今日は矢神高校文化祭の振り替え休日であった。
「姉さん、行ってくるから。」
一人の少女が靴を履き、玄関を出ようとする。
「そっか今日、播磨君とデートなんだ。頑張ってね八雲。」
八雲の姉、天満が旗を振りながら言った。
「姉さん、だから…それは、違…」
「そんなこと言ってると、播磨君が誰かにとられちゃうぞ。」
天満が八雲の背中を押し、玄関から見送る。
「しっかりね、八雲。」
「あ、お昼ご飯は、冷蔵庫にあるから。」
そんな会話をして、八雲は外へ出た。
今日は、播磨との漫画の打ち合わせだったのだ。
学校が休みであり、気晴らしに公園でということになっていた。