822 :
身近に…:
「時に、拳児君。君は塚本君とうまくいくと思うのかい?」
「て、天満ちゃんのことは諦めてねぇぞ。だいたい、何だよ絃子?」
刑部邸での会話であった。
「さんを付けろ。それに、よく考えてみろ。君は、塚本八雲君と付き合ってるんだぞ。」
「だから、あれは誤解だって言ってんだろ。」
「少なくとも、周りはそう、思ってるぞ。それに、鈍感な塚本君では、
なおさら誤解など解けないのではないかい?」
「いや、俺の本当の気持ちを、天満ちゃんに伝えて誤解を解いてみるぜ!」
「仮に、そんなこと、してみたまえ。鈍感で妹思いの塚本君のことだ。
君に告白されたら、妹を弄ばれたと思って君は嫌われるぞ。それに、妹の
彼氏と付き合いたいと思うかい?」