「乗り逃げは良くねぇぜ…」
「フン そうだったなあんまり気が急いてうっかりしたぜ」
星矢はカロンと対峙し、今度はサシの勝負だと瞬に手出しを禁じる。
「言っとくがおまえの拳はさっき存分に見せてもらった もうオレに致命傷を負わすことはできないぜ」
「ヘッ 今度という今度こそ確実に殺してやるぞガキ〜〜〜」
互いの緊張が頂点に達し、同時に必殺技を繰り出した。
「死ね!! 小僧ーーーッ!! エディングカレントクラッシャアーーーーーーッ!!」
「ペガサス流星拳ーーーーッ!!」
両者の拳が激突し、弾き飛ばされたのは星矢のほうだった。
倒れた星矢を見下ろしてカロンは笑う。
「そういやぁ何か言ってたよな……聖闘士には一度見た技は二度とは通用しねぇ…てか…」
何枚もの硬貨が地に零れ落ち、カロンのマスクも砕け落ちた。
カロンは頭部から血を流し、よろめく。
「へ…へへへ…た…確かに言えるかもしれねぇ……チ…チッキショオ〜〜〜」
そのまま後ろへと倒れ、渡し舟へと落ちた。
星矢は瞬に介抱され身を起こす。
流星拳を撃ちながら身をかわしたためカスリ傷で済んでいたのだ。
カロンの落ちた渡し舟は岸辺から離れ、河を流されていく。
それを見届け、星矢と瞬は先を急ぐのだった。
「行こう瞬 第一獄とやらに……」
「うん」