バトルロワイアルパロディ企画スレ交流雑談所83

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642Classical名無しさん
「このスレは、好きですか」
「え…?」

「わたしはとってもとっても好きです。
でも、なにもかも…変わらずにはいられないです。
楽しいこととか、うれしいこととか、ぜんぶ。
…ぜんぶ、変わらずにはいられないです」

「それでも、交流所が好きでいられますか」
「見つければいいだけだろ」
「えっ…?」
驚いて、俺の顔を見る。

「次の楽しいしたらばとか、うれしいしたらばを見つければいいだけだろ。
あんたの楽しいしたらばや、うれしいしたらばはひとつだけなのか? 違うだろ」

そう。何も知らなかった無垢な頃。誰にでもある。
「ほら、いこうぜ」

俺たちは上り始める。
長い、長い、坂道を
643Classical名無しさん:07/07/12 23:12 ID:sAVl.yq2
聖杯戦争が終結して数週間。
士郎と凛の二人は学校への通学路を歩く。

「それでさ、昨日…」
「へえ、そうなんだ」
他愛が無い学生の話に華を咲かせている。
魔術師といえども、やっぱり高校生。
聖杯戦争がきっかけで、二人は少しだけ友達だ。

だが突然、世界が闇に包まれる。
いや、二人を闇が包んだのだ。

「なんだ、一体?」
「魔法?それとも…?」
二人とも突然の事態に驚く。
そして、凛が何とかこの事態を打開しようと、魔法を唱えようとする。
だが魔法を唱え終えるより早く、闇は消え、新たな景色が見える。

644Classical名無しさん:07/07/12 23:12 ID:sAVl.yq2
「セイバー」
士郎は、目の前にいるセイバーに驚く。
あの日、確かに消えたはずのセイバーが…目の前に居た。
「士郎?どうしてあなたが」
セイバーも驚く。
士郎が目の前に現れたのだ。無理も無い。

「どういうことだ凛、知っているのか!?」
セイバーの隣に居たアーチャーが凛に訊ねる。
「アーチャー!?…いえ、私も知らないわ。どういう事かしら」
凛もアーチャーに驚く。
そして良く見たら聖杯戦争の参加者が、ほとんど全員揃っていた。
「…そんな、どうして…?」
凛は少し混乱する。
終わったはずの聖杯戦争。なのにどうしてサーヴァントが勢揃いしているのだろう。
おかしい。おかしすぎる。

そして数分、部屋の中央から、いきなり聞き覚えがある声が響く。
「やあ諸君、ついに役者は揃った。始めよう、新たなる聖杯戦争を」
その声は先日の聖杯戦争の主催者にて黒幕、言峰綺礼だった。
645Classical名無しさん:07/07/12 23:13 ID:sAVl.yq2
「言峰!?お前死んだはず」
士郎は驚きの声を出す。
自らの手で、殺した男が生きている。
そのことが士郎に強い衝撃を与えた。

「衛宮士郎、遠坂凛。お前達、私が生きているのがそんなに不思議か」
言峰が話し出す。生きている真相を。

「私はあの時確かに死んだ。だが、聖杯への強い執念が私を生き返らせたのだ。新たな力はサーヴァントを全て召還する力、
そして時空を超える力を手に入れたのだ。お前達も回りを見ろ。見覚えが無い人間が多数いるはずだ。それはすべて異世界の人間だ」
言峰の声に士郎と凛、そして他の参加者も周りを見渡す。

「分かっただろう。ではルールの説明に入ろう。先の聖杯戦争のようなマスターとサーヴァントの関係など不要、自分以外の全ての生命体を殺せ。
最期の一人には、特別に聖杯の恩恵を少しだけ与える。願いは何でも叶うはずだ。では始めろ」

「待ちやがれ、貴様。またしても俺を愚弄するつもりか」
言峰に強い殺意の目をして、ランサーが立ち上がる。
「貴様…か。サーヴァントは無意味に削りたくないのだが。どうしても逆らうつもりか」
言峰は軽く流すように、ランサーを見つめた。
「ふざけるなっ!」
ランサーはその言葉に、更に怒りを強める。
646Classical名無しさん:07/07/12 23:13 ID:sAVl.yq2
「そうか。じゃあこれを見せよう」
言峰はそういうとランサーの隣の眼鏡をかけたカメラマン風の男に手をかざす。
「何だ、僕に何を…」
カメラマンの男は最期まで話す途中で声が途切れた。
首から上が消失したのだ。

「富竹さんっ!」
「富竹!?」
彼の近くに居た少年や少女が富竹と呼ぶ人物は、死んだ。

「…ちっ」
ランサーは舌打ちをする。
一瞬で首を爆破。今飛び込むのは自殺行為とランサーは一瞬で悟った。

「物分りが良くて助かる。ルールだが至って簡単だ。私が用意した場所で殺しあう。言っておくが24時間死人が出なければ全員に死が訪れる。
それ以外は特に縛りなど無い、不意打ちも自由だ。ではさっさとバッグを受け取れ。全員が手に取った瞬間、聖杯戦争の場にワープする。
ワープした瞬間、それが聖杯戦争のスタートとなる」
言峰は淡々とルールを説明し終える。
覚悟を決めた参加者は静かにバッグを受け取っていく。

こうして例年にはない。
史上最悪の聖杯戦争の幕が切って落とされた。