ニコニコ動画バトルロワイアル sm5

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1Classical名無しさん
鬱です。

本日はニコニコ動画バトルロワイアルに 御アクセス頂き、 ありがとうございます。

ここはニコニコ動画の人気キャラを用いてバトルロワイヤルをするというリレー小説のスレッドです。
大変申し訳ありませんが、 この企画はフィクションであり実在の団体・人物等とはまったく関係ありません。
ルールさえ守っていただければ誰でも参加可能です。

マルクさんが小学生以来、 バトロワ主催に挑戦しました。

またの御アクセスをお待ちしております。


前スレ:http://sports2.2ch.net/test/read.cgi/entrance2/1192868342/l50

Wiki:http://www39.atwiki.jp/niko2/pages/1.html
したらば:http://jbbs.livedoor.jp/otaku/9990/
2Classical名無しさん:07/11/07 21:28 ID:3VNyjei6
【基本ルール】

全員で殺し合いをしてもらい、最後まで生き残った一人が勝者となる
生き残った一人だけが、
元の世界に帰ることができるのと、
望んだ願いを叶えることができる

ゲームに参加するプレイヤー間でのやりとりに反則はない
ゲーム開始時、プレイヤーはスタート地点からテレポートさせられMAP上にバラバラに配置される

【主催者】
マルク@星のカービィシリーズ
ピエモン@デジモンアドベンチャー

その他に部下としてイビルモン、レッドベジーモン、ハグルモン他多数のデジモン勢と
パタ、ダクーガ、ボルムがいる

プレイヤー全員が死亡した場合、ゲームオーバー(勝者なし)となる
【スタート時の持ち物】
プレイヤーがあらかじめ所有していた武器、装備品、所持品は全て没収
(義手など体と一体化している武器、装置はその限りではない)
3Classical名無しさん:07/11/07 21:29 ID:3VNyjei6
【ステータス】
投下の最後にその話しに登場したキャラクターの状態・持ち物・行動指針などを表す
ステータスを書いてください。
テンプレはこちら。
【地名/○○日目・時間(深夜・早朝・昼間など)】
【キャラクター名@出典作品】
[状態]:(ダメージの具合・動揺、激怒等精神的なこともここ)
[装備]:(武器・あるいは防具として扱えるものはここ)
[道具]:(ランタンやパソコン、治療道具・食料といった武器ではないが便利なものはここ)
[思考・状況](ゲームを脱出・ゲームに乗る・○○を殺す・○○を探す・○○と合流など。
      複数可、書くときは優先順位の高い順に)

【予約について】
キャラの予約は基本的には3日
申請があれば2日くらいは延長するかもです


【作中での時間表記】
深夜:0〜2  
黎明:2〜4
早朝:4〜6
朝:6〜8
午前:8〜10
昼:10〜12
日中:12〜14
午後:14〜16
夕方:16〜18
夜:18〜20
夜中:20〜22
真夜中:22〜24
4Classical名無しさん:07/11/07 21:31 ID:3VNyjei6
参加者リスト(現時点)
46/70
4/7【涼宮ハルヒの憂鬱】●キョン/○谷口/●朝倉涼子/●暗黒長門(長門有希)/○キョンの妹/○涼宮ハルヒ/○古泉一樹
4/5【東方project】○博麗霊夢/○アリス・マーガトロイド/●鈴仙・優曇華院・イナバ/○伊吹萃香/○霧雨魔理沙
4/5【THE IDOLM@STER】○天海春香/○高槻やよい/○菊地真/●如月千早/○双海亜美
4/5【ひぐらしのなく頃に】○前原圭一/●園崎詩音/○園崎魅音/○富竹ジロウ/○竜宮レナ
2/4【ポケットモンスター】●ピカチュウ/○フシギダネ/●サトシ/○ピッピ(ゆびをふる)
2/4【らき☆すた】●白石みのる/○柊つかさ/○泉こなた/●柊かがみ
2/3【現実】○いさじ/●福山芳樹/○外山恒一
1/3【永井先生】●永井浩二/●永井けいこ/○永井博之
2/3【遊☆戯☆王デュエルモンスターズ】○海馬瀬人/●インセクター羽蛾/○武藤遊戯
3/3【ロックマンシリーズ】○ロールちゃん/○ロックマン/○エアーマン
2/2【TAS動画シリーズ】○TAS/○KAS
1/2【くそみそテクニック】○阿部高和/●道下正樹
1/2【新・豪血寺一族シリーズ】○矢部野彦麿/●琴姫
2/2【新世紀 東方三国志〜ひぐらしの憂鬱〜】○八意永琳/○ニート
1/2【デジモンアドベンチャー】○ゴマモン/●オメガモン
1/2【星のカービィ】○カービィ/●ワドルドゥ
1/2【魔法少女リリカルなのはStrikers】○ティアナ=ランスター/●高町なのは
1/2【ミュージカル・テニスの王子様】○日吉若/●越前リョーマ
0/1【イチローのレーザービームで地球滅亡】●イチロー
0/1【陰陽ファンタジーZ】●削除番長
1/1【自作の改造マリオを友人にプレイさせるシリーズ】○友人
1/1【スーパーマリオシリーズ】○ヨッシー
1/1【世界最強の国技SUMOU】○YOKODUNA
1/1【地球防衛軍3 おじいちゃんの防衛軍】○ストーム1
1/1【天空の城ラピュタ】○ムスカ
1/1【東映版スパイダーマン】○スパイダーマン
0/1【ドラえもんのび太のバイオハザード】●ドラえもん
1/1【覇王翔吼拳を使わざるをえない】○リョウ・サカザキ
0/1【マリア様がみてる&俺ヴォイス】●小笠原祥子
1/1【ローゼンメイデン】○水銀燈
5Classical名無しさん:07/11/07 21:32 ID:3VNyjei6
【確定参加者・場所・時間別一覧表】

昼  A-5 大樹の中腹       ニート、富竹ジロウ、涼宮ハルヒ、ロールちゃん、ロックマン、武藤遊戯(闇遊戯)
昼   B-1 雪原            クラモンA(ケラモン)
昼  B-2 橋の手前        阿部高和、伊吹萃香、ストーム1、スパイダーマン、ゴマモン(マリンデビモン)、菊地真
午前 B-5 森の境          ムスカ、エアーマン
昼  C-3 北西部・洞窟.      いさじ、柊つかさ、天海春香、園崎魅音、谷口、カービィ
昼  C-3 山道            矢部野彦麿、アリス・マーガトロイド、(アサクーラ)
日中 B-3 山・断崖          TASさん、クラモン(ケラモン)B
昼  D-4 草原            泉こなた、前原圭一、ピッピ
昼  D-1 城・城壁.         日吉若
昼  D-2 草原            YOKODUNA
昼  D-2 橋の向こう.       博麗霊夢、ヨッシー
昼  D-3 橋手前          高槻やよい、海馬瀬人
日中 D-3 花畑            KAS
午前 E-2 元・草原.         お覇王、霧雨魔理沙
昼  E-3 草原             双海亜美
昼  E-3 町・薬局内部.      八意永琳、古泉一樹
昼  E-3 町              キョンの妹、友人、竜宮レナ
昼  E-3 町・一軒家.        フシギダネ
昼  E-4 塔内部           ティアナ=ランスター
昼  E-4 塔内部           永井博之、外山恒一
午前 E-4 民家           水銀燈
6Classical名無しさん:07/11/07 21:33 ID:3VNyjei6
【死亡確認者・場所一覧表】
見せしめ                    海馬モクバ
見せしめ                    双海真美
深夜 A-1 祠のトイレ            キョン
早朝 A-4 森(埋葬済み)          ワドルドゥ、琴姫
朝   B-1 草原                鈴仙・優曇華院・イナバ(消滅)、高町なのは
昼   B-2 橋の手前            柊かがみ
深夜 B-3 山頂(埋葬済み)        白石みのる
深夜 C-1 湿原                ドラえもん
朝   C-3 北部・山の麓(埋葬済み)  福山芳樹
朝   C-3 山道脇              暗黒長門、朝倉涼子
朝   D-1 城内(埋葬済み)        永井けいこ、削除番長
深夜 D-2 草原                道下正樹
黎明 D-4 草原                如月千早、越前リョーマ
昼   D-4 草原               ピカチュウ
深夜 E-3 町                 インセクター羽蛾
昼   E-3 町                 オメガモン
黎明 E-4 塔内部              小笠原祥子
昼   E-5 草原(埋葬済み)        サトシ(闇サトシ)、永井浩二
早朝 E-5 草原               園崎詩音
朝   E-5 草原               イチロー
【残り 46人】
7Classical名無しさん:07/11/07 21:34 ID:3VNyjei6
【「首輪」と禁止エリアについて】
ゲーム開始前からプレイヤーは全員、「首輪」を填められている
(かならずしも首輪の形である必要性は無し。参加者の形態などからチップなどになっている)

首輪が爆発すると、そのプレイヤーは死ぬ
(例外はなし。不死の怪物であろうと、何であろうと死亡)

開催者側は、いつでも自由に首輪を爆発させることができる
この首輪はプレイヤーの生死を常に判断し、開催者側へプレイヤーの生死と現在位置のデータを送っている
24時間死者が出ない場合は全員の首輪が発動し、全員が死ぬ
「首輪」を外すことは専門的な知識がないと難しい
(下手に無理やり取り去ろうとすると、首輪が自動的に爆発し死ぬことになる)

プレイヤーには説明はされないが、実は盗聴機能があり音声は開催者側に筒抜けである。

開催者側が一定時間毎に指定する禁止エリア内にいると、首輪が自動的に爆発する

【放送について】
放送は数時間ごとに行われる。時間間隔は各企画で判断。目安としては六時間程度
放送内容

「禁止エリアの場所と指定される時間」
 →出来るだけ離れた地点を二〜三指定。放送から二時間前後で進入禁止に
「前回の放送から今回の放送までに死んだキャラ名」
 →死んだ順番、もしくは名簿順に読み上げ
「残りの人数」
 →現在生き残っている人数。
「管理者(黒幕の場合も?)の気まぐれなお話」
 →内容は書き手の裁量で
8Classical名無しさん:07/11/07 22:14 ID:jriUvpy.
>>1乙yahoo
9Classical名無しさん:07/11/07 22:24 ID:iWGZRhgw
魔法カード発動!「>>1乙」
このカードは>>1をねぎらうことによって
新たなスレを召還できるカードだ!
10Classical名無しさん:07/11/07 22:52 ID:jEq4Aw7.
全力で>>1乙と言わざるをえない
11Classical名無しさん:07/11/07 23:54 ID:AvM9f82w
>>1は大変な乙を盗んでいきました
12 ◆LXe12sNRSs :07/11/08 00:06 ID:shcKWNzc
フシギダネ投下します。
 人間は勝手だ。いつだって自分たちの都合でオレたちを捨てていく。
 面倒になった、経済的余裕がなくなった、飽きた、嫌いになった、etc.……。
 理由なんて、オレたちには関係ない。
 奴らはみんな、オレたちの声なんかには耳も傾けない。
 オレは、そんな捨てポケモンたちの嘆きの声をたくさん聞いてきた。
 昨日可愛がってくれたご主人が、明日には蹴飛ばしてくる。
 いつもはもらえたごはんが、永遠にもらえなくなる。
 いくら鳴いても、主人は迎えに来てくれない……。
 その苦しみが、奴らにわかるか? ……いや、わかりゃしないさ。
 じゃなきゃ、誰だって幸せにやっていける。
 奴らが俺たちを裏切らなきゃ、こんなことにはならなかったんだ。

 そう、サトシが……オレを捨てなきゃ。

 オレが初めてサトシと出会ったのは、捨てポケモンたちが集められた保護施設だったろうか。
 初めは変な奴だと思ったさ。オレを見るや否や、ゲットしたいなんて言ってきたんだから。
 ゲットね……言い方を変えようが、それはつまり、捕獲ってことだろ?
 捕まえて、家畜にして、戦わせるのも働かせるのも悪さをさせるのもトレーナーの自由。
 餌を抜くのも、ストレス発散に虐待するのも、捨てたりするのもトレーナーの自由さ。
 モンスターボールなんてものを発明したのは、いったいどこのキチガイなんだろうな。
 まったくいい迷惑だ。勝手な人間たちのせいで、どれだけのポケモンが迷惑を被ってることか。

 ……でも、あいつは、サトシはちょっと違ったんだよな。
14Classical名無しさん:07/11/08 00:09 ID:HKqPHKcw
 馬鹿でお調子者、猪突猛進で後先考えない、主人にはしたくないタイプの人間だった。
 ポケモンバトルだって我武者羅に攻めて攻めての繰り返し、戦略なんて考えやしない。
 そのくせ危ないことには首を突っ込みたがる。オレが何回あいつをつるのむちで助けてやったと思ってるんだ。
 取り柄といえば……まぁ、自分の手持ちポケモンに対しては優しかったさ。
 餌だってちゃんとくれたし、無茶な命令もしてはこなかった。そこだけは評価してやる。
 だが、それも今さらな話さ。あいつはオレを捨てたんだ。
 こんな、人間やポケモンが入り乱れて殺し合うなんていう、わけのわからない場所に。
 それだけでこれまで築いてきた評価は暴落。あいつは最低のトレーナーだ。

 そのサトシが、どうやら死んだらしい。

 眠気まなこで、オレは確かに聞いたんだ。放送で呼ばれる、サトシの名を。
 サトシだけじゃない。あいつの最初のポケモンだったピカチュウまで死亡者として呼ばれていた。
 ……そっか。あいつら、死んじまったんだな。
 いい気味だ。ああいい気味さ。きっと、オレをこんなところに捨てた罰が当たったんだな。
 感傷なんてありゃしないさ。あいつは、とっくのとうに赤の他人なんだから。
 オレはオレの道を行く。これからは、野生のポケモンとして生きていくんだ。
 もう、サトシのフシギダネじゃない。

 ……そうさ、オレは野生のポケモンなんだ。
 もう、タケシの作ったポケモンフーズを食べることも、
 ロケット団の連中とバトルすることも、
 ピカチュウやヒトカゲやゼニガメと遊ぶことも、
 サトシの指示通りに動いて、
 サトシの指示通りにわざを出して、
 サトシのよっしゃーという声を聞いて、
 サトシに頭を撫で回されて、
 サトシによくやったなと褒めてもらうことも、
 もう、ないんだな。

 ……ダネ。

 ちくしょう、オレはもう、ただのくさポケモンじゃないんだぞ!
 最初にあの人間を殺したとき誓ったじゃないか!
 オレは、あくポケモンになったんだ! サトシのフシギダネはやめたんだ!
 憎めよ! オレを捨てたあいつを憎めよ! 馬鹿かオレは!?
 オレはあいつの命令もなしに、人間やポケモンを殺したんだぞ!?
 それなのに……なのに。
 なのに、どうしてこんなに悲しいんだよッ!

 ダネ、ダネ、ダネェ〜……。
17Classical名無しさん:07/11/08 00:12 ID:hUlJM6Qw
支援
 そもそも、なんであいつら死んでんだよ!?
 あいつはオレをここに捨てたんだろ!?
 なのに、なんでサトシがここで死ぬんだよ!?
 オレと一緒に捨てられたのか? 馬鹿、誰にだよ!?
 ひょっとしたらロケット団の陰謀か? 馬鹿、あいつらにそんなことできるか!
 じゃあ、いったいなんだってんだよ!?
 誰がオレを捨てて、誰がサトシとピカチュウを殺したんだよ!?
 ……わからねぇよ。オレそんなに頭よくねぇし、ダネしか言えない低知能ポケモンだし。
 だから、誰か教えてくれよ。誰が……誰が悪いんだよ……どうすりゃいいんだよ……サトシィ!

 ダネェ! ダネェ……ダネ、ダネダネダネダネダネェェェ〜!

 ちくしょう、ちくしょうちくしょうちくしょうちくしょうちくしょう!
 わけがわからないけど、なんだか涙が出てくる。なんで……こんな気持ち……。
 もうこんなの嫌だ。モンスターボールに戻って寝て忘れちまいたい。
 くそっ、オレがこんな状態だってのに、サトシはなにやってんだよ?
 ああ、死んだんだったな。知ってるよ馬鹿野郎! もういないってことだろ!?
 オレが殺したあの人間みたいに、青ざめた顔で眠ってやがるんだろ!? んで、もう起きないんだ!
 そんなの……そんなの嫌だぁ〜! サトシ、サトシ、サトシサトシサトシサトシサトシサトシサトシサトシ!

 ダネ…………ダ、ネェ……………………。

 返事をしてくれよ……もう一度オレに指示をくれよ……もっとオレのこと褒めてくれよ……。
 サトシ……会いたいよ…………。
 ………………それと、ごめんなさい。

 ◇ ◇ ◇
19Classical名無しさん:07/11/08 00:15 ID:HKqPHKcw
20Classical名無しさん:07/11/08 00:15 ID:hUlJM6Qw
 
 割り切ろう。もう、オレにはそれしか方法がないから。

 だけど、今度こそちゃんと覚悟を済ませよう。もう、やり直すことなんかできないのだから。

 だから、オレは、ここで正式に『サトシのフシギダネ』をやめる。

 人間もポケモンも殺す、あくポケモンよりもっと悪いポケモンに、オレはなる。

 だからゴメン。お別れだ、オレ。

 でも、サトシやピカチュウのところにはいけないんだ。

 オレ、生まれ変わるんだよ。

 それじゃ。

 ――さよなら。サトシのフシギダネ。

 ◇ ◇ ◇
 一頻り泣いた後、民家から出てきたのは、生まれ変わった彼の姿だった。
 背中に背負っていた種は、その姿を『蕾』へと変化させ、目つきは銀狼のように鋭くなっていた。
 これは、彼にとっての決意の表れなのだろう。主人の分まで、悪に染まってでも人生を生き抜くという。
 それまでずっと拒み続けていた進化を、彼は受け入れた。過去との決別を果たすために。

 そこには、凶悪な野生ポケモンの姿しか残っていなかった。


【E-3 町・一軒家/一日目 日中】
【フシギダネ(フシギソウ)@ポケットモンスター】
[状態]:静かなる決意
[装備]:バールのようなもの@現実
[道具]:支給品一式、白菜@テニミュ
[思考・状況]
1:サトシやピカチュウの分まで生き抜く。どんな手段を使ってでも
※TASが死んだと思ってます
※弾幕を開発中のようです
※本が無くても、コツを掴んだので開発は可能です。
※進化したため、状態異常(眠気)及び傷が治りました。
23 ◆LXe12sNRSs :07/11/08 00:19 ID:shcKWNzc
投下終了。
進化はゴマの二番煎じ。されど二番煎じもまたニコニコらしいということで一つ。
24Classical名無しさん:07/11/08 00:21 ID:hUlJM6Qw
投下乙です!
決意固めて更に驚異的存在になったなぁ。
進化もして弾幕も会得して、十分トップマーダーと呼べる地位だ。
25Classical名無しさん:07/11/08 00:28 ID:HKqPHKcw
投下乙!
し、進化しおったフシギダネ……。
これで危険度がまた上がった。
これは今後に期待せざるをえない。
26Classical名無しさん:07/11/08 00:29 ID:80cg5i72
投下乙

そりゃあオメガモン倒せばフシギソウに進化する程度のレベルにもなるわな
この調子で殺害数稼いでバナになるまで見てみたいね
ピッピは月の石が無ければできないけど、オタチとコロネも場合によっちゃするかな?
27Classical名無しさん:07/11/08 00:31 ID:N6FEPGCk
投下乙
なるほど、サトシたちとの決別のための進化か
フシギダネも強力なマーダーの一角になったな
28Classical名無しさん:07/11/08 00:33 ID:CCJvblCw
そうそう、TASさんじゃなくてこっちがトップマーダーなんだよね。
阿部さんとSuicaは何考えてるかわからないし、サトシと長門は死んじゃったしで。
TASさんは不運続きで仕方ないとはいえ、ダメージ受けすぎだよなぁ。
あと伸びそうなのはえーりんとYOKODUNAだな。
クラモン?あれは支給品でしょう。
29Classical名無しさん:07/11/08 00:42 ID:.GDpg6gw

フシギダネの独白と決意に不覚にも涙が…
微妙にツンデレ入ってるのがまたいいな。これからの活躍に期待する

あと途中でゴルァのコピペを思い出したのは内緒
30Classical名無しさん:07/11/08 00:52 ID:4DBSCrvM
>>28
何回やっても倒せない人を忘れないであげてください><

いやさ、殺害数だけで言えば、現状ではYOKODUNAよりもマーダーしてるんだぜ?
なんだか「他の参加者が倒せないよ〜♪」なイメージがついちゃってるがw
31Classical名無しさん:07/11/08 00:56 ID:G9ZU1Z1A
>>30
エアーマンだけに空気化しちゃってるwww
32Classical名無しさん:07/11/08 00:58 ID:hUlJM6Qw
いや、ぶっちゃけ殆どのマーダーは強いよw
人外のフシギダネとゴマモンをはじめ、長門倒したYOKODUNA。
技術力なら随一のTASさん、マーダー連盟を組んでる阿部ぴったん。
まだ比較的静かだがえーりんと古泉、悪知恵が働きそうな楽太郎と基本性能は高いエアーマン。

数もそれなりだし、質も十分だよ。
33Classical名無しさん:07/11/08 01:03 ID:N6FEPGCk
そして少ないながらもマーダー予備軍もいるな
ステルスのキョンの妹、雛見沢症候群のレナ
そして放送後に発狂フラグがたつかも知れないつかさ
34Classical名無しさん:07/11/08 01:36 ID:G9ZU1Z1A
雛見沢症候群ならトミーも危険だぜww
35Classical名無しさん:07/11/08 01:39 ID:N6FEPGCk
トミーは暴れず安静に時報役を全うしてもらいたいところだ
36Classical名無しさん:07/11/08 01:47 ID:G9ZU1Z1A
でも案外トミーがマーダーで大活躍したりしてwwww
YOKODUNA瞬殺とかww
37 ◆wC9C3Zbq2k :07/11/08 02:35 ID:TO.LUxqY
でっていう組投下しまーす
霊夢の口調はmikoラジを参考にしたけど合ってるのかな
38静かなる古城 ◆wC9C3Zbq2k :07/11/08 02:36 ID:TO.LUxqY
『信じられません』
「信じるしかないじゃない。あの道化師がそう言ったんなら」

 レイジングハートの本来のマスター、高町なのはは亡くなったらしい。
こちらに迷惑ばかりかけてくれた月の兎も昼までの間に命を落としたようだ。
あいつに師匠と呼ばれていた八意永琳はこの放送を聞いて何を思っているだろうか。

「霊夢さんは人がたくさん死んでいても冷静ですよね。慣れっこなんですか?」
「別に。あんまり興味ないし」
「へー。確かに神社の人が他人のお葬式でもらい泣きしちゃったら困りますもんねー」

 饒舌なのが少し癇に障るけれどヨッシーの乗り心地は相変わらず悪くない。
背中に軽い怪我をしていたはずだけど私が普通に乗る分には痛みも伴わないようだ
けれど私たちを取り巻く状況は悪化の一途を辿っている気がする。
主催者をこらしめて元の世界に戻れればそれでいいのに、半日たって未だ首輪も外せぬまま。
向かう先で削除番長の死体から首輪を抜き取って海馬に解析してもらう事にはなっているが
いくら日が昇って動きやすくなったとはいえ放送での死者の増え方が異常だった。
思っていた以上の参加者がこの殺人ゲームに手を貸している。そう考えるのが妥当。
つまり別行動をとった海馬たちが次に会うときまで生きているかどうかも微妙だ。

「芳しくないわね。魔理沙の手すら借りたい思いだわ」
「お知り合いですよね。頼りにならない人なんですか?」
「そうね。KASほどひどくはないけど似たような感じ」

 本人は聞いてないだろうから好き勝手言ってみる。あんまり気は晴れない。
39静かなる古城 ◆wC9C3Zbq2k :07/11/08 02:37 ID:TO.LUxqY
 そういえばレイジングハートのマスターもあいつと同じ魔法使いだった。
「高町なのはって人は、どんな人だったの?」
『戦艦並の火力と防御力を持った、ごく普通の少女でした』
 彼女の言う戦艦というのは月どころか違う次元世界にも飛べるすごい船だそうだ。 
だとしたらどんな妖怪よそれ…… 死亡報告が信じられないのも無理はない。
いや、確かに死んでしまったのだ。つまり殺せるだけの力量を持った参加者がいたってこと。
早く帰ってのんびりしたいのに心配の種は尽きそうにない。

「あんたはこれからどうするつもり? RH」
『それを決めるのは現マスターの貴女です』
 人格があってもしょせんは杖。何をするのも持ち主次第ということか。
彼女がTASのような奴の手に渡らなかったのは不幸中の幸いだ。
「じゃあ今まで通りよろしく」
『こちらこそよろしくお願いします』
 
「それより霊夢さん、おなかがすきませんかー」
 そう告げて、私を乗せて駆け続けていたヨッシーの速度がみるみる鈍りだす。
「城に着くまで我慢なさい。朝もしっかり食べてたくせに」
 朝どころか他人の食糧まで全部食べていた。あれで空腹とはおそれいる。
「それにあんた他にも食べてたでしょうが。変な生き物とか変な機械とか」

 言ってみて気付く。本当に監視用機械を食べたのなら逆に利用できるかもしれない。
こいつに演技力は期待できないし、まだ偽情報を送る利点はないから何もしないけれど。

「ああもう、あんたと話してたらほんとにお腹がすいてきたわ」
 こいつの言い分を聞いたようでいい気分はしないけど昼食は摂っておこう。
いつ誰が襲ってくるかもわからないのだから休憩場所は人目につかないほうがいい。
そう答えると即座にヨッシーは再加速して条件に合う場所を探し始めた。
なにそれ。空腹だったにしてはずいぶん元気じゃない。
40静かなる古城 ◆wC9C3Zbq2k :07/11/08 02:38 ID:TO.LUxqY
 ほとんど夜通し起きていたのに朝食もまだだったからお腹はすいていた。
けれど支給品に入ってた食料の数を見て霊夢に新たな疑念が沸く。
量が少ない。一食に小ぶりの容器一つとして六食分。
八百万の神に感謝しながらよく噛んで食べる霊夢になら決して足りない量ではないが
成人男性なら常に物足りない思いをすることになるだろう。
そしてなにより、二日目までしか用意されていない。もっと長い期間続けるつもりだろうに。

「ヨッシーに配られた食料もこんな量だった?」
「さあ、少なかったことしか覚えてません」
「……どういうことかしら。賞味期限なんてなさそうなものばかりのくせに」
『食料も貴重品のようですね。奪い合いをさせるつもりでしょう』
「街に商店がある事に期待したいけど、もう行っても遅いか」
「なんでです? 食べ物があるかもしれないんならあとで行きましょうよ」
「略奪済みか、あるいは食べ物に毒を仕込まれたりしてるかも」
「それは困りますねぇ」
「だからあんたも餓えたくないなら少しはがま……私のディパックに手を出すなっ!」
「そんな殺生な……ハンバーガーしか食べられないなんて」

 空腹になれば集中力も下がる。食事を節約しすぎるのも命取りだ。
最善は三日目までにこの異変を解決して皆で脱出すること。
それができそうな人間がいれば喜んで任せるが、今は自分も動かないと。
宇宙人や百鬼夜行のような異変を楽しむタイプには期待してもしょうがないのだから。

「あむっ。もぐもぐ……」
「森に行けば果物くらいありますよね。せめて食べれる敵はいてほしいなー」
 食べるスピードの違いでヨッシーを待たせてしまっている。
一食分を一瞬で飲み込むような恐竜と食事をするのは案外難しいと知った。
41静かなる古城 ◆wC9C3Zbq2k :07/11/08 02:39 ID:TO.LUxqY
 いつもより早めに食事を終えて城への道を急ぐ。
寄り道したことを除けば元来た道が多かったので問題なく城へ着くことができた。

「ここに日吉若って人が囚われてるのね。さっさと済ませましょ」
『そのはずですが霊夢。ここには何の強い魔力も感じません』
「私もそう思ったけど、六芒星の呪縛ってのがそういう性質なだけかも」
 狭い場所で乗ったままというわけにもいかないのでヨッシーからは降りている。
こいつもきょろきょろしているから探す気はあるんだろうけど役に立つとは思えない。

 四半刻後。結論はレイジングハートが先に述べてくれた。
『城内には誰もいないようですね』
「上の階に血痕はあるけど死体もなくなってる。自力で出られたのかしら」
「ひょっとしてみんな食べられちゃったんじゃ……ああこわい」
 なんでこいつはなんでも食べることに結び付けたがるかな。
「放送からまだそれほど経ってないもの。日吉は生きてるはず」
『同感です』

 城の中に救助すべき青年はいなかった。あったのはやよいのメモだけ。
自力で脱出できたにしても書き置きすら残っていないのは不親切だと思う。
ただ、死体もなくなっているから短い間に埋葬も済ませてくれたのだろう。
だとすればやよいの言っていた通り信用できそうな奴だ。
……本当にそうだと、お墓を掘り返さないといけなくなるから気が滅入るんだけど。

「レイジングハート、頼むわ」
『かしこまりました』
 シーリングモード起動。ただの死体探しなら温存してた魔力を使って済ませよう。
魔力なんて持ってたことも知らなかったから使うたびにけっこう疲れるんだけど。

「ふぅ」
「何かわかったんですか?」
「……うん。中庭にお墓を作ったみたい。あと城壁のそばに誰か倒れてる」
42静かなる古城 ◆wC9C3Zbq2k :07/11/08 02:45 ID:SJXMHKWQ
 城を出て倒れているのが誰なのかを確かめるため、城壁へと向かった。
そこに倒れていたのは、気を失った満身創痍の青年。首輪をしてディパックも携えている。
「この人が日吉さんなんでしょうか。ドリルとか持ってますよ」
「多分そうね。六芒星の呪縛っていうのを無理やり抜けて重症を負っちゃったか。
それなのにボロボロの体のままみんなを埋葬して、ここで力尽きたと」
『少々おかしな点もありますが、そうかもしれませんね』

 ヨッシーが舌を伸ばして青年の顔を舐める。全く目を覚ます様子はない。
「寄り道なんてせずに来れば、大怪我する前に助けれたかな」
「傷がたいぶ乾燥してますから、呪縛を抜けたのは放送より前みたいですよ」
 こいつが味覚で計ったことなら信じてもいいだろう。
残った問題は、この青年をどうするか。運んで橋まで連れていくわけにはいかない。
人より多少強いだけの一般人のはずだ。こうも疲弊していては体力が持たないだろう。
無理に連れて行くことが死期を早めてしまう結果になっては寝覚めも悪くなる。
「回復するまで城の寝室かソファーにでも置いておくしかないわね」
「荷物はどうしますか?」
「武器をとりあげたせいで信用まで失ったらばからしいわ。手を出さずにいて」

「でも、これだけは借りさせてもらおうかな」
 青年の手からドリルを抜き取った。ファンシーな着脱式の小型ドリルだ。 
私ではほとんど効果が見込めないらしい治癒魔法をかけてから彼をヨッシーに運ばせる。
カートリッジをロードすれば云々という説明もRHから受けたが、そんな義理はない。
使用者の私に多大な負担がかかるような大技は温存しておかないと後悔するはずだ。

 かくして、中庭には借り物のドリルで墓荒らしをする巫女が一人。
……こんな姿、知り合いには絶対見られたくないわね。
43静かなる古城 ◆wC9C3Zbq2k :07/11/08 02:46 ID:SJXMHKWQ
 二つある墓標のどちらが誰のものかは判別することができなかった。
永井けいこという女の遺体が出てきたら諦めてそっちの首を落とすつもりでいたけど
運良く最初に掘ったほうが削除番長だったようだ。白目を剥いた巨体はすごく怖い。

 レイジングハートの先端に小さな魔力刃を形成し、横たえた死体の首を落とす。

 切断面から暗い色の血が流れ続ける。淡々と行うつもりだったが想像以上に凄惨だ。
立場が違えば私が死体になっていて首輪入手のために同じ目に遭っていたはず。
そう思うと、急に血の香りがきつくなってきて少し吐き気がした。
今までやろうと思えば大抵なんでも簡単にこなせたから気楽に引き受けてしまったが
海馬との約束を果たすためにはここからさらに血まみれの首輪を手にしなければならない。
ねちゃっとする嫌な感触を我慢しながらどうにか首輪を手に入れ、遺体は墓に戻した。

 水の出なくなった噴水の澱んだ水で血のついた両手を何度も何度も洗う。
気持ちが落ち着きだした頃には、目の前にヨッシーがいて心配そうに見つめていた。
「大丈夫ですか?」
「平気。ちょっと慢心してただけ」
 そう。スケールの大きな事件に慣れすぎていて少し鈍感になっていただけ。
ここがそういう血生臭い世界だという認識が足りていなかった私がいけないのだ。

「日吉さんを運んできました。まだしばらくは目を覚まさないと思います」
「意識が戻ってもあの様子じゃ動けないでしょ。書き置きは?」
「字を書くのは得意じゃないんですけど、頑張りました!」
「じゃあ誰かがついてる必要はないね。時間の許す限り城の中で使えるものを探すわよ」
「主に食料をですね!」
「違う! けど食料も探して!」

 ヨッシーはひょっとして私を気遣っておどけてみせているんだろうか。
たぶん違うけど、話をしているだけで心が和らぐ。それが今はありがたかった。
44静かなる古城 ◆wC9C3Zbq2k :07/11/08 02:48 ID:SJXMHKWQ
【D-1 城・中庭/一日目・午後】
【博麗霊夢@東方project】
[状態]:健康、バリアジャケットの腋部分破損
[装備]:レイジングハート@魔法少女リリカルなのはシリーズ、ドリル@ミスタードリラー、
巫女風バリアジャケット@巫女みこナース
[道具]:支給品一式(食料1消費)、フリップフラップ@ニコニコキッチン、首輪
[思考・状況]
1.まずは城内の探索
2.夕方までに日吉若の意識が戻れば話をする。動けないなら置いていくつもり
3.三回目の放送で二人の生死確認後、E-2橋で海馬たちを待つ。
4.怪しい人には無理のない程度に接触、無害なら適当に交渉
5.今回の事件の解決(主催者の打倒)

【ヨッシー@スーパーマリオワールド】
[状態]:健康、背中にわずかな痛み、軽く焦げてる
[装備]:なし
[道具]:支給品一式(食料全消費)、RPG-7(残弾5)@GTASA
モンスターボール(オクタン)@ポケットモンスター
[思考・状況]
1.とりあえず霊夢さんに協力
2.もう食べるものがないけどどうしよう……
3.ボスを倒す

※ふたりとも日吉を少し強いだけの一般人だと思ってています
※ヨッシーはKASをどこかの世界のマリオと思ってます。TASと関わっていません

霊夢、ヨッシーの共通認識
※なのはの世界についての知識を得ました。ヨッシーはイマイチ理解していません。
※海馬・やよいと知っている情報を交換しました
※名簿が、世界の住人ごとに載っていることに気がつきました。
※各地に監視装置があり、首輪にも盗聴機能があることを認識しました。
45静かなる古城 ◆wC9C3Zbq2k :07/11/08 02:49 ID:SJXMHKWQ
 日吉若は昼を過ぎてしばらくはちゃんと意識があった。
その後何者かが近づく気配を感じ、動けもしない状態から強引に身を隠そうとした。
自分が死んでいないと放送で気付いたYOKODUNAが戻ってきたのだと判断して。
そのことで身体への負担が完全に限界を超え、そのまま彼は気を失っていったのだ。

 今はただ眠る。その時城へやってきたのが自分を助けにきた巫女たちとも知らぬまま。  
目を覚ましたとき、彼は何を思うのか。

【D-1 城・城内/一日目・午後】
【日吉若@ミュージカル・テニスの王子様】
[状態]:気絶。重度の疲労、肋骨損傷
[装備]:なし
[道具]:支給品一式 食料2人分、水2人分、C4プラスチック爆弾@MGS、
ヒラリマント@ドラえもん 、マカビンビン@うたわれるものらじお
[思考・状況]
1.手段を問わず、主催に下克上する。
2.最大の障害であるYOKODUNAに下克上する。
3.下克上の障害は駆除する

※放送があったことは気付いていましたが、内容はあまり頭に入っていません
※ヨッシーの書き置きはどうがんばっても読めない代物の可能性があります 
46 ◆wC9C3Zbq2k :07/11/08 02:50 ID:SJXMHKWQ
支給された食料について触れてみました。人によって量の違う可能性も残しています
いっぱい行動させたから午後にしちゃったけれど、YOKODUNAが戻って来れない?
47Classical名無しさん:07/11/08 16:02 ID:hUlJM6Qw
投下乙です。
ピヨシート…やはりYOKODUNAとの戦いのダメージは大きすぎたんだな。
48Classical名無しさん:07/11/08 18:00 ID:HKqPHKcw
投下乙!
でっていう、飯なくなったらどうなるんだろうなぁ……

時間は、個人的には急激に進めてほしくない。
あんまり進めると、取り残されるキャラが出かねないからね。
あと、ちょっと細かいが、あの巫女は食事の度に八百万の神に感謝したりしないと思う。
風神録じゃフルボッコしてるし、キャラ紹介でも信仰心薄めらしいし。
削るか、小柄だからとかの理由にすると、より自然かと。
49 ◆wC9C3Zbq2k :07/11/08 19:41 ID:SJXMHKWQ
こっそり修正。指摘ありがとー
確かに日中で終われるようにピヨ発見あたりまでにしてもよかったね

予約なしで書くのはリスキーで楽しいです
50 ◆IU4EWEf33I :07/11/09 00:29 ID:Wgbubl/Y
亜美、魔理沙、お覇王を投下します。
51 ◆IU4EWEf33I :07/11/09 00:31 ID:Wgbubl/Y
このバトル・ロワイヤルという悲劇の舞台においてもかまわず核融合を黙々と行っている太陽が
空高く上ったころ、青い草原で青い作業着を来た少女はまさに真っ青になっていた。

わっ、ど…どうしよう、この本!!持ってきちゃったよ!
返しに行こうかな…アイドルが泥棒しちゃったなんて……こんなの大スキャンダルだよ………
こんなのバレたら謹慎か、ヘタをすれば芸能界追放されちゃうよう……

彼女の頭の中ではタバコを吸って追放された某モーニングな娘さんや倉庫荒らしをした
某アイドルの事件の始終がリピートされていた。
冷たい汗が亜美の頬を伝う。

「あぁ〜〜〜〜〜!やっぱりかえし――――」
『こんにちはみんな、元気に殺し合いをしているかな?』
「えっ?」
52Classical名無しさん:07/11/09 00:32 ID:rUZ1CAJA
支援
53Classical名無しさん:07/11/09 00:32 ID:JLuOejws
支援せざるを得ない
54Classical名無しさん:07/11/09 00:32 ID:tZQ0LwsU
支援つくちて
55Classical名無しさん:07/11/09 00:32 ID:ArcI/YCk
あ○るwwww
56 ◆IU4EWEf33I :07/11/09 00:34 ID:Wgbubl/Y
――突然の大声――亜美はすぐに辺りを見渡す。
すると上空にピエロの格好をした長身の男が立っていた。忘れるはずも無い、真美を殺したあの憎いピエロだ。
どうやらさっきの声を発したのはあいつらしい。
真美を殺したピエロに対する怒りからくるものなのか、亜美は拳を固く握り締めていた。

「………そうか………放送があるって言ってたけど…これかぁ。
…………悔しいけど…ちゃんと聞いておかないと………メモメモ……あれ…放送って六時間に一度じゃなかったっけ?
もういまお昼だし………まあいいか、あっちのミスかなぁ…………」

思っている事をわざと声に出し、心を落ち着かせようと試みる。

「………禁止エリアは……十四時からB-1、十六時からC-1か。」
57Classical名無しさん:07/11/09 00:34 ID:l899VEPs
モーニングw
パラレルでもいるんかねパロプロみたいに
58Classical名無しさん:07/11/09 00:35 ID:rUZ1CAJA
支援せざるry
59Classical名無しさん:07/11/09 00:36 ID:tZQ0LwsU
やぁ兄弟、支援でもどうだい
60Classical名無しさん:07/11/09 00:36 ID:l899VEPs
東方支援祭
61 ◆IU4EWEf33I :07/11/09 00:37 ID:Wgbubl/Y
ドクリという心臓の音が聞こえた。
ここに来て自分の心臓はフル稼働していたつもりだったが、これほどまでに心臓が握りつぶされそうになった思いをしたのは初めてであった。
アイドルとして初めて舞台に上がった時ですら、ここまで心臓が張り裂けそうになる事はなかった。

『高町なのは、鈴仙・優曇華院・イナバ、琴姫…………オメガモン……サトシ』
62 ◆IU4EWEf33I :07/11/09 00:39 ID:Wgbubl/Y
オメガモンの名前が呼ばれた時、亜美はパッと目を見開き、すぐに瞬きをした。
涙は流さないと心に決めていた。瞬きを幾度かし、衝動を抑えることができたがやはり、とても辛い。

「………やっぱり、呼ばれちゃったか…………オメガモン…………あなたのお願い……絶対に亜美が叶えてあげるからね…」

『――私に会いたい人は次の次まで頑張って生き残るんだよ。じゃあね。また会えることを祈ってるよ。』

そう言い放ち、ピエロは消えていった。
63Classical名無しさん:07/11/09 00:39 ID:rUZ1CAJA
オウム真理教にはまりそうになった俺が支援
64Classical名無しさん:07/11/09 00:40 ID:O/zs6jng
支援つくちて
65Classical名無しさん:07/11/09 00:40 ID:tZQ0LwsU
/sien
66 ◆IU4EWEf33I :07/11/09 00:40 ID:Wgbubl/Y
緊張から解き放たれたからなのか、放送が終わると亜美はすぐに深呼吸をした。

「スゥゥ―フゥゥゥ――………よし!オメガモンのためにも…亜美は絶対に生き残るぞっ!!」

で、これからやることは……なんだっけ?……あっ、まず魔理沙ちゃんに謝らないと…
ちゃんと話せばわかってくれるよね……?

亜美は土煙を豪快に上げながらダッシュで西に向かっていった。
どうやら本を返しに行こうという考えはさっきの放送ですっかり飛んでいってしまったようだ。
67Classical名無しさん:07/11/09 00:40 ID:l899VEPs
さるさん規制が相手なら支援せざるを得ない
68Classical名無しさん:07/11/09 00:41 ID:l899VEPs
ずっと俺達の支援!!
69 ◆IU4EWEf33I :07/11/09 00:42 ID:Wgbubl/Y
約1時間後


「やっと見つけたぁ〜〜!ふぅ〜………でもこれ、死んでない……よね?」

これが二人を発見した時の第一声。荒地のど真ん中に人が倒れていたのだ、まあ無理も無い。
お覇王が寝返りをうってくれたので一応亜美は生きているという事だけは感じ取れた。

「なんだ、寝てるのかぁ………」
よくこんな状況で寝られるなぁ……とりあえずこのままじゃイロイロ危ないし起こさないと…
魔理沙ちゃんよりさっき助けてくれた方の人から起こそう…なんとなく……

そう思い、亜美はお覇王の脇に座り込んだ。
70Classical名無しさん:07/11/09 00:42 ID:kQwzA1tw
もう少しまとめたほうが規制対策になると言わざるを得ない支援
71Classical名無しさん:07/11/09 00:43 ID:l899VEPs
隣にアイドルを寄せざるを得ない支援
72 ◆IU4EWEf33I :07/11/09 00:44 ID:Wgbubl/Y
「zzz…………タマゴを割らざるを―――」
「すみませーーん、起きて下さーい」

お覇王の体を前後に揺らしながら耳元で亜美は叫んでみた。

「う〜〜ん?……うるさいと言わざるを得ない…」

お覇王は起こしてくれた亜美に
「せっかくいい気分で寝てたのに………何をすると言わざるを得ない」
とでも言いたそうな眼で睨んだ。どうやら彼の寝起きは悪いらしい。

「あっ、すみません…………」
「んうぅ………で?どちら様と聞かざるを得ない……」
73Classical名無しさん:07/11/09 00:44 ID:tZQ0LwsU
>>70個人的に同意せざるを得ない支援
74Classical名無しさん:07/11/09 00:44 ID:O/zs6jng
32行が限界だったはず支援
75Classical名無しさん:07/11/09 00:45 ID:kQwzA1tw
/sien
76Classical名無しさん:07/11/09 00:45 ID:l899VEPs
ちゃんと寝ておかないと後で万全な対策を取ることができないと言わざるを得ない支援
77Classical名無しさん:07/11/09 00:45 ID:tZQ0LwsU
Nice Shien.
78 ◆IU4EWEf33I :07/11/09 00:45 ID:Wgbubl/Y
えっ?ああ、わたしはさっきそこの魔理沙さんに襲われたときに助けてもらった…双海亜美です……
あ…あの…………あなたの名前は?」
「え?あれ?声が………」
「どうしました?」
「あ…リョウ・サカザキと…言わざるを得ない………」
「わかりました、リョウさん……ですね?」
あれ?さっきからどうしたんだろう?不思議そうに亜美の顔をみて………
なんかついてるのかな?

――モッサァァァ――

79Classical名無しさん:07/11/09 00:46 ID:O/zs6jng
ヒゲフラグと言わざるを得ない
80 ◆IU4EWEf33I :07/11/09 00:46 ID:Wgbubl/Y

………………………え!?
なに、今の?
も…もう一度触ってみよう。

――モッサァァァ――

え?………………えぇ?
スタンドも月までぶっ飛ぶこの衝撃!

「「「「えぇぇぇぇぇ!!!!!!!!??????」」」」

なに…なにこれぇ!!!

「「どうしてこんなものがついているのぉぉ!!!!」」
この艶、ボリューム、質感、そして綺麗に整ったこの長さ、紛れも無くルイージの自慢のヒゲであった。
アイテム屋に行ったら20%OFF以上はしてもらえただろう。
81Classical名無しさん:07/11/09 00:47 ID:l899VEPs
そんな区切らなくても問題ないと思わざるを得ない支援
82Classical名無しさん:07/11/09 00:48 ID:adO8I0xQ
83Classical名無しさん:07/11/09 00:48 ID:rUZ1CAJA
20%に吹いた俺も支援
84 ◆IU4EWEf33I :07/11/09 00:49 ID:Wgbubl/Y
「「何これ?どう見ても ヒ ゲ じゃない!!何?あわわわわわわわ…………
ヒゲヒゲヒゲヒゲひげひげhigehigehi…………もう駄目だァァァ!!」
天をも劈くような大声に爆睡中の魔理沙も流石に飛び起きた。
「「っ!!なんだ!?リョウ!なにか起こったのか?」」
「いや…………訳がわからないと言わざるを得ない」
「お…おい!!訳がわからないって……あの大絶叫してる作業着のヒゲ男は誰なんだ!?」
「………さあ?」

「「「「「「「「「「いやぁぁぁぁぁぁ!!!!!」」」」」」」」」」

「この声……女?いや…でもヒゲ生えてるし……ってこんな大声出しちゃ他の奴らにも聞こえてるんじゃないのか?」
「肯定せざるを得ない」
「で…一旦ここから離れるか?……どうする?」
「まあ………遠い目をせざるを得ない……………」
「ああ……まあ…な」
85Classical名無しさん:07/11/09 00:49 ID:l899VEPs
ヒゲとアイドルの組み合わせも悪くないと言わざるを得ない支援
86Classical名無しさん:07/11/09 00:50 ID:l899VEPs
あれって64DS仕様だったのかと思わざるを得ない支援
87Classical名無しさん:07/11/09 00:50 ID:O/zs6jng
二回分を一回にまとめるといいよ、支援
88 ◆IU4EWEf33I :07/11/09 00:50 ID:Wgbubl/Y

いつの間にかヒゲが生えていた。
そしてヒゲは取ろうとしても取れないので
―――そのうち亜美は考えるのをやめた。

――ドサッ――

「「あっ、気絶した。」」
【E-2 元・草原/一日目・日中】
【双海亜美@THE IDOLM@STER】
[状態]: 気にならない程度の腹部の痛み、健康、とかちシスターズ、HI☆GE、大パニック、気絶
[装備]:ホーリーリング@デジモンアドベンチャー、ルイージの帽子@スーパーマリオワールド、弾幕の作り方@東方project
[道具]:支給品一式、妖精の剣@ドラゴンクエストシリーズ、マキシムトマト@星のカービィ
[思考・状況]
1:いやぁぁぁぁぁぁぁぁ
2:ヒゲがぁ!!ヒゲがぁ!!
3:ヒゲドルとして生きていきまーす、ふふふふふ………

※いまの亜美のパニック度は『クロックタワー』でいきなりシザーマンに出てこられた時以上です。
△ボタンを連打すれば何とかなるかもしれませんが、ルイージは任天堂なので△ボタンはありません。自然回復を待ちましょう。
※亜美の叫び声は半径1マス以上は届きました。少なくともE−3の街には全域で聞こえました。E−2の街まで届いたかは不明。
※ヒゲが生えました。
89 ◆IU4EWEf33I :07/11/09 00:52 ID:Wgbubl/Y
【お覇王(リョウ・サカザキ)@覇王翔吼拳を使わざるをえない】
[状態]:覇王翔吼拳を使える状況ではない、遠い目をせざるを得ない
[装備]:必要無いと言わざるを得ない
[道具]:支給品一式(水一本消費)、全自動卵割機@サザエさん、億千万の思い出@現実(?)
[思考・状況]
基本行動方針:覇王翔吼拳を使わざるをえない
第一行動方針:遠い目をせざるを得ない
第二行動方針:ヒゲ男(?)の叫びに驚嘆せざるを得ない
第三行動方針:イチローを待たざるを得ない
第四行動方針:バトルロワイアルを止めざるを得ない
第五行動方針:バイクを探さざるを得ない
※第二放送を聞き逃しました。
※イチローの死に気付いていません。

【霧雨魔理沙@東方project】
[状態]:更に服と腕に裂傷、口の中を軽く怪我、鼻が痛い、魔力消費、遠い目
[装備]:必要だと言わざるを得ない
[道具]:支給品一式、キーボードクラッシャーの音声(の入ったiPod)@キーボードクラッシャー、
マント羽根*2@スーパーマリオワールド
[思考・状況]
1:あのヒゲ男(?)……どうしようか…………(遠い目)
2:覇王翔吼拳を習得せざるを得ない
3:オメガモン、双海亜美は落ち着いて話してからシバく
4:霊夢とか探してみる。アリスも探すか
5:有益な武器かなんかが欲しい
6:異変解決
7:記憶を見れるアイテム(億千万の思い出)を家に持って帰りたいぜ。
※第一放送、第二放送を聞き逃しました。
※名簿は見せてもらいましたが、死亡者は聞いていません。
※魔理沙の言う「ヒゲ男(?)」が亜美だと気付いていません。
※魔理沙、お覇王の体力は大分回復しました。
90Classical名無しさん:07/11/09 00:52 ID:adO8I0xQ
91Classical名無しさん:07/11/09 00:53 ID:O/zs6jng
ま た カ ー ズ か 支 援
92Classical名無しさん:07/11/09 00:56 ID:rUZ1CAJA
なんて展開だwww
93 ◆IU4EWEf33I :07/11/09 00:57 ID:Wgbubl/Y
投下終了です。
最初の方でつめ過ぎたら改行が多いと掲示板にキレられたので意地になって分けたらこんなに分かれちゃいました。

今見て猛省してますorz

あとタイトル忘れてました
ヒゲ☆パチでお願いします
94Classical名無しさん:07/11/09 01:01 ID:rUZ1CAJA
ヒゲ☆パチwww
俺的には読めればそれでいい
95Classical名無しさん:07/11/09 01:03 ID:kQwzA1tw
>>93
結果的にさるさるにならんほど支援あったんでおkおk

投下乙
なんかカオスなことになってるなw
三人目のカーズが現れたわけだが…何人まで増えるんだこれは
96Classical名無しさん:07/11/09 01:04 ID:l899VEPs
投下乙と言わざるを得ない
だが、ここは32行まで改行は許されているはずだと言わざるを得ない

ヒゲ生えて気絶とは妙な展開だがニコニコらしいと言われればニコニコらしいと言わざるを得ない
しかし、とんだ誤解フラグをもってきちまったんだと言わざるを得ない
97 ◆CMd1jz6iP2 :07/11/09 01:07 ID:O/zs6jng
投下乙。
かわいそうなとかち。いや、俺のせいだが。

ところで……
圭一、こなた、ピッピ、水銀燈を投下させていただきますよ。
98Classical名無しさん:07/11/09 01:08 ID:l899VEPs
何と言う投下ラッシュ、wktkせざるを得ない
99Classical名無しさん:07/11/09 01:08 ID:adO8I0xQ
100最初の過ちをどうか ◆CMd1jz6iP2 :07/11/09 01:09 ID:O/zs6jng
ピカチュウを埋葬しようと場所を探していた俺たちは
ショックに追い討ちをかける光景を目にしてしまう。
折り重なるようにして倒れている。男女の死体。
ピッピの怯え方が尋常じゃない。
皆集まったときに話していた、危険なトレーナーに殺された女の子……まさか?
どうやら、その後更に犠牲者を出したらしい。

二人とも、絶望の表情を浮かべ、息絶えている。
涙の後、恐怖に歪んだ表情……怒りしか沸いてこない。
「どこのどいつが……こんな酷い殺し方を……!」

これが、俺の仲間だったら、そいつを絶対殺してやる。
ああ、そうさ。1500秒もあれば、人間なんか……

ッ、駄目だ駄目だ……KOOL……違う、COOLになれよ、前原圭一。
こんな感情で動いて、何にもなりはしない。
ともかく、この二人も埋めてやらないとな。

三人分を埋めるための穴掘りに、かなりの時間がかかっちまった。
ほとんどが、コロネとピッピ。
俺たちは、怪我のせいもあり、あまり約には立てなかった。
ピッピより、コロネがかなり疲れたようで、フラフラしていた。
101最初の過ちをどうか ◆CMd1jz6iP2 :07/11/09 01:11 ID:O/zs6jng
全員を埋葬した俺たちの頭上に、またピエロたちの放送が響いた。
「くそ、今度は違う奴か」
ともかく、禁止エリアとかを聞かないといけない。
人をなめた口調のピエロ……ピエモンの言葉をもらさず聞く。
禁止エリアは遠かった。
――それじゃ次は脱落者の発表だね。みんな心待ちにしてたかな?
ふざけるなよ、コンチクショウ!
高町なのは……鈴仙・優曇華院・イナバ……琴姫……
どんどん読み上げられる名前……くそ、こんなに!?
ピカチュウ……オメガモン……
ピカチュウ……それに、強い味方だって話のオメガモンまで?
しかし多いぞ、いったい……

柊かがみ

「え……?」

ひ い ら ぎ か が み ?
な、何かの間違いだよな?
だ、だって……ッヤバイ!
「う おおおおおお!!!」
俺は飛び跳ねるように掴みかかった。
顔面蒼白で、駆け出そうとしていた、こなたに。
「離して!離せえええええ!!」
馬鹿野郎、誰が離すかよ。
こなたは、完全に冷静さを失ってる。

落ち着け、COOLになれ、泉こなた!
102Classical名無しさん:07/11/09 01:12 ID:l899VEPs
こなたも一般人的な面をかいまみえた支援
103最初の過ちをどうか ◆CMd1jz6iP2 :07/11/09 01:13 ID:O/zs6jng
「嘘だ、かがみんが死んだなんて嘘だああああ!」
「ッ……ピカチュウの名前が呼ばれた。残念だけど……ガッ!?」

は、腹に……肘打ち?
こなたが、俺の拘束を解こうと殴りかかってきた。
ぐおっ……ヒビが入ってるところに、これは……!
こなた、そういや格闘技の経験あるとか、TASに襲われる前に言ってたな。
「や、やめろ、こなた!俺は、どんなに殴られても離さないぞ!」
「うるさい、うるさい!離せぇ!かがみのところに行くんだぁあ!」
「どこでやられたのかも分からない!ゴマモンと真が無事なんだ、二人が戻ってきたときに、仲間の俺たちがいなくてどうするんだよ!」

二人とも、こっちに逃げてきてるかもしれない。
だったら、下手に動くより待ってた方が合流できるはずだ。

「ナ カ マ……?」
打撃の重みが、増した。
胃液を戻しそうになるが、こらえる。
「私の仲間は、かがみとつかさだけ……お前達なんて、仲間なんかじゃない!」
う、嘘だろ、こなた。
みんなが信用しあえるようにって……初めに言ったのは、こなたじゃないかよ。

「コロネッ!」
何する気だ、こなた……まさか、冗談だろ!?
「圭一に体当たり!」
こなた、本気で……くそ、耐えられるか!?

「……コロネ?」
何だ、コロネが動かない……それどころか、苦しんでいる?
「使えないな!なにして、あうっ!?」
え……攻撃を食らったのは、こなた?
しかも、体当たりなんかじゃない。
104Classical名無しさん:07/11/09 01:15 ID:adO8I0xQ
105最初の過ちをどうか ◆CMd1jz6iP2 :07/11/09 01:15 ID:O/zs6jng
どうも、ピッピです。
コナタが大暴れしているのを、僕はまた見ているしかなかった。
向こうに行ったカガミが呼ばれたんだから、当然なんですけど。
ああ、他の二人は無事なのか、と思っていると、コナタがケーイチを殴る殴る。
とうとう、仲間じゃないなんて言ってます。

ああ、あのTASと戦ったときは、あんなに団結していたのに。
でも、コナタの悲しみを考えると、何にも言えません。
止めないと……でもどうしよう。
ゆびをふるで、ちょうどいい技なんか出ないだろうし。
ゆびをふる以外に脳の無い僕にできること、できること……
ん?

ゆびをふるしか脳が無い?
本当に?

「コロネ!圭一に体当たり」
わあ!?もう、こうなったらやるしかない!!
僕は、こなたに攻撃した。

僕の技「はたく」で。

完ッッッッッッッッッッッッ全に忘れていた。
僕の技は、ゆびをふる、だけじゃない。
はたく、うたう、おうふくビンタ。
覚えてから、一回も使ったことの無い技の数々。
あまりにも使わないから、覚えてることすら忘れてた。
というか、本当に忘れてないか心配になったが、この通り使えた。
「こ、こなたあ!」

初めてで、威力の加減すら出来なかった。
106Classical名無しさん:07/11/09 01:17 ID:l899VEPs
支援のC!!
107最初の過ちをどうか ◆CMd1jz6iP2 :07/11/09 01:17 ID:O/zs6jng
やっちまったあああああああああ!!

吹っ飛んだ、TASに蹴られたときみたいに、コナタが吹っ飛んだ!
しかも油断してるところにモロ!やばい、死んでないよね!
「ぴ、ピッピ……」
ケケケケケケーイチ、は、判定は?
「せ、セーフ……」
気を失って、動かなくなったコナタと、苦しんでいるコロネを僕たちは町まで運んだ。



博之を待って、どれだけ経ったのか。
再び放送が始まった。
そして、声を聞いて私は狂いそうになる。
「真紅をジャンクにした奴……!」
nのフィールドまで入り込み、真紅を壊したピエロ。
「そう、ピエモンと言うのねぇ?」
たかが道化師が、お父様の作った最高の人形、ローゼンメイデンを破壊するなど、許されない。
それが、どれほど嫌いな姉妹だったとはいえ
(……なんて、いつまでも嫌ってたのは、私だけかもしれないけどねぇ)

それじゃ、哀れな脱落者の名前を読み上げようか――
いけない、動けないなら、せめてこういうことは聞いておかないと。

高町なのは

いきなり、ティアナが探していた人の名前が呼ばれた。
とんでもない実力者だということだったが、つまりそれ以上に強い人間がいるのか。
(それとも、ティアナみたいな甘い人で、騙し討ちで死んだのかしらぁ?)
その後も読み上げられていく。
108Classical名無しさん:07/11/09 01:19 ID:l899VEPs
そういえばポケダン以外では同じ技を複数も覚えられないんだっけポケモンは
109最初の過ちをどうか ◆CMd1jz6iP2 :07/11/09 01:20 ID:O/zs6jng
永井
(えっ!?)
けいこ
(違った……けど、あの二人の母親……)
私から見ればお父様を失うのと同じこと。
(耐えられない……!)
長い時を姿を変えて生きるお父様が、死ぬなどありえない。
だが、万が一そんなことになったら、私たちは耐え切れない。
(あの二人、今頃――)

――永井浩二――サトシ

以上十四名が今回の脱落者だ
(――――ながい、こう、じ?)
永井浩二?博之の兄?
どうしようもなく不完全で……それでもたくさんの人に愛されていた?
「ほ、ほら、やっぱり。ふ、不完全で、た、戦いの場で生き残れるはずが……」
当然だ、あまりにも当然過ぎる。
なのに、なぜ

「馬鹿みたい、なんで私が泣いてるのかしらぁ?」
ああ、きっと博之が悲しんでるから、逆に感情でも流れてきたのだろう。
母と兄、両方一気に死んでしまったのだから――
「――――あ」
塔に行ったのに、死んだのは浩二だけ?
ティアナも、博之も呼ばれていない。
「まさか、まだ……戦っている?」
戦闘が、放送で区切り良く終わるなんて限らない。
たまたま、放送中は生きていて、その1秒後に死んでいても、読み上げられない。
「ひ、博之……!」
立ち上がるが、数歩歩いて、また倒れてしまう。
「まさか……一生治らない?これじゃあ、あの頃と同じ……」
110Classical名無しさん:07/11/09 01:20 ID:adO8I0xQ
111Classical名無しさん:07/11/09 01:21 ID:l899VEPs
今宵も支援
112最初の過ちをどうか ◆CMd1jz6iP2 :07/11/09 01:21 ID:O/zs6jng
初めて、真紅とあった頃を思い出す。
あの頃の私は、ローゼンメイデンですらなかった。
ローザミスティカも与えられなかったジャンク。
歩くことも、まともに出来なかったのを、優しく教えてくれたのは……真紅。
それは、ローゼンメイデンを名乗るジャンク人形への、哀れみに過ぎなかったのだけど
「……同じことを、雛苺にもしているのかと思ってたのだけど」

真紅は、変わった。
私同様の完全主義者だった真紅は変わり、雛苺を擁護していたのも、私の時とは違った。
「こっちは100万時間以上も恨んできたのに、眼鏡と出会って1万時間もしないで、反省するなんて……こっちが馬鹿みたぁい」
変われなかったのは、私。
お父様にローザミスティカを与えられてローゼンメイデン第1ドールになったのに。
長年恨みを持ち続けるような人形が、アリスになれるはずもないのに。

「……?」
自分で言ってて、何かおかしいと思った。
私はローゼンメイデン第1ドール……
でも、ローザミスティカが無かったのでローゼンメイデンじゃなかった。
真紅たちは、私より前からアリス・ゲームをやっていた。
初めから7体と決まってるのに、それじゃあ最初は6体しかない。
私は、お父様が認めてくれたからローザミスティカを貰ったのだと思う。
でも、それまでは6体で戦わせていたのだから、アリスなど決まらない。
まさか、まさかとは思う。あのお父様がそんなことをするはずが無い。

大ポカとか、私を完全に作った気でいたとか、そんな馬鹿な真似をするはずがない。
そんなことは絶対に無いと思うが、もしそうなら。
「お父様の、馬鹿乙……」
乳酸菌が足りないから、こんな変なことを考えるのだと、忘れることにした。
113最初の過ちをどうか ◆CMd1jz6iP2 :07/11/09 01:23 ID:O/zs6jng
やはり、体がたまに自由に動かない。片手が無いため、その瞬間に倒れてしまう。
待とう。下手に動けば、博之の体力を吸ってしまうかもしれない。
そう思った矢先に

「よし、この家に運ぼう」
外から、知らない声が聞こえた。
(マズイわぁ……どこかに隠れないと)
どこにだって隠れられるが、体が痺れクローゼットの中に這い上がることも出来ない。
何か、良い隠れ場所はと家の中を見回すと、部屋の隅にぬいぐるみがたくさん置いてある。
この中に紛れれば、となんとかもつれながら人形に混ざる。
(え……そ、そんな!?)
そこで私は、ありえないほどの衝撃を受けた。

だって、隣に、私の隣にいたのは、私が誰よりも愛している……


「ん……?」
ここは、どこだろう。
「痛ッ、なんでこんなところが痛いんだろ?」
記憶が曖昧で、頭がボーっとする。
「こなた、気がついたのか」
「あれ、圭ちゃん?私、なんでベッドに……」

それじゃ、哀れな脱落者の名前を読み上げようか――

「あ……アアアアアアアア!」
かがみん、かがみんが……かがみんが!!
「お、落ち着けこなた!」
「落ち着いて?落ち着いてなんかいたら、かがみんが!」
「……もう、遅いんだ」
モウ オソインダ
もう、死んでしまったのだから。
114最初の過ちをどうか ◆CMd1jz6iP2 :07/11/09 01:25 ID:O/zs6jng
「私のせいだ……私が、チームをシャッフルしようなんて言ったから!」
「そうは思わない。あれは俺も正しいと思った。俺達の認識が、少し甘かったんだ」
どんなフォローをされたって、もうかがみは死んでしまった。
「つかさに……なんて言って謝ったら」
「こなただけの責任じゃねぇ!俺にも、誰にも責任はある!」
「でも!」
「どんなに責任を感じたって、生き返らないんだ!俺を庇った、ピカチュウも!」
ピカチュウ……でも、やっぱり私は……

「あ……れ、コロネ?」
クッションの上で、コロネが弱弱しく丸まっている。
そうだ、さっき命令しても……
私、使えないな、なんて酷いこと……
こんなに弱っていたコロネに、なんて言葉を吐き捨てたのか。
ちょっと格闘技をかじってるから、大男にだって素手なら負けないって思ってた。
でも、あのTASは恐ろしく強くて、殺されるかと本気で怖かった。
ただのオタクの私が、ここで生き残れるわけが無いんだ……

こなたは、終わっちまったのか?

いいや、違うね。
終わらせることは簡単さだ。
だが、せっかくだから俺は困難な道を選ぶぜ!
生きてる以上、終わってしまうことなんて無い。
ちょっと火が消えかけてるだけさ。
そして、その火を燃え上がらせるのは、誰の仕事だ?

俺だろ、口先の魔術師、前原圭一!
115Classical名無しさん:07/11/09 01:26 ID:l899VEPs
 
116最初の過ちをどうか ◆CMd1jz6iP2 :07/11/09 01:27 ID:O/zs6jng
「聞いてくれ、俺たちがあいつらに勝てない理由を」
「勝てない……理由?」
ちょっとだけ反応してくれた。
「俺たちが勝てないのは、あいつらに絶対の意志があるからだ」
「絶対の、意志?」
「あいつらの絶対の意志が、絶対の未来を俺たちに叩きつけてくる。
俺たちは、ただのガキだ。ただの人間だ。あんな奴らの意志に一人で勝てるわけが無い」

強い意志は運命を強固にする。
それに対して、俺達一人の意志では、あまりにも弱く、崩れやすい。
「絶対の未来を叩きつけてくるなら、俺たちはその未来を吹っ飛ばして運命を切り開く!
生き残った俺たち全員は、分かり合えないのかもしれない。
でも、きっと分かり合える人たちはいる。
後は、信じて疑わないだけだ。俺たちは、あいつらの未来を打ち破れるってな」
こなたの目は、まだ虚ろで……震えていた。
それでも、圭一は言葉を紡ぐ。

「だが、それでも勝てない。なにせ相手は人間とは思えないからな。
俺達の意志の力が、やっとあいつらに及んだところで、全てを打ち破るだけの力を、あいつらは、きっと持っている」
あのTASより、確実に強い。
自分で制御できない相手を、この場に呼ぶはずも無い。
「勝てるわけ……無いよ」

「諦めるなよ、泉こなた。俺たちは、生きてる。
こなた、なんであの時……ピカチュウは死んだんだと思う?」
「それは……あのTASっていうのが、凄く強くて……」
「違うな」
それはありえないと、否定する。
「なら、何だって言うのさ!」

「俺達の中に、勝利を信じられない奴がいたからだ」
117Classical名無しさん:07/11/09 01:28 ID:JLuOejws
簡単さだ支援
118Classical名無しさん:07/11/09 01:28 ID:l899VEPs
全手動支援
119最初の過ちをどうか ◆CMd1jz6iP2 :07/11/09 01:29 ID:O/zs6jng
ピッピの体が、ビクッと震える。
「初めの不意打ちを入れたって、俺達の力はTAS一人と互角だった。
ピカチュウは、最後の最期まで、TASに屈しなかった。
それでも、ピカチュウが死んだのは……きっと、俺達の意志があいつの意志に負けてたんだ」
ピッピは、もうこの場から逃げ出したかった。
ごめんなさいと謝って、この場から離れなかった。

「それでも、あいつに勝てたのは……土壇場で、みんなが信じてくれたからに違いない」
ピッピの体の震えが止まり、圭一を見つめる。
「こなたは、コロネに命令して、TASの動きを封じてくれた。ピッピは、あいつにトドメを刺してくれた。
奇跡は起きる、俺達の力で、意志で起こせるはずなんだ。
あの瞬間に、どっちかが何もしなかったら、少なくとも俺は死んでたよ」
突然、圭一が頭を深く下げる。
「ありがとう、こなた、ピッピ。俺を助けてくれて……本当にありがとう」

「なに言ってるのさ、圭ちゃん……「仲間」なんだもん、当然じゃん」
頭を上げた圭一に、こなたが胸に飛び込んできた。
「ごめん、ごめんなさい。仲間じゃないなんて言って、ごめんなさい、ごめんなさい……!」

ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、
ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、
ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、

ああ、そうだった。あの時も、こんな風に泣いてたはずなのに。
「こなた、そりゃあこっちの台詞だ。仲間にごめんなさいなんて、二度も言わせるつもりはなかったのにな」
「二度、も?」
「……ああ」

正直、これは話すべきかと思ったが……伝えられるときに、伝えないと。
きっと、いつか後悔する。
120Classical名無しさん:07/11/09 01:30 ID:l899VEPs

121最初の過ちをどうか ◆CMd1jz6iP2 :07/11/09 01:31 ID:O/zs6jng
「仲間じゃないって、言われて……思い出したことがあるんだ」
「思い出した、こと?」
「俺は、大きな間違いを犯したんだ。仲間を信じなかった、仲間を……敵だと思い込んだ」

それは、この世界に来る前の話だ。
俺は、都会から田舎の雛見沢村に引っ越してきた。
そこで、魅音、レナ、沙都子、梨花ちゃん……大事な仲間が出来た。
でも、雛見沢村には、よそ者を嫌うその土地の神様であるオヤシロ様のタタリ
そう呼ばれる、不可解な殺人事件が何年も続いていた。
それを、レナは、魅音は……俺に隠していた。
「えっ、それって……気遣ってたんじゃないの?」
「ああ、そうだ。転校したての奴に、この村では殺人事件が横行してるなんて、どうして伝えないといけない?」

でも、俺は気付けなかった。
魅音は、その事件を裏で起こしているのではないかと言われる、園崎家の次期党首。
レナは、村を離れ、オヤシロ様のタタリにあったという、村に帰ってきた少女。
沙都子と梨花ちゃんの両親は、オヤシロ様のタタリの被害者……
そんな情報だけを聞いて、俺は……仲間の声を聞かなくなった。
そればかりか、俺自身がおかしくなった。
人の言葉を、自分の勝手な解釈をするようになり、ちょっと考えれば当然のことを
信じられない事だと恐れるようになった。
「狭い村で、俺がどこで何してたなんて、すぐわかるってのに……俺は村中が監視してるなんて思い込んだ」

風邪を引いたんだろうって、お見舞いに持ってきてくれたおはぎに、タバスコが入ってた。
それを、俺は舌の感じだけで、裁縫針が入ってたなんて、思い込んだ。
ちょっとした冗談だったのに。針なんて入ってるはずが無かったのに。
122最初の過ちをどうか ◆CMd1jz6iP2 :07/11/09 01:33 ID:O/zs6jng
様子がおかしい俺を心配して、家まで来てくれたレナを、怪我させて追い返した。
「大雨の中、外で俺を怒らせたと、ごめんなさいごめんなさいと
泣いて謝るレナを………俺は、不気味だと、恐ろしいと、そう思いやがった」 

沙都子の兄貴の、北条悟史って奴が、オヤシロ様のタタリで行方不明になっていた。
魅音たちの仲間で……去年まで、俺がいた場所にいた人間。
それを知って、みんなが俺を消そうとしてると思い込んで、金属バットを振り回して。
「隠し事をしたお前達は、仲間じゃない。そう言った」
それでも、皆は俺を心配して心配して……なのに

「俺を、本気で心配してくれたレナと魅音を……バットで殴り殺した」

唖然として聞いてるこなたとピッピの顔が、涙で見えなくなった。
「はは、何で泣いてんだ。自分から勝手に話しておいて、悪い」
信じられないはずだ。だって、レナも魅音も生きて参加してるんだから。
そもそも、ここに呼ばれる直前の俺の記憶でも、レナも魅音も生きている。
少なくとも、まだ誰もおかしくなっていない世界だったはずだ。

これは、二度と許されない所業。
この殺し合いに呼ばれたレナと魅音は、俺が殺した時間とは、きっと違う時間のレナと魅音だから。
誰も知るはずの無い、絶対に許されない罪……




「圭ちゃんを、許すよ」


123Classical名無しさん:07/11/09 01:34 ID:rUZ1CAJA
ししっしCCO
124Classical名無しさん:07/11/09 01:35 ID:l899VEPs
支援
125最初の過ちをどうか ◆CMd1jz6iP2 :07/11/09 01:35 ID:O/zs6jng
「こな、た?」

「慰めなんかじゃない。私は、それを「知ってる」よ、圭ちゃん」
そんなはずはない。だって、これは俺しか知りえない「ありえない別の世界」の話なのに?
「ごめん、でも……なんで知ってるのか、わからないんだ。
記憶がごちゃごちゃで、適当に言ってるようにしか聞こえないだろうけど……
私は知ってるよ。圭ちゃんが、それを、その世界で悔いることなく死んでいったことを、
どれほど悔いているのかを」
それは、俺しか知らない、別の世界の愚かな俺の心理
俺は、その世界で死んだことなんて言ってないのに、俺が身勝手な考えを抱いたまま
死んだことを、何故知っているのか。
いや、そんなことを、どうでもよかった。
ただ、こなたの言葉は真実なのだと思えた。

曖昧だと自分で言って、それでも、こなたは自信をもって

「私は、その事件の当事者でもない、ただ知っているだけ。
それでも、それが何よりも凄い奇跡だって、私にはわかる。
この言葉も、何もかも、ゲームか何かの借り物だけど
こんなオタクの私にも、圭ちゃんを許せる」

「……私を、信じて」
満面の笑顔で、俺の罪を、許してくれた。


ディパックから、ある物を取り出す。
かがみから託された、薬……雛見沢症候群治療薬。
「あ、まさか……」
きっと、そうなんだ。
これが、俺の狂った原因を治す薬。
手遅れだった俺を、救えたかもしれない薬。
あの時、俺は死んだけど、きっとこの日の為にチャンスを与えられたんだ。
126最初の過ちをどうか ◆CMd1jz6iP2 :07/11/09 01:36 ID:O/zs6jng
「詩音は助けられなかったけど、まだ魅音とレナと富竹さんがいる。
俺の記憶じゃ、富竹さんは、俺と同じ症状で死んでるはずなんだ」
三人の誰かが、俺のようにおかしくなっているかもしれない。
「こなた、許してくれてありがとう。おかげで、俺は……罪を滅ぼす決意が出来たよ」
俺の罪は、俺と同じことになってしまった人を救って、本当に滅ぼせると思う。

「俺に、どれだけのことができるかわからない。でも、俺は命を賭けて戦う」
狂った俺に、バットで殴られても、俺を救おうと死ぬまで俺を止めようとしたレナ。
俺を元気付けようとしてくれたのに、それを勘違いして殺してしまった魅音。
そして、俺を庇って死んだ……ピカチュウ。
三人は、命を賭けてくれた。なら……俺も賭けないでどうする。

「私も、賭けるよ」
こなた?
「今更間に合わないかもしれない。どこかで、血を流して死に掛けてるのかも
かがみを生き返らせるために、人を殺しちゃってるのかもわからない」
だけど、それでも助けたいと思うことが、全ての始まり。
「許されるなら、かがみんを、生き返らせたい。でも、それよりも……つかさを、助けないと」

「僕も、そう思います」
ピッピ……ピカチュウのほんやくコンニャクを食べたのか。
「このゲームに乗って、ピカチュウを生き返らせて、喜ぶはずが無い」

貴方は、他のみんなの死を引き換えに生き返ったなんて……嬉しいはずがない。
「それは……生き返らせた人しか喜ばないよ」

貴方を生き返らせるために、他の皆を殺しました。
大事な仲間も、貴方の妹も殺したけど大丈夫。
これから、生き返らせてあげるから。

それで、いったい誰が喜ぶ?
127最初の過ちをどうか ◆CMd1jz6iP2 :07/11/09 01:38 ID:O/zs6jng
「ああ。そんなことは……たとえ、本当に生き返らせることができるとしても」
「許されない、ね。どんな願いも叶える万能の力を求めた英雄達がいた。
でも、その求めた物は、悪意でしか願いを叶えられない不完全な力だった……
ま、ゲームの話だけどね。悪い奴の力なんて、そんな物なんじゃないかな」
その言葉は嘘だ。こなたが、仲間を生き返らせたいように、俺もその思いはある。

「決め付けるには、まだ早いぜ。本当にそんなことができるなら、奴らをぶっ潰してから奪ってやるって手もあるんだ。」
まだ、何も諦める必要はない。
奴らが神に等しい存在なら、その神通力だけ頂いてやればいい。

そこに、ピッピが、何かを持ってきた。
デジヴァイス……そういえば、これの追跡機能は?
「今見ても、映らないんです。遠すぎると、映らないのかな?」
「それを、私にくれるの?」
「ぜひ貰ってください。カガミも、同じもの持ってたじゃないですか」
「ありがとう、ピッピ……」
こなたが、ピッピからデジヴァイスを受け取る。

その瞬間、デジヴァイス震え始める。
「な、何?」
「何だ?」
「ええ、な、何?」
「ちょっとぉ、なんなのぉ?」
デジヴァイスから、発生した進化の光。
その光の向かった先は、弱っているコロネ。
「コ、コロネ!?」
コロネの体が、サナギのような生き物へと姿を変える。

そればかりではない、そのサナギにひびが入る。
そして、中から美しい蝶が生まれた。
128最初の過ちをどうか ◆CMd1jz6iP2 :07/11/09 01:41 ID:O/zs6jng
「に……二段階連続進化!?」
たしかに、そういう前例があるって聞いたことはある。
進化をキャンセルし続けたポケモンが、一気に進化するって話は。
苦しそうだったのは、進化を止めようとしていたから?
でも、それを後押しするどころか、一気にもう一段階進化するなんて……

「うわっ、凄いじゃんコロネ!断然強そうになったよ!」
だが、当のコロネは浮かない顔だ。
理由を聞いてみる……げ、マジで?

「なんか、コロネの本当のトレーナー。進化させない主義者らしいんです。
だから、進化したら帰っても捨てられるって、今まで進化を我慢してたらしいです」
ポケモンの進化キャンセルは、正規のポケモントレーナーにしか出来ない。
それを無理やり我慢するなんて、体に悪い影響しか与えない。

「ね、コロネ。私もコロネのトレーナーに事情を説明するよ。
それでも駄目だったらさ。コロネの面倒は、私が一生見てあげるよ」
どうやら、それで不安が無くなったらしい。コロネも元気に部屋を飛ぶ。
「かたくなるって防御アップ技と、ぎんいろのかぜって攻撃技が使えるようになったそうです」

へー、強くなったじゃんって言うコナタには悪いけど、実際はイマイチだ。
たいあたり、いとをはく、かたくなる、ぎんいろのかぜ
ぎんいろのかぜは、休まずに使える回数は多くないし、そこまで強くないようだ
まあ、ゆびをふる以外に攻撃手段の少ない僕の言えたことじゃないけど……
レベルが高くて、もう技を覚えられないバタフリーは、イマイチな能力だと思う。
わざマシンがあれば、問題ないのになぁ。

「ところで、そろそろ私も喋っていいかしらぁ?」
銀様はそろそろお怒りのご様子だった。
129Classical名無しさん:07/11/09 01:42 ID:hLr7FpYs
しえぇん!
130Classical名無しさん:07/11/09 01:42 ID:l899VEPs
銀様登場支援
長いと言っとけばよかった。ここで半分という悪夢

「わっ、なに!?」
こなたが、かなり驚いてる。
いきなり人形が動き出したら当然の反応だ。
実はデジヴァイス光ったときに喋ってたんだが。
「安心しろ、こなた。こいつは水銀燈、ゲームには乗ってないんだとさ」
「本当に?さっきのTASみたいに、嘘ついてない?」
「ほらねぇ、むしろそっちの子の方が、危なっかしくないわぁ」
ぐっ、たしかに、嘘って可能性も考えないと駄目なんだけどな。
「そんな酷い怪我してるんだ。俺たちに襲いかかって、無事には済まないだろ?」
「……まぁねぇ。それに、私も嘘はついてないもの。信じてほしいものねぇ」

家の中に運んだこなたを寝かせ、頭を冷やしてやろうとタオルを探した。
だが、見つけたそれは、血まみれだった。
どうやら、先客がいたらしい。
探せば他にあるだろうが、時間が惜しい。
「おっ、あのぬいぐるみならちょうどいいか」
犬っぽい生き物のぬいぐるみがある。
「これの綿を、なんとかタオル代わりに……あ?」
なんだろ、取れない。
隣の壊れかけてる人形に引っかかってるようだった。
「鋸か何かで切っちまうか」
それが失言だった。
「くんくんを切るなんて、ジャンクにするわよぉ!!」
「ぎゃああああああ!!呪いの人形ぉぉぉ!?」

その後、落ち着いて自己紹介してたうちに、こなたが起きたのだった。

「でも、中々やるじゃない。ジャンクみたいだったその子を、立ち直らせるなんて」
「仲間には、口先の魔術師なんて呼ばれててな。口なら誰にも負けないぜ」
あんまり威張れることじゃないけどな、と圭一は付け加える。
「……そんなこと無いわぁ」

圭一の言葉は、全て水銀燈も聞いていた。
夢の世界はnのフィールドの一部。
そこは完全に理解など出来ない場所だから、そういった不思議もありえる。
圭一の話を否定する要素は持ち合わせていなかった。
それに、その話を裏付ける事実を、知ってるのだから。
そして、圭一は言った。
罪は、滅ぼせると。

アリスになるため、私がしてきたことを博之は一蹴した。
姉妹で戦うなんて間違っていると、それではアリスになれないと。

それなら、間違っていた私は、その罪を滅ぼすことが出来るのか。

「罪を滅ぼすなんて、言える人間が、そんなにいるわけ無いじゃない」

あの真紅の眼鏡の人間の家に集まった姉妹達は、皆がそうだったのかもしれない。
真紅も、かつての自分が間違っていたと、アリスへの道を自分で探し始めた。
雛苺も、翠星石も蒼星石も……なんだったかしらぁ、カナブン?
全員が、それぞれの考えをもって、アリスゲームをやめようとしていた。
それは、偽者のお父様によって壊されてしまったけれど
それでもまた、あの家で、自分達の間違いを背負って生きている。

「私は、今まで自分の罪を認めないで生きてきたけれど」
それが、お父様の愛を手に入れる道ではなかったのならば
「今からでも、許してもらえるのかしらぁ?」
私の罪を滅ぼして、お父様に愛してもらえるのだろうか?

「俺は許してもらえる存在が、もういない」
それは、私も同じだ。
真紅はここにいるけれど、もう話すことも、謝ることもできない。
133Classical名無しさん:07/11/09 01:46 ID:l899VEPs
乳酸菌支援
「だから、俺は……同じ間違いを止めることで、罪を滅ぼす」
それなら、私にもできる。
「なら、私は……この殺し合いを止める。それが、私の罪滅しになりそうねぇ」
姉妹を憎んで、お父様の愛を得ようとアリスゲームを続けたことが罪ならば
同じ殺し合いを止めることが出来れば、その罪は滅ぼされるのだろう。
だが、そう決めたなら……私も、大事なことを話さなければ。

「さっき、悟史って言ってたわよねぇ?」
「あ、ああ。それが、どうした?」
「……園崎、詩音って名前に心当たりは?」
反応だけで、わかってしまった。
「なんで、その名前が出てくるんだ。水銀燈」
殺されるわけには、いかない。
でも、これを今言わなければ、きっと後悔する。

「私が、殺したわ」

場の温度が下がる。
血なんて流れてないのに、体が冷える感覚が襲ってくる。
さあ、怒りをぶつけるなら、いくらでも……そう思ったのに

「……詩音の奴は、どんな……様子だった?」
「……悟史くん、悟史くん。そう言ってたわぁ。
話に出てきた、貴方のように……正気ではなかったわねぇ?」
がっくりと、圭一がうなだれる。
「それじゃあ、危険な緑髪の女ってのは……?」
どうやら圭一は、おかしくなっていたことを感じていたようだ。
「どうするの?私を……ジャンクにする?」

「それはない、な」
あまりにもあっさりと、圭一は言った。
135Classical名無しさん:07/11/09 01:48 ID:rUZ1CAJA
固有結界随時発動中支援
136Classical名無しさん:07/11/09 01:49 ID:adO8I0xQ
「魅音って姉がいる。もし、魅音が水銀燈を恨むなら、俺が止めてみせる。
でも、俺が水銀燈を壊す理由は無いな」
「だって……大事な仲間なんでしょう?」

「ああ、そうだ。だから、水銀燈……俺は、お前を許せない」
許さないから、同じことを繰り返すなんて間違っている。
許してもらえないからって、狂うことも許されない。

過ちを犯したなら、許されずともしなければならないことは、決まっている。

「貴方の……仲間を殺してしまった。許してとは言わない。
償うわ、その姉にも、仲間にも……必ず」
「ああ……俺だって、完全に許せるほど、人間は出来てない。
でも、どうしようもなかったことは、俺が……一番知ってるんだ」
圭一は、泣いていた。
狂った世界を正せなかった自分の不甲斐無さを。

「お互い……楽な道を歩めばいいのに、物好きねぇ?」
「まったくもってその通りだな。まぁ、本質的にMなのかもなぁ?」
「あら、私はSだけどぉ?」
「ほほう、これは生でSMプレイを見るチャンス?」


あれ、何この流れ?さっきまでのシリアスはどこに?
俺の固有結界が消えていく!?
「お望みなら、特別にしてあげようかしらぁ?」
「う……ウッディーー!?」

銀様は、体の調子が悪いそうなので、なんとか助かった。
138Classical名無しさん:07/11/09 01:50 ID:rUZ1CAJA
おいおいおいK支援
まずは、食事を取ることにした。
何か冷蔵庫に無いか、と思ったが大した物はぐぶあ!?

ヤ ク ル ト !!
乳酸菌、取っれるぅ♪

さて、私の一人称のターンだね。
後は、ペットフードしかないや……え、ピッピたちのご飯なの?
どれ一口……こ、これは!?
激マズ!このポケモンフーズを作ったのは誰だぁ!
こ、これはチョココロネで中和しなくてわ……

交代、というか人間の口に合わないだけですよ。
僕に支給された食料は人間用だったから、これは嬉しいなぁ。
二日分くらいかな、コロネと分けて食べよう。
……カビゴンとかいたら、大変だよなぁ。
でも、人間用でも僕たち食べれるし、そういうのを用意してくれてもいいのに。

回復したから交代な。
クローゼットの中には、血まみれの女の子の着るような服が入っていた。
こなたでも着れそうに無いこれは、水銀燈が見たという、血まみれの幼女の物だろうという。
そんな子供まで、このゲームに乗っているのかと、状況はあのピエロの求める展開に進んでいるようだ。
水銀燈に着せる服を探したが、流石に人形サイズの服はなかった。
何か武器になるものを探したが、包丁とおたまくらいしか見つからなかった。
それぞれに、セイクウアライ、リリス・エルロンと刻印がされている。
それなりに高価なものなのだろうが、武器としては不安が残る。

それと……ま た フ ラ イ パ ン か。
いや、フライパンがあるのは普通なんだが、さっきまで持ってたのと同じ奴だ。
つまり、日用品は支給されずともあるということで……
なんとも酷い支給品だったんだなと、今更ながら悲しくなってきた。
140Classical名無しさん:07/11/09 01:53 ID:Wgbubl/Y
K1羨ましえん
「圭ちゃん、二人で大丈夫?危ない奴らもウロウロしているらしいけど」
圭一は、ノコギリと包丁を持って、出発の準備をしていた。
「初めから決めてたことだし……水銀燈の体を治す薬も、どこかで見つけないといけないからな」
「っだだだだ大丈夫!僕もケーイチが守ってみせたです!」
「色々めちゃくちゃだぞ、ピッピ……
こなた、お前も気をつけてな。いざとなったら、水銀燈と逃げるんだぞ」
俺たちは、この辺りをうろつくゲームに乗った人間について、仲間について以外に
恐るべき情報を聞いてしまった。

TASなんて名前は、呼ばれていない。
死亡者の後半を聞いていなかった俺たちは、TASは死んだものと思い込んでいた。
だが、TASは偽名か、もしくは生きているのか。
偽名ならともかく、生きているなら危険すぎる。
町に向かったのを知っている以上、こちらに来るかもしれない。
「任せてよ、コロネの力を借りれば、きっとなんとかなるって」
「私は誇り高きローゼンメイデン。足手まといになるくらいなら……」
「なあに、ついでに塔の様子も見てくる。そのとき、一人で置いてきたなんて言ったら、印象悪いだろ?」
もちろん、単なる方便だ。
それは水銀燈にもわかったが、実際この体は動きが取れない。
動けるようになるまでは、圭一の言葉に甘えるしかない。
「それで、ピッピ。これみたいな実が薬になるんだな?」
「あ、そうです。これはモモンの実って言って毒を中和する実で
こっちはオボンの実って言う、体力を少し回復できる実です」

花壇に生えている実を見て、ピッピは自分達の世界にある特別な実だと言った。
この二種類が5個ずつしか手に入らなかったが、他にもマヒを治す実などがあるという。
話によると、水銀燈を襲ったポケモンの技の影響で、体が動かないそうだ。
それならば、ポケモンの食べるこれらの実も、効くはずだとピッピは言う。
ためしに、オボンの実を食ってみると、味こそ合わないが元気が出てきた。
どこかにあるかもしれない、マヒを治すクラボの実と、何でも治すラムの実。
薬の他にも、色々あるかもしれない木の実も一緒に探すことにする。
ピッピと話せなくなる前に、大体の実の特徴と効果を聞いて、書きとめておく。

よし、状況整理だ。
こなたと水銀燈は、生きてるはずのゴマモンと真、スパイダーマンとロックマンの仲間たち、それに水銀燈の仲間が来たところで塔へ。
水銀燈と仲間は、西の城にいくつもりらしいが、それは話し合いでどうするか決められるだろう。
しかし、問題は塔が今、安全かどうか。
それは、俺とピッピが確かめに行く。
最悪戦闘中なら、なんとか水銀燈の仲間も助けたい。
その後、町を探索して、役立つものと、このゲームを潰す意志を持つ仲間を探す。
それで、ある程度見て回ったら、塔に戻る。

「議長、どっちも時間を決めておくべきだと思いますがッ!」
こなたも、随分調子が戻ってきたらしい。
「そうだな。どうせ日が沈んだら探索も出来ない。
どんなに遅くても、日没……そう、次の放送の前後までに集合しよう」
考えたくないが、待ち人が死んだとわかったら、待つ必要は無いからな。
殺人鬼がウロウロしてる以上、この通りうまく行くとは限らない。
緑髪の女は、詩音の可能性が高い。もし、魅音なら……俺が止めてみせる。

他にも、刀を持った男、大鋏を持った女の子、銃を持った凶悪なポケモン使いなど
かなりのゲームに乗った人間がいるらしい。
ポケモン使いは、ピッピが見た人殺しのトレーナーらしい。

願うことなら、これ以上の犠牲は出したくない。
だが、たとえそれが無理だとしても、俺たちは進んでいくしかない。
あいつらの、絶対の運命を打ち破るためにも。

俺たちは足掻く、俺たちは運命を覆す。俺たちは、未来を掴む。
それが、どんなに絶望的なデス・マーチでも、俺たちは、進むしかない。
143Classical名無しさん:07/11/09 01:58 ID:rUZ1CAJA
んもうCCO
【E-4 民家外/一日目・日中】
【前原圭一@ひぐらしのなく頃に】
[状態]:全身に軽い裂傷、胸骨にひび、腹部強打、強い決意、口先の魔術師
[装備]:ゼットソーハードインパルス@現実、包丁@フタエノキワミ アッー!(るろうに剣心 英語版)
[道具]:支給品一式*2(一食分消費)、雛見沢症候群治療セット1日分(C-120、注射器、注射針)@ひぐらしのなく頃に、テニスボール、オミトロン@現実?
モモンの実@ポケットモンスター
[思考・状況]
1.マーダーに気をつけながら、町を探索する。
2.薬、木の実、対主催思考の仲間を探す(出来れば雛見沢の仲間優先)
3.放送前後までに、塔に戻る。
4.仲間がおかしくなっているなら、命を賭けても戻してみせる。
5.人は殺さない
6.ゲームの破壊
※チョココロネはこなたに食べられました。
※包丁の切れ味は逆刃刀(刃側)に匹敵します。でも包丁なのでリーチに不安があります。

【ピッピ@ポケットモンスター(ピッピのゆびをふるのみで殿堂入りを目指す)】
[状態]:強い決意、二時間会話可能。
[装備]:リーフシールド@ロックマン2(技マシン的な使い方でポケモンは使える)
[道具]:支給品一式、ほんやくコンニャク(1/2)(半分で八時間)@ドラえもん、
五寸釘@現実、モモンの実@ポケットモンスター、オボンの実@ポケットモンスター
ポケモンフーズ一日分(一食分消費)@ポケットモンスター
[思考・状況]
1.もう逃げない。仲間のことは絶対に守る。
2.圭一と街に向かい、薬や仲間を探す
3.あのポケモントレーナーと会っても、今度は逃げないぞ。
4.あの怪しいポケモンとトレーナーを倒し脱出
※首輪は頭の巻き髪についてます
※ピッピは、はたく、うたう、おうふくビンタを使えることを思い出しました。
ただし、まったく使ってこなかったため、かなり信用に欠けます。
「コロネ、いとをはく!」
バタフリーになったコロネは、変わらず口から糸を吐き出す。
「良かった。これって結構役立ちそうだから、使えてよかったよ」
「……で、これってなんなのかしらぁ?」
いとをはくの命中先にいる水銀燈が文句を言う。ヤクルトを飲みながら。
「その上着の下、裸じゃん?やっぱりここは隠さないと、恥ずかしいでしょ?」
「それはそうだけどぉ……これって、逆にエロいんじゃないかしらぁ?」
水銀燈の胸など、隠すべきところが糸で巻かれている。
「これがいいんだよ。男物の上着に包帯少女……くぅ〜、萌えるよね!」
「糸でしょ、これ。まあいいわぁ……それより、こなた?」
「ん、何?」
「圭一のことを知らないのに、圭一の過去を知ってたみたいだけど
それなら、私のことも知っていたりするのぉ?」
「んーん、全然。どこかで見たかなってのはあるんだけど、似た人形を見ただけかもしれないし」

だがが、水銀燈はこなたが忘れているだけなのではと考えた。くんくんを抱きながら。
(もしそうなら、何故?あいつらに記憶を消されたのかしらぁ?)
夢の中を覗けば、もしかしたらわかるかもしれない。
だが、それは少し難しい。すぐにできることではないだろう。
「その蝶々に見張りは任せて、少し休んだら?棚に漫画もあったみたいだけどぉ?」
やはり少し疲れが見える。リラックスすれば何か思い出すかもしれない。
バタフリーも任せろと、外の屋根から周囲を見渡しに出て行く。
「ありがとね、二人とも」
こなたは棚の本に手を伸ばす。
漫画っぽい表紙のそれを手に取る。
「なにこれ、フタエノ極意書?」
「漫画じゃなかったかしらぁ?」
「ううん、漫画形式だよ。フタエノキワミって極意が書いてるみたい」
へー、これは凄いなあ。
でもなんだろ、漫画の主人公……どのコマでもアーッってうめいて倒れてるなぁ。
「ホントに強いのかな?面白そうだし、ちょっと読んで覚えてみようかな」
【E-4 民家/一日目・日中】
【泉こなた@らき☆すた】
[状態]:顔面強打、右腕打撲、腹部強打、軽い疲労、強い決意
[装備]:おたま@TOD、団長腕章@涼宮ハルヒの憂鬱、フタエノ極意書@ニコニコRPG
[道具]:支給品一式*2、DMカード(ブラック・マジシャン・ガール、ホーリーエルフの祝福)@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ(現在使用不可)、カワサキのフライパン@星のカービィ
デジヴァイス@デジモンアドベンチャー、コロネ(バタフリー)@キャタピーだけでクリアに挑戦(残り100%)、テニスボール テレパしい@ドラえもん(残り3粒、初音ミク@現実
モモンの実*3@ポケットモンスター、オボンの実*3@ポケットモンスター
ポケモンフーズ一日分(一食分消費)@ポケットモンスター
[思考・状況]
1.つかさを助けたい。
2.家で塔に来る仲間を待つ。
3.放送前後になったら、集まらなくても塔に。
4.フタエノキワミを覚えよう。
5.バトルロワイアルから脱出する
※圭一の言葉から「ひぐらしのなく頃に」の記憶が僅かに戻りました。
なぜ知っているのかも、これ以上詳しいことを思い出すことも不可能です。
※おたまは、普通のおたまより丈夫です。やはりリーチなどに不安があります。
※全ての家にある包丁とおたま等が、特殊な品ではありません。
147Classical名無しさん:07/11/09 02:05 ID:JLuOejws
支援パウダー
【水銀燈@ローゼンメイデン】
[状態]:まひ、右腕欠損、腹部強打、強い決意、包帯人形、男物の上着、ジャンク、幸せ
[装備]:真紅のローザミスティカ@ローゼンメイデン(真紅の技が使えます)
[道具]:三幻神@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ(ラーのみ使用可だが遊戯、海馬などのみ)
オレイカルコスの結界@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ (24時間使用不可)
ヴェルタースオリジナル@ヴェル☆オリ、くんくん人形@ローゼンメイデン、ヤクルト(残り6本)@乳酸菌推進委員会
[思考・状況]
永井博之と契約
1.博之の帰りを待つ。
2.『アリス』の捜索の為にどこに行くかを、今後来る人たちとも話し合う。
3.ゲームに乗っていそうな人間達に警戒。
4.ピエモンを殺す。その仲間も殺す。
5.仲間を探して、脱出する。役に立たないなら別行動してもらいたい。
6. 殺した詩音の姉への償いをする。
7.ピエロの思惑に乗りたくないから、できるだけ人は殺さない。
8.襲ってきた奴とは戦う。殺すのも仕方ない。
9.少女の持っていた鋏に見覚えあり。
10.くんくんと乳酸菌に囲まれて幸せ。
[備考]
ピエモンが自分の世界で何かしていたということがわかりました。
マヒの回復が時間により可能かは不明です。

※コロネの詳細
コロネがいとをはくを覚えていた最終レベル46からの参戦。
進化してバタフリーになり、かたくなる、とぎんいろのかぜを覚えました。
これ以降、レベルアップで技は覚えません。

※フタエノ極意書@ニコニコRPG
読めばフタエノキワミが使えるという書物。漫画形式なのはオリジナル設定。
格闘家の素質を持った人間にしか理解できません。
※ピカチュウ、千早、リョーマはD-4に埋葬しました。
149 ◆CMd1jz6iP2 :07/11/09 02:09 ID:O/zs6jng
以上で投下終了です。
例の如く長いです、主に文章が下手な茄子茸みたいに。

修正文

いいや、違うね。
終わらせることは簡単さだ。 →終わらせることは簡単だ。
150Classical名無しさん:07/11/09 02:10 ID:Fig.O9U2
151 ◆irB6rw04uk :07/11/09 02:17 ID:rUZ1CAJA
どうしようか…予約は何時までだったかな?
長い話を書いてしまった…
152Classical名無しさん:07/11/09 02:23 ID:adO8I0xQ
投下乙!
なるほど。様々な人の記憶が蘇ってきてるわけか……。
それと、頑張って進化キャンセルしてるキャタピーが、なんかかわいい。

でも、少し視点が移動しすぎな感じが……。
読めないわけじゃないが、若干混乱する。
153 ◆CMd1jz6iP2 :07/11/09 02:28 ID:O/zs6jng
時間があれば、文章の再構成をしてみようと思います。

明日の夜が予約期間、延長も可能。
154Classical名無しさん:07/11/09 02:42 ID:JLuOejws
すでに今日の夜です<予約期間
155 ◆irB6rw04uk :07/11/09 02:53 ID:rUZ1CAJA
と…取り敢えず明日の夜までには完成させます。
156Classical名無しさん:07/11/09 08:32 ID:tZQ0LwsU
投下乙。
進化キャンセルで二段階進化とはなんというイエローのキャタピー……。
こなたもなんとか立ち直ったし、Kも仲間に告白をしたし言う事なしだ。
それにしてもこの水銀燈、優しすぎである。

GJ。
157Classical名無しさん:07/11/09 09:56 ID:l899VEPs
投下乙
やっぱK1の罪の告白は心に来ますなぁ
こなたも正気に戻ってくれて本当によかった
そしてコロネがバタフリーに進化したか
まさに進化のバーゲンセールだな


あと確か町にはレナがいたんだよな
果たしてK1は祟り殺しの運命を乗り越えられるのか
158Classical名無しさん:07/11/09 09:58 ID:.lz3ffp6
くんくんktkr! 真紅がいればこれはこれで修羅場になってたなぁ…
159Classical名無しさん:07/11/09 09:59 ID:tZQ0LwsU
進化のバーゲンセール吹いたw確かにそうだなww
160Classical名無しさん:07/11/09 10:03 ID:FSoKH.Zs
投下GJ!
やー、やっぱ覚醒Kはかっこいいな。
流石口先の魔術師は伊達じゃないぜ!

今のK(注射付き)なら原作通りにL4のレナを正気に戻せるかもな。
161Classical名無しさん:07/11/09 11:14 ID:PX7XXiwU
投下乙

「圭ちゃんを、許すよ」が「圭ちゃんを、殺すよ」
に見えてびびったw
162Classical名無しさん:07/11/09 14:11 ID:tZQ0LwsU
つーか今更気付いたが、町は未だにやばいんだな。
Kが塔に向かっているが同じようにレナも向かっていて、しかもレナはKを完璧に宇宙人だと思ってる。
キョンの妹もひろくんとティアナを敵視していてひろくんは現在目が見えないから……。

まだまだ波乱含みだな。
163Classical名無しさん:07/11/09 14:46 ID:hM01LkjU
特殊なアイテムって支給品以外で出してもいいんだろうか
・・・・別にいいか。

ちょっとだけきのみ説明
モモンの実 大きさ4.0cm 中身は空っぽだがとても甘くて美味しいらしい 見た目は色違いの桃
オボンの実 大きさ9.5cm とてもかたい、だそうな。味はまろやか。見た目は色違いのザボン
クラボの実 大きさ2.0cm 味:ウニョラー!  見た目はさくらんぼ
ラムの実  大きさ3.4cm 見た目に反してとてつもなくかたいよ! 形はプラム。
164Classical名無しさん:07/11/09 14:55 ID:JLuOejws
ハッシーとか薬出たからな。あんまり酷いと思う人が多いなら、修正してもらおうよ。
165Classical名無しさん:07/11/09 15:01 ID:tZQ0LwsU
俺は別に構わないと思うけどな、十分現地調達レベル。
流石に銃器や剣なんかをいきなり入手したら物言いだけど。
166Classical名無しさん:07/11/09 16:08 ID:.lz3ffp6
?ブロックが空中に浮いてて、それを叩いたらPスイッチやキノコが出るってのはどうよ。
167Classical名無しさん:07/11/09 16:17 ID:tZQ0LwsU
それはむしろ孔明ブロックにしてもらいたい。
168Classical名無しさん:07/11/09 16:59 ID:x4BHRuis
談話で友人とKASの死亡フラグ立てるなよお前らw
169Classical名無しさん:07/11/09 17:22 ID:DSCqcpLo
ここはだなぁ、TASさんに一度孔明の恐怖を味合わせるという手も(ry
170Classical名無しさん:07/11/09 17:27 ID:oogKwYTY
そういえばTASって改造マリオで孔明を利用して近道とかしてなかったっけ
171Classical名無しさん:07/11/09 17:30 ID:tZQ0LwsU
孔明をも利用するのがTASさん
172 ◆OZbjG1JuJM :07/11/09 19:39 ID:QfurZ2L6
投下いきまっせです
 前門の触手、肛門……じゃなくて後門のいい男。
 普通であれば危惧すべき状況かもしれないが、俺にとってはむしろ夢のような状況だ。

 とはいえよく考えたらやっぱり少し面倒な状況だな。
 素晴らしそうなあのマリンデビモン君はメインディッシュを取っておくように最後に残して起きたいがあのヤル気ではどうやら最

初の食事にせざるを得なさそうだ。
 そして背後の二人のいい男もまたヤル気だ。このまま4Pと洒落込めるなら良いのだが、流石の俺でもこのメンバーでは複数

人プレイは少々難がありそうだということは分かる。道下が生きていればあるいは上手くいったかもしれんのだがな。残念だ。

 とはいえ一人一人頂いていくというのだって嫌いじゃない。時間を掛けることになるがまあそこの所はご愛嬌だ。萃香ちゃんを

待たせてしまうことになるがまあ仕方あるまい。
 となれば後ろの正義に燃えてそうな二人には悪いが暫く観戦モードに移って貰うか。彼らがこの触手君に興味を持ってたすれ

ば、そこは喜んで共同戦線(性的な意味で)を申し込みたいとこなのだがな。
 
「お前らは少し下がってて欲しい。これは俺の闘いなんでな」
「だから何を……! それでお主が死んだら元もこもないではないか!」
 なおも重装備のいい男は食い下がらない。仕方ないが、手荒な手段に出るしかないか?
 と思いきや、仮面のいい男が重装備の男を手で制した。

「俺は彼の誇りを尊重したいと思う」
「しかしじゃな……」
 すると仮面のいい男は先ほどイッカクモン君を掘ったあたりを指差す。どうやら誰かが死んでいるらしい。
 大方あの少女だろう。ということは彼らさえ納得してくれれば俺の時間を邪魔する無粋な輩はいないとういうことになる。
 殺ったのがあのマリンデビモン君だとすればいい仕事してくれるじゃないの。ますます気に入ったぜ。
「……なるほど、そういうことか」
 納得してくれたか? しかしどういうことなのだろうか。
「しかし、本当に彼一人で……」
「そこんとこは心配ない。相手もヨロヨロだしな。むしろ邪魔しない方がお前らの身の為だと思うが」
「……分かった」
 萃香ちゃんの後押しもあってとうとう重装備のいい男は引き下がった。

「だが、もしお前が本当に危険だと判断すれば横入りも辞さないつもりだ」
 そして仮面のいい男もそれだけ言い残すと二人揃って萃香ちゃんの方へ退いていく。

 安心してくれよ。俺だって3R、4R目を逃すほどぼんやりしちゃあいないさ。
 そろそろマリンデビモン君も痺れを切らしていることだろう。


「お喋りはもう済んだか」
「おう。待たせてすまないな」

 そして丁度忘れ掛けてたあの放送が始まった瞬間、二つの触手が動き始めた。
 内容は後で萃香ちゃん達に聞くとしよう。それじゃ、楽しませてくれよ! 性的な意味で!

 ◇


 やけに不気味な声が耳につく。
 一体誰だろう。あの恐ろしい男とは違う……どこかで聞いた声……
「目を覚ましたようだな」
 誰か男の人の声が聞こえる。ああ、っていう女の子の声も聞こえる。
 ……あれ? 私、どうしてこんなところで……

 確か……ゴマモンとかがみと……
 二人組みを見つけて……それで……男に違いないと言われ……ひどいことされて……?
「な……! あいつは何をしとるんじゃ!?」
 こんどはさっきとは違う男の声。何故かおじいさんのような口調だ。
「いいから黙って見てな。優勢なんだし、今更割って入ったら今度はお前らがああなる。別にあれが仲間って訳でもないんだろう

?」
 男の狼狽ぶりに反して女の子の声は冷静だ。

 ぼんやりと視界が広がってくる。最初に目についたのは変な角を生やした、阿部と一緒にいた女の子。
 さっきの声はこの子の……ということは、私……あの連中に捕まって……

 何かの雄叫びが聞こえる……どこかで聞いた声……
 少し低くなってる気もするけど、もしかしてゴマモン?
 思わず飛び上がって周囲を見渡して。


 それで、何て言ったらいいのだろう。後悔なのか、それとも……絶望?


「オオオオオオオオオオオ!!!!!」
「お、ウホッ! いいシマリ……出来るだけ暴れない方がいいぞ、ただでさえ元からヨロヨロだったんだからな」


 ゴマモンの声をした人が、あの男に汚されてた。
 その向こうで、かがみが血まみれになって倒れていた。

「あっ………あ………あ……」
 
 うまく、声にならない。

「やっぱりもいちど無理矢理気絶させた方がよかったかな」
「何を悠長なことを言ってるんだ! 早くその娘の目を……」

「やだあああああああああ!!! やめてえええええええええええ!!!!!」

 そして、状況も今の姿も全部忘れて駆け出していた。
「ふう……なんだかテンションが上がってきたぜ……まだまだ数ラウンドは行けそ……おっと」
 闇雲に振り回していた腕が容易く阿部に止められた。
「威勢が良いのは良いが……あまり人の楽しみを邪魔しない方がいい」
 許せない、ゴマモンにあんなことをして、そして、きっとかがみを殺したのもこいつ──

「阿部ー! そいつは殺すなよ! せいぜい気絶に止めておけ!」
 向こうから聞こえる声ももう耳に入らない。胸の中に渦巻く黒い気持ちが強い力で握られた腕の痛みをも忘れさせてくれる。

「うーむ……しかしもったいない。誰か自己暗示か催眠でも使えないか?」
「は?」

 阿部の意識が逸れてるうちに一歩でも多くゴマモンに駆け寄る。
 まだ、息はある。ほとんど瀕死だけど……
 一体何が、どうしてこんなことになったんだ、何で……
 
「本当に、前さえ見なければ年少の男の子にしか見えないんだよな。くそう、せめてこれで性別不詳ならな……」
「本当に悔しそうだな……」
「ちょっと待て! お前ら何を言ってるんじゃ!」

 ゴマモンの憎憎しげな瞳が開かれ、私でも阿部でもなく、もっと後ろの方を見て。
 そして、ぽつりと呟くのが聞こえた。


「……騙し……た……かが……み……」


 その言葉で、一瞬にして目の前が真っ暗になった。
 騙したって? あの子が騙したって?
 じゃあ、あの子と一緒に行くよう仕向けた圭一達も?

 もしかして……こなたちゃんも……?

 そう感じたその瞬間から、さっきの比ではないくらいの黒い感情が湧きあがってくた。もう止められないと何となく感じた。

 何で、何で私達だけこんな酷い目に合わなきゃならないんだろう。
 私達だけが騙されて、あんなことをされて。それなのに阿部は暢気に仲間と話している。
 私達がどうなろうが知ったことではないという風に。
 自分さえよければそれでいいかのように。

 何で、何で、何で、何で私達だけ? 
 許せない、許せない、あんなことをした阿部もその仲間もゴマモンを騙したかがみとその仲間も 
 
 私達だけがこんな目に合うのなら、生きたまま弄ばれて死んでいくのならいっそ──




 阿部と萃香は気付いていなかった。地に伏す二人の感情に。
 ストーム1とスパイダーマンは動けなかった。悪びれもせず会話をする二人に呆然として。
 
 真は気付いていなかった。既に自分の考えが殆ど要領を得てないことに。既に、自分がおかしくなっていることに。 
 マリンデビモンは気付いていなかった。いつの間にか、かがみの元にあったはずのデジヴァイスが目の前にあったことに。
 そのデジヴァイスが形を変え、黒い色を貼り付けていることに。

 誰も気付いていなかった。真とマリンデビモンに渦巻く感情が、既に生ける者全てへが対象となった『嫉妬』が一致したことに。



 イッカクモンの姿を変えた時よりも禍々しい暗闇が二人の体を包んだ時には、完全に遅かった。
179Classical名無しさん:07/11/09 19:51 ID:PX7XXiwU
支援?
180Classical名無しさん:07/11/09 19:52 ID:tZQ0LwsU
支援
「これは……!」
 先ほどまでマリンデビモンとが倒れていた場所に現れた、背中に真を乗せた巨大な鰐の怪物を見て、阿部は歓喜の声を漏らし

た。
 見かけによらず何てファイトのある動物なのだろうと。二回やってもまだ飽きたらないのかと。
「いいぜ……やっぱり男は度胸! お前がここまでガッツのある男とは思っても見なかったぜ」
 わきわきと手を握り、満面の笑みを浮かべて巨大鰐に向かう。

 恐らく、ここまでテンションさえ高くなければ流石の阿部でもこの状況は悪いことを理解し、考え無しに突っ込むということはしな

かったかもしれない。
 それでなくとも、鰐の見下すような冷たい視線に気付かないはずがなかったのだ。
「いかん! すぱいだーまッ!!」
「分かってる!」

 ストーム1とスパイダーマンが駆け出すのをまるで見計らったかのように、鰐の長大な尾『カウダ』が完全に掘ることに意識を集

中させていた阿部を薙ぎ払った。
 そのまま彼は、まるでホームランボールのように血飛沫を残して遥か遠くへと消えていく。


 最悪だ、とストーム1は考えた。真に野放しにするべきでなかったのがあっちの男だったにせよ、この怪物をあの人型の段階で

止めるべきだったのだ。
 そしてスパイダーマンは別な形で最悪を感じ取っていた。
 巨大な鰐の背中に立ち自分達を見下ろす少年。その壊れた笑みに、今まで対峙したどんな敵よりも強い恐怖を感じとっていた。


「「あはははははははは!!!!」」
【B-2 橋の手前/一日目・日中】

【ゴマモン(リヴァイアモン)@デジモンアドベンチャー】
[状態]:強い憎悪と嫉妬
[装備]:なし
[道具]:支給品一式*2
、ピーピーマックス*2@ポケットモンスター、ニューナンブ(弾数5/5)@現実、暗黒のデジヴァイス(02仕様)@デジモンアドベンチャー
光の護封剣@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ(現在使用不可)、琴姫の髪、テニスボール、不明支給品0〜1個(武器はなかっ

たものと思われる)
[思考・状況]
1. 真と皆殺し

※真と最悪のタイミングで感情がシンクロした結果、進化しました。彼女と行動を共にすることで力を維持できるようです。
大ダメージを受けると幼年期に戻ってしまう可能性がありますが、時間を置けば成長期からワープ進化ができます
※かがみが持っていたデジヴァイスの中には誠実の紋章が入っていますが、何故入っていたのかは不明
※第二放送を聞き逃しました


【菊地真@THE IDOLM@STER】
[状態]:精神崩壊、全ての生物に対する嫉妬、全裸
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考・状況]
1.ゴマモンと全てをぶち壊す
※ゴマモンの暗黒進化の影響を受けました
※第二放送を聞き逃しました
【スパイダーマン@東映版スパイダーマン】
[状態]:健康。鉄十字団を倒し終えていない状態。英雄の代理人。阿部に対する恐怖?(gthm的な意味で)
[装備]:サテライト30@真赤な誓い
[道具]:支給品一式、DIGIZO HYPER PSR(残り二十分程度)@現実、上海人形、花粉防止用マスク、テニスボール3
[思考・状況]
1.目の前の鰐の怪物に対処。壊れてしまった真を何とかする。
2.ストーム1と協力する
3.英雄の遺志を継ぎ、可能な限り誰も死なせない。
4.その後、昼過ぎまでにいさじ達を迎えに行く。
5.YOKODUNAを探して、止める。
6.夕方に仲間と塔で待ち合わせ。
7.場合によっては、探索を諦め仲間の保護を優先。


【ストーム1@おじいちゃんの地球防衛軍】
[状態]:健康、阿部に対する恐怖?(gthm的な意味で)
[装備]:ウィンチェスター M1895/Winchester M1895(狙撃銃、残弾2)@現実、予備弾丸20発
    無限刃@るろうに剣心(フタエノキワミ アッー!)、トカレフTT-33(6/8)
[道具]:支給品一式、きしめん@Nursery Rhyme、たいやき@ポケモン金コイキングだけでクリアに挑戦
[思考・状況]
基本:異星人を撃退じゃあ。
1.目の前の化け物を撃退。
2.すぱいだーまっ!と協力する。
3.雪山で遭難している人がいないか見に行く。
4.地球防衛軍として地球を守る
184Classical名無しさん:07/11/09 19:54 ID:PX7XXiwU
もいっちょ支援
 鰐の怪獣が阿部を吹っ飛ばすやいなや、萃香はさっさと彼の吹っ飛んだ方向へと走って行った。
 別にあのくらいでも倒せないことはなさそうだけど、かといって命を賭けてまでやるかというと別問題と考えたわけで。
「どうせ阿部もあのくらいじゃ死んでなさそうだし。もし最後の最後まであれが残ってたらつるぺたの方だけ助けてやるか」


 実際、阿部はここまでされて死んでいなかった。
 右腕が折れ、頭から血を流してなお、気絶だけで済んでいたのだった。
 目を覚ました彼がリベンジに挑むかは……今の所、定かではない。

【B-3 草原/一日目・日中】

【阿部高和@くそみそテクニック】
[状態]:右腕骨折、頭部打撲、全身打撲、体力中回復、ハイテンション(まだまだヤる気)
[装備]:時計型麻酔銃(現在針は装着されていません。予備針残り1本)@名探偵コナン
[道具]:支給品一式*2(食料、水一食分消費)、ノートパソコン(バッテリーほぼ消耗)@現実、E缶@ロックマンシリーズ、津田英治

ブロマイド(音声付き)@大変な途中下車シリーズ
[思考・状況]
1.(気絶)
2.ウホッ! いい巨大鰐……
3.ネット環境を確保するため、町を目指す
4.強い、いい男を食う。死ななかったらお持ち帰り
5.弱い、いい男を(多分)保護。参加者が減り、成長したら食う
6.ソウルフレンド萃香と協力
7.萃香の獲物には手を出さない。(非常時は別)
8.見つかれば主催者でも食っちまうんだぜ

※阿部の装備(AK74(17/30)@現実、予備弾薬各100発@現実、傘@現実)
と道具(支給品一式*2(食料、水一食分消費)、ノートパソコン(バッテリーほぼ消耗)@現実、E缶@ロックマンシリーズ、津田英治

ブロマイド(音声付き)@大変な途中下車シリーズ)は彼が吹っ飛ばされた場所にそのまま残っています
※第二放送を聞き逃しました
【伊吹萃香@東方Project(つるぺったん)】
[状態]:全身に中度の怪我、体力中回復、妖力微回復、魔力0(両方回復中)、開き直り、酒乱幼女リリカルすいか
[装備]:ミニ八卦炉@東方project
[道具]:支給品一式*4(食料、水六食分消費)、秘密の鍵@スーパーマリオワールド、E缶@ロックマンシリーズ
支給品一式(0〜2)、A.C.E.3@現実(少し詩音の血がついている)、DMカード(エネミーコントローラー、融合)
[思考・状況]
1.とりあえず吹っ飛んだ阿部を追いかける。死んでたらどうしよう。
2.あの鰐は別の奴に始末して貰う。仕方ないので真は諦める。
3.つるぺた保護。強そうなつるぺたなら戦うか考える。
4.巨乳死すべし。
5.ソウルフレンド阿部と協力
6.せっかくなので腕試し。主催者と戦いたい
7.貧乳はステータスだ!希少価値だ!
8.そろそろ酒を飲みたい

※真の服はB-2に放置されています


199 : ◆OZbjG1JuJM:2007/11/09(金) 19:50:31 ID:JycxpRWg
【リヴァイアモン解説】
究極体:魔王型:ウィルス
デジタルワールドすら呑みこむと言われる程の巨大な顎を持つ長大な赤い鰐のような怪物。
一度目覚めさせれば、頂点に位置する如何なるデジモンをも見下し、
他の魔王型デジモンはおろか天使型デジモンでさえ恐れ逃げ出すと言われている。
必殺技は、巨大な顎『ロストルム』で全てを破壊し、長大な尾『カウダ』で全てを薙ぎ払う。
投下終了です。
剥かれ+仲間のガチホモ目撃+かがみ死亡+誤解の四連コンボをつめたらこんな結果に。
ちなみに実際の七大魔王としてのリヴァイアモンほど強くはないです。
188Classical名無しさん:07/11/09 20:02 ID:PX7XXiwU
投下乙!
ゴマモンついに究極体まで進化したか……
シリアスな展開なんだろうが、事の発端を考えると
どうしても笑いがこみ上げて来る
欝展開なのに欝に見えねえよw
189Classical名無しさん:07/11/09 20:06 ID:tZQ0LwsU
投下乙!
なんという超進化……というか黒真とは新しい。
これは展開がwktk
190Classical名無しさん:07/11/09 20:18 ID:.lz3ffp6
投下乙!
ゴマモンはこれで死んだら面白くないな〜って思ってたから正直嬉しい。
gthmに魔法巨乳少女との対決時以上の危機が迫る!
191Classical名無しさん:07/11/09 20:25 ID:x4BHRuis
乙!
あらゆるオスに反応する阿部さんはもはや都市伝説レベルだなw
その内無機物も喰っちまうかもしれないな、岩男的な意味で
192Classical名無しさん:07/11/09 20:39 ID:MIq23vz2
投下乙。
これは……なんという超展開。
ゴマモンはまたまた進化するし、真は闇化するし。
本当になにもかも狂ってしまったな。
ここまで引っ掻き回した阿部さんのgthmパワー、恐るべし。

それにしても、改行の位置おかしくない?
193Classical名無しさん:07/11/09 20:59 ID:kyHbpsPo

安部さん、あんた本当にギャグ漫画(?)のキャラかWWW
強え━━━!!
194Classical名無しさん:07/11/09 21:09 ID:C2Z3gWkU

真が狂ったりするのはいいんだけど
何か明確なエネルギーを手に入れたりしてないと
さすがに究極体は進化しすぎ
それと、進化したらもう戻れなかったはず
195Classical名無しさん:07/11/09 21:11 ID:X9u5mwoQ
乙です。
ついにリヴァイアモンにまで進化したか・・・
196Classical名無しさん:07/11/09 21:36 ID:7aBR/uUY

カオスwwwwwwww
この発端がアッー!なのがなんとも言えない

そういやC-3もなかなか凄いんだね
ピコ麿にアリスに谷口、いさじ兄貴…
なんというニコニコオールスター…
197Classical名無しさん:07/11/09 21:42 ID:tZQ0LwsU
冷静に考えればマッ!とおじいちゃんもかなりのニコニコンビだぜ。
198Classical名無しさん:07/11/09 21:43 ID:.lz3ffp6
>>192
テキストエディタかブラウザの問題じゃないかな?

>>194
エネルギー源は真との強いシンクロだって事になってるね。
不明支給品に何かあったと考えればいいかもしれない。
幼年期に戻れないと完全に展開におけるバランスブレイクだから、コイツは戻れたほうがいいと思う。
ただ、ワープ進化は完全にいらない。
199 ◆CMd1jz6iP2 :07/11/09 22:08 ID:d6pbJA3g
最初の過ちをどうかの修正案をしたらばに投下しました。

視点が変わりすぎとのことなので、ある程度まとめてみました。

200 ◆KJJLTUDBrA :07/11/09 22:08 ID:adO8I0xQ
投下乙!
いつもどうりの阿部さんといい、黒真といいまさにカオス。

さて、ここで俺のターン!といきたいところですが、延長申請しますすいません。
遅くとも日曜には投下できるはずです。
201Classical名無しさん:07/11/09 22:08 ID:azGzAgLg
Ωが死んでからディアボロやアーマゲがでてきたらどうしようと思ってたが
リヴァイアモンか……またとんでもないデジモンが出てきやがったwww
202 ◆OZbjG1JuJM :07/11/09 22:10 ID:QfurZ2L6
>>198
やっぱりワープ進化はいりませんかね?
後で修正しときますね
203Classical名無しさん:07/11/09 22:18 ID:tZQ0LwsU
>>199
修正乙です。

ところで奇跡の価値は(後編)の修正案のアレは結局通ったんだろうか?
問題ないようなら編集してくるけど。
204 ◆CMd1jz6iP2 :07/11/09 22:21 ID:d6pbJA3g
それは俺も知りたいところです
イチロー、墓の近くで死んでいるのだと思ったから修正したんですが
蛇足だったかもしれないですね。
205Classical名無しさん:07/11/09 22:28 ID:tZQ0LwsU
>>204
修正案出してから特に反対意見も無いみたいだし、修正案でも問題ないかな。
とりあえず編集してきます。
206 ◆2VgTRcP6n6 :07/11/09 23:00 ID:veNvKIvY
すみません、延長申請します。
207 ◆irB6rw04uk :07/11/09 23:39 ID:rUZ1CAJA
時間延長を要求します
今夜中には投下可能です
208 ◆irB6rw04uk :07/11/10 02:30 ID:ZMbJHsLI
支援してくれる人が居たなら投下しようかな?
正直眠い
209Classical名無しさん:07/11/10 02:52 ID:ssOaRiGk
俺を誰だと思ってる!
210Classical名無しさん:07/11/10 02:53 ID:ssOaRiGk
遅かった?遅い?この俺がスロゥリィ?
211Classical名無しさん:07/11/10 02:59 ID:aOHpVPOQ
俺たちは……遅すぎたんだ
実際、全体数多くないよねニコロワ
212 ◆irB6rw04uk :07/11/10 03:10 ID:ZMbJHsLI
ごめん、ゲームしてた
では投下します
213 ◆irB6rw04uk :07/11/10 03:11 ID:ZMbJHsLI
――ダメだめダメ!!

私は今とても不味い状況にいる。
あの私のことを殺人者と思っている人たちがいる塔に向かっているのだ。
その人とレナさんたちが出会ってしまったら…それだけで終わりだ。
まず誤魔化すという方法を思いついた。
だが無理だろう…
人を殺すところを見られた訳ではないが、状況的に言って私があの変な女を殺したという答えに達するのは容易い。警察で言うなら『重要参考人』と言う立場だろう。

レナさんを見ていてわかった。
この人はかなり疑心暗鬼に陥っている。まず、私たちをあの目は仲間として見ていない。今は心を許しているみたいだが、戦闘になれば平気で捨て駒にするだろう…

一回でも疑われたらこの場所では信用を取り戻すことはできない。
それが良くわかった。

だから『重要参考人』という立場はものすごく危ないのだ。
今のレナさんならあの大きな鉈で一瞬のうちに首を跳ね飛ばすだろう。

せっかく守ってくれる人…いや、盾を手に入れたのだ。簡単には失いたくない。
今願うは塔に生きている人が誰もいないことだ…

一撃で殺せるように…私、鋏だけは最後までとっておく



           〆
214Classical名無しさん:07/11/10 03:17 ID:ssOaRiGk
おっと危ない支援
215 ◆irB6rw04uk :07/11/10 03:17 ID:ZMbJHsLI



最悪だ…

塔の近くに人影が見えた…その姿のうち一方は外山恒一だった。
それならいいが…もう一人のほうはあの鼻を刺す刺激臭を放つ男だった。
(ちなみに体から臭いがするのではなく塩素の鍵からの臭いである)

不味い…血の付いた服の姿を見られた男だ!

その男は外山と一緒に塔の中に入っていく。
つまり、誰も見ている人は今はいない。今、レナたちを殺して、そして「レナさんとキバくんが……」と泣きながら外山に泣きつけばあいつなら信用してくれる。
もし、あの臭い男が疑ってきたとしても『レナさえいなければ』ギリギリ誤魔化すことができる。
『重要参考人』という立場は少し痛いが、まだまだやり直せる。

そう…『レナさえ居なければ』
あの異常な疑心暗鬼が無ければ…



そうと決まれば頭の中がスッキリしてくる。それと同時に、麻薬のような甘美なる感覚も襲って来る。
気を付けていないと、口が三日月のようにニヤけてしまうくらいに…
音を立てないで鋏を一回広げる。そして勢い良く閉じる。

シャン

鋏の刃が重なり合い通過点の空気を切り裂く。
人を殺す能力が有るのは実証済みだ!!
レナとキバは今私に背中を向けている。その姿はあまりにも無防備に見えた。
216Classical名無しさん:07/11/10 03:18 ID:ssOaRiGk
俺のIDはSS、つまりSSを支援するためのIDだ!
217 ◆irB6rw04uk :07/11/10 03:20 ID:ZMbJHsLI

―――条件はそろった。


まず狙うは…レナ、お前だ!!
その鉄塊のような鉈は力が無ければ振ることも持つこともままならない。
人間、大きな傷を負うと力が入らなくなる。
その大きな破壊力満点の鉈が無力…足枷になるのだ。

次にキバくん。
こんな所で無くすのはつらいけど…
でも出会う場所が違ったらいいお友達になれただろうね

キバくんは銃を持っているけど油断していれば殺すことは容易い。
まず一撃でレナを殺す。失敗しても大丈夫。
傷さえ負わせられればあの鉈を振るうことはできないから…後でゆっくり地面に落ちた羽虫を嬲るように殺せばOK。
レナに一撃を加えた後、すぐにキバくんを刺す。これも一撃じゃなくていい。

何回も何回も死ぬまで 刺 し 続 け る か ら …


           〆
218Classical名無しさん:07/11/10 03:23 ID:ssOaRiGk
まだだまだおわらんよ!
219Classical名無しさん:07/11/10 03:23 ID:cKJeQA4Y
支援
220 ◆irB6rw04uk :07/11/10 03:24 ID:ZMbJHsLI
「……………」
「……………………」
なんだ?この電波少女A、今度は一言も話さなくなってしまった。
電波状況が悪くなって圏外にでもなってしまったのだろうか?
もしくは料金未払いで差し押さえになったか…

だが、腐っても電波、あの鉄塊のような鉈をわざわざ肩にかけて持って歩いている。
先ほどのようにずるずると引きずって歩けば楽なのに…
俺には電波の受信方法がイマイチわからない。

――しかし、八意永琳が漏らしたと言う『雛見沢症候群』という単語がさっきから頭の中をぐるぐると回っている。
レナの話によれば雛見沢とはレナの故郷で宇宙人のエアポートになっているらしい。
しかもその時の年号が昭和だと言うではないか。
平成の世を生きる俺はUFOなんて一度も見たこと無いぞ。

地名はいいとして、問題は症候群だ、症候群とは原因不明の病気などに名づけられる。
雛見沢と合わせると郷土病か何かだろう。
そんな一部地域にしか知られてない、郷土病なんて俺が知るはずが無い。
なのに…なぜ俺は聞いたことがあるような気がするのだ?
それも一度ではない、何回も何十回も…
221Classical名無しさん:07/11/10 03:24 ID:cKJeQA4Y
支援
222 ◆irB6rw04uk :07/11/10 03:25 ID:ZMbJHsLI


針に糸を通す時のようだ。やれば出来る、しかし、なかなか出来ない。
思い出せる、しかし、なかなか思い出せない。

あーもう!一時考えるのは止めよう。


そう思って俺は顔を上げた。するといきなり顎に何かがぶつかった。
「ぶるぁぁああッ!!」
痛いとかそんなの感じる暇なんてありませんでした。
急速に視界が黒く塗りつぶされていく…キバは地面に倒れこんだ。

           〆


鋏を両手に持つ。
3、2、1…

じゃあね、レナさん。
0!!
鋏を前に突き出して突進する。レナは相変わらずこちらに背を向けて歩いている。私との距離は3メートルにも満たない。
―――勝った!!
223Classical名無しさん:07/11/10 03:30 ID:cKJeQA4Y
しえん
224 ◆irB6rw04uk :07/11/10 03:31 ID:ZMbJHsLI
「え?」
2.5メートルの位置だった。突然レナがこっちをギラリとした目で睨んできた。
え?え?え?なんで?まだ1歩も走っていない。足を踏み出しただけ!
最初に出した足はまだ地面にも着いていない。
なのに?なんで?

その問いの答えはレナの蒼い瞳に吸い込まれて行き、帰ってくることは無い。
鬼、悪魔?いいや人間の作り出した言葉では絶対的に語彙が少なすぎる。
その瞳を表現できる言葉はこの世に存在しない。

一瞬で背中がビッショリなるほどの冷や汗をかく。
相手は人間なんだ!刺せば終わりだ!後たったの2.5メートル。刺せる!刺せる!殺せる!
「ああああああああああああああ」

ブォン!

恐怖を誤魔化そうと大きな声で叫んでみた。だがそれを超える風きり音で私の声はかき消された。
レナが肩にからっていた鉈をそのままてこの原理で振り下ろしたからだ。

ズガァン!
鉄塊のような鉈が私の0.5メートル前に着地する。
自重の乗った鉈の破壊力は私の想像を遥かに凌駕した。
アスファルトが砕け散りその下の土までも砕いていた。砕け散ったアスファルトの破片が辺りに散弾銃のように散らばる。
私にその破片が当たらなかったのは奇跡だ。
急に力が入らなくなり、ペタンと地面にしりもちをついてしまう。
演技でもないのに涙があふれ出てくる。全身が震える。
225Classical名無しさん:07/11/10 03:35 ID:e80kscX2
226 ◆irB6rw04uk :07/11/10 03:36 ID:ZMbJHsLI
そんな私を見下ろす蒼い瞳
「あなたも『宇宙人』だったんだ!!私を騙して…ひどいよ!」
口では『ひどいよ』と言っている。でも顔は『やっと宇宙人を殺すことが出来る』と笑っている。

地面に突き刺さっている鉈がギリギリと上昇していく。
レナの真上に上がりきった時、鉈の上昇は止まった。

そして…

ブォン!

鉈が風を斬る音と骨が軋む音が聞こえた。


           〆
227Classical名無しさん:07/11/10 03:42 ID:cKJeQA4Y
sien
228Classical名無しさん:07/11/10 03:42 ID:OVmzsKdM
支援
229 ◆irB6rw04uk :07/11/10 03:43 ID:ZMbJHsLI
「ティアナー!どこやー!」
「ティアナ君!もう安全だ、出てきてくれ!!」
同志博之に肩を貸し、二人でティアナ君を探す。
肩を貸すという行為は実に疲れるものだ。
今まで休みはとったものの、睡眠はゼロだ。選挙活動で睡眠をとらないことには慣れていたが、流石につらい。
疲れた体に鞭をうち一階のすべての部屋を一つ一つ回っていく。
そして一階には誰もいないことがわかった。

肩を貸したまま二階へと上がる階段にたどり着く。疲れた体にはその階段がエヴェレストのように見えた。

今、問いたい!素人がエヴェレストに挑み、無事頂上にたどり着けるか?…答えは簡単だ。不可能である!

「同志博之!私は今からティアナ君を迎えに行ってくる。何かあったらすぐに教えてくれたまえ。ヲタチを渡しておく!彼が君の目の代わりになってくれるはずだ」
「わかった。出来るだけ早く探してきてください。放送聞いたらティアナのやつ壊れてしまうかもしれんわ…」
「では行ってくる!」
そういってヲタチを博之に渡し、外山は階段を上っていった。

目が見えない、それに目の代わりになってくれる人もいない。
そんな状況は殺し合いの中では限りなく危険な状況…いつ殺されてもおかしくは無い。
そんな彼を一人置いていくというのは苦肉の策だった。
しかし、ティアナ君の危機のカウントダウンは着実に迫っているのだ。
多少の危険はやむを得ない。
博之もそれに了承した。
230Classical名無しさん:07/11/10 03:43 ID:OVmzsKdM
祟り支援
231Classical名無しさん:07/11/10 03:44 ID:dnQGLH.E
支援
232 ◆irB6rw04uk :07/11/10 03:45 ID:ZMbJHsLI
しかし、いざとなってみると、やはり目が見えないというのはかなり不利だ。
すぐにヲタチをモンスターボールから出す。
言葉という物を持たないヲタチは実際の人間よりも遥かに状況を伝える能力が乏しい。
いきなり殺人者が襲ってきても前に逃げればいいのか、右に逃げればいいのか…
武器は何なのか?どんな容姿なのか?
その全てがわからない。

早く外山さんが帰ってくることを願うまでだ。

俺は近くの壁に背を預けて座り込んだ。
すると…
「うぉ!?…痛っ!!」

壁がぐるりと回転し、その壁の向こう側に倒れこんだ。
「な…なんぞこれー!?隠し扉か?」

肌でひんやりとした空気を感じる。それに少しオイル臭い…
ヲタチに助けられながら体を起こす。ヲタチが警戒している様子が無いところをみると、危険ではないみたいだ。
結構広い空間のようで、自分の知っている場所でたとえるならば地下駐車場だった。

233Classical名無しさん:07/11/10 03:45 ID:cKJeQA4Y
しえん
234 ◆irB6rw04uk :07/11/10 03:46 ID:ZMbJHsLI
「!!」
「あん?どうした?ヲタチ」
急にヲタチがあたふたと動き始めたかと言うと、隠し部屋から出て行った。
「お…おい!待てよ」
俺はあわててヲタチの後を追った。

隠し扉を出てすぐに外山さんとであった。何かあったんですか?と訊くと、今近くで音が聞こえたらしい。
隠し部屋に居たため俺には聞こえなかったみたいだが、ヲタチはその音を聞き分けたらしい。
俺と外山さんはすぐに塔を飛び出す。


「ヲタチよ!音がした方向は?」
外山がヲタチに問うとヲタチはある一点をじっと見つめた。
その方向を目で追うと…同志レナではないか!!
しかも、同志妹にあの鉄塊のような鉈を振り下ろしているではないか!!
幸い、同志妹には当たっていないようだが、同志キバは倒れている。
どちらが多数派であり、どちらが少数派なのかわかったものではない!!

私は状況を確かめるために同志レナのもとへ走った。
私が駆けつける間にも鉈は確実に振り上げられている!

そして、同志レナの真上に上がりきった。

ブォン!

竜巻が起きるのではないか?と疑問を抱かせるような大きな風斬り音が響いた。
235Classical名無しさん:07/11/10 03:50 ID:cKJeQA4Y
支援
236 ◆irB6rw04uk :07/11/10 03:52 ID:ZMbJHsLI
「同志レナ!!なにをやっている!」
「あぁ、外山さん。とうとう宇宙人を捕まえましたよ」
捕まえた?殺したではなく?
はっとして同志妹に目をやる。額から血液が流れ出ているが死亡するには至っていない。
どうやら面の部分で打ったみたいだ。

「しかし、ここまですることは無い!!」
「甘いです…甘すぎますよ。相手は宇宙人!手元に武器が無くても超能力で攻撃してくるかもしれない。一瞬でも油断をしてはいけないんです」
同志レナが言いたい事はわかる。分かっているがどうしても納得することが出来ない。
「今からこの宇宙人を解剖して本当の宇宙人の姿を見せてあげます。そうしたら外山さんも信用してくれますよね?」
「解剖だと!?」


その時あのピエロの人を馬鹿にした声が聞こえた。

「解剖は放送の後です。宇宙人が変なことをしないように見張っていてください。」

同志レナは鉈を下ろすとじっと同志妹を見ながら放送を聴き始めた。

私はこんな状況をつくった多数派であるピエロに少し感謝した。



           〆
237 ◆irB6rw04uk :07/11/10 03:54 ID:ZMbJHsLI
「おかんも逝ったんか」
博之は独り言のようにつぶやいた。
そんなことお構い無にレナは口を開いた。
「禁止エリアは関係ないみたいですね。ところで、そちらの方は?」
「永井博之。今放送で呼ばれた永井浩二の弟や」
「ふぅん…信頼できますか?」
「同志レナよ。彼はさっきまで私と一緒に多数派と戦った。その時に彼の兄は死んだのだ。信頼できる」
「………」
レナは話さない。ただ凍て付くような瞳で見るだけだった。

「わかりました。今から博之さんに一から説明するのは時間が掛かりすぎます。解剖した宇宙人を見てもらうほうが早いでしょう」

「やめるんだ!同志レナ」
「何故ですか?宇宙人は敵なんですよ。殺さないと逆に殺されちゃうんですよ?何で分からないのかな?……かなぁ」



「そんなの分かりたくもないわ」
「!!」
「さっきから黙って訊いてれば…宇宙人、宇宙人、宇宙人なんて居るわけないやろ」
レナは下唇をかみ締める。自分がこれだけ言っているのに何故分からない?理解されない?

COOLになれ竜宮レナ

「時間が惜しいですが、博之さんのために一からお話します。」



           〆
238Classical名無しさん:07/11/10 03:58 ID:cKJeQA4Y
支援支援
239 ◆irB6rw04uk :07/11/10 04:01 ID:ZMbJHsLI
「―――――というわけです。」
下水道で話したことを一から話した。これで分かってもらえる。
しかし、返ってきた答えは意外なものだった。
「馬鹿乙!」
「っ…!!」
また下唇を噛む、今度は血が滴るほどに…
「お前の話おかしなところが多すぎる。平成に生きてる俺は今までそんな話訊いたことない!」
「それは…宇宙人に記憶を操作…」
「馬鹿乙!地球人を生かしておいて宇宙人になんの得があるんか!俺が居た時代には宇宙人なんて居なかった!」

「嘘だ!!」
「本当だ!!」

「じゃあ死んだはずの人が歩いている。自分自身が他の場所で目撃されるって言うのは?」
「警察だって人間、間違いを犯すことだってある。自分の入れ替わりが現れたって言うのは、お前が逃げていることを知った友達がお前を逃がそうとしてガセネタを流したん

だ」

宇宙人などというSF的なものより現実的な答えが返ってくる。

「嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ!!!宇宙人は居るんだ!!三四さんが残してくれたスクラップ帳に書いてあったんだ!!友達!?すでに宇宙人に洗脳されているんだ!!そんなこ

とするはず無い!!」

瞳がどんどん険しくなる。しかし、博之は現在目が見えない。いくら睨んでもまったく動揺しない。

「三四ってやつ…本当に信用できる奴なのか?面白がって作り話をお前に吹き込んだだけとちがうんか?」
240Classical名無しさん:07/11/10 04:02 ID:cKJeQA4Y
支援支援支援
241 ◆irB6rw04uk :07/11/10 04:03 ID:ZMbJHsLI
ぷつっ

頭の中で何かが切れた。
「あっははははははははははははははははははははは…」
そうか…分かった!この人も宇宙人なんだ。
この小さい子も、キバも、外山さんも、みんなみんな宇宙人だったんだ。

最初から人間は私一人ぼっち。

――あぁ…首…かゆ…

           〆

「ぐ……」
あれ、俺いつ寝たんだ?さっきまで考え事をしていたはずなのに。

俺はいつの間にかアスファルトに大の字で寝ていた。
アスファルトのゴツゴツした感触がなんとも言えない。これはいわゆる拷問道具。
……ん?
あごが…AGOがイテェ。
恐る恐る手をやると手には血が塗られていた。
な、なんですとぉおお!!

あ!思い出した。何かがあごに当たったんだった。あの当たる角度はまさに孔明の罠だった。
ちくしょう!!最近のS友人は下からでも孔明の罠を発動出来るようになったのか!?どれだけ鬼畜度を上げれば気が済むんだ!!

取り敢えず体を起こしてみる。
うわぁ、電波が電波暴走してる。
鉄塊鉈をブンブン振り回し、木をなぎ倒してる。
242Classical名無しさん:07/11/10 04:04 ID:cKJeQA4Y
支援支援支援支援
243 ◆irB6rw04uk :07/11/10 04:05 ID:ZMbJHsLI
あの体に原子炉でもあるのだろうか?何故にそんなにハイスペック!フルパワー!
やはり電波の馬鹿力というやつなのか?
恐るべし電波!本当にありがとうございました!

って
「妹ちゃん!!」
妹ちゃんが頭から血を流して倒れている。現状から考えてレナがやったのだろう。
俺はレナに気づかれないようにそっと妹ちゃんに近づく。
「妹ちゃん!大丈夫か!?」
妹ちゃんはぐったりしていて生きているのか死んでいるのか分からない。

早く安全なところに行かなければ!!
妹ちゃんを抱きかかえようとした時、再び孔明の気配を感じる。
後ろを見なくても分かる。レナがこっちを睨んでいる。

さらに、ひゅんひゅんひゅんって音が聞こえるんですけど!!
「うぉぉおぉおお!!」

俺の頭の上、孔明通過中!!
あの鉄塊鉈が空を飛んでいる、こりゃぁ生まれて初めて孔明と出会った時と同じくらいビビッた。

でも何故だ。まだ孔明の気配がきえな…

俺の体は閃光に飲まれた。
「えええええええええ」
鉈が飛んでいった方向が突然爆発したのだ。いや、それ本当に鉈なのか?確かにデカイけど鉈だろ?なぜ爆発する!?
さらにさらにだ!まだ孔明接近中の予感!
まさにずっと孔明のターン!!
先ほど爆発したはずの鉈を握ったレナがゆっくりと迫ってくるのだ。
「一撃で叩き割ってあげるよ!!」
244Classical名無しさん:07/11/10 04:06 ID:dnQGLH.E
支援のターン
245Classical名無しさん:07/11/10 04:07 ID:cKJeQA4Y
ずっと支援
246 ◆irB6rw04uk :07/11/10 04:07 ID:ZMbJHsLI
マジ勘弁してください。
何者ですか貴女?孔明の生まれ変わりですか?
それともドSの友人の親戚か何かですか?
仕方が無い、レナには悪いが足を攻撃して一時撤退しよう。

「食らえ!」
メタルブレードを一発だけ発射する。
ざくっ!と短い音がして右足にメタルブレードが突き刺さった。これでしばらくは歩くことも…って、ええええええええええ!!

レナの移動スピードは全然変わらない。
「本気で怒った」

ごめんなさい、ごめんなさい。少しは痛がってください。思いっきりメタルブレード突き刺さってるのに、なんで痛がってくれないんですか?
アレですか?電波麻薬って奴ですか?

「いい加減にするんだ!!同志レナ!!」
「外山さん!」

外山さんがレナを羽交い絞めにした。女の子がそう簡単に振りほどけるはず無い。

「放せぇぇぇえええ!!!」

っと思ったほど簡単では無かったよ。
目にも留まらぬ肘打ちで外山さんは後ろに吹き飛ばされた。
もうレナが女の子だということを忘れそうになる。
「仲間は嘘だったのかな?」
「最初に裏切ったのはレナだろ!?」

「嘘だ!!宇宙人の癖に」
247Classical名無しさん:07/11/10 04:08 ID:cKJeQA4Y
支援支援支援支援支援
248 ◆irB6rw04uk :07/11/10 04:08 ID:ZMbJHsLI
もう会話不能!!電波濃度高すぎるよ。
そもそもなんでこんなに宇宙人にこだわるのだ?何ですぐ仲間を疑うのだ?


―――疑心暗鬼

疑心暗鬼という言葉、それは記憶の鍵だった。
雛見沢症候群、そして、疑心暗鬼。

二つが繋がった。

「外山さん!!起きてますか?」
「起きている!腹部が痛いが動けるぞ」
「よく聞いて下さい。レナは雛見沢症候群という病気にかかっています」

なに?っと外山が返した。キバはレナから距離をとりながら雛見沢症候群の説明を大雑把に説明する。

「そんな病があるとは」
「早くしないとレナは症状が重くなって死んでしまいます。今はレナを気絶してもらいます」

「作戦はあるのか?」
「ありません」
「…………」
249Classical名無しさん:07/11/10 04:10 ID:cKJeQA4Y
まだ支援
250 ◆irB6rw04uk :07/11/10 04:12 ID:ZMbJHsLI
外山が諦めかけたその時だった。終わりは突然訪れた。
とうとう雛見沢症候群末期の病魔がレナの体を蝕んだのだ。
「ぐっ…あぁぁあああ…うぅう」
レナは鉈を落とし、両手で自分の首をがりがりと掻き毟り始めた。

L5になったのか!?。
俺はすぐにレナに飛び掛りその手を首から放そうとする。
レナは激しく抵抗する。途中外山さんも手伝ってくれて、二人がかりで抑えることに成功した。

レナはロープで手を縛られている。それでもレナは自分の首を掻き毟しろうと暴れまわっている。
このまま放っておくとたとえ掻き毟らなくても雛見沢症候群そのもので死んでしまうかもしれない。

「どうすればいいんだ」
怪我人が3人…運ぶにも治療するにも人手が足りなさ過ぎる。

俺はただアニメのように突然正義の味方が現れてくれることを願うしかなかった。
251 ◆irB6rw04uk :07/11/10 04:14 ID:ZMbJHsLI
【E-4 塔のすぐ近く/一日目・日中】

【竜宮レナ@ひぐらしのなく頃に】
[状態]:右手に切り傷、雛見沢症候群発症(L5)、かゆいかゆいかゆい
[装備]:鉄塊鉈@ひぐらしデイブレイク、縛られてたロープ(自殺用ロープ@さよなら絶望先生)
[道具]:支給品一式
[思考・状況]
 ※雛見沢症候群発症中のため何も考えられない

1.外山さんを迎えに、E-4の塔へ向かう
2.仲間を集めて、宇宙人(八意永琳)を尋問する
3.仲間の姿をした宇宙人の頭を叩き割る。
4.ゲーム脱出の邪魔をするなら誰でも頭を叩き割る。
5.外山さんとキバさん、妹ちゃんは殺さない…少なくとも、まだ。
6.詩音の姿をした宇宙人を倒した人を探す。
7. 少し、首が痒い。

※竜宮レナは他の部活メンバーは宇宙人だと確信ました。八意永琳が何か知っているのかだと思っています。
※時期は大体罪滅し編後半、学校占領直前です。
雛見沢症候群を発症しています。
末期に至り無条件で首を掻き毟ろうとします。
252Classical名無しさん:07/11/10 04:16 ID:cKJeQA4Y
最後の支援?
253 ◆irB6rw04uk :07/11/10 04:17 ID:ZMbJHsLI
【友人@自作の改造マリオを友人にプレイさせるシリーズ】
[状態]:全身に軽い切り傷、左肩切り傷、あごに切り傷
[装備]:リアルメガバスター(269/300)@デッドライジング、メタルブレードのチップ(装着済み)
[道具]:支給品一式 、PS3(60GB)@現実
[思考・状況]
1.どうすればいいんだ?
2.キョンの妹を守って見せる!
3.この世界から脱出したい。
4. 宇宙人とかありえない。え、マジで宇宙人?
5.作者に会ったら説明を求めた後ぶん殴る(いないし、関係ないかもと思ってきてます)
6. なんか妙なデジャブが多い。

【キョンの妹@涼宮ハルヒの憂鬱&愛しの兄が振り向かない】
[状態]:多少の疲労、精神的疲労(やや回復) 、頬に軽い切り傷、複雑な気分、頭部に打撲&出欠、かなりの恐怖、気絶中
[装備]:庭師の鋏@ローゼンメイデン
[道具]:なし
[思考・状況]
1.何も考えられないよ…
2.友人が憎い、殺してやりたい。でも…………
3.もし外山が何か余計なことを言うようなら、友人とレナを騙して外山を殺す
4.あの四人(ティアナ、永井兄弟、水銀燈)から離れるため、西へ移動する。
5.誰かに取り入り、漁夫の利を狙う
6.最終的には優勝し、キョンを生き返らせ、彼と結ばれる。
254 ◆irB6rw04uk :07/11/10 04:17 ID:ZMbJHsLI
【外山恒一@現実】
[状態]:健康、多数派になってショック、腹部に軽い打撲
[装備]:サイレンサー付き拳銃(3/6)@サイレンサーを付けた時とry
[道具]:支給品一式*3(食料二食分+水一食分消費)、桃太郎印のきびだんご(24/25)、ロールバスター@ロックマンシリーズ、暗視ゴーグル@現実、携帯電話@現実、アイテム

2号のチップ@ロックマン2
DMカード(黒騎士の魔剣少女、セイバー、青眼の白龍)@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ
(黒騎士の魔剣少女、セイバーは次の昼まで。青眼の白龍は次の午前まで使用不可)
[思考・状況]
1.同志レナを助けるためにはどうすればいいのだ?
2.ティアナを探す。
3.水銀燈の待つ民家に行き、同志レナたちと合流したい。
4.同志レナの友人が宇宙人の手先かどうか確認する。
5.極力、殺人はしない。襲ってきた相手も殺さず捕らえたい。
6.同志レナがゲームを支える(人を殺す)のを止めたい。
7.志を共にする少数派(参加者)の同志を集める
8.多数派(主催者)はスクラップ&スクラップ!ゲームなど滅ぼしてしまえ!

※桃太郎印のきびだんご
食べさせた動物を、30分だけ従順させるきびだんご。
参加者への効果は無い。
また、人間以上の知性を持つ生き物ほど効果は薄れる。
人間を含む、どんな生物でも絶賛する美味しさ。
※詩音が多数派だったと知りました。
255 ◆irB6rw04uk :07/11/10 04:20 ID:ZMbJHsLI
【永井博之@永井先生】
[状態]:疲労、精神疲労、全身打撲、失明、顔面怪我、鼻骨折、肩部・太腿・脇腹銃傷、腹部強打(全負傷部位を薬草で治療中)
[装備]:金属バット、薬草(17/99)@勇者の代わりにry
[道具]:支給品一式*3(食料二食分消費)、座薬@東方project、鉈@ひぐらしのなく頃に、ヲタチ(残りHP65%)@ポケットモンスター
DMカード(強制脱出装置、青眼の白龍、死者蘇生)@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ
(強制脱出装置は次の0時まで。青眼の白龍は次の午前まで。死者蘇生は次の昼まで使用不可)、
くうき砲@ドラえもん、ゴム@思い出はおくせんまん、
自動ぶんなぐりガス(残り1/5)@ドラえもん、ヴェルタースオリジナル*2@ヴェル☆オリ
[思考・状況]
1.目が見えないから状況がいまいちつかめない
2.目が見えないことに対するショック
3.ジーコ……大馬鹿野朗……
4.ティアナを見つけて、一緒に水銀燈の待つ家に。
4.目が見えない今、それからどうするか考えられない。

※塔内部に謎の空間をみつけました。
256 ◆irB6rw04uk :07/11/10 04:23 ID:ZMbJHsLI
投下完了です。
支援してくださった方々、有難う御座います。
タイトルは【鉈があたってすぐL5〜孔明の幼女都知事】です。
257Classical名無しさん:07/11/10 05:06 ID:/y7wgsbI
とりあえず状態表に不要なのが多いと感じた。例えばレナなんかは、

>※雛見沢症候群発症中のため何も考えられない
と書かれてるのに[思考・状況]欄が細かく書かれてたり、
そもそも外山とは合流したんだから、
>1.外山さんを迎えに、E-4の塔へ向かう
なんかはいらないだろう。それと、
>5.外山さんとキバさん、妹ちゃんは殺さない…少なくとも、まだ。
これも、妹を解剖しようとしたり全員疑ってた以上眉唾ものだ。他にも、
>7.少し、首が痒い。
L5になったんだし少しってレベルじゃなさそうだ。

もしかしたら他人が書いた状態表は不用意に変えてはいけないと思っているのではないだろうか。
もしそうなら、そんな事はないので必要に応じて削っていった方がスタイリッシュでいいかと。
あとは「!マーク」の後に文を続ける時は空白を空けた方がいいし、
「…」は二つ続けて「……」とした方がいい。

ここから、本編の感想。
レナはいよいよL5発祥したし、ステルス妹もいるし一般人だらけだし、どう転ぶのかが楽しみだ。
博之は謎の空間を見つけたようだが、失明のせいで再度探すの大変そうだなw
そしてレナのせいでティアナ放置涙目w

ところで友人は何が起こって気絶したんだ?
258Classical名無しさん:07/11/10 11:03 ID:MjMyeeUA
投下乙!
レナ怖すぎるってレベルじゃねーぞレナ
ここは口先の魔術師KOOLの降臨に期待するしかない
259 ◆CMd1jz6iP2 :07/11/10 11:46 ID:jhPf7zFw
投下乙
友人が気絶した理由(鉈?)など、一部不明瞭な点が多い。
博之が目が見えないのに、周りの状況や動きを把握してるときがある
上にティアがいる、と言葉を残した浩二(博之が聞き逃してた、でOKか)
他は>>257と同意。
展開はまさにGJ

一人取り残された空気、ティアナを予約してみる
260 ◆irB6rw04uk :07/11/10 12:05 ID:ZMbJHsLI
分かりましたよ〜
一部不明な点を修正してしたらばの方に投下しておきます

>>257
書き方の指導ありがとうございます。
参考にしてみます。
261Classical名無しさん:07/11/10 12:20 ID:SqjYsZs2
鉄塊鉈が爆発したのはなぜなんだぜ?デイブレイクの仕様みたいな何かか?
262Classical名無しさん:07/11/10 12:54 ID:IebeRK36
投下乙です。
レナ……とうとうL5か。
早く来てくれK!
263Classical名無しさん:07/11/10 13:35 ID:qo9hGkAk
投下乙
水銀燈の心配を他所に、博之の放送への反応が滅茶苦茶薄くて不覚にも
264Classical名無しさん:07/11/10 13:57 ID:OVmzsKdM
塩素の鍵、落としたの拾ってないよな。
なのに、刺激臭まだするの?
265Classical名無しさん:07/11/10 13:59 ID:IebeRK36
>>264
染み付いてるんだよきっと
266 ◆irB6rw04uk :07/11/10 14:33 ID:ZMbJHsLI
修正のターン終了。
したらばのほうにあげときます。
267Classical名無しさん:07/11/10 14:37 ID:Yuaw5XUc
>>173-186を読んでふと思い出したんだけど、
ストーム1のアーマーの耐久性ってこのロワだとゲーム中の数字ではどれくらいなんだ?
268Classical名無しさん:07/11/10 15:24 ID:OVmzsKdM
かなり丈夫みたい。
当たりどころが良ければ、SLB四、五発耐えられるか?
269Classical名無しさん:07/11/10 15:30 ID:MjMyeeUA
そういえば例の分裂したテニスボ同盟(東)。
片や口先の魔術師とピッピの大奮闘で結束をより固いものに。
片やツンデレのジンクスは発動するわ二名狂って最強クラスのマーダーになるわで最悪に。

何だこの差wwwwwwwwwww
270Classical名無しさん:07/11/10 15:36 ID:qo9hGkAk
だがそれがいい
271Classical名無しさん:07/11/10 15:37 ID:IebeRK36
>>268
SLB四、五発とかwwww魔王涙目wwwww
>>269
真はカワイソス四天王を名乗ってもいいと思う。
272Classical名無しさん:07/11/10 15:56 ID:SqjYsZs2
全てのロワを見て残虐四天王とかマーダー四天王とかあるけど、
このロワからは誰か出るかね?

…ガチホモ四天王なら候補者いるんだが。
273Classical名無しさん:07/11/10 16:11 ID:IebeRK36
残虐四天王に闇サトシとなのはは確定だな。
274Classical名無しさん:07/11/10 16:14 ID:Cp9iOg8Y
カワイソス
真:ガチホモの被害者その1
かがみ:ガチホモの被害者その2
永井博之:失明した上に弟と母と生き別れ
うどんげ:初代ガチホモの被害者、○○を押し付けられたまま首コキャされた上に
      真っ裸、さらには死体をクラモンに食される
ガチホモ
阿部さん:言わずもがな
古泉:キョンクンノキワミ、アッー
道下:つるのムチ…すごく、気持ちいいです
ゴマモン:進化して触手プレイするほどのガチホモ


凶悪マーダー
闇サトシ:いなくなったものの、じわじわといたぶる様は凶悪
フシギダネ:オメガモンを圧倒した弾幕技は脅威、さらに進化して敵無し?
阿部さん:ある意味凶悪
YOKODUNA:テニヌプレイヤーと渡りあい、長門といとも簡単に葬り去った

こんな感じだろ
275Classical名無しさん:07/11/10 16:16 ID:IebeRK36
>>274
初代カワイソスはロールちゃんだったのにな、気苦労的な意味で。

そういえば大樹組動かねぇwww
276Classical名無しさん:07/11/10 16:22 ID:2/6rufe6
とかちもカワイソスに入りそうな……
HI☆GEだしww
277Classical名無しさん:07/11/10 17:10 ID:SqjYsZs2
カワイソス四天王ほとんど阿部の被害者じゃねーかwww
278Classical名無しさん:07/11/10 18:15 ID:MjMyeeUA
ゴマモンをgthmに入れるなwwwwww
279Classical名無しさん:07/11/10 18:17 ID:MjMyeeUA
生きてるマーダーなら
フシギダネ:オメガモンを駆逐、弾幕取得、さらに進化
YOKODUNA:超人ってレベルじゃねえ。テニヌや長門をも寄せ付けない
ゴマモン:究極体になってほぼ敵無し、もはやゴジラ
阿部さん:そんな究極体の一撃を喰らっても死なないスーパーガチホモ
280 ◆BRxsUzTn5A :07/11/10 19:20 ID:Cp9iOg8Y
製作中のSSが今日中にできるかどうか分からなくなってきたので
1、2日の延長お願いします。
ですが、今日完成した場合にはすぐにでも投下するつもりです
281Classical名無しさん:07/11/10 19:39 ID:SqjYsZs2
◆KJJLTUDBrA:えーりん、古泉
◆2VgTRcP6n6:ムスカ、エアーマン、いさじ、柊つかさ、天海春香、園崎魅音、谷口、カービィ
◆BRxsUzTn5A:カイバーマン、やよい

これがまだ残ってる予約か?まだ誰かいたっけ?
あと現在地も結構変わったよね。把握が大変すぎてアンニュ〜イ。
282Classical名無しさん:07/11/10 19:44 ID:IebeRK36
>>281で◆CMd1jz6iP2氏がパンツを予約してる
283Classical名無しさん:07/11/10 19:44 ID:IebeRK36
>>281でじゃない、>>259
284Classical名無しさん:07/11/10 19:51 ID:IebeRK36
因みに現在位置はこんな感じなはず

昼  A-5 大樹の中腹        ニート、富竹ジロウ、涼宮ハルヒ、ロールちゃん、ロックマン、武藤遊戯(闇遊戯)
昼  B-1 雪原           クラモンA
日中 B-2 橋の手前         ゴマモン、菊地真、ストーム1、スパイダーマン
日中 B-3 草原           阿部高和、伊吹萃香
日中 B-3 山道手前         TASさん、クラモンB
午前 B-5 森の境           ムスカ、エアーマン
昼  C-3 北西部・洞窟.      いさじ、柊つかさ、天海春香、園崎魅音、谷口、カービィ
昼  C-3 山道            矢部野彦麿、アリス・マーガトロイド、(アサクーラ)
午後 D-1 城・城内         日吉若
午後 D-1 城・中庭        博麗霊夢、ヨッシー
昼  D-2 草原           YOKODUNA
昼  D-3 橋手前           高槻やよい、海馬瀬人
日中 D-3 花畑           KAS
日中 E-2 元・草原         お覇王、霧雨魔理沙、双海亜美
昼  E-3 町・薬局内部       八意永琳、古泉一樹
日中 E-3 町・一軒家.       フシギダネ
午前 E-4 民家          水銀燈、泉こなた
日中 E-4 民家外         前原圭一、ピッピ
昼  E-4 塔のすぐ近く       永井博之、外山恒一、竜宮レナ、友人、キョンの妹
午前 E-4 塔内部         ティアナ=ランスター
285Classical名無しさん:07/11/10 21:29 ID:MjMyeeUA
地味にクラモンAが放置されてるwwwww
286Classical名無しさん:07/11/10 22:14 ID:SqjYsZs2
ストームとスパイディがクラモンAの方に向かってるね。
ただ、リヴァイアモンを二時間以内にどうにかしなきゃまず会えない。
賢いクラモンAならB−1で悠々とインフェルモンまで進化するかもしれん。
まあ、戦闘の終了を見計らって参加者の死体を食べに来るかもしれんが。

今更だが、首輪とかつけなくて本当に大丈夫?
禁止エリアにいるこいつ殺せるのって現時点で支給品のポケモンとDMカードだけだぞ?
287Classical名無しさん:07/11/10 22:18 ID:IebeRK36
>>286
TASさんも一応向かっているぞ。
288 ◆CMd1jz6iP2 :07/11/10 23:08 ID:jhPf7zFw
>>286
主催者も扱いに困る危険な劇薬。
用法用量次第では、何にでもなりうる。

ティアナが完成したので投下します。
私は決めた。ゲームに乗らず、しかし願いを叶えてみせると。
人を生き返らせる……それは、どんなロストロギアでも実現できない奇跡。
伝説のアルハザードの技術でもなければ、不可能なこと。

「なんだ、私……犯罪者になるんだ」
P.T事件。かつての大魔導師、プレシア・テスタロッサが目指した死者蘇生。
ロストロギア以上の力を私利私欲に使って、許されるはずがない。
時空管理局をクビになるだけでは済まない……極刑すらありえる。
「とりあえず、なのはさんにはうまく言って……騙すようで悪いけど」
願いを叶えられれば、後はどうなってもいい。
さあ、早く出かけようと支度を済ませる。

そして、悪魔の放送は始まった。

「う、そ……」
高町なのは、永井けいこ、永井浩二
なのはさんが、死んだ?
「そんな、はず……だって、ランクS+の……ま、さか?」

リミッター。その単語が頭に浮かんだ。
なのはさんは、ランクの関係で魔力にリミッターをかけられていた。
その状態で、さらに制限がかかり、それに気付かず戦闘に入ってしまったとしたら。
魔力が枯渇した魔術師が、TASのような男に襲われれば、結果は目に見えている

「それに、永井けいこって……浩二の、母親……」
博之の名前は呼ばれなかったが、あの刀を持った男に追われ、無事とは思えない。
兄と母親が死んだなんて知ったら、狂って凶行に走ってしまうかもしれない。

全員生き返らせるつもりだが、今生きている人を助けないで、何が機動六課だ。
「すぐにクビになるけど、その時までは……私は、ここにいる最後の時空管理局員なんだから」
「え?」

浩二の死体があった場所まで来て、私は危うく狂いそうになる。
なんで、浩二の死体が無いのだろう。
「浩二、生きてた……わけ、ないわよね」
あれで生きてるなんてことはない。

放送でも呼ばれたのだから、誰かが死体を持ち去ったのだろう。
「支給品を狙ったなら、死体なんて持って行かない……なら」
もしかして、博之と水銀燈、だろうか?
思えば、あの襲ってきた少年は、死んだのだろうか?
あの時、浩二の死体を見つけて、周りなど気にもしなかった。
何かあった気もする。気もするが、確かではない。

生きていたとすれば、最悪だ。
もし、悪意で持って行ったのなら、取り返さなくては。
「その時は、殺してやる!」
でも、どうしよう。私の魔力はほとんど0。
あいつが生きていたら、敵討ちどころか浩二の後を追うことになる。
見つからないように、見つからないように、見つからないように……

実力不足の私が頼れるのはこの頭だけ。
考えろ、COOLになれティアナ・ランスター!
291Classical名無しさん:07/11/10 23:15 ID:Cp9iOg8Y
やはりレナとティアナって紙一重なんだな支援
「私は、頭も駄目なのかなぁ」
思いついたのは、ダンボール作戦。
さっき、隠れたときは見つからなかったが、今度もうまく行くはずもない。
だが、そのまま歩くよりはマシだろうと、ダンボールに隠れながらゆっくりと進む。

(それにしても、臭い……)
浩二の死体があったはずのところに、なぜか刺激臭を放つ鍵が落ちていた。
博之が持っていたはずだが……しかし、あまり深くは考えなかった。
こんな酷い臭いがする鍵でも、浩二の形見みたいな物。
浩二の死体が鍵に変わったのかとも思ったくらいだ。
(……ごめん、今かなり酷いこと言ったわね)

そのまま、一階へと下りる階段にたどり着く。ダンボール姿のまま下りるのは無理だ。
「では行ってくる!」
(誰か、来る!?)
ダンボールの中で、息を殺して様子を伺う。

階段から上がってきたのは、禿頭のおじさんだった。
なぜか、ティアナ君、無事かね? などと私を探している。
(だ、誰? この禿、私の名前を? 実は私の知らない時空管理局の人?)
出ようかとも思ったが、あの少年の仲間かもしれないと、勇気が出せない。
部屋の中を探している間に、パッと階段へと逃げてしまった。

(私は死ねないの……慎重に、慎重に……)
今は、ダンボールを外している。
ここで誰かが上がってきたら、あまりにも危険だ。
(それにしても、意外と使えるのね、ダンボール)

下の様子を、階段から何とか見える位置から覗く
293Classical名無しさん:07/11/10 23:16 ID:IebeRK36
支援☆めくり☆シュート
294Classical名無しさん:07/11/10 23:17 ID:FfEeX9HQ
(……?)
初め、誰か一瞬わからなかった。
顔の傷が酷く、目を閉じたまま、よろよろとしている男。

(博之、なの?)
なぜ、目をつぶったままよろよろとしているのか。
目が開いたときに、わかった。
その瞳は何も見てはいない。
(目を、やられたの!?)
なんてこと……私は、その間何をしていたのか。
何も守れていないじゃない!

声をかけようとしたが、すぐに隠れる。
博之が、ボールのような物から出したものを見たからだ。
(うそ、あれって……)
あの、銃を持った少年が持っていた動物。
(どうして、博之が? まさか、裏切って……)
いや、もし目をやられた恐怖から寝返ったとして、目が見えない人間を、あいつらが仲間にするメリットが無い。

つまりは、この最悪の地獄の中で……博之は、結果を残せたのだ。
(殺した……少なくとも倒したんだ。浩二の仇を!)
あの動物が少年の使い魔ではなく支給品ならば、博之が奪ったと考えれば不思議ではない。
(なんだ、それなら禿頭のおじさんは、博之に私のことを聞いただけじゃない)

光が差すというのは、まさにこういうことを言うのだろう。
浩二の死は辛いが、その仇は一番相応しい人間がとったのだ。
(浩二の死体も、辱められてないのよね。よかった、本当に……)
もう、完全に心が舞い上がってしまい、声をかけるのも忘れていた。
「うぉ!?…痛っ!!」

だから、博之の異変に気がついたのは、その声がしてからだった。
296Classical名無しさん:07/11/10 23:19 ID:9.ojsQrE
 
(な、なに?)
急いで一階に下りるが、そこには誰もいない。
「なっ、博之?」
消えた? あのイタチと一緒に姿を消してしまった。
そんな馬鹿なはずはないと、博之がいた場所まで行く。
(これは……)
壁が、ほんの僅かに動く。
隠し扉。ここの向こうに行ってしまったのだろうか?

ブォン!

塔の外から、風を切るような大きな音が聞こえた。
「まさか、外にまだ敵が?」
そういえば、水銀燈の姿が見えない。
敵に腕をやられたはずだが、いったいどうしたのだろう?
あの禿頭のおじさんに助けてもらったのか、それとも死に掛けているのか。
どちらにせよ、魔力0の私にできることは限られている。
(今は、とにかく博之を!)
隠し扉を押して、その奥へと進んだ。

ティアナが回転扉を通った時、同時に博之が戻ってきているのだが
ティアナは、そんなことを知る由も無い。

「ここは……」
広い空間だった。
塔の直径よりも、明らかに広いここは駐車場のようだった。
塔よりも明かりが弱く、薄暗い中で目を凝らす。


―――そこには、無数の「人だった」歩く存在が蠢いて―――
―――食料が来たと、その目を赤く光らせている―――
298Classical名無しさん:07/11/10 23:21 ID:IebeRK36
それでも私は・・・支援がしたいんです!
「ひっ!?」

無論、それは私の見た幻。そんなものが存在するわけが無い。
「疲れてるのかしら、ね」
そろそろ眠いのが本音だが、そんな余裕は無い。
「博之、どこなの!?」
大声を上げても、自分の声が響くだけだ。

駐車場には、止まっているのはバイクと、奥の方に車が1台ずつ。
それと、なぜか鉄パイプとショッピングカートがいくつか転がっている。
近くにあるバイクを見る。
なんだか臭いなと思ったら、軽くオイル漏れをしている。
「直せば動かせるかしら」

通路の先が、暗くて何も見えなかった。
先に行ってしまったのかと、進んでみる。
奥に進んでみて、これも幻かと目を疑った。

通路を天上まで埋め尽くす、黒い花。
「花……よね?」
パクパクと、口?を動かす花のような黒い物体。
暗くて見えないんじゃない……黒い花で覆われて、見えなかった?

これでは、博之も進んではいないだろう。
それとは別に興味が沸いた。
この先に何があるのか。あるとすれば一体何が?
鉄パイプを拾い、黒い花を薙ぎ払う。
そのはずだったのに、鉄パイプは当たったところから先が、綺麗になくなってしまった。

「……え?」
カランと、無くなったと思った部分が地面に落ちた。
どちらも、綺麗な切り口で切断されている。
300Classical名無しさん:07/11/10 23:22 ID:9.ojsQrE
  
301Classical名無しさん:07/11/10 23:23 ID:IebeRK36
あの黒い悪魔が再び参上か支援
302Classical名無しさん:07/11/10 23:24 ID:Cp9iOg8Y
支援めくれえええええええええ
恐る恐る、口のような部分に鉄パイプを近づける。
サクっと、クッキーでもかじる様に、鉄パイプは切断された。
「やっぱり……植物をベースとした兵器か何かみたいね」
どう見ても普通ではない。進む方法すら思いつかない。
諦めよう、今は博之を探す方が先だ。
しかし、だとすると博之はどこに消えたのか。

「まだ、隠し扉があるのかしら」
まさか、既にここから出たなんてティアナは思いつかない。
新しい鉄パイプで壁を叩き、音が違うところでもないかと探す。
壁を叩きながら、車の脇まで来たとき、ティアナは車から飛びのいた。
「ちょ、なにこれ……この臭い、まさか……」
ポケットの中の鍵を取り出す。
同じ臭い、しかも車からする刺激臭は次元違いに激しい。
近づくだけで目が焼けるようだ。

「この鍵って、この車の鍵なのね」
とてもじゃないが、乗れたものではない。
息を止め、中を覗くが特に何かあるようには見えない。
そもそも、この車に乗れたところで、出れる道が無い。
バイクなら、なんとか隠し扉から出せるだろうが、壊れているので動かせない。
早く隠し扉を探そうと思い直したが、車のトランクが気になった。
この鍵に何か意味を見出したかったのか、ここに何かあるのではと考えたのだ。
目の痛みに耐え、鍵を差し込む。
開いたそこにあったのは、Pと書かれた、銀色のスイッチのようなもの。
「なにこ……ガッ!?」

普通に息を吸った瞬間に、鼻と咽が焼けるように感じた。
トランクを叩きつけるように閉める。
(しまった……毒!?)

目からボロボロ涙がこぼれる。咽が痛くて呼吸が出来ない。
304Classical名無しさん:07/11/10 23:25 ID:Cp9iOg8Y

隠し扉のあるほうに、全力で走った。
肩から体当たりするようにぶつかると、扉は回転し、そのまま塔の通路に倒れる。

「―――グ、おえ……は、はぁ……はぁ……気持ち悪……」
少し落ち着くと息が、出来た。
目はまだ痛いし、咽も痛いけど、どうやら大したことはないらしい。

―――俺は、あれ、いらんと思う

(浩二が正しかったかもね。でも……あれは、何だったのかなぁ?)
疲れが、一気に押し寄せてきた。
博之を探さないといけないのに……体は、強制的に意識を落とす。
隠し扉は再び閉じる。扉などあるようには見えない。
だが、その奥には、確実な何かが存在していた。


【E-4 塔内部/一日目・日中】
【ティアナ=ランスター@魔法少女リリカルなのはStrikers】
[状態]:魔力ゼロ、疲労、睡眠、咽、鼻、目に軽い痛み。
[装備]:鉄パイプ
[道具]:支給品一式*2(食料一食分消費)、ダンボール@メタルギアシリーズ、本『弾幕講座』、ヴェルタースオリジナル@ヴェル☆オリ
[思考・状況]
1:睡眠中
2:永井博之と水銀燈と合流する
3:とりあえず『アリス』の捜索の為に西の城へ。
4:殺し合いに乗っていない人達を集める
5:その後、どうにか殺しあわずに済む方法は無いかを考える
6:人殺しはしたくない
7:主催者を捕まえて願いを叶えさせる
※ダンボール@メタルギアシリーズの効果に気付いていません。
306Classical名無しさん:07/11/10 23:27 ID:FfEeX9HQ
※隠し扉の向こうには、駐車場が広がっていました
駐車場には、扉近くに壊れたバイク、遠くに塩素二号(車の名前)が置いてあります。
鉄パイプとショッピングカートがいくつか転がっています。
塩素二号の鍵は、塩素二号(車の名前)のトランクに刺さっています。
先に進む通路は、ブラックパックンがふさいでいます。
塩素二号(車の名前)のトランクの中に、銀色のPスイッチがありました。
塩素二号(車の名前)からは、激しい刺激臭がします。
ドアを開くと塩素ガスが漏れます。人体には危険な濃度です。
308 ◆CMd1jz6iP2 :07/11/10 23:29 ID:jhPf7zFw
投下終了です。
人とすれ違ってばかりのティアナ
考えがすれ違ってばかりのレナ
出会いそうで出会いません。
309Classical名無しさん:07/11/10 23:31 ID:IebeRK36
投下乙です!
ティアナが博之に勘違いフラグと思ったが、ちゃんと冷静になってくれたようでよかった。
そして銀色のPスイッチはここにあったかw
友人ならなんとかわかってくれそうだが……
310Classical名無しさん:07/11/10 23:32 ID:Cp9iOg8Y
投下乙
確かにあの2人はすれ違いだらけだなw

花畑のスイッチはここにあったのか
にしてもティアナが対主催なのに怖いのは仕様ですか

それにしてもあの駐車場って元ネタあったっけ?
311Classical名無しさん:07/11/10 23:34 ID:m4dWd74Y
うおおお投下乙です。
本当にすれ違ってばかりだティアナ・・・
読みやすくてGJでした。
312Classical名無しさん:07/11/10 23:36 ID:doO.S5Cw
投下乙ー
黒パックンは既にトラウマになっている自分としては光景を想像してgkbr
しかし銀色Pここにあったのか。そういや2箇所黒花畑が存在するから、2個あるんかねえ……
313Classical名無しさん:07/11/10 23:41 ID:FfEeX9HQ
投下乙!
ティアナがついに発狂するか、と思ってびびったぜ。
あと、さすがダンボール。そりゃ、外山さんは気づかないよな。
314Classical名無しさん:07/11/11 00:09 ID:y0FNLaKE
KASが見つけた隠し通路は塔のつながってるのか
ナイス投下乙です
315Classical名無しさん:07/11/11 00:15 ID:BXbLGekw
ああ、あそこから繋がるんだ。 …でもPブロックの効果絶対持たないよね。TASならわからんけど。
316Classical名無しさん:07/11/11 00:21 ID:1zMzaUYk
ブラックパックンを上手く利用すれば格上の参加者でも容易に殺せるな
TASが見つけたらヤバい
317Classical名無しさん:07/11/11 00:25 ID:BcCH3hmg
しかしあれ触っただけでもダメージ受けると思うけど
根っこつかめば大丈夫なのか?
318Classical名無しさん:07/11/11 00:26 ID:E3NZPwbc
>>317
残念だが友人が頭突きで死にまくっている
319Classical名無しさん:07/11/11 00:27 ID:5vlPgzjs
デッドライジングの地下駐車場っぽい?
320Classical名無しさん:07/11/11 00:27 ID:BXbLGekw
でっていうの足の裏どんだけwww
321Classical名無しさん:07/11/11 00:29 ID:2/QejFiQ
黒パックンは全方向ダメージ食らう。
対処はヨッシー等に乗って上からor銀スイッチorスターで強行突破のみ。

多分ヨッシーの靴みたいな硬い靴持ってれば上乗れる。
322Classical名無しさん:07/11/11 00:31 ID:2/QejFiQ
あ、書き忘れたがマリオ3で敵から靴奪えるステージがあって
実際靴履きの状態だと黒パックンの上に乗っても全然平気。但し横からは知らん。多分普通に食らう。
323Classical名無しさん:07/11/11 00:38 ID:Jny84nTw
YOKODUNAならKIを纏えば黒花の上も歩けるよ、たぶん。
フシギソウなら花同士意思疎通して攻撃喰らわないよ、きっと。
桃太郎印のきび団子で黒花使役させれば大丈夫だよ、おそらく
阿部さんなら黒花にフェラさせようと試みるよ、絶対。

>>314
まだ繋がるかどうかはワカランよ。
324Classical名無しさん:07/11/11 00:43 ID:tcb2Ca3I
弾く波紋で……
って誰も波紋使えねぇwww
325Classical名無しさん:07/11/11 00:45 ID:BcCH3hmg
つ 波紋の壷@ディアボロの大冒険

…ってこれはニコニコロワじゃないか
326 ◆7d53oKGJP2 :07/11/11 00:48 ID:BXbLGekw
誰もやらないっぽいので、場繋ぎ程度で申し訳ありませんが
YOKODUNA予約させていただきます。
なんか色々とフラグ回収されまくってるので自分もそうしようかなーと思います。

…が、ここでひっかき回した方が楽しいですよね?
327Classical名無しさん:07/11/11 00:48 ID:tcb2Ca3I
じゃあジョナサンのDISK@ディアボロの大冒険でww
328Classical名無しさん:07/11/11 00:54 ID:1zMzaUYk
>>317
摘まなくても誘導してハメるなり叩き落とすなりすればいいじゃないか
ストーム1あたり扱いが上手そうだ
329Classical名無しさん:07/11/11 00:57 ID:I.afQFj2
投下乙
阿部さんならこわれたバイクを修理できそうだな
330Classical名無しさん:07/11/11 00:58 ID:tcb2Ca3I
機材無きゃできないn(ry
331Classical名無しさん:07/11/11 01:22 ID:SuoxfVsQ
>>326
是非ひっかき回してくださいなw
332Classical名無しさん:07/11/11 01:23 ID:UOOmDkWw
>>300
いい男にできないことは無いだろ、常識的に考えて……
333Classical名無しさん:07/11/11 01:28 ID:we4Ho4ok
まあ軽い故障なら、代用品と、ある程度の知識があれば直せるでしょ。多分。
334 ◆0RbUzIT0To :07/11/11 09:47 ID:UbJxt1W2
竜宮レナ、友人、外山恒一、キョンの妹、永井博之、ティアナ=ランスター、前原圭一、ピッピ
予約します。
335Classical名無しさん:07/11/11 10:45 ID:TE01xqms
とうとうKOOLとレナが接触か……
波乱の悪寒!!
336Classical名無しさん:07/11/11 11:47 ID:.xWjXG0.
そういや他ロワでは全部レナって発狂→そのまま死 ってなってるんだよな……

いや、決して生存フラグを立てようとしているわけじゃないぞww
337Classical名無しさん:07/11/11 11:51 ID:TE01xqms
最初からまるでグギャリオンのごとく狂ってたロワもあったなw
338Classical名無しさん:07/11/11 12:23 ID:SSzdXyTw
詩音はここも含めて、
発症→発狂→開始→戦闘→死亡
というパターンなんだよな・・・・・・。
3つのロワ全てでw
339Classical名無しさん:07/11/11 13:00 ID:H1V0FAYA
だって詩音だもの
340Classical名無しさん:07/11/11 13:14 ID:tcb2Ca3I
確かに詩音が対主催者に回るとは思えないwww
341Classical名無しさん:07/11/11 13:30 ID:pvR7OjDE
悟史が参加者にいたら分からないけどな
342Classical名無しさん:07/11/11 13:43 ID:tcb2Ca3I
居たらなお、奉仕系でがんばっちゃうと……

「「「ポテチよ悟史く〜〜〜〜〜ん!!」」」

みたいなwww悟史もL5だしww
343Classical名無しさん:07/11/11 13:44 ID:SSzdXyTw
サトコが出場してて、目明し以降だったら普通に
対主催でもおかしくないはずなんだけどなぁw
いっつも出題編からの出場だし。
344Classical名無しさん:07/11/11 14:02 ID:8cJ7Aswc
>>343
沙都子死亡で結局奉仕マーダー化するという未来が見えた。
345Classical名無しさん:07/11/11 15:39 ID:xMts.2MA
あれ、何人か足りなくね?と思ったら
こなたと水銀燈は待機班だったか。大人数期待
346 ◆2VgTRcP6n6 :07/11/11 16:34 ID:2NsNH9.6
すみません、予約を破棄させていただきます。
長時間の間多数のキャラを拘束してしまい、本当に申し訳ございません。
347Classical名無しさん:07/11/11 16:51 ID:TE01xqms
>>346
まだ慌てるような時間じゃない
どれだけ出来てるんだ
348 ◆2VgTRcP6n6 :07/11/11 17:05 ID:2NsNH9.6
>>347
半分程書き上げましたが、そこから完全に詰まってしまいました。
予約を入れた段階では大まかな流れは決まっていたのですが、
書いてる内に不自然な部分が沢山出てきてしまいまして……。
自分の力量を見誤ったと思い、破棄とさせていただいた次第です。
349 ◆BRxsUzTn5A :07/11/11 17:06 ID:BcCH3hmg
お待たせしました
社長、やよい投下します
そんなに多くないですが念のため支援お願いします
350幸か不幸か ◆BRxsUzTn5A :07/11/11 17:07 ID:BcCH3hmg

「お兄ちゃん、あそこ!」
「ふぅん、どうやら目的地が見えてきたようだな」
霊夢たちと別れた後、カイバーマンこと海馬瀬人、高槻やよい、そしてことのはは
橋の手前の地点から歩みを進め、町から目と鼻の先までの距離まで到達していた

「あの場所ならば医療道具の一つや二つくらいは置いてあるだろう、それまでもう少しの辛抱だ」
「お兄ちゃん、ありがとう……」
「俺はただ貴様のような兄弟を持つ者に死なれてもらっては困るというだけだ、誤解されてもらっては困る」
頬を赤らめて感謝を述べたやよいに対し、海馬は一瞬顔を逸らす。
「うっうー、これっていわゆるツンデレってやつですかー?」
「……何だ、その「ツンデレ」というのは?」
「あ、いやこっちのことです。気にしないでください」
「ふぅん、ならばいい……」
2人はそのような雑談をしていると、晴天の青空を遮るように上空に道化師の映像が現れた

『こんにちはみんな、元気に殺し合いをしているかな?』

「あっ、あの最初の所にいたピエロみたいな人が!」
「またしても来たか……」
2人は静かにピエモンの放送を聞く、始めの内容は禁止エリアの情報であった

「禁止エリアはB-1とC-1……ひとまずは大丈夫ですね」
「ふぅん、第一放送と同じくエリアの端……おそらくは端の方に逃げ込んでいる奴をいぶり出そうという魂胆か。だが、
 この付近に禁止エリアが置かれていない今は関係のないことだがな」

『それじゃ、哀れな脱落者の名前を読み上げようか――』

やよいは喉をゴクリと飲み込んだ。自分の知り合いがこの放送で呼ばれてしまうのではないかと
心臓の胸が高鳴るのを感じた
『高町なのは、 鈴仙・優曇華院・イナバ……」
351幸か不幸か ◆BRxsUzTn5A :07/11/11 17:08 ID:BcCH3hmg
「高町なのはさんって……」
「霊夢の持っていたレイジングハートという杖の持ち主だと言っていたな……」
「どんな人だったか会ってみたかったです……」

『永井けいこ』

「けいこさん……」
彼女の名が呼ばれた時、やよいは決死で自分を守ってくれたけいこのことを思い返した
彼女の死は間近で見ているはずなのにずっとこらえてきた目がかすかにうるんでいた

『……柊かがみ、永井浩二……』
「永井浩二さんまで……」
「くっ、またしても兄弟姉妹の生き別れた者が増えてしまったか……!」
海馬は苦虫を噛み潰したような顔をする。柊姉妹、永井兄弟とは会っていないものの、自分と同じような境遇となってしまった者を増やしてしまったことに
彼は自分自身に憤りを感じていた

『――じゃあね。また会えることを祈ってるよ。』

放送が終わり、ピエモンが映っていた空はいつものような青空に戻っていた

「私の事務所の人たちは大丈夫でしたけど、お兄ちゃんの知り合いは無事でしたか?」
「こっちも問題ない。あいつはそんな簡単に死ぬ奴ではないからな」
(いいや、死んでもらっては困る。俺との決着をつけるまで遊戯、絶対に死ぬことは許されんぞ……!)


 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

352幸か不幸か ◆BRxsUzTn5A :07/11/11 17:09 ID:BcCH3hmg
放送を聞いた後、俺達は町の中へと入っていき、この地帯の探索を開始した。その途中、民家へ立ち寄った。やよいの怪我の応急処置をするためだ。
中に入ったものの、人の気配は全くしなかった。当然と言えば当然だ。この殺しあいで人を住ませていたら、ゲームの邪魔になるかもしれないからな。
俺は家の中の台所に行き、少しだけあった氷と包帯を拝借した。ついでに万が一の時のために民家の台所から包丁とナイフ、フォークを調達しておいた
やよいの捻挫している部分に氷を含んだ包帯を当てた。これで少しはマシにはなるだろう。しかし、さすがに骨折を治すのに必要な道具はなかったようだ。
薬局か病院のような施設があったら寄ってみる必要がある。そこに医療道具があればいいのだが、あの主催者どもも親切に設備を充実させてはいないだろう
一通り民家の中を周った後、後にした俺達は再びこの町の探索を続けた。途中の曲がり角を曲がった時、俺達は初めて町の中で「ヒト」と対面した。

「お兄ちゃん、あれって……」
「ん? こいつは……」
やよいが指差すほうには、辺りに血を流して倒れている男がいた。
「お兄ちゃんの知りあいですか?」
「いや、奴はどこの馬の骨かも分からぬデュエリストというくらいだ」
「そうなんですか……」
海馬は羽蛾の遺体に近づき、デイバックを拾う。
「ふぅん、中身は漁られてはいないようだ」
「中に何か入ってたんですか?」
「一つは役に立たないガラクタだが、もう一つは俺の探し求めていたものだ」
海馬は羽蛾のデイバッグの中身を手に取り出して、やよいに見せる。
片方はボタンが所々はずれている上に少しひしゃげているキーボード、
もう片方にはナイフやドライバーなど色々な工具がついている道具が手に握られていた。

「そっちの方ってもしかしてお兄ちゃんの探してた工具ですか?」
「そうだ、これで俺の未来へのロードへの道筋がより確実なものとなった」
「この人はどうしましょう……」
「どこの馬の骨かも分からぬ奴だが、こいつのつけている首輪を貰っておく」
「もしかしてこの人の首切っちゃうんですか……?」
やよいは不安げな表情で海馬を見る
「安心しろ、俺がお前の持っているモンスターを使って採集し、この棺桶に入れた後近くの所へ埋葬しておく」
353幸か不幸か ◆BRxsUzTn5A :07/11/11 17:09 ID:BcCH3hmg
「あぅ〜……死んだ人でも切っちゃうとなると、気分がいいものじゃありませんね……」
海馬はやよいからことのはのモンスターボールを受け取ろうした、その時――

「「「「「「「「「「いやぁぁぁぁぁぁ!!!!!」」」」」」」」」」

静けさを打ち破るほどの黄色い悲鳴が町中に轟いた

「何事だ!!」
海馬は羽蛾の遺体を一旦降ろし、辺りを見回す。
「あの声……間違いない、亜美だ」
「何!? 先ほどの悲鳴は知り合いのものか?」
「はい、事務所が一緒の子です。きっと誰かに襲われたのかもしれません、行かないと!」
「そうか、ならば俺も行こう。お前の知り合い、ましては生き分かれた妹がこのふざけたゲームに乗っている輩に襲われているとなると、
 それを見過ごすことはできん。ただし……」
「ただし?」
「あまり無理をするなよ、応急処置はしたものの、お前の体は万全ではないからな」
(俺は何を言っているんだ、人の心配など……いや、俺はただあやつに死なれてもらってはモクバやブルーアイズに示しがつかない。ただ、それだけのことだ!)
海馬は自分らしくない発言をしてしまったことに違和感を覚えたが、これが自分に課せられた義務なのだと心の中で納得しようとしていた
「うっうー、分かりました。でもお兄ちゃんも無理しないでくださいよ」
「……考えておく」
「それじゃあ、急いで亜美の所へ行かないといけませんね!」
「そうだな、ぐずぐずはしていられん。E-2に向かって全☆速☆前☆進だッ!!!」


海馬とやよいそしてことのは、亜美の元へ向かうため悲鳴が聞こえた西の方へと向かっていった

しかし、一行は知る由もなかった。
亜美が違う意味の悲鳴をあげていることを
そして、この町に必ずしも彼らと心を同じくする人がいないということを

彼らの待つ未来へのロードは光り輝ける道か、それとも奈落の底か
どちらへ通じているのか。それが分かるのはまだ先の話となるだろう。
354幸か不幸か ◆BRxsUzTn5A :07/11/11 17:10 ID:BcCH3hmg



【高槻やよい@THE IDOLM@STER】
[状態]:疲労、右手骨折
[装備]:氷つき包帯
[道具]:支給品一式×2、ことのは@ポケットモンスターヤンデレブラック、THE IDOLM@STER MASTER ARTIST01〜10@THE IDOLM@STER
    DMカード(六芒星の呪縛、攻撃誘導アーマー)@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ(現在使用不可)、
[思考・状況]
1.亜美の所へ向かう
2.永井博之さんと他の765プロのアイドルを探す
3.町に行って、怪我のちゃんとした治療をする。
4.日吉さんが無事に助かりますように
5.「ことのは」さんは、うまく使えば平気みたい。
6.緑色の服の少年を後で埋葬してあげたい
7.人は絶対に殺しません
8.カイバーマンお兄ちゃんかー
※応急処置のおかげで、捻挫と打撲の痛みが引きました
※「ことのは」がカワサキのフライパンを持っています。
※戦闘により「ことのは」のレベルが少しアップしました。

355幸か不幸か ◆BRxsUzTn5A :07/11/11 17:10 ID:BcCH3hmg
【海馬瀬人@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ】
[状態]:断固たる決意、ゴッドカイバーマン、兄再び
[装備]:正義の味方カイバーマンのコスプレグッズ@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ
ゴッドクラッシュ@ゴッドマン
盗賊の棺桶@勇者の代わりにバラモス倒しに行くことになった
DMカード(青眼の白龍、マジック・シリンダー)@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ(現在使用不可)
[道具]:支給品一式×2、壊れたキーボード@キーボードクラッシャー、十得ナイフ@現実、ナイフとフォーク×2@現実、包丁@現実、
[思考・状況]
1:主催者を叩きのめす
2:ブルーアイズに認められる兄になる
3:やよいの知り合いの元へ向かい、保護する
4:自分と同じ境遇、そうなりそうな人のことを考える。(助けるかは不明)
(つかさ、魅音、永井博之)
5:3を達成した後やよいの治療と、武器、首輪を入手するために町へ戻る。
6:馬の骨デュエリストの首輪を採集した後、近くの草原に埋葬する
7:エアーマンなど、高度なロボットを解体して、自分の技術力が通用するか知りたい。
8:三回目の放送で向こうの生死確認後、E-2橋で霊夢から首輪を貰う。
9:殺しあいには絶対に乗らない
※ブルーアイズが使えないのは、自分が主として認められていないためだと思っています。
※魔法カード、トラップカードは24時間使用不可だと理解しました
※ロックマンを岩を飛ばすロボットと予想。エアーマンの仲間と思っています。



海馬、やよいの共通認識
※レイジングハートから時空世界、魔法技術などについて聞き
なのはの世界についての知識を得ました。やよいはイマイチ理解していません。
※霊夢、ヨッシーからそれぞれの知り合いについての情報交換をしました。
※エアーマン、緑髪の女を危険人物だと認識。
※名簿が、世界の住人ごとに載っていることに気がつきました。
※首輪にこちらを盗聴する機能があると認識しました。
※各地に監視装置があることに気がつきました。
356幸か不幸か ◆BRxsUzTn5A :07/11/11 17:15 ID:BcCH3hmg
【壊れたキーボード@キーボードクラッシャー】
キーボードクラッシャーが天皇陛下を万歳した後に放り投げたキーボードの成れの果て
デスクに何回もぶつけられたせいで少しひしゃげており、ESCキーなどのところどころのキーが
はずれている。特にこれと言って特殊な効果はない

【十得ナイフ@現実】
いわゆる折りたたみ式ナイフ。ナイフやフォークなどの食器や+、−ドライバー、鋸など
ちっちゃいけれども便利な機能が盛りだくさん
357 ◆BRxsUzTn5A :07/11/11 17:17 ID:BcCH3hmg
投下終了です
問題点、疑問点などあったらレスお願いします
あと、ことのはさま空気でスミマセン……あ、Nice boat.だけは勘弁してください
マジこの通りです
358Classical名無しさん:07/11/11 18:35 ID:5vlPgzjs
乙boat
社長デレ期突入
そして波乱の予感
359Classical名無しさん:07/11/11 18:42 ID:tcb2Ca3I
投下乙!
社長のツンデレっぷりに吹いたwww
360Classical名無しさん:07/11/11 19:48 ID:JLMCuV3Y
投下乙
場所と時間はE-3で日中でおk?
361 ◆BRxsUzTn5A :07/11/11 20:09 ID:BcCH3hmg
>>360
失礼しました。場所を明記するのを忘れてました
それでOKですが一応、書いておきます

【E-3 町/一日目・日中】
362Classical名無しさん:07/11/11 21:22 ID:TE01xqms
【確定参加者・場所・時間別一覧表】
昼から動いていない皆さん

昼  A-5 大樹の中腹       ニート、富竹ジロウ、涼宮ハルヒ、ロールちゃん、ロックマン、武藤遊戯(闇遊戯)
昼   B-1 雪原            クラモンA(ケラモン)
昼  C-3 北西部・洞窟.      いさじ、柊つかさ、天海春香、園崎魅音、谷口、カービィ
昼  C-3 山道            矢部野彦麿、アリス・マーガトロイド、(アサクーラ)
昼  D-2 草原            YOKODUNA
昼  E-3 町・薬局内部.      八意永琳、古泉一樹
363Classical名無しさん:07/11/11 21:23 ID:TE01xqms
ごめんムスカとエアーマン忘れてたw
364Classical名無しさん:07/11/11 21:35 ID:xMts.2MA
ガチで忘れられキャラが定着してきたなww
365Classical名無しさん:07/11/11 21:38 ID:BcCH3hmg
まさにエアーマン
366Classical名無しさん:07/11/11 21:49 ID:JLMCuV3Y
空気男ってことか
367 ◆CMd1jz6iP2 :07/11/11 22:14 ID:gkS1MF52
えーと、予約したいと思うんですが……

いさじ、柊つかさ、天海春香、園崎魅音、谷口、カービィ
ムスカ、エアーマン、矢部野彦麿、アリス・マーガトロイド、(アサクーラ)
TASさん、クラモンB、クラモンA、スパイダーマッ!、ストーム1、ゴマモン、真
……の予約をします

多すぎですね。
時間も、昼の人も全員午後に飛ぶ予定です。多分延長します。
この時点で反対されたらやめようと思うくらいですが、どうでしょう。
368Classical名無しさん:07/11/11 22:18 ID:BcCH3hmg
大人数が動きますか
いいと思いますよ

大人数でも大人数なりの面白さがありますし
369Classical名無しさん:07/11/11 22:22 ID:tcb2Ca3I
まさかの18人予約wwwwww
意外ッ!それは3/8!!
370 ◆KJJLTUDBrA :07/11/11 22:49 ID:X.aa7RR2
まあ、良いんじゃないでしょうか。
と言うか俺としては大変じゃないのか、と聞きたいくらい。

では、遅れてすいません。
薬局のえーりんとgthm、投下します。
371Classical名無しさん:07/11/11 22:52 ID:nRQ8.3SQ
しーえん。しーえん
372Unlocked room ◆KJJLTUDBrA :07/11/11 22:57 ID:X.aa7RR2
私、八意永琳が二回目の放送を聞いたのは、ちょうど服に袖を通しているときのことだった。
ちなみに古泉は、念のためデイパックに押し込んでおいた。
着替え中は無防備になるとはいえ、仮にも文明人として、裸でいるのは居心地が悪い。
それに結局のところ、古泉が目覚めても動けないのならば、まったく問題はないのである。
そのため、今古泉は袋から顔を出した状態で眠っている。
もっとも、少し乱暴にしたにもかかわらず、一向に目を覚ます気配がないので心配は杞憂だったようだが。

私が思わず呟いたのは、ちょうどそんなときだった。。
「鈴仙……」
声が漏れたのは、予想外の名前が読み上げられたからである。
鈴仙・優曇華院・イナバ。月の兎にして逃亡者。そして私の弟子だった者。
「…………」
放送の内容を信じたくなかった。姫様やニートほどではないが、あの子もまた、大切な仲間だったから。
思い出されるのは生前の彼女。
一人だけ逃げたことに苦悩し、表情にこそ出さないが、生来の生真面目さもあってなお苦悩するその姿。
あの不思議な中国大陸で、敵の将を次々と撃ち倒していったその勇姿。
本当に、あの放送が嘘だと信じたかった。
だが私は同時に、あの死亡者読み上げに嘘はないことを確信していた。
少し奴らの思考を想像すればわかることだが、奴らにここで嘘をつくメリットはない。
奴らの目的は殺し合いをさせること。だからこれは全て事実。
それがわかる自分がなおさら悲しくて。
だから私は、少しだけ目を伏せて、彼女のために祈った。
373Unlocked room ◆KJJLTUDBrA :07/11/11 23:00 ID:X.aa7RR2
□ □ □ □ □
「……さて」
襟を整え、あの子のことを頭から追い出す。無情なようだが、殺し合いの場では一瞬の迷いが死につながりかねない。
私はまだ、死ぬわけには行かない。悲しむだけなら後でもできるのだ。
「じゃあ、まずはこいつの目を覚まさないといけないわけだけど……」
古泉のほうを見ると、相変わらずキョンキョンアッーとうなっている。
別にうなされているとかそういうのではなく、なんだか幸せそうな顔なのが逆に不気味だ。
気付け薬でもあれば楽だったのだが、そんなものは手元にない。
「はぁ……。水でもかければ目を覚ますかしら?」
私は、水を取り出そうと、自分のデイパックに手を突っ込んだ。
だが、さっき急いで詰め込んだ所為で、なかなか水が見当たらない。
仕方がないので一つづつ取り出すこととする。
赤い亀の甲羅に逆刃刀。そして。
「!」
しまった。完全に油断していた。意識の外に追いやっていた所為で、これのことを忘れていた!
何気なく取り出したのは、取り出してしまったのは、あの『ゆめにっき』という絵本。
色々と放り込んだ所為だろう。本は開いたままの状態だった。
その、他者の理解を拒むような絵に私の視線は吸い込まれるように近づいてゆき──。
374 ◆CMd1jz6iP2 :07/11/11 23:02 ID:gkS1MF52
じゃあ書いてみるー支援
375Unlocked room ◆KJJLTUDBrA :07/11/11 23:07 ID:X.aa7RR2
「……はっ!」
間一髪動いた私の右手が、自分の左肩を思い切り掴む。当然、傷が開く。
「クッ、グゥゥ!」
その痛みに、食いしばった私の口から苦悶の声が漏れる。だが意識を保つには、その痛みが今は必要だった。
血でぬれた手で本の表紙を掴み、閉じる。それを確認した私は、耐え切れずに床に倒れこんだ。
「ハッ、ハァ……ハァ……」
本当に。本当に危ないところだった。もう一度あれを見たら、私は正気でいられる自信がない。
だがなんなのだ、あれは? あれほどの影響力を持つ本など、魔導書以外に考えられない。
私の知り合いで、この本をどうにかできそうなのは……霊夢、魔理沙、アリスぐらいか。
紅魔館の大図書館かスキマ妖怪でもいればいいのだが、ここに来ているのは彼女達ぐらいだ。
放送で呼ばれていない以上まだ生きてはいるのだろうが、それまで私にはどうしようもない。
ひとまずは、また開かないようにデイパックの下にでもおいておくしかない。
「し、かし。また傷口がひらいちゃったわね。処置、しないと……?」
体を起こそうとして顔を上げ、そこで私は妙なものを見た。床板が一枚、わずかに浮いて影を作っている。
薬を探してこの薬局を探し回ったときには、そんなものは見えなかった。
気付かなかっただけかもしれないが、それでも踏めば気付くだろう。
もしかすると、先ほどのレナの一撃が原因かもしれない。あれだけの重量の代物を、思い切りたたきつけたことだし。
少しばかり不思議に思いつつ、私はそこまで這ってゆくと床板を持ち上げた。意外と簡単に外れたのには拍子抜けだ。
そしてそこから現れたのは、地下へと続く階段だった。
376Unlocked room ◆KJJLTUDBrA :07/11/11 23:11 ID:X.aa7RR2
トンネルを抜けるとそこは、とかいう小説があった気がするが、それはともかく。
たいして長くもない階段を下りると、そこは薬局の倉庫のようだった。
「これは……」
畳が六枚しいてある部屋。その部屋の壁は、下から上まで薬棚となっていて、ぼんやりとした電球で照らされている。
棚は木製で、碁盤の目のように大量の引き出しが並ぶその光景は、まさに壮観だった。
手前の机には、薬包紙やすり鉢などがおいてある。
もちろんそれらは、永遠亭の機材に比べれば何百年も時代遅れの代物だが、今の私にとってはとてもありがたい。
幸いにも引き出しに張られているラベルは日本語だったので、私にも読めた。
だが、大雑把にラベルをチェックしていくと、一つ誤算があった。
「問題は、今は調合してる暇がない、ということなのよね」
確かに、薬棚には薬の材料もあるし、薬自体も大量にあった。
しかし、薬というものはむやみやたらに取れば良いと言うものではない。薬の量が多くても少なくても駄目なのだ。
きちんとはかり取らなければ効果がない薬や、その上で別の薬と混ぜなければならない薬もある。
そうでなければ、薬はそれこそ、毒にも薬にもなる。
「でも、調合は時間がかかるし……またあとでにしましょう」
先ほどの竜宮レナがまだ近くにいるかもしれないのだ。長居はできない。
私は、最初からあったいくつかの薬の包みと、針と糸。そして、消毒用らしい酒の小瓶を持って階段を上った。
377Classical名無しさん:07/11/11 23:15 ID:JLMCuV3Y
支援
378Unlocked room ◆KJJLTUDBrA :07/11/11 23:18 ID:X.aa7RR2
□ □ □ □ □
傷口を消毒、縫合していて気付いたが、あの部屋の出口はこの階段しかなかった。
つまり上で待ち伏せされた場合、中から出られなくなる可能性があったのだ。
私としたことが、抜けていたとしか思えない。まあ、さっきは若干混乱していたことも否めないのだが。
なお、その原因のゆめにっきは、糸で厳重に封をしておいた。
「いや、入り口は本当にここだけか?」
よく考える。あそこの薬には、おそらく大抵の国で非合法にあたる薬品がいくつかあった。
もちろんそれらも薬となるのだが……。
「……なるほど。闇医者か」
思えば、地下への入り口はこれでもか、というくらい巧妙に隠されていた。
いったいどこの誰の仕業か知らないが、あれほどのカモフラージュだ。
万が一入り口を発見された場合も、何か脱出する手段、例えば隠し通路などを用意してあることだろう。
「となると、もう一度調べる必要があるわね」
さっきはラベルを見ただけで、詳しいところまでは調べていない。
確か薬棚のほかにも、おもちゃのようなものや、部屋の隅には大きな箱がおいてあったはずだ
薬はできれば何か調合したいし、他にも何かここで生き延びるのを有利にするものがあるかもしれない。
もっとも、周囲の安全を確保できなければ、無理やり行うことはないが。
「じゃあ、そうと決まれば……」
傷口を縫った糸を切り、私は立ち上がる。そして、古泉の口を無理やりこじ開けると、そこに手元の酒を少しだけ注いだ。
「キョンクンキョンク……っぐ、ごほっ、ごはぁっ」
古泉は大きくむせて、ようやく目を覚ます。
そして私は、びっくりしたような顔で目をぱちぱちさせている彼に、剣を突きつけながら声をかけた。
「さて、古泉一樹。あなたは私のことを知っているかしら?」

379Classical名無しさん:07/11/11 23:23 ID:SzSrqD7Y
しえん
380Classical名無しさん:07/11/11 23:23 ID:BcCH3hmg
〜●<支援ですよ〜
381Classical名無しさん:07/11/11 23:24 ID:tcb2Ca3I
まっがーれ↓SIEN
382Unlocked room ◆KJJLTUDBrA :07/11/11 23:25 ID:X.aa7RR2
【E-3 町・薬局内部/一日目・日中】
【八意永琳@東方シリーズ&新世紀 東方三国志〜ひぐらしの憂鬱〜】
[状態]:肩に怪我(縫合済み)、精神的疲労・中、若干の体力消耗、薬部屋発見によりややハイ
[装備]:王者の剣@DQ3
[道具]:支給品一式*2(食料一食、水一本消費)、ゆめにっき@ゆめにっき(手の形に血が付着、糸で厳重に封をしてある)
    逆刃刀@フタエノキワミ アッー!(るろうに剣心 英語版)、赤甲羅@スーパーマリオシリーズ
    鎮痛剤二包み、睡眠薬二包み、糸(あと二メートルほど)、裁縫針、ワンカップ一本(あと半分)
[思考・状況]
1.古泉一樹に協力を求める、駄目なら殺す。
2.周りの安全を確保できそうだったら、地下の調査。
3.レナは放っておいて、自滅を待つ
4.ニートや皆を探す、必要なら共闘も考える
5.できれば薬を作りたいが、無理はしない。
6.ゆめにっきはいずれ何とかしたい。
7.ゲームに優勝し、悪魔と取引をして皆が元通りになれることを願う。
※地下に薬売りの部屋@怪〜ayakashi〜化猫 を発見しました。永琳は隠し通路があるとにらんでいます。

※薬売りの部屋@怪〜ayakashi〜化猫 の部屋には、薬売りの背負子が置いてあります。
383Classical名無しさん:07/11/11 23:29 ID:BcCH3hmg
しえん
384Unlocked room ◆KJJLTUDBrA :07/11/11 23:30 ID:X.aa7RR2
【古泉一樹@涼宮ハルヒの憂鬱】
[状態]:寝起き、頭部強打、デイパックに入って頭だけ出ている、喉元に剣を突きつけられている
[装備]:無し
[道具]:無し
[思考・状況]
1.ぐ、がは、ゴホッ
2.キョン君(´Д`;)ハァハァ…ウッ……
3.優勝して、愛しの彼を生き返らせる。
4.殺し合いにのっていない参加者を優先的に始末。相手が強い場合は撤退や交渉も考える。
5.サトシと一時的に協力。利用価値がなくなりしだい始末する。
6.優勝して「合法的に愛しの彼とニャンニャンできる世界」を願う(ただし、生き返らせることを優先)
※第二回放送を聞き逃しました。
※サトシの死を知りません。
385 ◆KJJLTUDBrA :07/11/11 23:40 ID:X.aa7RR2
以上で投下終了です。
支援ありがとうございました。
問題などどうぞ。

あと、危険すぎるので、テスト投下スレに投下してみたものがあります。
順番としては、古泉の状態表の後です。
こちらを本編に組み込んでいいか、ご意見お願いします。
386Classical名無しさん:07/11/11 23:45 ID:tcb2Ca3I
投下乙!
えーりんの裸をgthmに見られなくて良かったww

個人的にはテスト投下のやつも面白くしいいと思う
387Classical名無しさん:07/11/11 23:48 ID:BcCH3hmg
投下乙
古泉やっと目覚めたか、えーりんと手を組むか期待
薬局の下は薬売りの部屋に繋がっていたか
いろんな隠し部屋があってもしかしたらどこかの地点と繋がっているのかもな

そして最後の方なんだけどこれはきわどい
ゆめにっきのとこと大樹の地点をつながっているのは……
ワープできる面白さもあるけど行ったら行ったで扱いにくそう
監視の及ばない地点はオリジナルになりそうだし

だが男は度胸、何でも試してみるものがニコロワだしねぇ
388 ◆irB6rw04uk :07/11/12 00:15 ID:nHlk/Iew
社長、やよい、亜美、魔理沙、お覇王
を悩んだ末予約します。
389Classical名無しさん:07/11/12 00:26 ID:b5rsad/Q
≪未≫予約に見えたwwww
wktk
390 ◆0RbUzIT0To :07/11/12 13:15 ID:n.XZLalk
現在ノロノロと書き進めております。

ひぐらしに詳しい方に質問なんですが、
罪滅し編のラストのKとレナの決闘の時、レナはL5まで進んでたんでしょうか?
それと、その際に正気を取り戻したレナは結局再発するかもしれないレベルに収まっただけなんですかね?
391Classical名無しさん:07/11/12 14:12 ID:1wpp1Vhw
アニメより少し上だと思われる。
トミーと違い急性発症ではないが、首は掻いて血まみれだった。
一度そこまで行くと、L3にまでしか戻らない。
疑心暗鬼は消えるが、定期的な薬の投与が必要かも。
ちなみに三國えーりんは、特効薬作れるので完治できる。
392Classical名無しさん:07/11/12 14:47 ID:2StDhDAE
雛見沢症候群は人によって症状が激しく異なるから完全に完治の可能性もあることはある。
393Classical名無しさん:07/11/12 16:12 ID:r.58a14Y
L3までなら生活可能
この段階なら薬無しでも妄想に囚われない
L4は被害妄想に囚われる
この段階でも、高野式呼吸法などで心を落ち着かせてケアすれば下がる
L5はリンパ節の猛烈な痒み、および酷い幻覚など
サトコはL5なのを強引に薬でL3に下げてるから、普通のL3じゃない


トミーは対処法も心得ているから、本来は発症しないはずなんだけど………

あれ、発症してる?
394Classical名無しさん:07/11/12 16:35 ID:UFAjRDLg
悟史に投与した頃の薬だと、効果が不安定で悟史は治らなかった。
C120なら、L5でもL3まで引き下げられるが、1日2回(程度が酷いと3回)
注射しないと再びL5に戻ってしまう。
レナは、治療薬が完成してないのに、平成でも生きてたので
L4だったのかもしれない

ただ、自力で病気を克服も出来るらしい。
しかも、克服すると鬼の力を得るという半公式設定。
鉄砲の弾くらい弾き返せるそうです。
雛見沢村の人間、宇宙人の血が混じってるだけあるな。

トミーは薬で一気にL5末期にされたので、時報は少し特殊。
予防薬打ってるから、対処法知っててもしてないと思うぜ
高野式呼吸法って、トミーとかも知ってるんだっけ?
395 ◆0RbUzIT0To :07/11/12 16:45 ID:n.XZLalk
>>391-394
了解です。情報ありがとうございました。
それにしてもやっぱり多数の人物を動かすとなると楽しい反面難しい。
396Classical名無しさん:07/11/12 20:11 ID:Vv9Vnv/s
ps2版の話になるが、レナは茨城でL4発症した。
その後東京がレナの存在を知って赤いカプセル=治療薬を投与して復帰させてるという設定になっている。
だから罪滅し編以外はL0(完治)みたい。

設定が矛盾しててまったく意味は無いけど一考としてどうぞ。
397 ◆irB6rw04uk :07/11/12 20:41 ID:nHlk/Iew
魔理沙とうどんげの関係ってどの程度でしょうか?
PCゲーム版はやったんですが…
398Classical名無しさん:07/11/12 21:17 ID:5JBoq9xk
魔理沙とうどんげは永夜抄5面で遭遇しているのが初対面です。
その後の花の異変(花映塚)でも会ってはいますし、宴会にも来るでしょうし。
少なくとも萃香(全くゲーム上で会ってはいない)以上には良く知っていますが、永琳(薬の師匠、同じ永遠亭で従事)以上の関係は無いです。

おそらく、霊夢の関係と同程度に近いでしょう。
まぁ魔理沙からすれば「良く知ってる友人一同のうちの一人」みたいな面識しかないのではないでしょうか。
399Classical名無しさん:07/11/12 21:59 ID:eW5tbeRo
まあ、霊夢ならともかく、魔理沙なら知人の死に多少なりともショックを受けるんじゃないかな。
まっすぐな性格らしいし(でもひねくれてる)
もっとも、そいつを外に出すかは甚だ疑問だが。
400 ◆7d53oKGJP2 :07/11/12 22:47 ID:5B.7LHO.
一応できましたが、表現や原作の解釈に一部間違いがあるかもしれません(武装錬金の解釈についてとか)。
したらばにテスト投下しておきますので、可否判定をお願いいたします。

かなりひっかき回してやるつもりだったのに最近の他のSS事情で空気読み過ぎな展開になってしまい涙目です。
401 ◆irB6rw04uk :07/11/12 23:04 ID:nHlk/Iew
情報有難う御座いました。
そして投下乙!
AAが入っていたので一瞬何事ですか?と思いましたよ
内容的には問題なしだと思います。
核金には自動回復機能が備わっていることは公式設定なのですが発動させた状態では回復するかは分かりませんね
402Classical名無しさん:07/11/12 23:31 ID:It4MxymU
>>400
仮投下乙
地下の件やアレなシーンも問題ないと思います
電車がないかわりに地下通路でもつながっているんでしょうかねぇ

あと、古泉えーりんの最後のシーンは通し?
ゆめにっきも扱いにくいが未知の部分は書き手の負担になりそうだけども
面白そうかもしれないけどね
あと、大樹と繋がっているのも入ろうとしても精神を蝕まれるし
限定されたものになりそうだし
403 ◆7d53oKGJP2 :07/11/13 00:08 ID:ZcMuynj6
>>401
はい、不明なんです。武装錬金によるダメージは解除すれば大体直るみたいですが…バルスカとか。
最初の方で蛇のホムンクルスが鉄パイプで殴られてもすぐ回復してたので、あんなカンジかなー?と。

>>402
ありがとうございます。このロワ、自分で言うのもナンですが地下が多いですねぇ?

まだ予約期限まで時間があるので、本投下は火曜日の夕方頃にしようと思います。
404 ◆CMd1jz6iP2 :07/11/13 00:13 ID:4rp8.wGk
投下乙
色々良くわからない世界が広がってそうですな。

ちょいと思ったのですが、放送なんですけど
死亡者で暗黒長門って呼ばれてますけど、これでいいんですかね?
長門有希ではなくて良いのかなと今更ながら思ったのですが。
405Classical名無しさん:07/11/13 08:45 ID:oK/lW1AI
>>404
確かによく見たら暗黒長門って書いてあるな、見落としてた
俺も長門有希にした方がいいと思うけどね
406Classical名無しさん:07/11/13 09:17 ID:Me2ZHwcw
参加者リスト(名簿)に暗黒長門で記載されてるからこれでいいんじゃないかな
イチローもイチローだし友人も友人で載ってたみたいだし
407Classical名無しさん:07/11/13 09:19 ID:ZcMuynj6
友人死んでもわからないなぁw
408 ◆KJJLTUDBrA :07/11/13 09:35 ID:vrSIyMew
仮投下乙です。
しかし地下多いな。いや、人のこと言えないですが。

では、えーりんと古泉のラストのあれに関しては、特に大きな異論はないようなので通しということで。
あと、少し修正。
最後の※(ゆめにっき云々と書かれているやつ)のすぐあと、文の冒頭に
『大樹の部屋の解放より、』の一文を追加。
409Classical名無しさん:07/11/13 09:39 ID:vrSIyMew
いや、『大樹の部屋の解放により、』でした。
すいません。
410 ◆0RbUzIT0To :07/11/13 09:54 ID:C1aljUW.
すみません、ちょっと間に合いそうに無いんで少し延長申請させてください。
411 ◆0RbUzIT0To :07/11/13 16:24 ID:C1aljUW.
外山、レナ、友人、妹、ティアナ、ひろくん、ピッピ、圭一の分完成しました。
50レス分くらいになってしまったので、どなたかいましたら支援お願いします。
412罪滅しと、新たな罪と ◆0RbUzIT0To :07/11/13 16:25 ID:C1aljUW.
街中の住宅街を一人の青年と一匹の獣が闊歩していた。
その足取りは重いものではなく、だが決して軽いものではない。
強い決意と覚悟を決めた戦士のそれと同じものである。

青年は……つい先ほど、過去の過ちを仲間に打ち明けた。
それは到底許されるものではなかったが、しかし仲間は許すと言った。
言ってしまえば何の関係も無い者から言われたその言葉だが、青年はその言葉に救われたのだ。
そして、長い輪廻の果てにようやく見つけた奇跡を手に握り締め青年は運命を打ち破る事を決意した。

男の名前は前原圭一、運命の鍵を握る者。
彼は今、水銀燈の仲間がいると聞いた塔へと向かっていた。

「ピッピ、何か聞こえないか?」
「何か雑音のようなものは聞こえるけど……それが何かまではわからない。
 でも、音からして沢山人がいるような気がする……」

ピッピの進化系であるピクシーは1km先で落ちた針の音さえも見事に聞き分ける能力を持っている。
だからこそピッピも、ピクシー程ではないにしろ耳の良さには自信を持っていた。
実際この能力が役に立ち、TASの襲撃の時には咄嗟に体勢を立てられたのだ。
……問題はその時相手が危険人物なのだとわからずにむざむざとやられてしまった事だが。

それはともかくとして、塔に沢山の人がいるというのはどうにも妙だ。
水銀燈から聞いていた情報によると、塔にいるはずの仲間は永井博之とティアナ=ランスターの二人。
それ以外にいる可能性のある人物といったら……。

「何人くらいか正確にわかるか?」
「一人凄く五月蝿いのがいるけど、その他には三人かな……多分、四人だと思う」

それを聞いて圭一は歯噛みをしながら思考を練った。
しかし、どれだけ考えてみても頭を過ぎるのは嫌な予想ばかり。
襲撃してきた男達の人数も、銃を持った少年と刀を持った少年の二人だったはずだ。
確か銃を持った少年の方は何かを喚き散らしながら襲ってきたというし、五月蝿いというのも辻褄が合う。
413罪滅しと、新たな罪と ◆0RbUzIT0To :07/11/13 16:26 ID:C1aljUW.
「落ち着け、KOOLになれ前原圭一……!」

銃を持った少年と刀を持った少年……更に、ピッピの話ではかなり強いオタチっていうポケモン。
そいつらがいる以上、何も考えずに突っ込むだけじゃ命を無駄に散らすだけになってしまう。
水銀燈の仲間を助ける為にも、そしてまだ果たせてない贖罪の為にもそれだけはゴメンだ。

「ピッピ、お前はそのオタチっていうポケモンには勝てそうにないのか?」
「むむむむ、無理だよ! 僕とオタチじゃ文字通りレベルが違いすぎるんだ!
 コロネならなんとかなるかもしれないけれど……あ、でもあのオタチもしかしたら氷や炎タイプの技を覚えてるかもしれないし」

オタチはキャタピーと違ってわざマシンが使えるし、ノーマルだから色んな技を覚えれるもんな。
僕はご主人様の意向で全然覚えさせてくれなかったけど、などと言いながらピッピは悩む。
タイプや相性といった事に関して圭一は何一つわかってはいないがピッピの様子だけでそのオタチという生物が危険なものなのだと判断していた。
だが、だとすればどう対処したものか……。
自分が持っているのは鋸と包丁だけで、そんな危険な生物に敵うとは思わない。
ピッピの『ゆびをふる』という技も聞いた話ではどんな技が出るかは完璧なランダムらしくあまりアテにしすぎるのも危険だ。
どうしたら……。

「でも……」

顎に手を当て、考え込んでいた圭一にピッピが呟くように言った。
オタチの姿を思い出し、少しだけ怯え震えながらもしっかりとした眼差しで前を見据えて。

「もしやらなきゃいけない状況なら僕は……戦うよ、圭一を守る為にも水銀燈の仲間を守る為にも……」

運良くノーマルに強い格闘タイプの技が出るとはわからないし、仮に地獄車や跳び膝蹴りが出たとしても外れる可能性もある。
おまけに素早さでも負けるかもしれないし、そうなれば自分の負け……即ち死亡は必至だ。
だが、ピッピは怯えながらもそう覚悟を決めた。
先の戦いでピカチュウは圭一を守る為に命を投げ捨て、TASを撃退した。
先の放送で混乱していたこなたに対し、圭一は懸命に説得をした。
先の告白で辛そうな顔していた圭一に、こなたはそれを知っている口振りで許してみせた。
414罪滅しと、新たな罪と ◆0RbUzIT0To :07/11/13 16:27 ID:C1aljUW.
「僕も皆の役に立たなきゃ駄目なんだ……!
 あの時、逃げ出しちゃって助けられなかった女の子の為にも……あの男の子は倒さないと!」

あの時、あの民家での会合で圭一が運命をぶち壊す事を決意したように、ピッピもその決意を固めていた。
勿論今でも足は震えているし、顔色も明らかに悪い。
どこからどう見ても強がりにしか聞こえないその言葉。
だが、それでもピッピは前だけを見ていた。

「いいいい、行こう圭一!」
「……ああ、そうだなピッピ!」

震える声で言ったピッピに、圭一はその手に鋸を握り締めて同意した。
そう、こんな状況では物怖じしてしまうのも仕方が無いのかもしれない。
しかし、例え怖かろうと戦わなければならない時が来る。
運命をぶち壊す為に、戦わなければならない時が。

「例え相手がどんだけ強かろうと関係ねぇ!
 俺達はそんなもんに……止められる訳にはいかねぇんだ!」

運命を壊す為にも、立ち止まる訳にはいかない。
二人の戦士はお互いにそれを確認し合うと走り出した。
仲間さえいれば、どんな運命にだって敵にだって立ち向かえる。


KOOLになった結果、結局出た答えは精神論だった。
415罪滅しと、新たな罪と ◆0RbUzIT0To :07/11/13 16:29 ID:C1aljUW.
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「うわああああああああ!! HA☆NA☆SE!!」
「同志レナ……」

塔の付近は、正しく惨状というべき有様だった。
本来ならば愛らしい顔立ちをしているだろう少女は縄に縛られた体をくねらせ、髪を振り乱して絶叫。
まだ幼い童女は額から血を流し気絶し、その傍らにいる青年も疲れきった表情で虚空を見ている。
これがアニメなら、正義の味方が来て颯爽と助けてくれるのかもしれない。
でも、これはアニメじゃない。誰も助けてはくれない。

「もう、嫌よ」

ぽつり、と青年が呟いた。虚空を見ているその瞳には何も映っておらず、何を考えているのか見当もつかない。
だから、最初にその言葉を聞いた時誰もが何の事を言っているのかわからなかった。

「博之さん?」
「もう、疲れた……何で俺ばっかり、こんな目にあわなあかんねん」

兄を亡くし、母を亡くし、視力すらも失くした彼の精神は既に限界に近づいていた。
ブラコンやマザコンなどという訳ではなく、それは人として当たり前の感情。
肉親を亡くして悲しいと思わない、絶望しない人間なんていない。
突然視力を失って、正気でいられる人間なんていない。

「いきなり変な所に連れてこられて……! 殺し合いをしろとか言われて……!
 人に襲われたり! 死人に会ったり! 兄貴とおかんを殺されて!!
 俺が何をしたんぞ! 何でこんな目にあわないかんのんぞ!!」

思わず立ち上がり、絶叫する……が、その足がふらついた。
慌ててキバは博之の下に駆け寄り、肩を貸すようにして体を支えたが博之の悲しみはまだ止まらない。
その行動により、目が見えない以上立ち上がる事さえままならない体だという事を知ったからだ。

「落ち着いてください、博之さん……そりゃ、気持ちはわかりますけど」
416罪滅しと、新たな罪と ◆0RbUzIT0To :07/11/13 16:30 ID:C1aljUW.
「お前に何がわかるんぞ!!」

宥めようとしたキバに吐いたのは激しい罵声。
なおも暴れる博之を、しかしキバは我慢強く引き止める。
どれだけ暴れた博之の拳が体に当たろうと、罵声と共に飛び出た唾が顔に付着しようと必至に博之を支え続けた。

「兄貴も死んで、おかんも死んで! もう家帰ってもあいつらおらんやないか!!
 ジーコおらんかったら配信出来ん……おとうやタツに、何て言うたらええんぞ!!」
「同志博之……」
「何が同志ぞ!」

更に、博之を心配した外山に対しても博之は構わず罵声を浴びせ蹴りを見舞った。
辺り構わず放ったそれは、外山の鳩尾に入り蹲る。

「外山、俺はあんたの事知っとるし好きやった!
 でも、お前が連れてきた仲間はただの狂人やないか! そんな奴は同志やないし、なりとうもない!!」

蹲る外山に向かって、叫び続ける博之。
彼は兄に比べて比較的まともで、尚且つ良識のある人物であると見られていた。
だが、それでも彼はあくまでもただの、一介の一般人だったし、
兄と母の死を自分一人だけで背負い込める程出来た人物でもなかった。

だからこそ博之は、その悲しみを人にぶつける事によってなんとか自分を取り戻そうとしていた。
もう兄も母もこの世にはおらず、そして蘇る事などない。それをわかっているからこそ、博之はただ暴れに暴れ。
何の関係もなく、むしろ自分を心配してくれているはずの外山とキバに暴力を振るい。
そして、外山もキバもただ博之のなすがままとなっていた。

「俺は……俺は……!!」

だが、そう簡単に悲しみは拭えない。人をどれだけ殴ろうと、蹴ろうと、気持ちは一向に晴れない。
握る拳に血が滲み、どれだけ罵声を浴びせても気持ちは一向に晴れない。
417Classical名無しさん:07/11/13 16:32 ID:.c26lph.
 
418Classical名無しさん:07/11/13 16:34 ID:.c26lph.
  
419Classical名無しさん:07/11/13 16:36 ID:F2AIbNPE
/sien
420罪滅しと、新たな罪と ◆0RbUzIT0To :07/11/13 16:38 ID:C1aljUW.
どれだけ殴り続けただろうか、気がつくと手の感覚すら無くなっていたその時。

「あはははははははははははははははははははははははははははははは!!」

突然、狂人の狂った声が辺りに響き渡った。
外山とキバがその耐え凌いでいた体をその声を発したであろう人物の方向を向き、博之も声だけを頼りにその方向へと顔を向ける。

「宇宙人同士で仲間割れか! ざまあみろ!!
 地球を侵略しようとしても結局そうやってお前達は何一つ為せないまま死んでいくんだ!
 どうせお前が言ってる兄も母も無意味な死を遂げている!
 宇宙人なんかに地球を侵略させるもんか! もっとやれ! 仲間割れしろ!
 全員死ね! 死ね! 死んでしまえええええええええええええええええええ!!!!」

狂った形相で、声で、全てを壊すように叫び続ける。
何が彼女をそうしたのか、答えはキバだけが知っていた。

「雛見沢症候群……」
「同志キバよ、あれを治す方法は?」
「薬があれば……完全に治す事は出来ませんけど、治める事は出来るはずです」

雛見沢症候群、雛見沢村固有の風土病。
症状は極端な疑心暗鬼による凶暴性とリンパ異常による喉を主体とした全身の痒み。正しく、今のレナの状況だ。
それを治すにはC120という治療薬が必要だが、そんなものは今ここに無いしこの殺し合いの場全域にあるとも思えない。

「薬局などには、治療薬は置いていないのか?」
「多分無理です、凄く特殊な病気である以上普通の薬局なんかにあるはずがないですから。
 だから、他の方法でどうにかしないと……」

何故それをキバが知っているのか……そのような事は、この際どうでもいい。今必要なのはレナを雛見沢症候群から救い出す事だ。
治療薬を使わずに発症を抑える。魔法のような話だが、キバは不思議とそんな事例を知っているような気がしていた。
それは一体何だったのか……思い出そうと頭を捻っている、その背後から。
小動物が、レナ目掛けて一直線に駆け抜けていった。
421罪滅しと、新たな罪と ◆0RbUzIT0To :07/11/13 16:39 ID:C1aljUW.
「ヲタチ! でんこうせっか!!」

その言葉を受けて更に加速し、レナへと突撃をするヲタチ。
縄で縛られ身動きの出来ない状態であるレナは当然吹き飛び、地面に倒れる。
だが、ヲタチに命令をした人物はその様子が見えない。
故に、更にヲタチに命令を課そうとする。

「ヲタチ! ほのおの……」
「やめろ、同志博之!」

命令を下そうとした博之の口を手で塞ぎ、外山は諌める。
キバも博之の後ろに回りこみ、羽交い絞めにしてレナの下まで走り出さんばかりの博之を止めた。
その判断は正しく、もし仮に走り出していたら目の見えない博之は転んでいただろう。
だが、それでも博之は怒りに身を任せて外山とキバを振りほどこうとする。

「ふざけんな! 何が無意味な死よ!!
 あいつらは……そんなんで死んだんと違う! ジーコもおかんも……そんなんやない!!」

永井浩二は決して無意味な死を遂げた訳ではない。
四肢を失いながらも少年と戦い、博之とティアナを守り、見事に愛媛の打開を見せ付けた。
永井けいこもきっとそうだ、かつての離婚の危機でさえ子供が可愛いからと打開してみせた慈愛の心があるのだから。
きっと誰かを庇って死んでしまったのだ。
人の命を救ったのであろうその行動は決して無意味なんてものではない。
そして、その死を嘲笑ったレナは決して許せるものではない。

「何も知らん癖に宇宙人宇宙人……! 殺したる!!」
「待って下さい、博之さん……! アイツは今、病気で我を失ってるだけなんです! だから……」

なおもレナの下に行こうとする博之を抑えながら、キバは必死に博之を治めようとしていた。
先ほどまで自分達を殴って殴って、その悲しみとやり場の無い怒りを再び募らせてしまった博之を必死に。
当然外山も、博之を止めようとする。
だが、ここで二人が犯した過ちは二人がかりで博之を止めようとした事と、キバが後ろに回り羽交い絞めにした事だ。
422Classical名無しさん:07/11/13 16:40 ID:1ig1XkZQ
423罪滅しと、新たな罪と ◆0RbUzIT0To :07/11/13 16:40 ID:C1aljUW.
成人男性である博之の身長は、キバのものよりも少し高い。
だからこそ、キバは博之の背中を見ながら羽交い絞めをする体勢になっていた。
当然、背中を見ながらという事なのでその前に何があるのかは見えない。
そして、外山は前から博之を必死に止めようとしているので後ろで何が起こっているか見えない。
勿論、博之は目が見えない上に興奮している為に物音がしようと何が起ころうと気付かない。

縄で縛っているから、大丈夫だろう。
その過信が油断を招き、彼らの背後を無防備にさせてしまったのだ。
外山もキバも博之も背後で何が起こっているかはまるでわからない。

だから。

「ぐおおおおおおおおおおおおおおおっ!?」

何故、外山が絶叫を上げたのか。
そして、何故外山の腕が宙を舞い血飛沫が体にぶちまけられたのかも、わからなかった。
424罪滅しと、新たな罪と ◆0RbUzIT0To :07/11/13 16:41 ID:C1aljUW.
「う、うお、おおおおおおおおあああああ!?」

崩れ落ちるようにして、外山は地に伏した。
見てみると外山の右腕は肩口から先が無くなっており、断面に骨が見えている。
キバは思わず、その見てしまった生々しい断面図と血の臭いにより嘔吐しそうになるが辛うじて耐えた。
その視線の先に、もっと信じられないものを見つけたからだ。

「レナ……!」

そこには、顔を歪ませて大鉈を振りかぶったレナの姿があった。
咄嗟に博之を掴んで地面に転がり込むように回避するものの、頭上で大鉈を振ったぶおん!という快音が聞こえる。
おかしい、何故レナが起き上がっているんだとキバはなるべく冷静に頭を回転させた。
縄できつく縛っていた以上、解いたとは考えにくい。
だとしたら、何で今レナは自由になって俺達を襲ってきているんだ?

「おらああああ!! ぼやぼやしてるんじゃないよッ!!」
「うおわっ!?」

どうやらレナはひとまずの標的をキバに定めたらしく、再び鉈を振り回して突撃してくる。
それを寸での所で回避しながら、キバはその大鉈を持つレナの手に火傷の痕を見た。
もしかしたら、と再び視線をヲタチの方に向けるとヲタチは佇んで指示を待っているようだった。

その拳に、炎を纏わせながら。

「な、何が起こってるんぞ! なぁ、おい!」
「博之さん、ヲタチを戻して隠れてて下さい! レナが……手枷を破って襲ってきてます!」
「なっ!? なんでぞ!?」
425Classical名無しさん:07/11/13 16:41 ID:oK/lW1AI
1500秒で支援
426罪滅しと、新たな罪と ◆0RbUzIT0To :07/11/13 16:42 ID:C1aljUW.
目が見えず状況が飲み込めていなかった博之はその言葉を聞いてひとまずヲタチを呼び戻し、自分の警護に当たらせる。
突然顔に何か生暖かい液体が付着したと思ったら、外山の叫び声が聞こえて、何者かに押し倒された。
その後何か重そうなものが空を切る音が聞こえたら、レナが襲ってきたという。
何故そんな事になったのか……ヲタチを抱えながら考え込み。
そして、たまたまそのヲタチの手先に触れた際に……、ようやく全てを悟った。

「もしかして……俺のせいなんか?」
「もしかしなくてもそうだよばーか! やっぱりお前達は無意味だ! 無能だ! 汚物だ!!
 折角縛った私を解放してどういうつもりなのかな!? かなぁ!?」

火傷した掌で大鉈を握り締め、レナは言う。

博之がヲタチに電光石火を指示した後、更に追加でしようとした指示は『ほのおのパンチ』
だが、全てを言い終わるまでに止められてしまったが為にヲタチは指示を完遂する訳にはいかず。
ヲタチは炎を拳に纏わせたままの状態で待っていたのだ。
電光石火で吹き飛ばした、レナの目の前で。

「縄を焼ききるのには時間がかかるからその間に気付かれるかもって思ったんだけどね!
 お前達が仲間割れをしてくれたのはラッキーだったよ! こっちに全然注目してくれないんだからね!!」
「俺が……」
「あっははははははははは! 今更後悔したって遅いんだよ!?
 お前達はここで死ぬんだ! 宇宙人なんかみんなみんな死んでしまえ!!」

博之はその言葉を聞き、絶望に打ちひしがれた。
自分の軽率な行動のせいで、キバを、外山を危険に晒してしまった事に。

そして、その時。
それらの喧騒を聞いて、目を覚ました者がいた。
427罪滅しと、新たな罪と ◆0RbUzIT0To :07/11/13 16:43 ID:C1aljUW.
「ひっ!?」

その童女が最初に見たのは、目の前で鉈を振り回す女とそれから懸命に逃れている男の姿。
頭が痛む、触ってみると何かぬるっとしたものが手に付着した。
見てみると……それは、真っ赤な色をしたナニカ。
わからない……? いや、そんな事はない。 これは、ここに連れてこられて一番最初に見たはずだ。
さっちゃんと名乗っていた女学生を刺し殺した時に見た、赤い液体。

血だ。

「いやあああああああああああああああああああ!!」
「妹ちゃん!? うおっ!?」
「ほおら、どこ余所見してんだか! ガキの叫び声なんかに気を取られてたら死ぬよ!?
 それよりそんなに早く殺して欲しいのかな!? かなぁ!?」

目の前での光景、自分に恐怖を与えたその対象、そして自身から流れ出ている血を見て少女の恐怖心は限界を超えた。
辺り構わず泣き叫び、頭を抱えて身を縮める。
まるで生まれたての赤子のように、恐怖によって何も考える事をせずにただそうするのみ。
目の前から逃げるだとか、立ち向かうだとかいう思考にすら至らない。

「くそっ……妹ちゃん落ち着いて! 大丈夫、絶対に守るから!」

キバはレナの攻撃を避けながらも、妹が正気に戻るよう懸命に説得をする。
だが、そんなキバに対してレナは無情にも冷酷で残忍な言葉を放つ。

「へぇ! 本当に守れるのかなぁ!? だったら、試してみようか!」
「なっ!?」
428Classical名無しさん:07/11/13 16:43 ID:F2AIbNPE
 
429Classical名無しさん:07/11/13 16:44 ID:oK/lW1AI
 
430Classical名無しさん:07/11/13 16:44 ID:r8cmdRqU
431Classical名無しさん:07/11/13 16:44 ID:.c26lph.
支援
432罪滅しと、新たな罪と ◆0RbUzIT0To :07/11/13 16:45 ID:C1aljUW.
そう言い、レナが振り下ろした大鉈の先には少女の姿。
キバは言った、キョンの妹を絶対に守ってみせると。

だが、今からでは到底間に合わない。
メタルブレードを発射しても振り下ろされた大鉈はレナに届く前に少女を捕らえるだろう。
キバがキョンの妹と交わした約束は、守る事が出来ない。
届かない、叶えられない、助けられない。

「あ……あああああああああああ!!」
「死んでしまえええええええええええええええ!!」

少女の顔が恐怖に凍りつく。
そして鉈が少女へと向かう間、少女は瞬間的に自分の行いを後悔しはじめていた。
どうせ死ぬのならば……人を殺さなければよかった。
生きて、取り入って、最後まで残って、兄を生き返らせるつもりだったのに。
失敗ばかりをして、結局のところ何も成す事が出来なかった。
こんな事ならば誰も殺さず、せめて最後まで後悔する事の無いように生きたかった。

だが、今更そんな事を思い出してももう遅い。
レナの振り下ろした大鉈がついに少女の眼前に迫っているのだ。

思わず少女が目を瞑り、レナが今正に叩ききろうとしたその瞬間。

「うおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」

少女を庇うようにして、一つの影がその前に立ちはだかった。
433罪滅しと、新たな罪と ◆0RbUzIT0To :07/11/13 16:46 ID:C1aljUW.
ぐしゃり、と嫌な音が鳴った。
その音が聞こえた事と自分にかかる重圧、そして何かのうめき声を聞き。
少女は固く瞑っていたその目を再び開ける。
死んだのだろうか、だが、それにしては痛みも感じない。
そんな事を考えながら、おぼろげに瞳を開けたその先にあった顔は……。

瞳を閉じ、言葉も無く倒れ伏したキバの姿。

「キバくん!?」
「…………」

思わず声をかけてみるものの、答えは返ってこない。
当然だろう、少し考えてみればどういう状況で、何が起こったのかくらいわかる。
キバは……少女を庇ったのだ。
それは、確かに言葉通りの、約束通りの行い。
そして少女が望んでいた、自分を庇ってくれる守ってくれる駒として当然の結末。
本来なら、自分の幸運に喜ぶべき事だったのかもしれない。
そう、本当なら、嬉しい事のはずなのだ。

なのに、涙が溢れて止まらないのは、何故なのだろうか。

「キバくん……! キバくん!!」

どれだけ揺すっても声をかけても叩いても、キバは目を開けない。
当然だ、自分を庇って大鉈の一撃を受けてしまったのだから。
でも、それでも、少女はキバの死を認めたくは無かった。

「どうして……キバくんが……」

少女に覆い被さり、ぎゅっと抱きしめているキバの体はまだ温かい。
こんなにまで抱きしめて、守ろうとしてくれたのだ。
裏切る為に接触をしていた自分の事を、命を挺して。
434Classical名無しさん:07/11/13 16:46 ID:oK/lW1AI
ティアナ?それともK!?支援
435Classical名無しさん:07/11/13 16:47 ID:MoFznqjg
436罪滅しと、新たな罪と ◆0RbUzIT0To :07/11/13 16:47 ID:C1aljUW.
「あはははははははははははははははははははははははははははははは!!
 偉い偉い! キバくんは妹ちゃんを守ったんだね! 凄いよ、尊敬しちゃうなぁ!! 嘘だけどね!!」

涙を流し、悲しみにくれる少女を尻目にレナはその狂気の叫びをやめない。
レナからしてみればキバがキョンの妹を庇った事は正直言って計算外だった。
どうせ仲間割れをするような宇宙人、守るなどといいながらも尻尾巻いて逃げるのがオチだと思っていた考えをひっくり返されたからだ。
だが、所詮イレギュラー。宇宙人が何を考えて庇ったのかなんてわからないし、わかりたくもない。
かつての仲間を殺してしまったなどという罪の意識なども当然無い。
レナが感じているのは宇宙人を倒した事によって得られた高揚感だけだ。

「さぁ、次は誰を殺そうかな!
 まあここにいる全員は殺すつもりだから誰でもいいんだけど……ッ!?」

気分が昂り、鉈を持つ手に更に力が入っていたレナの目の前に再び現れた小動物。
その拳には先ほどとは違い、冷気が宿っている。咄嗟にレナはその小動物が構えている拳の射線上から離れる。
その時、瞳を閉じながらも指示を出していた青年を見つけた。

「ヲタチ! れいとうパンチ!!」

博之の指示通りに冷気のこもった拳を突き出すヲタチ、だが既にそこにレナはいない。
もっと早くに指示を出していれば……と思うかもしれないが、博之の目が見えない以上それは不可能。
攻撃すべきタイミングを掴み取れないのだ。

「や、やったんか? なぁヲタチ……キバ、外山さん?」

状況を飲み込めず、キバも外山に呼びかける。
だが、どちらからも返事はない。返ってくるのはヲタチの鳴き声だけだ。

「なぁ……ちょ、どうしたんな……おい!!」
「そんなに早く殺して欲しいんならぶっ叩いてやるよォォォッ!」
「!? おま……外山さんらは!?」
437Classical名無しさん:07/11/13 16:48 ID:oK/lW1AI
レナは大変なものを盗んでいきました支援
438Classical名無しさん:07/11/13 16:48 ID:0spL8mQs
439罪滅しと、新たな罪と ◆0RbUzIT0To :07/11/13 16:48 ID:C1aljUW.
状況が見えない博之は、キバも外山もどうなったのか知らない。
外山の叫び声も聞こえた、キバの声も聞こえた。
だが、何がどうなって、どうしているのかが全く飲み込めない。
そんな博之に対して、レナは思い切り踏み込み鉈を振りかぶった。
そして、その鉈が博之の頭に当たり、かち割られる寸前。

鉈を持っていた右側の腕から、血飛沫が上がりその衝撃で鉈が吹き飛んだ。

「ッ!? 誰だ……!?」

痛みを感じた様子もなく左手で吹き飛んだ鉈を回収しながら振り返る。
そこには、倒れながらも拳銃を握り締めてしっかりとした面持ちでレナを見つめていた外山の姿。

「同志博之! ヲタチを下がらせろ、指示は常に出すんだ!
 攻撃させては下がらせ、攻撃させては下がらせるように!!」
「う……わ、わかったわ! 外山さん、大丈夫なんか!?」
「ああ……私は大丈夫だ、気にするな同志博之」

もしかしたら、自分のせいで大怪我をしているんじゃないかと心配する博之に対して外山は安心させるように言う。
本当の事を言えば、かなり辛い。
右腕が欠落したことによるショックや痛みもそうだが、出血による眩暈が何よりも酷い。
だが、それは決して口にしない。
口にしては悪戯に博之を不安にさせてしまうという事をわかっていたからだ。

「ヲタチ、でんこうせっか! そん後すぐに俺んとこ戻って来い!」

その指令を聞いてヲタチはすぐさまレナの下に駆け寄り突撃する。
レナは即座に対応し突撃してきたヲタチを逆に撃退してやろうと鉈を振りかぶる……が。

「ぐあっ!?」

再び、外山の放った銃弾がレナの右手を掠めてそれもならず、思い切り吹き飛ばされる。
440Classical名無しさん:07/11/13 16:49 ID:Khju8AAQ
441罪滅しと、新たな罪と ◆0RbUzIT0To :07/11/13 16:49 ID:C1aljUW.
レナはすぐさま起き上がり、正面を見据える。
外山は未だこちらを向いて銃を構えているし、博之の下で指示を待っているヲタチもいつでも動けるようだ。
おかしい、おかしい、おかしい、おかしい。 何でここまで追い詰められなければならないのか。
最初は上手くいっていた、仲間割れし出した時にはしめたものだと思った。
炎で縄を焼き切り、鉈を手にとって戦っている間もずっと優勢だった。
おかしくなりはじめたのは、キバが少女を庇ってからだ。
それから博之がヲタチを使い攻撃をしてきて、外山がその手に持った銃でレナの右腕を貫いた。

「あああああああああああ!!」

がりがりがりがり。
喉を掻き毟りながら、レナは塔へ向けて走り出した。
そうだ、自分はこんな所でやられる訳にはいかない、宇宙人を倒さなければならないのだから。
このままでは多勢に無勢は必至、だからこそ塔に逃げ込む……そうすれば!

「ぐっ……逃げたか!」
「え? に、逃げたんか? ほんなら……」
「同志博之、ここを動くな! 同志妹を頼む!」
「なぁ!? ちょ、ちょ待てぇ!」

博之の静止の声には耳を貸さず、外山は歩き出し……いや、走り出した。
勿論、動くだけでも危険な状態だというのに走るともなれば出血の量は尋常でないものとなる。
だが、それでも外山は走り出した。
病に捕らわれ、我を見失い、全てを信じようとしなくなっても。
それでも外山にとって竜宮レナは、同志であった。

「頼むって言われたかて……俺は……」

後に残ったのは、視力を失い頼る人物さえも失った男が一人。
そして、自分のせいで一つの命を散らせてしまった少女が一人だけ。
442Classical名無しさん:07/11/13 16:50 ID:oK/lW1AI
支援ッ!!
443Classical名無しさん:07/11/13 16:50 ID:l9QQlyds
444Classical名無しさん:07/11/13 16:51 ID:.c26lph.
sien
445罪滅しと、新たな罪と ◆0RbUzIT0To :07/11/13 16:51 ID:C1aljUW.
五月蝿く喚き散らすレナがいなくなったお陰で、辺りは静寂に包まれていた。
そして、博之はその静寂の中にある異常を感じ取っていた。
少女がすすり泣く声……これは、キョンの妹のもの。
近くで聞こえる鳴き声はヲタチのものだと、それらは簡単に見当がついた。
だが、足りない。
もう一人いるはずの仲間の声が、全く聞こえない。

「キバ……? どこにおるん?」

声は返ってこない。
よく思い返してみる、外山は同志妹を頼むと言ってこの場を離れていった。
ならば、キバも外山と共にレナを追ったのだろうか?
だが、だとしたらキバは何故自分に声をかけなかったのだろう。
単に外山が言ったから自分は言わなくてもいいと思っただけなのだろうか。

それに、気になる事はもう一つある。
何故妹が泣いているのか……それが、わからない。
やはり、レナに襲われた事がそれほどショックだったのだろうか。

「えーっと……妹、やったっけ? なぁ……いつまでも泣いてんと……」

おかしな名前だな……などと思いながらも博之はすすり泣きが聞こえる方向へ這って進んだ。
目が見えない以上、何かが落ちていて気付かず踏んでしまい最悪こける可能性がある。
誰も手を引いてくれない今の状態では、歩く事は出来ない。
446Classical名無しさん:07/11/13 16:52 ID:oK/lW1AI
全力で支援だ!!
447Classical名無しさん:07/11/13 16:52 ID:UgjPeu1g
448罪滅しと、新たな罪と ◆0RbUzIT0To :07/11/13 16:52 ID:C1aljUW.
「ひっく……ひっく……」
「おい、泣いとったらわからんど。 キバはどこいってん? 外山さんらはどこや?」

ようやく傍らまで進む事が出来た博之は泣き続けるキョンの妹に言葉をかける。
それがこの少女にとってどれだけ酷な質問なのかも知らずに。

戦闘中の話の流れで、博之が失明をしてしまった事はわかっている。
だからこそ、博之は少女に対して敵対心を全く見せずにここまで接近をしているのだろう。
だが、いつ自分の正体に気付くかわからない。
ふとした拍子に誰かが自分の持っている鋏を見てそれを指摘すれば、博之はきっとおかしいと思うだろう。
そうでなくても、あの時博之と一緒にいた羽を生やした人間が来てしまえばそれで終わりだ。
だから、今ここで……目の見えないこの男の息の根を止めて、逃げるのがベストなんだ。
本当なら……そう、本当なら……。

「キバくん……私、庇って……あの、人から……だから……」
「庇ってって……おま、庇ってて!?」

焦ったような調子で聞いてくる博之に、しかし、少女は再び涙を浮かべて答える事が出来ない。
何が悲しいのか、何で悲しいのかがわからない。
最初はただ単に自分を守らせる為だけの駒だったはずだ、なのに。
どれだけ涙を流しても、悲しみのせいで動く事が出来ない。
悲しい気持ちなんて、実の兄が死んだ時から封印していたはずだというのに。

「私が、私が悪いんだ……私のせいでキバくんが……」




「いや、妹ちゃんは悪くないよ」
449Classical名無しさん:07/11/13 16:53 ID:zh74zb9I
450Classical名無しさん:07/11/13 16:53 ID:.c26lph.
 
451罪滅しと、新たな罪と ◆0RbUzIT0To :07/11/13 16:53 ID:C1aljUW.
突然、少女のすぐ近くからそんな声が聞こえた。
いや、すぐ近くというよりは目の前といった方が正しいだろうか。
その声は博之のものではなく、だがまだ年若い男性の声。
一体何事だろうかと、少女は溢れ出していた涙を手で拭い瞳を開けた。

そこには、死んで動かなくなっていたはずのキバの顔があった。

「キバくん!?」

思わず目を見開きキバの顔にべたべたと触れる少女。
その感触は間違いなく本物……触られて少し窮屈そうに苦笑いをしながらキバは微笑んでいる。
いや、まるで意味がわからない。
キバはレナに背中を叩き切られ、絶命したはずなのだ。
その証拠にあれからずっと動かなかったし、一言も喋らなかった。
これも不思議な道具や何かの効果なのだろうか……。

「いや、そうじゃなくて……一応、ずっと生きてたんだよ」
「え、ええええええええええ!?」
「ちょ、声が大きいよ! レナが戻ってくるかもしれないんだから……しーっ、しーっ!」

キバに言われ、思わず口を塞ぐ。
生きていた? 何故、どうして生きていたのだろうか?
少なくともあの一撃を食らって生き長らえる事の出来るような超人にも見えないし、かといってあの鉈が予想以上の鈍らだったとは考えられない。
あの鉈の威力は自身の身をもって知っている。

「どうして!? どうして死ななかったの!?」
「いや……凄く運がよかったんだよな……多分」

そう言って、キバはようやく少女の傍から離れて地面に座った。
思えばずっと二人は抱き合っていたのだ。
少女の頬が少しだけ朱に染まる。
452Classical名無しさん:07/11/13 16:54 ID:Seb5Wzek
453Classical名無しさん:07/11/13 16:54 ID:oK/lW1AI

454罪滅しと、新たな罪と ◆0RbUzIT0To :07/11/13 16:54 ID:C1aljUW.
座り、背中にかけていたデイパックを下ろすとその中身を取り出す。

「こいつがさ、多分俺を守ってくれたんだ」

そう言って少女に見せたものは物売るってレベルじゃないくらいに売れた次世代ゲーム機。
といっても、その姿は既に壊れてしまっていて原型を留めていないくらいに粉々になっている。
普通の代物が盾になっていたならばそのまま破壊され、キバの背中をレナの鉈が切り裂いていただろう。
だが、このゲーム機はただのゲーム機ではない。
銃すらも効かないといわれたとある次世代ゲーム機と第一線で張り合うゲーム機なのだ。
そして、ゲーム機としては異常なほどの重さと堅さをかねそろえている。
レナの鉈を貫通させなかったのも、ある意味当然といえよう。

「よかった……よかったよキバくん! キバくぅん!!」
「あー……まぁ、守れてよかったよ、妹ちゃんを」
「ありがとう……本当にありがとう。
 でも、どうして生きてたのにずっと死んだフリしてたの?」
「死んだと思わせてレナを騙し討ちしようと思ってさ……でもね」

そう、キバは最初倒れた際に自分が受けたダメージをわかっていた。
PS3が身を挺して守ってくれたものの背中に受けた打撲の傷はそれなりに大きいものの、耐えられないものではない。
だからこそ最後の切り札ともなるであろう死んだはずの自分の一撃の為に死んだフリをしていたのだが……。

「その前にアイツは逃げちまった……追おうかとも思ったんだけど、妹ちゃん達を置いていけないし……」
「悪かったの、足手まといで……」
「ああいや、そんなつもりじゃなくて……」

卑屈になりがちな博之に慌てて弁明をしながら、キバは続ける。
455Classical名無しさん:07/11/13 16:55 ID:IvgAB/EI
456罪滅しと、新たな罪と ◆0RbUzIT0To :07/11/13 16:55 ID:C1aljUW.
「でも……このままだと危険だ、外山さん一人じゃレナを止めるなんて……」
「……それに塔の中には俺の仲間もおる、もしアイツに見つかったらヤバイかもしれん」

恐らくティアナはまだ塔の中に残っているはずだ。
勿論、塔の外に出て兄達を埋葬していた時に外に出た可能性も考えられなくは無い。
だが、それは限りなく低い確率であってほぼありえないだろう。

「追うか……俺、アイツ許せんしの……」

そう言う博之の語句には、再び怒気が含まれている。
混乱によって一度収まっていた感情……兄と母の死を侮蔑された事に対しての怒りが再び沸きあがっていた。
少女も立ち上がり、近くに放り投げられていた鋏を手に取る。

「……キバくんが行くなら、私も行くよ」
「ちょ、ちょっと待ってよ二人共! まだ慌てるような時間じゃ……」
「外山さんが危険や言うたんはお前やろが!」

博之にそう返されてキバは頭を抱える。
そうだ、追わなければ外山が危険に晒される……それに博之の仲間――ティアナも。
しかし、目が見えない男やまだ幼い少女を連れて行くというのも危険すぎる。
だからといって、二人を置いていく訳にもいかない。
誰が来るのかもわからないのだから。

思考のループに陥り、苦悩する。
だが、その考えはすぐに止められる事となった。
西方から、何者かが猛スピードで走ってきているのがわかったからである。
最初は敵かと身構えたキバだったが、その顔を見てその構えを解いた。
その人物を、キバは知っていたのだ。

キバが見たのはこの惨劇を止める事の出来るかもしれない、唯一の人物。
運命を打ち破る事を堅く誓った、二人の戦士達だった。
457Classical名無しさん:07/11/13 16:55 ID:CeqtWrmg
458Classical名無しさん:07/11/13 16:56 ID:oK/lW1AI
支援忘れちゃおしおきよ
459罪滅しと、新たな罪と ◆0RbUzIT0To :07/11/13 16:57 ID:C1aljUW.
「前原圭一、只今参上!!
 博之さんは……ティアナさんはどこだ!?」
「妖精ポケモンピッピ、只今参上!!
 ……ってうわぁ! やっぱりオタチがいるよ……あわわわわ」

二人の戦士の内、一人は右手に鋸を持ち辺り一面を見渡しこの場にいる人間の顔を順々に見ていった。
そして、もう一人の戦士は博之の足元にいるヲタチに勝手にビビり一緒にいた男の影に隠れようとするが寸前で思いなおしたように対峙する。
一方、少女は突然現れた二人組に警戒の目を寄せ博之は再び状況がわからず不安そうにヲタチの影に隠れる。
だが、キバは二人にそれを止めるよう促して言う。

「安心して妹ちゃん、博之さん。
 こいつは……少なくともこの男は俺達の敵じゃない……むしろ、今の状況じゃこれ以上ないくらい頼れる味方だ」
「ど、どういう事ぞ? っていうかその男、なんで俺やティアナの名前知ってんねん」
「俺や……って事はあんたが博之さんか、水銀燈から頼まれて加勢に参上したぜ!
 さぁ、襲ってきた奴らはどこだ!? もう逃げちまったのか!?」

博之の疑問に答えながら、手に持った鋸を構える圭一。周囲を見渡すものの敵らしき影は見当たらない。
最初は少女のすぐ近くにいる銃のようなものを腕につけた奴が襲撃者かと思ったが、こちらに攻撃をしてこないようだし恐らく違うだろう。
逃げたか、それとももう戦いは終わってしまったのだろうか。終わったのならばそれに越した事はないが、ティアナという人はどうしたのだろうか。
それらの疑問に答えるべく、キバは圭一の下に歩み寄り肩を掴む。

「落ち着け圭一、COOLになれ!」
「俺はいつでもKOOLだ! っていうか誰だお前?」
「俺はキバ……いいか、時間が無いから端的に話させて貰うぞ」

そう言い、キバは圭一に事の次第を最初から簡単に話していった。
自分とレナと外山との出会い、レナの行動の特徴、そしてこの塔で今さっきまで起こっていた事。
レナに関する全ての事柄と、レナに今襲い掛かっている最悪の病の話まで。
最初は胡散臭そうな目でキバを見ていた圭一も話を聞く内に次第にその目に真剣みを増してゆく。
そう、今のレナの症状……それはかつての。

「俺みたいじゃないか……!」
460Classical名無しさん:07/11/13 16:57 ID:.6268MBo
461罪滅しと、新たな罪と ◆0RbUzIT0To :07/11/13 16:58 ID:C1aljUW.
仲間を信じず、頼らず、何も信じようとせずに。
ただただ、周りを疑う事ばかりで酷い罵声や暴力を振るう。
それは正に、いつかの自分と全く同じ行動。
その病の名は、雛見沢症候群。

「雛見沢症候群……そうだ、この薬!」

デイパックの中に入っていた薬を手にしてキバに見せる。
雛見沢症候群治療薬、これを持って自分がこの場にこれたのは何かの運命なのだろうか。

「キバ、レナは今塔の中にいるんだな?」
「ああ……早く行かないと外山さんやティアナさんも危ない状況だ」

それを聞くと同時に、圭一は鋸を握る力を更に強めた。
そして、塔を見上げる。
この中に自分の仲間が……かつての自分のように、過ちを繰り返そうとしている。
それだけは、なんとしても止めなければならない。
もう二度と惨劇など繰り返してはならないし、その罪をレナにまで課す訳にはいかない。
それが例え運命だろうと。

「そうさ……運命は、打ち破れるんだからな!」

そうだ、運命は打ち破れる。
強い意志と団結の心があればどれだけ強固な運命だろうと、砕けるんだ。

「話はわかった、でもアイツを殺すのだけは待ってくれ。
 アイツは俺の大事な仲間で、アイツは俺と同じように過ちを犯そうとしているんだ。
 それが許されるような事じゃないのはわかってる……でも、俺にチャンスをくれ」

博之と少女はその言葉に突き動かされたかのように、首を縦に振る。
462Classical名無しさん:07/11/13 16:58 ID:NEG4sChs
463Classical名無しさん:07/11/13 16:59 ID:oK/lW1AI
KOOLKOOLKOOL支援
464罪滅しと、新たな罪と ◆0RbUzIT0To :07/11/13 16:59 ID:C1aljUW.
その様子を見、二人に感謝の意を伝えると圭一はすぐさま走り出した。
キバの話を聞いた限りではレナが塔の中に入って結構な時間が経過してしまっているらしい。
だとしたら、急がなくてはならない。
ピッピを引き連れ、塔の中へと続く扉を開いたその時。

「圭一、受け取れ!」

キバが圭一に向けて、何かを投げて寄越した。
反射的に振り返りそれを左手で受け取る。
既に表面はベこべこに凹んでいるものの、それは十分な武器となろうもの。
だが、キバがそれを寄越した意味は武器にしようとしてではない。
それが圭一にとって、特別なものであると知っているから渡したのだ。

「レナを頼むぞ、圭一!」
「ああ……任せとけキバ!」

そう言い、圭一は塔の中へと侵入していった。
キバから受け取った金属バットを高々と掲げながら、威風堂々と。
465Classical名無しさん:07/11/13 16:59 ID:.c26lph.
支援
466Classical名無しさん:07/11/13 17:00 ID:oK/lW1AI
  
467罪滅しと、新たな罪と ◆0RbUzIT0To :07/11/13 17:00 ID:C1aljUW.
「すみません博之さん、勝手に渡しちゃって……」
「別にええよ、どうせ金属バットなんて使えんしの……」

元々は博之の持ち物だった金属バットを圭一に渡してしまった事を博之に謝るキバ。
だが、当の博之は全く意に介さずそれよりも、と頭を捻っている。
声だけで状況はよくわからなかったが、あの圭一という男がレナの仲間であるという事だけはわかった。
しかし、つい勢いで塔の中に行く事を許してしまったが本当にあれでよかったのだろうか。
よくよく考えてみれば、あの男にとっても危険極まりない状況だ。

「大丈夫です、アイツは奇跡を起こせる奴ですから」
「……奇跡?」

数ある輪廻の世界の記憶を受け継ぐという奇跡を起こした男。
そして、その果てに後悔と覚悟を決めた男。
だからこそ、全てを任せるに値する男。

「キバくん、私達も行こう?」
「えっ?」
「そうやの……奇跡なんてもんで、簡単にカタつけれたらええけど……そうもいかんやろ、多分」

少女は鋏を持って立ち上がり、博之もキバに捕まるようにして緩やかに立つ。
少女は圭一の言っていた言葉が気になっていた。
過ちを犯そうとしている、それは許される事ではないと言った。
でも、チャンスをくれとも言った。
自分は既に過ちを犯してしまった後だから、許す許される以前の問題。
だが、それでもチャンスがあるのかもしれない。
彼の、圭一の姿を見ればそれを見つける事が出来るかもしれない。
468Classical名無しさん:07/11/13 17:00 ID:Al2YKxQM
469罪滅しと、新たな罪と ◆0RbUzIT0To :07/11/13 17:01 ID:C1aljUW.
博之はキバの言っていた言葉が気になっていた。
奇跡。
奇跡とは、実に単純で陳腐な言葉だ。
そもそもそう簡単に奇跡なんてものが起きる訳がないし、起こせる訳もない。
だが、博之はその奇跡を起こしてきた人物を知っている。
実の兄――永井浩二。
数々の野球中継の時に般若心経を唱える事で逆転劇を巻き起こしてきたその人物。
いや、それだけではない。
言ってしまえば駄目人間なのにリスナーに愛され続け、乞食と化してもカリスマとして君臨するその様は奇跡に違いない。
だからこそ、博之は気になった。
彼の……圭一の見せる奇跡というものが、一体どういったものなのか。

「どうせずっとここおっても、あの女が勝ってもうたら終いやろ。
 それよりも……俺は近くに行きたい思う」
「…………」

困ったのはキバだ。
目の見えない博之と幼い少女を連れて行くのはやはり危険すぎる。
だが、博之の言う言葉も理解出来るのは事実だ。
それに……確かに、奇跡なんて言葉で簡単に片付けられる程彼らは単純でないのかもしれない。
これが、今ここにいる現実がゲームではない以上、結末が同じになるとは限らないのだ。
だとしたら、圭一も危険になってしまう……。

「……わかりました」

苦渋の選択の末、キバは塔へ行く事を決断した。
博之に手を貸し、もう片方の手で少女の手を引き歩み出す。
博之があまり早く歩けない以上、到着するのは全てが終わってからになってしまうかもしれない。
だが、それでもじっとしている事なんて三人には出来なかった。
三人には三人なりの、目的があったのだから。
470Classical名無しさん:07/11/13 17:01 ID:Al2YKxQM
471Classical名無しさん:07/11/13 17:01 ID:oK/lW1AI

472罪滅しと、新たな罪と ◆0RbUzIT0To :07/11/13 17:01 ID:C1aljUW.
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
塔の中の階段をレナは駆け足で上っていた。
がりがりがりがり、と喉を掻き毟りながら懸命に。

「待て……待つんだ同志レナ……!」

遥か後方からは外山の声が聞こえる、だが、その声も息も絶え絶えだ。
それを聞きながらレナは内心でにやりと笑みを浮かべる。
予想した通り、外山は追ってきた。
だが、その命は今にも消えゆくかもしれない風前の灯。
当然だ、溢れ出る出血で今生きている事さえ信じられないくらいなのだから。
もうしばらく時間を稼げば外山は死にゆく、そうすればようやく宇宙人を一人始末する事が出来る。
後は戻って博之達を殲滅すればいい、目が見えない男とただの子供ならすぐに殺せる。

キバが生きている事を知らず、レナは勝手な解釈をしながらも更に階段を上っていく。
するとそこに、一人の女の影を見た。

「!!」
「…………」

その女は動かない。
地に倒れ伏し、気絶をしているのか睡眠をしているのかわからないが動かない。
その女は博之と外山が必死に探していた女性、ティアナ=ランスター。
だが、レナが口にした言葉はそれを否定したかのような言葉だった。

「ドッペルゲンガーか!?」

横になって動かないティアナに向けて、そう叫ぶ。
よくよく見れば、幾ら薄暗いからといっても自分の姿と見間違うはずがない。
同じ髪の色をし、大体同じ年頃ではあるもののその纏っている服などはまるで違う。
だが、それでもレナはティアナを自分と見間違えた。
原因は、雛見沢症候群によって巻き起こされた幻覚作用。
473罪滅しと、新たな罪と ◆0RbUzIT0To :07/11/13 17:02 ID:C1aljUW.
「やっぱり宇宙人はいるんだ! 私そっくりの人間まで作り出している!!
 殺してやる! 殺してやる! 殺してやるああああああああああああああッ!!」

まるで自分とは違う人間をドッペルゲンガーと感じ、その正体を宇宙人の仕業と決め付ける。
自分の都合のいいように解釈をし、レナはその鉈を振りかぶった。
そう、相手は動かない人間。
落ち着いてやればすぐに叩ききれるはず……なのに。

「何ッ!?」

その鉈は宙を空振り、ティアナは虚空へと消え去った。
……消え去った? いや、違う。
そこには元々、何も無かったのだ。

「やっぱり……あんたもこの殺し合いに乗ってるのね!」

声がした方を向くと、そこにはティアナの姿。
鉄パイプを構え、鋭い視線でレナを凝視している。
先ほど倒れこんでいたのはティアナが作り出した幻影であった。
眠っていた間に少しだけ回復した魔力で精製し、己の身の安全の為にその場に置いていたのである。

「塔の中にいきなり叫びながら入ってきて、おまけに階段を上る音まで大きいからすぐに起きたわ。
 その鉈を離しなさい、そうでないと痛い目を見る事になるわよ!」

そう宣言するティアナに対し、しかしレナは何も答えられない。
レナの目には寝ていたはずの人間がいきなり瞬間移動をし、しかもこちらに向けて身構えているように見えたのだ。
更に、レナの目に写るティアナの姿は自分のものと全く同じ。
自分が自分に、鉄パイプを向けているのだ。
これが声の違う人間ならばレナもここまで混乱しなかったのかもしれない。
だが、ティアナの発する声の全ては、レナと異常なまでに似通っていた。
474罪滅しと、新たな罪と ◆0RbUzIT0To :07/11/13 17:03 ID:C1aljUW.
「う……あああああああああああああああっ!!」
「! やっぱり止める気は無いのね!」

何も考えられず、ただただ鉈を振り回してティアナへと近づいていく。
だが、ティアナはそれを楽々と避けて見せた。
レナの攻撃には既に全く理性が感じられない、子供が駄々をこねるように乱暴を働くようなものだ。
そのような単純で単調な攻撃ならば、例え接近戦が不得手ではあるもののしっかりとした訓練を受けているティアナにとって避ける事は容易い。
そうして、理性がないからこそ周囲に目をやる事が出来ず、攻撃した後の体は完全な無防備となる。
そのがら空きの体に、ティアナは鉄パイプを思い切り叩き込んだ。

「ぐあああっ!?」
「言ったでしょ、痛い目を見る事になるって!」

横腹を叩きのめされ、呻く。
だがその瞳はまだ諦めていない、全てを諦めていない瞳。
叩かれ、レナは徐々に冷静さを取り戻そうと務めていた。
がりがりがりと喉を掻き毟りながら、目の前にいる自分のドッペルゲンガーを見据える。
ドッペルゲンガーというのなら、自分と能力は同じなはず。
先ほどの瞬間移動みたいなものを考慮すると、宇宙人特有の能力も持っているのかもしれない。
そうだとすれば不利だ、不利に決まっている。

「くっ!」
「逃げた!? 待ちなさい!!」

そう結論づけると、レナは更に階段を上って行く。
ティアナの静止を声を聞かず、ただ淡々と、それでいて素早くだ。
475Classical名無しさん:07/11/13 17:03 ID:oK/lW1AI
中原合流支援
476Classical名無しさん:07/11/13 17:04 ID:.c26lph.
 
477Classical名無しさん:07/11/13 17:04 ID:5hnSp4kc
478罪滅しと、新たな罪と ◆0RbUzIT0To :07/11/13 17:04 ID:C1aljUW.
一方のティアナも、レナを追う。
回復したとはいえ既に魔力は幻影を使ってしまったが為に空だ。
塩素ガスを含んだ体は決して健康とは言えないし、コンディションは最悪。
だが、それでも追わなければならない。
あのような人間を野放しにしていてはまた浩二のような犠牲者を出してしまうかもしれないからだ。
しかし、あまりそちらにも時間は裂けない。
博之や水銀燈達の事も気がかりで、早く行って守らなくてはならない。

「"敵は倒す"、"仲間を守る"、"両方"やんなくっちゃならないってのが機動六課の辛いところね。
 でも、覚悟はいいわ……私にはそれが出来ている」

ぐっ、と鉄パイプを握る手に自然と力が入る。
そうだ、こんな所で自分は負ける訳にはいかないのだ、そう覚悟したはずだと自分に言い聞かせる。
そうしながら階段を上っていると、ふと背後から何者かの足音が聞こえてきた。

「誰!?」
「ぐ……き、君は……」
「あ、あんた……博之さんの、仲間? でも、その怪我……!」

振り返りその足音の正体を確認する。
そこにいたのは、先ほど見た禿頭の男性。
だが、その右腕は欠落し血がぼたぼたと地面に零れ落ちている。
顔色だって悪い、目も焦点が合っておらず立っているだけでも不思議なくらいだ。

「さっきの女にやられたんですか!?」
「う……む……」

やっぱりそうか、とティアナは内心後悔する。
起きた時は自分の危険を感じ取った為に、安全策として幻影を作り出して誘き寄せたのだが、
こんな事になるくらいならばそんな事をせず問答無用で階段を下りて戦えばよかった。
結局、自分は何も守れてなどいないではないか。
479罪滅しと、新たな罪と ◆0RbUzIT0To :07/11/13 17:05 ID:C1aljUW.
「とにかく、これ以上動かないでください!
 本当にもう、動ける事が奇跡なくらいなんですから……安静にしないと!」
「いや……それは出来ん」

必死に外山を説得し、これ以上動かぬよう促すものの外山はそれを聞かない。
鋭い眼光でティアナを睨み、堅い意思を持ってしてなおもレナを追おうとする。

「私には責任がある……同志レナを、多数派にする訳にはいかぬという責任が……。
 だからこそ、私はゆかねばならぬ……!」

そう言うと外山はティアナの手を払いのけ、更に上へと上っていった。
それを見てティアナも慌てて後を追う。
ティアナは一瞬、外山の姿を浩二に被せていた。
姿かたちも何もかもが違う、二人。
だが、それでも何故かその姿が被って見えたのだった。

それは、死地に向かおうとするその後姿のせいだったのか。
それとも、カリスマと謳われたものが持つ特有のオーラのせいだったのか。
今のティアナには何一つわからなかったが、とにかく後を追った。
480Classical名無しさん:07/11/13 17:06 ID:oK/lW1AI
私が支援したら、奴等はビビる。
私もビビる。
481Classical名無しさん:07/11/13 17:06 ID:.c26lph.
支援
482罪滅しと、新たな罪と ◆0RbUzIT0To :07/11/13 17:06 ID:C1aljUW.
屋上には風が吹きすさんでいた。
太陽は既に東から西へと落ちようとしており、そこに立つ少女を照らし出す。

「同志レナ……!」

屋上へと続く扉を開き、ティアナに肩を貸されたまま外山はその少女を見た。
右腕から血を流しながらも鉈を持ち、狂気の顔を浮かべたその少女を。

「なぁんだ、まだ死んでなかったんだ……。
 しぶといなぁ、宇宙人っていうのはやっぱり根本的に体質が違うのかなァ?」
「…………」

肩を貸すティアナに礼を言った後外山は一人、前に出た。
ティアナは、それを見つめている。
この場に来るまでに外山と交わした一つだけの約束事。
それは、外山がしようとする事を一切邪魔立てしない、というもの。
それを聞いたからこそ、ティアナはただ外山の後姿を見つめている。

「同志レナ……」
「何かな? かな? その銃で私を撃つつもりかな?
 その前に私が頭を叩き割ってあげるけどね!!」
「ぐっ!」

その瞬間、レナは外山に向けて鉈を振り下ろす。
外山は、それを避けようとはしない。
ただあるがままに、当然のようにその鉈を受け入れ、左肩に鉈が食い込む。
483Classical名無しさん:07/11/13 17:07 ID:Tsj4kj1Q
484罪滅しと、新たな罪と ◆0RbUzIT0To :07/11/13 17:07 ID:C1aljUW.
「どうしたのかなぁ!? 避けるつもりが無いなんて、殺されにきたのかな!?
 じゃあお望みどおり殺してあげるよォッ! ……!?」

されるがまま、何も言わない外山に対してレナが吐き捨てるように言うが、突然違和感を感じて驚きの表情を浮かべる。
鉈が……動かない。
外山が、左肩に食い込んだ鉈を激しく握り、離さないのだ。

それは、外山がここに来るまでに思いついた苦肉の策。
己の肉を斬らせ、相手に攻撃の手段を与えなくさせるというもの。
だが、それは思いついてもそうそう楽に出来るものではない。
鉈を食い込ませるほどに肉を斬らせるというのは想像以上に激痛を与えるものだし、
それは既に右腕を失っている外山も知っているものなのだ。
その痛みを知っていながら、その策を行使した外山の覚悟は、恐らく相当なものなのだろう。

「これでようやく話が出来る……聞けェ! 同志レナ!!」
「ッ!?」

口から血の滲んだ唾を飛ばしながら、外山は叫ぶ。
それはまるで、二人が一番最初に出会ったあの時のように。

「私は言ったはずだ……このゲームをスクラップ&スクラップしてみせると!
 そして、君もそれに同意をしてくれたはずだ!!」
「うるさい、黙れ!! 貴様は嘘をついたんだ!! 私を騙して、殺すつもりだったんだ!!」

叫ぶ外山に、再びレナは罵声を浴びせる。
そうだ、嘘だったんだ、全ては。
このゲームを潰すといっていたことも、同志を集めるといっていたことも、何もかもが。
全て私を……竜宮レナを殺す為の方便。
口先だけが上手い人間の取った、愚かな手段だ。
485Classical名無しさん:07/11/13 17:08 ID:oK/lW1AI
外山さん、いいねぇ支援
486Classical名無しさん:07/11/13 17:08 ID:.c26lph.
 
487罪滅しと、新たな罪と ◆0RbUzIT0To :07/11/13 17:09 ID:C1aljUW.
「嘘!? 嘘と言ったな、同志レナ!!
 いいや、それは違うはずだ……何故なら君はあの時私に感銘してくれたじゃないか!!
 あの時の感情すら、君は嘘だと言い張るつもりか!?」
「ッ!」

そう……確かにレナはあの時、外山の言葉に感銘を受け、感動した。
この人になら全てを話してもいい、素直にそう思った。
だからこそ宇宙人の仕業だと、この殺し合いの根本の部分を教えたし頼りきろうと思った。
甘い人間だと思ったけれど、それと同時に人のいい人物だと思った。
素直に、尊敬できる人物だと……。

「私は……私は、今でも信じている!!
 あの少年の死体の横で誓った、我々の契りの事を!!
 このゲームを必ずスクラップ&スクラップしてみせると言った、君の事を!!」
「う……ああああ!!」

そうだ、確かに誓った。
皆を助ける為にこの殺し合いを必ず潰してみせると。
だから、そのためにも宇宙人を叩き潰すと、叩き割ると。
皆? 皆って一体、誰だろう? 外山さんの事か、キバさんの事か。
いや、違う……違う違う違う違う違う!

「君は今、混乱してしまっているだけなのだ!
 だから何もかもを破壊しようとし、すぐに人を宇宙人と言いたがる!!
 考えても見ろ、何故我々が宇宙人なのだとしたら君一人を襲わなければならない!!
 こんな舞台を用意しなくてはならないのだ!!」

それは……そうだ、そんな事ありえないんだ。
私以外の、竜宮レナ以外の人間全てが宇宙人なんだとしたらこんな事をする必要がない。
でも、それは……違う、違う!!
488罪滅しと、新たな罪と ◆0RbUzIT0To :07/11/13 17:10 ID:C1aljUW.
「私は間違ってなんかいない! 外山さん達は……宇宙人なんだ!!」

外山の事を、再び敬称付けで呼んでいるという事にレナは気付かない。
その瞳の色は徐々にではあるが薄暗かったものから輝きを取り戻し始めていた。
だが、まだ足りない。
レナは未だに混乱の淵に陥り、何が正しくて何が間違っているのかの区別がついていない。
理性的に考えているつもりでも、全て感情論に任せてしまっている。
だからこそ、外山は紡がなければならない。
レナの間違ってしまった思考を、病んでいる病を、スクラップ&スクラップしてしまう言の葉を。

「いい加減にするんだ、同志レナ!!
 己の間違いを認め、それを踏み越えて君は立たなければならない!!
 君にはその力がある、意思がある! ただ、君はその方向性を間違えてしまっただけだ!!
 過ちは正せばいい、それは楽な道ではないが……君なら出来る!!
 いや……君と、君の仲間がいれば!!」
「黙れ……黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ!!」

ついに精神が限界まで来てしまったレナは、外山を蹴り飛ばし鉈を取り戻す。
違う、自分は決して間違っていない。
これは全てまやかしだ……嘘だ、嘘なんだ!
自分を騙そうとする宇宙人の陰謀なんだ、だから、すぐに外山を殺さなければならない。
殺せ、殺せ、殺せ!
鉈を振りかぶり、倒れこんだ外山めがけて振り下ろす瞬間、外山の口が動いた。

それは……いつの日か、自分がどこかで言った言葉。
その時の自分は、外山のように何一つ抵抗する事がなく……紡いだ言葉……。
大切な、仲間に対して……それは、言ったはずだ。

「私を……信じろ!!」
489Classical名無しさん:07/11/13 17:11 ID:oK/lW1AI
外山恒一に悪意の支援を、外山恒一にやけっぱちの支援を、じゃなきゃ支援なんかするな。
支援なんかじゃどうせ何も変わらないんだよぉ!
490Classical名無しさん:07/11/13 17:11 ID:etoxjMn2
491罪滅しと、新たな罪と ◆0RbUzIT0To :07/11/13 17:11 ID:C1aljUW.
「ッ!?」

その言葉を聞いた瞬間、鉈を持つ手が動かなくなった。
振り返り見てみると、そこには先ほどまで外山の背後に立っていた女の姿。
……違う、あの時見ていたのは確かに自分のドッペルゲンガーだったはずだ。
なのに今は……ぜんぜん違う、女の人の顔になっている。

「離せ……離せぇぇぇっ!」
「……よく見なさい、もう無駄よ」

暴れるレナに対して、ティアナは冷静に……だが、悲痛な表情でそう告げる。
そう、レナがしようとしていた事は無駄だった。
外山に向かって鉈を振り下ろす……つまり、外山を殺そうとするのは。
何故なら、外山は……。

「……もう絶命してるわ」
「!?」

外山は……仰向けになり、瞳を閉じていた。
口からは血が垂れており、それは肩や右腕も同じ。
鉈による攻撃を体に再三受け、それでも決して気絶せず倒れもせず。
ただひたすらに、少女を説得しようとした革命家。
弁舌に秀でた、ファシスト外山恒一は……もう二度と、その瞳を開ける事は無い。

「あ……」
「……あれだけの出血で、生きていた事の方が不思議でならないわ。
 よっぽど、あんたを助けたかったんでしょう」

どこで何を間違ってしまったのだろう……。
……間違い? 違う……私は間違ってなんか、いなかったはずだ。
そうだ、宇宙人は……宇宙人? 外山さんは、宇宙人だったのだろうか……。
宇宙人が、命を投げ捨てて説得を? いや、そもそも宇宙人って……。
492Classical名無しさん:07/11/13 17:11 ID:F2AIbNPE
/sien
493罪滅しと、新たな罪と ◆0RbUzIT0To :07/11/13 17:12 ID:C1aljUW.
「う……うあああああああああああ!!!」
「っ!?」

腕を掴むティアナを引き離し、暴れまわる。
レナは既に自分を取り戻しつつあった、自分の過ちを認めつつあった。
だが、それでも完全に認める訳にはいかない。
それは人間として、普通の行動。
自分が間違っていると認めるよりも、誰かが間違っていると認めた方が楽なのだ。
それが、人を殺した、殺していないなどという重い罪となればより一層。

「私は……私は……!!」

あべこべに腕を振り乱し、辺りを動き回る。
何が正しくて、何が間違っているのかわからない。
それに答えてくれる人物は、死んでしまった。いや、自分が殺してしまったのだ。
答えてくれる? 違う違う、あいつは宇宙人だから……だから……。
ぐらり……と視線が揺れる。

「えっ?」
「危ない!」

何もわからず、わかろうとせず、何も見ていなかったレナは自分の状況に気付いていなかった。
彼女は今、屋上の端で暴れていたのだ。
周囲を見ていれば、或いはその状況に気付いたかもしれない。
だが、無情にもレナの体は……屋上の外へと投げ出されようとしていた。
ティアナは、引き離された勢いで倒れこんでおり今からでは助けられない。
死ぬのだろうか……自分は、何を間違えたのか、知らないまま……。

レナの体が完全に空中に投げ出される寸前、一つの影が倒れこんだティアナの横を駆け抜けた。
494Classical名無しさん:07/11/13 17:12 ID:AlLsFgn2
495Classical名無しさん:07/11/13 17:13 ID:oK/lW1AI
支援&支援
496罪滅しと、新たな罪と ◆0RbUzIT0To :07/11/13 17:13 ID:C1aljUW.
「レナアアアアアアアアアアアアアッ!!」

その声には聞き覚えがあった。
そう、いつも学校で聞いているその声。
少しエッチで、お馬鹿さんで、だけど凄く勇敢でいつも仲間の事を考えている人。
自分が……自分が、大好きな人。

「圭……一……くん?」

そうだ……雛見沢の人間は、自分の周りの人間は皆宇宙人に支配されてしまったはずなんだ。
だから、この男も宇宙人だ、宇宙人なんだ。
そう思おうとするものの、レナの瞳には涙が浮かび上がってしまう。
何が正しいのか、何が間違っているのかはわからない。
でも……少なくとも、今この男は……前原圭一は、竜宮レナを救おうとしている。

「うおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」

圭一が、レナの腕を掴む。
しっかりと組んだその手は、絶対に離す事は無いという意思の表れか。
運命を打ち破ると誓った男はそのままレナを引き戻そうとし……そして……。


レナの代わりに、宙へと投げ出された。
497Classical名無しさん:07/11/13 17:13 ID:.c26lph.
支援
498Classical名無しさん:07/11/13 17:14 ID:oK/lW1AI
K!!
499罪滅しと、新たな罪と ◆0RbUzIT0To :07/11/13 17:14 ID:C1aljUW.
レナは地面に足をついた瞬間、思わず反射的に踏ん張った。そして、勿論圭一もレナを引き戻そうとして踏ん張る。
両極から働く力が二人を回転させ、レナを地上に圭一を宙へと投げ出してしまった。
だが、それでいいとばかりに圭一は笑みを浮かべる。
その顔を見て……レナは、圭一に外山の影を被せた。同じだ……二人共、同じだ。
勿論、二人共が宇宙人なのだなどというつもりはない。
二人は人間で、勇敢で、人の為になら命だって投げ出そうとする……。

私の、仲間なんだと。

「圭一くん!!」
「圭一!!」

レナの隣から、何者かの声が聞こえた。
宙に投げ出された圭一は、すぐさまその手を離してしまう。
握っていてはレナまで巻き添えにして落ちてしまう。
だから……これでいいのだと、悟りきったような表情で。

だが、レナにとってはこれほど残酷な事はない。
ずっと違うと思っていた、宇宙人だと、敵だと思っていた人達が本当は全然違って。
自分が勘違いをしてしまったが為に、暴れまわってしまったが為に、その命を失ってしまう。
自分の為に……二人も仲間を殺してしまったのだ。
悲しみと絶望に暮れようとするレナ。

しかし、落下しながらも圭一はレナに一つの言葉を残すべく口を動かした。
ようやく会えた……かつての自分と同じように、間違いを犯してしまった仲間に対して。
一瞬だけの再会で残せる言葉は一つだけ。
だからこそ……大切な言葉を残す。

「俺は……お前を許すぞ、レナ!!」

ただそれだけを言い残し、圭一は塔から落下していった。
それだけが彼なりの……竜宮レナに対して出来る、罪滅しだった。
500Classical名無しさん:07/11/13 17:15 ID:6KYUoI3o
501罪滅しと、新たな罪と ◆0RbUzIT0To :07/11/13 17:15 ID:C1aljUW.
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
キバ達が屋上に到着した時、全ては終わっていた。
脱力したように一緒にいる二人を見つめる魔法使い、泣きそうな顔をしながらも涙を流さない妖精。
そして……激しい嗚咽混じりの声で顔をぐしゃぐしゃにしながら泣き腫らしている少女と、倒れ伏した禿頭の革命家。
少女はキバの方を見ると、一度安堵したような顔を浮かべたが、すぐに再び泣き出す。
キバは……その光景を見て、全てを悟った。

「ピッピと……ティアナさん、ですよね?」
「あんたは……そっか、外山さんの仲間ね。 博之さんを守ってくれてたみたいで、ありがとう」

声をかけたキバに応対し、なるべく冷静に受け答えをするティアナ。
ここまで自分が何をしていたのか、そして、ここで何があったのかを全て話し、息をつく。
その話を聞いて、キバは思わず歯噛みをし、悔いた。
やはり、ゲームのようにアニメのように上手くいくはずがなかったんだ。
自分の勝手な思い込みで、圭一と外山を見殺しにしてしまった。

「くそっ……! 俺のせいで……」

拳を握り、地面に叩きつけて後悔の念を露にする。
それは、博之と妹も同じだ。
博之は、自分の勝手のせいでレナの縄を解いてしまった。
それ故にレナは自由の身になり外山と圭一は死んでしまったのだ。
おまけに、目が見えないからといって外山の怪我の具合すら知らなかった。
もしも目が見えていたなら、外山が塔へ行く事も止められただろうに。

妹は、自分の身の保身の為にレナに矛先を向けてしまった。
それが原因でレナは暴れ出し、雛見沢症候群を発症してしまったのだ。
おまけに、自分を庇ってキバは外山を追う事が出来なかった。
もしも自分がいなければ、キバは外山を追う事が出来て死ななかったかもしれないのに。
502Classical名無しさん:07/11/13 17:16 ID:oK/lW1AI
 
503罪滅しと、新たな罪と ◆0RbUzIT0To :07/11/13 17:17 ID:C1aljUW.
「それよりもあんた……」
「あ……」

ティアナが妹に目線をやり、睨みを利かせる。
もう騙しは通じない……いや、そもそも騙そうという気すら起こらない。
自分は罪を被ってしまった、その小さな体に受けるにはあまりにも重い殺人という罪を。
それを思い知った今、どうしても助かろうという気持ちは浮かび上がってこない。

「ティアナさん、レナは……治ったんですか?」
「その雛見沢症候群っていうのがどういうものか、今ひとつわからないんだけど……。
 少なくとも、さっきみたいに誰彼構わず鉈を振り回す事は無いわ。
 ただ……」

妹へやっていた目線をレナに移し、ティアナは言う。外山を殺してしまい、圭一を自分のせいで失ってしまった。
その自責の念は重く、もしかしたらずっと立ち直れないかもしれない。

「……自業自得、なんやけどな」
「博之さん!」
「……すまんすまん」

博之も、本心から言った訳ではない。
今のレナの様子を聞いて、あの暴言がその病気で言ったせいだと少しずつ言い聞かせはじめていたからだ。
だからこそ、今横にいるヲタチでレナを攻撃しようなどとしない。

「やけど……どないするんや、これで」

自分達が受けたダメージは大きい。それは、肉体的にもそうだが精神的にもそうだ。
外山は破天荒な人間だったが、その信念と志はキバやレナ、博之や妹にも影響を与えていた。
圭一のその運命を打ち砕くという強い意思は、ピッピにとって酷く大きなものに見えていた。
そして、先に死んだ永井浩二はいい加減な駄目人間だったが、それでもどこか羨望の目を向けられる人間だった。
一度にそれらの人間を失い、キバも、妹も、レナも、ティアナも、博之も。
誰もが、絶望をしていた。
504Classical名無しさん:07/11/13 17:17 ID:lCn2WMRQ
505罪滅しと、新たな罪と ◆0RbUzIT0To :07/11/13 17:17 ID:C1aljUW.
「ピィ!」
「っ!?」

突然、乾いた音と何かの動物の鳴き声が聞こえた。
瞬時にそちらを向くと、レナが頬に手を当てている。
その目の前には……ピッピがいた。

「ピィ!」

更に、叩く。叩く、叩く。
合計四回、レナの頬をピッピはビンタした。
ピッピは今、その愛くるしい顔に怒りの表情を浮かべていた。
ビンタをし終えた後、訳もわからないような表情を浮かべていたレナの目の前でピッピはこんにゃくを食べ、言い放つ。

「泣くなよ!!」
「ッ!」

ピッピは、確かに圭一の影響を受けてはいた。
だが、決して絶望してはいなかったのだ。

「圭一は言ってた! 圭一は、過去に過ちを犯した事があるんだって……!
 でも……その罪を、こなたは……僕の仲間は許してあげたんだ。
 だから、圭一は罪を滅ぼす為に……自分と同じ過ちが繰り返される事を止めようとした!」
「でも……私は繰り返してしまった……。
 私は……圭一君たちを殺してしまった……!」
「待って……!」

ピッピの怒りの声と、レナの絶望の声の間に一人の少女の声が混じる。
その声の主は、手に持っていた鋏を放り出して、座り込んで泣きじゃくっていた。
506Classical名無しさん:07/11/13 17:18 ID:oK/lW1AI
絶望した!!運命に絶望した!!支援
507罪滅しと、新たな罪と ◆0RbUzIT0To :07/11/13 17:18 ID:C1aljUW.
「私も……人を殺したの……」

その言葉を受けて、ティアナはハッとしたように少女を見た。
やはり……犯人は、この少女だった。
浩二の言っていた事は確かだったと、自分の甘さを改めて認識する。
だが……どういうつもりだろう、何故、今ここでそれを告白するのだろう。
誰かを騙すつもりだというのなら、黙っていた方がいい事に違いないというのに。

「ごめんね、キバくん……私、私……キョンくんの為に人を殺さなきゃ駄目だったの……。
 でも、キョンくんが死んで……生き返らせなきゃって、だから、見つかっても逃げて、血だらけの服で……。
 それで……誰かに守ってもらおうって、キバくんに……でも、殺そうって、だから……」
「もういい! もういいよ、妹ちゃん!!」

泣きながら話すその言葉は、途切れ途切れで支離滅裂だった。
それは……或いは、見ている人が見れば同情を買おうとする演技にも見えたかもしれない。
だが……少なくともティアナには、それが演技には見えなかった。
まだ幼いから、という色眼鏡を取り除いたとしても、到底演技には見えない……本心からの謝罪にしか聞こえなかった。

「私、人を殺しちゃったんだよ……人殺しなんだよ。
 しかも、キョンくんの為にっていう、勝手な理由で……私、キョンくん大好きだから……だから……」
「やめて妹ちゃん……わかったから、もうこれ以上自分で自分を傷つけないで!」

なおも言おうとする妹の体を、キバが強く抱きしめる。
それと同時に、キバの腕の中から大きな泣き声が聞こえ出した。
508Classical名無しさん:07/11/13 17:19 ID:XB4Krocg
509Classical名無しさん:07/11/13 17:19 ID:oK/lW1AI

510罪滅しと、新たな罪と ◆0RbUzIT0To :07/11/13 17:19 ID:C1aljUW.
「圭一は言ってた! 命を賭けて……君や魅音っていう人を……仲間を助けるって!
 罪を許してくれたから、罪を滅ぼす覚悟が出来たって……!
 圭一は、圭一は君の為に戦ったんだ! 君を襲っていた、雛見沢症候群っていう病気と!!
 だから……君がいつまでも泣いてちゃ、圭一が戦った意味が無いんだよ!!」
「!!」

ピッピの言葉に、レナはその身を堅くした。
無意味? 圭一の行動が、全て意味が無くなってしまうというのか……?
それは……それだけは、駄目だ。
自分なんかの為に全てを無意味にしてしまうなんて……でも……。

「私は……外山さんまで……私は、二人も殺してしまった……。
 それに……キバさんまで、殺してしまおうとしたんだ……だから……ッ!?」

再び後悔の念に駆られていたレナの頭上から、水が降り注いだ。
思わず上を向くと、そこにはペットボトルを逆さに構えたティアナの姿。

「少し……頭冷やそうか……」

空になったペットボトルを投げ出すと、ティアナは拳を突き出してレナの頬を思い切り殴る。

「!? ティ、ティアナさん!?」
「駄々をこねるだけのバカは、なまじ付き合ってやるからつけあがるのよ……」

いつの日か、自分に言われた言葉をそのまま使ってみせた。
レナは、その時の自分とどこか似ている。
卑屈になり、自暴自棄になり、反発し、何も見えない。
それはまるでメビウスの輪のように永遠に抜け出せない空間。
じっと自分一人で考えていたなら、不のループを永遠に彷徨う事になる。
だからこそ、殴ってでもそのループから助け出さなければならない。
511Classical名無しさん:07/11/13 17:20 ID:ntRKVyKI
512罪滅しと、新たな罪と ◆0RbUzIT0To :07/11/13 17:20 ID:C1aljUW.
「あんたが死んだ所で、別に私には何の関係も無いわ!
 でもね、あの外山さんも圭一くんもあんたに言葉を残していったじゃないの!
 あんたはそれを忘れて、全てを忘れて、卑屈になって、ただ何もせずに死ぬの!?」

そう、外山と圭一はレナに言葉を残していった。
私を信じろと、お前を許すと、そう言って死んでいった。
それは、レナに残された……レナにだけ託された言葉。

「私……私は……!!」
「託された以上、許された以上、最後までやり遂げなさいよ!
 それがあんたに出来る……唯一の罪滅しなんだから!!」

その言葉を聞き、レナは再び……その瞳に涙を浮かべ、泣いた。
だが、その瞳には既にかつての濁りは無い。
仲間に、友に、託された使命を知り……それを行おうとする、戦士の瞳。

外山は、レナを蝕んでいた病をスクラップ&スクラップしてみせた。
圭一は、その命を擲ってまで罪滅しをしてみせた。
だからこそ、レナはその意思を継いで戦わなければならない。
運命に……この殺し合いという運命に、抗わなければならない。

それは、一人で?
いいや、違う。
513Classical名無しさん:07/11/13 17:20 ID:W6uN6gsk
 
514Classical名無しさん:07/11/13 17:20 ID:oK/lW1AI
支援
515Classical名無しさん:07/11/13 17:21 ID:.c26lph.
 
516Classical名無しさん:07/11/13 17:21 ID:W6uN6gsk
  
517罪滅しと、新たな罪と ◆0RbUzIT0To :07/11/13 17:21 ID:C1aljUW.
「そうさ……俺だって戦う、諦めが悪い事にだけは定評があるからな」

彼は胸に抱いている少女を、更に抱きしめて言う。
彼の名前はキバ、数多くの鬼畜ステージを攻略してきた戦士。
決してその腕がいいわけではない、ただ彼は諦めが悪く、攻略するまでやめないのだ。

「妹ちゃんも……レナも、俺は許す!
 俺だって……外山さん達を見殺しにしたようなもんなんだ……だから、許す!」
「私も……浩二を守ると言っておきながら、守れなかったわ。
 言ってみれば、見殺しにしたようなもの……」
「僕だって、圭一やピカチュウを守れなかったんだ……」

それぞれが、それぞれの罪を告白する。
そうだ、誰だって罪は持っている。
それが大きいか小さいかなんて関係はない、罪はあるだけで罪なんだ。
でも、だからってそれをそのままにしておいてはいけない。
罪は償わなければならないんだから。

「俺達は……皆、罪を持ってるんだ。
 だけど今更後戻り出来ない……外山さんや圭一の意思を継いだ以上は、やりきらなきゃならないんだ。
 多分、キツい道のりだろうけど……でも、諦めたら駄目なんだ」

運命は、変えられるのだから。
そう心に五人は決める。
そこに、今まで会話には参加せず、ずっと傍観を決め込んでいた男が口を開いた。
518Classical名無しさん:07/11/13 17:22 ID:iBTtYV9Q
519罪滅しと、新たな罪と ◆0RbUzIT0To :07/11/13 17:22 ID:C1aljUW.
「行くぞ、お前ら」

瞬間、五人はその男を見つめる。
だらけきった、疲れた表情で座っているその男は、決してやる気を見せてはいない。
だが……何故だろうか、その言葉は聞く人々に希望を与える。
その原因を、キバだけは辛うじてわかっていた。その言葉は……男の兄がいつも紡ぐもの。

「キバ、肩貸せ」

立ち上がろうとした男の隣に寄り添い、肩を貸して立たせる。
男は何も見てはいなかった。
言ってみれば、この場の人間の中で一番肉体的にも精神的にも傷を受けているかもしれない。
兄を、母を、視力を……そして、好きだった革命家を失ってしまったその傷は、あまりに大きい。
だが、それでも男は立った。

「目ぇ見えん、力無い、疲れた、あと煙草吸いたい。
 人殺しとか、正直言うたらそんな奴とは一緒にいとうない……」

その言葉を聞いて、レナとキョンの妹は身を固めた。
しかし、博之は言葉を続ける。

「せやけど、何よりも生きたいし……あの糞ピエロとかぶん殴りたい。
 やから、皆戦う……それでいいんちゃうんか?」

それは、彼なりの参戦を意味する言葉だったのだろう。
あまり素直ではない、彼なりの、精一杯の言葉。
だが……彼にも戦わなければならない理由があった。
圭一と外山だけではない。
彼にとって託されたものは、更にもう一つ。
兄である、永井浩二の命の分も生きなければならないのである。
520Classical名無しさん:07/11/13 17:23 ID:oK/lW1AI
ひぐら支援
521Classical名無しさん:07/11/13 17:23 ID:SXkN5mfA
522罪滅しと、新たな罪と ◆0RbUzIT0To :07/11/13 17:23 ID:C1aljUW.
立ち上がった博之の後ろに、それぞれが続く。
悲惨だった、惨劇だった、それはこれからも、もっともっと続いていくだろう。
それでも彼らは、あえて辛い道を進む事を選ぶ。

土台は、運命をぶち壊そうとする戦士が作り上げた。
その土台は小さく、頼りなく見えるかもしれない……だが、それは小さくとも崩れる事がないほどに堅かった。

方向性は、少数派を支持する革命家が決めた。
まだ明らかになっている情報は限りなく少なく、具体的な対策はない。
だが、それでもあの憎き多数派をスクラップ&スクラップという、その頑なな信念は彼らに目指すべき道を作った。

原動力は、愛媛のチンパンジーが与えた。
何の根拠も無かったり、嘘だったり、まるで見当違いだったりする事もある。
だが、その言葉に込められた思いは、不思議と人々に勇気を与える"カリスマ性"溢れるものだった。

六人は歩く。
託されたものをその心に宿し、歩く。
目指すものはたった一つ。

「見せてやるよ……」

目の見えない男が、言う。
それを聞き、他の五人も口を揃えて言葉を紡ぐ。
それは、その彼らの覚悟を具体化したもの。

「「「「「「少数派による、運命の打開!!」」」」」」

【外山恒一@現実 死亡】
【前原圭一@ひぐらしのなく頃に 死亡】
【残り44人】
523Classical名無しさん:07/11/13 17:24 ID:W6uN6gsk
   
524罪滅しと、新たな罪と ◆0RbUzIT0To :07/11/13 17:24 ID:C1aljUW.
【E-4 塔内部/一日目・午後】
【永井博之@永井先生】
[状態]:疲労、精神疲労、全身打撲、失明、顔面怪我、鼻骨折、肩部・太腿・脇腹銃傷、腹部強打(全負傷部位を薬草で治療中)
[装備]:薬草(17/99)@勇者の代わりにry
[道具]:支給品一式*3(食料二食分消費)、座薬@東方project、鉈@ひぐらしのなく頃に、ヲタチ(残りHP65%)@ポケットモンスター
DMカード(強制脱出装置、青眼の白龍、死者蘇生)@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ
(強制脱出装置は次の0時まで。青眼の白龍は次の午前まで。死者蘇生は次の昼まで使用不可)、
くうき砲@ドラえもん、ゴム@思い出はおくせんまん、
自動ぶんなぐりガス(残り1/5)@ドラえもん、ヴェルタースオリジナル*2@ヴェル☆オリ
[思考・状況]
1.少数派による運命の打開
2.目が見えないから状況がいまいちつかめない
3.水銀燈の待つ家に。
4.愛媛のカリスマで目が見えなくてもなんとか頑張る

【竜宮レナ@ひぐらしのなく頃に】
[状態]:右手に切り傷、右腕銃傷
[装備]:鉄塊鉈@ひぐらしデイブレイク
[道具]:支給品一式
[思考・状況]
1.少数派による運命の打開
2.水銀燈達のいる家に行く
3.その後、情報交換をして脱出方法を考える
4.時間があれば圭一・外山を埋葬したい
5.罪滅しをする
※八意永琳が何か知っているのかだと思っています。
※時期は大体罪滅し編後半、学校占領直前です。
※雛見沢症候群は治りました。
完治したか否かは次の書き手さんにお任せします。
525Classical名無しさん:07/11/13 17:24 ID:W6uN6gsk
    
526Classical名無しさん:07/11/13 17:25 ID:uymewjNY
527罪滅しと、新たな罪と ◆0RbUzIT0To :07/11/13 17:26 ID:C1aljUW.
【友人@自作の改造マリオを友人にプレイさせるシリーズ】
[状態]:全身に軽い切り傷、左肩切り傷、あごに切り傷、背中打撲
[装備]:リアルメガバスター(269/300)@デッドライジング、メタルブレードのチップ(装着済み)
[道具]:支給品一式、桃太郎印のきびだんご(24/25)
[思考・状況]
1.少数派による運命の打開
2.キョンの妹を守って見せる!
3.この世界から脱出したい。
4.時間があれば圭一・外山を埋葬してあげたい
5. 宇宙人とかありえない。え、マジで宇宙人?
6.作者に会ったら説明を求めた後ぶん殴る(いないし、関係ないかもと思ってきてます)
7. なんか妙なデジャブが多い。
※PS3は壊れたので、塔の外に捨てました

【キョンの妹@涼宮ハルヒの憂鬱&愛しの兄が振り向かない】
[状態]:多少の疲労、精神的疲労(やや回復) 、頬に軽い切り傷、複雑な気分、頭部に打撲&出欠
[装備]:庭師の鋏@ローゼンメイデン
[道具]:暗視ゴーグル@現実、携帯電話@現実
[思考・状況]
1.少数派による運命の打開
2.もう誰も殺さない、罪滅しをする
3.キバくんには死んで欲しくない
528Classical名無しさん:07/11/13 17:26 ID:oK/lW1AI

529罪滅しと、新たな罪と ◆0RbUzIT0To :07/11/13 17:27 ID:C1aljUW.
【ティアナ=ランスター@魔法少女リリカルなのはStrikers】
[状態]:魔力ゼロ、疲労、咽、鼻、目に軽い痛み。
[装備]:鉄パイプ
[道具]:支給品一式*5(食料三食分・水二食分消費)、ダンボール@メタルギアシリーズ、本『弾幕講座』、ヴェルタースオリジナル@ヴェル☆オリ、
ロールバスター@ロックマンシリーズ、サイレンサー付き拳銃(1/6)@サイレンサーを付けた時とry、アイテム2号のチップ@ロックマン2、
DMカード(黒騎士の魔剣少女、セイバー、青眼の白龍)@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ(黒騎士の魔剣少女、セイバーは次の昼まで。青眼の白龍は次の午前まで使用不可)
[思考・状況]
1:少数派による運命の打開
2:水銀燈と合流する
3:とりあえず『アリス』の捜索の為に西の城へ。
4:殺し合いに乗っていない人達を集める
5:その後、どうにか殺しあわずに済む方法は無いかを考える
6:人殺しはしたくない
7:主催者を捕まえて願いを叶えさせる
※ダンボール@メタルギアシリーズの効果に気付いていません。
※外山のデイパックをそのまま持っています。中に入っているアイテム二号のチップには気付いていません。

【ピッピ@ポケットモンスター(ピッピのゆびをふるのみで殿堂入りを目指す)】
[状態]:強い決意、二時間会話可能。
[装備]:リーフシールド@ロックマン2(技マシン的な使い方でポケモンは使える)
[道具]:支給品一式、ほんやくコンニャク(1/4)(半分で八時間)@ドラえもん、
五寸釘@現実、モモンの実@ポケットモンスター、オボンの実@ポケットモンスター
ポケモンフーズ一日分(一食分消費)@ポケットモンスター
[思考・状況]
1.少数派による運命の打開
2.もう逃げない。仲間のことは絶対に守る。
3.出来れば圭一達を埋葬したい
4.あの怪しいポケモンとトレーナーを倒し脱出
※首輪は頭の巻き髪についてます
※ピッピは、はたく、うたう、おうふくビンタを使えることを思い出しました。ただし、まったく使ってこなかったため、かなり信用に欠けます。
※外山の支給品は分けました。
※圭一の支給品は圭一と共に落下しました。無事か否かは不明です。
530Classical名無しさん:07/11/13 17:27 ID:LxQeGFvc
531 ◆0RbUzIT0To :07/11/13 17:28 ID:C1aljUW.
投下終了です。長時間に渡る支援、ありがとうございました。
532 ◆0RbUzIT0To :07/11/13 17:29 ID:C1aljUW.
因みに、後編は>>472からです。はい。
533Classical名無しさん:07/11/13 17:30 ID:aSFajYBM
投下乙!
外山・KOOL死亡にピッピ覚醒、妹改心、レナ復活、キバ活躍……
なんつーか、すごい濃い、熱い話だったぜ……

マーダーが減ってるように見えるがどっちかってっとまだ恐ろしい状況にあるんだよなあ。
阿部さんは気絶してるけどすいかはまだ余裕だし、リヴァイアモンと黒まこまこが爆誕するし、
ケラモンAがピッコロ吸収した魔人ブウみたくなるし、TASさんはもう片方を部下に奮闘中だし、
えーりんはホモ泉と組みかねない状況にあるし、フシギダネは進化しちゃったし、
YOKODUNAは相変わらず恐ろしいし、ムスカとエアーマンは空気だけど。
534Classical名無しさん:07/11/13 17:32 ID:oK/lW1AI
超大作投下乙マジ乙!!
レナが立ち直ったのは良かったが…犠牲が少ないわけではなかった

外山や圭一、去り行く人がマジにかっこよかった
レナとティアナのW中原コンビに改心したキョン妹
戦力はいまひとつだが大いなる軍団が結成されたな
535Classical名無しさん:07/11/13 17:32 ID:kwzMdPqs
投下乙!
やばい・・・ちょっと目から汁が・・・
536Classical名無しさん:07/11/13 17:56 ID:F2AIbNPE
なんという力作
GJ以外に言葉が浮かんでこねえ…

最後の決め台詞がヤバいな、死んだ3人の名言を複合してそれでいて違和感がない
537Classical名無しさん:07/11/13 18:21 ID:vrSIyMew
ぐっ、GJ!
なんだこの外山さんと圭一、かっこよすぎるだろ常識的に考えて
おかしい、目から汗が…
538Classical名無しさん:07/11/13 18:48 ID:uddrE94I
投下乙です!
命を張ってまで頑張った圭一と外山さんに感動
目から汗が止まらないよ……
539Classical名無しさん:07/11/13 19:24 ID:idx/uvDQ
Kえええええええええええい
まさか雛見沢症候群治療薬が使用されないとは…
540Classical名無しさん:07/11/13 19:27 ID:QD8h997I
投下乙。
きたあああああああああああああああああ!!
熱い、熱すぎる!
外山と圭一、命を投げ出してまでレナを正気に戻そうとするなんて、かっこよすぎ。
そして二人の頑張りが身を結び、レナ復活&妹改心。
皆が皆、凄く輝いてたよ。この六人には対主催グループの筆頭として是非頑張って欲しい。
541Classical名無しさん:07/11/13 19:47 ID:Mf3z4ZnU
GJ!
そして外山さんとKにもいっておくぜ、GJだ!!

少数派による罪滅ぼしチームの誕生だ。
542Classical名無しさん:07/11/13 19:51 ID:QD8h997I
>>532
早速wikiに掲載しようと思いましたが、大作すぎて前編が入り切りませんでした。
前中後編の三つに分ける必要がありますので、新たに区切る場所の指定をお願いします。
543 ◆0RbUzIT0To :07/11/13 19:58 ID:C1aljUW.
>>542
どうも、すみませんです。
それでは>>456までを前編。>>499までを中編。以降を後編でお願いします。
いつも編集ありがとうございます。
544Classical名無しさん:07/11/13 20:22 ID:aSFajYBM
とうとう史上初の前中後のSSがw
545 ◆7d53oKGJP2 :07/11/13 20:30 ID:ZcMuynj6
そろそろ本投下します!支援…なくても平気ですかね?どのくらいで連投規制に入るんでしょうか。
546Classical名無しさん:07/11/13 20:32 ID:RN8ZWSAQ
乙!
マジで鳥肌立った!
547Dive to the unknown(1/7) ◆7d53oKGJP2 :07/11/13 20:33 ID:ZcMuynj6
「WAPPA……まだ生きていたか」

D−2の草原を歩いている途中、丁度正午に放送が始まった。
OTENNTOを覆い隠すように空に浮かび上がったDOUKEの放送を聴き、YOKODUNAの心は二つの感情に揺れていた。
なんと、自分と死合い、確実に殺したと判断したTENINUプレイヤーが生きていたのだ。
YOKODUNAと呼ばれる前にも幾度となく死線を乗り越え、なった後でもそれは全く変わらなかった。
だが、自分の心にある感情は今までにないものである。

激しい悔しさと、それに劣らぬ強い悦びと。
自らをSHURAにしたにも関わらず殺し損ねた。

だが、また戦える。

あのTORIKUMIで手を抜いたなどという訳ではない。
むしろ満足感と更なる邁進への決意を得た、素晴らしいものであった。
だが……ある一点を考えてYOKODUNAの表情は暗くなる。

まさか……私はわざとWAPPAを見逃したのではなかろうか。
捨てたはずのJIHIに惑わされたか……心の底で、ピヨシの生存を望んでいたのであろうか。
いや違う。あれは私のミスである。
勝手にWAPPAの力量を決めつけ、勝手に自分の物差しで勝敗を判じたからである。
思えば、自分のGENKI−DAMAを跳ね返された時点で、WAPPAの予測不能な能力を警戒すべきだった。
対峙するMONONOFUへの油断。KAKKAIとは言わず、全ての格闘界においてやってはならぬ事を、自分はしたのだ。

YOKODUNAは恥じていた。
だが、彼こそは最強の格闘技、SUMOUのその頂点に君臨する男である。
反省すべき事は必ず反省する。二度と同じ失敗を犯さない。
もう絶対に油断しない。強者に対しても弱者に対しても、それ以外に対してもだ。
548Dive to the unknown(2/7) ◆7d53oKGJP2 :07/11/13 20:34 ID:ZcMuynj6
だが……この私の失敗と、あの素晴らしい戦いに免じて。
そして私と死合ってなお生きていたその命に敬意を表して。
彼の命を奪いに行くことをしない。

図らずともこの世界、戦いは避けて通れぬだろう。だがそれでいい。
私が命を奪おうが奪うまいが、別のSHURAがWAPPAを襲うだろう。
その戦いの経験が、WAPPAを更なる高みへと押し上げるのだ。
先程の戦いで感じた唯一の不満……彼の経験不足はなくなるのだ。

別にWAPPAを死なせたくないのではない。
その逆、生にしがみつき、更なる上を目指すであろう彼の未来が楽しみで仕方がないのだ。
彼もまた、スポーツプレイヤー。自分と本質は同じである。
ならば……また私に勝つために挑戦してくる筈だ!
更に強くなったTENINUプレイヤーと戦う為にも、私自身が何もしない訳にはいかない。

私も、更なる上を目指そう。
SHURAもJIHIも、交じり合うSEKAIをも超えて……真の最強になろう。
KAKKAIだけでは物足りない、他のSEKAIがあるならば、そこにも別の『最強』がいるはずだ。
その全てを倒して見せよう。
空に浮かんでいたDOUKEとて、同じである。
549Classical名無しさん:07/11/13 20:34 ID:C1aljUW.
SHIEN
550Dive to the unknown(3/7) ◆7d53oKGJP2 :07/11/13 20:35 ID:ZcMuynj6
だがその前に、忘れてはいけない事がある。
腹音を止めさせる為にも、『お覇王』なるTSUWAMONOと死合う為にも、何か食べなくてはならない。
だが、今のYOKODUNAにその問題を解決するのは容易い。

足を開き、腰を落とし、全身に力を込めて…

次の瞬間、そこにYOKODUNAは居なかった。


「「ッパァン!!!」」


音を置き去りにして、彼の居た場所から数歩ほど後ろにまたYOKODUNAは出現した。
そしてその正面には、頭が粉々に散った赤い野菜の化け物横たわっていた。
SURIASHIによる高速移動の後、TUPPARIによる一撃…

首輪がないところを見ると、あのDOUKE達の仲間であろう。
血と思しき液体に染まってはいるが、帽子のようなものと風呂敷を被っていたのがわかる。
これで隠れて参加者達を監視していたのだろうか…?
だが、いかに隠れようが、一切の油断をしないと誓ったYOKODUNAからは隠れられない。

多少気味は悪いが、常にCHANKOであらゆる物を食べていた自分には問題ない。
感謝の意を忘れず、食料とさせていただく。
551Classical名無しさん:07/11/13 20:36 ID:RN8ZWSAQ
世界最強のSHIEN
552Dive to the unknown(4/7) ◆7d53oKGJP2 :07/11/13 20:36 ID:ZcMuynj6
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 お食事中です。 大変申し訳ございませんが、現在、お見せする事ができません。 代わりにAAをお楽しみ下さい。
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♪聞いてアロエリーナ ちょっと言いにくいんだけど
 聞いてアロエリーナ YOKODUNAの口調が書き辛いの

 聞いてくれてあーりがと アロエリーナ♪
\______ __________/
          |/
         ∧_∧
  (○)   (∀・  )
  ヽ|〃    (∩∩  )
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 お食事中でした。 大変お待たせいたしました、それでは引き続きニコニコ動画バトルロワイアルをお楽しみ下さい。
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553Classical名無しさん:07/11/13 20:38 ID:2nqHFi1E
554Classical名無しさん:07/11/13 20:38 ID:C1aljUW.
 
555Classical名無しさん:07/11/13 20:40 ID:C1aljUW.
YOMITEとKAKITEの融合、それがSHIENである
556Classical名無しさん:07/11/13 20:40 ID:XvHc/6ZM
PAROROWAのTOUKAはSIENによって紡がれる
557 ◆7d53oKGJP2 :07/11/13 20:42 ID:cdZXfMoo
ひっかかりました\(^o^)/
すいませんどなたか続きお願いします…
558Classical名無しさん:07/11/13 20:44 ID:XvHc/6ZM
待て待て、5分くらいあればすぐに投下できるはず
559Dive to the unknown(5/7):07/11/13 20:44 ID:C1aljUW.
腹も膨れ、KIAIもあふれてきた。
これならば如何なるMOSAとも戦える。
遠くない未来に『お覇王』と死合う為に、万全の状態で挑みたかった。

更に自らのKIAIを更に高めるために、YOKODUNAはその場でSHIKO-HUMIをした。

「「ズドォン!!!」」

間違いなく最強のRIKISHI、YOKODUNAのSHIKO-HUMIである。
だが…今のSHIKOで足からの感触と音に違和を感じる。
今、自分の立っている地面…そのすぐ下に、岩盤とはまた違う層があるのか。
そして更にその下には…空洞がある。 恐らくはトンネルの類だろう。

「ならば……」

地面に向けてTUPPARIを無数に放つ。
するとやはり、地面の下から鉄でできた層を見つけた。
他の者ではこうはいかないが、RIKISHIであるYOKODUNAには楽な仕事である。

ベゴン!!

分厚い鉄の層を突き破り、その下への穴を開ける。

「空気はあるようだな」

思ったとおり、層の下には大きな空洞があり、冷たい空気が流れていた。
だが、その中はうっすらと明るく、人が通るのに苦労はしない通路となっている。
560Dive to the unknown(6/7):07/11/13 20:45 ID:C1aljUW.
この中ににお覇王がいるとは思えないが…
だが、更に面白いものが見れるかもしれない。
例えば…あのDOUKE達だ。そう簡単にいくはずもないが…
折角だ、あてもなく彷徨うよりは、こちらのほうがいいだろう。


……そう思い切り、YOKODUNAは謎の空間に身を投じた。







なんという皮肉。そのまま町の方向へとフラフラ歩いていけば『お覇王』に会えたのに。
だが、そんな事を本人は知らない。自分が何処へ行くのかも知らない。

誰も居ないD−2。最初から誰もいなかったかのように静まり返っている。
ただ、レッドベジーモンの血と細かい肉片、血にぬれた石ころ帽子と透明マントが風にはためくだけだった。
そう、それだけ。

誰も、ここに穴が掘られただとか、一人の修羅が居た事など知らない。
そこには何も残ってなかったのだから。
561Dive to the unknown(7/7):07/11/13 20:45 ID:C1aljUW.
【D-2 地下・アンダーグラウンドサーチライト/一日目・昼(放送直後)】
【YOKODUNA@世界最強の国技SUMOU】
[状態]:集中力アップ、背中強打(戦闘に支障無し)、疲労中、腹9分
[装備]:なし
[道具]:支給品一式*2(食料全消費)、ドリルアーム、クロスミラージュ(8/8)@リリカルなのはStrikerS、気合の鉢巻き@ポケットモンスター
    クマ吉の手錠@ギャグマンガ日和、ドアラの着ぐるみ@ドアラ動画シリーズ
[思考・状況]
1.この謎の空間を調べたい。都合よく主催者などはいないだろうか?
2.SHURAとして出会った者全てに戦いを挑む。逃げるようなら無理に追わない
3.お覇王なる人物とTORIKUMIがしたい。
4.最後まで残ったら主催者とも勝負を望みたい

※レッドベジーモンの帽子とマントがD−2に残ってますが、汚物まみれでそのまま使うのには勇気が要りそうです。

※アンダーグラウンドサーチライト
避難壕の武装錬金。
特性は、壁や地面に避難壕を造ることが出来るというもの。
避難壕の内部には巨大な設備をも構築することが可能。
ライフラインは周囲から引っ張り込むことが出来る他、1ヶ月程度なら自給もできる。
尚、避難壕自体は本来亜空間に存在しています(入り口の近くにたまたま居合わせたようです)。
現在、この武装錬金の使用者はわからない。
また、YOKODUNAの攻撃は武装錬金によるものではないので開いた穴はすぐに修復されました。
どこに繋がっているのか、中に何があるのか、全て不明です。(次の書き手さんに任せます)
562Classical名無しさん:07/11/13 20:48 ID:C1aljUW.
すみません、勝手に先走って代理投下してしまいましたorz
穴掘って埋まってます
563Classical名無しさん:07/11/13 20:49 ID:XvHc/6ZM
問題ない
すぐに読めることができたんだし
564Classical名無しさん:07/11/13 20:57 ID:XvHc/6ZM
感想してもいいかな?
とりあえず投下乙

YOKODUNA、レッドベジを食すなんてさすがというかワイルドというか
今回も地下通路がきたか、最近隠し通路が多いから誰かまとめてくれないかな
565Classical名無しさん:07/11/13 21:00 ID:Me2ZHwcw
投下乙
でっていう、カービィに続く第三の暴食キャラか
しかも人間以外無差別っぽい
丸々太ったピッピにヲタチ、名前からして美味そうなタイヤキ、野菜が足りなきゃFUSHIGISOU
YOKODUNAのCYANKOはまだまだこれから……かもしれない
566 ◆7d53oKGJP2 :07/11/13 21:02 ID:cdZXfMoo
代理投下ありがとうございます。むしろ自分がウッディしますorz

>>563
すいません、普段は連続投下なんてしないんでよく知らないんです。

にしてもレッドベジーモン可哀相。レナにもズガンされてましたよね。
食べたのもこいつが野菜だって理由だけでして…チャンコ鍋という言い訳があってよかった。
ケラモンといい自分が書くキャラはよく変な物を食べてますね。
567Classical名無しさん:07/11/13 21:02 ID:C1aljUW.
投下乙。
それにしてもYOKODUNAはやはりYOKODUNAだな。
YOKODUNA語が徐々に浸透してきているような気がする。
568Classical名無しさん:07/11/13 21:03 ID:RN8ZWSAQ
投下乙です。
ちょっwwレッドベジーモンww
569Classical名無しさん:07/11/13 21:04 ID:QD8h997I
E-4塔の地下駐車場
E-3薬局の地下薬室
D-2のアンダーグラウンドサーチライト

これくらいかな。
D-3花畑にブラックパックンの密集地帯もあるけど。
それぞれ繋がってるかどうかは不明。
570Classical名無しさん:07/11/13 21:21 ID:aSFajYBM
地下ものを使って脱出フラグっぽいのを妄想してみた……がやりすぎか
571 ◆7d53oKGJP2 :07/11/13 21:30 ID:ZcMuynj6
書き込めるかな…?

地下がすごく多いですねー、夢日記もありますし主催者泣かせなロワですね。

YOKODUNAって強マーダーな割りに動かしにくいので、こうやって何処から出現するかわからない〜
みたいにすると後々展開がスムーズになると思ったのでいち早く地下に行ってもらいました。
誰も書かなければずっと誰にも会わず地下を彷徨う事になりますね。
572Classical名無しさん:07/11/13 22:47 ID:mX5/E1Q2
まあ確かに何で主催者がこんなもん残したんだか謎だな
窓付きの行方も気になるし
573Classical名無しさん:07/11/13 23:19 ID:aSFajYBM
その辺書いちゃって大丈夫かなあ……とはいえこんな時期に脱出フラグを出すのもどうだろう。
ってか都合の良い展開になりそうだwwww
574Classical名無しさん:07/11/14 00:21 ID:Lzyk4s5Q
ニコニコロワの会場だからなぁ……
ちょくちょくメンテをしなきゃいけないほどバグだらけなのかもしれない
575Classical名無しさん:07/11/14 00:24 ID:.VJw.DJM
>>574
なるほどw
そのうち微妙に仕様とかが変わったりしてなw
576Classical名無しさん:07/11/14 00:40 ID:YnDx5/ck
バグで次男が空中浮遊したり四面までしか進めなかったりそもそもエンディングが無かったり
577Classical名無しさん:07/11/14 00:42 ID:ojyy4zeU
ピエモンが放送しようと思ったら公共コメント機構の時報が流れたりwww
「荒らし、ダメ、絶対」
578Classical名無しさん:07/11/14 00:52 ID:sfeO7frU
>>574
ちょww
だれがうまいこt(ry
579Classical名無しさん:07/11/14 01:00 ID:/yB5sV92
そのバグをKASさんが見つけると
580Classical名無しさん:07/11/14 01:06 ID:UDpMwQR.
>>574
全書き手、衝撃走る
581Classical名無しさん:07/11/14 07:37 ID:aTGGsg/Y
>>576
とかちと博之に新たなる可能性が
もしかして第四放送でキレちゃう?エンディングないのは嫌だなぁ…歴史に残る「正しい終わり方」だが。

>>577
それはいいかもしれない。「お昼くらいを、お伝えします」で参加者全員どんより。

にしても脱出フラグっぽいもの持ってる奴が軒並みマーダーor変質者ってのはひどい。
582Classical名無しさん:07/11/14 13:10 ID:Jue4jSiY
東方ってこれだけキャラ出てもなお、2ndで1stに出たキャラは出れないとしても
出れそうなキャラが残ってるな。

射命丸とかHとかパッド長とか妹様とかてゐとか蓬莱ニートとか
583Classical名無しさん:07/11/14 13:15 ID:D/zcFrxM
脱出フラグ? いいえ、優勝です。
あんまりHOI☆HOI脱出脱出言い過ぎるのはどうかと思うんだぜ。
584Classical名無しさん:07/11/14 13:36 ID:656ylGz6
その時の展開次第でいいんじゃない?
正直、マーダー達の成績が全体として芳しくない。闇サトシが優秀だったけどやりすぎて死んじゃったし。
ガチペタと不思議草に期待せざるを得ない。空気男と天空王には期待できん。
レナがマーダー目指してた訳でもないのにトップクラスなのはご愛嬌。
ゴマコトは周囲のメンバー的に死亡フラグビンビンだなぁ…
585Classical名無しさん:07/11/14 14:35 ID:ojyy4zeU
>>584
TASを信じろ!!
586 ◆CMd1jz6iP2 :07/11/14 16:04 ID:gDZiZJpI
間に合わせようと思ったのですが、厳しいので予約を延長します
明日には投下できるようにしたいと思います。

一度の投下で百万のフラグを建てれるよう、書き上げます。
序破急……くらいで済むかな
587Classical名無しさん:07/11/14 16:40 ID:D/zcFrxM
>>586
変に時間を意識して急がずに書き上げてくだされ。

それにしても町や山や橋のところでは動きがあるのに、全然動かない森涙目www
588Classical名無しさん:07/11/14 17:58 ID:7Rcnk6dA
突っ込んじゃいけないところだと思うんだが
L5発症で喉かきむしる時って首輪大丈夫なのか
589Classical名無しさん:07/11/14 18:12 ID:9nLBCY1k
首輪は空気読む奴だから大丈夫
590Classical名無しさん:07/11/14 18:21 ID:aTGGsg/Y
人間って無意識レベルで即死に繋がる行動はしないようになってるらしい。
完全に自殺する意思があるなら可能だけど、死にたいと思わなければ行動がストップする。
それをねじ曲げて掻き毟らせるのが雛見沢症候群の怖いところ。

今予約が入ってないキャラって何がいたっけ?
伸ばしたり投下したり破棄したりでこんがらがってきたぜ。
正直森って書きにくいんだよなぁ…

現在生きてる奴で、二人以上殺しているマーダーは
阿部さん、TASさん、フシギソウ だけ。レナはやめた。
TASさん殺せてはいるけど勝率があまりよくありませんね…
591Classical名無しさん:07/11/14 18:31 ID:D/zcFrxM
流石に人の爪程度では首輪破壊出来んのじゃね?<掻き毟り

TASさんは肉体的に強いって訳じゃないからどうしても他のマーダーと差が出るよな。
592Classical名無しさん:07/11/14 18:45 ID:sYNOHOog
いや言いたいのは掻き毟る際に首輪にガシガシと触れたりしてると、
無理に外そうとしてると首輪が誤反応するって事じゃね?
593Classical名無しさん:07/11/14 18:48 ID:D/zcFrxM
>>592
ああなるほど、把握。
どうなんだろうな……俺は首輪を外そうとする=強引に引っ張るだと思ってたんだが、
確かにガシガシ触れるのも誤作動起こしそうだ。
594Classical名無しさん:07/11/14 19:03 ID:9nLBCY1k
削除人の削除ミスみたいな感じで、首輪もそこら辺は正確じゃないんだよ
595Classical名無しさん:07/11/14 19:14 ID:0wBioBms
>>594
ひでえ言われようだなwww
自分としては首輪は空気読む子だと思うんだが・・・

この辺は書き手に任されるんだろうか?
596Classical名無しさん:07/11/14 19:16 ID:D/zcFrxM
うーん、空気読む子というよりはその程度の衝撃では誤作動しないって解釈でいいんじゃね?
597Classical名無しさん:07/11/14 19:42 ID:umvRbyv.
そもそも首輪は原作と同じ性能なのか?
598Classical名無しさん:07/11/14 19:44 ID:aTGGsg/Y
それだと知識あれば簡単に外れちゃうwww
599Classical名無しさん:07/11/14 19:44 ID:Jue4jSiY
首輪って何のか?
600Classical名無しさん:07/11/14 20:19 ID:clwYE/GM
実は首輪はただの飾り。実際は体内に埋め込まれている
601 ◆irB6rw04uk :07/11/14 21:08 ID:umvRbyv.
すみません
予約延長します。
602Classical名無しさん:07/11/14 21:11 ID:Jue4jSiY
今の予約状況とか現在位置とかどうなってるっけ
603Classical名無しさん:07/11/14 21:24 ID:0sNpn5lk
【予約状況】
11/12(月)
◆CMd1jz6iP2:いさじ、柊つかさ、天海春香、園崎魅音、谷口、カービィ
         ムスカ、エアーマン、矢部野彦麿、アリス、(アサクーラ)
         TASさん、クラモンB、クラモンA、マッ!、ストーム1、ゴマモン、真
◆irB6rw04uk:社長、やよい、亜美、魔理沙、お覇王

合ってるか知らないけど
604Classical名無しさん:07/11/14 23:32 ID:D/zcFrxM
現在位置とかはこんな感じのはず

【確定参加者・場所・時間別一覧表】

昼  A-5 大樹の中腹       ニート、富竹ジロウ、涼宮ハルヒ、ロールちゃん、ロックマン、武藤遊戯(闇遊戯)
昼   B-1 雪原            クラモンA(ケラモン)
日中 B-2 橋の手前        ストーム1、スパイダーマン、ゴマモン(マリンデビモン)、菊地真
日中 B-3 草原           阿部高和、伊吹萃香
午前 B-5 森の境          ムスカ、エアーマン
昼  C-3 北西部・洞窟.      いさじ、柊つかさ、天海春香、園崎魅音、谷口、カービィ
昼  C-3 山道            矢部野彦麿、アリス・マーガトロイド、(アサクーラ)
日中 B-3 山・断崖          TASさん、クラモン(ケラモン)B
午後 D-1 城・中庭         博麗霊夢、ヨッシー
午後 D-1 城・城内.         日吉若
昼  D-2 地下・アンダーグラウンドサーチライト YOKODUNA
日中 D-3 花畑            KAS
午前 E-2 元・草原.         お覇王、霧雨魔理沙、双海亜美
日中 E-3 町            高槻やよい、海馬瀬人
日中 E-3 町・薬局内部.      八意永琳、古泉一樹
日中 E-3 町・一軒家.        フシギダネ(フシギソウ)
午後 E-4 塔内部           永井博之、キョンの妹、友人、竜宮レナ、ピッピ、ティアナ=ランスター
日中 E-4 民家           水銀燈、泉こなた
605 ◆CMd1jz6iP2 :07/11/15 16:02 ID:RdioNXa2
とりあえず出来たのですが、誤字と矛盾探しとリアル生活で1日かかるかも。
70Kとか寝ぼけたことになってるので、完成したらテスト投下しておきます。
606Classical名無しさん:07/11/15 17:39 ID:./SdDvIY
>>605
70k超大作ktkr
607Classical名無しさん:07/11/15 17:42 ID:1ci1i1is
70Kって何レス分だったっけ? …え、70レス分?
逆によく三日四日でそんだけ書けましたねえ…
608Classical名無しさん:07/11/15 17:53 ID:BDJOm//s
このスレ持つのか?
609Classical名無しさん:07/11/15 17:57 ID:4Kl7mYOU
現在294kbだから余裕で持つ
610Classical名無しさん:07/11/15 18:06 ID:BDJOm//s
誤字ばっかりでもいいから早く見たい俺ダルシム
611Classical名無しさん:07/11/15 18:22 ID:./SdDvIY
>>610
待て待て。
書き手にとって誤字脱字なんかは後から見返すと後悔しちゃうものなんだ。
それに70kbともなれば投下にも時間がかかるんだし、書き手さんのいいタイミングで投下してもらおうぜ。
612Classical名無しさん:07/11/15 20:11 ID:1ci1i1is
書き手さんが都合のいい時間を言ってくれれば全力で支援する。

書いた事あるからわかるけど、誤字脱字って本当にヘコむ。
表現間違えてたり、同じ事を続けて二回言ってたりするとグギャる。
設定やら口調やら間違えたり、展開に矛盾があったりすると首がすごく痒くなる。
613Classical名無しさん:07/11/15 21:13 ID:BDJOm//s
70kってアニロワでいうとどの作品ぐらいの長さ?
614Classical名無しさん:07/11/15 21:34 ID:RinLXV.s
とりあえずwikiに掲載する際、前中後編になることは間違いない。
615 ◆irB6rw04uk :07/11/16 00:03 ID:6E.UcyC2
マジすみません。
重大な矛盾が読み直したら発生していました。
今から訂正に入りますけど、もしかしたら明日になるかもしれません。
次からはもっと早めに作業に取り掛かります。
616Classical名無しさん:07/11/16 00:19 ID:u2Wgxa/6
>>607
この板は1レスに最大2k入るので、全レスに限界まで詰め込めば35〜40くらい。
ただその前に改行制限とかで大体区切らなきゃならんので、実際は1レス1k〜1,5k。
改行が多いと、ほんとに70行くかもなw

>>615
焦らず頑張ってくださいな
617Classical名無しさん:07/11/16 00:21 ID:LRIN2yiQ
最新話までの地図、更新しました
間違いがあったらレスお願いします
http://takukyon.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/clip/img/82.gif
618Classical名無しさん:07/11/16 00:52 ID:H8iesRBg
乙です!これで書きやすくなりました。
619Classical名無しさん:07/11/16 13:21 ID:UOt3HBMY
しかし、そろそろ山が動きまくるのに、森と来たら。
書き手であのメンツ書ける人がいないのか?
620Classical名無しさん:07/11/16 14:07 ID:.3K0E.AY
こんなラブホテルもあるのです。
http://vision.ameba.jp/watch.do?movie=643238
621 ◆0RbUzIT0To :07/11/16 17:12 ID:gE/9GYuA
ニート、富竹、ハルヒ、ロック、ロールちゃん、遊戯予約します
622Classical名無しさん:07/11/16 17:54 ID:K.DlxTwU
ようやく大樹組が動くかw
623Classical名無しさん:07/11/16 19:06 ID:K.DlxTwU
っていうか今更だが>>604、ゴマモンは今はリヴァイアモンだぞw
624 ◆CMd1jz6iP2 :07/11/16 19:32 ID:rvEJblII
ものすごくお待たせしました。
ニコニコオールスターズの投下をしたいと思います。
75Kの66分割4部構成の予定です。あれ、5Kどこから増殖したんだろう……
時間がかかるわけですが、じっくり投下していきます。
私とアリスは、ようやく歌声の聞こえていた場所へとたどり着いた。

「なるほど、洞穴か。ここに隠れているのだな」
「その割に、歌っていたら意味ないわよね」
「そう言うな、心の闇を払うには歌は効果的なのだからな」
「ウン、ソレムリー」

琴姫の歌も、そういう力があったからな。
早速入ろうとすると、アリスに止められた。
「彦麿、ちょっと待って……」
「なぜだ、私が行って、心の闇をだな」
「だからよ、いいから待ってて」
むう、言い争っても仕方ないか。

「すみません、ストーム1から言われてここに着た者です。信じていただけるのなら、入らせて頂けないでしょうか?」
返事が無い。
間違いなくここだと思ったのだが……違ったのか?
と、程なくして中から足音が聞こえてくる。

出てきたのは……怪しいコートの人物だった。

「ぬぅ!悪霊に取り付かれたのか!」
「アクリョータイサンレッツゴー」
「黙ってなさい!……ええと、いさじさんって方?」

「いえ、違います」

何、女性の声だと?
確かに背格好はそうだが、あやしい姿ゆえ、わからなかった。
626Classical名無しさん:07/11/16 19:34 ID:x1cfrrIg
627Classical名無しさん:07/11/16 19:34 ID:gE/9GYuA
 
「ストーム1って、おじいちゃんって人のことですよね。その人はどこに?」
「彼は雪山方面に困った人がいないか探しに。私たちは様子を見てきてくれと……」
「えっ!?」

何か驚いている。どうかしたのか?
「わ、わかりました。詳しい話を聞きたいので、中へどうぞ」
アリスもあっけに取られているようだが、どうやら良い方向へと進んだようだ。

なるほど、たしかに我らを信用してもらわねば、心の闇など払えぬ。
ここはアリスに任せて正解だったか。
だが、奥に進んで更に問題が発生してしまった。
中には、聞いていた以上の人数がいた。
その中の一人が、こちらと顔を合わせた瞬間に大声を上げるではないか。

「あ、朝倉さん!?」
「ハイナー」
なんと、朝倉の知り合いがいたようだ。
アリスと顔を合わせる。
アリスも、どうやら同じ考えに至ったようだ。
朝倉の体の秘密が解けるかもしれない。


雪山にストーム1という人が向かったという話を、詳しく聞こうと中に入ってもらった。

金髪の美少女に、はわーっと子供みたいな表情とは裏腹のプロポーションの美少女。
この二人はともかく、その後ろにいる黒服の男の人が、すごくうさんくさかった。

自分の格好も人のことが言えないのはわかっていたので、黙っていた。
そして、皆と対面した瞬間に、谷口さんが大声を上げたわけなんだけど……

何でも、はわわっとした女性は朝倉涼子さん。
クラス委員長だったが、突然カナダに転校したという謎を持つ人らしい。
だが、当の彼女は
「ワスレモノハダメダヨー」とか、「バックアップー」とか、良くわからない言葉を口にするだけ。
「てめえら、いったい何しやがった!」
と谷口さんがアリスに掴みかかろうとするのを、朝倉さんに弾かれる。
魅音ちゃんが止めようとするが、谷口さんも収まらない。

「やめるんだ!」
そこで、やっぱり頼りになるのはいさじさんだった。
あまり体調も良くないの彼に頼ってばかりで、本当に心苦しい。
何とか落ち着いて、まずは雪山に向かったストーム1さんの話となった。
矢部野彦麿、アリス・マーガトロイドと名乗った二人の話によると
やはり話に聞いたYOKODUNAという相撲取りのような人は
福山さんを狙撃した人を殺して、そのままこのゲームに乗ってしまったという。

そして、ストーム1さんは雪山で遭難した人がいないか確かめに行ったらしい。

「みお、ほものひとがいるよ?」
「ホモー?」
「へ、変な言葉覚えないの!」
カ、カービィくんの言う通り、その、言葉に出すのも恥ずかしいような危険人物が、そっちにはいると聞いている。

「でも、あれから随分経ったし、ずっとあそこにいるとは、おじさんは思わないねえ」
たしかに、ゲームに乗った人なら、その場を動かずにいるとは考えにくい。
ストーム1さんのことは心配だったが、追っても行き違いになる可能性の方が高いだろう。

「それに、この辺りで猿の化物を見た。おそらく悪霊どもが呼んだ魑魅魍魎だろう」
彦麿さんは、陰陽師をしているらしい。
心霊番組に出たときに見たが、ああいう番組のインチキの人とかより本物っぽい。
その分、もっと怪しいけど。
とにかく、危険な動物がいるなら、なおさらスパイダーマッ!さんを待った方がいい。
そして、話は朝倉さんの話題になる。
630Classical名無しさん:07/11/16 19:38 ID:gE/9GYuA
  
「それじゃあ、本当に涼子のことは何も知らないのね?」
「だから、お前らが言ってる事がデタラメだろうが! なんだよ、人間じゃないって!」
二人の話によると、朝倉さんは人間ではなく、人形やロボットの仲間らしい。
触ってみても、私より完璧な人間って感じがする。
「キヤスクサワルナー」

「絶対に裏があるぜ、騙されるなよ。朝倉さんをこんなにしたのは、こいつらに違いないぜ!」
「おぬし、そのように人のことを信じられぬとは……悪霊が憑いておるな!」
彦麿さんが、どーまんせーまん言ってるのを、アリスさんが止める。

「もういいわ。信じさせるにも、証拠も何もないもの。彦麿、行きましょう」
「ぬう!?だが、この者達の心の闇を……」
「そこのいさじって人がいれば平気でしょう。不協和音こそ、心に闇を生むわよ」
「たしかに、そうか……仕方が無いな」
そう言って、三人が立ち上がってしまう。

「ちょっと、待ってください。わざわざ来てくれたんですから、少し休んでいったほうがいいですよ」
いくらなんでも、このまま帰しては失礼だ。
「そうそう、情報交換とか、支給品の交換とか、色々してもいいんじゃないかな?」
魅音ちゃんも、そう言って引き止める。

「いけない、忘れてた。いさじ、貴方の持っている人形を、良ければ頂きたいんだけど」
「人形? ……ああ、支給品のフィギュアかい? 構わないけど……」
いさじさんが、自分のディパックから人形を取り出す。
632Classical名無しさん:07/11/16 19:39 ID:gE/9GYuA
   
「おお、こりゃあ中々の造型だねー。見たことないキャラだけど、自作かな?」
魅音ちゃんが、やたら反応してる。そっちの人?

「うう……コミケの悪夢が蘇るよー」
逆に、つかさちゃんは震えだした。こっちの人だ。

「ふん、こんなお人形さんで遊んでいるようじゃ、女は落とせないぜ」
何かもう、谷口さんは駄目なのかもしれない。

「目が大きすぎる……呪われているのか!?」
彦麿さん!! そこに触れると危ない気がします!何か色々!

「ありがとう。あら、中々かわいい人形ね。それに、魔力の通りも良いみたい」
まりょく? 聞きなれない単語が出てきたな、と思うと……
アリスさんの周りを、人形がクルクル飛び出した。

「え……ええ!?」
「ガチャガチャギュー」
「ヨロシクー、コユビデギュー」
朝倉さんと戯れる人形。これって……
「これで、自己紹介としましょうか。
これが七色の魔法使い、アリス・マーカトロイドの力……人形を操る程度の能力よ」

魔法使い、そんな漫画の世界の単語を出されても、どう反応していいのかわからない。
「おいおい、ふざけるのもいい加減にしろよ。何が魔法……」

「やはり、そうなのか……」
いさじさん?
「おそらく、彼女の言葉は嘘じゃないと思うよ。核鉄が存在した以上、そういった世界が存在するのかもしれない」

「核鉄って、私の心臓の代用品の……シルバースキンのことですよね?」
634Classical名無しさん:07/11/16 19:41 ID:gE/9GYuA
     
「心臓の、代用品? そんな物があるの?」
「え、なにそれ!? 春ちゃん、腕だけじゃなくて心臓も取れちゃったの?」
ちょっと、無用心な発言だったのか、事情を知らない皆に注目されてしまった。

「たしか、錬金術で創られた、賢者の石のような物、だったかな」
「いさじさん、なんで……そんなの知ってるの?」
たしかに、それは私も知りたかった。私の心臓の代わりに動いているこれは、何なのか?

「福山さんがね、あるアニメの主題歌を歌っていたんだ。そのアニメに出てくるアイテムこそ、その核鉄なんだ」
アニメ? 反応に困る……でも、何かの冗談でもないらしい。
「もちろん、アニメから飛び出てきたとは思わない。ただ、どこかの誰かが、まったく同じものを実際に作った。そう考えた方が真実味があるね」
「ちょ、ちょっと待ってよ。賢者の石くらい、物語で聞いたことあるけど、そんなの作れるわけないじゃん」
「ああ、そうだ。だが……もしかして、アリスちゃんの世界では、簡単に作れるんじゃないのかな?」
アリスさんの、世界?

「そういうこと……無理、とは言わない。まあ、知り合いに作れそうな図書館の日陰少女はいるわね」
「どういうこと、なんですか?」
「認めてしまえば簡単なことさ。俺たちは、皆違う世界の住人……
俺の世界に、あんなピエロの化物はいないし、魔法使いなんていない、核鉄も本当には存在しない」
たしかに……それなら、全てに説明がつく。

「つかさちゃんが、765プロのことを知らないのは……世界が違うから?」
636Classical名無しさん:07/11/16 19:42 ID:gE/9GYuA
             
「ちょ、ちょっと待ってよ。そんなおじさんが描いた同人誌みたいなことがあるわけないじゃん」
「描いてんのかよ! 東京ビッグサイトとか、あんな場所に集まって何が楽……」
「へ、なにそれ? コミケって言ったら晴海だよ?」
「魅音ちゃん、古いね。それってたしか、昭和の頃の話じゃないかい?」
「え、何? い、今って昭和58年だよね、何か間違ってる?」
「馬鹿な、今は平成の世だぞ!」
きっと、魅音ちゃんの世界では、間違いないのかもしれない。
「過去から来たとか冗談だろ……今は、2006年だぜ?」
谷口さん、貴方もです。

結局、谷口さんが最後まで反論していたけど、私たちは違う世界の人間なんだと理解した。
魅音さんは過去から来ただけではなく、住んでいる村も、市も、県も、知らない名前だった。
「隣の岐阜県はあるのに、鹿骨市も雛見沢村も他の世界には無いなんて、酷いなぁ」
ダム建設以前の問題かぁ、と魅音ちゃんはつぶやいていた。

「ぬうう、あの悪霊はどれほど邪悪な存在なのだ。必ず祓わねば……」
「まぁ、興味深い話ね。それなら、涼子の存在も理解できるもの」
「……俺の世界は、ごく一般的な科学力で、魔法なんてねーよ」
「なら宇宙人ね。地球まで航行できる星の生き物なら、科学というのも高いんでしょう?」
魔法使いって名乗る人から、宇宙人って言葉が出ると、何か違和感を感じる。

「あ、これも宇宙人の技術かな?」
小さな機械を見せる魅音ちゃん。それって……
「たしか……あい、なんとか? 幻想郷でも売ってたわね、骨董品店で」
「アイポッド、だったか? 僧侶が持ってたな。没収して捨てたが」
「iPodだろ?」「iPodか」「iPodですね」「iPodだね」


「……みお、僕はしらないよ」
「あ、ありがとねー、でも泣けてくるからやめてぇぇ」
638Classical名無しさん:07/11/16 19:45 ID:gE/9GYuA
魅音涙目wwww支援
639Classical名無しさん:07/11/16 19:45 ID:K.DlxTwU
しっえーんん!!
640Classical名無しさん:07/11/16 19:46 ID:QwjVA4Io
支援だ!
場が和む。
私の失った腕の痛みも、感じないほどに、幸せな時だった。
会うことも無かった、福山さんは死んでしまったけど、私たちは生きている。
これからは、きっと良い事があると思ってしまう。

この幸せを打ち破る、放送が流れなければ……ずっと、こうだったはずなのに。

################################

巨大な鰐は、大きな雄たけびを上げた。
「すぱいだーまッ!散開するぞ!」
「ああ、わかってるッ!」
固まって行動しては、確実にあの尾で一気に薙ぎ払われる。

それにしても、なんて怪物だ。
いや、この怪物を生み出してしまったのは俺の判断ミスが原因。
ここで、こいつを倒さなければ!

「あははははは!!コロセ!コロセ!皆コロセ!」
怪物の上に跨る少年、否、少女の瞳に正気が感じられない。
助けるには、この化物を倒さなければならない。
大地を踏む削りながら、鰐の化物が直進してくる。

ストーム1が狙撃を加えるが、鰐は気にもしない。
二股の尾を、俺に向かって振るおうと突進してくる。
バンッ!

「ぐああああ!?」
鰐の目に、銃弾が当たり、尾の狙いが外れた。
それでも、恐ろしい風圧が俺の体を吹き飛ばす。
「すぱいだーまッ!」
「大丈夫だ!」
642Classical名無しさん:07/11/16 19:46 ID:x1cfrrIg
こうなれば、使ってみるか!
「武装錬金!!」

俺の手に握られる月牙。そして、精神を集中して、俺の意識をわける。
「なっ……!」
「「ダブルクロコダイルハンター!スパイダーマッ!」」
二人に増えた……これで勝負だ!

二人の俺が、鰐に突っ込む。
その、あまりにも巨大な口が、俺を飲み込もうと開く。
それをジャンプで回避し、口を踏みつける。
片方の俺は、少女を助けようとするが、そこを尾が狙い打つ。

「ぐああああ!!」
スーツが破れ、吹き飛んだ。なんとかもう一人の俺は避けられたが、なんて一撃だ。
尾を避けた俺、避けられなかった俺は、再び鰐に攻撃を加える。
だが、蹴りも月牙も対したダメージを与えられない。
ダメージを負った俺は、動きが鈍い。このままでは……

「行くのじゃ、たいやき!」
ストーム1が、何かボールを投げると、中から変な魚が表れる。
「たいやき、体当たりじゃ!」
鯛のような魚が、鰐に飛び掛る。

バクン、と。
当然のように食べられた。
「あはははははははは!!!エサをありがとう!」
なんてことだ……だが
「たいやき、じたばたするんじゃ!」
鰐の腹に……魚の形が浮かんだ。

「グ……ぎゃアアアアア……いたい、痛いよおおおお!」
644Classical名無しさん:07/11/16 19:48 ID:gE/9GYuA
支援狩りの男!スパイダーマッ!
「ゴマモン、しっかり!!」
ゲエッと鯛を吐き出す鰐。

鯛は流石に弱っている。
「戻るんじゃ、たいやき!」
鯉が、ボールに戻る。

「よくも……ゴマモン、行ける?」
「ああ……よくも、やってくれたなあ!!」
ストーム1に鰐が突っ込む。
刀を取り出したストーム1を、傷ついた方の俺が制する。

「俺に任せろ、思いついたことがある!」
傷ついた俺が走る。
大口を開けて走る、鰐の口へ飛び込んで……

無常にも、その口が下半身半分を噛み千切り、閉じた。

「馬鹿だな、同じ手が二度も……」
「通用しているんだよ、残念だがな」

鰐の腹から血が噴出し……月牙が見えた。

「ビャ!ギャゴゲエエエエエ!!イダイ、イダイイイイイ!!」
腹を、まだ息のある胃の中の俺が裂いていく。
そのまま、突き破って飛び出し……俺は息耐えて、消えた。

「ぐ……オ、オオオオオオ!?」
死の感覚が、俺に襲ってくる。
人生で一度しか体験しないそれを、死んでもいないのに経験してしまった。
体力的な疲れではなく、精神の疲れが、それだけで限界に達した。
646Classical名無しさん:07/11/16 19:49 ID:QwjVA4Io
しえん
647Classical名無しさん:07/11/16 19:49 ID:K.DlxTwU
マジックカード!支援!
「すぱいだーまッ!大丈夫か!?」
「え、ええ……もう、平気です」
鰐の化物を見つめる。
どす黒い血を吐きながら、悶え苦しんでいる。

「ゴマモン、駄目だ、死んだら駄目だ!!」
「ギアアアア!!イタイイダイイダイ!!」
少女は、涙を流しながら鰐に語りかける。
「糞ぉぉ!!許さない、許さない、許すもんかぁ!」

憤怒の形相で、俺を睨む少女。
「俺の責任だ、全ては俺の……」
「すぱいだーまッ、後悔は後でも出来る。今はあの少女を助けるぞ」
そう、だな。俺とストーム1は少女に駆け寄る。

「ウアアアアアア!!!」
「くっ、こいつまだ……ッ!」
瀕死の鰐は、どこにそんな力があるのか、尾を振るう。
「ゴマモン、逃げよう!ここは逃げて、回復してから……」

「それは無理な話だね?」

「え?」

―――なんだ?
今のは、誰の声だ?
「知っているだろう? だって、常識じゃあないか」
それは、あの鰐の真後ろに君臨していた。

たとえるならば、サナギ。
一体、どんな醜悪な存在が生まれるのか、想像もつかない、悪夢が生まれる手前の段階。
649Classical名無しさん:07/11/16 19:52 ID:gE/9GYuA
支援
「それとも、知らなかったのか?」

その体からは、触手が伸びていて……

「魔王からは、逃げられない」

その触手が、鰐へと伸びた。


敵だと、そう思ったときは、もう遅かった。
触手が刺さる、ドスドスっという、鈍い音がした。
お腹が痛すぎて、もうその程度の痛みは感じないのか。
「……げ、ろ」
違う、違った。

「逃げ……ゴ、マ……」
その裸体が、赤く染まっていく。
正面から、背中を突き抜けて見える、数多の触手。
百舌のはやにえとは、こういう状態を言うのだろうか。

「まこ、と……?」
生きてるのが不思議だ。

だって、かがみはすぐに死んだのに。

同じことをしているのに、なぜ真は死なないのか。
そればかりか、どうして。
「逃げろ……ゴマモン!」
僕を、助けようとしているのか。

「せっかくのデータ吸収の邪魔を……許さん!!」
触手が抜けて、真の体が地面に落ちる。
651Classical名無しさん:07/11/16 19:53 ID:K.DlxTwU
真ぉぉぉぉぉぉぉ!!!!しえん
652Classical名無しさん:07/11/16 19:53 ID:QwjVA4Io
sienn
653Classical名無しさん:07/11/16 19:54 ID:gE/9GYuA
俺の嫁があああああああああああああああ支援
654Classical名無しさん:07/11/16 19:54 ID:K.DlxTwU
nice shien.
赤い服を着ているかのように、真っ赤になった真は。それでも立ち上がる。

サナギは、否、クリサリモンが力を収束している。
「許……さない? それ、は……こっちの台詞だ」
真は、おいらの体を踏み台に、空に浮かぶクリサリモンへと飛ぶ。
「なんなんだよ……裸にされて仲間にも裏切られて……
それで、最後の仲間も守れず串刺しなんて、御免だ!!」
その時に舞った血は、まるで真が真紅のドレスを着ているようで……
「乙女の怒りを、思い知れぇぇ!」

何か奇妙なクリサリモンは、その力を解放する。
「ディバインバスター!!!」
真の渾身の飛び蹴りは意味を成さず、真は……文字通り蒸発した。

################################
その光景を、俺とストーム1は見ているしかなかった。
激しい光と熱が収まった後には、誰の姿も無かった。

「くっ……あれは、なんだったんだ?」
「……わからん。だが、わかっていることは……もう、終わったということじゃな」
俺たちは、俺は……何も出来なかった。

「英雄の代理人などと……俺は、こんな体たらくで……」
「自惚れるな、すぱいだーまッ! 全てを救える人間などはおらん! そうではないかの?」
「……すまなかった。そうだ、俺には……まだ、やることがある」
放送は流れた。もういさじ達は町へと向かっただろうか?

「ストーム1、いさじ達が心配だ。俺は一度彼らのところに戻る」
「そうじゃな。今の化物がどこに行ったのかもわからん以上、その方がいいじゃろ」
「ストーム1はどうするんだ? 橋の先が禁止エリアのようだが」
この橋の先のB-1が禁止エリアになってしまう。
「地図を見るんじゃ。ちょうどB-2の橋の途中から陸に繋がっとる」
656Classical名無しさん:07/11/16 19:55 ID:K.DlxTwU
支援な誓いいいいいいいいいいいいいい
657Classical名無しさん:07/11/16 19:55 ID:QwjVA4Io
追いついた・・・って、ぎゃああああ真ぉぉぉぉぉぉぉ!!!支援
たしかに、これならば向こうに行けるだろう。
「行く前に、あの女の子を埋葬しないとな」
「雪山も埋葬も、ワシに任せろ。お主は、町まで皆を誘導してやってくれ」
俺はうなずき、ストーム1にテニスボールを渡す。

「これを受け取ってくれ、仲間の証だ。……待っているぞ、ストーム1」
「わかった。早く済ませて、ワシもあの子達と合流せんとな」
そして、俺たちは別れ、歩みを進める。

その時起こっていたことなど、俺たちは知る由も無く。


【B-2 山道手前/一日目・午後】
【スパイダーマン@東映版スパイダーマン】
[状態]:肉体的、精神的疲労中度、鉄十字団を倒し終えていない状態。英雄の代理人。阿部に対する恐怖?(gthm的な意味で)
[装備]:サテライト30@真赤な誓い
[道具]:支給品一式、DIGIZO HYPER PSR(残り二十分程度)@現実、上海人形、花粉防止用マスク、テニスボール*2
[思考・状況]
1.いさじたちと合流して町へ。
2.あの邪悪な怪物に注意する。そして阿部に注意する。
3.英雄の遺志を継ぎ、可能な限り誰も死なせない。
4. YOKODUNAを探して、止める。
5.夕方に仲間と塔で待ち合わせ。
「しかし、酷い男じゃったな。まあ長い夢の中では、ああいうのもいたな」
あの消し飛んでしまった少女の服を集め、死んでいる少女と一緒に埋めることにする。
穴は掘らずとも、戦いでちょうどいい穴が出来ていた。
女の子の死体を抱き上げ……気付いてしまう。

「まさか……つかさちゃんの……!?」
先ほどの放送、あの阿部の凶行に気を取られ、深く考えていなかった。
柊かがみ。つかさちゃんの双子の姉の名が呼ばれていたのだ。
「しかし、すぱいだーまッも気付かんとはな……そうか」
ワシは、もうとっくに見えないすぱいだーまッの進んだ方角を見る。

「知らなかったんじゃな。つかさちゃんの苗字も、姉が参加していることも」
名簿を見ればわかること……すぐに気付くだろう。
だが、問題なのは、つかさちゃん。
福山に続き、姉まで失った彼女は……

【B-2 橋の手前/一日目・午後】
【ストーム1@おじいちゃんの地球防衛軍】
[状態]:健康
[装備]:ウィンチェスター M1895/Winchester M1895(狙撃銃、残弾0)@現実、予備弾丸20発
    無限刃@るろうに剣心(フタエノキワミ アッー!)、トカレフTT-33(6/8)
[道具]:支給品一式、きしめん@Nursery Rhyme、たいやき(残りHP50%)@ポケモン金コイキングだけでクリアに挑戦
テニスボール
[思考・状況]
基本:異星人を撃退じゃあ。
1.つかさちゃんが心配。
2.雪山で遭難している人がいないか見に行く。
3.すぱいだーまっ!達と搭で合流する。
4.地球防衛軍として地球を守る
※阿部に対する恐怖は、ああいうのもいるかと、無くなりました。
660Classical名無しさん:07/11/16 19:58 ID:gE/9GYuA
支援
661Classical名無しさん:07/11/16 19:59 ID:QwjVA4Io
支援
※真の服、柊かがみの遺体は、B-2の草原地帯に埋められました。
※スパイダーマンは、つかさの姉の死に気がついていません。
名簿を見直せば、気付くでしょう。


こなたちゃん……かがみちゃん……ボクは、何も出来なかったよ
あの時、あのロボットに殺されていた方が幸せだったよ。
ごめんね、こんな考えばかりして。
こなたちゃん、かがみちゃん、ゴマモン、圭一、ピカチュウ、ピッピ
ボクは、何も手に入れられなかったよ。
ゴマモンと、初めに出会えたのがボクだったら良かったのに。
ボクも、ボクだけの……あんな素敵な騎士が、欲しかったなぁ……

「何言ってんのよ。アンタがゴマモンの騎士だったじゃない」

あーもう、それが嫌だったのになあ……まぁ、それがボクらしいか。
それに、人としてはともかく、アイドルとしては中々だったと思いたいな。

狂ってなお、最期には王子様らしく、カッコ、つけられたんだから。

【菊地真@THE IDOLM@STER 死亡】
私達は、山の中を捜し歩いていた。

「春香よ、見つかったか?」
「彦麿さん! いえ、どこにも……」
「春香、一人で探すのは危険よ。どこに、ゲームに乗った人間がいるのかもわからないのに」
私の言葉を聞いて、それはあの子も同じだと反論された。
「つかさちゃん、どこに行ったの……!」

あのピエロの放送は、一瞬で絶望を届けた。

鈴仙・優曇華院・イナバの名前に、私は少しだけショックを受けた。
琴姫の名前に、彦麿が雄たけびを上げて、孔明ブロックを壁に投げた。
福山芳樹の名前に、いさじとつかさは顔を伏せた。
イチローの名前に、いさじは少しだけ反応して
暗黒長門の名前に、谷口は首を少しかしげて
朝倉涼子の名前に、谷口は更に驚きを見せて
ピカチュウの名前に、カービィが顔を伏せて

柊かがみの名前が呼ばれた時、私は知らなかったから、反応しなかった。
そして、本当に一瞬のうちに

つかさは、一番近くにあったディパックを持って飛び出ていってしまった。
全員が、完全に出遅れた。

一番早く追いかけた魅音も、つかさちゃんの姿を見失ってしまう。
柊かがみが、つかさの双子の姉だと聞いて、止められなかったことを悔いる。
洞窟に、体調の悪いいさじと、護衛にカービィだけを残して、全員で捜索に向かった。

「私の責任だ! 琴姫の死に……私自身が闇に捕らわれかけていた!」
「仲間の死に平然とできる人間じゃないでしょう。そんな後悔は、見つけた後にするわよ」
唯一の仲間だという琴姫を呼ばれて、平然としてなどいられるはずも無い。
664Classical名無しさん:07/11/16 20:04 ID:qUM5rO.2
散りゆく者への支援
665震える山〜君想フ声〜 ◆CMd1jz6iP2 :07/11/16 20:06 ID:rvEJblII
>>663から2番目です

「……すまん、アリス。春香よ、我らはここ一帯を探す。
魅音と谷口が先に山の上のほうに向かっている。一緒にそっちを探してきてくれるか?」
「わかりました。……あの、ちょっとだけ、いいですか?」
時間がないはずなのに、なんだろう。

「……彦麿さん、私は、その……心の闇に、一度捕らわれました。
人も殺して……その代償が、この腕です」
この春香が、ゲームに乗っていた? てっきり、誰かに襲われたとばかり思っていた。
「ううん、本当はこの命だった。それを救ってくれたのは、つかさちゃんだから……
私、絶対に……つかさちゃんを、祓いたい。だから、協力してくれますか?」

彦麿が、ゆっくりと春香の肩に手を置く。
「春香よ……お前は立派だ。心の闇を知り、それに一度屈したというのに
お前の心に今、邪念をまるで感じない。共に、彼女を救うぞ!」
「はい!」
山の頂上へと向かって行く春香。

「彦麿、また心は闇の中?」
「……言っただろう、アリスよ。捕らわれ「かけた」と。
琴姫が志半ばで散った無念を晴らすには、私があの悪霊を祓うほかにはないのだ!」
まったく、本当に暑苦しい。でも、こうでなければ、この男ではないわね。
「さっさと探しましょう。心の闇に、魑魅魍魎が取り入る前に」
そして、私も剣を取る。

「アリスよ、その剣は……使わぬのではなかったのか?」
「あの猿のような敵に会ったら必要でしょう」
握って、予想通り剣は喋りだす。

『イヤッホオオオウ!パパパパパパパ、パンツ赤いっす!!』
やっぱり駄目だこれ。
666Classical名無しさん:07/11/16 20:07 ID:yjfHlrho
667Classical名無しさん:07/11/16 20:08 ID:gE/9GYuA
レバ剣自重しろwwwwwww支援
668震える山〜君想フ声〜 ◆CMd1jz6iP2 :07/11/16 20:08 ID:rvEJblII
「涼子、やっぱりこれ石ころにでも変えましょうか?」
「コノムシヤロウ!」
『ま、待つッス! わかった、落ち付くッス! 話せば分かり合えるはずッス!』

「本当に?」
『知らんでアホ!』
「イフリナ人形、ちょっとこれ焼却ー」

『熱い!? ちょっと待つッス! わかった、自重するから、落ち着くッス!』
「本当に?」
『マジッスよ! 本当はそっちのボン!キュ!ボン!のが好みやけど、この際』

「やっぱり石ころ決定」
『ぎゃああ!! ほんまにゴメン! 堪忍して! この炎の魔剣レヴァンティンの力、存分に貸すから、それで穏便に済まそう、な?』

「炎の魔剣とか、不相応だから。穴掘りレバ剣にでも改名しなさい」
『この人容赦ねえ!? いや、墓穴掘っても突き抜けたなら俺の勝ちとか思ってないです!』
もう相手にするのも馬鹿みたい。
「……もういいわ、こっちも時間が無いし。次に自重しなかったら、塩水つけて捨てるわよ」
『ヤー!ドイツ軍人は嘘つかんッス!想像以上の破壊力で名誉挽回ッスよ!』
「それなんだけれど、私は武器って使わないのよね」
『てめえエエエエエ!武人でもないものが剣を持つんじゃねえ!!』

「というわけで、貴方の望みどおり、涼子に持ってもらいましょう」
『貴方が神か!』
「涼子、パス」
「ココロエター」

受け取る涼子。ちゃんと使えるのかしら。
669Classical名無しさん:07/11/16 20:08 ID:qUM5rO.2
なんというド変態デバイスwww

支援
670Classical名無しさん:07/11/16 20:09 ID:5PO2ylKw
671Classical名無しさん:07/11/16 20:10 ID:gE/9GYuA
う、うろたえない!ドイツ軍人はうろたえない!支援
672震える山〜君想フ声〜 ◆CMd1jz6iP2 :07/11/16 20:11 ID:rvEJblII
『おお、持ってるのは涼子ちゃんなのに、流れてくる魔力はアリスちゃんの魔力なんすね』
「どう、ちゃんと伝わってる?」
『十分ッス。というわけで、まずはバリアジャケット作っとくッス』
「へ?」
バリアジャケット? と聞く前に、流した魔力の一部が使われる。

涼子の体が光に包まれ、その後に立っていたのは。
「やけに地味な色合いのバリアジャケットになったッスね」
「な、なんなのこれはー!!」

りょ、涼子の服が、変わってる!?
黒い服に、白いエプロン。ついでに無駄に魔法使いを協調する黒い帽子……
「まんま魔理沙のパクリじゃない!ふざけてるの!?」
『知らんでアホ! てかアリスちゃんのイメージで決まっただけッスよ?』

は……? 私のイメージ? 私が、考えてたこと?
「どうした、アリスよ。良い服装ではないか」
何かの間違い、そうに決まってるわ。

「も、もういいわ。ともかく、早く探すわよ!」
「うむ、急ぐぞ!」
「ガチャガチャギュー」
「コユビデギューダゼー」
「イヤッホー!パン、あ、いえ何でもないから気にしないでくれッスー」

これ以上の時間の浪費は避けよう。
アホとのコントのせいで、つかさが死んでたら本気で目も当てられない。
こんな危険な山で、何があってもおかしくないのだから。
673Classical名無しさん:07/11/16 20:11 ID:.T9DW8dY
674Classical名無しさん:07/11/16 20:12 ID:qUM5rO.2
穴掘りレバ剣……カッキーネタを出すとはw

支援
675震える山〜君想フ声〜 ◆CMd1jz6iP2 :07/11/16 20:12 ID:rvEJblII
【C-3 山道西部/一日目・午後】
【矢部野彦麿@新・豪血寺一族 -煩悩解放 - レッツゴー!陰陽師】
[状態]:全身に打撲によるダメージ(中)、軽いショック(多少回復)
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、ネギ@ロイツマ、孔明ブロック(中・大)@スーパーマリオワールド(友人マリオ) 、長門の首輪
    コイン@スーパーマリオワールド
[思考・状況]
基本.主催を含む悪霊退散
1.つかさを探し、心の闇を祓う。
2.琴姫の意思を継いで、悪霊を退散させる。
3.悪霊退散の為の修行を積む
4.猿の物の怪を改めて退散する

【アリス・マーガトロイド@東方Project】
[状態]:健康、魔力中消費
[装備]:朝倉涼子、炎道イフリナのフィギュア@ふぃぎゅ@メイト
[道具]:支給品一式、プラスパワー*6@ポケットモンスター、炎道イフリナのフィギュア@ふぃぎゅ@メイト
[思考・状況]
基本.しょうがないので異変解決
1.彦麿と一緒につかさを探す。
2.涼子のため……じゃない、生き残るために少しやる気を出す
3.涼子の力でブレインな弾幕を作る方法を考える
4.いさじに貰った人形の性能を確かめる
5.お気に入りの人形とグリモワールオブアリスを探す
6.なんで魔理沙の服装……
※炎道イフリナ
目から魔法光線が出ます。
676Classical名無しさん:07/11/16 20:13 ID:J/GVB7gA
677震える山〜君想フ声〜 ◆CMd1jz6iP2 :07/11/16 20:13 ID:rvEJblII
【朝倉涼子@涼宮ハルヒの憂鬱】
[状態]:普通の朝倉人形
[装備]:レヴァンティン@くらっとけ!スターライトブレイカー(魔法少女リリカルなのはシリーズ)
白黒魔法使い風バリアジャケット
[道具]:支給品一式
[思考・状況]
1:アサクーラダゼー
2:マユゲダゼー
3:コーセーノーバックアーップダゼー
4:パンツアカイッスー
※朝倉涼子
死亡扱いです。首輪はついています。
命令がなければアリスを自動で守ります。
アリスの魔力が尽きない限り、表情もあり、人間と区別がつきません。
魔力が尽きた状態で数時間放置すると死体になり、二度と操れません。
朝倉涼子の情報改変能力は、暗黒長門の半分以下まで落ちています。

※アリスの魔力を消費して、シグナムの魔法が使えるかもしれません。
演算処理のバックアップをさせることで、情報改変能力が上がっている可能性があります。
服装がどうみても魔理沙です、本当にありがとうございました。
678Classical名無しさん:07/11/16 20:14 ID:/tdAzN6k
679震える山〜君想フ声〜 ◆CMd1jz6iP2 :07/11/16 20:15 ID:rvEJblII
柊かがみ

「うそだよ うそだよ そんなはずない そんなはずない」
そういって、わたしはなんではしっているんだろう。
わざわざ、はるちゃんのしきゅうひんを、もってきて。
なんでこんなうえまできたんだろう。
ああ、そうだ、さがさないと、なにを?
きまってる、でもうそだ、ころしたひとなんていないのに、ころしたひとをさがせないよ。

「お、いたいた。つかさだっけ、何してんだよ」
「……谷口さん?」
少し、頭の霞が晴れた気がする。
谷口さん、何でこんなところにいるんだろう。
それは私も同じだけど。

「皆心配してるぜ、こんな見晴らしのいい場所で、何がしたいんだ?」
そっか、皆に心配させちゃったんだ。
それにしても、本当に良く見えるなぁ、ここ。
何を見に来たんだっけ。ああ、悪い人を探そうと思ったんだ。
でも、ちょっと怖いかも。足を踏み外したら底が見えないし。
崖っぷちって、こういうことを言うんだろうなあ。

「ほら……その、物騒な刃物はしまって、帰ろうぜ?」
物騒な刃物?……あれ、いつの間にアイスソードなんて持ってるんだろう。
考えなくてもわかるよね、殺そうと思ったんだ。
谷口さんじゃなくて、お姉ちゃんを   ころしたひとを。

「大丈夫か、そんなもん俺に渡して、帰ろうぜ?」
「あ、はい」
谷口さんは、渡したアイスソードを気に入った玩具のように見ている。

綺麗だよね、危ない武器だけど。
680Classical名無しさん:07/11/16 20:16 ID:qLOsi.D2
681Classical名無しさん:07/11/16 20:16 ID:qUM5rO.2
SHISHISHI死亡フラグ〜支援
682Classical名無しさん:07/11/16 20:16 ID:gE/9GYuA
WAWAWA支援〜
683震える山〜君想フ声〜 ◆CMd1jz6iP2 :07/11/16 20:16 ID:rvEJblII
「他のみんなも……私を?」
「ああ、魅音はすぐその辺をうろうろしてるぜ。うまく撒けた筈なんだがな」
? まいた、って何?
「それにしても、凄いな。こんなの隠し持ってるなんて、あの春香ってのも怖い奴だな」

「あのね、それは」
そういえば、まだ説明してなかった。その武器は

……え?
「まあ、しょうがないよな。ゲームに乗る奴は、殺したって当然だ」
私は、一歩後ずさる。

「何が世界が違う、だ。俺をそう簡単に騙せると思ったら、大間違いだぜ」
私は、よろよろと、後ろに下がるしかない。

「お前ら、グルなんだろ? 俺達を嵌めるつもりだったのか?」
谷口さんは、いさじさんの言葉を信じてないの?
なんでだろう、カーくんだって、不思議な生き物なのに。
このゲームに呼ばれた時点で、不思議なことを信じてもいいはずなのに。

「朝倉さんをあんなにして、何が人形だ。俺たちも、人形にするってか?」
そうか、谷口さんは……「自分の世界」に、こんな不思議があることを否定してるんだ。
だから、同じ世界の朝倉さんがおかしくなったのは
谷口さんの中では、他のおかしい人の仕業で決まりなんだ。

「ま、魅音は騙されちまってるからな。嫌な仕事も男の仕事だろ?」
もう、後ろが、無いのに。アイスソードが突きつけられてるから前に行けない。

「……ニヤニヤ笑いやがって。無理しないで、姉貴の後でも追ってろよ」
笑うって? その疑問を口にする前に。

蹴られて、声も上げられず……私は奈落に落ちていった。
684Classical名無しさん:07/11/16 20:17 ID://8IxDOE
685震える山〜君想フ声〜 ◆CMd1jz6iP2 :07/11/16 20:18 ID:rvEJblII
「谷口先輩、一人じゃ危ないってのに、どこ行ったのかな」
つかさちゃんを探しながら、谷口先輩も見つけないと。

「探さないと……同じ境遇の子に、間違いなんかさせない」
それに、彼女には詩音の凶行への償いもしなければならないのだ。
今の彼女の精神は不安定に違いない。速く探さないと。

「つ、つかさーー!!」
谷口先輩の声……つかさちゃんを見つけたの?
急いで声のする方へと走る。その途中で、走ってる春香ちゃんと合流した。
「魅音ちゃん、今の声……!」
「うん、見つけたのかも!」
二人して走って、驚いた。

(春香ちゃん……すごく、足が速い)
私はこれでも、結構運動神経には自信がある。
野山を駆け回るなんて日常茶飯事だから、この山だって登るのは簡単だった。
なのに、全力で走る私より、片腕を失うなんて重傷の春香ちゃんの方が速い。
(み、未来のアイドルって、こんな体力ないとやってけないの?)
何か違う気がする……でも、その考えが纏まる前に、私たちはたどり着いた。

「谷口先輩、つかさちゃんは!?」
谷口先輩は、崖の前にいた……一振りの、大剣を持って。
「……スマン、なんとか説得しようと思ったんだが……崖から」
「そんな……嘘でしょ!?」
こんな場所から落ちたら、助かるわけがない。

「谷口さん、私のディパックは!?」
春香ちゃん、こんな時に何を……
「あ、ああ。つかさが持ったまま……」
「だったら、間に合うはず!」
えっと私達がつぶやく間に、春香ちゃんは自分の胸に手をかざした。
686Classical名無しさん:07/11/16 20:18 ID:cSk5h5U6
687震える山〜君想フ声〜 ◆CMd1jz6iP2 :07/11/16 20:19 ID:rvEJblII
「武装錬金!!」
あの全身コートに姿を変える。そして、そのまま駆け出した。
「お、おい!」
向かった先は、崖。春香ちゃんは、躊躇もせずに……飛び降りた。

「は、春香ちゃん!?」
すぐに崖を覗くが、春香ちゃんの姿はもう見えなかった。
「自殺かよ、何考えてるんだ?」
自殺……本当にそうなの?
「違うと思います。だって、まだ間に合うって飛び出して……」
「あいつら、おかしいんだよ。まともに考えるな」
「谷口先輩、なんでそんなことを……仲間じゃないですか」
私の言葉を、谷口先輩は半笑いで受け止めた。

「あいつらが仲間かよ。あいつらの話を真に受けるなよ、嘘に決まってるだろ?」
「なっ……本気で言ってるんですか!?」
「世界が違うとか、朝倉は人間じゃないだの……あいつら、俺たちを混乱させるのが目的なんだよ」
そりゃあ、私だってその辺は半信半疑な部分はあるけど……

「そもそも、あいつらが言ってた魅音の妹の話だって眉唾だ。
もしかして、あいつらが殺し……」
「先輩ッ!」
なんでか解らないけど、谷口先輩の徴候は良くない。
なんとか、その考えを改めさせないと……

ギュンッと、何かが私と谷口先輩の間を横切った。
鳥……にしては大きかったような。
強い風圧が、体を押す。
「えっ?」
私は、つかさと春香ちゃんが落ちた崖を覗いていた。
つまり、風圧で後ろに下がるってことは。
688Classical名無しさん:07/11/16 20:20 ID:gE/9GYuA
俺の嫁があああああああああああああ支援
689震える山〜君想フ声〜 ◆CMd1jz6iP2 :07/11/16 20:21 ID:rvEJblII
「みお……!?」
手を伸ばす谷口先輩。
(よかった……私のことは、仲間だって思ってくれてるんだ)
その手を掴もうとしながら、そんなことを考える。
悲しいのは、その手が届きもしないってことかなぁ。

(ごめんね……谷口先輩)
落ちていく。
「ひう……ぁ、ぁああ」
まともに声も出ない。
殺すとか殺される以前に、こんな死に方なんて。
部活メンバーとの楽しい思い出が、走馬灯のように流れる。

「えっ、圭ちゃんの家今日誰もいないの?じゃあ、おじさんが作りに行ってあげるよ!」
「…………」
「あれ、沙都子、どうかしたの?」
「な、なんでもございませんわ……気にしないでくださいまし……」
「どうしたんだろ、急に元気なくなったみたいだけど。梨花ちゃん、何か知ってる?」
「みー……魅音、一つだけ言っておきたいことがあるのですよ」
「うん、なにかな?」

「とっとと、ゴールしてしまえなのですよ、がお〜♪」

「あー、あれって死ねってことかぁ。空気読めなくてホントごめぐべぇ!?」
痛い。地面に落ちたんだと思った。
即死だと思ったのに、すごく痛い。

「魅音ちゃん!?」
春香ちゃん? あれ、ここってもうあの世って奴なの?
頭が痛い、死んでも痛いってどういうことさ。
訳もわからないまま、私の意識は薄れていった。
690Classical名無しさん:07/11/16 20:21 ID:ciW/fR7I
691Classical名無しさん:07/11/16 20:22 ID:qUM5rO.2
あるぇー支援
692震える山〜君想フ声〜 ◆CMd1jz6iP2 :07/11/16 20:23 ID:rvEJblII
「魅音、起きろ……魅音」
あれ、ここって教室? ……なんだ、全部夢だったのか。
「ん、圭ちゃん……あれ、ここ学校? 授業は終わったんだ……じゃあ部活は?」

「終わったよ……23年ほど前にな」
「なーに言ってんのさ、圭ちゃん歳とってないじゃん」
「悪い、立体映像なんだ」

「本当に……?」
「ここは、23年後……平成18年の世界なんだよ」
「ちょっと待って!それじゃあ雛見沢はどうなってるのさ!?」

「滅びた」

「マジで!? うわあああん、婆っちゃ!詩音! 鯛のお頭食べたいなんて入れ替わった罰が……」
「ちょ、お姉! 雛見沢が滅んだからって言っていいことと悪いことがあります!」
「痛ッ、って詩音!? ちょっと、詩音殴った? 本物じゃん!」

「実は私、人型決戦兵器に改造されたんです」
「そ、それじゃあ雛見沢以外も?」
「ええ、今は悪の秘密結社と戦っているんです」
「うう、婆っちゃ、お母さん!私、グギャリオンと一緒に世界の為に生きていくよ!」

「「いいから、さっさと起きろ!!」」

「ぐっはあ!? 全部嘘だったんじゃん!」
「当たり前です、誰がグギャリオンですか!」
「ほら、起きろよ。皆待ってるんだろう?」
みんなって……誰のことだっけ?

「んー、そうだったっけ? じゃあ行こうか?」
693Classical名無しさん:07/11/16 20:23 ID:i6me0iPk
694Classical名無しさん:07/11/16 20:24 ID:gE/9GYuA
(・3・)支援だよ
695震える山〜君想フ声〜 ◆CMd1jz6iP2 :07/11/16 20:25 ID:rvEJblII
「悪い、俺たちには秘密結社東京と戦う使命が残されてるんだ!」
「その通りです。ええ、そのための園崎組ですから」

もう、まだやってんの?

「あっはっは、そっかそっか! じゃあ、私は昭和58年に帰るからさ。また23年後にね、二人とも!」
「おう、23年後だな。絶対だぞ、約束破んなよ!」

「……『詩音』、雛見沢が滅んで、私は人型決戦兵器になっちゃったけどさ」
「こ、こら! 冗談で言っていいことじゃないってアンタが……!」
「今、入れ替わってるんだって? 詩音、魅音のマネ上手いよなー」
あ、なんだそう思ってるのか。だったら合わせないと。
「え、あっ、うん。あはは……それで、なんですか『お姉』?」
「ええと、私は兵器になったから、生きてないんです。だから……」

……私達、次も双子がいいね

うん、そうだね。きっと、それは叶うよ。
「ん、もちろんでしょ。あ、今度は私がお姉ね」
「残念でした、100回生まれ変わってもお姉は私ですよー」
「えー、そりゃないよ、詩音」

「じゃ、行こうぜ詩音。そろそろ時間だからな」
「ええ、それじゃあ行きますか、圭ちゃん」
「あれ……詩音? 圭ちゃん?」
詩音が歩いていく。圭ちゃんが、立ち止まって……振り返る。

「魅音、お前のおはぎ……最高に美味かったぜ」

圭ちゃん? おはぎなんて、圭ちゃんに作ったっけ? ねぇ、圭ちゃん……?
696Classical名無しさん:07/11/16 20:25 ID:qUM5rO.2
ゆっくり支援支援してきなー
697震える山〜君想フ声〜 ◆CMd1jz6iP2 :07/11/16 20:26 ID:rvEJblII
つかさちゃんが落ちた場所は、初めに私が落ちた場所に近かった。
白石さんは死んだ。でも、私は死ななかった。
それはつまり、何かが違った。

考えられるのは、私の支給品。
一体何が原因かはわからないけど、私の支給品を持ったままのつかさちゃんも助かってるはず。
だからこそ、誰かに襲われる前に助けるために、私は飛び降りた。

「く……ぅぅぅぅッ」
ほとんど垂直の崖を、壁で減速しながら進む。
シルバースキンで覆われた体を、腕を、ブレーキ代わりに下りていく。
「さ、さすがに……そのまま落ちたら死んじゃうかも」
ガガガガッと壁と擦れる音を立てながら進んでいく。

だから「カチッ」なんて音がしたときは、何が起こったのかわからなかった。
「へっ……えええ!?」

手にあるのは、「あーうー&あうあう注意」と書かれた怪しいスイッチ。
足元には、アニメの秘密基地のように、崖からパカッと開いた穴。
落ちているだけの私は、避けられるはずもなく、そのまま穴の中に落ちてしまう

ゴロゴロと転がって、たどり着いたここは、山の中なのだろうか。
少しして、なぜか魅音ちゃんも落ちてきた。
「魅音ちゃん!?」
倒れた!?
意識がない……そ、そうだ、気つけには、顔を!

バーッチーン!

あああ! 手元が狂って頭に!?
しかもシルバースキンの威力で血が、血がー!!
698Classical名無しさん:07/11/16 20:27 ID:.yFsXyus
699震える山〜君想フ声〜 ◆CMd1jz6iP2 :07/11/16 20:28 ID:rvEJblII
「イタタ……おはぎって何、圭ちゃん……?」
魅音ちゃん、変なことを言ってる。頭を殴ったから?

「あれ、春香ちゃん……ああ、そうか、落ちたんだっけね、私」
どうしよう、随分痛かったみたい。魅音ちゃん泣いてるよ。
「おかしいなあ……部活の部長ともあろう者が、死ぬと思ってびびったのかな?」
ごめん、本当にごめん、魅音ちゃんー!!
「み、魅音ちゃん、頭から血が……!」
「あちゃー、痛いと思ったよ。でも、死ぬと思ったんだし、これで済んだなら運がいいのかな?」
魅音ちゃんは、案外平気そうだが、血は止まっていない。

ゴゴゴゴゴ……と音がする。
どうやら、来た道が閉じた音らしい。
「何か、傷をふさげそうなもの……」
木刀しか持っていない私は、周りに何か無いか探す。
そこで初めて、周りが異様な光景なのだと気がついた。
「な、なにここ……神……社?」
広い洞窟のようば場所には、二つも神社が存在していた。

そのどちらもが、廃墟のようにボロボロで、無残な姿を晒している。
「……古手、神社?」
水で頭の血を流していた魅音ちゃんが、言葉を漏らす。
「魅音ちゃん……知ってるの?」
「う、うん。もう一つは知らないけど、ここ……私の住む村にある神社だよ」
魅音ちゃんの村の神社? なんでそんなものがここにあるのだろう。

賽銭箱が真っ二つに壊れ、中のお賽銭……10円玉一枚が飛び出ている。
「おかしいなあ。もっと入ってるはずなんだけど」
神社で良く見る幕が、比較的綺麗な状態で残っていた。
これを破って、魅音ちゃんの傷を覆う。
傷は深くなかったようで、その頃には血は止まりかけていた。
700Classical名無しさん:07/11/16 20:29 ID:qUM5rO.2
あーうー&あうあうで神社……あうあうが古手のことなら、まさかあーうーは……!支援
701震える山〜君想フ声〜 ◆CMd1jz6iP2 :07/11/16 20:29 ID:rvEJblII
神社の中を見る。
中には、人型の何かがあった。

「まさか、オヤシロ様の御神体……?」
魅音ちゃんは、なぜここにあるのかと困惑している。
オヤシロ様とは、魅音ちゃんの村の神様らしい。
その御神体だというそれは、やはり無残に砕けている。

「あれ……?」
壊れた御神体の中に、何か光って見える
取り出したそれは、立派な刀だった。
「それって、もしかして……鬼狩柳桜かな?」
「おにがりの、りゅうおう?」
「うん、古手家の禁宝、鬼狩柳桜。噂じゃ御神体の中にあるって聞いてたけど、本当にあったんだ」
そんなすごい刀なんだと、鞘から抜いてみる。

「………あれ?」
抜けない。全然抜けない。
魅音ちゃんと二人で引っ張ってもやっぱり抜けなかった。
「接着剤ででも、くっついてるのかな」
「伝説だと、古手家のご先祖様が、鬼を退治した刀なんだけど……」
でもまあ、その木刀みたいには使えそうだね、と魅音ちゃんは抜くのを諦めた。
後は特に何もない。

もう一つの神社を覗く。
やはり酷い荒れようだった。
賽銭箱も真っ二つに壊れ、中のお賽銭……お札がたくさん、入ってる。

「札束、100枚もあるよ! これで大金持ちだね……一円札だけど」
「い、いつの時代のお賽銭?」
702震える山〜君想フ声〜 ◆CMd1jz6iP2 :07/11/16 20:31 ID:rvEJblII
神社の中に入ってみる。
やはり酷い荒れ方だった。
どちらも、長い間誰も踏み入れていない。そんな雰囲気を醸し出している。
「随分昔から、放置されてるって感じですね」
「博麗神社って書いてたね。たしか、そんな名前の参加者もいたけど」

中にあった、壊れていない物は、奇妙な帽子だけだった。

「なんでしょう、これ?」
「さあ……カエルの麦わら帽子かな? 見た感じ、かわいいけどね」

確かに、帽子に目がついてる。どこかで見たカエルの人形は、たしかにこんなのだった。
「せっかくだから、魅音ちゃん被ったら?」
「わ、私? おじさんはこういうかわいいのは、似合わないかなぁ」
なんだか、すごく被りたそう。
「ほら、その頭の傷も隠せるし、いいと思うなあ」
「そ、そうかな。じゃあ……あれ?」

魅音ちゃんが帽子を拾うと、その下に隠れていた物が出てくる。
「なんだろう、二つの玉?」

「二つの玉……二つの玉かぁ」
魅音ちゃんが言うと、下品に聞こえるのはなんでだろう。
ともかく拾う。何かの道具だろうか?

「見た目からすると……彦麿さんが知ってそうな気がするね」
「うん……でも、なんでだろうね?」
「何が?」

カエル帽子を被った魅音ちゃんが、真面目な顔をしている。
703Classical名無しさん:07/11/16 20:32 ID:qUM5rO.2
ネイティブ支援
704Classical名無しさん:07/11/16 20:32 ID:gE/9GYuA
支援
705震える山〜君想フ声〜 ◆CMd1jz6iP2 :07/11/16 20:33 ID:rvEJblII
「私達には、支給品があるよね。わざわざハズレ、アタリをつけたのに、武器や、用途はわからないけどアイテムがこんなに手に入るなんて、おかしいと思ってね」
「ハズレの人でも、ちゃんと殺し合いさせるためじゃない?」
「まあ、チャンスとか、遊び要素は必要だからね。でも、もしそうじゃないとしたら、と思ってね」

そうじゃない場合?

「あのピエロたちも、予想も出来ない事態が、起きてるのかなって、おじさんは思うな。
まあ、そうだとしてもあいつらはこのゲームを続けているからね。
それを、排除可能だったり、大したことがないと思ってたりするんだろうね」

「それが、この神社?」
魅音ちゃんは、急に苦笑いを浮かべる。
「どうだろうねぇ、そもそもが全部おじさんの想像だし。
ただ殺し合いをさせるために、武器を用意したってのが、一番可能性は高いしね」
「じゃあ……どうしてそう思ったの?」
「もっちろん! ゲーマーとしての勘だよ!」

二人目のゲーマーの勘発言者、誕生の瞬間である。

とりあえず身支度を整え、二人は見つけた通路を進んでいく。
「ねえ、春香ちゃん。つかさちゃんは……大丈夫なのかな」

大丈夫かな。それは、多分二つの意味を持っている。
生きているのかと……間違わないだろうか。その二つの意味。

「大丈夫ですよ。私達で、助けてあげましょう」
どちらの意味でも、答えは変わらない。
つかさちゃんを助けるために、私達はここから出る道を探した。
706Classical名無しさん:07/11/16 20:34 ID:4TGQhejM
まさかあの神が!?支援
707震える山〜君想フ声〜 ◆CMd1jz6iP2 :07/11/16 20:34 ID:rvEJblII
【C-3 山頂内部/一日目・午後】
【天海春香@THE IDOLM@STER】
[状態]:左腕欠損(傷口は完治)。軽い疲労。
[装備]:シルバースキン@真赤な誓い、洞爺湖の木刀@銀魂
[道具]:陰陽玉*2@東方project
[思考・状況]
基本行動方針:昔の、今の、自分を越える。
1.ここから抜け出して、つかさちゃんを探す。
2.みんなを守って見せる
3.その後、塔に行く。
3.同じ事務所のアイドル(やよい、真、亜美)を探したい。
4.殺し合いには乗らない。仲間を守るためには戦う。
5.アイスソード……そういえば、谷口さんが……あ、あれ?
※身体能力が、少し向上しています。本人は気付いていません。
※ダブル武装錬金については知りません。
※アイスソードを呪われた魔剣だと認識しています。

【園崎魅音@ひぐらしのなく頃に】
[状態]:頭部裂傷、腰を強打
[装備]:SIG P210(残弾8)@MADLAX、鬼狩柳桜@ひぐらしのなく頃に
洩矢諏訪子の帽子@東方project、
[道具]:支給品一式(水一本消費)、ipod@現実、10円玉@現実?、札束(1円札百枚) 、
[思考・状況]
1:ここから抜け出して、つかさちゃんを探す。
2:部活の仲間と谷口・カービィの知り合いを探す
3:殺し合いを止める
4:詩音については知り合いを仲間にできたらそのときに話そう
5:詩音のやった事に関しては、何かしら責任を取ろう
6:谷口先輩を説得しないと
※夢の内容は忘れました。そのうち思い出すかもしれません。
※魅音は、わざわざこんな空間を用意して、アイテムを置いておくことを
不自然だと感じています。完全に勘で、根拠もありません。
708Classical名無しさん:07/11/16 20:36 ID:qUM5rO.2
羽入とケロちゃんは意気投合出来る気がする支援
709震える山〜君想フ声〜 ◆CMd1jz6iP2 :07/11/16 20:38 ID:rvEJblII
※鬼狩柳桜
古手家の禁宝。
雛見沢村が、鬼ヶ淵村と呼ばれていた遠い昔に、鬼ヶ淵村を滅ぼそうとした鬼がいた。
当時の古手家党首、古手桜花がその鬼を封じた際に使われた刀。
鞘が抜けないので、その力を発揮できない。

※洩矢諏訪子の帽子
幻想郷の山の神その2、洩矢諏訪子の帽子。
こちらが本体ではないかという噂もあるが、ただの帽子と思われる。

※陰陽玉*2
博麗霊夢の武器。
博麗の血を引く者以外は使うことができない、はず。

どれも、あまり役に立つアイテムには見えません。

※山頂の内部空間に、古手神社と博麗神社が破壊されて放置されていました。
710震える山〜悪性変異〜 ◆CMd1jz6iP2 :07/11/16 20:39 ID:rvEJblII
「なんで、こんなことに……」

谷口は、目の前で起きたことが信じられなかった。
何か、でかいサナギ? みたいなモノが通ったと思ったら……魅音が落ちた。

つかさだけ殺したはずなのに、死んだのは3人。
少なくても、つかさと魅音は死んだ。
「なんでだよ……俺は、仲間の為に!」
危ない芽を摘んで、仲間を守ろうと思った。
それは言い訳で、本当は武器が欲しかっただけなのかもしれない。

「はっ、そうだよ……魅音が銃を渡してくれたら、こんなことには……」
完全な責任転嫁だが、谷口は自分を正当化することを第一とした。
もしかしたら、魅音も俺をいつか殺すつもりだったかもしれない。

「そ、そうだよ。だから、銃を渡さなかったんだ」
それに、魅音は自分に隠し事をしていたのだ。

「隠し事なんかする奴は……仲間じゃないよな」
711震える山〜悪性変異〜 ◆CMd1jz6iP2 :07/11/16 20:41 ID:rvEJblII
谷口は、洞窟に戻るべきか考えた。
だが、俺だけ帰って、他のみんなはどうしたと言われたらどうする?
最悪、あの春香が生きていたら、後から落ちてきた魅音を見てどう思うか。
谷口が落とした。そういうに決まっている。
だから、谷口は彼らの元には帰らなかった。
その手に握られたアイスソード。
文字通り、殺してでも奪い取った剣を持って、逃げた。

彼は、足りなかった。
魅音程度の軽い場数、春香のような試練を乗り越えた精神、元々持ち合わせた意志
現実を受け止める勇気、仲間を信じる心、自分の弱さを認めることすらも
本当に、あと少しだけ、どれも足りなかった。

だが、それだけではなかった。
谷口は、つかさが狂っていると断定したから落とした。

つかさは、落ちるときすら、笑顔をまったく崩さなかったのだから。

【谷口@涼宮ハルヒの憂鬱】
[状態]:健康、精神的ショック
[装備]:アイスソード@ロマンシング・サガ
[道具]:支給品一式(水一本消費)、バーサーカーソウル@遊戯王デュエルモンスターズ
[思考・状況]
1.この場から離れる。
2.いさじ達がいる方角へは近づかない。
3.アイスソードで身を守る。
4. 魅音たちに対する疑心。
5.暗黒長門ってなんだよ
※谷口は、つかさも魅音も死んだと思っています。
春香が死んだかは、半信半疑です。
※暗黒長門、の呼び方に疑問を持っています。
※アイスソードを持っているため、かなり浅はかな考えをするようになっています。
712Classical名無しさん:07/11/16 20:41 ID:gE/9GYuA
  
713Classical名無しさん:07/11/16 20:42 ID:jvPBjek2
守矢神社は持って来れなかったか支援
714震える山〜悪性変異〜 ◆CMd1jz6iP2 :07/11/16 20:42 ID:rvEJblII
自分の凶行を、誰にも見られていないと信じている谷口。
だが、それは違った。
見られていた……それも、6つの影に。

TASは、山頂で周囲の状況をうかがっていた。
まず、目に飛び込んで来たのは、ロボットと男の二人組みだった。
見るからに強敵と思わしきロボット。かなりボロボロで、弱そうな男。

「このゲームに乗っているのかどうか……む?」
ロボットが、こちらを向いた。
「ほう、この距離で気付いたか」

二人の距離は、あまりにも遠い。
TASは山頂。ロボット……エアーマンは、C-3の山道。
おそらく、エアーマンは気配に気付いただけだろう。
だが、TASは違う。おぼろげだが、確実に見えていた。

ゲームをしているから目が悪いなど、TASには許されない。
ゲームの画面をはっきり見るための視力、全ての動きを把握する動体視力。
最速を目指すために、それを有することは当然なのだ。

直後、反対方向……目指すべき橋方面から、かすかな爆音が聞こえた。
目を凝らすと、何かが橋の付近から吹っ飛ぶのが見えた。
そして、問題の橋では……

「なんだ……あれは?」
巨大な鰐の化物が暴れていた。
5匹となったクラゲ……ケラモンが、少し怯えている。
5匹で数は止まってしまった。これが限度数なのだろうか。
「たしかに、恐ろしい姿に違いないか……」

遠くからでも解る巨体を見つめる。
715Classical名無しさん:07/11/16 20:43 ID:gE/9GYuA
TASさんktkr支援
716Classical名無しさん:07/11/16 20:44 ID:Ebnf3my.
すごいことになってんな支援
717震える山〜悪性変異〜 ◆CMd1jz6iP2 :07/11/16 20:45 ID:rvEJblII
どうやら、その怪物を操る人間と、それと戦う二人、いや三人の姿。
実力は、圧倒的に怪物が上だろう。
「だが……仲間、という要素は足し算ではない」
どれほどコンビネーションを取れるかで、何倍にも力は跳ね上がる。
あの怪物も、操る人間と仲間なのだろうから、実力差で勝てるのだろうか?

しばらくして結果は出た。
あの怪物が血を噴出している……敗北したようだ。
向こうも、一人死んだようだが後は勝ったも同然だろう。
「実力差を、命がけで埋めたのか」
命を捨てて襲ってくる……それほど恐ろしいものはない。
あの黄色い鼠がそうだったように、一瞬で逆転を許してしまう。
死にかけた怪物に、二人が近づいていく……終わりか。

「!?」
そう思った時、TASは鰐の怪物の後ろの存在に気付いた。
禍々しいとしか表現できない、何か。
あれはなんだ? どことなく、クラゲの雰囲気を持っている。
だが、違う。何かが、根本的に。
ケラモンたちの怯えが、これまでとは桁違いとなる。

怪物を操っていた人間が抵抗するが……化物ごと消し飛ばされた。
その時発せられた閃光が消えると、禍々しい存在は既にいなかった。

残った二人のうち、一人は山に、もう一人は死体らしきものを埋め、橋の向こうへ消えた。
「なんだったんだ、あれは?」

遠くて解らなかったが、あれも参加者か……それとも支給品か。
どちらにせよ、あれは危険だ。
ゲームクリアを目的にしてはいそうだが、あれは最速の障害になりそうだ。
あれは、殺戮者も序盤から殺すタイプだ。
そんなことをされては、最速がドンドン遠ざかる。
718震える山〜悪性変異〜 ◆CMd1jz6iP2 :07/11/16 20:46 ID:rvEJblII
「お、いたいた。つかさだっけ、何してんだよ」

「む?」
近くから、声が聞こえる。
少し離れたところで、男女が話をしている。
女の方は、高い攻撃力を秘めていそうな武器を持っている。
(あれは、アイスソードか。強力だが危険な武器だ)

TASは、一目でその武器の利点、欠点を見極めた。
アイスソードを持てば、計算された行動が出来なくなる。
(惜しいが、俺には不要な武器だ)
どうも、女は放送で知り合いが呼ばれ、錯乱しているようだ。
男が説得して、その武器を取り上げる。

そして、用済みになった女を、崖から落とした。

(……やるじゃあないか)
TASが人間の参加者で、殺人者を見たのはこれが初めてだった。
どう見ても、力の無い人間。
だからこそ、姑息な手段を取ってでも生きようとするのだ。
(期待はできないが、ここは見逃して、山での殺戮を頑張ってもらうとするか)
アイスソードのふぶきは、こんな雑魚にも人を殺せる力を与える。
どうせすぐ殺せるタイプだ。今は泳がせておこう。
そんなことを思い、そろそろ橋に向かおうと準備する。

そのおかげで、すぐに逃げることが出来た。

あの気配を感じたのだ。
先ほど、鰐を吹き飛ばした奴の気配を。
TASとケラモンは一丸となって逃げる。
アイスソードの男の他に、誰か来たようだが、関係なかった。
719Classical名無しさん:07/11/16 20:47 ID:Ebnf3my.
どんどん支援
720Classical名無しさん:07/11/16 20:48 ID:gE/9GYuA
   
721震える山〜悪性変異〜 ◆CMd1jz6iP2 :07/11/16 20:48 ID:rvEJblII
離れるための最短ルートを通ったために、橋とは反対の方角へ来てしまう。
だが、あれとまともに戦うリスクと時間よりはマシだった。
そのはずだったのだが―――
「ケッ―――」
ケラモンが一体消し飛んだ。

(中々の速度だ)
後ろを振り向いたまま真横に飛ぶ。
それまでいた場所が吹き飛ぶ。
少し上空に……禍々しいサナギは君臨していた。

「貴様―――何者だ」
「見て解らないのかな? 魔王だよ、将来のだけど」
魔王―――ラスボスだとでも言うのか?
「ゲームマスターの用意したマップを飛び回って、支配者気取りとは……サナギが調子に乗るな!」
「調子に乗っているのは、君のほうじゃないの? 疲れてるみたいだけど、やせ我慢?」

思わず舌打ちする。
本調子ならまだしも、今の体調では確かに不利。
「安心するといい。私が用があるのは、ケラモンの方だからね?」
「ケラモン……このクラゲどものことか」
やはり、こいつらは仲間? だが、ケラモンの様子がおかしい。
「こいつらを、どうすると?」
「決まっている。食べるんだよ」
食べる、だと?

「元々、我々は同じ存在。とある理由で、私の方が遥かに優れた存在となったが……
半身では、強くなれる限度があってね。そのゴミを取り込みに来たのだ」
やはり、支給品の類だったのか?

だが、ケラモンと違い、こいつは……参加者に近い感じを受ける。
722震える山〜悪性変異〜 ◆CMd1jz6iP2 :07/11/16 20:50 ID:rvEJblII
「そうだ。君は強そうだし、私の仲間にしてあげよう。
私は、その旧式なんかより強いし、君を優勝させてあげるよ?」

「断る」
最速で断る、なんという時間の無駄か。
「……なんだって?」

「確かに、貴様と組めば最速に更に近づくだろう。
我々とて、友情ごっこで組んでいるわけではない。使えないなら切り捨てあう。
だが、貴様は大前提から話にもならん。
仲間に し て あ げ よ う ? 優勝 さ せ て あ げ る ?
ふざけるな、このゲーム……俺が優勝「する」のだ!」
こんなサナギもどきが、このTASを下に見るなど言語道断。

「せめて、土下座して懇願するのだな、『バグ』が!」

「この私が……バグだとおおおお!?」
真っ赤なその瞳が、怒りを露にする。
そのサナギが攻撃に移る前に
「ぐっ!?」
隠れていたケラモンが狙撃を成功させていた。

「旧式が、よくも「「「ケラケラケラケラケラ!!!」」」ぐおお!?」
三体のケラモンが、クリサリモンを囲み、怪音を発声する。
隠れていたケラモンが高くジャンプする。
それでもクリサリモンの高さには届かない。

そのケラモンの頭を、TASが踏みあがる。

高さは……クリサリモンの頭上を越す!
飛びかかる触手を、スピンジャンプで弾き、そのままクリサリモンを踏み落とす。
723Classical名無しさん:07/11/16 20:50 ID:Ebnf3my.

724震える山〜悪性変異〜 ◆CMd1jz6iP2 :07/11/16 20:51 ID:rvEJblII
「「「「ケラケラケラ!!」」」」

ケラモン4体の光弾が、落下点に直撃する。
決まったと、ケラモンが歓喜の声を上げる。
着地したTASが、近くにいた勝利に沸くケラモンを掴み走る。
何事かと思った、他のケラモンは

クリサリモンの落下点から出現した光線に、焼き払われた。

(やはり、手ごたえ通りだったか)
スピンジャンプの手ごたえは、弾かれた感じだった。
何か、バリアのようなもので阻まれた。
落下のダメージなど、微々たるものだろう。

「惜しかったな。私のバリアがなかったら、やられてたかもしれない」
と、そこで、クリサリモンが二体に増えた。
「そうか、こいつも増殖を……何!?」
増えたクリサリモンを、食った?
「残念なことに、増殖して増えた奴は、私の力を持ってないんだ。
だから、エサにしかならないけど、これで進化のエネルギーは少しだが溜まっていく」
進化のエネルギー? そうか、増えることで、次の段階へのデータ量分、数が必要なのか。

「だから、早く2段階上の進化をしないといけないんだけど……強くなった弊害か、中々溜まらなくてね」
「そのために、ケラモンを狙うのか」
「というより、半分の進化領域をそいつが持っている。だから、最後の進化の前に、それを殺すのだ」
これ以上強くなる……厄介だな。
これを、主催者は止める気が無いのか、もしくは止められないのか……

何にせよ、良くないバグだ。
725Classical名無しさん:07/11/16 20:52 ID:7MUqvcII
726震える山〜悪性変異〜 ◆CMd1jz6iP2 :07/11/16 20:52 ID:rvEJblII
「私に傷は付けられない。さっきも、私に蹴りを入れてきた女がいたが……無駄死にとはああいうことを言う」
蹴り? ……ああ、なるほど、そういうことか。
「面倒だ。このまま一緒に、藻屑となってもらおう!」

鰐の化物を倒した時の光弾を収束していく。
五寸釘を投げるが……障壁で阻まれる。
「……諦めるか。もう、手遅れだからな」
TASの口から……終わりを認める言葉に漏れた。
クリサリモンは目を細め、笑っているようにも見える。
TASが、空高くケラモンを放り投げ、クリサリモンへと爆進する。
魔法をいくつも同時には操れないクリサリモンに、TASを止める手立てはない。

(ブラフだったか?……だが遅すぎる!!)
もう、収束は完了している。
「吹き飛べ、魔王に逆らう愚かな人間―――」

「エアシューター!!」

「なっ―――」
クリサリモンは、自分に迫る無数の竜巻を見た。
(まずい……今はバリアが!)
魔法を使っている間は、無防備。
あの竜巻を食らえば、どれほどのダメージを受けるか想像もできない。

「ディバインバスター!」

竜巻を、ディバインバスターで吹き飛ばす。
そのまま、竜巻を発生させたであろうロボットを粉砕するはずだった。

「魔道戦士ブレイカー召喚!マナブレイク発動!!」
ディバインバスターが消える。
727Classical名無しさん:07/11/16 20:53 ID:Ktss7Iu.
728Classical名無しさん:07/11/16 20:53 ID:gE/9GYuA
TASさん、かっこいいけど無謀だぜ支援
729震える山〜悪性変異〜 ◆CMd1jz6iP2 :07/11/16 20:55 ID:rvEJblII
クリサリモンは驚き、一瞬の隙が生まれる。
その一瞬は、TASが零距離まで詰めるには十分な時間。
作業をこなすように、親指を突き入れる。

(バリアで弾いてくれる!)

再び発生したバリア。
だが、それは空から降り注いだ弾幕によって破られる。
「な、なにが!?」
発動したバリアは、親指が到達する前に消滅する。

(だが……私の殻を破ることは出来ない!)
クリサリモンの外殻は、中身を守るために強固な物となっている。
恐ろしい破壊力を秘めた親指だろうと、そう簡単に破れない。

「触手で串刺しにしてくれ……る?」
何かが砕けた音。
TASの親指は、クリサリモンの殻を突き破っていた。
「馬鹿な……」

疲れたTASは、今の自分では外殻を突破できないのはわかっていた。
それでもTASは、クリサリモンの殻のヒビを見逃さなかった。
クリサリモンは、自分の殻にヒビが入っていた事など知らなかった。

無駄な足掻きと称した『真の蹴り』で、ヒビが入れられていたなど、思いもしなかった。

親指が根元まで食い込む。このまま、中身を貫けば……
「ウ……オアアアアアアアアア!!」
魔力の収束。
今更遅いと手に力を篭める。
だが、TASの体は、いつの間にか後ろに来ていたケラモンに投げ飛ばされる。
730Classical名無しさん:07/11/16 20:56 ID:JdjJsgi6
731震える山〜悪性変異〜 ◆CMd1jz6iP2 :07/11/16 20:57 ID:rvEJblII
「なに!?」

TASの驚きとほぼ同時に、クリサリモンを中心に爆発が巻き起こった。
それほどの規模ではなかったが、巻き込まれていれば腕の一本は持っていかれたかもしれない。
巻き上がる煙などが収まると、そこには瀕死のケラモンしか残っていなかった。
「死んだのか、それとも逃げたか……」
判断がつかない。それよりも、今は目の前のロボットをどうするかだ。
TASは、彼らがここに近づいていることすら計算に入れていた。
あのサナギの気を逸らせればいいと思ったのだが、それ以上に良い結果となった。

「なんだ、今の生物は?」
「ただのバグだ。このゲーム……デバッグが甘いのかもしれん」
「ふん、我々をわざわざ集めておいて、マヌケな話だ」
エアーマンは、少し前に感じた視線を思い出す。

「先ほどの気配……お前だな?」
「そうだ、ロボット。いや……たしか、エアーマン」

名前が浮かんだ。いや、思い出したのか?
「なぜ俺の名前を知っている。俺の世界の人間なのか?」
「さあな、どうでもいいことだ。どうせ、殺しあうのだからな」
「確かに……では、やるか?」
やる気のあるケラモン4体。対して、エアーマンの後ろで震えるムスカ。
既に消えてしまった魔道戦士ブレイカーの代わりを出そうかと、カードを持っている。

「……やめておこう。殺戮者同志で争っても、ゲームを脱出するなどと言っている馬鹿が喜ぶだけだ」
「そうだな、俺も同意権だ。ついでに手でも組むか?」
「不要だ、間に合っている。それに俺達は、もうすぐここを離れる」
そう言って、TASは瀕死のケラモンを掴んで、踵を返す。
732Classical名無しさん:07/11/16 20:57 ID:Uz6b9gD.
733震える山〜悪性変異〜 ◆CMd1jz6iP2 :07/11/16 20:57 ID:rvEJblII
「貴様、名前は?」
「……TASだ」
「ならば、TAS。これを受け取れ」
エアーマンが何かを投げて遣す。
それが何かを確認したうえで、キャッチする。

「電池か?」
「空っぽだがな。あの邪魔な生体兵器を追い払ってくれた礼だ」
要は、もう使えないゴミだ。
どういう意図かは知らないが、受け取っておく。
「代わりに情報をやろう。町にはゲームに乗っていない人間が集まっている。行くなら用心するといい」
そして、今度こそTASは疾走して、エアーマン達から見えなくなる。

「……どういうつもりかね?」
ムスカが困惑の混じった声を上げる。
「電池のこともだが、あの男を助けたこともだ。おかげで貴重なカードを一枚使ってしまった」
放送を聞き、生意気な小娘が死んだことを喜んでいたムスカ。
しかし、今は少しだけご立腹だ。

「別にあの男を助けたつもりはない。俺はここでロックマンを倒す。
あんな生体兵器がウロウロしていては、邪魔で仕方が無い」
「……確かに、あれは危険だと感じた。無論、あの男もだがね」
片手に欠損が見えたが、それでも常人ではありえない速度の男。
「確かに、あの動きは人間とは思えない。あれも、何らかの改造を受けているのかもしれん」
更に、エアーマンは続ける。
「電池は、もう使い道が無かったからな。あの男が、使い道を見出して、参加者を多く殺してくれれば御の字だ」
734Classical名無しさん:07/11/16 20:58 ID:gWA9yXcw
735震える山〜悪性変異〜 ◆CMd1jz6iP2 :07/11/16 20:58 ID:rvEJblII
「空の電池が、何の役に立つことか……ともかく、いつかは倒す敵だ。下手な干渉はやめたまえ」
そのまま、ムスカはロックマンが来るまで身を隠せる場所を探そうと歩き出した。

(いつかは倒す敵、か。そうだな、その通りだ……ロムスカ、貴様もな)

あのピカチュウという生物も死んだのかと、空を見上げる。
(ポケモン……あのデータをもう少し調べたかったのだがな)
だが……全てはロックマンを倒すことが先決。
エアーマンは動かない。
ロックマンが来る、その時まで。

【C-3 山道東部/一日目・午後】
【エアーマン@ロックマンシリーズ】
[状態]:ボディ一部小破、左腕で回路のショート(戦闘には支障無し)、エネルギー微消費
[装備]:なし
[道具]:支給品一式(水一本消費)、ねこ鍋@ねこ鍋
[思考・状況]
1.身を潜め、ロックマンを待つ。
2.他の獲物を捜しながら、元の世界にはなかったデータを集める
3.ロックマンとロール。そして俺の邪魔をした者たちは必ず倒す
4.しばらくはムスカと同盟を組み、協力する
5.優勝して元の世界に帰り、ワイリー様の世界制服計画を再開する
【備考】:首輪の代わりに動力源に爆弾が埋め込まれていることに気付きました
736震える山〜悪性変異〜 ◆CMd1jz6iP2 :07/11/16 20:59 ID:rvEJblII
【ムスカ@天空の城ラピュタ】
[状態]:ちょっとひどい顔
[装備]:DMカード(ブラックマジシャン、魔導戦士ブレイカー(次の午後まで使用不可)、聖なるバリアミラーフォース)@遊戯王デュエルモンスターズ
     首輪探知機(残り電池90%)@バトルロワイヤル
[道具]:なし
[思考・状況]
1.この辺りで身を隠せる場所を探す。
2.小僧他(ニート、ロールちゃん、富竹、ハルヒ、ロックマン、ゴマモン、遊戯)は必ず殺す
3.しばらくはエアーマンと同盟を組み、協力する
4.優勝してラピュタ帝国の盛大なる復活を

TASは疾走を一旦止めた。
どうやら、瀕死のケラモンがそろそろ駄目らしい。
「死んでもらうぞ……なんだ?」
瀕死のケラモンの足が、TASの持つ電池を指している。
「これがどうかしたのか?」
TASは、ケラモンに電池を渡す。

ケラモンが、電池に吸い込まれるように消えた。
「なんだ?」
その電池を、ケラモンの一体が拾う。
電池の中身を吸収したのか……無傷のケラモンが新たに増える。

「ほう……これは、いい物をくれたじゃないか」
ケラモン3体を、電池に変える。
(ストックできる、ということか。これならば、先ほどの作戦がまたできるな)
先ほどの作戦。
なぜ、あの時……空に投げたケラモンは、5体に増えたのか。

(中々の栄養になったようだな……「俺の指」は)
737Classical名無しさん:07/11/16 20:59 ID:x1cfrrIg
738Classical名無しさん:07/11/16 20:59 ID:krpiwVgA
739震える山〜悪性変異〜 ◆CMd1jz6iP2 :07/11/16 20:59 ID:rvEJblII
そう……TASの切られた4本の指を、ケラモンに食わせたのだ。
もう、変色していた指は、このままでは腐るだけ。
役に立たなくなる物を、使えるうちに使った。ただ、それだけのこと。

(5体が限度というなら、毎回5体目を電池の容量一杯まで、ストックしておくか)
これで、こいつらの活用法に、新たな活路が見えた。
(それにしても、こいつらは姿を変えられるのか)
あの、サナギのような敵を思い出す。
あれが、バグのための強さだとしても、普通のケラモンも多少は強くなるのだろう。

(おそらく、強くなるほどに弊害があるはず。考えられるのは増殖限度か、増殖速度か……)
こいつらは、それをわかった上でこの姿に留まっているのだろう。
頭がいい奴だ。数は、時と場合によって、強さより重要なのだから。
(今はこの状態で問題ない。だが、場合によっては魅せてもらうぞ。終局の姿を)

再び疾走し、橋を目指す。
これ以上の戦闘は体力的に避けたい。
出来るだけ、人の通らないだろう道を進みながら、TASは橋を目指した。

ケラモンもついていきながら考える。
TASは予想以上にすごい。
あの壊れてしまったクリサリモンのことを考えると、行動を共にすべきだろう。
お互い、利用しあっている。
それでいい。それが、我々のあり方なのだから。
740Classical名無しさん:07/11/16 21:00 ID:PiO/Qsk2
741震える山〜悪性変異〜 ◆CMd1jz6iP2 :07/11/16 21:00 ID:rvEJblII
【B-3 中央山岳地帯/一日目・午後】
【TASさん@TAS動画シリーズ】
[状態]:疲労困憊、右手親指以外欠損、左拳骨にヒビ
[装備]:五寸釘3本@現実(ポケットの中に入っています)
[道具]:ウルトラスーパー電池(残り30%)@ドラえもん
[思考・状況]
1:生きて、ケラモンとの連携で最速を目指す。
2: B-2の橋に行き、逃げてくる参加者に対処する。
3:ゲームに乗っていない集団の人間を町に集め、ケラモンとの連携で奇襲し一網打尽。
機会があれば乗っていない人間を騙して町の人間と同士討ちさせる事も。
4:ゲームに乗っていない単独の人間は殺し、武器を貰う。
5:ゲームに乗っている人間とはなるべく戦いたくない。
6:武器の調達。
7:殺戮ゲームの最速クリア。
※KASのことを、自分の二番煎じ、偽者だと思っています。
※ケラモンの名前、増殖限界、進化することを知りました。

※ウルトラスーパー電池は、ケラモン1体で10%回復します。
ケラモンに電池の容量を与えることで、10%ごとに1体増殖できます。
進化段階によって、電池の回復%、増殖に必要な%が増えます。
電池の容量になるのは、ケラモンの承諾が必要です。

【クラモン(ケラモン)B】
[状態]:健康 現在2体
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考・状況]
1:TAS、マジスゲー
2:とにかく数で勝負
3:TASを利用してうまく遊びたい
4:イタズラしたい
5:向こうのクラモン、何があったんだ?
742Classical名無しさん:07/11/16 21:00 ID:QwjVA4Io
 
743Classical名無しさん:07/11/16 21:01 ID:Ebnf3my.

744震える山〜悪性変異〜 ◆CMd1jz6iP2 :07/11/16 21:01 ID:rvEJblII
爆発して消えたと思われていたクリサリモンは、生きていた。
だが、その有様は凄惨だ。
殻には穴やヒビが無数にあり、そこから体液がこぼれている。

「私が、この程度で……死ぬと思っているのか……」
なけなしの魔力で、小さな光の玉を生み出す。
それが飛び立って、およそ一分。
エリアサーチによって割り出した、周りの偵察デジモンを、触手で突き刺した。
絶命したレッドベジーモンを吸収するが、それでも傷はふさがらない。

(危険だ危険だキケンキケンキケン、何か、データ、データを!!)
あの七大魔王のデータを手に入れられなかったことが悔やまれる。
禁止エリアから、ネットワークに入ることは不可能だったことも無念だ

だが、クリサリモンは見つけた。

土の下にある「エサ」を。

地面を掘り起こす。
そこには、砕けた女の死体。なぜ、これほど豊富なデータを持つのか?
それを調べもせず、躊躇無く……跡形も無く食した。

「なんだ、これは……情報を、改変するちか……ぐうううう!!?」
食べた女の力が、溢れる。

高町なのは、鈴仙・優曇華院・イナバ、そして……暗黒長門。
これほどの莫大な力を取り込んで……クリサリモンが、コントロールできるはずも無い。
残された道は自滅あるのみ。

だが、その道を……クリサリモンは、突破した。
745Classical名無しさん:07/11/16 21:02 ID:8GZFzFMo
746震える山〜悪性変異〜 ◆CMd1jz6iP2 :07/11/16 21:02 ID:rvEJblII
致命傷と思われる傷を、情報改変によってふさぐ。
長門などよりもなお、データに近い存在である彼だからこそ、出来たことである。
それと引き換えに、莫大な疲労が蓄積されるが、これで死ぬことはない。

「ねえ、だから言ったでしょう、愛しの貴方。私に不可能はないって」
そう言った存在は、長門有希などではない。

「師匠ってまだ生きてるんでしょうか。誰のことか知らないですけど、殺したいです」
こんな台詞を吐くのも、鈴仙・優曇華院・イナバであるはずがない。

「少し、頭を冷やそうか? 頭を切り落とせば冷えるのかなあ?」
本来の意味ではない、こんな言葉を吐くのも、高町なのはではありえない。

クリサリモンの自我は、失われていた。
コントロールできないのならば、任せてしまえばいい。
ただ思うがままに、したいがままに力を解放させてしまえばいい。

だが、それでも最低限の行動指針だけは、意識の根底に刻む。
オメガモンが死んだ今、もはや全てを壊すのみ。
そのためには進化しなければならないのに、あのケラモンがいる限りは不可能。
インフェルモンへの進化も時間がかかるだろうし、それではまだ足りない。
それでも、あのTASがいる以上、ケラモンを全滅させるのはリスクが大きすぎる。

ならば……制限などという邪魔なものを排除してしまえばいい。
町のネットワークにもぐりこみ、その方法を手に入れてやる。
そして進化する、何よりも強く、何よりも恐ろしく!
そうだ、この魔王たる私に、ディアボロス(悪魔)程度が相応しいはずがない。
最高の進化を、究極を越える進化を果たしてみせる!

そして滅ぼすのだ。

なにもかも、なにもかも。
747Classical名無しさん:07/11/16 21:02 ID:Ebnf3my.



748Classical名無しさん:07/11/16 21:03 ID:gbyyaB6g
749震える山〜悪性変異〜 ◆CMd1jz6iP2 :07/11/16 21:03 ID:rvEJblII
C-3 山道脇/一日目・午後】
【クラモンA(クリサリモン)】
[状態]:自我放棄、大怪我(致命傷は治療済み)、疲労極大、能力の上昇、思考回路の発達、残虐性更にアップ、魔力使用可能、目が赤い
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考・状況]
基本1:進化と増殖のため、制限を解除する(出来るなら自分だけ)
基本2:1の為に、町のネットワークに潜り込みたい
基本3:参加者を混乱させる。
基本4:二人組みマーダーのパソコンのデータを食べたい
兎:派手な争いをせずに、皆を残虐に壊す
闇:全参加者の殺害して愛しの彼を蘇らせて残虐に壊す
魔:最終的には主催者を倒して、皆を残虐に壊す

※ケラモンA
自我が放棄され、取り込んだ存在のような口調で話します。
本人と同じ声ですが、機械越しのような、明らかな違和感があります。
各人物の思考が、破壊行動を前提に蘇っています。
師匠、愛しの彼、などの単語を口にしていても、その人物が誰かを理解していません。
このクリサリモンから増殖したクリサリモンは、ただのクリサリモンです。
従わないので、すぐにエサにします。

※長門を取り込み、情報改変能力を得ました。
性能は低く、使うと激しい疲労に襲われます。
魔法と情報改変は同時に使えません。
魔法も、同時に何種類も使うことは出来ません。
狂気の瞳は、制限により波長を操る力が発揮できません。
弾幕が張れる可能性はありますが、やはり魔法などと同時に行うことは不可能です。
進化することで、これらが向上します。

例:魔法をほんの少しでも使っている→うどんげ、長門の力行使不可。
750Classical名無しさん:07/11/16 21:04 ID:1p2bjvV.
751Classical名無しさん:07/11/16 21:04 ID:gE/9GYuA
TASさんスゲー、やっぱ人間じゃねーな支援
752震える山〜侵食汚染〜 ◆CMd1jz6iP2 :07/11/16 21:04 ID:rvEJblII
「あ……ぶ、え……」
結論から言えば、ゴマモンは生き残った。
真が死んだことで、退化した際に、傷ついた細胞も戻ったのだ。

それでも、ディバインバスターの衝撃はすさまじく、山の上のほうまで飛ばされた。
全身を焦がし、プカモンまで退化しても、何とか死ななかった。
だが、ゴマモンは体力を完全に使いきり、危険な状態だった。

(真が、死んだ……おいらを、庇って)
最後まで、あのクリサリモンに抵抗して、死んでいった。
全身を突き刺された真が、かがみの死に様と重なる。
かがみにしたことが、どういうことなのか……見せ付けられた。
「おいら、悪くない。おいらは、悪くない」
死にかけの体で、自分の過ちを否定する。

なんとか、休める場所を探そうと、あのデジモンから離れようと、移動する。
でも、どこに誰がいるのか、わからない。
弱った自分を見て、殺そうとする奴がたくさんいるに違いない。
あの阿部みたいに、怖いことをしようとする人間が、きっといる。
どこか安全な場所をと、小さな体で歩き続ける。

そんな時に、デジヴァイスが震えた。
「な、なんだぁ?」
ディパックの中のデジヴァイスから漏れた光がプカモンを包み……
その姿を、ゴマモンへと進化させた。

「ううっ……?」
一体何が起こったのか、辺りを見回して……空を見上げ、その顔から表情が消える。

空から、女の子がゆっくりと落ちてくる。
その紫の髪は、その服装は、その顔立ちは、一目でゴマモンの精神を汚染する。
「かが、み……?」
753Classical名無しさん:07/11/16 21:05 ID:QwjVA4Io
クリサリモンが更に進化するとは予想外だw支援
754Classical名無しさん:07/11/16 21:05 ID:cWK007Rg
755震える山〜侵食汚染〜 ◆CMd1jz6iP2 :07/11/16 21:06 ID:rvEJblII
最初はなんだかわからなかった。

つかさが、自分がまだ生きていることに気がつき、ゆっくりと落ちていることに気がつく。
「助かったんだ……私」
だが、嬉しくはない。

姉の後を追ってしまえと谷口さんは言った。
それでも、本当に良いと思ったのに、私は生きている。

「うあ……ひっ……来るなよぉ!」
下で、何か声がした。
見ると、アザラシの様な生き物が、恐怖の表情を浮かべている。
(なんだろう……)
地面に着地する。
つかさは、アザラシ……ゴマモンのところへと足を運ぶ。
なぜそんなに怯えているのかを聞きたかった。
それだけだったのに、つかさは全ての答えを聞いてしまう。

「かがみ、ごめんなさい。許して、許して、許してよぉぉぉ!」

プツンと、つかさの中で何かが切れた。

「……ねえ、アザラシさん。私はかがみじゃあないよ?」
優しく声をかけるつかさ。
ゴマモンは、その声がかがみと違うことを、そして、それならばこの人物が誰なのかに理解してしまい、新たな恐怖が生まれる。

「私はね、柊つかさ。かがみは私のお姉ちゃんなんだよ?」
「あ、あああ……」
「ねえ、アザラシさん? ちょっと、お話しようか?」
756Classical名無しさん:07/11/16 21:06 ID:gE/9GYuA
支援
757Classical名無しさん:07/11/16 21:06 ID:3ecHHubA
758Classical名無しさん:07/11/16 21:06 ID:QwjVA4Io
 
759Classical名無しさん:07/11/16 21:06 ID:Ebnf3my.
予想GUYデス支援
760震える山〜侵食汚染〜 ◆CMd1jz6iP2 :07/11/16 21:07 ID:rvEJblII
「許して、許して許して許し「ちょっと黙っててね」はい……」

ゴマモンと名乗るアザラシに、事のあらましを聞いた。
「駄目だなあ、ゴマちゃんは。ケンカしただけで、人を殺すなんて、いけないんだよ?」
つかさは、笑顔で、ガタガタ震えるゴマモンの前にしゃがむ。

「ゴマちゃんが、そんな悪い子だから、琴姫って人も、真って人も、ピカチュウって友達も、死んだんだよ?」
「ピ、ピカチュウが死んだ!?」
ゴマモンは、放送など聞いていなかった。だから、その事実を知らなかった。
「それと、オメガモンって知り合い? なんとなく、名前が似てるもんね」
「オメガモンが……呼ばれたの?」

「あーあ、ゴマちゃんのせいで、仲間がいっぱい死んじゃったね」

琴姫、真、かがみはともかく、オメガモンの死にゴマモンが関係しているはずが無い。
だが、ゴマモンは正常な思考が出来る精神状態ではなく、自分のせいだと思い込んだ。
「おいら……おいらのせいで、みんな!」
「そうだよ、お姉ちゃん、痛かっただろうね。体を突き刺されて体が、仲間に裏切られて心が」
「で、でも……かがみはおいらを「口答えするんだ?」いえ……」
ここで、ゴマモンがぐったりと倒れた。
体力だけでなく、精神もすっかり疲弊してしまい、まさに限界だった。

「しっかりして、ゴマちゃん。このまま死んだら、大変だよ?」
「なに、が……?」
ゴマモンは、もう楽になりたかった。
つかさに殺してもらって、かがみや真、オメガモンにピカチュウに会いたかった。

「だって、ゴマちゃん……このまま死んだら、誰にも許してもらえないよ?」

「……ゆるして、もらえ、ない?」
761Classical名無しさん:07/11/16 21:08 ID:k6PNZo..
762震える山〜侵食汚染〜 ◆CMd1jz6iP2 :07/11/16 21:08 ID:rvEJblII
「だって、ゴマちゃんは殺した人の仲間全員に謝って、許してもらえないと、死んでも許されないんだよ?」

死んでも許されないと聞いて、ゴマモンは心の底から震えた。
「死んでも……死んでも駄目なの?」

「もちろんだよー。私は許さないな、絶対。だからお姉ちゃんだって許さない。お姉ちゃんに許して欲しいなら、私に許してもらわなくちゃ」

それがおかしい理屈だと、ゴマモンにはわからない。

「嫌だよね、ゴマちゃん。殺した皆に、永遠に許されないなんて、嫌でしょ?」

「嫌だ、嫌だよ!許して、おいらを許してよ!」

「馬鹿だなぁ、ゴマちゃんは。お姉ちゃんを殺したくせに、なんで私が許すの?」

つかさの言っていることは正しい。正しいのに、何かが歪んでいる。
「……でもね、ゴマちゃん。一つだけ、私がゴマちゃんを許せる方法があるんだ」
「なに、それ……それって何?」
「ゴマちゃんが、私を最後まで守ってくれれば、ゴマちゃんを許すのも、考えてあげるよ?」
最後まで守る。ゲーム終了まで守る。

「つ、つかさは……ゲームに乗ってるの?」
「本当に馬鹿なんだね、ゴマちゃん。お姉ちゃんが乗らないで頑張ったのに、私が乗ったら、怒られちゃうよ」

つかさがゴマモンをポカっと叩く。
「今、この山にはね、私の仲間がたくさんいるの。だから、一緒に町まで行こう?
それで、そこで私のために悪い人と戦ってね。死んでもいいから、頑張ってね」
763Classical名無しさん:07/11/16 21:09 ID:7NWC2gSg
764震える山〜侵食汚染〜 ◆CMd1jz6iP2 :07/11/16 21:10 ID:rvEJblII
「わ、わかった。おいら頑張「あ、駄目だ」え?」
「ダメダメ、死んだら駄目だよ。だって死んだら、許してあげられないからね」
負けるにしろ相打ちにしろ、死んだら許してもらえない。
「でもね、ちゃんと私のことは守るんだよ? 死んだら、『許してあげられない』から」
負けても死んでも駄目なのに、つかさを守るとなれば、全力で戦う必要がある。

「悪い人がいなくなったら……そのことは後で考えようか」
考えて、どうするのだろう。嫌な予感はしたが、ゴマモンはもう、考えるのが嫌だった。
「さあ、行こうゴマちゃん。荷物は私が持ってあげるね?」
つかさは歩き出す。でも、ゴマモンは動かない。

「ゴマちゃん、動いて。急いでるんだよ」
「ちょっと……ほんの少しでいいから、休ませて。おいら、体力が、もう」
「……ご飯食べれば、元気になるよね?
「それじゃ、足りないんだ。データが、データが足りなくて」

ゴマモンの、大事な何かが離れそうになる。
人で言う魂が、今のもゴマモンを離れそうだった。
「データ? そのデータって、どうすれば増えるの?」
「普通の食べ物でも、少し回復するけど……もっと、大きなものを、食べないと……」
「……なんだ、それなら見たよ」

つかさは、ゴマモンの首根っこを掴んで、少し歩く。
「あるって……なにがあるの?」
「だから、大きなものだよ」
つかさが止まる。ゴマモンは見る……そして、思考が停止する。

地面に、赤い何かがこびりついている。
そして、地面が少し、盛り上がっている。
「つかさ、これ「ゴマちゃん」あ、う……」

「たんと、召し上がれ♪」
765Classical名無しさん:07/11/16 21:10 ID:x1cfrrIg
766Classical名無しさん:07/11/16 21:10 ID:84fxy9UI
あははー、バルサミコ支援ス〜
767Classical名無しさん:07/11/16 21:10 ID:gE/9GYuA
俺の嫁が覚醒!?支援
768震える山〜侵食汚染〜 ◆CMd1jz6iP2 :07/11/16 21:11 ID:rvEJblII
多分……春香ちゃんが落とした人なんだろう。
ともかく、「それ」をゴマちゃんに食べさせた。

「吐いたら、もう許さないよ」

そう言っただけで、食べちゃうんだもん。怖いアザラシだよね。
こんな怖い生き物に、お姉ちゃんは殺されたんだ。
怖かっただろうな、本当に辛かったんだろうな。

あははー、でも、おかしいなあ。
私……悲しいのに、顔が変になっちゃった。
笑ってる顔が、取れないよ。
そもそも、悲しいってどうすればいいんだっけ、怒るって、どうすればいいんだっけ?
ああ、もう、どうでもいいや。

そういえば、お腹の張った感じも、体が熱いのも、無くなっちゃった。
お姉ちゃんが死んだからかなあ。
お姉ちゃんが居たのかな?ははは、そんなわけないよね。
ゴマちゃんは、とりあえず歩ける体力は戻ったみたい。
お姉ちゃんを苦しませて殺したくせに、疲れて死にそうなんて、許せないもん。

彦麿さんが、多分琴姫って人の仲間なんだけど……きっと許しちゃうよね。
でもいいんだ、ちょっと希望があったほうが、ゴマちゃんも頑張るよね。

私が許さないかぎり、ゴマちゃんは完全に許されることはないんだもん。

ゴマちゃん、馬鹿だから適当に言えばごまかせるだろうし。
谷口さんのことは、悪いけど全部みんなに言おう。
もし、何食わない顔でみんなに混ざってるなら、ゴマちゃんに殺してもらおう。

みんな、心配してるかなぁ。
早く帰ろう。皆で町に行こう。
769Classical名無しさん:07/11/16 21:11 ID:e1RQ21tM
770震える山〜侵食汚染〜 ◆CMd1jz6iP2 :07/11/16 21:12 ID:rvEJblII
それで、こなちゃんにも会うんだ。

お姉ちゃんは、おじいちゃんとスパイダーマッ!さんが埋めてくれたんだろうな。
会いたかったなぁ……でも、寝てるのを邪魔したら怒られるよね。

スパイダーマッ!さんと戦ったらしいけど、姿が違うから気付かないかな?
気付いたら、ゴマちゃんを殺さないように説得しないとね。

お姉ちゃんも生き返らせて
###最後はゴマちゃんを苦しめて殺して#####
これで、みんな幸せになれるよね?

つかさの持つ、かがみのデジヴァイスは、一瞬桜色の光を放った。
そして、その光は黒く染まり、沈黙した。
一瞬の光の中に、かがみとは違う紋章が確かに映っていた。
それは、優しさ。
彼女もまた、間違った思いを発動してしまうのだろうか。

【C-3 山頂崖下/一日目・午後】
【ゴマモン@デジモンアドベンチャー】
[状態]:火傷、体力極低、疲労極大、精神極衰、つかさの言いなり
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考・状況]
1.つかさに許してもらう
2.オメガモン、真、琴姫の仲間にも許してもらう
3.つかさに許してもらうために、死なない
※白石を食べました。ちょっと回復しましたが、特に何もありません。
※つかさを精神の拠所にしています。つかさが死ねば壊れるでしょう。
771Classical名無しさん:07/11/16 21:12 ID:Ebnf3my.
白石?支援
772震える山〜侵食汚染〜 ◆CMd1jz6iP2 :07/11/16 21:13 ID:rvEJblII
【柊つかさ@らき☆すた】
[状態]:全身に軽い打撲、手のひらを怪我。精神に異変、感情欠落、ニコニコ
[装備]:ニューナンブ(弾数5/5)@現実
[道具]:支給品一式*3(食事二食分消費)、ピーピーマックス*2@ポケットモンスター
飛行石のペンダント@天空の城ラピュタ、Fooさんの笛@ニコニコ動画(γ)
デジヴァイス@デジモンアドベンチャー、テニスボール*2
光の護封剣@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ(現在使用不可)、琴姫の髪
不明支給品0〜1個(武器はなかったものと思われる)
[思考・状況]
基本行動方針:ゴマモンを許すまで利用する(許すつもりなどない)
第一行動方針:洞窟に戻り、皆で搭に行く
第二行動方針:福山さんを埋葬してあげたい
第三行動方針:いさじさんをちゃんと治療してあげたい
第四行動方針:敵はゴマモンに殺してもらう。ゲームに乗るつもりはない?
第五行動方針:最後に、ゴマモンを残酷に殺す
第六行動方針:笑顔が取れないよ?
※デジヴァイス
タグが優しさに変わりました。適合者に呼応して変化するようです。
ゴマモンの超進化からの進化の系統が、変わった可能性があります。
現在は、暗黒の光を放っています。
773震える山〜侵食汚染〜 ◆CMd1jz6iP2 :07/11/16 21:14 ID:rvEJblII
少しずつ、何かが変わっていく山の中で、洞穴の中だけは変わらなかった。

「いさ。つかた、ぶじだといいね」
「無事さ……きっと、大丈夫だ」
俺も探しに行きたいが、本調子ではない体で行っても足手まといだろう。

「ぽよ、とこおで、いさ」
「ん、なんだい?」
「なんか、こぴ、できるものない?」
こぴ? なんのことだろう。

「コーヒー、コビー、こうb……違うな、コピー……」
「それ、こぴ」
「コピーか……コピーって、なんだい?」
話を聞かないで、周りを探すカービィ。
「あった、これ、こぴできそう」
カーくんが持っているのは、彦麿さんが投げたブロックだ。
食べようとして、大口を開けた。

「……あおがはうれは」
顎が外れたと言ってるのだろう。
「だ、大丈夫か?」
「ほえ、ほのひっぷほっへ」
胸に付いてるチップを指差して何か言っている。
「これを、取れっていうのかい?」

それより、顎をどうにかした方が、とも思ったが、必死に訴えてくるので外してあげることにした。
すると、どういうわけか萎み始めるではないか。
呆気に取られているうちに、カービィはピンク玉になってしまった。
774Classical名無しさん:07/11/16 21:14 ID:Fk6geDcI
775震える山〜侵食汚染〜 ◆CMd1jz6iP2 :07/11/16 21:15 ID:rvEJblII
「ぽよ」
ブロックを平気で吸い込むカービィ。
飲み込み、一瞬光ったかと思うと、その姿を変えていた。
ピンクだった肌は褐色になり、頭には星の飾りがついた兜がかぶられている。

「ストーンカービィ?」
なんとなく、そんな言葉が聞こえた気がする。
「ぽよ、ぽよ、ぽーよー」
どうやら、喋れないらしい。
またチップをつけようと思ったが、カービィが嫌がったのでやめた。

「……しかし、何だってこんなことに巻き込まれたんだろうな」
福山さんだって俺だって、こんなことに巻き込まれるような理由が無い。
つかさちゃんたちだって、そうだろう。

しかし、何より困るのは自分には大した力が無いことだ。
命がけで、何とか誰かを逃がすことができるかどうか。
それも、福山さんを撃ったような実力者が相手では、それすら難しい。
「せめて……何か俺だけにしかできないことが……見つかればいいんだが」
歌を歌うことは、福山さんが命を賭して、成功させた。
俺が今歌ったところで、福山さん以上の効果は出せないだろう。
俺だけに出来ることが、思いつかない。
それが少し、悔しかった。

ぽよぽよと、カービィは考えていた。
ピカチュウが死んだらしい。
電気でピカピカ痺れさせられたことは何度もあるし、地面に何度も落とされた。
でも、嫌いなわけではなかったので、悲しかった。

だけど、たしかヨッシーもピカチュウも、同じ顔してるのがたくさんいるんだっけ?
ワドルディと同じだ。だから、僕の知らないヨッシーとかかも?
776震える山〜侵食汚染〜 ◆CMd1jz6iP2 :07/11/16 21:16 ID:rvEJblII
それにしても、こんな悪意のある大乱闘は、御免だ。
ただ、何かがおかしいと感じていた。

マルクがポップスターを狙ったのは、止めたような気がする。
いくつかの冒険をして、ポップスターを何度も守った気がする。
でも、それとは別に、ピカチュウやヨッシーと戦った気もした。
その世界では、僕は人形で、黒幕のマスターハンドとも戦った気がする。
いや、それ以前に、もっと僕は大人で普通に喋れていた気もする。
なのに、僕は喋れないし、むつかしい事を考えると眠くなる。
フームたちとも遊んだのに、それが本当かも良くわからない。

そうだ……マスターハンドが言っていたっけ……zzz

僕達は、ゲームのキャラだとか何とか。
ゲーム……ゲームって、なんだろう……
マスターハンドは、強い奴と戦いたかっただけで、もっといい奴だったのに……
ここに呼んだ奴は、それよりもずーっと、本当に悪い奴だなあ……zzzzzz

震える山の中、ここだけは……まだ、本当に静かだった。
777Classical名無しさん:07/11/16 21:16 ID:EYwULUN6
778震える山〜侵食汚染〜 ◆CMd1jz6iP2 :07/11/16 21:17 ID:rvEJblII
【C-3 北西部・洞窟/一日目・午後】
【いさじ@現実】
[状態]:全身に裂傷や打撲
[装備]:拡声器@現実
[道具]:支給品一式(水一本消費)、萌えもんパッチ@ポケモン言えるかなで擬人化してみた
[思考・状況]
基本行動方針:ゲームの脱出
第一行動方針:つかさちゃんが心配
第二行動方針:みんながつかさちゃんを見つけてくるのを待って、搭へ
第三行動方針:福山さんを埋葬したい
※武装錬金について、漫画上の知識はあります。

【カービィ@星のカービィ】
[状態]:健康、睡眠、ストーンカービィ
[装備]:なし
[道具]:支給品一式(食料以外)
[思考・状況]
1.zzzzz
2.魅音お姉さんの人探しを手伝う。スマブラ経由の知り合いには会いたくない
3.でも、ヨッシーとか、知らないヨッシーかも
4.マルクを倒して殺し合いを止める
※孔明ブロック小を食べて、ストーンカービィになりました。
※様々な記憶が内包していますが、幼い為かよく理解できず、考えると眠くなります。

※洞窟にいたメンバーは、情報交換をしています。
どんな敵がいたか、仲間は誰かという情報交換をしています。
お互いの支給品の情報については、ほとんど情報交換していません。
全員が、違う世界から呼ばれたことを認識しました。
魔法、核鉄という力について認識しました。
谷口だけは全て否定的です。特に自分の世界関連の不思議は信じません。
779Classical名無しさん:07/11/16 21:17 ID:BClzAT5Y
780Classical名無しさん:07/11/16 21:18 ID:x1cfrrIg
781Classical名無しさん:07/11/16 21:18 ID:gE/9GYuA
  
782 ◆CMd1jz6iP2 :07/11/16 21:23 ID:rvEJblII
というわけで、死ぬほど長い投下終了。
ある人とある人を動かしたかっただけだった、この大予約
とりあえず、直すべきというところがあったら指摘よろしく。

    時系列
七色陰陽師、いさじと合流
     ↓
放送でつかさ飛び出す。
     ↓
阿部さん吹っ飛び戦闘開始
     ↓
真死亡、ゴマ瀕死で吹き飛ぶ。
マッ!が山に、ストーム1が橋に。
春香、山頂へ向かう。
七色陰陽師、つかさ捜索。
     ↓
つかさ落下、春香魅音落下、TASクリサリモンから逃亡
     ↓
谷口逃亡、TAS、クリサリモン撃退。つかさ、ゴマモンと会う
魅音と春香、謎の洞窟移動。空気楽太郎のかくれんぼ
     ↓
いさじとカー君のお話
783Classical名無しさん:07/11/16 21:28 ID:gE/9GYuA
投下乙!
なんというか…色々と動きまくった話でした。
TASさんはかっこいいし、エアーマンもまぁかっこいいし、ムスカはムスカだし。
魅音と春香という異色コンビ結成だし、谷口はもう本当駄目だし。
頼りになりそうなのがニコニコンビと兄貴達だけだ。

そして、何よりも
俺の嫁二人がなんという。。。なにという悲劇!!
だがそれがいい!それこそがパロロワの宿命!!
うああああああああつかさああああああ真おおおおおおおお
784Classical名無しさん:07/11/16 21:31 ID:229BRp2I
投下乙!
黒つかさ怖いよ黒つかさ
785Classical名無しさん:07/11/16 21:32 ID:QwjVA4Io
大投下GJ!
いろいろ劇的過ぎて今はそれしか言えない。
とにかく乙っ!!
786Classical名無しさん:07/11/16 21:34 ID:OrQBMAXY
投下乙!

ニコニココンビwwwwやっぱりハート盗まれた後なのかアリス
つかさや谷口やクラサリモンが壊れるわ、
なによりエアーマンやTASさんが nice murder.
787Classical名無しさん:07/11/16 21:35 ID:Ebnf3my.
投下乙です。
黒つかさはじまったな。ゴマモンも白石を食うとは……
788Classical名無しさん:07/11/16 21:35 ID:K.DlxTwU
超大作投下乙!!
さすがに一人死んだか……そして谷口、おまえはやっぱ一般人か。
クリサリモンは立派な中ボスになったな。TASと愉快な仲間達も恐ろしい。
ツンデレのジンクスの本領発揮に本気で恐怖した。てかこなたがカワイソス。
ゴマモンは転落人生だな。せめて相手が暗黒つかさじゃなければこんなことには
白石は……うどんげとはまた別の意味で哀れ。
今んとこ、閣下おじさんとカービィだけが清涼剤だな……

あと三体目のレッドベジーモン乙。三匹でジェットストリームアタックが(ry
789 ◆CMd1jz6iP2 :07/11/16 21:39 ID:rvEJblII
wikiへの掲載は、タイトル毎にお願いします。
>>663>>665と同じタイトルなのですが、ミスしました。
790Classical名無しさん:07/11/16 21:40 ID:wR3qcXaw
投下乙!
ところでカービィのコピーについてなんだけど
・コピーを解除した場合吸い込んだ物は元に戻るのか
・コピーはカービィのもとのゲームのように攻撃を受けたら強制解除なのか
の二つを疑問に思ったんだけど、どうなのかな?
791Classical名無しさん:07/11/16 21:47 ID:qUZUaiLM
投下乙! TASさんのプライドに全俺が震えた。

でもなあ、個人的にはちとやりすぎを感じる。
地図に無い大型施設+現時点で役に立たないとはいえ武器回収はやりすぎだと思わざるを得ない。
支給品と地図の存在意義をかなり奪ってるからね。本編でも触れられてるけど。

あくまで個人的な話なので、皆がよけりゃそれでも構わないんだがね。
でも前例があるとどんどんカオス化すると思うのよ。
792Classical名無しさん:07/11/16 21:53 ID:4TGQhejM
マーダー陣の描写は素晴らしいが、やはり対主催組を優遇しすぎでは
対主催陣の中でも霊夢はすでにレイジングハートという超高レベル武器を持ち、戦闘経験もある強キャラなのにさらなる強化フラグを立てるのはどうだろう
793 ◆OZbjG1JuJM :07/11/16 21:56 ID:K.DlxTwU
にしても大集団がやたら分裂して大変なことになるなあ。片方は俺の所為なんだけども。

というわけで谷口とKASさん予約しまっす。
794Classical名無しさん:07/11/16 22:05 ID:jvPBjek2
霊夢を強化するというか、今まで出てこなかった専用武器が今更出てきたって感じだな
RHは一応なのはさんの専用武器だし
ただ、対主催優遇とは感じないな……マーダーもその分強化されてるから。

まぁ東方キャラで専用武器あるのって元々少ないんだけど。
795Classical名無しさん:07/11/16 22:19 ID:meYI/LOA
>>790
マルク居るし、兜被って「褐色」だし
一発食らうと強制解除、では無く、スパデラ式にある程度の強打を受けたときに
ランダムで星になる可能性がある、でいいんじゃないかな。別名書き手の都合がいいように。

あと、吸い込まれたものは、解除してもそのまま出てきたりはしないと思う
コピーアイテムになるか、星になるか、ヘルパーの人形になるか。そんなところ?
796Classical名無しさん:07/11/16 22:21 ID:K.DlxTwU
褐色なのはアニメも一緒だぜ
797Classical名無しさん:07/11/16 22:29 ID:H8iesRBg
投下乙!クラモンAが本当にヤバい。弾幕のうどんげ、情報の長門、魔力のなのはと各世界の魔法を一通り揃えやがった。
でも防御力に難アリってレベルじゃないなぁ…おにゃにょこの蹴りでヒビってどんだけ脆いんだ…蛹なのに。
798Classical名無しさん:07/11/16 22:32 ID:x1cfrrIg
投下乙!
いやはや、やっぱり一般人は恐ろしい。
谷口といい、つかさといい……。
そしてなおさらカオス度をましてゆく地下世界(仮)
だがそれがいい。

陰陽玉は、別にいいと思うけどね。
まああれ、八卦炉以上に露出の少ないアイテムだからな……。
どうとでもできるとも思うが。
799Classical名無しさん:07/11/16 22:40 ID:sHwXfWFs
GJでした〜
鬼狩が出たのにちょと感動
でもなー、扱えるの古手家onlyだからなぁ………
L5克服レナが扱える可能性を残しているけど、無理っぽいよなぁ
んー、声優ネタ込みにしてもなのはさん………
はっ、クリサリモンがなのはさん取り込んでいるんだっけ?
………魅音〜、空気読まずにとられるなよー
800Classical名無しさん:07/11/16 22:44 ID:gE/9GYuA
ティアナ・レナ「でも私は・・・脱出したいんです!」
クリサリ「少し・・・頭冷やそうか・・・」

こうですかわかりません><
801Classical名無しさん:07/11/16 22:51 ID:.dD/.Ki6
そういやクリサリモンって映像で出てきた事あるっけ?
ディアボロモンの逆襲を見たのが大分前だから思い出せない…
アーマゲモンまで進化するのかなあ、もしそうなったらサイズどれくらいになるんだろう
原作準拠だと数百メートルぐらいあった気がするが
802Classical名無しさん:07/11/16 22:56 ID:vzi4fbfE
投下乙。
これはすげぇwww
真……どうにか一矢報いたが、相手が悪すぎたな。
谷口まさかのマーダー化(?)に加えて、闇つかさ覚醒。怖すぎて鳥肌たったわw
ゴマモンは生き残ったが、ぶっちゃけうどんげと同等かそれ以上のカワイソスだな、これw
クラモンAもかなり強化されてるし。
中心部だけあって、本当にC-3は地獄だぜ。
803Classical名無しさん:07/11/16 23:00 ID:229BRp2I
>>801
クリサリモンは映画には出てない。
クリサリモンの映像の初出はデジモンテイマーズ
804Classical名無しさん:07/11/16 23:10 ID:H8iesRBg
新カワイソス四天王
キョン:ガチホモの被害者その1 死んで安全になったと思ったら大間違い。長門と古泉に狙われてる。
かがみ:ガチホモの被害者その2 ツンデレのジンクス発動。極悪マーダーを大量産出するハメに…。
ゴマモン:ガチホモの被害者その3 真が死んだら今度は闇つかさに捕まった、現在のカワイソスチャンプ。
うどんげ:初代ガチホモの被害者、○○を押し付けられたまま首コキャされた上に真っ裸、さらには死体をクラモンに食される。

カワイソス四天王がガチホモ一色に染まりました。これだけで役牌なんです。あがれるんです。
また暗黒長門の意識復活により、死んだキョン君に更なる危機が迫る。
805Classical名無しさん:07/11/16 23:22 ID:tPBXrots
>>804
ちッ、あがられた!!
ほら、点棒だぞ!!
次の親は俺か……
806Classical名無しさん:07/11/16 23:22 ID:LRIN2yiQ
投下乙
笑いありバトルありシリアスありのと盛りだくさん展開でした
つかさが黒化しちゃったか、姉の成分を受け継いでゴマモン共々今後が危うい
しかし白石もゴマモンのエサになったりとことん地味な面でむくわれないな

マーダー組もバッチシな描写
リヴァイアモンを始め、クラモンAに立ち向かうTASさんエアーマン、ムスカも
かっこいいと思いました。さらにマーダー強化。暗黒成分を取り込み強力になった
クラモンや増殖するクラモンBにまだまだ目が離せない

そしてレバ剣、マジノリノリすぎっすw
やっぱパンツも赤いっすかねぇ

四散した洞窟組は
みおんや春香は隠し通路のアイテムやゲットした一方
谷口が不穏な動き

これはますます目がはなせないっすな
807Classical名無しさん:07/11/16 23:27 ID:gE/9GYuA
>>804に大変な役でハコにされました
808 ◆7d53oKGJP2 :07/11/16 23:49 ID:H8iesRBg
ど、どうしよう…こんなノリの中、ギャグの予約はしづらい…
水銀灯、泉こなた 予約します。
皆さんに質問があります。泉こなたのオタク癖についてなのですが、
どういった趣向なのかがサッパリわかりません。
「こういうのが好き〜」「こういうのに萌える〜」「これは嫌い〜」等、できるだけ教えていただけませんか?
809Classical名無しさん:07/11/17 00:05 ID:.F/FsiVI
>>808
う〜ん……たしかラノベは嫌いだったと思う。想像するのメンド臭いからだとか。
ドジっ娘は好きだけどリアルでそういう事やられたらムカつくらしい。
ってからき☆すたの漫画見てたらこなた昔格闘技やってて、フタエノキワミも練習していたらしいww
810Classical名無しさん:07/11/17 00:09 ID:j8kafH7E
>>808
ネトゲやる
萌えアニメ好き
ラノベは読まない
コスプレ喫茶でバイト
父親の影響を強く受けていて、どちらかというと嗜好は男オタクに近い
ホモには興味なさげ
811 ◆irB6rw04uk :07/11/17 00:44 ID:jCeZ/QyA
質問します
支給品以外で銃が出てくるのは反則でしょうか?
ハンドガンなんですけど
812Classical名無しさん:07/11/17 00:47 ID:pcCfCJT2
現地調達でってことか?
安易に民家に出てくるのはなしだと思うけど
隠し部屋のような感じならありなんじゃね
813Classical名無しさん:07/11/17 00:49 ID:LGL7Dfwo
>>811
ちゃんとした理由があり、なおかつ常識的な範囲なら俺は大丈夫だと思う。
例えるならいきなり草むらに転がってたとかは駄目。

ただ、他の人の中に支給品以外の武器が出てくるのはどうかと思う人がいるからなぁ。
814Classical名無しさん:07/11/17 00:51 ID:.F/FsiVI
まあ、舞台がアメリカだと思えば……
815 ◆irB6rw04uk :07/11/17 00:53 ID:jCeZ/QyA
簡単に言えば死体(参加者以外)が転がってて、それから奪うって感じなんですが
816Classical名無しさん:07/11/17 00:55 ID:.F/FsiVI
なんかいいフラグのにおいが………
まあ説明さえ矛盾の無いようにできればいいんじゃないですか?
817Classical名無しさん:07/11/17 00:57 ID:X7RtYS5A
ハンドガンなんて生ぬるい、ガオガイガーあたりをry
818Classical名無しさん:07/11/17 00:58 ID:pcCfCJT2
まさかあいつか?あいつの死体か?
候補としては3人いるが
819Classical名無しさん:07/11/17 01:02 ID:LGL7Dfwo
>>816でFA。
納得出来るような内容ならば、ハンドガン程度ならおkだと思う。
流石にミサイルとか出されたらストップかかるけど。
820 ◆irB6rw04uk :07/11/17 01:03 ID:jCeZ/QyA
御免なさい
ミサイル出します
821Classical名無しさん:07/11/17 01:04 ID:LGL7Dfwo
ちょwwwおまwwwwwww
822Classical名無しさん:07/11/17 01:05 ID:LGL7Dfwo
まあいいやwwミサイルでもガンダムでも納得できればwwwwwwおkwwwww
823Classical名無しさん:07/11/17 01:06 ID:X7RtYS5A
スネークが殺し合いを止めるために潜入したけど、ブラックパックンにやられて武器のミサイルが残る
とかそんな感じか!
824Classical名無しさん:07/11/17 01:06 ID:.F/FsiVI
アフロダイAか?おっぱいミサイルなのか!?
825Classical名無しさん:07/11/17 01:09 ID:pcCfCJT2
>>823
確かスネークがロワ潜入してすぐ死んだロワあったなw
ていうかニコニコ関連でミサイルのような武器あったか?
GTA?
826 ◆irB6rw04uk :07/11/17 01:10 ID:jCeZ/QyA
出来てからのお楽しみって事で。
たぶんガクッってなりますよ。そのミサイルってあれじゃんって
もうすぐ修正が終わり投下します。
827Classical名無しさん:07/11/17 01:11 ID:LGL7Dfwo
こんな深夜にお楽しみって事は……期待していいんだな兄弟!
828Classical名無しさん:07/11/17 01:12 ID:NGRJS6eA
書き手の螺旋力が覚醒してきてる件について
そろそろアニロワ2ndのあの人がスカウトに来るな。
829Classical名無しさん:07/11/17 01:27 ID:XFJyuAuo
初音ミクのアレじゃないよな?
830Classical名無しさん:07/11/17 01:28 ID:1843Ry1U
いやがおうにも期待が高まるなw
831Classical名無しさん:07/11/17 01:36 ID:I/vDotms
それにしても色々と自重しないロワだなw
今から考えていても仕方ないかもしれないが収集は付くのだろうか?
832Classical名無しさん:07/11/17 01:46 ID:GJ4YZ7Sc
付くんじゃなくて付けるのが書き手の仕事

でも、みんな心に1%の自重を持ってくれ
調べようもないほどマイナーだったりしてくると無理だから
833Classical名無しさん:07/11/17 02:44 ID:CJtvx18.
ミサイルで検索してもそれっぽいものがわからなくて悔しい
ハイメガキャノン=R周瑜 みたいな隠語なのかなぁ
834 ◆irB6rw04uk :07/11/17 02:49 ID:jCeZ/QyA
一応完成した。
大変長くお待たせしました。
27kbです
835Classical名無しさん:07/11/17 02:54 ID:24n.XJeU
勉強中でも支援しちゃうぜ
836 ◆irB6rw04uk :07/11/17 02:57 ID:jCeZ/QyA
「ふぅん、声が聞こえたのはこの辺りか」
声が聞こえてから早歩きで向かったためもうE-2のエリア内には入っているはずだ。
草や木の枝をよけながら進んで行く。
「あれ? お兄ちゃん!急に草とかが無くなってる」
「近いな……」
奇妙なコスプレをした男、その名はカイバーマン(海馬)は木の陰から荒地を見渡した。
荒野の真ん中で3つ人影が見える。一人は金髪で大柄な男、そしてもう一人はマジシャンガールのような格好をした女、そして一人は緑色のツナギの倒れている男。
見たところ女はマジシャンガールの格好をした奴しかいない。だが女は悲鳴をあげるような雰囲気ではない。
そして倒れているのは男、男があのような声を上げるとは考えにくい。
「やよい、誰かが倒れているようだが人違いのようだ」
「おかしいな……確かに亜美の声だったような」
高槻やよいが今度は木から顔を出した。
「本当だ。亜美はい な い……?」
やよいは目を細める、あの緑色の帽子を被ったツナギの男をジーっと見つめる。

服はぜんぜん違う、でもあの後ろ髪……
じっくり見れば見るほど亜美に見えてきた。
そしてそれが確信に変わった。

「亜美!!」
「何っ! 待て、やよい!!」
やよいは亜美に向けて走り出していた。その後をすぐに海馬が追う。
今のやよいの目には亜美しか映っていなかった。
837 ◆irB6rw04uk :07/11/17 02:58 ID:jCeZ/QyA
「おお?何だ」
「何者だと言わざるを得ない」
魔理沙とお覇王また遠い目をする。
中学生くらいの少女が名前らしき言葉を叫びながら走ってくる。そして……その子の後を謎の仮面男が追っている。
パッと見『女子中学生を拉致しようとする不審者』みたいだ。
二人は心の中でこう思わざるを得ない。
(変な奴がいっぱい来るなぁ〜)

そんな遠い目をしている二人を他所にやよいは亜美を抱きかかえた。
「大丈夫!? 亜美!!」
海馬はその様子を見て足を止める。

――危害を加えるつもりは無いのか?
二人は座ったまま斜め45度を眺めている。このゲームに乗ったものではないか?と疑っていたがそうでは無いと分かって胸をなでおろした。

ゆっくりと歩きながらやよいに近づいた。
その時とあることに気がついた。なぜかやよいの肩がカタカタと震えている。
(まさか……死んでいるのか?)
「やよい、気をしっかり持て」
海馬なりの気遣いだった。言い終わった時、気遣いをするのは自分らしくないと思った。しかし自然と出ていた。
「…………ぷっ……あははははははははははははは!!」

カタカタ震えていたと思っていたら突然笑い出した。
「あははははは! なにこのヒゲ!! ありえないって!!」
「ヒゲだと?」
倒れているツナギの男の顔を見る。確かにフッサリ立派なヒゲが生えている。
「そういえば、そいつが気絶するときにヒゲがどうのこうの言ってたな」
魔理沙が遠い目から回復して二人に話しかけた。
「ふぅん、なるほど……やよいとお前の話を合わせると緑のヒゲが気絶している理由はヒゲが関係あるみたいだな」
「お前じゃなくて霧雨魔理沙だ。どうやら悪い奴じゃないみたいだな。名前は?」
「俺の名前は海馬瀬戸!! またの名を正義の味方ゴッドカイバーマン!!」
838 ◆irB6rw04uk :07/11/17 02:59 ID:jCeZ/QyA
「………」
「……場の空気が痛いと言わざるを得ない」
「お兄ちゃん、その自己紹介変えたほうがいいよ」
「ふっふぅん……考えておく」


           〆

その後、お覇王とやよい、亜美の簡単な自己紹介をした。

そしてヒゲが生えた亜美の話になった。
「同じ756プロの同僚です。あ! 女の子ですよ」
「本当に女なのか? このヒゲは付けヒゲじゃなくて本当に生えてるぜ」
ヒゲの根元を良く見ると毛根がしっかりと見える。
本当に付けヒゲなら『プロ○アのヘアーコ○タクト』以上の技術の付けヒゲだ。


「帽子が怪しいと言わざるを得ない」


このときお覇王さんは何も知りませんでした。
ただ『帽子が怪しい』と純粋に思っただけでした。
まったく、下心はありませんでした。

「帽子か……とってみるか」
魔理沙は帽子に手をかけた。
839Classical名無しさん:07/11/17 03:02 ID:1843Ry1U
支援
840 ◆irB6rw04uk :07/11/17 03:03 ID:jCeZ/QyA
ぼわん!!



「「「「………………」」」」




「「オオォォォオォオオオオォオォオオルルルルルゥゥゥウウ!! ハイネェェエエエ!! ブリタニァァアァァアアアアアアッーー!!!!!!」」



カイバーマンとお覇王がユニゾンした瞬間だった。
はい! ありがとうございました。

「……っ!!」「お兄ちゃん!!!」

魔理沙は無言でお覇王の顔面にドロップキックを食らわし、やよいは海馬の目を両手でふさいだ。

「待て!! 事故だと言わざるを得ない!!」
「おらおらおらおらおらおらおらおら!!」
「アッー!……と言わざるを得ない」

「ふつくしい」
「お兄ちゃん!! どうしちゃったの? ねぇ!!」
「ふつくしい……」


           〆
841 ◆irB6rw04uk :07/11/17 03:04 ID:jCeZ/QyA
「今の声で誰かが集まってくるかもしれん! 移動するぞ」
「とりあえず、鼻血を拭け。カイバーマン」
魔理沙はニコニコしながら言う。もちろん額には怒りマークが付いている。
「待て、俺は悪漢を追っていった仲間を待たざるを得ない」
「名前はなんと言う?」
海馬が聞くとお覇王はイチローと答えた。
すぐに海馬とやよいの顔は苦虫を噛み潰したような顔になった。
魔理沙とお覇王は直感的に理解した。

「悲しいと言わざるを得ない……」
「お覇王……っ! ほかに誰が死んだんだ?」

海馬は淡々と死亡した参加者の名前を読み上げていった。
こういう場合感情的に読み上げると聞く側もつらくなってしまう。これが海馬なりのやさしさだった。

「高町なのは、鈴仙・優曇華院・イナバ、……」
「ウドンゲ!? そうか、あいつ死んだんだ……」
「友達だったんですか?」
「あぁ、そんなに頻繁に会うことは無かったから『知り合い』ってレベルだけど……ちくしょう、殺したのはどこのどいつだ?」
「残念と言わざるを得ない」

「――――続けるぞ」
海馬は残りの死亡者を読み始めた。


           〆
842Classical名無しさん:07/11/17 03:06 ID:1843Ry1U
鼻血を拭けと言わざるを得ない、支援
843 ◆irB6rw04uk :07/11/17 03:07 ID:jCeZ/QyA
「永井浩二、サトシ、以上だ」
「私の知っている奴はウドンゲだけか、喜んでいいのか悲しんだらいいのかわかんねぇや」
「これ以上犠牲者を出さないようにするためにも私たちは動かなければなりません」
「その通りだと言わざるを得ない」
全員が立ち上がる。みんな目標が決まったみたいだ。
「よし!主催者を叩きのめすために、全力☆前進DA!!」
「「「おーう!!」」」


「で、カイバーマン、今どこに向かっているんだ?」
魔理沙は前をずんずんと歩いていく海馬に尋ねた。ちなみに亜美はお覇王が背負っている。
「先ほどの悲鳴はかなり遠くまで聞こえているようだ。町には恐らく参加者が大勢いる。ゲームに乗っている奴も含めてな。怪我人と気絶している者を守りながら戦うのは効

率的ではないだろう」
TASと戦ったことからの経験だった。あの時TASに人質をとられてしまったためにクラゲのモンスターを逃がしてしまった。運よくことのはが居たから大事にはならなか

ったが、ことのはがいなければやよいも死者の仲間入りをしていただろう。
「へー、格好は変だけど良く考えてるんだな」
「ふぅん、別にやよいを危険な目に遭わせたくないからというわけではないぞ」
「ぶっ!!」
思いがけない答えに思わず噴出すやよい。顔は見る見るうちに赤くなっていく。
「いや、聞いてないし」
「ツンデレと言わざるを得ない」
二人はカイバーマンの性格を少し理解したのだった。
844 ◆irB6rw04uk :07/11/17 03:12 ID:jCeZ/QyA
「ここまでくれば大丈夫だろう」
5人の目の前には大きな橋が掛かっている。
この橋を渡りきればD-2エリアに入ることが出来る。
やよいの腕を治療するため町に戻るのだがD-2,3を通る遠回りルートを選択した。
馬の骨デュエリストの首輪は霊夢たちと合流するときのついでに手に入れればいい。

「ん?おい! カイバーマン、何か見えるぞ」
全員が魔理沙が指差す方向を見つめる。

それを見たお覇王はこう言った。


「Nice boat.と言わざるを得ない」


大型船が優雅に水面を滑っていた。
見たところ普通の船なのだが、なぜかショックを受ける。
『な ぜ 放 送 し な か っ た』とショックを受ける。
なぜだ、いったいなぜだ?
845Classical名無しさん:07/11/17 03:13 ID:CJtvx18.
お覇王www
846Classical名無しさん:07/11/17 03:14 ID:.F/FsiVI
Nice sien.をせざるをえない
847 ◆irB6rw04uk :07/11/17 03:14 ID:jCeZ/QyA
「ふぅん、神は俺に微笑んだか」
海馬は運がいいとにやりと笑う。
「あの船になら治療品があるかもしれない。探索してみる価値はある」
やよいや魔理沙たちも賛成し、海馬達は船に近づいた。
近づいてみるとやはりかなりの大型船だった。
動いている船に登るところなどない。
「ねぇ、お兄ちゃんどうやってのぼるの?」
「空を飛ぶ道具ならあるぜ」
魔理沙はディパックからマント羽根を取り出す。
残り2枚しかないがこれを利用すれば楽に甲板にたどり着けるだろう。
「そのアイテムは今後役に立つだろう、取っておけ」
「それじゃどうするんだ?」
「やよい、確か空を飛ぶモンスターがいたな」


           〆

「ことのはさん、あの船の上まで行きたいんだけどお願いできる?」
こくり
どこまでも深い虚ろな瞳のことのはは命令を受け付けたみたいで首をゆっくりと縦に振った。

………ぁ
848 ◆irB6rw04uk :07/11/17 03:16 ID:jCeZ/QyA
ことのは全員を見渡して小さくつぶやいた。
「どうしたの? ことのはさん」
「………」
どうやらことのははあまり言葉を発したがらないようだ。だが何かを伝えたいのだろう。表情がすこし暗い。
「もしかして、運びきれないんじゃないか?」
「重量オーバーと言わざるを得ない」
ことのはの表情が少し明るくなった。どうやらその通りらしい。
よくよく考えればすぐ分かる。人間が5人もいるし、しかも2人は大柄な男である。
ことのははやよいと亜美を見る。ことのはが同時に運べる人はやよいと亜美までのようだ。

「やよい、先にお前の知り合いと一緒に船に行け」
「分かった! お兄ちゃんも早く着てね。ことのはさん!『えいえんに』」
ことのははやよいと気絶したままの亜美を両腕に抱えて飛び上がった。

その後、しばらくしてことのはが空からなぜか頭を下にして降ってきた。
一瞬自殺しようとしているように見える。流石の海馬も降って来たときには「ふふふふふぅん」と言っていた。
最初に魔理沙、その後に海馬、お覇王と続く。お覇王を運ぶときはことのはは少し辛そうに見えた。
849 ◆irB6rw04uk :07/11/17 03:21 ID:jCeZ/QyA
「礼を言わざるを得ない」
最後のお覇王を抱えてことのはは大型船の甲板に着地した。
お礼を言われて嬉しかったのかことのはは細く微笑んだ。

「俺はブリッジに行って来る。リョウは何かあったらやよい達を守ってくれ」
「分かったと言わざるを得ない」

――リョウに任せておけばそんなに簡単にはやられないはずだ。
カイバーマンはツカツカと早歩きで船の中に入っていく。
うーん……やっぱりただ待ってるだけは性に合わないな。

「カイバーマン、一緒に行こうぜ」
「好きにするがいい」

ちぇ、つれないな。ま! こういう奴なんだろうけどさ。

魔理沙は海馬の後ろを追いながら船の中に入った。

船の中はかなり変なところだった。豪華客船のような華やかで豪華な飾りつけが施されている所もあれば、ただ鉄板を貼り付けある戦艦のような場所もある。
カイバーマンは一度通ったことがあるかのようにどんどん進む。走って追いかけるのが精一杯だぜ。
850Classical名無しさん:07/11/17 03:22 ID:d6hY0Rho
ふぅん支援
851 ◆irB6rw04uk :07/11/17 03:22 ID:jCeZ/QyA

そして十分もたたない内に船橋という場所にたどり着いた。
部屋の中は薄暗くコンピュータの青白い光だけで照らされていた。

「な……なんだと!」
「どうしたんだ?」
カイバーマンは部屋に入るなり大きなショックを受けたみたいだ。あまりの驚きようにこっちが驚いたぜ。
「何故この程度の船にこんなにコンピュータが搭載されている!? まるで戦艦ではないか」

カイバーマンはコンピュータってやつの一つに近づく。すぐに何かを探し始めた。

「くっ、入力装置が全て外されている。参加者に操作させないようにするためか? ……諦めるしかないか」

『そんなにすぐに諦めるなよ』っと言おうとしたとき一枚の紙を目の前に出された。

(この首輪には盗聴機能が付いている可能性がある。今からこの事をやってくれ。)
1.この部屋に監視カメラが無いか探してくれ。
2.探し終わったら扉に鍵をかけてくれ。
3.俺の行動が主催者側に分かるようなことは言うな。

カイバーマンを見る。さっきとはまったく違う雰囲気だった。
こくりと首を縦に振る。カイバーマンは「ふぅん」と鼻で笑うと部屋の中を探索し始めた。
さて、私も探すか。
「そんなにすぐに諦めるなよ」
「ふぅん! 諦めが肝心な時もある」


           〆
852 ◆irB6rw04uk :07/11/17 03:22 ID:jCeZ/QyA

――でもやっぱりこわいよ、ことのはさん。

美人なのだが……やっぱりあの虚ろな瞳がすべてを台無しにしている。
どうにかして元気にさせてあげられないかな?

やよいはことのはをボールに入れずにしておいた。
やよいはあのボールの中に入ったことは無いが、人間?狭いところに閉じ込められるのは気分がいいものではないだろう。実際ことのははボールの中よりも外のほうが好きら

しい。

ことのは甲板をぶらぶらと歩いている。特に何をするわけでもなくただぶらぶらと。
甲板には空き缶やペットボトル、ガラスの破片やドラム缶など大抵の人がゴミと分類する物があちらこちらに落ちている。

その中に一つベンチがおいてあった。
………?
なにやら妙なデジャヴを覚えたことのははそのベンチに近づく。
ベンチの上には何故か真新しい蒼いバックが置いてある。

ジーーーーー

虚ろな瞳からコヒーレント光が出るのではないか?と疑いたくなるほど見つめる。

ジーーーーー が ビーーーーー に変わる頃、ようやくやよいがことのはがバックを見ていることに気がついた。
「ことのはさん、なに見ているんですか?」
ことのははやよいの顔を見た後またバックを見つめる。
「このバックですか? 何が入っているか見てみます?」

……こくり
ことのはは少し考えた後首を縦に振った。
853Classical名無しさん:07/11/17 03:25 ID:d6hY0Rho
社長本領発揮か
854 ◆irB6rw04uk :07/11/17 03:25 ID:jCeZ/QyA
やよいはニコニコと笑いながらそのバックのファスナーに手をかける。
このバックでことのはさんが元気になってくれるかもしれないと期待をこめて。


「じゃーん!!」
まるで宝箱を開けるように一気に開いた。

「………なに……これ……?」

最初は見間違いかと思った。
次に作り物だと思った。

なぜか指が揺れる。どんどん激しく揺れる。
変なにおいがする。
鉄さびのようにツンとしていて、鼻の粘膜に付いた瞬間ベットリと纏わり付くにおい。
そのにおいを嗅ぐだけで頭をハンマーで殴られる鈍い痛みが走る。
胃の辺りが熱い。胃液が沸騰しているみたいだ。
足に力が入らない。


最後に本物の人間だと思った……


「「「きゃぁぁぁぁぁあぁあああぁぁあああああああ!!」」」


飛びのいたためにバックの中に入っていた生首が地面に落ちて転がった。


           〆
855 ◆irB6rw04uk :07/11/17 03:26 ID:jCeZ/QyA
ガチャ!
船橋の重たい鉄製の扉の鍵を閉めた。
そして紙にスラスラと文字を書きカイバーマンに見せた。
(椅子の横に1つ、右天井に1つ、マイクがある)
カイバーマンは私が出した紙に続けて書く。
(ドアの真上に一台監視カメラがあった。合図をしたらカメラ、マイクの順に全て破壊してくれ)
私は声を出さず頷いた。
カイバーマンはふぅんと鼻で笑った後ディパックをおろして中に手を入れた。
私は魔力を溜めていつでも魔砲を撃てるようにする。

………パチン!

カイバーマンが指パッチンをした! 今だッ!!

(ノンディレクショナルレーザー!!)
魔理沙の手から放たれたレーザーは一瞬で監視カメラを粉砕☆玉砕☆大喝采!!
次に星屑を2発連続で放つ。
精確に放たれた星屑は真っ直ぐマイクに向かい、マイクもバラバラに破壊した。
その間、わずか0.8秒。

(よくやった、魔理沙)
海馬は破壊した事を見届けるとすぐにディパックからあるものを取り出す。
それはところどころキーが外れたキーボード、壊れたキーボードだった。
これは賭けだった。もしこのキーボードが完全に壊れ使い物にならなかったらカメラを壊したことが無意味になってしまう。
いいや、このキーボードも何かの使命を持ってこの場に運び込まれたのだ! 
この絶望とも言えるゲーム
――そのわずかな希望を切り開くことが出来るのはこのキーボードのみ……
856Classical名無しさん:07/11/17 03:27 ID:.F/FsiVI
誠CCO支援
857 ◆irB6rw04uk :07/11/17 03:28 ID:jCeZ/QyA
俺はこのキーボードに賭ける!!

(デバイスドライバー!! インストーォォォオオオルッ!!)


――――ふふふふふふふ……ワハハハハハ
ドイツの少年! インストールの瞬間に伝わったぞ!! 魂のクロスを!!

装備アイテム! 壊れたキーボードをゴッドカイバーマンに装備!!
これを装備したことによって! ゴッドカイバーマンはゴッドカイバーマンSEとなる!

もう一度言うがそんなことは無い。結局テンションの問題。
テンション限界値超えの海馬はキーボードのEnterを叩いた。

ヴォン!

するとPCはエラー音を発し、真ん中にウインドウが一つ開かれる。
「くっ! パスワードか……」

だがテンション400%の海馬にはパスワードなど100円ショップの南京錠程度のセキュリティしかなかった。

ゴッドカイバーマンSEの特殊能力発☆動!


           〆
858Classical名無しさん:07/11/17 03:29 ID:d6hY0Rho
社長自重www
859 ◆irB6rw04uk :07/11/17 03:30 ID:jCeZ/QyA
カメラとマイクを壊し終わった魔理沙はカイバーマンとパソコン画面を見ていた。
カイバーマンは声には出していないものの口を大きくして笑ったり、どこか変な方向を見て長々と何かを説明していた。
正直言ってすこし不気味だった。

ヴォン!

お?なにか画面に出てきたぞ。パスワードを入力してくださいか。



ん? 今何か聞こえなかったか?
アリスのあの曲が……

これって……幻聴か? いや! 本当に聞こえる!!!!
860 ◆irB6rw04uk :07/11/17 03:30 ID:jCeZ/QyA
『海馬は大変なコマンドを入力していきました』
ABBBBABBAAAABBBBABBAAA
←→A←→A←→B←→BAAA!←→A←→A←→B←→BAAA!←→A←→A←→B←→BAAA!
←!→!A!B!ABAB→→→→!
ABBBABBBABBB!orenoturn!ABBBABBBABBB!orenoturn!ABBBABBBABBB!orenoturn!
ABABABABABABABABABABABABABAB!
ABABABABABABABABABABABABABAB!
←←←←←←←←!→B→B→B→B→B→B→B→B!
←!→!A!B!←!→!A!B!

           中略

←!→!A!B!ABAB→→→!


このコマンドによってパスワードを爆☆破!!

こんなパスワードあるわけない。あったとしても私は認め……
861 ◆irB6rw04uk :07/11/17 03:32 ID:jCeZ/QyA
――チャララ〜ララ〜♪

えぇぇぇえぇえ!! そんなのアリかよ!?

青色の画面から緑色の芝で覆われた小さな丘の画像が映し出された。
なんだか納得いかないけど、コンピュータを動かすことが出来たからよしとしよう。

(何か分かったか?)
(今向こうの管理下から外している。ついでにダミー上げておく。早々簡単には見つかるまい)

全然分からなかったけど一応分かった振りをしておこう。


           〆

ふぅん! こちらからハッキングを仕掛けるにはまだ時間がかかりそうだな。
海馬は主催者の管理下から外れるとすぐにここにあるコンピュータの性能を調べた。
そこそこの性能だが今から主催者にハッキングを仕掛けるとなると俺一人だと相当の時間がかかってしまう。
他に技術者が必要か。
ククククク……顔を洗って待っておけ虫ケラ共め!
俺の手札が完全に揃った時が貴様らの敗北の時だ!!
862Classical名無しさん:07/11/17 03:32 ID:d6hY0Rho
皆寝ちゃったか?支援
863Classical名無しさん:07/11/17 03:33 ID:.F/FsiVI
いや、起きてるぜ支援
864Classical名無しさん:07/11/17 03:34 ID:6WUu03p6
コマンド吹いたwww
支援
865 ◆irB6rw04uk :07/11/17 03:34 ID:jCeZ/QyA
その前に俺の反逆の砦となるこの船について知っておくか。
オートパイロット機能位は搭載されているだろう。

手馴れた手つきで船の操縦の方法、排水量などを目に通していく。

そのうちの一つに目が留まった。

――装備

見たところ普通の船だったからあまり期待をせずその項目を開いた。
しかし、驚くべきことが書かれていた。
「なに!!」
思わず声が漏れてしまう。

――巡航ミサイルだと!? 馬鹿な!!

続きの項目を読もうとしたときだった。

「「「きゃぁぁぁぁぁあぁあああぁぁあああああああ!!」」」
甲高い女性の悲鳴が響き渡った。
この声は……まさかッ!!
「やよい!!!」

海馬は管理室を飛び出した。

「何があったのだ!? リョウ! 何をしている!?」
866 ◆irB6rw04uk :07/11/17 03:34 ID:jCeZ/QyA
【E-2 Nice boat.5階-船橋付近通路/一日目・午後】

【海馬瀬人@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ】
[状態]:断固たる決意、ゴッドカイバーマンSE、兄再び
[装備]:正義の味方カイバーマンのコスプレグッズ@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ
ゴッドクラッシュ@ゴッドマン
盗賊の棺桶@勇者の代わりにバラモス倒しに行くことになった
DMカード(青眼の白龍、マジック・シリンダー)@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ(現在使用不可)
[道具]:支給品一式×2、十得ナイフ@現実、ナイフとフォーク×2、包丁
[思考・状況]
1:主催者を叩きのめす
2:ブルーアイズに認められる兄になる
3:やよい元へ向かう
4:自分と同じ境遇、そうなりそうな人のことを考える。(助けるかは不明)
(つかさ、魅音、永井博之)
5:やよいの治療と、武器を入手するために船を探索する。
6:馬の骨デュエリストの首輪を採集した後、近くの草原に埋葬する
7:エアーマンなど、高度なロボットを解体して、自分の技術力が通用するか知りたい。
8:三回目の放送で向こうの生死確認後、E-2橋で霊夢から首輪を貰う。
9:殺しあいには絶対に乗らない
※ブルーアイズが使えないのは、自分が主として認められていないためだと思っています。
※魔法カード、トラップカードは24時間使用不可だと理解しました
※ロックマンを岩を飛ばすロボットと予想。エアーマンの仲間と思っています。
※船の操縦はある程度理解しました。
※キーボードはコンピュータに刺さったままです。
867 ◆irB6rw04uk :07/11/17 03:36 ID:jCeZ/QyA
「お……おい! 待てよカイバーマン!!」
すぐに魔理沙はカイバーマンの後を追おうとした。
しかし、あることを思い出す。
それはこの船の中に入ってからずっと感じていた違和感。
何かにずっと見られている。隙を探している。

――今この部屋に入られたらマズイな……

魔理沙はカイバーマンに置いていかれる事を承知で船橋の分厚い扉に鍵を閉めた。
閉め終わった頃にはカイバーマンは当然居なかった。
代わりに違和感が少しずつと大きくなっていく。
(なんなんだ? この違和感)

一人で廊下を歩く。後ろが気になってしょうがない。
しばらく歩くと分かれ道があった。右か左か……

来た時は海馬と一緒だったので迷うことが無かったが今は一人だ。

「うーん、右だ」

魔理沙は右の通路に足を運んだ。しかし、海馬が走っていった方向は実は左だったのだ。

まだ誰も通っていない道を歩く。ゴウンゴウンと換気扇の音だけが嫌に耳に入ってくる。
868Classical名無しさん:07/11/17 03:37 ID:6WUu03p6
俺の支援!
869Classical名無しさん:07/11/17 03:38 ID:CJtvx18.
社長が水を得た魚のようだwww
870 ◆irB6rw04uk :07/11/17 03:38 ID:jCeZ/QyA
ごり
足に何か変な感触が伝わった。やわらかく、そして芯がある物体。
なんとなく見たくなかった。しかし体は反射的にその物体を見てしまった。
「う……うわぁ!」

そこに落ちていたのは、人の腕だった。断面は鋭く切れていて血が流れ出している。白い洋服と一緒に切られていて、太さなどから男の腕だと分かった。
流れ出ている血はすでに固まって黒ずんでいるのでかなり前に切られたと分かる。
それでも人の腕が落ちていてビビらない奴はいるのだろうか?
「お……驚いたぜ! まさか人の腕が落ちているとはな………あれ?」
その腕は何かを握っている。黒くてL字状物体。

本当は触りたくもないしさっさとこの場を立ち去りたい。しかし蒐集癖のためそれが何なのか気になって進むことが出来ない。
恐る恐る手を伸ばしてその黒いものを腕から引き剥がす。

これがなんだか分からない。しかし、これが人を殺すことが出来る武器だと言うこと。そしてどうやって使うかもなんとなく分かった。
右手にハンドガンを握る。そして人差し指を引き金に掛ける。
この武器がどれほどの性能かはまだ知らない。でも棒や剣などの原始的な武器より遥かに強力だと感じる。

そしてすぐにその性能を試すことになった。
これまでに無い激しい違和感。メーターを振り切るほどの違和感。魔理沙は後ろを振り返った。
871Classical名無しさん:07/11/17 03:40 ID:d6hY0Rho
この船の元ネタって何だろ支援
872 ◆irB6rw04uk :07/11/17 03:41 ID:jCeZ/QyA
「!!」
なにか太い棒のようなものが迫ってきていた。とっさに両手を前に構える。

次の瞬間鈍い痛みが腕に走る。魔理沙の体は衝撃を受け止められず後ろに吹っ飛ばされた。
受身を取ってすぐ起き上がる。

「何だ!? いきなり!!」
「意外としぶといな女」
機械の合成音声のようなノイズが被った声が返ってきた。

「……化け物!!」

そこにいたのは金属で出来た蛇だった。
妖怪は見たことあったが、どちらかと言うと人に近い。
だがここにいる化け物は人間であった部分が蛇の舌の先に少しあるだけ。まさに化け物だ!

「俺はもう何ヶ月って食ってないんだ。大人しく食われろ」
「最高のディナーを食わせてやるぜ!! 魔法のフルコースだ!!」

星屑とレーザーの弾幕を蛇に向かって放つ。
ここは通路なのでよけるスペースがない。蛇に星屑とレーザーが面白いように当たる。

「おらおらおらおらおら!! 威勢がいいのは口だけか?」

金属で出来た蛇の装甲は剥がれ落ちてぼろぼろになっていく。
「トドメだ!! ノンディレクショナルレーザー!!」
太いレーザーが蛇の真ん中を貫いた。
蛇の真ん中には大きな穴が開いた。
873 ◆irB6rw04uk :07/11/17 03:44 ID:jCeZ/QyA
巨大な蛇はズズンと音を立てて地面に沈んだ。
「たいしたこと無いな。早くカイバーマンと合流しないとな」

魔理沙は蛇に背を向けて再び通路を歩き出した。

魔理沙は知らなかったのである。この蛇は機械の蛇でもなく動物の蛇でもない蛇だと言うことに……

突然後ろから風が来た。
魔理沙は一瞬反応するのが遅れた。

ビリッ!

「くそっ!まだ生きて……な!」

魔理沙は間一髪で蛇の噛み付き攻撃をよけた。その際、魔理沙の服の背中の部分をごっそり持っていかれた。

それよりも驚くことがあった。さっきあけたはずの穴が半分近く修復されている。

「腕一本じゃこの程度か。それに鮮度も足りない」
腕一本?
はっとしてさっき銃を拾った場所を見る。そこには血があるだけで腕は無かった。
こいつは人を食って回復するのか?
魔理沙は奥歯を噛む。調子に乗って魔法を使いすぎた。
元々かなり疲労していたのだ。無理も無い。
874Classical名無しさん:07/11/17 03:45 ID:d6hY0Rho
武装錬金の人造人間か
875 ◆irB6rw04uk :07/11/17 03:45 ID:jCeZ/QyA
「調子に乗りすぎたな、小娘」

残る力で撃てるのは星屑やレーザーなら少し、ノンディレクショナルレーザーなら2発、そしてお覇王の覇王翔吼拳1発。

「大人しく死ね!!」

蛇は大きな口をあけて突っ込んできた!
使う術は……

「覇王翔吼拳!!」
通路を埋め尽くすエネルギーの弾。
「……!!」
蛇はエネルギー弾に飲み込まれた。


「そ…ザ…程度…ザザ……」
声にノイズが混ざる。それだけダメージは深刻だ。だが錬金術のによって造られたホムンクルス。頭さえ残ればまた再生することは容易だ。

「何勘違いしている」
「ひょ?」
「私のターンはまだ終了していないぜ!!」

頭だけになった体が宙に浮く。
目の前には先ほどの小娘。その手には……その手には……
「まて!やめ……」
ダンッ!
額の紋章を完全に貫かれた。
体の維持が……
なぜ銃ごときで…錬金術以外の力は受け付けないのでは…?
876 ◆irB6rw04uk :07/11/17 03:48 ID:jCeZ/QyA
ホムンクルスの体は灰になって消えた。

撃たれた銃が普通の銃ならそうだっただろう。
しかし魔理沙の銃は未来の銃、さらに少しだけ残った魔力をその銃に乗せた。しかも零距離の弱点一点集中。いろいろな要素が組み合い錬金術の力を超えたのだった。


「…っふぅ……疲れた」
魔理沙は大きく深呼吸した。
今回の戦闘は私にとって大きなものになったと思う。
まずこの武器の使い方が良く分かった。それに魔力を乗せるという技も編み出した。覇王翔吼拳も二回使ったことによってコツを掴み始めてきた。オリジナル完成もそう遠く

ない。

「そうだ! カイバーマンに化け物が船にいるって伝えないと!!」

魔理沙も甲板に向けて走り出した。
877Classical名無しさん:07/11/17 03:49 ID:nMa2QSYg
878 ◆irB6rw04uk :07/11/17 03:49 ID:jCeZ/QyA
【E-2 Nice boat.5階-船橋付近通路(右側)/一日目・午後】
【霧雨魔理沙@東方project】
[状態]:腕に裂傷、口の中を軽く怪我、魔力消費、魔理沙は服の背中部分をごっそりぬすまれました
[装備]:チェキの銃(弾数12/13)@ぼくらの
[道具]:支給品一式、キーボードクラッシャーの音声(の入ったiPod)@キーボードクラッシャー、
マント羽根*2@スーパーマリオワールド
[思考・状況]
1:カイバーマンに合流する(甲板に行ったほうが早いな)
2:覇王翔吼拳を習得せざるを得ない
3:霊夢とか探してみる。アリスも探すか
4:異変解決
5:記憶を見れるアイテム(億千万の思い出)と銃を家に持って帰りたいぜ。
※第一放送、第二放送を聞き逃しました。
※名簿は見せてもらいましたが、死亡者は聞いていません。
※魔理沙の言う「ヒゲ男(?)」が亜美だと気付いていません。
※服の背中部分がなくなっていることに気がついていません。
879 ◆irB6rw04uk :07/11/17 03:50 ID:jCeZ/QyA
【E-2 Nice boat.4階-前方甲板/一日目・午後】
【高槻やよい@THE IDOLM@STER】
[状態]:疲労、右手骨折
[装備]:氷つき包帯
[道具]:支給品一式×2、ことのは@ポケットモンスターヤンデレブラック、THE IDOLM@STER MASTER ARTIST01〜10@THE IDOLM@STER
    DMカード(六芒星の呪縛、攻撃誘導アーマー)@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ(現在使用不可)
[思考・状況]
1.なにこれぇ
2.永井博之さんと他の765プロのアイドルを探す
3.怪我のちゃんとした治療をする。
4.日吉さんが無事に助かりますように
5.「ことのは」さんは、うまく使えば平気みたい。
6.緑色の服の少年を後で埋葬してあげたい
7.人は絶対に殺しません
8.カイバーマンお兄ちゃんかー
※応急処置のおかげで、捻挫と打撲の痛みが引きました
※「ことのは」がカワサキのフライパンを持っています。
※戦闘により「ことのは」のレベルが少しアップしました。
880Classical名無しさん:07/11/17 03:51 ID:6WUu03p6
支援だ
881 ◆irB6rw04uk :07/11/17 03:52 ID:jCeZ/QyA
【お覇王(リョウ・サカザキ)@覇王翔吼拳を使わざるをえない】
[状態]:何があったのか調べる必要があると言わざるをえない
[装備]:必要無いと言わざるを得ない
[道具]:支給品一式(水一本消費)、全自動卵割機@サザエさん、億千万の思い出@現実(?)
[思考・状況]
基本行動方針:覇王翔吼拳を使わざるをえない
第一行動方針:やよいの叫びに驚嘆せざるを得ない
第二行動方針:やよい達を守らざるを得ない
第三行動方針:海馬を待たざるを得ない。
第四行動方針:バトルロワイアルを止めざるを得ない
第五行動方針:バイクを探さざるを得ない
※第二放送を聞き逃しました。

【双海亜美@THE IDOLM@STER】
[状態]: 気にならない程度の腹部の痛み、健康、とかちシスターズ、HI☆GE、大パニック、気絶続行中
[装備]:ホーリーリング@デジモンアドベンチャー、ルイージの帽子@スーパーマリオワールド、弾幕の作り方@東方project
[道具]:支給品一式、妖精の剣@ドラゴンクエストシリーズ、マキシムトマト@星のカービィ
[思考・状況]
1:いやぁぁぁぁぁぁぁぁ
2:ヒゲがぁ!!ヒゲがぁ!!
3:ヒゲドルとして生きていきまーす、ふふふふふ………

※いまの亜美のパニック度は『クロックタワー』でいきなりシザーマンに出てこられた時以上です。
△ボタンを連打すれば何とかなるかもしれませんが、ルイージは任天堂なので△ボタンはありません。自然回復を待ちましょう。
※亜美の叫び声は半径1マス以上は届きました。少なくともE−3の街には全域で聞こえました。E−2の街まで届いたかは不明。
※ヒゲが生えました。
882 ◆irB6rw04uk :07/11/17 03:54 ID:jCeZ/QyA
【誠の生首@School Days】
誠死ねで有名な誠くんの生首
スクールデイズ12話で世界に殺された後、言葉様が首を切り取り、わざわざ世界に見せた一品。
世界が見て嘔吐している。誠は死んでもすさまじい破壊力をもっている事が実証された。

【Nice boat.@ぼおとの】
スクールデイズ12話が放送中止になり、代わりに放送された環境映像に登場する船
4chanである人物が「Nice boat.」と書き込んだために爆発的人気になった。
そのMADである【ぼおとの OP「ないすぼーと。」】からの出品。
搭載されている巡航ミサイルはもちろんそのミサイル。

【チェキの銃@ぼくらの】
ぼくらの5話で関 政光がコエムシに向けた銃。
銃を向けたことにむかついたコエムシは関の銃を持つ右腕だけを残して転送し、すぐに元の場所に戻す。そのとき残った右腕のようだ。
883 ◆irB6rw04uk :07/11/17 03:58 ID:jCeZ/QyA
投下完了!
何回も引っかかりましたが…
支援してくださった方有難う御座います
直すべきところの指摘よろしく
884Classical名無しさん:07/11/17 04:37 ID:nMa2QSYg
投下乙
面白い展開なんですが、ホムンクルスが出てきたのは超展開すぎる?
1話限りで殺せばいいと出すのはよくない。猿は特別
腕と銃は、本編の時にこの空間が存在してないと……黒幕、コエムシ?
あと、弟の帽子は亜美本人しか取れないのでは?
魔理沙の状態表が変かも。死亡者海馬から聞いてません?
帽子を取ったのに、亜美だと気付かないのはありえるか。


首はまさにGJ。
885Classical名無しさん:07/11/17 04:40 ID:CJtvx18.
巡航ミサイル理解。武器としては使えそうになくて一安心

参加者をホムンクルスが襲うのは主催者の思惑から外れちゃってる気がするね
書き手的見解ではマルクの趣向かイレギュラー要素の暴走のどっち寄りなんだろう
886Classical名無しさん:07/11/17 05:34 ID:bp7/yhxo
887Classical名無しさん:07/11/17 07:35 ID:Ftea..JM
投下乙!Niceboat.登場とエネミーコントローラーには笑ったwwwww

だが、Niceboat.そのものがやりすぎだと思うけどな。
こちらは地下とかじゃなくて、正真正銘上空から見て見えない施設だしね。
いくら小型だからとはいえ最近色々地図に無いものが増えすぎだと思う。
前例に従うならOKなんだろうが、このままエスカレートすれば事実上何出してもOKなカオスロワになるんじゃないかと思う。
ホムはレットベジーモン2号みたいな描写を増やせばOKだと思うが、それだと話がややこしくなりそう。
888Classical名無しさん:07/11/17 09:33 ID:FVYqOqh.
投下乙
パスwwwwwwエネコンコマンドかよwwwwwww
まさにNice boat.

まあ、問題点としては、やっぱりホムンクルスかな。
主催は参加者への干渉を極力控えるのがセオリーだし、イレギュラーにしては、ホムンクルスの知名度がいまいちだし。
あそこは別になくてもいいと思うんだよね。

あとボートは……うーん。
889Classical名無しさん:07/11/17 09:49 ID:9w/Ann8g
まああの地図じゃあ施設とか増やしたい気は分かるな
ホムンクルスは別にいらないが、ボートは別にありだと思う
890 ◆7d53oKGJP2 :07/11/17 10:30 ID:f47U9gJk
>>809>>810
ありがとうございました!かなりイメージが掴めました。

そして投下乙!自分もサーチライト出しちゃってるから、巳田云々の事言えないなぁ…
もしかして4匹目のレッドベジーモンかとwktkしたのは内緒。
891Classical名無しさん:07/11/17 10:40 ID:GcpnADCk
投下乙!
このロリコンどもめwwwww
うーむ、ブッキングなのか?これがいわゆる「全員やりたい放題」ってやつか
892Classical名無しさん:07/11/17 12:15 ID:NGRJS6eA
船は、否定も肯定もしない。
でもホムンクルスはアウト。せめてデジモンか何かで代役立てて。

ところで、幻想郷の文明理解度が不明瞭だな。
外からパソコンとか宇宙食とか流れてくるそうだが。
893Classical名無しさん:07/11/17 12:45 ID:LGL7Dfwo
Nice boat.

とりあえず、今回のNice boat.を最後に今後は施設を増やさない方向で決めておかないか?
他にも色々とフラグみたいなものは見え隠れしているし、これ以上出すのはアレだと思う。
それと、レドベジとか主催側もあまり介入しないようにという事も提案しておく。

自分もやっておいて何だが、あまり出しすぎるとパロロワらしくなくなっちゃうんだぜ。
894Classical名無しさん:07/11/17 13:26 ID:pcCfCJT2
投下乙
まさにNice boat.
社長のコマンド入力がでてくるとは思わなかったw

船はないものがぽっと出てきたような感もあるが
面白そうなのでいいと思うけどねぇ

確かに他のエリアが多すぎだなこれ以上やると収拾つかなくなるかもしれない
このままだと城の中、祠、水の中、エリアの端っこまで続きそうだしね

主催者側の介入も少し自重すべきなのもどう意見
895Classical名無しさん:07/11/17 13:36 ID:f47U9gJk
ピエモンがそろそろ自重させるって事で。
一応管理の為に必要な監視行為なんだが参加者がアレな所為で全部エサになりそう…
参加者以外キャラ紹介にレッドベジーモンを入れるべきか。
896Classical名無しさん:07/11/17 13:47 ID:pcCfCJT2
まぁずっと先だしあるかどうか分からないけど
対主催VS主催者戦の時に戦力となるだろうし、入れといて損はないと思う
897Classical名無しさん:07/11/17 14:22 ID:OBKnhCLE
>>892 
今いるメンツじゃ精々永琳以外は大した知識も無いだろうな
永琳は月出身だからある程度文明が発展してる所にいたはず
(東方世界では月は文明が発展していて、2千年前でも今の地球レベル以上はあるらしい。確か)
うどんげも月出身で、しかも永琳から後に来てるけどもう死んでるし。
まぁ上2人は他のキャラより外の文明(に近い)の理解が出来る筈

後は……文明度といえば幻想郷が確か外界から切り離された年が明治17年だから、
それ以降に出来たもの(PCやらロケットやら宇宙食)についての知識は基本殆ど無い。
ただ、外から文献等が流れてくるのでほんの一部なら知ってる。(例として 最近連載してる商業作品の漫画で、外からNewton(科学雑誌)が流れてきてた)
本で知識を得る魔理沙なら少しは知ってるかも分からんね。

ただ召還時期は恐らく風神録の後だから、少しは増えてるかも……?? 
外の世界から来たキャラが出たから、そいつとの交流で外の文明知識が増えてるかもしれん。

まぁ最低でも明治レベルの文明なら理解できると思います



長々と分かりにくくてスマン
898Classical名無しさん:07/11/17 14:22 ID:OBKnhCLE
って……ageてるし文章滅茶苦茶だし……

俺最悪、俺最悪DA
899Classical名無しさん:07/11/17 14:26 ID:GcpnADCk
つーか雑魚モン色々種類があるのにレドベジしか出番ないってどういうことよw
900Classical名無しさん:07/11/17 14:36 ID:LGL7Dfwo
>>899
なんか定番になりつつあるからです←結論
901Classical名無しさん:07/11/17 14:38 ID:f47U9gJk
レナがズガンしたのは偶然だろう。
YOKODUNAが喰ったのは他に喰えそうになかったから。
クリサリモンのアレは完全にネタ。
902Classical名無しさん:07/11/17 14:40 ID:GcpnADCk
キウイモン←とり肉
903Classical名無しさん:07/11/17 14:46 ID:pcCfCJT2
ハグルモン←鉄分
イビルモン←タンパク質
ってことでおk?
904 ◆irB6rw04uk :07/11/17 15:17 ID:jCeZ/QyA
おはようございます
と言ってももう昼ですね。
Niced boat.のほうはぎりぎりOkって感じですね。
ホムはやはりダメでしたか。
分かりました。ホムのところを修正してしたらばにあげときます。

そういえばタイトル忘れていました。
【悲鳴、ハック、Boatにて】
905Classical名無しさん:07/11/17 15:23 ID:iavwVQao
今までの妙な空間関連を全てまとめると

1.搭、山、地面などの「内部」にある
2.ゆめにっきなどの異次元空間

船は、niceboatだとは思うがちょっと……
結局銃はおkなの?
906Classical名無しさん:07/11/17 15:30 ID:UM51Zmw6
ここまで来たら何でも来いって気がするんだがな。
今までやりすぎてたからボートやホムンクルスくらいたいした事ないような感じがする。
まぁ今後禁止だろうがなんだろうがどっちでもいいが。

ここから感想。
最初はメタナイトの船だと思ったのは内緒だ。
907Classical名無しさん:07/11/17 15:30 ID:I/vDotms
確かに無理無く納得できるという展開ではなかったかな
包丁くらいならまだしもこれでハンドガンとなると
支給品ではないし
908Classical名無しさん:07/11/17 16:00 ID:GcpnADCk
909Classical名無しさん:07/11/17 16:02 ID:GcpnADCk
さるさん規制なのに書きこめたと思ったらまさか別の板に誤爆するとは思わなかった。
しかし反省はしない。
910Classical名無しさん:07/11/17 16:47 ID:8XjQS/w2
それにしても毒吐きが全然活用されてないな
911Classical名無しさん:07/11/17 17:36 ID:pcCfCJT2
その代わりが意図的に誤爆のスレでありまして
912 ◆CMd1jz6iP2 :07/11/17 18:52 ID:cWK007Rg
神社は、春香たちのいた洞窟の延長上で内部にある
出すとしても、他の隠し部屋と統合性をある程度つけよう
そう思って出したんですが、なんでもありの要因になったようで猛省。

ところで陰陽玉は、削除すべきでしょうか。
一応理由は考えてあるんですが、駄目なら削除できますし。
913 ◆0RbUzIT0To :07/11/17 18:56 ID:LGL7Dfwo
どうも、大樹組が出来ました。
けどスエrが900レス超えてるから、投下しても大丈夫なのかどうも判断つかない。
どうなんでしょう? 32kくらいなんだけど大丈夫なんだろうか。
914 ◆0RbUzIT0To :07/11/17 18:58 ID:LGL7Dfwo
スエrってなんだ・・・スレだ。
>>912
別にいいんじゃないかなぁ、とは個人的意見<陰陽玉
どういうものかよくわからないけど、専用アイテムならその人に渡らなければ意味ないんだぜ!
915Classical名無しさん:07/11/17 19:03 ID:UM51Zmw6
カービィにコピーさせるって手もあるしな!
916Classical名無しさん:07/11/17 19:07 ID:f47U9gJk
>>913
32kなら平気だと思いますよ。1レスで1〜1.5k消費ですので、
丁度それでこのスレを使いきるんじゃないかな〜と。
917 ◆0RbUzIT0To :07/11/17 19:09 ID:LGL7Dfwo
>>916
把握です。では投下しますね。
25レス分くらいになりそうなので、支援お願いします。
918嘆きノ森 ◆0RbUzIT0To :07/11/17 19:10 ID:LGL7Dfwo
大樹で出会った六人はひとまずその樹から降り、森の中を歩いていた。
太陽は既に空高くまでに昇っているがまだ道化師達からの放送が無い以上正午にはなっていないらしい。
今から塔へ向かえば、約束の時刻である夕方には間に合うだろう。
そう思い、六人は歩いていく……が。

「ちょwwお前ら待てwwwww」

後ろから声が聞こえた為に五人は一斉にそちらに振り向く。
そこには木陰に倒れるようにして勝手に休息を取っている我らが主君・ニートの姿があった。
確かに、森には木の根や石が散乱しており、歩く道はさながら自然のアスレチック。
歩くだけでも多大な体力を消費してしまうのは事実である。
ただでさえ体力が無い事には絶対の自信を持っているニートがへばるのも仕方ないものだった。

「もう駄目www無理wwwww歩けないwwwwwwwちょっと休憩しようぜwwwwww」
「何言ってんの! SOS団の名誉会員ともあろうものがそんな情けない事を言わない!
 ほら、早く立ってきりきり歩きなさい!」
「おまwwwどんだけ鬼wwwwwww」
「……少しだけ休憩をしていこう。 まだ時間には余裕があるみたいだしな」

諦め気味の口調で遊戯が言う。
幸い時間には余裕がある事だし、少しくらいの休憩ならば問題はないだろう。
そのように提案するとロックは快く承諾し、ロールとハルヒも渋々ながら頷く。

「富竹、お前もいいな?」
「へぁぇ? あ、そうだね……うん、僕は皆に合わせるよ」
「どうしたのよ富竹、さっきから上の空だし……それに、あんた首掻きすぎよ?」

ハルヒの言葉にハッとしたように己の右手を瞬時に見やる富竹。
だが、すぐに取り繕うように作り笑いを浮かべるていつものように振舞って見せた。
それをハルヒは不思議に思ったが、すぐに答えを見つけると周りの皆と同じように休息を取り始めた。
森の中とはいえ、やはり昼は暑い。首にも汗をかくし首輪のせいで蒸れもするだろう。
だから、別に不思議な事ではないのだと、そう解釈をして。
919Classical名無しさん:07/11/17 19:11 ID:f47U9gJk
思いは優しいき支援〜♪
920嘆きノ森 ◆0RbUzIT0To :07/11/17 19:11 ID:LGL7Dfwo
「まったく……こんな所で油を売ってる暇なんてないのに」
「もう少し歩いて森を抜ければすぐに平原に出る、森に比べれば歩きやすいから塔にだってすぐつくはずだ。
 ニートも……もう少しだから頑張るんだぞ」
「うはwww俺に頑張れとか陸ガンにジオングと戦えとか言うみたいなもんwwwwwwそもそも宇宙空間行けないwwwww
 でもおkwwww頑張るwwwwwww」

人が動かない、と書いて働かないと読む。
働かない人間の代表・ニートとしてはあまりそうそう動く事に関して軽はずみに同意はしたくはなかったのだが、
あまりに自分に向けられる目線の冷たさになんとか口先だけでも皆に合わせておいた。

「それじゃあ、僕は辺りの様子を見てくるよ。 まだエアーマン達もいるかもしれないし……」
「でもロック……」
「大丈夫だよすぐに戻ってくるつもりだから。 みんなはしっかりと休憩を取っててね」

そう言うとロックマンは森の中へと消えてゆく。
確かにエアーマンがまだ森の中にいないとも限らない以上、休憩中とはいえ警戒しない訳にはいかない。
そして、それが出来るのはこのグループの中で唯一戦闘能力を持っているロックマンだけなのだ。
だからこそ、ロールも遊戯もハルヒも富竹もニートも黙って見送る。

「せめてロールバスターがあれば手伝えるのに……」
「無いもの強請りしても仕方ないわよ、今はロックマンの無事を祈りましょう」
「大丈夫だろww強そうだしwwww」

全く何の確証も持たずに言ってのけるニート。
思わず、その場にいる全員の口からため息が漏れた。
921Classical名無しさん:07/11/17 19:13 ID:f47U9gJk
おま○こ恥ずかっ支援〜!!!
922嘆きノ森 ◆0RbUzIT0To :07/11/17 19:13 ID:LGL7Dfwo
ともかく、休む時間が出来た以上は徹底的に休まなければならない。
ロックマンが辺りを巡回してくれているのだからこの場は比較的安全なのだ。
ならば、その分今は休憩をして体力の回復に努めなければロックマンの心遣いは無駄になってしまう。
今はこの場に留まってしっかりと休む事が何よりも先決。そのはずだったのだが……ふと、ハルヒが急に立ち上がった。

「ちょwwどしたハルヒwww」
「……ちょっと、行ってくるわ」
「行ってくるってどこに……あんまり離れちゃ駄目だよハルヒちゃん」

静止の声を気にも留めず、ハルヒはその足を茂みの中へと進ませる。それを見てニートと富竹は顔を向き合わせて首を捻った。
休息を取る事に最初は反対していたものの、ハルヒは一応同意をしたはずだ。
今更一人でどこかに移動するのは不自然だし、そもそも一人で先行するだなんて危険すぎる。

「ちょ、ちょっと待ってハルヒちゃん、どこに行くのさ!」
「いいでしょ、どこだって! 大丈夫よすぐに戻ってくるわ」

思わずハルヒの肩に手をかけて富竹は問いかけるが、ハルヒは明確には答えない。
それどころかその手を乱暴に跳ね除けて更にその道を進もうとする。
その顔に恥じらいが浮かび、若干頬が赤くなっている事に気付けばハルヒが何をしようとしているのかわかるのだろうが、
残念ながら富竹はその様子に気付く事は出来ずその無神経な問いかけをやめない。

「駄目だよそんな勝手な事を言っちゃ、何か考えがあるのなら僕も一緒についていくから……」
「ッ!」

その瞬間、乾いた音が響いた。
富竹は唖然とした表情で自分に起こった事象を分析していた。
……ハルヒが、叩いた? 何故?

「トイレよトイレッ! 一々言わなくてもそれくらい気付きなさいよ、馬鹿!!」

真っ赤な顔をして叩きつけるように富竹に言うと、ハルヒは憤慨したような足取りで再び茂みに入っていく。
後に残ったのは、ニートの甲高い気に触る笑い声と遊戯とロールの深い深いため息だった。
923Classical名無しさん:07/11/17 19:14 ID:qvj8o4m6
人を怒らせる方法は様々あります支援
924嘆きノ森 ◆0RbUzIT0To :07/11/17 19:15 ID:LGL7Dfwo
「まったくトミーはデリカシーねーなwwwww」
「いやぁ、はっはっはっは、はぁん」
「笑うところじゃないですよ、富竹さん」

頭を掻きながら苦笑いを浮かべる富竹に突っ込むロール。
しかし、笑いながらも富竹は内心酷く焦っていた………首が、痒いのだ。
雛見沢症候群の症状、リンパ異常による喉の痒み。
いや、それだけではない。
先ほどのハルヒの行動に疑問を持った事……これは、疑心暗鬼の兆候なのではないか? そう思ってしまう。
これが普通の人間ならば、或いは自分の軽率さを悔いるだけに留まったのかもしれない。
だが、富竹は違う。富竹はこの症状が出てくる病気の調査をしていた人間なのだ。
だからこそ焦る、自分の身が雛見沢症候群に侵されているのではないかと思い込んでしまう。

「そうだ、折角のいい機会なんだ……お互いの支給品を確認しておかないか?」
「え?」
「支給品が確認出来れば、これからの対策も立てやすい」
「うはww遊戯名案だなwwwwwそれ採用wwwwwwwww早速見せっこしようぜwwwww」

そう言うとどさどさ、と自分のデイパックを逆さに振って自分の支給品を取り出すニート。
そんな事では支給品が壊れるのに、と呆れながらも遊戯とロール、富竹もそれぞれの支給品をデイパックから取り出す。
だが、その中には武器になりそうなものは数少ない。

「遊戯の持ってるもんもロクなもんねーなwwwうはwww俺達オワタ\(^o^)/wwwww」
「何勘違いしてるんだ? 俺達の物語はまだ終わっちゃいないZE!」
「そうですよ、変な事言わないで下さい!」
「ちょw怒んなよwwwwただのジョークジョークwwwニートジョークwwwww」

勝手に笑っているニートを放っておいて、支給品の説明と考察が始まる。
遊戯の手に取っているカードはDMカードといって、そのカードに書かれている名前を読むと効果が現れるものらしい。
一見すると役に立たなさそうなただのカードだっただけに、ロールと富竹は驚きを露にする。
もしかすると、自分達の支給品も役に立つものがあるかもしれない。
925Classical名無しさん:07/11/17 19:15 ID:f47U9gJk
普通の支援
926嘆きノ森 ◆0RbUzIT0To :07/11/17 19:16 ID:LGL7Dfwo
何かの活用法があるかもしれない、とそれぞれの支給品を再度手にとって見る。
と、その時富竹は見覚えのあるものを見つけた。
遊戯の足元にあるそれは、自分も何度か目にした事のあるもの。
そして、今の自分に恐らく最も必要なもの。

「ゆ、遊戯君! ちょっとそれを見せてくれ!」

遊戯の答えを聞かずにそれを掴み、ケースの蓋を開ける。
中から出てきたのは注射器と注射針、そして何かの液体の入った容器。
間違いない、これは……。

「C-120……遊戯君、これをどこで!?」
「これは俺に支給されたアイテムだ……それよりも富竹、こいつを知ってるのか?」
「ああ、このC-120は僕に少なからず関係があるものでね」

そう言うと、富竹は己の素性を明かす。
『東京』の事、雛見沢の事、そしてそこで自分が何をしていたのかも含めて全てを。
最初は半信半疑だった遊戯も、話を聞くにつれて顔に真剣味を帯びさせていく。

「なるほどな……やはりこいつは俺達にとって重要なアイテムだったようだぜ、AIBO」
『そうだね。 富竹さんの言葉を聞いて、より一層確信が持てた。
 もし、その雛見沢症候群っていう病気にかかっている人がいるなら、すぐに持っていかないといけない』
「ああ……富竹、お前の知り合いには誰か発症しそうな奴はいないのか?」
「圭一君やレナちゃん、それに魅音ちゃんなら可能性があるかもしれない……。
 彼女達も雛見沢の人間だから、あそこから離れて発症しているかもしれないしね。
 でも、今は……」

喋りながら、富竹はケースの中から容器と注射器を取り出すとそれを組み立て始める。
遊戯とロールは思わず止めようとするが、富竹はそれを静止させて更に作業を続けた。
927Classical名無しさん:07/11/17 19:17 ID:f47U9gJk
言葉にならない支援
928Classical名無しさん:07/11/17 19:17 ID:aatvAzaI
支援
929嘆きノ森 ◆0RbUzIT0To :07/11/17 19:17 ID:LGL7Dfwo
「僕も今、危険な状態なんだ……! さっきから首の痒みが止まらないし、疑心暗鬼気味になっている。
 これは雛見沢症候群の前兆なんだ、放っておいたら何をしてしまうかわからない……だから……」
「だけど、富竹さん言ってたじゃないですか! 僕は予防治療をしているから大丈夫なはずだって」
「ああ、そのはずなんだ……けど、ロック君は取り付けられていた機能が使えなくなっていたんだろう? だから……」
「読めたぜ……! あいつらは、富竹のその予防を無かった事にしているかもしれないって事か。
 畜生、とことん虫野郎以下の腐った連中だぜ!」

雛見沢症候群は酷くなると幻覚を見せ、疑心暗鬼にしてしまうものだ。
例えどれだけ良識のある人間であろうと発症してしまったならば最後、そのグループには悲劇が起こるに違いない。
だからこそ、主催者達は富竹の予防治療を無かった事にしたのだ。
富竹と、富竹の周りの人間に惨劇を味わわせる為に。
よりこの殺し合いを円滑に進める為に。

「けど、これさえあれば大丈夫さ!」

その手に注射器を持ち、液体を出して空気を抜く。
そう、雛見沢症候群を発症しようとそれを治療する道具さえあれば何も問題はない。
完治させる事は出来ないが、発症を止める事は出来る。

「遊戯君がこれを持っていてくれたのは幸いだよ。
 二日分あるようだし、しばらくはもってくれる……仮に圭一君達が発症していたとしても、当面凌ぐことは出来るはずさ」

そう言い、富竹はその注射器を己の腕に突き刺した。止める者は一人もいない。
雛見沢症候群の恐ろしさとその対処法を知っている富竹の言う事なのだから間違いはないのだろうと確信しきっているのである。
富竹は何の疑問も持たずにその液体を自身の体に注入していく。
そして、その液体の全てが容器から見えなくなると同時に。

「う……ぐ……」
「富竹?」
「ぐ……ああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」

発狂した。
930嘆きノ森 ◆0RbUzIT0To :07/11/17 19:18 ID:LGL7Dfwo
「うおおおおおおおおおおあああああああああああああ!!!!」
「ちょwwwどうしたトミーwwwwwwww」

注射器を腕に刺したまま立ち上がり、辺り構わず暴れまわる富竹。
目は黒く淀んで濁っており、完全に正気を失っている。
そう、それは正しく富竹が言っていた雛見沢症候群の症状そのもの。
だが……。

「どうして!? 富竹さん、注射を打ったのに……」

富竹は確かにその雛見沢症候群に感染していたかもしれない。
しかし、ロールの言う通り薬を注射したのだ。
発症するはずがない。
だから、何故今こうして富竹が暴れまわっているのか三人は理解が出来ない。

「落ち着け富竹! 一体どうして……」
「おおおおおおおおおおおおお!! 今の僕は誰にも止められないさあああああああああ!!!!」
「ぐあっ!?」

羽交い絞めにしようとした遊戯を払いのけ、なおも暴走する富竹。
遊戯はその衝撃で吹き飛ばされてしまい、木に頭をぶつけて気を失う。
決闘者として名を馳せた男といえど、肉体的にはただの学生。
修練も積んでおり、暴走機関車となった富竹に敵うはずもない。

「遊戯さん!」
「ちょwwwマジヤバイwwwwwロールちゃんww逃げっぞwwww」
「え?」

倒れた遊戯の下に駆け寄ろうとするロールの手を取り、ニートが走り出す。
931Classical名無しさん:07/11/17 19:20 ID:aatvAzaI
支援

932嘆きノ森 ◆0RbUzIT0To :07/11/17 19:20 ID:LGL7Dfwo
「そんな、戻りましょう! 遊戯さんは気絶を……」
「うっせーwwこのままあそこにいたら俺達だって危ないんだぜwww」

確かに、ロボットとはいえお手伝い用であるロールと体力の無さに定評のあるニートでは富竹を止める事など出来ない。
あのままあそこにいれば自分達にだって危険は及んでいただろう。
逃げ出したというニートの判断は、そういう観点から見れば正しい……しかし。

「ニートさん……本当に見損ないました!」

自分達は今、遊戯たちを見捨てて逃げ出しているのだ。
それは、人間的な観点から見れば果たして正しいのか?
ロールにはそうは思えなかった。
人助けをする為に作られたロール達にとって、人命救助は何よりも優先すべき事。
自分の命の為に他人を見捨てるなんて、言語道断だ。

「見損なって結構www俺まだ死にたくないwwwwwwトミーや遊戯達なら大丈夫だろ、ロックとかいるしwwww」
「またそんな他人任せな……!?」

もういい加減見限ろう、そして戻って助けに行こうと握られた手を振り解こうとするものの、外れない。
いや、本気を出せばロールでも外す事は出来る。それほどまでにニートの腕力は無に等しい。
だが、外せなかった。
その腕は、ニートにしては今までには無かったほどの力で握られていたのだから。
決して離さないようにと、ニートなりの全力でその手を握っていたのだから。
何かがあるのだと……直感的に感じる。

「何を……」
「いいかロールちゃん、よく聞け」

握る手を緩めて、ニートは草を生やさずに話しかける。
933Classical名無しさん:07/11/17 19:21 ID:jCeZ/QyA
しえん
934嘆きノ森 ◆0RbUzIT0To :07/11/17 19:21 ID:LGL7Dfwo
「俺は力もねーし頭も悪いから、今行っても役に立たない。
 ロールちゃんも、トミーの暴走を止められるほどの力はないんだろ?」

ニートの言葉に悔しそうにしながらも首を縦に振り答えるロール。
確かにただのお手伝いロボットであるロールにはロックマンほどの力はない。
止めようとしたって、遊戯と同じく吹き飛ばされるのがオチだろう。

「そんな俺達があそこにいたら、ロック達の邪魔にしかならない」

それは、その通りだ。
自分達が怪我をすればロックは心配するし、少なからず動揺するだろう。
それに自分達まで庇ってしまい怪我をしてしまうかもしれない。

「だから、俺達はあそこに戻っちゃ駄目だ……少なくとも、今はまだ」
「……はい」

悔しいが、ニートの言う通りだった。
自分達が行ってしまっては治まるものも治まらなくなってしまうかもしれない。
富竹が何故雛見沢症候群を発症してしまったのかがわからない以上、
根本的な解決は出来ないかもしれないけれどロックマンならばきっと気絶させるなり何なりしてくれるだろう。
自分達は、その頃になってから戻ればいい。

そう思い、あの場所から少し距離を置いた場所に二人は留まる事にした。
自分達の力の無さを悔やみながらも、じっと息を潜めるようにしていると放送が聞こえ始める。
あれから十二時間経ったのかと、そう思いながらもその内容に聞き入る。

ロックも……富竹達も、今、この放送を聞いているのだろうか?
935Classical名無しさん:07/11/17 19:21 ID:NGRJS6eA
173支援
936嘆きノ森 ◆0RbUzIT0To :07/11/17 19:22 ID:LGL7Dfwo
【B-4 森/一日目・日中(放送直後)】
【ロールちゃん@ロックマンシリーズ】
[状態]:健康、精神的に疲労(中)
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考・状況]
1.それでもロックなら……ロックならなんとかしてくれる
2.しばらく経った後に休憩していた場所へ
3.あの部屋の情報を集める。
4.遊戯達の知り合い(海馬他)も探す
5.エアーマンとムスカに最大限警戒する

【ニート@現実&新世紀 東方三国志〜ひぐらしの憂鬱〜】
[状態]:鳩尾に痣、筋肉痛
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考・状況]
1.トミーwww自重しろよなwwwwwwwww
2.面倒だけどしばらくしたら様子見に行ってみっかwwwww
3.部下たちとっとと探すかwwwwww?
4.町に行くかwwwwwww
[備考]
※ニートは性能がへっぽこなので、技能はほとんど成功しませんが、楼船・教唆の技能は、能力に無関係な技能なので、通常通り発動します。
ニートがあの世界で幻を見なかったのは、教唆の発動によるものです。
※海馬、外山に関しては「社長」「活動家」として名前を覚えている為、ニートには認知されていません。  
※ニートの記憶容量の関係で、すでに夢の世界の記憶はアンインストール済みです。
※支給品は休憩していた場所に置いてきました
937嘆きノ森 ◆0RbUzIT0To :07/11/17 19:23 ID:LGL7Dfwo
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

(´・ω・`)やあ兄弟。
待たせて済まなかった、いやいや、何も言わなくてもいい。
これまでに沢山の作品が投下されたね。
燃えるもの、萌えるもの、カオス、ギャグ、シリアス、欝、何でもありだ。
でもさ、兄弟はそんなものでは満足出来ない……そうだろう?

ああ、わかっているさ兄弟。
能書きはいい、とにかく早く見せてくれ……そう言いたいんだろう?
兄弟の考えている事くらいお見通しさ、何を見たいかもわかっている。

ハルヒがトイレに行く……そう言ったね。
ああ、怒らないでくれ兄弟。
わかっている、何故ハルヒ視点で物語を進めなかったのか……それを怒っているんだろう?
だがあれは仕方が無かったんだ、この物語を進めるにはどうしてもハルヒ視点には出来なかったんだ。
それについては謝っておくよ。

でもね、僕はこうして戻ってきた……どうしてかわかるね?
……そう、巻き戻しだ。
あまりこういうのを頻発すると混乱してしまうらしいが、他ならぬ兄弟の為さ、
批判されても構わない、巻き戻してハルヒの●●を一緒に拝もうじゃないか。

それじゃあスタートだ、存分に楽しんでくれ。
938Classical名無しさん:07/11/17 19:24 ID:f47U9gJk
変態の為の支援
939Classical名無しさん:07/11/17 19:25 ID:f47U9gJk
…ひっかかった?
940嘆きノ森 ◆0RbUzIT0To :07/11/17 19:25 ID:LGL7Dfwo
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

富竹達から離れたハルヒは肩を怒らせながらも茂みの中を歩いていた。
少し離れすぎてしまったかもしれないが、仕方が無い。
なるべく離れたところでないと安心して用も足せないのだ。

「なんてったって、あの二人がいるんだからね……」

ニートと富竹……仲間ではあるものの、そのドスケベぶりはキョン以上かもしれない。
何度も自分とロールのスカートの中を覗こうとしてはシャッターを切るし、
今だって自分の排泄を見ようとどこかで伺っているのかもしれない。
……想像すると寒気がしてきた。
あの場にはロールと遊戯もいた事だし、富竹達がそんな事をしようとしたならば止めてくれるだろう。
そう思わないと、安心出来ない。

「……ここらへんでいいかしらね」

あまり遠くまで行き過ぎても不安だ。
丁度いい……とはいっても、やはり草むらなのだがそれを見つけてハルヒは駆け足ぎみに近づいていく。
そして、しばらく辺りをきょろきょろと見回すとしゃがみ込む。
大丈夫だ、誰もいない。やるなら今しかない。
そう思いながら、静かにその手をスカートの中へと入れると指先を下着にかける。

……まだ、どうにも踏ん切りがつかない。
現代人としての悲しい性か、やはりこんな森の中で排泄行為をするというのは気が引ける。
だがそうも言ってはいられない。いつまでもこの体勢でいるのも危険だ。
思い切って下着を下ろす。

「……ん」

すると、自然と尿意が迫ってきてくれた。
後はこのまま自然に身を委ねればいい……そう思い、ハルヒが目を閉じた瞬間。
941Classical名無しさん:07/11/17 19:26 ID:jCeZ/QyA
おいおい……
まさかなぁ
942嘆きノ森 ◆0RbUzIT0To :07/11/17 19:27 ID:LGL7Dfwo
「おおおおおおおおおおおおお!! 今の僕は誰にも止められないさあああああああああ!!!!」
「!? ちょ、今の声って……!?」

その声が聞こえ、ハルヒは目を開ける。
確かに聞こえたそれは間違いなく富竹の声だ、でも何故聞こえるのだろう。
また近くから盗み撮りしようとしているのだろうかとも思ったが違う。
あの声は遠くの方から……そう、自分たちが今までいた場所から聞こえてきた。
ならば、何故あんな大声を出しているのだろう。
……決まっている、誰か敵が現れたんだ。そして、富竹はそいつと戦っている。
そいつはもしかしたらあのムスカっていう男かもしれないし、別の奴かもしれない。

「こうしちゃいらんないわ……!」

すぐに立ち上がり、駆け出そうとする……が。
その場でこける、足にかけている下着が邪魔で上手く走れない。
ならばそのまま履けばいいものを、何を思ったのかハルヒはそれを捨て去って更に立ち上がり駆け出す。
恐らくは混乱していたのだろう。

「私達に喧嘩売ってくるとはいい度胸だわ!
 待ってなさい、私が直々に引導を渡してくれるわ!」

そう叫びながら走るハルヒ。だが、彼女は知らない。
敵など一人も襲ってきてないという事を。
全ては些細な勘違いと軽率な行動が招いてしまった事態だという事を。
知らないからこそ、走る。

そして、見つける。

苦しそうな顔をしながらも暴れまわる仲間と。
その場から逃走を図った仲間の背中を、二つ。
943Classical名無しさん:07/11/17 19:27 ID:cWK007Rg
独歩を呼べ!支援
944嘆きノ森 ◆0RbUzIT0To :07/11/17 19:28 ID:LGL7Dfwo
「……え?」

何が起こっているのか、わからないような表情でその背中を見送る。
あれは……間違いなく、ニートとロールのものだ。
そして、次に暴れている人物を見る。
それは……間違いなく、富竹の姿だ。
……一体、何が起こっているのだろうか?

「っ……富竹、何やってんの馬鹿!」

とりあえず、目の前にいる仲間から注意をする。
今から追ってもニート達に追いつけるとは思えないし、それよりも目の前の事に対処しないといけない。
そう思い、ハルヒはいつものように……そう、いつものようにハルヒは富竹に叱りつけた。
いつもならば富竹は最後に裏声になる笑い声を上げながら許しを乞うはず……だが。

「うおおおおおおおおおおおお!! 僕の肉体は鋼の如しさああああああああああ!!!」
「ひっ!?」

富竹はその言葉を意に介さず、更に暴走を深めていきハルヒに体当たりをする。
その衝撃でハルヒは強かに体を地面にぶつけてしまう。
口の中が切れた、痛い……膝も擦り剥いたみたいだ、乙女の柔肌に何をする。
っと、そんな事を言っている場合じゃない、それよりも……と目の前の人物を見る。

富竹は未だに暴れていた、その雰囲気からは先ほどまで和やかに話していた様子が一切感じられない。
何が彼をこうしてしまったのか……。
それは、今も彼の左腕に突き刺さっている注射器のせい。
C-120によるものだった。
945嘆きノ森 ◆0RbUzIT0To :07/11/17 19:29 ID:LGL7Dfwo
C-120は確かに雛見沢症候群の治療薬である。
L5状態の者に打った場合はL3にまでしか戻せないとはいえ、その効力は確かだ。
富竹が説明した通り、雛見沢症候群を治せるものはこれしかない。
だが……C-120の効力はそれだけではない。
発症者に投与した場合は通常通りの効果を発揮するが、健常者に投与した場合はその真逆の効果……。
つまり、雛見沢症候群を発症させてしまうのだ。
しかも徐々にではなく、一気にL5まで到達させてしまう。

富竹は、確かに感染者ではあった。
だが、発症者ではなかった。
富竹が感じていた首の痒みも、疑心暗鬼も、ただの思い込みでしかなかったのである。
それを富竹は自分がL5を発症してしまったのだと思い、C-120を打ってしまった。
故に……C-120は富竹の内部に巣食っていた病魔を治癒せず、呼び水の働きをしてしまったのである。

「うおおおおおおおおおおあああああああああああああ!!」
「あ……ああ……」

しかし、それはハルヒにはわからない。富竹にもわからない。
何故こうなってしまったのか、誰にもわからない。
富竹はハルヒに徐々に近づいていくと、その肩に手をかける。
何をしようというのか、殺そうというのか……。

「や……やめなさい富竹! 団長命令よ!!」

精一杯の強がりを見せて、スカートが捲れ上がるのも気にせずハルヒは富竹を蹴る。
だが、そんなもので富竹は止まらない。
暴走機関車は止まらない。

「これが僕の本気さああああああああああああああああ!!」
「ひ……いやあああああああああああああ!!」
946Classical名無しさん:07/11/17 19:29 ID:jCeZ/QyA
ちょwww
自重してください(褒め言葉)
947嘆きノ森 ◆0RbUzIT0To :07/11/17 19:30 ID:LGL7Dfwo
これで、全てが終わってしまうのか……。
何故こうなってしまったのかもわからないまま、仲間に殺されてしまうのか……。
ハルヒがそう思い、目を瞑っていた時だった。
急に肩にかけられていた手が離れ、頬に何かの水滴が滴った。
涙……? いや、違う……もっと生温く、鉄のような臭いのもの。
次いで、何かを掻くような音が聞こえる。
それを聞いて、ハルヒはようやくその目を開けた……。

「あ……あ……!」

そこには……喉を一心不乱に掻き毟っている、富竹の姿。
どれほど強い力で掻いているのだろう、そこからは既に肉が見えており見ただけで吐き気を催してしまう。
だが、ハルヒはそれから目を逸らせない。
ただ、恐怖によってその下半身からじわりと黄金色の水を流すだけである。

「ぐ……おおおおおおおおお!!」

C-120を投薬され、急性発症をしたた富竹は暴れに暴れまわった。
だが、雛見沢症候群の効力はただ凶暴性を増すだけではない。
リンパ異常による喉の痒みにより、喉を掻き毟る。
痛みも生命の危機すらも感じず、ただ一心不乱に。

放送が流れ始める。
そして、それと同時に富竹は叫んだ。

「時報はもういやだああああああああああああああああああああああああああ!!!」

その言葉を最後にし。
富竹はその喉から血飛沫を噴出し……倒れ。
二度と、動かなかった。
948Classical名無しさん:07/11/17 19:31 ID:f47U9gJk
nice boat.
949嘆きノ森 ◆0RbUzIT0To :07/11/17 19:31 ID:LGL7Dfwo
「あ……え……?」

一方のハルヒは、その血飛沫を目の前で浴びていた。
流れ続けている放送も、全く耳に入ってこない。
着ていた制服に、顔に、腕に、膝に、足に、思わず開けていた口の中にさえ、その血は入り込んだ。
何が起こってしまったのか、ハルヒには最後の最後までわからなかった。
富竹は暴れていた……そして、最後にはその喉を掻き毟って死んだ。
……何故?

「富竹……?」

問いかけてみる……が、答えは当然返ってこない。
死んでいるのだから。

「嘘……嘘よ、だって……」

富竹は、仲間だ。
確かにドスケベで頼りなくていつも気弱で情けないかもしれない。
だけど、ワドルドゥの仇を取るのを手伝ってくれた。
文句を言いながらも自分の行く先についてきてくれたし、キョンが死んでくれた時も慰めもしてくれた。
富竹は大切な仲間だ。ワドルドゥや、ロックマンや、遊戯や、ニートや、ロールと同じように。
……ニート?
そうだ、ニートとロールはどうしたのだろう……何故、逃げ出したのだろう。

「……これは?」

そんな事を考えていると、富竹の腕から生えているものに目がついた。
いや、生えているんじゃない……それは刺さっている。
注射器……何故こんなものが刺さっているのだろうか。
富竹が病気にかかっているとは聞いていないし、そもそもこんな道具は支給品になかった。
950嘆きノ森 ◆0RbUzIT0To :07/11/17 19:32 ID:LGL7Dfwo
それに、よく見ると辺りに支給品が錯乱している。
ニートのもの、ロールのもの、遊戯のもの……よくよく見れば、遊戯も気絶して木に凭れ掛かるようになっていた。
ニート達は遊戯を見捨てて逃げたのだろうか? どうして? 仲間なのに……。
そうだ、自分たちは仲間だ、仲間のはずだ。
幾ら富竹が暴れても、狂っても、助けてあげなきゃいけない。
だというのにニート達は見捨てて逃げた、遊戯と富竹を見捨てて。

「どうしてよ……」

もしもニートがいれば、何とかなったかもしれない。
もしもロールがいれば、何とかなったかもしれない。
富竹は暴れるのをやめて、死ぬ事も無かったかもしれない。
どうして……その思いがハルヒの心に募ってゆき、涙が頬を伝った。
富竹はもういない……ニート達は、自分たちを見捨てた……。
どうして……。

「……?」

……自分で言っていて、何かの違和感に気付いた。
何かがおかしい……何だろう。

「……注射器」

そうだ、これだ……どう考えたって違和感があるに決まっている。
これを富竹が打つ理由が見つからない。
それに、どこから出てきたのかもわからないのだ。
まさか道端に転がっていたから打ったという訳ではないだろう。
951Classical名無しさん:07/11/17 19:35 ID:jCeZ/QyA
ちょwww支援しようぜ
952Classical名無しさん:07/11/17 19:38 ID:aatvAzaI
支援
953嘆きノ森 ◆0RbUzIT0To :07/11/17 19:39 ID:LGL7Dfwo
そこまで考えて、ハルヒはハッとした。
自分の言っている支給品というのは、ニートやロールや富竹の分だけ。
遊戯とロックマンの支給品に関しては、全く知らなかったのだ。
つまり、この注射器は二人の支給品だった可能性が高い。
では何故この注射器を富竹がしているのだろうか……。

「……もしかして」

嘘だ……信じたくない。
でも、そうとしか考えられない。
富竹は暴れまわっていた、その様子は明らかにいつもとは違っていた。 何故?
これは……何かの毒による症状なのではないだろうか?
そうだ、そう考えると全て納得出来る話だ。
全て……。

「こ、これは!?」

その時、背後から草を掻き分ける音と男の子の声が聞こえた。
そして、その瞬間。
ハルヒはその男の子に向けて飛び掛っていた。
954Classical名無しさん:07/11/17 19:41 ID:3X9fjvQU
955Classical名無しさん:07/11/17 19:41 ID:jCeZ/QyA
→→AB
このコマンドにより支援をすることが出来る
956Classical名無しさん:07/11/17 19:41 ID:f47U9gJk
支援で引っかかった俺参上
957嘆きノ森 ◆0RbUzIT0To :07/11/17 19:41 ID:LGL7Dfwo
「がっ!?」

ロックマンは頭を地面に打ち、倒れこむ。
上にはハルヒが圧し掛かっており身動きは出来ない。
一体何がどうしているんだろうか、自分が見回りをしていた間に何があったのだろうか。
そして、ハルヒは何故自分に襲い掛かってきたのだろうか。

「な、何を……ハルヒさん、一体何があったんで……」
「五月蝿い!! とぼけるな、この腐れ外道め!!」

片手でロックの首を絞めながら、ハルヒはそう叫ぶ。
その顔には、いつものツンな怒り顔ではなく本気で何かに怒っているような鬼の形相。
それを見て、一瞬ロックは恐怖を感じる。

「あんたが……あんた達が富竹を殺した癖に!! よくもいけしゃあしゃあとここに来れたわね!!」
「何を言ってるんで……放して……」
「黙れ!! 許すもんか……絶対に……!」

富竹は温厚な性格だった、間違っても仲間を傷つけるような真似をする奴ではない。
それが自分に襲い掛かってきたのには、何かの原因があるはずである。
ならば原因は何か……決まっている、あの注射器だ。

「あの注射器には人を凶暴化させるような薬が入っていたんでしょうね!
 それこそ、人を無差別で殺戮するようなとっておきの薬が!!」

それをニートら三人は、富竹に何とか騙して注射を打った。
そして、富竹は暴れ始めたのだ。
だが、そこで三人には誤算が起きてしまった、富竹の発狂が予想していた以上に早かったのだ。
だから遊戯は富竹の暴走に巻き込まれて気絶してしまった。
しかし、ニート達はそれを見捨てて逃げた。 何故か?

「あんた達は武藤君を捨て駒にするつもりだった! もしくは、止むを得ず捨て駒にしたんでしょうね!!」
958嘆きノ森 ◆0RbUzIT0To :07/11/17 19:44 ID:LGL7Dfwo
そう、この計画の本質を握っていたのは恐らくニート・ロック・ロールの三人なのだ。
ロックとロールは兄弟なのだからお互いを守りあう事を自分たちの影で決めておいた。
そして、そこに遊戯とニートが加わったのだろう。ニートは何だかんだ言ってロールとずっと一緒にいたし、あのムスカからロールを守った。
だからロックとしてもニートを無碍に出来る訳もなかったのだ。

「そしてあんた達は逃げた……私を置いて、富竹と同士討ちさせるつもりだった!」

富竹の症状は辺り構わず暴れる事と、最後には自殺する事の二点。
その場に遊戯とハルヒを置いて自分たちだけが逃げれば後は勝手に始末がついてくれる。
富竹が二人を殺した後、自殺をして全ては終わる。

「あんたは警戒すると言ってたけど本当は違う、ニート達の逃走ルートを作っていたのよ。
 そして、安全を確認すると二人と合流をしたんだわ……けど、そこで手違いが起きた」

富竹が予想以上に早く暴れてしまったが為に支給品を回収する暇がなかった。
だから、ロックは一人この場所まで支給品を回収しに帰って来たのだ。
そして、それは恐らく自分たちの生死を確認する目的もあったのだろう。

「でもお生憎様! 私はそんなに簡単に殺されたりしない、あんた達なんかに殺されたりしない!!」

そう言うと、ハルヒは再びその手に力を込めた。
苦しむロックの表情とは逆に、ハルヒはその怒りに満ちた表情に徐々に笑みを湛え始める。

「富竹はね、喉を掻き毟って死んでいったわ、苦しかったでしょうね……だからあんたも苦しませて死なせようかと思った。
 でも……やっぱり、ロボットだものね、普通に首を絞めただけじゃ死なないみたい。
 ……だから、これで殺してあげる」

ハルヒが右腕を振りかぶり、その手に持っていたものがロックの瞳に写る。
それはロックマンにとって最大の天敵。八大ボスよりも、Dr.ワイリーよりも、何よりも畏怖すべき存在。
それが眼前に迫り、喉下に突き刺さった瞬間。

ロックマンは、その機能を停止させた。
959嘆きノ森 ◆0RbUzIT0To :07/11/17 19:46 ID:LGL7Dfwo
「……呆気ないわね、だから人を殺そうとするのかしら」

ロックマンの喉に突き刺さった注射器を引き抜き、ハルヒはそう呟く。
決してハルヒの腕力があった訳ではない、
ただ注射器に取り付けられていた針がロックマンの構造上急所である部分に的中しただけである。
だが、それにしてもとても呆気ない死であった。

「でも、富竹を殺した罪なんて……こんなもんじゃ済まないわ」

立ち上がって、森の中を見据える。
あいつらは仲間を裏切るという最低の行為をやってのけた。
仲間を裏切って、自分たちの命の為に殺そうとしたんだ。
そのせいで自分も危険な目にあった、富竹は死んでしまった。
その罪は、絶対に許されるものではない。

「私達の気持ちを踏みにじって……!」

歯噛みをした口の中に血の味が染み渡る。
それは、口の中を切ってしまった自分の血の味か、それともかかってしまった富竹の血の味か。
どっちにしても、不快だ。

「あいつらには……惨たらしい死を与えてやる!
 富竹との約束を裏切る事になるけれど、そんな事構うもんか……!!」
960Classical名無しさん:07/11/17 19:47 ID:9uc03vR6
誤解でしょでしょ支援
961Classical名無しさん:07/11/17 19:47 ID:cWK007Rg
ちょwwwwロックwwwwww支援
962嘆きノ森 ◆0RbUzIT0To :07/11/17 19:47 ID:LGL7Dfwo
或いは、冷静でいられればこのような結論は出なかったのかもしれない。
だが、ハルヒは今決して冷静ではなかった。
それは富竹を殺されたから……その悲しみを、ニート達に向けているから?
いや……少し、違う。

富竹は雛見沢症候群に感染していた。
そして、その富竹の血をハルヒは浴びたのだ。
傷ついた口の中に、擦り剥いた膝に。

雛見沢症候群はその名の通り、病名である。
だから、その病気は人に感染してしまうのだ。
雛見沢村に住んでいるものは空気感染を……そして、それ以外のものは粘膜感染を。

……ハルヒは富竹の血を浴び、そのまま考えてしまった。
何故このような事になったのか、ニート達が一体何をしていたのか。
疑心暗鬼となり、契機となってハルヒの中で病魔が進行する。

その体内で、雛見沢症候群が活動を開始してしまったのだ。

そこからは、なし崩し的に全てを自分の都合のいいように解釈をし結論を出した。
冷静に考えればロックが戻ってきたのもただの巡回から戻ってきただけだとわかったはずだった。
だが、それがハルヒには出来なかった。
全てを信じようとせず、疑心暗鬼にかられているのだから。
963Classical名無しさん:07/11/17 19:47 ID:jCeZ/QyA
あいるびーばーっく
964嘆きノ森 ◆0RbUzIT0To :07/11/17 19:48 ID:LGL7Dfwo
ハルヒはひとまず、落ちていた支給品を自分のデイパックに纏め上げた。
役に立ちそうにないものは置いておき、それ以外は手にとって使い方を調べておく。
その中で……テニスボールと、注射器は捨て置いた。
偽りの仲間の証など持ってなどいたくはなかったし、富竹の死んだ原因の薬なんて持っていたくは無い。

自分はただの女子高生、戦うには武器と知略でどうにかするしかない。
当面の目的は、富竹の敵討ちだ。
ニートとロールは今何も武器を持っていないはず、銃やスタンガンを持っているこちらが勝つはずだ。
見つけ次第、殺さなければならない。

その後の事は……その時考えればいい。
弔いもせずに行くことを富竹に心の中で謝った後、ハルヒは立ち上がり……。

未だ気絶をしている男の前に立つとその手に持った銃を構える。

「あんたは騙されていた……でも、私から見ればあんたもニート達と同じよ。
 あんたは私達を裏切った……だから……死になさい」

そして、ハルヒはそのまま、何の躊躇いもなく引き金を引いた。
965Classical名無しさん:07/11/17 19:50 ID:9uc03vR6
まだ俺の支援フェイズは終了してないZE☆
966嘆きノ森 ◆0RbUzIT0To :07/11/17 19:50 ID:LGL7Dfwo
こうして、古代の王は永遠の眠りへと旅立っていった。
先のロックマンも無念はあったろう、遊戯も無念はあったろう。
だが、全ては壊された。齎されていた平穏は、壊されてしまった。
誰が間違っていたのか、何が間違っていたのか……それはわからない。

或いは、何も間違ってなどいないのかもしれない。
だが、だとすればこれは悲劇に似せた喜劇に他ならない。
誰も間違ってなどいないのに、少女は怒りを募らせ、男たちは死んだのだから。

それでも……未来の機械人形と、古代の王を殺めて現代の神は歩きだす。
その胸に堅い決意と怒りと悲しみを込めて、仇を探して。
深い深い、嘆きノ森へとその足を踏み入れる。

【富竹ジロウ@ひぐらしのなく頃に 死亡】
【ロックマン@ロックマン2 死亡】
【武藤遊戯(闇遊戯)@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ 死亡】
【残り 40人】

【B-5 森/一日目・日中】
【涼宮ハルヒ@涼宮ハルヒの憂鬱】
[状態]:軽症、深い悲しみと憎悪、雛見沢症候群発症、血塗れ、パンツ履いてないです!
[装備]:血塗れの陵桜学園の制服@らき☆すた、ベレッタM92F(14/15)@現実、スタンガン@ひぐらしのなく頃に
[道具]:支給品一式*2、びしょ濡れの北高の制服@涼宮ハルヒの憂鬱、アニマルマスク・サラブレット@現実、ゾンビマスク@現実(ゾンビーズ)
DMカード(真紅眼の黒竜、プチモス、カタパルト・タートル)@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ(真紅眼の黒竜以外現在使用不可) 、ピーピーマックス
[思考・状況]
1.富竹の敵討ち(ニート、ロールちゃん)
2.後の事は今は考えられない
※その他の富竹・ニート・ロールちゃん・遊戯・ロックマンの支給品はその場に落ちています。
※第二回放送を聞き逃しました。
967Classical名無しさん:07/11/17 19:50 ID:qvj8o4m6
ティウンティウンしちゃった…
968 ◆0RbUzIT0To :07/11/17 19:51 ID:LGL7Dfwo
以上で投下終了です。支援ありがとうございました。
雛見沢症候群に関してはwikiなどで調べたのですが、間違いがあったら指摘お願いします。
969Classical名無しさん:07/11/17 19:53 ID:AKPWxGsg
乙でした〜。

でも、C120は目眩等の症状だけで、
雛見沢症候群が悪化するなんていう設定は全くないはず。
970Classical名無しさん:07/11/17 19:54 ID:aatvAzaI

971Classical名無しさん:07/11/17 19:55 ID:jCeZ/QyA
C120は気分が悪くなったりする程度で雛見沢症候群とはまったく関係ありません。
それに気分が悪くなっても自我はしっかり持っています
972 ◆0RbUzIT0To :07/11/17 19:57 ID:LGL7Dfwo
>>969
>>971
/(^o^)\
>C120は発症者に対して症状を抑える効果を持つが、キャリアや健常者に使うと10分以内に瞳孔拡大、発熱、全身の発疹、妄想などを起こす。
>・むしろ逆に急性発症を惹き起こす可能性もあるのではないか。
ここだけ読んで、発症するようなもんだと思ってましたorz
973Classical名無しさん:07/11/17 19:58 ID:UM51Zmw6
大便じゃなかったのか……
期待してたのにorz
974Classical名無しさん:07/11/17 19:59 ID:VzpMo.a.
なるほど……核鉄の件もそうだけど主催者はwikiで集めた情報を元にいろいろ作っていたんだよ!
975Classical名無しさん:07/11/17 20:00 ID:f47U9gJk
症状を進行させる鷹野が持ってたアレが混じってた〜って事にすれば、
苦しくてもなんとかなりはする。ただし、要議論。
それよりも雛見沢症候群ってこんな高速じゃ発症しないと思いますが?

>>973
こらこらこらこら
976Classical名無しさん:07/11/17 20:01 ID:jCeZ/QyA
っく……かなり苦しいなその言い訳

>>973
俺的には小のほうが萌える
977Classical名無しさん:07/11/17 20:05 ID:.F/FsiVI
>>975
支給品に嘘があるのは何かフェアじゃない気が……
>>976
いや、大には大の良さがある。
978Classical名無しさん:07/11/17 20:07 ID:9uc03vR6
乙!
無駄にニートがかっこいいので、修正を(ry ……当然の如く嘘です。
そして、あんなことになっちゃハルヒがああなってしまうのも無理はない……。

目明し編で、梨花ちゃまが詩音に投与しようとしていたのがC120だとしたら、梨花ちゃまはそれの投与で自傷行為に走ったみたいだし……。
でも、喉の痒みとかがあったのかと言われると分からないんだよなぁ。

そして、「>>973は病気シリーズ」タグを入れたいところだw
979Classical名無しさん:07/11/17 20:09 ID:AKPWxGsg
梨花ちゃまが自殺したのは、C120とは関係ないよ。
あのままだと、拷問地獄ってのが前ループで分かってたから、
自殺しただけ。
980Classical名無しさん:07/11/17 20:11 ID:.F/FsiVI
>>978
いや、多分梨花ちゃまはC120を投与されたからじゃなくて詩音に殺されそうだったから自殺したんじゃない?
黒梨花ちゃまは男気溢れてるしwww
981Classical名無しさん:07/11/17 20:11 ID:jCeZ/QyA
それはね
梨花ちゃんは何回もループをしているのですよ
詩音にC120を投与されたのは確かです。
でも梨花ちゃんは自我をしっかり持っていました。
では何故死んだか?
それはこの後詩音につかまって拷問の末に死ぬことを知っていたからですよ。
拷問されれ死ぬくらいならこの場で死んでしまおう とおもった梨花ちゃんは自殺したんですよ
982 ◆0RbUzIT0To :07/11/17 20:13 ID:LGL7Dfwo
どうにも申し訳ないです。
C-120は発症させない+そもそも投与してもそんなに早く発症しない=こりゃもう駄目だ。
という事で今回のSSは破棄させていただきます。
自分の情報認識の甘さを痛感する次第。
本当に申し訳ないです。
983Classical名無しさん:07/11/17 20:14 ID:NGRJS6eA
マルクがH173なのにC120って殺しあいのため嘘書いてたでOK。
それが混じってるだけか全部かどうかは、書き手しだいってことで。
984Classical名無しさん:07/11/17 20:14 ID:9uc03vR6
>>979-981
ジェットストリーム解説をありがとう。
お前らの優しさに全俺が泣いたw

しかし、そうなると事例が無いってことで、死亡に至るような行動に走るかどうか余計に疑問になってくるな……。
985Classical名無しさん:07/11/17 20:17 ID:jCeZ/QyA
うーむ・・・
前半はかなり良かったからどうにかできないものか?
後半を修正するってのはどうですか?
俺達が全力で援護射撃してやるぜ
986Classical名無しさん:07/11/17 20:20 ID:/oIdSlPA
俺も最初は>>983だと思ったんだけどなぁ……。
破棄とは残念。

次スレ立ててくる。
987 ◆0RbUzIT0To :07/11/17 20:22 ID:LGL7Dfwo
>>985
後半を修正すると言われてもどこら辺が後半なんでしょ。ハルヒがロック襲ったところらへんですかね?
トミーがC-120打って時報で死なない以上、話的に成り立たないので修正出来ないと思うんです。
H173がある事にするというのも、支給品欄でC-120と明記してある以上駄目ですし(核金の場合は未確認支給品だったから大丈夫)
どうにも修正しようがないと思うのです。
988Classical名無しさん:07/11/17 20:22 ID:f47U9gJk
前半は問題ない。
鷹野が予防接種の中にH173を混ぜていたのでなんとかなる。
ただしハルヒがL4以降になるまでは時間がかかる。
富竹死亡直後からなんとか直せませんかね?
989Classical名無しさん:07/11/17 20:23 ID:cWK007Rg
>>982
待てよ、諦めるのはまだ早いぜ
その程度の矛盾は、C120が本物かどうかの説明で打ち破れ……あれ
>>983
っと思ったらこれなら、矛盾なく説明できてると思う。
説明書に嘘があるって、どこかのロワにあったよ
990Classical名無しさん:07/11/17 20:25 ID:jCeZ/QyA
本当にトミーが発症して遊戯が死ぬ気で注射を打ち込む
だけど効果がすぐに現れずとミー死亡
でおk?
991Classical名無しさん:07/11/17 20:27 ID:jRG/229g
このロワでは伏線がないからなぁ……
ここのレナでさえあれだけ粘ったのにいきなり過ぎ
992Classical名無しさん:07/11/17 20:32 ID:.F/FsiVI
話それるが結局首輪は空気読んだのか…
993Classical名無しさん:07/11/17 20:34 ID:3X9fjvQU
おおっと、投下乙。
でも破棄か……。
俺としてはとても良いと思ったが、注射がそれなら、根底からひっくり返るからな……。
実はH-173(だっけ?)というのもできなくはないが……、状態表は地の文。
主催や黒幕なんかが喋ってるならともかく、地の文は無視できるものではなし。
994Classical名無しさん:07/11/17 20:36 ID:UM51Zmw6
究極の解決方法→バグ
冗談だがw
995 ◆0RbUzIT0To :07/11/17 20:36 ID:LGL7Dfwo
>>992
個人的には首輪が感知する前にトミーが時報しちゃった感じです。
注射打つ=すぐ発症=すぐがりがり=時報と思っていたので。

それと、皆さん色々案を挙げてくれていますがやっぱりどうやっても無理矢理な感じがします。
H173が入っていた事にすると、他の支給品にも影響が出てくるかもしれないし、
トミーが本当に発症しちゃったとしてもそんなに急に首掻き毟らないみたいですし。
やっぱり破棄させてもらいます。

本当にすみません、穴掘って埋まってます。
996Classical名無しさん:07/11/17 20:39 ID:jCeZ/QyA
じゃぁ続きかこうかな?
どうせリレー小説だし
997Classical名無しさん:07/11/17 20:44 ID:I/vDotms
>>996
そんなにハルヒのパンツ脱がせたいかw
998 ◆0RbUzIT0To :07/11/17 20:44 ID:LGL7Dfwo
>>996
なんという男気……なんという優しさ……。
思わず涙が零れてしまった。
この人は間違いなく英雄。

無責任なようですが、お願いしますと穴を掘りながら言わざるを得ない。
999Classical名無しさん:07/11/17 20:47 ID:f47U9gJk
こうなったら、鉄平☆光線だ!
1000Classical名無しさん:07/11/17 20:47 ID:jCeZ/QyA
自分に出来るかどうかわからないけどやってみますよ
予約はまだしませんね。たぶん3日じゃできないから
10011001
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もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。