に呼び出せるのね。でも…」
右手に博麗アミュレット、左手にレイジングハートを持ち、構える。
「そんな薄い弾幕で私は止められないわ」

直後、数枚の札がヴァンデモンへと伸びる。
ヴァンデモンは難なく避け、そのまま霊夢へ砲撃を――
「なっ!」

――放とうとして、肌を焼かれた。
咄嗟に鉄塊鉈を盾にして、残りの弾を防ぐ。

「あぁ!私、知ってました。今のはホーミング弾、当たるまで追ってくる弾なんですよ」
「…こざかしい」

萃香とKASはコウモリ弾幕に苦戦している。
他の2人が加わる前に霊夢を潰しておきたい。
そう決めていたヴァンデモンは再び魔力を高め、腕を霊夢に向ける。
霊夢もレイジングハートを構える。

「「スターライトブレイカー!!」」

2つの砲撃魔法はぶつかり合い、霊夢とヴァンデモンの間を結ぶ線となった。
「くぅぅっ…!!」
霊夢は必死にその均衡に耐える。周りに飛び散る衝撃波で草原が波のように揺れる。

「まだ…へばるのは早いよ!」

「情報改変…最大出力!」

そう叫ぶと同時に、ヴァンデモンの光の束は太さを増し、赤く染まった。
ちょうど2人の真ん中にあった線の結び目が、徐々に霊夢の方へ近づいていく。
「あ、あぁあっ…!!」
押し返せない。
霊夢の手が衝撃に堪えきれずにガクガクと揺れる。赤い光が目の前まで迫る。
それを見て、霊夢は拒むように目を閉じる。レイジングハートやヴァンデモンが何か叫んでいる…。
そして、霊夢には砲撃の音しか聞こえなくなった。
それを見たヴァンデモンは狂喜の表情を浮かべ、高笑いする。

「アハハハハハ!!逃げようにも逃げられないでしょう!」
「そのままバラバラに壊れ……、!?」

突然、ヴァンデモンの目の前が塞がれた。
腕に何かが乗っている。それに気付く前に再び視界が開き、

「ミッシング…スターライトブレイカー!!」

一筋の光がヴァンデモンの腕を引き裂いた。
両者間の線を消された2人はそれぞれ後ろに吹っ飛ばされる。
片方の腕が、木を離れる枯れ葉のように辛うじて繋がっていた。

「く…嘘だっ!さっきまで、コウモリだけで全然動けなかったはず…!」

ヴァンデモンは、自身へと近づいてくる人物に向かって叫んだ。
直後、地響きがして振り返る。
そこには、腕に乗った張本人――KASが大きな黒い塊を玉乗りをするかのように転がしていた。
「俺を舐めてもらっては困る!KASの技術は世界一ィィィィ!!!」
「な、何なんですかあれ?」
「あれ…ただの黒じゃない」
「そう、コウモリや座薬を絡めてくれるまで大変だったよ」
「ざ、座薬って言うなあ〜!」
「どういう事?あなたの攻撃も、あの玉も…」

萃香が悪戯っぽく笑う。

「お前は素早そうだから、少し密度を上げただけだ。お前を倒せればそれで…」
ミニ八卦炉をヴァンデモンに向け、気づいた。その笑った顔がそのまま引きつる。
――裂いたはずの腕が、いつの間にかくっついている。

「馬鹿だね。もう動けないと思ってた?」

その顔が満面の笑みを浮かべたと思った瞬間、萃香の体は空中にあった。
そのまま呼び出したコウモリによって地面に叩きつけられる。
間髪入れず巨大化した塊に乗ったKASが突っ込んでくる。

「このオカマァァア!!レムーと西瓜に何をするDAーッ!」

ヴァンデモンは振り返りざまに鉄塊鉈を突き刺し、そのまま押し潰そうとしていた塊は転がるのを止めた。

「だがこのKASはここだ!残念だったな…アッー!」
「もう…うるさいなぁ」

ハエのように空中を飛びながら体当たりをするKAS。
打ち落とすのは困難と判断して弾幕をばらまき、動きを制限した上で砲撃を浴びせた。

「さて、そろそろ観念してもらおうかな?夜は無敵である私に挑むのが間違いだったね」
597Classical名無しさん:08/03/03 10:24 ID:HqDYh5EA
 
『…イム。レイム!しっかりして下さい!』
その声で霊夢は目を開いた。
体が重く感じる。自分が自分じゃないように重く。
なぜ無事なんだろうと疑問に思ったが直後辺りに響く爆音で今の状況に気付き、それは置いておくことにする。
その音の後で落下する影。コウモリの群れを必死に払う萃香。
そして。

「ぐぎゃぎゃ!爽快ですねぇ!まさに計画☆通り!」
「こうなるって思わなかったあなた達が駄目だったね。私達が負けるとでも思っていたの?」

忌々しい吸血鬼の声と、それに相反する鬼の声。

「ああ、思ってるさ。だって、私達が負けるはずないからな」

ヴァンデモンが無表情のまま萃香を眺める。

「…へえ、よく言うよ。じゃああなたは今すぐ壊してあげる」

萃香の周りのコウモリが弾幕へと変わり、一斉に襲い掛かる。
至近距離での厚い弾幕がその小さな体を少しずつ焼いていく。
ヴァンデモンが魔力を集中させても動けないようだった。

「萃香、ダメ!早く逃げなさい!!」

思わず霊夢が叫ぶ。
「逃げる?無理無理!私の手に合わせて砲撃は動くんだよ!?」
「あなたはせいぜい仲間の最期でも拝んでいて下さいよ!」

また死ぬ?また一人、自分の前で?

「霊夢、心配しなくていい。お前は離れて…」
「ダメ!させない、そんなの…」

霊夢がふらつく体を抑え、立ち上がる。
レイジングハートを構え、魔力を集中しようとした。
しかし、そうすることはなかった。
その前に、萃香が紅い光に飲まれたから。

巻き上がる土埃、体がもっていかれそうなほどの衝撃、耳をつんざくような轟音が辺りを包んだ。
どれくらいの時間こうしていただろう。
霊夢はただ、その中心を見つめることしかできなかった。

「アハハハハ!!それみたことか!」

攻撃が終わり、舞い上がった葉や土ぼこりが晴れていく。
萃香がいた跡には、焼け焦げた腕が一本あるだけだった。

「…すい…萃、香……?」
「ふふ、次はあなたの番。たっぷり楽しみましょうか」

ヴァンデモンが地面のえぐられた爆心地へと足を進める。
満足した顔で残された腕を拾い、
「あれ?」

――それが萃香のものではないと気づいたが、その時にはもう遅かった。


「うりゃああああ!!」「YAHOOOOOOOO!!!」


背後からのダブルパンチ。
身体能力が人間より大きく上回る2人の拳をモロに受け、先程とは比にならない距離を吹っ飛んだ。
「ディバインバスター!!」
それに追撃するように霊夢の魔法が放たれる。
ヴァンデモンはホームランコンテスト記録を作れるくらいの距離を飛び、そのままお星様に…

「いや、そこまでは無理か…。じゃあこの後どうしてやろうか、KAS?」
「そりゃもう俺のオンステジー!!とりあえずボコボコにしてやんよ!」
「よろしい、ならばフルボッコだ」
「あ、あ、あんたたち…生きてるならそう言いなさいよ!馬鹿っ…!」

追い付いた霊夢も2人の元に加わる。
しばらくして、ヴァンデモンの体が細かく震え始めた。

「「「「フフフ…あはは…あはははは!!あ゛ぎゃぎゃぎャぎゃぎゃぎゃ!!!」」」」


3人は様子が変な事に気づき、再び攻撃体制をとる。
「こいつ…まだ暴れる気!?」
「ギャギャギャギャ!壊れろ…壊れろ!!私が負けるはずない…お前らはさっさと壊れろ!!」
2人に骨を砕かれたため、体がおかしな方向に曲がっている。
ヴァンダモンは笑いながら真紅のムチを辺り一面に振るい始めた。

「ブラッディストリーム!!」

血のように紅い光が所構わず周囲を焼き尽くしていく。当たった草の全てが灰に変わった。
目で捉えるよりも速く地面を駆ける、制限も知らないような光。
「あいつ暴走してるのか?!こんなのまともに当たったら…うわっ!」
「きゃっ!う、上よ!避難するしかないわ!」
「よし来た、任せろっていう!」

KASは萃香を抱え、無敵ジャンピングYAHOOOOOなどと叫びながら宙に舞う。霊夢も光を縫うようにして続く。
「そういえば、高度の制限は無いのかしら…」
何度も光のムチにかすり、ぶつかりそうになりながら、3人は高く上っていった。

602Classical名無しさん:08/03/03 10:32 ID:80k6KCB6
sien


「ハァ…ハァ…」

4つの人格の暴走が収まり、ヴァンデモンは気がつくと橋まで来ていた。
最初の目的のためではなく修復を求めたため。
エリアサーチで死体を見つけ、狂ったように掘り返す。
それは、レナが先刻埋めた2人と2匹の墓。
皆で脱出することを願い、犠牲になったこなたとピッピ、そしてコロネ。
最速で優勝することを誓い、あえなく散っていったTAS。

「右腕の修復を…魔力の修復を…」

まだ個々の感情があまり働いていない。
さっきの3人がどうなったのかも分からなかった。
東の山々から、僅かに光が漏れ出した。
【D-2 草原/二日目・黎明】

【ヴァンデモン【チューモン】】
[状態]:自我放棄、姑息さ上昇、右足切断(富竹の足移植済み。障害有り) 、右腕重症
魔力使用可能、目が赤い、情報改変可能、弾幕使用可能、ヤドリギの種(弱)使用可能
[装備]:鉄塊鉈@ひぐらしデイブレイク 、ベレッタM92F(15/15)@現実、予備弾薬各100発@現実(ベレッタM92F用15発消費)、インテル@intelシリーズ
[道具]:支給品一式*3、RPG-7(残弾4)@GTASA富竹のカメラ@ひぐらしのなく頃に、AK74(17/30)@現実
スタンガン@ひぐらしのなく頃に ピッキング用針金、フィルム、富竹の首
[思考・状況]
基本1:埋まっている死体を食べて体を修復する。
基本2:デジヴァイスと、それを使える参加者を手に入れる。
基本3:日が昇るまで橋で待ち伏せし、ロールが支給品を持ってくるのを待つ。
基本4:参加者を混乱させる。
基本5:二人組みマーダーのパソコンのデータを食べたい
基本6:ハルヒという参加者に富竹の首を見せ、疑心暗鬼に陥らせる。
基本7: ソノザキシオンに名前の近い人を拷問にかける
基本8: あの女が、師匠。見つけたら殺す。
基本9:主催者に復讐したい。
総意:派手な争いをせずに、計略的に進化して、全参加者と主催者を拷問してから残虐に壊す。
あと、愛しの彼を蘇らせて、同様に壊す。

※予備弾薬各100発@現実の中には、デバイスのカートリッジも入っていました。
※チューモンの中の詩音は、自分が『ソノザキシオン』であると認知しています。
※ヴァンデモンになったことで、全能力が増大しました。夜だけならインフェルモン以上ですが、朝になると成熟期クラスに落ちます。
※能力の制限について大分理解しました。
※長門以外の人格は名前を知りました。切っ掛けがあれば各人格の「知識」を思い出す場合があります。
ただし、それが原因で本人そのもののようになることはありません。
※これ以上の進化には、デジヴァイスが必要です。
※それぞれの人格の感情が急激に強くなると暴走しやすくなるようです。
605Classical名無しさん:08/03/03 10:34 ID:80k6KCB6
支援 
光のムチの攻撃をなんとかやり過ごし、あの吸血鬼は去っていった。
だがほっとしたのもつかの間、KASの羽マントの制限時間が切れ、空中から2人が消える。

「うわああああ!!落ち、落ち……ぐへぇっ!!!」

上にいる萃香は全身を打ち、下にいたKASが潰れる。
「こ、このKASにはまだ甲羅がある、死ぬと思っ…ぐふっ」
「ちょっと何やってるのよあんた達!関係ないところで怪我増やさないで!!」

少し待ち、萃香とKASがようやく起き上がる。
「ああ、痛たたた…まさか座薬があんなに効くとは」
「なんか別の意味に取れるからやめてくれない?そういえば、あんた達どうやって助かったの?」
KASが待ってましたとばかりに叫ぶ。
「KAS甲羅の技術は世界一ィィィィ!!ただ甲羅に潜っただけっていう!!ちょっとヒビ入ったけど!」
「……そう」
少しがっかりした霊夢だったが、とりあえず甲羅の丈夫さに関心することにした。
「私はギリギリさ!そう、もう、撃たれるまでぎッりぎり…」
「それは分かったから」
「こっちも能力を使ったまでだ。マネキンに意識が向くように密度を萃めて、自分は制限いっぱいに密度を薄くした。座薬とコウモリは手こずったけど」
見れば、萃香の体は傷だらけになっていた。弾幕を避けきれなかったらしい。
それはどうやらKASも同じだった。
才能を戦いに有効活用していたKAS、幻想郷最強クラスの力を持つ萃香、実質幻想郷を牛耳っている霊夢。
そんな3人がかりでも、それでもヴァンデモンの方が強い。
最後は逃げなければ確実に誰かが死んだ。勘じゃなくてもそう思った。
「って、私の服もボロボロなのね…レイジングハート、これ直せる?」
『了解しました』
もう魔力は大分使ってフラフラだったが、上半身の服が穴だらけでも困るので修復してもらう。

「じゃあ、これからどうする?ヴァンデモンのことはまた追いかけないといけないのが辛いわね」
「そうだ!ロルーちゃん!ノっちまったんだっけ?」
萃香がうつむいて頷く。
「そのことだけど…、私1人でロールのところに行かせてくれない?霊夢とKASはあの吸血鬼のこともあるし、城へ行って仲間に今までの事を伝えるべきだよ」
「だけど、萃香…。いくらあんたでも、そろそろへばってるんじゃないの?」
「…私も城には行こうと思ってたから、もしレナ達が城に着いてたら、私は遅れて来るって伝えてくれると嬉しい」
「…萃香?」

萃香が取り出したワインを飲み、ゆっくりと立ち上がる。

「霊夢、ロールは今どこらへんにいるか、探してくれないか?」
霊夢は咎めるような目で萃香を見つめていたが、しばらくしてやれやれと首を振り、エリアサーチを展開した。
「仕方ないわね、あんたも…」
3人は重苦しい表情で(※KASの表情は同じ)レイジングハートの言葉を聞く。
『ロールは…先ほどからそう離れていない町の中にいます。しかし、他の参加者と接触しているようです。もし、ヴァンデモンの"優勝に協力している"という言葉が事実なら…急ぐべきです』
「…そうか、ありがとう」
萃香はレイジングハートに礼を言い、2人の方向に向きなおる。
「じゃあ霊夢にKAS、ここで一旦お別れだ。また会えるのが一番だけどね」
「西瓜!本当に1人で行くのか!大丈夫か!!」

開口一番にKASが叫ぶ。

「これは私の責任であり意思だ。あいつと約束したからな。お前はロールのことは私に任せて、飛び回ってなよ」
「うーむ…よく分からないが分かった!お前は約束を守るエライ奴!なら俺とも約束汁!」
予想外の反応に一瞬萃香はたじろいだ。
「…約束?うん、いいけど…私は一度約束を破ったんだ。偉くなんか…
「もうシリアル禁止!お前は悩んでるより、さっきみたいに暴れてる方がグッディなはずだ!
いいか、これ約束な!俺はお前が約束守るって信じてるからな!!」
一方的に話し終わり、KASは寂しさを紛らわす為か辺りを激しく跳びはね始めた。

「シリアスじゃないのか…?まあ、分かった、ありがとう。…あれ、霊夢?」

気がつくと、すぐ横に霊夢が立っていた。表情は先程と全く変わっていない。
「…あなたも、行くのね」
「霊夢?」
「私は、また仲間を見殺しにするのかもしれない…」
KASとは対照的に、霊夢は沈んでいた。
ヨッシーを死なせてしまったことへの責任感を未だ引きずっているようだった。

「なんだい?楽園の暢気な巫女さんがそんな調子でどうするのさ。妖精にもやられそうな顔してるよ?」
「あんたねぇ、私はあんたを心配して…」
「私は心配いらないって。それより、これ…預かっててくれない?」

デイパックから取り出したのは長方形の薄い機械。この世界で言えばノートパソコンという名前なのだが、霊夢はそれを知る由も無く首を傾げた。
「何これ?霖之助が同じようなもの持ってたわね」
「のーとぱそこんっていうらしいよ。あれにも書いてあった"ニコニコ動画"って所に繋がるんだ。阿部やなのはの動画を見たよ。私が持っていてもしょうがないし、役に立てればいいけど」
「…それって重要なものじゃないの?何で今まで言わなかったのよ!」
「いや、色々あったからなぁ…。あと充電しないと動かないっぽいからそこらへんも頼んだよ」
「う〜ん、面倒なのねぇ。分かったわ。必ず役に立てる」

あの船でなら充電できるかしら、と呟きながら、霊夢はノートパソコンをデイパックの中へ入れた。
「うん、それと…」
萃香は霊夢がデイパックを閉じるのを見ながら、彼女の目の前に近づく。

「あんたの能力は完全に制限されていると思う?」

霊夢は二、三度目を瞬かせる。
「え……?」
「"空を飛ぶ"程度のことは制限されてるって分かる。でも、今の霊夢は霊夢らしくないんだ」
「さっきも言ってたわね。あの時はヨッシーのことがあったから、おかしくなっただけよ」
「ヨッシーの責任を重く感じている。ヴァンデモンを退治することが重荷になってる」

今まではそれがなかったから、霊夢でいられた?

「…確かにそれはそうよ。で、あんたは私が私じゃないと言いたいわけ?」
「霊夢の能力は目の見えないところにもあるはずなんだ。私がストーカーしてたから分かる」
「どさくさに紛れて何言ってるのよ」
萃香が霊夢を強く見つめた。

「変わるっていうのは、いいことでも悪いことでもあると思う。霊夢は誰にも縛られないと思ってたけど…。でも、霊夢であることを忘れないで欲しい。冷たい言い方だけど、そうすれば迷わずに生きれるように思う」
そして、そのまま町に向かって歩き出す。
「待って、どういうこと?ねえ、萃香?」

霊夢は萃香の言いたいことが少し分かっていた。でも理解するのをどこかで拒んだ。
他人を他人と割り切る。つまり、ヨッシーのことを仕方ないこととして割り切る。
幻想郷で誰の重さも受けずに暮らしていた霊夢は、好かれていながらも誰も仲間だと思った時はなかった。
ここに放り込まれて、一日だけだったけれど一緒に苦楽を共にしたヨッシーは、自分を助けて死んだ仲間だった。
だから、あの戦いでも焦っていたのだろう。霊夢もまた、自分の心の変化に戸惑っていたから。

「KAS、行くわよ」
「レムー?何か悩んでいたっぽいけど大丈夫なのか?」

まだ答えは出せない。しかし、時間は待っていてくれない。
萃香を見送っていたKASを呼び、2人は橋へと歩き出した。
611Classical名無しさん:08/03/03 10:38 ID:80k6KCB6
支援支援
【D-3 草原/二日目・黎明】
【博麗霊夢@東方project】
[状態]:疲労中、迷い、全身を打って痛い、バリアジャケットの腋部分破損、魔力消費大、すこし眠い、血霧の巫女
[装備]:レイジングハート@魔法少女リリカルなのはシリーズ、巫女風バリアジャケット@巫女みこナース、ワルサー カンプピストル@現実(1/1)(26.6mm信号弾残り6発)
[道具]:支給品一式(パンは一個だけ)、YOKODUNAの支給品一式*4(水食料全消費)、フリップフラップ@ニコニコキッチン、ノートパソコン(バッテリーほぼ消耗)@現実
首輪、ドリル@ミスタードリラー、 博麗アミュレット(130/200)、メモ用紙(10/10)、魔理沙の帽子、ドリルアーム、
気合の鉢巻き@ポケットモンスター、クマ吉の手錠@ギャグマンガ日和、ドアラの着ぐるみ@ドアラ動画シリーズ、
全自動卵割機@サザエさん、億千万の思い出@現実、キーボードクラッシャーの音声(の入ったiPod)@キーボードクラッシャー、萃香の角*2
[思考・状況]
1.ヴァンデモンを殺す。城が気になる。
2.とりあえず萃香を信用。
3.城に帰って寝る。お風呂にも入りたいな
4. Niceboat.の探索
5.怪しい人には無理のない程度に接触、無害なら適当に交渉
6.今回の事件の解決(主催者の打倒)
7.クロスミラージュを調べたい。
※ジープ@ヤンマーニは大破しました。民家に突っ込んでいます。
※ヨッシー、富竹、クロミラの事を変態だと認識しました。
※船橋前の通路には霊夢の張った結界があります。
 物理的な効果はありませんが、船内でのみ、霊夢はそこを何かが通ったことを知ることができます。
※霊夢はカイバーマンたちと情報交換をしました。霊夢は大方把握しています。
※Niceboat.後方甲板にはまだ何かがあるみたいです。
※二枚のメモの内容を把握しました。搭組のメモには、予想も含む情報が書き連ねてあります。
※萃香側の情報を大まかに把握しました。

613Classical名無しさん:08/03/03 10:41 ID:80k6KCB6
 
【伊吹萃香@東方Project(つるぺったん)】
[状態]:精神的疲労、全身いたるところに火傷と切り傷、角がない、体力中回復、妖力小回復、魔力中回復、機動六課代行、シリアル禁止令
[装備]:ミニ八卦炉@東方project
[道具]:支給品一式*3(食料1食分、水2食分消費)、ワイン(残り半分)、傘@現実
A.C.E.3@現実(少し詩音の血がついている)、DMカード(エネミーコントローラー、融合)、塔組の推理メモ、塔の『バグ』について纏めた紙 、バルサミコ酢@らき☆すた、グルメテーブルかけ(残り19回)@ドラえもん
[思考・状況]
1.ロールを探して説得する。(城へは必ず向かいたい)
2.霊夢に信じてもらえたけど、角を折るのは、やりすぎたかなぁ
3.機動六課の意地とやらを、自分なりに考えて主催者にぶつける。
4.つるぺた保護。
5.阿部のことは・・・あいつなら無事だろうから保留。
6.巨乳死すべし?
7.せっかくなので腕試し。主催者と戦いたい
8.貧乳はステータスだ!希少価値だ!
※巨乳に対する絶対的悪意が薄れつつあります。
※自分の心境の変化は、なのはのリンカーコアを取り込んだ影響だと思っています。真偽はわかりません。
※リンカーコアの黒い部分によって、なのはの性格が変わっていたのではと推測しました。真偽はわかりません。
※塔組と情報交換しました。 KASの情報は、海馬の名前しか知りません。
※二枚のメモの内容を把握しました。搭組のメモには、予想も含む情報が書き連ねてあります。
※霊夢側の情報を大まかに把握しました。
【KAS@KAS動画】
[状態]:甲羅マリオ(甲羅にヒビ)、右拳骨にヒビ、お尻に火傷、全身に切り傷、鍵でハイテンション、 強い決意と熱い闘志(?)
[装備]:スパイダーブレスレット@東映版スパイダーマン、バーサーカーソウル@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ
[道具]:支給品一式*2(水全消費、食料はニートのもの)、ケンジのカメラ@ポケットモンスター、黄色甲羅@スーパーマリオシリーズ
うまい棒、津田英治ブロマイド(音声付き)@大変な途中下車シリーズ、ビー玉(30個ほど)@ピタゴラスイッチ、
秘密の鍵@スーパーマリオワールド、マント羽根*1@スーパーマリオワールド
[思考・状況]
1.でっでいうを殺した大馬鹿野朗を倒す!でも早く海馬達の所に行ってバグの事を色々教えてやりたい
2.ロルーちゃんと萃香が心配
3.主催者をぶっ飛ばす前にTASと決着をつけたい
4.あいつ(谷口)の死の責任を取る!!
5.このカード、あいつの仲間に渡したいけどどいつが仲間なんだろ?
6.このクソゲーをぶち壊してボスのスットコドッコイを倒して土下座させて
悪い奴以外全員生き返らせるぜ!!!!
※青甲羅を着ました。体型はスーパーマリオに戻っています。
※放送により、ニコニコ動画に関する記憶が徐々に戻ってきています。
※二枚のメモの内容を把握しましたが、よくわかってません。搭組のメモには、予想も含む情報が書き連ねてあります。


※D-4の草原に、鉄塊鉈と元の大きさの塊が落ちています。ブラッディストリームで吹き飛ばされました。
投下完了です。
殺しする度胸が無かったヘタレ書き手でした。
私情でこれから長期間消えるので根本的な間違いがあったら破棄してもかまいません。
小さな間違いは戻ってきてから修正しようと思います。
こんな時間の支援ありがとうございました。
617Classical名無しさん:08/03/03 10:48 ID:cnkHRdBo
投下乙!
萃香、それ死亡フラg…
618Classical名無しさん:08/03/03 10:51 ID:80k6KCB6
投下乙です!
ヴァンデモン強すぎだろ…常考…。
対主催の中でも最強クラスの三人でも歯が立たないのに、更に進化したらと思うと…。
619Classical名無しさん:08/03/03 11:02 ID:cnkHRdBo
wiki編集に参加するためにwiki参加希望のメール送ってみた。
かなり上の方で書かれてた、

「自爆・自殺等で死んだキャラは『自分』を殺した事になるから、それをそのキャラの殺害数にカウントしては?」って言うレスが気になった。
もし良ければ編集したいんだが…良いのかな?
結構自滅や自爆が多いから、勿体無いと思って…
620Classical名無しさん:08/03/03 11:08 ID:X0suHNBY
>>618
忘れがちだけど、参加者の「魔王」を3人(と養分でイチロー)食ってるんだぜ。
TAS食べたから、これでヴァンデモンは魔王を5人コンプリートしたことになるのか。
また俺の役満だね!
621Classical名無しさん:08/03/03 11:14 ID:HqDYh5EA
>619
通常ページの編集だけなら参加しなくてもできるよー
(不安なら再編集する前のページをきっちり保存しておきませう)
とか言いつつ自分が書いた分と支給品一覧以外いじった事がねえw
622Classical名無しさん:08/03/03 13:54 ID:tM11kcPc
正直、だれかが相打ちにでも持っていかない限り
ヴァンデモンは倒せないような気がする

しかし、元支給品がここまでの存在感になるとは…
マーダー側としては最強だなぁ
623Classical名無しさん:08/03/03 14:08 ID:KH95vuXc
投下乙。
ヴァンデモン強すぎる……。
倒すとしたら夜明け後、相討ち覚悟で挑まないと駄目だな。
更に進化したりしたら……本気でヤバイかもしれん。
それにしてもすいか、本当に良いキャラになったなぁ。
死亡フラグばりばりなのが悲しいところだが。
624 ◆CMd1jz6iP2 :08/03/03 16:43 ID:dXm2svrU
ハルヒ、レムー、KAS、ヴァンデモン、つかさ予約します。
修正あるようなら自重しますが。
625Classical名無しさん:08/03/03 16:48 ID:X0suHNBY
自業自得にオツリとオマケと大バーゲンで5割増し
ってカンジに不幸ですね。

進化して一番危ないのは参加者よりもピエモンBだと思うが。
626Classical名無しさん:08/03/03 17:09 ID:njOIjVhI
修正はないんじゃないかな?
627Classical名無しさん:08/03/03 17:23 ID:qlR38bio
投下乙
ヴァンデモンつええな、さすが別種が一期の大ボスになれたわけだ
もしかしたらヴァンデモンがラスボスポジションになるかもな

霊夢とすいか、KASとの会話もよかったぜ
そしてすいか何気なくフラグたてて、別行動したが
包囲網はそう簡単に崩せないぞ?
628Classical名無しさん:08/03/03 17:42 ID:ja97ffuk
それにしても、このロワは埋葬された死体は喰われる法則でもあるのかwwww
ワドと琴姫の墓ぐらいじゃないか?荒らされてないのは
629Classical名無しさん:08/03/03 18:38 ID:2mSlxlhE
しかしここまでヴァンデモンが強くなるとまた虚弱化しそうだなww
630Classical名無しさん:08/03/03 18:53 ID:rOJlwBWE
ここでのマーダーの強化は死亡フラグだしな。
仮に今よりも強化されてもどう転ぶかは全くもって不明だ。
631Classical名無しさん:08/03/03 19:12 ID:ja97ffuk
レムーとKASが城にノーパソ&レイハさんと一緒に向かうことで
着実と脱出フラグが立ち始めたな
632Classical名無しさん:08/03/03 21:09 ID:/7wUcxOw
そしてそこに襲撃する驚きの黒さ

……あれ、こいつ対主催だっけ?
633Classical名無しさん:08/03/03 21:10 ID:tM11kcPc
キャラを強化したがる書き手と、
バランスが崩れるのが嫌な書き手のせめぎ合い、
それが、強化マーダー死亡フラグの真実だと見たw
634Classical名無しさん:08/03/03 21:15 ID:NM8ddaLI
>>633
天才
635Classical名無しさん:08/03/03 22:23 ID:OsVC0xB.
非常ーに今更だが…

妹には博之を「博くん」と呼んで星井
そろそろ打ち解けているだろうし
636Classical名無しさん:08/03/03 22:29 ID:HqDYh5EA
濃密とはいえたった一日だしあれだけ外見がおっさんでは……
637 ◆IU4EWEf33I :08/03/03 22:57 ID:GkRQhH6E
>>635
解りました
自分でもそう思ってたんでwikiに載せる時はそうします
>>636
ひろくんは子供と年上にはもてるらしいから何とか大丈夫でしょう
まだ27だし
638Classical名無しさん:08/03/03 23:02 ID:80k6KCB6
妹の人懐こさから考えれば、別に呼んでも不思議ではないよね。
639 ◆KJJLTUDBrA :08/03/04 00:22 ID:ZPUC4ipY
ええと、城組を絶賛執筆中ですが、やよクリ関係でちょっとしたミスをしました。
なので、少しばかり延長をお願いしたく。
なんか、いつもこんなのですみません。
640 ◆irB6rw04uk :08/03/04 00:48 ID:msgJ/69M
どうもです
今から投下します。まぁ10kそこらですが一応支援よろしくお願いします
タイトルは【ボクが庶民で君が王でさらにアンタも王で】です
うわぁカオスなタイトルだな
641 ◆irB6rw04uk :08/03/04 00:50 ID:msgJ/69M
時間はそろそろ草木も眠る丑三つ時。
そんな草木を掻き分けて遊戯は進む、体を痛めたためか移動スピードは少々遅かった。
だが目的地に向かって確実に向かっていた。

「相棒、先程ムスカに打たれた薬だが……」
『わかってるよ、もう一人のボク、だいぶ体が楽になってきたみたいだね』
ムスカに打たれたC-120、特殊な医薬品だが薬は薬、何らかの効果がある。
その本来の効果が健康な体に投与されたため、過剰に効き過ぎたため現在の症状を引き起こしているのだ。

本来のC-120は重病者なら一日に3回も打たなければいけない、長続きしない薬物なのだ。
この後は引き潮のように次第に波は引いていくだろう。

「相棒、許してもらえないかもしれないが、本当にすまないと思っている」
『…………』
「今まで色々なことがあったが相棒は俺を何度助けてくれただろうか? 今思い返せば、俺一人で勝てたゲームなど数えるほどしかない。
 いまさらかもしれないが……相棒、今まで有難う」
『――もう一人のボク……そうだね、キミは一人では何も出来ないへたれだもんね。まったく、しょうがないな〜』
「あ、AIBO……この野郎、頼りにしてるぜ」

『ふふふふふ、助けがほしければ何時でもいいなよ。キミじゃ勝てない敵をボクがぶっ飛ばしてやるから……ところで、もう一人のボク……』
「ああ、相棒。分かってるぜ……かくれんぼは終わりにして出て来いよ!!」


遊戯は足を止める、歩くスピードが遅かったことからある副産物が手に入った。
それは周りの音がとてもよく聞こえると言う点だった。
人間は基本的に後ろからの音は聞き取り辛い構造になっている。
遊戯が早く歩いていたなら自身の足音などでかき消されて聞き取れなかっただろう。

「ふはははは……よく分かったな、小僧」
「――ムスカ!」
642 ◆irB6rw04uk :08/03/04 00:50 ID:msgJ/69M
「年上を呼び捨てしてはいけませんとママに習わなかったかね? ムスカ大佐と呼びたまえ」

後ろの木の陰から出てきた奴はあのムスカだった。
俺の罰ゲームを受けてもう回復してくるとは……少しお仕置き(罰ゲーム)がぬるかったみたいだな。

「ククク、何度きても一緒だぜ! この虫野郎。今度はそのおもちゃで勝負するつもりか?」

相手にもわかるようにムスカが持っている自動拳銃……コイツはつかさが持ってたトカレフか。に視線を送る。
ムスカはその視線に気が付くと口を大きく開けて笑い始めた。

「はっはっは、これがおもちゃに見えるとは大した脳みそだな……小僧ぉぉおお!!」

言い終わると同時にムスカはトカレフをバッとこっちに向けてきた。
その動作とほぼ同時に俺はすばやく予め持っていたカードをムスカに見えるように突き出す。

「ほぉう、小僧! 何のつもりだ?」
「お前も大した脳みそだな、このカードに見覚えはないか?」
「はっ、そのカードは……」


「聖なるバリアミラーフォースだと!?」


「どうした楽太郎? 撃って来いよ」
「Kiss☆Summer!!」

挑発的な態度をしてみると素直に切歯扼腕して悔しがるムスカ。ふははははは、ひどく滑稽だぜ。
相手はトカレフ、日本人ならほとんどの人が知っているであろうやーさんのメインアームだ。
(とはいっても中国産のノリンコのものがほとんどだが)
命中精度は低いと言っても仮にもソ連で正式採用された銃だ。この種類の銃が何百ガロン血を吸って来たのか……考えるのもおぞましい。
643 ◆irB6rw04uk :08/03/04 00:51 ID:msgJ/69M

距離は十分にとってあったとしても『当たらない』という確証は無い。
だから、ミラーフォースを構えた。

ムスカから奪ったカードだ、奴がこのカードの効果を知らないはずは無い。
相手の攻撃を全て反射して反撃するカード。
ムスカが引き金を絞れは遊戯に向かうはずの弾丸が自分に帰ってくるのだ。

「このままじゃ膠着状態ではないか? どうするつもりだ」

どちらかが引けば撃たれる、簡単な絵図だ。
遊戯はニヤリと笑い、口を開いた。

「ククク、ちょっとしたゲームで決着をつけようぜ、ムスカ!」
「ゲームだと? それのどこに私の利益があるのかね?」
「あせるなよ、ゲームに勝ったら商品としてミラーフォースを使って無い状態でお前にやるぜ」
「ほぉ……おもしろい」
ミラーフォースはこの殺し合いの場では最強クラスの武器だ。
これを未使用で手に入れられるというのは大きな利点だった。

「ゲームに必要なものが一つある。ムスカ、お前のその銃だ。」
「ふっ、いいだろう。カードと交換だ」

ムスカはトカレフを地面において数歩下がった。
遊戯はカードを投げてムスカに渡した後、トカレフに近づいて拾う。ムスカは何時でも飛びかかれる距離に立っている。

それから一時、トカレフを腰に挟んで遊戯は準備を進める。
テニスのガットを外し8本の糸にする。
それを4本ムスカに渡した。

トカレフは木の間に挟んで固定してある。
644 ◆irB6rw04uk :08/03/04 00:53 ID:msgJ/69M

「コレで何を勝負するつもりかね」

4本の糸を不思議そうに見つめているムスカは遊戯にたずねた。
クククク、と笑った後、遊戯はルールを説明し始める。

始めにお互いに4本の糸のうち1本をトカレフの引き金に結ぶ、そして8本糸をトカレフの目の前に立ち、交互に引くと言うものだ。
なお、糸がどこにつながれているか分からないように途中に木の葉で隠されて分からないようになっている。

「まず俺が先に結ばさせてもらうぜ」
「勝手にしたまえ」

遊戯はその糸の一本を引き金に結んだ後3本の糸をたらし、木の葉のかなを通して4本が顔を出す。

「ムスカ、お前の番だぜ」
「みせて上げよう、私の本気を」

同じようにムスカも糸を結ぶ。
結び終わると遊戯の最後のルールが告げられた。

「銃を発砲させたら負けだ! それ以外のルールは無い」

           〆
645Classical名無しさん:08/03/04 01:19 ID:s7yupnLE
646 ◆irB6rw04uk :08/03/04 01:34 ID:msgJ/69M
「キミから先に引きたまえ」
先行はムスカだ。このゲームは後攻のほうが有利になるようになっている。
いや、むしろ確実に後攻が勝つと言ってもいいだろう。
ムスカはルールを聞いた瞬間にそれに気づき、先行を遊戯に進める。

お互い、4本を結んで、その後シャッフルなどはしていない。つまり、4本の行き先は『知っている』ことになる。
8本中4本を知っていると言う事は最後には2本の導火線しか残らないのである。それを引く運命にあるのが先行なのだ。

「そうか、なら俺から行かせてもらうぜ」

その言葉を聞き、ムスカは勝利を確信する。
所詮子供……こんな平等で無いゲームを考え付くなんてな。

その考えも一瞬で崩壊することになった。

遊戯は、ムスカが結んだほうの糸を引いたのだ。
そしてそれは『導火線』ではないハズレのほうだった。

「ふぅ、セーフだぜ。次はお前の番だぜ」
ため息をついて額の汗を袖でぬぐいながら遊戯はムスカに言う。

ムスカは遊戯に言われるまま銃の前に立つ。目の前には7本の糸。
自分が知っている糸は残り3つ……そして安全なのは後2つ。
ちらっとトカレフを見る。銃口は真っ直ぐこっちを見下ろしていて距離は数メートル程度しかない。無人発砲だからといっても外れることはまず無いだろう。
小僧のように相手の糸を引くか? いや、もしかしたら『導火線』かもしれない……
狙うのは危険か?
647 ◆irB6rw04uk :08/03/04 01:38 ID:msgJ/69M
結局悩んだ末、自分の知る糸を引いた。これで残り1本……

次のターン

遊戯は自分の知っている糸を引いた。
これにムスカはニヤリと笑う。

ムスカの番の時には迷わず自分の知っている糸を引いた。
それは当然ハズレである。

次のターン

ここにきてムスカの表情は反転することになる。
遊戯は自分の知っている糸だったからさっさと引いてしまった。

残る糸は3本、そのうち『導火線』は2本……1/3と言うシビアな状況だからだ。
そのうち1本は知っているので確率は、1/2! 決して高い数値ではない。
自分の知る安全な糸はすでに無い。

ムスカの目線は何回も何回もトカレフと糸の間を往復する。

「ははは、ムスカ! 『三分間待ってやる』」
「だ、黙れ!! 小僧!!」

焦っているためか小僧の声が私をイライラさせる。
確立は1/2ではないか! 何を恐れる?
半分の確立で私は死ぬのか?
ここを乗り越えれば小僧の負けは確定だ!
小僧より私の心配をしたらどうかね?
私は死に掛かっているのだよ?
どうすれば小僧を殺せる?
648 ◆irB6rw04uk :08/03/04 01:41 ID:msgJ/69M
「ムスカ、三分経ったぜ! 答えを聞こうじゃないか」
「はっはっはっはっは、私としたことが…こんな簡単な答えがあるじゃないか?」
「クククク、どんな答えだ?」

今、ミラーフォースは自分の手元にある。
そして小僧は武器を持っていない。
さらに武器は私の目の前、ここにあるじゃないか?

「死ねええええええええええ!!!」

パァン!!

1発の銃声が山に響き渡った。

「ゲームオーバー」


どさっ!
ムスカの体は糸が切れたマリオネットのように力なく崩れ落ちた。
額からはまん丸の7mm大の穴が開き、後頭部は西瓜を棍棒で殴ったがごとく、はじけ飛んでいた。

「『銃を発砲させたら負け』お前の負けだ。ムスカ……」

遊戯はムスカの亡骸からミラーフォースのカードを取りながらつぶやいた。
649 ◆irB6rw04uk :08/03/04 01:43 ID:msgJ/69M
ムスカはトカレフを取りに木の葉の中に足を踏み入れた。その瞬間に銃が火を噴いたのだ。
木の葉の中には『導火線』が眠っている。それと同時に『地雷』まで眠っていたのだった。
遊戯の仕掛けた引き金に続く糸、それは少し長く、木の葉の中を回路のように張り巡らされていて、少し宙に浮いていたのだった。
もし上に重量がかかれば糸が引かれ引き金を引く仕組みだった。

もっとも、ムスカがそのまま糸を引き、それがハズレだったら銃弾を受けたのは遊戯だっただろう。

「ルールとマナーを守ってに楽しくデュエルしていれば運命は変わったかもな……」


【ムスカ@天空の城ラピュタ 死亡】

【残り22人】
650 ◆irB6rw04uk :08/03/04 01:45 ID:msgJ/69M
【C-3 南部/二日目・深夜】
【武藤遊戯@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ】
[状態]:発熱、発疹、瞳孔の拡大、中度の精神疲労、頬に傷、全身いたるとことに擦過傷、SOS団名誉団員、闇AIBO
[装備]:千年パズル(初期装備)、テニスのラケット(ガットなし)、DMカード(真紅眼の黒竜(次の夜まで仕様不可)、プチモス、カタパルト・タートル、トカレフTT-33(2/8)

(次の朝まで使用不可)、ブラックマジシャン(次の夕方まで使用不可)、
魔導戦士ブレイカー(次の午後まで使用不可)、聖なるバリアミラーフォース@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ
[道具]:−
[思考・状況]
1:AIBOを表に出したくない。
2:AIBOを元に戻したい。
3:海馬と、仲間の友達を見つけたい。
4:このくだらないゲームを破壊し、主催者に闇の罰ゲームをかける。
5:春香と魅音に感謝。
※闇のゲームは行えますが、罰ゲームに制限がかかっています。(再起不能には出来ない程度)
※今のAIBOとカタパルトタートルに何か同じものを感じました。

【表遊戯の思考】
基本行動方針.自分に危害を加える者は容赦なく殺す
1.しょうがないな〜
2.ヘタレならしょうがない
3.エアーマン、阿部は許さない
4.海馬と仲間の友達を見つけたい
5.ゲームを終わらせ、主催者を倒す
6.エアーマンを倒したらE-4の塔で仲間達と合流する
7.あの夢についての情報を得る。
※闇AIBO
ニコニコの闇AIBOタグで見られる、腹黒AIBO。
AIBOの持ち味である優しさが欠損して、笑顔で毒舌を言ってくれます。
ルールとマナーを守らずに楽しくデュエルしますが、過度の僕ルールは制限されるかも。
※C-120を打たれました。薬が切れる半日ほど全身の発疹、発熱、瞳孔の拡大、妄想が起こります。
 峠は越したようです。徐々に回復に向かうでしょう。
651 ◆irB6rw04uk :08/03/04 01:47 ID:msgJ/69M
投下完了です
途中で引っかかった時はびっくりした。
何か変だと思ったら報告よろしくお願いします
652Classical名無しさん:08/03/04 04:49 ID:tw.74rYk

タイトル吹いたww
653Classical名無しさん:08/03/04 04:55 ID:6YNGbzAE
投下乙!
ここでまさか命を懸けた闇のゲームが来るとは!
しかしATM、楽しくデュエルって無理だろこれw
GJでした!
654Classical名無しさん:08/03/04 14:11 ID:Rw4Cm63E
投下乙です!
まさか闇のゲームが見れるとは・・・
初期の遊戯王が好きな俺としては最高です!
655Classical名無しさん:08/03/04 16:47 ID:9d1pgGkM
投下乙
遊戯らしい倒し方だったなぁ・・・
そして何気なく仕込まれたkiss☆summerに吹いたwwww
656Classical名無しさん:08/03/04 21:27 ID:Qd8W7Fdw
原作の台詞引用が上手いな
657Classical名無しさん:08/03/04 23:19 ID:3z8/XuSA
ダメだ、どうしてもkiss☆summerに吹いてしまうwww
肉体は滅びても空耳は不死身の男スパイダーマッ!
658Classical名無しさん:08/03/05 01:45 ID:ztbG0HNg
>>657
あ、そういえば遊戯が蜘蛛男の仇とった事になるな。よかったよかった。
スパイダーマ、もうちょい活躍してほしかったんだぜ…
659Classical名無しさん:08/03/05 16:33 ID:krm4gomw
>>658
まぁ例え活躍しても最後の最後で主催者(もとい権理者)に削除されるのは目に見えてる…
…いや、最近の不滅っぷりからするとそうでもないか?
660Classical名無しさん:08/03/05 17:14 ID:aHw5twF.
キバ君のごとく復活してくるはずさ
661Classical名無しさん:08/03/05 17:47 ID:fjZMzZ1w
キノコ狩りの男の友情を粉砕する男を狙う男の愛情に泣く男を滅ぼす男の…

削除番町にSakuられそうなキャラだなぁ。
662 ◆CMd1jz6iP2 :08/03/05 20:41 ID:HBUeew.6
今8割ほど書いたのですが質問。
良く見たら鉄塊鉈がD-4の草原に塊と共にあるようなのですが
ヴァンデモンの装備にもあります。これはどっちが正しいのでしょう?
663Classical名無しさん:08/03/05 21:19 ID:fjZMzZ1w
長門とSuicaって何処で会ったんだ…?
664Classical名無しさん:08/03/05 21:26 ID:xl43KK9M
>>663
今すぐ萃香と長門の初登場SSを見てくるんだ。
665Classical名無しさん:08/03/05 21:33 ID:fjZMzZ1w
アッー! マジですまんかった。ニコってくる。
666Classical名無しさん:08/03/05 21:54 ID:ztbG0HNg
>>662
ヴァンデモンの装備は吹っ飛んだらしいから、D−4にあるってのが正しいんじゃあないかな?
667 ◆CMd1jz6iP2 :08/03/05 22:27 ID:HBUeew.6
とりあえず、その方向で書きます。
そしてここで自分のミス発覚。
ジェバンニ@デスノート?をヴァンデモンの支給品に含めてませんでした。
668 ◆KJJLTUDBrA :08/03/05 23:19 ID:7Q/WSYlM
すいません。
カイバーマン 天海春香 双海亜美 ピヨシ エアーマン、アリス、彦麿、カービィ
の予約をひとまず破棄します。
書いても書いても様々なミスが生じ、書き直しているので、現在1/3程度しか完成していません。
長時間キャラを拘束し、失礼いたしました。
つーか、むずい……書きたいネタがあるけれど、それは後半の戦闘部だから……。
669Classical名無しさん:08/03/05 23:32 ID:l8pMdONI
城組の呪いである
670Classical名無しさん:08/03/05 23:42 ID:xl43KK9M
>>668
残念だぜ。
まあ気を落とさず、また頑張って書いてくだしあ。
671Classical名無しさん:08/03/06 00:39 ID:HdcY2iU.
>>669
大樹組の呪いに比べれば大したものではない
672Classical名無しさん:08/03/06 01:06 ID:l1/0S9wE
なんてこったい、ニコニコ動画SP1になったじゃないか
ニコロワに何か影響はあるのだろうか……
673Classical名無しさん:08/03/06 09:54 ID:lESrTyd.
参加者の表に顔アイコンがつく。しかもダサい。
あとワカンネ
674 ◆CMd1jz6iP2 :08/03/06 12:35 ID:3WTi8T7g
完成しましたので、したらばの方に投下しておきました。
問題などありましたら指摘お願いします。
675Classical名無しさん:08/03/06 12:43 ID:sbAU3uTg
>>674
仮投下乙です。
いい感じに狂ってるなぁ、神様。
特に問題はなかったと思います。GJ。
676Classical名無しさん:08/03/06 14:08 ID:D/gQllVs
うわぁ…すげぇ電波だw
いい感じにマーダー軍団が形成されつつあるな。
特に問題はなかったと思います。
677Classical名無しさん:08/03/06 16:44 ID:du5SH5Vc
まあ、なんだ。

ピエモンB終了のお知らせ
678Classical名無しさん:08/03/06 16:47 ID:HdcY2iU.
投下乙
いいんじゃないかな
ここまで180度違った展開を歩むとは思ってもみんかった
完璧にヴァンデがラスボスになりそうだ
679Classical名無しさん:08/03/06 17:22 ID:du5SH5Vc
追跡表のロールちゃんと登場SS数が121になっとるwwwwwwwwwww
680Classical名無しさん:08/03/06 17:53 ID:5esmtyMw
自分も打ち間違っておきながら何を…
気付いたんなら黙って直せ。できないなら笑うな
681Classical名無しさん:08/03/06 19:48 ID:du5SH5Vc
おいおい、いちいち冗談に本気になってたら阿部さんに掘られるぜボーイ
やわらかあたま塾でもやって来いよ
682Classical名無しさん:08/03/06 20:17 ID:WHyqeAmU
これは…高度な……^^;
683Classical名無しさん:08/03/06 20:30 ID:lESrTyd.
完全にマーガリンとは決裂かな…

次に困った事は、ヴァンデモンの進化系に詳しくないって事だ。
デーモンにしろヴェリアルヴァンデモンにしろ、さっぱり知らない。
684Classical名無しさん:08/03/06 20:42 ID:0dcK4h3I
右から左へと狂気が移るな
もう変な霊が会場漂っていてそれが逐一乗り代えてんじゃないか
685Classical名無しさん:08/03/06 21:55 ID:5P31HqqY
仮投下乙!
ヴァンデモンの[思考・状況]の6と7はもういらないんじゃあないか?
686Classical名無しさん:08/03/06 22:19 ID:lESrTyd.
>>684
FFDQ3rdじゃねーか
687Classical名無しさん:08/03/06 22:30 ID:kImxOof6
>>683
デジモンヴェリアルはデジモン02の最終回近辺
ヴェノムは無印の……何話か忘れたけど見ればわかるぜ
デーモンも02に出てたんだよな……よく覚えてないや
688 ◆CMd1jz6iP2 :08/03/06 23:06 ID:X6Y9Wiu6
何箇所か状態表が間違ってましたね。
指摘されたところ、気づいた間違いを直したので投下したいと思います。
689全並行世界ナイトメア ◆CMd1jz6iP2 :08/03/06 23:08 ID:X6Y9Wiu6
「つかさー、早くしないと学校に遅れるわよー」
お姉ちゃんの声が聞こえる。
今日から衣替えだって忘れてて、支度が遅れちゃった。
お姉ちゃんを遅刻させるわけにもいかない。私は急いで部屋を飛び出して――

そこに立っていた、アザラシのような生き物と目があった。
「――お、お姉ちゃん、今行くねー」
私は、家の外へと急いだ。

「おはようございます、つかささん」
「おはようつかさ。てか、ギリギリじゃん。もっと時間に余裕持って登校しないと」
「うう〜、こなちゃんのくせにー」
いつも遅刻が多いのはこなちゃんなのに。そう文句を言って――
家からずっと付いてくる、アザラシの視線を無視し続けた。

「フルボイスで逆リメイクされないかな。PC版のFate」
「いや、Fateにエロはいらんだろ。まったく、いつもエロゲーばっかりやって」
「そうですね。アーチャーさんやランサーさんも人気らしいですね」
「あれ、でもお姉ちゃんの買ってるラノベの最新刊で……」
「だー! あ、あれくらいはいいのよ!」
視線を無視する。

無視する、無視する無視する、無視する、無視する無視無視無視無視無視むしむしむしむしむし

「どうして」
無視しきれなくなったとたん、夢が崩れてしまった。
もう、周りには楽しい日常はなく、暗闇だけが広がっていた。
「夢くらい、楽しいのを見ていいじゃない!」
現実に、夢も希望も残ってないんだから、夢の中ぐらい希望に満ちていてもいいはずだ。
「邪魔しないでよ。お姉ちゃんを殺して、私の邪魔までしようっていうの?」
ゴマモンは、何も言わず暗闇の中に立っている。
「ゴマちゃんが……お姉ちゃんを殺さなかったら、何も起きなかった! ずっとみんなで一緒だった!」
690全並行世界ナイトメア ◆CMd1jz6iP2 :08/03/06 23:10 ID:X6Y9Wiu6
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……謝る、私が……私が悪かったの。
許してください。なんでもしますから、許してください!」
「だから、死んでるおいらが許せるわけないじゃんか。
それに、おいらはつかさに言ったよ。生きてる間、ずっと罪を謝り続けたのに、つかさは本当は聞いちゃいなかった」
あれ、と考える。ゴマモンの謝罪の言葉……文字通り、死ぬほど謝らせたはずなのに……覚えてない。

「……おいら、もう行くよ」
「ま、待って! お、お願いだから……私、酷い子だって認めるから、教えて、教えてよ!」
「思い出しなよ、聞いてたはずなんだから。……ついでに、他のみんなの言葉もさ」


「う、ぁ……」
目覚めた。
目を開き、始めに目にしたもの。
「魅音ちゃん」
私に、泣けばよかったと言ってくれた人。私を、抱きとめてくれた人。
それを、私は自分で奪ってしまった。
彼女は、強くなんかなかった。いさじさんや、おじいちゃんたちとは違う……

「……そうじゃない」
強くなんか、なかった。いさじさんも、福山さんも、おじいちゃんも、スパイダーマさんも、春香ちゃんも、誰一人強くなんかなかった。
スパイダーマさんやおじいちゃんは強かった。けど、それより強い人は……あの相撲取りみたいな人がいた。
「私が、弱いから……強いふりをしてくれてたんだよね」
私が怯えないように、私を勇気付けるために。
それなのに、気づきもしなかった。弱さを盾に逃げ続けたら、すべて失っていた。

「強い人」を演じた彼らの声は、皮肉にもつかさに届かなかった。
つかさとあまり接点のなかった魅音。周りの「つかさちゃんを守ろう」という一体感をいまいち読めなかった魅音。
それは、つかさと同じ視点に立つことに繋がり、魅音は、誰にも成せなかったことをやり遂げた。
ただ、そもそもが魅音の仲間である、谷口によって引き起こされたことだというのは、残酷な運命といえるのかもしれない。
691全並行世界ナイトメア ◆CMd1jz6iP2 :08/03/06 23:12 ID:X6Y9Wiu6
>>690と順序逆でした。
その言葉に、能面のようだったゴマモンの表情が歪む。
「謝ってよ。私達の幸せを奪って、ごめんなさいって! 謝ってよぉ……」
ボロボロと涙がこぼれるのを、ゴマモンは見つめる。
「わ、わたしも……ゴ、ゴマちゃんにしたこと、あ、あやま……」
「――そんなの、今更どうしようもないだろ」
初めて、ゴマモンが口を開いた。
「お前が何を言っても、もう遅い。おいらはお前に殺されたんだから」
「そ、んな……なら、他のみんなは? いさじさん、福山さん、おじ……」
「五月蝿いな。みんな、もうお前に話すことなんかないってさ」
体が崩れ落ちるのを、支えられない。

「お、お姉ちゃんは?」
「――ぶぁーか。会わせるわけないだろ、お前なんかと」
もう、耐えられない。夢の中だっていうのに、意識がもっと深いところに落ちそうになる。
「もうヤダ。疲れたから、そっちに行く。もう、楽になりたいもん」
「勝手にすればいいだろ。……その前に、おいらに吐いた言葉を思い出すと、もっと楽になるよ」
もっと楽になる? その言葉に、靄のかかったような記憶を辿る。

『しっかりして、ゴマちゃん。このまま死んだら、大変だよ?』
あれ?
『だって、ゴマちゃんは殺した人の仲間全員に謝って、許してもらえないと、死んでも許されないんだよ?』
アレ、アレ?
『馬鹿だなぁ、ゴマちゃんは。お姉ちゃんを殺したくせに、なんで私が許すの?』
ア―――レ――

「おいら、何度も聞かされたよ。死んでも苦しむことになるから、死ぬことも許されないってさ」
「う、あ……違う、これは……ゴマちゃんを、利用するために」
「違うよ、本当のことだ。つかさが、そう言ったんだから」
ゴマモンは、死んだ。なら……この言葉が事実かどうか知っている。
「ヒック……うぁああああ……!」
このまま死んだらどうしよう。もう、許してくれる人なんていないのに。
692全並行世界ナイトメア ◆CMd1jz6iP2 :08/03/06 23:14 ID:X6Y9Wiu6
「いさじさん」

『道を……誤っちゃだめだ!!』
ごめんなさい。私は過ちを犯し続けました。

「おじいちゃん」

『言ったじゃろ、ワシは命を賭けてつかさちゃんのことを守ると』
今も生きてるよ。おじいちゃんみたいに、自分の味方を殺してのうのうと。

「ゴマちゃん」

『嫌だ、嫌だよ!許して、おいらを許してよ!』
思い出したよ、ゴマちゃん。私は、許しを請うゴマちゃんを、けっして許さなかった。
ごめんね。私には……ゴマちゃんを許す資格はないよ。
ゴマちゃんのことは、おじいちゃんも、いさじさんも、お姉ちゃんも……みんな許してくれるよ。
私は……無理だろうけど。

みんな、私に思いを伝えてくれていた。
私は聞くことすらしなかったけど、誰もが私を愛してくれていた。勇気付けてくれた。
「きっみがくれたゆうきは、おっくせんまん、おっくせんまん……」
iPodから流れてくる歌を口ずさむ。

「私に勇気をくれた人は、みんな死んじゃった」
……そうだっけ?

『はるちゃんは人殺しじゃない』

「はるちゃん!」
気持ち悪い、気持ち悪い。内臓がひっくり返りそうなぐらい、血も何もかもぶちまけたい。
「どの口で……人殺しの私が、どの口で!」
謝ろう。
693全並行世界ナイトメア ◆CMd1jz6iP2 :08/03/06 23:16 ID:X6Y9Wiu6
許されなくてもいい。殺されたって構わない。
もう、後悔だけはしたくない。
魅音の手を握る。僅かに、温かみが残っていた。

「魅音ちゃん、この帽子……形見に貰っていくね」
この帽子を、はるちゃんに届けようと思った。
そして、魅音ちゃんが最期まで立派だったことを伝えよう。
同時に、私の罪も伝えないといけないけれど……罰は、うけないといけない。
帽子を被り、魅音のディパック中身も一つに纏める。
その際、魅音の刀とモンスターボールを取り出した。
「行ってきます。……また、ね」

まだ疲れが残る体を酷使して、駆ける。走る先は、道ではなく、崖。
一秒でも早く、春香と合流するための最短距離は、ここを飛び降りること。
ジャンプするが、少し地面が近い。飛行石が、地面に近づいても発動しない。
「……っ!」
あわや直撃か、という寸前、飛行石が輝いた。
地面を転がるが、あちこち擦り剥いた程度で済んだ。

「……遊戯君?」
誰もいない。この辺りに落ちたのではないのか、そもそも時間が経っているのだから移動したのか。
探そうとも思ったが、出会えば殺される。まだ、春香にあっていないのに、それは避けたかった。
「……ごめんね」
再び走り出す。その頃、ムスカと遊戯が生死をかけたゲームをしていることなど、知る由もなかった。


町に向かっていたはずのハルヒは、橋に逃げ戻っていた。
「はぁ、はぁ……一体なんなのよ、あれは!」
とりあえず薬局に戻ろうと歩みを進めているうちに、恐ろしい光景に出会ってしまった。

とんでもない光線のぶつかり合い、飛び交う蝙蝠。
あの相撲取りのような超人の戦いに巻き込まれたら、命がいくつあっても足りない。
694全並行世界ナイトメア ◆CMd1jz6iP2 :08/03/06 23:18 ID:X6Y9Wiu6
(迂回しましょう。古泉たちがいるには搭のはずだし……ッ!?)
戦っているうちの一人の顔が、月明かりで見えた。
(萃香!?)
角がなかったが、あの顔と小ささは間違いない。
でも、他の二人は?
ロールでもニートでもない。古泉たちも知らない第三勢力と、合流済み?

(あっちが失敗してどうするのよ!)
もし古泉たちがヘマをやったのだとしたら、町に向かうのは危険すぎる。
既に死んでいることも視野に入れないといけない。
及び腰になってしまったハルヒは、また橋に戻っていた。
少し待てば、あいつらの戦いも終わる。
そうすれば、町に確認にいくことも……

「ハァ…ハァ…」
(――だれか、いる?)
荒い息づかいに、息を潜ませる。
慎重に、橋の影から覗き見る。

その光景が、信じられない。
(たべ、てる――)
墓を掘り起こして、人を食べている。
レナが埋めた死体を、バリバリと食べている。
(ば、バケモノ……)
ハルヒは橋に戻る。このまま見つかれば、自分まで食われてしまうと。
ガタガタと、震えながら待つ。あのバケモノが、山なり町なりに消えてくれることを。

(こいつは……TASだ)
ヴァンデモンの感情は、その死体が誰か気づいた瞬間に僅かに落ち着きを取り戻した。
「あれだけ格好つけてたくせに、あっさり死んでるなんてね」
「お笑い、実に滑稽」
「それじゃあ美味しく頂きましょうか」
695Classical名無しさん:08/03/06 23:20 ID:.Z5t1Seo
支援
696Classical名無しさん:08/03/06 23:20 ID:Z3CimG1c
支援
697全並行世界ナイトメア ◆CMd1jz6iP2 :08/03/06 23:21 ID:X6Y9Wiu6
吸血鬼。その名に偽りありとでもいうように、その体を貪り食う。
僅か数分で、原型もわからないような服の残骸しか残らず食べてしまう。
最速の男、TASはあまりにもあっけなくこの世から痕跡を消した。

次に、ピッピ、コロネを一飲みにしてしまう。
「不味い」
「糞のような味。ああ、腹が立つ」
それでも、データ量は中々のものだった。
情報改変で、治療を開始する。

「腕が……治らない」
本家の長門ですら、指の欠損を再生できなかった。
捻じ曲がっていたのは治ったが、動かない。
能力の酷使による疲労も激しい。そして、ついに少し明るくなってこようとしている。
「あまりデータ量を期待できないけど、このチビも食べてしまうか」
何の力もなさそうな少女。おやつ程度にしかならない。
それでもと、その腕を掴み、喰らおうと牙を向けた。


「――なにしてるの?」
悪寒が、全身を襲う。
それほど、冷たい声だった。
振り向くと、山の方角から来たらしい少女の姿があった。
「放せ……こなちゃんを、放せえ!!」

つかさは、目の前の光景を認めたくなかった。
人間じゃないバケモノが、人を食べてる。
そして、今まさに次の食事になろうとしている、親友。
私は間に合わなかった。こなちゃんは死んでしまった。
――だけど。

「なにかな、お嬢ちゃん。食事の最中なんだけど?」
698全並行世界ナイトメア ◆CMd1jz6iP2 :08/03/06 23:23 ID:X6Y9Wiu6
吐き気が込み上げるのを、押し戻して叫ぶ。
「私の友達は、お前の食事なんかじゃない!」
おじいちゃんのクレイモアなら、こいつを倒せるはずだ。
でも、位置が悪い。ちょうど、こなちゃんが直線上にいる。

(そうだ、あれがある。光の護封剣!)
24時間に1度使えるというカード。あれが今使えるかはわからないけど、それしか方法はない。
一歩離れてディパックに手を突っ込む。
(あっ、これじゃない!?)
あせって取り出したのは、意味不明の宝石だった。

「ふん」
小ばかにするような声。その直後、つかさの周囲が円状の光に覆われる。
「な……なんじゃこりゃー!」
円が収束し、つかさの両手両足を拘束する。
「魔力も、力も無い小娘なら、バインドも簡単に決まるね」
ヴァンデモンは、つかさに近づくとディパックを漁りだす。
「どれ、何を使うつもりだったのかな?」
豊富な支給品の数に、感心していたヴァンデモンの動きが止まる。

「ぐ……グギャギャギャギャ! 見つけた、ついに見つけたよー!」
その手に、小さな機械が握られていた。
デジヴァイス。ヴァンデモンが捜し求めた進化するための道具。
(えっ、今の声って?)
その声が、園崎詩音のものと似ていると、つかさは気が付いた。
「へぇ……良く見たら返り血らしき跡が。なんだ、ゲームに乗ってる子でしたか」
「でも、まだ甘いところがある。こんな精神では私を究極体には出来ない」
今度は、違う声。つかさは、目の前にいるのが何なのかわからなかった。

「そうですねー。じゃあ、あの死体を……この子の眼前で食べてやりましょうよ」
「あはは、いいねそれ! 身も心も真っ赤に染まるよ!」
ああ、なんだ。こいつも狂ってるんだ。つかさは、そう冷静に理解していた。
699全並行世界ナイトメア ◆CMd1jz6iP2 :08/03/06 23:25 ID:X6Y9Wiu6
きっと、自分も大差なかったんだろう。
(これから、こなちゃんが食べられるのは……私への罰なのかな)
ヴァンデモンは背を向け、デジヴァイスとディパックを片手に、こなたの死体の元へと戻っていく。
(嫌だよ、こんなの。私への罰に、どうしてこなちゃんが巻き込まれなければいけないの?)
そんな理不尽があっていいはずがない。
それでも、つかさの体はバインドで動けない。
出来ることなど、何もない。ただ、iPodから流れる音楽を聞くことぐらいしか……
(ダメだよ……・諦める、もんか!)

「ようやく、運が向いてきたね」
これで、うまく究極体に進化できればこちらのものだ。
この能力を更に有効に活用できるようになれば、もはや敵などいないと笑う。
死体の腕を掴もうとして……妙な音に、ヴァンデモンは後ろを振り向いた。

「なに?」
先ほどまで、そこにいたはずのつかさが、いない。
そこにいたのは、奇妙な魚が一匹。無駄に『じたばた』していた。
「こいつが、あの小娘を逃がしたの? で、でもあの一瞬で、消えるわけがない!」
周囲を見渡す。
と、ヴァンデモンの目にうっすらと明るくなった空が映る。

「いけない、もう少しで日の出か。……ん?」
薄暗い光を背に、つかさは立っていた。
「せっかくバインドを解いたのに、逃げないなんで馬鹿だね!」
再び、バインド。しかし、それはあっさりとかわされた。
銃声が響く。
防御魔法に阻まれ届くことはないが、何か様子がおかしい。


――ヤンマーニ、ヤンマーニ、ヤンマーニ、ヤーイヤ――ヤンマーニ、ヤンマーニ、ヤンマーニ、ヤーイヤ――
――ヤンマーニ、ヤンマーニ、ヤンマーニ、ヤーイヤ――ヤンマーニ、ヤンマーニ、ヤンマーニ、ヤーイヤ――
700全並行世界ナイトメア ◆CMd1jz6iP2 :08/03/06 23:27 ID:X6Y9Wiu6
たいやきを、なんとかモンスターボールから出し、バインドを破ってもらったつかさ。
直後、彼女を不思議な感覚が襲った。
今、目の前に相手にならないような怪物がいるというのに。
つかさは、この曲が流れて出したとたん、どんな攻撃も当たらないと確信していた。
「喰らえ!」
嫌な予感を感じ取ったのか、ヴァンデモンもつかさを黙らせるべく動いた。

――魂の話を聞かせてよ――瞳を逸らさず見つめてよ――貴方は私が何処にもいないと思ってる――

「こなちゃんは、私のことを探してくれてたのかな?」
うどんげの弾幕を、かわす。まるで向こうから避けていくかのように。
ヴァンデモンの体が揺らぐ、まだ回復しきっていないのだ。
「グギャギャギャ! この時のための銃ですよ!!」
ベレッタが火を噴く。

――Something somewhere anytime anyplace――吹けば飛ぶよな夢だけが――
――you don't make her on your dream and change――二人を結んでる――

「きっと、私が人殺しだなんて……思ってもなかったのかな?」
つかさが、飛ぶ。ありえない跳躍、ありえない回避。
「空も飛べない人間が、空中で銃が避けられるかあああ!!!」
狂ったように、しかし照準を合わせ引き金を引き続ける。
「ナイトレイド!」
さらに、蝙蝠の群れがつかさを襲う。

――全てを見せる星の導きに背いて――まっすぐに駆け上がる――空にある扉へ――何処までも私は行くの――

「その期待には応えられなかったけど……その償いに、こなちゃんが眠るのを守るから」
銃弾が、頬をかするのも気にせず、つかさは宝石を蝙蝠の群れに投げつけた。
宝石を中心に、蝙蝠の群れに大穴が開く。
「なっ――!?」
とんでもない武器なのかと、向かってくる宝石にヴァンデモンは残った魔力を総動員して迎撃に当たる。
701全並行世界ナイトメア ◆CMd1jz6iP2 :08/03/06 23:29 ID:X6Y9Wiu6
「ディバインバスター!」
砲撃魔法を受け……宝石は一瞬で蒸発した。
あまりの呆気なさに、一瞬だけ呆けて……自分の失態に青ざめる。

――全てを(本当の)――見せる(貴方と) ――星の(本当の私が)――導く(出会える)――優しい(場所まで) ――明日(きっと行けるはず)――

「ど、どこに消えた!」
つかさの姿を見失った。ディバインバスターを放った硬直が、まだ体の自由を奪っている。
銃声。
私は撃っていない、とすれば――そこまで考えたヴァンデモンの目に、灼熱の痛みと暗闇が襲う。
「が――ぎあぁぁ!!?」

――それより(運命に)――明るい(背いて)――未来(涙を散らして)へと(それでも会いたい)――
――行くから(We will reach to nowhere land.)―― Take me to the nowhere land)――

「だから―――ごめんね」
つかさの銃撃は、ヴァンデモンの左目を捉えた。
SIGP210の命中精度は、トカレフの比ではない。それでも、つかさの腕で狙えたのは、偶然か、このBGMのせいなのか。
2射、3射と撃つが、今度は情報改変によるバリアに阻まれる。
「ひゃはは! そんな銃で私を殺せるわけないでしょう!」

「――その声、園崎詩音さんだね?」
「わ、私のオリジナルを、知っている!? なら教えなさい、お姉は……お姉はどこです!」
その言葉の意味が、心配か悪意かは、つかさには伝わらなかった。
「魅音ちゃんは……私が、殺した」
ただ事実だけを口にして……その暴走を、見た。
「ガアアアアアアアアアア!!!」
ブラッディストリームが、再び狂ったように地を、空を駆ける。

――全てを見せる星の――導きに背いて――まっすぐに駆け上がる――空にある扉へ――
702Classical名無しさん:08/03/06 23:30 ID:du5SH5Vc
支援ライフ・リターンズ!
703全並行世界ナイトメア ◆CMd1jz6iP2 :08/03/06 23:31 ID:X6Y9Wiu6
腰に下げた、刀に手をかける。
魅音には抜けなかった、その神の刀は

――優しげに微笑む――運命に背いて――貴方にもし私を――捜す勇気があれば――

――初めて、その刃を見せた。
「なぎ払え!!」
抜き放たれ、振り下ろされた閃光は、赤い奔流を断ち切ってもなお止まらない。

――何処にでも私はいるの――

「ギィィィ――ァァァァァァァァアア―――……」
鬼狩柳桜より放たれた、バリアおも打ち破る光が、ヴァンデモンを飲み込んだ。

――ヤンマーニ、ヤンマーニ、ヤンマーニ、ヤーイヤ、ヤンマーニ、ヤンマーニ、ヤンマーニ、ヤーイヤ――


「……ごめんね、こなちゃん」
ヴァンデモンを退けた後、たいやきをモンスタボールに戻したところで、つかさは倒れた。
ヤンマーニのBGMは、銃の本来の持ち主である、マドラックスと同様、その当たらない特性を使用者に与える。
だが、マドラックスと違い、普通に「存在」する人間には肉体の酷使だけではなく、精神にも負荷が高すぎたのだ。

それでも、這いずりながらこなたの元へとたどり着いた。
鬼狩柳桜の一閃は、こなたを吹き飛ばすことはなかったが、土塗れになっていた。
「こんなに汚れちゃって……もっとうまくやれなくてごめんね、こなちゃん」
こなたの顔に付いた土を落とす。その顔は、魅音同様に安らかなものだった。
「私は、幸せ者だよ……生きて会えなかったけど……出会うことは、できた」
話したかった。抱きしめあいたかった。一緒に泣きたかった。
それはもう、二度と出来ないけれど。
親友の永遠の眠りを、守ることは出来たと、安堵しかけたとき。

誰かが、駆けてきた。
704全並行世界ナイトメア ◆CMd1jz6iP2 :08/03/06 23:32 ID:X6Y9Wiu6
(一人じゃ、ない?)
こなちゃんを守らないと。そう思い、刀を握る。
「あ、あれ?」
鬼狩柳桜は、いつの間にか鞘に収められている。
BGMが終わったためなのか。もう、つかさに抜くことは出来なかった。
ならば、銃をとSIGP210を取り出すが、持ち上がらなかった。
「う……ぅぅぅ〜……!」
つかさに、残された力など一片もなかった。
歩くことも、立つことも。引き金を引く握力も残されてはいない。
(ごめんなさい。こなちゃん、私はこなちゃんを守りきれなかったよ)

「おい、レムー! 誰かいるぞ!」
そのつかさの嘆きは、抜けた声が当然のように破った。いつものことである。
「これは……ヴァンデモンの仕業ね」
霊夢とKASは、掘り起こされた穴を見て何があったか理解する。
ヴァンデモンが墓を荒らしたのだと。死者を冒涜した後だと。

「しっかり、まだ生きてるわね……って、嘘、諏訪子!?」
「あな、たは?」
「――なんだ、帽子だけか。私は博麗霊夢、あっちはKAS。ヴァンデモンをぶっ殺すために追ってきたの。あいつは、どこ?」
「……あ、嘘……」
つかさのディパックも、あいつのディパックも、焦げたものが地面に転がっている。
特に、ヴァンデモンのディパックはほとんど溶けている。なのに死体はない。燃え尽きたのではないとしたら。
「にげら、れたの?」
ボロボロと、涙がこぼれる。このままでは、またこなちゃんを食べにくるに違いない。

「逃げられたって……まさか、戦って追い払ったの?」
ボロボロだったとはいえ、とんでもない強さを誇るヴァンデモンを、この少女が追い払ったとは信じられない。
しかも、倒したつもりだったようだ。
「食べられちゃう……このままじゃ、こなちゃんが」
「そうだなぁ。ほかの死体があったっぽいけど、全部残っちゃいねーし」
――KASは、食われたのがTASだと、気が付かなかった。
705Classical名無しさん:08/03/06 23:33 ID:du5SH5Vc
大支援シエッシュブラザーズX





706全並行世界ナイトメア ◆CMd1jz6iP2 :08/03/06 23:33 ID:X6Y9Wiu6
それほどまでに、跡形もなかったし、KASはTASが死んでいるなど微塵も思っていなかった。
「……この子は、あなたの知り合い?」
「友達……私の、大切な……ずっと、会いたかった」
つまり、ここにこの少女を埋めたのは彼女ではないらしい。
わざわざ埋めたということは、おそらくは、仲間だろう。
「まさか、この子」
『この容姿からして、萃香の言っていたつるぺ――ゴホン。ティアナやレナの仲間の一人ではないでしょうか』
唇を噛む。萃香の言っていた脱出派の仲間は、壊滅の危機にあったのだ。

「レナ?」
つかさが、その名前に……魅音の仲間の名に反応する。
「あなた、レナの仲間?」
「違う、違うよ、わ……わたしは……」
つかさの世界は、暗転する。
霊夢やKASの顔が逆さまに、セカイが逆さまになる中、言葉を紡ぐ。
「彼女の……」

動かなくなったつかさに驚いた霊夢だったが、気絶していただけだった。
「気を失ってる……顔色も悪いし、早く休ませないと危険かもしれないわ」
「最後、何か言ってなかったか?」
「仲間じゃない、の後は聞き取れなかったけど……なら、敵?」
『錯乱していただけかもしれませんが……武器類は没収しておきましょう』
彼女を悪人とは思えないが、信用に値するかは疑わしい以上仕方がない。

「この遺体も運びましょう。ヴァンデモンがまだ生きているなら、彼女の言うとおり、食べられてしまうかもしれない」
あの悪食妖怪に、これ以上人を食わせてやるものか。
「これから人食い妖怪とうまく付き合ってく自信……なくなりそうよ」
ヴァンデモンを倒したいところだが、この少女を連れては戦えない。
それに、ここまで来た以上、城の様子がどうしても気になったのだ。

二人分の支給品とこなたの遺体を、KASが運ぶことになった。霊夢はつかさを担ぐ。
その帽子が気になった。間違いなく、これは幻想郷にやってきた新しい神、「土着神の頂点」洩矢諏訪子の帽子。
707全並行世界ナイトメア ◆CMd1jz6iP2 :08/03/06 23:35 ID:X6Y9Wiu6
これも支給品なのかと聞きたかったのだが、気を失ってはしかたない。霊夢はあまり気にせず歩を進めようとした。

「Uwaaaaa!!!」
KASの叫び声が木霊する。
「KAS、少し静か、に……!?」
ヴァンデモンのディパックから……信じられないものが出てきていた。
「富竹……」
富竹の、生首。
姿が見えないとは思っていたが……やはり、ヴァンデモンに殺されていたのだ。

「ど、どうするレムー」
「……その子の死体だけでも十分怪しいのに、そんな物は持ち歩けないわ。ここに埋めていきましょう」
「いいのか? あのオカマ野朗に食われちまうかもしれないぞ?」
一瞬間をおき、霊夢が応える。
「――これは私が決めたことよ。KASは気にすることも、罪悪感を持つこともないわ」
「わかったよ。でも……一番悪いのはオカマ野朗だ。霊夢もシリアルになりすぎるなよ」
KASが、掘り起こされた穴に、富竹の首を埋める。
「うーん、グロにも耐性ができてきたっていう」
「……行きましょう、KAS」
荷物を纏め、KASはこなたを背負って後に続く。

「……なんでだろうな。この子とは、仲良くなれた気がするぜ」
歩きながら、KASはつぶやく。
「きっと、何か趣味とかがあってたような……ふっ、俺としたことが難しいことオプーナッ!」
橋に差し掛かったところで、KASがこけた。
「ちょっと! 何して……ごめん、ちょっと多いわね支給品。半分持つ?」
「いや、平気だ。ちょっと橋の欠けた所に足引っ掛けただけだ。……ごめんよ、こなたん、化けて出ないでくれよ!」
支給品がいくつかころがる。宝石みたいな物、笛、カード……
「やべーやべー。このカードはあいつの仲間に渡さないといけないからな」
全部拾い、笛を見つめる。

「……これは?」
708Classical名無しさん:08/03/06 23:36 ID:du5SH5Vc
支援パウダー
709全並行世界ナイトメア ◆CMd1jz6iP2 :08/03/06 23:37 ID:X6Y9Wiu6
見覚えが、いや、この笛による音色を、どこかで聞いたはずだというデジャヴ。
「KAS、急ぎましょう。彼女、熱もあるかも……城で休ませてあげないと」
「お、おう!」
笛をしまい、こなたを背負いなおす。
二人は橋を越えて、城を目指した。

その二人の疲労も少なくはなかったため、あるミスを犯していた。
霊夢は、エリアサーチをせず、とにかくこの場を離れることを優先したこと。
KASは、拾ったカードが、バーサーカーソウルではなく、光の護封剣だと気づかなかったこと。

【D-2 道路/二日目・黎明】
【博麗霊夢@東方project】
[状態]:疲労中、迷い、全身を打って痛い、バリアジャケットの腋部分破損、魔力消費大、すこし眠い、血霧の巫女、つかさを背負っている
[装備]:レイジングハート@魔法少女リリカルなのはシリーズ、巫女風バリアジャケット@巫女みこナース、ワルサー カンプピストル@現実(1/1)(26.6mm信号弾残り6発)
[道具]:支給品一式(パンは一個だけ)、YOKODUNAの支給品一式*4(水食料全消費)、フリップフラップ@ニコニコキッチン、ノートパソコン(バッテリーほぼ消耗)@現実
首輪、ドリル@ミスタードリラー、 博麗アミュレット(130/200)、メモ用紙(10/10)、魔理沙の帽子、ドリルアーム、
気合の鉢巻き@ポケットモンスター、クマ吉の手錠@ギャグマンガ日和、ドアラの着ぐるみ@ドアラ動画シリーズ、
全自動卵割機@サザエさん、億千万の思い出@現実、キーボードクラッシャーの音声(の入ったiPod)@キーボードクラッシャー、萃香の角*2
[思考・状況]
1.つかさを連れて城へ。ヴァンデモンは見つけたら殺す。
2.とりあえず萃香を信用。
3.城に帰って寝る。お風呂にも入りたいな
4.Niceboat.の探索
5.怪しい人には無理のない程度に接触、無害なら適当に交渉
6.今回の事件の解決(主催者の打倒)
7.クロスミラージュを調べたい。
8.つかさが自分にとって敵か知りたい。洩矢諏訪子の帽子が気になる。
※ジープ@ヤンマーニは大破しました。民家に突っ込んでいます。
710Classical名無しさん:08/03/06 23:38 ID:b03I4HmE
シッーシッーエンエン
711全並行世界ナイトメア ◆CMd1jz6iP2 :08/03/06 23:39 ID:X6Y9Wiu6
※クロミラの事を変態だと認識しました。
※船橋前の通路には霊夢の張った結界があります。
 物理的な効果はありませんが、船内でのみ、霊夢はそこを何かが通ったことを知ることができます。
※霊夢はカイバーマンたちと情報交換をしました。霊夢は大方把握しています。
※Niceboat.後方甲板にはまだ何かがあるみたいです。
※二枚のメモの内容を把握しました。搭組のメモには、予想も含む情報が書き連ねてあります。
※萃香側の情報を大まかに把握しました。
※搭組が何人か死んでいることを知りました。

【KAS@KAS動画】
[状態]:甲羅マリオ(甲羅にヒビ)、右拳骨にヒビ、お尻に火傷、全身に切り傷、鍵でハイテンション、 強い決意と熱い闘志(?)
[装備]:スパイダーブレスレット@東映版スパイダーマン
[道具]:支給品一式*9(食事三食分消費、水五食分消費)、ケンジのカメラ@ポケットモンスター、
うまい棒、津田英治ブロマイド(音声付き)@大変な途中下車シリーズ、ビー玉(30個ほど)@ピタゴラスイッチ、
秘密の鍵@スーパーマリオワールド、マント羽根*1@スーパーマリオワールド、黄色甲羅@スーパーマリオシリーズ
RPG-7(残弾4)@GTASA富竹のカメラ@ひぐらしのなく頃に、AK74(17/30)@現実
スタンガン@ひぐらしのなく頃に ピッキング用針金、フィルム、ジェバンニ@デスノート?
ピーピーマックス*2@ポケットモンスター、Fooさんの笛@ニコニコ動画(γ)
光の護封剣@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ(使用可)、 宝石みたいな物@呪いの館
ウィンチェスター M1895/Winchester M1895 (狙撃銃、残弾1)@現実、クレイモア地雷@おじいちゃんの地球防衛軍(残り3)
無限刃@るろうに剣心(フタエノキワミ アッー!)、 きしめん@Nursery Rhyme、
たいやき(残りHP50%)@ポケモン金コイキングだけでクリアに挑戦、SIG P210(残弾1)@MADLAX
鬼狩柳桜@ひぐらしのなく頃に、10円玉@現実?、札束(1円札百枚)、琴姫の髪、iPod@現実(【残り17時間】)
[思考・状況]
1.こなたんを食われない場所に埋葬してやらないとな。
2.でっでいうを殺した大馬鹿野朗を倒す!でも早く海馬達の所に行ってバグの事を色々教えてやりたい
3.ロルーちゃんと萃香が心配
4.主催者をぶっ飛ばす前にTASと決着をつけたい
712Classical名無しさん:08/03/06 23:39 ID:.Z5t1Seo
魔法少女ニコニコしえん
713Classical名無しさん:08/03/06 23:40 ID:HdcY2iU.
T∀Sよりも俺の方が支援!!
714全並行世界ナイトメア ◆CMd1jz6iP2 :08/03/06 23:41 ID:X6Y9Wiu6
5.あいつ(谷口)の死の責任を取る!!
6.このカード、あいつの仲間に渡したいけどどいつが仲間なんだろ?
7.このクソゲーをぶち壊してボスのスットコドッコイを倒して土下座させて
悪い奴以外全員生き返らせるぜ!!!!
8.ちょっとアイテム多いな。さすがに使いこなせんし、カイバーたちに分けてやらんと。
9.笛が気になる。
※青甲羅を着ました。体型はスーパーマリオに戻っています。
※放送により、ニコニコ動画に関する記憶が徐々に戻ってきています。
※二枚のメモの内容を把握しましたが、よくわかってません。搭組のメモには、予想も含む情報が書き連ねてあります。

【柊つかさ@らき☆すた】
[状態]:全身に軽い打撲、手のひらを怪我、罪を認める、死にかねないほどの疲労、熱がある、気絶
[装備]:飛行石のペンダント@天空の城ラピュタ
[道具]:なし
[思考・状況]
第一行動方針:気絶中。
第二行動方針:春香を探して謝罪する。結果、殺されても構わない。
第三行動方針:こなたの死体をバケモノに食べさせたりしない。
第四行動方針:魅音を殺したことをレナに伝える。
※琴姫の髪をかがみのものだと思っています。
※ヤンマーニBGM+SIG P210によるヤンマーニモードは、肉体、精神に膨大な疲労を残します。
※ヤンマーニBGM+SIG P210による覚醒中のみ、鬼狩柳桜が抜けました。
他の人にも抜けますが、本来の抜く方法ではないためか、BGM終了後、人知れず鞘に戻っています。


「KAS、急ぎましょう。彼女、熱もあるかも……城で休ませてあげないと」
「お、おう!」

(ああ、いや、どうして、どうして! 行かないで、私を助けてよ!)
KASが転んだ橋の下。
そこに、ヴァンデモンは潜んでいた。
715Classical名無しさん:08/03/06 23:41 ID:FUotx/0w
これもこれもこれもこれもこれもこれもこれもこれも
これもこれもこれもこれもこれもこれもこれもこれも
グロリアの支援だーーーーー!
これもこれもこれも
716Classical名無しさん:08/03/06 23:41 ID:yvrpeuk6
                                支援に定評のある右上さんが来てくれたぞ!
717全並行世界ナイトメア ◆CMd1jz6iP2 :08/03/06 23:42 ID:X6Y9Wiu6
鬼狩柳桜の一撃の後、ヴァンデモンは命からがら川に飛び込んだ。
「ひ――」
ここに、誰かいたことなどエリアサーチした時気が付いていた。
怪我をしていたことと、向こうが手を出してこないことから後で対処しようと思っていたのだ。
逃げようとしたハルヒは、川から飛び出したヴァンデモンに地面に叩きつけられ、脅された。
「声を出してみなよ。惨たらしく殺してやる」
ハルヒは、どうしてあの時勇気を出して町に行かなかったのか悔やんだ。
悔やんで、悔やんで、悔やんで悔やんで……憎んだ

(どうして、正義の味方の私がこんな目にあうのよ!)
理不尽だ、狂ってる、マチガッテル。世界は、私の思うとおりに動かないといけないのに。
私こそが世界の中心、私の気に入らないものこそが悪なのに。
ああ、それならこのバケモノを倒したであろう女こそ悪だ。
この私が助けられないのに、あの女だけが助けられた。とんでもない過ちだ、間違いだ。許されるはずがない。
憎んで、憎んで、憎んで、憎んで、憎んで……狂い始めた歯車は、戻らない位置にずれてしまった。

(そうよ。正義である私が、本来こんな酷い目に遭うはずがないじゃない)
あの女は神を敬わぬ愚か者、世界の塵以下の害悪だ。
あの女の余計な行動が、今の状況を招いたに決まっている。神に背いたのだ。

(そう――私は神だもの)
古泉君は語った私の能力は、まさに神そのもの。
それが封印されているなんて言っていたが、それは間違いだ。

世界は私の思うがままに動いている。それに抗う者こそ出ているが、それを駆逐しようと願えば、死んでいくに違いない。
これは正しいこと。だって、八意永琳も私は狂っていないと言ったではないか。
(能力はまだ生きている。こんな酷い目に遭っても、私が有利になるように進んでいるのよ)
現にほら。

「行ったようだな」
最後の一撃で、ヴァンデモンの全身は焼け焦げていた。
完全に枯渇したヴァンデモンの魔力に、レイジングハートも気が付くことはなかった。
718全並行世界ナイトメア ◆CMd1jz6iP2 :08/03/06 23:43 ID:X6Y9Wiu6
余力の無さゆえに、エリアサーチをされなかったがために、生きながらえたのだった。

「くふっ……ひひひ……あはははは……!」
「うん?」
組み伏せていた女が、狂ったように笑う。いや、狂ったのか?
「無様だな、安心しなさい。すぐに食べてあげるから」
「――馬鹿ね。あんたは私を必要としているはずよ」

「なに――?」
この女、私の目的を知っている?
「私を、進化させられるというの?」
「進化? ああ、そう、そんなことがしたいの。それは知らなかったけど、私に出来ないことなんてないわ」
拘束を解く。一応、銃を頭に突きつけておく。

「神に向かって無礼よ。まったく……ああ、やっぱり、間違いないわ」
何かを拾ったのを奪い取る。危険な支給品かもしれない。
「別にいいわ。その裏に書いてあること、読もうと思っただけだから」
そのカード……KASが転んだ際に落とした「バーサーカーソウル」。その裏に、血の文字が書いてある。

「……『ジョンスミスはポニテ萌えの人』……なに、これ?」
「……これは」
人格の一つが、反応した。これは、何の意味がある?
「あら、その声は有希じゃない。どうしたの、そんな姿で。それが長門有希の宇宙人としての本当の姿なのかしら?」
「長門有希……ああ、それが私の名前」
「くひひ……まぁ、そんなことはどうでもいいわ。あなたが有希だろうと違おうと、関係なんかないもの」
狂っているようで、急に態度がでかくなったハルヒ。殺すべきか迷う。

「私を知らないようだから教えてあげるわ。私の名前は涼宮ハルヒ。とある世界の神よ」
「涼宮ハルヒ……愛しいあの人を奪う、邪魔者!」
「あっ、有希ったらキョンが好きだったの? ごめんね、知らなかった。生き返らせたら、あなた用にもう一人作ってあげてもいいわよ?」
ニタニタ笑うハルヒに、長門の人格は暴走寸前だが、それを他の人格で抑える。
719Classical名無しさん:08/03/06 23:44 ID:HdcY2iU.
お前の支援で天を衝け!
720全並行世界ナイトメア ◆CMd1jz6iP2 :08/03/06 23:44 ID:X6Y9Wiu6
「キョンが、愛しいあの人の、名前……」
「でも、ジョン・スミスはキョンだったんだもの。まったくもう、キョンったら教えてくれればいいのに」
あの七夕の日、ジョン・スミスと名乗ったのはキョンだったのだ。
似ていると思った。間違いない。いや、間違いなら、そう塗り替えてしまえばいい。
「ポニテ萌えだって言ってたもの。そうに違いない、そうでなくてもそうなるの!
ああ、きっとキョンも私に力のことを知らせたかったのね。私に、神として自覚せよと言いたかったのよ!」
ハルヒの思考のおかしさに、ヴァンデモンは気が付く。
ハルヒは結果を断定してから後付で理由をつけている……完全なこじつけだ。

「あ、私を狂ってると思ってるわね。でもこれこそが正しいの。今は、力を制限されているけどね! 
本当なら、私が思ったことが世界を作るんだから。制限のせいで、全てはうまく行かないのよ」
「たしかに……そういう力、だったような」
長門の知識に残るハルヒの力は、たしかにそういった万能の力だった。

「そうね……私の願い通りなら、あなたは私が喜ぶものを持っていたはずよ」
「喜ぶ、もの?」
ハルヒに、銃を突きつけたまま橋の下から出る。
「……ほぅら、あったじゃない」
先ほどTASが埋まっていた場所から、掘り出したのは、富竹の首。

「無様ねえ。苦悶の表情で死んでるわ! 神に逆らった愚か者の末路よ!」
面白そうに笑うハルヒを見て……ヴァンデモンは銃を降ろした。
「あら、いいの? 別に、銃を突きつけたままでも怒らないわよ、私」
「その能力が本当でも嘘でも……どうやら、信用には値する人間のようだからね」
「それはどうも。神に従うのは当然とはいえ、良い判断ね」
富竹の首を、ヴァンデモンに投げ渡す。
「見飽きたわ。さっさと食べてしまいなさい」
「言われずとも」
その食事シーンを、ハルヒは笑いながら見た。とてもユカイだった。

「こんなに世界は楽しいのに……ああ、腹が立つ。あの巫女みたいな女に助けられた、あの女。
あの制服は……あれが柊つかさね。人殺しに、なんで助けなんか来るの? あいつらは悪、神に逆らう悪よ。」
721全並行世界ナイトメア ◆CMd1jz6iP2 :08/03/06 23:46 ID:X6Y9Wiu6
「……同感だよ」
「……グギャギャギャギャ、本当に……糞以下のデータしか持たないくせに……よくも私が殺すはずのお姉を!」
二人の心が、重なる。
それに呼応するかのように……つかさから奪ったデジヴァイスが、光り輝く。
「なに、それは?」
「これこそ、デジヴァイス。この夜にしか生きられぬ弱き私を、真の魔王へと変える道具」
「それには、あなたの力が必要」
デジヴァイスを掴み、醜悪に笑う。

「そう、魔王。そう、仕方ないのよね。面白い世界には、大いなる闇が必要なんだもの。
私が正義であるために、悪たるあなたが必要なんだもの」
「正義であるために、悪を必要とする……矛盾だね」
「ええ。その役は、ピエロやレナたちが担っているけど、全てを倒してしまったら、正義を示す敵がいなくなってしまうじゃない」

自分の能力を聞いてから……驕っていた何かがハルヒの中で弾けていた。
自分は特別なのだと、古泉は言った。人を生き返らせることも出来る、神のごとき力だと。
そんな自分が、なぜ体よく利用されなくてはいけないのか。
古泉と永琳にも、今後の態度を改めてもらわなければならない。

これまでのハルヒの言は、完全なデタラメだった。たまたまの偶然が重なっただけで、彼女の能力は制限されたまま。
今、デジヴァイスが輝いているのは、つかさへの憎しみの心が重なったために過ぎない。
真が、ゴマモンを魔王に進化させたときと、同じように。
それに気づかず、驕れる神は自分に酔い続けた。
「必要悪。世界が面白く在り続けるには、正義と拮抗するだけの悪が必要なのよ! そういう意味では、あの女も必要な存在よね」
「なら――元の力が戻れば、私を更に進化させてくれるの?」
「もちろんよ。神の敵に相応しい、同等の力を持つ魔神へと変えてあげる! あなたという悪が、全次元全世界に轟くほどに!」
正義の味方は、悪がいて初めて存在できる。創造主たる彼女は、それを出来レースとして操ることすら可能なのだ。

「貴方が世界に恐怖を刻み付けるほどに、私は永遠の信仰を、永遠に称えられる神となれるの!
――私はここにいる! 私は、全ての世界の……絶対神となるの!」
「面白い。最高だよ、本当に……あなたこそ、神に相応しい器だよ!」
722Classical名無しさん:08/03/06 23:46 ID:FUotx/0w
支援に定評のある住民
723全並行世界ナイトメア ◆CMd1jz6iP2 :08/03/06 23:46 ID:X6Y9Wiu6
七夕の日、自分を世界に刻もうと思った純粋な願いは、デジヴァイスの光のように、暗い輝きへと変える。

ここに。
とある世界の創造主は、全ての世界を滅ぼす魔王を産み落とそうとしていた。

【D-3 草原/二日目・黎明】
【涼宮ハルヒ@涼宮ハルヒの憂鬱】
[状態]:神への目覚め、左肩に銃創、左脇腹と顔面と首に殴られた傷、腕から出血、脇腹に弾丸がかすった傷、古泉達を信頼、鎮痛剤服用、
[装備]:陵桜学園の制服@らき☆すた、包丁、 DCS-8sp、デジヴァイス@デジモンアドベンチャー、バーサーカーソウル@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ
[道具]:支給品一式*2、びしょ濡れの北高の制服@涼宮ハルヒの憂鬱、テニスボール
アニマルマスク・サラブレット@現実、ゾンビマスク@現実(ゾンビーズ)、毒入りパン
[思考・状況]
1.主催者を殺し、全世界に名を残す絶対神となる。
2.神に逆らう塔組、つかさとその仲間などを殺す。
3.今回の顛末を捏造を混ぜつつ古泉達に報告して、今後協力ではなく忠誠を誓ってもらう。
4.皆を蘇らせるために協力者を探す
5.優勝して全てを元通りにする。神である私が絶対である世界に。
6.能力が復活したら、世界の破滅を救う神として、すべての世界に名を残す。
その際、世界を破滅に導くため、ヴァンデモンを更に強化する。
※第三回定時放送をほとんど聞いていません。死亡者の人数のみ把握しました。
※自分の服装が、かがみを勘違いさせたことを知りました
※狂いました。それを自覚していません。
※喋れる様になりました。
※自分の能力を信じました。
僅かに能力が働いていて、世界は思うがままに進みやすくなっていると信じていますが、完全な勘違いです。

【ヴァンデモン【チューモン】】
[状態]:自我放棄、姑息さ上昇、右足切断(富竹の足移植済み。障害有り) 、右腕重症、全身大火傷、左目失明
魔力使用可能、目が赤い、情報改変可能、弾幕使用可能、ヤドリギの種(弱)使用可能
[装備]:ベレッタM92F(5/15)@現実、予備弾薬各100発@現実(ベレッタM92F用15発消費)、インテル@intelシリーズ
724Classical名無しさん:08/03/06 23:48 ID:HdcY2iU.
落ち着け、支援D!
725全並行世界ナイトメア ◆CMd1jz6iP2 :08/03/06 23:49 ID:X6Y9Wiu6
[道具]:なし
[思考・状況]
基本1:究極体に進化だ!
基本2:ハルヒを可能な限り助ける。
基本3:つかさと、霊夢たちを殺す。
基本4:日が昇るまで橋で待ち伏せし、ロールが支給品を持ってくるのを待つ。
基本5:参加者を混乱させる。
基本6: あの女が、師匠。見つけたら殺す。
基本7:主催者に復讐したい。
総意:派手な争いをせずに、計略的に進化して、全参加者と主催者を拷問してから残虐に壊す。
あと、キョンを蘇らせて、同様に壊す。

※予備弾薬各100発@現実の中には、デバイスのカートリッジも入っていました。
※チューモンの中の詩音は、自分が『ソノザキシオン』であると認知しています。
※ヴァンデモンになったことで、全能力が増大しました。夜だけならインフェルモン以上ですが、朝になると成熟期クラスに落ちます。
※能力の制限について大分理解しました。
※すべての人格は名前を知りました。切っ掛けがあれば各人格の「知識」を思い出す場合があります。
ただし、それが原因で本人そのもののようになることはありません。
※これ以上の進化には、デジヴァイスが必要です。
※それぞれの人格の感情が急激に強くなると暴走しやすくなるようです。

※ハルヒと感情がシンクロした結果、進化が可能となりました。彼女と行動を共にすることで究極体を維持できます。
肉体ダメージは進化によって回復します。何に進化するかは次の書き手に任せます。
大ダメージを受けると退化してしまう可能性があります。

D-3の草原に墓が荒らされている形跡が残っています。
726 ◆CMd1jz6iP2 :08/03/06 23:50 ID:X6Y9Wiu6
以上、投下終了です。支援感謝です。
いきなりミスしてしまい済みませんでした
727Classical名無しさん:08/03/06 23:57 ID:.Z5t1Seo
投下乙!
つかさが白くなったと思ったら今度はハルヒかw
そしてさらに進化するヴァンデモン。
凶悪なコンビが結成で今後の展開も楽しみです。
728Classical名無しさん:08/03/06 23:59 ID:FUotx/0w
投下乙!
ハルヒラスボスな気がしてきたwww
マーガリン!こいつらを止めろ!!
729Classical名無しさん:08/03/07 00:00 ID:8n3DQg/c
投下乙
つかさが浄化されたが、その分がハルヒに回ったか
マーダー、特にヴァンデモンが超絶なる進化を経てラスボスになりそうだわな
対主催組この先生き残れるのか

だが対主催チームも着々と集まってきてるし
超パワーアップは死亡フラグもあるし
完全に無理ってわけじゃないかなぁ

ハルヒが古泉も従わせようとしてるが
まぁ古泉だったら表向きに従いそうかも
730Classical名無しさん:08/03/07 00:05 ID:4WnNu3hA
投下乙です。GJ
ヤンマーニ状態になるのがつかさだとは思わなかったw
呪いの館も見れたし最高だね。
ついにハルヒが黒化しちゃったかぁ。おもしろい!!
731Classical名無しさん:08/03/07 15:30 ID:v6eDb5cg
>>729
「表向き」といっても裏でじゃぁ何するんだろうな。
ゆめにっきでヴァンデモン幽閉とかか?
732Classical名無しさん:08/03/07 16:42 ID:iaP3isyE
サトシやトミーの時もそうだったが
マーガリンの戦略は「とりあえず相手を肯定してあげる事」だから
表向き従う可能性は無きにしもあらず
733Classical名無しさん:08/03/07 16:57 ID:Rp99Qq2M
今って予約あったっけ?
734Classical名無しさん:08/03/07 17:12 ID:fGyFzSHM
でも、えーりんとうどんげの組み合わせが殺
735Classical名無しさん:08/03/07 17:35 ID:dHtIyLg6
>>733
予約は入ってない
誰か城組書いてるかな…
736Classical名無しさん:08/03/07 18:16 ID:1iShmQZI
対主催者
海馬瀬人、双海亜美、日吉若......................深夜....(D-1城内部)..[バラモス→現在予約無し]
矢部野彦麿、アリス・マーガトロイド、カービィ....深夜....(D-1)........[バラモス→現在予約無し]
天海春香........................................真夜中..(E-1)........[黒より→現在予約無し]
竜宮レナ........................................黎明....(D-2)........[両手には→現在予約無し]
博麗霊夢、KAS、柊つかさ......................黎明....(D-2)........[全並行世界ナイトメア→現在予約無し]
武藤遊戯........................................黎明....(C-3)........[ボクが庶民で君が王でさらにアンタも王で→現在予約無し]
永井博之、キョンの妹............................黎明....(E-4)........[☆ニコロワ住民のネット小説☆クロミラテクニック隔離→現在予約無し]
伊吹萃香........................................黎明....(D-3)........[月夜を隠さない程度の能力→現在予約無し]

Marder
涼宮ハルヒ、チューモン..........................黎明....(D-2)........[全並行世界ナイトメア→現在予約無し]
ロールちゃん....................................黎明....(D-4)........[☆ニコロワ住民のネット小説☆クロミラテクニック隔離→現在予約無し]
八意永琳、古泉一樹..............................黎明....(E-4)........[The Book→現在予約無し]
エアーマン......................................深夜....(D-2)........[死々闘→現在予約無し]
阿部高和........................................深夜....(C-2)........[せがれ→現在予約無し]
737Classical名無しさん:08/03/07 18:25 ID:Rp99Qq2M
放送後動いてないの閣下だけかよwwwww
738Classical名無しさん:08/03/07 18:26 ID:/w1mczCI
閣下涙目ww
739 ◆CMd1jz6iP2 :08/03/08 00:01 ID:GnAI9hL.
あー、うん、その、なんだ、閣下ゴメン
俺だと連投だしね
740Classical名無しさん:08/03/08 00:45 ID:ZYh18/0c
閣下は目的もハッキリしてるし、道中に障害もなさそうだし
城に着くまでは変にツナギとか入れない方が無難なんです
741Classical名無しさん:08/03/08 01:17 ID:M5ThvU6A
俺も書きたいやつがいるが自己リレーwww
742 ◆qwglOGQwIk :08/03/08 10:22 ID:ge3W2PXI
しょうがないのでカイバーマン 天海春香 双海亜美 ピヨシ エアーマン、アリス、彦麿、カービィを予約してみるのですwwwww
シュークリーム3つ分用意しておくのですwwwwあぅあぅwwwwww
743Classical名無しさん:08/03/08 10:34 ID:JwfZ132o
あぅあぅwwwwwがんばれがんばれなのですwwwwwwwww
744Classical名無しさん:08/03/08 11:31 ID:pULk8S.2
               . -―- .      やったッ!! さすがqwglOGQwIk!
             /       ヽ
          //         ',      おれたちにできない予約を
            | { _____  |        平然とやってのけるッ!
        (⌒ヽ7´        ``ヒニ¨ヽ
        ヽ、..二二二二二二二. -r‐''′     そこにシビれる!
        /´ 〉'">、、,,.ィ二¨' {.  ヽ     _ _      あこがれるゥ!
         `r、| ゙._(9,)Y´_(9_l′ )  (  , -'′ `¨¨´ ̄`ヽ、
         {(,| `'''7、,. 、 ⌒  |/ニY {               \
           ヾ|   ^'^ ′-、 ,ノr')リ  ,ゝ、ー`――-'- ∠,_  ノ
           |   「匸匸匚| '"|ィ'( (,ノ,r'゙へ. ̄ ̄,二ニ、゙}了
    , ヘー‐- 、 l  | /^''⌒|  | | ,ゝ )、,>(_9,`!i!}i!ィ_9,) |人
  -‐ノ .ヘー‐-ィ ヽ  !‐}__,..ノ  || /-‐ヽ|   -イ,__,.>‐  ハ }
 ''"//ヽー、  ノヽ∧ `ー一'´ / |′ 丿!  , -===- 、  }くー- ..._
  //^\  ヾ-、 :| ハ   ̄ / ノ |.  { {ハ.  V'二'二ソ  ノ| |    `ヽ
,ノ   ヽ,_ ヽノヽ_)ノ:l 'ーー<.  /  |.  ヽヽヽ._ `二¨´ /ノ ノ
/    <^_,.イ `r‐'゙ :::ヽ  \ `丶、  |、   \\'ー--‐''"//
\___,/|  !  ::::::l、  \  \| \   \ヽ   / ノ
745Classical名無しさん:08/03/08 12:11 ID:6c.OZ8JI
>>742
シュークリームはないから、ワインとキムチでいいなのですか? 2%
746Classical名無しさん:08/03/08 12:15 ID:N.jSdbA2
なんだこのカオスはwwwwwww
あぅあぅwwwwww
747Classical名無しさん:08/03/08 12:22 ID:nbZXFg16
KOOLになれよお前らwww
748Classical名無しさん:08/03/08 12:25 ID:JwfZ132o
KOOOOOOOOOOOOOL!!!!
749Classical名無しさん:08/03/08 12:39 ID:lPn0m/nk
FOOOOOOOOOOOL!!!
750Classical名無しさん:08/03/08 12:48 ID:QK1r3OYY
あうあうあうwwwww
KOOLにwwwなるのwwwwうぇwwwですよwwww
751Classical名無しさん:08/03/08 12:50 ID:JwfZ132o
シエル「な、なんなんですかッ!この流れはッ!」
752Classical名無しさん:08/03/08 18:39 ID:jnl4/HEg



                 ∧       
                 /:::ヽ
                /:::::::::ヽ 
               /::::::::::::::ヽ  <いいとこつれてってやるよ。
              /::::::::::::::::::::ヽ
              / ̄ ̄"⌒ヽゝ
               ∩〈|   .∩_i | 
            L___|   .L__| |_ ̄`ヽ
              ヽ〉     lヽ‐'^〉  〉
              /     \/  /
              | , ー\_  \. |   ∧_∧
              |__________〉 \ ('Д` ;*) >>743-750
              |  |    ./ /_   ̄:::::::::::: ´⌒\
              〈_ヽ   〈__ヽ,___⊂二" )) ) )、、....ズズ

753Classical名無しさん:08/03/08 19:47 ID:jMhHJhf6
ああ!>>743-750が静岡に連れて行かれた!!
754Classical名無しさん:08/03/08 19:51 ID:JwfZ132o
アイルビーバック!!
755Classical名無しさん:08/03/08 20:32 ID:cWK007Rg
この日を境に、ニコロワの有力な書き手が数名姿を消す。
俗にいう「ニコ隠し」である
756Classical名無しさん:08/03/08 20:40 ID:9cOO7quk
そして某所でバトロワに参加するわけかw
757Classical名無しさん:08/03/08 20:59 ID:jnl4/HEg
それを境にニコロワ会場が段々と裏世界に(ry
758Classical名無しさん:08/03/08 21:14 ID:6c.OZ8JI
ラン ラン ルー♪
759Classical名無しさん:08/03/08 21:25 ID:8EXEOxHs
ドナルドとマクドナルドのニコ隠し
2008年公開未定
760Classical名無しさん:08/03/08 21:40 ID:/Fd0N7rM
>>759
なんだwwwwwwwその素敵なネーミングセンスはwwwwwwww
思わず吹いちまったじゃねーかwwwwwwwww
俺もまだまだ修行が足りん
761Classical名無しさん:08/03/08 21:52 ID:jnl4/HEg
>>759
一人の道化師がハンバーガーショップでせっせと働く映画ですねww
762Classical名無しさん:08/03/08 22:44 ID:JwfZ132o
ピエモンB「なんで私がこんなことを……」
763Classical名無しさん:08/03/08 22:44 ID:nbZXFg16
今まで読んできて気付いたんだが
死亡フラグがかなり出揃った萃香が今まさに死にそうなんだよな。
・ロール(マーダー)へ向かうところ
・同時に博之もロールを追っている
・博之はロールの「殺戮を行った萃香」という誤解を聞かされている
・なおかつ博之はもとから萃香を味方側とは考えていない
・そうすると萃香の「ロールを止める」は博之には「ロールを殺す」に見える
 →博之が疑心暗鬼を起こす?
長文スマソ。マジで起きたら多分俺のせいになるんだよな。
764Classical名無しさん:08/03/08 22:45 ID:yCyeF3dY
よそうみたいなものはよそうぜ
765Classical名無しさん:08/03/08 22:50 ID:jnl4/HEg
>>762
マルク「大丈夫なのさ!後は僕が……え?僕も働けだって…?ちょっ…お(ry 」
766Classical名無しさん:08/03/08 23:19 ID:zwprHTOk
>>765
ドナルド「名前はマルクか………長いな……」
マルク「そんな長い名前じゃないのサ!マルクでいいのサ!」
ドナルド「よし♪短くしてマックだ♪」

マック(マルク)「な、なんだってーーーー!」
767Classical名無しさん:08/03/08 23:23 ID:fJtIbv6k
西の方だったらマクドに改名されるのか?
768Classical名無しさん:08/03/08 23:27 ID:b9xsMqYA
>>763
何故殺たし

東方は割と好きだから、すいか死んじゃうのは結構辛いんだぜ…
769Classical名無しさん:08/03/08 23:27 ID:JwfZ132o
(≡ω≡.)おや……?こなたの様子が……

(エωエ.)おめでとう!こなたはノヴァに進化した!
770Classical名無しさん:08/03/08 23:42 ID:6c.OZ8JI
>>769
そろそろ落ち着こうか

>>768
「〜〜が好きだから死ぬの嫌」云々を言うのは良くないって事、
わかってるよね? 少し…頭冷やそうか。









俺だって水銀燈死んじゃって、オーエンする奴あとレナしか残ってないんだYO!!!!
771Classical名無しさん:08/03/08 23:55 ID:MIazvXjo
俺だって水銀燈死んじゃったから、心置きなくゴホゴホ
772 ◆KJJLTUDBrA :08/03/09 00:22 ID:UJdqKxEM
突発的に思いつき、衝動的に書いてしまった。
テスト投下してみたので、判定をお願いしたい。

そして、マーガリンを予約します。
773Classical名無しさん:08/03/09 01:09 ID:V.3L5Kos
うーん、黒幕って必要なのかな…マルピエで充分だと思うんだが

物凄く個人的な意見を言うと、マルピエはあれでなかなかキャラが立っているからわざわざ黒幕を用意しなくても…と思ってしまう。
774Classical名無しさん:08/03/09 01:12 ID:GJOaInRg
初めから言われてることだが
マルピエがニコと関わりなさすぎなのがみんな頭に引っかかってるんだと思う
ピエモンなんてデジモン本編だけだし
775Classical名無しさん:08/03/09 01:13 ID:WXHovuUI
今日のドナルドはすごいな…
776Classical名無しさん:08/03/09 01:14 ID:WXHovuUI
スマン、スレ間違えたorz
誤爆
777Classical名無しさん:08/03/09 02:15 ID:ImOHm.MY
>>774
まぁ確かにな…
その為にも新たな黒幕ってのもアリっちゃあアリだけど、キャラが立っているのに勿体無いし、キャラの理解とかでgdgdになる可能性も…
…難しい!
778Classical名無しさん:08/03/09 09:10 ID:stXS.gG6
関わりなさすぎつっても、それがどうしたって気はするけどな。
今のままで十分機能するんだし、わざわざ黒幕を用意する必要はないだろ。

つーか今更出てきた方が萎える。
779 ◆jVERyrq1dU :08/03/09 09:12 ID:E/pMl3Dw
携帯から失礼
遊戯 ハルヒ チューモン予約します。
前みたいにならないように頑張る
780Classical名無しさん:08/03/09 10:36 ID:DodiKm5E
遊戯YABEEEEEEEEE!!!
781Classical名無しさん:08/03/09 11:30 ID:hRiS2wec
遭遇すんのかよ・・
闇VS悪&神ってどんな組み合わせですか・・
782Classical名無しさん:08/03/09 11:39 ID:x9UONdiI
闇と手を組めばどんな奴でも倒せるって神域の男が行ってたな
783Classical名無しさん:08/03/09 11:55 ID:fkPxkQ6I
闇AIBOが何をするかで勝敗が決まるね。
784Classical名無しさん:08/03/09 12:01 ID:8fW5VAlk
対主催者
海馬瀬人、双海亜美、日吉若  深夜 (D-1城内部) [バラモスの代わりに臓物喰らい尽くすことになった→ ◆qwglOGQwIk氏]
矢部野彦麿、アリス・マーガトロイド、カービィ (D-1) [バラモスの代わりに臓物喰らい尽くすことになった→ ◆qwglOGQwIk氏]
天海春香             真夜中 (E-1) [黒より暗い人物→ ◆qwglOGQwIk氏]
竜宮レナ 黎明 (D-2) [両手には飛び立つ希望→現在予約無し]
博麗霊夢、KAS、柊つかさ 黎明 (D-2) [全並行世界ナイトメア→現在予約無し]
武藤遊戯 黎明 (C-3) [ボクが庶民で君が王でさらにアンタも王で→ ◆jVERyrq1dU氏]
永井博之、キョンの妹 黎明 (E-4) [☆ニコロワ住民のネット小説☆クロミラテクニック隔離→現在予約無し]
伊吹萃香 黎明 (D-3) [月夜を隠さない程度の能力→現在予約無し]

Marder
涼宮ハルヒ、チューモン 黎明 (D-2) [全並行世界ナイトメア→ ◆jVERyrq1dU氏]
ロールちゃん 黎明 (D-4) [☆ニコロワ住民のネット小説☆クロミラテクニック隔離→現在予約無し]
八意永琳、古泉一樹 黎明 (E-4) [The Book→ ◆KJJLTUDBrA氏]
エアーマン 深夜 (D-2) [ビッグブリッジの死々闘→ ◆qwglOGQwIk氏]
阿部高和 深夜 (C-2) [せがれいじり→現在予約無し]
785Classical名無しさん:08/03/09 12:20 ID:fkPxkQ6I
先生!マーダー一人あたりの殺害数より、対主催のつかさ&レナのが殺してます!
786Classical名無しさん:08/03/09 12:36 ID:ExWoR7Tg
気のせいです。気のせいだろ?
787Classical名無しさん:08/03/09 15:54 ID:hRiS2wec
当然と言えば当然なんだがな。
第五回放送終了時点で
殺害数1位がつかさ、2位の一人がレナなんだから。
788Classical名無しさん:08/03/09 16:29 ID:iPDjy17g
どっちも元マーダーってついてもおかしくないしねぇ
789Classical名無しさん:08/03/09 17:09 ID:fkPxkQ6I
二人ともずっと対主催なのにねぇwww
790Classical名無しさん:08/03/09 17:16 ID:stXS.gG6
       、--‐冖'⌒ ̄ ̄`ー-、
     /⌒`         三ミヽー-ヘ,_
   __,{ ;;,,             ミミ   i ´Z,
   ゝ   ''〃//,,,      ,,..`ミミ、_ノリ}j; f彡
  _)        〃///, ,;彡'rffッ、ィ彡'ノ从iノ彡
  >';;,,       ノ丿川j !川|;  :.`7ラ公 '>了   なに?レナやつかさの殺害数がトップクラスだって?
 _く彡川f゙ノ'ノノ ノ_ノノノイシノ| }.: '〈八ミ、、;.)
  ヽ.:.:.:.:.:.;=、彡/‐-ニ''_ー<、{_,ノ -一ヾ`~;.;.;)  
  く .:.:.:.:.:!ハ.Yイ  ぇ'无テ,`ヽ}}}ィt于 `|ィ"~
   ):.:.:.:.:|.Y }: :!    `二´/' ; |丶ニ  ノノ    逆に考えるんだ
    ) :.: ト、リ: :!ヾ:、   丶 ; | ゙  イ:}
   { .:.: l {: : }  `    ,.__(__,}   /ノ   「対主催のレナ達よりも殺害数が少ないマーダーなら怖くない」と
    ヽ !  `'゙!       ,.,,.`三'゙、,_  /´
    ,/´{  ミ l    /゙,:-…-〜、 ) |       考えるんだ
  ,r{   \ ミ  \   `' '≡≡' " ノ
__ノ  ヽ   \  ヽ\    彡  ,イ_
      \   \ ヽ 丶.     ノ!|ヽ`ヽ、
         \   \ヽ `¨¨¨¨´/ |l ト、 `'ー-、__
            \  `'ー-、  // /:.:.}       `'ー、_
          `、\   /⌒ヽ  /!:.:.|
          `、 \ /ヽLf___ハ/  {
791Classical名無しさん:08/03/09 17:37 ID:jf0Y6dgg
まあ、二人とも元マーダーかつ対主催だったからなぁ。
・・・というか今の神・驚きの黒さもヴァンデもマーダーかつ対主催だな・・。
792Classical名無しさん:08/03/09 18:28 ID:fkPxkQ6I
空気男がいい子に見えてきた。
マーガリンは優等生www
793Classical名無しさん:08/03/09 18:32 ID:/nkKae52
本当にwww
マーガリンはどっちも頭はいいし片方は正常だからかな?
というかマーダー以外と戦ってないからかww
794Classical名無しさん:08/03/09 18:46 ID:ImOHm.MY
>>791
つかさは今霊夢・KASと一緒なんだっけ?
この2人はつかさの仲間と全然関わり持って無いし(せいぜいカービィの味方の味方)、つかさも浄化されて来たから今のところ特に危険は無いかな?

>>793
戦闘面では一番対主催らしい働きをしてるんじゃあなかろうか
しかも脱出できるようならちゃっかり便乗だってするんだろう?まぁ、その場合問題はレナとひろ君の存在だけど…
795Classical名無しさん:08/03/09 19:18 ID:fzLZTHzU
ところでDMカードのシステムってどうなっているんだろう
ロワ舞台が精霊世界に酷似する場所で、短時間なら精霊を召喚できるのか
それとも主催側が設定した、ただのホログラムなのか

前者だったら命令もしてないのにモンスターが勝手に動いたりという俺ルールが可能で
後者だったら遊戯と海馬以外でも三幻神が召喚可能になる
796Classical名無しさん:08/03/09 19:31 ID:fkPxkQ6I
>>795
召喚者の命令無しには動けないらしい。
797Classical名無しさん:08/03/09 19:41 ID:fzLZTHzU
まぁ挙げた俺ルールは例えだから
798Classical名無しさん:08/03/09 19:56 ID:ws5.KZiE
実体あるみたいだしポケモンみたいに精霊だけど制限で示指が無ければ動けないとか
799Classical名無しさん:08/03/09 20:24 ID:lYtS62/g
ややこしい設定だな。今更だけど
800Classical名無しさん:08/03/09 20:56 ID:ImOHm.MY
ところで間もなく500kbなんだが次スレって立ってたっけ?
801Classical名無しさん:08/03/09 21:13 ID:ACM3xN/E
ないと思う
誰もたてる奴がいないならおれたてるわ
802Classical名無しさん:08/03/09 21:14 ID:TwR69a2w
785
対主催が殺害数トップてLSロワの高町なのはの例もある
803 ◆KJJLTUDBrA :08/03/10 00:08 ID:3RPEjlsA
ふうむ。
やはり反応が芳しくないですね。
テスト投下して正解でした。
では、テスト投下のあれに関しては、没ということで。
804Classical名無しさん:08/03/10 17:38 ID:ht6SImiQ
てs
805Classical名無しさん:08/03/10 21:24 ID:NHQQyGKA
tp://sports2.2ch.net/test/read.cgi/entrance2/1205151845/l50
立てたばかりですまないが、飯の時間なのでテンプレなどは他の人にお願いする。
806Classical名無しさん:08/03/10 23:11 ID:yHO0X8bo
807Classical名無しさん:08/03/11 12:31 ID:sAisvV/s
埋め
808Classical名無しさん:08/03/11 13:33 ID:ekuu2k02
埋め
809Classical名無しさん
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