ニコニコ動画バトルロワイアル sm9

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1Classical名無しさん
鬱です。

本日はニコニコ動画バトルロワイアルに 御アクセス頂き、 ありがとうございます。

ここはニコニコ動画の人気キャラを用いてバトルロワイヤルをするというリレー小説のスレッドです。
大変申し訳ありませんが、 この企画はフィクションであり実在の団体・人物等とはまったく関係ありません。
ルールさえ守っていただければ誰でも参加可能です。

マルクさんが小学生以来、 バトロワ主催に挑戦しました。

またの御アクセスをお待ちしております。


前スレ:http://sports2.2ch.net/test/read.cgi/entrance2/1199005142/

Wiki:http://www39.atwiki.jp/niko2/pages/1.html
したらば:http://jbbs.livedoor.jp/otaku/9990/
2Classical名無しさん:08/01/26 19:13 ID:duKzBNMo
【基本ルール】

全員で殺し合いをしてもらい、最後まで生き残った一人が勝者となる
生き残った一人だけが、
元の世界に帰ることができるのと、
望んだ願いを叶えることができる

ゲームに参加するプレイヤー間でのやりとりに反則はない
ゲーム開始時、プレイヤーはスタート地点からテレポートさせられMAP上にバラバラに配置される

【主催者】
マルク@星のカービィシリーズ
ピエモン@デジモンアドベンチャー

その他に部下としてイビルモン、レッドベジーモン、ハグルモン他多数のデジモン勢と
パタ、ダクーガ、ボルムがいる

プレイヤー全員が死亡した場合、ゲームオーバー(勝者なし)となる
【スタート時の持ち物】
プレイヤーがあらかじめ所有していた武器、装備品、所持品は全て没収
(義手など体と一体化している武器、装置はその限りではない)
3Classical名無しさん:08/01/26 19:16 ID:duKzBNMo
【ステータス】
投下の最後にその話しに登場したキャラクターの状態・持ち物・行動指針などを表す
ステータスを書いてください。
テンプレはこちら。
【地名/○○日目・時間(深夜・早朝・昼間など)】
【キャラクター名@出典作品】
[状態]:(ダメージの具合・動揺、激怒等精神的なこともここ)
[装備]:(武器・あるいは防具として扱えるものはここ)
[道具]:(ランタンやパソコン、治療道具・食料といった武器ではないが便利なものはここ)
[思考・状況](ゲームを脱出・ゲームに乗る・○○を殺す・○○を探す・○○と合流など。
      複数可、書くときは優先順位の高い順に)

【予約について】
キャラの予約は基本的には3日
申請があれば2日くらいは延長するかもです


【作中での時間表記】
深夜:0〜2  
黎明:2〜4
早朝:4〜6
朝:6〜8
午前:8〜10
昼:10〜12
日中:12〜14
午後:14〜16
夕方:16〜18
夜:18〜20
夜中:20〜22
真夜中:22〜24
4Classical名無しさん:08/01/26 19:18 ID:duKzBNMo
参加者リスト(現時点)
34/70
3/7【涼宮ハルヒの憂鬱】●キョン/●谷口/●朝倉涼子/●暗黒長門(長門有希)/○キョンの妹/○涼宮ハルヒ/○古泉一樹
3/5【東方project】○博麗霊夢/○アリス・マーガトロイド/●鈴仙・優曇華院・イナバ/○伊吹萃香/●霧雨魔理沙
3/5【THE IDOLM@STER】○天海春香/○高槻やよい/●菊地真/●如月千早/○双海亜美
3/5【ひぐらしのなく頃に】●前原圭一/●園崎詩音/○園崎魅音/○富竹ジロウ/○竜宮レナ
1/4【ポケットモンスター】●ピカチュウ/●フシギダネ/●サトシ/○ピッピ(ゆびをふる)
2/4【らき☆すた】●白石みのる/○柊つかさ/○泉こなた/●柊かがみ
0/3【現実】●いさじ/●福山芳樹/●外山恒一
1/3【永井先生】●永井浩二/●永井けいこ/○永井博之
2/3【遊☆戯☆王デュエルモンスターズ】○海馬瀬人/●インセクター羽蛾/○武藤遊戯
2/3【ロックマンシリーズ】○ロールちゃん/●ロックマン/○エアーマン
2/2【TAS動画シリーズ】○TAS/○KAS
1/2【くそみそテクニック】○阿部高和/●道下正樹
1/2【新・豪血寺一族シリーズ】○矢部野彦麿/●琴姫
2/2【新世紀 東方三国志〜ひぐらしの憂鬱〜】○八意永琳/○ニート
1/2【デジモンアドベンチャー】○ゴマモン/●オメガモン
1/2【星のカービィ】○カービィ/●ワドルドゥ
0/2【魔法少女リリカルなのはStrikers】●ティアナ=ランスター/●高町なのは
1/2【ミュージカル・テニスの王子様】○日吉若/●越前リョーマ
0/1【イチローのレーザービームで地球滅亡】●イチロー
0/1【陰陽ファンタジーZ】●削除番長
1/1【自作の改造マリオを友人にプレイさせるシリーズ】○友人
1/1【スーパーマリオシリーズ】○ヨッシー
0/1【世界最強の国技SUMOU】●YOKODUNA
1/1【地球防衛軍3 おじいちゃんの防衛軍】○ストーム1
1/1【天空の城ラピュタ】○ムスカ
0/1【東映版スパイダーマン】●スパイダーマン
0/1【ドラえもんのび太のバイオハザード】●ドラえもん
0/1【覇王翔吼拳を使わざるをえない】●リョウ・サカザキ
0/1【マリア様がみてる&俺ヴォイス】●小笠原祥子
1/1【ローゼンメイデン】○水銀燈
5Classical名無しさん:08/01/26 19:21 ID:wKM587Qk
速攻魔法発動!バーサーカー>>1
6Classical名無しさん:08/01/26 19:22 ID:wKM587Qk
>>1の後に乙を入れ忘れたのも私だ……
7最高腸:08/01/26 19:30 ID:bHYndPj6
あ、俺がいるw
8Classical名無しさん:08/01/26 19:30 ID:Dz4Yf4OY
見たまえ!最高の>>1乙とは思わんかね!
9Classical名無しさん:08/01/26 19:57 ID:JkZaWqjA
>>1乙だが、これも入れた方がいいんじゃねえの?

【確定参加者・場所・時間別一覧表】
夜   A-2 雪原                  ストーム1
夜   C-2 川を越えている最中        TASさん、クラモンB*4、クラモン(ケラモン)C*1
夜中 C-2 滝周辺.                阿部高和
夜中 C-3 洞窟前.                ゴマモン(メガシードラモン)、柊つかさ
夜   C-3 山道中央部.             天海春香、園崎魅音、武藤遊戯(闇遊戯)、ムスカ
夜中 C-3 山道中央部・高台          エアーマン
夜中 C-3 南東部.                カービィ、矢部野彦麿、アリス・マーガトロイド、(アサクーラ)
夜   D-1 城・書斎                海馬瀬人、高槻やよい
夜   D-1 城・寝室                双海亜美、日吉若
夜中 D-3 草原.                  永井博之、竜宮レナ、友人、キョンの妹、ピッピ、水銀燈、泉こなた
夜   D-4 塔.                   ニート、ロールちゃん、KAS、
夜中 E-3 民家                  富竹ジロウ
深夜 E-3 町・薬局前.              博麗霊夢、ヨッシー
夜中 E-3 町・薬局内部.             八意永琳、古泉一樹、涼宮ハルヒ
夜中 E-3 民家                  チューモン(元クラモンA)
夜中 E-4 塔前                  伊吹萃香

10Classical名無しさん:08/01/26 19:57 ID:JkZaWqjA
【死亡確認者・場所一覧表】
見せしめ                   海馬モクバ
見せしめ                   双海真美
深夜 A-1  祠のトイレ           キョン
早朝 A-4  森(埋葬済み)         ワドルドゥ、琴姫
朝   B-1  草原               鈴仙・優曇華院・イナバ(消滅)、高町なのは
昼   B-2  橋の手前           柊かがみ
午後 B-2  橋の手前          菊地真
深夜 B-3  山頂(埋葬済み)       白石みのる
深夜 C-1  湿原               ドラえもん
朝   C-3  北部・山の麓(埋葬済み) 福山芳樹
朝   C-3  山道脇.             暗黒長門(消滅)、朝倉涼子
夕方 C-3  北西部.洞窟         いさじ
夕方 C-3  山道東部           スパイダーマン
夜中 C-3  山道中央部・高台.      ロックマン
朝   D-1  城内(埋葬済み)       永井けいこ、削除番長
深夜 D-2  草原               道下正樹
夜中 D-3  塔前(伊吹萃香が所持)  ティアナ=ランスター
黎明 D-4  草原               如月千早、越前リョーマ
昼   D-4  草原              ピカチュウ
夕方 E-2  河原              お覇王、霧雨魔理沙
深夜 E-3  町                 インセクター羽蛾(消滅)
昼   E-3  町                オメガモン
深夜 E-3  町・薬局前.          YOKODUNA
黎明 E-4  塔内部             小笠原祥子
午後 E-4  塔屋上            外山恒一
午後 E-4  塔の下            前原圭一
昼   E-5  草原(埋葬済み)       サトシ(闇サトシ)、永井浩二
午後 E-5  草原              フシギダネ
早朝 E-5  草原              園崎詩音(消滅)
朝   E-5  草原              イチロー
【残り34人】
11Classical名無しさん:08/01/26 21:05 ID:hc3ivc8o
>>1乙と言わざるを得ない
12Classical名無しさん:08/01/26 22:19 ID:e1na28ow
スレが立ったらすぐGJ 〜>>1乙〜
13最高腸:08/01/26 22:35 ID:bHYndPj6
スレが立ったらすぐGJ〜狂気の>>1乙病〜
14Classical名無しさん:08/01/27 02:01 ID:AjEScgA.
ずっと>>1乙のターン!
15Classical名無しさん:08/01/27 03:49 ID:4KBGmz2I
>>1乙!って何?業界用語?ありえん
16Classical名無しさん:08/01/27 07:36 ID:pqjkDPFo
>>1は大変なスレを立てていきました乙
17 ◆jU59Fli6bM :08/01/27 18:10 ID:peRJ0ESc
スレ立て乙です!
早速ですみませんが城組TASRAC延長させてください。
戦闘描写終わればすぐいけそうです。
18Classical名無しさん:08/01/27 18:58 ID:QR5Y0BkE
>>17期待して待つぜ。それと>>1
19 ◆irB6rw04uk :08/01/27 19:00 ID:4IYJoF6c
一応完成しました。
一つだけ迷っているところがあって遅れてしまいました。
今から推敲してしたらばのほうに投下します
20 ◆irB6rw04uk :08/01/27 20:22 ID:4IYJoF6c
仮投下してきました。
修正すべきところがあったら教えてください。
21Classical名無しさん:08/01/27 20:34 ID:ISUIV.7g
大丈夫だと思いますよー
22Classical名無しさん:08/01/27 20:35 ID:CtekSvJk
仮投下乙
まさかあんなアイテムがくるとは……
いいんじゃないかな?
23Classical名無しさん:08/01/27 20:48 ID:jGuacGpI
外見とか想像できん。脳に突き刺して使うものなん?
24Classical名無しさん:08/01/27 20:52 ID:zfR8Fgu6
>>23
頭にはっつけるとずぶずぶ脳内に侵入してくるんじゃね?

ジョジョ6部のスタンドDISCみたいな感じで
25Classical名無しさん:08/01/27 20:56 ID:CEO8WSQU
最終鬼畜>>1乙!

>>20
ちょっ、まさかあれ投げたのかw壊れるw
まあ、それはさておき。
俺としては、全体的に少しやりすぎな感が否めないな。
とりあえず、あの四人格はあくまでクラモン(現チューモン)上のプログラムなだけで、最終決定権があるのはクラモン自身じゃないだろうか。
まあ、例えるなら脳内会議みたいな状況じゃないかと。
だから、結果としてある一つの人格の意見を取ったとしても、それを決めたのはクラモンだ。
ややこしいけど、以前のSSを見るとそんな感じじゃないかと。間違いなど指摘よろ。
あと、富竹は仮にも軍人の端くれだし、針を刺すのが怖いとかいうのは蛇足かと。
26Classical名無しさん:08/01/27 20:58 ID:ISUIV.7g
むしろ石仮面みたいにグサグサッと
27Classical名無しさん:08/01/27 21:10 ID:kRh6/z9M
ハンバーガーやコーラと一緒にミキサーにかけて煮込んで飲めばいいと思うよ
28 ◆irB6rw04uk :08/01/27 21:15 ID:4IYJoF6c
指摘有難う御座います。
>>25
確かに読み返したらそんな感じでしたね。
修正案を思いつきましたのでそれで書いてみます。
それでもダメなら破棄しようと思います。
29Classical名無しさん:08/01/27 22:25 ID:kmVKWPN.
>>25
富竹は注射が苦手らしいです。
だから鷹野がC-120ではなく栄養剤注射したのがわからず時報
どの程度苦手かによる。雛見沢症候群で冷静な判断できないだけかも。

メルブラのシオンの分割思考みたいなのですかね?
本人では無く、四重人格でもなく、四つ同時に思考できるだけとか。
30Classical名無しさん:08/01/27 22:49 ID:3Kw0mEvM
乙!
『あれ』がニーKASに入ったら凄いだろうなwwww

31 ◆irB6rw04uk :08/01/28 00:07 ID:WmHQ1zak
修正案をしたらばのほうに落としてきました。
たぶんこれで大丈夫だと思います
32Classical名無しさん:08/01/28 10:09 ID:M2rL7/nI
何が変わったのかよくわからんけど結局本人なわけ?
死んだキャラが活躍しそうなのは戴けないのだが
そういうことではないのか?
33Classical名無しさん:08/01/28 19:32 ID:N6vT9c8g
>>31
うーん、なんと言えばいいだろう。
死者復活になりかねないというのもあるんだけど、それより以前の点も少しね。
まず、あの四人格は完全に独立してるわけじゃないだろ?
四つの人格が融合して、今のチューモンの人格を形成している、という方が自然なんじゃないだろうか。
もちろん優曇華が停止してるからバランスが崩れてるって考えもできなくはないけど……
とにかく、あれら四人格は自意識とかなく、あくまでOSみたいなものにすぎないと思うのさ。
それと、そんなに次々と人格がダウンしていくのは、ご都合主義的すぎるんじゃないかな。
ううむ。

>>29
シオンのあれは、並列演算してるようなもんだろ?
あえて言うなら式が近いと思うけど……。
ちなみに俺は、Dクラッカーズのバールをイメージしてた。
自分の他に二人分の人格を取り込んだために、ややこしいことになってたキャラでさ。まあ、知らん人も多いだろうけど。
34 ◆c92qFeyVpE :08/01/28 20:51 ID:9zk2C6ME
うどんげ暴走させた俺も関係あるかな、これは

俺の認識としては
「なのは」「詩音」「うどんげ」「長門」
それぞれの「人格のデータ」があって、それぞれはある程度独自で思考し、それをマスターであるクラモンの思考データに伝える
シオンがよく知らないからあれだけど、イメージは>>29に近い
その中でえーりん見てうどんげのデータが暴走、他の思考データを防ぎながらクラモンの思考自体も乗っ取りかける
それを長門の能力でフリーズをかけた、みたいな感じ

独自で思考、ってのはなのは達の人格データに意志があるわけではなく、CPUみたいな感覚なんだが……ううむ、伝えにくい
35Classical名無しさん:08/01/28 21:47 ID:woMxlChg
c92氏「うまく言語化できない。情報の伝達に齟齬が発生するかもしれない。でも、聞いて」
36Classical名無しさん:08/01/28 22:25 ID:HuUrxJIM
最初の問題として微妙に記憶があるらしいことが挙げられる
第二の問題は詩音が自分の名前を得てしまったこと
そのためにお姉と出会えば思い出すんじゃね? と予想されてた
その派生でうどんげがえーりん見ても暴走すんじゃね? と派生
そして今、関係者見ると暴走すんじゃね? と発展してる
リレーが妙な具合で繋がった結果だな

エヴァのMAGIとも違うよな
魔力やら情報改変やら一気に管理できないから
力ごとに個別管理できるよう管理する性格を作ったとか?

記憶あっても全員最終的に[〜して殺す]と目的が変換されてるから
うどんげも「師匠発見ぶっ殺す」って理由で暴走したんだと思った
37Classical名無しさん:08/01/28 23:13 ID:M2rL7/nI
チューモンの意思
参加者全滅主催者殺す

なのは、長門、詩音、うどんげは、本物同様それぞれ考えられる。
でも、どんな思考もチューモンの意思が大前提。
えーりん、魅音などを見ると殺意の波動が抑えられず暴走。

こうですか? わかりません!
38Classical名無しさん:08/01/28 23:39 ID:9zk2C6ME
>>37
そういう認識だったぜ!
三行にまとめられると自分の語学力に自信がなくなってくるな!
39Classical名無しさん:08/01/28 23:48 ID:WmHQ1zak
つまり
なのは、長門、詩音、うどんげは本来の自我(魂?)を持っていた
だけどクラモンに取り込まれたことにより、クラモンの意思が混じって混乱状態になっている
意思の深い部分にあるものを見ると殺意で暴走してしまう

irB氏の話ではほかの人格が停止したことにより長門のなんていうか自我(魂?)の純度があがって名前を思い出したみたいな感じじゃね?
40 ◆irB6rw04uk :08/01/29 00:02 ID:c2rL88Ek
連レスすまん
結論的に言うとirB氏(私)のSSは却下ですかね?
ニコ見沢症候群L5の俺ですから……
41 ◆7d53oKGJP2 :08/01/29 00:52 ID:oPXpol6w
えーと、俺にも責任イッパイありまして…
元は長門吸収直後のクラモンについて自分が完全に把握できなかったことが
色々なトラブル?を巻き起こしてしまったと思うんです。あと詩音のお墓云々。
『各人物の思考が、破壊行動を前提に蘇っています。』
これが、『各人格の思考を基に一人で考える女口調のクラモン』なのか『3人の人格があるクラモン』なのか、うまく理解できなかったんです。
とりあえず『クラモン本人』が意識を捨てたとあるので、3人で一つの体を動かしていると判断しました。
OSが三つだとコンピューター的に考えてありえない事なので、タスクのプロセスが3つ程度に考えてたんです。
◆CMd1jz6iP2さんがどういう風に考えていらっしゃったのか、伺いたいのですが…
魔法使用時に情報改変不可能という所で、やっぱりタスクのCPU使用性かな?と思ったんですが、どうでしょうか。
記憶がある記述についてはあまり触れていないんですが…蘇ったのは『思考』であって『記憶』じゃないと
判断したので、エピソード記憶がない程度に書いてました。

冬なのに蚊が出るなんて嫌ですね。首を刺されちゃいました。
クラモンに疑問を感じたあなた。どうかこの疑問を解いてください。それだけが私の願いです。
42Classical名無しさん:08/01/29 00:53 ID:jJViQ926
惜しい気もするけど…


チューモンの中の人はカーナビみたいなもの?
43 ◆CMd1jz6iP2 :08/01/29 03:12 ID:T0vHwjhk
また俺か……ニコ見沢症候群はまだ続いているというのか。
ちょっと見直してみました。

不確かな状況説明のせいで、大変混乱させていたようで真に申し訳ない。
始めに長門を食いはうどんげ食われたし長門食わせちまえという短絡的志向でした
>>41
一人で脳内会議してるヤバイ人、というおぼろげな感じで書きました。
◆7d53oKGJP2さんの書いてくれたクラモンはまさに理想系でした。
能力が同時に使えないのはCPUの使用率が1つの行動で100%近くなってしまうから。
まるで三人で会話しているようだけど本当は単なる独り言。
オリジナルの口調や死の間際の思考で行動こそしているが本人ではない。
だから、思考のはずなのに名前がわかり個を持ったソノザキシオンのみが獅子身中の虫。
これが魅音と会うと単なる思考が暴走でもすんのかなあとか思ってました。

師匠に会いたいという思考が暴走するのは、弱まったことも象徴してるわけで。
師匠と会ってどうするという答えは出てないですし。
ただ、これで本人を目撃すれば理解できる=記憶があると仮定できます。
思考だけではなく記憶まで。つまりクラモンの中に記憶を持った人がいるのではと考えられます。
irBさんが長門の記憶が蘇るというのを思いついたのもここでではないでしょうか。

ですが、クラモンの中に四人がいるわけではなく、あくまで四人ではなくクラモン。
だから長門思考が、もしエピソード記憶まで持っていて名前を思い出したとしても
もしくは誰かから聞くなどして外部から名前が入手できても、長門本人とは無関係。
クラモンなのだから、誰を蘇らせ殺せばいいのか理解できるとかだけではないかと。

やたら長文になりましたが実は>>37が的確にまとめてるんですね。
本人ではありませんが、『破壊行動を前提に』本人のように考えられるのは確かですし。
自分の語学力に絶望しました。
結局のところ、クラモンを「あなたには統合失調症の疑いがあります」みたいな
把握しにくいキャラにした私に責任があるのだと思います。

自分に出来る考察はこの程度で……あまり役に立てず申し訳ない。
44 ◆7d53oKGJP2 :08/01/29 03:52 ID:oPXpol6w
やっぱアレでしょうか。原作みたいに発症者が入れ替わったりしてリテイクするのでしょうか。
前回とシチュエーションが同じですね…小さな誤解や独断、無理な解釈が地雷を踏んでます…
誤解が誤解を呼んで最初とは全く違う解釈になっているのがよくわかります。(特に自分がやらかしたんですが)
でもまだ頑張ればなんとかできる…どこか修正すれば元のニコロワが戻ってくる…
そう思って、一世一代の頑張り物語りを…首が痒いです。

私が参加した初めてのパロロワ。それはニコニコ動画バトルロワイアルで、私はROM専でした。
その内容は、面白くてパロディに富んでこんな素晴らしいSSを読める私は、きっと特別な存在なのだと感じました。
今では私が書き手。別の書き手に渡すのはもちろん誤解とフラグ。
なぜなら私もまた、新たなる感染者だからです。

次からは解釈に疑問があったら、素直に質問や相談をしたいと思います。
雛見沢症候群の一番いい予防法も、誰かに相談する事でしたね。
何の因果があるのでしょうか…

それはさておき、>>37でいいのでしょうか?
あと、できればそれも明細な文にして状態の所にでも付け加えて欲しいです。
45Classical名無しさん:08/01/29 07:35 ID:YfubCDxk
げぇ。俺の指摘からなんか妙なことに……。
言葉が足らずに申し訳ない。極めて単純に言えば、
暗黒長門を取り込んだにしては、奴が白すぎないか、という違和感を感じまして。
そのあたりの理由付けをしていて、自分でも混乱してきた、というのが真実だったりします。
他に良い言い方もあるでしょうが、これ以上は混乱するだけなのでやめておきます。疲れているとロクなことがありません。
まあ、>>37がベストですかね……。

>>44
ところで7d5氏。あまりそのようなことは言わない方がよろしいかと。
気持ちはわからないわけではないですが、ふざけているように受け取られかねません。
お気をつけを。
46Classical名無しさん:08/01/29 09:39 ID:jsSeTTY6
そもそもこういうぼやけた所は書き手任せですからね、
解釈に違いが出るのは仕方ないかと(はいはい自己弁護自己弁護

>>37の解釈ならこれまでのは矛盾はないですし、
irB氏のSSももう一度修正すればいけないことも……
47Classical名無しさん:08/01/29 11:21 ID:Tx89dozg
そのパターンはニコ見沢症候群だが。
氏次第と言わざるを得ない
48Classical名無しさん:08/01/29 14:13 ID:cWK007Rg
また惨劇か…。
49Classical名無しさん:08/01/29 18:27 ID:KNEAiObU
IDが相棒だと思ったら少し違ったZE
50Classical名無しさん:08/01/29 19:49 ID:OsNZoccE
AIBOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO
51 ◆jVERyrq1dU :08/01/29 19:59 ID:L89K6veE
塔組、マーガリン、ハルヒを予約します。
52Classical名無しさん:08/01/29 20:41 ID:EUn950XQ
時間的に山から下りてきてるメンバーとも鉢合わせる頃だよな
53Classical名無しさん:08/01/29 20:54 ID:YfubCDxk
したらば管理人様へ
業者っぽいのがひどいです……
54Classical名無しさん:08/01/29 21:13 ID:oPXpol6w
>>48
呪われてますね
55Classical名無しさん:08/01/30 07:45 ID:nSTuoZiQ
塔組崩壊フラグ
56Classical名無しさん:08/01/30 10:38 ID:.PaBIrZ.
とうとうマーダーと対主催組の全面対決が始まるのか
57Classical名無しさん:08/01/30 10:39 ID:PV0vDAAQ
◆jU59Fli6bMさんの音沙汰が……どうかしたんだろうか
58Classical名無しさん:08/01/30 14:36 ID:3Rp6Wdis
塔組って、今現在塔にいるメンツのことでいい…んだよな?
59Classical名無しさん:08/01/30 14:55 ID:6b.YiPIs
本家塔組はマーガリンから離れてる最中だからな。

でもニートたちを塔組て言わんだろ。
60Classical名無しさん:08/01/30 14:57 ID:wqjtihHo
名探偵レナン組じゃないの?

マーガリン組もYOKODUNAから逃げるため町から離れてなかったっけ
61Classical名無しさん:08/01/30 14:59 ID:wqjtihHo
あ、何勘違いしてたんだ
薬局で籠城中だったな
62 ◆jVERyrq1dU :08/01/30 15:12 ID:i5siLLGo
はっきりしない言い方で悪かった。
塔組はレナ達の方です。
63Classical名無しさん:08/01/30 15:14 ID:lsv5EpFg
予約の時はちゃんとした名前で言ってくれんと混乱しそうだなー。
64Classical名無しさん:08/01/30 15:32 ID:PV0vDAAQ
それまで通用してたから悪いわけではない
塔組は山にいても塔組。
入り乱れてきたから混乱する人はいるわな。
65Classical名無しさん:08/01/30 17:17 ID:cPIxPVzo
塔のところでチームを結成したら塔組
大樹でチームを結成したら大樹組。そんなもんだ
66Classical名無しさん:08/01/30 18:15 ID:v/j06LsU
このロワで初めてムスカが意外と射撃の腕が良いことを知った俺ダルシム。
67 ◆jU59Fli6bM :08/01/30 21:20 ID:yPX89jbI
TASRACの者ですが、昨日完成したのに時間が無くて上げれませんでした。遅れてすみません。
フラグ撒くだけと思ってたがこんな書いてて不安になったの初めてだ。
68 ◆jU59Fli6bM :08/01/30 21:22 ID:yPX89jbI
支給品の説明忘れてたorz
明日上げようと思います。ほんとこんなですみまっせn
69Classical名無しさん:08/01/30 21:26 ID:v/j06LsU
問題ないと思いますよー。ってか社長空気嫁wwwwwwwwwwwwwwww
70Classical名無しさん:08/01/30 21:37 ID:wqjtihHo
段々長くなってるぞ社長www
71Classical名無しさん:08/01/31 00:01 ID:/zs1Pr.k
SEってなんだったっけ?
システムエンジニア?
72Classical名無しさん:08/01/31 00:26 ID:8iIqlzkc
>>71
そのはずだな
船でのハッキングの時だったかw
73Classical名無しさん:08/01/31 00:29 ID:dw3qjo..
亜美の一人称は亜美だが、そういえば随分と前から間違われていたかもしれないからまぁいいか
74Classical名無しさん:08/01/31 00:30 ID:.37YLF5Q
>>71
選択問題
@すごくえろいです Aスーパーエナジーロボ Bサウンドエフェクト Cスーパーエージェント
Dセカンドエディション Eスーパーエロゲー大戦 Fすごいよえーりんさん Gスーパーエッグ
Hさよならエアーマン Iスーパーエアーコンバット Jサイバーエビス丸 Kシステムエンジニア
75Classical名無しさん:08/01/31 00:33 ID:4ETzKT3A
遅すぎる登場吹いたww
76Classical名無しさん:08/01/31 09:53 ID:qBUepduY
え?@番が正解じゃないの?
77Classical名無しさん:08/01/31 10:54 ID:J0HORVl6
ことのはが普通に喋ってるのが気になったな
あいつポケモンだぜ?

>73
亜美はもう「私」でもいいんだ。悲しいことだけど
78Classical名無しさん:08/01/31 11:11 ID:oGoxGyrs
>>77
・報告は片言
・カイバーマンへは亜美の言葉の繰り返し
・そもそも元動画でも話せない、という設定はない
79Classical名無しさん:08/01/31 12:03 ID:CVTO9V1I
亜美の一人称やら何やらは全て俺のせいだ。すまぬ、すまぬ皆!


      プォオオオオーーーーーーン!!
       __________
      /━━━━━━━━━ \
     |┃| ̄ ̄|. 〇 〇 [青梅]┃|
     |┃| ̄ ̄|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|┃|
     |┃|__||______|┃|   人生オワター!!
     |┃               JR ┃|
     |┗━━━━━━━━━┛| \(^o^)/ ミ
     |   ━━ ━━ ━━.  |   ( )  ミ
     |     [青梅.特快]    |   └└ ミ
     |      \(^o^)/     .|
     |  〇     ━━━   〇  | . ┌────────────
     |___________|.  │
      │     │[=.=]|     |   │
      └─────────┘   │
        /         \    │
       /            \
80Classical名無しさん:08/01/31 12:37 ID:V3TysCvA
>>79
むしろ、双子の片割れが死んだことによる、決意の表れみたいな印象で
地味だけどニクい演出だなぁと思っていたんだが

81Classical名無しさん:08/01/31 18:53 ID:Pmg.gGWo
真美がいた時は「亜美」って一人称じゃないといけなかったんだよな
それだけ今までいつもそっくりの二人は一緒にいて……ああもうせつねえ

>74
チルノダウト。エアーはAだ
82Classical名無しさん:08/01/31 19:52 ID:WfGz0j8E
ふと思いついた「もしも最初に殺されたのが真美じゃなくて亜美だったら」

とりあえず「アイドルの双海亜美」として出会った人にはいつも通り亜美と名乗っていたが
そのうち双海亜美というポジションを独占したい欲望に駆られ
生き残って芸能界に戻るために、亜美に成り済ましながら密かにゲームに乗る真美

てな展開は個人的に萌える
83 ◆jU59Fli6bM :08/01/31 20:54 ID:aABdnEH.
指摘ありがとうございます。
亜美のキャラ紹介読んでも間違えるとは\(^o^)/
ことのはは普通に言葉を発してたから話せるのかと…解釈間違っててすみません。

したらばに抜けてる分追加してきました。SSは大丈夫なようなので後日投下します。
正直タイトルが決まってなかったので本投下時に変えようかと…
てか今まで名前に直接トリを書いてたのに気づかなかった俺って\(^o^)/
84Classical名無しさん:08/01/31 22:46 ID:/zs1Pr.k
まて、ことのはが話せないとは限らないぜ
確かにポケモンだがポケモンでもミューツー並に知能が高ければ話せないこともないだろ?
ことのはの知能は相当のモンだぜ
85Classical名無しさん:08/01/31 23:12 ID:cxA0XTgg
ラプラスのような人語を理解できるポケモンがいるんだから
意志疎通のできるポケモンがいたっておかしくないんだぜ
86Classical名無しさん:08/01/31 23:41 ID:YcsiDlvU
みんな逆に考えろ!

社長がポケモン語(?)を理解できたと考えるんだ!!
87Classical名無しさん:08/02/01 00:08 ID:Mxp3impY
その発想はなかったwww
88Classical名無しさん:08/02/01 00:12 ID:PRMgaIRQ
確かにw
社長の洞察力なら・・・いやカイバーマン自体モンスターみたいなもんだし
それなら問題ないw
89Classical名無しさん:08/02/01 00:15 ID:XRKQB38Q
なるほど、カードの精霊パワーかw
90Classical名無しさん:08/02/01 04:16 ID:VzP2BGvc
そーいやカードの精霊達から「カイバーマン様」って呼ばれてたなぁ…
子安(斎王)といいユベルといい、変なキャラが多いなぁ遊戯王。
GXのMADが少ないのが悔やまれる。
91Classical名無しさん:08/02/01 06:04 ID:4aLzpifk
GXは、本編が腐るほどあるじゃないかw
なお、ニコニコで一番読まれてるGXMADは、
エドがヒャッホーーーーーーイッのやつ。
92Classical名無しさん:08/02/01 21:35 ID:8qCUUowE
前スレで予約はいったな
93Classical名無しさん:08/02/01 22:08 ID:VzP2BGvc
随分沢山予約がある気がする…気のせい?

>>91
なんで消されないんだろうか本編…
GXMADってもしかして地味?
94Classical名無しさん:08/02/01 22:17 ID:4aLzpifk
消さない方が、カードが売れて儲けられるって判断したんじゃない?
無印に比べれば、MADは地味な気がする。
本編は、無印といろんな意味で比べ物にならないがw
95Classical名無しさん:08/02/01 22:51 ID:helMXlIo
なんだかんだでニコニコには宣伝効果があるって事で消さない会社も増えつつあるらしい
もう充分宣伝になったと判断されたら遠慮なく消されるんだけどね

との噂
96Classical名無しさん:08/02/02 00:49 ID:NRMG9Hx6
ちょいと質問

117話で谷口がつかさを突き落とした場所って、
3話で春香が白石を突き落とした場所と同じ所?
97 ◆jVERyrq1dU :08/02/02 01:11 ID:pmdblqC2
自信がないところだらけなのでしたらばに投下しました。
98Classical名無しさん:08/02/02 01:19 ID:iY8KfQ2M
白石の墓があったし同じかな
99Classical名無しさん:08/02/02 01:33 ID:GsKCD0Iw
レムーの件は修正でなくなってないかな?
100Classical名無しさん:08/02/02 01:38 ID:NRMG9Hx6
>>98 ども

>>97 小泉君→古泉君
101Classical名無しさん:08/02/02 01:42 ID:iRD8QK/Y
乙!
少し気になったのは
古泉が小泉な事
古泉はハルヒを呼ぶとき「涼宮さん」と言う事
ぐらいかな?
102Classical名無しさん:08/02/02 01:48 ID:iRD8QK/Y
あと古泉は主催者を信用してないから
ハルヒが生存していてレナ達が脱出方法を見つけたらそっちに便乗するんじゃないの?
もしハルヒが死んでいてレナ達に脱出方法を見つけられたら倒すかも知れないけど
103Classical名無しさん:08/02/02 01:55 ID:iRD8QK/Y
あと前のSSで古泉は主催者達は本当に願いをかなえてくれるかどうか疑っているから
ハルヒが生きている状態でレナ達が脱出の方法を見つけたらそっちに乗るんじゃないかな?
ハルヒが死んでたら別だけど
104Classical名無しさん:08/02/02 01:56 ID:iRD8QK/Y
ごめん、間違えて二つ書いちゃった

最新50にしてなかったorz

ちょっと首くくってくる
105Classical名無しさん:08/02/02 01:56 ID:sg8ixVZg
塔組がまた減りそう…
これは中盤の山場になりそうだ
106Classical名無しさん:08/02/02 02:04 ID:sg8ixVZg
残ってるマーダーは…
名簿順にいくと
つかさ、エアーマン、TAS、阿部さん、えーりん、ハルヒ、古泉、トミー、ゴマモン、ムスカの10人か。
もうこんだけか…

あと、他のパロロワに比べてニコロワの進行ペースは早いほうなのかな?
半年で完結したとこもあれば2年かかってもまだ終ってないとこもあるみたいだけど…
107Classical名無しさん:08/02/02 03:18 ID:Sx6jIrfU
というか経過時間の割に展開が早いかな
もっとゆとりを持って殺し合おうYO!
108Classical名無しさん:08/02/02 07:37 ID:TFfD2j/s
>>106
チューモン忘れてるぜ
あとつかさは狂ってるだけでまだ対主催なんだけどな
YOKODUNAが消えた今他のマーダーの動かし方にかかってるな…

ニコロワはこの前3番目の勢いと聞いたが
今はロボロワに行ってる書き手もいるし勢いは落ちてきたと思う
109 ◆jVERyrq1dU :08/02/02 09:10 ID:pmdblqC2
推敲不足でしたね……。
後日、修正版を投下します。
110Classical名無しさん:08/02/02 15:21 ID:KBzjLO1Y
すこし前作に比べて古泉の変体度が上がってるな
意外と落ち着いて思考できる奴だったのに……もしかしてハルヒと居るから凄くイライラしてる?えーりんにも奴当たりしてるし
111 ◆jVERyrq1dU :08/02/02 18:40 ID:pmdblqC2
>>102で指摘してもらった点の修正を投下しました。
古泉がレナ達に便乗しない理由ですね。

小泉君→古泉君や他の細かい描写は修正する箇所が多いので、したらばに修正を投下せず、
直して本投下するつもりです。
112Classical名無しさん:08/02/02 18:59 ID:KBzjLO1Y
仮投下乙
その修正案だが俺が古泉ならハルヒを監視として置いておくだけにとどまると思う
むやみに疑心暗鬼を誘って脱出の希望をつぶす必要はないと思うから

まぁ俺の場合だから気にしないでくれ
113Classical名無しさん:08/02/02 20:27 ID:sg8ixVZg
>>108
なるほど。ピコ麿が心の闇を払う展開もアリだな。
重要人物になるだろうから(ニコ動のマスコットキャラ的な理由で)、死亡フラグ立たない程度に活躍してほしいんだぜ
114 ◆jVERyrq1dU :08/02/02 21:26 ID:pmdblqC2
>>112ですよねー。誰だってそうする俺だってそうする。
よくよく考えてみると理由付けとか展開に無茶がある気がする。
納得いかないし自信がもてない。

マーガリンがアニロワのグリフィスみたいな事になったら面白いだろうなぁ、
と思って古泉の考察を書いたんですが、自分的に納得がいかないし無茶苦茶だなあと思う箇所もあるので、
本投下の際に古泉の考察を大幅に削る事にします。

自分には、古泉がレナ達に便乗しない理由でしっくりくるのが思いつかない。
115Classical名無しさん:08/02/02 21:30 ID:3DD5vors
116Classical名無しさん:08/02/02 22:28 ID:5SpzBZ/6
いや、確実な脱出方法がわからない以上、わざわざ主催に見張られる可能性のある脱出派には回らないだろう
後はえーりんの言った通り、人数が多くなったら排除は難しくなるわけだし
人数だけ集めて脱出方法思いつきません、な可能性が高い現状では人数を削って置くってのはベストじゃないだろうがベターかと
117 ◆jVERyrq1dU :08/02/03 00:05 ID:T0ScmWgE
……悩むな。優柔不断だ俺……。
どっちの展開にするかしっかり考えてから投下しようと思う。
それまで待っててください。毎度毎度迷惑かけてごめんなさい。
118Classical名無しさん:08/02/03 00:46 ID:NR43xPA2
流れ無視して質問。
wikiの非登録タグって何?
119Classical名無しさん:08/02/03 00:57 ID:QnHFOT0w
ニコニコの登録タグのパロディでしょ

だれも登録しないと思って非登録タグってしたんじゃないかな?
結果色々と登録されちゃったけど
120Classical名無しさん:08/02/03 01:02 ID:NR43xPA2
thx
そういうことね……
121Classical名無しさん:08/02/03 01:45 ID:MsN1BEHs
>>116
様子見ってことだ
ハルヒは使い捨ての鉄砲玉だから塔組と城組の内部に潜ませといて、脱出方法がないと分かったらハルヒに攻撃させればいい
寝首をかく形になるから最低でも1人は確実に殺せるしな

脱出方法が分かったら分かったで、ハルヒが居るから仲間に入りやすいから利点は多いだろ
122Classical名無しさん:08/02/03 01:50 ID:cNxv0Rnw
>>119
本当はどのタイミングでも消すことができて
常時登録できないタグだから非登録ってつけたつもりだったんだけど

まぁ、登録タグでもよかったかもしれんな
123Classical名無しさん:08/02/03 06:31 ID:WOfhrpCY
「ただの様子見」は最善に見えて実は鬼手
ハルヒに面白みのない任務を与えると勝手な行動を取る確率が跳ね上がる

ん、それも書き手的には美味しい?
124Classical名無しさん:08/02/03 09:30 ID:QnHFOT0w
>>123
確かにww
狂ってもハルヒはハルヒだからなぁ

かといってレナ達を放置プレイは色々厳しいし
『情報をかく乱させろ』位なら……

やれば出来るんだろうけど…
125 ◆jVERyrq1dU :08/02/03 10:03 ID:T0ScmWgE
凄く悩んだ末、あまり反対意見もないようなので、
古泉の考察は削らない事にします。

本投下して大丈夫でしょうか?
126Classical名無しさん:08/02/03 10:11 ID:QnHFOT0w
おk
127 ◆jVERyrq1dU :08/02/03 10:13 ID:T0ScmWgE
では投下します。
あとタイトルも変える。
128さらなる結束へ ◆jVERyrq1dU :08/02/03 10:14 ID:T0ScmWgE
永井博之、竜宮レナ、友人、妹、ピッピ、泉こなた、水銀燈。
所謂、塔組は7人もの大所帯に加え、そのほとんどが負傷者である。
多数いる負傷者の中でも、永井博之は特に酷かった。全身に負った大怪我に加え、失明までしている。
休みなしで城に行く事はほとんど不可能に近い。

「もうすぐ放送だからここらへんで休もうよ」
ちょうど橋の手前で、竜宮レナは休憩の提案をする。正確に言うと放送まではまだそれなりに時間があるのだが、
反対する者は一人もいなかった。皆が皆、自分達の疲労を自覚している。
「そうねぇ。だったら一度辺りの安全を確かめておいた方がいいわぁ」
「見張りも交代でした方がいいよね」

「俺……悪いけどどっちも出来へんぞ……」
博之は申し訳なさそうに言った。ここまでは、キバに肩を貸してもらって歩いてきた。
失明しているため、一人では歩けないのだ。見張りなども、当然出来るはずがない。
俺はもしかして足手纏いなだけなんとちゃうんか……。
時間が経過していくごとに博之はどんどん憂鬱になっていく。

「馬鹿ねぇ。そんなに悲観しなくてもいいわよ」
「……! そんな事言うたって俺、迷惑かけてばっかりやわ……
ティアナも、俺が失明してなかったら何とかなったんかと思うと……」
「ティアナさんの事は……多分、結果は変わらないよ。あれは富竹のせい。富竹のせいでああなったんだよ。
博之さんが気にするのはおかしい」
冷静な態度で妹は言った。あの時、ティアナが庇ってくれなければ死んでいたのは自分だった。
決死の思いで守ってくれたティアナの事で、誰かが悩むのを見るのは妹にとってつらい事だった。
129さらなる結束へ ◆jVERyrq1dU :08/02/03 10:15 ID:T0ScmWgE

「そうよぉ。いつかあの富竹って奴に仕返ししてやればいいだけだわ。
そんなに悩まないでいいわ。貴方には私がついているわよ」
「…………」
博之は沈黙する。
「水銀燈ちゃんだけじゃないよ。私だってついてる。博之さんは何も迷惑なんてかけてない。
仲間が困っている時に助け合うのは当たり前だよ」
「そうそう。レナちゃんの言う通り。皆助け合って生きていくものなのさ」
レナの言葉にこなたが同意する。

「まっ怪我してるのは博之さんだけじゃないしな。皆が皆に迷惑をかけてる。
たまたま博之さんが一番怪我が酷いってだけで」
キバがそう言った。受容的でどMなキバにしては珍しくいい事を言ったなと、妹はニヤニヤしながらキバを見た。


あぁ僕も何か言いたいなあ。でもほんやくコンニャクは残り少ないし……。
仕方ない。皆には意味不明だけど、とにかく言おう。

「ピry「すまんのぅ。皆……」」
被った……欝だ。
「ん? ピッピ何か言ったか?」
うう、何で今更聞くんだよぉッ!仕方ないので僕は首を振って、
『何も言っていない』と伝えておいた。

130さらなる結束へ ◆jVERyrq1dU :08/02/03 10:16 ID:T0ScmWgE
「さて、休憩する場所はここでいいよね。じゃあ誰が見回りに行く?」
レナが声を上げて聞いた。
「博之さんと水銀燈は無理だろ。俺行くよ」
「キバ、ちょっと待ちなさい。博之が無理なのは分かるけどどうして私も無理なのよ」
「え?だってそりゃ……フヒヒ」
キバはにやけて、博之と水銀燈を交互に見た。気持ち悪い笑みを見せる。
「確かにキバ君の言う通り水銀燈に行かせるわけにはいかないねえ。あたしも行くよ」
こなたも名乗り出た。
「キバ君が行くなら私も行く」
妹が元気な声を上げてキバに駆け寄った。妹はピッピを固く抱きしめている。

「ちょっと多すぎないかな、かな」
レナが少し困惑しつつ言った。六人と一匹中、三人と一匹が見回りに行くなんて多すぎないだろうか。
「多い分すぐに終わるよ。周りの安全を確かめたらすぐに戻ってくる」

「だからどうして私は駄目なのよ!」


水銀燈ちゃんが半ば叫ぶようにして言っている。
うーん、私も空気を読んで、博之さんと水銀燈ちゃんを二人きりにしたいところだけど、
さすがにそうなれば人数が偏りすぎだよね。二人きりにしたいけど仕方ないなあ。
131さらなる結束へ ◆jVERyrq1dU :08/02/03 10:17 ID:T0ScmWgE

「水銀燈!ちょっと静かにせえっ!」
「あ、あんたも充分うるさいわよぉ。ちょ、ちょっとキバ!待ちなさい!どういう意味よそれ!」
それにしても、この水銀燈ちゃん……
「はうぅ〜、水銀燈ちゃん可愛いよぅ〜。 おっ持ち帰りぃー!」
「ちょ、ま、また!?待ちなさッ!」

うわあああああああああああああああ!!


 ▼ ▼ ▼
132さらなる結束へ ◆jVERyrq1dU :08/02/03 10:18 ID:T0ScmWgE
「もう薬草も残り僅かねぇ。博之大丈夫?」
「痛みが引いてきた感はあるな」
私は古い薬草を捨て、博之の体に新しい薬草を押し付け、布で固定した。

ゲーム当初から薬草に慣れ親しんできた私達は必要以上に薬草について熟知し、
そして誰よりも薬草を愛しているといっても過言ではないだろう。
薬草はただ、食べるだけではない。押し付けたり、すり潰して軟膏にしたり、
水に混ぜて飲み薬にしたりすればかなりの効能が期待できる。
もし、この殺し合いを脱出できれば、薬草炒めや薬草カレーなんかの薬草料理にも挑戦してみようかしらぁ。

そんな薬草も残り三つとなってしまった。寂しいわねぇ……。

「博之、薬草残り三つだわ」
「……! もうそんだけか。寂しいのぅ。ならもう使うわけにはいかんなぁ」
「生きて帰れたら、薬草を大量に買い込んで、薬草炒めや薬草カレーなんかにも挑戦してみたいわねぇ」
「うまそうやなぁそれ。俺ら薬草に関しては間違いなく世界一やろうな」
博之の言葉に私は吹き出した。私につられて博之も笑う。殺し合いの最中だなんて嘘みたいだわぁ。
「当たり前よ。私達の右に出る奴なんているわけないわよぉ」


二人は知らない。どこかの世界のニート勇者一行は彼らよりも遥かに薬草を愛し、熟知している事を。

やっぱり、仲いいなぁ。あの二人は殺し合いが始まってすぐに出会ったんだっけ。
一人離れた場所に座り、辺りを警戒しているレナは思った。

133さらなる結束へ ◆jVERyrq1dU :08/02/03 10:19 ID:T0ScmWgE
「さて、軟膏も塗ったし、固定も出来たわぁ。また落ち込んだりしたら許さないわよ。
あんたが元気にならないと私が困るんだから」
「おお……ありがとな水銀燈」

私は残りの薬草を博之のデイパックにしまった。辺りを見回す。
レナは少し離れたところにいた。実は、さっきから博之に聞いてみたい事がある。
出来れば皆に聞いてみたいけれど、とりあえずまずは博之に聞いてみる事にしよう。

「博之……一応聞くけど、貴方あの萃香とかいう鬼の事、どう思っているのかしら?」
博之はしばらく沈黙していた。返答に迷っているようだ。
「正直に言うぞ……」
「どうぞぉ」
「……正直……胡散臭いな。俺はあいつを信用できん」

「…………」
博之はそう思っていたのか。まあ、レナを襲い、殺人者である阿部の仲間なんだから普通は信用しないわよねぇ。
「……萃香を信用して平気なんか?」

「さあねぇ。確かにゲームに乗っていた人間を信用しすぎるのはどうかと思うわねぇ。
でも信じないでどうするつもりかしら?殺すつもり?結局は信じてあげないと終わらないんじゃなぁい?」
「それはそうやけど……。疑う事も必要やと思うわ。城で合流した時、
あいつが裏切ったらどうする?萃香はかなり怪しいと思う」
そうよねぇ。疑う事も必要だわ。萃香は奇襲を狙っているのかもしれない。
でも、それならば……私だって……。
134さらなる結束へ ◆jVERyrq1dU :08/02/03 10:20 ID:T0ScmWgE
「それを言うなら私と博之だってかなり怪しい部類だわぁ。私達は園崎詩音を殺したのよぉ」
「俺らは殺し合いに乗っとりはせんやろが、あいつはまだ実は乗っとるかもしれん」
「いや、そうだけどねぇ……初めて会う人からすれば私もあの鬼の子も一緒だっていいたいのよ」
「ティアナが死ぬ時にかけた言葉も演技とちゃうかって思ってしまう。
……あいつが、ゲームに乗ってない事を証明してくれたらそれで安心なんやが」
「あんた、そうやって疑う辺り、やっぱり『人間』ねぇ。証明なんて絶対に難しいわよ」
「…………」

結局、乗っていない事を証明するなんて不可能なのだ。
どこかで折り合いをつけなければならない。しかし、その判断を誤れば大変な事になる。

「萃香ちゃんは乗ってないよ。私には分かる」
驚いた。いつの間にかレナが後ろに立っていた。なんかこの子身体能力が向上してない?

レナは萃香を完全に信用しているようだ。理由は戦いあったから。
そんな理由じゃ、近くで見ていたこなたならまだしも私達は……。

「お前がそんな風に確信する理由が俺らにはわからん」
ほらねぇ。こうなるのは分かっていたわ。
「なんとなく、じゃ駄目かな?かな?」
「……それはちょっと駄目なんじゃないのぉ」
「やっぱり……そうだよね」
レナは顔を俯けてしゅんとした。でも、仕方ないわよ。信用に足る理由が無いわ。
135さらなる結束へ ◆jVERyrq1dU :08/02/03 10:21 ID:T0ScmWgE
「でも、萃香ちゃんがまだゲームに乗っているって確信する理由もないよね」
「そりゃあそうやけど……」
「だったら信じてみようよ。駅で言ったように私達は疑心暗鬼に捉われてはいけない。
それこそがこの殺し合いの狙いなんだもん。だから……私を信じるように……萃香ちゃんを信じてあげて」
あらあら、正直言ってまた無茶な理論ねぇ。でも……ある意味、これで終わらせるのもいいかもしれない。
レナの言う通り、私達は疑心暗鬼に捕らわれるわけにはいかない。
それは最も避けなければならない事だ。

博之はしばらく悩み、返答した。
「…………うーん……頑張ってみるわ」
「ありがとう……!」
レナはさっきまでのしゅんとした表情が消え、たちまち笑顔になった。

「あ……皆戻って来たみたいだよ!おーい!キバくーん」
レナの指す方向を見る。三人と三匹がこちらに歩いてきていた。レナがキバ達に駆け寄る。
どうやら周りは安全みたいねぇ。

「博之、本当に信じる気ぃ?」
私はレナが向こうに行くのを見計らい、博之に聞いてみた。
「レナは仲間やからな。あいつがあそこまで信じてるならなんか平気な気がしてきた。あくまで『気がしてきた』ってだけなんやけど」
「あらあら。さっきまでの慎重な態度はどこへいったのかしらぁ?」
「水銀燈、お前どっちなんぞ……萃香を信じとるのか信じてないんかどうもはっきりせんな」
私か。私は、正直言って半信半疑だ。疑心暗鬼に陥るのは危険だというレナの意見ももちろん分かるし、
自分達の安全のために疑うべきだという博之の意見も分かる。
信用、疑惑。どちらかに偏りすぎるのは危険だということかしらぁ。
136Classical名無しさん:08/02/03 10:26 ID:QnHFOT0w
シエンマイティー
137さらなる結束へ ◆jVERyrq1dU :08/02/03 10:27 ID:T0ScmWgE

「……ま、半分信じ、半分疑いってところかしらねぇ。どちらかに偏るのは危険だと思うわぁ」

キバ達がこちらに駆け寄る。こなたとポケモン三匹はこちらに来ない。またどこかへ行ってしまった。
彼女達が見張り役を引き受けたようだ。七人もの大所帯グループ。もう誰一人として失いたくない。
だからこそ、萃香に対しては慎重にいきたい。

「皆、話がある。萃香についてだ。見回りしていた時、こなたや妹は大丈夫だって言ってたけど、
俺は正直信用しきれない。塔にいる萃香の仲間である、ニートやKAS、ロールも含めてな」

キバが言った。どうやらキバはかなりの慎重派らしい。
まあ、ある意味当然かもね。キバは友人に『孔明』とか言うので何度も何度も騙されてきたんだから……。
相当警戒心が強いらしい。ただでさえ怪しい萃香を疑うのは当たり前の事か……。
さてどうなるのかしらねぇ。

五人の話し合いが始まった。議題は『萃香は信用できるのか』。

キバはさっきの博之のように萃香に対する疑心を語った。
そしてレナもさっきと同じような事をいい。博之と同様にキバを半ば無理やり説得させた。
キバはこれ以上話し込んでも話は平行線のままだ、と悟ったのだろう。大人しく引き下がった。

そして私達は当初の予定通りに思い思いに休息を取り始めた。
キバが妹と談笑している。まだ、そこまで疑っているわけではないのだろうか。
いいえ、きっと疑っているはずだわぁ。常に最悪の事態を考えて行動しないと駄目だ。

これが私達の崩壊の前触れだったりしたら……絶対にイヤだ。

138さらなる結束へ ◆jVERyrq1dU :08/02/03 10:28 ID:T0ScmWgE

博之とキバは萃香を信用し切れていない。むしろ疑っている。
この事実は少なからずレナを驚かせ、そして傷つけた。

私は萃香ちゃんと戦ったから分かるけど、博之さん達は戦っていないもんね。
そりゃ確かに信用出来ないよ。気持ちは分かるよ。

レナは急に何かを感じ取り、辺りを見渡した。

実はレナにはさっきから萃香の事とは無関係で、気になる事があった。
何者かの気配がするのだ。どこに潜んでいるのかは見当もつかない。
しかし、何かがいる事だけは何故か確信できる。

あの野菜の宇宙人よりも遥かに嫌な感じ、もっと強力な何かがどこかに潜んでいるような、そんな感じがする。
勿論、証拠などない。そのため、レナは皆をこれ以上混乱させないためにも、証拠が見つかるまで黙っていようと思った。

 ▼ ▼ ▼

私は滑り台の上を滑り、地下の得体の知れない空間にたどり着いた。
そこは狭く、暗かった。辺りを照らす光がないのでかなり行動を制限される事になる。
主催側はどういう意図があってこんな空間を用意したのかしら。ここは隠れ家になる。
殺し合いを進めたい主催側としてはデメリットにしかならないのではないだろうか。
139さらなる結束へ ◆jVERyrq1dU :08/02/03 10:29 ID:T0ScmWgE
「ちょ!八意さん危ない!」
「え?あ、きゃあ!」
滑り降りて来た古泉が後ろから私に衝突する。私は前方に倒れてしまった。痛い……。
さっさとどかなかった私の責任ねえ。反省……。
「大丈夫ですか?」
「つつ……ええ、平気。それより話すことがあるわ」
「ぬがあ!」
「え?また!?」
涼宮ハルヒが古泉に衝突する。小泉が私の方に倒れて来た。
私は必死に逃げようとしたけど間に合わなかった。そして一瞬後、私は古泉の下敷きになっていた。
痛いし……なんか恥ずかしい。馬鹿みたい……。まるで寸劇ね。

「こ、古泉君!ごめん!」
ハルヒが謝ってる。私には謝らないのかしら?もう、小泉もさっさとどいてよ。
「い、いえいえいえ、構いません構いません。これ位の事……ならねえ」
古泉がいつものようににこやかな表情をし、穏やかに言った。
でも、気のせいかしら。口調や表情とは裏腹に、ひどく怒っているようにも見えた。まるで涼宮ハルヒを心底憎んでいるかのような怒り。
なんとなく、そんな印象を受けた。
「ごめん」
ハルヒは古泉に手を差し伸べた。その手を小泉が握り立ち上がる。

うーん。並んでみるとやっぱり美男美女ねえ。で……私はこのまま放置なのかしら。
「このまま放っておくつもりかしら?」
私がそう言うとさすがのハルヒも気づき、先ほどと同じように私に手を差し伸べた。
私はそれを掴み立ち上がる。ハルヒと見つめあった。彼女は私を値踏みするような眼で見た。
「古泉君、この人は仲間なのよね?」
ほう、この女は私を疑っているようだ。少し気分は悪いけど、中々優秀ね。
「仲間じゃなきゃわざわざ助けませんよ」
古泉が冷たく言い放った。やっぱりハルヒの事が嫌いなのかしら
140さらなる結束へ ◆jVERyrq1dU :08/02/03 10:31 ID:T0ScmWgE

「古泉、この子はどうしてここにいるのかしら?」
「薬局に潜んでいたんですよ。八意さんが出て行ったすぐ後に見つけました。気づいてなかったんですか?」
「まあ、ね。あの時は富竹への対応を考えるのに精いっぱいだったから」
「富竹!?」
ハルヒがいきなり大声を上げた。確か、あの狂った富竹はハルヒを追って町に来たと言っていた。
だから、ハルヒは富竹に怯えている……ってところかしら。

「どうかした、涼宮さん?」
「……どうして私の名前を?」
またか。私が名前を知っている訳を知らないという事は、ハルヒも小泉やレナと同じくあの中国大陸から来たわけではないって事だ。
ひょっとして中国から来たのは本当に私とニートの二人だけなのかしら……。私はため息を吐きつつ言った。
「理由を知りたいなら後で教えてあげる。けれど長くなるわよ。それより富竹がどうかした?」
「…………私は、あいつを殺したい……」
私はハルヒのこの発言によって気づいた。可憐な外見の割には、この子も富竹と同類、殺しの『火種』だという事。
ハルヒは富竹との間に何があったのかを全て、包み隠さず話してくれた。
『私も富竹と同じようにおかしくなっているのかもしれない』話の最後はこの言葉で締めくくられた。

なるほど自覚はあるのね。だったら富竹よりもずっとずっとマシだわ。
「ハルヒ、本当におかしくなった人は自分が変だなんて一切考えないものだわ。事実、富竹はそうだった。
自分の事が『正しいー!』ってね。心底思っていたわ。対応に困ったっていうのも本当。富竹よりもあなたの方がはるかにマシだわ」
ハルヒが曖昧な表情を見せた。ここは素直に喜んでおきなさい。
「私がおかしくなっていないのだとしたら、それはそれで嬉しいわ。でも富竹は絶対に殺したい。
この気持ちは狂ってるとか狂ってないだとか関係ないわよ。私の純粋な気持ち」
「別にいいわよ、殺しても。私達の目的はまさに」
私は古泉の目を見た。彼は平然としている。そして、ゆっくり頷いた。言っても平気だということだろう。
「殺す事……そして、優勝する事なんだから」
141さらなる結束へ ◆jVERyrq1dU :08/02/03 10:32 ID:T0ScmWgE

明らかな私の殺意表明にハルヒの体が一瞬硬直したのが分かった。しかし、その硬直はすぐ弛む。
ゲームに乗っている事を知らせる事にあまり不安は感じなかった。ハルヒが古泉にのこのこ着いてきた時点で、いや、
頭の回る古泉がわざわざ彼女を連れて来た時点で、ハルヒはもう『その気』に近いという事、もしくは、労せずに殺せる相手だという事。

「そんなに富竹を殺したいのなら譲ってあげてもいいわ。ただし、私達に協力しなさい」
私は王者の剣を構えた。ハルヒが断るのなら、この剣は彼女の首を飛ばすことになる。
ハルヒは、自分の首に剣が据えられているにも関わらず、冷静な態度のままだった。
「……永琳さん。私はあなたと古泉君に協力するために着いて来たのよ。私は最後まで生き残って私の、
よく分らないけど『力』を使って全てを元通りにする。協力するわ。あなた達の仲間にして欲しい」
へえ。予想の範疇だけど、これはいい展開になってきた。それにしても力か……何かしらの能力を持っているのかしら。
「ふふ。なるほどね。ま、大方そんなところだとは思っていたわ。ね、古泉」
「はい。僕が用も無い人を連れてくるわけがないですよ」
私は王者の剣を下ろした。
「ところでハルヒ、力って何のこと?」
「ああ、それは僕から説明します」

古泉はハルヒの持つ力について説明した。その力は自分の思った通りに世界を変える事が出来るという、
実に、荒唐無稽で反則級の能力だった。……信じられない。いえ、こんな話をすぐに信じて鵜呑みにする奴なんているはずがない。
しかし、ハルヒは信じているようだ。何か、思い当たる節でもあるのかしら。
まあ……優勝へ向けて協力してくれるのなら別にいい。私も無暗に否定せずに、話を合わせよう。
優勝すれば全てを元通りに出来るという彼女の希望を砕くのは悪手だ。最悪の場合、ハルヒが心変わりするかもしれない。
142さらなる結束へ ◆jVERyrq1dU :08/02/03 10:32 ID:T0ScmWgE
「正直、反応に困るけど……その話がもし本当なら、確かに『元通り』にする事が出来るわね」
「そうなんですよ。彼女を優勝させればいいんです」
古泉が相変わらずの冷たい声で言った。それは本心からの言葉なのか?
もちろん私はとてもそんな気にはなれない。元に戻る確証なんて何処にもないからだ。
正直、そんなにうまくいくとは思えない。首輪や会場を用意した主催者が、
参加者の能力を完全に把握していないなんてありえるのだろうか。
古泉はおそらハルヒを乗せるために言っているのだと思う。私はそう判断する。

「私達の思い通りに事が運んでくれたらいいんだけどね」

自分を犠牲にしてまでハルヒを優勝させようとは、やはり思わない。
そんなある意味、努力を否定するバカバカしい能力に全てを託す気にはなれない。
だから、私はこれまで通りにいこうと思う。古泉と協力して参加者を減らし、優勝する。
そして主催者と取引、または主催者を脅し、皆を生き返らせてもらう。可能性は低いだろうけどこれでいく。
さて……能力の事は置いといて、ハルヒの決意はどれ程のものなのかしら。

「『力』については分かったわ。素晴らしい能力。……さてハルヒ、一応、確認させてもらうわ」
「…………」
「あなたは私と古泉に協力して、他の参加者を躊躇いなく殺せるのかしら?例え親しい人が相手でも……」
ハルヒはしばらく無言だった。当然ね。いくら凄い能力を持っていようと彼女はあくまで普通の女子高生。
こんな質問は悩んで当たり前。だけど、もう答えは決まっているんでしょ?ハルヒ?
「……愚問よ。殺して殺して、優勝すれば皆元通りになるのよ。……答えはYESよ」
「GOOD!」
143さらなる結束へ ◆jVERyrq1dU :08/02/03 10:34 ID:T0ScmWgE
私はハルヒとハイタッチを交わした。パァンという乾いた小気味よい音が暗い空間に響いた。
これで私達は三人となった。三人という人手があれば様々な事が出来るはずだ。
綿密な作戦さえ立てればどんな相手でも切り崩すことが出来るはず。その事は中国大陸で学んだ。
「さて……まずはこの妙な空間から出ないとね」
私達は歩き始めた。暗いので、壁づたいに歩くしかない。そのため、歩行スピードはかなり遅かった。
歩いてみて分かったことがある。ここは空間というよりは通路だ。道が細い。

やれやれ……どこまで続いてるのかしら。ちゃんと出れるのかしらねえ。

歩くに連れ、徐々に徐々に明るくなって来る事に気づいたのはその少し後だった。しばらく歩くと私の願い通り、明かりがあった。
「これってトンネルとかによくある奴と同じよね」
「このライトは消費電力が少ないんですよ」
ハルヒが質問し、古泉が答えた。そんな感じで仲良くして欲しいけれど、やっぱり古泉はハルヒを嫌っているようだ。
視線が相変わらず冷たい気がする。うーん。何か二人の間であったのかしら。

この明かり、トンネルによくある電気は通路の壁の片側に等間隔に取り付けられ、奥まで続いている。
主催者達は何を考えてこんな空間を用意したのだろうか。ますます気になってくる。
しかし、その疑問を解くにはまだ材料が足りない。

ある程度明るくなったので格段に歩きやすくなった。何気ない雑談をしながら進む。
私はハルヒにこれまでの行動、会った人について細かく聞いてみた。
ハルヒは素直に答えてくれた。驚いた事に彼女はニートと行動を共にしていたらしい。
なるほど。だからニートは生き残っているのか。
たくさんの仲間に頼り切って……なんかあいつの行動って中国大陸の時とあんまり変わってないわね。
こちらの事も話そうとした時、古泉が私を見て顔をしかめた。
144さらなる結束へ ◆jVERyrq1dU :08/02/03 10:35 ID:T0ScmWgE
古泉はハルヒを信用し切れてないのだろうか。まあ……いい。
彼は頼れる。ここは古泉を信じ、ハルヒに情報を渡さない事にしよう。

私はこちらの情報を話さず、代わりに、なぜ私がハルヒの名前を知っていたかについて、
つまり中国大陸での事について話してあげた。ハルヒは興味深そうに聞き入っていた。
今は、これでいい。やはりまだハルヒを信用しきるわけにはいかない。
適当な話で誤魔化そう。与える情報を選んでおくに越した事は無い。

薄暗い通路を歩き続ける。

「八意さん道が分かれているみたいですよ」
古泉の言葉を聞き、私は前方を見た。彼の言う通り確かに道が分かれている。
そのまま道なりに進む道、斜め右に進む道、そして左へ進む道。どの道を選び、進むべきか
「三叉路ですね」
「……そうね。さあどの道を選べばいいのかしら」

私達は三叉路のすぐ手前まで歩いた。三人で話し合った結果、とりあえず全ての道を調べてみようという事になった。
まずは左へ進む道から調べる……。

「何なんでしょうかね、ここは」
古泉が独り言のように呟いた。全くその通りだ。ここはいったいどこで、いつ出られるのだろうか。
もしかしたらいつまで経っても出られない、なんて悪い考えも出てくる。
「こんな気色悪い所さっさと出たいわよ」
「全くね……。でも案外、ここが一番安全なのかも……」
両足を交互に運動させ、歩く。
145さらなる結束へ ◆jVERyrq1dU :08/02/03 10:36 ID:T0ScmWgE
「……?」
私達三人の脳裏にほとんど同時に疑問符が現れた。
目の前に鋼鉄製のドアがあったからだ。通路はそこで途切れていた。
ドアを開ければ進めるだろうが、固く閉じられており、開かない。
「鍵がかかっているわ」
私はドアノブを何度も回しながら言った。鋼鉄製のドアはひどく冷たかった。
「鉄ですからね。破壊するのも難しそうです」

「ここに入る時に鍵の代わりだった剣があったわよね。小泉が持っている奴。
それをどこかの穴に差し込めば開くんじゃない?」
「でも、差し込むような穴なんてないわ。ドアノブには鍵穴がついているけど……」
「鍵だとか剣だとか穴だとか、差し込むなんて……アッー」
古泉が気色悪かったので、とりあえず王者の剣で峰打ちしておいた。

「これ以上進めないのなら引き返すしかないわよ」
ハルヒが言った。確かにその通りだ。引き返すしかない。
しかし、ますますこの空間に対する疑念が深まる。いったいあの道化達は何の考えがあってこの空間を用意したのだろうか。
考えるだけ無駄な事なのだろうか。
「……そうね。引き返しましょう」

三叉路に戻り、次は、斜め右へ向かう道を選んでみた。
出られないかもしれないという恐怖が知らず知らずのうちに大きくなっていく。
私はいつの間にか早歩きになっていた。古泉とハルヒも同じだ。
146さらなる結束へ ◆jVERyrq1dU :08/02/03 10:38 ID:T0ScmWgE
「あれ、ここから先、ライトがないわ」
ハルヒが言った。斜め右の道を少し進んだ辺りで何の前触れも無く、等間隔に壁に設置されていたライトが消えた。
ここから先はなぜか取り付けられていない。前方には闇が広がっている。
「また真っ暗だわ……」
「きっと何かがあるのよ。行きましょ」
私と古泉は闇に怯まず、再び壁に手を当てながら進んだ。唯一ハルヒだけは少しだけ怖がっているようだ。
彼女は私達二人の後ろに付き、歩いた。

しっかりと塗り固められた壁に手を当て私は進む。壁は冷たかった。いったいこの先に何があるのだろうか。

「……光だわ。光が漏れてる」
ハルヒが呟いた。進行方向の天井から光が漏れている。外に通じているのだとしたら、あれは月光だろうか。
私達はゆっくりと光の真下に向かって進む。足に何かが当たった。
私は古泉とハルヒを止め、足に当たった『何か』を両手で触って調べてみる。この形は……。
「階段があるわ。それもあそこの光に向かって伸びている。ここから出られるかもしれない」
私はほっと胸を撫で下ろす。もし本当に出られなかったらどうなっていた事か。

「行きましょう。さっさと出ッ」
いきなり古泉が後ろから私の口を塞いだ。声が出せない。
私は頭を切り替える。何か異変があったのだろうか。
古泉は人差し指を唇に当ててハルヒの方を向いた。ハルヒはそれを見て、状況を理解し、押し黙った。

(大丈夫、大丈夫よ古泉。これからは出来る限り小さい声で話す。何があったか教えて)
私は古泉の手を握り、自分の口から離して言った。
(耳を澄まして下さい。涼宮さんもです)
耳……耳を澄ませ……何が聞こえると言うの。
147さらなる結束へ ◆jVERyrq1dU :08/02/03 10:40 ID:T0ScmWgE


「…………」
「………萃……を信…平……か」


天井から声が聞こえてきた。あの隙間から話し声が聞こえる。
上に誰かいる。それは誰だ。決まっている。ゲームの参加者だ。
一人ではない。複数いる。天井の上はやはり地上……?
何人いるの。奴らは自分達と同じゲームに乗った参加者?それとも殺さなければならない抵抗者達?

(耳を澄ませて下さい。慌てないで集中すればかなり聞こえます)

私は古泉の助言を素直に聞き、耳に意識を集中させた。
確かによく聞こえる。女と男の声が聞こえてきた。


「さあねぇ。確かにゲームに乗っていた人間を信用しすぎるのはどうかと思うわねぇ。
でも信じないでどうするつもりかしら?殺すつもり?結局は信じてあげないと終わらないんじゃなぁい?」
「それはそうやけど……。疑う事も必要やと思うわ。城で合流した時、
あいつが裏切ったらどうする?萃香はかなり怪しいと思う」
「それを言うなら私と博之だってかなり怪しい部類だわぁ。私達は園崎詩音を殺したのよぉ」
「俺らは殺し合いに乗っとりはせんやろが、あいつは乗っとるかもしれん」
「いや、そうだけどねぇ……初めて会う人からすれば私もあの鬼の子も一緒だっていいたいのよ」
「ティアナが死ぬ時にかけた言葉も演技とちゃうかって思ってしまう。
……あいつが、ゲームに乗ってない事を証明してくれたらそれで安心なんやが」
「あんた、そうやって疑う辺り、やっぱり『人間』ねぇ。証明なんて絶対に難しいわよ」
「…………」
148さらなる結束へ ◆jVERyrq1dU :08/02/03 10:42 ID:T0ScmWgE

話は続く。話の内容は自分の知り合いでもある、小さな百鬼夜行、萃香についてだ。
彼女が何かしたのかしら。

「萃香ちゃんは乗ってないよ。私には分かる」

聞いたことのある声だ。これは多分レナの声。とすると、上にいるのは塔の方にいた、いわゆる塔組の連中かしら。
私が送り込んだ富竹はもう彼らを襲撃したのだろうか、ティアナって奴が誰かに殺されたらしいけどそれは富竹か?
上には何人いる?塔組は何人だ?数々の疑問が私の心に浮かんだ。

「お前がそんな風に確信する理由が俺らにはわからん」
「なんとなく、じゃ駄目かな?かな?」
「……それはちょっと駄目なんじゃないのぉ」
「やっぱり……そうだよね」

三人は少しの間沈黙した。

「でも、萃香ちゃんがまだゲームに乗っているって確信する理由もないよね」
「そりゃあそうやけど……」
「だったら信じてみようよ。駅で言ったように」
駅?そんな施設、地図に載っていたかしら。確か、無かった。どういう事……?
「私達は疑心暗鬼に捉われてはいけない。それこそがこの殺し合いの狙いなんだもん。
だから……私を信じるように……萃香ちゃんを信じてあげて」
「…………うーん……頑張ってみるわ」
「ありがとう……!」
レナのいかにもほっとしたというような声が私達に届いた。
「あ……皆戻って来たみたいだよ!おーい!キバくーん」
レナがどこかへ走って行く音がした。まだ仲間がいるのか。それにしてもキバというのは誰のことだろう。
名簿にはそんな名前は記されていなかったような気がする。あだ名だろうか……。
まあ、それは置いといて、どうやら塔にいた連中は私の知らないうちに大規模なチームに変化していたらしい。
149さらなる結束へ ◆jVERyrq1dU :08/02/03 10:44 ID:T0ScmWgE

「博之、本当に信じる気ぃ?」
「レナは仲間やからな。あいつがあそこまで信じてるならなんか平気な気がしてきた。あくまで『気がしてきた』ってだけなんやけど」
「あらあら。さっきまでの慎重な態度はどこへいったのかしらぁ?」
「水銀燈、お前どっちなんぞ……萃香を信じとるのか信じてないんかどうもはっきりせんな」
「……ま、半分信じ、半分疑いってところかしらねぇ。どちらかに偏るのは危険だと思うわぁ」

「…………」

会話は終わったのかしら。女は水銀燈という名前らしい。
戦場で何度も相対した敵だ。少なくとも、私の記憶では……。
小泉から聞いた話では、水銀燈は彼を気絶させた人物の一人らしい。という事は、彼女と話している男は『博之』かしら。
土を踏む音が聞こえる。何人かがこちらに歩いて来たようだ。
いったい上には何人の人間がいるのかしら。気になる。
余りに大人数ならば、私達にとって、というよりゲームに乗っている参加者全員にとって大変な脅威だ。
気になる……凄く気になる。上の連中に対してどう行動するかに私達の命運が懸かっている気がする。

(矢意さん!何しているんですか、戻ってください!)

小声ながらも語尾を強めて呼びかける古泉を無視し、私は慎重に、出来るだけ物音を立てないように階段を上った。
(気づかれますよ!)
なおも古泉は言う。私は古泉の方を向いて、先ほどの彼と同じように人差し指を唇に当てた。
古泉は黙ってくれた。ごめんね古泉。忠告してくれるのは嬉しいけど、どうしても確認しておきたいのよ。
階段を上りきった。天井を触り、調べてみる。取っ手のような物がある。
これを引けば天井が開き、外に出られるのだろう。

私は月光が入り込んで来ている天井の隙間に顔を近づけた。
この『蓋』はおそらく草で覆われているのだろう。ひどく見難いが、仕方がない。
150さらなる結束へ ◆jVERyrq1dU :08/02/03 10:45 ID:T0ScmWgE

あれは、ゲームが始まった当初に出会った男。まだ生きていたのか……!
隙間からは一人の男と、二人の少女、そして三匹の小動物が見えた。
小動物三匹の内の一匹は首輪を着けていた。馬鹿げているがあの動物も参加者らしい。
さっきまで話していた、水銀燈、多分『博之』、レナの姿は見えない。この角度からは見えないようだ。
ここから見える三人はそれなりの武器で武装していた。
デイパックもいかにも中に何かが入っているという感じである。。
あの二匹の小動物も支給品なのだとすると、このチームはかなりの戦闘能力を持っているのではないだろうか。

もういいだろう。いつばれるか分からない。
私は慎重に階段を下りた。古泉とハルヒが心配そうな顔をしてこちらを見ている。
せめて二人に何か言ってから行くべきだったかしら。まあ、済んだ事は仕方が無い。

私は階段を降り、二人の元に着いた。
(しばらくここで上の連中の話を盗み聞きしましょう)
(何か見えたの?)
ハルヒが質問してきた。私は後で話すと言い、ゆっくりと地面に座った。
私に習って、古泉とハルヒも座る。
(最後の道を調べるのは後にしますか)
(そうね。そんな事よりこっちの方が遥かに大事だわ。一言も聞き漏らさないようにしましょう)
私は再び、耳に意識を集中させる。

ゲーム開始当初に出会った男の声が聞こえてくる。
「皆、話がある。萃香についてだ。見回りしている時、こなたや妹は大丈夫だって言ってたけど、
俺は正直信用しきれない。塔にいる萃香の仲間である、ニートやKAS、ロールも含めてな」
151Classical名無しさん:08/02/03 10:48 ID:lV56iq3Q
しえんしえん
152さらなる結束へ ◆jVERyrq1dU :08/02/03 10:53 ID:T0ScmWgE

ニート!?萃香とニートは仲間!?
富竹やハルヒの口からニートという単語が出た時以上の衝撃が私の心を揺らした。
隣を見ると、ハルヒも私と同じように驚いているようだ。
そうか、ニートは今も仲間がいるのか。萃香、KAS、ロールという人達が周りにいるんだ。
もし本当に萃香が『積極的参加者』ならば……ニートを保護しなければならないかも……。
いや、保護なんて馬鹿げている。私の情報が向こうにも伝わっているかもしれない。
だとしたら……勧誘なんてどうかしら……?ニートとその仲間達も私達の仲間にして、一緒に『殺し』を行う。

少々非現実的な考えね。そううまくいくとは到底思えない。ニートも殺さなければならないかもしれないのだ。
いや……待てよ。上の連中は、少なくとも博之、キバ、水銀橙の三人は少なからず萃香を疑っている。
そして……情報が正しければ、萃香はKAS、ロール、ニートと協力関係。こちら側……私達三人に出来る事は……。

(……あ!!!)
私の脳に一筋の電流が走った。『いい事』を思いついた。成功は彼女に懸かっている。
(ちょっとうるさいですよ!八意さん)
古泉が怒っている。上ではまだ議論が続いている。
キバは萃香を信じる理由をさっきの博之のようにレナに問いただしている。
(ごめん……ちょっと考え事してたのよ。ニートの名前が出て驚いて……)
(……もう少し考えて行動して下さいよ。さっきからちょっとおかしいですよ)
(悪かったわよ、反省してるわ。だってニートが出て来たのよ?そりゃあ驚くわよ。ね?ハルヒ)
(え?あ、うん……驚いたわ)

上の連中の議論は続く。しかし、疲れたのか、それとも不毛だと悟ったのか分らないが、しばらくしたら終わった。
結局結論は出なかったらしい。私達は集中して彼らの議論を聞いていたので、誰がどれくらい萃香を疑っているのか把握する事が出来た。
153さらなる結束へ ◆jVERyrq1dU :08/02/03 10:54 ID:T0ScmWgE
まず、明らかに疑っているのがキバという、名簿には載っていない男。
半信半疑なのは水銀橙と博之。
萃香を信じているのがレナ、こなた、妹の三人。
何を考えているのか全く想像もつかないのが、白い、妖精みたいなピッピとか言う小動物。
こんなところね。

上の連中は不毛な議論の後、それぞれ思い思いに休息を取り始めたようだ。
時折、笑い声が聞こえてくる。最も萃香を疑っているキバも談笑していた。
これくらいの対立では、彼らの結束は揺るがないって事か。面白い。
絶対に切り崩してやるわ……。

(もういいですかね?)
(そうね。これ以上盗み聞きしていても有益な情報は話しそうにないし……最後の道を調べに行く?)
(そうですね)
私達はゆっくりと立ち上がり、出来る限り音を立てないようにして、歩き始めた。
レナは、頭もいいし勘も鋭い。とことん警戒しなければならないだろう。

(残りの道が外に繋がってなかったらどうします?)
(……困るわね。実はいい事を思いついたんだけど、出口がもう一つ無いと実行に移すことも出来ないわ)
(あんな所から出たら、確実に狙い撃ちだわ。冗談じゃないわよ)
ハルヒが心配そうに呟く。その通りだ。冗談ではない。
出口があそこ一つしかなければ、どうしようもない。奴らは私と小泉が殺人者だという事を知っている。
二、三人は道連れに出来るかもしれないが、いずれ殺されてしまうだろう。

私達の心配は結果的に杞憂に終わった。
154さらなる結束へ ◆jVERyrq1dU :08/02/03 10:56 ID:T0ScmWgE

三叉路まで戻り、最後の道をしばらく歩いていくと、再び、ライトが設置されていない所に突入し、
またしばらくするとさっきと同じように天井に出口があった。
私は耳に意識を集中させて、出口の外に誰もいない事を確認し、ゆっくりと天井を開いた。

「ふうっ」
久しぶりに外の空気に触れる事が出来、気持ちいい。
思い切り深呼吸する。私の後に続いて、古泉とハルヒも地下のあなぐらから這い出てきた。
「あんな陰気臭いところ二度と行きたくないわ」
ハルヒが愚痴を言いながら立ち上がり、私と同じように深呼吸する。
最後に出てきた小泉が出口を閉じた。
「ふふっいい所じゃない。これからもあの連中の話を盗み聞き出来るわ。凄く有利よ」
私達は奴らの死角を押さえた。これは物凄いアドバンテージだ。
いざとなれば奇襲も出来るし、様々な情報を得る事も出来る。

ふと、見ると、古泉が立ち上がらずに、地下への入り口をなにやらいじっている。
「古泉、どうかした?」
「…………開きません。……オートロックのようです……」
「……うそ。マジで?」
「……マジです。すいません。う、うわあああああ」
古泉が頭を抱え地面に蹲った。キョン君ごめん、と連呼する。

「し、仕方ないわよ。誰にでも失敗はあるわ。別に大丈夫よ。かなりの情報を知れたじゃない」
「で、でもぉ」
「終わった事を悔やんでも仕方ないわ。元々、イレギュラーな事だったからいいわよ」
「そ、そうですかぁ?」
私はハルヒと一緒に古泉を慰めた。地下の事はまあ、仕方ないことだったと諦めよう……。
私達が慰めたおかげか、古泉は少しずつ元気を取り戻していった。
155さらなる結束へ ◆jVERyrq1dU :08/02/03 10:57 ID:T0ScmWgE

古泉が元気を取り戻したので、私達は地面に座り、これからの事について話し合うことにした。
「さて、実は私、連中の話を聞いてて脅威を覚えると共に……奴らを崩壊させる方法も思いついちゃったのよ」
「なんかさっき言ってたわよね。『いい事』を思いついたって」
「八意さん。まずは貴方が天井の隙間から見たものを教えてくださいよ。僕達は知らないんですから」
そういえばそうだったわね。奴らの人数や武装を完璧に把握しているのは私だけだ。

「わかったわ。じゃあ順を追って情報を整理していきましょう」
古泉とハルヒは真剣な面持ちで頷いた。
「まず、奴らの人数、全部で、六人と一匹だわ。支給品の動物も加えれば、六人と三匹ね」
今思い返してみれば、あまりに多い。この人数は脅威だろう。
「やっぱり多いわね」
「参加者の中に動物がいるんですか?」
「ええ、ピッピっていう妖精みたいな奴よ。ちゃんと首輪してたわ」

「さらに、」
私は地面に七つの○を書き、離れた所に四つの×を書いた。
「この二つのグループは城で合流する事になっているらしいわ」
「……もしそうなれば、最大11人の大集団になる……」
ハルヒが絶望的な様子で呟いた。大丈夫よハルヒ。まだ手はある。

「問題は人数だけじゃないわ。こっちの、塔にいる×のグループはどうなのか分からないけど」
私は地面に書かれた×の印を指差しながら言った。指を○の方に移動させていく。
「さっきの連中。○の方のグループはチームの結束も固く、武器も充実している。
○と×が合流し、信頼し合って、一つのチームを結成すれば、私達には……と言うより、
殺し合いに乗っている『積極的参加者』には打つ手がなくなり……」
私は小泉とハルヒの目を見据えた。
「全員、ゲームオーバーになると、私は思う……」
156さらなる結束へ ◆jVERyrq1dU :08/02/03 10:58 ID:T0ScmWgE

ハルヒの目が光を失っていく。やっぱりこの子は精神的に病んでいるみたいね。
感情の触れ幅が大きい気がする。だがそれがいい。
古泉が、ハルヒが優勝する=全てが元通り、を当然のように言ってたらこの子もいつの間にか信じきっちゃってるし。

「諦めてないんでしょ?」
古泉が言った。
「当然よ。まだ打つ手はある。私達にしか出来ない……とっておきの『策』。成功するかは……」
私はハルヒの手を握った。
「ハルヒ、貴方に懸かっているわ」
ハルヒは呆気にとられていた。まあ、いきなりこんな事言われたら誰でもこんな反応するわね。

「それってどういう」
「整理しながら説明してあげる」
私はハルヒの言葉を遮り言った。
「信頼し合って、装備も充実している○グループに隙がないわけではない。
怪我人も多いし、無理やり特攻すれば何人かを殺せるかもしれない。事実、富竹はティアナとかいうのを殺せたらしいわ」
富竹の名前に反応してハルヒの体は硬直した。
「でも私はそんな方法はとらない。拳銃を持って奇襲を仕掛けた富竹でさえ一人しか殺せなかったんだからね……
奴らは相当強いって事。二、三人を殺す代わりに自分の命を失うなんて真似はしてはいけない。
私が言う方法っていうのは、連中のたった一つの心の隙……心の癌……!

……奴らの、萃香に対する疑心を利用する……!」

「そのためにハルヒさんを利用というわけですね」
「ご名答!さすがは古泉ね。だけど利用なんて冷たい言い方しちゃ駄目だわ」
「ねぇどういう意味よ」
157さらなる結束へ ◆jVERyrq1dU :08/02/03 11:00 ID:T0ScmWgE

古泉はふぅと一息つき、ハルヒに説明し始めた。
「いいですか涼宮さん。あなたの今までの行動をよく思い返してください。誰かに命を狙われましたよね?」
ハルヒは思い出す。まず頭に浮かんだのはやはり、富竹。その次はワドルドゥを殺したムスカ。
最後に出てきたのは……

「私、萃香に襲われかけたわね。富竹のカスに連れ去られて事なきを得たけど」
「そうです。さらにあなたはこれまでに一度も怪しい行動をとっていない。富竹から見ればあなたは罪人でしょうが、
他の何も知らない人からすればあなたは特に怪しくないんですよ」
「貴方が私と古泉と行動しているところを、誰かに見られていたら危なかったけれど、
まだ、あの理性が飛びかけている化け物力士にしか見られていない」
運がいい、私はそう思った。

「さらに貴方が富竹から逃げてきたっていう事実も使えるわ。奴らの同情を買えるかもしれない。
加えて……その、見るからに痛々しい体があれば、『優しい』奴らの事だから、
すんなりとチームに溶け込む事が出来るんじゃないかしら。ハルヒ、私が貴方にして欲しい事が何か分かる?」

ハルヒは考え込む。今までの行動、知り合い……様々な事を思い返す。
ここまで説明すればわかるだろう。ハルヒは狂い掛けているが決して馬鹿ではない。

「つまり……あの連中の中に入り込み、萃香っていうネタを使って奴らのチームワークを乱せばいいの?」
「ふふ、正解よ。あと、城に行かせるのを遅らせるために色々と足を引っ張って欲しいわね。あの博之以上に」
私は再び彼女の手を握った。
「あの連中のうち何人かは少なからず萃香を疑っているわけだから、
貴方の経歴を教えてあげるだけで疑心暗鬼を誘える。貴方は実際に萃香に襲われたんだからね。
嘘なんて吐かなくていい。ただ萃香に襲われたってところを大げさに言えばいいわ。ちょっとデイパック貸して」
いきなりの申し出にきょとんとしたハルヒから、半ば無理やりにデイパックを取り上げた。
中を見る。中々、薬品が揃っているわね。これならなんとかなりそうだわ。
158Classical名無しさん:08/02/03 11:00 ID:WOfhrpCY
エコノミー回避支援
159さらなる結束へ ◆jVERyrq1dU :08/02/03 11:02 ID:T0ScmWgE

「何をする気よ」
「毒薬を作る。一口で死ぬような強力な奴をね。ハルヒ、出来たら貴方にあげるわ。
連中に隙があれば飲ませてやりなさい。勿論ばれないように慎重に……うまくいけば奴らはさらに疑心暗鬼に陥るわ」
「なるほど」
「言うまでもなく、ばれたら終了よ。仕掛ける時はタイミングを見計らわなければならない。無理にしなくてもいいわ。
それと、この薬品は全部貰うわね。私の方が役に立たせる事が出来る」

私は毒薬を作る作業に取り掛かった。薬品が入ったビンを開ける。
さて、今度は古泉ね。古泉にも言わなくてはならない事がある。

「古泉。ハルヒが○グループを掻き回している間、私達は何をすればいいと思う?」
古泉は少しの間考え込む。彼は頭がいいから、もしかしたら私のよりもいい『策』を思いつくかもしれない。
「涼宮さんがうまく掻き回し、連中の結束を崩壊させた瞬間を見計らって、
私達が襲撃をかけるってところですか?無論、その時には涼宮さんにも内側から暴れてもらって」
確かにそうなれば、ハルヒが奴らの固い結束を崩壊させる事が出来るのならそれでもいいだろう。
しかし、それではあまりに……。

「しかし……それでは涼宮さん一人に全ての命運をあずけてしまう事になりますね。
涼宮さんがもし失敗したり、裏切ればそこでゲームオーバーです」
「失敗も裏切りもしないわよ!」
はいはい、と古泉はハルヒを適当にあしらった。
「裏切らないと信じていますよ。まあ、それはともかく、涼宮さんが毒薬を誰かに飲ませたりするのを、
何もせず待っているなんてあまりに馬鹿げていますね。私と矢意さんも影から涼宮さんに協力すべきです」

まさに、その通り。やっぱり古泉は頭がいい。頼りになるわね。
160さらなる結束へ ◆jVERyrq1dU :08/02/03 11:04 ID:T0ScmWgE
「そうですね。まず手始めとして……。例えばこっちのグループ」
古泉は地面に書かれた×印を指差す。
「涼宮さんの仲間だったロールやニートを殺したり、連れ去ったりして……
とにかく萃香が○グループと合流する時に、ニートやロールがいない状態にすれば、
涼宮さんはもっと騒ぎ易くなるんじゃないですか?こいつ、ニートとロールを殺しやがった、とでも叫べばいい」

ニートを殺す、という言葉を聞いた時、何故か知らないけど私の心は揺れた。
「貴方、やっぱり凄いわね。私の考えた作戦と一緒だわ」
「でも、この作戦にはいくつか問題点があると思うんです」
「?……何かしら?」

「一つは、僕達が塔の方に行っている間、涼宮さんからしばらく離れる事になる。
僕と矢意さんはあまり離れずに待ち伏せすべきですね。不測の事態に対応できません」
「そんな事、ならないわよ」
ハルヒが強がって言った。
「涼宮さんはそう思っていても、『不測』の事態っていうのは急に来るものなんですよ。
……でもこの問題は簡単に解決出来ます」
古泉は毒薬を作っている私に詰めより、デイパックを貸して下さい、と言った。
私は言われたとおり自分のデイパックを古泉に渡す。

「矢意さん。この小型爆弾を二個ほど、涼宮さんに渡していいですよね」
特に断る理由もないので私は首を縦に振った。
「これがあれば、もし、涼宮さんが失敗して暗躍がばれても戦えます。
さらに爆弾ですから遠くまで音と光が伝わる。私達が近くにいれば駆けつける事が出来ますよ」
なるほど、いいわね。爆弾くらい持っていたって怪しまれないだろう。支給品だといえばいい。
問題はどう毒薬を隠すかね。
161さらなる結束へ ◆jVERyrq1dU :08/02/03 11:07 ID:T0ScmWgE

「あと一つ問題、というか心配なところがあるんですよ」
古泉が真剣な面持ちで私とハルヒを見た。
「場合によってはニートやロール……キョン君の妹を殺す事になります。貴方達はそれでいいんですか?」
「愚問よ。いいに決まっているわ」
ハルヒが即答した。その目に迷いはない。普通は悩むはずだろう。
「確かに誰も殺さずに済むならその方がいいわ。でも、私が優勝すれば全てが元に戻るんでしょ」
この娘はどうしてこう確信できるのだろうか。
どうしてここまで自分が得体の知れない能力を持っていると信じれるのだろう。
やはり、ハルヒは心の根本的な部分が崩れかけているのではないか。

「矢意さんもいいんですか?貴方にニートが殺せますか?」
「……当たり前よ。ニートは私にとって古代中国から元の世界に戻るために利用しただけの存在よ。
もしあいつやロール、KASが私達の誘いに乗らなければ、容赦なんてしないわ」
容赦なんてしない。私は心の中で繰り返す呟いた。そんな馬鹿なミスをするわけにはいかない。
「分かりました。なら作戦スタートです、ね!」
古泉は勢いよく立ち上がった。

「もう一度確認するわ、ハルヒ、貴方のする事は!?」
古泉と同じように勢いよく立ち上がるハルヒに呼びかける。
「毒薬や萃香についての話を使って、連中を掻き回したり足を引っ張ったりする事!」
その通り。上出来だ。
「私と古泉は貴方達とそれほど離れていない所でニート達を待ち伏せするわ。
この作戦の最終目標はレナ達のグループとニート達のグループを戦わせる事。
それにはまずレナ達を疑心暗鬼にもちこむ必要があるわ。この作戦で最も重要なのは言うまでもなくハルヒ!」

私も立ち上がる。勝つ、勝ってみせる。レナ達とニート達が組めば『積極的参加者』はおしまいだろう。
そんな事にさせてたまるか。
162さらなる結束へ ◆jVERyrq1dU :08/02/03 11:08 ID:T0ScmWgE
私はハルヒを固く抱きしめた。ハルヒは驚いている。
「ちょ、ちょっと永琳さん」
「貴方に命運が懸かっている。頑張れ」
私はハルヒの耳元で呟いた。私の言葉を聞いたハルヒはもう抵抗しなくなり、決意に満ちた声で言った。
「はい」

「これ作ったわ。毒薬を支給品のパンにすり込んだ。これなら毒薬を持っているなんて気づかれない。
連中のデイパックの中のパンと入れ替えれば、犯人は誰か分からなくなる。……慎重にね」
私は毒入りパンをハルヒに手渡した。
「じゃあ、行ってくるわ」
「富竹を見つけたら、貴方が止めを刺せるように、生かさず殺さずの状態にして捕らえておいてあげますよ。
だから頑張ってください」
「ええ、小泉君も頑張って」

ハルヒは歩き出した。周りの地形を見て今いる場所がどこなのかは把握できている。
連中の所まであまり離れていない。ハルヒはすぐに奴らと接触できるだろう。
ハルヒは振り返らなかった。

「さて、うまくやってくれるかしらねえ」
「失敗する確率も結構あると思いますよ。まあ、ばれたらばれたで爆弾を使って暴れてくれるでしょうよ」
「……あんた、とことんハルヒの事が嫌いなのね」
「ふふふ、奴には個人的な恨みがありましてね。仲良くするなんて無理ですよ」

私はなんとなく閉じてしまった地下通路の入り口を見た。あの空間は本当にいったいなんだったのだろうか。
163さらなる結束へ ◆jVERyrq1dU :08/02/03 11:09 ID:T0ScmWgE

「矢意さん。貴方が連中を崩壊させるための策を考えていた間、僕はさっきの地下空間について考察していたんですよ」
こいつは……抜け目ないわねえ。
「で、分かったの?」
「多分、主催者側が通る道でしょう。例えば、私達参加者を監視する何者かがいたとします。
この地下通路を利用すれば効率よく移動出来るんじゃないですか」
古泉は足で地下への入り口を踏みつけた。
「見てください。これ」
古泉が腰をかがめて入り口に顔を寄せる。私も中腰になり入り口を注視する。
「鍵穴がありますよね」
確かにあった。入り口に覆いかぶさる土や、草をどけた所に確かにある。
「主催者側の連中はこれに合う鍵を持っているのかしら」
「そうだと思いますよ。地下に、一つだけ鍵がかかっていて先に進めなかった道がありましたよね」
あった。鋼鉄製の扉。仕方がないから引き返したんだ。
「あそこの鍵を開ければ……もっと色んな所に通じているのかしら。
……会場の地下にクモの巣のように地下通路があって、主催者側はそこを通って効率よく移動する、ってとこ?」

「そんなところだと思いますよ。レナ達が言っていた『駅』もね」
「確かに言った。レナは駅がどうとか言ってたわ」
急いでデイパックを開け、地図を見る。駅という施設はどこにも描かれていなかった。
「まさか、駅ってのも私達がいた地下空間と同じ、主催者側の施設ってところかしら」
「その可能性は充分あると思います。この推測が当たっていればの話なんですが。
電車っていうのは大量の物資や人間を輸送できます。もしかしたら、『駅』は主催者の本拠地にでも繋がっているんじゃないでしょうか」
その可能性は確かにある。理解できる。だとしたら……。

「確かにとんでもなくヤバイ事態だわ。レナ達はいつかゲーム盤をひっくり返すかもしれない。
そうなれば……殺し合いは中止になり、願いを叶えて貰うだとか、取引だとかは出来なくなる」
「涼宮の奴がへまをしたらキョン君も生き返らせなくなるかも!」
小泉が頭を抱えて言った。このガチホモめ……。
164さらなる結束へ ◆jVERyrq1dU :08/02/03 11:13 ID:T0ScmWgE

「とまあ、確かにゲームが破壊される可能性はある事にはあると思うんですが……」
「……? どうしたの?」
「レナ達はまず失敗するでしょうね。主催側に繋がる駅を見つけただけでどうにかなるとは思えない」
……それは違うんじゃないかしら。レナ達は少しずつ、確実に進んでいるのでは……。
「主催者は『駅』を見つけたレナ達をそのまま放置している。これは主催者に絶対的な自信があるからですよ。
あのピエロはこの、」
古泉は首輪を指でつついた。
「首輪に絶対の自信を持っているんです」
「そうかしら……。駅を見つけた参加者に何も対応しないぐらい抜けている、ともとれるわ」
「これだけ大掛かりな事をやってのけたピエロが馬鹿なんてありえませんよ」
「それはそうだけど……」
しかし、どうも嫌な予感がする。半信半疑の私に古泉はさらにまくしたてた。

「さっきの地下通路だって、鍵がかかっていて自由に移動できなかったし、
オートロックのせいで二度と入る事は出来ない。まあ、もう一度、薬屋にまで戻れば入れますがね……
……主催者側は肝心要の所にはしっかりと重しを置いています。あの地下通路を自由に移動出来れば私達は無敵だったでしょうよ。
しかし、主催者はそれを許してはいない。オートロックや鋼鉄の扉などで……。地下通路はボーナスステージのようなもの。
訪れる者に利益を与えますが、そこをずっと利用する事は出来ない。
ピエロ共は最後の最後にはきっちり『重し』を置いている。駅なんかを見つけても無駄なんです。結局何かありますよ。
いや、なければおかしい。ここまで大掛かりな事をする奴らがそんな些細なミスを犯すはずがありません」

私は古泉の話に聞き入っていた。確かにそうだと思いつつ、やはりいやな予感は消えない。
レナ達にゲームを破壊されれば、主催側との全面戦争という形になるだろう。おそらく私の願いは叶わなくなる。
165さらなる結束へ ◆jVERyrq1dU :08/02/03 11:15 ID:T0ScmWgE

「もし奴らが脱出してしまえばどうするのよ」
「あり得ないと思いますが、その時はレナ達にどうにかして便乗しましょうよ。
多分奴らは烈火のごとく怒ると思いますが、なんとか隙をついてですね。
まあ、涼宮さんさえ生きてここから出せば、キョン君は生き返りますからね。まあ、本音としては奴も殺したいんですがねぇ。
キョン君に纏わりつく蛾ですから。涼宮ハルヒは」
……だからハルヒを嫌っていたのか。

「どうして駅の事をハルヒに言わなかったの?」
「……言ってどうにかなりますか?彼女に余計な気負いを与えてしまうだけです」
確かにそれもそうだ。ただでさえ狂い掛けている娘。ハルヒに言わなかったのは正解だったか……。

「あなたはあり得ないって言うけど、もし奴らが脱出目前だとしたら……
これは本当に、なんとしてでもレナ達を崩壊させてやらないとね」
「ま、このままではほんと脅威ですよね、あの人数は……。矢意さんがさっき言ってましたよね。
レナ達とニート達が結束すれば『積極的参加者』はゲームオーバーだって……」
「……ますます現実味を帯びてきたわね。なんとかしないと本当に終わる」

結局、古泉の話を聞いても私の予感は消えなかった。
駅がもし主催者にとって重要な場所だったりしたら……。
全てを元通りにするという私の願いは叶わないかもしれない。
……元々、願いが叶うなんて塵みたいな可能性だろうけど、レナ達が殺し合いを破壊すればそれもゼロになるだろう。
だから、私はレナ達をなんとしてでも排除する。

駅はどこにあるのかしら。レナ達は今までずっと町にいたのだろうか。
だとしたら、駅は町のどこかにあるはずなんだけど……。見たところそんなものはなかった。
ひょっとして地下鉄か?
166さらなる結束へ ◆jVERyrq1dU :08/02/03 11:16 ID:T0ScmWgE

「頑張りましょう。ま、この作戦を成功させればいいんですよ。
難しいでしょうけどもし、七人グループと四人グループが戦う事になればかなり死にますよ」
古泉が言った。そうだ。なんとしても成功させる。少なくとも、レナ達のチームを崩壊させる事ぐらいは成功させたい。

「私達も団結が必要ね……」
私は独り言のように呟いた。
「団結? 言っておきますけど僕は涼宮さんと仲良くするなんて死んでも嫌ですよ」
「ふふ、まあ、嫌いなら嫌いで無理に仲良くしなくてもいいわよ。裏切らなければそれでいい」
私は笑った。

「もっと大きい次元での団結。レナ達、『抵抗者』が手を取り合って団結するなら私達、『積極的参加者』も団結すべきだわ」
「あの化け物力士ともですか?厳しくないですか?」
「まあ、あの戦う事さえ出来ればいいみたいな化け物は除けといて……
きっと、私達の他にも、ゲーム盤を引っ繰り返されたら困る『積極的参加者』がいるはずだわ」

古泉が沈黙する。何かを考えているのだろうか。
「まあ、死んだサトシの奴でも、『ゲームが破壊される』と言えばおそらく協力したでしょうかね。嫌々ながら」

「レナ達の事と『駅』に関する考察を少々大げさに伝えて、残り10人になるまで同盟とでも言えば、だいたい協力してくれると思う。
そいつらだってゲームが破壊されれば困るはず……」
「では、これから出会う奴がもし『積極的参加者』ならばそう伝えますか。
いずれ、私達『積極的参加者』と『抵抗者』の全面対決という形になるかもしれませんね」

全面対決……。そうなる前にレナ達を崩壊させてやりたいところだ。
167さらなる結束へ ◆jVERyrq1dU :08/02/03 11:17 ID:T0ScmWgE

「じゃあそろそろ移動しましょう。レナ達とそう離れていなくて、ニート達を待ち伏せ出来る場所に――」
「はい」

負けるわけには、死ぬわけにはいかないという思いがますます強くなった。
絶対に優勝してみせる。レナ達に邪魔されてたまるものか。奴らが団結するならこちらも団結するまでだ。

【八意永琳@東方シリーズ&新世紀 東方三国志〜ひぐらしの憂鬱〜】
[状態]:肩に怪我(手当て済み)、体力消耗・中、背中に火傷(手当て済み)、古泉一樹を信頼、全身に軽い打撲(ほとんど回復)強い決意
[装備]:王者の剣@DQ3(刃毀れ)、小型爆弾*2、DCS-8sp*5
[道具]:なし
[思考・状況]
1.ニート達を待ち伏せして、ニートやロール、KASを勧誘する。断られたら殺すなどして、萃香を孤立させる
2.塔組(レナ達)を崩壊させる。影からハルヒに協力し、ハルヒが塔組をばらばらにしたら襲撃する予定。
 彼らと萃香が戦い合ってくれればいいんだけど……
3.古泉一樹と協力して優勝を目指す。 すごく信頼。
4.参加者を何らかの方法で誘導し、互いに潰しあってくれる状況を作る。
5.レナ達のゲーム破壊を防ぐためにも、他のマーダー達に協力を呼びかける
6.薬を作りたいが、無理はしない。
7.ゆめにっきはいずれ何とかしたい。古泉一樹にゆめにっきの耐性があれば読ませ、その内容を全て知っておきたい。
8.ゲームに優勝し、悪魔と取引をして皆が元通りになれることを願う。
※もしレナ達が脱出に成功したなら仕方ないので優勝を諦め、それに便乗しようと考えています。
※ハルヒの能力については半信半疑です。
168さらなる結束へ ◆jVERyrq1dU :08/02/03 11:20 ID:T0ScmWgE

【E-3 草原、橋の近く/一日目・真夜中】
【古泉一樹@涼宮ハルヒの憂鬱】
[状態]:頭部強打、八意永琳を信頼、
[装備]:無し
[道具]:支給品一式*2(食料一食、水二本消費)、ゆめにっき@ゆめにっき(手の形に血が付着、糸で厳重に封をしてある)
逆刃刀@フタエノキワミ アッー!(るろうに剣心 英語版)、赤甲羅@スーパーマリオシリーズ、
鎮痛剤一包み、睡眠薬一包み、糸(あと二メートルほど)、裁縫針、ワンカップ一本(あと半分)、
武器になりそうな薬物、小型爆弾、DCS-8sp(乾燥中のものも)、退魔の剣@怪〜ayakashi〜化猫
[思考・状況]
1.ニート達を待ち伏せして、ニートやロール、KASを勧誘する。断られたら殺害などして、萃香を孤立させる
2.塔組(レナ達)を崩壊させる。影からハルヒに協力し、ハルヒが塔組をばらばらにしたら襲撃する予定。
 塔組と萃香が戦い合ってくれればいいんだけど……
3.キョン君(´Д`;)ハァハァ…ウッ……
4.殺し合いにのっていない参加者を優先的に始末。相手が強い場合は撤退や交渉も考える。
 レナ達のゲーム破壊を防ぐためにも、他のマーダー達に協力を呼びかける
5.八意永琳、涼宮ハルヒと協力する。八意方はかなり信頼。
6.優勝して「合法的に愛しの彼とニャンニャンできる世界」を願う(ただし、生き返らせることを優先)
※古泉は絶対に脱出なんて出来ないと考えています。が、万が一、レナ達が脱出に成功したならそれに便乗しようと考えています。

※地下に薬売りの部屋@怪〜ayakashi〜化猫には現在蓋がされています。よく見れば床に変な所があるとわかるかも知れません。
 ほとんどの薬は持ち去られています。抜け穴は完全に塞がれています。
 抜け穴は地下通路に繋がっていました。古泉と永琳は地下通路と駅を主催側の施設だと推測しています
※一方的に情報交換をしました。涼宮ハルヒの情報を古泉一樹と永琳は知っていますが逆は成り立ちません。
169さらなる結束へ ◆jVERyrq1dU :08/02/03 11:23 ID:T0ScmWgE


なんていうか、都合よく利用されてるって気もしなくはないわね……。
でも、レナ達をなんとかしないと、私達はゲームオーバーかもしれないという話は理解出来る。
私にしか出来ないならやるしかないわね。

私が優勝すれば全て元通りっていう話を奴らにすればなんとかなるんじゃないかしら。
奴らも仲間に引き込めるのでは……?
いや、信じてくれるわけないわね。我ながら馬鹿な事を考えるわねぇ。

とにかく、人の言いなりっていうのはちょっと癪だけど、やるしかないわ。
レナ達を崩壊させれば優勝がより現実的になる。
大丈夫よ。私は今まで悪い事なんて一つもしていない。
富竹の奴とあれだけ戦ったんだ。褒められてもいいくらいよ。
だから、私は安全。普通にしていればまず疑われない。
あとは、この毒入りパンを仕込むタイミングか……。

……それにしても、古泉君はどこかおかしかった。私に対する接し方とかがいつもと違う。
冷たかった。……この殺し合いで変わっちゃったって事なのかしら……。

私は歩く。そろそろ奴らの所に着くはずだ。
まさか、話を盗み聞きされていたとは夢にも思っていないでしょうね。

しばらく歩くと、見た感じ小学生の女の子と三匹の動物がいた。
あれ、あの制服って私と一緒?

「やあ、一つ質問するけど……殺し合いに乗ってる?」
「……乗ってないわ。あなたは……?」
「勿論、殺しなんてするわけなしだよ。どうでもいいけど私達って声似てない?」
そういえばそんな気もするけど……。
「確かに、似てる気もするけど……」
「だよねぇ」
170さらなる結束へ ◆jVERyrq1dU :08/02/03 11:24 ID:T0ScmWgE
【D-3 草原、橋の手前/一日目・真夜中】
【泉こなた@らき☆すた】
[状態]:顔面強打、右腕打撲、腹部強打、(これらの痛みはひきました)、強い決意 悲しみ
[装備]:くうき砲@ドラえもん、団長腕章@涼宮ハルヒの憂鬱、フタエノ極意書@ニコニコRPG
[道具]:支給品一式*2(食料一食分・水一食分消費)、暗視ゴーグル@現実、デジヴァイス@デジモンアドベンチャー、コロネ(バタフリー)@キャタピーだけでクリアに挑戦(残り100%)、
テニスボール、初音ミク@現実、モモンの実*3@ポケットモンスター、オボンの実*3@ポケットモンスター、ポケモンフーズ一日分(二食分消費)@ポケットモンスター
[思考・状況]
1.目の前のハルヒに対応
2.つかさを助けたい。 ゴマモンを見つけて説得したい。
3.圭一、ティアナの思いを継いで、対主催思考の仲間を探す。
4.城まで行き、首輪を解体出来る者を探す。
5.バトルロワイアルから脱出する
※フタエノキワミを習得しました。攻撃力が二倍になり、急所に当たりやすくなります。
※他アニメについての知識が徐々に戻りつつあります。
 「ひぐらしのなく頃に」「魔法少女リリカルなのは」の他にも、何か思い出すかもしれません。

【ピッピ@ポケットモンスター(ピッピのゆびをふるのみで殿堂入りを目指す)】
[状態]:強い決意 、悲しみ
[装備]:リーフシールド@ロックマン2(技マシン的な使い方でポケモンは使える)
[道具]:支給品一式(水一食分消費)、ほんやくコンニャク(1/4)(半分で八時間)@ドラえもん、
テレパしい@ドラえもん(残り3粒、五寸釘@現実、モモンの実@ポケットモンスター、
オボンの実@ポケットモンスター、ポケモンフーズ一日分(二食分消費)@ポケットモンスター
[思考・状況]
1.少数派による運命の打開
2.城まで行き、首輪を解体出来る者を探す。
3.ティアナのような犠牲は二度と出さない。
4.あの怪しいポケモンとトレーナーを倒し脱出
※首輪は頭の巻き髪についてます
※ピッピは、はたく、うたう、おうふくビンタを使えることを思い出しました。ただし、まったく使ってこなかったため、かなり信用に欠けます。
※萃香を疑っているかどうかは次の書き手さんに任せます。
171さらなる結束へ ◆jVERyrq1dU :08/02/03 11:26 ID:T0ScmWgE

【涼宮ハルヒ@涼宮ハルヒの憂鬱】
[状態]:富竹への憎しみ、精神錯乱、左肩に銃創、左脇腹と顔面と首に殴られた傷、腕から出血、脇腹に弾丸がかすった傷、古泉達を信頼、鎮痛剤服用、理性を失いかけています
[装備]:陵桜学園の制服@らき☆すた、包丁、 DCS-8sp
[道具]:支給品一式*2、びしょ濡れの北高の制服@涼宮ハルヒの憂鬱、テニスボール、
アニマルマスク・サラブレット@現実、ゾンビマスク@現実(ゾンビーズ)、毒入りパン
[思考・状況]
1.塔組(レナ達)に入り込み、萃香のネタや毒入りパンを使って掻き回す。
2.塔組の足をとにかく引っ張り、行動し難くする。
3.どんな手段を使ってでも絶対に富竹を殺す
4.皆を蘇らせるために協力者を探す
5.優勝して全てを元通りにする
※第三回定時放送をほとんど聞いていません。死亡者の人数のみ把握しました。
※自分の服装が、かがみを勘違いさせたことを知りました
※自分が狂い掛けている事に薄々気づいています
※喋れる様になりました。
※自分の能力を信じました。

【永井博之@永井先生】
[状態]:悲しみ、全身打撲、失明、顔面怪我、鼻骨折、肩部・太腿・脇腹銃傷、腹部強打(痛みは引きました)萃香を少しだけ疑っています
[装備]:薬草(3/99)@勇者の代わりにry 、包丁@フタエノキワミ アッー!(るろうに剣心 英語版)
[道具]:支給品一式*3(食料三食分・水一食分消費)、座薬@東方project、ヲタチ(残りHP80%)@ポケットモンスター
ゴム@思い出はおくせんまん、自動ぶんなぐりガス(残り1/5)@ドラえもん、ヴェルタースオリジナル*2@ヴェル☆オリ
[思考・状況]
1.少数派による運命の打開
2.城まで行き、首輪を解体出来る者を探す。
3.目が見えないから状況がいまいちつかめない
4.愛媛のカリスマで目が見えなくてもなんとか頑張る
172さらなる結束へ ◆jVERyrq1dU :08/02/03 11:27 ID:T0ScmWgE

【竜宮レナ@ひぐらしのなく頃に】
[状態]:悲しみ、右手に切り傷、右腕銃傷
[装備]:リアルメガバスター(240/300)@デッドライジング、サイレンサー付き拳銃(1/6)@サイレンサーを付けた時とry、鉈@ひぐらしのなく頃に
[道具]:支給品一式*2(食料一食分・水一食分消費)、雛見沢症候群治療セット1日分(C-120、注射器、注射針)@ひぐらしのなく頃に、日本酒(残り半分)
テニスボール、オミトロン@現実? モモンの実@ポケットモンスター、鉄パイプ、本『弾幕講座』、アイテム2号のチップ@ロックマン2
[思考・状況]
1.少数派による運命の打開
2.城まで行き、首輪を解体出来る者を探す。
3.圭一、ティアナの思いを継いで、対主催思考の仲間を探す。
4.富竹を発見できたら、薬を打ってあげたい。
5.罪滅しをする
※八意永琳が何か知っているのだと思っています。
※時期は大体罪滅し編後半、学校占領直前です。
※雛見沢症候群は完治しました。
※身体能力が向上しています。それによってレナパンが使えるようになりました。
※永琳達の気配を感じましたがそれが何なのかはまだ分かっていません。

【友人@自作の改造マリオを友人にプレイさせるシリーズ】
[状態]:全身に軽い切り傷、左肩切り傷、あごに切り傷、背中打撲、悲しみ、萃香を疑っています
[装備]:ゼットソーハードインパルス@現実、ロールバスター@ロックマンシリーズ、メタルブレードのチップ(装着済み)
[道具]:支給品一式*5(食料五食分・水四食分消費)、桃太郎印のきびだんご(24/25)
[思考・状況]
1.少数派による運命の打開
2.城まで行き、首輪を解体出来る者を探す。
3.キョンの妹を守って見せる!
4.この世界から脱出したい。
5. 鬼とか出てきたら、宇宙人もありだろうな。
6.作者に会ったら説明を求めた後ぶん殴る(いないし、関係ないかもと思ってきてます)
※奇妙なデジャヴがニコニコ動画によるものだと気付きました。
※「ひぐらしのなく頃に」についての知識が徐々に戻りつつあります。また、他の事柄についても思い出すかもしれません。
※KASのことを、tktk仲間だと思っています。
173さらなる結束へ ◆jVERyrq1dU :08/02/03 11:28 ID:T0ScmWgE

【キョンの妹@涼宮ハルヒの憂鬱&愛しの兄が振り向かない】
[状態]:悲しみ、阿部への怒り、頬に軽い切り傷、頭部に打撲&出欠 、軽い頭痛(痛みは和らぎました)
[装備]:おたま@TOD、 カワサキのフライパン@星のカービィ
[道具]:支給品一式(食料一食分・水一食分消費)、DMカード(オレイカルコスの結界 (次の早朝まで使用不可) 三幻神(ラーのみ使用可だが遊戯、海馬などのみ、他は次の早朝まで使用不可)、
ブラック・マジシャン・ガール(次の深夜まで使用不可)、ホーリーエルフの祝福(次の深夜まで使用不可)、青眼の白龍*2(次の午前まで使用不可)、強制脱出装置(次の0時まで使用不可)、
死者蘇生(次の昼まで使用不可)、黒騎士の魔剣少女、セイバー(次の昼まで使用不可)
コカローチ・ナイト、進化の繭、ゴキボール@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ、ダンボール@メタルギアシリーズ
ヴェルタースオリジナル@ヴェル☆オリ、携帯電話@現実
[思考・状況]
1.少数派による運命の打開
2.城まで行き、首輪を解体出来る者を探す。
3. ティアナの行動を無駄にしないためにも、生きる。
4. もう誰も殺さない、罪滅しをする。(阿部に関しては、どうするか分かりません)
5. キバくんには死んで欲しくない。
6.古泉くんの間違いを正す。
※萃香への憎しみは、萃香をこちら側に協力させるための嘘です。

174さらなる結束へ ◆jVERyrq1dU :08/02/03 11:28 ID:T0ScmWgE

【水銀燈@ローゼンメイデン】
[状態]:右腕欠損、腹部強打、強い決意、包帯人形、男物の上着、ジャンク、悲しみ、萃香を少しだけ疑っています。
[装備]:真紅のローザミスティカ@ローゼンメイデン(真紅の技が使えます)
[道具]:ぬいぐるみ沢山 、ヴェルタースオリジナル@ヴェル☆オリ、くんくん人形@ローゼンメイデン、
ヤクルト(残り4本)@乳酸菌推進委員会 、庭師の鋏@ローゼンメイデン、銀コイン@スーパーマリオワールド 、薬草の軟膏(3/4)
[思考・状況]
永井博之と契約
1.城まで行き、首輪を解体出来る者を探す。
2.『アリス』の捜索。
3.ゲームに乗っていそうな人間達に警戒。
4.ピエモンを殺す。その仲間も殺す。
5. 殺した詩音の姉への償いをする。
6.ピエロの思惑に乗りたくないから、できるだけ人は殺さない。
7.襲ってきた奴とは戦う。殺すのも仕方ない。
8.くんくんと乳酸菌がいっしょにいて幸せ。でもティアナが死んで悲しい。
※ピエモンが自分の世界で何かしていたということがわかりました。
※マヒは完全に回復しました。
※人形の操作能力をテストしました。重いものはあまり持ち上げられず、20メートル以上飛ばせません。
※銀コインを数枚、人形に持たせています。
※自分の右腕は荷物と一緒にしまってあります。
※アニメ、マンガなどで自分達が描かれているのは、その原作者が夢などで見たものを無意識に書いているのではと予測しています。
レナとティアナの声が似ているのも、同様の理由だと予想していますが、どちらも事実とは限りません。

※搭組の共通事項
萃香と情報交換しました。
KASの情報は不十分であるため、レムーが誰か分かりませんでした。
※マネキン(腕が両方本取れています)、マネキンの腕が E-3北東部に落ちています。
175 ◆jVERyrq1dU :08/02/03 11:33 ID:T0ScmWgE
投下終了。よく見たらまだところどころ小泉になってるし……
これはウィキでちょっとずつ直していこうと思います。

あと早速だけど修正
えーりんの状態表の道具欄に ありとあらゆる薬 を追加します。

>>151より前が前編、後が後編でお願いします。
176Classical名無しさん:08/02/03 11:57 ID:dj5awSbo
投下乙です。
ついにW平野の共演が実現したか……
177Classical名無しさん:08/02/03 12:26 ID:lV56iq3Q
投下乙でした
あとやごころが八意じゃなくて矢意になってるような

178 ◆jVERyrq1dU :08/02/03 12:44 ID:T0ScmWgE
ほんとだ……駄目すぎる……。
それもウィキで直しておきます
179Classical名無しさん:08/02/03 13:31 ID:vqf9znzg
>>178
テキストエディタの検索と置換を使うと楽になるかも
180Classical名無しさん:08/02/03 17:27 ID:onZxbrKA
こうして見ると長いねえ。したらばだと短く感じたが…
181Classical名無しさん:08/02/03 17:43 ID:sm8uOxjw
マーガリンは地味に強マーダーだなあ…
182Classical名無しさん:08/02/03 18:24 ID:grMeEl5k
wikiの本編ページ内の上部に、この話が何話か判るように記述したいんだけどダメだろうか?
非登録タグらへんにでも
183Classical名無しさん:08/02/03 18:48 ID:JkcITOwE
いいんじゃねえの?ニコロワ125話目みたいな感じで
むしろその方が便利かもね
184Classical名無しさん:08/02/03 18:56 ID:grMeEl5k
じゃあちょこちょこ追加しときます
きっと更新欄がエラい事になるんだろうけど気にしない方向で
185Classical名無しさん:08/02/03 18:59 ID:grMeEl5k
ていうか非登録タグって正直要らな・・・ゲフンゲフン
186 ◆jU59Fli6bM :08/02/03 19:11 ID:Blsy4t3k
度々失礼します。
先日投下した城組とTASクラですが、実は破棄しようかと思ってます。
もちろん独断ですが…日数経つにつれ駄目だなと思っていたので。
感想くれた方、ありがとうございました。
187Classical名無しさん:08/02/03 19:19 ID:kwS2U.To
私です。マルクPです。
久方ぶりに作ってみましたで候。
今度こそちゃんと全員入っていると思います。
これが何かの糧になってくれれば幸い……。ノシ

ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm2218547
188 ◆irB6rw04uk :08/02/03 19:26 ID:MsN1BEHs
>>186
あれは問題なかったような……
まぁいい、クラモンAと機関車は放棄します。
すっかり忘れていました。長い間拘束してすみませんでした。
ぶっちゃけインテル出せればよかったかなって感じでしたから。私的満足です
189Classical名無しさん:08/02/03 19:52 ID:bNcGk5Rc
>>186
irさんの言う通り、問題無いと思うよ?TASさんは武器無しでも戦えないわけじゃあないだろうし

ありゃりゃ、2つのSSが破棄されてしまった…
190 ◆qwglOGQwIk :08/02/03 19:58 ID:vqf9znzg
流れを変える男、スパイダーマッ!

予約していたおじいちゃんとつかゴマが書き上がった為、推敲が終わる30分後に投下予定であります!
191Classical名無しさん:08/02/03 20:27 ID:QnHFOT0w
あと1分
「ん、あれは何じゃろうか?」

雪山を下り、大急ぎで仲間の下に駆けつけようとするストーム1の眼前には、大きな龍のようなシルエットが見えていた。
昼間ならばはっきりと見えただろうが、月明かりの下ではそのシルエットの正体を見極めることはできそうになかった。
だが、ストーム1はそのシルエットの正体についてかすかに思い当たるものがあった。
それはスパイダーマッと一緒に発見した人型の怪物であった。
その形状は人型とも、顎の化物とも違う。しかしストーム1はその目で人型の化物が顎の化物に変化するのを見ていた。
ならばあの龍の化物はあの顎の化物が変化したものではないだろうかとも考えられる。

もしもそうならばこのクレイモアを相手に気が付かれないうちに設置して、今のうちに倒してしまったほうが良いのではないかとも考えられる。
だがあの化物はいさじ達がいた洞窟の方向から、町の方向へと向かっている。
何者かは分からないうちに攻撃を仕掛けるべきではないとストーム1は判断した。
相手に気が付かれないよう、細心の注意を払って接近する。

「ん、あれは……」
相手の視界に入らぬよう接近したストーム1は、龍の化物の背中に人影が居るのを見つけた。
龍の化物の背中に居る人影に目を凝らす。

「つかさちゃん、つかさちゃんのなのかぁ? おーい」
その声に気がついたのだろうか、龍の化物は動きを止める。
少しして龍の化物の背中から、少女の人影が降りてきた。
それはストーム1の予想通り、柊つかさの姿であった。

193Classical名無しさん:08/02/03 20:33 ID:MsN1BEHs
SIENせざるを得ない
194硫黄島からの手紙(2/13) ◆qwglOGQwIk :08/02/03 20:33 ID:vqf9znzg
「……おじいちゃん、ですよね」
「そうじゃつかさちゃん、大丈夫か?」
「はい、今のところは大丈夫です」
「そうか、よかったわい……」

ストーム1はホッと息を付く。
その姿を見たつかさはおじいちゃんって変なの、と笑っていた。
ストーム1は姉である柊かがみを失ったつかさに何か無いかと心配していたが、杞憂に終わったようで何よりだと思った。

「その、つかさちゃんにはあまり言いたくない話なんじゃが……」
「…………お姉ちゃんのことですか」
「守れなくて済まなかった。ワシが遅かったばかりに……」
「いいんですよ、おじいちゃん」
「かがみちゃんだっけ。つかさちゃんのお姉ちゃんは、せめてもの罪滅ぼしのためにあのあたりに埋めてきたんだじゃ」
「おじいちゃん、福山さんは……」
「……福山の馬鹿は、あっちに埋めてやった」

ストーム1は、月明かりに照らされる橋の手前を指差し、もう一箇所山の麓辺りを指差す。
それを見たつかさは、少しばかりうつむいていた。
「ワシを許してくれとは言わん。
 だがかがみちゃんや福山の時のように今度こそは失敗しないよう、ワシは命をかけてつかさちゃんのことを守ろう」
「ええ、おじいちゃんがそう言ってくれるなら嬉しいです」
「ところで、いさじの奴はどうした。それにこのでっかい龍みたいな奴は何じゃ?」


「いさじさん? ああ、あの人なら私が殺しましたよ」



195Classical名無しさん:08/02/03 20:34 ID:QnHFOT0w
東方支援抄
196Classical名無しさん:08/02/03 20:34 ID:MsN1BEHs
Help me SIEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEN
197硫黄島からの手紙(3/13) ◆qwglOGQwIk :08/02/03 20:34 ID:vqf9znzg

「はて?」

ストーム1の思考が一瞬停止する。
つかさちゃんはこんな悪い冗談を言う子だったのか、果たして何か別の真意があるのか。

「いさじさんはね、私が間違ってるって言ったんだよ。
 だってね、この後ろのゴマちゃんは人殺しなんだよ。私のおねえちゃんを殺したんだよ。
 だから死んでもいいのに、いさじさんはそれをまちってるっていうんだよ。
 このひとごろしがゆるされるためにつかってあげてるのに、それをまちがってるっていうんだよ。
 いさじさんもカービィのやつも、みんなみんなまちがっ……」

パァンと乾いた音がした。
ストーム1が、柊つかさの頬を打ったのだ。
「つかさちゃん、ワシの話をよく聞くんじゃ」
「痛い、何するのよおじい……」
「黙って聞かんか!」

頬を打ったことに対して文句を言おうとしたつかさを、ストーム1は怒声で強引に止める。
そして、ストーム1は仮初めか、あるいは長い長い夢のことを回想していた。
「ワシの夢の話なんじゃが、それもずっとずっと昔のことじゃ。
 つかさちゃんは学校でしか聞いたことが無いだろうが、昔大きな戦争があったのじゃ……」



****

198Classical名無しさん:08/02/03 20:34 ID:bNcGk5Rc
内容は全て同じ。「支援を祈る」と…
199Classical名無しさん:08/02/03 20:35 ID:MsN1BEHs
もう、ちゃんと私のSIENをききなさいっ!
200硫黄島からの手紙(4/13) ◆qwglOGQwIk :08/02/03 20:35 ID:vqf9znzg

ずっとずっと昔、まだワシが学校に通っていた頃、日本は米帝……アメリカとの戦争を始めたんじゃ。
亜細亜の同胞を助けるため、皇国の未来のために座して死を待つぐらいならばと、勝ち目の無い戦いを始めたんじゃ。
始めは何もかもがうまくいっていた。連日連勝が新聞を賑わっていた頃は、鬼畜米英が何だと思っていたんじゃ。
だが、それはただ相手が日本のことを侮っていただけなんじゃ。

本気を出したアメリカに、日本が勝てるわけが無かった。
結局は連戦連敗、あっという間に日本が攻撃される側になってしまった。
ワシの通っていた学校もアメリカの爆撃で焼け落ちてしまったわい。
その時は学校を焼き、友達を殺したアメリカが憎くて憎くてしょうがなかったんじゃ。
ワシは学校を少しでも早く卒業して、悪のアメリカを倒す兵隊さんになりたいと思っていたんじゃ。

そうやって勉学に励んでいたある日、ワシの親父に赤紙が届いて、ついに戦場にいくことになったんじゃ。
ワシは親父に、頑張って悪の鬼畜米帝を倒してきてねと励ましたんじゃ。
それを聞いた親父は、何も言わずにワシにこう言ったんじゃ。母さんを、守ってやってくれと。
ワシは何故親父がそういったのかその時は分からなかった。だがその意味は戦争が終わってから分かったんじゃ。
天皇陛下が日本は負けたことをお知らせして、そして親父は帰ってこなかった。
代わりにやってきたのは、アメリカの兵士達だった。

それからの生活は、苦難の連続じゃった。
アメリカ人たちは学校で教えられた鬼畜というには拍子抜けするほど優しかったが、それでも嫌な奴には変わりなかった。
ワシら日本人が何か気に入らないことをすると、殴られた。相手は銃を持っているから、勝てるわけが無かった。

201Classical名無しさん:08/02/03 20:36 ID:MsN1BEHs
ゅしッぶ「◆qwglOGQwIk 氏のために国費で支援を送ろう」
202硫黄島からの手紙(5/13) ◆qwglOGQwIk :08/02/03 20:37 ID:vqf9znzg

ワシもアメリカ人にはたいそう殴られたわい。
お袋を守るためだから立ち向かったんじゃが、それが気に入らなかったんじゃろうな。
英語がわからんかったワシには、何を言ってるのかは分からなかった。
あるアメリカ人は、ワシに目をつけると突然殴りだした、泣きながら殴りだしたんじゃ。おかしいじゃろ?
後で知った話なんじゃが、そのアメリカ人の親父は硫黄島で、日本人に殺されたらしい。
その日本人が親父かどうかは知らんが、ワシの顔が似ているのかついつい怒りが爆発してしまったらしい。
ワシはこの話を聞いて、初めて親父の最後の言葉の意味が理解できたんじゃ。

戦争はどっちも正義だったんじゃ。日本は国のため、アメリカも国のため。
ただどちらも大切なものがあって、そのために大切な人たちが死んでいった。
アメリカ人だって同じ人間で、親父を殺されたら悲しいんじゃ。
親父を殺されて憎いのはワシも、あのアメリカ人も一緒だったのじゃ。
すると不思議なことに、戦争でアメリカ人を殺そうなんて、馬鹿げている様に思えたのじゃ。
親父はその辺がよく分かってたんじゃろうな。だからワシに守ってくれと頼んだんじゃ。
だからワシは親父の言葉通り、お袋を守って、妻を守って、子供を守って、孫も守った、地球も守り続けた。
ま、これは現実じゃなくて、夢だったらしいんじゃけどな。

戦うことは悪ではない。だからワシは守るために戦っているんじゃからな。
しかし戦うことで生まれる犠牲は避けなければならないんじゃ。
だからつかさちゃんは間違っておる。殺し合いは何も生まん、お互い悲しくなるだけなんじゃ。
いさじの奴を殺したことについては今は何も言わん。ただ憎しみのままに死んでもいい、殺してもいいなどと軽々しく言うな。
つかさちゃん、厳しいことを言っているかもしれんが、みんなみんな辛いんじゃ。だから、分かってくれ。


****

203Classical名無しさん:08/02/03 20:39 ID:bNcGk5Rc
ほらね♪自然に支援のレスをしちゃうんだ
204硫黄島からの手紙(6/13) ◆qwglOGQwIk :08/02/03 20:39 ID:vqf9znzg

「…………それで、お説教はこれで終わりですか?」
「つかさちゃん! 何故分からん!」
「おじいちゃんもいさじさんやカービィの奴と同じなんですね。
 だいたいおじいちゃんは間違ってるんですよ。戦争は日本が悪いんですよ。日本がアメリカを奇襲したから悪いんですよ?
 だからおじいちゃんは間違ってる。人殺しが生きていいなんて法律はないもんないもんないもん……」
「つかさちゃん!」

激高したストーム1がつかさに掴みかかる、だがつかさは掴まれた手を銃で強引に払いのける。
ストーム1は一歩下がってクレイモアを抱え、つかさはメガシードラモンの近くに戻る。
「もういいです、ゴマちゃん。殺しちゃってよ」
「……わかりました」

その言葉が合図となって、ストーム1が居た場所に雷撃が降り注いだ。
ストーム1はかろうじてそれを回避すると、構えていたクレイモアを設置し出した。
「あははははははは、おじいちゃんもいさじさんも、みんなみんなみんなおかしいおかしいおかしい」
「ごめんなさい、お願いですから死んでください」
「死ねといわれて死ぬ奴がおるか、たわけ!」

つかさはメガシードラモンの背に再び戻り、狂ったようにうわごとを呟いていた。
ストーム1はメガシードラモンの周りを回転しながら電撃を避けて、クレイモアを設置していた。
クレイモアが発動すればなんとかなるとはいえ、時限式で発動するためにその時間差は相手が自由に攻撃できる隙となる。
メガシードラモンはつかさを背に乗せるまではそちらに集中していてくれたのだが、つかさが再び背に乗った後はいっそう攻撃が鋭くなる。

「ゴマちゃん、何をやってるのよ!」
「わ、分かってるよ!」
メガシードラモンは電撃に加えて、長い尾をストーム1のほうへ振り回す。
ストーム1はそれを紙一重で何とか避けるものの、眼前に迫った二度目の雷撃はしのぎきれなかった。

205Classical名無しさん:08/02/03 20:39 ID:MsN1BEHs
支援償還の儀式
206硫黄島からの手紙(7/13) ◆qwglOGQwIk :08/02/03 20:41 ID:vqf9znzg

「う、うおおおおおお!」

プスプスとストーム1の体が焦げ付き、動きが止まる。
メガシードラモンがもう一度追撃を仕掛けようとした矢先、空が赤く染まった。
設置していたクレイモアがいっせいに火を噴き、メガシードラモンの体を焼く。
「あついあついあついあついよう!」
「ちょっとゴマちゃん、そんなに振りまわさないでよ!」

メガシードラモンがストーム1を仕留めるまでに巻かれたクレイモアは相当数になっており、絶え間なくその傷突いた体を痛めつける。
それを何とか耐えていたメガシードラモンだったが、やがて限界が来た。
「も、もうだめ!」
「ちょっとゴマちゃん、何を……きゃあ」

メガシードラモンの体が山中に倒れだし、バランスを崩したつかさの体が空を舞った。
地面に近い位置に座っているが、ごつごつした山の岩肌に激突すれば、命さえ危険になるだろう。
地面に近いせいか、飛行石が発動する時間さえ無かった。

「これで、お姉ちゃんの所にいけるのかな……」
激突までもう間もないと思ったその時、つかさの体が何者かに抱きかかえられ、衝撃で斜面を転がっていった。

「い、いてててて」
「おじいちゃん……?」



「言ったじゃろ、ワシは命を賭けてつかさちゃんのことを守ると」


207硫黄島からの手紙(8/13) ◆qwglOGQwIk :08/02/03 20:43 ID:vqf9znzg
そう答えたストーム1の元に、銃声が一発響いた。
二発、三発と響いて、それきり聞こえなくなった。
EDFの防御ヘルメットに身を包んだストーム1の頭を銃弾は貫かなかったとはいえ、連続で打ち込まれた玉は大きなひびを作っていた。

「なんで、なんで邪魔するの。せっかくおねえちゃんのところにいけるとおもったのに……」
「つかさちゃん」
「おじいちゃんなんかしんじゃえ」
つかさは銃弾の切れた銃身を掴み上げ、ひびの入ったヘルメットに思いっきり振り下ろした。
その衝撃に耐え切れなかったのか、ついにヘルメットは壊れて、欠片とともにストーム1の顔面を強烈に殴打する。

「うがあああああああぁぁぁぁ!!!」
ストーム1は顔面を押さえて悶え苦しむ。
つかさは冷静に、ストーム1の落としたクレイモアとディパックを拾っていた。

「重いなぁ、でもこうやって使えばいいんだから、っと」
つかさはクレイモアを抱きかかえ、引金を引いてクレイモアを設置しだす。
何発かセットした後、つかさはクレイモアをディパックにしまった。

「本当にしぶとかったなぁ、これで死んでくれるよね?」
「つ、つかさちゃん……」
「じゃあね」

クレイモアが火を噴き、ストーム1を赤く染め上げた。



「ぬわああああああぁぁぁーーーー!!!!!」


208Classical名無しさん:08/02/03 20:43 ID:MsN1BEHs
ク レ イ モ ア 散 弾 風 支 援
209Classical名無しさん:08/02/03 20:43 ID:QnHFOT0w
支援支支援支援♪
210硫黄島からの手紙(9/13) ◆qwglOGQwIk :08/02/03 20:44 ID:vqf9znzg
紅色が消えて、辺りにはプスプスと肉の焼けた匂いだけが残った。
黒焦げになったストーム1は、もう人の形をしていなかった。

「あはははははは、やっと死んでくれたよ……」

つかさは死の危機を救ってくれたストーム1に一瞥もくれず、メガシードラモンの元へと向かった。
つかさは倒れているメガシードラモンに声をかける。

「ゴマちゃん、死んでなんかいないよね?」
「ぢんで……ません」
「そうだよね、だって死んだら誰にも謝れないもんね」
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい、許じてください……」
「許さないよ、だってゴマちゃんは私のことを背中から振り落としたじゃない。
 ああやって事故に見せかけて殺そうとしたの? 本当に悪い子」
「すみませんすみませんすみません、もう二度とじませんから許じてください」
「うん、じゃあもっと頑張って罪を償うんだよ。そしたら許してあげる」
「あり…がとうございます…………」

渾身の力をこめて起き上がったメガシードラモンの背に、つかさが再び背に乗る。

「じゃあ、いこっか」
「ずこしだけ、ずこしだけでいいから休ませてください……」
「駄目、さっき頑張るっていったじゃない? ゴマちゃんは約束を破るの?」
「ず、ずみまぜん……」

つかさが跨るメガシードラモンは、激戦もあってボロボロだった。
もう休まなければ命に関わるほどの傷でも、つかさは決して休ませようとはしなかった。
メガシードラモンはゆっくりと、あきらめたように前進をする。

211Classical名無しさん:08/02/03 20:44 ID:CDd1/IZU
支援
212硫黄島からの手紙(10/13) ◆qwglOGQwIk :08/02/03 20:45 ID:vqf9znzg

「ちょっと待って」
「どうしたんでずが……?」
「気が変わったの、ゴマちゃんにはお姉ちゃんにもちゃんと謝ってもらおうと思うの.。
 だから、おじいちゃんがいってたあっちへ行って」
「わがり……ました」

メガシードラモンが体を反転させるが、無理が祟ったのか少しバランスを崩す。
「……ゴマちゃんも、疲れてるみたいだね」
「はい、そうです!そうです!そうです!」
「じゃあ、あれ食べて元気になってよ」

つかさが指差した先には、黒焦げのストーム1の死体があった。
「私もご飯食べるから、ゴマちゃんもご飯を食べなさい」
「…………はい、わがり……まじた…………」

メガシードラモンは泣きながら、黒焦げで異臭を放つストーム1の死体を貪り食う。
炭化した死体は炭の味しかせず今までよりも味気ないのが救いだったが、逆に力も殆ど回復しなかった。
そのためか今までに起こった進化は起こらず、メガシードラモンの姿を保っていた。

「あれー? 今度は進化しないね。ゴマちゃんが頑張らないからかな?かな?」
「ご、ごべんなざい……」
「じゃ、いこっか」

再びメガシードラモンの背に跨ったつかさとともに、北へと進む。

213Classical名無しさん:08/02/03 20:47 ID:1pOpZt3A
ストーム1があああああ支援!
214Classical名無しさん:08/02/03 20:47 ID:onZxbrKA
支援
215硫黄島からの手紙(11/13) ◆qwglOGQwIk :08/02/03 20:47 ID:vqf9znzg

山を泳ぐように飛び続けたメガシードラモンとつかさは、橋まで辿り着く。
ストーム1が示していたその辺りには、血溜まりと抉れた土がが、そこで戦いがあったことを示していた。
そこでつかさは、盛り上がった土があるのを発見する。
ディパックからウィンチェスターM1895を取り出すと、それで土を掻き分ける。
そこを掘り続けること数分、苦悶の表情に染まった、つかさにとって最愛の双子の姉の顔が見えた。

「…………ゴマちゃん。さあ、早くお姉ちゃんに謝って」
「鏡ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
「そうそう、そうやって謝ればいいのよ。もっと体を使って!」

つかさの指示通り、頭を上下に揺すって、決して許されることのない謝罪の言葉を繰り返すメガシードラモン。
だが、それは不意に途切れる。
もう限界だったのだ。
メガシードラモンはその場に再び大きな音を立てて倒れた。

「ねえゴマちゃん、なんで謝るのをやめたのかな?」
「ごめ……ごめ……ガフッ…………」
「ゴマちゃんがやる気無いみたいだから、私が渇を入れてあげる」
つかさはウィンチェスターを手に持ち、メガシードラモンの頭に向かって発砲する。
何発かは固い外皮に弾かれたものの一発が目に命中する。

「ぎゃああああああああああああ!!!!!」
「ほら、まだ元気が残ってるんじゃない、もっと謝ってよ」
「ごべ、ごべ、ごべ……………………」
再び銃声が響き、うめきながら言葉にならない言葉を呟いていたが、二度目は言葉さえ出なかった。
ただ口からヒューヒューと息が漏れるだけだった。
216Classical名無しさん:08/02/03 20:47 ID:bNcGk5Rc
おじいちゃん追悼支援
217硫黄島からの手紙(12/13) ◆qwglOGQwIk :08/02/03 20:48 ID:vqf9znzg
「あーあ、ゴマちゃんはたったこれだけで駄目になるんだ。
 やっぱりゴマちゃんは死んだほうがいいね。地獄に行ったほうがいいよ。
 私は足手まといを連れて行く気は無いから、そこでおねえちゃんに謝るんだよ?」

ヒューヒューと息が漏れて、もはや虫の息といった様子のメガシードラモンに目もくれず、つかさはかがみの元へと駆け寄った。

「…………じゃあね、お姉ちゃん。ばいばい」
つかさは最愛の姉に別れのキスをすると、再び姉の墓所を埋め戻した。
もう二度と会うことの無い悲しさと、姉を殺したゴマモンへの憎悪が再び煮えぐり返るように湧き上がってくるのが理解できた。

それでも、ゴマモンは殺さない。永遠に苦しんで、永遠に謝罪の言葉を呟いて、永遠に許されない。

ヒューヒューという息音だけを後にして、つかさは歩き出した。
「さ、こなちゃんに会いに行こう。ちょっと眠たいけど寝るなら町にあるふかふかのベッドのほうがいいからね」


つかさが立ち去った後、その息音は事切れた。

218Classical名無しさん:08/02/03 20:48 ID:MsN1BEHs
散弾銃支援
219硫黄島からの手紙(13/13) ◆qwglOGQwIk :08/02/03 20:50 ID:vqf9znzg
【B-2 橋の手前/一日目・真夜中】


【柊つかさ@らき☆すた】
[状態]:全身に軽い打撲、手のひらを怪我。精神に異変、感情欠落、ニコニコ
[装備]:ウィンチェスター M1895/Winchester M1895 (狙撃銃、残弾2)@現実、予備弾丸0発、飛行石のペンダント@天空の城ラピュタ、琴姫の髪
[道具]:支給品一式*4(食事三食分消費)、ピーピーマックス*2@ポケットモンスター、ニューナンブ(弾数0/5)@現実
Fooさんの笛@ニコニコ動画(γ) デジヴァイス@デジモンアドベンチャー、テニスボール*2
光の護封剣@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ(現在使用不可)、宝石みたいな物@呪いの館
クレイモア地雷@おじいちゃんの地球防衛軍(残り4)、無限刃@るろうに剣心(フタエノキワミ アッー!)、トカレフTT-33(6/8)
きしめん@Nursery Rhyme、たいやき(残りHP50%)@ポケモン金コイキングだけでクリアに挑戦、テニスボール
[思考・状況]
第一行動方針:街に行ってこなちゃんを探す。ついでに寝床も探す。
第二行動方針:カービィを敵と判断。殺したい
第三行動方針:敵は殺す
第四行動方針:笑顔が取れないよ?
※ゴマモンの考えていることが表情で読めるようになってきました。
※琴姫の髪をかがみのものだと思っています。


【ストーム1@おじいちゃんの地球防衛軍 死亡】
【ゴマモン@デジモンアドベンチャー 死亡】

【残り32人】
220 ◆qwglOGQwIk :08/02/03 20:51 ID:vqf9znzg
投下終了、戦争についてはノーコメントで。
余計な突っ込みを入れたら同志スターリンがもれなくシベリアツアーに連れて行っちゃうぜ!
221Classical名無しさん:08/02/03 20:54 ID:bNcGk5Rc
投下乙!おじいちゃんがあああ
そしてつかさがまさかの殺害数トップ…

そう言えば、B−2の橋ってクラモンが1匹見張ってなかったっけ?
それともある程度時間が経ったから離れたのかな。
222Classical名無しさん:08/02/03 20:54 ID:QnHFOT0w
投下乙!
ついにゴマモンが逝ったか……

ってかストーム1は夜まで粘っていたにも関らず活躍した記憶が無いのはこれいかに?
223Classical名無しさん:08/02/03 20:54 ID:olHhYwRk
投下乙!
そしてシベリアツアー覚悟で一つ突っ込むぜ!

……おじいちゃん待ち伏せてたケラモンCどこ行った?
224Classical名無しさん:08/02/03 20:56 ID:1pOpZt3A
つかさこえええええええええ!!
と乙より先に言わせて貰います投下乙。
こちらレンジャー7・・・生き残ったのは、つかさだけです。繰り返します、つかさだけです!
いや、まじでつかさが怖いんですけど。
ストーム1も頑張ったけど相手が悪すぎたな・・・。
そしてゴマモン。もはや悲惨としかいえない。せめて安らかに眠れ。
225 ◆qwglOGQwIk :08/02/03 20:59 ID:vqf9znzg
>>221
>>222
あぅあぅ、TASさんと一緒にみんな南下しちゃったんだと思っていたのですよ。だからストーム1とは入れ違いになったってことです。
TASさんのSSも修正されちゃったし、都合が悪いようならば修正します。そしてシベリアへ行ってきます。
226Classical名無しさん:08/02/03 20:59 ID:onZxbrKA
クラモンCは逃げたかも… まあ、メガシードラモンを発見したんだから当然か。
227Classical名無しさん:08/02/03 21:01 ID:bNcGk5Rc
>>222
スパイダーマと協力してリヴァイアモンと戦った男!ストーム1!
228Classical名無しさん:08/02/03 21:02 ID:olHhYwRk
>>225
「最速の道を生き、ケラモンを司る男」参照だぜ
惜しい作品だがそのSSとは関係がない……
229Classical名無しさん:08/02/03 21:04 ID:CDd1/IZU
投下乙!
おじいちゃんが、おじいちゃんが……。
つかさこわいつかさこわい

ところで、クレイモアこと、Y11対空インパルスは、時限型じゃなくて、
起爆タイミングを自由にできる武器だったような。
地球防衛軍の動画でも、アリをトンネルの中におびき寄せて、
大量のクレイモアを延々と並べて、ドッカンってのがあったじゃない?
230Classical名無しさん:08/02/03 21:14 ID:MsN1BEHs
>>229
補足するとY11対空インパルスは散弾だな。熱攻撃ではない
爆発でパチンコ玉みたいなのをばら撒く仕組みのはず
231Classical名無しさん:08/02/03 21:14 ID:bNcGk5Rc
>>229
まぁその辺は、「地雷を警戒されないようにしようとして1回の起爆でトドメを刺そうとした」
みたいな感じで簡単に修正可能だと思うぞ
232 ◆qwglOGQwIk :08/02/03 22:31 ID:vqf9znzg
ううむ、結構見直したつもりなのに穴ばかりで申し訳ない。
そういうわけでクラモンCを追加予約して修正してきます。
233Classical名無しさん:08/02/03 22:42 ID:sm8uOxjw
ゴマモン……実はひそかに改心させてマリンエンジェモン心中とか考えてた俺。
結局最後までカワイソスだな。当ロワのキングオブカワイソスを名乗ってなんら差し支えないだろう
234Classical名無しさん:08/02/03 22:53 ID:Q1EZnrUU
思えばかがみんの悪手から負の連鎖が起きてここまでの被害が出たんだな
まさに魔女
235Classical名無しさん:08/02/03 23:23 ID:JkcITOwE
絶望した!!いい男だけで元凶である阿部さんの罪をスルーさせる
このスレの住民に絶望した!!
236Classical名無しさん:08/02/03 23:36 ID:olHhYwRk
阿部さんの期待を裏切った真のせいもあるのではないか?
237Classical名無しさん:08/02/03 23:49 ID:MsN1BEHs
もっとも一番の根源はマルクとピエモンだがな
238Classical名無しさん:08/02/03 23:58 ID:QnHFOT0w
>>237
それいっちゃダメwwww
239Classical名無しさん:08/02/04 02:24 ID:NuDduqA.
さらばゴマモン…合掌(-人-)
そして何気にこなた死亡フラグじゃねーかWWW
240Classical名無しさん:08/02/04 05:35 ID:6UyCQblg
現在とんでもねぇ死亡フラグ抱えてる方々
1.みおーん
2.こなた
3.えーりん
4.閣下
5.ハルヒ
6.Suica

そろそろ時報
1.富竹
241Classical名無しさん:08/02/04 07:26 ID:35IzxnAs
>>240
うぅ、すいかみたいに戦闘能力高いキャラが相討ちエンドしか思い浮かばん…
つかさは最後の最後に改心してくれるだろうか…ピコ麿ー!早く来てくれー!!
242 ◆jU59Fli6bM :08/02/04 07:42 ID:HjcFYgDM
女性陣は地獄だぜフゥハハハー

えっと、色々と自信が無かったんですがニコロワ的に問題無いようなら投下しようと思います。
破棄したら他の書き手の方も迷惑ですしね…
優柔不断すぎだな俺orz
亜美の一人称は私になったということで大丈夫かな
243Classical名無しさん:08/02/04 08:17 ID:Iur78lxY
武装閣下といいヒゲとかちといいフタエノコナタといい
一般女子がやたらと強化されるロワだよな

その自重しないカオス具合が好きなんだけどね
244Classical名無しさん:08/02/04 08:28 ID:Iur78lxY
>>242
話によってまちまちだから、単に書き手のミスじゃないかと思うんだけどな
どうなんだろ

まぁ一人称ならいつでも修正できるからどっちでもいいよ
245 ◆jU59Fli6bM :08/02/04 14:50 ID:6zOxgzW6
ではひっそりとTASに土下座投下
タイトルは下のでお願いします
FloweringNight BR〜月まで届け、最速の俺〜
246 ◆jU59Fli6bM :08/02/04 14:57 ID:6zOxgzW6
「よっ、ほっ、はっ!」
「下★剋★上★等!」

夜中になって辺りが静まりかえる時間でも、いまだに異様な雰囲気を保ち続ける場所がある。
そんな城のとある部屋に、2人と1匹(?)はいた。

「ピヨくん、ボブ術って結構面白いね!次は何教えてくれるの?」
「…なんて体力バカだよ…。ちっ、そろそろお前が監視する時間だぞ」
先刻からずっと動きっぱなしのはずなのに、亜美はまだ息一つ切れていない。
体力では亜美に負けない自信があった日吉は、少しへこみながら目線を窓の方に送る。

「そっか、残念。ピヨくんも怪我してるし休憩だね!」
「ちっ、怪我は言い訳にならないんだよ。テニスはスタミナがモノをいうんだ。
全国大会じゃあ、怪我や疲労で立てないからといって審判が試合を止めるわけじゃないしな」
「うへぇ…初耳だよー。テニスってそんなハードなスポーツなんだ…」
「まあ、だから俺はまだこのくらいじゃ……ん?」

窓の外を見ていたことのはが、こっちを向いている。
「…ことのはさん、どうしました?」
「どうしたの?誰か見つけた?」


「タス」


「え?」

「タス…ココ クル」
247 ◆jU59Fli6bM :08/02/04 14:58 ID:6zOxgzW6
2人はその言葉を理解するのに数秒、動きが止まり―――
一斉に窓に駆け寄った。

「…TASだって?!…霊夢が化け物って言ってたあいつか?」
「じゃあ早く兄(c)に知らせないと!!あっ、ピヨくん、あれ!!」

亜美の指さした方を見ると、月明かりに照らされて川のあたりに点ほどの大きさの"集団"が見えた。
「先頭の人間、あれがTASなのか?…ってちょっと待て、あいつらえらい速くねえか!?」
「こ、これってヤバイ!?ここに入られたらヤバイよね?」
そう言ってるうちにその集団の進路は、まっすぐ城へ向かうだけとなる。

「くそっ!こうしちゃいられねえ!!行ってくる!」
日吉が机からデイパックを取り、部屋を出ようとする。
「待って!亜美も戦うよ!」
亜美も走りだすが、日吉は幼い亜美を連れていくことに躊躇った。
「…お前が来たら足手まといだ、お子様はここにいろ」
「…嫌だ。行く」
亜美が日吉に強い瞳を向ける。

「私は…もう逃げないって決めたもん。オメガモンにもフシギダネにも力をもらったのに、お覇王さんや魔理沙さんも逃げずに立ち向かっていったのに、私だって戦えるようになったのに…
ここに残ってオロオロしながらピヨくんを待つしかできないって言うの?」
「逃げないのと立ち向かう力があるのは別だ。そんなに死にたいのか」
「ピヨくんだってそんなようなものじゃん!とにかく…私は誰が何と言おうと行く!」
248 ◆jU59Fli6bM :08/02/04 15:08 ID:6zOxgzW6
そんな目を見た日吉は、少し考えた後に諦めたようにため息をついた。
「…そうか。なら、せいぜい死なないよう上手くやれよ」
「もっちろん!ピヨくんもね!」
そう言うなり亜美も自分のデイパックを取ろうと机に駆け寄る。

「…ことのはさん、カイバーマンさん達にこの事を伝えてくれませんか。あと追って来ないように、と」
ことのははコクンと頷いて、海馬たちの部屋に向かっていった。
「ピヨくん、忘れてた!そういえば誰かのデイパック拾ってきてたんだ!」
「何?中身は?」
「まだ見てないけど…」
「分かった。中は行く途中で確認するか…」
日吉がデイパックを受け取り、部屋の扉を勢いよく開ける。

「絶対私たちで止めてみせるよっ!」   「よし、行くぞ!」
2人は、仲間を守るため、自身のプライドのため、戦いに身を投じた。




その頃書斎では海馬が首輪の解析を続けており、脱出へのロードを爆進中…の筈だった。

「おかしい…」

首輪を睨み付け、腕を組んで考えに没頭する海馬。
やよいは疲れたのか部屋の隅で寝ている。体にはかつて弟にしたように海馬のコートが掛けてあった。
「この首輪…根本的な所から考え直さねばならないようだな」
首輪を分解しようとして分かった事。
それは、外側は硬く丈夫に作られてるのに対して、内側はそれほどでもない事と、
分解しようとしても着ける時に必要な結び目が無い事。
前者は『無理やり外そうとすると爆発する』、『外から破壊できない』という事を暗に伝えているのだろう。
海馬が悩んでいるのは主に後者についてだった。
249 ◆jU59Fli6bM :08/02/04 15:10 ID:6zOxgzW6
「これでどうやって参加者に首輪を着けたのか、そもそも70人以上の参加者1人1人に合う首輪を
すぐに作れるものなのか?」
海馬ややよいの大きさの違いはともかく、ヨッシーとかいう恐竜にもぴったりとはまっている首輪。
それらを実行するには海馬コーポレーションの技術でも不可能だろう。

だが、それは"常識的に考えて"という前提の元だ。
あのピエロ達なら、もっと別の方法で作っている可能性のほうが高い。
思ってみれば、この会場の地形も、棺桶まで楽に収納できるデイパックも、どこかおかしい。
「それらを1から作るのに、可能な技術とは…」

――魔法。
不意にそんな言葉を思い出す。
普段の彼ならそこで『くだらん!非ィ科学的だ!』と一蹴してただろう。
しかし、以前に見た霊夢の魔法とレイジングハートから聞いた世界の話もあり、魔法の産物という可能性も
十分ありえるように思えた。
魔理沙も魔法の専門職のようだったから、生きていればもっと色々なことを教えてくれたかもしれない。

「だが、そこまで来ると俺の専門外だな…もう一度あの杖から話を聞ければいいが」

魔法の事を知っていそうな霊夢とレイジングハートは今ごろYOKODUNAと対峙している筈だ。
運が悪ければ戻って来ないかもしれない。そうだった場合は…

タタタタタ…  バン!

突然部屋の扉が開き、そこで海馬の思考が止まる。
振り向くと、ことのはが入り口に立っていた。

250 ◆jU59Fli6bM :08/02/04 15:14 ID:6zOxgzW6
「何事だ!」
「…タス。タス クル」
「た、す…何!?あいつが…TASがまた来たのか?あの2人はどうした!?」
ことのはは小さく頷いて、顔で窓の外を指した。

「なっ…!あいつら、勝手に死にに行く気か!」
海馬が驚いて椅子から立ち上がる。

TASは前に出会った時は瀕死状態だったからいいものの、それから随分時間が経っている。
瀕死でもあの動きだったのだ…回復したのなら比較にならないくらい強くなっている筈だ。
あの2人が向かっても、ただでは済まない。いや、成す術も無いかもしれない。

「アノヒトタチノ タノミ…」
一瞬、ことのはの目が強く光ったように見えた。

「アナタハ コナイデクダサイ」
「……っ!!」

主催者を倒すためには海馬の技術力が必要だから。ここで希望を失いたくないから。
2人が頼んだ事だが、ことのは自身もその意見に同意していた。
…やよいが最も慕っている人物であったから、という気持ちもあったかもしれない。
251 ◆jU59Fli6bM :08/02/04 15:16 ID:6zOxgzW6
カイバーマンもそれらのことは分かっていた。
だからYOKODUNAに魔理沙とお覇王が殺されたと知った時も、自分にそう言い聞かせて冷静を努めた。
しかし、亜美と日吉の場合は違う。まだ殺されてはいない。
伝言も2人の意思がどうあれ、カイバーマンには『自分達のことは見捨てろ』としか聞こえなかった。
「…TASは前の化け物と協力して攻めてくるはずだ。あいつらでは太刀打ちできないだろう。
そうなれば俺もやよいも逃げ切ることはできない。何より…あいつらにはまだ死んでもらっては困る。
ことのは、その頼み…断らせてもらうぞ!」

「なら、私にも行かせて下さい!」

突然聞こえたやよいの声に、カイバーマンは振り向く。
やよいがカイバーマンの大声で目を覚ましてしまったらしい。
「…やよい、お前は」
「駄目なんて言わないで下さい!お兄ちゃんが行くなら、誰が何て言おうと私も行きます!」


類友といえども、ここまで似たもの同士で集まるのは頼もしくもあり、厄介でもあった。


「うっうー!私のことは心配しないで下さいー!ことのはさん、オクタンさん、来てくれますか?」
ことのはとオクタンは、2人に呆れながらも頷く。
こうなったら何を言っても無駄な気がしていたのは彼らも同じだった。
「まだ俺のロードは始まったばかり、止めてみるものなら止めてみろ!」

「「全速前進DA!!」」
252 ◆jU59Fli6bM :08/02/04 15:18 ID:6zOxgzW6


4匹となったケラモンを連れ、TASは城までの道を疾走する。
先程まで点のような大きさだった城が、目と鼻の先にまで近づいてくる。
その時、城から向かってくる人影に気づき、ようやく足を止めた。

「…何だ、俺に挑みに来たのか?」

目の前のルイージの格好をした少女と、とフライパンを持った少年を見ながらTASが聞く。
「…止めに来た、が正しいな」
「あなたは誰?目的は何なの?」
2人も物怖じせずに返す。

「…TASだ。目的はこのゲームの最速クリアのみ。…行くぞ」
その言葉を合図に周りのケラモン達が2人に向かって飛びかかり、TASは地面を蹴って弾丸のように突っ込む。
「うわっ!?」
2人はケラモン達に周りを囲まれ、亜美に迫ったTASが通りすぎざまに横へ吹っ飛ばす。
その速さには日吉も亜美も反応できない。
「ちっ!いきなりかよ!」
日吉か亜美に駆け寄ろうとするも、すぐにケラモンが行く手を阻む。
「フン、自ら出向かってきた割には手ごたえのない…、終わりだ」
TASがうずくまっている亜美の体に親指を突き立てようとした刹那
――亜美の体が空中に跳んだ。
253 ◆jU59Fli6bM :08/02/04 15:21 ID:6zOxgzW6
「なっ…」
それはTASの体であるマリオさえも到達できないジャンプ力、紛れもなくルイージのもの。
「だが、所詮はルイージ…そこまでの力だっ!」
TASが走り、亜美の落下点で追撃を食らわせようとする。が、それよりも早くTASの頭にケラモンが激突した。

「おい。そんなチビを相手にするのは、俺とやってからにしな…」
ケラモンをフライパンで打ち返した日吉は、亜美を呼び寄せ、また数十秒前の状態に戻る。
「"最速"か…面白い」
不適に日吉が笑う。

「…おい、チビ。分かってるな」
「よしきた!」

日吉の合図で、2人は同時に演舞テニスの構えを作る。
間合いを取って攻撃体制のTAS達には、その動きが奇妙にしか思えないだろう。
「何だ、それは…ふざけているのか?」
「これが、俺らの自然体だ…。ところで、お前…最速とか言ったな」
「……」
「…下剋上だ!お前に追い付いて、ぶっ潰してやる…!」
「おぉ、ピヨくん気合い入ってるぅ!」
「…くだらん、俺を嘗めるのも大概にしろッ!」
そして、再び2つの力がぶつかり合った。

「ケラケラケラケラ!」
ケラモンが2匹前へ出て、もう2匹はTASを守りながら技を放つ。
クレイジーギグルの光弾が飛び交い、亜美と日吉の動きが制限される。
そこに間髪入れずTASが攻撃を仕掛ける。
「くっ…こんな光弾、返せない弾じゃないんだよ!」
日吉がひらりマントで光弾をいくつか跳ね返すも、TASは何食わぬ顔で弾を避ける。
…後ろのケラモンは数発受けて怒っていたが。
254 ◆jU59Fli6bM :08/02/04 15:23 ID:6zOxgzW6

「うう〜、これじゃまともに戦えないよ〜」
しびれを切らした亜美が光弾を避けながら愚痴をこぼす。
「あの連携が厄介だな…化け物を減らせればいいんだが…」
「ピヨくん、それだよそれ!」
「だが、あいつらもあいつらで…

「私達も連携すればいいんだよ!」

…え?」

作戦も無いのに連携を持ち出した亜美は構わず続ける。
「ピヨくんもダブルスやった時あるでしょ!あんな感じ!」
「そりゃあるが…」
「おい、話してる暇があるのか?」
いつの間にか近づいていたTASが間合いを詰め、日吉に拳を叩き込む。
日吉はそれを受けた直後にマントでTASを弾き返し、またも睨み合いとなった。
「ぐぅっ…まだ本調子じゃねえってのに…!」
「ピヨくん大丈夫?」
胸あたりの刺すような痛みを感じながら、それでもなんとか立ち上がる。

「ペッ……おい赤帽子、俺はまだ10ゲームはいける!」
「ヌーン 俺はまだ20ステージいけるぞ」
「亜美も30曲はいけるよ!」
「減らず口を…ってお前もか!」


「よし、今度はこっちの番だ!双海亜美、行きます!」
そう言うと、口に手を添えて大声で叫んだ。
255 ◆jU59Fli6bM :08/02/04 15:25 ID:6zOxgzW6
「助けてぇぇ!カイバーマァァアン!!」

これが俗に言う(?)社長効果。一瞬、周りの空気が凍りつく。
もちろんカイバーマンが来るのを期待してはいないが、相手の動きを止めるには充分だった。
ケラモンは誰か来るのかと辺りを見回して…亜美の踏み台となる。
「ケラ゛ッ!」
「ケッッ!」
進路上にいたケラモンを次々と踏み、亜美は高く宙を舞う。
「連携って、あれをどう繋げっていうんだ…やれるだけやってみるか」
日吉もフライパンで、よろけているケラモンを飛ばしながら突進する。
クリボーよろしく踏み潰され、直後フライパンを叩きつけられたケラモンは、目を回し倒れた。
そのまま2人で攻め入り、TASを挟み打ちにしようとするが、
――その周りには新たに2匹、ケラモンがいた。

「嘘!?増えて…」
「…くだらん」

TASは殴りかかってくる日吉を吹き飛ばし、ケラモンが落ちてくる亜美に光弾を放つ。
「ケラケラケラケラケラ!」
「うあぁっ!」
空中では避けきれず光弾を肩に受けて落下する亜美。
着地時に倒れそうになるのを必死にこらえ、後方へ跳び退く。
それをTASが許すはずもなく、次々と光弾が後を追った。
「おいチビ!もう一度だ、俺のを使え!」
亜美の下に追いついた日吉が叫んだ。
256Classical名無しさん:08/02/04 15:25 ID:uDzRzFLg
支援
257Classical名無しさん:08/02/04 15:27 ID:1I0RQQOE
 
258 ◆jU59Fli6bM :08/02/04 15:27 ID:6zOxgzW6
「分かった!」
亜美は日吉の背中に着地し、次の瞬間にまた高く跳び上がる。
「懲りない奴だ…空中では避けられないのを忘れたか」
月に浮かび上がった亜美の影に、大量の光が襲いかかり――それらは全て来た方向に進路を変えた。
「なっ…」
亜美が握っていたのは日吉から受け取ったひらりマント。

「もらったぁ!」

ルイージの影は光弾と共に落ち、マリオの影に蹴りを叩きつけた。
だがTASはそれを、片手で受け止めた。
「…その程度か?」
そう言ったTASの言葉に、日吉は本能的に危険を感じる。
「チビ!危ない、離れ…」
「…え?」
亜美はTASと2匹のケラモンに囲まれていた。
「…俺を追い越すなど不可能だ。"最速"の上などない。これで俺を潰すなど、笑わせてくれる…」
わざと避けなかっただけだ。亜美がその事に気づいた時はもう遅く、咄嗟に離れようとジャンプして
――それよりも早く後ろにまわったTASに地面に叩きつけられた。
2匹のケラモンが倒れた亜美に間髪入れずに光弾を浴びせる。

「うあっ、い…いやぁああああ!!」

「くそっ!てめえら、やめろ!!」
日吉が投げた鋸が1匹のケラモンに突き刺さり、その首を吹き飛ばす。
もう片方のケラモンも後ろに跳んで亜美から離れた。
そして、身体能力が上がってなかったら即死であっただろう攻撃を受けて…亜美は動かなくなった。
立たせないことを優先させたのか、亜美の右足は使い物にならないほど焼け焦げている。
「だ…め、城に…は…いれさせ…な、いッ…」
虚ろになった意識で、それでも光を失わない目で、亜美が呟くのが聞こえた。
259 ◆jU59Fli6bM :08/02/04 15:30 ID:6zOxgzW6
今、TASとケラモンは亜美を挟んで向こう側にいる。
亜美は危険な状態かもしれない。このままでは自分が近づく前にTASに殺されるのは明らかだろう。
そんな中で自分がしなければならない事……
日吉はごく僅かな時間で必死に考えた。
亜美を死なせるわけにも、負けるわけにもはいかない。
潰すのは無理でも、せめて追い払わなければならない。
ふと、さっき読んだ支給品の説明書が頭をよぎった。あれが本当なら、確実にTASに食らわせれば。
「…賭けるしかないか」

日吉は新しく手に入れた支給品に全てを託すことして…TASが動く直前に、亜美の元に走り始めた。


最速には、単に"足の速さ"だけでは到達できない。
いかに効率よく最短の距離と時間で進むか、いかにミスの無い正確なプレイができるかという要素が速さとなり、それを極めて晴れて"最速"となれるのだ。
それ故に最短ルートという物が存在する。裏を返せば、最速は最短ルートしか通らない。それ以外の道には行
く価値は無い。
日吉は、TASの動きがなんとなく予想できた。というのも攻撃の先が分かっていたのが大きかったからだろう。
テニスで培った動体視力が、TASとケラモン、両方の軌道を読む事を可能にした。

持っていたマカビンビンをケラモンに向けて打ち、そのままフライパンをTASの進路に重なるように投げつける。
少しでも足止めになればそれで良かった。
TASがそれに気付くのは、亜美に向かって疾走した直後、
――ポケットにあったものを取り、亜美の心臓目掛けて突き刺そうとしたその時。
フライパンを弾いて前を向いたTASの目には違う標的が写し出される。
そして、3つの影が一点に重なった。


『捉 え た』
260 ◆jU59Fli6bM :08/02/04 15:31 ID:6zOxgzW6
日吉の口元がつり上がる。

「くっ!」
片方は道下のものだった支給品を、片方は亜美に向かうはずだったものを握り締め、


「これが俺の…下剋上だッ!!」

――お互いに腕を突き出した。


ずぶっという鈍い音と、鼻にまとわりつくようなつんとした臭いが辺りに広がる。

「…勝負…着いたな…」

2人の体が離れる。

「ウッ…ゴフッ…」

日吉は地面に横に崩れるように倒れ、TASは後ずさりしながら激しく咳き込み始める。
亜美はただ、状況も分からず呆然と日吉の背中を見つめていた。
「く…グッ…おのれッ…ケラモン!!」
残っていた1匹のケラモンはTASの電池で2匹となり、光弾を目の前に放つ。
「だ、駄目っ…!」
亜美は力を振り絞り、とっさに持っていたひらりマントを振り投げる。
マントは覆いかぶさるように光弾に向かい、光弾は地面を抉って消滅した。
煙が晴れると…そこには何の姿も無かった。
261 ◆jU59Fli6bM :08/02/04 15:33 ID:6zOxgzW6
「う、痛たたた…」

しばらくして、放心状態だった亜美がようやく我に返る。
まだ痛む上半身をなんとか起こして安堵のため息をつく。
「行った…の?私達、なんとか、追い払えたのかな…?

――ピヨくん?」

返事が無い代わりに、亜美は触れていた指先に生暖かいものを感じた。
「…ピヨくん?…嘘、だよね?ねえ?」
それは紛れもなく、日吉の血。
「…い、嫌だ!嫌だよ!もうお別れなんて嫌だ!何で、何で、何で!?」
心が再び奈落の底へ落とされるようだった。
また自分の知り合った人が、死んだ?
また自分だけ、生き残ったの?
認めたくなくなかった。この場から逃げ出したかった。

…足は、動かなかった。
262 ◆jU59Fli6bM :08/02/04 15:38 ID:6zOxgzW6


「ハァッ…ハァ……クッ、畜生!」
その頃TASは橋の下で、焼けるような喉の痛みと、胃から迫ってくるモノと戦っていた。
ケラモンが心配そうに彼を見つめる。

(※映像は都合により橋の先に見える客船です。しばらくお待ち下さい)

あの時、日吉の持っていた"ハイポーション"はTASの口の中に注がれ、直後、耐えきれない嘔吐感が彼を襲った。
いくら彼でも腹が反逆している状態では最速はおろか、ゲームを続行することもできない。
…ちなみに川へ走る速度は最速だった。

「ゲホッ…毒…だったのか?…止めろ、そんな目で見るな…」
TASが身悶えているのはそれだけでなく、あの2人に返り討ちにされた、日吉が見せた下剋上による屈辱も大きかった。
「まだ…まだ甘いというのか…。実力も数も、こちらが勝ってた筈だ!!」

ケラモンと組んでも肝心な時に使えない。だがあいつらはいつでも片方を頼りにしていた。
また、信頼関係だとかいう奴か?
俺が満身創痍で体を休めていた時間は、脱出だと言っている輩の結束を強めるには十分だったのか?

くだらん…、俺にはそんな関係は無縁だ。
俺にとってケラモン達は勝つための駒。
なら、俺はもっと最適な使い方を見つけてやる。
今までの攻略だってそうしてきた。でっていうを乗り捨ててこそ、最速は近づくのだ。
263 ◆jU59Fli6bM :08/02/04 15:40 ID:6zOxgzW6
今、側にいるケラモンは"1匹"。
今までに無く屈辱的な状態でも、TASはその判断力の速さで置き土産を残していた。
日吉がハイポーションを飲ませたのなら、TASの持っていた五寸釘もまた、日吉の体を貫いていた。
そして、最後に増やしたケラモンは、日吉の持っていたデイパックの中に滑り込ませた。
その中で増えてくれれば、不意打ちで誰かを殺すことも可能だろう。
「お陰で電池の残量はあとわずかだがな…、糞ッ、二度とこんな事があってたまるか…!!」
段々と胃がひっくり返るような感覚が引いていく。どうやら毒では無さそうだった。
しばらくは体が落ち着くまで橋の下で待機し、前回同様、誰かが来たら殺してやろう。
そう考え、残った電池の残量全てを使ってケラモンを増やす。
3匹となったケラモンに見張りを任せ、TASは橋の下で静かに身を休めた。

【D-2 橋の下/一日目・夜中】
【TASさん@TAS動画シリーズ】
[状態]:右手親指以外欠損、左拳骨にヒビ、少し吐き気
[装備]:五寸釘1本@現実(ポケットの中に入っています)
[道具]:ウルトラスーパー電池(残り0%)@ドラえもん
[思考・状況]
1:しばらく体を休めながら、橋を渡る参加者を排除する
2:クリサリモンがやられたのか……?
3:生きて、ケラモンとの連携で最速を目指す。ケラモンは生き残るための駒
4:町の状況の把握
5:ゲームに乗っていない単独の人間は殺し、武器を貰う。
6:ゲームに乗っている人間とはなるべく戦いたくない。
7:武器の調達。出来れば食料も
8:殺戮ゲームの最速クリア。
※KASのことを、自分の二番煎じ、偽者だと思っています。
※ケラモンの名前、増殖限界、進化することを知りました。
※増殖限界については、最大数が二倍になるのか一体増えるだけのなのかで迷っています。

264 ◆jU59Fli6bM :08/02/04 15:44 ID:6zOxgzW6
【クラモン(ケラモン)B】
[状態]:健康 現在3体
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考・状況]
1:TASカッケ…アレ…?
2:とにかく数で勝負
3:TASを利用してうまく遊びたい
4:イタズラしたい
5:向こうのクラモン、何があったんだ?
※クラモンAがチューモンにされ、更に参加者の一人にされたことで増殖限界がクラモンBの方に集中しました。
※ただし、6匹を超えて生まれるケラモンは自我が弱いようです。

※一匹、マカビンビンを浴びました。あっちが元気かは不明です。



    
亜美は…私は、守られてばかりだった。
オメガモン、お覇王さん、魔理沙さん、みんな私を守って死んでいった。
今度こそ、みんなを守れると思ったのに…また守られてばかりだった。
気がついたら戦いが終わってて、ピヨくんの左腕と肩には大きな釘が刺さってた。血も流れてた。
…呼んでも返事をしてくれなかった。

「私のせい…?」

泣かないと決めたはずなのに、涙で前が霞む。
265Classical名無しさん:08/02/04 15:47 ID:1I0RQQOE
 
266 ◆jU59Fli6bM :08/02/04 15:49 ID:6zOxgzW6
「あみ…の、せい…なの?」
霞んで霞んで、もう何も見えなくなった。
「ひっく…どう、して…みんな、おいて、いっちゃうの……!」
「…おい」

「うう…また、声がきこえるよぅ……」
「…おい、亜美」

「ぐすっ、嫌だよ…。ピヨくんに天使セットなんて、ぜんぜんにあわないよ…」
「…人を勝手に殺すんじゃねーよ…」
「だって、あみが…、わた、わたしが…あれ、ピヨくん?」

涙を拭いて前を見る。そしてまた前が見えなくなった。
同じ涙でも、今度は全然違っていた。

「見たかよ…俺の、下克上。あいつ、お前の心臓狙って…外しやがったぜ」
「うっ…ピヨく…生きてる……ヒック、生きて……ヒック、…うああああん!」
「な、泣くなよ!大声出されたら傷に響くだろうがっ…」



「フハハハハハ!!!!正義の味方、ゴッドカイバーマンSE・参☆上!!」



「「……………」」

こうして空気の読めない男の登場により、その場の雰囲気は全て粉砕されたのであった。
(もちろん本人は気にしていない)
267Classical名無しさん:08/02/04 15:51 ID:1I0RQQOE
 支援
268 ◆jU59Fli6bM :08/02/04 15:54 ID:6zOxgzW6
「…あんた、来るなって言ったはずじゃ…」
「ふぅん」
「…というか、遅いよ…」
亜美も呆れて涙も出なくなった。
「亜美!日吉さん!大丈夫ですかー!?」
ことのはとオクタンを連れてやってきたやよいも後からやってくる。

「私は大丈夫、それよりピヨくんが…」「俺はいいが、そのチビの足が…」

2人は同時に沈黙した。




「ふぅん、TASは行ったか…。要するにまた怪我人が増えた訳だな。
まあ、無謀だと思っていたから生きてるだけで充分だが」
「お兄ちゃん、どうする?2人も運べるかな」
やよいが海馬に駆け寄って聞く。
今TASに戻ってこられては、今度こそ勝ち目は無いだろう。
それに2人の怪我の状態も良くない。選択を誤ればすぐに誰かが欠けてしまう危険がある。
カイバーマンは慎重に考えてから言った。
「奴もそう今すぐには戻ってこないだろう…。一旦城へ戻り、怪我の手当てをしたら霊夢達の帰りを待とう。
城が危険になった今…町か、あの船に行くしかない」
「霊夢さん達が来なかったら…?」
「ふぅん、その時はその時だ。とりあえず、2時間くらい…放送までは待つことにする」
そして、目線をやよいから亜美と日吉に向ける。
269Classical名無しさん:08/02/04 15:54 ID:cWK007Rg
支援
270 ◆jU59Fli6bM :08/02/04 16:14 ID:6zOxgzW6
「さて…歩けないのは厄介だな。立てるか?」
「いたた…私は…肩を貸してもらえるなら」
亜美が足を押さえて言う。ホーリーリングで軽い傷は段々治ってきていた。
「うっうー!なら私が肩貸しがんばりますー!日吉さんは…ううー、凄く痛そうです…」
やよいが日吉の様子を見て顔をしかめる。日吉の左腕には直径15センチほどの釘が深々と刺さっていた。
「…へ、平気だ。こんなの…ぐぅっ!!」
動こうとするが当然の様に痛みが全身に走る。常人ならとても耐えられないだろう。
「ピヨくん!もう動いちゃ駄目だって!戻ったら私が応急処置してあげるからさー」
「ふぅん、凡骨の足掻きはそこまでにしておけ。何、心配いらない。俺の支給品を貸してやる」

大きな棺桶が出てきました。

「…まだ死んでないっての…」
カイバーマンは構わず続ける。
「これは何もせずとも後ろをついてくるという優れものらしい。さて、入れるぞ」
「ちょっ…マジですか…!!!くぁwせdrftgyふじこlp;!!!11」

「うう〜、お兄ちゃん、もっと優しくやってあげて下さい〜」
「…あれ?」
ふと、亜美が地面に転がっていた道下のデイパックを見る。一瞬、何かが動いたような気がした。
「亜美、どうしたの?」
「…気のせいか。いや、何でもないよ〜」
それがケラモンの増えた瞬間だとは誰も分からない。


奇妙な集団はさらに怪しさを増し、草原を渡り歩くのであった。
271 ◆jU59Fli6bM :08/02/04 16:16 ID:6zOxgzW6
【D-1 草原/一日目・夜中】
【海馬瀬人@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ】
[状態]:断固たる対主催の決意、呼ばれて出てきてカイバーマンKY、
[装備]:正義の味方カイバーマンのコスプレ@遊戯王DM ゴッドクラッシュ@ゴッドマン
盗賊の棺桶@勇者の代わりにバラモス倒しに行くことになった DMカード(青眼の白龍、魔法の筒)@遊戯王DM(現在使用不可) 、首輪
[道具]:支給品一式×2(食料1消費)、十得ナイフ@現実
毒針@ドラゴンクエストシリーズ、ナイフとフォーク×2、包丁
[思考・状況]
1:城まで行って2人の治療をしながら霊夢の帰りを待つ
2:首輪の解析を進める
3:自分と同じ境遇、そうなりそうな人を救いたい(ただし仲間の安全が優先)
4:船に積んであったコンピュータを利用したい。船内の探索もできればしたかった
5:エアーマンなど高度なロボットを解体して、自分の技術力が通用するか知りたい
6:殺しあいには絶対に乗らない
※ブルーアイズが使えないのは、自分が主として認められていないためだと思っています
※ロックマンを岩を飛ばすロボットと予想。エアーマンの仲間と思っています
※キーボードは船の艦橋にあるコンピュータに刺さったままです
272 ◆jU59Fli6bM :08/02/04 16:17 ID:6zOxgzW6

【高槻やよい@THE IDOLM@STER】
[状態]:体力全快、右手骨折
[装備]:包帯、ことのは@ヤンデレブラック、オクタン@ポケットモンスター
[道具]:支給品一式×2(水と食料1消費)、MASTER ARTIST01〜10@THE IDOLM@STER
    DMカード(六芒星の呪縛、攻撃誘導アーマー)@遊戯王DM(現在使用不可)
世界樹の葉@ドラゴンクエストシリーズ、壊れたオセロ@現実
[思考・状況]
1.城まで行って2人の治療をしながら霊夢の帰りを待つ
2.「ことのは」さんとも、もっと仲良くなりたいなぁ
3.魔理沙さん達のことは悲しいけど、お兄ちゃん達とがんばります!
4.緑色の服の少年を後で埋葬してあげたい
5.人は絶対に殺しません

※ことのはの所持品は「妖精の剣」です。

【双海亜美@THE IDOLM@STER】
[状態]:右足に大きな火傷、肩と左足に火傷、ルイージ(HI☆GE)
[装備]:ホーリーリング@デジモンアドベンチャー、ルイージの帽子@スーパーマリオワールド、弾幕の作り方@東方project 、
[道具]:支給品一式(食料1消費)、道下のディパック【支給品(1〜2)、ハイポーション×2@ハイポーション作ってみた、ケラモン一匹】
[思考・状況]
1:城まで行って治療をしながら霊夢の帰りを待つ
2:殺し合いには乗らない。みんなで脱出する方法を探したい
3:ヒゲドルとして生きていきまーす、んっふっふー
4:無事に帰れたら、オメガモン感謝祭を開く。
※道下のデイパックにケラモンDが入っています。
273 ◆jU59Fli6bM :08/02/04 16:20 ID:6zOxgzW6
【日吉若@ミュージカル・テニスの王子様】
[状態]:疲労大、肋骨損傷、左の腕と肩にごっすんくぎ、棺おけの中で気絶中
[装備]:カワサキのフライパン@星のカービィ
[道具]:支給品一式 食料2人分、水2人分
ヒラリマント@ドラえもん 、マカビンビン@うたわれるものらじお、ことのはの鋸
[思考・状況]
1.手段を問わず、主催に下克上する。
2.亜美にボブ術の基本を教える。
3.ことのは、亜美と交代しながら人が近づいてこないか監視する。
4.下克上の障害は駆除する

霊夢、ヨッシー、海馬、日吉、やよい、亜美の共通認識
※なのはの世界についての知識を得ました。霊夢と海馬以外、不思議な力としか認識していません。
※全員、知っている情報を交換しました。少し大雑把で、認識の違いはあります。
※名簿が、世界の住人ごとに載っていることに気がつきました。
※各地に監視装置があり、首輪にも盗聴機能があることを認識しました。
※YOKODUNAに関する情報を入手しました。
※生首が真だという考えは、霊夢とヨッシー以外は揺らいでいます。
※やよいが海馬を兄と呼ぶのは、海馬の趣味か何かだと思っています。
274 ◆jU59Fli6bM :08/02/04 16:21 ID:6zOxgzW6
※【ハイポーション@ハイポーション作ってみた。】
愛すべき馬(犬)の特性ポーション。栄養ドリンクを1万3523円を煮て作ったもの。
回復どころか口の中に入っただけで悶絶し、腹を壊して寝込んだりする程度の威力。
ゲロの一段階上、ゲロラ的な臭いがするらしい。

【クラモン(ケラモン)D】
[状態]:健康 現在2体 道下のデイパックの中
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考・状況]
1:隙をうかがってイタズラしたい
2:TAS、どこ行った?
3:少なくて寂しい
4:向こうのクラモン、何があったんだ?
275Classical名無しさん:08/02/04 16:22 ID:1I0RQQOE

276 ◆jU59Fli6bM :08/02/04 16:29 ID:6zOxgzW6
投下終了です。
亜美の一人称は演出という解釈が好きで少し変えてみた。
それとなんだか>270の分が仮投下の時に無くなってたみたいだ…すみません
あとTASさんもすみませんでした。こういうのはこれっきりに…

色々迷惑かけたけれど皆に救われた。ありがとうございました。
277Classical名無しさん:08/02/04 16:39 ID:D2wnAqDs
投下乙
278Classical名無しさん:08/02/04 19:25 ID:sCAewLW2
いつの間にか王様もtktk側の人間になっとるw
279Classical名無しさん:08/02/05 05:55 ID:f6VsKzPM
wikiに載ってる過去の話で誤字や脱字があった場合
第三者が勝手に修正しちゃっていいだろうか
280Classical名無しさん:08/02/05 09:09 ID:M7J4ospE
>279
勝手にすると誤解が生じることも多い
やるならその日のうちにしたらばに修正箇所を報告してくれ
281Classical名無しさん:08/02/05 12:44 ID:nsF8yrxw
一応、したらばに誤字脱字修正報告用スレ立てておきました。
282Classical名無しさん:08/02/05 14:52 ID:iNAtdupI
>>◆jU59Fli6bM様
デイパックにナマモノは入らないんじゃなかったっけ?
モンスターボールや電池の形でいれるならともかく
中に居るものが平気で出入りできるなら、それなんてやり過ごしの壺。
自分の意思で出てこれないなら携帯できる監禁部屋だし。
283282:08/02/05 14:59 ID:iNAtdupI
ごめん、このロワのデイパックは普通のデイパックだっけ。

別ロワの、見かけより遥かに内容量が広く、
入れた重量が無視できるバッグと混同して勘違いしてたorz

申し訳ないですがスルーして下しあ
284Classical名無しさん:08/02/05 15:13 ID:M7J4ospE
棺桶サイズが入っていたからそれほど普通でもないけどなw
大きさや重量を無視するのもなんだから入れる分には通常仕様ってことにする?
285Classical名無しさん:08/02/05 17:01 ID:IgbgufhI
>>284
今さらって感じもするなぁ……
286Classical名無しさん:08/02/05 17:01 ID:k3qE/Tj.
クラモンてナマモノなのか…?
参加者じゃないって無理矢理な納得もできるけど。
287Classical名無しさん:08/02/05 17:13 ID:Ps1M4qPw
そもそもクラモンは元々支給品じゃないかw
288Classical名無しさん:08/02/05 17:32 ID:VTwYDRKM
生きていて尚且つ参加者であるものはバッグに入れないとか?
クラモンは支給品だからおk

つーか棺桶だとかが入ってる以上普通のバッグじゃないだろww
289Classical名無しさん:08/02/05 18:24 ID:iSfEVuig
首輪がついてないほうだがもうクラモン一族は参加者だろ
棺桶は……おりたたみしry
290Classical名無しさん:08/02/05 18:38 ID:IgbgufhI
>>289
分類上はまだ支給品だッ!
もしくは首輪が付いてる生物は入れないとか、
……おお、監視役のデジモンを入れられるぜ、新たな展開がっ!
291Classical名無しさん:08/02/05 18:59 ID:wbs1Fjzc
>>288
すでに古泉が入っているからそれはまずいんじゃ?
292Classical名無しさん:08/02/05 19:01 ID:4NUuTcDo
よっぽどの事がない限りは「そんなこと思いつかない」
という訳で、今後も書き手が自重すれば良いだけの話だ
293 ◆jU59Fli6bM :08/02/05 20:23 ID:yc5MZpYs
えーりんが古泉入れてたし普通に入れるのかと思ってました…
確かに携帯監禁部屋ですね
他ロワ読んでた影響か勝手に4次元で妄想してたんだぜ

しかし自分でフリーダム開拓してるのに気づかなかったとはなんという手遅れ、すまんかった

______
|←樹海|
. ̄.|| ̄     オワタ┗(^o^ )┓三
  ||           ┏┗   三
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
294Classical名無しさん:08/02/05 20:27 ID:VTwYDRKM
>>293
駄目だwそのAA見るだけで吹くwwwwww
295Classical名無しさん:08/02/05 20:28 ID:lJie9cAI
えーりんが古泉入れてるっていっても、首から上は出てるみたいな感じ。
単純に首輪ごと入れようとすれば入らないってことでいいんじゃない?中身は四次元で
296Classical名無しさん:08/02/05 21:43 ID:uokWqC6I
ありゃ、そういや予約が今入ってないな…寂しい
297残り32人記念DA!:08/02/05 22:42 ID:PR8vGSr2
全選手入場!!

いい男は生きていた!! 更なる研鑚を積みゲイボルグが蘇…らない!!!
マーダー&死亡フラグ製造機!! 阿部高和だァ――――!!!

脱出フラグはすでに我々が完成している!!
塔組カワイソス代表永井博之だァ――――!!!

戦いしだい指を振りまくってやる!!
ポケモン勢代表 ピッピだァッ!!!

アサクーラの扱いなら私の歴史がものを言う!!
アサクーラの主人 ニコニコンビ アリス・マーガトロイド!!!

真のKYを知らしめたい!! 特大爆弾携帯中 園崎魅音だァ!!!

ステルスマーダーは3階級制覇だが改心なら全階級私のものだ!!
キバ君と良コンビ キョンの妹だ!!!

ニート対策は完璧だ!! 精神疲労大 ロールちゃん!!!!

全死亡フラグのザ・ベストは私のそばにある!!
真っ赤な閣下が来たッ 天海春香!!!

TASには絶対に負けん!!
おまえらに覚醒KAS見せたる 対主催の特攻隊長 KASだ!!!

バーリ・トゥード(他力本願)ならこいつが怖い!!
三国時代の役立たず・君主 ニートだ!!!

プププランドから爆弾魔の幼女が上陸だ!! ピンクの悪魔 カービィ!!!
298残り32人記念DA!:08/02/05 22:45 ID:PR8vGSr2
全てを元通りにしたいからステルスマーダー(鉄砲玉)になったのだ!!
塔組の崩壊を見せてやる!!涼宮ハルヒ!!!

少数派による運命の打開とはよく言ったもの!!
名探偵のレナパンが今 実戦でバクハツする!! 塔組筆頭 竜宮レナ先生だ―――!!!

世界最速タイム保持者こそが地上最速の代名詞だ!!
まさかこの男がきてくれるとはッッ TAS!!!

霊夢が心配だからここまできたッ 生態一切不明!!!!
マリオ界のピット(大食い)ファイター ヨッシーだ!!!

私たちは一人で最強ではないマーガリンで最強なのだ!!
御存知知略系マーダー 八意永琳!!!

オタの本場は今や塔組にある!! 私を驚かせる奴はいないのか!!
泉こなただ!!!

コワァァァァァいッ説明不要!! 驚きの黒さ!!! ゴマモンカワイソス!!!
柊つかさだ!!!

ボブ術は実戦で使えてナンボのモン!!! 超実戦ヒゲ!!
永遠の二番手から双海亜美の登場だ!!!

博之は私のもの 邪魔するやつは思いきり殴り思いきり蹴るだけ!!
ニコロワほのぼの統一王者 水銀燈

ロリコン海馬を兄と呼ぶッ!!
ことのは様使いチャンプ 高槻やよい!!!

阿部との溝に更なる磨きをかけ ”つるぺた”伊吹萃香が帰ってきたァ!!!
299残り32人記念DA!:08/02/05 22:45 ID:PR8vGSr2
今の自分に精神はないッッ!! フルボッコマーダームスカ!!!

エジプト三千年の俺ルールが今ベールを脱ぐ!! 闇AIBO誕生 武藤遊戯だ!!!

キョン君の前でなら股間はいつでも全盛期だ!!
冴え渡るガチホモ 古泉一樹 本名で登場だ!!!

首輪解除の仕事はどーしたッ ロリへの情熱 未だ消えずッ!!
(首輪を)治すも壊すも思いのまま!! ゴッドカイバーマンSEだ!!!

特に理由はないッ 雛見沢症候群発症者が強いのは当たりまえ!!
本人にはないしょだ!!! 発狂暴走機関車!
富竹ジロウがきてくれた―――!!!

作者と磨いた実戦SM!!
塔組のデンジャラス・ライオン 友人だ!!!

ニコ動だったらこの人を外せない!! 超A級改心フラグ持ち 矢部野彦麿だ!!!

超一流テニヌプレイヤーの超一流のボブ術だ!! 生で拝んでオドロキやがれッ
城組の空耳師!! 日吉若!!!

YOKODUNA殺しはこの女が完成させた!!
対主催の切り札!! 博麗霊夢だ!!!

道化二人が帰ってきたッ
どこへ行っていたンだッ 主催者ッッ
俺達はニコロワを待っていたッッッマルク&ピエモンの登場だ――――――――ッ
300残り32人記念DA!:08/02/05 22:47 ID:PR8vGSr2

加えてバグ発生のため超豪華な飛び入り参加者を3名御用意致しました!
ぶるぁあああああああああ アイスデビモン!!
吐き気をもよおす邪悪   クラモンA!!
TASさんカッケー……アレ? クラモンB!

……ッッ  どーやらもう一名は紹介が遅れている様ですが、ライバルを倒しても所詮は空気男なため御紹介致しませんッッ
301 ◆IU4EWEf33I :08/02/05 23:02 ID:XUKXYRBo
>>296
じゃあ塔組(レナ達)、ハルハル、ネズミを予約
302 ◆IU4EWEf33I :08/02/06 00:04 ID:BWpyexb.
すみません、一つ質問です
チューモンって喋れました?
303Classical名無しさん:08/02/06 00:08 ID:Sy.uTTF2
もうやっちまおうかな?
俺のニコ見沢症候群L5パワーを見せてやるぜ
(今度こそ惨劇の回避を……)

ってことで【アリス、ぴこまろ+α】を予約します
彼ら……行動方針線の上に誰もいねぇ
304 ◆irB6rw04uk :08/02/06 00:09 ID:Sy.uTTF2
鳥忘れ乙
すでに惨劇の香りがするぜ……
いきなりサイコロの目は1かよwww
305 ◆qwglOGQwIk :08/02/06 00:10 ID:P/LJ1FfI
つかごまおじクラの修正版をテスト投下してみました。問題ないようなら修正版投下します。
306Classical名無しさん:08/02/06 00:25 ID:IzYpJ3vc
>>302
普通に過去作品を見れば……
307 ◆IU4EWEf33I :08/02/06 00:37 ID:BWpyexb.
>>306
過去作品も見たんですけど普通の人間と会話してるのがないなあと
言葉が言葉を喋った事で何か色々と議論あったし一応と思い
クリサリモンのときは話してたけどチューモンでも出来るのかなと
308Classical名無しさん:08/02/06 00:48 ID:Sy.uTTF2
話はできなくもないが……人格崩壊してるからまともな会話ができるかどうか…
309 ◆IU4EWEf33I :08/02/06 00:50 ID:BWpyexb.
>>308
ありがとうございました
それでやってみます
310Classical名無しさん:08/02/06 01:03 ID:CBWnFpik
海馬が棺桶を使ったとき四次元がなんとかと言ってるような
311Classical名無しさん:08/02/06 01:04 ID:IzYpJ3vc
>>307
言われてみれば確かに、申し訳ない
でも一応全員一致の行動指針がステルスマーダ―なんですよね
最低限のコミュニケーションは取れるのでは
312Classical名無しさん:08/02/06 01:05 ID:7mlJmWPg
>>305
問題無いと思うっすよ
ってかつかさ、もの凄い重武装だなぁw
313Classical名無しさん:08/02/06 01:05 ID:CBWnFpik
連投ごめん。
ネズミトミーは結局ボツなの?
314 ◆irB6rw04uk :08/02/06 01:11 ID:Sy.uTTF2
>>313
すみません
修正してもいいですが具体的な修正箇所も分からなかったからぼつにします
315 ◆jU59Fli6bM :08/02/06 18:14 ID:nTYjWMwQ
>>297
全選手入場GJ!
ニコロワにも欲しいと思ってたので嬉しい。笑わせてもらったww

>>305
乙です
最後が淡々としてて分かりづらかったんだが
ケラモン1匹が増えた4匹のことも食べたってことでいいんかな?
316 ◆jU59Fli6bM :08/02/06 18:18 ID:nTYjWMwQ
あれ、鳥消し忘れ…すみません
ついでに塔のニート軍とすいか予約します
317 ◆qwglOGQwIk :08/02/06 18:23 ID:P/LJ1FfI
ケラモン*1→ケラモン*5→クリサリモン*1
こんな感じ。
318Classical名無しさん:08/02/06 18:23 ID:hU0Eg7LE
ケラモンの進化には上限の半分の数が必要とのことだから

5匹に増える→更なる栄養と共に合体→シャンハーイ

ってな感じかと
319Classical名無しさん:08/02/06 18:57 ID:hwziFP6w
だったらインフェルモンまで…なんでもない。
320Classical名無しさん:08/02/06 19:01 ID:hU0Eg7LE
>>319
あっちはマーダ―パワーがあるから
栄養バッチリ→ホラーイ
321Classical名無しさん:08/02/06 19:14 ID:wTdbtCq2
ゴマ食ったから、チューモンみたいに
ゴマの人格(モン格?)が表れたりするのだろうか
322Classical名無しさん:08/02/06 19:41 ID:aqHj9SYI
>>321
ないよw
323 ◆qwglOGQwIk :08/02/06 19:49 ID:P/LJ1FfI
では、修正版を本投下してもよろしいでしょうか?
324Classical名無しさん:08/02/06 19:52 ID:hwziFP6w
あれは冥王コア喰った事による重大なエラー。
根本的なところを破壊されない限り、人格は出てこないかと。
でも人格破壊されちゃったら
「オイラ、クリサリモンだよ!」が出るかと。
…やばい可愛い。

でも多分主催者側のシステム修理完了したらなくなる?
325Classical名無しさん:08/02/06 19:52 ID:jA1v1jeY
>>323
You,投下しちゃいなYO!
326Classical名無しさん:08/02/06 19:52 ID:hwziFP6w
バッチコーイ
327硫黄島からの手紙(1/15) ◆qwglOGQwIk :08/02/06 19:59 ID:P/LJ1FfI

「うわっ、なんじゃこいつは!」

仲間の元へとひた走るストーム1が発見したのは、クラゲのような化物であった。
雪山を下り、草原を経て橋の上を走っていた所、ストーム1は突然強い衝撃を受けて吹き飛ばされてしまった。
慌てて辺りを確認してみると、こちらに向かって光弾を放つクラゲの化け物がいたという訳だ。
体勢を何とか立て直した所に、間髪入れずもう一発光弾が放たれる。
今度は食らうまいと何とか回避するも、よく見ればクラゲの化け物は二体程いるようだ。
「ちょうどいいわい、クレイモアの錆にしちゃる!」

ストーム1はケラケラと不快な声を上げるケラモンの攻撃を回避しつつ、橋をジグザグに渡ってケラモンを錯乱する。
狭い橋の上では分が悪いと判断したストーム1は、橋の出口のところまでケラモンを二体とも確実に誘導してゆく。
そして橋の先端に到達したところで、クレイモアを設置する。
そして斜め後方に下がり、ストーム1を追い詰めるべく相手が接近してきたところでクレイモアを発動させる。
その瞬間大量の散弾が二体のケラモンに襲い掛かり、クレイモアの放った大量の玉にひき潰されて消えていった。
「やはりクレイモアは最高じゃわい、よく手になじむわ」


ストーム1はケラモンを倒すと、戦闘で失った時間を取り戻すかのように山道を急ぎ駆ける。

328硫黄島からの手紙(2/15) ◆qwglOGQwIk :08/02/06 20:00 ID:P/LJ1FfI

「……おじいちゃん、ですよね」
「そうじゃつかさちゃん、大丈夫か?」
「はい、今のところは大丈夫です」
「そうか、よかったわい……」

ストーム1はホッと息を付く。
その姿を見たつかさはおじいちゃんって変なの、と笑っていた。
ストーム1は姉である柊かがみを失ったつかさに何か無いかと心配していたが、杞憂に終わったようで何よりだと思った。

「その、つかさちゃんにはあまり言いたくない話なんじゃが……」
「…………お姉ちゃんのことですか」
「守れなくて済まなかった。ワシが遅かったばかりに……」
「いいんですよ、おじいちゃん」
「かがみちゃんだっけ。つかさちゃんのお姉ちゃんは、せめてもの罪滅ぼしのためにあのあたりに埋めてきたんだじゃ」
「おじいちゃん、福山さんは……」
「……福山の馬鹿は、あっちに埋めてやった」

ストーム1は、月明かりに照らされる橋の手前を指差し、もう一箇所山の麓辺りを指差す。
それを見たつかさは、少しばかりうつむいていた。
「ワシを許してくれとは言わん。
 だがかがみちゃんや福山の時のように今度こそは失敗しないよう、ワシは命をかけてつかさちゃんのことを守ろう」
「ええ、おじいちゃんがそう言ってくれるなら嬉しいです」
「ところで、いさじの奴はどうした。それにこのでっかい龍みたいな奴は何じゃ?」


「いさじさん? ああ、あの人なら私が殺しましたよ」


329硫黄島からの手紙(3/15) ◆qwglOGQwIk :08/02/06 20:02 ID:P/LJ1FfI

「はて?」

ストーム1の思考が一瞬停止する。
つかさちゃんはこんな悪い冗談を言う子だったのか、果たして何か別の真意があるのか。

「いさじさんはね、私が間違ってるって言ったんだよ。
 だってね、この後ろのゴマちゃんは人殺しなんだよ。私のおねえちゃんを殺したんだよ。
 だから死んでもいいのに、いさじさんはそれをまちってるっていうんだよ。
 このひとごろしがゆるされるためにつかってあげてるのに、それをまちがってるっていうんだよ。
 いさじさんもカービィのやつも、みんなみんなまちがっ……」

パァンと乾いた音がした。
ストーム1が、柊つかさの頬を打ったのだ。
「つかさちゃん、ワシの話をよく聞くんじゃ」
「痛い、何するのよおじい……」
「黙って聞かんか!」

頬を打ったことに対して文句を言おうとしたつかさを、ストーム1は怒声で強引に止める。
そして、ストーム1は仮初めか、あるいは長い長い夢のことを回想していた。
「ワシの夢の話なんじゃが、それもずっとずっと昔のことじゃ
 つかさちゃんは学校でしか聞いたことが無いだろうが、昔大きな戦争があったのじゃ……」


****

330硫黄島からの手紙(4/15) ◆qwglOGQwIk :08/02/06 20:04 ID:P/LJ1FfI

ずっとずっと昔、まだワシが学校に通っていた頃、日本は米帝……アメリカとの戦争を始めたんじゃ。
亜細亜の同胞を助けるため、皇国の未来のために座して死を待つぐらいならばと、勝ち目の無い戦いを始めたんじゃ。
始めは何もかもがうまくいっていた。連日連勝が新聞を賑わっていた頃は、鬼畜米英が何だと思っていたんじゃ。
だが、それはただ相手が日本のことを侮っていただけなんじゃ。

本気を出したアメリカに、日本が勝てるわけが無かった。
結局は連戦連敗、あっという間に日本が攻撃される側になってしまった。
ワシの通っていた学校もアメリカの爆撃で焼け落ちてしまったわい。
その時は学校を焼き、友達を殺したアメリカが憎くて憎くてしょうがなかったんじゃ。
ワシは学校を少しでも早く卒業して、悪のアメリカを倒す兵隊さんになりたいと思っていたんじゃ。

そうやって勉学に励んでいたある日、ワシの親父に赤紙が届いて、ついに戦場にいくことになったんじゃ。
ワシは親父に、頑張って悪の鬼畜米帝を倒してきてねと励ましたんじゃ。
それを聞いた親父は、何も言わずにワシにこう言ったんじゃ。母さんを、守ってやってくれと。
ワシは何故親父がそういったのかその時は分からなかった。だがその意味は戦争が終わってから分かったんじゃ。
天皇陛下が日本は負けたことをお知らせして、そして親父は帰ってこなかった。
代わりにやってきたのは、アメリカの兵士達だった。

それからの生活は、苦難の連続じゃった。
アメリカ人たちは学校で教えられた鬼畜というには拍子抜けするほど優しかったが、それでも嫌な奴には変わりなかった。
ワシら日本人が何か気に入らないことをすると、殴られた。相手は銃を持っているから、勝てるわけが無かった。

331Classical名無しさん:08/02/06 20:06 ID:jA1v1jeY
わ、ずかな、じかん、を、みつけて、修正作業するqwglOGQwIkさん
332Classical名無しさん:08/02/06 20:06 ID:b/NB6Aqo
 
333硫黄島からの手紙(5/15) ◆qwglOGQwIk :08/02/06 20:06 ID:P/LJ1FfI

ワシもアメリカ人にはたいそう殴られたわい。
お袋を守るためだから立ち向かったんじゃが、それが気に入らなかったんじゃろうな。
英語がわからんかったワシには、何を言ってるのかは分からなかった。
あるアメリカ人は、ワシに目をつけると突然殴りだした、泣きながら殴りだしたんじゃ。おかしいじゃろ?
後で知った話なんじゃが、そのアメリカ人の親父は硫黄島で、日本人に殺されたらしい。
その日本人が親父かどうかは知らんが、ワシの顔が似ているのかついつい怒りが爆発してしまったらしい。
ワシはこの話を聞いて、初めて親父の最後の言葉の意味が理解できたんじゃ。

戦争はどっちも正義だったんじゃ。日本は国のため、アメリカも国のため。
ただどちらも大切なものがあって、そのために大切な人たちが死んでいった。
アメリカ人だって同じ人間で、親父を殺されたら悲しいんじゃ。
親父を殺されて憎いのはワシも、あのアメリカ人も一緒だったのじゃ。
すると不思議なことに、戦争でアメリカ人を殺そうなんて、馬鹿げている様に思えたのじゃ。
親父はその辺がよく分かってたんじゃろうな。だからワシに守ってくれと頼んだんじゃ。
だからワシは親父の言葉通り、お袋を守って、妻を守って、子供を守って、孫も守った、地球も守り続けた。
ま、これは現実じゃなくて、夢だったらしいんじゃけどな。

戦うことは悪ではない。だからワシは守るために戦っているんじゃからな。
しかし戦うことで生まれる犠牲は避けなければならないんじゃ。
だからつかさちゃんは間違っておる。殺し合いは何も生まん、お互い悲しくなるだけなんじゃ。
いさじの奴を殺したことについては今は何も言わん。ただ憎しみのままに死んでもいい、殺してもいいなどと軽々しく言うな。
つかさちゃん、厳しいことを言っているかもしれんが、みんなみんな辛いんじゃ。だから、分かってくれ。


****

334Classical名無しさん:08/02/06 20:08 ID:jA1v1jeY
支援
335硫黄島からの手紙(X/15) ◆qwglOGQwIk :08/02/06 20:08 ID:P/LJ1FfI
「…………うるさい」
「つかさちゃん! 何故分からん!」
「おじいちゃんもいさじさんやカービィの奴と同じなんですね。
 だいたいおじいちゃんは間違ってるんですよ。戦争は日本が悪いんですよ。日本がアメリカを奇襲したから悪いんですよ?
 だからおじいちゃんは間違ってる。人殺しが生きていいなんて法律はないもんないもんないもん……」
「つかさちゃん!」

激高したストーム1がつかさに掴みかかる、だがつかさは掴まれた手を銃で強引に払いのける。
ストーム1は一歩下がってクレイモアを抱え、つかさはメガシードラモンの近くに戻る。
「もういいです、ゴマちゃん。殺しちゃってよ」
「……わかりました」

その言葉が合図となって、ストーム1が居た場所に雷撃が降り注いだ。
ストーム1はかろうじてそれを回避すると、構えていたクレイモアを設置し出した。
「あははははははは、おじいちゃんもいさじさんも、みんなみんなみんなおかしいおかしいおかしい」
「ごめんなさい、お願いですから死んでください」
「死ねといわれて死ぬ奴がおるか、たわけ!」

つかさはメガシードラモンの背に再び戻り、狂ったようにうわごとを呟いていた。
ストーム1はメガシードラモンの周りを回転しながら電撃を避けて、クレイモアを設置していた。
雷撃を回避しながらクレイモアを設置するまではうまくいったが、問題は背中に乗っているつかさであった。
今クレイモアを発動すれば確実につかさを巻き込んでしまう。故に細心の注意を払って標準を付けていった。
かつてEDFの任務でクレイモアを不用意なタイミングで発動したため、犠牲にならなくてもよいたくさんの味方を自分のミスで殺した苦いミスを避けるため。
そして守ると誓ったつかさを殺さないため、慎重にタイミングを計りながら相手の様子を探ってゆく。

一方のメガシードラモンもつかさを背中に乗せているうちはうまく攻撃の標準を狙えなかったが、つかさが完全に乗り終わったことで集中が取り戻せたのかストーム1を狙う標準はより鋭くなる。

「ゴマちゃん、何をやってるのよ!」
「わ、分かってるよ!」
メガシードラモンは電撃に加えて、長い尾をストーム1のほうへ振り回す。
ストーム1はそれを紙一重で何とか避けるものの、眼前に迫った二度目の雷撃は凌げなかった。
336硫黄島からの手紙(7/15) ◆qwglOGQwIk :08/02/06 20:10 ID:P/LJ1FfI

「う、うおおおおおお!」

プスプスとストーム1の体が焦げ付き、動きが止まる。
メガシードラモンがもう一度追撃を仕掛けようとした矢先、突如メガシードラモンの元に衝撃が襲い掛かる。
ストーム1がついにクレイモアを発動させ、メガシードラモンの攻撃を始めたのだ。
メガシードラモンはつかさの指示でクレイモアからつかさの身を守るべく体の向きを変更するが、それが仇となって無防備な腹部に大量の散弾が襲い掛かる。
「いたいいたいいたいよう!」
「ちょっとゴマちゃん、そんなに振りまわさないでよ!」

メガシードラモンがストーム1を仕留めるまでに撒かれたクレイモアは相当数になっており、絶え間なくその傷突いた体を痛めつける。
それを何とか耐えていたメガシードラモンだったが、やがて限界が来た。
「も、もうだめ!」
「ゴマちゃん、後一息なんだからもう少しだけ……きゃあ!」

メガシードラモンの体が山中に倒れだし、バランスを崩したつかさの体が空を舞った。
地面に近い位置に座っているが、ごつごつした山の岩肌に激突すれば、命さえ危険になるだろう。
地面に近いせいか、飛行石が発動する時間さえ無かった。

「これで、お姉ちゃんの所にいけるのかな……」
激突までもう間もないと思ったその時、つかさの体が何者かに抱きかかえられ、衝撃で斜面を転がっていった。

「い、いてててて」
「おじいちゃん……?」



「言ったじゃろ、ワシは命を賭けてつかさちゃんのことを守ると」


337硫黄島からの手紙(8/15) ◆qwglOGQwIk :08/02/06 20:12 ID:P/LJ1FfI

そう答えたストーム1の元に、銃声が一発響いた。
二発、三発と響いて、それきり聞こえなくなった。
EDFの防御ヘルメットに身を包んだストーム1の頭を銃弾は貫かなかったとはいえ、連続で打ち込まれた玉は大きなひびを作っていた。

「なんで、なんで邪魔するの。せっかくおねえちゃんのところにいけるとおもったのに……」
「つかさちゃん」
「おじいちゃんなんかしんじゃえ」
つかさは銃弾の切れた銃身を掴み上げ、ひびの入ったヘルメットに思いっきり振り下ろした。
その衝撃に耐え切れなかったのか、ついにヘルメットは壊れて、欠片とともにストーム1の顔面を強烈に殴打する。

「うがあああああああぁぁぁぁ!!!」
ストーム1は顔面を押さえて悶え苦しむ。
つかさは冷静に、ストーム1の落としたクレイモアとディパックを拾っていた。

「重いなぁ、でもこうやって使えばいいんだから、っと」
つかさはクレイモアを抱きかかえ、引金を引いてクレイモアを設置しだす。
何発かセットした後、つかさはクレイモアをディパックにしまった。

「本当にしぶとかったなぁ、これで死んでくれるよね?」
「つ、つかさちゃん……」
「じゃあね」

クレイモアが火を噴き、ストーム1の体をバラバラに引き裂いた。



「ぬわああああああーーーー!!!!」



338Classical名無しさん:08/02/06 20:12 ID:jA1v1jeY
┗(^o^ )┓三┗(^o^ )┓三┗(^o^ )┓三┗(^o^ )┓三支援
339硫黄島からの手紙(9/15) ◆qwglOGQwIk :08/02/06 20:13 ID:P/LJ1FfI

クレイモアの銃弾音が消えて山に静寂が戻った時、ストーム1は人の形をしていなかった。
そこに残っていたのは、赤く染まり、グズグズに引き裂かれた肉の塊でしかなかった。

「あはははははは、やっと死んでくれたよ……」

つかさは死の危機を救ってくれたストーム1に一瞥もくれず、メガシードラモンの元へと向かった。
つかさは倒れているメガシードラモンに声をかける。

「ゴマちゃん、死んでなんかいないよね?」
「ぢんで……ません」
「そうだよね、だって死んだら誰にも謝れないもんね」
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい、許じてください……」
「許さないよ、だってゴマちゃんは私のことを背中から振り落としたじゃない。
 ああやって事故に見せかけて殺そうとしたの? 本当に悪い子」
「すみませんすみませんすみません、もう二度とじませんから許じてください」
「うん、じゃあもっと頑張って罪を償うんだよ。そしたら許してあげる」
「あり…がとうございます…………」

渾身の力をこめて起き上がったメガシードラモンの背に、つかさが再び背に乗る。

「じゃあ、いこっか」
「ずこしだけ、ずこしだけでいいから休ませてください……」
「駄目、さっき頑張るっていったじゃない? ゴマちゃんは約束を破るの?」
「ず、ずみまぜん……」

つかさが跨るメガシードラモンは、激戦もあってボロボロだった。
もう休まなければ命に関わるほどの傷でも、つかさは決して休ませようとはしなかった。
メガシードラモンはゆっくりと、あきらめたように前進をする。


340硫黄島からの手紙(10/15) ◆qwglOGQwIk :08/02/06 20:15 ID:P/LJ1FfI

「ちょっと待って」
「どうしたんでずが……?」
「気が変わったの、ゴマちゃんにはお姉ちゃんにもちゃんと謝ってもらおうと思うの.。
 だから、おじいちゃんがいってたあっちへ行って」
「わがり……ました」

メガシードラモンが体を反転させるが、無理が祟ったのか少しバランスを崩す。
「……ゴマちゃんも、疲れてるみたいだね」
「はい、そうです!そうです!そうです!」
「じゃあ、あれ食べて元気になってよ」

つかさが指差した先には、クレイモアによってバラバラの肉片にされたストーム1の死体があった。
「私もご飯食べるから、ゴマちゃんもご飯を食べなさい」
「…………はい、わがり……まじた…………」

メガシードラモンは泣きながら、ストーム1の死体だったものを貪り食う。
人を食うのは辛いとはいえ、それ以上に傷つき、力を失っていく体のほうが深刻であったために食べざるを得なかった。
進化さえ起これば、この傷ついた体だけは多少なりとも回復してきたためだからだ。
しかし予想していた進化は起こらず、メガシードラモンの姿を保っていた。

「あれー? 今度は進化しないね。ゴマちゃんが頑張らないからかな?かな?」
「ご、ごべんなざい……」
「じゃ、いこっか」

再びメガシードラモンの背に跨ったつかさとともに、北へと進む。


341硫黄島からの手紙(11/15) ◆qwglOGQwIk :08/02/06 20:17 ID:P/LJ1FfI
山を泳ぐように飛び続けたメガシードラモンとつかさは、橋まで辿り着く。
ストーム1が示していたその辺りには、血溜まりと抉れた土がが、そこで戦いがあったことを示していた。
そこでつかさは、盛り上がった土があるのを発見する。
ディパックからウィンチェスターM1895を取り出すと、それで土を掻き分ける。
そこを掘り続けること数分、苦悶の表情に染まった、つかさにとって最愛の双子の姉の顔が見えた。

「…………ゴマちゃん。さあ、早くお姉ちゃんに謝って」
「鏡ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
「そうそう、そうやって謝ればいいのよ。もっと体を使って!」

つかさの指示通り、頭を上下に揺すって、決して許されることのない謝罪の言葉を繰り返すメガシードラモン。
だが、それは不意に途切れる。
もう限界だったのだ。
メガシードラモンはその場に再び大きな音を立てて倒れた。

「ねえゴマちゃん、なんで謝るのをやめたのかな?」
「ごめ……ごめ……ガフッ…………」
「ゴマちゃんがやる気無いみたいだから、私が渇を入れてあげる」
つかさはウィンチェスターを手に持ち、メガシードラモンの頭に向かって発砲する。
何発かは固い外皮に弾かれたものの一発が目に命中する。

「ぎゃああああああああああああ!!!!!」
「ほら、まだ元気が残ってるんじゃない、もっと謝ってよ」
「つ、つか……さ…………」
「どうしたの、ゴマちゃん?」
「何か……たべ……たい…………ぢか…らが…………」
「ちょっと待ってね、ゴマちゃん」

つかさはストーム1から奪ったディパックの中身を確かめる。
中からはきしめんが出てきたが、つかさはそれを与えるのは分不相応だと言うばかりにディパックにしまい直す。
味気ないとはいえ、食料さえも同じだった。
342硫黄島からの手紙(12/15) ◆qwglOGQwIk :08/02/06 20:19 ID:P/LJ1FfI
「ごめんねゴマちゃん。ゴマちゃんに上げられるものは何も無かったよ」
「…………おね……がい……だ…べ…………ざ…」
「何も無いっていったじゃない、だからゴマちゃんは自分で頑張らないと駄目」
「ぢ……が…………」
「違う? 違うって言っても何も…………」

キョロキョロと辺りを見回したつかさの目に入ったもの、それは最愛の姉の死体であった。
その瞬間、素早く向き直ったつかさが再びメガシードラモンをウィンチェスターで銃撃しだす。

「ゴマちゃんさぁ……一体何考えてるのかなぁ…………。
 いくら進化できないからっておねえちゃんを食べるだなんて、よくそんな悪魔みたいなことが思いつくね……。
 ゴマちゃんは全然反省が足りてないみたいだから、とってもきつーいおしおきをしないとね」
再び銃声が響き、メガシードラモンは言葉にならない言葉を叫んでいたがが、やがて言葉さえ出なくなった。
最後には口からヒューヒューと息が漏れるだけだった。


「あーあ、ゴマちゃんはたったこれだけで駄目になるんだ。
 やっぱりゴマちゃんは死んだほうがいいね。こんな悪い子は地獄に行ったほうがいいよ。
 私は足手まといを連れて行く気は無いし、悪いことを考えてごめんなさいってもう一回おねえちゃんに謝って、それからまた謝るんだよ?」

ヒューヒューと息が漏れて、もはや虫の息といった様子のメガシードラモンに目もくれず、つかさはかがみの元へと駆け寄った。
「…………じゃあね、お姉ちゃん。ばいばい」
つかさは最愛の姉に別れのキスをすると、再び姉の墓所を埋め戻した。
もう二度と会うことの無い悲しさと、姉を殺したゴマモンへの憎悪が再び煮えぐり返るように湧き上がってくるのが理解できた。
それでも、ゴマモンは殺さない。永遠に苦しんで、永遠に謝罪の言葉を呟いて、永遠に許されない。許しはしない。

ヒューヒューという息音だけを後にして、つかさは歩き出した。
「さ、こなちゃんに会いに行こう。ちょっと眠たいけど寝るなら町にあるふかふかのベッドのほうがいいからね」


つかさが立ち去った後、その息音は事切れた。
343Classical名無しさん:08/02/06 20:19 ID:jA1v1jeY
支援
344硫黄島からの手紙(13/15) ◆qwglOGQwIk :08/02/06 20:20 ID:P/LJ1FfI

【柊つかさ@らき☆すた】
[状態]:全身に軽い打撲、手のひらを怪我。精神に異変、感情欠落、ニコニコ
[装備]:ウィンチェスター M1895/Winchester M1895 (狙撃銃、残弾1)@現実、予備弾丸0発、飛行石のペンダント@天空の城ラピュタ、琴姫の髪
[道具]:支給品一式*4(食事三食分消費)、ピーピーマックス*2@ポケットモンスター、ニューナンブ(弾数0/5)@現実
Fooさんの笛@ニコニコ動画(γ) デジヴァイス@デジモンアドベンチャー、テニスボール*2
光の護封剣@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ(現在使用不可)、宝石みたいな物@呪いの館
クレイモア地雷@おじいちゃんの地球防衛軍(残り4)、無限刃@るろうに剣心(フタエノキワミ アッー!)、トカレフTT-33(6/8)
きしめん@Nursery Rhyme、たいやき(残りHP50%)@ポケモン金コイキングだけでクリアに挑戦、テニスボール
[思考・状況]
第一行動方針:街に行ってこなたを探す。ついでに寝床も探す。
第二行動方針:カービィを敵と判断。殺したい
第三行動方針:敵は殺す
第四行動方針:笑顔が取れないよ?
※ゴマモンの考えていることが表情で読めるようになってきました。
※琴姫の髪をかがみのものだと思っています。


【ストーム1@おじいちゃんの地球防衛軍 死亡】
【ゴマモン@デジモンアドベンチャー 死亡】

【残り32人】


345硫黄島からの手紙(14/15) ◆qwglOGQwIk :08/02/06 20:22 ID:P/LJ1FfI

「ケラケラケラ……」

つかさが立ち去ったその場に、ケラモンがひょっこりと現れた。
ストーム1のクレイモアで打ち抜かれて消滅したかに思われたケラモンは、うまい具合に分裂の時間となったお陰で九死に一生を得た形となった。
しかしボロボロに傷ついた状態であり、弱そうだとはいえ銃で武装したつかさに襲い掛かる気は無く、一部始終をじっと眺めていたのだ。
ケラモンの目の前には事切れたメガシードラモンの死体があり、これを食べて大量のデータを取り込み、傷ついた体を回復することとした。
メガシードラモンから得た大量のデータを吸収したケラモンは五体に分裂した。
それでもまだ残っていたデータを更に取り込み、ついにケラモンはクリサリモンに進化さえしてしまった。
予想以上の成果に喜ぶクリサリモンは酷い目にあったなと思いつつ、上機嫌といった様子でTASに合流するべく動き出した。


【B-2 橋の手前/一日目・真夜中】

【クラモン(クリサリモン)C】
[状態]:健康、上機嫌、満腹 現在1体
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考・状況]
1:TASを探しに行こう
2:とにかく数で勝負
3:TASを利用してうまく遊びたい
4:イタズラしたい
5:向こうのクラモン、何があったんだ?


※メガシードラモン、ストーム1の死体は消滅しました。

「ん、あれは何じゃろうか?」

山を大急ぎで登っていたストーム1の眼前には、大きな龍のようなシルエットが見えていた。
昼間ならばはっきりと見えただろうが、月明かりの下ではそのシルエットの正体を見極めることはできそうになかった。
だが、ストーム1はそのシルエットの正体についてかすかに思い当たるものがあった。
それはスパイダーマッと一緒に発見した人型の怪物であった。
その形状は人型とも、顎の化物とも違う。しかしストーム1はその目で人型の化物が顎の化物に変化するのを見ていた。
ならばあの龍の化物はあの顎の化物が変化したものではないだろうかとも考えられる。

もしもそうならばこのクレイモアを相手に気が付かれないうちに設置して、今のうちに倒してしまったほうが良いのではないかとも考えられる。
だがあの化物はいさじ達がいた洞窟の方向から、町の方向へと向かっている。
何者かは分からないうちに攻撃を仕掛けるべきではないとストーム1は判断した。
相手に気が付かれないよう、細心の注意を払って接近する。

「ん、あれは……」
相手の視界に入らぬよう接近したストーム1は、龍の化物の背中に人影が居るのを見つけた。
龍の化物の背中に居る人影に目を凝らす。

「つかさちゃん、つかさちゃんのなのかぁ? おーい」
その声に気がついたのだろうか、龍の化物は動きを止める。
少しして龍の化物の背中から、少女の人影が降りてきた。
それはストーム1の予想通り、柊つかさの姿であった。

347 ◆qwglOGQwIk :08/02/06 20:25 ID:P/LJ1FfI
投下終了
2を差し込むのを忘れましたorz
>>327>>346>>328-345の順に読んでくださいませ。

2049/2048バイト……なんという罠ッ……!
348Classical名無しさん:08/02/06 20:26 ID:hwziFP6w
Uryyyyyyyyy!!! 投下乙。
349Classical名無しさん:08/02/06 20:28 ID:jA1v1jeY
投下乙!
これでつかさは三人殺してトップマーダーTか?
怖すぎってレベルじゃねーぞ!
350 ◆0RbUzIT0To :08/02/07 00:05 ID:Bik0CqTw
まだ動いてないのがいるみたいなので……。

春香、魅音、遊戯、つかさ予約します。
351Classical名無しさん:08/02/07 00:54 ID:E.FT5X4E
これはゴマコト以上のシンクロニティの予感!
352Classical名無しさん:08/02/07 14:36 ID:lGbUHf3w
レイハさんに萌えモンパッチ使ったら幼女化しないかなぁ
カービィに効果あるんだからデバイスに効果があっても良いじゃないか!
クロミさんやレヴァさんでも別に問題ないんだけどね!
353Classical名無しさん:08/02/07 14:58 ID:W2gUGHXE
チューモンにも、萌えモンバッチを(ry
混ざりすぎててどんな姿になるか想像できないがw
354Classical名無しさん:08/02/07 15:37 ID:tMBNexlU
顔がなのはで体が長門、
髪が詩音で目が赤い、
こうだな
355Classical名無しさん:08/02/07 15:45 ID:E.FT5X4E
ネタ投下ってここでいいのだろうか?
それとも没ネタスレ?
356Classical名無しさん:08/02/07 15:54 ID:W2gUGHXE
没ネタスレが無難じゃないかな?
357 ◆0RbUzIT0To :08/02/07 17:48 ID:Bik0CqTw
どうも、ちまちま書き進めておりまする。
質問なんですが、145話でAIBOがムスカの支給品強奪したっぽいのに状態表欄に何も書かれてないのは表記忘れですかね?
それともムスカの付近に落ちているとか?
DMカードだけは手元にあるっぽいんですけど、どうなんでそか。
358Classical名無しさん:08/02/07 18:33 ID:Vn0S493M
>>354
は、早くイラスト化を!!

ところで、誰か絵師さんはおらんかね?
ニコロワをブログでちょっと紹介してみようと思ってね、イラストを何枚か貼ろうと思ったんだけど…
仇討ちに燃える霊夢のイラストが欲しいのよ…魔理沙の帽子を持っていると尚良い…
359Classical名無しさん:08/02/07 18:57 ID:tMBNexlU
>>358
無論そのブログはwikiで公開されるんだよな?
360 ◆jU59Fli6bM :08/02/07 18:59 ID:eRLgN8A2
>>ORさん
2人の分は閣下に持たせたつもりでしたが…もしかして忘れてたのか
本当にすみませんでした。

>>358
最近絵板に絵師さん増えてきたみたいだぜ!
前にも魔理沙帽子被った霊夢が見たいって言われてたし絵になりますよね


とりあえずミスばかりですまんかったです。ゴマモン並に頑張らんと…

______
|←樹海|
. ̄.|| ̄     オワタ┗(^o^ )┓三
  ||           ┏┗   三
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

361 ◆0RbUzIT0To :08/02/07 19:30 ID:Bik0CqTw
>>360
首輪探知機だけ無かったぽいです。
とりあえず閣下の支給品欄に加えときま。
362358:08/02/07 19:33 ID:Vn0S493M
>>359
残念ながらミクシィなんだぜ
363Classical名無しさん:08/02/07 20:19 ID:E.FT5X4E
mixiはやめといたほうが無難だと思う…
あそこ真性の痛い人が混じってるから、性質が悪い荒しが飛んでくるよ。
多分、東方厨の一番痛いレベルが来ると思う。「幼女に殺し合いさせるな糞共」と主張すると予測。
もしくは普通のアンチロワ主義者。既存キャラに殺し合いさせるのは云々だの実在の人物を云々と
要らぬ事言い出すよ…
マルクP氏の支援動画を見てわかると思うけど、他との接触を出来る限り控えてるんです。
ブログに書くことは悪いことではないと思いますが、でいれば別の形にして欲しいです。

というか足跡機能で身元バレるしロクな事ないから別のブログにして下さいませんか?
364Classical名無しさん:08/02/07 20:22 ID:tMBNexlU
mixiは勘弁……あそこの奴ら2ch以上に痛い子大杉……
365Classical名無しさん:08/02/07 21:35 ID:lGbUHf3w
mixiよりもアップロードできる絵板が欲しいです安西先生
366Classical名無しさん:08/02/07 21:39 ID:Bik0CqTw
>>365
お任せくだされ!
367Classical名無しさん:08/02/07 21:47 ID:Bik0CqTw
>>365
つれてきましたぞ!
ttp://bbs2.oebit.jp/nikorowa/bbsnote.cgi
368Classical名無しさん:08/02/07 21:53 ID:LeZgnBm.
mixiはないだろ……常考
369Classical名無しさん:08/02/07 22:10 ID:lGbUHf3w
速ぇよwびびったじゃないか
すぐには無理だけど有り難く利用させて頂きます
370358:08/02/07 22:53 ID:Vn0S493M
>>363
そいつはスマンかった。やめとくよ。
371Classical名無しさん:08/02/08 17:41 ID:1WbJQr12
>>365
せっかく連れて来てもらったんだからなんかうp汁w
372 ◆jVERyrq1dU :08/02/08 18:49 ID:t4.tL2pg
レムー、でっていう、富竹を予約します
373 ◆0RbUzIT0To :08/02/08 20:30 ID:gZjAydnA
春香、魅音、遊戯、つかさの分ひとまず出来ました。
9時くらいから投下します。
374Classical名無しさん:08/02/08 20:35 ID:1WbJQr12
覚えてたら保守するよ。テスト投下はしないのね?
375 ◆0RbUzIT0To :08/02/08 20:38 ID:gZjAydnA
>>374
(多分)大丈夫!
376 ◆0RbUzIT0To :08/02/08 20:59 ID:gZjAydnA
それじゃあそろそろ投下します。
大体25レス分くらいになると思いますです。
377Classical名無しさん:08/02/08 21:00 ID:1WbJQr12
ウィー!(ヤミラミ的な意味で)
378Classical名無しさん:08/02/08 21:00 ID:EuT2y8K.
把握
支援しますぜ大佐
町に向かうとつかさは決め、しばらく歩いていたのだがその道のりは思っていた以上に困難だった。
まず、町に向かう為には山を通らなければならない。
今つかさがいるB-2から直接南下していった場合すぐ川に直面してしまうからだ。
かといってそこから東へと方向を転換した場合、滝がまた行く先を阻んでしまう。
結局どうやっても、今いる地点から町へ向かおうとするならば険しい山を超えなければならないのだ。

「はぁ……疲れたなぁ」

動き出してまだ然程時間は経っていないが体は重く、酷く疲労しているのを感じる。
それも当然といえば当然、既にこのゲームが開始されてから24時間……丁度一日が経過しようとしているのだ。
満足な睡眠も食事も取らず、常に危険に注意を払って警戒をするという精神的な疲労。
また、舗装も何も施されていない道を全力で走ったりといった行動による肉体的な疲労。
それらが今ようやく、つかさの体に異常なまでの疲労感を負わせている。
ただ一介の女子高生であるつかさにはそれら全ての疲労を一身に背負って尚、立ち上がれるだけの体力などない。

つかさは自身の限界を悟るとその場に腰を下ろして少しだけ休息を取る事にした。
しかし、例え疲れていようとその顔には苦痛や疲労の表情はなくただ笑顔が張り付いてある。
日はとうに暮れ、辺りは静寂に満ちて物音は聞こえない。
強いて聞こえるものを挙げるなら自分の静かな呼吸の音くらいだ。
さて……こうしてただ呆けているというのも、時間の無駄にしかならない。
休むついでに先ごろストーム1から奪った支給品の確認でもしておこうかとデイパックの中身を出してみる。
幸いにも月が出てくれているので辺りは何も見えないという程の暗闇ではなかったので確認するくらいなら支障はない。

まずは自らが持っていたウィンチェスターという狙撃銃。
威力などについては何度も見ているし、先ほど実際に撃った事もあって申し分ないのだが如何せん女子高生であるつかさには扱いにくい。
それをひとまずデイパックの中に戻しておき、今度はトカレフを手にとってみる。
ウィンチェスターよりはまだ扱いやすそうなので、以後弾の無くなったニューナンブの代わりに使う事にしよう。
380Classical名無しさん:08/02/08 21:05 ID:1WbJQr12
支援は私がいただいた
次に出てきたのはクレイモア地雷……こちらも先に使っていたので扱い方は大体把握している。
上手く使えばトカレフやウィンチェスターよりもずっと役に立つだろう……ただ、クレイモアの向きにだけは注意しておかないと自爆しかねない。
次に出てきた無限刃についてはパスだ、まともに扱えそうにないし下手をすれば自身が怪我をしてしまう可能性がある。
だが、凶器である以上は役に立つはずなのでそれもまたデイパックに入れておいた。
用途不明の笛や宝石みたいなものについても、この飛行石のペンダントの如く何らかの効果のある道具なのではないかと一応デイパックに直しておく。
ただ、流石に弾の無くなったニューナンブと何の利用価値も無さそうなテニスボールは捨てておいた。

「後は……」

残ったのはきしめんの入った器と、用途不明の紅白のボール。
とりあえず、きしめんのラップを剥がして匂いを嗅いでみる……一応、まだ腐ってはいないようだ。

「さっきご飯は食べちゃったし今はいいかな……。
 でも、どうしてきしめんなんだろ?」

恐らくは支給品に最初からついてきていた食料とは別に支給された追加の食料なのだろうが、意図が不明だ。
こうしてデイパックに入れて持ち歩くというのならサンドイッチやパン、おにぎりなどといった携帯しやすい食料のほうがいいというのに。
きしめんなどではいつ汁が漏れるかもしれないし食べるにしたって気軽には食べれない。
「ま、いっか……それより今はこっちだよね」

きしめんをデイパックに入れ、紅白のボールを手に取る。 境には黒い線が引かれ、中心にはボタンらしきものがあるのが確認出来た。
手元にあった説明書を見てみる……月灯りしかない為に少々読み難いが、読めない事はない。
説明書によると、どうやらこのボールには『ポケモン』と呼ばれる生物が入っているらしいが……。

「ゴマちゃんみたいなものかな? とりあえず出してみないと……えーっと」

ひとまず説明書通りにボタンを押してみる……と、どうやって入っていたのかボールが開き中から魚らしき生物が出てきた。
やたらに長い髭に硬そうな鱗、そしてどことなく間抜けな顔といい確かに今まで見た事がない生物である。
説明書にはコイキングと表記されており、命令通りに戦ってくれると書いているが少しばかり頼りない。
或いはゴマモンのように進化をしてくれれば役に立ってくれるのかもしれないが……。
いつまでも跳ねているコイキングをボールに戻し、それをスカートのポケットに入れる。
そしてしばらく呆けた後、つかさはようやくその重い腰を上げ歩き出した。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
休憩が出来るような場所を探しながら、春香と魅音は歩き回っていた。
だが、どこにも適当そうな場所はないし二人が背負っているものも相当に重い。

「うーん、何だか休憩出来そうな場所は無いね……」
「……仕方ない、もうこの辺で休もう。
 流石のおじさんもそろそろ体力の限界だしねー、遊戯君もそれでいい?」
「あ、ああ……すまない」
「ん、それじゃ下ろすよ?」

抱えていた遊戯を地べたに横たわらせ、春香と魅音も座り込む。
山道のど真ん中、決して居心地のいいものではないが久しぶりに体を休めて二人は安堵の表情をしていた。
しかし、ただ一人遊戯だけは苦悶の表情を浮かべている。
C-120を投与された事による発熱などの症状は時間を増す毎に酷くなっているようだった。

「遊戯君大丈夫? 本当はもうちょっと安全な場所とかの方がよかったんだけど」
「いや、ここで十分だ……それより、俺に遠慮せず食事してくれ。
 俺は食欲が無いが、お前達は腹が減ってるんだろう?」
「え、そう? それじゃあ、お言葉に甘えて……」

遊戯の言葉を受けて魅音と春香は食事をはじめる。
その最中にも遊戯の体調に気遣ったり、或いは情報などを交換する。
話を聞いていると、遊戯は魅音の知り合いである富竹やスパイダーマンが言っていたロックマンの仲間であるという事もわかった。
そして、他にもまだ多数の仲間がいる事も。

「……今、ロックマンはエアーマンという奴と戦っている。
 ロックマンは一度そいつを倒した事があると言っていたが……」
「うーん……でも、大丈夫なんじゃない? あのムスカって奴と手を組むくらいだしさ。
 本当に大した実力は無いのかもしれないよ、よっぽどな間抜けじゃないと負けないんじゃないかな?
 ほら、あいつ射撃の腕はよかったけど何だか馬鹿そうだったし……」
「……おい」
「え?」
急に遊戯の声に怒気が混じり、何かを叱るような感じで言われたので魅音は何か言ってしまったかと思ったが、答えはすぐにわかった。
横を向いてみると、春香が俯いて少しばかり涙ぐんでいる。
しまった、と思うより早く口が開いた。

「ご、ごめん春香。 別にそのスパイダーマッ!さんの事を悪く言った訳じゃないから……ね?」
「うん……大丈夫、わかってるよ。
 でもそっか、そのロックマン君っていうのも危険だよね……」

目じりに溜まった涙を拭い、魅音の謝罪に手を振って答えながら呟く。
如何にかつて倒した宿敵が相手とはいえ、スパイダーマンの盟友……ロックマンが危険である事は変わりない。
先ほどの放送で、沢山の仲間の名前が呼ばれた。
いさじ、真、谷口、スパイダーマン……守ると誓っておいて、全然守れなかった。
だからこそ、今度は仲間を助けたい。

「私……ロックマン君の所に行ってくるよ」
「え、ええっ!? ちょ、春香それ本気で言ってるの!?」
「本気に決まってるよ、ロックマン君はスパイダーマッ!さんの仲間なんだから。
 だから……私にとっても大切な仲間。 仲間は、絶対に守ってみせる!」

残った右の拳を強く握り締めて春香は立ち上がった。
その瞳には、スパイダーマンが見出した英雄の色が宿っている。

「魅音ちゃんと遊戯君はここで待ってて、特に遊戯君は絶対安静にしてなきゃ駄目だよ?」
「……ああ、わかっている」
「気をつけてね、春香……戻ってこないと承知しないんだから」
「うん、わかってる。 魅音ちゃんも気をつけて……絶対帰ってくるから」

それだけの言葉を残すと、春香はデイパックを背負って駆け出した。
そして残された二人は、ただその背中を見守って無事を祈るだけしか出来なかった。
【C-3 山道中央部/一日目・真夜中】
【武藤遊戯@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ】
[状態]:発熱、発疹、瞳孔の拡大、中度の精神疲労、SOS団名誉団員、闇AIBO
[装備]:千年パズル(初期装備)、テニスのラケット、DMカード(真紅眼の黒竜(次の夜まで仕様不可)、プチモス、カタパルト・タートル(次の朝まで使用不可)、ブラックマジシャン(次の夕方まで使用不可)、
魔導戦士ブレイカー(次の午後まで使用不可)、聖なるバリアミラーフォース)@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ
[道具]:−
[思考・状況]
1:AIBOを表に出したくない。
2:AIBOを元に戻したい。
3:海馬と、仲間の友達を見つけたい。
4:このくだらないゲームを破壊し、主催者に闇の罰ゲームをかける。
5:春香と魅音に感謝。
※闇のゲームは行えますが、罰ゲームに制限がかかっています。(再起不能には出来ない程度)
※今のAIBOとカタパルトタートルに何か同じものを感じました。

【表遊戯の思考】
基本行動方針.自分に危害を加える者は容赦なく殺す
1.−
2.もう一人の僕…?
3.エアーマン、ロックマン、阿部は許さない
4.海馬と仲間の友達を見つけたい
5.ゲームを終わらせ、主催者を倒す
6.エアーマンを倒したらE-4の塔で仲間達と合流する
7.あの夢についての情報を得る。
※闇AIBO
ニコニコの闇AIBOタグで見られる、腹黒AIBO。
AIBOの持ち味である優しさが欠損して、笑顔で毒舌を言ってくれます。
ルールとマナーを守らずに楽しくデュエルしますが、過度の僕ルールは制限されるかも。
※C-120を打たれました。薬が切れる半日ほど全身の発疹、発熱、瞳孔の拡大、妄想が起こります。
386Classical名無しさん:08/02/08 21:12 ID:1WbJQr12
支援いつも傍にいてね
【園崎魅音@ひぐらしのなく頃に】
[状態]:頭部裂傷、腰を強打、軽い疲労。
[装備]:SIG P210(残弾5)@MADLAX、鬼狩柳桜@ひぐらしのなく頃に
洩矢諏訪子の帽子@東方project(左目部分が穴空き)
[道具]:支給品一式(食料一食分、水一本消費)、ipod@現実、10円玉@現実?、札束(1円札百枚) 、
[思考・状況]
1:春香の帰りを待つ
2:カー君とつかさちゃんが気になる
3:部活の仲間とカービィの知り合いを探す
4:殺し合いを止める
5:詩音については知り合いを仲間にできたらそのときに話そう
6:詩音のやった事に関しては、何かしら責任を取ろう
7:お腹空いたなー
※夢の内容はほんの少し覚えています。けれど夢の出来事とは認識していません。
夢の圭一の存在には気づきましたが、詩音の存在は思い出していません。
春香は駆けに駆けた。
月光が照らすだけの歩きにくい山道を、無我夢中で走っていた。
彼女の心中には、ただただ後悔の念とそれを繰り返させないという強い意志があった。
彼女は核金によって生命を再び得た時より強く強く、仲間を必ず守ってみせると誓っていた。
なのに、いさじ達を守れなかった。
あれほど強く誓ったのにと、春香は激しく悔いた。
故に、春香は今全力疾走をしていた。
もう二度と誰も失わない為に、がむしゃらに走っていたのだ。
そしてその結果僅かな時間で、目的地まで辿り着いた。
ムスカが行く手を阻み、ロックマン達が争っていたであろうその場所へ。
しかし……。

「……いない?」

あのムスカという男と戦ったあの場所から先に進んだ場所。
そこには、エアーマンとロックマンどころか誰一人としていない。
戦った形跡はある……だが、誰もいない。
終わったのだろうか……と春香は思う。
本当は単に決戦の場所を変えただけだったのだが、春香にはそんな事わかるはずもない。

「だったら……どっちが勝ったんだろう? ロックマン君? それとも……」

そこまで考えて、春香は慌てて首を振る。
違う……ロックマンがスパイダーマンの盟友なのだとしたら、英雄なのだとしたら彼が勝っているはずだ。
必死にそう自身に思い込ませようとする。

「……とにかく、もっとよく探そう。
 ロックマン君もまだそう遠くに行ってないだろうし……うん」
389Classical名無しさん:08/02/08 21:14 ID:1WbJQr12
ちきちーちきちー
言い聞かせるように呟くと同時に、春香は踵を返して再び駆け出した。
ここまで来た道で誰とも擦れ違わなかった事から考えて、
ロックマンは違う道を通ってどこかへ向かっているのだろうと考えひとまず春香も違う道を選んでみた。
既に自分がどこを走っているのかすら春香にはわかっていなかったが、微かではあるものの滝の音が聞こえている。
それを頼りに、大体自分がどの位置にいるのか把握をしながら走り……そして、見つけた。

それは、本来探していたロックマンその人ではない。
だが、先ごろよりずっと安否を心配していた人。
この殺し合いの中で自分の目を覚まさせ、そして救ってくれた人。
少ない時間ではあったが、共に語り合って友達となった人。

あちらも春香に気づいたのだろう、ふと足を止める。
月明かりという微かな灯りしか頼りにはならないがその顔は何故かはっきりと見えた。
少女は、ただ笑顔で自分を見ていた。
一瞬、何故か春香はその笑顔に何か嫌なものを感じたが、すぐにそれを振り払うと再び駆け出し……叫んだ。

「つかさちゃんっ!」

すると少女は表情を全く変えず、言葉を返す。

「はるちゃん……久しぶり、はおかしいかなぁ?」
「う、ううん……えっと、久しぶり……じゃなくって。
 えっと、無事だったんだね? 怪我とか、何も無い!?」
「? うん、大丈夫だよ? どうしちゃったのそんなに慌てて?」
「そりゃ慌てるよ! ああ……でもよかったぁ、つかさちゃん大丈夫だったんだね」
「えへへ、痛いよはるちゃん」

気づけば、春香はつかさを力いっぱい抱きしめていた。
瞳には再び涙を一杯に溜めて、しきりに本当に良かったと呟く。
それをつかさは、何も言わずしばらくさせるがままにしておいた。
「ひっく……よかったぁ、よかったよぉ……」
「もう……はるちゃんったら泣き虫だね」
「えへへ、ごめんね……これからは大丈夫だよつかさちゃん。
 これからは絶対に私が守ってあげる……どんな事があったって、私が守るから」

春香はそう言うと、ようやくつかさから離れて自身の胸に手を当てた。
自身の胸に宿るそれは、人を守る為の力。
あの時誓った仲間を守るという強い意志は、今尚まだ春香の胸にある。

「本当に? だったら嬉しいなぁ」
「当たり前だよ、だって私達仲間じゃない!
 つかさちゃんは絶対に私が守ってみせる……いさじさんや、スパイダーマッ!さんみたいには、上手くいかないかもしれないけれどね」
「えへへ、それはそうだよ」

お互い口に手を当てて、笑った。
春香は何も警戒せずにただ安心をしていた為に気づかなかったかもしれない。
もしつかさが、いつも通りのつかさならばそんな事は言わなかったであろう事に。
そして、或いは気づいていれば止められたかもしれない。
つかさが再び開いたその口から、聞きたくもないその言葉が発せられる事に。
だが、春香は気づかない。気づかないまま……つかさは、その言葉を発する。






「人殺しの味方をする奴なんかを、見習ってもらっちゃ困るもん」
「……え?」

その言葉を聞いた瞬間、春香はその笑みを引きつらせた。
目の前の人は、なおもまだニコニコと笑みを漏らしている。
聞き間違い……? いや、それにしては嫌にはっきりと聞こえた。
いくら近くに滝があり、その音が大きいからといっても聞き違うはずがない。
だが……だが、信じられない。
誰よりも優しい彼女が、自分を救ってくれた彼女が、そんな言葉を発するだなんて。
思わず、もう一度問いただそうとして……。

「あんなのをお手本にするなんてはるちゃんもどうかしてるよ?
 もう……仕方ないなぁ」

つかさはくすくすと笑いながら尚も言う。
違う……何かが、違う。

「ど……どうしちゃったの、つかさちゃん?
 ねぇ……いさじさんが人殺しの味方って、どういう……事?」
「どういう事もこういう事も、言葉通りの意味だよ?
 あいつは、殺人者の味方をしたんだ……ほんと、あんなのを信じてたのは間違いだったよね」
「うっ……あ……」

思わず、春香は一歩退いた。
その様子を見て、つかさはただくすくすと笑っていた。
くすくすくす、と面白いおもちゃを見つけたかのように……ただ笑う。
393Classical名無しさん:08/02/08 21:18 ID:1WbJQr12
うぎぎーうぎぎー

ERROR!−ERROR:2重カキコですか?? ウゼー!
394Classical名無しさん:08/02/08 21:18 ID:e5ky15sE
ポコポコポコポコポコ
「いさじさんはね、ゴマちゃん――ああ、はるちゃんはゴマちゃんの事知らなかったっけ。
 私のお姉ちゃんを殺した殺人鬼なんだけどね、そいつの味方をしたんだ。
 カーくん達もみんなね……だから、殺したの、私がね。 カーくん達には逃げられちゃったけど……惜しかったなぁ」
「殺したって……そんな……どうして!?」
「……だから言ったじゃない、人殺しの味方をしたからだって。
 もう……本当に頭が悪いなぁ」

つかさがいさじを殺した?
あれだけ慕っていた相手だったのに、殺してしまった?
何故? どうして? 春香は更に一歩退き、頭を抱える。
おかしい……おかしい……何かが、狂ってしまっている。

「でもはるちゃんは違うよね? 私の仲間なんだよね?
 仲間は絶対に守るんだよね? 裏切ったりしないよね? だって誓ったんだもんね? 福山さんに約束したもんね?」
「そ……れは……」

そうだ……春香は、確かに誓った。
仲間を守ると、確かにこの核金に……福山に誓った。
そして、つかさは仲間だ。
例え何かがおかしくなってしまっていても、仲間である事に変わりは無い。
だが……。

「嘘……つくの? かな?」
「う……ぁ……ぁ……!」

更に、更に春香は後ろへと退いた。
笑顔ではあるものの、つかさのその眼光は鋭く春香はその瞳から目を背ける事が出来ない。
自然と体が震え、歯ががちがちと奇怪な音をたてる。
春香はただ、つかさを恐れていた。
つかさの口から出てくる言葉に、そのつかさの笑みに、ただ恐怖していた。
ほんの数分前までは歓喜の涙だったものが、今は恐怖による涙に代わり下がっていた。

「私を守ってくれるよね? はるちゃん?」

なおも、つかさは近づいてくる。
春香は必死に下がった……下がって下がって……気づけばそこは。

「ひっ!?」
「危ないよはるちゃん、ほら、こっちに来てよ」

崖の端まで追い詰められ、思わず悲鳴を上げる。
もうこれ以上は下がれない……逃げられない。
そう思うと、春香の心も先ほどに比べて幾分か楽になってきた。
いや、楽になるというのは語弊がある……正しくは、覚悟が出来た。
……逃げられない、逃げてはいけないという覚悟が。

「そう……だね……」

春香はどうにかして、体の震えを取り除こうと必死に力を込めた。
何かがおかしい……何かが間違っている……それは、つかさの様子を見れば明白だ。
だったら……それに、恐怖している暇なんて無い。
つかさは今、錯乱していて……混乱していて……自分が間違っている事に気づいていないのだ。
だから、自身の犯した過ちにも気付いていない。
つかさに殺されたといういさじは、懸命につかさを説得したんだろう。
だというのに、自分が逃げる訳にはいかない。
「私は……つかさちゃんの、味方、だよ?」
「……本当に?」
「うん……でも、ね……よく聞いて、つかさちゃん」

そこまで言って、春香は大きく息を吸い込んだ。
体の震えは止まったが、それでもまだ体はうまく動かない。
全身が、逃げろ逃げろと警告を発しているがそれでも春香は地面を強く踏みしめてつかさを見据える。
今の自分がいるのは、ひとえにつかさのお陰だ。
あの時つかさが救ってくれたからこそ、自分は今こうしてここに立っている。
ならば、今度はこちらの番だ。今度は自分が、つかさを救ってみせる。
それもまた、彼女を『守る』という事なのだろうから。

「つかさちゃんは……自分が間違ってないと、思ってるのかもしれない。
 そりゃ確かに……お姉ちゃんが殺されちゃったのは凄くショックで、そうなっちゃうのもおかしくないって思う。
 私だって、お母さんやお父さんが殺されて、その犯人が目の前にいたら殺したくなっちゃうかもしれない……。
 でも……ね……やっぱりそれでも、誰かを殺したり、っていうのは、間違ってるんだと思う」

言葉を吐くごとに、息が辛くなる。
だが、それでも春香はなおも言葉を紡いだ。
別れてから今までに彼女に起こった事件の全てなんて全く見えない。
しかしそれでも、必死に言葉を投げかける。

「いさじさんは、そんなつかさちゃんを止めようとしたんだ……。
 つかさちゃんはいさじさんを裏切り者だって思うかもしれない……でも、いさじさんはつかさちゃんに罪を負って欲しくなかったんだよ。
 何があったか、わからないけど……いさじさんは、つかさちゃんを救おうとしたんだと思う。
 ……そしてそれは、私も。 つかさちゃんに……これ以上罪を負って欲しくないんだ。
 勿論、つかさちゃんの事は守る……でも、その前につかさちゃんにはわかって欲し―――」
「くすくすくす……」

つかさのその呟きに、春香は思わず言葉を止める。
春香は懸命に、自分の心中を語っていた。
それはとても拙い言葉で、しかも彼女に起こった事が全てわかっていないが為に説得力は無いものかもしれない。
だが……それでも春香は懸命に喋り続けていた。
或いは、つかさに少しでも春香達を思いやる心があったのならばその気持ちは届いたのかもしれない。
しかし、つかさはその懸命な春香の様子を見て。
ただ、嘲笑するかのような笑いを起こすのみだった。

「くすくすくす……」
「何……が、おかしいの? 私、笑われるような事言ってないけど……」
「えぇー、じゃあ天然でやってるのかな? くすくす……面白いよ、はるちゃん」

通じてない……まるで、自分の言葉はつかさには届いていない。
自分は笑いを取るつもりで今までの話をしたつもりは一つもない、ずっと真剣に話し続けていたのだ。
だというのに、つかさは馬鹿にするように笑うだけ。
ただ、嘲笑うのみだ。
……いや、通じないなら通じるまで言葉を届けるまでだ。
そう思い、口を開けると……再び、つかさは笑い始めた。

「も、もうやめてよはるちゃん、お腹痛いよ……」
「……何で笑うの? 私は、ただ……」
「本気で言ってるの? どんだけぇー」
「真面目に聞いてよつかさちゃん! 私は……」
「くすくす……真面目に聞ける訳ないよ……だってさ……くすくす」

ただひたすらにその思いを届けようとする春香に、つかさは腹を抱えながら言った。
399Classical名無しさん:08/02/08 21:24 ID:e5ky15sE
ヴェル☆オリ☆しえん
400Classical名無しさん:08/02/08 21:24 ID:1WbJQr12
禁句www














「はるちゃんは人殺しじゃない」












402Classical名無しさん:08/02/08 21:25 ID:1WbJQr12

よし、成功
「っ!」

その言葉を聞いた瞬間、春香は更に一歩退こうとしてもうこれ以上退けない事を思い出した。
そう、ここは崖……あの時、人を殺した場所と同じ――崖だ。

「はるちゃんにさ、説教されても笑うしかないよねぇ。
 だって、はるちゃんも人殺しなんだもん……説得力なんて、全然無いよ、あはは」
「ぅ……ゎ、たし、は……」
「人殺しに人殺しは駄目だって言われてさ、おかしいよねぇ?
 まるで刑務所にいる人に、死刑は駄目だなんて言われてるみたいだよ。
 それに見合うだけの罪を犯してるねぇ、それを受けるだけの罪を犯してるのにねぇ。
 殺されて当然なのに、生きる権利だけ主張するなんておかしいよねぇ。
 だってそんな事が罷り通ったら、死刑執行人まで死刑になっちゃうよ……そんなの、おかしいよね?」

つかさはただ、笑っていた。
それはまるで子供がずけずけと、何も知らずに自身の感覚でおかしいと言うように。
邪念など無い、ただ純粋な感覚で指摘し。
春香を追い詰めてゆく。

「それに、守るだなんて言いながら春香ちゃんは誰も守れてないもんねぇ。
 いさじさんも、谷口さんも、スパイダーマッ!さんも……みんなみんな、死んじゃったもんねぇ?
 やっぱり、人殺しは英雄になれないんじゃないかな?」
「そ……んな……」
「だって人殺しだもんね、許されるはずないもんね、トップアイドルになりたいなんて思いで人を簡単に殺しちゃうんだもんね。
 やだなぁ、そんな人と仲間だなんて……いつ殺されるかわからないよぉ」
「あ……ぁ……」

もはや、何も言葉は出てこなかった。
それは違うなどと、否定なんて出来るはずもない。
何故なら、それは全て事実なのだから。
トップアイドルになりたいというただ貪欲な思いだけで善良な人を殺してしまった。
それからも、ずっとずっと勘違いをして。
あろう事かいさじやつかさにまでその手にかけようとして……。
それらは全て事実、忘れる事など出来そうに無い事実。

「くすくす……なのにおかしいなぁ、英雄になるなんて言っちゃってさ。
 約束も守れない人殺しに、そんな事出来るわけないのにね?
 それに、片腕だけしかないトップアイドルなんて聞いた事ないよ? おっかしいねぇ」
「ぅ……ち、がう……わた、わたしは……今の自分を超える為に、そして……」
「超えられるの? 人殺しの、はるちゃんに」
「ぁ……あ、ああっ!?」

思わず足を踏み外し、崖から落ちかける。
寸前、腕を伸ばして淵に手をかけて耐え切るが……辛い。
全体重を支えている手の事じゃない……心が、辛い。
まるでこの今の状況が、自身の心を物語っているように感じる。
過ちを犯した自身を救ってくれた彼女が、今度は自身を奈落の底へと突き落とそうとしているのだ。
言葉で、全てが事実となっている言葉で執拗に詰り、突き落とす。

「や、めて……も、ぅ……」

瞳に涙を一杯集めて春香は搾り出すように言う。
全てが事実である以上、否定のしようがない。
否定のしようがないからこそ、その言葉は壁も何もないかのように春香の心へと突き刺さる。
あまりの事に、胸に痛みさえ感じる……息をするのも辛い。
……これが、人を殺めてしまった罪に科せられた罰だというのだろうか。
あの時、英雄に……皆に誓ったその契りは果たせないのだろうか。
人を殺してしまった自分には、英雄にもなれなければアイドルに返り咲く事も出来ないのだろうか。

「ぃや、だ……わた、しは……」
それでもなお、春香は足掻き這い上がろうとする。
その姿は到底煌びやかな歓声を受けるアイドルと呼べるようなものではなく。
薄汚れ、顔は涙と苦痛に歪めた表情とで醜くなり、ただ浅ましい思慮しか出来ない愚民のようなものだった。
しかし、それでも春香は這い上がりたかった。
どれだけ惨めでも、みすぼらしくても……自分の夢や希望だけは、失いたくなかった。

「わたしは……絶対、絶対に……」
「駄目だよ」
「ぎゃあっ!?」

その手を無常にもつかさは踏みつける。
全体重を乗せ、憎いものを壊すかのように春香の手を踏みしめる。
春香が見上げると、そこにはなおも微笑みを浮かべながら、しかし軽蔑したかのような目でこちらを見るつかさの顔。
……友人だと思っていた人に、自己の全てを否定される。
どうして、何故……これも、殺めてしまった罪のせいなのか。

「はるちゃんみたいなのが、英雄だなんて認めない。
 はるちゃんみたいな人殺しが、アイドルだなんて認めない。
 だって、はるちゃんはゴマちゃんと同じ人種だもん、人殺しだもん、だから絶対に許さない。
 ……でも、私を守ってくれるんなら、罪を償うんなら許してあげれるかもしれないよ?
 私は人殺しのはるちゃんを助けてあげたんだもんね、その恩は一生かけても返せないよね?
 だからその恩に報いる為に、はるちゃんは命がけで私を守ってくれるよね?
 そうしないと罪は償えないもん……ねぇ?」
「い゛だい゛……い゛だい゛ぉぉ……やめで、づかさぢゃ……」
「やめないよ、だって痛くて当然でしょ? はるちゃんい殺された白石くんはもっと痛かったんだよ?
 あーあ、可哀想だなぁ、崖から突き落とされて地面に落ちるなんて、痛いなんてもので済まないんだろうなぁ」

もはや、春香の顔は涙と鼻水とつかさが足を動かす度に降りかかる土とで酷い有様になっていた。
本来の彼女を知る者が今見れば、一体何があったのかと思うだろう。
それほどまでに、今の彼女の姿はみすぼらしかった。
「ね、私の為に戦ってくれるよね? 守ってくれるよね?」
「ぞれは……ぁ……」

しかし、それでも春香はまだつかさの提言に頷かない。
ここで認めてしまえば、もう二度と自分は立ち上がれない。
罪は償う……その代償は、必ず払う。
でも、それとつかさの提言に従うのとはまた話が違う……彼女の言っている事は事実ばかりだが。
だが……それでも、つかさはまだ間違っている。このままつかさに従うのは簡単……でも、それではつかさは間違ったままこれからを過ごす事になってしまう。
まだ、いさじを裏切り者だと考えつけているその心が直らないうちは……。

「屈、しない……わだしは……確がに、人殺しだけど……いさじざんは……づがさぢゃ、を……」
「……まだ、言うんだ」

搾り出した声がつかさに届くと、はたしてつかさはその足を春香の手からどけた。
通じたのだろうか……自分の言葉は、いさじ達の思いは通じたのだろうか。
そう思い顔を上げるとそこには……屈み、触れるか触れないかという距離にまで顔を近づけているつかさ。

「つ……がさ、ちゃ……」
「いいよ、それじゃあもう……やっぱりはるちゃんも私を裏切るんだったら、いらない」
「い゛ら゛ない゛って……ぢがう……私は……!」
「うるさい、黙れ」
407Classical名無しさん:08/02/08 21:33 ID:1WbJQr12
愚民のみなさ〜ん! 支援ですか〜?
春香の言葉を遮り、つかさは自らの手をその崖を掴んでいた春香の手に重ね…。
地面から強引に引き離す。

「あっ……」

それはあまりにも呆気なかった。
春香は、ここまで言われてもまだ心の中でどこかで……それでもつかさならば、助けてくれるに違いない。
優しいつかさなら……ただ、今少し混乱しているだけでも、自分を殺すような事はしないと思っていた。
だからこそ、その腕を簡単に引き剥がされ……宙に投げ出された。

「い……ああああああああああ!!」
「くすくす……そうだ、いい事教えてあげるよはるちゃん」

谷底へと落ちぶれていく殺人者に、つかさは言葉を投げかける。
春香は落ちゆく自分の身を案じながらも、心の底のどこかでその言葉に注意をしていた。
この高さから落ちれば……ただでは済まないだろう。
しかし、それでもつかさの放つ言葉に耳を傾ける。
どれだけ酷い言葉を投げつけられても、つかさは春香にとって守るべき対象だからだ。
だからこそ、こんな状況でもその言葉を聴こうとする。

春香は、いつか自分が白石にしたかのようにどんどんと奈落の底まで落ちていく。
そして、その体は滝の中へと吸い込まれようとしていた。
そこまできてつかさはようやく口を開き、続きの言葉を浴びせる。














「英雄っていうのはね、なろうとした時点で失格なんだよ?」













410Classical名無しさん:08/02/08 21:35 ID:37/ExW6g
N.Cロワはパロロワなのか? 最終鬼畜支援
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

全てが終わり、つかさは崖から下を見下ろしていた。
春香はあの後、何か喚いていたようだがやがて滝の中に飲み込まれてしまった。
恐らくは死んだだろう、滝の衝撃だけでも洒落にならないというのにこの高さだ。
これで死んでいなければ化け物としか言いようが無い。

「くすくす……ああ、でも殺人鬼なんて最低な人種はしつこいから生きてるかもしれないなぁ。
 ゴマちゃんだってゴキブリみたいにしぶとく生きてたし……だったら次会った時はちゃんと殺さないとねぇ。
 だって、殺人鬼だもんねぇ、怖いもんねぇ」

そう呟くとつかさは再び歩き出した。
滝の底はもう見ない、見る価値もないと言うかのように何の未練もなく。
汚らわしい虫かを便所に流し終わったかのような心地で。
ただ悠然と歩き出した。

【B-2 山道・滝付近/一日目・真夜中】
【柊つかさ@らき☆すた】
[状態]:全身に軽い打撲、手のひらを怪我。精神に異変、感情欠落、ニコニコ
[装備]:トカレフTT-33(6/8) 、飛行石のペンダント@天空の城ラピュタ、琴姫の髪
[道具]:支給品一式*4(食事三食分消費)、ピーピーマックス*2@ポケットモンスター、Fooさんの笛@ニコニコ動画(γ) デジヴァイス@デジモンアドベンチャー、
光の護封剣@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ(現在使用不可)、宝石みたいな物@呪いの館、ウィンチェスター M1895/Winchester M1895 (狙撃銃、残弾1)@現実
クレイモア地雷@おじいちゃんの地球防衛軍(残り4)、無限刃@るろうに剣心(フタエノキワミ アッー!)、きしめん@Nursery Rhyme、
たいやき(残りHP50%)@ポケモン金コイキングだけでクリアに挑戦
[思考・状況]
第一行動方針:街に行ってこなたを探す。ついでに寝床も探す。
第二行動方針:カービィ、春香を敵と判断。殺したい
第三行動方針:敵は殺す
第四行動方針:笑顔が取れないよ?
第五行動方針:たいやきちゃんも進化するのかな?
※琴姫の髪をかがみのものだと思っています。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

一方……滝の流れに巻き込まれていた春香は、はたしてつかさの見解通り生きていた。
巻き込まれる瞬間、咄嗟に武装錬金を発動しその身を防護服に包み。
辛くもその生命をどうにかして繋ぎ止めていた。
そして、そのまま流れる川に身を任せ……。
ようやく川岸へと腰を落ち着ける事が出来たのは、もうだいぶ山から離れた地点での事だった。

「げ……ほっ、がばっ、かっ……はっ……」

口の中に入ってきた滝の水を吐き出し、よろよろと倒れ伏す。
シルバースキンを使ったからといって、その体に怪我が無かったという訳ではない。
流石に滝による圧力には耐え切れなかったと見え、春香のその体中は酷い打撲だらけでろくに動くこともままならない。
だが、それでも命を取り留めたというのは凄いに違いない。
シルバースキン――守るという能力に特化したこの力は、確かに誰かを守る為に使うべきだろう。
春香も、そのつもりだった。
この力で仲間を守り……過去の自分を超えるのだと……思っていた。
しかし……。

「守、れなかった……つかさちゃんを……元に、戻してあげられなかった……」

溢れる涙は、その少女の事を思うが余りに出てきたもの。
守れなかった……救えなかった……届かなかった。
自分の言葉はことごとく彼女にあしらわれ、嘲笑われ、打ちのめされた。
それは矢張り……自分が、人殺しだからだろうか。
人殺しだから、誰も救えず、誰も守れないのだろうか。
自分にはもはや、誰を救う事も出来ずただ死をもってしかその罪を償う事は出来ないのだろうか。

「嫌だよ……わたしは……皆を守って、救って……。
 そして、英雄に……アイドルに……!」
413Classical名無しさん:08/02/08 21:38 ID:2ZyUfMVo
しえ〜ん
つかさは、自分に英雄になる資格が無いと言った。
最初から英雄になろうとする人間には、英雄になる事が出来ないと。
確かに……確かに、それは正しいかもしれない。
英雄と自称する人に、本当に英雄と呼べる人は少ないかもしれない。
だが、だとしたら……自分はもう既に、英雄になる条件を失ってしまっている。

「や……だ……! だって、私、約束したのに……。
 皆を守るって、約束、したのに……」

……しかし、その約束は守れずにいる。
仲間の誰一人も守れず……そして、救えていない。
やはり自分には、英雄になる事が出来ないというのだろうか……。
英雄でないから守れないのだろうか……。

「わからない……わからないよ……誰か……教えて……!」

とめどなく、涙が溢れる。
今までは教えてくれる人が、支えてくれる人が傍にいてくれた。
英雄の心得を……いさじは、春香に教えてくれた。
落ち込んでしょげていた時……魅音は春香を励ましてくれた。
スパイダーマンや福山が、英雄とは如何なるものかという事を身を挺して教えてくれた。
いや……それはここに来てからだけの話じゃない。
ここに来る前……765プロで活動をしていた時だって、いつも誰かが支えてくれていた。
出来損ないの、アイドルとしては低いランクでしかない自分を、皆が。
皆が、仲間が支えていてくれた……なのに、今は誰もいない。
ここにいるのは、自分一人だけ。
415Classical名無しさん:08/02/08 21:40 ID:37/ExW6g
シエンノキワミアッー!
「っ! 教えて……! 誰か、教えて……!!
 私は、もう誰も守れないの……? もう誰も、救う事が出来ないの……? 英雄には、なれないの……?
 ねぇ、誰か……いさじさん……魅音ちゃん……スパイダーマッ!さん……福山さん……!」

辺りかまわず、春香は叫ぶ。
その胸を激しく掴み、眠っているはずの英雄の魂に問いかける。
だが、辺りに人影はいない……誰もいない、故に言葉は何も返ってこない。

「プロデューサーさん……千早ちゃん……真美……真……!
 誰か……ねぇ、誰か……やよい……! 亜美……!!」

夢で出会った、そしてこの殺戮の場に呼ばれている仲間の名前を呼ぶ。
しかし、言葉は返ってこない。
誰も彼女に答えを教える人はいない。
助言を与える人はいない。

「教えて……教えてよ……誰でもいいから、お願いだから……」

草原に、虚しい問いかけだけが木霊する。
答えなど見つかるはずもない、虚しい問いかけ。
ずぶ濡れになり、まるで雨に打たれた子犬のように弱弱しく。
少女は泣き腫らしながらただ意味もなく問い続ける。
その光景を、デイパックから投げ出された英雄のギターだけがただ静かに見守っていた。
【D-3 川辺/一日目・真夜中】
【天海春香@THE IDOLM@STER】
[状態]:左腕欠損(傷口は完治)。重度の疲労。全身打撲。ずぶ濡れ。精神不安定。
[装備]:シルバースキン@真赤な誓い、洞爺湖の木刀@銀魂
[道具]:陰陽玉*2@東方project 、支給品一式*3(食料・水一食分消費)、DIGIZO HYPER PSR(残り二十分程度)@現実、上海人形、花粉防止用マスク、
テニスボール*2、雛見沢症候群治療セット1.5日分(C-120、注射器、注射針)@ひぐらしのなく頃に、首輪探知機(残り電池80%)@バトルロワイヤル
[思考・状況]
基本行動方針:私じゃ誰も守れない?
1.みんなを守りたい、けど……
※身体能力が、少し向上しています。本人は気付いていません。
※ダブル武装錬金については知りません。
※アイスソードを呪われた魔剣だと認識しています。
※付近に春香の叫びが聞こえている可能性があります。
418 ◆0RbUzIT0To :08/02/08 21:43 ID:gZjAydnA
支援ありがとうございました。
これにて投下終了です。

……あんまり欝な感じに出来なくてごめんなさいorz
419Classical名無しさん:08/02/08 21:48 ID:1WbJQr12
誤字は一箇所だけあったかなぁ誤字スレの方に。…乙でした!
結構進んでるなぁ…一応、クリサリモンとの遭遇が考えられるワケか。
420Classical名無しさん:08/02/08 21:55 ID:t/tcT1aw
乙!
まず言いたいのはつかさ黒すぎだろ!!
ある意味マーガリンより恐ろしいww
421Classical名無しさん:08/02/08 21:56 ID:37/ExW6g
投下乙!
一瞬閣下ヴィクター化が頭をよぎったが別にそんなことは起きなかったぜ!
422Classical名無しさん:08/02/08 21:59 ID:e5ky15sE
乙!
みwwおwwwんwwwwww
423Classical名無しさん:08/02/08 22:04 ID:60ljZ6TA
乙!
みおんwwwwwwww空気嫁wwwwwwwwwwwww

そしてつかさの恐ろしさは最早当ロワトップクラスではなかろうか。あんたホントに一般人ですか
424Classical名無しさん:08/02/08 23:01 ID:2ZyUfMVo
投下乙!
つかさが……黒いってどころの話じゃねえぞ!
ゴマモン再びな展開になるんじゃないかとハラハラしてたぜ。
425Classical名無しさん:08/02/08 23:09 ID:u9QJLLUA
乙です
これは続きが気になる展開
426Classical名無しさん:08/02/09 01:19 ID:0nIoVBvI
投下乙。
つかさ黒すぎwww
こなたが知ったら卒倒もんだろこれ。
精神攻撃って恐ろしい。
427Classical名無しさん:08/02/09 01:33 ID:XRFWlrsQ
これはつかさが黒いw
さっき漫画ロワのつかさを見たばっかだったからそのギャップに軽く吹きそうになった。
428Classical名無しさん:08/02/09 04:32 ID:ruP2FzQs
>>426
しかしこんなつかさでも、こなたなら付き合えそうな気がしてくるから不思議w
あれ?でもいじめられる動画も有った気が・・・うん、あれは二人掛のせいだね、つかさだけなら大丈夫・・・たぶん
429Classical名無しさん:08/02/09 08:57 ID:mqlVKxMs
さあ、第二の激戦区が生まれそうです

         真・驚きの黒さ                  
             ピコマリ 闇AIBO+\(^o^)/みおんw ムスカ               
              阿部     エアーマン クリサリモン
                    閣下

 \(^o^)/城組     TASケラ   \(^o^)/搭組     
                           ハルヒ

                 マーガリン
430Classical名無しさん:08/02/09 10:16 ID:YycKhyCo
みおんやべえw
431Classical名無しさん:08/02/09 12:24 ID:nq6KuWDs
地味な事だが遊戯君って呼び方がいいな
二人ともおそらく見た目で年下だと思い込んでるに違いない
432Classical名無しさん:08/02/09 12:47 ID:Si8dVU2I
>>427
あっちもライダー死んだ辺りで軽く暴走しかけたけどな
433Classical名無しさん:08/02/09 15:00 ID:S0MsGELk
>>431
王様はそれなりに身長あるんだぜ?
AIBOはモクバよりも低いが
434Classical名無しさん:08/02/09 15:40 ID:H41gf.L6
私の日課はパロロワ巡回。
大抵のことには動じないが今回のつかさはキてた。
さて、今日もニコロワwikiでも……


    /\___/ヽ   ヽ
   /    ::::::::::::::::\ つ
  . |  ,,-‐‐   ‐‐-、 .:::| わ
  |  、_(o)_,:  _(o)_, :::|ぁぁ
.   |    ::<      .::|あぁ
   \  /( [三] )ヽ ::/ああ
   /`ー‐--‐‐―´\ぁあ


ジェバンニ本気出すの自重してくれwwwww
435Classical名無しさん:08/02/09 15:57 ID:vq4.98Wo
>>434
ほうほう、なんだ絵板に昨日の投下分のSSが来たんだな。
どれ、少し見てみる………

    /\___/ヽ   ヽ
   /    ::::::::::::::::\ つ
  . |  ,,-‐‐   ‐‐-、 .:::| わ
  |  、_(o)_,:  _(o)_, :::|ぁぁ
.   |    ::<      .::|あぁ
   \  /( [三] )ヽ ::/ああ
   /`ー‐--‐‐―´\ぁあ



心臓が弱い人は見るな!絶対だぞ!!
436Classical名無しさん:08/02/09 16:25 ID:qn/PjgZs
>>435
上島乙ww
どれどr………

    /\___/ヽ   ヽ
   /    ::::::::::::::::\ つ
  . |  ,,-‐‐   ‐‐-、 .:::| わ
  |  、_(o)_,:  _(o)_, :::|ぁぁ
.   |    ::<      .::|あぁ
   \  /( [三] )ヽ ::/ああ
   /`ー‐--‐‐―´\ぁあ
437Classical名無しさん:08/02/09 16:39 ID:EXLyCxAI
心臓弱い人ってそんなにすぐ死ぬもんなの?

カイジに見えた自分に合唱。
438Classical名無しさん:08/02/09 17:14 ID:0nIoVBvI
ニコロワは大変な闇つかさを生み出していきました。
かよわい一般人のはずがいつの間にかトップマーダーで、凄い支援絵沢山描かれちゃったりして……。

優勝しちゃえよw
439 ◆jU59Fli6bM :08/02/09 18:01 ID:zZPzYjEs
今日は投下ラッシュだったりするのかな
萃香とロールとニーKAS投下しようと思います
440Classical名無しさん:08/02/09 18:04 ID:H41gf.L6
東方支援組曲スタート
441砕月 ◆jU59Fli6bM :08/02/09 18:07 ID:zZPzYjEs
「ふう〜、食った食った!俺食料持ってないから助かったっぜ!」
「おまwwパンで満腹かよww俺は物足りなすぎる、なあロールちゃんwww」
「だからってグルメテーブルかけを使おうとしないで下さい!」

もうそろそろ真夜中。萃香さんが塔を出てから随分と時間が経ちました。
あれから私はこの相変わらずの騒がしさの中で過ごしています。
宴会っていうのも楽しそうだし、本当は萃香さんが戻ってから食事をしたかったんですが…。

「萃香さん、遅いですね…。仲間を連れてくるだけって言って…」
「不利なだけかと思ってたが我ながらなんという節約法ッ!!体がミクロンならパン1個で十分でっていう!」
「うはwwなんという新事実wwお前本当はもっとでかいのかよwww」

はあ、聞いちゃいない…。
どうやらお互いかなり意気投合したようで、ずっとこの調子。
初めは騒がしいのがまた増えて手に終えないと思ってたけど、逆に2人で勝手に盛り上がってるから私が疲れる頻度が減

ったみたいです。
結果的には一安心、だけど…何だかこうなると寂しい気もするなあ…。

まあそんなわけで、萃香さんが待ち遠しい私は塔の下を監視中です。
脱出の為の話し合いも、あの2人とじゃまともに進まないだろうし、揃ってからがいいですよね。
萃香さん、何か面倒なことに巻き込まれてないといいけど…。
442砕月 ◆jU59Fli6bM :08/02/09 18:07 ID:zZPzYjEs
「なんか俺もう眠いから寝るわwwwお前護衛だし後は頼んだwww」
はいはい、あなたは寝てたほうがいいですね。これでやっと静かになる…。
「ちょwww待てww俺だって疲れてんダルシム!って少しお前の口調うつっちまったじゃねーかこのスットコドッコイ!」
って、KASさんもいたか…もう少し静かにならないものですかね…。

どうせ寝るならロールちゃんの膝枕がいいwwwと言って寄ってきたニートを軽く沈め、私は再び外を覗いた。
すると月明かりでわずかに写し出される下の風景に、動くものが。
「あっ、萃…!」
大きな角のシルエットが見えて、思わず大声を出しそうになるのをすんでの所でおさえる。
危ない危ない、辺りに誰が潜んでるか分からないんでしたね…。
って、あれ?登って来るのかと思ってたら塔の前を素通りしてる?
何かあったんでしょうか?そういえば、仲間っていう人は…。
もう一度萃香さんの影を目を凝らして見えたのは、萃香さんにしては不自然な影。
連れてきた仲間かなぁ…それにしてはぐったりしてるなぁ。
仲間の人を背負って、どこへ行くんでしょうか…。

「え?」

そう思ってから私は気づきました。
それが悪い予想でも、どうしても気づいてしまったんです。
…あの人が動かないのは何でかって。

「ニ、ニート!、KASさん!萃香さんが着いたみたいなので、ちょっと行ってきます!」

私は、どうしても気になって、いてもたってもいられずに走り出した。
なんでだろう…何か、嫌な予感がする。

443Classical名無しさん:08/02/09 18:10 ID:eLjqYHQ6
つるぺたは希少価値支援
444砕月 ◆jU59Fli6bM :08/02/09 18:10 ID:zZPzYjEs
「何だ?ロルーちゃんとやらはやけに急いでるナポリタン!お前もそう思わないか!」
「……ZZZ…」
「こ、この無職…!さっき天昇したかと思ったらそのまま寝てやがるッ…!」
「ZZZ…萃香ちゃんも…来る仲間も俺の嫁…」


【E-4 塔内部/一日目・真夜中】
【KAS@KAS動画】
[状態]:チビマリオ、右拳骨にヒビ、お尻に火傷、やっぱりハイテンション、 強い決意と熱い闘志(?)
[装備]:スパイダーブレスレット@東映版スパイダーマン、バーサーカーソウル@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ
[道具]:支給品一式(食料全て消費)
[思考・状況]
1.一応ロールの護衛をする。でも早く海馬達の所に行ってバグの事を色々教えてやりたい
2.主催者をぶっ飛ばす前にTASと決着をつけたい
3.あいつ(谷口)の死の責任を取る!!
4.このカード、あいつの仲間に渡したいけどどいつが仲間なんだろ?
5.このクソゲーをぶち壊してボスのスットコドッコイを倒して土下座させて
悪い奴以外全員生き返らせるぜ!!!!
※第三放送を禁止エリア、死亡者共に聞き逃しました。一応禁止エリアの方は最後の−4というところだけは聞こえました。
※チビマリオ状態ですがマント、フラワー、キノコの何れかを手に入れれば元の大きさに戻ります。
※放送により、ニコニコ動画に関する記憶が徐々に戻ってきています。


445砕月 ◆jU59Fli6bM :08/02/09 18:11 ID:zZPzYjEs
【ニート@現実&新世紀 東方三国志〜ひぐらしの憂鬱〜】
[状態]:疲労、SOS団名誉会員、頭にたんこぶ 、熟睡
[装備]:ケンジのカメラ@ポケットモンスター、塊@塊魂
[道具]:支給品一式(水無し)、うまい棒、津田英治ブロマイド(音声付き)@大変な途中下車シリーズ)
[思考・状況]
1.朝まで起こすなよなwwwww
2.ハルヒとトミーどこにいるんだろうなwwww
3.部下たちとか知り合いとかとっとと探すかwwwwww?
4.またロールちゃんに嫌われたぜwwww
5.あの化け物(レッドベジーモン)どうなったんだろうなwwwwww
[備考]
※ニートは性能がへっぽこなので、技能はほとんど成功しませんが、楼船・教唆の技能は、能力に無関係な技能なので
、通常通り発動します。
※海馬、外山に関しては「社長」「活動家」として名前を覚えている為、ニートには認知されていません。
※ニートは馬鹿なので駅で体験した事も次第に忘れていきます。
446砕月 ◆jU59Fli6bM :08/02/09 18:12 ID:zZPzYjEs



「何なんだよ…これ」

私は今…生き物だったモノが大量に散らばっている赤い草原を目の前にして立っている。
見渡す限り、バラバラの肉塊と、そこから飛び出している内臓と、その周りを染めつくす血と狂気の幻想模様。
いくら殺し合いの場だからといっても、いくら人間をさらって殺してきた鬼の一族だからといっても、私はこのあまり

に異常な風景を受け入れることができないでいた。
幻想郷の人食い妖怪でも、これほどのことをしでかす奴は誰一人いないだろう。

…どうしてこんな所に来たんだっけ?
あいつらはここにティアナを埋めたがっていたんだっけ?

あまりに呆然としていたので、ティアナを持っている手が緩んでいたことも分からなかった。
ティアナの体がガクンと背から滑り落ち、私はようやく我に帰る。

「おっと、すまない。…そうだよな、あいつらがこんなことやれる訳無いよな…」

落ちついてよく見れば、目印だと言っていた鉈も見当たらない。
他の誰かがここに葬ったあいつらの仲間を掘り返し、鉈を使ってバラバラにしていった。
そう考えるのが自然だろう、だけどそうする理由が分からないな。
よっぽど狂った奴がやったことなのだろうから、理由など無いに等しいかもしれないけど。

「なら、私は…もう一度土に戻すしかないか。あいつらにこんなの見せられないしな」
447砕月 ◆jU59Fli6bM :08/02/09 18:14 ID:zZPzYjEs
こうして私の大仕事は始まった。

元々埋まっていただろうと思われる穴をいくつか見つけ、その周りに体の一部であった肉片を運ぶ。
にしても…多いな。一体何人埋まっていたんだ?
歩くたびにグチャッ、プチプチと音が鳴る地面に顔をしかめる。
よく見えないけど…内臓とか脳みそを踏んでいるんだと思う。
夜で良かった。
こんな絶景、私でも直視は願い下げだね。
今だって本当は勘弁して欲しい感じだ。それに元々ここまでやる義理なんて無い。
でも私はやるべきだと思ってやっている。勝手に穴を掘り返してるのは私も同じ。
だから今のこの作業は私が"やりたいこと"になるんだと思う。
変な話だけど、ね。


運べるものは残らず集め、半ば転がすように穴に埋めていく。
乾いた血が地面に付いて固まり、一部のものは引き剥がそうとすると簡単に形が変わる。
まだ乾いていない血濡れの肉塊も気持ち悪い音をたてて落ちていく。
正直、いちいち気にしてたら簡単に狂ってしまうだろう。
私は何も考えないように勤め、ここに埋まっていた人数を数えながら淡々と作業を続ける。
体は誰のものだか分からないほど無残な状態だったから、私は唯一その人のものだということが分かる"頭部"を数えて

いくことにした。
448砕月 ◆jU59Fli6bM :08/02/09 18:15 ID:zZPzYjEs
1…元は腕だったらしいモノに、草が絡まっているのに気づいた。これに気付かないほど驚いてたのかな、私…。
2…ほとんど全員の体に草や蔓が絡まっている…寄生してるのか。
3…腸って運びにくい…放置。
4…千葉って言いにくいよね…。
5…血の腐ったような臭いがきつい…息苦しい。
6…人間じゃないけど。
7…頭はこれで最後…かな。

……7?

これ全員、あいつらの仲間なの?
いや、いくらなんでも多すぎる。誰か乗っている奴で、よほど激戦区だったのかな…。
…いざ考察しようとすると、頭が割れるような臭いが気になって考えるどころじゃなかった。
まあ、いいや。そろそろこの仕事も終わる。
後はティアナを埋めれば終わる。
そうしたら、さっきのと今の出来事を早く塔のみんなに伝えないとな…。
そう思いながらまた別の穴を見つけ、血のかからない場所に置いたティアナを埋めようと振り返った時。


一番会いたくない人物と目が合った。

449Classical名無しさん:08/02/09 18:17 ID:H41gf.L6
伊吹萃香の憂鬱
450砕月 ◆jU59Fli6bM :08/02/09 18:17 ID:zZPzYjEs
「ロー、ル…?」

懸命に動いて火照った体が、一気に冷えていくように感じる。

「萃香…さん…なんで…?」

何で…こっちが何でだよ、何でここにいるの…?
もう少しだったのに。もう少しで終わっていたのに。…まさか、始めから見られていたの?

「ひと…ころして…こんな…」

誤解だ。
そう言おうとしても、口が動かない。
あまりに予想外のことに、私は何も言えずにただ立っている。
言ったとしても、私の体は、手は、白かった服はこんなに真っ赤に染まっているから、弁解なんてできない気がした。

「…嘘、ですよね?…嘘だったん…ですか?」


嘘。

私が一番嫌いな言葉。
「嘘なんてついてない!」
今度は自然と大声が出た。そんな誤解だけは、御免だ。
歯を食いしばって、ロールの元へ歩いていく。
ロールの体は静かに後退りをした後、震えが走ったように見えた。
451砕月 ◆jU59Fli6bM :08/02/09 18:17 ID:zZPzYjEs
「ロール、話を聞いてくれ。私は…!」
「あ…あぁ…、いや…!来ないでッ!!人殺し!!!」

私が伸ばした手は空を掴み、ロールは塔に向かって走り去っていく。
残された私は、ただ後ろ姿を見送ることしかできなかった。




どうすればいいんだろう。
ロールにはあの状況が理解できなかったはずだ。けど私が嘘つきの殺人鬼に見えたのは事実だ。
塔に戻ってから話しても信じてくれないかもしれない。
…ニートやKASとやらは、ロールから話を聞いたらどう思うのだろう。
私から逃げるようにいなくなるんだろうか。他の奴らに嘘つき鬼だと言いふらすんだろうか。

急に不安の波が押し寄せてくる。
それに押し潰されそうになりながら、なんとか残った仕事であるティアナの埋葬を済ませた。
再び土へ還った死者達に向かって手の平を合わせ、先ほど見つけた墓標を立てる。
ようやく一仕事終えることが出来た。
血で汚れた服をまた新調し、手や足に付いた血も分離させる。…その血の量に嫌悪感を覚えた。
452砕月 ◆jU59Fli6bM :08/02/09 18:21 ID:zZPzYjEs
私はあいつの、ティアナの遺志を継ぐと決めたんだ。
我ら鬼は嘘なんてつかない。
誤解を与えてしまった以上、ロールをどうにかして説得しないと私は嘘つきの称号のまま知れ渡ってしまうだろう。
それにロールとニートの護衛、その約束も破るつもりはない。
あいつらが疑おうが、私は筋を通す。
結局は行動で示すしかないんだから。

そして、もう一度ティアナの墓に目を向けた。
「あいつらに頼まれた分、確かにやり終えたよ。寝心地は良くないかもしれないけどね。
…心配しなくていい。約束は守るよ」

そう言って私は覚悟を決める。踵を返し、塔に向かって歩き始めた。
453砕月 ◆jU59Fli6bM :08/02/09 18:21 ID:zZPzYjEs

【E-5 草原/一日目・真夜中】
【伊吹萃香@東方Project(つるぺったん)】
[状態]:精神的疲労、軽い怪我、体力中回復、妖力小回復、魔力中回復、機動六課代行
[装備]:ミニ八卦炉@東方project
[道具]:支給品一式*2(食料、水1食分消費)、秘密の鍵@スーパーマリオワールド、ワイン
A.C.E.3@現実(少し詩音の血がついている)、DMカード(エネミーコントローラー、融合)、塔組の推理メモ
[思考・状況]
1.塔に戻って、ロールを説得する。(城へは必ず向かいたい)
2.機動六課の意地とやらを、自分なりに考えて主催者にぶつける。
3.負けたからには、ニートに従うとするか
4.つるぺた保護。ついでにニート保護。
5.阿部のことは・・・あいつなら無事だろうから保留。
6.巨乳死すべし?
7.せっかくなので腕試し。主催者と戦いたい
8.貧乳はステータスだ!希少価値だ!
※巨乳に対する絶対的悪意が薄れつつあります。
※自分の心境の変化は、なのはのリンカーコアを取り込んだ影響だと思っています。真偽はわかりません。
※リンカーコアの黒い部分によって、なのはの性格が変わっていたのではと推測しました。真偽はわかりません。
※塔組と情報交換しました。 KASの情報は、海馬の名前しか知りません。
454砕月 ◆jU59Fli6bM :08/02/09 18:26 ID:zZPzYjEs



こんな、こんなのありえない。

私は、萃香さんの背負ってる人が死んでるんじゃないかって、埋めに行くんじゃないかって、そう思ったけど、だけど、信じていたのに…
萃香さんの背負っていた人は、嫌いと言っていた胸の大きい女の人だった!
元々仲間なんていなかったんだ。ニートとの約束を破って、殺してきたんだ!
何が「鬼は嘘はつかない」だ、嘘ばっかり!

でも、それより私の心を占めていたのは…あの場所で見たもの。
あの時萃香さんがやってた、あれが何かなんて、わかりたくもない。
思い出したくないのに、さっきから頭の中をぐるぐる回っている、あの光景。
思考回路がショートするような、あたまがからっぽになるような、もうよくわからない。
わからないけど、わからないけど、あんなの、くるってる。

あんなにいやなにおいがあるわけないじゃないですか?
あんなにきもちわるいおとがずっときこえるわけないじゃないですか?
じめんがあんなにまっかなわけないじゃないですか?

すいかさんがちまみれで、うでのきれはしをにぎってるわけないじゃないですか?


…狂ってる。
それが嫌だから私は走り続けてるの?
私の頭の中を、何度も何度も同じ光景が覆い、私をその中に沈めていく。
もう、何がおかしくて、何が普通なのか分からない。

臭いも、音も、真っ赤な血の色も、…それを平然と映し出す月も、 みんな。
455砕月 ◆jU59Fli6bM :08/02/09 18:27 ID:zZPzYjEs
【E-4 塔前/一日目・真夜中】

【ロールちゃん@ロックマンシリーズ】
[状態]:健康、軽度の精神的疲労、ニートマスター、萃香への疑心、少し錯乱状態
[装備]: AK74(17/30)@現実、予備弾薬各100発@現実
[道具]:支給品一式(水一本消費)、バルサミコ酢@らき☆すた、グルメテーブルかけ(残り20回)@ドラえもん ノートパ

ソコン(バッテリーほぼ消耗)@現実、
マネキンの腕、傘@現実 塔の『バグ』について纏めた紙
[思考・状況]
1.塔に帰って2人に萃香のことを伝える
2.ニーKASから得た情報をどうすれば生かせるかな。とりあえず紙に纏めたけど
3.ハルヒさんを助けて、富竹さんを治す。どこにいるんだろう。
4.ニートもKASももういいよ
5.遊戯達の知り合い(海馬他)も探す
6.ロックマンと再開したい
※ニートの扱いを何か悟ったようです。これからはあまり疲れることはないでしょう。



※E-5に7人分の体を埋めた墓と、ティアナの墓があります。
456Classical名無しさん:08/02/09 18:30 ID:H41gf.L6
遅すぎた支援
457 ◆jU59Fli6bM :08/02/09 18:32 ID:zZPzYjEs
投下完了です。
あまり鬱グロにできなかったけど、書いてて疲れた気もしました。
支援ありがとうございました。
458Classical名無しさん:08/02/09 18:49 ID:0nIoVBvI
投下乙。
すいか……ようやく対主催らしくなってきた所で、最悪な場面を見られてしまったな……。
そしてロールちゃんがやばい。
ただでさえ馬鹿二匹の世話でいっぱいいっぱいなのに……。
ロックも死亡してるし、放送後は暴走してもおかしくないな。
更にマーガリンの魔の手が迫る。
これは面白くなってきたぞ。
459Classical名無しさん:08/02/09 19:11 ID:q1aL68gA
投下乙
Suica、対主催になったのになんという仕打ち
マーガリンの計略もあいまってこれは面倒なことになりそうだな
460Classical名無しさん:08/02/09 19:27 ID:9BVUETi6
投下乙
あれ?マーガリンが手を下さなくとも、既に分裂の気配が……
がんばれロールちゃん!
461Classical名無しさん:08/02/09 19:53 ID:q1aL68gA
マーガリンはSuicaを使ってレナたちのチームを崩壊させようと画策しているから
もしレナたちのとこにロールちゃんが来たら、向こうのチームの崩壊の危険性があるってことさ
462Classical名無しさん:08/02/09 20:02 ID:cJXXqoR2
すいかカワイソス

和解ルートでも壮絶な最期を迎えてしまいそうだ…うっうっ…
463Classical名無しさん:08/02/09 20:26 ID:P.iGGPlY
絵板?
そんなビビる程じゃないだろ?
おれがみてきてやr

    /\___/ヽ   ヽ
   /    ::::::::::::::::\ つ
  . |  ,,-‐‐   ‐‐-、 .:::| わ
  |  、_(o)_,:  _(o)_, :::|ぁぁ
.   |    ::<      .::|あぁ
   \  /( [三] )ヽ ::/ああ
   /`ー‐--‐‐―´\ぁあ
464Classical名無しさん:08/02/09 21:25 ID:AYQNNIC6
固めてきた絆が崩れていきそうだ……
対主催チーム城組以外離散フラグ持ちになるとは……

てか職人はいないかー!
絵版のTOPがあれは精神的にきついー!!
465Classical名無しさん:08/02/09 21:36 ID:3jZ/QPo2
でも伝える相手がニートとKASだし伝えたところで……ニートなんかすぐ忘れそうだし
466Classical名無しさん:08/02/09 21:38 ID:vq4.98Wo
マーガリンの策がうまくいけばいよいよ壊滅だな…果たして。
467Classical名無しさん:08/02/09 21:54 ID:xFhugzZE
それが上手くいかないのがホモ泉流と思わざるを得ない。
468Classical名無しさん:08/02/09 22:19 ID:EXLyCxAI
他のマーダー殺すのは上手いけど、他はうまくいかないね。
HAGA、YOKODUNA、フシギソウとマーダーばっか相手しちゃって…
何気に最も対主催らしい行動してるね。

逆にレナとつかさは…
469Classical名無しさん:08/02/09 22:29 ID:cJXXqoR2
そういえば今の予約状況ってどうなってたっけ?
470Classical名無しさん:08/02/09 22:32 ID:vq4.98Wo
>>469
02/05 ◆IU4EWEf33I 塔組、ハルヒ、チューモン
02/06 ◆irB6rw04uk アリス、彦麿+α

これだけだったはず。
471 ◆IU4EWEf33I :08/02/09 23:01 ID:vusbc.Yg
一応7割ほど書いてみたのですが勝手ながら予約を破棄させていただきます。
想像以上に話のテンポが悪く、時間軸、視点が解りにくくなってしまったのと
リアルの都合で明日から2〜3日折り合いがつかなくなってしまった事が理由です。
長くキャラを拘束させてすみませんでした。
皆様には今回ご迷惑をかけてしまったため、これからは暫く予約を自粛いたします。

本当に申し訳ございませんでした。
472Classical名無しさん:08/02/09 23:33 ID:9BVUETi6
了解です。

あー、色々書きたいけど良いネタがないんだよなー
473Classical名無しさん:08/02/09 23:37 ID:YycKhyCo
>>471
自粛する必要はないと思うよ。
俺なんていつも予約延長してるし…
474Classical名無しさん:08/02/09 23:48 ID:vq4.98Wo
WAWAWA忘れてた〜
昨日◆jVERyrq1dU氏がトミー、霊夢、でっていう予約してた。

>>471
予約破棄は仕方ないとしても、めげないでほしいな。
そりゃ塔組+ハルヒチューモンなんて大所帯は書きにくくて仕方ないさw
475 ◆irB6rw04uk :08/02/10 00:19 ID:FC5GVfgc
今回私は自重できなかった。
一応したらばに落としておきます。
やっちまったZE
476 ◆irB6rw04uk :08/02/10 00:29 ID:FC5GVfgc
投下し終えました……
なんでだ……なんで5回もNGワードに引っかかるんだ
477Classical名無しさん:08/02/10 01:52 ID:4fEYrtPA
遅くなったけど>>367を利用させて貰った。用意してくれてありがとうなんだぜ
478Classical名無しさん:08/02/10 02:41 ID:lOUB1n..
>>477
ウマー乙!
あの杖って殴っても威力高そうだよね…
479Classical名無しさん:08/02/10 03:26 ID:hdbIZQeU
test
480Classical名無しさん:08/02/10 07:35 ID:tRof.Jt2
>>irBさん
投下乙です
あいつら…まさかのお色気担当に…
阿部さん効果オソロシス
481Classical名無しさん:08/02/10 10:51 ID:q5bIlCJQ
こいつらwwwwwwwwフラグ立てやがったwwwwwwwwwバロチwwwwwwwwwww

ってこれって死亡フラグでもあるんj
482Classical名無しさん:08/02/10 17:26 ID:6Tll6Bfk
仮投下乙!
そういやピコ麿達も城に向かってたんだな。
橋を渡らなくちゃいけないから、塔組と合うかもしれんのか。
それ以外だとTASさん以外敵はいないのかな?だとしたら無事たどり着く可能性も有る、か…
483Classical名無しさん:08/02/10 17:48 ID:jH4ntb.k
>>476
仮投下乙。
なんという恋愛フラグ……おのれピコ麿のくせに!ピコ麿のくせにぃぃ!!
>>482
クリサリモンが今南下してるし、精神不安定状態の閣下もいる。
それに対して塔組&アリピコカービィは満身創痍の上に塔組は足手まといばかり連れている。
無事に辿り付けるかどうかはわからんぜ?

それはともかくとして、今入ってる予約分が投下されたら放送いけそうかな?
484Classical名無しさん:08/02/10 18:47 ID:MoyAhYfA
仮投下乙。
アリスはいつからこんなに積極的に……。
ピコ麿が羨ましすぎる。
485Classical名無しさん:08/02/10 19:47 ID:6Tll6Bfk
>>483
そういや城は霊夢&でっていうも帰還してないしなぁ。まぁこっちは特に敵がいないから大丈夫だろうけど…
ピヨシートとやよいも負傷してるし、戦力低いな…
ってか、ひょっとして対主催者の参加者がほぼ全員城に向かってるのか?

今の所、第3放送以後の死者は5人か…流石にペースが落ちたな。
486Classical名無しさん:08/02/10 20:10 ID:lOUB1n..
人少ないし団結してるからね…死んでるのマーダーばっかりか。
そろそろ位置把握したいな。霊夢とでっていうは今どこにいるんだろうか?
487Classical名無しさん:08/02/10 20:49 ID:6Tll6Bfk
パロロワは好きなんだけど、何故かとてつもなく鬱になってしまうのは何故なんだぜ?
全員復活エンド…無いよなぁ…はぁ
488Classical名無しさん:08/02/10 20:51 ID:jH4ntb.k
流石に全員復活エンドは萎えるわ…。
489 ◆jVERyrq1dU :08/02/10 21:17 ID:ccOA/Dlk
レムー達を投下します。支援お願いします。
また長めになっちまったよ。
YOKODUNA討伐を果たした霊夢は、もうする事もないので城へ移動する事にした。
船で得た情報を早急に海馬達に伝えなければならない。
ヨッシーに車の運転を任せている。危なっかしいのでスピードは遅めだ。

「霊夢さん、やっぱりお腹空きませんか?」
ヨッシーが何も気にしない様子で平然と言った。
またか……。私は内心毒づく。
この恐竜には自分の食欲のせいで何度も面倒をかけて申し訳ないとかいった気持はないのだろうか。

YOKODUNAを排除した後、ヨッシーが腹が減ったと言ったので霊夢は自分のパンを少しだけ千切ってあげた。
そして、城に着いたら海馬達が食料を用意して待っているから頑張ろう、
といった意味合いの事を根気強く伝え、ヨッシーを納得させた。その数分後にまた『腹が減った』である。

……いい加減イライラするわよ。全く……。

ヨッシーの隣の助手席には私のデイパックを乗せてある。
空腹に加え、隣には決して手をつけてはならないパンの入ったデイパック。ヨッシーは辛そうだ。
その事について、私の心に罪悪感はない。陰湿?確かに陰湿ね。
あーあ、YOKODUNAと戦う前まではそんなにうだうだ言わなかったのになあ。
あの頃はヨッシーなりに空気を読んでてくれてたのかもしれないわね。

「ちょっと霊夢さん無視ですか?私、お腹空いて死んじゃいそうですー。ここは町だから何か食糧があるかもしれませんよ?」
「あー!もう五月蠅い!あんたってほんとに食欲だけね!さっさと城に戻らないと海馬達が心配するでしょ」
「そそそ、そんなこと言ったって……」
ヨッシーは口ごもり、困った顔をして自身の腹を押さえている。ヨッシーの腹がぐ〜と間抜けな音をたてた。
491Classical名無しさん:08/02/10 21:21 ID:jH4ntb.k
自動支援シーケンサ
さすがに言い過ぎたかな……。私は少しだけ反省する。
何度も何度もしつこく腹が減った腹が減った、と言ってきたヨッシーだったが、一応、彼に非はない。
それがどれだけ強大であろうと、空腹は所謂、生理現象なので仕方ないと言えば仕方ない。
ヨッシーは悪い事など何もしていない。

「ヨッシー」
私はなるべく優しい声を出そうと努めた。
「確かに町だから食糧がどこかにあるかもしれないけど……町は危険よ。私の戦闘音を聞きつけて危ない奴がやってくるかもしれないわ。
私達はあの船で得た情報を海馬達に届けないといけない。だからさっさと城n」
「食べ物の匂いがします!!!」

私の言葉を遮り、ヨッシーはこの殺し合いには不釣り合いな甲高い声を上げた。
何普通に大声出してんのよ……。今私、戦闘音を聞きつけて危ない奴が来るって言ったわよね……?
話聞けよこの爬虫類め。大きな音を立てるのはまずい事なのよ。

私の心中の思いなどもちろん知らないヨッシーは、どこから食べ物の匂いが漂って来ているのかと
車の窓から顔を出し、首をあちこちに回してキョロキョロしている。

「霊夢さん。わわわ、私行ってきますね。ここで待ってて下さい。すぐに戻ってきますから、二、三分で!」
ヨッシーは早口でまくしたて、車から降り駆けて行く。どうしてそんなにどもるのよ。
「ちょっとどこ行くのよヨッシー!単独行動はやめた方がいいわ」
私の言葉に気づいたヨッシーは足を止めた。やった……思い直してくれた。あいつに単独行動なんてされたらたまったものじゃないわ。
でも良かった。なんとか未然に防げたわ。ヨッシーも空気読めるじゃない。
「間違えて二つ持って来ちゃいました!!霊夢さんの返します!」
ヨッシーは私の期待を完全に裏切り、背中に乗せていた私のデイパックをこちらに投げて来た。
そしてそのまま駆けて行く……………ああッ!もうッ!

 ▼ ▼ ▼
猛スピードで走り、霊夢の姿が見えなくなったのを確認し、近くの民家に入った。
空腹の割にはご満悦の表情である。その秘密はヨッシーの持つデイパックにあった。

フヒヒヒヒ……これぐらい離れればいいかな。
私は背中のデイパックを下ろし、中から共通支給品であるパンを取り出しました。
実はさっき、霊夢さんに投げ渡したのは私の、食料の入っていないデイパックだったのです。
だから霊夢さんのデイパックは今ここにあります。パンがいっぱい入ってますねぇ。
さて、早くしないと気づかれてしまいます。

「いっただきまーす!」

私は舌を伸ばしパンを一口で飲み込みました。ああうまい。久しぶりのこの感じ……最高だ!
私は次々にパンを食べていきました。一応、一個ぐらいは残しておくつもりですけどね。
霊夢さんは怖いからこんな事がばれたら大変です。ばれないようにしないとね。

「ふぁあ、ふぉふぇいふぃへふぉふあひはふぁ(ああ、それにしてもうまいなあ)」
私は口をパンパンにして呟きます。
『おいそこのトカゲ野郎』

「ふぉ?」
あれ今何か聞こえたような……。トカゲ野郎って誰の事だろう。
『無視するんじゃねえトカゲ。俺をさっさと霊夢の所に戻せ。
折角デイパックの中から霊夢の腋を眺めていたってのに何してくれるんだ!』
あれ、何でしょうかこれ。拳銃が喋っています。
「ふぉおへほふぃイフェ不ふぇほほふふぁふぉふぁふぇあふぁふぃry
(どうでもいいですけど私はトカゲじゃないです。スーパードラゴンのヨッシーですよ)」
『日本語でおk 何でもいいから俺を霊夢の所に戻せ!二度とお前なんかの背中に乗りたくない!
俺は霊夢に装備して欲しいんだよぉ!レイハなんか引っぺがして俺を装備しろって霊夢に言え!
俺は霊夢の裸が見てえんだよ!間近から腋巫女を堪能したいんだよボケ!
今までずっと肉ダルマの傍にいて鬱憤が溜まってんだよ!』

ああ、なんかうるさいなあ。レイハさんと似たようなものなんですかねぇこれ。
私は口の中のパンを全て飲み込み、爪楊枝でシーシーやりながら言いました。
「そんなに裸が見たいなら私を見ればいいじゃないですか。いつでも裸ですよ私は」
『……殺すぞ。どこの世界に爬虫類の裸を見て興奮する変態がいるんだよ!
霊夢だ!レ、イ、ム、の、ハ、ダ、カ!!ああ!さっさと拝みてええええええ!!』

「見たいなら自分で霊夢さんに装備してって言えばいいじゃないですか。
裸ぐらい見せてくれますよ。私だっていつも裸でしょ?」
シーシーやりつつ言いました。これってあれですかね。この拳銃は所謂変態って奴ですか?
まあ、裸ぐらいいいんじゃないでしょうかね。私、いつも裸だし……。

『トカゲの裸とかわいい女の子の裸を同じに考えるんじゃねえええええ!!
ありがたみが違うんだよ!価値が違うんだよ!頭おかしいのかお前は!!』

なんか大きい声で騒いでいますが怖くありません。だってただの道具だしね。
とにかく食事の邪魔をしないで欲しいです。私は舌を伸ばし、また一つパンを平らげました。
「ふぉ、ふぉくふぃ……食事の邪魔はしないで欲しいですね……(モグモグ)」
『クソ、やっぱりお前、デイパックの中から観察していたが、食欲だけしかないんだな……』
495Classical名無しさん:08/02/10 21:24 ID:jH4ntb.k
自重しないコンビ自重しろwwww支援

『あ、そうだいい事思いついた』
私は銃の呟きを無視し、パンを食べ続けました。ああ、もうちょっとでなくなるぅぅぅ。

『……話だけは聞いてくれ』
「ふぉ?」
これが最後だと思い、口の中にパンを詰め込みまくった私に向かって拳銃は語りだしました。
『いいか?俺の目標は霊夢の裸を見る事。つまり装備してもらう事だ。
俺だって初めは装備してくれってデイパックの中から言おうと思ったさ。
だが、ターゲットにはすでにレイハの奴が張り付いているじゃねえか。しかもこう、なんというか、信頼関係にあるように思える。
だから俺は慎重に行こうと考えたわけだ。する必要もないのに、いきなり装備してくれってデバイスの方から言うのはおかしいだろ?』

「ふふぁふふぃふ!!(うますぎる!!)」
やばいやばいこのパンうますぎ。霊夢さんのパンうま過ぎですよこれ。
今までずっと我慢させられてきたからかな?あ、まだ拳銃さん言ってたんだ。

『それくらいの事はお前にも分かるか。安心したぜ。
で、だ。お前から俺を推薦してもらえないか?『試しにクロミラ装備してみれば?』ってな。
まあ、『試し』って言っておけば霊夢にも断る理由なんてないはずだ』

「ふぁ!!」
やべ、もうあと一個しかない。うう、一つくらい残してなきゃ霊夢さん、切れますよねぇ。

『見たいんだよ……ヨッシー。俺は何としてでも腋巫女の裸を目に焼き付けたい。
俺の事を変態だと笑うか?笑われてもいいさ。俺は真剣なんだ。大マジさ……。
女の子を裸にしてレ○プする事が……俺の使命だからな……』

真剣な口調で、若干カッコつけてクロミラさんは言っています。
「真面目にそんな事言わないで下さいよ」
『俺は真面目なんだよ!正直言えば裸なんかじゃ全然物足りないね!
俺は霊夢をレ○プがしたいんじゃ!パンツ脱がしたいんじゃ!セクハラしてやりたいんじゃ!
霊夢の体をもうめちゃくちゃに触りまくってやりたいんじゃ!合体してええええ!』

そんな事言ってもねえ。もしかしたら私が怒られるかもしれません。あ、そんな事よりも。
「私があなたを霊夢さんの所に持っていったら、霊夢さんのデイパックを盗ったってばれるじゃないですか!」
『その点は心配ない。霊夢は肉ダルマのデイパックを逆さまにして、中身をそのまま自分のデイパックに入れていたんだ。
確認なんてほとんどしてないはずだ』
「……ほんとですか?」
『本当だ。確認は城でするつもりなんだろ、多分。で、協力してくれるんだな?』
「それとこれとは話は別ですよ」

クロミラさんはオーマイガッとか言って嘆き始めました。
なんだか本当に悲しそうです。でも、そんな事に協力したら私が怒られるかもしれないじゃないですか。

『どうしてだヨッシー!お前もオスだろ!?女の体を見たいって言うのは男として当たり前だろ!?』
「でも私と霊夢さんはこう、別の生き物なんですよ!」
『バーロー!種族の差ぐらい性欲で乗り越えろ!頼むから考え直してくれよ!
お前だって霊夢の裸を見たいだろ?何でもいいから協力しろ!殺し合いするよりエロい事した方が楽しいだろうが!』

霊夢さんの裸……うーん別にどうでもいいですねえ。
でもクロミラさんは物凄く真剣だ。心から見たいと願っている。
熱意だけは確かに伝わってきていますよクロミラさん……。
「…………だが断る 面倒くさいです」

私の返事を聞いた瞬間、クロミラさんは沈黙しました。
そして時折、嗚咽のようなものが聞こえてきます。まさか泣いてる?

『ううう……俺一人でどうやって霊夢を裸にすればいいんだ。
くそう、あのレイハの野郎さえいなければどうにでもなったのに……ちくしょぉ……』
やっぱり泣いていました。うう、これは断った私も辛い。気まずい。
「さ、さっさと帰りましょうクロミラさん」
私はデイパックを背負い、クロミラさんを手に持ち、立ち上がりました。
少し時間がかかってしまった。霊夢さんが怪しんでいるかもしれない。

私は民家の出口の方に足を進めました。その時です。私がドアを開ける前に誰かが外からドアを開けました。
入ってきたのは男です。暗くてよく分かりませんが、首の辺りに大量に付いているのはもしかしてケチャップ?
凄く……旨そうだ。

「話は聞かせてもらったぞ! 協力しよう!僕はその子の裸を盗撮する!」

 ▼ ▼ ▼
時は遡る……

僕は何かの爆発音を聞き、警戒のため民家に身を潜めていた。
耳を澄ましていると、激しい戦闘音が次々に聞こえてくる。
拳銃を撃ったとかいうレベルではないのは明らかだ。もしかして人間以上の化け物が暴れているのかもしれない。
化け物というのも案外あり得ない話ではないのだ。ロックみたいなロボットもいたのだから……。

しばらくすると戦闘音は聞こえなくなった。決着がついたのか、それとも、片方が逃げたのか……。
499Classical名無しさん:08/02/10 21:30 ID:jH4ntb.k
支援めくれえええ!!
「終わったみたいだ……」
僕は民家の窓から出来るだけ広い範囲を見渡し、様子を見た。
辺りは静かで、見たところ安全だ。

今すぐ動くのは危険か?……いや。
早く薬局に行って全身の傷を治療したい。体中が激痛に襲われて思うように動けないからだ。
ハルヒさん(永琳)ならこの傷もうまく治してくれるはずだ。だから……警戒しながら行くか。

僕は激痛に耐えながら懸命に歩き、ようやく薬局に辿り着いた。
辺りを警戒する事は勿論忘れていない。残念な事にハルヒさんはいなかった。中ももぬけの空だ。
地下に降りてみると、ご丁寧に肝心の薬まで誰かに盗られたのか、ほとんどなくなっている。
それでも少しは残っていたので僕は全身の傷に一つずつ応急処置を施していった。

こんな事しても僕はもう終わりかもしれない。
ニート達に飲まされた薬のせいで首の痒みが止まらない。どんどんひどくなっていく。

「クソ……」
僕は呟いた。ハルヒさんがいないのは本当につらい。今のところ、ハルヒさんは僕のたった一人の味方だ。

『霊夢だ!レ、イ、ム、の、ハ、ダ、カ!!ああ!さっさと拝みてええええええ!!』

僕が応急処置を終えた直後、それは僕の耳に飛び込んできた。
なんて台詞を大声で……。ふふ、まあ僕にだってそういう気持ちはわかるけどね。
僕はふと、ニートと共に偽ハルヒとロールのパンツを盗撮したのを思い出した。
あんないいものを撮影出来たのは本当に嬉しかったけど今思えばぞっとする。
僕は主催側の連中とあんな戯れをしていたんだな……。
あの時、調子に乗って偽ハルヒ達を追いかけて梯子を上り、偽ハルヒ達のすぐ真下からパンツ撮影を行ったり、触ったりしていれば、
間違いなく奴らは切れて、その凶悪な本性をむき出しにしていただろう。
危ない危ない……あの時下手すれば殺されていただろうな。遠距離からの盗撮だけで我慢しといて良かった。

っと、こんな事はどうでもいい。それより今聞こえてきた声の中に、霊夢という単語があった。
ニートから聞いた人物だ。その霊夢はニート達と同じ主催側なのかどうか……白か黒かはっきりしない。
もし霊夢が僕と同じ立場なら、変態から助けてやらなければならない。よし。とりあえず、行ってみよう。

僕は声の主を割りと早く見つける事が出来た。とある民家の窓から中をそっと覗く。
暗くて細かいところはよく分からないが、そこには夢中でパンを貪る恐竜と、喋る拳銃がいた。
奇妙な生物?二体に出会ったことで僕の思考は少しの間フリーズした。
ここで我を忘れないて暴走しない辺り、やっぱり僕は冷静なはず。
あの二人もロックマンみたいな存在だろうと無理やり自分を納得させる。
僕は雛見沢症候群なんかじゃないからね。今更、こんな事では慌てない。会話を盗み聞きする。

ははははは、へぇあ……どうやら彼らは少し離れた所にいる霊夢という女の子にいたずらをしようと考えているらしい。
あの銃を装備すると裸になるようだ。クロミラという拳銃はその事を利用して霊夢を裸にしたいらしい。
うんうん、中々いい事を考えるねぇ。ま、それぐらいの軽いいたずらなら悪い事ではない。お遊びで済む……な。

『見たいんだよ……ヨッシー。俺は何としてでも腋巫女の裸を目に焼き付けたい。
俺の事を変態だと笑うか?笑われてもいいさ。俺は真剣なんだ。大マジさ……。
女の子を裸にしてレ○プする事が……俺の使命だからな……』

……ははは。過激だなぁクロミラ君……。彼とはいい酒が飲めそうだ。いや、クロミラ君は飲めないか。

『俺は真面目なんだよ!正直言えば裸なんかじゃ全然物足りないね!
俺は霊夢をレ○プがしたいんじゃ!パンツめくりたいんじゃ!セクハラしてやりたいんじゃ!
霊夢の体をもうめちゃくちゃに触りまくってやりたいんじゃ!』

ははは、ちょっと欲望を丸出しにしすぎだよ。しかし全くいい事言うなあ。彼とは間違いなく仲良くなれそうだ。

「…………だが断る 面倒くさいです」

クソ……あの恐竜め、空気が読めてないな。もしかしてあいつも主催側の人間じゃないのか。そうに違いない。

『ううう……俺一人でどうやって霊夢を裸にすればいいんだ。
くそう、あのレイハの野郎さえいなければどうにでもなったのに……ちくしょぉ……』

クロミラ君……。大丈夫だ僕がついている。

僕はクロミラ君に協力するため、民家の入り口を開けようとした。
しかし、僕は直前で動作を一時中断した。

待て……こんな浅はかに行動していいのか僕は?まだ、霊夢や恐竜が仲間かどうかはっきりしないじゃないか。
まあ、クロミラ君は絶対にこちら側のはずだけど……。どうする、どうする僕?

まあ……いいだろう。どうせ乗りかかった船だ。霊夢とヨッシーが白か黒かは彼らと接触しながら考える事にしよう。
黒ならば必死に戦うなり、逃げないといけない。しかし、白ならば一気に仲間が増える。
僕は主催側の人間をひとり殺したんだから、少しぐらい息抜きしてもばちは当たらないはずだ。
というわけで、ここはクロミラ君に協力するとしよう。

僕は入り口の扉を開いた。

「話は聞かせてもらったぞ! 協力しよう!僕はその子の裸を盗撮する!」

 ▼ ▼ ▼
「うわっ!」

私は我慢できずに舌を伸ばし、男の人の首を嘗めてしまいました。
だってケチャップ美味しそうでしたもん。ん……このケチャップ、なんか鉄の味がしますよ。
あ、もしかして

「ちちちち、血ですかぁこれぇ!?何てもの舐めさせるんですか貴方は!?」
「き、君が勝手に舐めたんじゃないか!いきなり何のつもりだ!やっぱりお前も悪人だな!?」
男の人が拳銃をこちらに向けてきます。
「ち、違います!ケチャップと思っただけですよ!」
「どこの世界にケチャップを首に塗りたくる奴がいるんだ!?怪しいぞお前」
男の人が私に銃口を向けたまま、引き金を引こうとします。

『待て!その爬虫類は俺の仲間だ、手出ししたら許さないぞ!』

男の人はクロミラさんの言葉に反応し動きを止めました。

『そいつは殺し合いには乗ってないし、善人だ!俺が保証するぜ』
「……それは本当かい?」
男の人の声が明らかに優しい感じに変わりました。
クロミラさん。感謝します。
『本当だ!俺もヨッシーも悪人なんかじゃない!ただちょっとしたいたずらを考えているだけだ!』
「……いたずら」
いたずらと聞いて男の人の目の色が何かを思い出したかのように変わりました。
さっきまでの張り詰めた表情が緩んでいきます。

「よし、君がそこまで言うなら信じよう」
『ヨッシーが失礼をしたようですまない。で……俺達のいたずらに協力してくれるってのは本当か?』
「ふふふ、勿論さ!こういう危険な場所でも楽しめる時は楽しんでおかないと損だからね。
僕は霊夢が裸になった瞬間を激写してみせるよ」
『ふへへへへあんたとはうまい酒が飲めそうだ。
もし写真が撮れれば後で何回でも、霊夢の生まれたままの姿を楽しめるな。ふひひひひ』
「フヒヒヒヒヒ」

駄目だこいつら……早く何とかしないと……。と、私は思いました。

「あの、ところで名前は何なんですか?」
私は恐る恐る聞いてみました。男の人はイライラした目つきで私を睨み、答えます。
どうして私は嫌われているんでしょうか……。あ、首を舐めたからか。
「僕は富竹。フリーのカメラマンさ」

『富竹。あんたが協力してくれるのは本当に嬉しいし、有難い。しかしだ、俺とあんただけじゃやはり駄目だ。
霊夢は警戒してしまうだろう。ヨッシーの協力が必要だ』
505Classical名無しさん:08/02/10 21:40 ID:jH4ntb.k
なんという変態思考支援

クロミラさんがこう言うと、富竹さんは再び私を睨みました。
うう、やっぱり私も手伝わなくちゃ駄目なんですか……。でも、霊夢さんは怒らせたら絶対に怖い。
YOKODUNAと戦っている時なんてまるで鬼のようでした。

『ヨッシー、何を悩んでいるんだ。お前は俺に一つ貸しがあるだろ?協力しろよ』
「貸し?何の事ですかそれは?」
『恩知らずな奴だな。お前、さっき俺が富竹を止めなかったら撃たれていたぞ。』

う……確かに。私はクロミラさんに貸しを作ってしまった。
「そ、それとこれとは話が別ですよ!」
『富竹さんよ。こいつまだこんな事を言ってやがる。恩知らずな奴だぜ。もしかしてこいつ悪人かもしれねえ……』
「やっぱりそうか……」
富竹さんがまた銃に手をかけます
「わ、分かりましたよ。手伝います!」

うう、何なんですかこの二人の妙な連携は!霊夢さん怖いのに……!

『さて、富竹のためにもう一度、俺の華麗にして完璧な作戦の説明をしようか』
「お、頼むよクロミラ君」

『殺し合いなんて関係ないね!俺は女の裸が見たいんじゃ!』
 ▼ ▼ ▼
「遅いわよヨッシー!心配したじゃない」
数十分車の中で一人待った後、ヨッシーは現れた。探しに行かなくてよかったわ。

「その……霊夢さん。ちょっと変な物を見つけたので着いて来てくれませんか?」
「変な物?何よそれ」
「き、来てみれば分かりますから。あ、近いですから歩いていきましょう」

なんでまたどもってんのよ。冷や汗浮かべちゃってるし……。
私はヨッシーに少々怪しいものを感じたけれど、構わず着いて行くことにした。
言えないって事はもしかして、あの船みたいにゲーム破壊に関わる重大な物なのかもしれない。

しばらくヨッシーに着いて歩き、私達は一軒の民家に到着した。
「何ここ?ここに変な物があるの?」
「は、はい。そうなんですよ。なな、中に入りましょう」
「どうしてそんなに動揺してるのよ」
「ししし、してませんしてません」

……何なのよもう。


『全くあの爬虫類野郎。演技が下手な奴だぜ』
「ああ、全くだ。イライラするな」
『さて、そろそろターゲットが家の中に入ってくるぞ。準備をしておくんだ相棒』
「OK!粛々、粛々といこう」


私はドアノブを回し、民家の中に入った。家の中は当然の事だが、暗く、殺風景だった。
入り口の向かい側には奥の部屋へ続くドアがある。
「何があるっていうのヨッシー?」
「ゆ、床に何か落ちています」

私は床を見た。暗くて一目では分からなかったが、確かに拳銃が落ちていた。
これのどこが変な物なのよ。

『あれは……クロスミラージュ』
レイジングハートはあの拳銃を知っているようだ。……っていうかあれ、クソYOKODUNAの遺品の中にあったじゃない。
(日吉が言ってた奴ね。詳しく調べる必要があるわ。あれはただの拳銃じゃないのよね?)
『はいレイム、あれは私と同じデバイスです』

ところで、どうして私のデイパックの中にあったものがここにあるのかしら。まさか、ヨッシーの奴……。
私は今持っているデイパックの中を覗いた。中にはRPG-7という武器とプラスチック爆弾が入っていた。
食料は入っていない。これはヨッシーのデイパックだ。

「ヨッシー?」
「はい……?げッ!」
私はため息を吐いた。
「私のとすり替えたのね?見損なったわ」
「ご、ごめんなさい霊夢さん。ちょ、ちょっとした出来心で……」
「…………」
やれやれだわ。食べ物のためなら何でもするのねこいつは……。

私はヨッシーの持つ私のデイパックをぶん取り、代わりに私が持っているデイパックを押し付けた。
中身を確認してみる。案の定、パンは消えていた。いや、一個だけ残っている。
ヨッシーなりの気遣いだろうか。まあ、全部食べなかったんだからここは許してやるか。
「ご、ごめんなさいもうしません霊夢さん」
「もういいわよ。で、私に見せたい物って何」

「あ、あれを見てください。喋るんですよアレ」

レイジングハートだって喋るじゃない。何を今更……。
私はクロスミラージュとかいうデバイスを拾おうと足を進めた。その時だ。

『魔法の才能を持つお嬢さん、YOKODUNAから私を救って頂いた事にまず感謝を述べます。
はじめまして。私はクロスミラージュという者です』
拳銃がえらく礼儀正しく挨拶してきた。
「はじめまして……霊夢です……」
一応、挨拶を返しておく。
『実は内密な話がありまして。先ほど、どなたかテレパシーで会話出来る者はいないかと、
そこにいるヨッシーさんに聞いてみたんです。それで霊夢さんなら出来ると教えて頂き、ヨッシーさんに連れて来て貰った次第であります』

「そう。それで内密な話って何?」
『この殺し合いを支えるシステム。その根幹についての話です。こればかりはこのまま話す訳にはいかない。
あの車の中というのも怪しいので私はここで伝えたいのですが』

どうやら相当な情報を握っているようだ。これは興味深い。

「ヨッシーもまだ話を聞いてないの?」
「ととととと、当然です!」

だからその動揺はなんだ。ヨッシーが喋った直後、
クロスミラージュの方から何やら舌を鳴らしたような『チッ』という音が聞こえてきた。
「何か言った?」
『私ですか?いえ、何も』

話す事が危険というのなら、筆談か、クロスミラージュを装備してテレパシーってところか。

「でも知ってる?首輪の盗聴機能は今、停止しているのよ……あ、でももう直っていてもおかしくないわねぇ」
『なるべく慎重に事を進めたい。よろしければ、私を装備してください』
「れ、霊夢さん。テレパシーでさっさと話を聞いて下さいよ。わわわ、私も気になって仕方ありません」
「そうね……私も気になるし。いいわよねレイジングハート」
『……まあ、そうですね』
レイジングハートは何故か知らないけれど不満げだ。

「あ、あれこここ、ここで装着するんですか?わわわ、私男ですよ。
霊夢さん一瞬だけど裸になっちゃうんですよ。わ、私見ちゃいますよ」

……何なんだこの爬虫類は。いい加減怪しいし、今のはきもい。こいつ、恐竜のくせに女の裸に興味あるのかしら……。
そういえば今、思い返してみればレイジングハートを装備した時もこいつはじっと見ていなかっただろうか。
うーん、うまく思い返せない。でも今の発言だけとってみればこいつは明らかに……

「あんた、食べ物以外にも興味があったのね。それも爬虫類のメスの体じゃなくて人間の体に……」
「うう……そ、そうなんですよ。わわわ、わ私大好きなんです。お、女の子の裸。た、たまりませんねぇ」
「……!! この変態……! 今度こそ本気で見損なったわ……」

……全くもってきもい。でも言い過ぎたかな。ヨッシーは目に涙をためていた。
でも、あんな事言わずに黙っていれば良かったのにね。
気持ち悪い事には変わりはないけど正直というか抜けているというか。
私はクロスミラージュを掴み、奥の部屋へ向かった。ヨッシーにはここにいるように伝えておいた。

奥の部屋は倉庫のようだった。木材やら建築資材やら様々な物が置かれていたが、役に立ちそうな物はない。
しかし、隠れるのには都合よさそうだ。

『レイム……何かおかしい。クロスミラージュはこういうキャラではなかった様な気がします』
(……確かに、日吉が言ってたようにバグってるのかしら)
レイジングハートが何やら気になることを言う。
確かに私も話が出来すぎていると思っていた。

『どうしました?私は早く伝える事を伝えて、貴方達に殺し合いを破壊して欲しいのですが……』
「……レイジングハートが貴方の事を怪しいって言ってるわ」
『……無理もありません。私は主催者の連中に改造されましたからね。日本語を話せたりするのもそのためです』

改造か……。

(レイジングハート、どう思う?)
『……分かりません。確かに『改造』というのはあり得る事だと思います。
参加者にとってより使いやすくするために、クロスミラージュは改造されたのかもしれません』
(……仕方ないわね。リスクを恐れていては何も始まらないわ)
『申し訳ありませんレイム。無駄な気遣いをさせてしまいました』
(ううん。別に構わないわよ)

「じゃあテレパシーで伝えて貰うわ。大事な話って奴を」
「お任せください……フヒヒww……」

デバイスとかいう不思議アイテムで変身するのはこれで二度目だ。
私の服は消え、ヨッシーの言うとおり、裸になっていく。
……それにしても、ヨッシーにあんな趣味があったなんて……きもい。

服が消え、裸になった。部屋が二つあって良かっ


「TOMITAKE☆FLASH!」
パシャ! 潜んでいた男が持つカメラのシャッター音とフラッシュの光が暗い部屋に響き渡った。
512Classical名無しさん:08/02/10 21:50 ID:jH4ntb.k
支援

『「YATTA!!うまくいったぞ!」』

その男とクロスミラージュが同時に叫んだ。物凄く楽しそうな声だ。
私の変身は終わった。クロスミラージュはレイジングハートと負けず劣らずの派手で恥ずかしい服を私に提供してくれた。

『YATTA!!最高だ。その発達しかけの可愛らしい胸、思わず擦りたくなる柔肌!たまんねぇ!!』

――あぁ、なるほど……

この変態野郎共。そういう事か。絶対に絶対に許さない。私が全存在をかけて否定してあげる!!

「レイジングハートォオオオォォ!!!」
私は三度目の変身を開始する。こいつらは絶対に許さない。
『お、よっしゃ!富竹!また変身するぞ!もうばれたんだから恥も外聞も関係ない!また盗撮するんだ!』
「分かってるさ!TOMITAKE☆FLASH!」

まだ、写真撮ってる。全く、この変態共め!許さない許さない。
「少し……頭冷やそうか……ディバインバスター!」

富竹とかいう男のすぐ横を特大のエネルギー波が通過していった。富竹の背後の壁を簡単に砕き、凄まじい炸裂音がした。
富竹は頭を両手で守り、崩れてくる木材などから哀れに逃げ回っている。

『すごい……』
レイジングハートの呟く声が聞こえた。

「ちょ、ちょっと待ってくれ!僕が悪かった」
富竹が必死になって謝る。許すつもりは勿論ない。
『レイム!落ち着いてください!』
私はゆっくりと富竹に向かって歩を進めた。近距離からの攻撃で確実に……。

『レイム!!』
レイジングハートの声が耳に届き、私はハッとした。歩みを止める。
『レイム。殺してはいけません』
(……そ、そうね。分かってる。分かってるわ。ありがとうレイジングハート)

「今のは、さすがに僕達が悪かったな……はははははへぇあ」
富竹がにやけながら言った。分かっているならするな。
「クロスミラージュ」
私は背後に落ちている拳銃に向かって声をかけた。
「大事な話っていうのも、嘘?」
『フヒヒww  モチロン大嘘♪ あられもない姿をありがとさん。目に焼きつかせてもらったよ』

大嘘♪じゃねえよ。私はクロスミラージュの元へ向かった。そして
「ふざけんなぁッ!」
レイジングハートをゴルフのように使い、クロスミラージュをナイスショットした。
クロスミラージュは『ぐはぁ』だとかの奇声を上げ、富竹のすぐ隣の壁に衝突した。
富竹は震えていた。

「二度としないでしょうね?」
「勿論です。二度としません」
私の問いかけに富竹は驚くほど従順に答えた。

「あんた、最低だけど一応ゲームには乗っていないみたいね。一緒に城に行く?」
「城?」
「ええ、そこでならその適当に治療しただけの傷も治るかもね。……出来れば来るな。変態の助けなんて必要ないんだから。
海馬達もいるしね」
「海馬ぁ!?」
515Classical名無しさん:08/02/10 21:53 ID:jH4ntb.k
支援支援
516Classical名無しさん:08/02/10 21:54 ID:G1gqHCgY
僕の支援は無敵なのさ!

富竹が驚いた様子で叫んだ。何?どうしたっていうのよ。
「どうしたの?」
「海馬だと……!」


冷静に……クールになるんだ僕。確か海馬っていうと、遊戯の仲間で、主催側の人間じゃないか。
という事は霊夢とヨッシーも主催側……いやいや待て。二人は海馬に騙されているのかもしれない。

「海馬と知り合いなの?」
「……説明するよ。いいかい霊夢ちゃん」
「ちゃん付けするな、気持ち悪いのよ。この変態野郎!説明はもういいからさっさとどっか行け」
……怖い。さっき聞こえてきた化け物レベルの戦闘音は、もしかして霊夢が戦っていた音かもしれないなぁ。
「す、すまない霊夢、さん。僕の話を聞いてくれ」

僕は主催者は実は紫という人物だという事、ニート達やハルヒが悪である主催側だという事を説明した。
海馬についてもだ。海馬は間違いなく主催側の人間であり、悪人だ。

「そんなわけないじゃない。あんた変態なだけあって頭の中も妄想だらけね」
『うはwwひでえな超どS。だがそれが魅力的』

クソッどうして信じてくれないんだ。これだけ必死になって伝えているのに。

「僕が変態だって事は……認める。その通りだ」
「……!?」
『何言ってんのお前wwきめええええ』
「だけど今話した事は本当なんだ。どうして信じてくれないんだ!」

僕は訴えた。信じてくれないって事はやっぱり霊夢も主催側の悪人なのか?

「……私は海馬を一応信じているわ。海馬が悪人なんてないと思うわ」
『ちくしょおお!海馬とかいう奴になって霊夢とニャンニャンしてええええ!!!』
「このど変態!うっるさいのよさっきから!!いい加減黙れ!!」

ははははへぇあ……クロミラ君もようやくツッコミを入れられたか。
……それにしても海馬を信じているだと……なぜだ。本当にどうしてだ。
やはり、霊夢は……

「やっぱり君もヨッシーも主催側の悪人だったってわけか」
『「は!?」』
「僕の話を受け入れられないって事が何よりの証拠だ!お前も悪だ!悪だ!悪だ!」
「ちょっと……おかしいわよ……あんた」

霊夢は少し怪訝な表情をして言った。僕がおかしいわけないじゃないか。僕の頭は今までにないくらい冴え渡っている。
霊夢を殺そう。僕は決心した。まともに戦っては確実に勝てない。だから先制攻撃の一発で奴を殺さなければならない。
なぁに……簡単さ。この隠し持った拳銃を霊夢の顔に向けて発砲すればいい。
早撃ちぐらい簡単さ。

パァン!

僕はしっかりと狙いを定め、引き金を引いた。霊夢の顔に間違いなく当たった。
ふふふ、さあ、綺麗な裸の次は脳みそが飛び散っている姿でも見せてもらおうかな。
519Classical名無しさん:08/02/10 21:59 ID:jH4ntb.k
支援☆FLASH!

「何しているのあんた?」
「へぇあ?」
「空砲よ?弾切れしているんじゃない?」
「…………あ」
忘れてたああああああぁあああぁああ!!まずい。もう武器はスタンガンしかない。
どうやってこんな化け物と戦えっていうんだ。

「宣戦布告とみなすわ。行くわよレイジングハート」

霊夢が臨戦態勢をとった。どう戦おうが勝てるわけがない。とにかく逃げるしか、う……こんな激痛走る体で逃げ切れるか?
いやいやそれでもやるしかないか。

この時、半分諦めかけていたのだが、天は僕に味方してくれた。

 ▼ ▼ ▼
「さ、さっきからどどど、どうしたんですかこの音は?霊夢さん」
私が富竹に向けて攻撃しようとした時、もう一つの部屋からヨッシーが入ってきた。
「何でもないわヨッシー。その変態が銃をぶっ放しただけよ」
「こ!こんな強い銃があるんですか!?」

……うん?ヨッシー何か勘違いしてない?ヨッシーの視線の先を追ってみる。
思ったとおりヨッシーが見ているのは私がディバインバスターで壁にあけた大穴だ。
どうやらヨッシーはその大きな穴を、拳銃で開けた穴だと勘違いしてしまったらしい。
こいつ……駄目だ。悪食で変態でさらに馬鹿だなんて……

「そんなわけないでしょう!それはレイジングハートで」
「動くなッッッ!」
「ひゃあ、助けてください霊夢さん!」
521Classical名無しさん:08/02/10 21:59 ID:G1gqHCgY
なんという勇気ある富竹
この発砲は間違いなく死亡フラグ

富竹がいきなり動き出し、ヨッシーの首元に空の拳銃を押し当てた。
空だからヨッシーが殺される心配はない。だけどこれでは攻撃しにくい。
富竹は間違いなくヨッシーを盾にするだろう。

「ヨッシーその銃は弾切れよ!殺される心配なんてないから富竹を倒しなさい!」
「弾切れなんかじゃないぞ。この銃には壁にも穴をあけれるような銃弾が沢山篭っている」
「どどど、どっちですか!?」

駄目だ。ヨッシーは混乱している。こうなったら魔法を使わずに、富竹をレイジングハートで撲殺してやる。
そうすれば確実だ。

「そうはさせない!TOMITAKE☆FLASH!」

富竹のカメラから閃光が放たれた。私は目がくらむ。
まずい。この隙に富竹は逃げる気だ。

『ちょ、やめろ!俺は嫁から離れたくない!離せボケ!お前なんかに持ち運ばれてたまるか!!
写真だけおいて一人で行け!霊夢助けてええええ!ああ、お前の将来の夫が今、連れ去られて――』
誰が夫よ、誰が!駄目だ見えない。富竹は今どこに。

「霊夢さあああん!」
「黙ってさっさと走れ!!」

見えた。ようやく視力が回復した。
(レイジングハート行くわよ)
『はいレイム』
523Classical名無しさん:08/02/10 22:01 ID:537bonPE
支援
524Classical名無しさん:08/02/10 22:02 ID:537bonPE
交互に支援しろ

窓から富竹の姿が見えた。富竹はヨッシーの背に乗り、空の拳銃で脅しながら、走らせている
大丈夫、いくらヨッシーが速くてもあいつはすぐに腹が減るもの。
ヨッシーに奴の拳銃が空って事を伝えればいいだけよ。それに私には、あれがある。

私は急いで車の元へ走った。ドアを開け、エンジンをかける。
あの悪食で馬鹿の変態にも運転できたんだから私にだって出来るはずよ。

よし、動いた。変態トリオめ。待ってなさい。

ブォン!ガシャーン!

私の運転する車はいきなり電柱に衝突した。
 ▼ ▼ ▼
ううう、何なんですかこれは。クロミラさんに脅されて、霊夢さんに変態呼ばわりされて……。
何か今度は無理やり走らされるし……ああ、疲れるし腹は減るし……ああ、もう!

「ヨッシー、足を止めたら撃つぞ」
「は、はいぃぃぃぃ!」

霊夢さんは銃は弾切れだって言ってた。ほんとなんでしょうか。
うう、でも弾が入っていた時の事を考えると怖いから走らざるを得ません。

『お、霊夢ぅぅぅぅぅ!助けてくれええぇぇぇ!やっぱり俺の事が好きなんだな!あぁ、あなたと合体してえええええ!』
「クソ、追いかけてきているのか。だが追いつけるものか! 車を運転した事ないみたいだな……」

「ひいぃええええ、まてぇぇぇぇぇぇ、ヨォォシィィィその銃に弾は入っていないわぁぁぁぁきゃあぁぁぁ」
『レイムううぅぅぅ落ち着いてくだぁさいぃぃぃ』

ブォォォガシャンドガグシャブーンブォォォォォ

【E-3 町/一日目・真夜中】
【博麗霊夢@東方project】
[状態]:健康、バリアジャケットの腋部分破損、魔力消費中、すこし眠い、血霧の巫女
[装備]:レイジングハート@魔法少女リリカルなのはシリーズ、巫女風バリアジャケット@巫女みこナース、ワルサー カンプピストル@現実(1/1)(26.6mm信号弾残り6発) ボコボコのジープ@ヤンマーニ
[道具]:支給品一式(パンは一個だけ)、YOKODUNAの支給品一式*4(水食料全消費)、
フリップフラップ@ニコニコキッチン、首輪、ドリル@ミスタードリラー、
博麗アミュレット(130/200)、メモ用紙(10/10)、魔理沙の帽子、ドリルアーム、
気合の鉢巻き@ポケットモンスター、クマ吉の手錠@ギャグマンガ日和、
ドアラの着ぐるみ@ドアラ動画シリーズ、全自動卵割機@サザエさん、
億千万の思い出@現実、マント羽根*2@スーパーマリオワールド、
キーボードクラッシャーの音声(の入ったiPod)@キーボードクラッシャー
[思考・状況]
1.変態トリオを追跡してヨッシーを助ける。でも車の運転難しい。
2.城に帰って寝る。お風呂にも入りたいな
3.Niceboat.の探索
4.怪しい人には無理のない程度に接触、無害なら適当に交渉
5.今回の事件の解決(主催者の打倒)
6.お兄ちゃんねぇ……やよいから、離すべきだったかしら。
7.クロスミラージュを調べたい。
※日吉戦でのYOKODUNAの能力について、日吉から聞きました。
※霊夢はジープ@ヤンマーニに乗って富竹を追いかけています。後部座席に軽機関銃が在るかは不明です。
※ヨッシー、富竹、クロミラの事を変態だと認識しました。
527Classical名無しさん:08/02/10 22:04 ID:jH4ntb.k
支援支援支援
※船橋前の通路には霊夢の張った結界があります。
 物理的な効果はありませんが、船内でのみ、霊夢はそこを何かが通ったことを知ることができます。

【ヨッシー@スーパーマリオワールド】
[状態]:健康、軽く焦げてる
[装備]:富竹
[道具]:支給品一式(食料全消費)、RPG-7(残弾5)@GTASA、C4プラスチック爆弾@MGS
[思考・状況]
1.富竹の拳銃は空?もし弾が入っていたら怖いので富竹に従う。霊夢さん助けて
2.とりあえず霊夢さんに協力
3.戦いになったら避難する。
4.ボスを倒す
※ヨッシーはKASをどこかの世界のマリオと思ってます。TASと関わっていません
※霊夢とヨッシーはカイバーマンたちと情報交換をしました。霊夢は大方把握しています。
※Niceboat.後方甲板にはまだ何かがあるみたいです。
529Classical名無しさん:08/02/10 22:06 ID:G1gqHCgY
支援っていう

【富竹ジロウ@ひぐらしのなく頃に】
[状態]:雛見沢症候群発症、鳩尾に痣、左肩、左腕に中程度の怪我、右腕に銃創、出血、首から出血、首に痒み、顔面に打撲傷、火傷、
全ての傷は簡単な応急処置済み
[装備]:富竹のカメラ@ひぐらしのなく頃に、ベレッタM92F(0/15)@現実、クロスミラージュ(8/8)@リリカルなのはStrikerS、
スタンガン@ひぐらしのなく頃に、ヨッシー
[道具]:支給品一式*2、ピッキング用針金、フィルム
[思考・状況]
1.ヨッシーを走るように脅し、霊夢から逃げつつ反撃の機会を窺う。
2.仲間になってくれる人を探す。
3.主催者の手先(霊夢、ヨッシー、ハルヒ、遊戯、ニート、ロックマン、ロール、エアーマン、
ムスカ、スパイダーマン、永琳、ゴマモン、海馬、萃香、阿部)を殺す。
4.水銀燈、アリス・マーガトロイド、霧雨魔理沙が敵かどうか調べる。
5.圭一、レナ、魅音の保護。
6.自分に打たれた薬の解毒剤を探したい。
7.ゲームから脱出し、主催者「紫」を倒す。
[備考]
※第三回定時放送をまったく聞いていません。
※本物の涼宮ハルヒの方が偽名だと勘違いしています。
※雛見沢症候群が発症しました。首が痒いです。
※富竹は、首が痒かったりするのは、ロールやニートに何か薬を打たれたためだと思い込んでいます。それは、首輪を誤作動させるためだと思っ
ています。
※主催者を、紫という人物だと思っています。
※自分が襲撃した相手が誰か、理解していません。
※富竹はヨッシーに乗っています。
531 ◆jVERyrq1dU :08/02/10 22:08 ID:ccOA/Dlk
投下終了。俺もある意味エロ展開
なのはについては詳しくないので、デバイスの事で何か間違いがあったらマジでごめん。
富竹をエロパワーでどうにかしたかったが無理だった。
532Classical名無しさん:08/02/10 22:09 ID:q5bIlCJQ
投下乙
でっていうカワイソスすぎるwwwwwwwwwww
クロミラは一応対主催思考だがクズすぎるなwwwwがんばれ脇巫女!落ち着け脇巫女!
533Classical名無しさん:08/02/10 22:11 ID:jH4ntb.k
投下乙。
これは酷いwwwww(ほめ言葉)
でっていうは酷いな、変態扱いされてこき使われて……。
それにしてもトミー、クロミラ、自重しろwwwwww
534Classical名無しさん:08/02/10 22:12 ID:0leaDvTU
クロミラァァァァァァ!!!
出番なかったと思ったら思考パワーアップしてんじゃねぇぇぇぇ!!
写真プリーズ!!
535Classical名無しさん:08/02/10 22:18 ID:MoyAhYfA
投下乙。
クロミラwwwwwwwwww
富竹wwwwwwwwwwwwww
自重しろwwwww

ヨッシーは見事に罰が当たったな。
しかしちょっとカワイソス。
霊夢事故死すんなよw
536Classical名無しさん:08/02/10 22:20 ID:G1gqHCgY
投下乙
時報お前、本当に粘るなw
そしてトミタケフラッシュにクロミラ本当に自重しないお2方でしたw
しかし生まれたままの姿を激写したのはGJだったw

そして町は相変わらずのカオスだ
また大きな激突が起こるかも分かんねえな
537Classical名無しさん:08/02/10 22:26 ID:q5bIlCJQ
>クロスミラージュはこういうキャラではなかった様な気がします
お前も結構ブレてきてるんだがなw
538 ◆jVERyrq1dU :08/02/10 22:38 ID:ccOA/Dlk
もし前後半に分ける必要があるなら>>508までを前編でお願いします。
今気づいたんだが俺のID、ファーイだ。
539Classical名無しさん:08/02/10 22:38 ID:mHW4cznk
ヨッシー富竹の血液摂取しちゃったね
生き残らないか他の人が気付くかしないとマリオワールドが大変な事になりかねないw
人間じゃないから大丈夫かもしれないけど
540Classical名無しさん:08/02/10 22:44 ID:G1gqHCgY
>>539
ニコ見沢症候群を再発させる気かね

潜伏期間は長いでいいと思うんだけどね
541Classical名無しさん:08/02/10 22:52 ID:0leaDvTU
マリオくんの世界ならば雛見沢症候群だろうがギャグパワーで乗り切れる
542Classical名無しさん:08/02/10 22:53 ID:zshmfCPs
投下乙!
変態だ!変態ばかりだ!
すげえよ富竹、お前色々と症候群突破してるよ!

あ、でも突っ込みは入れるぜ?
まず、ヨッシーが首を舐めるところは、ちょっと展開に無理があるかな、と。
いくら食い気馬鹿といっても、流石に首はなめないだろう、と。
まあ、これは大勢に影響を与えないから、どうでもいいけど。
次に、クロスミラージュは現在待機状態のカード型じゃなかったか、ということ。
拳銃型になるのは、変身後じゃなかったっけ?
また、富竹の銃は全弾打ち尽くしてるわけだから、発砲音はでないということ。

そして最後に一番重要なことだ。
霊夢はドロワーズだ!
パンツじゃない!
543Classical名無しさん:08/02/10 23:45 ID:6Tll6Bfk
霊夢、もうクタクタじゃあないかwww休ませてあげてー…
544Classical名無しさん:08/02/10 23:52 ID:D..YeCvI
そうだな、ドロワは重要だな。
そういえばアリスもドロワだっけ?こっちは普通にパンツだったっけ?
545Classical名無しさん:08/02/11 00:12 ID:eT95v0BQ
jVERyrq1dUさん>

細かいところだけどちょっと訂正
>>520
空砲→弾頭を抜いた弾を撃つ事、薬莢と火薬はあるので発砲音はするが何も発射されない
弾切れ→書いて字の如く。カチッと音がするだけ。
ですよー
546Classical名無しさん:08/02/11 00:18 ID:eT95v0BQ
>>542
しかし、スーパーマリオ君ヨッシーは
ケチャップまみれになったマリオを遠慮会釈も無くガブガブしたという
ギャグ漫画ならではの前例が(ry

まあ、無駄に感染者増やすとややこしくなるし、舐める描写はちょっと遠慮してほしい俺も居る。
547Classical名無しさん:08/02/11 00:25 ID:FnDYBScU
雛見沢症候群はニコ見沢症候群の元だから自重して欲しい俺、ガイル
あと霊夢はそんなにすぐキレるような奴ではないな……たぶん
少なくてもクソとかそういう汚い言葉は使わなかったような……
548Classical名無しさん:08/02/11 00:33 ID:ISnsyhc.
ドロワのことで頭がいっぱいで、霊夢の口調のことは忘れてたぜ。
まあ、エンディング以外の会話はイザヨイネットで見れるよ。
ぐぐってくれ
549Classical名無しさん:08/02/11 00:33 ID:.WjyZyFY
お前は突然相撲取りがお前の友達喰ったとか言ったらどうよ?
俺だったらブチ切れるよ、そんな感じ
550 ◆jVERyrq1dU :08/02/11 00:34 ID:dsfdg/yU
やっぱり修正点多いな。後日したらばに修正を投下します。
空砲は知らなかったな。勘違いしてた。

>>547いや、前のSSでYOKODUNA相手にかなり切れていたみたいなので…
あえて汚い言葉を使わせました。直した方がいいですか?
551Classical名無しさん:08/02/11 00:36 ID:ISnsyhc.
ドロワのことで頭がいっぱいで、霊夢の口調のことは忘れてたぜ。
まあ、エンディング以外の会話はイザヨイネットで見れるよ。
ぐぐってくれ

ちなみに、アリスがドロワかどうかはわからんかった
うどんげとかはともかく、幻想郷の基本はドロワーズな気もするが……。
552Classical名無しさん:08/02/11 00:38 ID:ISnsyhc.
アッー!
なにやってんの俺orz
553 ◆jVERyrq1dU :08/02/11 00:47 ID:dsfdg/yU
キャラ把握とかが曖昧ですまない。
554Classical名無しさん:08/02/11 00:58 ID:qGmd8TUQ
んーまあ、ニコニコ的補正を考えれば霊夢もゆとりに……ならないか。
555 ◆irB6rw04uk :08/02/11 01:20 ID:FnDYBScU
YOKODUNAを倒してキレーサッパリって事を言いたい
殲滅計画の最後の一文はそんな感じで入れてみたのだが……
伝わらなかったらそれは俺の責任だ

アリスと彦麿+投下します。
タイトルは……悩む……
【今日の私は陰陽師すら凌駕する存在よ!!】
変なタイトルだ……
556 ◆irB6rw04uk :08/02/11 01:21 ID:FnDYBScU
「すごく……大きくて……太いわね」

アリスは彦麿のそれをまじまじと見つめる。

「まあ、意外だったか?」
「ええ、ちょっと……あ、すごい、硬くなった……」
「日ごろ鍛えているからな」
「私たちのところってあまり男の人居ないから……こういうのあまり見たこと無くて……ん……」
「っ、……! な、何をしている」
「なめてるの……昔から言うじゃない」
「だが……ぐっ」
「ん……まだあふれてくる……」

「ん……もういいわね」
「すまんな」
「いいわよこれくらい。それじゃぁ……いくわよ」

「ちょっと、彦麿!! 早すぎるわよ」
「すまん」


『……………』
「いつも五月蝿いのに突然黙り込んでどうしたの?」

アリスはレヴァンティンに話しかけた。数十秒の間が開いて、レヴァンティンは口を開いた。
『ここまで露骨にされると反対に萎えるって言うか……自重できるッス……』


           〆
557 ◆irB6rw04uk :08/02/11 01:23 ID:FnDYBScU
薄暗い山道を目を凝らしながら慎重に下って行く、とても怪しい服装の集団。
一人は上半身裸の男、背中にピンク色のぷにぷにしたものを背負っている。ここに警察官がいたら警棒でとりあえず武装した後、職務質問をしただろう。
「あーキミキミ、ちょぉおおっとこっちに来てくれるかな? うんうん、抵抗しないでね。この警防が血で染まっちゃうから」
そしてもう一人は…… あー…… なんともおいしい姿の少女と言っておこう。ここに警察官がいたなら全力でパトカーの応援をよこしただろう。
「『エー、山にて半裸の少女発見、鑑識よこしてくっさぁいっ!どぞー』『え? 鑑識っすか?』『あぁ、カメラもってこーい』」
さらにもう一人、遠くから見れば(ちょっと変わった服装だな)と思うだけだが、近づくとイケナイ香がする少々グラマーな感じの少女。
ここに警察官がいたなら涙を流しながら「親からもらったからだを大事にしなさい」と説教しただろう。
「なにか辛いことがあったんだよね? うんうん、言わなくていいから……春なんて売っちゃダメだよ!! やめるんだよ。いいね?」


まとめるなら、非常に危ない姿の集団だと言うことだ。
そんな集団だが、頭までは危険ではない。それどころかこのバトルロワイアル会場にては一番まともな精神を持っている集団とも言えるだろう。
彼らは山道を下り、少し開けた場所に出る。目の前には橋と川が見える。

「ふむ、橋が見えたからここはD-3か」

彦麿が大きなため息をついて地図を見下ろした。アリスが「少しここで休んでいきましょう」と提案してきたのでその案に乗ることにした。

橋の下に下りて川原に座り込む。ちょっとした登山を楽しんだ後だったので、座ってみると痺れるような軽い痛みが心地よい。

「隣、いいかしら?」
558 ◆irB6rw04uk :08/02/11 01:24 ID:FnDYBScU
振り向くと自分の足元を見ながらもじもじと立ちすくんでいるアリスがいた。私は「ああ」と生返事をすると、アリスはスッと私の隣に腰を下ろした。
ちょろちょろと水の流れる音だけが聞こえてそれ以外の音は無かった。
これからのことを考える時間に充てるべきなのだが、今は何も考えずボーっと水面に映る朧月を眺めていたかった。
隣にはアリスの気配を感じる。ちょこんとした、強く抱きしめたら壊れてしまいそうな肩が私の腕に触れている。柔らかなアリスの体温が温かい……
隣に座っていて何も会話らしいことをしていないが、自然と気まずい雰囲気ではなかった。むしろ、心が静まる感じがした。
アリスも心穏やかに川の流れを詠んでいるみたいだった。

そのまま数分が経った。突然と言うわけではないが、視界の中に白黒の衣服を纏った朝倉が入ってきた。
眺めるものが特に無かったので至って普通に彼女の行動を眺めていた。

朝倉はあの臭いが嫌だったのだろう。水辺にぱたぱたと小走りで駆け出し……突然服を脱ぎ始めた。
な、なんですとぉ!? とは声に出さなかったが、心の中では心底驚いた。
ふと、横から視線を感じる……むむむ、アリスがこちらを見ている。――気がする。
この状況は非常に不味いんではないだろうか?
「……………」
アリスは何も言葉を発しない。それが逆に恐ろしい。
高性能センサーで顔中の筋肉を観察されているような気分だ。もし一瞬でもニヤケた顔をすれば、悪、即、斬だろう。
へ……平常心だ! どーまんせいまん、どーまんせいまん。

という、私の思考など露知らず朝倉は服をてきぱきと脱いでしまいましたよ。
今まで人が次々と死んでいく戦場だったため意識していなかったが、この朝倉少女……スタイル抜群といってもいいだろう。
初雪のような真っ白い肌が月光によって淡く映し出される。歳にしては少々成長がいい方だなどと考えてしまう。これも男の定めなのだろう。
この際だから言わせてもらうが、彼女は虚乳の部類に入るだろう。『たわわにみった』と表現を考えた奴、ちょっと出て来い!キミとはいい酒をかわせそうだ。
出るところは出ているが締まるところはきちんと締まっている。腰のくびれはキュっと締まっており、たるみなど微塵も感じさせられない。
本当にこの中に内臓が入っているのかと疑いたくなってしまう。
559 ◆irB6rw04uk :08/02/11 01:26 ID:FnDYBScU

それでいて柔らかみを帯びていることを忘れてはならない。柔らかそうでいて、ちょっと歯ごたえのあるババロアのような存在だ。
私の評価ではAA+ランクと言ったところだろうか?
実に扇情的な風景だ……どーまんせいまん。

そして、流れる川の澄んだ水を両手で掬っては阿部のぶっ掛けていった『いいえ、ケフィアです』を丁寧に流しとっていく。
つややかな柔肌に小さな水滴が滴り、それが月の光を浴びて宝石のように輝き、光沢を放っている。彼女が身に着けているおかげでただの水滴が20カラットのダイヤにも匹敵する威力を持っていた。
瑞々しい肌に纏わりつくように水は流れ、大事なところ……所謂、下に達する。
ここからではNicebloと言わざるを得ない、むっちりした足がそこをガードしていて、見えなかった…………が、男と言うものは反対に想像力を働かせて、そこを補完してしまう悲しい生き物だった。『むしろエロスwww』以上。
けしからん…嗚呼、けしからん! どどどーまんせせせせせいまんっ。嗚呼、なんて拷問配信。今なら目からビームが撃てそうだ。
い、いかん!! その前に鼻からメーザーが出てしまいそうだ。

こういうときは四文字熟語を考えるんだ。案心立命、沈思黙考……風紀紊乱、酒池肉林、巫山雲雨、一心同体、意馬心猿……アッー!!

「ねぇ、彦麿」

イ”ェアアアアア! な、何だアリス?
くっ、突然だったので声が裏返ってしまった。

「うわ、びっくりした。いきなり変な声出さないでよ。彦麿……腕見せて」
私の右腕は無理やり引っ張られて、アリスの前に差し出される。アリスの手は少し冷たかった。
今頃であるが自分の腕をよく見てみると血がにじんでいた。少し前に痛みを感じたがその時だろう。

「やっぱり怪我してる……どこかで切ったのかしら?」

アリスは私の腕をまじまじと見ている。
「それにしてもすごく大きくて、太いわね。やっぱり男の人だから」
「まあ、意外だったか?」
「ええ、ちょっと……あ、すごい、硬くなった……」
560 ◆irB6rw04uk :08/02/11 01:29 ID:FnDYBScU
アリスがあまりにもまじまじと見るので自慢するように腕に力を入れてみる。
上腕二頭筋辺りがぼこっと膨らんだ。アリスは「すごーい」と喜びながらペチペチと私の腕を叩いた。

「日ごろ鍛えているからな」
「私たちのところってあまり男の人居ないから……こういうのあまり見たこと無くて……ん……」

自慢げな顔が一気に崩れることとなった。いきなりアリスが私の傷口に口を寄せ、やさしくなめ始めたのだ。

「っ、……! な、何をしている」
「なめてるの……昔から言うじゃない」

アリス曰く『こんな傷、なめてれば治る』らしい。

「だが……ぐっ」
「ん……まだあふれてくる……」

浅い傷だったのだが静脈の近くだったためか、うっすらとすぐに血が染み出してきてしまう。
アリスは血が出ては舐めて、と言う行為を何回か繰り返した。

「ん……もういいわね」
「すまんな」
「いいわよこれくらい」

おもむろにアリスは自分のデイパックから先ほど阿部に破られた服を出した。
そしてその服を細く破り、傷口にあてた。どうやら服を包帯代わりにするらしい。――この部分は恐らく胸の辺りの布だろう……
「いくわよ」と一言断ってからスルスルと包帯を腕に巻きつけていく。最後まで巻きつけるとアリスは満足顔だった。

「よし、今度は私がやってやろう」
「え?」
561 ◆irB6rw04uk :08/02/11 01:32 ID:FnDYBScU
実は先程から阿部との戦闘で傷つけられたアリスの体が気になっていた。
アリスは鳩が豆鉄砲を食らったような顔をし、直後真っ赤になりながら「い、いいわよ! 自分でやるから」っと叫んだ。……なにか変なこと言っただろうか?
まぁいい。弱弱しく抵抗するアリスを半場強制的に押さえつける。なんとなくそんな気分だった。
「ちょっ、やめてよ!」
「遠慮することは無い」
「…………」

急に抵抗がやんだ……

「彦麿なら……」









いかん、伏兵がいた。










562 ◆irB6rw04uk :08/02/11 01:42 ID:FnDYBScU
私の心は1941年12月8日に勤務していたアメリカ太平洋艦隊の艦長より驚いているだろう。
「キャプテーン!! キャプテーン!! じゃぱにーずが奇襲してきやがっ……うぼぁ」

冷静に考えるとこの体制は不味いのでは?
傍から見れば私がアリスを押し倒しているように見える……いや、つい先程、この私が押し倒したのだった。
アリスはこうしてみると美人と評価するに十分で、女性的にまだまだ発展途上といったところだろう。
前に阿部が述べていたようにつるぺたなのだが……その性癖の人にとっては魂クリティカルと言ったところだろう。ダメージ増し増し。
いや、これはその手のお方でなくても少なからずクルものがある。これが女性の魔力かッ!!
いかんいかん。どうも今日は自重することが出来ぬ……

自重できない私の煩悩は続く。
私のA.TフィールドなんてアリスのアンチA.Tフィールドによって跡形もなく消し去られていく。貴女と溶け合いたい……だあああああ!! 危険思考だ!!

ここで注目するべき点はアリスは私の胴衣、それ以外を透き通るような白い肌に纏っていないのだ。
コンボ攻撃で押し倒した際に衣服が乱れると言う事態が起こっていた。胸元がバックりと開いていて胸の49%くらいは見えている。肩から胴衣がはずれ、異様な雰囲気を放っている首筋と鎖骨があらわになる。ま、眉唾物っ……
さらにさらに、胴衣の裾が腰の辺りにある。
裾とは言わずと分かるだろうが、服の端の部分である。
まぁ、つまり底から下には布が無いと言うわけで……腰から下は……

私は『胴衣を貸していて良かった』と思っていない。
貸していなければアリスは全裸なのだから、まずい状況になっているだろう……しかしだ。この胴衣は彼女の魔力を引き立てているような気がしてならない。

偉い? 人は言いました。
『ホモサピエンスと動物の違いは何か。そう、衣服の着用だ。つまりヒトは衣服があって初めてヒトなのだ!!!
 それを全部脱がすことでしか欲情できない貴様らはヒト以下!! 動物と同じだあああぁ!!』
要約すると、着ているほうがむしろエロゐ。

アッー!
563 ◆irB6rw04uk :08/02/11 01:47 ID:FnDYBScU
何故だ! 何故なんだッ!! なぜ目が離せない。
私の目はアリスのこれは自分を戒めるために用いるが、『嘗め回すように』見ていた。


胴衣オンリー……それだけでも破壊力はあるのに、もっとも強力な部分はなんと言ってもその表情だった。
うおっ、まぶしっ。
そう、淡々と述べるなら……期待と羞恥が混じったような顔だ。もうこれ以上は述べることが出来ない。



「ぶるぁぁあぁああああああ!!」

気がつくと私は自分の顔面に拳をめり込ませていた。その時心の中では「 悪 霊 退 散 」と叫んでいた。

           〆

アリスに包帯を巻き終わると朝倉が近づいてきた。
「そろそろ行くか? 城までもうすぐだ」
「そうね。気をつけて進みましょう」
「サッパリダゼー」
『………』

こうして私たちのある意味長い休憩を終らせ、橋を渡り始める。

「まって、彦麿。誰か前から来るわ」

出発して早々アリスに止められる。前から来るだと? ――そういえば何かイノシシが山中を駆けているような音がする。
その音は時が経つたびにドンドン大きくなっている。
564 ◆irB6rw04uk :08/02/11 01:54 ID:FnDYBScU
「きたわ!」

アリスの合図とほぼ同時だった。茂みから赤い服の男が大砲の弾のように飛び出してきた。続いてクラゲの化け物も出てくる。

「くっ、なんてスピードだ!!」
男はこっちに向かって真っ直ぐ進んでくる。こんなスピードで動く人など見たことは無かった。

あっという間に男に接近され、男は大きく跳躍した。
私はとっさにアリスの前に立ちはだかり、己の体を守るため身を堅くした……


――だが、衝撃は来なかった。男は跳躍したと思ったら、そのまま川に下りていってしまった。

私たちはキョトーンと男を見ていると、男はとても苦しそうにもがいた後、川に向かって……

「う……うげぁ……ぐぅぁあぁあっ……おぶ……
 (※映像は都合により橋の先に見える客船です。しばらくお待ち下さい)
 ごぉぶ……オヴェェエエエエエ……」
565 ◆irB6rw04uk :08/02/11 01:58 ID:FnDYBScU

っと言うことをしていた。

「…………アリスよ」
「言わなくていいわ彦麿。行くわよ……私の直感でコイツに相手しないほうがいいわ」
「ああ……私もそう思う」
「ゲロクセー」

男はあまりに気分が悪くて私たちが見えていなかったようだ。追いかけてくる様子も声をかける様子も無かった。
周りにいるクラゲもその男のあまりに早く走るため追いつくのが精一杯で私たちが見えていなかったようだ。

こうして私たちはかわいそうな目でその男とクラゲを見ながら去っていった。

566 ◆irB6rw04uk :08/02/11 01:58 ID:FnDYBScU
【C-3 南東部/一日目・真夜中】
【カービィ@星のカービィ】
[状態]:左腕爆破、全身にダメージ、胸部から腹部にかけてきり傷、
[装備]:
[道具]:支給品一式(食料以外)
[思考・状況]
1.(気絶)
2.アリスと彦麿についていく
3.魔獣を倒すために一時撤退。
4.魅音お姉さんの人探しを手伝う。スマブラ経由の知り合いには会いたくない
5.でも、ヨッシーとか、知らないヨッシーかも
6.マルクを倒して殺し合いを止める
※様々な記憶が内包しています。パッチをつけることで思い出しやすくなります。
※ミックスコピーを思い出しました。
※彦麿に背負われて移動しています。

【矢部野彦麿@新・豪血寺一族 -煩悩解放 - レッツゴー!陰陽師】
[状態]:全身に打撲によるダメージ(痛みは引きました)、半裸
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、ネギ@ロイツマ、孔明ブロック(大)@スーパーマリオワールド(友人マリオ) 、長門の首輪
    コイン*2@スーパーマリオワールド
[思考・状況]
基本.主催を含む悪霊退散
1.戦略的撤退、城に向かう
2.アリスを必ず守る。
3.つかさを心の闇から連れ戻す
4.琴姫の意思を継いで、悪霊を退散させる。
5.悪霊退散の為の修行を積む
6.猿の物の怪を改めて退散する
567 ◆irB6rw04uk :08/02/11 01:58 ID:FnDYBScU
【アリス・マーガトロイド@東方Project】
[状態]:全身打撲に切り傷(包帯による治療済)、魔力中消費、プラスパワー状態(残り時間少)
[装備]:朝倉涼子、炎道イフリナのフィギュア@ふぃぎゅ@メイト、彦麿の道着
[道具]:支給品一式(水全消費)、プラスパワー*5@ポケットモンスター、炎道イフリナのフィギュア@ふぃぎゅ@メイト
[思考・状況]
基本.しょうがないので異変解決。魔理沙の意思を継ぐ
1.できればまともな服がほしい。
2.涼子のため……じゃない、生き残るために少しやる気を出す
3.涼子の力でブレインな弾幕を作る方法を考える
4.お気に入りの人形とグリモワールオブアリスを探す
5.なんで魔理沙の服装……

【朝倉涼子@涼宮ハルヒの憂鬱】
[状態]:綺麗な人形
[装備]:レヴァンティン@くらっとけ!スターライトブレイカー(魔法少女リリカルなのはシリーズ)
白黒魔法使い風バリアジャケット
[道具]:支給品一式
[思考・状況]
1:サッパリダゼ-
2:アサクーラダヨー
3:マユゲダヨー
4:コーセーノーバックアーップダヨー
※朝倉涼子
死亡扱いです。首輪はついています。 命令がなければアリスを自動で守ります。
アリスの魔力が尽きない限り、表情もあり、人間と区別がつきません。
魔力が尽きた状態で数時間放置すると死体になり、二度と操れません。
朝倉涼子の情報改変能力は、暗黒長門の半分以下まで落ちています。
※アリスの魔力を消費して、シグナムの魔法が使えるかもしれません。
演算処理のバックアップをさせることで、情報改変能力が上がっている可能性があります。
服装がどうみても魔理沙です、本当にありがとうございました。

※ゴマモンの危険性を十分理解しました。
568 ◆irB6rw04uk :08/02/11 02:12 ID:FnDYBScU
投下完了。
少し加筆しましたがいいですよね?
何か不具合がありましたらお客様窓口まで
569Classical名無しさん:08/02/11 02:22 ID:.WjyZyFY
投下乙
対主催の最後の砦だなあピコ麿組
570Classical名無しさん:08/02/11 03:16 ID:.WjyZyFY
地図最新話まで更新しました
急いで作ったの間違っている点があるかもしれませんが、
その時はご報告お願います
http://takukyon.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/clip/img/103.png
571Classical名無しさん:08/02/11 03:41 ID:W9HQha7Q
>>570 乙!
KASが二人いるよ〜

こうしてMAPをあらためて見ると
対主催のほうも厳しい現状なんだな…いつのまにかw
マーダー勢が盛り返してきたな。

状況を打破できるほどの力を持っている参加者も限られてきたし
多くの対主催は怪我人で、しかも離散フラグ持ちとは…

ニートの教唆でハルヒの計略が見抜ければ話は簡単、即解決だが…
それ以前にロールの誤解がどうなることか
唯一の救いは、ニーKASがロールの話をまともに聞きそうに無いってことだな


572Classical名無しさん:08/02/11 07:39 ID:S5HhP21A
>>570
地図乙!
細かくてすまんがTASクラは右の橋にいるんだぜ

正直マーダーが減って焦ってたけど盛り返してきて良かった
これもマーガリンのおかげか。驚きの黒さの功績もすごいがw
山組もだんだん下りてきてるしここからが中盤の山場かな
573Classical名無しさん:08/02/11 11:17 ID:4pO7B6uI
>>567
投下乙だが、位置表示間違えてない?
TASさんはD-2橋にいるはずなのにピコ麿達の表示がC-3になってるぜ。
それ以外はGJ。なんというエロ展開…。
>>570
地図乙。こういう細かい心配りが書き手を支えてるぜ。

マーダー勢が盛り返してきてるというよりは、知略系が多くなってきたという印象だな。
そう安易に殺されにくい状況になってきた気がする。
阿部さんも優勝の為なら大嫌いな女とも組まない事も無い気がするし、
TASさんも殺し合いに乗り気の奴とは戦わない方針みたいだから同士討ちは心配しなくてよさそう。
真・驚きの黒さも発言に注意さえしておけばマーダー側に引き込めるかもしれない。
トミー&ハルヒは対立関係だが…他の連中は同士討ちをしなさそうというだけでかなり生存率が上がってる気がする。


エアマンダー&ムスカ?シラネ
574Classical名無しさん:08/02/11 11:24 ID:2AypvudI
ムスカ大佐はこっから人の温かさ、命の尊さを知り、勇気と希望を胸に対主催に名乗りをあげてくれる。

ラピュタ王驚きの白さに
575 ◆irB6rw04uk :08/02/11 11:39 ID:FnDYBScU
すみません、私のミスです。
wikiの時は直してくれませんか?
D-2です

後、>>558 の巨乳が虚乳になってました。それもお願いします。

にしても虚乳ってなんだ……PADか?
576Classical名無しさん:08/02/11 11:43 ID:u/aU.0y6
>>575
   紅              ___
               ,..- ´.'" ̄Y ̄ソ`ゝ-、
   魔         _'r-ヽi _'y_,..-─...,_/ヘ, ',
             ;' ヽ'´ ̄  ,、   ̄ヽ/,ゝ
   館           /  ./ノイrーイ-入  ,、  'ヽ,      ち
           ノ_,:イrーi '" ̄`'   V__'-.,イ i
   ま       .ノ  i.ゝ(ヽ,       ,  `/ ノ ゝ      ょ
           .|    / iy,  r==-, ",iイ〉i´
   で       i ,´ λ  (ゝ、_`ー ´ ,.イλ|         っ
        く"ヽ.  ,.,_r^ヽイ〉r )`ェ-,'"イVノヽi
   来     }  >'´.-!、"`ヽYゝ=i__i=;ゝイy´ ̄`ヽ     と
         |    −]  [><]ヽ Y / [><]   ヾ
   い    ノ    ,二!___.リ! /'|`i | ルゝ  _).  ∧∧ ./|
        /\  /,へ/  i.  し'レ' ノヽ、,イソ"" \ |.i |.i |///
577Classical名無しさん:08/02/11 12:26 ID:rMbikI6g
>>576 貴女は某所でロワ参加中のお嬢様の安否でも気遣っててください
578Classical名無しさん:08/02/11 13:17 ID:8VuNBrm.
ご指摘ありがとうございます
修正版うpしました
http://takukyon.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/clip/img/103.png
579Classical名無しさん:08/02/11 13:27 ID:8VuNBrm.
失礼しました
見落としてた死体があったので訂正しました
http://takukyon.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/clip/img/103.png
580Classical名無しさん:08/02/11 14:17 ID:3bm2Tdx2
虚乳っつったらB72の事だろうが!
581Classical名無しさん:08/02/11 15:08 ID:Ml03TG1I
そういえばそろそろ放送か?
人数減った&団子状態であんまりキャラが動いた感じが無いけど
582Classical名無しさん:08/02/11 16:08 ID:jNO8nFZU
5人くらいしか死んでないな
以外と残り多いのか
583Classical名無しさん:08/02/11 16:09 ID:jNO8nFZU
>真・驚きの黒さ
真がまだ生きてるのかと思ったwwwww
584 ◆jVERyrq1dU :08/02/11 16:23 ID:dsfdg/yU
>>579地図乙。でもレナがいなかったです。それとレナ達はD-3ですよー。報告が遅れてすいません。

修正をテスト投下スレに投下しました。霊夢の口調はイザヨイネットを見ましたがこれで大丈夫なのかどうか…
あと、クロミラが拳銃じゃなくてカードなのは量が多いので自分でウィキ編集しておきます。
585Classical名無しさん:08/02/11 16:41 ID:ISnsyhc.
>>584
乙です。
問題ないと思います。
586Classical名無しさん:08/02/11 18:23 ID:8VuNBrm.
>>584
ご指摘の箇所、修正しました
http://takukyon.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/clip/img/103.png
587Classical名無しさん:08/02/11 21:02 ID:4pO7B6uI
>>580
くっ

それはともかくとして放送を書いている人はいるのだろうか。
次の主催フェイズで首輪のエコノミー解除だっけ?
588Classical名無しさん:08/02/11 21:09 ID:pdqCxpSI
解除かどうかはわからない。電車横転でまた問題増えたからね…
かなり主催者泣かせなロワなのは確かだよ。

やったの元支給品だけどなwww
589Classical名無しさん:08/02/11 21:58 ID:2uXPBnkY
>>586 一つ間違いがあった
塔組の位置が表ではD-4だけど地図ではD-3になってる
590Classical名無しさん:08/02/12 00:00 ID:xvq.Y3VM
591Classical名無しさん:08/02/12 02:10 ID:QPykIvG.
E-5が地獄すぎるwwww
いや、実際地獄絵図なんだけど…

何回も修正してもらっちゃって
申し訳なく感じるな…乙でした!
592Classical名無しさん:08/02/12 10:57 ID:cktzuNdY
地図乙です

【確定参加者・場所・時間別一覧表】
夜中 D-2 橋の下             TASさん、クラモンB*3
夜中 C-2 滝周辺.                阿部高和
夜   C-3 山道中央部.             ムスカ
夜中 C-3 山道中央部・高台          エアーマン
夜中 D-1 草原                海馬瀬人、高槻やよい、双海亜美、日吉若
夜中 E-3 民家                  チューモン(元クラモンA)

まだ真夜中まで進んでいない人達。寝ている阿部さんとムスカはこのままで問題ないが
593 ◆CMd1jz6iP2 :08/02/12 13:52 ID:.m2KCJV2
TASクラB&C、搭組、ハルヒ、閣下、エアーマンを予約します。
まーた長くなりそうだなぁ……短くする技術が欲しいです
594Classical名無しさん:08/02/12 14:14 ID:cktzuNdY
期待してます
595Classical名無しさん:08/02/12 15:59 ID:qSQeca6U
>562
>異様な雰囲気を放っている首筋と鎖骨があらわになる。ま、眉唾物っ……
生唾物じゃね?
故意にこの表現というならすまん
596 ◆irB6rw04uk :08/02/12 16:45 ID:LjhbW7bM
>>595
うん、間違ってるね!
辞書で調べてから書いたんだけど生唾って書くつもりが眉唾になってたみたいだ……
修正してくれると助かります
597 ◆0RbUzIT0To :08/02/12 17:41 ID:0SVmLRd6
海馬瀬人、高槻やよい、双海亜美、日吉若を予約せざるを得ない。
598 ◆0RbUzIT0To :08/02/12 17:42 ID:0SVmLRd6
おっと忘れてた。クラモンDも追加で予約しまする。
599 ◆CMd1jz6iP2 :08/02/12 22:45 ID:bWXoYWjs
予約して早々になんですが、搭組とハルヒの予約を破棄したいと思います。
当初の予定と異なり、書き始めたら何名か私の手を離れて暴れだしました。
最近某所で主催者サイドに抜擢された私のことが気に食わないのかもしれません。
搭組、及びハルヒを活かせないので、書くのも失礼だと思い破棄することにしました。

TASクラB&C、閣下、エアーマン
彼らを予約しなおしたいと思います。
大変申し訳ありませんでした。
600Classical名無しさん:08/02/13 00:34 ID:CWsoOk9.
なんか最近キャンセルが目立つね…ドナルドにでも強迫された?
601Classical名無しさん:08/02/13 00:37 ID:8pUJxrPU
後半だから展開を慎重にしないといけないからな
ドナルドに脅迫されたら反対に書かないといけなくなる
602Classical名無しさん:08/02/13 16:35 ID:w4Yp.NrA
そうか、もう後半か…

始まってまだ半年も経ってないぞおいwwwwwww
603Classical名無しさん:08/02/13 17:18 ID:j1Ygr/Xo
なに、書き手ロワに比べりゃずっとスローペースだ
604Classical名無しさん:08/02/13 17:20 ID:S1Zy6J.I
>最近某所で主催者サイドに抜擢された
あそこのことかー!
ぎりぎり参加者で出れなかったのが残念だったからあのSSで俺歓喜ww
我らがニコ書き手がどう活躍するか今から楽しみだ
605Classical名無しさん:08/02/13 19:16 ID:w4Yp.NrA
>>604
kwsk
606Classical名無しさん:08/02/13 19:34 ID:eMbxzHL6
>最近某所で主催者サイドに抜擢された私
えーりん!えーりん! 無口なえーりん!
607Classical名無しさん:08/02/13 20:52 ID:nJdiW412
>>602
名作の初代アニロワは半年ちょっとで完結したぞ。
そういやド○○○○ってラストでどうなったんだ?パラレルワールド?

>>603
書き手ロワってそんな早かったっけ?
LSロワはおもろいけど、進行が遅いなぁ…もう1年経ってるし。
608Classical名無しさん:08/02/13 21:01 ID:Z0q7YoXo
>>607
投下数は200話を超え、参加者もすでに四分の一以上死亡した
しかも死亡ペースはあがっているwww
このままだと全滅ENDしかねーぞって勢いで死んでいるwww
609Classical名無しさん:08/02/13 21:38 ID:AcwXezIA
おい!スマブラMADでピンク玉がかっこいいぞ!
610 ◆0RbUzIT0To :08/02/13 21:41 ID:JBzrNf1I
ども、正義の味方、うっうー、ピヨシート、とかちが出来ました。
10時頃から投下します。
611笑顔のゲンキ ◆0RbUzIT0To :08/02/13 22:01 ID:JBzrNf1I
TAS一行を辛くも退けた亜美達は、どうにか再び城へと帰還を果たせた。
しかし、それはあくまでもどうにかというレベルであって無事安全にとは言い難い。
亜美は足と左腕に大きな火傷を作ってしまい、日吉も生きているのが不思議とも言える程の怪我を負ってしまった。
だが、それでも命があっただけマシという他無い。
むしろあのイチローを屠ったTASを相手にし、生き延びる事が出来ただけでも奇跡と言っていいだろう。

「ふぅん……とはいえ、今この状況で敵に襲われてはひとたまりもないがな」

主戦力である日吉に、身体能力の上がっている亜美が負傷してしまったのだ。
自分達四人の戦力は大幅に減退したと見ていい。
無論、海馬自身もゴッドカイバーマンとなる事で戦う事は出来るし、やよいにもことのはやオクタンなどというポケモンがいる。
そう易々とはやられなどしないつもりだが、それでもこの被害は大きい。

「早々に霊夢達に帰ってきてもらわねばならんな。
 ……この際、あのカスでも構わんが」
「そういえばKASさんは今頃どこにいるんでしょうね? ……怪我とかしてないでしょうか?」

脳裏にふと過ぎるのは、バグを探すなどと豪語していたカス。
やよいも彼を思い出し、その安否を気遣う。

「そのカスってのは……あのTASと相打ちしたって例の馬鹿の事か?」
「拳を交えて痛み分けとなった……少なくとも、あのTASと同程度の力を有していると見ていいだろう」
「ひょえ〜、凄いんだねそのKASって兄(c)」

海馬の言葉に、手当てを受けていた日吉と亜美は絶句する。
それも当然といえば当然、二人はあのTASと戦って相手の実力を知っているのである。
そのTASと同程度の力を持つものが存在するというのならば驚くのも無理からぬ事だ。
だが……海馬だけは少しばかり眉間に皺を寄せて考え込む。

「同程度の力を有しているからこそ、問題だ。
 奴もそこまで馬鹿とは思いたくはないが、仮に敵に上手く騙されて俺達に矛を向けてみろ。
 ……一気に形成は不利となる」
612笑顔のゲンキ ◆0RbUzIT0To :08/02/13 22:03 ID:JBzrNf1I
「でもでも、KASさんも私達と一緒に戦おうって約束したじゃないですか。
 私達に攻撃してくるなんてあり得ないですよ!」
「ふぅん……だが、奴は絵に描いたような単純な男だ。 万一という可能性は否定出来ん。
 故に、早々に俺達と合流して行動を共にしたいのだがな……」
「もー、兄(c)ったら難しく考えすぎなんだよ!
 強い人で、味方で、しかもバグ……えっと、色々探してくれてる人なんでしょ?
 だったら凄く心強い味方、でいいじゃん」
「そう短絡的に物事を考えていては為せる大事も為せはしない。
 常に最悪のケースを想定しておかねばな……よし、手当ては出来たぞ」

足に巻いていたシーツを蝶々結びにして仕上げると、海馬は亜美に告げる。
亜美は海馬の吐いた台詞に少しばかり不満の色を募らせていたものの、素直に礼の言葉を述べた。
海馬に勧められ、試しに立ってみる……やはり足の感覚は不安だが、立てない事はない。
歩くのも、少し不自然にはなるが可能だ。
恐らく、無理をすれば走る事だって出来るだろう。

「でも無理しちゃ駄目だよ亜美。 あくまで応急処置なんだから、病院に行くまで走り回ったりしない事!」
「ほーい、了解。 でも兄(c)ってば凄いね、もう歩くのも辛いって思ってたのに全然平気だよ!」
「ふぅん、当然だ」

亜美の言葉に海馬も笑みを浮かべて自身の処置の腕を自画自賛する。
だが、二人は恐らく気付いていないのだろう。
その傷の治りが早かったのは、ただ海馬の処置が完璧であっただけにしては早すぎる事に。
僅かながら、その腕にしているホーリーリングが傷の治癒に一役買っているという事に。

「そんじゃーやよいっち、ピヨくんの手当ては亜美が引き継ぐよん」
613笑顔のゲンキ ◆0RbUzIT0To :08/02/13 22:04 ID:JBzrNf1I
完全復活、元気全開、ファイト一発。
火傷の応急処置が完了して調子を戻した亜美はやよいの横に座り込み、日吉の手当てをしようと勝手に取り掛かる。
やよいもはじめは亜美にしばらくじっとしているように言ったのだが、亜美は決して引かない。
曰く、亜美は医者の娘なのだから応急処置はやよいよりも慣れているだとか。
曰く、ピヨくんの怪我を治すのは亜美だと帰ってくる時に約束をしていただとか。
曰く、さっきもピヨくんを治したのは亜美なのだから今度も亜美が治すのが道理だとか。
理由は様々だったが――とどのつまり、亜美はじっとしているのがその性分に合わないのだった。
ただじっとして傷の療養に専念するよりも、何かをしている方が数段楽。
何かと口が達者な亜美に口論で勝てるはずもなく、やよいはすごすごと引き下がる。

「うぅ〜、お仕事取られちゃいました……」

触る度に悲鳴を上げる日吉を面白おかしそうに笑いながらも、的確な処置を施していく亜美。
やよいより上手に手当てをするその姿を見ては、文句も言えはしない。
……とはいえ、戦えない自分が折角少しでも役に立てそうな場面だったのに、とやよいはしょげる。

「……ならばやよい、ことのはの様子を見てきてくれんか?」
「え? ことのはさんですか?」
「流石にしばらくTASの襲撃は無いと思うが、他の者が城に向かってくるかもしれん。
 一応ことのはが見張ってはいるが、奴は歩くのも遅く言葉も片言しか話せないからして、発見してから我々に教えるまでに少々時間がかかりすぎるのが難点だ。
 故に、お前にも見張りを任せたいのだが……出来るか?」
「うっうー! はい、それくらいなら私にも出来そうですぅ!」
「そうか! ならば行け、やよい!!」
「はい! 行ってきます、お兄ちゃん! 任せてください!!」
614笑顔のゲンキ ◆0RbUzIT0To :08/02/13 22:05 ID:JBzrNf1I
そう言い、海馬が指差した方向へ向けてやよい笑顔で駆けてゆく。
生来、やよいは働き者である。
アイドルとしてデビューする以前は事務所の掃除を一生懸命していたし、デビューしてからも決して驕る事なく舞台に立ち続けた。
それは家に帰ってからも同じで、何かと忙しい両親の代わりに進んで兄弟の世話も見ている。
13歳といえば遊びたい盛りだというのに、仕事に家庭にととにかく自分から進んで働いていたのである。
要領がいいとは言い難いが、それでもやよいは一生懸命に働いていた。
だからこそ、誰かの役に立ちたい――誰かの為に働きたいという思いも人一倍強いものであった。
それが兄や友達の為ともなれば、尚のこと。

「あっ、ことのはさん!」

先ほどまでいた部屋から走ってほんの数十秒、ことのはが窓から外を見下ろしているのが視界に入った。
ことのははやよいの声が聞こえると振り返ったが、ものの数秒でまた瞳を外へと向ける。
やよいはその隣に立って、ことのはへと顔を向ける。

「お手伝いしに来ました、一緒に見張り頑張りましょう!」

その言葉に今度はことのはも首を縦に動かし、同意の意思を伝える。
それを見てやよいは再び笑みを浮かべ、ことのはと同じく外へと視線を動かした。

「…………」
「…………」

日はとっくの昔に暮れており、月の灯りだけが頼りだった。
外は無音で、殺風景で、見ているだけで異様に不安を駆り立てられる。
そんな外を見ていた時間は……十分だったろうか、二十分だったろうか。
はじめは見張りを頑張る!と意気込んでいたやよいだったが、妙に瞼が重く眠くなってきた。
この代わり映えのしない風景を見ていれば、仕方の無い事かもしれない。
……端的に言えば、やよいは少しばかり見張りという仕事に飽き始めていた。
615笑顔のゲンキ ◆0RbUzIT0To :08/02/13 22:06 ID:JBzrNf1I
「うぅ〜……でも、私に出来るのってこれくらいだし……頑張らないと!」

頬を抓り、眠気を吹き飛ばそうと必死に歯を食いしばる。だが、やはり瞼は重い。
考えてみれば、もうすぐ丸一日が経過しようというのに殆ど睡眠を取っていない。
おまけに何かと走ったり動いたりで心身ともに疲れている。
瞼が重たいのも当然といえるだろう。

「うぅ〜……でもでも……ちゃんとお仕事しないと……」

せめて、身体を動かしていれば眠気は吹き飛ぶかもしれない。
そう思い、やよいは早速軽くダンスのステップを踏み始めた。
軽くとはいっても、そのダンスのステップは見る人が見れば素人のそれではないとわかるだろう。
腐ってもアイドル――まだ幼いとはいえど、その動きは紛れも無くアイドルのそれだ。
しかし、身体を動かせば当然それだけの体力を消費する。
そのステップを踏む事数分後、今度は眠気とはまた違う欲求がやよいを襲ってきた。
くきゅるぅ〜。

「……お腹すいちゃいましたね」

いつの間にか、自分と同じように可愛らしいステップを踏んでいたことのはに問いかける。
そういえば、ここ数時間何も口にしていないような気がする。
朝にはけいこが作ってくれたししとう尽くしの料理があったし、その合間にもちょこちょこパンは食べていた。
だが、それだけでは到底育ち盛りのやよいには足りない。
それは恐らくやよいだけではなく、海馬や亜美達にしてもそうだろう。

「あっ、そうだ!」

突然、やよいは何かを思い立ったかのように手の平をぽんと叩くと、
すぐさまことのはに見張りを頼んで自身はどこかへと走っていってしまった。
616笑顔のゲンキ ◆0RbUzIT0To :08/02/13 22:09 ID:JBzrNf1I
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

それから数十分後の事、ようやく治療を終えた海馬達がことのはのいる大広間へと移動していた。
無論、あれほどまでに打ちのめされていた日吉も一緒である。
肩を借りながらとはいえ歩く事が出来るその驚異的な頑丈さに海馬も亜美も舌を巻いていたが、
日吉の話によるとプロの世界ではこの程度の怪我など日常茶飯事らしい。

「ふぅん、どうやらテニスというスポーツに対する認識を改めねばならないようだな……」
「いや、っていうか普通に考えてプロの世界だってピヨくんみたいに酷い怪我なんてしないでしょ!?
 っていうか、テニスなんてそんな怪我ばっかりするスポーツじゃないってば!」
「何言ってやがる、俺達中学レベルでだって観客席までボールの衝撃で吹き飛ばす奴くらいいるんだぜ?」
「えぇー!? それ、もはやテニスじゃないよ!?」

などと、珍しくも亜美が突っ込み役をするなどという構図を取りながら海馬達は大広間のソファーに座した。
当面の行動の指針や情報の整理などをする為である。
その際、海馬はことのはと共に見張りをしているはずのやよいを探したのだが……姿が見えない。
手洗いかと最初は思っていたのだが、どれだけ待っても戻ってこないのである。

「ことのは、やよいはどうした?」

海馬がことのはに問いかけると、ことのはは矢張り無言のままただその手に持っていた妖精の剣を台所へと続く道に向け指した。
その瞬間である、当のやよいが何か鍋のようなものを抱えながら台所から出てきた。

「あ、もう手当ては終わったんですか?」
「やよい……ふぅん、どこへ行っていたのだ?」
「えへへ、実はこれ作ってたんです。
 私もお腹ぺこぺこだったし、皆もそうじゃないかなって思って……」

そう言い、鍋を机に置き蓋を開く。
すると食欲を掻き立てるいい匂いが辺りに充満し、湯気が吹き出た。
中身を見てみると艶やかな白米の中に溶いて閉じたと思われる卵や刻んだネギがあるのが見て取れる。
617笑顔のゲンキ ◆0RbUzIT0To :08/02/13 22:10 ID:JBzrNf1I
「皆、お腹空いてますよね? あんまり上手に出来てないかもしれませんけど……」
「いや、あのパンに比べてこれは遥かに食欲がそそられる……卵粥か? ……ふぅん、よく食材があったな」

手際よく椀に盛り付けていくやよいを見ながら、海馬は感慨深く呟く。
海馬にしてみればこの場に連れてこられてから初めてのまともな料理だ。
思わず口の中から唾液が溢れ出しそうになるのも無理からぬ事である。

「うぅ〜、実はそれが凄く大変だったんですよ〜」
「ふぅん? 一体何があった?」

やよいの話によると食料庫への扉にやたらとお札が張ってあり、触ると静電気のようなものが流れたという。
それでもなんとか我慢をして無理やり開けたのだが、それにしても不可解な話だ。
一体何故食料庫にそのような措置が施されていたのだろうか。

「朝はあんな事無かったんですけど……」
「それなら、霊夢がやったんじゃないか? あいつもお前と同じように料理をしていたからな。
 大方、あのドカ食い恐竜に食われないように結界だか何だかをしたんだろうよ」
「結界か……非ィ科学的だな。 とはいえ、城に敵が侵入して食料を封じたとも考え難い。
 とするならば、恐らくその観測が正しいだろう」
618Classical名無しさん:08/02/13 22:12 ID:AcwXezIA
 
619笑顔のゲンキ ◆0RbUzIT0To :08/02/13 22:12 ID:JBzrNf1I
一応、その結界を破ったというやよいの手のひらを見てみたが見た限りでは異常はないように見えた。
それもそのはず、霊夢が張った結界は誰でも破れるような微弱な結界。
目的はあくまでもヨッシーのつまみ食いを阻止する事と、誰かが進入した事実を把握する為なのだから。
……ひとまず、その札の正体もわかったところで四人は少し遅めの晩餐を取る事にした。
ただ塩のみで味付けられいるだけのものだったが、それでもその暖かさとほのかな味わいは四人の身も心も満足させる。
貴重な卵を巡り合って日吉と亜美が小競り合いをしたり、或いは海馬が一口食べた途端に『うーまーいーぞー!!!』と絶叫をしてみたり。
いたずらを思いついた亜美が日吉に俗に言う『あ〜ん』をして、大いに日吉を狼狽させたり。
それを真似たやよいが海馬に『あ〜ん』をして、二人ともが照れてみたり。
見張りを頑張っていることのはと、ボールの中に入っていたオクタンにもお裾分けをしてみたり。
そんなこんなでどんどん食べるものだから、鍋の中身はすぐに空になってしまった。

「ご馳走様でしたっ! あ〜、美味しかった」
「ふぅん、久方ぶりに人間らしい食事を取った気がするな……美味かったぞ、やよい」
「ご馳走さん、霊夢の鍋もよかったがこの卵粥も悪くなかったぜ」
「いえいえ、お粗末様でした〜」

それぞれが賛辞を述べるので、やよいも照れくさくなって頬を染めながら鍋や食器をそそくさと台所へ運ぶ。
それを見て、亜美も立ち上がり食器を運ぶのを手伝い洗い物を手伝う。
後に残ったのは、日吉と海馬。

「それで……これから、どうするんだ?」
「ふぅん……ひとまずは、現状維持をするより他ないだろう」
620笑顔のゲンキ ◆0RbUzIT0To :08/02/13 22:14 ID:JBzrNf1I
日吉の問いに、海馬はため息をつきながらも答える。
今は動くべき時ではないし、そもそも動けない。
治療を施したとはいえ、日吉と亜美はまだ安静にしておかなければならない。
首輪の解体にしても、まだ情報が少ない為に上手く事が運んでいない――待ちの一手を打つしかないのである。
或いは霊夢とヨッシーが帰ってきてくれれば、霊夢の持つ知識とレイジングハートの知識、
それに海馬の知識を加えて首輪に対する何らかのヒントを得る事が出来るかもしれない。
ヨッシーがいれば日吉と亜美を乗せて動く事くらい軽い事だろう。
だが、今は二人ともいない。故に動けない。

「しばらくは待ちだ――この城で待機をするより選択肢は無い。
 とはいえ、あまりに霊夢達が遅いようだとそうも言ってはおれんがな」
「……あんま考えたくねぇが、もしあいつらがYOKODUNAにやられているとしたら?」
「それならば、次の放送で名が呼ばれるだろう……そうなれば、もう一度策を練り直さねばならんがな」

霊夢達が死ぬとは考えたくは無いが、そういう最悪のケースも考えておかなければならない。
腕を組みながら考え込む海馬の横で、日吉は歯噛みをする。

「俺が怪我さえしてなけりゃあ……あいつにも、加勢が出来たってのにな」
「それは確かにそうだ……だが、貴様が残ったからこそ俺達はTASを退ける事が出来た。
 仮に貴様が霊夢に加勢をしていたならば、俺ややよい、亜美は間違いなく危険に晒されていただろう」
「……そりゃそうだが」
「ふぅん、ともかく今は無駄な事は考えずに身体を休めておけ。
 所詮、貴様のような凡骨が幾ら思案をしたところでよい策など出てきはしない」
「ちっ、ならてめぇなら出てくるってのか?」
「無論だ」

日吉は釈然としない様子だったが、海馬のその断言するような口調には何も言えず口を噤んだ。
そうこうしている内に、洗い物を終えたらしいやよいと亜美が手を拭きながら帰ってきた。
何がおかしいのか、二人はくすくすと含み笑いをしながらソファーに座り込む。
621笑顔のゲンキ ◆0RbUzIT0To :08/02/13 22:16 ID:JBzrNf1I
「どうした、二人とも?」
「ん〜、実はね〜さっきやよいっちから聞いたんだけど、食料庫に鶏がいるんだってさ」
「鶏? ふぅん、それはいるだろう……卵があるくらいだからな」

鶏くらい、別にいたって不思議ではない。
食料庫と言うからには当然食料を置いてあるからして、鶏がいるのも当然といえば当然だろう。
何をそんなにおかしがるんだろうかと海馬が首を捻っていると、それを察したかのように亜美が畳み掛ける。

「それがさ〜、名前がおかしいんだよ。
 『とさいぬ』でしょ? 『ハト』でしょ? 『ビルゲイツ』でしょ?
 えーっと、あとは確か……」
「『モヘンジョ』だよ」

――そこは『モヘンジョだろ』と言って欲しかった。
なんて声がどこかから聞こえてきそうだったが、そんなのは無視して亜美とやよいはくすくす笑っている。
箸が転がっても笑う年頃……海馬は少々呆れながらも、二人の笑顔をそのまま見ていた。
少なくとも、この少女達はまだ未来には決して絶望などしていない。
ほんの些細な事でも楽しみを見つけて笑っている。
それを見ていると、何故だか不思議と自身の身体の活力が漲ってくるような気がした。

「おいおい、名前だなんてどうしてわかったんだよ?」
「胸に名札が貼ってあったんですよ、最初見た時はびっくりしました!」

日吉も恐らくは海馬と同じ心境なのだろう。
少し呆れた顔ながらも、決して二人を馬鹿にしているような笑みは浮かべてはいなかった。
楽しそうに喋る亜美を見て、生きる活力――真っ直ぐに生きてやるという力を、授けてもらっているように見える。

「でもさぁ〜、とさいぬは無いよね。 とさいぬは」
「ふぅん……二人とも、お喋りはその辺りにしておいて今日のところはもう寝てはどうだ?」
「ほえ?」
622笑顔のゲンキ ◆0RbUzIT0To :08/02/13 22:17 ID:JBzrNf1I
なおもお喋りをやめそうになかった二人に、海馬はただ告げる。
既に夜の帳は落ちており子供が起きているような時間ではない。
それだけではなく、体力を回復するという意味でも疲労を取るという意味でも睡眠は不可欠だ。
動く必要が無いからこそ、今の内に睡眠を取っておいた方がいいだろうというのが海馬の弁だった。

「お兄ちゃんはどうするんですか?」
「俺はしばらく起きて見張りをしていよう……放送も聞いておくから、日吉も今の内に眠っておけ。
 一人が起きていれば事足りる」
「でもでも、それじゃあお兄ちゃんが眠れないです!」

海馬の提案に、やよいが意を唱える。
やよいもこう見えて中々の意地っ張りであり、その意地の張りようは主に節約関係に出てくる事が多い。
家族の事になると少し甘くなるものの、それでも今回の海馬の提案には乗れなかった。
家族であるからこそ、海馬の健康を思うとやよいも意地を張る他ないのである。

「お兄ちゃんも眠らなくちゃ駄目です! じゃないと、私も眠りません!」
「やよい、俺はこう見えても徹夜などは何度もこなしている。
 怪我も特にしていないし、眠らずとも……」
「でもでも……やっぱり駄目ですよ」
「ふぅん……」

強靭!無敵!最強!である海馬もやよいの言葉には少しばかり弱い。
自身の言葉も理には適ってはいるが、やよいの言葉もわからないでもなかった。
確かに、数時間だけでも睡眠を取る取らないとでは頭の回転も違う。
眠れるものであれば寝たいものだが、やよいだけを起こしておいて自分が眠るというのも流石に気が引けてならない。
623笑顔のゲンキ ◆0RbUzIT0To :08/02/13 22:18 ID:JBzrNf1I
「もー、二人ともそんな事で喧嘩しないでよ。
 そんなら、交代して寝ればいいじゃん」
「交代か……ふぅん、確かにそれならばいいだろう。 やよいも、それでいいな?」
「……はい! それならいいです!」
「決まりだな。 ……では、俺が最初に起きておく。
 ……そうだな、放送が鳴れば起こすから、やよいもそれから二時間後に俺を起こしてくれ」
「うっうー! わっかりましたぁ!」

亜美の言葉に、割とあっさりと妥協案が通る。
こんな簡単な妥協案も思い浮かばなかったとは、と海馬は少しばかり自嘲した。

「俺達は起きてなくていいのか?」
「ふぅん、碌に動けん奴に見張りを頼んでも役割を為せるとは思えんからな。
 貴様は傷の療養に専念するがいい」
「……へいへい、それじゃお言葉に甘えて眠らせてもらうとするかね」

日吉に肩を貸し、寝室へと向かう。
扉を開けると特大のダブルベッドが一行を迎えてくれた。
まずはそこに日吉を寝かせ、布団を被せる。
やよいは海馬となるべく近い場所にいたいという話だったし、起こす時に誰かが近くで寝ていてはその人まで起こしかねない。
そういう事で、ここで寝るもう一人は亜美という事になるはずだったのだが……。

「ちょっと待て! 流石にそれはまずいだろ!」
「え? どうしてですか?」
「いや、どうしてってそりゃ……ほら、俺は男でこいつは女でだなぁ。
 男女七つにして席を同じゅうせずって言葉もあるように……」
「男女男男女男女?」
「違う!」
624笑顔のゲンキ ◆0RbUzIT0To :08/02/13 22:19 ID:JBzrNf1I
純粋に何がいけないのだろう、と首を捻るやよいに対して日吉は言葉を濁しながらも言うも全く通じない。
亜美はまだ小学生ではあるものの、その容姿はアイドルをやっているだけあって抜群である。
口を閉じていればその手のアブナイお兄さんのみならず、一般人だって虜にするに違いない。
おまけに、発育だって小学生にしてはいい方だ。
バストのサイズなど年の近いやよいや、B-72に定評のある千早に勝っている。
その手の趣味がない日吉にしても、狼狽するのは無理からぬ事だった。
しかしながら、その様子を再び面白がった亜美が強引に布団にあっさりと入った為に事はここに決着した。
日吉はやたらと顔を赤らめて体を硬くしているし、亜美はその様子を見て笑っている。

「ふぅん、遊ぶのも結構だがしっかりと寝ておけよ」
「あいあいさー。 亜美も流石に眠いし、ちゃんと眠っておくよん」
「お、おう……熟睡出来るかどうかは不安だがな」
「それじゃあ、おやすみなさい」
「あいよー、やよいっち、兄(c)おやすみー!」

横になりながら手を振っている亜美を見、海馬とやよいは静かに扉を閉じる。
それから数分後……二人とも疲れていたのだろう。
決してR-18タグがつけられるような事象には至らず部屋の中から二種類の寝息が聞こえ始めた。

再び大広間に戻ると、やよいはソファーに横になり寝室から持ってきた毛布を被った。
少々体勢的に寝苦しいが、他に寝室などはない以上仕方がない。

「それじゃあ、ちゃんと起こして下さいね?」
「わかっている……起こすまで、しっかり寝ておくんだぞ?」
「わかってます! それじゃ……お兄ちゃん、お休みなさい」
「ふぅん……ああ、お休み」
625笑顔のゲンキ ◆0RbUzIT0To :08/02/13 22:20 ID:JBzrNf1I
そうして就寝の挨拶を済ませると、やよいは瞳を閉じて眠る姿勢を取る。
しばらくして寝息が聞こえ出すと海馬はやよいの近くから離れ、未だ監視を続けていたことのはにボールに戻るよう告げた。
ことのはも快くそれを了承し、素直にボールに戻る。
今の状況ではことのはも貴重な戦力だ、例え参加者でないといえど休める時には休ませておきたい。
ことのはが立っていた場所と同じ地点に立ち、外を見回す。
敵と思しき影は一つも見えない……。

「うぅ、ん……」

ふと、背後から寝言が聞こえてきた。
近寄ってみてみるとやはりソファーなどでは寝難いのだろう、表情も苦しそうだ。
思い起こせば、海馬とやよいはまだ出会って半日程度しか経過していない。
だというのに、海馬自身はやよいを――やよいは海馬を異常なまでに必要としている。
海馬はモクバの影を……兄弟の影をやよいに被せているのだろうか――否、それは無いと信じたい。
やよいはけいこの影を……家族の影を海馬に被せているのだろうか――否、それも無いはずだ。
互いが互いを必要としているのは、単純に新たに生まれた兄妹という絆の為に他ならない。
海馬の知恵がやよいを助け、やよいの元気が海馬を励ます。
兄が妹を必要とし助け、妹が兄を必要とし励ますのは道理だ。

「けい……こ……さん……」
「ふぅ、ん?」

やよいの呟きに気付きそちらを見てみると、頬を涙が伝っていた。
寝言といい、恐らく悲しい別れの夢を見ているのだろう。
626笑顔のゲンキ ◆0RbUzIT0To :08/02/13 22:23 ID:JBzrNf1I
「ちは……さん……真美……まこと、さん……ど、して……」
「…………」

気丈に振舞っていたとはいえ、やよいもまだ13歳の少女だ。
海馬ですらモクバの死をはじめは受け入れられず。
悩み、傷心し、後悔をしていたというのだから、やよいが耐えられようはずもない。
親しい者達との別れを悲しんで当然だ。
むしろ、悲しみながらも立ち、気丈に振舞っていたその心の強さを認めるべきだろう。
海馬は起こさぬようにそっと、やよいの瞳に溜まっていた涙を拭い去った。
今は何も出来ないが、こんな事をして何の解決にもならないが、せめてその程度の事はしておきたかった。
そうして、そのまま後ろに下がると再び窓の近くへと寄り、外へと視線を向ける。
……その時、再び背後から音が聞こえてきた。

「む?」

やよいが寝返りをした音かとも思ったが、どうも違うようだ。
先ほど聞こえた音は何かが走り抜けるかのような音であった故に、寝返りの音とは似ても似つかない。
辺りを見回しては見たものの、何者かがいる様子も無いようだが……。

「ふぅん……さては、やよい達の言っていた鶏か何かか?」

この大広間と台所とは比較的近い。
恐らくは閉め忘れたのだろう扉から、鶏か或いは他の生の生物が激しく動いている音が聞こえてきたのだろう。
案の定、台所まで行って確認をしてみると予想通り食料庫の扉は開き中から物音が聞こえてくる。

「やれやれ、後でやよいによく言っておかねばならんな……」

やたらと煩いその食料庫の中には目もくれず、海馬は静かにその扉を閉じ――再び監視の任に就く。
その背後で、毛布を被っていたやよいはその瞳にもはや涙は浮かべず。
ただ薄らと笑みを浮かべ、兄となってくれたその人とただ一緒に過ごしているという――とても幸せな夢を見ていた。
627笑顔のゲンキ ◆0RbUzIT0To :08/02/13 22:24 ID:JBzrNf1I
【D-1 城・大広間/一日目・真夜中】
【海馬瀬人@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ】
[状態]:断固たる対主催の決意、監視をする男カイバーマン
[装備]:正義の味方カイバーマンのコスプレ@遊戯王DM ゴッドクラッシュ@ゴッドマン
盗賊の棺桶@勇者の代わりにバラモス倒しに行くことになった DMカード(青眼の白龍、魔法の筒)@遊戯王DM(現在使用不可) 、首輪
[道具]:支給品一式×2(食料1消費)、十得ナイフ@現実
毒針@ドラゴンクエストシリーズ、ナイフとフォーク×2、包丁
[思考・状況]
1:放送が流される時刻まで監視作業。霊夢の帰りを待つ
2:首輪の解析を進める
3:自分と同じ境遇、そうなりそうな人を救いたい(ただし仲間の安全が優先)
4:船に積んであったコンピュータを利用したい。船内の探索もできればしたかった
5:エアーマンなど高度なロボットを解体して、自分の技術力が通用するか知りたい
6:殺しあいには絶対に乗らない
※ブルーアイズが使えないのは、自分が主として認められていないためだと思っています
※ロックマンを岩を飛ばすロボットと予想。エアーマンの仲間と思っています
※キーボードは船の艦橋にあるコンピュータに刺さったままです

【高槻やよい@THE IDOLM@STER】
[状態]:体力全快、右手骨折(治療済み)、睡眠
[装備]:包帯、ことのは@ヤンデレブラック、オクタン@ポケットモンスター
[道具]:支給品一式×2(水と食料1消費)、MASTER ARTIST01〜10@THE IDOLM@STER
    DMカード(六芒星の呪縛、攻撃誘導アーマー)@遊戯王DM(現在使用不可)
世界樹の葉@ドラゴンクエストシリーズ、壊れたオセロ@現実
[思考・状況]
1.放送後、お兄ちゃんと交代して監視する。霊夢の帰りを待つ
2.「ことのは」さんとも、もっと仲良くなりたいなぁ
3.魔理沙さん達のことは悲しいけど、お兄ちゃん達とがんばります!
4.緑色の服の少年を後で埋葬してあげたい
5.人は絶対に殺しません
※ことのはの所持品は「妖精の剣」です。
628Classical名無しさん:08/02/13 22:24 ID:1hdpUIh2
シェンロン
629笑顔のゲンキ ◆0RbUzIT0To :08/02/13 22:25 ID:JBzrNf1I
【D-1 城・寝室/一日目・真夜中】
【双海亜美@THE IDOLM@STER】
[状態]:右足に大きな火傷・肩と左足に火傷(共に治療済み、徐々に回復中)、ルイージ(HI☆GE)、睡眠
[装備]:ホーリーリング@デジモンアドベンチャー、ルイージの帽子@スーパーマリオワールド、弾幕の作り方@東方project 、
[道具]:支給品一式(食料1消費)、道下のディパック【支給品(1〜2)、ハイポーション×2@ハイポーション作ってみた】
[思考・状況]
1:霊夢が帰ってくるまでお休み
2:殺し合いには乗らない。みんなで脱出する方法を探したい
3:ヒゲドルとして生きていきまーす、んっふっふー
4:無事に帰れたら、オメガモン感謝祭を開く。

【日吉若@ミュージカル・テニスの王子様】
[状態]:疲労大、肋骨損傷・左の腕と肩にごっすんくぎ(共に治療済み)、少しドキドキ、睡眠
[装備]:カワサキのフライパン@星のカービィ
[道具]:支給品一式 食料2人分、水2人分
ヒラリマント@ドラえもん 、マカビンビン@うたわれるものらじお、ことのはの鋸
[思考・状況]
1.霊夢が帰ってくるまでお休み
2.手段を問わず、主催に下克上する。
3.亜美にボブ術の基本を教える。
4.ことのは、亜美と交代しながら人が近づいてこないか監視する。
5.下克上の障害は駆除する

霊夢、ヨッシー、海馬、日吉、やよい、亜美の共通認識
※なのはの世界についての知識を得ました。霊夢と海馬以外、不思議な力としか認識していません。
※全員、知っている情報を交換しました。少し大雑把で、認識の違いはあります。
※名簿が、世界の住人ごとに載っていることに気がつきました。
※各地に監視装置があり、首輪にも盗聴機能があることを認識しました。
※YOKODUNAに関する情報を入手しました。
※生首が真だという考えは、霊夢とヨッシー以外は揺らいでいます。
※やよいが海馬を兄と呼ぶのは、海馬の趣味か何かだと思っています。
630笑顔のゲンキ ◆0RbUzIT0To :08/02/13 22:26 ID:JBzrNf1I
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

――その頃、食料庫ではまだ騒ぎが収まっていなかった。
海馬の予想通り、鶏が暴れまわっているのだろうか――いや、違う。

「ケラケラケラケラケラ」

ケラモンだ。
ケラモンが、逃げ回る鶏を追い回し、引き裂き、肉を食らっている。
辺りには夥しい数の血溜まりが出来、逃げ回る鶏から抜け落ちた羽が散乱し、衝撃で倒れた食料がその原型を留めていなかった。
最後の一匹……モヘンジョをようやく捕まえ、ケラモンは大きな口を開けてそれを一気に食す。
すると、ようやく分裂を果たせた。
これで先の分裂を含めて三体……だが、まだ少し心許ない。

「ケラケラケラケラ」

ケラモン達は更に食料を食らった。
目に映るものは肉、野菜、穀物……何もかも食らった。

ケラモン達は、この城に着いて早々暴れまわるつもりだった。
しかし、それが出来ない理由があった。
怪我をしているとはいえ、ボブ術の使い手である日吉がいたから? いいや、違う。
ルイージと同等の力を持つ亜美がいたから? それも、違う。
問題はただ一つ――外を監視していた、ことのはの存在だった。

野生の世界では、気配……第六勘というものが物を言う。
海馬ややよい、日吉や亜美を出し抜く事はケラモン達にとって簡単だったが、自分達と同じような存在であることのはの目だけは盗める自信が無かった。
デイパックから出ようとしても、出るタイミングが無かったのだ。
631笑顔のゲンキ ◆0RbUzIT0To :08/02/13 22:27 ID:JBzrNf1I
だが、幸運な事にことのはは自ずからボールに戻った。
そうなれば、後は気配を殺してデイパックから出て機運を待つのみである。
すぐさま監視をしている海馬の目を盗み、台所へと向かった。

そして、この惨状である。

ケラモンはただ食す。
あらゆるものを食いつくさんとばかりに、食す。
これは好機だ……デイパックの中で聞いていた限りでは、放送が始まった後に見張りは交代するらしい。
その交代役は、あのいかにも弱そうな少女。
あの少女ならばそれほど時間をかけずに殺せる。
時間をかけずに殺せば、それだけ寝ている相手に気付かれる可能性を減らせる。

「ケラケラケラケラ」

それまで……ケラモンは、力を蓄える事にした。
一撃であの少女を殺せるほどの力を。

「ケラケラケラケラ」

放送がはじまるまで……あと数刻。

【D-1 城・食料庫/一日目・真夜中】
【クラモン(ケラモン)D】
[状態]:健康 現在3体 鶏の血塗れ
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考・状況]
1:放送終了後、女の子にいたずら
2:TAS、どこ行った?
3:向こうのクラモン、何があったんだ?
632 ◆0RbUzIT0To :08/02/13 22:29 ID:JBzrNf1I
これにて投下終了です。
モヘンジョとかを出したかった……一応一話で殺したけど、問題あるなら修正します。
支援ありがとうございました。
633Classical名無しさん:08/02/13 22:39 ID:0ssgzMSg
投下乙!
TASさん襲撃以外は順調だった城組についに死者が出るのかな?
634Classical名無しさん:08/02/13 22:40 ID:1hdpUIh2
投下乙
ほのぼの展開でなごみました。
しかしだいぶマーダー側が押してきたな。
635Classical名無しさん:08/02/13 22:41 ID:AcwXezIA
投下乙!
これは、城も大変なことに……
れいむ〜、早く戻ってきて〜
636 ◆CMd1jz6iP2 :08/02/14 17:08 ID:/LvExpp2
例のごとく心配な内容なので、したらばに投下してきました。
そしたら、したらばにもNGワードだと言われて一部書き込めませんでした。
そこの部分はそれほど問題はない……いや、弾かれた時点で問題なのか。
ともかく、後でまた投下してみますが。
投下してある内容に問題ないか確認願います
637Classical名無しさん:08/02/14 17:49 ID:j.sby0wg
>>636
投下乙!
くぁ〜、こうきたかぁ…といった感じ。
うん、これは面白くなりそうだ。
個人的には通したいけど、他の人次第かな…面白いんだが、確かにちょっとやりすぎ感はないでもないw
638Classical名無しさん:08/02/14 18:43 ID:ez7yhX5k
投下乙です
相変わらずネタ満載で笑わせてもらったww
大丈夫のような…というか通したいな。NGワードが気になるが

しかし塔組にも城組にも本格的に崩しにかかってきたな
これからが山場なんだろうか。どうなるかwktkが止まらないぜ
639Classical名無しさん:08/02/14 18:48 ID:j.sby0wg
塔組→近くにTASさん、内部にハルヒ\(^o^)/
城組→内部にケラモン、やってくるエアーマン\(^o^)/
ニート軍→ロールちゃんがSuicaを勘違い\(^o^)/
山組→スデニオワテル/(^o^)\
640Classical名無しさん:08/02/14 19:32 ID:j.sby0wg
仮投下の方も含めて、現段階までで真夜中まで行ってない方々。
そろそろ放送いける?
【確定参加者・場所・時間別一覧表】
夜中 C-2 滝周辺.                阿部高和
夜   C-3 山道中央部.             ムスカ
夜中 E-3 民家                  チューモン(元クラモンA)
641Classical名無しさん:08/02/14 19:55 ID:wXWOgBaw
寝てる阿部ムスカは動かす重要度は低い
チューモンくらいかね
642 ◆jVERyrq1dU :08/02/14 20:09 ID:PMb1Vy/2
すかさずチューモン予約
643Classical名無しさん:08/02/14 20:25 ID:/I97jAkw
>>636
この程度なら ニ コ ロ ワ だ か ら でおkな気もしないでもないが
644Classical名無しさん:08/02/14 22:38 ID:yKFaOQoY
>>636
上のレスにある通り、ニコロワだから大丈夫じゃあないか?w

これは城組の強力な助っ人に成り得るか…?あの漫画は読んだ事ないから設定とかはよくわからんのだが、スタンスとしては対主催のままで良いんだよね?
あ、それと陰陽玉が本来の持ち主の所に戻るかもしれんのか。
陰陽玉の威力ってどれくらいなんだろ。
645Classical名無しさん:08/02/14 23:04 ID:hshHWAmE
このスレの為に東方を5つ買ってきた。
図書館が倒せなくて涙目www

陰陽玉はホーミングレーザーに見える。
レイムーの横に陰陽玉が浮いてて、それが近くの敵をホーミングする透けてる陰陽玉を沢山打ち出してる。
646 ◆CMd1jz6iP2 :08/02/14 23:22 ID:GSDzlEKQ
投下しても大丈夫でしょうか。
しかし、どれだけ頑張ってもNG食らう部分が不安だ。
何のネタも無いし、特にヤバイ表現もないんですがどうしよう。
647Classical名無しさん:08/02/14 23:24 ID:wXWOgBaw
まぁとりあえずやってみろ
後で問題とか出るかもしれんがそん時はそん時だ
648Classical名無しさん:08/02/14 23:29 ID:dMDQfZvI
>>645
お前の熱心さににわか東方厨の俺が泣いた。
とりあえず、攻略したいなら、ニコ動でプレイ動画を見るんだ。
ただし神プレイとかじゃないクリア重視とかの講座系のやつな。神は真似しようとするだけ無駄だw
649 ◆CMd1jz6iP2 :08/02/14 23:33 ID:GSDzlEKQ
それでは投下します。
650黒より暗い人物 1/22 ◆CMd1jz6iP2 :08/02/14 23:36 ID:GSDzlEKQ
「くそっ、ロムスカは一体どこへ行ったんだ?」
エアーマンは、ロックマンの残骸、支給品を回収した後にムスカとの合流を急いだ。
だが、どこにもその姿はない。とうとう山を降りきってしまった。
「まさか、殺されたのか。だとしても死体があるはずだが……ん?」
何か、叫び声のようなものが聞こえ、その方向に急ぐ。
川辺に、人影を見つける。ロムスカか、と思い近づくが当てが外れた。
「なんだ、この小娘は」
その声に気づいたのか、ずぶ濡れの少女はバッと立ち上がる。

「ぶ、武装錬金!」
「なに!?」
その掛け声に驚くエアーマン。少女……春香の姿がシルバースキンに覆われる。
「ほう、面白い。貴様もその力を持っているのか……」
今度驚くのは春香の方だった。貴様もその力を。それが意味することは一つ。
「まさか、エアーマン!?」
「何故俺のことを……そうか、ロムスカめ。あの小僧を始末し損ねたな。生きているにしろ死んでいるにしろ、案外使えん男だ」
「ロックマン君を、どうしたの……」
「ああ、ロックマンか」
ディパックに手を突っ込むエアーマン。

「ひ……きゃああああ!?」
取り出されたのは、潰れたロックマンの頭部。
「どうして……! スパイダーマさんも、ロックマン君も……みんなの為に頑張ったのに、なんでこんな目に!」
「……何を勘違いしているのかは知らないが」
エアーマンが、構える。
「後悔したまま死ね! エアーシューター!」
飛んでくる竜巻に、春香は迷わず突っ込んだ。

(シルバースキンなら、この竜巻でも……!)
だが、その予想は覆る。
まるで粘土細工のように、絶対の守りは砕け散った。
651黒より暗い人物 2/22 ◆CMd1jz6iP2 :08/02/14 23:39 ID:GSDzlEKQ
「ひ、ぎ、ぁ、ぁ……どうじ、て……?」
無いはずの心臓が、痛い。半分砕けたシルバースキンは春香の命そのもの。
シルバースキンの激しい損傷は、春香の命そのものを蝕む。
「武装錬金……どうやら満身創痍の体では扱えない代物らしいな」
これまでの疲労が、弱りきった精神が、武装錬金の本来の能力を発揮させなかった。
発動できても、その守りは鉄壁とは程遠い強度……春香の命の灯火は消える寸前だった。

「やだ、ごんなの嫌……私は英雄になるっで、みんなを、守ッで……一緒に、元の生活に……!」
ガクガクと震える体で、立ち上がった春香の姿は、あまりにも惨めなものだった。
ゆっくりと再生するシルバースキンから覗く顔からは、恐怖の感情しか伺い知れない。
「……武装錬金」
二体に増えたエアーマンは、再び同じ構えを取る。

「最期に教えてやろう、小娘」
二人の放った竜巻が合体し、巨大な竜巻へと変わる。
「死にだぐない……守っでよ……だえか、私を助け……ひ――ゃ――」
言葉も言い切ることができず、春香は竜巻に巻き込まれる。

「古来より、英雄の結末とは悲劇以外にありえない。幸せな日常に戻るつもりで、英雄になろうとした愚かさを呪え」

竜巻から、何か細かいチップ上の破片や、引き裂かれた服……赤黒い肉片までもが飛び散る。
竜巻が収まり……ザブンッ、と何かが川に落ちる。
白目を剥き、事切れた春香の死体が川を赤く染めながら流れていった。

「しまった……支給品が!」
春香の支給品の入ったディパックを回収しなければと、追いかける。
だが、死体は反対側の岸。いくら走っても届かない。

「ええい、傷ついた体では防水も完璧ではない……む?」
後ろから何者かの気配が迫る。敵かと振り返るエアーマン。
652黒より暗い人物 3/22 ◆CMd1jz6iP2 :08/02/14 23:41 ID:GSDzlEKQ
「貴様は……あの時の?」
TASを襲っていた生物だった。だが、何か様子が……いや、まるで別の生き物のように思える。
「まあいい、ちょうどいいところに来たな」
エアーマンは、頭に疑問符を浮かべるクリサリモンの触手を掴み、強引に川に投げた。
「〜〜〜!?」
そのまま、エアーマンを分裂したエアーマンが投げる。

「アイ! キャン! フラァァァァァイ!!」

エアーマンはクリサリモンの上まで放り投げられ、その頭の上を降りる。
そのまま踏み台にして、エアーマンは無事に川を渡ったのだった。
クリサリモンは流されていくがエアーマンには関係が無い話だ。

「よし、追いつかね、ば……!?」
走り、追跡を再開しようとしたエアーマンの体が、突然地に伏す。
対岸の分裂したエアーマンも消滅している。
「ぐっ……各部が異常な熱を……サテライト30の使用は無理があったか」
ロックマンとの激戦を終えたエアーマンもまた、ダメージを蓄積していた。
その状態での武装錬金の使用は、ロボットのエアーマンにとっても無理のあるものだったのだ。

「ちっ、流れてしまったか」
勿体無いことをしたと後悔するが、もはや諦める他ない。
「それより、渡ってしまった以上どうするか」
北には沼地……入りたくない。南下することにした。


【天海春香@THE IDOLM@STER 死亡……】
653Classical名無しさん:08/02/14 23:41 ID:j.sby0wg
支援マンが倒せない
654黒より暗い人物 4/22 ◆CMd1jz6iP2 :08/02/14 23:42 ID:GSDzlEKQ
その頃、橋の下で休んでいるTASは唸っていた。

「性欲をもてあます……!」

ハイポーション。ゲロラの化身でこそあるが、その成分は色々元気になるものだ。
体調を崩すほど濃厚な効果が、落ち着いてきたことで発揮してきてしまったのだ。
「くそっ、体が熱い。この悶々とした気持ち、何かで発散せねばこれからの行動にも支障が……」
そこでTASは、自分に向けられた視線に気が付く。
見ると、見張っているはずのケラモンが一匹こっちを見つめてではないか。

「なんだ、何か見つかったのか?」
返事が無い。なにか、様子がおかしい……異常に息が荒いような……
(待て……こいつ、たしか何か浴びなかったか?)
記憶を脳内で再生する。あれがなんだったか。ビンだ。それに書かれていた文字は……

マ カ ビ ン ビ ン

「オレのそばに近寄るなあああ―――ッ!!!」

TASは走った。いくらもてあましているからとはいえケラモンとは勘弁したい。
だが、信じがたいことにケラモンはTASの進行方向に回り込む。
「馬鹿な!」
この俺より速い!? と驚く間もなく襲いかかるケラモン。
なんとかかわすが、後ろは川。完全に追い詰められた。
ケラモンの目は血走っている。「バグ」持ちのケラモンのように赤い瞳は、まさにケダモノといった感じだ。

「フッ、この緊迫感……悪くない。この程度の危機を乗り越えられずして、何がTASだ!」
そして、一瞬の間へ経て……二人は同時に動いた。


注:ここからの攻防はイメージです。
655黒より暗い人物 5/22 ◆CMd1jz6iP2 :08/02/14 23:44 ID:GSDzlEKQ
カバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディ
カバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディ
カバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディ

ふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふん
ふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふん
ふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふん

ホイホイ☆チャーハンホイホイ☆チャーハンホイホイ☆チャーハンホイホイ☆チャーハン
ホイホイ☆チャーハンホイホイ☆チャーハンホイホイ☆チャーハンホイホイ☆チャーハン
ホイホイ☆チャーハンホイホイ☆チャーハンホイホイ☆チャーハンホイホイ☆チャーハン

           キ ワ ミ !
フッタエフタエノキッワミ! あぁん♪あぁん♪あぁん♪あぁん♪
フッタエフタエノキッワミ! あぁん♪あぁん♪あぁん♪あぁん♪
            アーッ!

※しばらくお待ちください。


激しい死闘だった。
電池に封じ込めねば、俺の命も危うかったかもしれない。

というか、なぜか容量が30%も溜まった。非科学的だが、赤いからだろう。
汗をかいたからだろう、もてあましていた性欲も収まってきた。
頭も冷えたところで、ようやくTASは異変に気がついた。

「あれは……あのサナギ?」
バグを持ったサナギではない。正常なサナギ、おそらく別れたケラモンが進化したものが川から流れてくる。
拾い上げると、気を失っているだけだった。
656Classical名無しさん:08/02/14 23:44 ID:j.sby0wg
洗脳・搾取・支援の巻
657黒より暗い人物 6/22 ◆CMd1jz6iP2 :08/02/14 23:45 ID:GSDzlEKQ
「おい、しっかりしろ。見張りは何を――」
周囲を確認に走る。
「あいつら、どこへ!」
橋の見張りをしていたはずのケラモン2匹の姿が無い。
ケダモノになった奴はともかく、他のは正常のはずだというのに……TASは頭を抱える。

「ふっ……その様子では、苦労しているようだな」
聞き覚えのある声に、TASは顔を上げる。
「お前は、エアーマン?」
南下してきたエアーマン。山の次は川で。再び、二人は出会った。

#####################################

何もない、漆黒の空間。そこで、春香は目を覚ました。
「……ここ、は?」
「やっと起きたのね、春香」
「やっと起きたんですね、春香さん」
この感覚には覚えがある。また死に掛けてるのだと理解できた。

だから、また千早たちが立っているのだと思い、目を開けて―――
「――嘘」
鏡を見るたびに出会う、「自分自身」が二人も目の前に立っている光景が信じられなかった。

「どういう、ことなの?」
「わかってるでしょ、春香。私は死んだの。あのエアーマンに殺されてね」
「ここは言わば死の淵。現実では死体同然の私が川に浮かんでます」
「それはわかってる。そうじゃなくて……あなたたち、いったい誰なの!」
クスクスと、黒い服との白い服を着た春香が笑う。

「「私たちは、天海春香自身。天海春香の側面そのものよ」」
「側、面?」
658Classical名無しさん:08/02/14 23:46 ID:j.sby0wg
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orzorzorzorzorzorzorzorzorzorzorzorzorzorzorzorzorzorz 支援
659黒より暗い人物 7/22 ◆CMd1jz6iP2 :08/02/14 23:47 ID:GSDzlEKQ
「そう。私は黒春香と名乗りましょうか。天海春香の心の邪悪な部分」
「私は白春香。天海春香の心の清らかな部分」
わかりやすいなと思いつつ、春香は状況が飲み込めない。

「それで、私と私が私に……ややこしいな、何の様?」
「選択の余地を与えにきたのよ。私がどっちの道を歩むのか」
「道って……まだ、道があるの?」
黒春香は、いやらしい笑顔を見せる。

「ヴィクター化。その道があるわ。」
「ゔぃくたー?」
「そうね、簡単にいえば……人間以上の存在になるのよ。人間なんて脆弱なエサに過ぎない。そんな素敵な力が手に入るのよ」
エサ? 人間が、エサ?

「なに、それ……私は、私は英雄に」
「そんなの、無理に決まってるでしょ。天海春香、なによりも自分が大好きな私が、他人のために戦うなんて。
トップアイドルになる夢と、英雄になりたいなんて願いを両方叶えようなんて無理。
この世界に来たときの事を思い出しなさい。天海春香は、トップアイドルになるために何でもやろうとしたじゃない」
「あれは……現実だって理解してなかったから! 白石さんを、本気で殺す気なんて!」
はるちゃんは人殺しじゃない。その言葉が再び重くのしかかる。

「私、天海春香は「持たざる者」なのよ。歌も、踊りも、容姿も何一つ秀でたものが無い……わかっているくせに」
「だから……だから、私は努力して……」
「努力すれば、トップアイドルになれる? なれないわ。英雄になれなかったように、ね?」
春香自身、わかっていた。なにせ、今目の前にいる黒春香は自分自身の本音なのだから。

「心臓の代用品である核鉄……あれの本当の力は超人への変貌。全ての生命を喰らう存在への進化。
参加者の塵(ミナゴロシ)なんて簡単。トップアイドルへの道は、優勝しかないの!」
「殺……す。つかさちゃんみたいに……自分の意志で、みんなを?」
「それがつかさちゃんのためでもあるの。 これ以上罪を重ねる前に殺して……生き返らせればいいの」
あのまま放置すれば、人をたくさん殺す。山にいる仲間達だって、危ない。
「そう、か。殺してしまえば……お姉さんと一緒に生き返らせてあげれば、全て解決する?」
660黒より暗い人物 8/22 ◆CMd1jz6iP2 :08/02/14 23:49 ID:GSDzlEKQ
優勝のご褒美で、トップアイドルになる。皆を生き返らせる。
最高の、ハッピーエンドではないだろうか。

「それは、間違っているわ」
その声は、白春香……もう一人の自分のもの。
「人を殺すのが良いわけがない。優勝して、あいつらが約束を守る保証なんて無いじゃない」
「そ、そうだよね。わ、私はスパイダーマさんみたいな」

「だから、もうこのまま眠ろう?」
「え……眠る、って……」
白春香は、春香に優しく微笑む。
「もう、死ぬしかないの。生き返れば、バケモノになる。迷惑をかけず、このまま死ぬのが一番よ」
黒春香のようなバケモノになる道しかないのなら、残りは死ぬだけ。

「天海春香は十分に頑張った。後は、千早ちゃんたちと一緒に皆を見守りましょう?」
疲れ果てていた。自分の努力の、想いの何もかもが意味をなさなかった。
トップアイドルになりたいから死にたくない。頑張るのが辛いから死にたい。どちらも本音だった。

「さあ、選んで。殺戮の道を歩みましょう」
「さあ、選んで。永遠に休みましょう」

罪深い自分には、アカルイミライなんて存在しないと思い知らされた。
死をもって償うか、つかさちゃんのように罪を重ねていくしか道はないのだ。
染まっていく。元々黒い自分に、つかさちゃんが白を混ぜてくれたのに。
今度はつかさちゃんに濃厚な黒を混ぜられ、私は……

「なんだ、元に戻っただけじゃない」
始めから、自分は真っ黒だった。始めから、英雄になどなれるはずが無かった。

春香の瞳が、光は無くし、細く虚ろなものへと変わっていた。
661黒より暗い人物 9/22 ◆CMd1jz6iP2 :08/02/14 23:53 ID:GSDzlEKQ
「ようやく、わかってくれたのね」
黒春香が、手を差し出す。
「ええ、良くわかったわ」
春香は、勢い良く手を伸ばす。

そして、そのまま黒春香の顔面を思い切り殴り飛ばした。

白春香がニコニコ笑いながら近づく。
「そう、それが正しいの。さぁ、私とぶぅふー!?」
無用心に近づいてきた白春香の顔面も殴り飛ばす。
「なっ、いきなり何を――」

「黙りなさい、この面汚し共」
冷たく言い放つ春香に、白黒春香は身を縮ませる。
「そこに並んで、正座する。早くしなさい」
顔を赤く腫らした二人の春香は、黙って春香の前に正座する。

「自分の本音を聞いて、本当に良くわかったわ。天海春香という人間が、それほど矮小なのかを。
ゲームに乗るか、死ぬか? そんな二択しか用意できない馬鹿さに、もううんざりよ」
「そ、そんな……だって、それ以外に」
「白春香、アンタは論外よ。そんな萎びた白さ、雪歩の掘った穴にでも埋めてしまいなさい」
ぷしゅう、と蒸発するかのように白春香が消えてしまう。
「うわあああ、白春香――!? 視線だけで消滅しないでよーー!!」
その視線が、今度は自分に向けられていることに黒春香は狼狽する。

「わ、私は間違ってない! 二つの願いを叶えようなんて、優勝するくらいしか方法は……」
「そうね、私は間違っていた。二つの目的を同時に叶えることなんて出来ない。

――だから、目的を一つに纏めてしまえばいいのよ」

その声の質があまりにも恐ろしく、黒春香は戦慄を隠せない。
662黒より暗い人物 10/22 ◆CMd1jz6iP2 :08/02/14 23:55 ID:GSDzlEKQ
「私は頂点に立つ。この世界の頂点に。そうすれば愚かな争いも無くなり、私もトップに立てるもの」
「えっ、えっ? ア、アイドルの頂点じゃなくて!?」
「少しハードルは高くなったかもしれないわね。でも、世界の頂点とは全ての頂点。それってアイドルの頂点ともいえない?」
「いえないよ! 詭弁! それ詭弁!」
虚ろな瞳のまま、クスクスと笑う春香。
ありえない。黒春香はガクガク震える。私たちは春香の心そのものなのに、と。
黒さの化身である私より黒いなんて……この一瞬で自分自身を凌駕するなんて――

「そうね、詭弁ね。でも、やっぱり世の中を落ち着かせないと、大好きな歌も歌えないもの。
福山さんやいさじさんみたいな人が、熱く歌を響かせられる世界を作る。そのために、世界を制する。
ルールを作るのは私……あなた程度の黒さは、高木社長の黒さに紛れて消えてしまえばいいわ」
ぷしゅうと、黒春香も消滅する。

誰もいなくなった闇の中、何もない空間を見つめる春香。
「それで……こんな茶番を用意した人に登場願いたいのだけど?」

――ふふふ、気づいていたとは。さすがは我が主だ――

春香より高い位置に、その男は立っていた。
妙なグラサンをかけた、長いあごひげの男性が微笑んでいる。
『良くぞ試練に打ち勝った。「ふたりはハルキュア」を退けるとは、さすがは我が主だ』
「二回言わないで。アンタ、誰よ」
『我が名は、洞爺湖。お前の持つ木刀の具象化した存在だ。お前の心を具象化してやったのもこの私だ』
「木刀が偉そうに飛んでると折るわよ。あと、『』とかじゃなくて普通に喋りなさい」
風が吹く。洞爺湖と名乗るおっさんが同じ目線まで降りてくる。

「ふ、ふふ。見込んだとおり、我が主に相応しい。これからの困難に挑む主に、新たな力を授けよう!」
「必要ないわ。ヴィクターとやらで十分よ」
「……い、いや待て。ヴィクター化は確かに強力だが、全てを喰らう諸刃の刃。私の力もだな」
「わかった。教えなさい。さっさと、5秒で」

やる気の無いその言葉に、いらだつ洞爺湖。
663Classical名無しさん:08/02/14 23:55 ID:j.sby0wg
リリカルトカレフキルゼム支援
664Classical名無しさん:08/02/14 23:55 ID:/I97jAkw
支援覚醒カタルシス
665黒より暗い人物 11/22 ◆CMd1jz6iP2 :08/02/14 23:57 ID:GSDzlEKQ
「5秒だぁ!? 必殺技がそんな簡単に覚えられるか! 俺の必殺技、ももパーンッ! はだなあぁ……」

「ももパーンッ!」
「うごぶぇえええ!! お、お許しを閣下ーー!」
「あら、意外と使えるわね……閣下?」
「はっ! あなたこそ私が仕えるべき真の主。敬愛を込めて閣下と呼ばせていただきます!」
「いいわね。アイドル、天海春香を捨てるにはちょうどいい呼び名よ」
閣下、閣下かぁ、と虚ろな瞳のまま頬を赤く染める。
何だか恐ろしいものを目覚めさせてしまったのではと引く洞爺湖。

「ところでヴィクター、だったかしら。ちょっと詳しく聞きたいのだけど」
「いや、俺も単行本読んだだけなんで詳しくは……」
「なにそれ。どれよ、単行本。ああ、もうエロ本ばっかりじゃない」
「何勝手に漁って……勘弁してくださいよ、閣下ーー!」
洞爺湖に用意させた単行本「武装錬金」を流し読む。
主人公、武藤カズキ……なぜか、会ったこともない福山さんとイメージが重なる。
私の力、シルバースキン。正義のために自分を犠牲にする、私なんか及ばない実にブラボーな人。
そして、ヴィクター化……世界の命を食らい尽くす、異形の存在。

「白い核鉄、なんてものはないだろうし。困ったわね」
「そのままってことはないでしょ。制限もあるだろうし、シルバースキンで封じられるし」
「そうね。シルバースキン・リバースでエネルギードレインも抑えられるのは助かるけど……変よねこれ」
流し読んだ知識ではあるが、この漫画と自分は明らかな矛盾がある。

「どうして、シルバースキンが黒い核鉄なのかしら。そんなこと、どこにも描いてないわ」
漫画によると、ヴィクター化が起こる特殊な核鉄は主人公の持つ物ともう一つだけしかない。
このシルバースキンは、通常の核鉄で……そもそも心臓の代用にもなりえない。
「……ありえない存在ということならば、俺もまたそうだ」
「どういうこと?」
ちょっと口調を戻した洞爺湖は、意を決したように話す。

「俺……夢オチなんです」
666Classical名無しさん:08/02/14 23:57 ID:/I97jAkw
支援なら仕方ない
667黒より暗い人物 12/22 ◆CMd1jz6iP2 :08/02/14 23:59 ID:GSDzlEKQ
「……なにそれ」
「俺は本当に存在していたわけではない。前の持ち主とその仲間の夢に出てきた存在にすぎん」
「……これって私の夢?」
なんとなく、そんな気はしてた。じゃあ、今漫画を読んで得た、自分の知らない知識もデタラメなのか。

「そうじゃない。俺も詳しくは分からないのだが……何かの力が働いて「在り得ないもの」が当然のように存在してるようなのだ」
「ちょっと判りづらいわね。たとえ話で説明できない?」

「そうだな……ある優しくも厳しくもある教官が、すっげー怒って恐ろしい怖さを見せたとする。
それだけが前面に押し出されたような人間が、現実に存在してしまい破壊の権化となってしまう。
もしくは、ある食べ物の中に異物が混入してると信じきってるとする。それだけで、本当は何もないはずなのに、本当に異物が混ざっていたり……」

「ずばり言うと……誰かの「夢や妄想」が、現実に存在してしまう時があるってこと?」
洞爺湖がうなづく。
「ずばり、それが俺という存在や、閣下のシルバースキンにも影響したのではないか、と」
「……わからないわ。何か証拠か……主催者を問い詰めるしかないわね」
そうとなれば、こんな夢の中に用はない。早く生き返らないと本当に死ぬかもしれない。

「ところで、復帰されてからの方針は何かあるので?」
「……武装錬金を読んで思ったの。英雄は、全てを守るために戦うけど……彼らを守ってくれる人はいない」
全ての英雄が抱えているであろう苦悩。エアーマンが言うとおり日常を守るため、彼らは一人で戦い死んでいく。
「彼らの力を大いに借りる代わりに、この力で彼らの背中を守り抜く。全部が終わった後、彼らも笑える世界のために」
「ふふふ、王というより騎士だぞ、それでは。世界を制するのではなかったのか?」
「ひとまずは、みんなを纏められるブラボーな司令塔になれればいいと思ってるわ。優秀な人材同士の争いを収められるくらいのね」
どういう人材が必要かと考える。

「まずはこのゲームを破壊できる頭脳の持ち主と、鬼神の如き力を持つ配下が欲しいところね」
「ずいぶん高望みというか、無理では?」
668黒より暗い人物 13/22 ◆CMd1jz6iP2 :08/02/15 00:04 ID:yiX8AyzU
「本物の鬼でも欲しいくらい。私だけじゃ世界を治めるなんて出来ないもの。
ゲームの根底を壊す……ピエロを倒す……やることは変わらないけど、私はそれを目指す人たちを一つに纏めたいの」
そのためにも、まず自分が信頼を勝ち得なければいけない。
人殺し、生命力を吸う化物、見るからに怪しいとマイナス点が大きく占める自分には難しい話だ。
「だったら、閣下には何があるんです?』
「そうね。このバケモノの体と、魂「だけ」は込められた歌声と……」
考えれば考えるほど、本当に持たざる者といわざるを得ない。

「そういえば……」
アイドルとして鳴かず飛ばずの状態になっても、意外と生活には困らなかった。
どんな仕事でもと全国を転々として、なのにどこにでも絶対にいるファンが何人かいた。
ストーカーかとも思ったが、こんな自分を追い回すなんて愚かな……じゃない、嬉しいなと思ったものだ。
おかげで地味ながらも完全なアイドル終了とまではならずに生き残れたのだ。
普通のファンとも違う、盲信的な信者を獲得していた。それが自分の持つ何かだというのなら。
「あるかもわからないけれど……カリスマかしら?」
「なんだ、わかっているじゃないか」
ニヤッと笑う洞爺湖の姿が消え……春香は再び地獄に舞い戻った。

川を南下する、二体……否、たった今三体に増えた生物。
橋を見張っていたはずのクラモンであった。
死体が流れていくのを目撃した二体は、TASへの報告をしようと思った。
だが、TASはビンビンのケラモンと死闘中であったため、追う事を優先したのだった。
流れる死体を食すことで手に入るデータ。支給品が入っているであろうディパック。
どちらも魅力的であり、追いついたケラモンたちは迷わず死体に飛びかかる。

彼らは異変に気づくことさえ出来たのかどうか。
二体は串団子のように「手刀」で突き刺され、そのデータを奪われ消滅した。
669黒より暗い人物 14/22 ◆CMd1jz6iP2 :08/02/15 00:07 ID:yiX8AyzU
ざばん、と川から上がる人影。
一糸もまとわぬその姿は、痛々しい傷が残ったまま。
だが、大きく変わったところもある。
人を見下したような、少し色香を誘う半目。
その肌は、赤銅色に、髪は蛍火のような発光を放つものへ。
そして何より、彼女……天海春香の失われたはずの腕が手首寸前まで再生していた。
ケラモンを吸収したエネルギーの多くを、その腕の再生に回したのだ。

「再生力にも制限がかかってるみたいね。洞爺湖、これって……洞爺湖?」
木刀に話しかけるが、返事が無い。ふざけているのかとも思ったが、そうではないらしい。
「なるほど。夢の中でしか話せないわけ。それとも、もう会えないのかしら」
木刀にぶつぶつ話しかける様子を見られたら怪しまれる。……裸の時点でアウトっぽい。
しかし春香には羞恥心などを後回しにしてでも、確かめなければならないことがあった。

残った一体のケラモンが、春香に捕まれもがいていた。
その体を、木刀で地面に突き刺し固定する。
いまだ息があるケラモンから、その生命力を自動的に奪っていく。
「やっぱり止められないのね。それなら……」
春香が、一歩、二歩とケラモンから離れる。
2メートルほど離れただろうか。春香に流れ込んでくるエネルギーが止まった。
いや、足元の雑草からまで吸い上げているが、ケラモンからの供給は止まっている。
「範囲は2メートルまで制限、か。吸収力も落ちているのかしら」
自分の胸に手を当て、何度か唱えた言葉を口にする。

「武装錬金!」
シルバースキンを「裏返しにして」身を包んだ春香は、ケラモンに近づく。エネルギードレインは発生しない。
「やっぱり、シルバースキン・リバースで内側にエネルギードレインを封じ込める」
だが、これではまともに動けない。シルバースキンを解除する。
「ヴィクターから戻れなくなった時……他人に害を与えそうな時の緊急時にしか使えないわね」
漫画に載っていたように、もう一着用意できれば一人くらいならなんとかなるのだが。
あのエアーマンがサテライト30を持っている限りそれも叶わない。
670黒より暗い人物 15/22 ◆CMd1jz6iP2 :08/02/15 00:09 ID:yiX8AyzU
ケラモンから木刀を抜くが、もはや動く体力も残っていないらしい。
「悪いわね。どうにも抑えられなくて……高ぶる闘争心ってやつが」

ケラモンを握りつぶし、その残りカスを吸収する。
エネルギーを腕の再生に回し、左腕は指の先まで完全な再生を果たす。
(完全に……人間をやめちゃったみたいね)
体を闘争心が支配する。何かを壊したくてしょうがない。
再生した拳を地面に振り下ろす。
ドォン! と地面を叩く音と共に土埃が舞う。
収まった場所には、小さなクレーターが生じていた。
「……この程度の感情、どうってことないわ。とっくに真っ黒なんだから、これ以上染まるわけ無いじゃない」
むしろ「闘争心」なんて感情では黒が薄れるというものだと笑う。

「身体能力は……信じられないほど高いけど、漫画の彼らには及ばない。
訓練もしてないから当然だけど、これも制限がかかっていると見ていいのかしら」
ジャンプしてみるが空も飛べない。漫画のブラボーは人間なのに、もっと飛んでいた。
それでも、人間が跳躍できる限界など超越しているのだが。

そして確信する。これは何もかも滅ぼしかねない力だと。
世界を支配するどころか、滅ぼすだけにしか使えない力。
「まあ、こんな危ない力でも使わないことには……」
春香の全身にヒビが入り……赤銅の肌が砕け、元の柔肌が露になる。

「私に世界の掌握なんて出来ないのだけれど……って寒ッ!」
ヴィクター化から戻り、高揚していた気分も強化された体も戻ったことで、濡れた体が冷え始めた。
「わわわ、何か、何か着る物〜!」
閣下モードも戻りかけ、葉っぱでも何でも身に纏えるものが無いかと見回す。
「ん、あれって……船?」
橋の近くにある船……そこに服があることを期待して、春香は急いだ。

【天海春香@THE IDOLM@STER 生還、及びヴィクター化確認】
671黒より暗い人物 16/22 ◆CMd1jz6iP2 :08/02/15 00:13 ID:yiX8AyzU
その頃、TASはエアーマンと情報交換でもしようかと話しかけたところだった。
「それより、こっちに死体が流れてこなかったか?」
「死体……このサナギではなく、か?」
TASは考え……舌打ちした。
(性欲をもてあましている時の攻防の最中、か?)
それ以外に考えられない。
「ケラモンが追っていったはずだ。そのうち戻ってくるだろう」
「そうか。……どうだ、そっちの首尾は。山にも、殺し合いに乗らない奴らが多いようだった」

「そうか。城にもゲームに乗らない連中が集まっている……危険だな」
どれだけゲームに乗っていない人間がいるのか。まさか自分達だけではないと思うが、心配の種ではある。
「ゲームに乗らない人間同士が潰しあってくれるのが理想的なのだがな」
TASの言葉に、エアーマンはディパックに手を突っ込み、テニスボールを取り出した。
「なんだ、それは?」
「まあ聞け、面白いことになるかもしれんぞ」
エアーマンは、このテニスボールを仲間の印としてゲームに乗らない参加者を集めていたロックマンのことを話す。
「これの意味を、全参加者が知っているわけがない。……城の奴らはどうだろうな」
「そういうことか」
ニヤリとTASが笑う。

「俺は城の奴らを仲間に誘う。このボールを持って、これが仲間の印だと言ってな。
もちろん断られるだろうから、適当に暴れてやる。それで、このボールを持った連中の信用はガタ落ちだ」
「もし、そのボールの意味を知っているなら皆殺しにしてしまえ。城の連中のディパックに、ケラモンを侵入させている。
もしもの時は協力して……だが、少し損傷が激しいようだな」
ボロボロの全身が目立つ。エアーマンも、大規模な戦闘に耐え切れるか自信が無い。
「ふん、どうする。殺すなら今がチャンスだぞ?」
「そうしたいところだがな。状況が悪い今、一人でも戦力は必要だ。一時的に協力するしかあるまい」
エアーマンはロックマンの残骸を取り出す。
「道具もないのでな。消耗したり壊れた部品の交換程度しかできないが、多少はマシになるだろう」
クリサリモンに見張りを任せ、二人は橋の下へと移動しエアーマンの修理が始まった。
同時に、クリサリモンが二匹に増える。
それが意味するところ。クラモンBの全滅をTASはまだ知らない。
672黒より暗い人物 17/22 ◆CMd1jz6iP2 :08/02/15 00:15 ID:yiX8AyzU
【D-2 橋の下/一日目・真夜中】
【TASさん@TAS動画シリーズ】
[状態]:右手親指以外欠損、左拳骨にヒビ
[装備]:五寸釘1本@現実(ポケットの中に入っています)
[道具]:ウルトラスーパー電池(残り30%)@ドラえもん
[思考・状況]
1:橋を渡る参加者を排除する
2:エアーマンと一時協力。修理をする。
3:生きて、ケラモンとの連携で最速を目指す。ケラモンは生き残るための駒
4:町の状況の把握
5:ゲームに乗っていない単独の人間は殺し、武器を貰う。
6:ゲームに乗っている人間とはなるべく戦いたくない。
7:武器の調達。出来れば食料も
8:殺戮ゲームの最速クリア。
9:ケラモンが死体と支給品を持ち帰るのを待つ。
※KASのことを、自分の二番煎じ、偽者だと思っています。
※ケラモンの名前、増殖限界、進化することを知りました。 クリサリモンの名前を知りません。
※増殖限界については、最大数が二倍になるのか一体増えるだけのなのかで迷っています。

【クラモン(クリサリモン)C】
[状態]:ちょっとフラフラ、現在2体
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考・状況]
1:TAS、オレサナギじゃないです。クリサリモンです。
2:とにかく数で勝負……進化しちゃった。
3:TASを利用してうまく遊びたい
4:イタズラしたい
5:エアーマンむかつく。
※クラモンBの全滅により、クラモンCとDに増殖限界が集中します。
673Classical名無しさん:08/02/15 00:17 ID:jGcJ7xdc
プロデューサーさん、支援ですよ!支援!
674黒より暗い人物 18/22 ◆CMd1jz6iP2 :08/02/15 00:17 ID:yiX8AyzU
【エアーマン@ロックマンシリーズ】
[状態]:疲労困憊、全身ボロボロ
[装備]:サテライト30@真赤な誓い
[道具]:支給品一式*2(水一本消費)、ねこ鍋@ねこ鍋 、テニスボール、XBOX360、ピーピーマックス、ロックマンの残骸
[思考・状況]
1.TASと共に、ボディの修理を試みる
2.テニスボールを利用して城組を混乱させる。失敗したらケラモンと協力して皆殺しにする
3.他の獲物を捜しながら、元の世界にはなかったデータを集める
4.ロール。そして俺の邪魔をした者たちは必ず倒す
5.しばらくはTASと同盟を組み、協力する。ムスカは生きていれば協力してもいい。
6.優勝して元の世界に帰り、ワイリー様の世界制服計画を再開する
7.春香の支給品。特に核鉄が欲しい。
【備考】:首輪の代わりに動力源に爆弾が埋め込まれていることに気付きました

ジャンプして妙な船の中に進入した春香は、中を見て更に妙な船だと認識が強くなる。
どうやら、ヴィクター化しなくてもそれなりに身体能力は上昇しているらしい。
「お札とか貼ってあるけど……何かの魔よけかしら?」
口調も、新しく決めたものに戻す。これは新たに生まれ変わったケジメ。はっきりさせないといけない。
邪悪ともいえる力を持つ自分に反応しないようじゃあね、と自傷気味に笑う。

監視カメラらしきものが壊されたり、誰かいた形跡はあるのだが人の気配は無かった。
(監視カメラ、壊されてて助かった……)
部屋を一部屋一部屋調べる。鍵がかかっている部屋が気になるが、今は服を探すのが先決だった。
客室らしき部屋に入り、クローゼットを開くと目当てのものが見つかった。

「どうしてチャイナ服……?」
せめてセーラー服とか期待していたのだが、贅沢は言っていられない。
赤いチャイナ服に着替えた春香は、船の探索を開始する。
「殴って鍵を壊してもいいのだけど……変な防犯装置とかが作動しても怖いわね」
特に何も見つけられないまま、後方甲板まで出てきてしまう。
「これって……」
暗闇の中、何かが並んでいるのだけがわかった。
675黒より暗い人物 19/22 ◆CMd1jz6iP2 :08/02/15 00:20 ID:yiX8AyzU
「これって車?……でも、車なんて運転できないし……」
車を眺めていると、端に小さなものがある。
「自転車?」
マウンテンバイクが車の隅に隠れていた。鍵はついたままで、問題なく運転できる。
どうやってこれを持っていこうか、と考えていると、破壊された鉄柵が目に入った。
車が突っ込んだらしい。下を覗くが、大破した車などは無い。無事に渡ったようだ。

「……やってみようかしら」
テレビの仕事で、自転車でジャンプするスーパーテクニックなどを見たことがある。
失敗したらヴィクター化やシルバースキンでどうにかなると、春香はそこから飛び出すことにした。
出来る限り、助走をつけてペダルを漕ぐ。
ぐんぐんとスピードは上がり、飛び出す位置が近づいてくる。

(ちょっと怖いけど……これくらいの度胸試しができないようなら、エアーマンみたいな相手に怯えるに決まってる!)
ペダルを全力で漕ぎ、ジャンプする。
「いっけええ、ええ、え? ええええええ!?」
なんだかものすごく飛んだ。
城の高さと同じくらいに飛び上がる。気分はさながらE.T.だ。
重力に逆らう跳躍力を見せた自転車は、船と陸地の間の川なんてとっくに飛び越えたが、問題は着地だ。
「ぶ、武装錬金!」
シルバースキンを装着し、自転車から飛び降りる。

「流星! ブラボー脚ゥゥゥ!!」
閣下の頭のネジが数本飛んでしまわれたようです。
ズドォ!
そのまま大地に蹴りをいれ、クレーターを作る。

一人で大騒ぎを起こすところは閣下になっても変わらない。
「漫画を読んだときからやってみたかったけど……いいわね、ブラボー技」
英雄になるのを諦めた代わりに、何かおかしな方向へ進んでいっているように思える。
676黒より暗い人物 20/22 ◆CMd1jz6iP2 :08/02/15 00:23 ID:yiX8AyzU
「自転車は……無事みたいね」
城の天辺くらいの高さから落ちたのに無傷に近い。
さっきの跳躍はなんだったのかと自転車を良く見る。
すると、変速ギアが「cheat」とだけ書かれた箇所に合っていた。

「……なるほど。これも、ありえない存在というわけね」
ギアチェンジして再びジャンプしようとしても、何も起こらなかった。
武装錬金を解除する。できるだけ、体の疲労や傷の治療に回さなければいけない。

「……?」
足元に、何かドロだらけの物が落ちている。
拾ってみると、かろうじておはぎだと確認できた。
「なにこれ。針?」
餡に紛れ、尖った物が突き出している。裁縫針だった。
「なにが、たとえば、よ。本当に異物が混入してるじゃないの。洞爺湖」
ありえない存在……夢の会話から、これもそうなのではないかと見当をつける。
「確証はないけど……妙なものがあるのは確かみたいね」

これからの行動方針を決めようと春香は悩む。
この世界の頂点に立つ、などといっても自分ひとりでは何もできないのはわかっている。
「愚民……じゃない、部下か協力者か……まぁ部下なんて作れる状況じゃないけど」
こんな怪しい自分に協力する、という時点である意味「愚民」には違いない。
だが、自分を信じてくれる人間など僅かしかいない。バケモノになった今、魅音たちも信じてくれるかどうか。

「……少し汚いけど、誰かに恩でも売らないと、信用もされないでしょうね」
エアーマンのような完全な敵から、春香同様に罪を抱え、信用されない人……色々な人がいるだろう。
倒すべき障害か、手を取り合える味方か。他人の評価より、自分の目で見定めなければ信用しない。
あの、本当に優しかったつかさが、ああも変貌してしまったように。その逆だってあってもいいはずだ。
ならば、どこに向かうべきか。

つかさは今頃、別の場所に移動しているだろう。
かつての行動方針のままなら、町を目指すはずだ。
677Classical名無しさん:08/02/15 00:23 ID:jGcJ7xdc
支援P
678黒より暗い人物 21/22 ◆CMd1jz6iP2 :08/02/15 00:25 ID:yiX8AyzU
(つかさちゃんを、殺さずに済む方法があるとしたら……)
つかさは、この世界のルールに負けた。優しかったから、白かったからこそ、純粋に黒く染まった。
ならば、ゲームを破壊すれば。信じるものを奪えば……良くも悪くも変化はあるだろう。

つかさから逃げたカービィはともかく、魅音のことが心配だ。自分をまだ待っているかもしれない。
そしてロックマンを殺したエアーマンがどこにいくのか。城に向かう可能性だってある。
「城に向かって……それから魅音ちゃんを迎えに行こう」
たとえ、自分の変貌を知って恐怖の眼差しで見られようと。拒絶されようと。
自分が彼女を仲間だと信じる思いに変わりはしないのだから。
だが、少し休むことにしようと春香は思い直す。
多分、まだ放送は終わってない。
それを聞くまでは、橋の下で休もうと考えた。


春香は自転車のペダルに力を込める。
正義とは言えないその黒さは、しかしつかさの闇とは違う。
黒く染まるつかさ。黒く輝く春香。同じ負のオーラを背負っていて、まったくの対照的な二人。
閣下として走り出した彼女はもう、転ぶことはなかった。
放送は近い。あまりに濃い一日が終わる。
始まった頃と変わらない人は少ないが……春香は、人であることもやめていた。

テニスボールの誓いを守る者と壊す者。二人が城へと向かうときは近かった。


【E-1 橋近く /一日目・真夜中】
【天海春香@THE IDOLM@STER】
[状態]:チャイナヴィクターブラボー春閣下、全身に切り傷(核鉄で回復中)、中度の疲労(核鉄で回復中)
[装備]:シルバースキン@真赤な誓い、洞爺湖の木刀@銀魂、マウンテンバイク@GTASA
[道具]:陰陽玉*2@東方project 、支給品一式*3(食料・水一食分消費)、DIGIZO HYPER PSR(残り二十分程度)@現実、上海人形、花粉防止用マスク
テニスボール*2、雛見沢症候群治療セット1.5日分(C-120、注射器、注射針)@ひぐらしのなく頃に、首輪探知機(残り電池80%)@バトルロワイヤル
679黒より暗い人物 22/22 ◆CMd1jz6iP2 :08/02/15 00:27 ID:yiX8AyzU
[思考・状況]
基本行動方針:ゲームに乗らない人たちを自分の下で一つに纏めたい。
1.とりあえず英雄達の背中を守れるブラボーな司令塔になりたい。
2.ヴィクター化を躊躇わないが、エネルギードレインに仲間を巻き込みたくない。
3.誰かに恩を売って信用を得る。
4.放送まで橋の下で休む。
5.城に向かって誰かいるのか確認した後、魅音を迎えに行く。
6.つかさを殺したくはない。ゲームを破壊した後でも凶行をやめないようなら……
7.同じ事務所のアイドル(やよい、真、亜美)を探したい。
8.怪しい人でも、確実な証拠が無い限り、ゲームに乗っているかどうか自分で確かめたい。
9.敵を殺すことは躊躇わない。誤解が無いか、説得できないかは確かめたい。
※ヴィクター化しました。
第一形態であるため、自由に戻れます。制限により、エネルギードレインの範囲は周囲2メートル。
吸収効率、再生力、身体能力にも制限がかかっています。
シルバースキン・リバースでエネルギードレインを抑えることが出来ますが、まともに動けません。
※閣下になりました。
覚醒し「閣下で三国統一を目指してみる」の春香に近い口調と性格になりました。
目が半目で怖くもあり、何か人を(特に男性)魅了します。
ドジっ子属性は消滅しましたが、キャプテン・ブラボーに憧れている節があり少し変です。
激しく動揺したりすると、たまに素に戻る場合があります。
※武装錬金の内容を漠然と把握しました。
※アイスソードを呪われた魔剣だと認識しています。
※夢や空想でしかないはずのものが、現実に存在していることを知りました。
針入りのおはぎを見て確信しましたが、他人を信用させられる証拠だとは思っていません。

※マウンテンバイク@GTASA
最高時速140キロの丈夫な自転車。車に跳ね飛ばされても壊れない。
ギアを「cheat」に合わせることでスーパーバニーポップが発動し大ジャンプができるようになる。
※洞爺湖の木刀の中におっさんが住んでいます。夢の中で会話ができますが、再び現れるかは不明です。
680 ◆CMd1jz6iP2 :08/02/15 00:31 ID:yiX8AyzU
これで投下終了です。毎度支援感謝です。

やっぱり問題の箇所、内容というか書き方が広告とかのNGと似てたりしたんでしょうか。
どこか修正すべき問題点があったら指摘お願いします。
681Classical名無しさん:08/02/15 00:35 ID:jDsitzJs
乙でっす!
ヴィクター化ついにキタ―!

後TASさんについてですが、クリサリモンの名前は知ってたはず
魔王クリサリモンが名乗ってたはずなので
682Classical名無しさん:08/02/15 00:46 ID:YoA2oCtM
投下乙!GJ

閣下、輝きの黒さ!すばらしい
最近、マーダー勢におされ気味になってきていたが
これは、両陣営の形勢が五分五分になってきたかも…

どこもかしこも、オワタ状態なりつつにある脱出派だが
余力のある、霊夢と閣下とニコニコンビがどれだけ脱出派を助けることができるかで
今後の展開が変ってきそうだ…
683Classical名無しさん:08/02/15 00:47 ID:jGcJ7xdc
投下乙
閣下が強力になられた!
TASとエアーマンのサラマンコンビも意外といける雰囲気だし
そして洞爺湖のオッサンwww
あんなやつ銀魂にいたねw
684 ◆CMd1jz6iP2 :08/02/15 01:00 ID:yiX8AyzU
>>681
あー、その、確認したんですが、名乗ってないはずです。

自分の書いた話なので、記憶違いだったら恥ずかしすぎる。
クリサリモンクリサリモン連呼してる文章だからなあ……
今も酷いが、前に書いたのを読むとL5発症しそうです。
685Classical名無しさん:08/02/15 01:01 ID:jDsitzJs
>>684
あれ?
でも前のSS見てるとクリサリモンの名前知ってることになってるんですよね……
686Classical名無しさん:08/02/15 01:39 ID:JN9GQniw
>>684
ああ、mixiの登録初期の日記を読む気分のアレか…

>>685
どのSS?

このロワって意思を持ってる支給品めっちゃ多いね〜。

ところで、そろそろ色んなフラグ解消したり新しく立てたりしたいんですが、
許容範囲ってどれくらいだろうか?
ロワ外部との接触に当たる気もするし、展開次第では無問題な気もするし。
687Classical名無しさん:08/02/15 03:04 ID:vsjnO3BA
パロロワを破綻させるような展開(参加者追加、死者蘇生、意味の無い外野干渉etc...)以外なら、超展開でもフリーダムじゃね?
688Classical名無しさん:08/02/15 10:12 ID:hAB4ZJ3E
>>686
問題がありそうなら、仮投下に投下して意見を仰ぐ。
これ、人間の知恵。

ところで放送書いてる人はいるのだろうか?
689Classical名無しさん:08/02/15 17:48 ID:vsjnO3BA
今のところ書いてないけど、誰も書いてないっていうんだったら書くかも。
ちなみに禁止エリアはB-2とB-5を押す。
ここ潰したのは、ほぼ全員が南部に居るのに北上されて空気化されるのを防ぐため。
ゆめにっきフラグも半分潰れるので、B-5はE-1とかでもいいけどね。
690Classical名無しさん:08/02/15 18:18 ID:l5PVRb9c
他に禁止にしても問題なさそうなのがA-2くらいかな
あの大樹の方へはいざとなったら支給品のゆめにっき経由でいったり
バグの地下による隠しルートをつくるってのも手だが
それだと面倒なことになりそうだな

まぁ、>>689あたりのエリアが無難かな
691Classical名無しさん:08/02/15 18:28 ID:DF7/MKo.
B-2だと3人一気に移動しないといけないな…殺し屋ばかりだから出会っても大丈夫かな
禁止エリアで進入可能エリア囲んでるのでもう後半なんだなあと実感するぜ
692Classical名無しさん:08/02/15 18:32 ID:6uYnxNlo
大樹は封鎖しちゃっても問題ないんじゃないかな
ゆめにっき関連を広げようとしている書き手もいなさそうな気がするし
693Classical名無しさん:08/02/15 18:36 ID:hAB4ZJ3E
B-2とB-5で問題ないと思う。
B-2のつかさはどっちにしろ動く様子だし、大樹には今更行く奴もいなさそうだし。
694Classical名無しさん:08/02/15 19:16 ID:g0eiXM9c
一応ゆめにっき系のネタはあるんだけどね。
最悪、本の方が生きてればどうにかできるかな。

ところで、放送前に一本書こうかと思ってるんだけど、会場の具体的な場所についての考察ってあったっけ?
月が出てることとかは確認したんだけど、他に何か見落としがあるかな、と。
695Classical名無しさん:08/02/15 19:49 ID:G7KabU0U
会場はマルクがノヴァの力で殺し合いのために用意した空間。
月や星空が見える。
世界中の花々が節操無く咲いている、どころかパックンフラワーまである。
四方が山脈に囲まれている。空からでも山の向こう側が見えないほど山が続いている。
川には魚がいる。陸にも城の鶏、山の小鳥など生物はいる。
地下には生態コンピューターや列車が通っている。
ネットに繋げる。ネット世界が存在する?
ゆめにっきの世界が存在する。
ノヴァの力の限界なのか、バグが多い。
クッパ城とかキノコ城が地下にある?ここが居城?

調べてたら、まだwikiに四天王の記述があった。
主催者が地下にいるのか、不鮮明で把握できない。
このSS、OKなんだっけ?

696 ◆jVERyrq1dU :08/02/15 20:49 ID:eArVqrKs
四天王関連の修正がしたらばに投下されてた。

チューモン投下します
「全く信じられない化け物ですねぇ」
剣を持った女と力士の戦いは、女の逃亡で幕が下りた。
力士は火炎瓶をくらったにも関わらず、未だに余力を残しているようだ。
いくら弱ったとはいえ、チューモンの力ではまだどうしようもない。

女とその仲間達が薬屋の中に逃げていく。

「頭悪いね。ただ追い詰められるだけだよ」

さてこれからどうしようか。チューモンは思索する。
どうにかしてあの力士を食したい。そうすれば難なく進化できるだろう。
しかし、自分の力ではどうあってもあの男を倒す事は不可能だ。
さて、どうしたものか……。

「誰か来た」
「やったわ。また戦闘が始まったみたい」
「今度こそ、あの男を倒して欲しいですね。ぐぎゃ」

派手な格好をした女、霊夢が力士に奇襲を仕掛けた。力士も体勢を整え反撃に出る。
この女はさっきの女よりも強いかもしれない。観察しながらチューモンはそう感じた。
攻撃の一つ一つにチューモンが好むどす黒い殺意が込められている。

「そろそろ決着がつきそう」
「さっさと進化して貴方を救いたい」
「全く、どっちも途方もない化け物ですねぇ」

チューモンは物陰に潜み、霊夢とYOKODUNAの戦闘を盗み見ていた。
戦闘力自体はYOKODUNAの方が上だったかもしれない。
しかし、霊夢の圧倒的な怒りはYOKODUNAの強さをも徐々に侵食していく。

「やった。あの美味しそうな力士が負けそうですよ」
「まだ分からないよ。頭冷やそうか」
「あの人のためなら、あの女に協力する事も辞さない」

YOKODUNAの体は血で濡れており、遠目からでも邪悪な何かを感じられる。
目を凝らしてよく見ると、YOKODUNAの周りにぼやっとしたオーラが存在している。
チューモンは思考する。あれは美味しそうだ。多分、今までで一番残酷で邪悪な人間、さぞ栄養になる事だろう。

チューモンはYOKODUNAの死体を食らうつもりなので、ここはなんとしても霊夢に勝利してもらいたいところである。

YOKODUNAの首輪が爆発し、彼の頭部が明後日の方向に飛んでいく。
戦闘が終わった。結果はチューモンの願い通り、霊夢の勝利に終わった。

「やりましたね」
「待って。奴らが見えなくなるまで様子を見るべき」
霊夢がすっきりした様子でヨッシーに声をかけ、ジープに乗り込みどこかへ去っていった。
「あれが奴らの支給品かしら。大そうな物を持ってるじゃない」
「あれを奪えたら、さらにあの人に近づける」
「機会があれば奪ってやりたいですねぇ。ぐぎゃ」

常軌を逸した独り言をしながら、チューモンはYOKODUNAへと歩み寄る。
死体だというのに、恐ろしいほどの邪悪なオーラに包まれている。体も大きい。
YOKODUNAの死体はチューモンにとって最高のエサだった。

「これは食べがいがありそうですね」
「食すのにかなりの時間がかかるはず。他の参加者に見つかるかも」
「どこかに隠れて食べないといけないよ。町は荒れている」

とりあえずチューモンは辺りの様子を探る事にした。まずは薬屋の中だ。
先ほど、女二人と男一人が力士から逃れるために薬屋に入って行ったが、何の音沙汰もない。
人の気配は感じられない。警戒しながら薬屋に入ったところ、やはり誰もいなかった。
自分の見えない角度から、例えば窓とかから逃げたのかもしれない。チューモンは少しだけ残っていた薬品をデイパックに詰める。
持っていて損はないだろうという判断だ。そして外に出て辺りの様子を探る。もう自分以外誰もいないようだ。

「やっと落ち着いて食べれるわね」
チューモンはYOKODUNAの死体を引きずり、薬屋の前にあった民家に侵入する。
YOKODUNAの体は重い。チューモンの体では引きずるのも一苦労だ。
懸命に死体を引っ張り、中に入れる事が出来た。

「おっとぉ、この人の頭を忘れていませんかぁ?」
「何言ってるの?忘れるわけないよ。頭冷やそうか」
「こんな極悪人の頭部はおそらく美味しい。残酷な力で満ちているはず」

チューモンは民家を出て、YOKODUNAの頭部を回収する。
これは糧になりそうだ。チューモンはにやりと笑い、確信する。
辺りに誰もいない事を確認し、YOKODUNAの頬の肉を一口かじってみる。

ぶちり、と肉が引き千切れる音がした。YOKODUNAの頬の肉は消え、白い歯が直接、月光を受けて輝く。
「やはり美味しいわ。あの人にあげたら喜びそう」
「ぐぎゃぎゃぎゃぎゃ! 美味しいー……くん!」
無我夢中で頭部に噛り付く。鼻を食いちぎり、続いて耳。両目に指を突っ込み、目玉を抉り出し自分の口の中に放り込む。
口中で目玉を転がし、味を楽しみながら邪魔な髪の毛を強引に引っ張り、全て抜く。
ぷつぷつという毛が抜ける音がした。丸坊主になった頭を舗装された地面に何度も叩きつけ頭蓋骨を叩き割る。
チューモンは口中の目玉を噛み、飲み込んだ後、頭に開いた穴からYOKODUNAの脳を啜った。

「凄い。凄いよー!……くーん!」
「静かにしろ。何か来た」
チューモンがYOKODUNAの脳を啜っていたその時、何者かの足音が聞こえてきた。
素早くYOKODUNAがいる民家に戻り、身を潜める。

やって来たのは、体格のいい男だった。ずいぶん体を痛めているようだ。
どうする?あの男はかなり疲弊しているようだ。隙を見て襲い掛かれば難なく殺せるかもしれない。
いや……あいつ。大事そうに銃を持っている。この体では危険か。もし銃で撃たれれば大変だ。

「拳銃を持ってる。あの人のために今すぐ殺してやりたいけど……」
「かといって取り入る価値もなさそうですね。怪我人ですし」
「あいつも中々美味しそうなのに何の接触も出来ないなんて残念だわ」
チューモンはぼそっと呟く。男は薬屋に入っていった。しばらく様子を見る。
ご馳走を頂くのは後にして、今は様子を見るべきだ。
しばらくすると男が出てきた。どうやら中で傷の手当てを行っていたらしい。

『霊夢だ!レ、イ、ム、の、ハ、ダ、カ!!ああ!さっさと拝みてええええええ!!』

そうっと様子を見ていたチューモンの耳に、それは飛び込んできた。男は驚きながらも一人にやにやしている。
チューモン自身もそれなりに驚いたが、まあ性別のないチューモンにとってはどうでもいい事だ。

男は声の方向へ消えていった。あの方向に参加者がいるらしい。これが分かった事は中々の収穫だ。
食事の邪魔をされたくないチューモンはもう少しだけ様子を見ることにした。
町はさっきから慌しい。おそらく激戦区なのだろう。石橋を叩いて渡るくらいの慎重さでちょうどいい。

先ほど声が聞こえてきた方向から、今度は轟音が聞こえてきた。
何かの破壊音のようだ。全く、落ち着きがないな、チューモンは心中で毒づく。
続いて、何か重い物が壁にぶつかるような音が聞こえてきた。チューモンはさらに顔をしかめる。

「さて、いい加減そろそろ食事をしてもいいんじゃないですか?ぐぎゃ」
「そうだね。クズ共のせいでかなり時間を浪費した。ようやく進化出来る」
「この死体の持つパワーは計り知れない。一気に進化する事もあり得ない話ではない」

手に持っているYOKODUNAの頭部を一気に食す。次はいよいよメインディッシュである体だ。
チューモンは頭のない死体に馬乗りになる。

「「「いただきます」」」

チューモンはまず右腕に噛り付いた。次々と、肉を飲み込み、エネルギーを身体に蓄積させていく。

「「「来た!進化だ!!」」」

チューモンの姿が変形していく。生まれるのは魔王か、それとも陳腐な何かか。

【E-3 民家/一日目・真夜中】
【チューモン(元クラモンA)】
[状態]:自我放棄、疲労中、重傷、能力の極大低下、姑息さ上昇、魔力使用可能、目が赤い、情報改変可能、弾幕使用可能、ヤドリギの種(弱)使用可能 、うどんげの人格封印(一時的)
[装備]:鉄塊鉈@ひぐらしデイブレイク 、蒼星石のローザミスティカ
[道具]:支給品一式(未確認支給品0〜2)
[思考・状況]
基本1:進化!!
基本2:進化のため、姑息に生き延びる。
基本3:参加者を混乱させる。
基本4:二人組みマーダーのパソコンのデータを食べたい
基本5:人格データの暴走に注意
基本6:ソノザキシオンに名前の近い人を拷問にかける
基本7:あの女が、師匠……?
基本8:主催者に復讐したい。
基本9:町が慌しいな。激戦区か?
総意:派手な争いをせずに、計略的に進化して、全参加者と主催者を拷問してから残虐に壊す。
あと、愛しの彼を蘇らせて、同様に壊す。

※チューモンの中の詩音は、自分が『ソノザキシオン』であると認知しています。
※チューモンになったことで、全能力が激減しました。同時に使うことはできず、切り替えも遅く、使用時の疲労も倍増しています。
※蒼星石のローザミスティカのおかげで、魔法はそれなりに使えます。鉄塊鉈は、情報改変によって筋力強化をしないと、まともに扱えません
※能力の制限について大分理解しました。
※うどんげの人格の封印はすぐに解くことができます。
※永琳がうどんげの師匠ではないかと思っています。
703 ◆jVERyrq1dU :08/02/15 21:00 ID:eArVqrKs
投下終了。つなぎです。
704Classical名無しさん:08/02/15 21:01 ID:ilKup1Nw
乙です
あいかわらずニコロワはグロいw
705Classical名無しさん:08/02/15 21:05 ID:hAB4ZJ3E
投下乙!
忙しい人の為シリーズかwww
それにしてもグロ描写多いロワだなぁ。

ところで次の放送でチューモンの事には触れるんだろうか?
一応参加者になってからはじめての放送だよね?
706 ◆jVERyrq1dU :08/02/15 21:13 ID:eArVqrKs
放送で知らせるってマルクかピエモンが言ってた。
あと、自分が書いた、二人合わせばレッドベジーモンの知恵で、アイスデビモンが主催本拠地に部下を送ってます。
もし今放送を書いている人がいればその描写もお願いします。
707Classical名無しさん:08/02/15 21:27 ID:HKhyvGsc
シルバースキンて、リバースしないとエネルギードレイン防げないのかな。
通気性がよいのかぬー
708Classical名無しさん:08/02/15 22:00 ID:ddxxQJdI
マリオストーリーでは

キノコ城
────
クッパ城

って感じでクッパ城が城ごとキノコ城を持ち上げて空に飛んでった。
マリギャラもそうだったよな。ちなみに原作ではクッパ城からキノコ城の屋上までが最終ダンジョン
709Classical名無しさん:08/02/15 22:02 ID:ddxxQJdI
ちなみに多分マリオストーリー仕様なのはフルボイスマリオストーリーがあるからだと思う。
710 ◆KJJLTUDBrA :08/02/15 22:12 ID:g0eiXM9c
>>695
あり。じゃあ、大丈夫そうかな。

>>703
投下乙
人食い多いなほんとにwww

では、
矢部野彦麻呂、アリス・マーガトロイド、カービィ を予約します。
711Classical名無しさん:08/02/15 22:15 ID:JN9GQniw
>>709
あのキモいレサレサの奴かw懐かしいな。何時ごろのだっけか…

チューモンは進化してヌメもんになった!


中の人達、精神的に終了のお知らせ。
712Classical名無しさん:08/02/15 22:37 ID:l5PVRb9c
まぁ他の進化もないわけではないがな
うまくいけば成熟期くらいはいくかもしれないけどね
713Classical名無しさん:08/02/15 23:31 ID:6uYnxNlo
駅の発見がバレてるんなら塔を禁止エリアにした方が良いんじゃないか?
714Classical名無しさん:08/02/15 23:51 ID:l5PVRb9c
まだまだ人集まりそうなのに禁止にするのはどうかなって思う
そしてフラグはもうちっとだけ残していてもいい気がするんだ
715Classical名無しさん:08/02/16 00:00 ID:PhzqRVSY
ゆめにっきを使おうと思ってんだがwww
支給品の方を使おうww
716Classical名無しさん:08/02/16 00:07 ID:nCzxDlnI
いやでも俺が主催だったら間違いなく塔を禁止にするぞ
そのまま悠長に放っておいてやる理由なんてないし
フラグなんて参加者もといき手サイドの都合なんだから
717Classical名無しさん:08/02/16 00:32 ID:WJ/bWP72
でも「駅を禁止エリアにしたほうがいいな」とデビモンが言ってる
駅さえ封じりゃ塔自体は問題ないという考えもあるんじゃないか?
718Classical名無しさん:08/02/16 00:40 ID:dDB3ujLs
主催者の思考は時として書き手の意志を上回るということか
こういうのを一人歩きしだしたとかいうのかね
719Classical名無しさん:08/02/16 00:41 ID:AhOdi3Tw
>>715
落ち着けニート。お前はまだゆめにっきを見ていない。

成熟期には何になるんだろうか?
誰かまとめて欲しい。
720Classical名無しさん:08/02/16 00:51 ID:lYuxJ81o
そもそもまだマルクたちに駅を禁止エリアにしたほうがいいって伝わってないんじゃなかったっけ?
721Classical名無しさん:08/02/16 01:01 ID:WJ/bWP72
>>719
チューモンからなるのは本来汚物系なんだが……
冥王とか暗黒長門とかが関与して悪魔系になってもおかしくない状況だ

>>720
そういや走ってるんだっけ
でもそれだと駅がばれたってことも、あれ?これは分かってんだっけ?
722Classical名無しさん:08/02/16 01:10 ID:rHKa2jE.
少なくともマルクはバグを危険視してないとこをみると
リスクを楽しんでいるフシがあるからな、あえてしない可能性もある

進化についてなんだけど
http://www.digimon.channel.or.jp/digivice.html
デジヴァイスIC準拠なら
チューモン→ヌメモン→ガーベモン→デーモンかな

デジモンターミナル準拠なら
チューモン→ヌメモン→ヴァンデモン→デーモン
もしくはヌメモン→スーパースターモン→マリンエンジェモンorプラチナヌメモンだ
詳しくはここを
http://www15.atwiki.jp/digimon-battle-terminal/?cmd=word&word=%E3%83%81%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%A2%E3%83%B3&type=normal&page=%E3%83%81%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%A2%E3%83%B3
                       
723Classical名無しさん:08/02/16 01:19 ID:nCzxDlnI
駅は元々設置されてたからバグとは違うような
アクシデントも楽しんでるって事かね
まだ報告が伝わってないなら塔の禁止は見送りで良いか

マルピエは禁止エリアをどうやって決めてるんだろう
独断なのか話し合いなのかダーツの旅なのか…
724Classical名無しさん:08/02/16 01:36 ID:AhOdi3Tw
ピエモンならロワ存続上危ない場所…なんだろうけど、マルクなのでダーツだと思う。
ピエモンを監視達の管理にしてるあたり無駄だよなぁwww
725Classical名無しさん:08/02/16 08:05 ID:XaCXZmFA
>>722
結局ヌメモンしか道が無いwwww
726Classical名無しさん:08/02/16 08:38 ID:tZpYOkPg
>>722
まさに「どうあがいても絶望」
727Classical名無しさん:08/02/16 08:55 ID:DytSBFLE
カードのチューモンならガルルモンとかにも進化できるよ
結局ヌメモンになるんだろうけど……
728Classical名無しさん:08/02/16 09:06 ID:WJ/bWP72
ワープ進化しちゃえばいいじゃないか
729Classical名無しさん:08/02/16 13:42 ID:woDGMQRc
そもそもゴマモンが法則無視してリヴァイアモンになったり
ティロモンになったりしてるじゃないかw
730Classical名無しさん:08/02/16 14:31 ID:oLCJKxmU
あれだよYOKODUNAのKIのパワーのエネルギー効率がいいから
一気に完全体までいった。これで幾分かはマシな進化も見えてくる
731Classical名無しさん:08/02/16 17:20 ID:klYUJUfc
真の魔王wktk
732Classical名無しさん:08/02/16 17:40 ID:woDGMQRc
どっかで
チューモン→ブラックテイルモン→レディデビモン→リリスモンってのを見たな
733Classical名無しさん:08/02/16 18:40 ID:tZpYOkPg
それでもやっぱり何回やっても何回やっても
ノヴァには勝てない
734Classical名無しさん:08/02/16 20:41 ID:WJ/bWP72
いっそのことピエモンにだな
735Classical名無しさん:08/02/16 21:23 ID:AhOdi3Tw
>>734
それやったらピエモンまじで死ぬわwwwww
736Classical名無しさん:08/02/16 22:28 ID:PhzqRVSY
>>734
マルク「危険度の高いほうをピエモンA、低いほうをBと……」
ピエモン「いや!今までの呼び方で行こう!!」
マルク「え〜、ピエモンBはワガママなのサ!」
ピエモン「私がB!?」

とう言う展開が脳内に広がったww
737Classical名無しさん:08/02/17 13:31 ID:hgCsYIqA
おいおい、そもそも完全体になれるデジモンは一握りしか居ないという事を忘れてないか?
つまりチューモン→ヌメモン→進化できないもあるだろ
738Classical名無しさん:08/02/17 14:28 ID:PQztEabc
そこでつかさとデジヴァイスの登場ですよ
739Classical名無しさん:08/02/17 14:28 ID:uZF6lYZI
完全体になれるのは特別な存在というわけだな
ヴェルタースオリジナルの出番だ
740Classical名無しさん:08/02/17 14:28 ID:b0LU8tZU
あのゴマモンだって七大悪魔のリヴァイアモンになったんだぞ

まぁ、ゴマモンの場合は主人公パーティ+マーダー補正があたのかもしれないが
741Classical名無しさん:08/02/17 14:36 ID:OaEPRlc2
つかさはたいやきも持ってるし危険だよなぁ。
もし進化したらLv100近いギャラドスだぞwwww
742Classical名無しさん:08/02/17 15:05 ID:6GMGMjco
>>737
散々わけのわからない能力取り込んで、
パワーアップしてるんだし、完全体・究極体になる
資格だけならあるんじゃない?
743Classical名無しさん:08/02/17 15:40 ID:ZuNRiQ4c
わけ解らない言うなwww
まあ俺も多分チューモンなら進化できると思う
744Classical名無しさん:08/02/17 15:42 ID:fJSFg3gI
まぁ・・・するにしても、もうちょっと後になってから進化して欲しいかな
全体的に展開が前倒しすぎて、逆に盛り上がらない
745Classical名無しさん:08/02/17 15:51 ID:ZuNRiQ4c
>>744
参加者残り6人!
とかなった時にデーモンになったら参加者終わらないかww
746Classical名無しさん:08/02/17 17:03 ID:yLKiELnM
>>745
むしろ勝ちフラグ
747Classical名無しさん:08/02/17 17:30 ID:b0LU8tZU
確かに
フシギソウに進化!→マーダー2人にやられました
ONI-CHIKUSYOUになりました→怒りの巫女にやられました
七代悪魔になりました→元支給品にやられました
アーマゲモンです、主催者になり変わります→チューモンになりました

だもんな
748Classical名無しさん:08/02/17 17:50 ID:Y2sz/vT.
749Classical名無しさん:08/02/17 20:17 ID:OpLLEqLg
ところで、このロワにドラえもんとか小笠原祥子がいたことを
覚えてる人はいるのか?
750Classical名無しさん:08/02/17 20:23 ID:OaEPRlc2
>>749
勿論覚えているさ。
ただ、さっちゃんに関しては俺ヴォイスならみwikiを出せばよかったのになぁとは思ってる。
751Classical名無しさん:08/02/17 20:35 ID:ZuNRiQ4c
俺もみwikiにすればいいのにと思ったww
らきすたフラグ立つしw
752Classical名無しさん:08/02/17 20:53 ID:CXC4QkTs
みwikiってニコでそんな有名?
一人だけMAD少なく感じるんだが…

>>747
デーモンになったら確実に死ぬじゃないか…
753Classical名無しさん:08/02/17 21:00 ID:OaEPRlc2
>>752
http://www.nicovideo.jp/watch/sm239240

みwiki単体はアレだが、俺ヴォイスみwikiは結構な人気だぞw
754Classical名無しさん:08/02/17 21:09 ID:mL57rxD6
支給品一覧を今度こそ分割せざるを得ないのだろうか
50000バイト制限はやっぱり厳しいなぁ

>752
デーモンになったら悪魔合体の材料だな
また外道スライムから再出発してもらおうかw
755Classical名無しさん:08/02/17 21:44 ID:vr8ibuaI
>>752
>デーモンになったら確実に死ぬじゃないか…
何勘違いしてるんだ、パロロワではパワーアップは後の死亡フラグなんだぜ
756Classical名無しさん:08/02/17 21:53 ID:KaLyUjBs
そうだよな
でも対主催がパワーアップしてもなかなか死なないこの不思議
757Classical名無しさん:08/02/17 21:57 ID:OaEPRlc2
パワーアップした対主催というと閣下ととかちか?
とかちはむしろ死亡者メーカーだからなぁ。
長門、オメガモン、ダネ、魔理沙、お覇王……そして今また城に波乱が起きそうだし。
これでまた一人だけ生き残ったとかなれば歩く死亡フラグってレベルじゃねーぞ。
758Classical名無しさん:08/02/17 22:02 ID:NU/PW4Zo
というよりとかちの方が生存フラグをぶん盗ってるって感じだと思う
一度死亡したかと思いきや真美に再会して
寝てる時にはアグモン、ガブモンとあった上に腕輪を受け継いだし
759Classical名無しさん:08/02/17 22:24 ID:btXrU836
「エネルギードレイン、春香!」
「生存フラグ強盗、とかち!」
「「二人は(これでも)対主催!」」

電波を受信した
760Classical名無しさん:08/02/17 22:31 ID:NU/PW4Zo
2人は盗るキュア マックスハートと申したか
761Classical名無しさん:08/02/17 22:41 ID:OaEPRlc2
それにしてもアイマス勢も中々活躍してるよな。
ズガン要因だと思ってたのに。
762Classical名無しさん:08/02/17 23:01 ID:xoF9dFkA
>>761
「くっ……」
763Classical名無しさん:08/02/17 23:06 ID:Q9OCx9CM
ちょいと質問です
友人の外見ってどうなんでしょう?
友人ポケモン完結記念に支援絵でも描こうかと思ったけど、
マリオなんだかトレーナーなんだかどっちとも違うのか……
764Classical名無しさん:08/02/17 23:09 ID:OaEPRlc2
>>762
あー…ほら、春香ととかちの夢に出れたじゃない。
よくやったよくやった。
>>763
どうなんだろうw
マリオじゃなくて普通のどこにでもいそうな青年をイメージしてるけど、SSの中で触れられてたっけ?
765Classical名無しさん:08/02/17 23:13 ID:NU/PW4Zo
友人公式な外見ないからオリジナルでいいと思うな
俺の場合は黒髪ティーシャツ、ジーンズなごく普通の外見を創造している

ゲームを元にするならマリオカラーと帽子のポケモントレーナーかなぁ
766Classical名無しさん:08/02/17 23:26 ID:Q9OCx9CM
じゃあマリオカラーでエメラルド主人公っぽい一般人……
でいいのかなあ

さっそく描いてみます。
767Classical名無しさん:08/02/17 23:38 ID:PQztEabc
二人はドナキュアマックドハート
768Classical名無しさん:08/02/17 23:39 ID:ULFJjTwE
そういえば何で友人はマリオからの出展なのにマリオ並の運動神経持ってないんだ?
KASは(一応)一般人だけど持ってるぞ?
769Classical名無しさん:08/02/17 23:51 ID:btXrU836
>>768
友人は良くも悪くも普通の人間だったんだ
770Classical名無しさん:08/02/17 23:56 ID:PQztEabc
>>768
友人に制限が付かない訳ないだろ、タケモト的に考えて
771Classical名無しさん:08/02/18 00:11 ID:mYiwwPHk
きっとこの舞台のキーワードのニコニコ動画の思い出し要因だから
それを制限したんだよ
772Classical名無しさん:08/02/18 00:11 ID:TsoFl6oc
そういやTASさんはKAS氏と似ているそうだが
そのKAS氏は( ^ω^)な顔をしているらしいがTASさんもそんな顔しているのだろうか?
773Classical名無しさん:08/02/18 00:19 ID:7gpJRl8g
顔以外が似ているということでここは一つ
774Classical名無しさん:08/02/18 00:19 ID:pmCL3iqE
本来の友人にマリオ並の力が備わっているとすれば、
このロワでそれが発揮できない以上、友人には他の参加者よりも強い制限がかけられていることになる。
そしてそんな私怨紛いのことをする理由はただ一つ。
制限をかけた者は、友人と個人的な関係があるということ……。つまりこのロワの真の黒幕は改造マリオの作者だったんだよ!
775Classical名無しさん:08/02/18 00:27 ID:5MLVnO6U
>>774
な、なんだっ(ry
ということはつまりこのロワの開催理由は作者のゲームの一環?
776Classical名無しさん:08/02/18 00:29 ID:Tvu7bA0w
>>775
そんな友人やだwww
777Classical名無しさん:08/02/18 00:30 ID:UdV1fuNk
    、__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__,
    _)                                                (_
    _)  ナ ゝ        ナ ゝ  /   ナ_``  -─;ァ              l7 l7   (_
    _)   ⊂ナヽ °°°° ⊂ナヽ /'^し / 、_ つ (__  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ o o    (_
    )                                                (
    ⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒
 /   , ,ィ ハ i、 、     !   /''⌒ヽ-─‐- 、     、ー'´         \ .イ   , ,ィ ハ i 、 .   |
 /イ  ,ィ/l/ |/ リuヽlヽト、 |   ゝ ,、.___,  \  >       ,       !  | ,ィ/l/ l/ uハlヽトiヽ. |
  イ /r >r;ヘj=:r‐=r;<ヽ│  「 ./       u \  |  ≧  , ,ィ/ハヽ\   |   |/゙>r;ヘ '-‐ァr;j<`K
  r、H   ┴'rj h ‘┴ }'|ト、  |./        ヽ |  1 イ/./ ! lvヾ,.ゞ、 ! .ry   ┴ 〉   └'‐ :|rリ
  !t||u`ー-‐ベ!` ` ー-‐' ルリ r|´゙>n-、ヽ-rj='^vヽ _レ「゙f.:jヽ ーT'f.:j'7`h |t|.   ヾi丶     u レ'
  ヾl.     fニニニヽ  u/‐'  :|r|  ー "j `ー ′ h゙リ {t|!v ̄" }  ` ̄  !リ ヾl u  iニニニヽ   /|
    ト、  ヽ.   ノ u,イl.    ヾ! v  ヾ__ v イ‐' ヾl   ヾ_  v ./'    ト、  、__丿u ,イ ト、
   ,.| : \  `ニ´ / ; ト、    ト.、u L_ フ , ' |.    ト、u ヾー `> /.|.   ,| ::\     / ; / \
-‐''7 {' ::   ` ー '  ,; ゝ:l`ー- ⊥:`ヽ. __ / ,' |    | :\   ̄ /,' ト、_ /〈 ::  ` ー '   ,'/   「
  /  \ ::       , '/  :|     `'''ー- 、 , ' '>-,、.._ノ ::  `ー '   /,.イ   \::     /      |
 /     \    /     |        | ヽ-‐'´ _,.ヘ<  _::   _,. イ/ |     ,.へ、 /´\       |


778Classical名無しさん:08/02/18 00:39 ID:88.3PzHM
だがそれではオチが「なんだ夢か」になってしまう
779Classical名無しさん:08/02/18 00:40 ID:Tvu7bA0w
>>778
新しくていいと思う

ただし皆ブチぎれると思うがwwww
780Classical名無しさん:08/02/18 00:40 ID:vjTfYcbQ
タケモトどんだけ強いんだよwww

でもナイトモンはタケモト基準だし、ナイトモンが無性にイジワルしたくなった…でいいかも。
キバ君はエスパー持ちだし、このくらいの制限はあったほうがいいんじゃないか?
(タケモトは悪タイプだけど…)
781Classical名無しさん:08/02/18 00:42 ID:mYiwwPHk
TASさんの外見は顔以外マリオってのもありだと思ったが
ニコニコワールドのTASさんもありだ
http://www.nicovideo.jp/watch/sm1963492
782Classical名無しさん:08/02/18 00:43 ID:mYiwwPHk
>>780
あれなかったことになったんじゃないの?
wiki本投下の文まんまだったっけなぁ……
783Classical名無しさん:08/02/18 00:53 ID:7gpJRl8g
なかったことになったね
まあ、修正版がしたらばの没スレにあったが……
そのうちwikiを修正しとくか
全部誰かに任せるわけにはいかないし
784Classical名無しさん:08/02/18 01:17 ID:5MLVnO6U
なんかもう作者は黒幕でいい気がしてきた
785Classical名無しさん:08/02/18 02:06 ID:vjTfYcbQ
>>873
えー。wikiにあったから通ったのかと思ってた。
四天王でプロット組んでたからショック…
786Classical名無しさん:08/02/18 02:20 ID:1xX0KzLk
書き手ロワでさえ通らなかったキャラ増やしが通るわけがない
787Classical名無しさん:08/02/18 13:15 ID:lwSWeLiE
TASさんとKASが似てるのは服とか帽子とかの話だろw
ブーン顔のTASさんなんて嫌すぎるwww
788Classical名無しさん:08/02/18 15:16 ID:ooLmLnQM
>>787
でもTASさんもVIPマリオであんな顔になってるよ
789Classical名無しさん:08/02/18 16:32 ID:vjTfYcbQ
適当にマジメな時のやる夫みたいな顔想像してた。
KASがブーン顔でさえなければ…
790Classical名無しさん:08/02/18 17:02 ID:88.3PzHM
きっと、TASさんはイケメンでKASもそれに似てイケメンではあるんだけど表情が常に
(^ω^)
で物腰や雰囲気からも知性や品位を感じないから結果的にイケメンに見えないだけなんだよ
791Classical名無しさん:08/02/18 17:04 ID:DT6mHdlc
つまり
KAS→僕せつら
TAS→私せつら

ということか
792Classical名無しさん:08/02/18 18:21 ID:CjyZ0gJs
TAS→マリオ
KAS→マリオ
アキバ→人間(中の人)
だと思ってたんだが友人の体は制限マリオだったのか

ところで放送文ってもう書き終わってたりするかな
まだだったら繋ぎを一本書こうかなと思ってる。あっても無くても大丈夫な話だが
793Classical名無しさん:08/02/18 19:01 ID:feDzYOp6
アキバ君は妹が懐くくらいだから
キョン程度の地味で普通で冴えない一般人なんだろうよ
794Classical名無しさん:08/02/18 23:09 ID:UdV1fuNk
>>793
その言い方はあんまりだww
でも、まぁ…それが一番しっくり来るよな

個人的にはエロゲの主人公みたいに
微妙に前髪長くて眼が隠れてて、Gパン&Tシャツな、どこにでもいそうな奴をイメージしてた
795 ◆KJJLTUDBrA :08/02/19 00:06 ID:4bjNCZow
wikiを更新しようと色々見てたら執筆が滞ってしまっていたぜ。
ちなみに、ダークマスターズ関係を修正してきたよ。(ただあれは、トリが違ったような気もするが……)

とりあえず、短めだけど、ピコ麻呂アリスその他を投下します。
796月は見えているか ◆KJJLTUDBrA :08/02/19 00:07 ID:4bjNCZow
城はすぐそこというところでカービィが目を覚ました。
「ぽよ?」
「あら、お目覚めのようね」
カービィは数回目をしばたかせると、慌てたように彦麿の背中から飛び降りる。
突然背中が軽くなったので、彦麿はたたらを踏んだ。
「うぉ!?」
「ちょっとカービィ、まだ怪我が!」
カービィは何かを警戒してアリスと彦麿の周りを駆け回る。
だが、あたりが先ほどまでと違うことに気付いて首を傾げた。
「ぽよ。ぽよ。ぽ〜よ?」
「……ああ、さっきの男ならどこかへ行ったわよ」
アリスのその一言を聞き、カービィは安心したようにその場に腰を下ろした。
「ところでアリスよ。カービィの口調が以前と違うのだが」
「おそらく、彼がつけてたバッチの所為ね。何かのマジックアイテムだったのかもしれないから、惜しいことをしたわ」
「ぽよ〜!」
カービィの声に二人は振り返る。
「カービィ、どうしたの?」
「ぽよ、ぽよ〜」
上を指差すカービィにつられ、二人は空を見上げる。
するとそこにあったのは、満天の星空だった。
「ほお、今までじっくりと見なかったがこれほどの星空とは……」
感嘆の声を上げる彦麿。だが、アリスは眉をひそめた。
「ん?どうしたのだ、アリスよ。そんな怖い顔を……」
「彦麿」
彼の言葉を遮って、アリスは夜空を睨みつける。
「確か陰陽道って、星も扱ったわよね?」
「ああ、確かに星読みも陰陽師の基本技術だが、それがどうしたのだ?」
「この空を見ても、なんとも思わないの?」
改めて夜空を見上げる彦麿。
「うーむ。ただの綺麗な星空……?」
彼の言葉が尻すぼみになって消える。
797月は見えているか ◆KJJLTUDBrA :08/02/19 00:10 ID:4bjNCZow
「何だこの違和感は……」
「あなたにもわかったようね。そう、この星空は私達の見たことのあるものと酷似している。
 でも似ているだけ。これはただの醜悪なコピーでしかないわ。まったく、何で今まで気付かなかったのか不思議なくらいよ」
コピーという言葉にカービィが反応するが、アリスは気付かなかった。
「馬鹿な。まさかここは別の星だとでも言うつもりか」
「その可能性は低いわね。別の星にしてはこの星空は似通いすぎてる。たとえここが月でも、この空はないわ」
こめかみに指を当て、考え込むアリス。
彼女の専門は人形ではあるが、他の魔法が使えないと言うわけではない。
そもそも知識を司るのが魔法使いである。魔理沙のような破壊に特化した魔法使いなど例外中の例外だ。
その魔法使いに蓄積された知識が、一つの仮説を導き出した。
「どちらかと言えば、作られた世界、かしら」
「作られた……?」
ええ、と彼女は話す。
彼女の世界には、境界を操る妖怪がいるということを。その力は、世界を作ることもできるということを。
「実際、幻想郷を作ったのはあの大妖怪の手によるところが大きいからね」
「ならば、その妖怪がこの殺し合いの黒幕ということか?」
「それはないと思うわ。仮にもあいつはスペルカードルールに一枚噛んでる。それがこんな空を作るとは考えられないのよね」
ううむ、と彦麿は唸った。
「まあ、あいつが黒幕だとしても、そうじゃないにしても、大した違いはないわ」
「……どういうことだ?」
「わからないの? 仮にこの……」
アリスは自分の首輪を指差す。
「この首輪を外せても、この世界の核となるものを潰さないと、外には出られない」
「核?」
「それが、妖怪なのか、それともマジックアイテムなのかはわからないけどね」
「ふぅむ。核となる何かか……」
そこで彦麿は大きなあくびをした。それを見てアリスは笑う。
そして、一つのことに気付き、空を見上げた。
真上には満月。ならば……
「そろそろ真夜中ね」
そして時報が鳴った。
798月は見えているか ◆KJJLTUDBrA :08/02/19 00:12 ID:4bjNCZow
【D-2 西端/一日目・真夜中(放送直前)】
【カービィ@星のカービィ】
[状態]:左腕爆破、全身に中ダメージ、胸部から腹部にかけてきり傷
[装備]:なし
[道具]:支給品一式(食料以外)
[思考・状況]
1.アリスと彦麿についていく
2.魔獣を倒すために一時撤退。
3.魅音お姉さんの人探しを手伝う。スマブラ経由の知り合いには会いたくない
4.でも、ヨッシーとか、知らないヨッシーかも
5.マルクを倒して殺し合いを止める
※様々な記憶が内包しています。パッチをつけることで思い出しやすくなります。
※ミックスコピーを思い出しました。

【矢部野彦麿@新・豪血寺一族 -煩悩解放 - レッツゴー!陰陽師】
[状態]:全身に打撲によるダメージ(痛みは引きました)、半裸
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、ネギ@ロイツマ、孔明ブロック(大)@スーパーマリオワールド(友人マリオ)、長門の首輪
    コイン*2@スーパーマリオワールド
[思考・状況]
基本.主催を含む悪霊退散
1.戦略的撤退、城に向かう
2.アリスを必ず守る。
3.つかさを心の闇から連れ戻す
4.琴姫の意思を継いで、悪霊を退散させる。
5.悪霊退散の為の修行を積む
6.猿の物の怪を改めて退散する
799月は見えているか ◆KJJLTUDBrA :08/02/19 00:13 ID:4bjNCZow
【アリス・マーガトロイド@東方Project】
[状態]:全身打撲に切り傷(包帯による治療済)、魔力中消費(回復中)
[装備]:朝倉涼子、炎道イフリナのフィギュア@ふぃぎゅ@メイト、彦麿の道着
[道具]:支給品一式(水全消費)、プラスパワー*5@ポケットモンスター、炎道イフリナのフィギュア@ふぃぎゅ@メイト
[思考・状況]
基本.しょうがないので異変解決。魔理沙の意思を継ぐ
1.できればまともな服がほしい。
2.涼子のため……じゃない、生き残るために少しやる気を出す
3.涼子の力でブレインな弾幕を作る方法を考える
4.お気に入りの人形とグリモワールオブアリスを探す
5.なんで魔理沙の服装……

【朝倉涼子@涼宮ハルヒの憂鬱】
[状態]:綺麗な人形
[装備]:レヴァンティン@くらっとけ!スターライトブレイカー(魔法少女リリカルなのはシリーズ)、白黒魔法使い風バリアジャケット
[道具]:支給品一式
[思考・状況]
1:ホシガミエルゼ-
2:アサクーラダヨー
3:マユゲダヨー
4:コーセーノーバックアーップダヨー
800月は見えているか ◆KJJLTUDBrA :08/02/19 00:16 ID:4bjNCZow
※朝倉涼子
死亡扱いです。首輪はついています。 命令がなければアリスを自動で守ります。
アリスの魔力が尽きない限り、表情もあり、人間と区別がつきません。
魔力が尽きた状態で数時間放置すると死体になり、二度と操れません。
朝倉涼子の情報改変能力は、暗黒長門の半分以下まで落ちています。
※アリスの魔力を消費して、シグナムの魔法が使えるかもしれません。
演算処理のバックアップをさせることで、情報改変能力が上がっている可能性があります。
服装がどうみても魔理沙です、本当にありがとうございm(ry

※ゴマモンの危険性を十分理解しました。

※アリスは、ここから脱出するには、この世界の核となる何かの停止が必要だという仮説を立てました。
801 ◆KJJLTUDBrA :08/02/19 00:19 ID:4bjNCZow
以上で投下終了です。
何故こんなに時間がかかったのかは謎です……ごめんなさい。

で、放送は誰がやるね? 俺は前回やってしまったからパスね。

あと、wikiは誰でも編集できるんだぜ。
自分の作品で誤字脱字等があったら、ちょこっと修正するといいかもよ?
802Classical名無しさん:08/02/19 01:40 ID:aLB1gF.c
投下乙
夜空の考察だが、月が存在しない夜空ってことでおk?
803Classical名無しさん:08/02/19 02:29 ID:ENXIOZQk
この分だとピコアリ達は無事城に着けそうだな。流石は対主催最後の砦…
804Classical名無しさん:08/02/19 04:27 ID:hxMPIosk
新生四天王出てないのにタイトルがアレですね…
結局ぐーやもボツったんだっけ?
805 ◆KJJLTUDBrA :08/02/19 08:33 ID:fUjDD2O6
>>802
一応月は見えているつもりです。最後の満月の部分はミスではありません。
以前のSSでも月に関する描写はありましたし。

月も出ていて、一見普通だけど、どこか歪な夜空、といったイメージでしょうか。
806 ◆jVERyrq1dU :08/02/19 12:28 ID:29dMWcWI
投下乙。ようやくニコニコンビのターンがやってきそうだ。

放送をしたらばに投下しました。これでいいか見てください。
807Classical名無しさん:08/02/19 12:55 ID:8hDrE/VY
両者とも投下乙です。放送は大丈夫だと思う

四天王関連だが、その後のCMさんのSSにも修正あったはずなので
後でwiki編集しておきます。
808Classical名無しさん:08/02/19 14:15 ID:/JHQvnKE
ようするにそこに見えているのは空を真似た模造品てこった
809Classical名無しさん:08/02/19 15:28 ID:hxMPIosk
コイヅカ君に死亡フラグという名の復活フラグ発生www
810Classical名無しさん:08/02/19 17:43 ID:qhSF1phQ
>>801
投下乙ー。カービィもようやく起きたか。
ニコニコンビが城を救ってくれるか否か…。
>>806
投下乙ー。問題無いと思います、GJ。

予約合戦はいつ頃になるんだろうか?
出来れば深夜帯は避けてほしいんだが、前回は1時だっけ?
811Classical名無しさん:08/02/19 17:54 ID:PBUjGIcQ
ここまで忙しい主催も珍しいなwwww
812 ◆jVERyrq1dU :08/02/19 22:48 ID:29dMWcWI
問題ないようなので放送を投下します。
813 ◆jVERyrq1dU :08/02/19 22:49 ID:29dMWcWI
ピ、
ピ、
ピ、
ポーン。

『午前0時をお知らせします』

闇に包まれた会場に突如、チャイムが鳴り響く。
次の瞬間、空全体が発光し、巨大な立体映像が現れた。

『久しぶりだなみんな。マルクよりも私の方がいいだろう?』

天空に現れたピエモンが一言、挨拶する。


――さて、手短に済まそうか。まずは禁止エリアからだ。
例の如く一度しか言わないから注意して聞くんだよ。
禁止エリアは二時からB-2、四時からB-5だ。
こちら側としては禁止エリアに侵入して死亡なんてのはやめて欲しいな。
面白くないからね。

――さて、皆こっちの方が気になっているんじゃないかな?
残念な事に今回の死亡者は若干少なめだ。放送後はもっと頑張って殺しあってくれないと困るよ?

じゃあ、哀れな脱落者を発表しようか。

YOKODUNA
ティアナ=ランスター
ロックマン
ストーム1
ゴマモン
814第二回定時放送 ◆jVERyrq1dU :08/02/19 22:50 ID:29dMWcWI
――五人死んで、ついに残り人数は半数を切った。
弱者が淘汰され、日付も変わり、ここからがいよいよ終盤戦と言ったところかな。
これからのみんなの殺しっぷりに期待しているよ。

っと、言い忘れるところだった。実はこちら側、君達とは関係のないところでいざこざがあってね。
唐突なんだが、殺し合いの参加者が一人増える事になった。飛び入り参加者、という奴だね。
名前はチューモン。今、君達が持っている名簿にチューモンという名前が浮き出てきているはずだ。
ま、せいぜい仲良くしてやってくれ。

――残念だけどそろそろお別れだ。次の放送はマルクだよ。
それじゃあまた十二時間後に――
◇ ◇ ◇ ◇ ◇

放送が終わり、ピエモンは放送室を出る。放送室の扉の前にはマルクと一匹のデジモンが立っていた。
「まさか」
「放送お疲れ様。また緊急事態なのサ」
「……またか」

マルクが吐いた言葉にピエモンは顔をしかめた。
全く、トラブルが多いことだ。デジモンがトラブルについて語りだす。

「KASとニート、それにレナ達が駅に侵入してしまいまして。すぐに引き返したのですが……」
「……色々と情報を与えてしまったというわけか」
「現在はアイスデビモン様が駅を死守しております」

「レナ達はあえて放っておいたんだけどやっぱりまずいかったのかな」
マルクがのんびりした様子で言う。全く、こいつは少々危機感が足らないのではないか?
815第四回定時放送 ◆jVERyrq1dU :08/02/19 22:52 ID:29dMWcWI
「ここまで何度も進入されるようではやはりまずいだろう。駅を禁止エリアにすべきだな」
「それを伝えに来たのサ。それなのにピエモンは放送を終えてるし……。これじゃあ塔を禁止エリアに出来ないのサ」
「駅だけを禁止エリアにするとか、出来ないのか?」
マルクが曖昧な表情を見せる。
「……出来る事は出来るのサ。コイヅカ君に相談してみたんだけど、私が廃人覚悟でやればなんとかなるだってサ。
相当しんどい作業みたいなのサ」
「まあ……やってもらうしかないな。コイヅカ氏にはまたも迷惑をかけてしまうが」

「あの、マルク様。もう一つ、駅関連の話なんですが……」
アイスデビモン配下のデジモンがおずおずとした様子で発言する。
まだ何かあるのか……。ピエモンは不満を露にし、耳を傾けた。
「電車で補充人員を輸送していた時、裏切り者が出まして……電車が横転し、大惨事が起こってしまったんです。
現在は横転した電車の撤去工事を迅速に進めております」
「…………」
「…………」

やれやれ。ピエモンは呟いた。話は続く。
「通信が使えなかった事もあり、デジモン達の間に混乱が生じているのではないかと……」
「あ〜通信の件は大丈夫だ。あらかた回復した。そんな混乱はおそらくすぐに収まるだろう」
「流石はピエモン君。やる事はしっかりやってるみたいで安心したのサ」
マルクが明るい口調で言う。
「世辞などいらんよ。ま、アイスデビモンにはこのまま撤去工事を続けてもらい……」
「駅の死守もこのまま彼に任せたいのサ。またトラブルが起きたら困るよ」
珍しくマルクが不測の事態を心配している。
「珍しく慎重だな。……確かに緊急事態に備えて、彼には撤去を終えた後、駅の番人になってもらうのもいいな。
本部と会場。その中継地点として……私が後で連絡しておこうか」
816第四回定時放送 ◆jVERyrq1dU :08/02/19 22:53 ID:29dMWcWI
「アイスデビモン君への連絡は僕がするから、ピエモン君も撤去工事を指揮するために駅にいって欲しいのサ」
「なんだって?」
ピエモンはまさか自分が行く事になるとは思っていなかったのだろう。声が裏返っていた。
「撤去工事を進めているのはデジモン達なんでしょ。だったらピエモン君が指揮すれば早く終わるに決まっているのサ。
それに工事のための追加人員を輸送する頼れる人物も必要なわけだし。ピエモン君が適任なのサ」
「……しかし。最近ずっと休んでないような……」
「休むなんてのん気な事を言っている暇はないのサ。
僕もこれからコイヅカ君と協力して、駅を禁止エリアにしないといけないから忙しいのサ」
マルクはここぞとばかりにまくしたてた。
「分かった分かった。……行けばいいんだろ行けば。電車が使えない状況は中々まずいからな。
今から工事に参加させるデジモン達を集めに行くよ。……お前も来るんだ」
ピエモンはアイスデビモン配下のデジモンに声をかけた。素直に従う。

「あ、言い忘れていたけど、首輪のエコノミーモードは解除されたのサ。これで盗聴も出来る」
「ああ。分かったお疲れ様。お互い頑張ろう」
ピエモンはそう言い残し、歩いていった。

一人残されたマルクは早足で司令室に向かった。忙しいなぁ全く。
司令室でアイスデビモンと通信を図る。

「あ〜あ〜アイスデビモン君?聞こえる?」
少しの間ざらざらしたノイズが響いていたが、それは急に消え、若本こと、アイスデビモンの声が聞こえてきた。
「マルク様ですか。通信は回復したのですねってヴぁアアアア!
……実はかくかくしかじかありまして、電車撤去するための追加人員を派遣して欲しいのですが」
「あ〜それならもう送ってるのサ。じきにピエモン君が別の電車に大量のデジモンを乗せて、そっちに着くと思うよ」
「ピエモン様が来るのですか!?」
アイスデビモンは驚いた様子だ。
「彼が一番適任だからね。それより君には一つ頼み事があるんだ」
「何でしょう?」
817第四回定時放送 ◆jVERyrq1dU :08/02/19 22:55 ID:29dMWcWI
「駅の番人。駅はどのみち禁止エリアにするつもりだけど工事が終わった後も見張っていて欲しいんだ。
何かとトラブルが起こるからねぇ。ま、本部と会場の中継という形になるかな」
「分かりましたるぁああ!では、撤去に移らせていただきます!」
「頑張ってね〜」

マルクは通信を切った。すぐに席を立ち、コイヅカの所へ向かう。一息つく暇など一瞬たりともない。
やれやれ。疲れるなぁ。もっと優雅に殺し合いを眺める予定だったのに。

「やぁコイヅカ君いる?」
部屋の前に立っているデジモンに声をかける。
「それが……また気絶してしまいました。今度は吐血もしています」
「……コイヅカ君にはほんとに悪いけど、水ぶっ掛けて起こしてみるよ。
あっそれとコイヅカ君の体力回復のためにハイポーションを持ってくるのサ」
「ハッ!了解しました(ハイポーションって回復効果あったっけ?)」

部屋に入る。コイヅカ君は血を吐き、白目をむき、死んでいるかのように眠っていた。
申し訳ないけどまだまだすることがあるんだよね〜〜。僕もさすがに疲れてきたのサ。

※本部との通信が回復しました。デジモン達の混乱は収まりつつあります。
※ピエモンが大量のデジモンを引き連れ、電車撤去工事に向かいました。別の電車に乗って向かっているのですぐに着くでしょう。
※マルクとコイヅカ氏が現在駅を禁止エリアにしようと奮闘しています。駅はじきに禁止エリアになるでしょう。
※アイスデビモンはこのまま駅を守り、本部と会場の中継役を務める事になりました。
※首輪のエコノミーモードが解除されました。
818 ◆jVERyrq1dU :08/02/19 22:57 ID:29dMWcWI
投下終了。予約合戦はいつからなんですかね
819Classical名無しさん:08/02/19 23:13 ID:sgf.apzU
投下乙。
生存者も半数を切り、いよいよ終盤戦か……。
塔組、城組の行方が今後を大きく左右するだろうな。

予約合戦は1時間後、日付が変わる0時丁度が妥当か。
俺は予約しない、と言うかできないけど。
820Classical名無しさん:08/02/19 23:49 ID:fUjDD2O6
投下乙
何で主催者側はこんなに忙しいんだw
こいずか君もどうなることやら。

まあ、予約合戦は、俺は一向に構わないんだけど、なんだか人がいなさそうだし、明日の方がいいんじゃね?
821Classical名無しさん:08/02/19 23:59 ID:nlVQ5tEs
どうしようか
予約したいとは思うけど……
822Classical名無しさん:08/02/20 00:00 ID:LAZem/6o
じゃあ明日まで待ちます
823Classical名無しさん:08/02/20 00:01 ID:8s16W9Ns
明日の0時でおk?
824Classical名無しさん:08/02/20 00:51 ID:LAZem/6o
0時だとニコニコの時報で簡単にタイミング合わせれるから
あえて23時を希望してみる
825Classical名無しさん:08/02/20 01:00 ID:d2PdWCrw
>>824
他ロワでの俺の必勝法を封じるとは、なんたる鬼畜っ!
826Classical名無しさん:08/02/20 17:47 ID:5AaQrcNY
では23時で?
827Classical名無しさん:08/02/20 18:28 ID:rQR4.Sno
23時でいいんじゃないかな。
828Classical名無しさん:08/02/20 21:37 ID:rAF5SW/2
どれだけの予約が来るのか
829Classical名無しさん:08/02/20 21:57 ID:rQR4.Sno
昨日の様子から見て3,4人くらいかな?

つーかニコニコ生放送入れなくてワロタwww
830 ◆CMd1jz6iP2 :08/02/20 23:00 ID:jIIJDRnY
じゃあ予約といってみますか。
霊夢、でっでいう、トミー、チューモン
萃香、ロール、ニート、KASを予約します。
831 ◆wC9C3Zbq2k :08/02/20 23:00 ID:uiCDxtls
社長・やよい・クラモンD・亜美・ピヨシ・ピコ麿・アリス・カービィ
予約できたらいいなー
832 ◆0RbUzIT0To :08/02/20 23:00 ID:rQR4.Sno
竜宮レナ、キョンの妹、ピッピ、泉こなた、水銀燈、友人、永井博之、涼宮ハルヒ、TAS、クラモンB、エアーマン予約します
833 ◆KJJLTUDBrA :08/02/20 23:00 ID:fchHA2ys
えーりん、古泉、スイカ、ロール、ニート、KAS、霊夢、富竹、でっていう
を予約します。
834Classical名無しさん:08/02/20 23:01 ID:fchHA2ys
おおおおおおorz
835Classical名無しさん:08/02/20 23:02 ID:q4UfpGWg
>>831
>>833
被ったww
836Classical名無しさん:08/02/20 23:02 ID:/CW8R032
最後おしいw
837 ◆CMd1jz6iP2 :08/02/20 23:04 ID:jIIJDRnY
ぎゃあ、被ってるー!?
マーガリンとチューモンの違いだけとは……
838Classical名無しさん:08/02/20 23:04 ID:4iKdOS5o
>>834
ドンマイ
839Classical名無しさん:08/02/20 23:04 ID:rQR4.Sno
ドンマイと言わざるを得ない…。
840 ◆KJJLTUDBrA :08/02/20 23:05 ID:fchHA2ys
仕方がない。これが私の次撃だ。
魅音、遊戯、つかさ、ムスカを予約。
841 ◆CMd1jz6iP2 :08/02/20 23:07 ID:jIIJDRnY
>>840
頑張って書かせていただきます。
842 ◆IU4EWEf33I :08/02/20 23:07 ID:q4UfpGWg
じゃあ残ってしまった哀れなマーガリンを予約します
今度はがんばります
843Classical名無しさん:08/02/20 23:08 ID:rQR4.Sno
>>840
その不屈の闘志に敬意を表さざるを得ない。

つーかこれで殆どの予約埋まったなぁ。
残ってるのは閣下と阿部さんとマーガリンだけだ。
844Classical名無しさん:08/02/20 23:09 ID:rQR4.Sno
マーガリンまでwwww
845Classical名無しさん:08/02/20 23:30 ID:8s16W9Ns
ぐはああああorz
一気に予約埋まりすぎだろww
846Classical名無しさん:08/02/20 23:36 ID:qrrFf4yU
  閣  下  涙  目


847 ◆jVERyrq1dU :08/02/20 23:50 ID:8s16W9Ns
閣下いじめをする男スパイダーマッ

阿部さんを予約します。
848Classical名無しさん:08/02/20 23:52 ID:3SHpmsGY
ついに一人だけ残り物になった閣下
849Classical名無しさん:08/02/20 23:59 ID:d2PdWCrw
空気キャラと聞いてやってきました

……申し訳ない閣下、俺が武装錬金を読んでいないばっかりに……
850Classical名無しさん:08/02/21 01:03 ID:U/8O677w
閣下が空気の理由
閣下が半分ニコニコオリジナルキャラだから。

おじいちゃん、ガチホモ古泉、YOKODUNA、友人、TAS、KAS等々
半オリキャラはいるが有名だから想像でカバーしてきた。
閣下は超鬼畜から厳しくも優しい閣下まで様々存在する。
個人的には好きだが、閣下の三国統一はニートのに比べるとマイナー

三国の閣下本人じゃないから、厳しくも仲間を大切にする閣下を書けばいいんだけどね。

ニコロワの欠点といえば欠点だな。
ドナルド、ドアラ、ボーカロイド等も性格はオリキャラになるわけだから。
851Classical名無しさん:08/02/21 01:06 ID:/BoMkSGw
閣下書こうと思ったが、遠かった。
十分な量のネタもあるんだけどね。
まあ、あのあたりのパートが一段落すれば書くかも。
852Classical名無しさん:08/02/21 01:33 ID:WktcoBWM
待て、閣下のこれは温存フラグなんだ!
ヒーローは遅れて登場して美味しい所だけ頂いていくものなのだ!
別に人気がない訳じゃないんだッッ!!
853Classical名無しさん:08/02/21 01:52 ID:Dm0pJcu.
ロワにおける空気は生存フラグ
ただし、度が過ぎると死亡フラグに早変わり
854Classical名無しさん:08/02/21 06:17 ID:Krji.bWA
まあド深夜だから動かないのもまた正しい
ところで、次の放送ってなんで12時間後なんだっけ
855Classical名無しさん:08/02/21 07:05 ID:z.sRoWcc
次にピエモンが放送するのが12時間後ってことじゃないのか?
856Classical名無しさん:08/02/21 07:17 ID:bw8UKVXQ
ピエモンったら…目立てないからってこんな所でアピールしなくても…
857Classical名無しさん:08/02/21 09:05 ID:Ro6Rmr1o
まあ、ピエモンBだしな
858Classical名無しさん:08/02/21 10:09 ID:14wKKG0I
ピエモンと会えるのが12時間後、という意味だな。
まあ、Bだし。
859Classical名無しさん:08/02/21 11:18 ID:Fy4SWmGM
Bなら仕方ない
860Classical名無しさん:08/02/21 14:14 ID:xl5QLI2Y
おまえらwwwwwwww
まあBだからなぁ
861Classical名無しさん:08/02/21 18:19 ID:Fy4SWmGM
ところでwikiの容量って何レス分くらいいけるの?
ちょっと長くなりそうだから、いいところで区切って前後編に分けようと思うんだがどの程度で区切ればいいのかわからない。
862Classical名無しさん:08/02/21 18:22 ID:kS7wA.6M
個人的な感覚だと25レスでテキスト35kbになり、wikiの要領制限の50kbに引っかかるぐらい。
だから26〜27を超えたら前後編に分けるヨロシ。
863Classical名無しさん:08/02/21 18:24 ID:Fy4SWmGM
>>862
dクス、それじゃそのようにしとく。
864Classical名無しさん:08/02/22 01:52 ID:e4Bpqvxk
テスト
865Classical名無しさん:08/02/22 11:01 ID:9Qya9XQ6
ニコニコRPGの魔王の正体は白い冥王だったね…
これで魔王の黒幕説は使えなくなったぞっと。
866Classical名無しさん:08/02/22 13:05 ID:CDxn0CCQ
そういや脇巫女が人気投票一位とったらしいね
867Classical名無しさん:08/02/22 17:11 ID:JLy1e2AQ
>>866
mjd?すげぇな霊夢ww
868Classical名無しさん:08/02/22 18:07 ID:lLId8/PY
>>865
なぁに、グランドソード出典とすれば問題ない
869Classical名無しさん:08/02/22 19:17 ID:yh5R54uo
まだ見てないんだからネタバレすなwwwwww
870 ◆0RbUzIT0To :08/02/22 19:37 ID:yzITKRqw
どうも、塔組とエアタスモンとハルヒのSSが出来ましたです。
現在最終チェック中ですが、サイズがアホほど大きい100kb超えしちゃってるんですけどどうしたらいいですかね。
次スレ立てた方がいいでしょうか?
871Classical名無しさん:08/02/22 19:43 ID:lLId8/PY
一気に投下してスレ消費するのも手だよね
872Classical名無しさん:08/02/22 19:45 ID:lLId8/PY
あ、次スレはたてたほうがいいね
余裕で500kbを突破しそうなんだし
873Classical名無しさん:08/02/22 19:47 ID:4xFrKYK.
1ヶ月で1スレ消費か…早いなぁ
874Classical名無しさん:08/02/22 19:52 ID:yzITKRqw
スレ立てれなかったorz 申し訳ないですが、どなたか代わりにお願いします
875Classical名無しさん:08/02/22 20:23 ID:9Qya9XQ6
とりあえずテスト投下が無難だと思う。
876Classical名無しさん:08/02/22 20:25 ID:lLId8/PY
スレ縦してきたよ
何気に10スレ到達か、はやいもんだな
そして死者が2スレも使用せざるを得ない状況に、これが終盤というものなのか
http://sports2.2ch.net/test/read.cgi/entrance2/1203677872/
877 ◆0RbUzIT0To :08/02/22 20:27 ID:yzITKRqw
>>876
どうも、スレ立てお疲れ様です。

それでは投下させてもらいます。
80レスくらいになりそうなんで、支援の方よろしくです。
878Classical名無しさん:08/02/22 20:28 ID:lLId8/PY
支援バッチこいだぜ
879青い炎vs月の頭脳 ◆0RbUzIT0To :08/02/22 20:29 ID:yzITKRqw
この殺戮の舞台に連れてこられて二十四時間が経過した。
空は既に暗闇に染まり、唯一月明かりのみが申し訳程度に辺りを照らす。
連れてこられて二十四時間……つまり、一日。
人によっては短いとも長いとも感じられるこの時間を、少なくとも橋の近くで陣取っている八人の人影は長いと感じていただろう。
この二十四時間は彼らにとって密度の濃い、濃すぎる二十四時間だった。
家族を失くし、罪を犯し、悲しい別れ、強敵との闘争……挙げていけばキリがない。
だが、それでもこの場に残った八人は生きていた、生き続けたいと望んでいた。
既に満身創痍、ずっと支えてくれていた仲間が凶弾に倒れた後でも諦めず、しぶとく生き残っている。
そして、それはきっとこれからも――。

「……さっきの放送で呼ばれたのは、五人。
 その前の放送に比べて半分近く減っている……これは、多分人を殺そうと思う奴が減ってきているんじゃないか?」

放送で呼ばれた名前を名簿のものと照らし合わせ確認しながら、キバはその場にいる全員に問いかける。
呼ばれた名前の中には、彼らのよく知る者の名前もあった。
ティアナやゴマモン、ロックマン。
後者二名に関しては大部分の人間が聞き知っている程度の認識しかなかったが、
それでも矢張り仲間になれるかと思っていた人間が命を散らしてしまったと思うと悲しみに暮れる。
特にこなたはゴマモンの名を聞いて落ち込んでいた様子だった。
かがみがゴマモンに殺されてしまったという事実は……決して許されないものかもしれない。
しかし、それでも……萃香の話を聞いた限りではその罪はゴマモンだけに責任がある訳でもなかった。
出来る事ならば再び会って、ゴマモンの口から真実を聞きたかった。
だが、ゴマモンもう二度と口を開くことはない……死んでしまったのだから。

「ハルヒの話によると、ロックマンは武藤遊戯……ハルヒの仲間とエアーマンを倒しに向かったんだろ?」
「ええ、そうよ」
880青い炎vs月の頭脳 ◆0RbUzIT0To :08/02/22 20:30 ID:yzITKRqw
先ごろこなたと接触を果たし、放送直前に仲間に迎えられたハルヒは力強く頷く。
ハルヒは七人という大集団にはじめ狼狽した様子を見せていたが、キョンの妹を見つけると久方ぶりの再開に双方涙して抱擁を交わした。
ハルヒにとってキョンの妹は大切な思い人の家族、キョンの妹にとってハルヒは唯一残った『まともな』自分を知る人である。
……ハルヒは真っ赤になって大切な思い人、という下りを否定したのだがそれは置いておこう。
……それと、ハルヒが真っ赤になっている横で言った張本人であるキョンの妹が微妙に笑顔を強張らせていたのも置かせてもらおう。
……あとついでに、博之がまたしてもハルヒとこなたの声を間違えまくったりしていた事も置かせて下さい。
ともかく、ハルヒはキョンの妹の言葉もあってすぐさま七人の中に馴染み込んでいたのである。

そして、ハルヒはすぐさま今まで自分の身に起こった事象を嘘偽りなく語ったのである。
森であった事、出会った仲間、そして別れ。
北側の事情に疎かった七人にとってそれらに関する情報は非常に助かるものだった。
……無論、その語られた内容は嘘偽りこそ無いものの彼女の知るもの全ての事柄ではなかったが。

「すると、ロックマンはエアーマンに返り討ちにあった可能性が高い。
 遊戯は逃げられたのか、それとも誰かに助けられたのか知らないが……。
 ……にしても、このチューモンってのは一体何だ? レナの言ってた、例の隠された参加者って奴か?」

放送終了直後に名簿に浮かび上がってきたその文字を見ながら問いかけるキバに、レナは首を傾げ困ったような表情を浮かべる。

「放送だと飛び入り参加者って言ってたからね……向こうにもやむを得ずそのチューモンっていう人を参加させたんだと思う。
 でも、その人がまだ例の参加者かどうかまでは判断出来ないかな……情報が少なすぎる。
 主催者達に、何かのイレギュラーがあったとは考えられるけど」
「そっか……それじゃあまぁ、今は考えるだけ無駄か」
881青い炎vs月の頭脳 ◆0RbUzIT0To :08/02/22 20:31 ID:yzITKRqw
キバは言いながら、名簿にエアーマンと書かれてある部分の横に●印をつける。
続いて、ロックマンの横と武藤遊戯の欄にそれぞれ×・○と書き記した。
よくよくキバの持っている名簿を見ると、それぞれの名前の横には印をつけられているのがわかる。
殺し合いに乗っていないとされる――この場にいる仲間達の名前の横には○。
殺し合いに乗ってしまったとされる――水銀燈達を襲った古泉一樹やこなた達を襲ったTASの横には●。
……放送で名を呼ばれてしまった者の横には、×の文字。
今までに集まった情報を整理した結果、その名簿の欄には殆どの名前の横に印がついていた。

「富竹ジロウ、ムスカ、エアーマン、古泉一樹、八意永琳、TAS、阿部高和……。
 今の所、気をつけないといけない連中はこんな所か?」
「まだわかってない人間がいるから、それ以上に危険人物はいるかもしれないけどねぇ。
 とりあえずは、そんなところかしらぁ?」

挙げられた人物は合計して七人。
正確に言えば富竹は殺し合いに乗っている訳ではなく、ただ暴走しているだけなのだが危険人物の欄に名前を入れておく。
治癒が出来ていない以上、元が善人とはいえ危険人物である事に変わりはない。
自分達と同じように二十四時間を生き残った七人の殺戮者……恐らく、一筋縄ではいかない相手だろう。
特にキバは、ある一人の人物を異常に警戒している。

「TAS――こいつは、絶対に相手をしない方がいい。
 こいつは、文字通り俺達とは格が違うんだ……真正面から戦って、勝てるような相手じゃない」

真剣な面持ちで話すキバの声に、一同も身体を堅くして話を聞く。
まず、キバは自身の話をし始めた。
鬼畜改造マリオ――文字通り、もはや攻略させる気が無いのではないかと思わせるステージばかりの改造ROM。
キバはそれらを全てクリアした猛者である。
孔明の罠に行く手を阻まれようと、ブルの大群が襲ってこようと、ブラックパックンが口を開けて待っていようと。
何度死んでも不死鳥の如く蘇り、必ずクリアしてみせた意地と根性の戦士だ。
882Classical名無しさん:08/02/22 20:32 ID:lLId8/PY
ここが支援か、意外と悪くないとこだな
883青い炎vs月の頭脳 ◆0RbUzIT0To :08/02/22 20:32 ID:yzITKRqw
「自慢でもするつもりぃ?」
「自慢なもんか……残機があれば、誰だって出来る事を俺はしてるだけさ。
 だが、あいつは違う……TASは違う」

決して諦めない心さえ持っていればどれだけ鬼畜なステージでも何れクリアは出来る。
だが、一発でクリアする事なんて不可能だ――ただ一人の人間を除いて。

「そのただ一人の人間ってのが、TASだ――あいつには、逆立ちしたって勝てやしない」

何をゲームの話を、と水銀燈とハルヒは鼻で笑うつもりだった。
レナや博之も、顔には出さないもののそこまで恐れるものではないだろうと思っていた。
しかし……キバの真剣な顔に潜む圧倒的な恐怖の表情と、体中から漂う悲壮の雰囲気とがそれらの感情を打ち消した。

「マリオだけじゃない……どのゲームだってそうだ。
 あいつは、常に最速で駆け抜けてクリアをする……アクション、RPG、シューティング、パズル……それこそジャンルを問わずだ」
「ただのゲーム好き……って訳じゃないみたいだね」
「TASはこの殺し合いをゲームと解釈したんだろ?
 ……俺は、TASが今までゲームオーバーになった場面を見た事がない。
 わざと敵にやられる事はあっても、それはあくまで最速クリアの為の過程……最終的には、絶対にゲームをクリアする奴だ」

キバがその言葉を吐くと全員が俯いて考え込み、TASの危険性を再認識した。
キバの言葉の中には冗談や誇張など一つもない、ただ真実を語っているのみだ。
それはキバの目を見ればわかるし、言葉を一つ一つ聞いていけば理解が出来る。
何よりも、全てを語り終えて怯えるように身体を震わすキバを見れば一目瞭然な事だった。
884青い炎vs月の頭脳 ◆0RbUzIT0To :08/02/22 20:33 ID:yzITKRqw
しかし、震えるキバの身体に背中からそっと抱きついた者がいた。
その身体はとても小さく、キバの身体全てを包み込めるものではない。
それでも、その身体は精一杯キバの身体を包み込んだ。
キバが抱える不安、恐怖、全てを覆い隠してしまうかのように。

「妹ちゃん……?」

キバは、その者の名を呼んで振り返る。
だが、その者は何も答えない。答えず、ただ強く包み込む。
その姿を見てキバはどきりとした。
大切なものを慈しむように微笑を讃えながら瞳を閉じ、キバの震えを必死に止めようと抱きしめている妹の姿――。
一瞬、キバは怯える自分に救いの手を差し伸べてくれている天使なのではないかと見間違えた。
彼の名誉の為に言っておくが、決して彼はその手の趣味がある訳ではない。
だが、それでもキバを静かに抱きしめる妹の姿は……少なくとも、彼が生きてきた生涯の中で一番美しいものに見えた。
そして、何に代えても守りたいものだと即座に感じた。愛しく、決して離したくない存在だと強く確信した。
キバは自身を包み込んでいた妹の手を取り、強く握り返す。

「キバくん……大丈夫?」

ようやく口を開いた妹に、キバはただこくりと頷いて肯定する。
二人の距離は、互いの瞳に自身の姿が映っているのが見える程に近かった。
ああそうだ、とキバは思いなおす。
何を弱気になっていたのだろう……自分はこの少女を守ると決めたというのに。
……いや、弱気になる事はまだいい。問題だったのは、諦めた事だ。
自分がTASに到底適わない技量のゲーマーだというのはよく知っていたはずじゃないか。そんな自分が、唯一TASに自慢出来る事は?
……決して諦めない、どんな苦境だってどんな難関だって超えてきた自身の根性だ。諦めない姿勢だ。

「大丈夫、もう弱音なんて吐いたりしない……ありがとう、妹ちゃん」

その言葉を聞いてその微笑みを更に深めた妹の顔を見、思わずキバも顔が綻び……。

「あー、もしもーし、そろそろいいかなぁ?」
885Classical名無しさん:08/02/22 20:33 ID:lLId8/PY
孤独の支援
886青い炎vs月の頭脳 ◆0RbUzIT0To :08/02/22 20:34 ID:yzITKRqw
キバと妹は声のした方向に一斉に振り向いた。
呆れたような表情をした水銀燈と懸命に耳を塞いでいる博之。
汚らわしいものでも見るかのようなハルヒ、かぁいいモード発動直前なレナ、遠くを見て口笛などを吹き僕は見ていませんよと言わんばかりのピッピ。
それと声をかけた張本人……口元に嫌らしい笑みを浮かべ、面白いものを見たといった表情のこなた。

「あんた……そういう趣味あったの?」
「ちっ、違う違う! そういうのじゃないから、ほんっと、多分想像してるのとは全然違うから!」

冷ややかに、見下したように呟くハルヒの声にキバは必死に否定する。
流石にその手の趣味がある変態紳士と勘違いされるのは嫌過ぎる。

「ほんと、違うから! 全然俺そんな奴じゃないから! むしろノーマルな感じだから!」
「どうでもいいけどぉ、そろそろ止めにしなぁい?
 まだ話は終わってないのよぉ?」

まだ必死に弁明するキバを制し、水銀燈がようやく仲裁に入った。
放っておけばレナは暴走するし、こなたはそれを煽るだけだし、ピッピと博之は我関せずだし。
新入したハルヒの事はわからないが、様子を見た限りではこなたと同じく煽るだけだ。
全くもって自分らしくない行いだと内心不満に思いながらも、どうにか場を収める。
いつまでも抱きついたままだった妹を引き離して元に位置に戻るように促し、煽るこなたとハルヒを黙らせる。
ついでにずっと耳を塞いでいた博之の頭を小突き、ストレス解消と共に耳から手を離すよう告げる。

「まったくどうしようもないお馬鹿さん達ねぇ……長々とお喋りしてる場合じゃないでしょぉ?」
「はい……すいませんでした」

水銀燈の前に六人が正座し、一匹体型的に無理そうなのが普通に座って顔を俯かせ謝る。
唯一ハルヒだけが何で人形風情に怒られなきゃいけないのか、などと文句を垂れたが水銀燈の一睨みですぐに黙った。
ようやく騒動が終わり、話は元の筋に戻る。
887青い炎vs月の頭脳 ◆0RbUzIT0To :08/02/22 20:35 ID:yzITKRqw
開かれていたキバの名簿に博之を除く全員が視線を注いでいた。
正確に言えば、名簿の中のとある名前――伊吹萃香の部分だ。
元々、キバは萃香の加入に関して否定的であり彼女の話自体は鵜呑みにしていない。
博之と水銀燈、ピッピは半信半疑といったところで、中立の立場だ。
レナは唯一萃香を信じきっており、それと近い場所にいるのがキョンの妹とこなただった。
しかし、新たに加入したハルヒの話……萃香が彼女達を襲ったという話はキョンの妹達の考えを少しばかり突き動かした。
萃香自身の口からも殺人を犯した事や誰かを襲ったという話は聞いていた。
だが、襲われた側からの話は事に及んだ当事者とは別の視点から切り込んでくる。
萃香の恐ろしさ、力……それらの話は萃香自身が話したそれよりも、彼らにはショックを与えるものだった。

「それでも私は……信じてあげたいんだけどね」

ぽつりと言葉を漏らしたのはレナ。
レナ自身は萃香と拳を交えて――そして、その類まれなる直感で萃香を敵ではないと認識している。
しかし、それはあくまでもただの直感。
否定的であるキバや中立派の水銀燈達を説き伏せるには意味を為さない。

「信じたいっていうんなら、俺だって信じたい。
 だが……それでもやっぱり、用心は必要だと思う……完璧に信用すべきじゃない」

とは、キバの弁。
キバは萃香の事に関して否定的だが、それは完全に否定しているという訳ではなかった。
殺人を犯したというのなら、自分が守るべき存在であるキョンの妹や大切な仲間であるレナと水銀燈もそうだ。
人は……いや、人形でさえ犯した罪を償える。
少なくとも、キバはそう信じている。
そんなキバが何故萃香にだけはこうも頑ななのか……それは彼女が言った一言が原因だった。

「あいつは、人を殺すのも罪とは思わない……そう言ってたんだ。
 殺した事も何度だってあるとも言ってた、人の敵だとも言っていた……そんな奴が、仲間になれると思うか?」

罪を罪と認識しない者に幾ら罰を科したところで、その罪は償えない。
自分達に科せられた罪を滅ぼすと決めた七人にとって、その事実は自分達の思想と丁度相反する場所にある。
888青い炎vs月の頭脳 ◆0RbUzIT0To :08/02/22 20:36 ID:yzITKRqw
七人はそれぞれ、罪を持っていた。
救えなかった、人を殺めた、見殺しにしてしまった……内容は様々だったが罪を持っていた。
故に、それを滅ぼそうと立ち上がり、この殺戮の宴を潰そうと躍起になっているのである。
しかし、萃香は違う。友人はそう感じている。
罪を罪と思っていない彼女が、自分達の行動を理解出来るとは思えない。

「あいつが仮に俺達に力を貸したとして、それはあくまで表面上の事だ。
 決して心の内では俺達の考えに同意を示さないと思う。
 そんな奴と一緒に、この先戦えるのか? 手を取り合えるか? 完全に安心出来るのか? あいつが絶対に裏切らないって、確証はあるのか?」

キバの言葉に反論する者は無い。
彼の言うものは至極当然であり、道理というものだった。
仲間にしたところで、裏切らない可能性は無い。
下手に力ばかりを持っているのだから、裏切られたりしたら自分達は一気に全滅する可能性だってある。

「……でも、力のある仲間だっていうのなら出来れば仲間に引き込みたいわよねぇ?」

今この場にいる八人に戦闘能力を持つ者は少ない。
真紅の技も扱える水銀燈、人間離れした身体能力を持つレナ、二重の極みを会得したこなた、指を振る以外の技を思い出したピッピ、メタルブレードの使い手キバ。
数だけ見れば十二分に強いと思えるかもしれないが、それは間違いだ。
水銀燈は片腕を失くして戦闘力を大幅に低下させているし、こなたも元は運動神経が少しいい程度の女子高生だ。
指を振る以外の技を思い出したとはいえその技の信頼性が低いピッピに、身体能力的にはただの一般人と変わらないキバ。
レナにしたって幾分か傷を負っており、万全の体勢とは言い難い。
それに、彼らは目の見えない博之と力を持たないハルヒ、妹を連れている。
彼らを守りながら戦うのは厳しすぎる。
そんな中に……鬼の力を持つという萃香が仲間になってくれればどれ程心強いだろう。

「その矛先が私達に向けられる可能性はある、でも向けられない可能性もある。
 だからこれは一種の賭けねぇ? 力強い仲間を手放すのか、裏切るかもしれないとんでもない爆弾を抱え込んでしまうのか」
889Classical名無しさん:08/02/22 20:37 ID:lLId8/PY
お察しの通り、支援です。そう言ってくれた方がいいでしょう
890青い炎vs月の頭脳 ◆0RbUzIT0To :08/02/22 20:38 ID:yzITKRqw
嘲笑うかのように言葉を呟く水銀燈。
そう、これは賭けだ。
萃香が仲間になってくれれば自分達の戦力は一気に高まる、彼女の力さえあれば脱出も不可能ではないのかもしれない。
だが、仲間にして自分達にその力を向けられてはそれまで……全滅してゲームオーバーだ。
だからこそ、彼らは悩む。彼女を仲間に入れるべきか、否か。

「何悩んでるのよ! そんなの、仲間に入れない方がいいに決まってんでしょ!?」

その声に、一同は一斉に声のした方向を見る。
そこには腕を組んで憤り、肩を怒らせて睨み付けているハルヒの姿。
いつまでも結論を出せないでいる七人に苛立っている様子で、更に言葉を続ける。

「大体、あいつは私を襲ったし他にも色んな人を襲ってるのよ!?
 鬼は嘘をつかないだとか言ってるらしいけど、その言葉自体が既に嘘に決まってるじゃない。
 あいつの力は襲われた私が一番分かってる、あんなの仲間にしたところで絶対にいい結果になるはずないわ。
 現に……襲われた私は、今こうして元の仲間と離れちゃってるんだから!」

彼女は萃香に襲われた挙句、富竹にも襲われ傷だらけで七人のいる場所まで来たのだから萃香に対する恨みの強さも半端なものではない。
それがわかっているからこそ、七人は皆ハルヒが半ば狂ったように叫び続けるのを黙って聞いていた。
それに、ハルヒの言っている事も一理はある。
萃香が元々嘘をついている可能性――無いとは、決して言い難い。
だが、それは矢張り嘘をついている、と断言出来るものでもない以上結論を出す事は出来ない。

「ハルヒィ〜、話はわかるよ?
 でもさぁ、確証が無い以上やっぱり結論は出ないってば……そりゃ、恨む気持ちはわからないでもない――」
「ッ! なんッッッッでわかんないのよ!?
 私は、仲間にするなって言ってんの!! 気休めとかじゃなく、決定しろって言ってんのよ!!!」
891青い炎vs月の頭脳 ◆0RbUzIT0To :08/02/22 20:40 ID:yzITKRqw
どうにか、叫び続けるハルヒを収めようとしたこなたに、ハルヒは一喝して黙らせた。
その声の大きさと、目を見開き唾を飛ばしながら熱弁する姿と、そこに混じるナニカに一瞬皆は恐怖する。
だが、そんな中で――水銀燈とレナだけは、少し冷ややかな目でその一部始終を見守っていた。
ハルヒの声の中には狂気が混じっている――それは、あくまでも直感でしかない。
しかし、水銀燈とレナは確かにそれを感じ取っていた。
仲間と離れ、信頼していた仲間に矛先を向けられる――確かに狂うには十分過ぎる材料だ。
だから、水銀燈はハルヒの狂気をそれによるものだと……そう理解した。
離別の決定的な原因を作った萃香を仲間に入れたくないと叫び狂うのは、そのせいなのだと理解した。

だが……レナは、水銀燈とはまた違う可能性を探っていた。
ハルヒの言葉は恐らく、全て真実だろう。
嘘を見抜く事には多少なりと自信がある自分から見ても、嘘は言っているように見えないし矛盾点は無いように思える。
だから、狂ってしまったのは――水銀燈が出した結論と同じように、離別の原因を作った萃香に対する拒否反応だと理解していた。
しかしそれはあくまで理解であって、そこで思考が止まった訳ではなかった。
矛盾も無い、嘘も無い。
それでもハルヒの言葉には違和感……決定的に足りないものが何かあるような気がする。

「あんな奴を仲間に入れたら全員殺されちゃうわ!
 あんた達はそれでいいの!? 私は絶対に嫌よ、あんな化け物に殺されるなんて絶対に嫌!
 あんた達をそういう目に合わせたくないから言ってるのに、どうしてわかんないのよ!!」
892Classical名無しさん:08/02/22 20:40 ID:lLId8/PY
支援十字団の約束を粉砕する男の支援する男にむせびなく男を支援する男、スパイダーマッ!!
893青い炎vs月の頭脳 ◆0RbUzIT0To :08/02/22 20:41 ID:yzITKRqw
その叫びを聞いてレナの考えは確信へと変わった。
ハルヒの言葉の中に無かった、たった一つだけの足りないものが……ようやく見つかった。
……ハルヒは、萃香を危険人物として認識している。
だからこそ、その萃香を自分達の仲間に入れたくないと頑なに言い張っている。そして、それは自分達に危険な目に合わせたくないからだと論じている。
それは一見すれば、まともな意見のように感じるかもしれない。誰だって自分の仲間を殺させたくなどないのだから……。
自分の仲間? そうだ、レナも水銀燈もキバもキョンの妹もピッピもこなたも博之も……出会ったばかりとはいえ、ハルヒの仲間だ。
だが、それだとおかしい……自分の仲間を殺させたくないというのならば――。

「――ハルヒちゃん」
「ッ!? 何よ!?」

息を切らせながら、ハルヒは自分に掛けられた声に振り向く。
そこには、心配そうな顔をしながらも、どこか警戒心を抱いてるかのような様子を見せるレナの姿。
口元に手を置き、ハルヒを見るその目には油断が無い。
一瞬、ハルヒはその姿に何か後ろめたいものを感じたがすぐに振り払い平静を装う。

「ハルヒちゃんの言う事、わかるよ……確かに、萃香ちゃんが殺人を犯したのは事実。
 人を襲ったのも事実……だから、信用が出来ない……うん、理解出来る」
「……でしょう? だったら、もう仲間にするなんて言わないわよね?
 拳を交えただか何だか知らないけど、そんなのがアテになる訳ないわ。
 それよりは襲われた当事者である私の言葉の方が信憑性があるってもんよ!」

レナの放った肯定の言葉に、ハルヒは満足げに大きく頷いた。
レナは、この七人の主柱だ……少なくとも、ハルヒはそう考えている。
彼女さえ説き伏せる事が出来たのなら、計は為ったも同然だ。
古泉一樹と八意永琳が自らに託した――永琳風に言うなら、離間の計はここに為った。
そう確信し、思わず漏れそうになる笑みを必死に噛み殺す……が。

「でもね……理解はしても、それを信じるかどうかは別問題なんだよ」

そのハルヒの満足げな顔を、レナの言葉が打ち砕いた。
894青い炎vs月の頭脳 ◆0RbUzIT0To :08/02/22 20:42 ID:yzITKRqw
「……は?」

一瞬、ハルヒはそのレナの言葉に反応出来なかった。
いや、それはハルヒだけじゃない……周りの者達も皆、その言葉を疑っていた。
理解をしていても、信じるかどうかは別問題――どんな馬鹿だって、その口振りでレナの言いたい事はわかる。
レナは……ハルヒを疑っている、ハルヒの言葉を……信じていない。
それがようやく把握出来た瞬間、ハルヒはその口を大きく開いた。

「っ……どういう、事!? 信じないって、どういう事!?」
「……ハルヒちゃんの言ってる事も一理ある、それはわかる。
 でも、私はそれがおかしいと思った……だから、私はそれを信じる事が出来ない」

口を震わせ、詰め寄るハルヒに冷静に対処しながらレナは淡々と告げる。
その様子からは、先ほどのキバと妹の件ではしゃぎ、騒いでいた姿は見て取れない。
ただそこにあるのは、事実を述べるだけの類稀なる洞察力と天性の考察力を持つ頭脳の持ち主。
この殺し合いを潰してみせると思想を高らかにしていた革命家が見出した人材。
――竜宮レナが、そこにいるだけだった。

「どうして……ッ!? どうして私の言う事を信じないのよ!?
 私は襲われたのよ!? そして、仲間も皆散り散りになってしまった!
 だから……あんた達にそういう目にあって欲しくないからっ……!」

そこまで言い切り、ハルヒは言葉を止めた。
レナはただハルヒを見ていた……ただ平静の面持ちで、冷静にハルヒの口元を見ている。
895Classical名無しさん:08/02/22 20:42 ID:lLId8/PY
支援はパワーだぜ
896青い炎vs月の頭脳 ◆0RbUzIT0To :08/02/22 20:43 ID:yzITKRqw
そのレナの瞳は何もかもを見透かす事の出来るような色を持っており、ハルヒは一瞬たじろく。
駄目だ、この女の前では何を言っても無駄に終わってしまう。
言葉に嘘が入っていなくとも、矛盾がなくとも、竜宮レナはその中にある真実を必ず見つけ出す。
幾ら言葉を続けようと、看破されるのがわかっている以上もはや口を開く事が出来ない。

歯噛みをしながら、ハルヒは周囲を見回す。
レナ以外の者は皆、ハルヒとレナの方を静かに見守っていた。
レナの言葉に驚き非難するような視線があるのは見て取れる。
ハルヒは彼らにとって、萃香に襲われてしまった哀れな『犠牲者』である事に変わりない。
それを突然否定したのだからそれを咎めるのも当たり前の話だ。
だが、それらの瞳の中に急に叫ぶのを止めたハルヒを訝しむ様子も見て取れる。
拙い――このままでは、計画に支障が出てしまう。

ハルヒはレナと睨み合う最中、必死に頭を回転させた。
今はまだ自分に完全に疑いの目が向けられた訳ではない。
しかし、この先レナがその口を開き――もしも、自分の正体と目的を告げられたら?
もちろん、この場にいる者達全員が全員それを信じるとも限らない。
だが、それでもその胸にハルヒを怪しむ心は残る。
それではマズい……計画が破綻してしまう可能性が出てきてしまう。
だから、どうにかしてこの現状を打破しなければならない。
どうにかレナに説明をする機会を与えず、また自分を完全に信じさせるような状況に持っていかなければならない。

ハルヒは馬鹿ではない……むしろ悪知恵は働く方だし機転も利く知恵者だ。
故に、その方法も比較的早く見つける事が出来た。
彼らは優しい……聖人君子とは言わないが、非常に善良な人間たちだ。
ならば、それを利用すれば簡単にこの現状を打破出来るのではないか?
そう、例えば――。

「ッ!」

このように突然立ち上がり、涙を流して走り出せば追ってきてくれるのではないか?
897青い炎vs月の頭脳 ◆0RbUzIT0To :08/02/22 20:44 ID:yzITKRqw
「っ! ハルにゃん!!」

妹が声をかけるが、ハルヒは振り向かずただ走り去る。
慌て、キョンの妹はデイパックを担ぎ直して立ち上がりハルヒが向かったと思われる先へと走り出した。
続いて、キバもキョンの妹の後ろからハルヒを追おうと駆け出す。

「おっ、おい、どないしたんど?」

唯一、目が見えない為に何が起こっているのかわからない博之は狼狽したように問いかけるが誰も答えない。
レナはただ冷たい視線をハルヒの去った方向に向けている。
水銀燈はレナの言葉とハルヒが起こした行動とをじっくり照らし合わせ真実を知ろうとするように思案をしている様子だ。
誰も追おうとしない。
ピッピは自分は追うべきか否か決めあぐねている様子でまごまごし――その手をこなたに掴まれた。

「ピッ!?」
「行こう、ピッピ……早くハルヒ達追わなきゃ離れ離れになっちゃう!」

言うが早く、珍しく顔を強張らせ真剣な面持ちをしていたこなたはピッピを連れて走り出そうとしたが――。
すぐに立ち止まり振り向いた。

「……レナちゃんの事だから、多分考えがあってああいう事を言ったっていう事はわかる。
 でもやっぱり……もう少し、言い方ってものがあると思う」
「……こなちゃん」

悲しそうに呟くこなたに、レナもその顔を悲壮の色に染める。
こなたはレナを信頼している……レナの考えが、自分達常人の理解の範疇を超えている事も知っている。
そして、それが的確である事も信頼に値するものである事も知っている。
だが、それでも……こなたの中にある感情がそれを否定した。
レナの言葉を……ハルヒの言う事を信じないという冷たい言葉を否定した。

「レナちゃんは頭がいいから追う事が正しくないと思ってるんだと思う。
 でも、私はただのオタクだから、馬鹿だからきっとそれがわかんない……」
898青い炎vs月の頭脳 ◆0RbUzIT0To :08/02/22 20:45 ID:yzITKRqw
今のこなたにとっては、レナの言葉よりもハルヒの涙の方が重要だった。
人の感情が、抑えきれない保護欲がレナの言葉に勝っていた。
だからレナの言葉が正しいと思っていても体が言う事を利かない。
助けを求めている人がいるのなら、救いを求めている人がいるのならその人の力になりたいと思うから。

「ハルヒの言葉の中に何があったのか知らない……でも、私はハルヒが嘘をついてるなんて思わない。
 ハルヒは萃香に襲われて萃香の話になると混乱してたみたいだけど、それは仕方ない事だもん。
 だから私はハルヒを否定しない……今のレナちゃんの言葉じゃ、否定出来ない。
 ……ちゃんと追ってきてね、こんな所で離れ離れなんて嫌だから」

それだけの言葉を残すと、こなたとピッピもキバ達を追って闇の中へと消えていった。
後に残ったのは、その後ろ姿を見つめるレナと、博之を起き上がらせようと手を取っている水銀燈。
まだ博之は何が起こったのか説明しろと喚いているが、水銀燈はそれをとりあえず黙らせて立たせ、少しずつ歩き出す。

「追うわよレナ、あいつらだけを放っておく訳にはいかないわぁ。
 いつ殺し合いに乗った奴が襲ってくるのかわからないんだからねぇ」
「……わかってるよ」
「どうでもいいけど、あんたも馬鹿よぉ。
 ここにいるのは馬鹿ばっかりなんだから、事実だけ突きつけても否定されるに決まってるじゃなぁい」
「……銀ちゃんは信じてくれるの?」
「信じるも信じないも話を聞かない事には、ねぇ? それと、銀ちゃんはやめなさい」

歩き出した水銀燈の横に並び、レナは口を開く。

「そうだね……もう、話していいかな。
 それじゃあ……私がどうしてハルヒちゃんを疑うような事をあの場で言ったか……話すよ」
899青い炎vs月の頭脳 ◆0RbUzIT0To :08/02/22 20:47 ID:yzITKRqw
歩きながら、レナは語りだす。

「まず……私はハルヒちゃんを最初から完全に疑ってた訳じゃない。
 彼女の言葉には嘘も矛盾も無かったと思うし、そういう素振りは全く見えなかった。
 だから、言ってた言葉は本当なんだよ……でも、そこには足りないものがあったんだ」
「足りないもの?」
「うん……彼女の言葉の中には、『かつての仲間』に対する配慮が全く欠けてたんだ」

ハルヒは萃香に襲われ、仲間と散り散りになった。
恐らく事実なのだろうが、だとしたらそこに矛盾が生じる。
それは、彼女が全くニートやロールちゃんの安否を気遣わず……また、助けようと呼びかける声が無かった事だ。
一日、或いは半日とはいえ苦境を共にした仲間……。
放送でその名を呼ばれなかった以上、彼らの無事を願う声が一つくらい入っていてもいいはずだ。
むしろ自分達に呼びかけてニートやロールちゃんを助けようとしてもいいくらいだ。
なのに、彼女の言葉の中にはそれらが抜けていた。
いや、それは抜けていたというよりも意図的に抜いていたようにすら感じられた。

「萃香ちゃんの力を恐れていたとしても、助けるよう提案だけでもしていいはずだよ。
 でも、ハルヒちゃんはそれをしなかった……彼らには全く触れず、ただ萃香ちゃんの脅威だけを話していた。
 どう考えても、これは不自然だと……私は思う」
「……確かに不自然だわぁ、でも、それだけじゃあまだ確証が持てない」
「うん、確証が持てない……だから、私は試した」
「試す?」

水銀燈の疑問に、レナは頷きながら続ける。
そう、まだこの程度の不自然さだけではハルヒの言う事を信じないと言い張る事は出来ない。
あくまでも不自然さは不自然さであって、それ以上のものではない。
ニートやロールちゃんの話が出なかった事だって言い訳をしようとすれば幾らでも言い訳が出来るのだ。
故に……レナはあえて、その不自然さを指摘せず、ただ単刀直入に事実だけを述べた。
900Classical名無しさん:08/02/22 20:48 ID:lLId8/PY
俺は手札より魔法カード「SS支援」を発動する!
901青い炎vs月の頭脳 ◆0RbUzIT0To :08/02/22 20:48 ID:yzITKRqw
「私は『ハルヒちゃんの言う事を信じない』……そう言った。
 彼女がもし、私たちに危険な目に合ってほしくないと……ただそれだけを願うのなら、もっとヒステリックに怒鳴り私に問い詰めるはずだよ。
 萃香ちゃんの危険性を知り、そのせいで狂気的になってるんだとしたらそうするに決まってるのに」

しかし、彼女はそうしなかった。
途中までヒステリックになりレナに詰め寄ったものの……すぐにそれを止めたのだ。
まるでスイッチのオン/オフのように、切り替えよくヒステリックなものを止めてただレナを見つめていた。
それは、冷静になり萃香の危険性をもう一度理論詰めして説く為?
いや、それではおかしい。

「それなら最初から冷静に話をしていなきゃ矛盾が生じる。
 ヒステリーよりは理知的に話す方が信憑性はあるもの。
 最初から後者に徹する事が出来るのなら最初に狂気的になってた理由が不明瞭になる。
 そもそも、理知的に話せるのなら最初のヒステリックな話し方の方がおかしいんだよ」
「……耳が痛いわねぇ」

かつては何かと狂気的になり色々とおイタをしていた水銀燈は顔を渋らせる。
だが、レナの言う言葉は道理にかなっているものと思えた。
言われてみれば確かにあのハルヒの態度はおかしいものがある。
狂っている人間は、そう簡単に冷静になる事が出来ないという事は身をもって知っているのだ。

「それで、そこから何がわかるのかしらぁ?」
「つまりハルヒちゃんは狂気に満ちている訳じゃない、まだ理性が残っている。
 そしてその狂気の向いている先は萃香ちゃんじゃないって事。
 ……後は、萃香ちゃんと今塔にいる人たちを私たちと合流させたくないって事くらいかな」

萃香の話をしている時に冷静になる事が出来たという事は、即ちその矛先が萃香へと向いていないという事だ。
つまり、ハルヒは萃香を危険視はしていてもそこに脅威は感じていない。
ならば何故萃香の事になればあれほどヒステリックになり、加入に否定的になったのか?
もし仮に萃香が仲間になるとすればニートとロールちゃんも仲間になる。
そうすれば、ハルヒは萃香の事を恨みつつではあるかもしれないがかつての仲間と合流出来るというのに。
902青い炎vs月の頭脳 ◆0RbUzIT0To
萃香にそこまで脅威を感じていない以上、危険だと思いながらでも合流してもおかしくない。
合流しなくても、そこまで否定的にならなくてもいいはずだ。
だというのに半狂乱的になってまで萃香の加入に反対したという事は、そこに何かの理由があるはずだ。
萃香と絶対に合流したくはない……正確に言えば『レナ達』を萃香と合流させたくない理由が。

「そうでなければ、あそこまで反対した理由がわからないよ」
「ちょ、ちょい待てやレナ! 合流させたない理由て……どういう事ぞ!?」
「少しは自分の頭を使いなさいよ博之ぃ、ここまでヒントがあればわかるでしょぉ?」
「水銀燈はわかるんか!? なんかさっきから難しい話ばっかで、俺もう訳がわからんがぁ……」

頭を抑えて項垂れるようにしながら博之の手を引きながら、水銀燈は僅かに笑みを浮かべて博之に告げる。

「答えは単純、あの女は殺し合いに乗っていない人間を一つに集めたくないのよぉ」
「……? どういう事ど」
「お馬鹿さぁん。 殺し合いに乗っていない人間を一つに集めたくない理由なんて決まってるでしょぉ?
 つまりあの女は、殺し合いに乗ってしまってるのよ」
「……なァッ!?」

突然告げられた事実に、博之は盛大に狼狽して思わずこけた。
水銀燈はその様子を見ながらくすくすと笑い、倒れた博之を再び起こす。

「んなっ、なんでど!? だ、だってあいつ、あれやろが!?
 妹の兄貴の友達なんやろ? ええ奴なんと違うんか……!?」
「人が良すぎねぇ博之。 その妹の兄の友達である古泉一樹だって殺し合いには乗ってるのよぉ?
 いまさらそんな理屈は通用しないわよぉ」
「やっ……やけど!」
「落ち着いてください博之さん……これはあくまで、推察でしかありません」

まだ混乱している様子の博之にレナは優しく告げる。
そう、これはまだただの推理……推察に過ぎない。