このスレは漫画キャラバトルロワイアルのスレです。
SSの投下も、ここで行ってください 、支援はばいばい猿があるので多めに
前スレ
漫画キャラバトルロワイアル Part3
http://sports2.2ch.net/test/read.cgi/entrance2/1180699111/l50 【外部リンク】
漫画キャラバトルロワイアル掲示板(したらば)
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/9318/ まとめサイト
http://www32.atwiki.jp/comicroyale 漫画キャラバトルロワイアル毒吐き
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/8882/1183133225/l50 ・参加者リスト・
2/4 【アカギ】○赤木しげる/●市川/●平山幸雄/○鷲巣巌
2/2 【覚悟のススメ】○葉隠覚悟/○葉隠散
1/3 【仮面ライダーSPRITS】 ●本郷猛/●三影英介/○村雨良
4/4 【からくりサーカス】○加藤鳴海/○才賀エレオノール(しろがね)/○才賀勝/○白金(フェイスレス指令)
3/4 【銀魂】 ○坂田銀時/○神楽/●桂小太郎/○志村新八
4/4 【グラップラー刃牙】○愚地独歩/○花山薫/○範馬刃牙/○範馬勇次郎
4/4 【ジョジョの奇妙な冒険 】○吉良吉影/○空条承太郎/○ジョセフ・ジョースター/○DIO
4/4 【スクライド】○カズマ/○シェリス・アジャーニ/○マーティン・ジグマール/○劉鳳
4/4 【ゼロの使い魔】○キュルケ(略)/○タバサ/○平賀才人/○ルイズ(略)
4/4 【ハヤテのごとく】○綾崎ハヤテ/○桂ヒナギク/○三千院ナギ/○マリア
1/3 【HELLSING】○アーカード/●アレクサンド・アンデルセン/●セラス・ヴィクトリア
3/4 【北斗の拳】○アミバ/○ケンシロウ/●ジャギ/○ラオウ
4/4 【武装錬金】○防人衛/○蝶野攻爵/○津村斗貴子/○武藤カズキ
3/4 【漫画版バトルロワイアル】○川田章吾/○桐山和雄/●杉村弘樹/○三村信史
2/4 【名探偵コナン】 ○江戸川コナン/●灰原哀/○服部平次/●毛利小五郎
3/4 【らき☆すた】○泉こなた/●高良みゆき/○柊かがみ/○柊つかさ
計 48人 / 60人
【NGについて】
・修正(NG)要望は、名前欄か一行目にはっきりとその旨を記述してください。
・協議となった場面は協議が終わるまで凍結とする。凍結中はその場面を進行させることはできない。
・どんなに長引いても48時間以内に結論を出す。
『投稿した話を取り消す場合は、派生する話が発生する前に』
NG協議の対象となる基準
1.ストーリーの体をなしていない文章。(あまりにも酷い駄文等)
2.原作設定からみて明らかに有り得ない展開で、それがストーリーに大きく影響を与えてしまっている場合。
3.前のストーリーとの間で重大な矛盾が生じてしまっている場合(死んだキャラが普通に登場している等)
4.イベントルールに違反してしまっている場合。
5.荒し目的の投稿。
6.時間の進み方が異常。
7.雑談スレで決められた事柄に違反している(凍結中パートを勝手に動かす等)
8.その他、イベントのバランスを崩してしまう可能性のある内容。
上記の基準を満たしていない訴えは門前払いとします。
例.「このキャラがここで死ぬのは理不尽だ」「この後の展開を俺なりに考えていたのに」など
ストーリーに関係ない細かい部分の揚げ足取りも×
例.「このキャラがここで死ぬのは理不尽だ」「この後の展開を俺なりに考えていたのに」など
ストーリーに関係ない細かい部分の揚げ足取りも×
・批判も意見の一つです。臆せずに言いましょう。
ただし、上記の修正要望要件を満たしていない場合は
修正してほしいと主張しても、実際に修正される可能性は0だと思って下さい。
・修正要求ではない批判意見などを元にSSを修正するかどうかは書き手の自由です。
・誤字などは本スレで指摘してかまいませんが、内容議論については「問題議論用スレ」で行いましょう。
・「問題議論用スレ」は毒吐きではありません。議論に際しては、冷静に言葉を選んで客観的な意見を述べましょう。
・内容について本スレで議論する人がいたら、「問題議論用スレ」へ誘導しましょう。
・修正議論を見て修正するかどうかは書き手の自由ですが、原則、書き手は本スレで出された修正案以外には対応する必要はありません。
・展開予想、ネガティブな感想、主観的な意見は「毒吐きスレ」でお願いします。毒は溜め込まずに発散しましょう。
・議論スレと正式に分離したことで毒吐きでの感想は過激化している恐れがあります。見る必要性もないので、書き手は見ないことを推奨します。
【能力制限】
◆禁止
・アーカードの零号開放
・武藤カズキのヴィクター化
・吉良吉影の“第三の爆弾バイツァ・ダスト”
・ギャランドゥ(ジグマールのアルター)の自立行動(可否は議論中?)
◆威力制限
・ゼロ勢の魔法
・空条承太郎、DIOの時止め
・スクライドキャラのアルター(発動は問題なし、支給品のアルター化はNG)
・アーカードの吸血鬼としての能力
・仮面ライダーの戦闘能力
・シルバースキンの防御力
・北斗神拳の経絡秘孔の効果
◆やや制限?
・グラップラー刃牙勢、北斗の拳勢、仮面ライダー勢、覚悟のススメ勢の肉体的戦闘力
・ジョジョのスタンド(攻撃力が減少、一般人でも視認や接触が可能)
・からくりサーカス勢の解体能力
◆恐らく問題なし
・銀魂キャラ、戦闘経験キャラなどの、「一般人よりは強い」レベルのキャラの肉体的戦闘力
【支給品について】
・動物、使い魔、自動人形などの自立行動が可能な支給品は禁止です。(自立行動を行わないならば意思持ちでも可)
・麻薬、惚れ薬、石仮面などの人格を改変するおそれのある支給品や水の精霊の指輪、アヌビス神などの人格乗っ取り支給品は禁止です。
・核金によって発現する武装錬金は、原作の持ち主の武装錬金に固定されています。
【能力制限】
◆禁止
・アーカードの零号開放
・武藤カズキのヴィクター化
・吉良吉影の“第三の爆弾バイツァ・ダスト”
・ギャランドゥ(ジグマールのアルター)の自立行動(可否は議論中?)
◆威力制限
・ゼロ勢の魔法
・空条承太郎、DIOの時止め
・スクライドキャラのアルター(発動は問題なし、支給品のアルター化はNG)
・アーカードの吸血鬼としての能力
・仮面ライダーの戦闘能力
・シルバースキンの防御力
・北斗神拳の経絡秘孔の効果
・激戦の再生力、再生条件
◆やや制限?
・グラップラー刃牙勢、北斗の拳勢、仮面ライダー勢、覚悟のススメ勢の肉体的戦闘力
・ジョジョのスタンド(攻撃力が減少、一般人でも視認や接触が可能)
・からくりサーカス勢の解体能力
◆恐らく問題なし
・銀魂キャラ、戦闘経験キャラなどの、「一般人よりは強い」レベルのキャラの肉体的戦闘力
【支給品について】
・動物、使い魔、自動人形などの自立行動が可能な支給品は禁止です。(自立行動を行わないならば意思持ちでも可)
・麻薬、惚れ薬、石仮面などの人格を改変するおそれのある支給品や水の精霊の指輪、アヌビス神などの人格乗っ取り支給品は禁止です。
・核金によって発現する武装錬金は、原作の持ち主の武装錬金に固定されています。
【基本ルール】
全員で殺し合いをしてもらい、最後まで生き残った一人が勝者となる。
勝者のみ元の世界に帰ることができる。
ゲームに参加するプレイヤー間でのやりとりに反則はない。
プレイヤー全員が死亡した場合、ゲームオーバー(勝者なし)となる。
【スタート時の持ち物】
プレイヤーがあらかじめ所有していた武器、装備品、所持品は全て没収。
ただし、義手など体と一体化している武器、装置はその限りではない。
また、衣服とポケットに入るくらいの雑貨(武器は除く)は持ち込みを許される。
ゲーム開始直前にプレイヤーは開催側から以下の物を支給され、「デイパック」にまとめられている。
「地図」「コンパス」「筆記用具」「水と食料」「名簿」「時計」「ランタン」「ランダムアイテム」
「デイパック」→他の荷物を運ぶための小さいリュック。詳しくは別項参照。
「地図」 → MAP-Cのあの図と、禁止エリアを判別するための境界線と座標が記されている。
「コンパス」 → 安っぽい普通のコンパス。東西南北がわかる。
「筆記用具」 → 普通の鉛筆と紙。
「水と食料」 → 通常の成人男性で二日分。
「名簿」→全ての参加キャラの名前のみが羅列されている。写真はなし。
「時計」 → 普通の時計。時刻がわかる。開催者側が指定する時刻はこの時計で確認する。
「ランタン」 → 暗闇を照らすことができる。
「ランダムアイテム」 → 何かのアイテムが1〜3個入っている。内容はランダム
書き手の心得その1(心構え)
・この物語はリレー小説です。 みんなでひとつの物語をつくっている、ということを意識しましょう。一人で先走らないように。
・知らないキャラを書くときは、綿密な下調べをしてください。
二次創作で口調や言動に違和感を感じるのは致命的です。
・みんなの迷惑にならないように、連投規制にひっかかりそうであればしたらばの一時投下スレにうpしてください。
・自信がなかったら先に一時投下スレにうpしてもかまいません。 爆弾でも本スレにうpされた時より楽です。
・本スレにUPされてない一時投下スレや没スレの作品は、続きを書かないようにしてください。
・本スレにUPされた作品は、原則的に修正は禁止です。うpする前に推敲してください。
ただしちょっとした誤字などはwikiに収録されてからの修正が認められています。
その際はかならずしたらばの修正報告スレに修正点を書き込みましょう。
・巧い文章はではなく、キャラへの愛情と物語への情熱をもって、自分のもてる力すべてをふり絞って書け!
・叩かれても泣かない。
・来るのが辛いだろうけど、ものいいがついたらできる限り顔を出す事。
作品を撤回するときは自分でトリップをつけて本スレに書き込み、作品をNGにしましょう。
書き手の心得その2(実際に書いてみる)
・…を使うのが基本です。・・・や...はお勧めしません。また、リズムを崩すので多用は禁物。
・適切なところに句読点をうちましょう。特に文末は油断しているとつけわすれが多いです。
ただし、かぎかっこ「 」の文末にはつけなくてよいようです。
・適切なところで改行をしましょう。
改行のしすぎは文のリズムを崩しますが、ないと読みづらかったり、煩雑な印象を与えます。
・かぎかっこ「 」などの間は、二行目、三行目など、冒頭にスペースをあけてください。
・人物背景はできるだけ把握しておく事。
・過去ログ、マップはできるだけよんでおくこと。
特に自分の書くキャラの位置、周辺の情報は絶対にチェックしてください。
・一人称と三人称は区別してください。
・ご都合主義にならないよう配慮してください。露骨にやられると萎えます。
・「なぜ、どうしてこうなったのか」をはっきりとさせましょう。
・状況はきちんと描写することが大切です。また、会話の連続は控えたほうが吉。
ひとつの基準として、内容の多い会話は3つ以上連続させないなど。
・フラグは大事にする事。キャラの持ち味を殺さないように。ベタすぎる展開は避けてください。
・ライトノベルのような萌え要素などは両刃の剣。
・位置は誰にでもわかるよう、明確に書きましょう。
書き手の心得3(一歩踏み込んでみる)
・経過時間はできるだけ『多め』に見ておきましょう。
自分では駆け足すれば間に合うと思っても、他の人が納得してくれるとは限りません。
また、ギリギリ進行が何度も続くと、辻褄合わせが大変になってしまいます。
・キャラクターの回復スピードを早めすぎないようにしましょう。
・戦闘以外で、出番が多いキャラを何度も動かすのは、できるだけ控えましょう。
あまり同じキャラばかり動き続けていると、読み手もお腹いっぱいな気分になってきます。
それに出番の少ないキャラ達が、あなたの愛の手を待っています。
・キャラの現在地や時間軸、凍結中のパートなど、スレには色々な情報があります。
・『展開のための展開』はNG
キャラクターはチェスの駒ではありません、各々の思考や移動経路などをしっかりと考えてあげてください。
・書きあがったら、投下前に一度しっかり見直してみましょう。
誤字脱字をぐっと減らせるし、話の問題点や矛盾点を見つけることができます。
一時間以上(理想は半日以上)間を空けてから見返すと一層効果的。
紙に印刷するなど、媒体を変えるのも有効
携帯からPCに変えるだけでも違います
【読み手の心得】
・好きなキャラがピンチになっても騒がない、愚痴らない。
・好きなキャラが死んでも泣かない、絡まない。
・荒らしは透明あぼーん推奨。
・批判意見に対する過度な擁護は、事態を泥沼化させる元です。
同じ意見に基づいた擁護レスを見つけたら、書き込むのを止めましょう。
・擁護レスに対する噛み付きは、事態を泥沼化させる元です。
修正要望を満たしていない場合、自分の意見を押し通そうとするのは止めましょう。
・嫌な気分になったら、ドラえもん(クレヨンしんちゃんも可)を見てマターリしてください。
・「空気嫁」は、言っている本人が一番空気を読めていない諸刃の剣。玄人でもお勧めしません。
・「フラグ潰し」はNGワード。2chのリレー小説に完璧なクオリティなんてものは存在しません。
やり場のない気持ちや怒りをぶつける前に、TVを付けてラジオ体操でもしてみましょう。
冷たい牛乳を飲んでカルシウムを摂取したり、一旦眠ったりするのも効果的です。
・感想は書き手の心の糧です。指摘は書き手の腕の研ぎ石です。
丁寧な感想や鋭い指摘は、書き手のモチベーションを上げ、引いては作品の質の向上に繋がります。
・ロワスレの繁栄や良作を望むなら、書き手のモチベーションを下げるような行動は極力慎みましょう。
【議論の時の心得】
・作品の指摘をする場合は相手を煽らないで冷静に気になったところを述べましょう。
・ただし、キャラが被ったりした場合のフォロー&指摘はしてやって下さい。
・議論が紛糾すると、新作や感想があっても投下しづらくなってしまいます。
意見が纏まらずに議論が長引くようならば、したらばにスレを立ててそちらで話し合って下さい。
・『問題意識の暴走の先にあるものは、自分と相容れない意見を「悪」と決め付け、
強制的に排除しようとする「狂気」です。気をつけましょう』
・これはリレー小説です、一人で話を進める事だけは止めましょう。
【禁止事項】
・一度死亡が確定したキャラの復活
・大勢の参加者の動きを制限し過ぎる行動を取らせる
程度によっては雑談スレで審議の対象。
・時間軸を遡った話の投下
例えば話と話の間にキャラの位置等の状態が突然変わっている。
この矛盾を解決する為に、他人に辻褄合わせとして空白時間の描写を依頼するのは禁止。
こうした時間軸等の矛盾が発生しないよう初めから注意する。
・話の丸投げ
後から修正する事を念頭に置き、はじめから適当な話の骨子だけを投下する事等。
特別な事情があった場合を除き、悪質な場合は審議の後破棄。
【予約に関してのルール】
・したらばの予約スレにてトリップ付で予約を行います
・初トリップでの予約作品の投下の場合は予約必須(3日)
ただし、予約せずに投下できなら、別に初トリでもかまわない
・予約時間延長を申請する場合はその旨を雑談スレで報告
・申請する権利を持つのは「過去に3作以上の作品が”採用された”」書き手
【MAP】
http://www32.atwiki.jp/comicroyale/pages/34.html http://www32.atwiki.jp/comicroyale/pages/90.html (登場人物の位置あり)
それと前スレ>1000
ジョセフ・ジョースター老いてなお健在と言った所か…
ざわっ…
ざわっ……
(クックック……乙する……
>>1を乙するんだ……
その資格があるのはわしだけ……王であるわしだけだっ……!!
涼しい顔した所で運命は変わらぬぞアカギ……)
(フフ……。
お前はまだ気づいちゃいないようだな……鷲巣……。
俺にもすでに
>>1乙の権利があるという事に……)
「乙っ!!」
「なっ……あ……! バッ…バッ、バカな、うそ、バカな……あ!」
ざわざわ…
ざわざわ…
そーいや、DIOはまだ参加者名簿を確認していないと考えてOK?
支給品のプロフィールリストを読んでいる最中で。
>>1乙とは!暗闇の荒野に道を切り開くことだッ!
津村斗貴子、花山薫、範馬勇次郎を予約させてもらっているものですが……予約期間も過ぎ、延長期間も過ぎようとしているのに……半分が書き終わりません。
なので、予約を破棄させていただきたいと思います。
長らくキャラクターを拘束してしまいすみませんでした。
>>22 マジっすか……取りあえず携帯禁止でキツいでしょうが、今後も書いてくれるの待ってます。
お前らそろそろ毒吐きから戻って来い
だが断る
26 :
Classical名無しさん:07/07/05 01:14 ID:A44z/BDI
断ってねー!Σ(゜Д゜;)
>>26 ヒント:露伴はツンデレ
真面目な話、予約皆無は由々しき事態。
書き手さん方は原作把握中かネタ煮詰め中なのかな?
他ロワに旅立ってしまった訳ではないと信じたい。
>>27 うろたえるんじゃあない、一時的に予約がゼロになったからって漫画ロワ住民はうろたえない!
まあ、こんなもんじゃね? 某ロワとかが異常だっただけで。
からくり、アカギ読み込み中。 ノシ
金との折り合いが難しいかな。古本屋巡っても途中までしかないし。
俺、これ読み終わったら、あのコンビ書いてみようと思うんだ。
ぶっちゃけ、からくりが難しいって言ってる人は原作読めと……
それは読み込んで、書いてから判断するよw
今のところは面白く読ませてもらってる。
一度書いたキャラってさ、それだけで少し愛着湧かね?
ああ、いやさ、つまる所、自己リレーになるよーな奴のネタばっか思いつくって話_| ̄|○
からくりをまとめ読みした人の感想は聞かせてもらいたいものだな。
個人的には、サハラ砂漠戦以降は一番凄いと思う漫画。
特にキャラの死に様でこの作品の右に出るものはない。
34 :
Classical名無しさん:07/07/05 04:48 ID:5.uqp27k
ジョセフの波紋ってアーカードに効くのかな。
ツェペリさん曰く太陽のエネルギーの波と同じだから吸血鬼に効くのなら
日光が大嫌いなだけのアーカードにはたいした効果ないんじゃないか?
紫外線射出装置が効いたんだから、効かなきゃおかしい
紫外線照射装置の時と同じように、
「効くことは効くが、明確な弱点という訳ではない」を希望。
この流れで、桐山に波紋習得させてアーカード倒そうと思った自分は心底どうかしてる。
……実際、漫画版桐山って少なくとも修行前ジョセフと同程度には超人だしなあ。
漫画桐山はスペック上人間に出来ることなら、
なんでも一瞬でラーニング出来るんじゃね?
マーダー補正を失っても、その能力が健在なのかは微妙だが。
さすがに波紋の呼吸を『目で見て』ラーニングするのは無理がある気がする
外見上は特殊なことをやってるようには見えないし(特にジョセフの呼吸法は天性のもの)
まあ桐山の横隔膜を「パウッ!」すれば使えるようになるだろうけど、若ジョセフじゃ無理だろうなあ
wikiの止まってた書き手紹介を一気の更新したけど……
新しい書き手の紹介ページも自分でURLを決めたりして作る事ができるわけ?
質問
Blue skyの状態表にマイクロウージーの予備マガジンが無いんだけど打ちつくしたって事だよね
マガジン六個と16発合わせて208発ってそんなに短時間で打てるものなの?
桐山って漫画版で杉村が悟りの境地に至ったときも
目で見てコピーしてなかったっけ
木の葉が舞うし衝撃波が出てきたり気の塊を放ったり
人間じゃないけど
>>22 一つ聞きたいんだけど、君はまだ花山、ときこ、オーガを書き続けているの? それとも書くこと自体を諦めてる?
書き続けているっていうんなら、少なくとも私はそこを敢えて書こうとは思わないんだけど……どう?
>>41氏の指摘で予備マガジン書き忘れた事に気づき、川田の状態欄に予備マガジン5個を追加しようと思ったのですが、
何故か規制リストに入っていたので修正できませんでした。
お手数かけて申し訳ないのですが、どなたか編集していただけないでしょうか?
自分が規制リストに入っている旨は管理人の方に報告しました
泉こなたが高2とという事は原作1巻から参加という事か
>>44 予備マガジン、修正してきました。
いつもお疲れ様です。
>>44 先ほどメールを確認しましたが、届いていません。
atwikiから送信すると、確認メールが届いているはずなのですが、
確認メールの内容を再度見ていただけませんか?
>>43 遅筆ですが少しずつ書き続けております。
ですが、書き上がった際どなたも予約されなかった場合のみ、スレ住人方に投下許可を取って、許可が下りたら投下したい、という程度ですのでお気になさらないで下さい
>>43 遅筆ですが少しずつ書き続けております。
ですが、書き上がった際どなたも予約されなかった場合のみ、スレ住人方に投下許可を取って、許可が下りたら投下したい、という程度ですのでお気になさらないで下さい
二重カキコ……orz
>>47 すみません確認用URLをクリックするのを忘れていました。
また、何回かクリックしたところ全て以下の文が出ました。
確認用URLエラーです。
管理者への次のお問い合わせがいたため確認用URLが無効、
または、
確認用URLが間違っている可能性があります。
お手数ですが、確認用URLを確認するか、時間を置いて再度お問い合わせフォームに入力ください。
後、
>>46氏、修正ありがとうございました
自己リレーに対するルール、
・投下したキャラは、一週間予約不可。
の項目を追加します。
【禁止事項】
・一度死亡が確定したキャラの復活
・大勢の参加者の動きを制限し過ぎる行動を取らせる
程度によっては雑談スレで審議の対象。
・時間軸を遡った話の投下
例えば話と話の間にキャラの位置等の状態が突然変わっている。
この矛盾を解決する為に、他人に辻褄合わせとして空白時間の描写を依頼するのは禁止。
こうした時間軸等の矛盾が発生しないよう初めから注意する。
・話の丸投げ
後から修正する事を念頭に置き、はじめから適当な話の骨子だけを投下する事等。
特別な事情があった場合を除き、悪質な場合は審議の後破棄。
【予約に関してのルール】
・したらばの予約スレにてトリップ付で予約を行います
・初トリップでの予約作品の投下の場合は予約必須(3日)
ただし、予約せずに投下できなら、別に初トリでもかまわない
・投下したキャラは、一週間予約不可。
・予約時間延長を申請する場合はその旨を雑談スレで報告
・申請する権利を持つのは「過去に3作以上の作品が”採用された”」書き手
【MAP】
http://www32.atwiki.jp/comicroyale/pages/34.html http://www32.atwiki.jp/comicroyale/pages/90.html (登場人物の位置あり)
以上、新テンプレです。
>>51 まずは、修正お疲れ様でした。
今回の件に関してはwikiに貴方のIDを作成する事で対応したいと思います。
また、今回のようにIP制限の巻き添えにしてしまった事真に申し訳ありません。
ちなみに……メールはまだ届かないorz。
パスワードを作りたいと思いますので、お時間が空いたときで結構ですからメールをください。
あて先は
[email protected] 以上です。
しっかし、投下ラッシュが終わった後は少しさみしくなるなぁ…
DIO様のシャワーシーンでも書くかな……
そーいや、出演したスタンド能力は何気なく3部初期メンバーをコンプリートしているな
>>58 シルバーチャリオッツ(涙)
いや、言っている意味は分かっているけどさ。
好きなんだよな、ポルナレフ。
>>58 三部のスタンドってほとんど一人の人が出してない?
マジシャンズレッドもハーミットパープルもハイエロファントグリーンも。
だからシルバーチャリオッツもその人が出しそうな気がする。
ジョジョロワじゃねーんだぞ
ジョジョ関連の支給品多いね、そういえば
ディスク何枚出てんだ?
クレイジーダイヤモンド、スティッキー・フィンガーズ、キングクリムゾン、
ハイエロファントグリーン、ハーミットパープル、マジシャンズレッド、空条承太郎の記憶DISC
7枚か。スタンドDISC出しすぎかもしれん
他で言う所のドラえもんの道具みたいなもんだね
違うと思う。
ドラの道具はトリッキーな使い方ができるが、戦闘能力を持たせるわけじゃないし。
スタンドDISC、ライダーロワで言う変身アイテムのような感じがする。
あっちみたいにマーダーに多く支給すれば面白かったかもな。スタンドDISC
正直俺も出しすぎだとは思うが、もう出てしまったものは仕方が無い。
そういう特色のロワっていう路線で突っ切るしかないよ!
う〜む、出展スタンドがもうちょっと少なけりゃあ弓矢とシルバーチャリオツのDISCを出して
『もはやバトロワどころでは無くなる』フラグを立てれたんだが…
レクイエムwww
ついでに亀が支給されれば……もう無理だけどね。
>>69 デビルガンダムや闇の書なんて比較にならないくらいヤバい事態になるぞwww
ノトーリアスBIGのディスクが至急されたら強力な無差別マーダーが登場しただろうな
シルバーチャリオッツレクイエムっていまいち効果わからないんだよな
ゲームだとチャリオッツレクイエムによる全生物の精神支配まであと○○m
みたいな表示が出てたけど
後期のスタンドはわけわからんものばっかりだしな
ここでのハヤテキャラの強さ設定がいまいちわからん。
とりあえず人間の域を出てるのはハヤテだけか?
剣が渡れば、ヒナギクもある程度強いかもね
ナギは……まあ、うん
マリアさんはわかんね
普通より、ちょい上くらい?
マリアさんは強くないはず。でも恐ろしく頭がいい。
ハヤテはギャグだし、なにやってもおかしくないって人もいればおかしいと言う人もいる。
>>76 マリアさんも滅茶苦茶強いってほどでは無いが、かといって弱くも無い。
一応護身術の心得はある程度はあるみたい
そして黒い
ハヤテなら銀さんとか刃牙とか独歩あたりの一般人でも強者に分類されてもあんま問題ないと思う。でそれを追う感じで剣装備ヒナギク。
一応戦えるけどそこまで強くない人達の部類にマリア、一般人非戦闘要員あたりにナギって感じじゃね?
>ハヤテなら銀さんとか刃牙とか独歩あたりの一般人でも強者に分類されてもあんま問題ないと思う。
日本語で(ry
全キャラ最弱は間違いなくナギ。
強さ議論なら荒れるだろうが、弱さ議論ならぶっちぎりの一位確定。
つかさがナギの対抗馬になる予感
つかさは50m走で全体力を使い果たしたりはしないだろw
ハードルは倒しまくるがな。
でもナギは局面次第では頭脳で切り抜ける可能性もありそうだが。(フェイスレスのようなタイプならナギは助かりそうだし)
総合能力はつかさが最下位?
杖抜きだったらルイズも最下位候補は間違いないが。
つかさは、料理うまいからなぁ
戦闘じゃ役に立たんが、ロワでは割りと重要じゃね?
>>85 ロワ内では、本郷がつかさに手料理食べれず謝るシーンが凄く印象的だった。
あれだけで、ご飯何杯でもいける。
>>80 全キャラだったら、最弱は市川だろう。
さすがのナギも、盲目の老人に負けたりしないかと。
そういえば勝もからくり人形抜きだと弱くないか?
最弱というほどじゃないまでも、弱い方には分類されそう。
分解とか
刀剣を持ってたら一般人の中では強いほうになるな。
アクアウイタエで正二の記憶を持ってるんだし、カピタンにも剣で勝ってるわけだし。
あと、忘れてはならないのがアクアウイタエ入りのしろがねの血を飲んだこと。
生粋の白銀ほどではないにしろ、死ににくい体になってる。
まぁこれは強さとはあんまり関係ないことだけどね。
市川って結構空間認識能力高いぞ
ら目が見えないのにそこそこ的確に攻撃してきてつかさが慌てふためく姿が目に浮かぶ
勝は参戦時期で相当変わるな。
本編開始前〜軽井沢編で捕まってる間なら最弱クラスだけど
善治に反抗した辺り以降から参戦したら、藤田作品おなじみの気迫補正と持ち前の機転を活かしてスペック以上の活躍をするのが勝クオリティ
LSロワのひまわり(赤ん坊)とナギ、パロロワ最弱決定戦……!
アカギ「ククク……ならば俺は……赤ん坊に賭けるっ……!」
ハヤテ「いやまさか、いくらお嬢様でも……きっと……多分……」(ヤバイ、勝てない気がしてきた……)
つか、予約来てるー!書き手さん頑張れ!
一気にきたなwww
超期待
ちょっと疑問なんだが、桂がDIOに瞬殺って事は銀時もDIOに勝てない?
イメージ的には真面目になった銀時ならDIOに勝てる気もするのだが。
>>95 正面からただの剣撃でDIOを殺すのは結構無理がある
シルバーチャリオッツの剣速で気配殺して不意打ちかましても頭貫いても知覚されて防がれた以上
その不死性、ザ・ワールドに加えてロワで冷凍法、空裂眼刺驚使ってたので特殊能力も強い
吸血鬼なので身体能力も並じゃない
銀時の攻撃手段がソードサムライXしかない場合は勝つのはかなり厳しいかと
なんか波紋流すとか秘孔突いて破裂させるとか時止め返すとか紫外線照射装置とか工夫がいるかと
ただ一方で、銀魂勢も「逃げていいなら」簡単に殺されるとも思えないんだよな。
銀時も修羅場潜ってきてるし、一時の撤退を認めない奴じゃない。
桂だって、彼1人での遭遇ならああはならんかったろう。あの展開は2人を守ろうとしたからであって。
銀魂勢は姑息な戦法を普通に使うから自分のペースに持ち込めば善戦できそう。逃げ足ならかなりのもんだし。
そういやアーカード予約した人はどうしたんだ?
ジャッカルと専用弾を使えば、DIOもアーカードも何とかなりそう
ただこのロワ、出展元で銃使ってるキャラ少ないんだよなあ
ジャッカル使えそうな奴なんて、もっと少ないし…
カズマなら時を止められても「反逆」して承太郎みたいに徐々に静止世界を動けるようになりそうだwww
>>100 ないないそれは無い。
それにはまずカズマが時間止まってる事を認識しなきゃいけないが、ジョジョの原作を見る限り時が止まったのは基本知覚できないから反逆もクソもない。
とマジレスしてみる。
銀時もシリアス時は結構強めではある
本気銀時≧紅桜似蔵>>>空中戦艦数隻
と何気に戦闘力は空中戦艦以上のポテンシャルはあるものの
それでも生命力は常人の範囲な為に、DIOの世界の前には勝ち目無い
紅桜似蔵って飛行スクーター+紅桜の威力+一撃離脱戦法があるからこそあの空中戦艦の群れを破壊できた訳であって、
本気銀さん>>空中戦艦数隻には必ずしもならんと思うんだが
拳銃で武装した奴とロケットランチャーを持った奴が直接戦ったら、拳銃側が勝つ可能性も十分ある
けど対戦車の場合ロケットランチャーなら勝ちようがあるけど、拳銃装備じゃ勝ち目無し
先生!そろそろ強さ議論は然るべき場所で(ry
パロロワって議論を重要視する企画じゃなくね?
では誰がモテるか議論でも…と思ったがカップリングとかの話題でも荒れるから駄目か
カップリング……独歩×シェリスとか?
DIO×ジャギだな。
ラブラブすぎてもう一心同体って感じ。
かがみん×旦那だな
かがみんはもう忘れられないみたいだし、旦那も再会したがってる
カップリングねぇ
本郷×ヒナギク・つかさ・川田のハーレムはカップリングに入りますか?
今更だが
>>57 >DIO様のシャワーシーン
それいただき
まwwwたwww美形wwwかwww
カズキ×ハヤテ……はないな
むしろこなた×パピヨンでw
覚悟、ルイズ投下します
大男と別れた後、覚悟とルイズの二人は病院を目指して西へと向かった。
そこで二人は放送を聞く事となる。
幸い二人の以前からの知人は誰一人呼ばれる事は無かったが、それでも杉村の名が呼ばれた時は、二人共神妙な表情になった。
既に陽はのぼり、今までとは比べ物にならないほど歩きやすくなった林道を進む二人。
そして林道を抜けると、そこには覚悟にとってもルイズにとっても見た事の無い景色が広がっていた。
「へ〜、こんなに綺麗にしてある街があったんだ」
魔法が発達しているとはいえ、科学的な文明レベルが中世と同程度である世界から来たルイズはその小奇麗にまとまった街並みに感心する。
「この街には災害の後さえ見られない、外敵も存在しないのだろう。素晴らしい事だ」
廃墟だらけの世界から来た覚悟もやはり、居住性を優先して作られた建物群を見て感嘆の息を漏らす。
二人は道路を歩きながら興味深げに辺りをきょろきょろと見回す。
「カクゴ! あのケーキの店すっごい綺麗よ!」
食事の後なので、腹が減っているという事でも無いのだろうが、ショーウィンドウに映る色彩豊かなケーキ達に見入っているルイズ。
覚悟は苦笑しながらも足を止め、ルイズがまた歩き始めるまでそれを待っている。
「カクゴ! 見て見て! あのネコの絵可愛い!」
今度はペットショップの入り口に描かれたイラストに夢中になる。
ちょっとした漫画のような描き方がしてあったのが、ルイズの気に入ったらしい。
少し場を弁えない浮かれようであったが、覚悟はそんなルイズを咎める事はしなかった。
何故なら、ルイズが新しい何かを見つけた時、まず覚悟にその目新しさや面白さを伝えてくれていたからだ。
杉村の事で落ち込みがちな自分を盛り上げながらも、覚悟の事も気にかけているのだろう。
そう思うと、彼女の行動があまりに健気で、おいそれと文句なぞ言い出しにくかったのだ。
ニヒルな顔をしたネコのイラストを見ながらおかしそうに笑う彼女を見て、覚悟もやはり同じように笑っていたのだった。
そんなにぎやかな道中、二人はとにかく騒がしい建物の前に立っていた。
「カクゴ、ここ何?」
何処からか陽気な音楽が流れ、ガラス張りの壁の前にある大きな箱には過剰な程に電飾がまぶされている。
覚悟はガラス張りの壁の上に付いている赤い光を見た後、すっとその壁の前に立つ。
するとその壁が開き、中から更に大きな音楽が聞こえてきた。
「凄い! 今どうやったのカクゴ!?」
驚くルイズに、覚悟も感心しながら答えた。
「前に立つと開く仕掛けだ。ここはおそらく噂に聞いたゲームセンターという場所ではないだろうか」
「げーむせんたー?」
首をかしげるルイズに覚悟は真面目ぶったまま言う。
「遊技場の一種だが、実は私も入った事は無い」
特にそれ以上興味も惹かれないので、振り向いて病院を目指そうとする覚悟は、ちょうど真後ろに居た期待に目を輝かせているルイズと目が合ってしまった。
「…………」
ルイズの全身から入りたいオーラが滲み出している。
それでもそれを口にしないのは、覚悟を病院に連れていく事が先決とわかっているからだろう。覚悟自身もそう思っている。
しかし、このきらきらと輝く瞳にはさしもの覚悟も抗しきれなかった。
「もし、良ければ少し中を見ていかないか?」
「いいの!?」
案の定すぐに飛びついてくるルイズ。
「怪我や疲労を癒すのみが休息にあらず。遊戯にて心を癒すもまた休息なり」
そう言って微笑む覚悟に、ルイズは花が開いたように笑う。
「そうよね! 流石に覚悟は良い事言うわ!」
すぐに店内に飛び込んで行くルイズ。
ころころと変わるルイズの表情、それは覚悟の理解を超えていたが、不思議と不快感は無いのだった。
しばらくの間は物珍しそうに店内を歩き回っては動く画面に驚いたり怒ったり笑ったり文句を言ったりしていたのだが、内の一つのゲームにルイズは釘付けとなった。
UFOキャッチャーという正式名称を二人共が知らないのだが、ルイズはその透明なケースの中にあるぬいぐるみがいたく気に入った模様。
ルイズは端を引っ張ってみたり、筐体を揺らしてみたりするのだが、どうにも人形は取れそうにない。
その間に覚悟は店のカウンターの奥から、コインを数十枚取ってくる。
「ルイズさん、これはこのコインを入れてゲームをやって手に入れる物のようだ」
「そうなの? じゃあそれやってみてよ」
覚悟がゲーム機にコインを入れると、ゲーム機から音楽が鳴り響き、ボタンの一つが点滅を繰り返す。
「わっ! わっ! 凄いカクゴ! 当たりみたいよ!」
「ふむ、だが……これからどうやったものか……」
点滅しているボタンをえいっとばかりに押す覚悟。
UFOキャッチャー上部のクレーンが僅かに動いた後、その場に止まり、今度は隣のボタンが点滅し始める。
「次は……これか?」
またもえいっと押すと、クレーンはその場に留まったまま真下へと降りていき、アームを大きく広げる。
「すごいすごいすごい! あの手が人形を取るみたいよ!」
ルイズは興奮の極みだ。そしてかくいう覚悟もクレーンの動きを微動だにせず見守っている。
そして、クレーンは人形に手を伸ばすも、掴み取る事は出来ずにその場に持ち上がり、一度端の穴の上まで来てアームを開いた後、最初の位置へと戻って行った。
ルイズはすぐに端の穴と通じていると思われる筐体外部の穴に手を入れて確認する。
「カクゴ! あの手に人形を掴ませさえすればここから取れるわ!」
覚悟も少し真剣な顔でクレーンを睨みつける。
「なるほど、そういう仕掛けか。よし、なら次こそは……」
「あー! ダメ! 次は私の番なの!」
二十分後、覚悟はその目を鋭く輝かせる。
「ふっ、見切った」
不敵な笑みを浮かべるルイズ。
「ふふん、謎は解けたわね。そう! ボタンをずーっと押し続けていればこの手は奥まで動き続ける!」
「そうして狙いの場所へと手を動かし……」
「あの重心の大きい胴体を掴ませれば私達の勝ちよ!」
次の順番はルイズである。
慎重に狙いを定めて、目指すうさぎの人形へとクレーンを移動させる。
「おおっ、見事な移動だルイズさん!」
「まだまだよ……後は狙い通り手が降りてきてくれれば……」
アームはまっすぐにうさぎの上へと降りていき、僅かに傾いていたうさぎの胴回りを綺麗に掴み取る。
そのまま上へと登っていくアーム、うさぎは掴んだままである。
二人は固唾を飲んでその動きを見守る。
うさぎは、移動するアームの中で少しづつ、少しづつ傾いていく。
知らず拳に力が入る。
後数cmという所、そこでうさぎは完全にバランスを崩す。
『あっ!?』
同時に声をあげる二人、しかし、二人の想いが通じたのか、尚もアームはうさぎを乗せたままである。
そしてゴールである穴の上、静かにその手を開くアーム。
一瞬、人形にくくりつけてあった紐がアームに引っかかるが、すぐにそれも外れ、うさぎの人形は穴へと吸い込まれていった。
「やったーーーーーーーー!!」
喜びの余り覚悟に飛びつくルイズ。
覚悟も難事を成し遂げた達成感からか、自然にルイズを抱きとめていた。
「やったやったカクゴ!」
「ああ、ようやくやり遂げた!」
そこまで言って、二人はお互いの顔がものすごーく近くにある事に気付いた。
「へ? ……きゃっ」
「あ……っと、すまない」
慌てて離れる二人。
お互い赤くなりながらそっぽを向く。
「ル、ルイズさん。人形を取らないのか?」
「そ、そうね。そうするわ」
少しぎくしゃくした動きでうさぎの人形を穴から取り出すルイズ。
それを手にすると、直前の達成感を思い出し、恥ずかしいのも忘れてまた笑みを見せる。
「ほらっ、見てカクゴ。可愛いわよ」
この子の喜怒哀楽の唐突さには本当に驚かされる。
支援
だが、それ以上に驚くのは、いざ戦いになった時のあの勇敢さを備えた上で、なおこの女性らしさ、愛らしさを持つ事である。
自らを殺す事を旨とする零式防衛術を学んだ覚悟とは対照的な存在であった。
逆十時学園に入学してすぐに出会った少女、堀江罪子さん。
入学初日にこの場所へと連れて来られた為、さして面識があるわけではないが、その芯の強さが似ている、と感じていた。
『存外に俺は女性に弱いのやもしれんな』
自嘲気味にそんな事を考えていたのが良くなかったのかもしれない。
「ほら、今度はカクゴの番よ。コツは掴んだんだし、ここのぬいぐるみぜーんぶ取っちゃうんだから」
ルイズはそう言って覚悟の手を引く。
それは少し気を抜いていたせいであろう、今まで意志の力で封じ込めていた痛みに対する反応が、僅かに漏れてしまった。
「痛っ」
それも一瞬の事。注意深く覚悟を見ていなければ気付かない小さい声であったが、ルイズはそれを聞き逃さなかった。
「あっ……」
すぐに覚悟から手を離すと、満開の桜のような笑みに蔭りが挿す。
覚悟は何事も無かったかのようにルイズの反応に不思議そうな顔をしてみせるが、既に遅かった。
「ごめん。カクゴ怪我人なのに……私ばっかりはしゃいじゃって……」
結局その後すぐにゲームセンターを出て病院へと向かった。
ルイズは完全に落ち込んでしまい、覚悟が声をかけても生返事ばかりである。
確かに怪我人を連れて遊戯に興じるなぞ、もっての他であるのだが、覚悟があの時間を楽しんでいたこともまた事実である。
それをどう伝えてもルイズは信じようとはしなかった。
ルイズに合わせて苦しいのに我慢していた、そう言ってきかないのである。
なので、覚悟は方向性を変える事にしてみた。
「ルイズさん」
「……何?」
「俺が怪我を治したら、また二人でゲームセンターに行かないか?」
ルイズは探るように覚悟を見る。
「今度は色々な気兼ね無しに、ゲームを楽しんでみたい。そうは思わないか?」
覚悟の歩み寄りにも、ルイズは遠慮がちである。
「思うけど……でも……」
「なら、そうしよう。次は俺が先に取ってみせるぞ」
散との決着を着けなければならない身、必勝を期せぬ身である以上その戦いの後に何かを約束する事は出来ない。
だが、その前に少しでも彼女が喜ぶ何かをしてあげられるのなら、そうしてあげたいと思ったのだ。
ルイズに覚悟の決意が伝わった訳ではない。
だが、そう言ってくれる覚悟の気持ちが嬉しくて、ルイズは少し無理をしながら笑って答えた。
「そうね、約束よ。貴方の怪我が治ったら、またゲームセンターに行きましょう」
「ああ、約束だ」
こんな他愛も無い話なのに、真剣な顔で頷く覚悟がおかしくてルイズは噴出してしまった。
「破ったら承知しないんだからね」
「戦士に二言は無い」
やっぱり真剣な顔の覚悟が、ルイズには、少しおかしくて、そして少しだけかっこよく見えたのだった。
【G-3 西部 1日目 朝】
【葉隠覚悟@覚悟のススメ】
[状態]:全身に重度の火傷 胴体部分に銃撃による重度のダメージ 全身に打撲(どれも致命傷ではない) 強い決意
[装備]:滝のライダースーツ@仮面ライダーSPRITS
[道具]:ハルコンネン(爆裂鉄鋼焼夷弾、残弾5発、劣化ウラン弾、残弾6発)@HELLSING
[思考]
基本:牙無き人の剣となる。 この戦いの首謀者を必ず倒す。
1:病院に向かいルイズの言うとおり治療を受ける。
2:ルイズを守り、スギムラを弔う。
3:いずれ巨漢の男(ラオウ)の力になりたい
4:怪我が治ったらルイズとゲームセンターに行く
[備考]原作一巻第一話、逆十時学園入学初日より参戦
【ルイズ@ゼロの使い魔】
[状態]:右足に銃創 中程度の疲労 両手に軽度の痺れ 強い決意
[装備]:折れた軍刀
[道具]:支給品一式×3 超光戦士シャンゼリオン DVDBOX@ハヤテのごとく? キュルケの杖
[思考]
基本:スギムラの正義を継ぎ、多くの人を助け首謀者を倒す。
1:病院に向かいカクゴを治療する。
2:スギムラを弔う
3:才人と合流
4:覚悟の怪我が治ったら覚悟とゲームセンターに行く
以上です
連投規制に引っかかって、泣きそうでした。支援多謝です!
乙、てか支援できなくてスマヌ、俺にはかける言葉もみつからぬ!
フラグ立ってるなぁ……
ほのぼのしてていいですねー
清涼剤GJ!
死兆星が輝きまくりww
>>125 せ、青春だ……。
読んでてニヤニヤしちまったよ。
最近壮絶な話が多かったから、マジで癒された。
投下GJ!
129 :
ぶゆぶゆ:07/07/11 09:50 ID:fxyFhT2.
モーレツ ラブコメかー覚悟ー!!
130 :
◆hqLsjDR84w :07/07/11 12:41 ID:lk91omkI
ああ、このコンビ良いなあ
なんていうか和む
予約していたジョセフと三村の話ですが、まだ書き終わらないので、予約を破棄します
申し訳ありませんでした
>>130 いやあ、別に延長してもいいと思いますぜ。
ゆっくり書いてくださいな。
すいません、予約延長お願いします。
OK,じっくり書いてくれ
429 :やってられない名なしさん:2007/07/05(木) 01:18:29 ID:???0
>>428 28巻まで良策、ファンにとっては傑作。
しかしそれ以降はどう贔屓目にみても……。
というのが、2chの評価だった記憶がある。
430 :やってられない名なしさん:2007/07/05(木) 01:42:44 ID:???0
あのさ、いまさらだけどさ
こういう会話って、本来本スレでやるべきだよな
431 :やってられない名なしさん:2007/07/05(木) 10:26:09 ID:???O
>>429 29巻以降も普通に良作なのにな。
連載中の時からしたら三姉妹編が死ぬほどウザかったのだろう。
432 :やってられない名なしさん:2007/07/05(木) 18:30:58 ID:???O
TJ氏が欝展書き手ということで過去作見てきた。
二つの零の書き手じゃん。
最新作以外特に欝展と思えなかった。
433 :やってられない名なしさん:2007/07/05(木) 18:57:10 ID:???C
桐山が波紋習得とかねーだろ…
434 :やってられない名なしさん:2007/07/05(木) 19:03:46 ID:???0
ヒント
波紋=単なる呼吸法
桐山は達人級の中国拳法をいとも容易くラーニングした
条件が整えばあながち不可能でもないかなあ、って程度だけどな
435 :やってられない名なしさん:2007/07/05(木) 19:08:57 ID:???0
絶望した!
死亡フラグとか色々ばら撒いてるつもりなのに対主催書き手と分類された事に絶望した!!
……やっぱ人殺さなきゃダメなのかー。
436 :やってられない名なしさん:2007/07/05(木) 19:12:50 ID:???C
ジョナサンやジョセフも波紋に関しては、異常すぎる程の天性の才があるんだぜ
彼らでも結構苦労したのに、あっさり習得されたら萎えるなあ
まぁ、桐山らしいと言えば桐山らしいがね
437 :やってられない名なしさん:2007/07/05(木) 19:14:35 ID:???0
>>434 >波紋=単なる呼吸法
ジョジョ読み直して来い。
あれが出来るのは異常な人間だけ。
勇次郎とバキの背中の筋肉みてーなもんだろ
438 :やってられない名なしさん:2007/07/05(木) 19:17:37 ID:???C
>>434 >波紋は単なる呼吸方
いや、おま……
439 :やってられない名なしさん:2007/07/05(木) 19:20:56 ID:???0
>>837 ・波紋とは呼吸法だとツェペリさんが明言している
・対して、特殊な資質が必要だとする発言は無い
そして何より、
・横隔膜を上手く刺激してやるだけでも、波紋を練ることはできるようになる
440 :やってられない名なしさん:2007/07/05(木) 19:29:16 ID:???C
波紋を使えるようになるのに、特殊な資質は必要ないが
『実戦で使えるレベル』の波紋を『短期間』で習得するには、天性の才と良い師匠がいるだろ
441 :やってられない名なしさん:2007/07/05(木) 19:32:28 ID:???O
ジョセフが軽く横隔膜を刺激すれば微弱だが出来るようにはなりそうだね。
そっから少し練習すれば、確かにジョセフくらいは出来そう。
まぁ杉村の10年より桐山の1秒ってのを採用したらどこまでも強くなるけどね。
話は変わるが、承太郎とDIOって無敵なんだな。
ジャンロワでもジョジョロワでもここでも死んでない。
死ぬ作品はことごとく没にされてるし。
442 :やってられない名なしさん:2007/07/05(木) 19:33:07 ID:???0
中国拳法を使えるようになるのに、特殊な資質は必要ないが
『実戦で使えるレベル』の中国拳法を『短期間』で習得するには、天性の才と良い師匠がいるだろ
……あれ?
443 :やってられない名なしさん:2007/07/05(木) 20:01:26 ID:???0
零式防衛術全般
北斗神拳全般
からくりの使用法
勝、フェイスレスの分解
ジョセフの波紋
ハヤテの疾風の如く
独歩の空手
鳴海の中国拳法
防人や刃牙などが持つ格闘術
銀時や才人(剣持ち)などが持つ剣術
パクレそうなのはこの辺か。
追い詰めたら螺旋すらもコピーする男桐山、末恐ろしいな……
444 :やってられない名なしさん:2007/07/05(木) 20:12:11 ID:???0
そして劣化コピーどころかむしろ強くなるのが桐山の真の恐ろしさ。
『波紋』が篭った『螺旋』を、『菩薩の拳』で筋肉やら骨やら『分解』しつつ『秘孔』に叩き込む桐山……
もちろん叫び声は『必殺!桐山螺旋!』。
……見たいかどうかと聞かれれば見たいが、どれだけフラグ積み重ねれば……
445 :やってられない名なしさん:2007/07/05(木) 20:16:46 ID:???0
ただ、言っちゃ悪いが杉村は「努力する凡人」だったからなあ……
ケンシロウや覚悟みたいな「努力した天才」からラーニングしても劣化コピーにしかならない気がする
446 :やってられない名なしさん:2007/07/05(木) 20:19:22 ID:???0
>>444 悪いが見たくともなんともねえぞw
そこまで言っちゃうとただのギャグじゃん。
447 :やってられない名なしさん:2007/07/05(木) 20:20:44 ID:???0
それがテニスになったものが「無我の境地」。
448 :やってられない名なしさん:2007/07/05(木) 20:24:12 ID:???0
ところで、自己リレーどう思う?
個人的にはルールを決めて、OKな状態にしたい。
予約0でもあるし。
・投下したキャラは、一週間予約不可。
あたりを追加する事を提案したいが。
449 :444:2007/07/05(木) 20:24:45 ID:???0
>>446 いや、当然八割ギャグだけどねw
まあ、死んだ味方or敵の仲間の技を〜は個人的に好き。
450 :やってられない名なしさん:2007/07/05(木) 20:27:55 ID:???0
>>448 賛成。
451 :やってられない名なしさん:2007/07/05(木) 20:37:27 ID:???0
っと、いい忘れてました。
続きは、
議論スレ
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/9318/1182436193/ でお願いします。
452 :やってられない名なしさん:2007/07/07(土) 22:24:40 ID:???0
愚痴。
最近のスタンドDISCはお気に入りキャラを強化できるお手軽アイテム見たく思われて嫌。
初期は鷲巣みたいなマーダーに支給や、セラスが死亡して、行方不明になったとか、いまだ本領発揮しそうにない三村とか、
ネタ的においしかったのに。
453 :やってられない名なしさん:2007/07/08(日) 04:04:12 ID:???C
承太郎の記憶DISCを出したのは、巧いと思ったがなぁ
6部の承太郎は、ほぼ全てのタイプのスタンドを熟知してるし
吉良・DIO・ジョセフの能力を知ってるし
ここで愚痴
ムーディ・ブルースを出して
参加者が飛ばされるよりも前に巻き戻すッ!
っていうのをやりたかったけど、この空気でスタンドDISCを出す勇気はねーよ……
454 :やってられない名なしさん:2007/07/08(日) 04:16:47 ID:???0
>>452 でも今さらマーダーにスタンド支給もしにくいからしょうがない気もするが。
アーカードや散や勇次郎やラオウ。
こいつらがスタンドDISCを素直に装備して、スタンドで攻撃するなんて想像できない。
フェイスレスならありえるが、ダメージ還元率のデメリット考えるとやっぱ自重しそうだし。
455 :やってられない名なしさん:2007/07/08(日) 08:35:18 ID:???0
同じスタンドでも、マイナスの効果持つスタンド欲しかった。
強キャラがチープトリックに取り付かれて背中見せられないとか、
スーパーフライに閉じ込められて禁止区域発表に怯えるとか、
舌にトーキングヘッド取り付いて交渉事が悉く裏目に出るとか
パープルヘイズがコントロールできずに勝手に暴れて自分のウィルスで自滅とか
456 :やってられない名なしさん:2007/07/08(日) 08:42:16 ID:???0
『サバイバー』が出てたら、ロワ崩壊してたなw
457 :やってられない名なしさん:2007/07/08(日) 10:41:47 ID:???0
むしろ円滑に進行しただろw
458 :やってられない名なしさん:2007/07/08(日) 11:25:05 ID:???0
グリーンデイ支給
地下鉄駅に降りられないぞ
459 :やってられない名なしさん:2007/07/08(日) 12:49:06 ID:???0
予約スレ、何あれ
460 :やってられない名なしさん:2007/07/09(月) 05:41:23 ID:???O
何で無理矢理強さを序列化しようとするのさ。
誰が誰に蹴落とされるか分からない、
それがパロロワの醍醐味だと思うのだが……
461 :やってられない名なしさん:2007/07/09(月) 08:37:16 ID:???0
てか、銀魂ってこんなに痛い信者いるんかい。
462 :やってられない名なしさん:2007/07/09(月) 11:39:04 ID:???0
ロワに出るほどの人気作品なら痛い信者くらいいるさ。
でも強さ議論は控えて欲しいな。
463 :やってられない名なしさん:2007/07/09(月) 12:09:40 ID:???0
銀魂信者つーより、JOJOアンチじゃねーかな
464 :やってられない名なしさん:2007/07/09(月) 16:20:52 ID:???O
銀魂(こっちはバトルメインになることもあるからまだわかるが)にしろ、ハヤテにしろ無理矢理強いって主張する奴は前からいるな。
たいがい他作品をおとしめているし。あの二作品のファンとしてはムカつく。
どっちもギャグメイン(ハヤテは+萌え)だし、それが魅力になってる。バトルメインの他作品に比べて勝っているなんて、言えるか!
465 :やってられない名なしさん:2007/07/09(月) 18:58:56 ID:???0
スクライド好きが肩身狭くなる発言を……
466 :やってられない名なしさん:2007/07/09(月) 19:10:23 ID:???0
>>465 それが狙いだろ。タイミングからしてさ。
467 :やってられない名なしさん:2007/07/09(月) 21:59:49 ID:AF.Q78X6C
次はどの作品だ・・・・・・?誰が挙げられるんだ・・・・・・?
これ以上他作品を貶めるなァーッ!
468 :やってられない名なしさん:2007/07/09(月) 22:07:09 ID:???0
まあ、お疲れさん。
投下まではあの空気が続くんかね。
いやだなあ。
469 :やってられない名なしさん:2007/07/10(火) 00:16:29 ID:???0
>>467-468 終わりが無いのが終わり
それが緊迫した空気エクスペリエンスレクイエム
470 :やってられない名なしさん:2007/07/10(火) 02:56:52 ID:???C
アーカードは破棄扱いでいいんだろうか
471 :やってられない名なしさん:2007/07/10(火) 09:20:19 ID:???0
破棄でいいでしょ。
本スレの強さ議論いい加減にしろよ。
472 :やってられない名なしさん:2007/07/11(水) 06:19:27 ID:???O
ルイズは覚悟ルートに突入っと……
どこまでも浮かばれないなぁw>才人
473 :やってられない名なしさん:2007/07/11(水) 06:53:58 ID:???0
いっそルイズ覚悟に散才人(才人が僕になってから)の四者が揃って修羅場みたいな。
ロワとかそっちのけの昼ドラになるぜ。
ギャグの人漫画ロワにも出張乙です
からくりの面々だけれど、勝だけがフェイスレスが本性を現した後の時間から来ているんだよな。
となると……
鳴海「フェイスレス、アンタもここに呼ばれていたのか」←「地獄の機械」の前なので一応は同僚
エレオノール「司令、大丈夫ですか?」←しろがねの大物の一人として知っていてもおかしくはない
勝(騙されちゃダメだよ、二人とも!)←フェイスレスの本性を知っている
って事もありえるの?
流れ切ってすいませんが、投下してよろしいでしょうか?
おkおk
かもーん! 待ってたぜ!
では投下します。
私は今、マリアさんが連れていた重傷の美形を背負って、病院を目指している。
私は特にスポーツマンというわけではない。
だがいざと言う時の為に、帰ったらフィットネスクラブにでも入会しておくべきかと考えている。
人ひとりを背負って歩くというのは、意外と重労働だ。
だが、トイレに入って手も洗わないような男が触ったかもしれないバーベルを握るのは、正直な話、気が進まない。
「あの、吉良さん、大丈夫ですか?」
「心配は御無用です。それにほら、どうやら見えてきたようですよ」
私――吉良吉影とマリアさんは、交差点を折れ曲がった道の先に姿を現した、病院へ向けて歩を進める。
建物自体は外から見て二階建て。
そこらの個人病院よりは大きいが、私が住む杜王町にもありそうな、何の変哲もない病院だ。
マリアさんは先程、私と会う前に別れたという女装趣味の少年を気にしていた。
が、放送で呼ばれなかったということは、一応生きてはいるということだ。
そのように言って落ち着かせておく。
「そうですね……じゃあ、中に入りましょうか」
「待って下さい、中に誰かいるかもしれない。私が様子を見てきましょう」
中に人がいるとしても、冷静かつ、殺し合いをするつもりがない人間ならば問題ない。
だがそうでなければ、襲われたり銃を突きつけられたりする可能性がある。
そうなったら面倒だ。
私のスタンドで、マリアさんに気付かれないうちに始末するに限る。
「あのー、一応は武器を持っていったほうがいいんじゃ……」
美形を背から降ろして、中に素手で入ろうとする私をマリアさんが呼び止めた。
……ああ、そうだ。
今後の事も考えると、私は無力な一般人ということにしておいた方がいい。
「では、マリアさんの鎖鎌を貸して頂けますか」
「いいですけど、吉良さんは何か支給されてないんですか?」
「……支給?」
どうやら各人に支給されたデイパックには、紙に封印された何らかのアイテムが入っているらしい。
紙だと?……何らかのスタンド能力か?
しえん
ともかく今は考えていても始まらない。
マリアさんに言われるままに、中から三枚の紙を取り出す。
その三枚にはそれぞれ、
「アラミド繊維内蔵ライター」
「沖田のバズーカ」
「法儀礼済みボールベアリングのクレイモア地雷(リモコン付き)」
……と書かれている。
マリアさんが、説明書があるはず、というので取り出して読んでみたが、どれもこれもこの状況では使いにくいものばかりだ。
私はとりあえず、一時的にマリアさんの鎖鎌とバズーカを交換することにして、病院内部の偵察に向かう事にした。
「気をつけて下さいね……」
心の底から私を気遣ってくれている表情。
ああ……そんな貴女を絶望の淵に投げ入れて、泣き叫ぶその顔を堪能し、手を残して吹き飛ばす……。
その後は貴女の手に爪を切ってもらったり、オシリを拭いてもらったりしたい……。
――と、妄想に浸ってばかりもいられない。
「そちらこそ、お気をつけて。もし誰か来たら呼んで下さい」
「はい」
そして私は病院の内部へと足を踏み入れた。
正面から入ると、中はまだ薄暗く、非常灯の緑色のランプがぼんやりと院内を照らしている。
待合室や診察室を、ひととおり見て回ってみたが誰もいない。
薬品棚なども調べてみる。
消毒液や麻酔薬など、私には詳しい事は解らないが、薬品も一応は揃っているようだ。
「ふむ……」
私はそこから廊下に戻り、更に奥へと進んだ。
エレベーターがあり、そのすぐ横には各階の設備案内があった。
「屋上、二階、一階、そして地下か……」
どうやら今、私がいる一階は診察に使う設備があり、二階は入院患者用の部屋、地下は手術用となっているらしい。
地下の手術室は、いざという時に誰かを始末する場合、都合が良い。
私は二階、そして地下の順にチェックしたが、どうやら誰もいないということは確認できた。
さて――とりあえず、現状ではこの建物は危険ではない事が分かった。
では、外のマリアさんを迎えに行くとしよう。
私は一階に戻り、正面玄関から外に出る。
――そろそろお腹も空いたことだ。
――あの美形はベッドに寝かせておけばいいとして、私たちは二人でゆっくり朝食をとろうではありませんか。
私はそう言って彼女を誘うつもりだった。
私が戻るのを病院の外で待っていたマリアさんと美形、そして――、
死んだ魚のような目をした、白髪パーマの胡散臭い男を見るまでは。
「あー、どーも。坂田銀時ってモンです。よろしく」
「…………誰だ?」
「いや、だから坂田銀時ですって。つか、名乗ったんだからそっちも名乗るべきじゃないかと俺は思うね。あんた誰?」
「……………………質問を質問で返すなァァ――――!!」
*
……何故、私はこの白髪男と並んで正座して、マリアさんに説教を受けているのだろう。
説教されるほど悪い事をした覚えは無いのだが。
待て、落ち着け、吉良吉影。
素数を数えて落ち着くんだ。
しえん
きらのケツ想像して噴いた支援
そして現状を整理して、それに即した対処法を速やかに実行するのだ。
「――聞いてるんですか、吉良さん!」
「もちろん聞いていますよ、マリアさん。
私はこの坂田さんと初対面で、なにせこの状況ですから、ちょっと警戒してしまって、
少々態度が荒っぽくなってしまいましたが、マリアさんに間に入ってとりなしてもらい、
とにかく互いに敵意が無い事が解った。
私と坂田さんはお互いわだかまりをなくして、協力すべきだと貴女に説教されている。
――こういうことですね?」
「ちゃんと聞いてるじゃないですか!!しかもそんなに長く!!」
よどみなく答える私に、マリアさんが即座に突っ込む。
彼女と初対面の時にも、同じやり取りをした記憶があるが、気にしない。
「むー。まあいいです。美形さんも落ち着いたことだし、とりあえず御飯にしましょう」
と、言って病室を出ていこうとするマリアさん。
ちなみに現在、私達は二階の大部屋にいる。
そしてそこにある入院患者用のベッドに美形を寝かせ、応急処置を終わらせたところである。
「……どこに行くのですか?」
私が聞くと、マリアさんは朗らかに笑った。
「給湯室があったんで、お茶とかコーヒーがあったら煎れようと思って。
パンとお水だけじゃ、わびしいじゃないですか」
「あ、俺はコーヒーを砂糖とミルクアリアリで。もし無けりゃあ、砂糖入ってりゃ何でもいいんで」
「分かりました。吉良さんはどうします?」
「……私も、もしあればコーヒー。ミルクだけでお願いします」
「はーい」
坂田の図々しい注文にも嫌な顔一つせず、元気のいい返事をかえすマリアさん。
そう言って身を翻すと、スカートの裾がふわりと舞ってドアの向こうへと姿を消した。
「……なあ、あんた。一つ聞いていい?」
坂田が質問してきた。
何だ、一体。
「マリアさんって、何でメイド服なの?」
美形さんwwww
「……メイドだからじゃないか?」
「あー、そっか。あんな筋肉バスターがいるんだから、メイドさんもいたっておかしくねーよな、ウン。俺はナース服の方がいいけど」
誰も貴様の趣味など聞いていない。
それに筋肉バスターとは何だ?
「……外見で女性を判断するなど、失礼な話だと思うがね」
「いやいや、中身にもちゃんと興味ありますよ。乳とか尻とか」
駄目だこいつ……早く何とかしないと……。
【F-4 病院 一日目 朝】
【吉良吉影@ジョジョの奇妙な冒険】
[状態]:健康+下半身が健康すぎる
[装備]:本部の鎖鎌@グラップラー刃牙 アラミド繊維内蔵ライター@グラップラー刃牙(未開封)
法儀礼済みボールベアリングのクレイモア地雷(リモコン付き)@HELLSING(未開封)
[道具]:支給品一式、
[思考]
基本:普段どおり平穏に過ごす。
1:マリアの手が気になるが今の所は手を出すつもりは無い。
2:自身を追うもの、狙うもの、探るものなど自身の『平穏な生活』の妨げになると判断した者は容赦なく『始末』する。
3:できる限り力無き一般人を演じる。
4:マリアを傷つけるかもしれない輩も皆殺し。
5:美味しいもの(マリア)は最後までとっておく。
6:もし脱出できるのであればしたい。マリアの手を手に入れてから
[備考]
※『バイツァ・ダスト』拾得直後からの参戦です。
※承太郎が殺し合いに参加していることに気づいていません。
※スタンドの能力制限や『バイツァ・ダスト』が使用不可能であることに気づいていません。
。
【F-4 病院 1日目 朝】
【マーティン・ジグマール@スクライド】
[状態]:全身ボコボコ、歩くのがやっとの重傷(応急処置済み)、美形状態、極度の疲労、気絶
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考・状況]
基本:生き延びて全宇宙の支配者になる。
1:誰かに匿ってもらう。(美貌が使えそうなら使う)
[備考]
※人間ワープにけっこうな制限(1〜2mほどしか動けない)が掛かっています。
連続ワープは可能ですが、疲労はどんどんと累乗されていきます。
(例、二連続ワープをすれば四回分の疲労、参連続は九回分の疲労)
※ギャラン=ドゥに関しては次の書き手さんにお任せします。当分は出てこれないと思います。
【F-4 病院 1日目 朝】
【マリア@ハヤテのごとく】
[状態]:健康
[装備]:沖田のバズーカ@銀魂
[道具]:支給品一式、犯人追跡メガネ&発信器×3@名探偵コナン
[思考]基本:殺し合いはしない
1:ご飯を食べてから今後の方針を話し合う
2:ナギ、ハヤテ、ヒナギクの捜索
3:黒髪の少年(葉隠覚悟)を探す
4:範馬勇次郎と金髪の男(ラオウ)を警戒
5:散の事を女装した男だと思っています。
[備考]
※吉良に全く警戒心を抱いてない。依然危機の中。
【F-4 病院 一日目 朝】
【坂田銀時@銀魂】
[状態]健康
[装備]蝶ネクタイ型変声機@名探偵コナン
[道具]支給品一式 ソードサムライX@武装錬金(攻撃に使う気はない)
あるるかん(紙状態)@からくりサーカス ハーミット・パープル(隠者の紫)のDISC(紙状態)@ジョジョの奇妙な冒険
[思考] 基本:このゲームをどうにかする
1:とりあえず一服
2:新八、神楽を捜す。ついでに桂も
3:ラオウには会いたくない
{備考}
零のことはよく分かっていません
あるるかんとハーミット・パープルのDISCについては説明書をほとんど読んでいません。また読む気もありません。
※ソードサムライX
エネルギーを使う攻撃を吸収し、攻撃に転用します
制限、効果の対象となる攻撃は任せますが、少なくとも「魔法」には効果アリです
投下完了です。支援ありがとうございました。
投下乙!
吉良てめえそれはキラ違いだw
美形……まだ気絶中とか(´・ω・)テラカワイソス
あと吉良、
>駄目だこいつ……早く何とかしないと……。
お 前 が 言 う な
投下乙。マリアさんやっと対主催に合えたのによりによってコイツかよww
さて、病院がカオスになりそうですねー。あと何組来る予定?
美形はいい加減起きろwこれだけ気絶しといてその存在感は卑怯w
ちょwwキラ違いwww
いまだほのぼの風景のする病院が微笑ましかったです。
てか、吉良と銀時が並んで正座ってww
GJ!!
この面々だと吉良が妙に常識人に見えるのは気のせいでしょうか?
何はともあれ、お疲れ様でした。
>>163 >ああ……そんな貴女を絶望の淵に投げ入れて、泣き叫ぶその顔を堪能し、手を残して吹き飛ばす……。
>その後は貴女の手に爪を切ってもらったり、オシリを拭いてもらったりしたい……。
これ読んだ瞬間に、流石変態殺人鬼……。と思って一瞬ゾッとしたが、
最後まで読んで気付いたら爆笑していたww
何か銀魂キャラが入るとみんなギャグになるなぁ。
GJ!! した。
吉良……お前キャラ変わってないかw
ホントに一つの街を恐怖のドン底に陥れた殺人鬼かw?
GJ!
吉良がキラの台詞言うなwwww
そしてこの変態殺人鬼に「駄目だこいつ…」って言われる銀さんwww
長期間をキャラを拘束して、本当に申し訳無いのですが
期限に間に合いそうに無いので、予約は破棄させて下さい。
そして再び予約零
今からアーカード投下します。
ぶっちゃけ今回少しだけ暴走した。今は反省している。
>>174 いいか、俺達書き手の世界には投下しますなんて言葉は(鷲巣「キング・クリムゾン!!」)
支援した、なら使っていい
「ゲェハハハハハ!」
狂った笑い声をあげる神父が浮かんで消えた。
「マスター!」
自分を畏怖し、また、慕っていた半端物の従僕が浮かんで消えた。
民家に寝転がるアーカードの顔はどこかもの物悲しそうであった。
それは殺されてもいいと思った好敵手に向けられた物か、自分を慕う従僕に向けられた物か、その両方に向けた物か、それは彼本人にしかわからない。
ただ彼はもの物悲しそうに天井を睨んでいた。
「……?」
ふと気づくと、アーカードは暗い闇の中にいた。
光一つ無い暗闇の中、アーカードは辺りを見回す。
「――ようこそ、男の世界へ」
突然聞こえたその声にアーカードが振り向く。
そこには青いツナギを着たおっさんが立っていた。
「自己紹介が遅れたな。俺は君の持っているフェイファー ツェリザカの精だ。ところで――」
そこで男は一息つき、アーカードを曇り一つ無い真っ直ぐな瞳で見つめる
「 や ら な い か ? 」
そう言いながらツナギのホックを下げ、股間のフェイファー ツェリザカを露出させる男に対し、アーカードは問答無用で手元にあるツェリザカを向ける。
「生憎と俺を殺したところでこのハッテン場からは逃げられないぞ? さぁ、俺と共に目くるめく薔薇の花咲き乱れる世界へ――アッー!」
その瞬間、ツェリザカの精の腹部から一本腕が生え、そしてその腕が引き抜かれた。
「マスターに何してんのよこの変態!」
「しーましぇーん!」
その腕の主、セラス・ヴィクトリアの一喝にそう一言返して、血を撒き散らせながらツェリザカの精は地に伏した。
「ふー、まったく、どうしてこう銃の精っていうのはこんな変人ばかり……」
「婦警」
拳に付着した血を払いながらぶつぶつ呟いているセラスにアーカードは呼びかける。
主の呼びかけ、「は、はい!」と慌てて答え、セラスが向き直る。
そして沈黙。
「すいません……、死んじゃいました」
申し訳無さそうに頭を垂れるセラスを見下ろしながら、アーカードは口を開く
「この半端物め、開始早々死ぬとはそれでも私の従僕か、婦警」
射抜くような視線にセラスは萎縮する。
「……それで、何の用だ。私にこの殺し合いに乗っていない輩は見逃せとでも言いに来たのか?」
図星だったのか、アーカードの問いに、セラスはばつの悪そうな顔になり、視線が宙を彷徨う。
く、俺一人では支援しきれない!
誰か援護してくれ!!
これで『少し』かよwwwwww
スタープラチナ・ザ・シエン!
「駄目……ですか?」
「当然だ」
セラスの質問にアーカードは即答する。
「ここは戦場で私は全てを屠る為にここに呼ばれた化け物だ。ならば私は自らが命じるままに老若男女を問わず全てを打ち滅ぼすまでだ」
気づけばアーカードの口は三日月の様に歪んでいた。
「そもそもだ、この闘争に乗らなかった所でどうする?主催者に反抗するのであれば私一人くらい屠れなければ話にはならない。違うか?」
「で、でも……」
セラスにはアーカードの言っている事は理解できる。
実際自分やアンデルセン、アーカード、そして自分と闘った美形のような人間の範疇外のような奴等を一同に介しこんなことを始めているのだ。首謀者の力量も推して測るべきである。
その首謀者と対抗するというのなら確かに自分の主を倒せるくらいで無ければ太刀打ちできないかもしれない。
しかし、それでもセラスは主が無抵抗の平凡な一般人も手にかける事に抵抗があった。
そして何より、自分の主に死んで欲しくはなかった。
「……まあいい、お前が何を言ったところで私がやることは変わらん。言いたい事が無いのであれば私は行かせてもらうぞ」
「あ、ま、待ってください!」
何処かへ去ろうとしたアーカードをセラスが呼び止める。
「最後に、最後に一つだけ」
そう言ってセラスは大きく深呼吸をする。
「や ら な い か」
「死なないでください」
ジッとアーカードを見つめ、セラスは続ける。
「死なないでください。マスターが乗っていない人を殺すのには抵抗がありますけど……、それでもマスターが死ぬのはもっと嫌です」
その言葉にアーカードは呆気にとられた表情を浮かべた。
そしてその顔は柔らかな微笑へと変わり、そのままいつもの笑顔へと変化する。
「当然だ、私を誰だと思っている」
「はは、ですよねぇ」
苦笑するセラスを尻目に、アーカードは何処かへと歩いていく。
ふと、アーカードが足を止め、首だけをセラスへと向ける。
「去らばだ、セラス・ヴィクトリア」
そう一言いい、アーカードはまた歩き始める。
自分を婦警ではなく本名で呼んだ主にセラスは一瞬目を丸くし、そして笑顔を浮かべる。
「さようなら、マスター」
その声を最後にアーカードの意識は覚醒した。気づけばそこは自分が先程まで寝転がっていた民家の中だった。
「夢か……、私が夢を見るとはな」
そう呟きながらアーカードは自分の状態を確認する。
体の傷はほとんどが癒えており、陽光の元行動をするのには支障はなさそうだ。
次に現在の時刻を確認する。デイパックの時計は午前10時を指している。
「では闘争を開始するか。DIOよ、スタンド使いの少女よ、そして数多の参加者よ。さあ――」
アーカードの口が喜悦に歪み三日月を形作る。
「私を打ち滅ぼしてみるがいい」
彼は征く。殺し、打ち倒し、朽ち果てさせる為に。
彼は征く。殺され、打ち倒され、朽ち果たされる為に。
――バトルロワイアル1日目AM10:00、王立国教騎士団『ヘルシング』所属、吸血鬼アーカード、再出撃確認――
アーカードがいよいよ…だな
【A-5 中部 民家内/1日目/朝(10時)】
【アーカード@HELLSING】
[状態]頭部にダメージ小 全身に軽度の打撲、ダメージ小(自然治癒中) 疲労 全身に軽度の火傷
{装備}フェイファー ツェリザカ(2/5)
{道具}支給品一式 フェイファー ツェリザカの予備弾30
{思考}
基本:殺し合いを楽しむ
1:満足させてくれる者を探し闘争を楽しむ。
3:DIO、柊かがみとも再度闘争を楽しむ。
[備考]
・参戦時期は原作5巻開始時です 。セラスの死を感じ取りました。
・首輪は外れていますが、心臓部に同様の爆弾あり。本人が気付いているかは不明。
・DIOの記憶を読み取り、ジョセフと承太郎及びスタンドの存在を認識しました。
・柊かがみをスタンド使いと認識しました。
以上で投下終了です。
さっき反省してると言ったが、すまん。ありゃ嘘だ。
>>182 その発想は無かった。
では疑問等あったらお願いします。
投下乙!
まさに……闘争の時間の前ぶれところか。だが
>股間のフェイファー ツェリザカを露出させる男
こいつの闘争はいらねえw
あとセラスのセリフをとんでもないモノに変えた
>>182は犬の餌になるべきだ。
投下乙。これで原作に忠実なのがスゴイところw
さぁ怖い人が起きましたね。どっちに行くか見ものだね。
どこにいってもドンパチ起こるけどw
フェイファーツェリザカの精で吹いたww
しかし、これでアーカードが本格的に始動するか……
波乱の予感
GJです。
セラス、健気だよセラス。
ただ、状態表の時間が【朝(10時)】となっていますが、
午前10時なら「昼(10時)」とでも書いた方が妥当だと思います。
朝とも昼ともいいづらい半端な時間だな。
書き手さんがこれないのはやっぱ試験の時期だからかね?
ここは過疎対策に何か話のネタを投下したいがいいネタあるか?俺はない。
そもそもこんな既出だらけのロワが続くわけないんだよ。
読み手はともかく書き手側からしたら飽きてるわけだしさ。
しかもなのはみたいにディープなファンがつく作品もない。
バキやジョジョの二次創作小説サイトの数なんてたかが知れてるだろが。
聞きたいのだが、勇次郎パート予約して破棄した人って、まだ書くつもりありますか?
誰も書かないなら、書こうと思ってるのですが。
>>195 >ジョジョの二次創作小説サイトの数なんてたかが知れてるだろが
それはひょっとしてギャグで(ry
ジョジョの二次創作はれっきとしたジャンルだろ……確かに最近は廃れ気味だけどさ
ちなみに作者オリジナルのスタンドが絡んだりもするから当たり外れの大きいジャンルだったりする
>>195 とりあえずなのは厨乙
とでも言えばいいのかな?
>>196 一応書き進めてはいますが、完成してから予約が無い場合は
投下したいと考えている程度なので、気になさらず書いて頂いて結構です。
>>199 すいません、失礼しました。作品の完成をお待ちしてます。
どこぞで「あそこ誰も書けないだろ」的なことを言われてたんで、
じゃあ書いてやろうじゃねえか、とちょっとムキになってしまいました。
個人的に書きたいパートが実は他にあるw
少し長くなりそうなんで予約はもう少し書き進めてからになりそうですが。
886 名前: Classical名無しさん [sage] 投稿日: 07/07/14 21:45 ID:cWK007Rg
漫画からも死臭が漂ってきたよな……勇次郎をどうにかしないと企画がポシャる。
あのパートが一番書きにくいのに、放送またいで残したりするからもっと書きにくくなる。
>>192の件なんだが、主観は抜きにしてルールで、
【作中での時間表記】(0時スタート)
深夜:0〜2
黎明:2〜4
早朝:4〜6
朝:6〜8
午前:8〜10
昼:10〜12
日中:12〜14
午後:14〜16
夕方:16〜18
夜:18〜20
夜中:20〜22
真夜中:22〜24
このようになっている。
少なくとも十時は朝じゃないよね。
ここだけは要修正かな。
普通は2〜4時は「未明」じゃないのかね。黎明って夜明け近くの事だぞ。
深夜:0〜2
未明:2〜4
黎明:4〜6
早朝:6〜8
朝:8〜10
午前:10〜12
昼:12〜14
午後:14〜16
夕方:16〜18
夜:18〜20
夜中:20〜22
真夜中:22〜24
一般的にはこうではないかと思った。
まあこの時間区分はパロロワの伝統みたいなもんだから
不死王、一人の時間修正した部分を一時投下スレに投下しました。
後、立ち止まる(ryでパピヨンの台詞を微修正しました。たびたびすみません。
らきすたと武装錬金って生活圏同じでしたね。すみません。
>>199 が素直に書けませんって言ってくれてれば…
>>199 が素直に書けませんって言ってくれてれば…
>202のルールをこう変更する事を提案。
深夜:0〜2
未明:2〜4
黎明:4〜6
早朝:6〜8
朝:8〜10
午前:10〜12
昼:12〜14
午後:14〜16
夕方:16〜18
夜:18〜20
夜半:20〜22
夜中:22〜24
理由として
・2時が明け方である黎明なのは変。黎明に合わせて2時を明け方にすると夜の割合が少ない。(未明:2〜4 黎明:4〜6)
・10時から昼というのはさすがに早すぎる気がする。(朝:8〜10 午前:10〜12)
・日中は正午から前後2時間の事なので。(午前:10〜12 昼:12〜14)
・ついでに多くても二文字に揃えてみた。(夜中:22〜24)
>>210 本スレで提案するのは議論スレで纏めてからのがよくない?
あそこってSSの内容だけじゃないよね? テンプレとかも議論してたし。
修整はできる限り少なく済ませるべきでね?
黎明って単語が実態に合ってないなら、
黎明→未明、の差し替えだけで、後はそのままでいいかと。
(その場合、「黎明」と名付けられた時間区分は存在しなくなる)
てか、どれだけ修整せにゃならなくなると思ってんだw いくらその方が実態に合うっつーてもさ。
過去のは手ェつけずに今後のモノだけ修整、となるとそれはそれで混乱生むし
書き手さんから許可貰えれば、wikiで編集できるけどね。
あとは、今後注意したりメニューを直したりなどだが、幸いにも序盤なんで、まだ間に合う。
wikiに携帯じゃ見れないページあるのって俺だけ?
今さらだけどこの作品群っておかしいよな。
アニロワが光としたら漫画ロワは影って感じ。
多分頭にイメージされるのが白黒の漫画だからかな。
カラーで音声ありでイメージしやすいアニメの方が二次創作に向くのかな?
それに作品群が明るい萌えじゃなくて暗い燃えが多いし。
もともと原作が殺し合いを日常としていたりもしてる。
( ・д・)?
>210
問題は日照時間か。太陽が大きく影響するキャラもいるからな。
参考データ置いとく。
今年の東京の場合
日出 正中 日没 昼時間
春分 5:45 11:49 17:54 12:09
夏至 4:26 11:43 19:01 14:35
秋分 5:29 11:34 17:39 12:09
冬至 6:47 11:40 16:32 9:45
日照時間は表記と別に管理すりゃいいじゃない
すいません、予約延長させてください。
ちょっと帰ってくるのが遅くなりそうなんで、投下は深夜か明日になりそうです。
本当に申し訳ありませんorz
ういっす。頑張れ〜
DIOと刃牙を投下します。
しえええええええええええええええん
ガタンゴトンとやかましい騒音があちこちの壁に反響する。
トンネルの先へと消えていく列車を見送りながら、範馬刃牙はS2駅のホームに立っていた。
『刃牙よ……』
「分かってるさ、零」
その手に持った鞄からの声に、気負いなく答える。
列車の中から、すでに刃牙は異常に気がついていた。
ホームの各所にある蛍光灯が割られており、その暗さは10m先もロクに見えないほどだ。
そして列車のドアが開いた瞬間に鼻をついた血の臭い。
何よりも――その全身に纏わりつくような空気の異様さ。
山に篭り、夜叉猿と戦った時を思い出す。
あの時と同じ、自分が魑魅魍魎の跋扈する異世界へと迷い込んだような、そんな感覚。
だからこそ刃牙はこの駅へと降り立ったのだ。
ここはヤバイ。
ここには何かがいる。
そう、今まで出会ったことのないような、そんな――怪物が。
ひたり、ひたり――。
刃牙の足音だけが、やけに大きく聞こえる。
天井にある、割れた蛍光灯の残骸がバチバチとスパークして、その度に辺りの景色が明滅を繰り返していた。
――いる。
約20m後方。
得体の知れない気配がゆっくりと近づいてくる。
刃牙は歩調を変えない。
ひたり、ひたり――。
聞こえるのは自分の足音だけ。
他には何も聞こえない。だが、間違いなく、いる。
そこに――、ゆっくりと――、近づいてくる。
10m。
5m。
サムワン支援
地上へ続く階段に足をかけた瞬間。
『気配』はいつのまにか刃牙の背中に貼り付くような距離まで近づいていた――。
ふうぉんっ、と刃牙の拳が空を切る。
身を捩り、背後の何かに向けて放ったバックブロー。
だがそこには何もなく――、
「君に質問があるのだが……」
振り返った刃牙の背後――つまり直前まで刃牙の真正面だった場所。
階段の中ほどに、いつのまにか男が一人、立っていた。
「……ッツ!」
零を持ったまま、刃牙は飛びすさって男から距離をとる。
『貴様、何者だ!!』
零の警告に、男は答える。
その声は冷たく、暗く、そして抗いがたい蟲惑的な何かを含んでいた。
「ほう……鞄が喋るのか。君の凄まじいほどに鍛え上げられた肉体、無数の傷……興味深いな」
「……奇遇だね。俺もアンタに興味がある……何者だい」
「私の名はDIO。そこまでの肉体を手に入れるのに、どれほどのトレーニングを積んできたのか……。
そして、その苦しみに耐えてまで強くなろうとする理由は何なのか……。
私なら、君の苦しみを取り除いてあげられるかもしれない……。
――話してみないか?
君に力を、安心を――与えてあげよう」
『刃牙ッ!!』
零の鋭い声。
零は、この男を危険だと判断した。
この声は人を闇へと誘う。
支援
そして誘われてしまえば、もう二度と光の当たる場所に戻る事はできない。
「そうだ……俺には強くならなきゃいけない理由がある……」
わかっている。
その身に、記憶に深く刻まれたその理由。
そのために、そのために刃牙は、零を床に置き――そしてこう言うのだ。
「だから俺は……アンタと戦う!!」
刃牙はいつでも、どんな時でも闘い続けてきた。
勝ち目がなくとも、生命の危機が迫る時でもファイティングポーズをとった。
そしてこれからも――全ては父を超える為に。
「フッフッフ!……いいだろう。君の力を見せてもらうとしようか」
「ああ、俺もアンタの実力を見せてもらう。――――ッシャアッ!!」
気合と共にノーモーションから放たれた左ミドルは、腕組みをしたままのDIOの右脇腹を正確に狙う。
スピード、パワー、共に一級の一撃だ。
だがDIOは組んだ腕をほどこうともせず、ただ眺めているだけ。
そのまま、刃牙のファーストアタックがヒット――しない。
「何ッ!」
刃牙の蹴りがガードされ、さらに何かがこちらに攻撃を加えてくる。
かろうじてガードしたが、そのパワーを受け止めきれず、刃牙は自ら後ろに飛んで流す。
「〜〜〜〜〜〜〜ッ!!」
「フフ……どうした。終わりかね?」
今、何かが――突然出現して蹴りをガードし、反撃を繰り出してきた。
『刃牙、今のが見えたか!?』
「ああ……何かが……いる」
刃牙と零の会話を聞き、DIOは唇の端を吊り上げて答えを告げる。
「やはり見えているようだな。このDIOの『世界』が……」
「へえ……そういう名前なのかい、その人形は」
「これは人形ではなく、このDIO自身の力を具現化した存在……つまりもう一人の私だ」
黄金の輝きを纏った『世界』が刃牙の目の前に立ちふさがる。
体格は2mを軽く超えている。
170cm弱の刃牙と比べれば、その差は明確だ。
ヤバイ。DIOの世界でバキがヤバイ。
「この『世界』で君の力を試してやる……さあ、来るがいい」
「へ……言われなくてもッ!!」
疾風となって駆ける刃牙。
DIOとの間に立ち塞がる『世界』へ向かって、一直線に突進する。
そして牽制の左ジャブから右ストレート。
右拳の勢いをそのまま利用して、さらに右ハイキック。
「ヌウッ!!」
初めの二撃はかわされた。そして右ハイを腕でガードされる。
だが、まだまだだ。
ローキック。
肘打ち。
正拳。
前蹴り。
ヒザ。
さらに連打、連打、連打!
次々と繰り出すラッシュを相手は防ぎきれず、何発かがヒットする。
が、さほど効いている様子はない。
笑みすら浮かべて、こう言ってのけた。
「中々のラッシュだ……では速さ比べといこうか」
DIOの眼がぎらりと光る。
「フン!フン!」
『世界』の左右の拳が、砲弾のような迫力と勢いで刃牙を襲う。
一撃をかわし、もう一撃をなんとか受け流した。
「フン!フン!フン!」
さらに三連打。
かわす、流す、拳をぶつけて弾く。
その隙に返しのボディ。
頑張れバキ支援
「無駄無駄無駄無駄――――」
スピードが上がった。
かすめた拳が刃牙の皮膚を切る、ガードした腕が軋む、拳で弾こうとして逆に弾かれる。
さらなる攻撃が刃牙のガードを完全に崩した瞬間――。
「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄
無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄
無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄
無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄
無駄ァァァァ――――――――!!!!」
圧倒的な拳の弾幕が、ひとつ残らず肉体に食い込んだ。
目の前で火花が飛び散って、熱い衝撃が体の中を次々と貫いていった。
刃牙の視界の中のDIOの姿が遠ざかって、どんどん小さくなっていく。
――どこに行くんだ。
そう思ったら、周りの景色まで向こうに動いている。
違う。刃牙がDIOから遠ざかっているのだ。
「貧弱、貧弱ゥ!!」
DIOの嘲笑と、吹き飛ばされた刃牙が壁際のゴミ箱に激突するのは、ほぼ同時だった。
ゴミ箱のけたたましい金属音が駅の構内全体に響き渡る。
『刃牙ィィィィッ!!』
零の叫びが聞こえた。
――大丈夫だ、俺はまだ戦える。
そう言いながら起きようとして、刃牙の体に激痛が走った。
「ガッ……ハアッッ!!」
「ほう。今のはチョッピリ殺す気で殴ったのだが、すぐに起き上がろうとするとは素晴らしい」
DIOの憎たらしい台詞に言い返したいところだが、ダメージのチェックが先だ。
支援支援
軽く頭を振り、上体を起す。
大丈夫だ。かなり効いたが、まだ――。
「え――?」
起き上がるために床に手をつこうとして、妙な柔らかい感覚があった。
首無しの、いまどき珍しいセーラー服を着たミイラに刃牙の手が触っている。
「オワッ!?」
慌てて手を引き周りを見ると、同じようなミイラがあと二体、自分の周りに転がっていた。
そのうち一つが、散らかったゴミ箱から半分はみ出ている。
そのミイラが着ている服は、どう見ても十歳に満たない程度の少女のものだった。
「パワー!スピード!どちらにおいても、この『世界』が上回っている!
さらに言っておくが、『世界』はまだ力を隠している……。
つまり刃牙、君の勝ち目は全く無いということ!
おとなしくこのDIOの軍門に下れば良し、さもなくばそのミイラ共のように――」
――待て。今、こいつは何て言った?
「――私に忠誠を誓え、刃牙よ。そうすれば君に力を与えてやる。
そう、君が欲してやまない強大な力を!!
欲しかったのだろう?そのために辛いトレーニングを積んだのだろう?
そのために己の肉体に無数の傷を刻み付けたのだろう?」
――こいつが、これを、やったってのか?
DIOの言葉が、遠い。
代わりに心臓の鼓動だけが、自分の中で大きくなっていく。
――ドクン。
「おとうさんをよろこばせなさい!!!!」
絶叫した母の顔は、普段の美しさの欠片も見えないほど滑稽に崩れて、恐ろしかった。
「さっき……支援はほどほどにするって……言ったくせに……」
「自分を知れ、そんなおいしい話があると思うか?お前のような書き手に」
この展開はどっちだ? 支援
――ドクン、ドクン。
「勇次郎ォォオオォォッッ!!――あたしが相手だッッ!!!!」
混濁した意識の中で聞こえたその声は、とても頼もしくて、とても悲しかった。
――ドクン、ドクン、ドクン、ドクン。
「ぼ……う…………や……よ…………い……こ…………だ…………」
満天の星空の下で、何かとても大きくて、あたたかいものに包まれていた。
ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、ドクン――!
「…………思い出したよ」
刃牙はそう言いながら、ゆっくりと立ち上がった。
背中から首筋にかけての部分がやけに熱い。
ざわり、ざわり、と体の中からマグマのような何かが湧き上がる。
「最初の気持ちってやつを、思い出した」
「ム……?」
広くスタンスをとり、そして大きく両腕を広げた。
それは父の、範馬勇次郎の本気の構え。
その背中に浮かぶのは、数々の戦いで鍛え上げたグラップルの結晶。
そして鬼の血が受け継がせた筋肉の貌。
「ありがとうよ……。――最悪の気分だ」
「フン、どうやらまだ理解できないようだな。もう少し痛い目をみる必要があるか」
DIOの『世界』が拳を振り上げる。
対して刃牙が、かざした両腕を振り回すようにして身をよじると、上半身が180°捩れてDIOの目に刃牙の背中が映る。
鬼が、哭いていた。
「無駄無駄無駄無駄ァ――!何をする気か知らんが、猿が人間に勝てるかァ――――!!
お前はこのDIOにとっての、モンキーなんだよォォ刃牙ィィィィ!!」
DIO様の台詞って原作の台詞改変が多いな
鬼ktkr!
パワーの差は明確だ。
さらに『世界』は上からパンチを打ち下ろす形になっている。
ただでさえ不利な対決で、重力のハンデまである。
この状況で刃牙がとった行動とは?
ただ、思いっきりブン殴った。それだけだ。
爆発音。
この音だけを聞いた人間が、これが拳をぶつけ合ったものだと説明しても、納得できる者はいるだろうか。
だが事実である。
二人の拳は岩をも砕き散らす威力を持つ凶器、まさに爆弾そのものなのだから。
そして、打ち勝ったのは刃牙。
「ナァニィィィィ!?」
DIOは驚愕の表情。しかしその時、刃牙が見ていたのはそこではない。
『世界』の拳を弾き飛ばした瞬間、DIOの動きがリンクして、同じように体勢を崩したということ。
初弾のパンチを振り抜いて、その体を戻す動きで間髪入れず第二撃を放つ。
竜巻のような左フックが肝臓の部位にヒット、『世界』が体ごと刃牙の前から「ズレた」。
前が開いて、その向こうにDIOの本体が見える。
しかも体勢を崩しており、反撃できるとは思えない。
つま先でコンクリートの床を砕かんばかりに強く踏み込んだ。
さらに足首から膝。
腰。背筋。肩。肘。手首。
下半身から胴体、そして拳へと、パワーとスピードを無駄なく伝達。
そしてDIO本体の心臓部へ拳が届いた、そのインパクトの瞬間に全身の関節をロックする。
そうすることで、自分の体重の全てを拳にのせることができる。
だが説明だけでは虫も殺せない。
くぐり抜けた幾千、幾万の修羅場の数だけが、そのタイミングを教える。
生まれてからの己の人生全てを格闘に賭けた、グラップラー刃牙の最高の技、剛体術。
そこに悪魔から授かった筋肉の、そのパワーのありったけを叩き込む。
DIOの分厚い胸板も、その奥の胸骨も、肋骨をも巻き込んで内側にへし折って、内部の肺を、心臓を、風船を潰すように貫通して、その奥の脊髄まで――、
ヤッダァバアァァーーーー!!
こっちかァーッ!
全て吹き飛べ!
ブチ砕けッ!
俺の拳は!範馬刃牙の拳はッ!
俺の拳はてめえのような、親父のような奴を――否定する為にあるんだッッ!!
「ちぇぇりゃァァァァアアアアアアアアアアアアアアッッ!!!!」
刃牙の闘志がこもった気合、そしてDIOの断末魔の叫び。
「GUUUUAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!」
だが、まだ決着ではなかった。
DIOの苦悶に歪んだ顔が、勝利の確信に満ちた哄笑へと変わる。
「KUUAAAA……見誤った……。素晴らしいッ!気に入ったぞ、刃牙ッ!
人を殺せる一撃を躊躇無く撃ちこめる、善のブレーキが存在しない、その本性ッッ!!」
――違う。
母の死に顔が脳裏をかすめた。
DIOのその言葉が、極限まで燃えさかっていた刃牙の闘争本能にかげりを落とす。
その一瞬の隙だけで、DIOが「チェックメイト」をかけるには充分すぎた。
「時よ止まれッッ!!――――ザ・ワールドッッ!!」
まるでコマ落としだった。
DIOを貫いたはずの拳は、何も無い空間に向けて突き出されていた。
何をしたと考える前に、刃牙の首筋にチクリと痛みが走る。
自分の首に手を当てながら振り向くと、DIOが腕時計のようなものをこちらにかざしていた。
おおそうだ、支援を忘れていた。
2レスでいいか?
3レス、3レス支援してほしいのか。3レス……いやしんぼめ
俺がGYAAAAAAAAAだよ!!
反撃を試みようとするが、その瞬間に頭が重くなる。
足元がおぼつかない。
体の感覚が失くなっていく。
自分の視点がDIOの顔から胸、さらに足、地面へと下降している。
零の声。
『刃牙ィィィィィィィィ!!』
DIOの嘲笑。
「心配――らない――忠誠――――君に――力――を――」
そして刃牙の意識は闇に落ちた。
【C-2 S2駅 1日目 朝】
【DIO@ジョジョの奇妙な冒険】
[状態]:額に突き刺された傷、胸部損傷(治癒中)。疲労(中)
[装備]:スタンド『世界』
[道具]:デルフリンガー(紙状態)、ダーツ(残弾数1)
参加者顔写真&詳細プロフィール付き名簿。ルイズの杖。
イングラムM10の予備マガジン9。ライドル。
スタングレネード×2。時計型麻酔銃(1/1)。麻酔銃の予備針8本。
デイバック×4(DIO、桂、灰原、みゆき)
[思考]
基本:帝王に負けはない。参加者を殺し、ゲームに優勝する 。アーカードのボディを乗っ取り、太陽を克服する
1:夜になるまで地下で英気を養う。及び、地下鉄に乗りにやって来た参加者を各個撃破し体力を回復
2:アーカードの打倒
3:平賀才人に時止めを使って『勝利』する
4:ジョースターの血統を根絶やしにする
5:ゲームを仕組んだ輩を断罪する
[備考]
ジャギの右腕を移植しました。完全に馴染むまでしばらく時間がかかりますが、普通に自分の右腕として動かすくらいは可能です
よしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよし……
立派に書けたぞ書き手!!
アーカードとの戦闘で更に鬱憤が溜まりました。アーカードにはどんな手を使っても勝つつもりです
時を止められる時間は約3秒間です
首輪の他に、脳内に同様の爆弾が埋め込まれています
S5駅方面の列車は途中で地上に出ることを確認しました
刃牙との戦いで血を流したため、時止めはあと1〜2回が限度です
備考
1:B-3、C-3の境界付近に列車が地上と地下に出入りするトンネルがあります
2:S5駅のホームに肉片と鮮血が結構広い範囲に飛び散っています
3:C-3の地下線路にジャギの胴体(血が抜かれている)、ジャギの両足(血が抜かれている)、ジャギの左腕、DIOの右肩が転がっています
4:S5駅のどこかに空っぽになったジャギのデイパックが放置されています
5:S2駅のゴミ箱付近に桂、灰原、みゆきの血を抜かれた死体が散乱しています。
*
ガタンゴトンという走行音が、トンネルに反響して聴覚を刺激している。
やがて出口に辿り着き、窓から太陽の光が差し込んできた。
長らく地下の暗闇に慣れていたため、まぶしくて思わず目を細める。
『刃牙よ、いい加減に目を覚ませ!』
そんな刃牙に、傍の座席に置かれていた鞄から、訴えるような声がまたもや同じ言葉を繰り返す。
「るっせぇなぁ……しつこいぜ、零」
ため息をつきながら、バリバリと頭を掻く。
「しょーがねーじゃん。俺がDIO『様』の血を派手にぶちまけちまったんだから。
責任取って代わりの人間を捕まえてこなきゃ。新鮮なら死体でもいいらしいし」
『それは何の罪も無い人間を、あの男の食料にするという事なのだぞ!
まさに外道の所業!そのようなことは許されん!』
バキどうなったの?
うおおおおおおお刃牙がゾンビ化した!!
「知らねえよ、そんなこと。それよりDIO様が約束してくれたんだぜ?
回復に必要な分の人間を調達してきたら、俺に力をくれるって。
DIO様と同じ、あの吸血鬼の力があれば……親父を、殺せる」
『刃牙!お前は父を殺すのではなく、超えるのではなかったのか!?
そのような得体の知れぬ力に頼って勝ったところで、そんな勝利にどれほどの価値がある!?
お前はあのDIOに何らかの細工で操られているのだ!目を覚ませッ!!』
零の言葉に刃牙は、うっとおしいことこの上ないと言わんばかりのため息をつく。
電車は徐々にスピードを落とし、次の駅に停車する準備を始めていた。
「――もういいよ」
零を座席においたままで刃牙が立ち上がる。
『頼むっ……目を覚ましてくれ、刃牙……』
「ここでお別れだ、零。……じゃあな、覚悟に会えたらまた来いよ」
零の懇願の言葉を遮って、刃牙は背を向けたまま、拒絶を示す最後の一言を叩きつけた。
電車のドアが開き、刃牙だけがS3駅のホームに降りる。
『刃牙!待て――』
零の叫びはドアが閉じる事で遮断され、電車が発車して遠ざかっていくことで、完全に聞こえなくなった。
ホームに残った刃牙は独り、やがて駅の出口へと歩き出す。
「さて……銀さん、まだいるかな?狩るなら誰でもいいけど、強い奴と闘えるならその方がいいしなァ」
風が吹く。
刃牙の髪がなびき、額の生え際が覗いた。
そこには――親指程の大きさのおぞましい肉片がヒクヒクと蠢いていた。
おお、肉の芽か!
【D-2 S3駅ホーム 一日目 朝】
【範馬刃牙@グラップラー刃牙】
[状態]:肉の芽による洗脳状態 全身に打撃によるダメージ
[装備]:なし
[道具]:支給品一式
[思考] 基本:DIOに力を授かり、親父を殺す。
1:DIOの食料(参加者)を捜し、S2駅に持ち帰る
2:ラオウ、銀時、覚悟を見つけ、勝負を挑む
3:強者と戦う
{備考}
地下トーナメント優勝直後。ただしトーナメント戦で受けた傷は治っている
DIOに受けた傷は、痛みはありますが戦闘に問題ありません
備考
・強化外骨格「零」(カバン状態)は走行中の電車の中に放置されています
DIOド外道www
肉の芽キタァァァァーーーー!!
(この先どうなるか)見当もつかない……
次号より「グラップラー刃牙」改め「無差別マーダ―刃牙」がスタートします。
……というわけで投下完了。
御意見ありましたらお願いします。支援ありがとうございました。
>>256 キイイイイイイ乙エエエエエエ
エエエエエエエエエエエ ぎょっえああああ
>>256 投下乙。DIOはもう漫画ロワ全ての住人に恨まれるなw
しかしこれが正にDIOなんですよね、素晴らしかったです。
バキが操られた訳か……一時期の漫才師フラグはもうないなコレw
でも、ここらへんでロワらしい展開を挟んでくれたのは本当にありがたいですね。
GJ!
刃牙がここでマーダー。
ロワ的にはありがたいです。DIOが容赦なくて素晴らしい。
意外な展開で今後どうなるか気になりました。
>>256 投下乙。
比較的平和だった最北部が、そろそろ危険になってきたなあ…
原作の刃牙より全然、主人公感が漂ってる、今の原作バキならDIOを応援
しちゃうけど、こっちのは悲壮感が・・・GJです
前回も肉の芽をって意見は無しな、肉の芽状態で昼間行動制限がないから
前回、使っても良かったと思うけど、それはそれ、問題は承太郎に抜いてもらえ
なかったら、DIOあぼーんで刃牙も億安の親父化してしまう
>>256 刃牙が最高にカッコよかっただけにこりゃあ、欝度たけえぜ……。
好きだった時のバキに合えたみたいで、体が震えたぜ。
それなのによぉぉぉぉっつ
DIOは氏ねw
とてつもなくGJ!!
うわぁぁぁぁぁぁ、バキがああああああ
格好よかったよ、バキ…
ここで肉の芽か…
そしてDIOがあまりにも、DIOらしすぎる…
それだけに腹が立つ
ディオ! 君の野望、僕が打ち砕く!
まとめサイト、コンテンツはいっぱいあるのに中身はスカスカだよな
キャラ紹介なんか未だに半分くらいしか埋まってないし
まあ、書き手以外は読むだけしか能がない奴ばっかだし、しょうがないか
GJ!
時を止めるってこんなにも圧倒的だったのか
肉の芽が使えるとなると普通の人間じゃ勝ち目が無いな
投下乙
だが、肉の芽ちょっと制限もうけた方がいいんじゃね?
億泰の父のヤツもそうだけど
承太郎以外にも抜くことができるってのはダメかな?
他に精密動作ができそうなやつっていたっけ?
フェイスレス、精密動作Aの世界を持つDIO、パピヨン
あとスタンドDISCのキングクリムゾン、スティッキィフィンガーズ
承太郎のDISCの中身を見たら、桐山辺りも(微妙だが)
とかか?
なんか絶対抜いてくれそうなヤツがいない
でも範馬の血が本格的に目覚めれば、ハンター×ハンターのキルアみたいに自分で抜いちゃうかも……
生命の水があればな、勝がダウンロード防いだ理論で除去できそうだが。
あれも人格改変に近いもんがある
でも肉の芽入っても基本優しいなバキ、
「覚悟に会えたらまた来いよ」とか
>>272 ポルナレフみたいに根本的な性格は変わってないんじゃないかな
そういえば、肉の芽もそうだけれど吸血鬼二名が血を吸って
吸血鬼感染するのって制限とかあったっけ。
アーカードはともかくDIOの方はゾンビ作って自分の盾代わりにするとか
自分を倒そうとする連中の仲間を吸血鬼にして苦悩させるとかやっても
おかしくないキャラだと思うけれど。
>>872 最近の刃牙は性格がいやらしいんだよな…
刃牙スレでも範馬バカって呼ばれとるし
>>274 ゾンビと吸血鬼化は無しでいいんじゃないか?そこまでやると段々収拾つかなくなってきそう
別にきっちり「禁止」って決めておかなくていい気もするな。問題ある使われ方したらその時に論議で。
他ロワだが、JOJOロワだとゾンビ化どころか肉の芽も予め禁止だったが。
書き手さんには、ひょっとしたら議論の末にNG喰らうかも、という覚悟の上で好きにやってもらえばいい。
肉の芽だって制限で性能劣化してる可能性がまだ残ってるし、
他の能力もやろうとしたらダメでした、思ったより弱かったです、ってこともあるかも。
毒吐きからネタを振ってみる。
「このキャラのクロスをすごく見たい」と思えるキャラはだれだ?
覚悟とジョジョ勢、スクライド勢は絡めたいな。
後はパピヨンと全作品キャラ。作品ごとの彼への反応を見たい。
北斗の拳あたりのキャラなら普通に流しそうだけどw
マリアさんと全てのマーダー。マーダーコレクションを完璧にして欲しい。
あの人なら世界を支配できるw
意外とマリアさんを攻撃しそうなマーダーっていないもんなぁ……
エレオノールぐらいか。でも、今のコレクションでもエレなら余裕で撃退できそうだし
>マリアさんを攻撃しそうなマーダー
DIO様とかアーカードとか鷲巣とか
アーカードの場合「インテグラと何か似た感じが見受けられる」とか何とかで見逃されても違和感無いが。
いや、外見とかじゃなくて芯の強さとかで。
>>283 それは無いだろ。インテグラとマリアの芯の強さのベクトルは異なるだろうし普通にサーチアンドデストロイじゃないか?
旦那にとっちゃ主はインテグラだけでインテグラはここにいない、しかも殺し合わなきゃいけないんだから老若男女の区別なくぶっ殺しそうだが
ハヤテとジョセフの女装コンビとか
鳴海や覚悟の武術、ジョセフの波紋、しろがねや勝の人形操作などをコピーした桐山は見たいな
冗談じゃない
ハヤテの女装、勇次郎の笑顔、パピヨンのセンスをコピーした桐山なら見たい
>>288 それはもう桐山じゃなくもっとカオスな何かだw
アカギと銀さん
って漫画から参戦なんだよなあ
>>290 漫画ロワなんだから基本漫画から参戦だぞ
若本なアンデルセンとか漫画でやってないとこから参戦したゼロ魔勢みたいな例外もいるが
なんか殺してはいけない空気のキャラが多すぎ。
もっと殺していこうよ。
読み手も死んだら諦めるべきだし、書き手も意志を変えない方がいい。
>>293 第1回放送終わってからは結構死んでるじゃない。ヅラ一派とか本郷とか
この話題は毒吐きっぽいな
今回の話でDIOが微妙に殺しづらくなった……と思ったが、
DIO死んで肉の芽が暴走する刃牙。
自我が徐々に崩壊しつつ暴れまわるその果てに、とどめを刺すのは
父、範馬勇次郎か、はたまた零を纏った覚悟か。
そしてその戦いに勝ったとしても、彼らは何を思うのか。
……とか考えると、むしろDIOが先に死んだ方が鬱&熱血な展開になってウマー。
296 :
Classical名無しさん:07/07/24 17:18 ID:/rh2iJjk
久しぶりに覚悟が話題に昇ってきたんで、今のうちに疑問点云々を並べておきます。
テンプレの「能力制限」に強化外骨格の制限が記述されてないです。
天誅や神風といった化学兵器は充分に脅威的だと思うのですが……
もう一つ零を構成する一部である爆芯靴は覚悟も常時装着しているので
零の鞄に含まれているのか覚悟が履いているのか気になります。
未だ使用した描写がありませんので、どちらになっても構わないっぽいですが。
覚悟は入学直後にロワに連れてこられてるみたいなので、八つの零式鉄球は健在と考えて良いみたいです。
零式鉄球と爆芯靴はおkだと思ってたよ俺。
あと覚悟も散もそういうの使う人間じゃないだろ。
原作で麻酔液以外の化学兵器使ってた?
途中までしか読んでないから分からんのだが。ブコフ捜しても売ってないんだもん…。
覚悟なら戦術神風は絶対使わないと思うけど散の戦術天誅は普通に使いそう。
あとヤバそうなのは昇華弾と超冷凍冷却液?
冷却液も使わなさそうだけど、アーカードやDIO相手なら昇華弾使いそう。
ごめんなんか日本語変だった
覚悟の性格なら戦術神風は絶対に使わないと思うけど、
散の性格なら戦術天誅は普通に使いそう。
あとヤバそうなのは昇華弾や超冷凍冷却液?
覚悟なら冷却液は使わなさそうだけど、昇華弾の方はアーカードやDIOみたいな人外相手になら使いそう。
覚悟も散も、本来ならばそういう兵器を絶対に使わない性格だったとしてもだ、
そんな彼らでさえ、いつまでも正気でいられるとは限らない……
それがバトルロワイアルというものだ。
それこそ刃牙みたいに……
>>297 原作にて……
覚悟が戦術鬼に超脱水鱗粉を使ったり
覚悟が四郎相手に爆芯靴を使ったり
というのがあった。
なので、覚悟は外道相手には零に装備された戦術兵器を躊躇い無く使うと思う。
そもそも、葉隠兄弟以外が瞬着する可能性も……
303 :
Classical名無しさん:07/07/25 01:24 ID:7PZBgtDs
>297
シグルイが連載されているチャンピオンレッドで新装版が発売されていますので、良ければまたの機会に書店でお求めください。
>300
強化外骨格の戦術兵器は強化外骨格に憑依している怨霊達が調合・制御していますので
覚悟や散が前後不覚の状態に陥ったとしても彼らの側で着装を解除すると思われます。
また二人とも愛憎怨怒を滅殺する零式防衛術の極意を会得していますので、彼らを外道に落とすには
先程、刃牙が犠牲になったように肉の芽などの特殊な手段を使わねば難しいかと。
>302
強化外骨格は着装の際に肉体的、精神的にも着装者に試練を与えますので、可能性が無いとは言い切れませんが極めて低いかと思われます
(常人ならば骨格が変形する程の伸縮力、神経網の侵食、鎧に取り付いた怨霊の受けた凄惨な仕打ちに涙する感受性等)
零はともかく、霞は散が最初に着装したとき散を細切れにしたようにほぼ無差別に着装者を殺してしまうと思われます。
怨霊といえば作中で犬養冥の滅霊が地殻変動など物理的な破壊力を及ぼしていましたが、これも制限の議論対象になると思われます。
・戦術神風、戦術天誅など戦術兵器は使用禁止。
・冷却液、昇華弾、超脱水鱗粉は制限(威力の軽減など)
基本草案を出してみた。
長引くようなら議論スレに行く?
305 :
Classical名無しさん:07/07/25 01:29 ID:7PZBgtDs
追伸
強化外骨格をご存知で無い方もいらっしゃいますので、ロワ中に支給品として登場した二体の特徴を記しておきます。
強化外骨格
重量九十キロ以上。
瞬間的な衝撃に対しては戦車級の耐久力を持つ。
防熱防寒防弾防毒。着装者が猛毒や大量出血により危機に瀕した際に解毒剤を合成したり、独自に止血を行う。
スラスターによる加速時最高速度は零で秒速270メートル。霞は同等かそれ以上と思われる。
弱点を挙げると憑依している怨霊が成仏してしまった場合は着装が解けただの鉄屑になってしまうこと。
また凍結により装甲の柔軟さを殺されたときに強烈な打撃を貰うと砕け散ってしまう。
零の武装(下記アドレス参照)
ttp://www.geocities.jp/gatekeeper000072/zero.html 霞の武装
閃滅
霞の掌から放たれる超高熱の光球。
名称は違うが昇華弾と同様のものと思われる。
怨霊成仏光線
頭部から放たれる文字通りの光線
原作では零に憑依した三千の英霊を成仏させようとした。
戦術天誅
目標に超高電圧の雷を落とす。バリエーションとして五本雷を落とす五束天誅
天誅を霞で受け、充電し相手に触れることで雷の威力をそのまま相手に伝える受即昇天がある。
袈裟
霞の肘に内臓された刃
強化外骨格の装甲を易々と切り裂くほどの切れ味を持つ。
冷凍力を纏わせた超冷凍塗布肘斬撃というバリエーションが存在する。
以上です。拙い説明を長々と書き、失礼しました。
306 :
Classical名無しさん:07/07/25 22:15 ID:7PZBgtDs
>304
戦術神風は確実に禁止級でしょうね。
覚悟が使わなくても窮地に立たされたとき、かつ守る人間が大きく離れている場合は零が使うかもしれませんし。
使用するだけで相手を確実に死に至らしめるというのは時止め以上に厄介な代物だと思います。
戦術天誅のほうは昇華弾と相殺できる、また鍛えられた人間が即死級の威力では無いので霞の少ない武装を補う意味で
威力・連続使用に制限をかけてはどうでしょうか?
強化外骨格の武装制限は調合できる化学物質の量や種類が制限されている、といった感じで良いかもしれません。
他にご意見がある方が居らっしゃる場合は、まず本スレに書き込み頂いてから
304様のご提案の通り、議論スレに移行させていただきます。
PS.原作で使用する機会が少なかったので失念していましたが、強化外骨格は腕から伸びる触手で人間の脳の記憶を読み取ることが出来るようです。
ロワを盛り上げる一要素であるステルスマーダー達にとっては致命的な能力かもしれません。
>267
北斗神拳伝承者なら、できてもおかしくない気がする。
>291
ゼロの使い魔は漫画が現在二巻まで発売されているんだが、何か原作と違ったりするの?
漫画版ではまだ描かれていない所からって事?
>>307 現時点でとは特に致命的な差異は無い。
ゼロ魔の場合設定が複雑だから色々と困るだけ。
完全漫画準拠にするとガンダールヴと虚無魔法が厄介。
でもその代わり杖と魔法の関係が明言されてないので杖抜きでファイアーボールやカマイタチ攻撃を使われかねない。
だから漫画のみじゃ書きづらいのはしょうがないかも。
・戦術神風は使用禁止。
・冷却液、昇華弾、超脱水鱗粉、戦術天誅は制限(威力の軽減など)
修正。
細かいところは書き手任せってことで。
超脱水鱗粉の威力って軽減できるか?
質問
らきすた2006年ですよね。アニメは
漫画だと年数明言されてたっけ?
ふと思ったんだがからくりの人形ってエニグマの紙から出したら常時出しっぱなしなのかね?
それともあるるかんやジャコは人形しまうトランクもついてくるのか?
強化外骨格の零と霞を装着できそうなキャラについて質問。
霞は怨念で『人間』を拒絶しているワケだが、だったら人外キャラならば問題なく装着できるのか?
たとえばDIO、アーカード、パピヨンならOK? 鎧を着そうにないヤツらばっかりだけどw
零の装着には相当の苦痛が伴うらしいが、ケンシロウやブラボー、オーガあたりの超人キャラなら耐えられる?
こいつらを覚悟キャラ専用装備にしてしまうと、特定作品優遇になる気がするんだよね……
>>313 >こいつらを覚悟キャラ専用装備にしてしまうと、特定作品優遇になる気がするんだよね……
それはギャグでいっているのか?
もともとそいつらの作品から出た支給品なんだから、そいつら専用になるのはおかしくないだろ。
作品優遇でもなんでもない。
挙げているキャラは「零」自身が拒む。
90日間かけて苦痛に耐え、強化外骨格と語り合い、お互い合意の上で初めて瞬着できる。
つけさせたいキャラがいるかどうかは知らんが、本来の装着者が90日かけた苦労を無駄にするような状況は反対だ。
原作での覚悟たちの努力が虚しくなる。
ごめん、毒吐きと間違えた。
すいません、一身上の都合で申し訳ないのですが今日までに書き上がりそうにないので日曜まで延長させていただいてよろしいでしょうか?
酉入れ忘れてました
おk!!! 頑張ってください。
>>317 了解です。頑張って下さい。
投下します。
「だが倒れ付した相手に戦意を問い、追撃の機を逃すとはなんという軟弱ッ!!消え失せいッッッ!!!」
朝焼けの晴天を劈くが如きの、範馬勇次郎の怒号が響き渡る。
その怒気を受けても、津村斗貴子と花山薫の戦意に揺るぎは無い。
戦士としての自分を取り戻した斗貴子は、冷静に敵戦力を目測する。
身体能力は戦士長クラスかあるいはそれ以上、だが決して人間外と言う事では無い。
心臓や脳等の急所が損傷すれば死ぬ、つまり手持ちの武器で殺し得ると言う事。
花山が勇次郎に声を掛ける直前、斗貴子の手にあるAK74が火を放った。
AK74から放たれた弾丸は、正確に貫いた―――
―――勇次郎の身体が、存在した空間を。
斗貴子は瞬間目の前の事態を把握出来なかったが、すぐに分析が及ぶ。
銃撃とほぼ同時に勇次郎が立っていた地点で砂塵が舞い、すぐ横のブロック壁が破砕して勇次郎は姿を消した。
そして斗貴子と花山の居る位置は、ちょうど民家のブロック壁で挟まれている。
(壁越しからの、奇襲が狙いか!)
斗貴子は花山と背中合わせになり、共に壁に向かう。
(恐らくあいつは飛び道具を持っていない、壁を突き破って来ての奇襲を仕掛けてくるしかない。
ならばこちらは後手からでも、カウンターを狙える)
破壊音。
斗貴子がそれをブロック壁を壊したものだと認識できた時には、花山の巨体が宙を舞っていた。
◇ ◆ ◇
目前の壁が破砕されそこから勇次郎が拳を突き出し飛び出してきたと認識できた時には、花山は衝撃で後方に吹き飛んでいた。
勇次郎は一撃でブロック壁を壊し、160キロを超える花山を殴り飛ばした。
路上駐車してある乗用車に叩き付けられながら、花山は勇次郎と斗貴子の方を見やる。
◇ ◆ ◇
空中の花山を驚愕の表情で見ていた斗貴子が、勇次郎に向き直りAK74の狙いを付ける。
目標との距離はおよそ3m。
目標は斗貴子の動きに気付いていない。
連続的な銃声。
「トロい狙いだな、おい」
AK74の銃弾が空に消えていく。
「威勢ばかりでよ」
3mは離れていた筈の勇次郎が、斗貴子の腕を捻り上げられる距離まで近付いていた。
(動きが目視出来ないほどに速い! どうにかして動きを止めなければ…………!!?)
斗貴子達を上空からの影が覆った。
影の主、花山が空中から勇次郎目掛け脚を振り下ろす。
160キロを超える花山の全体重を乗せた、胴廻し回転蹴り。
花山の脚が、勇次郎の頭部に当たる。
斗貴子の腕から、捻り上げていた力が消えた。
勇次郎が身体ごと花山を上に飛び越し
蹴り足を振り切れていない花山の顔を、踵で蹴り抜いた。
(胴廻し回転蹴りから、胴廻し回転蹴りでカウンターを取られたのか!!?)
地面に崩れ落ちる花山の横に、音も無く両足で着地する。
その両足を花山が掴む。
(今なら当てられる!!)
斗貴子は空になっていたAK74のマガジンを入れ替える。
「臓物(ハラワタ)を、ブチ撒けろ!」
斗貴子の手の中でAK74が暴れ、銃弾が放たれた。
マガジンに詰まった30発の5.45x39mm弾全てが、秒速900mの速さで勇次郎に打ち込まれる。
眼前でクロスした両手で
黒衣の下の胴体で
勇次郎の全身でAK74の弾が皮膚を貫き、肉を穿ち、血を噴出させた。
「…………な……何だと……!?」
「アホウが」
全身に傷を作りながらも、勇次郎には致命傷はおろか動きに支障も見えない。
「カラシニコフ如きで、俺を殺してのけるつもりだったか」
花山が勇次郎の両足を掴んだまま、立ち上がって背後に振りかぶり
そのまま頭上越しに、地面に叩きつけるべく前方に振りぬく。
「邪ッ!!」
勇次郎が花山の頭頂に、中指の第二関節だけを立てた拳を打ち込む。
意識を失った花山は、勇次郎を離し崩れ落ちた。
花山の首元を掴んで、勇次郎が斗貴子に詰め寄る。
斗貴子の戦士としての経験と判断力が、勇次郎からの逃亡を促す。
(現有戦力で取れる戦術はもう、AK74で弾幕をはって逃げる位しかない)
斗貴子の戦況分析は続く。
AK74を駆使しても、勇次郎から逃げ切れる可能性は低い事が分かる。
そして花山を見捨てて行かなくてはならない事も。
(……迷うな!これ以上ここに残っても、私にはどうする事も出来ない。
今は共倒れになるのを避けるのが、最良の判断なんだ)
斗貴子は迷いを振り払い、勇次郎との間合いを測る。
周囲全域から響く声に勇次郎の動きも、斗貴子の思考も止まった。
『脱落した者の名を読み上げる』
(脱落した者……死亡者の事か)
『―――以上、8名じゃ』
(カズキと戦士長は無事か……)
勇次郎は口角を上げ、薄く笑みを作った。
「お仲間の戦士も、参加してるのかい?」
(―――何故それを!!?)
斗貴子は仲間の無事を知った安堵から一転、驚愕に強張る。
「ククク、当たりみてえだな」
(くそ!! 放送を聞いた私の反応を見て、カマをかけたのか!)
冷静に考えれば他の戦士の具体的な情報を、明かした訳では無いのだが
斗貴子は自分の迂闊さを悔やむ。
「手中の武器が通じなければ、戦う術も無いお前の様な腑抜けと違って
そいつ等は俺を、楽しませてくれるんだろうな?」
斗貴子の中で経験に無い、戦慄が走る。
勇次郎が尋常な人間ではないと理解はしていたが、その闘争と殺傷を求める欲望はもはや人間の範疇に無い。
(こいつはここで殺しておかないと、必ずカズキや戦士長に害が及ぶ!)
斗貴子は弾かれた様に、勇次郎に向かって駆け出した。
(接近してAK74を使えば、先程より効く筈だ。刺し違えてでも殺してやる!)
AK74のマガジンを装填しながら、勇次郎の懐に飛び込む。
銃口を勇次郎の身体に押し当て
引き金を引く―――瞬間に気付いた。
銃口が花山の体に当たっているのを。
(馬鹿な!!? 何時の間に入れ替わった!?)
咄嗟にAK74の射線を逸らす。
脇腹の一発以外の銃弾は、全て地面に当たる。
(しまった!!)
「いけないなぁ、仲間を撃ったりしたら」
斗貴子の足が払われ、勇次郎に頭をから地面に叩き付けられた。
風景が酩酊し、斗貴子は立つこともままならない。
斗貴子の頭に伸びた勇次郎の手が、何者かに掴まれた。
「………………ありがとよ……姉ちゃん……」
声を聞いてそれが花山である事が、斗貴子に分かった。
「…………おかげで……目が…………覚めた……」
勇次郎の前腕を両手で間隔を置いて掴み、左右から圧迫する。
体液や体組織を圧縮し内部からの破壊を狙う、もはや技とも言えぬ攻撃法。
古タイヤを引き裂く握力を持つ、神に選ばれし喧嘩師のみが持つ攻撃法―――『握撃』。
「!!?」
勇次郎が微かに腕を捻り、花山の体が弧を描いて頭から落ちる。
腕を握るという単純で小さい動きの中でも、力の流れを見切りそれを操作出来る
神に選ばれし格闘士のみが持つ防御法。
低い破壊音。
花山の顎に蹴りが入り砕けた音が、斗貴子にまで聞こえた。
頭頂から、顎から、脇腹の銃口からの出血は止まず
蓄積されたダメージに震えながら、花山は勇次郎に立ち向かう。
(何故あの状態で立ち上がれる!? いやそれ以上に、もう勝算は無きに等しいのに何故まだ戦おうとする!!?
くっ! せめて援護位は出来れば…………)
花山は文字通り自身の手を潰す勢いで拳を握り、身体を捻って溜めの構えを作る。
「ケッ、芸の無ぇヤロウだ」
両手を大きく開く、特異な構えを見せる勇次郎。
花山の右拳が撃ち出される。
最大値を計測出来る機械すらない握力に、スピードと体重が乗算された破壊力。
その拳が真っ向から打ち込まれた、勇次郎の左拳で砕かれた。
指は五本とも折れ、手の甲の部分まで変形している。
「一夜の……」
花山が先程とは左右逆に、身体を捻った構えを作る。
放たれる左拳。それを勇次郎の右拳が破壊。
五指があらぬ方向に折れ曲がり、手の甲まで歪んでいる。
「宿を…………貸し……………………一……夜で…………
亡く……なる…………はず…………の………………名が……」
タイトル……
花山が右足を蹴り上げるも、勇次郎は予めその動きを知っていたかのように頭を下げてかわしながら花山の左足を蹴り込む。
左足は肉が裂け折れた頚骨が突き出しているが、花山は立ったまま右拳で反撃。
低い姿勢の蹴りから、体勢を立て直していた勇次郎の顔面を捉える。
ダメージを受けたと言うより、不意を付かれたと言う表情で殴り飛ばされた。
(完全に壊れていた右手で殴った為、不意を付けたのか!?)
「た…びの…………ば……く…………と……………………」
「小賢しい真似をしおって!!!」
勇次郎が悠然と花山に詰め寄る、怒りとも喜びともつかぬ表情をたたえて。
勇次郎の黒衣が内側から破れる。 花山の上半身の衣服は既にほとんどが破り取られている。
その背中の筋肉が形作るは『鬼の貌』。 その背中に描かれしは花山家に代々伝わる『侠客立ち』。
両手を真上に伸ばし背中の鬼が哭く。 勇次郎に『侠客立ち』を向ける。
悪魔に授かった筋肉でただ思い切りブン殴る。 自分の身体で最も信頼における場所、『侠客立ち』で勇次郎の攻撃を待ち受ける。
オーガが花山の心の臓腑を止めた。 侠客は勇次郎の攻撃を全て受け切った。
◇ ◆ ◇
斗貴子は視覚的な酩酊から抜け出す。
しかし未だ身体に力が入らない。
花山の死を前にしてもほとんど動きが取れない。
(すまない、君には最後まで守られっぱなしで、私が守ってやれなかった……)
見下ろす勇次郎に対し、抗する術も無い。
(戦士長、後を頼みます。カズキ、……君は死ぬなよ)
それしか出来ない自分の無力に歯噛みしながら、死を覚悟する。
勇次郎は斗貴子の身体を抱え、花山の前まで運んだ。
(何をするつもりだ!?)
花山の死体は、生きていた頃の威厳をそのままに屹立していた。
勇次郎は花山の脇腹に有る銃口に指を刺し、横に走らせ腹を切り裂いた。
「―――!?」
切り裂かれた腹から血を噴出しながら、なお花山は倒れない。
事態を飲み込みかねている斗貴子を意に介さず、勇次郎はその傷口に手を入れ肉と骨を力ずくで引き下ろす。
「臓物(ハラワタ)をブチ撒けろとか言っていたな」
斗貴子の手を掴み、勇次郎は花山の腹の中に突っ込む。
「止めろ!! 何のつもりだ!」
「ククク、思う存分ブチ撒けたらいいや、お友達の花山クンの臓物をよ」
花山の腹の中で手が動かされる度に、軟らかい内臓の手応えが斗貴子に伝わる。
「止めろと言っているだろ!!」
傷口から血がこぼれる度に、それが花山の尊厳を汚している如くに斗貴子には感じられた。
勇次郎は斗貴子の手を使い、花山の内臓をかき出す。
拳を硬く握り締めても、自分の意に背き
胃をかき出し、腸を引きずり出し、血を撒き散らしていった。
―――何処かで嗅いだ匂いがする。
―――夥しい血の匂い。
―――忘れる事の出来ない音がする。
―――臓物を引き裂かれる音
( あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ )
―――ホムンクルスにクラスメイトを殺された時の記憶のままに。
「 う あ あ あ あ あ あ あ あ あ!!!」
初めてホムンクルスと戦った時と同じく、怒りと闘争心が力となって溢れる。
その時と違う点は、自分を掴まえている『怪物』に抗う事が出来ない点。
どれほど全身に力を入れ抗っても、右手と首筋を持つ勇次郎の手は小揺るぎもしない。
腹を殴られる。それだけで再び抵抗の力を失う。
花山の脚が払われ、斗貴子と顔をつき合わせる様に倒れる。
花山の頭に勇次郎の踵が落され、頭皮と頭蓋が大きく割られた。
「猿の脳味噌は旨いが、花山の脳味噌の味はどうだろうな?」
斗貴子は頭を掴まれ、顔から花山の頭蓋の中に突っ込まれた。
脳の予想外に軟らかい感触と、口の中に入る血の味。
それらが全て花山のものだと思い返した斗貴子は、喉の奥からこみ上げてくる物を堪える。
息苦しさにもがく力すら残っていない。
手を離され頭蓋の中から顔を出し
「花山の脳の味はどうだ? アハハハハハハハハハハハハハ!!」
息を整え、勇次郎に返事を返す。
「…………殺す…」
憎悪と殺気を具現化した様な表情で、勇次郎を睨み付ける。
「楽には殺さない、キサマがどう許しを請うと、地獄の痛みの中で殺す。
臓物も、脳漿も、キサマの体の最後の一片までブチ撒けて殺す。
必ずだ。キサマには地獄の苦痛以外、選択の余地は与えない」
「そうよ!! ただですませちゃァダメだ!」
歓喜と悦楽に満ちた表情で、勇次郎が吼える。
「正義の戦士なんだろ? 仲間が居るんだろ!? こんなひどいことをするやつァ許しちゃいけない!!!」
斗貴子の怒気を受け愉悦に笑う勇次郎は、斗貴子と花山のデイパックを取り口を開き中の荷物を全て落とす。
「俺はこれから繁華街に行き花火を上げる、必ず俺を殺しにくるんだ」
落ちた荷物から、食料と水だけを拾い去って行った。
斗貴子は虚無感を押し殺して、荷物を拾いデイパックに詰める。
疲労の残る身体を支えるのは、明確な怒りと闘志。
(一つだけ感謝するぞ勇次郎、キサマは私が戦う理由を思い出させてくれた。
その礼に望み通り殺してやる! キサマもホムンクルスと同じく私の敵だ! 敵は全て殺す!!)
◇ ◆ ◇
消防署に戻った勇次郎は、床に放置してきたデイパックを拾い上げ
中の支給品一式を捨て、食料と水を詰める。
強い飢餓にあった勇次郎は、花山と斗貴子を喰らった程度では満足を覚えない。
その狂おしい程の餓えは、更に勇次郎を突き動かし続ける。
―――まだまだ喰らい足りぬ。
―――まだまだ壊し足りぬ。
―――まだまだ殺し足りぬ。
(繁華街で花火を上げりゃ、人も集まるか……)
更なる餌を求め、勇次郎は北上を始めた。
未だ満ち足りぬオーガだが、その足取りに焦りは無い。
殺し合いは始まったばかり、オーガの求める餌は尽きていないのだから。
【花山薫@グラップラー刃牙:死亡】
【D-4北西部 一日目 朝】
【津村斗貴子@武装錬金】
[状態]:極度の疲労、強い怒り。
[装備]: USSR AK74(0/30) 水のルビー@ゼロの使い魔
[道具]:支給品一式(食料と水無し)、USSR AK74の予備マガジン×7.始祖の祈祷書@ゼロの使い魔、キック力増強シューズ@名探偵コナン
[思考・状況]
基本:主催者をなんとしても倒す
1:範馬勇次郎をなんとしても殺す
2:カズキ、またはブラボーと合流。パピヨンには警戒
(備考)花山の持っていた支給品一式と川田のタバコ@バトルロワイアルはD-4北西部の路上に放置しています
【D-4北部一日目 朝】
【範馬勇次郎@グラップラー刃牙】
[状態]体中に浅い銃創 健康 闘争に餓えている
[装備]ライター
[道具]食料と水3人分、打ち上げ花火3発
[思考] 基本:闘争を楽しみつつ優勝し主催者を殺す
1:繁華街へ行き花火を上げて参加者を待ち、戦うに値する参加者ならば戦う
2:首輪を外したい
(備考) 二枚の紙(日本刀と自転車)と支給品一式は消防署内に放置しています
投下終了しました。
支援を下さった方々、ありがとうございます。
問題点がありましたら、指摘をお願いします。
最後になりましたが、ロワにご迷惑をお掛けして申し訳ありません。
GJ!
途中の勇次郎と花山の対照的な描写が上手いと思った。
斗貴子さんはこれからどうなるか、先が楽しみ。
投下乙。勇次郎はまだご不満のようです。これ地味にメガネコンビのせいだよなww
花山は個人的に一番好きなキャラだった……これは花山らしい最期でした。
それにしてもバトル描写上手いっすね……震えましたよ。
花山に最外道マーダーに無差別マーダー主人公にお色気担当! 今バキが熱いッ!
乙!漢花山……お疲れ様でした!
扱いやすそうで扱いにくい勇次郎を上手く動かしてGJ!
>>344 >〜お色気担当!
アッー!
勇次郎の凶人ぷりが見事でした
>>342 バキ読んだこと無いんだけど……
すごく面白かった!
花山すっごいかっこいい!
斗貴子さんの今後にも期待
勇次郎も皆が「倒せるのか?」っていってる意味が分かった気がする
バキ買いたくなったよ
これは夜叉猿殺してた頃の勇次郎だな
刃牙よみかえしたけど…
初期の勇次郎はほんと鬼畜だなww
しかも色白だな
最近の勇次郎パパは、息子に彼女が出来た辺りから妙に甘いから
最近の勇次郎だと気絶とか戦意喪失で「もう終わりか」
となってしまいトドメ刺さない感じがするから初期の方がロワ向けだな。
人気も初期の方があるし。
>>351 反対に息子はどんどんDQN化……
!
勇ちゃんバキ君に吸い取られてる!!
何でfateとかないの?
アカギとか邪魔な奴を除外してfateとなのは入れようよ。
どう考えても中途半端
オタクがつくほどの魅力的な作品でもないし、キャラが強さでしかあらわせられない作品ばっかり
誰が考えても武装錬金より剣心の方がロワに向いてる
>>354-355 何でお前らここに居るの?
他作品出したいなら別の場所で好きなだけやればいいじゃない。
>>355 「オタクがつくほど」じゃなくて「オタクしかつかない」の間違いじゃないの?
まぁあんたの言う魅力的な作品ってのは大方ヲタ向けばっかだろうけど^^
>>355 まぁ下位の方は3票で当選した少人数投票なんだから仕方ない部分もあるさ。
でも、たまたまいい作品になって開始したいと思う人が多くて開始されたんだからいいじゃん。
気に入らなければ見なきゃいい。
すいません、ちょっと話の展開に詰まってしまい、後数時間での完成はできそうにないので、フェイスレス・しろがね・勝の予約を破棄したいと思います。
長時間キャラを拘束してしまい申し訳ありません。
昔のスレを見たら笑ったww
このメンバーなら第一回放送までは順当にいくだろうって予言者がいたり、キャプが「真面目にやるならOPを書く」と言ってたり。
しかも投票数がゼロ魔に入れてる冷やかし票を抜かすと、20票に満たないって…
過疎…
危険な案だとは思うが、作品を追加しないか?
投票をして4人×3作品で。
このまま過疎で消えるより一か八か賭けるのも手だと思うんだ。
>>362余計に駄目だろう。
参加者増えれば把握もしずらくなるし、完結まで遠くなる。
夏休みを利用するんだ。
今日中には投下できると思うんでその時お暇でしたら支援お願いします
おk! 全裸で待ってる!
>>365 どうもありがとうございます。
それでは投下を開始します。
エリアF‐6の道路を一人の男が走るとはいかないまでもかなりの速度で歩いている。
その男の名はカズマ。シェルブリットのアルターを持つ“反逆者(トリーズナー)”カズマである。
そのカズマにやや離れた位置から不安そうに彼の後を追う男。彼は南斗聖拳,そして自己流の北斗神拳を操る自称“天才”アミバである。
彼らは真っ直ぐ北へ向かっている。目的はカズマとケンシロウのリターンマッチのみ、それ以外には何もない。
「も,もう一度言うぞカズマ!先ほどの放送でジャギという奴が呼ばれた。
こいつは俺やケンシロウ程ではないが北斗神拳の使い手でもありそれなりの実力者だ!
そんな奴がもう殺された…………こ,ここはやはりケンシロウに…………。」
要するにこの会場には恐ろしい力をもった参加者で溢れている。
ここはやっぱりケンシロウに保護してもらおう。そんなことをアミバはカズマに数十分前からしきりに促しているがカズマは振り向きもせず無言で歩き続ける。
(な,何故だ?俺の言ってることは間違ってはいない。この状況であのケンシロウともう一度闘うなど一体どういう物の考え方をしているのだ?何がこのカズマをここまで意固地に動かしているのだ!?)
わざわざ一度完敗した相手に逃げるのでなく自分から闘いを仕掛ける。
考えれば考えるほどわからない。自分にはない何かがカズマを動かしているのではないかとふと思うがその『何か』がわからない。そうこう考えている内にカズマはどんどん先を行ってしまいアミバは一旦考えを中断し慌てて彼の後を追う。
支援
(ふざけやがって……何様のつもりだ?あのクソじじいが……。)
放送を聞く前から不機嫌気味だった顔をさらに不機嫌に歪めカズマは歩き続ける。
別にカズマはアミバに対して悪意があって無視したわけではない。
むしろ自分を介抱し先ほども禁止エリアの場所を手早くメモし自分に見せてくれたアミバには感謝の念もある。
だが同じことを何度も言われ続ければ当然返事をするのも億劫になるものだ。
それに……
(俺たちを何だと思ってやがる?活躍に期待するだと?俺たちはてめぇの手の上で踊り続ける存在か?……考えるまでもねぇ。絶対にノオだ!クソッタレが!!!)
クソッタレのスーパーホーリーにロウレスを壊滅されられた時とはまた違った怒り。
どうにかしてこの怒りをぶちまけてしまいたい。
今のカズマにはアミバの言葉に耳を傾ける余裕は殆ど存在していなかった。
歩き続けているとカズマの視界に入っていた先ほど自分たちが居たような民家の
玄関から白ずくめの奇妙なコートを纏い、これまた奇妙な帽子を顔が隠れるほど深くかぶりショットガンを持った人物が出てきた。
しえん
「おいアンタ!ケンシロウっていう奴を見かけなかったか?」
カズマは立ち止まり,そう言葉を投げかけると白コートの男はゆっくりカズマの方に身体を向けカズマに退屈そうに問う。
「ん〜その男がどうかしたのかね?」
「質問に質問で返すんじゃねぇ!知ってるのか知らないのかどっちだ!?」
明らかに真面目に質問に答えようとしない白コートの男にカズマの苛立ちが募り更にカズマの顔が不機嫌になる。
アミバもやっとカズマに追いつき状況を把握し事の成り行きを見守る。
「ああ,良く知っているよ……なぁ?『負け犬のカズマ君』?」
「なっ!?」
「わしはケンシロウの元に行かなければならない、そしてわしはこのバトルロワイアルというのを楽しみたい。だからわしはお前を相手にする時間なんかないのだよ?『負け犬のカズマ君』!」
そう言い放ち白コートの男は背中を向け北へ歩き出す。
アミバは恐る恐るカズマの様子を見ようと顔を覗き込むが……。
カズマは笑っていた。怒りを通り越し静かに笑っていた。
「アンタ、ケンシロウに負けて見逃してもらったんだろ?そんなアンタが俺を負け犬と呼ぶとはなぁ。」
カズマが呟いた言葉に白コートの男はピクンと反応し思わず立ち止まる。
「……何故そんな事が言えるのかね?」
「俺でもわかる簡単なことだ,見ろよ?お前が出てきた民家の周りにガラスが散らばってやがる……どうせケンシロウにぶっ飛ばされたんだろ?てめぇこそ負け犬ってことだ!」
確かにカズマの言う通り民家の周りに散らばっているガラスが朝日を反射しその存在を示している。
「カカカ……このわしが負け犬だと?ククク……。」
カズマの言葉を聴き白コートの男は背中を向けながら不適に笑う。
そして遂に身体をカズマとアミバの方に向け
「お前はッわしを本気で怒らせた!!」
怒りを隠すことなく狂気を含ませ叫び、ショットガンの銃口をカズマに向けた。
支援
「カズマ!このアミバも協力するぞ!」
アミバにとってカズマが死んでしまえば自分がケンシロウに殺されてしまうので見捨てるわけにはいかない。
それにあの白コートの男が持っているショットガンを手に入れれば少しはこの殺し合いを生き延びる確立が高くなる。
そう思いカズマに協力を申し出たのだが
「いらねぇよ。」
左腕でアミバを制し、カズマは提案をあっさりと跳ね除けた。
「な,何故だ?俺の力など役にはたたないと言いたいのか!?」
「そういうわけじゃねぇ!……姿勢が見えないのさ」
顔に疑問符を浮かべたアミバにショットガンを自分に向けた白コートの男を無視してカズマは言葉を続ける。
「アンタがあいつと闘う理由は何だ!?俺は確かにケンシロウに負けた!
だがその事であいつに負け犬と呼ばれ引っ込むわけがねぇ!
だから奴をブチのめすことで俺の強さを刻み込み二度と殺し合いに乗るなんて言わせなくしてやる! 誰のためでもねぇ!それが俺の信念だ!……アミバさん、アンタにはあるか!?信念ってやつが!」
『信念』
欲望はあれど今までのアミバの人生には全く無縁のものであった言葉。
今まで意味を考えたこともない。ただこの殺し合いにつれてこられて漠然的にだが決定的に何かが自分に足りない事はわかっていた。
(もしやこのアミバに足りないものというのは信念か?……し、しかし俺の信念とは一体……。)
アミバが俯きながらカズマの言葉を必死に考えている内にカズマは右腕を天に向かって突き出す。
その瞬間カズマの後方の道路の一部が削り取られたかのように消失し原子レベルまでに分解された粒子がカズマの右腕を包み込み黄金の腕“シェルブリット”が展開、カズマは勢い良く白コートの男へ向かって跳躍する。
「三枚羽発動!功速のシェルブリットォォォォォォォーーーーー!!!」
右の背中から生えた三枚の真紅の羽を展開し落下速度を利用し更に最速の男ストレイト・クーガーの速度を吸収したシェルブリットを放つべくカズマは叫ぶが……。
BANG!!!
ショットガンの銃口から撃ち出された散弾がカズマの下腹部に直撃、バランスを崩しそのままカズマは道路に落下した。
カズマ! 支援
(ククク……素晴らしい!これでもうわしはケンシロウにも負けることはない!
このキング・クリムゾンの新たな力があればな!)
カズマが跳躍するほんの少し前にすでにショットガンの銃口を跳躍地点に向け、カズマを見事打ち抜いた白コートの男……鷲巣厳は歓喜に満ちていた。
数十分前、丁度放送が流れ自分の獲物であるアカギの生存を知り歓喜していた鷲巣はふと自分がこの殺し合いに連れてこられてから食事を取っていない事に気が付き一先ず食事を取ることに決めた。
その時、鷲巣はキング・クリムゾンの説明書を食事を取りながら何気なく読み返していた。
何か隠された能力があるのではないのか?王の名を持つには何か理由があるのではないのか?と思いながら。
そして鷲巣は見つけた……キング・クリムゾンの恐るべき力を。
(小僧……貴様は絶対わしの領域には届くことはできん!
なぜならこのわしにはキング・クリムゾン・エピタフがある!)
『キング・クリムゾン・エピタフ』
キング・クリムゾンの能力の一部であり、可視範囲の物体の数秒後に必ず起こる未来の画像を見ることができる力。
鷲巣はカズマが右腕を上げた瞬間キング・クリムゾン・エピタフを発動しカズマの数秒後の未来を確認することでカズマを撃ちぬくことに成功していたのだった。
更に追撃の散弾を撃ち込むべく鷲巣はショットガンの予備弾丸を冷静に装填し
BANG!!!
引き金を引いた。
エピタフ支援
「へっ!そうそうまぐれ当たりなんか起きねぇ!」
下腹部からは血を流し、血反吐を吐きながらもカズマは素早く起き上がり横っ飛びに飛びのき散弾を回避、腰を落とし右腕を鷲巣の方に向け再びシェルブリットの構えを取る。
鷲巣の方もカズマの動きを見て銃弾を装填しながら再びエピタフを発動、カズマの数秒後の未来の画像からカズマの移動位置を見つけようとするが……
未来の画像にはカズマのシェルブリットが自分の下腹部に直撃しシルバースキンが弾ぜている画像が映し出されていた。
(な、何!?20メートル……い、いや30メートルはあるこの距離をたった数秒で詰めてきただと!?)
自分の予想を裏切る事態となり驚く鷲巣を尻目にカズマの動きは止まらない。
「反撃のシェルブリットォォォォォォォーーーーー!!!」
拳を打ち出しまさに弾丸の様な圧倒的な速度でカズマが鷲巣に迫る。
しかしエピタフの未来の画像は必ず起こる未来を示す。
シェルブリットは鷲巣の下腹部に直撃するが鷲巣を数歩後ろに引かせ、シルバースキンの装甲を弾ぜ六角形の白片を散らばせるだけに終わった。
「な!俺のシェルブリットが!?」
例え首輪による制限が掛かっていようとも北斗神拳を極めたケンシロウの渾身の蹴りを受け止めたシルバースキン。
同じく制限を受けたシェルブリットを受け止める事は造作もない事であった。
只の奇妙なコートだと思っていたシルバースキンの予想も付かない能力にカズマは驚き一瞬無防備になる。
すでにエピタフによりこの結果を知っていた鷲巣はこの隙を見逃すことも無く咄嗟にショットガンを放り出し、キング・クリムゾンの左腕を発現し伸びきったシェルブリットの手首を掴み更に右腕を発現。
そのまま右腕の指を揃え手刀の形を作り右腕を天に向け……勢い良く振りぬきカズマのシェルブリットを右肩ごと文字通り切り落とした。
「うあああぁぁぁぁ!」
「ククククク!これでわかっただろうカズマ君!?わしは負け犬ではない!
これが王の力だ!」
支援
キング・クリムゾンの腕の発現を止め鷲巣は高らかに言い放つ。
エピタフの使用により実際には疲れが徐々に蓄積しているのだが鷲巣はそんなことはもはや気にしていなかった。
なぜなら目の前の小僧の唯一の武器であるシェルブリットを身体から引き離してやったからだ。
後は思う存分いたぶるだけ。そう思い鷲巣は改めてカズマの様子を見るが…………。
カズマの意思は、弾丸は……曲がっていなかった。
「……何勝った気でいやがるんだよ……変な腕も出しやがって……勝負はここからだろーがぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
カズマが咆哮をあげた瞬間切り落とされた右腕がひとりでに宙に浮く、そしてその腕が先ほど粒子に分解され再びカズマの右腕があった部分に集まり『再々構成』が完了し再び黄金の腕“シェルブリット”が展開される。
「激昂のシェルブリットォォォォォォォーーーーー!!!
再々構成に驚愕の表情を見せる鷲巣にシェルブリットがまたも直撃する。
だが、結果もまた同じこととなり六角形の白片が周囲に弾ぜる。
「ククク!カズマ君!君の力でh
「まだだ!双撃のシェルブリットォォォォォォォーーーーー!!!」
「な、何ぃ!?」
鷲巣が言葉を言い切らぬうちにカズマはもう一度同じ箇所にシェルブリットを撃ち込む。まだ制限により完全に修復されていないシルバースキンでは受け止めることが出来ず鷲巣は派手に後方に吹っ飛び、そのままの勢いで道路に叩きつけられた。
(ば、馬鹿な!何故王であるこのわしがあんな小僧に……許さん!絶対に許さん!)
血反吐を吐き、カズマへの怒りを募らせ、下腹部の痛みや道路に打ちつけた衝撃を感じながらも急いで鷲巣は身体を起こしカズマの方に向き直る。
「形勢逆転ってやつだな……だがまだ俺の右腕にある弾丸は燻り続けてんだ!
まだ終わりじゃねぇぞ!」
カズマがそう叫び鷲巣に向かって突進する。
(どうする?エピタフをもう一度使って……い、いやどうせさっきと同じ結果になる。
ショットガンもない、こうなれば……あれしかあるまい!)
「そろそろそのツラを見せてもらうぜ!くらえ!強攻のォォォォーーー」
更にカズマは必死に思考を張り巡らす鷲巣に接近しシェルブリットを向ける。
(ここでこの小僧に負けたらわしはケンシロウに永久に届かん……それだけは絶対に認めるわけにいかん!)
「シェルブリットォォォォォォォーーーーー!!!」
カズマの咆哮が響きシェルブリットが真っ直ぐ弾丸の如く鷲巣に向かって突き進む。
鷲巣は避けるどころかその場から一歩も動かない。
ケンシロウとの闘いの時のように恐怖で身体を動かせないのだろうか?
否、確かにカズマは鬼気迫る勢いで鷲巣に接近しているが決してそうではない。
(この鷲巣厳には王としての意地がある!貴様如きに負けるわけにはいかん!
1秒では足らん!キング・クリムゾン!貴様も王の名を冠するのであれば5秒……いや3秒でいい!王の証であるために……時間をぶっ飛ばしてみろ!)
カズマのシェルブリットが鷲巣に迫る。
その距離はすでに1メートルを切っている。そして…………
「キング・クリムゾン!!」
形こそ人と同じではあれどとても人間とは思えないほど禍々しいキング・クリムゾンの全身が鷲巣のすぐ傍に発現。鷲巣の生気を振り絞り、精神力と体力を糧にした叫びが響き渡った。
支援
カズマがとてもゆっくりと、まるでビデオのスロー再生のように動き、鷲巣にシェルブリットを撃ち込む。
いや、撃ち込むのではなくシェルブリットは鷲巣の身体を……通り抜けた。
(ハァ、ハァ、ハァ……やはりわしはツイている。
キング・クリムゾンの力で3秒間時間をぶっ飛ばした……わしの勝ちだ。)
キング・クリムゾンの真の力。
一定の範囲内の時間を本来の力であれば十数秒間消し去る力。
その消し去られた時間の間全ての物体は時間の経過を認識できずに結果だけを認識する事になり消し去られた時間の間何者にも触れることも触れられることもできなくなる。
(カカカ……随分手こずらせてくれたな……だが貴様はもう終わりだ!)
しかし自分だけは自由に動くことが許され『傍観者』となる。
鷲巣は既にキング・クリムゾンの真の力を使ったことにより体力、精神力を殆んど使い果たしていたが勝利への執念、何より王としての意地が鷲巣の身体を突き動かす。
シェルブリットからやや右に位置を置きキング・クリムゾンが発動して3秒が経過する瞬間、鷲巣はキング・クリムゾンの右腕の拳をカズマの右胸……心臓に向けて放った。
どうなる?支援
しえーん
「カ、カズマァァァァァーーーー!!!」
今までカズマと鷲巣の闘いを見守っていたアミバは目の前で起きたことに驚きを隠せず絶叫した。
カズマが白コートの男に突進し、間違いなくシェルブリットが直撃すると思ったら何故かシェルブリットは鷲巣に当たらず代わりに禍々しい人形なものの右腕がカズマの右胸をブチ抜いていたからだ。
(わ、わからん。俺にはあの男が何をやったのかわからん。
しかしこれだけはわかる……ケンシロウまでとはいかないまでもカズマ程の男がやられたのだ、俺ではあの男には勝つことはできん!)
ケンシロウに全く臆せず立ち向かい、比類無き剛拳を持つカズマと自分では技術的にも精神的にも大きな差が存在する。
いっそ、このまま逃げてしまおうか?そんな考えが一瞬アミバの脳裏を巡り一歩後ずさりをするがそれ以上アミバの足が動くことは無かった。
なぜなら
「……なぁあんた……アルターって意味知ってるか……?
英語で言うとオルタ……へっ、忘れちまった。とにかく『進化』っていう意味らしいぜ……。」
右胸からおびただしい血液を流し、口元が朱に塗れながらも未だ反逆の意思が消えない眼光でカズマが鷲巣にそう呟いたからだ。
(カ、カズマ!お前はまさかまだ闘うつもりか……何がお前を……お前の心を動かすのだ!?)
アミバにはカズマの表情は当然わからない、だがアミバも拳法家の端くれ。
カズマの放つ闘志でカズマの意思が曲がっていないことを感じ取る。
「カカカ……『進化』、この先わしが世話になる言葉じゃな。」
満身創痍でありながらも薄ら笑いを浮かべ鷲巣は答える。
心臓に致命傷を与えたという事実が鷲巣に余裕を与えていたからだ。
「へっ……アンタにはこの先なんて……ねぇよ。何故なら俺のシェルブリットが……てめぇをブチのめすからな!」
「カッカッカッ……面白い!ならお前はやってみせるのか!?『進化』を!」
カズマの叫びを鷲巣はせせら笑い、冗談交じりにカズマに問いかけた。
鷲巣がそうするのも無理も無い。
鷲巣は満身創痍でありながらも鉄壁の防護服シルバースキンは未だ健在でありキング・クリムゾンもあり何よりキング・クリムゾンの右腕がカズマの右胸をブチ抜き心臓に致命傷を与えているからだ。
だが……“反逆者(トリーズナー)”カズマはその事実にも反逆する。
「当然の……パーぺキだ!!!」
口元を吊り上げ、不適に笑い言い放つカズマを見て鷲巣は一瞬たじろぐ。
(使わせてもらうぜ……じいさん)
右腕の拳を握りしめ、右腕を思いっきり天に向け振り上げる。
そしてカズマは叫ぶ。このバトルロワイアルに連れてこられる寸前に一人の老人から託された『進化』の言葉を。
「s.CRY.ed(スクライド)!!!」
その瞬間カズマの身体が光る。
そして青白く、眩く、激しい光が周囲に放出された。
進化の言葉ktkr!!!
wktk
しえん
支援
(な、何だ?一体何をしたのだ!?この姿は一体……?)
カズマの身体から放たれた青白い光に目を眩ませながらもカズマの姿を見て鷲巣は驚く。
「……これが俺の『進化』……『凄いアルター』だ!!!」
右腕だけでなく左腕、首、両耳、両足の付け根のやや下から足の裏まで、眉間のやや下の丁度両目の間の位置を中心としX上に顔に広がる部分。
これら全てに重量感を伴った黄金の装甲が纏われ、更に右目は緑色に光るガラスの様な物体に覆われ、右の背中からしか生えていなかった3枚の真紅の羽は変化し両の背中から計6枚の真紅の羽が生えている。
また胸部には左右2個ずつ人間の眼の様な赤く握りこぶしひとつ分の大きさの物体が縦に並び上の2つからは肩の周りに、下の2つからは丁度腰の辺りにまで背中の真紅の羽と同形質のものが伸び、右腕は更に強大になりまるで竜の頭部の様な装甲から手が突き出している。
そのカズマの姿は人と言うよりは人の形をした獣と言える程の威圧感を鷲巣に与えていた。
「初激の『新』シェルブリットォォォォォォォーーーーー!!!」
本来は劉鳳によって『ハイブリット』と名付けられるはずだったカズマの進化したアルター。
その強大な剛拳が鷲巣の胸部に撃ち込まれ、直撃箇所のシルバースキンが弾ぜ……否、ハイブリットのあまりの衝撃により直撃箇所だけでなく上半身全てのシルバースキンが一斉に弾ぜ、その瞬間シルバースキンは解除され核金が道路に落ちる。
「き、貴様ぁぁ!キング・クリムゾンが確かに致命傷を与えているのだぞ!?
何故その痛みに耐えられる!?」
ハイブリットの衝撃により帽子まで弾き飛ばされ、カズマとの闘いの中で一番の驚きを見せている鷲巣の素顔が完全に晒される。
「俺は“反逆者(トリーズナー)”だ……ならその痛みに……反逆する!!!」
しえん
鷲巣はならば止めを刺そうとキング・クリムゾンの左腕を必死に動かそうとするが全く動く様子はない。
何故なら鷲巣は首輪の制限以上にキング・クリムゾンの真の力を使っていて心身ともに最早余力は残されていなく、キング・クリムゾンを操る事は鷲巣には荷が重い事になっていたからだ。
そしてカズマが再び大きな血反吐を吐きながらありったけの叫びをあげる。
「……吼えろよ!俺の『新』シェルブリット!!!野郎に見せつけろ!!!」
右腕の竜の頭部の様な装甲が音を立てて爆発し、代わりに右腕全体がまるで虎と獅子を掛け合わせた様な猛獣の頭部に形を変え、その周りには視認出来る程膨大なアルターのエネルギーが放出されている。
(ま、まさかこのわしがこんな所で死ぬというのか?
わしはアカギやケンシロウを殺さなければならない、何よりわしは王だ……王なのだ!
わしが死ぬわけがない!)
絶望が支配する中鷲巣は自分の運を信じ、キング・クリムゾンが動く事を願う。
だがキング・クリムゾンは動かない……皮肉にも自分を『王』と信じ続けた鷲巣は『帝王』に見捨てられる結果となってしまった。
「この俺の……自慢の拳をォッ!!!」
マーティン・ジグマールのアルターであるギャラン=ドゥ。
絶対壊滅無敵殲滅軍団旗艦、天地無用を一撃の下に粉砕したハイブリットの最大出力。
それ程の威力を誇るハイブリットが、シルバースキンを弾かれた鷲巣の胸部に撃ち込まれる……そして鷲巣の胸部から上の部分は粉々に砕け散り、鷲巣だった残りの物体は力を失い道路に倒れた。
「……これが……反逆だ……。」
そう呟きカズマはアルターを解除し……道路に前のめりに倒れ伏した。
ジジィーーーーー!!
鷲巣―――――ッ!
「だ、大丈夫かカズマ!?」
思わずアミバはカズマの元に走り寄り、急いで介抱する。
早く手当てをしなければと思いカズマの傷を確認するが……カズマの右胸に空いていた大傷は六角形の物質に覆われていて中心からツララの様な突起物が生え、傷は塞がれていた。
「へっ……どうって事……ねぇよ。
傷はアルターで塞いだからな……それよりアミバさん……アンタは見つけられそうかい?
自分の信念……アンタが誰のためでなく自分がやりたい事をよ……?」
依然苦痛の表情を浮かべながらもカズマはアミバに問う。
だがアミバは未だその答えが出せないでいた。
「あ、ああ!だが今は身体を休めることが先だろう?
水でも飲ましてやるから少し待ってくれ。」
ここまで激しい戦いをしてくれたカズマを失望させるような返事をするわけにもいかず、慌ててアミバは自分のデイパックから水を取り出そうとする。
水を探している時ふとカズマに貰った核金の説明書に書いてあった治癒力を思い出し共に取り出す。
「ほれカズマ、水とお前が俺にくれた核金だ。
何でもこの核金というのには治癒力があるらしいぞ……カズマ?」
自分の言葉に何の反応を示さないカズマにアミバは奇妙に思う。
もしや疲労が限界まで溜まり寝入ってしまったのではないか?
アミバはそんなことを思っていたが彼は見てしまった。
先ほどまでカズマの傷を覆っていたアルターが……影も形も消えてしまいその大穴から……赤い心臓が見え脈動が……止まっていた。
「カ……」
ショットガンによる流血、再々構成による体力の消費、心臓への致命傷、そして初めての覚醒により力の加減が出来ず放った最大出力のハイブリットがカズマの身体を蝕んでいた。
本来のカズマなら恐らく耐えられたかもしれない。
だが彼の首に黒く光る首輪の制限により……それは叶わなかった。
「カズマァァァァァーーーー!!!」
“反逆者(トリーズナー)”カズマの意思、弾丸は……遂に曲がってしまった。
だが不思議にもカズマの表情は……苦痛では無く何か安堵に満ちていた。
◇ ◆ ◇
F‐6の民家の傍に墓が立っている。
それは民家でアミバが手に入れた椅子の足の部分を墓標として、『“反逆者(トリーズナー)”カズマここに眠る』と地面に書かれたとても簡素な墓であった。
そしてその墓の前にはシルバースキンで全身を……その表情までも隠し、ショットガンを持ったアミバが立ちすぐんでいた。
(カズマ……何故お前の様な男が死んで俺のような者が生きているのだ……?
お前にはこの先輝かしい未来が、やるべき事があったに違いない。
そして俺がこのバトルロワイアルというものに巻き込まれる前に殺した村人たち、6~7時間前に殺した盲目の老人にも……。
今更弁解することはない、罰なら地獄に落ちた後で受けてもきっと遅くないだろう。)
血が出るほど唇を噛み締め怒り、悲しみ、罪悪感が入り乱れる心境でアミバは思う。
(しかし……あのふざけた放送の老人……貴様だけはゆるさん!
こんな俺でももうカズマの様な者は出してはならない事をようやくわからせた事には感謝する……だがそれだけだ!貴様のような下衆は同じ下衆であるこのアミバが必ず地獄に叩き落す! そのためには殺し合いに乗っていない者達に協力を頼まなければならない。
ケンシロウにも協力を頼みたいが……いや俺はあれ程の事をしたのだ。
今更どう言っても信用されないのも無理は無い、ならば無用な争いは避けよう。)
そしてアミバはショットガンを天に向け
(見ていてくれカズマ……このアミバの信念を!)
決意を込め引き金を思いっきり引き
BANG!!!と銃声が響きアミバは誰に言うわけでもなく天に向かって叫ぶ。
「聞け!たった今このアミバは命が続く限りこのバトルロワイアルというふざけた殺し合いに……『反逆』を開始する!!!」
【F-6 民家付近 1日目 朝】
【アミバ@北斗の拳】
[状態]:唇が切れているが心体健康、強い決意、今までの自分に強い自己嫌悪。
[装備]:シルバースキン@武装錬金、ジャギのショットガン@北斗の拳(弾は装填されていない)
[道具]: 支給品一式(×3)(一食分消費済み)携帯電話、綾崎ハヤテ御用達ママチャリ@ハヤテのごとく、ノートパソコン@バトルロワイアル(これら三つは未開封)
ギーシュの造花@ゼロの使い魔、神楽の仕込み傘(強化型)@銀魂、核鉄(ニアデスハピネス)@武装錬金
[思考・状況]
基本:ゲームの破壊、主催者の殺害。
1:ゲームに乗っていない人物と協力する。
2:ゲームに乗った人物と遭遇した場合説得を試みて駄目なら殺害する。
3:ケンシロウとラオウには出来れば会いたくないがいざとなったら闘う覚悟はある。
[備考]
※参戦時期はケンシロウに殺された直後です
※キング・クリムゾンのDISCと鷲巣のデイパックはハイブリットに巻き込まれました(回収不可能)
※鷲巣の肉片、胴体より下の死体が道路に転がっています。
※アミバが何処へ行くかは次の書き手さんにお任せします。
【カズマ@スクライド:死亡】
【鷲巣厳@アカギ:死亡】
投下終了しました。
支援して下さった方々どうもありがとうございます。
SSの内容の方ですが…正直批判が来てもおかしくないかなと思っていますので何なりと言って下さい。
>>400 カズマ逝ったぁーッ! ついでにジジイも。
熱いバトルでしたし、俺は好きでしたよ。アミバ様にもフラグ立ったしw
密かに扱いづらいキンクリも処理してくれたしw
原作しっかりと読みこんでますねぇ……感心しましたよ。
ただ、コンマは「、」に統一した方がいいかも。あと「!」「?」も全角で直後にスペース。
まぁwikiで修正でもいいレベルの話だけどね。
内容はGJでした。
面白かったです。
アミバが今後、カズマの意志を継いで頑張ってくれることに期待しましょう。
>>400 GJ!
カズマと鷲巣が逝ったのは悲しいけど、それを補って余りある熱く面白い話でした。
アミバの活躍が今後期待できそうで非常に楽しみです。
おお、ブラボー!!
いつの間にか投下されてた。
まずはGJ。
そして、今から読むぜ
鷲巣とカズマが逝くとは……
しかし、なんという熱い展開!
カズマの反逆を見せ付けられたぜ……
カズマの反逆を受け継いだアミバに、期待せざるを得ない!
鷲巣もカズマも惜しい逸材だった……合掌……
おまえに期待しているぞアミバ
だがしかし、今のアミバは鷲巣様の格好をそのまま模倣している罠……
アミバ\(^o^)/オワタ
ケンシロウぐらいしか鷲巣がシルバースキンを着ていたことを知らないんじゃないの?
むしろ、ブラボーと間違われそう。
ケンシロウの場合カズマが死んだのをアミバの仕業と思いそうだ。
アミバの位置的に神楽、キュルケか才人辺りと出会えればいいが孤立したら悲惨な事になりかねない。
ああああああみいいいいいいいばああああああああ!!!
誤解フラグもなんのその! そこまでやったんなら最後まで突き抜けてみせろアミバ!
そしてカズマ、鷲巣南無
それはそれとして、鷲巣大金星と思った下種は俺だけでいい。まだまだこの世界にゃ消すのに手間取る猛者が山ほど居るからな〜
>>410 消すのに手間取るのはむしろ悪側なわけで…
勇、D、アー、ラ、吉、マーと。
相討ち覚悟だと駒が足りない
支給品効果でけしていけばいいでね?
らきすたって書きづらいな。
ハルヒのキョンやハヤテのハヤテみたいな男キャラが欲しい。
男キャラがいない萌え作品はロワに向かないか?
逆に考えるんだ。他作品のキャラとフラグを立ててしまえばいいさと考えるんだ。
恋愛フラグは死亡フラグだしなー。
パッピー&こなた
川田&つかさ
アーカード&かがみん
かがみんは位置的にメガネーズとか劉鳳とか選択肢多数だしなー。
今までなら「カズマが死ぬなんて」って言ってファビョってたけどこれはカッコイイ。
作者様乙&チラ裏スマソ。
>>415 劉鳳には追い付かなくねーか?w
ブラボー・桐山じゃね
皆様感想ありがとうございます。
実は毒吐きの方で「心臓がぶち抜かれているのに右胸に致命傷はおかしい」
という致命的なミスを指摘してもらったのでwikiに収録され次第
>>401のご指摘通り記号の方も修正します。
お騒がせしました。
極稀に内臓逆位というものがあってな。
サウザーかと。
どうも、携帯規制でしたらばに書き込めない◆VACHiMDUA6です
予約も入っていないので、こちらのほうで
葉隠散、平賀才人、村雨良、劉鳳
の4人を予約させていただきますがよろしいでしょうか?
ですが、書いているキャラクターが被っている、或いはそれは認められない、というのなら、予約を辞退します
PCで書き込める状態になってからしたらば予約でよろ
(´・ω・`)パソコン持ってない……
わかりました。では辞退ということで
いきなりですが、質問があります。
からくり勢の登場キャラ
しろがね(エレオノール)と白金(フェイスレス)に関してですが
名簿には、どのように記載されているのですか?
しろがねと記載されているのですか? それともエレオノールとなっているのですか?
フェイスレスも同上
SSを書くに当たって、疑問に思いました。
自己判断でいいのでしょうか?
>>425 ドンマイ。PCで書き込みるようになったら頑張って。
>>426 からくりは全然わからないから何とも言えないけど…別に自己判断で良いかと。
>>425 一時携帯規制を解いて、◆VACHiMDUA6氏の書き込みを確認した後、元に戻したいと思います。
個人的には携帯規制解きたいんですがね。はあ……
こうして、また一人貴重な書き手が弾かれたか……
いっそ三作品以上投下した人限定でこっちでの予約も可にしないか?
VA氏みたいなケースを救済する意味でも。
コピペ代理予約じゃ駄目なのか?
氏は3作品認められた人なんだし、悪用って事は無いと思うが…
>>423 アンタならこっちでの予約もOKだろ。
鳥付きで、何作も投下してる人なんだから当然OK。
ってか、ほかの人はどうして駄目って言うかな……
PCで書き込めるようになるのが難しい場合だってあるかもしれないだろうに……
>>431 パソコンがたまたま使えないこともあるしね。
それでいいと思う。
そういやからくりサーカスを見たんだが、勝よりギイに出て欲しかったと思った…
>>429 あの禁則事項が本当に携帯で予約しているとも思えないけどねぇ。
本当にやってるんなら携帯規制した後「何で携帯規制したんだ!」って観測所に100ぱー文句言ってたろうし。
承太郎たちを予約した者です。
SSは完成したのですが、もう少し見直したいので延長させてください。
今日の夜には投下しますので。
了解です!頑張って下さい!
したらばの一時投下スレに
フェイスレスを投下しました。
名簿に関しては
>>1の参加者リストを参考しました。
色々とご指摘お願いいたします
>>438 投下乙。
フェイスレスの考察が的確で感心しました。
本投下お待ちしております。
皆さんのご好意、痛みいります。
それでは、改めて
葉隠散、平賀才人、村雨良、劉鳳
の4人を予約させていただきます。
>>438 恐らく問題はないかと思われます。本投下を楽しみに待っております。
神楽達を予約した者です。
もうすぐ予約が切れてしまいますがあとちょっとで出来上がるので予約延長させて下さい。
たぶん10時ごろには投下できると思いますんで
>>442 予約は3日なんで、まだあと1日ないですか?
なんにせよ、待っておりますので
では、承太郎 ナギ カズキ ハヤテ投下します
しえん
疲れた。
「なぁ、ジョジョよ」
とても疲れた。なぜこの私がこんなにも長いこと歩かなければならんのだ。
ジョジョに付いて来いと言われてから既に数時間が経過している。とりあえず学校へ行こうと提案したのは私であるが、学校の気配すらないではないか。
(お嬢様、『学校の気配』ってなんですか?)
……うるさいな、なぜハヤテの幻想に突っ込まれなくてはならんのだ。
それにしても疲れたぞ。そろそろ休みたいのだが。
「なぁ、ジョジョ」
「……」
それにしてもこの男、一向に会話すらせずに黙々と歩き続けている。
私がウサギだったら既に死んでおるぞ。まぁ私はウサギではないから大丈夫なのではあるが。
他人への気遣いすら出来ぬとは、男として根本的にダメなのだコイツは。
「なぁー! ジョジョってば!」
「……(チッ)」
……今、舌打ちしたな?
何だこの無礼者は。私を誰だと思っておる。こんな仕打ちは初めてだぞ。全く、ハヤテとは大違いだな。
アイツは私のどんな頼みでも笑顔で了解してくれて、私が困ったときにはいつでも助けてくれて、……強くて、……カッコよくて。
「なぁ……ジョジョォ……」
「なんだようるせぇな! 黙って歩けないの――」
ハヤテは私の、私の……ハヤテ。
……ん? どうした? 私の顔になにか付いて……。
「お前……」
「なんだジョジョ、私の顔になにか――」
――私は、泣いているのか。
いや、なんで私がハヤテなぞ思い出して泣かねばならんのだ。
「すまない、目にゴミが入ってしまったようだ。あと少しだけ待ってくれ」
「……少し……休むか」
ぬぅ……ジョジョのやつ、私が心細くなっていると勘違いしておるな?
意外と気が利くではないか。だが私はそんなヤワな人間ではないぞ。全く私をバカにしおって。
とは言っても私は心が広いのだ。その気持ちは汲み取ってやらんとな。
「……別に、お前なんぞに気を使って貰わなくてもいいが、そこまで言うなら――」
「俺が疲れたから休むんだ。休みたくないなら一人で先に行きな」
……やはり……この男はダメだ。
男として基本的な心配りがなっていない。
一度ガツンと言ってやらねば分からんようだな。
「だいたい貴様はだな――」
「――ッ! 静かにしろ!」
語りだそうとした私の口をジョジョが塞いできよった。
「ふぬぅぅう! うー! うぅうう! (なんだ! 放せジョジョォーーー!)」
そのまま道路の脇の茂みに連れ込まれてしまった。
ジョジョ! いったいどうしてしまったのだ!
「むぅー! むぐぐぐぐうぐうううう! (ジョジョ! 変なマネはよせ! 私に何かあったらタダでは済まんぞ!)」
「誰か来た……お前はそこでジッとしていろ」
私にそう告げたジョジョを見上げると、彼は微動だにせず遠方を睨みつけていた。
こうしてみるとかなりの男前であるな。まぁハヤテほどではないがな。
って私は今コイツに抱きかかえられているのではないか?!
ヤバイぞ、なんだか心臓がバクバク言っておる!
な……なんで私がこんなデリカシーの欠片もない男なぞに! そ……そうだ、こんなに近ければ誰だって緊張するというものだ!
か、勘違いするな、だからって別に誰でも良いという下品な女ではないぞ、決してな!
「……変態だ」
「む! むぐぐぐむぅぅぅぅぅーー! (なんだとジョジョ! だから私はそんな下品な女では!)」
なんで私の考えが読めるのだコイツは!
……はぅ! それでは私がジョジョ相手にドキドキしていることも筒抜けなのか!
違う! 違うぞジョジョ。私にはハヤテという男がいるのだ。
「変態カップルが歩いてきやがった」
そうそう私とハヤテはお似合いの変態カップルなのだ……ってえええええええええええええええええ!!!
へ、へへへ変態カップルだとぉ! 変態バタフライの次は変態カップルだと?!
「女装した変態男と、鼻の下伸ばしながらそれを連れて歩いている変態男だ」
両方男かよぉぉぉ! 禁断の恋ではないか! えぇい私にも見せんかジョジョ!
この手を! この手を放せ!
「暴れるんじゃねぇ。あの光景はお子様にはまだ早いぜ」
えぇい! そう言われると余計に見たくなるではないかぁ!
しめた! ジョジョの手が私の口から離れたぞ!
「……ぶはぁ! 馬鹿者! 私を子供扱いするな! 私は三千院家の次期――」
「やかましいぞ! ちょっと大人しく――っ!! スタープラチナ!」
突如ジョジョ襲ってきた変態男をジョジョが弾き飛ばした。
ガガガガガと変態男(あれは女装している方だな?)が地面を転がる音がする。
「全く、ここにはマトモな人間はいないのかよ」
「珍しく気が合うではないかジョジョよ……ってその中に私も入っているのか?」
そう言って私が睨んだジョジョの姿がさっきより少しカッコよく見えたのは内緒の話だ。
◆ ◆ ◆
さて、私綾崎ハヤテは今、軽く気まずい空気に襲われています。
「えっと工業団地は……ここからしばらく北西に進んだところにあるようですね……って聞いてますかカズキさん?」
「え……うん。ちゃんと聞いてるよ」
こなたさんと蝶野さんと別れてからしばらく歩き続けているのですが、同行者のカズキさんがどうもボーっとしているのです。
さっきから話しかけているのですが、こっちをチラチラ見るばかりであまり会話をしてくれません。僕、何か嫌われることでもしたのでしょうか?
「どうしたんですかカズキさん。さっきからボケっとして……熱でもあるんじゃないですか?」
「え……じ、実はさっきから君と一緒にいると熱っぽいなぁー……なんちゃってぇ」
「……カズキさん」
「いやぁ……アハハハハゴメンゴメン」
た、大変です! この状況で病気になるなんて一大事じゃないですか!
「な、なんでそれをもっと早く言わないんですか! ちょっとオデコ貸してください。失礼します」
「うわぁ! ちょっとハヤテ! なにをして……お、俺には斗貴子さんが――!」
僕の額にカズキさんの額を当てると、確かに少し熱っぽいような気がするぞ。
どうしよう……僕はお嬢様を助けに行かないといけないのに……。
「参りましたね……風邪かもしれないです。……仕方ない、一旦こなたさん達のところへ戻りますか」
「ちょ、ちょっと待ってくれ! さっきのは……なんていうか、その場を和ますための冗談だよ!
俺はこのとおり元気だからさ! は、早くナギちゃんところへ行こうぜ!」
「じょ、冗談だったんですか?! 全く、言っていい嘘と言っちゃいけない嘘がありますよ! 本気で心配したんですからね!」
この非常事態に何を考えているんですかこの人は。
まぁ……無事なようで何よりでしたが。
「ゴ……ゴメン。エヘヘヘヘヘ」
なんでこの人こんなに嬉しそうなんですか?!
なんだかカズキさんはよく分からない人です。
「……もぅ、こんなことしてる場合じゃないですよ。早くお嬢様を探さなくては!」
そう言って歩き出した僕の目に飛び込んできたのは……。
「暴れるんじゃねぇ!」
お嬢様が制服の男に襲われているではないですか!
『キャー助けてぇ誰かぁー』
『グヘヘヘヘ、叫んだって誰も来ないぜぇ! 一枚ずつ脱がしてやるから覚悟しな!』
僕は読唇術を駆使して、お嬢様のピンチを悟ったのです!
あの男……よくも、よくもお嬢様に!
「お嬢様をぉぉぉぉ放せぇぇぇぇぇ! ――うわぁ!」
男へ向けて、渾身の跳び蹴りを放ったのでしたが、男の背中から出てきた不気味な人形に殴り飛ばされてしまった。
「ハヤテ! 大丈夫か?!」
心配したカズキさんが駆けつけてくれました。
「ええ、大丈夫です。カズキさんは下がっていてください! これは僕の戦いです」
「で、でも……」
顔を上げ、前を見据えると、敵の後ろで怯えるお嬢様の姿が見える!
あれは……変態を見る目だ! やはりあの男!
「お願いします、お嬢様は僕がお守りしなくては!
お嬢様! いま助けますから待っていてくださーい!」
お嬢様へ向けて叫ぶと、お嬢様は僕の突然の登場に非常に驚いてらっしゃるようだ。
「お前……ハヤテか? お前ハヤテだったのかぁ?」
なぜそこで悲しそうな顔をするんですか! まさか……既にあの男に!
「おい、まさかあの女装ヤローが……」
「……あぁ。私の執事だ」
なんだ? お嬢様と変態男がなにか話しているぞ、よし読唇術で……。
『おい、アイツにさっきのことバラしてもいいのかよ』
『おねがいやめてぇ! ハヤテには! ハヤテにだけは!』
「貴様ァァァァァァァァァァ!!! お嬢様に何をしただァーーーー!」
もう許さないぞこのド外道が! 泣いたって許してやるもんか!!
僕の必殺技……ハヤテのごと……
「ハヤテ! 待つのだ! ジョジョは私の仲間だ!」
分かっています。辛かったでしょうお嬢様。こんな男に……仲間? ワッツ?
「……マジ?」
「マジだ」
今更ァ? 止まらないって! 超必殺技だもん簡単には止まんないってぇ!
必殺技自体は不発に終わったのだが、体当たりの勢いは当然消える事なく。僕は「じょじょ」さんに渾身のタックルをお見舞いすることになった。
でも「じょじょ」って変わった名前だよなぁ、あの人、どう見ても日本人なのにね。
◆ ◆ ◆
「もうッッッッッしわけありませんでしたァァァァ!!!!」
綾崎ハヤテ、16歳。おそらく世界で一番土下座をしている16歳。
その輝かしい歴史にまた新たな1ページが書き加えられることとなる。
それにしても綺麗な土下座だ。有名な画家が、ゴッホだかガンギャーンだかプロシュートだか忘れたが、とにかくそんな名前の画家が描いたかのような美しさである。
「まったく! 相手を怪しむ前に自分の格好を省みることだ! この状況で女装など、ふざけているとしか思えんぞ!」
三千院ナギ、13歳。若き土下座王の雇い主。
自慢の執事に出会えた喜びなど何処にもない。彼女の心にあるのはハヤテへの怒りと執事が失態をした恥ずかしさである。
「……やれやれだぜ」
空条承太郎、17歳。ハヤテの土下座を鑑賞中。
ちなみに彼は無傷であった。激突の衝撃は全てスタープラチナで受け流した。さすが最高のスタンド使いといったところか。
「で、お前はなぜ女装をしているのだ? お前も放送は聴いただろ。我々の知り合いは全員無事なものの、あれだけ多くの人間が……その、亡くなっておるのだ。
女装なぞしていたら怪しまれるにきまっているだろうが!」
土下座のポジションのまま顔を上げ、ナギの説教を正座で聞いているハヤテ。
「これは……その、こなたさんがムリヤリにですね……僕もカズキさんを騙す事になってしまったのは申し訳ないと……あ!」
必死に弁解をしていたハヤテが突如声をあげる。
「あぁ!」
続いてナギが。
「……あ」
終いには承太郎までもが。
「カズキさんのこと忘れてた」 「カズキとかいう男はどうした?」 「もう1人変態がいやがった」
3人が同時にカズキの方を見る。
「ハヤテ……女装って……まさか……」
そこにいたのは、あまりのショックに呆然としている少年。
武藤カズキ、16歳。恋人あり。男相手に浮気しかける。もう一度言おう、恋人あり。
「あの、スイマセンでした……僕も本当は騙す様な真似はしたくなかったんです」
「これは相当ショックを受けておるぞハヤテ。なんせこの男はお前に惚れかけていたようだからなー」
「えぇ! ……あぁー、だからあんなに様子がおかしかったのですか。今考えると納得です」
「普通気づくだろ。あの男は上辺でしか人間を判断できねぇのか?」
「いえ……なんと言いますか、人を疑うということをしない方のようで」
「まぁウブなのだな。ピュアと言った方がいいかな? カズキとやら」
カズキ少年のために弁解しておくが、ハヤテの女装は完璧なものであった。
以前女装姿を見たことのあるナギと、人並み外れた観察眼をもつ承太郎だから易々と見破れたのであって、ハヤテに会った事のない人間であれば騙されても仕方ないのだが……。
3人がそれぞれ言いたい放題な中、カズキは必死に考えていた。
(ヤバイ、絶対『うわ、コイツ絶対女性経験ないよ』とか思われてるよ。
俺には斗貴子さんがいるんだ。これじゃまるで斗貴子さんが女性にカウントされないみたいじゃないかぁ!
ダメだ、俺がこんなんじゃ斗貴子さんが恥をかくことになってしまう)
「まぁ今回の失敗を糧に今後も恋愛に勤しんでくれたまえ。ボ、ウ、ヤ」
「ちょっと、お嬢様……そこまで言うことないじゃないですか。ねぇ『じょじょ』さん?」
「……」
「し、知ってたよ」
カズキが突如口を開く。
「「「?!」」」
今まで好き勝手言ってきた3人が唖然としている。
「し、知ってたに決まってるじゃないか。ハハハ……やだなぁみんな、もしかして俺がそれくらい見抜けないとでも?」
嘘だ。
もちろん嘘である。辺りに彼の乾いた笑いが虚しく響くだけだ。
が、しかし
「な、なーんだ知っていたんですかカズキさん。そうならそうと言ってくれればいいのに」
「なんだ、気づいておったのか。これはいらぬ心配をしたものだ」
「全く……驚かしやがって」
人は「そんなことはあり得ない、あって欲しくない」と思う事は多少無理にでも否定するように出来ているのである。
かくして「武藤カズキ女性経験なし説」は否定されることとなったわけだが……ここで新たな問題が、さらに深刻な問題が1つ。
「これでカズキとやらも信頼でき……ん?」 「え?」 「……おいおい」
「この男……」 「カズキさん……」 「こいつ……」
「「「男と知ってて鼻の下伸ばしてたのか……」」」
武藤カズキ、16歳。何度でも言おう、恋人あり!
◆ ◆ ◆
「ってことは、パピヨンのヤローとこなたって女がその喫茶店で待っているってことだな」
先ほどのカズキによる衝撃のカミングアウトの後、4人はありったけの不信感を胸に、それぞれの情報を交換していた。
「はい、お嬢様も見つかったことですし、僕としては早く彼女たちの元へ帰りたいのですが」
「よし! そうと決まればとっとと戻ろうぜ! パピヨンはともかく、こなたは心配してくれてるだろうしよ」
無事に合流できたのだ。このまま喫茶店へと戻り、今後の対策を練るべきだ。この状況ならば誰もがそう思うだろう。
「ちょっと待て」
しかし、そこに異論を唱える者が1人。ナギである。
「どうしたんですかお嬢様?」
「喫茶店へ戻るのは反対だ」
「え? でも、こなたさんたちが待っているでしょうに……」
ナギの突然の反対にハヤテもカズキも当惑の表情を見せる。
「なにか考えがあるのか?」
承太郎がナギに尋ねる。もしかすると彼女は自分の想像以上の策士なのではないか、と承太郎は考えていた。
「疲れた」
ナギが呟く。
「……あ?」
「だぁーかぁーらぁー! 疲れたのだ! 私はもう歩きたくない!」
まるで子供のように、実際子供なのだが、駄々をこねる。
承太郎のこめかみに血管が浮き出るのをハヤテは確認してしまった。
「すすすすいません、じょじょさん。お嬢様は一度こうなるとそうそう気が変わることはないのです。
お嬢様、それでは僕がおぶって差し上げましょう」
「な……ハヤテ! 私を子ども扱いするのか! 私はここから動かんと言ったら動かんのだ!」
変なところにプライドを持っているからこそ余計にタチが悪い。
「……じゃあお前は1人でここに残っていろ。俺たちはパピヨンのヤローに会いにいくぜ」
そう言って承太郎が歩き出してしまった。
「うぅ……ジョジョの人でなしー!」
置いてきぼりになる危機を感じたナギが叫ぶが、ジョジョは聞く耳を持たない。
「ハヤテ、こんなのほうっておけ。こんなガキのワガママを聞いていたら命がいくつあっても足りないぞ。自分のことだけ考えることだな」
「ジョジョ……ハヤテェ……ハヤテは私の味方だよな?」
ナギが泣きそうな目でハヤテを見つめる。
「お嬢様……」
(じょじょさんの言う事は最もだ。こなたさんだって僕たちを待ってくれているのに
お嬢様は子供すぎる。少しは大人になるべきなんだ! この命をかけた状況で……命を――?!)
「じょじょさん! 僕は……お嬢様とここに残ります! じょじょさんはカズキさんと一緒にこなたさんたちのところへ向かってください」
「ハヤテ……!」
(確かにお嬢様はどうしようもないくらい子供で、いつも僕をこき使って大変だけど。
僕の命の恩人なんだ! こんな殺し合いに放り込まれてお嬢様だって辛いに決まっている……!)
強く、強くジョジョを見据えてハヤテは言い放った。
「……そうか」
それを見たジョジョは何も言わずに歩き出そうとしたのだが……。
「……おい、ちょっと待て。こいつと一緒にか?」
カズキを流し目で見ながら承太郎が呟く。
「あぁ……そういえばカズキさんと2人っきりはちょっと危ないですね」
「まぁ……ジョジョなら襲われることもないだろ」
「そういう問題じゃねぇ……」
当のカズキはナギとハヤテを見ながらなにやらニヤニヤしていた。
(全くジョジョはなんにも分かってないんだな。ナギちゃんとハヤテはどう見たってラブラブじゃないか。
そこに割ってはいるなんて無粋な真似するなよなぁー)
カズキが承太郎に接近して耳打ちする。
「おいジョジョ。分かってるんだろ? 誰が誰を好きなのかってことくらいよ」
――分かってるんだろ? 誰が誰を好きなのかってことくらいよ
――分かってるんだろ? 誰が誰を好きなのかってことくらいよ
――分かってるんだろ? 誰が誰を好きなのかってことくらいよ
誰が、誰を……コイツが、俺を……
「……てめーは俺に近寄るな」
◆ ◆ ◆
「ではお嬢様、すぐに戻ってきますからね。ちゃんとここで待っていてくださいよ」
「……無事で帰ってくるのだぞ」
「しかしハヤテ、本当にいいのか? まぁ俺はナギちゃんには手を出さないから安心してくれよ」
「……そりゃそうだろうな。ナギ、この探知機は預けておく」
あの後、カズキを除く全員が「カズキと男を2人っきりで行動させるのはマズイ」という結論に見事至ったようで、普段は頑固なナギもカズキと2人で留守番することに納得せざるを得なかった。
(ジョジョにも世話になったし、あれはあれでかなりカッコいいからな。カズキは私が面倒見よう。
あの2人ならばまず大事至ることはないだろう)
2人の背中を見送りながら、そう考えてナギは笑う。2人にまた会えると信じて。
「さて、私たちはこの駅であいつらを待つとするかな」
「あぁ、そうさせてもら――ッ! なんだよ……これ」
駅のホームに入った彼らを待ち受けていたのは辺りに散乱した肉片と血の臭い。
「これは……ハヤテ! ジョジョ!」
あわててナギが駅の外へと飛び出すが、もうハヤテたちの姿は見えなくなっていた。
もう2人には会えないのではないか、そんな思いがナギの脳裏に浮かんで、消えた。
【B−3 駅のホーム 一日目 朝】
【武藤カズキ@武装錬金】
[状態]健康
[装備]サンライトハート@武装錬金
[道具]支給品一式 水分4/5 音響手榴弾・催涙手榴弾・黄燐手榴弾
[思考・状況]
基本:みんなを守ってみせる
1:ハヤテたちが来るまでナギを守る
2:道化師の正体が気になるけど……
3:フェイスレスの約束を守る
4:勝君とエレオノールに会ってみたい
【三千院ナギ@ハヤテのごとく】
[状態]健康
[装備]首輪探知機@漫画版バトルロワイアル
[道具]支給品一式、不明支給品0〜2(本人は確認済。核鉄の可能性は低い)
[思考・状況]
基本:殺し合いはしない
1:カズキと一緒にハヤテとジョジョを待つ
2:ハヤテ、マリア、ヒナギク、ジョセフと合流する
参戦時期:原作6巻終了後
【B-3 駅から東へ移動中 一日目 朝】
【空条承太郎@ジョジョの奇妙な冒険】
[状態]健康
[装備]無し
[道具]支給品一式、不明支給品0〜2(本人は確認済。核鉄の可能性は低い)
[思考・状況]
基本:殺し合いからの脱出
1:ハヤテと一緒にこなた、パピヨンと合流した後、ナギたちを迎えにいく。
2:ジョセフ、ハヤテ、マリア、ヒナギクと合流する。
3:首輪の解除方法を探す。
4:DIOを倒す。
5:主催者を倒す。
参戦時期:原作28巻終了後
【綾崎ハヤテ@ハヤテのごとく】
[状態]健康。女装。
[装備].454カスール カスタムオート(7/7)@HELLSING
[道具]支給品一式、執事服一式 13mm爆裂鉄鋼弾(35発)、ニードルナイフ(15本)@北斗の拳
[思考・状況]
基本:出来るだけ多くの人を助けたい
1:こなたたちと合流後、ナギたちを迎えに行く
2:マリア、ヒナギクを探し出し合流する
3:そろそろもとの服に着替えたい
以上で投下終了です。支援ありがとうございました。
感想、指摘などお待ちしております。
GJ!
蝶・爆笑w 腹痛いw
カズキのホモ疑惑、ハヤテの土下座&勘違い、笑いどころが多くて面白かったです。
それにしてもなんて愉快な面子ww
せ、清飲料剤かと思いきや……しっかりと不吉なフラグが……
GJ!
>>460めちゃくちゃ笑いましたw
カズキと承太郎のからみとかマジでつぼでした。
じゃあ投下行きまーす
支援お願いします
「マンションどこネ。この地図絶対おかしいアル。早くしないとマダオが危ないのに……。」
第一放送の少し前、神楽はマダオ(キュルケ)を背負いとぼとぼと歩いていた。
できれば走りたいのだがさっきまでずっと駆け回っていたせいかもう足が言う事を聞かない。
予定通りなら放送が始まるはるか前にはマンションに着いているはずだった。
本来なら今頃、マダオの傷を治療してやり、朝食でも食べているはずだったのだ。しかし、未だに着いていない。
神楽は地図を様々な角度から睨む。辺りは民家などで相当入り組んでいた。地図などほとんど見ない神楽にとって、この状況は辛い。
神楽が迷子になったと自覚したのは今から三十分程前。少しずつ焦りと不安が募っていく。
(マダオが危ないのに……。迷子なんてありえないアル)
マダオははたして大丈夫なのだろうか、このまま死んでしまうのではないだろうか。
神楽の心に不安感が少しずつ蓄積されていく。
(動き回っても仕方ないネ)
神楽はマダオを地面に寝かせ自身も腰を下ろした。地図を再び睨んでみたがもはや全然わからない。
マダオの容体が気になり、ゆっくりと顔を覗き込む。
さっき見た時よりも顔色が悪くなっている気がする。怪我をさせてから何時間経ったのだろうか。
青白く血色が悪い。止血のために頭に巻いてやったマントは血で真っ赤になっている。完全に止血できていなかったのだろうか。
再びマントをきつく巻いてやる。死んで欲しくない。神楽は怖くなってきた。
これで彼女に死なれてしまったら、自分はどうすればいい……。人を殺した、なんて絶対に嫌だ。ありえない。
死んで欲しくない。あれは冗談だったのに……。ただのツッコミだったのに。こんな事で、こんな事で大切な命を失ってしまうなんてありえない。
本当にマダオに死なれては、みんなに会わす顔が無い。
「嫌アル……。マダオ生きてヨ。死なないで」
神楽の切なる思い、マントを縛りながら神楽は呟いた。
しえん
まもなく放送が始まる。太陽が出始め辺りは明るくなりかけている。
辺りはしんと静まり返っている。人も犬も、猫も鳥もいない。静寂が町を支配している。
しかし、平和だ。そう、平和に見える。この上なく、まるで殺し合いなんて全て夢であったかのように……。
『…………そんな事言うんだな神楽ちゃんは。いったい誰のせいでこうなったと思ってるんだ?』
「……!」
パピーだ。パピーの声がした。頭の底の底、まだまだ未開拓な所から心の言葉が聞こえてくる。
『マダオに死なれてはみんなに会わす顔が無いってか。神楽ちゃんは本当に自分の事しか考えてないんだな』
……!!
心の中の大事な何かをスコップで乱暴に救い上げられたかのような激痛が走った。胸が痛い。
(違う……違うアル!あたしはそんな意味で言ったんじゃないもん)
『冗談だったのに、ただのツッコミだったのに〜。これはどう説明する!言い訳だ!自分を少しでもましな物として捕らえようとしている。
どう考えてもおまえが悪いのに!どう考えてもおまえは最低なのに!おまえは自分を正当化しようとしているッ!』
それはもはや神楽の父、星海坊主の声ではなかった。醜悪な化け物が神楽の心を支配しようとしていた。
神楽は俯いている。何も言い返せない。もしかしたら全て自分の父親の言うとおりかもしれない。
神楽の頬に涙が一筋流れた。
『とんでもないカマトトだよ、おまえは。命がどれだけ大切か、
どれだけ尊いものなのかひとつもわかっちゃいない。たとえ傷が治ったとしても、マダオはもう決してお前を許しはしないよ。
所詮おまえは呪われた種族の子供。いつまでも無垢な子供でいようったってもう底は割れているんだ。
おまえは殺す以外は何一つできやしない悪魔の子供なのさ……。人を救うなんておまえには似合わない。いいやできっこないね。
殺して殺して殺しまくって真っ赤になっちまったお前の方がむしろ自然に見える。おまえは――』
「うるさいうるさいうるさいアルッ!」
町の静寂が破られた。神楽は頭を押さえ涙を流しながら叫んだ。周りには誰もいない。神楽とマダオだけが存在していた。
……確かに……私は夜兎の子供アル。呪われた種族の子供なのかもしれない。悪魔の娘なのかもしれない。
それでも、たとえ悪魔の子であろうと、やらないといけない事ぐらいわかる。
「私は……私は……私は――」
神楽はゆっくりと立ち上がった。目は涙で赤くはれている。慎重にマダオを起こし背負った。
たとえマダオが許してくれなくても、たとえ私が悪魔だとしても……自分の尻ぐらい自分で拭くアル。
今はただマダオと急いでマンションへ行く。それだけでいいアル。
しっかりとマダオを背負い疲労した両足に鞭を打ち、神楽は走り始めた。
『……その後はどうする?殺し合いに乗るしかないよなぁ。おまえは悪魔の子供なんだから……』
化け物は神楽の心の中でしつこく暴れまわっていた。
※ ※ ※
朝日が照りつける道路。ケンシロウは足を止めた。時刻はまもなく6時になるころだ。
あの老人の話が本当ならばそろそろ放送が聞こえてくるはずである。
耳を澄ましていると、案の定聞こえてきた。老人の声が聞こえる。
簡単な前置き、禁止エリア、そしてこの放送までに死んだ者の名前が次々に放送されていく。
全く知りもしない参加者達の名が読まれていく中、兄、ジャギの名が呼ばれた。
ケンシロウは若干驚いたような表情を見せたが、すぐにいつもの無骨な表情、無表情に戻った。
そう、今、奴の死はどうでもいい。そんなことよりもはるかに気になることがあった。
放送が終わった。シェルブリットのカズマ、彼の名は呼ばれなかった。
ケンシロウはほっと一息つく。
アミバ……今のところは約束を守っているようだな。
ケンシロウは再び北へ向けて歩き始める。しかし、若干の違和感、何者かの気配を背中に感じた。
何かが近づいてきている。それもかなりのスピードで――。
ケンシロウは振り向いた。
「さっさとどくアル!この筋肉ダルマぁぁぁぁぁぁぁ!」
ケンシロウは驚嘆した。あんな少女がこれほどの速さで走っている事に。
しかし……いったいどうしたものか。ケンシロウは悩み始める。
このバトルロワイアルという状況、他の参加者達とはなるべく接触していきたい。だがあの少女は最初から接触する気なんて全くなさそうだ。
彼女はどけ、と叫んでいるのだ。あのスピード少々荒っぽい手段を使わなければ止められないだろう。手段を選びさえしなければ、俺なら簡単に止められる。
しかし、荒っぽい手段をとって止めたとしたら、その後はいったいどうなる。
少女は負傷し、さらに俺を警戒するだろう。間違いなく『穏やかに』接触出来るわけが無い。
「一度しか言わん!止まれ!」
ケンシロウはとりあえず一度、声をかけてみた。
「ふんぬうぅぅぅぅぅぅ」
しかし、少女はスピードを緩めずさらに加速した。
「待てッ!何かあったのか?」
ケンシロウとの距離が縮まる。ケンシロウは仕方なく脇によけ道を開けた。少女はケンシロウの目の前を猛スピードで駆けていった。
……この判断は正しかったのか?確かに誰も傷つかなかった。しかし、一時間後にあの少女は何者かに殺されているかもしれない。
俺ならどんな相手でも『戦う』ことが出来る。否、『勝つ』ことが出来る。
ケンシロウが今さらどれだけ後悔しても後の祭り。ケンシロウは駆けていく少女の背を見送った。
……?
再び違和感。少女の背が何かおかしい。何かがいる。
……女を背負っている!バカな!人一人背負ってなおあのスピード!?
ケンシロウは背負われている女を注視する。頭を負傷しているようだ。布で止血しているようだが、大丈夫なのだろうか。
怪我は重そうに見える。すぐに治療してやらなければならないかもしれない。俺なら治療できるかもしれない。
トキのように……北斗神拳で治療できる。
「くっ!」
ケンシロウは少女に向けて走り出した。しかし、もうかなりの距離が開いている。おまけにこの辺りは民家などでかなり入り組んでいる。
一度、見失えばもう二度と出会えないかもしれない。
とにかく、もう一度声を張り上げ叫ばなければならない。
「止まれ!動くな!」
しかし、その声はもはや少女達には届かない。暴走少女は全く足を緩めない。
(追いつかなければ!北斗神拳ならば背負われていた少女を治療してやれるかもしれない!
……あの女を傷つけたのは誰だ?アミバ、ジャギ、勇次郎?それとも妙な人形を操るあの老人?まさかとは思うがラオウか!?
いやまさか……あの十歳程度の少女が!?)
追いかけながらケンシロウは考える。少女すらも越える圧倒的スピード。いずれ追いつきそうに思える。
しかし、悲しい事に辺りは迷路のように入り組んでいる。
そしてケンシロウが見たところ、駆ける少女はでたらめに走っているようだ。
(あくまでそう見えるだけであって本当にでたらめなのかはケンシロウにはわからない)
追いかけ続けて数分、遂にケンシロウは少女達を見失ってしまった。
「…………」
ケンシロウの心に後悔という思いが次々に湧き上がってくる。あの時、無理矢理にでも止めておけば……。
まさに後悔先に立たず。ケンシロウの顔はいつもよりもさらに暗く、重たいものになった。
※ ※ ※
「ふんぬぅぅぅぅぅぅぅ」
風よりも早く、稲妻のように、砂埃を巻き上げ、烈火のごとく神楽は駆ける。
もう三十分は走り続けている。さすがの神楽も疲れているようで、その表情は見るに耐えないものになっている。
ここを右に曲がれば今度こそきっと、きっと――
曲がった先は行き止まりだった。かれこれ1時間は迷っている。放送も聴き忘れている。
焦り、苛立ち、不安感。神楽の心にひたすら陰鬱なものが蓄積されていく。
デイパックから地図を取り出し睨むように見る。わからない。今どこにいるか完全にわからない。
目的地であるマンションにどうやっていけばいいのか全くわからない。
神楽は完全に迷子になってしまっていた。
『おまえは殺す以外は何一つできやしない悪魔の子供なのさ……。』
さっきの化け物の言葉が思い出される。
そんなこと無い。そんなわけない。神楽は化け物を否定する。
しえん
(歌舞伎町の女王であるこの神楽がこんな所で迷子なんて……迷子なんて絶対にありえないアル!あたしは絶対にマンションに行くネ)
目の前の壁を睨みつける。神楽の頭の中ではこの壁を全く予期せぬ壁、あってはならないはずの壁であった。
憎たらしい。壁が憎たらしい。脳内地図でどう考えてみてもこんな壁なんて存在するわけがないのに。ここにはマンションがあるはずなのに……
(どうしよう……。もっと頭使って動かないと、本当にマダオが……。)
この時、神楽にある閃き。最高のアイデアが浮かんだ。
木刀を力いっぱい握り締める。マダオを背負っているので片手で木刀を握らなければならない。しかしまあなんとかなるだろう。
神楽は渾身の力を振りしぼって木刀を振った。
『ズガンッ!』
神楽は木刀で目の前の壁をぶっ壊した。
視界が広がる。しかしそこにはマンションなど無かった。目の前にはアスファルトできれいに舗装された道路が広がっていたのだ。
頭の中から化け物の嘲笑が聞こえてくるような感じがした。
化け物は神楽の心の奥の奥で必死になって煽っているようだ。神楽の焦りは頂点に達しようとしていた。
※ ※ ※
遠く離れた所で何かの破壊音がしたのをケンシロウは聞き逃さなかった。
非常に小さく、聞きづらかったが何かが崩れるような音に聞こえた。
ケンシロウは少しの間耳に意識を集中させた。
『ズ』
また何か聞こえた。さっきよりも少し大きい。
『ズガ』
だんだん大きくなってきている。
『ズガン』
こちらに近づいてきているのか?
この破壊音、何者かが暴れている音なのだろうか。それとも誰かと誰かが戦闘している音なのか?
……まさか。
ケンシロウの頭に最悪のイメージが浮かんだ。さっきの少女二人が悪漢に襲われているというイメージである。
一度、頭に浮かんだイメージはなかなか消えない。悪いイメージがどんどん膨らんでいく。
とにかく破壊音がする所へ行かなければ……。弱者を守れないような男に北斗神拳正統伝承者の資格などあるはずが無い。
彼女達を捜さなければ――
『ズガンッ!!』
ケンシロウの眼前にあった民家の壁が崩れた。あまりに突然の出来事だったのでさすがのケンシロウも少し驚いた。
埃が舞ってよく見えない。民家の中から誰かが出てくる。体格はよくない。女子供のようだが……。
まさかな……。
「うっ……うっ……また……また変な所に出ちゃったアルヨ〜〜。早くしないとマダオが――」
中から出てきたのは涙で赤くなった目を片手で擦り、背中に女を背負った例の暴走少女であった。
「あ……筋肉マンだ……」
その筋肉マンというのはなんだ。さっきは筋肉だるまって言ってたじゃないか!あだ名ぐらい統一させろ!
と、ケンシロウは脳みその隅のほうでツッコミを入れた。
※ ※ ※
「ここだ」
巨大な灰色の箱の前でケンシロウは少女、神楽に言った。
神楽は礼も言わずに背負った女と共にマンションの中へ駆けていった。ケンシロウも後を追う。
マンションの一室に女(マダオという名前らしい)を寝かせ傷を見た。打撲だった。
ほかの部分なら何とかなったかもしれないが、頭の打撲は北斗神拳では治せない。
部屋のドアが勢いよく開く。神楽が救急箱を持ってきたのだ。治療しようとしているが見ていて非常に危なっかしい。相当焦っているようだ。
「俺にまかせろ」と言ったが聞く耳を持たない。意地になっている。
消毒液を盛大にぶちまけた後、仕方なしに神楽は俺に治療を頼んできた。
俺はマダオに簡単な応急手当をしてやった。神楽は治療している間、マダオを心配そうに見ていた。
命には別状が無い事を知ると、やっと自分の事に気が回ったのだろうか……。デイパックから食料を取り出し掻きこむように食べた。
凄まじく大きい胃袋の持ち主らしい。食料が次々に消えていく。
「一つ聞きたい事がある」
神楽はぴたりと動きを止めた。
「……何アルか?」
「このマダオという女、誰にやられたんだ?」
神楽の首筋に一筋の汗が流れたのをケンシロウは見逃さなかった。まさか本当にこの少女が?何かの事故であったと信じたい。
「私は……私が……」
顔色が悪くなっていくのが手に取るようにわかる。心臓の鼓動が次第に早くなっていく。
表情に出やすいタイプなのだろう。ケンシロウはこの時点で確信した。
この少女がマダオを傷つけたのだ。故意なのか?それとも事故なのか?
「…………」
神楽は俯き沈黙した。
「お前がやったのか」
思い切って聞いてみた。
しかし神楽は返事をしない。かわりにゆっくりと頷いてみせた。
「私がやったアル……」
やっと口を開いてくれた。俺はとりあえず口を開いてくれた事にほっとした。
しかし彼女が言った事には全く『ほっ』と出来ない。
「事故か?それとも狙ってやったのか」
「…………」
彼女はどれだけ黙っていただろうか。一言も話そうとはしない。
今度の沈黙はさっきと比べてはるかに長かった。しかしどんな事にもいずれ終わりは来る。ゆっくりと静かに神楽は言葉を紡ぎだした。
「狙ってやってないネ。でも……事故でもないアル」
「……そうか」
神楽の心はひどく傷ついていた。
【F-5 マンションの一室 一日目 朝】
【ケンシロウ@北斗の拳】
[状態]:カズマのシェルブリット一発分のダメージ有り(痩せ我慢は必要だが、行動制限は無い)
キング・クリムゾンにより肩に裂傷
[装備]:
[道具]:支給品一式、ランダムアイテム(1〜3、本人確認済み)
[思考・状況]
基本:殺し合いには乗らない、乗った相手には容赦しない
1:これからどうするか考える
2:神楽が心配
3:ジャギ・アミバ・ラオウ・勇次郎他ゲームに乗った参加者を倒す
4:助けられる人はできるだけ助ける
5:乗ってない人間に独歩・ジャギ・アミバ・ラオウ・勇次郎の情報を伝える。北に向けて移動中
[備考]
※参戦時期はラオウとの最終戦後です。
【キュルケ@ゼロの使い魔】
{状態}気絶中 後頭部打撲(止血、消毒済) 頭部が包帯でグルグル巻き マントが破られている
{装備}タバサの杖@ゼロの使い魔
{道具}支給品一式
{思考}
1:取り敢えず休憩したい。
2:神楽をどうにかする。せめて呼称だけでも言い改めて欲しい
3:タバサ、サイト、ルイズと合流する
4:危害を加えて来ない限りは仕掛けない。
基本行動方針
学院に四人で帰る。
【備考】
脳震盪を起こしている危険があります。
今はマンションの一室のベットで寝ています
第一放送を聞き逃しています
【神楽@銀魂】
{状態}疲労 心に深い傷
{装備}木刀正宗@ハヤテのごとく
ジャッカル・13mm炸裂徹鋼弾予備弾倉(30×2)@HELLSING
{道具}支給品一式 拡声器@バトルロワイアル
{思考}
1:罪悪感、マダオ(キュルケ)が起きたら謝る
2:銀ちゃん(銀時)と新八とヅラ(桂小太郎)を探す。
3:帰る方法を考える
4:殺し合いに乗る気は無い。
基本行動方針
殺し合いに乗っていない人は守る。乗っている人は倒す。
【備考】・原作18巻終了後から参戦。
・第一放送を聞き逃しています。
投下終了です
初めはギャグ書いてて途中でこういう展開に変えたのでおかしな所があるかもしれません
GJ!
神楽になんか不吉なフラグがw
マダオ眠りっぱなしで今後出番はあるのか。
ケンシロウが絡んで今後どうなるか読めない。
投下乙! この超人大会で神楽は一番ロワらしいキャラですね。
ケンシロウはかなり頼りになりそうなキャラですし。
ツッコミには笑わしてもらってけどねw
マダオはこのまま死んだら伝説になってしまうw
このまま死んで誰からも本名を呼ばれないキャラと
投下人様方乙。
初めて読みましたが楽しませてもらいました。
今後嫌が応にも起こるであろう「北斗神拳v.s.零式」とか
「勇次郎v.s.人外」とか「吸血鬼頂上決戦」とかにwktk。
…まだ初日なのでかなり先の話でしょうが。
ところで質問なのですが、カズキのヴィクター化って
どういう扱いになってるのでしょう…?
激昂して中途半端にでもヴィクター化してドレインをし始めれば、
穏健派の多い錬金メンバーと他キャラの間に亀裂を生みやすそうな気がして…。
(ことに劉鳳辺りは問答無用で断罪に走りそうだ)
…って鬼か俺はorz
とりあえず、テンプレとまとめ見たほうが良いかと
読み手が増えるのは嬉しいw
書き手になってくれたら、もっと嬉しいww
490 :
488:07/08/05 03:02 ID:6dlbJjrA
>>489 ああ、ヴィクター化禁止はテンプレに書いてあるんですねorz
来たばかりで目を通してなくてすみません…。
書き手はちょっと…^^;
文章自体はともかく、無情なシーンが苦手な自覚はあるので。
後、バキが肉の芽を付けられた辺りで
「は…発想のスケールで…負けたorz」と思いましたしw
読み手として楽しませてもらいます。
>>487 ラスト・サムライの『ボブ』みたいになるわけか
492 :
Classical名無しさん:07/08/05 20:10 ID:JfqXfT/o
ところでアカギが女キャラ(一番近いのはかがみかな?)
と接触したとき、どういう態度をとるのかな?
たぶん女も男も子供も大人も関係なく全員同じ態度になる思うけど
上げてしまったorz
アカギは「天」でも「アカギ」でも下の面倒見の良さが目に付くんだが…。
495 :
494:07/08/05 22:18 ID:cWK007Rg
うはw
ID被ってるwww
上のうp人さんではありません、一応…。
いきなりですが
事前にしたらばに載せてて置いた
フェイスレスのSS投下します
>>495 呪いのIDだよそれ。エラーかなんからしい。
そして支援
498 :
562:07/08/05 22:27 ID:CFdfx2/w
―――それでは、バトルロワイアルを続行する!!』
ガチャンとマイクのスイッチが切れる音がする。第一回目の放送が終わりを告げる。
C-1の大通りを歩く一人の老人。長く伸びた立派の髭を手で弄びながら、放送の内容を一言一句聞き入っていた。
フェイスレスは内容を聞き終えるとふーんと息を漏らし、
放送で追加された事項を書き留めるためにパックから名簿と地図とメモを取り出す。
名簿に亡くなった順に横線を引く、地図に進入禁止エリアとその時間を書き込む、メモには追加されたルールを書き込む。
「よかった、よかった。死なれちゃ困るからね」
さも当たり前かのようにフェイスレスは頬を緩ませる。
自分の生まれ変わり先である才賀勝と愛しきエレオノールの二人は強い、簡単には命を落としはしないだろう。
でも、安心はまだできない。
フェイスレスは小さく肩を下ろし、ため息をつく。
そんな纏わり付く霞のような不安感の中、気づいたことがあった。
光成という禿の老人が告げた放送内容で参加者の死亡報告に違和感を感じた。
フェイスレスは参加者名簿を手に取り覗き込む。
名簿はA−4サイズの粗悪な紙切れであり、上から順に
支援
赤木しげる
市川
平山幸雄
鷲巣巌
葉隠覚悟
葉隠散
本郷猛
三影英介
村雨良
加藤鳴海
才賀エレオノール
才賀勝
白金
坂田銀時
神楽
―――以下略
と、全60名の名前が記載されている。
一目見ただけで、普通の人なら並び順に違和感を持つだろう。なんとも統一感のない並び替え。
アルファベット順でも、あいうえお順でも、どの並び替えに全く該当しない。可笑しな名簿である。
一般人ならちょっとした違和感でそのままにするかもしれない。
しかし、フェイスレスはとっくの前から気づいていた。カンのいい奴ならすぐに気づくかもしれない。
カズキの情報から薄々と、ジャギからの情報から確信に近いものを持った。
フェイスレスは名簿のからくりをほぼ解析していた。
簡単に言うと、この名簿はある一定の間隔に分けられているのである。
名簿に載っている最初の15名を例に出し、ある法則に従い、区切ると―――
しえん
502 :
徳川光成! きさま! 聞いているなッ!:07/08/05 22:31 ID:2RMpvnLk
赤木しげる(ア)
市川(イ)
平山幸雄(ヒ)
鷲巣巌 (ワ)
―――区切り―――
葉隠覚悟(ハガクレカ)
葉隠散 (ハガクレハ)
本郷猛(ホ)
三影英介(ミ)
村雨良(ム)
―――区切り―――
加藤鳴海(カ)
才賀エレオノール(サイガエ)
才賀勝(サイガマ)
白金(バ)
―――区切り―――
坂田銀時(サ)
神楽(カ)
と、ある間隔ごとにあいうえお順に並べられていることが分かる。
これだけなら、偶然かもしれないが、自分はカズキの情報とジャギの情報、自分の情報に基づいた結果により、そのような仮説たてた。
より精度を上げるために、先ほどの仮説を当てはめ、武藤カズキとジャギ付近の名簿を見てみると―――
支 援
セラス・ヴィクトリア (セ)
―――区切り―――
アミバ(ア)
ケンシロウ(ケ)
ジャギ(ジ)
ラオウ(ラ)
―――区切り―――
防人衛(サ)
蝶野攻爵(チ)
津村斗貴子(ツ)
武藤カズキ(ム)
―――区切り―――
川田章吾(カ)
となる。
この区切りが最後まで繰り返し続いているので『一定間隔』で『あいうえお順』であることは確定的である。
そこで、何故、こんな不可思議な法則に並べられていると、疑問に思うだろう。
だが、フェイスレスは考察から並び替えの意図を導いていた。
それは、一定の間隔内は『顔見知り』で固められていると考察していた。
武藤カズキの情報から防人衛、蝶野攻爵、津村斗貴子は顔見知りであること。
ジャギの情報からケンシロウ、ラオウは顔見知りであること。
言うまでもないが、自分は加藤鳴海、才賀エレオノール、才賀勝は見知っている。
アミバという人物に関してはジャギから情報を手に入れていないが、
たぶんジャギの範囲内の人物が知っている可能性があると考えられる。
これは予想に過ぎないが、一定の間隔内は『顔見知り同士』で固められているとほぼ確定である。
しかし、この考察は本題に入る前の序章にしか過ぎない。
あくまで『相手の情報を引き出すカード』として利用できるということである。
本題は死亡者についてである。
杉村弘樹、毛利小五郎、―………―、アレクサンド・アンデルセン、を含む八名の死亡者。
彼らの名前を呼ばれる順番もバラバラであり、名簿の並び順よりも一貫性は感じられない。
ただ単にランダム順に死亡者を読み上げているのか、特に意図せず読み上げているのかは分からない。
―――だが、もしこの順番が死亡した順番だとしたら、ある疑問がよぎる。
それは、どうやって参加者の死亡状況を確認できたという疑問。
周囲のあちこちに盗聴器や監視カメラが仕掛けられているのか?
それとも、フウの蟲目(アイセクト)が監視しているのか?
全部ありえないなあ。
僕はとってもシャイだから、監視とか盗聴は嫌いなんだよねえ。
フェイスレスは始めてバトルロワイアルの舞台に来て、即周囲にカメラや盗聴器がないかと全神経を張り巡らせていた。
フウの蟲目すら簡単に嗅ぎ取れるフェイスレスには監視カメラや盗聴器などただのおもちゃにすぎない。
結果は周囲にはカメラなどの類は一切なかった。
だが、光成の発言や口ぶりから参加者全員の行動が把握されていることは間違いなかった。
一体どうやって自分たちを監視しているのであろうか。
頭の中を一旦整理するためフェイスレスはサングラスを外す。朝早くから吹くそよ風がひんやりと眼に当たる。
爽やかな風だな、気持ちいいなと身体をほぐすように全体を伸ばす。
ここは発想を変えてみるか? もし、僕が主催者ならどうやって相手の行動を把握する? 周囲に監視カメラなど無しに。
自問自答してみる。でも、愚かな質問であった。
フェイスレスは最初から薄々と分かっていたのだ。自分たちの行動を最も容易に把握する方法を。
フェイスレスは殺し合いが始まってから、一度も主催者の反逆になりそうな行動や言葉を一切口にしていない。
首輪を解除することは『夢』という言葉で濁していた。このときにはまだ可能性の域で留まっていた。
だが、光成の発言から疑惑は確信へと変わる。
首輪に何か仕掛けがあることもはや言うまでもなかった。
カメラ機能が付いているのか、GPS機能が付いているのか、盗聴器が付いているのか。
もしくは全機能が付いているかは分からない。
でも、それらの一つが機能していることは自明であった。
こんなことならジャギ君の粉砕した首輪を回収すべきだったなあ、とフェイスレスは心の中で悪態を付いた。
パーツの破片からある程度、首輪の機能を判断できるのに惜しいことをしてしまった。
一旦回収に戻ろうか?
そうこうしている内に目的地である老人ホームの前に到着していた。
気配がないか周囲に感覚を集中させる。
人の気配はない。
しえん
フェイスレスは無人の老人ホームへと足を運ばせ、正面玄関のガラス張りの扉に手を掛ける。
ぎぃぃと扉を押し込め中に入る。
陰湿な雰囲気を漂わせるロビー、気配は一切感じられない。人がいたという面影ですら何も。
何か役立つものはないかとくまなく詮索する。個室のドアを開け、ひとつひとつ中を確認して行く。
そんな折、ある個室の扉が開いていることに気が付いた。
その中は、院寮した老人たちの寝室であった。
特に荒らされた形跡はないが、鏡の前の埃が少なく、窓は開いている。風で白色のカーテンなびいていた。
明らかに誰かがいた形跡がここにだけあった。
そして、埃の形跡を目で辿ると、窓から飛び降りたと考えられた。でも、ここは三階の個室であった。
わざわざ鳥のように羽ばたかせ、飛び降りるとは……ただの馬鹿なのか、それとも…。
フェイスレスは開いた窓から下を眺めた。
普通の人間なら下手すると骨折してもおかしくもない高さである。
しかし、あくまで普通の人間であるならである。自分のように機械化した者もしくは人外の者なら造作もないだろう。
「へえ、これは油断できないなあ」
と、にたにたと蛇のような狡猾な笑みを浮かべ、心に無いことを口からこぼす。
自分と同じような人を超越した存在いるとは油断できないと、決心を固める。
だが―――それはあくまで強者と判断した場合であった。
一般人とっては『強者』と思われるジャギはフェイスレスにとって『弱者』であった。
ジャギの数々の俊敏な動きもフェイスレスにとっては、ハエが止まっているかのように遅かった。
あれでは、最後の四人(レ・デルニエ・キヤトル)の一体の足元にも及ばない。
本気を出せば、ほとんど時間もかからない内に決着は付いていただろう。
しえん
しかし、フェイスレスは絶望したときの顔が見たいがために、
わざとジャギに勝てるかどうかの五分五分ぐらいまで身体能力を落とし、相手に勝てるという希望を持たせた。
そして、もう一歩のところで絶望という谷に突き落とす。
相手を騙したときの感情をむき出した顔はいつでも最高だ。
正二のときも、鳴海君のときも、ジャギ君のときも。
フェイスレスは笑みを浮かべ、感慨深く思い出にふけていた。
しかし、フェイスレスは弱い者に対して一度失態を犯していることを忘れていた。
才賀勝である。
フェイスレスと比べ圧倒的弱かった勝は自分の弱さから一時たりとも油断することはなかった。
そして、フェイスレスは油断から右腕を切断されてしまったのだ。
自分が『強者』であるという自信が招いた慢心。
その弱者に対する慢心はバトルロワイアルの舞台でどのような事態は招くのか分からない。
そして、フェイスレスは自分が強者であると誇示するかのように窓から蝶のように飛び跳ね、
誰も分からない次の場所へと老人ホームを跡にした。
【A−1 老人ホーム周辺 1日目 朝】
【白金(フェイスレス)@からくりサーカス】
[状態]:健康
[装備]:??? ベレッタM92(弾丸数8/15)
[道具]:支給品一式×2 ジャック・オー・ランターン入りケース(接着液残り4発、ロケット弾残り6発)@からくりサーカス ジャギのマスク@北斗の拳 不明支給品0〜2(本人確認済み)
[思考・状況]
基本:『夢』を叶えるために首輪を『分解』する
1:さーて、どこに向かおっかな?
2:利用できる奴は利用する(勝やエレオノールを守らせるなど、状況に応じて)
3:参加者から情報を得る
4:首輪を集める(少なくとも5つは欲しい)
5:利用できない弱者は殺す(首輪を集めるため)
6:極力強い人間との戦闘は避ける
7:ジャギ君の首輪を回収しようかな?
[備考]
※名簿の順番から一定の間隔であいうえお順で区切られたところは、お互いに顔見知り同士が固まっていると考えています。
※上記のことでフェイスレスは葉隠覚悟、葉隠散 、本郷猛、三影英介、村雨良は顔見知りで固められていると微妙に勘違いしています。
※フェイスレスは首輪から行動を把握されていると確信しています(盗聴器か、カメラはまだ判断できていません)
投下終了致しました。
指摘等ありましたらよろしくお願いします
投下乙。
すげー的確な考察ktkr! でもこの人スタンスが特殊なんだよね。
対主催の助けになるか……ならないな。
マーダーキャラで首輪フラグは予想外でした。すばらしい。
首輪の構造を解明→勝とエレオノールの首輪を分解
→構造・あるいは連れの首輪の分解を勝との取引材料に…
くらいはやりかねんキャラだからねえ。
間接的に役立つ可能性はあるのかも。
>>497 呪いのIDってorz
某ロワのとあるキャラを見ていて思いついたんだけれど、
「オタク知識で他世界の住人の事を知っている」のがアリだったらこなた辺りが
「夢の対決、見てみたいじゃん」と反主催・マーダー問わず強キャラ同士の対決を煽る
危険人物となっていた可能性もありそう。
「○○ならあっちの方向に行ったよ(実際にその方向にいるのは無差別強マーダーの××)」
と強者同士がぶつかり合うように誘導したり
「△△は▽▽に殺されちゃったよ…」
と嘘をついて因縁を演出したり
「DIOは時を止める能力を持っているよ」
「アーカードは心臓を貫かなければ死なないよ」
と一方的な戦闘にならないように弱点を教えてみたり。
>>517 その辺はオープニング直後の、
>「おー。本当に執事っていたんだ。漫画やアニメの中だけだと思ってたよ」
>「あのっ!……そのセリフは禁句ですよ。漫画やアニメって……いろいろ事情があるので」
この時点で暗黙の了解的に禁止になってるのかと思ってたんだけど…。
禁止事項に明文化するべきなのかな?
>>518 だから「もしもそれがアリだったのなら」って事ね。
最初の時に議論で「それはナシ」になったのは知ってるし。
アカギを鷲巣戦しか読んでなかったけど、
実質原作のラスボスでかなり頑張った鷲巣様よりも、
原作序盤の敵でロワでは一話オンリーの市川さんの方がアカギ苦戦させてんのねw
>>514 投下乙!
フェイスレスが考察進めて首輪に関しての希望が持てそうだw
主にフェイスレスのみにw
今後こいつと他キャラの絡みが楽しみになった。
>>517 現実だと認識してたらそんな凶行には及ばないだろうが……
「こんな夢見るなんて、パロロワの読み過ぎかな〜?
でも折角だから楽しまないと損だよね〜。
次の話のネタも出来そうだし〜」
実はロワ書き手だったこなた
書き手ロワじゃねーかw
>>523 >現実だと認識してたらそんな凶行には及ばないだろうが……
誰がどんな方向に転ぶか分からないのがパロロワの恐ろしさ…
一作の主人公が洗脳とかされたわけでもないのにキ○ガイマーダー化しちゃったパロロワとか
一作のラスボス(原作ではただの悪人)が何だかんだで反主催者側のトップになっているパロロワもあるし。
>一作の主人公が洗脳とかされたわけでもないのにキ○ガイマーダー化しちゃったパロロワ
ギャルゲロワの鳴海孝之。
原作でも「主人公なのに共感できないへタレ」だったらしいが
脱出派の人間に見捨てられる、恋人の死体を目の当たりにする、恋人の妹に愛想尽かされる、と重なって
今では神の啓示に従って他の参加者を殺して回ろうとしている完全キ○ガイ。
>一作のラスボス(原作ではただの悪人)が何だかんだで反主催者側のトップ
スパロボバトロワのヴィンデル・マウザー。
原作では永遠に闘争が続く世界を作ろうとする戦争狂だったが
おまけとして付いてきたハロ達との交流や同じくロワに参加させられた部下の死、
そしてデビルガンダムとの戦いを潜り抜けて反主催側に。
機体も今ロワ上に残っている中では最強クラスの「魔神皇帝」マジンカイザー。
一瞬、キカイダー化ってのはなんだと思ってしまった…
眼科行ってくる
嬉々として参加者を殺して回る覚悟
弱者を守り、なんとしても皆で脱出しようとするDIO
開幕最初の出番でいきなり死ぬアーカード
どんな方向に転んでも絶対ありえなさそうだけど逆に見てみたい気も
>>527 サンクス。あんま余所様のロワ見てなかったが、これを機に参考として見てみるか
DIO対主催化はネタだけなら練ってたな。
アーカードにボロ負けする。
↓
養分が必要だ!
↓
キャラA(戦闘能力が無いツンデレ女が理想)と遭遇。血を吸おうと考える。
↓
いや待て、コイツを守っていればカリスマ発揮で味方増やせるんじゃね?
↓
ズルズルとマリアの護衛を続ける。そこそこ回復してもまだ続ける。
↓
孤立無援でアーカードと再戦。死にかける。
↓
吸血鬼だということを見抜いていたAが、自分から血を吸えと言い出す。
何故か、自分の中の躊躇いに気付くDIO、しかし迫るアーカード。
↓
DIOがAの血を吸い尽くしてアーカードと相打ち。
どう考えても一人じゃ無理です。本当に(ry
まあ、ステルスタイプならライダーの北岡みたいにすれば対主催にできる。
俺も考えてた
っていうか、考えてる
>>529 覚悟の無差別マーダーか。
うーん。あの人正義の為の悪人殺しですら決して「嬉しそう」な表情見せないからなー。
洗脳アイテムが無い限り難しい。
>アーカード反主催側フラグ
生き残りが闘争の意思のない軟弱な弱者(アーカード視点)の脱出派のみになってしまい、
しかもその脱出派たちが主催の居場所への道を開ける状態になっていれば、
満足できそうもないが弱者達を平らげる<強力な主催との闘争
となって「主催の所へ連れて行け」となるとか。
無理があるな。
>>533 「零式防衛術は己を殺す技!」とか言って
肉の芽植えても自力で引っこ抜きそうだな
アーカードはインテグラがいれば、対主催だっただろうなぁ
絶対にイエスな全肯定カズマは……ねえな
>>529 アーカードのような「超大物」クラスが序盤で殺されるってのもアリだと思う。
下手すればただ強マーダーを減らしたいだけだと思われかねないから、
そうするには殆どの人を納得させられるような展開が必要だけれど。
主催側がインテグラに洗脳道具をつけさせて
見敵必殺をアーカードに命令させる。
操られていることを悟ったアーカードは激怒し…。
こんな展開やったら誰かを発狂させる自信はある(悪い意味で
「実は一回刺されただけで死ぬぞー」と
アーカードが発言した後、才人に刺されるとかは……駄目だな
かがみ「私に生き別れた妹がいるような気がしていたが別にそんな事はなかったぜ!」
死に別れたの間違いでは?
まだ生きてるだろ
北岡いいなー。
ってか本郷とかが北岡のこと知ったら発狂しそうだよなw
三村信史ってキャラのこと詳しく知らないのですが、
原作でこのキャラはどのような手法を使って、ハッキングをしていたのでしょうか?
ご存知の方いらっしゃいますか?
>>543 中の人も龍騎には遠まわしに苦言を呈していたんだっけ。
「善と悪の区別が曖昧すぎる」だったか「ライダー同士を戦わせてはいけない」って。
>>545 それは二号の人だった気がする。
てか、その関係の話はデリケートだからあんまり出して欲しくない。
個人的には漫画版Blackの結末知っているから、龍騎の結末でも生ぬるく感じる。
>>540 光成「首輪解除にはパソコンが居ると思っているのかもしれんが別に無くても外せるぞ!」
>>544 確か、携帯や車のバッテリーを使って
>>546 スレ違いなのは重々承知だがkwsk
確か南光太郎だっけか
やたら短いですが、予約していたアミバの話を投下します
一般人の限界を遥かに超えたスピードで走る男が1人。
彼の名はアミバ。
異常な速さで走っているにも関わらず、彼の息は全く乱れていない。
当然と言えば当然だ。
ケンシロウやトキなどの超一流の格闘家には劣るが、アミバは南斗聖拳を含むあらゆる格闘術を学び、独学で北斗神拳を会得した一流の格闘家なのだ。
「そろそろE−6か。ここから南下し、田園地帯を抜ければすぐだな……」
彼が目指しているの場所はホテル。
理由は簡単だ。
彼はこの殺し合いに反逆する為の協力者を探していた。
その為には人が集まりそうな場所へ向かうのが手っ取り早い。彼はそう考えた。
人が集まると言う点では、病院や学校に繁華街もそうなのだが、北にはケンシロウが向かったので、そちらに行くのは後の方が良い。
そう判断し、ホテルへと向かうことにしたのだ。
(もっとも人が集まる場所には、この殺し合いに乗ったものも集まるだろうが、その程度のリスクは大きな問題じゃない……)
アミバが身に纏っている趣味の悪いコート―――シルバースキンに触れる。
(あのカズマのシェルブリットをも受け止める、防護服……これと俺の格闘術さえあれば、ある程度の敵ならば撃退できるはずだ。
そして、何より……逃げられん。今はそんなことが出来る場面じゃない。諦める方向には進めん。そう、今は抗う場面だ!)
走っているアミバの拳が強く握られる。
「そうだろう、カズマァ!」
力強くそう呟くと、シルバースキンで隠れて見えない唇を強く噛み締める。
彼の中で目覚めた正義が、彼に訴えかけていた。
主催者や殺し合いに乗った者達が、戦うべき悪だと。
「……む?」
走っていたアミバが、怪訝な声を上げて足を止める。
路上で何かが光ったことに気付いたからだ。
「何だこれは……」
アミバが路上に落ちている、太陽の光を反射して輝くものを手に取って、そう呟く。
それを普通の人間が見たらCDの類だと思うだろうが、彼はそれを知らなかった。
いや実際CDの類ではないので、そう思おうと思わなかろうと関係は無いのだが。
(見た目は金属のようだが、グニャグニャとして弾力がある。これは一体……)
落ちていたCDのようなもの。
それは既に死んでしまったセラス・ヴィクトリアの支給品。
スティッキィ・フィンガーズのDISCだった。
鷲巣の持っていたキング・クリムゾンのDISCは消滅したにも関わらず、何故スティッキィ・フィンガーズのDISCは消滅していないのか。
ホワイトスネイクによって取り出されたDISCは、『体内に入った状態で、DISCを入れていた者が死んでしまった場合にのみ』消滅する。
偶然だった。
スティッキィ・フィンガーズのDISCは、偶然にもセラス・ヴィクトリアが完全に死んでしまう直前に、彼女の体外へと排出された。
物理的な力で破壊することはほぼ不可能であり、殴っても折り曲げてもゴムのようにすぐ元に戻る。
故にDISCは消滅すること無く爆風に乗り、E−6へ行き着いたのだ。
「一応、持っておくか。この程度なら邪魔にもならんしな……」
アミバはそう呟くと、シルバースキンを一時的に解除し、スティッキィ・フィンガーズのDISCをポケットへと仕舞いこむ。
放っておこうかとも思ったが、核鉄のように自分が知らないだけで、何かしらの特殊な使い方が必要な武器なのかもしれない。
そう考え、持っておくことにしたのだ。
「おっと、止まってる場合じゃないな。行くか」
彼はホテルへ向かって駆ける。
照りつける太陽の下、趣味の良くないコートを着こなし、まだ見ぬ協力者を求めて―――
■
イタリアに『黄金の精神』を持つ少年によって目醒めた、かつて『ただ運命に流されていた』だけの男がいた。
彼は『黄金の精神』を持つ少年と共に、『運命』を予知して未来を有利な形に変化させる帝王に『反逆』した。
彼の精神のヴィジョン、『スティッキィ・フィンガーズ』。
それが、『運命』にさえ反逆した『確固たる信念』を持った少年によって目醒めた、かつて『悪であった』男の手に渡った。
このことが後に何かを成すのか、あるいは何も成さないのか。
それは彼にも、主催者達にも、神にすら分からない。
ただ、1つだけ言える事がある。
もしも彼が『眠れる奴隷』であったのなら……目醒めたことで何か意味のあることを切り開いていく、『眠れる奴隷』であったのなら…………
黄金の精神を持ち、帝王に反逆した少年のように。
その少年によって目醒め、彼と共に帝王に反逆した男のように。
肉親の情にも勝る確固たる信念を持ち、全てに反逆した少年のように。
『運命』にさえ反逆することも可能かもしれない。
【E−6 路上 1日目/朝】
【アミバ@北斗の拳】
[状態]:唇が切れているが心体健康、強い決意、今までの自分に強い自己嫌悪。
[装備]:シルバースキン@武装錬金、ジャギのショットガン@北斗の拳(弾は装填されていない)、スティッキィ・フィンガーズのDISC@ジョジョの奇妙な冒険(ポケット内)
[道具]:支給品一式(×3)(一食分消費済み)携帯電話、綾崎ハヤテ御用達ママチャリ@ハヤテのごとく、ノートパソコン@バトルロワイアル(これら三つは未開封)
ギーシュの造花@ゼロの使い魔、神楽の仕込み傘(強化型)@銀魂、核鉄(ニアデスハピネス)@武装錬金
[思考・状況]
基本:ゲームの破壊、主催者の殺害。
1:ゲームに乗っていない人物と協力する。
2:1の為に、まずはホテルへ向かう。
3:ゲームに乗った人物と遭遇した場合説得を試みて駄目なら殺害する。
4:ケンシロウとラオウには出来れば会いたくないがいざとなったら闘う覚悟はある。
[備考]
※参戦時期はケンシロウに殺された直後です
※『スティッキィ・フィンガーズのDISC@ジョジョの奇妙な冒険』の説明書は存在しません。
投下完了です。
トリ付け忘れまくったorz
投下乙
スティッキィ・フィンガーズ、きたああああああ!
しかし、なんだかアミバが主人公みたいになってきたなww
投下乙。アミバカッコイイよアミバ。フラグコレクターだなこいつはw
最初は無人だったホテルも盛り上がりそうな感じ……。
細かいところまで説明が行き届いていて、俺には見習うところだらけでしたw
アミバ「アリーヴェデルチ」
乙
>>548 何をしようが未来はかわらず、世界は滅ぶってところかな
投下乙!
アミバが順調に対主催者やっている不思議w
しかも好感が持てるw
今後のこいつが楽しみになる話でした。
>>548 荒廃した未来に送られて、かつ倒したラスボスが自分かもしれない。
最後は一人っきり沈んだ船の上で南光太郎が
「俺はいったい誰なんだぁー!」
と叫んでエンド。
これはいい主人公wと叫びたくなるほどアミバが格好いい!GJ!
私が予約した4人のSSですが、現在最終調整段階であります。…申し訳ありません。投下は22時頃になりそうです
しかしその分、分量は多めなのでその際には――支援、よろしくお願いします
他ロワの話で恐縮だが、つまりこういうことか
カズマ:アルマナ
アミバ:イキマ
こなた、パピヨンを予約していた者ですが毒吐きの方でうっかり#を付け忘れトリがばれてしまいました。
というわけで今日から新トリで行こうと思います。
<<559
GJです!ここでスティッキィ・フィンガーズが来るとは……これはワクワクが止まりませんね。
初めて自分の作品がリレーされて嬉しいです!どうもありがとうございました!
<<565
期待しています!所で言いにくいことなのですが……後何分くらいで投下できるでしょうか?
実は自分の作品も完成したのですがもうすぐ期限も過ぎることですし同時投下も避けた方が良いかなと思っていまして……。
せかすような言い方してすみません。
投下して良いんじゃない?
わかりました。それでは投下を開始します。
支援よろしくお願いします。
待ってました。でも寝落ちするかもw支援
しかし最近、投下多くて嬉しいなあ
エリアD-3の喫茶店で二人の男女がテーブルを囲み席に座っている……いや、男の方は正確に言うと人間ではない。
錬金術によって生み出された人型ホムンクルス、正真正銘の『化け物』である蝶野功爵……またの名をパピヨン、一応高校生である。
そして女の方は……いやここは少女という表現のほうがしっくりくる。
少女は陸桜学園高等部に通うどこにでも居るような……失礼、かなり稀な女子高生泉こなたである。
二人は武藤カズキと綾崎ハヤテが帰って来るまで特にする事がなかったので普通(?)の高校生らしくお喋りを楽しんでいた。
「むぐむぐ……ねぇねぇパピヨンはチョココロネどっちから食べる? 頭派? それともしっぽ派? 」
支給されたチョココロネを両手で持ち食べながらこなたはパピヨンに尋ねる。
「チョココロネだと…? 考えたことも無いな。別にどっちだって良いだろ? 」
「むー、最近の『ホムンクルス』君はつれないなぁ。」
「最近? 引っかかる言い方をするな。どういう意味だ? 」
「いやぁ〜特に意味はないんだけどね。ちょっと言ってみたかったんだよ〜これが。」
こなたはカズキから錬金術によって生み出された核鉄、ホムンクルスの存在は聞いていたが並々ならぬ好奇心が働き更に詳しい話をパピヨンに聞いた。
基本的にパピヨンはあまり自分のことをホイホイと話す様な性格ではなかったが自分の服を褒められた事で機嫌が良かった事もあったのだろう。人食いであるという事実だけは伏せて一応かいつまんでこなたにホムンクルスの事を話しておいたのだ。
こなたがどのような反応を示すかパピヨンは観察していたがすでに猫草やフレイム・ボールなどを見てきたこなたは案外すんなり受け入れた。普段ゲームや漫画でその手の設定には抗体ができていたのだろう。
その事実にパピヨンがほんのちょっぴり顔を歪ませたのをこなたは知らない。
その後二人は大体20分ぐらい「萌え」、「コミケ」、「貧乳はステイタスだ! 」、「ネトゲー」、「蝶サイコー! 」、など色々な単語を言い合い会話に熱中していた。
「ところで泉、聞きたいことがあるんだが」
「どしたのパピヨン? 」
会話が一段落ついた所でパピヨンは自己紹介やらカズキとの時間軸の相違などの話しやらで実行できなかった当初の目的を行うことにした。
「支給品を見せてくれないか?色々と興味があるんでな。」
「んー、良いよ。でも私のほうにも見せてよ。」
先ほど闘ったジョジョという男には自分の知識にはない『スタンド』という人形を操る能力を持っていた。
この世界にはまだまだ未知の技術、能力があるに違いない。もしやヴィクター化より更なる高みがあるかもしれない。そのために行う情報収集を兼ねての支給品の確認であった。
「ああ、ほらこれが俺の分だ。」
「ん、ありがと。こっちが私の。」
パピヨンとこなたは互いにディパックを交換し支給品を確認し始める。
そしてパピヨンがこなたのディパックから『フレイム・ボール』と書かれた紙を取り出し説明書を胡散臭そうに読み始めた。
「ふむ……ゲームや漫画じゃあるまいし魔法などとは全く非常識なものだな。」
自分こそ生きる非常識であるくせにパピヨンは平然とそう言いってのけその紙を改めてしげしげと観察する。
一方のこなたはというと……
「おー! 少年漫画かぁ……私あんま読んだ事無いけど少年漫画も面白いんだよねー。
お菓子もあるしラッキーだねパピヨン! 」
誰がどう考えてもアンラッキーだと思うがこなたにとってはラッキーの部類に入るらしい。
泉こなたはそういう子である。
やがてこなたは一番の収穫を見つけた。
「ん?これは…なになに……ちょっとパピヨン!
どーしてこんな良い物を持ってるなんて早く言ってくれないのさ!? あー早くハヤテ帰って来ないかなぁ。」
こなたはそう言ってパピヨンに『綾崎ハヤテの女装時の服』と書かれた紙をズイっと見せつける。
しえん
「別に俺はそんな物には興味ないのでね。確かにすっかり忘れていたな。」
「わかってないなぁパピヨンは!
世の中には男の子が可愛い服を着て女の子にコスプレする事に『萌え』を見出すコアな人達もいるんだよ!? これがあればハヤテの人気は更に絶好調間違い無しなんだよ!? 」
突然席から立ち上がり右の拳をグッと握り締め、まるで瞳の奥で星が煌いているかの如く両目を輝かせこなたは熱弁する。
その只ならぬ情熱を見せるこなたに対してパピヨンは……
「とんだ『変態』な奴らが居たものだな。」
とサラっと言いのけた……そう言う本人にこそ相応しい言葉であるのに。
やはりパピヨンはこういう男である。
「そんなことはどうでも良い、それよりそのランドセルには何か入っていないのか?」
『川尻早人』と名前が書かれテーブルの上に置かれていた何の変哲もない黒いランドセルに指を指しパピヨンはこなたに尋ねた。
「あー、忘れてたよ。 もう十分朝日も出てるし…外行こ!パピヨン」
思い出したかのように手をポンと叩き、こなたはランドセルを持って喫茶店の出口に駆け出していく。
予想よりも速い速度で駆けていくこなたにほんの少し驚きながらもパピヨンは外に出た時の警戒のため一応武装錬金を発動させエンゼル御前を発現させておく。
勿論パピヨン一人ならこんな面倒な事はしない。明らかに無力であるこなたを護るために行うだけである。
「武装錬金。」
「ひでぇーじゃねーかパッピー! もっと早く出してくれよ。」
「悪かったな、だがお陰でだいぶ傷は癒えた。」
今までパピヨンは武装錬金を解除していた。
何故なら承太郎との戦いによる負傷を来たるべきカズキとの決戦に備えて修復させておくためであるからだ。
また本来のホムンクルスの修復力ならば核鉄に頼らずとも何とかなるレベルではあったがどうもこの世界に来てからパピヨンの身体の調子はおかしく修復力が落ちていたという事も関係していた。
いずれこの謎も解かないとな。そう思いながらパピヨンはエンゼル御前を喫茶店の出口の前に待たせこなたの後を追った。
「こっち、こっち。いやー良い天気、これなら大丈夫さ。」
「何をするつもりだ? 」
「ふっふっふっ……まぁー見てなよ。」
こなたがランドセルを開け、布で覆われた草の様な猫の様な『何か』がパピヨンの視界に入る。
さすがのパピヨンでもそれが何かはわからずこなたの傍に寄り事の成り行きを見守ることにした。
「ジャンジャジャーン! 出でよ『猫草』〜」
上機嫌にこなたは前かがみになりその布を一気に引き剥がした。
光が差し込んだ瞬間布に覆われ眠っていた猫草の両目が開かれ、ドン! と木に容易に穴を開けることも出来る猫草“ストレイ・キャット”の空気を操作する事で発射される空気の弾丸がこなたのその小さな身体に向けて一直線に放たれる。
前かがみになっていたこなたは突然の事に反応出来ず全く動くことは出来なかった。
「何だ? こいつは? 」
「ふーびっくりしたぁ、ありがとねパピヨン」
空気の弾丸がこなたに直撃する寸前にパピヨンはこなたの手を引き、横に飛びのかせ空気の弾丸の弾道から外させる事でこなたを助けた。
一応念のため再び布を被せ光が当たらないようにしておいた。
「泉、説明書を見せろ。」
「はい、これだよ。」
突然の事態に驚きながらもパピヨンはこなたから説明書を受け取り目を文面に走らせる。
大体の内容は把握したがパピヨンには引っ掛かる事があった。
(あの草のようなのもスタンドだと……? どういうことだ? スタンドというのはあのジョジョというやつが使っていた人形の事ではないのか?)
実はスタンドにはスター・プラチナの様な『近接パワー型』の他に『遠隔操作型』、『自動追尾型』など様々な種類がありストレイ・キャットは本体とスタンドが一体化しているという『一体化型』であった。勿論さすがのパピヨンでもそこまで詳しいことは知る由もない。
(武装錬金の様に創造者によって能力が異なると考えるべきか……何にせよ今の情報ではわからん、ジョジョという男にもう少し詳しく話を聞いておく必要があるな。この説明書に書かれている『矢』の事も含めてな……)
素質がある人間を射抜くことでスタンド能力を引き出し、素質が無ければ死に追いやる『矢』の存在はパピヨンにとって興味を引き立てるのには十分すぎる存在だった。
もし自分がスタンド能力を手に入れる事ができたら更なる高みに到達する事ができる……そう考えると自然と笑みが止まらない。今パピヨンは最高にとはいかないまでもハイな状態になっていた。
「どしたのパピヨン? なんか面白い事でも書いてあるの?」
いつもマイペース全快のこなたであるがハヤテが自分の身長と年齢のギャップの差に疑問を感じたことを表情で読み取ったこともあり割と観察力は鋭い。
そうパピヨンに尋ねてみた。
「いや別に何でもない……しかしこの猫草というのには興味が沸いた。そこで提案なんだが俺の支給品全てと交換しないか? 俺にはあんな物は必要ないのでな。」
誰がどう考えてもこなたにとって割に合わない取引であるが……
「え!? ホントに良いの! いや〜パピヨンは親切だね! そうと決まったら早く戻ろ! 善は急げ〜ってやつだよ。」
どうやら猫草が動く所を見ることができて既に満足し何よりパピヨンの支給品はこなたにとって冗談抜きで魅力的なものであるらしい……やっぱり泉こなたはこういう子である。
そんなことで二人は出口まで戻り再び喫茶店に入ろうとする。
「よぉー『こなたん』! 何してたんだ!? 」
「やー御前様、ちょっと猫草で遊んでいたんだよ〜。」
カズキとハヤテが出発してからすかさずこなたはエンゼル御前に話しかけた。
どこか頭の周波数が一致したのだろう。直ぐに二人 (?) は意気投合し仲が良くなりエンゼル御前はこなたの事をこなたんと呼ぶようになっていた。
その時「いや〜これでパーティにエルフが入ったかぁ……あれ? パピヨンは何だろ? う〜ん……」とこなたは両腕を組んで神妙な表情で真剣に考えていた……もうすこし別の方向にその真剣さを向けてほしいものだが。
再び二人とエンゼル御前は先程まで居たテーブルに戻りこなたはパピヨンと交換したジャンプをテーブルに載せ読み始め、パピヨンは身体をかがめテーブルの下の日の当たらない日影の所で猫草を観察し始めた。
数分たったところでこなたはジャンプを読むのを止め何気なく口を開いた。
「ねぇ、ヴィクターとの決戦とかよくわからないけどパピヨンはカズキと決着をつけたいんだよね? 」
「当たり前だ。それがどうかしたか? 」
パピヨンにとってあまりにも当たり前すぎるこなたの質問にパピヨンは顔を上げてこなたの真意を尋ねる。
「だったらカズキと決着をつけたらどうするの?もしかして殺し合いに乗っちゃうの?」
いつになく真剣な表情を浮かべその大きな両目でジッと見つめこなたはパピヨンの返事を待つ。
「俺は支配するのは好きだが支配されるのは嫌いなんでね。それにあの老人も信用に値しない……まぁとりあえずこの不愉快な首輪を外しその後あの老人に元の世界に戻る方法でも聞きだすとするか。」
「だったら別にカズキとの決着は元の世界に戻ってからでも良いんじゃない?私たちで力を合わせて首輪を外してさ。わざわざ『友達』と争う必要もないことなんだし。」
いくらこなたが常識からずれているとしても所詮送っている高校生活は平凡なものでありこなたにはどうしても普通に会話していたカズキとパピヨンが闘う姿は想像できなかった。
見た感じそれ程仲が悪いようには見えずどちらかというと二人の仲は良いように思えたからだ。しかしこなたが考える以上にカズキとパピヨンの関係は複雑なものでありれっきとした『殺し殺されの関係』であった。
愛を込めて支援
「俺と武藤が友達だと……? 貴様! 事情も知らないくせにわかった様な事を言うんじゃない!! 」
突然パピヨンは席から立ち上がり激昂する。
驚くこなたを尻目にパピヨンはこなたが読んでいたジャンプを取り上げ両手で持ち……
ビリィビリビリィ!!!
と一瞬のうちにジャンプを表紙ごと破り捨てパピヨンは言い放った。
「良いか!? 俺が貴様達と行動を共にしているのは武藤との戦いのためだけだ!
俺は好きで貴様たちと群れているわけじゃあない! あまり余計な事は言わない方が貴様の身のためだぞ? それに俺の事より自分のお友達の事を心配したほうが良いんじゃないのか?次の放送で呼ばれないとは限らないからな。 」
パピヨンは怒りをぶちまけ早足で出口に歩いって行った。
「お、おい! パッピー! 」
慌ててエンゼル御前はパピヨンの後を追いかけるために飛んでいきその場にはこなただけが一人残された。
しえん
「ゼェゼェ、パッピーちょっと言いすぎじゃねーか? こなたんビックリしてたぞ。そりゃパッピーとカズキンは友達と言いにくいかもしれねーけど。それにこなたんの言うようにカズキンとの決着は元の世界に戻ってからでも良いんじゃねーの?」
やっとパピヨンに追いつき汗を流しながらエンゼル御前はパピヨンに尋ねる。
「ああ、確かに悪くない案かもしれない。この殺し合いに勝ち抜いてもあの老人が素直に元の世界に戻してくれる保障もないからな。」
「だったら何であんな事を
そこまでエンゼル御前が言った所でパピヨンは武装錬金を解除しエンゼル御前は核鉄に戻る。
(確かに俺は自分らしくも無く少々無計画に動きすぎていたかもしれない……だがあんな何の力もない女に言われるとはな。まぁ少し言い過ぎたかもしれないかもな。)
この殺し合いに連れてこられてからパピヨンは熱望していたカズキとの決着が実現できることに自然と心が沸き立ち核鉄を手に入れカズキと決着をつける事だけを目的としその後のことは全く考えていなかった。
普段の冷静なパピヨンならこんな行動は取らなかっただろう。
判断を鈍らせる程それはパピヨンにとって魅力的なものだったのだ。
だがこなたの様な何の力も持たず明らかに自分より劣っている存在に自分の無計画な行動について指摘されるのは自分を蝶サイコーの存在であると自負するパピヨンにとっては耐え難い屈辱であり、つい怒りを発散してしまったのである。
(この世界の武藤はすでに俺と決着を終えているという……それでは折角の闘いの意味が薄れる。首輪を外し元の世界に戻って武藤と決着をつける……やはりあの女はなかなか頭が回るようだ。面白い! 乗ってやろうじゃないか!)
最早パピヨンのこなたに対する認識は只の無力な存在ではなくなっていた。
一方今までこなたとパピヨンが居た場所にはこなたが一人ポッンと残されていた。
(な、何さ。 あんなに怒っちゃって……確かにパピヨンとカズキの関係の事は良く知らないけど私そんなに不味い事言ったかな?でもあの力は凄かったなぁ……。)
無残にも破られたジャンプを見てこなたはパピヨンの力への驚きに6割、ジャンプが勿体ない事に4割と複雑な心境で考える。
そこでふとこなたはかがみ達の事について考え始めた。
今までこなたは危険人物に会うこともなく戦闘や死体も見ずに今まで生き延びることができあまり自分が異常な殺し合いに放り込まれたと実感できなかったので6時に流れた放送にも特に不安を抱える事無く迎える事ができた。
どうせかがみ達もどこかに隠れているかどっかの親切な人と一緒に居るから大丈夫さ!
とあまり根拠のない事を信じ続けていた……いや、信じていたかった。
だが猫草の予想以上の凶暴性、パピヨンの力を見せ付けられこなたの心は揺れてしまった。
もしパピヨンの言う通りかがみ達が次の放送で呼ばれてしまったら……そこまで考えたところでこなたは頭を左右にブンブンと振って考えるのを止めた。
( かがみ、つかさ、みゆきさん。私は信じてるよ……絶対大丈夫だよね?また一緒に学校でお喋りしたり遊びに行ったりできるよね?)
そう心の中で願うこなたであるが彼女は知らない。
彼女の友達の一人は正義のために生き正義のために死んだ一人の男の死に涙を流し悲しみの井戸に心を沈めていた。
そしてもう一人は不死の血族“吸血鬼”との激闘により自分の存在について疑問の剣を心に突き刺していた。
そして最後の一人は時を止める事ができるスタンドを持つ吸血鬼の前で最後まで誇りを失わず己の人生という本にピリオドを打たれていた。
彼女は……まだ知らない。
【D-3 喫茶店/1日目/朝】
【パピヨン@武装錬金】
[状態]:全身に軽い打撲、口に血の跡、小程度の疲労、
[装備]:核鉄(エンゼル御前)@武装錬金
[道具]:支給品一式、猫草inランドセル@ジョジョの奇妙な冒険
[思考・状況]
基本:首輪を外し元の世界で武藤カズキと決着をつける。
1:武藤達が戻ってくるまでここで待機。こなたを守る
2:核鉄の謎を解く
3:二アデスハピネスを手に入れる。
[備考]
※エンゼル御前は、使用者から十メートル以上離れられません。
それ以上離れると、自動的に核鉄に戻ります。
※参戦時期はヴィクター戦、カズキに白い核鉄を渡した直後です
※スタンド、矢の存在に興味を持っています。
※猫草の『ストレイ・キャット』は、他の参加者のスタンドと同様に制限を受けているものと思われます
※自分の修復力の低下に気付きました。
※こなたを見直しました。
【D-3 喫茶店/1日目/朝】
【泉こなた@らき☆すた】
[状態]:かがみ達の事が心配。
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、フレイム・ボール@ゼロの使い魔(紙状態)んまい棒@銀魂、綾崎ハヤテの女装時の服@ハヤテのごとく
[思考・状況]
基本:みんなで力を合わせ首輪を外し脱出 。
1:パピヨンといっしょに二人の帰りを待つ
2:かがみ、つかさ、みゆきを探して携帯を借りて家に電話
[備考]
※パピヨンにはびっくりしましたがもう大丈夫です。
※週刊少年ジャンプ@銀魂は破られ喫茶店に散乱しています。
投下終了しました。支援どうもありがとうございます。
何か良くわからない話しになってしまったような気が……orz
や、こういう何気ない描写の積み重ねが山場の盛り上がりに繋がっていくわけですよ。
GJと言わせてもらましょう。
そして週刊少年ジャンプの死に全俺と銀さんが泣いた。
投下乙。パピヨンもツンデレですかwこの策士コンビはに期待してしまいますね。
こなたも今までのマイペースからちょっとロワ風味になってきたね。
ところで、パピヨンがランドセル背負ってるのか?
投下乙!
「支給品を見せてくれないか?」
でDIOを思い出して、ヒヤリとしたがそんなことなくて安心したぜw
ランドセル担いだパッピーは、どう考えても変態です。本当にry
投下乙!
さて……大きく遅れてしまいましたが、これから投下します
新作が2つもあると思ったら、さらに投下ですか!
支援します
「ここがホテルか」
防人こと――英語とフランス語のチャンポンだが――キャプテン・ブラボー、桐山と別れてから暫くして、ホテルに劉鳳は到着した。
真・絶影から飛び降り、解除。
「く……思った以上に、疲労が大きい」
疲労に少し歩を弱めながらもホテルの入り口を開く。
「平賀才人はいるか!」
いるか、いるか、いるか――――
ホテルに声が木霊する。
どうしてなかなか、人が出す音の無いホテルというのには音が響くらしい。
「平賀才人はいるか!」
再度の呼びかけ、
いるか、いるか、いるか――――
木霊以外は全くの無音。
平賀才人という人物の返答、存在は期待できない。
時間的に考えて、彼がまだ到着していないということは考えられないだろう。
「遅かったか……」
真・絶影の速度が本来のものなら、或いはもっと早く出発していたなら……劉鳳の頭に様々なifが思い浮かぶ。
しかし所詮、そんなifなど意味がない。劉鳳は思考を切り捨てて、ホテルを後にしようとして――
――気がついた。
「これは……」
破壊痕。いや、戦闘痕といったところか。
ホテルの入り口より少し離れた部分にそれはあった。
アスファルトで舗装された道路に深々と刻まれるいくつもの足跡。普通に移動していて、このような足跡がつく筈もない。
これは、紛れもなくここで戦闘があったという証。
劉鳳は考える。
平賀才人はこのホテルに来て、ここで何者かと遭遇し、結果――戦闘になった、と。
桐山から聞いた限り、平賀才人は自分から積極的に戦闘を仕掛けるタイプではない。
むしろ彼は、襲いかかる脅威を防衛するような人間だろう。
となれば、戦闘の原因は彼と遭遇した側に由来するだろう。
確かなことはひとつ。
それは――平賀才人と遭遇した人間は、DIO、アーカード、拳王、勇次郎などと同じく、殺し合いに乗った人間であるということ。
「社会不適格者共め!」
忌々しげに呟く劉鳳の言葉に呼応して、絶影――周囲のアスファルトを分解して構成された――が触鞭を地面に振り下ろす。
結果、乾いた破裂音と共に地面は爆散した。
咎めた、防人衛と同じ破壊行為。
しかしそのことを考える余裕が今、劉鳳の頭にはない。
「俺は……また間に合わなかった」
ポツリ、と言葉が零れる。
「あの少女のように」
零れた言葉は連なって。
「俺は遅いのか」
ポツリ、ポツリと落ちてゆく。
「始めの場、光成という老人にむざむざと少女を殺させ、今度の場では、平賀才人を危険にさらす。
俺は……俺の正義は間違っているのか」
自分へ落ちる、言葉の雫。
「否ッ!
俺は確かに遅い!――だが、俺の正義は間違ってなどいない!」
しかし、雫は意志を穿つことはない。
「あの少女のような犠牲を出さない為にも、殺人者は断罪しなければならない!」
迷うこともない。いつだって劉鳳は、正義を貫くだけなのだから。
ともすれば、劉鳳が為すことは限られている。
平賀才人の安否を確認すること、ブラボー達と合流すること、平賀才人を襲った悪を断罪すること、そしてこの殺し合いを断罪すること。
全てを可能な限り、いや可能を突破してでも正確に!的確に!そして何よりも――速く! 行わなければならない。
だったら今すべきことは、それは『平賀才人の安否の確認』。
ひとまず、再び戦闘の現場を確かめてみる。何を確かめるにも、ここが一番確かなことがある場所だ。
ひとしきり、確認してみて、結論。
「平賀才人はひとまず逃げられたようだな」
現場に残された痕には、出血痕はない。それに……死体も、ない。
ならば、適度に殺人者の相手をして逃げたか、相手に連れ去られたのどちらかだ。
どちらにしても、追いつければ問題はない。
「東か、西か、それとも北か…」
ホテルはマップの最南端。ここから移動できるのはその三方しかない。
「悩んでいても仕方がない……真・絶影!」
再び真の姿になった絶影に乗り、劉鳳は飛んだ。
一刻も速く、平賀才人を保護するために。
一刻も速く、ブラボー達と合流するために。
一刻も速く、悪を断罪するために。
一刻も速く、こんな殺し合いを止めるために。
一刻も速く、犠牲者をなくすために。
◇ ◆ ◇
「なんだあ!?」
決意新たに北へと歩き出した才人だったが、足を止めていた。
自分がさっきまでいたホテルの方向、いやホテルから聞こえてくる破裂音に。
あからさまな破壊を表すそれに驚きを隠せない。
破壊音……破壊――殺し合い。
十中八九殺し合いに乗っている人間が近くにいる、その事実に才人は更に驚愕する。
しかし、それは一度聞こえただけであり、戦闘音というにはあまりにも呆気ない。
戦闘というよりは寧ろ、癇癪のようなものだった。
それから暫しその場に立ち尽くすが、音は聞こえない。
無視するか、それとも――と、
才人の思考が決定するより早く、ホテルから何かが飛び出した。
よく目を凝らすと、何か大きな生物に男が乗っているということがわかった。
男は猛烈なスピードで才人から見て右――西の方角へ、飛行している。
西には散達。
彼らはバイクに乗っていたが、今の男はバイクより速い。
このままではかち合うことは必至。
散達とかち合えば、男がどうなるかは……容易だ。
暫し考える――――までもない。答えは決まっている!
男がさっきの破壊音の主だとしても!
シエスタの死を悲しむ自分のように、ルイズの安否を心配する自分のように、男にもそんな人間がいるならば――
「――いかないワケには、いかねーだろ!」
才人も西へ向かって走り出した。
――ごめんな、ルイズ。会うのはもうちょっと遅れる。
けど、絶対会えるから――それまで無事でいてくれ。
◇ ◆ ◇
「散」
村雨が、背後にいる散に声をかける。
何だ、と散は応じる。
「ホテルから音が聞こえる。何かを壊しているような音だが……どうする?」
無表情だが、思案をにじます村雨の言葉に、散は素っ気なく返した。
「構わん。今は下水処理施設とやらに向かうことが先決だ。
それに自らこちらに向かってくるかもしれぬ」
「そうか」
散の返答に納得し、アクセルを更にふかす村雨。
それから数拍を置いて村雨達の頭上に、そいつは現れた。
「止まれ! 平賀才人を知らないか!?」
絶影に乗った、劉鳳その人である。
頭上を見上げ、散に指示を仰いで――その後、村雨はバイクを停止させた。
支援
バイクを降りる散達に、絶影から降り解除した劉鳳は今一度、平賀才人を知らないか、と問いかけた。
知っているなら居場所を、更に場合によっては断罪をすることを考えていた。
そんな劉鳳の様子を知ってか、散は平賀才人を知っている、そして――先ほど戦った、と答えた。
驚愕を口にする劉鳳に、散は言った。
「何を驚く?
この散、人類を抹殺する為の存在。ならば私と対峙した以上、死合をする義務がある。サイトとやらもそうだった」
その言葉を聞いた劉鳳の目に炎が灯る。正義、という名の。
「そのような戯言を……!本気で言っているのか!」
怒り高らかな劉鳳の声色に、散は、
「人間という真の悪魔を滅ぼす。…その星義がこの散にはある!」
いや、散も声高に、星義を返した。
「それが正義などと……戯言をほざくな毒虫が……ッ!
俺と絶影が貴様らを断罪するッ!」
「正義ではない!星義だ!!!」
最早、問答は無用。
「絶影!」
三度の発現。
対して散は既に装着。
触鞭を振り上げる絶影と、
構えをとる現人鬼。
遂に、拳の火蓋が切って落とされ――
「待て」
――る瞬間に、村雨の言葉が中断させた。
二人の視線を受けるが、村雨は全く表情を変化させず、散と劉鳳の間に割って入った。
「何のつもりだ。良よ」
「今度は邪魔をするなと言われていない。
お前は……散は、先ほどの戦いで負傷している。それでは全力を出し切れないだろう。
それに――」
相も村雨の表情は変わらず、
「――見つけたい」
されど、強い思いを言葉に乗せて、言い切った。
「見つけたい」――主語も述語もない、五つの音の塊。
しかし、乗せた思いは十二分。
「わかった。ここは好きにするがいい」
村雨の思いを受け取り、散は拳を収めた。
「…何のつもりか知らないが、貴様らを断罪することには変わりない」
劉鳳の為すことは変わらない。自分の正義を貫くこと。悪を断罪すること。
「行くぞ……キサマの痛みを見せてみろ」
「ほざけ!絶影!」
村雨の姿は赤く変わり、絶影は刃を構える。
相手を変えて、戦いの火蓋は再び切って落とされた。
「ヌゥウン」
地を力強く蹴り、その反動でZXは絶影までの距離を大きく詰める。
移動距離も速度も、規格外の一飛。そのまま腕を絶影目掛けて振り下ろす。
「遅い!」
しかし、絶影はそのZXすらも上回る速度で身を躱す。そして変わりとばかりに自らの攻撃をZXに打ち込む。
攻撃後の隙を疲れたZXに回避のしようはなく、足場の無い空中ということもあり、派手にはじき飛ばされ、地面に大きく体を打ち付けた。
しかし、何事も無かったかのようにZXは立ち上がる。
「これは……痛みだ。痛みはもう知った……他の何かを見せてみろ」
「ほざけ!ならば、貴様が俺の正義に屈するまでやり続けるだけのこと!
絶影ッ!!」
劉鳳の言葉に呼応し、更に速度を増しZXに遅いかかる絶影。
対するZXは拳で迎え撃つが、右かと思えば左、左かと思えば右、正面かと思えば上、と予想を超えた方向から絶影は襲いかかる。
ZXの動態視力を持っても完全に追いきることは不可能。或いは本来的なスペックから言えば可能なのかもしれないが……。
(これが…信念、生きる意味の有無というわけか……)
自分と目の前の男との差には、正直嘆息が洩れる。これが自分――意味を持たぬ者と、目の前の男――意味を持つ者との差。
(だが…)
多種多様な方向から手数と速度で押す絶影。しかし惜しむらくは力、力が足りない。
対するZXにあるものは並み外れたタフネス。
力が足りない以上決定打は生まれない。
もっとも、決定打でないとしても相当の疲労や衝撃は体に溜まるのだが、ZXの機械の体は容易にはその二つの蓄積を良しとしない。
結局、お互い決定打は生まれない。それどころかZXに至っては、一撃すら決められない。
ならば、一撃。一撃を決めることを考えてZXは拳を振るう。
しかし、一撃。たったの一撃たりとも掠ろうとしない。
一方的な釣瓶打ち、だがそれでもZXは拳を振るう。
一方、劉鳳も驚愕していた。
余りのタフネス。通常ならばとうに限界を迎えているはずなのに、目の前の悪はまだ倒れない。
しぶとい。いや、何かそれ以上の立っていられる……立たなければいけない理由に突き動かされているかのような不屈。
だが、どんな理由が有ろうとも悪である以上――断罪しなければならない。
(ならば、すべきことは……ッ!)
更なる……真の絶影を用いて目の前の男を完全断罪。
この男を倒したとしても、まだ後ろには控えている悪がいる。
全力で、迅速に、目の前の男を断罪する。
真の能力を用いて!
しかし、目の前の男の攻撃は当たらないとはいえ凄まじいもの。解放の隙は十分反撃の機会を与えてしまう。
(ならばまずはッ!)
「まだだ絶影ッ!もっと……もっとだ!」
更なる高速化。
男の動きを封じる程の一撃を放つ!
絶える影。そして更に硬質化する触鞭。
その一撃は絶影目掛けて突き出されたZXの拳を断ち、勢いそのままにZXの喉元へと突き刺さった。
しかし絶影の攻撃は止まらず、もう一方の触鞭がZXの頭部へと向かう。
回避のしようの無い一閃。命中すれば命の無いことは間違いが――それは完全にZXへと届かず、頭部の外殻の一部に止まった。
それの到達よりも数瞬速く、ZXは刺さった触鞭を引き抜き、絶影の体を上へと投げ出していたためだ。
この行動が間に合わなかったのなら今頃ZXは次の放送で名前を呼ばれるうちの一人となっていただろうが、現実は間に合った。
その結果、ZXと絶影の立場は逆転する。
攻撃を当てていた側は当てられる側に。そして攻撃を当てられていた側は――当てる側に。
「フン!」
放り上げられた絶影目掛けて、十字の手裏剣が飛来する。
通常ZXの肘にセットされているそれは、ダイヤモンドより硬い刃、鋼鉄をも貫く威力を有する。
「く……ッ」
解除をするか――いや、ここで解除をして次に発現できるのか?
一瞬、劉鳳の頭をそんな考えがよぎる。
それはほんの一瞬だが、迷いは行動を鈍らせる。
体勢を整えるだけで精一杯な絶影は解除も回避も間に合わず、迫る手裏剣を叩き返そうとするが、逆にその触鞭が手裏剣に千切り落とされた。
それで絶影本体を切断されなかったのは、流石劉鳳といえよう、だが――まだZXの攻撃は終わらない。
「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオ」
地から、天へと登る蹴撃。
当たれば行動不能は免れぬ一撃。
だがしかし、絶影も――劉鳳もやられっぱなしではない!
「撃ち滅ぼせ!絶影ッ!!」
迫り来るZXの攻撃を避けつつ……その足を掴んで――勢いそのままに地面へと叩きつける!
元来の力に加え、振り子のように遠心力で加速がついたZXは、猛烈なスピードで地面へと距離を詰めさせられる。
「うおおおおお」
片腕が破壊され、且つ自らの一撃を相手の攻撃に転じさせられた以上、避けようなく地面へと激突。
結果――強大な爆裂音と砂埃が当たりを埋め尽くすことになる。
◇ ◆ ◇
「はあ――は―あ」
立ち止まり、大きく肩で息をする。
才人は改めて認識する。やはりバイクと謎の乗り物、徒歩……いや徒走との差は大きいらしい。
走れども走れども、なかなか散達のもとへとたどり着かない。
この分ではもう――自分の時のように――争いは始まってしまっているだろう。
「くそッ!……間に合ってくれよ!」
息を整え、再度走りだそうとしたその時。
才人の耳に強大な爆裂音が入った。
景気良く支援してやろうZE!
支援
これは明らかな戦闘の証拠。
つまり――先ほどの男と、散達との戦いが始まってしまったということ。
『散達は殺し合いに乗っている』
その事実を再認識しつつ、才人は再び走り出す。
「頼むから、無事でいてくれよ!」
――まだ見ぬ人間の安否を祈って。
◇ ◆ ◇
視界を覆う土埃のなか劉鳳は息をもらす。
「やったか?」
つい、そう嘆息してしまうほど先程に一撃は見事に決まった。
これならば先程のタフネスも屈したのではないか――この考えが現実的でないことは重々劉鳳も承知している。
寧ろ先程のタフネスだからこそ、この程度の一撃では屈しないということも。
しかしそれでも――先程までのダメージが蓄積し、倒れているのではないか――そう、考えてしまう。
そんな思考の中、徐々に霧は晴れていく。
そこには赤い姿の怪人が、
「――増えた、だと!?」
三人いた。
しかし、よく見ると――喉元や腕の傷が回復している。
「幻影!……これが貴様の能力か!」
しかし、ならば本体はどこへ行ったというのだ?
――逃げた
有り得ない。あれほど戦いを望んでいたものだ。それは考えられない。
ならば、隠れた――そう考えるのが順当であろう。
だとしたらどこに?
――空
有り得ない。奴は地面に叩きつけた
――地面
……潜ったか!
ここまで劉鳳の思考は一瞬。隙というには余りにも短い。
しかし――
「一瞬で……十分だ」
「後ろ!!」
――ZXにはそれで十分。
背後の地面から突如出現したZX目掛け、絶影は触鞭を振るう。
その速さも十分。
不意を突かれて尚も、ZXと同じ速度。相打ちは免れまいが……!
「ナニッ」
一方的にZXの拳だけが命中する。
よろける絶影。
そのまま、連打。
「ちぎれた腕で……き……貴様は…」
そう、ZXは正常な腕で触鞭を掴み取り、ちぎれた腕で絶影を殴打していた。
痛みを感じ辛い、パーフェクトサイボーグのZXのみに許された芸当。
「そうだ!この程度……俺の痛みではない!!」
散と出会ったことで痛みを取り戻したが、未だに痛みには強い。
そのまま絶影を地面に引き倒し、更なる殴打を加える。
先程とは真逆の拳の嵐。
とうに相手は意識を手放し、その体を単なる肉の塊に変えるもの。
だが――
「フ……その程度か……」
劉鳳は、絶影は砕けない!
それどころか更に闘志を燃やす!
「!!」
劉鳳の闘志に、言葉には出さないにしろZXは感慨を受ける。その一瞬。
その一瞬が命取りだ。
「真・絶影!!」
絶影の両腕の拘束が解け、下半身が……巨大な蛇を思わせる尾に変わる。
そして、その尾を持ってZXを弾き飛ばす。
「チィィ」
飛ばされつつも、体勢を整え更に絶影へ向かうZX。
だがしかし……その拳は届かない。
何故なら――
「剛なる左拳“臥龍”」
――それよりも速く、ロケットのような拳がZXを叩き飛ばしたのだから!
「ガアアァ」
再び上空へと打ち飛ばされるZX。そこへ今度は新たに――
「剛なる右拳“伏龍”」
――ドリルのように回転する右の拳が襲いかかる。
「う…おおおおおお」
何とか体勢を立て直し、ZXは右足で蹴りを放つ。
右拳対右足。その軍配は――
「!!」
――劉鳳に上がる。
「うおおおおおおおおおおおぉぉ」
粉々に砕け散るZXの右足。痛みに震えるその体に、再び――
「――剛なる左拳“臥龍”」
いつの間にか回収した、左拳が命中する。
「クッ!!」
鳩尾に入れられた一撃でZXの体は更に上へと押し上げられる。
そしてZXへと打ち込まれたその両拳は絶影に回収される。トドメの一撃を放つ為に。
「いくぞ――」
両の拳をZXに向け、
「――剛なる両拳“臥龍”“伏龍”!!」
ダブルパンチ。
◇ ◆ ◇
「間に合っ……た」
走ること十数分、ようやく平賀才人は戦いの場へと到着した。
そこでは今まさに戦いが繰り広げられているようで、
「――剛なる左拳“臥龍”」
「クッ!!」
異形の赤い怪人を、異形の白い怪物が圧倒していた。
圧倒的、まさにその一言に相応しい怪物。
太陽の眩しい空へと打ち上げられる怪人に、
「――剛なる両拳“臥龍”“伏龍”!!」
異形の怪物が拳を放つ。
この場合死亡フラグはどっちなんだ……?
「なっ……」
どうみても赤い怪人にトドメを刺そうとする怪物。
「ちょっと――」
才人が前に出ようとした正にその時。
太陽よりも眩しい光が起こった。
「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ」
赤い怪人が、更なる赤い光を放つ。
同時、怪人は急加速をし――
「ウオオオオオオオオオオオオオ」
――白い怪物を急襲する。
◇ ◆ ◇
「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ」
劉鳳の頭上で急激にZXが輝き出す。
そして、劉鳳、絶影を急する。
「ウオオオオオオオオオオオオオ」
真っ赤に輝くZXの体、白く回転する絶影の両拳。
その二つが、空中でぶつかり合う。
「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオ」
「オオオオオオオオオオオオオオオ」
ぶつかり合う二つは激しく火花を散らす。
それでも、絶影の両拳の方が強い。
「オオオオオオオオオオオオオオオ」
対したZXの輝きはみるみるうちに失われていく。
これが――劉鳳の知ることではないが――ZXの制限。
まだ辛うじて輝いているものの、光が消えると同時に絶影の拳がZXを貫くだろう。
それは数瞬後の未来。
ど、どうなるんだー!?
「まだだ……!!」
だが、ZXは諦めない。
その意志に呼応してか、赤い光は少しだけ輝きを増す。
しかし、それでも両拳には及ばない。
だがしかし、まだZXは諦めない。
「輝け……一瞬でいい!」
ZXの言葉に、体は輝きを取り戻す。
「もっとだ!」
更に、
「もっと」
更に、
「もっと」
更に、
「もっと輝け!!」
光は強くなり、ついに絶影の拳と拮抗する。
「ゼクロスキック!!」
拮抗した二つの衝突は次の瞬間、バランスを崩し、崩壊する。
――“龍”の名を冠する両拳の破壊を持って
◇ ◆ ◇
才人の視界が赤に包まれる。
怪人が押し勝った。
ならば次に起こることは?
――――ッ!
「ハイエロファントグリーンッ!!」
想像した未来にさせない為に、新たな力を行使するッ!
「間に合えっ!!」
◇ ◆ ◇
――視界が赤に包まれた
絶影が負けた。俺が……負けた。
その事実を認識すると共に、劉鳳の体は衝撃に包まれた。
不思議と、痛みは感じなかった。
劉ゥゥウウ鳳ォォオオウウウウ!!!!!!
ちょ、これはまさか……
凄まじい土埃が段々と晴れて、ようやく視界がきいてきた。
埃の源はミサイルでも打ち込まれたかのごとく、酷く抉られていた。
真・絶影が居た場所も粉々に消し飛んでいる。
しかし、おかしい。
先程までと見ている風景が異なっている。
自分、絶影、その向こうにバイクと鎧が居た筈なのだが……。
「あの!」
思案する劉鳳に突然声がかけられた。
空の広さから察するに、自分は倒れているようで、声の主は寝転ぶ自分の隣にいるようだった。
声の主に視線を送る。
「お前は平賀才人か!」
「俺を知っているんですか!」
どうやら自分は探したいた相手に助けられてしまったようだ。
礼を言おうと立ち上がって、
「あ……」
「え……」
気づいた。
――――白と青色は場違いな赤で染められていた
倒れる。
それは、どうみても致命傷だった。
せっかく、出会ったというのに、別れはどうみてもすぐそこだった。
悔しい。
それはどうみても自分のせいで、自分が遅かった故にそうなったというのは明白だった。
NOOOOOOOO!!
サイトォォォォォォ!!
劉鳳……そんな…
何が起こった?
才人か劉鳳か?
これは致命傷だ。
この分では二度と――合流はできそうにない。
せめて、伝言だけでも伝えなくては。
「で……伝言を頼んで……いいですか」
スタンドのダメージは本体にフィードバックする。
本来ならば、スタンドはスタンドでしか傷つけられない。しかし、制限故にこの場ではそうでない。
劉鳳をゼクロスキックから助けようとした才人の『法皇の緑』は、ZXが舞いあげた破片の一部に、本来の持ち主が貫かれたのと同じ場所を貫かれた。
そして、それは今の持ち主の才人に伝わった。
正義を貫く代償は―――自分自身。
【C-8 西部/1日目 朝】
【平賀才人@ゼロの使い魔】
{状態}:強い疲労 胸部に痣 散に対する強い怒り 強い信念 胸部に破片(致命傷)
{装備}:バヨネット×2@HELLSING、ハイエロファントグリーン(法皇の緑)のDISC@ジョジョの奇妙な冒険
{道具}:紫外線照射装置@ジョジョの奇妙な冒険(残り使用回数一回)
{思考}
基本:劉鳳に伝言を託す
1:ごめん……ルイズ……
※
胸の傷が致命傷ということは自覚しています
{備考}
伝言は後の書き手さん任せです
散さまは?
やっぱりかアアアァァァァァ……
何、住民?
サイトが死んで悲しいだって?
違うよ住民、逆に考えるんだ。
見せ場があってよかったと考えるんだ
散様、ちょっと何とかしてやってくれないか!?
【葉隠散@覚悟のススメ】
[状態]:右腕負傷 全身に中程度の負傷 中程度の疲労 右腕と右太ももに浅い裂傷 右腕に軽度の麻痺(そろそろ回復)
[装備]:強化外骨格「霞」(右腕部分に亀裂、右手掌部を破損)
[道具]:クルーザー、 支給品一式(散&村雨。デイバック一つにまとめてある)、不明支給品1〜3品(村雨&散。確認済み)
[思考]
基本:人類抹殺。
1:才人のことが残念。
2:伝言が終わるまで待つ。
3:村雨の戦いを邪魔するつもりはない。
4:西に向かい汚水処理場と変電所の様子を見る。
5:人間を殺す。しかし、村雨のように気に入った相手は部下にする。
6:村雨の記憶を必ず取り戻してみせる。
7:才人のマスターのルイズに興味有り
8:マリアを殺すのは最後。
【村雨良@仮面ライダーSPIRITS】
[状態]:疲労大、全身に裂傷、変身中
[装備]:十字手裏剣(1/2)
[道具]:なし
[思考]
基本:殺し合いに乗る。
1:才人の伝言が終わるまで待つ
2:散と共に汚水処理場と変電所に向かう
さて、喪服用意するか……
まぁ某所よりいい死に方させてくれた書き手に敬礼……と
才人……
[備考]
参戦時期は原作4巻からです。
村雨静(幽体)はいません。
連続でシンクロができない状態です。
再生時間はいつも(原作4巻)の倍程度時間がかかります。
【劉鳳@スクライド】
[状態]:疲労大、絶影破壊によるダメージ、深い後悔
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、4色ボールペン、色々と記入された名簿、スタングレネード×2
[思考・状況]
1:平賀才人の伝言を聞く
2:村雨、散を断罪する
3:1、2が終わったら変電所へ向かい、防人・桐山と合流。
4:悪(主催者・ジグマール・DIO・アーカード)は断罪、弱者(シェリス)は保護
5:カズマ・シェリス・防人の知り合い・桐山の知り合い・核鉄を探す。
※絶影にかけられた制限に気付きました。
※桐山・防人と情報交換しました。
※名簿に青い丸印が付けられているのは、カズマ・劉鳳・シェリス・桐山・杉村・三村・川田・才人・ルイズ・防人・カズキ・斗貴子
赤い丸印が付けられているのは、ジグマール・DIO・アーカード
緑色の丸印が付けられているのは、蝶野
[共通備考]
※劉鳳とZXの戦闘音は周囲5マスに響きました
サイト、ルイズには覚悟が付いているからなw
安心して死ねw
……あの世で立ち直れんだろーな……orz
GJっす
と、いうことで投下終了です。皆様の支援に感謝です。
かなり無駄に長くなりすぎた感があるのですが……そこらへんは皆様の感じ方次第ですね。
Wikiに乗せる際に長すぎるようならば、2つに分けて頂けるでしょうか?
前半部分が1〜8で、タイトルが
【 Justice to Believe 】
後半部分が9〜24、でタイトルが
【 Justice to Believe for ZZZ: ZX, Zetsuei,and...the servant of Zero 】
でお願いします。
才人、まだ死んでないようだが、ダメか…
そしてこの後、劉鳳に生き残れる目はあるのか?
次の放送でのルイズと、近くにいる覚悟も心配だ
散、村雨コンビはどこまで行くかな
今後が楽しみだ
まぁ、何だ。
見せ場があってよかったじゃんw。職人さんGJ
まぁ、これまでの経路から考えても少なくとも『るるる♪のルイズ』にはならんだろ
……とも言い切れないのがバトロワの怖い所……
投下乙です
才人…
DIO・アーカード・散様・ZXを相手に、お前はよくやったよ……
村雨VS劉鳳も良かった。
制限の壁を越えるとは……
>>599 パピ☆すたGJ!
パピヨンとこなたの掛け合いと、パッピーのカズキに対する執着心が描写されてよかった。
こなたに不吉なフラグが立っている気がするが、それはそれで楽しみw
>>709 こちらもGJ!
才人の活躍っぷりが最高でした。何気に見せ場が多い。
ZXと劉鳳のぶつかり合いも熱い。
もういっちょGJ!!
おもしろかった!
才人、乙……
お前は頑張ったよ
ただ剛なる拳って、アニメだけじゃなかったっけ?
漫画版にもロケットパンチはあったけど、名前は無かったような…
>>715 それ言っちまったら最後、『操筋自在脚』もアニメ版の技だぜ?
別にいいんでない?
「剛なる拳」は副腕を飛ばす技で、漫画版のロケットパンチ(名前なし?)は主腕を飛ばす技だな。
>>716 「剛なる拳」という名前の、主腕を飛ばす技ってことか?
よく考えると才人は散から貰ったハイエロファントが原因で死亡か
なんというか……そういう運命だったとしか思えないな
とりあえず職人殿、乙でした
乙でした
初出で能力ろくに使われないで宿主にダメージ与えて消滅しそうって何しに出て来たんだメロンw
投下乙!
熱いバトルだったぜ。
サイトはこのままサヨナラ……
待て、アミバが間に合えば、今のアミバの力なら何とか。でも退場はほぼ確定……
頑張った。最強軍勢ばかりと相手にして殺せないまでもダメージを与えたのは立派だ。
熱い作品をGJ
いや待て、逆に考えるんだ。
アミバが間に合って蘇生出来たが
「ルーンがねえっ?!」の伏線だと考えるんだ。
[sage]
>>721 それいいかもしんない
再契約での才人とルイズのキスシーンを見て見たいよ、俺は
丁度特訓の達人である戦士長も居たなそういえばw
>>722 瀕死の才人にアミバのマウストゥマウスが
>>724 北斗神拳で活人系のひこう(だったっけ?)ってなかったっけ?
花京院ばりに、腹ぶち抜かれてるっぽいから…
治療用の秘孔と核金の治癒力であわせてどこまでやれるかってわけね。
>>727 まだわからんとおも。
FFDQ1stロワのアーロンの例もあるしさww
で、剛なる拳の描写については……いいの?
>>730 いいんじゃないか?
カズマみたいに使っている技自体が違うということならともかく、ロケットパンチに名前つけたくらいで修正案練るほうがめんどい。
せめて最後に注釈くらいは入れて欲しいなあ
修正要求したいならまず議論スレへ行ってください。
愚痴りたいなら毒吐きへ行ってください。
そーいや、北斗繰筋自在脚については何も言われて無いのか?
あれも確かアニメ版で名前ついた技だよな?
原作では北斗繰筋分断脚、だっけか?
三村、ジョセフ投下します。
短いので支援は不要です。
スーパーを出て、三村信史とジョセフの二人は近くの民家に身を寄せていた。
時刻は放送間近の午前5時50分である。
民家に着いてから二人は、一言も声を出していない。
理由は一つ。三村信史が、深刻な顔で何かを考えているからだ。
「もしも〜し? シンジちゃん、聞こえてる?」
「あ、あぁ……」
生返事の三村。彼は今、先ほどのハッキングについて考えている。
といっても、それは入手したデータや、ハッキングから分かった盗聴のことではない。
もっと根本的に、『なぜ自分はハッキングできたのか』についてだ。
さて、ここで読者にハッキングというものを説明しなければならない。
貴方はハッキングと聴いて何を想像するだろうか。
企業や国の大事なデータを盗んでいくネットワーク版のアルセーヌ・ルパンでも思い浮かべるだろうか。
実は全く違う。
ハッキングとはソフトウェア版のリバースエンジニアリングである。
リバースエンジニアリングと言われても、全く分からないなら、ここから説明しよう。
例えば、道を行く自動車があったとして、その自動車がどういう原理で動いているのかを解析する事。
例えば、空を飛ぶ飛行機があったとして、その飛行機がどういう原理で飛んでいるのかを解析する事。
つまり、通常は原理から物を作るのだが、リバースエンジニアリングはその逆で、物から原理を見つけ出すのである。
ライバルの自動車会社が革命的な新車を発表した後には、当然その新車の動作原理を明かさなければならない。
恐らく、ト●タ自動車がプリ●スを発表した直後の他社技術者たちは寝る間も惜しんでリバースエンジニアリングに勤しんだであろう。
こういったものがリバースエンジニアリングである。
さて、上記のものがリバースエンジニアリングなのだが、これをソフトウェアに適用するとはどういうことだろう。
当然、ソフトウェアの動作原理を解明する事がそれにあたる。
ソフトウェアを見たとき、そのソフトウェアがどんな目的のものであるか。どう言った職種の人が使うのか。
と言った基本的なことから、内部のデータはどう処理されているのかといった複雑な事まで、とことん解明する事をハッキングという。
このハッキングを悪用すれば何が出来るか……まぁ、想像に難くないだろう。
では、悪用目的のハッキングについて説明する。
例えば貴方が、どこかのデータベースにあるファイルを盗み見たいと考えたとしよう。
調べなければならないのは、『どこかのデータベース』についての詳細だ。
ネットワーク上のアドレスや、本来の利用形態。データベースに用いられているミドルウェアや、データベースがインストールされているOS、等々。
これらの情報を調べ、続けてミドルウェアやOSのバグを確認する。
当然、ミドルウェアやOSの開発者たちもデータを盗み見られないように注意しているはずなので、彼らのミス=バグが無ければデータを盗む事は出来ないからだ。
ここで運良く、既に発見されているバグがあれば、それを利用してデータを盗む事が出来るかもしれない。
だが、運悪くそのようなバグが無ければ自分で探す事になる。
対象となるOSやミドルウェアを実際に購入(※2)、ないし、不正入手し、とことんまで使い込んでみる。そして、動作原理を洗い出す。
その際、手動で使い込むだけでは無理と思うのなら、特殊なツール(※1)も併せて入手する必要があるだろうし、
場合によっては、そのようなツールを自作する必要に迫られるかもしれないが、
ともかくも、徹底的に使い倒し、内部構造を洗い出すのだ。
その結果、運良くバグや設計ミスが見つかれば、そこからデータを盗み出せる可能性が出てくる。
さて、貴方は実際にバグを見つけ出せたとしよう。そして、そのバグはデータ流出につながるバグであったとしよう。
実は、これだけではデータを盗む事など出来ない。
この手のバグはたいてい、手動では突くことが出来ないようになっており、このバグを突いて不正利用するためには、特殊なツールが必要になるのである。
そして、バグに合わせてツールを作る事になるのだから当然、そのツールはバグごとに新規に作る必要がある。
貴方自身が見つけたバグなら、ツールを作るのは貴方だ。無論、ここまで出来た貴方なら、ツール作成ぐらい苦も無く出来るはずだが……
以上のステップを終え、ツールを作り終えた貴方は無事にデータベースからファイルを盗む事が出来るだろう。
これが不正利用のためのハッキングについてである。
この説明を聞いておかしいと思った貴方は賢い。
実は、ハッキングとは当たり前だが、誰にでも出来る事ではないのだ。
ハッキングして、不正アクセスするためには技術力以上に環境が物を言う。
上記説明中※1の『特殊なツール』とはたいていデバッガであったりスニッファであったりするわけだ。
だが、スニッファは普通のスニッファを買ってくればいいとしてもデバッガはそうは行かない。
プログラミングツール付属のデバッガでは力不足の場合がほとんどであるため、解析専用の強力なデバッガツールが必要になる。
そのようなツールはきわめて高い。数十万は軽くする上に、そもそも量販店には中々ない。
この手のツールを利用しようと思えば、開発用途として会社で購入し、社の空き時間に利用するほかは無いだろう。
とすると、この時点でハッキングできる人種は限られてくる。
限られてくるのは、もう一つ※2でもそうだ。
単純にOSやミドルウェアを買ってくるといっても、そのOSが市販されているものならいい。
だが、サーバーに付属のOSで、サーバーとセットでなければ入手できないものだったら?
数百万もするサーバーと抱き合わせのOSとミドルウェア。こんなものを買って不正利用だけに使用する、そんな奇特な人間は恐らく世界中探しても見つからないだろう。
だから、これも上と同じで会社で買ってきたものを利用することになる。
この時点で、よほど環境に恵まれた人間で無い限り正規のハッキングが不可能と分かったと思う。
では、たいていのハッカーはどうやっているのだろうか。
答えは簡単だ。優れたハッカーの業績を利用しているだけなのである。
優れたハッカーが作成したツールを入手して、ハッキングを行う似非ハッカー。
優れたハッカーが見つけ出したバグを利用して、ハッキングを行う似非ハッカー。
これが世の大半を占めている。
ここに、一人の少年がいる。
彼の名は三村信史。彼もまた、そんな似非ハッカーの一人だ。
彼はいま、自分がなぜハッキングできたのかについて考えている。
今後もハッキングするつもりなのだが、そもそも、どうしてそれが可能だったのだろうか。
実はそこには大きな偶然が重なっていた。
ハッキングに詳しくない読者も、どこかのコンピュータからデータを盗むためには、
そのコンピュータとネットワーク的につながっていない限り無理だという事ぐらい判ると思う。
極端な話、有線・無線問わず全くつながっていないコンピュータからはデータを盗む事など出来ない。
何らかのデータや、最低限どんな物でもいいから、何かが外部と繋がっていない限り、データを盗む事は決して出来ないのである。
これが成立している時点で、大きな偶然なのだが、偶然は他にもある。
仮に、データを盗むコンピュータと繋がっていたとしても、そのコンピュータがどこにあるのか分からなければ盗む事など出来ない。
ネットワーク上には何万、何百万どころではないコンピュータが接続されているのだ。
そのどこにデータがあるのか分からなければ、盗む事など出来るわけも無い。
三村信史はたまたま、PC上に残っているキャッシュからアドレスを割り出したが、そのアドレスにデータベースが含まれていたこと自体、
奇跡的な偶然といえる。
なんせ、ただのWEBサーバーかも知れないアドレスだ。アクセスしたところで、主婦のお料理日記があるぐらいかもしれないわけで、
そこに戦争の記録が残っていたと言うのは、奇跡といっていい偶然だろう。
偶然は、これだけに留まらない。
三村信史は実際に、データベースに不正アクセスを行ったわけだが、そのために必要なツールは検索エンジンで探してきた。
実のところ、検索エンジンで簡単に見つかる程度のツールでハッキングできるデータベースなど高が知れている。
データベースの管理者がよほど杜撰か、さもなくば、意図的にバグを残しておかない限り、このような事は滅多に起こらない。
だから、これも大きな偶然なのである。
偶然が重なりすぎている。
当初、データの印象に頭を引きずられて気づかなかったが。
考えてみれば、ハッキングそれ自体が既に異常な自体だったのである。
「なぁ、シンジ? どうしたの? ねぇ」
ジョセフが声をかけてくる。だが、三村はしばらく俯いたままだった。
(まさか、最初からハッキングさせるつもりでPCを用意していたのか……)
一瞬、三村にそんな考えが浮かんでくる。しかし、仮にそうしたところで、あの老人に何のメリットがあるのだろう?
分からない。
やはり、もう一度ハッキングを試みるほかは無いのだろうか。
三村が頭を悩ませているとき、友の死を告げる無常なる放送が流れ始めた。
【D-6 民家 1日目 朝(放送中)】
【ジョセフ・ジョースター@ジョジョの奇妙な冒険】
[状態]:健康。
[装備]:ハイパーヨーヨー*2(ハイパーミレニアム、ファイヤーボール)、江頭2:50のタイツ
[道具]:支給品一式
[思考・状況]
基本:あのスカタンに一発ぶん殴ってやらねぇと気が済まねぇ〜〜。
1:シンジどうしたの?
2:「DIO」は警戒する、一応赤石も探しとくか……無いと思うけど。
3:ところで、何で義手じゃないんだ?
[備考]
※二部終了から連れてこられていますが、義手ではありません。
※承太郎、吉良、DIOの名前に何か引っかかっているようです。
【三村信史@BATTLE ROYALE】
[状態]:精神、肉体的に疲労。ハッキングに疑問
[装備]:トランプ銃@名探偵コナン、クレイジー・ダイヤモンドのDISC@ジョジョの奇妙な冒険
[道具]:七原秋也のギター@BATTLE ROYALE(紙状態)、バスケットボール(現地調達品)、ハードディスクを抜き取ったデスクトップ型パソコン(現地調達品)、壊れたハードディスク(現地調達品)基本支給品。
[思考・状況]
基本:老人の野望を打ち砕く。
1:再度ハッキングを挑む為、携帯電話を探す。
2:あの老人が「プログラム」をするメリットを考える。
3:集められた人間の「共通点」を探す。
4:可能なら杉村と合流する、「DIO」は警戒する。
5:他参加者と接触し、情報を得る
6:『ハッキング』について考える。
[備考]
※本編開始前から連れて来られています。
※この世界が現実世界ではないという考えを持っています。
※クレイジー・ダイヤモンドは物を治す能力のみ使用可能です。
復元には復元するものの大きさに比例して体力を消費します。
戦闘する事も可能ですが、大きく体力を消費します。
投下終了です。
初めてなので、おかしい点があったら指摘してください。
投下乙。なるほど罠の可能性もあるわけですか……。
パピヨンに続いてここも頭脳組ですね。期待がかかりますよー。
しっかし詳しいですね、これはハードルが大きく上がるw
投下乙です。
しかしこれは素晴らしい考察SS。職人さん実はハッキング経験者か?と疑ったくらいにw
投下乙!
フェイスレスとこのグループが、他のグループより少し前にいるなあ。首輪や脱出に関しては、ね
しかし放送で杉村の死を知ったら。どうなるやら
続きが気になる作品でした。
GJ!
二日ほど延長をお願いします。
少し急用ができましたので……
どうぞ。期待してます。
wikiの現在地マップで、死亡者だけ消してもよい?
正直、死者が増えてきて見辛くなってしまった気がする。
生存者のみ表示、ってやればかなり見やすくなるとは思うのだけれども……
死体の場所が分からないのは辛いだろ……。
そういや首輪やらの回収にも関わるんだよなぁー<死体
あぁ……名前間違えたorz
今日からくりサーカスとアカギ(ついでに天も)を読んだんだが、
何というか…鳴海とアカギのコンビがいかに書き手泣かせかわかったよ…
>>749さん期待してます。頑張って。
最近ニコニコでアカギ観始めたけど本当に何考えてるのかわからない奴だった
それでいて天才的な戦い方するから書き手もそこら辺キツイだろうな
>>756 からくり43巻 天18巻 アカギ20巻・・・頑張りすぎだろう
ちょっと遅れて申し訳ない。
ただいまより、投下を開始します。
「……ついたぜ。鳴海」
グリモルディのキャタピラが土埃を舞い上げるのを止め、朝日に照らされる校舎へ赤木は降り立つ。
白髪を揺らし、とがった顎先と高い鼻を持つ顔。怜悧な瞳で周りを見渡し、安全を確認した。
振り向き鳴海のほうを向くと、彼は怒りに満ちた表情をしていた。
定時放送を聞いたときから彼は押し黙り、身体中に熱を持ち押し黙っている。
彼の知り合いはフェイスレス一人。その名が呼ばれなかったことから、知人が死んで怒っているわけではない。
ならなぜ怒っているのか?
答えは単純。多くの犠牲者が出て、それを仕込んだ主催者、たしか徳川とかいった爺さんに対して怒りを感じているからだ。
六時間ほど共にして、鳴海がそういう男だというのは理解した。
同時に赤木は考える。
この定時放送で呼ばれた知り合いはいる。だが、どちらも自分が『下した』格下の男だ。
偽者の無頼である市川。凡夫といっていい平山。
どちらも生死の境目であるこの殺し合いで生き残れるとは到底思えない。
だから彼らの死を聞いたときは、やはりとしか思えなかった。
鳴海が自分の知り合いが死んだかどうか尋ねたときはいないと答えた。
その方が面倒が少ない。
「鳴海、二手に別れて校舎を探索しよう。合流場所は…………一時間後の校庭の真ん中だ」
「別れると危険じゃないか? 殺戮者が潜んでいたら、一人で対応できるのか?」
「それを含めて、人を探すために別れる。理由は合流したときに教えよう。
……なに、核鉄がある以上、そう簡単に遅れは取らない。そして……」
赤木が五指を操作すると、瞬く間に二メートルはあるキャタピラを持つ人形が折りたたまれていき、トランクに収められた。
グリモルディがおさめられたトランクを右手に持ち、赤木は校舎へと身体を向ける。
「こいつは持ち運びに便利だ。何かあったら派手に暴れて知らせるさ」
説明が足りず不満なのか止める鳴海に振り向かず、歩を進める。
赤木の意識は校舎内に向いている。秘密組織のアジトにすると鳴海は冗談めかして言っていたが、自分は本気だ。
何をするにも拠点は必要。それはここに来る前、鳴海に告げたことでもある。だが、その拠点に篭るのはマイナスだ。
ここに来る途中、あるいはここで対主催者……殺し合いに乗っていない人間と数人合流するのが理想だった。
学校で待機させ、自分や鳴海が情報収集へ向かえる。
もっとも、そんな状況、ポーカーでいきなりフルハウスが揃うくらい可能性が低いから期待はしていない。
赤木は教室を覗きながら、誰かが潜んでいる事を期待する。
この殺し合いに参加させられてから、彼はまだ死線に遭遇していない。
鳴海と一緒に人形の把握。それを使っての実践の仕方の把握。この殺し合いですべきことの確認。拠点の確保。
いずれも上手くいっている。無理をせず学校で『待ち』に徹すれば協力者を増やすのも比較的安全に進めるだろう。
(だが、それでは実入りは少ない。大きい利益は死ぬか生きるかの境目で発生する。
……安全策は目先の小さい利益を得たとしても、いずれ限界が来る。そんな凡夫が取るような策では到底『勝利』に辿り着けはしない。なら……)
廊下を歩き、赤木は立ち止まると同時に思考を停止する。開けた先の部屋は保健室。
そこで薬品を回収しながら、赤木は今後の方針を固め始める。
「くそっ、好き勝手いいやがって」
鳴海は悪態をつきながら校舎を回り、物色を開始する。
盗みを働いているようで気が引けるが、今後のためだと割り切り、手をつける。
それにしてもと、放送の内容を思い出し、怒りが蘇る。
筋肉が盛り上がって、銀のメッシュが入った黒い長髪がザワザワと震えたような気がした。
八名も死んだのだ。なのに自分は救いに向かえなかった。
(何やっているんだ、俺は。「しろがね」となって死に難くなった。戦闘向きの左腕もある。
何年も功夫を積んだ。なのに、いまだに誰一人として守れていないッ!!)
鳴海は悔しさに眉間に皺を作り、歯を食いしばった。血の通った右手からは爪が皮を破って血が滴っている。
(のんびりなんかしてられねえ。一時間後合流したらここの維持は赤木に任せて俺は打って出る!
もう誰も殺させはしねえ。俺が戦う)
思い出すのは、人形になす術も無く殺されていく無力な人たち。
あの光景がこの舞台の片隅でひっそりと行われているかと思うと、鳴海は怒りで頭がどうにかなりそうだった。
一歩、力を込めて地面を踏みしめる。
加藤鳴海の瞳は、前をまっすぐに射抜いていた。
□
「で、理由とやらを聞かせてもらおうか」
先に校庭の中央で仁王立ちしていた鳴海を前に、赤木は立ち止まる。
ストレートな物言いに思わず唇の端が持ち上がった。
それを馬鹿にしたと受け取ったのか、鳴海が不機嫌な表情を見せる。
「……なに、簡単なことさ。二手に別れてまで学校の探索速度を上げたのは、ここを拠点として一時破棄しようと思っているからだ」
今度は驚いたらしく、マヌケな顔に変わる。
結構表情が豊かな男だと思いながら、続きを告げる。
「もともと二人でここを拠点として維持できるとは思っていない。
先に殺戮者さえいなければ、再び出発する心積もりだったさ。
……本来なら、人数が少ない今は守りに徹するのが安全策。だが、それでは得る物が少ない。
打って出る。ここを維持するのも……反旗を翻すのも……強敵に対抗するにも……人数と情報がいる。
そのために繁華街へ向かう。いいな、鳴海」
「危険だから避けるんじゃなかったのか?」
「……そうだ、本来なら殺戮者が集うであろう、繁華街へ向かうのは愚かの極み。
だがそれも、殺戮者に抵抗できない状態である場合のみだ。鳴海、俺たちの手に何がある?
戦闘向きといっていい核鉄が二つに……グリモルディ……敵に対抗できる手段はある。
なら、危険を冒しても利益を得るほうを選ぶべきだ。
それに、そんな危険な場所には、お前が保護したいと考える無力な人間も集まるかもしれないぞ。
迷う理由はあるのか?」
言い終えると、こちらを呆れた顔で見つめる鳴海が視界に入る。
だが、彼はこの提案に乗るはずだ。赤木にはその確信があった。
(鳴海の性格は直情型。そして、俺と出会ったときの言葉から察するに、無力な人間を守る事を優先する。
そのためなら危険を承知で突っ走りかねない性格。
放送で怒りを覚えている今なら……俺の提案に乗ってくる!)
朝日の下で佇む二人に、風が吹いて僅かに土埃が舞う。
十数秒ほど沈黙の時が流れ、やがて鳴海の口元が動き始める。
「……たとえばだ、目の前で殺されそうな人間と放置された支給品があったとして、無力な人間と役に立ちそうな支給品、どっちを優先する」
「支給品にもよるな……」
「なら、お前が考えられる限り欲しい支給品と、人の命、どっちを優先する」
その言葉を受けて、赤木は不敵に笑う。
答えなど、とっくの昔に出ている。
「主催者の都合のいいほうを優先する」
意外だったらしく、鳴海はあんぐりと大口を開ける。
失笑しながらも、視線を逸らさずに続きを紡ぎだす。
「……もし、俺たちが脱出に近付けば近付くほど、主催者は俺たちを警戒し、マークする。
だが、逆に俺たちが脱出に遠ければ遠いほど、警戒は薄くなる。
じわじわと進めるのは駄目だ。一見、調子がよく見えても遠からず行き詰るのは目に見える。
重要なのは水面下で準備を進めることと、一気に主催者へ抉りこむ方法を見つけること。
そのために目の前の勝利は捨てることも考えなければならない」
「そのために、誰かが危険な目にあっても構わないのか?」
「違うな。他人が危険な目にあっても、俺たちに利益は無い。
逆に俺たちが危険な……いや、死線に立つことが重要だ。
そして、俺たちが接触する必要がある男は勇次郎」
ククク……と低く笑う。
支援
尋常でない男との出会いを望む自分はどこか捻じ曲がって見えるだろう。
しかし、最初のやり取りで勇次郎なる危険人物と主催者は顔見知りなのは伺えた。
これは、危険な手に見えるが、脱出を目指す者なら一度は通らなければならない道である。
なら、その一番手には自分がなる。
「俺はこの殺し合いに踊らされる殺戮者と刺し違える気は無い。
やるのは……主催者からの完全勝利!
行くぞ、鳴海。敵から毟り取れるだけ……毟る!!」
語気を強めて言い放ち、糸を繰り出してトランクから折りたたまれたグリモルディを組み立てる。
鳴海はこちらを睨みつけるだけだった。
□
三十分ほど経ったとき、赤木はバイパスを通り、繁華街へ向かっていた。
隣に並ぶ鳴海はグリモルディに乗り込んで以来、一言も発していない。
自分の答えに満足いっていないのだろう。だが、それで構わない。
赤木は仲良しごっこするために彼と組んだわけではない。勝利のために手を組んだ。
鳴海はその点に関する認識が自分とずれている以外は、頼もしい相棒だ。
今しばらくは組んでいたい。
だが、赤木は鳴海にわざと『勘違い』をさせた。
この殺し合いにおいて、水面下で事を進めるのは難しい。
既に自分たちが反逆の意思を示していることは、何らかの手段を持って主催者側に伝わっているだろう。
鳴海に対する自分の言い方なら、主催者に自分たちの意が伝わっていないと思っているはずだ。
だが、それこそが赤木の狙い。
こちらを監視できると敵を安心させる。すぐには無理でも、半日、一日も経てば隙ができるはずだ。そのサインを赤木は見逃す気は無い。
もっとも、赤木は監視の手段に思いあたりがあるわけではない。
自分がこの殺し合いの主催者なら、監視手段を用意することが当たり前のことだからだという程度の問題だ。
勇次郎と接触するのは、その手段に思い当たることが無いか吐かせるためでもある。
もちろん、手段は選ばない。
(優先順位が高い確認事項は、主催者の正体と監視の方法か。
ここに来る前の俺と、来た後の俺の違いは首輪と支給品の入ったデイバック。
デイバックは破棄することもできるから、常に身につけなければならない首輪に、監視する手段が存在すると見るのが自然だ。
……機能を停止した首輪と機械関係に知識のある参加者を手に入れるのが急務か。
ククク……光成……そしてその協力者。俺たちは命を賭けたんだ。
お前たちも相応のものを支払ってもらうぞ)
赤木の人形を操る指に力が入る。キャタピラは地面を進む音を一段上げ、速度が増していく。
そして、ふと脳裏に鳴海の怒る表情を思い出す。
(鳴海の怒りは浦部のように保身が無い。そしてここには偽の怒りも、偽の勝負も無い。生きるか死ぬか!
クク……それに参加できたことだけは感謝してやる。だから行こう。死線を潜りに……!!)
赤木は正面をまっすぐ見据え続けた。
鳴海はグリモルディの腕を掴んで、身体を固定させながら、視界の端で赤木を確認する。
合理的な考えに基づいた行動をとる。短い間に鳴海が知った赤木はそういう男だ。
合理的に行動するのは、鳴海の知る『しろがね』たちに似ているところがある。
ゆえに、鳴海は気にかかることがある。
(こいつはギイのように合理的に見えて、子供や一般人を守るような奴なのか、しろがね・Oの連中みたいに冷淡な奴なのか知りてえ。
殺し合いを止める理由はなんだ? 生き残りたいだけか? それとも主催者に恨みがあるのか?
……しばらくは一緒に行動するしかないか)
内心、犠牲を厭わない人間であって欲しくないと不安になる。
だが、もしそういう男なら、
(俺の拳で止めてやる。ゾナハ病の病院でいた、ジョージというしろがね・Oのように。赤木、俺の鉄拳は痛いぜ)
と、決意を固めるように拳を握る。
赤木と同じように正面を見据えなおした。
□
大幕が左右に開き、スポットライトが当たる。
照らし出された男は、身体の中心から左右に赤と黒の色に塗り分けられている、派手な大きい衣装に身を纏っている。
笑顔しか浮かべない仮面。鼻の部分に大きく赤い球体が取り付けられている。
それはサーカスで『ピエロ』と呼ばれる者だった。
ピエロはこちらを見えているように、一礼をする。
「ナルミとアカギの活躍、いかがだったでしょうか?
ゾナハ病をとめるために人形たちと死闘を繰り広げていた加藤鳴海は、突然「バトルロワイアル」に巻き込まれ、赤木と協力することになりました。
この殺し合いに乗り、率先して人を殺しまわる者。
この殺し合いを止めるため、主催者に抵抗をしようとする者。
大切な者を守るためだけに動く者。
優勝以上に執着するものがある者。
殺し合いで自分の存在に疑念を持つ者。
既に死んでしまった者。
この「バトルロワイアル」が始まって六時間以上、さまざまな出来事が起こり、鳴海たちはいずれの人物と出会うのでしょうか?
鳴海と赤木、炎と水のような二人がお互いを計りながら演じる共演は、どの道を行くのか?
まだまだ二人の脱出への旅は続きます。
ですが、戦いに巻き込まれ、あっけなく死ぬこともあるでしょう。
逆に、脱出への手がかりを得ることができるかもしれません。
さてさて『漫画キャラバトルロワイアル』、鳴海と赤木の活躍には心惹かれますが、この物語は全員が主人公。
彼らだけの活躍を見続けるにはしばらくの時間が必要です。
優勝か、脱出か、全滅か。くくっ、観客のみなさんはいずれの結末がお好みですか?
では、長の口上失礼つかまつりました。
それでは、次の演目のため『デッド・ライン』を閉幕いたします。
いずれ、お会いしましょう」
カーテンが閉まっていき、ピエロを隠した。
スポットライトが落ちると同時に、リングは暗闇へと溶けてく。
支援だぜ
【C-4北東バイパス通り/1日目 朝】
【赤木しげる@アカギ】
[状態]:健康
[装備]:グリモルディ@からくりサーカス
[道具]:核鉄(モーターギア)@武装錬金、傷薬、包帯、消毒用アルコール(学校の保健室内で手に入れたもの)。
[思考]
基本:対主催・ゲーム転覆を成功させることを最優先
1:繁華街へ向かい、情報を得る(首輪、主催者、勇次郎に関する情報が優先)
2:ゲーム打倒のために有能な参加者と接触して協力関係を結ぶ
3:このバトルロワイアルに関する情報を把握する(各施設の意味、首輪の機能、支給品の技術や種類など)
4:人数が揃えば、学校を拠点として維持する
【加藤鳴海@からくりサーカス】
[状態]:健康
[装備]:聖ジョルジュの剣@からくりサーカス
[道具]:支給品一式×2、核鉄(ピーキーガリバー)@武装錬金、輸血パック(AB型)@ヘルシング、
グリース缶@グラップラー刃牙、道化のマスク@からくりサーカス
[思考]
基本:対主催・誰かが襲われていたら助ける
1:繁華街へ向かい、情報を得る(首輪、主催者、勇次郎に関する情報が優先)
2:ゲーム打倒のために有能な参加者と接触して協力関係を結ぶ
3:このバトルロワイアルに関する情報を把握する(各施設の意味、首輪の機能、支給品の技術や種類など)
4:誰かが襲われていたら救出し、保護する
5:人数が揃えば、学校を拠点として維持する
6:赤木の人柄を見極める
[備考]
聖ジョルジュの剣は鳴海の左腕に最初からついていますので支給品ではありません
参戦時期はサハラ編第19幕「休憩」後です
サハラ編から参戦しているので勝、しろがねについての記憶は殆どありません
投下終了。
支援感謝します。
矛盾、誤字などの指摘をお願いします。
たぶん文を書き換えた時の消し忘れだと思うけど、
>>760の四行目が「振り向き鳴海のほうを向くと、」になってます。
すごくGJ
アカギが結構いい味出している
(しかし学校にとどまってかがみと合流してほしかったと少し思った)
水と火というたとえがすごく納得できた。
本当に乙です
>>772 ミスったorz
Wikiに乗ったときに修正します。
乙です
難しいコンビですが違和感なくできてます
繁華街にもってったのもGJかな?
GJです。
>>757 アカギが些細なことから凄い読みをする。
↓
「何故そんなことが分かったんだ?!」
↓
種明かし。
↓
「しかし〜の可能性もあるだろう?」
↓
「だとしても問題ない……〜だからだ」or「だとしたら死ぬだけだ……」
確立に基づいた危険性の場合は後者。何気に幸運スキル持ちだから。
基本的にこの流れだからなあ。
頭の回転が異常に早くて、相手の盲点を突いたり思考の裏を掻くのが上手いってのがまた……
ラノの佐山を書ける人なら問題なく書けるんだろうか?
問題ないと思いますが・・・長年のアカギファンから見るとアカギが思考を
語るのは、ちょっと違和感を感じます(あいつ基本的に結果とその考察を語る
タイプだから) でもそれは、物語の性質上しかたない範囲ですし、ともあれ
GJでした
乙です。
しかしグリモルディはトランクに入るのだろーか…?
からくり屋敷編にしろ真夜中のサーカス編にしろ、
あれだけはデカすぎて入らんような気が…。
鳴海は天っぽい。
最後の最後でピエロktkr
いつか誰かがきっとやってくれると思ったぜ
でも、フウが、絡んでないのにピエロとはこれいかに?
覚悟のススメをみたが、カオスだったなww
正直、俺には合わなかったかもしれない。
>>778 サイズの整合性は気にしたら負けだって藤田が言ってた(マンバに対してだけど)
>>783 俺も十巻まで読んだけどカオスは言い過ぎかと…。
でもまぁ戦術鬼は結構アレだったけどw
最近、wikiの更新が遅いな
>>785 覚悟のススメ大好きな俺だが
とりあえず最終巻を読めwありゃ、確かにカオスと言われても仕方ねえw
終盤は実際、好き嫌い別れるみたいだからなぁ
俺は燃えたけどね
ところで一つ言っていいか?
お前らコナンと新八いんの覚えてる?
勝とエレオノールのことも思い出してやってください…
まて、素数を数えて落ち着け俺。
今現在で予約の入ってないキャラ誰だ?
後は勝、エレオノール、コナン、新八の四人だね。
所で作品が投下されるまでの雑談のネタでも考えない?
個人的にはアニロワでやってた様な以前の作品(バトル作品限定とか第一回放送までの深夜の作品限定とかお題をきめて)
のベスト3をコメントを付けて投票する。
んで上位の作品はwikiに「漫画キャラバトルロワイアル住人が選ぶお勧め作品」みたいな題名の項目に乗せるとかは?
書き手のやる気の上昇にも繋がると思うし。
実際自分の作品がどこまで頑張れるか気になっているのでw
>>793 おおサンクス。
どれもネタが浮かばないから、もちっと静観かなw
あと、盛り上げるネタはやりたいね。投票はいいかもしれない。
投下や感想と混ざってごちゃごっちゃになってしまうと大変だから、したらばで投票かな?
うん、やるならしたらばで新しいスレでやりたいけど人が集まるかが不安…。
自分も同じく静観、ネタが出ない出ないw
というか最近人少ないと思うのは自分だけかなぁ…。
人がいないのは同感
本スレも死者スレも過疎状態
お盆だから?
やっぱお盆だからかなぁ…?
大学生で親と同居してる自分には特に関係ないけどw
予約期間の延長をお願いします。
>>798 了解です。体調に気をつけて頑張って下さい。
>>798 お疲れ様です。無理はせず、自分なりのペースで大丈夫なので頑張って下さい。
夏に勉強するのは受験生だ
夏にSSを書くのはよく訓練された受験生だ
ほんと受験は地獄だぜ
というわけでVAです。最低気温が30度を超えるこの猛暑、皆様どの様にお過ごしでしょうか?
本題です
まず、前回投下の当SS【Justice to Believe】作中に置ける劉鳳の『剛なる左拳』『剛なる右拳』なのですが、ご指摘の通り漫画版にその技はありません。作者が完全に一部をアニメと混同しておりました
ここに読み手方、書き手方、ロワに関わる全ての方にお詫び申し上げます。ごめんなさい
さて、その扱いですが、これまたご指摘の通り『「剛なる左拳」「剛なる右拳」という名の「主腕」を飛ばす技(ロケットパンチに名前を付けた)』ということで何卒お願い申し上げます。誠に申し訳ありません
そして次に、エレオノール 才賀勝 の予約をさせて頂きたく存じ上げます
そして最後に、まとめwikiの更新お疲れ様です、という感謝の言葉を
>>802 それでいいでしょう。漫画版でもネーミングセンスは変わらないってことでw
予約来た!これであとはメガネ2人だけ。
いや〜初めてwiki編集やってみましたが結構苦労しましたw
皆さんチェックお願いします。
>>802 対応GJです。そんな感じで良いと思いますよ。
勝、エレオノール期待してます!自分もネタが思いついたら頑張ります。
どういたしまして〜。
んで、現在位置を編集してみたんだが、こなたと鳴海が重なってしまった。
よくよく考えると、重なってもちゃんと読めるから、問題なさそうって事でこのままにしてみようと思う。
んで、
>>804さんと同じく、皆さんのチェック希望
アカギかっこよすぎるw
アカギなら人形をすぐに操っても全然気にならないな。
気にしろよ……
俺も気にならないなw
コナン、新八、マリア、吉良、銀時、ジグマール、覚悟、ルイズ
投下します。
多分支援不要です。
僕とコナン君は放送により、毛利小五郎の死を知った。
僕にとって、毛利小五郎氏は会った事も無い人物だ。だから、悲しみと言っても決して深くない。
でも……隣にいるコナン君の悲しみは相当のものだ。
(やっぱり、落ち込んでるよな……)
コナン君に聞いたところだと、行く場所も無い幼児の身元を引き受け、寝食の場所を与えたのは毛利小五郎。
金銭面で若干の下心があったらしいが、それでもコナン君の生活にとって欠かす事の出来ない人物だったろう。
(何とかして、元気付けないと駄目だよな。僕は年長者なんだし)
「ねぇ、コナン君。もしかしたらさ……もしかしたらだよ」
「もしかしたら、小五郎おじさんが生きてるかもって言うんでしょ? それは考えたけどほとんど不可能だよ」
コンコンと、首輪を叩きながらコナン君はつぶやく。
「いい、新八兄ちゃん。あのおじいさんはどうやって死亡者を調べたと思う?」
「それは……どうやったんだろう?」
「例えば、この町に監視カメラや盗聴器を仕掛けて状況を観察してもいいけど、これだけじゃ人の死は確認できないよね」
「……」
「とすると、彼は別の手段で人の死を確認してるんだよ」
再び、コナン君は首輪を叩く。
「全員に行き渡っている首輪を使ってね。首輪に何らかのセンサー、恐らくは体温計や脈拍計を仕掛けておいて参加者の状態を監視してるんだよ」
「でも、監視カメラを仕掛けておけば十分じゃない?」
「無理だよ。SFなんかでありがちな、移動式の超小型カメラでもあれば話は別だろうけど、
普通のカメラの場合常識的には固定式のものでしょ。そうすると、監視できる場所に限りが出てくるわけで、
カメラ以外の手段を用いる必要が出てくる。だから、首輪で監視するのが一番自然なんだよ」
「な、なるほど……」
「んで、人間の死を確認するわけだから体温計か脈拍計、あるいはその両方を使ってるって事になるわけ。
そこまで考えると、さっきの放送が間違えているとすれば、首輪がどうにかなったと考えるしかない。
首輪を破壊するか、外すか、そこまでしなくてもセンサー部分を壊せば自分が死んだと誤認させることが出来る」
「って事は、毛利さんは生きてる可能性があるわけだね」
彼は首を振って否定した。
「これをやるには、首輪の構造を調べるほか無い。首輪がどういう仕組みで動いているのかも分からずやろうとした場合、
自分の命を落とす危険がある」
「でも、逆に言えば首輪の構造を調べればできるって事だよね」
「構造を調べても、理解してキチンと扱えなきゃ出来るわけがないよ。それなりの専門知識がないと」
「でもさ、毛利さんは名探偵なんでしょ。だったら、可能性はあるじゃないか」
「無理だって、あの迷探偵にはさ……」
「確かに、限りなく低い可能性かもしれないけど、でもさ……」
「だから、無理だって言ってんだろ!!」
突然、コナン君が激昂した。
そのとたん、僕は自分のうかつさに気づいた。
「ご、ゴメン。君の気持ちも考えずに……」
「俺だって、おっちゃんが生きてる可能性を信じたいぜ……でもよ、出来ない事を除いていって最後に残ったものが、
どれだけ信じられなくても真実なんだ。だから、毛利小五郎は死んだって考えるほか無いんだよ」
僕なんかよりもはるかに賢いコナン君がそう結論付けたのだから、
毛利さんは死んだって考えるのが妥当なんだろう。
そんな事を考えているときだった……
「ちょっと、アンタたち煩いわよ」
突然聞こえてきた声にはっとなる。
(そうだ、今は殺し合いをしてるんじゃないか)
「全く、見つけたのが私たちだから良かったようなものの……」
「ルイズさんの言うとおりだ。ここは戦場、むやみに叫び声をあげてはいけない」
◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆
おはようございます。皆さん。
コーヒーを飲みながら、私と吉良さん、坂田さんの三人は今後の方針について話し合っています。
先ほど、給湯室に向かう途中で見つけた医療器具についても織り交ぜながらの議論です。
「すると、マリアさんは給湯室に向かう途中で各種の医療器具を見つけたと……」
「えぇ、さすがに病院だけあって充実した設備でしたわ」
「看護婦の制服はあった?」
「まだ女性を外見で判断する気か!」
あらあら、ずいぶんと特殊な仲になってしまったようですね。この二人は。
ハヤテ君がいたら、『仲のいい』二人に見えるんでしょうか。でも、私はそう見ませんよ。
なんてったって、常識人ですから。えぇ、この中で一番の常識人ですから。
「まぁまぁ、二人とも落ち着いて。とりあえず、食事が終わったら医療機器を見学しに行きましょう。
今後の方針を決める判断材料になると思いますし」
「賛成ですね。しかし……マリアさん。この坂田という男はどうにも信用できないというか……」
(あらあら)
「いや、別に俺は真面目にやってるつもりなんですけど」
(あらあら、まぁまぁ)
「ともかく、今後の方針を決定するというのなら、まずはこの男を何とか」
「んもう、吉良さん。こんな場面なんですから、そんな事言わないでください」
やっぱり、私が一番の常識人ですね。
私たち三人は美形さんを病室に寝かせておき、病院にある医療器具を見に行きます。
「凄いな……縫合用の針や糸。消毒薬や抗生物質、果てはペースメーカーまで……」
「こっちには糖尿病の薬もありますよ」
「これは輸血用の機械かな」
これだけあれば、重症の患者でも十分に治療できそうですね。
「確かに、十分な機器が揃っているようだが、医者がいなければ無意味じゃないか?」
「でも、誰か医療知識を持ってる人もいるかも知れませんよ。どっちにしても、これだけあれば大助かりじゃないですか」
「いや、しかし……」
吉良さんは、まだ何か言いたそうにしています。
一体、この状況に何の問題があるのでしょうか。
そりゃ、殺しあえって言われて十分な医療器具があるって言うのも怪しい気がしますけど、
ここは仕方ないのではないでしょうか。
「んでもさ、マリアさん。なんか、足りなくね?」
坂田さんも何か言いたそうです。言われてみると、確かに『何か』が足りない気がします。
一体何が足りないんでしょうか。
でも、たとえ何が足りて無くても、これだけの医療器具をみすみす見逃す手は無いと思うんですけど。
「まぁ、何が足りないかは後で考えるとして、まずは美形さんの治療をしましょう」
色々考える事は多いですけど、今は出来る事から着実にやっていくべきですよね。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆
「つまり、アンタたちはミスタ・モウリが生きてるかどうかで揉めてた訳?」
「うん」
「あっきれた。そんな事で言い争う必要なんか無いじゃない」
「ゴメン……」
「謝るような事ではないが、今後は気をつけたほうがいい」
覚悟と名乗った男性は一呼吸置いて、話を続ける。
「今から君たちの身柄はルイズさんが守る。私は悪鬼を倒してくるから、安心してここで待っていなさい」
「ちょ、カクゴ、私が守るって……」
「零式防衛術を極めたこの身は、力なき人々のためのもの。必ず、君たちを生還させてみせる。
それとルイズさん。貴方は魔法が使える方だ。女性にこのような事を頼むのは気が引けるが、彼らを守ってやってくれないだろうか」
「私は……魔法が使えるって言っても……」
「無論、戦闘になったらすぐに逃げてほしい。だが、この少年たちを守るためには誰かが必要なんだ」
「うん……」
彼らは魔法とか、零式防衛術とか、聞いた事も無い言葉を使っている。
いや、実際には魔法って言葉を聞いた事ならある。でもそれは、空想の中の話だ。
一体、彼らは何の話をしているんだ。
「ねぇ、覚悟さん。その前に僕たちにも分かるように説明して。魔法とか、零式防衛術とか僕にはチンプンカンプンだよ」
「あぁすまない。零式防衛術とは……」
覚悟は、俺と新八に零式防衛術の説明をする。
因果と言われるカウンターの話、体内に埋め込まれた鉄球の話、強化外骨格と言われる鎧の話。
そして、彼は使えないそうだが、零式防衛術奥義『螺旋』の話。
全てが俺にとって信じられないものばかりだ。
けれど、俺自身オーバーテクノロジーとも言える薬品を飲んで幼児化したわけだし、
ここに連れて来られてから一番先に確認した紙も魔法のような効果を持っていた。
とすれば、彼は決して嘘を言っていないのか? この事は後で確認する必要があるよな。
「君たちは、この場では猛獣の檻に閉じ込められた兎にも等しい存在。私のような人間が、悪鬼を倒し守る必要がある」
「ねぇ、覚悟さん。『悪鬼を倒す』ってどういう意味? それと、覚悟さんの全身の傷……」
「ここには、君たちを殺す殺人鬼が多数紛れ込んでいる。私の兄散を含めて……」
「それを倒す、つまり殺すって事だね?」
「そういうことになる」
「バーロー、つまりアンタは自分の兄貴も殺すつもりって事か? それで人々を守るって、何言ってんだよ!」
人殺しだけは絶対やってはいけないタブー。最悪のレッドカードなんだ。
たとえ、どんな理由があったとしてもな。
「無論、私とて殺したくて、殺すわけではない。だが、止むを得ない場合はこの身を人々のために捧げる」
「聞こえはいいけど、要は単なる人殺しでしょ。それにその傷があるってことは、既に一人以上殺してきたって事だよね?」
「直接ではないが、確かに殺した事になる」
「あれはね、仕方なかったのよ。あんなの人間じゃないんだから、全身金色の獣みたいな姿しててさ……」
「それは動物だったの?」
「いや、恐らくは人間だ」
「だったら、殺人じゃない」
「何言ってるのよ、アレは人間じゃないって言ってるでしょ。見てもないくせに偉そうな事言ってるんじゃないわよ」
「ルイズさん、殺人ってのは、どんな場合でもやっちゃいけないんだ。
その獣が人間だったかどうかなんて、僕には分からないけど、結論が出るまでは殺しは避けるべきだよ」
「それで、私たちに殺されろって言うの? 実際に、スギムラが殺されたのよ。その怪物にね」
「その怪物が殺しをしたのなら、それを裁くのは法律を学んだ裁判官だよ」
「そんな事、あの場にいたら絶対に言えないわよ」
「信じてもらえないかもしれないが、あの場では怪人を退治するよりほかは無かったんだ」
俺も場所が場所だから、緊急避難的な殺人が起こりえる事は承知している。
それに、覚悟とルイズが嘘をついているとも思えない。
2人が嘘をついていたとしたら、2人が共犯である可能性しかないわけだが、2人とも俺や新八のように
知り合って間が無いわけだから、その可能性は限りなく低い。
とすれば、実際に件の殺人(殺獣?)事件は避けられない出来事だったのだろう。
けれど、今の覚悟は自分から積極的に悪鬼を倒しに行くといっている。つまり、殺人をしに。
それだけは見逃せねぇ。
「ね、ねぇ……難しい話してるところ申し訳ないんだけど、ここには覚悟君の治療をしに来たんでしょ。
だったら、どっちにしても今すぐ病室に移動しない?」
新八が話題を変えてくれた。
ハハッ、正直助かったぜ。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆
「つまり、覚悟さんは汚染された東京に現れた戦術鬼を駆逐するためにガラン城に向かって現人鬼・散君を倒すために闘っている方で、
新八さんは天人が蔓延る世の中で、万屋でバイトをしながら宇宙一の戦闘民族と共に生活する少年で、
ルイズさんはハルケギニアの貴族で魔法使いの学校に通いながら、勉強する方という事でよろしいですね」
つい先ほど出会ったばかりの三人から、僕らに生暖かい視線が注がれる。
その三人の名前はマリアさん、吉良さん、銀さん……って。
「アンタはこっちサイドの人間だろうが!」
「よぉ、新八元気そうじゃねぇか」
「気づくの遅えぇっての。マリアさん、こいつが諸悪の根源、万屋の…… 「何言ってんすか、店長」
「おめぇが店長だろうが!」
「あらあら、コナン君も大変そうですね」
「あ、うん。そんなに大変でもないけど……」
マリアさん、笑顔なのに一ミリも笑ってませんよ。
「コナン君の助けになればいいのですが、この病院には色々なお薬がありますので、患者さんに全部飲ませておいてください」
「って、誰が患者さんですか。信じてくださいよ、天人は本当に地球に襲来してるんです」
「大丈夫ですよ、新八さん。神様はきっと新八さんも見捨てませんから……」
駄目だこの人、早く何とかしないと。
「マリアさん。僕だって信じられない話だけど、恐らく彼らは嘘をついていないよ」
「駄目よコナン君。悪い大人の言う事を信じたら」
僕らは悪い大人ですか、マリアさん。
「いや、実際に彼らの言ってる事を信じると筋が通る事がいくつも出てくるんだよ……」
「あら、大変。子供用のお薬はあったかしら……」
「マリアさん、この年頃の男の子は宇宙人とか信じやすいっすから」
「おめぇは宇宙人と生活してるだろうが!」
「あ、彼は気にしないでいいよ。それと薬やるんなら、メイド服からこのナース服に着替えてくれないかな?」
「それが狙いか!」
「僕の話を聞いて!!」
コナン君の叫び声と同時に、病院の窓ガラスが砕け散る。覚悟さんが叩き割ったらしい。
「いい、これから話すことを落ち着いて聞いてほしい。色々と思うことはあるだろうけど、現状から推測できる最も確かな事を話すからね」
覚悟さんの力と、コナン君の神妙な表情を見て、さすがに全員黙るしかなかったようだ。
それを確認し、コナン君は話を続けていく。
「まず、皆も既に確認していると思うけど、魔法の紙は見たよね。何でも入ってしまう特殊な紙だよ。
あの紙が既に魔法や特殊能力、もしくはそれに近い何かによって構成されているものだと思うよ」
「でも、紙から何か出ただけでそう結論するのは早すぎると思いますけど……」
「もちろん、あの紙だけなら、そんな結論は出せないよ。僕たちが知らないだけで科学的に説明のつくものかも知れないしね。
でも、ここにはそれ以外にも特殊な事があるんだよ」
一旦、咳払いをして間を空ける。
「まず、殺し合いの会場に選ばれたこの街を見てほしい。ごくありふれた日本の街だけど、一目見ておかしい所があるでしょ?」
「特に見当たらないが……」
「この街には僕たち以外の誰もいないんだよ」
「そう言われてみれば……」
言われた瞬間、当たり前すぎる事にやっと気づかされた。
今まで街に人がいるとか、いないとかは特に意識していなかったから何の疑問も浮かばなかったけど、よく考えれば確かに異常な事態だ。
「特殊な事はこれだけじゃないよ。僕たちが連れてこられた事だってそうさ。
僕はいつものように探偵事務所で眠っていると突然あの部屋にいたわけだけど、皆も似たようなものじゃないかな」
「私は、お屋敷で寝ていると突然あそこに連れ込まれていましたね」
「日常生活をしていて、突然連れ去られるなんて事件は確かに時々起きるよ。でも、それが一度に数十人おきるってのはいくらなんでも出来すぎだよ」
「でも、街に人がいないことも、突然大人数が連れ去られる事も、決して魔法や宇宙人ほど特殊ではないと思うんですけど」
宇宙人はそんなに特殊な事なんですか。
「いや、一つ一つの事柄だけなら言うほど不思議ではないと思うけどね。まだ特殊な事態は続くんだよ。
例えば、さっき吉良さんはこの町を『特におかしいところのない街』だって言ったけど、でも他の人から見てもそうかな?」
「私は、さっきゲームセンターっていうものを見たけど、あんなの生まれてはじめて見たわ。カクゴもそう言ってたわよ」
「でも、世の中には新幹線や一円玉を見たことがないお嬢様もいることですし、初めて見たってだけでは……」
「でも僕も市役所ってのを生まれてはじめて見ましたけど」
「分からない奴だな、生まれてはじめてみたとかいう話だけでは宇宙人や魔法を認める証拠にはなり得ないと言ってるんだよ」
だから、宇宙人ってそんなに特殊なんですか。
「確かに魔法や宇宙人なんてものを認めるってのは行き過ぎてるかもしれない。
ただ、ここで言いたいのは、それと同レベルに異常な事態が既に起きているって事なんだよ」
って、コナン君、ここまで言っといてそれはないんじゃないですか?
「魔法や宇宙人ってのは、あくまで言葉の問題であって、あの紙レベルの特殊な現象が起こせるものが『魔法』って考えれば既に僕たちは一度見てるわけでしょ。
宇宙人だって……これはまだ言えないけど、ある特殊な人って考えれば理解できなくないよ」
そのまんま宇宙人って意味だったんですけど……
「まぁ、確かにそのレベルであれば、理解できなくもありませんが……世の中にはガ●ダムみたいな執事もいることですし」
それ十分宇宙人より特殊ですから。
「ここではそのレベルの異常現象、あるいはそれ以上の異常が起こりえるって事だよ」
「魔法や宇宙人というのは、あくまでその異常を表現する比喩に過ぎず、言葉どおりに考えるなという事か」
「そういうこと。実際僕たちに異常現象が起こっているんだから、彼らの言葉を嘘だって断定するのは早計過ぎるよ」
「うーん……」
マリアさんや、吉良さんはまだ信じられないと言った顔をしています。
むしろ、僕から見れば宇宙人をそこまで頑なに否定するあなた達の方が理解できないんですけど。
「とにかく、そう言った異常事態が起こりえる場所だって事を認識した上で、これからは行動しなきゃいけない。その事だけは分かってほしいんだよ」
「まぁ、そういう事でしたら……」
結局、宇宙人や魔法というものは信じてもらえなかったらしい。
釈然としない感覚だけが残って、悔しいけど実際に天人を見たことなかった人に、宇宙人の話をしたところで
反応としては、こんなものだろうから諦めるしかないんだろうな。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆
我々は先ほど合流した四人と共に、葉隠覚悟の治療を開始することにした。
ちなみに、この少年はマリアさんが探していた人物の一人らしいが、少々頭に疑問が残るので、『探していた』という事は秘密にしてある。
あと、言い忘れたが美形の方は既に治療を終え三階の病室で寝かせているところだ。
「んじゃ、今から治療を始めるけど。その前に覚悟さんに言っておくことがあるよ」
コナンと名乗った少年は、消毒薬や包帯を隣におき患者に向かって発言する。
「さっき、覚悟さんは『悪鬼を倒す』って言ってたけど、今後は自分の生命が脅かされない限りそれをやめてほしい」
「ちょっと、アンタまだそれを言う…… 「ルイズさん、待つんだ」
「いい覚悟さん。覚悟さんから見て、『悪鬼』と呼べるほどの者であったとしても、それが本当に悪鬼かどうかなんてのは分からないはずだよ。
正義には様々な形があり、覚悟さんの正義だけが全てじゃない。だから、覚悟さんが『悪鬼』だって思う相手も見方を変えればそうじゃなくなる可能性がある」
「アンタはね、アイツを見てないからそんな事が言えるのよ」
「確かに僕は、その危険生物を見ていない。だから、覚悟さんにどうしても悪鬼を倒すなとまでは言わないよ。
生命の危険がある場合のみ、それをしてもいいと思っている。でも、思想の違いやその他の違いで殺すんなら、結局覚悟さんも殺人鬼に変わりないよ」
「……」
「だから、約束してほしい今後は自分の命が脅かされない限り『悪鬼を倒さない』とね」
「残念だが、その約束は出来ない」
「どうして?」
「私の身は、力なき人々のためのもの。だから、私が守るべき者たちの命が脅かされた場合にも悪鬼を倒す」
「命の重さを天秤にかけるって言うの」
「そうは言ってない」
「守るべき人と、そうでない人を分けて悪鬼を倒すというのなら、同じことだよ。
人を守るためって言い訳をしても、殺しちゃったら殺人鬼と変わらない。人には命の重さなんて絶対に計れないんだ。
命の重さを計って、それによって悪鬼か守るべき人かを区別するなんてのは結局殺人鬼の思想と同じものだよ」
コナン君とは面白いことを言う少年だな。
きわめて強い正義感の持ち主のようだ。絶対に人殺しを認めないとは、立派な心構えだよ。
それがスタンド使いという特殊能力者を見た後にも続けば素敵なものだがねぇ。
「分かった。コナン君。たとえ相手が悪鬼であったとしても殺しはしないと約束しよう。
だが、二つ条件がある。一つはこちら側の生命が危機に瀕した場合の迎撃は認めてほしい。
もう一つ、味方を守るための最低限の武力行使だけはいかなる場合も許可してほしい」
「最低限の武力行使ってのは、相手を殺さない範囲でってことだよね?」
「無論だ」
しばしの間、沈黙が流れる。
コナン君、覚悟ともに様々なことを思考しているだろう。
両者の思惑は、形式上コナン君の思惑が通ったと思って良さそうだな。
しかし、覚悟も本当に約束を守るかどうか……
「んじゃ、契約成立って事で今から覚悟さんの治療を始めるよ。
消毒や包帯は僕がやるから、他の人は血圧計とクロスマッチ用の器具を持ってきてくれるかな」
クロスマッチだと? まさか、こいつ輸血をやるつもりか。
単なる消毒や抗生物質投与なら、まだ分かるが、輸血となると話が変わってくる。
そう、この病院には様々な医療器具が用意されているが、実は輸血用の血液は一つもない。
だから、輸血が必要な患者に出会った場合、誰かの血液を消費して治療する必要が出てくる。
しかし、一度や二度の輸血なら構わないとしても、何度も輸血していれば当然、血液不足の事態になる。
なんせ、血液は全参加者分しかないんだからな。
だから、輸血はしたら駄目なんだ。健康な人間さえも治療のために害していくことになる。
輸血せずに、他の方法で治療すべきなんだ。
私がそんなことを考えている最中にも、コナン君は手際よく覚悟の傷口を消毒し、縫合し、包帯を巻いていく。
『ハワイで親父に教わった』だと……もっと年齢相応の技術を身につけろよ。
それで、この吉良の血液を奪うようなことがあれば貴様絶対に許さんぞ。
マリアさんが血圧計とクロスマッチ試験用の器具を持ってくる。
ちなみに、クロスマッチとは、輸血前に行う検査のことで患者の血液と輸血用血液が適合しているかどうかを確認するものだ。
Rh型が確認できない等の点で、完璧なテストではないが、ほぼ確実に適合性を見ることができると言ってもいいだろう。
「んじゃ、覚悟さん血圧を測るからね」
コナンは再度慣れた手つきで血圧計を操る。
こいつはこれで小学一年生だというのか? 見た目は確かにそうだが、看護士だといわれたほうがまだ説得力があるぞ。
「やっぱり、この血圧だったら輸血が必要になるよな。ねぇ、皆血液型を教えてくれないかな? 僕はA型だけど」
ふざけるな。
これでは、私の血液をとられる恐れが出てくるじゃないか。
血を失った患者など放って置けばいいだろうが。
「私はO型ですわ」
「私もA型だ」
渋々、答えざるを得ない。だが、考えろ。献血を断る言い訳を考えておくんだ。
「っていうか、血液型って何?」
「僕も分かりませんけど……」
「私も聞いたことがないわ」
何だと貴様ら。血液型を知らないって、一体どこの人間だ。
「知らないか……クロスマッチはあくまで最終確認だし、それじゃ使えないね。んじゃ、覚悟さんの血液型は?」
「A型だ……。だが、コナン君、私は輸血までは望んでいない。これだけの治療で十分だ」
良くぞ言った。そのとおりだ。
「でも、その状態じゃ、すぐに死んじゃうよ」
「しかし、私のために吉良さんの血液を奪うわけには行かぬ」
「確かに私も、初対面の男のために自分の血液をあげるというのは抵抗を感じるな……
かと言って、6歳児のコナン君に血を渡せというのも言えないし」
きわめて自然な流れで輸血拒否を切り出せた。
「でも、輸血をしないとカクゴが死ぬんでしょ……」
「確かに……少しぐらい血を抜いても吉良さんなら大丈夫に見えますし」
だからと言って、私から血液を取ろうというのか。
どうする、何度も拒否を続ければ、たとえそれが自然であったとしても彼らとの確執は避けられない。
そうなれば、私の平穏な生活に『敵』を作ることになる。
しかし、だからと言って簡単に輸血を認めるわけにも……
たとえ数百CCの血液であったとしても、体から抜けてしまえば数日は体に異変を残す場合もある。
だから、あまり輸血は望ましくないんだ。考えろ、考えるんだ。この事態を切り抜ける策を、考えるんだ。
「女性陣にそう言われると、仕方ないな……私の血液を覚悟君に渡すほかないか」
「吉良さん、私にそこまでの治療は不要だ」
この場で私の味方をしてくれているのは覚悟一人のようだな。
このまま押していけば、案外彼が拒否してくれて自然な流れが作れる可能性がある。
「しかし、覚悟君。君は見たところ酷い重傷じゃないか、そのような状況では人々を守ることなど出来まい。
最初に言っただろう? 『牙を持たぬ人を守り、貴様を討つことを宣言しよう』と、その言葉を守るためにはここで治療を受ける必要があるな」
人は押せば押すほど、引く性質がある。
特に最初から輸血に否定的だった彼の場合、私が一転して輸血肯定派に回れば拒絶反応を示すはずだ。
「輸血不要。この身は零式防衛術を極めたもの。そのような治療なくとも、最善の力を尽くすことが出来る」
「でも、同じ零式防衛術の散君もいますし、用心に越したことはないのでは?」
「現人鬼、散は恐るべきものなれど、当方に迎撃の容易あり。負ける戦はせぬ」
「嘘言わないでよ、今のカクゴには迎撃の容易なんてないでしょ」
「ルイズさん、アナタに心配はかけない」
「もうとっくにかけてるのよ、お願いだから無茶言わないでよ」
「……」
ルイズの説得により、カクゴは一瞬沈黙する。
まさか、このまま輸血を認めるなどと言わないだろうな。この私も一度は認めてしまったんだぞ。
否定しろ、絶対に否定しろ。
そうでなければならん。
「覚悟さん、俺は人殺しには否定的だけど、だからって言って覚悟さんに今の武力のまま戦ってほしいとは思わない。
最低限の力がないまま、アンタを戦場に向かわせてしまったら、それは結局アンタを見殺したことになるだけだ」
「俺も輸血を受けるべきだと思うぜ、それすりゃ治るんでしょ?」
「……仕方ないな。では、皆の善意を有り難く頂戴いたす」
な、なんだと!!
貴様、ここまで来て輸血を受けるというのか。この私から血液を奪い去るというのか。
落ち着け、考えろ。まだ大丈夫だ。ちょっとやそっと血を抜かれたところで、私にはキラー・クイーンがある。
だから、大丈夫なんだ……
いや、待てよ。キラー・クイーン。そうだ、私にはキラー・クイーンがあるじゃないか。
「よく、輸血を受けると言ってくれたね。では、コナン君、私の血と覚悟君の血をクロスマッチで調べよう」
「あぁ、んじゃ採血するよ」
コナン君は慣れた手つきで私の血管を調べている。
「そういえば、先ほどは言い忘れたんだが、支給品が入っていたあの『紙』について、私に一つの考えがあるんだが」
「何か、吉良さんの知っているものにあの『紙』があるの」
「直接ではないが、それに近いものを知っていてね、スタンド能力というものだ」
駆血帯を私の腕に巻きながら、コナン君は興味深そうにこちらの話を聞いてくる。
「その人それぞれに異なる能力が現れるものなんだが、ある殺人鬼は物体を爆弾に変化させる能力を持っていたらしい」
「それ本当なの?」
「確かな筋からの情報だよ」
情報源は私自身なのだからね。
「それに物を重くする能力を持ってる人間もいたりする。だから、『紙』の中に荷物を隠せる能力者がいたっていいはずだ」
「話が繋がっていかないよ。仮に吉良さんの話が本当だとしても、物を重くするのと、『紙』に隠すのじゃだいぶ違うと思うよ」
「あくまで可能性の一つだよ。スタンド能力というのがあるのを覚えておいてもらいたい。
ところで、皆はスタンド能力というのを聞いたことがあるかな。守護霊のように傍に立つものと言われ、『スタンド・バイ・ミー』から来ている言葉だ」
「そんな事、聞いたことないけど」
「何もないところから、自分の分身を作り出す能力と言ってもいいかな」
コナン君は採血管に私の血液を数CC採っている。
本来なら、スタンド能力の話など絶対にしたくないのだが、ここはもうそんな事を言っていられない。
周りの人間がスタンド使いかどうか、実際に話してみればその反応で分かるというもの。
否定的なコナン君は違う。何のことか分からないという表情の覚悟、坂田、志村、マリアさんも違うと見ていいだろう。
問題は、ルイズか。
「分身かどうか分からないけど、ゴーレムを作る魔法なら知ってるわよ」
「そのゴーレムというのは、どんな奴だい?」
「えっとね……」
ルイズは慣れない口調で、説明を続けていく。
説明の内容から、どう考えても、ゴーレムがスタンドとは違うものであることを私は理解した。
そうこうしているうちに、コナン君はクロスマッチを終え輸血の準備を進めている。
しかし、ゴーレムがスタンドでないとするとだ。ここには一人もスタンド使いがいないということになる。
いないということは、つまり……
「覚悟君、もうすぐ私の血を君に渡すことが出来る」
「かたじけない」
つまり、私がここでキラー・クイーンを出しても誰にも見えないということだ。
後は覚悟の首輪を爆弾に変えれば、あの老人のせいにして覚悟を葬れるというもの。
「礼はいらないよ、君は我々のために闘うといってくれたのだからね」
キラー・クイーン、第一の爆弾。さぁ、死ね。
「え、何ですかあれは?」 「吉良さんそれは一体……」
なんだと、どういうことだ。キラー・クイーンが見えているというのか、貴様ら。まさか全員スタンド使いだというつもりか。
「え、いや……こ、これは……」
構うものか、たとえスタンドが見えたところで首輪が爆発すれば老人の仕業と考えるしかない。
キラー・クイーン、首輪を爆弾に変えるんだ。
「避けてカクゴ!!」
キラー・クイーンの腕が伸びる。覚悟がベッドから飛び上がるように、逃げる。
ルイズが私の体に飛び掛る。私は彼女の体を引き剥がす。キラー・クイーンは覚悟の首輪を外し、彼が寝ていたベッドを爆弾に変えてしまう。
そして、そのままルイズの体がベッドに乗ってしまった。
「し、しまった……」
気がついたときには既に遅い。私は反射的にスイッチを押してしまい、ベッドを爆破させてしまった……
小規模の爆発と、煙が周囲を覆う。周りにいる全員が事態を把握できないといった感じだ。
まずい、まずい、これでは、私が殺人鬼になってしまうじゃないか。
収まった煙の中から現れたのは、かつてルイズだった物体。爆発により、全身黒焦げになったそれはもはや人の姿をしていなかった。
【ルイズ@ゼロの使い魔 死亡】
【F-4 病院2F 1日目 午前】
【志村新八@銀魂】
[状態]:健康、軽い混乱
[装備]:大阪名物ハリセンちょっぷ
[道具]:基本支給品、陵桜学園高等部のセーラー服@らき☆すた
[思考]基本:コナン君と行動して、仲間を集める。
1:神楽ちゃん、桂さん、コナン君の知り合い(灰原哀、服部平次)と合流する。
2:ゲームからの脱出
3:何が起こったのか分かっていない。
[備考]
※爆破の原因や、吉良のスタンドなどについては何も分かっていません。
【江戸川コナン@名探偵コナン】
[状態]:健康
[装備]:ヌンチャク@北斗の拳
[道具]:基本支給品、スーパーエイジャ@ジョジョの奇妙な冒険、鷲巣麻雀セット@アカギ
[思考] 基本:新八と行動して、仲間を集める。
1:灰原哀、服部平次、新八の知り合い(神楽、桂小太郎)と合流する。
2:吉良を危険人物と認識。
3:ゲームからの脱出
[備考1]:メガネ、蝶ネクタイ、シューズは全て何の効力もない普通のグッズを装備しています。
[備考2]:自分達の世界以外の人間が連れてこられていると薄々感づきました。
[備考3]:新八のいう天人やルイズの言う魔法をあまり信じていませんが、嘘でもないと思っています。
【コナンの考察】
知り合いは分散するように配置されている可能性が高い
マップ中心に人が集まる可能性が高い(特にマーダーが多い)
【吉良吉影@ジョジョの奇妙な冒険】
[状態]:健康+かなりの焦り
[装備]:本部の鎖鎌@グラップラー刃牙 アラミド繊維内蔵ライター@グラップラー刃牙(未開封)
法儀礼済みボールベアリングのクレイモア地雷(リモコン付き)@HELLSING(未開封)
[道具]:支給品一式
[思考]
基本:普段どおり平穏に過ごす。
1:マリアの手が気になるが今の所は手を出すつもりは無い。
2:自身を追うもの、狙うもの、探るものなど自身の『平穏な生活』の妨げになると判断した者は容赦なく『始末』する。
3:できる限り力無き一般人を演じる。
4:マリアを傷つけるかもしれない輩も皆殺し。
5:美味しいもの(マリア)は最後までとっておく。
6:もし脱出できるのであればしたい。マリアの手を手に入れてから
7:自分がスタンド使いであることは極力隠しておきたいが、ばれてしまった場合は『始末』も止むを得ない。
[備考]
※『バイツァ・ダスト』拾得直後からの参戦です。
※承太郎が殺し合いに参加していることに気づいていません。
※スタンドの能力制限や『バイツァ・ダスト』が使用不可能であることに気づいていません。
ゆえに、スタンド使い以外にスタンドが見えることに気づいていません。
※コナン、新八、マリア、覚悟、銀時がスタンド使いであると認識しました。
【マリア@ハヤテのごとく】
[状態]:健康
[装備]:沖田のバズーカ@銀魂
[道具]:支給品一式、犯人追跡メガネ&発信器×3@名探偵コナン
[思考]基本:殺し合いはしない
1:ナギ、ハヤテ、ヒナギクの捜索
2:葉隠覚悟のことを頭のかわいそうな人と若干勘違いしています。なので、探していたことは隠しています。
3:範馬勇次郎と金髪の男(ラオウ)を警戒
4:散の事を女装した男だと思っています。
5:事態を把握し切れていない。
[備考]
※爆破の原因や、吉良のスタンドなどについては何も分かっていません。
【坂田銀時@銀魂】
[状態]健康
[装備]蝶ネクタイ型変声機@名探偵コナン
[道具]支給品一式 ソードサムライX@武装錬金(攻撃に使う気はない)
あるるかん(紙状態)@からくりサーカス ハーミット・パープル(隠者の紫)のDISC(紙状態)@ジョジョの奇妙な冒険
[思考] 基本:このゲームをどうにかする
1:神楽を捜す。ついでに桂も
2:ラオウには会いたくない
3:事態を把握し切れていない。
[備考]
※零のことはよく分かっていません
※あるるかんとハーミット・パープルのDISCについては説明書をほとんど読んでいません。また読む気もありません。
※爆破の原因や、吉良のスタンドなどについては何も分かっていません。
※ソードサムライX
エネルギーを使う攻撃を吸収し、攻撃に転用します
制限、効果の対象となる攻撃は任せますが、少なくとも「魔法」には効果アリです
【G-3 西部 1日目 朝】
【葉隠覚悟@覚悟のススメ】
[状態]:全身に重度の火傷(治療済み)、胴体部分に銃撃による重度のダメージ(治療済み)、全身に打撲(どれも致命傷ではない、治療済み) 強い決意
[装備]:滝のライダースーツ@仮面ライダーSPRITS
[道具]:ハルコンネン(爆裂鉄鋼焼夷弾、残弾5発、劣化ウラン弾、残弾6発)@HELLSING
[思考]
基本:牙無き人の剣となる。 この戦いの首謀者を必ず倒す。
1:スギムラを弔う。
2:ルイズの敵をとる。
3:いずれ巨漢の男(ラオウ)の力になりたい
4:悪鬼といえど殺すかどうかは分からない。
[備考]
※原作一巻第一話、逆十時学園入学初日より参戦。
※爆破の原因や、吉良のスタンドなどについては何も分かっていませんが、吉良を危険人物と認識しました。
【F-4 病院3F 1日目 午前】
【マーティン・ジグマール@スクライド】
[状態]:全身ボコボコ、歩くのがやっとの重傷(治療済み)、美形状態、極度の疲労、気絶
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考・状況]
基本:生き延びて全宇宙の支配者になる。
1:誰かに匿ってもらう。(美貌が使えそうなら使う)
[備考]
※人間ワープにけっこうな制限(1〜2mほどしか動けない)が掛かっています。
連続ワープは可能ですが、疲労はどんどんと累乗されていきます。
(例、二連続ワープをすれば四回分の疲労、参連続は九回分の疲労)
※ギャラン=ドゥに関しては次の書き手さんにお任せします。当分は出てこれないと思います。
タイトルは「殺人鬼の誤算」です。
以上、投下終了
ひとまず投下乙。まず気になった点をいくつか。
・吉良吉影は『スタンド』の由来を知らない、ということ
原作で重ちーと遭遇時、初めてこの能力(キラークィーン)を『スタンド』と呼ぶことを知りました。よって「由来は『スタンド・バイ・ミー』」という言葉はおかしいかと
次に、
・スタンドがバレた後危険を冒してまで首輪に触れるか、ということ
「首輪に衝撃を与えると爆発する」という説明がされた中で、スタンドという能力が発覚したにしろ、その後吉良吉影は首輪に触れることはないと思います
「首輪に触れる=首輪に衝撃を与える」と思われる可能性もある以上、周囲にいた人間は「吉良吉影が首輪に触れた=首輪に衝撃を与えた=首輪に衝撃を与えて殺そうとした」と認識することもありえますでしょうし、
何より自分で「スタンドは特殊能力を持つ」だの「スタンドは分身みたいなもの」更にスタンド能力というものを説明した以上、「吉良吉影はスタンド使い」という認識をさせてしまっています
その上で「分身のようなもので葉隠覚悟の首輪に触れ、爆発させる」ということを行うと「吉良吉影はスタンドの能力で首輪を破壊して葉隠覚悟を殺した」と、皆認識するでしょう
(普通、あんな異形で首輪に触れておいて「これはあの老人がやったことだ」なんて言っても誰も信じないでしょう)
だからこの「見つかった上で首輪に触れて爆破。その後シラを切る」という短絡的行動を、「できる限り平穏に」という思考の吉良吉影は犯さないでしょう
投下乙
ルイズあっさりと死んだなぁ。
GJ!
バーロー自重w 美形はまだ目覚めずか。
ルイズ合掌。見せ場もあったし、よかったさ。
マリアさんの反応が冷たいw
ついに吉良が本格始動。どうなるか分からないなw
>>843 議論スレでまとめてからのほうがよくない?
他住人の意見も聞きたいし。
投下乙です。
何というカオス。これだけの人数を捌けるのはホントに凄い。
何気に戦力が銀時と覚悟くらいしかいないので、やりようによっちゃ吉良、凌げるか?
>>840 覚悟の現在位置が直ってませんよ。
投下乙
>>845 議論スレってしたらばの?あそこって機能してるの?議論するなら勿論行くけどさ。
俺も色々気になった事あるし。
コナンのDQNっぷりが実に清々しかった。
平和ボケした日本人的思考をこの状況で捨てられないコナンは仲間を死なせる原因を作りかねない、原作通り歩く死亡フラグ!
投下乙です。
銀時と新八、やっと合流できたな。
待ってれば神楽も……こないか。
議論スレにもう一つ、全体の流れには影響がない部分ですが、覚悟について気になったところがあったので書き込んでおきました。
投下乙です。
大人数を上手く捌いていてGJです!
次の投下を楽しみにしています。無理をなさらずにがんばって下さい。
予約の破棄を申請します。
長期にキャラを拘束し、連絡が遅れた事大変申し訳ありませんでした。
>>850 えー! 残念……延長しても無理っぽいっすか?
>>851 一旦延長して、その期限も過ぎてしまっているので……。
>>852 そうですか……次回作お待ちしております。
吉良キター!
一般人多いしもしかしたら一気に殺害数増えるかもな>吉良
目撃者は生かしてはおかんだろうし
才賀エレオノール、才賀勝 の予約を延長させて下さい
了解です!頑張って下さい!
したらばの携帯規制を一時解除しました。
今回確認したいことは、
・予約期限を五日にできないか?
・このまま携帯規制を解除し続けるか?
以上二点です。
議論スレにも同じ内容を書き込みます。
結論は明日の0時に。
明日の夕方まで議論に参加できないだけですがorz
携帯は解除しっぱなしで
修正版、再投下。
結局、吉良を出す方向で考えました。
病院に向かう途中で志村新八と江戸川コナンは悲しい知らせを受け取った。
毛利小五郎の死だ。
(確か、コナン君を養ってる人だったよな……)
新八にとっての銀時みたいな存在だろうか。
毛利小五郎は幼いコナンを引き取り、寝食の場を与え、学校にまで通わせた探偵だと聞く。
金銭面で若干の下心があったとはいえ、並みの人間には決して出来ないであろう人徳的行為。
彼の人格の高さがうかがえるというものだ。
(生前、一度お会いしたかったな)
ふと、隣にいるコナンを見ると俯いたまま酷く落ち込んだ表情をしている。
正直な話、たとえどれ程の人格者であったとしても新八にとって毛利小五郎は見知らぬ他人。
その他人が死んだところで、新八の悲しみは強くない。
彼自身の知り合いは3人とも生きている事が放送で分かり、どちらかといえばほっとしているぐらいだ。
けれど、コナンは……コナンの思いはどうなんだろう。
(僕に出来る事って言えば……)
新八は一つの策を思いつく。コナンを励ますための策を。
「ねぇ、コナン君。もしかしたらさ……もしかしたらだよ」
「もしかしたら、小五郎おじさんが生きてるかもって言うんでしょ? それは考えたけどほとんど不可能だよ」
コンコンと、首輪を叩きながらコナンは続ける。
「いい、新八兄ちゃん。あのおじいさんはどうやって死亡者を調べたと思う?」
「それは……どうやったんだろう?」
「例えば、この町に監視カメラや盗聴器を仕掛けて状況を観察してもいいけど、これだけじゃ人の死は確認できないよね」
「……」
「とすると、彼は別の手段で人の死を確認してるんだよ」
再び、コナンは首輪を叩く。
「全員に行き渡っている首輪を使ってね。首輪に何らかのセンサー、恐らくは体温計や脈拍計を仕掛けておいて参加者の状態を監視してるんだよ」
「でも、監視カメラを仕掛けておけば十分じゃない?」
「無理だよ。SFなんかでありがちな、移動式の超小型カメラでもあれば話は別だろうけど、
普通のカメラの場合常識的には固定式のものでしょ。そうすると、監視できる場所に限りが出てくるわけで、
カメラ以外の手段を用いる必要が出てくる。だから、首輪で監視するのが一番自然なんだよ」
「な、なるほど……」
「んで、人間の死を確認するわけだから体温計か脈拍計、あるいはその両方を使ってるって事になるわけ。
そこまで考えると、さっきの放送が間違えているとすれば、首輪がどうにかなったと考えるしかない。
首輪を破壊するか、外すか、そこまでしなくてもセンサー部分を壊せば自分が死んだと誤認させることが出来る」
「って事は、毛利さんは生きてる可能性があるわけだね」
コナンは頭を振って否定した。
「これをやるには、首輪の構造を調べるほか無い。首輪がどういう仕組みで動いているのかも分からずやろうとした場合、
自分の命を落とす危険がある」
「でも、逆に言えば首輪の構造を調べればできるって事だよね」
「構造を調べても、理解してキチンと扱えなきゃ出来るわけがないよ。それなりの専門知識がないと」
「でもさ、毛利さんは名探偵なんでしょ。だったら、可能性はあるじゃないか」
「無理だって、あの迷探偵にはさ……」
「確かに、限りなく低い可能性かもしれないけど、でもさ……」
「だから、無理だって言ってんだろ!!」
突然の激昂。その瞬間、新八は己のうかつさに気づく。
「ご、ゴメン。君の気持ちも考えずに……」
「俺だって、おっちゃんが生きてる可能性を信じたいぜ……でもよ、出来ない事を除いていって最後に残ったものが、
どれだけ信じられなくても真実なんだ。だから、毛利小五郎は死んだって考えるほか無いんだよ」
安易な慰めが、かえってコナンの心を傷つけてしまった事に気づき新八は後悔する。
ちょうど、その時だった……
「ちょっと、アンタたち煩いわよ」
突然聞こえてきた声にはっとなる。
(そうだ、今は殺し合いをしてるんじゃないか)
「全く、見つけたのが私たちだから良かったようなものの……」
「ルイズさんの言うとおりだ。ここは戦場、むやみに叫び声をあげてはいけない」
突然現れた男女は全身黒ずくめの男と、コスプレ風の女。
新八とコナンは話しながら、いつの間にか病院の前までたどり着いていたらしい。
彼らも、新八たちと同じく病院に入るところのようだ。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆
病院の二階にある看護士控え室に、マリア、吉良、坂田の三人はいた。
既にマーティン・ジグマール(三人とも名前は知らない)の簡単な治療を終え、病室に寝かせた後である。
控え室に備え付けられたカーテンは用心のために閉められており、明かりも消されている。
机の上には、少々の朝ごはんとコーヒーが並べられているが、それも半分以上消化され、これからは次の会話に移ろうというところだ。
「さて、食事も終わることですし。そろそろ今後の方針を話し合いましょう」
最年少ながらも、一番しっかりしているマリアが話を切り出す。
「わたしとしては、美形が目を覚ますのを待ってすぐにでもここを出るべきだと思うんだが」
「そうは言っても、散君が来るのを待つ必要もありますし……」
「俺としては、マリアさんがナース服着てくれればそれでいいんすけど」
三者三様の意見。
一部、おかしな意見がまぎれているが、それは華麗にスルー。
「確かにその女装少年が気になるのは分かるが、ここに長居は無用だろう」
「でも、だからと言って……」
「ここは病院というだけで、多数の人が駆け込む事は想像に難くない。安全を考えるなら、他の場所に行くべきだろう」
「でも、そうすると散君が危なくなってしまいますわ」
吉良は目の前にいる女性が、名前のとおり『マリア』様だということを再認識する。
正直、平穏を求める彼にとってこの場にい続けることは望ましい事ではないのだが、
かといって、マリアと対立を深める事も好ましくない。
(……ここは、マリアさんの言う事に従っておくべきか)
正直言って悩ましい。
吉良にとって、ストレスとは敵である。
そして、この場に居続ける事はその敵を残し続ける事でもある。
なぜなら、病院を訪れるであろう人物の中に怪しげなスタンド使いがいないとも限らないからである。
そんな危険を冒しつつ、人の集まるところにとどまり続けるのは愚の骨頂でしかない。
しかし、同時にマリアに反発する事も望ましくないのだ。
彼女は吉良が最初にターゲットと定めた女性である。年齢に似つかわしくないほどの落ち着きと知性。
それでいて見た目には幼さを残した美が映える。離れすぎた年齢に目をつぶれば、ある意味理想の女性と言ってもいいだろう。
もっとも、吉良に好みの女性などと言うものはないのだが……
ともかく、今の吉良は矛盾する二つの問題を抱え込んでいる。
何をするにしても、この問題に対する解決策を提示しなければ始まらない。
「では、マリアさん。期限を区切らないか」
「と、言いますと?」
「午前9時まで、ここで女装少年を待つ。それを過ぎたら、医療器具を持てるだけ持って移動する」
「でも、それで彼が戻ってこない時は少し冷たすぎるのでは……」
「マリアさん、君には再会を望む人物が他にもいるのだろう。
ハヤテ君やナギちゃん、彼らに会うためには君が無事でいる必要がある。分かっていると思うが、病院は危険な場所なんだ。
そういう所に居続ける事は再会の確率を下げる事に繋がると思うんだがね」
尤もらしく、病院を離れる理由を提示する。
「確かに、そうですけど……ナギやハヤテ君だって、人の集まる場所に来ると思うんですけど」
「私は彼らのことを良く知らないが、常識的に考えれば人の集まるところというのはそれだけに危険の多いところでもある。
君も見ただろう、最初にいたあの赤髪の男を。あの手の輩が我々を狙っている以上、人目を避けて行動するのが普通だと思うがね。
それは、彼らだって同じ事だと思うよ」
「でも……」
いまいち押しが足りないようだな。と、思った吉良は一旦引くことにした。
「分かった。マリアさんがそう言うのなら、しばらく留まる事にしよう」
今は彼女との確執を深める方が、よりストレスを抱える事に繋がる。
そう思ったゆえの引きだ。
(そういえば、坂田はどこに言った)
話しているうちにいつの間にか坂田の姿が見えなくなっている。はて、どこに言ったのか……
と、思っていると控え室のドアが開く。
「あ、マリアさん。さっき、ナース服見つけてきたんだけど、着てみてくんない?」
ストレスの原因は別にあるのかもしれない。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆
新八、コナン、覚悟、ルイズという四人が合流し、何の疑いもなく行動を共にしようと思ったのは、
ひとえに、覚悟という少年の人徳によるものだろう。
コナンも新八も彼が最初の会場で、老人に対して反抗したのを覚えていたのである。
ゆえに、彼らは覚悟を信用の置ける人物と判断した。そこから、連れであるルイズも危険がないと判断され、
同行しても問題ないとコナンが結論したのである。
逆に、コナンたちとの合流を覚悟、ルイズ組が認めたのは純粋に覚悟の直感であった。
理由は特にない。
彼らは病院に入ると、待合室の裏側にある事務室へと進む。
そして、そこにある一台のモニターを動かし、入り口の監視カメラと接続させた。
「凄いね、ここから入り口が覗けるんだ」
苦もなくモニターを操る少年コナンの手際に新八のみならず、覚悟やルイズも感嘆の声を上げる。
「すぐに二階に上がってもいいけど、安全は確保した方がいいからね」
カメラによる入り口監視は安全に欠かせない。だからコナンは、最初に事務室を目指したのである。
とはいっても、事務室にあるモニターからは正面玄関しか確認できず、職員通用口や夜間通用口と言った裏口は
確認できない問題がある。また、窓からの侵入は当然、見逃す事になる。
「見事な手際だな、この覚悟感服した」
「気休めに過ぎないかもしれないけどね、それでも、覚悟さんの治療には時間がかかりそうだから用心に越した事はないよ」
「私には気を使わなくとも……」
「でも、その傷はちゃんと治した方がいいですよ」
「姿などどう変わろうと問題なし、わが身は必勝の手段に過ぎぬ」
必勝の手段、という言葉がコナンの耳に引っかかる。
そういえば、覚悟は最初の会場でも
『人の皮を着た鬼よ! 貴様が殺し合いを望むのなら、俺は、牙を持たぬ人を守り、貴様を討つことを宣言しよう!!』
と言っていた。
まさか、この少年は……
コナンの頭に最悪な考えが浮かんでくる。一刻も早く、確認しなければならない考えが。
「ねぇ、覚悟さん。『必勝の手段』ってどういう意味?」
「戦闘に勝利するための手段という意味だが……」
「つまり、覚悟さんは戦闘をするって言う事だよね」
「当然だ。ここには弱き人々を喰らう悪鬼が蠢いている、私はその者たちと闘わなければならない」
覚悟は、何の疑いも抱かない瞳で宣言した。
コナンの頭に描かれた考えが、最悪から凶悪へと姿を変えて具現化しつつある。
「アナタにとっての悪鬼って一体何?」
「牙なき人々を喰らう存在だ」
周囲にいる人間を悪鬼と認識し、それを攻撃対象とするのはテロリズムの発想と変わらない。
自分の正義に対する妄信から来る、対立正義への攻撃。それは悲劇しか生み出さない。
そもそも、この世には決まった形の正義など存在しない。
覚悟が掲げている正義、『牙なき人々を守る』というのは数多ある正義の一つに過ぎない。
彼がその正義を持つ事自体はさして問題ではないのだが、対抗正義に対する処置の方法は重要だ。
「牙なき人々を喰らう存在を、覚悟さんはどうするつもりなの?」
「倒す」
「倒すってのは、殺すって意味だよね?」
「場合によってはそうなる」
(やっぱりかよ……)
見ても高校生か中学生でしかない少年が、自身の正義を信じ戦いに身を投じるなど、
決してあってはならない。
戦闘に勝利したところで、そこには悲劇しかなく、敗北したところには悲劇すらない。
「バーロー……」
この少年に対して、言いたい事は山ほどある。
しかし、コナンの頭には一つの事が引っかかっていて、これ以上のことは言えなかった。
「バーロー、アンタ悪鬼ってのは強いんだろ。だったら、無茶はしちゃ駄目だぜ」
「心配無用、そのために私は零式防衛術を極めている」
(ハハッ、言えねぇよ。まだアレを確認してないんだからな……)
コナンたちは覚悟の治療のため、病室を目指す事になった。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆
「つまり、新八さんは天人が蔓延る世の中で、万屋でバイトをしながら宇宙一の戦闘民族と共に生活する少年で、
ルイズさんはハルケギニアの貴族で魔法使いの学校に通いながら、勉強する方という事でよろしいですね」
病院二階の廊下で、二つのグループが合流する。
江戸川コナンは、相手側グループのリーダー的存在マリアにこちら側の素性を説明した所だった。
病院に仲間の治療に来たという彼らは、決して危険な存在でないと判断しての事である。
(でも……予想通りの反応だよな)
新八やルイズの素性は、『春先の危ない人』そのものである。
当然、彼らの視線もそれ相応のものになる。
マリアさん、吉良さん、そして銀時さん……え? 銀時?
「銀さん、アンタはこっちサイドの人間だろうが!」
「よぉ、新八元気そうじゃねぇか」
「気づくの遅えぇっての。マリアさん、こいつが諸悪の根源、万屋の…… 「何言ってんすか、店長」
「おめぇが店長だろうが!」
気づくのが遅いのはお互い様だろうに。ま、こうやって言い合えるだけ、彼らは幸せってもんだな。
コナンはそんな事を思いながら、苦笑いを浮かべた。
「あらあら、コナン君や覚悟君も大変そうですね」
「あ、うん。そんなに大変でもないけど……」
笑顔なのに、一ミリも笑っていないという複雑な表情を浮かべ、マリアは手に持った箱から、いくつかの薬を取り出す。
「コナン君の助けになればいいのですが……、患者さんに全部飲ませておいてください」
「って、誰が患者さんですか。信じてくださいよ、天人は本当に地球に襲来してるんです」
「大丈夫ですよ、新八さん。神様はきっと新八さんも見捨てませんから……」
マリアは新八の話を全く信じていない。
まぁ、この話をすぐに信じるようだと逆におかしい人だから、これは問題ない。
しかし……
(これは、いい機会だよな)
今の状況は、志村新八が宇宙人襲来を声高に叫び、それを常識人マリアが否定するというもの。
本来であれば、マリアの言い分を信じるのが筋なのだが、ここは場所が場所だ。
コナンは、自分自身の立てた仮説を確認するため、この特殊な状況を利用する事にした。
そう、彼が立てた仮説とは、『この場には様々な世界から人が集められている』というもの。
志村新八という、市役所を知らない少年に出会った事を切欠として、コナンはこのような仮説を立てた。
無論、本来のコナンであれば、このような仮説を立てたりはしない。
市役所を知らない少年がいた場合、それに対する答えは次のどれかになるだろう。
1.少年は嘘をついている。
2.少年は無知である。
3.少年は異世界(または異時代)から来た。
4.上記以外の科学的理由。
このうち、3は真っ先に否定される。
そして、推理により1,2も否定されたのならば具体的に4の検討に入る。
これが常識的思考方法というものだ。
しかし、コナンは今その常識を捨てている。
なぜか。
単に新八が正直そうな少年だったからというだけではない。
東の高校生探偵と異名をとる彼が、そのような表面的理由で真実を判断することはない。
理由は、この事件に巻き込まれてから遭遇した数々の異常現象による。
体積を無視し、支給品を収めた紙。被害者以外誰一人入ってこない街。
一つ一つだけなら、決して常識的思考を捨てる切欠にはならなかっただろう。
だが、複数集まると話が変わる。
(けど、だからってすぐには信じられないよな……)
だからこそ、今から確認するのである。
「でもさ、マリアさん。新八さんは嘘を吐くような人じゃないよ」
「んもう、駄目じゃないですか。こんな子供に変な事吹き込んだら」
「ちげーっての! そうだ名簿見て、これ見て宇宙人『神楽』!!」
「売れない漫画家のペンネームですか?」
「いねーよ、こんな漫画家!」
(ハハッ……しっかし、この人……)
少々否定するだけならまだしも、ここまで言う人間は珍しい。
特に女性は場の空気を読んで、とりあえずの肯定をするのが上手い。
いや、女性でなくとも日本人ならたいていはそうするだろう。
その意味で若干マリアもおかしな所があるといえる。
そういえば、マリアという名前もそうだ。どう見ても日本人の外見でありながら、マリアという名前。
しかも、姓はなしである。本名を偽っている可能性も否定できない以上、これだけでは断定できないが、
もしかしたら、マリアも新八と同じく『異世界の住人』かも知れない。
「大体、アンタら、江戸にはそこら中に天人がいるのに、何見てきたんだよ」
「江戸じゃなくて東京ですよ」
「江戸だっつーの!」
再び、マリアは生暖かい笑顔と共に新八に薬を差し出す。
「鬱病によく効くお薬だそうです。食後は必ず飲んでおいてくださいね」
(いやアンタ、マジひでぇよ……)
新八は既に涙目である。ここまで言っても信じてもらえないと、本当に可哀想になってくる。
そういえば、銀時はどこに言ったのかと思えば、近くのロッカールームからサイズの小さいナース服を持ってきていた。
(駄目だこいつら、放って置くと収集がつかねぇ)
正直な話、こいつらを相手に事態を収めて目的の仮説を確認する事など出来るのだろうか。
ガンッ
「アンタたち、いい加減にしなさいよ」
突然揺れる病院棟と、響き渡るルイズの怒声。瞬間、目が覚めたように全員がハッとなる。
「ここは戦場なのよ、死んだ人もいるのよ、一々くだらない事で騒いでるんじゃないわよ」
確かにルイズの言う事はもっともだ。
「ね、ねぇ。色々話し合うことはあるだろうけど、とりあえず覚悟さんを治療してからにしない?」
「そ、そうですわね……」
強引な形で収集がついた。
コナンの確認しようと思っていた仮説はこのまま流れてしまいそうだった……
(だが、今はこれで十分といったところか)
確かに、流れてしまったと考えてよいだろうが、状況証拠だけなら十分すぎるほど出揃った。
宇宙人に対する絶対的世界観の差。
病院棟を一撃で揺らすほどの少年。
これで、確実な証拠が出てくれば間違いなく、仮説は立証される事となる。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆
覚悟という少年を治療するため、吉良たちは病室に入った。
正直なところ、吉良はすぐにでもここを出たい気分で一杯になっている。
理由は様々だ。ありすぎて、一つをあげろというのもナンセンスなぐらい多数ある。
今の吉良を支えているものは、マリアの手が欲しいという気持ちだけである。
「会ったばかりの仲であるのに、かたじけない」
病室のベッドに腰をかけ、覚悟が礼を言う。
この少年も、吉良にとっては疎ましい存在だ。
何しろ、病院を揺らすほどの能力者である。
新八たちに目が向いていて、スタンドは見えなかったが、承太郎と同等のパワーを持つスタンド使いに違いない。
「気にしなくていいよ」
移動式の机に、包帯や消毒薬、抗生物質などを乗せてコナンは覚悟の体を丁寧に拭いていく。
慣れた手つきはとても幼稚園を出たばかりの小学生には見えない。
「ねぇ、覚悟さんは治療が終わったらどうするつもりなの?」
「先ほども言ったが、君たちを守るために悪鬼を倒す。牙なき人々のために闘う事は葉隠一族の使命なり」
つまり、放って置けば覚悟はどこかへ行くという事か。
厄介ごとが一つ遠ざかる事に、吉良は大きな安堵を覚える。
「駄目よ、カクゴは怪我人なんだから、それ以上無茶はさせられないわ」
「ルイズさん、心配は要らない」
「大体、アンタは私と一緒にゲームセンターにいく約束でしょ、無茶ばっかりして死んだらどうやって守るつもりよ」
吉良にとって、ルイズの態度は歓迎できない。
学生同士の恋愛ごっこは心底どうでもいいとして、覚悟をここに留めようとする彼女の態度は邪魔でしかないのだ。
どうしても男が好きなら、一緒に悪鬼とやらを退治して来ればいいだろうが。
「覚悟さん、無茶をするつもりなら僕はこのまま治療を止めちゃうけど、それでもいいの?」
「構わぬ。もとより孤立無援の戦闘ゆえ、これ以上の治療など不要」
「でも、このままルイズさんを放って行くなんて酷すぎますよ」
コナンやマリアさんまで、覚悟を止めようとする。
吉良にとって決して、好ましい状況ではない。
(貴様ら、そいつはさっさと出て行くといっているんだから素直に追い出せばいいだろうが)
表面には出さずとも、吉良の憤りはピークに達しつつある。
彼の望む、植物のような平穏は確実にこの少年に脅かされる。
それは間違いないことなのである。
だからこそ、覚悟はここから追放すべきなのだ。しかし、そんな事今の吉良には言える筈もない。
悶絶するような悩みの中、事態は別の方向へと展開していく。
「ねぇ覚悟さん、話は変わるけどさ。もし悪鬼に守るべき人がいたとしても、アンタは悪鬼を倒すの?」
「悪鬼に守るべき人? それはどういうことだ」
コナンが突然の話題変換。
一体、何を始めようというのか。
「たとえ、アナタからみて悪鬼だとしても、その者には何か守るべきものがあるかもしれないじゃないか。
それがあった時、覚悟さんはどうするつもりなの?」
「そ、それは……」
「それでも、そいつが『悪鬼』だった場合、覚悟さんはそれを退治しちゃうわけ?」
「……」
返答に困る覚悟。
古典的な問答といってしまえばそれまでだが、彼にとっては最も有効な一撃らしい。
元来、葉隠覚悟という人間は正義心の強い男であると思われる。
だからこそ、「守るべきもの」という言葉にはすこぶる弱い。
「コナン君、今の私はそれに答えられない。だが、そのような問いに何の意味が……」
「忘れたの? 今は殺し合いをしてるんだよ、疑心暗鬼にとらわれて大切な人を守ろうとするあまり殺人に走っちゃう人もいると思うよ」
「た、確かに……」
「僕はね、どんな人間にだって必ず大切なものはあるって思うんだ。それが何かは人によるだろうけどね」
「それを守るために、悪鬼になると」
コナンによる巧妙な誘導。
ここから先、彼が覚悟をどういう方向に導こうとしているかは考えるまでもない。
しかし、その事態だけは阻止しなければならない。
「私には、そのような悲しき『悪鬼』は倒せないかもな……」
「そっか、んじゃ覚悟さんをここから出す事なんて出来ないね」
「それはどういう意味だ」
「勝てないかも、なんて言ってる人を送り出したら僕たちは覚悟さんを見殺した事になっちゃうよ」
「いや、しかし絶対に勝てないわけでは……」
「勝った場合、アナタは一つの悲劇を生み出してくるわけだよ」
「……」
「覚悟さん、実を言うとね。大切なものとか、守るものなんてのは重要じゃないんだ。
戦闘行為それ自体が、既に悲劇の火種なんだよ」
「しかし、だからと言って悪鬼を見過ごすわけには」
「アナタには両親はいなかったの?」
「父がいた」
「アナタが生まれたとき、お父さんはきっと喜んだだろうね。アナタが倒そうとする悪鬼にも両親がいるって考えられない?
そいつを殺したら、悲しむ人がいるってそう思わないかい」
「しかし、だとしたらどうしたらいい、俺にだって守るべきものが、葉隠一族の使命がある」
「だからさ、覚悟さん」
コナンは首輪を指差しながら、目配せをする。
「戦闘行為ではなく、他の手段で人々を守れというのか」
「そういうことだよ」
他の手段というのは、言うまでもなく首輪解除だ。
あまりにもベタベタすぎる結論だが、吉良にとって若干の突破口が初めて見出せる展開になってきた。
「つまり、『コレ』を解除しろとコナン君はそういうわけだね?」
「もちろんだよ、吉良さん」
戦闘でも、身を守ることでもなく、あくまで最優先は首輪解除であり脱出であるというコナンの姿勢。
それは平和ボケした日本人の思考としては優等生的なもの。
しかし、この考えには致命的欠陥がある。
「私も、『コレ』の解除については考えていたのだが、いかんせん具体的な方法が思い浮かばなくてね」
「しかし、吉良さん。それはこうして病院で待っていたら専門知識を持っている人が来て……」
「来て、何とかしてくれるとマリアさんは言うつもりかい? 待っているだけで転がってくる幸運など知れていると思わないか」
「それは……、そんな事はないですけど」
部屋にいる全員が一瞬沈黙する。
首輪の問題は、彼ら全員にとって目下の最重要課題であるはずだが、それに対する何のめども立ってないのが現状である。
しかし、そんな沈黙もコナンが破る。
「『コレ』を解除するためには、サンプルを取ってくる必要があるよね」
吉良にとって、今一番欲しかった一言。
「サンプルって一体どうやって……」
震える口調でマリアさんが、確認する。
「残酷かもしれないけど……」
断言せずとも分かる、死体から取って来いという意味だ。
再び、長い沈黙が訪れる。
そして、吉良はこの沈黙を破るのが誰であるのかを予想していた。そう彼だ。
「コナン君、その役目を私に任せてはくれないだろうか」
葉隠覚悟が、こう発言するであろうことは彼の正義から言って間違いないと踏んでいたのだ。
「でもカクゴ……」
「心配要らない、ルイズさん。今度は戦いに行くわけじゃない。あくまで『コレ』を取ってくるだけだ」
こうなってしまっては、コナンもルイズも覚悟の決意を止められないだろう。
何せ、首輪を取って来るという行為は『必ず戻る』という約束でもある。
だからこそ、ここでの否定は出来ない。コナンのロジックで否定されるのはあくまで人殺しや見殺しだけだし、
彼が優先する首輪解除にも、首輪奪取は欠かせないものである。
「でも、覚悟さんは怪我をしていますし……」
「そうよ、アレだけの戦いをやったばっかりなのに、カクゴが行く必要なんて……」
(あるんだよ、ルイズ。
彼の戦闘力はこの中でも抜きん出ているだろう。
それは、先ほどの一撃でも証明されている。だからこそ、戦闘に長けた彼が外部に出て行くのは自然なんだよ。
大体、そこそこ怪我をしているようだが君はその覚悟に勝てるつもりかね。
自分が、彼より弱ければ止める資格などないのだぞ)
「ルイズさんやマリアさんのような女性に、危険な真似はさせられない。このような行為は私が一番適任だ」
「でも…… 「確かに、覚悟さんの言うとおりだよね」
ルイズの言葉を遮り、コナンが発言する。
コナンが説得に入れば、覚悟追放は既に成功したと思っていいだろう。
「『コレ』を取ってくるのは覚悟さんにお願いした方がいいと思うよ」
「アンタねぇ、覚悟は怪我人なのよ」
「分かってるさ、だから覚悟さんには2つの約束をしてもらう。
1つ、昼の12時までには必ず帰ってくる事。1つ、一人では出て行かないこと。
これなら、ルイズさんも問題ないよね?」
「そ、それなら……」
「あとは、誰と一緒に行くかだけど……」
コナンが周囲を見渡す。
ここで吉良が選ばれてしまえば、元も子もないわけだが、ここは運に任せるほかはない。
「銀さんがいいんじゃないかな、銀さんなら強いから、何があっても大丈夫だと思うし」
「いや、戦闘に強い人も一人ぐらいはここに残った方がいいよ」
「だったら、私が行くわ!」
「残念だけど、ルイズさん。それは覚悟さん本人が望まないと思うよ」
「無論、女性にそのようなことはさせられない」
死体から首輪を取って来るという行為は、口にすれば単純だが残酷極まりないものだ。
当然、女性や子供は避けられる事になる。とすると残るのは吉良と……
「それだったら、僕が行くよ。神楽ちゃんにも会えるかもしれないし……」
志村新八になるわけだ。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆
こうして、葉隠覚悟と志村新八の2人が病院を出て首輪探しの任に就く事となった。
2人は12時までという期限の中で、解析用のサンプルを探索する事となる。
「死んだら、承知しないからね」
ルイズは覚悟に檄を飛ばす。治療を終えた覚悟の体は、僅かばかりの戦闘力を取り戻したといっても未だ頼りない。
それを護衛するためについていく、新八も僅かばかりの剣の心得があるだけで強いとは言いがたいのが実情だ。
しかし、これには理由がある。
現状、僅かしかない戦力(といっても、つめを隠している吉良は除いている)を大きく分断する事は出来ないと考えたための決断なのだ。
また、この決断を下したコナンの経験値にも問題がある。
如何に推理力に優れた少年であっても、コナンはあくまで自分自身の常識の枠内で物を考える事がほとんどだ。
勇気を持って非常識な仮説を立てはしたものの、あれはあくまでイレギュラー。
やはり、常識思考、論理思考は中々抜けないのが実情である。
そして、そのコナンは、この事件に巻き込まれて以来、人外と呼べる強者を2人しか見ていないのだ。
しかも、そのどちらも戦闘する姿を目撃していない。
だからこそ、病院棟を揺らすほどの力を持つ覚悟がいれば、そうそう大きな危険はないと判断してしまった。
彼の判断が、どのような結末を迎えるのか。
それは誰にも分からない。
【F-4 病院2F 1日目 午前】
【江戸川コナン@名探偵コナン】
[状態]:健康
[装備]:ヌンチャク@北斗の拳
[道具]:基本支給品、スーパーエイジャ@ジョジョの奇妙な冒険、鷲巣麻雀セット@アカギ
[思考] 基本:仲間を集める。
1:覚悟たちが首輪を持ち帰るまで待つ。
2:灰原哀、服部平次、新八の知り合い(神楽、桂小太郎)と合流する。
3:ゲームからの脱出
[備考1]:メガネ、蝶ネクタイ、シューズは全て何の効力もない普通のグッズを装備しています。
[備考2]:自分達の世界以外の人間が連れてこられていると薄々感づきました。
これから、証拠を集めて、この仮説を確認しようとしています。
【マリア@ハヤテのごとく】
[状態]:健康
[装備]:沖田のバズーカ@銀魂
[道具]:支給品一式、犯人追跡メガネ&発信器×3@名探偵コナン
[思考]基本:殺し合いはしない
1:覚悟たちが首輪を持ち帰るまで待つ。
2:ナギ、ハヤテ、ヒナギクの捜索
3:葉隠覚悟が戻ってきたら、もう少し話をする。
4:範馬勇次郎と金髪の男(ラオウ)を警戒
5:散の事を女装した男だと思っています。
[備考]
※吉良に全く警戒心を抱いてない。依然危機の中。
※今回は状況に流されて覚悟とあまり会話をしていません。
【坂田銀時@銀魂】
[状態]健康
[装備]蝶ネクタイ型変声機@名探偵コナン
[道具]支給品一式 ソードサムライX@武装錬金(攻撃に使う気はない)
あるるかん(紙状態)@からくりサーカス ハーミット・パープル(隠者の紫)のDISC(紙状態)@ジョジョの奇妙な冒険
[思考] 基本:このゲームをどうにかする
1:覚悟たちが首輪を持ち帰るまで待つ。
2:神楽を捜す。ついでに桂も
3:ラオウには会いたくない
{備考}
零のことはよく分かっていません
あるるかんとハーミット・パープルのDISCについては説明書をほとんど読んでいません。また読む気もありません。
※ソードサムライX
エネルギーを使う攻撃を吸収し、攻撃に転用します
制限、効果の対象となる攻撃は任せますが、少なくとも「魔法」には効果アリです
【吉良吉影@ジョジョの奇妙な冒険】
[状態]:健康+下半身が健康すぎる
[装備]:本部の鎖鎌@グラップラー刃牙 アラミド繊維内蔵ライター@グラップラー刃牙(未開封)
法儀礼済みボールベアリングのクレイモア地雷(リモコン付き)@HELLSING(未開封)
[道具]:支給品一式、
[思考]
基本:普段どおり平穏に過ごす。
1:マリアの手が気になるが今の所は手を出すつもりは無い。
2:自身を追うもの、狙うもの、探るものなど自身の『平穏な生活』の妨げになると判断した者は容赦なく『始末』する。
3:できる限り力無き一般人を演じる。
4:マリアを傷つけるかもしれない輩も皆殺し。
5:美味しいもの(マリア)は最後までとっておく。
6:もし脱出できるのであればしたい。マリアの手を手に入れてから。
7:病院に人が増えてきたので、何とかしたい。
[備考]
※『バイツァ・ダスト』拾得直後からの参戦です。
※承太郎が殺し合いに参加していることに気づいていません。
※スタンドの能力制限や『バイツァ・ダスト』が使用不可能であることに気づいていません。
※覚悟をスタンド使いと認識しています。(吉良はスタンド以外に超人的破壊力を出す方法を知りません)
【F-3 路上 1日目 午前】
【志村新八@銀魂】
[状態]:健康 疲労(小)
[装備]:大阪名物ハリセンちょっぷ
[道具]:基本支給品、陵桜学園高等部のセーラー服@らき☆すた
[思考]基本:仲間を集める。
1:覚悟と共に首輪を探す。昼の12時までには病院に戻る。
2:銀さんと神楽ちゃん、桂さん、コナン君の知り合い(灰原哀、服部平次)と合流する。
3:ゲームからの脱出
【葉隠覚悟@覚悟のススメ】
[状態]:全身に重度の火傷(治療済み) 胴体部分に銃撃による重度のダメージ(治療済み) 全身に打撲(どれも致命傷ではない、治療済み) 強い決意
[装備]:滝のライダースーツ@仮面ライダーSPRITS
[道具]:ハルコンネン(爆裂鉄鋼焼夷弾、残弾5発、劣化ウラン弾、残弾6発)@HELLSING
[思考]
基本:牙無き人の剣となる。 この戦いの首謀者を必ず倒す。
1:新八と共に首輪を探す。昼の12時までには病院に戻る。
2:スギムラを弔う。
3:いずれ巨漢の男(ラオウ)の力になりたい
4:怪我が治ったらルイズとゲームセンターに行く
5:悪鬼を倒す事に悩んでいる。
[備考]原作一巻第一話、逆十時学園入学初日より参戦
【F-4 病院3F 1日目 朝】
【マーティン・ジグマール@スクライド】
[状態]:全身ボコボコ、歩くのがやっとの重傷(応急処置済み)、美形状態、極度の疲労、気絶
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考・状況]
基本:生き延びて全宇宙の支配者になる。
1:誰かに匿ってもらう。(美貌が使えそうなら使う)
[備考]
※人間ワープにけっこうな制限(1〜2mほどしか動けない)が掛かっています。
連続ワープは可能ですが、疲労はどんどんと累乗されていきます。
(例、二連続ワープをすれば四回分の疲労、参連続は九回分の疲労)
※ギャラン=ドゥに関しては次の書き手さんにお任せします。当分は出てこれないと思います。
以上投下終了です。
タイトルは 仮説 です。
修正乙。これはいい分裂。GJっす!
さて、才賀エレオノール 才賀勝 投下します
さて皆様、のるかそるかの賭事をしたことがあるでしょうか?
麻雀、ポーカー、グラスとコイン……何でも構いません。
賭けるものは……富、名誉、魂、血液……何でも構いません。
イチかバチか。
言葉で言ってしまえば簡単ですが、現実問題大変です。
特に……賭けの対象が大きいときほど、それは重くのしかかります。
その重圧に耐えきれなく逃げ出したとき、或いは耐えられると思って潰されたとき……そこに在るのは『敗北』の二文字です。
大切なのは『機』、そして『読み』でございます。
読み間違えたならば……やはり同じことになります。
かといって……このことを恐れてもいけません。
『恐れ』は……『機』を逃させ、『読み』を不確かなものにします。
『恐れ』はいらない……かと思うと、『恐れ』を知らぬ『蛮勇』は余計に脆くて拙いもの。恐れが悪いとは一概に言い切れません。
やはり……賭けごとは難しいものです。
さて、偽りの共闘下にある、一人の少年。
彼は此処で、重大な選択を迫られます。
のるかそるか、イチかバチか……まさにその通りの二者択一。
彼の選択はどのようなものであるか……お見逃しのないよう……。
■
「――それでは、バトルロワイアルを続行する!!」
その言葉で死者を告げる殺し合いの放送が終わった。
勝は唇を噛み締める。
八人。この殺し合いによって実に八人もの命が奪われたのだ。
こんな状況で、殺人者になったものが――一人が一人を殺したとするならば――八人もいる。
その中には恐らく――いや確実に――フェイスレスが入っているだろう。そして今回呼ばれた犠牲者の内数人は、彼が手を下したものかもしれない。
やはり、一刻も早くこんな狂行を止めなければ。そのためにも――
「綾崎」
はっ、と顔を上げる。
しろがねだ。しろがねがぼくに声をかけた。
「ああ、エレオノール。ちょうどいい、話がある」
できるだけ、不敵に声をだす。
今、勝は才賀勝を守る為にいる双子の兄『綾崎颯』なのだから。
「なんだ」
怪訝な顔でしろがね――エレオノールが返事をする。
「こっちに来てから会った人間はいるかい?」
◇ ◆ ◇
情報というものは基本的に勝率を上げる。勝率――この場では生存率だが。
誰が危険なのか、そうでないのか、それがわかることで生き抜く……或いは救助や脱出などの幅は大いに広がる。
まず、このバトルロワイアルの場にいる全員の認識として、「勇次郎」や「拳王」という人間は危険人物である、というものがある。
それに加えて勝のわかる範囲では「フェイスレス」が危険人物。「加藤鳴海」は危険と対局の人物。目の前のしろがねは……灰色だ。
「これでいいか?」
しろがねが名簿を出す。その中には○の記号がつけてある。
「ああ」
名簿に目を通す。
しろがねにこちらから来て出会った人間、その人間が口にした人間の説明をさせ、その人間に○の印をつけさせた。
「ブラボー、というのが誰かはわからない」
○の印があるのは『範馬勇次郎』。
これはあの場にいて注意を払っていたなら誰でも耳にした名前だ。
そして、『津村斗貴子』『蝶野攻爵』。
槍を持つ戦士――何故かエレオノールと才賀勝を知っていた――人間が上げた名前。
何故勝達の名前を知っていたのかわからないが、その正義感の強さからいって男が上げた人物に殺し合いにのっている者はいないだろう。
勝は受け取った名簿の『才賀勝』『才賀エレオノール』『白金』『綾崎颯(ハヤテ)』に更に印を入れる。
それに加え、先の放送で呼ばれた死者たちに横線を入れる。
まず、このバトルロワイアルの場にいる全員の認識として、「勇次郎」や「拳王」という人間は危険人物である、というものがある。
それに加えて勝のわかる範囲では「フェイスレス」が危険人物。「加藤鳴海」は危険と対局の人物。目の前のしろがねは……灰色だ。
「これでいいか?」
しろがねが名簿を出す。その中には○の記号がつけてある。
「ああ」
名簿に目を通す。
しろがねにこちらから来て出会った人間、その人間が口にした人間の説明をさせ、その人間に○の印をつけさせた。
「ブラボー、というのが誰かはわからない」
○の印があるのは『範馬勇次郎』。
これはあの場にいて注意を払っていたなら誰でも耳にした名前だ。
そして、『津村斗貴子』『蝶野攻爵』。
槍を持つ戦士――何故かエレオノールと才賀勝を知っていた――人間が上げた名前。
何故勝達の名前を知っていたのかわからないが、その正義感の強さからいって男が上げた人物に殺し合いにのっている者はいないだろう。
勝は受け取った名簿の『才賀勝』『才賀エレオノール』『白金』『綾崎颯(ハヤテ)』に更に印を入れる。
それに加え、先の放送で呼ばれた死者たちに横線を入れる。
これで合計十四名(綾崎ハヤテはどういう人間かわからないので除外)、名前がわからない人間を加えて十九名もの人間が特定できた。
まあこの中に重複がなければの話だが。
さて、やはりといったところだが……しろがねは「加藤鳴海」の名に反応を示さない。
本当に今ここにいるしろがねは、勝と出会った頃のしろがねのようだ。
しろがねがこうなってしまっている以上、鳴海もこうかもしれない。そう考えると……若干不安になるが、鳴海ならば少なくともこのような殺し合いに乗ることは絶対ないだろう。
さて、そこでなのだが――
自分は、才賀勝は「加藤鳴海」のことをしろがねに話した方がよいのだろうか?
メリットはある。しかしこの場合……とても大きなデメリットがある。
その説明の前にまず、この名簿の並び順は明らかにおかしいことを言おう。
五十音順でない。しかしただランダムに配置してあるだけかと言うとそうではない。
『葉隠覚悟』『葉隠散』――名字からいって、恐らくこの二人は親族であろう。
『範馬刃牙』『範馬勇次郎』――前に同じ。
『津村斗貴子』『蝶野攻爵』――件の少年が上げた人物。恐らくこの二人、知人であるはずだ。
『柊かがみ』『柊つかさ』――この二人も恐らく親族。
さて、そうすると……だ。この名簿の並び順はランダムでもない。五十音でもない。
ならばアルファベットかと言うと――それもない。
例えば始めから、『赤木しげる』、『市川』、『平山幸雄』……『A』『I』『H』という並びはおかしいからだ。
ならばどういう並び方かと言うと……おおよその検討はつく。
これはとあるグループ順で分けた五十音順だ。
『赤木しげる』から『鷲巣巌』までで『あ〜わ』そしてその次に『葉隠覚悟』がきている。
これが証拠であるし……そして何よりも、『加藤鳴海』『才賀エレオノール』『才賀勝』『白金』、自分達が一つのグループになっているのである。
恐らくこのグループは親しいもの……いや、フェイスレスのことを含めて考えると知人や、顔見知りである、といった方が正しいであろう。
そのことを考慮に入れて考えると、先ほどしろがねが出会った人物、その人物が「ブラボー」と呼んでいる人物は、『防人衛』『武藤カズキ』であるということがわかる。(どちらがどちらかはわからないが)
それと推論だが、このグループの人間はこの戦いに乗らない者が多いだろう。
さて、このことがわかったことはとても良いことなのだが――同時に、悪いことでもある。
『綾崎颯(ハヤテ)』。自分がとっさに選んでしまったこの名は自分達と遠く離れた場所にある。
このグループわけのことをしろがねに伝えれば、必然的に自分が綾崎颯(ハヤテ)じゃない、と伝えることになる。
そのことで自分が才賀勝であると理解して貰えば重畳だが、先ほどの様子からいって『才賀勝の名を語る何者か』ととられることも考えられる。
言うか、それとも言わないか、どちらがいいのだろうか?
結論は――
◇ ◆ ◇
「とりあえずは繁華街へ行き、それから中心部。そして病院へ向かう。どれも人が大勢集まる場所だ」
禁止エリアがマップの端の方に集中していたこと、また、マップにのっていない場所へ行くと首輪の爆発装置が作動すること、その二つからいって才賀勝がマップの端へ行く可能性が低いということを伝えると、しろがねは納得し、こう結論付けた。
それには勝も納得だった。
鳴海が怪我人を保護して病院へ向かうことも考えられるし、フェイスレスが弱者を殺しに病院へ向かうことも考えられる。
それに加え、勇次郎や拳王その他殺人者は人が大勢いるところに行く、と考えられる。
結局、どうしてもこの選択肢になるのだ。
結論付けたエレオノールがオリンピアを操る。
「行くぞ。綾崎」
結局、勝は名簿のことも、鳴海のことも言い出さなかった。
鳴海のことを伝えれば、綾崎颯の孤立を目立たせてしまうからだ。
そう、これがデメリット。ただ、デメリットというにはそれはあまりにも大きすぎた。
結果少年は自分のことを話さない、その方に賭けた。
「ああ、わかったよ」
そのまま指示通りエレオノールに従い、勝はオリンピアに乗りこむ。
果たしてこの判断が正しかったのかは――今は誰にも、わからない。
【C-2 路上/1日目 朝】
【偽りの共闘チーム】
[行動方針]
1:繁華街へ向かう
2:その後中心部へ向かう
3:上記二つが済み次第病院に向かう
【才賀勝@からくりサーカス】
[状態]:両足の脹脛に一つずつ切り傷。軽傷のため行動に支障なし。
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、書き込んだ名簿、携帯電話(電話帳機能にアミバの番号あり)
[思考・状況]
基本:殺し合いには乗らない
1:鳴海と合流する。
2:しろがねの誤解を解く。
3:乗っていない人を探して味方にする。
4:フェイスレスには最大限注意を払う。
5:みんなで脱出する。
[備考]
※参加者全員の顔と名前を覚えていますが、顔と名前は一致していません。
※参戦時期はギイ死亡後から
※エレオノールが自分より過去の時代から来たことに気づいていません。
※エレオノールには才賀勝の双子の兄だと嘘を吐いています。
※エレオノールには、自分の名前を綾崎颯(ハヤテ)と偽っています。
※名簿で〇印がついているのは、綾崎颯(ハヤテ)、才賀エレオノール、才賀勝、蝶野攻爵、津村斗貴子、範馬勇次郎、白金(フェイスレス指令)
※死亡者には横線が引いててあります
※名簿が知人のグループで分かれている、と考察しました
※才賀エレオノールには加藤鳴海のこと、名簿についての考察は話さないつもりです
※防人衛、武藤カズキのどちらかがブラボー、エレオノールの出会った少年と考えています
【才賀しろがね(エレオノール)@からくりサーカス】
[状態]:ピエロの衣装&メイク@からくりサーカス、ヴィルマの投げないナイフ@からくりサーカス(残り12本)、オリンピア@からくりサーカス、支給品一式
[道具]:青汁DX@武装錬金
[思考・状況]
基本:『本物の才賀勝』の安全を確保する
1:本物の才賀勝を優勝させるため皆殺し(殺し合いに乗っている人間を最優先)
2:強力な武器が欲しい。人形は手に入れたので他の武器。
3:花山、斗貴子、カズキに関しては襲うのは保留
4:100%勝を傷つけないと確信が持てた人間に関してのみ、殺すことを保留する。
5:偽物の才賀勝と共に行動する。
[備考]
※参戦時期は1巻。才賀勝と出会う前です。
※才賀勝の事を偽物と勘違いしています。
投下終了です。この勝、なんだかフェイスレスと同じことしかやってませんね
>>890 投下乙です!
吉良の行動にも矛盾はなく極めて自然にグループ分裂も出来て同じ書き手として見習いたいくらいです!
そして…美形はいつ目覚めるんでしょうねw
>>902 こちらも乙です!
まぁ確かに似ているような気もしますが同じ行動を取るキャラが居ても不自然ではないと思うし別に良いかと思いますよ。
両氏ともGJでした!
最近読み始めたものですーとりあえず感想ー
>>890 美形の放置っぷりに吹いたww
グループの纏め分散も上手いしGJ!
>>902 白金の記憶と技術をダウンロードしてるんだから、似たような思考になるのは当たり前な気がするし
全然問題はないかと、しかし…しろがねが凄くDQNに見えます…ナルミと会ったら凄い事になりそーだ…
ってナルミはサハラからだから、ホゥとは会ってないのか…
とりあえずGJ!
投下乙!
上手い具合にバラケさせてGJ
ところで修正、ルイズの状態表無くないか?
両氏GJ!
>>890 集団をまとめることなく無理なく分散させて上手いと思いました。
吉良の本格始動を期待します。
ルイズの状態表もお願いします。
>>902 勝の考察GJ!
フェイスレスと同じ結論になるのは仕方ないかと。
しろがねは……どうなるんでしょうねw
繁華街が混雑してきましたね。
とりあえず昨日の結論
・予約期限は五日。
・延長期限は最大三日。
・修正期間は修正宣言から最大三日。
・携帯はしばらく解禁。
と、いうことになりましたので、協力お願いします。
忘れてたので追加。
【F-4 病院2F 1日目 午前】
【ルイズ@ゼロの使い魔】
[状態]:右足に銃創 中程度の疲労 両手に軽度の痺れ 強い決意
[装備]:折れた軍刀
[道具]:支給品一式×3 超光戦士シャンゼリオン DVDBOX@ハヤテのごとく? キュルケの杖
[思考]
基本:スギムラの正義を継ぎ、多くの人を助け首謀者を倒す。
1:覚悟たちが首輪を持ち帰るまで待つ。
2:覚悟が戻ってきたら、スギムラを弔う
3:才人と合流
4:覚悟の怪我が治ったら覚悟とゲームセンターに行く
>>906 了解です!これで賑わってくれれば良いな。
書きたいがなーSSもまともにかいたことがないし破綻しそうなのでやめとこう…
バキとか未見だしな
書き手としたら、感想がほとんどつかない漫画ロワより、読み手が多く感想がたくさんつくであろうアニロワ2ndが魅力的に思えるな。
>>909 何事もやってみるべきだと思うよ。
あまりにも自信がなければ一時投下という手段もあるしね。
遅くなった。投下乙です!
勝はいつバレるか分からないから、スタンスが難しくなったか?
病院組み修正GJです。何気に各人のキャラががはっきりしてきましたね。あと美形w
これで皆出揃ったか…病院もバラけたし、繁華街もカオスだし、どうとでもできますね。
今更ながら修正乙
吉良始動がなくなったのは少し残念だが・・
二回目の見送りかよ……
>>910 あっちは補正がかかりすぎて書きづらいわ。
タバサ、服部平次の2人の予約を破棄します
申し訳ありません
了解です!残りのメンバーのSS期待してます。
>>914 まあ、才人のイベントが済んでからでないと、手が付けにくいよね。
三影英介
村雨良
範馬勇次郎
シェリス・アジャーニ
マーティン・ジグマール
キュルケ
タバサ
平賀才人
ルイズ
桐山和雄
杉村弘樹
三村信史
セラス・ヴィクトリア
アミバ
ラオウ
防人衛(ブラボー)
蝶野攻爵(パピヨン)
津村斗貴子
服部平次
泉こなた
高良みゆき
柊かがみ
柊つかさ
----
皆様の努力の甲斐があり、ついに参加者紹介も残すところ後これだけとなりました。
どなたか、紹介文を書いてくださる方募集です。なお、既に書かれているキャラの補完も大歓迎です。
最近wikiのキャラ紹介が充実してきましたもんね。
編集してくれた方々乙です!自分もいつかやってみようと思います。
それで自分が予約したカズキとナギのSSは今日中には投下出来るので少しでも気に留めてもらったら幸いです。
>>921 期待に沿える作品である事を祈ります。
それでは投下を開始します。
薄暗い地下鉄のホーム。このバトルロワイアルに用意されたため当然居るはずである駅員や乗客は居なくまた今は地下鉄も停車していない。そのことが地下鉄のホームの何ともいえない寂しさを一層引き立たせていた。
しかし今この場に居る銀成学園に通う高校生――武藤カズキの頭にある事はそんな事ではない。
「この臭い、それにこの散らばっている物は…まさか!? 」
この状況から想像できる物――死体を探すためにカズキは周囲を注意深く懸命に見渡し警戒を強める。
「カ、カズキ! これは一体どういう事なのだ!? 」
三千院家のお嬢様――三千院ナギが動揺を隠せずその小さな身体を動かし階段を駆け降り慌てながらカズキに向かって叫ぶ。
(間違いなく何処かに死体はあるはずだ!…待てよ。死体があるって事は当然危険な奴…殺人を犯した奴が居る可能性もある! それならナギにやってもらう事は一つだ! )
「ナギ! 急いで俺の後ろに来てくれ! 危険な奴が居るかもしれない! 」
先程までホモ疑惑でうろたえていた時とは似ても似つかない程真剣な表情でカズキは数メートル先に居る保護対象であるナギに指示を飛ばす。
カズキの指示を受けナギはいそいそと走りカズキの後方に到着する。
(ナギは絶対俺が守ってみせる! それにもしナギが怪我でもしたらハヤテに会わせる顔がない。誰かが悲しむのはもうたくさんだ! ここは俺が意地を見せるんだ! )
ナギが自分の後ろで震えているのを背中越しで感じ決意の炎を胸の中で燃やしまだ見ぬ危険人物に対抗するためカズキは左胸――核鉄が埋め込まれた箇所に手を当てる。
「武装錬…」
そこまで口にしたところでカズキの言葉は止まる。
なぜなら
「カ、カズキ。どうやらこの場には私達以外は居ないようだぞ。ほら、この探知機には私達2人以外は何も反応がない」
まだ動揺は残っているが幾分落ち着いた様子でナギがカズキにそう告げたからだ。
「え?」
「だから言っているだろう。この首輪探知機には私達以外には反応がないのだ」
思わず間抜けな声を上げたカズキに対してナギはそう言いながらカズキに探知機を見せ自分の言葉の正当性を証明する。
確かにナギの言う通り探知機には二つの光点しか存在していない。
その事がカズキの緊張を和らいでいった。
当方に支援の用意あり!
「そっか……それなら良かったよ。無駄な戦いもしなくてすむしね。」
「全く慌てすぎだぞカズキ! もっとこう私の様にドーンと構えていれば良いのだ! 」
「ハハハ、ごめん」
「あー何だその子供をあやすような目は!? べ、別に私は慌ててなんかいなかったからな! 本当だぞ! 」
必死に自分の今までの行動を弁解するナギを見てカズキは何か心が癒されるような気持ちになり自然とカズキの表情に笑みが浮かんでくる。
(ハヤテはナギの執事をしてるって言ってたけど苦労してるんだろうなぁ……って今はこんな和んでいる時じゃない。死体を探さないと)
そう思いカズキは新たに自分の胸をポコポコと叩くことを始め未だに必死の弁解を続けるナギの小さな両肩に手を置く。
(え? な、何をする気だこいつは? というかこいつはホモではないのか? そ、そんなに顔を近付けるな! 私にはハヤテが居るんだぞ!)
カズキ側からしたら只暴れるナギに落ち着いて自分の話しを聞いてもらいたいだけの行動であった。
しかしナギにとってはカズキの突然の予想外の行動に対応できず頬を赤く染めながら池から顔を出した金魚の様に口をパクパクすることしか出来なかった。
「ナギ、今はこんな事をしている場合じゃない! 」
(あ、当たり前だろう! そんな事私にもわかっているに決まっている! お、お前は男が好きなのか女が好きなのかハッキリしろ!)
「一刻も早くこの血の持ち主を探さないと。死体を……いやもしかしたら怪我をしてるだけかもしれない。手遅れにならない内に探そう! 」
(わ、私にはハヤテが居るからおまえの様な変態は眼中にないのだ!……え? 血? 何の話をしているんだこいつは? )
ようやく自分とカズキの間にある違和感を感じ取りナギはその疑問をカズキにぶつけようとするがすでにカズキはナギから手を離し血の臭いのする方向へと歩を歩ませていた。
「おーいどうしたの? 置いてっちゃうよ? 」
「わ、わかっている! 私をこんな所に置いていくのは許されないことだぞ! 」
ナギに向かって笑いながら言葉を発するカズキに対してナギは慌てて返答しながら駆け足でカズキの元へ駆けて行く。
(全く……真剣な顔になったら目を離すと次の瞬間には笑顔になっている。騒がしい奴だ。
もっと私の様に冷静になれば良いものを。真剣な顔はハヤテやジョジョに劣らないくらいカッコいいのに……い、いや私はハヤテ一筋なのだ!
こんな考えは尻軽女のする考えだ! それにカズキはホモだしハヤテにも鼻を伸ばしていたからどっちかって言うと私のライバルでないか!? お、おのれ!カズキめぇ〜。)
歪んだ情報を元にカズキの決意の炎に負けないくらいの闘志を燃やしながらナギは両の拳を握りカズキの方へ歩いていく。
そしてカズキの元へ辿り着くと……
「おい、カズキ」
「ん? どうしたのナギ? 」
ナギの言葉を受けカズキは何事か?と思い立ち止まりナギの方へ振り向き用件を待つ。
(この余裕の表情……私とハヤテを取り合って勝つという自信から生まれてくるのだな! )
と見事に勘違いをしナギは勝手にカズキへの対抗心の炎を燃やしていく。
そしてその炎が限界まで燃え上がった瞬間ナギはカズキに対して指を差し『宣戦布告』を行った。
「カズキ! この三千院ナギには夢がある! ハヤテと結ばれるという夢が! それをお前に邪魔されるわけにはいかない! 」
恐ろしく真剣な表情でナギは演説を始める。
その堂々とした口調には気品があふれていたが対照的にカズキはえ? 何で俺の名前が?とでも言いたそうな驚愕の表情であまりの事態に口を半開きのままナギを見つめる。
「だから私はお前に容赦はしない! ホモのお前とハヤテを取り合わないといけないのは心外だが世の中にはお前の様な変わった趣味を持つ奴が居るのも事実だ! だからお前のその性癖に関しては文句は言わない。私とお前はライバルだ!!! 」
ナギの言葉が終わると一瞬カズキの脳は考える事を止めた。
一体ナギは何の事を言ってるんだ? ライバル? 何の? ホモって……誰の事?
段々と覚醒していくカズキの脳が必死に情報を伝達し状況の整理に尽力する。
そして一つの答えをカズキの脳が弾き出す。
それは……『自分はホモの疑いをかけられ目の前に居る少女――綾崎ハヤテを想う三千院ナギに恋のライバルだと認識されている。さぁどうする武藤カズキ? 男らしく君は闘うのかね? 綾崎ハヤテを賭けて!』というものだった。
武藤カズキは考える。
勿論自分の脳の問いかけに対してだ。
(ま、まさかナギはハヤテの女装の事で俺がホモだって勘違いしてるのか!? や、やばいぞ! もしこんな事が斗貴子さんの耳に入ったら……修羅場だ)
ゴクリと唾を飲み込みそこまで考えカズキは今自分が直ちにしなければならない事に気付いた。それは……
「ち、違う! 俺は男には興味なんてない! 実はハヤテの女装の事は……」
目の前の少女三千院ナギに自分の潔白、先程の苦し紛れのうそについての弁解をする事にした。
◇ ◆ ◇
ランタンを持ちカズキとナギは線路の横を歩いている。
勿論血の正体を確かめるためである。もしかすれば死体とご対面するかもしれない状況ではあるが何故かナギの表情は重いものではない。
(ここは少し暗いな……でもカズキがホモでなくて本当に良かった!
これ以上ライバルを増やされてはたまったものではないからな。それにしても……カズキの恋人という『斗貴子』とやらには会ってみたいものだな)
周りの暗さに少し嫌そうな表情でありながらもナギはカズキの恋人であるという斗貴子に興味を持ちながらカズキの前を歩いていく。
ナギは暗い場所はとても苦手ではあるが二人分のランタンの光もあり同行者であるカズキの存在、そして自分のライバルが減ったという満足感でいつも程嫌そうではなかった。
そしてカズキは神妙な表情でナギの後ろを重い足取りで付いていく。
(どうしよう……思わず恋人と言っちゃったけど。い、いや俺と斗貴子さんはキスもしたし立派な恋人のはずだ! でも斗貴子さん何て言うかなぁ……?)
一抹の不安を抱えながらもカズキは更に歩を歩めていく。
そんな時ナギがふと思い出したかのようにカズキに話を振る。
「そう言えばさっき武装錬……と言いかけてたけどカズキも核鉄を持っているのか? 」
「ああ、持っているというよりも入っているって言った方が正しいけどね」
そう答えてカズキは何故自分が核鉄を心臓の代わりにした事をナギに話し始める。
カズキにとってナギはもう立派な仲間であり隠す事はないという判断からの行動だった。
「……まるで漫画のような出来事だな」
「ハハ、確かに俺もしばらくは夢かと思ったからね」
信じられないと言っているかのような表情をしているナギに対してカズキは笑って答える。
無理もない、核鉄やホムンクルスの存在を訊いて素直に納得出来る方が常識から外れているだろう。そして更にナギは質問を続ける。
「ところでパピヨンとはどういう関係なのだ? 『友達』か? 」
「ああ……少なくとも俺はそう思ってるよ」
少し間を置いてカズキはナギに答える。
(でも蝶野は怒るかもしれないなぁ……)
そう心の中で付け足して。
しばらく歩いていくと二人は見つけてしまった。胸に八つの傷を持ち血を抜かれしぼりかすのようになった男の胴体が線路にゴミのように無残に転がっているのを。
「カ、カズキ……これってまさか……? 」
「ナギ! 見ちゃいけない! 俺が調べる! 」
周りが薄暗いせいもあり一見すれば人間の胴体かどうかはわからなかったかもしれない。
しかし不運な事にナギの脳裏にはもしかして人間の胴体か?という考えが浮かんでしまった。一度脳裏に浮かんだことはなかなか忘れにくいものが人間でありそれが衝撃的なことであるなら尚更な事である。
カズキはナギを気遣いその胴体を見せないように後ろを向かせ駆け寄る。
「こ、これは……」
ホムンクルス、錬金戦団、ヴィクターとの激闘を戦い抜いてきたカズキでさえも見たこともないほど凄惨な状況であった。
頭、両腕、両足は切断され文字通り達磨の状態となった死体。
そして胸の八つの傷や着ている服、体格、から考えて津村斗貴子やキャプテン・ブラボーではないと断定しカズキは安心……しなかった。
(何だこの胴体、まるで血が抜かれたように干からびている……それに首輪をしていない! 確かあの老人は首輪に衝撃を与えたら爆発すると言ってたけど……まさか線路に置き去りにして地下鉄に轢かせたっていうのか!? そんな事をする奴が本当に居るのか……)
そんな奴は居ないと必死で否定したい感情はあるが以前出会ったフェイスレスと名も知らない道化師の事を思い出しフェイスレスとの会話がカズキの脳裏を駆け巡る。
『でも、フェイスレス、お前は人を殺すんだろ……だから、約束しろ人は殺さないって』
『それはできないよ〜ん。僕には『夢』があるからね。それに君は僕を殺せない』
(いや、フェイスレスがやったとは限らないさ……でもあの人ならやりかねない。
もしフェイスレスがやったなら……俺のせいでこの人は殺されたんだ。)
カズキは物を言わぬ無残に転がっている胴体がどこか自分を恨めしそうに訴えているような気がしてならなかった。
この胴体の持ち主――ジャギは決して善人ではなくむしろ因果応報とも言える結果であるが人一倍正義感が強いカズキには知る由もなく只『自分がフェイスレスや道化師を止めらなかったせいで人が死んだ可能性がある』というあまりにも重過ぎる事実がのしかかっている。
「どうしたカズキ……? 何かあったのか? 」
先程からずっと黙っていたカズキを不審に思いナギは背中を向けながらカズキに声をかける。ナギも大体の状況はわかっているのだろう。身体を震わせながらカズキの返答を待っている。
「……ホームへ戻ろう。いつ地下鉄が来てもおかしくないしね」
無残に横たわる胴体に向かって手を合わせ黙祷を捧げ、カズキは極めて平然を装う事に努めナギの方へ振り返りホームへ帰る事を提案しナギの前を先導する。。
「カ、カズ……」
ナギは更に言葉を続けようとするがそれは叶わない。
すれ違った時に見えたカズキのあまりにも痛々しく重苦しい表情を見てナギの小さな唇はそれ以上動く事は出来なかった。
◇ ◆ ◇
今カズキとナギはS−5駅から地上に出てS−5駅周辺の大地に立っている。
カズキの外で新鮮な空気でも吸わないか?という提案を受けナギも別に断る理由もなかったからである。
二人はホームから地上へ出るとき偶然にも中身が入っていない空のデイパックを見つけた。
あの胴体の持ち主を殺した人物が持ち去ったのかそれともたまたま関係ない人物が持ち去ったのだろう。一応何かに使えるかと思い今はカズキが担いでいる。
「ふぅ……やはり外の空気はおいしいものだなカズキ」
先程からあまり喋らないカズキを気遣いナギは言葉を発する。
(全く……先程の事でショックを受けているのか? そりゃあ私も驚いたけど……でもカズキは悪い奴でないのだ。ここは私が元気付けてやらないとな)
ジャギの胴体を一瞬しか見なかった事が幸いしてナギのショックはそれほど大きいものではなかった。何か気が利いた言葉を掛けようとするがナギは唇を動かすことをやめる。
何故ならおもむろにカズキがデイパックを地面に降ろし、左胸に手を当てたからである。
カズキ。何を……?」
「武装錬金!!!」
「えっ!?」
疑問の表情でこちらを見るナギを尻目にカズキは己の闘争本能を具現化した自分だけの武器――サンライトハートを右手に持ち、そのサンライトハートを大空に掲げカズキは心の中でフェイスレスの言葉を思い出す。
『そんなにも、僕を止めたいなら、僕を殺すしかない。でも、君は僕を殺すことはできない。 君は背を向け、戦意をなくした相手に刃を向けるほど強くない』
(確かに俺は背中を向けた相手を倒す程戦士として強くない……けど! フェイスレス、もしあんたがあの胴体の持ち主を殺したのならば俺はあんたを許さない! )
そしてカズキは叫ぶ。自分の思いをサンライトハートに乗せて。
「エネルギー全開ッッッ!!! 」
内蔵されたエネルギーを爆発させる事によりサンライトハートの刀身を大空に向かってどこまでも伸ばす、伸ばす、伸ばす。
(俺が迷っている間に拾える命が消されていくのなら……俺がやる事は決まってる! )
放出されたエネルギーの粒子がカズキの周りに降りかかり、そして大空に顔を出している太陽の光を受け何とも言えない幻想的な輝きを放つ。
その輝きにナギは心を奪われ一瞬思考が停止するがすぐにナギの思考は再始動する。
「な、何をやっているのだカズキ!? こんな目立つ事をして危険な奴が襲って来たらどうするのだ!? 」
この場合ナギの言い分はもっともだろう。サンライトハートを上方に伸ばすなど危険人物に自分たちの居場所を教えているようなものだ。
だがカズキは何も答えない。彼にも当然自分の行動のリスクはわかっているだろう。
しかし……
(俺はもう迷わない……殺し合いに乗った人物がもし目の前に現れるのなら俺の全てを賭けて絶対に止めてみせる! たとえ俺の体がどうなってもそれで拾える命が拾えるのなら俺は……それだけでいい! )
地下鉄の線路で感じた怒り、悲しみ、憤りを糧にした炎のように燃える誓い――『真っ赤な誓い』がカズキの心にまるでマグマの様に沸き立っていた。
【B−3 駅周辺 一日目 午前】
【武藤カズキ@武装錬金】
[状態]健康
[装備]サンライトハート@武装錬金
[道具]支給品一式 水分4/5 音響手榴弾・催涙手榴弾・黄燐手榴弾
[思考・状況]
基本:みんなを守ってみせる
1:ハヤテたちが来るまでナギを守る
2:道化師の正体が気になるけど……
3:フェイスレスの約束を守る
4:勝君とエレオノールに会ってみたい
[備考]
※迷いはなくなりました。殺人を犯す可能性がある人物に対して容赦はしません。
※ナギからのホモ疑惑は解消されました。
※周囲3エリアからサンライトハートが上空に向かって放出されたのが確認できます。
【B−3 駅周辺 一日目 午前】
【三千院ナギ@ハヤテのごとく】
[状態]健康
[装備]首輪探知機@漫画版バトルロワイアル
[道具]支給品一式、不明支給品0〜2(本人は確認済。核鉄の可能性は低い)
[思考・状況]
基本:殺し合いはしない
1:カズキと一緒にハヤテとジョジョを待つ
2:ハヤテ、マリア、ヒナギク、ジョセフと合流する
参戦時期:原作6巻終了後
投下終了しました。
5Vsthta6氏、h/9ScKJA氏どうも支援有難うございます。
自分では前半に少しギャグを混ぜたつもりなので少しでも笑っていただけたら幸いですw
投下乙。カズキ覚醒イベントktkr!
疑惑も解消されて期待がかかるキャラになりましたね。
ギャグもかなり面白かったですよ、ナギはいい和みキャラですね。
GJでした
カズキの真っ直ぐな正義感には好感が持てるね
こういうキャラには頑張ってほしいなぁ…けどステルスとかに弱そうかも…
しかしカズキとナギはなかなか良いコンビかもしれない
GJ!
ある意味拡声フラグ?
カズキの活躍に期待できる話でした!
サンライトハートをやばい位置で使ったかなと思ったけど、回りで見そうなのはフェイスレスと赤木鳴海コンビ、しろがね勝コンビくらいかな?
もしかしたらからくりサーカス勢が全員揃うってことか。
それぞれの認識のずれで面倒な状況になりそうだよな。
最後の台詞にスカイライダーの台詞が混じってるのに気付いてニヤニヤしてる俺参上。
カズキ格好いいよカズキ。でもナギいるのにそんな危ないするなよwまた守れなくなるぞw
【禁止事項】
・一度死亡が確定したキャラの復活
・大勢の参加者の動きを制限し過ぎる行動を取らせる
程度によっては雑談スレで審議の対象。
・時間軸を遡った話の投下
例えば話と話の間にキャラの位置等の状態が突然変わっている。
この矛盾を解決する為に、他人に辻褄合わせとして空白時間の描写を依頼するのは禁止。
こうした時間軸等の矛盾が発生しないよう初めから注意する。
・話の丸投げ
後から修正する事を念頭に置き、はじめから適当な話の骨子だけを投下する事等。
特別な事情があった場合を除き、悪質な場合は審議の後破棄。
【予約に関してのルール】
・したらばの予約スレにてトリップ付で予約を行います
・初トリップでの予約作品の投下の場合は予約必須(5日)
ただし、予約せずに投下できなら、別に初トリでもかまわない
・予約時間延長(最大3日)を申請する場合はその旨を雑談スレで報告
・申請する権利を持つのは「過去に3作以上の作品が”採用された”」書き手
【MAP】
http://www32.atwiki.jp/comicroyale/pages/34.html http://www32.atwiki.jp/comicroyale/pages/90.html (登場人物の位置あり)
皆さん感想どうも有難うございます!
やはりスカイライダーの台詞はバレましたかw
スカイライダーはSPIRITSで一番好きなのでどこかで使いたいなぁと思いまして。
それで後で見返してみた所色々と誤字、脱字やカズキが空のデイバックを持っているのに表記されていないなどミスがありましたのでwikiに収録されしだい修正したいと思います。
失礼しました。
>>946 でも首輪探知機持ってるからな
カズキが「男なら真正面から!」とか言い出さなきゃ危険度は高くないな
投下乙!
さあて色々とややこしくなってきましたよ、特にからくり関係が。
……俺も読むか。
そして新スレが立っているようですが、まずはスレ立て乙。
次の投下のときはどうするべきか。あと一作くらいは間に合うか?
え?スレ立ってるの?
今まで知らなかった…。
ホ、ホントだ。スレ立て乙です。
支援とかの分も含めるとちょっと厳しくない?
もう雑談とかで埋めても良いんじゃないかと。
雑談ねー?とりあえず話題頼む
とりあえず今のマーダーをまとめるかな
今は
DIO
アーカード
村雨
散サマ
勇次郎
ラオウ
であってたんだっけ
フェイスレスもそうじゃね?あと操られマーダーだけど刃牙も
吉良はステルスとも取れるけど動いてないし動けないかもだな
寝てるけど美形もステルスマーダーだな
そんなとこかな?かがみんは下手するとマーダー化の可能性あるが
シェリス…はまだ分からないか。
シェリスってどんくらい強いのかわかんねーんだよなー
身体能力はかなり高いっぽいけど
アルターは原作にあんまり描写がないから、強さはどうとでもできる。
吸収ってどうなんるんだろ? 能力盗むってことかな?
>>963 エターナル・デボーテは漫画版ならアルター能力の増幅。
逆利用はアルター能力の吸収だから、触れることができたらアルター能力を無効化できるってことじゃないかな?
>>964 でも、アルターを通じて合体して瀕死の劉鳳助けてるからそこも逆利用すると……どうなるんだろ。
ここはオリ設定が光るポイントだね。バランス崩壊は困るけど。
TT(ビバ・ノウレッジの人)に操られてるときに、絶影をどうにかしてた
>>960 どんなに上手くいっても奉仕マーダー!
下手すりゃるるるのルイズみたく発狂マーダー!
どっち道マーダーだっつーの!!
ハヤテはナギが死ねば間違いなく奉仕マーダーだな
かがみもつかさかこなたがやられたら奉仕になるかも
かがみんはみwikiさんが死んでるので既に危険かも?
まぁ・・・みwikiさんはハブって説もあるので妹居る限り大丈夫か?
第二放送迄が勝負だと思うな>かがみん
おそらくつかさ、こなたのどちらかの合流できればセーフライン。
会わずに放送突入か、戦闘一度でもあれば危ないかな、って思ってる。
ハヤテはナギ、マリア、ヒナギクのうち誰かが生きている限りは安全だろう。
…いや、ナギとマリアが死んだ時点でマーダーで、
ヒナギクに説得できる可能性が残る、くらいか。
ハヤテって戦闘になったら書きにくそうだよね。
どこまでギャグ漫画補正をかけて良いんだろうか?
今更思ったんですが……このバトロワ、勝者の願いを叶えるって言いましたっけ?
>>973 言ってないです。……まさかアクシデント発生?
今読み直してきたけど言ってないねぇ…次の放送あたりにでも言わせる?
もしかしてSSの展開に不都合が出るとかですか?
支障という程のものはありませんが、ただ、優勝賞品無かったら奉仕マーダー作れないなぁ……と思った次第です
とりあえず優勝者は元の世界に戻れるってのはあるとおも
ハヤテはナギとマリア(またはナギ単体)死んだ時点で元の世界に帰っても借金返す手がなくなって路頭に迷う&主人守れなかったから自棄起こすか、
せめて自分以外の知人を元の世界に戻すためにマーダーになりそうだな。
で、自分はナギが死んだその地に骨を埋めると
最後に実はおまいら参加者は能力や記憶を含めたコピーだったんだよ!、みたいな展開になったりして。
>>979 それ何て第2回第3回三国ロワ?いや、あれはクローンだったが
記憶DISCという都合のいいものが
>元の世界に帰っても借金返す手がなくなって路頭に迷う
ナギが死んでも返さなきゃいかんのか……大変だなハヤテきゅん
>>970 前スレあたりでも言ったが、現在は同行者が同行者だから再会しても悶着があるぜ?
下手すりゃ……
今の精神が不安定な状態のかがみんの支えになれれば
簡単に相手に惚れると考えてた時期があったな
でも一般人ならホワイトアルバムのDISCが無いと
焼死でアボンしそうだが
>>982 ナギに返す借金なんだから、ナギが死んだら大丈夫なんじゃないのか?
>>985 全員サーフィス(うわっつら)のスタンドなんじゃね?
う め な い か
だが、断る!
ふるえるぞハート!埋めつくすほどダスト!
ume
,j;;;;;j,. ---一、 ` ―--‐、_ l;;;;;;
{;;;;;;ゝ T辷iフ i f'辷jァ !i;;;;; 俺はずっと脱出派のスタンスでいられる・・・
ヾ;;;ハ ノ .::!lリ;;r゙
`Z;i 〈.,_..,. ノ;;;;;;;;> そんなふうに考えていた時期が
,;ぇハ、 、_,.ー-、_',. ,f゙: Y;;f. 俺にもありました
~''戈ヽ `二´ r'´:::. `!
埋めようか
やーはー埋めるぜ
996 :
Classical名無しさん:07/08/31 06:55 ID:0gRXhfl6
埋めー
さあ、埋めるざますよ!
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1001:
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